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日本の大学受験ガイド
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293387
2026-07-09T10:40:29Z
AkiR27User
90873
/* 中部地方の国立大 */ *[[福井県立大対策]]追加
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wikitext
text/x-wiki
{{Pathnav|メインページ|小学校・中学校・高等学校の学習|受験ガイド|大学受験ガイド|frame=1}}
本校では主に大学入試の入試制度の説明や、各大学別の入試傾向などの説明へのリンクを置く。勉強法や進路の検討などについては別記事 [[日本の大学受験ガイド/総論]] で扱うこととする。
== 本項記載における注意事項 ==
本項記載においては、以下の点に留意し記載されるようお願いします。これに反する記載については除去されることがありますのでご注意ください。
*日本の大学受験ガイドの個別大学受験対策においては、各大学の受験に関するガイドについて記述します。各大学の特色等学校案内や学校紹介については、受験対策と直接の関係があることを除いては、ここには記載しないようにし、適宜、wikipedia他へのリンクなどで対応してください。
*記載においては、客観的・検証可能な内容を記述するよう努め、特に以下の表現は原則として使用しないよう、配慮してください。
**'''「名門」「重鎮」「難関」「優秀」「逸材を輩出」「……期待を集める」「……とされている」「……といわれている」「……と称されている」「有名大学」「難易度が高い」'''
**ただし、「[[w:代々木ゼミナール|代々木ゼミナール]]・[[w:河合塾|河合塾]]・[[w:駿台予備校|駿台予備校]]などの大学受験[[w:予備校|予備校]]では難関校という評価をされていることがある」のように具体的な「どこでいわれるか」ということを明記すれば掲載可能です。ただし、そのような論評の存在について、引用やURLを示すなど、実在性について担保してください。さらに、その際においては、著作権等の権利関係について十分な配慮をするようにお願いします。
**ある特定大学のページで入試問題で他大学の入試問題にも似た傾向の問題が有るのでやっておくことが好ましい(例:「〇〇大対策」のページで「△△大や□□大にも似た傾向の問題が有るので、こちらの大学もやっておくことが好ましい」etc)等の表記が有るが、似たような問題や似た傾向の問題は沢山ある。こういったことを書くとキリがないし、特定大学対策のページを作る意味そのものが失われてしまう。記載はその大学に特化した内容やネタだけとして頂くよう、お願い致します(「〇〇大対策」のページでは専ら〇〇大の対策の話、「△△大対策」のページでは専ら△△大の対策の話)。他大学の似たような問題や似た傾向の問題があることを知っていても、あくまでそれは他大学のことなので、触れる必要は有りません。
*'''「○○大学と同レベルである」「○○大学とランクは変わらない」などと言った他の大学と対比させる表現は、大学同士が認めている姉妹校関係や大学が公式に認めている共通している内容を除いて掲載しないようにしてください。'''
本章は [[{{ns:project}}:談話室]] における <span class="plainlinks" title="Wikibooks:談話室#個別大学入試対策の記述内容について">[{{fullurl:{{NAMESPACE}}:{{BASEPAGENAME}}|oldid=48427}}#{{anchorencode:個別大学入試対策の記述内容について}} 2009年6月20日 (土) 16:33 (UTC) 版]</span>までの議論にて合意された事項です。合意なき除去改変を禁じます。
== 受験のシステム ==
===国公立大学の一般入試===
[[w:国公立大学|国公立大学]]の一般入試では原則的に[[w:共通テスト|共通テスト]]の受験を必須とするとともに、多くの[[w:学部|学部]]([[w:学科 (学校)|学科]])において個別学力検査(いわゆる'''二次試験'''。共テと対比される形でよく用いられる語である)が実施され、それぞれの結果を総合して合格者が決定される。
ただし、一部の国立大学や[[w:医学部|医学部]]医学科において、共通テストの成績が一定の基準に満たない志願者を不合格とする'''二段階選抜'''が行われることがある(いわゆる'''足切り'''・'''門前払い''')。ここで不合格になると、不戦敗の形で出願先の大学受験が終了することとなる(受験料は一部返還される)。志願者数があらかじめ決められた倍率を超えた場合に実施する大学や、事前に最低点(具体値や志願者平均点に対する割合)を定めている大学などがあるが、二段階選抜が実施された場合、共テの成績が基準を満たした志願者のみが第二段階となる二次試験を受験することができる。
[[w:国立大学|国立大学]]の共通テストは、原則として5[[w:教科|教科]]7[[w:科目|科目]](理系は英語・数学(1)(2)・国語・理科×2・地歴公民×1、文系は英語・数学(1)(2)・国語・理科×1・地歴公民×2)を課すことで広範囲にわたる学力をテストすることが一般的であり、'''オールラウンドな学力が要求されている。'''このため、入学定員の大半を選抜するための入試形態(後に述べる分離・分割方式の前期日程)においては、ほとんどの国立大学が5教科7科目を課す選抜方式を採っている。加えて、入学定員の極少数を選抜するための入試形態(後に述べる分離・分割方式の後期日程)において、例外的に課す教科数を4教科以下にまで減少させる選抜方式を併設することによって受験生を異なる尺度で選抜し入学者の多様性を保っている国立大学が多く見られる。
[[w:公立大学|公立大学]]の共通テストも基本的には国立大学に準じている。ただし、国立大学に比べると課す教科数を減少させて4教科以下を課すことを原則とする大学が比較的多く見られる。その為、国立大学受験生よりは、試験科目が少ない分負担が少ないことが多い。
国公立大学の二次試験は一般的に'''分離・分割方式'''と呼ばれる制度で実施される。すなわち、同じ大学での二次試験を'''前期日程'''と'''後期日程'''に「分離」し、同じ学部(学科)の定員をそれぞれの日程で「分割」する方式である。前期日程では2~3教科、後期日程では1~2教科の学科試験を課すのが主流であるほか、特に後期日程で[[w:論文#小論文|小論文]]や[[w:面接|面接]]などを課す大学も多い。また、公立大学の一部の学部(学科)では'''中期日程'''という形で二次試験を行うところもある。したがって、この中期日程を含めれば、前期・中期・後期と国公立大学を'''最大3校3学部'''受験できることになる。また、学科試験は記述式の設問が中心であることが特徴である。つまり、答のみを解答する共通テストや私立大学のマークセンス試験と異なり、単に答のみでなく、その答に至るまでの正確な過程や考察も求める問題が非常に多く、'''より高度な学力が要求されている'''とも言える。
なお、同じ日程で複数の国公立大学を受験することはできない。さらに、前期日程で合格し入学手続きを行うと、中期・後期日程の大学には二次試験を受けても合格対象から外される。定員配分も多くの大学において前期日程に圧倒的に多く配分しているため、制度上複数回受験することができるものの、後期日程は二次募集的な意味合いが強いと言えるだろう。
ただし国際教養大学と新潟県立大学においては独自に日程を用意している。他大学とも併願が可能なため、これらの大学を受けるとすれば、最大6回受験することができることになる。
後期日程の合格発表後、定員を満たせなかった学部(学科)では3月末~4月初旬にかけて、追加募集として特別入試を実施する場合がある。
大学によって、受験時に目的の[[w:学部|学部]](学科)を選択する場合と、受験時は類を選択するのみで入学後しばらくして学部に振り分けられる場合がある([[w:東京大学|東京大学]]など)。例えば東京大学の場合、2年生までは全員が[[w:教養学部|教養学部]]前期課程に所属し、3年進級時点で、入学時の文科一類~理科三類の区分におおむね従う形で、各学部に分かれる。
===私立大学の一般入試===
国立大学に対し、[[w:私立大学|私立大学]]の一般入試では、共通テストの受験を義務とせず、理系であれば英語・数学・理科(基本は化学、生物、物理の中から1~2科目。但し、大学や学部によっては受験できない科目もある)の3~4科目、文系であれば英語・国語・地歴公民、または数学(基本は日本史、世界史、地理、政治経済、数学から1科目。但し、大学や学部によっては受験できない科目もある)の3科目を課すことが基本である。国立大学受験生がセンター試験5教科7科目、更に大学別個別試験(2次試験)を受験しなければならないことを考えると、'''私立大学受験生の受験科目数は非常に少ない。その代わり、特に競争の激しい<!--これでも控えめ-->私大になると個々の科目を深く学ばねばならないので、必ずしも負担が軽減されているとは言えない。むしろ、その分1科目毎の失敗が許されずリスクを背負うことになるので、かえって大変になるとも、考えることができる。'''
ほとんどの私立大学では、遠方に住んでいる受験生のために、本学以外に受験会場を用意する地方受験を実施している。
国公立大学の2次試験が記述形式が中心であるのに対し、私立大学は答のみを求めるマークセンス形式が中心である(私立大学の受験生は、国公立大学と比較すると多めである為、採点の手間を省く為だと思われる)。但し、上位私大になると記述形式でない分、試験時間が短く、相当の学力がないと試験時間に回答できない量の問題が出題されるため一概に受験生の負担が軽くなるわけではない。
国公立大学の分離・分割方式と呼ばれる制度(前期日程、中期日程、後期日程)は採用されておらず、同じ大学でも別々の大学でも、日程さえ異なれば複数の学部を受験可能であり、'''受験可能大学・学部の数が国公立大学(最大3校3学部)と異なり限定されていない。'''
一般入試以外にも、'''共通テスト利用入試'''をほとんどの私立大学が実施している。これは、共通テストの結果、もしくはそれと国公立大学の2次試験に相当する個別試験の総合結果で、合否を決めるものだ。
共通テスト利用入試を実施していない私立大学は[[w:学習院大学|学習院大学]]、[[w:慶應義塾大学|慶應義塾大学]]、[[w:国際基督教大学|国際基督教大学]]、[[w:上智大学|上智大学]]などの一部の私大に限られる。また、[[w:早稲田大学|早稲田大学]]の理工3学部や教育学部のように学部によっては利用不可な場合もあるので、共テ利用入試を利用するつもりの受験生は事前に志望校の志望学部が実施しているか調べる必要がある。
多くの私立大学は、系列高校からの内部推薦・指定校推薦・AO入試など多様な入試方式を採っており、一般の入学試験を突破してきたものとこれらの多様な入試方式による進学者数は、ほぼ同じである大学が多く、推薦入学者の質について度々議論されている。
==入試対策==
===国立大対策===
====北海道・東北地方の国立大====
*[[北海道大対策]]
*[[北海道教育大対策]]
*[[旭川医科大対策]]
*[[室蘭工業大対策]]
*[[北見工業大対策]]
*[[弘前大対策]]
*[[秋田大対策]]
*[[東北大対策]]
*[[山形大対策]]
*[[岩手大対策]]
*[[福島大対策]]
====関東地方の国立大====
*[[茨城大対策]]
*[[筑波大対策]]
*[[宇都宮大対策]]
*[[群馬大対策]]
*[[埼玉大対策]]
*[[千葉大対策]]
*[[電気通信大対策]]
*[[東大対策|東京大対策]]
*[[東京科学大対策]](旧東京工業大学・東京医科歯科大学)
*[[東京外国語大対策]]
*[[東京学芸大対策]]
*[[東京農工大対策]]
*[[一橋大対策]]
*[[横浜国立大対策]]
====中部地方の国立大====
*[[新潟大対策]]
*[[長岡技術科学大対策]]
*[[金沢大対策]]
*[[信州大対策]]
*[[静岡大対策]]
*[[岐阜大対策]]
*[[浜松医科大対策]]
*[[愛知教育大対策]]
*[[名古屋大対策]]
*[[名古屋工業大対策]]
*[[豊橋技術科学大対策]]
*[[三重大対策]]
*[[福井県立大対策]]
====近畿地方の国立大====
*[[滋賀大対策]]
*[[滋賀医科大対策]]
*[[京大対策|京都大対策]]
*[[阪大対策|大阪大対策]]
*[[大阪教育大対策]]
*[[神戸大対策]]
*[[和歌山大対策]]
====中国・四国地方の国立大====
*[[鳥取大対策]]
*[[島根大対策]]
*[[岡山大対策]]
*[[広島大対策]]
*[[山口大対策]]
*[[徳島大対策]]
*[[香川大対策]]
*[[愛媛大対策]]
*[[高知大対策]]
====九州・沖縄地方の国立大====
*[[九大対策|九州大対策]]
*[[九州工業大対策]]
*[[長崎大対策]]
*[[熊本大対策]]
*[[大分大対策]]
*[[鹿児島大対策]]
*[[琉球大対策]]
===公立大対策===
====北海道・東北地方の公立大====
*[[釧路公立大対策]]
*[[公立千歳科学技術大対策]]
*[[公立はこだて未来大対策]]
*[[岩手県立大対策]]
*[[会津大対策]]
====関東地方の公立大====
*[[東京都立大学対策]]
*[[都留文科大対策]]
*[[高崎経済大対策]]
====中部地方の公立大====
*[[福井県立大学|福井県大対策]]
*[[公立小松大対策]]
*[[静岡県立大対策]]
*[[名古屋市立大対策]]
*[[愛知県立大対策]]
====近畿地方の公立大====
*[[京都府立医科大対策]]
*[[京都府立大対策]]
*[[大阪市立大対策]]
*[[大阪府立大対策]]
*[[大阪公立大対策]]
*[[兵庫県立大対策]]
====中国・四国地方の公立大====
*[[広島市立大対策]]
*[[尾道市立大対策]]
*[[高知工科大対策]]
====九州・沖縄地方の公立大====
*[[北九州市立大対策]]
===私立大対策===
====北海道・東北地方の私立大====
* [[北海学園大対策]]
* [[北星学園大対策]]
* [[東北学院大対策]]
====関東地方の私立大====
*[[青山学院大対策]]
*[[学習院大対策]]
*[[神奈川大対策]]
*[[慶應義塾大対策]]
*[[国学院大対策|國學院大対策]]
*[[国際基督教大対策]]
*[[順天堂大対策]]
*[[上智大対策]]
*[[成蹊大対策]]
*[[成城大対策]]
*[[専修大対策]]
*[[中央大対策]]
*[[帝京大対策]]
*[[東京工科大対策]]
*[[東京慈恵会医科大対策]]
*[[東京電機大対策]]
*[[東京理科大対策]]
*[[東洋大対策]]
*[[獨協大対策]]
*[[日本大対策]]
*[[法政大対策]]
*[[明治大対策]]
*[[明治学院大対策]]
*[[武蔵大対策]]
*[[立教大対策]]
*[[早稲田大対策]]
*[[駒澤大対策]]
*[[東京都市大対策]]
*[[工学院大対策]]
*[[芝浦工業大対策]]
*[[東京農業大対策]]
*[[立正大対策]]
*[[東京経済大対策]]
*[[武蔵野大対策]]
*[[玉川大対策]]
*[[文教大対策]]
====中部地方の私立大====
*[[愛知大対策]]
*[[中京大対策]]
*[[豊田工業大対策]]
*[[南山大対策]]
*[[名城大対策]]
*[[愛知淑徳大対策]]
====近畿地方の私立大====
*[[追手門学院大対策]]
*[[大阪経済大対策]]
*[[関西学院大対策]]
*[[関西大対策]]
*[[京都産業大対策]]
*[[近畿大対策]]
*[[甲南大対策]]
*[[神戸学院大対策]]
*[[摂南大対策]]
*[[同志社大対策]]
*[[佛教大対策]]
*[[桃山学院大対策]]
*[[立命館大対策]]
*[[龍谷大対策]]
*[[兵庫大対策]]
*[[大阪工業大対策]]
*[[関西外国語大対策]]
*[[京都外国語大対策]]
====中国・四国地方の私立大====
*[[広島修道大対策]]
*[[松山大対策]]
====九州・沖縄地方の私立大====
*[[西南学院大対策]]
*[[福岡大対策]]
*[[福岡工業大対策]]
*[[立命館アジア太平洋大対策]]
== 共通テスト対策 ==
===センター試験対策===
'''2020年1月をもって、センター試験は共通テストに移行しました。現在共通テスト関連は整備中です。'''
*[[センター試験 英語対策]]
*[[センター試験 数学対策]]
*[[センター試験 国語対策]]
**[[センター試験 国語(現代文)対策]]
**[[センター試験 国語(古文)対策]]
*[[センター試験 理科対策]]
**[[センター試験 物理I対策]]
**[[センター試験 化学I対策]]
**[[センター試験 生物I対策]]
**[[センター試験 地学I対策]]
*[[センター試験 地理歴史対策]]
**[[センター試験 世界史対策]]
***[[センター試験 世界史B対策]]
**[[センター試験 日本史対策]]
***[[センター試験 日本史B対策]]
**[[センター試験 地理対策]]
***[[センター試験 地理B対策]]
*[[センター試験 公民対策]]
**[[センター試験 現代社会対策]]
**[[センター試験 倫理対策]]
**[[センター試験 政治・経済対策]]
**[[センター試験 倫理、政治・経済対策]]
== 大学見学の規制強化に注意 ==
2020年以降、複数の私立大学で、防犯などのため、校内または構内(建物内)への入場規制が行われています。昭和や平成の時代は、かつては共学の大学なら、授業中の教室以外なら気軽に大学に入場できましたが、現代は共学でも入場が規制されている大学もあります。
もっとも、正確に言えば、平成のころから関係者以外の入場は規制されていたのですが、昔は放任されていました。(なので、「モグリ」学生なんて言葉もあったくらいです。在学生以外で、在学生のフリして授業を聞いたり食堂で学食を利用したりする人、という意味です。)
ともかく、2020年以降、大学の敷地内に入場したい場合、事前に予約が必要になっている大学もありますので、各大学のwebサイトで確認してください。
また、大学に限ったことではないのですが、一般に入口などにある受付けでの記帳などが必要です。
あるいは、私大なら、その私大主催の大学見学会などのイベントもありますので、そういうのを利用してください。
=== 試験期間中の入場規制 ===
ほか、定期テストの入試期間中、又はその前後などは、部外者のキャンパス内への入構を断られます。
年度の後半など、推薦入試や総合型選抜などの入試の日程とも重なる場合もあって入場が困難な場合もあります。大学入学共通テスト(旧センター試験)の際の入場規制も忘れてはいけません。
== 出願時の注意事項 ==
私大では、出願方法がインターネット出願に限る大学、および合格発表がインターネット発表に限る大学も、かなり多くあります。家にインターネット環境の無い人は、インターネット環境を確保しましょう。
== 関連項目 ==
* [[受験ガイド]]
* [[生活と進路]]
[[カテゴリ:大学入試|にほんのたいかくしゆけんかいと]]
01i0tg2nkrqjw1je3je7a6lfn85ai9e
高等学校数学
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2026-07-08T21:47:42Z
AkiR27User
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/* 現行課程 */ 孤立リンク追加
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wikitext
text/x-wiki
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{{Wikiversity|Topic:高校の数学|高等学校数学}}
{{蔵書一覧}}
高等学校の数学では結果よりも過程を重視するようになる。
従って、定義や定理の仮定を正しく理解する必要とともに、論理的な考え方ができるようになる必要がある。
== 現行課程 ==
2022年度以降高校に入学した人はあなた自身に当てはまるものを選択して閲覧してください。
* [[新課程高等学校数学I|数学I]] 3単位
* [[新課程高等学校数学II|数学II]] 4単位
* [[新課程高等学校数学III|数学III]] 3単位
* [[新課程高等学校数学A|数学A]] 2単位
* [[新課程高等学校数学B|数学B]] 2単位
* [[新課程高等学校数学C|数学C]] 2単位
補足
*[[高等学校数学/補足|補足]]
{| class="wikitable" style="width:100%"
|+ 学習指導要領における性格づけ
! style="width:15%; text-align:center" | 科目とその性格
! style="width:40%; text-align:center"| 含まれる単元とその内容
! style="width:45%; text-align:center"| 備考など
|-
|'''数学Ⅰ'''
:必履修科目として、中学校との接続に配慮するとともに、この科目だけで高等学校数学の履修を終える生徒及び引き続き数学を履修する生徒の双方に配慮した内容で構成し、すべての生徒の数学的に考える資質・能力の基礎を培う。
|
#[[高等学校数学I/数と式|数と式]]
#*数と集合
#**簡単な無理数の計算
#**集合と命題
#*式
#**式の展開と因数分解
#**一次不等式
#[[高等学校数学I/図形と計量|図形と計量]]
#*三角比
#**鋭角の三角比
#**鈍角の三角比
#**正弦定理、余弦定理
#*図形の計量
#[[高等学校数学I/2次関数|二次関数]]
#*二次関数とそのグラフ
#*二次関数の値の変化
#**二次関数の最大・最小
#**二次関数と二次方程式
#*二次不等式
#[[高等学校数学I/データの分析|データの分析]]
#*データの散らばり
#**分散、標準偏差
#*データの相関
#**散布図、相関係数
#*仮説検定の考え方
|(旧過程との差異)
:「数学A」から「整数の性質」中の「有限小数,循環小数」に関する内容を移入。
:*「循環小数」→分母・分子が整数の分数 となる計算。
|-
|'''数学Ⅱ'''
:高等学校数学の根幹をなす内容で構成し、より多くの生徒の数学的に考える 資質・能力を養う。
|
#[[高等学校数学II/式と証明・高次方程式|いろいろな式]]
#*式
#**多項式の乗法・除法、分数式
#**二項定理
#*等式と不等式の証明
#*高次方程式など
#**複素数と二次方程式
#**高次方程式
#[[高等学校数学II/図形と方程式|図形と方程式]]
#*直線と円
#**点と直線
#**円の方程式
#*軌跡と領域
#[[高等学校数学II/指数関数・対数関数|指数関数・対数関数]]
#*指数関数
#**指数の拡張
#**指数関数
#*対数関数
#**対数
#**対数関数
#[[高等学校数学II/三角関数|三角関数]]
#*角の拡張
#*三角関数
#**三角関数
#**三角関数の基本的な性質
#*三角関数の加法定理
#**2倍角の公式、三角関数の合成
#[[高等学校数学II/微分・積分の考え|微分・積分の考え]]
#*微分の考え
#**微分係数と導関数
#**関数の定数倍、和及び差の導関数
#**導関数の応用
#*積分の考え
#**不定積分と定積分
#**面積
|(旧過程との差異)
:変更なし。
|-
|'''数学Ⅲ'''
:微分法、積分法の基礎的な内容で構成し、数学に強い興味や関心をもって更に深く学ぼうとする生徒や、将来数学が必要な専門分野に進もうとする生徒の数学的に考える資質・能力を伸ばす。
|
# [[高等学校数学III/極限|極限]]
#*数列の極限
#**数列{<math>{r^n}</math>} の極限
#**無限等比級数の和
#*関数とその極限
#**分数関数と無理関数
#**合成関数と逆関数
#**関数の値の極限
#[[高等学校数学III/微分法|微分法]]
#*導関数
#**関数の和・差・積・商の導関数
#**合成関数の導関数
#**三角関数・指数関数・対数関数の導関数
#*導関数の応用
#**接線、関数の値の増減、極大・極小、グラフの凹凸、速度・加速度
#[[高等学校数学III/積分法|積分法]]
#*不定積分と定積分
#**積分とその基本的な性質・置換積分法・部分積分法
#*いろいろな関数の積分
#*積分の応用
#**面積、体積、曲線の長さ
|(旧過程との差異)
:「平面上の曲線と複素数平面」を「数学C」に移出。
|-
|'''数学A'''
:「数学I」の内容を補完するとともに、数学のよさを認識し、数学的に考える資質・能力を培う。
|'''履修に当たっては、生徒の特性や学校の実態、単位数等に応じて、内容の1から3までの中から適宜、適切な内容を選択させる。'''
#[[高等学校数学A/図形の性質|図形の性質]]
#*平面図形
#**三角形の性質
#**円の性質
#**作図
#*空間図形
#[[高等学校数学A/場合の数と確率|場合の数と確率]]
#*場合の数
#**数え上げの原則
#**順列・組合せ
#*確率
#**確率とその基本的な法則
#***余事象、排反、期待値
#**独立な試行と確率
#**条件付き確率
#[[高等学校数学A/数学と人間の活動|数学と人間の活動]]
#*数量や図形と人間の活動
#*遊びの中の数学
#**ユークリッドの互除法、二進法、平面や空間における点の位置
|(旧過程との差異)
:「数学B・確率分布と統計的な推測」中の「期待値」を移入。
:「数学活用」の「数学と人間の活動」について、「数学A」の 「整数の性質」を含んで移入。
「'''数学と人間の活動'''」のスコープ
:(学習到達目標)
::<small>数学が文化と密接に関わりながら発展してきたことを踏まえ、数学的なものの見方や考え方、数学的な表現や処理、数学的活動や思索することの楽しさなどに焦点を当て、数理的に考察することの有用性や数学のよさを認識できるようにするとともに、統合的・発展的に考察する力や、事象を数理的に考察する力、数学を積極的に活用する態度などを培う。</small>
:(取り扱われる数学分野)
::*数学史? 数理パズル?
::*:「塵劫記」、「魔方陣」、「[[高等学校数学A/数学と人間の活動/ハノイの塔|ハノイの塔]]」、「河渡りの問題」が例に挙げられていた。
:::→入試問題などには出題困難ではないか。
::*整数論
::**記数法(特に2進法)、循環小数
::**ユークリッドの互除法、2つの整数の公約数を求める。
::**一次不定方程式の整数解
::*平面や空間において点の位置を表す座標の考え方(「解析幾何」への導入?)
|-
|'''数学B'''
:「数学I」より進んだ内容を含み、数学的な素養を広げるとともに、数学の知識や技能などを活用して問題解決や意思決定をすることなどを通して数学的に考える資質・能力を養う。
|'''履修に当たっては、生徒の特性や学校の実態、単位数等に応じて、内容の1から3までの中から適宜、適切な内容を選択させる。'''
#[[高等学校数学B/数列|数列]]
#*数列とその和
#**等差数列と等比数列
#**いろいろな数列
#*漸化式と数学的帰納法
#**漸化式と数列
#**数学的帰納法
#[[高等学校数学B/確率分布と統計的な推測|統計的な推測]]
#*確率分布
#**確率変数と確率分布
#**確率変数の平均、分散、標準偏差
#**二項分布
#*正規分布
#**連続型確率変数
#**正規分布
#*統計的な推測
#**母集団と標本
#**統計的な推測の考え
#***区間推定、仮説検定
#[[高等学校数学B/数学と社会生活|数学と社会生活]]
#*数理的な問題解決
|(旧過程との差異)
:「確率分布と統計的な推測」中の「期待値」を「数学A」へ移出。
:「ベクトル」を「数学C」へ移出。
:「数学活用・社会生活における数理的な考察」の「社会生活と数学」及び「データの分析」を移入。
「'''数学と社会生活'''」のスコープ
:(学習到達目標)
::日常の事象や社会の事象などを数学化し、問題解決したり、解決の過程や結果を振り返って考察したりできるようにする。
:(取り扱われる数学分野)
::*データ解析
|-
|'''数学C'''
:「数学I」より進んだ内容を含み、数学的な素養を広げるとともに、数学的な表現の工夫などを通して数学的に考える資質・能力を養う。
|'''履修に当たっては、生徒の特性や学校の実態、単位数等に応じて、内容の1から3までの中から適宜、適切な内容を選択させる。'''
#[[高等学校数学B/ベクトル|ベクトル]]
#*ベクトル
#**ベクトルとその演算
#**ベクトルの内積
#*空間座標とベクトル
#**空間座標、空間におけるベクトル
#平面上の曲線と複素数平面
#*[[高等学校数学III/平面上の曲線|平面上の曲線]]
#**二次曲線 (直交座標による表示)
#**媒介変数による表示
#**極座標による表示
#*[[高等学校数学III/複素数平面|複素数平面]]
#**複素数平面
#**ド・モアブルの定理
#[[高等学校数学C/数学的な表現の工夫|数学的な表現の工夫]]
#*数学的な表現の意義やよさ
#**図、表、統計グラフ、離散グラフ、行列
|(旧過程との差異)
:'''新設'''
::「ベクトル」を「数学B」から移入。
::「平面上の曲線と複素数平面」を「数学Ⅲ」から移入。
::「数学活用・社会生活における数理的な考察」中の「数学的な表現の工夫」を移入。
「'''数学的な表現の工夫'''」のスコープ
:(学習到達目標)
::日常の事象や社会の事象などを、図、表、統計グラフ、離散グラフや行列などを用いて工夫して表現することの意義を理解し、それを基に事象を考察する力を養う。
:(取り扱われる数学分野)
::*図・グラフ表現
::**棒グラフ,折れ線グラフ,ヒストグラム, 箱ひげ図,散布図など
::**「パレート図」「バブルチャート」「モザイク図」など
::*:PC等の利用が推奨されているので、Excel等を利用か。
::*行列
::**計算方法の紹介レベル
::**ただし、「生徒の特性等によって、本科目の「(3)数学的な表現の工夫」の行列とベクトルを関連させて取り扱うことも考えられる。」との記述もあり、一次変換に絡めて教授される可能性はある。
|}
※数学A,数学B、数学Cについては、すべて「履修に当たっては、生徒の特性や学校の実態、単位数等に応じて、内容の1から3までの中から適宜、適切な内容を選択させる。」との条件がついており、実際には、そのスコープが曖昧な各々の3については省略されるのではないか。
== 旧課程 ==
=== 旧課程(2013年度-2021年度) ===
* [[現行課程高等学校数学I|数学I]] 3単位
* [[現行課程高等学校数学II|数学II]] 4単位
* [[現行課程高等学校数学III|数学III]] 5単位
* [[現行課程高等学校数学A|数学A]] 2単位
* [[現行課程高等学校数学B|数学B]] 2単位
* [[高等学校数学 数学活用|数学活用]] 2単位
=== 旧課程(-2012年度) ===
* [[旧課程(-2012年度)高等学校数学基礎]] 2単位
* [[旧課程(-2012年度)高等学校数学I|旧課程高校数学I]] 3単位
* [[旧課程(-2012年度)高等学校数学II|旧課程高校数学II]] 4単位
* [[旧課程(-2012年度)高等学校数学III|旧課程高校数学III]] 3単位
* [[旧課程(-2012年度)高等学校数学A|旧課程高校数学A]] 2単位
* [[旧課程(-2012年度)高等学校数学B|旧課程高校数学B]] 2単位
* [[旧課程(-2012年度)高等学校数学C|旧課程高校数学C]] 2単位
== 学習内容の変遷 ==
2022年度施行課程現在の科目構成が確立し、Wikibooksにページが存在している1994年度施行課程以降の変遷を掲載する。
括弧内は一つ前の課程での所属科目を示す。
=== 1994年度施行課程 ===
前・1982年度施行課程の数学I、数学Ⅱ、基礎解析、代数・幾何、確率・統計、微分・積分という区分から大きく変更された影響で、各分野の履修順が大幅に入れ替わった。また、1973年度施行課程における詰め込み教育の反省から内容の先送り・削減が前課程に引き続き行なわれており、大幅に内容が減少したことから俗に「第一次ゆとり教育」と呼ばれている。
*数学I
**二次関数(数学I)
***二次関数とそのグラフ
***二次関数の最大・最小
***二次不等式
**図形と計量(数学I)
***正弦・余弦・正接
***三角比の相互関係
***正弦定理・余弦定理
***図形の計量
**個数の処理(数学Ⅱ及び確率・統計)
***集合とその要素の個数
***数え上げの原則
***自然数の列
***順列・組合せ
**確率(数学Ⅱ及び確率・統計)
***確率
***独立な試行と確率
***期待値
*数学A
**数と式(数学I)
***整式の展開と因数分解
***実数の分類・平方根を含む式の計算
***恒等式・式の証明・命題と論理
**数列
***等差数列・等比数列・階差数列・総和記号(数学Ⅱ及び基礎解析)
***漸化式(数学Ⅱ及び基礎解析)
***数学的帰納法(基礎解析)
***二項定理・多項定理(確率・統計)
**平面幾何
***三角形の性質(中学校数学)
***円の性質(中学校数学)
***軌跡(数学I)
***作図(中学校数学)
***合同変換と相似変換(新規)
**計算とコンピュータ(数学Ⅱ)
***コンピュータの扱い方
***流れ図
***コンピュータによる計算
*数学Ⅱ
**指数関数(基礎解析)
***指数の拡張
***指数関数
***対数関数
**三角関数(基礎解析)
***一般角
***三角関数
***加法定理
**図形と方程式(数学I)
***点の座標
***直線の方程式
***円の方程式
***直線と円の関係
**関数の値の変化(数学Ⅱ及び基礎解析)
***微分係数と導関数
***接線・関数値の増減
***不定積分・定積分
***面積
*数学B
**複素数と複素数平面
***複素数と二次方程式(数学I)
***解と係数の関係・因数定理(数学I)
***高次方程式(数学I)
***複素数平面(復活:1963年度課程 数学ⅡB「三角関数とベクトル」)
***複素数の極形式(復活:1963年度課程 数学ⅡB「三角関数とベクトル」)
***ド・モアブルの定理(復活:1963年度課程 数学ⅡB「三角関数とべクトル」)
**ベクトル
***ベクトルのその演算・ベクトルの成分(数学I及び代数・幾何)
***ベクトルの内積(代数・幾何)
***空間座標・空間ベクトル(代数・幾何)
**確率分布(数学Ⅱ及び確率・統計)
***条件付き確率
***確率分布・確率変数の特性値
***二項分布
**アルゴリズムとコンピュータ(数学Ⅱ)
***コンピュータの機能
***様々な算法のアルゴリズム
*数学Ⅲ
**関数
***分数関数・無理関数(数学I)
***逆関数・合成関数(数学I)
***写像(代数・幾何)
**極限(微分・積分)
***数列の極限
***関数の極限
**微分法
***弧度法(数学Ⅱ及び基礎解析)
***様々な関数の導関数(微分・積分)
***接線・関数値の増減・速度と近似式(微分・積分)
**積分法(微分・積分)
***不定積分
***定積分
***面積・体積・曲線の長さと道のり
*数学C
**行列と線形計算(代数・幾何)
***行列とその演算
***連立一次方程式
**平面上の曲線
***放物線・楕円・双曲線(代数・幾何)
***媒介変数表示・極座標と極方程式(新規)
***いろいろな曲線(新規)
**数値計算(復活:1973年度課程 応用数学「数値解析」)
***方程式の近似解
***区分求積法
***面積の近似計算
**統計処理(数学Ⅱ及び確率・統計)
***データの代表値と特性値・相関関係
***正規分布
***標本調査
***区間推定
*削除された内容
**仮説検定
**空間における直線の方程式
**平面の方程式・球の方程式
**一次変換
**微分方程式
=== 2003年度施行課程 ===
所謂「(第二次)ゆとり教育」の時代であり、前課程に引き続き内容の削減や中学校以下からの先送りが多く見られる。
*数学基礎
**数学と人間の活動(新規)
***数と人間
***図形と人間
***数学史
**社会生活における数理的な考察(新規)
***社会生活と数学
***身近な事象の数理的考察
**身近な統計(新規)
***資料の整理
***資料の傾向の把握
*数学I
**方程式と不等式
***実数・式の展開と因数分解(数学I)
***一次不等式(中学校数学)
***二次方程式と解の公式(中学校数学)
**二次関数(数学I)
***二次関数とグラフ
***二次関数の最大・最小
***二次不等式
**図形と計量(数学I)
***正弦・余弦・正接
***三角比の相互関係
***正弦定理・余弦定理
***図形の計量
*数学A
**集合と論理(数学A)
***集合とその要素の個数
***命題と証明
**場合の数と確率(数学I)
***和の法則・積の法則
***順列・組合せ
***確率と独立な試行
***期待値
***二項定理・多項定理
**平面図形(数学A)
***三角形の性質
***円の性質
*数学Ⅱ
**式と証明・高次方程式
***三次式の展開と因数分解(数学I)
***分数式(中学校数学)
***恒等式・式の証明(数学A)
***複素数と二次方程式(数学B)
***解と係数の関係・因数定理(数学B)
***高次方程式(数学B)
**図形と方程式
***点の座標(数学Ⅱ)
***直線の方程式(数学Ⅱ)
***円の方程式(数学Ⅱ)
***直線と円の関係(数学Ⅱ)
***軌跡(数学A)
***不等式の表す領域(新規)
**三角関数
***一般角(数学Ⅱ)
***弧度法(数学Ⅲ)
***三角関数(数学Ⅱ)
***加法定理(数学Ⅱ)
**指数関数・対数関数(数学Ⅱ)
***指数の拡張
***指数関数
***対数関数
**微分・積分の考え(数学Ⅱ)
***微分係数と導関数
***接線・関数値の増減
***不定積分
***定積分
***面積
*数学B
**数列(数学A)
***等差数列・等比数列・階差数列・総和記号
***漸化式
***数学的帰納法
**ベクトル(数学B)
***ベクトルとその演算・成分
***ベクトルの内積
***空間座標・空間ベクトル
**統計とコンピュータ
***度数分布(小学校算数)
***散布図(中学校数学)
***データの代表値と特性値(数学C)
***相関係数(数学C)
**数値解析とコンピュータ
***コンピュータの操作・簡単なプログラム(数学A)
***アルゴリズムによる整数計算(数学B)
***近似値の計算(数学C)
*数学Ⅲ
**極限(数学Ⅲ)
***数列の極限
***分数関数・無理関数・逆関数・合成関数
***関数の極限
**微分法(数学Ⅲ)
***様々な関数の導関数
***接線・関数値の増減・速度と近似式
**積分法(数学Ⅲ)
***不定積分
***定積分
***面積・体積・曲線の長さと道のり
*数学C
**行列とその応用
***行列とその演算(数学C)
***連立一次方程式(数学C)
***一次変換(復活:1984年度課程 代数・幾何「行列」)
**平面上の曲線(数学C)
***放物線・楕円・双曲線
***媒介変数表示・極座標と極方程式
***いろいろな曲線
**確率分布(数学B)
***条件付き確率
***確率分布・確率変数の特性値
***二項分布
**統計処理(数学C)
***正規分布
***標本調査
***区間推定
*削除された内容
**作図
**相似変換・合同変換
**複素数平面
**複素数の極形式
**ド・モアブルの定理
**写像
=== 2012年度施行課程 ===
ここから「脱ゆとり教育」が始まり、学習内容が少しづつ増えていく。線形代数分野(行列)の内容が薄くなる代わりに統計の内容が充実し始める。数学Ⅲが「学習に必要な時間と標準単位数が合っていない」と批判を受ける。
*数学I
**数と式(数学I)
***実数
***式の展開と因数分解
***一次不等式
**集合と命題(数学A)
***集合
***命題と論理
**二次関数(数学I)
***二次関数とグラフ
***二次関数の最大・最小
***二次不等式
**図形と計量(数学I)
***正弦・余弦・正接
***三角比の相互関係
***正弦定理・余弦定理
***図形の計量
**データの分析
***代表値と外れ値・特性値(数学C)
***散布図・データの相関(数学C)
*数学A
**場合の数と確率
***集合の要素の個数(数学A)
***和の法則・積の法則(数学A)
***順列・組合せ(数学A)
***確率と独立な試行(数学A)
***条件付き確率(数学C)
**図形の性質
***三角形の性質(数学A)
***円の性質(数学A)
***作図(復活:1994年度課程 数学A「平面幾何」)
***空間図形(復活:1984年度課程 代数・幾何「空間図形」)
**整数の性質(新規)
***約数・倍数・循環小数が分数で表される仕組み
***ユークリッドの互除法・一次不定方程式
***記数法・鳩ノ巣原理
*数学Ⅱ
**式と証明
***三次式の展開と因数分解(数学Ⅱ)
***二項定理・多項定理(数学A)
***分数式(数学Ⅱ)
***恒等式・式の証明(数学Ⅱ)
**複素数と方程式(数学Ⅱ)
***複素数と二次方程式
***解と係数の関係・因数定理
***高次方程式
**図形と方程式(数学Ⅱ)
***点の座標
***直線の方程式
***円の方程式
***直線と円の関係
***軌跡・不等式の表す領域
**三角関数(数学Ⅱ)
***一般角・弧度法
***三角関数
***加法定理
**指数関数・対数関数
***指数の拡張(数学Ⅱ)
***指数関数(数学Ⅱ)
***対数関数(数学Ⅱ)
***常用対数(新規)
**微分・積分の考え(数学Ⅱ)
***微分係数と導関数
***接線・関数値の増減
***不定積分
***定積分
***面積
*数学B
**数列(数学B)
***等差数列・等比数列・階差数列・総和記号
***漸化式
***数学的帰納法
**確率分布と統計的な推測
***確率分布・確率変数の特性値(数学C)
***二項分布(数学C)
***正規分布(数学C)
***標本調査(数学C)
***区間推定(数学C)
***仮説検定(復活:1984年度課程 確率・統計「統計的な推測」)
**ベクトル(数学B)
***ベクトルとその演算・成分
***ベクトルの内積
***空間座標・空間ベクトル
*数学Ⅲ
**平面上の曲線と複素数平面
***放物線・楕円・双曲線(数学C)
***媒介変数表示・極座標と極方程式(数学C)
***いろいろな曲線(数学C)
***複素数平面(復活:1994年度課程 数学B「複素数と複素数平面」)
***複素数の極形式(復活:1994年度課程 数学B「複素数と複素数平面」)
***ド・モアブルの定理(復活:1994年度課程 数学B「複素数と複素数平面」)
**極限(数学Ⅲ)
***数列の極限
***分数関数・無理関数・逆関数・合成関数
***関数の極限
**微分法(数学Ⅲ)
***様々な関数の導関数
***接線・関数値の増減・速度と近似式
**積分法(数学Ⅲ)
***不定積分
***定積分
***面積・体積・曲線の長さと道のり
*数学活用
**数学と人間の活動(数学基礎)
***数量や図形の概念と人間の活動
***遊びの中の数学
**社会生活における数理的な考察(数学基礎)
***社会生活と数学
***数学的な表現の工夫(「行列とその演算(数学C)」「離散グラフによる表現(新規)」を含む)
*削除された内容
**身近な統計
**二次方程式の解の公式
**数値解析
**連立一次方程式
**一次変換
**アルゴリズム関連([[高等学校情報]]に移出)
=== 2022年度施行課程 ===
現行の過程。仮説検定の考えが数学Iの「データの分析」に前倒しされるとともに数学Bの「確率分布と統計的な推測」が半分必修化され、統計分野が栄華を極める。反対に、線形代数分野は冷遇されたままである。また、標準単位数が変わらずに履修すべき分野が一つ増えたため、学習が追いつかない生徒が増える可能性がある。
*数学I
**数と式
***実数(数学I)
***循環小数が分数で表される仕組み(数学A)
***式の展開と因数分解(数学I)
***一次不等式(数学I)
**集合と命題(数学I)
***集合
***命題と論理
**二次関数(数学I)
***二次関数とグラフ
***二次関数の最大・最小
***二次不等式
**図形と計量(数学I)
***正弦・余弦・正接
***三角比の相互関係
***正弦定理・余弦定理
***図形の計量
**データの分析
***代表値と外れ値・特性値(数学I)
***散布図・データの相関(数学I)
***仮説検定の考え方(数学B)
*数学A
**場合の数と確率
***集合の要素の個数(数学A)
***和の法則・積の法則(数学A)
***順列・組合せ(数学A)
***確率と独立な試行(数学A)
***条件付き確率(数学A)
***期待値(数学B)
**図形の性質(数学A)
***三角形の性質
***円の性質
***作図
***空間図形
**数学と人間の活動
***約数・倍数(数学A)
***ユークリッドの互除法・一次不定方程式(数学A)
***記数法(数学A)
***座標の考え方(数学Ⅱ及び数学B)
***数学史(復活:2003年度課程 数学基礎「数学と人間の活動」)
***ゲームやパズルの中の数学(数学活用)
*数学Ⅱ
**式と証明(数学Ⅱ)
***三次式の展開と因数分解
***二項定理・多項定理
***分数式
***恒等式・式の証明
**複素数と方程式(数学Ⅱ)
***複素数と二次方程式
***解と係数の関係・因数定理
***高次方程式
**図形と方程式(数学Ⅱ)
***点の座標
***直線の方程式
***円の方程式
***直線と円の関係
***軌跡・不等式の表す領域
**三角関数(数学Ⅱ)
***一般角・弧度法
***三角関数
***加法定理
**指数関数・対数関数(数学Ⅱ)
***指数の拡張
***指数関数
***対数関数
***常用対数
**微分・積分の考え(数学Ⅱ)
***微分係数と導関数
***接線・関数値の増減
***不定積分
***定積分
***面積
*数学B
**数列(数学B)
***等差数列・等比数列・階差数列・総和記号
***漸化式
***数学的帰納法
**確率分布と統計的な推測(数学B)
***確率分布・確率変数の特性値
***二項分布
***正規分布
***標本調査
***区間推定
***仮説検定
**数学と社会生活
***数学を活用した問題解決(数学活用)
***社会の中の数学(数学活用、「鳩ノ巣原理(数学A)」を含む)
***回帰分析(新規)
***数値解析(復活:2003年度課程 数学B「数値解析とコンピュータ」)
*数学Ⅲ
**極限(数学Ⅲ)
***数列の極限
***分数関数・無理関数・逆関数・合成関数
***関数の極限
**微分法(数学Ⅲ)
***様々な関数の導関数
***接線・関数値の増減・速度と近似式
**積分法(数学Ⅲ)
***不定積分
***定積分
***面積・体積・曲線の長さと道のり
*数学C
**ベクトル(数学B)
***ベクトルとその演算・成分
***ベクトルの内積
***空間座標・空間ベクトル
**平面上の曲線と複素数平面(数学Ⅲ)
***放物線・楕円・双曲線
***媒介変数表示・極座標と極方程式
***いろいろな曲線
***複素数平面
***複素数の極形式
***ド・モアブルの定理
**数学的な表現の工夫(数学活用)
***データの表現方法の工夫
***行列による表現とその演算
***離散グラフによる表現
*削除された内容
なし
<!-->=== 203?年度施行課程 ===<-->
== 関連書 ==
* [[学習方法/高校数学]]
* [[高等学校理数]]
** [[高等学校理数数学]] - 理数数学I, 理数数学II, 理数数学探究を全て含めている。
* [[初等数学演習#高等学校|数学演習]]
* [[初等数学公式集]]
* [[大学受験参考書#数学科|大学受験数学]]
** [[センター試験 数学対策]]
<!--[[Category:自然科学|こうとうかつこうすうかく]]-->
[[Category:数学|こうとうかつこうすうかく]]
[[Category:数学教育|こうとうかつこうすうかく]]
[[Category:学校教育|こうとうかつこうすうかく]]
[[Category:普通教育|こうとうかつこうすうかく]]
[[Category:後期中等教育|こうとうかつこうすうかく]]
[[Category:高等学校教育|こうとうかつこうすうかく]]
[[Category:高等学校数学|*]]
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経済学基礎
0
862
301401
263738
2026-07-09T10:33:17Z
AkiR27User
90873
/* 経済学 */ 追加
301401
wikitext
text/x-wiki
{{Pathnav|経済学|frame=1|small=1}}
ここでは、経済学の基礎的事項について確認しながら、世界経済における経済の動向に配慮した経済学的解説に努めることにする。[[高等学校政治経済]]のテキストも参照せよ。
== 経済変容と現代社会 ==
現代社会の変容は、工業化・IT化に続く。
=== 経済の変容 ===
* [[経済学/経済とは何か|経済とは何か]]
==== 世界経済の変容 ====
* [[双子の赤字]] {{進捗|100%|2013-10-08}}
* [[経済学/バブル崩壊|バブル崩壊]]
* [[経済学/アジア通貨危機|アジア通貨危機]]
* [[経済学/改革開放|改革開放]]
* [[経済学/アジア経済|アジア経済]]
* [[経済学/インド経済|インド経済]]
* [[経済学/EU統合|EU統合]]
==== 日本経済の変容 ====
* [[戦後]] {{進捗|75%|2013-10-08}}
* [[経済学/高度経済成長|高度経済成長]]
* [[経済学/通貨危機|通貨危機]]
* [[経済学/石油危機|石油危機]]
* [[経済学/プラザ合意|プラザ合意]]
* [[経済学/失われた10年|失われた10年]]
* [[経済学/情報化社会|情報化社会]]
* [[経済学/産業の空洞化|産業の空洞化]]
== 現代経済の仕組み ==
=== 世界経済 ===
* [[経済学/資本主義経済|資本主義経済]]
* [[経済学/社会主義経済|社会主義経済]]
* [[経済学/経済システム|経済システム]]
* [[経済学/グローバル化経済|グローバル化経済]]
=== 経済学 ===
* [[経済主体とその活動]]:経済主体が相互作用の中で貨幣を廻している。{{進捗|75%|2013-10-08}}
* [[経済学 現代経済の仕組み 金融機関とその働き|金融機関]]:銀行は何をする? 銀行のストックが減ると世に貨幣が増える。
* [[経済学 現代経済の仕組み 財政|財政]]:税金は何に使おう? 払いたくない^^;;;?
* [[経済学 現代経済の仕組み 国民生活|国民生活]]:人間の行為は大抵生産、それをお金に換えたら経済になる。
* [[経済学/国民所得|国民所得]]
* [[国民経済生産]]:GDPの値は国家の生産を示しているはず。{{進捗|100%|2013-10-08}}
== 社会保障制度 ==
年金や健康保険から公衆便所まで。
* [[経済学/過労死|過労死]]:使用者責任が問われ、民事上の損害賠償責任が課せられることになります。
* [[経済学/福祉国家|福祉国家]]:福祉は必要だよね? しかし昔の方がやはり不備は多かったか…最も今でも…
* [[経済学/社会保険年金制度|社会保険年金制度]]:年金制度は必要だが、経済的に破綻しないように運営するのはかなり困難。
== 世界経済 ==
日本経済の国際化による日本と海外の国々との関係とこれからの課題について学習しましょう。
* [[経済学/貿易|貿易]]:貿易はやはりバランスが大事か?
* [[経済学/国際収支|国際収支]]:貿易で赤字になった国があるの?
* [[経済学/為替|為替]]:1ドル=1円じゃ駄目?
=== 世界経済の変容と発展 ===
* [[経済学/国際経済体制|国際経済体制]]:IMFとかGATTとかって?
==== 世界経済の発展 ====
* [[経済学/多国籍企業|多国籍企業]]:ウォルマートとかエンロンとかトヨタとか・・・
* [[経済学/ユーロ|ユーロ]]:ユーロだけじゃない?
* [[経済学/サブプライムローン問題|サブプライムローン問題]]:アメリカ経済を気にするのはなぜ?
* [[経済学/国際協力|国際協力]]:アフリカ、ラテンアメリカ、南アジア、中東その他の国の状況は?
== 環境問題 ==
自然環境問題を経済で解決できるでしょうか。
* [[経済学/都市と環境|都市と環境]]:ごみ問題、大気汚染、水質汚濁、渇水、オゾン層の破壊、こうした問題を私たちは解決できるのでしょうか。
* [[経済学/持続可能な発展|持続可能な発展]]:「宇宙船地球号」
* [[経済学/生態系と環境|生態系と環境]]:生態系を守ることこそ、私たちの未来に必要です。
{{stub}}
== 未分類 ==
===資源の希少性===
原則としては、資源とは有限のものでしょう。むしろ無限と考える方が不自然だし、実際にはだれも考えていない。
しかし例えば再生可能エネルギー、太陽光なんかはほぼ無限と見なしていますよね。しかしシビアに考察すると、やはりそれも有限。
例えば水なんかはどうでしょうか。これは地球上を循環しているもので、現実的には無限とみていますが、やはり手に入りにくい地域はありますし、シビアに考えると有限ですよね。
クルーグマンやスティグリッツやマンキューなど、多くの経済学者も、彼らの教科書で、資源の希少性が経済学の前提であると説明している。(なお、日本の高校の「公共」教科書でも、たとえば帝国書院(教科書会社のひとつ)の検定教科書で、「資源の希少性」を紹介している。)
なお、経済学・商学などで「希少性」は英語で scarcity である<ref>『ビジネス基礎』、実教出版、令和2年12月25日検定、令和4年1月25日発行、P61</ref>。
また、人々が望んだからと言って、それを生産できるとは、かぎらないと、マンキューは説明している。
たとえば医薬品として、エイズの完全治療薬を望んでも、それは現状の医学では生産不可能。
数百年前の時代を上げれば、たとえば結核や らい病 の治療薬のなかった時代もあった。この話も、誰もがあっさりと納得、あるいはいまさら言うなという感じでしょう。
また、資源を超えた量の生産も不可能。
この「資源の希少性」は、よく経済学の教科書で、「経済学の原理」のひとつとして挙げられている。
===法則? 原理?===
需要と供給の法則、なんて経済学では出てくるでしょうが、そもそも「法則」law とは、なんでしょうかね?
例えば、「現在でも、よくある傾向」、だという指摘もある。ある程度の多くの国で、ある程度の長期や複数回にわたって、よく発生する現象で、今でもよくある現象の事、要するに緩やかな決まりで、法則に当てはまらない例外もある。
たとえば、「需要と供給の法則」の例外のひとつとして「メニューコスト」という概念もあり、生産者側の価格改定には費用が掛かるので価格改定が後回しにされやすい、と。
つまり、どちらかというと法則どおりの現象のほうが遭遇しやすいだろうという、多数の経済学者の信念がある。
その国の言語の違いという問題もある。英語の law 、法律も法則も英語では law です。
例えば物理学では「法則」はかなり厳密な決まりで、基本的に例外は許さない。
しかし本当に例外はないのかという疑問は持てる。何らかの超自然的な理由で、時々は物理法則をキャンセルできるかもしれない。
自然科学の実験をしている時、気にして観察している時だけその法則が満たされるとか…
例えば量子力学には観測問題とか、不確定性原理、そして物理現象の確率的解釈というのもある。
勿論現代の物理学は、観測者自身を系に組み込んだり、確率の数学的記述を厳密化したりと、厳密な法則記述のための工夫がさまざまなされている。
例えば原理 principle なんて言葉があったり、数学では定理、公理、公準なんて言葉も使う。
経済学でいう「原理」principle とは何ですかね?
文脈や論者にもよりますが、「原理」とは普通の場合、いくつもある「法則」のうち、なかでも基本となる少数の法則のことです。
数学で言えば公理や公準に近いものですかね。
「資源の希少性」の原理と、「需要と供給の法則」なんて言いますが、むしろ「資源の希少性」は法則というよりは、前提事実と言ったところでしょうか。
「原理」と「原則」はともに英語では principle、根源的な法則、事実を示すものでしょう。
法則の厳密性は当然、学問分野で変わってきます。そしてそれはそれぞれの学問者の、感覚や経験などで、誰もが知って身に着けている事でしょう。
== 合成の誤謬 ==
合成の誤謬とは、個人や個々の企業にとっては合理的な行為でも、社会全体としては、不合理で意図しない結果に至ることですね。
例えば企業が経営の健全化を目指して、人件費を削減する。すると個人の収入は減るから、個人消費は減る。景気は低迷し、企業の売り上げも減る。
家庭の節約はどうでしょうか。
個人消費は減るし、節約対象の商品は売れなくなる。景気は悪くなるし、消費されないから生産もしない。
個人スケールで見た場合の合理的な行動と、国家規模の全体的な規模で考えた場合の合理的な行動は異なる。
しかし国家規模の合理的な行動とは何でしょうか?
先ず、国家という集団の化け物の実在性を認めるか?
それとも国家とは何らかの方便なのだろうか?
おそらく国家規模の合理的な行動とは、その構成員である国民の幸せに結びつくものでしょう。
限界消費性向を低下させる(つまり限界貯蓄性向を高める)ことは、GDPの低下をまねく可能性がある<ref>滝川好夫『図解雑学 ケインズ経済学』、ナツメ社、2010年11月21日初版発行、P180、</ref>。つまり国家全体の生産が低くなるわけですが、生産とは仕事をすることそのものでしょう。仕事をすればするほど幸せという訳ではない。
GDPはとりあえず上昇させたいという固定観念はあるが、これ自体どこまで妥当か。
国際競争を考えると、国家の経済力は必要だが、GDPを上げることを盲目的に目指す以外に、国家の安寧を満たす方法はないのか。
== 誰かの支出は誰かの収入 ==
誰かが貨幣を支払ったら、それは他の誰かの収入になっているでしょう。
それは一国の通貨だけではなく、各国、世界全体でその関係が成り立つ。
我々がアメリカ人から貿易として何かを買いたい場合、先ず、円で払うか、ドルで払うかが問題になりますよね。相手が円の受け取りを拒否するなら、自分が外貨を持っていないなら、両替商に円をドルに換えてもらうことになる。
そうすると自分が払った円は両替商の収入になる。そして我々はアメリカ人から商品を受け取る。アメリカ人はドルで収入を得るが、それは両替商が支払ったお金。両替商は商売として貨幣の交換をしているわけだから、払ったドルより受け取った円の方が価値が高いものになっているでしょう。
複数、多数の主体があって、それぞれが一定の数値を持っている。そしてその数値をお互いにやり取りできるなら、その数値の総体、総数は保存されるでしょう。一番の典型例は、物理学のエネルギー保存則。
しかし現実には貨幣の総量が一定である保証はない。
変わり者がお札を燃やしたら、総量は減りますよね。一方政府がお札を印刷して、その分を回収することなく放逸に使ったら、その国の貨幣の総量は増えていく。
==会計学から考えてみる==
===経理の初歩===
幾つか、費用に関する用語を説明します。
*人件費
会社、法人が雇用者、労働者に支払う給料は、人件費ですね。従業員のために支払われる費用です。
*固定費
固定費というのは、企業の生産量や売り上げの増減とは関係なく発生する、一定の費用の事です。地代、減価償却費、固定資産税、などですね。債券の利子も会計分野では固定費に含めるという。
*変動費
反対語は変動費ですね。変動費用。生産量や売り上げによって増減する費用。原材料費、外注費、運賃、など。
人件費は固定費か変動費か? 会計に詳しいらしい前編集者も言及を避けているので、たいして詳しくない現編集者ももちろん知りません。
*減価償却費
事業用の建物、機械設備、備品などの取得費用ですが、会計上は普通耐用年数によって、徐々に費用として計上します。つまり購入したときにお金は払ったとしても、会計上毎年その費用を分けて少しづつ計上する。
逆に少しずつお金を計上して費用にした結果、耐用年数が来ますので、費用が完全に計上された時点でその設備の価値は0円になると見ていい。つまり備品の資産価値が減っていく、その部分の支払いをしたと会計上見なすわけです。
減価償却の基準は(つまり購入費を毎年どう計上するか)省令や法律や業界の制度などによって、あらかじめ決まっているので、経理の際には、その制度に従って経理処理する。
===国民経済計算===
国民経済計算の指標として知られるGDP(国内総生産)やGNP(国民総生産)から、その国の資産の減価償却の金額を差し引いた金額のことをネットDPまたはネットNPといい、それぞれNDP(国内純生産)またはNNP(国民純生産)と略記します。
つまり、
:NDP = GDP - 減価償却費
:NNP = GNP - 減価償却費
です。
Net domestic product. 正味の、純粋な国内の生産。net はフランス語由来の形容詞で cleanを意味し、「網」を意味する同じ綴りで古英語由来の net とは別系統の英語のようです。
国内総生産は、国内の事業者の売り上げから、原材料費(中間財・サービス)の支出を引いた物を積算したもので、国の生産、事業や労働で生み出した付加価値を示していると考えています。
一方減価償却費は、その間に建物、車両、産業機械が劣化し、それを現状に戻すための価格を示していて、生産分からその分消費、減耗しているともみなせるので、NDP は国内の生産の状態を知るための別の指標として提示されています。
GDP やGNP の頭文字G はグロスの略で、Gross は、会計でいう粗利(あらり)を示す形容詞です。会計学でいう「粗利」とは、売上高から売上原価(その商品をつくるために掛かった費用)を差し引いたものです。
人件費は引かず、支払う税金も引かず、原価(原材料)だけ売上高から引き算する。それが粗利(あらり)です。
粗利を英語で gross profit と言います。 profit とは「利益」「利潤」という意味です。
つまり仕事をして生産した分だけ利益になると見ていいと思います。
GDPの算出式は、
:GDP = 家計による支出+企業による支出+政府支出+(輸出-輸入)
:GDP = C + I + G + (X − M)
、[[w:en:Gross domestic product]]、[[w:国内総生産]]、などを参照してみてください。
C とG とI は最終財・サービスに対して行われた支出を数えます。事業者が行った生産の積算は、最終的には最終財・サービスに対する支出になります。
家計はほぼすべて、最終財・サービスに対して支出しているでしょう。
企業は、中間財・サービスに支出してそれをもとに生産し、一方で最終財・サービスを購入することもあるでしょう。
中間財にしろ最終財にしろ、輸出したものは国内の支出には含まれませんね。
C + I + G + X に含まれる中間財、最終財(最終財はそれまでの中間財の生産価値を含んでいる)のうち、輸入したものは国内の生産には含まないでしょう。
GDPの計算基準は国際連合が決めたものがあり、定期的に改訂される。[[w:2008SNA]]等の記事も参照してみて下さい。
C + I + G + X と M が同額なら、事実上 GDPはゼロだが、この場合は輸入したものをすべて消費し、さらに輸入したものをそのまま輸出していることになるから、矛盾ではない。
なんらかの生産行為が行われているなら、事実上GDP がゼロになる事は無いだろう。
しかし、経済分析として、前編集者の指摘が完全に無意味だという訳ではない。
分析の精密さのためには貸借対照表のように複式簿記的に扱うべきであるという意見はある。
家計による国内消費額の総計、企業支出の総計、政府支出額の総計、輸出額の総計、輸入額の総計、といった金額をそれぞれ個別に計測して、それらの金額を比較することにより、複式簿記的に分析することにも意義はあるだろう。
前編集者の指摘として、経済分析において、
:産業関連表、
:資金循環表、
:国民貸借対照表、
:国際収支表、
などの統計表を、経済系の省庁は作成する事が望ましい、という(※ 参考サイト [http://www.keikyo-center.or.jp/old/tool/pdf/sna.pdf 国民経済計算の見方、使い方] 財団法人 日本経済教育センター)。
GPD と産業関連表を関連付ける、複式簿記にたとえて議論する、などの発想は、各種書籍にも記述されているという<ref>塩澤修平『経済学・入門』、有斐閣、2021年、4月30日 第3版 第5刷 発行、P202、P258</ref>。
===確定申告、減価償却、国民純生産===
国民純生産を計算するためには企業の減価償却の金額の情報が必要でしょう。この金額において、経済全体で固定資本の減耗分は測定しづらい、正しく推定できないという主張もあります。
企業も確定申告するので、自社の減価償却費もその時点で税務署に申告します。
減価償却費に応じた税金の控除もあります。建物、車両、産業機械は必要経費ですからね。
減価償却の計算のルールは、日本の国税庁などの省令や、または経理業界などの制度によって、厳密に定められています。
税に関する申請は虚偽があると罰せられるので、その意味では、企業の減価償却費のデータはおおむね正確だろうと考えられます。
なお、個人でも企業でも確定申告は2種類ある。
:比較的に簡単に計算できるが(税の)控除の特典の少ない「白色申告」
:事前の申し出が必要でさらに計算方法も厳密で難しいが控除の特典が多く、多くの場合納税額が少なくなる「青色申告」
多くの企業が基本青色申告を利用している。
===フローとストック===
フロー(英: Flow)とは、一定期間内に流れた量をいい、ストック(英: Stock)とは、ある一時点において貯蔵されている量をいう。以上Wikipediaから引用。
ある関数がある時、その微分がフロー、その関数を積分して元に戻すとストック、と、いう事も言えるかもしれません。ただし積分は積分定数を持つので、フローからだけではストックを作れません。
この節では前編集者が試みた経済学を会計学と関わらせて語るという試みを、現編集者が多少修正して記述している。
簿記(ぼき、英語: bookkeeping)とは、企業などの経済主体が経済取引によりもたらされる資産・負債・純資産の増減を管理し、併せて一定期間内の収益及び費用を記録することである。再びWikipediaから引用。
普通高校では簿記の学習はない。主に資格取得としての学習だというイメージはある。
====お金に関するフローとストック、具体例====
例えば…
Aさん:貯金が10億円あって1億円の家に住んでいるが、就職していなくて給料の収入が0円。
Bさん:貯金は1000万円で3000万円の親元の実家に住んでいる、会社勤めしていて年収が500万円。
話を簡単にするため、AさんもBさんも株投資や不動産投資はしていないとする。
経済学や経営学では、貯金や、保有する不動産や保有株式そのものの相場での購入費用などの金銭的価値などを合わせてストックとする。
いっぽう、収入や、株の配当益、不動産などを他人に貸したときの賃貸収入などの運用益はフローですね。
つまりAさんはストックが11億円で、フローは日々の支出という事になります。
Bさんは、まあ、ストックは4000万程度、日々の収入や支出がフローになる。
AさんBさんの生活、どちらがうらやましいか、意義がある生活か、豊かか、などの議論は無意味でしょう。人生いろいろ、お金も色々経済もいろいろ。
===会計との関係===
複式簿記などの会計の勉強をするときは、簿記では「フロー」と「ストック」という用語こそ使ってないものの、フローとストックを区別することになります。
GDP や GNP はフローについて語っていると見ていいですよね。
経済計算ではフローに関する話題の方が多いでしょうか。
例えば国家全体に関するストックを見るには、まず国家貨幣がどのくらい流通しているか、そしてその他に金銭的価値を持つものとして、土地、建物、証券、各種動産不動産、機械類や芸術品、貴金属・宝石など、価値のあるものはすべて資産としてのストックになるでしょう。
過去のある年度から現在までの各年ごとのGDPの累積額をストックとする計算法もあります。
しかしGDPとは生産その物で、生産物には資産として残るものもあるが、一方でその場で消費されるもの、無形の行為も生産の一つではある。
固定資産、建物や機械設備などの減価償却によって、ストックの資産価値は下がっていくと見れるから、ネット計算で、つまり国民純生産(NNP)の累積額で計算する方式をとる方が良いかもしれない。
==諸概念==
=== 機会費用 ===
経済学上の概念の一つとして、機会費用(opportunity cost<ref>『ビジネス基礎』、実教出版、令和2年12月25日検定、令和4年1月25日発行、P62</ref>)、というものがあります。
端的に解説すると、ある状況で最善の選択をした時に、残されたほかの可能性で最善の物の価値を言います。
例えば…
大学4年生が今年卒業だったはずなのに留年してしまった場合…
ならばその年は普通就職して200万円くらい年収があったはずなので、これが機会費用になりますね。
つまり留年というのはそれほど最善手ではありませんが、図らずもしてしまった場合は、200万の機会費用を費やして、その状態に至ったと見る。
そして留年した場合はさらに学費もかかりますね。これは一般的には機会費用ではなく、学業のための費用になります。
しかしこれはあまりいい例ではないように思える。
前編集者の記述に基づいてこの例を書いたが、そもそも機会費用の議論というのは、経済行為のうちの収益が多い最善手を見つけ出したいがための議論だろうし、いくつかの行為の可能性を見た上で、どれが最善手か知るための議論でもあるだろう。仮に機会費用が多くかかっても、その行為に意味があると見なす場合もある。
===パレート最適===
Pareto efficient. 他の誰かの状態を悪化させることなしに、ある主体の状態を改善できないこと。つまりその主体の現在の状態は改善できる可能性はあるのだが、それは必ず他の主体の状況の悪化が必要になるので、これ以上は改善を試みないのが正解、社会的に最適な状態とみる。
イタリアの経済学者、パレートが提唱した概念。
パレート効率と呼ぶこともある。つまり個人では最適ではないが社会的には効率の良い、いい状態だという事だろう。
パレート効率的な状態、具体的には、100人の民間人がいてある生活を続けている時、
政治家が特定の主体の状況を良くしたくて政策を変えたとして、どう政治行動しても、その100人の誰か一人以上に不利益・不満などを与えてしまう事になるのなら、経済政策を変える前のもとの状態がパレート最適、パレート効率的という事になる。
しかしパレート最適な状態にある時、それが本当に一般的な意味で最適、最高の状態であるわけではないだろう。
とりあえず状況を変えると誰かが必ず悪い状態になるのだが、Aが多少悪い状態になったとして、Bが少しでも良い状況になる方が必要、危急かもしれない。
そもそも最初の時点でAが不当に良い状態で、Bが不当に悲惨な状態かもしれない。
そしてパレート最適な状態も複数ある。この効率を得ているのは一種の平衡状態だが、最善ではない。徹底的に最善を求めた時、必ずパレート最適の複数のうち一つになるだろうか? そもそも最適な状態とは何? 誰にとって? 社会にとって? 社会とはだれのこと? そこに含めていない人はいない?
経済学者スティグリッツは、パレート効率的とは単に効率的でない状態よりは多少ましな状態に過ぎないだろうと書いている。経済学で言う「効率」とは、通常パレート効率の事だろう、という。出典、『スティグリッツ入門経済学』(和訳は東洋経済から)。
しかし最初の定義に戻ると、ある特定の主体の状態が問題になるわけだから、その特定の主体の状況を改善させる必要がどうしてもあるなら、パレート平衡を破って他の主体の状態を悪化させることになるだろう。
=== 価格統制 ===
経済政策の経験則として、(独占市場ではなく)競争市場における価格統制は、結果的に混乱をもたらすことが多いとされ、あまり好ましくないという。クルーグマンやスティグリッツやマンキューなど、多くの経済学者も、彼らの教科書で、それを説明している。
クルーグマンは、ベネズエラ国のチャベス政権での食料価格統制の結果として、ベネズエラ国で食糧難が実際に起きたと主張している。
価格を低く強制するなら、供給は減るだろう。
スティグリッツは、価格統制という方針は政府の市場介入としては悪手だ、という。
むしろ買い手に補助金を与えては?、という事だが…。
クルーグマンは独占市場では、価格統制も世の中に不利益を与えないという。
一方現実では、ニューヨーク、借家業界では家賃の価格統制が行われている。クルーグマンやマンキューは、この家賃の(上限)価格統制により、おそらく修繕などの費用が削減されて、低品質な住宅が供給されている、と指摘している。
価格の上限、価格統制、行政などが、超えてならない価格を設定することを英語では price ceiling といい、日本語では「価格の上限」または「上限価格」と訳す。
下限価格(price floor)規制もまた、別の問題を引き起こす。輸入品が極端に安価になると、自国の農業を助けるために価格の下限を決めるが、供給過剰になり、政府の買い上げなども起きる。
買い上げた後の廃棄なども起きるだろう。事実上売れなかったり、価格暴落を下げるため、最も下限価格はあるのだが、市場の自然な圧力は発生する。
下限価格により、自然な状態より値が高いので、過剰品質やオーバースペックなサービスの付加にもつながる、と、クルーグマンなどは説明する。
=== 失業 ===
====フィリップス曲線====
フィリップス曲線という理論が知られていて、インフレ率と失業率は、おおむね反比例すると主張されている。
これは、日本の1950年代~1990年代まではよく当てはまる<ref>福田慎一・照山博司『マクロ経済学・入門』、有斐閣、2016年3月30日第5版第1刷、299ページ</ref>。
しかし、第二次大戦後から2000年までのアメリカ合衆国はこれに当てはまらない<ref>福田慎一・照山博司『マクロ経済学・入門』、有斐閣、2016年3月30日第5版第1刷、302ページ</ref>。
インフレ率と失業率を加算した指標のことをミザリー指数(misery index)(ミザリーとは「悲惨な」というような意味の英語)というが、第二次大戦後のアメリカ合衆国ではこの指数は通常10%前後だが、1975年と1980年にミザリー指数が上昇して数か月~1年程度のあいだ20%近くになり、悪化した。
フィリップス曲線はもともとは、失業率と貨幣賃金上昇率に関する議論だったが、これが後に物価上昇率に関しても言われ始め、さらにT.フリードマンは、ここでは実質賃金上昇率について考えるべきだと主張し、さらに、予想物価上昇率も加えた新しいフィリップス曲線を提唱した。
====構造的失業、摩擦失業、需要不足失業====
構造的失業(structual unemployment)。企業が求める労働者の性質や地域、と労働者側の状況、条件が異なっているために、景気や需給関係では解消されない慢性的な失業。求人ニーズと求職者ニーズが一致せず、ミスマッチが起きている。
需要不足失業。求人が減っている、景気後退期に起きる。
摩擦的失業(frictional unemployment)。次の仕事を見つけるための過渡期、仕事自体は簡単に見つかるが、そこに就くまでに失業状態がある。
世の中の傲慢な愚か者たちの間では、失業するのは本人に何らかの問題があるから、能力や適性がないから、との考えが根強いようで、とりあえず公共の失業対策では、いい加減な講師による職業教育、訓練がなされるが、基本的には馬鹿げたことだろう。
勿論特定の職業実践に有効な、訓練や学習は確実に有意だが、現実にはそれが適切に提供されているとはいいがたい。
例えばこれはフィクションではあるが、カンヌ映画祭でパルムドールを獲得した、『[[w:わたしは、ダニエル・ブレイク]]』などを観ると、この問題の周辺でいかに馬鹿げたことが現実に起きているか良く解るだろう。
基本的に失業問題で公共がする一番の、そしてあるいはひょっとしたら唯一の重要事は、求職者と求人者の間の関係、橋渡しを上手に作る事だろう。
;完全雇用
full employment. 現行の賃金水準で就業を希望する人、そして就業に適した状態にあるすべての人が雇用されている状態。ケインズは非自発的失業、摩擦的失業、自発的失業の3つの分類を語り、求人需要が十分で非自発的失業の無い状態を完全雇用と考える。
;季節的失業
たとえばアメリカでは、建設業では、冬はほぼ毎年、仕事が減るのでその業界での失業者が増える。特定の季節にだけ失業者が増える業界があり、このような定期の失業のことを季節的失業という。
====自然失業率====
natural unemployment rate. 期待インフレ率と現実のインフレ率が一致し,実質賃金による労働力需給の調整が達成されるような長期均衡状態において成立する失業率。
…というのは、ブリタニカ小項目事典からの引用だが、 この文章からだけでは、どういう事か理解するのは難しいだろう。
前編集者は実際にはあまり「自然」に見えない、と記述しているが、本来の、短期ではなく長い目で見ると行き着くであるだろう、失業率、という意味で、自然という言葉がそれほど"不自然"、な訳ではない。
基本的には多少の失業者はいるものだろう、摩擦的失業や、自発的失業、そして口では働きたい働きたいと言いつつ、実際には人間はあまり働きたくない^^;;;、何となく失業者になりたがっている^^;;;;;…。
自然失業率という概念は、主にフリードマンが提唱したらしい、フィリップス曲線からの類推から、インフレにより失業率が減らせるという主張があり、それに対する反論でもある。
20世紀後半の代表的な経済学者サムエルソンが、自然失業率を正確に測定できた者は いまだに一人もいないと、著作『経済学』で述べている<ref name="nm">根井雅弘『サムエルソン『経済学』の時代 』、中央公論新聞社、中公選書、2012年1月10日初版発行、P68</ref>。
仮に自然失業率なる概念が明確に規定できるなら、我々の社会でその値がある程度明確に時間に応じて存在すると見れるだろう。それを統計調査で測定し、明らかにしたいのだが、この測定はやはり完璧に正確にはいかない。しかしサムエルソンの主張はそれ以前の問題。概念も測定もいまだ相当あいまいだという主張だろう。
サムエルソンは2009年に死亡した。彼は自然失業率は、長期的には安定した数値ではなく、そのため、ある程度の幅を持っていたり、あるいは複数の幅を持っている<ref name="nm" />、と云う。
冷戦崩壊や日本の1990年前後の不動産バブルについてはサムエルソンの著作は言及できたものの、しかし2008年前後のリーマンショック・サブプライム危機については言及が乏しいと考えられる(※ wiki著者がまだ未確認)。
余談だが、サムエルソンの経済学教科書『経済学』は、日本では『サムエルソン経済学』などと言われるが、実際は1985年以降の版は経済学者ノードハウスとの共著である(和訳本『サムエルソン経済学』の表紙を良く見ると、原著者ノードハウスの名前も入っている)。
=====自然失業率の算出=====
景気の変動などで実際の失業率はやや周期的に波上に上限に変動するだろう。
実際の失業率を、一定期間の平均的な高さの曲線でならしたものが自然失業率である、という見方がある。
この平均曲線の失業率と、実際の失業率とのずれの分を、循環的失業(cyclical unemployment)、とも云う。
フィリップス曲線の理論と関連づけるなら、インフレが進行したときの失業率の減少は、この循環的失業の部分だとされている(とスティグリッツは言う)。また、政府の経済対策などの成功によって減少できる失業率も、この循環失業率の部分だけである(と、スティグリッツは言っている)。
しかしマンキューは、スティグリッツのような意見には反対していて、自然失業率は経済政策の影響を受けないとは限らない、と主張している。
このスティグリッツとマンキューの差異のように、自然失業率の細かい定義はあまりはっきりしていない。
==実質という指標==
貨幣は絶対の固定された価値を持つものではない。経済の様々な指標は貨幣値で示すものだろうが、時期により貨幣の価値は変動している。だから様々な指標に貨幣の額面ではなく、物価の変動を考慮した補正を加える。
これが、実質〇〇(real 〇〇)だろう。具体的には、実質GDPや実質利子率などがある。
たとえば、実質利子率は、次のように引き算で定義される。
:実質利子率=名目の利子率-未来のインフレ率の予想値
例えば、まあ金額が少なすぎるが、例え話で銀行に100円預けたとしよう。これで、1か月後に利子が10円つくとする。これで名目利子率は、10% 。そして一か月後に10%のインフレになると予想されていると、実質利子率は0%だよね。これはどういうことだろう?
仮に予想通り、一か月後に10%のインフレ、物価高になったら、100円で買えたものには110円払わなければいけなくなる。名目利子率が10%なら、戻ってくるお金は110円だろう。つまり実質の利子は0%、預けたお金と同じ価値の貨幣が、銀行から返ってくる。
そして、もしこのインフレ状態で銀行に預けず、その資金を投資にも回さなければ、持っている100円の価値は100/110に下がっているだろう。
だからもし実質利子率がマイナスになっても、インフレで貨幣の価値は下がるが、事実上利子はつくのだから、やはり銀行に預けた方が得という事になる。
しかし予想値はあくまで予想値、この辺なんらかの欺瞞も、現実には多くあるような気もする。
===物価の指数、インフレ率をどうやって導くか?===
物価高とか、物価が低いと言ったところで、商品やサービスごとに価格の変動は異なるだろう。
インフレ傾向だと言っても、価格が下落している商品もあるだろう。
そこで総合的なインフレ率、物価動向を示す指数は、様々な算出法が考えられることになる。
「物価指数」とは、市場にある数種の商品の価格を実際に行政が調べて、基準年から何倍になったかを表している。
たとえば、リンゴでもハンバーガーでも何でもいいのだが、たとえばリンゴが基準年から20% 価格上昇したら、リンゴの物価指数は1.2(=1+0.2)ですね。
そして物価指数というのは、社会の物価を総合的に示す指数であるので、いくつもの商品の価格の変動を考慮して算出する。
そして消費者にとって重要な商品と、生産者にとって重要な商品は違う。
だから、「消費者物価指数」(CPI, consumer price index)と「生産者物価指数」(PPI, producer price index)という、それぞれ別の物価指数が算出されている(少なくともアメリカでは)。
さらに、GDPの計算のときに使う物価指数は「GDPデフレーター」といい、消費者物価指数とも生産者物価指数とも異なる。
GDPデフレーターは、名目GDP から実質GDP を求めるときに算出する物価指数で、これも、物価が高ければ1 ( 100分率の場合は100 )を超える。
:実質GDP = 名目GDP / (GDPデフレーター[100分率]/100)
ですね。GDPデフレーターは実際は100分率で示す場合が多い。
事実上、物価指数の計算方法は、種々多様になるだろう。
GDPデフレーターの算出方法は、「消費者物価指数」(CPI)の方法に近いが、ある程度は異なる。実質GDPは国内総生産(GDP)であり、国内生産に関する商品の価格変化を重視し、いっぽう消費者物価指数(CPI)では、輸入品の価格も比較的に強めに考慮する。
事実上、「GDPデフレーター」とは、実質GDPの算出に用いる物価指数であり、『スティグリッツ入門経済学 第4版』もその文脈で解説している。
消費者物価指数とGDPデフレーターの関係、アメリカでは、1970年代の(2度の)石油危機のときに、2度、値が乖離した。
いっぽう同じ1970年代の日本では、CPIとGDPデフレーターはあまり、乖離しなかった。
==金持ちはけち?いやー金持ちだろうが貧乏だろうが、けちな奴はけちだし、太っ腹(放蕩?^^;;;)なやつは太っ腹じゃあない^^?==
===先ず…===
GDPが高い国家は、消費も多くなるだろう。
消費額をCとして、所得をYとし、比例係数 k を用いて式
:C≒kY
が、成り立つと考えてみよう。
所得以上に消費することは普通無いので、
:k<1
と、してみる。
また、ミクロ経済では、需要Dを、
:D = j×Y + 定数
の式で示す試みもある<ref>小室直樹『小室直樹の経済原論』、東洋経済新報社、2015年6月11日発行、P509</ref>。このような立式で、需要、消費、所得などを、数理的に議論する事が可能になる。
=== 限界消費性向 ===
さて、誰がけちで誰が太っ腹かの話は、はっきり言ってどうでもいい事だろう。
先ずここで「平均消費性向」という言葉を提示する。これは、可処分所得に対する消費支出の割合の事だ。
ある人がある所得を得て生活している時、その可処分所得の中から、平均消費性向の分だけ消費として使っている訳だ。
そしてこの人の所得が増加した時、増加分のうち、消費に回す割合を、限界消費性向(MPC、marginal propensity to consume)、と、いう。
一般に経済学では、何か(金額など)の投入を1単位ぶん増やしたときに、増える出力の割合のことを「限界〇〇」という。
アメリカでの調査では、所得の大小に関わらず限界消費性向は0.8~0.9である、と、言われている。
クズネッツは1869~1938年の統計を見ると、限界消費性向は0.9である、と記述する。
ここで、仮に平均消費性向も0.8~0.9であるとすると、縦軸に消費額をとり、横軸に所得(可処分所得)をとると、このグラフは傾き0.8~0.9の直線になる。(『スティグリッツ入門経済学 第4版』、薮下史郎ほか訳、東洋経済、2012念4月5日 発行、)(クルーグマン『マクロ経済学』、大山道弘ほか訳、東洋経済、2009年4月2日発行、315ページ)
だから、平均消費性向と限界消費性向の値が一致するなら、所得と消費は比例式だから、単に所得の内のある割合が消費になるし、そうでないなら、所得が増える程、財布の紐を締める、或いはその逆、という議論が可能になるだろう。
===消費関数===
クズネッツ型の消費関数(consumption function)とは、前述した
:C≒kY
、である。
日本などいくつかの国では、所得が増えるほど消費の割合が低くなる、という現象が、統計として見られる。
これはケインズ型の消費関数↓を使うと、うまく表現する事が出来る。
:c = a + MPC × Yd
:c: 消費
:a: 独立消費水準
:MPC: 限界消費性向
:Yd : 可処分所得
MPC<1 でないと、一般的には意味を持たないだろう。
式中のaの部分、所得によらずにする消費のことを独立消費(antonomous consumption)というが、日本では基礎消費ともいう(※: 『基礎消費』の参考文献: 福田慎一・照山博司『マクロ経済学・入門 第5版』、有斐閣、2016年3月30日 第5版 第1刷 発行,32ページ)
独立消費水準が0 なら、これはクズネッツ型の消費関数だが、一般的には、クズネッツ型は比例式、ケインズ型は、所得に応じて消費の傾向が変わる状況を示す関数とみる。a>0 なら、所得が上がるごとに平均消費性向は下がっていくだろう。
中谷巌『マクロ経済学入門 <第2版>』(日本経済新聞社、2007年1月15日、2版1刷、32ページ)は、1992年から1997年の日本の消費関数を
:C=76+0.61Y
としている。<!-- すじにくさん、これ単位は何なの?千円? -->
有斐閣アルマ『マクロ経済学入門』(福田慎一・照山博司,38ページ)によると、2004年、2009年、2014年の日本では、低所得者の平均消費性向は0.9に近く、年収1250万円ていどの所得者の平均消費性向は0.6~0.7程度と低い。
ケインズ型の関数はより一般化されているから、所得に応じた平均消費性向の変化を表現する事が出来る。
現編集者としては、このクズネット型とケインズ型の消費関数の違いについてああだこうだ議論することに大きな意味があるとは思えないが、長期スケールではクズネッツ型の短期スケールではケインズ型の消費関数が当てはまるという指摘もある。
しかしこれは本当だろうか? 短期の所得と消費の関係、長期にわたる所得と消費の関係、この兼ね合いは、まず数理的な扱いの検討が必要になるだろう。短期スケールと長期スケールが独立してあるわけではなく、短期スケールの積み重ねが長期スケールになる。しかし、この問題をそんなに徹底的に考える意義はあるだろうか?
また前編集者はさらに、この問題には、「ライフサイクル仮説」という学説、も関連話題としてあり、多くの大学生向けのマクロ経済学の教科書で解説されているという。
*クズネッツ型とケインズ型
[[File:Consumption function of Kuznets and Keynes type compatible japaneseB.svg|thumb|500px|※ これは架空のグラフです。]]
数学的には、クズネッツ型の比例式を一次関数に一般化したのがケインズ型の消費関数だろう。
さて、今具体的なある年を考えて、この年に日本国籍を持っていた人物、というのは具体的に上げて、数え上げることができるだろう。そしてその具体的な人物の年収も、その年収のうちその年にいくら消費したのかも、具体的な数値、金額として示すことができるだろう。
例えばその数値を、1950年から、1999年まで、すべての日本人について、右のような所得→消費のグラフにプロットしたとする。
これを比例式で回帰したら、クズネッツ型の消費関数になるだろうし、普通に回帰直線を描いたら、ケインズ型になるだろう。
また、全てのデータを使わずに、1950年代、1970年代、1990年代、と、データを分けて回帰すると、おそらくケインズ型の回帰が見られるだろうし、あるいはまた、特定の傾向を持つ少数の人物の、長い時間にわたるプロット、例えばその間にインフレが進行するとか、あるいは所得も上がっているかもしれません、を回帰すると、クズネッツ型の関係が見いだされるかもしれません。
右上のグラフはそういう統計手段についてのイメージ図ですが、参考文献: 福田慎一・照山博司『マクロ経済学・入門』37ページ図、2-3 にある第二次大戦後の昭和の日本の家計消費のグラフを、参照して作っています。
{{-}}
*ピケティの言
クズネッツ型の、所得と消費の比例式は、主に所得格差の小さい時期に見られる様だ。
フランスの経済学者ピケティは、クズネッツ型の消費の比例関係は、アメリカで大戦後一時所得格差が小さかった時代、或いは社会経済の動乱期のデータで<ref>トマ・ピケティ『21世紀の資本』、訳 山形浩生・森岡桜・森本正史、東洋経済、みすず書房、2015年1月15日、13ページ・15ページ</ref>、格差自体は、どんどん広がっているので、消費は、ケインズ型の一次関数になっていくだろう、と、指摘する。
* 乗数効果
さて、あなたが消費したお金は、誰かが受け取り収入になる。その誰かもまたそのお金を消費すると、また別の誰かの収入になる。
お金や人々の手から手へ廻っているのですね。
では今、ある人、 Aさんの年収を 1000万円としましょう。そして、現実にはあり得ないことですが、 Aさんが消費したお金はすべて Bさんの収入になるとしましょう。そして同じような関係が、 Bさん、 Cさん、 Dさん、…と、続いていくとしましょう。そして今平均消費傾向が限界消費傾向 MPCと等しいとすると…
:Aさんは 1000万円 の収入を手にしたので MPC × 1000万円 の消費をすることになる。
:Bさんは MPC ×1000万円 の収入を手にしたので MPC<sup>2</sup> × 1000万円 の消費をすることになる。
:Cさんは MPC<sup>2</sup> ×1000万円 の収入を手にしたので MPC<sup>3</sup> × 1000万円 の消費をすることになる。
:Dさんは MPC<sup>3</sup> ×1000万円 の収入を手にしたので MPC<sup>4</sup> × 1000万円 の消費をすることになる。
つまり、一人の消費が、別の消費を数珠つなぎに引き出していることを示したいのです。
ここで、このつながりが n人に及べば、Aさんの消費が最終的に
:<math>MPC+MPC^2+MPC^3+MPC^4+\cdots+MPC^n</math>
倍の消費を生み出したことになる。
収入の和を考えれば、 Aさんは 1倍の収入があるから、
:<math>1+MPC+MPC^2+MPC^3+MPC^4+\cdots+MPC^n</math>
これは等比数列の和ですね。
ここで無限に足し合わせた級数を考えると、0<=MPC<1 に注意して、
<math>1+MPC+MPC^2+MPC^3+MPC^4+\cdots+MPC^n+\cdots= \frac{1}{1-MPC}</math>
と、なります。
実際には人口は無限でありませんが、十分に大きい数をとると、この値にほぼ近くなるとみていいでしょう。
そこで消費傾向が0.9 なら、<math>\frac{1}{1-MPC}</math>は 10になる。
このように、何らかの消費や投資の効果は増加、増殖する、と、考えられています。
さて、
:1-MPC
は貯蓄性向(正確には限界貯蓄性向 MPS)。
そこで、
:<math>\frac{1}{1-MPC}=\frac{1}{MPS}</math>
になります。
ここでは、0<MPS<=1 ですね。
つまりこの発想で考えると、貯蓄の割合を多くすると世に出回るお金の量が少なくなり、社会経済、景気が停滞し、発展が閉ざされ、生活が貧困になる、つまり合成の誤謬が成立するわけです<ref>[http://park.saitama-u.ac.jp/~yanagisawa/het10/44-61.pdf 『第5章 ケインズの経済学』P51]</ref>。
*預金は銀行が借入しているのだろう
{|class="wikitable" style="float:right"
|+ 信用創造
! 銀行・借入者 !! 預金・借入金 !! 支払い準備金・内部留保や消費 !! 貸し付け金・預金
|-
! A銀行
| 100万円 || 20万円 || 80万円
|-
! B企業
| 80万円 || 16万円 || 64万円
|-
! C銀行
| 64 || 12.8 || 51.2
|-
! D企業
| 51.2 || 10.24 || 40.96
|-
! 以下省略
| || ||
|-
! 合計
| 500万円 || 100万円 || 400万円
|-
|}
家計が銀行に預金をすると、銀行にとって貸出資金が増加し、それが金融市場に流れ、企業や他の銀行も資金増加になり,社会全体で多くのお金が動くとみなせる、このような考え方を信用創造という。これは高校政治経済でも言及されている。
右の表では、例えば誰かが A銀行に 100万円預金する。 A銀行は預金のうち 80%の 80万円を B企業に貸す。 B企業は、まああまりリアリティのない仮定だが、 20%を運転資金として消費し、 80%を C銀行にいったん預ける。つまり、銀行も企業も 20%を留保または消費して、 80% を他者に貸す。
そうすると預金を債権とみなすとして、
:信用創造された債権総額=元の預金/0.2
と考えることができる。
これは前述した等比級数の考え方だ。
:信用創造された債権総額= 元の預金× (1 + 0.8 + 0.8<sup>2</sup> + 0.8<sup>3</sup> + ・・・)
::= 元の預金×(1/(1-0.8))
預金だけを考えれば、
:信用創造された預金総額=元の預金/(1-0.8<sup>2</sup>)
に、なるだろう。
信用創造を考えるとき、元の預金のことを「本源的預金」ということもある。
===ハンセン=サミュエルソンの乗数・加速度モデル===
さて、ケインズ型の消費関数は以前、
:c = a + MPC × Yd
:c:消費
:a:独立消費水準
:MPC:限界消費性向
:Yd :可処分所得
と、記述した。
ここで消費c ではなく、所得Y に注目する。そしてむしろ国全体の所得、生産に着目し、つまり GDPを見るのだが、似たような形式の数理議論がある。
[[w:乗数・加速度モデル]]。
:<math>Y_t=C_t+I_t</math>
:<math>C_t = C + cY_{t-1}</math>
:<math>I_t = I + v (Y_{t-1}-Y_{t-2}) </math>
ただし、
* <math>Y</math>: GDP
* <math>C</math>: <math>C_t</math>はt期の消費。<math>C</math>は基礎消費。
* <math>I</math>: <math>I_t</math>はt期の投資。<math>I</math>は独立投資。
* <math>c</math>: 消費性向
* <math>t</math>: t期(時間)
* <math>v</math>: 加速度係数
この連立式から、
<math>Y_t=(c+v) Y_{t-1}-vY_{t-2}+(C+I)</math>
を導き、時間に対応する数列としての GDPを議論できる。
==貨幣数量説==
まず名目GDP の一番基本的な定義から考えてみよう。ある期間の、ある国に所属する経済主体の、売り上げから原材料費を引いた金額の総和がこれであろう。
そして売り上げそのもの、つまり原材料を引かない金額の総和も考えることが出来るし、そしてこれは大雑把に言えば,GDP に比例しているとみなすこともできる。
そしてまず、このような式を提示しよう。
:貨幣の流通速度 V = 名目GDP / 貨幣量M
速度というのは単位時間ごとの値だが、ここでは例えば、名目GDP が 3か月の値なら、3か月の量を示しているわけだ。
さて、名目GDPは、販売された商品の価格に含まれる製品一個当たりの付加価値 P(販売価格から原価をひいたもの)とその個数の合計 Yとの積 ΣPY に等しい。
:<math>\sum_{k=1}P_k Y_k=P_1 Y_1+P_2 Y_2+P_3 Y_3+\cdots</math>
つまり、こうですか。
:MV=名目GDP=<math>\sum_{k=1}P_k Y_k</math>
さて、先ほど売り上げそのもの、つまり原材料を引かない金額の総和について書いたが、これは荒くとらえて名目GDP に比例するとみてみようと言及したが、製品一個の付加価値ではなく価格をP' とすると、
:bMV=b*名目GDP=<math>\sum_{k=1}P'_k Y_k</math>
そこで、貨幣の流通速度の別解釈を提示しよう。
:貨幣の流通速度(別) V' = b*名目GDP / 貨幣量M
これはこうなるでしょう。
:MV'=<math>\sum_{k=1}P'_k Y_k</math>
さて、ここでですねー、こういう値を考えたい。
<math>Y=\sum_{k=1}Y_k</math>
こうなると、この値、P' を求めることが出来るでしょう。
P'=<math>\frac{\sum_{k=1}P'_k Y_k}{Y}</math>
結局
MV'=P'Y
:菅原晃『使えるマクロ経済学』、中経出版、2014年10月14日 第1刷発行,178ページ、
:では、『貨幣数量説』の公式として、
::「貨幣量×世の中を回った回数=物価×取引量」
とある。
:菅原晃『使えるマクロ経済学』、中経出版、2014年10月14日 第1刷発行,203ページ、
:では、『貨幣数量説』の公式として、
::「供給:貨幣量×世の中を回った回数=需要:物価×取引量」
とある。
この形の公式を「数量方程式」(quantity equation) と呼んでみましょう。また、この公式であらわされる学説を「貨幣数量説」という場合もある。
右辺に価格が入っているので、物価のインフレまたはデフレの解析に、この貨幣の流通速度の理論が使えそうだと経済学では思われている。
アメリカ経済学の教科書のスタイルではP×Y は 名目GDP に等しいと説明されるが、P' と同様に一般的な付加価値、P を求めることが出来るから、正しい主張でしょう。
PをGDPデフレーターとして、Yを実質GDPとして
:MV = PY
という書き方が、各種教科書でなされることも多い。どちらにしろP*Y は名目GDPになるわけです。
前編集者は
:MV'=物価×取引量 ∝ 名目GDP
:MV'=物価×取引量 ∝ 実質GDP × インフレ率
という関係式を得て、それを経済モデルに合うように連立させることが重要、と記述していたが、現編集者はこの手の数理議論にはあまり大きな意味はないと思っている。
===マーシャルのk===
さて、前項で、
:MV=名目GDP=PY
:MV'=P'Y
:M:貨幣量
:V:貨幣の流通速度α
:V':貨幣の流通速度β
:P:一般化された付加価値
:P':一般化された価格
:Y:財、サービスの取引数
ここで前回の議論にもあったように、 P'Y=b*PY としてみると、
M=(b/V')*P*Y
そして、
M=k*P*Y
このk が、マーシャルのkであるかは定かではないが、彼の議論の片りんを見るものとみていいだろう。
統計的には k は定数ではない。(※参考文献:中谷巌『入門マクロ経済学 第5版』、日本評論社、2007年3月30日第5版第1刷発行、192ページ)
たとえば中谷は参考文献『入門マクロ経済学第5版』で、日本では1970年代はマーシャルのkが 0.7 程度だったが、しだいに増加していき、2004年には k は 1.4 程度であるとグラフで図示している。
:※福田慎一・照山博司『マクロ経済学・入門』(有斐閣、2016年3月30日第5版第1刷発行、141ページ)では、文中に「右辺の定数k」とある。しかし、中谷の文献で紹介されるように、統計的にはkは定数ではない。数学的にはkは、「右辺の'''係数'''」である。
k=b/V'でもし bが定数なら、貨幣の交換が少なくなるほどk が大きくなる。
だから、いわゆる「デフレ経済」と言われる日本の1990年以降の時代(平成初期の不動産バブル崩壊の以降の時代)でマーシャルのkが増加するのは常識と一致するのだが、しかし中谷の文献のグラフを見ると、1970年代も1980年代でもマーシャルのkは増加傾向であるのが、グラフから読み取れる。(しかし中谷は、不動産バブル崩壊以前のマーシャルのkの増大には注意を払ってない。)
そしてこの式は、こう読める。
:M=k*名目GDP
(参考文献:菅原晃『使えるマクロ経済学』、中経出版、2014年10月14日第1刷発行,203ページ。この文献では「貨幣量=GDP」という図とともに「k%ルールが有効!」という文言が図中にある。 )
このkを、経済政策の目安にするのが良いだろうという学説があるらしく、フリードマンがそのような学説を提唱したらしい(菅原の文献を読んだ限り、そういう印象を受けた。By E.Suj.)。
==インフレは好ましいか?==
経験的に、経済政策として、インフレ率2~4%程度の緩やかなインフレを目指すことが、多くの国で行われている。
クルーグマンが『マクロ経済学』(2009年版、472ページ)で報告するには、アメリカのFRBは方針こそ断言してないが、その実行結果から、2~3%ていどのインフレ率を好んでいる、と、云う。また、イングランド銀行はインフレ率を2.5%とすると明示的に公表している、と同ページに記述されている。
なお、この2%のインフレ率のように、比較的に低率でのインフレのことをクリーピング・インフレ(creeping inflation)という。クリーピングとは「しのびよる」という意味の英語である。1~3%程度のインフレ率が、クリーピング・インフレだと言われている。
また、スティグリッツは、もし政府がインフレを嫌ってデフレを誘導すると、一時的には失業率が増加する、と述べている(『スティグリッツ入門経済学 第4版』東洋経済、432ページ)。
しかし、この低率のインフレが好ましいという議論は、論理的に明快に因果関係が説明されているわけではない。少なくとも、『クルーグマン マクロ経済学』や『スティグリッツ入門経済学』を読んでも、そのインフレ率2~3%程度が好ましいという論の明確な説明は全く見当たらない。
スティグリッツは、循環的失業の増加は低インフレをもたらし、循環的失業の減少は高インフレをもたらす、と述べているが、しかし彼以外のクルーグマンもマンキューも、スティグリッツのような主張は(調べたかぎりでは)していないようである。
==ケインズ政策==
アメリカの1940年代のニューディール政策は、1930年代のケインズの経済理論が根拠になっている、とよく言われる。しかしそれ以外にも参考にした具体例があったようだ。
例えば、1930年代の日本の高橋是清・蔵相の不況対策で、似たような積極的財政政策がとられている<ref>福田慎一・照山博司『マクロ経済学・入門』、有斐閣、2016年3月30日第5版第1刷、194ページ</ref>。
1930年代のドイツでの独裁者ヒトラー政権下でも、ドイツ人経済学者シャハト博士の助言のもとに、公共事業(高速道路アウトバーン建設など)や軍備増強など、積極的にドイツ政府は財政拡大をして投資した<ref>たとえば 犬走文彦『反経済学講座』、新潮社、2009年8月20日、P142</ref>。もっともこのころのドイツの軍備増強は、誰もが知るところだろう。だからこそ、第二次世界大戦の大騒ぎが実現したわけだ。
まあ軍備増強を公共投資と言っていいのかは疑問だが、当時のヒトラーの経済政策の果敢さは、彼の国内での、あるいは国外でも、人気拡大に一役買っただろう。
詳しい文脈は不明だが、森嶋道夫『思想としての近代経済学』(岩波新書、1994年)に、経済学者ヒックスが森嶋に「戦前はヒトラーの時代であった。戦後はケインズの時代になろう」と述べたことが記されている<ref>小室直樹『小室直樹の経済原論』、東洋経済新報社、2015年6月11日発行、P541</ref>。小畑二郎『経済学の歴史』にも似たような話が書かれている。
1940年代アメリカのニューディール政策はケインズの理論だけではなく、当時の様々な前例も参考に行われたのだろう。
さて近年、2008~2009年ごろのリーマンショックやサブプライムショックなどの対策としても、銀行の救済や公共事業などによる積極財政や金融政策がとられている。
ケインズ政策、ケインズ主義とは、不況対策や経済発展などのために政府が積極的に公共事業や融資や民間への資金援助などを行う政策をいうのだろう。ケインズ自身は、大恐慌に対する処方箋として、利子率の切り下げ(金融政策)と社会基盤への政府投資(財政政策)を示していた。
リーマンショック対策でケインズ政策はひとます成功したし、今でもこの政策が不況対策として有効だと、一般に認知されている。
ケインズの議論はケインズ経済学というマクロ経済学の主要な学派になっている。ケインジアン、という言葉もある。
一方でケインズ政策を実行すると、その国は多くの場合財政が悪化する。具体的には、国債を増発するようになる。第二次大戦後のアメリカ合衆国はそうなった。
この借金による国家運営の問題点をなくすために、ケインズ主義に代わる新しい経済思想がアメリカやイギリスで必要になり、1980年代にはレーガン大統領のレーガノミクスやサッチャー首相のサッチャリズムのような「新自由主義」が政治の表舞台に現れてきた。
*ハーヴェイロードの前提
ケインズ自身は、恐慌の時期には政府は借金をして投資しても、恐慌を脱したら財政規律を高めて赤字財政を回収して均衡財政に戻すべきと考えていた<ref>http://park.saitama-u.ac.jp/~yanagisawa/het10/44-61.pdf P58、2022年4月6日に確認.</ref>。
しかし、実際の多くの戦後先進国では、そのような政策はとられず、20世紀後半に赤字財政に陥った国も少なからず存在する。
WW2戦後のインフレには、このような赤字財政という背景もあったと、経済学者ブキャナンなどの新自由主義者は述べている<ref>http://park.saitama-u.ac.jp/~yanagisawa/het10/44-61.pdf P58、2022年4月6日に確認.</ref>。
ケインズの議論には、政府の経済政策には賢人としての高度な判断があるという、「ハーヴェイロードの前提」がある。ハーヴェイロードというのはケインズが生まれ育ったイギリスケンブリッジの土地で、知識人が集まっている場であった。
戦後の経済がケインズの当初の予想通りの均衡財政にならなかったのは、政治家の堕落(だらく)であり、為政者としての責任感の欠如だ、という指摘もある。つまり「ハーヴェイ・ロードの前提」が政治家に欠けている、という事だろう。
一方ケインズ経済理論を批判するブキャナンたち新自由主義の経済学者は、むしろ「ハーヴェイ・ロードの前提」が非現実的だろう、とも語る。
そして前編集者は、堕落しているのは政治家ではなく、むしろ民衆だろうと記述している。正しい政治家に投票できない民衆がおごりの中で政治家を批判しているだけだろうと指摘する。
しかし仮に民衆が堕落しているのなら、政治家も等しく堕落しているだろう。
全ての人間が公平に堕落しているのが現代社会だろう^^;;;。
赤信号、みんなで渡れば怖くない^^;;;
*貨幣錯覚
ケインズの一般理論でも、「貨幣錯覚」については言及されている。本来貨幣は定まった価値を持つものではなく、一般的絶対的な価値に対して、必要な額面が大きくなったり小さくなったりする。つまり財やサービスに必要な貨幣の額面、物価が高くなったり低くなったりするのだ。
だから本来貨幣は名目、額面としての数字ではなく実質の価値が問題になるのだが、実際には人々は貨幣の額面の数字に捉われる。
多くの労働者も、実質賃金ではなく貨幣賃金を見て行動する、という<ref>滝川好夫『図解雑学 ケインズ経済学』、ナツメ社、2010年11月21日初版発行、P60</ref>。
ケインズは緩やかなインフレを肯定した。また、インフレ誘導的な政策が、恐慌の脱出措置としてよく用いられる。
物価が高くなると、実質賃金は下がるが、それに合わせて名目の賃金を上げると、労働者は収入が上昇しているように感じるだろう(か?)。
*利子理論と物価
一般に、インフレなら名目金利を高くすることが可能だという{{要出典}}。
前編集者は物価に関する数理を欲していたが、ケインズの利子理論やそこから導出された、LS-IM分析は,その目的にはかなわないものだという。
ケインズは「一般理論」の著書で,2%という数字を利子率の基準として示した。<ref>[https://ynu.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=3118&item_no=1&page_id=59&block_id=74 石井力『先物市場の「流動性の罠」』,P82]2022年4月6日に確認.</ref>。一方、21世紀、主要な先進国が採用する物価インフレ目標も多くは2%である。
前編集者は物価と金利を結び付けた数理議論を求めているようだが、そういう論説はあまり世にない様だ。ケインズは金利の理論を展開したが、それと物価を結び付ける議論も、特にあまり見当たらないという。
しかし実際には全くそれがないわけではないだろう。一般的な議論として、政策金利を低くすると借金がしやすくなり、銀行のストックが減り世の中に貨幣が出回る。その結果貨幣量が増え、インフレ傾向、物価上昇傾向になると見れるだろう。
ロイター日本語版の2021の記事は物価目標2%と金利を関連づけて語っている<ref>
[https://jp.reuters.com/article/column-suzuki-akihiko-idJPKBN2F60HR 鈴木明彦『コラム:所得増えぬまま物価目標2%達成なら、消費者から悲鳴か=鈴木明彦氏』]2022年4月6日に確認.</ref>。しかしケインズの議論には言及がなく、その視点での分析も特に書いていない。
一般的に金利が高いと貨幣量が減り、デフレ傾向だが、不況に関してはどうなるだろう?
一般に金利と言えば貸金、預金の利率、貨幣を貸すときの手数料、利益と見ていいだろう。物価は生産物と貨幣の交換率、この二つの値の比較と重要性を語りたいのが前編集者の議論だが、例えば学問的な考察や議論で、詳細に拘らず、あるものを別の或るもので単純に置き換えると、面白い展開を迎えるというのは、往々にしてある。例えばケインズの利率を物価で置き換えたらどうだ? と、言うのが前編集者のアイディアではあろう。
日本の平成、「デフレ不況」と言われている状況では、金利も低く物価も低くなっている。1990年前後のバブル崩壊よりも前のころは金利は高かったろうし、物価も高かっただろう。
昔の主婦は金利の高い金融機関を探して選んで預金していたものだが、最近は預金に関してはあきれるほど利率が低い。
21世紀の日本の低金利は、日本の不動産バブル崩壊後、何らかの理由で金利を下げる必要があったのだろうと前編集者は考えているようだ、特に物価の下落を重要ファクターと見ている。日本の過去の不動産バブルは、不動産資産のインフレによる騒動と見ることが出来るだろうか。
長期的にはインフレ率と金利が近づいていくという指摘もある{{要出典}}。
'''クラウディング・アウト'''とは何か? 現編集者はむしろ、より詳しい方がここに記述してくれることを望むが、前編集者の説明では、国債や郵便貯金などの利率が高いとその商品が魅力的になるので、株式や投資、民間の債権などにお金が流れなくなる現象だと書く。
では国債や郵便貯金の利率は低いほうが良いのか?もちろんそうなれば財政も圧迫しなくなるし、が一方で公共にお金を貸す意思自体が減ると見られるかもしれない。
政策金利と呼ばれるものはまた別の利率だろうが、これが低すぎると'''流動性の罠(わな)'''と呼ばれ、景気浮揚や投資を増やす効果を持たなくなるという。
現編集者は実際は経済学も大した知らないが、前編集者の不適切な悪意に満ちた文章を何とかしたい一心で、いろいろ調べながらこの文章を書いているだけなので、いずれはより詳しく人間性も良好な人にこのページを書き足し修正してほしいのだが、とりあえず流動性の罠の原因については、「ゼロ金利の近くになると、これ以上は金利は下がりようがないのだから、つまり今後は国債などの金利が上がる可能性が高い。そこで、人々は値上がりを期待して、民間に投資をしなくなる」、という言説もあるようです。
つまりこの主張は、今金利が低いと、人々は将来上がると予想してそれを待つという事?
そこで結局流動性の罠とは何かそれほど理解していないまま、文章を先に進めるが、経済評論家の三橋貴明氏は、平成のデフレ不況とは、『デフレ化において単純に「儲からないから投資しない」』現象だと著書で語っている。そのうえでとりあえず政策金利を下げればよいという、バブル崩壊後の日本政府の金融政策を批判している<ref>三橋孝明『黄金の拘束衣を着た首相』、飛鳥新社、2015年2月6日第1刷発行、P129</ref>。
そもそも新たな投資が頻繁になされることが絶対的にいい事なのか? 今現在の生産インフラが潤沢に回っていることで、いい経済状況だとはみなせないのか?
経済が貨幣でお金のことだと見てしまうのは、本質を見失わせるだろう。経済とは我々の日々の生産活動だし、貨幣はそれに従い、それを動かすためのツールに過ぎない。
さて、評論家犬走文彦氏は「金融危機があるレベルまで達すると、信用リスクを回避するためいくら金利が低くなっても金融機関が貸し出しを止めてしまう」と書いている<ref>犬走文彦『反経済学講座』、新潮社、2009年8月20日、P134</ref>。そもそも金利が低くなると貸し出す方に旨味はない。借りる方が得になるから、貨幣需要が増えるという事だろう。しかし金融機関は敢えて貸さない? しかし金融機関とは、貨幣を貸し出して利益を得ている法人だったはずだ。
兎に角細かい事や全体を見ないままとりあえず投資が増えればいいというのなら、そして、「儲からないから投資しない」というのなら、「投資しないと損をするぞ」といった内容の経済構造すればよいのでは? 、と、前編集者は指摘する。
つまり投資という仕事をさせたいから、鼻先にぶら下げる人参はもうないから、では鞭で打とう、と、そういう訳だろう。
インフレ誘導にはそういう意味があるのだろうね。現状がデフレやディスインフレならなおさらこの方法に行きやすい。しかしインフレ誘導が制御できなくなって、高インフレになると、多くの人々が困ることになるだろう。今現在(2023/2)、その傾向があると言えなくもない。
一方経済学者クルーグマンは『中央銀行が将来のインフレ率を公約する「インフレ目標」が、流動性の罠のもとでも有効であると主張した。』、という<ref>福山慎一「マクロ経済学入門 第5版」、有斐閣、P223(『』内は書籍の解説文の引用)</ref>。
「バランスシート不況」という考え方では、恐慌時などには投資家がリスク回避志向になり、不況時は銀行の行動パターンが投資から債権回収などに移るので、この時期に政府が金融政策しても、あまり効果がない、という<ref>犬走文彦『反経済学講座』、新潮社、2009年8月20日、P134</ref>。貸し渋りという事? お金を持っている人たちが貸したくなくなる? しかしファイナンス、貸金とはそんなに経済、景気の進展に重要な事なのか? 借りたお金が世の中を潤沢に回ることが本当に健全な事態なのか?
投資と融資は異なるだろう。投資とは生産インフラの資本、資産を買い、所有することだし、融資はお金を貸しているという事。債権は利子を付けていずれ回収したいが、投資は所有している場合は配当などの利益が期待できるが、株式などの形で売って貨幣を回収することもできる。
1990年前後の不動産バブル崩壊後、日本は2000年代初頭に、非伝統的な金融政策である日銀のバランスシートの拡大、およびそれらの量的緩和をインフレ率が安定的に0.数%になるまで続けるという政策を実施しました。<ref>福山慎一『マクロ経済学入門 第5版』、P224</ref>
さて、もちろんケインズは我々の歴史の中で最重要の経済学者ですが、全知全能の神様ではない。その指摘や理論が徹底的に現実を示しているものではないでしょう。
前編集者によると、「ケインズ理論も新自由主義も両方とも間違っている」、という主張も結構多いという。「反経済学講座」(犬走文彦、新潮社、2009年8月20日)がそういうスタンスだという事だが…。
また基本的には、特にその会社の経営者、関係者は自分の会社が倒産することは望まないだろう。しかし世の中には自然淘汰を称賛し、弱者が滅びることが正しい事だと見做す考えも多いし、そこまで極論ではなくても、妥当な経営を出来ない会社はペナルティとして倒産やむなし、という判断は多くなされるだろう。前編集者は経済思想家ハイエクなどはそう考えていると指摘する。
基本的に弱者企業を補助金などで救済すること自体が、経済全体にとって悪い事だという主張は多い。ハイエクは、不況の救済のために必要以上の補助金を投入する事こそが、次のバブルおよびその破裂による恐慌をまねく、と、指摘したという。[https://bizgate.nikkei.co.jp/article/DGXMZO3466714028082018000000 『世界恐慌を予言した人たち~金融緩和がはらむ反動リスク 』 2018/9/18]。
ハイエクなどオーストリア学派は、不況を避けるという考え自体が不適切だろう、と主張したという。ある程度の不況の緩和を目指すことは認められるが、景気は循環するもので、無理やりそれを動かして不況を避けて矯正しようとすると、経済はかえって悪化する、と指摘する<ref>犬走文彦『反経済学講座』、新潮社、2009年8月20日、P154</ref>。
歴史的には大した恐慌対策を取らないまま、状況が改善した例もあるようです。1930の世界恐慌より前、1920年の恐慌は、自然に終息、回復を迎えたとオーストリア学派は主張しています<ref>犬走文彦『反経済学講座』、新潮社、2009年8月20日、P159</ref>。当時のアメリカは金本位制。第一次大戦の放漫財政で金の保有量が減っていたことから、対策をとろうとしてもアメリカ政府のハーディング大統領は対策をとれなかった、と、いう。
さて、一般的に、 Aならば Bでも、 Bならば Aであるとは限らない。
消費の低迷 → 消費依存型産業の物価デフレ
この流れはどうですかね。需要が減れば、値は下がるでしょう。
消費依存型産業の物価デフレ → 消費の低迷
これは? まず単純に考えて、値が下がれば需要は増えるのでは?
では…
消費の活況 → 消費依存型産業の物価インフレ
これはありますよね。需要が増えれば値は上がる。
消費依存型産業の物価インフレ → 消費の活況
これはどうですかね。一般に値が上がれば需要は減る、売りたい人は増えますがね。
高度成長も終わった昭和末期の1980年代、日本はディスインフレでした。しかし消費は活況。1980年代後半には、バブル直前の黄金期を迎えたといいます<ref>藤巻健史『マネーはこう動く』、光文社、2007年7月30日初版発行、P59</ref>。
だからデフレと不況の結びつきはそれほど強固ではない。
ただ需要が低下すると、値は下がる、これが徹底的に続いているのがデフレ不況なのだろう。経済評論家・加谷珪一は「デフレが不景気を引き起こしたわけではない。不景気でモノが売れず、企業は安値販売を余儀なくされ、これがさらに物価と賃金を引き下げている。高く売ることができる商品をわざわざ安く売っていたわけではない点に注意する必要がある。」と語る<ref>[https://www.newsweekjapan.jp/kaya/2022/04/post-180_2.php 『日本だけ給料が上がらない謎...「内部留保」でも「デフレ」でもない本当の元凶』2022年04月01日(金)17時30分]2022年4月9日に確認.</ref>。
つまり需要がない。日本は物に溢れている、なんてよく言うが、それに類する事態だろう。
しかし需要がないという事は必要ないという事。物が十分にあるという事はそんなに働かなくてもいいという事? そんなに作らなくてもいいという事かね? しかし結局この国の経済状況の中で、失業したり貧困に陥る人はかなりの数存在する。
==完全競争==
高校の政治経済では、「不完全競争市場」の例として、寡占や独占などの事例を習う。不完全の反対が完全だろうが、寡占(かせん、oligopoly)や独占(monopoly)などの、競争をゆがめるような制限のない市場の状態のことをよく、完全競争(pure competition)という
この言葉をより詳しく規定するとどうなるか?
次の五つの条件を満たすのが完全競争だという。(前編集者の定義)
# 生産者(売り手)と消費者が十分に数が多いという条件。
# また、生産者どうしが談合などせず、競争するという条件。
# また、生産者どうしも独立していて、他の売り手に大きな影響を与えないという、生産者どうしの独立の条件。買い手もまた、他の買い手に大きな影響を与えないという、消費者どうしの独立の条件。
# 消費者はよく商品の情報(特に価格についての情報)を知っているという条件。
# その市場への参入と退出が容易だとする条件。
寡占や独占のもとでの市場競争は、この「完全競争」の条件が満たされてない。と、云うか一般的には完全競争の状態は現実には無いと見なされている。議論のための仮想的な市場状態だろう。
そして完全競争の定義は、論者や学派によって微妙に異なるようだ。ここでは5つの定義を上げたが、これが3つぐらいの規則から導かれる完全競争の性質に過ぎない、という議論もある。
==不況と好況==
[[File:Economic cycle.svg|thumb|450px|景気循環の図。グラフの波型の山の部分が好景気を表し、谷の部分が不景気を表している。<br>
Expansion :景気拡大<br>
Boom :好景気の頂点<br>
Recession :景気の後退<br>
Depression:景気の消沈<br>]]
景気には波があるという。景気を統計的、数量的に示す方法があるかどうか、現編集者は知らないが、実質GDP を基準に考える道はあるだろう。
一般的にある程度安定した国家社会では、実質GDP は微増するものだと見るといいのではないだろうか。社会集団として、生産集団として、文化や技術が発達し生産に慣れて社会として習熟した表れとして、生産を示す実質GDP はわずかに増えていく。あくまでも仮定ですがね。
そうなると、好況というのはその時点での実質GDP成長率がある程度高いことを示すだろうし、不況というのは実質GDP成長率が横ばい、ゼロ、あるいはマイナス成長の時、だということは出来るだろう。
前編集者は、経済や生産の事を語る時に、「不況」「好況」の言葉を使うよりも、「高成長」や「低成長」や「マイナス成長」という言葉を使った方が妥当だし、適切だろうと書いているが、「不況」「好況」という言葉は現実の経済、商業生活でのそれぞれの職業人の精神的な満足度を示しているものではあるので、GDP だけがそれを示すものにはならないだろう。そもそも実質GDP とは常に大きく上昇し、上がっていくのが自然で望ましいのか? そうすれば人々は十分な満足が得られるのか? それさえも怪しいし、定かではないだろう。
==労働価値説と限界革命==
===労働価値説===
さて、財とサービスに価値があるのは自明でしょう。そしてそれと交換される貨幣にももちろん価値がある。
そしてまあ常識的に払う貨幣が高いほど、その財には価値があると見做されている。
払う貨幣とは価格ですよね。そしてこのページで議論してきたように、価格は需要と供給で決まると考えるのが、現代的な経済理解です。
しかし一方でもっと哲学的、観念的議論として、商品、財が持つ価値の根拠、いったい何によって価値が生まれるか、それを知りたい訳です。
そこでまず議論されたのが、アダムスミスやマルクスが言及した労働価値説ですね。
つまり財やサービスの価値の源泉は、我々の労働だと。
財の価値の根拠が労働にあることは否定できないでしょう。ただその議論を価格と結びつけるのはなんだかんだでかなり困難がある。労力を多く費やしても価格が安くなることはあるし、労力少なくして高い価格がつくことも現実にはある。
しかし数理的に労働量と価格の議論が出来なくても、労働が物事の、財の価値を生み出していることまで否定するのは詭弁でしょう。
大体労働に価値がないのなら、世の人はもう明日から仕事に行かなくなるよ^^;;;。
しかし一方「効用革命」という議論があり、労働価値説とは別の視点として、財を消費する側の満足、欲望の充実に価値の根拠を見出す視点がある<ref>https://diamond.jp/articles/-/75341</ref>。
この議論は数理とも馴染みがよく、ミクロ経済学の重要な分析の一つになっている。
価格は需要と供給によって決まり、財の生産者は市場で売れる価格にあわせて利益が出るように労働および経費などの投入量を調節する<ref>小畑二郎『経済学の歴史』、慶應義塾大学出版会、2014年11月28日 初版 第1刷 発行、P236</ref>
===限界効用理論===
効用とは財を消費したときの満足度である。ここで効用関数なる値が実数の関数を考える。
一般に消費者は、いくつもある消費計画のうち、みずからの効用関数を最大化させるような消費計画を選ぶ、と考えられる。これを「効用最大化仮説」と言います。
たとえば、ある消費計画Aと、別の消費計画Bについて、それぞれ効用をU(A)およびU(B)とします。つまり消費計画Aの効用がU(A)です。同様に消費計画Bの効用がU(B)です。
そして、たとえば、もし
:U(A)>U(B)
なら、消費者は消費計画Aを選ぶ。
同様、もし
:U(A)<U(B)
なら、消費者は消費計画Bを選ぶ。
ただし、効用の大きさそのものを数値化することは一般にはできず、その大小関係・順序にのみ意味があると考えています。数学で言うと、代数システムのうちの順序関係・大小関係のことを「序数」と言うので、効用関数の上述のような性質のことを「効用の序数性」と言います<ref>塩沢修平『経済学・入門』、有斐閣、P60</ref>。書籍によっては便宜的に効用が数値で表される場合もありますが、しかしその数値はあくまで便宜的なものに過ぎず、数値の絶対的な大きさには意味は無い<ref>塩沢修平『経済学・入門』、有斐閣、P59</ref>、とのことです。
:※英語ではfirst やsecond やthird などの単語を「序数」と言いますが、つまり、集合の要素の順序関係を見るのが序数ですよね。
然し導関数として、ステーキの購入計画C とワインの購入計画D で、ステーキ1単位を購入することがある人にとってワイン何単位ぶんの購入に当たるかの計算は議論される。こうのような購入量1単位ごとの効用の換算値を、限界代替率と言います。
「効用」は、主観的な量です<ref>たとえば 塩沢『経済学入門』、P59 など。</ref>。つまり、効用の大きさは、それぞれの消費者の主観で決まります。
この効用と価格の関係に関する数理議論があるだろうが、現編集者はほとんど知らないので記述できない。一般の経済学入門書を見ても、そういう話題はまったく書かれていない、と、前編集者は書く。
効用自体も、消費量が1単位増えた時の効用の増加、限界効用も、関数の数値自体には大きな意味はないと見る。しかし財によって限界効用を比較したもの、限界代替率は、限界効用の数値を比較し、同じ満足度の消費量を見出す概念だとはいえる。
経済学者ヒックスはこの限界代替率に着目した研究を行ったという<ref>小室直樹『経済学をめぐる巨匠たち 経済思想ゼミナール』、ダイヤモンド社、2004年1月8日、P202およびP203</ref>。
もう一度書くが、限界効用とは,財を一単位追加して消費することによる効用の増加分だ。これは効用関数の微分と見ていいだろう<ref>小畑二郎『経済学の歴史』、慶應義塾大学出版会、2014年11月28日初版第1刷発行、P161</ref>。
さて、この効用関数は、単調増加で上に凸だろうか。ある種類の物があふれると、その物ひとつ当たりの価値は小さくなる(効用逓減(ていげん)の法則)。
水は生命活動に不可欠に限らず、ダイヤモンドより価格が安い<ref>小畑二郎『経済学の歴史』、慶應義塾大学出版会、2014年11月28日 初版 第1刷 発行、P172</ref>。同じ美術品を何度も鑑賞すると、慣れてきて価値を感じなくなる<ref>小畑二郎『経済学の歴史』、慶應義塾大学出版会、2014年11月28日 初版 第1刷 発行、P172</ref>。
財の消費だけではなく、人間の心理的または生理的な傾向としてこのような現象は見られますよね<ref>小畑二郎『経済学の歴史』、慶應義塾大学出版会、2014年11月28日初版第1刷発行、P172</ref>。
兎も角効用とは消費する側の議論だろう、一方で供給する側の視点も必要だ。労働がなければ多くの財は供給不可能だ。
===サンクトペテルブルクの賭け===
さて、事実上は話題として少しそれるが、効用に関する議論として、18世紀前半、ロシアのサンクトペテルブルクに住んでいたスイスの数学者ダニエル・ベルヌーイが示した「サンクトペテルブルクの賭け」という面白い議論があるので、余談として紹介しておこう。
ここではこういうゲームを考える。一枚のコインを表が出るまで何回も投げ続ける。もらえる賞金は、1回目に表が出たら1ダカット(日本円で500円ぐらいだという)、1回目は裏が出て2回目に表が出たら倍の2ダカット、2回目まで裏が出ていて3回目に初めて表が出たらそのまた倍の4ダカット、3回目まで裏が出ていて4回目に初めて表が出たらそのまた倍の8ダカット、というふうに倍々で賞金は増えていく。
さて、この場合このゲームを売る胴元は、何ダカットでこの賭けを売ればよいだろうか?
普通ギャンブルのこういう議論では期待値を計算する。
期待値の例として、別の簡単なゲームを考えてみよう。
二人の人間がゲームに参加し、参加料として100円ずつ払う。じゃんけんをして勝った方が場に出た200円を総取りする。
この場合片方の参加者がじゃんけんに勝つ確率は 1/2、負ける確率は残り 1/2、200*1/2+0*1/2 で期待値は100円。参加料が100円だから、ゲームとしてはトントンだという事になる。
ここでもしゲームとしての胴元がいて、10円ずつ参加料から場所代を抜いていたら、賞金総額は 180円で、期待値は 90円。世によくある、胴元が確実に儲け、参加者が総体的には結局損をしているギャンブルになる。
さて、先のサンクトペテルブルクの賭けの賭けでは期待値はどうなるか。
まず最初に表が出る確率は 1/2。その時の賞金が 1ダカット。次に裏が出た後表が出る確率は、1/2*1/2=1/4。賞金は2ダカット。つぎは 1/8と 4ダカット。結局期待値は、
1/2+1/2+1/2+… となって∞に発散する。
つまりこれは圧倒的に胴元が不利なゲームのはずだ。いくらで売っても期待値は無限大だからね。
しかし実際このゲームを 16ダカットで売ったとしてみよう。
だとしたら、賞金が 8ダカット以下になる確率は 15/16。まずこれが起こる可能性が高いから、胴元が得するように思える。しかし問題は、 1/16だ。これは底なし沼だ。場合によっては胴元の資産を超えて負けることもある。ここがこのゲームの期待値が無限大で胴元に不利だと言える根拠になるだろう。
ベルヌーイ自身はここに効用の発想を取り入れて、議論を進めた。つまりダカット金貨の額面で判断せずに額面の満足度、効用を金額の対数と決めてみた。賞金の期待値は∞に発散するが、効用の期待値は一定の値になる。最初に表が出た時の額面が1で、効用をlog[2,1]=0とすると、裏→表で効用が log[2,2]=1、裏→裏→表で効用がlog[2,4]=2で期待値は0/2+1/4+2/8+3/16+4/32+… そしてこの無限級数は幾つになるかな? 現編集者は計算できなかった^^;;;。数学の得意な人が答えだしてください。兎に角 2のこの無限級数乗の金額が効用としての期待値での金額。気持ちとしてはゲーマーとしてはこれでトントンだという事か。対数を考えるという事は、金額が大きいほど増えてもそれほどありがたみを感じなくなるという事ですからね。
さらなる分析として、胴元がこの商売を人生で何回やるか、ゲーマーが何回するかがこの話の議論に関わってくるだろう。
== 脚注 ==
[[Category:経済学|*]]
[[Category:書庫|けいさいかく]]
[[en:Principles of Economics]]
n9wlafs0bka7uw2zdjhjvoavi67hd7o
301402
301401
2026-07-09T10:35:50Z
AkiR27User
90873
/* 社会保障制度 */ 追加
301402
wikitext
text/x-wiki
{{Pathnav|経済学|frame=1|small=1}}
ここでは、経済学の基礎的事項について確認しながら、世界経済における経済の動向に配慮した経済学的解説に努めることにする。[[高等学校政治経済]]のテキストも参照せよ。
== 経済変容と現代社会 ==
現代社会の変容は、工業化・IT化に続く。
=== 経済の変容 ===
* [[経済学/経済とは何か|経済とは何か]]
==== 世界経済の変容 ====
* [[双子の赤字]] {{進捗|100%|2013-10-08}}
* [[経済学/バブル崩壊|バブル崩壊]]
* [[経済学/アジア通貨危機|アジア通貨危機]]
* [[経済学/改革開放|改革開放]]
* [[経済学/アジア経済|アジア経済]]
* [[経済学/インド経済|インド経済]]
* [[経済学/EU統合|EU統合]]
==== 日本経済の変容 ====
* [[戦後]] {{進捗|75%|2013-10-08}}
* [[経済学/高度経済成長|高度経済成長]]
* [[経済学/通貨危機|通貨危機]]
* [[経済学/石油危機|石油危機]]
* [[経済学/プラザ合意|プラザ合意]]
* [[経済学/失われた10年|失われた10年]]
* [[経済学/情報化社会|情報化社会]]
* [[経済学/産業の空洞化|産業の空洞化]]
== 現代経済の仕組み ==
=== 世界経済 ===
* [[経済学/資本主義経済|資本主義経済]]
* [[経済学/社会主義経済|社会主義経済]]
* [[経済学/経済システム|経済システム]]
* [[経済学/グローバル化経済|グローバル化経済]]
=== 経済学 ===
* [[経済主体とその活動]]:経済主体が相互作用の中で貨幣を廻している。{{進捗|75%|2013-10-08}}
* [[経済学 現代経済の仕組み 金融機関とその働き|金融機関]]:銀行は何をする? 銀行のストックが減ると世に貨幣が増える。
* [[経済学 現代経済の仕組み 財政|財政]]:税金は何に使おう? 払いたくない^^;;;?
* [[経済学 現代経済の仕組み 国民生活|国民生活]]:人間の行為は大抵生産、それをお金に換えたら経済になる。
* [[経済学/国民所得|国民所得]]
* [[国民経済生産]]:GDPの値は国家の生産を示しているはず。{{進捗|100%|2013-10-08}}
== 社会保障制度 ==
年金や健康保険から公衆便所まで。
* [[経済学/過労死|過労死]]:使用者責任が問われ、民事上の損害賠償責任が課せられることになります。
* [[経済学/福祉国家|福祉国家]]:福祉は必要だよね? しかし昔の方がやはり不備は多かったか…最も今でも…
* [[経済学/社会保険年金制度|社会保険年金制度]]:年金制度は必要だが、経済的に破綻しないように運営するのはかなり困難。
*[[経済学 社会保障制度 成立と発展|成立と発展]]
*[[経済学 社会保障制度 日本の社会保障制度とその内容・課題|日本の社会保障制度]]
== 世界経済 ==
日本経済の国際化による日本と海外の国々との関係とこれからの課題について学習しましょう。
* [[経済学/貿易|貿易]]:貿易はやはりバランスが大事か?
* [[経済学/国際収支|国際収支]]:貿易で赤字になった国があるの?
* [[経済学/為替|為替]]:1ドル=1円じゃ駄目?
=== 世界経済の変容と発展 ===
* [[経済学/国際経済体制|国際経済体制]]:IMFとかGATTとかって?
==== 世界経済の発展 ====
* [[経済学/多国籍企業|多国籍企業]]:ウォルマートとかエンロンとかトヨタとか・・・
* [[経済学/ユーロ|ユーロ]]:ユーロだけじゃない?
* [[経済学/サブプライムローン問題|サブプライムローン問題]]:アメリカ経済を気にするのはなぜ?
* [[経済学/国際協力|国際協力]]:アフリカ、ラテンアメリカ、南アジア、中東その他の国の状況は?
== 環境問題 ==
自然環境問題を経済で解決できるでしょうか。
* [[経済学/都市と環境|都市と環境]]:ごみ問題、大気汚染、水質汚濁、渇水、オゾン層の破壊、こうした問題を私たちは解決できるのでしょうか。
* [[経済学/持続可能な発展|持続可能な発展]]:「宇宙船地球号」
* [[経済学/生態系と環境|生態系と環境]]:生態系を守ることこそ、私たちの未来に必要です。
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== 未分類 ==
===資源の希少性===
原則としては、資源とは有限のものでしょう。むしろ無限と考える方が不自然だし、実際にはだれも考えていない。
しかし例えば再生可能エネルギー、太陽光なんかはほぼ無限と見なしていますよね。しかしシビアに考察すると、やはりそれも有限。
例えば水なんかはどうでしょうか。これは地球上を循環しているもので、現実的には無限とみていますが、やはり手に入りにくい地域はありますし、シビアに考えると有限ですよね。
クルーグマンやスティグリッツやマンキューなど、多くの経済学者も、彼らの教科書で、資源の希少性が経済学の前提であると説明している。(なお、日本の高校の「公共」教科書でも、たとえば帝国書院(教科書会社のひとつ)の検定教科書で、「資源の希少性」を紹介している。)
なお、経済学・商学などで「希少性」は英語で scarcity である<ref>『ビジネス基礎』、実教出版、令和2年12月25日検定、令和4年1月25日発行、P61</ref>。
また、人々が望んだからと言って、それを生産できるとは、かぎらないと、マンキューは説明している。
たとえば医薬品として、エイズの完全治療薬を望んでも、それは現状の医学では生産不可能。
数百年前の時代を上げれば、たとえば結核や らい病 の治療薬のなかった時代もあった。この話も、誰もがあっさりと納得、あるいはいまさら言うなという感じでしょう。
また、資源を超えた量の生産も不可能。
この「資源の希少性」は、よく経済学の教科書で、「経済学の原理」のひとつとして挙げられている。
===法則? 原理?===
需要と供給の法則、なんて経済学では出てくるでしょうが、そもそも「法則」law とは、なんでしょうかね?
例えば、「現在でも、よくある傾向」、だという指摘もある。ある程度の多くの国で、ある程度の長期や複数回にわたって、よく発生する現象で、今でもよくある現象の事、要するに緩やかな決まりで、法則に当てはまらない例外もある。
たとえば、「需要と供給の法則」の例外のひとつとして「メニューコスト」という概念もあり、生産者側の価格改定には費用が掛かるので価格改定が後回しにされやすい、と。
つまり、どちらかというと法則どおりの現象のほうが遭遇しやすいだろうという、多数の経済学者の信念がある。
その国の言語の違いという問題もある。英語の law 、法律も法則も英語では law です。
例えば物理学では「法則」はかなり厳密な決まりで、基本的に例外は許さない。
しかし本当に例外はないのかという疑問は持てる。何らかの超自然的な理由で、時々は物理法則をキャンセルできるかもしれない。
自然科学の実験をしている時、気にして観察している時だけその法則が満たされるとか…
例えば量子力学には観測問題とか、不確定性原理、そして物理現象の確率的解釈というのもある。
勿論現代の物理学は、観測者自身を系に組み込んだり、確率の数学的記述を厳密化したりと、厳密な法則記述のための工夫がさまざまなされている。
例えば原理 principle なんて言葉があったり、数学では定理、公理、公準なんて言葉も使う。
経済学でいう「原理」principle とは何ですかね?
文脈や論者にもよりますが、「原理」とは普通の場合、いくつもある「法則」のうち、なかでも基本となる少数の法則のことです。
数学で言えば公理や公準に近いものですかね。
「資源の希少性」の原理と、「需要と供給の法則」なんて言いますが、むしろ「資源の希少性」は法則というよりは、前提事実と言ったところでしょうか。
「原理」と「原則」はともに英語では principle、根源的な法則、事実を示すものでしょう。
法則の厳密性は当然、学問分野で変わってきます。そしてそれはそれぞれの学問者の、感覚や経験などで、誰もが知って身に着けている事でしょう。
== 合成の誤謬 ==
合成の誤謬とは、個人や個々の企業にとっては合理的な行為でも、社会全体としては、不合理で意図しない結果に至ることですね。
例えば企業が経営の健全化を目指して、人件費を削減する。すると個人の収入は減るから、個人消費は減る。景気は低迷し、企業の売り上げも減る。
家庭の節約はどうでしょうか。
個人消費は減るし、節約対象の商品は売れなくなる。景気は悪くなるし、消費されないから生産もしない。
個人スケールで見た場合の合理的な行動と、国家規模の全体的な規模で考えた場合の合理的な行動は異なる。
しかし国家規模の合理的な行動とは何でしょうか?
先ず、国家という集団の化け物の実在性を認めるか?
それとも国家とは何らかの方便なのだろうか?
おそらく国家規模の合理的な行動とは、その構成員である国民の幸せに結びつくものでしょう。
限界消費性向を低下させる(つまり限界貯蓄性向を高める)ことは、GDPの低下をまねく可能性がある<ref>滝川好夫『図解雑学 ケインズ経済学』、ナツメ社、2010年11月21日初版発行、P180、</ref>。つまり国家全体の生産が低くなるわけですが、生産とは仕事をすることそのものでしょう。仕事をすればするほど幸せという訳ではない。
GDPはとりあえず上昇させたいという固定観念はあるが、これ自体どこまで妥当か。
国際競争を考えると、国家の経済力は必要だが、GDPを上げることを盲目的に目指す以外に、国家の安寧を満たす方法はないのか。
== 誰かの支出は誰かの収入 ==
誰かが貨幣を支払ったら、それは他の誰かの収入になっているでしょう。
それは一国の通貨だけではなく、各国、世界全体でその関係が成り立つ。
我々がアメリカ人から貿易として何かを買いたい場合、先ず、円で払うか、ドルで払うかが問題になりますよね。相手が円の受け取りを拒否するなら、自分が外貨を持っていないなら、両替商に円をドルに換えてもらうことになる。
そうすると自分が払った円は両替商の収入になる。そして我々はアメリカ人から商品を受け取る。アメリカ人はドルで収入を得るが、それは両替商が支払ったお金。両替商は商売として貨幣の交換をしているわけだから、払ったドルより受け取った円の方が価値が高いものになっているでしょう。
複数、多数の主体があって、それぞれが一定の数値を持っている。そしてその数値をお互いにやり取りできるなら、その数値の総体、総数は保存されるでしょう。一番の典型例は、物理学のエネルギー保存則。
しかし現実には貨幣の総量が一定である保証はない。
変わり者がお札を燃やしたら、総量は減りますよね。一方政府がお札を印刷して、その分を回収することなく放逸に使ったら、その国の貨幣の総量は増えていく。
==会計学から考えてみる==
===経理の初歩===
幾つか、費用に関する用語を説明します。
*人件費
会社、法人が雇用者、労働者に支払う給料は、人件費ですね。従業員のために支払われる費用です。
*固定費
固定費というのは、企業の生産量や売り上げの増減とは関係なく発生する、一定の費用の事です。地代、減価償却費、固定資産税、などですね。債券の利子も会計分野では固定費に含めるという。
*変動費
反対語は変動費ですね。変動費用。生産量や売り上げによって増減する費用。原材料費、外注費、運賃、など。
人件費は固定費か変動費か? 会計に詳しいらしい前編集者も言及を避けているので、たいして詳しくない現編集者ももちろん知りません。
*減価償却費
事業用の建物、機械設備、備品などの取得費用ですが、会計上は普通耐用年数によって、徐々に費用として計上します。つまり購入したときにお金は払ったとしても、会計上毎年その費用を分けて少しづつ計上する。
逆に少しずつお金を計上して費用にした結果、耐用年数が来ますので、費用が完全に計上された時点でその設備の価値は0円になると見ていい。つまり備品の資産価値が減っていく、その部分の支払いをしたと会計上見なすわけです。
減価償却の基準は(つまり購入費を毎年どう計上するか)省令や法律や業界の制度などによって、あらかじめ決まっているので、経理の際には、その制度に従って経理処理する。
===国民経済計算===
国民経済計算の指標として知られるGDP(国内総生産)やGNP(国民総生産)から、その国の資産の減価償却の金額を差し引いた金額のことをネットDPまたはネットNPといい、それぞれNDP(国内純生産)またはNNP(国民純生産)と略記します。
つまり、
:NDP = GDP - 減価償却費
:NNP = GNP - 減価償却費
です。
Net domestic product. 正味の、純粋な国内の生産。net はフランス語由来の形容詞で cleanを意味し、「網」を意味する同じ綴りで古英語由来の net とは別系統の英語のようです。
国内総生産は、国内の事業者の売り上げから、原材料費(中間財・サービス)の支出を引いた物を積算したもので、国の生産、事業や労働で生み出した付加価値を示していると考えています。
一方減価償却費は、その間に建物、車両、産業機械が劣化し、それを現状に戻すための価格を示していて、生産分からその分消費、減耗しているともみなせるので、NDP は国内の生産の状態を知るための別の指標として提示されています。
GDP やGNP の頭文字G はグロスの略で、Gross は、会計でいう粗利(あらり)を示す形容詞です。会計学でいう「粗利」とは、売上高から売上原価(その商品をつくるために掛かった費用)を差し引いたものです。
人件費は引かず、支払う税金も引かず、原価(原材料)だけ売上高から引き算する。それが粗利(あらり)です。
粗利を英語で gross profit と言います。 profit とは「利益」「利潤」という意味です。
つまり仕事をして生産した分だけ利益になると見ていいと思います。
GDPの算出式は、
:GDP = 家計による支出+企業による支出+政府支出+(輸出-輸入)
:GDP = C + I + G + (X − M)
、[[w:en:Gross domestic product]]、[[w:国内総生産]]、などを参照してみてください。
C とG とI は最終財・サービスに対して行われた支出を数えます。事業者が行った生産の積算は、最終的には最終財・サービスに対する支出になります。
家計はほぼすべて、最終財・サービスに対して支出しているでしょう。
企業は、中間財・サービスに支出してそれをもとに生産し、一方で最終財・サービスを購入することもあるでしょう。
中間財にしろ最終財にしろ、輸出したものは国内の支出には含まれませんね。
C + I + G + X に含まれる中間財、最終財(最終財はそれまでの中間財の生産価値を含んでいる)のうち、輸入したものは国内の生産には含まないでしょう。
GDPの計算基準は国際連合が決めたものがあり、定期的に改訂される。[[w:2008SNA]]等の記事も参照してみて下さい。
C + I + G + X と M が同額なら、事実上 GDPはゼロだが、この場合は輸入したものをすべて消費し、さらに輸入したものをそのまま輸出していることになるから、矛盾ではない。
なんらかの生産行為が行われているなら、事実上GDP がゼロになる事は無いだろう。
しかし、経済分析として、前編集者の指摘が完全に無意味だという訳ではない。
分析の精密さのためには貸借対照表のように複式簿記的に扱うべきであるという意見はある。
家計による国内消費額の総計、企業支出の総計、政府支出額の総計、輸出額の総計、輸入額の総計、といった金額をそれぞれ個別に計測して、それらの金額を比較することにより、複式簿記的に分析することにも意義はあるだろう。
前編集者の指摘として、経済分析において、
:産業関連表、
:資金循環表、
:国民貸借対照表、
:国際収支表、
などの統計表を、経済系の省庁は作成する事が望ましい、という(※ 参考サイト [http://www.keikyo-center.or.jp/old/tool/pdf/sna.pdf 国民経済計算の見方、使い方] 財団法人 日本経済教育センター)。
GPD と産業関連表を関連付ける、複式簿記にたとえて議論する、などの発想は、各種書籍にも記述されているという<ref>塩澤修平『経済学・入門』、有斐閣、2021年、4月30日 第3版 第5刷 発行、P202、P258</ref>。
===確定申告、減価償却、国民純生産===
国民純生産を計算するためには企業の減価償却の金額の情報が必要でしょう。この金額において、経済全体で固定資本の減耗分は測定しづらい、正しく推定できないという主張もあります。
企業も確定申告するので、自社の減価償却費もその時点で税務署に申告します。
減価償却費に応じた税金の控除もあります。建物、車両、産業機械は必要経費ですからね。
減価償却の計算のルールは、日本の国税庁などの省令や、または経理業界などの制度によって、厳密に定められています。
税に関する申請は虚偽があると罰せられるので、その意味では、企業の減価償却費のデータはおおむね正確だろうと考えられます。
なお、個人でも企業でも確定申告は2種類ある。
:比較的に簡単に計算できるが(税の)控除の特典の少ない「白色申告」
:事前の申し出が必要でさらに計算方法も厳密で難しいが控除の特典が多く、多くの場合納税額が少なくなる「青色申告」
多くの企業が基本青色申告を利用している。
===フローとストック===
フロー(英: Flow)とは、一定期間内に流れた量をいい、ストック(英: Stock)とは、ある一時点において貯蔵されている量をいう。以上Wikipediaから引用。
ある関数がある時、その微分がフロー、その関数を積分して元に戻すとストック、と、いう事も言えるかもしれません。ただし積分は積分定数を持つので、フローからだけではストックを作れません。
この節では前編集者が試みた経済学を会計学と関わらせて語るという試みを、現編集者が多少修正して記述している。
簿記(ぼき、英語: bookkeeping)とは、企業などの経済主体が経済取引によりもたらされる資産・負債・純資産の増減を管理し、併せて一定期間内の収益及び費用を記録することである。再びWikipediaから引用。
普通高校では簿記の学習はない。主に資格取得としての学習だというイメージはある。
====お金に関するフローとストック、具体例====
例えば…
Aさん:貯金が10億円あって1億円の家に住んでいるが、就職していなくて給料の収入が0円。
Bさん:貯金は1000万円で3000万円の親元の実家に住んでいる、会社勤めしていて年収が500万円。
話を簡単にするため、AさんもBさんも株投資や不動産投資はしていないとする。
経済学や経営学では、貯金や、保有する不動産や保有株式そのものの相場での購入費用などの金銭的価値などを合わせてストックとする。
いっぽう、収入や、株の配当益、不動産などを他人に貸したときの賃貸収入などの運用益はフローですね。
つまりAさんはストックが11億円で、フローは日々の支出という事になります。
Bさんは、まあ、ストックは4000万程度、日々の収入や支出がフローになる。
AさんBさんの生活、どちらがうらやましいか、意義がある生活か、豊かか、などの議論は無意味でしょう。人生いろいろ、お金も色々経済もいろいろ。
===会計との関係===
複式簿記などの会計の勉強をするときは、簿記では「フロー」と「ストック」という用語こそ使ってないものの、フローとストックを区別することになります。
GDP や GNP はフローについて語っていると見ていいですよね。
経済計算ではフローに関する話題の方が多いでしょうか。
例えば国家全体に関するストックを見るには、まず国家貨幣がどのくらい流通しているか、そしてその他に金銭的価値を持つものとして、土地、建物、証券、各種動産不動産、機械類や芸術品、貴金属・宝石など、価値のあるものはすべて資産としてのストックになるでしょう。
過去のある年度から現在までの各年ごとのGDPの累積額をストックとする計算法もあります。
しかしGDPとは生産その物で、生産物には資産として残るものもあるが、一方でその場で消費されるもの、無形の行為も生産の一つではある。
固定資産、建物や機械設備などの減価償却によって、ストックの資産価値は下がっていくと見れるから、ネット計算で、つまり国民純生産(NNP)の累積額で計算する方式をとる方が良いかもしれない。
==諸概念==
=== 機会費用 ===
経済学上の概念の一つとして、機会費用(opportunity cost<ref>『ビジネス基礎』、実教出版、令和2年12月25日検定、令和4年1月25日発行、P62</ref>)、というものがあります。
端的に解説すると、ある状況で最善の選択をした時に、残されたほかの可能性で最善の物の価値を言います。
例えば…
大学4年生が今年卒業だったはずなのに留年してしまった場合…
ならばその年は普通就職して200万円くらい年収があったはずなので、これが機会費用になりますね。
つまり留年というのはそれほど最善手ではありませんが、図らずもしてしまった場合は、200万の機会費用を費やして、その状態に至ったと見る。
そして留年した場合はさらに学費もかかりますね。これは一般的には機会費用ではなく、学業のための費用になります。
しかしこれはあまりいい例ではないように思える。
前編集者の記述に基づいてこの例を書いたが、そもそも機会費用の議論というのは、経済行為のうちの収益が多い最善手を見つけ出したいがための議論だろうし、いくつかの行為の可能性を見た上で、どれが最善手か知るための議論でもあるだろう。仮に機会費用が多くかかっても、その行為に意味があると見なす場合もある。
===パレート最適===
Pareto efficient. 他の誰かの状態を悪化させることなしに、ある主体の状態を改善できないこと。つまりその主体の現在の状態は改善できる可能性はあるのだが、それは必ず他の主体の状況の悪化が必要になるので、これ以上は改善を試みないのが正解、社会的に最適な状態とみる。
イタリアの経済学者、パレートが提唱した概念。
パレート効率と呼ぶこともある。つまり個人では最適ではないが社会的には効率の良い、いい状態だという事だろう。
パレート効率的な状態、具体的には、100人の民間人がいてある生活を続けている時、
政治家が特定の主体の状況を良くしたくて政策を変えたとして、どう政治行動しても、その100人の誰か一人以上に不利益・不満などを与えてしまう事になるのなら、経済政策を変える前のもとの状態がパレート最適、パレート効率的という事になる。
しかしパレート最適な状態にある時、それが本当に一般的な意味で最適、最高の状態であるわけではないだろう。
とりあえず状況を変えると誰かが必ず悪い状態になるのだが、Aが多少悪い状態になったとして、Bが少しでも良い状況になる方が必要、危急かもしれない。
そもそも最初の時点でAが不当に良い状態で、Bが不当に悲惨な状態かもしれない。
そしてパレート最適な状態も複数ある。この効率を得ているのは一種の平衡状態だが、最善ではない。徹底的に最善を求めた時、必ずパレート最適の複数のうち一つになるだろうか? そもそも最適な状態とは何? 誰にとって? 社会にとって? 社会とはだれのこと? そこに含めていない人はいない?
経済学者スティグリッツは、パレート効率的とは単に効率的でない状態よりは多少ましな状態に過ぎないだろうと書いている。経済学で言う「効率」とは、通常パレート効率の事だろう、という。出典、『スティグリッツ入門経済学』(和訳は東洋経済から)。
しかし最初の定義に戻ると、ある特定の主体の状態が問題になるわけだから、その特定の主体の状況を改善させる必要がどうしてもあるなら、パレート平衡を破って他の主体の状態を悪化させることになるだろう。
=== 価格統制 ===
経済政策の経験則として、(独占市場ではなく)競争市場における価格統制は、結果的に混乱をもたらすことが多いとされ、あまり好ましくないという。クルーグマンやスティグリッツやマンキューなど、多くの経済学者も、彼らの教科書で、それを説明している。
クルーグマンは、ベネズエラ国のチャベス政権での食料価格統制の結果として、ベネズエラ国で食糧難が実際に起きたと主張している。
価格を低く強制するなら、供給は減るだろう。
スティグリッツは、価格統制という方針は政府の市場介入としては悪手だ、という。
むしろ買い手に補助金を与えては?、という事だが…。
クルーグマンは独占市場では、価格統制も世の中に不利益を与えないという。
一方現実では、ニューヨーク、借家業界では家賃の価格統制が行われている。クルーグマンやマンキューは、この家賃の(上限)価格統制により、おそらく修繕などの費用が削減されて、低品質な住宅が供給されている、と指摘している。
価格の上限、価格統制、行政などが、超えてならない価格を設定することを英語では price ceiling といい、日本語では「価格の上限」または「上限価格」と訳す。
下限価格(price floor)規制もまた、別の問題を引き起こす。輸入品が極端に安価になると、自国の農業を助けるために価格の下限を決めるが、供給過剰になり、政府の買い上げなども起きる。
買い上げた後の廃棄なども起きるだろう。事実上売れなかったり、価格暴落を下げるため、最も下限価格はあるのだが、市場の自然な圧力は発生する。
下限価格により、自然な状態より値が高いので、過剰品質やオーバースペックなサービスの付加にもつながる、と、クルーグマンなどは説明する。
=== 失業 ===
====フィリップス曲線====
フィリップス曲線という理論が知られていて、インフレ率と失業率は、おおむね反比例すると主張されている。
これは、日本の1950年代~1990年代まではよく当てはまる<ref>福田慎一・照山博司『マクロ経済学・入門』、有斐閣、2016年3月30日第5版第1刷、299ページ</ref>。
しかし、第二次大戦後から2000年までのアメリカ合衆国はこれに当てはまらない<ref>福田慎一・照山博司『マクロ経済学・入門』、有斐閣、2016年3月30日第5版第1刷、302ページ</ref>。
インフレ率と失業率を加算した指標のことをミザリー指数(misery index)(ミザリーとは「悲惨な」というような意味の英語)というが、第二次大戦後のアメリカ合衆国ではこの指数は通常10%前後だが、1975年と1980年にミザリー指数が上昇して数か月~1年程度のあいだ20%近くになり、悪化した。
フィリップス曲線はもともとは、失業率と貨幣賃金上昇率に関する議論だったが、これが後に物価上昇率に関しても言われ始め、さらにT.フリードマンは、ここでは実質賃金上昇率について考えるべきだと主張し、さらに、予想物価上昇率も加えた新しいフィリップス曲線を提唱した。
====構造的失業、摩擦失業、需要不足失業====
構造的失業(structual unemployment)。企業が求める労働者の性質や地域、と労働者側の状況、条件が異なっているために、景気や需給関係では解消されない慢性的な失業。求人ニーズと求職者ニーズが一致せず、ミスマッチが起きている。
需要不足失業。求人が減っている、景気後退期に起きる。
摩擦的失業(frictional unemployment)。次の仕事を見つけるための過渡期、仕事自体は簡単に見つかるが、そこに就くまでに失業状態がある。
世の中の傲慢な愚か者たちの間では、失業するのは本人に何らかの問題があるから、能力や適性がないから、との考えが根強いようで、とりあえず公共の失業対策では、いい加減な講師による職業教育、訓練がなされるが、基本的には馬鹿げたことだろう。
勿論特定の職業実践に有効な、訓練や学習は確実に有意だが、現実にはそれが適切に提供されているとはいいがたい。
例えばこれはフィクションではあるが、カンヌ映画祭でパルムドールを獲得した、『[[w:わたしは、ダニエル・ブレイク]]』などを観ると、この問題の周辺でいかに馬鹿げたことが現実に起きているか良く解るだろう。
基本的に失業問題で公共がする一番の、そしてあるいはひょっとしたら唯一の重要事は、求職者と求人者の間の関係、橋渡しを上手に作る事だろう。
;完全雇用
full employment. 現行の賃金水準で就業を希望する人、そして就業に適した状態にあるすべての人が雇用されている状態。ケインズは非自発的失業、摩擦的失業、自発的失業の3つの分類を語り、求人需要が十分で非自発的失業の無い状態を完全雇用と考える。
;季節的失業
たとえばアメリカでは、建設業では、冬はほぼ毎年、仕事が減るのでその業界での失業者が増える。特定の季節にだけ失業者が増える業界があり、このような定期の失業のことを季節的失業という。
====自然失業率====
natural unemployment rate. 期待インフレ率と現実のインフレ率が一致し,実質賃金による労働力需給の調整が達成されるような長期均衡状態において成立する失業率。
…というのは、ブリタニカ小項目事典からの引用だが、 この文章からだけでは、どういう事か理解するのは難しいだろう。
前編集者は実際にはあまり「自然」に見えない、と記述しているが、本来の、短期ではなく長い目で見ると行き着くであるだろう、失業率、という意味で、自然という言葉がそれほど"不自然"、な訳ではない。
基本的には多少の失業者はいるものだろう、摩擦的失業や、自発的失業、そして口では働きたい働きたいと言いつつ、実際には人間はあまり働きたくない^^;;;、何となく失業者になりたがっている^^;;;;;…。
自然失業率という概念は、主にフリードマンが提唱したらしい、フィリップス曲線からの類推から、インフレにより失業率が減らせるという主張があり、それに対する反論でもある。
20世紀後半の代表的な経済学者サムエルソンが、自然失業率を正確に測定できた者は いまだに一人もいないと、著作『経済学』で述べている<ref name="nm">根井雅弘『サムエルソン『経済学』の時代 』、中央公論新聞社、中公選書、2012年1月10日初版発行、P68</ref>。
仮に自然失業率なる概念が明確に規定できるなら、我々の社会でその値がある程度明確に時間に応じて存在すると見れるだろう。それを統計調査で測定し、明らかにしたいのだが、この測定はやはり完璧に正確にはいかない。しかしサムエルソンの主張はそれ以前の問題。概念も測定もいまだ相当あいまいだという主張だろう。
サムエルソンは2009年に死亡した。彼は自然失業率は、長期的には安定した数値ではなく、そのため、ある程度の幅を持っていたり、あるいは複数の幅を持っている<ref name="nm" />、と云う。
冷戦崩壊や日本の1990年前後の不動産バブルについてはサムエルソンの著作は言及できたものの、しかし2008年前後のリーマンショック・サブプライム危機については言及が乏しいと考えられる(※ wiki著者がまだ未確認)。
余談だが、サムエルソンの経済学教科書『経済学』は、日本では『サムエルソン経済学』などと言われるが、実際は1985年以降の版は経済学者ノードハウスとの共著である(和訳本『サムエルソン経済学』の表紙を良く見ると、原著者ノードハウスの名前も入っている)。
=====自然失業率の算出=====
景気の変動などで実際の失業率はやや周期的に波上に上限に変動するだろう。
実際の失業率を、一定期間の平均的な高さの曲線でならしたものが自然失業率である、という見方がある。
この平均曲線の失業率と、実際の失業率とのずれの分を、循環的失業(cyclical unemployment)、とも云う。
フィリップス曲線の理論と関連づけるなら、インフレが進行したときの失業率の減少は、この循環的失業の部分だとされている(とスティグリッツは言う)。また、政府の経済対策などの成功によって減少できる失業率も、この循環失業率の部分だけである(と、スティグリッツは言っている)。
しかしマンキューは、スティグリッツのような意見には反対していて、自然失業率は経済政策の影響を受けないとは限らない、と主張している。
このスティグリッツとマンキューの差異のように、自然失業率の細かい定義はあまりはっきりしていない。
==実質という指標==
貨幣は絶対の固定された価値を持つものではない。経済の様々な指標は貨幣値で示すものだろうが、時期により貨幣の価値は変動している。だから様々な指標に貨幣の額面ではなく、物価の変動を考慮した補正を加える。
これが、実質〇〇(real 〇〇)だろう。具体的には、実質GDPや実質利子率などがある。
たとえば、実質利子率は、次のように引き算で定義される。
:実質利子率=名目の利子率-未来のインフレ率の予想値
例えば、まあ金額が少なすぎるが、例え話で銀行に100円預けたとしよう。これで、1か月後に利子が10円つくとする。これで名目利子率は、10% 。そして一か月後に10%のインフレになると予想されていると、実質利子率は0%だよね。これはどういうことだろう?
仮に予想通り、一か月後に10%のインフレ、物価高になったら、100円で買えたものには110円払わなければいけなくなる。名目利子率が10%なら、戻ってくるお金は110円だろう。つまり実質の利子は0%、預けたお金と同じ価値の貨幣が、銀行から返ってくる。
そして、もしこのインフレ状態で銀行に預けず、その資金を投資にも回さなければ、持っている100円の価値は100/110に下がっているだろう。
だからもし実質利子率がマイナスになっても、インフレで貨幣の価値は下がるが、事実上利子はつくのだから、やはり銀行に預けた方が得という事になる。
しかし予想値はあくまで予想値、この辺なんらかの欺瞞も、現実には多くあるような気もする。
===物価の指数、インフレ率をどうやって導くか?===
物価高とか、物価が低いと言ったところで、商品やサービスごとに価格の変動は異なるだろう。
インフレ傾向だと言っても、価格が下落している商品もあるだろう。
そこで総合的なインフレ率、物価動向を示す指数は、様々な算出法が考えられることになる。
「物価指数」とは、市場にある数種の商品の価格を実際に行政が調べて、基準年から何倍になったかを表している。
たとえば、リンゴでもハンバーガーでも何でもいいのだが、たとえばリンゴが基準年から20% 価格上昇したら、リンゴの物価指数は1.2(=1+0.2)ですね。
そして物価指数というのは、社会の物価を総合的に示す指数であるので、いくつもの商品の価格の変動を考慮して算出する。
そして消費者にとって重要な商品と、生産者にとって重要な商品は違う。
だから、「消費者物価指数」(CPI, consumer price index)と「生産者物価指数」(PPI, producer price index)という、それぞれ別の物価指数が算出されている(少なくともアメリカでは)。
さらに、GDPの計算のときに使う物価指数は「GDPデフレーター」といい、消費者物価指数とも生産者物価指数とも異なる。
GDPデフレーターは、名目GDP から実質GDP を求めるときに算出する物価指数で、これも、物価が高ければ1 ( 100分率の場合は100 )を超える。
:実質GDP = 名目GDP / (GDPデフレーター[100分率]/100)
ですね。GDPデフレーターは実際は100分率で示す場合が多い。
事実上、物価指数の計算方法は、種々多様になるだろう。
GDPデフレーターの算出方法は、「消費者物価指数」(CPI)の方法に近いが、ある程度は異なる。実質GDPは国内総生産(GDP)であり、国内生産に関する商品の価格変化を重視し、いっぽう消費者物価指数(CPI)では、輸入品の価格も比較的に強めに考慮する。
事実上、「GDPデフレーター」とは、実質GDPの算出に用いる物価指数であり、『スティグリッツ入門経済学 第4版』もその文脈で解説している。
消費者物価指数とGDPデフレーターの関係、アメリカでは、1970年代の(2度の)石油危機のときに、2度、値が乖離した。
いっぽう同じ1970年代の日本では、CPIとGDPデフレーターはあまり、乖離しなかった。
==金持ちはけち?いやー金持ちだろうが貧乏だろうが、けちな奴はけちだし、太っ腹(放蕩?^^;;;)なやつは太っ腹じゃあない^^?==
===先ず…===
GDPが高い国家は、消費も多くなるだろう。
消費額をCとして、所得をYとし、比例係数 k を用いて式
:C≒kY
が、成り立つと考えてみよう。
所得以上に消費することは普通無いので、
:k<1
と、してみる。
また、ミクロ経済では、需要Dを、
:D = j×Y + 定数
の式で示す試みもある<ref>小室直樹『小室直樹の経済原論』、東洋経済新報社、2015年6月11日発行、P509</ref>。このような立式で、需要、消費、所得などを、数理的に議論する事が可能になる。
=== 限界消費性向 ===
さて、誰がけちで誰が太っ腹かの話は、はっきり言ってどうでもいい事だろう。
先ずここで「平均消費性向」という言葉を提示する。これは、可処分所得に対する消費支出の割合の事だ。
ある人がある所得を得て生活している時、その可処分所得の中から、平均消費性向の分だけ消費として使っている訳だ。
そしてこの人の所得が増加した時、増加分のうち、消費に回す割合を、限界消費性向(MPC、marginal propensity to consume)、と、いう。
一般に経済学では、何か(金額など)の投入を1単位ぶん増やしたときに、増える出力の割合のことを「限界〇〇」という。
アメリカでの調査では、所得の大小に関わらず限界消費性向は0.8~0.9である、と、言われている。
クズネッツは1869~1938年の統計を見ると、限界消費性向は0.9である、と記述する。
ここで、仮に平均消費性向も0.8~0.9であるとすると、縦軸に消費額をとり、横軸に所得(可処分所得)をとると、このグラフは傾き0.8~0.9の直線になる。(『スティグリッツ入門経済学 第4版』、薮下史郎ほか訳、東洋経済、2012念4月5日 発行、)(クルーグマン『マクロ経済学』、大山道弘ほか訳、東洋経済、2009年4月2日発行、315ページ)
だから、平均消費性向と限界消費性向の値が一致するなら、所得と消費は比例式だから、単に所得の内のある割合が消費になるし、そうでないなら、所得が増える程、財布の紐を締める、或いはその逆、という議論が可能になるだろう。
===消費関数===
クズネッツ型の消費関数(consumption function)とは、前述した
:C≒kY
、である。
日本などいくつかの国では、所得が増えるほど消費の割合が低くなる、という現象が、統計として見られる。
これはケインズ型の消費関数↓を使うと、うまく表現する事が出来る。
:c = a + MPC × Yd
:c: 消費
:a: 独立消費水準
:MPC: 限界消費性向
:Yd : 可処分所得
MPC<1 でないと、一般的には意味を持たないだろう。
式中のaの部分、所得によらずにする消費のことを独立消費(antonomous consumption)というが、日本では基礎消費ともいう(※: 『基礎消費』の参考文献: 福田慎一・照山博司『マクロ経済学・入門 第5版』、有斐閣、2016年3月30日 第5版 第1刷 発行,32ページ)
独立消費水準が0 なら、これはクズネッツ型の消費関数だが、一般的には、クズネッツ型は比例式、ケインズ型は、所得に応じて消費の傾向が変わる状況を示す関数とみる。a>0 なら、所得が上がるごとに平均消費性向は下がっていくだろう。
中谷巌『マクロ経済学入門 <第2版>』(日本経済新聞社、2007年1月15日、2版1刷、32ページ)は、1992年から1997年の日本の消費関数を
:C=76+0.61Y
としている。<!-- すじにくさん、これ単位は何なの?千円? -->
有斐閣アルマ『マクロ経済学入門』(福田慎一・照山博司,38ページ)によると、2004年、2009年、2014年の日本では、低所得者の平均消費性向は0.9に近く、年収1250万円ていどの所得者の平均消費性向は0.6~0.7程度と低い。
ケインズ型の関数はより一般化されているから、所得に応じた平均消費性向の変化を表現する事が出来る。
現編集者としては、このクズネット型とケインズ型の消費関数の違いについてああだこうだ議論することに大きな意味があるとは思えないが、長期スケールではクズネッツ型の短期スケールではケインズ型の消費関数が当てはまるという指摘もある。
しかしこれは本当だろうか? 短期の所得と消費の関係、長期にわたる所得と消費の関係、この兼ね合いは、まず数理的な扱いの検討が必要になるだろう。短期スケールと長期スケールが独立してあるわけではなく、短期スケールの積み重ねが長期スケールになる。しかし、この問題をそんなに徹底的に考える意義はあるだろうか?
また前編集者はさらに、この問題には、「ライフサイクル仮説」という学説、も関連話題としてあり、多くの大学生向けのマクロ経済学の教科書で解説されているという。
*クズネッツ型とケインズ型
[[File:Consumption function of Kuznets and Keynes type compatible japaneseB.svg|thumb|500px|※ これは架空のグラフです。]]
数学的には、クズネッツ型の比例式を一次関数に一般化したのがケインズ型の消費関数だろう。
さて、今具体的なある年を考えて、この年に日本国籍を持っていた人物、というのは具体的に上げて、数え上げることができるだろう。そしてその具体的な人物の年収も、その年収のうちその年にいくら消費したのかも、具体的な数値、金額として示すことができるだろう。
例えばその数値を、1950年から、1999年まで、すべての日本人について、右のような所得→消費のグラフにプロットしたとする。
これを比例式で回帰したら、クズネッツ型の消費関数になるだろうし、普通に回帰直線を描いたら、ケインズ型になるだろう。
また、全てのデータを使わずに、1950年代、1970年代、1990年代、と、データを分けて回帰すると、おそらくケインズ型の回帰が見られるだろうし、あるいはまた、特定の傾向を持つ少数の人物の、長い時間にわたるプロット、例えばその間にインフレが進行するとか、あるいは所得も上がっているかもしれません、を回帰すると、クズネッツ型の関係が見いだされるかもしれません。
右上のグラフはそういう統計手段についてのイメージ図ですが、参考文献: 福田慎一・照山博司『マクロ経済学・入門』37ページ図、2-3 にある第二次大戦後の昭和の日本の家計消費のグラフを、参照して作っています。
{{-}}
*ピケティの言
クズネッツ型の、所得と消費の比例式は、主に所得格差の小さい時期に見られる様だ。
フランスの経済学者ピケティは、クズネッツ型の消費の比例関係は、アメリカで大戦後一時所得格差が小さかった時代、或いは社会経済の動乱期のデータで<ref>トマ・ピケティ『21世紀の資本』、訳 山形浩生・森岡桜・森本正史、東洋経済、みすず書房、2015年1月15日、13ページ・15ページ</ref>、格差自体は、どんどん広がっているので、消費は、ケインズ型の一次関数になっていくだろう、と、指摘する。
* 乗数効果
さて、あなたが消費したお金は、誰かが受け取り収入になる。その誰かもまたそのお金を消費すると、また別の誰かの収入になる。
お金や人々の手から手へ廻っているのですね。
では今、ある人、 Aさんの年収を 1000万円としましょう。そして、現実にはあり得ないことですが、 Aさんが消費したお金はすべて Bさんの収入になるとしましょう。そして同じような関係が、 Bさん、 Cさん、 Dさん、…と、続いていくとしましょう。そして今平均消費傾向が限界消費傾向 MPCと等しいとすると…
:Aさんは 1000万円 の収入を手にしたので MPC × 1000万円 の消費をすることになる。
:Bさんは MPC ×1000万円 の収入を手にしたので MPC<sup>2</sup> × 1000万円 の消費をすることになる。
:Cさんは MPC<sup>2</sup> ×1000万円 の収入を手にしたので MPC<sup>3</sup> × 1000万円 の消費をすることになる。
:Dさんは MPC<sup>3</sup> ×1000万円 の収入を手にしたので MPC<sup>4</sup> × 1000万円 の消費をすることになる。
つまり、一人の消費が、別の消費を数珠つなぎに引き出していることを示したいのです。
ここで、このつながりが n人に及べば、Aさんの消費が最終的に
:<math>MPC+MPC^2+MPC^3+MPC^4+\cdots+MPC^n</math>
倍の消費を生み出したことになる。
収入の和を考えれば、 Aさんは 1倍の収入があるから、
:<math>1+MPC+MPC^2+MPC^3+MPC^4+\cdots+MPC^n</math>
これは等比数列の和ですね。
ここで無限に足し合わせた級数を考えると、0<=MPC<1 に注意して、
<math>1+MPC+MPC^2+MPC^3+MPC^4+\cdots+MPC^n+\cdots= \frac{1}{1-MPC}</math>
と、なります。
実際には人口は無限でありませんが、十分に大きい数をとると、この値にほぼ近くなるとみていいでしょう。
そこで消費傾向が0.9 なら、<math>\frac{1}{1-MPC}</math>は 10になる。
このように、何らかの消費や投資の効果は増加、増殖する、と、考えられています。
さて、
:1-MPC
は貯蓄性向(正確には限界貯蓄性向 MPS)。
そこで、
:<math>\frac{1}{1-MPC}=\frac{1}{MPS}</math>
になります。
ここでは、0<MPS<=1 ですね。
つまりこの発想で考えると、貯蓄の割合を多くすると世に出回るお金の量が少なくなり、社会経済、景気が停滞し、発展が閉ざされ、生活が貧困になる、つまり合成の誤謬が成立するわけです<ref>[http://park.saitama-u.ac.jp/~yanagisawa/het10/44-61.pdf 『第5章 ケインズの経済学』P51]</ref>。
*預金は銀行が借入しているのだろう
{|class="wikitable" style="float:right"
|+ 信用創造
! 銀行・借入者 !! 預金・借入金 !! 支払い準備金・内部留保や消費 !! 貸し付け金・預金
|-
! A銀行
| 100万円 || 20万円 || 80万円
|-
! B企業
| 80万円 || 16万円 || 64万円
|-
! C銀行
| 64 || 12.8 || 51.2
|-
! D企業
| 51.2 || 10.24 || 40.96
|-
! 以下省略
| || ||
|-
! 合計
| 500万円 || 100万円 || 400万円
|-
|}
家計が銀行に預金をすると、銀行にとって貸出資金が増加し、それが金融市場に流れ、企業や他の銀行も資金増加になり,社会全体で多くのお金が動くとみなせる、このような考え方を信用創造という。これは高校政治経済でも言及されている。
右の表では、例えば誰かが A銀行に 100万円預金する。 A銀行は預金のうち 80%の 80万円を B企業に貸す。 B企業は、まああまりリアリティのない仮定だが、 20%を運転資金として消費し、 80%を C銀行にいったん預ける。つまり、銀行も企業も 20%を留保または消費して、 80% を他者に貸す。
そうすると預金を債権とみなすとして、
:信用創造された債権総額=元の預金/0.2
と考えることができる。
これは前述した等比級数の考え方だ。
:信用創造された債権総額= 元の預金× (1 + 0.8 + 0.8<sup>2</sup> + 0.8<sup>3</sup> + ・・・)
::= 元の預金×(1/(1-0.8))
預金だけを考えれば、
:信用創造された預金総額=元の預金/(1-0.8<sup>2</sup>)
に、なるだろう。
信用創造を考えるとき、元の預金のことを「本源的預金」ということもある。
===ハンセン=サミュエルソンの乗数・加速度モデル===
さて、ケインズ型の消費関数は以前、
:c = a + MPC × Yd
:c:消費
:a:独立消費水準
:MPC:限界消費性向
:Yd :可処分所得
と、記述した。
ここで消費c ではなく、所得Y に注目する。そしてむしろ国全体の所得、生産に着目し、つまり GDPを見るのだが、似たような形式の数理議論がある。
[[w:乗数・加速度モデル]]。
:<math>Y_t=C_t+I_t</math>
:<math>C_t = C + cY_{t-1}</math>
:<math>I_t = I + v (Y_{t-1}-Y_{t-2}) </math>
ただし、
* <math>Y</math>: GDP
* <math>C</math>: <math>C_t</math>はt期の消費。<math>C</math>は基礎消費。
* <math>I</math>: <math>I_t</math>はt期の投資。<math>I</math>は独立投資。
* <math>c</math>: 消費性向
* <math>t</math>: t期(時間)
* <math>v</math>: 加速度係数
この連立式から、
<math>Y_t=(c+v) Y_{t-1}-vY_{t-2}+(C+I)</math>
を導き、時間に対応する数列としての GDPを議論できる。
==貨幣数量説==
まず名目GDP の一番基本的な定義から考えてみよう。ある期間の、ある国に所属する経済主体の、売り上げから原材料費を引いた金額の総和がこれであろう。
そして売り上げそのもの、つまり原材料を引かない金額の総和も考えることが出来るし、そしてこれは大雑把に言えば,GDP に比例しているとみなすこともできる。
そしてまず、このような式を提示しよう。
:貨幣の流通速度 V = 名目GDP / 貨幣量M
速度というのは単位時間ごとの値だが、ここでは例えば、名目GDP が 3か月の値なら、3か月の量を示しているわけだ。
さて、名目GDPは、販売された商品の価格に含まれる製品一個当たりの付加価値 P(販売価格から原価をひいたもの)とその個数の合計 Yとの積 ΣPY に等しい。
:<math>\sum_{k=1}P_k Y_k=P_1 Y_1+P_2 Y_2+P_3 Y_3+\cdots</math>
つまり、こうですか。
:MV=名目GDP=<math>\sum_{k=1}P_k Y_k</math>
さて、先ほど売り上げそのもの、つまり原材料を引かない金額の総和について書いたが、これは荒くとらえて名目GDP に比例するとみてみようと言及したが、製品一個の付加価値ではなく価格をP' とすると、
:bMV=b*名目GDP=<math>\sum_{k=1}P'_k Y_k</math>
そこで、貨幣の流通速度の別解釈を提示しよう。
:貨幣の流通速度(別) V' = b*名目GDP / 貨幣量M
これはこうなるでしょう。
:MV'=<math>\sum_{k=1}P'_k Y_k</math>
さて、ここでですねー、こういう値を考えたい。
<math>Y=\sum_{k=1}Y_k</math>
こうなると、この値、P' を求めることが出来るでしょう。
P'=<math>\frac{\sum_{k=1}P'_k Y_k}{Y}</math>
結局
MV'=P'Y
:菅原晃『使えるマクロ経済学』、中経出版、2014年10月14日 第1刷発行,178ページ、
:では、『貨幣数量説』の公式として、
::「貨幣量×世の中を回った回数=物価×取引量」
とある。
:菅原晃『使えるマクロ経済学』、中経出版、2014年10月14日 第1刷発行,203ページ、
:では、『貨幣数量説』の公式として、
::「供給:貨幣量×世の中を回った回数=需要:物価×取引量」
とある。
この形の公式を「数量方程式」(quantity equation) と呼んでみましょう。また、この公式であらわされる学説を「貨幣数量説」という場合もある。
右辺に価格が入っているので、物価のインフレまたはデフレの解析に、この貨幣の流通速度の理論が使えそうだと経済学では思われている。
アメリカ経済学の教科書のスタイルではP×Y は 名目GDP に等しいと説明されるが、P' と同様に一般的な付加価値、P を求めることが出来るから、正しい主張でしょう。
PをGDPデフレーターとして、Yを実質GDPとして
:MV = PY
という書き方が、各種教科書でなされることも多い。どちらにしろP*Y は名目GDPになるわけです。
前編集者は
:MV'=物価×取引量 ∝ 名目GDP
:MV'=物価×取引量 ∝ 実質GDP × インフレ率
という関係式を得て、それを経済モデルに合うように連立させることが重要、と記述していたが、現編集者はこの手の数理議論にはあまり大きな意味はないと思っている。
===マーシャルのk===
さて、前項で、
:MV=名目GDP=PY
:MV'=P'Y
:M:貨幣量
:V:貨幣の流通速度α
:V':貨幣の流通速度β
:P:一般化された付加価値
:P':一般化された価格
:Y:財、サービスの取引数
ここで前回の議論にもあったように、 P'Y=b*PY としてみると、
M=(b/V')*P*Y
そして、
M=k*P*Y
このk が、マーシャルのkであるかは定かではないが、彼の議論の片りんを見るものとみていいだろう。
統計的には k は定数ではない。(※参考文献:中谷巌『入門マクロ経済学 第5版』、日本評論社、2007年3月30日第5版第1刷発行、192ページ)
たとえば中谷は参考文献『入門マクロ経済学第5版』で、日本では1970年代はマーシャルのkが 0.7 程度だったが、しだいに増加していき、2004年には k は 1.4 程度であるとグラフで図示している。
:※福田慎一・照山博司『マクロ経済学・入門』(有斐閣、2016年3月30日第5版第1刷発行、141ページ)では、文中に「右辺の定数k」とある。しかし、中谷の文献で紹介されるように、統計的にはkは定数ではない。数学的にはkは、「右辺の'''係数'''」である。
k=b/V'でもし bが定数なら、貨幣の交換が少なくなるほどk が大きくなる。
だから、いわゆる「デフレ経済」と言われる日本の1990年以降の時代(平成初期の不動産バブル崩壊の以降の時代)でマーシャルのkが増加するのは常識と一致するのだが、しかし中谷の文献のグラフを見ると、1970年代も1980年代でもマーシャルのkは増加傾向であるのが、グラフから読み取れる。(しかし中谷は、不動産バブル崩壊以前のマーシャルのkの増大には注意を払ってない。)
そしてこの式は、こう読める。
:M=k*名目GDP
(参考文献:菅原晃『使えるマクロ経済学』、中経出版、2014年10月14日第1刷発行,203ページ。この文献では「貨幣量=GDP」という図とともに「k%ルールが有効!」という文言が図中にある。 )
このkを、経済政策の目安にするのが良いだろうという学説があるらしく、フリードマンがそのような学説を提唱したらしい(菅原の文献を読んだ限り、そういう印象を受けた。By E.Suj.)。
==インフレは好ましいか?==
経験的に、経済政策として、インフレ率2~4%程度の緩やかなインフレを目指すことが、多くの国で行われている。
クルーグマンが『マクロ経済学』(2009年版、472ページ)で報告するには、アメリカのFRBは方針こそ断言してないが、その実行結果から、2~3%ていどのインフレ率を好んでいる、と、云う。また、イングランド銀行はインフレ率を2.5%とすると明示的に公表している、と同ページに記述されている。
なお、この2%のインフレ率のように、比較的に低率でのインフレのことをクリーピング・インフレ(creeping inflation)という。クリーピングとは「しのびよる」という意味の英語である。1~3%程度のインフレ率が、クリーピング・インフレだと言われている。
また、スティグリッツは、もし政府がインフレを嫌ってデフレを誘導すると、一時的には失業率が増加する、と述べている(『スティグリッツ入門経済学 第4版』東洋経済、432ページ)。
しかし、この低率のインフレが好ましいという議論は、論理的に明快に因果関係が説明されているわけではない。少なくとも、『クルーグマン マクロ経済学』や『スティグリッツ入門経済学』を読んでも、そのインフレ率2~3%程度が好ましいという論の明確な説明は全く見当たらない。
スティグリッツは、循環的失業の増加は低インフレをもたらし、循環的失業の減少は高インフレをもたらす、と述べているが、しかし彼以外のクルーグマンもマンキューも、スティグリッツのような主張は(調べたかぎりでは)していないようである。
==ケインズ政策==
アメリカの1940年代のニューディール政策は、1930年代のケインズの経済理論が根拠になっている、とよく言われる。しかしそれ以外にも参考にした具体例があったようだ。
例えば、1930年代の日本の高橋是清・蔵相の不況対策で、似たような積極的財政政策がとられている<ref>福田慎一・照山博司『マクロ経済学・入門』、有斐閣、2016年3月30日第5版第1刷、194ページ</ref>。
1930年代のドイツでの独裁者ヒトラー政権下でも、ドイツ人経済学者シャハト博士の助言のもとに、公共事業(高速道路アウトバーン建設など)や軍備増強など、積極的にドイツ政府は財政拡大をして投資した<ref>たとえば 犬走文彦『反経済学講座』、新潮社、2009年8月20日、P142</ref>。もっともこのころのドイツの軍備増強は、誰もが知るところだろう。だからこそ、第二次世界大戦の大騒ぎが実現したわけだ。
まあ軍備増強を公共投資と言っていいのかは疑問だが、当時のヒトラーの経済政策の果敢さは、彼の国内での、あるいは国外でも、人気拡大に一役買っただろう。
詳しい文脈は不明だが、森嶋道夫『思想としての近代経済学』(岩波新書、1994年)に、経済学者ヒックスが森嶋に「戦前はヒトラーの時代であった。戦後はケインズの時代になろう」と述べたことが記されている<ref>小室直樹『小室直樹の経済原論』、東洋経済新報社、2015年6月11日発行、P541</ref>。小畑二郎『経済学の歴史』にも似たような話が書かれている。
1940年代アメリカのニューディール政策はケインズの理論だけではなく、当時の様々な前例も参考に行われたのだろう。
さて近年、2008~2009年ごろのリーマンショックやサブプライムショックなどの対策としても、銀行の救済や公共事業などによる積極財政や金融政策がとられている。
ケインズ政策、ケインズ主義とは、不況対策や経済発展などのために政府が積極的に公共事業や融資や民間への資金援助などを行う政策をいうのだろう。ケインズ自身は、大恐慌に対する処方箋として、利子率の切り下げ(金融政策)と社会基盤への政府投資(財政政策)を示していた。
リーマンショック対策でケインズ政策はひとます成功したし、今でもこの政策が不況対策として有効だと、一般に認知されている。
ケインズの議論はケインズ経済学というマクロ経済学の主要な学派になっている。ケインジアン、という言葉もある。
一方でケインズ政策を実行すると、その国は多くの場合財政が悪化する。具体的には、国債を増発するようになる。第二次大戦後のアメリカ合衆国はそうなった。
この借金による国家運営の問題点をなくすために、ケインズ主義に代わる新しい経済思想がアメリカやイギリスで必要になり、1980年代にはレーガン大統領のレーガノミクスやサッチャー首相のサッチャリズムのような「新自由主義」が政治の表舞台に現れてきた。
*ハーヴェイロードの前提
ケインズ自身は、恐慌の時期には政府は借金をして投資しても、恐慌を脱したら財政規律を高めて赤字財政を回収して均衡財政に戻すべきと考えていた<ref>http://park.saitama-u.ac.jp/~yanagisawa/het10/44-61.pdf P58、2022年4月6日に確認.</ref>。
しかし、実際の多くの戦後先進国では、そのような政策はとられず、20世紀後半に赤字財政に陥った国も少なからず存在する。
WW2戦後のインフレには、このような赤字財政という背景もあったと、経済学者ブキャナンなどの新自由主義者は述べている<ref>http://park.saitama-u.ac.jp/~yanagisawa/het10/44-61.pdf P58、2022年4月6日に確認.</ref>。
ケインズの議論には、政府の経済政策には賢人としての高度な判断があるという、「ハーヴェイロードの前提」がある。ハーヴェイロードというのはケインズが生まれ育ったイギリスケンブリッジの土地で、知識人が集まっている場であった。
戦後の経済がケインズの当初の予想通りの均衡財政にならなかったのは、政治家の堕落(だらく)であり、為政者としての責任感の欠如だ、という指摘もある。つまり「ハーヴェイ・ロードの前提」が政治家に欠けている、という事だろう。
一方ケインズ経済理論を批判するブキャナンたち新自由主義の経済学者は、むしろ「ハーヴェイ・ロードの前提」が非現実的だろう、とも語る。
そして前編集者は、堕落しているのは政治家ではなく、むしろ民衆だろうと記述している。正しい政治家に投票できない民衆がおごりの中で政治家を批判しているだけだろうと指摘する。
しかし仮に民衆が堕落しているのなら、政治家も等しく堕落しているだろう。
全ての人間が公平に堕落しているのが現代社会だろう^^;;;。
赤信号、みんなで渡れば怖くない^^;;;
*貨幣錯覚
ケインズの一般理論でも、「貨幣錯覚」については言及されている。本来貨幣は定まった価値を持つものではなく、一般的絶対的な価値に対して、必要な額面が大きくなったり小さくなったりする。つまり財やサービスに必要な貨幣の額面、物価が高くなったり低くなったりするのだ。
だから本来貨幣は名目、額面としての数字ではなく実質の価値が問題になるのだが、実際には人々は貨幣の額面の数字に捉われる。
多くの労働者も、実質賃金ではなく貨幣賃金を見て行動する、という<ref>滝川好夫『図解雑学 ケインズ経済学』、ナツメ社、2010年11月21日初版発行、P60</ref>。
ケインズは緩やかなインフレを肯定した。また、インフレ誘導的な政策が、恐慌の脱出措置としてよく用いられる。
物価が高くなると、実質賃金は下がるが、それに合わせて名目の賃金を上げると、労働者は収入が上昇しているように感じるだろう(か?)。
*利子理論と物価
一般に、インフレなら名目金利を高くすることが可能だという{{要出典}}。
前編集者は物価に関する数理を欲していたが、ケインズの利子理論やそこから導出された、LS-IM分析は,その目的にはかなわないものだという。
ケインズは「一般理論」の著書で,2%という数字を利子率の基準として示した。<ref>[https://ynu.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=3118&item_no=1&page_id=59&block_id=74 石井力『先物市場の「流動性の罠」』,P82]2022年4月6日に確認.</ref>。一方、21世紀、主要な先進国が採用する物価インフレ目標も多くは2%である。
前編集者は物価と金利を結び付けた数理議論を求めているようだが、そういう論説はあまり世にない様だ。ケインズは金利の理論を展開したが、それと物価を結び付ける議論も、特にあまり見当たらないという。
しかし実際には全くそれがないわけではないだろう。一般的な議論として、政策金利を低くすると借金がしやすくなり、銀行のストックが減り世の中に貨幣が出回る。その結果貨幣量が増え、インフレ傾向、物価上昇傾向になると見れるだろう。
ロイター日本語版の2021の記事は物価目標2%と金利を関連づけて語っている<ref>
[https://jp.reuters.com/article/column-suzuki-akihiko-idJPKBN2F60HR 鈴木明彦『コラム:所得増えぬまま物価目標2%達成なら、消費者から悲鳴か=鈴木明彦氏』]2022年4月6日に確認.</ref>。しかしケインズの議論には言及がなく、その視点での分析も特に書いていない。
一般的に金利が高いと貨幣量が減り、デフレ傾向だが、不況に関してはどうなるだろう?
一般に金利と言えば貸金、預金の利率、貨幣を貸すときの手数料、利益と見ていいだろう。物価は生産物と貨幣の交換率、この二つの値の比較と重要性を語りたいのが前編集者の議論だが、例えば学問的な考察や議論で、詳細に拘らず、あるものを別の或るもので単純に置き換えると、面白い展開を迎えるというのは、往々にしてある。例えばケインズの利率を物価で置き換えたらどうだ? と、言うのが前編集者のアイディアではあろう。
日本の平成、「デフレ不況」と言われている状況では、金利も低く物価も低くなっている。1990年前後のバブル崩壊よりも前のころは金利は高かったろうし、物価も高かっただろう。
昔の主婦は金利の高い金融機関を探して選んで預金していたものだが、最近は預金に関してはあきれるほど利率が低い。
21世紀の日本の低金利は、日本の不動産バブル崩壊後、何らかの理由で金利を下げる必要があったのだろうと前編集者は考えているようだ、特に物価の下落を重要ファクターと見ている。日本の過去の不動産バブルは、不動産資産のインフレによる騒動と見ることが出来るだろうか。
長期的にはインフレ率と金利が近づいていくという指摘もある{{要出典}}。
'''クラウディング・アウト'''とは何か? 現編集者はむしろ、より詳しい方がここに記述してくれることを望むが、前編集者の説明では、国債や郵便貯金などの利率が高いとその商品が魅力的になるので、株式や投資、民間の債権などにお金が流れなくなる現象だと書く。
では国債や郵便貯金の利率は低いほうが良いのか?もちろんそうなれば財政も圧迫しなくなるし、が一方で公共にお金を貸す意思自体が減ると見られるかもしれない。
政策金利と呼ばれるものはまた別の利率だろうが、これが低すぎると'''流動性の罠(わな)'''と呼ばれ、景気浮揚や投資を増やす効果を持たなくなるという。
現編集者は実際は経済学も大した知らないが、前編集者の不適切な悪意に満ちた文章を何とかしたい一心で、いろいろ調べながらこの文章を書いているだけなので、いずれはより詳しく人間性も良好な人にこのページを書き足し修正してほしいのだが、とりあえず流動性の罠の原因については、「ゼロ金利の近くになると、これ以上は金利は下がりようがないのだから、つまり今後は国債などの金利が上がる可能性が高い。そこで、人々は値上がりを期待して、民間に投資をしなくなる」、という言説もあるようです。
つまりこの主張は、今金利が低いと、人々は将来上がると予想してそれを待つという事?
そこで結局流動性の罠とは何かそれほど理解していないまま、文章を先に進めるが、経済評論家の三橋貴明氏は、平成のデフレ不況とは、『デフレ化において単純に「儲からないから投資しない」』現象だと著書で語っている。そのうえでとりあえず政策金利を下げればよいという、バブル崩壊後の日本政府の金融政策を批判している<ref>三橋孝明『黄金の拘束衣を着た首相』、飛鳥新社、2015年2月6日第1刷発行、P129</ref>。
そもそも新たな投資が頻繁になされることが絶対的にいい事なのか? 今現在の生産インフラが潤沢に回っていることで、いい経済状況だとはみなせないのか?
経済が貨幣でお金のことだと見てしまうのは、本質を見失わせるだろう。経済とは我々の日々の生産活動だし、貨幣はそれに従い、それを動かすためのツールに過ぎない。
さて、評論家犬走文彦氏は「金融危機があるレベルまで達すると、信用リスクを回避するためいくら金利が低くなっても金融機関が貸し出しを止めてしまう」と書いている<ref>犬走文彦『反経済学講座』、新潮社、2009年8月20日、P134</ref>。そもそも金利が低くなると貸し出す方に旨味はない。借りる方が得になるから、貨幣需要が増えるという事だろう。しかし金融機関は敢えて貸さない? しかし金融機関とは、貨幣を貸し出して利益を得ている法人だったはずだ。
兎に角細かい事や全体を見ないままとりあえず投資が増えればいいというのなら、そして、「儲からないから投資しない」というのなら、「投資しないと損をするぞ」といった内容の経済構造すればよいのでは? 、と、前編集者は指摘する。
つまり投資という仕事をさせたいから、鼻先にぶら下げる人参はもうないから、では鞭で打とう、と、そういう訳だろう。
インフレ誘導にはそういう意味があるのだろうね。現状がデフレやディスインフレならなおさらこの方法に行きやすい。しかしインフレ誘導が制御できなくなって、高インフレになると、多くの人々が困ることになるだろう。今現在(2023/2)、その傾向があると言えなくもない。
一方経済学者クルーグマンは『中央銀行が将来のインフレ率を公約する「インフレ目標」が、流動性の罠のもとでも有効であると主張した。』、という<ref>福山慎一「マクロ経済学入門 第5版」、有斐閣、P223(『』内は書籍の解説文の引用)</ref>。
「バランスシート不況」という考え方では、恐慌時などには投資家がリスク回避志向になり、不況時は銀行の行動パターンが投資から債権回収などに移るので、この時期に政府が金融政策しても、あまり効果がない、という<ref>犬走文彦『反経済学講座』、新潮社、2009年8月20日、P134</ref>。貸し渋りという事? お金を持っている人たちが貸したくなくなる? しかしファイナンス、貸金とはそんなに経済、景気の進展に重要な事なのか? 借りたお金が世の中を潤沢に回ることが本当に健全な事態なのか?
投資と融資は異なるだろう。投資とは生産インフラの資本、資産を買い、所有することだし、融資はお金を貸しているという事。債権は利子を付けていずれ回収したいが、投資は所有している場合は配当などの利益が期待できるが、株式などの形で売って貨幣を回収することもできる。
1990年前後の不動産バブル崩壊後、日本は2000年代初頭に、非伝統的な金融政策である日銀のバランスシートの拡大、およびそれらの量的緩和をインフレ率が安定的に0.数%になるまで続けるという政策を実施しました。<ref>福山慎一『マクロ経済学入門 第5版』、P224</ref>
さて、もちろんケインズは我々の歴史の中で最重要の経済学者ですが、全知全能の神様ではない。その指摘や理論が徹底的に現実を示しているものではないでしょう。
前編集者によると、「ケインズ理論も新自由主義も両方とも間違っている」、という主張も結構多いという。「反経済学講座」(犬走文彦、新潮社、2009年8月20日)がそういうスタンスだという事だが…。
また基本的には、特にその会社の経営者、関係者は自分の会社が倒産することは望まないだろう。しかし世の中には自然淘汰を称賛し、弱者が滅びることが正しい事だと見做す考えも多いし、そこまで極論ではなくても、妥当な経営を出来ない会社はペナルティとして倒産やむなし、という判断は多くなされるだろう。前編集者は経済思想家ハイエクなどはそう考えていると指摘する。
基本的に弱者企業を補助金などで救済すること自体が、経済全体にとって悪い事だという主張は多い。ハイエクは、不況の救済のために必要以上の補助金を投入する事こそが、次のバブルおよびその破裂による恐慌をまねく、と、指摘したという。[https://bizgate.nikkei.co.jp/article/DGXMZO3466714028082018000000 『世界恐慌を予言した人たち~金融緩和がはらむ反動リスク 』 2018/9/18]。
ハイエクなどオーストリア学派は、不況を避けるという考え自体が不適切だろう、と主張したという。ある程度の不況の緩和を目指すことは認められるが、景気は循環するもので、無理やりそれを動かして不況を避けて矯正しようとすると、経済はかえって悪化する、と指摘する<ref>犬走文彦『反経済学講座』、新潮社、2009年8月20日、P154</ref>。
歴史的には大した恐慌対策を取らないまま、状況が改善した例もあるようです。1930の世界恐慌より前、1920年の恐慌は、自然に終息、回復を迎えたとオーストリア学派は主張しています<ref>犬走文彦『反経済学講座』、新潮社、2009年8月20日、P159</ref>。当時のアメリカは金本位制。第一次大戦の放漫財政で金の保有量が減っていたことから、対策をとろうとしてもアメリカ政府のハーディング大統領は対策をとれなかった、と、いう。
さて、一般的に、 Aならば Bでも、 Bならば Aであるとは限らない。
消費の低迷 → 消費依存型産業の物価デフレ
この流れはどうですかね。需要が減れば、値は下がるでしょう。
消費依存型産業の物価デフレ → 消費の低迷
これは? まず単純に考えて、値が下がれば需要は増えるのでは?
では…
消費の活況 → 消費依存型産業の物価インフレ
これはありますよね。需要が増えれば値は上がる。
消費依存型産業の物価インフレ → 消費の活況
これはどうですかね。一般に値が上がれば需要は減る、売りたい人は増えますがね。
高度成長も終わった昭和末期の1980年代、日本はディスインフレでした。しかし消費は活況。1980年代後半には、バブル直前の黄金期を迎えたといいます<ref>藤巻健史『マネーはこう動く』、光文社、2007年7月30日初版発行、P59</ref>。
だからデフレと不況の結びつきはそれほど強固ではない。
ただ需要が低下すると、値は下がる、これが徹底的に続いているのがデフレ不況なのだろう。経済評論家・加谷珪一は「デフレが不景気を引き起こしたわけではない。不景気でモノが売れず、企業は安値販売を余儀なくされ、これがさらに物価と賃金を引き下げている。高く売ることができる商品をわざわざ安く売っていたわけではない点に注意する必要がある。」と語る<ref>[https://www.newsweekjapan.jp/kaya/2022/04/post-180_2.php 『日本だけ給料が上がらない謎...「内部留保」でも「デフレ」でもない本当の元凶』2022年04月01日(金)17時30分]2022年4月9日に確認.</ref>。
つまり需要がない。日本は物に溢れている、なんてよく言うが、それに類する事態だろう。
しかし需要がないという事は必要ないという事。物が十分にあるという事はそんなに働かなくてもいいという事? そんなに作らなくてもいいという事かね? しかし結局この国の経済状況の中で、失業したり貧困に陥る人はかなりの数存在する。
==完全競争==
高校の政治経済では、「不完全競争市場」の例として、寡占や独占などの事例を習う。不完全の反対が完全だろうが、寡占(かせん、oligopoly)や独占(monopoly)などの、競争をゆがめるような制限のない市場の状態のことをよく、完全競争(pure competition)という
この言葉をより詳しく規定するとどうなるか?
次の五つの条件を満たすのが完全競争だという。(前編集者の定義)
# 生産者(売り手)と消費者が十分に数が多いという条件。
# また、生産者どうしが談合などせず、競争するという条件。
# また、生産者どうしも独立していて、他の売り手に大きな影響を与えないという、生産者どうしの独立の条件。買い手もまた、他の買い手に大きな影響を与えないという、消費者どうしの独立の条件。
# 消費者はよく商品の情報(特に価格についての情報)を知っているという条件。
# その市場への参入と退出が容易だとする条件。
寡占や独占のもとでの市場競争は、この「完全競争」の条件が満たされてない。と、云うか一般的には完全競争の状態は現実には無いと見なされている。議論のための仮想的な市場状態だろう。
そして完全競争の定義は、論者や学派によって微妙に異なるようだ。ここでは5つの定義を上げたが、これが3つぐらいの規則から導かれる完全競争の性質に過ぎない、という議論もある。
==不況と好況==
[[File:Economic cycle.svg|thumb|450px|景気循環の図。グラフの波型の山の部分が好景気を表し、谷の部分が不景気を表している。<br>
Expansion :景気拡大<br>
Boom :好景気の頂点<br>
Recession :景気の後退<br>
Depression:景気の消沈<br>]]
景気には波があるという。景気を統計的、数量的に示す方法があるかどうか、現編集者は知らないが、実質GDP を基準に考える道はあるだろう。
一般的にある程度安定した国家社会では、実質GDP は微増するものだと見るといいのではないだろうか。社会集団として、生産集団として、文化や技術が発達し生産に慣れて社会として習熟した表れとして、生産を示す実質GDP はわずかに増えていく。あくまでも仮定ですがね。
そうなると、好況というのはその時点での実質GDP成長率がある程度高いことを示すだろうし、不況というのは実質GDP成長率が横ばい、ゼロ、あるいはマイナス成長の時、だということは出来るだろう。
前編集者は、経済や生産の事を語る時に、「不況」「好況」の言葉を使うよりも、「高成長」や「低成長」や「マイナス成長」という言葉を使った方が妥当だし、適切だろうと書いているが、「不況」「好況」という言葉は現実の経済、商業生活でのそれぞれの職業人の精神的な満足度を示しているものではあるので、GDP だけがそれを示すものにはならないだろう。そもそも実質GDP とは常に大きく上昇し、上がっていくのが自然で望ましいのか? そうすれば人々は十分な満足が得られるのか? それさえも怪しいし、定かではないだろう。
==労働価値説と限界革命==
===労働価値説===
さて、財とサービスに価値があるのは自明でしょう。そしてそれと交換される貨幣にももちろん価値がある。
そしてまあ常識的に払う貨幣が高いほど、その財には価値があると見做されている。
払う貨幣とは価格ですよね。そしてこのページで議論してきたように、価格は需要と供給で決まると考えるのが、現代的な経済理解です。
しかし一方でもっと哲学的、観念的議論として、商品、財が持つ価値の根拠、いったい何によって価値が生まれるか、それを知りたい訳です。
そこでまず議論されたのが、アダムスミスやマルクスが言及した労働価値説ですね。
つまり財やサービスの価値の源泉は、我々の労働だと。
財の価値の根拠が労働にあることは否定できないでしょう。ただその議論を価格と結びつけるのはなんだかんだでかなり困難がある。労力を多く費やしても価格が安くなることはあるし、労力少なくして高い価格がつくことも現実にはある。
しかし数理的に労働量と価格の議論が出来なくても、労働が物事の、財の価値を生み出していることまで否定するのは詭弁でしょう。
大体労働に価値がないのなら、世の人はもう明日から仕事に行かなくなるよ^^;;;。
しかし一方「効用革命」という議論があり、労働価値説とは別の視点として、財を消費する側の満足、欲望の充実に価値の根拠を見出す視点がある<ref>https://diamond.jp/articles/-/75341</ref>。
この議論は数理とも馴染みがよく、ミクロ経済学の重要な分析の一つになっている。
価格は需要と供給によって決まり、財の生産者は市場で売れる価格にあわせて利益が出るように労働および経費などの投入量を調節する<ref>小畑二郎『経済学の歴史』、慶應義塾大学出版会、2014年11月28日 初版 第1刷 発行、P236</ref>
===限界効用理論===
効用とは財を消費したときの満足度である。ここで効用関数なる値が実数の関数を考える。
一般に消費者は、いくつもある消費計画のうち、みずからの効用関数を最大化させるような消費計画を選ぶ、と考えられる。これを「効用最大化仮説」と言います。
たとえば、ある消費計画Aと、別の消費計画Bについて、それぞれ効用をU(A)およびU(B)とします。つまり消費計画Aの効用がU(A)です。同様に消費計画Bの効用がU(B)です。
そして、たとえば、もし
:U(A)>U(B)
なら、消費者は消費計画Aを選ぶ。
同様、もし
:U(A)<U(B)
なら、消費者は消費計画Bを選ぶ。
ただし、効用の大きさそのものを数値化することは一般にはできず、その大小関係・順序にのみ意味があると考えています。数学で言うと、代数システムのうちの順序関係・大小関係のことを「序数」と言うので、効用関数の上述のような性質のことを「効用の序数性」と言います<ref>塩沢修平『経済学・入門』、有斐閣、P60</ref>。書籍によっては便宜的に効用が数値で表される場合もありますが、しかしその数値はあくまで便宜的なものに過ぎず、数値の絶対的な大きさには意味は無い<ref>塩沢修平『経済学・入門』、有斐閣、P59</ref>、とのことです。
:※英語ではfirst やsecond やthird などの単語を「序数」と言いますが、つまり、集合の要素の順序関係を見るのが序数ですよね。
然し導関数として、ステーキの購入計画C とワインの購入計画D で、ステーキ1単位を購入することがある人にとってワイン何単位ぶんの購入に当たるかの計算は議論される。こうのような購入量1単位ごとの効用の換算値を、限界代替率と言います。
「効用」は、主観的な量です<ref>たとえば 塩沢『経済学入門』、P59 など。</ref>。つまり、効用の大きさは、それぞれの消費者の主観で決まります。
この効用と価格の関係に関する数理議論があるだろうが、現編集者はほとんど知らないので記述できない。一般の経済学入門書を見ても、そういう話題はまったく書かれていない、と、前編集者は書く。
効用自体も、消費量が1単位増えた時の効用の増加、限界効用も、関数の数値自体には大きな意味はないと見る。しかし財によって限界効用を比較したもの、限界代替率は、限界効用の数値を比較し、同じ満足度の消費量を見出す概念だとはいえる。
経済学者ヒックスはこの限界代替率に着目した研究を行ったという<ref>小室直樹『経済学をめぐる巨匠たち 経済思想ゼミナール』、ダイヤモンド社、2004年1月8日、P202およびP203</ref>。
もう一度書くが、限界効用とは,財を一単位追加して消費することによる効用の増加分だ。これは効用関数の微分と見ていいだろう<ref>小畑二郎『経済学の歴史』、慶應義塾大学出版会、2014年11月28日初版第1刷発行、P161</ref>。
さて、この効用関数は、単調増加で上に凸だろうか。ある種類の物があふれると、その物ひとつ当たりの価値は小さくなる(効用逓減(ていげん)の法則)。
水は生命活動に不可欠に限らず、ダイヤモンドより価格が安い<ref>小畑二郎『経済学の歴史』、慶應義塾大学出版会、2014年11月28日 初版 第1刷 発行、P172</ref>。同じ美術品を何度も鑑賞すると、慣れてきて価値を感じなくなる<ref>小畑二郎『経済学の歴史』、慶應義塾大学出版会、2014年11月28日 初版 第1刷 発行、P172</ref>。
財の消費だけではなく、人間の心理的または生理的な傾向としてこのような現象は見られますよね<ref>小畑二郎『経済学の歴史』、慶應義塾大学出版会、2014年11月28日初版第1刷発行、P172</ref>。
兎も角効用とは消費する側の議論だろう、一方で供給する側の視点も必要だ。労働がなければ多くの財は供給不可能だ。
===サンクトペテルブルクの賭け===
さて、事実上は話題として少しそれるが、効用に関する議論として、18世紀前半、ロシアのサンクトペテルブルクに住んでいたスイスの数学者ダニエル・ベルヌーイが示した「サンクトペテルブルクの賭け」という面白い議論があるので、余談として紹介しておこう。
ここではこういうゲームを考える。一枚のコインを表が出るまで何回も投げ続ける。もらえる賞金は、1回目に表が出たら1ダカット(日本円で500円ぐらいだという)、1回目は裏が出て2回目に表が出たら倍の2ダカット、2回目まで裏が出ていて3回目に初めて表が出たらそのまた倍の4ダカット、3回目まで裏が出ていて4回目に初めて表が出たらそのまた倍の8ダカット、というふうに倍々で賞金は増えていく。
さて、この場合このゲームを売る胴元は、何ダカットでこの賭けを売ればよいだろうか?
普通ギャンブルのこういう議論では期待値を計算する。
期待値の例として、別の簡単なゲームを考えてみよう。
二人の人間がゲームに参加し、参加料として100円ずつ払う。じゃんけんをして勝った方が場に出た200円を総取りする。
この場合片方の参加者がじゃんけんに勝つ確率は 1/2、負ける確率は残り 1/2、200*1/2+0*1/2 で期待値は100円。参加料が100円だから、ゲームとしてはトントンだという事になる。
ここでもしゲームとしての胴元がいて、10円ずつ参加料から場所代を抜いていたら、賞金総額は 180円で、期待値は 90円。世によくある、胴元が確実に儲け、参加者が総体的には結局損をしているギャンブルになる。
さて、先のサンクトペテルブルクの賭けの賭けでは期待値はどうなるか。
まず最初に表が出る確率は 1/2。その時の賞金が 1ダカット。次に裏が出た後表が出る確率は、1/2*1/2=1/4。賞金は2ダカット。つぎは 1/8と 4ダカット。結局期待値は、
1/2+1/2+1/2+… となって∞に発散する。
つまりこれは圧倒的に胴元が不利なゲームのはずだ。いくらで売っても期待値は無限大だからね。
しかし実際このゲームを 16ダカットで売ったとしてみよう。
だとしたら、賞金が 8ダカット以下になる確率は 15/16。まずこれが起こる可能性が高いから、胴元が得するように思える。しかし問題は、 1/16だ。これは底なし沼だ。場合によっては胴元の資産を超えて負けることもある。ここがこのゲームの期待値が無限大で胴元に不利だと言える根拠になるだろう。
ベルヌーイ自身はここに効用の発想を取り入れて、議論を進めた。つまりダカット金貨の額面で判断せずに額面の満足度、効用を金額の対数と決めてみた。賞金の期待値は∞に発散するが、効用の期待値は一定の値になる。最初に表が出た時の額面が1で、効用をlog[2,1]=0とすると、裏→表で効用が log[2,2]=1、裏→裏→表で効用がlog[2,4]=2で期待値は0/2+1/4+2/8+3/16+4/32+… そしてこの無限級数は幾つになるかな? 現編集者は計算できなかった^^;;;。数学の得意な人が答えだしてください。兎に角 2のこの無限級数乗の金額が効用としての期待値での金額。気持ちとしてはゲーマーとしてはこれでトントンだという事か。対数を考えるという事は、金額が大きいほど増えてもそれほどありがたみを感じなくなるという事ですからね。
さらなる分析として、胴元がこの商売を人生で何回やるか、ゲーマーが何回するかがこの話の議論に関わってくるだろう。
== 脚注 ==
[[Category:経済学|*]]
[[Category:書庫|けいさいかく]]
[[en:Principles of Economics]]
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301323
wikitext
text/x-wiki
{{pathnav|メインページ|工学|情報技術|プログラミング|frame=1}}
[[File:JavaScript.svg|thumb|right|200px|[[JavaScript/はじめに#Hello World|Hello, World!]]]]
本書は、JavaScriptの解説書です。JavaScriptは、ウェブページやウェブアプリケーションで広く使われているスクリプト言語であり、最も広く普及しているプログラミング言語の一つです。また、Node.jsなどのランタイム環境を使うことで、サーバーサイドでもJavaScriptを実行することができます。
本書では、初めてプログラミングをする人から、他の言語で経験を積んだ人まで、広く対象としています。基本的なJavaScriptの書き方を解説することで、読者がより深く理解できるように配慮しました。
JavaScriptは、初心者が学ぶのに最適なプログラミング言語であり、ブラウザだけで簡単にプログラムを作ることができます。言語のコア部分は、国際標準化団体であるEcmaインターナショナルによって[[ECMAScript]]として標準化され、仕様が明確になっています。[[Node.js]]などのランタイム環境を使うことで、JavaScriptをより高度なアプリケーション開発にも利用できます。
== 目次 ==
{{進捗状況}}
# [[JavaScript/はじめに|はじめに]]
# [[JavaScript/文法|文法]]
## [[JavaScript/字句構造|字句構造]]
## [[JavaScript/セミコロンの自動挿入|セミコロンの自動挿入]]
## [[JavaScript/予約語|予約語]]
# [[JavaScript/変数|変数]]
# [[JavaScript/演算子|演算子]]
# [[JavaScript/オブジェクト|オブジェクト]]
# [[JavaScript/文字列|文字列]]
# [[JavaScript/数値|数値]]
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# [[JavaScript/制御構造|制御構造]]
# [[JavaScript/関数|関数]]
# [[JavaScript/クラス|クラス]]
# [[JavaScript/strictモード|strictモード]]
# [[JavaScript/ビット演算|ビット演算]]
# [[JavaScript/例外処理|例外処理]]
# [[JavaScript/正規表現|正規表現]]
# [[JavaScript/長整数|長整数]]
# [[JavaScript/型付き配列|型付き配列]]
# [[JavaScript/Polyfill|Polyfill]]
# [[JavaScript/ブラウザ|ブラウザ]]
# [[JavaScript/コードギャラリー|コードギャラリー]]
# Web API {{---}} Web APIは、JavaScriptでWebブラウザを制御する標準的な手段であり、Webページに対して様々な操作(例えば、要素の追加や削除、イベントの処理、非同期通信等)を行うことができます。
## [[JavaScript/Window|Windowオブジェクト]]
## [[JavaScript/DOM|DOM API]]
## [[JavaScript/Console|Console API]]
## [[JavaScript/Canvas|Canvas API]]
## [[JavaScript/XMLHttpRequest|Fetch API]]
## [[JavaScript/イベント処理|イベント処理]]
## [[JavaScript/クッキー|クッキー]]
# [[/改廃された技術|改廃された技術]]
# ライブラリ(フレームワーク)
## [[JavaScript/ライブラリ|ライブラリ]]
# [[JSON]]
# [[JavaScript/XML|XML]]
# リファレンス<!--
const ary = [],
errors = []
for (const x of Object.getOwnPropertyNames(globalThis)) {
if (x == "Buffer") continue
const prop = globalThis[x]
if (1 || typeof prop === "function") {
try {
if ("prototype" in prop && "constructor" in prop.prototype) {
// console.log("XXX ",x)
ary.push(x)
const obj = new prop()
if (obj instanceof Error)
errors.push(x)
}
} catch (err) {
// console.log("Err: ", err)
}
}
}
ary.filter(x => !errors.includes(x)).sort().forEach(x => console.log(`## [[JavaScript/${x}|${x}]]`))
errors.sort().forEach(x => console.log(`### [[JavaScript/${x}|${x}]]`))
## [[JavaScript/Array|Array]]
## [[JavaScript/ArrayBuffer|ArrayBuffer]]
## [[JavaScript/BigInt|BigInt]]
## [[JavaScript/BigInt64Array|BigInt64Array]]
## [[JavaScript/BigUint64Array|BigUint64Array]]
## [[JavaScript/Boolean|Boolean]]
## [[JavaScript/DataView|DataView]]
## [[JavaScript/Date|Date]]
## [[JavaScript/FinalizationRegistry|FinalizationRegistry]]
## [[JavaScript/Float32Array|Float32Array]]
## [[JavaScript/Float64Array|Float64Array]]
## [[JavaScript/Function|Function]]
## [[JavaScript/Int16Array|Int16Array]]
## [[JavaScript/Int32Array|Int32Array]]
## [[JavaScript/Int8Array|Int8Array]]
## [[JavaScript/Map|Map]]
## [[JavaScript/Number|Number]]
## [[JavaScript/Object|Object]]
## [[JavaScript/Promise|Promise]]
## [[JavaScript/RegExp|RegExp]]
## [[JavaScript/Set|Set]]
## [[JavaScript/SharedArrayBuffer|SharedArrayBuffer]]
## [[JavaScript/String|String]]
## [[JavaScript/Symbol|Symbol]]
## [[JavaScript/TextDecoder|TextDecoder]]
## [[JavaScript/TextEncoder|TextEncoder]]
## [[JavaScript/URL|URL]]
## [[JavaScript/URLSearchParams|URLSearchParams]]
## [[JavaScript/Uint16Array|Uint16Array]]
## [[JavaScript/Uint32Array|Uint32Array]]
## [[JavaScript/Uint8Array|Uint8Array]]
## [[JavaScript/Uint8ClampedArray|Uint8ClampedArray]]
## [[JavaScript/WeakMap|WeakMap]]
## [[JavaScript/WeakRef|WeakRef]]
## [[JavaScript/WeakSet|WeakSet]]
## [[JavaScript/clearImmediate|clearImmediate]]
## [[JavaScript/clearInterval|clearInterval]]
## [[JavaScript/clearTimeout|clearTimeout]]
## [[JavaScript/queueMicrotask|queueMicrotask]]
## [[JavaScript/setImmediate|setImmediate]]
## [[JavaScript/setInterval|setInterval]]
## [[JavaScript/setTimeout|setTimeout]]
### [[JavaScript/Error|Error]]
### [[JavaScript/EvalError|EvalError]]
### [[JavaScript/RangeError|RangeError]]
### [[JavaScript/ReferenceError|ReferenceError]]
### [[JavaScript/SyntaxError|SyntaxError]]
### [[JavaScript/TypeError|TypeError]]
### [[JavaScript/URIError|URIError]]
-->
## [[JavaScript/Global|Global]]
## [[JavaScript/Array|Array]]
## [[JavaScript/BigInt|BigInt]]
## [[JavaScript/Boolean|Boolean]]
## [[JavaScript/Date|Date]]
## [[JavaScript/FinalizationRegistry|FinalizationRegistry]]
## [[JavaScript/Function|Function]]
## [[JavaScript/Generator|Generator]]
## [[JavaScript/Iterator|Iterator]]
## [[JavaScript/Map|Map]]
## [[JavaScript/WeakMap|WeakMap]]
## [[JavaScript/Math|Math]]
## [[JavaScript/Number|Number]]
## [[JavaScript/Object|Object]]
## [[JavaScript/Promise|Promise]]
## [[JavaScript/RegExp|RegExp]]
## [[JavaScript/Set|Set]]
## [[JavaScript/WeakSet|WeakSet]]
## [[JavaScript/String|String]]
## [[JavaScript/Symbol|Symbol]]
## [[JavaScript/WeakRef|WeakRef]]
## [[JavaScript/Error|Error]]
### [[JavaScript/EvalError|EvalError]]
### [[JavaScript/RangeError|RangeError]]
### [[JavaScript/ReferenceError|ReferenceError]]
### [[JavaScript/SyntaxError|SyntaxError]]
### [[JavaScript/TypeError|TypeError]]
### [[JavaScript/URIError|URIError]]
## [[JavaScript/Intl|Intl]]
{| class="sortable wikitable"
|+ JavaScriptの基本的なオブジェクト一覧
! 名称 || 種類 || 機能
|-
| <code>[[/Object|Object]]</code> || コンストラクタ関数 || すべてのオブジェクトの基本となるプロトタイプを提供。
|-
| <code>[[/Function|Function]]</code> || コンストラクタ関数 || 関数オブジェクトを定義し、動的に関数を作成可能。
|-
| <code>[[/Array|Array]]</code> || コンストラクタ関数 || 順序付きリストを保持し、要素の操作をサポート。
|-
| <code>[[/String|String]]</code> || コンストラクタ関数 || 文字列を扱い、各種文字列操作メソッドを提供。
|-
| <code>[[/Number|Number]]</code> || コンストラクタ関数 || 数値を扱い、数値演算や変換を提供。
|-
| <code>[[/BigInt|BigInt]]</code> || コンストラクタ関数 || 大きな整数 (<code>[[/2^53|2^53]]</code> 以上) を扱う。
|-
| <code>[[/Boolean|Boolean]]</code> || コンストラクタ関数 || <code>[[/true|true]]</code> または <code>[[/false|false]]</code> を扱う。
|-
| <code>[[/Symbol|Symbol]]</code> || コンストラクタ関数 || 一意な識別子を作成するためのプリミティブ型オブジェクト。
|-
| <code>[[/Math|Math]]</code> || グローバルオブジェクト || 数学的な定数 (<code>Math.PI</code>) や関数 (<code>Math.sqrt()</code>) を提供。
|-
| <code>[[/Date|Date]]</code> || コンストラクタ関数 || 日時を扱い、操作・フォーマットが可能。
|-
| <code>[[/RegExp|RegExp]]</code> || コンストラクタ関数 || 正規表現を扱い、文字列検索や置換を実行。
|-
| <code>[[/Error|Error]]</code> || コンストラクタ関数 || エラーオブジェクトで、例外処理用の基本クラス。
|-
| <code>[[/Promise|Promise]]</code> || コンストラクタ関数 || 非同期処理の結果を表し、コールバックの代替として使用。
|-
| <code>[[/Map|Map]]</code> || コンストラクタ関数 || キーと値のペアを保持し、キーにあらゆるデータ型を使用可能。
|-
| <code>[[/Set|Set]]</code> || コンストラクタ関数 || 一意の値を保持するコレクション。
|-
| <code>[[/WeakMap|WeakMap]]</code> || コンストラクタ関数 || <code>[[/Map|Map]]</code> のような構造だが、キーが弱参照される。
|-
| <code>[[/WeakSet|WeakSet]]</code> || コンストラクタ関数 || <code>[[/Set|Set]]</code> のような構造だが、オブジェクトのみを保持し、弱参照される。
|-
| <code>[[/JSON|JSON]]</code> || グローバルオブジェクト || JSONのパース (<code>JSON.parse()</code>) や文字列化 (<code>JSON.stringify()</code>) を提供。
|-
| <code>[[/Intl|Intl]]</code> || グローバルオブジェクト || 国際化 (<code>[[/Intl/DateTimeFormat|Intl.DateTimeFormat]]</code> など) をサポート。
|-
| <code>[[/Reflect|Reflect]]</code> || グローバルオブジェクト || オブジェクト操作を動的に行うメタプログラミング用API。
|-
| <code>[[/Proxy|Proxy]]</code> || コンストラクタ関数 || オブジェクトの動作をカスタマイズするためのインターセプターを提供。
|-
| <code>[[/Atomics|Atomics]]</code> || グローバルオブジェクト || <code>[[/SharedArrayBuffer|SharedArrayBuffer]]</code> を用いたスレッド間の低レベル同期を提供。
|-
| <code>[[/SharedArrayBuffer|SharedArrayBuffer]]</code> || コンストラクタ関数 || 複数のWeb Worker間でメモリ共有を可能にするバッファ。
|-
| <code>[[/ArrayBuffer|ArrayBuffer]]</code> || コンストラクタ関数 || バイナリデータを固定長で扱うバッファ。
|-
| <code>[[/DataView|DataView]]</code> || コンストラクタ関数 || <code>[[/ArrayBuffer|ArrayBuffer]]</code> に対して異なるデータ型でアクセス可能なビュー。
|-
| <code>[[/TypedArray|TypedArray]]</code> || コンストラクタ関数 || 型付き配列 (<code>[[/Int8Array|Int8Array]]</code> など) を提供し、高速なバイナリデータ操作を実現。
|}
; ポイント'''
* <code>[[/Math|Math]]</code> や <code>[[/JSON|JSON]]</code> は '''グローバルオブジェクト''' で、インスタンス化 (<code>new Math()</code>) できない。
* <code>[[/Object|Object]]</code>, <code>[[/Array|Array]]</code>, <code>[[/Function|Function]]</code> などは '''コンストラクタ関数''' で、<code>[[/new|new]]</code> を使ってインスタンスを作成可能。
* <code>[[/Promise|Promise]]</code>, <code>[[/Map|Map]]</code>, <code>[[/Set|Set]]</code> なども '''コンストラクタ関数''' で、新しいデータ構造を提供。
* <code>[[/Reflect|Reflect]]</code>, <code>[[/Atomics|Atomics]]</code> は '''グローバルオブジェクト''' であり、特定のユーティリティ機能を提供。
== Javaとの関連性 ==
JavaScriptとJavaは名前が似ていますが、実際にはかなり異なるプログラミング言語です。それぞれの特徴と関連性について簡潔に説明します。
# '''起源と命名'''
#: JavaScriptは当初、Java言語の人気にあやかって名付けられました。
#: しかし、両言語の開発元は異なります(JavaScriptはNetscape、JavaはSun Microsystems)。
# '''言語の特徴'''
#: JavaScript: 主にWeb開発用の動的型付け言語。
#: Java: 汎用的な静的型付け言語。
# '''実行環境'''
#: JavaScript: 主にブラウザ上で動作(Node.jsなどサーバーサイドも可能)。
#: Java: 主にサーバーサイドやデスクトップアプリケーションで使用。
# '''構文'''
#: 一部の構文(ループ、条件文、演算子など)に類似点がありますが、全体的な言語設計は大きく異なります。
# '''オブジェクト指向'''
#: 両言語ともオブジェクト指向をサポートしていますが、実装方法が異なります。
#: JavaScript: プロトタイプベースのオブジェクト指向言語。
#: Java: クラスベースのオブジェクト指向言語。
# '''相互運用性'''
#: 完全に別々の言語であり、直接的な互換性はありません。
# '''用途'''
#: JavaScriptはWeb開発、特にフロントエンド開発で主に使用されます。
#: Javaは大規模なエンタープライズアプリケーション、Androidアプリ開発などに使用されます。
結論として、JavaScriptとJavaは名前の類似性以外に深い関連性はありません。それぞれが異なる目的と設計思想を持つ独立した言語です。
== JavaScriptの応用範囲 ==
JavaScriptは、Web開発において最も広く使用される言語の一つであり、以下のような応用範囲があります。
* クライアントサイドWeb開発:JavaScriptは、Webブラウザで動作するクライアントサイドのWebアプリケーション開発に使用されます。JavaScriptを使用することで、ユーザーがWebページやWebアプリケーションを対話的に操作することができます。
* サーバーサイドWeb開発:Node.jsを使用することで、JavaScriptはサーバーサイドのWebアプリケーション開発にも使用されます。Node.jsは、JavaScriptを実行するためのランタイム環境であり、サーバーサイドでのWebアプリケーションの実行や、データベースやファイルシステムなどのI/O操作を実行することができます。
* モバイルアプリケーション開発:React Nativeを使用することで、JavaScriptはモバイルアプリケーション開発にも使用されます。React Nativeは、JavaScriptを使用してiOSやAndroidのネイティブモバイルアプリケーションを開発するためのフレームワークです。
* デスクトップアプリケーション開発:Electronを使用することで、JavaScriptはデスクトップアプリケーション開発にも使用されます。Electronは、JavaScriptを使用して、Windows、Mac、Linuxなどのデスクトップアプリケーションを開発するためのフレームワークです。
* ゲーム開発:JavaScriptは、Webブラウザ上で動作するゲーム開発にも使用されます。HTML5 CanvasやWebGLなどのWeb技術を使用することで、高品質のWebゲームを開発することができます。
JavaScriptは、Web技術を中心に広く使用される言語であり、多くの場面で使用されています。これらの応用範囲は、今後も拡大することが予想されます。
== 派生言語 ==
JavaScriptの派生言語には、以下のようなものがあります。
=== TypeScript ===
{{main|TypeScript}}
Microsoftが開発したJavaScriptのスーパーセットであり、静的型付けやクラス、インターフェースなどの機能を追加しています。
;TypeScriptのコード例:<syntaxhighlight lang=ts>
function greet(name: string) {
console.log(`Hello, ${name}!`);
}
greet("John");
</syntaxhighlight>
=== JavaScript XML ===
JavaScript XML(JSX)は、JavaScriptの拡張構文であり、Reactフレームワークで一般的に使用されます。JSXは、HTMLライクな構文をJavaScriptコードに埋め込むことができ、Reactコンポーネントの宣言的な記述やUIの構築を簡素化します。
JSXでは、<code><nowiki><div></nowiki></code>や<code><nowiki><span></nowiki></code>などのHTML要素をJavaScriptコード内で直接記述できます。これにより、コンポーネント階層構造を視覚的に表現し、リーダブルで保守しやすいコードを記述できます。また、JavaScriptの変数や式を<code>{}</code>で囲んで埋め込むことができ、動的な値をレンダリングすることができます。
例えば、以下はJSXを使用してReactコンポーネントを宣言的に記述する例です:
;JavaScript XMLのコード例:<syntaxhighlight lang=jsx>
import React from 'react';
const Greeting = ({ name }) => {
return (
<div>
<h1>Hello, {name}!</h1>
<p>Welcome to JSX.</p>
</div>
);
};
export default Greeting;
</syntaxhighlight>
この例では、<code>Greeting</code>コンポーネントが<code>name</code>プロパティを受け取り、JSX内でその値を表示しています。JSXはReactにおいて、UIを構築するためのシンタックスシュガーとして広く採用され、Reactの開発者がより効果的かつ可読性の高いコードを書くのに役立ちます。
=== TypeScript XML ===
TypeScript XML(TSX)は、Reactアプリケーションのためのファイル拡張子で、[[#TypeScript|TypeScript]]を使用してReactコンポーネントを記述するための構文です。TSXファイルは、JSX(JavaScript XML)とTypeScriptの機能を組み合わせたもので、静的型チェックとReactコンポーネントの記述を同時に行うことができます。
TSXでは、Reactコンポーネントを定義するために、JSXの構文を使用します。この構文は、HTMLライクな要素構造をJavaScriptやTypeScriptのコード内に埋め込むためのもので、UIを宣言的かつコンパクトに記述できます。また、TypeScriptの型システムを活用して、コンポーネントのプロパティやステートに関する型情報を提供できます。
例えば、以下は簡単なReactコンポーネントを含むTSXファイルの例です:
;TypeScript XMLのコード例:<syntaxhighlight lang=react>
import React, { useState } from 'react';
interface CounterProps {
initialValue: number;
}
const Counter: React.FC<CounterProps> = ({ initialValue }) => {
const [count, setCount] = useState(initialValue);
const increment = () => setCount(count + 1);
const decrement = () => setCount(count - 1);
return (
<div>
<p>Count: {count}</p>
<button onClick={increment}>Increment</button>
<button onClick={decrement}>Decrement</button>
</div>
);
};
export default Counter;
</syntaxhighlight>
この例では、<code>Counter</code>コンポーネントが<code>CounterProps</code>型のプロパティを受け取り、ステートとして<code>count</code>を持っています。JSX内で<code>{}</code>を使用してJavaScriptやTypeScriptのコードを埋め込むことができ、動的なUIを構築できます。
=== CoffeeScript ===
JavaScriptの文法をより簡潔にした言語で、コードを読みやすくするための構文糖衣を提供します。
;CoffeeScriptのコード例:<syntaxhighlight lang=coffeescript>
greet = (name) ->
console.log "Hello, #{name}!"
greet "John"
</syntaxhighlight>
== 参考文献 ==
* [https://262.ecma-international.org/5.1/ Standard ECMA-262 5.1 Edition / June 2011 ECMAScript® Language Specification]([https://es5.github.io 注釈版])
* [https://262.ecma-international.org/6.0/ Standard ECMA-262 6th Edition / June 2015 ECMAScript® 2015 Language Specification]
* [https://tc39.es/ecma262/ Draft ECMA-262 ECMAScript® Language Specification]
* [https://402.ecma-international.org/ ECMA-402 7th Edition / June 2020 ECMAScript® 2020 Internationalization API Specification]
=== 標準API ===
* [https://compat.spec.whatwg.org/ Compatibility Living Standard]
* [https://compression.spec.whatwg.org/ Compression Living Standard]
* [https://console.spec.whatwg.org/ Console Living Standard]
* [https://dom.spec.whatwg.org/ DOM Living Standard]
* [https://encoding.spec.whatwg.org/ Encoding Living Standard]
* [https://fetch.spec.whatwg.org/ Fetch Living Standard]
* [https://fs.spec.whatwg.org/ File System Living Standard]
* [https://fullscreen.spec.whatwg.org/ Fullscreen API Living Standard]
* [https://html.spec.whatwg.org/ HTML Living Standard]
* [https://infra.spec.whatwg.org/ Infra Living Standard]
* [https://mimesniff.spec.whatwg.org/ MIME Sniffing Living Standard]
* [https://notifications.spec.whatwg.org/ Notifications API Living Standard]
* [https://quirks.spec.whatwg.org/ Quirks Mode Living Standard]
* [https://storage.spec.whatwg.org/ Storage Living Standard]
* [https://streams.spec.whatwg.org/ Streams Living Standard]
* [https://testutils.spec.whatwg.org/ Test Utils Living Standard]
* [https://url.spec.whatwg.org/ URL Living Standard]
* [https://urlpattern.spec.whatwg.org/ URL Pattern Living Standard]
* [https://webidl.spec.whatwg.org/ Web IDL Living Standard]
* [https://websockets.spec.whatwg.org/ WebSockets Living Standard]
* [https://w3c.github.io/mediasession/ Media Session Standard]
* [https://xhr.spec.whatwg.org/ XMLHttpRequest Living Standard] Ajax
== 関連項目 ==
* [[JSDoc]]
== 下位階層のページ ==
*[[JavaScript/]]
*[[JavaScript/!]]
*[[JavaScript/!=]]
*[[JavaScript/!==]]
*[[JavaScript/""]]
*[[JavaScript/"0"]]
*[[JavaScript/&&=]]
*[[JavaScript/()]]
*[[JavaScript/*]]
*[[JavaScript/**]]
*[[JavaScript/+]]
*[[JavaScript/++@]]
*[[JavaScript/+@]]
*[[JavaScript/--@]]
*[[JavaScript/-0]]
*[[JavaScript/-@]]
*[[JavaScript/-Infinity]]
*[[JavaScript/0]]
*[[JavaScript/0n]]
*[[JavaScript/1]]
*[[JavaScript/42]]
*[[JavaScript/=]]
*[[JavaScript/==]]
*[[JavaScript/===]]
*[[JavaScript/?.]]
*[[JavaScript/?.ブラケット参照演算子]]
*[[JavaScript/??]]
*[[JavaScript/??=]]
*[[JavaScript/@()]]
*[[JavaScript/@++]]
*[[JavaScript/@--]]
*[[JavaScript/@?.()]]
*[[JavaScript/AJAX]]
*[[JavaScript/AbortController]]
*[[JavaScript/AbortSignal]]
*[[JavaScript/AggregateError]]
*[[JavaScript/Array]]
*[[JavaScript/Array/prototype]]
*[[JavaScript/Array/prototype/Symbol.iterator]]
*[[JavaScript/Array/prototype/concat]]
*[[JavaScript/Array/prototype/entries]]
*[[JavaScript/Array/prototype/keys]]
*[[JavaScript/Array/prototype/push]]
*[[JavaScript/Array/prototype/values]]
*[[JavaScript/ArrayBuffer]]
*[[JavaScript/Array Iterator Objects]]
*[[JavaScript/Async Iterable Interface]]
*[[JavaScript/Async Iterator Interface]]
*[[JavaScript/Asynchronous Module Definition]]
*[[JavaScript/Atomics]]
*[[JavaScript/BigInt]]
*[[JavaScript/BigInt/prototype]]
*[[JavaScript/BigInt64Array]]
*[[JavaScript/BigUint64Array]]
*[[JavaScript/Blob]]
*[[JavaScript/Body]]
*[[JavaScript/Boolean]]
*[[JavaScript/Boolean/prototype]]
*[[JavaScript/Booleanとboolean]]
*[[JavaScript/BroadcastChannel]]
*[[JavaScript/ByteLengthQueuingStrategy]]
*[[JavaScript/Canvas]]
*[[JavaScript/CommonJS]]
*[[JavaScript/Common Iteration Interfaces]]
*[[JavaScript/Compression Living Standard]]
*[[JavaScript/Console]]
*[[JavaScript/Constructor Properties of the Global Object]]
*[[JavaScript/CountQueuingStrategy]]
*[[JavaScript/Crypto]]
*[[JavaScript/DOM]]
*[[JavaScript/DOM/Array-Likeオブジェクト]]
*[[JavaScript/DOM/Attribute]]
*[[JavaScript/DOMDocument]]
*[[JavaScript/DOM/Element]]
*[[JavaScript/DOM/Node]]
*[[JavaScript/DOM/NodeList]]
*[[JavaScript/DOM/Text]]
*[[JavaScript/DOM/querySelector]]
*[[JavaScript/DOM/querySelectorAll]]
*[[JavaScript/DOMException]]
*[[JavaScript/DataView]]
*[[JavaScript/Date]]
*[[JavaScript/ECMAScript Module]]
*[[JavaScript/ECMAScriptの変遷]]
*[[JavaScript/ECMAScript言語仕様読解の手引]]
*[[JavaScript/Element]]
*[[JavaScript/Error]]
*[[JavaScript/EvalError]]
*[[JavaScript/Event]]
*[[JavaScript/EventTarget]]
*[[JavaScript/File]]
*[[JavaScript/File API]]
*[[JavaScript/FinalizationRegistry]]
*[[JavaScript/Float16Array]]
*[[JavaScript/Float32Array]]
*[[JavaScript/Float64Array]]
*[[JavaScript/FormData]]
*[[JavaScript/Function]]
*[[JavaScript/Function/prototype]]
*[[JavaScript/Function/prototype/apply]]
*[[JavaScript/Function/prototype/bind]]
*[[JavaScript/Function/prototype/call]]
*[[JavaScript/Function/prototype/constructor]]
*[[JavaScript/Function/prototype/length]]
*[[JavaScript/Function/prototype/name]]
*[[JavaScript/Function/prototype/toString]]
*[[JavaScript/Generator]]
*[[JavaScript/Generator/素数ジェネレター]]
*[[JavaScript/GeneratorFunction]]
*[[JavaScript/Global]]
*[[JavaScript/Global Object]]
*[[JavaScript/Headers]]
*[[JavaScript/Identifier]]
*[[JavaScript/Indexed Collections]]
*[[JavaScript/Infinity]]
*[[JavaScript/Int16Array]]
*[[JavaScript/Int32Array]]
*[[JavaScript/Int8Array]]
*[[JavaScript/Intl]]
*[[JavaScript/Iterable Interface]]
*[[JavaScript/Iterator]]
*[[JavaScript/Iterator/prototype]]
*[[JavaScript/Iterator/prototype/Symbol.iterator]]
*[[JavaScript/IteratorResult Interface]]
*[[JavaScript/Iterator Helper Objects]]
*[[JavaScript/Iterator Interface]]
*[[JavaScript/JSON]]
*[[JavaScript/JSON/parse]]
*[[JavaScript/JScript]]
*[[JavaScript/JavaScriptのオブジェクト]]
*[[JavaScript/JavaScriptのクラス]]
*[[JavaScript/JavaScriptの型と値]]
*[[JavaScript/JavaScriptの型変換]]
*[[JavaScript/JavaScriptの演算子]]
*[[JavaScript/JavaScriptエンジン]]
*[[JavaScript/Map]]
*[[JavaScript/Map/prototype]]
*[[JavaScript/Map/prototype/Symbol.iterator]]
*[[JavaScript/Map/prototype/entries]]
*[[JavaScript/Map/prototype/keys]]
*[[JavaScript/Map/prototype/values]]
*[[JavaScript/Math]]
*[[JavaScript/Math/E]]
*[[JavaScript/Math/LN10]]
*[[JavaScript/Math/LN2]]
*[[JavaScript/Math/LOG10E]]
*[[JavaScript/Math/LOG2E]]
*[[JavaScript/Math/PI]]
*[[JavaScript/Math/SQRT1 2]]
*[[JavaScript/Math/SQRT2]]
*[[JavaScript/Math/abs]]
*[[JavaScript/Math/acos]]
*[[JavaScript/Math/acosh]]
*[[JavaScript/Math/asin]]
*[[JavaScript/Math/asinh]]
*[[JavaScript/Math/atan]]
*[[JavaScript/Math/atan2]]
*[[JavaScript/Math/atanh]]
*[[JavaScript/Math/cbrt]]
*[[JavaScript/Math/ceil]]
*[[JavaScript/Math/clz32]]
*[[JavaScript/Math/cos]]
*[[JavaScript/Math/cosh]]
*[[JavaScript/Math/exp]]
*[[JavaScript/Math/expm1]]
*[[JavaScript/Math/floor]]
*[[JavaScript/Math/fround]]
*[[JavaScript/Math/hypot]]
*[[JavaScript/Math/imul]]
*[[JavaScript/Math/log]]
*[[JavaScript/Math/log10]]
*[[JavaScript/Math/log1p]]
*[[JavaScript/Math/log2]]
*[[JavaScript/Math/max]]
*[[JavaScript/Math/min]]
*[[JavaScript/Math/pow]]
*[[JavaScript/Math/random]]
*[[JavaScript/Math/round]]
*[[JavaScript/Math/sign]]
*[[JavaScript/Math/sin]]
*[[JavaScript/Math/sinh]]
*[[JavaScript/Math/sqrt]]
*[[JavaScript/Math/tan]]
*[[JavaScript/Math/tanh]]
*[[JavaScript/Math/trunc]]
*[[JavaScript/Mathオブジェクト]]
*[[JavaScript/NaN]]
*[[JavaScript/Node]]
*[[JavaScript/Node.js Worker API と Web Workers API]]
*[[JavaScript/Number]]
*[[JavaScript/Number/EPSILON]]
*[[JavaScript/Number/MAX SAFE INTEGER]]
*[[JavaScript/Number/MAX VALUE]
*[[JavaScript/Number/MIN SAFE INTEGER]]
*[[JavaScript/Number/MIN VALUE]]
*[[JavaScript/Number/NEGATIVE INFINITY]]
*[[JavaScript/Number/NaN]]
*[[JavaScript/Number/POSITIVE INFINITY]]
*[[JavaScript/Number/isFinite]]
*[[JavaScript/Number/isInteger]]
*[[JavaScript/Number/isNaN]]
*[[JavaScript/Number/isSafeInteger]]
*[[JavaScript/Number/parseFloat]]
*[[JavaScript/Number/parseInt]]
*[[JavaScript/Number/prototype]]
*[[JavaScript/Number/prototype/constructor]]
*[[JavaScript/Object]]
*[[JavaScript/Object.is]]
*[[JavaScript/Object/GetOwnPropertyKeys]]
*[[JavaScript/Object/ proto]]
*[[JavaScript/Object/assign]]
*[[JavaScript/Object/create]]
*[[JavaScript/Object/defineProperties]]
*[[JavaScript/Object/defineProperty]]
*[[JavaScript/Object/entries]]
*[[JavaScript/Object/freeze]]
*[[JavaScript/Object/fromEntries]]
*[[JavaScript/Object/getOwnPropertyDescriptor]]
*[[JavaScript/Object/getOwnPropertyDescriptors]]
*[[JavaScript/Object/getOwnPropertyNames]]
*[[JavaScript/Object/getOwnPropertySymbols]]
*[[JavaScript/Object/getPrototypeOf]]
*[[JavaScript/Object/groupBy]]
*[[JavaScript/Object/hasOwn]]
*[[JavaScript/Object/is]]
*[[JavaScript/Object/isExtensible]]
*[[JavaScript/Object/isFrozen
*[[JavaScript/Object/isSealed]]
*[[JavaScript/Object/keys]]
*[[JavaScript/Object/preventExtensions]]
*[[JavaScript/Object/prototype]]
*[[JavaScript/Object/prototype/ defineGetter]]
*[[JavaScript/Object/prototype/constructor]]
*[[JavaScript/Object/prototype/hasOwnProperty]]
*[[JavaScript/Object/prototype/isPrototypeOf]]
*[[JavaScript/Object/prototype/propertyIsEnumerable]]
*[[JavaScript/Object/prototype/toLocaleString]]
*[[JavaScript/Object/prototype/toString]]
*[[JavaScript/Object/prototype/valueOf]]
*[[JavaScript/Object/seal]]
*[[JavaScript/Object/setPrototypeOf]]
*[[JavaScript/Object/values]]
*[[JavaScript/Operators]]
*[[JavaScript/Polyfill]]
*[[JavaScript/Promise]]
*[[JavaScript/Promise/prototype]]
*[[JavaScript/Proxy]]
*[[JavaScript/Proxy/revocable]]
*[[JavaScript/RangeError]]
*[[JavaScript/ReadableStream]]
*[[JavaScript/ReadableStreamDefaultReader]]
*[[JavaScript/ReferenceError]]
*[[JavaScript/Reflect]]
*[[JavaScript/Reflect/apply]]
*[[JavaScript/Reflect/construct]]
*[[JavaScript/Reflect/defineProperty]]
*[[JavaScript/Reflect/deleteProperty]]
*[[JavaScript/RegExp]]
*[[JavaScript/RegExp/prototype]]
*[[JavaScript/RegExp/prototype/exec]]
*[[JavaScript/Request]]
*[[JavaScript/Response]]
*[[JavaScript/Restパラメータ]]
*[[JavaScript/Set]]
*[[JavaScript/Set/prototype]]
*[[JavaScript/Set/prototype/Symbol.iterator]]
*[[JavaScript/Set/prototype/values]]
*[[JavaScript/SharedArrayBuffer]]
*[[JavaScript/SharedArrayBuffer/prototype]]
*[[JavaScript/Streams API]]
*[[JavaScript/String]]
*[[JavaScript/String/fromCharCode]]
*[[JavaScript/String/fromCodePoint]]
*[[JavaScript/String/prototype]]
*[[JavaScript/String/prototype/StringPaddingBuiltinsImpl]]
*[[JavaScript/String/prototype/Symbol.iterator]]
*[[JavaScript/String/prototype/at]]
*[[JavaScript/String/prototype/charAt]]
*[[JavaScript/String/prototype/charCodeAt]]
*[[JavaScript/String/prototype/codePointAt]]
*[[JavaScript/String/prototype/concat]]
*[[JavaScript/String/prototype/constructor]]
*[[JavaScript/String/prototype/endsWith]]
*[[JavaScript/String/prototype/includes]]
*[[JavaScript/String/prototype/indexOf]]
*[[JavaScript/String/prototype/isWellFormed]]
*[[JavaScript/String/prototype/lastIndexOf]]
*[[JavaScript/String/prototype/localeCompare]]
*[[JavaScript/String/prototype/match]]
*[[JavaScript/String/prototype/matchAll]]
*[[JavaScript/String/prototype/normalize]]
*[[JavaScript/String/prototype/padEnd]]
*[[JavaScript/String/prototype/padStart]]
*[[JavaScript/String/prototype/quote]]
*[[JavaScript/String/prototype/repeat]]
*[[JavaScript/String/prototype/replace]]
*[[JavaScript/String/prototype/replaceAll]]
*[[JavaScript/String/prototype/search]]
*[[JavaScript/String/prototype/slice]]
*[[JavaScript/String/prototype/split]]
*[[JavaScript/String/prototype/startsWith]]
*[[JavaScript/String/prototype/substring]]
*[[JavaScript/String/prototype/toLocaleLowerCase]]
*[[JavaScript/String/prototype/toLocaleUpperCase]]
*[[JavaScript/String/prototype/toLowerCase]]
*[[JavaScript/String/prototype/toString]]
*[[JavaScript/String/prototype/toUpperCase]]
*[[JavaScript/String/prototype/toWellFormed]]
*[[JavaScript/String/prototype/trim]]
*[[JavaScript/String/prototype/trimEnd]]
*[[JavaScript/String/prototype/trimStart]]
*[[JavaScript/String/prototype/valueOf]]
*[[JavaScript/String/raw]]
*[[JavaScript/SuiteSparse]]
*[[JavaScript/Symbol]]
*[[JavaScript/Symbol/asyncIterator]]
*[[JavaScript/Symbol/iterator]]
*[[JavaScript/Symbol/toStringTag]]
*[[JavaScript/SyntaxError]]
*[[JavaScript/TransformStream]]
*[[JavaScript/Tree Shaking]]
*[[JavaScript/TypeError]]
*[[JavaScript/TypedArray]]
*[[JavaScript/URIError]]
*[[JavaScript/URL]]
*[[JavaScript/URLSearchParams]]
*[[JavaScript/Uint16Array]]
*[[JavaScript/Uint32Array]]
*[[JavaScript/Uint8Array]]
*[[JavaScript/Uint8ClampedArray]]
*[[JavaScript/Universal Module Definition]]
*[[JavaScript/Vue.js]]
*[[JavaScript/WeakMap]]
*[[JavaScript/WeakMap/prototype]]
*[[JavaScript/WeakRef]]
*[[JavaScript/WeakSet]]
*[[JavaScript/WeakSet/prototype]]
*[[JavaScript/WebAssembly]]
*[[JavaScript/WebSocket]]
*[[JavaScript/Web Compatibility Standard]]
*[[JavaScript/Web Worker]]
*[[JavaScript/Web Worker API]]
*[[JavaScript/Web開発におけるワークフロー管理システム]]
*[[JavaScript/Well-Known Symbols]]
*[[JavaScript/Window]]
== グローバルインスタンス ==
{| class="sortable wikitable"
|+ グローバルインスタンス一覧
! 名称 || タイプ || 解説
|-
| <code>[[/AbortController|AbortController]]</code> || [[/function|function]] || 非同期操作を中止するためのコントローラー
|-
| <code>[[/AbortSignal|AbortSignal]]</code> || [[/function|function]] || 中止シグナル<ref>DOM: https://dom.spec.whatwg.org/#interface-AbortSignal</ref>
|-
| <code>[[/AggregateError|AggregateError]]</code> || [[/function|function]] || 複数のエラーをまとめたエラーオブジェクト
|-
| <code>[[/Array|Array]]</code> || [[/function|function]] || 配列オブジェクト
|-
| <code>[[/ArrayBuffer|ArrayBuffer]]</code> || [[/function|function]] || 一般的な固定長バイナリデータバッファ
|-
| <code>[[/Atomics|Atomics]]</code> || [[/object|object]] || 共有メモリ上での原子的操作を提供するオブジェクト
|-
| <code>[[/BigInt64Array|BigInt64Array]]</code> || [[/function|function]] || 符号付き64ビット整数配列
|-
| <code>[[/BigInt|BigInt]]</code> || [[/function|function]] || 任意の精度の整数
|-
| <code>[[/BigUint64Array|BigUint64Array]]</code> || [[/function|function]] || 符号なし64ビット整数配列
|-
| <code>[[/Blob|Blob]]</code> || [[/function|function]] || 不変の生のデータオブジェクト<ref>File API: https://w3c.github.io/FileAPI/#blob-section</ref>
|-
| <code>[[/Boolean|Boolean]]</code> || [[/function|function]] || 真偽値オブジェクト
|-
| <code>[[/BroadcastChannel|BroadcastChannel]]</code> || [[/function|function]] || ブラウザコンテキスト間のブロードキャスト通信<ref>HTML: https://html.spec.whatwg.org/multipage/web-messaging.html#broadcasting-to-other-browsing-contexts</ref>
|-
| <code>[[/Buffer|Buffer]]</code> || [[/function|function]] || Node.jsにおけるバイナリデータバッファ<ref>Node.js: https://nodejs.org/api/buffer.html</ref>
|-
| <code>[[/ByteLengthQueuingStrategy|ByteLengthQueuingStrategy]]</code> || [[/function|function]] || ストリームのキューイング戦略(バイト長)<ref>Streams: https://streams.spec.whatwg.org/#blqs-class</ref>
|-
| <code>[[/CompressionStream|CompressionStream]]</code> || [[/function|function]] || 圧縮ストリーム<ref>Compression: https://compression.spec.whatwg.org/#compression-stream</ref>
|-
| <code>[[/CountQueuingStrategy|CountQueuingStrategy]]</code> || [[/function|function]] || ストリームのキューイング戦略(カウント)
|-
| <code>[[/Crypto|Crypto]]</code> || [[/function|function]] || 暗号関連機能を提供するオブジェクト
|-
| <code>[[/CryptoKey|CryptoKey]]</code> || [[/function|function]] || 暗号鍵
|-
| <code>[[/CustomEvent|CustomEvent]]</code> || [[/function|function]] || カスタムイベント
|-
| <code>[[/DOMException|DOMException]]</code> || [[/function|function]] || DOM操作に関連する例外
|-
| <code>[[/DataView|DataView]]</code> || [[/function|function]] || ArrayBuffer上のデータへの低レベルアクセス
|-
| <code>[[/Date|Date]]</code> || [[/function|function]] || 日付と時刻オブジェクト
|-
| <code>[[/DecompressionStream|DecompressionStream]]</code> || [[/function|function]] || 展開ストリーム
|-
| <code>[[/Error|Error]]</code> || [[/function|function]] || 一般的なエラーオブジェクト
|-
| <code>[[/EvalError|EvalError]]</code> || [[/function|function]] || eval()に関連するエラー
|-
| <code>[[/Event|Event]]</code> || [[/function|function]] || イベントオブジェクト
|-
| <code>[[/EventTarget|EventTarget]]</code> || [[/function|function]] || イベントターゲット
|-
| <code>[[/File|File]]</code> || [[/function|function]] || ファイルオブジェクト
|-
| <code>[[/FinalizationRegistry|FinalizationRegistry]]</code> || [[/function|function]] || オブジェクトのガベージコレクション通知
|-
| <code>[[/Float32Array|Float32Array]]</code> || [[/function|function]] || 32ビット浮動小数点数配列
|-
| <code>[[/Float64Array|Float64Array]]</code> || [[/function|function]] || 64ビット浮動小数点数配列
|-
| <code>[[/FormData|FormData]]</code> || [[/function|function]] || HTMLフォームデータ
|-
| <code>[[/Function|Function]]</code> || [[/function|function]] || 関数オブジェクト
|-
| <code>[[/Headers|Headers]]</code> || [[/function|function]] || HTTPヘッダー
|-
| <code>[[/Infinity|Infinity]]</code> || [[/number|number]] || 無限大
|-
| <code>[[/Int16Array|Int16Array]]</code> || [[/function|function]] || 符号付き16ビット整数配列
|-
| <code>[[/Int32Array|Int32Array]]</code> || [[/function|function]] || 符号付き32ビット整数配列
|-
| <code>[[/Int8Array|Int8Array]]</code> || [[/function|function]] || 符号付き8ビット整数配列
|-
| <code>[[/Intl|Intl]]</code> || [[/object|object]] || 国際化関連機能を提供するオブジェクト
|-
| <code>[[/Iterator|Iterator]]</code> || [[/function|function]] || イテレーター
|-
| <code>[[/JSON|JSON]]</code> || [[/object|object]] || JSON関連機能を提供するオブジェクト
|-
| <code>[[/Map|Map]]</code> || [[/function|function]] || マップオブジェクト
|-
| <code>[[/Math|Math]]</code> || [[/object|object]] || 数学関連機能を提供するオブジェクト
|-
| <code>[[/MessageChannel|MessageChannel]]</code> || [[/function|function]] || メッセージチャネル
|-
| <code>[[/MessageEvent|MessageEvent]]</code> || [[/function|function]] || メッセージイベント
|-
| <code>[[/MessagePort|MessagePort]]</code> || [[/function|function]] || メッセージポート
|-
| <code>[[/NaN|NaN]]</code> || [[/number|number]] || 非数 (Not-a-Number)
|-
| <code>[[/Navigator|Navigator]]</code> || [[/function|function]] || ブラウザナビゲーション関連機能
|-
| <code>[[/Number|Number]]</code> || [[/function|function]] || 数値オブジェクト
|-
| <code>[[/Object|Object]]</code> || [[/function|function]] || オブジェクト<!--
|-
| <code>[[/Performance|Performance]]</code> || [[/function|function]] || パフォーマンス関連機能を提供するオブジェクト
|-
| <code>[[/PerformanceEntry|PerformanceEntry]]</code> || [[/function|function]] || パフォーマンスエントリー
|-
| <code>[[/PerformanceMark|PerformanceMark]]</code> || [[/function|function]] || パフォーマンスマーク
|-
| <code>[[/PerformanceMeasure|PerformanceMeasure]]</code> || [[/function|function]] || パフォーマンス計測
|-
| <code>[[/PerformanceObserver|PerformanceObserver]]</code> || [[/function|function]] || パフォーマンスオブザーバー
|-
| <code>[[/PerformanceObserverEntryList|PerformanceObserverEntryList]]</code> || [[/function|function]] || パフォーマンスオブザーバーエントリーリスト
|-
| <code>[[/PerformanceResourceTiming|PerformanceResourceTiming]]</code> || [[/function|function]] || パフォーマンスリソースタイミング
-->
|-
| <code>[[/Promise|Promise]]</code> || [[/function|function]] || Promiseオブジェクト
|-
| <code>[[/Proxy|Proxy]]</code> || [[/function|function]] || プロキシオブジェクト
|-
| <code>[[/RangeError|RangeError]]</code> || [[/function|function]] || 範囲エラー
|-
| <code>[[/ReadableByteStreamController|ReadableByteStreamController]]</code> || [[/function|function]] || ReadableByteStreamのコントローラー
|-
| <code>[[/ReadableStream|ReadableStream]]</code> || [[/function|function]] || 読み取り可能ストリーム
|-
| <code>[[/ReadableStreamBYOBReader|ReadableStreamBYOBReader]]</code> || [[/function|function]] || ReadableStreamのBYOBリーダー
|-
| <code>[[/ReadableStreamBYOBRequest|ReadableStreamBYOBRequest]]</code> || [[/function|function]] || ReadableStreamのBYOBリクエスト
|-
| <code>[[/ReadableStreamDefaultController|ReadableStreamDefaultController]]</code> || [[/function|function]] || ReadableStreamのデフォルトコントローラー
|-
| <code>[[/ReadableStreamDefaultReader|ReadableStreamDefaultReader]]</code> || [[/function|function]] || ReadableStreamのデフォルトリーダー
|-
| <code>[[/ReferenceError|ReferenceError]]</code> || [[/function|function]] || 参照エラー
|-
| <code>[[/Reflect|Reflect]]</code> || [[/object|object]] || リフレクション関連機能を提供するオブジェクト
|-
| <code>[[/RegExp|RegExp]]</code> || [[/function|function]] || 正規表現オブジェクト
|-
| <code>[[/Request|Request]]</code> || [[/function|function]] || HTTPリクエスト
|-
| <code>[[/Response|Response]]</code> || [[/function|function]] || HTTPレスポンス
|-
| <code>[[/Set|Set]]</code> || [[/function|function]] || セットオブジェクト
|-
| <code>[[/SharedArrayBuffer|SharedArrayBuffer]]</code> || [[/function|function]] || 共有ArrayBuffer
|-
| <code>[[/String|String]]</code> || [[/function|function]] || 文字列オブジェクト
|-
| <code>[[/SubtleCrypto|SubtleCrypto]]</code> || [[/function|function]] || 暗号関連機能(Subtle)
|-
| <code>[[/Symbol|Symbol]]</code> || [[/function|function]] || シンボル
|-
| <code>[[/SyntaxError|SyntaxError]]</code> || [[/function|function]] || 構文エラー
|-
| <code>[[/TextDecoder|TextDecoder]]</code> || [[/function|function]] || テキストデコーダー
|-
| <code>[[/TextDecoderStream|TextDecoderStream]]</code> || [[/function|function]] || テキストデコーダーストリーム
|-
| <code>[[/TextEncoder|TextEncoder]]</code> || [[/function|function]] || テキストエンコーダー
|-
| <code>[[/TextEncoderStream|TextEncoderStream]]</code> || [[/function|function]] || テキストエンコーダーストリーム
|-
| <code>[[/TransformStream|TransformStream]]</code> || [[/function|function]] || 変換ストリーム
|-
| <code>[[/TransformStreamDefaultController|TransformStreamDefaultController]]</code> || [[/function|function]] || 変換ストリームのデフォルトコントローラー
|-
| <code>[[/TypeError|TypeError]]</code> || [[/function|function]] || 型エラー
|-
| <code>[[/URIError|URIError]]</code> || [[/function|function]] || URIエラー
|-
| <code>[[/URL|URL]]</code> || [[/function|function]] || URLオブジェクト
|-
| <code>[[/URLSearchParams|URLSearchParams]]</code> || [[/function|function]] || URL検索パラメータ
|-
| <code>[[/Uint16Array|Uint16Array]]</code> || [[/function|function]] || 符号なし16ビット整数配列
|-
| <code>[[/Uint32Array|Uint32Array]]</code> || [[/function|function]] || 符号なし32ビット整数配列
|-
| <code>[[/Uint8Array|Uint8Array]]</code> || [[/function|function]] || 符号なし8ビット整数配列
|-
| <code>[[/Uint8ClampedArray|Uint8ClampedArray]]</code> || [[/function|function]] || 符号なし8ビット整数配列(クランプ)
|-
| <code>[[/WeakMap|WeakMap]]</code> || [[/function|function]] || WeakMapオブジェクト
|-
| <code>[[/WeakRef|WeakRef]]</code> || [[/function|function]] || WeakRefオブジェクト
|-
| <code>[[/WeakSet|WeakSet]]</code> || [[/function|function]] || WeakSetオブジェクト
|-
| <code>[[/WebAssembly|WebAssembly]]</code> || [[/object|object]] || WebAssembly関連機能を提供するオブジェクト
|-
| <code>[[/WebSocket|WebSocket]]</code> || [[/function|function]] || WebSocketオブジェクト
|-
| <code>[[/WritableStream|WritableStream]]</code> || [[/function|function]] || 書き込み可能ストリーム
|-
| <code>[[/WritableStreamDefaultController|WritableStreamDefaultController]]</code> || [[/function|function]] || 書き込み可能ストリームのデフォルトコントローラー
|-
| <code>[[/WritableStreamDefaultWriter|WritableStreamDefaultWriter]]</code> || [[/function|function]] || 書き込み可能ストリームのデフォルトライター
|-
| <code>[[/atob|atob]]</code> || [[/function|function]] || Base64デコード
|-
| <code>[[/btoa|btoa]]</code> || [[/function|function]] || Base64エンコード
|-
| <code>[[/clearImmediate|clearImmediate]]</code> || [[/function|function]] || setImmediateのキャンセル
|-
| <code>[[/clearInterval|clearInterval]]</code> || [[/function|function]] || setIntervalのキャンセル
|-
| <code>[[/clearTimeout|clearTimeout]]</code> || [[/function|function]] || setTimeoutのキャンセル
|-
| <code>[[/console|console]]</code> || [[/object|object]] || コンソール関連機能を提供するオブジェクト
|-
| <code>[[/crypto|crypto]]</code> || [[/object|object]] || 暗号関連機能を提供するオブジェクト
|-
| <code>[[/decodeURI|decodeURI]]</code> || [[/function|function]] || URIデコード
|-
| <code>[[/decodeURIComponent|decodeURIComponent]]</code> || [[/function|function]] || URIコンポーネントデコード
|-
| <code>[[/encodeURI|encodeURI]]</code> || [[/function|function]] || URIエンコード
|-
| <code>[[/encodeURIComponent|encodeURIComponent]]</code> || [[/function|function]] || URIコンポーネントエンコード
|-
| <code>[[/escape|escape]]</code> || [[/function|function]] || 文字列エスケープ
|-
| <code>[[/eval|eval]]</code> || [[/function|function]] || 文字列をJavaScriptコードとして実行
|-
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== 量子力学とは ==
* [[量子力学/量子力学とは]]
== 量子力学の発展 ==
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<!--
== 古典および量子統計力学 ==
=== デュロン=プティの法則 ===
[[w:結晶|結晶]]を成す物質の[[w:内部エネルギー|内部エネルギー]]および[[w:熱容量|熱容量]]を求めよう。議論を簡単にするため、[[w:結晶構造|結晶構造]]の単位である[[w:単位胞|単位胞]] 1 つをとり、これを 1 つの[[w:分子|分子]]と見なす。このような取り扱いは結晶の具体的構造によらない普遍的な性質を議論する上で重要である。結晶を構成する分子は互いに[[w:相互作用|相互作用]]するが、最も主要な効果を及ぼすのは最近接格子点上の分子であり、より遠距離にある分子同士の相互作用はそれらの間に存在する分子同士の相互作用として含めることができる。ここまでで扱うべき問題はかなり簡素になったが、結晶分子の運動がそれほど激しいものでない場合には(気体分子運動論の考えを援用すれば、この状況は結晶内部の[[w:温度|温度]]が極めて低いことに相当する)、各分子は固定された平衡点近傍を振動していると見なすことができる。この場合、分子 1 つ 1 つの運動は独立なものとして取り扱うことができ、平衡点近傍で運動する分子 1 個の周りの[[w:ポテンシャル|ポテンシャルエネルギー]]は <math>U</math> は、その平衡点を原点として以下のように表すことができる。
:<math>U=\frac{1}{2}k_x x^2 + \frac{1}{2}k_y y^2 + \frac{1}{2}k_z z^2</math>
分子の周りのポテンシャルは <math>x, y, z</math> の 3 成分に対応する 3 つの[[w:自由度|自由度]]を持っている。
また分子の[[w:運動エネルギー|運動エネルギー]] <math>K</math> は
:<math>K=\frac{1}{2}mv_x^2 + \frac{1}{2}mv_y^2 + \frac{1}{2}mv_z^2</math>
となって <math>v_x, v_y, v_z</math> の 3 つの速度成分に対応する 3 つの自由度を持っている。これらの運動エネルギーとポテンシャルエネルギーの和は今、熱振動をする分子 1 個が持つ全エネルギーに対応し、分子のエネルギーの自由度は合わせて 6 と数えることができる。なぜならこのエネルギーは 3 次元空間上を運動する粒子の位置と速度の 6 つの独立変数 <math>x, y, z, v_x, v_y, v_z</math> によって決定されるからである。
古典的な統計力学において、[[w:熱力学的平衡|平衡状態]]では[[w:エネルギー等配分の法則|エネルギー等分配の法則]]が成り立つことから、独立に振動する結晶分子からなる系について、自由度 1 つにつき <math>kT/2</math> のエネルギーが分配され、系全体のエネルギー <math>E</math> との間に
:<math>E = N\times 6 \times \frac{kT}{2} = 3NkT</math>
という関係が成り立つ。ここで <math>N</math> は結晶内部に含まれる結晶分子の数であり、また <math>k \simeq 1.38\times 10^{-23}~\mathrm{[J/K]}</math> は[[w:ボルツマン定数|ボルツマン定数]]、<math>T</math> は[[w:熱力学温度|熱力学温度]]である(以下、温度とは熱力学温度のことを指すとする)。ボルツマン定数 <math>k</math> と[[w:アヴォガドロ定数|アヴォガドロ定数]] <math>N_\mathrm{A}</math> の積は[[w:気体定数|気体定数]] <math>R</math> を与える。
:<math>k =\frac{R}{N_\mathrm{A}}.</math>
結晶分子の個数 <math>N</math> をアヴォガドロ定数を用いて[[w:物質量|物質量]] <math>n = N/N_\mathrm{A}</math> に置き換えれば、上述の関係は気体定数を使って以下のように書き直すことができる。
:<math>E = 3NkT = 3nN_\mathrm{A}\frac{R}{N_\mathrm{A}}T = 3nRT.</math>
気体定数を用いた形式では分子数が現れず、代わりに物質量という量が定義されることに注意しよう。ボルツマン定数を基本定数とする立場では単なる置き換えに過ぎないが、気体定数を基本定数とする場合、ボルツマン定数を用いた形式を与えるには分子の存在をあからさまに認める必要がある。
結晶の[[w:比熱容量|1モル当たりの熱容量]] <math>C</math> は、温度変化に対するエネルギーの増減の割合を全体の物質量で割ったものに相当するから、
:<math>C = \frac{1}{n}\frac{\partial E}{\partial T} = 3R</math>
となる。これは常温 (<math>T \sim 300 ~\mathrm{[K]}</math>) での結晶の比熱の測定値に一致する。この比熱は温度依存性がなく、常温の固体のモル比熱がほとんど一定であることを示す。固体のモル比熱が常温で一定の値を取るという法則は'''[[w:デュロン=プティの法則|デュロン=プティの法則]]''' (Dulong-Petit law) と呼ばれる。デュロンとプティはこの法則が多くの物質について良い精度で成り立つことを実験的に発見した人物である。
デュロン=プティの法則が成り立つような系について、常温より遥かに低温の領域においても比熱が一定であることが予想されるが、実験により低温領域では比熱は 0 に収束することを示唆する結果が得られており、低温領域での比熱の温度依存性および比熱の値はデュロン=プティの法則から外れることが知られている。
=== 低温での固体の比熱 ===
仮に振動数が <math>\nu</math> の[[w:調和振動子|調和振動子]]のエネルギーは <math>h\nu</math> の整数倍 <math>nh\nu</math> しか取れないとする(ただし <math>n</math> は負でないとする)。結晶内部の <math>N</math> 個の分子をそれぞれ振動数 <math>\nu</math> の調和振動子と見なせることを仮定し、全部で <math>3N</math> の自由度を持つ 1 次元調和振動子の集まりとする。
そうすると、断熱理想気体でも各分子のエネルギーが衝突などにより変動するように(気体全体の全エネルギーは一定)、固体の各振動子のエネルギーも <math>0, h\nu, 2h\nu, 3h\nu,\dots</math> という飛び飛びの値を移り変わっているとする。
そして <math>3N</math> 個の振動子のエネルギーの平均値は、仮に下記のように「ボルツマン因子を使って計算できるはず」だと仮定する(※ ボルツマン因子について分からなければ、記事『[[高等学校化学Ⅱ/化学反応の速さ]]』の[[w:反応速度論|反応速度論]]での説明(高校~大学初級レベル)、または記事『[[統計力学I ミクロカノニカル集合]]』の[[w:スターリングの公式|スターリングの公式]]を用いた統計力学モデルによる説明(大学中級~)を参照。統計力学的には他にも、ラグランジュの未定乗数法を用いてボルツマン因子の導入を行う方法もある)。
1個の振動子がエネルギー <math>\varepsilon_n = nh\nu</math> をとる[[w:確率|確率]]を <math>\operatorname{Pr}(n)</math> とし、この確率がボルツマン因子に比例するとする。
:<math>\operatorname{Pr}(n) = \frac{1}{Z}e^{-\frac{\varepsilon_n}{kT}} = \frac{1}{Z}e^{-\frac{nh\nu}{kT}}</math>
この関数が通常の意味の確率であるためには、すべてのエネルギー状態についての和が 1 に規格化されている必要があるため、比例係数の <math>Z</math> は、
:<math>Z = \sum_{m=0}^{\infty} e^{-\frac{\varepsilon_m}{kT}} = \sum_{m=0}^{\infty} e^{-\frac{mh\nu}{kT}}</math>
とならなければならない(なお、このZのような量子統計計算の規格化のための関数のことを「分配係数」または「状態和」という)。このとき確率 <math>\operatorname{Pr}(n)</math> は
:<math>\operatorname{Pr}(n) = \frac{\exp\left(-\frac{nh\nu}{kT}\right)}{\sum_{m=0}^{\infty} \exp\left(-\frac{mh\nu}{kT}\right)}</math>
となる(<math>\exp(\cdot)</math> は[[w:指数関数|指数関数]])。エネルギーの期待値 <math>\langle\varepsilon\rangle</math> は、
:<math>\begin{align}
\langle\varepsilon\rangle &= \sum_{n=0}^{\infty} \left\{\varepsilon_n\operatorname{Pr}(n)\right\} \\
&=\sum_{n=0}^{\infty} \left\{nh\nu
\left(\frac{\exp\left(-\frac{nh\nu}{kT}\right)}{\sum_{m=0}^{\infty} \exp\left(-\frac{mh\nu}{kT}\right)}\right)
\right\}\\
&=\frac{1}{\sum_{m=0}^{\infty} \exp\left(-\frac{mh\nu}{kT}\right)}
\sum_{n=0}^{\infty} \left\{nh\nu\exp\left(-\frac{nh\nu}{kT}\right)\right\}
\end{align}</math>
と表すことができる。ここでボルツマン定数と温度の積の逆数を <math>\beta = (kT)^{-1}</math> とし(これは[[w:逆温度|逆温度]]と呼ばれる)、エネルギーの期待値を逆温度 <math>\beta</math> に関する微分を用いて表せば、
:<math>Z(\beta) = \sum_{m=0}^{\infty} \exp\left(-\frac{\varepsilon_m}{kT}\right) = \sum_{m=0}^{\infty} \exp\left(-\frac{mh\nu}{kT}\right)</math>
より、
:<math>\begin{align}
\langle\varepsilon\rangle &= -\frac{1}{Z(\beta)}\frac{d}{d\beta}Z(\beta)\\
&=-\frac{d}{d\beta}\ln Z(\beta)
\end{align}</math>
を得る。ここで具体的に右辺の対数を計算すれば、[[w:等比数列|等比級数]]の和の公式を用いて、
:<math>\begin{align}
Z(\beta) &= \sum_{m=0}^{\infty}\left(e^{-\beta h\nu}\right)^n\\
&= \left(1 - e^{-\beta h\nu}\right)^{-1}
\end{align}</math>
と書き直せるから、結局エネルギーの期待値は
:<math>\begin{align}
\langle\varepsilon\rangle &= \frac{d}{d\beta}\ln \left(1 - e^{-\beta h\nu}\right)\\
&= h\nu\frac{e^{-\beta h\nu}}{1 - e^{-\beta h\nu}}\\
&= \frac{h\nu}{e^{\beta h\nu} - 1}
\end{align}</math>
と表すことができる。
=== プランク分布 ===
前節で得た調和振動子のエネルギーの期待値について、調和振動子のエネルギー量子 <math>h\nu</math> に掛かる関数
:<math>\frac{1}{e^{\beta h\nu} - 1}</math>
を'''プランク分布'''と呼ぶ。温度がエネルギー量子の大きさに比べて充分小さい場合、<math>kT \ll h\nu</math> より <math>1 \ll \beta h\nu</math> という関係が成り立ち、プランク分布は、
:<math>\frac{1}{e^{\beta h\nu} - 1} \approx e^{-\beta h\nu}</math>
という形に漸近する。
このプランク分布を利用して、結晶内部の比熱を得ることを考える。結晶を独立な調和振動子の集まりと見なす最も簡単な場合について、結晶全体の内部エネルギーがそれぞれの調和振動子のエネルギー期待値の和にほとんど等しいことから、
:<math>E = 3\langle\varepsilon\rangle = 3N\frac{h\nu}{e^{\beta h\nu} - 1}</math>
と表すことができる。この場合、結晶分子に対する比熱容量は、
:<math>c = \frac{1}{N}\frac{dE}{dT} = \frac{1}{N}\frac{d\beta}{dT}\frac{dE}{d\beta} = 3k(\beta h\nu)^2\frac{e^{\beta h\nu}}{(e^{\beta h\nu} - 1)^2}</math>
となる。この比熱の低温領域での振る舞いは、
:<math>c = 3k(\beta h\nu)^2\frac{e^{\beta h\nu}}{(e^{\beta h\nu} - 1)^2} = 3k\frac{(\beta h\nu)^2}{e^{\beta h\nu}} \to 0</math>
であり、0 へ収束するという点で低温領域における固体比熱の振る舞いと合致する。高温領域において(ここでいう高温とは調和振動子のエネルギー量子に対してであり、固体の融点温度に比べれば依然低温である)、比熱は
:<math>c = 3ke^{\beta h\nu}\left(\frac{\beta h\nu}{e^{\beta h\nu} - 1}\right)^2 \to 3k</math>
となる。高温領域の比熱について、分子比熱 <math>c</math> を定積モル比熱 <math>C</math> に直すと、
:<math>C = N_\mathrm{A}c \to 3N_\mathrm{A}k = 3R</math>
となり、これはデュロン=プティの法則に一致する。つまり、エネルギーの量子化という手順を踏むことで低温領域の温度依存性を再現しつつ、常温ではデュロン=プティの法則に漸近するような分布を得られたことになる。
-->
== ヒルベルト空間 ==
量子力学における状態はあるヒルベルト空間の元で表される。ヒルベルト空間とは完備な複素数係数の内積空間である。ヒルベルト空間を <math>\mathcal H</math> とし、その元を <math>|\psi\rangle</math> と記す。この記法はブラケット記法と呼ばれる。
ここで、ある状態<math>|i\rangle</math>と、それと異なる状態<math>|j\rangle</math>を取る。ただし、これらの状態はハミルトニアン演算子の、互いに異なった固有値を持つ固有ベクトルであるとする。ここで、ハミルトニアンの固有値は必ず実数でなければならないことが分かる。なぜなら、そうでないときにはエネルギーが虚数になるような量子論的状態が存在することになってしまうからである。一般に、複素数の行列要素を持っており、しかもその固有値が実数になる行列の種類として、エルミート行列があげられる(エルミート行列については[[物理数学I]]を参照)。ここでは、ハミルトニアンはエルミート行列で与えられるものとする。一般に量子論の演算子は通常エルミート演算子である。
更に、あるエルミート行列に対してその行列は必ず対角化され、その固有ベクトルは互いに直交することが知られている。この結果を用いると、エルミート演算子であるハミルトニアンの固有ベクトルである<math>|i\rangle</math>と<math>|j\rangle</math>は、互いに直交することが知られる。更に、それぞれの状態の長さを適切に変更することで、任意の状態<math>|i\rangle</math>,<math>|j\rangle</math>についてこれらの内積を<math>\delta _{ij}</math>とすることが出来る。<math>\delta _{ij}</math>については、[[物理数学I]]を参照。ここで、状態の長さを調整することを量子状態の規格化と呼ぶ。ただし、慣習的に状態<math>|i\rangle</math>,<math>|j\rangle</math>の内積は<math>\langle i|j\rangle</math>のように書くことが多い。この記法を用いると、任意の<math>|i\rangle</math>,<math>|j\rangle</math>に対して、
:<math>\langle i|j\rangle = \delta={ij}
</math>
が成り立つ。ここで、ある状態<math>|i></math>とそれに対応する波動関数f(x)の関係を、
:<math>
f(x) = \langle x|i\rangle
</math>
で取る。ここで、<math>|x></math>は対応する粒子がちょうどxで表わされる点にある状態である。この記法は、関数空間の内積の定義と、上で述べた量子論的状態の内積の定義を整合的にすることが分かる。このことを述べるためにまず、関数空間の内積について説明する。ここでは、一般的に波動関数がある複素関数であるとして考える。関数空間の性質によるとある元f(x),g(x)を関数空間の元としたとき、ある積分<math>\int</math>が存在して、
:<math>
\int f^* (x) g(x) dx
</math>
を元f(x),g(x)の内積と呼ぶ。ここで、xについての積分の範囲は、
<math>-\infty <x<\infty</math>とする。ただし、無限大のポテンシャルがある場合のように、波動関数が0となる範囲については積分しなくてもよい。このときには積分範囲はより狭い範囲になるのである。ここで、上の記法を用いると
:<math>
\int f^* (x) g(x) dx = \int dx \langle i|x\rangle \langle x|j \rangle
</math>
:<math>
= \langle i|j\rangle = \delta _{ij}
</math>
となる。ここで、
:<math>
\int dx \langle i|x\rangle \langle x|j\rangle
</math>
についてはまず、
<math>\langle i|x \rangle \langle x|j\rangle </math>は、任意のxについてもともと<math>|j\rangle</math>の状態にあった粒子が、xで表わされる点を通過して<math>|i\rangle</math>の状態に変化することを表わしている。ここで、上では全てのxについてその結果を足し合わせているので、結局、その結果は、<math>|j\rangle</math>の状態にあった粒子が、<math>|i\rangle</math>の状態に変化すること方法の全てをつくしていると考えるのである。上で得た
:<math>
\int |x\rangle \langle x| = 1
</math>
のような表式はベクトルの完全性と呼ばれ、このあと頻繁にでてくる性質である。特に、エルミート演算子に対しては対応する固有ベクトルが完全性の要請を満たすことが知られており、あるエルミート演算子の固有ベクトル<math>|i></math>に対して、
:<math>
\Sigma _i |i\rangle \langle i| = 1
</math>
が知られている。しかし、特に対応するベクトルが無限個あるときにはこの性質の数学的な証明は難しい場合が多い。
さて、上のことから分かる通り、
:<math>
\int f^* (x) g(x) dx = \langle i|j \rangle = \delta _{ij}
</math>
となって、量子論的ベクトルの正規化と対応させるために、波動関数の長さも、1つに定める必要があることが分かる。この条件は全ての波動関数<math>\psi(x)</math>に対して、
:<math>
\int |\psi(x)|^2 dx =1
</math>
とすることで満たされる。このことを波動関数の正規化と呼ぶ。
ここまでで粒子がどの状態にいるのかを指定する方法が分かった。それぞれのエネルギーの固有状態は<math>|i\rangle</math>などの表示で表わされ、それらの量はどれも対応する波動関数を持つのである。ただし、これらの量はどれも正規化されていなければならない。次に粒子がある状態にいるときに、粒子が実際にどの位置にいるのかを知る方法を考える。ここでいう位置とは古典的な座標の意味であり、
あるエネルギー固有値を持った状態にいる粒子が古典的に見たときにはどの位置で発見されるのかという意味である。仮に対応するエネルギーの固有状態が偶然位置の演算子に対しても固有ベクトルとなっていたとすると、その状態は位置の演算子に対してただ1つの値を持つため、その状態にある粒子が発見される位置は決定している。一方、仮に対応するエネルギーの固有状態が位置の演算子に対して固有ベクトルとなっていなかったとすると、そのときにその粒子は様々な位置で発見されるように思える。実際実験的な結果はそのとおりであり、ある位置の固有状態でない状態にあるときその物体は位置の演算子が値を取り得る位置全体で見つかる確率がある。そして、実際にどの位置にあるかは実際に観測をしてみるまでは、知ることが出来ないのである。このことは全く不思議な結果であるが、例えば量子論的なヤングの実験などにおいてこの結果は確かに確認されているのである。
ここで、あるエネルギーの固有状態<math>|i\rangle</math>からある位置に発見されてその位置にあることが確定している状態に移行する過程は、対応する位置をxとすると、
:<math>
\langle x|i\rangle
</math>
で与えられることが予想される。しかし、この値はちょうどある固有状態に対応する波動関数f(x)であった。
:<math>
\langle x|i \rangle = f(x)
</math>
このことから、波動関数f(x)は対応するエネルギーの固有状態にある粒子がある場所xに発見される位置に見つかる過程について関係していることがわかる。実際には更に、この量の絶対値を2乗した量が、ちょうどこの対応する状態にある粒子がその位置に見つかる確率となっているのである。
:<math>
P(x) = |f(x)|^2
</math>
しかし、この量はちょうど
:<math>
\int dx |f(x)|^2 = P(x) =1
</math>
として、波動関数の正規化を行なった量に対応するが、このことはP(x)を確率を表わす量として扱うための条件とも適合しているのである。
*問題例
**問題
波動関数f(x)が、
:<math>
f(x) = \frac 1 {{}^4\sqrt \pi} e^{-x^2/2 }
</math>
で与えられるとする。このとき、ある点xで粒子が発見される確率を計算せよ。また、この波動関数が正しく正規化されていることを示せ。
**解答
ある点xで粒子が発見される確率P(x)について、
:<math>
P(x) = |f(x)|^2
</math>
が成り立つことを用いればよい。よって、
:<math>
P(x) = |f(x)|^2
=\frac 1 {\sqrt \pi} e^{-x^2 }
</math>
が得られる。更に、ガウス積分を用いて
:<math>
\int _{-\infty }^{\infty} e^{-x^2} = \sqrt \pi
</math>
を用いると、
:<math>
\int dx P(x) = 1
</math>
が得られ、正しい正規化がなされていることが分かる。ガウス積分については
[[物理数学I]]を参照。
実際にはある状態<math>|a></math>からある状態<math>|b></math>に移行する確率が
:<math>
|\langle b|a\rangle|^2
</math>
で与えられることはあるエネルギーの固有状態がある位置に移行する場合だけにとどまらず、より広い場合にあてはまる。特に上の場合について
:<math>
\langle b|a\rangle
</math>
をaからbへの確率振幅と呼ぶ。波動関数は対応するエネルギーの固有状態からある位置で表わされる状態への確率振幅といえる。
ここで、あるエネルギーの固有状態<math>|i\rangle</math>と、対応する波動関数f(x)に対して
:<math>
\langle i|x|i \rangle = \int dx x |f(x)|^2
</math>
がどのような意味を持つかを考える。ここで、<math>|f(x)|^2</math>が、対応する粒子がxで見つかる確率を表わしていることを考えると、上の式はxの期待値を表わす式そのものである。そのため、<math>\langle i|x|i \rangle</math>のようなx演算子の対角成分は、対応する状態に粒子が存在するときの粒子が見つかる位置の期待値となることが分かる。一方、位置演算子の非対角成分はそれほど簡単な解釈は持っていない。ただし、これらの量は量子力学的な摂動などでよく使われる。詳しくは[[量子力学II]]を参照。
== シュレーディンガー方程式 ==
古典力学と量子力学との間の関係は、幾何光学と波動光学の間の関係に類似していると言うことができる。波動光学について簡単に復習すると、<math>f</math> を <math>\boldsymbol E</math> あるいは <math>\boldsymbol B</math> の任意の成分とすると、
<math>f = a e^{i\varphi}</math>
と書くことができる。ここで、<math>a</math> は振幅であり、<math>\varphi</math> はアイコナールと呼ばれる量である。波動光学から幾何光学への移行は、波長 <math>\lambda</math> が0に近づく極限として定義される。<math>\lambda</math> は <math>\varphi</math> が <math>2\pi</math> だけ変化する距離に等しいため、<math>\varphi</math> が十分大きい量とすると幾何光学へ移行できる。十分微小な空間領域と時間領域に対して一次の項まで
<math>\varphi = \varphi_0 + \boldsymbol r \cdot \frac{\partial \varphi}{\partial \boldsymbol r} + t \frac{\partial \varphi}{\partial t}</math>
と近似する。このとき、
<math>f = a e^{i\left(\varphi_0 + \boldsymbol r \cdot \frac{\partial \varphi}{\partial \boldsymbol r} + t \frac{\partial \varphi}{\partial t}\right)}</math>
となる。また、微小な空間領域と時間領域に対しては平面波として考えることができるから、
<math>f = a e^{i(\boldsymbol k \cdot \boldsymbol r - \omega t + \alpha)}</math>
となる。両者の対応関係から
<math>\boldsymbol k = \frac{\partial \varphi}{\partial \boldsymbol r},\, \omega = -\frac{\partial \varphi}{\partial t}</math>
を得る。これを <math>\boldsymbol k^2 = \frac{\omega^2}{c^2}</math> に代入すると、
<math>(\nabla \varphi)^2 = \frac{\omega^2}{c^2} </math>
を得る。これはアイコナール方程式と呼ばれる幾何光学の基礎方程式である。アイコナール方程式はハミルトン・ヤコビ方程式と同じ形式である。簡約された作用を <math>S_0 = \varphi</math> としてハミルトン・ヤコビ方程式を書けば、
<math>\frac{(\nabla \varphi)^2}{2m} + V = E</math>
となる。
<math>\frac{\omega^2}{c^2} = 2m (E-V)</math>
とするとアイコナール方程式に一致する。ここで、
<math>S_0 = \varphi </math>
であるから、最小作用の原理より、実現される光線は <math>\varphi</math> が最小となる経路である。
さて、幾何光学ではアイコナール <math>\varphi</math> が最小となる経路が実現されるのに対して、古典力学では作用 <math>S</math> が最小となる経路が実現される。波動力学では <math>f = a e^{i \varphi}</math> という量が存在したから、量子力学では
<math>\Psi = a e^{i \frac S \hbar}</math>
という関係にある量が存在すると考えることができる。ここで、<math>\hbar</math> はディラック定数と呼ばれるもので、指数の肩を無次元化するために導入した。古典力学では
<math>\boldsymbol p = \frac{\partial S}{\partial \boldsymbol r},\, H = - \frac{\partial S}{\partial t}</math>
となるから、
<math>\frac{\partial \Psi}{\partial t} = \frac i \hbar \frac{\partial S}{\partial t}\Psi ,\, \frac{\partial \Psi}{\partial \boldsymbol r}= \frac i \hbar \frac{\partial S}{\partial \boldsymbol r}\Psi </math>
より、
<math>i\hbar\frac{\partial \Psi}{\partial t} = H\Psi ,\, -i\hbar\nabla \Psi = \boldsymbol p \Psi </math>
を得る。<math>H = \frac{\boldsymbol p^2}{2m} + V </math> に代入すれば、
<math>i\hbar \frac{\partial \Psi}{\partial t} = \left(-\frac{\hbar^2}{2m}\triangle + V\right)\Psi </math>
を得る。これがシュレーディンガー(Schrödinger)方程式である。運動量演算子とハミルトン演算子を
<math>\hat \boldsymbol p = - i \hbar \nabla</math>
<math>\hat H = \frac{\hat \boldsymbol p^2}{2m} + V(\boldsymbol r) = -\frac{\hbar^2}{2m}\triangle + V(\boldsymbol r) </math>
で定義すると、
シュレーディンガー方程式を、
:<math>
i \hbar \frac{\partial \Psi}{\partial{t}} = \hat H \Psi
</math>
と書くことができる。
<math>\Psi(\boldsymbol r, t) = f(t) \psi(\boldsymbol r)</math> と変数分離できたと仮定すると、
<math>
i \hbar \frac 1 f \frac{df}{d{t}} = \frac 1 \psi \hat H \psi = E
</math> (定数)
となる。
<math>\frac{df}{dt} = \frac{-iE}{\hbar}f </math>
はだたちに積分できて、
<math>f(t) = e^{\frac{-iEt}{\hbar}} </math>
を得る。また、
<math>\hat H \psi = E \psi </math>
となる。これを時間に依存しないシュレーディンガー方程式という。
== 波動関数 ==
波動関数 <math>\Psi</math> の意味は
<math>|\Psi(\boldsymbol r, t)|^2 dV</math>
が位置 <math>\boldsymbol r</math> で時間 <math>t</math> の微小体積 <math>dV </math> の中に粒子が存在する確率であると解釈される。<math>\rho = |\Psi|^2</math> を確率密度とする。このとき、
<math>\begin{align}
\frac{\partial}{\partial t}|\Psi|^2 &= \Psi^* \frac{\partial \Psi}{\partial t} + \frac{\partial \Psi^*}{\partial t}\Psi\\
&= \frac{1}{i\hbar}(\Psi^*\hat H \Psi - \Psi \hat H \Psi^*)\\
&= -\frac{\hbar}{2mi}(\Psi^*\triangle \Psi - \Psi \triangle \Psi^*)\\
&= -\frac{\hbar}{2mi}\nabla(\Psi^*\nabla \Psi - \Psi \nabla \Psi^*)
\end{align}</math>
となる。従って、<math>\boldsymbol j = \frac{\hbar}{2mi}(\Psi^*\nabla \Psi - \Psi \nabla \Psi^*) </math> を確率流密度と定義すると連続の式
<math>\frac{\partial \rho}{\partial t} + \nabla \cdot \boldsymbol j = 0</math>
が成り立つ。
== 演算子 ==
ここからはある物理的な定数を持つことが量子力学的にどのような意味を持つかについて考える。物理的な定数とは例えば、ある物体の持つ位置や運動量のことである。古典力学ではある物体の物理的な状態は位置、運動量などを指定することによって得ることが出来、これらの間に特別な関係は無かった。これらはそれぞれの値を適当に取ってもよい量であったのである。
量子力学的にもある物体の物理的状態を定める量は存在しており、そのような量を定めることで物体がどのような状態にあるかを指定することが出来る。問題なのは、ある場合においてこれらの間に特殊な関係があらわれ、それらの量を任意に選ぶことが出来なくなることである。重要な例として、ある物体の位置と運動量は同時に定めることが出来ない。
ここで、ある物理的な状態の全てが数え上げられたとしてこれらの状態全体で張られるベクトルを取る。通常、ある物体が持つ物理的な状態は無数のエネルギーを持ち、このような操作は不可能に思える。実際このことは量子力学の発展の初期に大きな数学的な問題となった。しかし、現在ではベクトルの内積の取り方などを工夫することで、この様な作業が実際可能であることが示されている。詳しくは[[w:ヒルベルト空間]]などを参照。
このように全ての物理的状態が数え上げられたとするとき、それらの状態はあるエネルギーを持った状態として存在する。例えば、ある状態<math>\psi _1</math>がエネルギー<math>E _1</math>を持っていたとする。数学的にはこの様な状態はある行列<math>\hat H</math>を用いて
:<math>
\hat H \psi _1 = E _1 \psi _1
</math>
と表わせる。ここで、<math>\hat H</math>は、全ての数え上げられた物理的な状態を1つの基底として持つような行列として考えられている。更に<math>\hat H</math>は、それぞれの物理的状態に対して対角化されており、
:<math>
\psi _1, \psi _2,\psi _3, \cdots
</math>
などの全ての物理的状態に対して対応するエネルギー<math>E _1</math>,<math>E _2</math>,<math>E _3</math>などを返すものとする。
このような行列<math>\hat H</math>は、実際にあるエネルギーを持つ状態としては、古典的な考え方と変化することは無い。なぜなら、<math>\hat H</math>は、古典的に考えてある力学系の中に存在する物体が持つと考えられるエネルギー値を全て持っているものと考えることが出来るからである。
このため、仮に全ての量子的状態がエネルギーという量だけで特定されるのならば、ある力学系が取り得るエネルギーを全て定めることが量子的状態を全て求めることになる。ここまでの議論をより数学的な用語を用いてまとめると、出て来た量で<math>\hat H</math>は全ての物理的な状態によって張られた行列であり物理的な状態を表わす<math>\psi</math>は、<math>\hat H</math>がかかることによってE倍されるようなベクトルであるので、<math>\hat H</math>の固有ベクトルであると考えられる。このときエネルギーEは、固有値方程式
:<math>
\hat H \psi = E \psi
</math>
の固有値である。
演算子 <math>\hat A , \hat B</math> について交換関係を
<math>[\hat A,\hat B] = \hat A\hat B - \hat B \hat A</math>
で定める。例えば、
<math>[\hat x_i,\hat p_j]f = -i\hbar x_i \frac{\partial f}{\partial x_j} + i \hbar \frac{\partial }{\partial x_j}(x_i f) = i \hbar \delta_{ij}f</math>
より、
<math>[\hat x_i,\hat p_j] = i \hbar \delta_{ij}</math>
となる。また、
<math>[\hat x_i,\hat x_j] = 0, \, [\hat p_i,\hat p_j] = 0 </math>
が成り立つ。
解析力学では、<math>\{x_i,p_j\} = \delta_{ij}</math> であることから、古典力学と量子力学の間には、
<math>[\hat A, \hat B] \longleftrightarrow i\hbar \{A,B\}</math>
の関係があることが予想できる。
== 一次元量子系 ==
=== 井戸型ポテンシャル ===
1次元井戸型ポテンシャル
: <math>V(x) = \begin{cases}
\infty \quad (x<0)\\
0\quad (0 \le x \le a)\\
\infty\quad (a<x)
\end{cases}</math>
を考える。このときのシュレーディンガー方程式は
:<math>E\psi(x) =-\frac{\hbar^2}{2m}\frac{d^{2}\psi(x)}{dx^2}+V(x)\psi(x)</math>
となる。このとき<math>V(x)=\infty</math>の領域<math>(x<0,a<x)</math>では粒子は侵入不可なので、この領域における波動関数は<math>\psi(x)=0</math>となる。波動関数<math>\psi(x)</math>は<math>x=0,x=a</math>でそれぞれ連続なので、<math>\psi(0)=\psi(a)=0</math>となる。<math>0 \le x \le a</math>におけるシュレーディンガー方程式は、
:<math>E\psi(x) =-\frac{\hbar^2}{2m}\frac{d^{2}\psi(x)}{dx^2}</math>
:<math>\psi''(x) + k^2 \psi(x) = 0</math> <math>\left(k^2=\frac{2mE}{\hbar^2}\right)</math>とした。
:となるから、
:<math>\psi(x)=A\sin (kx+\delta)</math>
<math>\psi(0)=0</math> より <math>\delta=0</math> である。 <math>\psi(a)=0</math> より、<math>\sin ka = 0</math> より、<math>ka = n\pi \quad (n=1,2,\cdots)</math> で、エネルギー準位は
<math>E_n = \frac{\pi^2 \hbar^2 n^2}{2ma^2}</math>
となる。波動関数を、<math>\int_0^{a}(\psi(x))^2 dx = 1</math>となるように規格化すると、
:<math>A=\sqrt{\frac{2}{a}}</math>
となり
:<math>\psi(x)=\sqrt{\frac{2}{a}}\sin \frac{n\pi x}{a}</math>
を得る。
=== 有限の場合 ===
次に、ポテンシャルの深さが有限
<math>V(x) = \begin{cases}
V_0 \quad (x<0)\\
0\quad (0 \le x \le a)\\
V_0\quad (a<x)
\end{cases}</math>
で <math>0<E < V_0
</math> の場合を考える。井戸の外側でのシュレーディンガー方程式は
<math>\psi''(x) + \kappa^2 \psi(x) = 0</math> <math>\left(\kappa=\frac{\sqrt{2m(V_0-E)}}{\hbar}\right)</math>
となるから、<math>x \le 0</math> で
<math>\psi(x) = ae^{\kappa x}</math>
となり、<math>x \ge a</math> で
<math>\psi(x) = be^{-\kappa x}</math>
となる。また、<math>0 \le x \le a</math> で
<math>\psi(x) = c\sin(kx+\delta)</math>
となる。<math>\psi,\psi'</math> は連続で井戸の外では0にはならないから <math>\frac{\psi'}{\psi}</math> も連続で、
<math>\frac{\psi'}{\psi} = \kappa \quad (x \le 0)</math>
<math>\frac{\psi'}{\psi} = -\kappa \quad (x \ge a)
</math>
となるから、
<math>k \cot \delta = \kappa,k \cot (ka+\delta) = -\kappa
</math>
を得る。ここで、
<math>\kappa = k \sqrt{\frac{2mV_0}{k^2\hbar^2}-1},\,\cot x = \sqrt{\frac{1}{\sin^2x}-1}
</math>
を使うと、
<math>\sin\delta = -\sin(ka+\delta) = \frac{k\hbar}{\sqrt{2mV_0}}
</math>
となるから、
<math>ka = n \pi - 2 \arcsin \frac{k\hbar}{\sqrt{2mV_0}} \quad(n=1,2,\cdots)
</math>
を得る。この超越方程式を <math>k</math> について解くことでエネルギー準位が分かる<ref><math>\arcsin \frac{k\hbar}{\sqrt{2mV_0}} = \arcsin\frac{k}{\sqrt{\kappa^2+k^2}}=\arctan\frac{k}{\kappa}</math> と変形して両辺の正接を取ると、奇数の <math>n</math> に対して <math>\eta=\xi\tan\xi.</math> 偶数の <math>n</math> に対して <math>\xi=-\eta\cot\eta</math> を得る。ここで、<math>\xi = \frac{ka}{2},\eta = \frac{\kappa a}{2}</math> である。これと <math>\xi^2 +\eta^2 = \frac{mV_0 a^2}{2\hbar^2}</math> の交点を求めることに帰着される。</ref>。<math>V_0\to\infty
</math> とすると無限に深い井戸型ポテンシャルと同じ <math>ka = n\pi
</math> に帰着する。
超越方程式の解 <math>k</math> の厳密解を求めることは容易ではないが、固有状態の数は正確にわかる。<math>k</math> は正であり、<math>\arcsin \frac{k\hbar}{\sqrt{2mV_0}}</math> が定義されるため <math>k</math> の最大値は <math>\frac{\sqrt{2mV_0}}{\hbar}</math> である。また、方程式の右辺は各 <math>n</math> について
<math>n\pi > n\pi - 2 \arcsin \frac{k\hbar}{\sqrt{2mV_0}} \ge (n-1)\pi
</math>
であり、単調減少である。したがって、<math>ka</math> と交わる回数が固有状態の数であるから、
<math>(n-1)\pi \le \frac{\sqrt{2mV_0}}{\hbar}a < n \pi</math>
であるとき、<math>n</math> 個の固有状態が存在する。
=== 階段型ポテンシャル ===
1次元階段型ポテンシャル
: <math>V(x)=\begin{cases}
0 \quad (x<0)\\
V_0 \quad (0 \leq x)
\end{cases}</math>
に入射波 <math>e^{ik_1x}</math> が左から向かってくる場合を考える。<math>E > V_0</math> の場合で、
: <math> k_1=\sqrt{\frac{2mE}{\hbar}} </math>
: <math> k_2=\sqrt{\frac{2m(E-V_0)}{\hbar}} </math>
とする。波動関数は
: <math>\psi(x)=\begin{cases}
e^{ik_1x} + A e^{-ik_1x} \quad (x<0)\\
Be^{ik_2x}\quad (0 \leq x)
\end{cases}</math>
波動関数が<math>x=0</math>で滑らかである条件から定数を定める。
: <math>1+A=B</math>
: <math>k_1(1-A)=k_2B</math>
より、
: <math>A = \frac{k_1-k_2}{k_1+k_2}</math>
: <math> B=\frac{2k_1}{k_1+k_2} </math>
=== 土手型ポテンシャル ===
1次元土手型ポテンシャル
: <math>V(x)=\begin{cases}
0 \quad (x<0)\\
V_0 \quad (0 \leq x \le a)\\
0\quad (x>a)
\end{cases}</math>
に入射波 <math>e^{ik_1x}</math> が左から向かってくる場合を考える。ただし、<math>E > V_0</math> で
: <math> k_1=\sqrt{\frac{2mE}{\hbar}} </math>
: <math> k_2=\sqrt{\frac{2m(E-V_0)}{\hbar}} </math>
とする。波動関数は
: <math>\psi(x)=\begin{cases}
e^{ik_1x} + A e^{-ik_1x} \quad (x<0)\\
Be^{ik_2x} + B'e^{6ik_2x}\quad (0 \le x \le a)\\
Ce^{ik_1x} \quad (x > a)
\end{cases}</math>
波動関数が<math>x=0,a</math>で滑らかである条件から
: <math>1+A=B+B',1-A=\frac{k_2}{k_1}(B-B')</math>
: <math>Be^{ik_2x}+B'e^{-ik_2a}=Ce^{ik_1a},Be^{ik_2x}-B'e^{-ik_2a}=\frac{k_1}{k_2}Ce^{ik_1a}</math>
となる。後半の2式より、
<math>B = \left(1+\frac{k_1}{k_2}\right)\frac C 2e^{i(k_1-k_2)a}</math>
<math>B' = \left(1-\frac{k_1}{k_2}\right)\frac C 2 e^{i(k_1+k_2)a}</math>
となる。前半の2式から <math>2 = \left(1+\frac{k_2}{k_1}\right)B + \left(1-\frac{k_2}{k_1}\right)B'</math> となるから、
<math>C = \frac{2k_1k_2e^{-ik_1a}}{2k_1k_2\cos k_2a - i(k_1^2+k_2^2)\sin k_2a}</math>
となる。したがって、透過係数は
<math>T = |C|^2 = \frac{4k_1^2k_2^2}{4k_1^2k_2^2+(k_1^2-k_2^2)^2\sin^2 k_2a}</math>
となる。<math>E < V_0</math> のときは <math>k_2</math> は純虚数となるから、<math>k_2 = i\kappa_2</math> と置いて、
<math>T = \frac{4k_1^2\kappa_2^2}{4k_1^2\kappa_2^2+(k_1^2+\kappa_2^2)^2\sinh^2 \kappa_2a}</math>
を得る。
=== 調和振動子 ===
ハミルトニアンが
<math>\hat H = \frac{\hat p^2}{2m} + \frac 1 2 m \omega^2 x^2</math>
で与えられる系を考える。シュレーディンガー方程式は
<math>-\frac{\hbar^2}{2m}\frac{d^2\psi}{dx^2} + \left(\frac 1 2 m \omega^2 x^2 - E\right)\psi = 0</math>
となる。無次元の変数 <math>\xi = \sqrt{\frac{m\omega}{\hbar}}x</math> を導入すると、
<math>\frac{d^2\psi}{d\xi^2} + \left(\frac{2E}{\hbar \omega}- \xi^2\right)\psi = 0</math>
となる。ここで、<math>\xi \to \infty</math> では
<math>\frac{d^2\psi}{d\xi^2} = \xi^2\psi</math>
と振る舞うため、漸近的に <math>\psi \sim e^{\pm \frac{\xi^2}{2}}</math> となる。波動関数は <math>\xi \to \infty</math> で有限でなくてはならないため、<math>\psi \thicksim e^{-\frac{\xi^2}{2}}</math> である。そこで、
<math>\psi = H(\xi) e^{-\frac{\xi^2}{2}}</math>
と置き、<math>H(\xi)</math> に対する微分方程式を求めると、
<math>\frac{d^2H}{d\xi^2} - 2\xi \frac{dH}{d\xi} + 2n H = 0</math>
となる。ここで、<math>2n = \frac{2E}{\hbar \omega} - 1</math> である。微分方程式の冪級数解
<math>H = \sum_{k=0}^\infty a_k \xi^k</math>
を仮定すると、
<math>\sum_{k=2}^\infty a_k k (k-1) \xi^{k-2} - 2\sum_{k=0}^\infty a_k k \xi^k + 2n \sum_{k=0}^\infty a_k \xi^k = 0</math>
<math>\sum_{k=0}^\infty[ a_{k+2} (k+2) (k+1) - 2 a_k k + 2n a_k ]\xi^k = 0</math>
すなわち、
<math>a_{k+2} = - \frac{2(n-k)}{(k+1)(k+2)}a_k</math>
となる。<math>n</math> が非負整数ではないときは、<math>H</math> は無限級数で、漸近的に <math>\frac{a_{k+2}}{a_k} \sim \frac 2 k </math> となるから、
<math>H \propto \sum_{k=0}^\infty \frac{1}{k!} \xi^{2k} = e^{\xi^2}</math>
よって、<math>\psi \propto e^{\frac{\xi^2}{2}}</math> となり発散してしまう。<math>n</math> が非負整数であるなら級数は途中で打ち切られるから、<math>H</math> は多項式となる。
<math>k = n - 2l</math> と置くと、係数の関係は
<math>a_{n-2l} = - \frac{(n-2l+1)(n-2l+2)}{4l}a_{n-2(l-1)}</math>
となるから、
<math>a_{n-2l} = (-1)^l \frac{(n-2l+1)(n-2l+2)(n-2l+3)(n-2l+4)\cdots n}{4^l l(l-1)\cdots 1}a_{n} = \frac{(-1)^l n!}{4^l l! (n-2l)!}a_n</math>
<math>\begin{align}
H(x) &= \sum_{k=0}^{[\frac n 2]} a_{n-2k} x^{n-2k}\\
&= a_n n!\sum_{k=0}^{[\frac n 2]} \frac{(-1)^k}{2^{2k} k! (n-2k)!} x^{n-2k}\\
\end{align}</math>
となる。ここで <math>a_n = 2^n </math> としたものをエルミート多項式
<math>H_n(x) = a_n \sum_{k=0}^{[\frac n 2]} \frac{(-1)^k}{k! (n-2k)!} (2x)^{n-2k}</math>
とする。
エネルギー準位は、
<math>E_n = \left(n + \frac 1 2 \right)\hbar \omega</math>
となる。
=== 生成消滅演算子 ===
生成演算子と消滅演算子をそれぞれ、
<math>\hat a^\dagger = \sqrt{\frac{m\omega}{2\hbar}} \hat x - \frac{i}{\sqrt{2m\hbar\omega}}\hat p </math>
<math>\hat a = \sqrt{\frac{m\omega}{2\hbar}} \hat x + \frac{i}{\sqrt{2m\hbar\omega}}\hat p </math>
で定義する。数演算子を <math>\hat n = \hat a^\dagger \hat a</math> で定義する。簡単な計算から、
<math>[\hat a, \hat a^\dagger] = 1 </math>
<math>[\hat n, \hat a^\dagger] = \hat a^\dagger </math>
<math>[\hat n, \hat a] = -\hat a </math>
が分かる。
状態 <math>|n\rangle </math> を <math>\hat n </math> の固有状態
<math>\hat n |n\rangle = n |n\rangle </math>
で定義する。
<math>\langle n| \hat n|n\rangle = ||\hat a |n\rangle||^2 \ge 0 </math>
より、<math>n \ge 0 </math> である。
<math>\begin{align}
\hat n \hat a |n\rangle &= (\hat a \hat n - \hat a)|n\rangle \\
&= (n-1) \hat a |n\rangle
\end{align}</math>
より、<math>\hat a |n\rangle </math> は固有値 <math>n-1 </math> に属する固有状態であり、
<math>\hat a|n\rangle = c_n |n-1\rangle</math>
と書ける。
<math>\begin{align}
\langle n | \hat n |n\rangle &= \langle n | \hat a^\dagger \hat a | n \rangle\\
&= c_n^2 \langle n-1 | n-1 \rangle\\
&= c_n^2\\
&= n
\end{align}</math>
より、<math>c_n = \sqrt n</math> である。
<math>\hat a|n\rangle = \sqrt n |n-1\rangle</math>
となるが、 <math>n</math> が整数でないならば <math>\hat a</math> を繰り返し適用することにより負の固有値 <math>n</math> を持つ状態が作れてしまう。<math>n</math> が整数ならば
<math>\hat a |0\rangle = 0</math>
より、負の固有状態は作れないことになり <math>n \ge 0</math> の条件に矛盾しない。また、基底状態が <math>|0\rangle</math> で与えられることも分かる。
同様に、
<math>\begin{align}
\hat n \hat a^\dagger |n\rangle &= (\hat a^\dagger \hat n + \hat a^\dagger)|n\rangle \\
&= (n + 1) \hat a^\dagger|n\rangle
\end{align}</math>
となる。<math>\hat a^\dagger |n\rangle </math> は固有値 <math>n+1 </math> に属する固有状態であり、
<math>\hat a^\dagger|n\rangle = c_n |n+1\rangle</math>
と書ける。
<math>\begin{align}
\langle n | \hat a^\dagger \hat a | n \rangle &= \langle n | \hat a \hat a^\dagger - 1 | n \rangle\\
&= c_n^2 \langle n+1 | n+1 \rangle - \langle n | n \rangle\\
&= c_n^2 - 1\\
&= n
\end{align}</math>
より、<math>c_n = \sqrt{n+1} </math> である。従って、
<math>\hat a^\dagger | n \rangle = \sqrt {n+1} | n+1 \rangle </math>
を得る。基底状態 <math>|0\rangle </math> は
<math>\hat a |0\rangle = 0</math>
より波動関数は
<math>\left(x + \frac{\hbar}{m\omega} \frac{d}{dx}\right)\psi_0(x) = 0</math>
となるから、これを解いて <math>\psi_0(x) = C e^{-\frac{m\omega}{2\hbar}x^2}</math>となる。規格化は
<math>\int |\psi_0|^2 dx = |C|^2 \int e^{-\frac{m\omega}{\hbar}x^2}dx = |C^2| \sqrt{\frac{\hbar \pi}{m\omega}} = 1</math>
より、<math>C = \sqrt[4]{\frac{m\omega}{\pi\hbar}}</math> となる。また、
<math>|n \rangle = \frac{1}{\sqrt n} \hat a^\dagger |n-1\rangle = \frac{1}{\sqrt{n!}} (\hat a^\dagger)^n |0\rangle </math>
となるから、<math>\xi = \sqrt{\frac{m\omega}{\hbar}}x</math> と変数変換すると、
<math>\psi_n = \frac{1}{\sqrt{n!}} (\hat a^\dagger)^n \sqrt[4]{\frac{m\omega}{\pi\hbar}} e^{-\frac{\xi^2}{2}} </math>
となる。ここで、
<math>\begin{align}
\hat a^\dagger &= \sqrt{\frac{m\omega}{2\hbar}}x - \sqrt{\frac{\hbar}{2m\omega}} \frac{d}{dx}\\
&= \frac{1}{\sqrt 2}\left(\xi - \frac{d}{d\xi}\right)\\
&= -\frac{1}{\sqrt 2} e^{\frac 1 2 \xi^2}\frac{d}{d\xi}e^{-\frac 1 2 \xi^2}
\end{align} </math>
となるから
<math>\begin{align}
\psi_n &= \frac{(-1)^n}{\sqrt{2^n n!}} \sqrt[4]{\frac{m\omega}{\pi\hbar}} e^{\frac 1 2 \xi^2}\frac{d^n}{d\xi^n} e^{-\xi^2}\\
&= \frac{(-1)^n}{\sqrt{2^n n!}} \sqrt[4]{\frac{m\omega}{\pi\hbar}} \left(e^{\xi^2}\frac{d^n}{d\xi^n} e^{-\xi^2}\right)e^{-\frac 1 2 \xi^2}\\
&= \frac{1}{\sqrt{2^n n!}} \sqrt[4]{\frac{m\omega}{\pi\hbar}} H_n(\xi) e^{-\frac 1 2 \xi^2}\\
\end{align} </math>
を得る。
== 角運動量 ==
軌道角運動量演算子 <math>\hat L_i</math> を <math>\hat L_i = \varepsilon_{ijk} x_j \hat p_k</math> で定義する。すなわち
<math>\hat L_x = y \hat p_z - z \hat p_y,\, \hat L_y = z \hat p_x - x \hat p_z,\,\hat L_z = x \hat p_y - y \hat p_x</math>
である。
<math>\begin{align}
{}[\hat L_i, x_j] &= \varepsilon_{ikl}[x_k \hat p_l , x_j] \\
&= \varepsilon_{ikl}x_k[\hat p_l , x_j] + \varepsilon_{ikl}[x_k, x_j]\hat p_l \\
&= i\hbar\varepsilon_{ijk}x_k
\end{align}</math>
を得る。
<math>\begin{align}
{}[\hat L_i, \hat p_j] &= \varepsilon_{ikl}[x_k \hat p_l , \hat p_j] \\
&= \varepsilon_{ikl}x_k[\hat p_l , \hat p_j] + \varepsilon_{ikl}[x_k, \hat p_j]\hat p_l \\
&= i\hbar\varepsilon_{ijk}\hat p_k
\end{align}</math>
を得る。
<math>\begin{align}
{}[\hat L_i, \hat L_j] &= \varepsilon_{jkl} [\hat L_i, x_k \hat p_l] \\
&= \varepsilon_{jkl} x_k[\hat L_i, \hat p_l] + \varepsilon_{jkl} [\hat L_i, x_k]\hat p_l \\
&= i\hbar\varepsilon_{jkl}\varepsilon_{ilm} x_k\hat p_m + i\hbar\varepsilon_{jkl} \varepsilon_{ikm}x_m\hat p_l\\
&= i\hbar(-\delta_{ij}x_{k}\hat p_k + x_i \hat p_j +\delta_{ij} x_l \hat p_l - x_j \hat p_i)\\
&= i\hbar(x_i \hat p_j - x_j \hat p_i)\\
&= i\hbar \varepsilon_{ijk}\varepsilon_{klm}x_l \hat p_m\\
&= i\hbar \varepsilon_{ijk} \hat L_k
\end{align}</math>
を得る<ref>これらは古典力学における <math>\{L_i, q_j\}= \varepsilon_{ijk}q_k, \{L_i, p_j\}= \varepsilon_{ijk}p_k, \{L_i, L_j\}= \varepsilon_{ijk}L_k</math> に対応する。このことは <math>\{q_i,p_j\}=\delta_{ij},\{q_i,q_j\}=0,\{p_i,p_j\}=0</math> によりここでやったのと全く同じ計算で示される。あるいは、<math>[\hat A, \hat B] \longleftrightarrow i\hbar \{A,B\}
</math> の対応原理からもわかる。</ref>。
角運動量演算子の二乗を
<math>\hat{{\boldsymbol L}^2} = \hat{L_x^2} +\hat{L_y^2} +\hat{L_z^2}</math>
で定義する。このとき、<math>[\hat{{\boldsymbol L}^2},\hat L_i] = 0</math> である。実際、
<math>\begin{align}
{}[\hat{{\boldsymbol L}^2},\hat L_i] &= [\hat{L_j^2},\hat L_i]\\
&= \hat L_j [\hat L_j, \hat L_i] + [\hat L_j, \hat L_i]\hat L_j\\
&= i\hbar (\varepsilon_{ijk}\hat L_j \hat L_k + \varepsilon_{ijk}\hat L_k \hat L_j)\\
&= i\hbar (\varepsilon_{ijk}\hat L_j \hat L_k - \varepsilon_{ikj}\hat L_k \hat L_j)\\
&=0
\end{align}</math>
である。
昇降演算子を <math>\hat L_\pm = \hat L_x \pm i\hat L_y</math> で定義する。
<math>\begin{align}
{}[\hat L_z, \hat L_\pm] &= [\hat L_z, \hat L_x] \pm i[\hat L_z, \hat L_y]\\
&= i\hbar \hat L_y \pm \hbar \hat L_x\\
&= \pm \hbar \hat L_\pm
\end{align} </math>
となる。また、
<math>\begin{align}
\hat L_- \hat L_+ &= (\hat L_x - i \hat L_y)(\hat L_x + i \hat L_y)\\
&= \hat{L_x^2} + \hat{L_y^2} + i(\hat L_x \hat L_y - \hat L_y \hat L_x)\\
&= \hat{L_x^2} + \hat{L_y^2} - \hbar \hat L_z
\end{align} </math>
より、<math>\hat{{\boldsymbol L}^2} = \hat L_- \hat L_+ +\hat{L_z^2} + \hbar \hat L_z </math> を得る。簡単のために、<math>\hbar\hat l_i = \hat L_i,\, \hat{{\boldsymbol l}^2} = \hat{l_x^2} +\hat{l_y^2} +\hat{l_z^2} </math> を定義しよう。このとき <math>[\hat{{\boldsymbol l}^2},\hat l_z] = 0</math> が成立するから、同時対角化可能で規格化された固有状態 <math>|\lambda,m \rangle </math> を
<math>\hat{{\boldsymbol l}^2}|\lambda,m \rangle = \lambda |\lambda,m \rangle, \, \hat l_z|\lambda,m \rangle = m |\lambda,m \rangle </math>
とする。
<math>\langle \lambda,m| \hat{{\boldsymbol l}^2} - \hat{l_z^2} |\lambda,m\rangle = \langle \lambda,m| \hat{l_x^2} + \hat{l_y^2} |\lambda,m\rangle \ge 0
</math>
ここで、<math>\langle \lambda,m| \hat{{\boldsymbol l}^2} - \hat{l_z^2} |\lambda,m\rangle = (\lambda - m^2)
\langle \lambda,m|\lambda,m\rangle = \lambda - m^2
</math> より <math>\lambda \ge m^2
</math> を得る。従って、<math>m
</math> には最大値と最小値があり、最大値を <math>l
</math> とすると、対称性より最小値は <math>-l
</math> で与えられる。
<math>\begin{align}
\hat l_z \hat l_{\pm}|\lambda, m \rangle &= (\hat l_\pm \hat l_z + [\hat l_z, \hat l_{\pm}])|\lambda, m \rangle\\
&= (\hat l_\pm \hat l_z \pm \hat l_\pm)|\lambda, m \rangle\\
&= (m \pm 1 )\hat l_\pm |\lambda, m \rangle
\end{align}
</math>
より、<math>\hat l_\pm |\lambda, m \rangle
</math> は固有値が <math>m\pm1
</math> である <math>\hat l_z
</math> の固有状態となる<ref>一般に、<math>[\hat A, \hat B] = k \hat B</math> のとき、<math>\hat B</math> は <math>\hat A</math> の固有値を <math>k</math> だけ増減する演算子である。例えば<math>[\hat n, \hat a^\dagger] = \hat a^\dagger, [\hat n, \hat a] = -\hat a </math> など。</ref>。従って <math>\hat l_\pm |\lambda, m \rangle \propto |\lambda, m \pm 1\rangle </math> とかける。<math>m = l </math> の場合は、固有値が <math>l+1
</math> の状態は存在しないから、
<math>\hat l_+ |\lambda, l\rangle = 0
</math>
となる。従って
<math>\hat l_-\hat l_+ |\lambda, l\rangle = (\hat{{\boldsymbol l}^2} - \hat{l_z^2} - \hat l_z)|\lambda, l\rangle = (\lambda - l^2 - l)|\lambda, l\rangle = 0 </math>
より、<math>\lambda = l(l+1)
</math> を得る。今後は <math>\lambda
</math> の代わりに <math>l
</math> を用いて <math>|l,m \rangle
</math> と書くことにする。<math>\hat l_\pm |l, m \rangle = C^\pm_{lm}|l, m \pm 1\rangle </math> とすると
<math>\begin{align}
\langle l, m |\hat l_-\hat l_+ |l, m \rangle &= \langle l, m |\hat l_+^\dagger\hat l_+ |l, m \rangle\\
&= |C^+_{lm}|^2\langle l, m+1 |l, m+1 \rangle\\
&= |C^+_{lm}|^2
\end{align}</math>
となる。また、
<math>\begin{align}
\langle l, m |\hat l_-\hat l_+ |l, m \rangle &= \langle l, m |\hat{{\boldsymbol l}^2} - \hat{l_z^2} - \hat l_z|l, m \rangle\\
&= l(l+1)-m(m+1) \\
&= (l-m)(l+m+1)
\end{align} </math>
より <math>\hat l_+ |l, m \rangle = \sqrt{(l-m)(l+m+1)}|l, m+ 1\rangle </math> を得る。<math>\langle l, m+ 1|\hat l_+ |l, m \rangle = \sqrt{(l-m)(l+m+1)} </math> のエルミート共役を取って、
<math>\langle l, m|\hat l_- |l, m+1 \rangle = \sqrt{(l-m)(l+m+1)} </math>
あるいは、
<math>\langle l, m-1|\hat l_- |l, m \rangle = \sqrt{(l+m)(l-m+1)} </math>
を得る。
次に、角運動量演算子を極座標で表す表式を求めよう。球座標と直交座標の関係
<math>x = r\sin\theta\cos\varphi,y = r\sin\theta\sin\varphi,z = r\cos\theta</math>
の関係から、
<math>\frac{\partial}{\partial \theta} = r\cos\theta\cos\varphi\frac{\partial}{\partial x}+r\cos\theta\sin\varphi\frac{\partial}{\partial y}-r\sin\theta\frac{\partial}{\partial z}</math>
<math>\frac{\partial}{\partial \varphi} = -r\sin\theta\sin\varphi\frac{\partial}{\partial x}+r\sin\theta\cos\varphi\frac{\partial}{\partial y}</math>
となるから、
<math>\begin{align}
i\sin\varphi\frac{\partial}{\partial\theta} + i\cot\theta\cos\varphi\frac{\partial}{\partial \varphi} &=
iz\frac{\partial}{\partial y}-iy\frac{\partial}{\partial z}\\
&= \hat l_x
\end{align} </math>
<math>\begin{align}
i\cos\varphi\frac{\partial}{\partial\theta} + i\cot\theta\sin\varphi\frac{\partial}{\partial \varphi} &=
-iz\frac{\partial}{\partial x}+ix\frac{\partial}{\partial z}\\
&= \hat l_y
\end{align} </math>
<math>\begin{align}
-i\frac{\partial}{\partial \varphi} &=
iy\frac{\partial}{\partial x}-ix\frac{\partial}{\partial y}\\
&= \hat l_z
\end{align} </math>
を得る。また、
<math>\hat l_{\pm} = e^{\pm i \varphi}\left(\pm\frac{\partial}{\partial\theta}+i\cot\theta\frac{\partial}{\partial\varphi}\right) </math>
となる。また、
<math>\begin{align}
\hat l^2 &= \hat l_- \hat l_+ + \hat l_z^2 + \hat l_z\\
&= - \frac{1}{\sin\theta}\frac{\partial}{\partial\theta}\left(\sin\theta\frac{\partial}{\partial\theta}\right)-\frac{1}{\sin^2\theta}\frac{\partial^2}{\partial\varphi^2}
\end{align}</math>
を得る。これはラプラシアンの角度部分である。
<math>\begin{align}
\triangle &= \frac{1}{r^2}\frac{\partial}{\partial r}\left(r^2 \frac{\partial}{\partial r}\right) + \frac{1}{r^2\sin\theta}\frac{\partial}{\partial\theta}\left(\sin\theta\frac{\partial}{\partial\theta}\right)+\frac{1}{r^2\sin^2\theta}\frac{\partial^2}{\partial\varphi^2}\\
&=\frac{1}{r^2}\frac{\partial}{\partial r}\left(r^2 \frac{\partial}{\partial r}\right) -\frac{\hat l^2 }{r^2}
\end{align}</math>
== 水素原子 ==
ポテンシャル <math>V(r) = - \frac{1}{4 \pi \varepsilon_0} \frac{Ze^2}{r}</math> での電子の運動を考えよう。シュレーディンガー方程式は
<math>\triangle \psi + \frac{2m}{\hbar^2}(E-V(r))\psi = 0</math>
となる。
<math>\frac{1}{r^2}\frac{\partial}{\partial r}\left(r^2 \frac{\partial \psi}{\partial r}\right) -\frac{1}{r^2}\hat l^2 \psi + \frac{2m}{\hbar^2}(E-V(r))\psi = 0</math>
で <math>\psi = R(r)Y(\theta,\varphi)</math> と変数分離すると、
<math>\frac 1 R \frac{d}{d r}\left(r^2 \frac{d R}{d r}\right) + \frac{2m r^2}{\hbar^2}(E-V(r)) = \frac 1 Y \hat l^2 Y = \mu</math>
となる。ここで、<math>\hat l^2 Y = \mu Y</math> は非負整数 <math>l</math> が存在して <math>\mu = l(l+1)</math> とかけるときのみ発散しない解が存在して、<math>Y</math> は球面調和関数
<math>Y_{l}^{m}(\theta, \phi)=(-1)^{(m+|m|)/2}\sqrt{ \frac{2l+1}{4\pi}\frac{(l-|m|)!}{(l+|m|)!} \,}
\,P_l^{|m|}(\cos\theta)\,e^{im\phi}</math>
となる。ここで、<math>m</math> は角運動量の <math>z</math> 成分の固有値であり、 <math>m=-l,-l+1,\cdots,l</math> をとる。
<math>R</math> についての微分方程式
<math>\frac{1}{r^2}\frac{d}{dr}\left(r^2 \frac{dR}{dr}\right) -\frac{l(l+1)}{r^2}R + \frac{2m}{\hbar^2}(E-V(r))R = 0</math>
は、簡単のために <math>m = e = 4 \pi \varepsilon_0 = \hbar = 1</math> となる原子単位系を採用すると、
<math>R'' + \frac 2 r R' -\frac{l(l+1)}{r^2}R + 2\left(E+\frac{Z}{r}\right)R = 0</math>
となる。ここで、<math>n = \frac{Z}{\sqrt{-2E}},\, \rho = \frac{2Z}{n}r</math> と変数変換すると、
<math>R'' + \frac 2 \rho R' + \left(-\frac 1 4 + \frac n \rho - \frac{l(l+1)}{\rho^2}\right)R = 0</math>
となる。ここで <math>'</math> は <math>\rho</math> に対する微分である。 <math>\rho \ll 1</math> で <math>R \propto \rho^s</math> と仮定すると、
<math>\frac{1}{\rho^2}\frac{d}{d\rho}\left(\rho^2 \frac{dR}{d\rho}\right) -\frac{l(l+1)}{\rho^2}R = 0</math>
より、<math>s(s+1) = l(l+1)</math> を得る。<math>s = l, -l-1</math> となるが、<math>R \propto \rho^{-l-1}</math> は <math>\rho = 0</math> で発散するため <math>R \propto \rho^{l}</math> である。また、<math>\rho \to \infty</math> では
<math>R'' -\frac 1 4 R = 0</math>
より、<math>R \propto e^{-\frac \rho 2}</math> となる。従って、
<math>R = \rho^l e^{-\frac \rho 2}w(\rho)</math>
として、<math>w</math> に対する微分方程式を求めると、
<math>\rho w'' + (2l + 2 - \rho)w' + (n - l - 1)w = 0</math>
を得る。これは、一般化されたラゲール多項式
<math>L^{(\alpha)}_n(\rho) = \frac{(\alpha+1)_n}{n!}F(-n,\alpha+1;\rho)</math>
が微分方程式
<math>\rho L'' + (\alpha + 1 - \rho)L' + nL = 0</math>
の解であるから、
<math>w = L^{(2l+1)}_{n-l-1}(\rho)</math>
と書くことができる。
エネルギー準位は <math>n</math> の定義より、
<math>E_n = -\frac{Z^2}{2n^2}</math>
となる。国際単位系で書くと<ref>原子単位系でのエネルギーの単位は <math>m, e, 4 \pi \varepsilon_0, \hbar</math> からエネルギーの次元を持つ量を作ると <math>E_h = \frac{me^4}{(4\pi\varepsilon_0)^2\hbar^2} = \alpha^2 mc^2</math> となる。ここで、<math>\alpha = \frac{e^2}{4\pi\varepsilon_0 \hbar c} \approx \frac{1}{137}</math> は微細構造定数である。</ref>、
<math>E_n = -\frac{me^4Z^2}{2(4\pi\varepsilon_0)^2\hbar^2n^2}</math>
となる。
== 不確定性関係 ==
<math>\hat A, \hat B</math> をエルミート演算子とする。ある状態 <math>|\psi \rangle</math> についての演算子の期待値を
<math>\langle \hat A \rangle = \langle \psi |\hat A |\psi\rangle</math>
と書く。分散は
<math>\sigma(A)^2 = \langle \hat A^2 \rangle - \langle \hat A \rangle ^2</math>
て定義される。このとき、
<math>\sigma(A) \sigma (B) \ge \frac 1 2 |\langle [\hat A,\hat B]\rangle |</math>
が成り立つ。これを不確定性関係という。ただし正確にはロバートソンの不等式<ref>紛らわしいが、ハイゼンベルクの不確定性原理は位置の測定により系が擾乱されて運動量が変化するため、位置の誤差と運動量の擾乱を同時に小さくすることができないという主張である。これは定性的には正しいがその不等式は正しくない。この考えを定量的に示したのが小澤の不等式である。また、ここでいう不確定性関係(ロバートソンの不等式)は量子状態の測定値の分散の間の関係であり、測定による擾乱は考慮していない。</ref>である。<math>\lambda</math>を実数として、演算子
<math>\hat C = \hat A + i\lambda \hat B</math>
を定義する。このとき、
<math>\langle \psi |\hat C^\dagger \hat C| \psi \rangle = || \hat C | \psi \rangle ||^2 \ge 0</math>
となる。また、
<math>\langle \hat C^\dagger \hat C \rangle = \langle \hat A^2 \rangle + \lambda^2 \langle \hat B^2 \rangle + i\lambda \langle [\hat A, \hat B] \rangle \ge 0 </math>
を得る。これを <math>\lambda</math> についての条件と見て、判別式を考えると
<math>\sqrt{\langle \hat A^2\rangle\langle \hat B^2\rangle} \ge \frac 1 2 |\langle [\hat A,\hat B]\rangle |</math>
を得る。<math>\hat A \to \hat A - \langle \hat A \rangle ,\hat B \to \hat B - \langle \hat B \rangle</math> と置き換えると、不確定性関係
<math>\sigma(A) \sigma (B) \ge \frac 1 2 |\langle [\hat A,\hat B]\rangle |</math>
を得る。特に、<math> [\hat x,\hat p] = i\hbar </math> より
<math>\sigma(x) \sigma(p) \ge \frac \hbar 2</math>
となる。
'''例'''
調和振動子のエネルギー固有状態 <math>| n \rangle</math> についての不確定性を計算する。
<math>\begin{align}
\hat x &= \sqrt{\frac{\hbar}{2m\omega}}(\hat a + \hat a^\dagger),\\
\hat p &= -i\sqrt{\frac{m\omega\hbar}{2}}(\hat a - \hat a^\dagger)
\end{align}</math>
であるから、
<math>\langle \hat x \rangle = \sqrt{\frac{\hbar}{2m\omega}}\langle n|(\hat a + \hat a^\dagger)|n\rangle = 0</math> となる。同様に<math>\langle \hat p \rangle = 0</math>である。また、
<math>\langle \hat x^2 \rangle = \frac{\hbar}{2m\omega} \langle n|(\hat a + \hat a^\dagger)^2|n\rangle = \frac{\hbar}{2m\omega} \langle n|(\hat a\hat a^\dagger + \hat a^\dagger\hat a)|n\rangle =
\frac{\hbar}{2m\omega} (2n+1)</math>
<math>\langle \hat p^2 \rangle = -\frac{m\hbar \omega}{2} \langle n|(\hat a + \hat a^\dagger)^2|n\rangle
= -\frac{m\hbar \omega}{2} \langle n|(-\hat a\hat a^\dagger - \hat a^\dagger\hat a)|n\rangle =
\frac{m\hbar \omega}{2} (2n+1) </math>
より、
<math>\sigma(x) = \sqrt{\frac{\hbar}{m\omega}(n+1/2)},\sigma(p) = \sqrt{m\hbar\omega (n+1/2)} </math>
となり、
<math>\sigma(x) \sigma(p) = \hbar(n+1/2) </math>
を得る。従って、不確定性関係が成り立つことを直接示すことができた。
'''例2'''
複素数 <math>\alpha</math> に対して、状態 <math>|\alpha\rangle</math> を
<math>|\alpha\rangle = e^{-\frac 1 2 |\alpha|^2}\sum_{n=0}^\infty \frac{\alpha^n}{\sqrt{n!}}|n\rangle</math>
で定義する。簡単な計算から、
<math>\hat a |\alpha\rangle = \alpha|\alpha\rangle ,\, \langle \alpha | \alpha \rangle = 1</math>
が成り立つことから、<math>|\alpha\rangle</math> は消滅演算子の固有状態で、規格化されていることがわかる。この状態をコヒーレント状態という。<math>|\alpha\rangle</math> の不確定性を求めよう。前と同じように計算すると、
<math>\langle \hat x \rangle = \sqrt{\frac{\hbar}{2m\omega}}\langle \alpha|(\hat a + \hat a^\dagger)|\alpha\rangle = \sqrt{\frac{\hbar}{2m\omega}}(\alpha+\alpha^*)</math>
<math>\langle \hat p \rangle = -i\sqrt{\frac{m\hbar\omega}{2}}\langle \alpha|(\hat a - \hat a^\dagger)|\alpha\rangle = -i\sqrt{\frac{m\hbar\omega}{2}}(\alpha-\alpha^*)</math>
<math>\langle \hat x^2 \rangle = \frac{\hbar}{2m\omega} \langle \alpha|(\hat a + \hat a^\dagger)^2|\alpha\rangle
= \frac{\hbar}{2m\omega} \langle \alpha|(\hat a^2 + \hat a^{\dagger 2} + 2\hat a^\dagger\hat a + 1 )|\alpha\rangle =
\frac{\hbar}{2m\omega} (\alpha^2 + \alpha^{*2} + 2\alpha^*\alpha + 1)</math>
<math>\langle \hat p^2 \rangle = -\frac{m\hbar\omega}{2} \langle \alpha|(\hat a - \hat a^\dagger)^2|\alpha\rangle
= -\frac{m\hbar\omega}{2} \langle \alpha|(\hat a^2 + \hat a^{\dagger 2} - 2\hat a^\dagger\hat a - 1 )|\alpha\rangle =
-\frac{m\hbar\omega}{2} (\alpha^2 + \alpha^{*2} - 2\alpha^*\alpha - 1)</math>
となる。従って、
<math>\sigma(x) = \sqrt{\frac{\hbar}{2m\omega}},\sigma(p) = \sqrt{\frac{m\hbar\omega}{2}} </math>
<math>\sigma(x) \sigma(p) = \frac{\hbar}{2} </math>
となる。すなわち、コヒーレント状態は不確定性が最小となる状態である。
== エーレンフェストの定理 ==
演算子 <math>\hat A</math> に対してその時間微分の演算子 <math>\frac{d\hat A}{dt}</math> を定義したい。これは、
<math>\frac{d\langle \hat A \rangle}{dt} = \left\langle \frac{d \hat A}{dt} \right\rangle</math>
となるように定義するのがいいだろう。
<math>\begin{align}
\frac{d\langle \hat A \rangle}{dt} &= \frac{d}{dt}\int \psi^* \hat A \psi dx \\
&= \int \left(\frac{\partial \psi^*}{\partial t} \hat A \psi + \psi^* \frac{\partial \hat A}{\partial t} \psi + \psi^* \hat A \frac{\partial \psi}{\partial t}\right) dx \\
&= \int \left(-\frac{1}{i\hbar}\hat H \psi^* \hat A \psi + \psi^* \frac{\partial \hat A}{\partial t} \psi + \frac{1}{i \hbar}\psi^* \hat A \hat H \psi\right) dx \\
&= \int \left(-\frac{1}{i\hbar}\psi^* \hat H \hat A \psi + \psi^* \frac{\partial \hat A}{\partial t} \psi + \frac{1}{i \hbar}\psi^* \hat A \hat H \psi\right) dx \\
&= \int \left(\psi^* \frac{\partial \hat A}{\partial t} \psi + \frac{1}{i \hbar}\psi^* [\hat A, \hat H] \psi\right) dx \\
\end{align}</math>
となる。これが、
<math>\left\langle \frac{d \hat A}{dt} \right\rangle = \int \psi^* \frac{d \hat A}{dt} \psi dx</math>
に等しいのだから、
<math>\frac{d \hat A}{dt} = \frac{\partial \hat A}{\partial t} + \frac{1}{i \hbar} [\hat A, \hat H] </math>
となる。位置演算子 <math>\hat \boldsymbol r </math> の一階と二階の時間微分 <math>\hat \boldsymbol v , \, \hat \boldsymbol a </math> を作ってみよう。
<math>\hat \boldsymbol v = \frac{1}{i\hbar}(\hat \boldsymbol r \hat H - \hat H \hat \boldsymbol r ) = -\frac{i\hbar}{2m}(\boldsymbol r \triangle - \triangle \boldsymbol r) = -\frac{i\hbar}{m}\nabla </math>
となる。また、
<math>\hat \boldsymbol a = \frac{1}{i\hbar}(\hat \boldsymbol v \hat H - \hat H \hat \boldsymbol v) = -\frac{1}{m}(\nabla V - V\nabla) = - \frac 1 m \nabla V </math>
となる。よって、
<math>m \hat \boldsymbol a = - \nabla V </math>
あるいは、
<math>m \frac{d^2 \langle\hat x\rangle}{dt^2} = - \langle \nabla V \rangle </math>
を得る。これをエーレンフェストの定理という。
== エルミート多項式の性質 ==
エルミート多項式の母関数を求めよう。
<math>\begin{align}
\sum_{n=0}^\infty \frac{H_n(x)}{n!}t^n &= \sum_{n=0}^\infty\sum_{k=0}^{[\frac n 2]} \frac{(-1)^k}{ k! (n-2k)!} (2x)^{n-2k}t^n\\
\end{align}</math>
となる。ここで、<math>\sum_{n=0}^\infty\sum_{k=0}^{[\frac n 2]}</math> は <math>n - 2k \ge 0</math> を満たすすべての非負整数 <math>n,k</math> についての和である。そこで、<math>l = n - 2k</math> とし、<math>l</math> を0から∞まで走らせ、各 <math>l</math> について <math>k</math> を+1するごとに <math>n</math> に2を足すことにすると、 <math>l</math> が一定のまま <math>k</math> は0から∞まで走らせることができる。従って、総和は、
<math>\begin{align}
\sum_{l=0}^\infty\sum_{k=0}^{\infty} \frac{(-1)^k}{ k! l!} (2x)^{l}t^{l+2k} &= \sum_{l=0}^\infty\frac{(2xt)^l}{l!} \sum_{k=0}^{\infty} \frac{(-t^2)^k}{k!}\\
&= e^{2xt-t^2}
\end{align}</math>
となる。また、
<math>\begin{align}
H_n(x) &= \frac{d^n}{dt^n}e^{2xt-t^2}|_{t=0}\\
&= e^{x^2} \frac{d^n}{dt^n}e^{(x-t)^2}|_{t=0}\\
&= e^{x^2} \frac{d^n}{d(-s)^n}e^{-s^2}|_{s=x}\\
&= (-1)^n e^{x^2} \frac{d^n}{dx^n}e^{-x^2} \\
\end{align} </math>
より、ロドリゲスの公式を得る。途中で、 <math>s=x-t </math> とした。
== WKB近似 ==
エネルギーが一定のとき作用は <math>S = S_0 - Et </math> であるから、波動関数の準古典近似は
<math>\Psi = ae^{\frac i \hbar S} = ae^{\frac{-iEt}{\hbar}}e^{\frac i \hbar S_0}</math>
となる。そこで、<math>\psi = a e^{\frac i \hbar S_0} </math> をシュレーディンガー方程式に代入して <math>\hbar </math> の0次と1次について計算すると<ref><math>\left(\frac{-\hbar^2}{2m} \frac{d^2}{dx^2} + V \right)\psi \approx \left(\frac{1}{2m}\left(\frac{dS_0}{dx}\right)^2a-\frac{i\hbar}{2m}\frac{d^2S_0}{dx^2}a -\frac{i\hbar}{m}\frac{dS_0}{dx}\frac{da}{dx} + Va\right)e^{\frac i \hbar S_0} </math> となる。</ref>、
<math>\frac{1}{2m} \left(\frac{dS_0}{dx}\right)^2 + V(x) = E </math>
<math>\frac{1}{2m} a\frac{d^2S_0}{dx^2} + \frac 1 m \frac{dS_0}{dx}\frac{da}{dx} = 0 </math>
を得る。第一式を解くと、
<math>S_0 = \pm \int \sqrt{2m(E-V(x))}dx =: \pm\int pdx </math>
となる。第二式は <math>2ma </math> を掛けると
<math>\frac{d}{dx}\left(a^2\frac{dS_0}{dx}\right) = 0 </math>
と変形されるから、<math>C </math> を定数として
<math>a = \frac{C}{\sqrt p} </math>
を得る。よって波動関数は
<math>\psi(x) = \frac{C_1}{\sqrt p} e^{\frac i \hbar \int pdx} + \frac{C_2}{\sqrt p} e^{-\frac i \hbar \int pdx} </math>
となる。<math> E < V(x) </math> の領域では <math>p </math> は純虚数となるから <math>p = i \tilde p </math> と置いて
<math>\psi(x) = \frac{C'_1}{\sqrt \tilde p} e^{\frac 1 \hbar \int \tilde p dx} + \frac{C'_2}{\sqrt \tilde p} e^{-\frac 1 \hbar \int \tilde p dx} </math>
となる。
<math> E < V(x) </math> の領域は古典的には存在できない領域であるが、量子力学的には指数関数的に減衰するものの透過することが可能である。<math>x</math> 軸正の方向に移動する粒子を考えよう。転回点を <math>x_1 < x_2 </math> とするとき、波動関数は <math> E < V(x) </math> の領域では
<math>\psi(x) \sim \exp\left(-\frac 1 \hbar \int_{x_1}^x \tilde p dx\right) </math>
で減衰する。従って、ポテンシャル障壁を抜ける透過係数は
<math>T \sim \exp\left(-\frac 2 \hbar \int_{x_1}^{x_2} \tilde p dx\right) </math>
で与えられる。
'''例'''
WKB近似の応用として、アルファ崩壊について考えてみよう。アルファ粒子は原子核の内部では核力により <math>-V_0</math> のポテンシャルで束縛されおり、原子核の外部ではクーロン力を受けるとする。ポテンシャルは
<math>V(r)=\begin{cases}
-V_0 \quad (r<r_1)\\
\frac{\alpha}{r} \quad (r > r_1)
\end{cases}</math>
で与えられる。<math>r_1</math> は原子核の半径である。転回点 <math>r_2</math> は <math>E = \frac{\alpha}{r_2} </math> となる。透過係数は
<math>T = \exp\left(-\frac 2 \hbar \int_{r_1}^{r_2} \sqrt{2m\left(\frac{\alpha}{r}-E\right)} dr\right) </math>
である。ここで、<math>r = r_1 \cos^2\theta </math> と変換して積分すると
<math>\begin{align}
\int_{r_1}^{r_2} \sqrt{2m\left(\frac{\alpha}{r}-E\right)} dr &=
2\sqrt{2mE}r_2\int_{0}^{\cos^{-1}\sqrt{\frac{r_1}{r_2}}} \sin^2\theta d\theta \\
&= \sqrt{2mE}r_2\left(\cos^{-1}\sqrt{\frac{r_1}{r_2}} - \sqrt{\frac{r_1}{r_2}\left(1-\frac{r_1}{r_2}\right)}\right)
\end{align} </math>
となる。従って
<math>T = \exp\left\{-\frac{2\alpha\sqrt{2m}}{\hbar \sqrt E} \left(\cos^{-1}\sqrt{\frac{r_1}{r_2}} - \sqrt{\frac{r_1}{r_2}\left(1-\frac{r_1}{r_2}\right)}\right)\right\}</math>
を得る。<math>r_1 \ll r_2</math> とすると
<math>T = \exp\left(-\frac{\pi\alpha\sqrt{2m}}{\hbar \sqrt E}\right)</math>
となる。
== スピン ==
電子などの素粒子には粒子に固有の角運動量が存在する。これをスピンという。<math>\hbar</math> を単位として測ったスピン演算子を <math>\hat s_i \; (i=x,y,z)</math> とする。これは角運動量演算子と同じ交換関係
<math>[\hat s_i, \hat s_j] = i\varepsilon_{ijk} \hat s_k
</math>
を満たす。[[量子力学#角運動量]]では、軌道角運動量の交換関係を求めてから後は、その交換関係しか使っていない。すなわち、[[量子力学#角運動量]]で求めたことはスピン演算子でも有効である。つまり、<math>\hat s_z</math> の固有値には最大値が存在し、その最大値を <math>s</math> とする。このとき、<math>s_z = -s,-s+1,\cdots,s-1,s</math> の <math>2s+1</math> 個のスピン状態が存在する。<math>2s+1</math> は自然数であるから、<math>s = 0, \frac 1 2, 1, \frac 3 2, \cdots</math> の値を取ることができる。
スピン <math>s=\frac 1 2</math> の場合を考える。<math>\hat s_z</math> の固有状態には <math>s_z = \pm \frac 1 2</math> の二通りがある。それぞれの固有状態を <math>\left|\frac 1 2\right\rangle,\left|-\frac 1 2\right\rangle</math> とする。
<math>\hat s_z \left|\frac 1 2\right\rangle = \frac 1 2 \left|\frac 1 2\right\rangle,\, \hat s_z \left|-\frac 1 2\right\rangle = -\frac 1 2 \left|-\frac 1 2\right\rangle</math>
である。したがって、<math>\left|\frac 1 2\right\rangle = \binom{1}{0},\left|-\frac 1 2\right\rangle = \binom{0}{1}</math> と行列表示するとき、<math>\hat s_z</math> の行列表示は
<math>\hat s_z = \begin{pmatrix} \frac 1 2 & 0 \\ 0 & -\frac 1 2 \end{pmatrix}</math>
となる。また、
<math>\hat s_+ \left|-\frac 1 2\right\rangle = \left|\frac 1 2\right\rangle,\, \hat s_- \left|\frac 1 2\right\rangle = \left|-\frac 1 2\right\rangle</math>
より、
<math>\hat s_+ = \begin{pmatrix} 0 & 1 \\ 0 & 0 \end{pmatrix},\hat s_- = \begin{pmatrix} 0 & 0 \\ 1 & 0 \end{pmatrix} </math>
となる。よって、
<math>\hat s_x =\frac 1 2 (\hat s_++\hat s_-) = \frac 1 2 \begin{pmatrix} 0 & 1 \\ 1 & 0 \end{pmatrix} </math>
<math>\hat s_y =\frac{1}{2i}(\hat s_+-\hat s_-) = \frac 1 2 \begin{pmatrix} 0 & -i \\ i & 0 \end{pmatrix} </math>
となる。ここで、<math>\hat s_i = \frac 1 2 \sigma_i</math> となる行列
<math>\sigma_x = \begin{pmatrix} 0 & 1 \\ 1 & 0 \end{pmatrix},\sigma_y = \begin{pmatrix} 0 & -i \\ i & 0 \end{pmatrix}, \sigma_z = \begin{pmatrix} 1 & 0 \\ 0 & 1 \end{pmatrix} </math>
をパウリ行列と定義する。
== 角運動量の合成 ==
*[[量子力学/角運動量の合成|角運動量の合成]]
== 時間に依存しない摂動論 ==
ハミルトニアン <math>\hat H_0</math> は完全に解かれていて
<math>\hat H_0 |\psi_n^{(0)}\rangle = E_n^{(0)}|\psi_n^{(0)}\rangle</math>
とする。規格化されていて縮退はないとする。<math>\lambda</math> を小さい量として摂動ハミルトニアン
<math>\hat H = \hat H_0 + \lambda \hat V</math>
を考える。目標はシュレーディンガー方程式
<math>\hat H |\psi_n\rangle = E_n |\psi_n\rangle </math>
を摂動的に解くことである。
<math>|\psi_n\rangle = |\psi_n^{(0)}\rangle + \lambda |\psi_n^{(1)}\rangle + \lambda^2 |\psi_n^{(2)}\rangle + \cdots</math>
<math>E_n = E_n^{(0)} + \lambda E_n^{(1)} + \lambda^2 E_n^{(2)} + \cdots</math>
と <math>\lambda</math> の冪で展開する。二次まででシュレーディンガー方程式に代入すると、
<math>(\hat H_0 + \lambda \hat V)(|\psi_n^{(0)}\rangle + \lambda |\psi_n^{(1)}\rangle + \lambda^2 |\psi_n^{(2)}\rangle) = (E_n^{(0)} + \lambda E_n^{(1)} + \lambda^2 E_n^{(2)}) (|\psi_n^{(0)}\rangle + \lambda |\psi_n^{(1)}\rangle + \lambda^2 |\psi_n^{(2)}\rangle) </math>
一次の方程式は
<math>\hat H_0 |\psi_n^{(1)}\rangle + \hat V |\psi_n^{(0)}\rangle = E_n^{(0)} |\psi_n^{(1)}\rangle + E_n^{(1)}|\psi_n^{(0)}\rangle </math>
となる。二次は
<math>\hat H_0 |\psi_n^{(2)}\rangle + \hat V |\psi_n^{(1)}\rangle = E_n^{(0)} |\psi_n^{(2)}\rangle + E_n^{(1)} |\psi_n^{(1)}\rangle + E_n^{(2)}|\psi_n^{(0)}\rangle </math>
となる。まずは一次の近似について考える。
<math>|\psi_n^{(1)}\rangle = \sum_k c^{(1)}_k|\psi_k^{(0)}\rangle </math>
と展開して、
<math>\sum_k E^{(0)}_k c^{(1)}_k|\psi_k^{(0)}\rangle + \hat V |\psi_n^{(0)}\rangle = E_n^{(0)} \sum_k c^{(1)}_k|\psi_k^{(0)}\rangle + E_n^{(1)}|\psi_n^{(0)}\rangle </math>
<math>\langle \psi_m^{(0)}| </math> を左からかけると、
<math>E^{(0)}_m c^{(1)}_m + \langle \psi_m^{(0)}|
\hat V |\psi_n^{(0)}\rangle = E_n^{(0)} c^{(1)}_m + E_n^{(1)}\langle \psi_m^{(0)}|
\psi_n^{(0)}\rangle </math>
となる。<math>m = n </math> とすると、
<math>E_n^{(1)} = \langle \psi_n^{(0)}|
\hat V |\psi_n^{(0)}\rangle </math>
を得る。<math>m \neq n </math> のときは、
<math>c_m^{(1)} = \frac{\langle \psi_m^{(0)}|
\hat V |\psi_n^{(0)}\rangle}{E_n^{(0)}-E_m^{(0)}} </math>
となる。<math>c_n^{(1)} </math> は決定できないが、<math>c_n^{(1)}=0 </math> とする。
次に二次の摂動に移ろう。同じように、
<math>|\psi_n^{(2)}\rangle = \sum_k c^{(2)}_k|\psi_k^{(0)}\rangle </math>
と展開して二次の方程式に <math>\langle \psi_m^{(0)}| </math> を左からかけると、
<math>E^{(0)}_m c_m^{(2)} + \sum_{k} c_k^{(1)} \langle \psi_m^{(0)}|\hat V |\psi_k^{(0)}\rangle = E_n^{(0)} c_m^{(2)} + E_n^{(1)} c_m^{(1)} + E_n^{(2)}\langle \psi_m^{(0)}|\psi_n^{(0)}\rangle</math>
となる。<math>m=n</math> とすると、
<math>E_n^{(2)} = \sum_{k} c_k^{(1)} \langle \psi_n^{(0)}|\hat V |\psi_k^{(0)}\rangle = \sum_{k\neq n} \frac{|\langle \psi_n^{(0)}|\hat V |\psi_k^{(0)}\rangle|^2}{E_n^{(0)}-E_k^{(0)}}</math>
となる。
'''演習問題'''
調和振動子について摂動ハミルトニアンが
<math>\hat V_1 = \alpha \hat x^3</math>
であるときにエネルギーの一次と二次の摂動を求めよ。また、摂動ハミルトニアンが
<math>\hat V_2 = \beta \hat x^4</math>
であるときのエネルギーの一次の摂動を求めよ。
'''解答'''
<math>\begin{align}
\hat x &= \sqrt{\frac{\hbar}{2m\omega}}(\hat a + \hat a^\dagger),\\
\hat p &= -i\sqrt{\frac{m\omega\hbar}{2}}(\hat a - \hat a^\dagger)
\end{align}</math>
より、
<math>E_n^{(1)} = \langle n|\alpha \hat x^3|n\rangle = \alpha \left(\frac{\hbar}{2m\omega}\right)^{\frac 3 2}\langle n|(a + a^\dagger)^3|n\rangle</math>
である。演算子を展開して交換関係 <math>a a^\dagger = a^\dagger a + 1</math> を使って消滅演算子を右側に来るようにすると、
<math>(a + a^\dagger)^3 = a^{\dagger 3} + 3 a^{\dagger 2}a + 3 a^\dagger a^2 + a^3 + 3 a^\dagger + 3 a</math>
となる。更に整理すると、
<math>(a + a^\dagger)^3 = a^{\dagger 3} + 3 a^\dagger a a^\dagger + 3 a a^\dagger a + a^3</math>
となる。これには、<math>n \to n \pm 1, n \pm 3</math> の遷移に対応する演算子しか含まれていないから、
<math>\langle n|(a + a^\dagger)^3|n\rangle = 0, \quad E_n^{(1)} = 0</math>
となる。次に、二次の摂動エネルギーを求める。行列要素を求めると、
<math>\begin{align}
&\langle n+3 | a^{\dagger 3}|n \rangle = \sqrt{(n+1)(n+2)(n+3)},\quad \langle n+1 | 3a^\dagger a a^\dagger |n \rangle =3(n+1)^{\frac 3 2}\\
&\langle n-1 | 3a a^\dagger a|n \rangle = 3n^{\frac 3 2},\quad \langle n-3 | a^3 |n \rangle = \sqrt{n(n-1)(n-2)}
\end{align}</math>
であり、これ以外の行列要素は0である。従って、
<math>E_n^{(2)} = \sum_{k=n \pm 1,n\pm 3} \frac{|\langle n|\alpha\hat x^3 |k\rangle|^2}{E_n^{(0)}-E_k^{(0)}} = -\frac{\alpha^2\hbar^2}{8m^3\omega^4}(30n^2+30n+11)</math>
となる。
次に、摂動ハミルトニアンが
<math>\hat V_2 = \beta \hat x^4</math>
で与えられる場合を計算しよう。同じように<math>\langle n | (a+a^\dagger)^4|n\rangle </math> の値が必要になるが、展開したときに生成演算子と消滅演算子が同数だけある項のみが一般に0とは異なる値を与える<ref>例えば、<math>a a a a^\dagger </math> のような項は <math>aaaa^\dagger |n\rangle \propto |n-2\rangle</math> となるため <math>\langle n |</math> で挟んだときに消える。</ref>。そのような項は <math>{}_4\mathrm{C}_{2}</math> 通り
<math>\begin{align}
&a^\dagger a^\dagger a a\\
&a^\dagger a a^\dagger a = a^\dagger a^\dagger a a + a^\dagger a\\
&a^\dagger a a a^\dagger = a^\dagger a a^\dagger a + a^\dagger a = a^\dagger a^\dagger a a + 2 a^\dagger a\\
&a a^\dagger a^\dagger a = a^\dagger a a^\dagger a + a^\dagger a = a^\dagger a^\dagger a a + 2 a^\dagger a\\
&a a^\dagger a a^\dagger = a a^\dagger a^\dagger a + a a^\dagger = a^\dagger a^\dagger a a + 3 a^\dagger a + 1\\
&a a a^\dagger a^\dagger = a a^\dagger a a^\dagger + a a^\dagger = a^\dagger a^\dagger a a + 3 a^\dagger a + 3\\
\end{align}</math>
である。その和は、<math>6 a^\dagger a^\dagger a a + 12 a^\dagger a + 3</math> となる。従って、
<math>\langle n | (a+a^\dagger)^4|n\rangle = \langle n |(6 a^\dagger a^\dagger a a + 12 a^\dagger a + 3)|n\rangle = 6n^2 + 6n + 3 </math>
を得る。よって、
<math>E_n^{(1)} = \frac{\beta\hbar^2}{4m^2\omega^2}(6n^2+6n+3)</math>
となる。
=== 永年方程式 ===
縮退がある場合の摂動を考える。<math> E_n^{(0)}</math> に属する固有状態が <math>|\psi_{n,\alpha}^{(0)}\rangle</math> であるとする。前節と同じように
<math>|\psi_{n}\rangle = \sum_\alpha c_{n,\alpha}^{(0)} |\psi_{n,\alpha}^{(0)}\rangle
</math>
と展開する。これを一次までで切ったシュレーディンガー方程式
<math>(\hat H_0 + \lambda \hat V)|\psi_n\rangle = (E_n^{(0)} + \lambda E_n^{(1)})|\psi_n\rangle</math>
に代入して <math>\langle \psi^{(0)}_{n,\beta}|</math> を左からかけると、
<math>\sum_\alpha (\langle \psi^{(0)}_{n,\beta}|\hat V |\psi^{(0)}_{n,\alpha}\rangle - E^{(1)}_n\delta_{\alpha\beta})c^{(0)}_{n,\alpha} = 0</math>
を得る。これが、すべての <math>c^{(0)}_{n,\alpha}</math> が0とはならない解が存在するためには、
<math>\det (\langle \psi^{(0)}_{n,\beta}|\hat V |\psi^{(0)}_{n,\alpha}\rangle - E^{(1)}_n\delta_{\alpha\beta}) = 0</math>
でなくてはならない。これを永年方程式という。
== 部分波 ==
自由粒子のシュレーディンガー方程式の解を極座標で考えてみよう。シュレーディンガー方程式は
<math>(\triangle + k^2)\psi(r,\theta,\varphi) = 0</math>
となる。ここで、<math>k = \frac{\sqrt{2mE}}{\hbar}</math> である。これはヘルムホルツ方程式である。<math>\psi(r,\theta,\varphi) = R(r)Y(\theta,\varphi)</math> を変数分離すると
<math>\frac{1}{R}\left(\frac{d}{d r}\left(r^2\frac{d R}{d r}\right) + r^2 k^2 R\right) = \frac 1 Y \hat \boldsymbol l^2 Y = l(l+1)</math>
より、
<math>\hat \boldsymbol l^2 Y = l(l+1)Y</math>
<math>\frac{1}{r^2}\frac{d}{d r}\left(r^2\frac{d R}{d r}\right) + \left(k^2-\frac{l(l+1)}{r^2}\right) R = 0</math>
を得る。<math>Y</math> は球面調和関数で <math>l</math> は軌道角運動量であることがわかる。動径関数は <math>R(r) = \frac{X(kr)}{\sqrt{kr}}</math> と置くと、
<math>\frac{d^2}{dr^2}X(kr) + \frac 1 r \frac{d}{dr}X(kr) + \left(k^2-\frac{(l+1/2)^2}{r^2}\right) X(kr) = 0</math>
を得る。これは <math>l+ \frac 1 2</math> 次のベッセルの微分方程式であるから、<math>X(kr) = A J_{l+1/2}(kr) + BN_{l+1/2}(kr)</math> となる。球ベッセル関数
<math>j_l(x) = \sqrt{\frac{\pi}{2x}} J_{l+1/2}(x),\, n_l(x) = \sqrt{\frac{\pi}{2x}} N_{l+1/2}(x)</math>
を使うと、
<math>R(r) = a_{lm} j_l(kr) + b_{lm} n_l(kr)</math>
となる。最終的にヘルムホルツ方程式の解は、
<math>\psi(r,\theta,\varphi) = \sum_{l=0}^\infty \sum_{m=-l}^l (a_{lm} j_l(kr) + b_{lm} n_l(kr)) Y_{lm}(\theta,\varphi) </math>
となる。この式のそれぞれの項は確定した角運動量 <math>l</math> と角運動量の <math>z</math> 成分 <math>m</math> を持つ波動関数である。このように角運動量の固有状態で展開することを部分波展開という。
=== 平面波の部分波展開 ===
平面波 <math>e^{ikz}</math> はヘルムホルツ方程式を満たす。すなわち、
<math>e^{ikz} = e^{ikr\cos\theta} = \sum_{l=0}^\infty \sum_{m=-l}^l (a_{lm} j_l(kr) + b_{lm} n_l(kr)) Y_{lm}(\theta,\varphi) </math>
の形に変形することができる。まず、<math>r=0</math> で有限だから、<math>b_{lm}=0</math> である。また、左辺は <math>\varphi</math> に依存しないから、<math>m=0</math> である。よって、
<math>e^{ikr\cos\theta} = \sum_{l=0}^\infty a_l j_l(kr) P_l(\cos\theta) </math>
となる<ref>ここでは <math>Y_{lm}(\theta,\varphi) \propto P^{|m|}_l(\cos\theta) e^{im\varphi}</math> だけで十分である。規格化因子は重要ではないから、係数に吸収させた。</ref>。ここで、<math>x\to 0</math> で漸近的に
<math> j_l(x) \to \frac{x^l}{(2l+1)!!}\left(1-\frac{x^2}{2(2l+3)}+\cdots\right)</math>
となる。実際、
<math> J_{l+1/2}(x) = \sum_{k=0}^\infty \frac{(-1)^k}{k!\Gamma(l+k+3/2)}\left(\frac x 2\right)^{2k+l+1/2} \to \frac{1}{\Gamma(l+3/2)}\left(\frac x 2\right)^{l+1/2}</math>
より、
<math> j_l(x) = \sqrt{\frac{\pi}{2x}} J_{l+1/2}(x) \to \sqrt{\frac{\pi}{2x}}\frac{2^{l+1}}{(2l+1)!!\sqrt{\pi}}\left(\frac x 2\right)^{l+1/2} = \frac{x^l}{(2l+1)!!}</math>
となる。また、<math> P_l(\cos\theta) </math> の最高次 <math>\cos^l\theta</math> の係数は、<math>\frac{(2l)!!}{l!}</math> である<ref>[[物理数学II/特殊関数#Legendre 多項式]]を見よ</ref>から、
<math>\sum_{l=0}^\infty a_l j_l(kr) P_l(\cos\theta) \to \sum_{l=0}^\infty a_l \frac{(kr\cos\theta)^l}{(2l+1)l!}</math>
となる。また、
<math>e^{ikr\cos\theta} = \sum_{l=0}^\infty \frac{(ikr\cos\theta)^l}{l!}</math>
より、<math> a_l = (2l+1)i^l </math> を得る。したがって、
<math>e^{ikr\cos\theta} = \sum_{l=0}^\infty (2l+1)i^l j_l(kr) P_l(\cos\theta) </math>
を得る。
== 散乱 ==
平面波 <math>e^{ikz}</math> がポテンシャル <math>V(r)</math> に入射されて、散乱された波動関数は <math>r\to\infty</math> のところで、<math>f(\theta)\frac{e^{ikr}}{r}</math> の球面波の形をしている。波動関数は <math>r\to\infty</math> で
<math>\psi \to e^{ikz} + f(\theta)\frac{e^{ikr}}{r} </math>
に漸近する。<math>r\to\infty</math> ではポテンシャルの影響はなく自由粒子と仮定していいから、<math>\psi</math> はヘルムホルツ方程式の解に漸近する。入射波とポテンシャルは <math>\varphi</math> には依存しないから <math>m=0</math> である。したがって、
<math>\psi \to \sum_{l=0}^\infty (a_{l} j_l(kr) + b_{l} n_l(kr)) P_l(\cos\theta) </math>
と展開される。さらに、<math>r\to\infty </math> で
<math>\begin{align}
j_l(kr) &\to \frac{1}{kr}\sin\left(kr-\frac{l\pi}{2}\right),\\
n_l(kr) &\to -\frac{1}{kr}\cos\left(kr-\frac{l\pi}{2}\right)
\end{align}</math>
となることを使うと、
<math>\begin{align}\psi &\to \frac{1}{kr}\sum_{l=0}^\infty \left\{ a_l \sin\left(kr-\frac{l\pi}{2}\right) - b_l\cos\left(kr-\frac{l\pi}{2}\right) \right\} P_l(\cos\theta) \\
&= \frac{1}{kr}\sum_{l=0}^\infty c_l\sin\left(kr-\frac{l\pi}{2}+\delta_l\right) P_l(\cos\theta)
\end{align} </math>
となる。ここで <math>a_l = c_l \cos \delta_l, b_l = c_l \sin \delta_l </math> で、 <math>\delta_l</math> は位相のずれという。後述のように <math>c_l </math> は <math>\delta_l </math> によって決定されるから、<math>\delta_l </math> を求めることで波動関数が決定される。入射波 <math>e^{ikr\cos\theta} </math> も同じように部分波展開して、球面ベッセル関数の漸近形を使うと、
<math>\psi - e^{ikr\cos\theta} \to \frac{1}{2ikr}\sum_{l=0}^\infty [c_l(e^{i\delta_l}i^{-l}e^{ikr}-e^{-i\delta_l}i^{l}e^{-ikr})P_l(\cos\theta) - (2l+1)i^l(i^{-l}e^{ikr}-i^le^{-ikr})P_l(\cos\theta)]</math>
となる。<math>\psi - e^{ikr\cos\theta} </math> は外向きの散乱波である。したがって、内向き球面波の <math>\frac{e^{-ikr}}{r} </math> の部分の係数は0である必要がある。このことから <math>c_l </math> が決定できて、
<math>c_l = (2l+1)i^le^{i\delta_l} </math>
となる。これを代入すると、
<math>\psi \to \sum_{l=0}^\infty (2l+1)i^l e^{i\delta_l}(\cos\delta_l j_l(kr) - \sin\delta_l n_l(kr)) P_l(\cos\theta) </math>
となる。また、
<math>\psi - e^{ikr\cos\theta} = \frac{e^{ikr}}{2ikr}\sum_{l=0}^\infty (2l+1)(e^{2i\delta_l}-1)P_l(\cos\theta)</math>
を得る。すなわち、散乱振幅は
<math>f(\theta) = \frac{1}{2ik}\sum_{l=0}^\infty (2l+1)(e^{2i\delta_l}-1)P_l(\cos\theta)</math>
である。散乱断面積は
<math>\begin{align}
\sigma &= 2\pi \int_0^\pi |f(\theta)|^2\sin\theta d\theta\\
&= 2\pi\sum_{l=0}^\infty \int_0^\pi \frac{4k^2}{(2l+1)^2}|e^{2i\delta_l}-1|^2P_l(\cos\theta)^2\sin\theta d\theta\\
&= \frac{4\pi}{k^2}\sum_{l=0}^\infty (2l+1)\sin^2\delta_l
\end{align}</math>
となる。また、
<math>\operatorname{Im}f(0) = \frac{2l+1}{k}\sum_{l=0}^\infty \sin^2\delta_l</math>
より、
<math>\sigma = \frac{4\pi}{k}\operatorname{Im}f(0) </math>
を得る。これを光学定理という。
== ボルン近似 ==
ポテンシャル <math>V </math> が十分小さいときの散乱問題を考えよう。入射波を <math>\psi^{(0)} = e^{i\boldsymbol k \cdot \boldsymbol r}</math> 、散乱波 <math>\psi^{(1)}</math> は <math>V</math> と同次の量とする。
<math>\left(-\frac{\hbar^2}{2m} \triangle + V\right)(\psi^{(0)} + \psi^{(1)}) = E(\psi^{(0)} + \psi^{(1)})</math>
について、二次の微小量 <math>V\psi^{(1)}</math> を無視すると、
<math>-\frac{\hbar^2}{2m} \triangle \psi^{(1)} + V\psi^{(0)} = E \psi^{(1)}</math>
<math>\triangle \psi^{(1)} + k^2 \psi^{(1)} = \frac{2m}{\hbar^2} V\psi^{(0)} = \frac{2m}{\hbar^2} V e^{i\boldsymbol k \cdot \boldsymbol r}</math>
となる。ここで、
<math>-\frac{\hbar^2}{2m} \triangle \psi^{(0)} = E\psi^{(0)}</math>
が成り立つことを使った。
この方程式の解は、<math>R = |\boldsymbol r - \boldsymbol r'|</math> として
<math>\begin{align}\psi^{(1)}(\boldsymbol r) &= -\frac{m}{2\pi \hbar^2}\int V(\boldsymbol r') \psi^{(0)}(\boldsymbol r') e^{ikR} \frac{d^3\boldsymbol r'}{R}\\
&=-\frac{m}{2\pi \hbar^2}\int V(\boldsymbol r') e^{i(\boldsymbol k \cdot \boldsymbol r + kR)} \frac{d^3\boldsymbol r'}{R}
\end{align} </math>
となる。<math>r \gg r' </math> のときは <math>R = |\boldsymbol r - \boldsymbol r'| \approx r - \boldsymbol r' \cdot \boldsymbol n</math> となる。ここで、<math>\boldsymbol n </math> は <math>\boldsymbol r </math> 方向の単位ベクトルである。さらに、 <math>\frac 1 R \approx \frac 1 r </math> とする。そうすると、
<math>\psi^{(1)}(\boldsymbol r)
=-\frac{m}{2\pi \hbar^2}\frac{e^{ikr}}{r}\int V(\boldsymbol r') e^{i(\boldsymbol k - \boldsymbol k')\cdot \boldsymbol r'} d^3\boldsymbol r' </math>
を得る。ただし、<math>\boldsymbol k' = k \boldsymbol n </math> とした。最終的に散乱振幅は
<math>f=-\frac{m}{2\pi \hbar^2}\int V(\boldsymbol r) e^{-i\boldsymbol q\cdot \boldsymbol r} d^3\boldsymbol r </math>
で与えられる。<math>\boldsymbol q = \boldsymbol k' - \boldsymbol k </math> で <math>q= 2k \sin \frac{\theta}{2} </math> となる。微分散乱断面積は
<math>\frac{d\sigma}{d\Omega}=\frac{m^2}{4\pi^2 \hbar^4}\left|\int V(\boldsymbol r) e^{-i\boldsymbol q\cdot \boldsymbol r} d^3\boldsymbol r\right|^2 </math>
となる。
球対称ポテンシャル <math>V(r) </math> の場合は、積分を実行すると、
<math>\begin{align}
\int V(\boldsymbol r) e^{-i\boldsymbol q\cdot \boldsymbol r} d^3\boldsymbol r &= \int_0^\infty dr \int_0^{2\pi} d\varphi \int_0^\pi d\theta r^2 \sin\theta V(r) e^{-iqr\cos\theta}\\
&= 2\pi \int_0^\infty dr \, r^2 \left[\frac{1}{iqr}e^{-iqr\cos\theta}\right]_0^\pi \\
&=\frac{4\pi}{q}\int_0^\infty rV(r) \sin qr dr
\end{align} </math>
となるから、
<math>f=-\frac{2m}{\hbar^2 q}\int_0^\infty rV(r) \sin qr dr </math>
となる。
例として湯川ポテンシャル <math>V(r) = \frac{\alpha}{r} e^{-\mu r} </math> の場合の微分散乱断面積を計算しよう。
<math>\begin{align}
\int_0^\infty rV(r) \sin qr dr &= \int_0^\infty \alpha e^{-\mu r} \sin qr dr \\
&= \alpha \operatorname{Im} \int_0^\infty e^{-\mu r} e^{iqr} dr\\
&= \alpha \operatorname{Im} \left[\frac{e^{(-\mu + iq)r}}{qi-\mu} \right]_0^\infty \\
&= \alpha \operatorname{Im} \frac{1}{\mu- iq} = \frac{\alpha q}{\mu^2 + q^2}
\end{align} </math>
となる。したがって、
<math>\frac{d\sigma}{d\Omega}= \frac{4m^2}{\hbar^4} \frac{\alpha^2}{(\mu^2+q^2)^2} </math>
となる。散乱断面積は <math>q^2 = 2k^2(1-\cos\theta) </math> より、
<math>\begin{align}
\sigma &= 2\pi \int_0^\pi \frac{4 m^2 \alpha^2}{\hbar^4} \frac{\sin\theta d\theta}{(\mu^2 + 2k^2(1-\cos\theta))^2}\\
&= \frac{8\pi m^2 \alpha^2}{\hbar^4}\int_0^2 \frac{dx}{(\mu^2 + 2k^2 x)^2}\\
&= \frac{8\pi m^2 \alpha^2}{\hbar^4} \left[\frac{-1}{2k^2}\frac{1}{(\mu^2 + 2k^2 x)}\right]_0^2\\
&= \frac{16\pi m^2 \alpha^2}{\hbar^4}\frac{1}{\mu^2(\mu^2 + 4k^2)}
\end{align} </math>
となる。途中で <math>x=1-\cos\theta </math> とした。
また、<math>\mu \to 0 </math> とするとポテンシャルはクーロンポテンシャルとなり、
<math>\frac{d\sigma}{d\Omega}= \frac{4m^2 \alpha^2}{\hbar^4 q^4} = \left(\frac{m\alpha}{2\hbar^2 k^2}\right)^2 \frac{1}{\sin^4\frac \theta 2} </math>
となる。<math>E = \frac{\hbar^2 k^2}{2m} </math> とすると、<math>\frac{d\sigma}{d\Omega} = \left(\frac{\alpha}{4E}\right)^2 \frac{1}{\sin^4\frac \theta 2}</math> となり[[解析力学#ラザフォード散乱|古典力学でのラザフォード散乱の微分散乱断面積]]に完全に一致する。
==脚注==
<references />
{{stub}}
{{DEFAULTSORT:りようしりきかく}}
[[Category:量子力学|*]]
{{NDC|423}}
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Perl
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wikitext
text/x-wiki
{{Pathnav|メインページ|工学|情報技術|プログラミング|frame=1}}
{{Wikipedia|Perl}}
Perlは、広く使用されているプログラミング言語の1つです。その名前は、"Practical Extraction and Reporting Language"の頭字語から来ています。Perlは、UNIXシステムで最初に開発されたため、テキスト処理に適しています。Perlは、Web開発、システム管理、自動化、データ処理、バイオインフォマティクスなどのさまざまな用途で使用されています。
このPerlの教科書では、Perlの基本的な構文や制御構造、ファイル入出力、テキスト処理、正規表現、モジュールの作成などについて学ぶことができます。また、Webアプリケーションの開発に必要なCGIプログラミングや、データベースとの連携についても学ぶことができます。
Perlは、豊富な機能と柔軟性を備えたプログラミング言語であり、簡潔なコードで多くの作業を行うことができます。この教科書を通じて、Perlを効果的に活用するための基礎知識を身につけることができます。
# [[/はじめに|はじめに]]
## [[/はじめに#前提条件|前提条件]]
## [[/はじめに#実行環境|実行環境]]
## [[/はじめに#作成、実行の流れ|作成、実行の流れ]]
## [[/はじめに#Perlの基本機能の紹介|Perlの基本機能の紹介]]
# [[/制御構造|制御構造]]
## [[/制御構造#条件分岐|条件分岐]]
## [[/制御構造#ループ構造|ループ構造]]
## [[/制御構造#ループ制御|ループ制御]]
# [[/変数、データ構造|変数、データ構造]]
## [[/変数、データ構造#変数とは|変数とは]]
## [[/変数、データ構造#記法|記法]]
## [[/変数、データ構造#利用法|利用法]]
## [[/変数、データ構造#特殊変数|特殊変数]]
## [[/変数、データ構造#コンテキスト|コンテキスト]]
# [[/演算子|演算子]]
## [[/演算子#代入演算子|代入演算子 <nowiki>=</nowiki>]]
## [[/演算子#算術演算子|算術演算子 + - / * % ** ++ --]]
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## [[/演算子#文字列比較演算子|文字列比較演算子 eq ne le ge lt gt cmp]]
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# [[/関数|関数]]
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## [[Perl/CGI]]
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== 下位階層のページ ==
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*[[Perl/正規表現]]
*[[Perl/演算子]]
*[[Perl/統合版]]
*[[Perl/関数]]
*[[Perl/附録]]
== 外部リンク ==
* [https://www.cpan.org/ CPAN: The Comprehensive Perl Archive Network]
* [https://perldoc.jp/ 日本語perldoc]
{{DEFAULTSORT:PERL}}
[[Category:Perl|*]]
[[Category:スクリプティング言語]]
[[Category:プログラミング言語]]
{{NDC|007.64}}
rrcmakudkzc4mrmhvk3h5wsrz9nmk8h
料理本
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301342
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AkiR27User
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テンプレート削除、直接リンク追加。詳細は[[Wikibooks:談話室#孤立しているページについて]]まで
301342
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text/x-wiki
__NOTOC__ __NOEDITSECTION__
<!--INTRODUCTION-->
{{進捗状況}}{{蔵書一覧}}
<div style="margin: auto; display: table; text-align: center; border-spacing: 15px;">
<div style="display: table-cell; vertical-align: middle;">[[Image:Foodlogo.png|50px|]]</div>
<div style="display: table-cell; vertical-align: middle;"><span style="font-size: x-large;">Wikibooks 料理本</span><br />世界のレシピコレクション</div>
<div style="display: table-cell; vertical-align: middle;">[[Image:Foodlogo.png|50px|]]</div>
</div>
<div style="margin: auto; text-align: center; color: red">
'''現在は赤リンクが多く見通しが悪いため、[[料理本/簡易版]]を参照することをお勧めします'''
</div>
{{レシピカテゴリー}}
== 入門書 ==
* [[料理本/初歩の料理|初歩の料理]]
== 毎日の食卓 ==
*[[/朝食|朝食]]
*[[/昼食|昼食]]
*[[/夕食|夕食]]
*[[/10時のおやつ|10時のおやつ]]
*[[/3時のおやつ|3時のおやつ]]
*[[/夜食|夜食]]
== 食材&栄養 ==
=== 基礎食品群 ===
=== [[料理本/食材|食材]] ===
<div style="padding-left:2em;">
[[料理本/乳製品|乳製品と卵]]{{進捗|00%|2005-07-10}}、
[[料理本/穀類|穀類]]、
[[料理本/大豆|大豆]]、
[[料理本/肉類|肉類]]、
[[料理本/油|油と脂肪]]、
[[料理本/果実類|果実]]、
[[料理本/魚介類|魚介]]、
[[料理本/調味料|調味料]]、
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[[料理本/アルコール飲料|アルコール飲料]]{{進捗|00%|2005-07-10}}、
[[料理本/チョコレート|チョコレート]]、
[[料理本/コーヒー|コーヒー]]、
[[料理本/豆類|豆類]]、
[[料理本/ジャムとジェリー|ジャム&ジェリー]]、
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</div>
=== 栄養 ===
<div style="padding-left:2em;">
[[料理本/酸化防止剤|酸化防止剤]]、
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[[料理本/炭水化物|炭水化物]]、
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プロテイン、タンパク質、
[[料理本/ビタミン|ビタミン類]]
</div>
== 調理器具&調理法 ==
=== [[料理本/調理器具|調理器具]] ===
{{#Categorytree:調理器具|hideroot="on"|mode=pages}}
=== [[料理本/調理法|調理法]] ===
{{#Categorytree:調理法|hideroot="on"|mode=pages}}
== 料理本のサブページ ==
*[[料理本/お勧めレシピ]]
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*[[料理本/ラコン]]
*[[料理本/リングイネ・アラ・ペスカトーレ]]
*[[料理本/ヴォンゴレ・ネロ]]
*[[料理本/ヴォンゴレ・ヴェルデ]]
*[[料理本/保存が効く食品]]
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*[[料理本/安全]]
*[[料理本/日本の独特な食肉文化と制度]]
*[[料理本/衛生]]
*[[料理本/調味料の買い揃え]]
*[[料理本/調理器具の買い揃え]]
*[[料理本/豚汁]]
*[[料理本/食材のドイツ語表記]]
*[[料理本/食材の独仏伊表記]]
*[[料理本/香辛料の買い揃え]]
*[[料理本/𰻞𰻞麵]]
[[Category:料理本|*]]
{{NDC|596|りようりほん}}
aef6z7o4a50lkomudcvgkjnmkwbecqb
BASIC
0
1885
301344
291159
2026-07-08T12:51:31Z
Sakamoto-takaich
91918
/* GUIに対応したBASIC */
301344
wikitext
text/x-wiki
<small>[[情報技術]] > [[プログラミング]] > BASIC</small>
----
プログラミング言語[[w:BASIC|BASIC]](ベーシック)の使用法
== はじめに ==
=== BASICの分類 ===
BASICには大きく分けて、以下のように分類されます(ただ、BASICは数多の方言があるので、これは分類の一例)。
;ダートマスBASIC (DTBASIC):
:ダートマス大学で開発された最も初期のBASICの実装を指します。この時期のBASICは教育用や研究用途が主であり、基本的な数値計算や制御構造を提供し、TinyFORTRANインタプリタとしての性格が強くTSS環境で実行されました。
;マイコンBASIC (MicrocomputerBASIC):
:マイクロコンピューター向けに提供されたBASICの実装を指します。これらの実装は、ハードウェアに特化した機能や拡張が含まれており、ホビストだけでなくビジネスでも広く利用されました。
:代表的な実装には、N88-BASICやF-BASIC、MSX-BASICなどがあります。
;JIS規格BASIC:
:ANSI X3.60-1978「American National Standard for the Programming Language Minimal BASIC」を日本語に翻訳した JIS C 6207-1982「電子計算機プログラム言語 基本BASIC」1982年に日本工業規格によって JIS C 6207-1982 として制定されたJIS規格BASIC。
:マイコンBASICを基にしており、いくつかの機能や文法が追加されました。センター試験(数学)の出題に使われたので、日本の学校で使用されました。
:1993年に JIS X 3003-1993『電子計算機プログラム言語 Full BASIC (The Programming Language Full BASIC)』に改訂され廃止。
;Visual Basic
:Visual Basicは、1991年にマイクロソフトによって開発されたプログラミング言語です。マイコンBASICをベースに開発されており、GUI(グラフィカルユーザーインターフェイス)を作成するための機能が追加されています。Visual Basicは、Windowsアプリケーションの開発に広く使われています。
日本語ウィキブックスの本ページ『BASIC』では、主にマイコンBASICやJIS規格BASICを基準に、文法を説明しています。
その理由は、マイコンBASICは文法が単純で入門しやすく、また、古くからあるため、他のプログラミング言語にも応用しやすいためです。
== 歴史 ==
BASIC(Beginner's All-purpose Symbolic Instruction Code)は、ダートマス大学のジョン・ケメニーとトーマス・カーツによって開発されたプログラミング言語で、初学者が容易に学習できるように設計されました。その誕生から始まり、マイクロコンピュータの台頭や商用バージョンの登場を経て、様々な進化を遂げてきました。本節では、BASIC言語の発展と歴史的な変遷に焦点を当てます。
;1964年: ダートマス大学で、ジョン・ケメニー(John Kemeny)とトーマス・カーツ(Thomas Kurtz)によって開発されたBASICの最初のバージョンが使用された。これは、学生が容易にプログラミングを学ぶことを目的としていた。
;1965年: BASICの最初の商用バージョン、Dartmouth BASICがリリースされた。
;1970年: ジョン・ケメニーとトーマス・カーツによる改訂版のBASICがリリースされた。
;1971年: Altair BASICがリリースされ、マイクロソフトの創業者であるビル・ゲイツとポール・アレンによって開発された。これは、初めてのマイクロソフトの製品となった。
;1975年: マイクロソフトがBASICコンパイラの最初のバージョンをリリースし、これは後に「Microsoft BASIC」として知られるようになる。
;1977年: Apple IIがリリースされ、BASICが標準で搭載された最初のパーソナルコンピュータの1つとなった。
;1979年: ANSIによるBASICの標準化が試みられたが、失敗に終わった。
;1982年: MicrosoftがMSXコンピュータ用にMSX-BASICをリリース。
;1987年: ANSIがBASICの標準化を承認し、ANSI X3.113-1987として公開された。
;1991年: Visual Basicがマイクロソフトによってリリースされ、イベント駆動型のプログラミングを可能にするなど、大幅な機能向上がなされた。
;2008年: MicrosoftがSmall Basicと呼ばれるBASICの新しい教育向け言語をリリース。
;2010年: MicrosoftがVisual Basic 2010 Express Editionをリリース。これは、Visual Basicの新しいバージョンで、初心者向けのプログラミングを簡素化するための機能が追加されている。
;2017年: MicrosoftがVisual Basicの将来のサポートについての明確な計画を発表。将来の.NET Coreや.NET 5.0以降のリリースでは、VB.NETに対する主要な新機能の提供は見送られることが示された。
このように、BASICはその歴史の中で多くの変遷を経験し、多くのバージョンがリリースされてきました。その後も、さまざまな環境での利用や教育用途などで、いくつかの派生形が使用され続けています。
=== 標準規格化の歴史 ===
BASIC言語の標準規格化は、その普及とともに重要性を増してきました。標準化は、異なる実装間の互換性を確保し、開発者やユーザーに安定した環境を提供することを目的としています。本節では、BASIC言語の標準規格化に関する歴史を探求します。
;1978年: アメリカ国立標準協会(ANSI)は、BASIC言語の標準化を目指して標準化作業を開始する。
;1983年
:; ANSI X3.60-1983 Information Systems - Programming Languages - Minimal BASIC
:: アメリカ国立標準協会(ANSI)によって発行された初のBASIC言語の標準規格。
:: これは、BASICの規格化に関する最初の試みであるが、業界全体での受け入れには至らなかった。
;1987年
:; ANSI X3.113-1987 Information Systems - Programming Languages - Full BASIC;
:: ANSIによって発行された包括的なBASIC言語の標準規格。
:: 多くのBASIC実装で採用された。
;1991年
:; ISO/IEC 10279:1991 Information technology - Programming languages - Full BASIC
:: 国際標準化機構(ISO)および国際電気標準会議(IEC)によって発行された、BASIC言語の国際標準規格。
;1994年
:;ISO/IEC 10279:1991/Amd 1<nowiki>:</nowiki>1994 Information technology — Programming languages — Full BASIC — Amendment 1: Modules and single character input enhancement
:: ISO/IEC 10279:1991 のエラーコードの修正や追加、仕様の明確化などの修正。
;2000年代: 標準化作業は一段落し、BASIC言語の主流としての地位は相対的に低下していく。
=== GUIに対応したBASIC ===
GUIに対応したBASICとは、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を直接サポートするBASIC言語のことです。これらの言語は、ウィンドウやボタン、テキストボックスなどのGUIコンポーネントを使って、直感的で使いやすいGUIアプリケーションを開発することができます。代表的なGUIに対応したBASIC言語には、Visual Basic(VB)があります。
;VBのコード例:Form1にあるボタンをクリックすることでイベント発行し"Hello, World!をメッセージダイアログボックスに表示する。<syntaxhighlight lang=basic>
Public Class Form1
Private Sub Button1_Click(sender As Object, e As EventArgs) Handles Button1.Click
MessageBox.Show("Hello, World!")
End Sub
End Class
</syntaxhighlight>
一方、Small Basic(SB)はGUIに直接対応していません。SBは、主にテキストベースのプログラミングとシンプルなグラフィカル要素の制御に焦点を当てた教育用のプログラミング言語です。SBは初心者向けに設計されており、シンプルな構文や直感的な操作性を提供しますが、高度なGUI開発には適していません。SBは、プログラミングの基礎を学ぶための手段として位置付けられています。
;SBのコード例:コマンドラインに"Hello, World!を表示する。<syntaxhighlight lang=basic>
TextWindow.WriteLine("Hello, World!")
</syntaxhighlight>
=== マイコンBASICの入手方法 ===
マイコンBASICを入手する方法は、いくつかのアプローチがあります。一部のオプションは、かつて主流だったN-BASICやF-BASICなどの特定のBASIC実行環境を取得するためのものですが、その他のオプションはマイコンBASICの実行環境を再現したり、代替手段を提供することに焦点を当てています。
;フリーソフトウェア配布サイト: Vector(ベクター; https://www.vector.co.jp/ )などのインターネット上のフリーソフトウェア配布サイトでは、特定のBASIC実行環境ソフトウェアを無償または有償でダウンロードできる場合があります。
;オープンソースプロジェクト: FreeBASICやQB64などのオープンソースプロジェクトは、Microsoft Quick BASIC(MS-DOS時代)との互換性を提供し、マイコンBASICの実行環境を再現しています。これらのプロジェクトでは、BASICプログラミングを続けたり、新しいプロジェクトを始めたりすることができます。
;他の企業や個人によるアプリケーション: 他の企業や個人が開発したマイコンBASICの実行環境を再現したアプリケーションもあります。これらはフリーソフトウェア配布サイトなどで入手できる場合があります。
マイコンBASICの入手が困難になった背景には、以下のような理由が考えられます:
#ワープロソフトや表計算ソフト、はがき印刷ソフトなど、特定の用途に特化したアプリケーションソフトウェアが普及し、一般消費者がプログラミング言語を学ぶ必要がなくなったこと。
#ビジネスでプロブラムを作る人々が、より生産性の高い言語やツールを使用するようになったこと。
#主流となるコンピュータ環境が変化し、ROM BASICやDisk BASICからWindowsやMacintosh、OS/2などの新しいプラットフォームに移行したこと。
これらの理由により、マイコンBASICの需要が低下し、一般的なプログラミングニーズや技術環境の変化に適応する必要性が生じました<ref>中学校・高等学校の情報科や技術・家庭科で取り扱われる3言語は、[[JavaScript]]、[[Python]]それに[[Visual Basic for Applications]](ビジュアルベーシック・フォー・アプリケーションズ、VBA)ですが、VBAはマイコンBASICの範疇ではありません。</ref>。
== マイコンBASICでのプログラムの入力 ==
まず、使用するBASIC(ベーシック)を選び、起動して下さい。
BASICで画面に文字を表示するためには <code>PRINT</code> 文を使います。ただし、新しいBASICでは、まったく別のコマンド文になります。
BASICが起動すると、「Ok」「Ready」など(BASICや機種によって異なります)の文字の下に「■」(カーソル)が出ます。カーソルはカーソルキーの上下左右で移動できます。このカーソルが出ているときに、BASICのプログラムを編集できます。
では最初に、PRINT文を使って、画面に文字を表示させてみましょう。
:"Hello, World!をコマンド行に表示する<syntaxhighlight lang=basic>
PRINT "Hello BASIC"
</syntaxhighlight>
と入力してみてください。入力時の文字モードは、直接入力モードで入力してください。Windowsの場合、右下に、文字入力モードの切り替えのタブがあるので、そこをクリックして、直接入力モードを選んでから、上記のPRINT文を入力してください。
このように上記のPRINT文を入力し、RUN(「ラン」という。「起動せよ」の意味)を実行すると(実行方法は機種によって異なりますので、それぞれの機種を参考にしてください)、画面に '''Hello BASIC''' と表示されます。
同様に、新しい行で、画面の左端にカーソルがある状態で、
:コマンド行に2 + 3 = 5の答えてある。5を表示する<syntaxhighlight lang=basic>
PRINT 2+3
</syntaxhighlight>
のように入力してみて(最後にEnterキーを入力して改行します。機種によってはRETURNキー、CRキーとも言います。以下、同じなので省略します)、RUNを実行すると(実行方法はそれぞれの機種を参考にしてください)、'''5''' と計算の結果が表示されます。
このように、PRINT命令は、その直後にあるものを画面に表示します。
また、BASICでは、命令を実行することをRUN(ラン)と言います。英語の「走る」 RUN と同じ単語です。ランニング(走り)やランナー(走者)のランと同じです。
:いっぽう、ダブルコーテーションで囲む計算式はそのままで表示される。この場合、2 + 3の文字列だけやってて計算はされない<syntaxhighlight lang=basic>
PRINT "2+3"
</syntaxhighlight>
をRUNで実行すると、画面に"2+3"とそのまま表示されます。
つまり、二重引用符 " " は、「引用符内の文字列を、画面にそのまま表示しろ」という意味の記号です。
他のプログラミング言語でも、「print」という語をテキスト表示命令に用いるプログラミング言語は多いです。また、他のプログラミング言語でも、文字列を表示する場合は、二重引用符 " " で くくるのが、普通になっています。
もし、二重引用符でくくらないと、
;エラーが出る例:HalloとBASIGが、変数のみなされ、文字列として表示されないで定義エラーになる<syntaxhighlight lang=basic>
PRINT Hello BASIC
</syntaxhighlight>
は「エラーのある文なので実行不可能」的な報告を コンピューターから報告されたり、あるいは、まったく予期せぬ数値や文字が表示されるなどのエラーを起こします(例えばundefined)。
=== 行番号 ===
マイコンBASICでは、プログラムは「行番号+命令」の形でかかれます。行番号をつけないで入力すると、前述のように「命令を即実行して、終了」します。先頭に行番号をつけることで初めて、命令を組み合わせた「プログラム」として実行できるようになります。0未満の数や小数、分数は行番号にできません。
;簡単なプログラムの例:3 + 5 =8というコマンド行の表示を回答に出す<syntaxhighlight lang=basic>
5 CLS
10 PRINT "3+5=";
20 PRINT 3+5
30 END
</syntaxhighlight>
各行の最初についている数字が行番号です。10からはじめて10ずつ増やしていくのが一般的です。こうすれば、後から簡単に行を挿入することができます(ただし9行まで)。PRINT は前節で説明した通り画面に文字を出力する命令です。最後の END はプログラムの終了を表す命令で、省略可能なBASICも多いですが、そうでなければ必ず入れるようにします。
入力したら
:プログラムを実行する<syntaxhighlight lang=basic>
RUN
</syntaxhighlight>
と(行番号なしで)入力すると実行します。
このプログラムを実行させると、画面に「3+5= 8」と表示されます。
10行の最後についている ''';''' は、「改行'''しない'''」ことをコンピューターに通知します。これを取り除くと、実行したときに「3+5=」と「8」が別の行に表示されてしまいます。これを利用して、一行分空白にすることができます。
なお、マイコンBASICでは「:」を用いると次のようにも書けますが、現在では推奨されません。
:
:3+5イコールという文字列と答え8を表示して終了する<syntaxhighlight lang="basic">
5 CLS
10 PRINT "3+5=";:PRINT 3+5
20 END
</syntaxhighlight>
現在、一部の(再現)BASICでは、
:;により連続してデータを表示するように改良したもの
:<syntaxhighlight lang="basic">
5 CLS
10 PRINT "3+5=";3+5
20 END
</syntaxhighlight>
のように記述することができます。
なお、ENDはプログラムの終了を表す命令でしたので、たとえば、
:計算が行われる前に停止してしまう<syntaxhighlight lang=basic>
5 END
10 PRINT "3+5=";3+5
20 END
</syntaxhighlight>
のようなプログラムだと、「3+5=」を表示する前に、いきなり終了します。
=== 行番号が順番どおりでない場合 ===
:aaa20 bbb10の逆に表示される<syntaxhighlight lang=basic>
20 PRINT("aaa20")
10 PRINT ("bbb10")
</syntaxhighlight>
のように、行番号が順番どおりではない場合、どの行を優先して実行するのでしょうか?
現代のGUI対応のBASICでは、行番号のないものが多いのですが、その理由のひとつも、おそらく、このような、行番号と順序のちがう場合の混乱を防ぐためなど、それなりの理由があるのでしょう。renuberコマンドで行番号を追加した後、正しい業番号で実行番号の前後を調整することができる。
さて、たいていのマイコンBASICの場合、行番号の小さい順から先に実行すると思います(いくつかの再現BASICソフトで確認)。この場合、特にエラーメッセージなどは、出されません。
おそらく、マイコンBASICでは、ソフトウェアの内部では、プログラムの実行のさいしょに(つまりRUN命令の直後に)、まず行番号にもとづいて並べ替えを行って、
:<syntaxhighlight lang=basic>
10 PRINT ("bbb10")
20 PRINT("aaa20")
</syntaxhighlight>
のように並べ替えてから、それからやっと、上から順に実行をしているのでしょう。
つまり、これらのマイコンBASICは、プログラムを最初に実行する際、まず並べ替えを行っているのです。
もし、行数が10行ていどの少ないプログラムなら、それでもかまいませんし、気の利いた便利な機能でしょう。
しかし、もし百行や千行もあるプログラムを並べ替えるとなると、並べ替えには時間が掛かるので、プログラムの実行が終わるまでの時間が長引いてしまいます。
反対に言うと、行番号のないBASICの場合、そのぶん高速化をしている可能性があります(並べ替えの時間が省けるので)。
さらに言うと、行番号のあるBASICの使い道は、処理に時間が掛かってもいいので、処理の順序を確実にまちがいなく、自分以外の他のプログラマーにも伝えたいようなプログラムを書くときには、もしかしたら行番号のあるBASICが便利かもしれません。
=== プログラムの編集 ===
エディタのないマイコンBASICでは、
:<syntaxhighlight lang=basic>
LIST
</syntaxhighlight>
と入力すると、プログラム(プログラムリスト)を先頭の行からから表示します。
:<syntaxhighlight lang=basic>
LIST 10
</syntaxhighlight>
と入力すると10行目だけを、
:<syntaxhighlight lang=basic>
LIST 20-
</syntaxhighlight>
と入力すると20行目以降すべてを、
:<syntaxhighlight lang=basic>
LIST -20
</syntaxhighlight>
と入力すると先頭の行から20行目までを、
:<syntaxhighlight lang=basic>
LIST 20-30
</syntaxhighlight>
と入力すると20行目から30行目を表示します。
また、
:<syntaxhighlight lang="basic">
AUTO [行,[ステップ]]
</syntaxhighlight>
と入力すると、改行するたびに行番号を10ずつ増やして自動的に表示します。自動表示を停止させるのはBREAKキーを押します(機種によってはSTOPキーや、CTRL+STOPキーを同時押しなど、操作が多少異なります)。
* なぜ、こうなってるのか?
今でこそ、プログラムの実行結果の画面と、プログラム記述用のエディタ画面とは、別々の画面に分かれているのが普通です。
しかし、昔のパソコンでは、表示ウインドウが標準では1つしかありませんでした。そもそも「ウィンドウ」という概念すらなく、昔の古いプログラム言語では、実行結果の表示画面と、エディタ画面とが、同じひとつの画面だったりします。しかもコマンド入力機能がプログラム記述機能も兼ねていたり、あるいはパソコン本体にあるレバースイッチ(小型のレバースイッチがついていたりする)により、コマンド入力モード(「ターミナルモード」という)とプログラミングモードとを切り替えたりしていました。
現代でも、Windowsのコマンドプロンプトのような、OS付属のコマンド入力用アプリケーションでは、普通、ウィンドウは1つだけであり、そのたったひとつのウィンドウが、実行結果の表示画面と、コマンド入力画面とを兼ねています。
=== 新しいBASICでのプログラムの入力 ===
新しいBASICでは、プログラムを編集するためのエディタを持っており、これを入力に使います。エディタの概要や使い方自体は省略します。また、次のように「行番号を省略」できます。現在記録されているプログラムを消すためにはNewコマンドを入力する
:<syntaxhighlight lang=basic>
PRINT "3+5=";
PRINT 3+5
END
</syntaxhighlight>
プログラムの実行は、RUNではなく、エディタのメニューから「実行」を選択します。
マイコンBASICのように「命令を実行して、即終了」するには、中には「直接入力」(例: イミディエイト ウィンドウ )が簡単にできる新しいBASICもありますが、ほとんどの新しいBASICではエディタのメニューから対応した項目を選ぶ必要があります。
ここでは行番号付きのマイコンBASICの書式で説明します。
== 以下は基本的に古い形式で説明します ==
* ここで 古い形式を N-BASIC, MSX-BASIC とします。それ以降のBASICで働くように考慮します。
* 説明はストレートでわかりやすく、具体例を多く入れます。
* 出来るだけ専門用語を使いません。もし使うときは説明を入れます。
== 最初に ==
* BASICのプログラムは行単位で実行されます。
* 行の上から下に向かって実行されます(分岐などもあります)。
* STOP命令, END命令で実行が終了します。
* 空白にも意味がありますので注意しましょう。
※ 他のプログラム言語でも、似たような文法の言語は、多くあります。他のプログラム言語によくあるのは、主に、
:特別な指示がないかぎり、上から下に向かって順に実行される。
:空白に意味がある。
です。
== REM(コメント) ==
BASICのコメントは、プログラム内での説明やメモを記述するためのテキストです。これらのコメントはプログラムの実行時に無視されますが、コードの理解やメンテナンス、共同作業を支援します。
REM(Remarkの略)ステートメントによってコメントを書くことが一般的ですが、マイクロソフト系のBASICでは、
アポストロフィ(')もコメントに使用できます。アポストロフィを使ったコメントは、REMステートメントと同様にプログラムの実行時に無視されます。
例えば:
:<syntaxhighlight lang="basic">
10 REM この行は画面に「Hello, world!」と表示する
20 PRINT "Hello, world!"
30 ' これも同じく画面に「Hello, world!」と表示する
40 PRINT "Hello, world!" ’single quotes Hello, world!(コメント)
</syntaxhighlight>
上記の例では、REMステートメントとアポストロフィの両方を使って、同じ意味のコメントを追加しています。
どちらの方法でも、プログラムの実行時にコメントは無視され、PRINTステートメントが実行されます。
BASICにおけるコメントの利用は、プログラムの可読性やメンテナンス性を向上させるために非常に重要です。コメントを適切に活用することで、他の人がコードを理解しやすくなりますし、自分自身も後でコードを振り返った際に追いやすくなります。
また、BASICではコメントを使ってプログラムの一部を一時的に無効化することもできます。これは、デバッグの際に特定のコードを実行させないようにしたり、あるいはプログラムの一部をテストしたりする際に役立ちます。
コメントは、プログラムのどこにでも追加することができますが、コードの意味や目的を明確にするためには、適切な位置に追加することが重要です。また、コメントは必要最小限に留めることが望ましいです。過度なコメントはコードを読みにくくする可能性がありますので、コード自体が自己説明的であることが理想的です。
== PRINT命令 ==
BASICのPRINT命令は、画面に文字列や数値を表示するために使用されます。以下に、BASICのPRINT命令の使い方とコード例を示します。
=== PRINT命令の使い方 ===
PRINT命令は、次のように使用します。
:<syntaxhighlight lang=basic>
PRINT expression1 [, expression2 [, expression3, ...]]
</syntaxhighlight>
ここで、<code>expression1</code>, <code>expression2</code>, <code>expression3</code>などは、表示したい文字列、数値、変数、または式です。カンマで区切って複数の値を指定することができます。PRINT命令は、指定された順番に値を画面に表示します。
=== コード例 ===
:実行例 Hello , world The value of is:10 The sum of 3 and 5 The value of x is:<syntaxhighlight lang="basic">10 PRINT "Hello, world!" ' 文字列の表示
20 LET x = 10 ' 変数に値を代入
30 PRINT "The value of x is: ", x ' 変数の値を表示
40 PRINT "The sum of 3 and 5 is: ", 3 + 5 ' 式の結果を表示
60 PRINT "The value of x is: "; ' (;) で終わると改行しない
70 PRINT x ' 変数の値を表示</syntaxhighlight>
上記のコー The vued!" を表示し、次に変数xの値を表示しています。また、最後のPRINT命令では、3と5の和を表示する式を使用しています。
=== Microsoft系の簡略表記 ===
Microsoft系のBASICでは、PRINT命令を <code>?</code> と簡略して記述することができます。
また、セミコロン(;)を使うことで、改行を抑止する事ができます。
:<syntaxhighlight lang=basic>
10 ? "Hello, world!" ' 文字列の表示
20 LET x = 10 ' 変数に値を代入
30 ? "The value of x is: ", x ' 変数の値を表示
40 ? "The sum of 3 and 5 is: ", 3 + 5 ' 式の結果を表示
60 ? "The value of x is: "; ' (;) で終わると改行しない
70 ? x ' 変数の値を表示
</syntaxhighlight>
上記の例では、<code>?</code> を使用してPRINT命令を簡略化し、セミコロン(;)を使用して改行を抑止しています。
これにより、コードをより短く、読みやすくすることができます。
== 変数 ==
'''変数'''は、数値や文字などのデータを入れておく箱のようなものです。
変数の名前には、以下のような規則があります。
* アルファベットから始まる。
*: 1ABC などは不可
* アルファベットと数字で構成される。(記号と空白は不可)
*: A:B PI3.14 などは不可
* BASIC内で使用されている命令名と重複しない。
*: PRINT などは不可
* 変数名の大文字と小文字は区別されない。
*: ABCとaBcは同じ変数と解釈される。
また、マイコンBASICや簡易なBASICでは、機種によって変数名の長さに「2文字以下」「8文字以下」という制限があります。
== 入力 INPUT ==
キーボードから入力するには、INPUT文を使います。
:<syntaxhighlight lang=basic>
5 REM これは 数値をキー入力して、変数Aに代入、そして変数Aを表示する。
10 INPUT A
20 PRINT A
30 END
</syntaxhighlight>
10 INPUT A では、数値変数Aに キーボードから入力した数値を代入します。
このような書き方も出来ます。
:<syntaxhighlight lang=basic>
10 INPUT "数値を入力して下さい ",A
20 PRINT A
30 END
</syntaxhighlight>
入力を促す文字列を表示してから、入力に入ります。
== 代入と計算 ==
'''変数'''は、数値や文字などのデータを入れておく箱のようなものです。
:15, 9, 36, 4が表示される<syntaxhighlight lang=basic>
10 A=12
20 B=3
30 PRINT A+B
40 PRINT A-B
50 PRINT A*B
60 PRINT A/B
70 END
</syntaxhighlight>
このプログラムは、変数 A に 12、変数 B に 3 を代入し、足し算・引き算・掛け算・割り算の結果を表示する物です(順に、15 9 36 4 と表示されます)。
変数への代入は '''=''' を使用します。上のプログラムでは直接数字を代入しましたが、計算式(変数を使用するものも含む)を評価した値を代入することができます。
BASICにおける代入とは、「記号=の右辺の計算式を評価した値を、記号=の左辺の変数に割当てよ」という意味です。
そのため、
12 = A
という命令はエラーになります。
かならず、代入先の変数は、記号=の左辺にある必要があります。
また、右辺にある計算式を、記号=の左にある変数に代入するので、
A=A+1
のように、自分自身を用いた式を代入することもできます。もし、「A+1=A」という順序だと、エラーになります。
:<syntaxhighlight lang=basic>
10 A=12
20 A=A+1
30 PRINT A
40 END
</syntaxhighlight>
を実行すると、計算結果(12+1)の「13」が表示されるでしょう。
なお、変数への代入は「LET」命令で、
A=12
は
LET A=12
なのですが、JIS規格BASICを除いて、ほとんどの新旧のBASICを問わず、LETは省略可能です。
計算の記号は、足し算には'''+'''、引き算には'''-'''、掛け算には'''*'''、割り算には,'''/''' の記号が割り当てられています。余りは「'''MOD'''」(モジェロ)です。
括弧()を使う事が出来ます。計算の順序に迷ったら括弧を使うようにしましょう。
100 A=(10+2)/4
将来的に、LET文のある他のプログラミング言語の学習のことを考えて、LET文をつかって上記のプログラムを書いてみましょう。
:<syntaxhighlight lang=basic>
10 LET A=12
20 LET B=3
30 PRINT A+B
40 PRINT A-B
50 PRINT A*B
60 PRINT A/B
70 END
</syntaxhighlight>
== 入力命令 ==
利用者からキーボードで数値を入力してもらうには、INPUT 文を使います。
INPUT命令を使って数値または文字列(変数名$)を入力させる場合、
;例
INPUT "ここに文字を表示させることも可能";変数名
PRINT "入力した数値(文字列)は";変数名;"です"
とします。
(プログラム例)
:<syntaxhighlight lang=basic>
10 INPUT "数値を入力してください" ;A
20 PRINT "入力された数値は"
30 PRINT A
40 PRINT "です。"
50 END
</syntaxhighlight>
または
:<syntaxhighlight lang=basic>
5 PRINT "数値を入力してください"
10 INPUT A
20 PRINT "入力された数値は"
30 PRINT A
40 PRINT "です。"
50 END
</syntaxhighlight>
== 変数の初期化 ==
たとえば、上のプログラムを実行したあとに、
PRINT A
を実行すると、さきほど入力した変数が出るかもしれません。
この理由は、メモリ内に、以前に使用した変数が、そのまま残っているからです。
つまり、プログラムを終了しても、それだけでは変数の内容は消去されません。
命令 NEW を使うと、BASICで扱っている変数にすべてゼロ 0 を代入し、初期化(しょきか)します。
もし、上の節のプログラムの実行直後に、まったく別のプログラムを実行する必要があったとして、そこでも同じ変数名の変数が使われていたとしたら、その変数は初期化をしていないと、エラーの原因になってしまいます。
まったく別のプログラムでも、同じ変数名「A」や「B」を、まったく別の内容で使うこともありますので、必要に応じて NEW 命令を使いましょう。
外部記憶装置には、input#、オープン文を使う
:<syntaxhighlight lang=basic>
10 NEW
20 LET A=7
30 PRINT A+9
40 END
</syntaxhighlight>
と書いて実行すれば、このプログラムの実行前にどんなプログラムで変数「A」を用いていようが、それを初期化できます。
なお、上記のプログラムの実行結果として、計算結果として「16」が表示されます。
このプログラムの場合なら、わざわざNEWで変数Aを初期化しなくても、その次の行で <nowiki>A=7</nowiki>と記述しているので、じつは初期化の必要はありません。
ですが、作ろうとするプログラムが複雑になってくると、あつかう変数の個数が多くなり、変数ひとつずつ初期化をするのが大変になる場合もありますし、個数が多いと一つづつ初期化する方法だと、初期化しわすれる変数も出て来るかもしれません。
なので、ねんのため、 NEW 命令で、いっきに、すべての変数を初期化してしまいましょう。初期化される対象は、そのBASICで扱っている「変数」だけですので、安心しても平気です。
なお、下記のように、もし計算途中に、NEWを入れると、
(あまり、よくないプログラム)
:<syntaxhighlight lang=basic>
20 LET A=7
25 NEW
30 PRINT A+9
40 END
</syntaxhighlight>
このプログラムなら、PRINT命令で「9」が表示されたりします。なぜならAが初期化されてしまい、Aに0が代入されているからです。
なお、現在のプログラム言語では、NEW命令は別の意味で使われています。
なお、計算作業のときに、初期の瞬間の状態に対応する数値のことを、科学技術用語で「初期値」(しょきち、initial value イニシャル バリュー)といいます。ファミコンソフトなどのゲーム業界などでも、ゲーム開始状態の主人公のライフ(生命力)値とかの数値をまとめて「初期パラメーター」などといいますね。それと同じことです。
理科などでは、たとえばボールを投げた瞬間のボールの速度のこと「初期速度」と言います。
もし、現代のプログラム言語のなかの命令文の語句で、「init」などの語句があったら、それはもしかしたら、初期値(※ 英語で initial value )のことかもしれません。
== 条件分岐 IF THEN ELSE ==
「もし、明日 晴れだったなら、遠足。そうでなく、雨だったらなら、教室で自習。」のような場合わけを条件分岐(じょうけん ぶんき)といいます。
プログラム中である条件に当てはまるかで実行する内容を変えるときには '''IF'''~'''THEN'''~'''ELSE'''文 を使用します。
条件分岐では IF という語句をほぼかならず使うので、条件分岐命令のことを「IF文」とも言います。「IF」とは、「イフ」と読み、「もし 〜〜 ならば、」という意味の英語の接続詞です(日本では、中学校の英語の授業で 接続詞 IF を習うでしょう)。
THEN は「そうであれば〜〜」という意味です。ELSE は「そうでなければ〜〜」という意味です。なお、THENは「ゼン」と読み、ELSEは「エルス」と読みます。
ほかのプログラム言語でも、条件分岐命令のことを普通は「IF文」と言います。
:<syntaxhighlight lang=basic>
10 A=0
20 B=3
30 IF A > B THEN PRINT "A is bigger than B" ELSE PRINT "B is bigger than A"
</syntaxhighlight>
ここで使っているA > Bの '''>''' は'''比較演算子'''(ひかく えんざんし)といい、数値の比較に使います。
{| class="wikitable"
|-
! 演算子 !! 意味 !! 数学の記号
|-
| A '''=''' B || AとBは等しい || A=B
|-
| A '''>''' B || AはBより大きい || A>B
|-
| A '''<''' B || AはBより小さい || A<B
|-
| A '''>=''' B || AはB以上 || A≧B
|-
| A '''<=''' B || AはB以下 || A≦B
|-
| A '''<>''' B || AとBは等しくない || A≠B
|}
他のプログラム言語でも、IF文 の考え方と 比較演算子 の考えかたは、ほぼかならず使います。なので、いまここのBASICの学習で、比較演算子の考え方を、しっかりと理解しましょう。
IF文は、IFとTHENの間に条件式を書き、THENから条件式が成立するときの命令を書きます。そして成立しなかったときのことはその後ろにELSEに続けて書きます。
例の30行目は、もし A > Bが成立すればPRINT "A is bigger than B"を実行し、もし成立しなければPRINT "B is bigger than A"を実行するという意味であります。文字列の場合は、
IF 変数名$="" THEN 真の場合の行番号または命令 ELSE 偽の場合の行番号または命令
PRINT命令の場合、PRINTを省略(THEN "内容"のように)できます。
なお、ELSEは省略できます。
複数行にわたってしか書けないものを実行させたい場合、GOTO命令(後述)を使い行を飛ばす必要があります(この場合、GOTOと書くのを省略して、行番号だけでも書けます)。
== 分岐 GOTO ==
無条件でジャンプします。
条件分岐ではない、強制の分岐には'''GOTO'''命令を使います。「GOTO」は「ゴー トゥー」と読みます。GOTOの後に行番号を入れると、対応する行の命令を実行します。
:<syntaxhighlight lang=basic>
10 GOTO 30
20 PRINT "1"
30 PRINT "2"
40 END
</syntaxhighlight>
このプログラムを実行すると20行目がスキップされ、30行目が実行されて、画面に「2」とだけ表示します。
:<syntaxhighlight lang=basic>
10 GOTO 40
20 PRINT "1"
30 GOTO 60
40 PRINT "2"
50 GOTO 20
60 END
</syntaxhighlight>
このプログラムを実行すると、画面に「2」「1」と表示します。が、このようにGOTOの飛び先が入り組んだプログラムは「スパゲティ・プログラム」と呼ばれて、「他の人が見てもプログラムの構造を一目では把握しづらい」ために、通常のプログラムでは 禁じ手(きんじて) とされています。
:<syntaxhighlight lang=basic>
10 PRINT "1"
20 PRINT "2"
30 GOTO 10
40 END
</syntaxhighlight>
このプログラムを実行すると、画面に「1」「2」を表示し続けます。このように「終了せずに、実行し続ける」プログラムを「無限ループ」と呼びます。表示を止めるには、マイコンBASICではAUTO命令を止めるときと同様に「BREAK」などのキーを押してください。新しいBASICではメニューから「停止」を選択します(Visual Basicなどでは無限ループを書くとそのまま問答無用で応答不能になってしまうものもありますので、アプリケーションを強制終了させるか、CTRL+ALT+DELするなどしてOSから強制終了させてください)。
新しいBASICでもGOTO命令は使用できますが、推奨はされません。
どうしてもGOTO文を使う必要のある場合には、REM文などによるコメント機能も活用しましょう。GOTO文の前の行で、REM文による説明で、GOTO文の行き先を説明したり、あるいは処理しようとしている内容などを記述すると、他の人がプログラム内容を把握しやすくなるでしょう。
== 繰り返し FOR NEXT ==
プログラム中で同じ処理を繰り返す場合には、'''FOR'''~'''NEXT''' 文を使用します。
:<syntaxhighlight lang=basic>
10 J=0
20 FOR N=1 TO 5
30 J=J+N
40 PRINT "N=";N;" J=";J
50 NEXT N
60 END
</syntaxhighlight>
この例は、FORからNEXTの間を繰り返します。回数は、1から5までの5回。もしSTEPを指定してあれば、増量値の設定ができます。
これを実行すると以下の様に表示されます。
FORの直後の変数(上記の場合はN)と、NEXTの直後の変数は、同じ変数でなければなりません。
:<syntaxhighlight lang=text>
N= 1 J= 1
N= 2 J= 3
N= 3 J= 6
N= 4 J= 10
N= 5 J= 15
</syntaxhighlight>
FOR 文の構文は以下の様になります。
FOR 変数=初期値 TO 最終値 STEP 変更量
上の文のうち、「STEP 変更量」は省略できます。省略されたときには変数は1づつ変化します。
変数が初期値から最終値まで変化し、その各値ごとに NEXT までの文が実行されます。
== DATA文 ==
INPUT文で毎回データ入力するのは大変です。
プログラムの中に記録することが出来ます。
DATA文、READ文、RESTORE文 です。
:<syntaxhighlight lang=basic>
20 READ A
30 PRINT A
40 DATA 1,2,3
</syntaxhighlight>
20行でDATA文から1個読み込んで変数Aに代入します。30行で表示します、この例では「1」が表示されます。もし次に読み込んだなら「2」が読み込まれます。
:<syntaxhighlight lang=basic>
10 RESTORE 50
20 READ A
30 PRINT A
40 DATA 1,2,3
50 DATA 4,5,6
</syntaxhighlight>
10行のRESTOREでDATA文の読み込み先を指定します、ここでは50行から読み込みます。20行で読んで、30行で表示。この例では「4」が表示されます。普通は FOR NEXT文などを使って 連続して読み込みます。
DATA文の考え方は、ファイル操作のシーケンシャルファイルと似ています。
== サブルーチン GOSUB ==
同じ内容のプログラムは、まとめてサブルーチンにする事ができます、GOSUBです。
:<syntaxhighlight lang=basic>
110 INPUT A
120 GOSUB 200
130 PRINT A
150 END
200 REM サブルーチン
210 A=A*2
220 RETURN
</syntaxhighlight>
プログラムの動きを行番号で書きます。 110 120 200 210 220 130 150 。順番に注目。
RETURNを使うとGOSUBの次に戻ります。高度なベーシックでは引き数の形を識別して違うファンクションを動かすことができる。また受け取りができる。これにより構造化プログラミング、サブルーチンライブラリーが構成される。実用としては、プログラミング中に言語としてのコマンド関数として使うような感覚で用いることができる
== 関数 ==
BASICの関数は、特定の入力値を受け取り、処理を行い、その結果を返す手続きです。
これらの関数は、プログラム内で再利用可能な小さなサブルーチンとして使用されます。
以下に、いくつかの一般的なBASICの関数を表形式で解説します。
:{| class=wikitable
|+ 一般的なBASICの関数
|-
!関数!!説明!!使用例
|-
!ABS
|渡された数値の絶対値を返します。||x = ABS(-10)
|-
!SIN
|渡された角度の正弦を返します。||x = SIN(30)
|-
!COS
|渡された角度の余弦を返します。||x = COS(45)
|-
!TAN
|渡された角度の正接を返します。||x = TAN(60)
|-
!INT
|渡された数値の整数部分を返します。||x = INT(5.7)
|-
!RND
|0から1までのランダムな浮動小数点数を返します。||x = RND
|-
!LEN
|渡された文字列の長さを返します。||x = LEN("Hello")
|-
!LEFT
|渡された文字列の左端から指定された数の文字を取得します。||x = LEFT("Hello", 2)
|-
!RIGHT
|渡された文字列の右端から指定された数の文字を取得します。||x = RIGHT("Hello", 3)
|-
!MID
|渡された文字列から指定された位置と長さの部分文字列を取得します。||x = MID("Hello", 2, 3)
|-
!DATE
|現在の日付を返します。||x = DATE
|-
!TIME
|現在の時刻を返します。||x = TIME
|-
!DATEDIFF
|2つの日付の間の日数を返します。||x = DATEDIFF("2023-01-01", "2022-12-31")
|}
これらの関数は、BASICプログラムで様々な計算や処理を行う際に使用されます。例えば、数値の操作、文字列の処理、日付や時刻の取得など、多岐に渡る用途に活用されます。
;コード例:<syntaxhighlight lang=basic>
10 INPUT A
20 B=ABS(A)
30 PRINT B
50 END
</syntaxhighlight>
ABS()は絶対値を返す関数です。
== 文字列操作 $ ==
ここまでの説明で、数値のみを扱いました。ここでは、文字の入力、表示、操作を説明します。
=== 文字定数と文字変数 ===
文字を表す時は""で囲みます。
"これは文字です"
文字を表す文字列変数では、変数名の末尾に$を付けます。
A$="文字列"
=== 文字列の結合 ===
文の足し算が出来ます。
10 A$="今日は"
20 B$="晴れ。"
30 C$=A$+B$
40 PRINT C$
50 END
文字の入力と表示
10 INPUT A$
20 PRINT A$
30 END
=== 文字列の関数と変換 ===
BASICでは文字列の便利な関数があります。
ASC(x$)
RIGHT$(x$,y)
LEFT$(x$,y)
MID$(x$,y,z)
LEN(x$)
STR$(x)
VAL(x$)
CHR$(x)
TAB(x)
== 浮動小数点 # ==
ここまでは数値の整数で行いました。
割り算で割り切れないときに扱う小数点の処理、浮動小数点の定数、変数について説明します。誤差についても。
BASICでは小数点を付けると、小数点付きの実数として扱われます。
100 PI=3.14
100 A=3.14
200 PRINT A
400 END
;誤差
コンピューターの計算では誤差が発生します。
誤差の程度は機種によって異なります。
10 A=10.0/7.0
20 B=A*7.0
30 PRINT A
40 PRINT B
50 END
== 配列 DIM ==
住所録のようなものを作るときに使います。同じような変数をたくさん作るときに、変数が多くて大変です。そこで配列変数(はいれつ へんすう)を使います。
使い方は、最初に配列変数を宣言します。例えば DIM a(3)と書いたなら、変数a(1) a(2) a(3)の3個の配列変数が使えるようになります(BASICの種類によってはa(0)も使えるものがあります)。
「DIM」とは次元 DIMENSION の略のことです。DIMの部分が、配列宣言の命令です。DIM a(3)の「a」の部分は変数名ですので、べつにbでもcでも、かまいません。
DIM a(3)のカッコとカッコ内の部分を「添え字」(そえじ)と言います。
配列変数の便利な所は、数値で書いた部分に数値変数を使って、例えば、a(i)のように使う事ができ、ループなどと組合わせれば多数の変数を一度に扱うことが出来ます。
10 DIM A(10)
20 FOR I=1 to 10
30 A(I)=I*2
40 NEXT I
50 FOR J=1 TO 10
60 PRINT A(I)
70 NEXT J
90 END
これは、一次元配列の例です。
10 DIM NAMAE$(3)
20 DIM NO(3)
30 FOR I=1 TO 3
40 INPUT "NAMAE";NAMAE$(I)
50 INPUT "BANGO";NO(I)
60 NEXT I
70 FOR I=1 TO 3
80 PRINT NAMAE$(I),NO(I)
90 NEXT I
100 END
これは、3人の名前と番号を入力して、表示するプログラムコードです。配列を使うことにより、簡潔に書くことが出来ます。簡単に人数を多くすることが出来ます。改良して住所録のように作り変えることも容易です。
配列には、このような一次元配列の他に二次元、3次元配列もあります。
== あとがき ==
ここでは、始めての人が雰囲気をつかめるように基本の中の初歩を最低限に書きました。そして、初級と応用は別の本につづきます。
== 補足 ==
=== 複数行のIF文 ===
現在では構造化BASICもあります。これは条件文が成立すればTHENからENDIFあるいはELSEまでの部分を実行して、成立しなければELSEからENDIFまでを実行するもので、例のプログラムは
10 A=0
20 B=3
30 '''IF''' A > B '''THEN'''
40 PRINT "A is bigger than B"
50 '''ELSE'''
60 PRINT "B is bigger than A"
70 '''ENDIF'''
80 END
と書けて、非常に見やすくなります。ただし、必ずしも使えるものではありません。マイコンBASICでは1行で書く方法しか使えません。
=== マルチステートメント ===
(:)で区切って、一行に多くのコマンドを書く事ができます。ただし、これはマイコンBASICの文法なのであまり使わない方が良いでしょう。
{{-}}
== マルチメディア関係 ==
円や直線などの画像を表示したり、音声を鳴らしたりなどの機能の命令は、BASIC対応のパソコンを作っている会社ごとに違っていました。ハードウェア側の性能にも関係することであり、そのため、仕様統一しきれなかったのです。
一応、BASICの国際規格も存在していますが、実際には、この規格に従ってないBASICも多いです。おそらく、特に、画像表示や音声などのマルチメディア関係の機能では、そのような規格外の仕様が多いでしょう。
このwikibooks日本語版『BASIC』では、日本の読者を対象にしていることもあり、日本で普及した日本産パソコンのハードウェアを想定して、BASICの、画像表示や音声などのマルチメディア関係のプログラムを記述します。
=== グラフィック関連 ===
==== 直線 ====
:※ BASICの書籍が入手できないので、記憶とネット上の情報に頼って記述しております。
N88BASIC互換のBASICならば、画像をつくるときは、
LINE (100,130)-(200,230),1
のように記述することで、画像で直線を引けます。
内容は、
LINE(始点のx座標、始点のy座標)-(終点のx座標、終点のy座標)、色番号
です。
気をつけることとして、画面の左上が座標(0,0)です。右下に行くにつれて、座標の値が大きくなります。
色番号は、一般に、
:0 黒
:1 青
:2 赤
:3 紫
:4 緑
:5 水色
:6 黄色
:7 白
です。色番号のことを「パレット番号」ともいいます。
背景色が標準設定では黒でしょうから、色番号が0(黒)だと、線が見えないかもしれません。
LINE (100,130)-(200,230),1
は、青色の直線を引きます。
LINE (100,130)-(200,230),2
は、赤色の直線を引きます。
LINE (100,130)-(200,230),2,B
とすると、長方形の枠線のみを描きます。その長方形の対角線の座標が、(100,130)から(200,230)というわけです。
BはBOXの意味です。
この命令 LINE (100,130)-(200,230),2,B では、対角線は、描かれません。また、塗りつぶしも、されません。
塗りつぶしをするには、「B」ではなく「BF」にします。
LINE (100,130)-(200,230),2,BF
FはFILLの意味です。
==== 円 ====
書式は
CIRCLE (中心のx座標,中心のy座標),半径,色
です。
たとえば、
CIRCLE (250,180),50,2
で、(250,180)座標を中心とする半径50の赤い(色番号: 2)円を書きます。
円弧を描くには、
CIRCLE (中心のx座標,中心のy座標),半径,色,開始角,終了角
の構文を利用します。
角度の測り方は、数学のxy座標での角度の測り方と同じで、右を0度として、半時計まわり(左まわり)です。角度の単位は、ラジアン です。約3.14で半円になります(BASICのソフトウェアの種類によっては、違うかもしれません。それぞれのソフトウェアごとに確認してください。)。
まだラジアンを習っていない中学生のかたは、この節は飛ばしましょう。
5 CLS
10 CIRCLE (250,180),50,2,0,3.14
と書けば、半円弧が描かれます。
楕円(だえん)または楕円弧を書くには、
10 CIRCLE (250,180),50,2,0,3.14,2
のようにします。
CIRCLE命令は、
CIRCLE (中心のx座標,中心のy座標),半径,色,開始角,終了角,比率
という書式になっています。
比率は、縦と横の比率であり、1だと正円になります。1より大きいと縦長の楕円になり、1より小さいと横長の楕円になります。
塗りつぶすには、
==== 点のプロット ====
命令「PSET」を使うと、指定した位置に、点をひとつ追加します。
書式は
PSET(x座標,y座標),色番号
です。
PSETの活用方法は通常、次のように、FOR文などの繰り返し文とくみあわせて、計算式などの結果の作図をするのに使用するでしょう。
10 FOR N=0 TO 50
20 PSET(200+N,100+0.01*N*N),1
30 NEXT N
40 END
=== 音 ===
BEEP
と入力すると、「プツッ」とか「ピー」とかの音を鳴らします。ビープ音といいます。
== 乱数 ==
「RND()」で、0から1までの小数を含む乱数を発生させます。
RND(1)のように、括弧の中に数字を入れて使用します。
10 X = RND (1)
20 PRINT X
のように使用します。
サイコロをつくるには(1から6の整数だけを出すプログラムをつくるには)、乱数命令に、整数化の命令などと組み合わせます。
ループさせていますが、INPUT 命令を使ってEnterキーを押すごとに次の乱数を表示させています。RND()は、実際には1の値が生成されることは、ほとんど無いと思われるのでこのプログラムになります。割り込みキー(BREAKキーやESCキー)で実行が終了します。
10 X = INT(RND(1) * 6 + 1)
20 PRINT X
30 INPUT Y
40 GOTO 10
== 1970〜80年代のパソコン事情が背景にある ==
BASICは、形式的には、BASICはプログラム言語であるとして分類されています。しかし、実際には、マイコンBASICを21世紀に再現したBASICでは、他のプログラム言語にはない、画像表示の機能が充実しています。これはどういう事かというと、再現BASICでは、画像表示の命令を実行する際には、OSの画像表示の機能を呼び出して、使っているのです。一般的に、プログラムを通しての画像表示についての仕様は、各OSごとにバラバラです。そのため、BASICのインタプリタ自体の作成者は、それぞれのOSごとに、BASICインタプリタを作りなおす必要があります。このため、再現BASICには、Windows版しかインタプリタの作られてない再現BASICもあります。
そもそも、実際のマイコンBASICの流行した1970年代ごろは、21世紀の今とはパソコン販売の状況が違っています。1970年代ごろの当時は、まだOS(オペレーティング システム)が高度化する前だったこともあり、さらに、OSとパソコン本体がくっついて販売されていたこともあり、1970年代ごろは、BASICが販売されているパソコンと一緒に、OSと一緒にパソコン本体に組み込まれている状態で、販売されていました。
このため、実際の1970〜80年代に市販されていたパソコンに組み込まれていたBASICでは、画面に円や直線などを表示したりする画像表示の命令や、ブザー音を鳴らすなど命令なども、簡単にプログラム記述できるようになっています。
本来、画像表示のための処理は、ディスプレイの種類ごとに、解像度がバラバラだったりするので、パソコン内部動作を分ける必要があるので、オペレーティングシステムの機能を使って、画像を表示したりすることになります。
しかし、当時のBASICでは、オペレーティングシステムの仕組みを、意識する必要はありませんでした。なぜなら、特定企業のパソコンに組み込まれた状態でBASICが配布されていたので、その特定企業のディスプレイやスピーカーといったハードウェアを、簡単に制御できるように、BASICが改良してあったのです。
このような事情のため、そもそも当時のほとんどの消費者は、そもそもオペレーティング システムいう概念すら知りませんでした。
このように、BASICの機能の背景には、1970〜80年当時のパソコン事情があります。
1970年当時は、各パソコン会社のBASICが最初から特定の自社パソコンに対応した状態で、パソコンに組み込まれていて販売されていたので、BASICから直接オペレーティングシステムの機能を利用できるわけです。このため、1970年ごろのBASICの機能は、現在の「プログラム言語」とは、やや違っています。
さて21世紀の現在、プログラムで画像を表示したり、あるいは音声を鳴らしたりなどのプログラムを記述したい場合には、オペレーティングシステムの機能を活用する必要があります。OSの機能を使うためのコマンド群である「API」(エー ピー アイ)といいます。つまり、再現BASICのインタプリタ作成者は、(おそらく)APIを駆使して、再現BASICの画像表示や音声機能などを、作っているのです。
オペレーティングシステムには、ウィンドウズやマックOSやリナックスなど、色々とありますが、それぞれのOSごとに仕組みが違うので、プログラムの記述作業も、それぞれのOSごとに、プログラムを分ける必要があります。
上述のようなパソコン事情が、1970年頃と現代では大きく違うので、もはやBASICだけでは、高度なアプリケーションを作ろうとしても、あまり簡単には作れなくなってしまいました。
なので、もし、21世紀の現代の人が、独学でBASICを学ぶ場合は、けっしてマイコンBASICだけで満足せずに、なるべく、C言語を学んだり、さらに、その後の時代の他のプログラム言語も学びましょう。
== 参考リンク ==
{{stub|it}}
[[Category:BASIC|*]]
[[Category:プログラミング言語]]
[[Category:乱数]]
{{NDC|007.64}}
l9e8wwtq58n762bemgq0qdrdb2emyua
301358
301344
2026-07-08T17:38:54Z
Sakamoto-takaich
91918
/* 繰り返し FOR NEXT */
301358
wikitext
text/x-wiki
<small>[[情報技術]] > [[プログラミング]] > BASIC</small>
----
プログラミング言語[[w:BASIC|BASIC]](ベーシック)の使用法
== はじめに ==
=== BASICの分類 ===
BASICには大きく分けて、以下のように分類されます(ただ、BASICは数多の方言があるので、これは分類の一例)。
;ダートマスBASIC (DTBASIC):
:ダートマス大学で開発された最も初期のBASICの実装を指します。この時期のBASICは教育用や研究用途が主であり、基本的な数値計算や制御構造を提供し、TinyFORTRANインタプリタとしての性格が強くTSS環境で実行されました。
;マイコンBASIC (MicrocomputerBASIC):
:マイクロコンピューター向けに提供されたBASICの実装を指します。これらの実装は、ハードウェアに特化した機能や拡張が含まれており、ホビストだけでなくビジネスでも広く利用されました。
:代表的な実装には、N88-BASICやF-BASIC、MSX-BASICなどがあります。
;JIS規格BASIC:
:ANSI X3.60-1978「American National Standard for the Programming Language Minimal BASIC」を日本語に翻訳した JIS C 6207-1982「電子計算機プログラム言語 基本BASIC」1982年に日本工業規格によって JIS C 6207-1982 として制定されたJIS規格BASIC。
:マイコンBASICを基にしており、いくつかの機能や文法が追加されました。センター試験(数学)の出題に使われたので、日本の学校で使用されました。
:1993年に JIS X 3003-1993『電子計算機プログラム言語 Full BASIC (The Programming Language Full BASIC)』に改訂され廃止。
;Visual Basic
:Visual Basicは、1991年にマイクロソフトによって開発されたプログラミング言語です。マイコンBASICをベースに開発されており、GUI(グラフィカルユーザーインターフェイス)を作成するための機能が追加されています。Visual Basicは、Windowsアプリケーションの開発に広く使われています。
日本語ウィキブックスの本ページ『BASIC』では、主にマイコンBASICやJIS規格BASICを基準に、文法を説明しています。
その理由は、マイコンBASICは文法が単純で入門しやすく、また、古くからあるため、他のプログラミング言語にも応用しやすいためです。
== 歴史 ==
BASIC(Beginner's All-purpose Symbolic Instruction Code)は、ダートマス大学のジョン・ケメニーとトーマス・カーツによって開発されたプログラミング言語で、初学者が容易に学習できるように設計されました。その誕生から始まり、マイクロコンピュータの台頭や商用バージョンの登場を経て、様々な進化を遂げてきました。本節では、BASIC言語の発展と歴史的な変遷に焦点を当てます。
;1964年: ダートマス大学で、ジョン・ケメニー(John Kemeny)とトーマス・カーツ(Thomas Kurtz)によって開発されたBASICの最初のバージョンが使用された。これは、学生が容易にプログラミングを学ぶことを目的としていた。
;1965年: BASICの最初の商用バージョン、Dartmouth BASICがリリースされた。
;1970年: ジョン・ケメニーとトーマス・カーツによる改訂版のBASICがリリースされた。
;1971年: Altair BASICがリリースされ、マイクロソフトの創業者であるビル・ゲイツとポール・アレンによって開発された。これは、初めてのマイクロソフトの製品となった。
;1975年: マイクロソフトがBASICコンパイラの最初のバージョンをリリースし、これは後に「Microsoft BASIC」として知られるようになる。
;1977年: Apple IIがリリースされ、BASICが標準で搭載された最初のパーソナルコンピュータの1つとなった。
;1979年: ANSIによるBASICの標準化が試みられたが、失敗に終わった。
;1982年: MicrosoftがMSXコンピュータ用にMSX-BASICをリリース。
;1987年: ANSIがBASICの標準化を承認し、ANSI X3.113-1987として公開された。
;1991年: Visual Basicがマイクロソフトによってリリースされ、イベント駆動型のプログラミングを可能にするなど、大幅な機能向上がなされた。
;2008年: MicrosoftがSmall Basicと呼ばれるBASICの新しい教育向け言語をリリース。
;2010年: MicrosoftがVisual Basic 2010 Express Editionをリリース。これは、Visual Basicの新しいバージョンで、初心者向けのプログラミングを簡素化するための機能が追加されている。
;2017年: MicrosoftがVisual Basicの将来のサポートについての明確な計画を発表。将来の.NET Coreや.NET 5.0以降のリリースでは、VB.NETに対する主要な新機能の提供は見送られることが示された。
このように、BASICはその歴史の中で多くの変遷を経験し、多くのバージョンがリリースされてきました。その後も、さまざまな環境での利用や教育用途などで、いくつかの派生形が使用され続けています。
=== 標準規格化の歴史 ===
BASIC言語の標準規格化は、その普及とともに重要性を増してきました。標準化は、異なる実装間の互換性を確保し、開発者やユーザーに安定した環境を提供することを目的としています。本節では、BASIC言語の標準規格化に関する歴史を探求します。
;1978年: アメリカ国立標準協会(ANSI)は、BASIC言語の標準化を目指して標準化作業を開始する。
;1983年
:; ANSI X3.60-1983 Information Systems - Programming Languages - Minimal BASIC
:: アメリカ国立標準協会(ANSI)によって発行された初のBASIC言語の標準規格。
:: これは、BASICの規格化に関する最初の試みであるが、業界全体での受け入れには至らなかった。
;1987年
:; ANSI X3.113-1987 Information Systems - Programming Languages - Full BASIC;
:: ANSIによって発行された包括的なBASIC言語の標準規格。
:: 多くのBASIC実装で採用された。
;1991年
:; ISO/IEC 10279:1991 Information technology - Programming languages - Full BASIC
:: 国際標準化機構(ISO)および国際電気標準会議(IEC)によって発行された、BASIC言語の国際標準規格。
;1994年
:;ISO/IEC 10279:1991/Amd 1<nowiki>:</nowiki>1994 Information technology — Programming languages — Full BASIC — Amendment 1: Modules and single character input enhancement
:: ISO/IEC 10279:1991 のエラーコードの修正や追加、仕様の明確化などの修正。
;2000年代: 標準化作業は一段落し、BASIC言語の主流としての地位は相対的に低下していく。
=== GUIに対応したBASIC ===
GUIに対応したBASICとは、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を直接サポートするBASIC言語のことです。これらの言語は、ウィンドウやボタン、テキストボックスなどのGUIコンポーネントを使って、直感的で使いやすいGUIアプリケーションを開発することができます。代表的なGUIに対応したBASIC言語には、Visual Basic(VB)があります。
;VBのコード例:Form1にあるボタンをクリックすることでイベント発行し"Hello, World!をメッセージダイアログボックスに表示する。<syntaxhighlight lang=basic>
Public Class Form1
Private Sub Button1_Click(sender As Object, e As EventArgs) Handles Button1.Click
MessageBox.Show("Hello, World!")
End Sub
End Class
</syntaxhighlight>
一方、Small Basic(SB)はGUIに直接対応していません。SBは、主にテキストベースのプログラミングとシンプルなグラフィカル要素の制御に焦点を当てた教育用のプログラミング言語です。SBは初心者向けに設計されており、シンプルな構文や直感的な操作性を提供しますが、高度なGUI開発には適していません。SBは、プログラミングの基礎を学ぶための手段として位置付けられています。
;SBのコード例:コマンドラインに"Hello, World!を表示する。<syntaxhighlight lang=basic>
TextWindow.WriteLine("Hello, World!")
</syntaxhighlight>
=== マイコンBASICの入手方法 ===
マイコンBASICを入手する方法は、いくつかのアプローチがあります。一部のオプションは、かつて主流だったN-BASICやF-BASICなどの特定のBASIC実行環境を取得するためのものですが、その他のオプションはマイコンBASICの実行環境を再現したり、代替手段を提供することに焦点を当てています。
;フリーソフトウェア配布サイト: Vector(ベクター; https://www.vector.co.jp/ )などのインターネット上のフリーソフトウェア配布サイトでは、特定のBASIC実行環境ソフトウェアを無償または有償でダウンロードできる場合があります。
;オープンソースプロジェクト: FreeBASICやQB64などのオープンソースプロジェクトは、Microsoft Quick BASIC(MS-DOS時代)との互換性を提供し、マイコンBASICの実行環境を再現しています。これらのプロジェクトでは、BASICプログラミングを続けたり、新しいプロジェクトを始めたりすることができます。
;他の企業や個人によるアプリケーション: 他の企業や個人が開発したマイコンBASICの実行環境を再現したアプリケーションもあります。これらはフリーソフトウェア配布サイトなどで入手できる場合があります。
マイコンBASICの入手が困難になった背景には、以下のような理由が考えられます:
#ワープロソフトや表計算ソフト、はがき印刷ソフトなど、特定の用途に特化したアプリケーションソフトウェアが普及し、一般消費者がプログラミング言語を学ぶ必要がなくなったこと。
#ビジネスでプロブラムを作る人々が、より生産性の高い言語やツールを使用するようになったこと。
#主流となるコンピュータ環境が変化し、ROM BASICやDisk BASICからWindowsやMacintosh、OS/2などの新しいプラットフォームに移行したこと。
これらの理由により、マイコンBASICの需要が低下し、一般的なプログラミングニーズや技術環境の変化に適応する必要性が生じました<ref>中学校・高等学校の情報科や技術・家庭科で取り扱われる3言語は、[[JavaScript]]、[[Python]]それに[[Visual Basic for Applications]](ビジュアルベーシック・フォー・アプリケーションズ、VBA)ですが、VBAはマイコンBASICの範疇ではありません。</ref>。
== マイコンBASICでのプログラムの入力 ==
まず、使用するBASIC(ベーシック)を選び、起動して下さい。
BASICで画面に文字を表示するためには <code>PRINT</code> 文を使います。ただし、新しいBASICでは、まったく別のコマンド文になります。
BASICが起動すると、「Ok」「Ready」など(BASICや機種によって異なります)の文字の下に「■」(カーソル)が出ます。カーソルはカーソルキーの上下左右で移動できます。このカーソルが出ているときに、BASICのプログラムを編集できます。
では最初に、PRINT文を使って、画面に文字を表示させてみましょう。
:"Hello, World!をコマンド行に表示する<syntaxhighlight lang=basic>
PRINT "Hello BASIC"
</syntaxhighlight>
と入力してみてください。入力時の文字モードは、直接入力モードで入力してください。Windowsの場合、右下に、文字入力モードの切り替えのタブがあるので、そこをクリックして、直接入力モードを選んでから、上記のPRINT文を入力してください。
このように上記のPRINT文を入力し、RUN(「ラン」という。「起動せよ」の意味)を実行すると(実行方法は機種によって異なりますので、それぞれの機種を参考にしてください)、画面に '''Hello BASIC''' と表示されます。
同様に、新しい行で、画面の左端にカーソルがある状態で、
:コマンド行に2 + 3 = 5の答えてある。5を表示する<syntaxhighlight lang=basic>
PRINT 2+3
</syntaxhighlight>
のように入力してみて(最後にEnterキーを入力して改行します。機種によってはRETURNキー、CRキーとも言います。以下、同じなので省略します)、RUNを実行すると(実行方法はそれぞれの機種を参考にしてください)、'''5''' と計算の結果が表示されます。
このように、PRINT命令は、その直後にあるものを画面に表示します。
また、BASICでは、命令を実行することをRUN(ラン)と言います。英語の「走る」 RUN と同じ単語です。ランニング(走り)やランナー(走者)のランと同じです。
:いっぽう、ダブルコーテーションで囲む計算式はそのままで表示される。この場合、2 + 3の文字列だけやってて計算はされない<syntaxhighlight lang=basic>
PRINT "2+3"
</syntaxhighlight>
をRUNで実行すると、画面に"2+3"とそのまま表示されます。
つまり、二重引用符 " " は、「引用符内の文字列を、画面にそのまま表示しろ」という意味の記号です。
他のプログラミング言語でも、「print」という語をテキスト表示命令に用いるプログラミング言語は多いです。また、他のプログラミング言語でも、文字列を表示する場合は、二重引用符 " " で くくるのが、普通になっています。
もし、二重引用符でくくらないと、
;エラーが出る例:HalloとBASIGが、変数のみなされ、文字列として表示されないで定義エラーになる<syntaxhighlight lang=basic>
PRINT Hello BASIC
</syntaxhighlight>
は「エラーのある文なので実行不可能」的な報告を コンピューターから報告されたり、あるいは、まったく予期せぬ数値や文字が表示されるなどのエラーを起こします(例えばundefined)。
=== 行番号 ===
マイコンBASICでは、プログラムは「行番号+命令」の形でかかれます。行番号をつけないで入力すると、前述のように「命令を即実行して、終了」します。先頭に行番号をつけることで初めて、命令を組み合わせた「プログラム」として実行できるようになります。0未満の数や小数、分数は行番号にできません。
;簡単なプログラムの例:3 + 5 =8というコマンド行の表示を回答に出す<syntaxhighlight lang=basic>
5 CLS
10 PRINT "3+5=";
20 PRINT 3+5
30 END
</syntaxhighlight>
各行の最初についている数字が行番号です。10からはじめて10ずつ増やしていくのが一般的です。こうすれば、後から簡単に行を挿入することができます(ただし9行まで)。PRINT は前節で説明した通り画面に文字を出力する命令です。最後の END はプログラムの終了を表す命令で、省略可能なBASICも多いですが、そうでなければ必ず入れるようにします。
入力したら
:プログラムを実行する<syntaxhighlight lang=basic>
RUN
</syntaxhighlight>
と(行番号なしで)入力すると実行します。
このプログラムを実行させると、画面に「3+5= 8」と表示されます。
10行の最後についている ''';''' は、「改行'''しない'''」ことをコンピューターに通知します。これを取り除くと、実行したときに「3+5=」と「8」が別の行に表示されてしまいます。これを利用して、一行分空白にすることができます。
なお、マイコンBASICでは「:」を用いると次のようにも書けますが、現在では推奨されません。
:
:3+5イコールという文字列と答え8を表示して終了する<syntaxhighlight lang="basic">
5 CLS
10 PRINT "3+5=";:PRINT 3+5
20 END
</syntaxhighlight>
現在、一部の(再現)BASICでは、
:;により連続してデータを表示するように改良したもの
:<syntaxhighlight lang="basic">
5 CLS
10 PRINT "3+5=";3+5
20 END
</syntaxhighlight>
のように記述することができます。
なお、ENDはプログラムの終了を表す命令でしたので、たとえば、
:計算が行われる前に停止してしまう<syntaxhighlight lang=basic>
5 END
10 PRINT "3+5=";3+5
20 END
</syntaxhighlight>
のようなプログラムだと、「3+5=」を表示する前に、いきなり終了します。
=== 行番号が順番どおりでない場合 ===
:aaa20 bbb10の逆に表示される<syntaxhighlight lang=basic>
20 PRINT("aaa20")
10 PRINT ("bbb10")
</syntaxhighlight>
のように、行番号が順番どおりではない場合、どの行を優先して実行するのでしょうか?
現代のGUI対応のBASICでは、行番号のないものが多いのですが、その理由のひとつも、おそらく、このような、行番号と順序のちがう場合の混乱を防ぐためなど、それなりの理由があるのでしょう。renuberコマンドで行番号を追加した後、正しい業番号で実行番号の前後を調整することができる。
さて、たいていのマイコンBASICの場合、行番号の小さい順から先に実行すると思います(いくつかの再現BASICソフトで確認)。この場合、特にエラーメッセージなどは、出されません。
おそらく、マイコンBASICでは、ソフトウェアの内部では、プログラムの実行のさいしょに(つまりRUN命令の直後に)、まず行番号にもとづいて並べ替えを行って、
:<syntaxhighlight lang=basic>
10 PRINT ("bbb10")
20 PRINT("aaa20")
</syntaxhighlight>
のように並べ替えてから、それからやっと、上から順に実行をしているのでしょう。
つまり、これらのマイコンBASICは、プログラムを最初に実行する際、まず並べ替えを行っているのです。
もし、行数が10行ていどの少ないプログラムなら、それでもかまいませんし、気の利いた便利な機能でしょう。
しかし、もし百行や千行もあるプログラムを並べ替えるとなると、並べ替えには時間が掛かるので、プログラムの実行が終わるまでの時間が長引いてしまいます。
反対に言うと、行番号のないBASICの場合、そのぶん高速化をしている可能性があります(並べ替えの時間が省けるので)。
さらに言うと、行番号のあるBASICの使い道は、処理に時間が掛かってもいいので、処理の順序を確実にまちがいなく、自分以外の他のプログラマーにも伝えたいようなプログラムを書くときには、もしかしたら行番号のあるBASICが便利かもしれません。
=== プログラムの編集 ===
エディタのないマイコンBASICでは、
:<syntaxhighlight lang=basic>
LIST
</syntaxhighlight>
と入力すると、プログラム(プログラムリスト)を先頭の行からから表示します。
:<syntaxhighlight lang=basic>
LIST 10
</syntaxhighlight>
と入力すると10行目だけを、
:<syntaxhighlight lang=basic>
LIST 20-
</syntaxhighlight>
と入力すると20行目以降すべてを、
:<syntaxhighlight lang=basic>
LIST -20
</syntaxhighlight>
と入力すると先頭の行から20行目までを、
:<syntaxhighlight lang=basic>
LIST 20-30
</syntaxhighlight>
と入力すると20行目から30行目を表示します。
また、
:<syntaxhighlight lang="basic">
AUTO [行,[ステップ]]
</syntaxhighlight>
と入力すると、改行するたびに行番号を10ずつ増やして自動的に表示します。自動表示を停止させるのはBREAKキーを押します(機種によってはSTOPキーや、CTRL+STOPキーを同時押しなど、操作が多少異なります)。
* なぜ、こうなってるのか?
今でこそ、プログラムの実行結果の画面と、プログラム記述用のエディタ画面とは、別々の画面に分かれているのが普通です。
しかし、昔のパソコンでは、表示ウインドウが標準では1つしかありませんでした。そもそも「ウィンドウ」という概念すらなく、昔の古いプログラム言語では、実行結果の表示画面と、エディタ画面とが、同じひとつの画面だったりします。しかもコマンド入力機能がプログラム記述機能も兼ねていたり、あるいはパソコン本体にあるレバースイッチ(小型のレバースイッチがついていたりする)により、コマンド入力モード(「ターミナルモード」という)とプログラミングモードとを切り替えたりしていました。
現代でも、Windowsのコマンドプロンプトのような、OS付属のコマンド入力用アプリケーションでは、普通、ウィンドウは1つだけであり、そのたったひとつのウィンドウが、実行結果の表示画面と、コマンド入力画面とを兼ねています。
=== 新しいBASICでのプログラムの入力 ===
新しいBASICでは、プログラムを編集するためのエディタを持っており、これを入力に使います。エディタの概要や使い方自体は省略します。また、次のように「行番号を省略」できます。現在記録されているプログラムを消すためにはNewコマンドを入力する
:<syntaxhighlight lang=basic>
PRINT "3+5=";
PRINT 3+5
END
</syntaxhighlight>
プログラムの実行は、RUNではなく、エディタのメニューから「実行」を選択します。
マイコンBASICのように「命令を実行して、即終了」するには、中には「直接入力」(例: イミディエイト ウィンドウ )が簡単にできる新しいBASICもありますが、ほとんどの新しいBASICではエディタのメニューから対応した項目を選ぶ必要があります。
ここでは行番号付きのマイコンBASICの書式で説明します。
== 以下は基本的に古い形式で説明します ==
* ここで 古い形式を N-BASIC, MSX-BASIC とします。それ以降のBASICで働くように考慮します。
* 説明はストレートでわかりやすく、具体例を多く入れます。
* 出来るだけ専門用語を使いません。もし使うときは説明を入れます。
== 最初に ==
* BASICのプログラムは行単位で実行されます。
* 行の上から下に向かって実行されます(分岐などもあります)。
* STOP命令, END命令で実行が終了します。
* 空白にも意味がありますので注意しましょう。
※ 他のプログラム言語でも、似たような文法の言語は、多くあります。他のプログラム言語によくあるのは、主に、
:特別な指示がないかぎり、上から下に向かって順に実行される。
:空白に意味がある。
です。
== REM(コメント) ==
BASICのコメントは、プログラム内での説明やメモを記述するためのテキストです。これらのコメントはプログラムの実行時に無視されますが、コードの理解やメンテナンス、共同作業を支援します。
REM(Remarkの略)ステートメントによってコメントを書くことが一般的ですが、マイクロソフト系のBASICでは、
アポストロフィ(')もコメントに使用できます。アポストロフィを使ったコメントは、REMステートメントと同様にプログラムの実行時に無視されます。
例えば:
:<syntaxhighlight lang="basic">
10 REM この行は画面に「Hello, world!」と表示する
20 PRINT "Hello, world!"
30 ' これも同じく画面に「Hello, world!」と表示する
40 PRINT "Hello, world!" ’single quotes Hello, world!(コメント)
</syntaxhighlight>
上記の例では、REMステートメントとアポストロフィの両方を使って、同じ意味のコメントを追加しています。
どちらの方法でも、プログラムの実行時にコメントは無視され、PRINTステートメントが実行されます。
BASICにおけるコメントの利用は、プログラムの可読性やメンテナンス性を向上させるために非常に重要です。コメントを適切に活用することで、他の人がコードを理解しやすくなりますし、自分自身も後でコードを振り返った際に追いやすくなります。
また、BASICではコメントを使ってプログラムの一部を一時的に無効化することもできます。これは、デバッグの際に特定のコードを実行させないようにしたり、あるいはプログラムの一部をテストしたりする際に役立ちます。
コメントは、プログラムのどこにでも追加することができますが、コードの意味や目的を明確にするためには、適切な位置に追加することが重要です。また、コメントは必要最小限に留めることが望ましいです。過度なコメントはコードを読みにくくする可能性がありますので、コード自体が自己説明的であることが理想的です。
== PRINT命令 ==
BASICのPRINT命令は、画面に文字列や数値を表示するために使用されます。以下に、BASICのPRINT命令の使い方とコード例を示します。
=== PRINT命令の使い方 ===
PRINT命令は、次のように使用します。
:<syntaxhighlight lang=basic>
PRINT expression1 [, expression2 [, expression3, ...]]
</syntaxhighlight>
ここで、<code>expression1</code>, <code>expression2</code>, <code>expression3</code>などは、表示したい文字列、数値、変数、または式です。カンマで区切って複数の値を指定することができます。PRINT命令は、指定された順番に値を画面に表示します。
=== コード例 ===
:実行例 Hello , world The value of is:10 The sum of 3 and 5 The value of x is:<syntaxhighlight lang="basic">10 PRINT "Hello, world!" ' 文字列の表示
20 LET x = 10 ' 変数に値を代入
30 PRINT "The value of x is: ", x ' 変数の値を表示
40 PRINT "The sum of 3 and 5 is: ", 3 + 5 ' 式の結果を表示
60 PRINT "The value of x is: "; ' (;) で終わると改行しない
70 PRINT x ' 変数の値を表示</syntaxhighlight>
上記のコー The vued!" を表示し、次に変数xの値を表示しています。また、最後のPRINT命令では、3と5の和を表示する式を使用しています。
=== Microsoft系の簡略表記 ===
Microsoft系のBASICでは、PRINT命令を <code>?</code> と簡略して記述することができます。
また、セミコロン(;)を使うことで、改行を抑止する事ができます。
:<syntaxhighlight lang=basic>
10 ? "Hello, world!" ' 文字列の表示
20 LET x = 10 ' 変数に値を代入
30 ? "The value of x is: ", x ' 変数の値を表示
40 ? "The sum of 3 and 5 is: ", 3 + 5 ' 式の結果を表示
60 ? "The value of x is: "; ' (;) で終わると改行しない
70 ? x ' 変数の値を表示
</syntaxhighlight>
上記の例では、<code>?</code> を使用してPRINT命令を簡略化し、セミコロン(;)を使用して改行を抑止しています。
これにより、コードをより短く、読みやすくすることができます。
== 変数 ==
'''変数'''は、数値や文字などのデータを入れておく箱のようなものです。
変数の名前には、以下のような規則があります。
* アルファベットから始まる。
*: 1ABC などは不可
* アルファベットと数字で構成される。(記号と空白は不可)
*: A:B PI3.14 などは不可
* BASIC内で使用されている命令名と重複しない。
*: PRINT などは不可
* 変数名の大文字と小文字は区別されない。
*: ABCとaBcは同じ変数と解釈される。
また、マイコンBASICや簡易なBASICでは、機種によって変数名の長さに「2文字以下」「8文字以下」という制限があります。
== 入力 INPUT ==
キーボードから入力するには、INPUT文を使います。
:<syntaxhighlight lang=basic>
5 REM これは 数値をキー入力して、変数Aに代入、そして変数Aを表示する。
10 INPUT A
20 PRINT A
30 END
</syntaxhighlight>
10 INPUT A では、数値変数Aに キーボードから入力した数値を代入します。
このような書き方も出来ます。
:<syntaxhighlight lang=basic>
10 INPUT "数値を入力して下さい ",A
20 PRINT A
30 END
</syntaxhighlight>
入力を促す文字列を表示してから、入力に入ります。
== 代入と計算 ==
'''変数'''は、数値や文字などのデータを入れておく箱のようなものです。
:15, 9, 36, 4が表示される<syntaxhighlight lang=basic>
10 A=12
20 B=3
30 PRINT A+B
40 PRINT A-B
50 PRINT A*B
60 PRINT A/B
70 END
</syntaxhighlight>
このプログラムは、変数 A に 12、変数 B に 3 を代入し、足し算・引き算・掛け算・割り算の結果を表示する物です(順に、15 9 36 4 と表示されます)。
変数への代入は '''=''' を使用します。上のプログラムでは直接数字を代入しましたが、計算式(変数を使用するものも含む)を評価した値を代入することができます。
BASICにおける代入とは、「記号=の右辺の計算式を評価した値を、記号=の左辺の変数に割当てよ」という意味です。
そのため、
12 = A
という命令はエラーになります。
かならず、代入先の変数は、記号=の左辺にある必要があります。
また、右辺にある計算式を、記号=の左にある変数に代入するので、
A=A+1
のように、自分自身を用いた式を代入することもできます。もし、「A+1=A」という順序だと、エラーになります。
:<syntaxhighlight lang=basic>
10 A=12
20 A=A+1
30 PRINT A
40 END
</syntaxhighlight>
を実行すると、計算結果(12+1)の「13」が表示されるでしょう。
なお、変数への代入は「LET」命令で、
A=12
は
LET A=12
なのですが、JIS規格BASICを除いて、ほとんどの新旧のBASICを問わず、LETは省略可能です。
計算の記号は、足し算には'''+'''、引き算には'''-'''、掛け算には'''*'''、割り算には,'''/''' の記号が割り当てられています。余りは「'''MOD'''」(モジェロ)です。
括弧()を使う事が出来ます。計算の順序に迷ったら括弧を使うようにしましょう。
100 A=(10+2)/4
将来的に、LET文のある他のプログラミング言語の学習のことを考えて、LET文をつかって上記のプログラムを書いてみましょう。
:<syntaxhighlight lang=basic>
10 LET A=12
20 LET B=3
30 PRINT A+B
40 PRINT A-B
50 PRINT A*B
60 PRINT A/B
70 END
</syntaxhighlight>
== 入力命令 ==
利用者からキーボードで数値を入力してもらうには、INPUT 文を使います。
INPUT命令を使って数値または文字列(変数名$)を入力させる場合、
;例
INPUT "ここに文字を表示させることも可能";変数名
PRINT "入力した数値(文字列)は";変数名;"です"
とします。
(プログラム例)
:<syntaxhighlight lang=basic>
10 INPUT "数値を入力してください" ;A
20 PRINT "入力された数値は"
30 PRINT A
40 PRINT "です。"
50 END
</syntaxhighlight>
または
:<syntaxhighlight lang=basic>
5 PRINT "数値を入力してください"
10 INPUT A
20 PRINT "入力された数値は"
30 PRINT A
40 PRINT "です。"
50 END
</syntaxhighlight>
== 変数の初期化 ==
たとえば、上のプログラムを実行したあとに、
PRINT A
を実行すると、さきほど入力した変数が出るかもしれません。
この理由は、メモリ内に、以前に使用した変数が、そのまま残っているからです。
つまり、プログラムを終了しても、それだけでは変数の内容は消去されません。
命令 NEW を使うと、BASICで扱っている変数にすべてゼロ 0 を代入し、初期化(しょきか)します。
もし、上の節のプログラムの実行直後に、まったく別のプログラムを実行する必要があったとして、そこでも同じ変数名の変数が使われていたとしたら、その変数は初期化をしていないと、エラーの原因になってしまいます。
まったく別のプログラムでも、同じ変数名「A」や「B」を、まったく別の内容で使うこともありますので、必要に応じて NEW 命令を使いましょう。
外部記憶装置には、input#、オープン文を使う
:<syntaxhighlight lang=basic>
10 NEW
20 LET A=7
30 PRINT A+9
40 END
</syntaxhighlight>
と書いて実行すれば、このプログラムの実行前にどんなプログラムで変数「A」を用いていようが、それを初期化できます。
なお、上記のプログラムの実行結果として、計算結果として「16」が表示されます。
このプログラムの場合なら、わざわざNEWで変数Aを初期化しなくても、その次の行で <nowiki>A=7</nowiki>と記述しているので、じつは初期化の必要はありません。
ですが、作ろうとするプログラムが複雑になってくると、あつかう変数の個数が多くなり、変数ひとつずつ初期化をするのが大変になる場合もありますし、個数が多いと一つづつ初期化する方法だと、初期化しわすれる変数も出て来るかもしれません。
なので、ねんのため、 NEW 命令で、いっきに、すべての変数を初期化してしまいましょう。初期化される対象は、そのBASICで扱っている「変数」だけですので、安心しても平気です。
なお、下記のように、もし計算途中に、NEWを入れると、
(あまり、よくないプログラム)
:<syntaxhighlight lang=basic>
20 LET A=7
25 NEW
30 PRINT A+9
40 END
</syntaxhighlight>
このプログラムなら、PRINT命令で「9」が表示されたりします。なぜならAが初期化されてしまい、Aに0が代入されているからです。
なお、現在のプログラム言語では、NEW命令は別の意味で使われています。
なお、計算作業のときに、初期の瞬間の状態に対応する数値のことを、科学技術用語で「初期値」(しょきち、initial value イニシャル バリュー)といいます。ファミコンソフトなどのゲーム業界などでも、ゲーム開始状態の主人公のライフ(生命力)値とかの数値をまとめて「初期パラメーター」などといいますね。それと同じことです。
理科などでは、たとえばボールを投げた瞬間のボールの速度のこと「初期速度」と言います。
もし、現代のプログラム言語のなかの命令文の語句で、「init」などの語句があったら、それはもしかしたら、初期値(※ 英語で initial value )のことかもしれません。
== 条件分岐 IF THEN ELSE ==
「もし、明日 晴れだったなら、遠足。そうでなく、雨だったらなら、教室で自習。」のような場合わけを条件分岐(じょうけん ぶんき)といいます。
プログラム中である条件に当てはまるかで実行する内容を変えるときには '''IF'''~'''THEN'''~'''ELSE'''文 を使用します。
条件分岐では IF という語句をほぼかならず使うので、条件分岐命令のことを「IF文」とも言います。「IF」とは、「イフ」と読み、「もし 〜〜 ならば、」という意味の英語の接続詞です(日本では、中学校の英語の授業で 接続詞 IF を習うでしょう)。
THEN は「そうであれば〜〜」という意味です。ELSE は「そうでなければ〜〜」という意味です。なお、THENは「ゼン」と読み、ELSEは「エルス」と読みます。
ほかのプログラム言語でも、条件分岐命令のことを普通は「IF文」と言います。
:<syntaxhighlight lang=basic>
10 A=0
20 B=3
30 IF A > B THEN PRINT "A is bigger than B" ELSE PRINT "B is bigger than A"
</syntaxhighlight>
ここで使っているA > Bの '''>''' は'''比較演算子'''(ひかく えんざんし)といい、数値の比較に使います。
{| class="wikitable"
|-
! 演算子 !! 意味 !! 数学の記号
|-
| A '''=''' B || AとBは等しい || A=B
|-
| A '''>''' B || AはBより大きい || A>B
|-
| A '''<''' B || AはBより小さい || A<B
|-
| A '''>=''' B || AはB以上 || A≧B
|-
| A '''<=''' B || AはB以下 || A≦B
|-
| A '''<>''' B || AとBは等しくない || A≠B
|}
他のプログラム言語でも、IF文 の考え方と 比較演算子 の考えかたは、ほぼかならず使います。なので、いまここのBASICの学習で、比較演算子の考え方を、しっかりと理解しましょう。
IF文は、IFとTHENの間に条件式を書き、THENから条件式が成立するときの命令を書きます。そして成立しなかったときのことはその後ろにELSEに続けて書きます。
例の30行目は、もし A > Bが成立すればPRINT "A is bigger than B"を実行し、もし成立しなければPRINT "B is bigger than A"を実行するという意味であります。文字列の場合は、
IF 変数名$="" THEN 真の場合の行番号または命令 ELSE 偽の場合の行番号または命令
PRINT命令の場合、PRINTを省略(THEN "内容"のように)できます。
なお、ELSEは省略できます。
複数行にわたってしか書けないものを実行させたい場合、GOTO命令(後述)を使い行を飛ばす必要があります(この場合、GOTOと書くのを省略して、行番号だけでも書けます)。
== 分岐 GOTO ==
無条件でジャンプします。
条件分岐ではない、強制の分岐には'''GOTO'''命令を使います。「GOTO」は「ゴー トゥー」と読みます。GOTOの後に行番号を入れると、対応する行の命令を実行します。
:<syntaxhighlight lang=basic>
10 GOTO 30
20 PRINT "1"
30 PRINT "2"
40 END
</syntaxhighlight>
このプログラムを実行すると20行目がスキップされ、30行目が実行されて、画面に「2」とだけ表示します。
:<syntaxhighlight lang=basic>
10 GOTO 40
20 PRINT "1"
30 GOTO 60
40 PRINT "2"
50 GOTO 20
60 END
</syntaxhighlight>
このプログラムを実行すると、画面に「2」「1」と表示します。が、このようにGOTOの飛び先が入り組んだプログラムは「スパゲティ・プログラム」と呼ばれて、「他の人が見てもプログラムの構造を一目では把握しづらい」ために、通常のプログラムでは 禁じ手(きんじて) とされています。
:<syntaxhighlight lang=basic>
10 PRINT "1"
20 PRINT "2"
30 GOTO 10
40 END
</syntaxhighlight>
このプログラムを実行すると、画面に「1」「2」を表示し続けます。このように「終了せずに、実行し続ける」プログラムを「無限ループ」と呼びます。表示を止めるには、マイコンBASICではAUTO命令を止めるときと同様に「BREAK」などのキーを押してください。新しいBASICではメニューから「停止」を選択します(Visual Basicなどでは無限ループを書くとそのまま問答無用で応答不能になってしまうものもありますので、アプリケーションを強制終了させるか、CTRL+ALT+DELするなどしてOSから強制終了させてください)。
新しいBASICでもGOTO命令は使用できますが、推奨はされません。
どうしてもGOTO文を使う必要のある場合には、REM文などによるコメント機能も活用しましょう。GOTO文の前の行で、REM文による説明で、GOTO文の行き先を説明したり、あるいは処理しようとしている内容などを記述すると、他の人がプログラム内容を把握しやすくなるでしょう。
== 繰り返し FOR NEXT ==
プログラム中で同じ処理を繰り返す場合には、'''FOR'''~'''NEXT''' 文を使用します。
:Jに1−5 を足しか足す和と現在の合計を表示します。<syntaxhighlight lang=basic>
10 J=0
20 FOR N=1 TO 5
30 J=J+N
40 PRINT "N=";N;" J=";J
50 NEXT N
60 END
</syntaxhighlight>
この例は、FORからNEXTの間を繰り返します。回数は、1から5までの5回。もしSTEPを指定してあれば、増量値の設定ができます。
これを実行すると以下の様に表示されます。
FORの直後の変数(上記の場合はN)と、NEXTの直後の変数は、同じ変数でなければなりません。
:<syntaxhighlight lang=text>
N= 1 J= 1
N= 2 J= 3
N= 3 J= 6
N= 4 J= 10
N= 5 J= 15
</syntaxhighlight>
FOR 文の構文は以下の様になります。
FOR 変数=初期値 TO 最終値 STEP 変更量
上の文のうち、「STEP 変更量」は省略できます。省略されたときには変数は1づつ変化します。
変数が初期値から最終値まで変化し、その各値ごとに NEXT までの文が実行されます。
== DATA文 ==
INPUT文で毎回データ入力するのは大変です。
プログラムの中に記録することが出来ます。
DATA文、READ文、RESTORE文 です。
:12345と表示します。<syntaxhighlight lang=basic>
20 READ A
30 PRINT A
40 DATA 1,2,3
</syntaxhighlight>
20行でDATA文から1個読み込んで変数Aに代入します。30行で表示します、この例では「1」が表示されます。もし次に読み込んだなら「2」が読み込まれます。
:456と表示します。<syntaxhighlight lang=basic>
10 RESTORE 50
20 READ A
30 PRINT A
40 DATA 1,2,3
50 DATA 4,5,6
</syntaxhighlight>
10行のRESTOREでDATA文の読み込み先を指定します、ここでは50行から読み込みます。20行で読んで、30行で表示。この例では「4」が表示されます。普通は FOR NEXT文などを使って 連続して読み込みます。
DATA文の考え方は、ファイル操作のシーケンシャルファイルと似ています。
== サブルーチン GOSUB ==
いんぷとしたすうちを2ばい
同じ内容のプログラムは、まとめてサブルーチンにする事ができます、GOSUBです。
:入れた数を2倍し、加算されます<syntaxhighlight lang=basic>
110 INPUT A
120 GOSUB 200
130 PRINT A
150 END
200 REM サブルーチン
210 A=A*2
220 RETURN
</syntaxhighlight>
プログラムの動きを行番号で書きます。 110 120 200 210 220 130 150 。順番に注目。
RETURNを使うとGOSUBの次に戻ります。高度なベーシックでは引き数の形を識別して違うファンクションを動かすことができる。また受け取りができる。これにより構造化プログラミング、サブルーチンライブラリーが構成される。実用としては、プログラミング中に言語としてのコマンド関数として使うような感覚で用いることができる
== 関数 ==
BASICの関数は、特定の入力値を受け取り、処理を行い、その結果を返す手続きです。
これらの関数は、プログラム内で再利用可能な小さなサブルーチンとして使用されます。
以下に、いくつかの一般的なBASICの関数を表形式で解説します。
:{| class=wikitable
|+ 一般的なBASICの関数
|-
!関数!!説明!!使用例
|-
!ABS
|渡された数値の絶対値を返します。||x = ABS(-10)
|-
!SIN
|渡された角度の正弦を返します。||x = SIN(30)
|-
!COS
|渡された角度の余弦を返します。||x = COS(45)
|-
!TAN
|渡された角度の正接を返します。||x = TAN(60)
|-
!INT
|渡された数値の整数部分を返します。||x = INT(5.7)
|-
!RND
|0から1までのランダムな浮動小数点数を返します。||x = RND
|-
!LEN
|渡された文字列の長さを返します。||x = LEN("Hello")
|-
!LEFT
|渡された文字列の左端から指定された数の文字を取得します。||x = LEFT("Hello", 2)
|-
!RIGHT
|渡された文字列の右端から指定された数の文字を取得します。||x = RIGHT("Hello", 3)
|-
!MID
|渡された文字列から指定された位置と長さの部分文字列を取得します。||x = MID("Hello", 2, 3)
|-
!DATE
|現在の日付を返します。||x = DATE
|-
!TIME
|現在の時刻を返します。||x = TIME
|-
!DATEDIFF
|2つの日付の間の日数を返します。||x = DATEDIFF("2023-01-01", "2022-12-31")
|}
これらの関数は、BASICプログラムで様々な計算や処理を行う際に使用されます。例えば、数値の操作、文字列の処理、日付や時刻の取得など、多岐に渡る用途に活用されます。
;コード例:絶対値を求めます<syntaxhighlight lang=basic>
10 INPUT A
20 B=ABS(A)
30 PRINT B
50 END
</syntaxhighlight>
ABS()は絶対値を返す関数です。
== 文字列操作 $ ==
ここまでの説明で、数値のみを扱いました。ここでは、文字の入力、表示、操作を説明します。
=== 文字定数と文字変数 ===
文字を表す時は""で囲みます。
"これは文字です"
文字を表す文字列変数では、変数名の末尾に$を付けます。
A$="文字列"
=== 文字列の結合 ===
文の足し算が出来ます。
10 A$="今日は"
20 B$="晴れ。"
30 C$=A$+B$
40 PRINT C$
50 END
文字の入力と表示
10 INPUT A$
20 PRINT A$
30 END
=== 文字列の関数と変換 ===
BASICでは文字列の便利な関数があります。
ASC(x$)
RIGHT$(x$,y)
LEFT$(x$,y)
MID$(x$,y,z)
LEN(x$)
STR$(x)
VAL(x$)
CHR$(x)
TAB(x)
== 浮動小数点 # ==
ここまでは数値の整数で行いました。
割り算で割り切れないときに扱う小数点の処理、浮動小数点の定数、変数について説明します。誤差についても。
BASICでは小数点を付けると、小数点付きの実数として扱われます。
100 PI=3.14
100 A=3.14
200 PRINT A
400 END
;誤差
コンピューターの計算では誤差が発生します。
誤差の程度は機種によって異なります。
10 A=10.0/7.0
20 B=A*7.0
30 PRINT A
40 PRINT B
50 END
== 配列 DIM ==
住所録のようなものを作るときに使います。同じような変数をたくさん作るときに、変数が多くて大変です。そこで配列変数(はいれつ へんすう)を使います。
使い方は、最初に配列変数を宣言します。例えば DIM a(3)と書いたなら、変数a(1) a(2) a(3)の3個の配列変数が使えるようになります(BASICの種類によってはa(0)も使えるものがあります)。
「DIM」とは次元 DIMENSION の略のことです。DIMの部分が、配列宣言の命令です。DIM a(3)の「a」の部分は変数名ですので、べつにbでもcでも、かまいません。
DIM a(3)のカッコとカッコ内の部分を「添え字」(そえじ)と言います。
配列変数の便利な所は、数値で書いた部分に数値変数を使って、例えば、a(i)のように使う事ができ、ループなどと組合わせれば多数の変数を一度に扱うことが出来ます。
10 DIM A(10)
20 FOR I=1 to 10
30 A(I)=I*2
40 NEXT I
50 FOR J=1 TO 10
60 PRINT A(I)
70 NEXT J
90 END
これは、一次元配列の例です。入力して名前の数値を合わせて記録します
10 DIM NAMAE$(3)
20 DIM NO(3)
30 FOR I=1 TO 3
40 INPUT "NAMAE";NAMAE$(I)
50 INPUT "BANGO";NO(I)
60 NEXT I
70 FOR I=1 TO 3
80 PRINT NAMAE$(I),NO(I)
90 NEXT I
100 END
これは、3人の名前と番号を入力して、表示するプログラムコードです。配列を使うことにより、簡潔に書くことが出来ます。簡単に人数を多くすることが出来ます。改良して住所録のように作り変えることも容易です。
配列には、このような一次元配列の他に二次元、3次元配列もあります。
== あとがき ==
ここでは、始めての人が雰囲気をつかめるように基本の中の初歩を最低限に書きました。そして、初級と応用は別の本につづきます。
== 補足 ==
=== 複数行のIF文 ===
現在では構造化BASICもあります。これは条件文が成立すればTHENからENDIFあるいはELSEまでの部分を実行して、成立しなければELSEからENDIFまでを実行するもので、例のプログラムは
10 A=0
20 B=3
30 '''IF''' A > B '''THEN'''
40 PRINT "A is bigger than B"
50 '''ELSE'''
60 PRINT "B is bigger than A"
70 '''ENDIF'''
80 END
と書けて、非常に見やすくなります。ただし、必ずしも使えるものではありません。マイコンBASICでは1行で書く方法しか使えません。
=== マルチステートメント ===
(:)で区切って、一行に多くのコマンドを書く事ができます。ただし、これはマイコンBASICの文法なのであまり使わない方が良いでしょう。
{{-}}
== マルチメディア関係 ==
円や直線などの画像を表示したり、音声を鳴らしたりなどの機能の命令は、BASIC対応のパソコンを作っている会社ごとに違っていました。ハードウェア側の性能にも関係することであり、そのため、仕様統一しきれなかったのです。
一応、BASICの国際規格も存在していますが、実際には、この規格に従ってないBASICも多いです。おそらく、特に、画像表示や音声などのマルチメディア関係の機能では、そのような規格外の仕様が多いでしょう。
このwikibooks日本語版『BASIC』では、日本の読者を対象にしていることもあり、日本で普及した日本産パソコンのハードウェアを想定して、BASICの、画像表示や音声などのマルチメディア関係のプログラムを記述します。
=== グラフィック関連 ===
==== 直線 ====
:※ BASICの書籍が入手できないので、記憶とネット上の情報に頼って記述しております。
N88BASIC互換のBASICならば、画像をつくるときは、
LINE (100,130)-(200,230),1
のように記述することで、画像で直線を引けます。
内容は、
LINE(始点のx座標、始点のy座標)-(終点のx座標、終点のy座標)、色番号
です。
気をつけることとして、画面の左上が座標(0,0)です。右下に行くにつれて、座標の値が大きくなります。
色番号は、一般に、
:0 黒
:1 青
:2 赤
:3 紫
:4 緑
:5 水色
:6 黄色
:7 白
です。色番号のことを「パレット番号」ともいいます。
背景色が標準設定では黒でしょうから、色番号が0(黒)だと、線が見えないかもしれません。
LINE (100,130)-(200,230),1
は、青色の直線を引きます。
LINE (100,130)-(200,230),2
は、赤色の直線を引きます。
LINE (100,130)-(200,230),2,B
とすると、長方形の枠線のみを描きます。その長方形の対角線の座標が、(100,130)から(200,230)というわけです。
BはBOXの意味です。
この命令 LINE (100,130)-(200,230),2,B では、対角線は、描かれません。また、塗りつぶしも、されません。
塗りつぶしをするには、「B」ではなく「BF」にします。
LINE (100,130)-(200,230),2,BF
FはFILLの意味です。
==== 円 ====
書式は
CIRCLE (中心のx座標,中心のy座標),半径,色
です。
たとえば、
CIRCLE (250,180),50,2
で、(250,180)座標を中心とする半径50の赤い(色番号: 2)円を書きます。
円弧を描くには、
CIRCLE (中心のx座標,中心のy座標),半径,色,開始角,終了角
の構文を利用します。
角度の測り方は、数学のxy座標での角度の測り方と同じで、右を0度として、半時計まわり(左まわり)です。角度の単位は、ラジアン です。約3.14で半円になります(BASICのソフトウェアの種類によっては、違うかもしれません。それぞれのソフトウェアごとに確認してください。)。
まだラジアンを習っていない中学生のかたは、この節は飛ばしましょう。
5 CLS
10 CIRCLE (250,180),50,2,0,3.14
と書けば、半円弧が描かれます。
楕円(だえん)または楕円弧を書くには、
10 CIRCLE (250,180),50,2,0,3.14,2
のようにします。
CIRCLE命令は、
CIRCLE (中心のx座標,中心のy座標),半径,色,開始角,終了角,比率
という書式になっています。
比率は、縦と横の比率であり、1だと正円になります。1より大きいと縦長の楕円になり、1より小さいと横長の楕円になります。
塗りつぶすには、
==== 点のプロット ====
命令「PSET」を使うと、指定した位置に、点をひとつ追加します。
書式は
PSET(x座標,y座標),色番号
です。
PSETの活用方法は通常、次のように、FOR文などの繰り返し文とくみあわせて、計算式などの結果の作図をするのに使用するでしょう。
10 FOR N=0 TO 50
20 PSET(200+N,100+0.01*N*N),1
30 NEXT N
40 END
=== 音 ===
BEEP
と入力すると、「プツッ」とか「ピー」とかの音を鳴らします。ビープ音といいます。
== 乱数 ==
「RND()」で、0から1までの小数を含む乱数を発生させます。
RND(1)のように、括弧の中に数字を入れて使用します。
10 X = RND (1)
20 PRINT X
のように使用します。
サイコロをつくるには(1から6の整数だけを出すプログラムをつくるには)、乱数命令に、整数化の命令などと組み合わせます。
ループさせていますが、INPUT 命令を使ってEnterキーを押すごとに次の乱数を表示させています。RND()は、実際には1の値が生成されることは、ほとんど無いと思われるのでこのプログラムになります。割り込みキー(BREAKキーやESCキー)で実行が終了します。
10 X = INT(RND(1) * 6 + 1)
20 PRINT X
30 INPUT Y
40 GOTO 10
== 1970〜80年代のパソコン事情が背景にある ==
BASICは、形式的には、BASICはプログラム言語であるとして分類されています。しかし、実際には、マイコンBASICを21世紀に再現したBASICでは、他のプログラム言語にはない、画像表示の機能が充実しています。これはどういう事かというと、再現BASICでは、画像表示の命令を実行する際には、OSの画像表示の機能を呼び出して、使っているのです。一般的に、プログラムを通しての画像表示についての仕様は、各OSごとにバラバラです。そのため、BASICのインタプリタ自体の作成者は、それぞれのOSごとに、BASICインタプリタを作りなおす必要があります。このため、再現BASICには、Windows版しかインタプリタの作られてない再現BASICもあります。
そもそも、実際のマイコンBASICの流行した1970年代ごろは、21世紀の今とはパソコン販売の状況が違っています。1970年代ごろの当時は、まだOS(オペレーティング システム)が高度化する前だったこともあり、さらに、OSとパソコン本体がくっついて販売されていたこともあり、1970年代ごろは、BASICが販売されているパソコンと一緒に、OSと一緒にパソコン本体に組み込まれている状態で、販売されていました。
このため、実際の1970〜80年代に市販されていたパソコンに組み込まれていたBASICでは、画面に円や直線などを表示したりする画像表示の命令や、ブザー音を鳴らすなど命令なども、簡単にプログラム記述できるようになっています。
本来、画像表示のための処理は、ディスプレイの種類ごとに、解像度がバラバラだったりするので、パソコン内部動作を分ける必要があるので、オペレーティングシステムの機能を使って、画像を表示したりすることになります。
しかし、当時のBASICでは、オペレーティングシステムの仕組みを、意識する必要はありませんでした。なぜなら、特定企業のパソコンに組み込まれた状態でBASICが配布されていたので、その特定企業のディスプレイやスピーカーといったハードウェアを、簡単に制御できるように、BASICが改良してあったのです。
このような事情のため、そもそも当時のほとんどの消費者は、そもそもオペレーティング システムいう概念すら知りませんでした。
このように、BASICの機能の背景には、1970〜80年当時のパソコン事情があります。
1970年当時は、各パソコン会社のBASICが最初から特定の自社パソコンに対応した状態で、パソコンに組み込まれていて販売されていたので、BASICから直接オペレーティングシステムの機能を利用できるわけです。このため、1970年ごろのBASICの機能は、現在の「プログラム言語」とは、やや違っています。
さて21世紀の現在、プログラムで画像を表示したり、あるいは音声を鳴らしたりなどのプログラムを記述したい場合には、オペレーティングシステムの機能を活用する必要があります。OSの機能を使うためのコマンド群である「API」(エー ピー アイ)といいます。つまり、再現BASICのインタプリタ作成者は、(おそらく)APIを駆使して、再現BASICの画像表示や音声機能などを、作っているのです。
オペレーティングシステムには、ウィンドウズやマックOSやリナックスなど、色々とありますが、それぞれのOSごとに仕組みが違うので、プログラムの記述作業も、それぞれのOSごとに、プログラムを分ける必要があります。
上述のようなパソコン事情が、1970年頃と現代では大きく違うので、もはやBASICだけでは、高度なアプリケーションを作ろうとしても、あまり簡単には作れなくなってしまいました。
なので、もし、21世紀の現代の人が、独学でBASICを学ぶ場合は、けっしてマイコンBASICだけで満足せずに、なるべく、C言語を学んだり、さらに、その後の時代の他のプログラム言語も学びましょう。
== 参考リンク ==
{{stub|it}}
[[Category:BASIC|*]]
[[Category:プログラミング言語]]
[[Category:乱数]]
{{NDC|007.64}}
f1wzdqlvf1cxr5zj6dklxia7x95kmod
C++
0
2733
301353
301295
2026-07-08T15:41:47Z
Lin Xiangru
52825
/* 下位階層のページ */
301353
wikitext
text/x-wiki
{{半保護S}}
* [[情報技術]] > [[プログラミング]] > C++
* [[大学の学習]] > C++
本書は、C++プログラミング言語の初心者から中級・上級者までを対象にした、段階的な学習ガイドです。C++は強力で柔軟な言語であり、システムプログラミングからゲーム開発、科学技術計算まで幅広い分野で活用されています。しかし、その豊富な機能と複雑な構文から、学び始める際には戸惑うことも少なくありません。
本書の前半では、初心者がC++の基礎を理解し、実際にコードを書く力を身につけることを目指しています。基本的な文法やデータ型、制御構造、関数といった基礎的なトピックを、具体的な例とともにわかりやすく解説します。また、オブジェクト指向プログラミングや標準ライブラリの使い方についても丁寧に説明し、実践的なスキルを養います。
後半では、中級・上級者向けに、C++特有の高度な概念や最新の技術について詳しく解説します。クラスの継承や関数オーバーロード、スマートポインタ、ラムダ式、テンプレート、例外処理など、より複雑なトピックを扱い、実践的なアプリケーションの開発に必要な知識を提供します。
さらに、附録には、C++の歴史や開発環境の整備、他の言語からの移行ガイド、機能テストマクロ、参考文献など、実務に役立つ情報を豊富に盛り込みました。特に、C++03からC++23への移行に関する手引きは、最新の標準に対応したプログラムを書く上で非常に有用です。
C++は、しっかりとした基礎を築き、継続的に学び続けることで、その真価を発揮する言語です。本書が、皆様のC++学習の道しるべとなり、実際のプロジェクトに役立つ知識とスキルを提供できることを願っております。
== 初心者むけの内容 ==
; 目次
* [[/構文の基礎|構文の基礎]]
* [[/データ型と変数|データ型と変数]]
** [[/データ型と変数#基本データ型|基本データ型]] -- [[/データ型と変数#整数型|整数型]]・[[/データ型と変数#浮動小数点数型|浮動小数点数型]]・[[/データ型と変数#文字型|文字型]]・[[/データ型と変数#ブール型|ブール型]]
** [[/データ型と変数#複合データ型|複合データ型]] -- [[/データ型と変数#配列|配列]]・[[/データ型と変数#構造体 (struct)|構造体 (struct)]]・[[/データ型と変数#共用体 (union)|共用体 (union)]]・[[/データ型と変数#列挙型 (enum)|列挙型 (enum)]]・[[/データ型と変数#タプル (tuple)|タプル (tuple)]]・[[/データ型と変数#スマートポインタ (smart pointer)|スマートポインタ (smart pointer)]]
* [[/式と演算子|式と演算子]]
* [[/制御構造|制御構造]]
* [[/関数|関数]]
* [[/スコープ|スコープ]]
* [[/配列とベクトル|配列とベクトル]]
* [[/ポインターと参照|ポインターと参照]]
* [[/文字列とstd::string|文字列とstd::string]]
* [[/構造体|構造体]]
* [[/共用体|共用体]]
* [[/列挙型と列挙クラス|列挙型と列挙クラス]]
* [[/オブジェクト指向プログラミング|オブジェクト指向プログラミング]]
== リファレンス ==
* [[/キーワード|C++のキーワード一覧]]
* [[/指定子|指定子]]
* [[/標準ライブラリ|標準ライブラリ]]
* [[/Boost|Boost]]
* [[/パッケージマネージャ|パッケージマネージャ]]
== 中級〜上級者むけの内容 ==
; 目次
* [[/C++特有の概念|C++特有の概念]]
* [[/クラスの定義や継承|クラスの定義や継承]]
* [[/アクセス指定子|アクセス指定子]]
* [[/特殊メンバー関数|特殊メンバー関数]]
* [[/純粋仮想関数|純粋仮想関数]]
* [[/override|override]] <sup>(C++11:core)</sup> ⇒ [[/キーワード#override]]
* [[/final|final]] <sup>(C++11:core)</sup> ⇒ [[/キーワード#final]]
* [[/RAII|RAII(Resource Acquisition Is Initialization)]]
* [[/テンプレート|テンプレートの基礎]]
* [[/関数オーバーロード|関数オーバーロード]]
* [[/演算子オーバーロード|演算子オーバーロード]]
* [[/名前修飾|名前修飾]]
* [[/コンパイル時評価|コンパイル時評価]]
* [[/インライン関数|インライン関数]]
* [[/constexpr|constexpr]]<sup>(C++11:core)</sup> ⇒ [[/キーワード#constexpr]]
* [[/consteval|consteval]]<sup>(C++20:core)</sup> ⇒ [[/キーワード#consteval]]
* [[/アトリビュート|アトリビュート]]
* [[/アライメント|アライメント]]
* [[/不変性|不変性]]
* [[/ムーブセマンティクス|ムーブセマンティクス]]
* [[/スマートポインタ|スマートポインタ]]
* [[/型推論|型推論]]
* [[/RTTI|RTTI: Run-Time Type Information]] typeid
* [[/コンテナ|コンテナ]]
* [[/範囲ベースfor|範囲ベースfor]]
* [[/トレイト|トレイト]]
* [[/コンセプト|コンセプト]]
* [[/decltype|decltype]] ⇒ [[/キーワード#decltype]]
* [[/using|using]] ⇒ [[/キーワード#using]]
* [[/ラムダ式|ラムダ式]]
* [[/ジェネリックラムダ|ジェネリックラムダ]]
* [[/ムーブキャプチャ|ムーブキャプチャ]]
* [[/フォールディング式|フォールディング式]]
* [[/nullptr|nullptr]] ⇒ [[/キーワード#nullptr]]
* [[/Uniform initialization|Uniform initialization]] <sup>(C++17:core)</sup>
* [[/構造化束縛宣言|構造化束縛宣言]] <sup>(C++17:core)</sup>
* [[/テンプレートメタプログラミング|テンプレートメタプログラミング]]
* [[/SFINAE|SFINAE: Substitution Failure Is Not An Error]] -- テンプレートの置換中に失敗が発生した場合に、エラーを生成せずに代替処理を行う。
* [[/例外処理|例外処理]]
* [[/名前空間|名前空間]]
* [[/三方比較演算子|三方比較演算子]] <code><=></code><sup>(C++20:core)</sup>
* [[/コルーチン|コルーチン]] <code><=></code><sup>(C++20:core)</sup>
* [[/イテレータ|イテレータ]]
* [[/遅延評価メソッドチェイン|遅延評価メソッドチェイン]]
* [[/標準テンプレートライブラリ|標準テンプレートライブラリ(STL; Standard Template Library)]]
== 附録 ==
* [[/C++の変遷|C++の変遷]]
* [[/C++開発環境の整備|C++開発環境の整備]]
* [[/CからC++への移行|CからC++への移行]]
* [[/JavaやC Sharpなどの中間コード型言語からC++への移行|JavaやC Sharpなどの中間コード型言語からC++への移行]]
* [[/C++03(JIS C++)からC++23への移行の手引|C++03(JIS C++)からC++23への移行の手引]]
* [[/型安全|型安全]]
* [[/メモリ安全|メモリ安全]]
* [[/NULL安全|NULL安全]]
* [[/機能テストマクロ|機能テストマクロ]]
* [[/ユースケース集|ユースケース集]]
* [[/コードギャラリー|コードギャラリー]]
== 参考文献 ==
* {{cite book
| url=https://open-std.org/jtc1/sc22/wg21/docs/standards
| title= C++ - Standards
| publisher=ISO/IEC
| date = 2024-01-17}}
* {{cite book
| url=https://open-std.org/jtc1/sc22/wg21/docs/papers/2023/n4950.pdf
| title= Working Draft, Standard for Programming Language C++
| publisher=ISO/IEC
| date = 2023-05-10
}}
== 関連書籍 ==
* [[More C++ Idioms]] -- C++11以前の内容なので、現在はコア言語および標準ライブラリがよりロバストなイディオムを提供しています。
== 外部リンク ==
{{Wikipedia|C++}}
{{Wikiversity|Topic:C++|C++}}
<hr style="clear: both">
== 脚註 ==
<references />
== 下位階層のページ ==
*[[C++/Boost]]
*[[C++/C++03(JIS C++)からC++23への移行の手引]]
*[[C++/C++の変遷]]
*[[C++/C++特有の概念]]
*[[C++/C++開発環境の整備]]
*[[C++/CからC++への移行]]
*[[C++/JavaやC Sharpなどの中間コード型言語からC++への移行]]
*[[C++/NULL安全]]
*[[C++/RAII]]
*[[C++/RTTI]]
*[[C++/SFINAE]]
*[[C++/Uniform initialization]]
*[[C++/consteval]]
*[[C++/constexpr]]
*[[C++/decltype]]
*[[C++/final]]
*[[C++/nullptr]]
*[[C++/override]]
*[[C++/using]]
*[[C++/はじめに]]
*[[C++/アクセス指定子]]
*[[C++/アトリビュート]]
*[[C++/アライメント]]
*[[C++/イテレータ]]
*[[C++/インライン関数]]
*[[C++/オブジェクトの配列とポインタ及び参照]]
*[[C++/オブジェクト指向プログラミング]]
*[[C++/キャスト]]
*[[C++/キーワード]]
*[[C++/クイックツアー]]
*[[C++/クラスの定義や継承]]
*[[C++/コルーチン]]
*[[C++/コンセプト]]
*[[C++/コンテナ]]
*[[C++/コンパイル時評価]]
*[[C++/コードギャラリー]]
*[[C++/ジェネリックラムダ]]
*[[C++/スコープ]]
*[[C++/スマートポインタ]]
*[[C++/テンプレート]]
*[[C++/テンプレートメタプログラミング]]
*[[C++/データ型と変数]]
*[[C++/トレイト]]
*[[C++/パッケージマネージャ]]
*[[C++/フォールディング式]]
*[[C++/ポインターと参照]]
*[[C++/ムーブキャプチャ]]
*[[C++/ムーブセマンティクス]]
*[[C++/メモリ安全]]
*[[C++/ユースケース集]]
*[[C++/ラムダ式]]
*[[C++/三方比較演算子]]
*[[C++/不変性]]
*[[C++/互換性]]
*[[C++/例外処理]]
*[[C++/共用体]]
*[[C++/列挙型と列挙クラス]]
*[[C++/初心者むけ/クラス]]
*[[C++/制御構造]]
*[[C++/名前修飾]]
*[[C++/名前空間]]
*[[C++/型安全]]
*[[C++/型推論]]
*[[C++/式と演算子]]
*[[C++/指定子]]
*[[C++/改廃された技術]]
*[[C++/文字列とstd::string]]
*[[C++/文法の基礎]]
*[[C++/構文の基礎]]
*[[C++/構造体]]
*[[C++/構造体・共用体]]
*[[C++/構造化束縛宣言]]
*[[C++/標準テンプレートライブラリ]]
*[[C++/標準ライブラリ]]
*[[C++/標準ライブラリ/algorithm]]
*[[C++/標準ライブラリ/any]]
*[[C++/標準ライブラリ/array]]
*[[C++/標準ライブラリ/atomic]]
*[[C++/標準ライブラリ/barrier]]
*[[C++/標準ライブラリ/bit]]
*[[C++/標準ライブラリ/bitset]]
*[[C++/標準ライブラリ/cassert]]
*[[C++/標準ライブラリ/cerrno]]
*[[C++/標準ライブラリ/cfenv]]
*[[C++/標準ライブラリ/cfloat]]
*[[C++/標準ライブラリ/charconv]]
*[[C++/標準ライブラリ/chrono]]
*[[C++/標準ライブラリ/climits]]
*[[C++/標準ライブラリ/cmath]]
*[[C++/標準ライブラリ/codecvt]]
*[[C++/標準ライブラリ/compare]]
*[[C++/標準ライブラリ/complex]]
*[[C++/標準ライブラリ/concepts]]
*[[C++/標準ライブラリ/condition variable]]
*[[C++/標準ライブラリ/coroutine]]
*[[C++/標準ライブラリ/csetjmp]]
*[[C++/標準ライブラリ/csignal]]
*[[C++/標準ライブラリ/cstdarg]]
*[[C++/標準ライブラリ/cstddef]]
*[[C++/標準ライブラリ/cstdint]]
*[[C++/標準ライブラリ/cstdio]]
*[[C++/標準ライブラリ/cstdlib]]
*[[C++/標準ライブラリ/ctime]]
*[[C++/標準ライブラリ/deque]]
*[[C++/標準ライブラリ/exception]]
*[[C++/標準ライブラリ/execution]]
*[[C++/標準ライブラリ/expected]]
*[[C++/標準ライブラリ/format]]
*[[C++/標準ライブラリ/forward list]]
*[[C++/標準ライブラリ/fstream]]
*[[C++/標準ライブラリ/functional]]
*[[C++/標準ライブラリ/generator]]
*[[C++/標準ライブラリ/initializer list]]
*[[C++/標準ライブラリ/iomanip]]
*[[C++/標準ライブラリ/ios]]
*[[C++/標準ライブラリ/iosfwd]]
*[[C++/標準ライブラリ/iostream]]
*[[C++/標準ライブラリ/istream]]
*[[C++/標準ライブラリ/iterator]]
*[[C++/標準ライブラリ/limits]]
*[[C++/標準ライブラリ/list]]
*[[C++/標準ライブラリ/map]]
*[[C++/標準ライブラリ/mdspan]]
*[[C++/標準ライブラリ/memory]]
*[[C++/標準ライブラリ/memory resource]]
*[[C++/標準ライブラリ/new]]
*[[C++/標準ライブラリ/numbers]]
*[[C++/標準ライブラリ/numeric]]
*[[C++/標準ライブラリ/optional]]
*[[C++/標準ライブラリ/ostream]]
*[[C++/標準ライブラリ/print]]
*[[C++/標準ライブラリ/queue]]
*[[C++/標準ライブラリ/ranges]]
*[[C++/標準ライブラリ/ratio]]
*[[C++/標準ライブラリ/regex]]
*[[C++/標準ライブラリ/scoped allocator]]
*[[C++/標準ライブラリ/set]]
*[[C++/標準ライブラリ/source location]]
*[[C++/標準ライブラリ/span]]
*[[C++/標準ライブラリ/stack]]
*[[C++/標準ライブラリ/stacktrace]]
*[[C++/標準ライブラリ/stdexcept]]
*[[C++/標準ライブラリ/stdfloat]]
*[[C++/標準ライブラリ/stop token]]
*[[C++/標準ライブラリ/streambuf]]
*[[C++/標準ライブラリ/string]]
*[[C++/標準ライブラリ/string view]]
*[[C++/標準ライブラリ/system error]]
*[[C++/標準ライブラリ/tuple]]
*[[C++/標準ライブラリ/type traits]]
*[[C++/標準ライブラリ/typeindex]]
*[[C++/標準ライブラリ/typeinfo]]
*[[C++/標準ライブラリ/unordered map]]
*[[C++/標準ライブラリ/unordered set]]
*[[C++/標準ライブラリ/utility]]
*[[C++/標準ライブラリ/variant]]
*[[C++/標準ライブラリ/vector]]
*[[C++/標準ライブラリ/version]]
*[[C++/標準ライブラリ/アルゴリズムライブラリ]]
*[[C++/標準ライブラリ/イテレータライブラリ]]
*[[C++/標準ライブラリ/コンセプトライブラリ]]
*[[C++/標準ライブラリ/コンテナライブラリ]]
*[[C++/標準ライブラリ/メタプログラミングライブラリ]]
*[[C++/標準ライブラリ/メモリ管理ライブラリ]]
*[[C++/標準ライブラリ/レンジライブラリ]]
*[[C++/標準ライブラリ/ローカライゼーションライブラリ]]
*[[C++/標準ライブラリ/一般ユーティリティライブラリ]]
*[[C++/標準ライブラリ/並行性サポートライブラリ]]
*[[C++/標準ライブラリ/入出力ライブラリ]]
*[[C++/標準ライブラリ/数値ライブラリ]]
*[[C++/標準ライブラリ/文字列ライブラリ]]
*[[C++/標準ライブラリ/時間ライブラリ]]
*[[C++/標準ライブラリ/正規表現ライブラリ]]
*[[C++/標準ライブラリ/言語サポートライブラリ]]
*[[C++/標準ライブラリ/診断ライブラリ]]
*[[C++/機能テストマクロ]]
*[[C++/演算子と式]]
*[[C++/演算子オーバーロード]]
*[[C++/特殊メンバー関数]]
*[[C++/範囲ベースfor]]
*[[C++/純粋仮想関数]]
*[[C++/記法]]
*[[C++/遅延評価メソッドチェイン]]
*[[C++/配列とベクトル]]
*[[C++/関数]]
*[[C++/関数オーバーロード]]
{{DEFAULTSORT:C PLUSPLUS}}
[[Category:C++|*]]
[[Category:プログラミング言語]]
{{NDC|007.64}}
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中学校社会 歴史
0
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2026-07-08T12:44:13Z
AkiR27User
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/* 古代 */ 追加
301340
wikitext
text/x-wiki
{{Pathnav|メインページ|小学校・中学校・高等学校の学習|中学校の学習|中学校社会|frame=1}}
{{PAGENAME}}では、中学生を対象とした歴史の教科書を用意しています。内容は細かく分けられているので、順番に読んでいきましょう。
=== 古代 ===
* [[中学校社会 歴史/人類の出現|人類の出現]] (旧石器時代)
* [[中学校社会 歴史/新石器時代|新石器時代]] (日本の縄文時代)
* [[中学校社会 歴史/文明の誕生|文明の誕生]] (四大河文明)
** 参考[[中学校社会 歴史/年代測定法|年代測定法]](放射性年代測定、年輪年代測定など)
** [[中学校社会 歴史/中国文明|中国文明]](中国の古代文明から漢王朝まで)
* [[中学校社会 歴史/古代のギリシャ文明とローマ文明|古代のギリシャ文明とローマ文明]]
* [[中学校社会 歴史/三大宗教の始まり|三大宗教の始まり]]
=== 弥生・古墳時代 ===
* [[中学校社会 歴史/弥生時代]]
* [[中学校社会 歴史/古墳時代]]
=== 古代国家の成立と展開 ===
* [[中学校社会 歴史/隋と唐|{{Ruby|隋|ずい}}と{{Ruby|唐|とう}}]](中国の6世紀~7世紀前後)
* [[中学校社会 歴史/飛鳥時代|飛鳥時代]]
* [[中学校社会 歴史/飛鳥・奈良時代の農民の暮らし|飛鳥・奈良時代の農民の暮らし]]
* [[中学校社会 歴史/奈良時代|奈良時代]]
* [[中学校社会 歴史/平安時代|平安時代]]
** [[中学校社会 歴史/平安時代/院政と平氏の台頭|{{Ruby|院政|いんせい}}と{{Ruby|平氏|へいし}}の台頭]]
=== 中世 ===
* [[中学校社会 歴史/鎌倉時代|鎌倉時代]]
:* [[中学校社会 歴史/鎌倉時代/元寇|{{Ruby|元寇|げんこう}}]]
* [[中学校社会 歴史/室町時代|室町時代]]<ref>室町時代のうち、天皇家が2つに{{Ruby|分裂|ぶんれつ}}した時代は「南北朝時代」と呼ばれることもある。</ref><ref name="sengoku">戦国大名が全国に乱立した時代は「戦国時代」と呼ばれることもある。室町時代末期または室町時代末期から安土桃山時代までのことである。</ref>
* [[中学校社会 歴史/世界の中世や近世|世界の中世や近世]](十字軍、ルネサンス、宗教改革、大航海時代)
* [[中学校社会 歴史/日本に来航したヨーロッパ人|日本に来航したヨーロッパ人]]
* [[中学校社会 歴史/戦国時代と安土桃山時代|戦国時代と安土桃山時代]]<ref name="sengoku"/>
=== 近世 ===
* [[中学校社会 歴史/江戸幕府の始まり|江戸幕府の始まり]]
* [[中学校社会 歴史/社会の変化と江戸幕府|社会の変化と江戸幕府]]
* [[中学校社会 歴史/江戸時代の文化と学問|江戸時代の文化と学問]]
=== 近代 ===
==== 近代化と世界進出 ====
==== 欧米の近代化 ====
* [[中学校社会 歴史/市民革命と欧米諸国|市民革命と欧米諸国]]
* [[中学校社会 歴史/産業革命と欧米諸国|産業革命と欧米諸国]]
* [[中学校社会 歴史/アメリカの南北戦争|アメリカの南北戦争]]
* [[中学校社会 歴史/欧米の近代国家建設|欧米の近代国家建設]]
==== 欧米の世界進出と日本の対応 ====
* [[中学校社会 歴史/ヨーロッパ諸国によるアジア侵略|ヨーロッパ諸国によるアジア{{Ruby|侵略|しんりゃく}}]]
* [[中学校社会 歴史/日本の開国|日本の開国]]
* [[中学校社会 歴史/江戸時代のおわり|江戸時代のおわり]]
* [[中学校社会 歴史/明治時代のはじまり|明治時代のはじまり]]
* [[中学校社会 歴史/明治維新の改革|明治{{Ruby|維新|いしん}}の改革]]
* [[中学校社会 歴史/日本の文明開化と殖産興業|日本の文明開化と{{Ruby|殖産|しょくさん}}興業]]
* [[中学校社会 歴史/明治日本の国際関係|明治日本の国際関係]]
* [[中学校社会 歴史/明治日本の北海道と沖縄|明治日本の北海道と沖縄]]
* [[中学校社会 歴史/日本の立憲政治のはじまり|日本の立憲政治のはじまり]]
* [[中学校社会 歴史/明治日本の改革の進展|明治日本の改革の進展]]
==== 日清・日露戦争とアジアの近代化 ====
* [[中学校社会 歴史/帝国主義の世界|帝国主義の世界]](世界史)
* [[中学校社会 歴史/日清戦争|日清戦争]]
* [[中学校社会 歴史/日清戦争から日露戦争までのあいだ|日清戦争から日露戦争までのあいだ]]
* [[中学校社会 歴史/日露戦争|日露戦争]]
* [[中学校社会 歴史/韓国併合|韓国併合]]
* [[中学校社会 歴史/日本統治下の植民地|日本統治下の植民地]] {{進捗|00%|2015-10-03}}
* [[中学校社会 歴史/辛亥革命|辛亥革命]]
* [[中学校社会 歴史/明治時代の社会と文化|明治時代の社会と文化]]
* [[中学校社会 歴史/日系ハワイ移民|日系ハワイ移民]]
==== 二つの世界大戦 ====
* [[中学校社会 歴史/第一次世界大戦|第一次世界大戦]]
* [[中学校社会 歴史/大正時代|大正時代]]
* [[中学校社会 歴史/世界恐慌と各国の対応|世界{{Ruby|恐慌|きょうこう}}と各国の対応]]
* [[中学校社会 歴史/満州事変|満州事変]]
* [[中学校社会 歴史/日中戦争|日中戦争]]
* [[中学校社会 歴史/第二次世界大戦|第二次世界大戦]]
=== 第二次世界大戦後 ===
* [[中学校社会 歴史/戦後の日本の再建|戦後の日本の再建]]
* [[中学校社会 歴史/冷戦|冷戦]]
* [[中学校社会 歴史/高度経済成長と日本の役割|高度経済成長と日本の役割]]
* [[中学校社会 歴史/冷戦の終結|冷戦の終結]]
* [[中学校社会 歴史/冷戦後の社会|冷戦後の社会]]
== コラム ==
* [[中学校社会 歴史/年代の表し方|年代の表し方]]
* [[中学校社会 歴史/昭和天皇の死去|昭和天皇の死去]]
== 資料 ==
* [[中学校社会 歴史/資料集]](史料集など)
* [[中学校社会 歴史/用語集]]
* [[中学校社会 歴史/年表]]
* [[中学校社会 歴史/語呂合わせ|年号の{{Ruby|語呂|ごろ}}合わせ]]
* [[中学校社会 歴史/検定教科書で紹介されているコラム的話題など]] (仮タイトル)
== 練習問題 ==
* [[中学校社会 歴史/練習問題]]
== 関連項目 ==
=== 学習方法 ===
* [[学習方法/中学校社会全般]]
* [[学習方法/中学校歴史]]
* [[学習方法/中学校地理]]
* [[学習方法/中学校公民]]
== 他分野のリンク ==
* [[中学校社会 地理]]
* [[中学校社会 歴史]]
* [[中学校社会 公民]]
=== もっと歴史に興味をもった人へ ===
以上の教科書を読みつくし、もっと歴史を知りたい、という人は[[日本史]]の本を読んでみよう。大人向けで内容や漢字は難しいが、その分内容がぎっしり{{Ruby|詰|つ}}まっている。
[[Category:中学校歴史|*]]
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数学演習/中学校1年生/正負の数
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[[中学数学1年 正負の数]]
正負の数の分野は、計算のルールを覚えれば解ける問題が多いです。ですから、間違えた問題はしっかりと復習し、理解しましょう。
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回答
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*[[数学演習 中学校1年生/文字の式/解答]]
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ガリア戦記 第3巻
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/* 14節 */
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[[Category:ガリア戦記|3]]
[[ガリア戦記]]> '''第3巻''' >[[ガリア戦記 第3巻/注解|注解]]
<div style="text-align:center">
<span style="font-size:20px; font-weight:bold; font-variant-caps: petite-caps; color:white; background: rgb(47,94,255);background: linear-gradient(180deg, rgba(47,94,255,1) 0%, rgba(24,56,255,1) 50%, rgba(0,8,255,1) 100%);"> C IVLII CAESARIS COMMENTARIORVM BELLI GALLICI </span>
<span style="font-size:40px; font-weight:bold; color:white; background: rgb(47,94,255);background: linear-gradient(180deg, rgba(47,94,255,1) 0%, rgba(24,56,255,1) 50%, rgba(0,8,255,1) 100%);"> LIBER TERTIVS </span>
</div>
[[画像:Gaule -56.png|thumb|right|150px|ガリア戦記 第3巻の情勢図(BC56年)。<br>黄色の領域がローマ領。桃色が同盟部族領。]]
{| id="toc" style="align:left;clear:all;" align="left" cellpadding="5"
! style="background:#ccccff; text-align:left;" colspan="2" | ガリア戦記 第3巻 目次
|-
| style="text-align:right; font-size: 0.86em;"|
'''[[#アルプス・オクトードゥールスの戦い|アルプス・オクトードゥールスの戦い]]''':<br />
'''[[#大西洋岸ウェネティー族の造反|大西洋岸ウェネティー族の造反]]''':<br />
<br />
'''[[#大西洋岸ウネッリー族の造反|大西洋岸ウネッリー族の造反]]''':<br />
'''[[#クラッススのアクィーターニア遠征|クラッススのアクィーターニア遠征]]''':<br />
<br />
'''[[#モリニー族・メナピイー族への遠征|モリニー族・メナピイー族への遠征]]''':<br />
| style="text-align:left; font-size: 0.86em;"|
[[#1節|01節]] |
[[#2節|02節]] |
[[#3節|03節]] |
[[#4節|04節]] |
[[#5節|05節]] |
[[#6節|06節]] <br />
[[#7節|07節]] |
[[#8節|08節]] |
[[#9節|09節]] |
[[#10節|10節]] <br />
[[#11節|11節]] |
[[#12節|12節]] |
[[#13節|13節]] |
[[#14節|14節]] |
[[#15節|15節]] |
[[#16節|16節]] <br />
[[#17節|17節]] |
[[#18節|18節]] |
[[#19節|19節]] <br />
[[#20節|20節]] <br />
[[#21節|21節]] |
[[#22節|22節]] |
[[#23節|23節]] |
[[#24節|24節]] |
[[#25節|25節]] |
[[#26節|26節]] |
[[#27節|27節]] <br />
[[#28節|28節]] |
[[#29節|29節]]
|}
<br style="clear:both;" />
__notoc__
==<span style="color:#009900;">はじめに</span>==
:<div style="color:#009900;width:85%;">前巻([[ガリア戦記 第2巻|ガリア戦記 第2巻]])の終わりで述べられたように、カエサルによってガッリアはほぼ平定されたと思われて、首都ローマで感謝祭が催されたほどであった。このため、本巻(第3巻)ではカエサル自身の遠征として記す内容はとても少ない。<br><br>本巻の[[#1節]]~[[#6節]]で言及される[[#アルプス・オクトードゥールスの戦い]]は、[[w:紀元前57年|BC57年]]秋頃に起こったと考えられるので、本来なら第2巻に含められるべきであるが、そうなると第3巻が20節ほどの非常に短い巻になってしまうので、第3巻の冒頭に置いたとも考えられる。<br><br>本巻(第3巻)の年([[w:紀元前56年|BC56年]])の春には、ガッリア遠征の遂行上きわめて重要な'''ルカ会談'''があったので、以下に補足する。</div>
<div style="background-color:#eee;width:75%;">
===コラム「ルカ会談」===
:::<span style="font-family:Times New Roman;font-size:13pt;">''[[w:en:Luca Conference|Luca Conference]]''</span>(英語記事)などを参照。
:<span style="color:#009900;">伝記作家[[ガリア戦記/注解編#プルータルコス『対比列伝』|プルータルコス]]によれば<ref>[[ガリア戦記/注解編#プルータルコス『対比列伝』|プルータルコス『対比列伝』]]の「カエサル」20,21</ref>、カエサルはベルガエ人との戦いを成し遂げると、前年に続いて'''パドゥス川'''〔[[w:la:Padus|Padus]] [[w:ポー川|ポー川]]〕流域で越冬しながら、ローマ政界への政治工作を続けた。例えば、カエサルを後援者とする選挙の立候補者たちが有権者を買収するための金銭をばらまいていた。ガッリア人捕虜を奴隷商人に売り払って得た莫大な金銭で。その結果、カエサルの金銭で当選した者たちの尽力で、属州総督カエサルへの新たな資金の支給が可決されるという具合であった。<br><br>そのうち、多くの名門貴族たちがカエサルに面会するために[[w:ルッカ|ルカ]]([[w:la:Luca|Luca]])の街へやって来た。<br>こうした中、[[w:紀元前56年|BC56年]]の4月に、カエサルと非公式の盟約([[w:三頭政治#第一回三頭政治|三頭政治]])を結んでいた[[w:マルクス・リキニウス・クラッスス|クラッスス]]と[[w:グナエウス・ポンペイウス|ポンペイウス]]もルカを訪れて、三者による会談が行われた。<br><br>首都ローマでは、三頭政治を後ろ盾とする[[w:ポプラレス|平民派]]の[[w:プブリウス・クロディウス・プルケル|クロディウス]](<span style="font-family:Times New Roman;">[[w:la:Publius Clodius Pulcher|Publius Clodius Pulcher]]</span>)が民衆に暴動をけしかけ、[[w:オプティマテス|門閥派]]のミロ(<span style="font-family:Times New Roman;">[[w:la:Titus Annius Milo|Titus Annius Milo]]</span>)と激しく抗争するなど、騒然としていた。このクロディウスの暴力的な手法は、クラッススとポンペイウスの関係を傷つけた。また、カエサルのガッリアでの輝かしい勝利に、二人とも不満を感じていた。このように三頭政治は綻び出していたのだ。<br><br>三人は三頭政治を延長することで合意した。カエサルは、クラッススとポンペイウスが翌年([[w:紀元前55年|BC55年]])の執政官に立候補すること、3属州の総督であるカエサルの任期がさらに5年間延長されること、などを求めた。<br><br>会談の結果、任期が大幅に延長されたカエサルの野望は、ガッリアに止まらず、[[w:ゲルマニア|ゲルマーニア]]や[[w:ブリタンニア|ブリタンニア]]の征服へと向かっていく。一方、再び執政官になった二人は、[[w:パルティア|パルティア]]を攻略するためにクラッススがシリア総督になることを決めるが、これはクラッススの命運とともに三頭政治の瓦解、カエサルとポンペイウスの関係悪化を招来することになる。
</span>
<div style="text-align:center">
{|
|-
|[[画像:First Triumvirate of Caesar, Crassius and Pompey.jpg|thumb|right|500px|後に[[w:三頭政治#第一回三頭政治|三頭政治]](<span style="font-family:Times New Roman;">[[w:la:Triumviratus|Triumviratus]]</span>)と呼ばれることになる非公式な盟約を結んでいた、左から[[w:ガイウス・ユリウス・カエサル|カエサル]]、[[w:マルクス・リキニウス・クラッスス|クラッスス]]、[[w:グナエウス・ポンペイウス|ポンペイウス]]。<br>3人は、第3巻の戦いが始まる前に、ルカ会談で三頭政治の延長を決めた。]]
|}
</div>
</div>
<!--
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
==アルプス・オクトードゥールスの戦い==
:<span style="font-family:Times New Roman;font-size:13pt;">''[[w:en:Battle of Octodurus|Battle of Octodurus]]''</span>(英語記事)<span style="font-family:Times New Roman;font-size:13pt;">''[[w:fr:Bataille d'Octodure|Bataille d'Octodure]]''</span>(仏語記事)などを参照。
===1節===
[[画像:Historische Karte CH Rome 1.png|thumb|right|300px|現在の[[w:スイス|スイス]]の帝制ローマ時代の地図。左下の三日月形の[[w:レマン湖|レマン湖]]の下方に、<span style="font-family:Times New Roman;">ALLOBROGES, NANTUATES, VERAGRI, SEDUNI</span> の部族名が見える。]]
[[画像:Afdaling vd San Bernardino - panoramio.jpg|thumb|right|300px|現在の[[w:グラン・サン・ベルナール峠|グラン・サン・ベルナール峠]]。ラテン語では <span style="font-family:Times New Roman;">[[w:la:Porta Magni Sancti Bernardi|Porta Magni Sancti Bernardi]] という。<br>スイスを縦断する[[w:欧州自動車道路|欧州自動車道路]] [[w:en:European route E27|E27]] が[[w:レマン湖|レマン湖]]からこの峠を通ってイタリアの[[w:アオスタ|アオスタ]]へ至る。</span>]]
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/1節]] {{進捗|00%|2022-04-23}}</span>
'''ガルバとローマ第12軍団が、ロダヌス川渓谷のオクトードゥールスにて冬営する'''
<br>
; カエサルが、ガルバと軍団・騎兵をアルプス地方へ派兵
*Cum in Italiam proficisceretur Caesar,
**カエサルは、イタリア〔[[w:ガリア・キサルピナ|ガッリア・キサルピーナ]]〕に出発していたときに、
*[[wikt:en:Servium|Servium]] Galbam cum [[w:en:Legio XII Fulminata|legione duodecima(XII.)]] et parte equitatus
**[[w:セルウィウス・スルピキウス・ガルバ (紀元前54年法務官)|セルウィウス・ガルバ]]を第12軍団および騎兵隊の一部とともに、
*in [[wikt:fr:Nantuates#Latin|Nantuates]], [[wikt:en:Veragri#Latin|Veragros]] Sedunosque misit,
**ナントゥアーテース族・ウェラーグリー族・セドゥーニー族(の領土)に派遣した。
*qui a finibus [[wikt:en:Allobroges#Latin|Allobrogum]] et lacu [[wikt:fr:Lemannus|Lemanno]] et flumine [[wikt:en:Rhodanus#Latin|Rhodano]] ad summas [[wikt:en:Alpes#Latin|Alpes]] pertinent.
**彼らはアッロブロゲース族の領土、レマンヌス湖〔[[w:レマン湖|レマン湖]]〕およびロダヌス川〔[[w:ローヌ川|ローヌ川]]〕から[[w:アルプス山脈|アルプス]]の頂きに及んでいる。
*Causa mittendi fuit,
**派遣の理由は(以下のこと)であった:
*quod iter per Alpes,
**アルプスを通る道は、
*quo magno cum periculo magnisque cum [[wikt:en:portorium|portoriis]] mercatores ire consuerant,
**大きな危険と多額の関税を伴って商人たちが旅することが常であったので、
*patefieri volebat.
**(カエサルは道が)開かれることを望んでいたのだ。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:現在の[[w:グラン・サン・ベルナール峠|グラン・サン・ベルナール峠]]を通ってスイスとイタリアを結ぶ道のことで、<br> 帝制初期に[[w:アウグストゥス|アウグストゥス]]によって街道が敷設された。<br> かつて[[w:ハンニバル|ハンニバル]]が越えたのは諸説あるが、この道であった可能性もある。<br> ローマ人がこの地に移入・育成した軍用犬は現在の[[w:セント・バーナード|セント・バーナード犬]]。)</span>
*Huic permisit, si opus esse arbitraretur, uti in his locis legionem hiemandi causa conlocaret.
**彼〔ガルバ〕に、もし必要と思われるならば、この地に軍団を[[w:冬営|冬営]]するために宿営させることを許可した。
[[画像:Servius Sulpicius Galba.jpg|thumb|right|300px|[[w:セルウィウス・スルピキウス・ガルバ (紀元前54年法務官)|セルウィウス・スルピキウス・ガルバ]]の横顔が刻まれた貨幣。ガルバは[[w:紀元前54年|BC54年]]([[ガリア戦記 第5巻|ガリア戦記 第5巻]]の年)に[[w:プラエトル|法務官]]に任官。内戦期もカエサルに従うが、暗殺計画に参画する。<br>[[w:ネロ|ネロ帝]]とともにユリウス家の王朝が途絶えると、ガルバの曽孫が[[w:ローマ内戦_(68年-70年)#四皇帝|四皇帝]]の一人目の[[w:ガルバ|ガルバ帝]]となった。このため[[w:ガイウス・スエトニウス・トランクィッルス|スエートーニウス]]『ローマ皇帝伝』の「ガルバ伝」にガルバへの言及がある<ref>[[s:la:De_vita_Caesarum_libri_VIII/Vita_Galbae#III.]]</ref>。]]
<br>
; ガルバが、諸部族を攻略して、軍団の冬営を決める
*Galba, secundis aliquot proeliis factis
**ガルバは、いくつかの優勢な戦いをして、
*castellisque compluribus eorum expugnatis,
**彼ら〔ガッリア諸部族〕の多くの砦が攻略されると、
*missis ad eum undique legatis
**彼〔ガルバ〕のもとへ四方八方から(諸部族の)使節たちが遣わされ、
*obsidibusque datis et pace facta,
**人質が供出されて、講和がなされたので、
*constituit
**(ガルバは、以下のことを)決めた。
*cohortes duas in Nantuatibus conlocare
**2個<ruby><rb>[[w:コホルス|歩兵大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>をナントゥアーテース族(の領土)に宿営させること、
*et ipse cum reliquis eius legionis cohortibus
**(ガルバ)自身はその軍団の残りの<ruby><rb>歩兵大隊</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>とともに、
*in vico Veragrorum, qui appellatur [[wikt:en:Octodurus|Octodurus]], hiemare;
**オクトードゥールスと呼ばれているウェラーグリー族の村に冬営することを。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:オクトードゥールス([[wikt:en:Octodurus|Octodurus]])は現在の[[w:マルティニー|マルティニー市]]。)</span>
<br>
; ウェラーグリー族のオクトードゥールス村
*qui vicus positus in valle, non magna adiecta planitie,
**その村は、さほど大きくない平地に付随した渓谷の中に位置し、
*altissimis montibus undique continetur.
**とても高い山々で四方八方を囲まれている。
*Cum hic in duas partes flumine divideretur,
**これ〔村〕は川によって二つの部分に分け隔てられているので、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:現在の[[w:マルティニー|マルティニー]]の街中を、[[w:ローヌ川|ローヌ川]]の支流であるドランス川(''[[w:en:Drance|Drance]])が貫流している。)</span>
*alteram partem eius vici Gallis [ad hiemandum] concessit,
**その村の一方の部分をガッリア人に [越冬するために] 譲った。
*alteram vacuam ab his relictam cohortibus attribuit.
**もう一方の彼ら〔ガッリア人〕により空にされた方を、残りの<ruby><rb>歩兵大隊</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>に割り当てた。
*Eum locum vallo fossaque munivit.
**その地を堡塁と塹壕で守りを固めた。
<div style="text-align:center">
{|
|-
|[[画像:Martigny_1600.jpg|thumb|right|600px|かつてウェラーグリー族のオクトードゥールス村([[w:la:Octodurus|Octodurus]])があった所は、現在では[[w:スイス|スイス]]の[[w:マルティニー|マルティニー]]([[w:en:Martigny|Martigny]])市となっている。[[w:ローヌ川|ローヌ川]]が屈曲して流れる[[w:谷|渓谷]]地帯にある。]]
|}
</div>
<div style="background-color:#eee;width:77%;">
===コラム「ガルバの派遣とカティリーナ事件」===
:::関連記事:<span style="font-family:Times New Roman;font-size:13pt;">[[w:la:Catilinae coniuratio|Catilinae coniuratio]], ''[[w:en:Second Catilinarian conspiracy|Second Catilinarian conspiracy]]''</span>
:<span style="color:#009900;"> [[w:セルウィウス・スルピキウス・ガルバ (紀元前54年法務官)|セルウィウス・スルピキウス・'''ガルバ''']]にアルプス派兵を指揮させた理由について、カエサルは記していない。<br><br> [[w:紀元前63年|BC63年]]~[[w:紀元前62年|BC62年]]に、ローマの高官だった[[w:ルキウス・セルギウス・カティリナ|ルーキウス・セルギウス・'''カティリーナ''']]([[w:la:Lucius Sergius Catilina|Lucius Sergius Catilina]])がクーデタを企てるという大事件があった。'''[[w:マルクス・トゥッリウス・キケロ|キケロー]]'''が『[[w:カティリナ弾劾演説|カティリナ弾劾演説]]』で糾弾し、カエサルが事件の黒幕ではないかと取り沙汰された(スエートニウス<ref>[[s:la:De_vita_Caesarum_libri_VIII/Vita_divi_Iuli#XIV.]], [[s:la:De_vita_Caesarum_libri_VIII/Vita_divi_Iuli#XVII.|#XVII.]] を参照。</ref>)。<br> BC63年の[[w:プラエトル|法務官]][[w:ガイウス・ポンプティヌス|ガーイウス・'''ポンプティーヌス''']]がキケローを助けて事件を捜査し、アッロブロゲース族からカティリーナへ宛てた手紙を調べた。BC62年にポンプティーヌスは前法務官としてガッリア総督となり、事件に関与していたアッロブロゲース族を平定した。このとき、[[w:トリブヌス|副官]]としてポンプティーヌスを助けてアッロブロゲース族を攻めたのが'''ガルバ'''であった。総督がカエサルに替わっても、ガルバは副官として留任し、アッロブロゲース族の近隣部族の鎮定に努めていたわけである。<br> ポンプティーヌスは、一部の元老院議員の反対で、戦勝将軍の権利である[[w:凱旋式|凱旋式]]ができなかった。これを不満に思っていたガルバは、[[w:紀元前54年|BC54年]]に法務官になると尽力して、その年にポンプティーヌスの凱旋式を行なうことに成功した。
<div style="text-align:center">
{|
|-
|[[画像:Joseph-Marie Vien - The Oath of Catiline.jpg|thumb|right|320px|'''カティリーナの誓い'''(''Le Serment de Catiline'')<br>[[w:ジョゼフ=マリー・ヴィアン|ジョゼフ=マリー・ヴィアン]]画(1809年)。<hr>カティリーナと共謀者たちは、人間の血を混ぜたワインを飲んで誓いを立てる儀式を行なったと伝えられている。]]
|[[画像:The discovery of the body of Catiline after the Battle of Pistoia (1871), by Alcide Segoni.jpg|thumb|right|320px|'''カティリーナの遺骸の発見'''<br>(''Il ritrovamento del corpo di Catilina'')<br>''[[w:en:Alcide Segoni|Alcide Segoni]]'' 画(1871年)<hr>アッロブロゲース族のいるガッリアへ向かおうとしていたカティリーナは、[[w:ピストイア|ピストリア]]([[w:la:Pistorium|Pistoria]])の戦い(''[[w:en:Battle of Pistoia|Battle of Pistoia]]'')で戦死した。]]
|}
</div>
</div>
<!--
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===2節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/2節]] {{進捗|00%|2022-05-05}}</span>
'''ガッリア人が再び挙兵して周囲の高峰を押さえ、第12軍団の冬営地を包囲'''
*Cum dies hibernorum complures transissent frumentumque eo comportari iussisset,
**冬営の多くの日々が過ぎ去って、穀物がそこに運び集められることを([[w:セルウィウス・スルピキウス・ガルバ (紀元前54年法務官)|ガルバ]]が)命じていたときに、
*subito per exploratores certior factus est
**突然に(以下のことが)[[w:偵察|偵察隊]]により報告された。
*ex ea parte vici, quam Gallis concesserat, omnes noctu discessisse
**ガッリア人たちに譲っていた村の一部から、皆が夜に立ち退いており、
*montesque, qui [[wikt:en:impendeo#Latin|impenderent]], a maxima multitudine Sedunorum et [[wikt:en:Veragri|Veragrorum]] teneri.
**そそり立つ山々がセドゥーニー族とウェラーグリー族のかなりの大勢により占拠されたのだ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ウェラーグリー族は既述のようにオクトードゥールス村 [[w:la:Octodurus|Octodurus]]〔現在の[[w:マルティニー|マルティニー市]]〕を、<br>セドゥーニー族 [[w:la:Seduni|Seduni]] はより上流のセドゥヌム [[w:la:Sedunum|Sedunum]]〔現在の[[w:シオン (スイス)|シオン市]]〕を首邑としていた。)</span>
*Id aliquot de causis acciderat,
**いくつかの理由から、起こっていたことには、
*ut subito Galli belli renovandi legionisque opprimendae consilium caperent:
**突如としてガッリア人が、戦争を再開して(ローマ人の)軍団を急襲する作戦計画を立てたのだ。
<br>
; 第1の理由:ガルバの第12軍団は、兵が割かれていて寡勢である
*primum, quod legionem neque eam plenissimam detractis cohortibus duabus
**というのも、第一に、総員がそろっていない軍団を ──2個<ruby><rb>[[w:コホルス|歩兵大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>が引き抜かれていて、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:前節で既述のように、2個歩兵大隊をナントゥアーテース族のところに宿営させていたが、これはレマンヌス湖〔[[w:レマン湖|レマン湖]]〕に近いより下流の地域で、離れていたようだ。)</span>
*et compluribus singillatim, qui commeatus petendi causa missi erant, absentibus,
**多くの者たちが一人ずつ、糧食を求めるために派遣されていて不在である、──
*propter paucitatem despiciebant;
**(その第12軍団を)少数であるゆえに、見下していたからだ。
<br>
; 第2の理由:渓谷にいるローマ人は、山から攻め降りて来るガッリア人の飛道具を受け止められまい
*tum etiam, quod propter iniquitatem loci,
**それからさらに(ローマ勢が冬営している渓谷の)地の利の無さゆえ、
*cum ipsi ex montibus in vallem decurrerent et tela conicerent,
**(ガッリア勢)自身が山々から谷間に駆け下りて飛道具を投じたときに、
*ne primum quidem impetum suum posse sustineri existimabant.
**自分たちの最初の襲撃を(ローマ勢が)持ちこたえることができない、と判断していたので。
<br>
; 第3の理由:人質を取られて、属州に併合される前にローマ人を討て
*Accedebat, quod suos ab se liberos abstractos obsidum nomine dolebant,
**加えて、人質の名目で自分たちから引き離されている自分の子供たちのことを嘆き悲しんでいたので、
*et Romanos non solum itinerum causa, sed etiam perpetuae possessionis
**かつ、ローマ人たちは道(の開通)のためだけでなく、永続的な領有のためにさえも
*culmina Alpium occupare <u>conari</u>
**アルプスの頂上を占領すること、
*et ea loca finitimae provinciae adiungere
**および(ローマの)属州に隣接する当地を併合することを<u>企てている</u>、
*sibi persuasum habebant.
**と(ガッリア人たちは)確信していたのである。
<!--
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===3節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/3節]] {{進捗|00%|2022-05-12}}</span>
'''ガルバが軍議を召集し、策を募る'''
*His nuntiis acceptis Galba,
**ガルバは、これらの報告を受け取ると、
*<u>cum</u> neque opus hibernorum munitionesque plene essent perfectae
**冬営の普請や防塁構築も十分に完成していなかったし、
*neque de frumento reliquoque commeatu satis esset provisum,
**穀物や他の糧秣も十分に調達されていなかった<u>ので</u>、
*quod deditione facta obsidibusque acceptis
**── というのも、降伏がなされて、人質が受け取られ、
*nihil de bello timendum existimaverat,
**戦争について恐れるべきことは何もない、と判断していたためであるが、──
*consilio celeriter convocato sententias exquirere coepit.
**軍議を速やかに召集して、意見を求め始めた。
<br>
;軍議
*Quo in consilio,
**その軍議において、
*<u>cum</u> tantum repentini periculi praeter opinionem accidisset
**これほどの不意の危険が、予想に反して起こっていたので、
*ac iam omnia fere superiora loca multitudine armatorum completa conspicerentur
**かつ、すでにほぼすべてのより高い場所が、武装した大勢の者たちで満たされていることが、見られていたので、
*neque subsidio veniri
**救援のために(援軍が)来られることもなかったし、
*neque commeatus supportari interclusis itineribus possent,
**糧秣が運び込まれることも、道が遮断されているので、できなかった<u>ので</u>、
*prope iam desperata salute non nullae eius modi sententiae dicebantur,
**すでにほぼ身の安全に絶望していた幾人かの者たちの'''以下のような'''意見が述べられていた。
*ut impedimentis relictis eruptione facta
**輜重を残して、出撃して、
*isdem itineribus quibus eo pervenissent ad salutem contenderent.
**そこへやって来たのと同じ道によって、安全なところへ急ぐように、と。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:レマンヌス〔[[w:レマン湖|レマン湖]]〕湖畔を通ってアッロブロゲース族領へ撤収することであろう。)</span>
*Maiori tamen parti placuit,
**しかしながら、大部分の者が賛成したのは、
*hoc reservato ad extremum consilio
**この考え(計画)を最後まで保持しておいて、
*interim rei eventum experiri et castra defendere.
**その間に、事の結果を吟味して、陣営を守備すること、であった。
<!--
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===4節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/4節]] {{進捗|00%|2022-05-16}}</span>
'''ガッリア勢がガルバの陣営を急襲し、寡兵のローマ勢は劣勢に陥る'''
*Brevi spatio interiecto,
**(敵の来襲まで)短い間が介在しただけだったので、
*vix ut iis rebus quas constituissent conlocandis atque administrandis tempus daretur,
**決めておいた物事を配置したり遂行するための時間が、ほとんど与えられないほどであった。
*hostes ex omnibus partibus signo dato decurrere,
**敵方〔ガッリア勢〕があらゆる方向から、号令が出されて、駆け下りて来て、
*lapides [[wikt:en:gaesum|gaesa]]que in vallum conicere.
**石や投槍を堡塁の中に投げ込んだ。
*Nostri primo integris viribus fortiter propugnare
**我が方〔ローマ勢〕は、当初、体力が損なわれていないうちは勇敢に応戦して、
*neque ullum frustra telum ex loco superiore mittere,
**高所から、いかなる飛道具も無駄に投げることはなかった。
*et quaecumque<!--ut quaeque--> pars castrorum nudata defensoribus premi videbatur,
**陣営のどの部分であれ、防戦者たちがはがされて押され気味であることと思われれば、
*eo occurrere et auxilium ferre,
**(ローマ勢が)そこへ駆け付けて、支援した。
<br>
; 兵の多寡が、ローマ勢を追い込む
*sed hoc superari
**しかし、以下のことにより(ローマ勢は)打ち破られた。
*quod diuturnitate pugnae hostes defessi proelio excedebant,
**──戦いが長引いたことにより、疲れ切った敵たちは戦闘から離脱して、
*alii integris viribus succedebant;
**体力が損なわれていない他の者たちが交代していたのだ。──
*quarum rerum a nostris propter paucitatem fieri nihil poterat,
**我が方〔ローマ勢〕は少数であるゆえに、このような事〔兵の交代〕は何らなされ得なかった。
*ac non modo defesso ex pugna excedendi,
**疲弊した者にとっての戦いから離脱することの(機会)のみならず、
*sed ne saucio quidem eius loci ubi constiterat relinquendi ac sui recipiendi facultas dabatur.
**負傷した者にとってさえも、その持ち場を放棄することや(体力を)回復することの機会も与えられなかったのだ。
<!--
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===5節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/5節]] {{進捗|00%|2022-05-29}}</span>
'''最後の土壇場で説得されたガルバが、疲労回復後の突撃に命運を賭ける'''
*<u>Cum</u> iam amplius horis sex continenter pugnaretur,
**すでに6時間より多く引き続いて戦われており、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[古代ローマの不定時法]]では、冬の日中の半日ほどである)</span>
*ac non solum vires sed etiam tela nostros deficerent,
**活力だけでなく飛道具さえも我が方〔ローマ勢〕には不足していたし、
*atque hostes acrius instarent
**敵方〔ガッリア勢〕はより激しく攻め立てていて、
*languidioribusque nostris
**我が方〔ローマ勢〕が弱り切っており、
*vallum scindere et fossas complere coepissent,
**(ガッリア勢は)防柵を破却したり、塹壕を埋め立てたりし始めていたし、
*resque esset iam ad extremum perducta casum,
**戦況はすでに最後の土壇場に陥っていた<u>ので</u>、
<br>
; 二人の軍団首脳バクルスとウォルセーヌスが、ガルバに敵中突破を説く
*[[wikt:en:P.|P.]] Sextius Baculus, primi pili centurio,
**<ruby><rb>[[w:プリムス・ピルス|首位百人隊長]]</rb><rp>(</rp><rt>プリームス・ピールス</rt><rp>)</rp></ruby>プーブリウス・セクスティウス・バクルス
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[w:la:Publius Sextius Baculus|Publius Sextius Baculus]] などの記事を参照。)</span>
*quem Nervico proelio compluribus confectum vulneribus diximus,
**──その者が[[w:ネルウィイ族|ネルウィイー族]]との戦いで多くの負傷で消耗したと前述した──
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[ガリア戦記 第2巻#25節|第2巻25節]]を参照。なお、[[ガリア戦記 第6巻#38節|第6巻38節]] でも言及される。)</span>
*et item [[wikt:en:C.#Latin|C.]] Volusenus, tribunus militum, vir et consilii magni et virtutis,
**および <ruby><rb>[[w:トリブヌス・ミリトゥム|兵士長官]]</rb><rp>(</rp><rt>トリブヌス・ミリトゥム</rt><rp>)</rp></ruby> ガーイウス・ウォルセーヌス ──卓越した判断力と武勇を持つ男──(の2人)は、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:''[[w:en:Gaius Volusenus|Gaius Volusenus]]'' は、この後、[[ガリア戦記_第4巻#21節|第4巻21節]]・[[ガリア戦記_第4巻#23節|23節]]でブリタンニアへ遣わされ、<br> さらに、[[ガリア戦記_第6巻#41節|第6巻41節]]、第8巻23節<sub>([[s:la:Commentarii_de_bello_Gallico/Liber_VIII#23|s]])</sub>、48節<sub>([[s:la:Commentarii_de_bello_Gallico/Liber_VIII#48|s]])</sub>でも活躍する。)</span>
*ad Galbam accurrunt
**ガルバのもとへ急いで来て、
*atque unam esse spem salutis docent, si eruptione facta extremum auxilium experirentur.
**身の安全のただ一つの希望は、出撃をして最後の救済策を試みるかどうかだ、と説く。
*Itaque convocatis centurionibus
**こうして、<ruby><rb>[[w:ケントゥリオ|百人隊長]]</rb><rp>(</rp><rt>ケントゥリオー</rt><rp>)</rp></ruby>たちが召集されて、
*celeriter milites certiores facit,
**(ガルバが以下のことを)速やかに兵士たちに通達する。
*paulisper intermitterent proelium
**しばらく戦いを中断して
*ac tantummodo tela missa exciperent seque ex labore reficerent,
**ただ投げられた飛道具を遮るだけとし、疲労から(体力を)回復するようにと、
*post dato signo ex castris erumperent,
**与えられた号令の後に陣営から出撃するように、
*atque omnem spem salutis in virtute ponerent.
**身の安全のすべての希望を武勇に賭けるように、と。
<!--
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===6節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/6節]] {{進捗|00%|2022-06-05}}</span>
'''第12軍団がガッリア勢を破るが、ガルバはオクトードゥールスでの冬営を断念する'''
*Quod iussi sunt faciunt,
**(ローマ兵たちは)命じられたことをなして、
*ac subito omnibus portis eruptione facta
**突然に(陣営の)すべての門から出撃がなされ、
*neque cognoscendi quid fieret
**何が生じたのかを知ることの(機会)も
*neque sui colligendi hostibus facultatem relinquunt.
**(自軍の兵力を)集中することの機会も、敵方に残さない。
*Ita commutata fortuna
**こうして武運が変転して、
*eos qui in spem potiundorum castrorum venerant undique circumventos intercipiunt,
**(ローマ人の)陣営を占領することを期待してやって来ていた者たちを、至る所で包囲して<ruby><rb>屠</rb><rp>(</rp><rt>ほふ</rt><rp>)</rp></ruby>る。
*et ex hominum milibus amplius XXX{triginta},
**3万より多い人間が
*quem numerum barbarorum ad castra venisse constabat,
**それだけの数の蛮族が(ローマ)陣営のところへ来ていたのは、確実であったが、
*plus tertia parte interfecta
**3分の1より多く(の者)が<ruby><rb>殺戮</rb><rp>(</rp><rt>さつりく</rt><rp>)</rp></ruby>されて、
*reliquos perterritos in fugam coiciunt
**(ローマ勢は)残りの者たちを怖気づかせて敗走に追いやり、
*ac ne in locis quidem superioribus consistere patiuntur.
**(ガッリア勢は)より高い場所にさえ留まることさえ許されない。
*Sic omnibus hostium copiis fusis armisque exutis
**そのように敵方の全軍勢が撃破されて、武器が放棄されて、
*se intra munitiones suas recipiunt.
**(ローマ勢は)自分たちの防塁の内側に撤収する。
<br>
; ガルバがオクトードゥールスでの冬営を断念して、同盟部族領に撤退する
*Quo proelio facto,
**この戦いが果たされると、
*quod saepius fortunam temptare Galba nolebat
**──ガルバは、よりたびたび武運を試すことを欲していなかったし、
*atque alio se in hiberna consilio venisse meminerat,
**冬営に他の計画のために来ていたことを思い出していたが、
*aliis occurrisse rebus videbat,
**別の事態に遭遇したのを見ていたので、──
*maxime frumenti commeatusque inopia permotus
**とりわけ穀物や糧秣の欠乏に揺り動かされて、
*postero die omnibus eius vici aedificiis incensis
**翌日にその村のすべての建物が焼き討ちされて、
*in provinciam reverti contendit,
**(ガルバは)属州〔[[w:ガリア・キサルピナ|ガッリア・キサルピーナ]]〕に引き返すことを急ぐ。
*ac nullo hoste prohibente aut iter demorante
**いかなる敵によって妨げられることも、あるいは行軍が遅滞させられることもなく、
*incolumem legionem in Nantuates,
**軍団を無傷なままでナントゥアーテース族(の領土)に(連れて行き)、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ナントゥアーテース族 ''[[w:en:Nantuates|Nantuates]]'' は、レマンヌス湖〔[[w:レマン湖|レマン湖]]〕の南東を領有していた部族。<br> [[#1節]]で、軍団のうち2個<ruby><rb>[[w:コホルス|歩兵大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>を宿営させたことが述べられた。)</span>
*inde in Allobroges perduxit ibique hiemavit.
**そこから、アッロブロゲース族(の領土)に連れて行き、そこで冬営した。
<div style="text-align:center">
{|
|-
|[[画像:Amphitheaterforumclaudiival1.jpg|thumb|right|500px|オクトードゥールス(<span style="font-family:Times New Roman;">[[w:la:Octodurus|Octodurus]]</span>)、すなわち現在の[[w:マルティニー|マルティニー市]]に遺る帝制ローマ時代の円形競技場。オクトードゥールスは、<span style="font-family:Times New Roman;">Forum Claudii Vallensium</span> と改称され、[[w: クラウディウス|クラウディウス帝]]によって円形競技場が建てられた。<br>(<span style="font-family:Times New Roman;">''[[w:fr:Amphithéâtre de Martigny|Amphithéâtre de Martigny]]''</span> 等の記事を参照。)]]
|}
</div>
<!--
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
==大西洋岸ウェネティー族の造反==
:::<span style="background-color:#ffd;">関連記事:[[w:モルビアン湾の海戦|モルビアン湾の海戦]]、''[[w:fr:Guerre des Vénètes|fr:Guerre des Vénètes]]'' 等を参照せよ。</span>
===7節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/7節]] {{進捗|00%|2022-06-12}}</span>
'''新たな戦争の勃発'''
*His rebus gestis
**これらの戦役が遂げられて、
*cum omnibus de causis Caesar pacatam Galliam existimaret,
**カエサルが、あらゆる状況についてガッリアは平定された、と判断していたときに、
*superatis Belgis,
**(すなわち)[[w:ベルガエ|ベルガエ人]]は征服され、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:第2巻で述べられたこと)</span>
*expulsis Germanis,
**[[w:ゲルマニア|ゲルマーニア]]人は駆逐され、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:第1巻で述べられた[[w:アリオウィストゥス|アリオウィストゥス]]との戦役のこと)</span>
*victis in [[wikt:en:Alpibus|Alpibus]] Sedunis,
**アルペース〔[[w:アルプス山脈|アルプス]]〕においてセドゥーニー族は打ち負かされて、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#1節]]~[[#6節]]で述べられたこと)</span>
*atque ita inita hieme in [[wikt:en:Illyricum#Latin|Illyricum]] profectus esset,
**こうして冬の初めに(カエサルが)[[w:イリュリクム|イッリュリクム]]に出発していたときに、
*quod eas quoque nationes adire et regiones cognoscere volebat,
**──というのは、これら各部族を訪れて諸地方を知ることを欲していたからであるが、──
**:<span style="color:#009900;">(訳注:属州総督の職務として、巡回裁判を行う必要があったためであろう)</span>
*subitum bellum in Gallia coortum est.
**突然の戦争がガッリアで勃発したのである。
<br>
; 戦争の背景
*Eius belli haec fuit causa:
**その戦争の原因は、以下の通りであった。
*[[wikt:en:P.|P.]] Crassus adulescens cum legione septima(VII.)
**[[w:プブリウス・リキニウス・クラッスス|プーブリウス・クラッスス青年]]は、第7軍団とともに
**:<span style="color:#009900;">(訳注:三頭政治家[[w:マルクス・リキニウス・クラッスス|M. クラッスス]]の息子で、第1巻[[s:la:Commentarii_de_bello_Gallico/Liber_I#52|52節]]では騎兵隊の指揮官だった。<br> [[ガリア戦記_第2巻#34節|第2巻34節]]では、1個軍団とともに大西洋沿岸地方に派遣されたと述べられた。)</span>
*proximus mare Oceanum in Andibus hiemarat.
**<ruby><rb>大洋〔[[w:大西洋|大西洋]]〕</rb><rp>(</rp><rt>オーケアヌス</rt><rp>)</rp></ruby>に最も近いアンデース族(の領土)で冬営していた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:アンデース族 Andes は、'''アンデカーウィー族''' [[w:la:Andecavi|Andecavi]], ''[[wikt:en:Andecavi|Andecavi]]'' と呼ばれることが多い。<br> 実際には大西洋岸から内陸側に寄っていたと考えられている。)</span>
*Is, quod in his locis inopia frumenti erat,
**彼〔クラッスス〕は、これらの場所においては穀物の欠乏があったので、
*praefectos tribunosque militum complures in finitimas civitates
**([[w:アウクシリア|支援軍]]の)<ruby><rb>[[w:プラエフェクトゥス|指揮官]]</rb><rp>(</rp><rt>プラエフェクトゥス</rt><rp>)</rp></ruby>たちや<ruby><rb>[[w:トリブヌス・ミリトゥム|兵士長官]]</rb><rp>(</rp><rt>トリブヌス・ミリトゥム</rt><rp>)</rp></ruby>たちのかなりの数を、近隣諸部族のところへ
*frumenti (commeatusque petendi) causa dimisit;
**穀物や糧食を求めるために送り出した。
*quo in numero est [[wikt:en:T.#Latin|T.]] Terrasidius missus in Esuvios<!--/ Unellos Essuviosque-->,
**その人員のうち、ティトゥス・テッラシディウスは、エスウィイー族<!--ウネッリー族やエスウィイー族-->のところに遣わされ、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:テッラシディウスは騎士階級の将校。''[[w:en:Terrasidius|Terrasidius]]'' 参照。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:エスウィイー族 ''[[w:en:Esuvii|Esuvii]]'' は、現在の[[w:オルヌ川|オルヌ川]]盆地の[[w:オルヌ県|オルヌ県]][[w:セー (オルヌ県)|セー]]~[[w:fr:Exmes|エム]]の辺りにいたらしい。)</span>
*[[wikt:en:M.#Latin|M.]] [[wikt:en:Trebius#Latin|Trebius]] Gallus in Coriosolităs,
**マールクス・トレビウス・ガッルスは、コリオソリテース族のところに(遣わされ)、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:''[[w:it:Marco Trebio Gallo|it:Marco Trebio Gallo]]'' 等参照)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:コリオソリテース族 ''[[w:en:Coriosolites|Coriosolites]]'' は、クーリオソリーテース ''[[wikt:en:Curiosolites|Curiosolites]]'' などとも呼ばれ、<br> 現在の[[w:コート=ダルモール県|コート=ダルモール県]]コルスール([[w:en:Corseul|Corseul]])の辺りにいたらしい。)</span>
*[[wikt:en:Q.|Q.]] [[wikt:en:Velanius#Latin|Velanius]] cum T. Sillio in Venetos.
**クゥイーントゥス・ウェラーニウスはティトゥス・シーッリウスとともに、[[w:ウェネティ族 (ガリア)|ウェネティー族]]のところに(遣わされた)。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:''[[w:it:Quinto Velanio|it:Quinto Velanio]], [[w:it:Tito Silio|it:Tito Silio]]'' 等参照。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[w:ウェネティ族 (ガリア)|ウェネティー族]] ''[[w:en:Veneti (Gaul)|Veneti (Gaul)]]'' は、[[w:アルモリカ|アルモリカ]]南西部、現在の[[w:モルビアン県|モルビアン県]]辺りにいた。)</span>
<!--
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===8節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/8節]] {{進捗|00%|2022-06-13}}</span>
'''ウェネティー族らの動き'''
<br>
; 沿海地方を主導するウェネティー族
*Huius est civitatis longe amplissima auctoritas omnis orae maritimae regionum earum,
**この部族〔ウェネティー族〕の<ruby><rb>影響力</rb><rp>(</rp><rt>アウクトーリタース</rt><rp>)</rp></ruby>は、海岸のその全地方の中でずば抜けて大きい。
*quod et naves habent Veneti plurimas,
**── というのは、[[w:ウェネティ族 (ガリア)|ウェネティー族]]は、最も多くの船舶を持っており、
*quibus in Britanniam navigare consuerunt,
**それら〔船団〕によって[[w:ブリタンニア|ブリタンニア]]に航海するのが常であり、
*et scientia atque usu rerum nauticarum ceteros antecedunt
**かつ[[w:海事|海事]]の知識と経験において他の者たち〔諸部族〕をしのいでおり、
*et in magno impetu maris atque aperto <Oceano>
**かつ海のたいへんな荒々しさと開けた<<ruby><rb>大洋〔[[w:大西洋|大西洋]]〕</rb><rp>(</rp><rt>オーケアヌス</rt><rp>)</rp></ruby>>において、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:<Oceano> は写本になく、挿入提案された修正読み)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[w:大陸棚|大陸棚]]が広がる[[w:ビスケー湾|ビスケー湾]]は、世界最大12mの大きな[[w:潮汐|干満差]]と、<br> 北西風による激しい嵐で知られる<ref>[https://kotobank.jp/word/%E3%83%93%E3%82%B9%E3%82%B1%E3%83%BC%E6%B9%BE-119819 ビスケー湾とは - コトバンク]</ref>。)</span>
*paucis portibus interiectis,
**わずかの港が介在していて、
*quos tenent ipsi,
**彼ら自身〔ウェネティー族〕がそれら〔港湾〕を制していて、
*omnes fere qui eo mari uti consuerunt, habent vectigales.
**その海を利用するのが常であった者たち〔部族〕ほぼすべてを、貢税者としていたのだ。──
<br>
; ウェネティー族が、クラッススの使節たちを抑留する
*Ab his fit initium retinendi Sillii atque Velanii,
**彼ら〔ウェネティー族〕によって、シーッリウスとウェラーニウスを拘束することが皮切りとなる。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:2人は、前節([[#7節]])でウェネティー族への派遣が述べられた使節)</span>
*<u>et si quos intercipere potuerunt</u>
**何らかの者たちを捕えることができたのではないか、と。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、β系写本だけの記述で、α系写本にはない。)</span>
*quod per eos suos se obsides, quos Crasso dedissent, recuperaturos existimabant.
**というのは、彼らを介して、[[w:プブリウス・リキニウス・クラッスス|クラッスス]]に差し出されていた己の人質たちを取り戻すことができると考えていたのである。
<br>
*Horum auctoritate finitimi adducti,
**彼ら〔ウェネティー族〕の影響力によって、近隣の者たち〔諸部族〕が動かされて、
*ut sunt Gallorum subita et repentina consilia,
**──ガッリア人の判断力というものは、思いがけなく性急なものであるが、──
*eadem de causa Trebium Terrasidiumque retinent
**同じ理由によりトレビウスとテッラシディウスを拘束する。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:トレビウスは、前節でコリオソリテース族に派遣された。<br> テッラシディウスは、前節でエスウィイー族に派遣された。)</span>
*et celeriter missis legatis
**そして速やかに使節が遣わされて、
*per suos principes inter se coniurant
**自分らの領袖たちを通して互いに誓約する。
*nihil nisi communi consilio acturos eundemque omnes fortunae exitum esse laturos,
**合同の軍議なしには何も実施しないであろうし、皆が命運の同じ結果に耐えるであろう、と。
*reliquasque civitates sollicitant,
**残りの諸部族を扇動する。
*ut in ea libertate quam a maioribus acceperint, permanere quam Romanorum servitutem perferre malint.
**ローマ人への隷属を辛抱することより、むしろ先祖から引き継いでいた自由に留まることを欲すべし、と。
<br>
*Omni ora maritima celeriter ad suam sententiam perducta
**すべての海岸(の諸部族)が速やかに自分たち〔ウェネティー族〕の見解に引き込まれると、
*communem legationem ad [[wikt:en:Publium|Publium]] Crassum mittunt,
**共同の使節を[[w:プブリウス・リキニウス・クラッスス|プーブリウス・クラッスス]]のもとへ遣わす。
*si velit suos recuperare, obsides sibi remittat.
**もし味方の者たち〔ローマ人〕を取り戻すことを望むならば、自分たち〔諸部族〕の人質たちを返すように、と。
<!--
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===9節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/9節]] {{進捗|00%|2022-06-19}}</span>
{{Wikipedia|la:Liger| Liger }}
'''カエサル到着、ウェネティー族らの作戦と開戦準備'''
; カエサルが、海戦の準備を手配してから、沿岸地域に急ぐ
*Quibus de rebus Caesar a Crasso certior factus,
**以上の事について、カエサルは[[w:プブリウス・リキニウス・クラッスス|クラッスス]]により報知されると、
*quod ipse aberat longius,
**(カエサル)自身は非常に遠くに離れていたので、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#コラム「ルカ会談」|#ルカ会談]]などローマへの政界工作のために属州にいたと考えられている。)</span>
*naves interim longas aedificari in flumine [[wikt:la:Liger#Latine|Ligeri]], quod influit in Oceanum,
**その間に<u>軍船</u>が<ruby><rb>大洋〔[[w:大西洋|大西洋]]〕</rb><rp>(</rp><rt>オーケアヌス</rt><rp>)</rp></ruby>に流れ込むリゲル川〔[[w:ロワール川|ロワール川]]〕にて建造されること、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:艦隊 [[w:la:Classis Romana|classis]] の主力として戦う[[w:ガレー船|ガレー船]]は「長船」[[w:la:Navis longa|navis longa]] と呼ばれていた。<br> これに対して、軍需物資を運搬する輸送船は [[w:la:Navis actuaria|navis actuaria]] と呼ばれていた。)</span>
*remiges ex provincia institui,
**<ruby><rb>漕ぎ手</rb><rp>(</rp><rt>レーメクス</rt><rp>)</rp></ruby>が属州〔[[w:ガリア・トランサルピナ|ガッリア・トランサルピーナ]]〕から採用されること、
*nautas gubernatoresque comparari iubet.
**<ruby><rb>[[w:船員|水夫]]</rb><rp>(</rp><rt>ナウタ</rt><rp>)</rp></ruby>や<ruby><rb>操舵手</rb><rp>(</rp><rt>グベルナートル</rt><rp>)</rp></ruby>が徴募されること、を命じる。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:船尾の「<ruby><rb>[[w:舵|舵]]</rb><rp>(</rp><rt>かじ</rt><rp>)</rp></ruby>」が発明されたのは[[w:漢|漢代]]の中国であって、古代西洋の船に<ruby><rb>舵</rb><rp>(</rp><rt>かじ</rt><rp>)</rp></ruby>はない。<br> 船の操舵手は「<ruby><rb>舵櫂</rb><rp>(</rp><rt>かじかい</rt><rp>)</rp></ruby>」(''[[w:en:Steering oar|steering oar]]'') という[[w:櫂|櫂]]の一種を用いて操船したらしい。)</span>
<br>
*His rebus celeriter administratis ipse,
**これらの事柄が速やかに処理されると、(カエサル)自身は
*cum primum per anni tempus potuit, ad exercitum contendit.
**年のできるだけ早い時季に、軍隊のもとへ急いだ。
<br>
; ウェネティー族らが、使節団拘留の重大さを勘案して、海戦の準備を進める
*Veneti reliquaeque item civitates cognito Caesaris adventu
**[[w:ウェネティ族 (ガリア)|ウェネティー族]]と残りの部族もまた、カエサルの到着を知り、
*<span style="color:#009900;"><</span>et de recipiendis obsidibus spem se fefellise<span style="color:#009900;">></span> certiores facti,
**<span style="color:#009900;"><</span>かつ人質を取り戻すという希望に惑わされたことを<span style="color:#009900;">></span> 知らされて、
*simul quod quantum in se facinus admisissent intellegebant,
**同時に、どれほど大それた行為を自分たちが侵していたかを判断していたので、
*<span style="color:#009900;">[</span>legatos, quod nomen ad omnes nationes sanctum inviolatumque semper fuisset,
**──(すなわち)あらゆる種族のもとでその名が神聖かつ不可侵の、使節たちが
*retentos ab se et in vincula coniectos,<span style="color:#009900;">]</span>
**自分たちによって拘束され、鎖につながれていたわけだが、──
*pro magnitudine periculi bellum parare
**危機の重大さに見合う戦争を準備すること、
*et maxime ea quae ad usum navium pertinent providere instituunt,
**とりわけ船団を運用するために役立つところのものを調達すること、を着手する。
*hoc maiore spe quod multum natura loci confidebant.
**地勢を大いに信じていた点に大きな期待をして。
<br>
*Pedestria esse itinera concisa aestuariis,
**(ローマ勢の)歩兵の行軍路は入江で遮断されるし、
*navigationem impeditam propter inscientiam locorum paucitatemque portuum sciebant,
**土地の不案内と港の少なさのゆえに航行が妨げられることを(ウェネティー族らは)知っていた。
*neque nostros exercitus propter inopiam frumenti diutius apud se morari posse confidebant;
**穀物の欠乏のゆえに、我が軍〔ローマ軍〕がより長く彼らのもとに留まることができないと(ウェネティー族らは)信じ切っていた。
<br>
*ac iam ut omnia contra opinionem acciderent,
**やがて、すべてのことが予想に反して生じたとしても、
*tamen se plurimum navibus posse, quam Romanos neque ullam facultatem habere navium,
**けれども自分たち〔ウェネティー族ら〕は艦船において、艦船の備えを何ら持たないローマ人よりも大いに優勢であり、
*neque eorum locorum, ubi bellum gesturi essent, vada, portus, insulas novisse;
**戦争を遂行しようとしているところの浅瀬・港・島に(ローマ人は)不案内であった(と信じ切っていた)。
<br>
*ac longe aliam esse navigationem in concluso mari atque in vastissimo atque apertissimo Oceano perspiciebant.
**閉ざされた海〔[[w:地中海|地中海]]〕と非常に広大で開けた<ruby><rb>大洋〔[[w:大西洋|大西洋]]〕</rb><rp>(</rp><rt>オーケアヌス</rt><rp>)</rp></ruby>における航行はまったく別物であると見通していた。
<br>
*His initis consiliis
**この作戦計画が決められると、
*oppida muniunt,
**<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>の防備を固め、
*frumenta ex agris in oppida comportant,
**穀物を耕地から<ruby><rb>城塞都市</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>に運び込み、
*naves in [[wikt:en:Venetia#Latin|Venetiam]], ubi Caesarem primum (esse) bellum gesturum constabat, quam plurimas possunt, cogunt.
**カエサルが最初の戦争を遂行するであろうことが明白であったところの[[w:ウェネティ族 (ガリア)|ウェネティー族]]領に、ありったけの艦船を集める。
<br>
*Socios sibi ad id bellum
**この戦争のために(ウェネティー族は)自分たちのもとへ同盟者として
*[[wikt:en:Osismi#Latin|Osismos]], [[wikt:en:Lexovii#Latin|Lexovios]], [[wikt:en:Namnetes#Latin|Namnetes]], Ambiliatos, [[wikt:en:Morini#Latin|Morinos]], [[w:en:Diablintes|Diablintes]], [[wikt:en:Menapii#Latin|Menapios]] adsciscunt;
**<span style="font-size:10pt;">オスィスミー族・レクソウィイー族・ナムネーテース族・アンビリアーティー族・モリニー族・ディアブリンテース族・メナピイー族</span> を引き入れる。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:アンビリアーティー族 ➡ [[w:ガイウス・プリニウス・セクンドゥス|プリニウス]]は「アンビラトリー族」 [[wikt:en:Ambilatri#Latin|Ambilatri]] と記す。<br> ディアブリンテース族 ➡ プリニウスは「ディアブリンティー族」 [[wikt:en:Diablinti#Latin|Diablinti]] と記す。<br> この部族は、アウレルキー族 ''[[w:en:Aulerci|Aulerci]]'' の支族。)</span>
*auxilia ex Britannia, quae contra eas regiones posita est, arcessunt.
**援軍を、この地域の向かい側に位置する[[w:ブリタンニア|ブリタンニア]]から呼び寄せた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:援軍を出したという口実のもと、翌年カエサルがブリタンニアに侵攻することになる。)</span>
<div style="text-align:center">
{|
|-
|[[画像:Map of Aremorican tribes (Latin).svg|thumb|right|600px|[[w:アルモリカ|アルモリカ]](<span style="font-family:Times New Roman;font-size:13pt;">''[[w:en:Armorica|Armorica]]''</span> )の部族分布図。
]]
|}
</div>
<!--
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===10節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/10節]] {{進捗|00%|2022-07-02}}</span>
'''カエサルの開戦への大義名分'''
*Erant hae difficultates belli gerendi, quas supra ostendimus,
**上で指摘したような、戦争を遂行することの困難さがあった。
*sed tamen multa Caesarem ad id bellum incitabant:
**にもかかわらず、多くのことがカエサルをその戦争へと駆り立てていたのだ。
*iniuria retentorum equitum Romanorum,
**①ローマ人の[[w:エクィテス|騎士]]〔騎士階級の者〕たちが拘束されることの無法さ、
*rebellio facta post deditionem,
**②降伏の後でなされた造反、
*defectio datis obsidibus,
**③人質を供出しての謀反、
*tot civitatum coniuratio,
**④これほど多くの部族の共謀、
*in primis ne hac parte neglecta reliquae nationes sibi idem licere arbitrarentur.
**⑤何よりも第一に、この地方をなおざりにして、残りの種族が自分たちも同じことを許容されると思い込まないように。
*Itaque cum intellegeret
**そこで、(カエサルは以下のように)認識していたので、
*omnes fere Gallos novis rebus studere et ad bellum mobiliter celeriterque excitari,
**①ほぼすべてのガリア人が政変を熱望して、戦争へ簡単に速やかに奮い立たせられていること、
*omnes autem homines natura libertati studere incitari et condicionem servitutis odisse,
**②他方ですべての人間は本来的に自由を熱望することに扇動され、隷属の状態を嫌っていること、
*prius quam plures civitates conspirarent,
**多くの部族が共謀するより前に、
*partiendum sibi ac latius distribuendum exercitum putavit.
**(カエサルは)自分にとって軍隊が分けられるべき、より広範に割り振られるべきであると考えた。
<!--
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===11節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/11節]] {{進捗|00%|2022-07-03}}</span>
'''ラビエーヌス、クラッスス、サビーヌス、ブルートゥスを前線へ派兵する'''
<br><br>
; 副官ラビエーヌスをトレウェリー族のもとへ遣わす
*Itaque [[wikt:en:Titum|T.]] [[wikt:en:Labienus#Latin|Labienum]] legatum in [[wikt:en:Treveri#Latin|Treveros]], qui proximi flumini Rheno sunt, cum equitatu mittit.
**こうして、<ruby><rb>[[w:レガトゥス|副官]]</rb><rp>(</rp><rt>レガトゥス</rt><rp>)</rp></ruby>[[w:ティトゥス・ラビエヌス|ティトゥス・ラビエーヌス]]をレーヌス川〔[[w:ライン川|ライン川]]〕に最も近いトレーウェリー族に、騎兵隊とともに派遣する。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[w:la:Titus Labienus|Titus Labienus]] は、『ガリア戦記』におけるカエサルの片腕。<br> ''[[w:en:Treveri|Treveri]]'' はローマの同盟部族だが、[[ガリア戦記_第5巻|第5巻]]・[[ガリア戦記_第6巻|第6巻]]で挙兵する。)</span>
*Huic mandat,
**彼に(以下のように)命じる。
*[[wikt:en:Remi#Latin|Remos]] reliquosque [[wikt:en:Belgas|Belgas]] adeat atque in officio contineat
**①レーミー族やほかの[[w:ベルガエ|ベルガエ人]]を訪れて、<ruby><rb>忠実さ</rb><rp>(</rp><rt>オッフィキウム</rt><rp>)</rp></ruby>に留めるように、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:''[[w:en:Remi|Remi]]'' は、ローマの同盟部族で、[[ガリア戦記_第2巻#3節|第2巻3節]]以降で言及された。)</span>
*[[wikt:en:Germanos|Germanos]]que, qui auxilio a Gallis arcessiti dicebantur,
**②ガッリア人により援兵として呼び寄せられたといわれていた[[w:ゲルマニア|ゲルマーニア]]人が
**:<span style="color:#009900;">(訳注:第1巻で言及された[[w:アリオウィストゥス|アリオウィストゥス]]の軍勢のこと。)</span>
*si per vim navibus flumen transire conentur, prohibeat.
**(彼らが)もし力ずくで船で川を渡ることを試みるならば、防ぐように、と。
<br>
; クラッスス青年をアクィーターニアに派遣する
*[[wikt:en:Publium|P.]] [[wikt:en:Crassus#Latin|Crassum]] cum cohortibus legionariis XII(duodecim) et magno numero equitatus in Aquitaniam proficisci iubet,
**[[w:プブリウス・リキニウス・クラッスス|プーブリウス・クラッスス]]には、軍団の12個<ruby><rb>[[w:コホルス|歩兵大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>と多数の騎兵隊とともに、[[w:アクィタニア|アクィーターニア]]に出発することを命じる。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[w:la:Publius Licinius Crassus|Publius Licinius Crassus]]、[[#7節]]から既述。)</span>
*ne ex his nationibus auxilia in Galliam mittantur ac tantae nationes coniungantur.
**これらの種族から援兵がガッリアに派遣され、これほど多くの諸部族が結託することがないように。
<br>
; 副官サビーヌスを3個軍団とともに[[w:アルモリカ|アルモリカ]]北部へ派兵する
*[[wikt:en:Quintus#Latin|Quintum]] [[wikt:en:Titurius#Latin|Titurium]] [[wikt:en:Sabinus#Latin|Sabinum]] legatum cum legionibus tribus
**副官[[w:クィントゥス・ティトゥリウス・サビヌス|クィーントゥス・ティトゥーリウス・サビーヌス]]を3個軍団とともに
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:''[[w:en:Quintus Titurius Sabinus|Quintus Titurius Sabinus]]'' は[[ガリア戦記_第2巻#5節|第2巻5節]]から言及されている『ガリア戦記』前半で活躍する副官。)</span>
*in [[wikt:en:Unelli#Latin|Unellos]](Venellos), Coriosolităs [[wikt:en:Lexovii#Latin|Lexovios]]que mittit, qui eam manum distinendam curet.
**ウネッリー族・コリオソリテース族・レクソウィイー族に派遣して、彼らの手勢を分散させるべく配慮するように。
<br>
; ブルートゥス青年をウェネティー族領へ派兵する
*[[wikt:en:Decimus#Latin|D.]] [[wikt:en:Brutum|Brutum]] adulescentem classi Gallicisque navibus,
**[[w:デキムス・ユニウス・ブルトゥス・アルビヌス|デキムス・ブルートゥス青年]]に、(ローマの)艦隊とガッリア人の船団を、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[w:la:Decimus Iunius Brutus Albinus|Decimus Iunius Brutus Albinus]] は、カエサルの副官として活躍するが、後に暗殺に加わる。)</span>
*quas ex [[wikt:en:Pictones#Latin|Pictonibus]] et [[wikt:en:Santoni#Latin|Santonis]] reliquisque pacatis regionibus convenire iusserat,
**──これら(船団)はピクトネース族・サントニー族やほかの平定された地方から集まるように命じていたものであるが、──
*praeficit et, cum primum possit, in [[wikt:en:Veneti#Latin|Venetos]] proficisci iubet.
**(ブルートゥスに船団を)指揮させて、できるだけ早く[[w:ウェネティ族 (ガリア)|ウェネティー族]](の領土)に出発することを命じる。
<br>
*Ipse eo pedestribus copiis contendit.
**(カエサル)自身は、そこへ歩兵の軍勢とともに急ぐ。
<!--
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===12節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/12節]] {{進捗|00%|2022-07-09}}</span>
'''ウェネティー族の城塞都市の地勢、海洋民の機動性'''
<div style="text-align:center">
{|
|-
|[[画像:Bretagne Finistere PointeduRaz15119.jpg|thumb|right|350px|ウェネティー族の[[w:オッピドゥム|城塞都市]]があった[[w:ブルターニュ半島|ブルターニュ半島]]の突き出た地形]]
|}
</div>
*Erant [[wikt:en:eiusmodi|eiusmodi]] fere situs oppidorum,
**([[w:ウェネティ族 (ガリア)|ウェネティー族]]の)<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>の地勢はほぼ以下のようであった。
*ut posita in extremis [[wikt:en:lingula#Latin|lingulis]] [[wikt:en:promunturium#Latin|promunturiis]]que
**<ruby><rb>[[w:砂嘴|砂嘴]]</rb><rp>(</rp><rt>リングラ</rt><rp>)</rp></ruby>や[[w:岬|岬]]の先端部に位置しているので、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:lingula#Latin|lingula]] ⇒ [[w:la:Lingua terrae|lingua terrae]] (舌状地) ≒ <ruby><rb>[[w:砂嘴|砂嘴]]</rb><rp>(</rp><rt>さし</rt><rp>)</rp></ruby>(くちばし状の砂地)。)</span>
*neque pedibus aditum haberent, cum ex alto se [[wikt:en:aestus#Latin|aestus]] incitavisset,
**沖合から<ruby><rb>[[w:潮汐|潮 汐]]</rb><rp>(</rp><rt>アエトゥス</rt><rp>)</rp></ruby>が押し寄せて来たとき<span style="color:#009900;">〔満潮〕</span>に、徒歩での<ruby><rb>接近路</rb><rp>(</rp><rt>アプローチ</rt><rp>)</rp></ruby>を持っていなかった。
*quod bis accidit semper horarum XII(duodenarum) spatio,
**というのは<span style="color:#009900;">(満潮が毎日)</span>2度、常に12時間の間隔で起こるためである。
<div style="text-align:center">
{|
|-
|[[画像:Astronomical tide IJmuiden 21 January 2012.png|thumb|right|600px|ある日(24時間)の'''[[w:潮位|潮位]]'''予測グラフの例(2012年、オランダ北海沿岸のエイマイデン)。<br>満潮や干潮は、約12時間の周期で繰り返されることが多いため、たいてい1日2回ずつ生じる。]]
|}
</div>
*neque navibus,
**船で(のアプローチ)もなく、
*quod rursus minuente aestu naves in vadis adflictarentur.
**というのは、潮が再び減ると<span style="color:#009900;">〔干潮〕</span>、船団が[[w:浅瀬|浅瀬]]で損傷してしまうためである。
*Ita utraque re oppidorum oppugnatio impediebatur;
**このように<span style="color:#009900;">(陸路・海路)</span>どちらの状況においても、<ruby><rb>城塞都市</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>の攻略は妨げられていた。
<br><br>
*ac si quando magnitudine operis forte superati,
**あるとき、期せずして<span style="color:#009900;">(ウェネティー族がローマ人の)</span><ruby><rb>構造物</rb><rp>(</rp><rt>オプス</rt><rp>)</rp></ruby>の大きさに圧倒されて、
*extruso mari aggere ac molibus
**<span style="color:#009900;">(ローマ人が建造した)</span><ruby><rb>土手</rb><rp>(</rp><rt>アッゲル</rt><rp>)</rp></ruby>や<ruby><rb>[[w:防波堤|防波堤]]</rb><rp>(</rp><rt>モーレース</rt><rp>)</rp></ruby>により海水が押し出され、
*atque his oppidi moenibus adaequatis,
**これら<span style="color:#009900;">〔堡塁〕</span>が<ruby><rb>城塞都市</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>の城壁と<span style="color:#009900;">(高さにおいて)</span>等しくされ、
*suis fortunis desperare coeperant,
**<span style="color:#009900;">(ウェネティー族らが)</span>自分たちの命運に絶望し始めていたとしても、
*magno numero navium adpulso,
**船の多数を接岸して、
*cuius rei summam facultatem habebant,
**それら〔船〕の供給に最大の備えを持っていたので、
*omnia sua deportabant seque in proxima oppida recipiebant;
**自分たちの<ruby><rb>一切合財</rb><rp>(</rp><rt>オムニア</rt><rp>)</rp></ruby>を運び去って、最も近い<ruby><rb>城塞都市</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>に撤収していた。
*ibi se rursus isdem opportunitatibus loci defendebant.
**そこにおいて再び同じような地の利によって防戦していたのだ。
<br><br>
*Haec [[wikt:en:eo#Latin|eo]] facilius magnam partem aestatis faciebant,
**以上のことが、夏の大部分を<span style="color:#009900;">(ウェネティー族にとって)</span>より容易にしていた。
*quod nostrae naves [[wikt:en:tempestas#Latin|tempestatibus]] detinebantur,
**なぜなら、我が方〔ローマ人〕の船団は嵐により<span style="color:#009900;">(航行を)</span>阻まれており、
*summaque erat
**<span style="color:#009900;">(航行することの困難さが)</span>非常に大きかった。
*vasto atque aperto mari,
**海は広大で開けており、
*magnis aestibus,
**<ruby><rb>潮流</rb><rp>(</rp><rt>アエトゥス</rt><rp>)</rp></ruby>が激しく、
*raris ac prope nullis portibus
**港は<ruby><rb>疎</rb><rp>(</rp><rt>まば</rt><rp>)</rp></ruby>らでほとんどないので、
*difficultas navigandi.
**航行することの困難さが<span style="color:#009900;">(非常に大きかった)</span>。
<!--
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===13節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/13節]] {{進捗|00%|2022-07-10}}</span>
'''ウェネティー族の帆船の特徴'''
<div style="background-color:#ededed; width:90%; text-align:center">
{|
|-
| colspan="2" |ウェネティー族の船の再現画(左下に兵士の大きさが示されている)
| rowspan="2" style="background-color:#fff;" |
| rowspan="2" style="vertical-align:bottom;" |[[画像:Navis longa ja.JPG|thumb|right|350px|古代ローマの軍船([[w:ガレー船|ガレー船]])の構成]]
|-
| style="vertical-align:bottom;" |[[画像:Navire venete.svg|thumb|right|200px|一つの帆をもつ帆船の例]]
| style="vertical-align:bottom;" |[[画像:Navire venete 2.svg|thumb|right|200px|二つの帆をもつ帆船の例]]
|}
</div>
*Namque ipsorum naves ad hunc modum factae armataeque erant:
**これに対して彼ら<span style="color:#009900;">〔[[w:ウェネティ族 (ガリア)|ウェネティー族]]〕</span>自身の[[w:帆船|船]]は、以下のやり方で建造され、<ruby><rb>[[w:艤装|艤装]]</rb><rp>(</rp><rt>ぎそう</rt><rp>)</rp></ruby>されていた。
; 竜骨
*[[wikt:en:carina#Latin|carinae]] [[wikt:en:aliquanto|aliquanto]] planiores quam nostrarum navium,
**<ruby><rb>[[w:竜骨 (船)|竜 骨]]</rb><rp>(</rp><rt>カリーナ</rt><rp>)</rp></ruby>は、我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ人〕</span>の船のものよりも、いくらか平らで、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[w:竜骨 (船)|竜骨]]は、船底に突き出た背骨部分で、[[w:帆船|帆船]]が風で横滑りしないように造られていた。)</span>
*quo facilius vada ac decessum aestus excipere possent;
**それによって、より容易に[[w:浅瀬|浅瀬]] や [[w:潮汐|潮]]が退くこと<span style="color:#009900;">〔干潮〕</span>を持ち応えることができた。
; 船首と船尾
*[[wikt:en:prora#Latin|prorae]] admodum erectae atque item [[wikt:en:puppis|puppes]],
**<ruby><rb>[[w:船首|船 首]]</rb><rp>(</rp><rt>プローラ</rt><rp>)</rp></ruby>はまったく直立しており、<ruby><rb>[[w:船尾|船 尾]]</rb><rp>(</rp><rt>プッピス</rt><rp>)</rp></ruby>も同様で、
*ad magnitudinem fluctuum tempestatumque adcommodatae;
**<ruby><rb>[[w:波#波浪(風浪とうねり)|波 浪]]</rb><rp>(</rp><rt>フルークトゥス</rt><rp>)</rp></ruby> や <ruby><rb>[[w:嵐|暴風雨]]</rb><rp>(</rp><rt>テンペスタース</rt><rp>)</rp></ruby> の激しさに適応していた。
; 船体の材質
*naves totae factae ex [[wikt:en:robur#Latin|robore]] ad quamvis vim et contumeliam perferendam;
**船は、どんな力や衝撃にも耐えるために、全体として[[w:オーク|オーク材]]で造られていた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:la:robur|robur]] は ''[[wikt:en:oak#English|oak]]'' と英訳され、[[w:樫#Japanese|樫]]と訳されることが多いが、<br> 「<ruby><rb>[[w:カシ|樫]]</rb><rp>(</rp><rt>カシ</rt><rp>)</rp></ruby>」は常緑樹であり、西洋では落葉樹である「<ruby><rb>[[w:ナラ|楢]]</rb><rp>(</rp><rt>ナラ</rt><rp>)</rp></ruby>」が多い。<br> 学名 [[w:la:Quercus robur|Quercus robur]] は「[[w:ヨーロッパナラ|ヨーロッパナラ]]」と訳される。)</span>
; 横梁
*[[wikt:en:transtrum#Latin|transtra]] ex pedalibus in altitudinem [[wikt:en:trabs#Latin|trabibus]], confixa [[wikt:en:clavus#Latin|clavis]] [[wikt:en:ferreus#Latin|ferreis]] digiti [[wikt:en:pollex#Latin|pollicis]] crassitudine;
**<ruby><rb>横梁(横木)</rb><rp>(</rp><rt>トラーンストルム</rt><rp>)</rp></ruby>は、1ペースの幅の<ruby><rb>材木</rb><rp>(</rp><rt>トラプス</rt><rp>)</rp></ruby>からなり、親指の太さほどの鉄製の[[w:釘|釘]]で固定されていた。
**:<span style="font-family:Times New Roman;color:#009900;">(訳注:1[[ガイウス・ユリウス・カエサルの著作/通貨・計量単位#ペース|ペース]]は約29.6cm。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:transtrum#Latin|transtra]] は、<ruby><rb>[[w:マスト|帆柱]]</rb><rp>(</rp><rt>マスト</rt><rp>)</rp></ruby>([[wikt:en:malus#Etymology_3_2|malus]])を船に固定するための<ruby><rb>横梁(横木)</rb><rp>(</rp><rt>クロスビーム</rt><rp>)</rp></ruby>とも考えられる。)</span>
; 錨(いかり)の索具
*[[wikt:en:ancora#Latin|ancorae]] pro [[wikt:en:funis#Latin|funibus]] ferreis catenis revinctae;
**<ruby><rb>[[w:錨|錨]]</rb><rp>(</rp><rt>アンコラ</rt><rp>)</rp></ruby>は、<ruby><rb>[[w:ロープ|縄 索]]</rb><rp>(</rp><rt>フーニス</rt><rp>)</rp></ruby>の代わりに鉄製の[[w:鎖|鎖]]でつながれていた。
<div style="background-color:#eee; width:600px; text-align:center">
{|
|-
| style="vertical-align:bottom;" |[[画像:Nemi 060 museo delle Navi.jpg|thumb|right|180px|[[w:la:Ancora|ancora]] ([[w:錨|錨]])(古代ローマ)]]
| style="vertical-align:bottom;" |[[画像:Cordage en chanvre.jpg|thumb|right|150px|[[w:la:Funis|funis]] (綱の[[w:ロープ|ロープ]])]]
| style="vertical-align:bottom;" |[[画像:Old chain.jpg|thumb|right|150px|[[w:la:Catena|catena]] ([[w:鎖|鎖]])]]
|}
</div>
<br>
; 帆の材質
*[[wikt:en:pellis#Latin|pelles]] pro [[wikt:en:velum#Latin|velis]] [[wikt:en:aluta#Latin|alutae]]que tenuiter confectae,
**<ruby><rb>[[w:帆布|帆 布]]</rb><rp>(</rp><rt>ウェールム</rt><rp>)</rp></ruby>の代わりに<ruby><rb>[[w:毛皮|毛皮]]</rb><rp>(</rp><rt>ペッリス</rt><rp>)</rp></ruby>や、薄く作製された<ruby><rb>なめし皮</rb><rp>(</rp><rt>アルータ</rt><rp>)</rp></ruby>が(用いられた)。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:pellis#Latin|pellis]] は<ruby><rb>鞣</rb><rp>(</rp><rt>なめ</rt><rp>)</rp></ruby>していない生皮、[[wikt:en:aluta#Latin|aluta]] は<ruby><rb>鞣</rb><rp>(</rp><rt>なめ</rt><rp>)</rp></ruby>した[[w:皮革|皮革]] [[wikt:en:corium#Latin|corium]] のこと。)</span>
<div style="background-color:#eee; width:600px; text-align:center">
{|
|-
| style="vertical-align:bottom;" |[[画像:Linen canvas.jpg|thumb|right|150px|<ruby><rb>[[w:リネン|亜麻布]]</rb><rp>(</rp><rt>リネン</rt><rp>)</rp></ruby>の[[w:帆布|帆布]] ]]
| style="vertical-align:bottom;" |[[画像:Kissen aus indischem Antilopenfell 2013.jpg|thumb|right|100px|[[w:la:Pellis|pellis]] ([[w:毛皮|毛皮]])]]
| style="vertical-align:bottom;" |[[画像:Natural Bridge State Park (30337351644).jpg|thumb|right|200px|aluta ([[w:en:Tanning (leather)|なめし皮]])]]
|}
</div>
*[hae] sive propter inopiam [[wikt:en:linum#Latin|lini]] atque eius usus inscientiam,
**[これは] あるいは、<ruby><rb>[[w:アマ (植物)|亜麻]]</rb><rp>(</rp><rt>リーヌム</rt><rp>)</rp></ruby>の不足ゆえや、その利用に無知であるゆえか、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ローマ人には、[[w:リネン|亜麻布 (リネン)]]で帆を作る慣習があった。)</span>
*sive eo, quod est magis [[wikt:en:verisimilis#Latin|veri simile]],
**あるいは、この方がより真実に近いのだろうが、
*quod tantas tempestates Oceani tantosque impetus ventorum sustineri
**<ruby><rb>[[w:オーケアノス|大洋]]〔[[w:大西洋|大西洋]]〕</rb><rp>(</rp><rt>オーケアヌス</rt><rp>)</rp></ruby>のあれほどの嵐や、風のあれほどの激しさに持ち応えること、
*ac tanta onera navium regi
**船のあれほどの重さを制御することは、
*[[wikt:en:velum#Latin|velis]] non satis commode posse arbitrabantur.
**<ruby><rb>帆 布</rb><rp>(</rp><rt>ウェールム</rt><rp>)</rp></ruby>にとって十分に具合良くできないと、<span style="color:#009900;">(ウェネティー族は)</span>考えていたためであろう。
<br><br>
; ウェネティー船団とローマ艦隊の優劣
*Cum his navibus nostrae classi eiusmodi congressus erat,
**彼ら<span style="color:#009900;">〔ウェネティー族〕</span>の船団と、我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ軍〕</span>の艦隊は、以下のように交戦していた。
*ut una celeritate et pulsu remorum praestaret,
**迅速さと<ruby><rb>[[w:櫂|櫂]](かい)</rb><rp>(</rp><rt>レームス</rt><rp>)</rp></ruby>を<ruby><rb>漕</rb><rp>(</rp><rt>こ</rt><rp>)</rp></ruby>ぐのだけは<span style="color:#009900;">(ローマ艦隊が)</span>よりまさっていたのだが、
*reliqua pro loci natura, pro vi tempestatum
**そのほかのことは、地勢や嵐の勢いを考慮すると、
*illis essent aptiora et adcommodatiora.
**彼ら<span style="color:#009900;">〔ウェネティー族〕</span>にとってより適しており、より好都合であった。
*Neque enim his nostrae rostro nocere poterant
**なぜなら、我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ艦隊〕</span>の<ruby><rb>[[w:衝角|衝 角]]</rb><rp>(</rp><rt>ローストルム</rt><rp>)</rp></ruby>によって彼ら<span style="color:#009900;">(の船)</span>に対して損壊することができず、
*── tanta in iis erat firmitudo ──,
**──それら<span style="color:#009900;">〔ウェネティー族の船〕</span>においては<span style="color:#009900;">(船体の)</span>それほどの頑丈さがあったのだが──
*neque propter altitudinem facile telum adigebatur,
**<span style="color:#009900;">(ウェネティー族の船体の)</span>高さのゆえに、飛道具がたやすく投げ込まれなかったし、
*et eadem de causa minus commode <u>[[wikt:en:copula#Latin|copulis]]</u> continebantur.
**同じ理由から、あまり都合よく <ruby><rb><u>[[w:鉤縄|鉤縄]]</u></rb><rp>(</rp><rt>かぎなわ</rt><rp>)</rp></ruby> で<span style="color:#009900;">(敵船が)</span>つなぎ止められなかった。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、古い写本では [[wikt:en:scopulus#Latin|scopulis]]「岩礁」だが、<br> 後代の写本で修正され「[[w:鉤縄|鉤縄]]」と解釈されている。下図参照。)</span>
<div style="background-color:#eee; width:350px; text-align:center">
{|
|-
| style="vertical-align:bottom;" |[[画像:Grappling hook 2 (PSF).png|thumb|right|410px|[[w:海戦|海戦]]において敵船に[[w:移乗攻撃|接舷]]するために用いられていた、多数の<ruby><rb>[[w:鉤|鉤]]</rb><rp>(</rp><rt>かぎ</rt><rp>)</rp></ruby>を備えた<ruby><rb>[[w:銛|銛]]</rb><rp>(</rp><rt>もり</rt><rp>)</rp></ruby>の一種(<small>英語 [[wikt:en:grappling hook|grappling hook]]</small>)。<hr>[[内乱記_第1巻#57節|『内乱記』第1巻57節]]、[[内乱記_第2巻#6節|第2巻6節]]においても、[[w:デキムス・ユニウス・ブルトゥス・アルビヌス|D.ブルートゥス]]による'''[[内乱記/マッシリアについて|マッシリア攻囲]]'''の海戦の場面で、同様の鉤について言及される。]]
|}
</div>
*Accedebat ut,
**さらに加えて、
*cum <span style="color:#009900;">[</span>saevire ventus coepisset et<span style="color:#009900;">]</span> se vento dedissent,
**<span style="color:#009900;">[</span>風が荒々しく吹き始めて<span style="color:#009900;">]</span> 風に身を委ねて<span style="color:#009900;">(航行して)</span>いたときに、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:β系写本では [ ] 部分を欠く。)</span>
*et tempestatem ferrent facilius
**<span style="color:#009900;">(ウェネティー族の船団は)</span>嵐により容易に耐えていたし、
*et in vadis consisterent tutius
**浅瀬により安全に停留して、
*et ab aestu relictae
**潮に取り残されても、
*nihil saxa et [[wikt:en:cautes#Latin|cautes]] timerent;
**岩石やごつごつした石を何ら恐れることがなかった。
*quarum rerum omnium nostris navibus casus erant extimescendi.
**それらのすべての事が、我が<span style="color:#009900;">〔ローマ人の〕</span>船団にとっては、恐怖すべき危険であったのだ。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ウェネティー族の船は[[w:竜骨 (船)|竜骨]]がローマ人の船より平たいため、<br> 浅瀬や引き潮を容易に持ち応えられた。本節の冒頭を参照。)</span>
<!--
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===14節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/14節]] {{進捗|00%|2022-07-17}}</span>
'''カエサル待望のブルートゥスの艦隊が来航し、ウェネティー族との海戦が始まる'''
*Compluribus expugnatis oppidis
**いくつもの<span style="color:#009900;">(ウェネティー族の)</span><ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>が攻略されると、
*Caesar <u>ubi intellexit</u> frustra tantum laborem sumi
**カエサルは、これほどの労苦が無駄に費やされること(を知り)、
*neque hostium fugam captis oppidis reprimi
**(すなわち)<ruby><rb>城塞都市</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>が占領されても、敵の逃亡が阻まれないし、
*neque iis noceri posse,
**彼ら<span style="color:#009900;">〔ウェネティー族〕</span>に損害が与えられることも不可能である<u>と知るや否や</u>、
*statuit exspectandam classem.
**[[w:ローマ海軍|艦隊]]<span style="color:#009900;">(の到着)</span>を待つことを決意した。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ローマの軍船がリゲル川〔[[w:ロワール川|ロワール川]]〕で建造されていることが[[#9節|9節]]で述べられた。)</span>
<br>
; ローマ艦隊が来航すると、約220隻のウェネティー船団が迎え撃とうとする
*Quae ubi convenit ac primum ab hostibus visa est,
**それ<span style="color:#009900;">〔ローマ艦隊〕</span>が集結して敵方により目撃されるや否や、
*circiter CCXX(ducentae viginti) naves eorum paratissimae
**約220隻の彼ら<span style="color:#009900;">〔ウェネティー族〕</span>の船団が準備万端を整え、
*atque omni genere armorum ornatissimae
**あらゆる種類の武器で完全武装された状態で
*ex portu profectae nostris adversae [[wikt:en:consisto#Latin|constiterunt]];
**港から出航して、我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ艦隊〕</span>と向かい合って停止した。
<div style="text-align:center">
{|
|-
|[[画像:Bataille Morbihan -56.png|thumb|right|600px|[[w:紀元前56年|BC56年]]に現在の[[w:モルビアン県|モルビアン県]]沿いの[[w:キブロン湾|キブロン湾]]で戦われたと考えられている、[[w:ウェネティ族 (ガリア)|ウェネティー族]]と[[w:デキムス・ユニウス・ブルトゥス・アルビヌス|D. ブルートゥス]]率いる艦隊との海戦、いわゆる「[[w:モルビアン湾の海戦|モルビアン湾の海戦]]」の海戦図。<hr>上図の説では、<span style="color:green;">ウェネティー族の帆船(緑色/約220隻)</span>と<span style="color:red;">ブルートゥス率いるローマのガレー船(赤色/約100隻)</span>が[[w:キブロン湾|キブロン湾]]で対峙し、<span style="color:red;">カエサルと1個軍団(赤色)</span>が沿岸を占領している。]]
|}
</div>
*neque satis [[wikt:en:Brutus#Latin|Bruto]], qui classi praeerat,
**艦隊を統率していた[[w:デキムス・ユニウス・ブルトゥス・アルビヌス|ブルートゥス]]には十分(明らか)ではなかった。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:デキムス・ブルートゥス [[w:la:Decimus Iunius Brutus Albinus|Decimus Brutus]] に艦隊を指揮させることが[[#11節|11節]]で述べられた。)</span>
*vel tribunis militum centurionibusque, quibus singulae naves erant attributae,
**あるいは、個々の船が割り当てられていた <ruby><rb>[[w:トリブヌス・ミリトゥム|兵士長官]]</rb><rp>(</rp><rt>トリブヌス・ミリトゥム</rt><rp>)</rp></ruby> や <ruby><rb>[[w:ケントゥリオ|百人隊長]]</rb><rp>(</rp><rt>ケントゥリオー</rt><rp>)</rp></ruby> にとってさえも、
*constabat quid agerent aut quam rationem pugnae insisterent.
**何をすべきなのか、どのような戦法に取り掛かるべきなのか、明らかではなかった。
*[[wikt:en:rostrum#Latin|Rostro]] enim noceri non posse cognoverant;
**なぜなら、<ruby><rb>[[w:衝角|衝 角]]</rb><rp>(</rp><rt>ローストルム</rt><rp>)</rp></ruby>にとって<span style="color:#009900;">(敵船に)</span>損害を与えることができないことを知っていたからだ。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#13節|前節]]で、ウェネティー族の船体が頑丈であるため、と述べられた。)</span>
*turribus autem excitatis tamen has altitudo [[wikt:en:puppis#Latin|puppium]] ex barbaris navibus superabat,
**他方で、[[w:櫓|櫓]]が築かれたにもかかわらず、蛮族の船の <ruby><rb>[[w:船尾|船尾]]</rb><rp>(</rp><rt>プッピス</rt><rp>)</rp></ruby> の高さがそれら(の高さ)を上回っていた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ローマの軍船の甲板上には、投槍などの飛道具を投げるために櫓が設けられていた。)</span>
*ut neque ex inferiore loco satis commode [[wikt:en:telum#Latin|tela]] adigi possent
**その結果、より低い場所から十分に具合良く<span style="color:#009900;">(敵船に)</span><ruby><rb>[[w:飛び道具|飛道具]]</rb><rp>(</rp><rt>テールム</rt><rp>)</rp></ruby>が投げ込まれることは不可能で、
*et missa a Gallis gravius acciderent.
**ガッリア人により放られたものがより激しく降ってきていた。
<br>
; ローマ艦隊の切り札
*Una erat magno usui res praeparata a nostris,
**ただ一つの大いに役立つ物が、我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ艦隊〕</span>によって準備されていた。
*[[wikt:en:falx#Latin|falces]] praeacutae insertae adfixaeque [[wikt:en:longurius#Latin|longuriis]],
**<span style="color:#009900;">(それは)</span>先の尖った[[w:鎌|鎌]]が <ruby><rb>長い竿</rb><rp>(</rp><rt>ロングリウス</rt><rp>)</rp></ruby> に挿入されて固定されたもので、
*non absimili forma muralium falcium.
**<ruby><rb><span style="color:#009900;">(攻城用の)</span>破城の鎌</rb><rp>(</rp><rt>ファルクス・ムーラーリス</rt><rp>)</rp></ruby> に形が似ていなくもない。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:「破城の鎌」'''[[古代ローマの攻城兵器#falx_muralis_(siege_hook)|falx muralis]]''' に似たもので、'''[[ガイウス・ユリウス・カエサルの著作/古代ローマの攻城兵器#falx_navalis|falx navalis]]''' とも呼ばれている。)</span>
<div style="text-align:center">
{|
|-
|[[画像:Caesar's Gallic war; (Allen and Greenough's ed.) (1898) (14778300381)(cropped).jpg|thumb|right|300px|破城鎌の復元画の例]]
|[[画像:Ulysse bateau.jpg|thumb|right|320px|帆柱・帆桁や帆・綱具などが描かれたローマ時代の[[w:モザイク|モザイク画]]<ref>[[w:en:Roman mosaic]]</ref>《[[w:オデュッセウス|オデュッセウス]]と[[w:セイレーン|セイレーン]]》<br>([[w:チュニス|チュニス]]の[[w:バルド国立博物館|バルド国立博物館]])]]
|}
</div>
*His cum [[wikt:en:funis#Latin|funes]] qui [[wikt:en:antemna#Latin|antemnas]] ad [[wikt:en:malus#Etymology_3_2|malos]] destinabant, comprehensi adductique erant,
**これによって、<ruby><rb>帆 桁</rb><rp>(</rp><rt>アンテムナ</rt><rp>)</rp></ruby> を <ruby><rb>[[w:マスト|帆 柱]]</rb><rp>(</rp><rt>マールス</rt><rp>)</rp></ruby> に縛り付けていた <ruby><rb>綱具</rb><rp>(</rp><rt>フーニス</rt><rp>)</rp></ruby> が捕捉されて引っ張られた状態で、
*navigio remis incitato praerumpebantur.
**<ruby><rb>艦艇</rb><rp>(</rp><rt>ナーウィギウム</rt><rp>)</rp></ruby>が[[w:櫂|櫂]]によってすばやく推進されると、<span style="color:#009900;">(綱具が)</span>引き裂かれていた。
*Quibus abscisis antemnae necessario concidebant,
**それら<span style="color:#009900;">〔綱具〕</span>が切断されると、<ruby><rb>帆 桁</rb><rp>(</rp><rt>アンテムナ</rt><rp>)</rp></ruby> は必然的に倒れてしまっていた。
*ut, cum omnis Gallicis navibus spes in velis armamentisque consisteret,
**その結果、ガッリア人の船団にとって、すべての期待は帆と索具に依拠していたので、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:armamentum#Latin|armamentum]] (英 ''[[wikt:en:rigging#English|rigging]]'')⇒「索具」:[[w:帆|帆]]と[[w:マスト|帆柱]]を支える綱や器具など。)</span>
*his ereptis omnis usus navium uno tempore eriperetur.
**これらが引き裂かれると、船のすべての運用能力も<ruby><rb>一時</rb><rp>(</rp><rt>いちどき</rt><rp>)</rp></ruby>に奪い取られていた。
*Reliquum erat certamen positum in virtute,
**残りの争闘は、武勇いかんに<ruby><rb>懸</rb><rp>(</rp><rt>か</rt><rp>)</rp></ruby>かっており、
*qua nostri milites facile superabant,
**その点では我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ勢〕</span>の兵士たちが容易に上回っていた。
<br>
; 沿岸はカエサルとローマ軍によって占領されていた
*atque <u>eo magis quod</u> in conspectu Caesaris atque omnis exercitus res gerebatur,
**海戦がカエサルと全陸軍の眼前において遂行されていた<u>ので、それだけますます</u>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:classis#Latin|classis]] が艦隊(海軍)を指すのに対して、[[wikt:en:exercitus#Noun|exercitus]] は重装歩兵を主体とする陸軍部隊を指す。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:eo#Etymology_3_2|eo]] [[wikt:en:magis#Latin|magis]] [[wikt:en:quod#Latin|quod]] ~ 「~だけ、ますます」)</span>
*ut nullum paulo fortius factum latere posset;
**(普通より)より少し勇敢ならどんな行動も知らずにはおかないほどであった。
*omnes enim colles ac loca superiora, unde erat propinquus despectus in mare, ab exercitu tenebantur.
**なぜなら、そこから海への眺望が近いところのすべての丘や高地は、<span style="color:#009900;">(ローマ人の)</span>軍隊によって占領されていたのである。
<!--
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===15節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/15節]] {{進捗|00%|2022-07-28}}</span>
'''接舷戦でローマ艦隊がウェネティー船団を圧倒し、わずかな船だけが逃げ帰る'''
*Deiectis, ut diximus, antemnis,
**上述したように<span style="color:#009900;">(ウェネティー族の船の)</span><ruby><rb>帆 桁</rb><rp>(</rp><rt>アンテムナ</rt><rp>)</rp></ruby>が奪い取られると、
*cum singulas binae ac ternae naves circumsteterant,
**<span style="color:#009900;">(ウェネティー族の)</span>船1隻ずつを<span style="color:#009900;">(ローマの)</span>2隻ずつや3隻ずつが取り囲んでいたときに、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ローマの[[w:ガレー船|ガレー船]]は、多数の漕ぎ手を乗せるため、兵士を大勢乗せることができなかった。<br> それゆえ、[[w:移乗攻撃|接舷戦]]では、敵の1隻に対して多くの船を当てる必要があったのであろう。)</span>
*milites summa vi transcendere in hostium naves contendebant.
**<span style="color:#009900;">(ローマの)</span>兵士たちはあらん限りの力で敵の船団に乗り移ることに努めていた。
*Quod postquam barbari fieri animadverterunt,
**そのことが行なわれていることに蛮族たちが気付いた後で、
*expugnatis compluribus navibus,
**かなり多くの<span style="color:#009900;">(ウェネティー族の)</span>船が<ruby><rb>[[w:拿捕|拿捕]]</rb><rp>(</rp><rt>だほ</rt><rp>)</rp></ruby>されて、
*cum ei rei nullum reperiretur auxilium,
**その戦況に対して何ら救援が見出されなかったので、
*fuga salutem petere contenderunt.
**逃亡に身の安全を求めることに努めた。
*Ac iam conversis in eam partem navibus quo ventus ferebat,
**すでに風が運んでいた方角へ船団の向きが変えられていたが、
*tanta subito malacia ac tranquillitas exstitit,
**突如としてあれほどの<ruby><rb>[[w:凪|凪]]</rb><rp>(</rp><rt>なぎ</rt><rp>)</rp></ruby>や静けさが生じたので、
*ut se ex loco movere non possent.
**<span style="color:#009900;">(ウェネティー族の船団が)</span>その場所から動くことができないほどであった。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:この[[w:ビスケー湾|ビスケー湾]]海域は、風や潮の勢いが強いため、<br> ウェネティー族は漕ぎ手を使わない帆船を用いていたのだろう。<br> 風力のみに頼る帆船は、無風時には進むことができない。)</span>
*Quae quidem res ad negotium conficiendum maximae fuit oportunitati:
**このような事態はまさに<span style="color:#009900;">(ローマ艦隊が)</span>軍務を遂行するために最大の機会であった。
*nam singulas nostri consectati expugnaverunt,
**実際、<span style="color:#009900;">(ウェネティー族の船)</span>1隻ずつを我が方<span style="color:#009900;">(ローマ艦隊)</span>が追跡して攻略したので、
*ut perpaucae ex omni numero noctis interventu ad terram pervenirent,
**その結果<span style="color:#009900;">(ウェネティー族の船の)</span>総数のうちごく少数が、夜のとばりに包まれて、陸地に達しただけであった。
*cum ab hora fere IIII.(quarta) usque ad solis occasum pugnaretur.
**<span style="color:#009900;">(海戦が)</span>ほぼ第四時から日が没するまで戦われていたけれども。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:第四時は、[[古代ローマの不定時法#昼間の時間|古代ローマの不定時法]]で日の出から3~4時間後。<br> フランスの6月頃なら、日の出が午前6時頃で、第四時は午前10時近くと思われる。<br> 6月頃なら、日の入は午後10時近くとかなり遅い。)</span>
<!--
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===16節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/16節]] {{進捗|00%|2022-08-19}}</span>
'''ウェネティー族らがカエサルに降伏するが、・・・'''
*Quo proelio bellum [[wikt:en:Veneti#Latin|Venetorum]] totiusque orae maritimae confectum est.
**以上の戦闘で、[[w:ウェネティ族 (ガリア)|ウェネティー族]]およびすべての沿海部との戦争が完遂された。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:正確には、[[#17節|次節]]以降でウネッリー族ら残りの沿海部族との戦いが述べられるので「すべて」ではない。)</span>
*Nam <u>cum</u> omnis iuventus, omnes etiam gravioris aetatis,
**なぜなら、すべての青年はもとより、すべての年長の者たちさえも、
*in quibus aliquid consilii aut dignitatis fuit eo convenerant,
**何らかの思慮分別のある者、あるいは地位のある者たちは、そこ<span style="color:#009900;">(戦場)</span>へ集結していたから。
*<u>tum</u> navium quod ubique fuerat in unum locum coegerant;
**<u>そればかりか</u>、至る所にあった船を<u>もまた</u>一つの場所に集めておいたからだ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:cum#Usage_notes_2|cum]] ~ [[wikt:en:tum#Latin|tum]] 「~のみならず、・・・もまた」<ref>[https://www.latin-is-simple.com/en/vocabulary/other/2643/ cum … tum - Latin is Simple Online Dictionary] 等を参照。</ref>)</span>
*quibus amissis reliqui
**それらを喪失すると、生き残った者たちは、
*neque quo se reciperent
**どこへ退却するべきなのかも、
*neque [[wikt:en:quemadmodum#Latin|quem ad modum]] oppida defenderent habebant.
**どのような方法で<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>を防衛するべきなのかも、わからなかった。
<br>
; ウェネティー族らが降伏する
*Itaque se suaque omnia Caesari dediderunt.
**こうして、<span style="color:#009900;">(ウェネティー族らは)</span>自らとその一切合財をカエサルに委ねた<span style="color:#009900;">〔降伏した〕</span>。
*In quos eo gravius Caesar vindicandum statuit
**カエサルは、これらの者たちはより厳重に処罰されるべきである、と決定した。
*quo diligentius in reliquum tempus a barbaris ius legatorum conservaretur.
**そのことにより、今後、蛮族によって<span style="color:#009900;">(ローマの)</span>使節たちの権利がいっそう保たれるように。
*Itaque omni senatu necato
**こうして、評議会の全員が誅殺されると、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:部族国家の合議制統治機関もローマの元老院に倣って [[wikt:en:senatus#Latin|senātus]] と呼ばれるが、ここでは「評議会」と訳す。[[ガリア戦記_第2巻#5節|第2巻5節]]・[[ガリア戦記_第2巻#28節|28節]]を参照。)</span>
*reliquos sub corona vendidit.
**残りの者たちに葉冠をかぶせて<span style="color:#009900;">〔奴隷として競売で〕</span>売却した。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:sub corona vendere 「葉冠のもとに売る=奴隷として競売で売る」)</span>
<div style="text-align:center">
{|
|-
|[[画像:Jean-Léon Gérôme - Vente d'esclaves à Rome, 1884 (Detail).jpg|thumb|right|300px|葉冠を頭にかぶせられ、ローマの[[w:奴隷貿易|奴隷市場]]で競売に懸けられる女性奴隷。<hr>フランスの画家[[w:ジャン=レオン・ジェローム|ジャン=レオン・ジェローム]]が1884年に描いた歴史画「ローマの奴隷売却」(''[[w:fr:Vente d'esclaves à Rome|Vente d'esclaves à Rome]]'')の一部分。]]
|}
</div>
<!--
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
==大西洋岸ウネッリー族の造反==
===17節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/17節]] {{進捗|00%|2022-08-24}}</span>
'''ウィリドウィークス率いるウネッリー族らの背反。対するサビーヌスの作戦'''
*Dum haec in Venetis geruntur,
**以上のことが[[w:ウェネティ族 (ガリア)|ウェネティー族]](の領国)で行なわれている間に、
*[[wikt:en:Quintus#Latin|Quintus]] [[wikt:en:Titurius#Latin|Titurius]] [[wikt:en:Sabinus#Latin|Sabinus]] cum iis copiis, quas a Caesare acceperat
**[[w:クィントゥス・ティトゥリウス・サビヌス|クィーントゥス・ティトゥーリウス・サビーヌス]]は、カエサルから受け取っていた軍勢とともに
*in fines Unellorum(Venellorum) pervenit.
**ウネッリー族の領土に到着した。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ウネッリー族 ''[[wikt:en:Unelli#Latin|Unelli]]'' または ウェネッリー族 ''[[w:en:Venelli|Venelli]] というが、<br> 後者がガリア語に近いようだ。)</span>
*His praeerat Viridovix
**彼ら<span style="color:#009900;">〔ウネッリー族〕</span>を統率していたのはウィリドウィークスで、
*ac summam imperii tenebat earum omnium civitatum, quae defecerant,
**<span style="color:#009900;">(ローマの支配に)</span>背いていた全部族の最高司令権を保持していた。
*ex quibus exercitum [magnasque copias] coegerat;
**<span style="color:#009900;">(ウィリドウィークスは)</span>これら<span style="color:#009900;">(の部族国家)</span>から大軍勢を駆り集めていた。
<div style="text-align:center">
{|
|-
|[[画像:Campagne Unelles -56.png|thumb|right|300px|ウネッリー族・レクソウィイー族への遠征経路。]]
|[[画像:Map of Aremorican tribes (Latin).svg|thumb|right|400px|[[w:アルモリカ|アルモリカ]](<span style="font-family:Times New Roman;font-size:13pt;">''[[w:en:Armorica|Armorica]]''</span> )の部族分布図(再掲)。]]
|}
</div>
; アウレルキー=エブロウィーケース族とレクソウィイー族の籠城
*atque his paucis diebus [[wikt:en:Aulerci#Latin|Aulerci]] [[wikt:fr:Eburovices|Eburovices]] [[wikt:en:Lexovii#Latin|Lexovii]]que,
**それからこの数日内に、アウレルキー=エブロウィーケース族とレクソウィイー族は、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:アウレルキー族 ''[[w:en:Aulerci|Aulerci]]'' はいくつもの支族から成り、<br> エブロウィーケース族 ''[[w:en:Eburovices|Eburovices]]'' は四つの主要な支族の一つ。)</span>
*senatu suo interfecto, quod auctores belli esse nolebant,
**自分たちの評議会(の議員たち)を、戦争の首謀者になることを欲していなかったという理由で、殺害し、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:部族国家の合議制統治機関もローマの元老院に倣って [[wikt:en:senatus#Latin|senātus]] と呼ばれるが、ここでは「評議会」と訳す。[[ガリア戦記_第2巻#5節|第2巻5節]]・[[ガリア戦記_第2巻#28節|28節]]、[[#16節|16節]]を参照。)</span>
*portas clauserunt
**<span style="color:#009900;">(ローマ人の襲来に備えて)</span>城門を閉じて、
*seseque cum Viridovice coniunxerunt;
**<span style="color:#009900;">(ウネッリー族の)</span>ウィリドウィークスと結託していた。
*magnaque praeterea multitudo undique ex Gallia [[wikt:en:perditor#Latin|perditorum]] hominum latronumque convenerat,
**そのうえに、ガッリアの至る所から大勢の無頼漢や略奪者が集まって来ていた。
*quos spes praedandi studiumque bellandi ab agri cultura et cotidiano labore revocabat.
**これらの者たちを、略奪への期待と戦争への熱望が、農耕や毎日の労働から呼び戻していたのだ。
<br>
; サビーヌスが、陣営を設置して、勝機の到来を待つ
*Sabinus idoneo omnibus rebus loco castris se tenebat,
**サビーヌスは、陣営にとってあらゆる点で適切な場所を占拠していた。
*cum Viridovix contra eum duorum milium spatio consedisset
**ウィリドウィークスは、彼に対抗して2[[w:ローママイル|ローママイル]]の間隔で陣取っていたが、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:1[[ガイウス・ユリウス・カエサルの著作/通貨・計量単位#ミーッレ・パッスーム、ミーリア(ローママイル)|ローママイル]]は約1.48 kmで、2マイルは約3 km)</span>
*cotidieque productis copiis pugnandi potestatem faceret,
**毎日、軍勢を繰り出して、闘う機会を作っていた。
*ut iam non solum hostibus in contemptionem Sabinus veniret,
**その結果もはや、サビーヌスは敵方によって軽蔑されるに至ったのみならず、
*sed etiam nostrorum militum vocibus [[wikt:en:nonnihil#Latin|non nihil]] carperetur;
**我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ勢〕</span>の兵士の少なからぬ者によってさえも、声に出して非難されていたほどであった。
*tantamque opinionem timoris praebuit,
**これほどの<ruby><rb>怖気</rb><rp>(</rp><rt>おじけ</rt><rp>)</rp></ruby>の評判を呈したので、
*ut iam ad vallum castrorum hostes accedere auderent.
**その結果ついには、陣営の堡塁の辺りにまで敵方が敢えて近寄って来るほどであった。
*Id ea de causa faciebat
**<span style="color:#009900;">(サビーヌスが)</span>以上のことをしていたのは、以下の理由による。
*quod cum tanta multitudine hostium,
**これほどの多勢の敵と、
*praesertim eo absente qui summam imperii teneret,
**とりわけ<span style="color:#009900;">(ローマ勢の)</span>最高司令権を保持していた者<span style="color:#009900;">〔カエサル〕</span>が不在のままで、
*nisi aequo loco aut opportunitate aliqua data
**対等な場所、あるいは何らかの好機が与えられない限り、
*legato dimicandum non existimabat.
**<span style="color:#009900;">(最高司令官ならぬ)</span><ruby><rb>[[w:レガトゥス|副 官]]</rb><rp>(</rp><rt>レガートゥス</rt><rp>)</rp></ruby>にとって戦うべきではない、と判断していたのである。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===18節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/18節]] {{進捗|00%|2022-09-04}}</span>
'''サビーヌスの計略'''
*Hac confirmata opinione timoris
**このような<span style="color:#009900;">(サビーヌスについての)</span><ruby><rb>怖気</rb><rp>(</rp><rt>おじけ</rt><rp>)</rp></ruby>の評判が確かめられると、
*idoneum quendam hominem et callidum delegit Gallum,
**<span style="color:#009900;">(サビーヌスは)</span>適任かつ明敏なガッリア人のとある男を選び出す。
*ex iis quos auxilii causa [[wikt:en:secum#Latin|secum]] habebat.
**支援のために保持していた者たちの内から。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ローマは、同盟部族に騎兵・軽装歩兵・弓兵・投石兵などから成る<br> [[w:アウクシリア|支援部隊]] ''[[w:en:Auxilia|Auxilia]]'' を供出させていた。)</span>
*Huic magnis praemiis pollicitationibusque persuadet uti ad hostes transeat,
**この者に、多大な報酬を約束して、敵方に渡るように説得し、
*et quid fieri velit edocet.
**<span style="color:#009900;">(サビーヌスが)</span>何がなされんと欲しているのか、説き教える。
<br>
<br>
*Qui ubi pro [[wikt:en:perfuga#Latin|perfuga]] ad eos venit,
**その者は、脱走兵として彼ら<span style="color:#009900;">(ウネッリー族)</span>のところへ来るや否や、
*timorem Romanorum proponit,
**ローマ人の<ruby><rb>怖気</rb><rp>(</rp><rt>おじけ</rt><rp>)</rp></ruby>を知らせて、
*quibus angustiis ipse Caesar a Venetis prematur docet,
**いかなる窮状によって、カエサル自身が[[w:ウェネティ族 (ガリア)|ウェネティー族]]により苦戦させられているかを教える。
*neque longius abesse, quin proxima nocte
**遅くとも次の晩には、
*[[wikt:en:Sabinus#Latin|Sabinus]] clam ex castris exercitum educat
**サビーヌスはひそかに陣営から軍隊を導き出して、
*et ad Caesarem auxilii ferendi causa proficiscatur.
**カエサルのもとへ支援をもたらすために出発するであろう、と。
<br>
<br>
*Quod ubi auditum est, conclamant
**そのことが聞かれるや否や、<span style="color:#009900;">(ウネッリー族らは)</span>声を上げる。
*omnes occasionem negotii bene gerendi amittendam non esse:
**事態をうまくやり遂げるためのあらゆる機会を失うべきではない、
*ad castra iri oportere.
**<span style="color:#009900;">(ローマ人の)</span>陣営のもとへ行かねばならぬ、と。
*Multae res ad hoc consilium Gallos hortabantur:
**<span style="color:#009900;">(以下の)</span>多くの事情が、この作戦計画へとガッリア人たちを駆り立てていた。
*superiorum dierum Sabini cunctatio,
**先日来のサビーヌスのためらい、
*perfugae confirmatio,
**脱走兵の確言、
*inopia [[wikt:en:cibaria#Latin|cibariorum]], cui rei parum diligenter ab iis erat provisum,
**彼ら<span style="color:#009900;">〔ガッリア人〕</span>によって、その供給が注意深く充分に準備されていなかった糧食の欠乏、
*spes Venetici belli,
**[[w:ウェネティ族 (ガリア)|ウェネティー族]]の戦争への希望、
*et quod <u>fere libenter homines id quod volunt credunt</u>.
**および、<u>人間はたいてい(自らが)欲することを喜んで信ずるものである</u>こと、である。
**:<div style="background-color:#ffe; color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:この <span style="font-size:13pt;">" [[w:it:Homines id quod volunt credunt|(fere libenter) homines id quod volunt credunt]] "</span> は、<br> 『ガリア戦記』で最も良く知られた文句のひとつ。<br> 格言として ''[[w:en:List_of_Latin_phrases_(F)|People's beliefs are shaped largely by their desires.]]''<br> 「人々の信念は、彼ら自身の欲望によって大きく形作られる」などと解釈される。)</div>
<br>
*His rebus adducti
**これらの事態に促されて、
*<u>non prius</u> Viridovicem reliquosque duces ex concilio dimittunt,
**<span style="color:#009900;">(ウネッリー族の者らは)</span>ウィリドウィークスや他の指導者を会議から解散させなかった。
*<u>quam</u> ab his sit concessum arma uti capiant et ad castra contendant.
**彼ら<span style="color:#009900;">〔指導者たち〕</span>によって、武器を取って<span style="color:#009900;">(ローマ)</span>陣営へ急行するように承認されるまでは。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:non#Latin|nōn]] [[wikt:en:prius#Latin|prius]] ~ [[wikt:en:quam#Latin|quam]] ・・・ 「・・・までは~ない」)</span>
*Qua re concessa laeti, ut explorata victoria,
**この事が承認されると、まるで勝利が確実にされたかのように喜んで、
*sarmentis virgultisque collectis, quibus fossas Romanorum compleant,
**小枝や薮を集めて、それらでもってローマ人の塹壕を埋めるべく、
*ad castra pergunt.
**<span style="color:#009900;">(ローマの)</span>陣営のもとへ前進する。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===19節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/19節]] {{進捗|00%|2022-09-07}}</span>
'''ウネッリー族らとの決戦'''
*Locus erat castrorum editus et paulatim ab imo acclivis circiter passus mille.
**ローマ陣営の位置は高く、最も下(麓)から緩やかな上り坂で約1000[[w:パッスス|パッスス]](約1.5km)のところにあった。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:1000[[ガイウス・ユリウス・カエサルの著作/通貨・計量単位#パッスス|パッスス]]は1[[ガイウス・ユリウス・カエサルの著作/通貨・計量単位#ミーッレ・パッスーム、ミーリア(ローママイル)|マイル]]だから、約1.48 km)</span>
*Huc magno cursu contenderunt,
**<span style="color:#009900;">(ウネッリー勢は)</span>ここへ、大いに駆けて急いで、
*ut quam minimum spatii ad se colligendos armandosque Romanis daretur,
**ローマ人にとって集結して武装するための時間ができるだけ与えられないようにして、
*exanimatique pervenerunt.
**息を切らして到着した。
<br>
; サビーヌスが、坂の上の陣営から軍勢を繰り出す
*[[wikt:en:Sabinus#Latin|Sabinus]] suos hortatus cupientibus signum dat.
**[[w:クィントゥス・ティトゥリウス・サビヌス|サビーヌス]]は、自分の部下たちを励まして、はやる者たちに号令を出す。
*Impeditis hostibus propter ea quae ferebant onera,
**敵方が、彼らが担いでいた重荷のために妨げられていたので、
*subito duabus portis eruptionem fieri iubet.
**<span style="color:#009900;">(サビーヌスは)</span>突然に<span style="color:#009900;">(左右の)</span>二つの門から出撃がなされることを命じる。
<br>
; ローマ勢がウネッリー族らを一蹴して、敗走するところを虐殺する
*Factum est
**<span style="color:#009900;">(ut以下のことが)</span>なされた。
*opportunitate loci,
**地の利の好都合により、
*hostium inscientia ac defatigatione,
**敵方の<span style="color:#009900;">(武具や戦術の)</span>不案内や疲労により、
*virtute militum
**兵士たちの武勇により、
*et superiorum pugnarum exercitatione,
**および先頃の戦いの熟練によって、
*ut ne primum quidem nostrorum impetum ferrent
**我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ勢〕</span>の最初の突撃さえも持ちこたえることなく、
*ac statim terga verterent.
**<span style="color:#009900;">(ウネッリー勢は)</span>すぐさま背を向けた<span style="color:#009900;">〔敗走した〕</span>。
*Quos impeditos
**これらの難渋している者たちを、
*integris viribus milites nostri consecuti
**健全な力で我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ勢〕</span>の兵士たちが追跡して、
*magnum numerum eorum occiderunt;
**彼ら<span style="color:#009900;">〔ウネッリー族ら〕</span>の大多数を<ruby><rb>斃</rb><rp>(</rp><rt>たお</rt><rp>)</rp></ruby>した。
*reliquos equites consectati paucos, qui ex fuga evaserant, reliquerunt.
**残りの者たちを<span style="color:#009900;">(ローマ側の)</span>騎兵が追跡したが、逃亡によって逃れたので、見逃した。
*Sic uno tempore et de navali pugna Sabinus et de Sabini victoria Caesar est certior factus,
**このようにして一度に、海戦についてサビーヌスが、サビーヌスの勝利についてカエサルが、報告を受けて、
*civitatesque omnes se statim [[wikt:en:Titurius#Latin|Titurio]] dediderunt.
**<span style="color:#009900;">(造反していた)</span>全部族がすぐにティトゥーリウス<span style="color:#009900;">(・サビーヌス)</span>に降伏した。
*Nam ut ad bella suscipienda Gallorum alacer ac promptus est animus,
**こうなったのは、ガッリア人は戦争を実行することについては性急で、心は敏捷であるが、
*sic mollis ac minime resistens ad calamitates ferendas mens eorum est.
**と同様に柔弱で、災難に耐えるには彼らの心はあまり抵抗しないためである。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
==クラッススのアクィーターニア遠征==
===20節===
[[画像:Campagne Aquitains -56.png|thumb|right|200px|クラッススのアウィーターニア遠征の経路。]]
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/20節]] {{進捗|00%|2022-09-07}}</span>
'''クラッススのアクィーターニア遠征、ソティアーテース族'''
*Eodem fere tempore [[wikt:en:Publius#Latin|Publius]] [[wikt:en:Crassus#Latin|Crassus]], cum in [[wikt:en:Aquitania#Latin|Aquitaniam]] pervenisset,
**ほぼ同じ時期に[[w:プブリウス・リキニウス・クラッスス|プーブリウス・クラッスス]]がアクィーターニアに到達していたときに、
*quae pars, ut ante dictum est, et regionum latitudine et multitudine hominum
**この地方は、<U>前述されたように</u>、領域の広さと人間の多さの点で
*ex tertia parte Galliae est aestimanda,
**[[w:ガリア|ガッリア]]の第三の地方であると考えられるべきであるが、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:<u>前述されたように</u> とは<br> [[ガリア戦記_第1巻#1節|第1巻1節]]の冒頭部および「[[ガリア戦記_第1巻#ガッリアの地理区分について|ガッリアの地理区分について]]」のくだりであるが、<br> 少なくとも冒頭部では第二の部分として言及されている。)</span>
*cum intellegeret in illis locis sibi bellum gerendum,
**<span style="color:#009900;">(クラッススは)</span>かの場所で自らにとって戦争がなされるべきであると考えていたので、
*ubi paucis ante annis [[wikt:en:Lucius#Latin|Lucius]] [[wikt:en:Valerius#Latin|Valerius]] Praeconinus legatus exercitu pulso interfectus esset
**そこでほんの数年前に<ruby><rb>[[w:レガトゥス|総督副官]]</rb><rp>(</rp><rt>レーガートゥス</rt><rp>)</rp></ruby>ルーキウス・ウァレリウス・プラエコーニーヌスが軍隊を撃退されて殺害されており、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:プラエコーニーヌス<ref>[https://lsj.gr/wiki/Praeconinus Praeconinus - Ancient Greek (LSJ)]</ref>とその敗北についてはカエサルが伝えているだけであり、詳細は不明である。)</span>
*atque unde [[wikt:en:Lucius#Latin|Lucius]] [[wikt:en:Manlius#Latin|Manlius]] proconsul impedimentis amissis profugisset,
**かつここから<ruby><rb>[[w:プロコンスル|執政官代理]]</rb><rp>(</rp><rt>プローコーンスル</rt><rp>)</rp></ruby>ルーキウス・マーンリウスが輜重を失って敗走しており、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:この人物は、BC79年に<ruby><rb>[[w:プラエトル|法務官]]</rb><rp>(</rp><rt>プラエトル</rt><rp>)</rp></ruby>、BC78年に[[w:ガリア・ナルボネンシス|ガッリア・トラーンサルピーナ]]を統治する[[w:プロコンスル|執政官代理]]となり、<br> [[w:クィントゥス・セルトリウス|セルトーリウス]]の副官ヒルトゥレイウス ''[[w:en:Lucius Hirtuleius|Lucius Hirtuleius]]'' に敗れたと考えられている。)</span>
*non mediocrem sibi diligentiam adhibendam intellegebat.
**己にとって尋常ならざる注意深さが適用されるべきだと考えていたのだ。
<br><br>
*Itaque re frumentaria provisa,
**こうして、糧食補給が準備され、
*auxiliis equitatuque comparato,
**<ruby><rb>[[w:アウクシリア|支援軍]]</rb><rp>(</rp><rt>アウクシリア</rt><rp>)</rp></ruby>や[[w:騎兵|騎兵隊]]が整備され、
*multis praeterea viris fortibus [[wikt:en:Tolosa#Latin|Tolosa]] et [[wikt:en:Carcaso#Latin|Carcasone]] et [[wikt:en:Narbo#Latin|Narbone]],
**そのうえ多くの屈強な男たちが、トローサやカルカソーやナルボーから
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[w:la:Tolosa|Tolosa]] は現在の[[w:トゥールーズ|トゥールーズ]]、[[w:la:Carcaso|Carcaso]] は[[w:カルカソンヌ|カルカソンヌ]]、[[w:la:Narbo|Narbo]] は[[w:ナルボンヌ|ナルボンヌ]]。)</span>
*── quae sunt civitates Galliae provinciae finitimae, ex his regionibus ──
**──それらは、この地域に隣接する<span style="color:#009900;">(ローマの)</span>ガッリア属州の都市であるが、──
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ガッリア属州とは、現在の南仏に当たる[[w:ガリア・ナルボネンシス|ガッリア・トラーンサルピーナ]]のこと。)</span>
*nominatim evocatis,
**名指しで徴集されると、
*in <u>Sotiatium</u> fines exercitum introduxit.
**<span style="color:#009900;">(クラッススは)</span><u>ソティアーテース族</u>の領土に軍隊を導き入れた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ソティアーテース ''[[w:en:Sotiates|Sotiates]]'' は、α系写本では Sontiātēs (複数・属格 Sontiātum) <ref>[https://de.pons.com/%C3%BCbersetzung/latein-deutsch/Sontiates Sontiates - Latein-Deutsch Übersetzung | PONS] 等を参照。</ref> とする。<br> なお、[[w:ガイウス・プリニウス・セクンドゥス|大プリーニウス]]『[[w:博物誌|博物誌]]』第4巻(33章)108節<ref>ラテン語版ウィキソース [[s:la:Naturalis_Historia/Liber_IV#XXXIII]] を参照。</ref><ref>The Latin Library [http://www.thelatinlibrary.com/pliny.nh4.html#108 Pliny the Elder: Natural History, Book IV] を参照。</ref>では Sottiates とする。)</span>
*Cuius adventu cognito
**彼<span style="color:#009900;">〔クラッスス〕</span>の到着を知ると、
*Sotiates magnis copiis coactis,
**ソティアーテース族は大軍勢を集めて、
*equitatuque, quo plurimum valebant, in itinere agmen nostrum adorti
**それにより彼らが大いに力があったところの騎兵隊で、行軍中の我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ勢〕</span>の隊列を襲撃して、
*primum equestre proelium commiserunt,
**はじめに、騎兵戦を戦った。
*deinde equitatu suo pulso atque insequentibus nostris
**それから、その(敵の)騎兵隊が撃退され、我が方が追跡したが、
*subito pedestres copias, quas in convalle in insidiis conlocaverant, ostenderunt.
**突如として、[[w:峡谷|峡谷]]の中に[[w:伏兵|伏兵]]として配置しておいた歩兵の軍勢が、が現われた。
*Iis nostros disiectos adorti proelium renovarunt.
**これら<span style="color:#009900;">(の軍勢)</span>によって追い散らされた我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ軍〕</span>に襲いかかり、戦いを再び始めた。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===21節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/21節]] {{進捗|00%|2022-09-19}}</span>
'''ソティアーテース族の敗勢'''
*Pugnatum est diu atque acriter,
**長く激しく戦われた。
*cum Sotiates superioribus victoriis freti
**というのもソティアーテース族は、かつての<span style="color:#009900;">(ローマ勢に対する)</span>勝利を信頼しており、
*in sua virtute totius [[wikt:en:Aquitania#Latin|Aquitaniae]] salutem positam putarent,
**自分たちの武勇の中に全アクィーターニアの安全が立脚していると、みなしていたからだ。
*nostri autem,
**我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ勢〕</span>はそれに対して
*quid sine imperatore et sine reliquis legionibus adulescentulo duce efficere possent,
**<ruby><rb>[[w:インペラトル|将 軍]]</rb><rp>(</rp><rt>インペラートル</rt><rp>)</rp></ruby>もなし、他の[[w:ローマ軍団|軍団]]もなしに、この若造<span style="color:#009900;">〔クラッスス〕</span>が指揮官として何を成し得るのか、が
*perspici cuperent;
**注視(吟味)されることを欲していたのだ。
*tandem confecti vulneribus hostes terga verterunt.
**ついに負傷で消耗して、敵勢は背を向けた<span style="color:#009900;">〔敗走し始めた〕</span>。
*Quorum magno numero interfecto
**これらの者の大多数を殺戮し、
*[[wikt:en:Crassus#Latin|Crassus]] ex itinere oppidum Sotiatium oppugnare coepit.
**[[w:プブリウス・リキニウス・クラッスス|クラッスス]]は行軍中からただちにソティアーテース族の<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>を攻撃し始めた。
*Quibus fortiter resistentibus
**これらの勇敢に抵抗している者たちに対して、
*vineas turresque egit.
**<span style="color:#009900;">(ローマ勢は)</span><ruby><rb>工兵小屋</rb><rp>(</rp><rt>ウィネア</rt><rp>)</rp></ruby>や<ruby><rb>[[w:攻城塔|攻城櫓]]</rb><rp>(</rp><rt>トゥッリス</rt><rp>)</rp></ruby>を駆った。
*Illi alias eruptione temptata,
**彼ら<span style="color:#009900;">〔アクィーターニア人たち〕</span>は、あるときは突撃を試みて、
*alias [[wikt:en:cuniculus#Latin|cuniculis]] ad aggerem vineasque actis
**あるときは[[w:土塁|土塁]]や<ruby><rb>工兵小屋</rb><rp>(</rp><rt>ウィネア</rt><rp>)</rp></ruby>のもとへ[[w:坑道|坑道]]を掘った。
*── cuius rei sunt longe peritissimi [[wikt:en:Aquitanus#Latin|Aquitani]],
**── こういった事<span style="color:#009900;">〔坑道戦術〕</span>に、アクィーターニア人は長らくきわめて熟練している。
*propterea quod multis locis apud eos aerariae secturaeque sunt ──,
**というのも、彼らのもとの多くの場所に[[w:銅山|銅山]]や[[w:採石所|採石所]]があることのためである。──
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:aerāria, -ae <ref>[https://www.latin-is-simple.com/en/vocabulary/noun/1251/ aeraria, aerariae (f.) A - Latin is Simple Online Dictionary]</ref>は銅の鉱山や精錬所、銅に限らないときは [[wikt:en:fodina#Latin|fodīna, -ae]] という。<br> sectūra, -ae <ref>[https://www.latin-is-simple.com/en/vocabulary/noun/15282/ sectura, secturae (f.) A - Latin is Simple Online Dictionary]</ref> は採石場のこと。)</span>
*ubi diligentia nostrorum nihil his rebus profici posse intellexerunt,
**我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ勢〕</span>の注意深さによって こうした事<span style="color:#009900;">〔坑道〕</span>によっても何ら得られぬと理解するや否や、
*legatos ad Crassum mittunt,
**<span style="color:#009900;">(ソティアーテース族は)</span>使節たちを[[w:プブリウス・リキニウス・クラッスス|クラッスス]]のところへ遣わして、
*seque in deditionem ut recipiat petunt.
**自分たちを降伏へと受け入れるように求める。
*Qua re impetrata arma tradere iussi faciunt.
**この事が達せられると、武器の引渡しが命じられて、<span style="color:#009900;">(ソティアーテース族は)</span>実行する。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:この一文を、次の22節に含める校訂版もある。)</span>
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===22節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/22節]] {{進捗|00%|2022-09-15}}</span>
'''ソティアーテース族の領袖アディアトゥアーヌスと従臣たちの突撃'''
*Atque in ea re omnium nostrorum intentis animis,
**この事に我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ勢〕</span>の皆が没頭していると、
*alia ex parte oppidi Adiatu[[wikt:en:-anus|anus]], qui summam imperii tenebat,
**<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>の他の方面から、最高司令権を保持していた<u>アディアトゥアーヌスが</u>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:この人物の名は α系写本では [[w:de:Adiatunnus|Adiatunnus]] で、[[w:fr:Adiatuanos|Adiatuanos]], などさまざまな呼び方がある。<br> Adiatuanus は当時の貨幣をもとに修正提案された読み。)</span>
*cum DC([[wikt:en:sescenti#Latin|sescentis]]) devotis, quos illi [[wikt:en:soldurius#Latin|soldurios]] appellant,
**彼ら<span style="color:#009900;">〔ガッリア人〕</span>がソルドゥリイー<span style="color:#009900;">〔従臣〕</span>と呼んでいる600名の献身的な者たちとともに(<u>突撃することを試みた</u>)。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:主文の述語動詞は、ソルドゥリイーの状況を説明する部分を挟んだ後に出て来る。)</span>
'''アディアトゥアーヌスの従臣たち'''
*── quorum haec est condicio,
**── これらの者たち<span style="color:#009900;">〔ソルドゥリイー〕</span>の条件は以下の通りである。
*uti omnibus in vita commodis una cum iis fruantur quorum se amicitiae dediderint,
**人生におけるあらゆる利益を、忠心に身を捧げていた者たちと一緒に享受する。
*si [[wikt:en:aliquis#Latin|quid]] his per vim accĭdat,
**もし彼ら<span style="color:#009900;">〔従臣仲間〕</span>に何らかの力ずくの沙汰が起こったら、
*aut eundem casum una ferant
**同じ<ruby><rb>災厄</rb><rp>(</rp><rt>カースス</rt><rp>)</rp></ruby>を一緒に耐え忍ぶか、
*aut sibi mortem consciscant;
**あるいは、自決するか、のどちらかである。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:sibi mortem [[wikt:en:conscisco#Latin|consciscere]] 「自らに死を課す」=「自害する」)</span>
*neque [[wikt:en:adhuc#Latin|adhuc]] hominum memoria repertus est quisquam qui, eo interfecto, cuius se amicitiae [[wikt:en:devoveo#Latin|devovisset]], mortem recusaret ──
**忠心に身を捧げていた者が殺されても自決を拒むような何者も、人々の記憶においてこれまでに見出されていない。──
*cum his Adiatuanus eruptionem facere conatus
**<u>アディアトゥアーヌスは</u>、この者たち<span style="color:#009900;">〔ソルドゥリイー〕</span>とともに<u>突撃することを試みた</u>。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ソルドゥリイーの状況を説明する部分を挟んで、主語が繰り返されている。)</span>
'''アディアトゥアーヌスの敗退'''
*clamore ab ea parte munitionis sublato
**防塁のその方面から雄叫びが上げられて、
*cum ad arma milites concurrissent vehementerque ibi pugnatum esset,
**武器のところへ<span style="color:#009900;">(ローマ勢の)</span>兵士たちが急ぎ集まって、そこで激しく戦われた状況で、
*repulsus in oppidum
**<span style="color:#009900;">(アディアトゥアーヌスは)</span><ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>の中に撃退された
*tamen uti eadem deditionis condicione uteretur a Crasso impetravit.
**けれども<span style="color:#009900;">(前述のと)</span>同じ降伏条件を用いるように、クラッススによってかなえた。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===23節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/23節]] {{進捗|00%|2022-09-25}}</span>
'''ウォカーテース族・タルサーテース族・ヒスパーニア勢とクラッススが対峙する'''
*Armis obsidibusque acceptis,
**<span style="color:#009900;">(ソティアーテース族から引き渡された)</span>武器と人質を受け取ると、
*[[wikt:en:Crassus#Latin|Crassus]] in fines Vocatium et Tarusatium profectus est.
**[[w:プブリウス・リキニウス・クラッスス|クラッスス]]はウォカーテース族とタルサーテース族の領土に出発した。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:カエサルによる Vocātēs <ref>[https://de.pons.com/%C3%BCbersetzung/latein-deutsch/vocates Vocates - Latein-Deutsch Übersetzung (PONS)]</ref> は [[w:ガイウス・プリニウス・セクンドゥス|大プリニウス]]<ref name="プリニウス4-108">[[s:la:Naturalis_Historia/Liber_IV#XXXIII]] を参照。</ref>により ''[[w:fr:Vasates|Vasates]]'', ''Basabocates'' などとも呼ばれ、<br> [[w:ボルドー|ボルドー]]南東の[[w:バザス|バザス]] ''[[w:fr:Bazas|Bazas]]''、バザデース ''[[w:fr:Bazadais|Bazadais]]'' などに名を残す。<br> カエサルによる Tarusātēs <ref>[https://de.pons.com/%C3%BCbersetzung/latein-deutsch/Tarusates Tarusates - Latein-Deutsch Übersetzung (PONS)]</ref> は 大プリニウスにより <ref name="プリニウス4-108"/> ''Latusates'' となり、<br> ''Aturenses'' とも呼ばれ、現在のエール=スュル=ラドゥール ''[[w:fr:Aire-sur-l'Adour|Aire-sur-l'Adour]]'' に名を残す。)</span>
*Tum vero barbari commoti,
**だがそのとき、蛮族たちは動揺させられて、
*quod oppidum et natura loci et manu munitum
**── というのも、地勢と部隊で防備された<span style="color:#009900;">(ソティアーテース族の)</span><ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>が
*paucis diebus, quibus eo ventum erat, expugnatum cognoverant,
**<span style="color:#009900;">(ローマ人が)</span>そこへ来てからわずかな日数で攻め落とされたことを知っていたためであるが、──
*legatos quoque versus dimittere,
**使節たちをあらゆる方面に向けて遣わすこと、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:quoque versus <ref>[https://de.pons.com/%C3%BCbersetzung/latein-deutsch/quoqueversum quoqueversum - Latein-Deutsch Übersetzung (PONS)]</ref> 「あらゆる方向に向けて」)</span>
*coniurare,
**共謀すること、
*obsides inter se dare,
**互いに人質を供出し合うこと、
*copias parare coeperunt.
**軍勢を召集すること、を始めた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:copias#Latin|copias]] [[wikt:en:paro#Latin|parare]] 「部隊を集める、召集する」)</span>
<br>
*Mittuntur etiam ad eas civitates legati quae sunt citerioris [[wikt:en:Hispania#Latin|Hispaniae]] finitimae Aquitaniae;
**アクィーターニアに隣接する[[w:ヒスパニア・キテリオル|ヒスパーニア・キテリオル]]にいる部族たちにさえ、使節が派遣された。
[[画像:Hispania_1a_division_provincial.PNG|thumb|250px|right|BC197年頃の[[w:ヒスパニア|ヒスパーニア]]。<br>オレンジ色の地域が当時の[[w:ヒスパニア・キテリオル|ヒスパーニア・キテリオル]]。]]
[[画像:Ethnographic Iberia 200 BCE.PNG|thumb|right|250px|BC200年頃のイベリア半島の民族分布。朱色の部分に[[w:アクィタニア人|アクィーターニア人]]の諸部族が居住していた。]]
*inde auxilia ducesque arcessuntur.
**そこから援兵と指揮官たちが呼び寄せられる。
*Quorum adventu
**これらの者たちの到着によって、
*magna cum auctoritate et magna [cum] hominum multitudine
**大きな影響力と、大勢の人間とともに、
*bellum gerere conantur.
**戦争を遂行することを企てる。
<br>
; セルトーリウスの乱の残党たち
*Duces vero ii deliguntur,
**それから、指揮官には<span style="color:#009900;">(以下の者たちが)</span>選ばれる。
*qui una cum [[wikt:en:Quintus#Latin|Quinto]] [[wikt:en:Sertorius#Latin|Sertorio]] omnes annos fuerant
**皆が何年にもわたり、[[w:クィントゥス・セルトリウス|クィーントゥス・セルトーリウス]]と一緒にいて、
*summamque scientiam rei militaris habere existimabantur.
**軍事の最高の知識を有すると考えられていた(者たちである)。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[w:クィントゥス・セルトリウス|クィーントゥス・セルトーリウス]] [[w:la:Quintus Sertorius|Quintus Sertorius]] は、[[w:ガイウス・マリウス|マリウス]]と[[w:ルキウス・コルネリウス・スッラ|スッラ]]の内戦でマリウス側につき、戦後もスッラの独裁に抵抗して乱を起こした武将で。[[w:ヒスパニア|ヒスパーニア]]の住民にローマ軍の戦術を教えて共和政ローマに対して反乱を起こしたが、[[w:グナエウス・ポンペイウス|ポンペイウス]]によって鎮圧された。)</span>
*Hi consuetudine populi Romani
**この者たちは、ローマ人民の<span style="color:#009900;">(軍事上の)</span>慣習によって
*loca capere,
**<span style="color:#009900;">(陣営に適した)</span>土地を占拠すること、
*castra munire,
**[[w:カストラ|陣営]]を防備で固めること、
*commeatibus nostros intercludere instituunt.
**我が方<span style="color:#009900;">〔クラッスス指揮下のローマ勢〕</span>を軍需物資から遮断すること、を決める。
<br>
; クラッススが短期決戦を決意する
*Quod ubi Crassus animadvertit,
**[[w:プブリウス・リキニウス・クラッスス|クラッスス]]は<span style="color:#009900;">(以下の事情に)</span>気づくや否や、<span style="color:#009900;">(すなわち)</span>
*suas copias propter exiguitatem non facile diduci,
**配下の軍勢が寡兵であるために<span style="color:#009900;">(戦場において)</span>展開するのが容易でないこと、
*hostem et vagari et vias obsidere et castris satis praesidii relinquere,
**敵はうろつき回って道を遮断して、陣営に十分な守備兵を残していること、
*ob eam causam minus commode frumentum commeatumque sibi supportari,
**その理由のために糧食や軍需品をあまり都合良く自陣に持ち運べていないこと、
*in dies hostium numerum augeri,
**日に日に敵方の数が増していること、<span style="color:#009900;">(これらの諸事情に気づくや否や)</span>
*non cunctandum existimavit quin pugna decertaret.
**<span style="color:#009900;">(クラッススは)</span>戦闘で雌雄を決することをためらうべきではないと考えたのだ。
*Hac re ad consilium delata,
**この事情が軍議に報告されて、
*ubi omnes idem sentire intellexit,
**<span style="color:#009900;">(クラッススは)</span>皆が同じことを考えていることを知るや否や、
*posterum diem pugnae constituit.
**戦闘を翌日に決めた。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===24節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/24節]] {{進捗|00%|2022-10-01}}</span>
'''クラッススが軍勢を繰り出すが、安全策を採るアクィーターニア勢は陣営に留まる'''
*Prima luce productis omnibus copiis,
**<span style="color:#009900;">(クラッススは)</span>夜明けに<span style="color:#009900;">(陣営から)</span>全軍勢を出陣させると、
*duplici acie instituta,
**二重の <ruby><rb>戦 列</rb><rp>(</rp><rt>アキエース</rt><rp>)</rp></ruby> を整列して、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:三重の戦列 [[wikt:en:triplex#Latin|triplex]] [[wikt:en:acies#Latin|aciēs]] とするのが当時の慣行だった。)</span>
*auxiliis in mediam aciem coniectis,
**<ruby><rb>[[w:アウクシリア|支援軍]]</rb><rp>(</rp><rt>アウクシリア</rt><rp>)</rp></ruby> を <ruby><rb>戦 列</rb><rp>(</rp><rt>アキエース</rt><rp>)</rp></ruby> の中央部に集結し、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:同盟部族から供出された部隊である <ruby><rb>[[w:アウクシリア|支援軍]]</rb><rp>(</rp><rt>アウクシリア</rt><rp>)</rp></ruby> は、<ruby><rb>翼軍</rb><rp>(</rp><rt>アーラ</rt><rp>)</rp></ruby> [[wikt:en:ala#Latin|āla]] とも呼ばれるように、<br> 戦列の左右両翼の側面に置かれることが多かった。<br> この場合は、軍団兵がいるべき二列目の位置に支援軍を配置したということ。)</span>
*quid hostes consilii caperent exspectabat.
**敵方がいかなる作戦計略をとるのか、を待っていた。
<br>
<br>
*Illi,
**彼ら<span style="color:#009900;">〔アクィーターニア人〕</span>は、
*etsi propter multitudinem et veterem belli gloriam paucitatemque nostrorum se tuto dimicaturos existimabant,
**<span style="color:#009900;">(味方の)</span>多勢、昔の戦争の栄誉、我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ勢〕</span>の寡勢のために、安全に闘えると考えていたにも拘らず、
*tamen tutius esse arbitrabantur obsessis viis commeatu intercluso sine ullo vulnere victoria potiri,
**それでもより安全と思われるのは、道を封鎖して[[w:兵站|兵站]]を遮断し、何ら傷なしに勝利をものにすることであり、
*et si propter inopiam rei frumentariae Romani se recipere coepissent,
**もし糧食供給の欠乏のためにローマ人が退却し始めたならば、
*impeditos in agmine et sub sarcinis infirmiores animo
**<span style="color:#009900;">(ローマ人が)</span>隊列において[[w:背嚢|背嚢]]を背負って妨げられて臆病になっているところを、
*adoriri cogitabant.
**襲いかかれると考えていたのだ。
*Hoc consilio probato ab ducibus,
**この作戦が指揮官たちによって承認されると、
*productis Romanorum copiis,
**ローマ人の軍勢が進撃しても、
*sese castris tenebant.
**彼らは陣営に留まっていた。
<br>
<br>
*Hac re perspecta [[wikt:en:Crassus#Latin|Crassus]],
**[[w:プブリウス・リキニウス・クラッスス|クラッスス]]はこのことに注目すると、
*cum sua cunctatione atque opinione timidiores hostes
**<span style="color:#009900;">(敵)</span>自身のためらいや、評判より臆病な敵方が
*nostros milites alacriores ad pugnandum effecissent
**我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ勢〕</span>の兵士たちを戦うことにおいてやる気にさせていたので、
*atque omnium voces audirentur exspectari diutius non oportere quin ad castra iretur,
**かつ<span style="color:#009900;">(敵の)</span>陣営へ向かうことをこれ以上待つべきではないという皆の声が聞かれたので、
*cohortatus suos omnibus cupientibus
**配下の者たちを励まして、<span style="color:#009900;">(戦いを)</span>欲する皆で、
*ad hostium castra contendit.
**敵の陣営のもとへ急行する。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===25節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/25節]] {{進捗|00%|2022-10-06}}</span>
'''クラッススの軍勢が、アクィーターニア人の陣営へ攻めかかる'''
*Ibi cum alii fossas complerent, alii multis telis coniectis
**そこで<span style="color:#009900;">(クラッスス配下の)</span>ある者は堀を埋め、ある者は多くの飛道具を投げ込んで、
*defensores vallo munitionibusque depellerent,
**<span style="color:#009900;">(アクィーターニア勢の)</span>守備兵たちを[[w:防柵|防柵]]や[[w:防壁|防壁]]から駆逐した。
*auxiliares<ref>[https://www.latin-is-simple.com/en/vocabulary/noun/3055/ auxiliaris, auxiliaris (m.) M - Latin is Simple Online Dictionary]</ref>que, quibus ad pugnam non multum [[wikt:en:Crassus#Latin|Crassus]] confidebat,
**[[w:アウクシリア|支援軍]]の者たちといえば、[[w:プブリウス・リキニウス・クラッスス|クラッスス]]は戦いのために彼らを大して頼りにしていなかったが、
*lapidibus telisque subministrandis et ad aggerem [[wikt:en:caespes#Latin|caespitibus]] comportandis
**石や飛道具を供給したり、[[w:土塁|土塁]]のために[[w:芝|芝草]]を運んだり、
*speciem atque opinionem pugnantium praeberent,
**戦っている者たちの様子や評判を呈していた。
[[画像:Castra1.png|thumb|right|200px|ローマ式[[w:カストラ|陣営]]([[w:la:Castra_Romana|castra Romana]])の概略図(再掲)。'''7'''が第10大隊の門(porta decumana)で、陣営の裏門に当たる。]]
*cum item ab hostibus constanter ac non [[wikt:en:timide#Adverb|timide]] pugnaretur
**敵方<span style="color:#009900;">〔アクィーターニア勢〕</span>もまたしっかりと臆せずに戦って、
*telaque ex loco superiore missa non frustra acciderent,
**より高い所から放られた飛道具は無駄なく落ちてきたので、
*equites circumitis hostium castris Crasso renuntiaverunt
**[[w:騎兵|騎兵]]は、敵の陣営を巡察してクラッススに報告した。
*non eadem esse diligentia ab decumana porta castra munita
**<span style="color:#009900;">(敵の)</span>陣営は<u>第十の門</u>では<span style="color:#009900;">(他の門と)</span>同じほどの入念さでは防備されておらず、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:「第十の門」は、ローマ人の陣営では第10大隊が守備することになっていた門で、陣営の裏門を指す。右図を参照。)</span>
*facilemque aditum habere.
**容易に接近できると。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===26節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/26節]] {{進捗|00%|2022-10-06}}</span>
'''クラッススが、別動隊を迂回させ、敵陣を圧倒する'''
*[[wikt:en:Crassus#Latin|Crassus]] equitum praefectos
**[[w:プブリウス・リキニウス・クラッスス|クラッスス]]は、[[w:騎兵|騎兵]]の指揮官たちを
*cohortatus, ut magnis praemiis pollicitationibusque suos excitarent,
**かなりの恩賞の約束によって配下の者たちを奮起させるように、促して、
*quid fieri velit ostendit.
**何がなされることを<span style="color:#009900;">(クラッススが)</span>欲しているか、を指示した。
*Illi, ut erat imperatum,
**この者ら<span style="color:#009900;">〔騎兵の指揮官たち〕</span>は、命じられていたように、
*eductis iis cohortibus quae praesidio castris relictae intritae ab labore erant,
**守備隊として陣営に残されていて、労苦により消耗していなかった<ruby><rb>[[w:コホルス|歩兵大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>を連れ出して、
*et longiore itinere circumductis, ne ex hostium castris conspici possent,
**敵の陣営から気づかれないように、より遠回りの道程を巡って、
*omnium oculis mentibusque ad pugnam intentis
**<span style="color:#009900;">(彼我の)</span>皆の目と意識が戦闘に注がれているときに
*celeriter ad eas quas diximus munitiones pervenerunt atque his prorutis
**速やかに、前述した<span style="color:#009900;">(後門の)</span>防塁のそばに至って、これを倒壊させて、
*prius in hostium castris constiterunt,
**敵の陣営に立ちはだかった。
*quam plane ab his videri aut quid rei gereretur cognosci posset.
**彼ら<span style="color:#009900;">〔敵勢〕</span>によりはっきりと見られ、あるいはいかなる事が遂行されているかを知られるよりも早くのことだった。
*Tum vero clamore ab ea parte audito
**そのときまさにこの方角から雄叫びが聞かれたので、
*nostri redintegratis viribus,
**我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ勢〕</span>は活力を回復し、
*quod plerumque in spe victoriae accidere consuevit,
**── そのことは、たいてい勝利を期待していると生じるのが常であったが、──
*acrius impugnare coeperunt.
**より激烈に攻め立て始めたのであった。
*Hostes undique circumventi desperatis omnibus rebus
**敵方は四方八方から攻囲されて、すべての戦況に絶望し、
*se per munitiones deicere et fuga salutem petere intenderunt.
**防塁を越えて飛び降り、敗走によって身の安全を求めることに懸命になった。
*Quos equitatus apertissimis campis consectatus
**この者たち<span style="color:#009900;">〔敵勢〕</span>を<span style="color:#009900;">(ローマ方の)</span>騎兵隊が非常に開けた平原で追撃し、
*ex milium L([[wikt:en:quinquaginta#Latin|quinquaginta]]) numero, quae ex [[wikt:en:Aquitania#Latin|Aquitania]] [[wikt:en:Cantabri#Latin|Cantabris]]que convenisse constabat,
**アクィーターニアとカンタブリアから集結していた<span style="color:#009900;">(敵勢の)</span>数は5万名がわかっていたが、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:カンタブリア [[w:la:Cantabria|Cantabria]] は、現在のスペイン北部の[[w:カンタブリア州|カンタブリア州]]の辺りで、<br> ''[[w:en:Cantabri|Cantabri]]'' と呼ばれた部族連合は、カエサル死後の征服戦争 ''[[w:en:Cantabrian Wars|Cantabrian Wars]]'' まで独立を保った。)</span>
*vix quarta parte relicta,
**やっとその四分の一が生き残り、
*multa nocte se in castra recepit.
**夜更けに<span style="color:#009900;">(ローマ勢は)</span>陣営に撤収した。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===27節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/27節]] {{進捗|00%|2022-10-06}}</span>
'''アクィーターニア諸部族の降伏'''
*Hac audita pugna
**この戦闘<span style="color:#009900;">(の敗北)</span>を聞いて、
*maxima pars [[wikt:en:Aquitania#Latin|Aquitaniae]] sese [[wikt:en:Crassus#Latin|Crasso]] dedidit obsidesque ultro misit;
**アクィーターニアの大部分が[[w:プブリウス・リキニウス・クラッスス|クラッスス]]に降伏して、自発的に人質を送った。
*quo in numero fuerunt
**その数の中には以下の部族がいた。
*[[wikt:en:Tarbelli#Latin|Tarbelli]], Bigerriones, [[wikt:en:Ptianii#Latin|Ptianii]], [[wikt:en:Vocates#Latin|Vocates]], [[wikt:en:Tarusates#Latin|Tarusates]],
**タルベッリー族、ビゲッリオーネース族、プティアーニイー族、ウォカーテース族、タルサーテース族、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ビッゲリオーネース ''[[w:en:Bigerriones|Bigerriones]]'' は、ビッゲリー ''[[wikt:en:Bigerri#Latin|Bigerri]]'' など表記多数。
*[[wikt:en:Elusates#Latin|Elusates]], [[wikt:en:Gates#Latin|Gates]], [[wikt:en:Ausci#Latin|Ausci]], [[wikt:en:Garunni#Latin|Garunni]], [[wikt:en:Sibuzates#Latin|Sibuzates]], [[wikt:en:Cocosates#Latin|Cocosates]]:
**エルサテース族、ガーテース族、アウスキー族、ガルンニー族、シブザーテース族、ココサテース族、である。
*paucae ultimae nationes
**若干の最遠の種族たちは、
*anni tempore confisae,
**時季を頼りにして、
*quod hiems suberat,
**というのも冬が迫っていたためであるが、
*id facere neglexerunt.
**そのこと<span style="color:#009900;">(降伏と人質)</span>を怠った。
<div style="text-align:center">
{|
|-
| style="vertical-align:top;" |[[画像:Campagne Aquitains -56.png|thumb|right|300px|[[w:プブリウス・リキニウス・クラッスス|クラッスス]]のアウィーターニア遠征図(再掲)<hr>Tarbelli, Bigerriones, Tarusates, Elusates, Ausci, Cocosates の名が見える。]]
| style="vertical-align:top;" |[[画像:Aquitani tribes map-fr.svg|thumb|right|400px|アクィーターニアからイベリア半島にかけての部族配置図。<hr>Tarbelli, Bigerrones(Bigerriones), Elusates, Ausci, Sibuzates の名が見える]]
|}
</div>
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
==モリニー族・メナピイー族への遠征==
===28節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/28節]] {{進捗|00%|2022-10-20}}</span>
'''カエサル、モリニー族・メナピイー族へ遠征'''
*Eodem fere tempore Caesar,
**<span style="color:#009900;">(前節までに述べたクラッススのアクィーターニア遠征と)</span>ほぼ同じ時期にカエサルは、
*etsi prope exacta iam aestas erat,
**すでに夏はほとんど過ぎ去っていた
*tamen <u>quod</u> omni Gallia pacata
**にもかかわらず、全ガッリアが平定されても、
*[[wikt:en:Morini#Latin|Morini]] [[wikt:en:Menapii#Latin|Menapii]]que supererant,
**モリニー族とメナピイー族は生き残っていて、
*qui in armis essent,
**武装したままであり、
*neque ad eum umquam legatos de pace misissent,
**彼<span style="color:#009900;">〔カエサル〕</span>のもとへ決して和平の使節たちを派遣しようとしなかった<u>ので</u>、
*arbitratus id bellum celeriter confici posse,
**<span style="color:#009900;">(カエサルは、両部族との)</span>その戦争は速やかに完遂できると思って、
*eo exercitum duxit;
**そこへ軍隊を率いて行った。
*qui longe alia ratione ac reliqui Galli bellum gerere instituerunt.
**彼ら<span style="color:#009900;">〔両部族〕</span>は、他のガッリア人とはまったく別の方法で戦争遂行することを決めた。
*Nam quod intellegebant maximas nationes, quae proelio contendissent, pulsas superatasque esse,
**なぜなら<span style="color:#009900;">(ローマと)</span>戦闘を戦った極めて多くの部族が撃退され、征服されていることを知っており、
*continentesque silvas ac paludes habebant,
**かつ、<span style="color:#009900;">(両部族は)</span>絶え間ない[[w:森林|森林]]と[[w:沼地|沼地]]を持っていたので
*eo se suaque omnia contulerunt.
**そこへ自分たちとそのすべての物を運び集めたのだ。
*Ad quarum initium silvarum cum Caesar pervenisset castraque munire instituisset
**かかる森の入口のところへカエサルが到着して陣営の防備にとりかかったときに、
*neque hostis interim visus esset,
**敵はその間に現れることはなく、
*dispersis in opere nostris
**工事において分散されている我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ勢〕</span>を
*subito ex omnibus partibus silvae evolaverunt et in nostros impetum fecerunt.
**突然に<span style="color:#009900;">(敵勢が)</span>森のあらゆる方面から飛び出してきて、我が方に襲撃をしかけたのだ。
*Nostri celeriter arma ceperunt
**我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ勢〕</span>は速やかに武器を取って
*eosque in silvas reppulerunt et compluribus interfectis
**彼らを森の中に押し戻して、かなり<span style="color:#009900;">(の敵勢)</span>を殺傷して
*longius impeditioribus locis secuti
**非常に通りにくい場所を追跡したが、
*paucos ex suis deperdiderunt.
**我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ勢〕</span>のうちで傷を負ったのは少数であった。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===29節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/29節]] {{進捗|00%|2022-10-20}}</span>
'''カエサル、むなしく撤退して、軍を冬営させる'''
*Reliquis deinceps diebus Caesar silvas caedere instituit,
**カエサルは、続く<span style="color:#009900;">(冬が近づくまでの)</span>残りの日々で、森を[[w:伐採|伐採]]することを決めた。
*et ne quis inermibus imprudentibusque militibus ab latere impetus fieri posset,
**丸腰で<span style="color:#009900;">(敵襲を)</span>予期せぬ兵士たちが側面からいかなる襲撃もなされないように、
*omnem eam materiam quae erat caesa conversam ad hostem conlocabat
**伐採されたすべての材木を、敵の方へ向きを変えて配置して、
*et pro vallo ad utrumque latus exstruebat.
**[[w:防柵|防柵]]の代わりに、両方の側面に積み上げていた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:伐採に従事する兵士らを不意の敵襲から守るために、防壁代わりに置いていた。)</span>
*Incredibili celeritate magno spatio paucis diebus confecto,
**<span style="color:#009900;"></span>信じがたいほどの迅速さで、大きな空間<span style="color:#009900;">(の伐採)</span>が、わずかな日数で完遂されて、
*cum iam pecus atque extrema impedimenta a nostris tenerentur,
**すでに[[w:家畜|家畜]]や[[w:輜重|輜重]]の最後端が、我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ勢〕</span>により捕捉されて、
*ipsi densiores silvas peterent,
**<span style="color:#009900;"></span>自身は<span style="color:#009900;">(敵が潜んでいる)</span>森の最も密生したところを目指していたときに、
*eiusmodi sunt tempestates consecutae, uti opus necessario intermitteretur
**工事をやむなく中断せざるを得ないほどの、[[w:嵐|暴風雨]]が続いて起こり、
*et continuatione imbrium diutius sub pellibus milites contineri non possent.
**大雨が続いて、これ以上は皮<span style="color:#009900;">〔天幕〕</span>の下に兵士たちを留めることはできなかったほどだった。
*Itaque vastatis omnibus eorum agris,
**こうして、彼ら<span style="color:#009900;">〔モリニー族とメナピイー族〕</span>のすべての畑を荒らして、
*vicis aedificiisque incensis,
**村々や建物を焼き打ちして、
*Caesar exercitum reduxit
**カエサルは軍隊を連れ戻して、
*et in [[wikt:en:Aulerci#Latin|Aulercis]] [[wikt:en:Lexovii#Latin|Lexoviis]]que, reliquis item civitatibus quae proxime bellum fecerant,
**アウレルキー族とレクソウィイー族や、他の同様に最近に戦争をしていた部族たちのところに
*in hibernis conlocavit.
**[[w:冬営|冬営]]に配置した。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
----
*<span style="background-color:#99ff99;">「ガリア戦記 第3巻」了。「[[ガリア戦記 第4巻]]」へ続く。</span>
==脚注==
<references />
[[Category:ガリア戦記 第3巻|*]]
1qj9m2o3mpfbjk0orz462l20i74usk8
301350
301348
2026-07-08T14:22:28Z
Linguae
449
/* 14節 */ 修整
301350
wikitext
text/x-wiki
[[Category:ガリア戦記|3]]
[[ガリア戦記]]> '''第3巻''' >[[ガリア戦記 第3巻/注解|注解]]
<div style="text-align:center">
<span style="font-size:20px; font-weight:bold; font-variant-caps: petite-caps; color:white; background: rgb(47,94,255);background: linear-gradient(180deg, rgba(47,94,255,1) 0%, rgba(24,56,255,1) 50%, rgba(0,8,255,1) 100%);"> C IVLII CAESARIS COMMENTARIORVM BELLI GALLICI </span>
<span style="font-size:40px; font-weight:bold; color:white; background: rgb(47,94,255);background: linear-gradient(180deg, rgba(47,94,255,1) 0%, rgba(24,56,255,1) 50%, rgba(0,8,255,1) 100%);"> LIBER TERTIVS </span>
</div>
[[画像:Gaule -56.png|thumb|right|150px|ガリア戦記 第3巻の情勢図(BC56年)。<br>黄色の領域がローマ領。桃色が同盟部族領。]]
{| id="toc" style="align:left;clear:all;" align="left" cellpadding="5"
! style="background:#ccccff; text-align:left;" colspan="2" | ガリア戦記 第3巻 目次
|-
| style="text-align:right; font-size: 0.86em;"|
'''[[#アルプス・オクトードゥールスの戦い|アルプス・オクトードゥールスの戦い]]''':<br />
'''[[#大西洋岸ウェネティー族の造反|大西洋岸ウェネティー族の造反]]''':<br />
<br />
'''[[#大西洋岸ウネッリー族の造反|大西洋岸ウネッリー族の造反]]''':<br />
'''[[#クラッススのアクィーターニア遠征|クラッススのアクィーターニア遠征]]''':<br />
<br />
'''[[#モリニー族・メナピイー族への遠征|モリニー族・メナピイー族への遠征]]''':<br />
| style="text-align:left; font-size: 0.86em;"|
[[#1節|01節]] |
[[#2節|02節]] |
[[#3節|03節]] |
[[#4節|04節]] |
[[#5節|05節]] |
[[#6節|06節]] <br />
[[#7節|07節]] |
[[#8節|08節]] |
[[#9節|09節]] |
[[#10節|10節]] <br />
[[#11節|11節]] |
[[#12節|12節]] |
[[#13節|13節]] |
[[#14節|14節]] |
[[#15節|15節]] |
[[#16節|16節]] <br />
[[#17節|17節]] |
[[#18節|18節]] |
[[#19節|19節]] <br />
[[#20節|20節]] <br />
[[#21節|21節]] |
[[#22節|22節]] |
[[#23節|23節]] |
[[#24節|24節]] |
[[#25節|25節]] |
[[#26節|26節]] |
[[#27節|27節]] <br />
[[#28節|28節]] |
[[#29節|29節]]
|}
<br style="clear:both;" />
__notoc__
==<span style="color:#009900;">はじめに</span>==
:<div style="color:#009900;width:85%;">前巻([[ガリア戦記 第2巻|ガリア戦記 第2巻]])の終わりで述べられたように、カエサルによってガッリアはほぼ平定されたと思われて、首都ローマで感謝祭が催されたほどであった。このため、本巻(第3巻)ではカエサル自身の遠征として記す内容はとても少ない。<br><br>本巻の[[#1節]]~[[#6節]]で言及される[[#アルプス・オクトードゥールスの戦い]]は、[[w:紀元前57年|BC57年]]秋頃に起こったと考えられるので、本来なら第2巻に含められるべきであるが、そうなると第3巻が20節ほどの非常に短い巻になってしまうので、第3巻の冒頭に置いたとも考えられる。<br><br>本巻(第3巻)の年([[w:紀元前56年|BC56年]])の春には、ガッリア遠征の遂行上きわめて重要な'''ルカ会談'''があったので、以下に補足する。</div>
<div style="background-color:#eee;width:75%;">
===コラム「ルカ会談」===
:::<span style="font-family:Times New Roman;font-size:13pt;">''[[w:en:Luca Conference|Luca Conference]]''</span>(英語記事)などを参照。
:<span style="color:#009900;">伝記作家[[ガリア戦記/注解編#プルータルコス『対比列伝』|プルータルコス]]によれば<ref>[[ガリア戦記/注解編#プルータルコス『対比列伝』|プルータルコス『対比列伝』]]の「カエサル」20,21</ref>、カエサルはベルガエ人との戦いを成し遂げると、前年に続いて'''パドゥス川'''〔[[w:la:Padus|Padus]] [[w:ポー川|ポー川]]〕流域で越冬しながら、ローマ政界への政治工作を続けた。例えば、カエサルを後援者とする選挙の立候補者たちが有権者を買収するための金銭をばらまいていた。ガッリア人捕虜を奴隷商人に売り払って得た莫大な金銭で。その結果、カエサルの金銭で当選した者たちの尽力で、属州総督カエサルへの新たな資金の支給が可決されるという具合であった。<br><br>そのうち、多くの名門貴族たちがカエサルに面会するために[[w:ルッカ|ルカ]]([[w:la:Luca|Luca]])の街へやって来た。<br>こうした中、[[w:紀元前56年|BC56年]]の4月に、カエサルと非公式の盟約([[w:三頭政治#第一回三頭政治|三頭政治]])を結んでいた[[w:マルクス・リキニウス・クラッスス|クラッスス]]と[[w:グナエウス・ポンペイウス|ポンペイウス]]もルカを訪れて、三者による会談が行われた。<br><br>首都ローマでは、三頭政治を後ろ盾とする[[w:ポプラレス|平民派]]の[[w:プブリウス・クロディウス・プルケル|クロディウス]](<span style="font-family:Times New Roman;">[[w:la:Publius Clodius Pulcher|Publius Clodius Pulcher]]</span>)が民衆に暴動をけしかけ、[[w:オプティマテス|門閥派]]のミロ(<span style="font-family:Times New Roman;">[[w:la:Titus Annius Milo|Titus Annius Milo]]</span>)と激しく抗争するなど、騒然としていた。このクロディウスの暴力的な手法は、クラッススとポンペイウスの関係を傷つけた。また、カエサルのガッリアでの輝かしい勝利に、二人とも不満を感じていた。このように三頭政治は綻び出していたのだ。<br><br>三人は三頭政治を延長することで合意した。カエサルは、クラッススとポンペイウスが翌年([[w:紀元前55年|BC55年]])の執政官に立候補すること、3属州の総督であるカエサルの任期がさらに5年間延長されること、などを求めた。<br><br>会談の結果、任期が大幅に延長されたカエサルの野望は、ガッリアに止まらず、[[w:ゲルマニア|ゲルマーニア]]や[[w:ブリタンニア|ブリタンニア]]の征服へと向かっていく。一方、再び執政官になった二人は、[[w:パルティア|パルティア]]を攻略するためにクラッススがシリア総督になることを決めるが、これはクラッススの命運とともに三頭政治の瓦解、カエサルとポンペイウスの関係悪化を招来することになる。
</span>
<div style="text-align:center">
{|
|-
|[[画像:First Triumvirate of Caesar, Crassius and Pompey.jpg|thumb|right|500px|後に[[w:三頭政治#第一回三頭政治|三頭政治]](<span style="font-family:Times New Roman;">[[w:la:Triumviratus|Triumviratus]]</span>)と呼ばれることになる非公式な盟約を結んでいた、左から[[w:ガイウス・ユリウス・カエサル|カエサル]]、[[w:マルクス・リキニウス・クラッスス|クラッスス]]、[[w:グナエウス・ポンペイウス|ポンペイウス]]。<br>3人は、第3巻の戦いが始まる前に、ルカ会談で三頭政治の延長を決めた。]]
|}
</div>
</div>
<!--
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
==アルプス・オクトードゥールスの戦い==
:<span style="font-family:Times New Roman;font-size:13pt;">''[[w:en:Battle of Octodurus|Battle of Octodurus]]''</span>(英語記事)<span style="font-family:Times New Roman;font-size:13pt;">''[[w:fr:Bataille d'Octodure|Bataille d'Octodure]]''</span>(仏語記事)などを参照。
===1節===
[[画像:Historische Karte CH Rome 1.png|thumb|right|300px|現在の[[w:スイス|スイス]]の帝制ローマ時代の地図。左下の三日月形の[[w:レマン湖|レマン湖]]の下方に、<span style="font-family:Times New Roman;">ALLOBROGES, NANTUATES, VERAGRI, SEDUNI</span> の部族名が見える。]]
[[画像:Afdaling vd San Bernardino - panoramio.jpg|thumb|right|300px|現在の[[w:グラン・サン・ベルナール峠|グラン・サン・ベルナール峠]]。ラテン語では <span style="font-family:Times New Roman;">[[w:la:Porta Magni Sancti Bernardi|Porta Magni Sancti Bernardi]] という。<br>スイスを縦断する[[w:欧州自動車道路|欧州自動車道路]] [[w:en:European route E27|E27]] が[[w:レマン湖|レマン湖]]からこの峠を通ってイタリアの[[w:アオスタ|アオスタ]]へ至る。</span>]]
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/1節]] {{進捗|00%|2022-04-23}}</span>
'''ガルバとローマ第12軍団が、ロダヌス川渓谷のオクトードゥールスにて冬営する'''
<br>
; カエサルが、ガルバと軍団・騎兵をアルプス地方へ派兵
*Cum in Italiam proficisceretur Caesar,
**カエサルは、イタリア〔[[w:ガリア・キサルピナ|ガッリア・キサルピーナ]]〕に出発していたときに、
*[[wikt:en:Servium|Servium]] Galbam cum [[w:en:Legio XII Fulminata|legione duodecima(XII.)]] et parte equitatus
**[[w:セルウィウス・スルピキウス・ガルバ (紀元前54年法務官)|セルウィウス・ガルバ]]を第12軍団および騎兵隊の一部とともに、
*in [[wikt:fr:Nantuates#Latin|Nantuates]], [[wikt:en:Veragri#Latin|Veragros]] Sedunosque misit,
**ナントゥアーテース族・ウェラーグリー族・セドゥーニー族(の領土)に派遣した。
*qui a finibus [[wikt:en:Allobroges#Latin|Allobrogum]] et lacu [[wikt:fr:Lemannus|Lemanno]] et flumine [[wikt:en:Rhodanus#Latin|Rhodano]] ad summas [[wikt:en:Alpes#Latin|Alpes]] pertinent.
**彼らはアッロブロゲース族の領土、レマンヌス湖〔[[w:レマン湖|レマン湖]]〕およびロダヌス川〔[[w:ローヌ川|ローヌ川]]〕から[[w:アルプス山脈|アルプス]]の頂きに及んでいる。
*Causa mittendi fuit,
**派遣の理由は(以下のこと)であった:
*quod iter per Alpes,
**アルプスを通る道は、
*quo magno cum periculo magnisque cum [[wikt:en:portorium|portoriis]] mercatores ire consuerant,
**大きな危険と多額の関税を伴って商人たちが旅することが常であったので、
*patefieri volebat.
**(カエサルは道が)開かれることを望んでいたのだ。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:現在の[[w:グラン・サン・ベルナール峠|グラン・サン・ベルナール峠]]を通ってスイスとイタリアを結ぶ道のことで、<br> 帝制初期に[[w:アウグストゥス|アウグストゥス]]によって街道が敷設された。<br> かつて[[w:ハンニバル|ハンニバル]]が越えたのは諸説あるが、この道であった可能性もある。<br> ローマ人がこの地に移入・育成した軍用犬は現在の[[w:セント・バーナード|セント・バーナード犬]]。)</span>
*Huic permisit, si opus esse arbitraretur, uti in his locis legionem hiemandi causa conlocaret.
**彼〔ガルバ〕に、もし必要と思われるならば、この地に軍団を[[w:冬営|冬営]]するために宿営させることを許可した。
[[画像:Servius Sulpicius Galba.jpg|thumb|right|300px|[[w:セルウィウス・スルピキウス・ガルバ (紀元前54年法務官)|セルウィウス・スルピキウス・ガルバ]]の横顔が刻まれた貨幣。ガルバは[[w:紀元前54年|BC54年]]([[ガリア戦記 第5巻|ガリア戦記 第5巻]]の年)に[[w:プラエトル|法務官]]に任官。内戦期もカエサルに従うが、暗殺計画に参画する。<br>[[w:ネロ|ネロ帝]]とともにユリウス家の王朝が途絶えると、ガルバの曽孫が[[w:ローマ内戦_(68年-70年)#四皇帝|四皇帝]]の一人目の[[w:ガルバ|ガルバ帝]]となった。このため[[w:ガイウス・スエトニウス・トランクィッルス|スエートーニウス]]『ローマ皇帝伝』の「ガルバ伝」にガルバへの言及がある<ref>[[s:la:De_vita_Caesarum_libri_VIII/Vita_Galbae#III.]]</ref>。]]
<br>
; ガルバが、諸部族を攻略して、軍団の冬営を決める
*Galba, secundis aliquot proeliis factis
**ガルバは、いくつかの優勢な戦いをして、
*castellisque compluribus eorum expugnatis,
**彼ら〔ガッリア諸部族〕の多くの砦が攻略されると、
*missis ad eum undique legatis
**彼〔ガルバ〕のもとへ四方八方から(諸部族の)使節たちが遣わされ、
*obsidibusque datis et pace facta,
**人質が供出されて、講和がなされたので、
*constituit
**(ガルバは、以下のことを)決めた。
*cohortes duas in Nantuatibus conlocare
**2個<ruby><rb>[[w:コホルス|歩兵大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>をナントゥアーテース族(の領土)に宿営させること、
*et ipse cum reliquis eius legionis cohortibus
**(ガルバ)自身はその軍団の残りの<ruby><rb>歩兵大隊</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>とともに、
*in vico Veragrorum, qui appellatur [[wikt:en:Octodurus|Octodurus]], hiemare;
**オクトードゥールスと呼ばれているウェラーグリー族の村に冬営することを。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:オクトードゥールス([[wikt:en:Octodurus|Octodurus]])は現在の[[w:マルティニー|マルティニー市]]。)</span>
<br>
; ウェラーグリー族のオクトードゥールス村
*qui vicus positus in valle, non magna adiecta planitie,
**その村は、さほど大きくない平地に付随した渓谷の中に位置し、
*altissimis montibus undique continetur.
**とても高い山々で四方八方を囲まれている。
*Cum hic in duas partes flumine divideretur,
**これ〔村〕は川によって二つの部分に分け隔てられているので、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:現在の[[w:マルティニー|マルティニー]]の街中を、[[w:ローヌ川|ローヌ川]]の支流であるドランス川(''[[w:en:Drance|Drance]])が貫流している。)</span>
*alteram partem eius vici Gallis [ad hiemandum] concessit,
**その村の一方の部分をガッリア人に [越冬するために] 譲った。
*alteram vacuam ab his relictam cohortibus attribuit.
**もう一方の彼ら〔ガッリア人〕により空にされた方を、残りの<ruby><rb>歩兵大隊</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>に割り当てた。
*Eum locum vallo fossaque munivit.
**その地を堡塁と塹壕で守りを固めた。
<div style="text-align:center">
{|
|-
|[[画像:Martigny_1600.jpg|thumb|right|600px|かつてウェラーグリー族のオクトードゥールス村([[w:la:Octodurus|Octodurus]])があった所は、現在では[[w:スイス|スイス]]の[[w:マルティニー|マルティニー]]([[w:en:Martigny|Martigny]])市となっている。[[w:ローヌ川|ローヌ川]]が屈曲して流れる[[w:谷|渓谷]]地帯にある。]]
|}
</div>
<div style="background-color:#eee;width:77%;">
===コラム「ガルバの派遣とカティリーナ事件」===
:::関連記事:<span style="font-family:Times New Roman;font-size:13pt;">[[w:la:Catilinae coniuratio|Catilinae coniuratio]], ''[[w:en:Second Catilinarian conspiracy|Second Catilinarian conspiracy]]''</span>
:<span style="color:#009900;"> [[w:セルウィウス・スルピキウス・ガルバ (紀元前54年法務官)|セルウィウス・スルピキウス・'''ガルバ''']]にアルプス派兵を指揮させた理由について、カエサルは記していない。<br><br> [[w:紀元前63年|BC63年]]~[[w:紀元前62年|BC62年]]に、ローマの高官だった[[w:ルキウス・セルギウス・カティリナ|ルーキウス・セルギウス・'''カティリーナ''']]([[w:la:Lucius Sergius Catilina|Lucius Sergius Catilina]])がクーデタを企てるという大事件があった。'''[[w:マルクス・トゥッリウス・キケロ|キケロー]]'''が『[[w:カティリナ弾劾演説|カティリナ弾劾演説]]』で糾弾し、カエサルが事件の黒幕ではないかと取り沙汰された(スエートニウス<ref>[[s:la:De_vita_Caesarum_libri_VIII/Vita_divi_Iuli#XIV.]], [[s:la:De_vita_Caesarum_libri_VIII/Vita_divi_Iuli#XVII.|#XVII.]] を参照。</ref>)。<br> BC63年の[[w:プラエトル|法務官]][[w:ガイウス・ポンプティヌス|ガーイウス・'''ポンプティーヌス''']]がキケローを助けて事件を捜査し、アッロブロゲース族からカティリーナへ宛てた手紙を調べた。BC62年にポンプティーヌスは前法務官としてガッリア総督となり、事件に関与していたアッロブロゲース族を平定した。このとき、[[w:トリブヌス|副官]]としてポンプティーヌスを助けてアッロブロゲース族を攻めたのが'''ガルバ'''であった。総督がカエサルに替わっても、ガルバは副官として留任し、アッロブロゲース族の近隣部族の鎮定に努めていたわけである。<br> ポンプティーヌスは、一部の元老院議員の反対で、戦勝将軍の権利である[[w:凱旋式|凱旋式]]ができなかった。これを不満に思っていたガルバは、[[w:紀元前54年|BC54年]]に法務官になると尽力して、その年にポンプティーヌスの凱旋式を行なうことに成功した。
<div style="text-align:center">
{|
|-
|[[画像:Joseph-Marie Vien - The Oath of Catiline.jpg|thumb|right|320px|'''カティリーナの誓い'''(''Le Serment de Catiline'')<br>[[w:ジョゼフ=マリー・ヴィアン|ジョゼフ=マリー・ヴィアン]]画(1809年)。<hr>カティリーナと共謀者たちは、人間の血を混ぜたワインを飲んで誓いを立てる儀式を行なったと伝えられている。]]
|[[画像:The discovery of the body of Catiline after the Battle of Pistoia (1871), by Alcide Segoni.jpg|thumb|right|320px|'''カティリーナの遺骸の発見'''<br>(''Il ritrovamento del corpo di Catilina'')<br>''[[w:en:Alcide Segoni|Alcide Segoni]]'' 画(1871年)<hr>アッロブロゲース族のいるガッリアへ向かおうとしていたカティリーナは、[[w:ピストイア|ピストリア]]([[w:la:Pistorium|Pistoria]])の戦い(''[[w:en:Battle of Pistoia|Battle of Pistoia]]'')で戦死した。]]
|}
</div>
</div>
<!--
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===2節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/2節]] {{進捗|00%|2022-05-05}}</span>
'''ガッリア人が再び挙兵して周囲の高峰を押さえ、第12軍団の冬営地を包囲'''
*Cum dies hibernorum complures transissent frumentumque eo comportari iussisset,
**冬営の多くの日々が過ぎ去って、穀物がそこに運び集められることを([[w:セルウィウス・スルピキウス・ガルバ (紀元前54年法務官)|ガルバ]]が)命じていたときに、
*subito per exploratores certior factus est
**突然に(以下のことが)[[w:偵察|偵察隊]]により報告された。
*ex ea parte vici, quam Gallis concesserat, omnes noctu discessisse
**ガッリア人たちに譲っていた村の一部から、皆が夜に立ち退いており、
*montesque, qui [[wikt:en:impendeo#Latin|impenderent]], a maxima multitudine Sedunorum et [[wikt:en:Veragri|Veragrorum]] teneri.
**そそり立つ山々がセドゥーニー族とウェラーグリー族のかなりの大勢により占拠されたのだ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ウェラーグリー族は既述のようにオクトードゥールス村 [[w:la:Octodurus|Octodurus]]〔現在の[[w:マルティニー|マルティニー市]]〕を、<br>セドゥーニー族 [[w:la:Seduni|Seduni]] はより上流のセドゥヌム [[w:la:Sedunum|Sedunum]]〔現在の[[w:シオン (スイス)|シオン市]]〕を首邑としていた。)</span>
*Id aliquot de causis acciderat,
**いくつかの理由から、起こっていたことには、
*ut subito Galli belli renovandi legionisque opprimendae consilium caperent:
**突如としてガッリア人が、戦争を再開して(ローマ人の)軍団を急襲する作戦計画を立てたのだ。
<br>
; 第1の理由:ガルバの第12軍団は、兵が割かれていて寡勢である
*primum, quod legionem neque eam plenissimam detractis cohortibus duabus
**というのも、第一に、総員がそろっていない軍団を ──2個<ruby><rb>[[w:コホルス|歩兵大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>が引き抜かれていて、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:前節で既述のように、2個歩兵大隊をナントゥアーテース族のところに宿営させていたが、これはレマンヌス湖〔[[w:レマン湖|レマン湖]]〕に近いより下流の地域で、離れていたようだ。)</span>
*et compluribus singillatim, qui commeatus petendi causa missi erant, absentibus,
**多くの者たちが一人ずつ、糧食を求めるために派遣されていて不在である、──
*propter paucitatem despiciebant;
**(その第12軍団を)少数であるゆえに、見下していたからだ。
<br>
; 第2の理由:渓谷にいるローマ人は、山から攻め降りて来るガッリア人の飛道具を受け止められまい
*tum etiam, quod propter iniquitatem loci,
**それからさらに(ローマ勢が冬営している渓谷の)地の利の無さゆえ、
*cum ipsi ex montibus in vallem decurrerent et tela conicerent,
**(ガッリア勢)自身が山々から谷間に駆け下りて飛道具を投じたときに、
*ne primum quidem impetum suum posse sustineri existimabant.
**自分たちの最初の襲撃を(ローマ勢が)持ちこたえることができない、と判断していたので。
<br>
; 第3の理由:人質を取られて、属州に併合される前にローマ人を討て
*Accedebat, quod suos ab se liberos abstractos obsidum nomine dolebant,
**加えて、人質の名目で自分たちから引き離されている自分の子供たちのことを嘆き悲しんでいたので、
*et Romanos non solum itinerum causa, sed etiam perpetuae possessionis
**かつ、ローマ人たちは道(の開通)のためだけでなく、永続的な領有のためにさえも
*culmina Alpium occupare <u>conari</u>
**アルプスの頂上を占領すること、
*et ea loca finitimae provinciae adiungere
**および(ローマの)属州に隣接する当地を併合することを<u>企てている</u>、
*sibi persuasum habebant.
**と(ガッリア人たちは)確信していたのである。
<!--
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===3節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/3節]] {{進捗|00%|2022-05-12}}</span>
'''ガルバが軍議を召集し、策を募る'''
*His nuntiis acceptis Galba,
**ガルバは、これらの報告を受け取ると、
*<u>cum</u> neque opus hibernorum munitionesque plene essent perfectae
**冬営の普請や防塁構築も十分に完成していなかったし、
*neque de frumento reliquoque commeatu satis esset provisum,
**穀物や他の糧秣も十分に調達されていなかった<u>ので</u>、
*quod deditione facta obsidibusque acceptis
**── というのも、降伏がなされて、人質が受け取られ、
*nihil de bello timendum existimaverat,
**戦争について恐れるべきことは何もない、と判断していたためであるが、──
*consilio celeriter convocato sententias exquirere coepit.
**軍議を速やかに召集して、意見を求め始めた。
<br>
;軍議
*Quo in consilio,
**その軍議において、
*<u>cum</u> tantum repentini periculi praeter opinionem accidisset
**これほどの不意の危険が、予想に反して起こっていたので、
*ac iam omnia fere superiora loca multitudine armatorum completa conspicerentur
**かつ、すでにほぼすべてのより高い場所が、武装した大勢の者たちで満たされていることが、見られていたので、
*neque subsidio veniri
**救援のために(援軍が)来られることもなかったし、
*neque commeatus supportari interclusis itineribus possent,
**糧秣が運び込まれることも、道が遮断されているので、できなかった<u>ので</u>、
*prope iam desperata salute non nullae eius modi sententiae dicebantur,
**すでにほぼ身の安全に絶望していた幾人かの者たちの'''以下のような'''意見が述べられていた。
*ut impedimentis relictis eruptione facta
**輜重を残して、出撃して、
*isdem itineribus quibus eo pervenissent ad salutem contenderent.
**そこへやって来たのと同じ道によって、安全なところへ急ぐように、と。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:レマンヌス〔[[w:レマン湖|レマン湖]]〕湖畔を通ってアッロブロゲース族領へ撤収することであろう。)</span>
*Maiori tamen parti placuit,
**しかしながら、大部分の者が賛成したのは、
*hoc reservato ad extremum consilio
**この考え(計画)を最後まで保持しておいて、
*interim rei eventum experiri et castra defendere.
**その間に、事の結果を吟味して、陣営を守備すること、であった。
<!--
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===4節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/4節]] {{進捗|00%|2022-05-16}}</span>
'''ガッリア勢がガルバの陣営を急襲し、寡兵のローマ勢は劣勢に陥る'''
*Brevi spatio interiecto,
**(敵の来襲まで)短い間が介在しただけだったので、
*vix ut iis rebus quas constituissent conlocandis atque administrandis tempus daretur,
**決めておいた物事を配置したり遂行するための時間が、ほとんど与えられないほどであった。
*hostes ex omnibus partibus signo dato decurrere,
**敵方〔ガッリア勢〕があらゆる方向から、号令が出されて、駆け下りて来て、
*lapides [[wikt:en:gaesum|gaesa]]que in vallum conicere.
**石や投槍を堡塁の中に投げ込んだ。
*Nostri primo integris viribus fortiter propugnare
**我が方〔ローマ勢〕は、当初、体力が損なわれていないうちは勇敢に応戦して、
*neque ullum frustra telum ex loco superiore mittere,
**高所から、いかなる飛道具も無駄に投げることはなかった。
*et quaecumque<!--ut quaeque--> pars castrorum nudata defensoribus premi videbatur,
**陣営のどの部分であれ、防戦者たちがはがされて押され気味であることと思われれば、
*eo occurrere et auxilium ferre,
**(ローマ勢が)そこへ駆け付けて、支援した。
<br>
; 兵の多寡が、ローマ勢を追い込む
*sed hoc superari
**しかし、以下のことにより(ローマ勢は)打ち破られた。
*quod diuturnitate pugnae hostes defessi proelio excedebant,
**──戦いが長引いたことにより、疲れ切った敵たちは戦闘から離脱して、
*alii integris viribus succedebant;
**体力が損なわれていない他の者たちが交代していたのだ。──
*quarum rerum a nostris propter paucitatem fieri nihil poterat,
**我が方〔ローマ勢〕は少数であるゆえに、このような事〔兵の交代〕は何らなされ得なかった。
*ac non modo defesso ex pugna excedendi,
**疲弊した者にとっての戦いから離脱することの(機会)のみならず、
*sed ne saucio quidem eius loci ubi constiterat relinquendi ac sui recipiendi facultas dabatur.
**負傷した者にとってさえも、その持ち場を放棄することや(体力を)回復することの機会も与えられなかったのだ。
<!--
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===5節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/5節]] {{進捗|00%|2022-05-29}}</span>
'''最後の土壇場で説得されたガルバが、疲労回復後の突撃に命運を賭ける'''
*<u>Cum</u> iam amplius horis sex continenter pugnaretur,
**すでに6時間より多く引き続いて戦われており、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[古代ローマの不定時法]]では、冬の日中の半日ほどである)</span>
*ac non solum vires sed etiam tela nostros deficerent,
**活力だけでなく飛道具さえも我が方〔ローマ勢〕には不足していたし、
*atque hostes acrius instarent
**敵方〔ガッリア勢〕はより激しく攻め立てていて、
*languidioribusque nostris
**我が方〔ローマ勢〕が弱り切っており、
*vallum scindere et fossas complere coepissent,
**(ガッリア勢は)防柵を破却したり、塹壕を埋め立てたりし始めていたし、
*resque esset iam ad extremum perducta casum,
**戦況はすでに最後の土壇場に陥っていた<u>ので</u>、
<br>
; 二人の軍団首脳バクルスとウォルセーヌスが、ガルバに敵中突破を説く
*[[wikt:en:P.|P.]] Sextius Baculus, primi pili centurio,
**<ruby><rb>[[w:プリムス・ピルス|首位百人隊長]]</rb><rp>(</rp><rt>プリームス・ピールス</rt><rp>)</rp></ruby>プーブリウス・セクスティウス・バクルス
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[w:la:Publius Sextius Baculus|Publius Sextius Baculus]] などの記事を参照。)</span>
*quem Nervico proelio compluribus confectum vulneribus diximus,
**──その者が[[w:ネルウィイ族|ネルウィイー族]]との戦いで多くの負傷で消耗したと前述した──
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[ガリア戦記 第2巻#25節|第2巻25節]]を参照。なお、[[ガリア戦記 第6巻#38節|第6巻38節]] でも言及される。)</span>
*et item [[wikt:en:C.#Latin|C.]] Volusenus, tribunus militum, vir et consilii magni et virtutis,
**および <ruby><rb>[[w:トリブヌス・ミリトゥム|兵士長官]]</rb><rp>(</rp><rt>トリブヌス・ミリトゥム</rt><rp>)</rp></ruby> ガーイウス・ウォルセーヌス ──卓越した判断力と武勇を持つ男──(の2人)は、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:''[[w:en:Gaius Volusenus|Gaius Volusenus]]'' は、この後、[[ガリア戦記_第4巻#21節|第4巻21節]]・[[ガリア戦記_第4巻#23節|23節]]でブリタンニアへ遣わされ、<br> さらに、[[ガリア戦記_第6巻#41節|第6巻41節]]、第8巻23節<sub>([[s:la:Commentarii_de_bello_Gallico/Liber_VIII#23|s]])</sub>、48節<sub>([[s:la:Commentarii_de_bello_Gallico/Liber_VIII#48|s]])</sub>でも活躍する。)</span>
*ad Galbam accurrunt
**ガルバのもとへ急いで来て、
*atque unam esse spem salutis docent, si eruptione facta extremum auxilium experirentur.
**身の安全のただ一つの希望は、出撃をして最後の救済策を試みるかどうかだ、と説く。
*Itaque convocatis centurionibus
**こうして、<ruby><rb>[[w:ケントゥリオ|百人隊長]]</rb><rp>(</rp><rt>ケントゥリオー</rt><rp>)</rp></ruby>たちが召集されて、
*celeriter milites certiores facit,
**(ガルバが以下のことを)速やかに兵士たちに通達する。
*paulisper intermitterent proelium
**しばらく戦いを中断して
*ac tantummodo tela missa exciperent seque ex labore reficerent,
**ただ投げられた飛道具を遮るだけとし、疲労から(体力を)回復するようにと、
*post dato signo ex castris erumperent,
**与えられた号令の後に陣営から出撃するように、
*atque omnem spem salutis in virtute ponerent.
**身の安全のすべての希望を武勇に賭けるように、と。
<!--
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===6節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/6節]] {{進捗|00%|2022-06-05}}</span>
'''第12軍団がガッリア勢を破るが、ガルバはオクトードゥールスでの冬営を断念する'''
*Quod iussi sunt faciunt,
**(ローマ兵たちは)命じられたことをなして、
*ac subito omnibus portis eruptione facta
**突然に(陣営の)すべての門から出撃がなされ、
*neque cognoscendi quid fieret
**何が生じたのかを知ることの(機会)も
*neque sui colligendi hostibus facultatem relinquunt.
**(自軍の兵力を)集中することの機会も、敵方に残さない。
*Ita commutata fortuna
**こうして武運が変転して、
*eos qui in spem potiundorum castrorum venerant undique circumventos intercipiunt,
**(ローマ人の)陣営を占領することを期待してやって来ていた者たちを、至る所で包囲して<ruby><rb>屠</rb><rp>(</rp><rt>ほふ</rt><rp>)</rp></ruby>る。
*et ex hominum milibus amplius XXX{triginta},
**3万より多い人間が
*quem numerum barbarorum ad castra venisse constabat,
**それだけの数の蛮族が(ローマ)陣営のところへ来ていたのは、確実であったが、
*plus tertia parte interfecta
**3分の1より多く(の者)が<ruby><rb>殺戮</rb><rp>(</rp><rt>さつりく</rt><rp>)</rp></ruby>されて、
*reliquos perterritos in fugam coiciunt
**(ローマ勢は)残りの者たちを怖気づかせて敗走に追いやり、
*ac ne in locis quidem superioribus consistere patiuntur.
**(ガッリア勢は)より高い場所にさえ留まることさえ許されない。
*Sic omnibus hostium copiis fusis armisque exutis
**そのように敵方の全軍勢が撃破されて、武器が放棄されて、
*se intra munitiones suas recipiunt.
**(ローマ勢は)自分たちの防塁の内側に撤収する。
<br>
; ガルバがオクトードゥールスでの冬営を断念して、同盟部族領に撤退する
*Quo proelio facto,
**この戦いが果たされると、
*quod saepius fortunam temptare Galba nolebat
**──ガルバは、よりたびたび武運を試すことを欲していなかったし、
*atque alio se in hiberna consilio venisse meminerat,
**冬営に他の計画のために来ていたことを思い出していたが、
*aliis occurrisse rebus videbat,
**別の事態に遭遇したのを見ていたので、──
*maxime frumenti commeatusque inopia permotus
**とりわけ穀物や糧秣の欠乏に揺り動かされて、
*postero die omnibus eius vici aedificiis incensis
**翌日にその村のすべての建物が焼き討ちされて、
*in provinciam reverti contendit,
**(ガルバは)属州〔[[w:ガリア・キサルピナ|ガッリア・キサルピーナ]]〕に引き返すことを急ぐ。
*ac nullo hoste prohibente aut iter demorante
**いかなる敵によって妨げられることも、あるいは行軍が遅滞させられることもなく、
*incolumem legionem in Nantuates,
**軍団を無傷なままでナントゥアーテース族(の領土)に(連れて行き)、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ナントゥアーテース族 ''[[w:en:Nantuates|Nantuates]]'' は、レマンヌス湖〔[[w:レマン湖|レマン湖]]〕の南東を領有していた部族。<br> [[#1節]]で、軍団のうち2個<ruby><rb>[[w:コホルス|歩兵大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>を宿営させたことが述べられた。)</span>
*inde in Allobroges perduxit ibique hiemavit.
**そこから、アッロブロゲース族(の領土)に連れて行き、そこで冬営した。
<div style="text-align:center">
{|
|-
|[[画像:Amphitheaterforumclaudiival1.jpg|thumb|right|500px|オクトードゥールス(<span style="font-family:Times New Roman;">[[w:la:Octodurus|Octodurus]]</span>)、すなわち現在の[[w:マルティニー|マルティニー市]]に遺る帝制ローマ時代の円形競技場。オクトードゥールスは、<span style="font-family:Times New Roman;">Forum Claudii Vallensium</span> と改称され、[[w: クラウディウス|クラウディウス帝]]によって円形競技場が建てられた。<br>(<span style="font-family:Times New Roman;">''[[w:fr:Amphithéâtre de Martigny|Amphithéâtre de Martigny]]''</span> 等の記事を参照。)]]
|}
</div>
<!--
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
==大西洋岸ウェネティー族の造反==
:::<span style="background-color:#ffd;">関連記事:[[w:モルビアン湾の海戦|モルビアン湾の海戦]]、''[[w:fr:Guerre des Vénètes|fr:Guerre des Vénètes]]'' 等を参照せよ。</span>
===7節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/7節]] {{進捗|00%|2022-06-12}}</span>
'''新たな戦争の勃発'''
*His rebus gestis
**これらの戦役が遂げられて、
*cum omnibus de causis Caesar pacatam Galliam existimaret,
**カエサルが、あらゆる状況についてガッリアは平定された、と判断していたときに、
*superatis Belgis,
**(すなわち)[[w:ベルガエ|ベルガエ人]]は征服され、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:第2巻で述べられたこと)</span>
*expulsis Germanis,
**[[w:ゲルマニア|ゲルマーニア]]人は駆逐され、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:第1巻で述べられた[[w:アリオウィストゥス|アリオウィストゥス]]との戦役のこと)</span>
*victis in [[wikt:en:Alpibus|Alpibus]] Sedunis,
**アルペース〔[[w:アルプス山脈|アルプス]]〕においてセドゥーニー族は打ち負かされて、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#1節]]~[[#6節]]で述べられたこと)</span>
*atque ita inita hieme in [[wikt:en:Illyricum#Latin|Illyricum]] profectus esset,
**こうして冬の初めに(カエサルが)[[w:イリュリクム|イッリュリクム]]に出発していたときに、
*quod eas quoque nationes adire et regiones cognoscere volebat,
**──というのは、これら各部族を訪れて諸地方を知ることを欲していたからであるが、──
**:<span style="color:#009900;">(訳注:属州総督の職務として、巡回裁判を行う必要があったためであろう)</span>
*subitum bellum in Gallia coortum est.
**突然の戦争がガッリアで勃発したのである。
<br>
; 戦争の背景
*Eius belli haec fuit causa:
**その戦争の原因は、以下の通りであった。
*[[wikt:en:P.|P.]] Crassus adulescens cum legione septima(VII.)
**[[w:プブリウス・リキニウス・クラッスス|プーブリウス・クラッスス青年]]は、第7軍団とともに
**:<span style="color:#009900;">(訳注:三頭政治家[[w:マルクス・リキニウス・クラッスス|M. クラッスス]]の息子で、第1巻[[s:la:Commentarii_de_bello_Gallico/Liber_I#52|52節]]では騎兵隊の指揮官だった。<br> [[ガリア戦記_第2巻#34節|第2巻34節]]では、1個軍団とともに大西洋沿岸地方に派遣されたと述べられた。)</span>
*proximus mare Oceanum in Andibus hiemarat.
**<ruby><rb>大洋〔[[w:大西洋|大西洋]]〕</rb><rp>(</rp><rt>オーケアヌス</rt><rp>)</rp></ruby>に最も近いアンデース族(の領土)で冬営していた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:アンデース族 Andes は、'''アンデカーウィー族''' [[w:la:Andecavi|Andecavi]], ''[[wikt:en:Andecavi|Andecavi]]'' と呼ばれることが多い。<br> 実際には大西洋岸から内陸側に寄っていたと考えられている。)</span>
*Is, quod in his locis inopia frumenti erat,
**彼〔クラッスス〕は、これらの場所においては穀物の欠乏があったので、
*praefectos tribunosque militum complures in finitimas civitates
**([[w:アウクシリア|支援軍]]の)<ruby><rb>[[w:プラエフェクトゥス|指揮官]]</rb><rp>(</rp><rt>プラエフェクトゥス</rt><rp>)</rp></ruby>たちや<ruby><rb>[[w:トリブヌス・ミリトゥム|兵士長官]]</rb><rp>(</rp><rt>トリブヌス・ミリトゥム</rt><rp>)</rp></ruby>たちのかなりの数を、近隣諸部族のところへ
*frumenti (commeatusque petendi) causa dimisit;
**穀物や糧食を求めるために送り出した。
*quo in numero est [[wikt:en:T.#Latin|T.]] Terrasidius missus in Esuvios<!--/ Unellos Essuviosque-->,
**その人員のうち、ティトゥス・テッラシディウスは、エスウィイー族<!--ウネッリー族やエスウィイー族-->のところに遣わされ、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:テッラシディウスは騎士階級の将校。''[[w:en:Terrasidius|Terrasidius]]'' 参照。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:エスウィイー族 ''[[w:en:Esuvii|Esuvii]]'' は、現在の[[w:オルヌ川|オルヌ川]]盆地の[[w:オルヌ県|オルヌ県]][[w:セー (オルヌ県)|セー]]~[[w:fr:Exmes|エム]]の辺りにいたらしい。)</span>
*[[wikt:en:M.#Latin|M.]] [[wikt:en:Trebius#Latin|Trebius]] Gallus in Coriosolităs,
**マールクス・トレビウス・ガッルスは、コリオソリテース族のところに(遣わされ)、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:''[[w:it:Marco Trebio Gallo|it:Marco Trebio Gallo]]'' 等参照)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:コリオソリテース族 ''[[w:en:Coriosolites|Coriosolites]]'' は、クーリオソリーテース ''[[wikt:en:Curiosolites|Curiosolites]]'' などとも呼ばれ、<br> 現在の[[w:コート=ダルモール県|コート=ダルモール県]]コルスール([[w:en:Corseul|Corseul]])の辺りにいたらしい。)</span>
*[[wikt:en:Q.|Q.]] [[wikt:en:Velanius#Latin|Velanius]] cum T. Sillio in Venetos.
**クゥイーントゥス・ウェラーニウスはティトゥス・シーッリウスとともに、[[w:ウェネティ族 (ガリア)|ウェネティー族]]のところに(遣わされた)。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:''[[w:it:Quinto Velanio|it:Quinto Velanio]], [[w:it:Tito Silio|it:Tito Silio]]'' 等参照。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[w:ウェネティ族 (ガリア)|ウェネティー族]] ''[[w:en:Veneti (Gaul)|Veneti (Gaul)]]'' は、[[w:アルモリカ|アルモリカ]]南西部、現在の[[w:モルビアン県|モルビアン県]]辺りにいた。)</span>
<!--
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===8節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/8節]] {{進捗|00%|2022-06-13}}</span>
'''ウェネティー族らの動き'''
<br>
; 沿海地方を主導するウェネティー族
*Huius est civitatis longe amplissima auctoritas omnis orae maritimae regionum earum,
**この部族〔ウェネティー族〕の<ruby><rb>影響力</rb><rp>(</rp><rt>アウクトーリタース</rt><rp>)</rp></ruby>は、海岸のその全地方の中でずば抜けて大きい。
*quod et naves habent Veneti plurimas,
**── というのは、[[w:ウェネティ族 (ガリア)|ウェネティー族]]は、最も多くの船舶を持っており、
*quibus in Britanniam navigare consuerunt,
**それら〔船団〕によって[[w:ブリタンニア|ブリタンニア]]に航海するのが常であり、
*et scientia atque usu rerum nauticarum ceteros antecedunt
**かつ[[w:海事|海事]]の知識と経験において他の者たち〔諸部族〕をしのいでおり、
*et in magno impetu maris atque aperto <Oceano>
**かつ海のたいへんな荒々しさと開けた<<ruby><rb>大洋〔[[w:大西洋|大西洋]]〕</rb><rp>(</rp><rt>オーケアヌス</rt><rp>)</rp></ruby>>において、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:<Oceano> は写本になく、挿入提案された修正読み)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[w:大陸棚|大陸棚]]が広がる[[w:ビスケー湾|ビスケー湾]]は、世界最大12mの大きな[[w:潮汐|干満差]]と、<br> 北西風による激しい嵐で知られる<ref>[https://kotobank.jp/word/%E3%83%93%E3%82%B9%E3%82%B1%E3%83%BC%E6%B9%BE-119819 ビスケー湾とは - コトバンク]</ref>。)</span>
*paucis portibus interiectis,
**わずかの港が介在していて、
*quos tenent ipsi,
**彼ら自身〔ウェネティー族〕がそれら〔港湾〕を制していて、
*omnes fere qui eo mari uti consuerunt, habent vectigales.
**その海を利用するのが常であった者たち〔部族〕ほぼすべてを、貢税者としていたのだ。──
<br>
; ウェネティー族が、クラッススの使節たちを抑留する
*Ab his fit initium retinendi Sillii atque Velanii,
**彼ら〔ウェネティー族〕によって、シーッリウスとウェラーニウスを拘束することが皮切りとなる。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:2人は、前節([[#7節]])でウェネティー族への派遣が述べられた使節)</span>
*<u>et si quos intercipere potuerunt</u>
**何らかの者たちを捕えることができたのではないか、と。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、β系写本だけの記述で、α系写本にはない。)</span>
*quod per eos suos se obsides, quos Crasso dedissent, recuperaturos existimabant.
**というのは、彼らを介して、[[w:プブリウス・リキニウス・クラッスス|クラッスス]]に差し出されていた己の人質たちを取り戻すことができると考えていたのである。
<br>
*Horum auctoritate finitimi adducti,
**彼ら〔ウェネティー族〕の影響力によって、近隣の者たち〔諸部族〕が動かされて、
*ut sunt Gallorum subita et repentina consilia,
**──ガッリア人の判断力というものは、思いがけなく性急なものであるが、──
*eadem de causa Trebium Terrasidiumque retinent
**同じ理由によりトレビウスとテッラシディウスを拘束する。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:トレビウスは、前節でコリオソリテース族に派遣された。<br> テッラシディウスは、前節でエスウィイー族に派遣された。)</span>
*et celeriter missis legatis
**そして速やかに使節が遣わされて、
*per suos principes inter se coniurant
**自分らの領袖たちを通して互いに誓約する。
*nihil nisi communi consilio acturos eundemque omnes fortunae exitum esse laturos,
**合同の軍議なしには何も実施しないであろうし、皆が命運の同じ結果に耐えるであろう、と。
*reliquasque civitates sollicitant,
**残りの諸部族を扇動する。
*ut in ea libertate quam a maioribus acceperint, permanere quam Romanorum servitutem perferre malint.
**ローマ人への隷属を辛抱することより、むしろ先祖から引き継いでいた自由に留まることを欲すべし、と。
<br>
*Omni ora maritima celeriter ad suam sententiam perducta
**すべての海岸(の諸部族)が速やかに自分たち〔ウェネティー族〕の見解に引き込まれると、
*communem legationem ad [[wikt:en:Publium|Publium]] Crassum mittunt,
**共同の使節を[[w:プブリウス・リキニウス・クラッスス|プーブリウス・クラッスス]]のもとへ遣わす。
*si velit suos recuperare, obsides sibi remittat.
**もし味方の者たち〔ローマ人〕を取り戻すことを望むならば、自分たち〔諸部族〕の人質たちを返すように、と。
<!--
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===9節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/9節]] {{進捗|00%|2022-06-19}}</span>
{{Wikipedia|la:Liger| Liger }}
'''カエサル到着、ウェネティー族らの作戦と開戦準備'''
; カエサルが、海戦の準備を手配してから、沿岸地域に急ぐ
*Quibus de rebus Caesar a Crasso certior factus,
**以上の事について、カエサルは[[w:プブリウス・リキニウス・クラッスス|クラッスス]]により報知されると、
*quod ipse aberat longius,
**(カエサル)自身は非常に遠くに離れていたので、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#コラム「ルカ会談」|#ルカ会談]]などローマへの政界工作のために属州にいたと考えられている。)</span>
*naves interim longas aedificari in flumine [[wikt:la:Liger#Latine|Ligeri]], quod influit in Oceanum,
**その間に<u>軍船</u>が<ruby><rb>大洋〔[[w:大西洋|大西洋]]〕</rb><rp>(</rp><rt>オーケアヌス</rt><rp>)</rp></ruby>に流れ込むリゲル川〔[[w:ロワール川|ロワール川]]〕にて建造されること、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:艦隊 [[w:la:Classis Romana|classis]] の主力として戦う[[w:ガレー船|ガレー船]]は「長船」[[w:la:Navis longa|navis longa]] と呼ばれていた。<br> これに対して、軍需物資を運搬する輸送船は [[w:la:Navis actuaria|navis actuaria]] と呼ばれていた。)</span>
*remiges ex provincia institui,
**<ruby><rb>漕ぎ手</rb><rp>(</rp><rt>レーメクス</rt><rp>)</rp></ruby>が属州〔[[w:ガリア・トランサルピナ|ガッリア・トランサルピーナ]]〕から採用されること、
*nautas gubernatoresque comparari iubet.
**<ruby><rb>[[w:船員|水夫]]</rb><rp>(</rp><rt>ナウタ</rt><rp>)</rp></ruby>や<ruby><rb>操舵手</rb><rp>(</rp><rt>グベルナートル</rt><rp>)</rp></ruby>が徴募されること、を命じる。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:船尾の「<ruby><rb>[[w:舵|舵]]</rb><rp>(</rp><rt>かじ</rt><rp>)</rp></ruby>」が発明されたのは[[w:漢|漢代]]の中国であって、古代西洋の船に<ruby><rb>舵</rb><rp>(</rp><rt>かじ</rt><rp>)</rp></ruby>はない。<br> 船の操舵手は「<ruby><rb>舵櫂</rb><rp>(</rp><rt>かじかい</rt><rp>)</rp></ruby>」(''[[w:en:Steering oar|steering oar]]'') という[[w:櫂|櫂]]の一種を用いて操船したらしい。)</span>
<br>
*His rebus celeriter administratis ipse,
**これらの事柄が速やかに処理されると、(カエサル)自身は
*cum primum per anni tempus potuit, ad exercitum contendit.
**年のできるだけ早い時季に、軍隊のもとへ急いだ。
<br>
; ウェネティー族らが、使節団拘留の重大さを勘案して、海戦の準備を進める
*Veneti reliquaeque item civitates cognito Caesaris adventu
**[[w:ウェネティ族 (ガリア)|ウェネティー族]]と残りの部族もまた、カエサルの到着を知り、
*<span style="color:#009900;"><</span>et de recipiendis obsidibus spem se fefellise<span style="color:#009900;">></span> certiores facti,
**<span style="color:#009900;"><</span>かつ人質を取り戻すという希望に惑わされたことを<span style="color:#009900;">></span> 知らされて、
*simul quod quantum in se facinus admisissent intellegebant,
**同時に、どれほど大それた行為を自分たちが侵していたかを判断していたので、
*<span style="color:#009900;">[</span>legatos, quod nomen ad omnes nationes sanctum inviolatumque semper fuisset,
**──(すなわち)あらゆる種族のもとでその名が神聖かつ不可侵の、使節たちが
*retentos ab se et in vincula coniectos,<span style="color:#009900;">]</span>
**自分たちによって拘束され、鎖につながれていたわけだが、──
*pro magnitudine periculi bellum parare
**危機の重大さに見合う戦争を準備すること、
*et maxime ea quae ad usum navium pertinent providere instituunt,
**とりわけ船団を運用するために役立つところのものを調達すること、を着手する。
*hoc maiore spe quod multum natura loci confidebant.
**地勢を大いに信じていた点に大きな期待をして。
<br>
*Pedestria esse itinera concisa aestuariis,
**(ローマ勢の)歩兵の行軍路は入江で遮断されるし、
*navigationem impeditam propter inscientiam locorum paucitatemque portuum sciebant,
**土地の不案内と港の少なさのゆえに航行が妨げられることを(ウェネティー族らは)知っていた。
*neque nostros exercitus propter inopiam frumenti diutius apud se morari posse confidebant;
**穀物の欠乏のゆえに、我が軍〔ローマ軍〕がより長く彼らのもとに留まることができないと(ウェネティー族らは)信じ切っていた。
<br>
*ac iam ut omnia contra opinionem acciderent,
**やがて、すべてのことが予想に反して生じたとしても、
*tamen se plurimum navibus posse, quam Romanos neque ullam facultatem habere navium,
**けれども自分たち〔ウェネティー族ら〕は艦船において、艦船の備えを何ら持たないローマ人よりも大いに優勢であり、
*neque eorum locorum, ubi bellum gesturi essent, vada, portus, insulas novisse;
**戦争を遂行しようとしているところの浅瀬・港・島に(ローマ人は)不案内であった(と信じ切っていた)。
<br>
*ac longe aliam esse navigationem in concluso mari atque in vastissimo atque apertissimo Oceano perspiciebant.
**閉ざされた海〔[[w:地中海|地中海]]〕と非常に広大で開けた<ruby><rb>大洋〔[[w:大西洋|大西洋]]〕</rb><rp>(</rp><rt>オーケアヌス</rt><rp>)</rp></ruby>における航行はまったく別物であると見通していた。
<br>
*His initis consiliis
**この作戦計画が決められると、
*oppida muniunt,
**<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>の防備を固め、
*frumenta ex agris in oppida comportant,
**穀物を耕地から<ruby><rb>城塞都市</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>に運び込み、
*naves in [[wikt:en:Venetia#Latin|Venetiam]], ubi Caesarem primum (esse) bellum gesturum constabat, quam plurimas possunt, cogunt.
**カエサルが最初の戦争を遂行するであろうことが明白であったところの[[w:ウェネティ族 (ガリア)|ウェネティー族]]領に、ありったけの艦船を集める。
<br>
*Socios sibi ad id bellum
**この戦争のために(ウェネティー族は)自分たちのもとへ同盟者として
*[[wikt:en:Osismi#Latin|Osismos]], [[wikt:en:Lexovii#Latin|Lexovios]], [[wikt:en:Namnetes#Latin|Namnetes]], Ambiliatos, [[wikt:en:Morini#Latin|Morinos]], [[w:en:Diablintes|Diablintes]], [[wikt:en:Menapii#Latin|Menapios]] adsciscunt;
**<span style="font-size:10pt;">オスィスミー族・レクソウィイー族・ナムネーテース族・アンビリアーティー族・モリニー族・ディアブリンテース族・メナピイー族</span> を引き入れる。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:アンビリアーティー族 ➡ [[w:ガイウス・プリニウス・セクンドゥス|プリニウス]]は「アンビラトリー族」 [[wikt:en:Ambilatri#Latin|Ambilatri]] と記す。<br> ディアブリンテース族 ➡ プリニウスは「ディアブリンティー族」 [[wikt:en:Diablinti#Latin|Diablinti]] と記す。<br> この部族は、アウレルキー族 ''[[w:en:Aulerci|Aulerci]]'' の支族。)</span>
*auxilia ex Britannia, quae contra eas regiones posita est, arcessunt.
**援軍を、この地域の向かい側に位置する[[w:ブリタンニア|ブリタンニア]]から呼び寄せた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:援軍を出したという口実のもと、翌年カエサルがブリタンニアに侵攻することになる。)</span>
<div style="text-align:center">
{|
|-
|[[画像:Map of Aremorican tribes (Latin).svg|thumb|right|600px|[[w:アルモリカ|アルモリカ]](<span style="font-family:Times New Roman;font-size:13pt;">''[[w:en:Armorica|Armorica]]''</span> )の部族分布図。
]]
|}
</div>
<!--
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===10節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/10節]] {{進捗|00%|2022-07-02}}</span>
'''カエサルの開戦への大義名分'''
*Erant hae difficultates belli gerendi, quas supra ostendimus,
**上で指摘したような、戦争を遂行することの困難さがあった。
*sed tamen multa Caesarem ad id bellum incitabant:
**にもかかわらず、多くのことがカエサルをその戦争へと駆り立てていたのだ。
*iniuria retentorum equitum Romanorum,
**①ローマ人の[[w:エクィテス|騎士]]〔騎士階級の者〕たちが拘束されることの無法さ、
*rebellio facta post deditionem,
**②降伏の後でなされた造反、
*defectio datis obsidibus,
**③人質を供出しての謀反、
*tot civitatum coniuratio,
**④これほど多くの部族の共謀、
*in primis ne hac parte neglecta reliquae nationes sibi idem licere arbitrarentur.
**⑤何よりも第一に、この地方をなおざりにして、残りの種族が自分たちも同じことを許容されると思い込まないように。
*Itaque cum intellegeret
**そこで、(カエサルは以下のように)認識していたので、
*omnes fere Gallos novis rebus studere et ad bellum mobiliter celeriterque excitari,
**①ほぼすべてのガリア人が政変を熱望して、戦争へ簡単に速やかに奮い立たせられていること、
*omnes autem homines natura libertati studere incitari et condicionem servitutis odisse,
**②他方ですべての人間は本来的に自由を熱望することに扇動され、隷属の状態を嫌っていること、
*prius quam plures civitates conspirarent,
**多くの部族が共謀するより前に、
*partiendum sibi ac latius distribuendum exercitum putavit.
**(カエサルは)自分にとって軍隊が分けられるべき、より広範に割り振られるべきであると考えた。
<!--
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===11節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/11節]] {{進捗|00%|2022-07-03}}</span>
'''ラビエーヌス、クラッスス、サビーヌス、ブルートゥスを前線へ派兵する'''
<br><br>
; 副官ラビエーヌスをトレウェリー族のもとへ遣わす
*Itaque [[wikt:en:Titum|T.]] [[wikt:en:Labienus#Latin|Labienum]] legatum in [[wikt:en:Treveri#Latin|Treveros]], qui proximi flumini Rheno sunt, cum equitatu mittit.
**こうして、<ruby><rb>[[w:レガトゥス|副官]]</rb><rp>(</rp><rt>レガトゥス</rt><rp>)</rp></ruby>[[w:ティトゥス・ラビエヌス|ティトゥス・ラビエーヌス]]をレーヌス川〔[[w:ライン川|ライン川]]〕に最も近いトレーウェリー族に、騎兵隊とともに派遣する。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[w:la:Titus Labienus|Titus Labienus]] は、『ガリア戦記』におけるカエサルの片腕。<br> ''[[w:en:Treveri|Treveri]]'' はローマの同盟部族だが、[[ガリア戦記_第5巻|第5巻]]・[[ガリア戦記_第6巻|第6巻]]で挙兵する。)</span>
*Huic mandat,
**彼に(以下のように)命じる。
*[[wikt:en:Remi#Latin|Remos]] reliquosque [[wikt:en:Belgas|Belgas]] adeat atque in officio contineat
**①レーミー族やほかの[[w:ベルガエ|ベルガエ人]]を訪れて、<ruby><rb>忠実さ</rb><rp>(</rp><rt>オッフィキウム</rt><rp>)</rp></ruby>に留めるように、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:''[[w:en:Remi|Remi]]'' は、ローマの同盟部族で、[[ガリア戦記_第2巻#3節|第2巻3節]]以降で言及された。)</span>
*[[wikt:en:Germanos|Germanos]]que, qui auxilio a Gallis arcessiti dicebantur,
**②ガッリア人により援兵として呼び寄せられたといわれていた[[w:ゲルマニア|ゲルマーニア]]人が
**:<span style="color:#009900;">(訳注:第1巻で言及された[[w:アリオウィストゥス|アリオウィストゥス]]の軍勢のこと。)</span>
*si per vim navibus flumen transire conentur, prohibeat.
**(彼らが)もし力ずくで船で川を渡ることを試みるならば、防ぐように、と。
<br>
; クラッスス青年をアクィーターニアに派遣する
*[[wikt:en:Publium|P.]] [[wikt:en:Crassus#Latin|Crassum]] cum cohortibus legionariis XII(duodecim) et magno numero equitatus in Aquitaniam proficisci iubet,
**[[w:プブリウス・リキニウス・クラッスス|プーブリウス・クラッスス]]には、軍団の12個<ruby><rb>[[w:コホルス|歩兵大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>と多数の騎兵隊とともに、[[w:アクィタニア|アクィーターニア]]に出発することを命じる。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[w:la:Publius Licinius Crassus|Publius Licinius Crassus]]、[[#7節]]から既述。)</span>
*ne ex his nationibus auxilia in Galliam mittantur ac tantae nationes coniungantur.
**これらの種族から援兵がガッリアに派遣され、これほど多くの諸部族が結託することがないように。
<br>
; 副官サビーヌスを3個軍団とともに[[w:アルモリカ|アルモリカ]]北部へ派兵する
*[[wikt:en:Quintus#Latin|Quintum]] [[wikt:en:Titurius#Latin|Titurium]] [[wikt:en:Sabinus#Latin|Sabinum]] legatum cum legionibus tribus
**副官[[w:クィントゥス・ティトゥリウス・サビヌス|クィーントゥス・ティトゥーリウス・サビーヌス]]を3個軍団とともに
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:''[[w:en:Quintus Titurius Sabinus|Quintus Titurius Sabinus]]'' は[[ガリア戦記_第2巻#5節|第2巻5節]]から言及されている『ガリア戦記』前半で活躍する副官。)</span>
*in [[wikt:en:Unelli#Latin|Unellos]](Venellos), Coriosolităs [[wikt:en:Lexovii#Latin|Lexovios]]que mittit, qui eam manum distinendam curet.
**ウネッリー族・コリオソリテース族・レクソウィイー族に派遣して、彼らの手勢を分散させるべく配慮するように。
<br>
; ブルートゥス青年をウェネティー族領へ派兵する
*[[wikt:en:Decimus#Latin|D.]] [[wikt:en:Brutum|Brutum]] adulescentem classi Gallicisque navibus,
**[[w:デキムス・ユニウス・ブルトゥス・アルビヌス|デキムス・ブルートゥス青年]]に、(ローマの)艦隊とガッリア人の船団を、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[w:la:Decimus Iunius Brutus Albinus|Decimus Iunius Brutus Albinus]] は、カエサルの副官として活躍するが、後に暗殺に加わる。)</span>
*quas ex [[wikt:en:Pictones#Latin|Pictonibus]] et [[wikt:en:Santoni#Latin|Santonis]] reliquisque pacatis regionibus convenire iusserat,
**──これら(船団)はピクトネース族・サントニー族やほかの平定された地方から集まるように命じていたものであるが、──
*praeficit et, cum primum possit, in [[wikt:en:Veneti#Latin|Venetos]] proficisci iubet.
**(ブルートゥスに船団を)指揮させて、できるだけ早く[[w:ウェネティ族 (ガリア)|ウェネティー族]](の領土)に出発することを命じる。
<br>
*Ipse eo pedestribus copiis contendit.
**(カエサル)自身は、そこへ歩兵の軍勢とともに急ぐ。
<!--
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===12節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/12節]] {{進捗|00%|2022-07-09}}</span>
'''ウェネティー族の城塞都市の地勢、海洋民の機動性'''
<div style="text-align:center">
{|
|-
|[[画像:Bretagne Finistere PointeduRaz15119.jpg|thumb|right|350px|ウェネティー族の[[w:オッピドゥム|城塞都市]]があった[[w:ブルターニュ半島|ブルターニュ半島]]の突き出た地形]]
|}
</div>
*Erant [[wikt:en:eiusmodi|eiusmodi]] fere situs oppidorum,
**([[w:ウェネティ族 (ガリア)|ウェネティー族]]の)<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>の地勢はほぼ以下のようであった。
*ut posita in extremis [[wikt:en:lingula#Latin|lingulis]] [[wikt:en:promunturium#Latin|promunturiis]]que
**<ruby><rb>[[w:砂嘴|砂嘴]]</rb><rp>(</rp><rt>リングラ</rt><rp>)</rp></ruby>や[[w:岬|岬]]の先端部に位置しているので、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:lingula#Latin|lingula]] ⇒ [[w:la:Lingua terrae|lingua terrae]] (舌状地) ≒ <ruby><rb>[[w:砂嘴|砂嘴]]</rb><rp>(</rp><rt>さし</rt><rp>)</rp></ruby>(くちばし状の砂地)。)</span>
*neque pedibus aditum haberent, cum ex alto se [[wikt:en:aestus#Latin|aestus]] incitavisset,
**沖合から<ruby><rb>[[w:潮汐|潮 汐]]</rb><rp>(</rp><rt>アエトゥス</rt><rp>)</rp></ruby>が押し寄せて来たとき<span style="color:#009900;">〔満潮〕</span>に、徒歩での<ruby><rb>接近路</rb><rp>(</rp><rt>アプローチ</rt><rp>)</rp></ruby>を持っていなかった。
*quod bis accidit semper horarum XII(duodenarum) spatio,
**というのは<span style="color:#009900;">(満潮が毎日)</span>2度、常に12時間の間隔で起こるためである。
<div style="text-align:center">
{|
|-
|[[画像:Astronomical tide IJmuiden 21 January 2012.png|thumb|right|600px|ある日(24時間)の'''[[w:潮位|潮位]]'''予測グラフの例(2012年、オランダ北海沿岸のエイマイデン)。<br>満潮や干潮は、約12時間の周期で繰り返されることが多いため、たいてい1日2回ずつ生じる。]]
|}
</div>
*neque navibus,
**船で(のアプローチ)もなく、
*quod rursus minuente aestu naves in vadis adflictarentur.
**というのは、潮が再び減ると<span style="color:#009900;">〔干潮〕</span>、船団が[[w:浅瀬|浅瀬]]で損傷してしまうためである。
*Ita utraque re oppidorum oppugnatio impediebatur;
**このように<span style="color:#009900;">(陸路・海路)</span>どちらの状況においても、<ruby><rb>城塞都市</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>の攻略は妨げられていた。
<br><br>
*ac si quando magnitudine operis forte superati,
**あるとき、期せずして<span style="color:#009900;">(ウェネティー族がローマ人の)</span><ruby><rb>構造物</rb><rp>(</rp><rt>オプス</rt><rp>)</rp></ruby>の大きさに圧倒されて、
*extruso mari aggere ac molibus
**<span style="color:#009900;">(ローマ人が建造した)</span><ruby><rb>土手</rb><rp>(</rp><rt>アッゲル</rt><rp>)</rp></ruby>や<ruby><rb>[[w:防波堤|防波堤]]</rb><rp>(</rp><rt>モーレース</rt><rp>)</rp></ruby>により海水が押し出され、
*atque his oppidi moenibus adaequatis,
**これら<span style="color:#009900;">〔堡塁〕</span>が<ruby><rb>城塞都市</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>の城壁と<span style="color:#009900;">(高さにおいて)</span>等しくされ、
*suis fortunis desperare coeperant,
**<span style="color:#009900;">(ウェネティー族らが)</span>自分たちの命運に絶望し始めていたとしても、
*magno numero navium adpulso,
**船の多数を接岸して、
*cuius rei summam facultatem habebant,
**それら〔船〕の供給に最大の備えを持っていたので、
*omnia sua deportabant seque in proxima oppida recipiebant;
**自分たちの<ruby><rb>一切合財</rb><rp>(</rp><rt>オムニア</rt><rp>)</rp></ruby>を運び去って、最も近い<ruby><rb>城塞都市</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>に撤収していた。
*ibi se rursus isdem opportunitatibus loci defendebant.
**そこにおいて再び同じような地の利によって防戦していたのだ。
<br><br>
*Haec [[wikt:en:eo#Latin|eo]] facilius magnam partem aestatis faciebant,
**以上のことが、夏の大部分を<span style="color:#009900;">(ウェネティー族にとって)</span>より容易にしていた。
*quod nostrae naves [[wikt:en:tempestas#Latin|tempestatibus]] detinebantur,
**なぜなら、我が方〔ローマ人〕の船団は嵐により<span style="color:#009900;">(航行を)</span>阻まれており、
*summaque erat
**<span style="color:#009900;">(航行することの困難さが)</span>非常に大きかった。
*vasto atque aperto mari,
**海は広大で開けており、
*magnis aestibus,
**<ruby><rb>潮流</rb><rp>(</rp><rt>アエトゥス</rt><rp>)</rp></ruby>が激しく、
*raris ac prope nullis portibus
**港は<ruby><rb>疎</rb><rp>(</rp><rt>まば</rt><rp>)</rp></ruby>らでほとんどないので、
*difficultas navigandi.
**航行することの困難さが<span style="color:#009900;">(非常に大きかった)</span>。
<!--
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===13節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/13節]] {{進捗|00%|2022-07-10}}</span>
'''ウェネティー族の帆船の特徴'''
<div style="background-color:#ededed; width:90%; text-align:center">
{|
|-
| colspan="2" |ウェネティー族の船の再現画(左下に兵士の大きさが示されている)
| rowspan="2" style="background-color:#fff;" |
| rowspan="2" style="vertical-align:bottom;" |[[画像:Navis longa ja.JPG|thumb|right|350px|古代ローマの軍船([[w:ガレー船|ガレー船]])の構成]]
|-
| style="vertical-align:bottom;" |[[画像:Navire venete.svg|thumb|right|200px|一つの帆をもつ帆船の例]]
| style="vertical-align:bottom;" |[[画像:Navire venete 2.svg|thumb|right|200px|二つの帆をもつ帆船の例]]
|}
</div>
*Namque ipsorum naves ad hunc modum factae armataeque erant:
**これに対して彼ら<span style="color:#009900;">〔[[w:ウェネティ族 (ガリア)|ウェネティー族]]〕</span>自身の[[w:帆船|船]]は、以下のやり方で建造され、<ruby><rb>[[w:艤装|艤装]]</rb><rp>(</rp><rt>ぎそう</rt><rp>)</rp></ruby>されていた。
; 竜骨
*[[wikt:en:carina#Latin|carinae]] [[wikt:en:aliquanto|aliquanto]] planiores quam nostrarum navium,
**<ruby><rb>[[w:竜骨 (船)|竜 骨]]</rb><rp>(</rp><rt>カリーナ</rt><rp>)</rp></ruby>は、我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ人〕</span>の船のものよりも、いくらか平らで、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[w:竜骨 (船)|竜骨]]は、船底に突き出た背骨部分で、[[w:帆船|帆船]]が風で横滑りしないように造られていた。)</span>
*quo facilius vada ac decessum aestus excipere possent;
**それによって、より容易に[[w:浅瀬|浅瀬]] や [[w:潮汐|潮]]が退くこと<span style="color:#009900;">〔干潮〕</span>を持ち応えることができた。
; 船首と船尾
*[[wikt:en:prora#Latin|prorae]] admodum erectae atque item [[wikt:en:puppis|puppes]],
**<ruby><rb>[[w:船首|船 首]]</rb><rp>(</rp><rt>プローラ</rt><rp>)</rp></ruby>はまったく直立しており、<ruby><rb>[[w:船尾|船 尾]]</rb><rp>(</rp><rt>プッピス</rt><rp>)</rp></ruby>も同様で、
*ad magnitudinem fluctuum tempestatumque adcommodatae;
**<ruby><rb>[[w:波#波浪(風浪とうねり)|波 浪]]</rb><rp>(</rp><rt>フルークトゥス</rt><rp>)</rp></ruby> や <ruby><rb>[[w:嵐|暴風雨]]</rb><rp>(</rp><rt>テンペスタース</rt><rp>)</rp></ruby> の激しさに適応していた。
; 船体の材質
*naves totae factae ex [[wikt:en:robur#Latin|robore]] ad quamvis vim et contumeliam perferendam;
**船は、どんな力や衝撃にも耐えるために、全体として[[w:オーク|オーク材]]で造られていた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:la:robur|robur]] は ''[[wikt:en:oak#English|oak]]'' と英訳され、[[w:樫#Japanese|樫]]と訳されることが多いが、<br> 「<ruby><rb>[[w:カシ|樫]]</rb><rp>(</rp><rt>カシ</rt><rp>)</rp></ruby>」は常緑樹であり、西洋では落葉樹である「<ruby><rb>[[w:ナラ|楢]]</rb><rp>(</rp><rt>ナラ</rt><rp>)</rp></ruby>」が多い。<br> 学名 [[w:la:Quercus robur|Quercus robur]] は「[[w:ヨーロッパナラ|ヨーロッパナラ]]」と訳される。)</span>
; 横梁
*[[wikt:en:transtrum#Latin|transtra]] ex pedalibus in altitudinem [[wikt:en:trabs#Latin|trabibus]], confixa [[wikt:en:clavus#Latin|clavis]] [[wikt:en:ferreus#Latin|ferreis]] digiti [[wikt:en:pollex#Latin|pollicis]] crassitudine;
**<ruby><rb>横梁(横木)</rb><rp>(</rp><rt>トラーンストルム</rt><rp>)</rp></ruby>は、1ペースの幅の<ruby><rb>材木</rb><rp>(</rp><rt>トラプス</rt><rp>)</rp></ruby>からなり、親指の太さほどの鉄製の[[w:釘|釘]]で固定されていた。
**:<span style="font-family:Times New Roman;color:#009900;">(訳注:1[[ガイウス・ユリウス・カエサルの著作/通貨・計量単位#ペース|ペース]]は約29.6cm。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:transtrum#Latin|transtra]] は、<ruby><rb>[[w:マスト|帆柱]]</rb><rp>(</rp><rt>マスト</rt><rp>)</rp></ruby>([[wikt:en:malus#Etymology_3_2|malus]])を船に固定するための<ruby><rb>横梁(横木)</rb><rp>(</rp><rt>クロスビーム</rt><rp>)</rp></ruby>とも考えられる。)</span>
; 錨(いかり)の索具
*[[wikt:en:ancora#Latin|ancorae]] pro [[wikt:en:funis#Latin|funibus]] ferreis catenis revinctae;
**<ruby><rb>[[w:錨|錨]]</rb><rp>(</rp><rt>アンコラ</rt><rp>)</rp></ruby>は、<ruby><rb>[[w:ロープ|縄 索]]</rb><rp>(</rp><rt>フーニス</rt><rp>)</rp></ruby>の代わりに鉄製の[[w:鎖|鎖]]でつながれていた。
<div style="background-color:#eee; width:600px; text-align:center">
{|
|-
| style="vertical-align:bottom;" |[[画像:Nemi 060 museo delle Navi.jpg|thumb|right|180px|[[w:la:Ancora|ancora]] ([[w:錨|錨]])(古代ローマ)]]
| style="vertical-align:bottom;" |[[画像:Cordage en chanvre.jpg|thumb|right|150px|[[w:la:Funis|funis]] (綱の[[w:ロープ|ロープ]])]]
| style="vertical-align:bottom;" |[[画像:Old chain.jpg|thumb|right|150px|[[w:la:Catena|catena]] ([[w:鎖|鎖]])]]
|}
</div>
<br>
; 帆の材質
*[[wikt:en:pellis#Latin|pelles]] pro [[wikt:en:velum#Latin|velis]] [[wikt:en:aluta#Latin|alutae]]que tenuiter confectae,
**<ruby><rb>[[w:帆布|帆 布]]</rb><rp>(</rp><rt>ウェールム</rt><rp>)</rp></ruby>の代わりに<ruby><rb>[[w:毛皮|毛皮]]</rb><rp>(</rp><rt>ペッリス</rt><rp>)</rp></ruby>や、薄く作製された<ruby><rb>なめし皮</rb><rp>(</rp><rt>アルータ</rt><rp>)</rp></ruby>が(用いられた)。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:pellis#Latin|pellis]] は<ruby><rb>鞣</rb><rp>(</rp><rt>なめ</rt><rp>)</rp></ruby>していない生皮、[[wikt:en:aluta#Latin|aluta]] は<ruby><rb>鞣</rb><rp>(</rp><rt>なめ</rt><rp>)</rp></ruby>した[[w:皮革|皮革]] [[wikt:en:corium#Latin|corium]] のこと。)</span>
<div style="background-color:#eee; width:600px; text-align:center">
{|
|-
| style="vertical-align:bottom;" |[[画像:Linen canvas.jpg|thumb|right|150px|<ruby><rb>[[w:リネン|亜麻布]]</rb><rp>(</rp><rt>リネン</rt><rp>)</rp></ruby>の[[w:帆布|帆布]] ]]
| style="vertical-align:bottom;" |[[画像:Kissen aus indischem Antilopenfell 2013.jpg|thumb|right|100px|[[w:la:Pellis|pellis]] ([[w:毛皮|毛皮]])]]
| style="vertical-align:bottom;" |[[画像:Natural Bridge State Park (30337351644).jpg|thumb|right|200px|aluta ([[w:en:Tanning (leather)|なめし皮]])]]
|}
</div>
*[hae] sive propter inopiam [[wikt:en:linum#Latin|lini]] atque eius usus inscientiam,
**[これは] あるいは、<ruby><rb>[[w:アマ (植物)|亜麻]]</rb><rp>(</rp><rt>リーヌム</rt><rp>)</rp></ruby>の不足ゆえや、その利用に無知であるゆえか、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ローマ人には、[[w:リネン|亜麻布 (リネン)]]で帆を作る慣習があった。)</span>
*sive eo, quod est magis [[wikt:en:verisimilis#Latin|veri simile]],
**あるいは、この方がより真実に近いのだろうが、
*quod tantas tempestates Oceani tantosque impetus ventorum sustineri
**<ruby><rb>[[w:オーケアノス|大洋]]〔[[w:大西洋|大西洋]]〕</rb><rp>(</rp><rt>オーケアヌス</rt><rp>)</rp></ruby>のあれほどの嵐や、風のあれほどの激しさに持ち応えること、
*ac tanta onera navium regi
**船のあれほどの重さを制御することは、
*[[wikt:en:velum#Latin|velis]] non satis commode posse arbitrabantur.
**<ruby><rb>帆 布</rb><rp>(</rp><rt>ウェールム</rt><rp>)</rp></ruby>にとって十分に具合良くできないと、<span style="color:#009900;">(ウェネティー族は)</span>考えていたためであろう。
<br><br>
; ウェネティー船団とローマ艦隊の優劣
*Cum his navibus nostrae classi eiusmodi congressus erat,
**彼ら<span style="color:#009900;">〔ウェネティー族〕</span>の船団と、我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ軍〕</span>の艦隊は、以下のように交戦していた。
*ut una celeritate et pulsu remorum praestaret,
**迅速さと<ruby><rb>[[w:櫂|櫂]](かい)</rb><rp>(</rp><rt>レームス</rt><rp>)</rp></ruby>を<ruby><rb>漕</rb><rp>(</rp><rt>こ</rt><rp>)</rp></ruby>ぐのだけは<span style="color:#009900;">(ローマ艦隊が)</span>よりまさっていたのだが、
*reliqua pro loci natura, pro vi tempestatum
**そのほかのことは、地勢や嵐の勢いを考慮すると、
*illis essent aptiora et adcommodatiora.
**彼ら<span style="color:#009900;">〔ウェネティー族〕</span>にとってより適しており、より好都合であった。
*Neque enim his nostrae rostro nocere poterant
**なぜなら、我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ艦隊〕</span>の<ruby><rb>[[w:衝角|衝 角]]</rb><rp>(</rp><rt>ローストルム</rt><rp>)</rp></ruby>によって彼ら<span style="color:#009900;">(の船)</span>に対して損壊することができず、
*── tanta in iis erat firmitudo ──,
**──それら<span style="color:#009900;">〔ウェネティー族の船〕</span>においては<span style="color:#009900;">(船体の)</span>それほどの頑丈さがあったのだが──
*neque propter altitudinem facile telum adigebatur,
**<span style="color:#009900;">(ウェネティー族の船体の)</span>高さのゆえに、飛道具がたやすく投げ込まれなかったし、
*et eadem de causa minus commode <u>[[wikt:en:copula#Latin|copulis]]</u> continebantur.
**同じ理由から、あまり都合よく <ruby><rb><u>[[w:鉤縄|鉤縄]]</u></rb><rp>(</rp><rt>かぎなわ</rt><rp>)</rp></ruby> で<span style="color:#009900;">(敵船が)</span>つなぎ止められなかった。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、古い写本では [[wikt:en:scopulus#Latin|scopulis]]「岩礁」だが、<br> 後代の写本で修正され「[[w:鉤縄|鉤縄]]」と解釈されている。下図参照。)</span>
<div style="background-color:#eee; width:350px; text-align:center">
{|
|-
| style="vertical-align:bottom;" |[[画像:Grappling hook 2 (PSF).png|thumb|right|410px|[[w:海戦|海戦]]において敵船に[[w:移乗攻撃|接舷]]するために用いられていた、多数の<ruby><rb>[[w:鉤|鉤]]</rb><rp>(</rp><rt>かぎ</rt><rp>)</rp></ruby>を備えた<ruby><rb>[[w:銛|銛]]</rb><rp>(</rp><rt>もり</rt><rp>)</rp></ruby>の一種(<small>英語 [[wikt:en:grappling hook|grappling hook]]</small>)。<hr>[[内乱記_第1巻#57節|『内乱記』第1巻57節]]、[[内乱記_第2巻#6節|第2巻6節]]においても、[[w:デキムス・ユニウス・ブルトゥス・アルビヌス|D.ブルートゥス]]による'''[[内乱記/マッシリアについて|マッシリア攻囲]]'''の海戦の場面で、同様の鉤について言及される。]]
|}
</div>
*Accedebat ut,
**さらに加えて、
*cum <span style="color:#009900;">[</span>saevire ventus coepisset et<span style="color:#009900;">]</span> se vento dedissent,
**<span style="color:#009900;">[</span>風が荒々しく吹き始めて<span style="color:#009900;">]</span> 風に身を委ねて<span style="color:#009900;">(航行して)</span>いたときに、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:β系写本では [ ] 部分を欠く。)</span>
*et tempestatem ferrent facilius
**<span style="color:#009900;">(ウェネティー族の船団は)</span>嵐により容易に耐えていたし、
*et in vadis consisterent tutius
**浅瀬により安全に停留して、
*et ab aestu relictae
**潮に取り残されても、
*nihil saxa et [[wikt:en:cautes#Latin|cautes]] timerent;
**岩石やごつごつした石を何ら恐れることがなかった。
*quarum rerum omnium nostris navibus casus erant extimescendi.
**それらのすべての事が、我が<span style="color:#009900;">〔ローマ人の〕</span>船団にとっては、恐怖すべき危険であったのだ。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ウェネティー族の船は[[w:竜骨 (船)|竜骨]]がローマ人の船より平たいため、<br> 浅瀬や引き潮を容易に持ち応えられた。本節の冒頭を参照。)</span>
<!--
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===14節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/14節]] {{進捗|00%|2022-07-17}}</span>
'''カエサル待望のブルートゥスの艦隊が来航し、ウェネティー族との海戦が始まる'''
*Compluribus expugnatis oppidis
**いくつもの<span style="color:#009900;">(ウェネティー族の)</span><ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>が攻略されると、
*Caesar <u>ubi intellexit</u> frustra tantum laborem sumi
**カエサルは、これほどの労苦が無駄に費やされること(を知り)、
*neque hostium fugam captis oppidis reprimi
**(すなわち)<ruby><rb>城塞都市</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>が占領されても、敵の逃亡が阻まれないし、
*neque iis noceri posse,
**彼ら<span style="color:#009900;">〔ウェネティー族〕</span>に損害が与えられることも不可能である<u>と知るや否や</u>、
*statuit exspectandam classem.
**[[w:ローマ海軍|艦隊]]<span style="color:#009900;">(の到着)</span>を待つことを決意した。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ローマの軍船がリゲル川〔[[w:ロワール川|ロワール川]]〕で建造されていることが[[#9節|9節]]で述べられた。)</span>
<br>
; ローマ艦隊が来航すると、約220隻のウェネティー船団が迎え撃とうとする
*Quae ubi convenit ac primum ab hostibus visa est,
**それ<span style="color:#009900;">〔ローマ艦隊〕</span>が集結して敵方により目撃されるや否や、
*circiter CCXX(ducentae viginti) naves eorum paratissimae
**約220隻の彼ら<span style="color:#009900;">〔ウェネティー族〕</span>の船団が準備万端を整え、
*atque omni genere armorum ornatissimae
**あらゆる種類の武器で完全武装された状態で
*ex portu profectae nostris adversae [[wikt:en:consisto#Latin|constiterunt]];
**港から出航して、我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ艦隊〕</span>と向かい合って停止した。
<div style="text-align:center">
{|
|-
|[[画像:Bataille Morbihan -56.png|thumb|right|600px|[[w:紀元前56年|BC56年]]に現在の[[w:モルビアン県|モルビアン県]]沿いの[[w:キブロン湾|キブロン湾]]で戦われたと考えられている、[[w:ウェネティ族 (ガリア)|ウェネティー族]]と[[w:デキムス・ユニウス・ブルトゥス・アルビヌス|D. ブルートゥス]]率いる艦隊との海戦、いわゆる「[[w:モルビアン湾の海戦|モルビアン湾の海戦]]」の海戦図。<hr>上図の説では、<span style="color:green;">ウェネティー族の帆船(緑色/約220隻)</span>と<span style="color:red;">ブルートゥス率いるローマのガレー船(赤色/約100隻)</span>が[[w:キブロン湾|キブロン湾]]で対峙し、<span style="color:red;">カエサルと1個軍団(赤色)</span>が沿岸を占領している。]]
|}
</div>
*neque satis [[wikt:en:Brutus#Latin|Bruto]], qui classi praeerat,
**艦隊を統率していた[[w:デキムス・ユニウス・ブルトゥス・アルビヌス|ブルートゥス]]には十分(明らか)ではなかった。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:デキムス・ブルートゥス [[w:la:Decimus Iunius Brutus Albinus|Decimus Brutus]] に艦隊を指揮させることが[[#11節|11節]]で述べられた。)</span>
*vel tribunis militum centurionibusque, quibus singulae naves erant attributae,
**あるいは、個々の船が割り当てられていた <ruby><rb>[[w:トリブヌス・ミリトゥム|兵士長官]]</rb><rp>(</rp><rt>トリブヌス・ミリトゥム</rt><rp>)</rp></ruby> や <ruby><rb>[[w:ケントゥリオ|百人隊長]]</rb><rp>(</rp><rt>ケントゥリオー</rt><rp>)</rp></ruby> にとってさえも、
*constabat quid agerent aut quam rationem pugnae insisterent.
**何をすべきなのか、どのような戦法に取り掛かるべきなのか、明らかではなかった。
*[[wikt:en:rostrum#Latin|Rostro]] enim noceri non posse cognoverant;
**なぜなら、<ruby><rb>[[w:衝角|衝 角]]</rb><rp>(</rp><rt>ローストルム</rt><rp>)</rp></ruby>にとって<span style="color:#009900;">(敵船に)</span>損害を与えることができないことを知っていたからだ。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#13節|前節]]で、ウェネティー族の船体が頑丈であるため、と述べられた。)</span>
*turribus autem excitatis tamen has altitudo [[wikt:en:puppis#Latin|puppium]] ex barbaris navibus superabat,
**他方で、[[w:櫓|櫓]]が築かれたにもかかわらず、蛮族の船の <ruby><rb>[[w:船尾|船尾]]</rb><rp>(</rp><rt>プッピス</rt><rp>)</rp></ruby> の高さがそれら(の高さ)を上回っていた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ローマの軍船の甲板上には、投槍などの飛道具を投げるために櫓が設けられていた。)</span>
*ut neque ex inferiore loco satis commode [[wikt:en:telum#Latin|tela]] adigi possent
**その結果、より低い場所から十分に具合良く<span style="color:#009900;">(敵船に)</span><ruby><rb>[[w:飛び道具|飛道具]]</rb><rp>(</rp><rt>テールム</rt><rp>)</rp></ruby>が投げ込まれることは不可能で、
*et missa a Gallis gravius acciderent.
**ガッリア人により放られたものがより激しく降ってきていた。
<br>
; ローマ艦隊の切り札
*Una erat magno usui res praeparata a nostris,
**ただ一つの大いに役立つ物が、我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ艦隊〕</span>によって準備されていた。
*[[wikt:en:falx#Latin|falces]] praeacutae insertae adfixaeque [[wikt:en:longurius#Latin|longuriis]],
**<span style="color:#009900;">(それは)</span>先の尖った[[w:鎌|鎌]]が <ruby><rb>長い竿</rb><rp>(</rp><rt>ロングリウス</rt><rp>)</rp></ruby> に挿入されて固定されたもので、
*non absimili forma muralium falcium.
**<ruby><rb><span style="color:#009900;">(攻城用の)</span>破城の鎌</rb><rp>(</rp><rt>ファルクス・ムーラーリス</rt><rp>)</rp></ruby> に形が似ていなくもない。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:「破城の鎌」'''[[古代ローマの攻城兵器#falx_muralis_(siege_hook)|falx muralis]]''' に似たもので、'''[[ガイウス・ユリウス・カエサルの著作/古代ローマの攻城兵器#falx_navalis|falx navalis]]''' とも呼ばれている。)</span>
<div style="text-align:center">
{|
|-
|[[画像:Caesar's Gallic war; (Allen and Greenough's ed.) (1898) (14778300381)(cropped).jpg|thumb|right|300px|破城鎌の復元画の例]]
|[[画像:Ulysse bateau.jpg|thumb|right|320px|帆柱・帆桁や帆・綱具などが描かれたローマ時代の[[w:モザイク|モザイク画]]<ref>[[w:en:Roman mosaic]]</ref>《[[w:オデュッセウス|オデュッセウス]]と[[w:セイレーン|セイレーン]]》<br>([[w:チュニス|チュニス]]の[[w:バルド国立博物館|バルド国立博物館]])]]
|}
</div>
*His cum [[wikt:en:funis#Latin|funes]] qui [[wikt:en:antemna#Latin|antemnas]] ad [[wikt:en:malus#Etymology_3_2|malos]] destinabant, comprehensi adductique erant,
**これによって、<ruby><rb>帆 桁</rb><rp>(</rp><rt>アンテムナ</rt><rp>)</rp></ruby> を <ruby><rb>[[w:マスト|帆 柱]]</rb><rp>(</rp><rt>マールス</rt><rp>)</rp></ruby> に縛り付けていた <ruby><rb>綱具</rb><rp>(</rp><rt>フーニス</rt><rp>)</rp></ruby> が捕捉されて引っ張られた状態で、
*navigio remis incitato praerumpebantur.
**<ruby><rb>艦艇</rb><rp>(</rp><rt>ナーウィギウム</rt><rp>)</rp></ruby>が[[w:櫂|櫂]]によってすばやく推進されると、<span style="color:#009900;">(綱具が)</span>引き裂かれていた。
*Quibus abscisis antemnae necessario concidebant,
**それら<span style="color:#009900;">〔綱具〕</span>が切断されると、<ruby><rb>帆 桁</rb><rp>(</rp><rt>アンテムナ</rt><rp>)</rp></ruby> は必然的に倒れてしまっていた。
*ut, cum omnis Gallicis navibus spes in velis armamentisque consisteret,
**その結果、ガッリア人の船団にとって、すべての期待は帆と索具に依拠していたので、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:armamentum#Latin|armamentum]] (英 ''[[wikt:en:rigging#English|rigging]]'')⇒「索具」:[[w:帆|帆]]と[[w:マスト|帆柱]]を支える綱や器具など。)</span>
*his ereptis omnis usus navium uno tempore eriperetur.
**これらが引き裂かれると、船のすべての運用能力も<ruby><rb>一時</rb><rp>(</rp><rt>いちどき</rt><rp>)</rp></ruby>に奪い取られていた。
*Reliquum erat certamen positum in virtute,
**残りの争闘は、武勇いかんに<ruby><rb>懸</rb><rp>(</rp><rt>か</rt><rp>)</rp></ruby>かっており、
*qua nostri milites facile superabant,
**その点では我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ勢〕</span>の兵士たちが容易に上回っていた。
<br>
; 沿岸はカエサルとローマ軍によって占領されていた
*atque <u>eo magis, quod</u> in conspectu Caesaris atque omnis exercitus res gerebatur,
**海戦がカエサルと全陸軍の眼前において遂行されていた<u>ので、それだけますます</u>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:classis#Latin|classis]] が艦隊(海軍)を指すのに対して、[[wikt:en:exercitus#Noun|exercitus]] は重装歩兵を主体とする陸軍部隊を指す。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:eo#Pronoun_5|eo]] [[wikt:en:magis#Latin|magis]] [[wikt:en:quod#Conjunction|quod]] ~ 「~なので、その分だけ、より一層」。[[ガリア戦記 第7巻#25節|第7巻25節]]も参照。)</span>
*ut nullum paulo fortius factum latere posset;
**(普通より)より少し勇敢ならどんな行動も知らずにはおかないほどであった。
*omnes enim colles ac loca superiora, unde erat propinquus despectus in mare, ab exercitu tenebantur.
**なぜなら、そこから海への眺望が近いところのすべての丘や高地は、<span style="color:#009900;">(ローマ人の)</span>軍隊によって占領されていたのである。
<!--
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===15節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/15節]] {{進捗|00%|2022-07-28}}</span>
'''接舷戦でローマ艦隊がウェネティー船団を圧倒し、わずかな船だけが逃げ帰る'''
*Deiectis, ut diximus, antemnis,
**上述したように<span style="color:#009900;">(ウェネティー族の船の)</span><ruby><rb>帆 桁</rb><rp>(</rp><rt>アンテムナ</rt><rp>)</rp></ruby>が奪い取られると、
*cum singulas binae ac ternae naves circumsteterant,
**<span style="color:#009900;">(ウェネティー族の)</span>船1隻ずつを<span style="color:#009900;">(ローマの)</span>2隻ずつや3隻ずつが取り囲んでいたときに、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ローマの[[w:ガレー船|ガレー船]]は、多数の漕ぎ手を乗せるため、兵士を大勢乗せることができなかった。<br> それゆえ、[[w:移乗攻撃|接舷戦]]では、敵の1隻に対して多くの船を当てる必要があったのであろう。)</span>
*milites summa vi transcendere in hostium naves contendebant.
**<span style="color:#009900;">(ローマの)</span>兵士たちはあらん限りの力で敵の船団に乗り移ることに努めていた。
*Quod postquam barbari fieri animadverterunt,
**そのことが行なわれていることに蛮族たちが気付いた後で、
*expugnatis compluribus navibus,
**かなり多くの<span style="color:#009900;">(ウェネティー族の)</span>船が<ruby><rb>[[w:拿捕|拿捕]]</rb><rp>(</rp><rt>だほ</rt><rp>)</rp></ruby>されて、
*cum ei rei nullum reperiretur auxilium,
**その戦況に対して何ら救援が見出されなかったので、
*fuga salutem petere contenderunt.
**逃亡に身の安全を求めることに努めた。
*Ac iam conversis in eam partem navibus quo ventus ferebat,
**すでに風が運んでいた方角へ船団の向きが変えられていたが、
*tanta subito malacia ac tranquillitas exstitit,
**突如としてあれほどの<ruby><rb>[[w:凪|凪]]</rb><rp>(</rp><rt>なぎ</rt><rp>)</rp></ruby>や静けさが生じたので、
*ut se ex loco movere non possent.
**<span style="color:#009900;">(ウェネティー族の船団が)</span>その場所から動くことができないほどであった。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:この[[w:ビスケー湾|ビスケー湾]]海域は、風や潮の勢いが強いため、<br> ウェネティー族は漕ぎ手を使わない帆船を用いていたのだろう。<br> 風力のみに頼る帆船は、無風時には進むことができない。)</span>
*Quae quidem res ad negotium conficiendum maximae fuit oportunitati:
**このような事態はまさに<span style="color:#009900;">(ローマ艦隊が)</span>軍務を遂行するために最大の機会であった。
*nam singulas nostri consectati expugnaverunt,
**実際、<span style="color:#009900;">(ウェネティー族の船)</span>1隻ずつを我が方<span style="color:#009900;">(ローマ艦隊)</span>が追跡して攻略したので、
*ut perpaucae ex omni numero noctis interventu ad terram pervenirent,
**その結果<span style="color:#009900;">(ウェネティー族の船の)</span>総数のうちごく少数が、夜のとばりに包まれて、陸地に達しただけであった。
*cum ab hora fere IIII.(quarta) usque ad solis occasum pugnaretur.
**<span style="color:#009900;">(海戦が)</span>ほぼ第四時から日が没するまで戦われていたけれども。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:第四時は、[[古代ローマの不定時法#昼間の時間|古代ローマの不定時法]]で日の出から3~4時間後。<br> フランスの6月頃なら、日の出が午前6時頃で、第四時は午前10時近くと思われる。<br> 6月頃なら、日の入は午後10時近くとかなり遅い。)</span>
<!--
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===16節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/16節]] {{進捗|00%|2022-08-19}}</span>
'''ウェネティー族らがカエサルに降伏するが、・・・'''
*Quo proelio bellum [[wikt:en:Veneti#Latin|Venetorum]] totiusque orae maritimae confectum est.
**以上の戦闘で、[[w:ウェネティ族 (ガリア)|ウェネティー族]]およびすべての沿海部との戦争が完遂された。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:正確には、[[#17節|次節]]以降でウネッリー族ら残りの沿海部族との戦いが述べられるので「すべて」ではない。)</span>
*Nam <u>cum</u> omnis iuventus, omnes etiam gravioris aetatis,
**なぜなら、すべての青年はもとより、すべての年長の者たちさえも、
*in quibus aliquid consilii aut dignitatis fuit eo convenerant,
**何らかの思慮分別のある者、あるいは地位のある者たちは、そこ<span style="color:#009900;">(戦場)</span>へ集結していたから。
*<u>tum</u> navium quod ubique fuerat in unum locum coegerant;
**<u>そればかりか</u>、至る所にあった船を<u>もまた</u>一つの場所に集めておいたからだ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:cum#Usage_notes_2|cum]] ~ [[wikt:en:tum#Latin|tum]] 「~のみならず、・・・もまた」<ref>[https://www.latin-is-simple.com/en/vocabulary/other/2643/ cum … tum - Latin is Simple Online Dictionary] 等を参照。</ref>)</span>
*quibus amissis reliqui
**それらを喪失すると、生き残った者たちは、
*neque quo se reciperent
**どこへ退却するべきなのかも、
*neque [[wikt:en:quemadmodum#Latin|quem ad modum]] oppida defenderent habebant.
**どのような方法で<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>を防衛するべきなのかも、わからなかった。
<br>
; ウェネティー族らが降伏する
*Itaque se suaque omnia Caesari dediderunt.
**こうして、<span style="color:#009900;">(ウェネティー族らは)</span>自らとその一切合財をカエサルに委ねた<span style="color:#009900;">〔降伏した〕</span>。
*In quos eo gravius Caesar vindicandum statuit
**カエサルは、これらの者たちはより厳重に処罰されるべきである、と決定した。
*quo diligentius in reliquum tempus a barbaris ius legatorum conservaretur.
**そのことにより、今後、蛮族によって<span style="color:#009900;">(ローマの)</span>使節たちの権利がいっそう保たれるように。
*Itaque omni senatu necato
**こうして、評議会の全員が誅殺されると、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:部族国家の合議制統治機関もローマの元老院に倣って [[wikt:en:senatus#Latin|senātus]] と呼ばれるが、ここでは「評議会」と訳す。[[ガリア戦記_第2巻#5節|第2巻5節]]・[[ガリア戦記_第2巻#28節|28節]]を参照。)</span>
*reliquos sub corona vendidit.
**残りの者たちに葉冠をかぶせて<span style="color:#009900;">〔奴隷として競売で〕</span>売却した。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:sub corona vendere 「葉冠のもとに売る=奴隷として競売で売る」)</span>
<div style="text-align:center">
{|
|-
|[[画像:Jean-Léon Gérôme - Vente d'esclaves à Rome, 1884 (Detail).jpg|thumb|right|300px|葉冠を頭にかぶせられ、ローマの[[w:奴隷貿易|奴隷市場]]で競売に懸けられる女性奴隷。<hr>フランスの画家[[w:ジャン=レオン・ジェローム|ジャン=レオン・ジェローム]]が1884年に描いた歴史画「ローマの奴隷売却」(''[[w:fr:Vente d'esclaves à Rome|Vente d'esclaves à Rome]]'')の一部分。]]
|}
</div>
<!--
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
==大西洋岸ウネッリー族の造反==
===17節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/17節]] {{進捗|00%|2022-08-24}}</span>
'''ウィリドウィークス率いるウネッリー族らの背反。対するサビーヌスの作戦'''
*Dum haec in Venetis geruntur,
**以上のことが[[w:ウェネティ族 (ガリア)|ウェネティー族]](の領国)で行なわれている間に、
*[[wikt:en:Quintus#Latin|Quintus]] [[wikt:en:Titurius#Latin|Titurius]] [[wikt:en:Sabinus#Latin|Sabinus]] cum iis copiis, quas a Caesare acceperat
**[[w:クィントゥス・ティトゥリウス・サビヌス|クィーントゥス・ティトゥーリウス・サビーヌス]]は、カエサルから受け取っていた軍勢とともに
*in fines Unellorum(Venellorum) pervenit.
**ウネッリー族の領土に到着した。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ウネッリー族 ''[[wikt:en:Unelli#Latin|Unelli]]'' または ウェネッリー族 ''[[w:en:Venelli|Venelli]] というが、<br> 後者がガリア語に近いようだ。)</span>
*His praeerat Viridovix
**彼ら<span style="color:#009900;">〔ウネッリー族〕</span>を統率していたのはウィリドウィークスで、
*ac summam imperii tenebat earum omnium civitatum, quae defecerant,
**<span style="color:#009900;">(ローマの支配に)</span>背いていた全部族の最高司令権を保持していた。
*ex quibus exercitum [magnasque copias] coegerat;
**<span style="color:#009900;">(ウィリドウィークスは)</span>これら<span style="color:#009900;">(の部族国家)</span>から大軍勢を駆り集めていた。
<div style="text-align:center">
{|
|-
|[[画像:Campagne Unelles -56.png|thumb|right|300px|ウネッリー族・レクソウィイー族への遠征経路。]]
|[[画像:Map of Aremorican tribes (Latin).svg|thumb|right|400px|[[w:アルモリカ|アルモリカ]](<span style="font-family:Times New Roman;font-size:13pt;">''[[w:en:Armorica|Armorica]]''</span> )の部族分布図(再掲)。]]
|}
</div>
; アウレルキー=エブロウィーケース族とレクソウィイー族の籠城
*atque his paucis diebus [[wikt:en:Aulerci#Latin|Aulerci]] [[wikt:fr:Eburovices|Eburovices]] [[wikt:en:Lexovii#Latin|Lexovii]]que,
**それからこの数日内に、アウレルキー=エブロウィーケース族とレクソウィイー族は、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:アウレルキー族 ''[[w:en:Aulerci|Aulerci]]'' はいくつもの支族から成り、<br> エブロウィーケース族 ''[[w:en:Eburovices|Eburovices]]'' は四つの主要な支族の一つ。)</span>
*senatu suo interfecto, quod auctores belli esse nolebant,
**自分たちの評議会(の議員たち)を、戦争の首謀者になることを欲していなかったという理由で、殺害し、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:部族国家の合議制統治機関もローマの元老院に倣って [[wikt:en:senatus#Latin|senātus]] と呼ばれるが、ここでは「評議会」と訳す。[[ガリア戦記_第2巻#5節|第2巻5節]]・[[ガリア戦記_第2巻#28節|28節]]、[[#16節|16節]]を参照。)</span>
*portas clauserunt
**<span style="color:#009900;">(ローマ人の襲来に備えて)</span>城門を閉じて、
*seseque cum Viridovice coniunxerunt;
**<span style="color:#009900;">(ウネッリー族の)</span>ウィリドウィークスと結託していた。
*magnaque praeterea multitudo undique ex Gallia [[wikt:en:perditor#Latin|perditorum]] hominum latronumque convenerat,
**そのうえに、ガッリアの至る所から大勢の無頼漢や略奪者が集まって来ていた。
*quos spes praedandi studiumque bellandi ab agri cultura et cotidiano labore revocabat.
**これらの者たちを、略奪への期待と戦争への熱望が、農耕や毎日の労働から呼び戻していたのだ。
<br>
; サビーヌスが、陣営を設置して、勝機の到来を待つ
*Sabinus idoneo omnibus rebus loco castris se tenebat,
**サビーヌスは、陣営にとってあらゆる点で適切な場所を占拠していた。
*cum Viridovix contra eum duorum milium spatio consedisset
**ウィリドウィークスは、彼に対抗して2[[w:ローママイル|ローママイル]]の間隔で陣取っていたが、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:1[[ガイウス・ユリウス・カエサルの著作/通貨・計量単位#ミーッレ・パッスーム、ミーリア(ローママイル)|ローママイル]]は約1.48 kmで、2マイルは約3 km)</span>
*cotidieque productis copiis pugnandi potestatem faceret,
**毎日、軍勢を繰り出して、闘う機会を作っていた。
*ut iam non solum hostibus in contemptionem Sabinus veniret,
**その結果もはや、サビーヌスは敵方によって軽蔑されるに至ったのみならず、
*sed etiam nostrorum militum vocibus [[wikt:en:nonnihil#Latin|non nihil]] carperetur;
**我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ勢〕</span>の兵士の少なからぬ者によってさえも、声に出して非難されていたほどであった。
*tantamque opinionem timoris praebuit,
**これほどの<ruby><rb>怖気</rb><rp>(</rp><rt>おじけ</rt><rp>)</rp></ruby>の評判を呈したので、
*ut iam ad vallum castrorum hostes accedere auderent.
**その結果ついには、陣営の堡塁の辺りにまで敵方が敢えて近寄って来るほどであった。
*Id ea de causa faciebat
**<span style="color:#009900;">(サビーヌスが)</span>以上のことをしていたのは、以下の理由による。
*quod cum tanta multitudine hostium,
**これほどの多勢の敵と、
*praesertim eo absente qui summam imperii teneret,
**とりわけ<span style="color:#009900;">(ローマ勢の)</span>最高司令権を保持していた者<span style="color:#009900;">〔カエサル〕</span>が不在のままで、
*nisi aequo loco aut opportunitate aliqua data
**対等な場所、あるいは何らかの好機が与えられない限り、
*legato dimicandum non existimabat.
**<span style="color:#009900;">(最高司令官ならぬ)</span><ruby><rb>[[w:レガトゥス|副 官]]</rb><rp>(</rp><rt>レガートゥス</rt><rp>)</rp></ruby>にとって戦うべきではない、と判断していたのである。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===18節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/18節]] {{進捗|00%|2022-09-04}}</span>
'''サビーヌスの計略'''
*Hac confirmata opinione timoris
**このような<span style="color:#009900;">(サビーヌスについての)</span><ruby><rb>怖気</rb><rp>(</rp><rt>おじけ</rt><rp>)</rp></ruby>の評判が確かめられると、
*idoneum quendam hominem et callidum delegit Gallum,
**<span style="color:#009900;">(サビーヌスは)</span>適任かつ明敏なガッリア人のとある男を選び出す。
*ex iis quos auxilii causa [[wikt:en:secum#Latin|secum]] habebat.
**支援のために保持していた者たちの内から。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ローマは、同盟部族に騎兵・軽装歩兵・弓兵・投石兵などから成る<br> [[w:アウクシリア|支援部隊]] ''[[w:en:Auxilia|Auxilia]]'' を供出させていた。)</span>
*Huic magnis praemiis pollicitationibusque persuadet uti ad hostes transeat,
**この者に、多大な報酬を約束して、敵方に渡るように説得し、
*et quid fieri velit edocet.
**<span style="color:#009900;">(サビーヌスが)</span>何がなされんと欲しているのか、説き教える。
<br>
<br>
*Qui ubi pro [[wikt:en:perfuga#Latin|perfuga]] ad eos venit,
**その者は、脱走兵として彼ら<span style="color:#009900;">(ウネッリー族)</span>のところへ来るや否や、
*timorem Romanorum proponit,
**ローマ人の<ruby><rb>怖気</rb><rp>(</rp><rt>おじけ</rt><rp>)</rp></ruby>を知らせて、
*quibus angustiis ipse Caesar a Venetis prematur docet,
**いかなる窮状によって、カエサル自身が[[w:ウェネティ族 (ガリア)|ウェネティー族]]により苦戦させられているかを教える。
*neque longius abesse, quin proxima nocte
**遅くとも次の晩には、
*[[wikt:en:Sabinus#Latin|Sabinus]] clam ex castris exercitum educat
**サビーヌスはひそかに陣営から軍隊を導き出して、
*et ad Caesarem auxilii ferendi causa proficiscatur.
**カエサルのもとへ支援をもたらすために出発するであろう、と。
<br>
<br>
*Quod ubi auditum est, conclamant
**そのことが聞かれるや否や、<span style="color:#009900;">(ウネッリー族らは)</span>声を上げる。
*omnes occasionem negotii bene gerendi amittendam non esse:
**事態をうまくやり遂げるためのあらゆる機会を失うべきではない、
*ad castra iri oportere.
**<span style="color:#009900;">(ローマ人の)</span>陣営のもとへ行かねばならぬ、と。
*Multae res ad hoc consilium Gallos hortabantur:
**<span style="color:#009900;">(以下の)</span>多くの事情が、この作戦計画へとガッリア人たちを駆り立てていた。
*superiorum dierum Sabini cunctatio,
**先日来のサビーヌスのためらい、
*perfugae confirmatio,
**脱走兵の確言、
*inopia [[wikt:en:cibaria#Latin|cibariorum]], cui rei parum diligenter ab iis erat provisum,
**彼ら<span style="color:#009900;">〔ガッリア人〕</span>によって、その供給が注意深く充分に準備されていなかった糧食の欠乏、
*spes Venetici belli,
**[[w:ウェネティ族 (ガリア)|ウェネティー族]]の戦争への希望、
*et quod <u>fere libenter homines id quod volunt credunt</u>.
**および、<u>人間はたいてい(自らが)欲することを喜んで信ずるものである</u>こと、である。
**:<div style="background-color:#ffe; color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:この <span style="font-size:13pt;">" [[w:it:Homines id quod volunt credunt|(fere libenter) homines id quod volunt credunt]] "</span> は、<br> 『ガリア戦記』で最も良く知られた文句のひとつ。<br> 格言として ''[[w:en:List_of_Latin_phrases_(F)|People's beliefs are shaped largely by their desires.]]''<br> 「人々の信念は、彼ら自身の欲望によって大きく形作られる」などと解釈される。)</div>
<br>
*His rebus adducti
**これらの事態に促されて、
*<u>non prius</u> Viridovicem reliquosque duces ex concilio dimittunt,
**<span style="color:#009900;">(ウネッリー族の者らは)</span>ウィリドウィークスや他の指導者を会議から解散させなかった。
*<u>quam</u> ab his sit concessum arma uti capiant et ad castra contendant.
**彼ら<span style="color:#009900;">〔指導者たち〕</span>によって、武器を取って<span style="color:#009900;">(ローマ)</span>陣営へ急行するように承認されるまでは。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:non#Latin|nōn]] [[wikt:en:prius#Latin|prius]] ~ [[wikt:en:quam#Latin|quam]] ・・・ 「・・・までは~ない」)</span>
*Qua re concessa laeti, ut explorata victoria,
**この事が承認されると、まるで勝利が確実にされたかのように喜んで、
*sarmentis virgultisque collectis, quibus fossas Romanorum compleant,
**小枝や薮を集めて、それらでもってローマ人の塹壕を埋めるべく、
*ad castra pergunt.
**<span style="color:#009900;">(ローマの)</span>陣営のもとへ前進する。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===19節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/19節]] {{進捗|00%|2022-09-07}}</span>
'''ウネッリー族らとの決戦'''
*Locus erat castrorum editus et paulatim ab imo acclivis circiter passus mille.
**ローマ陣営の位置は高く、最も下(麓)から緩やかな上り坂で約1000[[w:パッスス|パッスス]](約1.5km)のところにあった。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:1000[[ガイウス・ユリウス・カエサルの著作/通貨・計量単位#パッスス|パッスス]]は1[[ガイウス・ユリウス・カエサルの著作/通貨・計量単位#ミーッレ・パッスーム、ミーリア(ローママイル)|マイル]]だから、約1.48 km)</span>
*Huc magno cursu contenderunt,
**<span style="color:#009900;">(ウネッリー勢は)</span>ここへ、大いに駆けて急いで、
*ut quam minimum spatii ad se colligendos armandosque Romanis daretur,
**ローマ人にとって集結して武装するための時間ができるだけ与えられないようにして、
*exanimatique pervenerunt.
**息を切らして到着した。
<br>
; サビーヌスが、坂の上の陣営から軍勢を繰り出す
*[[wikt:en:Sabinus#Latin|Sabinus]] suos hortatus cupientibus signum dat.
**[[w:クィントゥス・ティトゥリウス・サビヌス|サビーヌス]]は、自分の部下たちを励まして、はやる者たちに号令を出す。
*Impeditis hostibus propter ea quae ferebant onera,
**敵方が、彼らが担いでいた重荷のために妨げられていたので、
*subito duabus portis eruptionem fieri iubet.
**<span style="color:#009900;">(サビーヌスは)</span>突然に<span style="color:#009900;">(左右の)</span>二つの門から出撃がなされることを命じる。
<br>
; ローマ勢がウネッリー族らを一蹴して、敗走するところを虐殺する
*Factum est
**<span style="color:#009900;">(ut以下のことが)</span>なされた。
*opportunitate loci,
**地の利の好都合により、
*hostium inscientia ac defatigatione,
**敵方の<span style="color:#009900;">(武具や戦術の)</span>不案内や疲労により、
*virtute militum
**兵士たちの武勇により、
*et superiorum pugnarum exercitatione,
**および先頃の戦いの熟練によって、
*ut ne primum quidem nostrorum impetum ferrent
**我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ勢〕</span>の最初の突撃さえも持ちこたえることなく、
*ac statim terga verterent.
**<span style="color:#009900;">(ウネッリー勢は)</span>すぐさま背を向けた<span style="color:#009900;">〔敗走した〕</span>。
*Quos impeditos
**これらの難渋している者たちを、
*integris viribus milites nostri consecuti
**健全な力で我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ勢〕</span>の兵士たちが追跡して、
*magnum numerum eorum occiderunt;
**彼ら<span style="color:#009900;">〔ウネッリー族ら〕</span>の大多数を<ruby><rb>斃</rb><rp>(</rp><rt>たお</rt><rp>)</rp></ruby>した。
*reliquos equites consectati paucos, qui ex fuga evaserant, reliquerunt.
**残りの者たちを<span style="color:#009900;">(ローマ側の)</span>騎兵が追跡したが、逃亡によって逃れたので、見逃した。
*Sic uno tempore et de navali pugna Sabinus et de Sabini victoria Caesar est certior factus,
**このようにして一度に、海戦についてサビーヌスが、サビーヌスの勝利についてカエサルが、報告を受けて、
*civitatesque omnes se statim [[wikt:en:Titurius#Latin|Titurio]] dediderunt.
**<span style="color:#009900;">(造反していた)</span>全部族がすぐにティトゥーリウス<span style="color:#009900;">(・サビーヌス)</span>に降伏した。
*Nam ut ad bella suscipienda Gallorum alacer ac promptus est animus,
**こうなったのは、ガッリア人は戦争を実行することについては性急で、心は敏捷であるが、
*sic mollis ac minime resistens ad calamitates ferendas mens eorum est.
**と同様に柔弱で、災難に耐えるには彼らの心はあまり抵抗しないためである。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
==クラッススのアクィーターニア遠征==
===20節===
[[画像:Campagne Aquitains -56.png|thumb|right|200px|クラッススのアウィーターニア遠征の経路。]]
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/20節]] {{進捗|00%|2022-09-07}}</span>
'''クラッススのアクィーターニア遠征、ソティアーテース族'''
*Eodem fere tempore [[wikt:en:Publius#Latin|Publius]] [[wikt:en:Crassus#Latin|Crassus]], cum in [[wikt:en:Aquitania#Latin|Aquitaniam]] pervenisset,
**ほぼ同じ時期に[[w:プブリウス・リキニウス・クラッスス|プーブリウス・クラッスス]]がアクィーターニアに到達していたときに、
*quae pars, ut ante dictum est, et regionum latitudine et multitudine hominum
**この地方は、<U>前述されたように</u>、領域の広さと人間の多さの点で
*ex tertia parte Galliae est aestimanda,
**[[w:ガリア|ガッリア]]の第三の地方であると考えられるべきであるが、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:<u>前述されたように</u> とは<br> [[ガリア戦記_第1巻#1節|第1巻1節]]の冒頭部および「[[ガリア戦記_第1巻#ガッリアの地理区分について|ガッリアの地理区分について]]」のくだりであるが、<br> 少なくとも冒頭部では第二の部分として言及されている。)</span>
*cum intellegeret in illis locis sibi bellum gerendum,
**<span style="color:#009900;">(クラッススは)</span>かの場所で自らにとって戦争がなされるべきであると考えていたので、
*ubi paucis ante annis [[wikt:en:Lucius#Latin|Lucius]] [[wikt:en:Valerius#Latin|Valerius]] Praeconinus legatus exercitu pulso interfectus esset
**そこでほんの数年前に<ruby><rb>[[w:レガトゥス|総督副官]]</rb><rp>(</rp><rt>レーガートゥス</rt><rp>)</rp></ruby>ルーキウス・ウァレリウス・プラエコーニーヌスが軍隊を撃退されて殺害されており、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:プラエコーニーヌス<ref>[https://lsj.gr/wiki/Praeconinus Praeconinus - Ancient Greek (LSJ)]</ref>とその敗北についてはカエサルが伝えているだけであり、詳細は不明である。)</span>
*atque unde [[wikt:en:Lucius#Latin|Lucius]] [[wikt:en:Manlius#Latin|Manlius]] proconsul impedimentis amissis profugisset,
**かつここから<ruby><rb>[[w:プロコンスル|執政官代理]]</rb><rp>(</rp><rt>プローコーンスル</rt><rp>)</rp></ruby>ルーキウス・マーンリウスが輜重を失って敗走しており、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:この人物は、BC79年に<ruby><rb>[[w:プラエトル|法務官]]</rb><rp>(</rp><rt>プラエトル</rt><rp>)</rp></ruby>、BC78年に[[w:ガリア・ナルボネンシス|ガッリア・トラーンサルピーナ]]を統治する[[w:プロコンスル|執政官代理]]となり、<br> [[w:クィントゥス・セルトリウス|セルトーリウス]]の副官ヒルトゥレイウス ''[[w:en:Lucius Hirtuleius|Lucius Hirtuleius]]'' に敗れたと考えられている。)</span>
*non mediocrem sibi diligentiam adhibendam intellegebat.
**己にとって尋常ならざる注意深さが適用されるべきだと考えていたのだ。
<br><br>
*Itaque re frumentaria provisa,
**こうして、糧食補給が準備され、
*auxiliis equitatuque comparato,
**<ruby><rb>[[w:アウクシリア|支援軍]]</rb><rp>(</rp><rt>アウクシリア</rt><rp>)</rp></ruby>や[[w:騎兵|騎兵隊]]が整備され、
*multis praeterea viris fortibus [[wikt:en:Tolosa#Latin|Tolosa]] et [[wikt:en:Carcaso#Latin|Carcasone]] et [[wikt:en:Narbo#Latin|Narbone]],
**そのうえ多くの屈強な男たちが、トローサやカルカソーやナルボーから
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[w:la:Tolosa|Tolosa]] は現在の[[w:トゥールーズ|トゥールーズ]]、[[w:la:Carcaso|Carcaso]] は[[w:カルカソンヌ|カルカソンヌ]]、[[w:la:Narbo|Narbo]] は[[w:ナルボンヌ|ナルボンヌ]]。)</span>
*── quae sunt civitates Galliae provinciae finitimae, ex his regionibus ──
**──それらは、この地域に隣接する<span style="color:#009900;">(ローマの)</span>ガッリア属州の都市であるが、──
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ガッリア属州とは、現在の南仏に当たる[[w:ガリア・ナルボネンシス|ガッリア・トラーンサルピーナ]]のこと。)</span>
*nominatim evocatis,
**名指しで徴集されると、
*in <u>Sotiatium</u> fines exercitum introduxit.
**<span style="color:#009900;">(クラッススは)</span><u>ソティアーテース族</u>の領土に軍隊を導き入れた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ソティアーテース ''[[w:en:Sotiates|Sotiates]]'' は、α系写本では Sontiātēs (複数・属格 Sontiātum) <ref>[https://de.pons.com/%C3%BCbersetzung/latein-deutsch/Sontiates Sontiates - Latein-Deutsch Übersetzung | PONS] 等を参照。</ref> とする。<br> なお、[[w:ガイウス・プリニウス・セクンドゥス|大プリーニウス]]『[[w:博物誌|博物誌]]』第4巻(33章)108節<ref>ラテン語版ウィキソース [[s:la:Naturalis_Historia/Liber_IV#XXXIII]] を参照。</ref><ref>The Latin Library [http://www.thelatinlibrary.com/pliny.nh4.html#108 Pliny the Elder: Natural History, Book IV] を参照。</ref>では Sottiates とする。)</span>
*Cuius adventu cognito
**彼<span style="color:#009900;">〔クラッスス〕</span>の到着を知ると、
*Sotiates magnis copiis coactis,
**ソティアーテース族は大軍勢を集めて、
*equitatuque, quo plurimum valebant, in itinere agmen nostrum adorti
**それにより彼らが大いに力があったところの騎兵隊で、行軍中の我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ勢〕</span>の隊列を襲撃して、
*primum equestre proelium commiserunt,
**はじめに、騎兵戦を戦った。
*deinde equitatu suo pulso atque insequentibus nostris
**それから、その(敵の)騎兵隊が撃退され、我が方が追跡したが、
*subito pedestres copias, quas in convalle in insidiis conlocaverant, ostenderunt.
**突如として、[[w:峡谷|峡谷]]の中に[[w:伏兵|伏兵]]として配置しておいた歩兵の軍勢が、が現われた。
*Iis nostros disiectos adorti proelium renovarunt.
**これら<span style="color:#009900;">(の軍勢)</span>によって追い散らされた我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ軍〕</span>に襲いかかり、戦いを再び始めた。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===21節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/21節]] {{進捗|00%|2022-09-19}}</span>
'''ソティアーテース族の敗勢'''
*Pugnatum est diu atque acriter,
**長く激しく戦われた。
*cum Sotiates superioribus victoriis freti
**というのもソティアーテース族は、かつての<span style="color:#009900;">(ローマ勢に対する)</span>勝利を信頼しており、
*in sua virtute totius [[wikt:en:Aquitania#Latin|Aquitaniae]] salutem positam putarent,
**自分たちの武勇の中に全アクィーターニアの安全が立脚していると、みなしていたからだ。
*nostri autem,
**我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ勢〕</span>はそれに対して
*quid sine imperatore et sine reliquis legionibus adulescentulo duce efficere possent,
**<ruby><rb>[[w:インペラトル|将 軍]]</rb><rp>(</rp><rt>インペラートル</rt><rp>)</rp></ruby>もなし、他の[[w:ローマ軍団|軍団]]もなしに、この若造<span style="color:#009900;">〔クラッスス〕</span>が指揮官として何を成し得るのか、が
*perspici cuperent;
**注視(吟味)されることを欲していたのだ。
*tandem confecti vulneribus hostes terga verterunt.
**ついに負傷で消耗して、敵勢は背を向けた<span style="color:#009900;">〔敗走し始めた〕</span>。
*Quorum magno numero interfecto
**これらの者の大多数を殺戮し、
*[[wikt:en:Crassus#Latin|Crassus]] ex itinere oppidum Sotiatium oppugnare coepit.
**[[w:プブリウス・リキニウス・クラッスス|クラッスス]]は行軍中からただちにソティアーテース族の<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>を攻撃し始めた。
*Quibus fortiter resistentibus
**これらの勇敢に抵抗している者たちに対して、
*vineas turresque egit.
**<span style="color:#009900;">(ローマ勢は)</span><ruby><rb>工兵小屋</rb><rp>(</rp><rt>ウィネア</rt><rp>)</rp></ruby>や<ruby><rb>[[w:攻城塔|攻城櫓]]</rb><rp>(</rp><rt>トゥッリス</rt><rp>)</rp></ruby>を駆った。
*Illi alias eruptione temptata,
**彼ら<span style="color:#009900;">〔アクィーターニア人たち〕</span>は、あるときは突撃を試みて、
*alias [[wikt:en:cuniculus#Latin|cuniculis]] ad aggerem vineasque actis
**あるときは[[w:土塁|土塁]]や<ruby><rb>工兵小屋</rb><rp>(</rp><rt>ウィネア</rt><rp>)</rp></ruby>のもとへ[[w:坑道|坑道]]を掘った。
*── cuius rei sunt longe peritissimi [[wikt:en:Aquitanus#Latin|Aquitani]],
**── こういった事<span style="color:#009900;">〔坑道戦術〕</span>に、アクィーターニア人は長らくきわめて熟練している。
*propterea quod multis locis apud eos aerariae secturaeque sunt ──,
**というのも、彼らのもとの多くの場所に[[w:銅山|銅山]]や[[w:採石所|採石所]]があることのためである。──
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:aerāria, -ae <ref>[https://www.latin-is-simple.com/en/vocabulary/noun/1251/ aeraria, aerariae (f.) A - Latin is Simple Online Dictionary]</ref>は銅の鉱山や精錬所、銅に限らないときは [[wikt:en:fodina#Latin|fodīna, -ae]] という。<br> sectūra, -ae <ref>[https://www.latin-is-simple.com/en/vocabulary/noun/15282/ sectura, secturae (f.) A - Latin is Simple Online Dictionary]</ref> は採石場のこと。)</span>
*ubi diligentia nostrorum nihil his rebus profici posse intellexerunt,
**我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ勢〕</span>の注意深さによって こうした事<span style="color:#009900;">〔坑道〕</span>によっても何ら得られぬと理解するや否や、
*legatos ad Crassum mittunt,
**<span style="color:#009900;">(ソティアーテース族は)</span>使節たちを[[w:プブリウス・リキニウス・クラッスス|クラッスス]]のところへ遣わして、
*seque in deditionem ut recipiat petunt.
**自分たちを降伏へと受け入れるように求める。
*Qua re impetrata arma tradere iussi faciunt.
**この事が達せられると、武器の引渡しが命じられて、<span style="color:#009900;">(ソティアーテース族は)</span>実行する。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:この一文を、次の22節に含める校訂版もある。)</span>
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===22節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/22節]] {{進捗|00%|2022-09-15}}</span>
'''ソティアーテース族の領袖アディアトゥアーヌスと従臣たちの突撃'''
*Atque in ea re omnium nostrorum intentis animis,
**この事に我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ勢〕</span>の皆が没頭していると、
*alia ex parte oppidi Adiatu[[wikt:en:-anus|anus]], qui summam imperii tenebat,
**<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>の他の方面から、最高司令権を保持していた<u>アディアトゥアーヌスが</u>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:この人物の名は α系写本では [[w:de:Adiatunnus|Adiatunnus]] で、[[w:fr:Adiatuanos|Adiatuanos]], などさまざまな呼び方がある。<br> Adiatuanus は当時の貨幣をもとに修正提案された読み。)</span>
*cum DC([[wikt:en:sescenti#Latin|sescentis]]) devotis, quos illi [[wikt:en:soldurius#Latin|soldurios]] appellant,
**彼ら<span style="color:#009900;">〔ガッリア人〕</span>がソルドゥリイー<span style="color:#009900;">〔従臣〕</span>と呼んでいる600名の献身的な者たちとともに(<u>突撃することを試みた</u>)。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:主文の述語動詞は、ソルドゥリイーの状況を説明する部分を挟んだ後に出て来る。)</span>
'''アディアトゥアーヌスの従臣たち'''
*── quorum haec est condicio,
**── これらの者たち<span style="color:#009900;">〔ソルドゥリイー〕</span>の条件は以下の通りである。
*uti omnibus in vita commodis una cum iis fruantur quorum se amicitiae dediderint,
**人生におけるあらゆる利益を、忠心に身を捧げていた者たちと一緒に享受する。
*si [[wikt:en:aliquis#Latin|quid]] his per vim accĭdat,
**もし彼ら<span style="color:#009900;">〔従臣仲間〕</span>に何らかの力ずくの沙汰が起こったら、
*aut eundem casum una ferant
**同じ<ruby><rb>災厄</rb><rp>(</rp><rt>カースス</rt><rp>)</rp></ruby>を一緒に耐え忍ぶか、
*aut sibi mortem consciscant;
**あるいは、自決するか、のどちらかである。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:sibi mortem [[wikt:en:conscisco#Latin|consciscere]] 「自らに死を課す」=「自害する」)</span>
*neque [[wikt:en:adhuc#Latin|adhuc]] hominum memoria repertus est quisquam qui, eo interfecto, cuius se amicitiae [[wikt:en:devoveo#Latin|devovisset]], mortem recusaret ──
**忠心に身を捧げていた者が殺されても自決を拒むような何者も、人々の記憶においてこれまでに見出されていない。──
*cum his Adiatuanus eruptionem facere conatus
**<u>アディアトゥアーヌスは</u>、この者たち<span style="color:#009900;">〔ソルドゥリイー〕</span>とともに<u>突撃することを試みた</u>。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ソルドゥリイーの状況を説明する部分を挟んで、主語が繰り返されている。)</span>
'''アディアトゥアーヌスの敗退'''
*clamore ab ea parte munitionis sublato
**防塁のその方面から雄叫びが上げられて、
*cum ad arma milites concurrissent vehementerque ibi pugnatum esset,
**武器のところへ<span style="color:#009900;">(ローマ勢の)</span>兵士たちが急ぎ集まって、そこで激しく戦われた状況で、
*repulsus in oppidum
**<span style="color:#009900;">(アディアトゥアーヌスは)</span><ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>の中に撃退された
*tamen uti eadem deditionis condicione uteretur a Crasso impetravit.
**けれども<span style="color:#009900;">(前述のと)</span>同じ降伏条件を用いるように、クラッススによってかなえた。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===23節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/23節]] {{進捗|00%|2022-09-25}}</span>
'''ウォカーテース族・タルサーテース族・ヒスパーニア勢とクラッススが対峙する'''
*Armis obsidibusque acceptis,
**<span style="color:#009900;">(ソティアーテース族から引き渡された)</span>武器と人質を受け取ると、
*[[wikt:en:Crassus#Latin|Crassus]] in fines Vocatium et Tarusatium profectus est.
**[[w:プブリウス・リキニウス・クラッスス|クラッスス]]はウォカーテース族とタルサーテース族の領土に出発した。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:カエサルによる Vocātēs <ref>[https://de.pons.com/%C3%BCbersetzung/latein-deutsch/vocates Vocates - Latein-Deutsch Übersetzung (PONS)]</ref> は [[w:ガイウス・プリニウス・セクンドゥス|大プリニウス]]<ref name="プリニウス4-108">[[s:la:Naturalis_Historia/Liber_IV#XXXIII]] を参照。</ref>により ''[[w:fr:Vasates|Vasates]]'', ''Basabocates'' などとも呼ばれ、<br> [[w:ボルドー|ボルドー]]南東の[[w:バザス|バザス]] ''[[w:fr:Bazas|Bazas]]''、バザデース ''[[w:fr:Bazadais|Bazadais]]'' などに名を残す。<br> カエサルによる Tarusātēs <ref>[https://de.pons.com/%C3%BCbersetzung/latein-deutsch/Tarusates Tarusates - Latein-Deutsch Übersetzung (PONS)]</ref> は 大プリニウスにより <ref name="プリニウス4-108"/> ''Latusates'' となり、<br> ''Aturenses'' とも呼ばれ、現在のエール=スュル=ラドゥール ''[[w:fr:Aire-sur-l'Adour|Aire-sur-l'Adour]]'' に名を残す。)</span>
*Tum vero barbari commoti,
**だがそのとき、蛮族たちは動揺させられて、
*quod oppidum et natura loci et manu munitum
**── というのも、地勢と部隊で防備された<span style="color:#009900;">(ソティアーテース族の)</span><ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>が
*paucis diebus, quibus eo ventum erat, expugnatum cognoverant,
**<span style="color:#009900;">(ローマ人が)</span>そこへ来てからわずかな日数で攻め落とされたことを知っていたためであるが、──
*legatos quoque versus dimittere,
**使節たちをあらゆる方面に向けて遣わすこと、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:quoque versus <ref>[https://de.pons.com/%C3%BCbersetzung/latein-deutsch/quoqueversum quoqueversum - Latein-Deutsch Übersetzung (PONS)]</ref> 「あらゆる方向に向けて」)</span>
*coniurare,
**共謀すること、
*obsides inter se dare,
**互いに人質を供出し合うこと、
*copias parare coeperunt.
**軍勢を召集すること、を始めた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:copias#Latin|copias]] [[wikt:en:paro#Latin|parare]] 「部隊を集める、召集する」)</span>
<br>
*Mittuntur etiam ad eas civitates legati quae sunt citerioris [[wikt:en:Hispania#Latin|Hispaniae]] finitimae Aquitaniae;
**アクィーターニアに隣接する[[w:ヒスパニア・キテリオル|ヒスパーニア・キテリオル]]にいる部族たちにさえ、使節が派遣された。
[[画像:Hispania_1a_division_provincial.PNG|thumb|250px|right|BC197年頃の[[w:ヒスパニア|ヒスパーニア]]。<br>オレンジ色の地域が当時の[[w:ヒスパニア・キテリオル|ヒスパーニア・キテリオル]]。]]
[[画像:Ethnographic Iberia 200 BCE.PNG|thumb|right|250px|BC200年頃のイベリア半島の民族分布。朱色の部分に[[w:アクィタニア人|アクィーターニア人]]の諸部族が居住していた。]]
*inde auxilia ducesque arcessuntur.
**そこから援兵と指揮官たちが呼び寄せられる。
*Quorum adventu
**これらの者たちの到着によって、
*magna cum auctoritate et magna [cum] hominum multitudine
**大きな影響力と、大勢の人間とともに、
*bellum gerere conantur.
**戦争を遂行することを企てる。
<br>
; セルトーリウスの乱の残党たち
*Duces vero ii deliguntur,
**それから、指揮官には<span style="color:#009900;">(以下の者たちが)</span>選ばれる。
*qui una cum [[wikt:en:Quintus#Latin|Quinto]] [[wikt:en:Sertorius#Latin|Sertorio]] omnes annos fuerant
**皆が何年にもわたり、[[w:クィントゥス・セルトリウス|クィーントゥス・セルトーリウス]]と一緒にいて、
*summamque scientiam rei militaris habere existimabantur.
**軍事の最高の知識を有すると考えられていた(者たちである)。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[w:クィントゥス・セルトリウス|クィーントゥス・セルトーリウス]] [[w:la:Quintus Sertorius|Quintus Sertorius]] は、[[w:ガイウス・マリウス|マリウス]]と[[w:ルキウス・コルネリウス・スッラ|スッラ]]の内戦でマリウス側につき、戦後もスッラの独裁に抵抗して乱を起こした武将で。[[w:ヒスパニア|ヒスパーニア]]の住民にローマ軍の戦術を教えて共和政ローマに対して反乱を起こしたが、[[w:グナエウス・ポンペイウス|ポンペイウス]]によって鎮圧された。)</span>
*Hi consuetudine populi Romani
**この者たちは、ローマ人民の<span style="color:#009900;">(軍事上の)</span>慣習によって
*loca capere,
**<span style="color:#009900;">(陣営に適した)</span>土地を占拠すること、
*castra munire,
**[[w:カストラ|陣営]]を防備で固めること、
*commeatibus nostros intercludere instituunt.
**我が方<span style="color:#009900;">〔クラッスス指揮下のローマ勢〕</span>を軍需物資から遮断すること、を決める。
<br>
; クラッススが短期決戦を決意する
*Quod ubi Crassus animadvertit,
**[[w:プブリウス・リキニウス・クラッスス|クラッスス]]は<span style="color:#009900;">(以下の事情に)</span>気づくや否や、<span style="color:#009900;">(すなわち)</span>
*suas copias propter exiguitatem non facile diduci,
**配下の軍勢が寡兵であるために<span style="color:#009900;">(戦場において)</span>展開するのが容易でないこと、
*hostem et vagari et vias obsidere et castris satis praesidii relinquere,
**敵はうろつき回って道を遮断して、陣営に十分な守備兵を残していること、
*ob eam causam minus commode frumentum commeatumque sibi supportari,
**その理由のために糧食や軍需品をあまり都合良く自陣に持ち運べていないこと、
*in dies hostium numerum augeri,
**日に日に敵方の数が増していること、<span style="color:#009900;">(これらの諸事情に気づくや否や)</span>
*non cunctandum existimavit quin pugna decertaret.
**<span style="color:#009900;">(クラッススは)</span>戦闘で雌雄を決することをためらうべきではないと考えたのだ。
*Hac re ad consilium delata,
**この事情が軍議に報告されて、
*ubi omnes idem sentire intellexit,
**<span style="color:#009900;">(クラッススは)</span>皆が同じことを考えていることを知るや否や、
*posterum diem pugnae constituit.
**戦闘を翌日に決めた。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===24節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/24節]] {{進捗|00%|2022-10-01}}</span>
'''クラッススが軍勢を繰り出すが、安全策を採るアクィーターニア勢は陣営に留まる'''
*Prima luce productis omnibus copiis,
**<span style="color:#009900;">(クラッススは)</span>夜明けに<span style="color:#009900;">(陣営から)</span>全軍勢を出陣させると、
*duplici acie instituta,
**二重の <ruby><rb>戦 列</rb><rp>(</rp><rt>アキエース</rt><rp>)</rp></ruby> を整列して、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:三重の戦列 [[wikt:en:triplex#Latin|triplex]] [[wikt:en:acies#Latin|aciēs]] とするのが当時の慣行だった。)</span>
*auxiliis in mediam aciem coniectis,
**<ruby><rb>[[w:アウクシリア|支援軍]]</rb><rp>(</rp><rt>アウクシリア</rt><rp>)</rp></ruby> を <ruby><rb>戦 列</rb><rp>(</rp><rt>アキエース</rt><rp>)</rp></ruby> の中央部に集結し、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:同盟部族から供出された部隊である <ruby><rb>[[w:アウクシリア|支援軍]]</rb><rp>(</rp><rt>アウクシリア</rt><rp>)</rp></ruby> は、<ruby><rb>翼軍</rb><rp>(</rp><rt>アーラ</rt><rp>)</rp></ruby> [[wikt:en:ala#Latin|āla]] とも呼ばれるように、<br> 戦列の左右両翼の側面に置かれることが多かった。<br> この場合は、軍団兵がいるべき二列目の位置に支援軍を配置したということ。)</span>
*quid hostes consilii caperent exspectabat.
**敵方がいかなる作戦計略をとるのか、を待っていた。
<br>
<br>
*Illi,
**彼ら<span style="color:#009900;">〔アクィーターニア人〕</span>は、
*etsi propter multitudinem et veterem belli gloriam paucitatemque nostrorum se tuto dimicaturos existimabant,
**<span style="color:#009900;">(味方の)</span>多勢、昔の戦争の栄誉、我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ勢〕</span>の寡勢のために、安全に闘えると考えていたにも拘らず、
*tamen tutius esse arbitrabantur obsessis viis commeatu intercluso sine ullo vulnere victoria potiri,
**それでもより安全と思われるのは、道を封鎖して[[w:兵站|兵站]]を遮断し、何ら傷なしに勝利をものにすることであり、
*et si propter inopiam rei frumentariae Romani se recipere coepissent,
**もし糧食供給の欠乏のためにローマ人が退却し始めたならば、
*impeditos in agmine et sub sarcinis infirmiores animo
**<span style="color:#009900;">(ローマ人が)</span>隊列において[[w:背嚢|背嚢]]を背負って妨げられて臆病になっているところを、
*adoriri cogitabant.
**襲いかかれると考えていたのだ。
*Hoc consilio probato ab ducibus,
**この作戦が指揮官たちによって承認されると、
*productis Romanorum copiis,
**ローマ人の軍勢が進撃しても、
*sese castris tenebant.
**彼らは陣営に留まっていた。
<br>
<br>
*Hac re perspecta [[wikt:en:Crassus#Latin|Crassus]],
**[[w:プブリウス・リキニウス・クラッスス|クラッスス]]はこのことに注目すると、
*cum sua cunctatione atque opinione timidiores hostes
**<span style="color:#009900;">(敵)</span>自身のためらいや、評判より臆病な敵方が
*nostros milites alacriores ad pugnandum effecissent
**我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ勢〕</span>の兵士たちを戦うことにおいてやる気にさせていたので、
*atque omnium voces audirentur exspectari diutius non oportere quin ad castra iretur,
**かつ<span style="color:#009900;">(敵の)</span>陣営へ向かうことをこれ以上待つべきではないという皆の声が聞かれたので、
*cohortatus suos omnibus cupientibus
**配下の者たちを励まして、<span style="color:#009900;">(戦いを)</span>欲する皆で、
*ad hostium castra contendit.
**敵の陣営のもとへ急行する。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===25節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/25節]] {{進捗|00%|2022-10-06}}</span>
'''クラッススの軍勢が、アクィーターニア人の陣営へ攻めかかる'''
*Ibi cum alii fossas complerent, alii multis telis coniectis
**そこで<span style="color:#009900;">(クラッスス配下の)</span>ある者は堀を埋め、ある者は多くの飛道具を投げ込んで、
*defensores vallo munitionibusque depellerent,
**<span style="color:#009900;">(アクィーターニア勢の)</span>守備兵たちを[[w:防柵|防柵]]や[[w:防壁|防壁]]から駆逐した。
*auxiliares<ref>[https://www.latin-is-simple.com/en/vocabulary/noun/3055/ auxiliaris, auxiliaris (m.) M - Latin is Simple Online Dictionary]</ref>que, quibus ad pugnam non multum [[wikt:en:Crassus#Latin|Crassus]] confidebat,
**[[w:アウクシリア|支援軍]]の者たちといえば、[[w:プブリウス・リキニウス・クラッスス|クラッスス]]は戦いのために彼らを大して頼りにしていなかったが、
*lapidibus telisque subministrandis et ad aggerem [[wikt:en:caespes#Latin|caespitibus]] comportandis
**石や飛道具を供給したり、[[w:土塁|土塁]]のために[[w:芝|芝草]]を運んだり、
*speciem atque opinionem pugnantium praeberent,
**戦っている者たちの様子や評判を呈していた。
[[画像:Castra1.png|thumb|right|200px|ローマ式[[w:カストラ|陣営]]([[w:la:Castra_Romana|castra Romana]])の概略図(再掲)。'''7'''が第10大隊の門(porta decumana)で、陣営の裏門に当たる。]]
*cum item ab hostibus constanter ac non [[wikt:en:timide#Adverb|timide]] pugnaretur
**敵方<span style="color:#009900;">〔アクィーターニア勢〕</span>もまたしっかりと臆せずに戦って、
*telaque ex loco superiore missa non frustra acciderent,
**より高い所から放られた飛道具は無駄なく落ちてきたので、
*equites circumitis hostium castris Crasso renuntiaverunt
**[[w:騎兵|騎兵]]は、敵の陣営を巡察してクラッススに報告した。
*non eadem esse diligentia ab decumana porta castra munita
**<span style="color:#009900;">(敵の)</span>陣営は<u>第十の門</u>では<span style="color:#009900;">(他の門と)</span>同じほどの入念さでは防備されておらず、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:「第十の門」は、ローマ人の陣営では第10大隊が守備することになっていた門で、陣営の裏門を指す。右図を参照。)</span>
*facilemque aditum habere.
**容易に接近できると。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===26節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/26節]] {{進捗|00%|2022-10-06}}</span>
'''クラッススが、別動隊を迂回させ、敵陣を圧倒する'''
*[[wikt:en:Crassus#Latin|Crassus]] equitum praefectos
**[[w:プブリウス・リキニウス・クラッスス|クラッスス]]は、[[w:騎兵|騎兵]]の指揮官たちを
*cohortatus, ut magnis praemiis pollicitationibusque suos excitarent,
**かなりの恩賞の約束によって配下の者たちを奮起させるように、促して、
*quid fieri velit ostendit.
**何がなされることを<span style="color:#009900;">(クラッススが)</span>欲しているか、を指示した。
*Illi, ut erat imperatum,
**この者ら<span style="color:#009900;">〔騎兵の指揮官たち〕</span>は、命じられていたように、
*eductis iis cohortibus quae praesidio castris relictae intritae ab labore erant,
**守備隊として陣営に残されていて、労苦により消耗していなかった<ruby><rb>[[w:コホルス|歩兵大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>を連れ出して、
*et longiore itinere circumductis, ne ex hostium castris conspici possent,
**敵の陣営から気づかれないように、より遠回りの道程を巡って、
*omnium oculis mentibusque ad pugnam intentis
**<span style="color:#009900;">(彼我の)</span>皆の目と意識が戦闘に注がれているときに
*celeriter ad eas quas diximus munitiones pervenerunt atque his prorutis
**速やかに、前述した<span style="color:#009900;">(後門の)</span>防塁のそばに至って、これを倒壊させて、
*prius in hostium castris constiterunt,
**敵の陣営に立ちはだかった。
*quam plane ab his videri aut quid rei gereretur cognosci posset.
**彼ら<span style="color:#009900;">〔敵勢〕</span>によりはっきりと見られ、あるいはいかなる事が遂行されているかを知られるよりも早くのことだった。
*Tum vero clamore ab ea parte audito
**そのときまさにこの方角から雄叫びが聞かれたので、
*nostri redintegratis viribus,
**我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ勢〕</span>は活力を回復し、
*quod plerumque in spe victoriae accidere consuevit,
**── そのことは、たいてい勝利を期待していると生じるのが常であったが、──
*acrius impugnare coeperunt.
**より激烈に攻め立て始めたのであった。
*Hostes undique circumventi desperatis omnibus rebus
**敵方は四方八方から攻囲されて、すべての戦況に絶望し、
*se per munitiones deicere et fuga salutem petere intenderunt.
**防塁を越えて飛び降り、敗走によって身の安全を求めることに懸命になった。
*Quos equitatus apertissimis campis consectatus
**この者たち<span style="color:#009900;">〔敵勢〕</span>を<span style="color:#009900;">(ローマ方の)</span>騎兵隊が非常に開けた平原で追撃し、
*ex milium L([[wikt:en:quinquaginta#Latin|quinquaginta]]) numero, quae ex [[wikt:en:Aquitania#Latin|Aquitania]] [[wikt:en:Cantabri#Latin|Cantabris]]que convenisse constabat,
**アクィーターニアとカンタブリアから集結していた<span style="color:#009900;">(敵勢の)</span>数は5万名がわかっていたが、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:カンタブリア [[w:la:Cantabria|Cantabria]] は、現在のスペイン北部の[[w:カンタブリア州|カンタブリア州]]の辺りで、<br> ''[[w:en:Cantabri|Cantabri]]'' と呼ばれた部族連合は、カエサル死後の征服戦争 ''[[w:en:Cantabrian Wars|Cantabrian Wars]]'' まで独立を保った。)</span>
*vix quarta parte relicta,
**やっとその四分の一が生き残り、
*multa nocte se in castra recepit.
**夜更けに<span style="color:#009900;">(ローマ勢は)</span>陣営に撤収した。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===27節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/27節]] {{進捗|00%|2022-10-06}}</span>
'''アクィーターニア諸部族の降伏'''
*Hac audita pugna
**この戦闘<span style="color:#009900;">(の敗北)</span>を聞いて、
*maxima pars [[wikt:en:Aquitania#Latin|Aquitaniae]] sese [[wikt:en:Crassus#Latin|Crasso]] dedidit obsidesque ultro misit;
**アクィーターニアの大部分が[[w:プブリウス・リキニウス・クラッスス|クラッスス]]に降伏して、自発的に人質を送った。
*quo in numero fuerunt
**その数の中には以下の部族がいた。
*[[wikt:en:Tarbelli#Latin|Tarbelli]], Bigerriones, [[wikt:en:Ptianii#Latin|Ptianii]], [[wikt:en:Vocates#Latin|Vocates]], [[wikt:en:Tarusates#Latin|Tarusates]],
**タルベッリー族、ビゲッリオーネース族、プティアーニイー族、ウォカーテース族、タルサーテース族、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ビッゲリオーネース ''[[w:en:Bigerriones|Bigerriones]]'' は、ビッゲリー ''[[wikt:en:Bigerri#Latin|Bigerri]]'' など表記多数。
*[[wikt:en:Elusates#Latin|Elusates]], [[wikt:en:Gates#Latin|Gates]], [[wikt:en:Ausci#Latin|Ausci]], [[wikt:en:Garunni#Latin|Garunni]], [[wikt:en:Sibuzates#Latin|Sibuzates]], [[wikt:en:Cocosates#Latin|Cocosates]]:
**エルサテース族、ガーテース族、アウスキー族、ガルンニー族、シブザーテース族、ココサテース族、である。
*paucae ultimae nationes
**若干の最遠の種族たちは、
*anni tempore confisae,
**時季を頼りにして、
*quod hiems suberat,
**というのも冬が迫っていたためであるが、
*id facere neglexerunt.
**そのこと<span style="color:#009900;">(降伏と人質)</span>を怠った。
<div style="text-align:center">
{|
|-
| style="vertical-align:top;" |[[画像:Campagne Aquitains -56.png|thumb|right|300px|[[w:プブリウス・リキニウス・クラッスス|クラッスス]]のアウィーターニア遠征図(再掲)<hr>Tarbelli, Bigerriones, Tarusates, Elusates, Ausci, Cocosates の名が見える。]]
| style="vertical-align:top;" |[[画像:Aquitani tribes map-fr.svg|thumb|right|400px|アクィーターニアからイベリア半島にかけての部族配置図。<hr>Tarbelli, Bigerrones(Bigerriones), Elusates, Ausci, Sibuzates の名が見える]]
|}
</div>
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
==モリニー族・メナピイー族への遠征==
===28節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/28節]] {{進捗|00%|2022-10-20}}</span>
'''カエサル、モリニー族・メナピイー族へ遠征'''
*Eodem fere tempore Caesar,
**<span style="color:#009900;">(前節までに述べたクラッススのアクィーターニア遠征と)</span>ほぼ同じ時期にカエサルは、
*etsi prope exacta iam aestas erat,
**すでに夏はほとんど過ぎ去っていた
*tamen <u>quod</u> omni Gallia pacata
**にもかかわらず、全ガッリアが平定されても、
*[[wikt:en:Morini#Latin|Morini]] [[wikt:en:Menapii#Latin|Menapii]]que supererant,
**モリニー族とメナピイー族は生き残っていて、
*qui in armis essent,
**武装したままであり、
*neque ad eum umquam legatos de pace misissent,
**彼<span style="color:#009900;">〔カエサル〕</span>のもとへ決して和平の使節たちを派遣しようとしなかった<u>ので</u>、
*arbitratus id bellum celeriter confici posse,
**<span style="color:#009900;">(カエサルは、両部族との)</span>その戦争は速やかに完遂できると思って、
*eo exercitum duxit;
**そこへ軍隊を率いて行った。
*qui longe alia ratione ac reliqui Galli bellum gerere instituerunt.
**彼ら<span style="color:#009900;">〔両部族〕</span>は、他のガッリア人とはまったく別の方法で戦争遂行することを決めた。
*Nam quod intellegebant maximas nationes, quae proelio contendissent, pulsas superatasque esse,
**なぜなら<span style="color:#009900;">(ローマと)</span>戦闘を戦った極めて多くの部族が撃退され、征服されていることを知っており、
*continentesque silvas ac paludes habebant,
**かつ、<span style="color:#009900;">(両部族は)</span>絶え間ない[[w:森林|森林]]と[[w:沼地|沼地]]を持っていたので
*eo se suaque omnia contulerunt.
**そこへ自分たちとそのすべての物を運び集めたのだ。
*Ad quarum initium silvarum cum Caesar pervenisset castraque munire instituisset
**かかる森の入口のところへカエサルが到着して陣営の防備にとりかかったときに、
*neque hostis interim visus esset,
**敵はその間に現れることはなく、
*dispersis in opere nostris
**工事において分散されている我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ勢〕</span>を
*subito ex omnibus partibus silvae evolaverunt et in nostros impetum fecerunt.
**突然に<span style="color:#009900;">(敵勢が)</span>森のあらゆる方面から飛び出してきて、我が方に襲撃をしかけたのだ。
*Nostri celeriter arma ceperunt
**我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ勢〕</span>は速やかに武器を取って
*eosque in silvas reppulerunt et compluribus interfectis
**彼らを森の中に押し戻して、かなり<span style="color:#009900;">(の敵勢)</span>を殺傷して
*longius impeditioribus locis secuti
**非常に通りにくい場所を追跡したが、
*paucos ex suis deperdiderunt.
**我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ勢〕</span>のうちで傷を負ったのは少数であった。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===29節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/29節]] {{進捗|00%|2022-10-20}}</span>
'''カエサル、むなしく撤退して、軍を冬営させる'''
*Reliquis deinceps diebus Caesar silvas caedere instituit,
**カエサルは、続く<span style="color:#009900;">(冬が近づくまでの)</span>残りの日々で、森を[[w:伐採|伐採]]することを決めた。
*et ne quis inermibus imprudentibusque militibus ab latere impetus fieri posset,
**丸腰で<span style="color:#009900;">(敵襲を)</span>予期せぬ兵士たちが側面からいかなる襲撃もなされないように、
*omnem eam materiam quae erat caesa conversam ad hostem conlocabat
**伐採されたすべての材木を、敵の方へ向きを変えて配置して、
*et pro vallo ad utrumque latus exstruebat.
**[[w:防柵|防柵]]の代わりに、両方の側面に積み上げていた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:伐採に従事する兵士らを不意の敵襲から守るために、防壁代わりに置いていた。)</span>
*Incredibili celeritate magno spatio paucis diebus confecto,
**<span style="color:#009900;"></span>信じがたいほどの迅速さで、大きな空間<span style="color:#009900;">(の伐採)</span>が、わずかな日数で完遂されて、
*cum iam pecus atque extrema impedimenta a nostris tenerentur,
**すでに[[w:家畜|家畜]]や[[w:輜重|輜重]]の最後端が、我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ勢〕</span>により捕捉されて、
*ipsi densiores silvas peterent,
**<span style="color:#009900;"></span>自身は<span style="color:#009900;">(敵が潜んでいる)</span>森の最も密生したところを目指していたときに、
*eiusmodi sunt tempestates consecutae, uti opus necessario intermitteretur
**工事をやむなく中断せざるを得ないほどの、[[w:嵐|暴風雨]]が続いて起こり、
*et continuatione imbrium diutius sub pellibus milites contineri non possent.
**大雨が続いて、これ以上は皮<span style="color:#009900;">〔天幕〕</span>の下に兵士たちを留めることはできなかったほどだった。
*Itaque vastatis omnibus eorum agris,
**こうして、彼ら<span style="color:#009900;">〔モリニー族とメナピイー族〕</span>のすべての畑を荒らして、
*vicis aedificiisque incensis,
**村々や建物を焼き打ちして、
*Caesar exercitum reduxit
**カエサルは軍隊を連れ戻して、
*et in [[wikt:en:Aulerci#Latin|Aulercis]] [[wikt:en:Lexovii#Latin|Lexoviis]]que, reliquis item civitatibus quae proxime bellum fecerant,
**アウレルキー族とレクソウィイー族や、他の同様に最近に戦争をしていた部族たちのところに
*in hibernis conlocavit.
**[[w:冬営|冬営]]に配置した。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
----
*<span style="background-color:#99ff99;">「ガリア戦記 第3巻」了。「[[ガリア戦記 第4巻]]」へ続く。</span>
==脚注==
<references />
[[Category:ガリア戦記 第3巻|*]]
tci0wcz60e9tpml44lot9khipohizgs
301352
301350
2026-07-08T15:15:40Z
Linguae
449
/* 14節 */ 修整
301352
wikitext
text/x-wiki
[[Category:ガリア戦記|3]]
[[ガリア戦記]]> '''第3巻''' >[[ガリア戦記 第3巻/注解|注解]]
<div style="text-align:center">
<span style="font-size:20px; font-weight:bold; font-variant-caps: petite-caps; color:white; background: rgb(47,94,255);background: linear-gradient(180deg, rgba(47,94,255,1) 0%, rgba(24,56,255,1) 50%, rgba(0,8,255,1) 100%);"> C IVLII CAESARIS COMMENTARIORVM BELLI GALLICI </span>
<span style="font-size:40px; font-weight:bold; color:white; background: rgb(47,94,255);background: linear-gradient(180deg, rgba(47,94,255,1) 0%, rgba(24,56,255,1) 50%, rgba(0,8,255,1) 100%);"> LIBER TERTIVS </span>
</div>
[[画像:Gaule -56.png|thumb|right|150px|ガリア戦記 第3巻の情勢図(BC56年)。<br>黄色の領域がローマ領。桃色が同盟部族領。]]
{| id="toc" style="align:left;clear:all;" align="left" cellpadding="5"
! style="background:#ccccff; text-align:left;" colspan="2" | ガリア戦記 第3巻 目次
|-
| style="text-align:right; font-size: 0.86em;"|
'''[[#アルプス・オクトードゥールスの戦い|アルプス・オクトードゥールスの戦い]]''':<br />
'''[[#大西洋岸ウェネティー族の造反|大西洋岸ウェネティー族の造反]]''':<br />
<br />
'''[[#大西洋岸ウネッリー族の造反|大西洋岸ウネッリー族の造反]]''':<br />
'''[[#クラッススのアクィーターニア遠征|クラッススのアクィーターニア遠征]]''':<br />
<br />
'''[[#モリニー族・メナピイー族への遠征|モリニー族・メナピイー族への遠征]]''':<br />
| style="text-align:left; font-size: 0.86em;"|
[[#1節|01節]] |
[[#2節|02節]] |
[[#3節|03節]] |
[[#4節|04節]] |
[[#5節|05節]] |
[[#6節|06節]] <br />
[[#7節|07節]] |
[[#8節|08節]] |
[[#9節|09節]] |
[[#10節|10節]] <br />
[[#11節|11節]] |
[[#12節|12節]] |
[[#13節|13節]] |
[[#14節|14節]] |
[[#15節|15節]] |
[[#16節|16節]] <br />
[[#17節|17節]] |
[[#18節|18節]] |
[[#19節|19節]] <br />
[[#20節|20節]] <br />
[[#21節|21節]] |
[[#22節|22節]] |
[[#23節|23節]] |
[[#24節|24節]] |
[[#25節|25節]] |
[[#26節|26節]] |
[[#27節|27節]] <br />
[[#28節|28節]] |
[[#29節|29節]]
|}
<br style="clear:both;" />
__notoc__
==<span style="color:#009900;">はじめに</span>==
:<div style="color:#009900;width:85%;">前巻([[ガリア戦記 第2巻|ガリア戦記 第2巻]])の終わりで述べられたように、カエサルによってガッリアはほぼ平定されたと思われて、首都ローマで感謝祭が催されたほどであった。このため、本巻(第3巻)ではカエサル自身の遠征として記す内容はとても少ない。<br><br>本巻の[[#1節]]~[[#6節]]で言及される[[#アルプス・オクトードゥールスの戦い]]は、[[w:紀元前57年|BC57年]]秋頃に起こったと考えられるので、本来なら第2巻に含められるべきであるが、そうなると第3巻が20節ほどの非常に短い巻になってしまうので、第3巻の冒頭に置いたとも考えられる。<br><br>本巻(第3巻)の年([[w:紀元前56年|BC56年]])の春には、ガッリア遠征の遂行上きわめて重要な'''ルカ会談'''があったので、以下に補足する。</div>
<div style="background-color:#eee;width:75%;">
===コラム「ルカ会談」===
:::<span style="font-family:Times New Roman;font-size:13pt;">''[[w:en:Luca Conference|Luca Conference]]''</span>(英語記事)などを参照。
:<span style="color:#009900;">伝記作家[[ガリア戦記/注解編#プルータルコス『対比列伝』|プルータルコス]]によれば<ref>[[ガリア戦記/注解編#プルータルコス『対比列伝』|プルータルコス『対比列伝』]]の「カエサル」20,21</ref>、カエサルはベルガエ人との戦いを成し遂げると、前年に続いて'''パドゥス川'''〔[[w:la:Padus|Padus]] [[w:ポー川|ポー川]]〕流域で越冬しながら、ローマ政界への政治工作を続けた。例えば、カエサルを後援者とする選挙の立候補者たちが有権者を買収するための金銭をばらまいていた。ガッリア人捕虜を奴隷商人に売り払って得た莫大な金銭で。その結果、カエサルの金銭で当選した者たちの尽力で、属州総督カエサルへの新たな資金の支給が可決されるという具合であった。<br><br>そのうち、多くの名門貴族たちがカエサルに面会するために[[w:ルッカ|ルカ]]([[w:la:Luca|Luca]])の街へやって来た。<br>こうした中、[[w:紀元前56年|BC56年]]の4月に、カエサルと非公式の盟約([[w:三頭政治#第一回三頭政治|三頭政治]])を結んでいた[[w:マルクス・リキニウス・クラッスス|クラッスス]]と[[w:グナエウス・ポンペイウス|ポンペイウス]]もルカを訪れて、三者による会談が行われた。<br><br>首都ローマでは、三頭政治を後ろ盾とする[[w:ポプラレス|平民派]]の[[w:プブリウス・クロディウス・プルケル|クロディウス]](<span style="font-family:Times New Roman;">[[w:la:Publius Clodius Pulcher|Publius Clodius Pulcher]]</span>)が民衆に暴動をけしかけ、[[w:オプティマテス|門閥派]]のミロ(<span style="font-family:Times New Roman;">[[w:la:Titus Annius Milo|Titus Annius Milo]]</span>)と激しく抗争するなど、騒然としていた。このクロディウスの暴力的な手法は、クラッススとポンペイウスの関係を傷つけた。また、カエサルのガッリアでの輝かしい勝利に、二人とも不満を感じていた。このように三頭政治は綻び出していたのだ。<br><br>三人は三頭政治を延長することで合意した。カエサルは、クラッススとポンペイウスが翌年([[w:紀元前55年|BC55年]])の執政官に立候補すること、3属州の総督であるカエサルの任期がさらに5年間延長されること、などを求めた。<br><br>会談の結果、任期が大幅に延長されたカエサルの野望は、ガッリアに止まらず、[[w:ゲルマニア|ゲルマーニア]]や[[w:ブリタンニア|ブリタンニア]]の征服へと向かっていく。一方、再び執政官になった二人は、[[w:パルティア|パルティア]]を攻略するためにクラッススがシリア総督になることを決めるが、これはクラッススの命運とともに三頭政治の瓦解、カエサルとポンペイウスの関係悪化を招来することになる。
</span>
<div style="text-align:center">
{|
|-
|[[画像:First Triumvirate of Caesar, Crassius and Pompey.jpg|thumb|right|500px|後に[[w:三頭政治#第一回三頭政治|三頭政治]](<span style="font-family:Times New Roman;">[[w:la:Triumviratus|Triumviratus]]</span>)と呼ばれることになる非公式な盟約を結んでいた、左から[[w:ガイウス・ユリウス・カエサル|カエサル]]、[[w:マルクス・リキニウス・クラッスス|クラッスス]]、[[w:グナエウス・ポンペイウス|ポンペイウス]]。<br>3人は、第3巻の戦いが始まる前に、ルカ会談で三頭政治の延長を決めた。]]
|}
</div>
</div>
<!--
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
==アルプス・オクトードゥールスの戦い==
:<span style="font-family:Times New Roman;font-size:13pt;">''[[w:en:Battle of Octodurus|Battle of Octodurus]]''</span>(英語記事)<span style="font-family:Times New Roman;font-size:13pt;">''[[w:fr:Bataille d'Octodure|Bataille d'Octodure]]''</span>(仏語記事)などを参照。
===1節===
[[画像:Historische Karte CH Rome 1.png|thumb|right|300px|現在の[[w:スイス|スイス]]の帝制ローマ時代の地図。左下の三日月形の[[w:レマン湖|レマン湖]]の下方に、<span style="font-family:Times New Roman;">ALLOBROGES, NANTUATES, VERAGRI, SEDUNI</span> の部族名が見える。]]
[[画像:Afdaling vd San Bernardino - panoramio.jpg|thumb|right|300px|現在の[[w:グラン・サン・ベルナール峠|グラン・サン・ベルナール峠]]。ラテン語では <span style="font-family:Times New Roman;">[[w:la:Porta Magni Sancti Bernardi|Porta Magni Sancti Bernardi]] という。<br>スイスを縦断する[[w:欧州自動車道路|欧州自動車道路]] [[w:en:European route E27|E27]] が[[w:レマン湖|レマン湖]]からこの峠を通ってイタリアの[[w:アオスタ|アオスタ]]へ至る。</span>]]
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/1節]] {{進捗|00%|2022-04-23}}</span>
'''ガルバとローマ第12軍団が、ロダヌス川渓谷のオクトードゥールスにて冬営する'''
<br>
; カエサルが、ガルバと軍団・騎兵をアルプス地方へ派兵
*Cum in Italiam proficisceretur Caesar,
**カエサルは、イタリア〔[[w:ガリア・キサルピナ|ガッリア・キサルピーナ]]〕に出発していたときに、
*[[wikt:en:Servium|Servium]] Galbam cum [[w:en:Legio XII Fulminata|legione duodecima(XII.)]] et parte equitatus
**[[w:セルウィウス・スルピキウス・ガルバ (紀元前54年法務官)|セルウィウス・ガルバ]]を第12軍団および騎兵隊の一部とともに、
*in [[wikt:fr:Nantuates#Latin|Nantuates]], [[wikt:en:Veragri#Latin|Veragros]] Sedunosque misit,
**ナントゥアーテース族・ウェラーグリー族・セドゥーニー族(の領土)に派遣した。
*qui a finibus [[wikt:en:Allobroges#Latin|Allobrogum]] et lacu [[wikt:fr:Lemannus|Lemanno]] et flumine [[wikt:en:Rhodanus#Latin|Rhodano]] ad summas [[wikt:en:Alpes#Latin|Alpes]] pertinent.
**彼らはアッロブロゲース族の領土、レマンヌス湖〔[[w:レマン湖|レマン湖]]〕およびロダヌス川〔[[w:ローヌ川|ローヌ川]]〕から[[w:アルプス山脈|アルプス]]の頂きに及んでいる。
*Causa mittendi fuit,
**派遣の理由は(以下のこと)であった:
*quod iter per Alpes,
**アルプスを通る道は、
*quo magno cum periculo magnisque cum [[wikt:en:portorium|portoriis]] mercatores ire consuerant,
**大きな危険と多額の関税を伴って商人たちが旅することが常であったので、
*patefieri volebat.
**(カエサルは道が)開かれることを望んでいたのだ。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:現在の[[w:グラン・サン・ベルナール峠|グラン・サン・ベルナール峠]]を通ってスイスとイタリアを結ぶ道のことで、<br> 帝制初期に[[w:アウグストゥス|アウグストゥス]]によって街道が敷設された。<br> かつて[[w:ハンニバル|ハンニバル]]が越えたのは諸説あるが、この道であった可能性もある。<br> ローマ人がこの地に移入・育成した軍用犬は現在の[[w:セント・バーナード|セント・バーナード犬]]。)</span>
*Huic permisit, si opus esse arbitraretur, uti in his locis legionem hiemandi causa conlocaret.
**彼〔ガルバ〕に、もし必要と思われるならば、この地に軍団を[[w:冬営|冬営]]するために宿営させることを許可した。
[[画像:Servius Sulpicius Galba.jpg|thumb|right|300px|[[w:セルウィウス・スルピキウス・ガルバ (紀元前54年法務官)|セルウィウス・スルピキウス・ガルバ]]の横顔が刻まれた貨幣。ガルバは[[w:紀元前54年|BC54年]]([[ガリア戦記 第5巻|ガリア戦記 第5巻]]の年)に[[w:プラエトル|法務官]]に任官。内戦期もカエサルに従うが、暗殺計画に参画する。<br>[[w:ネロ|ネロ帝]]とともにユリウス家の王朝が途絶えると、ガルバの曽孫が[[w:ローマ内戦_(68年-70年)#四皇帝|四皇帝]]の一人目の[[w:ガルバ|ガルバ帝]]となった。このため[[w:ガイウス・スエトニウス・トランクィッルス|スエートーニウス]]『ローマ皇帝伝』の「ガルバ伝」にガルバへの言及がある<ref>[[s:la:De_vita_Caesarum_libri_VIII/Vita_Galbae#III.]]</ref>。]]
<br>
; ガルバが、諸部族を攻略して、軍団の冬営を決める
*Galba, secundis aliquot proeliis factis
**ガルバは、いくつかの優勢な戦いをして、
*castellisque compluribus eorum expugnatis,
**彼ら〔ガッリア諸部族〕の多くの砦が攻略されると、
*missis ad eum undique legatis
**彼〔ガルバ〕のもとへ四方八方から(諸部族の)使節たちが遣わされ、
*obsidibusque datis et pace facta,
**人質が供出されて、講和がなされたので、
*constituit
**(ガルバは、以下のことを)決めた。
*cohortes duas in Nantuatibus conlocare
**2個<ruby><rb>[[w:コホルス|歩兵大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>をナントゥアーテース族(の領土)に宿営させること、
*et ipse cum reliquis eius legionis cohortibus
**(ガルバ)自身はその軍団の残りの<ruby><rb>歩兵大隊</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>とともに、
*in vico Veragrorum, qui appellatur [[wikt:en:Octodurus|Octodurus]], hiemare;
**オクトードゥールスと呼ばれているウェラーグリー族の村に冬営することを。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:オクトードゥールス([[wikt:en:Octodurus|Octodurus]])は現在の[[w:マルティニー|マルティニー市]]。)</span>
<br>
; ウェラーグリー族のオクトードゥールス村
*qui vicus positus in valle, non magna adiecta planitie,
**その村は、さほど大きくない平地に付随した渓谷の中に位置し、
*altissimis montibus undique continetur.
**とても高い山々で四方八方を囲まれている。
*Cum hic in duas partes flumine divideretur,
**これ〔村〕は川によって二つの部分に分け隔てられているので、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:現在の[[w:マルティニー|マルティニー]]の街中を、[[w:ローヌ川|ローヌ川]]の支流であるドランス川(''[[w:en:Drance|Drance]])が貫流している。)</span>
*alteram partem eius vici Gallis [ad hiemandum] concessit,
**その村の一方の部分をガッリア人に [越冬するために] 譲った。
*alteram vacuam ab his relictam cohortibus attribuit.
**もう一方の彼ら〔ガッリア人〕により空にされた方を、残りの<ruby><rb>歩兵大隊</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>に割り当てた。
*Eum locum vallo fossaque munivit.
**その地を堡塁と塹壕で守りを固めた。
<div style="text-align:center">
{|
|-
|[[画像:Martigny_1600.jpg|thumb|right|600px|かつてウェラーグリー族のオクトードゥールス村([[w:la:Octodurus|Octodurus]])があった所は、現在では[[w:スイス|スイス]]の[[w:マルティニー|マルティニー]]([[w:en:Martigny|Martigny]])市となっている。[[w:ローヌ川|ローヌ川]]が屈曲して流れる[[w:谷|渓谷]]地帯にある。]]
|}
</div>
<div style="background-color:#eee;width:77%;">
===コラム「ガルバの派遣とカティリーナ事件」===
:::関連記事:<span style="font-family:Times New Roman;font-size:13pt;">[[w:la:Catilinae coniuratio|Catilinae coniuratio]], ''[[w:en:Second Catilinarian conspiracy|Second Catilinarian conspiracy]]''</span>
:<span style="color:#009900;"> [[w:セルウィウス・スルピキウス・ガルバ (紀元前54年法務官)|セルウィウス・スルピキウス・'''ガルバ''']]にアルプス派兵を指揮させた理由について、カエサルは記していない。<br><br> [[w:紀元前63年|BC63年]]~[[w:紀元前62年|BC62年]]に、ローマの高官だった[[w:ルキウス・セルギウス・カティリナ|ルーキウス・セルギウス・'''カティリーナ''']]([[w:la:Lucius Sergius Catilina|Lucius Sergius Catilina]])がクーデタを企てるという大事件があった。'''[[w:マルクス・トゥッリウス・キケロ|キケロー]]'''が『[[w:カティリナ弾劾演説|カティリナ弾劾演説]]』で糾弾し、カエサルが事件の黒幕ではないかと取り沙汰された(スエートニウス<ref>[[s:la:De_vita_Caesarum_libri_VIII/Vita_divi_Iuli#XIV.]], [[s:la:De_vita_Caesarum_libri_VIII/Vita_divi_Iuli#XVII.|#XVII.]] を参照。</ref>)。<br> BC63年の[[w:プラエトル|法務官]][[w:ガイウス・ポンプティヌス|ガーイウス・'''ポンプティーヌス''']]がキケローを助けて事件を捜査し、アッロブロゲース族からカティリーナへ宛てた手紙を調べた。BC62年にポンプティーヌスは前法務官としてガッリア総督となり、事件に関与していたアッロブロゲース族を平定した。このとき、[[w:トリブヌス|副官]]としてポンプティーヌスを助けてアッロブロゲース族を攻めたのが'''ガルバ'''であった。総督がカエサルに替わっても、ガルバは副官として留任し、アッロブロゲース族の近隣部族の鎮定に努めていたわけである。<br> ポンプティーヌスは、一部の元老院議員の反対で、戦勝将軍の権利である[[w:凱旋式|凱旋式]]ができなかった。これを不満に思っていたガルバは、[[w:紀元前54年|BC54年]]に法務官になると尽力して、その年にポンプティーヌスの凱旋式を行なうことに成功した。
<div style="text-align:center">
{|
|-
|[[画像:Joseph-Marie Vien - The Oath of Catiline.jpg|thumb|right|320px|'''カティリーナの誓い'''(''Le Serment de Catiline'')<br>[[w:ジョゼフ=マリー・ヴィアン|ジョゼフ=マリー・ヴィアン]]画(1809年)。<hr>カティリーナと共謀者たちは、人間の血を混ぜたワインを飲んで誓いを立てる儀式を行なったと伝えられている。]]
|[[画像:The discovery of the body of Catiline after the Battle of Pistoia (1871), by Alcide Segoni.jpg|thumb|right|320px|'''カティリーナの遺骸の発見'''<br>(''Il ritrovamento del corpo di Catilina'')<br>''[[w:en:Alcide Segoni|Alcide Segoni]]'' 画(1871年)<hr>アッロブロゲース族のいるガッリアへ向かおうとしていたカティリーナは、[[w:ピストイア|ピストリア]]([[w:la:Pistorium|Pistoria]])の戦い(''[[w:en:Battle of Pistoia|Battle of Pistoia]]'')で戦死した。]]
|}
</div>
</div>
<!--
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===2節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/2節]] {{進捗|00%|2022-05-05}}</span>
'''ガッリア人が再び挙兵して周囲の高峰を押さえ、第12軍団の冬営地を包囲'''
*Cum dies hibernorum complures transissent frumentumque eo comportari iussisset,
**冬営の多くの日々が過ぎ去って、穀物がそこに運び集められることを([[w:セルウィウス・スルピキウス・ガルバ (紀元前54年法務官)|ガルバ]]が)命じていたときに、
*subito per exploratores certior factus est
**突然に(以下のことが)[[w:偵察|偵察隊]]により報告された。
*ex ea parte vici, quam Gallis concesserat, omnes noctu discessisse
**ガッリア人たちに譲っていた村の一部から、皆が夜に立ち退いており、
*montesque, qui [[wikt:en:impendeo#Latin|impenderent]], a maxima multitudine Sedunorum et [[wikt:en:Veragri|Veragrorum]] teneri.
**そそり立つ山々がセドゥーニー族とウェラーグリー族のかなりの大勢により占拠されたのだ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ウェラーグリー族は既述のようにオクトードゥールス村 [[w:la:Octodurus|Octodurus]]〔現在の[[w:マルティニー|マルティニー市]]〕を、<br>セドゥーニー族 [[w:la:Seduni|Seduni]] はより上流のセドゥヌム [[w:la:Sedunum|Sedunum]]〔現在の[[w:シオン (スイス)|シオン市]]〕を首邑としていた。)</span>
*Id aliquot de causis acciderat,
**いくつかの理由から、起こっていたことには、
*ut subito Galli belli renovandi legionisque opprimendae consilium caperent:
**突如としてガッリア人が、戦争を再開して(ローマ人の)軍団を急襲する作戦計画を立てたのだ。
<br>
; 第1の理由:ガルバの第12軍団は、兵が割かれていて寡勢である
*primum, quod legionem neque eam plenissimam detractis cohortibus duabus
**というのも、第一に、総員がそろっていない軍団を ──2個<ruby><rb>[[w:コホルス|歩兵大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>が引き抜かれていて、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:前節で既述のように、2個歩兵大隊をナントゥアーテース族のところに宿営させていたが、これはレマンヌス湖〔[[w:レマン湖|レマン湖]]〕に近いより下流の地域で、離れていたようだ。)</span>
*et compluribus singillatim, qui commeatus petendi causa missi erant, absentibus,
**多くの者たちが一人ずつ、糧食を求めるために派遣されていて不在である、──
*propter paucitatem despiciebant;
**(その第12軍団を)少数であるゆえに、見下していたからだ。
<br>
; 第2の理由:渓谷にいるローマ人は、山から攻め降りて来るガッリア人の飛道具を受け止められまい
*tum etiam, quod propter iniquitatem loci,
**それからさらに(ローマ勢が冬営している渓谷の)地の利の無さゆえ、
*cum ipsi ex montibus in vallem decurrerent et tela conicerent,
**(ガッリア勢)自身が山々から谷間に駆け下りて飛道具を投じたときに、
*ne primum quidem impetum suum posse sustineri existimabant.
**自分たちの最初の襲撃を(ローマ勢が)持ちこたえることができない、と判断していたので。
<br>
; 第3の理由:人質を取られて、属州に併合される前にローマ人を討て
*Accedebat, quod suos ab se liberos abstractos obsidum nomine dolebant,
**加えて、人質の名目で自分たちから引き離されている自分の子供たちのことを嘆き悲しんでいたので、
*et Romanos non solum itinerum causa, sed etiam perpetuae possessionis
**かつ、ローマ人たちは道(の開通)のためだけでなく、永続的な領有のためにさえも
*culmina Alpium occupare <u>conari</u>
**アルプスの頂上を占領すること、
*et ea loca finitimae provinciae adiungere
**および(ローマの)属州に隣接する当地を併合することを<u>企てている</u>、
*sibi persuasum habebant.
**と(ガッリア人たちは)確信していたのである。
<!--
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===3節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/3節]] {{進捗|00%|2022-05-12}}</span>
'''ガルバが軍議を召集し、策を募る'''
*His nuntiis acceptis Galba,
**ガルバは、これらの報告を受け取ると、
*<u>cum</u> neque opus hibernorum munitionesque plene essent perfectae
**冬営の普請や防塁構築も十分に完成していなかったし、
*neque de frumento reliquoque commeatu satis esset provisum,
**穀物や他の糧秣も十分に調達されていなかった<u>ので</u>、
*quod deditione facta obsidibusque acceptis
**── というのも、降伏がなされて、人質が受け取られ、
*nihil de bello timendum existimaverat,
**戦争について恐れるべきことは何もない、と判断していたためであるが、──
*consilio celeriter convocato sententias exquirere coepit.
**軍議を速やかに召集して、意見を求め始めた。
<br>
;軍議
*Quo in consilio,
**その軍議において、
*<u>cum</u> tantum repentini periculi praeter opinionem accidisset
**これほどの不意の危険が、予想に反して起こっていたので、
*ac iam omnia fere superiora loca multitudine armatorum completa conspicerentur
**かつ、すでにほぼすべてのより高い場所が、武装した大勢の者たちで満たされていることが、見られていたので、
*neque subsidio veniri
**救援のために(援軍が)来られることもなかったし、
*neque commeatus supportari interclusis itineribus possent,
**糧秣が運び込まれることも、道が遮断されているので、できなかった<u>ので</u>、
*prope iam desperata salute non nullae eius modi sententiae dicebantur,
**すでにほぼ身の安全に絶望していた幾人かの者たちの'''以下のような'''意見が述べられていた。
*ut impedimentis relictis eruptione facta
**輜重を残して、出撃して、
*isdem itineribus quibus eo pervenissent ad salutem contenderent.
**そこへやって来たのと同じ道によって、安全なところへ急ぐように、と。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:レマンヌス〔[[w:レマン湖|レマン湖]]〕湖畔を通ってアッロブロゲース族領へ撤収することであろう。)</span>
*Maiori tamen parti placuit,
**しかしながら、大部分の者が賛成したのは、
*hoc reservato ad extremum consilio
**この考え(計画)を最後まで保持しておいて、
*interim rei eventum experiri et castra defendere.
**その間に、事の結果を吟味して、陣営を守備すること、であった。
<!--
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===4節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/4節]] {{進捗|00%|2022-05-16}}</span>
'''ガッリア勢がガルバの陣営を急襲し、寡兵のローマ勢は劣勢に陥る'''
*Brevi spatio interiecto,
**(敵の来襲まで)短い間が介在しただけだったので、
*vix ut iis rebus quas constituissent conlocandis atque administrandis tempus daretur,
**決めておいた物事を配置したり遂行するための時間が、ほとんど与えられないほどであった。
*hostes ex omnibus partibus signo dato decurrere,
**敵方〔ガッリア勢〕があらゆる方向から、号令が出されて、駆け下りて来て、
*lapides [[wikt:en:gaesum|gaesa]]que in vallum conicere.
**石や投槍を堡塁の中に投げ込んだ。
*Nostri primo integris viribus fortiter propugnare
**我が方〔ローマ勢〕は、当初、体力が損なわれていないうちは勇敢に応戦して、
*neque ullum frustra telum ex loco superiore mittere,
**高所から、いかなる飛道具も無駄に投げることはなかった。
*et quaecumque<!--ut quaeque--> pars castrorum nudata defensoribus premi videbatur,
**陣営のどの部分であれ、防戦者たちがはがされて押され気味であることと思われれば、
*eo occurrere et auxilium ferre,
**(ローマ勢が)そこへ駆け付けて、支援した。
<br>
; 兵の多寡が、ローマ勢を追い込む
*sed hoc superari
**しかし、以下のことにより(ローマ勢は)打ち破られた。
*quod diuturnitate pugnae hostes defessi proelio excedebant,
**──戦いが長引いたことにより、疲れ切った敵たちは戦闘から離脱して、
*alii integris viribus succedebant;
**体力が損なわれていない他の者たちが交代していたのだ。──
*quarum rerum a nostris propter paucitatem fieri nihil poterat,
**我が方〔ローマ勢〕は少数であるゆえに、このような事〔兵の交代〕は何らなされ得なかった。
*ac non modo defesso ex pugna excedendi,
**疲弊した者にとっての戦いから離脱することの(機会)のみならず、
*sed ne saucio quidem eius loci ubi constiterat relinquendi ac sui recipiendi facultas dabatur.
**負傷した者にとってさえも、その持ち場を放棄することや(体力を)回復することの機会も与えられなかったのだ。
<!--
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===5節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/5節]] {{進捗|00%|2022-05-29}}</span>
'''最後の土壇場で説得されたガルバが、疲労回復後の突撃に命運を賭ける'''
*<u>Cum</u> iam amplius horis sex continenter pugnaretur,
**すでに6時間より多く引き続いて戦われており、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[古代ローマの不定時法]]では、冬の日中の半日ほどである)</span>
*ac non solum vires sed etiam tela nostros deficerent,
**活力だけでなく飛道具さえも我が方〔ローマ勢〕には不足していたし、
*atque hostes acrius instarent
**敵方〔ガッリア勢〕はより激しく攻め立てていて、
*languidioribusque nostris
**我が方〔ローマ勢〕が弱り切っており、
*vallum scindere et fossas complere coepissent,
**(ガッリア勢は)防柵を破却したり、塹壕を埋め立てたりし始めていたし、
*resque esset iam ad extremum perducta casum,
**戦況はすでに最後の土壇場に陥っていた<u>ので</u>、
<br>
; 二人の軍団首脳バクルスとウォルセーヌスが、ガルバに敵中突破を説く
*[[wikt:en:P.|P.]] Sextius Baculus, primi pili centurio,
**<ruby><rb>[[w:プリムス・ピルス|首位百人隊長]]</rb><rp>(</rp><rt>プリームス・ピールス</rt><rp>)</rp></ruby>プーブリウス・セクスティウス・バクルス
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[w:la:Publius Sextius Baculus|Publius Sextius Baculus]] などの記事を参照。)</span>
*quem Nervico proelio compluribus confectum vulneribus diximus,
**──その者が[[w:ネルウィイ族|ネルウィイー族]]との戦いで多くの負傷で消耗したと前述した──
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[ガリア戦記 第2巻#25節|第2巻25節]]を参照。なお、[[ガリア戦記 第6巻#38節|第6巻38節]] でも言及される。)</span>
*et item [[wikt:en:C.#Latin|C.]] Volusenus, tribunus militum, vir et consilii magni et virtutis,
**および <ruby><rb>[[w:トリブヌス・ミリトゥム|兵士長官]]</rb><rp>(</rp><rt>トリブヌス・ミリトゥム</rt><rp>)</rp></ruby> ガーイウス・ウォルセーヌス ──卓越した判断力と武勇を持つ男──(の2人)は、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:''[[w:en:Gaius Volusenus|Gaius Volusenus]]'' は、この後、[[ガリア戦記_第4巻#21節|第4巻21節]]・[[ガリア戦記_第4巻#23節|23節]]でブリタンニアへ遣わされ、<br> さらに、[[ガリア戦記_第6巻#41節|第6巻41節]]、第8巻23節<sub>([[s:la:Commentarii_de_bello_Gallico/Liber_VIII#23|s]])</sub>、48節<sub>([[s:la:Commentarii_de_bello_Gallico/Liber_VIII#48|s]])</sub>でも活躍する。)</span>
*ad Galbam accurrunt
**ガルバのもとへ急いで来て、
*atque unam esse spem salutis docent, si eruptione facta extremum auxilium experirentur.
**身の安全のただ一つの希望は、出撃をして最後の救済策を試みるかどうかだ、と説く。
*Itaque convocatis centurionibus
**こうして、<ruby><rb>[[w:ケントゥリオ|百人隊長]]</rb><rp>(</rp><rt>ケントゥリオー</rt><rp>)</rp></ruby>たちが召集されて、
*celeriter milites certiores facit,
**(ガルバが以下のことを)速やかに兵士たちに通達する。
*paulisper intermitterent proelium
**しばらく戦いを中断して
*ac tantummodo tela missa exciperent seque ex labore reficerent,
**ただ投げられた飛道具を遮るだけとし、疲労から(体力を)回復するようにと、
*post dato signo ex castris erumperent,
**与えられた号令の後に陣営から出撃するように、
*atque omnem spem salutis in virtute ponerent.
**身の安全のすべての希望を武勇に賭けるように、と。
<!--
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===6節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/6節]] {{進捗|00%|2022-06-05}}</span>
'''第12軍団がガッリア勢を破るが、ガルバはオクトードゥールスでの冬営を断念する'''
*Quod iussi sunt faciunt,
**(ローマ兵たちは)命じられたことをなして、
*ac subito omnibus portis eruptione facta
**突然に(陣営の)すべての門から出撃がなされ、
*neque cognoscendi quid fieret
**何が生じたのかを知ることの(機会)も
*neque sui colligendi hostibus facultatem relinquunt.
**(自軍の兵力を)集中することの機会も、敵方に残さない。
*Ita commutata fortuna
**こうして武運が変転して、
*eos qui in spem potiundorum castrorum venerant undique circumventos intercipiunt,
**(ローマ人の)陣営を占領することを期待してやって来ていた者たちを、至る所で包囲して<ruby><rb>屠</rb><rp>(</rp><rt>ほふ</rt><rp>)</rp></ruby>る。
*et ex hominum milibus amplius XXX{triginta},
**3万より多い人間が
*quem numerum barbarorum ad castra venisse constabat,
**それだけの数の蛮族が(ローマ)陣営のところへ来ていたのは、確実であったが、
*plus tertia parte interfecta
**3分の1より多く(の者)が<ruby><rb>殺戮</rb><rp>(</rp><rt>さつりく</rt><rp>)</rp></ruby>されて、
*reliquos perterritos in fugam coiciunt
**(ローマ勢は)残りの者たちを怖気づかせて敗走に追いやり、
*ac ne in locis quidem superioribus consistere patiuntur.
**(ガッリア勢は)より高い場所にさえ留まることさえ許されない。
*Sic omnibus hostium copiis fusis armisque exutis
**そのように敵方の全軍勢が撃破されて、武器が放棄されて、
*se intra munitiones suas recipiunt.
**(ローマ勢は)自分たちの防塁の内側に撤収する。
<br>
; ガルバがオクトードゥールスでの冬営を断念して、同盟部族領に撤退する
*Quo proelio facto,
**この戦いが果たされると、
*quod saepius fortunam temptare Galba nolebat
**──ガルバは、よりたびたび武運を試すことを欲していなかったし、
*atque alio se in hiberna consilio venisse meminerat,
**冬営に他の計画のために来ていたことを思い出していたが、
*aliis occurrisse rebus videbat,
**別の事態に遭遇したのを見ていたので、──
*maxime frumenti commeatusque inopia permotus
**とりわけ穀物や糧秣の欠乏に揺り動かされて、
*postero die omnibus eius vici aedificiis incensis
**翌日にその村のすべての建物が焼き討ちされて、
*in provinciam reverti contendit,
**(ガルバは)属州〔[[w:ガリア・キサルピナ|ガッリア・キサルピーナ]]〕に引き返すことを急ぐ。
*ac nullo hoste prohibente aut iter demorante
**いかなる敵によって妨げられることも、あるいは行軍が遅滞させられることもなく、
*incolumem legionem in Nantuates,
**軍団を無傷なままでナントゥアーテース族(の領土)に(連れて行き)、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ナントゥアーテース族 ''[[w:en:Nantuates|Nantuates]]'' は、レマンヌス湖〔[[w:レマン湖|レマン湖]]〕の南東を領有していた部族。<br> [[#1節]]で、軍団のうち2個<ruby><rb>[[w:コホルス|歩兵大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>を宿営させたことが述べられた。)</span>
*inde in Allobroges perduxit ibique hiemavit.
**そこから、アッロブロゲース族(の領土)に連れて行き、そこで冬営した。
<div style="text-align:center">
{|
|-
|[[画像:Amphitheaterforumclaudiival1.jpg|thumb|right|500px|オクトードゥールス(<span style="font-family:Times New Roman;">[[w:la:Octodurus|Octodurus]]</span>)、すなわち現在の[[w:マルティニー|マルティニー市]]に遺る帝制ローマ時代の円形競技場。オクトードゥールスは、<span style="font-family:Times New Roman;">Forum Claudii Vallensium</span> と改称され、[[w: クラウディウス|クラウディウス帝]]によって円形競技場が建てられた。<br>(<span style="font-family:Times New Roman;">''[[w:fr:Amphithéâtre de Martigny|Amphithéâtre de Martigny]]''</span> 等の記事を参照。)]]
|}
</div>
<!--
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
==大西洋岸ウェネティー族の造反==
:::<span style="background-color:#ffd;">関連記事:[[w:モルビアン湾の海戦|モルビアン湾の海戦]]、''[[w:fr:Guerre des Vénètes|fr:Guerre des Vénètes]]'' 等を参照せよ。</span>
===7節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/7節]] {{進捗|00%|2022-06-12}}</span>
'''新たな戦争の勃発'''
*His rebus gestis
**これらの戦役が遂げられて、
*cum omnibus de causis Caesar pacatam Galliam existimaret,
**カエサルが、あらゆる状況についてガッリアは平定された、と判断していたときに、
*superatis Belgis,
**(すなわち)[[w:ベルガエ|ベルガエ人]]は征服され、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:第2巻で述べられたこと)</span>
*expulsis Germanis,
**[[w:ゲルマニア|ゲルマーニア]]人は駆逐され、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:第1巻で述べられた[[w:アリオウィストゥス|アリオウィストゥス]]との戦役のこと)</span>
*victis in [[wikt:en:Alpibus|Alpibus]] Sedunis,
**アルペース〔[[w:アルプス山脈|アルプス]]〕においてセドゥーニー族は打ち負かされて、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#1節]]~[[#6節]]で述べられたこと)</span>
*atque ita inita hieme in [[wikt:en:Illyricum#Latin|Illyricum]] profectus esset,
**こうして冬の初めに(カエサルが)[[w:イリュリクム|イッリュリクム]]に出発していたときに、
*quod eas quoque nationes adire et regiones cognoscere volebat,
**──というのは、これら各部族を訪れて諸地方を知ることを欲していたからであるが、──
**:<span style="color:#009900;">(訳注:属州総督の職務として、巡回裁判を行う必要があったためであろう)</span>
*subitum bellum in Gallia coortum est.
**突然の戦争がガッリアで勃発したのである。
<br>
; 戦争の背景
*Eius belli haec fuit causa:
**その戦争の原因は、以下の通りであった。
*[[wikt:en:P.|P.]] Crassus adulescens cum legione septima(VII.)
**[[w:プブリウス・リキニウス・クラッスス|プーブリウス・クラッスス青年]]は、第7軍団とともに
**:<span style="color:#009900;">(訳注:三頭政治家[[w:マルクス・リキニウス・クラッスス|M. クラッスス]]の息子で、第1巻[[s:la:Commentarii_de_bello_Gallico/Liber_I#52|52節]]では騎兵隊の指揮官だった。<br> [[ガリア戦記_第2巻#34節|第2巻34節]]では、1個軍団とともに大西洋沿岸地方に派遣されたと述べられた。)</span>
*proximus mare Oceanum in Andibus hiemarat.
**<ruby><rb>大洋〔[[w:大西洋|大西洋]]〕</rb><rp>(</rp><rt>オーケアヌス</rt><rp>)</rp></ruby>に最も近いアンデース族(の領土)で冬営していた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:アンデース族 Andes は、'''アンデカーウィー族''' [[w:la:Andecavi|Andecavi]], ''[[wikt:en:Andecavi|Andecavi]]'' と呼ばれることが多い。<br> 実際には大西洋岸から内陸側に寄っていたと考えられている。)</span>
*Is, quod in his locis inopia frumenti erat,
**彼〔クラッスス〕は、これらの場所においては穀物の欠乏があったので、
*praefectos tribunosque militum complures in finitimas civitates
**([[w:アウクシリア|支援軍]]の)<ruby><rb>[[w:プラエフェクトゥス|指揮官]]</rb><rp>(</rp><rt>プラエフェクトゥス</rt><rp>)</rp></ruby>たちや<ruby><rb>[[w:トリブヌス・ミリトゥム|兵士長官]]</rb><rp>(</rp><rt>トリブヌス・ミリトゥム</rt><rp>)</rp></ruby>たちのかなりの数を、近隣諸部族のところへ
*frumenti (commeatusque petendi) causa dimisit;
**穀物や糧食を求めるために送り出した。
*quo in numero est [[wikt:en:T.#Latin|T.]] Terrasidius missus in Esuvios<!--/ Unellos Essuviosque-->,
**その人員のうち、ティトゥス・テッラシディウスは、エスウィイー族<!--ウネッリー族やエスウィイー族-->のところに遣わされ、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:テッラシディウスは騎士階級の将校。''[[w:en:Terrasidius|Terrasidius]]'' 参照。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:エスウィイー族 ''[[w:en:Esuvii|Esuvii]]'' は、現在の[[w:オルヌ川|オルヌ川]]盆地の[[w:オルヌ県|オルヌ県]][[w:セー (オルヌ県)|セー]]~[[w:fr:Exmes|エム]]の辺りにいたらしい。)</span>
*[[wikt:en:M.#Latin|M.]] [[wikt:en:Trebius#Latin|Trebius]] Gallus in Coriosolităs,
**マールクス・トレビウス・ガッルスは、コリオソリテース族のところに(遣わされ)、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:''[[w:it:Marco Trebio Gallo|it:Marco Trebio Gallo]]'' 等参照)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:コリオソリテース族 ''[[w:en:Coriosolites|Coriosolites]]'' は、クーリオソリーテース ''[[wikt:en:Curiosolites|Curiosolites]]'' などとも呼ばれ、<br> 現在の[[w:コート=ダルモール県|コート=ダルモール県]]コルスール([[w:en:Corseul|Corseul]])の辺りにいたらしい。)</span>
*[[wikt:en:Q.|Q.]] [[wikt:en:Velanius#Latin|Velanius]] cum T. Sillio in Venetos.
**クゥイーントゥス・ウェラーニウスはティトゥス・シーッリウスとともに、[[w:ウェネティ族 (ガリア)|ウェネティー族]]のところに(遣わされた)。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:''[[w:it:Quinto Velanio|it:Quinto Velanio]], [[w:it:Tito Silio|it:Tito Silio]]'' 等参照。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[w:ウェネティ族 (ガリア)|ウェネティー族]] ''[[w:en:Veneti (Gaul)|Veneti (Gaul)]]'' は、[[w:アルモリカ|アルモリカ]]南西部、現在の[[w:モルビアン県|モルビアン県]]辺りにいた。)</span>
<!--
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===8節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/8節]] {{進捗|00%|2022-06-13}}</span>
'''ウェネティー族らの動き'''
<br>
; 沿海地方を主導するウェネティー族
*Huius est civitatis longe amplissima auctoritas omnis orae maritimae regionum earum,
**この部族〔ウェネティー族〕の<ruby><rb>影響力</rb><rp>(</rp><rt>アウクトーリタース</rt><rp>)</rp></ruby>は、海岸のその全地方の中でずば抜けて大きい。
*quod et naves habent Veneti plurimas,
**── というのは、[[w:ウェネティ族 (ガリア)|ウェネティー族]]は、最も多くの船舶を持っており、
*quibus in Britanniam navigare consuerunt,
**それら〔船団〕によって[[w:ブリタンニア|ブリタンニア]]に航海するのが常であり、
*et scientia atque usu rerum nauticarum ceteros antecedunt
**かつ[[w:海事|海事]]の知識と経験において他の者たち〔諸部族〕をしのいでおり、
*et in magno impetu maris atque aperto <Oceano>
**かつ海のたいへんな荒々しさと開けた<<ruby><rb>大洋〔[[w:大西洋|大西洋]]〕</rb><rp>(</rp><rt>オーケアヌス</rt><rp>)</rp></ruby>>において、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:<Oceano> は写本になく、挿入提案された修正読み)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[w:大陸棚|大陸棚]]が広がる[[w:ビスケー湾|ビスケー湾]]は、世界最大12mの大きな[[w:潮汐|干満差]]と、<br> 北西風による激しい嵐で知られる<ref>[https://kotobank.jp/word/%E3%83%93%E3%82%B9%E3%82%B1%E3%83%BC%E6%B9%BE-119819 ビスケー湾とは - コトバンク]</ref>。)</span>
*paucis portibus interiectis,
**わずかの港が介在していて、
*quos tenent ipsi,
**彼ら自身〔ウェネティー族〕がそれら〔港湾〕を制していて、
*omnes fere qui eo mari uti consuerunt, habent vectigales.
**その海を利用するのが常であった者たち〔部族〕ほぼすべてを、貢税者としていたのだ。──
<br>
; ウェネティー族が、クラッススの使節たちを抑留する
*Ab his fit initium retinendi Sillii atque Velanii,
**彼ら〔ウェネティー族〕によって、シーッリウスとウェラーニウスを拘束することが皮切りとなる。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:2人は、前節([[#7節]])でウェネティー族への派遣が述べられた使節)</span>
*<u>et si quos intercipere potuerunt</u>
**何らかの者たちを捕えることができたのではないか、と。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、β系写本だけの記述で、α系写本にはない。)</span>
*quod per eos suos se obsides, quos Crasso dedissent, recuperaturos existimabant.
**というのは、彼らを介して、[[w:プブリウス・リキニウス・クラッスス|クラッスス]]に差し出されていた己の人質たちを取り戻すことができると考えていたのである。
<br>
*Horum auctoritate finitimi adducti,
**彼ら〔ウェネティー族〕の影響力によって、近隣の者たち〔諸部族〕が動かされて、
*ut sunt Gallorum subita et repentina consilia,
**──ガッリア人の判断力というものは、思いがけなく性急なものであるが、──
*eadem de causa Trebium Terrasidiumque retinent
**同じ理由によりトレビウスとテッラシディウスを拘束する。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:トレビウスは、前節でコリオソリテース族に派遣された。<br> テッラシディウスは、前節でエスウィイー族に派遣された。)</span>
*et celeriter missis legatis
**そして速やかに使節が遣わされて、
*per suos principes inter se coniurant
**自分らの領袖たちを通して互いに誓約する。
*nihil nisi communi consilio acturos eundemque omnes fortunae exitum esse laturos,
**合同の軍議なしには何も実施しないであろうし、皆が命運の同じ結果に耐えるであろう、と。
*reliquasque civitates sollicitant,
**残りの諸部族を扇動する。
*ut in ea libertate quam a maioribus acceperint, permanere quam Romanorum servitutem perferre malint.
**ローマ人への隷属を辛抱することより、むしろ先祖から引き継いでいた自由に留まることを欲すべし、と。
<br>
*Omni ora maritima celeriter ad suam sententiam perducta
**すべての海岸(の諸部族)が速やかに自分たち〔ウェネティー族〕の見解に引き込まれると、
*communem legationem ad [[wikt:en:Publium|Publium]] Crassum mittunt,
**共同の使節を[[w:プブリウス・リキニウス・クラッスス|プーブリウス・クラッスス]]のもとへ遣わす。
*si velit suos recuperare, obsides sibi remittat.
**もし味方の者たち〔ローマ人〕を取り戻すことを望むならば、自分たち〔諸部族〕の人質たちを返すように、と。
<!--
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===9節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/9節]] {{進捗|00%|2022-06-19}}</span>
{{Wikipedia|la:Liger| Liger }}
'''カエサル到着、ウェネティー族らの作戦と開戦準備'''
; カエサルが、海戦の準備を手配してから、沿岸地域に急ぐ
*Quibus de rebus Caesar a Crasso certior factus,
**以上の事について、カエサルは[[w:プブリウス・リキニウス・クラッスス|クラッスス]]により報知されると、
*quod ipse aberat longius,
**(カエサル)自身は非常に遠くに離れていたので、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#コラム「ルカ会談」|#ルカ会談]]などローマへの政界工作のために属州にいたと考えられている。)</span>
*naves interim longas aedificari in flumine [[wikt:la:Liger#Latine|Ligeri]], quod influit in Oceanum,
**その間に<u>軍船</u>が<ruby><rb>大洋〔[[w:大西洋|大西洋]]〕</rb><rp>(</rp><rt>オーケアヌス</rt><rp>)</rp></ruby>に流れ込むリゲル川〔[[w:ロワール川|ロワール川]]〕にて建造されること、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:艦隊 [[w:la:Classis Romana|classis]] の主力として戦う[[w:ガレー船|ガレー船]]は「長船」[[w:la:Navis longa|navis longa]] と呼ばれていた。<br> これに対して、軍需物資を運搬する輸送船は [[w:la:Navis actuaria|navis actuaria]] と呼ばれていた。)</span>
*remiges ex provincia institui,
**<ruby><rb>漕ぎ手</rb><rp>(</rp><rt>レーメクス</rt><rp>)</rp></ruby>が属州〔[[w:ガリア・トランサルピナ|ガッリア・トランサルピーナ]]〕から採用されること、
*nautas gubernatoresque comparari iubet.
**<ruby><rb>[[w:船員|水夫]]</rb><rp>(</rp><rt>ナウタ</rt><rp>)</rp></ruby>や<ruby><rb>操舵手</rb><rp>(</rp><rt>グベルナートル</rt><rp>)</rp></ruby>が徴募されること、を命じる。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:船尾の「<ruby><rb>[[w:舵|舵]]</rb><rp>(</rp><rt>かじ</rt><rp>)</rp></ruby>」が発明されたのは[[w:漢|漢代]]の中国であって、古代西洋の船に<ruby><rb>舵</rb><rp>(</rp><rt>かじ</rt><rp>)</rp></ruby>はない。<br> 船の操舵手は「<ruby><rb>舵櫂</rb><rp>(</rp><rt>かじかい</rt><rp>)</rp></ruby>」(''[[w:en:Steering oar|steering oar]]'') という[[w:櫂|櫂]]の一種を用いて操船したらしい。)</span>
<br>
*His rebus celeriter administratis ipse,
**これらの事柄が速やかに処理されると、(カエサル)自身は
*cum primum per anni tempus potuit, ad exercitum contendit.
**年のできるだけ早い時季に、軍隊のもとへ急いだ。
<br>
; ウェネティー族らが、使節団拘留の重大さを勘案して、海戦の準備を進める
*Veneti reliquaeque item civitates cognito Caesaris adventu
**[[w:ウェネティ族 (ガリア)|ウェネティー族]]と残りの部族もまた、カエサルの到着を知り、
*<span style="color:#009900;"><</span>et de recipiendis obsidibus spem se fefellise<span style="color:#009900;">></span> certiores facti,
**<span style="color:#009900;"><</span>かつ人質を取り戻すという希望に惑わされたことを<span style="color:#009900;">></span> 知らされて、
*simul quod quantum in se facinus admisissent intellegebant,
**同時に、どれほど大それた行為を自分たちが侵していたかを判断していたので、
*<span style="color:#009900;">[</span>legatos, quod nomen ad omnes nationes sanctum inviolatumque semper fuisset,
**──(すなわち)あらゆる種族のもとでその名が神聖かつ不可侵の、使節たちが
*retentos ab se et in vincula coniectos,<span style="color:#009900;">]</span>
**自分たちによって拘束され、鎖につながれていたわけだが、──
*pro magnitudine periculi bellum parare
**危機の重大さに見合う戦争を準備すること、
*et maxime ea quae ad usum navium pertinent providere instituunt,
**とりわけ船団を運用するために役立つところのものを調達すること、を着手する。
*hoc maiore spe quod multum natura loci confidebant.
**地勢を大いに信じていた点に大きな期待をして。
<br>
*Pedestria esse itinera concisa aestuariis,
**(ローマ勢の)歩兵の行軍路は入江で遮断されるし、
*navigationem impeditam propter inscientiam locorum paucitatemque portuum sciebant,
**土地の不案内と港の少なさのゆえに航行が妨げられることを(ウェネティー族らは)知っていた。
*neque nostros exercitus propter inopiam frumenti diutius apud se morari posse confidebant;
**穀物の欠乏のゆえに、我が軍〔ローマ軍〕がより長く彼らのもとに留まることができないと(ウェネティー族らは)信じ切っていた。
<br>
*ac iam ut omnia contra opinionem acciderent,
**やがて、すべてのことが予想に反して生じたとしても、
*tamen se plurimum navibus posse, quam Romanos neque ullam facultatem habere navium,
**けれども自分たち〔ウェネティー族ら〕は艦船において、艦船の備えを何ら持たないローマ人よりも大いに優勢であり、
*neque eorum locorum, ubi bellum gesturi essent, vada, portus, insulas novisse;
**戦争を遂行しようとしているところの浅瀬・港・島に(ローマ人は)不案内であった(と信じ切っていた)。
<br>
*ac longe aliam esse navigationem in concluso mari atque in vastissimo atque apertissimo Oceano perspiciebant.
**閉ざされた海〔[[w:地中海|地中海]]〕と非常に広大で開けた<ruby><rb>大洋〔[[w:大西洋|大西洋]]〕</rb><rp>(</rp><rt>オーケアヌス</rt><rp>)</rp></ruby>における航行はまったく別物であると見通していた。
<br>
*His initis consiliis
**この作戦計画が決められると、
*oppida muniunt,
**<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>の防備を固め、
*frumenta ex agris in oppida comportant,
**穀物を耕地から<ruby><rb>城塞都市</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>に運び込み、
*naves in [[wikt:en:Venetia#Latin|Venetiam]], ubi Caesarem primum (esse) bellum gesturum constabat, quam plurimas possunt, cogunt.
**カエサルが最初の戦争を遂行するであろうことが明白であったところの[[w:ウェネティ族 (ガリア)|ウェネティー族]]領に、ありったけの艦船を集める。
<br>
*Socios sibi ad id bellum
**この戦争のために(ウェネティー族は)自分たちのもとへ同盟者として
*[[wikt:en:Osismi#Latin|Osismos]], [[wikt:en:Lexovii#Latin|Lexovios]], [[wikt:en:Namnetes#Latin|Namnetes]], Ambiliatos, [[wikt:en:Morini#Latin|Morinos]], [[w:en:Diablintes|Diablintes]], [[wikt:en:Menapii#Latin|Menapios]] adsciscunt;
**<span style="font-size:10pt;">オスィスミー族・レクソウィイー族・ナムネーテース族・アンビリアーティー族・モリニー族・ディアブリンテース族・メナピイー族</span> を引き入れる。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:アンビリアーティー族 ➡ [[w:ガイウス・プリニウス・セクンドゥス|プリニウス]]は「アンビラトリー族」 [[wikt:en:Ambilatri#Latin|Ambilatri]] と記す。<br> ディアブリンテース族 ➡ プリニウスは「ディアブリンティー族」 [[wikt:en:Diablinti#Latin|Diablinti]] と記す。<br> この部族は、アウレルキー族 ''[[w:en:Aulerci|Aulerci]]'' の支族。)</span>
*auxilia ex Britannia, quae contra eas regiones posita est, arcessunt.
**援軍を、この地域の向かい側に位置する[[w:ブリタンニア|ブリタンニア]]から呼び寄せた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:援軍を出したという口実のもと、翌年カエサルがブリタンニアに侵攻することになる。)</span>
<div style="text-align:center">
{|
|-
|[[画像:Map of Aremorican tribes (Latin).svg|thumb|right|600px|[[w:アルモリカ|アルモリカ]](<span style="font-family:Times New Roman;font-size:13pt;">''[[w:en:Armorica|Armorica]]''</span> )の部族分布図。
]]
|}
</div>
<!--
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===10節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/10節]] {{進捗|00%|2022-07-02}}</span>
'''カエサルの開戦への大義名分'''
*Erant hae difficultates belli gerendi, quas supra ostendimus,
**上で指摘したような、戦争を遂行することの困難さがあった。
*sed tamen multa Caesarem ad id bellum incitabant:
**にもかかわらず、多くのことがカエサルをその戦争へと駆り立てていたのだ。
*iniuria retentorum equitum Romanorum,
**①ローマ人の[[w:エクィテス|騎士]]〔騎士階級の者〕たちが拘束されることの無法さ、
*rebellio facta post deditionem,
**②降伏の後でなされた造反、
*defectio datis obsidibus,
**③人質を供出しての謀反、
*tot civitatum coniuratio,
**④これほど多くの部族の共謀、
*in primis ne hac parte neglecta reliquae nationes sibi idem licere arbitrarentur.
**⑤何よりも第一に、この地方をなおざりにして、残りの種族が自分たちも同じことを許容されると思い込まないように。
*Itaque cum intellegeret
**そこで、(カエサルは以下のように)認識していたので、
*omnes fere Gallos novis rebus studere et ad bellum mobiliter celeriterque excitari,
**①ほぼすべてのガリア人が政変を熱望して、戦争へ簡単に速やかに奮い立たせられていること、
*omnes autem homines natura libertati studere incitari et condicionem servitutis odisse,
**②他方ですべての人間は本来的に自由を熱望することに扇動され、隷属の状態を嫌っていること、
*prius quam plures civitates conspirarent,
**多くの部族が共謀するより前に、
*partiendum sibi ac latius distribuendum exercitum putavit.
**(カエサルは)自分にとって軍隊が分けられるべき、より広範に割り振られるべきであると考えた。
<!--
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===11節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/11節]] {{進捗|00%|2022-07-03}}</span>
'''ラビエーヌス、クラッスス、サビーヌス、ブルートゥスを前線へ派兵する'''
<br><br>
; 副官ラビエーヌスをトレウェリー族のもとへ遣わす
*Itaque [[wikt:en:Titum|T.]] [[wikt:en:Labienus#Latin|Labienum]] legatum in [[wikt:en:Treveri#Latin|Treveros]], qui proximi flumini Rheno sunt, cum equitatu mittit.
**こうして、<ruby><rb>[[w:レガトゥス|副官]]</rb><rp>(</rp><rt>レガトゥス</rt><rp>)</rp></ruby>[[w:ティトゥス・ラビエヌス|ティトゥス・ラビエーヌス]]をレーヌス川〔[[w:ライン川|ライン川]]〕に最も近いトレーウェリー族に、騎兵隊とともに派遣する。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[w:la:Titus Labienus|Titus Labienus]] は、『ガリア戦記』におけるカエサルの片腕。<br> ''[[w:en:Treveri|Treveri]]'' はローマの同盟部族だが、[[ガリア戦記_第5巻|第5巻]]・[[ガリア戦記_第6巻|第6巻]]で挙兵する。)</span>
*Huic mandat,
**彼に(以下のように)命じる。
*[[wikt:en:Remi#Latin|Remos]] reliquosque [[wikt:en:Belgas|Belgas]] adeat atque in officio contineat
**①レーミー族やほかの[[w:ベルガエ|ベルガエ人]]を訪れて、<ruby><rb>忠実さ</rb><rp>(</rp><rt>オッフィキウム</rt><rp>)</rp></ruby>に留めるように、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:''[[w:en:Remi|Remi]]'' は、ローマの同盟部族で、[[ガリア戦記_第2巻#3節|第2巻3節]]以降で言及された。)</span>
*[[wikt:en:Germanos|Germanos]]que, qui auxilio a Gallis arcessiti dicebantur,
**②ガッリア人により援兵として呼び寄せられたといわれていた[[w:ゲルマニア|ゲルマーニア]]人が
**:<span style="color:#009900;">(訳注:第1巻で言及された[[w:アリオウィストゥス|アリオウィストゥス]]の軍勢のこと。)</span>
*si per vim navibus flumen transire conentur, prohibeat.
**(彼らが)もし力ずくで船で川を渡ることを試みるならば、防ぐように、と。
<br>
; クラッスス青年をアクィーターニアに派遣する
*[[wikt:en:Publium|P.]] [[wikt:en:Crassus#Latin|Crassum]] cum cohortibus legionariis XII(duodecim) et magno numero equitatus in Aquitaniam proficisci iubet,
**[[w:プブリウス・リキニウス・クラッスス|プーブリウス・クラッスス]]には、軍団の12個<ruby><rb>[[w:コホルス|歩兵大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>と多数の騎兵隊とともに、[[w:アクィタニア|アクィーターニア]]に出発することを命じる。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[w:la:Publius Licinius Crassus|Publius Licinius Crassus]]、[[#7節]]から既述。)</span>
*ne ex his nationibus auxilia in Galliam mittantur ac tantae nationes coniungantur.
**これらの種族から援兵がガッリアに派遣され、これほど多くの諸部族が結託することがないように。
<br>
; 副官サビーヌスを3個軍団とともに[[w:アルモリカ|アルモリカ]]北部へ派兵する
*[[wikt:en:Quintus#Latin|Quintum]] [[wikt:en:Titurius#Latin|Titurium]] [[wikt:en:Sabinus#Latin|Sabinum]] legatum cum legionibus tribus
**副官[[w:クィントゥス・ティトゥリウス・サビヌス|クィーントゥス・ティトゥーリウス・サビーヌス]]を3個軍団とともに
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:''[[w:en:Quintus Titurius Sabinus|Quintus Titurius Sabinus]]'' は[[ガリア戦記_第2巻#5節|第2巻5節]]から言及されている『ガリア戦記』前半で活躍する副官。)</span>
*in [[wikt:en:Unelli#Latin|Unellos]](Venellos), Coriosolităs [[wikt:en:Lexovii#Latin|Lexovios]]que mittit, qui eam manum distinendam curet.
**ウネッリー族・コリオソリテース族・レクソウィイー族に派遣して、彼らの手勢を分散させるべく配慮するように。
<br>
; ブルートゥス青年をウェネティー族領へ派兵する
*[[wikt:en:Decimus#Latin|D.]] [[wikt:en:Brutum|Brutum]] adulescentem classi Gallicisque navibus,
**[[w:デキムス・ユニウス・ブルトゥス・アルビヌス|デキムス・ブルートゥス青年]]に、(ローマの)艦隊とガッリア人の船団を、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[w:la:Decimus Iunius Brutus Albinus|Decimus Iunius Brutus Albinus]] は、カエサルの副官として活躍するが、後に暗殺に加わる。)</span>
*quas ex [[wikt:en:Pictones#Latin|Pictonibus]] et [[wikt:en:Santoni#Latin|Santonis]] reliquisque pacatis regionibus convenire iusserat,
**──これら(船団)はピクトネース族・サントニー族やほかの平定された地方から集まるように命じていたものであるが、──
*praeficit et, cum primum possit, in [[wikt:en:Veneti#Latin|Venetos]] proficisci iubet.
**(ブルートゥスに船団を)指揮させて、できるだけ早く[[w:ウェネティ族 (ガリア)|ウェネティー族]](の領土)に出発することを命じる。
<br>
*Ipse eo pedestribus copiis contendit.
**(カエサル)自身は、そこへ歩兵の軍勢とともに急ぐ。
<!--
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===12節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/12節]] {{進捗|00%|2022-07-09}}</span>
'''ウェネティー族の城塞都市の地勢、海洋民の機動性'''
<div style="text-align:center">
{|
|-
|[[画像:Bretagne Finistere PointeduRaz15119.jpg|thumb|right|350px|ウェネティー族の[[w:オッピドゥム|城塞都市]]があった[[w:ブルターニュ半島|ブルターニュ半島]]の突き出た地形]]
|}
</div>
*Erant [[wikt:en:eiusmodi|eiusmodi]] fere situs oppidorum,
**([[w:ウェネティ族 (ガリア)|ウェネティー族]]の)<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>の地勢はほぼ以下のようであった。
*ut posita in extremis [[wikt:en:lingula#Latin|lingulis]] [[wikt:en:promunturium#Latin|promunturiis]]que
**<ruby><rb>[[w:砂嘴|砂嘴]]</rb><rp>(</rp><rt>リングラ</rt><rp>)</rp></ruby>や[[w:岬|岬]]の先端部に位置しているので、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:lingula#Latin|lingula]] ⇒ [[w:la:Lingua terrae|lingua terrae]] (舌状地) ≒ <ruby><rb>[[w:砂嘴|砂嘴]]</rb><rp>(</rp><rt>さし</rt><rp>)</rp></ruby>(くちばし状の砂地)。)</span>
*neque pedibus aditum haberent, cum ex alto se [[wikt:en:aestus#Latin|aestus]] incitavisset,
**沖合から<ruby><rb>[[w:潮汐|潮 汐]]</rb><rp>(</rp><rt>アエトゥス</rt><rp>)</rp></ruby>が押し寄せて来たとき<span style="color:#009900;">〔満潮〕</span>に、徒歩での<ruby><rb>接近路</rb><rp>(</rp><rt>アプローチ</rt><rp>)</rp></ruby>を持っていなかった。
*quod bis accidit semper horarum XII(duodenarum) spatio,
**というのは<span style="color:#009900;">(満潮が毎日)</span>2度、常に12時間の間隔で起こるためである。
<div style="text-align:center">
{|
|-
|[[画像:Astronomical tide IJmuiden 21 January 2012.png|thumb|right|600px|ある日(24時間)の'''[[w:潮位|潮位]]'''予測グラフの例(2012年、オランダ北海沿岸のエイマイデン)。<br>満潮や干潮は、約12時間の周期で繰り返されることが多いため、たいてい1日2回ずつ生じる。]]
|}
</div>
*neque navibus,
**船で(のアプローチ)もなく、
*quod rursus minuente aestu naves in vadis adflictarentur.
**というのは、潮が再び減ると<span style="color:#009900;">〔干潮〕</span>、船団が[[w:浅瀬|浅瀬]]で損傷してしまうためである。
*Ita utraque re oppidorum oppugnatio impediebatur;
**このように<span style="color:#009900;">(陸路・海路)</span>どちらの状況においても、<ruby><rb>城塞都市</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>の攻略は妨げられていた。
<br><br>
*ac si quando magnitudine operis forte superati,
**あるとき、期せずして<span style="color:#009900;">(ウェネティー族がローマ人の)</span><ruby><rb>構造物</rb><rp>(</rp><rt>オプス</rt><rp>)</rp></ruby>の大きさに圧倒されて、
*extruso mari aggere ac molibus
**<span style="color:#009900;">(ローマ人が建造した)</span><ruby><rb>土手</rb><rp>(</rp><rt>アッゲル</rt><rp>)</rp></ruby>や<ruby><rb>[[w:防波堤|防波堤]]</rb><rp>(</rp><rt>モーレース</rt><rp>)</rp></ruby>により海水が押し出され、
*atque his oppidi moenibus adaequatis,
**これら<span style="color:#009900;">〔堡塁〕</span>が<ruby><rb>城塞都市</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>の城壁と<span style="color:#009900;">(高さにおいて)</span>等しくされ、
*suis fortunis desperare coeperant,
**<span style="color:#009900;">(ウェネティー族らが)</span>自分たちの命運に絶望し始めていたとしても、
*magno numero navium adpulso,
**船の多数を接岸して、
*cuius rei summam facultatem habebant,
**それら〔船〕の供給に最大の備えを持っていたので、
*omnia sua deportabant seque in proxima oppida recipiebant;
**自分たちの<ruby><rb>一切合財</rb><rp>(</rp><rt>オムニア</rt><rp>)</rp></ruby>を運び去って、最も近い<ruby><rb>城塞都市</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>に撤収していた。
*ibi se rursus isdem opportunitatibus loci defendebant.
**そこにおいて再び同じような地の利によって防戦していたのだ。
<br><br>
*Haec [[wikt:en:eo#Latin|eo]] facilius magnam partem aestatis faciebant,
**以上のことが、夏の大部分を<span style="color:#009900;">(ウェネティー族にとって)</span>より容易にしていた。
*quod nostrae naves [[wikt:en:tempestas#Latin|tempestatibus]] detinebantur,
**なぜなら、我が方〔ローマ人〕の船団は嵐により<span style="color:#009900;">(航行を)</span>阻まれており、
*summaque erat
**<span style="color:#009900;">(航行することの困難さが)</span>非常に大きかった。
*vasto atque aperto mari,
**海は広大で開けており、
*magnis aestibus,
**<ruby><rb>潮流</rb><rp>(</rp><rt>アエトゥス</rt><rp>)</rp></ruby>が激しく、
*raris ac prope nullis portibus
**港は<ruby><rb>疎</rb><rp>(</rp><rt>まば</rt><rp>)</rp></ruby>らでほとんどないので、
*difficultas navigandi.
**航行することの困難さが<span style="color:#009900;">(非常に大きかった)</span>。
<!--
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===13節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/13節]] {{進捗|00%|2022-07-10}}</span>
'''ウェネティー族の帆船の特徴'''
<div style="background-color:#ededed; width:90%; text-align:center">
{|
|-
| colspan="2" |ウェネティー族の船の再現画(左下に兵士の大きさが示されている)
| rowspan="2" style="background-color:#fff;" |
| rowspan="2" style="vertical-align:bottom;" |[[画像:Navis longa ja.JPG|thumb|right|350px|古代ローマの軍船([[w:ガレー船|ガレー船]])の構成]]
|-
| style="vertical-align:bottom;" |[[画像:Navire venete.svg|thumb|right|200px|一つの帆をもつ帆船の例]]
| style="vertical-align:bottom;" |[[画像:Navire venete 2.svg|thumb|right|200px|二つの帆をもつ帆船の例]]
|}
</div>
*Namque ipsorum naves ad hunc modum factae armataeque erant:
**これに対して彼ら<span style="color:#009900;">〔[[w:ウェネティ族 (ガリア)|ウェネティー族]]〕</span>自身の[[w:帆船|船]]は、以下のやり方で建造され、<ruby><rb>[[w:艤装|艤装]]</rb><rp>(</rp><rt>ぎそう</rt><rp>)</rp></ruby>されていた。
; 竜骨
*[[wikt:en:carina#Latin|carinae]] [[wikt:en:aliquanto|aliquanto]] planiores quam nostrarum navium,
**<ruby><rb>[[w:竜骨 (船)|竜 骨]]</rb><rp>(</rp><rt>カリーナ</rt><rp>)</rp></ruby>は、我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ人〕</span>の船のものよりも、いくらか平らで、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[w:竜骨 (船)|竜骨]]は、船底に突き出た背骨部分で、[[w:帆船|帆船]]が風で横滑りしないように造られていた。)</span>
*quo facilius vada ac decessum aestus excipere possent;
**それによって、より容易に[[w:浅瀬|浅瀬]] や [[w:潮汐|潮]]が退くこと<span style="color:#009900;">〔干潮〕</span>を持ち応えることができた。
; 船首と船尾
*[[wikt:en:prora#Latin|prorae]] admodum erectae atque item [[wikt:en:puppis|puppes]],
**<ruby><rb>[[w:船首|船 首]]</rb><rp>(</rp><rt>プローラ</rt><rp>)</rp></ruby>はまったく直立しており、<ruby><rb>[[w:船尾|船 尾]]</rb><rp>(</rp><rt>プッピス</rt><rp>)</rp></ruby>も同様で、
*ad magnitudinem fluctuum tempestatumque adcommodatae;
**<ruby><rb>[[w:波#波浪(風浪とうねり)|波 浪]]</rb><rp>(</rp><rt>フルークトゥス</rt><rp>)</rp></ruby> や <ruby><rb>[[w:嵐|暴風雨]]</rb><rp>(</rp><rt>テンペスタース</rt><rp>)</rp></ruby> の激しさに適応していた。
; 船体の材質
*naves totae factae ex [[wikt:en:robur#Latin|robore]] ad quamvis vim et contumeliam perferendam;
**船は、どんな力や衝撃にも耐えるために、全体として[[w:オーク|オーク材]]で造られていた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:la:robur|robur]] は ''[[wikt:en:oak#English|oak]]'' と英訳され、[[w:樫#Japanese|樫]]と訳されることが多いが、<br> 「<ruby><rb>[[w:カシ|樫]]</rb><rp>(</rp><rt>カシ</rt><rp>)</rp></ruby>」は常緑樹であり、西洋では落葉樹である「<ruby><rb>[[w:ナラ|楢]]</rb><rp>(</rp><rt>ナラ</rt><rp>)</rp></ruby>」が多い。<br> 学名 [[w:la:Quercus robur|Quercus robur]] は「[[w:ヨーロッパナラ|ヨーロッパナラ]]」と訳される。)</span>
; 横梁
*[[wikt:en:transtrum#Latin|transtra]] ex pedalibus in altitudinem [[wikt:en:trabs#Latin|trabibus]], confixa [[wikt:en:clavus#Latin|clavis]] [[wikt:en:ferreus#Latin|ferreis]] digiti [[wikt:en:pollex#Latin|pollicis]] crassitudine;
**<ruby><rb>横梁(横木)</rb><rp>(</rp><rt>トラーンストルム</rt><rp>)</rp></ruby>は、1ペースの幅の<ruby><rb>材木</rb><rp>(</rp><rt>トラプス</rt><rp>)</rp></ruby>からなり、親指の太さほどの鉄製の[[w:釘|釘]]で固定されていた。
**:<span style="font-family:Times New Roman;color:#009900;">(訳注:1[[ガイウス・ユリウス・カエサルの著作/通貨・計量単位#ペース|ペース]]は約29.6cm。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:transtrum#Latin|transtra]] は、<ruby><rb>[[w:マスト|帆柱]]</rb><rp>(</rp><rt>マスト</rt><rp>)</rp></ruby>([[wikt:en:malus#Etymology_3_2|malus]])を船に固定するための<ruby><rb>横梁(横木)</rb><rp>(</rp><rt>クロスビーム</rt><rp>)</rp></ruby>とも考えられる。)</span>
; 錨(いかり)の索具
*[[wikt:en:ancora#Latin|ancorae]] pro [[wikt:en:funis#Latin|funibus]] ferreis catenis revinctae;
**<ruby><rb>[[w:錨|錨]]</rb><rp>(</rp><rt>アンコラ</rt><rp>)</rp></ruby>は、<ruby><rb>[[w:ロープ|縄 索]]</rb><rp>(</rp><rt>フーニス</rt><rp>)</rp></ruby>の代わりに鉄製の[[w:鎖|鎖]]でつながれていた。
<div style="background-color:#eee; width:600px; text-align:center">
{|
|-
| style="vertical-align:bottom;" |[[画像:Nemi 060 museo delle Navi.jpg|thumb|right|180px|[[w:la:Ancora|ancora]] ([[w:錨|錨]])(古代ローマ)]]
| style="vertical-align:bottom;" |[[画像:Cordage en chanvre.jpg|thumb|right|150px|[[w:la:Funis|funis]] (綱の[[w:ロープ|ロープ]])]]
| style="vertical-align:bottom;" |[[画像:Old chain.jpg|thumb|right|150px|[[w:la:Catena|catena]] ([[w:鎖|鎖]])]]
|}
</div>
<br>
; 帆の材質
*[[wikt:en:pellis#Latin|pelles]] pro [[wikt:en:velum#Latin|velis]] [[wikt:en:aluta#Latin|alutae]]que tenuiter confectae,
**<ruby><rb>[[w:帆布|帆 布]]</rb><rp>(</rp><rt>ウェールム</rt><rp>)</rp></ruby>の代わりに<ruby><rb>[[w:毛皮|毛皮]]</rb><rp>(</rp><rt>ペッリス</rt><rp>)</rp></ruby>や、薄く作製された<ruby><rb>なめし皮</rb><rp>(</rp><rt>アルータ</rt><rp>)</rp></ruby>が(用いられた)。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:pellis#Latin|pellis]] は<ruby><rb>鞣</rb><rp>(</rp><rt>なめ</rt><rp>)</rp></ruby>していない生皮、[[wikt:en:aluta#Latin|aluta]] は<ruby><rb>鞣</rb><rp>(</rp><rt>なめ</rt><rp>)</rp></ruby>した[[w:皮革|皮革]] [[wikt:en:corium#Latin|corium]] のこと。)</span>
<div style="background-color:#eee; width:600px; text-align:center">
{|
|-
| style="vertical-align:bottom;" |[[画像:Linen canvas.jpg|thumb|right|150px|<ruby><rb>[[w:リネン|亜麻布]]</rb><rp>(</rp><rt>リネン</rt><rp>)</rp></ruby>の[[w:帆布|帆布]] ]]
| style="vertical-align:bottom;" |[[画像:Kissen aus indischem Antilopenfell 2013.jpg|thumb|right|100px|[[w:la:Pellis|pellis]] ([[w:毛皮|毛皮]])]]
| style="vertical-align:bottom;" |[[画像:Natural Bridge State Park (30337351644).jpg|thumb|right|200px|aluta ([[w:en:Tanning (leather)|なめし皮]])]]
|}
</div>
*[hae] sive propter inopiam [[wikt:en:linum#Latin|lini]] atque eius usus inscientiam,
**[これは] あるいは、<ruby><rb>[[w:アマ (植物)|亜麻]]</rb><rp>(</rp><rt>リーヌム</rt><rp>)</rp></ruby>の不足ゆえや、その利用に無知であるゆえか、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ローマ人には、[[w:リネン|亜麻布 (リネン)]]で帆を作る慣習があった。)</span>
*sive eo, quod est magis [[wikt:en:verisimilis#Latin|veri simile]],
**あるいは、この方がより真実に近いのだろうが、
*quod tantas tempestates Oceani tantosque impetus ventorum sustineri
**<ruby><rb>[[w:オーケアノス|大洋]]〔[[w:大西洋|大西洋]]〕</rb><rp>(</rp><rt>オーケアヌス</rt><rp>)</rp></ruby>のあれほどの嵐や、風のあれほどの激しさに持ち応えること、
*ac tanta onera navium regi
**船のあれほどの重さを制御することは、
*[[wikt:en:velum#Latin|velis]] non satis commode posse arbitrabantur.
**<ruby><rb>帆 布</rb><rp>(</rp><rt>ウェールム</rt><rp>)</rp></ruby>にとって十分に具合良くできないと、<span style="color:#009900;">(ウェネティー族は)</span>考えていたためであろう。
<br><br>
; ウェネティー船団とローマ艦隊の優劣
*Cum his navibus nostrae classi eiusmodi congressus erat,
**彼ら<span style="color:#009900;">〔ウェネティー族〕</span>の船団と、我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ軍〕</span>の艦隊は、以下のように交戦していた。
*ut una celeritate et pulsu remorum praestaret,
**迅速さと<ruby><rb>[[w:櫂|櫂]](かい)</rb><rp>(</rp><rt>レームス</rt><rp>)</rp></ruby>を<ruby><rb>漕</rb><rp>(</rp><rt>こ</rt><rp>)</rp></ruby>ぐのだけは<span style="color:#009900;">(ローマ艦隊が)</span>よりまさっていたのだが、
*reliqua pro loci natura, pro vi tempestatum
**そのほかのことは、地勢や嵐の勢いを考慮すると、
*illis essent aptiora et adcommodatiora.
**彼ら<span style="color:#009900;">〔ウェネティー族〕</span>にとってより適しており、より好都合であった。
*Neque enim his nostrae rostro nocere poterant
**なぜなら、我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ艦隊〕</span>の<ruby><rb>[[w:衝角|衝 角]]</rb><rp>(</rp><rt>ローストルム</rt><rp>)</rp></ruby>によって彼ら<span style="color:#009900;">(の船)</span>に対して損壊することができず、
*── tanta in iis erat firmitudo ──,
**──それら<span style="color:#009900;">〔ウェネティー族の船〕</span>においては<span style="color:#009900;">(船体の)</span>それほどの頑丈さがあったのだが──
*neque propter altitudinem facile telum adigebatur,
**<span style="color:#009900;">(ウェネティー族の船体の)</span>高さのゆえに、飛道具がたやすく投げ込まれなかったし、
*et eadem de causa minus commode <u>[[wikt:en:copula#Latin|copulis]]</u> continebantur.
**同じ理由から、あまり都合よく <ruby><rb><u>[[w:鉤縄|鉤縄]]</u></rb><rp>(</rp><rt>かぎなわ</rt><rp>)</rp></ruby> で<span style="color:#009900;">(敵船が)</span>つなぎ止められなかった。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、古い写本では [[wikt:en:scopulus#Latin|scopulis]]「岩礁」だが、<br> 後代の写本で修正され「[[w:鉤縄|鉤縄]]」と解釈されている。下図参照。)</span>
<div style="background-color:#eee; width:350px; text-align:center">
{|
|-
| style="vertical-align:bottom;" |[[画像:Grappling hook 2 (PSF).png|thumb|right|410px|[[w:海戦|海戦]]において敵船に[[w:移乗攻撃|接舷]]するために用いられていた、多数の<ruby><rb>[[w:鉤|鉤]]</rb><rp>(</rp><rt>かぎ</rt><rp>)</rp></ruby>を備えた<ruby><rb>[[w:銛|銛]]</rb><rp>(</rp><rt>もり</rt><rp>)</rp></ruby>の一種(<small>英語 [[wikt:en:grappling hook|grappling hook]]</small>)。<hr>[[内乱記_第1巻#57節|『内乱記』第1巻57節]]、[[内乱記_第2巻#6節|第2巻6節]]においても、[[w:デキムス・ユニウス・ブルトゥス・アルビヌス|D.ブルートゥス]]による'''[[内乱記/マッシリアについて|マッシリア攻囲]]'''の海戦の場面で、同様の鉤について言及される。]]
|}
</div>
*Accedebat ut,
**さらに加えて、
*cum <span style="color:#009900;">[</span>saevire ventus coepisset et<span style="color:#009900;">]</span> se vento dedissent,
**<span style="color:#009900;">[</span>風が荒々しく吹き始めて<span style="color:#009900;">]</span> 風に身を委ねて<span style="color:#009900;">(航行して)</span>いたときに、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:β系写本では [ ] 部分を欠く。)</span>
*et tempestatem ferrent facilius
**<span style="color:#009900;">(ウェネティー族の船団は)</span>嵐により容易に耐えていたし、
*et in vadis consisterent tutius
**浅瀬により安全に停留して、
*et ab aestu relictae
**潮に取り残されても、
*nihil saxa et [[wikt:en:cautes#Latin|cautes]] timerent;
**岩石やごつごつした石を何ら恐れることがなかった。
*quarum rerum omnium nostris navibus casus erant extimescendi.
**それらのすべての事が、我が<span style="color:#009900;">〔ローマ人の〕</span>船団にとっては、恐怖すべき危険であったのだ。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ウェネティー族の船は[[w:竜骨 (船)|竜骨]]がローマ人の船より平たいため、<br> 浅瀬や引き潮を容易に持ち応えられた。本節の冒頭を参照。)</span>
<!--
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===14節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/14節]] {{進捗|00%|2022-07-17}}</span>
'''カエサル待望のブルートゥスの艦隊が来航し、ウェネティー族との海戦が始まる'''
*Compluribus expugnatis oppidis
**いくつもの<span style="color:#009900;">(ウェネティー族の)</span><ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>が攻略されると、
*Caesar <u>ubi intellexit</u> frustra tantum laborem sumi
**カエサルは、これほどの労苦が無駄に費やされること(を知り)、
*neque hostium fugam captis oppidis reprimi
**(すなわち)<ruby><rb>城塞都市</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>が占領されても、敵の逃亡が阻まれないし、
*neque iis noceri posse,
**彼ら<span style="color:#009900;">〔ウェネティー族〕</span>に損害が与えられることも不可能である<u>と知るや否や</u>、
*statuit exspectandam classem.
**[[w:ローマ海軍|艦隊]]<span style="color:#009900;">(の到着)</span>を待つことを決意した。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ローマの軍船がリゲル川〔[[w:ロワール川|ロワール川]]〕で建造されていることが[[#9節|9節]]で述べられた。)</span>
<br>
; ローマ艦隊が来航すると、約220隻のウェネティー船団が迎え撃とうとする
*Quae ubi convenit ac primum ab hostibus visa est,
**それ<span style="color:#009900;">〔ローマ艦隊〕</span>が集結して敵方により目撃されるや否や、
*circiter CCXX(ducentae viginti) naves eorum paratissimae
**約220隻の彼ら<span style="color:#009900;">〔ウェネティー族〕</span>の船団が準備万端を整え、
*atque omni genere armorum ornatissimae
**あらゆる種類の武器で完全武装された状態で
*ex portu profectae nostris adversae [[wikt:en:consisto#Latin|constiterunt]];
**港から出航して、我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ艦隊〕</span>と向かい合って停止した。
<div style="text-align:center">
{|
|-
|[[画像:Bataille Morbihan -56.png|thumb|right|600px|[[w:紀元前56年|BC56年]]に現在の[[w:モルビアン県|モルビアン県]]沿いの[[w:キブロン湾|キブロン湾]]で戦われたと考えられている、[[w:ウェネティ族 (ガリア)|ウェネティー族]]と[[w:デキムス・ユニウス・ブルトゥス・アルビヌス|D. ブルートゥス]]率いる艦隊との海戦、いわゆる「[[w:モルビアン湾の海戦|モルビアン湾の海戦]]」の海戦図。<hr>上図の説では、<span style="color:green;">ウェネティー族の帆船(緑色/約220隻)</span>と<span style="color:red;">ブルートゥス率いるローマのガレー船(赤色/約100隻)</span>が[[w:キブロン湾|キブロン湾]]で対峙し、<span style="color:red;">カエサルと1個軍団(赤色)</span>が沿岸を占領している。]]
|}
</div>
*neque satis [[wikt:en:Brutus#Latin|Bruto]], qui classi praeerat,
**艦隊を統率していた[[w:デキムス・ユニウス・ブルトゥス・アルビヌス|ブルートゥス]]には十分(明らか)ではなかった。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:デキムス・ブルートゥス [[w:la:Decimus Iunius Brutus Albinus|Decimus Brutus]] に艦隊を指揮させることが[[#11節|11節]]で述べられた。)</span>
*vel tribunis militum centurionibusque, quibus singulae naves erant attributae,
**あるいは、個々の船が割り当てられていた <ruby><rb>[[w:トリブヌス・ミリトゥム|兵士長官]]</rb><rp>(</rp><rt>トリブヌス・ミリトゥム</rt><rp>)</rp></ruby> や <ruby><rb>[[w:ケントゥリオ|百人隊長]]</rb><rp>(</rp><rt>ケントゥリオー</rt><rp>)</rp></ruby> にとってさえも、
*constabat quid agerent aut quam rationem pugnae insisterent.
**何をすべきなのか、どのような戦法に取り掛かるべきなのか、明らかではなかった。
*[[wikt:en:rostrum#Latin|Rostro]] enim noceri non posse cognoverant;
**なぜなら、<ruby><rb>[[w:衝角|衝 角]]</rb><rp>(</rp><rt>ローストルム</rt><rp>)</rp></ruby>にとって<span style="color:#009900;">(敵船に)</span>損害を与えることができないことを知っていたからだ。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#13節|前節]]で、ウェネティー族の船体が頑丈であるため、と述べられた。)</span>
*turribus autem excitatis tamen has altitudo [[wikt:en:puppis#Latin|puppium]] ex barbaris navibus superabat,
**他方で、[[w:櫓|櫓]]が築かれたにもかかわらず、蛮族の船の <ruby><rb>[[w:船尾|船尾]]</rb><rp>(</rp><rt>プッピス</rt><rp>)</rp></ruby> の高さがそれら(の高さ)を上回っていた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ローマの軍船の甲板上には、投槍などの飛道具を投げるために櫓が設けられていた。)</span>
*ut neque ex inferiore loco satis commode [[wikt:en:telum#Latin|tela]] adigi possent
**その結果、より低い場所から十分に具合良く<span style="color:#009900;">(敵船に)</span><ruby><rb>[[w:飛び道具|飛道具]]</rb><rp>(</rp><rt>テールム</rt><rp>)</rp></ruby>が投げ込まれることは不可能で、
*et missa a Gallis gravius acciderent.
**ガッリア人により放られたものがより激しく降ってきていた。
<br>
; ローマ艦隊の切り札
*Una erat magno usui res praeparata a nostris,
**ただ一つの大いに役立つ物が、我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ艦隊〕</span>によって準備されていた。
*[[wikt:en:falx#Latin|falces]] praeacutae insertae adfixaeque [[wikt:en:longurius#Latin|longuriis]],
**<span style="color:#009900;">(それは)</span>先の尖った[[w:鎌|鎌]]が <ruby><rb>長い竿</rb><rp>(</rp><rt>ロングリウス</rt><rp>)</rp></ruby> に挿入されて固定されたもので、
*non absimili forma muralium falcium.
**<ruby><rb><span style="color:#009900;">(攻城用の)</span>破城の鎌</rb><rp>(</rp><rt>ファルクス・ムーラーリス</rt><rp>)</rp></ruby> に形が似ていなくもない。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:「破城の鎌」'''[[古代ローマの攻城兵器#falx_muralis_(siege_hook)|falx muralis]]''' に似たもので、'''[[ガイウス・ユリウス・カエサルの著作/古代ローマの攻城兵器#falx_navalis|falx navalis]]''' とも呼ばれている。)</span>
<div style="text-align:center">
{|
|-
|[[画像:Caesar's Gallic war; (Allen and Greenough's ed.) (1898) (14778300381)(cropped).jpg|thumb|right|300px|破城鎌の復元画の例]]
|[[画像:Ulysse bateau.jpg|thumb|right|320px|帆柱・帆桁や帆・綱具などが描かれたローマ時代の[[w:モザイク|モザイク画]]<ref>[[w:en:Roman mosaic]]</ref>《[[w:オデュッセウス|オデュッセウス]]と[[w:セイレーン|セイレーン]]》<br>([[w:チュニス|チュニス]]の[[w:バルド国立博物館|バルド国立博物館]])]]
|}
</div>
*His cum [[wikt:en:funis#Latin|funes]] qui [[wikt:en:antemna#Latin|antemnas]] ad [[wikt:en:malus#Etymology_3_2|malos]] destinabant, comprehensi adductique erant,
**これによって、<ruby><rb>帆 桁</rb><rp>(</rp><rt>アンテムナ</rt><rp>)</rp></ruby> を <ruby><rb>[[w:マスト|帆 柱]]</rb><rp>(</rp><rt>マールス</rt><rp>)</rp></ruby> に縛り付けていた <ruby><rb>綱具</rb><rp>(</rp><rt>フーニス</rt><rp>)</rp></ruby> が捕捉されて引っ張られた状態で、
*navigio remis incitato praerumpebantur.
**<ruby><rb>艦艇</rb><rp>(</rp><rt>ナーウィギウム</rt><rp>)</rp></ruby>が[[w:櫂|櫂]]によってすばやく推進されると、<span style="color:#009900;">(綱具が)</span>引き裂かれていた。
*Quibus abscisis antemnae necessario concidebant,
**それら<span style="color:#009900;">〔綱具〕</span>が切断されると、<ruby><rb>帆 桁</rb><rp>(</rp><rt>アンテムナ</rt><rp>)</rp></ruby> は必然的に倒れてしまっていた。
*ut, cum omnis Gallicis navibus spes in velis armamentisque consisteret,
**その結果、ガッリア人の船団にとって、すべての期待は帆と索具に依拠していたので、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:armamentum#Latin|armamentum]] (英 ''[[wikt:en:rigging#English|rigging]]'')⇒「索具」:[[w:帆|帆]]と[[w:マスト|帆柱]]を支える綱や器具など。)</span>
*his ereptis omnis usus navium uno tempore eriperetur.
**これらが引き裂かれると、船のすべての運用能力も<ruby><rb>一時</rb><rp>(</rp><rt>いちどき</rt><rp>)</rp></ruby>に奪い取られていた。
*Reliquum erat certamen positum in virtute,
**残りの争闘は、武勇いかんに<ruby><rb>懸</rb><rp>(</rp><rt>か</rt><rp>)</rp></ruby>かっており、
*qua nostri milites facile superabant,
**その点では我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ勢〕</span>の兵士たちが容易に上回っていた。
<br>
; 沿岸はカエサルとローマ軍によって占領されていた
*atque <u>eo magis, quod</u> in conspectu Caesaris atque omnis exercitus res gerebatur,
**海戦がカエサルと全陸軍の眼前において遂行されていた<u>ので、それだけますます</u>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:classis#Latin|classis]] が艦隊(海軍)を指すのに対して、[[wikt:en:exercitus#Noun|exercitus]] は重装歩兵を主体とする陸軍部隊を指す。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:eo magis quod|eo magis quod]] ~ 「~なので、その分だけ、より一層」。[[ガリア戦記 第7巻#25節|第7巻25節]]も参照。)</span>
*ut nullum paulo fortius factum latere posset;
**(普通より)より少し勇敢ならどんな行動も知らずにはおかないほどであった。
*omnes enim colles ac loca superiora, unde erat propinquus despectus in mare, ab exercitu tenebantur.
**なぜなら、そこから海への眺望が近いところのすべての丘や高地は、<span style="color:#009900;">(ローマ人の)</span>軍隊によって占領されていたのである。
<!--
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===15節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/15節]] {{進捗|00%|2022-07-28}}</span>
'''接舷戦でローマ艦隊がウェネティー船団を圧倒し、わずかな船だけが逃げ帰る'''
*Deiectis, ut diximus, antemnis,
**上述したように<span style="color:#009900;">(ウェネティー族の船の)</span><ruby><rb>帆 桁</rb><rp>(</rp><rt>アンテムナ</rt><rp>)</rp></ruby>が奪い取られると、
*cum singulas binae ac ternae naves circumsteterant,
**<span style="color:#009900;">(ウェネティー族の)</span>船1隻ずつを<span style="color:#009900;">(ローマの)</span>2隻ずつや3隻ずつが取り囲んでいたときに、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ローマの[[w:ガレー船|ガレー船]]は、多数の漕ぎ手を乗せるため、兵士を大勢乗せることができなかった。<br> それゆえ、[[w:移乗攻撃|接舷戦]]では、敵の1隻に対して多くの船を当てる必要があったのであろう。)</span>
*milites summa vi transcendere in hostium naves contendebant.
**<span style="color:#009900;">(ローマの)</span>兵士たちはあらん限りの力で敵の船団に乗り移ることに努めていた。
*Quod postquam barbari fieri animadverterunt,
**そのことが行なわれていることに蛮族たちが気付いた後で、
*expugnatis compluribus navibus,
**かなり多くの<span style="color:#009900;">(ウェネティー族の)</span>船が<ruby><rb>[[w:拿捕|拿捕]]</rb><rp>(</rp><rt>だほ</rt><rp>)</rp></ruby>されて、
*cum ei rei nullum reperiretur auxilium,
**その戦況に対して何ら救援が見出されなかったので、
*fuga salutem petere contenderunt.
**逃亡に身の安全を求めることに努めた。
*Ac iam conversis in eam partem navibus quo ventus ferebat,
**すでに風が運んでいた方角へ船団の向きが変えられていたが、
*tanta subito malacia ac tranquillitas exstitit,
**突如としてあれほどの<ruby><rb>[[w:凪|凪]]</rb><rp>(</rp><rt>なぎ</rt><rp>)</rp></ruby>や静けさが生じたので、
*ut se ex loco movere non possent.
**<span style="color:#009900;">(ウェネティー族の船団が)</span>その場所から動くことができないほどであった。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:この[[w:ビスケー湾|ビスケー湾]]海域は、風や潮の勢いが強いため、<br> ウェネティー族は漕ぎ手を使わない帆船を用いていたのだろう。<br> 風力のみに頼る帆船は、無風時には進むことができない。)</span>
*Quae quidem res ad negotium conficiendum maximae fuit oportunitati:
**このような事態はまさに<span style="color:#009900;">(ローマ艦隊が)</span>軍務を遂行するために最大の機会であった。
*nam singulas nostri consectati expugnaverunt,
**実際、<span style="color:#009900;">(ウェネティー族の船)</span>1隻ずつを我が方<span style="color:#009900;">(ローマ艦隊)</span>が追跡して攻略したので、
*ut perpaucae ex omni numero noctis interventu ad terram pervenirent,
**その結果<span style="color:#009900;">(ウェネティー族の船の)</span>総数のうちごく少数が、夜のとばりに包まれて、陸地に達しただけであった。
*cum ab hora fere IIII.(quarta) usque ad solis occasum pugnaretur.
**<span style="color:#009900;">(海戦が)</span>ほぼ第四時から日が没するまで戦われていたけれども。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:第四時は、[[古代ローマの不定時法#昼間の時間|古代ローマの不定時法]]で日の出から3~4時間後。<br> フランスの6月頃なら、日の出が午前6時頃で、第四時は午前10時近くと思われる。<br> 6月頃なら、日の入は午後10時近くとかなり遅い。)</span>
<!--
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===16節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/16節]] {{進捗|00%|2022-08-19}}</span>
'''ウェネティー族らがカエサルに降伏するが、・・・'''
*Quo proelio bellum [[wikt:en:Veneti#Latin|Venetorum]] totiusque orae maritimae confectum est.
**以上の戦闘で、[[w:ウェネティ族 (ガリア)|ウェネティー族]]およびすべての沿海部との戦争が完遂された。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:正確には、[[#17節|次節]]以降でウネッリー族ら残りの沿海部族との戦いが述べられるので「すべて」ではない。)</span>
*Nam <u>cum</u> omnis iuventus, omnes etiam gravioris aetatis,
**なぜなら、すべての青年はもとより、すべての年長の者たちさえも、
*in quibus aliquid consilii aut dignitatis fuit eo convenerant,
**何らかの思慮分別のある者、あるいは地位のある者たちは、そこ<span style="color:#009900;">(戦場)</span>へ集結していたから。
*<u>tum</u> navium quod ubique fuerat in unum locum coegerant;
**<u>そればかりか</u>、至る所にあった船を<u>もまた</u>一つの場所に集めておいたからだ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:cum#Usage_notes_2|cum]] ~ [[wikt:en:tum#Latin|tum]] 「~のみならず、・・・もまた」<ref>[https://www.latin-is-simple.com/en/vocabulary/other/2643/ cum … tum - Latin is Simple Online Dictionary] 等を参照。</ref>)</span>
*quibus amissis reliqui
**それらを喪失すると、生き残った者たちは、
*neque quo se reciperent
**どこへ退却するべきなのかも、
*neque [[wikt:en:quemadmodum#Latin|quem ad modum]] oppida defenderent habebant.
**どのような方法で<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>を防衛するべきなのかも、わからなかった。
<br>
; ウェネティー族らが降伏する
*Itaque se suaque omnia Caesari dediderunt.
**こうして、<span style="color:#009900;">(ウェネティー族らは)</span>自らとその一切合財をカエサルに委ねた<span style="color:#009900;">〔降伏した〕</span>。
*In quos eo gravius Caesar vindicandum statuit
**カエサルは、これらの者たちはより厳重に処罰されるべきである、と決定した。
*quo diligentius in reliquum tempus a barbaris ius legatorum conservaretur.
**そのことにより、今後、蛮族によって<span style="color:#009900;">(ローマの)</span>使節たちの権利がいっそう保たれるように。
*Itaque omni senatu necato
**こうして、評議会の全員が誅殺されると、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:部族国家の合議制統治機関もローマの元老院に倣って [[wikt:en:senatus#Latin|senātus]] と呼ばれるが、ここでは「評議会」と訳す。[[ガリア戦記_第2巻#5節|第2巻5節]]・[[ガリア戦記_第2巻#28節|28節]]を参照。)</span>
*reliquos sub corona vendidit.
**残りの者たちに葉冠をかぶせて<span style="color:#009900;">〔奴隷として競売で〕</span>売却した。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:sub corona vendere 「葉冠のもとに売る=奴隷として競売で売る」)</span>
<div style="text-align:center">
{|
|-
|[[画像:Jean-Léon Gérôme - Vente d'esclaves à Rome, 1884 (Detail).jpg|thumb|right|300px|葉冠を頭にかぶせられ、ローマの[[w:奴隷貿易|奴隷市場]]で競売に懸けられる女性奴隷。<hr>フランスの画家[[w:ジャン=レオン・ジェローム|ジャン=レオン・ジェローム]]が1884年に描いた歴史画「ローマの奴隷売却」(''[[w:fr:Vente d'esclaves à Rome|Vente d'esclaves à Rome]]'')の一部分。]]
|}
</div>
<!--
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
==大西洋岸ウネッリー族の造反==
===17節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/17節]] {{進捗|00%|2022-08-24}}</span>
'''ウィリドウィークス率いるウネッリー族らの背反。対するサビーヌスの作戦'''
*Dum haec in Venetis geruntur,
**以上のことが[[w:ウェネティ族 (ガリア)|ウェネティー族]](の領国)で行なわれている間に、
*[[wikt:en:Quintus#Latin|Quintus]] [[wikt:en:Titurius#Latin|Titurius]] [[wikt:en:Sabinus#Latin|Sabinus]] cum iis copiis, quas a Caesare acceperat
**[[w:クィントゥス・ティトゥリウス・サビヌス|クィーントゥス・ティトゥーリウス・サビーヌス]]は、カエサルから受け取っていた軍勢とともに
*in fines Unellorum(Venellorum) pervenit.
**ウネッリー族の領土に到着した。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ウネッリー族 ''[[wikt:en:Unelli#Latin|Unelli]]'' または ウェネッリー族 ''[[w:en:Venelli|Venelli]] というが、<br> 後者がガリア語に近いようだ。)</span>
*His praeerat Viridovix
**彼ら<span style="color:#009900;">〔ウネッリー族〕</span>を統率していたのはウィリドウィークスで、
*ac summam imperii tenebat earum omnium civitatum, quae defecerant,
**<span style="color:#009900;">(ローマの支配に)</span>背いていた全部族の最高司令権を保持していた。
*ex quibus exercitum [magnasque copias] coegerat;
**<span style="color:#009900;">(ウィリドウィークスは)</span>これら<span style="color:#009900;">(の部族国家)</span>から大軍勢を駆り集めていた。
<div style="text-align:center">
{|
|-
|[[画像:Campagne Unelles -56.png|thumb|right|300px|ウネッリー族・レクソウィイー族への遠征経路。]]
|[[画像:Map of Aremorican tribes (Latin).svg|thumb|right|400px|[[w:アルモリカ|アルモリカ]](<span style="font-family:Times New Roman;font-size:13pt;">''[[w:en:Armorica|Armorica]]''</span> )の部族分布図(再掲)。]]
|}
</div>
; アウレルキー=エブロウィーケース族とレクソウィイー族の籠城
*atque his paucis diebus [[wikt:en:Aulerci#Latin|Aulerci]] [[wikt:fr:Eburovices|Eburovices]] [[wikt:en:Lexovii#Latin|Lexovii]]que,
**それからこの数日内に、アウレルキー=エブロウィーケース族とレクソウィイー族は、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:アウレルキー族 ''[[w:en:Aulerci|Aulerci]]'' はいくつもの支族から成り、<br> エブロウィーケース族 ''[[w:en:Eburovices|Eburovices]]'' は四つの主要な支族の一つ。)</span>
*senatu suo interfecto, quod auctores belli esse nolebant,
**自分たちの評議会(の議員たち)を、戦争の首謀者になることを欲していなかったという理由で、殺害し、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:部族国家の合議制統治機関もローマの元老院に倣って [[wikt:en:senatus#Latin|senātus]] と呼ばれるが、ここでは「評議会」と訳す。[[ガリア戦記_第2巻#5節|第2巻5節]]・[[ガリア戦記_第2巻#28節|28節]]、[[#16節|16節]]を参照。)</span>
*portas clauserunt
**<span style="color:#009900;">(ローマ人の襲来に備えて)</span>城門を閉じて、
*seseque cum Viridovice coniunxerunt;
**<span style="color:#009900;">(ウネッリー族の)</span>ウィリドウィークスと結託していた。
*magnaque praeterea multitudo undique ex Gallia [[wikt:en:perditor#Latin|perditorum]] hominum latronumque convenerat,
**そのうえに、ガッリアの至る所から大勢の無頼漢や略奪者が集まって来ていた。
*quos spes praedandi studiumque bellandi ab agri cultura et cotidiano labore revocabat.
**これらの者たちを、略奪への期待と戦争への熱望が、農耕や毎日の労働から呼び戻していたのだ。
<br>
; サビーヌスが、陣営を設置して、勝機の到来を待つ
*Sabinus idoneo omnibus rebus loco castris se tenebat,
**サビーヌスは、陣営にとってあらゆる点で適切な場所を占拠していた。
*cum Viridovix contra eum duorum milium spatio consedisset
**ウィリドウィークスは、彼に対抗して2[[w:ローママイル|ローママイル]]の間隔で陣取っていたが、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:1[[ガイウス・ユリウス・カエサルの著作/通貨・計量単位#ミーッレ・パッスーム、ミーリア(ローママイル)|ローママイル]]は約1.48 kmで、2マイルは約3 km)</span>
*cotidieque productis copiis pugnandi potestatem faceret,
**毎日、軍勢を繰り出して、闘う機会を作っていた。
*ut iam non solum hostibus in contemptionem Sabinus veniret,
**その結果もはや、サビーヌスは敵方によって軽蔑されるに至ったのみならず、
*sed etiam nostrorum militum vocibus [[wikt:en:nonnihil#Latin|non nihil]] carperetur;
**我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ勢〕</span>の兵士の少なからぬ者によってさえも、声に出して非難されていたほどであった。
*tantamque opinionem timoris praebuit,
**これほどの<ruby><rb>怖気</rb><rp>(</rp><rt>おじけ</rt><rp>)</rp></ruby>の評判を呈したので、
*ut iam ad vallum castrorum hostes accedere auderent.
**その結果ついには、陣営の堡塁の辺りにまで敵方が敢えて近寄って来るほどであった。
*Id ea de causa faciebat
**<span style="color:#009900;">(サビーヌスが)</span>以上のことをしていたのは、以下の理由による。
*quod cum tanta multitudine hostium,
**これほどの多勢の敵と、
*praesertim eo absente qui summam imperii teneret,
**とりわけ<span style="color:#009900;">(ローマ勢の)</span>最高司令権を保持していた者<span style="color:#009900;">〔カエサル〕</span>が不在のままで、
*nisi aequo loco aut opportunitate aliqua data
**対等な場所、あるいは何らかの好機が与えられない限り、
*legato dimicandum non existimabat.
**<span style="color:#009900;">(最高司令官ならぬ)</span><ruby><rb>[[w:レガトゥス|副 官]]</rb><rp>(</rp><rt>レガートゥス</rt><rp>)</rp></ruby>にとって戦うべきではない、と判断していたのである。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===18節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/18節]] {{進捗|00%|2022-09-04}}</span>
'''サビーヌスの計略'''
*Hac confirmata opinione timoris
**このような<span style="color:#009900;">(サビーヌスについての)</span><ruby><rb>怖気</rb><rp>(</rp><rt>おじけ</rt><rp>)</rp></ruby>の評判が確かめられると、
*idoneum quendam hominem et callidum delegit Gallum,
**<span style="color:#009900;">(サビーヌスは)</span>適任かつ明敏なガッリア人のとある男を選び出す。
*ex iis quos auxilii causa [[wikt:en:secum#Latin|secum]] habebat.
**支援のために保持していた者たちの内から。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ローマは、同盟部族に騎兵・軽装歩兵・弓兵・投石兵などから成る<br> [[w:アウクシリア|支援部隊]] ''[[w:en:Auxilia|Auxilia]]'' を供出させていた。)</span>
*Huic magnis praemiis pollicitationibusque persuadet uti ad hostes transeat,
**この者に、多大な報酬を約束して、敵方に渡るように説得し、
*et quid fieri velit edocet.
**<span style="color:#009900;">(サビーヌスが)</span>何がなされんと欲しているのか、説き教える。
<br>
<br>
*Qui ubi pro [[wikt:en:perfuga#Latin|perfuga]] ad eos venit,
**その者は、脱走兵として彼ら<span style="color:#009900;">(ウネッリー族)</span>のところへ来るや否や、
*timorem Romanorum proponit,
**ローマ人の<ruby><rb>怖気</rb><rp>(</rp><rt>おじけ</rt><rp>)</rp></ruby>を知らせて、
*quibus angustiis ipse Caesar a Venetis prematur docet,
**いかなる窮状によって、カエサル自身が[[w:ウェネティ族 (ガリア)|ウェネティー族]]により苦戦させられているかを教える。
*neque longius abesse, quin proxima nocte
**遅くとも次の晩には、
*[[wikt:en:Sabinus#Latin|Sabinus]] clam ex castris exercitum educat
**サビーヌスはひそかに陣営から軍隊を導き出して、
*et ad Caesarem auxilii ferendi causa proficiscatur.
**カエサルのもとへ支援をもたらすために出発するであろう、と。
<br>
<br>
*Quod ubi auditum est, conclamant
**そのことが聞かれるや否や、<span style="color:#009900;">(ウネッリー族らは)</span>声を上げる。
*omnes occasionem negotii bene gerendi amittendam non esse:
**事態をうまくやり遂げるためのあらゆる機会を失うべきではない、
*ad castra iri oportere.
**<span style="color:#009900;">(ローマ人の)</span>陣営のもとへ行かねばならぬ、と。
*Multae res ad hoc consilium Gallos hortabantur:
**<span style="color:#009900;">(以下の)</span>多くの事情が、この作戦計画へとガッリア人たちを駆り立てていた。
*superiorum dierum Sabini cunctatio,
**先日来のサビーヌスのためらい、
*perfugae confirmatio,
**脱走兵の確言、
*inopia [[wikt:en:cibaria#Latin|cibariorum]], cui rei parum diligenter ab iis erat provisum,
**彼ら<span style="color:#009900;">〔ガッリア人〕</span>によって、その供給が注意深く充分に準備されていなかった糧食の欠乏、
*spes Venetici belli,
**[[w:ウェネティ族 (ガリア)|ウェネティー族]]の戦争への希望、
*et quod <u>fere libenter homines id quod volunt credunt</u>.
**および、<u>人間はたいてい(自らが)欲することを喜んで信ずるものである</u>こと、である。
**:<div style="background-color:#ffe; color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:この <span style="font-size:13pt;">" [[w:it:Homines id quod volunt credunt|(fere libenter) homines id quod volunt credunt]] "</span> は、<br> 『ガリア戦記』で最も良く知られた文句のひとつ。<br> 格言として ''[[w:en:List_of_Latin_phrases_(F)|People's beliefs are shaped largely by their desires.]]''<br> 「人々の信念は、彼ら自身の欲望によって大きく形作られる」などと解釈される。)</div>
<br>
*His rebus adducti
**これらの事態に促されて、
*<u>non prius</u> Viridovicem reliquosque duces ex concilio dimittunt,
**<span style="color:#009900;">(ウネッリー族の者らは)</span>ウィリドウィークスや他の指導者を会議から解散させなかった。
*<u>quam</u> ab his sit concessum arma uti capiant et ad castra contendant.
**彼ら<span style="color:#009900;">〔指導者たち〕</span>によって、武器を取って<span style="color:#009900;">(ローマ)</span>陣営へ急行するように承認されるまでは。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:non#Latin|nōn]] [[wikt:en:prius#Latin|prius]] ~ [[wikt:en:quam#Latin|quam]] ・・・ 「・・・までは~ない」)</span>
*Qua re concessa laeti, ut explorata victoria,
**この事が承認されると、まるで勝利が確実にされたかのように喜んで、
*sarmentis virgultisque collectis, quibus fossas Romanorum compleant,
**小枝や薮を集めて、それらでもってローマ人の塹壕を埋めるべく、
*ad castra pergunt.
**<span style="color:#009900;">(ローマの)</span>陣営のもとへ前進する。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===19節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/19節]] {{進捗|00%|2022-09-07}}</span>
'''ウネッリー族らとの決戦'''
*Locus erat castrorum editus et paulatim ab imo acclivis circiter passus mille.
**ローマ陣営の位置は高く、最も下(麓)から緩やかな上り坂で約1000[[w:パッスス|パッスス]](約1.5km)のところにあった。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:1000[[ガイウス・ユリウス・カエサルの著作/通貨・計量単位#パッスス|パッスス]]は1[[ガイウス・ユリウス・カエサルの著作/通貨・計量単位#ミーッレ・パッスーム、ミーリア(ローママイル)|マイル]]だから、約1.48 km)</span>
*Huc magno cursu contenderunt,
**<span style="color:#009900;">(ウネッリー勢は)</span>ここへ、大いに駆けて急いで、
*ut quam minimum spatii ad se colligendos armandosque Romanis daretur,
**ローマ人にとって集結して武装するための時間ができるだけ与えられないようにして、
*exanimatique pervenerunt.
**息を切らして到着した。
<br>
; サビーヌスが、坂の上の陣営から軍勢を繰り出す
*[[wikt:en:Sabinus#Latin|Sabinus]] suos hortatus cupientibus signum dat.
**[[w:クィントゥス・ティトゥリウス・サビヌス|サビーヌス]]は、自分の部下たちを励まして、はやる者たちに号令を出す。
*Impeditis hostibus propter ea quae ferebant onera,
**敵方が、彼らが担いでいた重荷のために妨げられていたので、
*subito duabus portis eruptionem fieri iubet.
**<span style="color:#009900;">(サビーヌスは)</span>突然に<span style="color:#009900;">(左右の)</span>二つの門から出撃がなされることを命じる。
<br>
; ローマ勢がウネッリー族らを一蹴して、敗走するところを虐殺する
*Factum est
**<span style="color:#009900;">(ut以下のことが)</span>なされた。
*opportunitate loci,
**地の利の好都合により、
*hostium inscientia ac defatigatione,
**敵方の<span style="color:#009900;">(武具や戦術の)</span>不案内や疲労により、
*virtute militum
**兵士たちの武勇により、
*et superiorum pugnarum exercitatione,
**および先頃の戦いの熟練によって、
*ut ne primum quidem nostrorum impetum ferrent
**我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ勢〕</span>の最初の突撃さえも持ちこたえることなく、
*ac statim terga verterent.
**<span style="color:#009900;">(ウネッリー勢は)</span>すぐさま背を向けた<span style="color:#009900;">〔敗走した〕</span>。
*Quos impeditos
**これらの難渋している者たちを、
*integris viribus milites nostri consecuti
**健全な力で我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ勢〕</span>の兵士たちが追跡して、
*magnum numerum eorum occiderunt;
**彼ら<span style="color:#009900;">〔ウネッリー族ら〕</span>の大多数を<ruby><rb>斃</rb><rp>(</rp><rt>たお</rt><rp>)</rp></ruby>した。
*reliquos equites consectati paucos, qui ex fuga evaserant, reliquerunt.
**残りの者たちを<span style="color:#009900;">(ローマ側の)</span>騎兵が追跡したが、逃亡によって逃れたので、見逃した。
*Sic uno tempore et de navali pugna Sabinus et de Sabini victoria Caesar est certior factus,
**このようにして一度に、海戦についてサビーヌスが、サビーヌスの勝利についてカエサルが、報告を受けて、
*civitatesque omnes se statim [[wikt:en:Titurius#Latin|Titurio]] dediderunt.
**<span style="color:#009900;">(造反していた)</span>全部族がすぐにティトゥーリウス<span style="color:#009900;">(・サビーヌス)</span>に降伏した。
*Nam ut ad bella suscipienda Gallorum alacer ac promptus est animus,
**こうなったのは、ガッリア人は戦争を実行することについては性急で、心は敏捷であるが、
*sic mollis ac minime resistens ad calamitates ferendas mens eorum est.
**と同様に柔弱で、災難に耐えるには彼らの心はあまり抵抗しないためである。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
==クラッススのアクィーターニア遠征==
===20節===
[[画像:Campagne Aquitains -56.png|thumb|right|200px|クラッススのアウィーターニア遠征の経路。]]
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/20節]] {{進捗|00%|2022-09-07}}</span>
'''クラッススのアクィーターニア遠征、ソティアーテース族'''
*Eodem fere tempore [[wikt:en:Publius#Latin|Publius]] [[wikt:en:Crassus#Latin|Crassus]], cum in [[wikt:en:Aquitania#Latin|Aquitaniam]] pervenisset,
**ほぼ同じ時期に[[w:プブリウス・リキニウス・クラッスス|プーブリウス・クラッスス]]がアクィーターニアに到達していたときに、
*quae pars, ut ante dictum est, et regionum latitudine et multitudine hominum
**この地方は、<U>前述されたように</u>、領域の広さと人間の多さの点で
*ex tertia parte Galliae est aestimanda,
**[[w:ガリア|ガッリア]]の第三の地方であると考えられるべきであるが、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:<u>前述されたように</u> とは<br> [[ガリア戦記_第1巻#1節|第1巻1節]]の冒頭部および「[[ガリア戦記_第1巻#ガッリアの地理区分について|ガッリアの地理区分について]]」のくだりであるが、<br> 少なくとも冒頭部では第二の部分として言及されている。)</span>
*cum intellegeret in illis locis sibi bellum gerendum,
**<span style="color:#009900;">(クラッススは)</span>かの場所で自らにとって戦争がなされるべきであると考えていたので、
*ubi paucis ante annis [[wikt:en:Lucius#Latin|Lucius]] [[wikt:en:Valerius#Latin|Valerius]] Praeconinus legatus exercitu pulso interfectus esset
**そこでほんの数年前に<ruby><rb>[[w:レガトゥス|総督副官]]</rb><rp>(</rp><rt>レーガートゥス</rt><rp>)</rp></ruby>ルーキウス・ウァレリウス・プラエコーニーヌスが軍隊を撃退されて殺害されており、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:プラエコーニーヌス<ref>[https://lsj.gr/wiki/Praeconinus Praeconinus - Ancient Greek (LSJ)]</ref>とその敗北についてはカエサルが伝えているだけであり、詳細は不明である。)</span>
*atque unde [[wikt:en:Lucius#Latin|Lucius]] [[wikt:en:Manlius#Latin|Manlius]] proconsul impedimentis amissis profugisset,
**かつここから<ruby><rb>[[w:プロコンスル|執政官代理]]</rb><rp>(</rp><rt>プローコーンスル</rt><rp>)</rp></ruby>ルーキウス・マーンリウスが輜重を失って敗走しており、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:この人物は、BC79年に<ruby><rb>[[w:プラエトル|法務官]]</rb><rp>(</rp><rt>プラエトル</rt><rp>)</rp></ruby>、BC78年に[[w:ガリア・ナルボネンシス|ガッリア・トラーンサルピーナ]]を統治する[[w:プロコンスル|執政官代理]]となり、<br> [[w:クィントゥス・セルトリウス|セルトーリウス]]の副官ヒルトゥレイウス ''[[w:en:Lucius Hirtuleius|Lucius Hirtuleius]]'' に敗れたと考えられている。)</span>
*non mediocrem sibi diligentiam adhibendam intellegebat.
**己にとって尋常ならざる注意深さが適用されるべきだと考えていたのだ。
<br><br>
*Itaque re frumentaria provisa,
**こうして、糧食補給が準備され、
*auxiliis equitatuque comparato,
**<ruby><rb>[[w:アウクシリア|支援軍]]</rb><rp>(</rp><rt>アウクシリア</rt><rp>)</rp></ruby>や[[w:騎兵|騎兵隊]]が整備され、
*multis praeterea viris fortibus [[wikt:en:Tolosa#Latin|Tolosa]] et [[wikt:en:Carcaso#Latin|Carcasone]] et [[wikt:en:Narbo#Latin|Narbone]],
**そのうえ多くの屈強な男たちが、トローサやカルカソーやナルボーから
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[w:la:Tolosa|Tolosa]] は現在の[[w:トゥールーズ|トゥールーズ]]、[[w:la:Carcaso|Carcaso]] は[[w:カルカソンヌ|カルカソンヌ]]、[[w:la:Narbo|Narbo]] は[[w:ナルボンヌ|ナルボンヌ]]。)</span>
*── quae sunt civitates Galliae provinciae finitimae, ex his regionibus ──
**──それらは、この地域に隣接する<span style="color:#009900;">(ローマの)</span>ガッリア属州の都市であるが、──
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ガッリア属州とは、現在の南仏に当たる[[w:ガリア・ナルボネンシス|ガッリア・トラーンサルピーナ]]のこと。)</span>
*nominatim evocatis,
**名指しで徴集されると、
*in <u>Sotiatium</u> fines exercitum introduxit.
**<span style="color:#009900;">(クラッススは)</span><u>ソティアーテース族</u>の領土に軍隊を導き入れた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ソティアーテース ''[[w:en:Sotiates|Sotiates]]'' は、α系写本では Sontiātēs (複数・属格 Sontiātum) <ref>[https://de.pons.com/%C3%BCbersetzung/latein-deutsch/Sontiates Sontiates - Latein-Deutsch Übersetzung | PONS] 等を参照。</ref> とする。<br> なお、[[w:ガイウス・プリニウス・セクンドゥス|大プリーニウス]]『[[w:博物誌|博物誌]]』第4巻(33章)108節<ref>ラテン語版ウィキソース [[s:la:Naturalis_Historia/Liber_IV#XXXIII]] を参照。</ref><ref>The Latin Library [http://www.thelatinlibrary.com/pliny.nh4.html#108 Pliny the Elder: Natural History, Book IV] を参照。</ref>では Sottiates とする。)</span>
*Cuius adventu cognito
**彼<span style="color:#009900;">〔クラッスス〕</span>の到着を知ると、
*Sotiates magnis copiis coactis,
**ソティアーテース族は大軍勢を集めて、
*equitatuque, quo plurimum valebant, in itinere agmen nostrum adorti
**それにより彼らが大いに力があったところの騎兵隊で、行軍中の我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ勢〕</span>の隊列を襲撃して、
*primum equestre proelium commiserunt,
**はじめに、騎兵戦を戦った。
*deinde equitatu suo pulso atque insequentibus nostris
**それから、その(敵の)騎兵隊が撃退され、我が方が追跡したが、
*subito pedestres copias, quas in convalle in insidiis conlocaverant, ostenderunt.
**突如として、[[w:峡谷|峡谷]]の中に[[w:伏兵|伏兵]]として配置しておいた歩兵の軍勢が、が現われた。
*Iis nostros disiectos adorti proelium renovarunt.
**これら<span style="color:#009900;">(の軍勢)</span>によって追い散らされた我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ軍〕</span>に襲いかかり、戦いを再び始めた。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===21節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/21節]] {{進捗|00%|2022-09-19}}</span>
'''ソティアーテース族の敗勢'''
*Pugnatum est diu atque acriter,
**長く激しく戦われた。
*cum Sotiates superioribus victoriis freti
**というのもソティアーテース族は、かつての<span style="color:#009900;">(ローマ勢に対する)</span>勝利を信頼しており、
*in sua virtute totius [[wikt:en:Aquitania#Latin|Aquitaniae]] salutem positam putarent,
**自分たちの武勇の中に全アクィーターニアの安全が立脚していると、みなしていたからだ。
*nostri autem,
**我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ勢〕</span>はそれに対して
*quid sine imperatore et sine reliquis legionibus adulescentulo duce efficere possent,
**<ruby><rb>[[w:インペラトル|将 軍]]</rb><rp>(</rp><rt>インペラートル</rt><rp>)</rp></ruby>もなし、他の[[w:ローマ軍団|軍団]]もなしに、この若造<span style="color:#009900;">〔クラッスス〕</span>が指揮官として何を成し得るのか、が
*perspici cuperent;
**注視(吟味)されることを欲していたのだ。
*tandem confecti vulneribus hostes terga verterunt.
**ついに負傷で消耗して、敵勢は背を向けた<span style="color:#009900;">〔敗走し始めた〕</span>。
*Quorum magno numero interfecto
**これらの者の大多数を殺戮し、
*[[wikt:en:Crassus#Latin|Crassus]] ex itinere oppidum Sotiatium oppugnare coepit.
**[[w:プブリウス・リキニウス・クラッスス|クラッスス]]は行軍中からただちにソティアーテース族の<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>を攻撃し始めた。
*Quibus fortiter resistentibus
**これらの勇敢に抵抗している者たちに対して、
*vineas turresque egit.
**<span style="color:#009900;">(ローマ勢は)</span><ruby><rb>工兵小屋</rb><rp>(</rp><rt>ウィネア</rt><rp>)</rp></ruby>や<ruby><rb>[[w:攻城塔|攻城櫓]]</rb><rp>(</rp><rt>トゥッリス</rt><rp>)</rp></ruby>を駆った。
*Illi alias eruptione temptata,
**彼ら<span style="color:#009900;">〔アクィーターニア人たち〕</span>は、あるときは突撃を試みて、
*alias [[wikt:en:cuniculus#Latin|cuniculis]] ad aggerem vineasque actis
**あるときは[[w:土塁|土塁]]や<ruby><rb>工兵小屋</rb><rp>(</rp><rt>ウィネア</rt><rp>)</rp></ruby>のもとへ[[w:坑道|坑道]]を掘った。
*── cuius rei sunt longe peritissimi [[wikt:en:Aquitanus#Latin|Aquitani]],
**── こういった事<span style="color:#009900;">〔坑道戦術〕</span>に、アクィーターニア人は長らくきわめて熟練している。
*propterea quod multis locis apud eos aerariae secturaeque sunt ──,
**というのも、彼らのもとの多くの場所に[[w:銅山|銅山]]や[[w:採石所|採石所]]があることのためである。──
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:aerāria, -ae <ref>[https://www.latin-is-simple.com/en/vocabulary/noun/1251/ aeraria, aerariae (f.) A - Latin is Simple Online Dictionary]</ref>は銅の鉱山や精錬所、銅に限らないときは [[wikt:en:fodina#Latin|fodīna, -ae]] という。<br> sectūra, -ae <ref>[https://www.latin-is-simple.com/en/vocabulary/noun/15282/ sectura, secturae (f.) A - Latin is Simple Online Dictionary]</ref> は採石場のこと。)</span>
*ubi diligentia nostrorum nihil his rebus profici posse intellexerunt,
**我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ勢〕</span>の注意深さによって こうした事<span style="color:#009900;">〔坑道〕</span>によっても何ら得られぬと理解するや否や、
*legatos ad Crassum mittunt,
**<span style="color:#009900;">(ソティアーテース族は)</span>使節たちを[[w:プブリウス・リキニウス・クラッスス|クラッスス]]のところへ遣わして、
*seque in deditionem ut recipiat petunt.
**自分たちを降伏へと受け入れるように求める。
*Qua re impetrata arma tradere iussi faciunt.
**この事が達せられると、武器の引渡しが命じられて、<span style="color:#009900;">(ソティアーテース族は)</span>実行する。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:この一文を、次の22節に含める校訂版もある。)</span>
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===22節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/22節]] {{進捗|00%|2022-09-15}}</span>
'''ソティアーテース族の領袖アディアトゥアーヌスと従臣たちの突撃'''
*Atque in ea re omnium nostrorum intentis animis,
**この事に我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ勢〕</span>の皆が没頭していると、
*alia ex parte oppidi Adiatu[[wikt:en:-anus|anus]], qui summam imperii tenebat,
**<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>の他の方面から、最高司令権を保持していた<u>アディアトゥアーヌスが</u>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:この人物の名は α系写本では [[w:de:Adiatunnus|Adiatunnus]] で、[[w:fr:Adiatuanos|Adiatuanos]], などさまざまな呼び方がある。<br> Adiatuanus は当時の貨幣をもとに修正提案された読み。)</span>
*cum DC([[wikt:en:sescenti#Latin|sescentis]]) devotis, quos illi [[wikt:en:soldurius#Latin|soldurios]] appellant,
**彼ら<span style="color:#009900;">〔ガッリア人〕</span>がソルドゥリイー<span style="color:#009900;">〔従臣〕</span>と呼んでいる600名の献身的な者たちとともに(<u>突撃することを試みた</u>)。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:主文の述語動詞は、ソルドゥリイーの状況を説明する部分を挟んだ後に出て来る。)</span>
'''アディアトゥアーヌスの従臣たち'''
*── quorum haec est condicio,
**── これらの者たち<span style="color:#009900;">〔ソルドゥリイー〕</span>の条件は以下の通りである。
*uti omnibus in vita commodis una cum iis fruantur quorum se amicitiae dediderint,
**人生におけるあらゆる利益を、忠心に身を捧げていた者たちと一緒に享受する。
*si [[wikt:en:aliquis#Latin|quid]] his per vim accĭdat,
**もし彼ら<span style="color:#009900;">〔従臣仲間〕</span>に何らかの力ずくの沙汰が起こったら、
*aut eundem casum una ferant
**同じ<ruby><rb>災厄</rb><rp>(</rp><rt>カースス</rt><rp>)</rp></ruby>を一緒に耐え忍ぶか、
*aut sibi mortem consciscant;
**あるいは、自決するか、のどちらかである。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:sibi mortem [[wikt:en:conscisco#Latin|consciscere]] 「自らに死を課す」=「自害する」)</span>
*neque [[wikt:en:adhuc#Latin|adhuc]] hominum memoria repertus est quisquam qui, eo interfecto, cuius se amicitiae [[wikt:en:devoveo#Latin|devovisset]], mortem recusaret ──
**忠心に身を捧げていた者が殺されても自決を拒むような何者も、人々の記憶においてこれまでに見出されていない。──
*cum his Adiatuanus eruptionem facere conatus
**<u>アディアトゥアーヌスは</u>、この者たち<span style="color:#009900;">〔ソルドゥリイー〕</span>とともに<u>突撃することを試みた</u>。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ソルドゥリイーの状況を説明する部分を挟んで、主語が繰り返されている。)</span>
'''アディアトゥアーヌスの敗退'''
*clamore ab ea parte munitionis sublato
**防塁のその方面から雄叫びが上げられて、
*cum ad arma milites concurrissent vehementerque ibi pugnatum esset,
**武器のところへ<span style="color:#009900;">(ローマ勢の)</span>兵士たちが急ぎ集まって、そこで激しく戦われた状況で、
*repulsus in oppidum
**<span style="color:#009900;">(アディアトゥアーヌスは)</span><ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>の中に撃退された
*tamen uti eadem deditionis condicione uteretur a Crasso impetravit.
**けれども<span style="color:#009900;">(前述のと)</span>同じ降伏条件を用いるように、クラッススによってかなえた。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===23節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/23節]] {{進捗|00%|2022-09-25}}</span>
'''ウォカーテース族・タルサーテース族・ヒスパーニア勢とクラッススが対峙する'''
*Armis obsidibusque acceptis,
**<span style="color:#009900;">(ソティアーテース族から引き渡された)</span>武器と人質を受け取ると、
*[[wikt:en:Crassus#Latin|Crassus]] in fines Vocatium et Tarusatium profectus est.
**[[w:プブリウス・リキニウス・クラッスス|クラッスス]]はウォカーテース族とタルサーテース族の領土に出発した。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:カエサルによる Vocātēs <ref>[https://de.pons.com/%C3%BCbersetzung/latein-deutsch/vocates Vocates - Latein-Deutsch Übersetzung (PONS)]</ref> は [[w:ガイウス・プリニウス・セクンドゥス|大プリニウス]]<ref name="プリニウス4-108">[[s:la:Naturalis_Historia/Liber_IV#XXXIII]] を参照。</ref>により ''[[w:fr:Vasates|Vasates]]'', ''Basabocates'' などとも呼ばれ、<br> [[w:ボルドー|ボルドー]]南東の[[w:バザス|バザス]] ''[[w:fr:Bazas|Bazas]]''、バザデース ''[[w:fr:Bazadais|Bazadais]]'' などに名を残す。<br> カエサルによる Tarusātēs <ref>[https://de.pons.com/%C3%BCbersetzung/latein-deutsch/Tarusates Tarusates - Latein-Deutsch Übersetzung (PONS)]</ref> は 大プリニウスにより <ref name="プリニウス4-108"/> ''Latusates'' となり、<br> ''Aturenses'' とも呼ばれ、現在のエール=スュル=ラドゥール ''[[w:fr:Aire-sur-l'Adour|Aire-sur-l'Adour]]'' に名を残す。)</span>
*Tum vero barbari commoti,
**だがそのとき、蛮族たちは動揺させられて、
*quod oppidum et natura loci et manu munitum
**── というのも、地勢と部隊で防備された<span style="color:#009900;">(ソティアーテース族の)</span><ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>が
*paucis diebus, quibus eo ventum erat, expugnatum cognoverant,
**<span style="color:#009900;">(ローマ人が)</span>そこへ来てからわずかな日数で攻め落とされたことを知っていたためであるが、──
*legatos quoque versus dimittere,
**使節たちをあらゆる方面に向けて遣わすこと、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:quoque versus <ref>[https://de.pons.com/%C3%BCbersetzung/latein-deutsch/quoqueversum quoqueversum - Latein-Deutsch Übersetzung (PONS)]</ref> 「あらゆる方向に向けて」)</span>
*coniurare,
**共謀すること、
*obsides inter se dare,
**互いに人質を供出し合うこと、
*copias parare coeperunt.
**軍勢を召集すること、を始めた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:copias#Latin|copias]] [[wikt:en:paro#Latin|parare]] 「部隊を集める、召集する」)</span>
<br>
*Mittuntur etiam ad eas civitates legati quae sunt citerioris [[wikt:en:Hispania#Latin|Hispaniae]] finitimae Aquitaniae;
**アクィーターニアに隣接する[[w:ヒスパニア・キテリオル|ヒスパーニア・キテリオル]]にいる部族たちにさえ、使節が派遣された。
[[画像:Hispania_1a_division_provincial.PNG|thumb|250px|right|BC197年頃の[[w:ヒスパニア|ヒスパーニア]]。<br>オレンジ色の地域が当時の[[w:ヒスパニア・キテリオル|ヒスパーニア・キテリオル]]。]]
[[画像:Ethnographic Iberia 200 BCE.PNG|thumb|right|250px|BC200年頃のイベリア半島の民族分布。朱色の部分に[[w:アクィタニア人|アクィーターニア人]]の諸部族が居住していた。]]
*inde auxilia ducesque arcessuntur.
**そこから援兵と指揮官たちが呼び寄せられる。
*Quorum adventu
**これらの者たちの到着によって、
*magna cum auctoritate et magna [cum] hominum multitudine
**大きな影響力と、大勢の人間とともに、
*bellum gerere conantur.
**戦争を遂行することを企てる。
<br>
; セルトーリウスの乱の残党たち
*Duces vero ii deliguntur,
**それから、指揮官には<span style="color:#009900;">(以下の者たちが)</span>選ばれる。
*qui una cum [[wikt:en:Quintus#Latin|Quinto]] [[wikt:en:Sertorius#Latin|Sertorio]] omnes annos fuerant
**皆が何年にもわたり、[[w:クィントゥス・セルトリウス|クィーントゥス・セルトーリウス]]と一緒にいて、
*summamque scientiam rei militaris habere existimabantur.
**軍事の最高の知識を有すると考えられていた(者たちである)。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[w:クィントゥス・セルトリウス|クィーントゥス・セルトーリウス]] [[w:la:Quintus Sertorius|Quintus Sertorius]] は、[[w:ガイウス・マリウス|マリウス]]と[[w:ルキウス・コルネリウス・スッラ|スッラ]]の内戦でマリウス側につき、戦後もスッラの独裁に抵抗して乱を起こした武将で。[[w:ヒスパニア|ヒスパーニア]]の住民にローマ軍の戦術を教えて共和政ローマに対して反乱を起こしたが、[[w:グナエウス・ポンペイウス|ポンペイウス]]によって鎮圧された。)</span>
*Hi consuetudine populi Romani
**この者たちは、ローマ人民の<span style="color:#009900;">(軍事上の)</span>慣習によって
*loca capere,
**<span style="color:#009900;">(陣営に適した)</span>土地を占拠すること、
*castra munire,
**[[w:カストラ|陣営]]を防備で固めること、
*commeatibus nostros intercludere instituunt.
**我が方<span style="color:#009900;">〔クラッスス指揮下のローマ勢〕</span>を軍需物資から遮断すること、を決める。
<br>
; クラッススが短期決戦を決意する
*Quod ubi Crassus animadvertit,
**[[w:プブリウス・リキニウス・クラッスス|クラッスス]]は<span style="color:#009900;">(以下の事情に)</span>気づくや否や、<span style="color:#009900;">(すなわち)</span>
*suas copias propter exiguitatem non facile diduci,
**配下の軍勢が寡兵であるために<span style="color:#009900;">(戦場において)</span>展開するのが容易でないこと、
*hostem et vagari et vias obsidere et castris satis praesidii relinquere,
**敵はうろつき回って道を遮断して、陣営に十分な守備兵を残していること、
*ob eam causam minus commode frumentum commeatumque sibi supportari,
**その理由のために糧食や軍需品をあまり都合良く自陣に持ち運べていないこと、
*in dies hostium numerum augeri,
**日に日に敵方の数が増していること、<span style="color:#009900;">(これらの諸事情に気づくや否や)</span>
*non cunctandum existimavit quin pugna decertaret.
**<span style="color:#009900;">(クラッススは)</span>戦闘で雌雄を決することをためらうべきではないと考えたのだ。
*Hac re ad consilium delata,
**この事情が軍議に報告されて、
*ubi omnes idem sentire intellexit,
**<span style="color:#009900;">(クラッススは)</span>皆が同じことを考えていることを知るや否や、
*posterum diem pugnae constituit.
**戦闘を翌日に決めた。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===24節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/24節]] {{進捗|00%|2022-10-01}}</span>
'''クラッススが軍勢を繰り出すが、安全策を採るアクィーターニア勢は陣営に留まる'''
*Prima luce productis omnibus copiis,
**<span style="color:#009900;">(クラッススは)</span>夜明けに<span style="color:#009900;">(陣営から)</span>全軍勢を出陣させると、
*duplici acie instituta,
**二重の <ruby><rb>戦 列</rb><rp>(</rp><rt>アキエース</rt><rp>)</rp></ruby> を整列して、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:三重の戦列 [[wikt:en:triplex#Latin|triplex]] [[wikt:en:acies#Latin|aciēs]] とするのが当時の慣行だった。)</span>
*auxiliis in mediam aciem coniectis,
**<ruby><rb>[[w:アウクシリア|支援軍]]</rb><rp>(</rp><rt>アウクシリア</rt><rp>)</rp></ruby> を <ruby><rb>戦 列</rb><rp>(</rp><rt>アキエース</rt><rp>)</rp></ruby> の中央部に集結し、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:同盟部族から供出された部隊である <ruby><rb>[[w:アウクシリア|支援軍]]</rb><rp>(</rp><rt>アウクシリア</rt><rp>)</rp></ruby> は、<ruby><rb>翼軍</rb><rp>(</rp><rt>アーラ</rt><rp>)</rp></ruby> [[wikt:en:ala#Latin|āla]] とも呼ばれるように、<br> 戦列の左右両翼の側面に置かれることが多かった。<br> この場合は、軍団兵がいるべき二列目の位置に支援軍を配置したということ。)</span>
*quid hostes consilii caperent exspectabat.
**敵方がいかなる作戦計略をとるのか、を待っていた。
<br>
<br>
*Illi,
**彼ら<span style="color:#009900;">〔アクィーターニア人〕</span>は、
*etsi propter multitudinem et veterem belli gloriam paucitatemque nostrorum se tuto dimicaturos existimabant,
**<span style="color:#009900;">(味方の)</span>多勢、昔の戦争の栄誉、我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ勢〕</span>の寡勢のために、安全に闘えると考えていたにも拘らず、
*tamen tutius esse arbitrabantur obsessis viis commeatu intercluso sine ullo vulnere victoria potiri,
**それでもより安全と思われるのは、道を封鎖して[[w:兵站|兵站]]を遮断し、何ら傷なしに勝利をものにすることであり、
*et si propter inopiam rei frumentariae Romani se recipere coepissent,
**もし糧食供給の欠乏のためにローマ人が退却し始めたならば、
*impeditos in agmine et sub sarcinis infirmiores animo
**<span style="color:#009900;">(ローマ人が)</span>隊列において[[w:背嚢|背嚢]]を背負って妨げられて臆病になっているところを、
*adoriri cogitabant.
**襲いかかれると考えていたのだ。
*Hoc consilio probato ab ducibus,
**この作戦が指揮官たちによって承認されると、
*productis Romanorum copiis,
**ローマ人の軍勢が進撃しても、
*sese castris tenebant.
**彼らは陣営に留まっていた。
<br>
<br>
*Hac re perspecta [[wikt:en:Crassus#Latin|Crassus]],
**[[w:プブリウス・リキニウス・クラッスス|クラッスス]]はこのことに注目すると、
*cum sua cunctatione atque opinione timidiores hostes
**<span style="color:#009900;">(敵)</span>自身のためらいや、評判より臆病な敵方が
*nostros milites alacriores ad pugnandum effecissent
**我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ勢〕</span>の兵士たちを戦うことにおいてやる気にさせていたので、
*atque omnium voces audirentur exspectari diutius non oportere quin ad castra iretur,
**かつ<span style="color:#009900;">(敵の)</span>陣営へ向かうことをこれ以上待つべきではないという皆の声が聞かれたので、
*cohortatus suos omnibus cupientibus
**配下の者たちを励まして、<span style="color:#009900;">(戦いを)</span>欲する皆で、
*ad hostium castra contendit.
**敵の陣営のもとへ急行する。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===25節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/25節]] {{進捗|00%|2022-10-06}}</span>
'''クラッススの軍勢が、アクィーターニア人の陣営へ攻めかかる'''
*Ibi cum alii fossas complerent, alii multis telis coniectis
**そこで<span style="color:#009900;">(クラッスス配下の)</span>ある者は堀を埋め、ある者は多くの飛道具を投げ込んで、
*defensores vallo munitionibusque depellerent,
**<span style="color:#009900;">(アクィーターニア勢の)</span>守備兵たちを[[w:防柵|防柵]]や[[w:防壁|防壁]]から駆逐した。
*auxiliares<ref>[https://www.latin-is-simple.com/en/vocabulary/noun/3055/ auxiliaris, auxiliaris (m.) M - Latin is Simple Online Dictionary]</ref>que, quibus ad pugnam non multum [[wikt:en:Crassus#Latin|Crassus]] confidebat,
**[[w:アウクシリア|支援軍]]の者たちといえば、[[w:プブリウス・リキニウス・クラッスス|クラッスス]]は戦いのために彼らを大して頼りにしていなかったが、
*lapidibus telisque subministrandis et ad aggerem [[wikt:en:caespes#Latin|caespitibus]] comportandis
**石や飛道具を供給したり、[[w:土塁|土塁]]のために[[w:芝|芝草]]を運んだり、
*speciem atque opinionem pugnantium praeberent,
**戦っている者たちの様子や評判を呈していた。
[[画像:Castra1.png|thumb|right|200px|ローマ式[[w:カストラ|陣営]]([[w:la:Castra_Romana|castra Romana]])の概略図(再掲)。'''7'''が第10大隊の門(porta decumana)で、陣営の裏門に当たる。]]
*cum item ab hostibus constanter ac non [[wikt:en:timide#Adverb|timide]] pugnaretur
**敵方<span style="color:#009900;">〔アクィーターニア勢〕</span>もまたしっかりと臆せずに戦って、
*telaque ex loco superiore missa non frustra acciderent,
**より高い所から放られた飛道具は無駄なく落ちてきたので、
*equites circumitis hostium castris Crasso renuntiaverunt
**[[w:騎兵|騎兵]]は、敵の陣営を巡察してクラッススに報告した。
*non eadem esse diligentia ab decumana porta castra munita
**<span style="color:#009900;">(敵の)</span>陣営は<u>第十の門</u>では<span style="color:#009900;">(他の門と)</span>同じほどの入念さでは防備されておらず、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:「第十の門」は、ローマ人の陣営では第10大隊が守備することになっていた門で、陣営の裏門を指す。右図を参照。)</span>
*facilemque aditum habere.
**容易に接近できると。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===26節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/26節]] {{進捗|00%|2022-10-06}}</span>
'''クラッススが、別動隊を迂回させ、敵陣を圧倒する'''
*[[wikt:en:Crassus#Latin|Crassus]] equitum praefectos
**[[w:プブリウス・リキニウス・クラッスス|クラッスス]]は、[[w:騎兵|騎兵]]の指揮官たちを
*cohortatus, ut magnis praemiis pollicitationibusque suos excitarent,
**かなりの恩賞の約束によって配下の者たちを奮起させるように、促して、
*quid fieri velit ostendit.
**何がなされることを<span style="color:#009900;">(クラッススが)</span>欲しているか、を指示した。
*Illi, ut erat imperatum,
**この者ら<span style="color:#009900;">〔騎兵の指揮官たち〕</span>は、命じられていたように、
*eductis iis cohortibus quae praesidio castris relictae intritae ab labore erant,
**守備隊として陣営に残されていて、労苦により消耗していなかった<ruby><rb>[[w:コホルス|歩兵大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>を連れ出して、
*et longiore itinere circumductis, ne ex hostium castris conspici possent,
**敵の陣営から気づかれないように、より遠回りの道程を巡って、
*omnium oculis mentibusque ad pugnam intentis
**<span style="color:#009900;">(彼我の)</span>皆の目と意識が戦闘に注がれているときに
*celeriter ad eas quas diximus munitiones pervenerunt atque his prorutis
**速やかに、前述した<span style="color:#009900;">(後門の)</span>防塁のそばに至って、これを倒壊させて、
*prius in hostium castris constiterunt,
**敵の陣営に立ちはだかった。
*quam plane ab his videri aut quid rei gereretur cognosci posset.
**彼ら<span style="color:#009900;">〔敵勢〕</span>によりはっきりと見られ、あるいはいかなる事が遂行されているかを知られるよりも早くのことだった。
*Tum vero clamore ab ea parte audito
**そのときまさにこの方角から雄叫びが聞かれたので、
*nostri redintegratis viribus,
**我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ勢〕</span>は活力を回復し、
*quod plerumque in spe victoriae accidere consuevit,
**── そのことは、たいてい勝利を期待していると生じるのが常であったが、──
*acrius impugnare coeperunt.
**より激烈に攻め立て始めたのであった。
*Hostes undique circumventi desperatis omnibus rebus
**敵方は四方八方から攻囲されて、すべての戦況に絶望し、
*se per munitiones deicere et fuga salutem petere intenderunt.
**防塁を越えて飛び降り、敗走によって身の安全を求めることに懸命になった。
*Quos equitatus apertissimis campis consectatus
**この者たち<span style="color:#009900;">〔敵勢〕</span>を<span style="color:#009900;">(ローマ方の)</span>騎兵隊が非常に開けた平原で追撃し、
*ex milium L([[wikt:en:quinquaginta#Latin|quinquaginta]]) numero, quae ex [[wikt:en:Aquitania#Latin|Aquitania]] [[wikt:en:Cantabri#Latin|Cantabris]]que convenisse constabat,
**アクィーターニアとカンタブリアから集結していた<span style="color:#009900;">(敵勢の)</span>数は5万名がわかっていたが、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:カンタブリア [[w:la:Cantabria|Cantabria]] は、現在のスペイン北部の[[w:カンタブリア州|カンタブリア州]]の辺りで、<br> ''[[w:en:Cantabri|Cantabri]]'' と呼ばれた部族連合は、カエサル死後の征服戦争 ''[[w:en:Cantabrian Wars|Cantabrian Wars]]'' まで独立を保った。)</span>
*vix quarta parte relicta,
**やっとその四分の一が生き残り、
*multa nocte se in castra recepit.
**夜更けに<span style="color:#009900;">(ローマ勢は)</span>陣営に撤収した。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===27節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/27節]] {{進捗|00%|2022-10-06}}</span>
'''アクィーターニア諸部族の降伏'''
*Hac audita pugna
**この戦闘<span style="color:#009900;">(の敗北)</span>を聞いて、
*maxima pars [[wikt:en:Aquitania#Latin|Aquitaniae]] sese [[wikt:en:Crassus#Latin|Crasso]] dedidit obsidesque ultro misit;
**アクィーターニアの大部分が[[w:プブリウス・リキニウス・クラッスス|クラッスス]]に降伏して、自発的に人質を送った。
*quo in numero fuerunt
**その数の中には以下の部族がいた。
*[[wikt:en:Tarbelli#Latin|Tarbelli]], Bigerriones, [[wikt:en:Ptianii#Latin|Ptianii]], [[wikt:en:Vocates#Latin|Vocates]], [[wikt:en:Tarusates#Latin|Tarusates]],
**タルベッリー族、ビゲッリオーネース族、プティアーニイー族、ウォカーテース族、タルサーテース族、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ビッゲリオーネース ''[[w:en:Bigerriones|Bigerriones]]'' は、ビッゲリー ''[[wikt:en:Bigerri#Latin|Bigerri]]'' など表記多数。
*[[wikt:en:Elusates#Latin|Elusates]], [[wikt:en:Gates#Latin|Gates]], [[wikt:en:Ausci#Latin|Ausci]], [[wikt:en:Garunni#Latin|Garunni]], [[wikt:en:Sibuzates#Latin|Sibuzates]], [[wikt:en:Cocosates#Latin|Cocosates]]:
**エルサテース族、ガーテース族、アウスキー族、ガルンニー族、シブザーテース族、ココサテース族、である。
*paucae ultimae nationes
**若干の最遠の種族たちは、
*anni tempore confisae,
**時季を頼りにして、
*quod hiems suberat,
**というのも冬が迫っていたためであるが、
*id facere neglexerunt.
**そのこと<span style="color:#009900;">(降伏と人質)</span>を怠った。
<div style="text-align:center">
{|
|-
| style="vertical-align:top;" |[[画像:Campagne Aquitains -56.png|thumb|right|300px|[[w:プブリウス・リキニウス・クラッスス|クラッスス]]のアウィーターニア遠征図(再掲)<hr>Tarbelli, Bigerriones, Tarusates, Elusates, Ausci, Cocosates の名が見える。]]
| style="vertical-align:top;" |[[画像:Aquitani tribes map-fr.svg|thumb|right|400px|アクィーターニアからイベリア半島にかけての部族配置図。<hr>Tarbelli, Bigerrones(Bigerriones), Elusates, Ausci, Sibuzates の名が見える]]
|}
</div>
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
==モリニー族・メナピイー族への遠征==
===28節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/28節]] {{進捗|00%|2022-10-20}}</span>
'''カエサル、モリニー族・メナピイー族へ遠征'''
*Eodem fere tempore Caesar,
**<span style="color:#009900;">(前節までに述べたクラッススのアクィーターニア遠征と)</span>ほぼ同じ時期にカエサルは、
*etsi prope exacta iam aestas erat,
**すでに夏はほとんど過ぎ去っていた
*tamen <u>quod</u> omni Gallia pacata
**にもかかわらず、全ガッリアが平定されても、
*[[wikt:en:Morini#Latin|Morini]] [[wikt:en:Menapii#Latin|Menapii]]que supererant,
**モリニー族とメナピイー族は生き残っていて、
*qui in armis essent,
**武装したままであり、
*neque ad eum umquam legatos de pace misissent,
**彼<span style="color:#009900;">〔カエサル〕</span>のもとへ決して和平の使節たちを派遣しようとしなかった<u>ので</u>、
*arbitratus id bellum celeriter confici posse,
**<span style="color:#009900;">(カエサルは、両部族との)</span>その戦争は速やかに完遂できると思って、
*eo exercitum duxit;
**そこへ軍隊を率いて行った。
*qui longe alia ratione ac reliqui Galli bellum gerere instituerunt.
**彼ら<span style="color:#009900;">〔両部族〕</span>は、他のガッリア人とはまったく別の方法で戦争遂行することを決めた。
*Nam quod intellegebant maximas nationes, quae proelio contendissent, pulsas superatasque esse,
**なぜなら<span style="color:#009900;">(ローマと)</span>戦闘を戦った極めて多くの部族が撃退され、征服されていることを知っており、
*continentesque silvas ac paludes habebant,
**かつ、<span style="color:#009900;">(両部族は)</span>絶え間ない[[w:森林|森林]]と[[w:沼地|沼地]]を持っていたので
*eo se suaque omnia contulerunt.
**そこへ自分たちとそのすべての物を運び集めたのだ。
*Ad quarum initium silvarum cum Caesar pervenisset castraque munire instituisset
**かかる森の入口のところへカエサルが到着して陣営の防備にとりかかったときに、
*neque hostis interim visus esset,
**敵はその間に現れることはなく、
*dispersis in opere nostris
**工事において分散されている我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ勢〕</span>を
*subito ex omnibus partibus silvae evolaverunt et in nostros impetum fecerunt.
**突然に<span style="color:#009900;">(敵勢が)</span>森のあらゆる方面から飛び出してきて、我が方に襲撃をしかけたのだ。
*Nostri celeriter arma ceperunt
**我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ勢〕</span>は速やかに武器を取って
*eosque in silvas reppulerunt et compluribus interfectis
**彼らを森の中に押し戻して、かなり<span style="color:#009900;">(の敵勢)</span>を殺傷して
*longius impeditioribus locis secuti
**非常に通りにくい場所を追跡したが、
*paucos ex suis deperdiderunt.
**我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ勢〕</span>のうちで傷を負ったのは少数であった。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===29節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/29節]] {{進捗|00%|2022-10-20}}</span>
'''カエサル、むなしく撤退して、軍を冬営させる'''
*Reliquis deinceps diebus Caesar silvas caedere instituit,
**カエサルは、続く<span style="color:#009900;">(冬が近づくまでの)</span>残りの日々で、森を[[w:伐採|伐採]]することを決めた。
*et ne quis inermibus imprudentibusque militibus ab latere impetus fieri posset,
**丸腰で<span style="color:#009900;">(敵襲を)</span>予期せぬ兵士たちが側面からいかなる襲撃もなされないように、
*omnem eam materiam quae erat caesa conversam ad hostem conlocabat
**伐採されたすべての材木を、敵の方へ向きを変えて配置して、
*et pro vallo ad utrumque latus exstruebat.
**[[w:防柵|防柵]]の代わりに、両方の側面に積み上げていた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:伐採に従事する兵士らを不意の敵襲から守るために、防壁代わりに置いていた。)</span>
*Incredibili celeritate magno spatio paucis diebus confecto,
**<span style="color:#009900;"></span>信じがたいほどの迅速さで、大きな空間<span style="color:#009900;">(の伐採)</span>が、わずかな日数で完遂されて、
*cum iam pecus atque extrema impedimenta a nostris tenerentur,
**すでに[[w:家畜|家畜]]や[[w:輜重|輜重]]の最後端が、我が方<span style="color:#009900;">〔ローマ勢〕</span>により捕捉されて、
*ipsi densiores silvas peterent,
**<span style="color:#009900;"></span>自身は<span style="color:#009900;">(敵が潜んでいる)</span>森の最も密生したところを目指していたときに、
*eiusmodi sunt tempestates consecutae, uti opus necessario intermitteretur
**工事をやむなく中断せざるを得ないほどの、[[w:嵐|暴風雨]]が続いて起こり、
*et continuatione imbrium diutius sub pellibus milites contineri non possent.
**大雨が続いて、これ以上は皮<span style="color:#009900;">〔天幕〕</span>の下に兵士たちを留めることはできなかったほどだった。
*Itaque vastatis omnibus eorum agris,
**こうして、彼ら<span style="color:#009900;">〔モリニー族とメナピイー族〕</span>のすべての畑を荒らして、
*vicis aedificiisque incensis,
**村々や建物を焼き打ちして、
*Caesar exercitum reduxit
**カエサルは軍隊を連れ戻して、
*et in [[wikt:en:Aulerci#Latin|Aulercis]] [[wikt:en:Lexovii#Latin|Lexoviis]]que, reliquis item civitatibus quae proxime bellum fecerant,
**アウレルキー族とレクソウィイー族や、他の同様に最近に戦争をしていた部族たちのところに
*in hibernis conlocavit.
**[[w:冬営|冬営]]に配置した。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
----
*<span style="background-color:#99ff99;">「ガリア戦記 第3巻」了。「[[ガリア戦記 第4巻]]」へ続く。</span>
==脚注==
<references />
[[Category:ガリア戦記 第3巻|*]]
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将棋
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[[File:Shogi Ban Koma.jpg|thumb|[[w:将棋盤|将棋盤]]と[[w:駒 (将棋)|駒]]]]
[[w:将棋|将棋]]は2人で遊ぶ[[w:ボードゲーム|ボードゲーム]]である。9×9の盤と各20枚(計40枚)の駒を使い、交互に駒を動かし、相手の[[w:玉将|玉]]・あるいは王を詰ますと勝ちとなる。取った駒は[[w:持ち駒|持ち駒]]となり、好きなマスに打つことができる。
== 駒について ==
将棋には以下の駒が存在する。
#歩兵(一マスずつ前進できる)
#香車(マス目制限なく前進できる)
#桂馬(三マス前進したのち左右一マス、どちらかに移動できる。移動中の駒は移動を妨げられない)
#銀将(一マス、真横・真下以外に動くことができる)
#金将(一マス、後ろ斜め右・左に動くことができる)
#[[w:玉将|玉将]]・王将(全てのマスに一マスづつ移動できる)
#角行(マス目制限なく斜めにのみ移動できる)
#飛車(マス目制限なく縦横にのみ移動できる)
敵陣に入った際に「成る(駒を裏返す)」ことができる駒がある。
== 入門書 ==
# [[/将棋とは/]]{{進捗|100%|2023-09-26}}
# [[将棋の戦法一覧]]{{進捗|100%|2023-09-26}}
== 定跡書 ==
; 序盤
: [[/初手/]] [[/▲7六歩/]] [[/▲2六歩/]] [[/▲5六歩/]] [[/▲7八飛/]] [[/嬉野流|▲6八銀(嬉野流)]]
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; 居飛車
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軍事学概論
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== 関連項目 == *[[軍事学概論/はじめに]] *[[軍事学概論/地政学]] *[[軍事学概論/後方支援]] *[[軍事学概論/情報作戦]] *[[軍事学概論/戦争]] *[[軍事学概論/戦略と戦術]] *[[軍事学概論/民間防衛]] *[[軍事学概論/海上作戦]] *[[軍事学概論/終わりに]] *[[軍事学概論/統率論]] *[[軍事学概論/航空作戦]] *[[軍事学概論/軍事史]] *[[軍事学概論/軍事政策]] *[[軍事学概論/陸上作戦]]追加
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[[社会科学]]>[[軍事学]]>軍事学概論
本書『軍事学概論』は軍事学の基礎的事項について概観したものである。
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== 目次 ==
*[[軍事学概論/はじめに|はじめに]]
*[[軍事学概論/戦争|戦争]]
*[[軍事学概論/地政学|地政学]]
*[[軍事学概論/戦争法|戦争法]]
*[[軍事学概論/軍事政策|軍事政策]]
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*[[軍事学概論/戦略と戦術|戦略と戦術]]
*[[軍事学概論/統率論|統率論]]
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*[[軍事学概論/海上作戦|海上作戦]]
*[[軍事学概論/航空作戦|航空作戦]]
*[[軍事学概論/情報作戦|情報作戦]]
*[[軍事学概論/後方支援|後方支援]]
*[[軍事学概論/特殊作戦|特殊作戦]]
*[[軍事学概論/民間防衛|民間防衛]]
*[[軍事学概論/軍事技術|軍事技術]]
*[[軍事学概論/終わりに|終わりに]]
== 参考文献 ==
*防衛大学校・安全保障学研究会編『安全保障学入門』(亜紀書房、2005年)
*防衛大学校・防衛学研究会編『軍事学入門』(かや書房、2000年)
*服部実『防衛学概論』(原書房、1980年)
*栗栖弘臣『安全保障概論』(ブックビジネスアソシエイツ社、1997年)
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==戦争の理論==
軍事学において戦争 (war)は中心的な主題の一つである。戦争とは複数の勢力が敵味方に分かれて戦っている紛争の状態であり、理論的には国家もしくは組織化された政治的団体による交戦状態を指す。軍事学では戦争状態に対して軍事的な安全保障を実現するために軍事力を準備、活用することを主要な問題とし、戦争で有効な軍事的能力を整備する問題は軍事組織の問題、戦争で効果的に戦う問題は戦略や戦術などの問題などと派生する。これらの諸問題の中で戦争は常に中心的な論点の一つである。ここでは戦争を生起させる諸要因と戦争を抑制する諸条件に着目して戦争の性質について概説する。
===戦争の原因===
組織的な暴力を以って人々が戦うという行為には社会的な要因が関係する。その社会的要因は同時に普遍的な要因であるために、歴史の中で戦争が繰り返されてきた。この戦争の原因に関する最も古い学説の一つとして知られているものがトゥキディデスの歴史的叙述により示唆されている。トゥキディデスはペロポネソス戦争の経過を記述するにあたって、政治指導者たちの演説を通じて両陣営が戦争の開始において何を考えていたのかを描き出している。そこで繰り返し描き出される戦争の誘因に敵国の脅威に対する恐怖、戦争により期待される利益、そして戦争によってでも維持されるべき名誉の三つである。ここではこれを軍事的要因、経済的要因、政治的要因に区分して述べる。
====軍事的要因====
[[ファイル:Flavius Vegetius Renatus.jpg|thumb|right|150px|ヴェゲティウス・レナトゥス(生没年不明)は古代ローマの著述家。当時のローマの勢力が後退していた時代に復古的な軍制改革を主張した貴族階級の人物であると推測されている。傭兵ではなく厳格な規律に基づいたレギオンとそれに基づいた作戦について記述した『古代ローマ人の軍制』の著者として知られており、ヨーロッパの軍事思想史に重要な影響を及ぼした人物である。|リンク=Special:FilePath/Flavius_Vegetius_Renatus.jpg]]
戦争の原因における軍事的要因は軍事力の不均衡を意味している。ヴェゲティウスはこのことを逆説的な表現で「平和を望むならば戦争に備えよ」と語っている。この言葉は軍事力の優劣がはっきりしている場合において戦争の危機が最も高まることを指している。
戦争が常に強者によって弱者に対して行われることを警告したのはニッコロ・マキアヴェッリである。マキアヴェリが生きた15世紀から16世紀のフィレンツェではヴェネツィア共和国、ミラノ公国、フィレンツェ共和国、教皇領、ナポリ王国の五代勢力の均衡が失われたために政治的変動と混乱が生じ、そこにナポリ侵攻を企図するフランスの介入を招いた。これに対抗するために教皇がヴェネツィアとスペインとの連合を結んでフランスを排除したが、これ以降フィレンツェでは外国勢力を交えた諸勢力の権力闘争が繰り広げられた。マキアヴェリはこのような時代の中で国家こそが重要な主体であると捉え、統治者の使命とは軍事的な安全保障を実現することであり、またその手段として軍事力が活用しなければならないという現実主義(realism)の政治思想の伝統を示した。
この現実主義の伝統はカーによってさらに発展されることになった。カーは第一次世界大戦後に戦争が違法化され、国際連盟が創設されたにもかかわらず第二次世界大戦の勃発をもたらした原因について分析した。そしてカーは当時の平和主義者や理想主義者が語る平和は単に現状を維持することで既得権益を維持できる勢力にとって望ましいものに過ぎず、そのような平和に世界共通の利益など存在していないと「平和の欺瞞」を指摘した。相互の軍事力がもたらす均衡を調整することが重要なのであり、それほど戦争の勃発と軍事力の存在は不可分の関係にあると論じた。
この軍事力と戦争の関係を戦後に理論化したのはハンス・モーゲンソーであり、戦争の原因を勢力均衡(balance of power)の概念で裏付ける現実主義理論で明らかにしようと試みた。彼にとって戦争とは現状を打破してでも新たに利益を追求することを試みる勢力が台頭し、均衡が破壊されることによって発生する状態であった。相手に対して勢力の均衡を調整するためには同盟(alliance)の構成が重要になってくる。同盟によって味方の軍事力の全体量を相手のそれに調整することが可能となるためである。しかし優位に立つ勢力によって戦争は開始されるという現実主義の妥当性は厳密に戦争を観察すると限定的であることが分かっている。オルガンスキーとカグラーは近代戦争の分析して圧倒的な優劣が明確である時期には戦争は発生していないことを明らかにした。つまり戦争にとって重要なのは事実としての勢力の完全な均衡ではなく、彼我の軍事力に関する双方の評価の均衡と関係している。自分の軍事力の評価と相手の軍事力の評価に相容れない点が生じると、両者は自らの優位性を信じて戦争に訴える決断を下すのである。
====経済的要因====
[[ファイル:Karl Marx.jpg|thumb|right|150px|カール・マルクス(1818年-1883年)はドイツの哲学者。ベルリン大学を卒業し、社会主義の理論研究と政治運動に携わった。革命を提唱したエンゲルスとの共著『共産党宣言』の著者として知られており、後の革命戦略の思想に対して重要な影響を与えた。他の著作には『フランス内乱』、『資本論』などがある。]]
戦争の経済的要因とは一般に利益の配分が不平等である状態を指す。アリストテレスは内戦の原因について「どの場合においても、ひとは平等を求めて内乱を起こす」と述べている。この指摘は特定の勢力だけが経済的利益を独占し、かつ他の勢力がその独占によって著しい不利益を被っている状況において戦争の危険性が高まることを示している。このような経済的要因を取り上げた論者にカール・マルクスがいる。マルクスは国内における資本の発展に伴って社会階級の間に発生する経済的不平等を是正するための階級闘争を提唱した社会主義の思想家であった。
またマルクス主義の立場からウラジミール・レーニンは第一次世界大戦の性質を帝国主義戦争と特徴付けた。19世紀末から大企業による資本の独占が進展し、ヨーロッパ列強はアジアやアフリカに進出して植民地化を進めた。レーニンはこのような政策は資本の経済学的法則により形成されると主張し、この資本の運動はやがて全世界を列強の勢力圏に組み込み、最終的には列強の間での戦争へと展開すると考えた。
自由主義(liberalism)の立場からは貿易を通じて国際的に共有できる利益が確保することが可能であるとする比較優位の学説が提示され、国際的な経済交流により戦争の原因となる経済的不平等を取り除くことが考えられている。デイヴィッド・リカードは国際貿易の理論の中で自由な貿易活動により貿易当事国の双方が利益を獲得することができる比較優位説を提起した。しかしながら、マルクス主義の立場から考えればそのような通商関係とは権力闘争の延長であり、経済的な相互利益や平等を反映するのではなく経済的従属関係や不平等を反映するものであると見なす。歴史的事例から見ても第一次世界大戦が勃発する直前の参戦主要国の間には貿易関係が認められる。仮に経済的平等が確立されたとしても、それは必然的に一時的なものに過ぎない。各人に供給される経済的な利益が常に一定であると、人口の増加に伴って再び不平等状態が発生するためである。
マルサスは人口というものが1世代にあたる25年の間で常に倍加しうる一方で、人間の生活に必要な資源の生産能力を拡大するには限界があることを指摘した。人口は幾何級数的に増加する一方で資源は算術級数的にしか増加しない。その結果、時間の経過とともに生存に必要な資源が得られない過剰な人口が発生することになる。マルサスはこのような人口の法則に基づいて出生率の低下、疫病や飢餓、もしくは戦争がもたらされ、人口が生活資源に対して社会的に調整されると論じた。経済的要因としての不平等は人口や資本の法則に従いながら社会に出現する状態であり、それを認識して是正を試みる際に暴力的な手段が選択されることで戦争がもたらされる。
====政治的要因====
[[ファイル:Clausewitz.jpg|thumb|right|150px|カール・フォン・クラウゼヴィッツ(1780年-1831年)はプロイセンの軍事学者。シャルンホルストからの教育を受けており、ナポレオン戦争ではプロイセンやロシアでフランス軍と戦った。戦争の暴力性と政治性の法則について論じた『戦争論』の著者として知られている。他の著作には『1812年のロシア戦役』、『フリードリヒ大王の戦役』などがある。]]
戦争の原因の中でも合理的な軍事力の均衡や経済的な利益に基づいた軍事的要因や経済的要因と異なり、政治的要因はその本質として必ずしも合理性に支配される要因ではない。戦争と政治の関係を理論的に明らかにしたクラウゼヴィッツは「戦争とは他の手段をもってする政治の継続にほかならない」と述べた。なぜなら、クラウゼヴィッツは戦争はそれ自体は我の意思を敵を強制する暴力行為であるものの、「それ自身の法則を持っているが、それ自身の論理を持たない」と考えていた。この見解に基づけば戦争の目的とは政治によって決定されるものである。
アリストテレスは人間という存在が生まれながらにして政治的動物であるという命題を立て、国家が必然的に成立したものであると主張した。人間の政治的本質についてハンナ・アーレントは人間が言語を発することが可能な存在であることからアリストテレスの考察を発展させる。つまり、人間とは表情や身体、口調や意味合いを他者に伝達することができるものであり、この言語の活動によって政治共同体が成り立っているのである。この学説は人々を結合させる言葉の力が衰退することで共同体は解体することになることを示唆するものである。
その一方でトマス・ホッブズは異なる立場から国家という政治秩序が自然状態の「万人の万人に対する戦争」から自身の生存を確保するために構築されるものと位置づけられている。ホッブズのような人間の本性に対する見方に立脚しているカール・シュミットは人間の政治的本性が対立的であるという認識から、政治の本質について「政治的な行動や動機がそこへと還元される政治に特有の区別とは友と敵の区別である」と論じた。ここでの敵概念とは便宜的な競争相手という意味ではなく、現実の存在としての異質な他者を意味し、その究極の形態が殺戮によって存在の様式を否定する絶対敵である。政治はその原理として誰が敵であるかを決定し、またどの程度において敵であるかを定めうるものである。
シュミットが指摘したように他者がどのような敵となるかは政治イデオロギーの対立として理解することができる。政治イデオロギーは人間の本性、歴史観、理想の社会を規定する観念の体系であり、フランス革命の革命思想を掲げたフランスは他のヨーロッパの君主制国家から成る反仏大同盟の抵抗を受けてナポレオン戦争が発生し、また自由主義を掲げるアメリカと西側陣営、そして共産主義を掲げるソビエトと東側陣営は自らのイデオロギーを巡って対立を深め、冷戦の勃発を招いた。クラウゼヴィッツが指摘したように、戦争という暴力行為は常に政治の影響下に置かれながら発生、展開するものであり、他の社会的現象から孤立した軍事問題では在り得ないと考えられる。
===平和の条件===
平和の条件と平和を実現するための計画を考案した学説は何らかの形で18世紀以後のヨーロッパで普及した啓蒙主義の思想と関係している。そもそも戦争とは歴史で繰り返されてきた人間社会の現実であった。しかし理性を以って普遍的な法則を理解してその法則を応用しながら世界を改善することが可能であるという啓蒙思想の考え方は、そのような戦争状態が発生することを防ぐ条件についての規範的な考察を促した。ここでは政治的要件、法律的要件、道徳的要件に大別して概説する。
====制度的要件====
[[ファイル:Immanuel Kant (portrait).jpg|thumb|right|150px|イマヌエル・カント(1724年-1804年)はプロイセンの哲学者。ケーニヒスベルク大学で神学や自然学を学び、家庭教師などを経て同大学の哲学教授に就任した。認識論や倫理学の研究を行ったが、自然状態から脱却するための国際平和を実現する政治秩序を提唱した。著作には『人倫の形而上学』、『永遠平和のために』などがある。]]
平和の条件における政治的要件として制度がしばしば挙げられる。自由主義の哲学者であるジョン・ロックは個人が生まれながらにして平等に生存や財産に対する権利が神から与えられているという前提から出発し、個々人の権利を協力して保護するために自身たちによる自由な契約に立脚して政府が樹立されなければならないと論じた。これは一国内において公正な政治制度を確立することによって、平和状態を達成しようとする構想である。
このような制度による平和という観点から国際平和の問題に取り組んだのがイマヌエル・カントであった。カントが生きた時代のプロイセン王国は周辺諸国との戦争を繰り返していた時期であり、特に1792年に勃発したフランス革命戦争ではプロイセンを含む対仏大同盟とフランスとが対決していた。カントはこのような事態から世界平和の構想について国内の政治制度が民主主義的なものでなければならないと論じている。カントの見解によれば、そもそも戦争は市民にとって忌避すべきものであり、したがって市民の意思を政府に反映する代議制や権力分立という共和制の制度が確立されていれば、国家は必然的に戦争を行うことが極めて困難となり、平和的解決を志向するようになる。したがって、敵対する国家でも相互に共和制を採用すれば、危機的状況が発生したとしても相互に信頼することが可能となる。さらにこのような国家が互いに連合体制を構築し、国際的危機を平和的に解決するための国際機関を創設することによって、国際平和を恒常的に維持することが可能となるとカントは主張した。このようなカントの主張を継承した民主的平和理論(democratic peace theory)があり、研究によれば国際政治史において民主主義国家と非民主主義国家の間の戦争は繰り返されてきたが、民主主義国家同士の戦争が極めて少数であることを発見し、その理由として民主主義国間においては世論の動向により政府の行動が左右されることが指摘された。
またカントの平和連合の構想は第一次世界大戦後の国際連盟、そして第二次世界大戦後の国際連合により実践されており、戦争の違法化と侵略行為に対する国際的協調に基づいた制裁の機能が準備された。また制度により国際平和を実現しようという試みはさらに国際レジーム(international regime)の形成によっても行われている。ステファン・クラズナーは国際レジームが国際関係において利害に関する期待を収斂させる原則や規範、政策手続の集合だと定義しており、例えばウィーン会議以後のヨーロッパにおいて成立していたヨーロッパの協調とは一種の安全保障の国際レジームであったと言える。
====法律的要件====
[[ファイル:Mierevelt grotius 1608.jpg|thumb|right|150px|フーゴー・グロティウス(1583年-1645年)はオランダの法学者。ライデン大学で学んで官職に就くが、内乱のためフランスに亡命することになった。自然法の概念に基づいて近代国際法の基礎を理論化し、同時に戦争についての自然法の規制を論じたことで知られる。著作には『自由海論』、『戦争と平和の法』などがある。]]
平和の条件としての法律的要件は国際法を意味しており、特に国家による武力行使を規制する戦争法規が重要な要件である。かつて古代ローマのキケロは「理由なしに企てられた戦争は不正である。なぜなら、復讐あるいは敵の撃退という理由以外に、いかなる正しい戦争も行うことができないからである」と述べて正しい戦争のあり方を定義した。キケロの定義はヨーロッパの正戦論の起点となり、トマス・アクィナスやアウグスティヌスのスコラ学的な正戦論に発展していった。自然法論の立場に立っていたフーゴー・グロティウスの学説は戦争の正当化の条件として防衛、回復、刑罰の三つであると定めている。
また戦争とは避けがたい不知によって交戦国の双方が自身の正当性を主張しうると認識し、その法的効果は両者に平等となると考えていた。このグロティウスの見解は戦争の法的規制の在り方をめぐる議論を引き起こし、国家の安全保障や独立、名誉のために戦争行為を認める学説や戦争を紛争解決手段としてのみ認める学説が示された。その結果として正しい戦争と不正な戦争の区別が法的に困難であるという合意に基づき、戦時国際法は当事国の双方に対して公平に適応されるものと考えられるようになった。
しかし、同時に武力行使を一般的に規制する国際法が成立するようになり、国際連盟の設立条約である国際連盟規約によれば、加盟国は「戦争に訴えさるの義務」を受諾し、平和的手段によって解決された紛争で武力を行使することを禁止した。この戦争の違法化は不戦条約でも明確に示され、国際紛争の解決手段としての戦争を否定しただけでなく、国家政策の手段として戦争を放棄することが定められた。また戦後の国際連合憲章では武力の行使だけでなく武力による威嚇にも規制が拡大されることになった。
現在の国際法では間接侵略を含むあらゆる武力の使用が禁止されていることが確認されており、領土の保全や政治的な独立を軍事力によって侵害することに対しては国際連合として制裁を加えることが定められている。国際連合では平和に対する脅威を与える行為や侵略行為を認定して必要な措置をとる安全保障理事会が設置されており、平和に対する脅威または平和の破壊を認定することによって、即時停戦や兵力の撤退を当事国に要請、または勧告することや、非軍事的措置と軍事的措置を発動する権限が準備されている。ただしこのような法的構造の中でも国家が自衛権に基づいた場合は武力行使が許されている。自衛権とは自国の主権に対する重大な侵害がある場合にそれを実力で排除する権利である。したがって、現在の国連憲章の下においても国家は自衛に限定する範囲において武力行使が可能であり続けており、その許容範囲は個別的自衛権だけでなく集団的自衛権も含まれている。
====道徳的要件====
[[ファイル:MichaelWalzer-USNA-Lecture.jpg|thumb|right|150px|マイケル・ウォルツァー(1935年生)はアメリカの政治哲学者。ハーヴァード大学で博士号を取得し、プリンストン大学やハーヴァード大学で教鞭をとった。共同体主義の政治哲学の研究で知られており、また戦争における道徳性を正戦論として考察した。著作には『正しい戦争と不正な戦争』、『戦争を論ずる』などがある。]]
平和の条件としての道徳的要件とは国際法学の領域とは異なる道徳哲学の領域に属する問題であり、具体的には戦争を規制する正義の要件を指している。戦争に道徳的性質を一切認めない平和主義の立場に立脚すれば、戦争を道徳的に正当化することは認められない。ガンジーは真理とは行動で示すものであり、それは肉体的な行動を精神により統一する純潔と一切の生命を傷つけない不殺生により示すことができると考えた。そしてこの非暴力の思想により恒久平和が実現するならば自国が犠牲になることも許容できると説いた。このようにガンジーは完全な非暴力を正義と同一視しているが、逆に暴力に正義を見出す現実主義の立場もある。
ホッブズは個人の自己保存を追求する行為は平等に与えられた自然権で正当化し、平和を望むことができないならば生存のために万人により戦われる戦争を許した。なぜならば、戦争状態において法は存在せず、したがって正義と不正義は判断しえないためである。これら両者の立場から区別するべき立場として正義の戦争と不正義の戦争を識別する正戦論の立場がある。現代における正戦を論じた哲学者マイケル・ウォルツァーは暴力行為が行われる戦争においても道徳的判断が存在することを前提とし、戦争への正義としての開戦法規と戦争における正義としての交戦法規の二重構造を戦争のジレンマとして扱っている。
例えば正しい戦争が生じればそれに必ず勝利しなければならず、そうでなければ不正な立場にあるはずの当事者が戦争により利益を得ることとなるためである。しかしながら、相手が不正行為である軍事行動に出ればそれに対抗して不正行為を行うことはどれほど道徳的に許容できるのかは自明ではない。ウォルツァーはこの勝利と適切に戦うことのジレンマに対して最高度緊急事態に対してのみ戦争放棄は無効とされうることを提唱している。ウォルツァーのような正戦論の立場に属しながらウォルツァーとは異なる議論としてジーン・ベスキー・エルシュテインの見解がある。彼女もウォルツァーと同様に戦争の正しさと戦争における正しさを区別しながら、戦争において使用する武力の程度は相手の脅威との比例しなければならず、また戦争において非戦闘員を保護しなければならないことを正当化の要件としている。
===軍事学の方法===
学問としての軍事学は問題の原因や性質などを考察する理論と問題に対する解決策を考察する実践の両方を包括する学問である。したがって学問としての方法論についても経験的方法と科学的方法、実践的方法が用いられる。伝統的に軍事史の研究が重要な位置を占めてきてきたが、その戦史から抽出された教訓は実践の中で経験的に修正しながら発展してきた。現代では科学的方法が導入されており、数学的モデルや統計調査に基づいた研究も行われている。
====哲学的方法====
哲学的方法の伝統は古代ギリシアで確立されたものであり、軍事学にその方法論を適用した研究者にクラウゼヴィッツがいる。哲学的方法は「どのようにあるか」を問う記述的問題だけでなく「どのようにあるべきか」を問う規範的問題にも対応できる方法論である。したがって、「統合作戦において海上兵力はどのように運用するべきか」、「攻勢と防勢のどちらを一般的に採用するべきか」などの問題に対して概念化とその概念の適応、前提の精査を通じて応答することができる。クラウゼヴィッツはヘーゲル哲学の弁証法の方法に示唆を受けながら戦争理論を構築しており、理念としての戦争の法則と実態としての戦争の事例を総合することで戦争の一般理論を提唱した。その戦争の一般理論に基づきながら戦略と戦術の概念を定義しており、軍事力の運用が依拠するべき原則が何であるかを明らかにしている。
====歴史的方法====
軍事学において戦略や戦術の原則や適用、軍事組織の構成、情報活動、兵站の機能などの主題は軍事史、特に戦史の観点から研究が伝統的になされてきた。マキアヴェリは古代ローマのレギオンから着想を得て近代国家の下に訓練された自国民から組織される常備軍を設置することを提唱し、シュリーフェンはハンニバルが戦ったカンネーの戦史から戦争の原則を抽出して戦争計画シュリーフェン計画に採用している。クラウゼヴィッツの戦争理論もフリードリヒ2世の戦史とナポレオン1世の戦史の研究に基づいて構築されている。このように軍事研究において軍事史は伝統的に教訓と示唆を与えてきた。
この歴史的方法の前提にはある特定の歴史観を認めることができる。それはモルトケが「平和の間に戦争を教える最も効果的な手段」と位置づけたことに示されるように、過去における事象が将来の事象を理解する上で有用であるはずという教訓主義である。またリデル・ハートが歴史を「普遍的な経験」と述べたように、平和が実現できたとしても過去に繰り返されたように戦争は将来において再来するものであるという循環史観が採用されている。
====科学的方法====
軍事学において科学的方法が導入されたのは18世紀から19世紀にかけての出来事であった。もともと17世紀にデカルトやライプニッツなどによって発展された合理主義の哲学、また同時期にロックなどにより確立された実証主義の思想によって科学的方法の哲学的基礎が提供された。
軍事思想史において科学的方法を採用した初期の研究者にヘンリー・ロイドとジャック・ギベールがいる。彼らはそれまで原理や法則の研究が未発達であった軍事研究に普遍的法則や一般的原理の観念を持ち込んだ。そして優れた戦略とは軍事的天才の独占物ではなく、理論化が可能な一個の技術であるものと捉えることを提唱した。この啓蒙的な軍事思想はプロイセンの軍事思想家たちに継承され、シャルンホルストが陸軍大学校を創設した際に軍事科学という研究領域が学問的にも制度的にも確立されるようになる。プロイセンで発達した軍事研究の科学的方法の一つに図上演習がある。19世紀にバロン・フォン・ライスヴィッツが砂盤演習の方法を軍事教育として洗練し、地図上に示した戦闘状況に演習員が応答することで戦術的思考と指揮能力を訓練することが可能となった。現在では戦闘損耗に関するランチェスターの法則などの数学的モデルが導入されるなど、軍事研究において重要な方法論として使用、発展されている。
==軍事史学==
軍事学における戦争、戦闘、軍事制度の分析の方法として軍事史の研究は中核的な位置を占めている。軍事史は慣習的に専門的観点と学術的観点から研究されており、作戦・戦闘の歴史を調べる専門的観点が伝統的な軍事史の基礎となっている。軍事史学の独自性とは戦略、戦術、兵站のような要素や指揮官の技能や決断、兵器や軍事制度の特性や影響に着目することであり、これらの着眼点から他の歴史学全般から区別することができる。ここでは軍事史を研究する上での基本的な理論的立場を踏まえた後に、古代から現代までの軍事史を概観する。
===軍事史の理論===
====専門的軍事史====
[[Image:Hans Delbrueck.jpg|thumb|right|150px|ハンス・デルブリュック]]
====新しい軍事史====
===近世以前の軍事史===
====古代の軍事史====
[[ファイル:Thucydides-bust-cutout ROM.jpg|thumb|right|150px|トゥキディデス(前460-395年)はアテネの将軍であり、歴史家である。ペロポネソス戦争においてアテネ軍の部隊指揮官として戦うが、戦闘の敗北責任から追放刑に処され歴史家となる。ペロポネソス戦争に対して現実主義的な叙述を行っている。著作は『戦史』がある。]]
====中世の軍事史====
====近世の軍事史====
[[ファイル:Bonabarte Premier consul.jpg|thumb|right|150px|ナポレオン・ボナパルト(1769年-1821年)はコルシカ島出身の軍人であり、フランスの皇帝である。フランスで政権を掌握し、その後の戦争でも勝利を重ねてた。迅速に機動し敵に奇襲をかける戦争術を実践した。彼の軍事思想は『ナポレオン格言集』から研究することができる。]]
====近代の軍事史====
====現代の軍事史====
==戦略学==
===戦略の概念===
[[ファイル:Enchoen27n3200.jpg|thumb|right|150px|]]
===戦略の原理===
[[ファイル:Antoine de Jomini.jpg|thumb|right|150px|]]
[[ファイル:Friedrich_Zweite_Alt.jpg|thumb|right|150px|フリードリヒ2世(1712年-1786年)はプロイセンの国王である。1740年に即位してから2度にわたるシュレージエン戦争、七年戦争、バイエルン継承戦争などの戦争を指導した。軍事研究にも取り組み、戦略だけでなく戦術についても考察している。著作には『軍事的遺言』や『七年戦争史』などがある。]]
===戦略の応用===
[[ファイル:Edward Nicolae Luttwak.jpg|thumb|right|150px|リンク=Special:FilePath/Edward_Nicolae_Luttwak.jpg]]
==戦術学==
===戦術の理論===
[[ファイル:HannibalTheCarthaginian.png|thumb|right|150px|リンク=Special:FilePath/HannibalTheCarthaginian.png]]
[[ファイル:Robert Edward Lee.jpg|thumb|right|150px|]]
[[ファイル:Dennis Hart Mahan.jpg|thumb|right|150px|]]
===攻勢作戦の要則===
[[ファイル:Suvorov Alex V.jpg|thumb|right|150px|アルフレート・シュリーフェン]]
===防勢作戦の要則===
==兵站学==
===軍事行政===
===補給・輸送・衛生===
===戦闘の損害===
==陸上作戦==
===陸上戦力の役割===
===陸戦の基本特性===
===陸軍の装備体系===
==海上作戦==
===海上戦力の役割===
===海戦の基本特性===
===海軍の装備体系===
==航空作戦==
===航空戦力の役割===
===空戦の基本特性===
===空軍の装備体系===
==軍事地理学==
===地政学===
===軍事地誌学===
===地形分析===
==国際法と戦争==
===国際法の秩序===
===国際安全保障===
===武力紛争法===
==指揮・統率・管理==
===指揮===
===統率===
===管理===
==情報作戦==
===情報戦の理論===
===偵察・監視===
===保全・防諜===
==安全保障==
===軍事政策===
===外交政策===
===平和作戦===
==軍隊組織==
===政軍関係の理論===
===軍隊と社会===
===軍隊と経済===
==軍事技術==
===電子戦===
===ミサイル技術===
===大量破壊兵器===
[[ファイル:Helmuth von Moltke (1800-1891).jpg|thumb|right|150px|]]
[[ファイル:JFC Fuller.jpg|thumb|right|150px|ジョン・フレデリック・フラー(1878年-1966年)はイギリスの軍人である。イギリス陸軍の将校として第一次世界大戦に従軍し、陸軍大学校での教育と研究に携わった。機甲部隊によって敵の防御陣地を突破する戦闘教義を開発した。彼の著作には『第一次連盟戦争』、『機甲戦についての講義』、『戦争の指導』などがある。]]
[[ファイル:Lenin 1920.jpg|thumb|right|150px|ウラジミール・レーニン(1870年-1924年)はロシアの革命家である。カザン大学で社会主義を研究した後に、ロシアでの革命運動を指導した。帝国主義戦争の分析と国家を暴力で転覆する革命戦略について論じている。著作に『帝国主義論』、『国家と革命』などがある。]]
[[ファイル:Ivanbloch.jpg|thumb|right|150px|イヴァン・ブロッホ(1836年-1902年)はポーランド出身の実業家である。銀行員として勤務したが、後に鉄道事業に携わり、ポーランドとロシアの鉄道建設に貢献した。普仏戦争の後に戦争研究を発表し、軍隊の大規模化、軍事産業の観点から長期的消耗戦の戦争の発生を予測した。著作には『将来の戦争』がある。]]
[[ファイル:Erich Ludendorff.jpg|thumb|right|150px|エーリヒ・ルーデンドルフ(1865年-1937年)はドイツの軍人であり、政治家である。第一次世界大戦ではドイツ軍の参謀として戦っていたが、後に参謀次長としてドイツの戦争指導に携わり、戦後はナチ党の政治家へ転身した。戦争が軍隊だけで行われるのではなく、国民をも巻き込む総力戦へと本質的に変化したと主張した。著作に『世界大戦を語る』、『国家総力戦』などがある。]]
[[ファイル:Henry Kissinger Shankbone Metropolitan Opera 2009.jpg|thumb|right|150px|ヘンリー・キッシンジャー(1923年生)はアメリカの外交官であり、政治学者でもある。ハーヴァード大学で博士号を取得して同学で教授となるが、ニクソン政権で政界に入り安全保障政策に携わるようになった。現実主義に基づいた欧米の外交史と核戦略を理論化した研究成果で知られているだけでなく、実際の実務においても業績が認められている。著作に『核兵器と外交政策』、『回復された世界秩序』などがある。]]
[[ファイル:Thomas Schelling.jpg|thumb|right|150px|トマス・シェリング(1921年生)はアメリカの戦略研究者である。ハーヴァード大学で経済学の博士号を取得し、政府組織で勤務した後にイェール大学やハーヴァード大学で教鞭をとる。ゲーム理論の領域で研究を進め、外交を交えた戦略的行動についての理論を提唱した。著作に『紛争の戦略』などがある。]]
[[ファイル:Raimondo-montecuccoli.jpg|thumb|right|150px|ライモンド・モンテクッコリ(1609年-1680年)はオーストリアの軍人である。三十年戦争で伯父のエルンスト伯爵の連隊に将校として所属し、時には捕虜となりながら各地の戦闘を転戦した。戦争の合い間に著述を行い、戦争の法則や政策との関係を研究した。著作には『戦争論』、『兵術論』などがある。]]
[[ファイル:Bismarck_pickelhaube.jpg|thumb|right|150px|オットー・フォン・ビスマルク(1815年-1898年)はプロイセン、ドイツの政治指導者である。ベルリン大学を卒業し、プロイセンの首相としてドイツ統一を牽引してドイツ帝国の初代宰相となる。晋仏戦争を指導しただけでなく外交手腕を発揮してビスマルク体制と呼ばれる国際関係を構築した。]]
[[ファイル:Liddell_Hart.jpg|thumb|right|150px|べジル・リデル・ハート(1895年-1970年)はイギリスの軍事史家であり戦略研究者である。ケンブリッジ大学で学び、陸軍将校として第一次世界大戦で戦い、戦間期から軍事問題に関する著述と評論を行う。機甲部隊の戦略的効果を指摘し、戦略理論の発達に寄与した。著作に『戦略』、『戦車』などがある。|リンク=Special:FilePath/Liddell_Hart.jpg]]
[[ファイル:Bundesarchiv Bild 101I-139-1112-17, Russland-Mitte, Heinz Guderian.jpg|thumb|right|150px|ハインツ・グデーリアン(1888年-1954年)はドイツの軍人である。ドイツ陸軍の将校として第一次世界大戦では部隊勤務を経験し、第二次世界大戦で師団長として戦歴を重ねる。機甲戦術の研究を行い、機動力を最大限に発揮する教義を開発して陸軍の自動車化を指導した。著作に『戦車に注意せよ』、『電撃戦』などがある。]]
[[ファイル:Te lawrence.jpg|thumb|right|150px|]]
[[ファイル:GuerrilleroHeroico.jpg|thumb|right|150px|]]
[[ファイル:Maurice Quentin de La Tour 001.jpg|thumb|right|150px|]]
[[ファイル:Oliver Cromwell by Samuel Cooper.jpg|thumb|right|150px|]]
[[ファイル:DuPicq.jpg|thumb|right|150px|リンク=Special:FilePath/DuPicq.jpg]]
[[ファイル:Napoli BW 2013-05-16 16-24-01.jpg|thumb|right|150px|]]
[[ファイル:0092 - Wien - Kunsthistorisches Museum - Gaius Julius Caesar.jpg|thumb|right|150px|]]
近代において軍隊(armed forces)はナショナリズム、代議制、憲法、官僚機構、警察組織などと並んで国民国家の基盤であり、歴史的にはヨーロッパで近代的な軍隊が形成されたが、列強が植民地化を進める過程でアフリカやラテンアメリカ、アジアなどにも同様に導入されていった。軍隊は軍事行動の中心的な主体であり、国家の下で国防の責任を担っている武装した社会集団である。近代以前において市民兵によって軍隊が組織されていたが、18世紀から19世紀にかけて社会の産業化や軍事知識の専門化が進むにつれて職業軍人が軍隊を組織するようになった。また軍隊では軍事的機能に組織を特化させるために一般の社会とは異なる制度や慣習が定着している。そのために社会に対して軍隊は独自の組織的特性を備えている。ここでは軍隊について概説するために、軍事組織、文民社会、そして政軍関係の観点から論じていく。
[[ファイル:Gustav II of Sweden.jpg|thumb|right|150px|グスタフ2世(1594年-1632年)はスウェーデンの国王であり、軍の指揮官である。スウェーデン・ポーランド戦争や三十年戦争で戦争を指導し、またスウェーデン軍の近代化を促す軍制改革を実施したことから、その教義や制度は諸外国でも参照された。その軍事的業績によってバルト帝国の基礎を築いた。]]
[[ファイル:Samuel P. Huntington (2004 World Economic Forum).jpg|thumb|right|150px|]]
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[[ファイル:Julian S. Corbett.jpg|thumb|right|150px|リンク=Special:FilePath/Julian_S._Corbett.jpg]]
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[[ファイル:Billy Mitchell.jpg|thumb|right|150px|]]
[[ファイル:|thumb|right|150px|]]
[[ファイル:|thumb|right|150px|]]
== 関連項目 ==
*[[軍事学概論/はじめに]]
*[[軍事学概論/地政学]]
*[[軍事学概論/後方支援]]
*[[軍事学概論/情報作戦]]
*[[軍事学概論/戦争]]
*[[軍事学概論/戦略と戦術]]
*[[軍事学概論/民間防衛]]
*[[軍事学概論/海上作戦]]
*[[軍事学概論/終わりに]]
*[[軍事学概論/統率論]]
*[[軍事学概論/航空作戦]]
*[[軍事学概論/軍事史]]
*[[軍事学概論/軍事政策]]
*[[軍事学概論/陸上作戦]]
*[[
[[Category:軍事学|くんしかくかいろん]]
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Blender 3D/目次
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/* 入門 */ 孤立ページへのリンク追加
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この教科書はレファンスのようなツールの使い方自体の指南を目的にしたものです。実際に3Dモデリングをしてみたい人は実践的な教科書、[[3DCG作成]]を参照してください。
== 目次 ==
=== 序説 ===
# [[Blender 3D/Blenderについて|Blenderについて]]
# [[Blender 3D/FAQ|FAQ]]
=== Blender 3Dマニュアル ===
==== 入門 ====
# [[Blender 3D/Blenderのスクリーン|Blenderのスクリーン]]
# [[Blender 3D/モードの変更とオブジェクトの選択|モードの変更とオブジェクトの選択]]
# [[Blender 3D/移動とコピー・ペースト|移動とコピー・ペースト]]
# [[Blender 3D/メッシュの編集|メッシュの編集]]
# [[Blender 3D/カーブとサーフェイスの編集|カーブとサーフェイスの編集]]
# [[Blender 3D/テキスト|テキスト]]
# [[Blender 3D/ライト|ライト]]
# [[Blender 3D/カメラ|カメラ]]
# [[Blender 3D/レンダリング|レンダリング]]
# [[Blender 3D/影|影]]
# [[Blender 3D/性質|性質]]
# [[Blender 3D/テクスチャと画像|テクスチャと画像]]
# [[Blender 3D/バックグラウンド|バックグラウンド]]
# [[Blender 3D/アニメーション|アニメーション]]
# [[Blender 3D/ダウンロードとインストール|ダウンロードとインストール]]
==== 応用 ====
# [[Blender 3D/高度なアニメーション|高度なアニメーション]]
# [[Blender 3D/物理的なシミュレーション化|物理的なシミュレーション化]]
# [[Blender 3D/スクリプト|スクリプト]]
== 外部リンク ==
* [https://www.blender.org/ www.blender.org/]
== 参考資料 ==
* [https://docs.blender.org/manual/ja/3.6/index.html Blender 3.6 リファレンスマニュアル]
[[Category:Blender 3D]]
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ロジバン
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/* 資料 */ == 関連項目 == *[[ロジバン/3つの主なタイプの言葉]] *[[ロジバン/メーリングリスト]] *[[ロジバン/会話表現集]] *[[ロジバン/文法/簡単な文章]] *[[ロジバン/日本語助詞]]追加
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[[メインページ]] > [[語学]] > '''ロジバン'''
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|[[Image:Lojban logo.png|thumb|300px|ロジバンは自然言語とコンピュータ言語の特徴を兼ね備えます。
曖昧な表現も、合理的な文章も、思いのままです。
その奥深さに触れてみましょう。]]
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|{{Wiktionary|Category:ロジバン|ロジバン}}
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|{{蔵書一覧}}
|-
|{{進捗状況}}
|}
== 入門編 ==
*[[ロジバン/発音する|発音する]]{{進捗|75%|2012-11-07}}
*[[ロジバン/文法/表記法|表記法を知る]]{{進捗|25%|2012-11-07}}
*[[ロジバン/形態と品詞|単語の種類を見分ける]]{{進捗|25%|2012-11-07}}
*[[ロジバン/語彙力|単語を覚える]]{{進捗|25%|2012-11-07}}
*[[ロジバン/文法/文をつくる|文をつくる]]{{進捗|25%|2012-11-07}}
*[[ロジバン/コミュニティ|コミュニティで交流する]]{{進捗|25%|2012-11-07}}
*[[ロジバン/jbovlaste|jbovlasteで新しい単語を作る]]{{進捗|25%|2012-11-07}}
== 修得編 ==
[[ロジバン/音韻論|'''音韻論''']] snagerna   [[Image:Lojban-snagerna.svg|30px]]
*[[ロジバン/音韻論#アスキー式|アスキー式]]
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[[ロジバン/形態論|'''形態論''']] vlagerna   [[Image:Lojban-vlagerna.svg|100px]]
*[[ロジバン/形態論#brivla|内容語 brivla]]
*[[ロジバン/形態論#ma'ovla|機能語 ma'ovla]]
*[[ロジバン/形態論#cmevla|名称語 cmevla]]
{{進捗|50%|2012-11-07}}
[[ロジバン/統語論|'''統語論''']] jufgerna   [[Image:Lojban-jufgerna.svg|80px]]
*[[ロジバン/統語論/selbri|用言 selbri]]
*[[ロジバン/統語論/sumti|体言 sumti]]
*[[ロジバン/統語論/sumtcita|付辞 sumtcita]]
*[[ロジバン/統語論/cnipau|心態部 cnipau]]
*[[ロジバン/統語論/li'erpau|話題部 li'erpau]]
*[[ロジバン/統語論/接続表現|接続表現]]
*[[ロジバン/統語論/疑問表現|疑問表現]]
*[[ロジバン/統語論/数量表現|数量表現]]
*[[ロジバン/統語論/構文境界|構文境界]]
*[[ロジバン/統語論/転換と置換|転換と置換]]
{{進捗|50%|2012-11-07}}
== 資料 ==
*[[ロジバン/目次/ロジバンについての英語資料の日本語訳|ロジバンについての英語資料の日本語訳]]
* [https://mw.lojban.org/papri/学習 教科書・音声資料・辞書・読み物などの最新のリスト]
== 関連項目 ==
*[[ロジバン/3つの主なタイプの言葉]]
*[[ロジバン/メーリングリスト]]
*[[ロジバン/会話表現集]]
*[[ロジバン/文法/簡単な文章]]
*[[ロジバン/日本語助詞]]
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位相空間論
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AkiR27User
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text/x-wiki
このページでは、位相空間に関する基本的な一般論を解説する。集合論と解析学の初歩知識は仮定するので、おぼつかない読者は[[集合論]]や[[解析学基礎]]などを参照のこと。位相空間に関するより進んだ内容は、例えば[[位相幾何学]]などにいずれ書かれるだろう。
命題にはなるべく証明を付したが、まだ書きかけの教科書なので、証明のついていない命題もある。証明は一段下げて書いたので、事実だけをすばやく知りたいときは読み飛ばすこともできるが、はじめはなるべく証明を追うべきである。また、証明のまだついていない命題に対しては、読者は積極的に自分で証明を作りながら読み進めるべきである。
== 位相空間とはなにか ==
位相空間とは、集合に対して、「位相」というある種の構造を付加したもののことである。
解析学においては、点列の収束や関数の連続性といった概念はとても重要な概念であった。これらの概念はEuclid空間でしか定義されていないが、もし他の集合でも同様の概念を定義できれば、その集合上でも解析学や幾何学が展開できるだろう。位相という概念を考える動機はここにある。すなわち、Euclid空間が持っているある種の構造を抜き出して特徴づけることで、他の集合にも同様の構造を与え、同じような理論を展開しようというものである。
それでは、具体的にはどのような構造を与えることが必要十分なのであろうか。それを考える上で、次の命題が重要な手がかりとなる。
'''命題''' 実数上の関数 <math>f \colon \mathbb{R} \to \mathbb{R}</math> について、次は同値である:
# f は連続関数である;
# 任意の開集合 <math>U \subset \mathbb{R}</math> に対して、 <math>f ^{-1} [U]</math>は開集合である;
:(証明)
:1⇒2: ''f'' を連続関数、''U'' を開集合とする。<math>x_0 \in f^{-1}[U]</math>を任意にとり、<math>y_0=f(x_0)</math>とする。<math>y_0 \in U</math>であり、''U''は開集合なので、ある <math>\varepsilon>0</math>が存在して、<math>|y-y_0|<\varepsilon \Rightarrow y \in U</math>である。''f''は連続なので、この <math>\varepsilon</math>に対してある <math>\delta</math>が存在して、<math>|x-x_0|<\delta \Rightarrow |f(x)-y_0|<\varepsilon</math>である。すなわち、<math>|x-x_0|<\delta \Rightarrow x \in f^{-1}[U]</math>である。したがって、<math>f^{-1}[U]</math>は開集合である。
:2⇒1: 次に、任意の開集合''U''に対して<math>f^{-1}[U]</math>は開集合だとする。<math>x_0 \in \mathbb{R},\, \varepsilon>0</math>を任意に取り、<math>y_0=f(x_0)</math>とする。<math>U:=\{y \in \mathbb{R};\ |y-y_0|<\varepsilon\}</math>は開集合なので、<math>f^{-1}[U]=\{x \in \mathbb{R};\ |f(x)-y_0|<\varepsilon\}</math>は開集合である。すなわち、ある <math>\delta>0</math>が存在して<math>|x-x_0|<\delta \Rightarrow |f(x)-f(x_0)|<\varepsilon</math>である。よって、''f'' は連続である。//
この命題からわかることは、これまで関数の連続性は「近くが近くに移る」という概念だと理解してきたが、実は「開集合の逆像が開集合である」という概念だと言い換えることができる、ということである。すなわち、「開集合」という概念さえ定義できれば、「近く」という概念を定義せずとも連続性を扱えるということである。
== 位相空間の定義 ==
=== 開集合の公理 ===
前節では、集合に対して「開集合」という概念を与えると、集合の間の写像に対して「連続」という概念を考えることができそうだということを見た。しかし、「開集合」という概念の与え方が滅茶苦茶であったら、純粋に論理的に見るだけならば整合性はあったとしても、実際上の意味は皆無だろう。「開集合」という概念の与え方にある程度の制限をつけておく必要がある。もちろん、その制限を与える根拠は、既に知っているEuclid空間の開集合に求められるだろう。そのように考え、次のような制限を与えることにする。
'''公理''' 集合Xのある部分集合族 <math>\mathcal{O}</math>が次の3条件を満たすとき、<math>\mathcal{O}</math>はXに位相を与える、あるいは単にXの位相であるといい、集合 <math>S \in \mathcal{O}</math>を ''X'' の開集合という。開集合の補集合を閉集合という。集合 ''X'' と位相<math>\mathcal{O}</math>の組<math>(X,\mathcal{O})</math>を位相空間という。
# <math>O_1,O_2 \in \mathcal{O} \Rightarrow O_1 \cap O_2 \in \mathcal{O}</math>
#<math>\{ O_\lambda\}_{\lambda \in \Lambda} \subset \mathcal{O} \Rightarrow \bigcup_{\lambda \in \Lambda} O_\lambda \in \mathcal{O}</math>
#<math>X \in \mathcal{O}</math>
Euclid空間における通常の意味での開集合がこの公理を満たしていることを確認されたい。Euclid空間に通常の意味での開集合を定義することで与えられる位相を、Euclid位相と呼ぶ。
注意すべきことは、同じ集合に対して異なる位相を与えることも可能であり、その場合、異なる位相を与えれば異なる位相空間とみなされるということである。例えば実数全体の集合にEuclid位相以外の位相を入れることも可能である。特に集合が有限集合の場合はその集合に何種類の位相を与えることができるかまで調べることが可能である(それを数えてもあまり意味はないが)。
この定義から直ちにわかる次の事実を示そう:
'''定理 '''<math>(X,\mathcal{O})</math> を位相空間とするとき, <math>\emptyset \in \mathcal{O}</math> が成り立つ.
'''証明 '''<math>\bigcup \emptyset=\bigcup_{A \in \emptyset}A=\{\ x \in X;\ \exists\ A \in \emptyset \text{ s.t. } x \in A\ \}
=\{\ x \in X;\ \exists\ A \text{ s.t. } [A \in \emptyset \wedge x \in A]\ \}
=\{\ x \in X;\ \text{false}\ \}=\emptyset</math> と公理の2から明らか. ■
'''注意 '''上記の公理は, 次のものに替えることもできる:
*<math>\{O_\lambda\}_{\lambda \in \Lambda},\ \#\Lambda<\infty \Rightarrow \bigcap_{\lambda \in \Lambda}O_\lambda \in \mathcal{O}</math>
*<math>\{ O_\lambda\}_{\lambda \in \Lambda} \subset \mathcal{O} \Rightarrow \bigcup_{\lambda \in \Lambda} O_\lambda \in \mathcal{O}</math>
==== 位相空間の例 ====
位相空間の具体例を挙げる。先ほどから述べているように、Euclid空間に通常の意味での開集合を定義することで位相空間とみなすことができる。
'''例'''(Euclid位相)
<math>X=\mathbb{R}^n</math>において、
:<math>X \in \mathcal{O} \Leftrightarrow [\forall\, x \in X,\ \exists\, \varepsilon >0 \text{ s.t. } |x-y|<\varepsilon \Rightarrow y \in X]</math>
また、一般に、任意の集合''X''に対して次のような2つの位相を与えることができることがすぐわかる。
'''例'''(離散位相)
<math>\mathcal{O} = \mathcal{P}(X):=\{ S;\ S \subset X \} </math>
'''例'''(密着位相)
<math>\mathcal{O} = \{ X , \emptyset \} </math> (これを密着位相という)
これらの位相はもっとも極端な位相の一例である。これから先「位相空間であって、さらに~~という条件を満たすもの」といって幾種類かの位相空間を特別に扱うが、しばしばEuclid位相はその性質を満たしてしまうので、その条件がいったい何を要求しているのかがわかりづらい。離散位相や密着位相はしばしばその条件を満たさないので、理解の役に立つだろう。
'''例'''(補有限位相)
<math>\mathcal{O}=\{\emptyset\} \cup \{S \subset X | \#(X \setminus S)<\infty \}</math>
すなわち、有限集合(と''X''自身)を閉集合とするのである。これも位相空間の公理を満たすことが容易に確かめられる。なお、補有限位相は''X''自身が有限集合の場合は離散位相と一致するので、普通は''X''が無限集合の場合に考える。
=== 連続写像 ===
位相空間と開集合を定義することができたので、これによって、位相空間の間の写像の連続性を定義できることになる。
'''定義''' <math>(X,\mathcal{O}_X),(Y,\mathcal{O}_Y)</math>を位相空間とする。写像<math>f \colon X \to Y</math>が連続であるとは、<math>U \in \mathcal{O}_Y \Rightarrow f^{-1}[U] \in \mathcal{O}_X</math>が成り立つことである。特に、写像が連続かつ全単射で、逆写像も連続なとき、同相写像という。
2つの位相空間の間に同相写像があるとき、この2つの位相空間は同相であるという。
群同型などの定義を知っている読者は、同相写像の定義に「逆写像も連続なとき」という条件がわざわざついていることに違和感を感じるかもしれない。だが群などの場合は、全単射な準同型は逆写像も必ず準同型になることが保証されるので、たまたまこのような条件が不要なるというだけである。位相空間の間の連続な全単射の逆写像は必ずしも連続になるとは限らないので、この条件がなければ2つの位相空間が同相という関係が(対称律を満たさないので)同値関係ではなくなってしまう。
'''例''' 元が2つ以上ある集合''X''に離散位相を入れた空間を<math>X_d</math>とし、密着位相を入れた空間を<math>X_t</math>とする。このとき、恒等写像 <math>\text{id} \colon X_d \to X_t</math> は連続であるが、逆写像 <math>\text{id}^{-1} \colon X_t \to X_d</math>は連続でない。
=== 開核と閉包 ===
位相空間Xとその部分集合Aについて、Aに含まれるXの開集合で(包含関係について)最大のものをAの'''開核'''または'''内部'''といい、<math>A^\circ</math>であらわす。また、Aを含む閉集合で最小のものをAの'''閉包'''といい、<math>\overline{A}</math>であらわす。また <math>\partial A:=\overline{A} \setminus A^\circ</math>をAの'''境界'''という。また、さらに <math>X=\overline{A}</math>が成り立つとき、AはXで'''稠密'''であるという。
開核と閉包を用いて、開集合と閉集合を特徴づけることができる。
'''命題''' 位相空間Xの部分集合Aについて次が成り立つ。
# ''A''は開集合である ⇔ <math>A=A^\circ</math>
# ''A''は閉集合である ⇔ <math>A=\overline{A}</math>
== 誘導位相・部分位相・商位相 ==
=== 誘導位相 ===
集合<math>X</math>と位相空間<math>(Y,\mathcal{O}_Y)</math>の間に写像<math>f \colon X \to Y </math>があるとする。この状況において<math>X</math>に新たに位相を与えるとすれば、どのような位相を与えるのが自然だろうか?当然、写像<math>f</math>が連続になるように与えるのが自然であろう。すなわち、
<math>\mathcal{O}_X:=\{f^{-1}[U];\ U \in \mathcal{O}_Y\}</math>
とすればよさそうである。実際、このように定めると位相空間の公理を満たす。このようにして与えられる<math>X</math>の位相を、写像<math>f</math>によって誘導される位相という。
===部分位相===
<math>(X,\mathcal{O}_X)</math>を位相空間とする。Xの部分集合Sに位相を与えるには、包含写像が誘導する位相を与えるのが一般的である。すなわち、
<math>\mathcal{O}_S:= \{ U \cap S;\ U \in \mathcal{O}_X \}.</math>
このようにして定める位相を、部分位相ないしは相対位相という。以下、特に断りがなければ位相空間の部分集合には部分位相を与える。部分位相を与えられた部分空間を部分空間という。
'''例''' 整数の集合<math>\mathbb{Z}</math>はEuclid空間<math>\mathbb{R}</math>の部分集合なので、部分位相を入れることができる。この位相は離散位相と一致する。
'''問''' これを示せ。
===商位相===
<math>(X,\mathcal{O}_X)</math>を位相空間とする。Xを同値関係で割った商集合X/~に位相を与えるには、次のように与えるのが一般的である。
<math>\mathcal{O}_{X/\sim} := \{ U;\ \pi ^{-1} [U] \in \mathcal{O}_X \}</math>
ただし<math>\pi</math>は商集合への自然な全射である。自然な全射が連続となるように位相を定めたと理解できる。このようにして定める位相を、商位相ないし等化位相という。以下、特に断りがなければ位相空間の商集合には商位相を与える。商位相を与えられた位相空間を商空間という。
'''例''' Euclid空間<math>\mathbb{R}</math>上の同値関係~を <math>x \sim y :\Leftrightarrow x-y \in \mathbb{Z}</math>で定める。このとき、商空間<math>\mathbb{R}/{\sim}</math>は、<math>\mathbb{R}^2</math>の部分空間 <math>S^1:=\{(x,y)\in\mathbb{R}^2;\ x^2+y^2=1\}</math>と同相である。
'''問''' これを示せ。
== 開集合の基と積位相 ==
=== 基と準基 ===
位相空間 <math>(X,\mathcal{O}_X)</math> において、''X''の部分集合族 <math>\mathcal{B}</math> の部分集合 <math>\mathcal{U}</math> を用いて任意の開集合''U''が <math>U=\bigcup \mathcal{U}</math> と表されるとき、<math>\mathcal{B}</math>はこの開集合系の'''基'''であるという。位相空間が高々可算の濃度からなる基を持つとき、この空間は'''第二可算公理'''を満たすという。
逆に、部分集合族を任意に与えたとき、その部分集合族を基とする開集合系が存在するだろうか。一般には存在しないが、部分集合族<math>\mathcal{B}</math>が次の条件を満たせばよい。
'''命題''' 集合''X''の部分集合族 <math>\mathcal{B}</math> が次の条件を満たすとき、<math>\mathcal{O}:=\left\{ \bigcup \mathcal{U};\ \mathcal{U}\subset\mathcal{B} \right\}</math>は開集合系の公理を満たし、<math>\mathcal{B}</math>を基とする開集合系となる。
# <math>\bigcup\mathcal{B}=X</math>
#<math>\forall\ B_1 ,\, B_2 \in \mathcal{B},\ \exists \ \mathcal{V} \subset \mathcal{B} \text{ s.t. } B_1 \cap B_2 = \bigcup \mathcal{V}</math>
では、この条件を満たさない部分集合族から位相を構成するにはどうすればよいだろうか。そのためには、次のように修正すればよい。
'''命題''' 集合''X''の部分集合族<math>\mathcal{B}'</math>が<math>\bigcup\mathcal{B}'=X</math>を満たすとき、<math>\mathcal{B}:=\left\{\bigcap_{i=1}^{n}S_i;\ S_i \in \mathcal{B}' \right\}</math>は開集合の基となる条件を満たす。
すなわち、族に属する集合たちの有限個の交わりを追加するのである。このようにして作った<math>\mathcal{B}</math>を基とする位相を<math>\mathcal{B}'</math>が生成する位相といい、<math>\mathcal{B}'</math>をこの位相の'''準基'''という。
なお、<math>\mathcal{B}</math>が基となる条件を満たす場合、<math>\mathcal{B}</math>が生成する位相は<math>\mathcal{B}</math>を基とする位相に他ならない。
=== 積位相 ===
位相空間<math>(X_i,\mathcal{O}_{X_i}) \ (i=1,2,...)</math>の直積に位相を入れることを考える。部分位相や商位相の場合と同じように、直積の場合は第i成分への射影<math>p_i \colon X_1 \times X_2 \times \cdots \to X_i</math>が連続になるような位相を入れることを目標にしたい。
最も安直な発想をするならば、<math>\mathcal{S} := \bigcup_{i=1}^\infty \{ p_i^{-1}[U];\ U \in \mathcal{O}_{X_i} \}</math>という集合族が考えられる。しかし、この集合族は位相空間の公理を満たさず、開集合系ではない。だが、前節で見た開集合基となるための条件は満たしている。そこで、直積集合には、<math>\mathcal{S}</math>によって生成される開集合系によって位相を与えることにする。このようにして与えられる位相を'''積位相'''という。以下、特に断りがなければ位相空間の直積には積位相を与える。
== 連結・コンパクト・Hausdorff ==
この項では、位相空間の中で特別なよい性質を満たすものに特別な名前を与えていく。これらの性質がどのようなものであるかをよく理解するために、本文中で与える例のほかにも、それぞれの性質を満たす位相空間と満たさない位相空間の例を作りながら読むとよいだろう。
=== 連結空間 ===
位相空間が連結であるとは、直感的にはその空間が「繋がっている」ということである。より厳密には下のように定義される。
'''定義''' 位相空間Xが連結であるとは、Xの開かつ閉な部分集合はX自身と空集合に限ることである。
この定義が何を言わんとしているかを少し直感的に解説する。数直線<math>\mathbb{R}</math>の部分空間[0,1] ∪ [2,3]を考える。この集合は、直感的には「繋がっていない」。ところで、この集合の部分集合[0,1]は開集合であり、また[2,3]も開集合である(よくわからなければ部分位相の定義を確認せよ)。したがって、[0,1]と[2,3]は開集合であり、また閉集合でもある。ところが、直感的に見て「繋がっている」部分空間[0,1]を考えると、そのような開かつ閉な部分集合はありそうにない。以上の例から、この定義の妥当性が少しは納得できただろうか。
'''命題''' 連結集合の連続写像による像は連結である。
:(証明)<br />Xを連結な位相空間、Yを位相空間、<math>f \colon X \to Y</math>を全射な連続写像とする。Yが連結でないと仮定すると、Yの空でない真部分集合であって、開かつ閉であるものが存在する。これをUと書き、<math>V:=Y \setminus U</math>とする。U,Vは開集合で、fは連続写像なので、<math>f^{-1}[U],\ f^{-1}[V]</math>は開集合である。また、<math>f^{-1}[U]=X \setminus f^{-1}[V]</math>であり、したがって<math>f^{-1}[U]</math>は閉集合である。また、fは全射なので、<math>f^{-1}[U],\ f^{-1}[V]</math>は空でない。したがって、<math>f^{-1}(U)</math>はXの開かつ閉な空でない真部分集合であり、このような集合が存在することは矛盾。ゆえにYは連結である。//
'''命題''' 連結集合の直積は連結である。
一方、連結集合の部分集合は連結とは限らない。<math>\mathbb{R}</math>は連結なので、先ほど挙げた例が反例になっている。
連結性とよく似た概念に、弧状連結性がある。
'''定義''' 位相空間Xが弧状連結であるとは、任意の <math>a,b \in X</math>に対して、ある連続写像 <math>\gamma \colon [0,1] \to X</math>であって<math>\gamma(0)=a,\ \gamma(1)=b</math>を満たすものが存在すること。
つまり、位相空間Xの任意の2点を結ぶ「弧」がある、ということである。
'''命題''' 弧状連結な位相空間は連結である。
ところが、連結であっても弧状連結であるとは限らない。反例を作ってみよ。(少し難しい)
=== コンパクト空間 ===
位相空間Xの開集合の族であって、<math>\bigcup \mathcal{U} = X</math>を満たすものを開被覆という。Xの任意の開被覆において、そのうちの有限個だけをとってもやはり開被覆となるもの(有限部分被覆という)が存在するとき、Xはコンパクトであるという。
コンパクトな集合の例と、コンパクトでない集合の例を挙げる。
'''例''' 集合''X''に密着位相を入れた空間はコンパクトである。
:(証明)<br />開被覆は<math>\{X\}</math>だけであり、これ自身有限部分被覆である。
'''例''' 有限集合はコンパクトである。
:(証明)<br />n個の元を持つ有限集合の部分集合の個数は2<sup>n</sup>個なので、この集合の開部分集合の個数はこれより少ない(有限個である)。よって、有限集合の任意の開被覆は有限個の開集合によって成っているので、それ自身が有限部分被覆である。//
'''例''' 集合''X''に補有限位相を入れた空間はコンパクトである。
:(証明)
:開被覆<math>\mathcal{U}</math>を任意にとり、空でない開集合<math>U_0 \in \mathcal{U}</math>をひとつとる。<math>X \setminus U_0</math>は有限集合なので、<math>X \setminus U_0=\{x_1,x_2,\cdots,x_n\}</math>とする。<math>\mathcal{U}</math>は開被覆なので、各<math>x_i</math>に対してその元を含む開集合<math>U_i \in \mathcal{U}</math>が存在する。このとき、<math>\{U_i\}_{i=0,1,2,\cdots,n}</math>は<math>\mathcal{U}</math>の有限部分被覆である。
'''例''' 無限集合''X''に離散位相を入れた空間はコンパクトではない。
:(証明)<br /> <math>\mathcal{U}=\{\ \{x\};\ x \in X\ \}</math>は''X''の開被覆だが、有限の部分被覆を持たない。
'''例''' <math>\mathbb{R}</math>の部分集合(0,1)はコンパクトではない。
:(証明)<br /><math>\mathcal{U}=\Big\{ \Big(\frac{1}{n},1\Big);\ n=2,3,\dots \Big\}</math>は(0,1)の開被覆だが、有限の部分被覆を持たない。//
また、一般に次が成り立つ。
'''命題''' コンパクト集合の連続写像による像はコンパクト。
:(証明)<br />Kをコンパクト位相空間、Yを位相空間、<math>f \colon K \to Y</math>を全射な連続写像とする。Yの開被覆<math>\{ U_\lambda \}</math>を任意にとる。fは連続なので、各<math>f^{-1}[U_\lambda]</math>は開集合であり、特に<math>\{ f^{-1}[U_\lambda] \}</math>はKの開被覆である。Kはコンパクトなので、この開被覆は有限部分被覆<math>\{ f^{-1}[U_{\lambda_n}] \}_n</math>を持つ。このとき、<math>\{ U_{\lambda_n} \}_n </math>は<math>\{ U_\lambda \}</math>の有限部分被覆になっている。したがってYはコンパクトである。//
'''命題''' コンパクト集合の直積はコンパクト。
'''命題''' コンパクト集合の有限個の和集合はコンパクト。
'''命題''' 位相空間のコンパクト部分集合と閉集合の交わりはコンパクトである。
:(証明)<br />Xを位相空間とし、KをXのコンパクト部分集合、FをXの閉部分集合とする。<math>K \cap F</math>の開被覆<math>\mathcal{U}</math>をとる。このときFは閉集合なので<math>X \setminus F</math>は開集合であり、<math>\mathcal{U} \cup \{\ \{X \setminus F \}\ \}</math>はKの開被覆である。Kはコンパクトなのでこの開被覆の有限部分被覆<math>\mathcal{V}</math>が存在する。<math>\mathcal{V} \setminus \{\ \{X \setminus F \}\ \}</math>は<math>\mathcal{U}</math>の有限部分被覆になっている。//
コンパクトという性質を特徴づける条件をいくつか紹介する。Euclid空間の部分集合については、次の事実(Heine-Borelの定理)がよく知られている。
'''定理''' Euclid空間の部分集合がコンパクトであることは、有界かつ閉集合であることと同値。
この定理の証明のために、先に次の補題を示しておく。
'''補題''' 有界閉区間<math>I=[a,b] \subset \mathbb{R}</math>はコンパクト
:(証明)
:<math>\mathcal{U}</math>を''I''の開被覆とする。''I''の部分集合''I'''を
::<math>I'=\{x \in I|</math>ある有限集合<math>\mathcal{U}'\subset\mathcal{U}</math>が存在して<math>[a,x] \subset \bigcup\mathcal{U}'\}</math>
:と定義する。<math>a \in I'</math>なので''I'''は空ではない。<math>\sup I'=c</math>とする。''c''≦''b''なので、''c''=''b''を背理法で示すために、''c''<''b''と仮定する。このとき、<math>c \in I</math>なので、<math>c \in U \in \mathcal{U}</math>なる開集合''U''がある。<math>\varepsilon</math>を十分小さくとれば<math>[c-\varepsilon,c+\varepsilon] \subset U,c+\varepsilon<b</math>とすることができる。また<math>c=\sup I'</math>であることからある有限集合<math>\mathcal{U}' \subset \mathcal{U}</math>について<math>[a,c-\varepsilon] \subset \bigcup\mathcal{U}'</math>である。よって、閉区間<math>[a,c+\varepsilon]</math>は<math>\mathcal{U'} \cup \{U\}</math>という<math>\mathcal{U}</math>の有限部分集合に被覆されるので、<math>c+\varepsilon \in I'</math>となるが、これは<math>c=\sup I'</math>であることに反し、矛盾。よって、''c''=''b''であり、<math>b \in I'</math>である。これは''I''がコンパクトであることを意味する。//
:(定理の証明)
:<math>S \subset \mathbb{R}^n</math>がコンパクトであるとする。このとき、''S''はHausdorff空間のコンパクト部分集合なので、閉集合である(次節参照)。また正の実数''r''に対して<math>B_r=\{x \in \mathbb{R}^n|||x||<r\}</math>とすると、<math>\{B_r\}_{r>0}</math>は''S''の開被覆なので、有限部分被覆<math>\{B_{r_i}\}_{i=1,2,\cdots,m}</math>を持つ。このとき、''S''の任意の元''x''について<math>||x||<\max_{i=1,2,\cdots,m}r_i</math>なので、''S''は有界である。
:逆に<math>S \subset \mathbb{R}^n</math>が有界閉集合であるとする。このとき、ある閉区間<math>J=[a_1,b_1]\times[a_2,b_2]\times\cdots\times[a_n,b_n]</math>が存在して''S''は''J''の閉部分集合である。補題より''J''はコンパクトなので、その閉部分集合''S''もコンパクトである。//
特に実数上の有界閉集合は最大値と最小値を持つので、ここからコンパクト集合上の実数値連続関数は最大値・最小値を持つことが従う。
一般の位相空間については、次のことが成り立つ。
'''定理''' 位相空間''X''がコンパクトならば、任意の位相空間''Y''に対して直積空間''X''×''Y''からの射影<math>pr_2:X \times Y \to Y</math>は閉集合を閉集合に写す。
:(証明)
:''X''×''Y''の閉集合''F''を任意に取り、<math>A=Y \setminus pr_2[F]</math>とする。''A''が開集合であることを示せばよい。そのためには、任意の元<math>y \in A</math>に対し、<math>y \in V_y \subset A</math>を満たす開集合<math>V_y</math>が存在することを示せばよい。''A''の定義より<math>pr_2^{-1}[\{y\}] \subset (X \times Y) \setminus F</math>である、すなわち、<math>x \in X</math>を任意にとると、<math>(x,y) \in (X \times Y) \setminus F</math>である。ところで、<math>(X \times Y) \setminus F</math>は開集合であることから、ある開集合<math>U_{x,y} \subset X,V_{x,y} \subset Y</math>が存在して、<math>x \in U_{x,y},y \in V_{x,y},U_{x,y} \times V_{x,y} \subset (X \times Y) \setminus F</math>である。<math>\{U_{x,y}\}_{x \in X}</math>は''X''の開被覆であり、''X''はコンパクトなので、有限部分被覆<math>\{U_{x_i,y}\}_{i=1,2,\cdots,n}</math>を持つ。このとき、<math>V_y:=\bigcap_{i=1}^n V_{x_i,y}</math>は''Y''の開集合であり、<math>y \in V_y</math>である。また、<math>V_y=pr_2[X \times V_y]</math>であるが、<math>X \times V_y \subset (X \times Y) \setminus F</math>なので、<math>V_y \subset A</math>である。よって任意の<math>y \in A</math>に対してこの<math>V_y</math>は<math>y \in V_y \subset A</math>を満たす開集合であるから、''A''は開集合、すなわち<math>pr_2[F]</math>は閉集合である。//
この定理は逆も成り立つ(この事実はKuratowski-Mrowkaの定理と呼ばれる)。よって、「任意の位相空間''Y''に対して直積空間''X''×''Y''からの射影<math>pr_2:X \times Y \to Y</math>は閉集合を閉集合に写す」という条件は、''X''がコンパクトであることを特徴づける条件になっている。
=== Hausdorff空間 ===
位相空間XがHausdorffであるとは、Xの任意の2点が開集合で分離されることである。より正確に述べると、
'''定義''' 位相空間XがHausdorffであるとは、<math>a \neq b</math>なる任意の<math>a,b \in X</math>に対し、<math>a \in U,\ b \in V,\ U \cap V = \emptyset</math>を満たす開集合U,Vが存在することである。
Euclid空間はHausdorffであり、またHausdorff空間の部分集合、直積はHausdorffであるので、初学者がすぐに思いつくような空間でHausdorffでないものは少ないが、たとえば以下のような空間は明らかにHausdorffではない。
'''例''' (密着位相)元が2つ以上ある集合''X''に密着位相を入れた空間は、任意の元に対してその元を含む開集合は''X''自身しかないので、Hausdorffではない。
'''例''' (補有限位相)無限集合に補有限位相を入れた空間は、任意の開集合の組が交わりを持つので、Hausdorffではない。
'''例''' (有限集合)有限集合に離散位相でない位相を入れると、ある点<math>a</math>に対して<math>\{a\}</math>は開集合ではない。この<math>a</math>を元として持つような開集合は有限個なのでそのすべての交わり<math>U</math>は開集合であり、ところで<math>\{a\}</math>は開集合ではないので、<math>U</math>は<math>a</math>以外の元をもつ。この元は<math>a</math>と開集合で分離できないので、この空間はHausdorffではない。
応用上扱う空間はHausdorffであることが多いので、次の2つの定理とその系は見た目以上に使い道の広い命題である。
'''定理''' Hausdorff空間のコンパクト集合は閉集合である。
:(証明)<br />XをHausdorff空間、Kをそのコンパクト部分集合とする。<math>X \setminus K</math>が開集合であることを示せばよい。そのためには、<math>X \setminus K</math>の任意の元xに対して開集合<math>U_x \ni x</math>であって<math>U_x \cap K=\emptyset</math>なるものが存在すればよい(このとき<math>X \setminus K=\bigcup_{x \in X \setminus K}U_x</math>は開集合である) 。<br />xをひとつ固定し、<math>y \in K</math>を任意にとると、<math>x \in U_y,\ y \in V_y,\ U_y \cap V_y=\emptyset</math>なる開集合<math>U_y,\ V_y</math>がある。<math>\{V_y;\ y \in K\}</math>はKの開被覆なので、有限部分被覆<math>\{ V_{y_i} \}_{i=1,\dots,n}</math>を持つ。このとき<math>U_x=U_{y_1} \cap \dots \cap U_{y_n}</math>とすると、これははじめに言った条件を満たす開集合<math>U_x</math>である。//
'''定理''' コンパクト空間からHausdorff空間への連続写像は閉集合を閉集合に写す。
:(証明)<br />''X''をコンパクト空間、''Y''をHausdorff空間、<math>f \colon X \to Y</math>を連続写像とする。''F''を''X''の閉集合とする。''X''はコンパクトなので、''F''はコンパクトであり、したがって''f''[''F'']もコンパクトである。つまり''f''[''F'']はHausdorff空間''Y''のコンパクト部分集合なので、閉集合である。//
'''系''' コンパクト空間からHausdorff空間への連続な全単射は同相写像である。
なおこの定理は、写像のグラフという概念を用いて次のように示すこともできる。
'''定義''' 写像<math>f:X \to Y</math>について、直積集合''X''×''Y''の部分集合<math>G:=\{(x,y) \in X \times Y|y=f(x)\}</math>を写像''f''のグラフという。
'''補題''' 写像<math>f:X \to Y</math>のグラフを''G''とする。''Y''がHausdorffならば、''G''は''X''×''Y''の閉集合である。
:(証明)
:<math>(x,y) \in (X \times Y) \setminus G</math>を任意にとる。<math>(x,y) \in W \subset (X \times Y) \setminus G</math>を満たす開集合''W''が存在すればよい。<math>y \ne f(x)</math>であり、''Y''はHausdorffなので、<math>y \in V_1,f(x) \in V_2,V_1 \cap V_2=\emptyset</math>を満たす開集合<math>V_1,V_2</math>がある。開集合<math>U=f^{-1}[V_2]</math>を考えると、<math>x \in U</math>である。よって、<math>X \times Y</math>の開集合<math>W=U \times V_1</math>を考えると、<math>(x,y) \in W</math>である。また、任意の<math>(a,b) \in W</math>に対して<math>b \in V_1,f(a) \in V_2</math>であることから<math>b \ne f(a)</math>なので、<math>W \subset (X \times Y) \setminus G</math>である。すなわち、この''W''は<math>(x,y) \in W \subset (X \times Y) \setminus G</math>を満たす開集合であるから、<math>(X \times Y) \setminus G</math>は開集合であり、''G''は閉集合である。//
:(定理の証明)
:''F''を''X''の閉集合とすると、''f''のグラフの部分集合''G''∩(''F''×''Y'')は補題より''X''×''Y''の閉集合であるから、射影<math>pr_2:X \times Y \to Y</math>による像<math>pr_2[G \cap (F \times Y)]</math>は閉集合である。ところで、この像は''f''[''F'']に他ならない。//
なおHausdorffは人名である。伝記は[[w:フェリックス・ハウスドルフ]]を参照。
== 距離空間 ==
=== 距離の公理 ===
Euclid位相の開集合の定義は、次のようなものであった。
:<math>X \in \mathcal{O} :\Leftrightarrow [\forall\, x \in X,\ \exists\, \varepsilon >0 \text{ s.t. } |x-y|<\varepsilon \Rightarrow y \in X]</math>
ここで、点と点の距離というものが重要な役割を果たしていることに注目してもらいたい。実は、Euclid空間に限らず、点と点の距離というものが考えられる空間であれば、Euclid空間と同様に距離を用いて位相を入れることができる。
まず、距離という概念が満たすべき公理を考えよう。
'''公理''' <math>d \colon X \times X \to \mathbb{R}</math>が距離関数(あるいは単に距離)であるとは、任意の <math>x,y,z \in X</math>について、次の4条件が成り立つことをいう:
# <math>d(x,y) \ge 0</math>
# <math>d(x,y)=0 \Leftrightarrow x=y</math>
# <math>d(x,y)=d(y,x)</math>
# <math>d(x,y)+d(y,z) \ge d(x,z)</math>(三角不等式)
このとき、集合と距離関数の組(X,d)を距離空間という。
Euclid空間の通常の距離はこの公理を当然に満たしていることを確認してほしい。他にも距離の公理を満たす例は無数にある。いくつか例を挙げる。
'''例'''(離散距離)<br />
任意の空でない集合Xに対して、<math>d \colon X \times X \to \mathbb{R}</math>を次のように定めると、距離の公理を満たしている。これを離散距離という。
:<math>d(x,y):=
\begin{cases}
1, & x \ne y, \\
0, & x = y.
\end{cases}
</math>
'''注意'''(宮島['''1'''])この距離を使えば, いかなる集合も距離空間とみなすことができるが, 実用的とはいいがたい. このことは, 距離の定義の緩やかさを示しているに過ぎないのである.
'''参考文献 '''['''1'''] 宮島静雄 著, 『関数解析』, 横浜図書.
'''例'''(マンハッタン距離)<br />
<math>d \colon \mathbb{R}^2 \times \mathbb{R}^2 \to \mathbb{R}</math>を次のように定めると、これは距離の公理を満たしている。
:<math>d((x_1,y_1),(x_2,y_2)):=|x_1-x_2|+|y_1-y_2|</math>
イメージとしては、マンハッタンや札幌のような、碁盤の目上に道路が配置されている街で、交差点から交差点へ移動するために通過する道路の長さのイメージである。
=== 距離位相 ===
最初に書いたように、距離空間には距離をもとにした位相を入れることができる。これを距離位相という。念のため、距離位相の定義を再掲しておく。
:<math>X \in \mathcal{O} \Leftrightarrow (\forall x \in X \ \exists \varepsilon >0 \ s.t. \ d(x,y)<\varepsilon \Rightarrow y \in X)</math>
これが位相空間の公理を満たすことを、距離の公理を用いて確認してほしい。読者自ら確認することで、距離の公理に対する理解が深まるだろう。
距離空間は、比較的よい性質を持った位相空間である。それは、距離空間について、一般に次の命題が成り立つことからもわかるだろう。
'''命題''' 距離空間はHausdorff
:(証明)<br />距離空間Xの点xと正の数<math>\varepsilon</math>に対し、<math>B(x,\varepsilon):= \{ y \in X;\ d(x,y) < \varepsilon \}</math>と書くことにする。<br /><math>x_1,x_2 \in X</math>を任意に取り、<math>d(x_1,x_2)=\delta</math>とする。このとき、<math>B\Big(x_1,\frac{\delta}{2}\Big),\ B\Big(x_2,\frac{\delta}{2}\Big)</math>は<math>x_1,x_2</math>を分離する開集合である。したがって距離空間はハウスドルフである。//
'''命題''' 距離空間の部分集合はコンパクトならば有界
:(証明)
:<math>X</math>を距離空間、<math>K \subset X</math>をコンパクト部分集合とする。<math>x_0 \in K</math>を任意にとる。集合族<math>\mathcal{U}=\{B(x_0,\rho)|\rho \in \mathbb{R}_{>0}\}</math>は<math>K</math>の開被覆であり、<math>K</math>はコンパクトなので、有限部分被覆<math>\mathcal{U}_n=\{B(x_0,\rho_n)|\rho_n \in \mathbb{R}_{>0} (n=1,2,\cdots,k)\}</math>が存在する。<math>\{\rho_n|n=1,2,\cdots,k\}</math>は有限個の実数からなる集合なので、最大値<math>\rho_M</math>が存在する。このとき、<math>\mathcal{U}_n</math>が<math>K</math>を被覆することから、任意の<math>x \in K</math>について<math>d(x_0,x)<\rho_M</math>である。これは<math>K</math>が有界であることを示している。//
Hausdorff空間のコンパクト部分集合は閉集合なので、距離空間のコンパクト部分集合は有界閉集合であることがわかる。しかし、逆は一般には成り立たない。Heine-Borelの定理は、この逆がEuclid空間の場合は成り立つ、ということを主張している。
=== 点列の収束と完備性 ===
距離空間上の点列に対しては、Euclid空間の場合とまったく同様にして「収束」や「Cauchy列」といった概念を定義することができる。
'''定義''' 距離空間<math>(X,d)</math>上の点列<math>(a_n)</math>と点 ''a'' が
:<math>\forall \varepsilon >0 \ \exists N \in \mathbb{N} \ s.t. \ n>N \Rightarrow d(a_n,a)< \varepsilon</math>
を満たすとき、この点列は点 ''a'' に収束するといい、
:<math>\lim_{n \to \infty} a_n=a</math>
と書く。
'''定義''' 距離空間<math>(X,d)</math>上の点列<math>(a_n)</math>が次の性質を満たすとき、この点列はCauchy列であるという。
:<math>\forall \varepsilon>0 \ \exists N \in \mathbb{N} \ s.t. \ m,n>N \Rightarrow d(a_m,a_n)<\varepsilon</math>
距離空間上の収束する点列は必ずCauchy列であることは容易に(Euclid空間の場合とまったく同様に)確かめられる。しかし、逆は必ずしも成り立たないことが次のようにわかる。よく知られているように、任意の実数に対してその数に収束する有理数列が存在するので、適当な無理数に対してこの数列を考える。この数列は、有理数の集合に通常の距離を入れた距離空間上の点列で、しかもCauchy列であるが、有理数上には収束しない。
そこで、逆の成り立つ距離空間には特別な名前を与えることにする。
'''定義''' 距離空間<math>(X,d)</math>上の任意のCauchy列が収束するとき、<math>(X,d)</math>は完備であるという。
Euclid距離を与えられた実数の集合が完備であることはよく知られている(詳しくは[[解析学基礎/実数]]を見よ)。この性質は歴史的経緯から「実数の連続性」と呼ばれるが、近代的な位相空間の用語法では「連続性」は写像に対して考えられる概念であるから、「実数の完備性」と言ったほうがより正確だろう。
点列の収束の概念を用いると、距離空間の部分集合が閉集合であることを以下のように特徴づけることができる。
'''定理''' 距離空間<math>X</math>の部分集合<math>F</math>について、次の2条件は同値
# <math>F</math>は閉集合である。
# 点列<math>(a_n)</math>が任意の<math>n</math>について<math>a_n \in F</math>を満たし、<math>\lim_{n \to \infty}a_n=\alpha</math>であるならば、<math>\alpha \in F</math>
:(証明)
:<math>(1 \Rightarrow 2)</math>
:<math>F</math>が閉集合で、任意の<math>n</math>について<math>a_n \in F</math>であり、<math>\lim_{n \to \infty}a_n=\alpha</math>かつ<math>\alpha \notin F</math>であると仮定して、矛盾を導けばよい。このとき、<math>\lim_{n \to \infty}a_n=\alpha</math>であることから、任意の正の実数<math>\varepsilon</math>に対してある自然数<math>N</math>が存在し、<math>n>N</math>ならば<math>d(a_n,\alpha)<\varepsilon</math>である。ところで、<math>\alpha \in X \setminus F</math>であり<math>X \setminus F</math>は開集合なので、ある正の実数<math>\varepsilon</math>が存在して<math>d(x,\alpha)<\varepsilon</math>ならば<math>x \in X \setminus F</math>である。つまり、ある自然数<math>N</math>が存在し、<math>n>N</math>ならば<math>a_n \in X \setminus F</math>である。これは、任意の<math>n</math>について<math>a_n \in F</math>であることに矛盾する。よって、<math>F</math>が閉集合ならば条件2は成り立つ。
:<math>(2 \Rightarrow 1)</math>
:<math>F</math>が閉集合でないとすると、<math>X \setminus F</math>は開集合ではないので、ある<math>\alpha \in X \setminus F</math>が存在して、任意の自然数<math>n</math>に対して<math>d(a_n,\alpha)<\frac{1}{n}</math>を満たす<math>a_n \in F</math>が存在する。このようにして点列<math>(a_n)</math>を定めると、任意の<math>n</math>について<math>a_n \in F</math>を満たし、<math>\lim_{n \to \infty}a_n=\alpha</math>であるが、<math>\alpha \notin F</math>である。これは条件2に反する。よって、条件2が成り立つならば<math>F</math>は閉集合である。//
== 分離公理 ==
=== 分離公理とは ===
既に述べたように、位相空間''X''がハウスドルフ空間であるとは、次の命題を満たすことであった。
:(T2):<math>a \neq b</math>なる任意の<math>a,b \in X</math>に対し、<math>a \in U,\ b \in V,\ U \cap V = \emptyset</math>を満たす開集合''U'',''V''が存在する。
この節では、この命題と類似の以下の命題たちの強弱について考察する。これらの命題は分離公理と呼ばれる。分離公理は他にも様々なものがあるが、ここでは(T2)の他に以下の3つの命題を考えることにする。
:(T1):<math>a \neq b</math>なる任意の<math>a,b \in X</math>に対し、<math>a \in U,b \notin U</math>を満たす開集合''U''が存在する。
:(T3):任意の閉集合''F''と<math>a \notin F</math>なる任意の<math>a \in X</math>に対して、<math>F \subset U, a \in V, U \cap V=\emptyset</math>を満たす開集合''U'',''V''が存在する。
:(T4):<math>F \cap G=\emptyset</math>なる任意の閉集合''F'',''G''に対して、<math>F\subset U,G \subset V,U \cap V=\emptyset</math>を満たす開集合''U'',''V''が存在する。
(T2)を満たす位相空間をハウスドルフ空間という。(T1)と(T3)を満たす位相空間を正則空間という。(T1)と(T4)を満たす位相空間を正規空間という。
=== 公理間の強弱 ===
まず、公理(T1)について考える。(T2)を満たす空間が(T1)を満たすことは明らかである。すなわち、次が成り立つ。
'''定理''' ハウスドルフ空間は公理(T1)を満たす。
ここで(T1)は次に挙げる命題(T1)'と同値であることに注意する。
'''定理''' 位相空間''X''が公理(T1)を満たすことは、次の命題を満たすことと同値
:(T1)':任意の点<math>x \in X</math>について、<math>\{x\} \subset X</math>は''X''の閉集合である。
(証明)
:''X''が(T1)を満たすとき、<math>y \ne x</math>とすると、<math>y \in U_y,x \notin U_y</math>なる開集合<math>U_y</math>が存在する。<math>\{x\}=X \setminus \bigcup_{y \ne x} U_y</math>なので、これは閉集合である。よって''X''は公理(T1)'を満たす。
:''X''が(T1)'を満たすとき、任意の<math>x \in X</math>に対して<math>U_x=X \setminus \{x\}</math>は開集合であり、<math>y \ne x</math>なる任意の''y''に対して<math>y \in U_x</math>である。よって、''X''は公理(T1)を満たす。//
この定理を認めると、次のことがただちにわかる。
'''系''' 正規空間は正則空間である。
'''系''' 正則空間はハウスドルフ空間である。
つまり、正規⇒正則⇒ハウスドルフ⇒(T1)という強弱の関係があることがわかった。
=== 正規空間の十分条件 ===
前節では、正規であるという条件が比較的強い条件であることがわかった。この節では、位相空間が正規であるための十分条件をいくつか挙げる。
'''定理''' コンパクトハウスドルフ空間は正規空間である。
:(証明)
:''X''をコンパクトハウスドルフ空間とする。ハウスドルフ空間は公理(T1)を満たすので、(T4)について確認すればよい。''F'',''G''を<math>F \cap G=\emptyset</math>を満たす''X''の閉集合とする。''F'',''G''はコンパクト空間の閉集合なのでコンパクトである。
:<math>x \in F,y \in G</math>を任意にとると、''X''はハウスドルフなので、<math>x \in U_{x,y},y \in V_{x,y},U_{x,y} \cap V_{x,y}=\emptyset</math>を満たす開集合<math>U_{x,y},V_{x,y}</math>が取れる。<math>\{V_{x,y}|y \in G \}</math>は''G''の開被覆で、''G''はコンパクトなので、有限部分被覆<math>\{V_{x,y_i}|i=1,2,\cdots,n\}</math>が取れる。このとき、<math>U_x=\bigcap_{i=1}^n U_{x,y_i},V_x=\bigcup_{i=1}^n V_{x,y_i}</math>は開集合である。
:<math>\{U_x|x \in F\}</math>は''F''の開被覆であり、''F''はコンパクトなので有限部分被覆<math>\{U_{x_j}|j=1,2,\cdots,m\}</math>が取れる。<math>U=\bigcup_{j=1}^m U_{x_j}</math>は''F''を部分集合として持つ開集合であり、<math>V=\bigcap_{j=1}^m V_{x_j}</math>は''G''を含む開集合であり、また<math>U \cap V=\emptyset</math>である。よって、''X''は公理(T4)を満たすので、正規空間である。//
'''定理''' 距離空間は正規空間である。
この定理の証明のために、次のような写像を準備する。距離空間''X''の元''x''と部分集合''A''に対し、<math>d(x,A)=\inf_{y \in A} d(x,y)</math>とする。
'''補題''' <math>A \subset X</math>とするとき、写像<math>d(-,A):X \to \mathbb{R}^+ \cup \{0\}</math>を<math>x \mapsto d(x,A)</math>で定めると、この写像は連続である。また、特に''A''が閉集合ならば、<math>x \in A \Leftrightarrow d(x,A)=0</math>である。
:(証明)
:(前半)
:<math>\varepsilon>0</math>を任意にとり、<math>d(x,y)<\varepsilon</math>とする。<math>d(x,A) \ge d(y,A)</math>として一般性を失わない。<math>z \in A</math>を任意にとると
::<math>d(x,A) \le d(x,z) \le d(x,y)+d(y,z)</math>
:なので、
::<math>d(x,A)-d(x,y) \le d(y,z)</math>
:である。任意の''z''に対してこれが成り立つことから、
::<math>d(x,A)-d(x,y) \le d(y,A)</math>
:なので、
::<math>0 < d(x,A)-d(y,A) \le d(x,y)<\varepsilon</math>
である。よって、<math>d(-,A)</math>は連続である。
:(後半)
:<math>x \in A</math>のとき、<math>\inf_{y \in A} d(x,y)=d(x,x)=0</math>である。
:<math>x \notin A</math>のとき、''A''が閉集合であるとすると、ある<math>\varepsilon>0</math>が存在して<math>d(x,y)<\varepsilon</math>ならば<math>y \notin A</math>なので、<math>d(x,A) \ge \varepsilon>0</math>である。//
これを用いて、距離空間の正規性を証明する。
:(距離空間は正規である証明)
:''X''を距離空間とする。距離空間はハウスドルフなので公理(T1)を満たす。よって公理(T4)について確認すればよい。''F'',''G''を<math>F \cap G=\emptyset</math>なる''X''の閉集合とする。
:写像<math>f:X \to \mathbb{R}</math>を<math>f(x)=d(x,F)-d(x,G)</math>で定める。補題より''f''は連続である。また、<math>x \in F</math>ならば<math>f(x)=-d(x,G)<0</math>であり、<math>x \in G</math>ならば<math>f(x)=d(x,F)>0</math>である。よって、<math>U=f^{-1}[\mathbb{R}^-],V=f^{-1}[\mathbb{R}^+]</math>とすると''U'',''V''は開集合であり、<math>F \subset U,G \subset V,U \cap V=\emptyset</math>を満たす。すなわち、''X''は正規空間である。//
=== 反例 ===
次に本節では、弱い公理を満たすが強い公理を満たさない反例となる位相空間を挙げてみよう。
'''命題''' 無限集合に補有限位相を入れた空間を''X''とすると、''X''は公理(T1)を満たすがハウスドルフ空間ではない。
:(証明)
:異なる2点<math>a,b \in X</math>を任意にとる。<math>U=\{x \in X|x \ne b\}</math>とすると''U''は開集合であり、<math>a \in U,b \notin U</math>を満たす。よって''X''は公理(T1)を満たす。
:ところが、''X''はハウスドルフではないことが次のように示される。<math>a \in U,b \in V,U \cap V=\emptyset</math>を満たす開集合''U'',''V''が存在するとすると、<math>V \subset X \setminus U</math>であるから、''U''が開集合であることより''V''は有限集合であるが、このとき<math>X \setminus V</math>が無限集合であり、''V''が空でない開集合であることに反する。//
'''命題''' 実数の集合<math>\mathbb{R}</math>に次のように通常とは異なる位相を入れた空間''X''を考える。<math>U \subset \mathbb{R}</math>が開集合であるとは、<math>\mathbb{R}</math>の通常の位相における開集合''V''と、自然数の集合のある部分集合<math>K \subset \mathbb{N}</math>を用いて、<math>U=V \setminus \left\{\frac{1}{n}|n \in K\right\}</math>と書けることであるとする。この空間''X''はハウスドルフ空間だが正則空間ではない。
:(証明)
:通常の位相における開集合は''X''でも開集合であり、<math>\mathbb{R}</math>の異なる2点は通常の位相における開集合によって分離できるので、''X''はハウスドルフである。
:ところが、''X''は正則ではないことが次のように示される。点0と、閉集合<math>F=\left\{\frac{1}{n}|n \in \mathbb{N}\right\}</math>を考える。<math>0 \in U,F \subset V</math>なる開集合''U'',''V''を考える。''U''は0を元として持つ開集合なので、0を元として持つある開区間<math>(x,y)</math>と自然数の集合のある部分集合<math>K_0 \subset \mathbb{N}</math>を用いて、<math>U_0=(x,y) \setminus \left\{\frac{1}{n}|n \in K_0\right\}</math>と書ける集合<math>U_0</math>を部分集合として含む。十分大きい自然数''N''に対し、<math>\frac{1}{N}<y</math>が成り立つ。''V''は<math>F \subset V</math>なる開集合なので、定義より<math>\frac{1}{N}</math>を元として持つある開区間<math>(p,q)</math>と自然数の集合のある部分集合<math>K_N \subset \mathbb{N}</math>を用いて、<math>V_N=(p,q) \setminus \left\{\frac{1}{n}|n \in K_N\right\}</math>と書ける集合<math>V_N</math>を部分集合として含む。<math>\frac{1}{N}<\alpha<\min\{y,q\}</math>を満たす無理数<math>\alpha</math>が必ず存在することに注意すると、<math>U_0 \cap V_N \ne \emptyset</math>なので、<math>U \cap V \ne \emptyset</math>である。//
これらの他に、ゾルゲンフライ平面と呼ばれる位相空間が、正則空間だが正規空間ではない位相空間の例として知られているが、ここでは詳しく触れない。
== 関連項目 ==
*[[位相空間論/位相空間]]
*[[位相空間論/導入]]
[[Category:数学|いそうくうかんろん]]
[[Category:位相幾何学|*]]
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Wikibooks:日本十進分類法
4
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=== 000 総記 ===
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==== 156 武士道 ====
==== 157 報徳教・石門心学 ====
==== 158 その他の特定主題 ====
==== 159 人生訓・教訓 ====
<!--
=== 160 宗教 ===
==== 161 宗教学・宗教思想 ====
==== 162 宗教史・事情 ====
==== 163 原始宗教・宗教民族学 ====
==== 164 神話・神話学 ====
===== 164.31 ギリシャ神話 =====
==== 165 比較宗教 ====
==== 166 道教 ====
==== 167 イスラーム ====
==== 168 ヒンドゥー教・ジャイナ教 ====
==== 169 その他の宗教・新興宗教 ====
=== 170 神道 ===
==== 171 神道思想・神道説 ====
==== 172 神祇・神道史 ====
==== 173 神典 ====
==== 174 信仰録・説教集 ====
==== 175 神社・神職 ====
==== 176 祭祀 ====
==== 177 布教・伝道 ====
==== 178 各教派・教派神道 ====
=== 180 仏教 ===
==== 181 仏教教理・仏教哲学 ====
==== 182 仏教史 ====
==== 183 経典 ====
==== 184 法話・説教集 ====
==== 185 寺院・僧職 ====
==== 186 仏会 ====
==== 187 布教・伝道 ====
==== 188 各宗 ====
=== 190 キリスト教 ===
==== 191 教義・キリスト教神学 ====
==== 192 キリスト教史・迫害史 ====
==== 193 聖書 ====
==== 194 信仰録・説教集 ====
==== 195 教会・聖職 ====
==== 196 典礼・祭式・礼拝 ====
==== 197 布教・伝道 ====
==== 198 各教派・教会史 ====
==== 199 ユダヤ教 ====
-->
== 2類 歴史 ==
=== 200 歴史 ===
==== 201 歴史学 ====
*[[歴史学]]
<!--
==== 202 歴史補助学 ====
==== 203 参考図書 ====
==== 204 論文集・評論集・講演集 ====
==== 205 逐次刊行物 ====
==== 206 団体 ====
==== 207 研究法・指導法・歴史教育 ====
==== 208 叢書・全集・選集 ====
-->
==== 209 世界史・文化史 ====
*[[世界史]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
=== 210 日本史 ===
*[[日本史]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
===== 210.027 古銭学 =====
==== 211 北海道地方 ====
==== 212 東北地方 ====
==== 213 関東地方 ====
==== 214 北陸地方 ====
==== 215 中部地方 ====
==== 216 近畿地方 ====
==== 217 中国地方 ====
==== 218 四国地方 ====
==== 219 九州地方 ====
-->
=== 220 アジア史・東洋史 ===
<!--
==== 221 朝鮮 ====
-->
==== 222 中国 ====
*[[中国史]]{{進捗|25%|2005-12-01}}
<!--
==== 223 東南アジア ====
==== 224 インドネシア ====
==== 225 インド ====
===== 225.97 モルジブ =====
==== 229 アジアロシア ====
=== 230 ヨーロッパ史・西洋史 ===
==== 231 古代ギリシア ====
==== 232 古代ローマ ====
==== 233 イギリス・英国 ====
==== 234 ドイツ・中欧 ====
==== 235 フランス ====
==== 236 スペイン イスパニア ====
==== 237 イタリア ====
==== 238 ロシア ソビエト連邦 独立国家共同体 ====
==== 239 バルカン諸国 ====
=== 240 アフリカ史 ===
==== 241 北アフリカ ====
==== 242 エジプト ====
==== 243 バーバリ諸国 ====
==== 244 西アフリカ ====
==== 245 東アフリカ ====
==== 248 南アフリカ ====
==== 249 インド洋のアフリカ諸島 ====
=== 250 北アメリカ史 ===
==== 251 カナダ ====
==== 253 アメリカ合衆国 ====
==== 255 ラテンアメリカ 中南米 ====
==== 256 メキシコ ====
==== 257 中央アメリカ 中米諸国 ====
==== 259 西インド諸島 ====
=== 260 南アメリカ史 ===
==== 261 北部諸国 カリブ沿海諸国 ====
==== 262 ブラジル ====
==== 263 パラグアイ ====
==== 264 ウルグアイ ====
==== 265 アルゼンチン ====
==== 266 チリ ====
==== 267 ボリビア ====
==== 268 ペルー ====
=== 270 オセアニア史・両極地方史 ===
==== 271 オーストラリア ====
==== 272 ニュージーランド ====
==== 273 メラネシア ====
==== 274 ミクロネシア ====
==== 275 ポリネシア ====
==== 276 ハワイ ====
==== 277 両極地方 ====
==== 278 北極 北極地方 ====
==== 279 南極 南極地方 ====
=== 280 伝記 ===
==== 281 日本 ====
==== 282 アジア ====
==== 283 ヨーロッパ ====
==== 284 アフリカ ====
==== 285 北アフリカ ====
==== 286 南アフリカ ====
==== 287 オセアニア・両極地方 ====
==== 288 系譜・家史・皇室 ====
==== 289 個人伝記 ====
-->
=== 290 地理・地誌・紀行 ===
*[[地理学]]{{進捗|00%|2005-05-04}}
<!--
==== 290.93 旅行案内記 ====
-->
== 3類 社会科学 ==
<!--
=== 300 社会科学 ===
==== 301 理論・方法論 ====
==== 302 政治・経済・社会・文化事情 ====
==== 303 参考図書 ====
==== 304 論文集・評論集・講演集 ====
==== 305 逐次刊行物 ====
==== 306 団体 ====
==== 307 研究法・指導法・社会科学教育 ====
==== 308 叢書・全集・選集 ====
==== 309 社会思想 ====
=== 310 政治 ===
==== 311 政治学 ====
==== 312 政治史・事情 ====
==== 313 国家の形態・政治体制 ====
==== 314 議会 ====
==== 315 政党・政治結社 ====
==== 316 国家と個人・宗教・民族 ====
==== 317 行政 ====
==== 318 地方自治・地方行政 ====
==== 319 外交・国際問題 ====
-->
=== 320 法律 ===
==== 321 法学 ====
*[[法学]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
==== 322 法制史 ====
*[[法制史]]
==== 323 憲法 ====
*[[憲法]]
==== 324 民法 ====
*[[民法]]
==== 325 商法 ====
*[[商法]]
==== 326 刑法・刑事法 ====
*[[刑法]]
==== 327 司法・訴訟手続法 ====
*[[民事訴訟法]]
*[[刑事訴訟法]]
==== 328 諸法 ====
*[[教育基本法]]
*[[知的財産権法]]
==== 329 国際法 ====
*[[国際法]]
=== 330 経済 ===
==== 331 経済学・経済思想 ====
*[[経済学]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[経済学基礎]]
==== 332 経済史・事情・経済体制 ====
==== 333 経済政策・国際経済 ====
==== 334 人口・土地・資源 ====
==== 335 企業・経営 ====
==== 336 経営管理 ====
*[[公認会計士試験]]
==== 337 貨幣・通貨 ====
==== 338 金融・銀行・信託 ====
==== 339 保険 ====
=== 340 財政 ===
<!--
==== 341 財政学・財政思想 ====
==== 342 財政史・事情 ====
==== 343 財政政策・財政行政 ====
==== 344 予算・決算 ====
==== 345 租税 ====
==== 347 公債・国債 ====
==== 348 専売・国有財産 ====
==== 349 地方財政 ====
=== 350 統計 ===
==== 351 日本 ====
==== 358 人口統計・国勢調査 ====
==== 359 各種の統計書 ====
-->
=== 360 社会 ===
<!--
==== 361 社会学 ====
==== 362 社会史・社会体制 ====
==== 364 社会保障 ====
==== 365 生活・消費者問題 ====
==== 366 労働経済・労働問題 ====
==== 367 家族問題、男性・女性問題、老人問題 ====
==== 368 社会病理 ====
-->
==== 369 社会福祉 ====
===== 369.3 災害 災害救助 =====
*[[防災]]{{進捗|25%|2006-04-06}}
=== 370 教育 ===
<!--
==== 371 教育学、教育思想 ====
===== 371.42 登校拒否・いじめ =====
-->
==== 372 教育史・事情 ====
*[[教育勅語]]{{進捗|75%|2005-05-04}}
<!--
==== 373 教育政策、教育制度、教育行財政 ====
-->
==== 374 学校経営・管理、学校保健 ====
===== 374.48 学校行事 =====
*[[運動会]]
==== 375 教育課程、学習指導、教科別教育 ====
*[[学校教育]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[生活と進路]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
===== 374.9 教科書、教科書検定 =====
*[[小学校の学習]]{{進捗|50%|2023-09-25}}
*[[中学校の学習]]{{進捗|50%|2023-09-25}}
*[[高等学校の学習]]{{進捗|00%|2023-09-25}}
**[[高等学校の学習/旧課程]]{{進捗|25%|2023-09-25}}
<!--
* [[小学校算数]] {{進捗|25%|2005-05-04}}
* [[中学校数学]] {{進捗|50%|2005-05-10}}
* [[高等学校世界史A]] {{進捗|25%|2015-08-30}}
* [[高等学校地理B]] {{進捗|25%|2005-11-1}}
* [[高等学校現代社会]] {{進捗|25%|2015-08-30}}
* [[高等学校政治経済]] {{進捗|50%|2015-08-30}}
*[[高等学校倫理]]
*[[高等学校数学]]
*[[高等学校数学基礎]]{{進捗|100%|2005-05-04}}
*[[高等学校数学I]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
*[[高等学校数学III]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
*[[高等学校数学B]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
*[[高等学校数学C]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
*[[高等学校理科総合B]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
*[[高等学校物理]]{{進捗|50%|2005-11-1}}
* [[高等学校化学]] {{進捗|50%|2015-08-30}}
* [[高等学校生物]] {{進捗|50%|2015-08-30}}
* [[高等学校地学]] {{進捗|25%|2015-08-30}}
*[[高等学校情報A]]
*[[高等学校情報B]]
*[[高等学校情報C]]
-->
*[[小・中・高等学校演習]]
*[[検定教科書]]
==== 376 幼児・初等・中等教育 ====
*[[小学校・中学校・高等学校の学習]]
==== 377 大学、高等・専門教育、学術行政 ====
* [[大学受験ガイド]] {{進捗|50%|2015-08-30}}
<!--
==== 378 障害児教育 ====
==== 379 社会教育 ====
=== 380 風俗習慣・民俗学・民族学 ===
==== 382 風俗史・民俗誌、民族誌 ====
==== 383 衣食住の習俗 ====
==== 384 社会・家庭生活の習俗 ====
==== 385 通過儀礼、冠婚葬祭 ====
==== 386 年中行事、祭礼 ====
==== 387 民間信仰、迷信(俗信) ====
==== 388 伝説、民話(昔話) ====
==== 389 民族学、文化人類学 ====
=== 390 国防・軍事 ===
==== 391 戦争、戦略、戦術 ====
==== 392 国防史・事情、軍事史・事情 ====
==== 393 国防政策・行政・法令 ====
==== 394 軍事医学、兵食 ====
==== 395 軍事施設、軍需品 ====
==== 396 陸軍 ====
==== 397 海軍 ====
==== 398 空軍 ====
==== 399 古代兵法、軍学 ====
-->
== 4類 自然科学 ==
<!--
=== 400 自然科学 ===
==== 401 科学理論・科学哲学 ====
==== 402 科学史・事情 ====
==== 403 参考図書 ====
==== 404 論文集・評論集・講演集 ====
==== 405 逐次刊行物 ====
==== 406 団体 ====
==== 407 研究法・指導法・科学教育 ====
==== 408 叢書・全集・選集 ====
==== 409 科学技術政策・科学技術行政 ====
-->
=== 410 数学 ===
* [[数学]]
* [[初等数学]]
* [[初等数学公式集]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
* [[初等数学演習]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
* [[初等数学記号集]]
* [[Wikibooks:初等数学用語索引|初等数学用語索引]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
* [[中等数学]]
* [[高等数学]]
* [[大学数学公式集]]
==== 411 代数学 ====
===== 411.6 集合論 =====
*[[公理的集合論]]
==== 412 数論 ====
==== 413 解析学 ====
* [[解析学]]
* [[解析学基礎]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
==== 414 幾何学 ====
==== 415 位相数学 ====
* [[位相幾何学]]{{進捗|25%|2008-09-03}}
==== 417 確率論、数理統計学 ====
* [[統計学基礎]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 418 計算法 ====
==== 419 和算、中国算法 ====
-->
=== 420 物理学 ===
*[[物理学]]
==== 421 理論物理学 ====
<!--
===== 421.1 基礎理論 エーテル理論 =====
-->
===== 421.2 相対性理論 =====
*[[特殊相対論]]
*[[一般相対性理論]]
===== 421.3 量子力学、量子論 =====
*[[場の量子論]]
*[[量子力学]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
===== 421.4 統計力学 =====
*[[統計力学I]]
*[[統計力学II]]
===== 421.5 数理物理学.物理数学 =====
* [[物理数学I]] {{進捗|75%|2023-11-05}}
* [[物理数学II]]
==== 423 力学 ====
*[[解析力学]]
*[[古典力学]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
==== 424 振動学、音響学 ====
*[[振動と波動]]
* [[音響学]]
==== 425 光学 ====
*[[光の偏極]]
==== 426 熱学 ====
*[[熱力学]]
==== 427 電磁気学 ====
*[[電磁気学]]
<!--
==== 428 物性物理学 ====
==== 429 原子物理学 ====
-->
=== 430 化学 ===
<!--
==== 431 物理化学. 理論化学 ====
==== 432 実験化学 ====
==== 433 分析化学 ====
==== 434 合成化学 ====
-->
==== 435 無機化学 ====
*[[無機化学]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 436 金属元素とその化合物 ====
-->
==== 437 有機化学 ====
*[[有機化学]]{{進捗|25%|2005-05-21}}
<!--
==== 438 環式化合物の化学 ====
==== 439 天然物質の化学 ====
-->
=== 440 天文学・宇宙科学 ===
* [[天文学]]{{進捗|25%|2005-12-01}}
<!--
==== 441 理論天文学・数理天文学 ====
==== 442 実地天文学・天体観測法 ====
==== 443 恒星・恒星天文学 ====
==== 444 太陽・太陽物理学 ====
==== 445 惑星・衛星 ====
==== 446 月 ====
==== 447 彗星・流星 ====
==== 448 地球・天文地理学 ====
==== 449 時法・暦学 ====
-->
=== 450 地球科学・地学 ===
* [[地球科学]]{{進捗|25%|2005-12-01}}
<!--
==== 451 気象学 ====
==== 452 海洋学 ====
==== 453 地震学 ====
===== 453.38 地震予知 =====
==== 454 地形学 ====
==== 455 地質学 ====
==== 456 地史学・層位学 ====
==== 457 古生物学・化石 ====
==== 458 岩石学 ====
==== 459 鉱物学 ====
-->
=== 460 生物化学・一般生物学 ===
*[[生物学の研究技術]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 461 理論生物学・生命論 ====
==== 462 生物地理・生物誌 ====
==== 463 細胞学 ====
==== 464 生化学 ====
==== 465 微生物学 ====
==== 467 遺伝学 ====
===== 467.25 遺伝子組み換え =====
==== 468 生態学 ====
==== 469 人類学 ====
-->
=== 470 植物学 ===
*[[植物学]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 471 一般植物学 ====
==== 472 植物地理・植物誌 ====
==== 473 葉状植物 ====
==== 474 藻類・菌類 ====
==== 475 コケ植物 ====
==== 476 シダ植物 ====
==== 477 種子植物 ====
==== 478 裸子植物 ====
==== 479 被子植物 ====
=== 480 動物学 ===
==== 481 一般動物学 ====
==== 482 動物地理・動物誌 ====
==== 483 無脊椎動物 ====
==== 484 軟体動物・貝類学 ====
==== 485 節足動物 ====
==== 486 昆虫類 ====
==== 487 脊椎動物 ====
==== 488 鳥類 ====
==== 489 哺乳類 ====
-->
=== 490 医学 ===
* [[医学]]
*[[OsiriX_オンライン解説文書]]{{進捗|75%|2005-05-04}}
==== 491 基礎医学 ====
*[[生理学]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
*[[解剖学]]{{進捗|25%|2006-11-09}}
*[[神経解剖学]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
*[[組織学]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
*[[微生物学]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
*[[病理学]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
<!--
==== 492 臨床医学 ====
-->
==== 493 内科学 ====
*[[内科学 呼吸器]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
<!--
==== 494 外科学 ====
==== 495 産科学,婦人科学 ====
==== 496 眼科学,耳鼻咽喉科学 ====
==== 497 歯科学 ====
==== 498 衛生学,公衆衛生学,予防医学 ====
-->
==== 499 薬学 ====
*[[薬理学]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
==5類 技術・工学・工業 ==
=== 500 技術・工学 ===
==== 501 工業基礎学 ====
==== 502 技術史・工学史 ====
==== 503 参考図書 ====
==== 504 論文集・評論集・講演集 ====
==== 505 逐次刊行物 ====
==== 506 団体 ====
==== 507 研究法・指導法・技術教育 ====
==== 508 叢書・全集・選集 ====
==== 509 工業・工業経済 ====
=== 510 建設工学・土木工学 ===
==== 511 土木力学・建設材料 ====
==== 512 測量 ====
==== 513 土木設計・施工法 ====
==== 514 道路工学 ====
==== 515 橋梁工学 ====
==== 516 鉄道工学 ====
==== 517 河海工学・河川工学 ====
==== 518 衛生工学・都市工学 ====
===== 518.523 ごみの再利用 =====
==== 519 公害・環境工学 ====
===== 519.12 環境法 =====
* [[環境法]]
=== 520 建築学 ===
==== 521 日本の建築 ====
==== 522 東洋の建築・アジアの建築 ====
==== 523 西洋の建築・その他の様式の建築 ====
==== 524 建築構造 ====
==== 525 建築計画・施工 ====
==== 526 各種の建築 ====
==== 527 住宅建築 ====
==== 528 建築設備・設備工学 ====
==== 529 建築意匠・装飾 ====
=== 530 機械工学・原子力工学 ===
==== 531 機械力学・材料・設計 ====
==== 532 機械工作・工作機械 ====
==== 533 熱機関・熱工学 ====
==== 534 流体機械・流体工学 ====
==== 535 精密機器・光学機器 ====
==== 536 運輸工学・車輌・運搬機械 ====
==== 537 自動車工学 ====
===== 537.25 電気自動車 =====
==== 538 航空宇宙工学 ====
==== 539 原子力工学 ====
=== 540 電気工学・電子工学 ===
==== 540 電気工学 ====
==== 541 電気回路・計測・材料 ====
==== 542 電気機器 ====
==== 543 発電 ====
==== 544 送電・変電・配電 ====
==== 545 電灯・照明・電熱 ====
==== 546 電気鉄道 ====
==== 547 通信工学・電気通信 ====
==== 548 情報工学 ====
==== 549 電子工学 ====
=== 550 海洋工学・船舶工学 ===
==== 551 理論造船学 ====
==== 552 船体構造・材料・施工 ====
==== 553 船体艤装・船舶設備 ====
==== 554 舶用機関[造機] ====
==== 555 船舶修理・保守 ====
==== 556 各種の船舶・艦艇 ====
==== 557 航海・航海学 ====
==== 558 海洋開発 ====
==== 559 兵器、軍事工学 ====
=== 560 金属工学・鉱山工学 ===
==== 561 採鉱・選鉱 ====
==== 562 各種の金属鉱床・採掘 ====
==== 563 冶金・合金 ====
==== 564 鉄鋼 ====
==== 565 非鉄金属 ====
==== 566 金属加工・製造冶金 ====
==== 567 石炭 ====
==== 568 石油 ====
==== 569 非金属鉱物・土石採取業 ====
=== 570 化学工業 ===
==== 571 化学工学・化学機器 ====
==== 572 電気化学工業 ====
==== 573 セラミックス・窯業・珪酸塩化学工業 ====
==== 574 化学薬品 ====
==== 575 燃料・爆発物 ====
==== 576 油脂類 ====
==== 577 染料 ====
==== 578 高分子化学工業 ====
==== 579 その他の化学工業 ====
=== 580 製造工業 ===
==== 581 金属製品 ====
==== 582 事務機器・家庭機器・楽器 ====
==== 583 木工業・木製品 ====
==== 584 皮革工業・皮革製品 ====
==== 585 パルプ・製紙工業 ====
==== 586 繊維工学 ====
==== 587 染色加工・染色業 ====
==== 588 食品工業 ====
==== 589 その他の雑工業 ====
=== 590 家政学・生活科学 ===
<!--
==== 591 家庭経済・経営 ====
==== 592 家庭理工学 ====
==== 593 衣服・裁縫 ====
==== 594 手芸 ====
==== 595 理容・美容 ====
===== 595.6 痩身法 =====
==== 596 食品・料理 ====
*[[料理本]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 597 住居・家具調度 ====
==== 598 家庭衛生 ====
==== 599 育児 ====
-->
==6類 産業 ==
<!--
=== 600 産業 ===
==== 601 産業政策・行政・総合開発 ====
==== 602 産業史・事情・物産誌 ====
==== 603 参考図書 ====
==== 604 論文集・評論集・講演集 ====
==== 605 逐次刊行物 ====
==== 606 団体 ====
==== 607 研究法・指導法・産業教育 ====
==== 608 叢書・全集・選集 ====
==== 609 度量衡、計量法 ====
=== 610 農業 ===
==== 611 農業経済 ====
==== 612 農業史・事情 ====
==== 613 農業基礎学 ====
==== 614 農業工学 ====
==== 615 作物栽培・作物学 ====
==== 616 食用作物 ====
==== 617 工芸作物 ====
==== 618 繊維作物 ====
==== 619 農産物製造・加工 ====
-->
=== 620 園芸 ===
<!--
==== 621 園芸経済・行政・経営 ====
==== 622 園芸史・事情 ====
==== 623 園芸植物学・病虫害 ====
==== 624 温室・温床・園芸用具 ====
==== 625 果樹園芸 ====
-->
==== 626 蔬菜園芸 ====
*[[ダイズの栽培]]{{進捗|00%|2007-02-21}}
==== 627 花卉園芸[草花] ====
*[[サボテンの栽培]]{{進捗|00%|2007-02-21}}
<!--
==== 628 園芸利用 ====
==== 629 造園 ====
=== 630 蚕糸業 ===
==== 631 蚕糸経済・行政・経営 ====
==== 632 蚕糸業史・事情 ====
==== 633 蚕学・蚕業基礎学 ====
==== 634 蚕種 ====
==== 635 飼育法 ====
==== 636 くわ・栽桑 ====
==== 637 蚕室・蚕具 ====
==== 638 まゆ ====
==== 639 製糸・生糸・蚕糸利用 ====
-->
=== 640 畜産業 ===
<!--
==== 641 畜産経済・行政・経営 ====
==== 642 畜産史・事情 ====
==== 643 家畜の繁殖・家畜飼料 ====
==== 644 家畜の管理・畜舎・用具 ====
==== 645 家畜・畜産動物各論 ====
-->
==== 646 家禽各論・飼鳥 ====
*[[ホンセイインコ類の飼育]]{{進捗|00%|2007-02-21}}
<!--
===== 646.9 みつばち・昆虫 =====
==== 648 畜産製造・畜産物 ====
==== 649 獣医学・比較医学 ====
==== 649 獣医学 ====
=== 650 林業 ===
==== 651 林業経済・行政・経営 ====
==== 652 森林史・林業史・事情 ====
==== 653 森林立地・造林 ====
==== 654 森林保護 ====
==== 655 森林施業 ====
==== 656 森林工学 ====
==== 657 森林利用・林産物・木材学 ====
==== 658 林産製造 ====
==== 659 狩猟 ====
=== 660 水産業 ===
==== 661 水産経済・行政・経営 ====
==== 662 水産業および漁業史・事情 ====
==== 663 水産基礎学 ====
==== 664 漁労・漁業各論 ====
==== 665 漁船・漁具 ====
==== 666 水産増殖・養殖業 ====
==== 667 水産製造・水産食品 ====
==== 668 水産物利用・水産利用工業 ====
==== 669 製塩・塩業 ====
=== 670 商業 ===
==== 671 商業政策・行政 ====
==== 672 商業史・事情 ====
==== 673 商業経営・商店 ====
==== 674 広告・宣伝 ====
==== 675 マーケティング ====
==== 676 取引所 ====
==== 678 貿易 ====
=== 680 運輸・交通 ===
==== 681 交通政策・行政・経営 ====
==== 682 交通史・事情 ====
==== 683 海運 ====
==== 684 内水・運河交通 ====
==== 685 陸運・自動車運送 ====
==== 686 鉄道 ====
==== 687 航空運送 ====
==== 688 倉庫業 ====
==== 689 観光事業 ====
=== 690 通信事業 ===
==== 691 通信政策・行政・法令 ====
==== 692 通信事業史・事情 ====
==== 693 郵便・郵政事業 ====
==== 694 電気通信事業 ====
==== 699 放送事業 ====
===== 699.39 アナウンサー =====
-->
== 7類 芸術 ==
<!--
=== 700 芸術・美術 ===
==== 701 芸術理論・美学 ====
==== 702 芸術史・美術史 ====
==== 703 参考図書[レファレンスブック] ====
==== 704 論文集・評論集・講演集 ====
==== 705 逐次刊行物 ====
==== 706 団体 ====
==== 707 研究法・指導法・芸術教育 ====
==== 708 叢書・全集・選集 ====
==== 709 芸術政策・文化財 ====
=== 710 彫刻 ===
==== 711 彫塑材料・技法 ====
==== 712 彫刻史・各国の彫刻 ====
==== 713 木彫 ====
==== 714 石彫 ====
==== 715 金属彫刻・鋳造 ====
==== 717 粘土彫刻・塑造 ====
==== 708 仏像 ====
==== 709 オブジェ ====
=== 720 絵画 ===
==== 721 日本画 ====
==== 722 東洋画 ====
==== 723 洋画 ====
==== 724 絵画材料・技法 ====
==== 725 素描・描画 ====
==== 726 漫画、挿絵、童画 ====
==== 727 グラフィックデザイン、図案 ====
==== 728 書道 ====
=== 730 版画 ===
==== 731 版画材料・技法 ====
==== 732 版画史・各国の版画 ====
==== 733 木版画 ====
==== 734 石版画 ====
==== 735 銅版画・鋼版画 ====
==== 736 リノリウム版画・ゴム版画 ====
==== 737 写真版画・孔版画 ====
==== 739 印章、篆刻、印譜 ====
-->
=== 740 写真 ===
<!--
==== 742 写真器械・材料 ====
==== 743 撮影技術 ====
-->
==== 744 現像・印画 ====
*[[白黒写真の暗室作業]]{{進捗|75%|2007-05-10}}
<!--
==== 745 複写技術 ====
==== 746 特殊写真 ====
==== 747 写真の応用 ====
==== 748 写真集 ====
==== 749 印刷 ====
=== 750 工芸 ===
==== 751 陶磁工芸 ====
==== 752 漆工芸 ====
==== 753 染織工芸 ====
==== 754 木竹工芸 ====
==== 755 宝石・牙角・皮革工芸 ====
==== 756 金工芸 ====
==== 757 デザイン・装飾美術 ====
==== 758 美術家具 ====
==== 759 人形・玩具 ====
-->
=== 760 音楽 ===
==== 761 音楽の一般理論・音楽学 ====
* [[楽典]]
* [[和声学]]
* [[楽式]]
==== 762 音楽史・各国の音楽 ====
* [[西洋音楽史]]
<!--
==== 763 楽器・器楽 ====
==== 764 器楽合奏 ====
==== 765 宗教音楽・聖楽 ====
==== 766 劇音楽 ====
==== 767 声楽 ====
==== 768 邦楽 ====
==== 769 舞踊、バレエ ====
=== 770 演劇 ===
==== 771 劇場・演出・演技 ====
==== 772 演劇史・各国の演劇 ====
==== 773 能楽、狂言 ====
==== 774 歌舞伎 ====
==== 775 各種の演劇 ====
==== 777 人形劇 ====
==== 778 映画 ====
==== 779 大衆演芸 ====
-->
=== 780 スポーツ・体育 ===
<!--
==== 781 体操、遊戯 ====
==== 782 陸上競技 ====
-->
==== 783 球技 ====
*[[サッカー]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
*[[テニス]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
*[[野球]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
<!--
==== 784 冬季競技 ====
-->
==== 785 水上競技 ====
*[[セーリング]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
==== 786 戸外レクリエーション ====
===== 786.1 登山・山岳競技 =====
*[[登山]]
==== 787 釣魚、遊猟 ====
==== 788 相撲、拳闘、競馬 ====
*[[相撲]]{{進捗|25%|2006-2-23}}
*[[競馬]]{{進捗|25%|2023-09-25}}
==== 789 武術 ====
*[[剣道]]{{進捗|25%|2007-6-30}}
=== 790 諸芸・娯楽 ===
<!--
==== 791 茶道 ====
==== 792 香道 ====
==== 793 花道 ====
==== 794 撞球 ====
-->
==== 795 囲碁 ====
*[[囲碁]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
==== 796 将棋 ====
*[[将棋]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
<!--
==== 797 射倖ゲーム ====
-->
==== 798 室内娯楽 ====
*[[トランプ]]<!--798.2-->
*[[トランプ/トランプ教科書]]
*[[麻雀]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
*[[チェス]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
===== 798.5 テレビゲーム =====
*[[Minecraft]]
<!--
==== 799 ダンス ====
-->
== 8類 言語 ==
=== 800 言語 ===
==== 801 言語学 ====
*[[生成文法]]
*[[語学]]
**[[琉球語]]
<!--
==== 809 言語生活 ====
-->
=== 810 日本語 ===
*[[日本語]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 811 音声、音韻、文字 ====
==== 812 語源、意味 ====
==== 813 辞典 ====
==== 814 語彙 ====
==== 815 文法、語法 ====
==== 816 文章、文体、作文 ====
==== 817 読本、解釈、会話 ====
-->
==== 818 方言、訛語 ====
*[[北海道方言]]
*[[讃岐弁]]
*[[沖縄語]]
<!--
=== 820 中国語 ===
-->
==== 829 その他の東洋の諸言語 ====
*[[朝鮮語]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[ペルシア語]]
=== 830 英語 ===
*[[英語]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
=== 840 ドイツ語 ===
*[[ドイツ語]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
<!--
==== 849 その他のゲルマン言語 ====
-->
=== 850 フランス語 ===
*[[フランス語]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 859 プロヴァンス語 ====
=== 860 スペイン語 ===
==== 869 ポルトガル語 ====
=== 870 イタリア語 ===
-->
==== 879 その他のロマンス諸語 ====
*[[ルーマニア語]]
<!--
=== 880 ロシア語 ===
==== 889 その他のスラヴ諸語 ====
=== 890 その他の諸言語 ===
-->
==== 891 ギリシア語 ====
*[[ギリシア語]]
==== 892 ラテン語 ====
*[[ラテン語]]{{進捗|50%|2006-03-21}}
==== 893 その他のヨーロッパの諸言語 ====
*[[デンマーク語]]{{進捗|25%|2005-12-01}}
<!--
==== 894 アフリカの諸言語 ====
==== 895 アメリカの諸言語 ====
==== 897 オーストラリアの諸言語 ====
-->
==== 899 国際語 ====
*[[エスペラント]]{{進捗|00%|2005-05-04}}
== 9類 文学 ==
=== 900 文学 ===
*[[古典文学]]{{進捗|25%|2005-05-15}}
<!--
==== 909 児童文学研究 ====
-->
=== 910 日本文学 ===
<!--
==== 911 詩歌 ====
==== 912 戯曲 ====
-->
==== 913 小説、物語 ====
*[[竹取物語]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
==== 914 評論、エッセイ、随筆 ====
*[[方丈記]]
<!--
==== 915 日記、書簡、紀行 ====
==== 916 記録、手記、ルポルタージュ ====
==== 917 箴言、アフォリズム、寸言 ====
==== 918 作品集 ====
==== 919 漢詩文、日本漢文学 ====
-->
=== 920 中国文学 ===
*[[漢詩]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 929 その他の東洋文学 ====
=== 930 英文学・米文学 ===
=== 940 ドイツ文学 ===
==== 949 その他のゲルマン文学 ====
=== 950 フランス文学 ===
==== 959 プロヴァンス文学 ====
=== 960 スペイン文学 ===
==== 969 ポルトガル文学 ====
=== 970 イタリア文学 ===
==== 979 その他のロマンス文学 ====
=== 980 ロシア文学・ソヴィエト文学 ===
==== 989 その他のスラヴ文学 ====
-->
=== 990 その他の諸文学 ===
==== 991 ギリシア文学 ====
==== 992 ラテン文学 ====
*[[ガリア戦記]]
==== 993 その他のヨーロッパ文学 ====
==== 994 アフリカ文学 ====
==== 995 アメリカ先住民語の文学 ====
==== 997 オーストラリア先住民語の文学 ====
==== 999 国際語による文学 ====
== 関連項目 ==
*[[w:日本十進分類法#要目表(第3次区分表)]]
== 外部リンク ==
*<del>[http://www.ndl.go.jp/jp/library/data/zan9.html 日本十進分類法新訂9版分類基準]([http://www.ndl.go.jp/ 国立国会図書館])</del>リンク切れ
*[https://www.kotono8.com/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%8D%81%E9%80%B2%E5%88%86%E9%A1%9E%E6%B3%95%EF%BC%88%E8%A9%B3%E7%B4%B0%EF%BC%89 閾ペディアことのは 日本十進分類法(詳細)]
[[Category:日本十進分類法|*]]
[[it:Wikibooks:Classificazione decimale Dewey]]
qrlgyaogcgjr2na5stymqrvr0k89svw
301408
301407
2026-07-09T11:25:38Z
Tkkn46tkkn46
89925
/* 100 哲学 */ 論語巻第一 を追加。123,123.83でも
301408
wikitext
text/x-wiki
__NOTOC__
[[メインページ|ウィキブックス]]の全ての書籍を[[:w:日本十進分類法|日本十進分類法]]に従って分類したものです。
{{進捗状況}}
== 0類 総記 ==
=== 000 総記 ===
*[[ウィキペディアの書き方]]
<!--
==== 002 知識・学問・学術 ====
-->
==== 007 情報科学 ====
*[[情報技術]]
<!--
===== 007.1 情報理論 =====
===== 007.2 歴史 事情 =====
===== 007.3 情報と社会 =====
===== 007.4 情報源 =====
===== 007.5 ドキュメンテーション 情報管理 =====
-->
===== 007.6 データ処理 情報処理 =====
*[[情報処理技術者試験の概要]]
*[[初級システムアドミニストレータ]]
<!--
====== 007.61 システム分析 システム設計 ======
-->
====== 007.63 コンピュータシステム ソフトウェア ======
*[[Freenet]]
*[[Maxima]]
*[[Microsoft Office]]
*[[Mizar]]
*[[OpenOffice.org]]
*[[OSとアプリケーション]]
*[[TeX/LaTeX入門]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[vi]]
<!--
======= 007.632 エキスパートシステム =======
-->
====== 007.634 オペレーティングシステム ======
*[[ChromeOS]]
*[[Linuxシステム管理]]
*[[Linuxハードウェア]]
*[[MS-DOS/PC DOS入門]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
*[[UNIX/Linux入門]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
======= 007.635 漢字処理システム =======
-->
====== 007.637 図形処理ソフトウェア ======
* [[Inkscape]]
====== 007.64 コンピュータプログラミング ======
*[[機械語]]
*[[ゲームプログラミング]]
*[[数式処理システム]]
*[[ソフトウェア開発技術者]]
*[[プログラミング]]
*[[BASIC]]
*[[C言語]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[CPlusPlus|C++]]
*[[CSS]]{{進捗|00%|2005-06-17}}
*[[CGI]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[GNOMEフレームワーク]]
*[[Go]]
*[[HTML]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[Java]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[JavaScript]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[Lisp]]
*[[OpenGL]]
*[[OSS開発ツール]]
*[[Perl]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[PHP]]
*[[Ruby]]
*[[Scratch]]
*[[Scheme]]
*[[SVG]]
*[[Xプログラミング]]
<!--
======= 007.642 CG技術 =======
====== 007.65 各種の記憶媒体 ======
====== 007.68 情報検索 機械検索 ======
-->
===== 007.7 情報システム =====
*[[LANとインターネット]]
*[[NTP入門]]
*[[TCP/IP入門]]
<!--
=== 010 図書館・図書館学 ===
==== 011 図書館政策・図書館行財政 ====
==== 012 図書館建築・図書館整備 ====
==== 013 図書館管理 ====
==== 014 資料の収集・資料の整理・資料の保管 ====
==== 015 図書館奉仕・図書館活動 ====
==== 016 各種の図書館 ====
==== 017 学校図書館 ====
==== 018 専門図書館 ====
==== 019 読書・読書法 ====
-->
=== 020 図書・書誌学 ===
==== 021 著作・編集 ====
===== 021.4 編集 編纂 =====
*[[ウィキペディアの書き方 入門編]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
<!--
==== 022 写本・刊本・造本 ====
==== 023 出版 ====
-->
==== 024 図書の販売 ====
*[[同人誌即売会参加方法]]{{進捗|75%|2005-05-04}}
<!--
==== 025 一般書誌・全国書誌 ====
==== 026 稀書目録・善本目録 ====
==== 027 特種目録 ====
==== 028 選定図書目録・参考図書目録 ====
==== 029 蔵書目録・総合目録 ====
-->
=== 030 百科事典 ===
==== 031 日本語 ====
*[[w:mainpage|w:wikipedia]]
===== 031.3 日用便覧 =====
*[[ジョーク集]]
<!--
==== 039 用語索引<一般> ====
=== 040 一般論文集・一般講演集 ===
==== 041 日本語 ====
==== 049 雑著 ====
=== 050 逐次刊行物 ===
==== 051 日本の雑誌 ====
==== 059 一般年鑑 ====
=== 060 団体 ===
==== 061 学術・研究機関 ====
==== 063 文化交流機関 ====
==== 065 親睦団体・その他の団体 ====
==== 069 博物館 ====
=== 070 ジャーナリズム・新聞 ===
==== 071 日本 ====
=== 080 叢書・全集・選集 ===
==== 081 日本語 ====
==== 089 その他の諸言語 ====
=== 090 貴重書・郷土資料・その他の特別コレクション ===
-->
== 1類 哲学 ==
=== 100 哲学 ===
*[[哲学・思想]]{{進捗|00%|2005-05-04}}
<!--
==== 101 哲学理論 ====
==== 102 哲学史 ====
==== 103 参考図書 ====
==== 104 論文集・評論集・講演集 ====
==== 105 逐次刊行物 ====
==== 106 団体 ====
==== 107 研究法・指導法・哲学教育 ====
==== 108 叢集・全集・選集 ====
=== 110 哲学各論 ===
==== 111 形而上学・存在論 ====
==== 112 自然哲学・宇宙論 ====
==== 113 人生観・世界観 ====
==== 114 人間学 ====
==== 115 認識論 ====
==== 116 論理学・弁証法・方法論 ====
==== 117 価値哲学 ====
==== 118 文化哲学・技術哲学 ====
-->
=== 120 東洋思想 ===
==== 121 日本思想 ====
==== 122 中国思想・中国哲学 ====
*[[論語巻第一]]
==== 123 経書 ====
==== 124 先秦思想・諸子 ====
==== 125 中世思想・近代思想 ====
==== 126 インド哲学・バラモン教 ====
==== 129 その他のアジア・アラブ哲学 ====
<!--
=== 130 西洋哲学 ===
==== 131 古代哲学 ====
==== 132 中世哲学 ====
==== 133 近代哲学 ====
==== 134 ドイツ・オーストリア哲学 ====
==== 135 フランス・オランダ哲学 ====
==== 136 スペイン・ポルトガル哲学 ====
==== 137 イタリア哲学 ====
==== 138 ロシア哲学 ====
==== 139 その他の哲学 ====
-->
=== 140 心理学 ===
*[[心理学]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 141 普通心理学・心理各論 ====
==== 143 発達心理学 ====
==== 145 異常心理学 ====
==== 146 臨床心理学・精神分析学 ====
==== 147 超心理学・心霊研究 ====
==== 148 相法・易占 ====
==== 149 応用心理学 ====
-->
=== 150 倫理学・道徳 ===
*[[倫理学]]
==== 151 倫理各論 ====
==== 152 家庭倫理・性倫理 ====
==== 153 職業倫理 ====
==== 154 社会倫理 ====
==== 155 国体論・詔勅 ====
==== 156 武士道 ====
==== 157 報徳教・石門心学 ====
==== 158 その他の特定主題 ====
==== 159 人生訓・教訓 ====
<!--
=== 160 宗教 ===
==== 161 宗教学・宗教思想 ====
==== 162 宗教史・事情 ====
==== 163 原始宗教・宗教民族学 ====
==== 164 神話・神話学 ====
===== 164.31 ギリシャ神話 =====
==== 165 比較宗教 ====
==== 166 道教 ====
==== 167 イスラーム ====
==== 168 ヒンドゥー教・ジャイナ教 ====
==== 169 その他の宗教・新興宗教 ====
=== 170 神道 ===
==== 171 神道思想・神道説 ====
==== 172 神祇・神道史 ====
==== 173 神典 ====
==== 174 信仰録・説教集 ====
==== 175 神社・神職 ====
==== 176 祭祀 ====
==== 177 布教・伝道 ====
==== 178 各教派・教派神道 ====
=== 180 仏教 ===
==== 181 仏教教理・仏教哲学 ====
==== 182 仏教史 ====
==== 183 経典 ====
==== 184 法話・説教集 ====
==== 185 寺院・僧職 ====
==== 186 仏会 ====
==== 187 布教・伝道 ====
==== 188 各宗 ====
=== 190 キリスト教 ===
==== 191 教義・キリスト教神学 ====
==== 192 キリスト教史・迫害史 ====
==== 193 聖書 ====
==== 194 信仰録・説教集 ====
==== 195 教会・聖職 ====
==== 196 典礼・祭式・礼拝 ====
==== 197 布教・伝道 ====
==== 198 各教派・教会史 ====
==== 199 ユダヤ教 ====
-->
== 2類 歴史 ==
=== 200 歴史 ===
==== 201 歴史学 ====
*[[歴史学]]
<!--
==== 202 歴史補助学 ====
==== 203 参考図書 ====
==== 204 論文集・評論集・講演集 ====
==== 205 逐次刊行物 ====
==== 206 団体 ====
==== 207 研究法・指導法・歴史教育 ====
==== 208 叢書・全集・選集 ====
-->
==== 209 世界史・文化史 ====
*[[世界史]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
=== 210 日本史 ===
*[[日本史]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
===== 210.027 古銭学 =====
==== 211 北海道地方 ====
==== 212 東北地方 ====
==== 213 関東地方 ====
==== 214 北陸地方 ====
==== 215 中部地方 ====
==== 216 近畿地方 ====
==== 217 中国地方 ====
==== 218 四国地方 ====
==== 219 九州地方 ====
-->
=== 220 アジア史・東洋史 ===
<!--
==== 221 朝鮮 ====
-->
==== 222 中国 ====
*[[中国史]]{{進捗|25%|2005-12-01}}
<!--
==== 223 東南アジア ====
==== 224 インドネシア ====
==== 225 インド ====
===== 225.97 モルジブ =====
==== 229 アジアロシア ====
=== 230 ヨーロッパ史・西洋史 ===
==== 231 古代ギリシア ====
==== 232 古代ローマ ====
==== 233 イギリス・英国 ====
==== 234 ドイツ・中欧 ====
==== 235 フランス ====
==== 236 スペイン イスパニア ====
==== 237 イタリア ====
==== 238 ロシア ソビエト連邦 独立国家共同体 ====
==== 239 バルカン諸国 ====
=== 240 アフリカ史 ===
==== 241 北アフリカ ====
==== 242 エジプト ====
==== 243 バーバリ諸国 ====
==== 244 西アフリカ ====
==== 245 東アフリカ ====
==== 248 南アフリカ ====
==== 249 インド洋のアフリカ諸島 ====
=== 250 北アメリカ史 ===
==== 251 カナダ ====
==== 253 アメリカ合衆国 ====
==== 255 ラテンアメリカ 中南米 ====
==== 256 メキシコ ====
==== 257 中央アメリカ 中米諸国 ====
==== 259 西インド諸島 ====
=== 260 南アメリカ史 ===
==== 261 北部諸国 カリブ沿海諸国 ====
==== 262 ブラジル ====
==== 263 パラグアイ ====
==== 264 ウルグアイ ====
==== 265 アルゼンチン ====
==== 266 チリ ====
==== 267 ボリビア ====
==== 268 ペルー ====
=== 270 オセアニア史・両極地方史 ===
==== 271 オーストラリア ====
==== 272 ニュージーランド ====
==== 273 メラネシア ====
==== 274 ミクロネシア ====
==== 275 ポリネシア ====
==== 276 ハワイ ====
==== 277 両極地方 ====
==== 278 北極 北極地方 ====
==== 279 南極 南極地方 ====
=== 280 伝記 ===
==== 281 日本 ====
==== 282 アジア ====
==== 283 ヨーロッパ ====
==== 284 アフリカ ====
==== 285 北アフリカ ====
==== 286 南アフリカ ====
==== 287 オセアニア・両極地方 ====
==== 288 系譜・家史・皇室 ====
==== 289 個人伝記 ====
-->
=== 290 地理・地誌・紀行 ===
*[[地理学]]{{進捗|00%|2005-05-04}}
<!--
==== 290.93 旅行案内記 ====
-->
== 3類 社会科学 ==
<!--
=== 300 社会科学 ===
==== 301 理論・方法論 ====
==== 302 政治・経済・社会・文化事情 ====
==== 303 参考図書 ====
==== 304 論文集・評論集・講演集 ====
==== 305 逐次刊行物 ====
==== 306 団体 ====
==== 307 研究法・指導法・社会科学教育 ====
==== 308 叢書・全集・選集 ====
==== 309 社会思想 ====
=== 310 政治 ===
==== 311 政治学 ====
==== 312 政治史・事情 ====
==== 313 国家の形態・政治体制 ====
==== 314 議会 ====
==== 315 政党・政治結社 ====
==== 316 国家と個人・宗教・民族 ====
==== 317 行政 ====
==== 318 地方自治・地方行政 ====
==== 319 外交・国際問題 ====
-->
=== 320 法律 ===
==== 321 法学 ====
*[[法学]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
==== 322 法制史 ====
*[[法制史]]
==== 323 憲法 ====
*[[憲法]]
==== 324 民法 ====
*[[民法]]
==== 325 商法 ====
*[[商法]]
==== 326 刑法・刑事法 ====
*[[刑法]]
==== 327 司法・訴訟手続法 ====
*[[民事訴訟法]]
*[[刑事訴訟法]]
==== 328 諸法 ====
*[[教育基本法]]
*[[知的財産権法]]
==== 329 国際法 ====
*[[国際法]]
=== 330 経済 ===
==== 331 経済学・経済思想 ====
*[[経済学]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[経済学基礎]]
==== 332 経済史・事情・経済体制 ====
==== 333 経済政策・国際経済 ====
==== 334 人口・土地・資源 ====
==== 335 企業・経営 ====
==== 336 経営管理 ====
*[[公認会計士試験]]
==== 337 貨幣・通貨 ====
==== 338 金融・銀行・信託 ====
==== 339 保険 ====
=== 340 財政 ===
<!--
==== 341 財政学・財政思想 ====
==== 342 財政史・事情 ====
==== 343 財政政策・財政行政 ====
==== 344 予算・決算 ====
==== 345 租税 ====
==== 347 公債・国債 ====
==== 348 専売・国有財産 ====
==== 349 地方財政 ====
=== 350 統計 ===
==== 351 日本 ====
==== 358 人口統計・国勢調査 ====
==== 359 各種の統計書 ====
-->
=== 360 社会 ===
<!--
==== 361 社会学 ====
==== 362 社会史・社会体制 ====
==== 364 社会保障 ====
==== 365 生活・消費者問題 ====
==== 366 労働経済・労働問題 ====
==== 367 家族問題、男性・女性問題、老人問題 ====
==== 368 社会病理 ====
-->
==== 369 社会福祉 ====
===== 369.3 災害 災害救助 =====
*[[防災]]{{進捗|25%|2006-04-06}}
=== 370 教育 ===
<!--
==== 371 教育学、教育思想 ====
===== 371.42 登校拒否・いじめ =====
-->
==== 372 教育史・事情 ====
*[[教育勅語]]{{進捗|75%|2005-05-04}}
<!--
==== 373 教育政策、教育制度、教育行財政 ====
-->
==== 374 学校経営・管理、学校保健 ====
===== 374.48 学校行事 =====
*[[運動会]]
==== 375 教育課程、学習指導、教科別教育 ====
*[[学校教育]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[生活と進路]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
===== 374.9 教科書、教科書検定 =====
*[[小学校の学習]]{{進捗|50%|2023-09-25}}
*[[中学校の学習]]{{進捗|50%|2023-09-25}}
*[[高等学校の学習]]{{進捗|00%|2023-09-25}}
**[[高等学校の学習/旧課程]]{{進捗|25%|2023-09-25}}
<!--
* [[小学校算数]] {{進捗|25%|2005-05-04}}
* [[中学校数学]] {{進捗|50%|2005-05-10}}
* [[高等学校世界史A]] {{進捗|25%|2015-08-30}}
* [[高等学校地理B]] {{進捗|25%|2005-11-1}}
* [[高等学校現代社会]] {{進捗|25%|2015-08-30}}
* [[高等学校政治経済]] {{進捗|50%|2015-08-30}}
*[[高等学校倫理]]
*[[高等学校数学]]
*[[高等学校数学基礎]]{{進捗|100%|2005-05-04}}
*[[高等学校数学I]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
*[[高等学校数学III]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
*[[高等学校数学B]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
*[[高等学校数学C]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
*[[高等学校理科総合B]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
*[[高等学校物理]]{{進捗|50%|2005-11-1}}
* [[高等学校化学]] {{進捗|50%|2015-08-30}}
* [[高等学校生物]] {{進捗|50%|2015-08-30}}
* [[高等学校地学]] {{進捗|25%|2015-08-30}}
*[[高等学校情報A]]
*[[高等学校情報B]]
*[[高等学校情報C]]
-->
*[[小・中・高等学校演習]]
*[[検定教科書]]
==== 376 幼児・初等・中等教育 ====
*[[小学校・中学校・高等学校の学習]]
==== 377 大学、高等・専門教育、学術行政 ====
* [[大学受験ガイド]] {{進捗|50%|2015-08-30}}
<!--
==== 378 障害児教育 ====
==== 379 社会教育 ====
=== 380 風俗習慣・民俗学・民族学 ===
==== 382 風俗史・民俗誌、民族誌 ====
==== 383 衣食住の習俗 ====
==== 384 社会・家庭生活の習俗 ====
==== 385 通過儀礼、冠婚葬祭 ====
==== 386 年中行事、祭礼 ====
==== 387 民間信仰、迷信(俗信) ====
==== 388 伝説、民話(昔話) ====
==== 389 民族学、文化人類学 ====
=== 390 国防・軍事 ===
==== 391 戦争、戦略、戦術 ====
==== 392 国防史・事情、軍事史・事情 ====
==== 393 国防政策・行政・法令 ====
==== 394 軍事医学、兵食 ====
==== 395 軍事施設、軍需品 ====
==== 396 陸軍 ====
==== 397 海軍 ====
==== 398 空軍 ====
==== 399 古代兵法、軍学 ====
-->
== 4類 自然科学 ==
<!--
=== 400 自然科学 ===
==== 401 科学理論・科学哲学 ====
==== 402 科学史・事情 ====
==== 403 参考図書 ====
==== 404 論文集・評論集・講演集 ====
==== 405 逐次刊行物 ====
==== 406 団体 ====
==== 407 研究法・指導法・科学教育 ====
==== 408 叢書・全集・選集 ====
==== 409 科学技術政策・科学技術行政 ====
-->
=== 410 数学 ===
* [[数学]]
* [[初等数学]]
* [[初等数学公式集]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
* [[初等数学演習]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
* [[初等数学記号集]]
* [[Wikibooks:初等数学用語索引|初等数学用語索引]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
* [[中等数学]]
* [[高等数学]]
* [[大学数学公式集]]
==== 411 代数学 ====
===== 411.6 集合論 =====
*[[公理的集合論]]
==== 412 数論 ====
==== 413 解析学 ====
* [[解析学]]
* [[解析学基礎]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
==== 414 幾何学 ====
==== 415 位相数学 ====
* [[位相幾何学]]{{進捗|25%|2008-09-03}}
==== 417 確率論、数理統計学 ====
* [[統計学基礎]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 418 計算法 ====
==== 419 和算、中国算法 ====
-->
=== 420 物理学 ===
*[[物理学]]
==== 421 理論物理学 ====
<!--
===== 421.1 基礎理論 エーテル理論 =====
-->
===== 421.2 相対性理論 =====
*[[特殊相対論]]
*[[一般相対性理論]]
===== 421.3 量子力学、量子論 =====
*[[場の量子論]]
*[[量子力学]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
===== 421.4 統計力学 =====
*[[統計力学I]]
*[[統計力学II]]
===== 421.5 数理物理学.物理数学 =====
* [[物理数学I]] {{進捗|75%|2023-11-05}}
* [[物理数学II]]
==== 423 力学 ====
*[[解析力学]]
*[[古典力学]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
==== 424 振動学、音響学 ====
*[[振動と波動]]
* [[音響学]]
==== 425 光学 ====
*[[光の偏極]]
==== 426 熱学 ====
*[[熱力学]]
==== 427 電磁気学 ====
*[[電磁気学]]
<!--
==== 428 物性物理学 ====
==== 429 原子物理学 ====
-->
=== 430 化学 ===
<!--
==== 431 物理化学. 理論化学 ====
==== 432 実験化学 ====
==== 433 分析化学 ====
==== 434 合成化学 ====
-->
==== 435 無機化学 ====
*[[無機化学]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 436 金属元素とその化合物 ====
-->
==== 437 有機化学 ====
*[[有機化学]]{{進捗|25%|2005-05-21}}
<!--
==== 438 環式化合物の化学 ====
==== 439 天然物質の化学 ====
-->
=== 440 天文学・宇宙科学 ===
* [[天文学]]{{進捗|25%|2005-12-01}}
<!--
==== 441 理論天文学・数理天文学 ====
==== 442 実地天文学・天体観測法 ====
==== 443 恒星・恒星天文学 ====
==== 444 太陽・太陽物理学 ====
==== 445 惑星・衛星 ====
==== 446 月 ====
==== 447 彗星・流星 ====
==== 448 地球・天文地理学 ====
==== 449 時法・暦学 ====
-->
=== 450 地球科学・地学 ===
* [[地球科学]]{{進捗|25%|2005-12-01}}
<!--
==== 451 気象学 ====
==== 452 海洋学 ====
==== 453 地震学 ====
===== 453.38 地震予知 =====
==== 454 地形学 ====
==== 455 地質学 ====
==== 456 地史学・層位学 ====
==== 457 古生物学・化石 ====
==== 458 岩石学 ====
==== 459 鉱物学 ====
-->
=== 460 生物化学・一般生物学 ===
*[[生物学の研究技術]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 461 理論生物学・生命論 ====
==== 462 生物地理・生物誌 ====
==== 463 細胞学 ====
==== 464 生化学 ====
==== 465 微生物学 ====
==== 467 遺伝学 ====
===== 467.25 遺伝子組み換え =====
==== 468 生態学 ====
==== 469 人類学 ====
-->
=== 470 植物学 ===
*[[植物学]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 471 一般植物学 ====
==== 472 植物地理・植物誌 ====
==== 473 葉状植物 ====
==== 474 藻類・菌類 ====
==== 475 コケ植物 ====
==== 476 シダ植物 ====
==== 477 種子植物 ====
==== 478 裸子植物 ====
==== 479 被子植物 ====
=== 480 動物学 ===
==== 481 一般動物学 ====
==== 482 動物地理・動物誌 ====
==== 483 無脊椎動物 ====
==== 484 軟体動物・貝類学 ====
==== 485 節足動物 ====
==== 486 昆虫類 ====
==== 487 脊椎動物 ====
==== 488 鳥類 ====
==== 489 哺乳類 ====
-->
=== 490 医学 ===
* [[医学]]
*[[OsiriX_オンライン解説文書]]{{進捗|75%|2005-05-04}}
==== 491 基礎医学 ====
*[[生理学]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
*[[解剖学]]{{進捗|25%|2006-11-09}}
*[[神経解剖学]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
*[[組織学]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
*[[微生物学]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
*[[病理学]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
<!--
==== 492 臨床医学 ====
-->
==== 493 内科学 ====
*[[内科学 呼吸器]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
<!--
==== 494 外科学 ====
==== 495 産科学,婦人科学 ====
==== 496 眼科学,耳鼻咽喉科学 ====
==== 497 歯科学 ====
==== 498 衛生学,公衆衛生学,予防医学 ====
-->
==== 499 薬学 ====
*[[薬理学]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
==5類 技術・工学・工業 ==
=== 500 技術・工学 ===
==== 501 工業基礎学 ====
==== 502 技術史・工学史 ====
==== 503 参考図書 ====
==== 504 論文集・評論集・講演集 ====
==== 505 逐次刊行物 ====
==== 506 団体 ====
==== 507 研究法・指導法・技術教育 ====
==== 508 叢書・全集・選集 ====
==== 509 工業・工業経済 ====
=== 510 建設工学・土木工学 ===
==== 511 土木力学・建設材料 ====
==== 512 測量 ====
==== 513 土木設計・施工法 ====
==== 514 道路工学 ====
==== 515 橋梁工学 ====
==== 516 鉄道工学 ====
==== 517 河海工学・河川工学 ====
==== 518 衛生工学・都市工学 ====
===== 518.523 ごみの再利用 =====
==== 519 公害・環境工学 ====
===== 519.12 環境法 =====
* [[環境法]]
=== 520 建築学 ===
==== 521 日本の建築 ====
==== 522 東洋の建築・アジアの建築 ====
==== 523 西洋の建築・その他の様式の建築 ====
==== 524 建築構造 ====
==== 525 建築計画・施工 ====
==== 526 各種の建築 ====
==== 527 住宅建築 ====
==== 528 建築設備・設備工学 ====
==== 529 建築意匠・装飾 ====
=== 530 機械工学・原子力工学 ===
==== 531 機械力学・材料・設計 ====
==== 532 機械工作・工作機械 ====
==== 533 熱機関・熱工学 ====
==== 534 流体機械・流体工学 ====
==== 535 精密機器・光学機器 ====
==== 536 運輸工学・車輌・運搬機械 ====
==== 537 自動車工学 ====
===== 537.25 電気自動車 =====
==== 538 航空宇宙工学 ====
==== 539 原子力工学 ====
=== 540 電気工学・電子工学 ===
==== 540 電気工学 ====
==== 541 電気回路・計測・材料 ====
==== 542 電気機器 ====
==== 543 発電 ====
==== 544 送電・変電・配電 ====
==== 545 電灯・照明・電熱 ====
==== 546 電気鉄道 ====
==== 547 通信工学・電気通信 ====
==== 548 情報工学 ====
==== 549 電子工学 ====
=== 550 海洋工学・船舶工学 ===
==== 551 理論造船学 ====
==== 552 船体構造・材料・施工 ====
==== 553 船体艤装・船舶設備 ====
==== 554 舶用機関[造機] ====
==== 555 船舶修理・保守 ====
==== 556 各種の船舶・艦艇 ====
==== 557 航海・航海学 ====
==== 558 海洋開発 ====
==== 559 兵器、軍事工学 ====
=== 560 金属工学・鉱山工学 ===
==== 561 採鉱・選鉱 ====
==== 562 各種の金属鉱床・採掘 ====
==== 563 冶金・合金 ====
==== 564 鉄鋼 ====
==== 565 非鉄金属 ====
==== 566 金属加工・製造冶金 ====
==== 567 石炭 ====
==== 568 石油 ====
==== 569 非金属鉱物・土石採取業 ====
=== 570 化学工業 ===
==== 571 化学工学・化学機器 ====
==== 572 電気化学工業 ====
==== 573 セラミックス・窯業・珪酸塩化学工業 ====
==== 574 化学薬品 ====
==== 575 燃料・爆発物 ====
==== 576 油脂類 ====
==== 577 染料 ====
==== 578 高分子化学工業 ====
==== 579 その他の化学工業 ====
=== 580 製造工業 ===
==== 581 金属製品 ====
==== 582 事務機器・家庭機器・楽器 ====
==== 583 木工業・木製品 ====
==== 584 皮革工業・皮革製品 ====
==== 585 パルプ・製紙工業 ====
==== 586 繊維工学 ====
==== 587 染色加工・染色業 ====
==== 588 食品工業 ====
==== 589 その他の雑工業 ====
=== 590 家政学・生活科学 ===
<!--
==== 591 家庭経済・経営 ====
==== 592 家庭理工学 ====
==== 593 衣服・裁縫 ====
==== 594 手芸 ====
==== 595 理容・美容 ====
===== 595.6 痩身法 =====
==== 596 食品・料理 ====
*[[料理本]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 597 住居・家具調度 ====
==== 598 家庭衛生 ====
==== 599 育児 ====
-->
==6類 産業 ==
<!--
=== 600 産業 ===
==== 601 産業政策・行政・総合開発 ====
==== 602 産業史・事情・物産誌 ====
==== 603 参考図書 ====
==== 604 論文集・評論集・講演集 ====
==== 605 逐次刊行物 ====
==== 606 団体 ====
==== 607 研究法・指導法・産業教育 ====
==== 608 叢書・全集・選集 ====
==== 609 度量衡、計量法 ====
=== 610 農業 ===
==== 611 農業経済 ====
==== 612 農業史・事情 ====
==== 613 農業基礎学 ====
==== 614 農業工学 ====
==== 615 作物栽培・作物学 ====
==== 616 食用作物 ====
==== 617 工芸作物 ====
==== 618 繊維作物 ====
==== 619 農産物製造・加工 ====
-->
=== 620 園芸 ===
<!--
==== 621 園芸経済・行政・経営 ====
==== 622 園芸史・事情 ====
==== 623 園芸植物学・病虫害 ====
==== 624 温室・温床・園芸用具 ====
==== 625 果樹園芸 ====
-->
==== 626 蔬菜園芸 ====
*[[ダイズの栽培]]{{進捗|00%|2007-02-21}}
==== 627 花卉園芸[草花] ====
*[[サボテンの栽培]]{{進捗|00%|2007-02-21}}
<!--
==== 628 園芸利用 ====
==== 629 造園 ====
=== 630 蚕糸業 ===
==== 631 蚕糸経済・行政・経営 ====
==== 632 蚕糸業史・事情 ====
==== 633 蚕学・蚕業基礎学 ====
==== 634 蚕種 ====
==== 635 飼育法 ====
==== 636 くわ・栽桑 ====
==== 637 蚕室・蚕具 ====
==== 638 まゆ ====
==== 639 製糸・生糸・蚕糸利用 ====
-->
=== 640 畜産業 ===
<!--
==== 641 畜産経済・行政・経営 ====
==== 642 畜産史・事情 ====
==== 643 家畜の繁殖・家畜飼料 ====
==== 644 家畜の管理・畜舎・用具 ====
==== 645 家畜・畜産動物各論 ====
-->
==== 646 家禽各論・飼鳥 ====
*[[ホンセイインコ類の飼育]]{{進捗|00%|2007-02-21}}
<!--
===== 646.9 みつばち・昆虫 =====
==== 648 畜産製造・畜産物 ====
==== 649 獣医学・比較医学 ====
==== 649 獣医学 ====
=== 650 林業 ===
==== 651 林業経済・行政・経営 ====
==== 652 森林史・林業史・事情 ====
==== 653 森林立地・造林 ====
==== 654 森林保護 ====
==== 655 森林施業 ====
==== 656 森林工学 ====
==== 657 森林利用・林産物・木材学 ====
==== 658 林産製造 ====
==== 659 狩猟 ====
=== 660 水産業 ===
==== 661 水産経済・行政・経営 ====
==== 662 水産業および漁業史・事情 ====
==== 663 水産基礎学 ====
==== 664 漁労・漁業各論 ====
==== 665 漁船・漁具 ====
==== 666 水産増殖・養殖業 ====
==== 667 水産製造・水産食品 ====
==== 668 水産物利用・水産利用工業 ====
==== 669 製塩・塩業 ====
=== 670 商業 ===
==== 671 商業政策・行政 ====
==== 672 商業史・事情 ====
==== 673 商業経営・商店 ====
==== 674 広告・宣伝 ====
==== 675 マーケティング ====
==== 676 取引所 ====
==== 678 貿易 ====
=== 680 運輸・交通 ===
==== 681 交通政策・行政・経営 ====
==== 682 交通史・事情 ====
==== 683 海運 ====
==== 684 内水・運河交通 ====
==== 685 陸運・自動車運送 ====
==== 686 鉄道 ====
==== 687 航空運送 ====
==== 688 倉庫業 ====
==== 689 観光事業 ====
=== 690 通信事業 ===
==== 691 通信政策・行政・法令 ====
==== 692 通信事業史・事情 ====
==== 693 郵便・郵政事業 ====
==== 694 電気通信事業 ====
==== 699 放送事業 ====
===== 699.39 アナウンサー =====
-->
== 7類 芸術 ==
<!--
=== 700 芸術・美術 ===
==== 701 芸術理論・美学 ====
==== 702 芸術史・美術史 ====
==== 703 参考図書[レファレンスブック] ====
==== 704 論文集・評論集・講演集 ====
==== 705 逐次刊行物 ====
==== 706 団体 ====
==== 707 研究法・指導法・芸術教育 ====
==== 708 叢書・全集・選集 ====
==== 709 芸術政策・文化財 ====
=== 710 彫刻 ===
==== 711 彫塑材料・技法 ====
==== 712 彫刻史・各国の彫刻 ====
==== 713 木彫 ====
==== 714 石彫 ====
==== 715 金属彫刻・鋳造 ====
==== 717 粘土彫刻・塑造 ====
==== 708 仏像 ====
==== 709 オブジェ ====
=== 720 絵画 ===
==== 721 日本画 ====
==== 722 東洋画 ====
==== 723 洋画 ====
==== 724 絵画材料・技法 ====
==== 725 素描・描画 ====
==== 726 漫画、挿絵、童画 ====
==== 727 グラフィックデザイン、図案 ====
==== 728 書道 ====
=== 730 版画 ===
==== 731 版画材料・技法 ====
==== 732 版画史・各国の版画 ====
==== 733 木版画 ====
==== 734 石版画 ====
==== 735 銅版画・鋼版画 ====
==== 736 リノリウム版画・ゴム版画 ====
==== 737 写真版画・孔版画 ====
==== 739 印章、篆刻、印譜 ====
-->
=== 740 写真 ===
<!--
==== 742 写真器械・材料 ====
==== 743 撮影技術 ====
-->
==== 744 現像・印画 ====
*[[白黒写真の暗室作業]]{{進捗|75%|2007-05-10}}
<!--
==== 745 複写技術 ====
==== 746 特殊写真 ====
==== 747 写真の応用 ====
==== 748 写真集 ====
==== 749 印刷 ====
=== 750 工芸 ===
==== 751 陶磁工芸 ====
==== 752 漆工芸 ====
==== 753 染織工芸 ====
==== 754 木竹工芸 ====
==== 755 宝石・牙角・皮革工芸 ====
==== 756 金工芸 ====
==== 757 デザイン・装飾美術 ====
==== 758 美術家具 ====
==== 759 人形・玩具 ====
-->
=== 760 音楽 ===
==== 761 音楽の一般理論・音楽学 ====
* [[楽典]]
* [[和声学]]
* [[楽式]]
==== 762 音楽史・各国の音楽 ====
* [[西洋音楽史]]
<!--
==== 763 楽器・器楽 ====
==== 764 器楽合奏 ====
==== 765 宗教音楽・聖楽 ====
==== 766 劇音楽 ====
==== 767 声楽 ====
==== 768 邦楽 ====
==== 769 舞踊、バレエ ====
=== 770 演劇 ===
==== 771 劇場・演出・演技 ====
==== 772 演劇史・各国の演劇 ====
==== 773 能楽、狂言 ====
==== 774 歌舞伎 ====
==== 775 各種の演劇 ====
==== 777 人形劇 ====
==== 778 映画 ====
==== 779 大衆演芸 ====
-->
=== 780 スポーツ・体育 ===
<!--
==== 781 体操、遊戯 ====
==== 782 陸上競技 ====
-->
==== 783 球技 ====
*[[サッカー]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
*[[テニス]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
*[[野球]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
<!--
==== 784 冬季競技 ====
-->
==== 785 水上競技 ====
*[[セーリング]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
==== 786 戸外レクリエーション ====
===== 786.1 登山・山岳競技 =====
*[[登山]]
==== 787 釣魚、遊猟 ====
==== 788 相撲、拳闘、競馬 ====
*[[相撲]]{{進捗|25%|2006-2-23}}
*[[競馬]]{{進捗|25%|2023-09-25}}
==== 789 武術 ====
*[[剣道]]{{進捗|25%|2007-6-30}}
=== 790 諸芸・娯楽 ===
<!--
==== 791 茶道 ====
==== 792 香道 ====
==== 793 花道 ====
==== 794 撞球 ====
-->
==== 795 囲碁 ====
*[[囲碁]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
==== 796 将棋 ====
*[[将棋]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
<!--
==== 797 射倖ゲーム ====
-->
==== 798 室内娯楽 ====
*[[トランプ]]<!--798.2-->
*[[トランプ/トランプ教科書]]
*[[麻雀]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
*[[チェス]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
===== 798.5 テレビゲーム =====
*[[Minecraft]]
<!--
==== 799 ダンス ====
-->
== 8類 言語 ==
=== 800 言語 ===
==== 801 言語学 ====
*[[生成文法]]
*[[語学]]
**[[琉球語]]
<!--
==== 809 言語生活 ====
-->
=== 810 日本語 ===
*[[日本語]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 811 音声、音韻、文字 ====
==== 812 語源、意味 ====
==== 813 辞典 ====
==== 814 語彙 ====
==== 815 文法、語法 ====
==== 816 文章、文体、作文 ====
==== 817 読本、解釈、会話 ====
-->
==== 818 方言、訛語 ====
*[[北海道方言]]
*[[讃岐弁]]
*[[沖縄語]]
<!--
=== 820 中国語 ===
-->
==== 829 その他の東洋の諸言語 ====
*[[朝鮮語]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[ペルシア語]]
=== 830 英語 ===
*[[英語]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
=== 840 ドイツ語 ===
*[[ドイツ語]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
<!--
==== 849 その他のゲルマン言語 ====
-->
=== 850 フランス語 ===
*[[フランス語]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 859 プロヴァンス語 ====
=== 860 スペイン語 ===
==== 869 ポルトガル語 ====
=== 870 イタリア語 ===
-->
==== 879 その他のロマンス諸語 ====
*[[ルーマニア語]]
<!--
=== 880 ロシア語 ===
==== 889 その他のスラヴ諸語 ====
=== 890 その他の諸言語 ===
-->
==== 891 ギリシア語 ====
*[[ギリシア語]]
==== 892 ラテン語 ====
*[[ラテン語]]{{進捗|50%|2006-03-21}}
==== 893 その他のヨーロッパの諸言語 ====
*[[デンマーク語]]{{進捗|25%|2005-12-01}}
<!--
==== 894 アフリカの諸言語 ====
==== 895 アメリカの諸言語 ====
==== 897 オーストラリアの諸言語 ====
-->
==== 899 国際語 ====
*[[エスペラント]]{{進捗|00%|2005-05-04}}
== 9類 文学 ==
=== 900 文学 ===
*[[古典文学]]{{進捗|25%|2005-05-15}}
<!--
==== 909 児童文学研究 ====
-->
=== 910 日本文学 ===
<!--
==== 911 詩歌 ====
==== 912 戯曲 ====
-->
==== 913 小説、物語 ====
*[[竹取物語]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
==== 914 評論、エッセイ、随筆 ====
*[[方丈記]]
<!--
==== 915 日記、書簡、紀行 ====
==== 916 記録、手記、ルポルタージュ ====
==== 917 箴言、アフォリズム、寸言 ====
==== 918 作品集 ====
==== 919 漢詩文、日本漢文学 ====
-->
=== 920 中国文学 ===
*[[漢詩]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 929 その他の東洋文学 ====
=== 930 英文学・米文学 ===
=== 940 ドイツ文学 ===
==== 949 その他のゲルマン文学 ====
=== 950 フランス文学 ===
==== 959 プロヴァンス文学 ====
=== 960 スペイン文学 ===
==== 969 ポルトガル文学 ====
=== 970 イタリア文学 ===
==== 979 その他のロマンス文学 ====
=== 980 ロシア文学・ソヴィエト文学 ===
==== 989 その他のスラヴ文学 ====
-->
=== 990 その他の諸文学 ===
==== 991 ギリシア文学 ====
==== 992 ラテン文学 ====
*[[ガリア戦記]]
==== 993 その他のヨーロッパ文学 ====
==== 994 アフリカ文学 ====
==== 995 アメリカ先住民語の文学 ====
==== 997 オーストラリア先住民語の文学 ====
==== 999 国際語による文学 ====
== 関連項目 ==
*[[w:日本十進分類法#要目表(第3次区分表)]]
== 外部リンク ==
*<del>[http://www.ndl.go.jp/jp/library/data/zan9.html 日本十進分類法新訂9版分類基準]([http://www.ndl.go.jp/ 国立国会図書館])</del>リンク切れ
*[https://www.kotono8.com/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%8D%81%E9%80%B2%E5%88%86%E9%A1%9E%E6%B3%95%EF%BC%88%E8%A9%B3%E7%B4%B0%EF%BC%89 閾ペディアことのは 日本十進分類法(詳細)]
[[Category:日本十進分類法|*]]
[[it:Wikibooks:Classificazione decimale Dewey]]
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301409
301408
2026-07-09T11:29:21Z
Tkkn46tkkn46
89925
/* 007.64 コンピュータプログラミング */ Swiftを追加
301409
wikitext
text/x-wiki
__NOTOC__
[[メインページ|ウィキブックス]]の全ての書籍を[[:w:日本十進分類法|日本十進分類法]]に従って分類したものです。
{{進捗状況}}
== 0類 総記 ==
=== 000 総記 ===
*[[ウィキペディアの書き方]]
<!--
==== 002 知識・学問・学術 ====
-->
==== 007 情報科学 ====
*[[情報技術]]
<!--
===== 007.1 情報理論 =====
===== 007.2 歴史 事情 =====
===== 007.3 情報と社会 =====
===== 007.4 情報源 =====
===== 007.5 ドキュメンテーション 情報管理 =====
-->
===== 007.6 データ処理 情報処理 =====
*[[情報処理技術者試験の概要]]
*[[初級システムアドミニストレータ]]
<!--
====== 007.61 システム分析 システム設計 ======
-->
====== 007.63 コンピュータシステム ソフトウェア ======
*[[Freenet]]
*[[Maxima]]
*[[Microsoft Office]]
*[[Mizar]]
*[[OpenOffice.org]]
*[[OSとアプリケーション]]
*[[TeX/LaTeX入門]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[vi]]
<!--
======= 007.632 エキスパートシステム =======
-->
====== 007.634 オペレーティングシステム ======
*[[ChromeOS]]
*[[Linuxシステム管理]]
*[[Linuxハードウェア]]
*[[MS-DOS/PC DOS入門]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
*[[UNIX/Linux入門]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
======= 007.635 漢字処理システム =======
-->
====== 007.637 図形処理ソフトウェア ======
* [[Inkscape]]
====== 007.64 コンピュータプログラミング ======
*[[機械語]]
*[[ゲームプログラミング]]
*[[数式処理システム]]
*[[ソフトウェア開発技術者]]
*[[プログラミング]]
*[[BASIC]]
*[[C言語]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[CPlusPlus|C++]]
*[[CSS]]{{進捗|00%|2005-06-17}}
*[[CGI]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[GNOMEフレームワーク]]
*[[Go]]
*[[HTML]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[Java]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[JavaScript]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[Lisp]]
*[[OpenGL]]
*[[OSS開発ツール]]
*[[Perl]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[PHP]]
*[[Ruby]]
*[[Scratch]]
*[[Scheme]]
*[[SVG]]
*[[Swift]]
*[[Xプログラミング]]
<!--
======= 007.642 CG技術 =======
====== 007.65 各種の記憶媒体 ======
====== 007.68 情報検索 機械検索 ======
-->
===== 007.7 情報システム =====
*[[LANとインターネット]]
*[[NTP入門]]
*[[TCP/IP入門]]
<!--
=== 010 図書館・図書館学 ===
==== 011 図書館政策・図書館行財政 ====
==== 012 図書館建築・図書館整備 ====
==== 013 図書館管理 ====
==== 014 資料の収集・資料の整理・資料の保管 ====
==== 015 図書館奉仕・図書館活動 ====
==== 016 各種の図書館 ====
==== 017 学校図書館 ====
==== 018 専門図書館 ====
==== 019 読書・読書法 ====
-->
=== 020 図書・書誌学 ===
==== 021 著作・編集 ====
===== 021.4 編集 編纂 =====
*[[ウィキペディアの書き方 入門編]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
<!--
==== 022 写本・刊本・造本 ====
==== 023 出版 ====
-->
==== 024 図書の販売 ====
*[[同人誌即売会参加方法]]{{進捗|75%|2005-05-04}}
<!--
==== 025 一般書誌・全国書誌 ====
==== 026 稀書目録・善本目録 ====
==== 027 特種目録 ====
==== 028 選定図書目録・参考図書目録 ====
==== 029 蔵書目録・総合目録 ====
-->
=== 030 百科事典 ===
==== 031 日本語 ====
*[[w:mainpage|w:wikipedia]]
===== 031.3 日用便覧 =====
*[[ジョーク集]]
<!--
==== 039 用語索引<一般> ====
=== 040 一般論文集・一般講演集 ===
==== 041 日本語 ====
==== 049 雑著 ====
=== 050 逐次刊行物 ===
==== 051 日本の雑誌 ====
==== 059 一般年鑑 ====
=== 060 団体 ===
==== 061 学術・研究機関 ====
==== 063 文化交流機関 ====
==== 065 親睦団体・その他の団体 ====
==== 069 博物館 ====
=== 070 ジャーナリズム・新聞 ===
==== 071 日本 ====
=== 080 叢書・全集・選集 ===
==== 081 日本語 ====
==== 089 その他の諸言語 ====
=== 090 貴重書・郷土資料・その他の特別コレクション ===
-->
== 1類 哲学 ==
=== 100 哲学 ===
*[[哲学・思想]]{{進捗|00%|2005-05-04}}
<!--
==== 101 哲学理論 ====
==== 102 哲学史 ====
==== 103 参考図書 ====
==== 104 論文集・評論集・講演集 ====
==== 105 逐次刊行物 ====
==== 106 団体 ====
==== 107 研究法・指導法・哲学教育 ====
==== 108 叢集・全集・選集 ====
=== 110 哲学各論 ===
==== 111 形而上学・存在論 ====
==== 112 自然哲学・宇宙論 ====
==== 113 人生観・世界観 ====
==== 114 人間学 ====
==== 115 認識論 ====
==== 116 論理学・弁証法・方法論 ====
==== 117 価値哲学 ====
==== 118 文化哲学・技術哲学 ====
-->
=== 120 東洋思想 ===
==== 121 日本思想 ====
==== 122 中国思想・中国哲学 ====
*[[論語巻第一]]
==== 123 経書 ====
==== 124 先秦思想・諸子 ====
==== 125 中世思想・近代思想 ====
==== 126 インド哲学・バラモン教 ====
==== 129 その他のアジア・アラブ哲学 ====
<!--
=== 130 西洋哲学 ===
==== 131 古代哲学 ====
==== 132 中世哲学 ====
==== 133 近代哲学 ====
==== 134 ドイツ・オーストリア哲学 ====
==== 135 フランス・オランダ哲学 ====
==== 136 スペイン・ポルトガル哲学 ====
==== 137 イタリア哲学 ====
==== 138 ロシア哲学 ====
==== 139 その他の哲学 ====
-->
=== 140 心理学 ===
*[[心理学]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 141 普通心理学・心理各論 ====
==== 143 発達心理学 ====
==== 145 異常心理学 ====
==== 146 臨床心理学・精神分析学 ====
==== 147 超心理学・心霊研究 ====
==== 148 相法・易占 ====
==== 149 応用心理学 ====
-->
=== 150 倫理学・道徳 ===
*[[倫理学]]
==== 151 倫理各論 ====
==== 152 家庭倫理・性倫理 ====
==== 153 職業倫理 ====
==== 154 社会倫理 ====
==== 155 国体論・詔勅 ====
==== 156 武士道 ====
==== 157 報徳教・石門心学 ====
==== 158 その他の特定主題 ====
==== 159 人生訓・教訓 ====
<!--
=== 160 宗教 ===
==== 161 宗教学・宗教思想 ====
==== 162 宗教史・事情 ====
==== 163 原始宗教・宗教民族学 ====
==== 164 神話・神話学 ====
===== 164.31 ギリシャ神話 =====
==== 165 比較宗教 ====
==== 166 道教 ====
==== 167 イスラーム ====
==== 168 ヒンドゥー教・ジャイナ教 ====
==== 169 その他の宗教・新興宗教 ====
=== 170 神道 ===
==== 171 神道思想・神道説 ====
==== 172 神祇・神道史 ====
==== 173 神典 ====
==== 174 信仰録・説教集 ====
==== 175 神社・神職 ====
==== 176 祭祀 ====
==== 177 布教・伝道 ====
==== 178 各教派・教派神道 ====
=== 180 仏教 ===
==== 181 仏教教理・仏教哲学 ====
==== 182 仏教史 ====
==== 183 経典 ====
==== 184 法話・説教集 ====
==== 185 寺院・僧職 ====
==== 186 仏会 ====
==== 187 布教・伝道 ====
==== 188 各宗 ====
=== 190 キリスト教 ===
==== 191 教義・キリスト教神学 ====
==== 192 キリスト教史・迫害史 ====
==== 193 聖書 ====
==== 194 信仰録・説教集 ====
==== 195 教会・聖職 ====
==== 196 典礼・祭式・礼拝 ====
==== 197 布教・伝道 ====
==== 198 各教派・教会史 ====
==== 199 ユダヤ教 ====
-->
== 2類 歴史 ==
=== 200 歴史 ===
==== 201 歴史学 ====
*[[歴史学]]
<!--
==== 202 歴史補助学 ====
==== 203 参考図書 ====
==== 204 論文集・評論集・講演集 ====
==== 205 逐次刊行物 ====
==== 206 団体 ====
==== 207 研究法・指導法・歴史教育 ====
==== 208 叢書・全集・選集 ====
-->
==== 209 世界史・文化史 ====
*[[世界史]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
=== 210 日本史 ===
*[[日本史]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
===== 210.027 古銭学 =====
==== 211 北海道地方 ====
==== 212 東北地方 ====
==== 213 関東地方 ====
==== 214 北陸地方 ====
==== 215 中部地方 ====
==== 216 近畿地方 ====
==== 217 中国地方 ====
==== 218 四国地方 ====
==== 219 九州地方 ====
-->
=== 220 アジア史・東洋史 ===
<!--
==== 221 朝鮮 ====
-->
==== 222 中国 ====
*[[中国史]]{{進捗|25%|2005-12-01}}
<!--
==== 223 東南アジア ====
==== 224 インドネシア ====
==== 225 インド ====
===== 225.97 モルジブ =====
==== 229 アジアロシア ====
=== 230 ヨーロッパ史・西洋史 ===
==== 231 古代ギリシア ====
==== 232 古代ローマ ====
==== 233 イギリス・英国 ====
==== 234 ドイツ・中欧 ====
==== 235 フランス ====
==== 236 スペイン イスパニア ====
==== 237 イタリア ====
==== 238 ロシア ソビエト連邦 独立国家共同体 ====
==== 239 バルカン諸国 ====
=== 240 アフリカ史 ===
==== 241 北アフリカ ====
==== 242 エジプト ====
==== 243 バーバリ諸国 ====
==== 244 西アフリカ ====
==== 245 東アフリカ ====
==== 248 南アフリカ ====
==== 249 インド洋のアフリカ諸島 ====
=== 250 北アメリカ史 ===
==== 251 カナダ ====
==== 253 アメリカ合衆国 ====
==== 255 ラテンアメリカ 中南米 ====
==== 256 メキシコ ====
==== 257 中央アメリカ 中米諸国 ====
==== 259 西インド諸島 ====
=== 260 南アメリカ史 ===
==== 261 北部諸国 カリブ沿海諸国 ====
==== 262 ブラジル ====
==== 263 パラグアイ ====
==== 264 ウルグアイ ====
==== 265 アルゼンチン ====
==== 266 チリ ====
==== 267 ボリビア ====
==== 268 ペルー ====
=== 270 オセアニア史・両極地方史 ===
==== 271 オーストラリア ====
==== 272 ニュージーランド ====
==== 273 メラネシア ====
==== 274 ミクロネシア ====
==== 275 ポリネシア ====
==== 276 ハワイ ====
==== 277 両極地方 ====
==== 278 北極 北極地方 ====
==== 279 南極 南極地方 ====
=== 280 伝記 ===
==== 281 日本 ====
==== 282 アジア ====
==== 283 ヨーロッパ ====
==== 284 アフリカ ====
==== 285 北アフリカ ====
==== 286 南アフリカ ====
==== 287 オセアニア・両極地方 ====
==== 288 系譜・家史・皇室 ====
==== 289 個人伝記 ====
-->
=== 290 地理・地誌・紀行 ===
*[[地理学]]{{進捗|00%|2005-05-04}}
<!--
==== 290.93 旅行案内記 ====
-->
== 3類 社会科学 ==
<!--
=== 300 社会科学 ===
==== 301 理論・方法論 ====
==== 302 政治・経済・社会・文化事情 ====
==== 303 参考図書 ====
==== 304 論文集・評論集・講演集 ====
==== 305 逐次刊行物 ====
==== 306 団体 ====
==== 307 研究法・指導法・社会科学教育 ====
==== 308 叢書・全集・選集 ====
==== 309 社会思想 ====
=== 310 政治 ===
==== 311 政治学 ====
==== 312 政治史・事情 ====
==== 313 国家の形態・政治体制 ====
==== 314 議会 ====
==== 315 政党・政治結社 ====
==== 316 国家と個人・宗教・民族 ====
==== 317 行政 ====
==== 318 地方自治・地方行政 ====
==== 319 外交・国際問題 ====
-->
=== 320 法律 ===
==== 321 法学 ====
*[[法学]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
==== 322 法制史 ====
*[[法制史]]
==== 323 憲法 ====
*[[憲法]]
==== 324 民法 ====
*[[民法]]
==== 325 商法 ====
*[[商法]]
==== 326 刑法・刑事法 ====
*[[刑法]]
==== 327 司法・訴訟手続法 ====
*[[民事訴訟法]]
*[[刑事訴訟法]]
==== 328 諸法 ====
*[[教育基本法]]
*[[知的財産権法]]
==== 329 国際法 ====
*[[国際法]]
=== 330 経済 ===
==== 331 経済学・経済思想 ====
*[[経済学]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[経済学基礎]]
==== 332 経済史・事情・経済体制 ====
==== 333 経済政策・国際経済 ====
==== 334 人口・土地・資源 ====
==== 335 企業・経営 ====
==== 336 経営管理 ====
*[[公認会計士試験]]
==== 337 貨幣・通貨 ====
==== 338 金融・銀行・信託 ====
==== 339 保険 ====
=== 340 財政 ===
<!--
==== 341 財政学・財政思想 ====
==== 342 財政史・事情 ====
==== 343 財政政策・財政行政 ====
==== 344 予算・決算 ====
==== 345 租税 ====
==== 347 公債・国債 ====
==== 348 専売・国有財産 ====
==== 349 地方財政 ====
=== 350 統計 ===
==== 351 日本 ====
==== 358 人口統計・国勢調査 ====
==== 359 各種の統計書 ====
-->
=== 360 社会 ===
<!--
==== 361 社会学 ====
==== 362 社会史・社会体制 ====
==== 364 社会保障 ====
==== 365 生活・消費者問題 ====
==== 366 労働経済・労働問題 ====
==== 367 家族問題、男性・女性問題、老人問題 ====
==== 368 社会病理 ====
-->
==== 369 社会福祉 ====
===== 369.3 災害 災害救助 =====
*[[防災]]{{進捗|25%|2006-04-06}}
=== 370 教育 ===
<!--
==== 371 教育学、教育思想 ====
===== 371.42 登校拒否・いじめ =====
-->
==== 372 教育史・事情 ====
*[[教育勅語]]{{進捗|75%|2005-05-04}}
<!--
==== 373 教育政策、教育制度、教育行財政 ====
-->
==== 374 学校経営・管理、学校保健 ====
===== 374.48 学校行事 =====
*[[運動会]]
==== 375 教育課程、学習指導、教科別教育 ====
*[[学校教育]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[生活と進路]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
===== 374.9 教科書、教科書検定 =====
*[[小学校の学習]]{{進捗|50%|2023-09-25}}
*[[中学校の学習]]{{進捗|50%|2023-09-25}}
*[[高等学校の学習]]{{進捗|00%|2023-09-25}}
**[[高等学校の学習/旧課程]]{{進捗|25%|2023-09-25}}
<!--
* [[小学校算数]] {{進捗|25%|2005-05-04}}
* [[中学校数学]] {{進捗|50%|2005-05-10}}
* [[高等学校世界史A]] {{進捗|25%|2015-08-30}}
* [[高等学校地理B]] {{進捗|25%|2005-11-1}}
* [[高等学校現代社会]] {{進捗|25%|2015-08-30}}
* [[高等学校政治経済]] {{進捗|50%|2015-08-30}}
*[[高等学校倫理]]
*[[高等学校数学]]
*[[高等学校数学基礎]]{{進捗|100%|2005-05-04}}
*[[高等学校数学I]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
*[[高等学校数学III]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
*[[高等学校数学B]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
*[[高等学校数学C]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
*[[高等学校理科総合B]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
*[[高等学校物理]]{{進捗|50%|2005-11-1}}
* [[高等学校化学]] {{進捗|50%|2015-08-30}}
* [[高等学校生物]] {{進捗|50%|2015-08-30}}
* [[高等学校地学]] {{進捗|25%|2015-08-30}}
*[[高等学校情報A]]
*[[高等学校情報B]]
*[[高等学校情報C]]
-->
*[[小・中・高等学校演習]]
*[[検定教科書]]
==== 376 幼児・初等・中等教育 ====
*[[小学校・中学校・高等学校の学習]]
==== 377 大学、高等・専門教育、学術行政 ====
* [[大学受験ガイド]] {{進捗|50%|2015-08-30}}
<!--
==== 378 障害児教育 ====
==== 379 社会教育 ====
=== 380 風俗習慣・民俗学・民族学 ===
==== 382 風俗史・民俗誌、民族誌 ====
==== 383 衣食住の習俗 ====
==== 384 社会・家庭生活の習俗 ====
==== 385 通過儀礼、冠婚葬祭 ====
==== 386 年中行事、祭礼 ====
==== 387 民間信仰、迷信(俗信) ====
==== 388 伝説、民話(昔話) ====
==== 389 民族学、文化人類学 ====
=== 390 国防・軍事 ===
==== 391 戦争、戦略、戦術 ====
==== 392 国防史・事情、軍事史・事情 ====
==== 393 国防政策・行政・法令 ====
==== 394 軍事医学、兵食 ====
==== 395 軍事施設、軍需品 ====
==== 396 陸軍 ====
==== 397 海軍 ====
==== 398 空軍 ====
==== 399 古代兵法、軍学 ====
-->
== 4類 自然科学 ==
<!--
=== 400 自然科学 ===
==== 401 科学理論・科学哲学 ====
==== 402 科学史・事情 ====
==== 403 参考図書 ====
==== 404 論文集・評論集・講演集 ====
==== 405 逐次刊行物 ====
==== 406 団体 ====
==== 407 研究法・指導法・科学教育 ====
==== 408 叢書・全集・選集 ====
==== 409 科学技術政策・科学技術行政 ====
-->
=== 410 数学 ===
* [[数学]]
* [[初等数学]]
* [[初等数学公式集]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
* [[初等数学演習]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
* [[初等数学記号集]]
* [[Wikibooks:初等数学用語索引|初等数学用語索引]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
* [[中等数学]]
* [[高等数学]]
* [[大学数学公式集]]
==== 411 代数学 ====
===== 411.6 集合論 =====
*[[公理的集合論]]
==== 412 数論 ====
==== 413 解析学 ====
* [[解析学]]
* [[解析学基礎]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
==== 414 幾何学 ====
==== 415 位相数学 ====
* [[位相幾何学]]{{進捗|25%|2008-09-03}}
==== 417 確率論、数理統計学 ====
* [[統計学基礎]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 418 計算法 ====
==== 419 和算、中国算法 ====
-->
=== 420 物理学 ===
*[[物理学]]
==== 421 理論物理学 ====
<!--
===== 421.1 基礎理論 エーテル理論 =====
-->
===== 421.2 相対性理論 =====
*[[特殊相対論]]
*[[一般相対性理論]]
===== 421.3 量子力学、量子論 =====
*[[場の量子論]]
*[[量子力学]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
===== 421.4 統計力学 =====
*[[統計力学I]]
*[[統計力学II]]
===== 421.5 数理物理学.物理数学 =====
* [[物理数学I]] {{進捗|75%|2023-11-05}}
* [[物理数学II]]
==== 423 力学 ====
*[[解析力学]]
*[[古典力学]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
==== 424 振動学、音響学 ====
*[[振動と波動]]
* [[音響学]]
==== 425 光学 ====
*[[光の偏極]]
==== 426 熱学 ====
*[[熱力学]]
==== 427 電磁気学 ====
*[[電磁気学]]
<!--
==== 428 物性物理学 ====
==== 429 原子物理学 ====
-->
=== 430 化学 ===
<!--
==== 431 物理化学. 理論化学 ====
==== 432 実験化学 ====
==== 433 分析化学 ====
==== 434 合成化学 ====
-->
==== 435 無機化学 ====
*[[無機化学]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 436 金属元素とその化合物 ====
-->
==== 437 有機化学 ====
*[[有機化学]]{{進捗|25%|2005-05-21}}
<!--
==== 438 環式化合物の化学 ====
==== 439 天然物質の化学 ====
-->
=== 440 天文学・宇宙科学 ===
* [[天文学]]{{進捗|25%|2005-12-01}}
<!--
==== 441 理論天文学・数理天文学 ====
==== 442 実地天文学・天体観測法 ====
==== 443 恒星・恒星天文学 ====
==== 444 太陽・太陽物理学 ====
==== 445 惑星・衛星 ====
==== 446 月 ====
==== 447 彗星・流星 ====
==== 448 地球・天文地理学 ====
==== 449 時法・暦学 ====
-->
=== 450 地球科学・地学 ===
* [[地球科学]]{{進捗|25%|2005-12-01}}
<!--
==== 451 気象学 ====
==== 452 海洋学 ====
==== 453 地震学 ====
===== 453.38 地震予知 =====
==== 454 地形学 ====
==== 455 地質学 ====
==== 456 地史学・層位学 ====
==== 457 古生物学・化石 ====
==== 458 岩石学 ====
==== 459 鉱物学 ====
-->
=== 460 生物化学・一般生物学 ===
*[[生物学の研究技術]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 461 理論生物学・生命論 ====
==== 462 生物地理・生物誌 ====
==== 463 細胞学 ====
==== 464 生化学 ====
==== 465 微生物学 ====
==== 467 遺伝学 ====
===== 467.25 遺伝子組み換え =====
==== 468 生態学 ====
==== 469 人類学 ====
-->
=== 470 植物学 ===
*[[植物学]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 471 一般植物学 ====
==== 472 植物地理・植物誌 ====
==== 473 葉状植物 ====
==== 474 藻類・菌類 ====
==== 475 コケ植物 ====
==== 476 シダ植物 ====
==== 477 種子植物 ====
==== 478 裸子植物 ====
==== 479 被子植物 ====
=== 480 動物学 ===
==== 481 一般動物学 ====
==== 482 動物地理・動物誌 ====
==== 483 無脊椎動物 ====
==== 484 軟体動物・貝類学 ====
==== 485 節足動物 ====
==== 486 昆虫類 ====
==== 487 脊椎動物 ====
==== 488 鳥類 ====
==== 489 哺乳類 ====
-->
=== 490 医学 ===
* [[医学]]
*[[OsiriX_オンライン解説文書]]{{進捗|75%|2005-05-04}}
==== 491 基礎医学 ====
*[[生理学]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
*[[解剖学]]{{進捗|25%|2006-11-09}}
*[[神経解剖学]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
*[[組織学]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
*[[微生物学]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
*[[病理学]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
<!--
==== 492 臨床医学 ====
-->
==== 493 内科学 ====
*[[内科学 呼吸器]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
<!--
==== 494 外科学 ====
==== 495 産科学,婦人科学 ====
==== 496 眼科学,耳鼻咽喉科学 ====
==== 497 歯科学 ====
==== 498 衛生学,公衆衛生学,予防医学 ====
-->
==== 499 薬学 ====
*[[薬理学]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
==5類 技術・工学・工業 ==
=== 500 技術・工学 ===
==== 501 工業基礎学 ====
==== 502 技術史・工学史 ====
==== 503 参考図書 ====
==== 504 論文集・評論集・講演集 ====
==== 505 逐次刊行物 ====
==== 506 団体 ====
==== 507 研究法・指導法・技術教育 ====
==== 508 叢書・全集・選集 ====
==== 509 工業・工業経済 ====
=== 510 建設工学・土木工学 ===
==== 511 土木力学・建設材料 ====
==== 512 測量 ====
==== 513 土木設計・施工法 ====
==== 514 道路工学 ====
==== 515 橋梁工学 ====
==== 516 鉄道工学 ====
==== 517 河海工学・河川工学 ====
==== 518 衛生工学・都市工学 ====
===== 518.523 ごみの再利用 =====
==== 519 公害・環境工学 ====
===== 519.12 環境法 =====
* [[環境法]]
=== 520 建築学 ===
==== 521 日本の建築 ====
==== 522 東洋の建築・アジアの建築 ====
==== 523 西洋の建築・その他の様式の建築 ====
==== 524 建築構造 ====
==== 525 建築計画・施工 ====
==== 526 各種の建築 ====
==== 527 住宅建築 ====
==== 528 建築設備・設備工学 ====
==== 529 建築意匠・装飾 ====
=== 530 機械工学・原子力工学 ===
==== 531 機械力学・材料・設計 ====
==== 532 機械工作・工作機械 ====
==== 533 熱機関・熱工学 ====
==== 534 流体機械・流体工学 ====
==== 535 精密機器・光学機器 ====
==== 536 運輸工学・車輌・運搬機械 ====
==== 537 自動車工学 ====
===== 537.25 電気自動車 =====
==== 538 航空宇宙工学 ====
==== 539 原子力工学 ====
=== 540 電気工学・電子工学 ===
==== 540 電気工学 ====
==== 541 電気回路・計測・材料 ====
==== 542 電気機器 ====
==== 543 発電 ====
==== 544 送電・変電・配電 ====
==== 545 電灯・照明・電熱 ====
==== 546 電気鉄道 ====
==== 547 通信工学・電気通信 ====
==== 548 情報工学 ====
==== 549 電子工学 ====
=== 550 海洋工学・船舶工学 ===
==== 551 理論造船学 ====
==== 552 船体構造・材料・施工 ====
==== 553 船体艤装・船舶設備 ====
==== 554 舶用機関[造機] ====
==== 555 船舶修理・保守 ====
==== 556 各種の船舶・艦艇 ====
==== 557 航海・航海学 ====
==== 558 海洋開発 ====
==== 559 兵器、軍事工学 ====
=== 560 金属工学・鉱山工学 ===
==== 561 採鉱・選鉱 ====
==== 562 各種の金属鉱床・採掘 ====
==== 563 冶金・合金 ====
==== 564 鉄鋼 ====
==== 565 非鉄金属 ====
==== 566 金属加工・製造冶金 ====
==== 567 石炭 ====
==== 568 石油 ====
==== 569 非金属鉱物・土石採取業 ====
=== 570 化学工業 ===
==== 571 化学工学・化学機器 ====
==== 572 電気化学工業 ====
==== 573 セラミックス・窯業・珪酸塩化学工業 ====
==== 574 化学薬品 ====
==== 575 燃料・爆発物 ====
==== 576 油脂類 ====
==== 577 染料 ====
==== 578 高分子化学工業 ====
==== 579 その他の化学工業 ====
=== 580 製造工業 ===
==== 581 金属製品 ====
==== 582 事務機器・家庭機器・楽器 ====
==== 583 木工業・木製品 ====
==== 584 皮革工業・皮革製品 ====
==== 585 パルプ・製紙工業 ====
==== 586 繊維工学 ====
==== 587 染色加工・染色業 ====
==== 588 食品工業 ====
==== 589 その他の雑工業 ====
=== 590 家政学・生活科学 ===
<!--
==== 591 家庭経済・経営 ====
==== 592 家庭理工学 ====
==== 593 衣服・裁縫 ====
==== 594 手芸 ====
==== 595 理容・美容 ====
===== 595.6 痩身法 =====
==== 596 食品・料理 ====
*[[料理本]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 597 住居・家具調度 ====
==== 598 家庭衛生 ====
==== 599 育児 ====
-->
==6類 産業 ==
<!--
=== 600 産業 ===
==== 601 産業政策・行政・総合開発 ====
==== 602 産業史・事情・物産誌 ====
==== 603 参考図書 ====
==== 604 論文集・評論集・講演集 ====
==== 605 逐次刊行物 ====
==== 606 団体 ====
==== 607 研究法・指導法・産業教育 ====
==== 608 叢書・全集・選集 ====
==== 609 度量衡、計量法 ====
=== 610 農業 ===
==== 611 農業経済 ====
==== 612 農業史・事情 ====
==== 613 農業基礎学 ====
==== 614 農業工学 ====
==== 615 作物栽培・作物学 ====
==== 616 食用作物 ====
==== 617 工芸作物 ====
==== 618 繊維作物 ====
==== 619 農産物製造・加工 ====
-->
=== 620 園芸 ===
<!--
==== 621 園芸経済・行政・経営 ====
==== 622 園芸史・事情 ====
==== 623 園芸植物学・病虫害 ====
==== 624 温室・温床・園芸用具 ====
==== 625 果樹園芸 ====
-->
==== 626 蔬菜園芸 ====
*[[ダイズの栽培]]{{進捗|00%|2007-02-21}}
==== 627 花卉園芸[草花] ====
*[[サボテンの栽培]]{{進捗|00%|2007-02-21}}
<!--
==== 628 園芸利用 ====
==== 629 造園 ====
=== 630 蚕糸業 ===
==== 631 蚕糸経済・行政・経営 ====
==== 632 蚕糸業史・事情 ====
==== 633 蚕学・蚕業基礎学 ====
==== 634 蚕種 ====
==== 635 飼育法 ====
==== 636 くわ・栽桑 ====
==== 637 蚕室・蚕具 ====
==== 638 まゆ ====
==== 639 製糸・生糸・蚕糸利用 ====
-->
=== 640 畜産業 ===
<!--
==== 641 畜産経済・行政・経営 ====
==== 642 畜産史・事情 ====
==== 643 家畜の繁殖・家畜飼料 ====
==== 644 家畜の管理・畜舎・用具 ====
==== 645 家畜・畜産動物各論 ====
-->
==== 646 家禽各論・飼鳥 ====
*[[ホンセイインコ類の飼育]]{{進捗|00%|2007-02-21}}
<!--
===== 646.9 みつばち・昆虫 =====
==== 648 畜産製造・畜産物 ====
==== 649 獣医学・比較医学 ====
==== 649 獣医学 ====
=== 650 林業 ===
==== 651 林業経済・行政・経営 ====
==== 652 森林史・林業史・事情 ====
==== 653 森林立地・造林 ====
==== 654 森林保護 ====
==== 655 森林施業 ====
==== 656 森林工学 ====
==== 657 森林利用・林産物・木材学 ====
==== 658 林産製造 ====
==== 659 狩猟 ====
=== 660 水産業 ===
==== 661 水産経済・行政・経営 ====
==== 662 水産業および漁業史・事情 ====
==== 663 水産基礎学 ====
==== 664 漁労・漁業各論 ====
==== 665 漁船・漁具 ====
==== 666 水産増殖・養殖業 ====
==== 667 水産製造・水産食品 ====
==== 668 水産物利用・水産利用工業 ====
==== 669 製塩・塩業 ====
=== 670 商業 ===
==== 671 商業政策・行政 ====
==== 672 商業史・事情 ====
==== 673 商業経営・商店 ====
==== 674 広告・宣伝 ====
==== 675 マーケティング ====
==== 676 取引所 ====
==== 678 貿易 ====
=== 680 運輸・交通 ===
==== 681 交通政策・行政・経営 ====
==== 682 交通史・事情 ====
==== 683 海運 ====
==== 684 内水・運河交通 ====
==== 685 陸運・自動車運送 ====
==== 686 鉄道 ====
==== 687 航空運送 ====
==== 688 倉庫業 ====
==== 689 観光事業 ====
=== 690 通信事業 ===
==== 691 通信政策・行政・法令 ====
==== 692 通信事業史・事情 ====
==== 693 郵便・郵政事業 ====
==== 694 電気通信事業 ====
==== 699 放送事業 ====
===== 699.39 アナウンサー =====
-->
== 7類 芸術 ==
<!--
=== 700 芸術・美術 ===
==== 701 芸術理論・美学 ====
==== 702 芸術史・美術史 ====
==== 703 参考図書[レファレンスブック] ====
==== 704 論文集・評論集・講演集 ====
==== 705 逐次刊行物 ====
==== 706 団体 ====
==== 707 研究法・指導法・芸術教育 ====
==== 708 叢書・全集・選集 ====
==== 709 芸術政策・文化財 ====
=== 710 彫刻 ===
==== 711 彫塑材料・技法 ====
==== 712 彫刻史・各国の彫刻 ====
==== 713 木彫 ====
==== 714 石彫 ====
==== 715 金属彫刻・鋳造 ====
==== 717 粘土彫刻・塑造 ====
==== 708 仏像 ====
==== 709 オブジェ ====
=== 720 絵画 ===
==== 721 日本画 ====
==== 722 東洋画 ====
==== 723 洋画 ====
==== 724 絵画材料・技法 ====
==== 725 素描・描画 ====
==== 726 漫画、挿絵、童画 ====
==== 727 グラフィックデザイン、図案 ====
==== 728 書道 ====
=== 730 版画 ===
==== 731 版画材料・技法 ====
==== 732 版画史・各国の版画 ====
==== 733 木版画 ====
==== 734 石版画 ====
==== 735 銅版画・鋼版画 ====
==== 736 リノリウム版画・ゴム版画 ====
==== 737 写真版画・孔版画 ====
==== 739 印章、篆刻、印譜 ====
-->
=== 740 写真 ===
<!--
==== 742 写真器械・材料 ====
==== 743 撮影技術 ====
-->
==== 744 現像・印画 ====
*[[白黒写真の暗室作業]]{{進捗|75%|2007-05-10}}
<!--
==== 745 複写技術 ====
==== 746 特殊写真 ====
==== 747 写真の応用 ====
==== 748 写真集 ====
==== 749 印刷 ====
=== 750 工芸 ===
==== 751 陶磁工芸 ====
==== 752 漆工芸 ====
==== 753 染織工芸 ====
==== 754 木竹工芸 ====
==== 755 宝石・牙角・皮革工芸 ====
==== 756 金工芸 ====
==== 757 デザイン・装飾美術 ====
==== 758 美術家具 ====
==== 759 人形・玩具 ====
-->
=== 760 音楽 ===
==== 761 音楽の一般理論・音楽学 ====
* [[楽典]]
* [[和声学]]
* [[楽式]]
==== 762 音楽史・各国の音楽 ====
* [[西洋音楽史]]
<!--
==== 763 楽器・器楽 ====
==== 764 器楽合奏 ====
==== 765 宗教音楽・聖楽 ====
==== 766 劇音楽 ====
==== 767 声楽 ====
==== 768 邦楽 ====
==== 769 舞踊、バレエ ====
=== 770 演劇 ===
==== 771 劇場・演出・演技 ====
==== 772 演劇史・各国の演劇 ====
==== 773 能楽、狂言 ====
==== 774 歌舞伎 ====
==== 775 各種の演劇 ====
==== 777 人形劇 ====
==== 778 映画 ====
==== 779 大衆演芸 ====
-->
=== 780 スポーツ・体育 ===
<!--
==== 781 体操、遊戯 ====
==== 782 陸上競技 ====
-->
==== 783 球技 ====
*[[サッカー]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
*[[テニス]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
*[[野球]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
<!--
==== 784 冬季競技 ====
-->
==== 785 水上競技 ====
*[[セーリング]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
==== 786 戸外レクリエーション ====
===== 786.1 登山・山岳競技 =====
*[[登山]]
==== 787 釣魚、遊猟 ====
==== 788 相撲、拳闘、競馬 ====
*[[相撲]]{{進捗|25%|2006-2-23}}
*[[競馬]]{{進捗|25%|2023-09-25}}
==== 789 武術 ====
*[[剣道]]{{進捗|25%|2007-6-30}}
=== 790 諸芸・娯楽 ===
<!--
==== 791 茶道 ====
==== 792 香道 ====
==== 793 花道 ====
==== 794 撞球 ====
-->
==== 795 囲碁 ====
*[[囲碁]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
==== 796 将棋 ====
*[[将棋]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
<!--
==== 797 射倖ゲーム ====
-->
==== 798 室内娯楽 ====
*[[トランプ]]<!--798.2-->
*[[トランプ/トランプ教科書]]
*[[麻雀]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
*[[チェス]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
===== 798.5 テレビゲーム =====
*[[Minecraft]]
<!--
==== 799 ダンス ====
-->
== 8類 言語 ==
=== 800 言語 ===
==== 801 言語学 ====
*[[生成文法]]
*[[語学]]
**[[琉球語]]
<!--
==== 809 言語生活 ====
-->
=== 810 日本語 ===
*[[日本語]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 811 音声、音韻、文字 ====
==== 812 語源、意味 ====
==== 813 辞典 ====
==== 814 語彙 ====
==== 815 文法、語法 ====
==== 816 文章、文体、作文 ====
==== 817 読本、解釈、会話 ====
-->
==== 818 方言、訛語 ====
*[[北海道方言]]
*[[讃岐弁]]
*[[沖縄語]]
<!--
=== 820 中国語 ===
-->
==== 829 その他の東洋の諸言語 ====
*[[朝鮮語]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[ペルシア語]]
=== 830 英語 ===
*[[英語]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
=== 840 ドイツ語 ===
*[[ドイツ語]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
<!--
==== 849 その他のゲルマン言語 ====
-->
=== 850 フランス語 ===
*[[フランス語]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 859 プロヴァンス語 ====
=== 860 スペイン語 ===
==== 869 ポルトガル語 ====
=== 870 イタリア語 ===
-->
==== 879 その他のロマンス諸語 ====
*[[ルーマニア語]]
<!--
=== 880 ロシア語 ===
==== 889 その他のスラヴ諸語 ====
=== 890 その他の諸言語 ===
-->
==== 891 ギリシア語 ====
*[[ギリシア語]]
==== 892 ラテン語 ====
*[[ラテン語]]{{進捗|50%|2006-03-21}}
==== 893 その他のヨーロッパの諸言語 ====
*[[デンマーク語]]{{進捗|25%|2005-12-01}}
<!--
==== 894 アフリカの諸言語 ====
==== 895 アメリカの諸言語 ====
==== 897 オーストラリアの諸言語 ====
-->
==== 899 国際語 ====
*[[エスペラント]]{{進捗|00%|2005-05-04}}
== 9類 文学 ==
=== 900 文学 ===
*[[古典文学]]{{進捗|25%|2005-05-15}}
<!--
==== 909 児童文学研究 ====
-->
=== 910 日本文学 ===
<!--
==== 911 詩歌 ====
==== 912 戯曲 ====
-->
==== 913 小説、物語 ====
*[[竹取物語]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
==== 914 評論、エッセイ、随筆 ====
*[[方丈記]]
<!--
==== 915 日記、書簡、紀行 ====
==== 916 記録、手記、ルポルタージュ ====
==== 917 箴言、アフォリズム、寸言 ====
==== 918 作品集 ====
==== 919 漢詩文、日本漢文学 ====
-->
=== 920 中国文学 ===
*[[漢詩]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 929 その他の東洋文学 ====
=== 930 英文学・米文学 ===
=== 940 ドイツ文学 ===
==== 949 その他のゲルマン文学 ====
=== 950 フランス文学 ===
==== 959 プロヴァンス文学 ====
=== 960 スペイン文学 ===
==== 969 ポルトガル文学 ====
=== 970 イタリア文学 ===
==== 979 その他のロマンス文学 ====
=== 980 ロシア文学・ソヴィエト文学 ===
==== 989 その他のスラヴ文学 ====
-->
=== 990 その他の諸文学 ===
==== 991 ギリシア文学 ====
==== 992 ラテン文学 ====
*[[ガリア戦記]]
==== 993 その他のヨーロッパ文学 ====
==== 994 アフリカ文学 ====
==== 995 アメリカ先住民語の文学 ====
==== 997 オーストラリア先住民語の文学 ====
==== 999 国際語による文学 ====
== 関連項目 ==
*[[w:日本十進分類法#要目表(第3次区分表)]]
== 外部リンク ==
*<del>[http://www.ndl.go.jp/jp/library/data/zan9.html 日本十進分類法新訂9版分類基準]([http://www.ndl.go.jp/ 国立国会図書館])</del>リンク切れ
*[https://www.kotono8.com/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%8D%81%E9%80%B2%E5%88%86%E9%A1%9E%E6%B3%95%EF%BC%88%E8%A9%B3%E7%B4%B0%EF%BC%89 閾ペディアことのは 日本十進分類法(詳細)]
[[Category:日本十進分類法|*]]
[[it:Wikibooks:Classificazione decimale Dewey]]
ofjj7ruqxzwu254nh8py5z1onjh6fth
301410
301409
2026-07-09T11:32:57Z
Tkkn46tkkn46
89925
/* 007.64 コンピュータプログラミング */ Blender 3D 007.642(コンピュータグラフィックス)でも。
301410
wikitext
text/x-wiki
__NOTOC__
[[メインページ|ウィキブックス]]の全ての書籍を[[:w:日本十進分類法|日本十進分類法]]に従って分類したものです。
{{進捗状況}}
== 0類 総記 ==
=== 000 総記 ===
*[[ウィキペディアの書き方]]
<!--
==== 002 知識・学問・学術 ====
-->
==== 007 情報科学 ====
*[[情報技術]]
<!--
===== 007.1 情報理論 =====
===== 007.2 歴史 事情 =====
===== 007.3 情報と社会 =====
===== 007.4 情報源 =====
===== 007.5 ドキュメンテーション 情報管理 =====
-->
===== 007.6 データ処理 情報処理 =====
*[[情報処理技術者試験の概要]]
*[[初級システムアドミニストレータ]]
<!--
====== 007.61 システム分析 システム設計 ======
-->
====== 007.63 コンピュータシステム ソフトウェア ======
*[[Freenet]]
*[[Maxima]]
*[[Microsoft Office]]
*[[Mizar]]
*[[OpenOffice.org]]
*[[OSとアプリケーション]]
*[[TeX/LaTeX入門]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[vi]]
<!--
======= 007.632 エキスパートシステム =======
-->
====== 007.634 オペレーティングシステム ======
*[[ChromeOS]]
*[[Linuxシステム管理]]
*[[Linuxハードウェア]]
*[[MS-DOS/PC DOS入門]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
*[[UNIX/Linux入門]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
======= 007.635 漢字処理システム =======
-->
====== 007.637 図形処理ソフトウェア ======
* [[Inkscape]]
====== 007.64 コンピュータプログラミング ======
*[[機械語]]
*[[ゲームプログラミング]]
*[[数式処理システム]]
*[[ソフトウェア開発技術者]]
*[[プログラミング]]
*[[BASIC]]
*[[Blender 3D]]
*[[C言語]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[CPlusPlus|C++]]
*[[CSS]]{{進捗|00%|2005-06-17}}
*[[CGI]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[GNOMEフレームワーク]]
*[[Go]]
*[[HTML]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[Java]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[JavaScript]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[Lisp]]
*[[OpenGL]]
*[[OSS開発ツール]]
*[[Perl]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[PHP]]
*[[Ruby]]
*[[Scratch]]
*[[Scheme]]
*[[SVG]]
*[[Swift]]
*[[Xプログラミング]]
<!--
======= 007.642 CG技術 =======
====== 007.65 各種の記憶媒体 ======
====== 007.68 情報検索 機械検索 ======
-->
===== 007.7 情報システム =====
*[[LANとインターネット]]
*[[NTP入門]]
*[[TCP/IP入門]]
<!--
=== 010 図書館・図書館学 ===
==== 011 図書館政策・図書館行財政 ====
==== 012 図書館建築・図書館整備 ====
==== 013 図書館管理 ====
==== 014 資料の収集・資料の整理・資料の保管 ====
==== 015 図書館奉仕・図書館活動 ====
==== 016 各種の図書館 ====
==== 017 学校図書館 ====
==== 018 専門図書館 ====
==== 019 読書・読書法 ====
-->
=== 020 図書・書誌学 ===
==== 021 著作・編集 ====
===== 021.4 編集 編纂 =====
*[[ウィキペディアの書き方 入門編]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
<!--
==== 022 写本・刊本・造本 ====
==== 023 出版 ====
-->
==== 024 図書の販売 ====
*[[同人誌即売会参加方法]]{{進捗|75%|2005-05-04}}
<!--
==== 025 一般書誌・全国書誌 ====
==== 026 稀書目録・善本目録 ====
==== 027 特種目録 ====
==== 028 選定図書目録・参考図書目録 ====
==== 029 蔵書目録・総合目録 ====
-->
=== 030 百科事典 ===
==== 031 日本語 ====
*[[w:mainpage|w:wikipedia]]
===== 031.3 日用便覧 =====
*[[ジョーク集]]
<!--
==== 039 用語索引<一般> ====
=== 040 一般論文集・一般講演集 ===
==== 041 日本語 ====
==== 049 雑著 ====
=== 050 逐次刊行物 ===
==== 051 日本の雑誌 ====
==== 059 一般年鑑 ====
=== 060 団体 ===
==== 061 学術・研究機関 ====
==== 063 文化交流機関 ====
==== 065 親睦団体・その他の団体 ====
==== 069 博物館 ====
=== 070 ジャーナリズム・新聞 ===
==== 071 日本 ====
=== 080 叢書・全集・選集 ===
==== 081 日本語 ====
==== 089 その他の諸言語 ====
=== 090 貴重書・郷土資料・その他の特別コレクション ===
-->
== 1類 哲学 ==
=== 100 哲学 ===
*[[哲学・思想]]{{進捗|00%|2005-05-04}}
<!--
==== 101 哲学理論 ====
==== 102 哲学史 ====
==== 103 参考図書 ====
==== 104 論文集・評論集・講演集 ====
==== 105 逐次刊行物 ====
==== 106 団体 ====
==== 107 研究法・指導法・哲学教育 ====
==== 108 叢集・全集・選集 ====
=== 110 哲学各論 ===
==== 111 形而上学・存在論 ====
==== 112 自然哲学・宇宙論 ====
==== 113 人生観・世界観 ====
==== 114 人間学 ====
==== 115 認識論 ====
==== 116 論理学・弁証法・方法論 ====
==== 117 価値哲学 ====
==== 118 文化哲学・技術哲学 ====
-->
=== 120 東洋思想 ===
==== 121 日本思想 ====
==== 122 中国思想・中国哲学 ====
*[[論語巻第一]]
==== 123 経書 ====
==== 124 先秦思想・諸子 ====
==== 125 中世思想・近代思想 ====
==== 126 インド哲学・バラモン教 ====
==== 129 その他のアジア・アラブ哲学 ====
<!--
=== 130 西洋哲学 ===
==== 131 古代哲学 ====
==== 132 中世哲学 ====
==== 133 近代哲学 ====
==== 134 ドイツ・オーストリア哲学 ====
==== 135 フランス・オランダ哲学 ====
==== 136 スペイン・ポルトガル哲学 ====
==== 137 イタリア哲学 ====
==== 138 ロシア哲学 ====
==== 139 その他の哲学 ====
-->
=== 140 心理学 ===
*[[心理学]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 141 普通心理学・心理各論 ====
==== 143 発達心理学 ====
==== 145 異常心理学 ====
==== 146 臨床心理学・精神分析学 ====
==== 147 超心理学・心霊研究 ====
==== 148 相法・易占 ====
==== 149 応用心理学 ====
-->
=== 150 倫理学・道徳 ===
*[[倫理学]]
==== 151 倫理各論 ====
==== 152 家庭倫理・性倫理 ====
==== 153 職業倫理 ====
==== 154 社会倫理 ====
==== 155 国体論・詔勅 ====
==== 156 武士道 ====
==== 157 報徳教・石門心学 ====
==== 158 その他の特定主題 ====
==== 159 人生訓・教訓 ====
<!--
=== 160 宗教 ===
==== 161 宗教学・宗教思想 ====
==== 162 宗教史・事情 ====
==== 163 原始宗教・宗教民族学 ====
==== 164 神話・神話学 ====
===== 164.31 ギリシャ神話 =====
==== 165 比較宗教 ====
==== 166 道教 ====
==== 167 イスラーム ====
==== 168 ヒンドゥー教・ジャイナ教 ====
==== 169 その他の宗教・新興宗教 ====
=== 170 神道 ===
==== 171 神道思想・神道説 ====
==== 172 神祇・神道史 ====
==== 173 神典 ====
==== 174 信仰録・説教集 ====
==== 175 神社・神職 ====
==== 176 祭祀 ====
==== 177 布教・伝道 ====
==== 178 各教派・教派神道 ====
=== 180 仏教 ===
==== 181 仏教教理・仏教哲学 ====
==== 182 仏教史 ====
==== 183 経典 ====
==== 184 法話・説教集 ====
==== 185 寺院・僧職 ====
==== 186 仏会 ====
==== 187 布教・伝道 ====
==== 188 各宗 ====
=== 190 キリスト教 ===
==== 191 教義・キリスト教神学 ====
==== 192 キリスト教史・迫害史 ====
==== 193 聖書 ====
==== 194 信仰録・説教集 ====
==== 195 教会・聖職 ====
==== 196 典礼・祭式・礼拝 ====
==== 197 布教・伝道 ====
==== 198 各教派・教会史 ====
==== 199 ユダヤ教 ====
-->
== 2類 歴史 ==
=== 200 歴史 ===
==== 201 歴史学 ====
*[[歴史学]]
<!--
==== 202 歴史補助学 ====
==== 203 参考図書 ====
==== 204 論文集・評論集・講演集 ====
==== 205 逐次刊行物 ====
==== 206 団体 ====
==== 207 研究法・指導法・歴史教育 ====
==== 208 叢書・全集・選集 ====
-->
==== 209 世界史・文化史 ====
*[[世界史]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
=== 210 日本史 ===
*[[日本史]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
===== 210.027 古銭学 =====
==== 211 北海道地方 ====
==== 212 東北地方 ====
==== 213 関東地方 ====
==== 214 北陸地方 ====
==== 215 中部地方 ====
==== 216 近畿地方 ====
==== 217 中国地方 ====
==== 218 四国地方 ====
==== 219 九州地方 ====
-->
=== 220 アジア史・東洋史 ===
<!--
==== 221 朝鮮 ====
-->
==== 222 中国 ====
*[[中国史]]{{進捗|25%|2005-12-01}}
<!--
==== 223 東南アジア ====
==== 224 インドネシア ====
==== 225 インド ====
===== 225.97 モルジブ =====
==== 229 アジアロシア ====
=== 230 ヨーロッパ史・西洋史 ===
==== 231 古代ギリシア ====
==== 232 古代ローマ ====
==== 233 イギリス・英国 ====
==== 234 ドイツ・中欧 ====
==== 235 フランス ====
==== 236 スペイン イスパニア ====
==== 237 イタリア ====
==== 238 ロシア ソビエト連邦 独立国家共同体 ====
==== 239 バルカン諸国 ====
=== 240 アフリカ史 ===
==== 241 北アフリカ ====
==== 242 エジプト ====
==== 243 バーバリ諸国 ====
==== 244 西アフリカ ====
==== 245 東アフリカ ====
==== 248 南アフリカ ====
==== 249 インド洋のアフリカ諸島 ====
=== 250 北アメリカ史 ===
==== 251 カナダ ====
==== 253 アメリカ合衆国 ====
==== 255 ラテンアメリカ 中南米 ====
==== 256 メキシコ ====
==== 257 中央アメリカ 中米諸国 ====
==== 259 西インド諸島 ====
=== 260 南アメリカ史 ===
==== 261 北部諸国 カリブ沿海諸国 ====
==== 262 ブラジル ====
==== 263 パラグアイ ====
==== 264 ウルグアイ ====
==== 265 アルゼンチン ====
==== 266 チリ ====
==== 267 ボリビア ====
==== 268 ペルー ====
=== 270 オセアニア史・両極地方史 ===
==== 271 オーストラリア ====
==== 272 ニュージーランド ====
==== 273 メラネシア ====
==== 274 ミクロネシア ====
==== 275 ポリネシア ====
==== 276 ハワイ ====
==== 277 両極地方 ====
==== 278 北極 北極地方 ====
==== 279 南極 南極地方 ====
=== 280 伝記 ===
==== 281 日本 ====
==== 282 アジア ====
==== 283 ヨーロッパ ====
==== 284 アフリカ ====
==== 285 北アフリカ ====
==== 286 南アフリカ ====
==== 287 オセアニア・両極地方 ====
==== 288 系譜・家史・皇室 ====
==== 289 個人伝記 ====
-->
=== 290 地理・地誌・紀行 ===
*[[地理学]]{{進捗|00%|2005-05-04}}
<!--
==== 290.93 旅行案内記 ====
-->
== 3類 社会科学 ==
<!--
=== 300 社会科学 ===
==== 301 理論・方法論 ====
==== 302 政治・経済・社会・文化事情 ====
==== 303 参考図書 ====
==== 304 論文集・評論集・講演集 ====
==== 305 逐次刊行物 ====
==== 306 団体 ====
==== 307 研究法・指導法・社会科学教育 ====
==== 308 叢書・全集・選集 ====
==== 309 社会思想 ====
=== 310 政治 ===
==== 311 政治学 ====
==== 312 政治史・事情 ====
==== 313 国家の形態・政治体制 ====
==== 314 議会 ====
==== 315 政党・政治結社 ====
==== 316 国家と個人・宗教・民族 ====
==== 317 行政 ====
==== 318 地方自治・地方行政 ====
==== 319 外交・国際問題 ====
-->
=== 320 法律 ===
==== 321 法学 ====
*[[法学]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
==== 322 法制史 ====
*[[法制史]]
==== 323 憲法 ====
*[[憲法]]
==== 324 民法 ====
*[[民法]]
==== 325 商法 ====
*[[商法]]
==== 326 刑法・刑事法 ====
*[[刑法]]
==== 327 司法・訴訟手続法 ====
*[[民事訴訟法]]
*[[刑事訴訟法]]
==== 328 諸法 ====
*[[教育基本法]]
*[[知的財産権法]]
==== 329 国際法 ====
*[[国際法]]
=== 330 経済 ===
==== 331 経済学・経済思想 ====
*[[経済学]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[経済学基礎]]
==== 332 経済史・事情・経済体制 ====
==== 333 経済政策・国際経済 ====
==== 334 人口・土地・資源 ====
==== 335 企業・経営 ====
==== 336 経営管理 ====
*[[公認会計士試験]]
==== 337 貨幣・通貨 ====
==== 338 金融・銀行・信託 ====
==== 339 保険 ====
=== 340 財政 ===
<!--
==== 341 財政学・財政思想 ====
==== 342 財政史・事情 ====
==== 343 財政政策・財政行政 ====
==== 344 予算・決算 ====
==== 345 租税 ====
==== 347 公債・国債 ====
==== 348 専売・国有財産 ====
==== 349 地方財政 ====
=== 350 統計 ===
==== 351 日本 ====
==== 358 人口統計・国勢調査 ====
==== 359 各種の統計書 ====
-->
=== 360 社会 ===
<!--
==== 361 社会学 ====
==== 362 社会史・社会体制 ====
==== 364 社会保障 ====
==== 365 生活・消費者問題 ====
==== 366 労働経済・労働問題 ====
==== 367 家族問題、男性・女性問題、老人問題 ====
==== 368 社会病理 ====
-->
==== 369 社会福祉 ====
===== 369.3 災害 災害救助 =====
*[[防災]]{{進捗|25%|2006-04-06}}
=== 370 教育 ===
<!--
==== 371 教育学、教育思想 ====
===== 371.42 登校拒否・いじめ =====
-->
==== 372 教育史・事情 ====
*[[教育勅語]]{{進捗|75%|2005-05-04}}
<!--
==== 373 教育政策、教育制度、教育行財政 ====
-->
==== 374 学校経営・管理、学校保健 ====
===== 374.48 学校行事 =====
*[[運動会]]
==== 375 教育課程、学習指導、教科別教育 ====
*[[学校教育]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[生活と進路]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
===== 374.9 教科書、教科書検定 =====
*[[小学校の学習]]{{進捗|50%|2023-09-25}}
*[[中学校の学習]]{{進捗|50%|2023-09-25}}
*[[高等学校の学習]]{{進捗|00%|2023-09-25}}
**[[高等学校の学習/旧課程]]{{進捗|25%|2023-09-25}}
<!--
* [[小学校算数]] {{進捗|25%|2005-05-04}}
* [[中学校数学]] {{進捗|50%|2005-05-10}}
* [[高等学校世界史A]] {{進捗|25%|2015-08-30}}
* [[高等学校地理B]] {{進捗|25%|2005-11-1}}
* [[高等学校現代社会]] {{進捗|25%|2015-08-30}}
* [[高等学校政治経済]] {{進捗|50%|2015-08-30}}
*[[高等学校倫理]]
*[[高等学校数学]]
*[[高等学校数学基礎]]{{進捗|100%|2005-05-04}}
*[[高等学校数学I]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
*[[高等学校数学III]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
*[[高等学校数学B]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
*[[高等学校数学C]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
*[[高等学校理科総合B]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
*[[高等学校物理]]{{進捗|50%|2005-11-1}}
* [[高等学校化学]] {{進捗|50%|2015-08-30}}
* [[高等学校生物]] {{進捗|50%|2015-08-30}}
* [[高等学校地学]] {{進捗|25%|2015-08-30}}
*[[高等学校情報A]]
*[[高等学校情報B]]
*[[高等学校情報C]]
-->
*[[小・中・高等学校演習]]
*[[検定教科書]]
==== 376 幼児・初等・中等教育 ====
*[[小学校・中学校・高等学校の学習]]
==== 377 大学、高等・専門教育、学術行政 ====
* [[大学受験ガイド]] {{進捗|50%|2015-08-30}}
<!--
==== 378 障害児教育 ====
==== 379 社会教育 ====
=== 380 風俗習慣・民俗学・民族学 ===
==== 382 風俗史・民俗誌、民族誌 ====
==== 383 衣食住の習俗 ====
==== 384 社会・家庭生活の習俗 ====
==== 385 通過儀礼、冠婚葬祭 ====
==== 386 年中行事、祭礼 ====
==== 387 民間信仰、迷信(俗信) ====
==== 388 伝説、民話(昔話) ====
==== 389 民族学、文化人類学 ====
=== 390 国防・軍事 ===
==== 391 戦争、戦略、戦術 ====
==== 392 国防史・事情、軍事史・事情 ====
==== 393 国防政策・行政・法令 ====
==== 394 軍事医学、兵食 ====
==== 395 軍事施設、軍需品 ====
==== 396 陸軍 ====
==== 397 海軍 ====
==== 398 空軍 ====
==== 399 古代兵法、軍学 ====
-->
== 4類 自然科学 ==
<!--
=== 400 自然科学 ===
==== 401 科学理論・科学哲学 ====
==== 402 科学史・事情 ====
==== 403 参考図書 ====
==== 404 論文集・評論集・講演集 ====
==== 405 逐次刊行物 ====
==== 406 団体 ====
==== 407 研究法・指導法・科学教育 ====
==== 408 叢書・全集・選集 ====
==== 409 科学技術政策・科学技術行政 ====
-->
=== 410 数学 ===
* [[数学]]
* [[初等数学]]
* [[初等数学公式集]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
* [[初等数学演習]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
* [[初等数学記号集]]
* [[Wikibooks:初等数学用語索引|初等数学用語索引]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
* [[中等数学]]
* [[高等数学]]
* [[大学数学公式集]]
==== 411 代数学 ====
===== 411.6 集合論 =====
*[[公理的集合論]]
==== 412 数論 ====
==== 413 解析学 ====
* [[解析学]]
* [[解析学基礎]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
==== 414 幾何学 ====
==== 415 位相数学 ====
* [[位相幾何学]]{{進捗|25%|2008-09-03}}
==== 417 確率論、数理統計学 ====
* [[統計学基礎]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 418 計算法 ====
==== 419 和算、中国算法 ====
-->
=== 420 物理学 ===
*[[物理学]]
==== 421 理論物理学 ====
<!--
===== 421.1 基礎理論 エーテル理論 =====
-->
===== 421.2 相対性理論 =====
*[[特殊相対論]]
*[[一般相対性理論]]
===== 421.3 量子力学、量子論 =====
*[[場の量子論]]
*[[量子力学]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
===== 421.4 統計力学 =====
*[[統計力学I]]
*[[統計力学II]]
===== 421.5 数理物理学.物理数学 =====
* [[物理数学I]] {{進捗|75%|2023-11-05}}
* [[物理数学II]]
==== 423 力学 ====
*[[解析力学]]
*[[古典力学]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
==== 424 振動学、音響学 ====
*[[振動と波動]]
* [[音響学]]
==== 425 光学 ====
*[[光の偏極]]
==== 426 熱学 ====
*[[熱力学]]
==== 427 電磁気学 ====
*[[電磁気学]]
<!--
==== 428 物性物理学 ====
==== 429 原子物理学 ====
-->
=== 430 化学 ===
<!--
==== 431 物理化学. 理論化学 ====
==== 432 実験化学 ====
==== 433 分析化学 ====
==== 434 合成化学 ====
-->
==== 435 無機化学 ====
*[[無機化学]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 436 金属元素とその化合物 ====
-->
==== 437 有機化学 ====
*[[有機化学]]{{進捗|25%|2005-05-21}}
<!--
==== 438 環式化合物の化学 ====
==== 439 天然物質の化学 ====
-->
=== 440 天文学・宇宙科学 ===
* [[天文学]]{{進捗|25%|2005-12-01}}
<!--
==== 441 理論天文学・数理天文学 ====
==== 442 実地天文学・天体観測法 ====
==== 443 恒星・恒星天文学 ====
==== 444 太陽・太陽物理学 ====
==== 445 惑星・衛星 ====
==== 446 月 ====
==== 447 彗星・流星 ====
==== 448 地球・天文地理学 ====
==== 449 時法・暦学 ====
-->
=== 450 地球科学・地学 ===
* [[地球科学]]{{進捗|25%|2005-12-01}}
<!--
==== 451 気象学 ====
==== 452 海洋学 ====
==== 453 地震学 ====
===== 453.38 地震予知 =====
==== 454 地形学 ====
==== 455 地質学 ====
==== 456 地史学・層位学 ====
==== 457 古生物学・化石 ====
==== 458 岩石学 ====
==== 459 鉱物学 ====
-->
=== 460 生物化学・一般生物学 ===
*[[生物学の研究技術]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 461 理論生物学・生命論 ====
==== 462 生物地理・生物誌 ====
==== 463 細胞学 ====
==== 464 生化学 ====
==== 465 微生物学 ====
==== 467 遺伝学 ====
===== 467.25 遺伝子組み換え =====
==== 468 生態学 ====
==== 469 人類学 ====
-->
=== 470 植物学 ===
*[[植物学]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 471 一般植物学 ====
==== 472 植物地理・植物誌 ====
==== 473 葉状植物 ====
==== 474 藻類・菌類 ====
==== 475 コケ植物 ====
==== 476 シダ植物 ====
==== 477 種子植物 ====
==== 478 裸子植物 ====
==== 479 被子植物 ====
=== 480 動物学 ===
==== 481 一般動物学 ====
==== 482 動物地理・動物誌 ====
==== 483 無脊椎動物 ====
==== 484 軟体動物・貝類学 ====
==== 485 節足動物 ====
==== 486 昆虫類 ====
==== 487 脊椎動物 ====
==== 488 鳥類 ====
==== 489 哺乳類 ====
-->
=== 490 医学 ===
* [[医学]]
*[[OsiriX_オンライン解説文書]]{{進捗|75%|2005-05-04}}
==== 491 基礎医学 ====
*[[生理学]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
*[[解剖学]]{{進捗|25%|2006-11-09}}
*[[神経解剖学]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
*[[組織学]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
*[[微生物学]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
*[[病理学]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
<!--
==== 492 臨床医学 ====
-->
==== 493 内科学 ====
*[[内科学 呼吸器]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
<!--
==== 494 外科学 ====
==== 495 産科学,婦人科学 ====
==== 496 眼科学,耳鼻咽喉科学 ====
==== 497 歯科学 ====
==== 498 衛生学,公衆衛生学,予防医学 ====
-->
==== 499 薬学 ====
*[[薬理学]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
==5類 技術・工学・工業 ==
=== 500 技術・工学 ===
==== 501 工業基礎学 ====
==== 502 技術史・工学史 ====
==== 503 参考図書 ====
==== 504 論文集・評論集・講演集 ====
==== 505 逐次刊行物 ====
==== 506 団体 ====
==== 507 研究法・指導法・技術教育 ====
==== 508 叢書・全集・選集 ====
==== 509 工業・工業経済 ====
=== 510 建設工学・土木工学 ===
==== 511 土木力学・建設材料 ====
==== 512 測量 ====
==== 513 土木設計・施工法 ====
==== 514 道路工学 ====
==== 515 橋梁工学 ====
==== 516 鉄道工学 ====
==== 517 河海工学・河川工学 ====
==== 518 衛生工学・都市工学 ====
===== 518.523 ごみの再利用 =====
==== 519 公害・環境工学 ====
===== 519.12 環境法 =====
* [[環境法]]
=== 520 建築学 ===
==== 521 日本の建築 ====
==== 522 東洋の建築・アジアの建築 ====
==== 523 西洋の建築・その他の様式の建築 ====
==== 524 建築構造 ====
==== 525 建築計画・施工 ====
==== 526 各種の建築 ====
==== 527 住宅建築 ====
==== 528 建築設備・設備工学 ====
==== 529 建築意匠・装飾 ====
=== 530 機械工学・原子力工学 ===
==== 531 機械力学・材料・設計 ====
==== 532 機械工作・工作機械 ====
==== 533 熱機関・熱工学 ====
==== 534 流体機械・流体工学 ====
==== 535 精密機器・光学機器 ====
==== 536 運輸工学・車輌・運搬機械 ====
==== 537 自動車工学 ====
===== 537.25 電気自動車 =====
==== 538 航空宇宙工学 ====
==== 539 原子力工学 ====
=== 540 電気工学・電子工学 ===
==== 540 電気工学 ====
==== 541 電気回路・計測・材料 ====
==== 542 電気機器 ====
==== 543 発電 ====
==== 544 送電・変電・配電 ====
==== 545 電灯・照明・電熱 ====
==== 546 電気鉄道 ====
==== 547 通信工学・電気通信 ====
==== 548 情報工学 ====
==== 549 電子工学 ====
=== 550 海洋工学・船舶工学 ===
==== 551 理論造船学 ====
==== 552 船体構造・材料・施工 ====
==== 553 船体艤装・船舶設備 ====
==== 554 舶用機関[造機] ====
==== 555 船舶修理・保守 ====
==== 556 各種の船舶・艦艇 ====
==== 557 航海・航海学 ====
==== 558 海洋開発 ====
==== 559 兵器、軍事工学 ====
=== 560 金属工学・鉱山工学 ===
==== 561 採鉱・選鉱 ====
==== 562 各種の金属鉱床・採掘 ====
==== 563 冶金・合金 ====
==== 564 鉄鋼 ====
==== 565 非鉄金属 ====
==== 566 金属加工・製造冶金 ====
==== 567 石炭 ====
==== 568 石油 ====
==== 569 非金属鉱物・土石採取業 ====
=== 570 化学工業 ===
==== 571 化学工学・化学機器 ====
==== 572 電気化学工業 ====
==== 573 セラミックス・窯業・珪酸塩化学工業 ====
==== 574 化学薬品 ====
==== 575 燃料・爆発物 ====
==== 576 油脂類 ====
==== 577 染料 ====
==== 578 高分子化学工業 ====
==== 579 その他の化学工業 ====
=== 580 製造工業 ===
==== 581 金属製品 ====
==== 582 事務機器・家庭機器・楽器 ====
==== 583 木工業・木製品 ====
==== 584 皮革工業・皮革製品 ====
==== 585 パルプ・製紙工業 ====
==== 586 繊維工学 ====
==== 587 染色加工・染色業 ====
==== 588 食品工業 ====
==== 589 その他の雑工業 ====
=== 590 家政学・生活科学 ===
<!--
==== 591 家庭経済・経営 ====
==== 592 家庭理工学 ====
==== 593 衣服・裁縫 ====
==== 594 手芸 ====
==== 595 理容・美容 ====
===== 595.6 痩身法 =====
==== 596 食品・料理 ====
*[[料理本]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 597 住居・家具調度 ====
==== 598 家庭衛生 ====
==== 599 育児 ====
-->
==6類 産業 ==
<!--
=== 600 産業 ===
==== 601 産業政策・行政・総合開発 ====
==== 602 産業史・事情・物産誌 ====
==== 603 参考図書 ====
==== 604 論文集・評論集・講演集 ====
==== 605 逐次刊行物 ====
==== 606 団体 ====
==== 607 研究法・指導法・産業教育 ====
==== 608 叢書・全集・選集 ====
==== 609 度量衡、計量法 ====
=== 610 農業 ===
==== 611 農業経済 ====
==== 612 農業史・事情 ====
==== 613 農業基礎学 ====
==== 614 農業工学 ====
==== 615 作物栽培・作物学 ====
==== 616 食用作物 ====
==== 617 工芸作物 ====
==== 618 繊維作物 ====
==== 619 農産物製造・加工 ====
-->
=== 620 園芸 ===
<!--
==== 621 園芸経済・行政・経営 ====
==== 622 園芸史・事情 ====
==== 623 園芸植物学・病虫害 ====
==== 624 温室・温床・園芸用具 ====
==== 625 果樹園芸 ====
-->
==== 626 蔬菜園芸 ====
*[[ダイズの栽培]]{{進捗|00%|2007-02-21}}
==== 627 花卉園芸[草花] ====
*[[サボテンの栽培]]{{進捗|00%|2007-02-21}}
<!--
==== 628 園芸利用 ====
==== 629 造園 ====
=== 630 蚕糸業 ===
==== 631 蚕糸経済・行政・経営 ====
==== 632 蚕糸業史・事情 ====
==== 633 蚕学・蚕業基礎学 ====
==== 634 蚕種 ====
==== 635 飼育法 ====
==== 636 くわ・栽桑 ====
==== 637 蚕室・蚕具 ====
==== 638 まゆ ====
==== 639 製糸・生糸・蚕糸利用 ====
-->
=== 640 畜産業 ===
<!--
==== 641 畜産経済・行政・経営 ====
==== 642 畜産史・事情 ====
==== 643 家畜の繁殖・家畜飼料 ====
==== 644 家畜の管理・畜舎・用具 ====
==== 645 家畜・畜産動物各論 ====
-->
==== 646 家禽各論・飼鳥 ====
*[[ホンセイインコ類の飼育]]{{進捗|00%|2007-02-21}}
<!--
===== 646.9 みつばち・昆虫 =====
==== 648 畜産製造・畜産物 ====
==== 649 獣医学・比較医学 ====
==== 649 獣医学 ====
=== 650 林業 ===
==== 651 林業経済・行政・経営 ====
==== 652 森林史・林業史・事情 ====
==== 653 森林立地・造林 ====
==== 654 森林保護 ====
==== 655 森林施業 ====
==== 656 森林工学 ====
==== 657 森林利用・林産物・木材学 ====
==== 658 林産製造 ====
==== 659 狩猟 ====
=== 660 水産業 ===
==== 661 水産経済・行政・経営 ====
==== 662 水産業および漁業史・事情 ====
==== 663 水産基礎学 ====
==== 664 漁労・漁業各論 ====
==== 665 漁船・漁具 ====
==== 666 水産増殖・養殖業 ====
==== 667 水産製造・水産食品 ====
==== 668 水産物利用・水産利用工業 ====
==== 669 製塩・塩業 ====
=== 670 商業 ===
==== 671 商業政策・行政 ====
==== 672 商業史・事情 ====
==== 673 商業経営・商店 ====
==== 674 広告・宣伝 ====
==== 675 マーケティング ====
==== 676 取引所 ====
==== 678 貿易 ====
=== 680 運輸・交通 ===
==== 681 交通政策・行政・経営 ====
==== 682 交通史・事情 ====
==== 683 海運 ====
==== 684 内水・運河交通 ====
==== 685 陸運・自動車運送 ====
==== 686 鉄道 ====
==== 687 航空運送 ====
==== 688 倉庫業 ====
==== 689 観光事業 ====
=== 690 通信事業 ===
==== 691 通信政策・行政・法令 ====
==== 692 通信事業史・事情 ====
==== 693 郵便・郵政事業 ====
==== 694 電気通信事業 ====
==== 699 放送事業 ====
===== 699.39 アナウンサー =====
-->
== 7類 芸術 ==
<!--
=== 700 芸術・美術 ===
==== 701 芸術理論・美学 ====
==== 702 芸術史・美術史 ====
==== 703 参考図書[レファレンスブック] ====
==== 704 論文集・評論集・講演集 ====
==== 705 逐次刊行物 ====
==== 706 団体 ====
==== 707 研究法・指導法・芸術教育 ====
==== 708 叢書・全集・選集 ====
==== 709 芸術政策・文化財 ====
=== 710 彫刻 ===
==== 711 彫塑材料・技法 ====
==== 712 彫刻史・各国の彫刻 ====
==== 713 木彫 ====
==== 714 石彫 ====
==== 715 金属彫刻・鋳造 ====
==== 717 粘土彫刻・塑造 ====
==== 708 仏像 ====
==== 709 オブジェ ====
=== 720 絵画 ===
==== 721 日本画 ====
==== 722 東洋画 ====
==== 723 洋画 ====
==== 724 絵画材料・技法 ====
==== 725 素描・描画 ====
==== 726 漫画、挿絵、童画 ====
==== 727 グラフィックデザイン、図案 ====
==== 728 書道 ====
=== 730 版画 ===
==== 731 版画材料・技法 ====
==== 732 版画史・各国の版画 ====
==== 733 木版画 ====
==== 734 石版画 ====
==== 735 銅版画・鋼版画 ====
==== 736 リノリウム版画・ゴム版画 ====
==== 737 写真版画・孔版画 ====
==== 739 印章、篆刻、印譜 ====
-->
=== 740 写真 ===
<!--
==== 742 写真器械・材料 ====
==== 743 撮影技術 ====
-->
==== 744 現像・印画 ====
*[[白黒写真の暗室作業]]{{進捗|75%|2007-05-10}}
<!--
==== 745 複写技術 ====
==== 746 特殊写真 ====
==== 747 写真の応用 ====
==== 748 写真集 ====
==== 749 印刷 ====
=== 750 工芸 ===
==== 751 陶磁工芸 ====
==== 752 漆工芸 ====
==== 753 染織工芸 ====
==== 754 木竹工芸 ====
==== 755 宝石・牙角・皮革工芸 ====
==== 756 金工芸 ====
==== 757 デザイン・装飾美術 ====
==== 758 美術家具 ====
==== 759 人形・玩具 ====
-->
=== 760 音楽 ===
==== 761 音楽の一般理論・音楽学 ====
* [[楽典]]
* [[和声学]]
* [[楽式]]
==== 762 音楽史・各国の音楽 ====
* [[西洋音楽史]]
<!--
==== 763 楽器・器楽 ====
==== 764 器楽合奏 ====
==== 765 宗教音楽・聖楽 ====
==== 766 劇音楽 ====
==== 767 声楽 ====
==== 768 邦楽 ====
==== 769 舞踊、バレエ ====
=== 770 演劇 ===
==== 771 劇場・演出・演技 ====
==== 772 演劇史・各国の演劇 ====
==== 773 能楽、狂言 ====
==== 774 歌舞伎 ====
==== 775 各種の演劇 ====
==== 777 人形劇 ====
==== 778 映画 ====
==== 779 大衆演芸 ====
-->
=== 780 スポーツ・体育 ===
<!--
==== 781 体操、遊戯 ====
==== 782 陸上競技 ====
-->
==== 783 球技 ====
*[[サッカー]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
*[[テニス]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
*[[野球]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
<!--
==== 784 冬季競技 ====
-->
==== 785 水上競技 ====
*[[セーリング]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
==== 786 戸外レクリエーション ====
===== 786.1 登山・山岳競技 =====
*[[登山]]
==== 787 釣魚、遊猟 ====
==== 788 相撲、拳闘、競馬 ====
*[[相撲]]{{進捗|25%|2006-2-23}}
*[[競馬]]{{進捗|25%|2023-09-25}}
==== 789 武術 ====
*[[剣道]]{{進捗|25%|2007-6-30}}
=== 790 諸芸・娯楽 ===
<!--
==== 791 茶道 ====
==== 792 香道 ====
==== 793 花道 ====
==== 794 撞球 ====
-->
==== 795 囲碁 ====
*[[囲碁]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
==== 796 将棋 ====
*[[将棋]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
<!--
==== 797 射倖ゲーム ====
-->
==== 798 室内娯楽 ====
*[[トランプ]]<!--798.2-->
*[[トランプ/トランプ教科書]]
*[[麻雀]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
*[[チェス]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
===== 798.5 テレビゲーム =====
*[[Minecraft]]
<!--
==== 799 ダンス ====
-->
== 8類 言語 ==
=== 800 言語 ===
==== 801 言語学 ====
*[[生成文法]]
*[[語学]]
**[[琉球語]]
<!--
==== 809 言語生活 ====
-->
=== 810 日本語 ===
*[[日本語]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 811 音声、音韻、文字 ====
==== 812 語源、意味 ====
==== 813 辞典 ====
==== 814 語彙 ====
==== 815 文法、語法 ====
==== 816 文章、文体、作文 ====
==== 817 読本、解釈、会話 ====
-->
==== 818 方言、訛語 ====
*[[北海道方言]]
*[[讃岐弁]]
*[[沖縄語]]
<!--
=== 820 中国語 ===
-->
==== 829 その他の東洋の諸言語 ====
*[[朝鮮語]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[ペルシア語]]
=== 830 英語 ===
*[[英語]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
=== 840 ドイツ語 ===
*[[ドイツ語]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
<!--
==== 849 その他のゲルマン言語 ====
-->
=== 850 フランス語 ===
*[[フランス語]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 859 プロヴァンス語 ====
=== 860 スペイン語 ===
==== 869 ポルトガル語 ====
=== 870 イタリア語 ===
-->
==== 879 その他のロマンス諸語 ====
*[[ルーマニア語]]
<!--
=== 880 ロシア語 ===
==== 889 その他のスラヴ諸語 ====
=== 890 その他の諸言語 ===
-->
==== 891 ギリシア語 ====
*[[ギリシア語]]
==== 892 ラテン語 ====
*[[ラテン語]]{{進捗|50%|2006-03-21}}
==== 893 その他のヨーロッパの諸言語 ====
*[[デンマーク語]]{{進捗|25%|2005-12-01}}
<!--
==== 894 アフリカの諸言語 ====
==== 895 アメリカの諸言語 ====
==== 897 オーストラリアの諸言語 ====
-->
==== 899 国際語 ====
*[[エスペラント]]{{進捗|00%|2005-05-04}}
== 9類 文学 ==
=== 900 文学 ===
*[[古典文学]]{{進捗|25%|2005-05-15}}
<!--
==== 909 児童文学研究 ====
-->
=== 910 日本文学 ===
<!--
==== 911 詩歌 ====
==== 912 戯曲 ====
-->
==== 913 小説、物語 ====
*[[竹取物語]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
==== 914 評論、エッセイ、随筆 ====
*[[方丈記]]
<!--
==== 915 日記、書簡、紀行 ====
==== 916 記録、手記、ルポルタージュ ====
==== 917 箴言、アフォリズム、寸言 ====
==== 918 作品集 ====
==== 919 漢詩文、日本漢文学 ====
-->
=== 920 中国文学 ===
*[[漢詩]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 929 その他の東洋文学 ====
=== 930 英文学・米文学 ===
=== 940 ドイツ文学 ===
==== 949 その他のゲルマン文学 ====
=== 950 フランス文学 ===
==== 959 プロヴァンス文学 ====
=== 960 スペイン文学 ===
==== 969 ポルトガル文学 ====
=== 970 イタリア文学 ===
==== 979 その他のロマンス文学 ====
=== 980 ロシア文学・ソヴィエト文学 ===
==== 989 その他のスラヴ文学 ====
-->
=== 990 その他の諸文学 ===
==== 991 ギリシア文学 ====
==== 992 ラテン文学 ====
*[[ガリア戦記]]
==== 993 その他のヨーロッパ文学 ====
==== 994 アフリカ文学 ====
==== 995 アメリカ先住民語の文学 ====
==== 997 オーストラリア先住民語の文学 ====
==== 999 国際語による文学 ====
== 関連項目 ==
*[[w:日本十進分類法#要目表(第3次区分表)]]
== 外部リンク ==
*<del>[http://www.ndl.go.jp/jp/library/data/zan9.html 日本十進分類法新訂9版分類基準]([http://www.ndl.go.jp/ 国立国会図書館])</del>リンク切れ
*[https://www.kotono8.com/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%8D%81%E9%80%B2%E5%88%86%E9%A1%9E%E6%B3%95%EF%BC%88%E8%A9%B3%E7%B4%B0%EF%BC%89 閾ペディアことのは 日本十進分類法(詳細)]
[[Category:日本十進分類法|*]]
[[it:Wikibooks:Classificazione decimale Dewey]]
293ok1m6litgkxh7api5a8kygrhp349
301411
301410
2026-07-09T11:35:54Z
Tkkn46tkkn46
89925
/* 450 地球科学・地学 */ 457 古生物学の追加
301411
wikitext
text/x-wiki
__NOTOC__
[[メインページ|ウィキブックス]]の全ての書籍を[[:w:日本十進分類法|日本十進分類法]]に従って分類したものです。
{{進捗状況}}
== 0類 総記 ==
=== 000 総記 ===
*[[ウィキペディアの書き方]]
<!--
==== 002 知識・学問・学術 ====
-->
==== 007 情報科学 ====
*[[情報技術]]
<!--
===== 007.1 情報理論 =====
===== 007.2 歴史 事情 =====
===== 007.3 情報と社会 =====
===== 007.4 情報源 =====
===== 007.5 ドキュメンテーション 情報管理 =====
-->
===== 007.6 データ処理 情報処理 =====
*[[情報処理技術者試験の概要]]
*[[初級システムアドミニストレータ]]
<!--
====== 007.61 システム分析 システム設計 ======
-->
====== 007.63 コンピュータシステム ソフトウェア ======
*[[Freenet]]
*[[Maxima]]
*[[Microsoft Office]]
*[[Mizar]]
*[[OpenOffice.org]]
*[[OSとアプリケーション]]
*[[TeX/LaTeX入門]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[vi]]
<!--
======= 007.632 エキスパートシステム =======
-->
====== 007.634 オペレーティングシステム ======
*[[ChromeOS]]
*[[Linuxシステム管理]]
*[[Linuxハードウェア]]
*[[MS-DOS/PC DOS入門]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
*[[UNIX/Linux入門]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
======= 007.635 漢字処理システム =======
-->
====== 007.637 図形処理ソフトウェア ======
* [[Inkscape]]
====== 007.64 コンピュータプログラミング ======
*[[機械語]]
*[[ゲームプログラミング]]
*[[数式処理システム]]
*[[ソフトウェア開発技術者]]
*[[プログラミング]]
*[[BASIC]]
*[[Blender 3D]]
*[[C言語]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[CPlusPlus|C++]]
*[[CSS]]{{進捗|00%|2005-06-17}}
*[[CGI]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[GNOMEフレームワーク]]
*[[Go]]
*[[HTML]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[Java]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[JavaScript]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[Lisp]]
*[[OpenGL]]
*[[OSS開発ツール]]
*[[Perl]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[PHP]]
*[[Ruby]]
*[[Scratch]]
*[[Scheme]]
*[[SVG]]
*[[Swift]]
*[[Xプログラミング]]
<!--
======= 007.642 CG技術 =======
====== 007.65 各種の記憶媒体 ======
====== 007.68 情報検索 機械検索 ======
-->
===== 007.7 情報システム =====
*[[LANとインターネット]]
*[[NTP入門]]
*[[TCP/IP入門]]
<!--
=== 010 図書館・図書館学 ===
==== 011 図書館政策・図書館行財政 ====
==== 012 図書館建築・図書館整備 ====
==== 013 図書館管理 ====
==== 014 資料の収集・資料の整理・資料の保管 ====
==== 015 図書館奉仕・図書館活動 ====
==== 016 各種の図書館 ====
==== 017 学校図書館 ====
==== 018 専門図書館 ====
==== 019 読書・読書法 ====
-->
=== 020 図書・書誌学 ===
==== 021 著作・編集 ====
===== 021.4 編集 編纂 =====
*[[ウィキペディアの書き方 入門編]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
<!--
==== 022 写本・刊本・造本 ====
==== 023 出版 ====
-->
==== 024 図書の販売 ====
*[[同人誌即売会参加方法]]{{進捗|75%|2005-05-04}}
<!--
==== 025 一般書誌・全国書誌 ====
==== 026 稀書目録・善本目録 ====
==== 027 特種目録 ====
==== 028 選定図書目録・参考図書目録 ====
==== 029 蔵書目録・総合目録 ====
-->
=== 030 百科事典 ===
==== 031 日本語 ====
*[[w:mainpage|w:wikipedia]]
===== 031.3 日用便覧 =====
*[[ジョーク集]]
<!--
==== 039 用語索引<一般> ====
=== 040 一般論文集・一般講演集 ===
==== 041 日本語 ====
==== 049 雑著 ====
=== 050 逐次刊行物 ===
==== 051 日本の雑誌 ====
==== 059 一般年鑑 ====
=== 060 団体 ===
==== 061 学術・研究機関 ====
==== 063 文化交流機関 ====
==== 065 親睦団体・その他の団体 ====
==== 069 博物館 ====
=== 070 ジャーナリズム・新聞 ===
==== 071 日本 ====
=== 080 叢書・全集・選集 ===
==== 081 日本語 ====
==== 089 その他の諸言語 ====
=== 090 貴重書・郷土資料・その他の特別コレクション ===
-->
== 1類 哲学 ==
=== 100 哲学 ===
*[[哲学・思想]]{{進捗|00%|2005-05-04}}
<!--
==== 101 哲学理論 ====
==== 102 哲学史 ====
==== 103 参考図書 ====
==== 104 論文集・評論集・講演集 ====
==== 105 逐次刊行物 ====
==== 106 団体 ====
==== 107 研究法・指導法・哲学教育 ====
==== 108 叢集・全集・選集 ====
=== 110 哲学各論 ===
==== 111 形而上学・存在論 ====
==== 112 自然哲学・宇宙論 ====
==== 113 人生観・世界観 ====
==== 114 人間学 ====
==== 115 認識論 ====
==== 116 論理学・弁証法・方法論 ====
==== 117 価値哲学 ====
==== 118 文化哲学・技術哲学 ====
-->
=== 120 東洋思想 ===
==== 121 日本思想 ====
==== 122 中国思想・中国哲学 ====
*[[論語巻第一]]
==== 123 経書 ====
==== 124 先秦思想・諸子 ====
==== 125 中世思想・近代思想 ====
==== 126 インド哲学・バラモン教 ====
==== 129 その他のアジア・アラブ哲学 ====
<!--
=== 130 西洋哲学 ===
==== 131 古代哲学 ====
==== 132 中世哲学 ====
==== 133 近代哲学 ====
==== 134 ドイツ・オーストリア哲学 ====
==== 135 フランス・オランダ哲学 ====
==== 136 スペイン・ポルトガル哲学 ====
==== 137 イタリア哲学 ====
==== 138 ロシア哲学 ====
==== 139 その他の哲学 ====
-->
=== 140 心理学 ===
*[[心理学]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 141 普通心理学・心理各論 ====
==== 143 発達心理学 ====
==== 145 異常心理学 ====
==== 146 臨床心理学・精神分析学 ====
==== 147 超心理学・心霊研究 ====
==== 148 相法・易占 ====
==== 149 応用心理学 ====
-->
=== 150 倫理学・道徳 ===
*[[倫理学]]
==== 151 倫理各論 ====
==== 152 家庭倫理・性倫理 ====
==== 153 職業倫理 ====
==== 154 社会倫理 ====
==== 155 国体論・詔勅 ====
==== 156 武士道 ====
==== 157 報徳教・石門心学 ====
==== 158 その他の特定主題 ====
==== 159 人生訓・教訓 ====
<!--
=== 160 宗教 ===
==== 161 宗教学・宗教思想 ====
==== 162 宗教史・事情 ====
==== 163 原始宗教・宗教民族学 ====
==== 164 神話・神話学 ====
===== 164.31 ギリシャ神話 =====
==== 165 比較宗教 ====
==== 166 道教 ====
==== 167 イスラーム ====
==== 168 ヒンドゥー教・ジャイナ教 ====
==== 169 その他の宗教・新興宗教 ====
=== 170 神道 ===
==== 171 神道思想・神道説 ====
==== 172 神祇・神道史 ====
==== 173 神典 ====
==== 174 信仰録・説教集 ====
==== 175 神社・神職 ====
==== 176 祭祀 ====
==== 177 布教・伝道 ====
==== 178 各教派・教派神道 ====
=== 180 仏教 ===
==== 181 仏教教理・仏教哲学 ====
==== 182 仏教史 ====
==== 183 経典 ====
==== 184 法話・説教集 ====
==== 185 寺院・僧職 ====
==== 186 仏会 ====
==== 187 布教・伝道 ====
==== 188 各宗 ====
=== 190 キリスト教 ===
==== 191 教義・キリスト教神学 ====
==== 192 キリスト教史・迫害史 ====
==== 193 聖書 ====
==== 194 信仰録・説教集 ====
==== 195 教会・聖職 ====
==== 196 典礼・祭式・礼拝 ====
==== 197 布教・伝道 ====
==== 198 各教派・教会史 ====
==== 199 ユダヤ教 ====
-->
== 2類 歴史 ==
=== 200 歴史 ===
==== 201 歴史学 ====
*[[歴史学]]
<!--
==== 202 歴史補助学 ====
==== 203 参考図書 ====
==== 204 論文集・評論集・講演集 ====
==== 205 逐次刊行物 ====
==== 206 団体 ====
==== 207 研究法・指導法・歴史教育 ====
==== 208 叢書・全集・選集 ====
-->
==== 209 世界史・文化史 ====
*[[世界史]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
=== 210 日本史 ===
*[[日本史]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
===== 210.027 古銭学 =====
==== 211 北海道地方 ====
==== 212 東北地方 ====
==== 213 関東地方 ====
==== 214 北陸地方 ====
==== 215 中部地方 ====
==== 216 近畿地方 ====
==== 217 中国地方 ====
==== 218 四国地方 ====
==== 219 九州地方 ====
-->
=== 220 アジア史・東洋史 ===
<!--
==== 221 朝鮮 ====
-->
==== 222 中国 ====
*[[中国史]]{{進捗|25%|2005-12-01}}
<!--
==== 223 東南アジア ====
==== 224 インドネシア ====
==== 225 インド ====
===== 225.97 モルジブ =====
==== 229 アジアロシア ====
=== 230 ヨーロッパ史・西洋史 ===
==== 231 古代ギリシア ====
==== 232 古代ローマ ====
==== 233 イギリス・英国 ====
==== 234 ドイツ・中欧 ====
==== 235 フランス ====
==== 236 スペイン イスパニア ====
==== 237 イタリア ====
==== 238 ロシア ソビエト連邦 独立国家共同体 ====
==== 239 バルカン諸国 ====
=== 240 アフリカ史 ===
==== 241 北アフリカ ====
==== 242 エジプト ====
==== 243 バーバリ諸国 ====
==== 244 西アフリカ ====
==== 245 東アフリカ ====
==== 248 南アフリカ ====
==== 249 インド洋のアフリカ諸島 ====
=== 250 北アメリカ史 ===
==== 251 カナダ ====
==== 253 アメリカ合衆国 ====
==== 255 ラテンアメリカ 中南米 ====
==== 256 メキシコ ====
==== 257 中央アメリカ 中米諸国 ====
==== 259 西インド諸島 ====
=== 260 南アメリカ史 ===
==== 261 北部諸国 カリブ沿海諸国 ====
==== 262 ブラジル ====
==== 263 パラグアイ ====
==== 264 ウルグアイ ====
==== 265 アルゼンチン ====
==== 266 チリ ====
==== 267 ボリビア ====
==== 268 ペルー ====
=== 270 オセアニア史・両極地方史 ===
==== 271 オーストラリア ====
==== 272 ニュージーランド ====
==== 273 メラネシア ====
==== 274 ミクロネシア ====
==== 275 ポリネシア ====
==== 276 ハワイ ====
==== 277 両極地方 ====
==== 278 北極 北極地方 ====
==== 279 南極 南極地方 ====
=== 280 伝記 ===
==== 281 日本 ====
==== 282 アジア ====
==== 283 ヨーロッパ ====
==== 284 アフリカ ====
==== 285 北アフリカ ====
==== 286 南アフリカ ====
==== 287 オセアニア・両極地方 ====
==== 288 系譜・家史・皇室 ====
==== 289 個人伝記 ====
-->
=== 290 地理・地誌・紀行 ===
*[[地理学]]{{進捗|00%|2005-05-04}}
<!--
==== 290.93 旅行案内記 ====
-->
== 3類 社会科学 ==
<!--
=== 300 社会科学 ===
==== 301 理論・方法論 ====
==== 302 政治・経済・社会・文化事情 ====
==== 303 参考図書 ====
==== 304 論文集・評論集・講演集 ====
==== 305 逐次刊行物 ====
==== 306 団体 ====
==== 307 研究法・指導法・社会科学教育 ====
==== 308 叢書・全集・選集 ====
==== 309 社会思想 ====
=== 310 政治 ===
==== 311 政治学 ====
==== 312 政治史・事情 ====
==== 313 国家の形態・政治体制 ====
==== 314 議会 ====
==== 315 政党・政治結社 ====
==== 316 国家と個人・宗教・民族 ====
==== 317 行政 ====
==== 318 地方自治・地方行政 ====
==== 319 外交・国際問題 ====
-->
=== 320 法律 ===
==== 321 法学 ====
*[[法学]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
==== 322 法制史 ====
*[[法制史]]
==== 323 憲法 ====
*[[憲法]]
==== 324 民法 ====
*[[民法]]
==== 325 商法 ====
*[[商法]]
==== 326 刑法・刑事法 ====
*[[刑法]]
==== 327 司法・訴訟手続法 ====
*[[民事訴訟法]]
*[[刑事訴訟法]]
==== 328 諸法 ====
*[[教育基本法]]
*[[知的財産権法]]
==== 329 国際法 ====
*[[国際法]]
=== 330 経済 ===
==== 331 経済学・経済思想 ====
*[[経済学]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[経済学基礎]]
==== 332 経済史・事情・経済体制 ====
==== 333 経済政策・国際経済 ====
==== 334 人口・土地・資源 ====
==== 335 企業・経営 ====
==== 336 経営管理 ====
*[[公認会計士試験]]
==== 337 貨幣・通貨 ====
==== 338 金融・銀行・信託 ====
==== 339 保険 ====
=== 340 財政 ===
<!--
==== 341 財政学・財政思想 ====
==== 342 財政史・事情 ====
==== 343 財政政策・財政行政 ====
==== 344 予算・決算 ====
==== 345 租税 ====
==== 347 公債・国債 ====
==== 348 専売・国有財産 ====
==== 349 地方財政 ====
=== 350 統計 ===
==== 351 日本 ====
==== 358 人口統計・国勢調査 ====
==== 359 各種の統計書 ====
-->
=== 360 社会 ===
<!--
==== 361 社会学 ====
==== 362 社会史・社会体制 ====
==== 364 社会保障 ====
==== 365 生活・消費者問題 ====
==== 366 労働経済・労働問題 ====
==== 367 家族問題、男性・女性問題、老人問題 ====
==== 368 社会病理 ====
-->
==== 369 社会福祉 ====
===== 369.3 災害 災害救助 =====
*[[防災]]{{進捗|25%|2006-04-06}}
=== 370 教育 ===
<!--
==== 371 教育学、教育思想 ====
===== 371.42 登校拒否・いじめ =====
-->
==== 372 教育史・事情 ====
*[[教育勅語]]{{進捗|75%|2005-05-04}}
<!--
==== 373 教育政策、教育制度、教育行財政 ====
-->
==== 374 学校経営・管理、学校保健 ====
===== 374.48 学校行事 =====
*[[運動会]]
==== 375 教育課程、学習指導、教科別教育 ====
*[[学校教育]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[生活と進路]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
===== 374.9 教科書、教科書検定 =====
*[[小学校の学習]]{{進捗|50%|2023-09-25}}
*[[中学校の学習]]{{進捗|50%|2023-09-25}}
*[[高等学校の学習]]{{進捗|00%|2023-09-25}}
**[[高等学校の学習/旧課程]]{{進捗|25%|2023-09-25}}
<!--
* [[小学校算数]] {{進捗|25%|2005-05-04}}
* [[中学校数学]] {{進捗|50%|2005-05-10}}
* [[高等学校世界史A]] {{進捗|25%|2015-08-30}}
* [[高等学校地理B]] {{進捗|25%|2005-11-1}}
* [[高等学校現代社会]] {{進捗|25%|2015-08-30}}
* [[高等学校政治経済]] {{進捗|50%|2015-08-30}}
*[[高等学校倫理]]
*[[高等学校数学]]
*[[高等学校数学基礎]]{{進捗|100%|2005-05-04}}
*[[高等学校数学I]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
*[[高等学校数学III]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
*[[高等学校数学B]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
*[[高等学校数学C]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
*[[高等学校理科総合B]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
*[[高等学校物理]]{{進捗|50%|2005-11-1}}
* [[高等学校化学]] {{進捗|50%|2015-08-30}}
* [[高等学校生物]] {{進捗|50%|2015-08-30}}
* [[高等学校地学]] {{進捗|25%|2015-08-30}}
*[[高等学校情報A]]
*[[高等学校情報B]]
*[[高等学校情報C]]
-->
*[[小・中・高等学校演習]]
*[[検定教科書]]
==== 376 幼児・初等・中等教育 ====
*[[小学校・中学校・高等学校の学習]]
==== 377 大学、高等・専門教育、学術行政 ====
* [[大学受験ガイド]] {{進捗|50%|2015-08-30}}
<!--
==== 378 障害児教育 ====
==== 379 社会教育 ====
=== 380 風俗習慣・民俗学・民族学 ===
==== 382 風俗史・民俗誌、民族誌 ====
==== 383 衣食住の習俗 ====
==== 384 社会・家庭生活の習俗 ====
==== 385 通過儀礼、冠婚葬祭 ====
==== 386 年中行事、祭礼 ====
==== 387 民間信仰、迷信(俗信) ====
==== 388 伝説、民話(昔話) ====
==== 389 民族学、文化人類学 ====
=== 390 国防・軍事 ===
==== 391 戦争、戦略、戦術 ====
==== 392 国防史・事情、軍事史・事情 ====
==== 393 国防政策・行政・法令 ====
==== 394 軍事医学、兵食 ====
==== 395 軍事施設、軍需品 ====
==== 396 陸軍 ====
==== 397 海軍 ====
==== 398 空軍 ====
==== 399 古代兵法、軍学 ====
-->
== 4類 自然科学 ==
<!--
=== 400 自然科学 ===
==== 401 科学理論・科学哲学 ====
==== 402 科学史・事情 ====
==== 403 参考図書 ====
==== 404 論文集・評論集・講演集 ====
==== 405 逐次刊行物 ====
==== 406 団体 ====
==== 407 研究法・指導法・科学教育 ====
==== 408 叢書・全集・選集 ====
==== 409 科学技術政策・科学技術行政 ====
-->
=== 410 数学 ===
* [[数学]]
* [[初等数学]]
* [[初等数学公式集]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
* [[初等数学演習]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
* [[初等数学記号集]]
* [[Wikibooks:初等数学用語索引|初等数学用語索引]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
* [[中等数学]]
* [[高等数学]]
* [[大学数学公式集]]
==== 411 代数学 ====
===== 411.6 集合論 =====
*[[公理的集合論]]
==== 412 数論 ====
==== 413 解析学 ====
* [[解析学]]
* [[解析学基礎]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
==== 414 幾何学 ====
==== 415 位相数学 ====
* [[位相幾何学]]{{進捗|25%|2008-09-03}}
==== 417 確率論、数理統計学 ====
* [[統計学基礎]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 418 計算法 ====
==== 419 和算、中国算法 ====
-->
=== 420 物理学 ===
*[[物理学]]
==== 421 理論物理学 ====
<!--
===== 421.1 基礎理論 エーテル理論 =====
-->
===== 421.2 相対性理論 =====
*[[特殊相対論]]
*[[一般相対性理論]]
===== 421.3 量子力学、量子論 =====
*[[場の量子論]]
*[[量子力学]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
===== 421.4 統計力学 =====
*[[統計力学I]]
*[[統計力学II]]
===== 421.5 数理物理学.物理数学 =====
* [[物理数学I]] {{進捗|75%|2023-11-05}}
* [[物理数学II]]
==== 423 力学 ====
*[[解析力学]]
*[[古典力学]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
==== 424 振動学、音響学 ====
*[[振動と波動]]
* [[音響学]]
==== 425 光学 ====
*[[光の偏極]]
==== 426 熱学 ====
*[[熱力学]]
==== 427 電磁気学 ====
*[[電磁気学]]
<!--
==== 428 物性物理学 ====
==== 429 原子物理学 ====
-->
=== 430 化学 ===
<!--
==== 431 物理化学. 理論化学 ====
==== 432 実験化学 ====
==== 433 分析化学 ====
==== 434 合成化学 ====
-->
==== 435 無機化学 ====
*[[無機化学]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 436 金属元素とその化合物 ====
-->
==== 437 有機化学 ====
*[[有機化学]]{{進捗|25%|2005-05-21}}
<!--
==== 438 環式化合物の化学 ====
==== 439 天然物質の化学 ====
-->
=== 440 天文学・宇宙科学 ===
* [[天文学]]{{進捗|25%|2005-12-01}}
<!--
==== 441 理論天文学・数理天文学 ====
==== 442 実地天文学・天体観測法 ====
==== 443 恒星・恒星天文学 ====
==== 444 太陽・太陽物理学 ====
==== 445 惑星・衛星 ====
==== 446 月 ====
==== 447 彗星・流星 ====
==== 448 地球・天文地理学 ====
==== 449 時法・暦学 ====
-->
=== 450 地球科学・地学 ===
* [[地球科学]]{{進捗|25%|2005-12-01}}
==== 451 気象学 ====
==== 452 海洋学 ====
==== 453 地震学 ====
===== 453.38 地震予知 =====
==== 454 地形学 ====
==== 455 地質学 ====
==== 456 地史学・層位学 ====
==== 457 古生物学・化石 ====
**[[古生物学]]
==== 458 岩石学 ====
==== 459 鉱物学 ====
=== 460 生物化学・一般生物学 ===
*[[生物学の研究技術]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 461 理論生物学・生命論 ====
==== 462 生物地理・生物誌 ====
==== 463 細胞学 ====
==== 464 生化学 ====
==== 465 微生物学 ====
==== 467 遺伝学 ====
===== 467.25 遺伝子組み換え =====
==== 468 生態学 ====
==== 469 人類学 ====
-->
=== 470 植物学 ===
*[[植物学]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 471 一般植物学 ====
==== 472 植物地理・植物誌 ====
==== 473 葉状植物 ====
==== 474 藻類・菌類 ====
==== 475 コケ植物 ====
==== 476 シダ植物 ====
==== 477 種子植物 ====
==== 478 裸子植物 ====
==== 479 被子植物 ====
=== 480 動物学 ===
==== 481 一般動物学 ====
==== 482 動物地理・動物誌 ====
==== 483 無脊椎動物 ====
==== 484 軟体動物・貝類学 ====
==== 485 節足動物 ====
==== 486 昆虫類 ====
==== 487 脊椎動物 ====
==== 488 鳥類 ====
==== 489 哺乳類 ====
-->
=== 490 医学 ===
* [[医学]]
*[[OsiriX_オンライン解説文書]]{{進捗|75%|2005-05-04}}
==== 491 基礎医学 ====
*[[生理学]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
*[[解剖学]]{{進捗|25%|2006-11-09}}
*[[神経解剖学]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
*[[組織学]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
*[[微生物学]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
*[[病理学]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
<!--
==== 492 臨床医学 ====
-->
==== 493 内科学 ====
*[[内科学 呼吸器]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
<!--
==== 494 外科学 ====
==== 495 産科学,婦人科学 ====
==== 496 眼科学,耳鼻咽喉科学 ====
==== 497 歯科学 ====
==== 498 衛生学,公衆衛生学,予防医学 ====
-->
==== 499 薬学 ====
*[[薬理学]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
==5類 技術・工学・工業 ==
=== 500 技術・工学 ===
==== 501 工業基礎学 ====
==== 502 技術史・工学史 ====
==== 503 参考図書 ====
==== 504 論文集・評論集・講演集 ====
==== 505 逐次刊行物 ====
==== 506 団体 ====
==== 507 研究法・指導法・技術教育 ====
==== 508 叢書・全集・選集 ====
==== 509 工業・工業経済 ====
=== 510 建設工学・土木工学 ===
==== 511 土木力学・建設材料 ====
==== 512 測量 ====
==== 513 土木設計・施工法 ====
==== 514 道路工学 ====
==== 515 橋梁工学 ====
==== 516 鉄道工学 ====
==== 517 河海工学・河川工学 ====
==== 518 衛生工学・都市工学 ====
===== 518.523 ごみの再利用 =====
==== 519 公害・環境工学 ====
===== 519.12 環境法 =====
* [[環境法]]
=== 520 建築学 ===
==== 521 日本の建築 ====
==== 522 東洋の建築・アジアの建築 ====
==== 523 西洋の建築・その他の様式の建築 ====
==== 524 建築構造 ====
==== 525 建築計画・施工 ====
==== 526 各種の建築 ====
==== 527 住宅建築 ====
==== 528 建築設備・設備工学 ====
==== 529 建築意匠・装飾 ====
=== 530 機械工学・原子力工学 ===
==== 531 機械力学・材料・設計 ====
==== 532 機械工作・工作機械 ====
==== 533 熱機関・熱工学 ====
==== 534 流体機械・流体工学 ====
==== 535 精密機器・光学機器 ====
==== 536 運輸工学・車輌・運搬機械 ====
==== 537 自動車工学 ====
===== 537.25 電気自動車 =====
==== 538 航空宇宙工学 ====
==== 539 原子力工学 ====
=== 540 電気工学・電子工学 ===
==== 540 電気工学 ====
==== 541 電気回路・計測・材料 ====
==== 542 電気機器 ====
==== 543 発電 ====
==== 544 送電・変電・配電 ====
==== 545 電灯・照明・電熱 ====
==== 546 電気鉄道 ====
==== 547 通信工学・電気通信 ====
==== 548 情報工学 ====
==== 549 電子工学 ====
=== 550 海洋工学・船舶工学 ===
==== 551 理論造船学 ====
==== 552 船体構造・材料・施工 ====
==== 553 船体艤装・船舶設備 ====
==== 554 舶用機関[造機] ====
==== 555 船舶修理・保守 ====
==== 556 各種の船舶・艦艇 ====
==== 557 航海・航海学 ====
==== 558 海洋開発 ====
==== 559 兵器、軍事工学 ====
=== 560 金属工学・鉱山工学 ===
==== 561 採鉱・選鉱 ====
==== 562 各種の金属鉱床・採掘 ====
==== 563 冶金・合金 ====
==== 564 鉄鋼 ====
==== 565 非鉄金属 ====
==== 566 金属加工・製造冶金 ====
==== 567 石炭 ====
==== 568 石油 ====
==== 569 非金属鉱物・土石採取業 ====
=== 570 化学工業 ===
==== 571 化学工学・化学機器 ====
==== 572 電気化学工業 ====
==== 573 セラミックス・窯業・珪酸塩化学工業 ====
==== 574 化学薬品 ====
==== 575 燃料・爆発物 ====
==== 576 油脂類 ====
==== 577 染料 ====
==== 578 高分子化学工業 ====
==== 579 その他の化学工業 ====
=== 580 製造工業 ===
==== 581 金属製品 ====
==== 582 事務機器・家庭機器・楽器 ====
==== 583 木工業・木製品 ====
==== 584 皮革工業・皮革製品 ====
==== 585 パルプ・製紙工業 ====
==== 586 繊維工学 ====
==== 587 染色加工・染色業 ====
==== 588 食品工業 ====
==== 589 その他の雑工業 ====
=== 590 家政学・生活科学 ===
<!--
==== 591 家庭経済・経営 ====
==== 592 家庭理工学 ====
==== 593 衣服・裁縫 ====
==== 594 手芸 ====
==== 595 理容・美容 ====
===== 595.6 痩身法 =====
==== 596 食品・料理 ====
*[[料理本]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 597 住居・家具調度 ====
==== 598 家庭衛生 ====
==== 599 育児 ====
-->
==6類 産業 ==
<!--
=== 600 産業 ===
==== 601 産業政策・行政・総合開発 ====
==== 602 産業史・事情・物産誌 ====
==== 603 参考図書 ====
==== 604 論文集・評論集・講演集 ====
==== 605 逐次刊行物 ====
==== 606 団体 ====
==== 607 研究法・指導法・産業教育 ====
==== 608 叢書・全集・選集 ====
==== 609 度量衡、計量法 ====
=== 610 農業 ===
==== 611 農業経済 ====
==== 612 農業史・事情 ====
==== 613 農業基礎学 ====
==== 614 農業工学 ====
==== 615 作物栽培・作物学 ====
==== 616 食用作物 ====
==== 617 工芸作物 ====
==== 618 繊維作物 ====
==== 619 農産物製造・加工 ====
-->
=== 620 園芸 ===
<!--
==== 621 園芸経済・行政・経営 ====
==== 622 園芸史・事情 ====
==== 623 園芸植物学・病虫害 ====
==== 624 温室・温床・園芸用具 ====
==== 625 果樹園芸 ====
-->
==== 626 蔬菜園芸 ====
*[[ダイズの栽培]]{{進捗|00%|2007-02-21}}
==== 627 花卉園芸[草花] ====
*[[サボテンの栽培]]{{進捗|00%|2007-02-21}}
<!--
==== 628 園芸利用 ====
==== 629 造園 ====
=== 630 蚕糸業 ===
==== 631 蚕糸経済・行政・経営 ====
==== 632 蚕糸業史・事情 ====
==== 633 蚕学・蚕業基礎学 ====
==== 634 蚕種 ====
==== 635 飼育法 ====
==== 636 くわ・栽桑 ====
==== 637 蚕室・蚕具 ====
==== 638 まゆ ====
==== 639 製糸・生糸・蚕糸利用 ====
-->
=== 640 畜産業 ===
<!--
==== 641 畜産経済・行政・経営 ====
==== 642 畜産史・事情 ====
==== 643 家畜の繁殖・家畜飼料 ====
==== 644 家畜の管理・畜舎・用具 ====
==== 645 家畜・畜産動物各論 ====
-->
==== 646 家禽各論・飼鳥 ====
*[[ホンセイインコ類の飼育]]{{進捗|00%|2007-02-21}}
<!--
===== 646.9 みつばち・昆虫 =====
==== 648 畜産製造・畜産物 ====
==== 649 獣医学・比較医学 ====
==== 649 獣医学 ====
=== 650 林業 ===
==== 651 林業経済・行政・経営 ====
==== 652 森林史・林業史・事情 ====
==== 653 森林立地・造林 ====
==== 654 森林保護 ====
==== 655 森林施業 ====
==== 656 森林工学 ====
==== 657 森林利用・林産物・木材学 ====
==== 658 林産製造 ====
==== 659 狩猟 ====
=== 660 水産業 ===
==== 661 水産経済・行政・経営 ====
==== 662 水産業および漁業史・事情 ====
==== 663 水産基礎学 ====
==== 664 漁労・漁業各論 ====
==== 665 漁船・漁具 ====
==== 666 水産増殖・養殖業 ====
==== 667 水産製造・水産食品 ====
==== 668 水産物利用・水産利用工業 ====
==== 669 製塩・塩業 ====
=== 670 商業 ===
==== 671 商業政策・行政 ====
==== 672 商業史・事情 ====
==== 673 商業経営・商店 ====
==== 674 広告・宣伝 ====
==== 675 マーケティング ====
==== 676 取引所 ====
==== 678 貿易 ====
=== 680 運輸・交通 ===
==== 681 交通政策・行政・経営 ====
==== 682 交通史・事情 ====
==== 683 海運 ====
==== 684 内水・運河交通 ====
==== 685 陸運・自動車運送 ====
==== 686 鉄道 ====
==== 687 航空運送 ====
==== 688 倉庫業 ====
==== 689 観光事業 ====
=== 690 通信事業 ===
==== 691 通信政策・行政・法令 ====
==== 692 通信事業史・事情 ====
==== 693 郵便・郵政事業 ====
==== 694 電気通信事業 ====
==== 699 放送事業 ====
===== 699.39 アナウンサー =====
-->
== 7類 芸術 ==
<!--
=== 700 芸術・美術 ===
==== 701 芸術理論・美学 ====
==== 702 芸術史・美術史 ====
==== 703 参考図書[レファレンスブック] ====
==== 704 論文集・評論集・講演集 ====
==== 705 逐次刊行物 ====
==== 706 団体 ====
==== 707 研究法・指導法・芸術教育 ====
==== 708 叢書・全集・選集 ====
==== 709 芸術政策・文化財 ====
=== 710 彫刻 ===
==== 711 彫塑材料・技法 ====
==== 712 彫刻史・各国の彫刻 ====
==== 713 木彫 ====
==== 714 石彫 ====
==== 715 金属彫刻・鋳造 ====
==== 717 粘土彫刻・塑造 ====
==== 708 仏像 ====
==== 709 オブジェ ====
=== 720 絵画 ===
==== 721 日本画 ====
==== 722 東洋画 ====
==== 723 洋画 ====
==== 724 絵画材料・技法 ====
==== 725 素描・描画 ====
==== 726 漫画、挿絵、童画 ====
==== 727 グラフィックデザイン、図案 ====
==== 728 書道 ====
=== 730 版画 ===
==== 731 版画材料・技法 ====
==== 732 版画史・各国の版画 ====
==== 733 木版画 ====
==== 734 石版画 ====
==== 735 銅版画・鋼版画 ====
==== 736 リノリウム版画・ゴム版画 ====
==== 737 写真版画・孔版画 ====
==== 739 印章、篆刻、印譜 ====
-->
=== 740 写真 ===
<!--
==== 742 写真器械・材料 ====
==== 743 撮影技術 ====
-->
==== 744 現像・印画 ====
*[[白黒写真の暗室作業]]{{進捗|75%|2007-05-10}}
<!--
==== 745 複写技術 ====
==== 746 特殊写真 ====
==== 747 写真の応用 ====
==== 748 写真集 ====
==== 749 印刷 ====
=== 750 工芸 ===
==== 751 陶磁工芸 ====
==== 752 漆工芸 ====
==== 753 染織工芸 ====
==== 754 木竹工芸 ====
==== 755 宝石・牙角・皮革工芸 ====
==== 756 金工芸 ====
==== 757 デザイン・装飾美術 ====
==== 758 美術家具 ====
==== 759 人形・玩具 ====
-->
=== 760 音楽 ===
==== 761 音楽の一般理論・音楽学 ====
* [[楽典]]
* [[和声学]]
* [[楽式]]
==== 762 音楽史・各国の音楽 ====
* [[西洋音楽史]]
<!--
==== 763 楽器・器楽 ====
==== 764 器楽合奏 ====
==== 765 宗教音楽・聖楽 ====
==== 766 劇音楽 ====
==== 767 声楽 ====
==== 768 邦楽 ====
==== 769 舞踊、バレエ ====
=== 770 演劇 ===
==== 771 劇場・演出・演技 ====
==== 772 演劇史・各国の演劇 ====
==== 773 能楽、狂言 ====
==== 774 歌舞伎 ====
==== 775 各種の演劇 ====
==== 777 人形劇 ====
==== 778 映画 ====
==== 779 大衆演芸 ====
-->
=== 780 スポーツ・体育 ===
<!--
==== 781 体操、遊戯 ====
==== 782 陸上競技 ====
-->
==== 783 球技 ====
*[[サッカー]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
*[[テニス]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
*[[野球]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
<!--
==== 784 冬季競技 ====
-->
==== 785 水上競技 ====
*[[セーリング]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
==== 786 戸外レクリエーション ====
===== 786.1 登山・山岳競技 =====
*[[登山]]
==== 787 釣魚、遊猟 ====
==== 788 相撲、拳闘、競馬 ====
*[[相撲]]{{進捗|25%|2006-2-23}}
*[[競馬]]{{進捗|25%|2023-09-25}}
==== 789 武術 ====
*[[剣道]]{{進捗|25%|2007-6-30}}
=== 790 諸芸・娯楽 ===
<!--
==== 791 茶道 ====
==== 792 香道 ====
==== 793 花道 ====
==== 794 撞球 ====
-->
==== 795 囲碁 ====
*[[囲碁]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
==== 796 将棋 ====
*[[将棋]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
<!--
==== 797 射倖ゲーム ====
-->
==== 798 室内娯楽 ====
*[[トランプ]]<!--798.2-->
*[[トランプ/トランプ教科書]]
*[[麻雀]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
*[[チェス]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
===== 798.5 テレビゲーム =====
*[[Minecraft]]
<!--
==== 799 ダンス ====
-->
== 8類 言語 ==
=== 800 言語 ===
==== 801 言語学 ====
*[[生成文法]]
*[[語学]]
**[[琉球語]]
<!--
==== 809 言語生活 ====
-->
=== 810 日本語 ===
*[[日本語]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 811 音声、音韻、文字 ====
==== 812 語源、意味 ====
==== 813 辞典 ====
==== 814 語彙 ====
==== 815 文法、語法 ====
==== 816 文章、文体、作文 ====
==== 817 読本、解釈、会話 ====
-->
==== 818 方言、訛語 ====
*[[北海道方言]]
*[[讃岐弁]]
*[[沖縄語]]
<!--
=== 820 中国語 ===
-->
==== 829 その他の東洋の諸言語 ====
*[[朝鮮語]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[ペルシア語]]
=== 830 英語 ===
*[[英語]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
=== 840 ドイツ語 ===
*[[ドイツ語]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
<!--
==== 849 その他のゲルマン言語 ====
-->
=== 850 フランス語 ===
*[[フランス語]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 859 プロヴァンス語 ====
=== 860 スペイン語 ===
==== 869 ポルトガル語 ====
=== 870 イタリア語 ===
-->
==== 879 その他のロマンス諸語 ====
*[[ルーマニア語]]
<!--
=== 880 ロシア語 ===
==== 889 その他のスラヴ諸語 ====
=== 890 その他の諸言語 ===
-->
==== 891 ギリシア語 ====
*[[ギリシア語]]
==== 892 ラテン語 ====
*[[ラテン語]]{{進捗|50%|2006-03-21}}
==== 893 その他のヨーロッパの諸言語 ====
*[[デンマーク語]]{{進捗|25%|2005-12-01}}
<!--
==== 894 アフリカの諸言語 ====
==== 895 アメリカの諸言語 ====
==== 897 オーストラリアの諸言語 ====
-->
==== 899 国際語 ====
*[[エスペラント]]{{進捗|00%|2005-05-04}}
== 9類 文学 ==
=== 900 文学 ===
*[[古典文学]]{{進捗|25%|2005-05-15}}
<!--
==== 909 児童文学研究 ====
-->
=== 910 日本文学 ===
<!--
==== 911 詩歌 ====
==== 912 戯曲 ====
-->
==== 913 小説、物語 ====
*[[竹取物語]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
==== 914 評論、エッセイ、随筆 ====
*[[方丈記]]
<!--
==== 915 日記、書簡、紀行 ====
==== 916 記録、手記、ルポルタージュ ====
==== 917 箴言、アフォリズム、寸言 ====
==== 918 作品集 ====
==== 919 漢詩文、日本漢文学 ====
-->
=== 920 中国文学 ===
*[[漢詩]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 929 その他の東洋文学 ====
=== 930 英文学・米文学 ===
=== 940 ドイツ文学 ===
==== 949 その他のゲルマン文学 ====
=== 950 フランス文学 ===
==== 959 プロヴァンス文学 ====
=== 960 スペイン文学 ===
==== 969 ポルトガル文学 ====
=== 970 イタリア文学 ===
==== 979 その他のロマンス文学 ====
=== 980 ロシア文学・ソヴィエト文学 ===
==== 989 その他のスラヴ文学 ====
-->
=== 990 その他の諸文学 ===
==== 991 ギリシア文学 ====
==== 992 ラテン文学 ====
*[[ガリア戦記]]
==== 993 その他のヨーロッパ文学 ====
==== 994 アフリカ文学 ====
==== 995 アメリカ先住民語の文学 ====
==== 997 オーストラリア先住民語の文学 ====
==== 999 国際語による文学 ====
== 関連項目 ==
*[[w:日本十進分類法#要目表(第3次区分表)]]
== 外部リンク ==
*<del>[http://www.ndl.go.jp/jp/library/data/zan9.html 日本十進分類法新訂9版分類基準]([http://www.ndl.go.jp/ 国立国会図書館])</del>リンク切れ
*[https://www.kotono8.com/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%8D%81%E9%80%B2%E5%88%86%E9%A1%9E%E6%B3%95%EF%BC%88%E8%A9%B3%E7%B4%B0%EF%BC%89 閾ペディアことのは 日本十進分類法(詳細)]
[[Category:日本十進分類法|*]]
[[it:Wikibooks:Classificazione decimale Dewey]]
esrk5p7levw011xp8ozu6xkohqo40va
301412
301411
2026-07-09T11:36:37Z
Tkkn46tkkn46
89925
/* 457 古生物学・化石 */ 修正
301412
wikitext
text/x-wiki
__NOTOC__
[[メインページ|ウィキブックス]]の全ての書籍を[[:w:日本十進分類法|日本十進分類法]]に従って分類したものです。
{{進捗状況}}
== 0類 総記 ==
=== 000 総記 ===
*[[ウィキペディアの書き方]]
<!--
==== 002 知識・学問・学術 ====
-->
==== 007 情報科学 ====
*[[情報技術]]
<!--
===== 007.1 情報理論 =====
===== 007.2 歴史 事情 =====
===== 007.3 情報と社会 =====
===== 007.4 情報源 =====
===== 007.5 ドキュメンテーション 情報管理 =====
-->
===== 007.6 データ処理 情報処理 =====
*[[情報処理技術者試験の概要]]
*[[初級システムアドミニストレータ]]
<!--
====== 007.61 システム分析 システム設計 ======
-->
====== 007.63 コンピュータシステム ソフトウェア ======
*[[Freenet]]
*[[Maxima]]
*[[Microsoft Office]]
*[[Mizar]]
*[[OpenOffice.org]]
*[[OSとアプリケーション]]
*[[TeX/LaTeX入門]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[vi]]
<!--
======= 007.632 エキスパートシステム =======
-->
====== 007.634 オペレーティングシステム ======
*[[ChromeOS]]
*[[Linuxシステム管理]]
*[[Linuxハードウェア]]
*[[MS-DOS/PC DOS入門]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
*[[UNIX/Linux入門]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
======= 007.635 漢字処理システム =======
-->
====== 007.637 図形処理ソフトウェア ======
* [[Inkscape]]
====== 007.64 コンピュータプログラミング ======
*[[機械語]]
*[[ゲームプログラミング]]
*[[数式処理システム]]
*[[ソフトウェア開発技術者]]
*[[プログラミング]]
*[[BASIC]]
*[[Blender 3D]]
*[[C言語]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[CPlusPlus|C++]]
*[[CSS]]{{進捗|00%|2005-06-17}}
*[[CGI]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[GNOMEフレームワーク]]
*[[Go]]
*[[HTML]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[Java]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[JavaScript]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[Lisp]]
*[[OpenGL]]
*[[OSS開発ツール]]
*[[Perl]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[PHP]]
*[[Ruby]]
*[[Scratch]]
*[[Scheme]]
*[[SVG]]
*[[Swift]]
*[[Xプログラミング]]
<!--
======= 007.642 CG技術 =======
====== 007.65 各種の記憶媒体 ======
====== 007.68 情報検索 機械検索 ======
-->
===== 007.7 情報システム =====
*[[LANとインターネット]]
*[[NTP入門]]
*[[TCP/IP入門]]
<!--
=== 010 図書館・図書館学 ===
==== 011 図書館政策・図書館行財政 ====
==== 012 図書館建築・図書館整備 ====
==== 013 図書館管理 ====
==== 014 資料の収集・資料の整理・資料の保管 ====
==== 015 図書館奉仕・図書館活動 ====
==== 016 各種の図書館 ====
==== 017 学校図書館 ====
==== 018 専門図書館 ====
==== 019 読書・読書法 ====
-->
=== 020 図書・書誌学 ===
==== 021 著作・編集 ====
===== 021.4 編集 編纂 =====
*[[ウィキペディアの書き方 入門編]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
<!--
==== 022 写本・刊本・造本 ====
==== 023 出版 ====
-->
==== 024 図書の販売 ====
*[[同人誌即売会参加方法]]{{進捗|75%|2005-05-04}}
<!--
==== 025 一般書誌・全国書誌 ====
==== 026 稀書目録・善本目録 ====
==== 027 特種目録 ====
==== 028 選定図書目録・参考図書目録 ====
==== 029 蔵書目録・総合目録 ====
-->
=== 030 百科事典 ===
==== 031 日本語 ====
*[[w:mainpage|w:wikipedia]]
===== 031.3 日用便覧 =====
*[[ジョーク集]]
<!--
==== 039 用語索引<一般> ====
=== 040 一般論文集・一般講演集 ===
==== 041 日本語 ====
==== 049 雑著 ====
=== 050 逐次刊行物 ===
==== 051 日本の雑誌 ====
==== 059 一般年鑑 ====
=== 060 団体 ===
==== 061 学術・研究機関 ====
==== 063 文化交流機関 ====
==== 065 親睦団体・その他の団体 ====
==== 069 博物館 ====
=== 070 ジャーナリズム・新聞 ===
==== 071 日本 ====
=== 080 叢書・全集・選集 ===
==== 081 日本語 ====
==== 089 その他の諸言語 ====
=== 090 貴重書・郷土資料・その他の特別コレクション ===
-->
== 1類 哲学 ==
=== 100 哲学 ===
*[[哲学・思想]]{{進捗|00%|2005-05-04}}
<!--
==== 101 哲学理論 ====
==== 102 哲学史 ====
==== 103 参考図書 ====
==== 104 論文集・評論集・講演集 ====
==== 105 逐次刊行物 ====
==== 106 団体 ====
==== 107 研究法・指導法・哲学教育 ====
==== 108 叢集・全集・選集 ====
=== 110 哲学各論 ===
==== 111 形而上学・存在論 ====
==== 112 自然哲学・宇宙論 ====
==== 113 人生観・世界観 ====
==== 114 人間学 ====
==== 115 認識論 ====
==== 116 論理学・弁証法・方法論 ====
==== 117 価値哲学 ====
==== 118 文化哲学・技術哲学 ====
-->
=== 120 東洋思想 ===
==== 121 日本思想 ====
==== 122 中国思想・中国哲学 ====
*[[論語巻第一]]
==== 123 経書 ====
==== 124 先秦思想・諸子 ====
==== 125 中世思想・近代思想 ====
==== 126 インド哲学・バラモン教 ====
==== 129 その他のアジア・アラブ哲学 ====
<!--
=== 130 西洋哲学 ===
==== 131 古代哲学 ====
==== 132 中世哲学 ====
==== 133 近代哲学 ====
==== 134 ドイツ・オーストリア哲学 ====
==== 135 フランス・オランダ哲学 ====
==== 136 スペイン・ポルトガル哲学 ====
==== 137 イタリア哲学 ====
==== 138 ロシア哲学 ====
==== 139 その他の哲学 ====
-->
=== 140 心理学 ===
*[[心理学]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 141 普通心理学・心理各論 ====
==== 143 発達心理学 ====
==== 145 異常心理学 ====
==== 146 臨床心理学・精神分析学 ====
==== 147 超心理学・心霊研究 ====
==== 148 相法・易占 ====
==== 149 応用心理学 ====
-->
=== 150 倫理学・道徳 ===
*[[倫理学]]
==== 151 倫理各論 ====
==== 152 家庭倫理・性倫理 ====
==== 153 職業倫理 ====
==== 154 社会倫理 ====
==== 155 国体論・詔勅 ====
==== 156 武士道 ====
==== 157 報徳教・石門心学 ====
==== 158 その他の特定主題 ====
==== 159 人生訓・教訓 ====
<!--
=== 160 宗教 ===
==== 161 宗教学・宗教思想 ====
==== 162 宗教史・事情 ====
==== 163 原始宗教・宗教民族学 ====
==== 164 神話・神話学 ====
===== 164.31 ギリシャ神話 =====
==== 165 比較宗教 ====
==== 166 道教 ====
==== 167 イスラーム ====
==== 168 ヒンドゥー教・ジャイナ教 ====
==== 169 その他の宗教・新興宗教 ====
=== 170 神道 ===
==== 171 神道思想・神道説 ====
==== 172 神祇・神道史 ====
==== 173 神典 ====
==== 174 信仰録・説教集 ====
==== 175 神社・神職 ====
==== 176 祭祀 ====
==== 177 布教・伝道 ====
==== 178 各教派・教派神道 ====
=== 180 仏教 ===
==== 181 仏教教理・仏教哲学 ====
==== 182 仏教史 ====
==== 183 経典 ====
==== 184 法話・説教集 ====
==== 185 寺院・僧職 ====
==== 186 仏会 ====
==== 187 布教・伝道 ====
==== 188 各宗 ====
=== 190 キリスト教 ===
==== 191 教義・キリスト教神学 ====
==== 192 キリスト教史・迫害史 ====
==== 193 聖書 ====
==== 194 信仰録・説教集 ====
==== 195 教会・聖職 ====
==== 196 典礼・祭式・礼拝 ====
==== 197 布教・伝道 ====
==== 198 各教派・教会史 ====
==== 199 ユダヤ教 ====
-->
== 2類 歴史 ==
=== 200 歴史 ===
==== 201 歴史学 ====
*[[歴史学]]
<!--
==== 202 歴史補助学 ====
==== 203 参考図書 ====
==== 204 論文集・評論集・講演集 ====
==== 205 逐次刊行物 ====
==== 206 団体 ====
==== 207 研究法・指導法・歴史教育 ====
==== 208 叢書・全集・選集 ====
-->
==== 209 世界史・文化史 ====
*[[世界史]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
=== 210 日本史 ===
*[[日本史]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
===== 210.027 古銭学 =====
==== 211 北海道地方 ====
==== 212 東北地方 ====
==== 213 関東地方 ====
==== 214 北陸地方 ====
==== 215 中部地方 ====
==== 216 近畿地方 ====
==== 217 中国地方 ====
==== 218 四国地方 ====
==== 219 九州地方 ====
-->
=== 220 アジア史・東洋史 ===
<!--
==== 221 朝鮮 ====
-->
==== 222 中国 ====
*[[中国史]]{{進捗|25%|2005-12-01}}
<!--
==== 223 東南アジア ====
==== 224 インドネシア ====
==== 225 インド ====
===== 225.97 モルジブ =====
==== 229 アジアロシア ====
=== 230 ヨーロッパ史・西洋史 ===
==== 231 古代ギリシア ====
==== 232 古代ローマ ====
==== 233 イギリス・英国 ====
==== 234 ドイツ・中欧 ====
==== 235 フランス ====
==== 236 スペイン イスパニア ====
==== 237 イタリア ====
==== 238 ロシア ソビエト連邦 独立国家共同体 ====
==== 239 バルカン諸国 ====
=== 240 アフリカ史 ===
==== 241 北アフリカ ====
==== 242 エジプト ====
==== 243 バーバリ諸国 ====
==== 244 西アフリカ ====
==== 245 東アフリカ ====
==== 248 南アフリカ ====
==== 249 インド洋のアフリカ諸島 ====
=== 250 北アメリカ史 ===
==== 251 カナダ ====
==== 253 アメリカ合衆国 ====
==== 255 ラテンアメリカ 中南米 ====
==== 256 メキシコ ====
==== 257 中央アメリカ 中米諸国 ====
==== 259 西インド諸島 ====
=== 260 南アメリカ史 ===
==== 261 北部諸国 カリブ沿海諸国 ====
==== 262 ブラジル ====
==== 263 パラグアイ ====
==== 264 ウルグアイ ====
==== 265 アルゼンチン ====
==== 266 チリ ====
==== 267 ボリビア ====
==== 268 ペルー ====
=== 270 オセアニア史・両極地方史 ===
==== 271 オーストラリア ====
==== 272 ニュージーランド ====
==== 273 メラネシア ====
==== 274 ミクロネシア ====
==== 275 ポリネシア ====
==== 276 ハワイ ====
==== 277 両極地方 ====
==== 278 北極 北極地方 ====
==== 279 南極 南極地方 ====
=== 280 伝記 ===
==== 281 日本 ====
==== 282 アジア ====
==== 283 ヨーロッパ ====
==== 284 アフリカ ====
==== 285 北アフリカ ====
==== 286 南アフリカ ====
==== 287 オセアニア・両極地方 ====
==== 288 系譜・家史・皇室 ====
==== 289 個人伝記 ====
-->
=== 290 地理・地誌・紀行 ===
*[[地理学]]{{進捗|00%|2005-05-04}}
<!--
==== 290.93 旅行案内記 ====
-->
== 3類 社会科学 ==
<!--
=== 300 社会科学 ===
==== 301 理論・方法論 ====
==== 302 政治・経済・社会・文化事情 ====
==== 303 参考図書 ====
==== 304 論文集・評論集・講演集 ====
==== 305 逐次刊行物 ====
==== 306 団体 ====
==== 307 研究法・指導法・社会科学教育 ====
==== 308 叢書・全集・選集 ====
==== 309 社会思想 ====
=== 310 政治 ===
==== 311 政治学 ====
==== 312 政治史・事情 ====
==== 313 国家の形態・政治体制 ====
==== 314 議会 ====
==== 315 政党・政治結社 ====
==== 316 国家と個人・宗教・民族 ====
==== 317 行政 ====
==== 318 地方自治・地方行政 ====
==== 319 外交・国際問題 ====
-->
=== 320 法律 ===
==== 321 法学 ====
*[[法学]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
==== 322 法制史 ====
*[[法制史]]
==== 323 憲法 ====
*[[憲法]]
==== 324 民法 ====
*[[民法]]
==== 325 商法 ====
*[[商法]]
==== 326 刑法・刑事法 ====
*[[刑法]]
==== 327 司法・訴訟手続法 ====
*[[民事訴訟法]]
*[[刑事訴訟法]]
==== 328 諸法 ====
*[[教育基本法]]
*[[知的財産権法]]
==== 329 国際法 ====
*[[国際法]]
=== 330 経済 ===
==== 331 経済学・経済思想 ====
*[[経済学]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[経済学基礎]]
==== 332 経済史・事情・経済体制 ====
==== 333 経済政策・国際経済 ====
==== 334 人口・土地・資源 ====
==== 335 企業・経営 ====
==== 336 経営管理 ====
*[[公認会計士試験]]
==== 337 貨幣・通貨 ====
==== 338 金融・銀行・信託 ====
==== 339 保険 ====
=== 340 財政 ===
<!--
==== 341 財政学・財政思想 ====
==== 342 財政史・事情 ====
==== 343 財政政策・財政行政 ====
==== 344 予算・決算 ====
==== 345 租税 ====
==== 347 公債・国債 ====
==== 348 専売・国有財産 ====
==== 349 地方財政 ====
=== 350 統計 ===
==== 351 日本 ====
==== 358 人口統計・国勢調査 ====
==== 359 各種の統計書 ====
-->
=== 360 社会 ===
<!--
==== 361 社会学 ====
==== 362 社会史・社会体制 ====
==== 364 社会保障 ====
==== 365 生活・消費者問題 ====
==== 366 労働経済・労働問題 ====
==== 367 家族問題、男性・女性問題、老人問題 ====
==== 368 社会病理 ====
-->
==== 369 社会福祉 ====
===== 369.3 災害 災害救助 =====
*[[防災]]{{進捗|25%|2006-04-06}}
=== 370 教育 ===
<!--
==== 371 教育学、教育思想 ====
===== 371.42 登校拒否・いじめ =====
-->
==== 372 教育史・事情 ====
*[[教育勅語]]{{進捗|75%|2005-05-04}}
<!--
==== 373 教育政策、教育制度、教育行財政 ====
-->
==== 374 学校経営・管理、学校保健 ====
===== 374.48 学校行事 =====
*[[運動会]]
==== 375 教育課程、学習指導、教科別教育 ====
*[[学校教育]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[生活と進路]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
===== 374.9 教科書、教科書検定 =====
*[[小学校の学習]]{{進捗|50%|2023-09-25}}
*[[中学校の学習]]{{進捗|50%|2023-09-25}}
*[[高等学校の学習]]{{進捗|00%|2023-09-25}}
**[[高等学校の学習/旧課程]]{{進捗|25%|2023-09-25}}
<!--
* [[小学校算数]] {{進捗|25%|2005-05-04}}
* [[中学校数学]] {{進捗|50%|2005-05-10}}
* [[高等学校世界史A]] {{進捗|25%|2015-08-30}}
* [[高等学校地理B]] {{進捗|25%|2005-11-1}}
* [[高等学校現代社会]] {{進捗|25%|2015-08-30}}
* [[高等学校政治経済]] {{進捗|50%|2015-08-30}}
*[[高等学校倫理]]
*[[高等学校数学]]
*[[高等学校数学基礎]]{{進捗|100%|2005-05-04}}
*[[高等学校数学I]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
*[[高等学校数学III]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
*[[高等学校数学B]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
*[[高等学校数学C]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
*[[高等学校理科総合B]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
*[[高等学校物理]]{{進捗|50%|2005-11-1}}
* [[高等学校化学]] {{進捗|50%|2015-08-30}}
* [[高等学校生物]] {{進捗|50%|2015-08-30}}
* [[高等学校地学]] {{進捗|25%|2015-08-30}}
*[[高等学校情報A]]
*[[高等学校情報B]]
*[[高等学校情報C]]
-->
*[[小・中・高等学校演習]]
*[[検定教科書]]
==== 376 幼児・初等・中等教育 ====
*[[小学校・中学校・高等学校の学習]]
==== 377 大学、高等・専門教育、学術行政 ====
* [[大学受験ガイド]] {{進捗|50%|2015-08-30}}
<!--
==== 378 障害児教育 ====
==== 379 社会教育 ====
=== 380 風俗習慣・民俗学・民族学 ===
==== 382 風俗史・民俗誌、民族誌 ====
==== 383 衣食住の習俗 ====
==== 384 社会・家庭生活の習俗 ====
==== 385 通過儀礼、冠婚葬祭 ====
==== 386 年中行事、祭礼 ====
==== 387 民間信仰、迷信(俗信) ====
==== 388 伝説、民話(昔話) ====
==== 389 民族学、文化人類学 ====
=== 390 国防・軍事 ===
==== 391 戦争、戦略、戦術 ====
==== 392 国防史・事情、軍事史・事情 ====
==== 393 国防政策・行政・法令 ====
==== 394 軍事医学、兵食 ====
==== 395 軍事施設、軍需品 ====
==== 396 陸軍 ====
==== 397 海軍 ====
==== 398 空軍 ====
==== 399 古代兵法、軍学 ====
-->
== 4類 自然科学 ==
<!--
=== 400 自然科学 ===
==== 401 科学理論・科学哲学 ====
==== 402 科学史・事情 ====
==== 403 参考図書 ====
==== 404 論文集・評論集・講演集 ====
==== 405 逐次刊行物 ====
==== 406 団体 ====
==== 407 研究法・指導法・科学教育 ====
==== 408 叢書・全集・選集 ====
==== 409 科学技術政策・科学技術行政 ====
-->
=== 410 数学 ===
* [[数学]]
* [[初等数学]]
* [[初等数学公式集]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
* [[初等数学演習]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
* [[初等数学記号集]]
* [[Wikibooks:初等数学用語索引|初等数学用語索引]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
* [[中等数学]]
* [[高等数学]]
* [[大学数学公式集]]
==== 411 代数学 ====
===== 411.6 集合論 =====
*[[公理的集合論]]
==== 412 数論 ====
==== 413 解析学 ====
* [[解析学]]
* [[解析学基礎]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
==== 414 幾何学 ====
==== 415 位相数学 ====
* [[位相幾何学]]{{進捗|25%|2008-09-03}}
==== 417 確率論、数理統計学 ====
* [[統計学基礎]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 418 計算法 ====
==== 419 和算、中国算法 ====
-->
=== 420 物理学 ===
*[[物理学]]
==== 421 理論物理学 ====
<!--
===== 421.1 基礎理論 エーテル理論 =====
-->
===== 421.2 相対性理論 =====
*[[特殊相対論]]
*[[一般相対性理論]]
===== 421.3 量子力学、量子論 =====
*[[場の量子論]]
*[[量子力学]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
===== 421.4 統計力学 =====
*[[統計力学I]]
*[[統計力学II]]
===== 421.5 数理物理学.物理数学 =====
* [[物理数学I]] {{進捗|75%|2023-11-05}}
* [[物理数学II]]
==== 423 力学 ====
*[[解析力学]]
*[[古典力学]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
==== 424 振動学、音響学 ====
*[[振動と波動]]
* [[音響学]]
==== 425 光学 ====
*[[光の偏極]]
==== 426 熱学 ====
*[[熱力学]]
==== 427 電磁気学 ====
*[[電磁気学]]
<!--
==== 428 物性物理学 ====
==== 429 原子物理学 ====
-->
=== 430 化学 ===
<!--
==== 431 物理化学. 理論化学 ====
==== 432 実験化学 ====
==== 433 分析化学 ====
==== 434 合成化学 ====
-->
==== 435 無機化学 ====
*[[無機化学]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 436 金属元素とその化合物 ====
-->
==== 437 有機化学 ====
*[[有機化学]]{{進捗|25%|2005-05-21}}
<!--
==== 438 環式化合物の化学 ====
==== 439 天然物質の化学 ====
-->
=== 440 天文学・宇宙科学 ===
* [[天文学]]{{進捗|25%|2005-12-01}}
<!--
==== 441 理論天文学・数理天文学 ====
==== 442 実地天文学・天体観測法 ====
==== 443 恒星・恒星天文学 ====
==== 444 太陽・太陽物理学 ====
==== 445 惑星・衛星 ====
==== 446 月 ====
==== 447 彗星・流星 ====
==== 448 地球・天文地理学 ====
==== 449 時法・暦学 ====
-->
=== 450 地球科学・地学 ===
* [[地球科学]]{{進捗|25%|2005-12-01}}
==== 451 気象学 ====
==== 452 海洋学 ====
==== 453 地震学 ====
===== 453.38 地震予知 =====
==== 454 地形学 ====
==== 455 地質学 ====
==== 456 地史学・層位学 ====
==== 457 古生物学・化石 ====
*[[古生物学]]
==== 458 岩石学 ====
==== 459 鉱物学 ====
=== 460 生物化学・一般生物学 ===
*[[生物学の研究技術]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 461 理論生物学・生命論 ====
==== 462 生物地理・生物誌 ====
==== 463 細胞学 ====
==== 464 生化学 ====
==== 465 微生物学 ====
==== 467 遺伝学 ====
===== 467.25 遺伝子組み換え =====
==== 468 生態学 ====
==== 469 人類学 ====
-->
=== 470 植物学 ===
*[[植物学]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 471 一般植物学 ====
==== 472 植物地理・植物誌 ====
==== 473 葉状植物 ====
==== 474 藻類・菌類 ====
==== 475 コケ植物 ====
==== 476 シダ植物 ====
==== 477 種子植物 ====
==== 478 裸子植物 ====
==== 479 被子植物 ====
=== 480 動物学 ===
==== 481 一般動物学 ====
==== 482 動物地理・動物誌 ====
==== 483 無脊椎動物 ====
==== 484 軟体動物・貝類学 ====
==== 485 節足動物 ====
==== 486 昆虫類 ====
==== 487 脊椎動物 ====
==== 488 鳥類 ====
==== 489 哺乳類 ====
-->
=== 490 医学 ===
* [[医学]]
*[[OsiriX_オンライン解説文書]]{{進捗|75%|2005-05-04}}
==== 491 基礎医学 ====
*[[生理学]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
*[[解剖学]]{{進捗|25%|2006-11-09}}
*[[神経解剖学]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
*[[組織学]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
*[[微生物学]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
*[[病理学]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
<!--
==== 492 臨床医学 ====
-->
==== 493 内科学 ====
*[[内科学 呼吸器]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
<!--
==== 494 外科学 ====
==== 495 産科学,婦人科学 ====
==== 496 眼科学,耳鼻咽喉科学 ====
==== 497 歯科学 ====
==== 498 衛生学,公衆衛生学,予防医学 ====
-->
==== 499 薬学 ====
*[[薬理学]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
==5類 技術・工学・工業 ==
=== 500 技術・工学 ===
==== 501 工業基礎学 ====
==== 502 技術史・工学史 ====
==== 503 参考図書 ====
==== 504 論文集・評論集・講演集 ====
==== 505 逐次刊行物 ====
==== 506 団体 ====
==== 507 研究法・指導法・技術教育 ====
==== 508 叢書・全集・選集 ====
==== 509 工業・工業経済 ====
=== 510 建設工学・土木工学 ===
==== 511 土木力学・建設材料 ====
==== 512 測量 ====
==== 513 土木設計・施工法 ====
==== 514 道路工学 ====
==== 515 橋梁工学 ====
==== 516 鉄道工学 ====
==== 517 河海工学・河川工学 ====
==== 518 衛生工学・都市工学 ====
===== 518.523 ごみの再利用 =====
==== 519 公害・環境工学 ====
===== 519.12 環境法 =====
* [[環境法]]
=== 520 建築学 ===
==== 521 日本の建築 ====
==== 522 東洋の建築・アジアの建築 ====
==== 523 西洋の建築・その他の様式の建築 ====
==== 524 建築構造 ====
==== 525 建築計画・施工 ====
==== 526 各種の建築 ====
==== 527 住宅建築 ====
==== 528 建築設備・設備工学 ====
==== 529 建築意匠・装飾 ====
=== 530 機械工学・原子力工学 ===
==== 531 機械力学・材料・設計 ====
==== 532 機械工作・工作機械 ====
==== 533 熱機関・熱工学 ====
==== 534 流体機械・流体工学 ====
==== 535 精密機器・光学機器 ====
==== 536 運輸工学・車輌・運搬機械 ====
==== 537 自動車工学 ====
===== 537.25 電気自動車 =====
==== 538 航空宇宙工学 ====
==== 539 原子力工学 ====
=== 540 電気工学・電子工学 ===
==== 540 電気工学 ====
==== 541 電気回路・計測・材料 ====
==== 542 電気機器 ====
==== 543 発電 ====
==== 544 送電・変電・配電 ====
==== 545 電灯・照明・電熱 ====
==== 546 電気鉄道 ====
==== 547 通信工学・電気通信 ====
==== 548 情報工学 ====
==== 549 電子工学 ====
=== 550 海洋工学・船舶工学 ===
==== 551 理論造船学 ====
==== 552 船体構造・材料・施工 ====
==== 553 船体艤装・船舶設備 ====
==== 554 舶用機関[造機] ====
==== 555 船舶修理・保守 ====
==== 556 各種の船舶・艦艇 ====
==== 557 航海・航海学 ====
==== 558 海洋開発 ====
==== 559 兵器、軍事工学 ====
=== 560 金属工学・鉱山工学 ===
==== 561 採鉱・選鉱 ====
==== 562 各種の金属鉱床・採掘 ====
==== 563 冶金・合金 ====
==== 564 鉄鋼 ====
==== 565 非鉄金属 ====
==== 566 金属加工・製造冶金 ====
==== 567 石炭 ====
==== 568 石油 ====
==== 569 非金属鉱物・土石採取業 ====
=== 570 化学工業 ===
==== 571 化学工学・化学機器 ====
==== 572 電気化学工業 ====
==== 573 セラミックス・窯業・珪酸塩化学工業 ====
==== 574 化学薬品 ====
==== 575 燃料・爆発物 ====
==== 576 油脂類 ====
==== 577 染料 ====
==== 578 高分子化学工業 ====
==== 579 その他の化学工業 ====
=== 580 製造工業 ===
==== 581 金属製品 ====
==== 582 事務機器・家庭機器・楽器 ====
==== 583 木工業・木製品 ====
==== 584 皮革工業・皮革製品 ====
==== 585 パルプ・製紙工業 ====
==== 586 繊維工学 ====
==== 587 染色加工・染色業 ====
==== 588 食品工業 ====
==== 589 その他の雑工業 ====
=== 590 家政学・生活科学 ===
<!--
==== 591 家庭経済・経営 ====
==== 592 家庭理工学 ====
==== 593 衣服・裁縫 ====
==== 594 手芸 ====
==== 595 理容・美容 ====
===== 595.6 痩身法 =====
==== 596 食品・料理 ====
*[[料理本]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 597 住居・家具調度 ====
==== 598 家庭衛生 ====
==== 599 育児 ====
-->
==6類 産業 ==
<!--
=== 600 産業 ===
==== 601 産業政策・行政・総合開発 ====
==== 602 産業史・事情・物産誌 ====
==== 603 参考図書 ====
==== 604 論文集・評論集・講演集 ====
==== 605 逐次刊行物 ====
==== 606 団体 ====
==== 607 研究法・指導法・産業教育 ====
==== 608 叢書・全集・選集 ====
==== 609 度量衡、計量法 ====
=== 610 農業 ===
==== 611 農業経済 ====
==== 612 農業史・事情 ====
==== 613 農業基礎学 ====
==== 614 農業工学 ====
==== 615 作物栽培・作物学 ====
==== 616 食用作物 ====
==== 617 工芸作物 ====
==== 618 繊維作物 ====
==== 619 農産物製造・加工 ====
-->
=== 620 園芸 ===
<!--
==== 621 園芸経済・行政・経営 ====
==== 622 園芸史・事情 ====
==== 623 園芸植物学・病虫害 ====
==== 624 温室・温床・園芸用具 ====
==== 625 果樹園芸 ====
-->
==== 626 蔬菜園芸 ====
*[[ダイズの栽培]]{{進捗|00%|2007-02-21}}
==== 627 花卉園芸[草花] ====
*[[サボテンの栽培]]{{進捗|00%|2007-02-21}}
<!--
==== 628 園芸利用 ====
==== 629 造園 ====
=== 630 蚕糸業 ===
==== 631 蚕糸経済・行政・経営 ====
==== 632 蚕糸業史・事情 ====
==== 633 蚕学・蚕業基礎学 ====
==== 634 蚕種 ====
==== 635 飼育法 ====
==== 636 くわ・栽桑 ====
==== 637 蚕室・蚕具 ====
==== 638 まゆ ====
==== 639 製糸・生糸・蚕糸利用 ====
-->
=== 640 畜産業 ===
<!--
==== 641 畜産経済・行政・経営 ====
==== 642 畜産史・事情 ====
==== 643 家畜の繁殖・家畜飼料 ====
==== 644 家畜の管理・畜舎・用具 ====
==== 645 家畜・畜産動物各論 ====
-->
==== 646 家禽各論・飼鳥 ====
*[[ホンセイインコ類の飼育]]{{進捗|00%|2007-02-21}}
<!--
===== 646.9 みつばち・昆虫 =====
==== 648 畜産製造・畜産物 ====
==== 649 獣医学・比較医学 ====
==== 649 獣医学 ====
=== 650 林業 ===
==== 651 林業経済・行政・経営 ====
==== 652 森林史・林業史・事情 ====
==== 653 森林立地・造林 ====
==== 654 森林保護 ====
==== 655 森林施業 ====
==== 656 森林工学 ====
==== 657 森林利用・林産物・木材学 ====
==== 658 林産製造 ====
==== 659 狩猟 ====
=== 660 水産業 ===
==== 661 水産経済・行政・経営 ====
==== 662 水産業および漁業史・事情 ====
==== 663 水産基礎学 ====
==== 664 漁労・漁業各論 ====
==== 665 漁船・漁具 ====
==== 666 水産増殖・養殖業 ====
==== 667 水産製造・水産食品 ====
==== 668 水産物利用・水産利用工業 ====
==== 669 製塩・塩業 ====
=== 670 商業 ===
==== 671 商業政策・行政 ====
==== 672 商業史・事情 ====
==== 673 商業経営・商店 ====
==== 674 広告・宣伝 ====
==== 675 マーケティング ====
==== 676 取引所 ====
==== 678 貿易 ====
=== 680 運輸・交通 ===
==== 681 交通政策・行政・経営 ====
==== 682 交通史・事情 ====
==== 683 海運 ====
==== 684 内水・運河交通 ====
==== 685 陸運・自動車運送 ====
==== 686 鉄道 ====
==== 687 航空運送 ====
==== 688 倉庫業 ====
==== 689 観光事業 ====
=== 690 通信事業 ===
==== 691 通信政策・行政・法令 ====
==== 692 通信事業史・事情 ====
==== 693 郵便・郵政事業 ====
==== 694 電気通信事業 ====
==== 699 放送事業 ====
===== 699.39 アナウンサー =====
-->
== 7類 芸術 ==
<!--
=== 700 芸術・美術 ===
==== 701 芸術理論・美学 ====
==== 702 芸術史・美術史 ====
==== 703 参考図書[レファレンスブック] ====
==== 704 論文集・評論集・講演集 ====
==== 705 逐次刊行物 ====
==== 706 団体 ====
==== 707 研究法・指導法・芸術教育 ====
==== 708 叢書・全集・選集 ====
==== 709 芸術政策・文化財 ====
=== 710 彫刻 ===
==== 711 彫塑材料・技法 ====
==== 712 彫刻史・各国の彫刻 ====
==== 713 木彫 ====
==== 714 石彫 ====
==== 715 金属彫刻・鋳造 ====
==== 717 粘土彫刻・塑造 ====
==== 708 仏像 ====
==== 709 オブジェ ====
=== 720 絵画 ===
==== 721 日本画 ====
==== 722 東洋画 ====
==== 723 洋画 ====
==== 724 絵画材料・技法 ====
==== 725 素描・描画 ====
==== 726 漫画、挿絵、童画 ====
==== 727 グラフィックデザイン、図案 ====
==== 728 書道 ====
=== 730 版画 ===
==== 731 版画材料・技法 ====
==== 732 版画史・各国の版画 ====
==== 733 木版画 ====
==== 734 石版画 ====
==== 735 銅版画・鋼版画 ====
==== 736 リノリウム版画・ゴム版画 ====
==== 737 写真版画・孔版画 ====
==== 739 印章、篆刻、印譜 ====
-->
=== 740 写真 ===
<!--
==== 742 写真器械・材料 ====
==== 743 撮影技術 ====
-->
==== 744 現像・印画 ====
*[[白黒写真の暗室作業]]{{進捗|75%|2007-05-10}}
<!--
==== 745 複写技術 ====
==== 746 特殊写真 ====
==== 747 写真の応用 ====
==== 748 写真集 ====
==== 749 印刷 ====
=== 750 工芸 ===
==== 751 陶磁工芸 ====
==== 752 漆工芸 ====
==== 753 染織工芸 ====
==== 754 木竹工芸 ====
==== 755 宝石・牙角・皮革工芸 ====
==== 756 金工芸 ====
==== 757 デザイン・装飾美術 ====
==== 758 美術家具 ====
==== 759 人形・玩具 ====
-->
=== 760 音楽 ===
==== 761 音楽の一般理論・音楽学 ====
* [[楽典]]
* [[和声学]]
* [[楽式]]
==== 762 音楽史・各国の音楽 ====
* [[西洋音楽史]]
<!--
==== 763 楽器・器楽 ====
==== 764 器楽合奏 ====
==== 765 宗教音楽・聖楽 ====
==== 766 劇音楽 ====
==== 767 声楽 ====
==== 768 邦楽 ====
==== 769 舞踊、バレエ ====
=== 770 演劇 ===
==== 771 劇場・演出・演技 ====
==== 772 演劇史・各国の演劇 ====
==== 773 能楽、狂言 ====
==== 774 歌舞伎 ====
==== 775 各種の演劇 ====
==== 777 人形劇 ====
==== 778 映画 ====
==== 779 大衆演芸 ====
-->
=== 780 スポーツ・体育 ===
<!--
==== 781 体操、遊戯 ====
==== 782 陸上競技 ====
-->
==== 783 球技 ====
*[[サッカー]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
*[[テニス]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
*[[野球]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
<!--
==== 784 冬季競技 ====
-->
==== 785 水上競技 ====
*[[セーリング]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
==== 786 戸外レクリエーション ====
===== 786.1 登山・山岳競技 =====
*[[登山]]
==== 787 釣魚、遊猟 ====
==== 788 相撲、拳闘、競馬 ====
*[[相撲]]{{進捗|25%|2006-2-23}}
*[[競馬]]{{進捗|25%|2023-09-25}}
==== 789 武術 ====
*[[剣道]]{{進捗|25%|2007-6-30}}
=== 790 諸芸・娯楽 ===
<!--
==== 791 茶道 ====
==== 792 香道 ====
==== 793 花道 ====
==== 794 撞球 ====
-->
==== 795 囲碁 ====
*[[囲碁]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
==== 796 将棋 ====
*[[将棋]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
<!--
==== 797 射倖ゲーム ====
-->
==== 798 室内娯楽 ====
*[[トランプ]]<!--798.2-->
*[[トランプ/トランプ教科書]]
*[[麻雀]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
*[[チェス]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
===== 798.5 テレビゲーム =====
*[[Minecraft]]
<!--
==== 799 ダンス ====
-->
== 8類 言語 ==
=== 800 言語 ===
==== 801 言語学 ====
*[[生成文法]]
*[[語学]]
**[[琉球語]]
<!--
==== 809 言語生活 ====
-->
=== 810 日本語 ===
*[[日本語]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 811 音声、音韻、文字 ====
==== 812 語源、意味 ====
==== 813 辞典 ====
==== 814 語彙 ====
==== 815 文法、語法 ====
==== 816 文章、文体、作文 ====
==== 817 読本、解釈、会話 ====
-->
==== 818 方言、訛語 ====
*[[北海道方言]]
*[[讃岐弁]]
*[[沖縄語]]
<!--
=== 820 中国語 ===
-->
==== 829 その他の東洋の諸言語 ====
*[[朝鮮語]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[ペルシア語]]
=== 830 英語 ===
*[[英語]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
=== 840 ドイツ語 ===
*[[ドイツ語]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
<!--
==== 849 その他のゲルマン言語 ====
-->
=== 850 フランス語 ===
*[[フランス語]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 859 プロヴァンス語 ====
=== 860 スペイン語 ===
==== 869 ポルトガル語 ====
=== 870 イタリア語 ===
-->
==== 879 その他のロマンス諸語 ====
*[[ルーマニア語]]
<!--
=== 880 ロシア語 ===
==== 889 その他のスラヴ諸語 ====
=== 890 その他の諸言語 ===
-->
==== 891 ギリシア語 ====
*[[ギリシア語]]
==== 892 ラテン語 ====
*[[ラテン語]]{{進捗|50%|2006-03-21}}
==== 893 その他のヨーロッパの諸言語 ====
*[[デンマーク語]]{{進捗|25%|2005-12-01}}
<!--
==== 894 アフリカの諸言語 ====
==== 895 アメリカの諸言語 ====
==== 897 オーストラリアの諸言語 ====
-->
==== 899 国際語 ====
*[[エスペラント]]{{進捗|00%|2005-05-04}}
== 9類 文学 ==
=== 900 文学 ===
*[[古典文学]]{{進捗|25%|2005-05-15}}
<!--
==== 909 児童文学研究 ====
-->
=== 910 日本文学 ===
<!--
==== 911 詩歌 ====
==== 912 戯曲 ====
-->
==== 913 小説、物語 ====
*[[竹取物語]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
==== 914 評論、エッセイ、随筆 ====
*[[方丈記]]
<!--
==== 915 日記、書簡、紀行 ====
==== 916 記録、手記、ルポルタージュ ====
==== 917 箴言、アフォリズム、寸言 ====
==== 918 作品集 ====
==== 919 漢詩文、日本漢文学 ====
-->
=== 920 中国文学 ===
*[[漢詩]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 929 その他の東洋文学 ====
=== 930 英文学・米文学 ===
=== 940 ドイツ文学 ===
==== 949 その他のゲルマン文学 ====
=== 950 フランス文学 ===
==== 959 プロヴァンス文学 ====
=== 960 スペイン文学 ===
==== 969 ポルトガル文学 ====
=== 970 イタリア文学 ===
==== 979 その他のロマンス文学 ====
=== 980 ロシア文学・ソヴィエト文学 ===
==== 989 その他のスラヴ文学 ====
-->
=== 990 その他の諸文学 ===
==== 991 ギリシア文学 ====
==== 992 ラテン文学 ====
*[[ガリア戦記]]
==== 993 その他のヨーロッパ文学 ====
==== 994 アフリカ文学 ====
==== 995 アメリカ先住民語の文学 ====
==== 997 オーストラリア先住民語の文学 ====
==== 999 国際語による文学 ====
== 関連項目 ==
*[[w:日本十進分類法#要目表(第3次区分表)]]
== 外部リンク ==
*<del>[http://www.ndl.go.jp/jp/library/data/zan9.html 日本十進分類法新訂9版分類基準]([http://www.ndl.go.jp/ 国立国会図書館])</del>リンク切れ
*[https://www.kotono8.com/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%8D%81%E9%80%B2%E5%88%86%E9%A1%9E%E6%B3%95%EF%BC%88%E8%A9%B3%E7%B4%B0%EF%BC%89 閾ペディアことのは 日本十進分類法(詳細)]
[[Category:日本十進分類法|*]]
[[it:Wikibooks:Classificazione decimale Dewey]]
fl4fbyoe8tmuj7oytfbvmrrim9kfyhp
301413
301412
2026-07-09T11:40:49Z
Tkkn46tkkn46
89925
/* 547 通信工学・電気通信 */ スタイルシート言語。547.4833(インターネット・Web)。547.48(インターネット)でも。
301413
wikitext
text/x-wiki
__NOTOC__
[[メインページ|ウィキブックス]]の全ての書籍を[[:w:日本十進分類法|日本十進分類法]]に従って分類したものです。
{{進捗状況}}
== 0類 総記 ==
=== 000 総記 ===
*[[ウィキペディアの書き方]]
<!--
==== 002 知識・学問・学術 ====
-->
==== 007 情報科学 ====
*[[情報技術]]
<!--
===== 007.1 情報理論 =====
===== 007.2 歴史 事情 =====
===== 007.3 情報と社会 =====
===== 007.4 情報源 =====
===== 007.5 ドキュメンテーション 情報管理 =====
-->
===== 007.6 データ処理 情報処理 =====
*[[情報処理技術者試験の概要]]
*[[初級システムアドミニストレータ]]
<!--
====== 007.61 システム分析 システム設計 ======
-->
====== 007.63 コンピュータシステム ソフトウェア ======
*[[Freenet]]
*[[Maxima]]
*[[Microsoft Office]]
*[[Mizar]]
*[[OpenOffice.org]]
*[[OSとアプリケーション]]
*[[TeX/LaTeX入門]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[vi]]
<!--
======= 007.632 エキスパートシステム =======
-->
====== 007.634 オペレーティングシステム ======
*[[ChromeOS]]
*[[Linuxシステム管理]]
*[[Linuxハードウェア]]
*[[MS-DOS/PC DOS入門]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
*[[UNIX/Linux入門]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
======= 007.635 漢字処理システム =======
-->
====== 007.637 図形処理ソフトウェア ======
* [[Inkscape]]
====== 007.64 コンピュータプログラミング ======
*[[機械語]]
*[[ゲームプログラミング]]
*[[数式処理システム]]
*[[ソフトウェア開発技術者]]
*[[プログラミング]]
*[[BASIC]]
*[[Blender 3D]]
*[[C言語]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[CPlusPlus|C++]]
*[[CSS]]{{進捗|00%|2005-06-17}}
*[[CGI]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[GNOMEフレームワーク]]
*[[Go]]
*[[HTML]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[Java]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[JavaScript]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[Lisp]]
*[[OpenGL]]
*[[OSS開発ツール]]
*[[Perl]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[PHP]]
*[[Ruby]]
*[[Scratch]]
*[[Scheme]]
*[[SVG]]
*[[Swift]]
*[[Xプログラミング]]
<!--
======= 007.642 CG技術 =======
====== 007.65 各種の記憶媒体 ======
====== 007.68 情報検索 機械検索 ======
-->
===== 007.7 情報システム =====
*[[LANとインターネット]]
*[[NTP入門]]
*[[TCP/IP入門]]
<!--
=== 010 図書館・図書館学 ===
==== 011 図書館政策・図書館行財政 ====
==== 012 図書館建築・図書館整備 ====
==== 013 図書館管理 ====
==== 014 資料の収集・資料の整理・資料の保管 ====
==== 015 図書館奉仕・図書館活動 ====
==== 016 各種の図書館 ====
==== 017 学校図書館 ====
==== 018 専門図書館 ====
==== 019 読書・読書法 ====
-->
=== 020 図書・書誌学 ===
==== 021 著作・編集 ====
===== 021.4 編集 編纂 =====
*[[ウィキペディアの書き方 入門編]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
<!--
==== 022 写本・刊本・造本 ====
==== 023 出版 ====
-->
==== 024 図書の販売 ====
*[[同人誌即売会参加方法]]{{進捗|75%|2005-05-04}}
<!--
==== 025 一般書誌・全国書誌 ====
==== 026 稀書目録・善本目録 ====
==== 027 特種目録 ====
==== 028 選定図書目録・参考図書目録 ====
==== 029 蔵書目録・総合目録 ====
-->
=== 030 百科事典 ===
==== 031 日本語 ====
*[[w:mainpage|w:wikipedia]]
===== 031.3 日用便覧 =====
*[[ジョーク集]]
<!--
==== 039 用語索引<一般> ====
=== 040 一般論文集・一般講演集 ===
==== 041 日本語 ====
==== 049 雑著 ====
=== 050 逐次刊行物 ===
==== 051 日本の雑誌 ====
==== 059 一般年鑑 ====
=== 060 団体 ===
==== 061 学術・研究機関 ====
==== 063 文化交流機関 ====
==== 065 親睦団体・その他の団体 ====
==== 069 博物館 ====
=== 070 ジャーナリズム・新聞 ===
==== 071 日本 ====
=== 080 叢書・全集・選集 ===
==== 081 日本語 ====
==== 089 その他の諸言語 ====
=== 090 貴重書・郷土資料・その他の特別コレクション ===
-->
== 1類 哲学 ==
=== 100 哲学 ===
*[[哲学・思想]]{{進捗|00%|2005-05-04}}
<!--
==== 101 哲学理論 ====
==== 102 哲学史 ====
==== 103 参考図書 ====
==== 104 論文集・評論集・講演集 ====
==== 105 逐次刊行物 ====
==== 106 団体 ====
==== 107 研究法・指導法・哲学教育 ====
==== 108 叢集・全集・選集 ====
=== 110 哲学各論 ===
==== 111 形而上学・存在論 ====
==== 112 自然哲学・宇宙論 ====
==== 113 人生観・世界観 ====
==== 114 人間学 ====
==== 115 認識論 ====
==== 116 論理学・弁証法・方法論 ====
==== 117 価値哲学 ====
==== 118 文化哲学・技術哲学 ====
-->
=== 120 東洋思想 ===
==== 121 日本思想 ====
==== 122 中国思想・中国哲学 ====
*[[論語巻第一]]
==== 123 経書 ====
==== 124 先秦思想・諸子 ====
==== 125 中世思想・近代思想 ====
==== 126 インド哲学・バラモン教 ====
==== 129 その他のアジア・アラブ哲学 ====
<!--
=== 130 西洋哲学 ===
==== 131 古代哲学 ====
==== 132 中世哲学 ====
==== 133 近代哲学 ====
==== 134 ドイツ・オーストリア哲学 ====
==== 135 フランス・オランダ哲学 ====
==== 136 スペイン・ポルトガル哲学 ====
==== 137 イタリア哲学 ====
==== 138 ロシア哲学 ====
==== 139 その他の哲学 ====
-->
=== 140 心理学 ===
*[[心理学]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 141 普通心理学・心理各論 ====
==== 143 発達心理学 ====
==== 145 異常心理学 ====
==== 146 臨床心理学・精神分析学 ====
==== 147 超心理学・心霊研究 ====
==== 148 相法・易占 ====
==== 149 応用心理学 ====
-->
=== 150 倫理学・道徳 ===
*[[倫理学]]
==== 151 倫理各論 ====
==== 152 家庭倫理・性倫理 ====
==== 153 職業倫理 ====
==== 154 社会倫理 ====
==== 155 国体論・詔勅 ====
==== 156 武士道 ====
==== 157 報徳教・石門心学 ====
==== 158 その他の特定主題 ====
==== 159 人生訓・教訓 ====
<!--
=== 160 宗教 ===
==== 161 宗教学・宗教思想 ====
==== 162 宗教史・事情 ====
==== 163 原始宗教・宗教民族学 ====
==== 164 神話・神話学 ====
===== 164.31 ギリシャ神話 =====
==== 165 比較宗教 ====
==== 166 道教 ====
==== 167 イスラーム ====
==== 168 ヒンドゥー教・ジャイナ教 ====
==== 169 その他の宗教・新興宗教 ====
=== 170 神道 ===
==== 171 神道思想・神道説 ====
==== 172 神祇・神道史 ====
==== 173 神典 ====
==== 174 信仰録・説教集 ====
==== 175 神社・神職 ====
==== 176 祭祀 ====
==== 177 布教・伝道 ====
==== 178 各教派・教派神道 ====
=== 180 仏教 ===
==== 181 仏教教理・仏教哲学 ====
==== 182 仏教史 ====
==== 183 経典 ====
==== 184 法話・説教集 ====
==== 185 寺院・僧職 ====
==== 186 仏会 ====
==== 187 布教・伝道 ====
==== 188 各宗 ====
=== 190 キリスト教 ===
==== 191 教義・キリスト教神学 ====
==== 192 キリスト教史・迫害史 ====
==== 193 聖書 ====
==== 194 信仰録・説教集 ====
==== 195 教会・聖職 ====
==== 196 典礼・祭式・礼拝 ====
==== 197 布教・伝道 ====
==== 198 各教派・教会史 ====
==== 199 ユダヤ教 ====
-->
== 2類 歴史 ==
=== 200 歴史 ===
==== 201 歴史学 ====
*[[歴史学]]
<!--
==== 202 歴史補助学 ====
==== 203 参考図書 ====
==== 204 論文集・評論集・講演集 ====
==== 205 逐次刊行物 ====
==== 206 団体 ====
==== 207 研究法・指導法・歴史教育 ====
==== 208 叢書・全集・選集 ====
-->
==== 209 世界史・文化史 ====
*[[世界史]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
=== 210 日本史 ===
*[[日本史]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
===== 210.027 古銭学 =====
==== 211 北海道地方 ====
==== 212 東北地方 ====
==== 213 関東地方 ====
==== 214 北陸地方 ====
==== 215 中部地方 ====
==== 216 近畿地方 ====
==== 217 中国地方 ====
==== 218 四国地方 ====
==== 219 九州地方 ====
-->
=== 220 アジア史・東洋史 ===
<!--
==== 221 朝鮮 ====
-->
==== 222 中国 ====
*[[中国史]]{{進捗|25%|2005-12-01}}
<!--
==== 223 東南アジア ====
==== 224 インドネシア ====
==== 225 インド ====
===== 225.97 モルジブ =====
==== 229 アジアロシア ====
=== 230 ヨーロッパ史・西洋史 ===
==== 231 古代ギリシア ====
==== 232 古代ローマ ====
==== 233 イギリス・英国 ====
==== 234 ドイツ・中欧 ====
==== 235 フランス ====
==== 236 スペイン イスパニア ====
==== 237 イタリア ====
==== 238 ロシア ソビエト連邦 独立国家共同体 ====
==== 239 バルカン諸国 ====
=== 240 アフリカ史 ===
==== 241 北アフリカ ====
==== 242 エジプト ====
==== 243 バーバリ諸国 ====
==== 244 西アフリカ ====
==== 245 東アフリカ ====
==== 248 南アフリカ ====
==== 249 インド洋のアフリカ諸島 ====
=== 250 北アメリカ史 ===
==== 251 カナダ ====
==== 253 アメリカ合衆国 ====
==== 255 ラテンアメリカ 中南米 ====
==== 256 メキシコ ====
==== 257 中央アメリカ 中米諸国 ====
==== 259 西インド諸島 ====
=== 260 南アメリカ史 ===
==== 261 北部諸国 カリブ沿海諸国 ====
==== 262 ブラジル ====
==== 263 パラグアイ ====
==== 264 ウルグアイ ====
==== 265 アルゼンチン ====
==== 266 チリ ====
==== 267 ボリビア ====
==== 268 ペルー ====
=== 270 オセアニア史・両極地方史 ===
==== 271 オーストラリア ====
==== 272 ニュージーランド ====
==== 273 メラネシア ====
==== 274 ミクロネシア ====
==== 275 ポリネシア ====
==== 276 ハワイ ====
==== 277 両極地方 ====
==== 278 北極 北極地方 ====
==== 279 南極 南極地方 ====
=== 280 伝記 ===
==== 281 日本 ====
==== 282 アジア ====
==== 283 ヨーロッパ ====
==== 284 アフリカ ====
==== 285 北アフリカ ====
==== 286 南アフリカ ====
==== 287 オセアニア・両極地方 ====
==== 288 系譜・家史・皇室 ====
==== 289 個人伝記 ====
-->
=== 290 地理・地誌・紀行 ===
*[[地理学]]{{進捗|00%|2005-05-04}}
<!--
==== 290.93 旅行案内記 ====
-->
== 3類 社会科学 ==
<!--
=== 300 社会科学 ===
==== 301 理論・方法論 ====
==== 302 政治・経済・社会・文化事情 ====
==== 303 参考図書 ====
==== 304 論文集・評論集・講演集 ====
==== 305 逐次刊行物 ====
==== 306 団体 ====
==== 307 研究法・指導法・社会科学教育 ====
==== 308 叢書・全集・選集 ====
==== 309 社会思想 ====
=== 310 政治 ===
==== 311 政治学 ====
==== 312 政治史・事情 ====
==== 313 国家の形態・政治体制 ====
==== 314 議会 ====
==== 315 政党・政治結社 ====
==== 316 国家と個人・宗教・民族 ====
==== 317 行政 ====
==== 318 地方自治・地方行政 ====
==== 319 外交・国際問題 ====
-->
=== 320 法律 ===
==== 321 法学 ====
*[[法学]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
==== 322 法制史 ====
*[[法制史]]
==== 323 憲法 ====
*[[憲法]]
==== 324 民法 ====
*[[民法]]
==== 325 商法 ====
*[[商法]]
==== 326 刑法・刑事法 ====
*[[刑法]]
==== 327 司法・訴訟手続法 ====
*[[民事訴訟法]]
*[[刑事訴訟法]]
==== 328 諸法 ====
*[[教育基本法]]
*[[知的財産権法]]
==== 329 国際法 ====
*[[国際法]]
=== 330 経済 ===
==== 331 経済学・経済思想 ====
*[[経済学]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[経済学基礎]]
==== 332 経済史・事情・経済体制 ====
==== 333 経済政策・国際経済 ====
==== 334 人口・土地・資源 ====
==== 335 企業・経営 ====
==== 336 経営管理 ====
*[[公認会計士試験]]
==== 337 貨幣・通貨 ====
==== 338 金融・銀行・信託 ====
==== 339 保険 ====
=== 340 財政 ===
<!--
==== 341 財政学・財政思想 ====
==== 342 財政史・事情 ====
==== 343 財政政策・財政行政 ====
==== 344 予算・決算 ====
==== 345 租税 ====
==== 347 公債・国債 ====
==== 348 専売・国有財産 ====
==== 349 地方財政 ====
=== 350 統計 ===
==== 351 日本 ====
==== 358 人口統計・国勢調査 ====
==== 359 各種の統計書 ====
-->
=== 360 社会 ===
<!--
==== 361 社会学 ====
==== 362 社会史・社会体制 ====
==== 364 社会保障 ====
==== 365 生活・消費者問題 ====
==== 366 労働経済・労働問題 ====
==== 367 家族問題、男性・女性問題、老人問題 ====
==== 368 社会病理 ====
-->
==== 369 社会福祉 ====
===== 369.3 災害 災害救助 =====
*[[防災]]{{進捗|25%|2006-04-06}}
=== 370 教育 ===
<!--
==== 371 教育学、教育思想 ====
===== 371.42 登校拒否・いじめ =====
-->
==== 372 教育史・事情 ====
*[[教育勅語]]{{進捗|75%|2005-05-04}}
<!--
==== 373 教育政策、教育制度、教育行財政 ====
-->
==== 374 学校経営・管理、学校保健 ====
===== 374.48 学校行事 =====
*[[運動会]]
==== 375 教育課程、学習指導、教科別教育 ====
*[[学校教育]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[生活と進路]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
===== 374.9 教科書、教科書検定 =====
*[[小学校の学習]]{{進捗|50%|2023-09-25}}
*[[中学校の学習]]{{進捗|50%|2023-09-25}}
*[[高等学校の学習]]{{進捗|00%|2023-09-25}}
**[[高等学校の学習/旧課程]]{{進捗|25%|2023-09-25}}
<!--
* [[小学校算数]] {{進捗|25%|2005-05-04}}
* [[中学校数学]] {{進捗|50%|2005-05-10}}
* [[高等学校世界史A]] {{進捗|25%|2015-08-30}}
* [[高等学校地理B]] {{進捗|25%|2005-11-1}}
* [[高等学校現代社会]] {{進捗|25%|2015-08-30}}
* [[高等学校政治経済]] {{進捗|50%|2015-08-30}}
*[[高等学校倫理]]
*[[高等学校数学]]
*[[高等学校数学基礎]]{{進捗|100%|2005-05-04}}
*[[高等学校数学I]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
*[[高等学校数学III]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
*[[高等学校数学B]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
*[[高等学校数学C]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
*[[高等学校理科総合B]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
*[[高等学校物理]]{{進捗|50%|2005-11-1}}
* [[高等学校化学]] {{進捗|50%|2015-08-30}}
* [[高等学校生物]] {{進捗|50%|2015-08-30}}
* [[高等学校地学]] {{進捗|25%|2015-08-30}}
*[[高等学校情報A]]
*[[高等学校情報B]]
*[[高等学校情報C]]
-->
*[[小・中・高等学校演習]]
*[[検定教科書]]
==== 376 幼児・初等・中等教育 ====
*[[小学校・中学校・高等学校の学習]]
==== 377 大学、高等・専門教育、学術行政 ====
* [[大学受験ガイド]] {{進捗|50%|2015-08-30}}
<!--
==== 378 障害児教育 ====
==== 379 社会教育 ====
=== 380 風俗習慣・民俗学・民族学 ===
==== 382 風俗史・民俗誌、民族誌 ====
==== 383 衣食住の習俗 ====
==== 384 社会・家庭生活の習俗 ====
==== 385 通過儀礼、冠婚葬祭 ====
==== 386 年中行事、祭礼 ====
==== 387 民間信仰、迷信(俗信) ====
==== 388 伝説、民話(昔話) ====
==== 389 民族学、文化人類学 ====
=== 390 国防・軍事 ===
==== 391 戦争、戦略、戦術 ====
==== 392 国防史・事情、軍事史・事情 ====
==== 393 国防政策・行政・法令 ====
==== 394 軍事医学、兵食 ====
==== 395 軍事施設、軍需品 ====
==== 396 陸軍 ====
==== 397 海軍 ====
==== 398 空軍 ====
==== 399 古代兵法、軍学 ====
-->
== 4類 自然科学 ==
<!--
=== 400 自然科学 ===
==== 401 科学理論・科学哲学 ====
==== 402 科学史・事情 ====
==== 403 参考図書 ====
==== 404 論文集・評論集・講演集 ====
==== 405 逐次刊行物 ====
==== 406 団体 ====
==== 407 研究法・指導法・科学教育 ====
==== 408 叢書・全集・選集 ====
==== 409 科学技術政策・科学技術行政 ====
-->
=== 410 数学 ===
* [[数学]]
* [[初等数学]]
* [[初等数学公式集]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
* [[初等数学演習]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
* [[初等数学記号集]]
* [[Wikibooks:初等数学用語索引|初等数学用語索引]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
* [[中等数学]]
* [[高等数学]]
* [[大学数学公式集]]
==== 411 代数学 ====
===== 411.6 集合論 =====
*[[公理的集合論]]
==== 412 数論 ====
==== 413 解析学 ====
* [[解析学]]
* [[解析学基礎]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
==== 414 幾何学 ====
==== 415 位相数学 ====
* [[位相幾何学]]{{進捗|25%|2008-09-03}}
==== 417 確率論、数理統計学 ====
* [[統計学基礎]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 418 計算法 ====
==== 419 和算、中国算法 ====
-->
=== 420 物理学 ===
*[[物理学]]
==== 421 理論物理学 ====
<!--
===== 421.1 基礎理論 エーテル理論 =====
-->
===== 421.2 相対性理論 =====
*[[特殊相対論]]
*[[一般相対性理論]]
===== 421.3 量子力学、量子論 =====
*[[場の量子論]]
*[[量子力学]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
===== 421.4 統計力学 =====
*[[統計力学I]]
*[[統計力学II]]
===== 421.5 数理物理学.物理数学 =====
* [[物理数学I]] {{進捗|75%|2023-11-05}}
* [[物理数学II]]
==== 423 力学 ====
*[[解析力学]]
*[[古典力学]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
==== 424 振動学、音響学 ====
*[[振動と波動]]
* [[音響学]]
==== 425 光学 ====
*[[光の偏極]]
==== 426 熱学 ====
*[[熱力学]]
==== 427 電磁気学 ====
*[[電磁気学]]
<!--
==== 428 物性物理学 ====
==== 429 原子物理学 ====
-->
=== 430 化学 ===
<!--
==== 431 物理化学. 理論化学 ====
==== 432 実験化学 ====
==== 433 分析化学 ====
==== 434 合成化学 ====
-->
==== 435 無機化学 ====
*[[無機化学]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 436 金属元素とその化合物 ====
-->
==== 437 有機化学 ====
*[[有機化学]]{{進捗|25%|2005-05-21}}
<!--
==== 438 環式化合物の化学 ====
==== 439 天然物質の化学 ====
-->
=== 440 天文学・宇宙科学 ===
* [[天文学]]{{進捗|25%|2005-12-01}}
<!--
==== 441 理論天文学・数理天文学 ====
==== 442 実地天文学・天体観測法 ====
==== 443 恒星・恒星天文学 ====
==== 444 太陽・太陽物理学 ====
==== 445 惑星・衛星 ====
==== 446 月 ====
==== 447 彗星・流星 ====
==== 448 地球・天文地理学 ====
==== 449 時法・暦学 ====
-->
=== 450 地球科学・地学 ===
* [[地球科学]]{{進捗|25%|2005-12-01}}
==== 451 気象学 ====
==== 452 海洋学 ====
==== 453 地震学 ====
===== 453.38 地震予知 =====
==== 454 地形学 ====
==== 455 地質学 ====
==== 456 地史学・層位学 ====
==== 457 古生物学・化石 ====
*[[古生物学]]
==== 458 岩石学 ====
==== 459 鉱物学 ====
=== 460 生物化学・一般生物学 ===
*[[生物学の研究技術]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 461 理論生物学・生命論 ====
==== 462 生物地理・生物誌 ====
==== 463 細胞学 ====
==== 464 生化学 ====
==== 465 微生物学 ====
==== 467 遺伝学 ====
===== 467.25 遺伝子組み換え =====
==== 468 生態学 ====
==== 469 人類学 ====
-->
=== 470 植物学 ===
*[[植物学]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 471 一般植物学 ====
==== 472 植物地理・植物誌 ====
==== 473 葉状植物 ====
==== 474 藻類・菌類 ====
==== 475 コケ植物 ====
==== 476 シダ植物 ====
==== 477 種子植物 ====
==== 478 裸子植物 ====
==== 479 被子植物 ====
=== 480 動物学 ===
==== 481 一般動物学 ====
==== 482 動物地理・動物誌 ====
==== 483 無脊椎動物 ====
==== 484 軟体動物・貝類学 ====
==== 485 節足動物 ====
==== 486 昆虫類 ====
==== 487 脊椎動物 ====
==== 488 鳥類 ====
==== 489 哺乳類 ====
-->
=== 490 医学 ===
* [[医学]]
*[[OsiriX_オンライン解説文書]]{{進捗|75%|2005-05-04}}
==== 491 基礎医学 ====
*[[生理学]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
*[[解剖学]]{{進捗|25%|2006-11-09}}
*[[神経解剖学]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
*[[組織学]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
*[[微生物学]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
*[[病理学]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
<!--
==== 492 臨床医学 ====
-->
==== 493 内科学 ====
*[[内科学 呼吸器]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
<!--
==== 494 外科学 ====
==== 495 産科学,婦人科学 ====
==== 496 眼科学,耳鼻咽喉科学 ====
==== 497 歯科学 ====
==== 498 衛生学,公衆衛生学,予防医学 ====
-->
==== 499 薬学 ====
*[[薬理学]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
==5類 技術・工学・工業 ==
=== 500 技術・工学 ===
==== 501 工業基礎学 ====
==== 502 技術史・工学史 ====
==== 503 参考図書 ====
==== 504 論文集・評論集・講演集 ====
==== 505 逐次刊行物 ====
==== 506 団体 ====
==== 507 研究法・指導法・技術教育 ====
==== 508 叢書・全集・選集 ====
==== 509 工業・工業経済 ====
=== 510 建設工学・土木工学 ===
==== 511 土木力学・建設材料 ====
==== 512 測量 ====
==== 513 土木設計・施工法 ====
==== 514 道路工学 ====
==== 515 橋梁工学 ====
==== 516 鉄道工学 ====
==== 517 河海工学・河川工学 ====
==== 518 衛生工学・都市工学 ====
===== 518.523 ごみの再利用 =====
==== 519 公害・環境工学 ====
===== 519.12 環境法 =====
* [[環境法]]
=== 520 建築学 ===
==== 521 日本の建築 ====
==== 522 東洋の建築・アジアの建築 ====
==== 523 西洋の建築・その他の様式の建築 ====
==== 524 建築構造 ====
==== 525 建築計画・施工 ====
==== 526 各種の建築 ====
==== 527 住宅建築 ====
==== 528 建築設備・設備工学 ====
==== 529 建築意匠・装飾 ====
=== 530 機械工学・原子力工学 ===
==== 531 機械力学・材料・設計 ====
==== 532 機械工作・工作機械 ====
==== 533 熱機関・熱工学 ====
==== 534 流体機械・流体工学 ====
==== 535 精密機器・光学機器 ====
==== 536 運輸工学・車輌・運搬機械 ====
==== 537 自動車工学 ====
===== 537.25 電気自動車 =====
==== 538 航空宇宙工学 ====
==== 539 原子力工学 ====
=== 540 電気工学・電子工学 ===
==== 540 電気工学 ====
==== 541 電気回路・計測・材料 ====
==== 542 電気機器 ====
==== 543 発電 ====
==== 544 送電・変電・配電 ====
==== 545 電灯・照明・電熱 ====
==== 546 電気鉄道 ====
==== 547 通信工学・電気通信 ====
*[[スタイルシート言語]]
==== 548 情報工学 ====
==== 549 電子工学 ====
=== 550 海洋工学・船舶工学 ===
==== 551 理論造船学 ====
==== 552 船体構造・材料・施工 ====
==== 553 船体艤装・船舶設備 ====
==== 554 舶用機関[造機] ====
==== 555 船舶修理・保守 ====
==== 556 各種の船舶・艦艇 ====
==== 557 航海・航海学 ====
==== 558 海洋開発 ====
==== 559 兵器、軍事工学 ====
=== 560 金属工学・鉱山工学 ===
==== 561 採鉱・選鉱 ====
==== 562 各種の金属鉱床・採掘 ====
==== 563 冶金・合金 ====
==== 564 鉄鋼 ====
==== 565 非鉄金属 ====
==== 566 金属加工・製造冶金 ====
==== 567 石炭 ====
==== 568 石油 ====
==== 569 非金属鉱物・土石採取業 ====
=== 570 化学工業 ===
==== 571 化学工学・化学機器 ====
==== 572 電気化学工業 ====
==== 573 セラミックス・窯業・珪酸塩化学工業 ====
==== 574 化学薬品 ====
==== 575 燃料・爆発物 ====
==== 576 油脂類 ====
==== 577 染料 ====
==== 578 高分子化学工業 ====
==== 579 その他の化学工業 ====
=== 580 製造工業 ===
==== 581 金属製品 ====
==== 582 事務機器・家庭機器・楽器 ====
==== 583 木工業・木製品 ====
==== 584 皮革工業・皮革製品 ====
==== 585 パルプ・製紙工業 ====
==== 586 繊維工学 ====
==== 587 染色加工・染色業 ====
==== 588 食品工業 ====
==== 589 その他の雑工業 ====
=== 590 家政学・生活科学 ===
<!--
==== 591 家庭経済・経営 ====
==== 592 家庭理工学 ====
==== 593 衣服・裁縫 ====
==== 594 手芸 ====
==== 595 理容・美容 ====
===== 595.6 痩身法 =====
==== 596 食品・料理 ====
*[[料理本]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 597 住居・家具調度 ====
==== 598 家庭衛生 ====
==== 599 育児 ====
-->
==6類 産業 ==
<!--
=== 600 産業 ===
==== 601 産業政策・行政・総合開発 ====
==== 602 産業史・事情・物産誌 ====
==== 603 参考図書 ====
==== 604 論文集・評論集・講演集 ====
==== 605 逐次刊行物 ====
==== 606 団体 ====
==== 607 研究法・指導法・産業教育 ====
==== 608 叢書・全集・選集 ====
==== 609 度量衡、計量法 ====
=== 610 農業 ===
==== 611 農業経済 ====
==== 612 農業史・事情 ====
==== 613 農業基礎学 ====
==== 614 農業工学 ====
==== 615 作物栽培・作物学 ====
==== 616 食用作物 ====
==== 617 工芸作物 ====
==== 618 繊維作物 ====
==== 619 農産物製造・加工 ====
-->
=== 620 園芸 ===
<!--
==== 621 園芸経済・行政・経営 ====
==== 622 園芸史・事情 ====
==== 623 園芸植物学・病虫害 ====
==== 624 温室・温床・園芸用具 ====
==== 625 果樹園芸 ====
-->
==== 626 蔬菜園芸 ====
*[[ダイズの栽培]]{{進捗|00%|2007-02-21}}
==== 627 花卉園芸[草花] ====
*[[サボテンの栽培]]{{進捗|00%|2007-02-21}}
<!--
==== 628 園芸利用 ====
==== 629 造園 ====
=== 630 蚕糸業 ===
==== 631 蚕糸経済・行政・経営 ====
==== 632 蚕糸業史・事情 ====
==== 633 蚕学・蚕業基礎学 ====
==== 634 蚕種 ====
==== 635 飼育法 ====
==== 636 くわ・栽桑 ====
==== 637 蚕室・蚕具 ====
==== 638 まゆ ====
==== 639 製糸・生糸・蚕糸利用 ====
-->
=== 640 畜産業 ===
<!--
==== 641 畜産経済・行政・経営 ====
==== 642 畜産史・事情 ====
==== 643 家畜の繁殖・家畜飼料 ====
==== 644 家畜の管理・畜舎・用具 ====
==== 645 家畜・畜産動物各論 ====
-->
==== 646 家禽各論・飼鳥 ====
*[[ホンセイインコ類の飼育]]{{進捗|00%|2007-02-21}}
<!--
===== 646.9 みつばち・昆虫 =====
==== 648 畜産製造・畜産物 ====
==== 649 獣医学・比較医学 ====
==== 649 獣医学 ====
=== 650 林業 ===
==== 651 林業経済・行政・経営 ====
==== 652 森林史・林業史・事情 ====
==== 653 森林立地・造林 ====
==== 654 森林保護 ====
==== 655 森林施業 ====
==== 656 森林工学 ====
==== 657 森林利用・林産物・木材学 ====
==== 658 林産製造 ====
==== 659 狩猟 ====
=== 660 水産業 ===
==== 661 水産経済・行政・経営 ====
==== 662 水産業および漁業史・事情 ====
==== 663 水産基礎学 ====
==== 664 漁労・漁業各論 ====
==== 665 漁船・漁具 ====
==== 666 水産増殖・養殖業 ====
==== 667 水産製造・水産食品 ====
==== 668 水産物利用・水産利用工業 ====
==== 669 製塩・塩業 ====
=== 670 商業 ===
==== 671 商業政策・行政 ====
==== 672 商業史・事情 ====
==== 673 商業経営・商店 ====
==== 674 広告・宣伝 ====
==== 675 マーケティング ====
==== 676 取引所 ====
==== 678 貿易 ====
=== 680 運輸・交通 ===
==== 681 交通政策・行政・経営 ====
==== 682 交通史・事情 ====
==== 683 海運 ====
==== 684 内水・運河交通 ====
==== 685 陸運・自動車運送 ====
==== 686 鉄道 ====
==== 687 航空運送 ====
==== 688 倉庫業 ====
==== 689 観光事業 ====
=== 690 通信事業 ===
==== 691 通信政策・行政・法令 ====
==== 692 通信事業史・事情 ====
==== 693 郵便・郵政事業 ====
==== 694 電気通信事業 ====
==== 699 放送事業 ====
===== 699.39 アナウンサー =====
-->
== 7類 芸術 ==
<!--
=== 700 芸術・美術 ===
==== 701 芸術理論・美学 ====
==== 702 芸術史・美術史 ====
==== 703 参考図書[レファレンスブック] ====
==== 704 論文集・評論集・講演集 ====
==== 705 逐次刊行物 ====
==== 706 団体 ====
==== 707 研究法・指導法・芸術教育 ====
==== 708 叢書・全集・選集 ====
==== 709 芸術政策・文化財 ====
=== 710 彫刻 ===
==== 711 彫塑材料・技法 ====
==== 712 彫刻史・各国の彫刻 ====
==== 713 木彫 ====
==== 714 石彫 ====
==== 715 金属彫刻・鋳造 ====
==== 717 粘土彫刻・塑造 ====
==== 708 仏像 ====
==== 709 オブジェ ====
=== 720 絵画 ===
==== 721 日本画 ====
==== 722 東洋画 ====
==== 723 洋画 ====
==== 724 絵画材料・技法 ====
==== 725 素描・描画 ====
==== 726 漫画、挿絵、童画 ====
==== 727 グラフィックデザイン、図案 ====
==== 728 書道 ====
=== 730 版画 ===
==== 731 版画材料・技法 ====
==== 732 版画史・各国の版画 ====
==== 733 木版画 ====
==== 734 石版画 ====
==== 735 銅版画・鋼版画 ====
==== 736 リノリウム版画・ゴム版画 ====
==== 737 写真版画・孔版画 ====
==== 739 印章、篆刻、印譜 ====
-->
=== 740 写真 ===
<!--
==== 742 写真器械・材料 ====
==== 743 撮影技術 ====
-->
==== 744 現像・印画 ====
*[[白黒写真の暗室作業]]{{進捗|75%|2007-05-10}}
<!--
==== 745 複写技術 ====
==== 746 特殊写真 ====
==== 747 写真の応用 ====
==== 748 写真集 ====
==== 749 印刷 ====
=== 750 工芸 ===
==== 751 陶磁工芸 ====
==== 752 漆工芸 ====
==== 753 染織工芸 ====
==== 754 木竹工芸 ====
==== 755 宝石・牙角・皮革工芸 ====
==== 756 金工芸 ====
==== 757 デザイン・装飾美術 ====
==== 758 美術家具 ====
==== 759 人形・玩具 ====
-->
=== 760 音楽 ===
==== 761 音楽の一般理論・音楽学 ====
* [[楽典]]
* [[和声学]]
* [[楽式]]
==== 762 音楽史・各国の音楽 ====
* [[西洋音楽史]]
<!--
==== 763 楽器・器楽 ====
==== 764 器楽合奏 ====
==== 765 宗教音楽・聖楽 ====
==== 766 劇音楽 ====
==== 767 声楽 ====
==== 768 邦楽 ====
==== 769 舞踊、バレエ ====
=== 770 演劇 ===
==== 771 劇場・演出・演技 ====
==== 772 演劇史・各国の演劇 ====
==== 773 能楽、狂言 ====
==== 774 歌舞伎 ====
==== 775 各種の演劇 ====
==== 777 人形劇 ====
==== 778 映画 ====
==== 779 大衆演芸 ====
-->
=== 780 スポーツ・体育 ===
<!--
==== 781 体操、遊戯 ====
==== 782 陸上競技 ====
-->
==== 783 球技 ====
*[[サッカー]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
*[[テニス]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
*[[野球]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
<!--
==== 784 冬季競技 ====
-->
==== 785 水上競技 ====
*[[セーリング]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
==== 786 戸外レクリエーション ====
===== 786.1 登山・山岳競技 =====
*[[登山]]
==== 787 釣魚、遊猟 ====
==== 788 相撲、拳闘、競馬 ====
*[[相撲]]{{進捗|25%|2006-2-23}}
*[[競馬]]{{進捗|25%|2023-09-25}}
==== 789 武術 ====
*[[剣道]]{{進捗|25%|2007-6-30}}
=== 790 諸芸・娯楽 ===
<!--
==== 791 茶道 ====
==== 792 香道 ====
==== 793 花道 ====
==== 794 撞球 ====
-->
==== 795 囲碁 ====
*[[囲碁]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
==== 796 将棋 ====
*[[将棋]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
<!--
==== 797 射倖ゲーム ====
-->
==== 798 室内娯楽 ====
*[[トランプ]]<!--798.2-->
*[[トランプ/トランプ教科書]]
*[[麻雀]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
*[[チェス]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
===== 798.5 テレビゲーム =====
*[[Minecraft]]
<!--
==== 799 ダンス ====
-->
== 8類 言語 ==
=== 800 言語 ===
==== 801 言語学 ====
*[[生成文法]]
*[[語学]]
**[[琉球語]]
<!--
==== 809 言語生活 ====
-->
=== 810 日本語 ===
*[[日本語]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 811 音声、音韻、文字 ====
==== 812 語源、意味 ====
==== 813 辞典 ====
==== 814 語彙 ====
==== 815 文法、語法 ====
==== 816 文章、文体、作文 ====
==== 817 読本、解釈、会話 ====
-->
==== 818 方言、訛語 ====
*[[北海道方言]]
*[[讃岐弁]]
*[[沖縄語]]
<!--
=== 820 中国語 ===
-->
==== 829 その他の東洋の諸言語 ====
*[[朝鮮語]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[ペルシア語]]
=== 830 英語 ===
*[[英語]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
=== 840 ドイツ語 ===
*[[ドイツ語]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
<!--
==== 849 その他のゲルマン言語 ====
-->
=== 850 フランス語 ===
*[[フランス語]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 859 プロヴァンス語 ====
=== 860 スペイン語 ===
==== 869 ポルトガル語 ====
=== 870 イタリア語 ===
-->
==== 879 その他のロマンス諸語 ====
*[[ルーマニア語]]
<!--
=== 880 ロシア語 ===
==== 889 その他のスラヴ諸語 ====
=== 890 その他の諸言語 ===
-->
==== 891 ギリシア語 ====
*[[ギリシア語]]
==== 892 ラテン語 ====
*[[ラテン語]]{{進捗|50%|2006-03-21}}
==== 893 その他のヨーロッパの諸言語 ====
*[[デンマーク語]]{{進捗|25%|2005-12-01}}
<!--
==== 894 アフリカの諸言語 ====
==== 895 アメリカの諸言語 ====
==== 897 オーストラリアの諸言語 ====
-->
==== 899 国際語 ====
*[[エスペラント]]{{進捗|00%|2005-05-04}}
== 9類 文学 ==
=== 900 文学 ===
*[[古典文学]]{{進捗|25%|2005-05-15}}
<!--
==== 909 児童文学研究 ====
-->
=== 910 日本文学 ===
<!--
==== 911 詩歌 ====
==== 912 戯曲 ====
-->
==== 913 小説、物語 ====
*[[竹取物語]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
==== 914 評論、エッセイ、随筆 ====
*[[方丈記]]
<!--
==== 915 日記、書簡、紀行 ====
==== 916 記録、手記、ルポルタージュ ====
==== 917 箴言、アフォリズム、寸言 ====
==== 918 作品集 ====
==== 919 漢詩文、日本漢文学 ====
-->
=== 920 中国文学 ===
*[[漢詩]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 929 その他の東洋文学 ====
=== 930 英文学・米文学 ===
=== 940 ドイツ文学 ===
==== 949 その他のゲルマン文学 ====
=== 950 フランス文学 ===
==== 959 プロヴァンス文学 ====
=== 960 スペイン文学 ===
==== 969 ポルトガル文学 ====
=== 970 イタリア文学 ===
==== 979 その他のロマンス文学 ====
=== 980 ロシア文学・ソヴィエト文学 ===
==== 989 その他のスラヴ文学 ====
-->
=== 990 その他の諸文学 ===
==== 991 ギリシア文学 ====
==== 992 ラテン文学 ====
*[[ガリア戦記]]
==== 993 その他のヨーロッパ文学 ====
==== 994 アフリカ文学 ====
==== 995 アメリカ先住民語の文学 ====
==== 997 オーストラリア先住民語の文学 ====
==== 999 国際語による文学 ====
== 関連項目 ==
*[[w:日本十進分類法#要目表(第3次区分表)]]
== 外部リンク ==
*<del>[http://www.ndl.go.jp/jp/library/data/zan9.html 日本十進分類法新訂9版分類基準]([http://www.ndl.go.jp/ 国立国会図書館])</del>リンク切れ
*[https://www.kotono8.com/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%8D%81%E9%80%B2%E5%88%86%E9%A1%9E%E6%B3%95%EF%BC%88%E8%A9%B3%E7%B4%B0%EF%BC%89 閾ペディアことのは 日本十進分類法(詳細)]
[[Category:日本十進分類法|*]]
[[it:Wikibooks:Classificazione decimale Dewey]]
r90trdrdflvdwkibi9rq17hbz6ixypb
301415
301413
2026-07-09T11:49:08Z
Tkkn46tkkn46
89925
/* 007.64 コンピュータプログラミング */ Node.js を追加
301415
wikitext
text/x-wiki
__NOTOC__
[[メインページ|ウィキブックス]]の全ての書籍を[[:w:日本十進分類法|日本十進分類法]]に従って分類したものです。
{{進捗状況}}
== 0類 総記 ==
=== 000 総記 ===
*[[ウィキペディアの書き方]]
<!--
==== 002 知識・学問・学術 ====
-->
==== 007 情報科学 ====
*[[情報技術]]
<!--
===== 007.1 情報理論 =====
===== 007.2 歴史 事情 =====
===== 007.3 情報と社会 =====
===== 007.4 情報源 =====
===== 007.5 ドキュメンテーション 情報管理 =====
-->
===== 007.6 データ処理 情報処理 =====
*[[情報処理技術者試験の概要]]
*[[初級システムアドミニストレータ]]
<!--
====== 007.61 システム分析 システム設計 ======
-->
====== 007.63 コンピュータシステム ソフトウェア ======
*[[Freenet]]
*[[Maxima]]
*[[Microsoft Office]]
*[[Mizar]]
*[[OpenOffice.org]]
*[[OSとアプリケーション]]
*[[TeX/LaTeX入門]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[vi]]
<!--
======= 007.632 エキスパートシステム =======
-->
====== 007.634 オペレーティングシステム ======
*[[ChromeOS]]
*[[Linuxシステム管理]]
*[[Linuxハードウェア]]
*[[MS-DOS/PC DOS入門]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
*[[UNIX/Linux入門]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
======= 007.635 漢字処理システム =======
-->
====== 007.637 図形処理ソフトウェア ======
* [[Inkscape]]
====== 007.64 コンピュータプログラミング ======
*[[機械語]]
*[[ゲームプログラミング]]
*[[数式処理システム]]
*[[ソフトウェア開発技術者]]
*[[プログラミング]]
*[[BASIC]]
*[[Blender 3D]]
*[[C言語]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[CPlusPlus|C++]]
*[[CSS]]{{進捗|00%|2005-06-17}}
*[[CGI]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[GNOMEフレームワーク]]
*[[Go]]
*[[HTML]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[Java]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[JavaScript]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[Lisp]]
*[[Node.js]]
*[[OpenGL]]
*[[OSS開発ツール]]
*[[Perl]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[PHP]]
*[[Ruby]]
*[[Scratch]]
*[[Scheme]]
*[[SVG]]
*[[Swift]]
*[[Xプログラミング]]
<!--
======= 007.642 CG技術 =======
====== 007.65 各種の記憶媒体 ======
====== 007.68 情報検索 機械検索 ======
-->
===== 007.7 情報システム =====
*[[LANとインターネット]]
*[[NTP入門]]
*[[TCP/IP入門]]
<!--
=== 010 図書館・図書館学 ===
==== 011 図書館政策・図書館行財政 ====
==== 012 図書館建築・図書館整備 ====
==== 013 図書館管理 ====
==== 014 資料の収集・資料の整理・資料の保管 ====
==== 015 図書館奉仕・図書館活動 ====
==== 016 各種の図書館 ====
==== 017 学校図書館 ====
==== 018 専門図書館 ====
==== 019 読書・読書法 ====
-->
=== 020 図書・書誌学 ===
==== 021 著作・編集 ====
===== 021.4 編集 編纂 =====
*[[ウィキペディアの書き方 入門編]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
<!--
==== 022 写本・刊本・造本 ====
==== 023 出版 ====
-->
==== 024 図書の販売 ====
*[[同人誌即売会参加方法]]{{進捗|75%|2005-05-04}}
<!--
==== 025 一般書誌・全国書誌 ====
==== 026 稀書目録・善本目録 ====
==== 027 特種目録 ====
==== 028 選定図書目録・参考図書目録 ====
==== 029 蔵書目録・総合目録 ====
-->
=== 030 百科事典 ===
==== 031 日本語 ====
*[[w:mainpage|w:wikipedia]]
===== 031.3 日用便覧 =====
*[[ジョーク集]]
<!--
==== 039 用語索引<一般> ====
=== 040 一般論文集・一般講演集 ===
==== 041 日本語 ====
==== 049 雑著 ====
=== 050 逐次刊行物 ===
==== 051 日本の雑誌 ====
==== 059 一般年鑑 ====
=== 060 団体 ===
==== 061 学術・研究機関 ====
==== 063 文化交流機関 ====
==== 065 親睦団体・その他の団体 ====
==== 069 博物館 ====
=== 070 ジャーナリズム・新聞 ===
==== 071 日本 ====
=== 080 叢書・全集・選集 ===
==== 081 日本語 ====
==== 089 その他の諸言語 ====
=== 090 貴重書・郷土資料・その他の特別コレクション ===
-->
== 1類 哲学 ==
=== 100 哲学 ===
*[[哲学・思想]]{{進捗|00%|2005-05-04}}
<!--
==== 101 哲学理論 ====
==== 102 哲学史 ====
==== 103 参考図書 ====
==== 104 論文集・評論集・講演集 ====
==== 105 逐次刊行物 ====
==== 106 団体 ====
==== 107 研究法・指導法・哲学教育 ====
==== 108 叢集・全集・選集 ====
=== 110 哲学各論 ===
==== 111 形而上学・存在論 ====
==== 112 自然哲学・宇宙論 ====
==== 113 人生観・世界観 ====
==== 114 人間学 ====
==== 115 認識論 ====
==== 116 論理学・弁証法・方法論 ====
==== 117 価値哲学 ====
==== 118 文化哲学・技術哲学 ====
-->
=== 120 東洋思想 ===
==== 121 日本思想 ====
==== 122 中国思想・中国哲学 ====
*[[論語巻第一]]
==== 123 経書 ====
==== 124 先秦思想・諸子 ====
==== 125 中世思想・近代思想 ====
==== 126 インド哲学・バラモン教 ====
==== 129 その他のアジア・アラブ哲学 ====
<!--
=== 130 西洋哲学 ===
==== 131 古代哲学 ====
==== 132 中世哲学 ====
==== 133 近代哲学 ====
==== 134 ドイツ・オーストリア哲学 ====
==== 135 フランス・オランダ哲学 ====
==== 136 スペイン・ポルトガル哲学 ====
==== 137 イタリア哲学 ====
==== 138 ロシア哲学 ====
==== 139 その他の哲学 ====
-->
=== 140 心理学 ===
*[[心理学]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 141 普通心理学・心理各論 ====
==== 143 発達心理学 ====
==== 145 異常心理学 ====
==== 146 臨床心理学・精神分析学 ====
==== 147 超心理学・心霊研究 ====
==== 148 相法・易占 ====
==== 149 応用心理学 ====
-->
=== 150 倫理学・道徳 ===
*[[倫理学]]
==== 151 倫理各論 ====
==== 152 家庭倫理・性倫理 ====
==== 153 職業倫理 ====
==== 154 社会倫理 ====
==== 155 国体論・詔勅 ====
==== 156 武士道 ====
==== 157 報徳教・石門心学 ====
==== 158 その他の特定主題 ====
==== 159 人生訓・教訓 ====
<!--
=== 160 宗教 ===
==== 161 宗教学・宗教思想 ====
==== 162 宗教史・事情 ====
==== 163 原始宗教・宗教民族学 ====
==== 164 神話・神話学 ====
===== 164.31 ギリシャ神話 =====
==== 165 比較宗教 ====
==== 166 道教 ====
==== 167 イスラーム ====
==== 168 ヒンドゥー教・ジャイナ教 ====
==== 169 その他の宗教・新興宗教 ====
=== 170 神道 ===
==== 171 神道思想・神道説 ====
==== 172 神祇・神道史 ====
==== 173 神典 ====
==== 174 信仰録・説教集 ====
==== 175 神社・神職 ====
==== 176 祭祀 ====
==== 177 布教・伝道 ====
==== 178 各教派・教派神道 ====
=== 180 仏教 ===
==== 181 仏教教理・仏教哲学 ====
==== 182 仏教史 ====
==== 183 経典 ====
==== 184 法話・説教集 ====
==== 185 寺院・僧職 ====
==== 186 仏会 ====
==== 187 布教・伝道 ====
==== 188 各宗 ====
=== 190 キリスト教 ===
==== 191 教義・キリスト教神学 ====
==== 192 キリスト教史・迫害史 ====
==== 193 聖書 ====
==== 194 信仰録・説教集 ====
==== 195 教会・聖職 ====
==== 196 典礼・祭式・礼拝 ====
==== 197 布教・伝道 ====
==== 198 各教派・教会史 ====
==== 199 ユダヤ教 ====
-->
== 2類 歴史 ==
=== 200 歴史 ===
==== 201 歴史学 ====
*[[歴史学]]
<!--
==== 202 歴史補助学 ====
==== 203 参考図書 ====
==== 204 論文集・評論集・講演集 ====
==== 205 逐次刊行物 ====
==== 206 団体 ====
==== 207 研究法・指導法・歴史教育 ====
==== 208 叢書・全集・選集 ====
-->
==== 209 世界史・文化史 ====
*[[世界史]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
=== 210 日本史 ===
*[[日本史]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
===== 210.027 古銭学 =====
==== 211 北海道地方 ====
==== 212 東北地方 ====
==== 213 関東地方 ====
==== 214 北陸地方 ====
==== 215 中部地方 ====
==== 216 近畿地方 ====
==== 217 中国地方 ====
==== 218 四国地方 ====
==== 219 九州地方 ====
-->
=== 220 アジア史・東洋史 ===
<!--
==== 221 朝鮮 ====
-->
==== 222 中国 ====
*[[中国史]]{{進捗|25%|2005-12-01}}
<!--
==== 223 東南アジア ====
==== 224 インドネシア ====
==== 225 インド ====
===== 225.97 モルジブ =====
==== 229 アジアロシア ====
=== 230 ヨーロッパ史・西洋史 ===
==== 231 古代ギリシア ====
==== 232 古代ローマ ====
==== 233 イギリス・英国 ====
==== 234 ドイツ・中欧 ====
==== 235 フランス ====
==== 236 スペイン イスパニア ====
==== 237 イタリア ====
==== 238 ロシア ソビエト連邦 独立国家共同体 ====
==== 239 バルカン諸国 ====
=== 240 アフリカ史 ===
==== 241 北アフリカ ====
==== 242 エジプト ====
==== 243 バーバリ諸国 ====
==== 244 西アフリカ ====
==== 245 東アフリカ ====
==== 248 南アフリカ ====
==== 249 インド洋のアフリカ諸島 ====
=== 250 北アメリカ史 ===
==== 251 カナダ ====
==== 253 アメリカ合衆国 ====
==== 255 ラテンアメリカ 中南米 ====
==== 256 メキシコ ====
==== 257 中央アメリカ 中米諸国 ====
==== 259 西インド諸島 ====
=== 260 南アメリカ史 ===
==== 261 北部諸国 カリブ沿海諸国 ====
==== 262 ブラジル ====
==== 263 パラグアイ ====
==== 264 ウルグアイ ====
==== 265 アルゼンチン ====
==== 266 チリ ====
==== 267 ボリビア ====
==== 268 ペルー ====
=== 270 オセアニア史・両極地方史 ===
==== 271 オーストラリア ====
==== 272 ニュージーランド ====
==== 273 メラネシア ====
==== 274 ミクロネシア ====
==== 275 ポリネシア ====
==== 276 ハワイ ====
==== 277 両極地方 ====
==== 278 北極 北極地方 ====
==== 279 南極 南極地方 ====
=== 280 伝記 ===
==== 281 日本 ====
==== 282 アジア ====
==== 283 ヨーロッパ ====
==== 284 アフリカ ====
==== 285 北アフリカ ====
==== 286 南アフリカ ====
==== 287 オセアニア・両極地方 ====
==== 288 系譜・家史・皇室 ====
==== 289 個人伝記 ====
-->
=== 290 地理・地誌・紀行 ===
*[[地理学]]{{進捗|00%|2005-05-04}}
<!--
==== 290.93 旅行案内記 ====
-->
== 3類 社会科学 ==
<!--
=== 300 社会科学 ===
==== 301 理論・方法論 ====
==== 302 政治・経済・社会・文化事情 ====
==== 303 参考図書 ====
==== 304 論文集・評論集・講演集 ====
==== 305 逐次刊行物 ====
==== 306 団体 ====
==== 307 研究法・指導法・社会科学教育 ====
==== 308 叢書・全集・選集 ====
==== 309 社会思想 ====
=== 310 政治 ===
==== 311 政治学 ====
==== 312 政治史・事情 ====
==== 313 国家の形態・政治体制 ====
==== 314 議会 ====
==== 315 政党・政治結社 ====
==== 316 国家と個人・宗教・民族 ====
==== 317 行政 ====
==== 318 地方自治・地方行政 ====
==== 319 外交・国際問題 ====
-->
=== 320 法律 ===
==== 321 法学 ====
*[[法学]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
==== 322 法制史 ====
*[[法制史]]
==== 323 憲法 ====
*[[憲法]]
==== 324 民法 ====
*[[民法]]
==== 325 商法 ====
*[[商法]]
==== 326 刑法・刑事法 ====
*[[刑法]]
==== 327 司法・訴訟手続法 ====
*[[民事訴訟法]]
*[[刑事訴訟法]]
==== 328 諸法 ====
*[[教育基本法]]
*[[知的財産権法]]
==== 329 国際法 ====
*[[国際法]]
=== 330 経済 ===
==== 331 経済学・経済思想 ====
*[[経済学]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[経済学基礎]]
==== 332 経済史・事情・経済体制 ====
==== 333 経済政策・国際経済 ====
==== 334 人口・土地・資源 ====
==== 335 企業・経営 ====
==== 336 経営管理 ====
*[[公認会計士試験]]
==== 337 貨幣・通貨 ====
==== 338 金融・銀行・信託 ====
==== 339 保険 ====
=== 340 財政 ===
<!--
==== 341 財政学・財政思想 ====
==== 342 財政史・事情 ====
==== 343 財政政策・財政行政 ====
==== 344 予算・決算 ====
==== 345 租税 ====
==== 347 公債・国債 ====
==== 348 専売・国有財産 ====
==== 349 地方財政 ====
=== 350 統計 ===
==== 351 日本 ====
==== 358 人口統計・国勢調査 ====
==== 359 各種の統計書 ====
-->
=== 360 社会 ===
<!--
==== 361 社会学 ====
==== 362 社会史・社会体制 ====
==== 364 社会保障 ====
==== 365 生活・消費者問題 ====
==== 366 労働経済・労働問題 ====
==== 367 家族問題、男性・女性問題、老人問題 ====
==== 368 社会病理 ====
-->
==== 369 社会福祉 ====
===== 369.3 災害 災害救助 =====
*[[防災]]{{進捗|25%|2006-04-06}}
=== 370 教育 ===
<!--
==== 371 教育学、教育思想 ====
===== 371.42 登校拒否・いじめ =====
-->
==== 372 教育史・事情 ====
*[[教育勅語]]{{進捗|75%|2005-05-04}}
<!--
==== 373 教育政策、教育制度、教育行財政 ====
-->
==== 374 学校経営・管理、学校保健 ====
===== 374.48 学校行事 =====
*[[運動会]]
==== 375 教育課程、学習指導、教科別教育 ====
*[[学校教育]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[生活と進路]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
===== 374.9 教科書、教科書検定 =====
*[[小学校の学習]]{{進捗|50%|2023-09-25}}
*[[中学校の学習]]{{進捗|50%|2023-09-25}}
*[[高等学校の学習]]{{進捗|00%|2023-09-25}}
**[[高等学校の学習/旧課程]]{{進捗|25%|2023-09-25}}
<!--
* [[小学校算数]] {{進捗|25%|2005-05-04}}
* [[中学校数学]] {{進捗|50%|2005-05-10}}
* [[高等学校世界史A]] {{進捗|25%|2015-08-30}}
* [[高等学校地理B]] {{進捗|25%|2005-11-1}}
* [[高等学校現代社会]] {{進捗|25%|2015-08-30}}
* [[高等学校政治経済]] {{進捗|50%|2015-08-30}}
*[[高等学校倫理]]
*[[高等学校数学]]
*[[高等学校数学基礎]]{{進捗|100%|2005-05-04}}
*[[高等学校数学I]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
*[[高等学校数学III]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
*[[高等学校数学B]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
*[[高等学校数学C]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
*[[高等学校理科総合B]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
*[[高等学校物理]]{{進捗|50%|2005-11-1}}
* [[高等学校化学]] {{進捗|50%|2015-08-30}}
* [[高等学校生物]] {{進捗|50%|2015-08-30}}
* [[高等学校地学]] {{進捗|25%|2015-08-30}}
*[[高等学校情報A]]
*[[高等学校情報B]]
*[[高等学校情報C]]
-->
*[[小・中・高等学校演習]]
*[[検定教科書]]
==== 376 幼児・初等・中等教育 ====
*[[小学校・中学校・高等学校の学習]]
==== 377 大学、高等・専門教育、学術行政 ====
* [[大学受験ガイド]] {{進捗|50%|2015-08-30}}
<!--
==== 378 障害児教育 ====
==== 379 社会教育 ====
=== 380 風俗習慣・民俗学・民族学 ===
==== 382 風俗史・民俗誌、民族誌 ====
==== 383 衣食住の習俗 ====
==== 384 社会・家庭生活の習俗 ====
==== 385 通過儀礼、冠婚葬祭 ====
==== 386 年中行事、祭礼 ====
==== 387 民間信仰、迷信(俗信) ====
==== 388 伝説、民話(昔話) ====
==== 389 民族学、文化人類学 ====
=== 390 国防・軍事 ===
==== 391 戦争、戦略、戦術 ====
==== 392 国防史・事情、軍事史・事情 ====
==== 393 国防政策・行政・法令 ====
==== 394 軍事医学、兵食 ====
==== 395 軍事施設、軍需品 ====
==== 396 陸軍 ====
==== 397 海軍 ====
==== 398 空軍 ====
==== 399 古代兵法、軍学 ====
-->
== 4類 自然科学 ==
<!--
=== 400 自然科学 ===
==== 401 科学理論・科学哲学 ====
==== 402 科学史・事情 ====
==== 403 参考図書 ====
==== 404 論文集・評論集・講演集 ====
==== 405 逐次刊行物 ====
==== 406 団体 ====
==== 407 研究法・指導法・科学教育 ====
==== 408 叢書・全集・選集 ====
==== 409 科学技術政策・科学技術行政 ====
-->
=== 410 数学 ===
* [[数学]]
* [[初等数学]]
* [[初等数学公式集]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
* [[初等数学演習]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
* [[初等数学記号集]]
* [[Wikibooks:初等数学用語索引|初等数学用語索引]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
* [[中等数学]]
* [[高等数学]]
* [[大学数学公式集]]
==== 411 代数学 ====
===== 411.6 集合論 =====
*[[公理的集合論]]
==== 412 数論 ====
==== 413 解析学 ====
* [[解析学]]
* [[解析学基礎]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
==== 414 幾何学 ====
==== 415 位相数学 ====
* [[位相幾何学]]{{進捗|25%|2008-09-03}}
==== 417 確率論、数理統計学 ====
* [[統計学基礎]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 418 計算法 ====
==== 419 和算、中国算法 ====
-->
=== 420 物理学 ===
*[[物理学]]
==== 421 理論物理学 ====
<!--
===== 421.1 基礎理論 エーテル理論 =====
-->
===== 421.2 相対性理論 =====
*[[特殊相対論]]
*[[一般相対性理論]]
===== 421.3 量子力学、量子論 =====
*[[場の量子論]]
*[[量子力学]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
===== 421.4 統計力学 =====
*[[統計力学I]]
*[[統計力学II]]
===== 421.5 数理物理学.物理数学 =====
* [[物理数学I]] {{進捗|75%|2023-11-05}}
* [[物理数学II]]
==== 423 力学 ====
*[[解析力学]]
*[[古典力学]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
==== 424 振動学、音響学 ====
*[[振動と波動]]
* [[音響学]]
==== 425 光学 ====
*[[光の偏極]]
==== 426 熱学 ====
*[[熱力学]]
==== 427 電磁気学 ====
*[[電磁気学]]
<!--
==== 428 物性物理学 ====
==== 429 原子物理学 ====
-->
=== 430 化学 ===
<!--
==== 431 物理化学. 理論化学 ====
==== 432 実験化学 ====
==== 433 分析化学 ====
==== 434 合成化学 ====
-->
==== 435 無機化学 ====
*[[無機化学]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 436 金属元素とその化合物 ====
-->
==== 437 有機化学 ====
*[[有機化学]]{{進捗|25%|2005-05-21}}
<!--
==== 438 環式化合物の化学 ====
==== 439 天然物質の化学 ====
-->
=== 440 天文学・宇宙科学 ===
* [[天文学]]{{進捗|25%|2005-12-01}}
<!--
==== 441 理論天文学・数理天文学 ====
==== 442 実地天文学・天体観測法 ====
==== 443 恒星・恒星天文学 ====
==== 444 太陽・太陽物理学 ====
==== 445 惑星・衛星 ====
==== 446 月 ====
==== 447 彗星・流星 ====
==== 448 地球・天文地理学 ====
==== 449 時法・暦学 ====
-->
=== 450 地球科学・地学 ===
* [[地球科学]]{{進捗|25%|2005-12-01}}
==== 451 気象学 ====
==== 452 海洋学 ====
==== 453 地震学 ====
===== 453.38 地震予知 =====
==== 454 地形学 ====
==== 455 地質学 ====
==== 456 地史学・層位学 ====
==== 457 古生物学・化石 ====
*[[古生物学]]
==== 458 岩石学 ====
==== 459 鉱物学 ====
=== 460 生物化学・一般生物学 ===
*[[生物学の研究技術]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 461 理論生物学・生命論 ====
==== 462 生物地理・生物誌 ====
==== 463 細胞学 ====
==== 464 生化学 ====
==== 465 微生物学 ====
==== 467 遺伝学 ====
===== 467.25 遺伝子組み換え =====
==== 468 生態学 ====
==== 469 人類学 ====
-->
=== 470 植物学 ===
*[[植物学]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 471 一般植物学 ====
==== 472 植物地理・植物誌 ====
==== 473 葉状植物 ====
==== 474 藻類・菌類 ====
==== 475 コケ植物 ====
==== 476 シダ植物 ====
==== 477 種子植物 ====
==== 478 裸子植物 ====
==== 479 被子植物 ====
=== 480 動物学 ===
==== 481 一般動物学 ====
==== 482 動物地理・動物誌 ====
==== 483 無脊椎動物 ====
==== 484 軟体動物・貝類学 ====
==== 485 節足動物 ====
==== 486 昆虫類 ====
==== 487 脊椎動物 ====
==== 488 鳥類 ====
==== 489 哺乳類 ====
-->
=== 490 医学 ===
* [[医学]]
*[[OsiriX_オンライン解説文書]]{{進捗|75%|2005-05-04}}
==== 491 基礎医学 ====
*[[生理学]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
*[[解剖学]]{{進捗|25%|2006-11-09}}
*[[神経解剖学]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
*[[組織学]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
*[[微生物学]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
*[[病理学]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
<!--
==== 492 臨床医学 ====
-->
==== 493 内科学 ====
*[[内科学 呼吸器]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
<!--
==== 494 外科学 ====
==== 495 産科学,婦人科学 ====
==== 496 眼科学,耳鼻咽喉科学 ====
==== 497 歯科学 ====
==== 498 衛生学,公衆衛生学,予防医学 ====
-->
==== 499 薬学 ====
*[[薬理学]]{{進捗|00%|2006-11-09}}
==5類 技術・工学・工業 ==
=== 500 技術・工学 ===
==== 501 工業基礎学 ====
==== 502 技術史・工学史 ====
==== 503 参考図書 ====
==== 504 論文集・評論集・講演集 ====
==== 505 逐次刊行物 ====
==== 506 団体 ====
==== 507 研究法・指導法・技術教育 ====
==== 508 叢書・全集・選集 ====
==== 509 工業・工業経済 ====
=== 510 建設工学・土木工学 ===
==== 511 土木力学・建設材料 ====
==== 512 測量 ====
==== 513 土木設計・施工法 ====
==== 514 道路工学 ====
==== 515 橋梁工学 ====
==== 516 鉄道工学 ====
==== 517 河海工学・河川工学 ====
==== 518 衛生工学・都市工学 ====
===== 518.523 ごみの再利用 =====
==== 519 公害・環境工学 ====
===== 519.12 環境法 =====
* [[環境法]]
=== 520 建築学 ===
==== 521 日本の建築 ====
==== 522 東洋の建築・アジアの建築 ====
==== 523 西洋の建築・その他の様式の建築 ====
==== 524 建築構造 ====
==== 525 建築計画・施工 ====
==== 526 各種の建築 ====
==== 527 住宅建築 ====
==== 528 建築設備・設備工学 ====
==== 529 建築意匠・装飾 ====
=== 530 機械工学・原子力工学 ===
==== 531 機械力学・材料・設計 ====
==== 532 機械工作・工作機械 ====
==== 533 熱機関・熱工学 ====
==== 534 流体機械・流体工学 ====
==== 535 精密機器・光学機器 ====
==== 536 運輸工学・車輌・運搬機械 ====
==== 537 自動車工学 ====
===== 537.25 電気自動車 =====
==== 538 航空宇宙工学 ====
==== 539 原子力工学 ====
=== 540 電気工学・電子工学 ===
==== 540 電気工学 ====
==== 541 電気回路・計測・材料 ====
==== 542 電気機器 ====
==== 543 発電 ====
==== 544 送電・変電・配電 ====
==== 545 電灯・照明・電熱 ====
==== 546 電気鉄道 ====
==== 547 通信工学・電気通信 ====
*[[スタイルシート言語]]
==== 548 情報工学 ====
==== 549 電子工学 ====
=== 550 海洋工学・船舶工学 ===
==== 551 理論造船学 ====
==== 552 船体構造・材料・施工 ====
==== 553 船体艤装・船舶設備 ====
==== 554 舶用機関[造機] ====
==== 555 船舶修理・保守 ====
==== 556 各種の船舶・艦艇 ====
==== 557 航海・航海学 ====
==== 558 海洋開発 ====
==== 559 兵器、軍事工学 ====
=== 560 金属工学・鉱山工学 ===
==== 561 採鉱・選鉱 ====
==== 562 各種の金属鉱床・採掘 ====
==== 563 冶金・合金 ====
==== 564 鉄鋼 ====
==== 565 非鉄金属 ====
==== 566 金属加工・製造冶金 ====
==== 567 石炭 ====
==== 568 石油 ====
==== 569 非金属鉱物・土石採取業 ====
=== 570 化学工業 ===
==== 571 化学工学・化学機器 ====
==== 572 電気化学工業 ====
==== 573 セラミックス・窯業・珪酸塩化学工業 ====
==== 574 化学薬品 ====
==== 575 燃料・爆発物 ====
==== 576 油脂類 ====
==== 577 染料 ====
==== 578 高分子化学工業 ====
==== 579 その他の化学工業 ====
=== 580 製造工業 ===
==== 581 金属製品 ====
==== 582 事務機器・家庭機器・楽器 ====
==== 583 木工業・木製品 ====
==== 584 皮革工業・皮革製品 ====
==== 585 パルプ・製紙工業 ====
==== 586 繊維工学 ====
==== 587 染色加工・染色業 ====
==== 588 食品工業 ====
==== 589 その他の雑工業 ====
=== 590 家政学・生活科学 ===
<!--
==== 591 家庭経済・経営 ====
==== 592 家庭理工学 ====
==== 593 衣服・裁縫 ====
==== 594 手芸 ====
==== 595 理容・美容 ====
===== 595.6 痩身法 =====
==== 596 食品・料理 ====
*[[料理本]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 597 住居・家具調度 ====
==== 598 家庭衛生 ====
==== 599 育児 ====
-->
==6類 産業 ==
<!--
=== 600 産業 ===
==== 601 産業政策・行政・総合開発 ====
==== 602 産業史・事情・物産誌 ====
==== 603 参考図書 ====
==== 604 論文集・評論集・講演集 ====
==== 605 逐次刊行物 ====
==== 606 団体 ====
==== 607 研究法・指導法・産業教育 ====
==== 608 叢書・全集・選集 ====
==== 609 度量衡、計量法 ====
=== 610 農業 ===
==== 611 農業経済 ====
==== 612 農業史・事情 ====
==== 613 農業基礎学 ====
==== 614 農業工学 ====
==== 615 作物栽培・作物学 ====
==== 616 食用作物 ====
==== 617 工芸作物 ====
==== 618 繊維作物 ====
==== 619 農産物製造・加工 ====
-->
=== 620 園芸 ===
<!--
==== 621 園芸経済・行政・経営 ====
==== 622 園芸史・事情 ====
==== 623 園芸植物学・病虫害 ====
==== 624 温室・温床・園芸用具 ====
==== 625 果樹園芸 ====
-->
==== 626 蔬菜園芸 ====
*[[ダイズの栽培]]{{進捗|00%|2007-02-21}}
==== 627 花卉園芸[草花] ====
*[[サボテンの栽培]]{{進捗|00%|2007-02-21}}
<!--
==== 628 園芸利用 ====
==== 629 造園 ====
=== 630 蚕糸業 ===
==== 631 蚕糸経済・行政・経営 ====
==== 632 蚕糸業史・事情 ====
==== 633 蚕学・蚕業基礎学 ====
==== 634 蚕種 ====
==== 635 飼育法 ====
==== 636 くわ・栽桑 ====
==== 637 蚕室・蚕具 ====
==== 638 まゆ ====
==== 639 製糸・生糸・蚕糸利用 ====
-->
=== 640 畜産業 ===
<!--
==== 641 畜産経済・行政・経営 ====
==== 642 畜産史・事情 ====
==== 643 家畜の繁殖・家畜飼料 ====
==== 644 家畜の管理・畜舎・用具 ====
==== 645 家畜・畜産動物各論 ====
-->
==== 646 家禽各論・飼鳥 ====
*[[ホンセイインコ類の飼育]]{{進捗|00%|2007-02-21}}
<!--
===== 646.9 みつばち・昆虫 =====
==== 648 畜産製造・畜産物 ====
==== 649 獣医学・比較医学 ====
==== 649 獣医学 ====
=== 650 林業 ===
==== 651 林業経済・行政・経営 ====
==== 652 森林史・林業史・事情 ====
==== 653 森林立地・造林 ====
==== 654 森林保護 ====
==== 655 森林施業 ====
==== 656 森林工学 ====
==== 657 森林利用・林産物・木材学 ====
==== 658 林産製造 ====
==== 659 狩猟 ====
=== 660 水産業 ===
==== 661 水産経済・行政・経営 ====
==== 662 水産業および漁業史・事情 ====
==== 663 水産基礎学 ====
==== 664 漁労・漁業各論 ====
==== 665 漁船・漁具 ====
==== 666 水産増殖・養殖業 ====
==== 667 水産製造・水産食品 ====
==== 668 水産物利用・水産利用工業 ====
==== 669 製塩・塩業 ====
=== 670 商業 ===
==== 671 商業政策・行政 ====
==== 672 商業史・事情 ====
==== 673 商業経営・商店 ====
==== 674 広告・宣伝 ====
==== 675 マーケティング ====
==== 676 取引所 ====
==== 678 貿易 ====
=== 680 運輸・交通 ===
==== 681 交通政策・行政・経営 ====
==== 682 交通史・事情 ====
==== 683 海運 ====
==== 684 内水・運河交通 ====
==== 685 陸運・自動車運送 ====
==== 686 鉄道 ====
==== 687 航空運送 ====
==== 688 倉庫業 ====
==== 689 観光事業 ====
=== 690 通信事業 ===
==== 691 通信政策・行政・法令 ====
==== 692 通信事業史・事情 ====
==== 693 郵便・郵政事業 ====
==== 694 電気通信事業 ====
==== 699 放送事業 ====
===== 699.39 アナウンサー =====
-->
== 7類 芸術 ==
<!--
=== 700 芸術・美術 ===
==== 701 芸術理論・美学 ====
==== 702 芸術史・美術史 ====
==== 703 参考図書[レファレンスブック] ====
==== 704 論文集・評論集・講演集 ====
==== 705 逐次刊行物 ====
==== 706 団体 ====
==== 707 研究法・指導法・芸術教育 ====
==== 708 叢書・全集・選集 ====
==== 709 芸術政策・文化財 ====
=== 710 彫刻 ===
==== 711 彫塑材料・技法 ====
==== 712 彫刻史・各国の彫刻 ====
==== 713 木彫 ====
==== 714 石彫 ====
==== 715 金属彫刻・鋳造 ====
==== 717 粘土彫刻・塑造 ====
==== 708 仏像 ====
==== 709 オブジェ ====
=== 720 絵画 ===
==== 721 日本画 ====
==== 722 東洋画 ====
==== 723 洋画 ====
==== 724 絵画材料・技法 ====
==== 725 素描・描画 ====
==== 726 漫画、挿絵、童画 ====
==== 727 グラフィックデザイン、図案 ====
==== 728 書道 ====
=== 730 版画 ===
==== 731 版画材料・技法 ====
==== 732 版画史・各国の版画 ====
==== 733 木版画 ====
==== 734 石版画 ====
==== 735 銅版画・鋼版画 ====
==== 736 リノリウム版画・ゴム版画 ====
==== 737 写真版画・孔版画 ====
==== 739 印章、篆刻、印譜 ====
-->
=== 740 写真 ===
<!--
==== 742 写真器械・材料 ====
==== 743 撮影技術 ====
-->
==== 744 現像・印画 ====
*[[白黒写真の暗室作業]]{{進捗|75%|2007-05-10}}
<!--
==== 745 複写技術 ====
==== 746 特殊写真 ====
==== 747 写真の応用 ====
==== 748 写真集 ====
==== 749 印刷 ====
=== 750 工芸 ===
==== 751 陶磁工芸 ====
==== 752 漆工芸 ====
==== 753 染織工芸 ====
==== 754 木竹工芸 ====
==== 755 宝石・牙角・皮革工芸 ====
==== 756 金工芸 ====
==== 757 デザイン・装飾美術 ====
==== 758 美術家具 ====
==== 759 人形・玩具 ====
-->
=== 760 音楽 ===
==== 761 音楽の一般理論・音楽学 ====
* [[楽典]]
* [[和声学]]
* [[楽式]]
==== 762 音楽史・各国の音楽 ====
* [[西洋音楽史]]
<!--
==== 763 楽器・器楽 ====
==== 764 器楽合奏 ====
==== 765 宗教音楽・聖楽 ====
==== 766 劇音楽 ====
==== 767 声楽 ====
==== 768 邦楽 ====
==== 769 舞踊、バレエ ====
=== 770 演劇 ===
==== 771 劇場・演出・演技 ====
==== 772 演劇史・各国の演劇 ====
==== 773 能楽、狂言 ====
==== 774 歌舞伎 ====
==== 775 各種の演劇 ====
==== 777 人形劇 ====
==== 778 映画 ====
==== 779 大衆演芸 ====
-->
=== 780 スポーツ・体育 ===
<!--
==== 781 体操、遊戯 ====
==== 782 陸上競技 ====
-->
==== 783 球技 ====
*[[サッカー]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
*[[テニス]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
*[[野球]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
<!--
==== 784 冬季競技 ====
-->
==== 785 水上競技 ====
*[[セーリング]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
==== 786 戸外レクリエーション ====
===== 786.1 登山・山岳競技 =====
*[[登山]]
==== 787 釣魚、遊猟 ====
==== 788 相撲、拳闘、競馬 ====
*[[相撲]]{{進捗|25%|2006-2-23}}
*[[競馬]]{{進捗|25%|2023-09-25}}
==== 789 武術 ====
*[[剣道]]{{進捗|25%|2007-6-30}}
=== 790 諸芸・娯楽 ===
<!--
==== 791 茶道 ====
==== 792 香道 ====
==== 793 花道 ====
==== 794 撞球 ====
-->
==== 795 囲碁 ====
*[[囲碁]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
==== 796 将棋 ====
*[[将棋]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
<!--
==== 797 射倖ゲーム ====
-->
==== 798 室内娯楽 ====
*[[トランプ]]<!--798.2-->
*[[トランプ/トランプ教科書]]
*[[麻雀]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
*[[チェス]]{{進捗|25%|2006-1-7}}
===== 798.5 テレビゲーム =====
*[[Minecraft]]
<!--
==== 799 ダンス ====
-->
== 8類 言語 ==
=== 800 言語 ===
==== 801 言語学 ====
*[[生成文法]]
*[[語学]]
**[[琉球語]]
<!--
==== 809 言語生活 ====
-->
=== 810 日本語 ===
*[[日本語]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 811 音声、音韻、文字 ====
==== 812 語源、意味 ====
==== 813 辞典 ====
==== 814 語彙 ====
==== 815 文法、語法 ====
==== 816 文章、文体、作文 ====
==== 817 読本、解釈、会話 ====
-->
==== 818 方言、訛語 ====
*[[北海道方言]]
*[[讃岐弁]]
*[[沖縄語]]
<!--
=== 820 中国語 ===
-->
==== 829 その他の東洋の諸言語 ====
*[[朝鮮語]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
*[[ペルシア語]]
=== 830 英語 ===
*[[英語]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
=== 840 ドイツ語 ===
*[[ドイツ語]]{{進捗|50%|2005-05-04}}
<!--
==== 849 その他のゲルマン言語 ====
-->
=== 850 フランス語 ===
*[[フランス語]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 859 プロヴァンス語 ====
=== 860 スペイン語 ===
==== 869 ポルトガル語 ====
=== 870 イタリア語 ===
-->
==== 879 その他のロマンス諸語 ====
*[[ルーマニア語]]
<!--
=== 880 ロシア語 ===
==== 889 その他のスラヴ諸語 ====
=== 890 その他の諸言語 ===
-->
==== 891 ギリシア語 ====
*[[ギリシア語]]
==== 892 ラテン語 ====
*[[ラテン語]]{{進捗|50%|2006-03-21}}
==== 893 その他のヨーロッパの諸言語 ====
*[[デンマーク語]]{{進捗|25%|2005-12-01}}
<!--
==== 894 アフリカの諸言語 ====
==== 895 アメリカの諸言語 ====
==== 897 オーストラリアの諸言語 ====
-->
==== 899 国際語 ====
*[[エスペラント]]{{進捗|00%|2005-05-04}}
== 9類 文学 ==
=== 900 文学 ===
*[[古典文学]]{{進捗|25%|2005-05-15}}
<!--
==== 909 児童文学研究 ====
-->
=== 910 日本文学 ===
<!--
==== 911 詩歌 ====
==== 912 戯曲 ====
-->
==== 913 小説、物語 ====
*[[竹取物語]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
==== 914 評論、エッセイ、随筆 ====
*[[方丈記]]
<!--
==== 915 日記、書簡、紀行 ====
==== 916 記録、手記、ルポルタージュ ====
==== 917 箴言、アフォリズム、寸言 ====
==== 918 作品集 ====
==== 919 漢詩文、日本漢文学 ====
-->
=== 920 中国文学 ===
*[[漢詩]]{{進捗|25%|2005-05-04}}
<!--
==== 929 その他の東洋文学 ====
=== 930 英文学・米文学 ===
=== 940 ドイツ文学 ===
==== 949 その他のゲルマン文学 ====
=== 950 フランス文学 ===
==== 959 プロヴァンス文学 ====
=== 960 スペイン文学 ===
==== 969 ポルトガル文学 ====
=== 970 イタリア文学 ===
==== 979 その他のロマンス文学 ====
=== 980 ロシア文学・ソヴィエト文学 ===
==== 989 その他のスラヴ文学 ====
-->
=== 990 その他の諸文学 ===
==== 991 ギリシア文学 ====
==== 992 ラテン文学 ====
*[[ガリア戦記]]
==== 993 その他のヨーロッパ文学 ====
==== 994 アフリカ文学 ====
==== 995 アメリカ先住民語の文学 ====
==== 997 オーストラリア先住民語の文学 ====
==== 999 国際語による文学 ====
== 関連項目 ==
*[[w:日本十進分類法#要目表(第3次区分表)]]
== 外部リンク ==
*<del>[http://www.ndl.go.jp/jp/library/data/zan9.html 日本十進分類法新訂9版分類基準]([http://www.ndl.go.jp/ 国立国会図書館])</del>リンク切れ
*[https://www.kotono8.com/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%8D%81%E9%80%B2%E5%88%86%E9%A1%9E%E6%B3%95%EF%BC%88%E8%A9%B3%E7%B4%B0%EF%BC%89 閾ペディアことのは 日本十進分類法(詳細)]
[[Category:日本十進分類法|*]]
[[it:Wikibooks:Classificazione decimale Dewey]]
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学習方法
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{{独自研究の可能性}}[[小学校・中学校・高等学校の学習|小学校・中学校・高等学校の教科書]]
== 小学校 ==
*[[小学校の学習|小学校の教科書]]
* [[学習方法/小学校全般]]
* [[学習方法/小学校国語]]
* [[学習方法/小学校社会]]
* [[学習方法/小学校算数]]
* [[学習方法/小学校理科]]
* [[学習方法/小学校英語]]
* [[学習方法/小学校生活]]
* [[学習方法/小学校音楽]]
* [[学習方法/小学校図画工作]]
* [[学習方法/小学校家庭]]
* [[学習方法/小学校保健体育]]
* [[学習方法/小学校外国語]]
* [[学習方法/小学校総合学習]]
== 中学受験 ==
* [[中学受験ガイド]]
== 中高総合 ==
* [[学習方法/中学高校の学習全般]]
== 中学校 ==
* [[学習方法/中学校全般]]
*[[中学校の学習|中学校の教科書]]
=== 5教科 ===
;国語
* [[学習方法/中学校国語]]
;社会科
* [[学習方法/中学校社会全般]]
* [[学習方法/中学校地理]]
* [[学習方法/中学校歴史]]
* [[学習方法/中学校公民]]
;数学
* [[学習方法/中学校数学]]
;理科
* [[学習方法/中学校理科]]
;英語
* [[学習方法/中学校英語]]
=== 実技科目 ===
;芸術(音楽・美術)
* [[学習方法/中学校音楽]]
* [[学習方法/中学校美術]]
;保健体育
* [[中学校保健体育/保健体育を学ぶ皆さんへ]]
;技術・家庭科
* [[学習方法/中学校技術]]
* [[中学校家庭/家庭分野のガイダンス]]
=== 高校受験 ===
* [[学習方法/高校受験/高校受験全般]]
* [[学習方法/高校受験/国語]]
* [[学習方法/高校受験/社会]]
* [[学習方法/高校受験/数学]]
* [[学習方法/高校受験/理科]]
* [[学習方法/高校受験/英語]]
* [[都立高対策]]
* [[高校受験ガイド]]
== 高等学校 ==
* [[学習方法/普通科高校全般]](高校における制度などの解説)
* [[学習方法/高校5教科全般]] (具体的な勉強法の提案はこちら)
* [[高等学校の学習|高等学校の教科書]]
* [[学習方法/大学受験5教科全般]]
=== 5教科 ===
;国語
* [[学習方法/高校国語全般]]
* [[大学受験国語 現代文の勉強法|学習方法/高校現代文]](リンク先: 「大学受験国語 現代文の勉強法」)
* [[学習方法/高校古文]]
* [[学習方法/高校漢文]]
;地歴公民(社会)
* [[学習方法/高校社会科全般]]
* [[学習方法/高校地理]]
* [[学習方法/高校世界史]]
* [[学習方法/高校日本史]]
* [[学習方法/高校公共(旧現代社会)]]
* [[学習方法/高校倫理]]
* [[学習方法/高校政治経済]]
*[[学習方法/高校卒業後の社会科公民の勉強ガイド]]
*[[学習方法/高校現代社会]]
;数学
* [[学習方法/高校数学]]
;理科
* [[学習方法/高校理科全般]]
* [[学習方法/高校物理]]
* [[学習方法/高校化学]]
* [[学習方法/高校生物]]
* [[学習方法/高校地学]]
;英語
* [[学習方法/高校英語]]
=== 実技科目 ===
;保健体育
* [[学習方法/高校保健体育]]
;芸術
* [[学習方法/高校音楽]]
* [[学習方法/高校美術]]
* [[学習方法/高校工芸]]
* [[学習方法/高校書道]]
;家庭
* [[学習方法/高校家庭]]
;情報
* [[学習方法/高校情報]]
== 大学受験 ==
=== 共通テスト対策 ===
* [[共通テスト 国語対策]]
*[[共通テスト 英語対策]]
'''数学'''
:* [[共通テスト 数学IA対策]]
:*[[共通テスト 数学I対策]]
:* [[共通テスト 数学IIBC対策]]
'''理科'''
:* [[共通テスト 理科基礎対策]]
:* [[共通テスト 物理対策]]
:* [[共通テスト 化学対策]]
:* [[共通テスト 生物対策]]
:* [[共通テスト 地学対策]]
'''地歴公民'''
:* [[共通テスト 歴史総合・地理総合対策]]
:* [[共通テスト 世界史探究対策]]
:* [[共通テスト 日本史探究対策]]
:* [[共通テスト 地理探究対策]]
:* [[共通テスト 公共対策]]
:* [[共通テスト 倫理対策]]
:*[[共通テスト 政治・経済対策]]
'''情報'''
* [[共通テスト 情報I対策]]
=== 一般入試 ===
*[[大学受験国語 現代文の勉強法]]
* [[大学受験小論文の勉強法]]
* [[大学受験英語の勉強法]]
* [[大学受験医学部面接]]
===センター試験対策※===
※この段落では既に廃止されたセンター試験の対策について述べています。
* [[センター試験 5教科全般の対策]]
** [[センター試験 英語対策]]
** [[センター試験 数学対策]]
** [[センター試験 国語対策]]
*** [[センター試験 国語(現代文)対策]]
*** [[センター試験 国語(古文)対策]]
* [[センター試験 理科対策]]
** [[センター試験 物理I対策]]
** [[センター試験 化学I対策]]
** [[センター試験 生物I対策]]
** [[センター試験 地学I対策]]
* [[センター試験 地理歴史対策]]
** [[センター試験 世界史対策]]
*** [[センター試験 世界史B対策]]
** [[センター試験 日本史対策]]
*** [[センター試験 日本史B対策]]
** [[センター試験 地理対策]]
*** [[センター試験 地理B対策]]
* [[センター試験 公民対策]]
** [[センター試験 現代社会対策]]
** [[センター試験 倫理対策]]
** [[センター試験 政治・経済対策]]
** [[センター試験 倫理、政治・経済対策]]
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[[Category:普通教育]]
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論語巻第一
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==[[論語巻第一学而第一]]==
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高等学校日本史B
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日本の高等学校課程における「日本史B」の教科書。
.
;注意
この教科書は現状(2022年の時点)、中学教科書から高校の学習への'''差分'''として利用されています。つまり、中学教科書で説明済みと思われることは、wikibooks日本史Bでは記述していません。この編集方針のため、高校で新規に習う内容にすばやく入れる反面、中学で習った内容の復習には向いていません。
ページタイトルに「日本史B」とありますが、実際の旧課程とは内容が異なる可能性もあります。wikibooksにおける日本史Bは、必ずしも日本史探求の旧版ではありません。
中学で習った内容も含めて、フルで学習したい場合は、別途『[[高等学校日本史探究]]』のページを参照してください。
また、日本史Bでは、2012年以降の政治経済史を載せていません。2012年以降の内容は、日本史探究の『[[高等学校日本史探究/新たな世紀の日本へⅢ|新たな世紀の日本へⅢ]]』を参照してください。
== 原始・古代の日本 ==
=== 古代国家の形成 ===
* [[高等学校日本史B/日本文化のあけぼの]](人類の発生、旧石器時代、縄文時代)
* [[高等学校日本史B/弥生時代]](弥生時代)
* [[高等学校日本史B/古墳とヤマト王権]]
=== 律令国家の形成 ===
* [[高等学校日本史B/飛鳥の朝廷]]
* [[高等学校日本史B/律令国家への道]](大化の改新 〜 大宝律令、租庸調など)
* [[高等学校日本史B/奈良時代]]
* [[高等学校日本史B/天平文化]]
=== 貴族政治と国風文化 ===
* [[高等学校日本史B/平安遷都と政治改革]]
* [[高等学校日本史B/藤原氏の台頭]]
* [[高等学校日本史B/平安時代の地方政治]]
* [[高等学校日本史B/国風文化]]
== 中世の日本 ==
=== 院政期 ===
* [[高等学校日本史B/院政とその展開]]
* [[高等学校日本史B/保元・平治の乱]]
* [[高等学校日本史B/院政期の文化]]
=== 武家政権の成立 ===
* [[高等学校日本史B/鎌倉幕府の成立]]
* [[高等学校日本史B/執権政治]]
* [[高等学校日本史B/武家社会]]
* [[高等学校日本史B/鎌倉時代の経済]]
* [[高等学校日本史B/元寇と鎌倉幕府の動揺]]
* [[高等学校日本史B/鎌倉幕府の滅亡]]
=== 室町〜戦国時代 ===
* [[高等学校日本史B/建武の新政]]
* [[高等学校日本史B/室町幕府の成立と南北朝時代]] {{進捗|00%|2018-06-21}}
* [[高等学校日本史B/室町幕府の展開]]
* [[高等学校日本史B/室町幕府の衰退と下剋上の時代]]
* [[高等学校日本史B/戦国大名の台頭]]
* [[高等学校日本史B/室町文化と戦国時代の文化]]
== 近世の日本 ==
=== 戦国時代末~織豊政権 ===
* [[高等学校日本史B/ヨーロッパ人との交流]]
* [[高等学校日本史B/織田信長・豊臣秀吉]]
* [[高等学校日本史B/桃山文化]]
=== 幕藩体制の成立 ===
* [[高等学校日本史B/徳川幕府の成立]] {{進捗|00%|2018-06-06}}
* [[高等学校日本史B/寛永文化]]
=== 幕藩体制の展開 ===
* [[高等学校日本史B/幕藩体制の展開]]
* [[高等学校日本史B/江戸時代の経済の発展]]
* [[高等学校日本史B/元禄文化と学問の発展]]
=== 幕藩体制の動揺 ===
* [[高等学校日本史B/幕藩体制の動揺]]
* [[高等学校日本史B/幕藩体制の停滞と諸藩の改革]]
* [[高等学校日本史B/江戸中・後期の文化]] {{進捗|00%|2018-06-06}}
== 近代の日本 ==
=== 近代への転換 ===
* [[高等学校日本史B/開国]]
* [[高等学校日本史B/明治維新]]
* [[高等学校日本史B/明治の近代化の改革]]
* [[高等学校日本史B/明治初期の文化]]
* [[高等学校日本史B/明治初期の外交]]
=== 日本の軍事的覇権 ===
* [[高等学校日本史B/立憲体制の確立]]
* [[高等学校日本史B/日清・日露戦争]]
* [[高等学校日本史B/第一次世界大戦と日本]]
=== ブロック経済の成立と崩壊 ===
* [[高等学校日本史B/経済恐慌と中国侵略]]
* [[高等学校歴史総合/世界恐慌とブロック経済]]
* [[高等学校歴史総合/満州事変]]
* [[高等学校日本史B/第二次世界大戦と日本]]
== 現代の日本 ==
=== 占領期と独立 ===
* [[高等学校日本史B/占領と改革]]
* [[高等学校日本史B/冷戦の開始と講和]]
=== 平和と繁栄をめざして ===
* [[高等学校日本史B/安保闘争の時代]]
:* 参考: [[高等学校政治経済/政治/右翼と左翼、保守と革新]] (※ 用語解説。分かっていれば、読み飛ばしても良い。) {{進捗|50%|2016-04-05}}
* [[高等学校日本史B/高度経済成長の日本]]
=== 理想の挫折 ===
* [[高等学校日本史B/高度経済成長の終焉]]
* [[高等学校日本史B/冷戦後の日本]]
=== 領土問題 ===
* [[高等学校日本史B/領有権をめぐる問題]]
== テーマ史 ==
* [[高等学校日本史B/テーマ史別]]
== 資料集 ==
* [[高等学校日本史B/史料集|史料集]]
* [[高等学校日本史B/参考文献|参考文献]]
== 学習方法 ==
* [[学習方法/高校日本史]]
{{DEFAULTSORT:にほんしB}}
[[カテゴリ:高等学校教育]]
[[カテゴリ:社会科教育]]
[[カテゴリ:高等学校日本史|*]]
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ガリア戦記 第7巻
0
12163
301345
301241
2026-07-08T13:13:41Z
Linguae
449
/* 25節 */ 修整
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wikitext
text/x-wiki
[[Category:ガリア戦記|7]] [[Category:ガリア戦記 第7巻|*]]
[[ガリア戦記]]> '''第7巻''' >[[ガリア戦記 第7巻/注解|注解]]
<div style="text-align:center">
<span style="font-size:20px; font-weight:bold; font-variant-caps: petite-caps; color:white; background: rgb(47,94,255);background: linear-gradient(180deg, rgba(47,94,255,1) 0%, rgba(24,56,255,1) 50%, rgba(0,8,255,1) 100%);"> C IVLII CAESARIS COMMENTARIORVM BELLI GALLICI </span>
<span style="font-size:40px; font-weight:bold; color:white; background: rgb(47,94,255);background: linear-gradient(180deg, rgba(47,94,255,1) 0%, rgba(24,56,255,1) 50%, rgba(0,8,255,1) 100%);"> LIBER SEPTIMVS </span>
</div>
[[画像:Gaule -52.png|thumb|right|150px|ガリア戦記 第7巻の情勢図(BC52年)。<br>黄色の領域がローマ領。桃色が同盟部族領。]]
{| id="toc" style="align:left;clear:all;" align="left" cellpadding="5"
! style="background:#ccccff; text-align:left;" colspan="2" | ガリア戦記 第7巻 目次
|-
| style="text-align:right; font-size: 0.86em;"|
'''[[#カルヌーテース族の蜂起|カルヌーテース族の蜂起]]''':<br />
'''[[#ウェルキンゲトリークスとガッリア同盟軍の蜂起|ウェルキンゲトリークスとガッリア同盟軍の蜂起]]''':<br />
<br />
'''[[#アウァーリクム攻略戦|アウァーリクム攻略戦]]''':<br />
<br />
<br />
'''[[#ゲルゴウィア攻略戦、ハエドゥイー族の離反|ゲルゴウィア攻略戦、ハエドゥイー族の離反]]''':<br />
<br />
<br />
'''[[#ラビエーヌスのルテティア遠征|ラビエーヌスのルテティア遠征]]''':<br />
'''[[#ガッリア戦乱の拡大|ガッリア戦乱の拡大]]''':<br />
'''[[#アレスィア攻囲戦|アレスィア攻囲戦]]''':<br />
<br />
<br />
'''[[#ガッリア同盟軍主力の降伏|ガッリア同盟軍主力の降伏]]''':<br />
<br />
<br />
| style="text-align:left; font-size: 0.86em;"|
[[#1節|01節]] |
[[#2節|02節]] |
[[#3節|03節]] <br />
[[#4節|04節]] |
[[#5節|05節]] |
[[#6節|06節]] |
[[#7節|07節]] |
[[#8節|08節]] |
[[#9節|09節]] |
[[#10節|10節]] <br />
[[#11節|11節]] |
[[#12節|12節]] |
[[#13節|13節]] <br />
[[#14節|14節]] |
[[#15節|15節]] |
[[#16節|16節]] |
[[#17節|17節]] |
[[#18節|18節]] |
[[#19節|19節]] |
[[#20節|20節]] <br />
[[#21節|21節]] |
[[#22節|22節]] |
[[#23節|23節]] |
[[#24節|24節]] |
[[#25節|25節]] |
[[#26節|26節]] |
[[#27節|27節]] |
[[#28節|28節]] |
[[#29節|29節]] |
[[#30節|30節]] <br />
[[#31節|31節]] <br />
[[#32節|32節]] |
[[#33節|33節]] |
[[#34節|34節]] |
[[#35節|35節]] |
[[#36節|36節]] |
[[#37節|37節]] |
[[#38節|38節]] |
[[#39節|39節]] |
[[#40節|40節]] <br />
[[#41節|41節]] |
[[#42節|42節]] |
[[#43節|43節]] |
[[#44節|44節]] |
[[#45節|45節]] |
[[#46節|46節]] |
[[#47節|47節]] |
[[#48節|48節]] |
[[#49節|49節]] |
[[#50節|50節]] <br />
[[#51節|51節]] |
[[#52節|52節]] |
[[#53節|53節]] |
[[#54節|54節]] |
[[#55節|55節]] |
[[#56節|56節]] <br />
[[#57節|57節]] |
[[#58節|58節]] |
[[#59節|59節]] |
[[#60節|60節]] |
[[#61節|61節]] |
[[#62節|62節]] <br />
[[#63節|63節]] |
[[#64節|64節]] |
[[#65節|65節]] |
[[#66節|66節]] |
[[#67節|67節]] <br />
[[#68節|68節]] |
[[#69節|69節]] |
[[#70節|70節]] <br />
[[#71節|71節]] |
[[#72節|72節]] |
[[#73節|73節]] |
[[#74節|74節]] |
[[#75節|75節]] |
[[#76節|76節]] |
[[#77節|77節]] |
[[#78節|78節]] |
[[#79節|79節]] |
[[#80節|80節]] <br />
[[#81節|81節]] |
[[#82節|82節]] |
[[#83節|83節]] |
[[#84節|84節]] |
[[#85節|85節]] |
[[#86節|86節]] |
[[#87節|87節]] |
[[#88節|88節]] <br />
[[#89節|89節]] |
[[#90節|90節]] <br />
[[#脚注|脚注]]<br />
[[#参考リンク|参考リンク]]<br />
|}
<br style="clear:both;" />
__notoc__
==カルヌーテース族の蜂起==
===1節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/1節]] {{進捗|00%|2025-10-26}}</span>
[[画像:Maccari-Cicero.jpg|thumb|right|250px|[[w:カティリナ弾劾演説|カティリーナ弾劾演説]]をする[[w:マルクス・トゥッリウス・キケロ|キケロー]](左中央)(チェザレ・マッカリによる19世紀のフレスコ画)。[[w:プブリウス・クロディウス・プルケル|クローディウス]]はこれを越権行為であるとして、カエサルの政敵となっていたキケローを一時的に亡命へ追い込み、ついにはキケローの友人ミローの配下によって殺害された。]]
[[画像:Pompei_Magnus_Antiquarium.jpg|thumb|right|250px|[[w:グナエウス・ポンペイウス|グナエウス・ポンペイウス]]の胸像。クローディウス殺害に伴う騒乱を収拾するべく、[[w:元老院|元老院]]によりポンペイウスが単独の[[w:執政官|執政官]]に選出され、首都ローマと本土イタリアを制圧した。一方、カエサルも属州で新たに徴兵して兵力を増した。元老院派はカエサルの勢力が強大になることを恐れて、カエサル自身から将兵を取り上げて召還すべきと主張したが、ポンペイウスは不和を避けて宥和を図った。]]
:
;首都ローマの政情不安、ガッリア人領袖たちの謀計
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:quietus#Latin|Quieta]] [[wikt:en:Gallia#Latin|Gallia]],
**[[w:ガリア|ガッリア]]が鎮定されると、
*Caesar, ut [[wikt:en:constituerat|constituerat]],
**カエサルは、定めていたように、
*in [[wikt:en:Italia#Latin|Italiam]] ad [[wikt:en:conventus#Noun|conventus]] [[wikt:en:agendus#Latin|agendos]] [[wikt:en:proficiscitur|proficiscitur]].
**イタリアに、巡回裁判を行なうために出発する。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ここでいうイタリアとは、カエサルの属州であった<br> [[w:ガリア・キサルピナ|ガッリア・キサルピーナ]]を指す。<br> カエサルは、巡回裁判を除けば、おもに[[w:ラヴェンナ|ラウェンナ]]に<br> 滞在していたと考えられる。[[内乱記_第1巻#5節|『内乱記』第1巻5節]]を参照。)</span>
:
*[[wikt:en:ibi#Latin|Ibi]] [[wikt:en:cognoscit|cognoscit]] de <P.> [[wikt:en:Clodius#Latin|Clodii]] [[wikt:en:caedes#Latin|caede]],
**そこで[[w:プブリウス・クロディウス・プルケル|プーブリウス・クローディウス]]の殺害について知って、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:クローディウスは護民官を務めた<ruby><rb>[[w:ポプラレス|民衆派]]</rb><rp>(</rp><rt>ポプラレス</rt><rp>)</rp></ruby> の政治家で、<br> カエサルから恩義を受けていた。<br> かの弁論家[[w:マルクス・トゥッリウス・キケロ|キケロー]]やその友人ティトゥス・ミロー [[w:la:Titus_Annius_Milo|Milo]] ら<br> <ruby><rb>[[w:オプティマテス|元老院派]]</rb><rp>(</rp><rt>オプティマテス</rt><rp>)</rp></ruby> と激しく対立し、ミローの配下によって殺害された。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:<P.> ([[wikt:en:Publius#Latin|Publii]]) 「プーブリウスの」は ρ系写本にのみ記されている。)</span>
*<de> <u>senatus</u>que <u>consulto</u> [[wikt:en:certior#Latin|certior]] [[wikt:en:factus#Participle|factus]], ut omnes [[wikt:en:iunior#Latin|iuniores]] Italiae [[wikt:en:coniurarent|coniurarent]],
**イタリアの全青年に<small>(新兵として)</small>宣誓するようにとの元老院決議について知らされて、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:この事態を収拾すべく元老院派の[[w:グナエウス・ポンペイウス|ポンペイウス]]が単独の執政官<br> (''[[w:de:Consul sine collega|consul sine collega]]'')に選任されて本土イタリアを掌握した。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:<de> は現存する写本にはなく、近世以降に挿入提案されたもの。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注: [[wikt:en:senatus_consultum#Latin|senātūs cōnsultum]] ([[wikt:en:ultimus#Latin|ultimum]]) 「[[w:セナトゥス・コンスルトゥム・ウルティムム|元老院(の最終)決議]]」<br> ; dē [[wikt:en:senatus_consulto#Latin|senātūs cōnsultō]] 「元老院決議について」)</span>
*<u>dilectum</u> [[wikt:en:totus#Latin|tota]] [[wikt:en:provincia#Latin|provincia]] habere [[wikt:en:instituo#Latin|instituit]].
**<small>(カエサルは)</small>属州<small>〔ガッリア・キサルピーナ〕</small>全体での徴集をすることを決定する。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:dilectus#Noun|dilectum]] は、[[wikt:en:delectus#Noun_2|delectum]] と表記している校訂版もある。)</span>
:
*<!--❷--><sup>(2)</sup> Eae res in Galliam [[wikt:en:transalpinus#Latin|Transalpinam]] celeriter [[wikt:en:perferuntur|perferuntur]].
**その状況は、[[w:ガリア・ナルボネンシス|ガッリア・トラーンサルピーナ]]<small>〔アルプスの向こう側のガッリア〕</small>に速やかに報知された。
:
*[[wikt:en:addunt|Addunt]] ipsi et [[wikt:en:adfingunt|adfingunt]] [[wikt:en:rumor#Latin|rumoribus]] [[wikt:en:Galli#Latin|Galli]],
**[[w:ガリア人|ガッリア人]]たち自身が風評に想像して付け加えたのは、
*quod res [[wikt:en:poscere|poscere]] [[wikt:en:videbatur|videbatur]]:
**事態が要求すると思われていたことで、
*[[wikt:en:retineri|retineri]] <u>urbano</u> [[wikt:en:motus#Noun_2|motu]] Caesarem
**カエサルは、都<small>〔[[w:ローマ|ローマ市]]〕</small>の騒乱に束縛されて、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:urbanus#Adjective|urbānus]] は「都市の」「都会の」と訳されるが、<br> とりわけ「首都[[w:ローマ|ローマ市]]の」を意味する。)</span>
*neque in [[wikt:en:tantus#Latin|tantis]] [[wikt:en:dissensio#Latin|dissensionibus]] ad [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitum]] venire posse.
**これほどの対立においては、軍隊のもとへ来ることができない、<br>ということである。
:
*<!--❸--><sup>(3)</sup> Hac [[wikt:en:impulsus#Participle|impulsi]] [[wikt:en:occasio#Latin|occasione]],
**このような好機に刺激されて、
*qui iam ante se [[wikt:en:populus#Noun|populi]] Romani [[wikt:en:imperium#Latin|imperio]] [[wikt:en:subiectus#Latin|subiectos]] [[wikt:en:dolerent|dolerent]],
**すでに以前から自分たちがローマ国民の支配に服属させられているのを悲嘆している者たちは、
*[[wikt:en:libere#Adverb_2|liberius]] atque [[wikt:en:audacter#Latin|audacius]] de bello [[wikt:en:consilium#Latin|consilia]] [[wikt:en:inire|inire]] [[wikt:en:incipiunt|incipiunt]].
**より自由に、かつ、より向こう見ずに、戦争について謀議に取りかかり始める。
:
[[画像:Brennus_mg_9724.jpg|thumb|right|250px|[[w:ブレンヌス|ブレンヌス]]の胸像。BC4世紀([[w:紀元前387年|387年]])に、ローマ軍を破って、ローマ市を占領した。アッコーと同じセノネース族の族長だったとされている。]]
*<!--❹--><sup>(4)</sup> [[wikt:en:indictus#Latin|Indictis]] inter se principes Galliae [[wikt:en:concilium#Latin|conciliis]] [[wikt:en:silvestris#Latin|silvestribus]] ac [[wikt:en:remotus#Latin|remotis]] locis
**ガッリアの領袖たちは、森林や人里離れた場所での会合を互いに申し合わせて、
*[[wikt:en:queruntur|queruntur]] de [[wikt:en:Acco#Latin|Acconis]] [[wikt:en:mors#Latin|morte]];
**アッコーの死について嘆く。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[ガリア戦記 第6巻#44節|第6巻44節]]を参照。)</span>
*<u>posse</u> hunc [[wikt:en:casus#Latin|casum]] ad ipsos [[wikt:en:recidere#Verb_4|recidere]] [[wikt:en:demonstrant#Latin|demonstrant]];
**彼<small>〔アッコー〕</small>の結末が彼ら自身へ降りかかりうることを説く。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:posse#Verb|posse]] の位置は、<br> α系写本では hunc の前だが、<br> β系写本では hunc casum ad ipsos recidere <u>posse</u> demonstrant <br> となっている。)</span>
:
*<!--❺--><sup>(5)</sup> [[wikt:en:miserantur|miserantur]] [[wikt:en:communis#Latin|communem]] Galliae [[wikt:en:fortuna#Latin|fortunam]];
**ガッリア共通の境遇をあわれむ。
*omnibus [[wikt:en:pollicitatio#Latin|pollicitationibus]] ac [[wikt:en:praemium#Latin|praemiis]] [[wikt:en:deposcunt|deposcunt]]
**<small>(以下の者たちを)</small>あらゆる約束と恩賞によって求める。
*qui [[wikt:en:bellum#Latin|belli]] <u>initia</u> [[wikt:en:faciant|faciant]] et sui [[wikt:en:caput#Latin|capitis]] [[wikt:en:periculum#Latin|periculo]] Galliam in [[wikt:en:libertas#Latin|libertatem]] [[wikt:en:vindicent|vindicent]].
**戦端を開いて、自らを危険にさらしても、ガッリアを解放する者たちを。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:~ in libertatem vindicare;~を解放する)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:initia#Latin|initia]] (複数形) だが、<br> β系写本では [[wikt:en:initium#Latin|initium]] (単数形) となっている。)</span>
:
*<!--❻--><sup>(6)</sup> In primis [[wikt:en:ratio#Latin|rationem]] esse [[wikt:en:habendus#Latin|habendam]] [[wikt:en:dicunt|dicunt]],
**とりわけ、<small>(以下のような)</small>方策を採るべきであると述べる。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:in_primis#Latin|in primis]] は、[[wikt:en:inprimis#Adverb|
inprimis]] と表記している校訂版もある。)</span>
*[[wikt:en:priusquam#Latin|prius quam]] eorum [[wikt:en:clandestinus#Latin|clandestina]] consilia [[wikt:en:efferantur|efferantur]],
**彼らの秘密の計画が漏らされるより前に、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:反ローマの挙兵のはかりごとが漏れる前に)</span>
*ut Caesar ab [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitu]] [[wikt:en:intercludatur|intercludatur]].
**カエサルが軍隊から切り離されるように、と。
:
*<!--❼--><sup>(7)</sup> Id esse [[wikt:en:facilis#Latin|facile]],
**それは容易なことである。
*quod neque legiones [[wikt:en:audeant|audeant]] [[wikt:en:absens#Latin|absente]] [[wikt:en:imperator#Latin|imperatore]] ex [[wikt:en:hiberna#Noun|hibernis]] [[wikt:en:egredi|egredi]],
**というのは、[[w:ローマ軍団|諸軍団]]は将軍<small>〔カエサル〕</small>が不在のときにあえて冬営から出て行こうとはしないし、
*neque [[wikt:en:imperator#Latin|imperator]] sine [[wikt:en:praesidium#Latin|praesidio]] ad legiones [[wikt:en:pervenire#Latin|pervenire]] [[wikt:en:possit|possit]].
**将軍は護衛なしに諸軍団のところへ到着することはできないのだから。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--❽--><sup>(8)</sup> [[wikt:en:postremo#Adverb|Postremo]] in [[wikt:en:acies#Latin|acie]] <u>praestare</u> [[wikt:en:interfici|interfici]],
**結局のところ、戦列において討ち死にする方がましである。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[wikt:en:praestare|praestare]] ~ [[wikt:en:quam#Adverb|quam]] …「…よりも~がより優る」)</span>
*<u>quam</u> non [[wikt:en:vetus#Latin|veterem]] belli [[wikt:en:gloria#Latin|gloriam]] [[wikt:en:libertas#Latin|libertatem]]<nowiki>que</nowiki> quam a [[wikt:en:maior#Noun|maioribus]] [[wikt:en:acceperint|acceperint]], [[wikt:en:recuperare#Latin|recuperare]].
**先祖から受け継いだかつての戦争の栄誉および自由を取り戻さないことよりは。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===2節===
[[画像:Chartres_1.jpg|thumb|right|320px|カルヌーテース族([[w:la:Carnutes|Carnutes]])の名を残す現在の[[w:シャルトル|シャルトル]]([[w:en:Chartres|Chartres]])の象徴である[[w:シャルトル大聖堂|シャルトル大聖堂]]([[w:世界遺産|世界遺産]])。[[ガリア戦記 第6巻#13節|第6巻13節]]⑩項で既述のように、カルヌーテース族の土地はガッリアの中心・聖地と見なされていた。ガッリアがキリスト教化されると、[[w:司教|司教座]]が置かれて、宗教的中心地となった。]]
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/2節]] {{進捗|00%|2025-11-05}}</span>
;ガッリア諸部族の会合で、カルヌーテース族が開戦動議
:
*<!--❶--><sup>(1)</sup> His rebus [[wikt:en:agitatus#Latin|agitatis]],
**これらの事柄が論議されて、
*[[wikt:en:profiteor#Latin|profitentur]] [[wikt:en:Carnutes#Latin|Carnutes]],
**カルヌーテース族の者が公言したことには、
*se [[wikt:en:nullus#Determiner|nullum]] [[wikt:en:periculum#Latin|periculum]] [[wikt:en:communis#Latin|communis]] [[wikt:en:salus#Latin|salutis]] causa [[wikt:en:recusare#Latin|recusare]],
**<small>(ガッリア)</small>共通の安全のためにはいかなる危険をも辞さない、
*[[wikt:en:princeps#Latin|principes]]<nowiki>que</nowiki> ex omnibus bellum [[wikt:en:facturus#Latin|facturos]] [[wikt:en:pollicentur|pollicentur]];
**かつ<small>(ガッリア方)</small>総勢の先鋒として戦争を遂行するであろうと約束する。
:
*<!--❷--><sup>(2)</sup> et, [[wikt:en:quoniam#Latin|quoniam]] in [[wikt:en:praesentia#Noun|praesentia]] [[wikt:en:obses#Latin|obsidibus]] [[wikt:en:cavere#Verb_2|cavere]] inter se non [[wikt:en:possint|possint]],
**目下のところ、人質により互いに保証し合うことはできなかったので、
*ne res [[wikt:en:efferatur|efferatur]],
**事が漏らされないように、
*<u>ut</u> [[wikt:en:ius_iurandum#Latin|iure iurando]] ac [[wikt:en:fides#Latin|fide]] [[wikt:en:sanciatur|sanciatur]], [[wikt:en:petunt|petunt]],
**誓約と信義でもって批准するように求める。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、写本ST<sup>c</sup> では ut だが、<br> 写本 T<sup>1</sup>・ρ系では at 、<br> 写本BMLNV・χ系では aut となっている。)</span>
*[[wikt:en:conlatus#Latin|conlatis]] [[wikt:en:militaris#Adjective|militaribus]] [[wikt:en:signum#Latin|signis]],
**軍旗が運び集められて、
*[[wikt:en:quo#Etymology_2_2|quo]] [[wikt:en:mos#Latin|more]] eorum [[wikt:en:gravissimus#Latin|gravissima]] [[wikt:en:caerimonia#Latin|caerimonia]] [[wikt:en:continetur|continetur]],
**それは彼らの慣習で最も荘重な<ruby><rb>神聖儀式</rb><rp>(</rp><rt>カエリモーニア</rt><rp>)</rp></ruby>として保たれているのだが、
*ne [[wikt:en:factus#Latin|facto]] [[wikt:en:initium#Latin|initio]] belli ab reliquis [[wikt:en:deserantur|deserantur]].
**開戦したら、ほかの<small>(部族の)</small>者たちから見放されないように、ということである。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--❸--><sup>(3)</sup> Tum [[wikt:en:conlaudatus#Latin|conlaudatis]] [[wikt:en:Carnutes#Latin|Carnutibus]],
**それから、カルヌーテース族が賞賛されて、
*[[wikt:en:datus#Participle|dato]] [[wikt:en:ius_iurandum#Latin|iure iurando]] ab omnibus, qui [[wikt:en:aderant|aderant]],
**訪れていたすべての者たちによって誓約が交わされて、
*[[wikt:en:tempus#Latin|tempore]] eius rei [[wikt:en:constitutus#Participle|constituto]]
**その事の時期を決定すると、
*ab [[wikt:en:concilium#Latin|concilio]] [[wikt:en:disceditur|disceditur]].
**<small>(ガッリアの領袖たちは)</small>会合から立ち去る。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===3節===
[[画像:Cathédrale_Sainte-Croix_d'Orléans_2008_PD_16.JPG|thumb|right|280px|ケナブム(Cenabum)すなわち現在の[[w:オルレアン|オルレアン]]の聖十字架大聖堂。ここもカルヌーテース族の[[w:オッピドゥム|城塞都市]]で、ガッリアの[[w:ドルイド|ドルイド]]たちが集まる聖地だったという。ローマの[[w:ルキウス・ドミティウス・アウレリアヌス|アウレリアヌス帝]](Aurelianus)によって再建されたのでアウレリアヌスの都市(アウレリアヌム [[w:la:Aurelianum|Aurelianum]])と改称され、オルレアン(Orléans)と転訛した。キリスト教化によってここにも[[w:司教|司教座]]が置かれて、布教の中心地になった。]]
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/3節]] {{進捗|00%|2025-11-17}}</span>
;カルヌーテース族がケナブム進駐
:
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:ubi#Latin|Ubi]] ea dies venit,
**その日が来ると、
*[[wikt:en:Carnutes#Latin|Carnutes]],
**カルヌーテース族は、
*Cotuato et Conconnetodumno [[wikt:en:dux#Latin|ducibus]], [[wikt:en:desperatus#Latin|desperatis]] hominibus,
**捨て身覚悟の連中であるコトゥアトゥスとコンコンネトドゥムヌスを指導者として、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ガリア語では、<br> コトゥアトス ''[[w:fr:Cotuatos|Cotuatos]]''、<br> コンコンネトドゥムノス ''[[w:fr:Conconnetodumnos|Conconnetodumnos]]''。)</span>
*<u>Cenabum</u> [[wikt:en:signum#Latin|signo]] [[wikt:en:datus#Participle|dato]] [[wikt:en:concurrunt|concurrunt]]
**号令が発せられるとともに<u>ケナブム</u>に襲来する。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ケナブムは、現在の[[w:オルレアン|オルレアン]]。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:fr:Cenabum|Cenabum]] はケルト語風の読みで、''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Vossius|Vossius]]'' による修正提案。<br> 写本では genabim, genebim, genebin などとなっている。<br> ⇒ [[wikt:en:Genabum#Latin|Genabum]])</span>
*[[wikt:en:civis#Latin|cives]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:Romanus#Adjective|Romanos]], qui [[wikt:en:negotiandi|negotiandi]] causa [[wikt:en:ibi#Latin|ibi]] [[wikt:en:constiterant|constiterant]],
**そこには、商いを営むためにローマ市民たちが滞在していて、
*in his [[wikt:en:Gaius#Latin|Gaium]] [[wikt:en:Fufius#Latin|Fufium]] Citam, [[wikt:en:honestus#Latin|honestum]] [[wikt:en:eques#Latin|equitem]] [[wikt:en:Romanus#Adjective|Romanum]],
**彼らの中には、気高いローマ人[[w:エクィテス|騎士]]ガーイウス・フーフィウス・キタがいて
*qui rei [[wikt:en:frumentarius#Latin|frumentariae]] [[wikt:en:iussus#Noun|iussu]] Caesaris [[wikt:en:praeerat|praeerat]],
**カエサルの指図により糧秣調達を統率していたが、
*[[wikt:en:interficiunt|interficiunt]] [[wikt:en:bonum#Noun_2|bona]]<nowiki>que</nowiki> eorum [[wikt:en:diripiunt|diripiunt]].
**<small>(カルヌーテース勢は彼らローマ市民たちを)</small>殺害して、彼らの財産を略奪する。
:
*<!--❷--><sup>(2)</sup> Celeriter ad omnes Galliae [[wikt:en:civitas#Latin|civitates]] [[wikt:en:fama#Latin|fama]] [[wikt:en:perfertur|perfertur]].
**速やかに全ガッリア部族のもとへ、評判が報知される。
*Nam, <u>ubique</u> [[wikt:en:maior#Latin|maior]] atque [[wikt:en:inlustrior|inlustrior]] [[wikt:en:incidit#Etymology_1|incidit]] res,
**なぜなら、より重大でより目立った事態が起こればどこであろうが、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、主要写本ω の大半では [[wikt:en:ubique#Latin|ubique]] だが、写本STでは [[wikt:en:ubi#Latin|ubi]] 、<br> さらに [[wikt:en:ubicumque#Latin|ubicumque]] という異読もあり、<br> ''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Schneider,K.E.Chr.|Chr. Schneider]]'' は ubi quae と修正提案している。)</span>
*[[wikt:en:clamor#Latin|clamore]] per [[wikt:en:ager#Latin|agros]] [[wikt:en:regio#Latin|regiones]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:significant#Latin|significant]];
**耕地や<small>(集落の)</small>区域を介して、大声で呼びかける。
*<u>hinc</u> [[wikt:en:alius#Latin|alii]] [[wikt:en:deinceps#Latin|deinceps]] [[wikt:en:excipiunt|excipiunt]]
**ここから、別の者たちが続けて引き受けて、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本の大半では [[wikt:en:hanc#Latin|hanc]] だが、<br> β系写本では [[wikt:en:hinc#Latin|hinc]] 「ここから」、<br> 写本Sでは [[wikt:en:hunc|hunc]] となっている。)</span>
*et [[wikt:en:proximus#Noun|proximis]] [[wikt:en:tradunt|tradunt]];
**近隣の者たちへ伝える。
*ut tum [[wikt:en:accidit#Etymology_1|accidit]].
**そのときにも<small>(同様のことが)</small>起こったのである。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--❸--><sup>(3)</sup> Nam, quae <u>Cenabi</u> [[wikt:en:oriens#Latin|oriente]] [[wikt:en:sol#Latin|sole]] gesta essent,
**ケナブムで日が昇るときになされていたこと<small>〔襲撃〕</small>が、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:Cenabi はケルト語風の読みで、''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Vossius|Vossius]]'' による修正提案。<br> 主要写本ω では genabi となっている。 ⇒ [[wikt:en:Genabum#Latin|Genabum]])</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:gestus#Latin|gesta]] [[wikt:en:essent#Etymology_1|essent]] は [[wikt:en:gero#Latin|gerō]] の3人称・複数・過去完了・受動・接続法。)</span>
*ante [[wikt:en:primus#Latin|primam]] [[wikt:en:confectus#Latin|confectam]] [[wikt:en:vigilia#Latin|vigiliam]]
**第一夜警時の終わる前頃には
**:<span style="color:#009900;">(訳注:第一夜警時は、日の入から真夜中までの時間帯の前半「宵の口」。<br> [[古代ローマの不定時法#夜警時|#夜警時]] を参照。)</span>
*in finibus [[wikt:en:Arverni#Latin|Arvernorum]] audita sunt,
**アルウェルニー族の領土において聞かれた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:auditus#Latin|audita]] [[wikt:en:sunt#Latin|sunt]] は [[wikt:en:audio#Latin|audiō]] の3人称・複数・完了・受動・直説法)</span>
*[[wikt:en:qui#Latin|quod]] [[wikt:en:spatium#Latin|spatium]] est [[wikt:en:mille#Latin|milium]] [[wikt:en:passus#Etymology_2|passuum]] circiter [[wikt:en:centum#Latin|centum]] [[wikt:en:sexaginta#Latin|sexaginta]](CLX).
**約160ローママイルもの隔たりがあったのに。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:1[[ガイウス・ユリウス・カエサルの著作/通貨・計量単位#ミーッレ・パッスーム、ミーリア(ローママイル)|ローママイル]]は約1.48 kmで、160マイルは約240 km)</span>
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
==ウェルキンゲトリークスとガッリア同盟軍の蜂起==
===4節===
[[画像:Vercingetorix stater CdM.jpg|thumb|right|200px|“<span style="font-family:Times New Roman;font-size:15pt;">(VERCIN)GETORIXS</span>”の名と横顔が刻まれた金貨。]]
[[画像:Vercingétorix_par_Millet.jpg|thumb|right|250px|[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]の立像(フランスのアリーズ=サント=レーヌ <small>[[w:fr:Alise-Sainte-Reine|Alise-Sainte-Reine]]</small>)。<br>近代[[w:ナショナリズム|ナショナリズム]]の高揚とともに[[w:フランス|フランス]]国民が自らを古代[[w:ガリア人|ガッリア人]]の末裔と見なすようになると([[w:ガリア起源説|ガッリア起源説]])、ガッリア諸部族を率いて[[w:古代ローマ|古代ローマ]]と戦った彼は「'''フランス最初の英雄'''」として祀り上げられた。[[w:フランス第二帝政|第二帝政]]期に皇帝[[w:ナポレオン3世|ナポレオン3世]]の命により[[w:アレシアの戦い|アレスィア古戦場]]の発掘調査が実施され、[[w:1865年|1865年]]にはその地に彫刻家エメ・ミレ([[w:fr:Aimé Millet|Aimé Millet]])による高さ7メートルの銅像が建立された。<br>([[w:fr:Vercingétorix_(statue_d'Aimé_Millet)|fr:La statue de Vercingétorix]])]]
[[画像:Statue-vercingetorix-jaude-clermont.jpg|thumb|right|250px|[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]の騎馬像([[w:fr:Statue équestre de Vercingétorix (Frédéric Auguste Bartholdi)|fr]])。彼の出身地ゲルゴウィアの近く、[[w:クレルモン=フェラン|クレルモン=フェラン市]]中央広場に建つ。[[w:1903年|1903年]]に、[[w:自由の女神像 (ニューヨーク)|自由の女神像]]の作者として著名な彫刻家[[w:フレデリク・バルトルディ|フレデリク・オーギュスト・バルトルディ]]によって建立された。[[w:フランス語|フランス語]]で「我は皆の自由のために武器を取った」« J’ai pris les armes pour la liberté de tous » と刻まれている。]]
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/4節]] {{進捗|00%|2025-11-24}}</span>
;アルウェルニー族のウェルキンゲトリークスが挙兵、ガッリア諸部族同盟軍を指揮する
:
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:similis#Latin|Simili]] [[wikt:en:ratio#Latin|ratione]] ibi
**そこ<small>〔アルウェルニー族領〕</small>でも同様のやり方によって、
*[[wikt:en:Vercingetorix#Latin|Vercingetorix]],
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]という、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ガリア語 [[wikt:en:Reconstruction:Gaulish/Werkingetorix|*Werkingetorīx]] は「戦士たちの最高の王」という意味で、<br> ガッリア同盟軍の最高司令官にふさわしい呼び名である。<br> 《[[ガリア戦記/ガリア語の名前#Vercingetorix|'''ガリア語の名前'''#Vercingetorix]]》 を参照せよ。)</span>
*[[wikt:fr:Celtillus|Celtilli]] filius, [[wikt:en:Arvernus#Latin|Arvernus]],
**ケルティッルスの息子で[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]の者で、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:''[[w:en:Celtillus|Celtillus]]'' はガリア語で「小さなケルト人」という意味だと解される。)</span>
*[[wikt:en:summus#Adjective|summae]] [[wikt:en:potentia#Latin|potentiae]] [[wikt:en:adulescens#Noun|adulescens]],
**最高の影響力のある青年が、
*cuius [[wikt:en:pater#Latin|pater]] [[wikt:en:principatus#Latin|principatum]] Galliae [[wikt:en:totus#Etymology_1|totius]] [[wikt:en:obtinuerat|obtinuerat]]
**──その父<small>〔ケルティッルス〕</small>はガッリア全体の主導権を占めていたが、
*et ob eam causam, quod [[wikt:en:regnum#Latin|regnum]] [[wikt:en:adpetebat|adpetebat]], ab [[wikt:en:civitas#Latin|civitate]] erat [[wikt:en:interfectus#Latin|interfectus]],
**王位を求めたという理由により、部族の者によって誅殺されていたのであるが、──
*[[wikt:en:convocatus#Latin|convocatis]] suis [[wikt:en:cliens#Latin|clientibus]]
**自らの庇護者たちを招集して、
*facile [[wikt:en:incendit|incendit]].
**容易に焚き付けた。
:
*<!--❷--><sup>(2)</sup> [[wikt:en:cognitus#Participle|Cognito]] eius [[wikt:en:consilium#Latin|consilio]]
**彼の計画を知ると、
*ad [[wikt:en:arma#Latin|arma]] [[wikt:en:concurritur|concurritur]].
**<small>(人々は)</small>武器のもとへ群がり集まった。
*[[wikt:en:prohibetur|Prohibetur]] ab [[wikt:fr:Gobannitio|Gobannitione]], [[wikt:en:patruus#Latin|patruo]] suo, [[wikt:en:reliquus#Latin|reliquis]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:princeps#Noun_3|principibus]],
**彼の<small>(父方の)</small>おじゴバンニティオやほかの領袖たちにより妨げられた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:''[[w:fr:Gobannitio|Gobannitio]]'' は「鍛冶屋」か「鍛冶の神」に由来する名前と解される。)</span>
*qui hanc [[wikt:en:temptandus#Latin|temptandam]] [[wikt:en:fortuna#Latin|fortunam]] non [[wikt:en:existimabant|existimabant]];
**その者たちは、このような運命を試すべきとは考えていなかったのだ。
*[[wikt:en:expellitur|expellitur]] ex [[wikt:en:oppidum#Latin|oppido]] [[wikt:en:Gergovia#Latin|Gergovia]];
**<small>(ウェルキンゲトリークスは)</small>城塞都市ゲルゴウィアから追放される。
:
*<!--❸--><sup>(3)</sup> non [[wikt:en:destitit|destitit]] tamen
**しかしながら<small>(彼は計画を)</small>取り止めず、
*atque in agris habet [[wikt:en:dilectus#Noun|dilectum]] [[wikt:en:egens#Latin|egentium]] ac [[wikt:en:perditor#Noun|perditorum]].
**野に貧窮者たちやならず者たちを徴集する。
:
*Hac [[wikt:en:coactus#Latin|coacta]] [[wikt:en:manus#Latin|manu]],
**こうした手勢が集められ、
*[[wikt:en:quoscumque|quoscumque]] [[wikt:en:adit#Latin|adit]] ex civitate,
**部族のうちで<small>(彼が)</small>会った者は誰であれ、
*ad suam [[wikt:en:sententia#Latin|sententiam]] [[wikt:en:perducit|perducit]];
**自らの意図に引き込んだ。
:
*<!--❹--><sup>(4)</sup> [[wikt:en:hortatur|hortatur]] ut [[wikt:en:communis#Latin|communis]] [[wikt:en:libertas#Latin|libertatis]] causa [[wikt:en:arma#Latin|arma]] [[wikt:en:capiant|capiant]],
**<small>(ガッリア)</small>共通の自由のために武器を取るように鼓舞した。
*[[wikt:en:magnus#Latin|magnis]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:coactus#Latin|coactis]] [[wikt:en:copia#Latin|copiis]]
**大軍勢が集められて、
*[[wikt:en:adversarius#Latin|adversarios]] suos, a quibus paulo ante erat [[wikt:en:eiectus#Latin|eiectus]],
**少し前に<small>(彼をゲルゴウィアから)</small>放逐したところの敵対者たちを、
*[[wikt:en:expellit|expellit]] ex civitate.
**部族から追放する。
*[[wikt:en:rex#Latin|Rex]] ab suis [[wikt:en:appellatur|appellatur]].
**<small>(ウェルキンゲトリークスは)</small>配下の者たちから王と呼ばれている。
:
*<!--❺--><sup>(5)</sup> [[wikt:en:dimittit|Dimittit]] [[wikt:en:quoque#Latin|quoque]] [[wikt:en:versus#Adverb|versus]] [[wikt:en:legatio#Latin|legationes]];
**<small>(ウェルキンゲトリークスは)</small>あらゆる方向へ使節団を派遣して、
*[[wikt:en:obtestatur|obtestatur]] ut in [[wikt:en:fides#Latin|fide]] [[wikt:en:maneant|maneant]].
**誓約に留まるようにと、懇願する。
:
*<!--❻--><sup>(6)</sup> Celeriter sibi
**速やかに、自分たち<small>〔アルウェルニー族〕</small>に対して
*[[wikt:en:Senones#Latin|Senones]], [[wikt:en:Parisii#Latin|Parisios]], [[wikt:en:Pictones#Latin|Pictones]], [[wikt:en:Cadurci#Latin|Cadurcos]], <u>Turonos</u>, [[wikt:en:Aulerci#Latin|Aulercos]], [[wikt:en:Lemovices#Latin|Lemovices]], <u>Andes</u>
**セノネース族、パリースィイー族、ピクトネース族、カドゥルキー族、<br><u>トゥロニイー族</u>、アウレルキー族、レモウィーケース族、アンデース族、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部のトゥロニイー族 ''[[w:Turoni|Turoni]]'' は、トゥロネース族 ''[[wikt:en:Turones#Latin|Turonēs]]'' ともいう。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:二つ目の下線部は、α系写本では [[wikt:en:Andi#Latin|Andos]]「アンディー族」だが、<br> ''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Glareanus|Glareanus]]'' は、[[wikt:en:Andes#Latin|Andēs]]「アンデース族」と修正提案し、<br> これは別名「アンデカーウィー族」''[[wikt:en:Andecavi#Latin|Andecāvī]]'' ともいう。)</span>
*reliquosque omnes, qui [[wikt:en:Oceanus#Latin|Oceanum]] [[wikt:en:adtingunt|adtingunt]], [[wikt:en:adiungit|adiungit]];
**および<ruby><rb>大洋<span style="color:#009900;">〔[[w:大西洋|大西洋]]〕</span></rb><rp>(</rp><rt>オーケアヌス</rt><rp>)</rp></ruby>に接するほかの全部族を、加盟させる。
*omnium [[wikt:en:consensus#Latin|consensu]]
**すべての者たちの同意により、
*ad eum [[wikt:en:defertur|defertur]] [[wikt:en:imperium#Latin|imperium]].
**彼<small>〔ウェルキンゲトリークス〕</small>に<small>(諸部族の)</small>軍勢指揮権が譲り渡される。
:
*<!--❼--><sup>(7)</sup> Qua [[wikt:en:oblatus#Latin|oblata]] [[wikt:en:potestas#Latin|potestate]]
**<small>(ウェルキンゲトリークスは)</small>その権限が任されると、
*omnibus his civitatibus [[wikt:en:obses#Latin|obsides]] [[wikt:en:imperat|imperat]],
**これらすべての部族に人質<small>(の供出)</small>を命令して、
*[[wikt:en:certus#Latin|certum]] numerum [[wikt:en:miles#Latin|militum]] ad se celeriter [[wikt:en:adduci#Latin|adduci]] [[wikt:en:iubet#Latin|iubet]],
**兵の一定の数が自分のもとへ速やかに動員されることを命じる。
:
*<!--❽--><sup>(8)</sup> [[wikt:en:arma#Latin|armorum]] [[wikt:en:quantum#Latin|quantum]] [[wikt:en:quisque#Latin|quaeque]] civitas [[wikt:en:domi#Latin|domi]] [[wikt:en:quisque#Latin|quodque]] ante tempus [[wikt:en:efficiat|efficiat]], [[wikt:en:constituit#Latin|constituit]];
**おのおのの部族が本国で、武器のどれほどをその時期の前に生産するかを、決定した。
*in primis [[wikt:en:equitatus#Latin|equitatui]] [[wikt:en:studet|studet]].
**とりわけ、[[w:騎兵|騎兵隊]]を熱心に求めた。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--❾--><sup>(9)</sup> Summae diligentiae summam [[wikt:en:imperium#Latin|imperii]] [[wikt:en:severitas#Latin|severitatem]] addit;
**<small></small>(ウェルキンゲトリークスは)最高の入念さに、命令の最高の厳格さを付け加える。
*magnitudine [[wikt:en:supplicium#Latin|supplicii]] [[wikt:en:dubitans#Latin|dubitantes]] cogit.
**重大な刑罰をふんぎりが付かぬ者たちへ強いる。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--❿--><sup>(10)</sup> Nam maiore commisso delicto <u>igni</u> atque omnibus tormentis necat,
**すなわち、より重大な違反を犯したら、火とあらゆる拷問によって誅殺した。
*leviore de causa auribus desectis aut singulis effossis oculis domum remittit,
**より軽微な場合については、両耳を切り取り、あるいは眼を一つずつ繰り抜いて、郷里へ送還する。
*ut sint reliquis documento et magnitudine poenae perterreant alios.
**ほかの者たちへの警告となり、懲罰の重大さが別の者たちを畏怖させるようにである。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===5節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/5節]] {{進捗|00%|2025-12-14}}</span>
;ビトゥリゲース族が、ガッリア同盟軍に寝返る
:
*<!--❶--><sup>(1)</sup> His [[wikt:en:supplicium#Latin|suppliciis]] celeriter [[wikt:en:coactus#Latin|coacto]] [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitu]],
**<small>(ウェルキンゲトリークスは)</small>これらの刑罰により速やかに軍隊を徴集して、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:「軍隊」と訳される [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitus]] には「鍛えられて規律がある」という意味合いがあり、<br> これまでカエサルがガッリア人の軍勢をこのように表現したことはまれであった。)</span>
*[[wikt:en:Lucterius#Latin|Lucterium]] [[wikt:en:Cadurcus#Latin|Cadurcum]], [[wikt:en:summus#Latin|summae]] hominem [[wikt:en:audacia#Latin|audaciae]],
**この上なく豪胆な人物であるカドゥルキー族のルクテリウスを
*cum parte [[wikt:en:copiarum#Noun_2|copiarum]] in [[wikt:en:Ruteni#Latin|Rutenos]] [[wikt:en:mittit|mittit]];
**軍勢の一部とともにルテーニー族のところに遣わす。
*ipse in [[wikt:en:Bituriges#Latin|Bituriges]] [[wikt:en:proficiscitur|proficiscitur]].
**<small>(ウェルキンゲトリークス)</small>自身はビトゥリゲース族のところに出発する。
:
; ビトゥリゲース族が、ハエドゥイー族に、対ウェルキンゲトリークスのための援兵を依頼
*<!--❷--><sup>(2)</sup> Eius [[wikt:en:adventus#Latin|adventu]]
**彼<small>〔ウェルキンゲトリークス〕</small>の到来により、
*[[wikt:en:Bituriges#Latin|Bituriges]] ad [[wikt:en:Aeduos|Haeduos]], quorum erant in [[wikt:en:fides#Latin|fide]],
**ビトゥリゲース族は、彼らが庇護下にあった[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]のもとへ、
*[[wikt:en:legatus#Latin|legatos]] [[wikt:en:mittunt|mittunt]] [[wikt:en:subsidium#Latin|subsidium]] [[wikt:en:rogatum#Verb|rogatum]],
**使節たちを、<small>(ハエドゥイー族からの)</small>援兵を依頼するために派遣する。
*[[wikt:en:quo#Adverb|quo]] [[wikt:en:facile#Latin|facilius]] hostium copias [[wikt:en:sustinere|sustinere]] [[wikt:en:possint|possint]].
**それにより、敵の軍勢をより容易に持ちこたえることができるようにということであった。
:
; ハエドゥイー族が、ビトゥリゲース族に対して援兵を派兵
*<!--❸--><sup>(3)</sup> [[wikt:en:Aedui#Latin|Haedui]] de [[wikt:en:consilium#Latin|consilio]] [[wikt:en:legatus#Latin|legatorum]], quos Caesar ad [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitum]] [[wikt:en:reliquerat|reliquerat]],
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]は、カエサルが軍隊のもとへ残していた<ruby><rb>[[w:レガトゥス|総督副官]]</rb><rp>(</rp><rt>レーガートゥス</rt><rp>)</rp></ruby>たちの助言により、
*copias [[wikt:en:equitatus#Noun|equitatus]] [[wikt:en:peditatus#Latin|peditatus]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:subsidium#Latin|subsidio]] [[wikt:en:Bituriges#Latin|Biturigibus]] [[wikt:en:mittunt|mittunt]].
**[[w:騎兵|騎兵隊]]と[[w:歩兵|歩兵隊]]の軍勢をビトゥリゲース族に対する援兵として派遣する。
:
; ハエドゥイー族の援兵が、ビトゥリゲース族の寝返りを怖れて、途中で逃げ帰ってしまう
*<!--❹--><sup>(4)</sup> Qui cum ad flumen [[wikt:en:Liger#Latin|Ligerim]] [[wikt:en:venissent|venissent]], quod [[wikt:en:Bituriges#Latin|Bituriges]] ab [[wikt:en:Aeduis|Haeduis]] [[wikt:en:dividit#Latin|dividit]],
**その者たち<small>〔援兵〕</small>は、ビトゥリゲース族を[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]から分け隔てるリゲル川のたもとへやって来たときに、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:リゲル川 [[w:la:Liger|Liger]] は、現在の[[w:ロワール川|ロワール川]]。<br> 本書に登場するビトゥリゲース・クビ族 ''[[w:en:Bituriges Cubi|Bituriges Cubi]]'' は、<br> ロワール川西岸の[[w:シェール県|シェール県]]の辺りに居住していた。<br> 対して、[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]は、<br> ロワール川東岸の[[w:ニエーヴル県|ニエーヴル県]]の辺りに居住していた。)</span>
[[画像:Map of Eduens people-fr.svg|thumb|right|250px|[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]を軸とするガッリアの合従連衡(<small>フランス語表記</small>)。赤い部分がハエドゥイー族(Eduens)、桃色・茶色の部分が同盟部族、灰色の部分が敵対する[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]](Arvernes)とセクアニ族(Sequanes)の領域である。茶色のビトゥリゲース族(Bituriges)と赤いハエドゥイー族(Eduens)の境界に沿ってリゲル川([[w:ロワール川|ロワール川]])が流れていることが見て取れる。川の西岸はビトゥリゲース族とアルウェルニー族の勢力圏になっている。]]
*paucos dies ibi [[wikt:en:moratus#Participle|morati]]
**わずかな日々をそこでぐずぐずして、
*neque flumen [[wikt:en:transire#Latin|transire]] [[wikt:en:ausus#Participle|ausi]] [[wikt:en:domus#Latin|domum]] [[wikt:en:revertuntur|revertuntur]]
**川をあえて渡らずに、故国に引き返す。
:
*<!--❺--><sup>(5)</sup> [[wikt:en:legatus#Latin|legatis]]<nowiki>que</nowiki> nostris [[wikt:en:renuntiant|renuntiant]]
**<small>(ハエドゥイー族の援兵たちが)</small>我が方<small>〔ローマ方〕</small>の<ruby><rb>[[w:レガトゥス|総督副官]]</rb><rp>(</rp><rt>レーガートゥス</rt><rp>)</rp></ruby>たちに報告したことには、
*se [[wikt:en:Bituriges#Latin|Biturigum]] [[wikt:en:perfidia#Latin|perfidiam]] [[wikt:en:veritus#Latin|veritos]] [[wikt:en:revertisse|revertisse]],
**自分たち<small>〔援兵〕</small>は、ビトゥリゲース族の寝返りを恐れて引き返した。
*quibus id [[wikt:en:consilium#Latin|consilii]] fuisse [[wikt:en:cognoverint|cognoverint]],
**彼らには、以下のような謀計があったことを探知したのだ。
*ut, si flumen [[wikt:en:transissent#Latin|transissent]], una ex parte ipsi, altera [[wikt:en:Arverni#Latin|Arverni]] se [[wikt:en:circumsisterent|circumsisterent]].
**もし川を渡ったら、一方から<small>(ビトゥリゲース族)</small>自身が、他方から[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]が自分たちを包囲するというものだ、と。
:
*<!--❻--><sup>(6)</sup> Id ea<span style="background-color:#ffa;">[[wikt:la:-ne|ne]]</span> de causa, quam [[wikt:en:legatus#Latin|legatis]] <u>pronuntiarunt</u>,
**そのことは<small>(援兵たちが)</small><ruby><rb>[[w:レガトゥス|総督副官]]</rb><rp>(</rp><rt>レーガートゥス</rt><rp>)</rp></ruby>たちに報告した理由によって<small>(なしたのか?)</small>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:-ne#Latin|-ne]] ~ [[wikt:en:an#Latin|an]] …;~であるか、あるいは…であるか。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部の [[wikt:en:pronuntiarunt|pronuntiarunt]]<sub> (直接法・完了形)</sub> は古い印刷本 ''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#クリティカル・アパラトゥスとその略号|edd.vett.]]'' の記述で、<br> α系写本では [[wikt:en:pronuntiarint|pronuntiarint]]<sub> (接続法・完了形)</sub> だが、<br> β系写本では [[wikt:en:pronuntiaverint|pronuntia<u>ve</u>rint]]<sub> (接続法・完了形)</sub> となっている。)</span>
*<span style="background-color:#ffa;">[[wikt:la:an|an]]</span> [[wikt:en:perfidia#Latin|perfidia]] [[wikt:en:adductus#Latin|adducti]] [[wikt:en:fecerint|fecerint]],
**あるいは<small>(ビドゥリゲース族の)</small>寝返りに動かされて、なしたのか?
*[[wikt:en:quod#Conjunction|quod]] [[wikt:en:nihil#Latin|nihil]] nobis [[wikt:en:constat#Latin|constat]],
**我々<small>〔ローマ人〕</small>には何ら定かではないので、
*non [[wikt:en:videtur|videtur]] pro [[wikt:en:certus#Latin|certo]] esse <u>proponendum</u>.
**確言するべきであるとは思われない。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:~ pro certo ponere;~を確かであると主張する)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:proponendum|<u>pro</u>ponendum]] だが、<br> β系写本では [[wikt:en:ponendum|ponendum]] となっている。)</span>
: <!-- [[wikt:en:| -->
; ビトゥリゲース族が、ローマ人やハエドゥイー族から離反して、アルウェルニー族と同盟してしまう
*<!--❼--><sup>(7)</sup> [[wikt:en:Bituriges#Latin|Bituriges]] eorum [[wikt:en:discessus#Noun|discessu]]
**ビトゥリゲース族は、彼ら<small>〔援兵〕</small>の撤収により、
*[[wikt:en:statim#Latin|statim]] <u>se</u> cum [[wikt:en:Arverni#Latin|Arvernis]] <u>coniunguntur</u>.
**ただちに[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]と<small>(同盟を)</small>結んだ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:iunguntur|iunguntur]] だが、<br> β系写本では se ~ [[wikt:en:coniungunt|coniungunt]] となっている。)</span>
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===6節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/6節]] {{進捗|00%|2025-12-15}}</span>
[[画像:Warsaw Royal Castle GM (12).JPG|thumb|right|200px|[[w:グナエウス・ポンペイウス|グナエウス・ポンペイウス]]の立像([[w:ワルシャワ歴史地区|ワルシャワ王宮]])。彼は首都の騒乱を鎮めるために単独の[[w:執政官|執政官]]として大権を与えられ、イタリアの徴兵権を得た。[[w:三頭政治|三頭政治]]後のこの混乱期に、彼はカエサルの政敵たちからこぞって支持されたが、危機に瀕していたカエサルを打倒する絶好の機会を見送った。これは重大な逸機であり、数年後にポンペイウスにとって致命的な結果をもたらすことになる。]]
;諸軍団と分断されて苦慮するカエサル
:
*<!--❶--><sup>(1)</sup> His rebus in Italiam Caesari [[wikt:en:nuntiatus#Latin|nuntiatis]],
**これらの事情がイタリアにいるカエサルへ知らされると、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ここでいうイタリアとは、<br> カエサルの属州[[w:ガリア・キサルピナ|ガッリア・キサルピーナ]]のことである。)</span>
*cum iam ille [[wikt:en:urbanus#Latin|urbanas]] res [[wikt:en:virtus#Latin|virtute]] [[wikt:en:Gnaei#Latin|Gnaei]]<sub> ([[wikt:en:Cn.#Latin|Cn.]])</sub> [[wikt:en:Pompeius#Proper_noun|Pompei]] [[wikt:en:commodior#Latin|commodiorem]] in [[wikt:en:status#Noun_11|statum]] [[wikt:en:pervenisse#Latin|pervenisse]] [[wikt:en:intellegeret|intellegeret]],
**彼は、もはや都<small>〔[[w:ローマ|ローマ市]]〕</small>の事態は[[w:グナエウス・ポンペイウス|グナエウス・ポンペイウス]]の果断さによってより相応な状態に至ったと認識したので、
*in [[wikt:en:Gallia_transalpina#Latin|Transalpinam Galliam]] [[wikt:en:profectus#Latin|profectus]] est.
**ガッリア・トラーンサルピーナ<small>〔アルプスの向こう側のガッリア〕</small>に出発した。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[#1節|1節]]②項で言及された Galliam Transalpinam は<br> アルプスの西側「長髪のガッリア」全般を指すと思われるが、<br> ここではどちらかといえば<br> ガッリア南部のローマ属州ガッリア・トラーンサルピーナ<br> すなわち後の[[w:ガリア・ナルボネンシス|ガッリア・ナルボーネーンスィス]]を指す。)</span>
:
*<!--❷--><sup>(2)</sup> [[wikt:en:eo#Adverb|Eo]] cum [[wikt:en:venisset|venisset]],
**<small>(カエサルが)</small>そこに来たときに、
*magna [[wikt:en:difficultas#Latin|difficultate]] [[wikt:en:adficiebatur|adficiebatur]], qua [[wikt:en:ratio#Latin|ratione]] ad [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitum]] [[wikt:en:pervenire#Latin|pervenire]] [[wikt:en:posset#Latin|posset]].
**どのような方策で軍隊のもとへ到達することができるか、という大きな困難に苦悩させられていた。
:
*<!--❸--><sup>(3)</sup> Nam, si [[wikt:en:legio#Latin|legiones]] in [[wikt:en:provincia#Latin|provinciam]] [[wikt:en:arcesseret|arcesseret]],
**なぜなら、もし、諸[[w:ローマ軍団|軍団]]を属州<small>〔ガッリア・トラーンサルピーナ〕</small>に呼び寄せるのならば、
*se [[wikt:en:absens#Latin|absente]] in [[wikt:en:iter#Latin|itinere]] [[wikt:en:proelium#Latin|proelio]] [[wikt:en:dimicaturus#Latin|dimicaturas]] [[wikt:en:intellegebat|intellegebat]];
**自分<small>〔カエサル〕</small>が不在のままで、行軍中に戦闘を闘うことになるであろうと理解していた。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--❹--><sup>(4)</sup> si ipse ad exercitum [[wikt:en:contenderet|contenderet]],
**もし<small>(カエサル)</small>自身が<small>(大部隊の護衛なしで)</small>軍隊のもとへ急いで行くのならば、
*<u>ne</u> iis <u>quidem</u> eo tempore qui quieti [[wikt:en:viderentur|viderentur]],
**そのときには、中立を保っていると見られる者たちでさえも、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:iis#Latin|iis]] はβ系写本の記述で、α系写本では [[wikt:en:his#Latin|his]] となっている。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:ne quidem|ne ~ quidem]]「~でさえ…ない」)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:quietus#Latin|quietus, quieti]]「平和的な、中立的な」)</span>
*suam [[wikt:en:salus#Latin|salutem]] [[wikt:en:recte#Latin|recte]] [[wikt:en:committi|committi]] [[wikt:en:videbat|videbat]].
**自分の身の安全を良く託されるとは思えなかったのだ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:前年まで、すなわち第6巻までの戦争は主としてガッリア北部・中部などで闘われていたので、<br> [[ガリア戦記 第6巻#44節|第6巻44節]]で既述のように、ローマ諸軍団はガッリア北部・中部周辺に冬営させられていた。<br> 今回は軍団が駐留していないガッリア中南部を中心に反乱が起こったので、<br> カエサルと諸軍団は分断された。<br> そのため、カエサルが大部隊の護衛なしで北上すれば、<br> 同盟部族にさえ寝首を掻かれる怖れがあったのである。)
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===7節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/7節]] {{進捗|00%|2025-12-19}}</span>
;ルクテリウスとカエサルのナルボーをめぐる駆け引き
[[画像:Narbonne_panorama.jpg|thumb|right|300px|'''ナルボー'''(Narbo)すなわち現在の[[w:ナルボンヌ|ナルボンヌ市]](Narbonne)の街並み。ローマ人が[[w:ドミティア街道|ドミティア街道]]の拠点として植民市'''コロニア・ナルボー・マルティウス'''(Colonia Narbo Martius)を建設し、後には[[w:ローマ内戦 (紀元前49年-紀元前45年)|ローマ内乱]]のときにもカエサル派の根拠地となった。その重要性から帝政期には州都に昇格し、[[w:属州|属州]]名も[[w:ガリア・ナルボネンシス|ガッリア・ナルボネンスィス]]に改められたほどである。]]
[[画像:Via_domitia_map600x600_(1).png|thumb|right|200px|[[w:ドミティア街道|ドミティア街道]](Via Domitia)の経路。ローマ人によってイタリアと[[w:ヒスパニア|ヒスパーニア]]を結ぶ重要な街道として整備された。本節でカエサル側の軍勢が往復したのもこの街道である。]]
:
; カドゥルキー族のルクテリウスが、ルテーニー族を同盟に引き入れる
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:interim#Latin|Interim]] [[wikt:en:Lucterius#Latin|Lucterius]] [[wikt:en:Cadurcus#Latin|Cadurcus]]
**その間に、カドゥルキー族のルクテリウスが
*in [[wikt:en:Ruteni#Latin|Rutenos]] [[wikt:en:missus#Participle|missus]]
**ルテーニー族のところに遣わされて、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[#5節|5節]]の冒頭で述べられた。<br> ルテーニー族 ''[[w:en:Ruteni|Ruteni]]'' は現在の[[w:アヴェロン県|アヴェロン県]]の<br> [[w:ロデーズ|ロデーズ]]辺りにいたとされる。)</span>
*eam [[wikt:en:civitas#Latin|civitatem]] [[wikt:en:Arverni#Latin|Arvernis]] [[wikt:en:conciliat|conciliat]].
**その部族に[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]との仲を取り持つ。
:
; ルクテリウスが、ローマ属州内の拠点都市ナルボーを目指す
*<!--❷--><sup>(2)</sup> [[wikt:en:progressus#Participle|Progressus]] in [[wikt:en:Nitiobriges#Latin|Nitiobriges]] et [[wikt:en:Gabali#Latin|Gabalos]]
**<small>(彼は)</small>ニティオブリゲース族とガバリー族のところに進んで行き、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ニティオブリゲース族<br> またはニティオブロゲース族 ''[[w:en:Nitiobroges|Nitiobroges]]'' は<br> 現在の[[w:ロット=エ=ガロンヌ県|ロット=エ=ガロンヌ県]][[w:アジャン|アジャン]]辺り、<br> ガバリー族 ''[[w:en:Gabali|Gabali]]'' は現在の[[w:ロゼール県|ロゼール県]]辺りにいたらしい。)</span>
*ab [[wikt:en:uterque#Latin|utrisque]] [[wikt:en:obses#Latin|obsides]] [[wikt:en:accipit|accipit]]
**双方から人質たちを受け取って、
*et, magna [[wikt:en:coactus#Latin|coacta]] [[wikt:en:manus#Latin|manu]],
**多くの手勢を徴集すると、
*in [[wikt:en:provincia#Latin|provinciam]] [[wikt:en:Narbo#Latin|Narbonem]] [[wikt:en:versus#Latin|versus]] [[wikt:en:eruptio#Latin|eruptionem]] facere [[wikt:en:contendit|contendit]].
**<small>(ローマ人の)</small>[[w:属州|属州]]内のナルボーに向かって出撃することを急ぐ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ナルボー [[w:la:Narbo|Narbo]] は、ローマ人が建設した地中海岸の植民市で、<br> ヒスパーニアとイタリアを結ぶ拠点であった。<br> 現在の[[w:ナルボンヌ|ナルボンヌ]]。)</span>
:
; カエサルもナルボーを目指す
*<!--❸--><sup>(3)</sup> Qua re [[wikt:en:untiatus#Latin|nuntiata]]
**その事を報告されると、
*Caesar omnibus [[wikt:en:consilium#Latin|consiliis]] [[wikt:en:antevertendus#Latin|antevertendum]] <span style="color:#009900;font-size:8pt;">(esse)</span> [[wikt:en:existimavit|existimavit]], ut [[wikt:en:Narbo#Latin|Narbonem]] [[wikt:en:proficisceretur|proficisceretur]].
**カエサルは、ナルボーに出発することを、あらゆる計画に先立ってするべきであると考えた。
:
*<!--❹--><sup>(4)</sup> [[wikt:en:eo#Adverb|Eo]] cum [[wikt:en:venisset|venisset]],
**<small>(カエサルは)</small>そこへやって来ると、
*[[wikt:en:timens#Latin|timentes]] [[wikt:en:confirmat#Latin|confirmat]],
**<ruby><rb>怖気</rb><rp>(</rp><rt>おじけ</rt><rp>)</rp></ruby>ている者たちを元気付けて、
*[[wikt:en:praesidium#Latin|praesidia]]
**守備隊を
*in [[wikt:en:Ruteni#Latin|Rutenis]] [[wikt:en:provincialis#Latin|provincialibus]], [[wikt:en:Volcae#Latin|Volcis]] [[wikt:en:Arecomici#Latin|Arecomicis]], [[wikt:en:Tolosates#Latin|Tolosatibus]]
**属州側のルテーニー族、[[w:ウォルカエ族|ウォルカエ]]・アレコミキー族、トローサーテース族<small>(らの領内)</small>に、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:上述のように、属州外の<u>ルテーニー族</u>は[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]と結んでいる。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[w:ウォルカエ族|ウォルカエ族]]は、西側に住むテクトサゲース族 ''[[w:en:Tectosages|Tectosages]]'' と<br> 東側に住むアレコミキー族 ''[[w:en:Arecomici|Arecomici]]'' の2支族に分かれていた。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:トローサーテース族 ''[[w:fr:Tolosates|Tolosates]]'' は、ウォルカエ・テクトサゲース族の分派とされ、<br> 現在の[[w:トゥールーズ|トゥールーズ]]の近くにいたと考えられている。)</span>
*[[wikt:en:circum#Preposition|circum]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:Narbo#Latin|Narbonem]], quae [[wikt:en:locum#Latin|loca]] hostibus erant [[wikt:en:finitimus#Latin|finitima]],
**および敵方に隣接した地である[[w:ナルボンヌ|ナルボー]]周辺に
*[[wikt:en:constituit#Latin|constituit]];
**駐留させる。
:
*<!--❺--><sup>(5)</sup> partem [[wikt:en:copiae#Noun_2|copiarum]] ex [[wikt:en:provincia#Latin|provincia]]
**属州<small>〔ガッリア・トラーンサルピーナ〕</small>からの軍勢の一部、
*[[wikt:en:supplementum#Latin|supplementum]]<nowiki>que</nowiki>, quod ex Italia [[wikt:en:adduxerat|adduxerat]],
**およびイタリアから率いて来た補充兵を
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:後者の補充兵 supplementum は、[[#1節|1節]]で既述のように、<br> [[w:ガリア・キサルピナ|ガッリア・キサルピーナ]]で徴募された軍団兵であろう。)</span>
*in [[wikt:en:Helvii#Latin|Helvios]], qui fines [[wikt:en:Arverni#Latin|Arvernorum]] [[wikt:en:contingunt|contingunt]],
**[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]の領土に接しているヘルウィイー族のところに
*[[wikt:en:convenire#Latin|convenire]] [[wikt:en:iubet#Latin|iubet]].
**集結することを命じる。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===8節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/8節]] {{進捗|00%|2026-01-03}}</span>
[[画像:Carte-cevennes-france.png|thumb|right|200px|フランスにおける[[w:中央高地 (フランス)|中央高地]](Massif Central)とセヴェンヌ山地(Cévennes)の位置]]
[[画像:Col_de_legal.jpeg|thumb|right|200px|[[w:雪|雪]]に覆われた[[w:オーヴェルニュ地域圏|オーヴェルニュ高地]]。オーヴェルニュ(Auvergne)の名は[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]](Arverni)に由来する。]]
[[画像:Causse_Mejean_Evening.jpg|thumb|right|200px|城壁のように続くケウェンナ(セヴェンヌ)山地の断崖]]
[[画像:France_Massif_central.jpg|thumb|right|200px|[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]の勢力圏であった[[w:中央高地 (フランス)|中央高地]](Massif Central)の領域(着色部分)。平野の多いフランスにおいて山塊としてそびえ立つ。]]
:
;カエサルがケウェンナ山地を越えてアルウェルニー族の領内へ突入
*<!--❶--><sup>(1)</sup> His rebus [[wikt:en:comparatus#Latin|comparatis]],
**これらの事が整えられて、
*[[wikt:en:repressus#Latin|represso]] iam [[wikt:en:Lucterius#Latin|Lucterio]] et [[wikt:en:remotus#Latin|remoto]],
**<small>(カドゥルキー族の)</small>ルクテリウスはすでに押し留められ、遠ざけられた。
*quod [[wikt:en:intrare#Latin|intrare]] intra [[wikt:en:praesidium#Latin|praesidia]] [[wikt:en:periculosus#Latin|periculosum]] [[wikt:en:putabat|putabat]],
**──というのは<small>(ローマ人の)</small>守備の範囲内に踏み込むことは危険なことであると<small>(ルクテリウスが)</small>見なしていたからであるが、──
*in [[wikt:en:Helvii#Latin|Helvios]] [[wikt:en:proficiscitur|proficiscitur]].
**<small>(そこで、カエサルは)</small>ヘルウィイー族のところに出発する。
:
; カエサルが、アルウェルニー族の要害ケウェンナ山を越える
*<!--❷--><sup>(2)</sup> <u>Etsi</u> mons <u>Cevenna</u>, qui [[wikt:en:Arverni#Latin|Arvernos]] ab [[wikt:en:Helvii#Latin|Helviis]] [[wikt:en:discludit|discludit]],
**[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]をヘルウィイー族から隔てている<u>ケウェンナ山</u>は、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:山の名は写本によって Cebenna または Cevenna となっており、<br> [[w:ガイウス・プリニウス・セクンドゥス|大プリーニウス]]が記した [[wikt:en:Cebenna#Latin|Cebenna]] がガリア語に近いようである。<br> 現在名はセヴェンヌ山地 Cévennes と呼ばれ、<br> [[w:中央高地 (フランス)|フランス中央高地]](Massif Central)の南東部にそそり立っている。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:etsi#Latin|etsi]] ~ [[wikt:en:tamen#Latin|tamen]] …「~としても、にもかかわらず…」)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:mons#Latin|mons]] は β系写本の記述で、α系写本にはない。)</span>
*[[wikt:en:durissimus#Latin|durissimo]] tempore anni
**最も厳しい時季に
*[[wikt:en:altissimus#Latin|altissima]] [[wikt:en:nix#Latin|nive]] iter [[wikt:en:impediebat|impediebat]],
**豪[[w:雪|雪]]によって道を閉ざしていたのであるが、
*<u>tamen</u> [[wikt:en:discussus#Latin|discussa]] [[wikt:en:nix#Latin|nive]] sex in [[wikt:en:altitudo#Latin|altitudinem]] [[wikt:en:pes#Latin|pedum]]
**にもかかわらず<small>(カエサル勢は)</small>深さ6<u>ペース</u>の雪を粉砕して、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:1[[ガイウス・ユリウス・カエサルの著作/通貨・計量単位#ペース|ペース]]は約29.6cmで、6ペースは約1.8メートル弱。)</span>
*atque ita [[wikt:en:via#Latin|viis]] [[wikt:en:patefactus#Latin|patefactis]] [[wikt:en:summus#Latin|summo]] [[wikt:en:miles#Latin|militum]] <u>sudore</u>
**このように兵士たちの最大の努力によって道が開かれて、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:sudor#Latin|sudore]]「汗」だが、<br> β系写本では [[wikt:en:labor#Latin|labore]]「労苦」 となっている。)</span>
*ad fines [[wikt:en:Arverni#Latin|Arvernorum]] [[wikt:en:pervenit#Latin|pervenit]].
**[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]の領土へ到達した。
:
; アルウェルニー族が、カエサルの奇襲に周章狼狽する
*<!--❸--><sup>(3)</sup> Quibus [[wikt:en:oppressus#Latin|oppressis]] [[wikt:en:inopinans#Latin|inopinantibus]],
**<small>(アルウェルニー族は)</small>彼らに対する<small>(カエサルの)</small>攻撃を予期していなかったが、
*quod se <u>Cevenna</u> ut [[wikt:en:murus#Latin|muro]] [[wikt:en:munitus#Latin|munitos]] [[wikt:en:existimabant|existimabant]],
**──というのは、自分たちは<u>ケウェンナ</u>を壁として防御されていると考えていたからであり、
*ac <u>ne</u> [[wikt:en:singularis#Latin|singulari]] <u>quidem</u> [[wikt:en:umquam#Latin|umquam]] homini eo tempore anni [[wikt:en:semita#Latin|semitae]] [[wikt:en:patuerant|patuerant]],
**かつ、その時季には、個人にとってさえも、小道はかつて開かれていなかったからであるが、──
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:ne quidem|ne ~ quidem]]「~でさえ…ない」)</span>
*[[wikt:en:eques#Latin|equitibus]] [[wikt:en:imperat|imperat]],
**<small>(カエサルは)</small>騎兵たちに命令する。
*ut, [[wikt:en:quam#Adverb|quam]] [[wikt:en:late#Latin|latissime]] [[wikt:en:possint|possint]], [[wikt:en:vagentur|vagentur]]
**できるだけ広く動き回り、
*et [[wikt:en:quam#Adverb|quam]] maximum hostibus [[wikt:en:terror#Latin|terrorem]] [[wikt:en:inferant|inferant]].
**敵たちに最大限の恐怖を引き起こすように、と。
:
; ウェルキンゲトリークスが、ビトゥリゲース族のもとから軍勢を取って返す
*<!--❹--><sup>(4)</sup> Celeriter haec [[wikt:en:fama#Latin|fama]] ac <u>nuntiis</u>
**これらのことは速やかに風評や伝令たちによって、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、主要写本ω では [[wikt:en:nuntii#Latin|nuntii]] だが、<br> ''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Manutius|Manutius]]'' が [[wikt:en:nuntiis#Etymology_1|nuntiis]] と修正提案している。)</span>
*ad [[wikt:en:Vercingetorix#Latin|Vercingetorigem]] [[wikt:en:perferuntur|perferuntur]];
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]のもとへ報知される。
*quem [[wikt:en:perterritus#Latin|perterriti]] omnes [[wikt:en:Arverni#Latin|Arverni]] [[wikt:en:circumsistunt|circumsistunt]] atque [[wikt:en:obsecrant|obsecrant]],
**彼<small>〔ウェルキンゲトリークス〕</small>を、脅かされている[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]の皆が取り巻いて、嘆願する。
*ut suis [[wikt:en:fortuna#Latin|fortunis]] [[wikt:en:consulat#Latin|consulat]],
**自分たち<small>〔アルウェルニー族〕</small>の境遇に配慮してくれるように、
*<u>neve</u> ab hostibus <u>diripiantur</u>,
**自分たち<small>〔アルウェルニー族〕</small>が敵<small>〔ローマ人〕</small>によって略奪されることを許容しないように、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:この行は、α系写本では [[wikt:en:neve#Latin|neve]] ab hostibus [[wikt:en:diripiantur|diripiantur]] <br> β系写本では [[wikt:en:neu#Latin|neu]] se ab hostibus [[wikt:en:diripi|diripi]] [[wikt:en:patiatur|patiatur]] となっている。)</span>
*[[wikt:en:praesertim#Latin|praesertim]] cum [[wikt:en:videat|videat]] [[wikt:en:omnis#Latin|omne]] ad se bellum [[wikt:en:translatus#Participle|translatum]].
**とりわけ、すべての戦争が自分たちへ向けられると<small>(彼が)</small>見なしているのであるから
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:praesertim cum ~;とりわけ~であるから)</span>
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--❺--><sup>(5)</sup> Quorum ille [[wikt:en:prex#Latin|precibus]] [[wikt:en:permotus#Latin|permotus]]
**彼<small>〔ウェルキンゲトリークス〕</small>は、その者たちの懇願に揺り動かされて、
*[[wikt:en:castra#Latin|castra]] ex [[wikt:en:Bituriges#Latin|Biturigibus]] [[wikt:en:movet|movet]] in [[wikt:en:Arverni#Latin|Arveruos]] [[wikt:en:versus#Latin|versus]].
**陣営をビトゥリゲース族のところから[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]のところに向けて行軍する。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:castra movet 「陣営を動かす」=「行軍する」)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:現在の[[w:ブールジュ|ブールジュ]]辺りから[[w:クレルモン=フェラン|クレルモン=フェラン]]辺りに南下したようである。)</span>
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===9節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/9節]] {{進捗|00%|2026-01-12}}</span>
;カエサルが北上して諸軍団と合流するが、同盟軍はゴルゴビナ攻略をめざす
:
*<!--❶--><sup>(1)</sup> At Caesar, [[wikt:en:biduum#Latin|biduum]] in his locis [[wikt:en:moratus#Participle|moratus]],
**それに対して、カエサルは2日間、この地に留まった。
*quod haec de [[wikt:en:Vercingetorix#Latin|Vercingetorige]] usu ventura [[wikt:en:opinio#Latin|opinione]] [[wikt:en:praeceperat|praeceperat]],
**──というのは、[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]についてこれ<small>〔陣営の移動〕</small>が起こると予想をしていたからだが、──
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:usu venire 「起こる」→ usu [[wikt:en:venturus#Latin|ventūra]] (esse) 「起こるであろう」)</span>
*per causam [[wikt:en:supplementum#Latin|supplementi]] [[wikt:en:equitatus#Noun|equitatus]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:cogendus#Latin|cogendi]]
**補充兵と騎兵隊を徴集するためという口実のもとに、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:per causam 「口実のもとに」)</span>
*ab [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitu]] [[wikt:en:discedit|discedit]];
**軍隊から離れる。
:
*<!--❷--><sup>(2)</sup> [[wikt:en:Brutus#Latin|Brutum]] [[wikt:en:adulescens#Noun|adulescentem]] his copiis [[wikt:en:praeficit|praeficit]];
**<small>(カエサルは)</small><u>青年ブルートゥス</u>にこの軍勢を指揮させる。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:青年ブルートゥスとは、<br> [[w:デキムス・ユニウス・ブルトゥス・アルビヌス|デキムス・ブルートゥス]](<small>[[w:la:Decimus_Iunius_Brutus_Albinus|Decimus Iunius Brutus Albinus]]</small>)のことで、<br> [[ガリア戦記 第3巻#14節|第3巻14節]]でカエサルの艦隊を指揮した。)</span>
*hunc [[wikt:en:monet#Latin|monet]], ut in omnes partes [[wikt:en:eques#Latin|equites]] quam [[wikt:en:late#Latin|latissime]] [[wikt:en:pervagentur|pervagentur]]:
**彼には、[[w:騎兵|騎兵]]たちがあらゆる方面にできるだけ広く駆け回るようにと、忠告する。
*<u>daturum</u> se <u>operam</u>, ne longius [[wikt:en:triduum#Latin|triduo]] ab [[wikt:en:castra#Latin|castris]] [[wikt:en:absit#Latin|absit]].
**自分<small>〔カエサル〕</small>は、3日間より長く陣営から離れないように、努力をするであろう、と。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:opera#Latin|operam]] dare 「努力をする」→ operam [[wikt:en:daturus#Latin|datūrum]] (esse) 「努力をするであろう」)</span>
[[画像:Image-Vienne-Cropped.jpg|thumb|right|300px|'''ウィエンナ'''(Vienna)すなわち現在のヴィエンヌ(Vienne)。ロダヌス川(現[[w:ローヌ川|ローヌ川]])のほとりにある当地は、南仏[[w:プロヴァンス|プロヴァンス地方]]と北仏[[w:ブルゴーニュ地域圏|ブルゴーニュ地方]]を結ぶ交通の要衝として、古代ローマ時代から栄え、今もローマ時代の遺跡が多く残る。]]
:
; カエサルが、急いでウィエンナへ北進する
*<!--❸--><sup>(3)</sup> His [[wikt:en:constitutus#Participle|constitutis]] rebus,
**これらの事を決定すると、
*<u>omnibus</u> suis [[wikt:en:inopinans#Latin|inopinantibus]],
**配下の皆が予期しないほど、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:omnibus は β系写本の記述で、<br> α系写本にはない。)</span>
*quam [[wikt:en:maximus#Latin|maximis]] potest [[wikt:en:iter#Latin|itineribus]],
**できるかぎりの強行軍で、
*[[wikt:en:Vienna#Etymology_1|Viennam]] [[wikt:en:pervenit#Latin|pervenit]].
**<u>ウィエンナ</u>に到着する。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ウィエンナ [[w:la:Vienna|Vienna]] は、<br> 現在の[[w:ヴィエンヌ (イゼール県)|ヴィエンヌ]] ''[[w:en:Vienne, Isère|Vienne]]'')</span>
:
; カエサルが、ハエドゥイー族領を抜けて、2個軍団が冬営するリンゴネース族領へ向けて北上する
*<!--❹--><sup>(4)</sup> [[wikt:en:ibi#Latin|Ibi]] [[wikt:en:nactus#Latin|nactus]] [[wikt:en:recens#Latin|recentem]] [[wikt:en:equitatus#Latin|equitatum]], quem [[wikt:en:multus#Latin|multis]] ante diebus eo [[wikt:en:praemiserat|praemiserat]],
**そこで、何日も前にそこに先遣していたまだ新兵の騎兵隊を得て、
[[画像:Langres_FR_(march_2008).jpg|thumb|right|300px|リンゴネース族(Lingones)の名を残す[[w:ラングル|ラングル]](Langres)の街の雪景色]]
*neque [[wikt:en:diurnus#Latin|diurno]] neque [[wikt:en:nocturnus#Latin|nocturno]] itinere [[wikt:en:intermissus#Latin|intermisso]]
**昼間も夜間も行軍を中断せずに、
*per fines [[wikt:en:Aedui#Latin|Haeduorum]]
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の領土を通って、
*in [[wikt:en:Lingones#Latin|Lingones]] [[wikt:en:contendit|contendit]],
**<u>リンゴネース族のところ</u>に急いだ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:リンゴネース族 [[w:la:Lingones|Lingones]] の首邑は<br> 現在の[[w:ラングル|ラングル]] ''[[w:en:Langres|Langres]]'' で、<br> ローマ時代には [[w:la:Andematunnum|Andematunnum]] と呼ばれたが、<br> ''[[wikt:fr:Lingones|Lingones]]'' の転訛が ''[[wikt:fr:Langres|Langres]]'' である。)</span>
*[[wikt:en:ubi#Latin|ubi]] [[wikt:en:duo#Latin|duae]] [[wikt:en:legio#Latin|legiones]] [[wikt:en:hiemabant|hiemabant]],
**そこには、2個[[w:ローマ軍団|軍団]]が冬営していた。
*ut, si [[wikt:en:aliquis#Latin|quid]] etiam de sua [[wikt:en:salus#Latin|salute]] ab [[wikt:en:Aedui#Latin|Haeduis]] [[wikt:en:iniretur|iniretur]] [[wikt:en:consilium#Latin|consilii]], [[wikt:en:celeritas#Latin|celeritate]] [[wikt:en:praecurreret|praecurreret]].
**もし<small>(カエサル)</small>自らの安全についてさえ、ハエドゥイー族により何らかの謀計が始められても、速やかに凌駕するように。
:
; カエサルが、リンゴネース族領の軍団冬営地へ到着して、諸軍団へ集結を指令する
*<!--❺--><sup>(5)</sup> [[wikt:en:eo#Adverb|Eo]] cum [[wikt:en:pervenisset|pervenisset]],
**<small>(カエサルは)</small>そこへ到着したときに、
*ad reliquas [[wikt:en:legio#Latin|legiones]] [[wikt:en:mittit|mittit]]
**残りの軍団のもとへ<small>(伝令を)</small>遣わす。
*<u>prius</u>que omnes in unum locum [[wikt:en:cogit|cogit]], <u>quam</u> de eius [[wikt:en:adventus#Latin|adventu]] [[wikt:en:Arverni#Latin|Arvernis]] [[wikt:en:nuntiari|nuntiari]] [[wikt:en:posset#Latin|posset]].
**彼の到着について[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]に知らされ得るより早く、総勢が一か所に集結するように、と。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:priusquam#Latin|prius ~ quam]] …;…より早く~)</span>
: <!-- [[wikt:en:| -->
; ウェルキンゲトリークスが、ボイイー族がいるゴルゴビナの攻略を企図する
*<!--❻--><sup>(6)</sup> Hac re [[wikt:en:cognitus#Participle|cognita]],
**この事を知ると、
*[[wikt:en:Vercingetorix#Latin|Vercingetorix]] rursus in [[wikt:en:Bituriges#Latin|Bituriges]] [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitum]] [[wikt:en:reducit|reducit]]
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は再びビトゥリゲース族のところに軍隊を連れ戻して、
*atque [[wikt:en:inde#Latin|inde]] [[wikt:en:profectus#Participle_2|profectus]] Gorgobinam, [[wikt:en:Boii#Latin|Boiorum]] [[wikt:en:oppidum#Latin|oppidum]],
**そこから、[[w:ボイイ族|ボイイー族]]の城塞都市であるゴルゴビナへ出発した。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ゴルゴビナ ''[[w:en:Gorgobina|Gorgobina]]'' は、現在の候補地としては、<br> [[w:ニエーヴル県|ニエーヴル県]]のサン=パリズ=ル=シャテル<small>([[w:en:Saint-Parize-le-Châtel|Saint-Parize-le-Châtel]])</small><br> [[w:アンドル=エ=ロワール県|アンドル=エ=ロワール県]]のラ・ゲルシュ([[w:en:La Guerche|La Guerche]])<br> あるいは、[[w:シェール県|シェール県]]のサン=サテュル([[w:fr:Saint-Satur|Saint-Satur]])などが挙げられている。)</span>
*quos ibi [[wikt:en:helvetico|Helvetico]] [[wikt:en:proelium#Latin|proelio]] [[wikt:en:victus#Participle|victos]]
**──[[w:ヘルウェティイ族|ヘルウェーティイー族]]の戦闘で打ち負かされた彼らをそこに、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ボイイー族はヘルウェーティイー族とともにガッリアに移動して、カエサルに敗れていた。第1巻28節~29節を参照。)</span>
*Caesar [[wikt:en:conlocaverat#Latin|conlocaverat]] [[wikt:en:Aedui#Latin|Haeduis]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:adtribuerat#Latin|adtribuerat]],
**カエサルは宿営させ、ハエドゥイー族<small>(の庇護)</small>に委ねていたのだが、──
*[[wikt:en:oppugnare#Latin|oppugnare]] [[wikt:en:instituit#Latin|instituit]].
**<small>(ウェルキンゲトリークスはゴルゴビナの)</small>攻略を決意した。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===10節===
[[画像:Caesar's_campaign_to_Agedincum_in_52BC.png|thumb|right|250px|前節までのカエサルの[[w:ナルボンヌ|ナルボー]]からアゲディンクムへの進路(青線)および[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]の進路(赤線)。青字名は親ローマ部族、赤字名は反ローマ部族。カエサルは[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]の本拠ゲルゴウィアを突くと見せかけてウェルキンゲトリークスを引き寄せ、その間に[[w:ブルゴーニュ地域圏|ブルゴーニュ]]に冬営していた諸軍団と合流できた。これに対して、ウェルキンゲトリークスはボイイー族を攻めようとする。]]
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/10節]] {{進捗|00%|2026-01-16}}</span>
;カエサルがアゲディンクムを発って、ボイイー族支援に向かう
:
; カエサルが抱えることになった「大きな困難」とは?
*<!--❶--><sup>(1)</sup> Magnam haec res Caesari [[wikt:en:difficultas#Latin|difficultatem]] ad [[wikt:en:consilium#Latin|consilium]] [[wikt:en:capiendus#Latin|capiendum]] [[wikt:en:adferebat|adferebat]]<!--:-->,
**この事態は、カエサルが作戦を立てるためには、大きな困難を引き起こしていた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:haec res 「この事態」とは、<br> ウェルキンゲトリークスが<br> ハエドゥイー族の庇護下にあったボイイー族を攻めること。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:magnam ~ difficultatem 「大きな困難を」)</span>
*si reliquam partem [[wikt:en:hiems#Latin|hiemis]] uno loco [[wikt:en:legio#Latin|legiones]] [[wikt:en:contineret|contineret]],
**もし、冬の残りの期間に、諸[[w:ローマ軍団|軍団]]を1か所に留めておくならば、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:前節で述べられたように、<br> カエサルはリンゴネース族の軍団冬営地に着いたときに、<br> 諸軍団に1か所に集結するべく伝令を遣わしていた。)</span>
*ne, [[wikt:en:stipendiarius#Latin|stipendiariis]] [[wikt:en:Haedui#Latin|Haeduorum]] [[wikt:en:expugnatus#Latin|expugnatis]], [[wikt:en:cunctus#Latin|cuncta]] Gallia [[wikt:en:deficeret|deficeret]],
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の朝貢国が攻略されて、ガッリア全体が背くのではないか?
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:「ハエドゥイー族の朝貢国」とは、ボイイー族のこと。)</span>
*quod [[wikt:en:nullus#Determiner|nullum]] amicis in eo [[wikt:en:praesidium#Latin|praesidium]] <u>videret positum esse</u>;
**──というのは、彼<small>〔カエサル〕</small>においては、友邦に対するいかなる守備隊も置かれていないと<small>(ガッリアが)</small>見るからである──。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、<br> [[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#写本の系図|α系写本]]のうち、χ系・M・B・S写本などでは [[wikt:en:videret|videret]] [[wikt:en:positus#Latin|positum]] esse 、<br> α系写本のうち、写本M・L・Nなどでは [[wikt:en:videretur|videretur]] positum esse 、<br> β系写本では、positum videret となっている。)</span>
*si [[wikt:en:mature#Adverb|maturius]] ex [[wikt:en:hiberna#Noun|hibernis]] [[wikt:en:educeret|educeret]],
**もし、尚早に冬営地から<small>(諸軍団を)</small>進発させれば、
*ne ab re [[wikt:en:frumentarius#Latin|frumentaria]] [[wikt:en:durus#Latin|duris]] [[wikt:en:subvectio#Latin|subvectionibus]] [[wikt:en:laboraret|laboraret]].
**<small>(降雪時期の)</small>糧秣供給の厄介な輸送によって苦労するのではないか?
:
*<!--❷--><sup>(2)</sup> <u>Praestare</u> [[wikt:en:visus#Participle|visum]] est tamen omnes [[wikt:en:difficultas#Latin|difficultates]] [[wikt:en:perpeti#Verb|perpeti]],
**しかしながら、あらゆる困難に耐えることの方が<u>優っている</u>ように見える。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:praestare|praestare]] ~ [[wikt:en:quam#Adverb|quam]] …「…よりも~が優る」)</span>
*<u>quam</u> [[wikt:en:tantus#Latin|tanta]] [[wikt:en:contumelia#Latin|contumelia]] [[wikt:en:acceptus#Latin|accepta]] omnium suorum [[wikt:en:voluntas#Latin|voluntates]] [[wikt:en:alienare#Latin|alienare]].
**これほどの恥辱を受けて、配下の皆の意欲を遠ざけてしまう<u>よりは</u>。
:
*<!--❸--><sup>(3)</sup> Itaque [[wikt:en:cohortatus#Latin|cohortatus]] [[wikt:en:Haedui#Latin|Haeduos]] de [[wikt:en:supportandus#Latin|supportando]] [[wikt:en:commeatus#Noun|commeatu]],
**こうして、<small>(カエサルは)</small>ハエドゥイー族に軍需物資の輸送について、激励して、
*[[wikt:en:praemittit|praemittit]] ad [[wikt:en:Boii#Latin|Boios]], qui de suo [[wikt:en:adventus#Latin|adventu]] [[wikt:en:doceant|doceant]]
**[[w:ボイイ族|ボイイー族]]のもとへ、<small>(カエサル)</small>自らの到着について知らせるための者たちを先遣して、
*[[wikt:en:hortentur|hortentur]]<nowiki>que</nowiki> ut in [[wikt:en:fides#Latin|fide]] [[wikt:en:maneant|maneant]] atque hostium [[wikt:en:impetus#Latin|impetum]] magno animo [[wikt:en:sustineant|sustineant]].
**<small>(カエサルへの)</small>信義に留まって、敵たちの襲撃に大いなる決意をもって持ちこたえるように、と激励させた。
[[画像:Aqueduc2.jpg|thumb|right|250px|アゲディンクム、すなわちセノネース族(Senones)の名を残す現在の[[w:サンス|サーンス]](Sens)に建てられたローマ時代の[[w:水道橋|水道橋]]遺跡。]]
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--❹--><sup>(4)</sup> Duabus [[wikt:en:Agedincum#Latin|Agedinci]] legionibus atque [[wikt:en:impedimentum#Latin|impedimentis]] [[wikt:en:totus#Latin|totius]] [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitus]] [[wikt:en:relictus#Latin|relictis]],
**アゲディンクムに、2個軍団および軍隊全体の輜重を残すと、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:アゲディンクムは敵対するセノネース族の首邑だが、<br> [[ガリア戦記 第6巻#44節|第6巻44節]]で6個軍団を冬営させていた。<br> 現在の[[w:サンス|サーンス]]。)</span>
*ad [[wikt:en:Boii#Latin|Boios]] [[wikt:en:proficiscitur|proficiscitur]].
**[[w:ボイイ族|ボイイー族]]のもとへ出発した。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===11節===
[[画像:France_-_Loiret_-_Montargis_-_Passerelle_vers_l'écluse.JPG|thumb|right|250px|ウェッラウノドゥーヌムの候補地の一つであるモンタルジ(Montargis)の運河沿いの景観。セノネース族の城塞都市ウェッラウノドゥーヌム(Vellaunodunum)が現在のどの地点に当たるのか定説はない。アゲディンクム(現在の[[w:サンス|サーンス]])とケナブム(現在の[[w:オルレアン|オルレアン]])の中間地点であると考えられることから、モンタルジ([[w:en:Montargis|Montargis]])、ボーヌ=ラ=ロランド([[w:en:Beaune-la-Rolande|Beaune-la-Rolande]])やシャトー=ランドン([[w:en:Château-Landon|Château-Landon]])などが候補地に挙げられている。]]
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/11節]] {{進捗|00%|2026-02-02}}</span>
;セノネース族のウェッラウノドゥーヌムを降し、カルヌーテース族のケナブムを攻略
:
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:alter#Latin|Altero]] die
**<small>(カエサルは出発して)</small>翌日に、
*cum ad [[wikt:en:oppidum#Latin|oppidum]] [[wikt:en:Senones#Latin|Senonum]] [[wikt:en:Vellaunodunum#Latin|Vellaunodunum]] [[wikt:en:venisset|venisset]],
**セノネース族の城塞都市ウェッラウノドゥーヌムへやって来たときに、
*ne [[wikt:en:aliquem|quem]] post se hostem [[wikt:en:relinqueret|relinqueret]],
**自らの後方に何らかの敵を残しておかないように、
*[[wikt:en:quo#Latin|quo]] [[wikt:en:expeditior#Latin|expeditiore]] re [[wikt:en:frumentarius#Adjective|frumentaria]] [[wikt:en:uteretur|uteretur]],
**そのことにより、妨げなく糧秣供給を享受するように、
*[[wikt:en:oppugnare#Latin|oppugnare]] [[wikt:en:instituit#Latin|instituit]]
**<small>(同市の)</small>攻囲を決めて、
*<u>idque</u> [[wikt:en:biduum#Latin|biduo]] [[wikt:en:circumvallavit|circumvallavit]];
**それ<small>〔城塞都市〕</small>を2日間で<small>(塁壁で)</small>囲んだ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:id#Latin|id]]<nowiki>que</nowiki> だが、<br> β系写本では [[wikt:en:eo#Etymology_4|eo]]<nowiki>que</nowiki> となっている。)</span>
:
; セノネース族の城塞都市ウェッラウノドゥーヌムが降伏する
*<!--❷--><sup>(2)</sup> [[wikt:en:tertius#Latin|tertio]] die
**3日目に、
*[[wikt:en:missus#Participle|missis]] ex [[wikt:en:oppidum#Latin|oppido]] [[wikt:en:legatus#Noun|legatis]] de [[wikt:en:deditio#Latin|deditione]],
**城塞都市から降伏についての使節たちが遣わされて来て、
*[[wikt:en:arma#Latin|arma]] [[wikt:en:conferri|conferri]],
**武器が運び集められること、
*[[wikt:en:iumentum#Latin|iumenta]] [[wikt:en:produci#Latin|produci]],
**役畜が引き渡されること、
*[[wikt:en:sescenti#Latin|sescentos]] [[wikt:en:obses#Latin|obsides]] [[wikt:en:dari#Latin|dari]] [[wikt:en:iubet#Latin|iubet]].
**600名の人質が供出されることを<small>(カエサルが)</small>命じる。
:
; ウェッラウノドゥーヌムに副官トレボーニスと守備隊を残し、カエサル自身はケナブムへ向かう
*<!--❸--><sup>(3)</sup> Ea qui [[wikt:en:conficeret|conficeret]],
**それらのことを成就するための者として、
*[[wikt:en:Gaius#Latin|Gaium]] [[wikt:en:Trebonius#Latin|Trebonium]] [[wikt:en:legatus#Latin|legatum]] [[wikt:en:relinquit|relinquit]].
**<ruby><rb>[[w:レガトゥス|総督副官]]</rb><rp>(</rp><rt>レーガートゥス</rt><rp>)</rp></ruby> [[w:ガイウス・トレボニウス|ガーイウス・トレボーニウス]]を<small>(ウェッラウノドゥーヌムに)</small>残留させる。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[w:la:Gaius Trebonius|Gaius Trebonius]] は、カエサルの副官の一人。)</span>
*Ipse, ut quam primum iter <u>faceret</u><ref>faceret はα系写本の表記で、β系写本では conficeret となっている。</ref>,
**<small>(カエサル)</small>自身は、できるだけ素早く<small>(ゴルゴビナへの)</small>行軍を成就するように、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:quam#Adverb|quam]] [[wikt:en:primum#Latin|primum]] 〜「できるだけ素早く〜」)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:faceret|faceret]] だが、<br> β系写本では [[wikt:en:conficeret|conficeret]] となっている。)</span>
*[[wikt:en:Genabum#Latin|Cenabum]] [[wikt:en:Carnutes#Latin|Carnutum]] [[wikt:en:proficiscitur|proficiscitur]];
**カルヌーテース族のケナブムに出発する。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ケナブム Cenabum はケルト語風の読みで、現在の[[w:オルレアン|オルレアン]]。)</span>
:
*<!--❹--><sup>(4)</sup> qui tum primum [[wikt:en:adlatus#Latin|adlato]] [[wikt:en:nuntium#Latin|nuntio]] de [[wikt:en:oppugnatio#Latin|oppugnatione]] [[wikt:en:Vellaunodunum#Latin|Vellaunoduni]],
**そのとき彼ら<small>〔カルヌーテース族〕</small>は、当初はウェッラウノドゥーヌムの攻囲についての報告をもたらされて、
*cum [[wikt:en:longe#Latin|longius]] eam rem <u>ductum</u> [[wikt:en:iri#Latin|iri]] [[wikt:en:existimarent|existimarent]],
**その事・軍事作戦はより長く引き延ばされて行われると考えていたので、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:ductus#Noun_2|ductus]] は、軍事的な指揮・作戦などを表す。[[#62節]]も同様。)</span>
*[[wikt:en:praesidium#Latin|praesidium]] [[wikt:en:Genabum#Latin|Cenabi]] [[wikt:en:tuendus#Latin|tuendi]] causa, quod eo [[wikt:en:mitterent|mitterent]], [[wikt:en:comparabant|comparabant]].
**ケナブムを固守するために、守備隊をそこへ派遣することを準備していた。
:
; カエサルが、カルヌーテース族の城塞都市ケナブムの攻囲を翌日に延期する
*<!--❺--><sup>(5)</sup> [[wikt:en:huc#Latin|Huc]] [[wikt:en:biduum#Latin|biduo]] [[wikt:en:pervenit#Etymology_1|pervenit]].
**<small>(カエサルは)</small>ここ<small>〔ケナブム〕</small>へ2日間で到着する。
*[[wikt:en:castra#Latin|Castris]] ante oppidum [[wikt:en:positus#Participle|positis]],
**城塞都市の前に陣営を設置したが、
*[[wikt:en:dies#Latin|diei]] [[wikt:en:tempus#Latin|tempore]] [[wikt:en:exclusus#Latin|exclusus]]
**日の時刻<small>〔夕刻〕</small>によって妨げられたので、
*in posterum [[wikt:en:oppugnatio#Latin|oppugnationem]] [[wikt:en:differt|differt]],
**翌日に攻囲を延期する。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:in posterum = in [[wikt:en:posterus#Latin|posterum]] [[wikt:en:diem#Latin|diem]]「翌日に」)</span>
*[[wikt:en:quisque#Latin|quaeque]] ad eam rem [[wikt:en:usus#Latin|usui]] [[wikt:en:sint#Latin|sint]],
**その事<small>〔攻囲〕</small>に有益になることは何であれ、
*[[wikt:en:miles#Latin|militibus]] [[wikt:en:imperat|imperat]];
**兵士たちに命令する。
[[画像:Orleans.jpg|thumb|right|400px|ケナブム(Cenabum)すなわち現在の[[w:オルレアン|オルレアン]](Orléans)を流れるリゲル川(現在の[[w:ロワール川|ロワール川]])の景観。左が北岸のオルレアン聖十字架大聖堂、右がジョージ5世橋と思われる。]]
:
*<!--❻--><sup>(6)</sup> et, quod oppidum [[wikt:en:Genabum#Latin|Cenabum]] [[wikt:en:pons#Latin|pons]] [[wikt:en:flumen#Latin|fluminis]] [[wikt:en:Liger#Latin|Ligeris]] [[wikt:en:contingebat|contingebat]],
**城塞都市ケナブムには、リゲル川の橋が接していたので、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:リゲル川は、現在の[[w:ロワール川|ロワール川]]。)</span>
*[[wikt:en:veritus#Latin|veritus]] ne [[wikt:en:noctu#Adverb|noctu]] ex oppido [[wikt:en:profugerent|profugerent]],
**夜間に城塞都市から<small>(敵勢が)</small>逃亡するのではないかと恐れて、
*[[wikt:en:duo#Latin|duas]] legiones in [[wikt:en:arma#Latin|armis]] [[wikt:en:excubare|excubare]] [[wikt:en:iubet#Latin|iubet]].
**<small>(カエサルは)</small>2個[[w:ローマ軍団|軍団]]に武装して寝ずの番をすることを命じる。
:
; ケナブムの住民たちが退避し始める
*<!--❼--><sup>(7)</sup> [[wikt:en:Genabensis#Noun|Cenabenses]] paulo ante mediam noctem
**ケナブムの人々は、真夜中の少し前に
*[[wikt:en:silentium#Latin|silentio]] ex oppido [[wikt:en:egressus#Participle|egressi]]
**沈黙のうちに城塞都市から出て、
*flumen [[wikt:en:transire#Latin|transire]] [[wikt:en:coeperunt|coeperunt]].
**川を渡り始めた。
:
; カエサルの諸軍団がケナブムを制圧する
*<!--❽--><sup>(8)</sup> Qua re per [[wikt:en:explorator#Latin|exploratores]] [[wikt:en:nuntiatus#Latin|nuntiata]]
**その事が偵察者たちによって報告されると、
*Caesar legiones, quas [[wikt:en:expeditus#Latin|expeditas]] esse [[wikt:en:iusserat|iusserat]]
**カエサルは、戦備を整えることを命じていた諸軍団を、
*[[wikt:en:porta#Latin|portis]] [[wikt:en:incensus#Participle|incensis]]
**<small>(ケナブムの)</small>城門を焼き打ちさせた後で、
*[[wikt:en:intromittit|intromittit]] atque oppido [[wikt:en:potitur|potitur]],
**<small>(軍団を)</small>送り込み、城塞都市を占領させて、
*[[wikt:en:perpaucus#Latin|perpaucis]] ex hostium numero [[wikt:en:desideratus#Latin|desideratis]] [[wikt:en:quin#Latin|quin]] [[wikt:en:cunctus#Latin|cuncti]] [[wikt:en:caperentur#Etymology_1|caperentur]],
**敵のうちからわずかな数を取り逃がしたが、むしろ皆がことごとく捕らえられた。
*quod [[wikt:en:pons#Latin|pontis]] atque [[wikt:en:iter#Latin|itinerum]] [[wikt:en:angustia#Latin|angustiae]] <u>multitudinis</u> fugam [[wikt:en:intercluserant|intercluserant]].
**──というのは、橋や道の狭さが、大勢の逃亡をさえぎったからである。──
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:multitudinis|multitudinis]]<sub> (単数・属格)</sub> だが、<br> β系写本では [[wikt:en:multitudini|multitudini]]<sub> (単数・与格)</sub> となっている。)</span>
: <!-- [[wikt:en:| -->
; カエサル勢がケナブムを略奪・焼き討ち。リゲル川を渡ってビトゥリゲース族領へ達する
*<!--❾--><sup>(9)</sup> Oppidum [[wikt:en:diripit|diripit]] atque [[wikt:en:incendit|incendit]],
**<small>(カエサルは)</small>城塞都市を略奪し、焼き討ちして、
*[[wikt:en:praeda#Latin|praedam]] militibus [[wikt:en:donat#Latin|donat]],
**略奪品を兵士たちに与える。
*[[wikt:en:exercitus#Noun|exercitum]] <u>Ligerem</u> [[wikt:en:traducit|traducit]]
***軍隊にリゲル川を渡らせて、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:Ligerem|Ligerem]] だが、<br> β系写本では Ligerim となっている。)</span>
*atque in [[wikt:en:Bituriges#Latin|Biturigum]] fines [[wikt:en:pervenit#Etymology_1|pervenit]].
*ビトゥリゲース族の領土に到達する。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===12節===
[[画像:Sancerre.jpg|thumb|right|250px|ビトゥリゲース族の城塞都市があったと考えられる[[w:サンセール|サンセール]]([[w:en:Sancerre|Sancerre]])の街並み。カエサルがケナブム(現[[w:オルレアン|オルレアン]])からリゲル川(現[[w:ロワール川|ロワール川]])沿いに当初の目的地であったゴルゴビナへ向かい、後にアウァーリクム(現[[w:ブールジュ|ブールジュ]])へ右折したと見なせば、この地がノウィオドゥーヌムであったとも考えられる。街の名 Sancerre の意味が「カエサルに捧げられた」であるという説もある。現在は[[w:ロワールワイン|ロワールワイン]]の産地として有名で、辛口の白ワインなどの銘柄「Sancerre」にもなっている。]]
[[画像:Neung-sur-Beuvron_église_Saint-Denis_1.jpg|thumb|right|250px|城塞都市ノウィオドゥーヌム(Noviodunum)の所在地として現在有力視されている[[w:ロワール=エ=シェール県|ロワール=エ=シェール県]]のヌン=スュル=ブーヴロン([[w:en:Neung-sur-Beuvron|Neung-sur-Beuvron]])のサン=ドニ教会。カエサルは当初の目的地であったボイイー族のゴルゴビナへは真っ直ぐ向かわずに大きく迂回しており、ケナブム(現[[w:オルレアン|オルレアン]])の南方約45kmにあるこの地点(Beuvron川沿いのNeung)がノウィオドゥーヌムであると推定されている。上空からは、ガッリア時代の城塞都市跡の輪郭が見て取れるという。しかしながら、ボイイ族からは遠い位置にある。]]
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/12節]] {{進捗|00%|2026-02-02}}</span>
;ビトゥリゲース族のノウィオドゥーヌムを降すが、敵の騎兵が来援
:
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:Vercingetorix#Latin|Vercingetorix]], ubi de Caesaris [[wikt:en:adventus#Latin|adventu]] [[wikt:en:cognovit#Latin|cognovit]],
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は、カエサルの到来について知るや否や、
*[[wikt:en:oppugnatio#Latin|oppugnatione]] <u>destitit</u>
**<small>(ボイイー族の城塞都市ゴルゴビナの)</small>攻略を取り止めて、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、<br> α系写本では [[wikt:en:destitit|destitit]]<sub> (完了形)</sub> だが、<br> β系写本や印刷本では [[wikt:en:desistit#Latin|desistit]]<sub> (現在形)</sub> となっている。)</span>
*atque [[wikt:en:obviam#Adverb|obviam]] Caesari [[wikt:en:proficiscitur|proficiscitur]].
**カエサルの方に向かって進発する。
:
*<!--❷--><sup>(2)</sup> Ille oppidum [[wikt:en:Biturigēs|Biturigum]] [[wikt:en:positus#Latin|positum]] in via [[wikt:en:Noviodunum#Latin|Noviodunum]] [[wikt:en:oppugnare#Latin|oppugnare]] [[wikt:en:instituerat|instituerat]].
**彼<small>〔カエサル〕</small>は、途中に位置しているビトゥリゲース族の[[w:オッピドゥム|城塞都市]]ノウィオドゥーヌムの攻略を決めていた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:どこへの途中なのか明記されていないため、その解釈により場所についての解釈が変わるようである。)</span>
:
; カエサルの城塞都市ノウィオドゥーヌムへの降伏条件
*<!--❸--><sup>(3)</sup> [[wikt:en:qui#Determiner|Quo]] ex oppido
**その城塞都市から
*cum legati ad eum [[wikt:en:venissent|venissent]] [[wikt:en:oratum#Verb|oratum]] ut sibi [[wikt:en:ignosceret|ignosceret]] suaeque vitae [[wikt:en:consuleret|consuleret]],
**使節たちが彼<small>〔カエサル〕</small>のもとへ、自分たちを容赦して生命を助けるように嘆願するために、やって来たときに、
*ut celeritate reliquas res [[wikt:en:conficeret|conficeret]], [[wikt:en:qui#Determiner|qua]] [[wikt:en:pleraque#Latin|pleraque]] erat [[wikt:en:consecutus#Latin|consecutus]],
**<small>(カエサルは)</small>多くのことを実行してきた迅速さによって、ほかの事を成し遂げるために、
*arma [[wikt:en:conferri|conferri]],
**武具が運び集められること、
*[[wikt:en:quus#Latin|equos]] [[wikt:en:produci#Verb_2|produci]],
**馬匹が引き渡されること、
*obsides [[wikt:en:dari#Latin|dari]] [[wikt:en:iubet#Latin|iubet]].
**人質が供出されること、を命じる。
:
*<!--❹--><sup>(4)</sup> Parte iam obsidum [[wikt:en:traditus#Participle|tradita]],
**すでに人質の一部が移送されて、
*cum [[wikt:en:reliqua#Latin|reliqua]] [[wikt:en:administrarentur|administrarentur]],
**残り<small>(の人質たち)</small>が処置されていたときに、
*[[wikt:en:centurio#Latin|centurionibus]] et paucis [[wikt:en:miles#Latin|militibus]] [[wikt:en:intromissus#Latin|intromissis]], qui arma [[wikt:en:iumentum#Latin|iumenta]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:conquirerent|conquirerent]],
**<ruby><rb>[[w:ケントゥリオ|百人隊長]]</rb><rp>(</rp><rt>ケントゥリオ</rt><rp>)</rp></ruby>たちや若干の兵士たちが、武器や[[w:使役動物|役畜]]を探し集めるべく<small>(城塞都市の中に)</small>送り込まれていたのだが、
*[[wikt:en:equitatus#Noun|equitatus]] hostium procul [[wikt:en:visus#Latin|visus]] est, qui [[wikt:en:agmen#Latin|agmen]] [[wikt:en:Vercingetorix#Latin|Vercingetorigis]] [[wikt:en:antecesserat|antecesserat]].
**ウェルキンゲトリークスの隊列に先行していた敵の[[w:騎兵|騎兵隊]]が遠くに望見された。
:
; ウェルキンゲトリークスの来援に気づいた城塞の者たちが、籠城に転じる
*<!--❺--><sup>(5)</sup> Quem [[wikt:en:simulatque|simulatque]] [[wikt:en:oppidanus#Noun|oppidani]] [[wikt:en:conspexerunt|conspexerunt]] atque in [[wikt:en:spes#Latin|spem]] [[wikt:en:auxilium#Latin|auxilii]] [[wikt:en:venerunt|venerunt]],
**それ<small></small>を城塞都市の者たちが視認して、救援の希望を抱くや否や、
*[[wikt:en:clamor#Latin|clamore]] [[wikt:en:sublatus#Etymology_1|sublato]]
**雄叫びを上げて、
*arma capere,
**武具を取ること、
*portas [[wikt:en:claudere#Etymology_1|claudere]],
**城門を閉じること、
*[[wikt:en:murus#Latin|murum]] [[wikt:en:complere|complere]] [[wikt:en:coeperunt|coeperunt]].
**城壁を<small>(兵で)</small>満たすこと、を始めた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:sublato は [[wikt:en:tollo|tollo]] の分詞)</span>
: <!-- [[wikt:en:| -->
; 城塞民たちの心変わりに感づいたローマ人の将兵たちが城外に撤収する
*<!--❻--><sup>(6)</sup> [[wikt:en:centurio#Latin|Centuriones]] in oppido,
**城塞都市の中の<small>(カエサルの配下の)</small>百人隊長たちは、
*cum ex [[wikt:en:significatio#Latin|significatione]] Gallorum [[wikt:en:novus#Latin|novi]] [[wikt:en:aliquis#Latin|aliquid]] ab iis [[wikt:en:iniri#Latin|iniri]] consilii [[wikt:en:intellexissent|intellexissent]],
**ガッリア人たちの兆候から、彼らによる何らかの新たな謀りごとが始められていると察知していたので、
*[[wikt:en:gladius#Latin|gladiis]] [[wikt:en:destrictus#Latin|destrictis]]
**<ruby><rb>[[w:グラディウス (武器)|長剣]]</rb><rp>(</rp><rt>グラディウス</rt><rp>)</rp></ruby> を抜いて、
*portas [[wikt:en:occupaverunt|occupaverunt]]
**城門を占拠して、
*suosque omnes [[wikt:en:incolumis#Latin|incolumes]] [[wikt:en:receperunt|receperunt]].
**配下たち皆を無傷なままで退却させた。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===13節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/13節]] {{進捗|00%|2026-02-15}}</span>
[[画像:Caesar's_campaign_to_Noviodunum_in_52BC.png|thumb|right|250px|ノウィオドゥーヌムに至るカエサルの進路(青線)および[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]の進路(赤線)。青字名は親ローマ部族、赤字名は反ローマ部族。カエサルはアゲディンクムを発してからウェッラウノドゥーヌム、ケナブム、ノウィオドゥーヌムを続けて降し、ボイイー族のゴルゴビナ攻略を諦めたウェルキンゲトリークスもノウィオドゥーヌム来援に駆けつけて来た。ここに、初めて両軍が騎兵戦で激突することになった。]]
;同盟軍の騎兵を撃退、城塞都市を再び降して、アウァーリクム攻めに向かう
:
; カエサルが、騎兵戦の切り札としてゲルマーニア騎兵を繰り出す
*<!--❶--><sup>(1)</sup> Caesar ex castris [[wikt:en:equitatus#Latin|equitatum]] [[wikt:en:educi#Latin|educi]] [[wikt:en:iubet#Latin|iubet]],
**カエサルは、陣営から[[w:騎兵|騎兵隊]]を進発させることを命じて、
*<u>[[wikt:en:proelium#Latin|proelium]]</u> [[wikt:en:equester#Latin|equestre]] [[wikt:en:committit|committit]];
**<small>(ウェルキンゲトリークス勢と)</small>騎兵戦を交える。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、<br> α系写本では proelium だが、<br> β系写本では proelium<u>que</u> となっている。)</span>
*[[wikt:en:laborans#Latin|laborantibus]] iam suis
**配下の者たちがすでに苦戦していたときに、
*[[wikt:en:Germanus#Adjective|Germanos]] [[wikt:en:eques#Latin|equites]] circiter CCCC([[wikt:en:quadringentos|quadringentos]]) [[wikt:en:submittit|submittit]],
**<small>(カエサルは)</small>[[w:ゲルマニア|ゲルマーニア]]人の騎兵たち約400騎を救援に派遣する。
*quos ab [[wikt:en:initium#Latin|initio]] <u>habere [[wikt:en:secum#Latin|secum]]</u> [[wikt:en:instituerat|instituerat]].
**その者らは<small>(戦いの)</small>当初から自分のそばに保持すると決めていたものであった。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、<br> χ系・B・M・S写本では habere secum だが、<br> β系・L・N写本では secum habere となっている。)</span>
:
; ゲルマーニア騎兵が、ウェルキンゲトリークス配下の騎兵を一蹴する
*<!--❷--><sup>(2)</sup> Eorum [[wikt:en:impetus#Latin|impetum]] [[wikt:en:Galli#Latin|Galli]] [[wikt:en:sustineo#Latin|sustinere]] non [[wikt:en:potuerunt|potuerunt]]
**彼ら<small>〔ゲルマーニア人騎兵〕</small>の突撃に<small>(敵側の)</small>ガッリア人たちは持ちこたえることができず、
*atque in fugam [[wikt:en:coniectus#Participle|coniecti]]
**敗走に追いやられて、
*multis [[wikt:en:amissus#Latin|amissis]]
**大勢の者を失い、
*se ad [[wikt:en:agmen#Latin|agmen]] [[wikt:en:receperunt|receperunt]].
**<small>(後方にいたウェルキンゲトリークスの)</small>隊列に退却した。
:
; 城塞都市ノウィオドゥーヌムがカエサルの軍門に降る
*Quibus [[wikt:en:profligatus#Latin|profligatis]],
**彼ら<small>〔ウェルキンゲトリークスの騎兵隊〕</small>が制圧されると、
*rursus [[wikt:en:oppidanus#Noun|oppidani]] [[wikt:en:perterritus#Latin|perterriti]]
**[[w:オッピドゥム|城塞都市]]<small>〔ノウィオドゥーヌム〕</small>の者たちは再び怖れをなして、
*[[wikt:en:comprehensus#Latin|comprehensos]] eos, quorum [[wikt:en:opera#Latin|opera]] [[wikt:en:plebs#Latin|plebem]] [[wikt:en:concitatus#Latin|concitatam]] [[wikt:en:existimabant|existimabant]],
**その働きかけによって民衆を扇動したと<small>(城塞の民が)</small>考えていたところの者たちを拘束して、
*ad Caesarem [[wikt:en:perduxerunt|perduxerunt]]
**カエサルのもとへ連行して、
*seseque ei [[wikt:en:dediderunt|dediderunt]].
**自分たちも彼<small>〔カエサル〕</small>に降伏した。
: <!-- [[wikt:en:| -->
; カエサルが、ビトゥリゲース族の城塞都市アウァーリクムを目指す
*<!--❸--><sup>(3)</sup> Quibus rebus [[wikt:en:confectus#Latin|confectis]],
**それらの事が成し遂げられると、
*Caesar ad oppidum [[wikt:en:Avaricum#Latin|Avaricum]],
**カエサルは、[[w:オッピドゥム|城塞都市]]アウァーリクムへ、
*quod erat [[wikt:en:maximus#Latin|maximum]] [[wikt:en:munitissimus#Latin|munitissimum]]<nowiki>que</nowiki> in finibus [[wikt:en:Bituriges#Latin|Biturigum]] atque [[wikt:en:ager#Latin|agri]] [[wikt:en:fertilissimus#Latin|fertilissima]] [[wikt:en:regio#Latin|regione]],
**──それはビトゥリゲース族の領土で耕地の最も肥沃な地方にあり、最大かつ最も要塞化されていたが、──
*[[wikt:en:profectus#Etymology_3|profectus]] est,
**<small>(そこへ)</small>出発した。
*quod eo oppido [[wikt:en:receptus#Latin|recepto]]
**──というのは、その城塞都市を獲得することで、
*[[wikt:en:civitas#Latin|civitatem]] [[wikt:en:Bituriges#Latin|Biturigum]] se in [[wikt:en:potestas#Latin|potestatem]] [[wikt:en:redacturus#Latin|redacturum]] [[wikt:en:confidebat|confidebat]].
**ビトゥリゲースの部族国家を<small>(カエサルの)</small>隷下に引き戻すであろうと、確信していたからである──。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
==アウァーリクム攻略戦==
===14節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/14節]] {{進捗|00%|2026-03-08}}</span>
;ウェルキンゲトリークスが兵站妨害と焦土戦術を決断
:
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:Vercingetorix#Latin|Vercingetorix]] tot [[wikt:en:continuus#Latin|continuis]] [[wikt:en:incommodum#Latin|incommodis]] [[wikt:en:Vellaunodunum#Latin|Vellaunoduni]], [[wikt:en:Genabum#Latin|Cenabi]], [[wikt:en:Noviodunum#Latin|Novioduni]] [[wikt:en:acceptus#Latin|acceptis]]
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は、ウェッラウノドゥーヌム、ケナブム、ノウィオドゥーヌムと、このような多くの引き続く敗北をこうむると、
*suos ad [[wikt:en:concilium#Latin|concilium]] [[wikt:en:convocat#Latin|convocat]].
**麾下の者たちを会合へ召集する。
: <!-- [[wikt:en:| -->
; ウェルキンゲトリークスが、ローマ勢の糧道を断つことを提言
*<!--❷--><sup>(2)</sup> [[wikt:en:docet|Docet]] longe alia ratione esse bellum [[wikt:en:gerendus#Latin|gerendum]] atque antea [[wikt:en:gestus#Participle|gestum]] sit.
**以前に遂行されていたのとはまったく別の作戦で戦争が遂行されるべきである、と説く。
*Omnibus [[wikt:en:modus#Latin|modis]] huic rei studendum, ut [[wikt:en:pabulatio#Latin|pabulatione]] et [[wikt:en:commeatus#Noun|commeatu]] Romani [[wikt:en:prohibeantur|prohibeantur]].
**ローマ人たちが[[w:糧秣|糧秣]]徴発と物資輸送を妨げられるべく、この事をあらゆる方法で追求するべきだ。
:
*<!--❸--><sup>(3)</sup> Id esse facile,
**そのことは、容易である。
*quod [[wikt:en:equitatus#Latin|equitatu]] ipsi [[wikt:en:abundent#Latin|abundent]]
**というのは<small>(我々ガッリア勢)</small>自身は[[w:騎兵|騎兵隊]]がたくさんおり、
*et quod anni tempore [[wikt:en:subleventur|subleventur]].
**<small>(冬という)</small>時季に支えられているのだから。
:
; ローマ人が穀物倉に群がるところを騎兵で襲撃するべし
*<!--❹--><sup>(4)</sup> [[wikt:en:pabulum#Latin|Pabulum]] [[wikt:en:secari|secari]] non posse;
**<small>(この時季には)</small><ruby><rb>[[w:秣|秣]]</rb><rp>(</rp><rt>まぐさ</rt><rp>)</rp></ruby> は刈り取られることができない。
*[[wikt:en:necessario#Adverb|necessario]] [[wikt:en:dispersus#Latin|dispersos]] hostes ex [[wikt:en:aedificium#Latin|aedificiis]] [[wikt:en:petere|petere]];
**敵たち<small>〔ローマ勢〕</small>はやむなく分散して、家屋から<small>(糧秣を)</small>求める。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ほとんどの会話が間接話法を採る本書で、<br> ローマ勢が「敵」hostes と表現されることは極めてまれである。)</span>
*hos omnes [[wikt:en:cotidie#Latin|cotidie]] ab [[wikt:en:eques#Latin|equitibus]] <u>deleri</u> posse.
**これら皆を日々に<small>(ガッリア側の)</small>騎兵隊によって壊滅させることができる。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、β系写本では [[wikt:en:deleri|deleri]]「滅ぼされる」だが、<br> α系写本では [[wikt:en:diligi#Latin|diligi]]「分断される」となっている。)</span>
:
; 焦土戦術をもって、ローマ人と軍馬を飢えさせるべし
*<!--❺--><sup>(5)</sup> Praeterea [[wikt:en:salus#Latin|salutis]] causa rei [[wikt:en:familiaris#Adjective|familiaris]] [[wikt:en:commodum#Latin|commoda]] [[wikt:en:neglegendus#Latin|neglegenda]];
**さらに<small>(同盟諸部族に共通の)</small>安全のために、私有資産の利益はなおざりにされるべきだ。
*[[wikt:en:vicus#Latin|vicos]] atque [[wikt:en:aedificium#Latin|aedificia]] [[wikt:en:incendi#Verb_2|incendi]] [[wikt:en:oportet#Latin|oportere]]
**<small>(以下のような領域の)</small>村々や建物は焼かれるべきだ。
*hoc spatio ab Boia quoque versus, quo [[wikt:en:pabulandi#Verb|pabulandi]] causa [[wikt:en:adire#Latin|adire]] posse [[wikt:en:videantur|videantur]].
**[[w:ボイイ族|ボイイー族]]のところから四方八方へ糧秣徴発するために赴くことができると思われる領域では。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:主要写本ω にある ab Boia「ボイイー族のところから」は、<br> 現代では「街道から」ab via と修正読みされることが多い。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:quoque#Latin|quōque]] [[wikt:en:versus#Adverb|versus]] = [[wikt:en:quisque#Latin|quōquō]] versus「あらゆる方向へ」)</span>
[[画像:Eglise_saint_parize_le_chatel.jpg|thumb|right|250px|ボイイ族(Boii)の領内であったと思われる現在のサン=パリーズ=ル=シャテルの教会。ボイイー族の首邑ゴルゴビナは、[[w:ニエーヴル県|ニエーヴル県]]のサン=パリーズ=ル=シャテル([[w:en:Saint-Parize-le-Châtel|Saint-Parize-le-Châtel]])あるいは[[w:シェール県|シェール県]]のラ・ゲルシュ=スュル=ローボワ([[w:en:La Guerche-sur-l'Aubois|La Guerche-sur-l'Aubois]])の近辺にあったと推定されている。]]
:
*<!--❻--><sup>(6)</sup> Harum ipsis rerum copiam [[wikt:en:suppeto#Latin|suppetere]],
**<small>(ガッリア勢)</small>自身には、これらの物は、豊富に貯えてある。
*quod quorum in finibus bellum [[wikt:en:geratur|geratur]], eorum [[wikt:en:ops#Noun_4|opibus]] [[wikt:en:subleventur|subleventur]];
**──というのは、戦争が遂行される領土内の者たちの、彼らの助力に支えられているからだ。──
:
*<!--❼--><sup>(7)</sup> Romanos <u>aut</u> [[wikt:en:inopia#Latin|inopiam]] non [[wikt:en:laturus#Latin|laturos]] <span style="color:#009900;">(esse)</span>
**ローマ人たちは、あるいは<small>(糧食の)</small>欠乏に耐えられないであろうし、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:aut#Latin|aut]] ~ aut …「あるいは~あるいは…」)</span>
*<u>aut</u> magno <u>cum</u> periculo longius <u>ab</u> castris [[wikt:en:processurus#Latin|processuros]] <span style="color:#009900;">(esse)</span>;
**あるいは大きな危険とともに陣営からより遠くに進み出るであろう。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:cum は、ρ系写本・写本Tの記述で、<br> α系写本・写本Vにはない。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ab は、α系・ρ系写本・写本Vの記述で、写本Tでは a となっている。)</span>
:
*<!--❽--><sup>(8)</sup> neque [[wikt:en:interesse#Latin|interesse]], ipsos<u>ne</u> [[wikt:en:interficiant|interficiant]], [[wikt:en:impedimentum#Latin|impedimentis]]<u><nowiki>ne</nowiki></u> [[wikt:en:exuant|exuant]],
**<small>(ローマ人の)</small>当人たちを殺戮するか、輜重を奪い取るか、<small>(どちらであろうが)</small>違いはない。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:-ne#Latin|-ne]] は疑問小辞。~ -ne, … -ne 「~か、…か」)</span>
*quibus [[wikt:en:amissus#Latin|amissis]] bellum [[wikt:en:geri#Latin|geri]] non [[wikt:en:possit|possit]].
**それら<small>〔輜重〕</small>を失えば、戦争を遂行することができないのだから。
:
*<!--❾--><sup>(9)</sup> Praeterea oppida [[wikt:en:incendi#Verb_2|incendi]] [[wikt:en:oportet#Latin|oportere]],
**さらに、<small>(以下のような)</small>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]は焼かれなければならない。
*quae non [[wikt:en:munitio#Latin|munitione]] et loci natura <u>ab omni</u> sint <u>periculo</u> [[wikt:en:tutus#Latin|tuta]],
**防塁や地勢によってあらゆる危険から守られていない<small>(城塞都市は)</small>。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ab [[wikt:en:omni#Latin|omni]] [[wikt:en:periculum#Latin|periculo]] 「あらゆる危険から」)</span>
*<u>neu</u> suis sint ad <u>detrectandam</u> [[wikt:en:militia#Latin|militiam]] [[wikt:en:receptaculum#Latin|receptacula]]
**麾下の者たちにとっては<small>(城塞都市が)</small>[[w:兵役逃れ|兵役を忌避すること]]のための隠れ場所になることがないように、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:neu#Latin|neu]] は α系写本の記述で、β系写本では [[wikt:en:ne#Latin|ne]] となっている。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:detrectandam|detrectandam]] は α系・ρ系写本の表記で、π系写本では [[wikt:en:detractandam|detractandam]] となっている。)</span>
*neu [[wikt:en:Romani#Latin|Romanis]] [[wikt:en:propositus#Latin|proposita]] ad [[wikt:en:copia#Latin|copiam]] [[wikt:en:commeatus#Noun|commeatus]] [[wikt:en:praeda#Latin|praedam]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:tollendus#Latin|tollendam]],
**ローマ人たちにとって<small>(城塞都市が)</small>豊富な物資や戦利品を奪うための置き場所ともならないように。
:
*<!--❿--><sup>(10)</sup> Haec si [[wikt:en:gravis#Latin|gravia]] aut [[wikt:en:acerbus#Latin|acerba]] [[wikt:en:videantur|videantur]],
**もし、これら<small>(の作戦)</small>が厳しい、または苦しいと見えるとしても、
*multo illa [[wikt:en:graviter#Latin|gravius]] <u>aestimare</u>, [[wikt:en:liber#Noun_6|liberos]], [[wikt:en:coniunx#Latin|coniuges]] in [[wikt:en:servitus#Latin|servitutem]] [[wikt:en:abstrahi|abstrahi]], ipsos [[wikt:en:interfici|interfici]];
**それより、子供や配偶者たちが奴隷状態で連れ去られ、自身が殺されることの方が、はるかに厳しいと判断されるべきだ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:aestimare|aestimare]] だが、 <br> β系写本では [[wikt:en:aestimari|aestimari]] [[wikt:en:debere|debere]] となっている。)</span>
*quae sit [[wikt:en:necesse#Latin|necesse]] [[wikt:en:accido#Etymology_1|accidere]] [[wikt:en:victus#Participle|victis]].
**それらのことは、打ち負かされた者たちには、起こることが必然なのである。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===15節===
[[画像:Bourges_-_002_-_Low_Res.jpg|thumb|right|300px|'''アウァーリクム'''(Avaricum)すなわちビトゥリゲース族(Bituriges)の名を残すともいわれる現在の[[w:ブールジュ|ブールジュ]](Bourges)の[[w:サン=テチエンヌ大聖堂 (ブールジュ)|サン=テティエンヌ大聖堂]]([[w:世界遺産|世界遺産]])。この街はガッリア時代からこの地方の中心的な城塞都市であり、現代ではそれほど大都会ではないが、世界遺産の大聖堂や音楽祭などで広く知られている。]]
[[画像:Bourges.JPG|thumb|right|300px|アウァーリクムすなわち[[w:ブールジュ|ブールジュ]]の大聖堂から眺めた街並み。'''ビトゥリゲース族'''はかつてはイタリア北部に移住したこともある強大な部族で、この当時はブルディガラ(Burdigala:現在の[[w:ボルドー|ボルドー]])周辺にいたビトゥリゲース・ウィウィスキ族(Bituriges Vivisci)およびアウァーリクム周辺にいた'''ビトゥリゲース・クビ族'''(Bituriges Cubi)の二派に分かれていた。『ガリア戦記』に登場するのはビトゥリゲース・クビ族の方である。]]
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/15節]] {{進捗|00%|2026-03-08}}</span>
;焦土戦術開始、しかしアウァーリクムの防衛を決定
:
; 焦土戦術として、ビトゥリゲース族の街々が焼かれる
*<!--❶--><sup>(1)</sup> Omnium [[wikt:en:consensus#Latin|consensu]]
**<small>(会合の参加者)</small>全員の合意により
*hac [[wikt:en:sententia#Latin|sententia]] [[wikt:en:probatus#Latin|probata]],
**<small>(ウェルキンゲトリークスの)</small>この意向が承認されると、
*uno die [[wikt:en:amplius|amplius]] [[wikt:en:viginti|viginti]]<sub> (XX)</sub> [[wikt:en:urbs#Latin|urbes]] [[wikt:en:Bituriges#Latin|Biturigum]] [[wikt:en:incenduntur|incenduntur]].
**一日で、20より多いビトゥリゲース族の街々が焼かれる。
:
; ほかの諸部族の街々も焼かれる
*<!--❷--><sup>(2)</sup> Hoc idem fit in reliquis [[wikt:en:civitas#Latin|civitatibus]]:
**これと同じことが、ほかの諸部族でも行なわれて、
*in omnibus partibus
**あらゆる方面において、
*[[wikt:en:incendium#Latin|incendia]] [[wikt:en:conspiciuntur|conspiciuntur]];
**炎上が望見される。
*quae <u>etsi</u> magno cum [[wikt:en:dolor#Latin|dolore]] omnes [[wikt:en:ferebant|ferebant]],
**それらの皆が大きな悲嘆とともに耐えていたとしても、
*<u>tamen</u> hoc sibi [[wikt:en:solacium#Latin|solacii]] [[wikt:en:proponebant|proponebant]],
**しかし、自分らにとっての<small>(以下の)</small>慰めを抱いていた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:etsi#Latin|etsi]] ~ [[wikt:en:tamen#Latin|tamen]] …<br> 「~としても、にもかかわらず…」)</span>
*quod se prope [[wikt:en:exploratus#Latin|explorata]] [[wikt:en:victoria#Latin|victoria]]
**勝利はほぼ確実なものとされて、
*celeriter [[wikt:en:amissus#Latin|amissa]] [[wikt:en:reciperaturus#Latin|reciperaturos]] <span style="color:#009900;">(esse)</span>
**失ったものを速やかに回復するであろう、
*[[wikt:en:confidebant|confidebant]].
**と確信していたことである。
:
; アウァーリクムは、焦土戦術か、それとも防衛すべきか?
*<!--❸--><sup>(3)</sup> [[wikt:en:deliberatur|Deliberatur]] de [[wikt:en:Avaricum#Latin|Avarico]] in [[wikt:en:communis#Latin|communi]] [[wikt:en:concilium#Latin|concilio]], [[wikt:en:incendi#Latin|incendi]] <u>placeret</u> an [[wikt:en:defendi#Latin|defendi]].
**合同の会合において、アウァーリクムについて (も) 焼き討ちが良いか、あるいは防衛か、が吟味される。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:placeret|placeret]]<sub> (接続法・未完了過去)</sub> だが、<br> β系写本では [[wikt:en:placeat|placeat]]<sub> (接続法・現在)</sub> となっている。)</span>
:
; ビトゥリゲース族が、要害であるアウァーリクムの防衛を懇願する
*<!--❹--><sup>(4)</sup> [[wikt:en:procumbunt|Procumbunt]] omnibus Gallis ad pedes [[wikt:en:Bituriges#Latin|Bituriges]],
**<small>(会合に参加していた)</small>すべてのガッリア人の足元へ、ビトゥリゲース族の者たちはひれ伏す。
*ne [[wikt:en:pulcherrimus#Latin|pulcherrimam]] prope <u>[[wikt:en:totus#Latin|totius]] Galliae</u> [[wikt:en:urbs#Latin|urbem]], quae <u>et</u> [[wikt:en:praesidium#Latin|praesidio]] et [[wikt:en:ornamentum#Latin|ornamento]] sit [[wikt:en:civitas#Latin|civitati]],
**ほぼ全ガッリアの街々で最も美しいもの、部族にとっては要害でも誉れでもあるものを、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:totius Galliae は α系写本の語順で、β系写本では Galliae totius となっている。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:et は β系写本にはあるが、α系写本にはない。)</span>
*suis manibus [[wikt:en:succendo#Latin|succendere]] [[wikt:en:cogerentur|cogerentur]];
**自分たちの手で燃やすことを強いられないように、と(懇願した)。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ne ~ cogerentur;~を強いられないように)</span>
:
; アウァーリクムの地の利
*<!--❺--><sup>(5)</sup> facile se loci natura [[wikt:en:defensurus#Latin|defensuros]] [[wikt:en:dicunt|dicunt]],
**自分たちは<small>(アウァーリクムを)</small>地勢によって容易に防衛するだろう、と述べる。
*quod prope ex omnibus partibus [[wikt:en:flumen#Latin|flumine]] et [[wikt:en:palus#Latin|palude]] [[wikt:en:circumdatus#Latin|circumdata]]
**というのは<small>(アウァーリクムは)</small>ほぼあらゆる方向から川や沼地で囲まれており、
*unum habeat et [[wikt:en:perangustus#Latin|perangustum]] [[wikt:en:aditus#Latin|aditum]].
**一つだけ、非常に狭い進入路を持っているからだ。
[[画像:Bourges_2.JPG|thumb|right|300px|アウァーリクムすなわち[[w:ブールジュ|ブールジュ]]の大聖堂から眺めた沼地。イェーヴル川([[w:fr:Yèvre (Cher)|fr:Yèvre]])と沼地は、カエサルが書いたようにガッリア時代からこの街を囲んでいる。]]
:
; アウァーリクムの防衛が認められる
*<!--❻--><sup>(6)</sup> [[wikt:en:datur#Latin|Datur]] [[wikt:en:petens#Latin|petentibus]] [[wikt:en:venia#Latin|venia]]
**<small>(アウァーリクムの防衛を)</small>求める者たちに許可が与えられる。
*[[wikt:en:dissuadens#Latin|dissuadente]] primo [[wikt:en:Vercingetorix#Latin|Vercingetorige]],
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は当初は思い止まらせていたが、
*post [[wikt:en:concedens#Latin|concedente]] et [[wikt:en:prex#Latin|precibus]] ipsorum et [[wikt:en:misericordia#Latin|misericordia]] [[wikt:en:vulgus#Latin|vulgi]].
**後には、彼ら当人の懇願にも、民衆への哀れみにも、譲歩した。
*[[wikt:en:defensor#Latin|Defensores]] [[wikt:en:oppidum#Latin|oppido]] [[wikt:en:idoneus#Latin|idonei]] [[wikt:en:deliguntur|deliguntur]].
**城塞都市の適切な防衛者たちが選ばれる。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===16節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/16節]] {{進捗|00%|2026-03-22}}</span>
;アウァーリクムをめぐる両軍の駆け引き
:
; ウェルキンゲトリークスが、アウァーリクムから16マイル離れたところに宿営する
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:Vercingetorix#Latin|Vercingetorix]] [[wikt:en:minor#Latin|minoribus]] Caesarem [[wikt:en:iter#Latin|itineribus]] [[wikt:en:subsequitur|subsequitur]]
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は、カエサルを緩やかな行軍で追尾して、
*et locum [[wikt:en:castra#Latin|castris]] [[wikt:en:eligit#Latin|deligit]] [[wikt:en:palus#Latin|paludibus]] [[wikt:en:silva#Latin|silvis]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:munitus#Latin|munitum]]
**沼地や森林で防御された地点を陣営のために選んだ。
*ab [[wikt:en:Avaricum#Latin|Avarico]] longe milia passuum [[wikt:en:sedecim#Latin|sedecim]]<sub> (XVI)</sub>.
**アウァーリクムから16<u>ローママイル</u>隔たっていた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:1[[ガイウス・ユリウス・カエサルの著作/通貨・計量単位#ミーッレ・パッスーム、ミーリア(ローママイル)|ローママイル]]は約1.48 kmで、16マイルは約24 km)</span>
:
; ウェルキンゲトリークスが、斥候を放ってアウァーリクムを探り、部下たちに指図する
*<!--❷--><sup>(2)</sup> Ibi per [[wikt:en:certus#Latin|certos]] [[wikt:en:explorator#Latin|exploratores]]
**そこで、一定の斥候たちを通して、
*in [[wikt:en:singulus#Latin|singula]] diei tempora, quae ad [[wikt:en:Avaricum#Latin|Avaricum]] <u>agerentur</u>, [[wikt:en:cognoscebat|cognoscebat]]
**日中の毎時、アウァーリクム近傍で行なわれていることを探知して、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:agerentur|agerentur]] だが、<br> β系写本では [[wikt:en:gererentur|gererentur]] となっている。)</span>
*et, [[wikt:en:quis#Latin|quid]] [[wikt:en:fieri#Latin|fieri]] [[wikt:en:vellet#Latin|vellet]], [[wikt:en:imperabat|imperabat]].
**<small>(彼自身が)</small>なされることを欲していることを<small>(麾下の者たちに)</small>命令していた。
:
; ウェルキンゲトリークスとローマ勢の糧秣調達をめぐる攻防
*<!--❸--><sup>(3)</sup> Omnes nostras [[wikt:en:pabulatio#Latin|pabulationes]] [[wikt:en:frumentatio#Latin|frumentationes]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:observabat|observabat]]
**我が方<small>〔ローマ勢〕</small>の[[w:糧秣|秣や糧食]]の徴発の一部始終を注視していて、
*[[wikt:en:dispersus#Latin|dispersos]]<nowiki>que</nowiki>, cum longius necessario [[wikt:en:procederent|procederent]], [[wikt:en:adoriebatur|adoriebatur]]
**<small>(ローマ勢が)</small>分散して、やむを得ずにはるか遠くに進み出たときに、<small>(ガッリア勢が)</small>襲いかかって、
*[[wikt:en:magnus#Latin|magno]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:incommodum#Latin|incommodo]] [[wikt:en:adficiebat|adficiebat]],
**<small>(ローマ勢に)</small>大きな損害を与えていた。
*[[wikt:en:etsi#Latin|etsi]], quantum [[wikt:en:ratio#Latin|ratione]] [[wikt:en:provideri|provideri]] [[wikt:en:poterat|poterat]], ab nostris [[wikt:en:occurrebatur|occurrebatur]],
**とはいえ、できるかぎり用心する判断により<small>(敵の襲撃を)</small>我が方<small>〔ローマ勢〕</small>によって阻止していた。
*ut [[wikt:en:incertus#Latin|incertis]] temporibus [[wikt:en:diversus#Latin|diversis]]<nowiki>que</nowiki> itineribus [[wikt:en:iretur|iretur]].
**不確定な時間帯にまったく別々の道を行き来するというように。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===17節===
[[画像:Carte_du_Cher.svg|thumb|right|250px|アウァーリクム、すなわち現在の[[w:ブールジュ|ブールジュ市]](Bourges)のあるフランス・[[w:シェール県|シェール県]]の地図。中心にブールジュがあり、右下(南東)のラ・ゲルシュ=スュル=ローボワ([[w:en:La Guerche-sur-l'Aubois|La Guerche-sur-l'Aubois]])の近辺にボイイー族の首邑ゴルゴビナ(Gorgobina)があったと推定されている。右(東)隣の[[w:ニエーヴル県|ニエーヴル県]](Nièvre)が[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の版図であった。]]
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/17節]] {{進捗|00%|2026-03-28}}</span>
;アウァーリクム攻囲に取りかかるローマ軍の糧秣欠乏
:
; カエサルが、アウァーリクム攻囲のための堡塁工事に着手
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:castra#Latin|Castris]] ad eam partem [[wikt:en:oppidum#Latin|oppidi]] [[wikt:en:positus#Participle|positis]] Caesar,
**カエサルは、[[w:オッピドゥム|城塞都市]]の<small>(以下に述べるような)</small>方面に陣営を設置して、
*quae [[wikt:en:intermissus#Latin|intermissa]] a flumine et a <u>paludibus</u>
**──<small>(その方面は)</small>川や沼地により<small>(外部から)</small>遮断されて、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:paludibus|paludibus]] だが、<br> β系写本では [[wikt:en:palude#Latin|palude]] となっている。)</span>
*[[wikt:en:aditus#Noun_3|aditum]], ut supra [[wikt:en:diximus#Latin|diximus]], [[wikt:en:angustus#Latin|angustum]] [[wikt:en:habebat|habebat]],
**<u>前に述べたように</u>、狭い進入路を持っているというものであるが、──
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[#15節|15節]]⑤項では、<br> ほぼあらゆる方向から川や沼地で囲まれており、<br> 一つだけ、非常に狭い進入路を持っている、<br> と言及された。)</span>
*[[wikt:en:agger#Latin|aggerem]] [[wikt:en:apparare#Latin|apparare]],
**<small>(さらに)</small><ruby><rb>[[w:土塁|土塁]]</rb><rp>(</rp><rt>アッゲル</rt><rp>)</rp></ruby> を装備すること、
*[[wikt:en:vinea#Latin|vineas]] [[wikt:en:ago#Latin|agere]],
**<ruby><rb>[[w:ウィネア|工作小屋]]</rb><rp>(</rp><rt>ウィネア</rt><rp>)</rp></ruby> を駆動すること、
*[[wikt:en:turris#Latin|turres]] duas [[wikt:en:constituo#Latin|constituere]] [[wikt:en:coepit|coepit]];
**2つの<ruby><rb>[[w:攻城塔|攻城櫓]]</rb><rp>(</rp><rt>トゥッリス</rt><rp>)</rp></ruby> を建てること、を始めた。
*nam [[wikt:en:circumvallo#Latin|circumvallare]] loci natura [[wikt:en:prohibebat|prohibebat]].
**なぜなら<small>(城塞都市を)</small>堡塁で囲むことを地勢が妨げていたからだ。
<div style="text-align:center;">
{|
|-
|[[画像:Caesar's Gallic war; (Allen and Greenough's ed.) (1898) (14781415375).jpg|thumb|right|350px|城壁(図中の左端)を攻略するために築かれた<ruby><rb>土塁</rb><rp>(</rp><rt>アッゲル</rt><rp>)</rp></ruby> の復元画([[ガリア戦記_第2巻#12節|第2巻12節]]で既出)。左上には、両軍の<ruby><rb>[[w:攻城塔|攻城櫓]]</rb><rp>(</rp><rt>トゥッリス</rt><rp>)</rp></ruby>が描かれている。]]
|[[画像:Bender - Vinea.JPG|thumb|right|350px|<ruby><rb>工作小屋</rb><rp>(</rp><rt>ウィネア</rt><rp>)</rp></ruby> [[wikt:en:vinea|vinea]] の復元画([[ガリア戦記_第2巻#12節|第2巻12節]]で既出)。敵の矢玉などから身を守りながら城壁に近づくために用いられたと考えられている。]]
|}
</div>
:
; カエサルが、同盟者であるボイイー族やハエドゥイー族に、糧秣徴発を促す
*<!--❷--><sup>(2)</sup> De re [[wikt:en:frumentarius#Adjective|frumentaria]]
**<small>(カエサルは)</small>[[w:糧秣|糧秣]]調達について、
*[[wikt:en:Boii#Latin|Boios]] atque [[wikt:en:Haedui#Latin|Haeduos]] [[wikt:en:adhortari|adhortari]] non [[wikt:en:destitit|destitit]];
**[[w:ボイイ族|ボイイー族]]や[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]を鼓舞することを止めなかった。
*quorum [[wikt:en:alter#Latin|alteri]], quod [[wikt:en:nullus#Determiner|nullo]] [[wikt:en:studium#Latin|studio]] [[wikt:en:agebant|agebant]], non multum [[wikt:en:adiuvabant|adiuvabant]],
**彼らのうち一方<small>〔ハエドゥイー族〕</small>は、何らの努力を行なわなかったので、あまり助けにならなかった。
*[[wikt:en:alter#Latin|alteri]] non magnis [[wikt:en:facultas#Latin|facultatibus]], quod [[wikt:en:civitas#Latin|civitas]] erat [[wikt:en:exiguus#Latin|exigua]] et [[wikt:en:infirmus#Latin|infirma]],
**他方<small>〔ボイイー族〕</small>は、貧弱かつ無力な部族であったので、大した貯えもなく、
*celeriter quod [[wikt:en:habuerunt|habuerunt]] [[wikt:en:consumpserunt|consumpserunt]].
**早々と持っていたものを消費し切ってしまった。
:
; 糧秣の欠乏が続くが、ローマの将兵たちが耐え抜く
*<!--❸--><sup>(3)</sup> [[wikt:en:summus#Latin|Summa]] [[wikt:en:difficultas#Latin|difficultate]] rei [[wikt:en:frumentarius#Adjective|frumentariae]] [[wikt:en:adfectus#Latin|adfecto]] [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitu]]
**<small>(ローマ人の)</small>軍隊は糧秣調達の大いなる困難さに苦悩させられながらも、
*[[wikt:en:tenuitas#Latin|tenuitate]] [[wikt:en:Boii#Latin|Boiorum]],
**──<small>(その困難は)</small>ボイイー族の微力さ、
*[[wikt:en:indiligentia#Latin|indiligentia]] [[wikt:en:Haedui#Latin|Haeduorum]],
**ハエドゥイー族の怠慢、
*[[wikt:en:incendium#Latin|incendiis]] [[wikt:en:aedificium#Latin|aedificiorum]],
**<small>(敵勢による)</small>家屋の焼き打ちによるものであったが、──
*usque eo ut [[wikt:en:complures#Determiner|complures]] dies [[wikt:en:frumentum#Latin|frumento]] [[wikt:en:miles#Latin|milites]] [[wikt:en:caruerint|caruerint]]
**かなりの日々にわたって兵士たちは糧食を欠くまでになり、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:usque#Latin|usque]] eo ut ~「~まで」)</span>
*et [[wikt:en:pecus#Latin|pecore]] ex [[wikt:en:longinquior#Latin|longinquioribus]] [[wikt:en:vicus#Latin|vicis]] [[wikt:en:adactus#Latin|adacto]]
**かなり遠方の村々から家畜を駆り立てたので
*[[wikt:en:extremus#Latin|extremam]] [[wikt:en:fames#Latin|famem]] [[wikt:en:sustentarent|sustentarent]],
**極限の飢えに耐え通すまでになったのであるが、
*[[wikt:en:nullus#Determiner|nulla]] tamen <u>vox est ab iis</u> [[wikt:en:auditus#Latin|audita]] populi Romani [[wikt:en:maiestas#Latin|maiestate]] et [[wikt:en:superior#Latin|superioribus]] [[wikt:en:victoria#Latin|victoriis]] [[wikt:en:indignus#Latin|indigna]].
**しかしながら、ローマ人民の威厳やかつての勝利にふさわしからぬ声は、彼らから何ら聞かれなかった。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:vox#Latin|vox]] est <u>ab</u> iis だが、<br> β系写本では <u>ex</u> iis vox est となっている。)</span>
:
; ローマ人将兵たちがカエサルに攻囲の継続を訴える
*<!--❹--><sup>(4)</sup> [[wikt:en:quin#Latin|Quin]] etiam Caesar cum in [[wikt:en:opus#Latin|opere]] [[wikt:en:singulus#Latin|singulas]] [[wikt:en:legio#Latin|legiones]] [[wikt:en:appellaret|appellaret]],
**いやそればかりか、カエサルが作業中のそれぞれの[[w:ローマ軍団|軍団]]に呼びかけたとき、
*et, si [[wikt:en:acerbe#Latin|acerbius]] [[wikt:en:inopia#Latin|inopiam]] [[wikt:en:ferrent#Latin|ferrent]], se [[wikt:en:dimissurus#Latin|dimissurum]] <span style="color:#009900;"><sub>(esse)</sub></span> [[wikt:en:oppugnatio#Latin|oppugnationem]] [[wikt:en:diceret|diceret]],
**もし、とても過酷に欠乏に耐えているのならば、自分は攻囲を放棄するであろう、とカエサルが言っていたときに、
:
*<!--❺--><sup>(5)</sup> [[wikt:en:universi#Latin|universi]] ab eo, ne id [[wikt:en:faceret|faceret]], [[wikt:en:petebant|petebant]] :
**<small>(各軍団の)</small>一同は、彼<small>〔カエサル〕</small>に、それ<small>〔攻囲の放棄〕</small>をしないように求めていた。
*sic se complures annos illo [[wikt:en:imperans#Latin|imperante]] [[wikt:en:meruisse|meruisse]],
**自分たちは<small>(以下のように)</small>幾年にもわたって彼<small>〔カエサル〕</small>の麾下で努めてきた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:sic ~ ut …「…のように~である」)</span>
*ut [[wikt:en:nullus#Determiner|nullam]] [[wikt:en:ignominia#Latin|ignominiam]] [[wikt:en:acciperent|acciperent]], <u>nusquam incepta</u> re [[wikt:en:discederent|discederent]]:
**何ら不名誉を蒙ってないし、事<small>〔戦役〕</small>が完遂されないまま<small>(戦列を)</small>離脱することは決してなかったのだ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:nusquam#Latin|nusquam]] [[wikt:en:inceptus#Latin|incepta]] だが、<br> β系写本では [[wikt:en:numquam#Latin|numquam]] [[wikt:en:infectus#Adjective|infecta]] となっている。)</span>
:
*<!--❻--><sup>(6)</sup> hoc se [[wikt:en:ignominia#Latin|ignominiae]] <u>loco [[wikt:en:laturus#Latin|laturos]]</u> <span style="color:#009900;"><sub>(esse)</sub></span>, si [[wikt:en:inceptus#Latin|inceptam]] [[wikt:en:oppugnatio#Latin|oppugnationem]] [[wikt:en:reliquissent|reliquissent]];
**もし<small>(自分たちが)</small>着手した攻囲を放棄してしまったならば、自分たちはこの状態を不名誉と見なすであろう。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、β系写本では loco laturos の語順だが、<br> α系写本では laturos loco の語順となっている。)</span>
:
*<!--❼--><sup>(7)</sup> <u>praestare</u> omnes [[wikt:en:perferre|perferre]] [[wikt:en:acerbitas#Latin|acerbitates]],
**あらゆる厳しさに持ちこたえることは<small>(以下のこと)</small>よりましである。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[wikt:en:praestare|praestare]] ~ [[wikt:en:quam#Adverb|quam]] …「…よりも~がより優る」)</span>
*<u>quam</u> non [[wikt:en:civis#Latin|civibus]] Romanis, qui [[wikt:en:Genabum#Latin|Cenabi]] [[wikt:en:perfidia#Latin|perfidia]] Gallorum [[wikt:en:interissent|interissent]], [[wikt:en:parentarent|parentarent]].
**ケナブムでガッリア人たちの不義により滅びたローマ市民たちの仇討ちをしないよりも。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[#3節|3節]]①項を参照。仇討ちをしないのなら、苦しむ方がましである、の意)</span>
:
*<!--❽--><sup>(8)</sup> Haec [[wikt:en:idem#Latin|eadem]] [[wikt:en:centurio#Latin|centurionibus]] [[wikt:en:tribunus#Latin|tribunis]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:miles#Latin|militum]]
**これらと同じことを、<ruby><rb>[[w:ケントゥリオ|百人隊長]]</rb><rp>(</rp><rt>ケントゥリオ</rt><rp>)</rp></ruby>たちや<ruby><rb>[[w:トリブヌス・ミリトゥム|兵士長官]]</rb><rp>(</rp><rt>トリブヌス・ミリトゥム</rt><rp>)</rp></ruby>たちに、
*[[wikt:en:mandabant|mandabant]], ut per eos ad Caesarem [[wikt:en:deferrentur|deferrentur]].
**彼らを通じてカエサルに申し立てるように、依頼していた。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===18節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/18節]] {{進捗|00%|2026-04-13}}</span>
;カエサルがウェルキンゲトリークス不在の敵陣へ迫る
:
; カエサルは、ウェルキンゲトリークスが糧秣の欠乏によりローマ勢の糧秣徴発隊を襲撃に向かったと知る
*<!--❶--><sup>(1)</sup> Cum iam [[wikt:en:murus#Latin|muro]] [[wikt:en:turris#Latin|turres]] [[wikt:en:adpropinquassent#Latin|adpropinquassent]],
**すでに<small>(アウァーリクムの)</small>城壁に<small>(ローマ勢の)</small>[[w:攻城塔|攻城櫓]]が近づいていた際に、
*ex [[wikt:en:captivus#Noun|captivis]] Caesar [[wikt:en:cognovit#Latin|cognovit]],
**カエサルは、捕虜たちから<small>(以下のことを)</small>知った。
*[[wikt:en:Vercingetorix#Latin|Vercingetorigem]], [[wikt:en:consumptus#Latin|consumpto]] [[wikt:en:pabulum#Latin|pabulo]],
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は[[w:糧秣|糧秣]]を消費し切ると、
*castra [[wikt:en:movisse#Latin|movisse]] propius [[wikt:en:Avaricum#Latin|Avaricum]],
**陣営をアウァーリクムのより近くに移動させて、
*atque ipsum cum [[wikt:en:equitatus#Latin|equitatu]] [[wikt:en:expeditus#Noun|expeditis]]<nowiki>que</nowiki>, qui inter [[wikt:en:eques#Latin|equites]] [[wikt:en:proeliari#Verb|proeliari]] [[wikt:en:consuessent#Latin|consuessent]],
**彼自身は、[[w:騎兵|騎兵]]隊、および騎兵たちの間で争闘することに習熟していた[[w:軽装歩兵|軽装歩兵]]たちとともに、
*<u>insidiarum</u> causa eo [[wikt:en:profectus#Etymology_3|profectum]], quo nostros postero die [[wikt:en:pabulatum#Verb|pabulatum]] [[wikt:en:venturus#Latin|venturos]] [[wikt:en:arbitraretur#Latin|arbitraretur]].
**我が方<small>〔ローマ勢〕</small>が翌日に糧秣徴発にやって来るであろうと思われるところで待ち伏せするために、出発した、と。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:insidiarum|insidiarum]] だが、<br> β系写本では [[wikt:en:insidiandi#Latin|insidiandi]] となっている。)</span>
[[画像:AVARICUM Battaglia 52 aC.png|thumb|right|300px|アウァーリクム攻略戦の布陣図(<small>イタリア語</small>)。中央がアウァーリクム(AVARICUM)、右下の赤枠内がカエサルと8個軍団の陣営、赤い矢印の先端がローマ軍の土塁。左上の楕円形がウェルキンゲトリークスが移動させた陣営。]]
[[画像:Funerary chariot in the archeological museum of Strasbourg.jpg|thumb|right|300px|[[w:ハルシュタット文化|ハルシュタット文化]]の墳墓の副葬品として発掘された '''四輪荷馬車''' のレプリカ(仏ストラスブール考古学博物館)。]]
:
*<!--❷--><sup>(2)</sup> Quibus rebus [[wikt:en:cognitus#Participle|cognitis]]
**<small>(カエサルは)</small>それらの事情を知るや、
*media nocte [[wikt:en:silentium#Latin|silentio]] [[wikt:en:profectus#Etymology_3|profectus]]
**真夜中の静けさのうちに出発して、
*ad hostium castra [[wikt:en:mane#Adverb_2|mane]] [[wikt:en:pervenit#Etymology_2|pervenit]].
**敵の陣営の辺りへ朝方に到着した。
:
*<!--❸--><sup>(3)</sup> Illi, celeriter per [[wikt:en:explorator#Latin|exploratores]] [[wikt:en:adventus#Latin|adventu]] Caesaris [[wikt:en:cognitus#Participle|cognito]]
**あの者たちは、速やかに斥候たちを通じてカエサルの到来を知るや、
*<u>carros</u> [[wikt:en:impedimentum#Latin|impedimenta]]<nowiki>que</nowiki> sua in [[wikt:en:artior#Latin|artiores]] [[wikt:en:silva#Latin|silvas]] [[wikt:en:abdiderunt#Latin|abdiderunt]],
**自分たちの<u>四輪荷馬車</u>と[[w:輜重|輜重]]をとても深い森の中に隠して、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:四輪荷馬車 [[wikt:en:carrus#Latin|carrus]] は、例えば右の画像のものを参照。)</span>
*copias omnes in loco [[wikt:en:editus#Latin|edito]] atque [[wikt:en:apertus#Latin|aperto]] [[wikt:en:instruxerunt#Latin|instruxerunt]].
**全軍勢を高くそびえて開けている場所に配置した。
:
*<!--❹--><sup>(4)</sup> Qua re [[wikt:en:nuntiatus#Latin|nuntiata]]
**その事を報告されて、
*Caesar celeriter [[wikt:en:sarcina#Latin|sarcinas]] [[wikt:en:conferri#Latin|conferri]],
**カエサルは速やかに<small>(兵士たちの)</small>[[w:背嚢|背嚢]]が運び集められること、
*[[wikt:en:arma#Latin|arma]] [[wikt:en:expediri#Latin|expediri]] [[wikt:en:iussit#Verb|iussit]].
**武具が<small>(すぐ使えるように)</small>整えられることを命じた。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===19節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/19節]] {{進捗|00%|2026-04-20}}</span>
;丘の上のガッリア勢と沼沢を挟んで対峙する
:
; ガッリア勢の陣営の地勢
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:collis#Latin|Collis]] erat <u>leniter</u> ab [[wikt:en:infimus#Latin|infimo]] [[wikt:en:adclivis#Latin|adclivis]].
**<small>(ガッリア勢がいる)</small>丘陵はふもとから緩やかに、登り坂になっていた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、β系・χ系・B・M・S・N<sup>c</sup> 写本では [[wikt:en:leviter#Latin|leviter]] 、<br> L・N写本では [[wikt:en:breviter#Latin|breviter]] だが、<br> より劣った写本 ''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#クリティカル・アパラトゥスとその略号|codd.deter.]]'' では [[wikt:en:leniter#Latin|leniter]] となっている。
*Hunc ex omnibus fere partibus [[wikt:en:palus#Latin|palus]] [[wikt:en:difficilis#Latin|difficilis]] atque [[wikt:en:impeditus#Latin|impedita]] [[wikt:en:cingebat#Latin|cingebat]]
**これ<small>〔丘陵〕</small>を、ほぼすべての方角から、不便で通りにくい沼地が取り巻いていて、
*non [[wikt:en:latior#Latin|latior]] [[wikt:en:pes#Latin|pedibus]] [[wikt:en:quinquaginta#Latin|quinquaginta]].
**<small>(その沼地は)</small>50<u>[[w:ペース (長さ)|ペース]]</u>より幅広くなかった。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:1[[ガイウス・ユリウス・カエサルの著作/通貨・計量単位#ペース|ペース]]は約29.6cmで、50ペースは約15メートル弱。)</span>
:
; 丘の周囲を部族ごとに分かれて守備している
*<!--❷--><sup>(2)</sup> Hoc se [[wikt:en:collis#Latin|colle]] [[wikt:en:interruptus#Latin|interruptis]] [[wikt:en:pons#Latin|pontibus]]
**この丘陵において、橋梁を破却すると、
*Galli [[wikt:en:fiducia#Latin|fiducia]] loci [[wikt:en:continebant#Latin|continebant]]
**ガッリア人たちは、地勢を頼りに留まっていて、
*[[wikt:en:generatim#Latin|generatim]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:distributus#Latin|distributi]] in civitates
**<small>(軍勢を)</small>諸部族の種族ごとに分けて配置させて、
*omnia [[wikt:en:vadum#Latin|vada]] ac [[wikt:en:saltus#Etymology_2|saltus]] eius [[wikt:en:palus#Latin|paludis]] <u>certis custodiis</u> [[wikt:en:obtinebant#Latin|obtinebant]],
**その沼地の、すべての浅瀬や隘路を <u>一定の護衛兵たちによって</u> 占領していた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部の [[wikt:en:certus#Latin|certis]] [[wikt:en:custodia#Latin|custodiis]] は β系写本の記述で、α系写本にはない。)</span>
*<u>sic</u> animo [[wikt:en:paratus#Latin|parati]] <u>ut</u>, si eam [[wikt:en:palus#Latin|paludem]] Romani [[wikt:en:perrumpo#Latin|perrumpere]] [[wikt:en:conarentur#Latin|conarentur]], [[wikt:en:haesitans#Latin|haesitantes]] [[wikt:en:premerent#Latin|premerent]] ex loco [[wikt:en:superior#Latin|superiore]];
**もしローマ勢がその沼地を強行突破せんと試みたならば、ぐずぐずしている者らを高地から圧倒する心積もりであった。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:sic#Latin|sīc]] ~, [[wikt:en:ut#Latin|ut]] ・・・「…であるように~である」)</span>
:
; 両軍は互角か?
*<!--❸--><sup>(3)</sup> ut, qui [[wikt:en:propinquitas#Latin|propinquitatem]] loci [[wikt:en:videret#Latin|videret]],
**<small>(両軍の)</small>陣地が近接していることを見た者は、
*[[wikt:en:paratus#Latin|paratos]] prope [[wikt:en:aequus#Latin|aequo]] <u>Marte</u> ad [[wikt:en:dimicandum#Latin|dimicandum]] [[wikt:en:existimaret#Latin|existimaret]],
**<small>(ガッリア勢がローマ勢に対して)</small>ほぼ互角の戦い<small>(の条件)</small>で闘うつもりでいると考えただろう。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、[[wikt:en:Mars#Proper_noun_22|Mars]]「戦争の神マールス」ではなく、<br> [[wikt:en:Mars#Noun_4|Mars]]「戦争、闘い」そのものを指す。)</span>
; ガッリア勢は不利なのに虚勢を張っているのか?
*qui [[wikt:en:iniquitas#Latin|iniquitatem]] [[wikt:en:condicio#Latin|condicionis]] [[wikt:en:perspiceret#Latin|perspiceret]],
**<small>(ガッリア勢の)</small>条件の不利なことを見通した者は、
*[[wikt:en:inanis#Latin|inani]] [[wikt:en:simulatio#Latin|simulatione]] sese [[wikt:en:ostentare#Latin|ostentare]] [[wikt:en:cognosceret#Latin|cognosceret]].
**<small>(ガッリア勢が)</small>虚栄の見せかけで己を誇示していることを、理解しただろう。
:
; カエサルが、至近距離の敵への攻撃にいきり立つ将兵らを教え諭す
*<!--❹--><sup>(4)</sup> [[wikt:en:indignans#Latin|Indignantes]] [[wikt:en:miles#Latin|milites]] Gaesar,
**カエサルは<small>(ガッリア勢の誇示に)</small>憤慨している兵士たちに、
*quod [[wikt:en:conspectus#Noun_2|conspectum]] suum hostes <u>perferre</u> [[wikt:en:possent#Latin|possent]] [[wikt:en:tantulus#Latin|tantulo]] [[wikt:en:spatium#Latin|spatio]] [[wikt:en:interiectus#Latin|interiecto]],
**──というのも、これほどのわずかな距離しか介在してないのに、敵勢が自分らを<small>(平然と)</small>見据えていられるためだが──
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:perferre#Latin|perferre]] だが、β系写本では [[wikt:en:ferre#Latin|ferre]] となっている。)</span>
*et signum proelii [[wikt:en:exposcens#Latin|exposcentes]] [[wikt:en:edocet#Latin|edocet]],
**および戦闘の合図を熱心に求めている者たちに対して<small>(以下のように)</small>説く。
*[[wikt:en:quantus#Latin|quanto]] [[wikt:en:detrimentum#Latin|detrimento]] et [[wikt:en:quot#Latin|quot]] [[wikt:en:vir#Latin|virorum]] [[wikt:en:fortis#Latin|fortium]] [[wikt:en:mors#Latin|morte]] [[wikt:en:necesse#Adverb|necesse]] sit [[wikt:en:constare#Latin|constare]] [[wikt:en:victoria#Latin|victoriam]];
**勝利を確実にすることが、どれほどの損害と、どれほど多くの勇敢な<ruby><rb>兵士</rb><rp>(</rp><rt>ウィル</rt><rp>)</rp></ruby>たちの死を必要とするか、を。
: <!-- [[wikt:en:| -->
; 多くのローマ兵が死に瀕すれば、カエサル自身が戦争犯罪で弾劾されるだろう
*<!--❺--><sup>(5)</sup> quos cum <u>sic</u> [[wikt:en:animus#Latin|animo]] [[wikt:en:paratus#Latin|paratos]] [[wikt:en:videat#Latin|videat]], <u>ut</u> [[wikt:en:nullus#Determiner|nullum]] pro sua [[wikt:en:laus#Latin|laude]] [[wikt:en:periculum#Latin|periculum]] [[wikt:en:recusent#Latin|recusent]],
**彼ら<small>〔兵士たち〕</small>が己の賞賛のためにいかなる危険をも辞さない心積もりであると<small>(カエサルは)</small>見て取ったので、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:sic#Latin|sīc]] ~, [[wikt:en:ut#Latin|ut]] ・・・「…であるように~である」)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:pro sua laude 「自らの賞賛のために」は、「カエサルの賞賛のために」と解することもできる。<br> しかし、共和制国家に忠誠を誓っているはずの兵士らが、カエサル個人のために命を投げ出そうとする記述は、<br> 野心家カエサルが軍隊を私兵化しようとしている野望をさらけ出すことになり、政敵たちを利することになる。)</span>
*[[wikt:en:summus#Latin|summae]] se [[wikt:en:iniquitas#Latin|iniquitatis]] [[wikt:en:condemnari#Latin|condemnari]] [[wikt:en:debere#Latin|debere]], [[wikt:en:nisi#Conjunction|nisi]] eorum [[wikt:en:vita#Latin|vitam]] sua [[wikt:en:salus#Latin|salute]] [[wikt:en:habeat#Latin|habeat]] [[wikt:en:carior#Latin|cariorem]].
**<small></small>彼ら<small>〔兵士〕</small>の生命を己<small>〔カエサル〕</small>の安全より貴重と思わない限り、自分<small>〔カエサル〕</small>は極度の不正のために告発されるに違いない。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:すでにサビーヌスら多くのローマ市民が戦死しており、ここでさらに多くのローマ市民を死なせることは、<br> カエサルから軍隊を取り上げることを主張していた政敵たちから厳しく糾弾されることになったであろう。)</span>
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--❻--><sup>(6)</sup> Sic [[wikt:en:miles#Latin|milites]] [[wikt:en:consolatus#Latin|consolatus]]
**<small>(カエサルは)</small>このように兵士たちを<ruby><rb>宥</rb><rp>(</rp><rt>なだ</rt><rp>)</rp></ruby>めて、
*eodem die [[wikt:en:reducit#Latin|reducit]] in castra
**同日に陣営の中に連れ戻して、
*[[wikt:en:reliquus#Latin|reliqua]]<nowiki>que</nowiki> quae ad [[wikt:en:oppugnatio#Latin|oppugnationem]] <u>[[wikt:en:pertinebant#Latin|pertinebant]] [[wikt:en:oppidum#Latin|oppidi]]</u> [[wikt:en:administrare#Latin|administrare]] [[wikt:en:instituit#Latin|instituit]].
**城塞都市<small>〔アウァーリクム〕</small>の攻略に関わっているほかのことに従事することを決めた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、χ系・B・M・S写本では pertinebant oppidi の語順だが、<br> L・N・β系写本では oppidi pertinebant の語順となっている。)</span>
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===20節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/20節]] {{進捗|00%|2026-05-04}}</span>
;ウェルキンゲトリークスが味方に弁明し、捕虜に問い質す
:
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:Vercingetorix#Latin|Vercingetorix]], cum ad suos [[wikt:en:redisset#Latin|redisset]], [[wikt:en:proditio#Latin|proditionis]] [[wikt:en:insimulatus#Latin|insimulatus]],
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は、味方のもとに戻った際に、<small>(以下のことで)</small>裏切りだと非難されていた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:以下、[[wikt:en:quod#Conjunction|quod]] ~ で箇条書き。)</span>
*quod [[wikt:en:castra#Latin|castra]] [[wikt:en:propius#Latin|propius]] [[wikt:en:Romani#Latin|Romanos]] [[wikt:en:movisset#Latin|movisset]],
**陣営をローマ人たちのより近くに移動させていたこと、
*quod cum omni [[wikt:en:equitatus#Noun|equitatu]] [[wikt:en:discessisset#Latin|discessisset]],
**全[[w:騎兵|騎兵隊]]とともに<small>(陣営を)</small>離れていたこと、
*quod sine [[wikt:en:imperium#Latin|imperio]] [[wikt:en:tantus#Latin|tantas]] [[wikt:en:copiae#Latin|copias]] [[wikt:en:reliquisset#Latin|reliquisset]],
**司令権<small>(を持つ者)</small>なしに、これほど多くの軍勢を置き去りにしていたこと、
*quod eius [[wikt:en:discessus#Noun|discessu]] [[wikt:en:Romani#Latin|Romani]] [[wikt:en:tantus#Latin|tanta]] [[wikt:en:opportunitas#Latin|opportunitate]] et [[wikt:en:celeritas#Latin|celeritate]] [[wikt:en:venissent#Latin|venissent]];
**彼<small>〔ウェルキンゲトリークス〕</small>の退去によりローマ人がこれほどの好機とこれほどの迅速さでやって来ていたこと、である。
:
*<!--❷--><sup>(2)</sup> non haec omnia [[wikt:en:fortuito#Latin|fortuito]] aut sine [[wikt:en:consilium#Latin|consilio]] [[wikt:en:accido#Etymology_1|accidere]] [[wikt:en:potuisse#Latin|potuisse]];
**──これらすべてが偶然に、あるいは謀りごとなしに起こることはあり得なかったのだ。
*[[wikt:en:regnum#Latin|regnum]] illum Galliae <u>malle</u> Caesaris [[wikt:en:concessus#Noun|concessu]] <u>quam</u> ipsorum habere [[wikt:en:beneficium#Latin|beneficio]]
**彼<small>〔ウェルキンゲトリークス〕</small>は<small>(ガッリア人)</small>自身の厚遇を得ることよりもむしろカエサルの許しにより[[w:ガリア|ガッリア]]の王権<small>(を持つこと)</small>を好んでいるのだ。──
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:malle#Latin|malle]] ~ quam …「…よりも、むしろ~を好む(選ぶ)」)</span>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ウェルキンゲトリークスが王権を望むあまり、同盟部族の生命をカエサルに売り渡したということである。)</span>
[[画像:Vercingetorix_stater_n2_CdM_alternate.jpg|thumb|right|250px|[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]の横顔が刻まれたガッリアの金貨(パリの[[w:ビブリオテーク・ナショナル|仏国立図書館]]貨幣部蔵)]]
:
; ━━ウェルキンゲトリークスの弁明が始まる━━
*<!--❸--><sup>(3)</sup> [[wikt:en:talis#Latin|tali]] [[wikt:en:modus#Latin|modo]] [[wikt:en:accusatus#Latin|accusatus]]
**こんな風に非難されて、
*ad haec [[wikt:en:respondit#Latin|respondit]]:
**<small>(ウェルキンゲトリークスは)</small>これらのことへ答えた。
*Quod [[wikt:en:castra#Latin|castra]] [[wikt:en:movisset#Latin|movisset]],
**陣営を移動させていたことは、
*[[wikt:en:factus#Latin|factum]] [[wikt:en:inopia#Latin|inopia]] [[wikt:en:pabulum#Latin|pabuli]],
**[[w:糧秣|糧秣]]の欠乏によりなされたのであり、
*etiam ipsis [[wikt:en:hortans#Latin|hortantibus]];
**<small>(ガッリア人たち)</small>自身が熱心に勧めることさえしているのだ。
*quod [[wikt:en:propius#Latin|propius]] [[wikt:en:Romani#Latin|Romanos]] [[wikt:en:accessisset#Latin|accessisset]],
**ローマ人たちのより近くに近寄っていたことは、
*[[wikt:en:persuasus#Latin|persuasum]] loci [[wikt:en:opportunitas#Latin|opportunitate]], qui se <u>ipsum</u> [[wikt:en:munitio#Latin|munitione]] [[wikt:en:defenderet#Latin|defenderet]];
**<small>(移動先の丘陵が)</small>それ自体を<small>(沼地という天然の)</small>要害により守っているという地の利に納得させられたのだ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:上記の se <u>ipsum</u> munitione defenderet 「そのものを防御物によって守る」は主要写本 ω の記述で、<br>''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Bentley,_Thomas|Th. Bentley]]'' は se <u>ipse sine</u> munitione defenderet 「そのものが防御物なしで守る」と修正提案している。)</span>
:
; 騎兵は、湿地帯での任務に適していない
*<!--❹--><sup>(4)</sup> [[wikt:en:eques#Latin|equitum]] vero [[wikt:en:opera#Latin|operam]]
**騎兵たちの働きはまさに、
*neque in loco [[wikt:en:paluster#Latin|palustri]] [[wikt:en:desiderari#Latin|desiderari]] [[wikt:en:debuisse#Latin|debuisse]]
**沼沢地において望まれるべきものではなかったし、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:湿地・沼地では、ぬかるみに馬の足が取られるため、<br> 騎兵の長所である機動力が著しく低下し、<br> 速さを活かした偵察・突撃・迂回・追撃などがし難くなる。)</span>
*et [[wikt:en:illic#Adverb|illic]] fuisse [[wikt:en:utilis#Latin|utilem]], quo sint [[wikt:en:profectus#Participle_2|profecti]].
**<small>(騎兵たちが)</small>発って行ったところにおいては有効だったのだ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[#16節|16節]]冒頭の説明によれば、<br> ウェルキンゲトリークスが最初に宿営した場所は、<br> アウァーリクムから16マイル離れ、沼地や森林に守られていた。<br> [[#19節|19節]]では、より近い、沼地に囲まれたゆるやかな丘陵に移動したという。<br> この移動前後の地勢の優劣を、カエサルは必ずしも明瞭に説明していない。)</span>
:
; 兵は拙速を尊ぶ
*<!--❺--><sup>(5)</sup> [[wikt:en:summa#Latin|Summam]] [[wikt:en:imperium#Latin|imperii]]
**<small>(軍勢の)</small>最高司令権は、
*se [[wikt:en:consulto#Adverb|consulto]] [[wikt:en:nullus#Latin|nulli]] [[wikt:en:discedens#Latin|discedentem]] [[wikt:en:tradidisse#Latin|tradidisse]],
**<small>(ウェルキンゲトリークス)</small>自らが意図的に、立ち去るに当たって、誰にも委託しなかった。
*[[wikt:en:ne#Latin|ne]] is [[wikt:en:multitudo#Latin|multitudinis]] [[wikt:en:studium#Latin|studio]] ad [[wikt:en:dimicandus#Latin|dimicandum]] [[wikt:en:impelleretur#Latin|impelleretur]];
**その者が大勢の熱意によって<small>(ローマ人と)</small>闘うことに駆り立てられないように、である。
*cui rei <u>propter animi [[wikt:en:mollities#Latin|mollitiem]]</u> [[wikt:en:studere#Latin|studere]] omnes [[wikt:en:videret#Latin|videret]],
**その事<small>〔闘って決着を付けること〕</small>を、<u>心の柔弱さのゆえに</u>、皆が求めたがっている。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:「心の柔弱さのゆえに、闘いがしたくなる」というのは、<br> 一見すると奇妙に感じられるが、ここでの柔弱さ([[wikt:en:mollities#Latin|mollities]])とは、<br> 長期の攻囲戦の労苦や疲弊に持ちこたえる忍耐力のなさを指し、<br> 長い苦難から逃避するために早期決戦を志向する心理を意味すると考えられる。)</span>
*quod [[wikt:en:diutius#Latin|diutius]] [[wikt:en:labor#Latin|laborem]] ferre non [[wikt:en:possent#Latin|possent]].
**──というのは、<small>(兵は)</small>より長く<small>(攻囲戦の)</small>労苦に耐えることができないからだ──。
**:<span style="color:#009900;"> (訳注:[[w:孫子 (書物)|孫子]]に曰く「兵は拙速を聞くも、未だ巧の久しきを<ruby><rb>睹</rb><rp>(</rp><rt>み</rt><rp>)</rp></ruby>ざるなり」<ref>[[wikt:en:故に兵は拙速を聞くも、未だ巧の久しきを睹ざるなり|故に兵は拙速を聞くも、未だ巧の久しきを睹ざるなり]]
「戦争というものは、拙劣に短期決戦を挑んだ事例は聞くが、巧妙に長期戦を続けた事例は聞かない」の意。長い戦争は人々を消耗させ、疲弊させてしまう。</ref>)</span>
:
; ローマ人は、闘わずに退却したではないか
*<!--❻--><sup>(6)</sup> Romani si [[wikt:en:casu#Latin|casu]] [[wikt:en:intervenerint#Latin|intervenerint]], [[wikt:en:fortuna#Latin|fortunae]],
**もしローマ人たちが偶然に現われたのならば、命運に<small>(感謝するべきであり)</small>、
*si [[wikt:en:alicuius#Latin|alicuius]] [[wikt:en:indicium#Latin|indicio]] [[wikt:en:vocatus#Latin|vocati]], huic [[wikt:en:habendus#Latin|habendam]] [[wikt:en:gratia#Latin|gratiam]],
**もし<small>(ローマ人たちが)</small>何者かの申し立てに呼ばれて来たのならば、その者に感謝するべきだ。
*quod <u>et</u> [[wikt:en:paucitas#Latin|paucitatem]] eorum ex loco [[wikt:en:superior#Latin|superiore]] [[wikt:en:cognosco#Latin|cognoscere]]
**──というのは、より高い位置から彼ら<small>〔ローマ人〕</small>の少なさを知ることも、
*<u>et</u> [[wikt:en:virtus#Latin|virtutem]] [[wikt:en:despicio#Latin|despicere]] [[wikt:en:potuerint#Latin|potuerint]],
**<small>(ローマ人の)</small>武勇とやらを見下すこともできたのだから。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:et ~ et …「~も…も」)</span>
*qui [[wikt:en:dimico#Latin|dimicare]] non [[wikt:en:ausus#Participle|ausi]]
**彼ら<small>〔ローマ人〕</small>は闘うことをあえてせずに、
*[[wikt:en:turpiter#Latin|turpiter]] se in castra [[wikt:en:receperint#Latin|receperint]].
**見苦しくも陣営に退却したのだ──。
:
; ガッリア人が勝つのだから、カエサルに寝返るはずがない
*<!--❼--><sup>(7)</sup> [[wikt:en:imperium#Latin|Imperium]] se <u>ab</u> Caesare per [[wikt:en:proditio#Latin|proditionem]] [[wikt:en:nullus#Latin|nullum]] [[wikt:en:desidero#Latin|desiderare]],
**自分<small>〔ウェルキンゲトリークス〕</small>は、カエサルから裏切りを通じて、どのような司令権も望んではいない。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:上の (2) 項では、味方のガッリア人たちは、ウェルキンゲトリークスが<br> カエサルにより [[wikt:en:regnum#Latin|regnum]](王権、支配権)を得ようとしていると非難したのに対し、<br> 彼は [[wikt:en:imperium#Latin|imperium]](軍隊司令権、または支配権)という言葉を巧妙に引きずって答えている。<br> もちろん、言葉を変えたのは、筆者カエサル自身であろう。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ab はα系写本の記述で、β系写本では a となっている。)</span>
*quod habere [[wikt:en:victoria#Latin|victoria]] [[wikt:en:posset#Latin|posset]],
**<small>(支配権は、ローマ人に対する)</small>勝利によって得られるものであり、
*quae iam esset sibi atque omnibus [[wikt:en:Galli#Latin|Gallis]] [[wikt:en:exploratus#Latin|explorata]];
**<small>(勝利は)</small>もはや自分とすべてのガッリア人にとって確実なものとされているのだ。
*quin etiam ipsis <u>remittere</u>,
**いやそればかりか<small>(以下の様であれば、ガッリア人たち)</small>自身に<small>(司令官職を)</small>返還しているだろう。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部の [[wikt:en:remitto#Latin|remittere]] は、写本Sの記述および ''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Stephanus_(Estienne)|Stephanus]]'' や ''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Vascosanus|Vascosanus]]'' による修正提案で、<br> β系・χ系写本・写本B・M・L・N では [[wikt:en:remitteret#Latin|remitteret]] となっている。)</span>
*si sibi <u>magis</u> [[wikt:en:honor#Latin|honorem]] [[wikt:en:tribuo#Latin|tribuere]], <u>quam</u> ab se [[wikt:en:salus#Latin|salutem]] [[wikt:en:accipio#Latin|accipere]] [[wikt:en:videantur#Latin|videantur]].
**もし<small>(ガッリア人が)</small>自分から安全を受け取っているよりも、むしろ顕職を自分に授けていると思っているのならば、だが。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:magis#Latin|magis]] ~, quam …「…というよりは、むしろ~」)</span>
:
; 捕虜のローマ人たちに訊いてみなさい
*<!--❽--><sup>(8)</sup> <!--▲直接話法--><span style="background-color:#e8e8ff;"> <span style="color:#009900;">«</span> Haec ut [[wikt:en:intellegatis#Latin|intellegatis]], <span style="color:#009900;">»</span> </span> [[wikt:en:inquit#Latin|inquit]], <!--▲直接話法--><span style="background-color:#e8e8ff;"> <span style="color:#009900;">«</span> a me [[wikt:en:sincere#Latin|sincere]] [[wikt:en:pronuntiari#Latin|pronuntiari]], [[wikt:en:audite#Latin|audite]] [[wikt:en:Romanus#Adjective|Romanos]] [[wikt:en:miles#Latin|milites]]. <span style="color:#009900;">»</span> </span>
**「これらは諸君が理解しているように、私により率直に示された。ローマ兵たちに聞いてみよ」と言った。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:<!--▲直接話法--><span style="background-color:#e8e8ff;"> <span style="color:#009900;">«</span> ~ <span style="color:#009900;">»</span> </span> の箇所は、直接話法で記されている。)</span>
:
*<!--❾--><sup>(9)</sup> [[wikt:en:producit#Latin|Producit]] [[wikt:en:servus#Latin|servos]], quos in [[wikt:en:pabulatio#Latin|pabulatione]] paucis ante diebus [[wikt:en:exceperat#Latin|exceperat]] et [[wikt:en:fames#Latin|fame]] [[wikt:en:vinculum#Latin|vinculis]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:excruciaverat#Latin|excruciaverat]].
**数日前に糧秣徴発しているのを<small>(彼が)</small>ひっ捕らえて、飢えと鎖で拷問していたところの奴隷たちを引き出す。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[wikt:en:calo#Noun_5|cālō]] カーロー(軍属奴隷)と呼ばれる輜重や陣営を管理する奴隷たちのことであろう。)</span>
:
*<!--❿--><sup>(10)</sup> Hi iam ante [[wikt:en:edoctus#Latin|edocti]], quae [[wikt:en:interrogatus#Latin|interrogati]] [[wikt:en:pronuntiarent#Latin|pronuntiarent]],
**彼ら<small>〔奴隷〕</small>は、すでに前もって<small>(ガッリア勢から)</small>訊問された際に語ることを<small>(ローマ人から)</small>教え込まれており、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:カエサルは奴隷たちが誰に教え込まれたのか明記していないため、<br> ウェルキンゲトリークスに教え込まれたと訳している場合もある。)</span>
*[[wikt:en:miles#Latin|milites]] se esse [[wikt:en:legionarius#Latin|legionarios]] [[wikt:en:dicunt#Latin|dicunt]];
**自分たちは[[w:軍団兵|軍団兵]]であると言った。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:糧秣徴発に出かけていた者は、たとえ軍団兵でも軽装であったであろうが、<br> 奴隷たちは、もともと戦争で捕虜になったガッリア人たち等であったと考えられるので、<br> 地中海人種のローマ人とは容易に見分けが付きそうなものではある。)</span>
*[[wikt:en:fames#Latin|fame]] <u>et</u> [[wikt:en:inopia#Noun_2|inopia]] [[wikt:en:adductus#Latin|adductos]] [[wikt:en:clam#Latin|clam]] ex castris [[wikt:en:exisse#Latin|exisse]], si [[wikt:en:aliquis#Latin|quid]] [[wikt:en:frumentum#Latin|frumenti]] aut [[wikt:en:pecus#Latin|pecoris]] in agris [[wikt:en:reperio#Latin|reperire]] [[wikt:en:possent#Latin|possent]];
**<small>(奴隷たち曰く)</small>飢えと欠乏に動かされて、何か穀物または家畜が野に見出せないかと、ひそかに陣営から抜け出した。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:et はα系写本の記述で、β系写本では atque となっている。)</span>
:
*<!--⓫--><sup>(11)</sup> [[wikt:en:similis#Latin|simili]] omnem [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitum]] [[wikt:en:inopia#Noun_2|inopia]] [[wikt:en:premi#Latin|premi]],
**<small>(ローマ人の)</small>全軍隊が同様の欠乏に悩まされて、
*<u>nec</u> iam [[wikt:en:vis#Latin|vires]] [[wikt:en:sufficio#Latin|sufficere]] [[wikt:en:quisquam#Latin|cuiusquam]] <u>nec</u> ferre [[wikt:en:opus#Latin|operis]] [[wikt:en:labor#Latin|laborem]] posse;
**もはや<small>(兵士の)</small>誰もが十分な能力がなく、<small>(城攻めの)</small>作業の労苦に耐えることができない。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:nec ~ nec …「~でもなく、…でもない」)</span>
*itaque [[wikt:en:statuisse#Latin|statuisse]] [[wikt:en:imperator#Latin|imperatorem]], si [[wikt:en:nihil#Latin|nihil]] in [[wikt:en:oppugnatio#Latin|oppugnatione]] oppidi <u>profecissent</u>, [[wikt:en:triduum#Latin|triduo]] [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitum]] [[wikt:en:deduco#Latin|deducere]].
**こうして将軍<small>〔カエサル〕</small>は、もし城塞都市の攻略において何ら得られないならば、3日間で軍隊を連れ帰ると決めた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、写本S・L・Nでは [[wikt:en:profecissent#Latin|profecissent]]<sub> (3人称・<u>複数</u>・過去完了・接続法)</sub> だが、<br> β系写本では [[wikt:en:profecisset#Latin|profecisset]]<sub> (3人称・<u>単数</u>・過去完了・接続法)</sub> となっており、<br> χ系および写本B・Mでは proficissent という綴りになっている。)</span>
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--⓬--><sup>(12)</sup> <!--▲直接話法--><span style="background-color:#e8e8ff;"> <span style="color:#009900;">«</span> Haec, <span style="color:#009900;">»</span> </span> [[wikt:en:inquit#Latin|inquit]], <!--▲直接話法--><span style="background-color:#e8e8ff;"> <span style="color:#009900;">«</span> a me, <span style="color:#009900;">»</span> </span> [[wikt:en:Vercingetorix#Latin|Vercingetorix]],
**「これぞ」「私によって」とウェルキンゲトリークスは言った。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:以下、<!--▲直接話法--><span style="background-color:#e8e8ff;"> <span style="color:#009900;">«</span> ~ <span style="color:#009900;">»</span> </span> の箇所は、直接話法で記されている。)</span>
*<!--▲直接話法--><span style="background-color:#e8e8ff;"> <span style="color:#009900;">«</span> [[wikt:en:beneficium#Latin|beneficia]] [[wikt:en:habetis#Latin|habetis]], quem [[wikt:en:proditio#Latin|proditionis]] [[wikt:en:insimulatis#Verb|insimulatis]];
**「裏切りだと諸君が糾弾している<small>(私という)</small>者のおかげで得ているのだ。
*<!--➡直接話法--><span style="background-color:#e8e8ff;"> cuius [[wikt:en:opera#Latin|opera]] sine [[wikt:en:vester#Latin|vestro]] [[wikt:en:sanguis#Latin|sanguine]]
**その<small>(私という)</small>者の尽力により、諸君らの流血なしに、
*<!--➡直接話法--><span style="background-color:#e8e8ff;"> tantum [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitum]] [[wikt:en:victor#Latin|victorem]] [[wikt:en:fames#Latin|fame]] <u>paene</u> [[wikt:en:consumptus#Latin|consumptum]] [[wikt:en:videtis#Latin|videtis]];
**これほどの軍隊の勝利者<small>〔ローマ人〕</small>を飢えにより、ほとんど滅ぼしたのを諸君は見ているのだ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:paene は β系写本の記述で、α系写本にはない。)</span>
*<!--➡直接話法--><span style="background-color:#e8e8ff;"> quem [[wikt:en:turpiter#Latin|turpiter]] se ex <u>hac</u> fuga [[wikt:en:recipiens#Latin|recipientem]]
**彼ら<small>〔ローマ人〕</small>が見苦しくもこのような逃亡から退却したところを、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:hac は β系写本の記述で、α系写本にはない。)</span>
*<!--➡直接話法--><span style="background-color:#e8e8ff;"> ne [[wikt:en:aliqua#Pronoun|qua]] [[wikt:en:civitas#Latin|civitas]] suis finibus [[wikt:en:recipiat#Latin|recipiat]],
**<small>(それらの退却したローマ人を)</small>どの部族も自らの領土に受け入れないように、
*<!--➡直接話法--><span style="background-color:#e8e8ff;"> a me [[wikt:en:provisus#Latin|provisum]] est. <span style="color:#009900;">»</span> </span>
**私<small>〔ウェルキンゲトリークス〕</small>により、手配された。」
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===21節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/21節]] {{進捗|00%|2026-05-10}}</span>
;ウェルキンゲトリークスの誠心とアウァーリクムの重要性を確認
:
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:conclamat#Latin|Conclamat]] omnis [[wikt:en:multitudo#Latin|multitudo]]
**群集すべてが雄叫びを上げて、
*et suo [[wikt:en:mos#Latin|more]] [[wikt:en:arma#Latin|armis]] [[wikt:en:concrepat#Latin|concrepat]],
**自分たちの慣習で武具を打ち鳴らす。
*quod facere in eo [[wikt:en:consuerunt#Verb_2|consuerunt]], cuius [[wikt:en:oratio#Latin|orationem]] [[wikt:en:adprobant#Latin|adprobant]];
**<small>(演説した)</small>その者の雄弁に賛同したら、その者に対してそれをすることが常であったのだ。
*summum esse [[wikt:en:Vercingetorix#Latin|Vercingetorigem]] [[wikt:en:dux#Latin|ducem]],
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は最高の将帥であり、
*<u>nec</u> de eius [[wikt:en:fides#Latin|fide]] [[wikt:en:dubitandus#Latin|dubitandum]],
**彼の信義については疑念を抱くべきではなく、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:nec#Latin|nec]] ~, nec …「~でもないし、…でもない」)</span>
*<u>nec</u> [[wikt:en:maior#Latin|maiore]] [[wikt:en:ratio#Latin|ratione]] bellum [[wikt:en:administrari#Latin|administrari]] posse.
**これ以上の作戦で戦争を指導することはできない<small>(と、叫んで武具を打ち鳴らす)</small>。
:
*<!--❷--><sup>(2)</sup> [[wikt:en:statuunt#Latin|Statuunt]], ut decem<sub> (X)</sub> milia hominum [[wikt:en:delectus#Latin|delecta]] ex omnibus [[wikt:en:copiae#Latin|copiis]] in oppidum <u>mittantur</u>,
**<small>(彼らは)</small>すべての軍勢から選り抜かれた兵員1万を<small>(アウァーリクムの)</small>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]の中に派遣すると決定する。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:mittantur#Latin|mittantur]] だが、<br> β系写本では [[wikt:en:submittantur#Latin|submittantur]] となっている。)</span>
:
*<!--❸--><sup>(3)</sup> nec [[wikt:en:solus#Latin|solis]] [[wikt:en:Bituriges#Latin|Biturigibus]] [[wikt:en:communis#Latin|communem]] [[wikt:en:salus#Latin|salutem]] [[wikt:en:committendus#Latin|committendam]] [[wikt:en:censent#Latin|censent]],
**<small>(ガッリア)</small>共通の安全をビトゥリゲース族だけに託すべきではないと考える。
*quod <u>penes eos</u>, si id oppidum [[wikt:en:retinuissent#Latin|retinuissent]],
**というのは、<u>彼らのもとで</u>、その城塞都市を維持したか否かが、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、<br> 主要写本ω では [[wikt:en:penes#Latin|penes]] eos 「彼らのもとで」だが、<br> オックスフォード写本 ''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Codex_Oxoniensis_Andino|codd. Andino. Oxon.]]'' や ''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Aldus|Aldus]]'' は paene in eo 「ほぼそのことにおいて」としている。)</span>
*[[wikt:en:summa#Latin|summam]] victoriae [[wikt:en:consto#Latin|constare]] [[wikt:en:intellegebant#Latin|intellegebant]].
**勝利の天王山を確かなものにすること、を理解していたからである。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===22節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/22節]] {{進捗|00%|2026-06-01}}</span>
;アウァーリクムの籠城ガッリア勢が坑道戦で攻防に努める
:
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:singularis#Latin|Singulari]] [[wikt:en:miles#Latin|militum]] nostrorum [[wikt:en:virtus#Latin|virtuti]]
**我が方<small>〔ローマ勢〕</small>の兵士の卓越した武勇に、
*[[wikt:en:consilium#Latin|consilia]] [[wikt:en:quisque#Latin|cuiusque]] [[wikt:en:modus#Latin|modi]] [[wikt:en:Galli#Latin|Gallorum]] [[wikt:en:occurrebant#Latin|occurrebant]],
**<small>(敵勢は)</small>ガッリア人のあらゆる流儀の方策で抗戦していた。
*ut est summae [[wikt:en:genus#Latin|genus]] [[wikt:en:sollertia#Latin|sollertiae]]
**確かに<small>(ガッリア人は)</small>このうえなく器用な種族であり、
*atque ad [[wikt:en:omnia#Noun|omnia]] [[wikt:en:imitandus#Latin|imitanda]] et [[wikt:en:efficiendus#Latin|efficienda]], quae ab [[wikt:en:quisque#Latin|quoque]] [[wikt:en:traduntur#Latin|traduntur]], [[wikt:en:aptissimus#Latin|aptissimum]].
**誰かによって教えられることすべてを模倣すること、造り出すことにとても適しているのだ。
:
; 鉄鉱山の土地柄で、坑道戦を展開する
*<!--❷--><sup>(2)</sup> Nam <u>et</u> [[wikt:en:laqueus#Latin|laqueis]] [[wikt:en:falx#Latin|falces]] [[wikt:en:avertebant#Latin|avertebant]],
**すなわち、輪縄で<small>(ローマ勢の)</small>破城鎌をそらし、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:et ~, et …「~でもあり、…でもある」)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:破城鎌([[w:en:Falx|falx]])については、右図や[[ガリア戦記 第5巻#42節|第5巻42節]]を参照)</span>
[[画像:Falx_bgiu.png|thumb|right|250px|破城鎌([[w:en:Falx|falx]])の想像画(再掲)]]
[[画像:Doura_Europos_tunnel.jpg|thumb|right|250px|ローマ支配下の城砦跡に残る[[w:坑道|坑道]]の例(シリアの[[w:ドゥラ・エウロポス|ドゥラ・エウロポス]]遺跡)。[[w:サーサーン朝|サーサーン朝]]軍が[[w:坑道戦|坑道戦]]のために掘削したと考えられている。]]
*quas, cum [[wikt:en:destinaverant#Latin|destinaverant]],
**それを縛り付けておいてから、
*[[wikt:en:tormentum#Latin|tormentis]] [[wikt:en:introrsus#Latin|introrsus]] [[wikt:en:reducebant#Latin|reducebant]],
**巻揚げ機で<small>(城塞都市の)</small>内部に引き込んでいたし、
*<u>et</u> [[wikt:en:agger#Latin|aggerem]] [[wikt:en:cuniculus#Latin|cuniculis]] [[wikt:en:subtrahebant#Latin|subtrahebant]],
**<small>(ローマ勢の)</small><ruby><rb>[[w:アッゲル|土塁]]</rb><rp>(</rp><rt>アッゲル</rt><rp>)</rp></ruby> を[[w:坑道|坑道]]によって陥没させたりもした。
*<u>eo</u> [[wikt:en:scienter#Latin|scientius]]
**<small>(以下の理由により、彼らはそのことに)</small>より習熟しているのだ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:eo#Pronoun_5|eō]] ~ [[wikt:en:quod#Conjunction|quod]] …「…という理由で~」)</span>
*<u>quod</u> apud eos magnae sunt [[wikt:en:ferraria#Latin|ferrariae]]
**──というのも、彼らのもとには多くの[[w:鉄鉱石|鉄鉱]]山があり、
*atque [[wikt:en:omnis#Latin|omne]] [[wikt:en:genus#Latin|genus]] [[wikt:en:cuniculus#Latin|cuniculorum]] [[wikt:en:notus#Latin|notum]]
**坑道のあらゆる類いが知られていて
*atque [[wikt:en:usitatus#Latin|usitatum]] est.
**慣れていただけに<small>(習熟しているのだ)</small>。──
:
; アウァーリクムの全周に防御のための櫓を建てる
*<!--❸--><sup>(3)</sup> [[wikt:en:totus#Latin|Totum]] autem [[wikt:en:murus#Latin|murum]] ex omni parte
**他方で、城壁の全体をあらゆる方向から、
*[[wikt:en:turris#Latin|turribus]] [[wikt:en:contabulaverant#Latin|contabulaverant]]
**<ruby><rb>[[w:攻城塔|攻城櫓]]</rb><rp>(</rp><rt>トゥッリス</rt><rp>)</rp></ruby>を<small>(何層にも)</small>構築しておいて、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:動詞 [[wikt:en:contabulo#Latin|contabulare]] は「板張りする」。[[内乱記_第2巻#9節|『内乱記』第2巻9節]]には [[wikt:en:contabulatio#Latin|contabulatio]]「床板張り」という単語が出て来る。)</span>
*atque has [[wikt:en:corium#Latin|coriis]] [[wikt:en:intexerant#Latin|intexerant]].
**これらを皮革で覆っていた。
:
*<!--❹--><sup>(4)</sup> Tum [[wikt:en:creber#Latin|crebris]] [[wikt:en:diurnus#Latin|diurnis]] [[wikt:en:nocturnus#Latin|nocturnis]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:eruptio#Latin|eruptionibus]]
**それから、たびたび昼間も夜間も出撃して、
*aut [[wikt:en:agger#Latin|aggeri]] [[wikt:en:ignis#Latin|ignem]] [[wikt:en:inferebant#Latin|inferebant]]
**あるいは土塁に火災を引き起こしたり、
*aut [[wikt:en:miles#Latin|milites]] [[wikt:en:occupatus#Latin|occupatos]] in [[wikt:en:opus#Latin|opere]] [[wikt:en:adoriebantur#Latin|adoriebantur]],
**あるいは工事に従事している<small>(ローマ人)</small>兵士たちを襲撃したりした。
[[画像:University_of_Queensland_Pitch_drop_experiment-white_bg.jpg|thumb|right|200px|<ruby><rb>[[w:ピッチ (樹脂)|樹脂]]</rb><rp>(</rp><rt>ピッチ</rt><rp>)</rp></ruby>の滴下実験の様子(豪州[[w:クイーンズランド大学|クイーンズランド大学]])。[[w:木材|木材]]を密閉加熱すると[[w:木炭|木炭]]が得られるが、その残り物から[[w:乾留液#木タール|木タール]]を[[w:蒸留|蒸留]]させた残り<ruby><rb>滓</rb><rp>(</rp><rt>かす</rt><rp>)</rp></ruby>がピッチである。樹木から得られるピッチは、黒色で[[w:粘度|粘っこく]]、高温で燃焼する。中世ヨーロッパでは城砦の防衛に使用され、城壁に近づく敵の上から熱したピッチを注いで焼死させたりしたという([[w:fr:Poix (matière)|fr:poix]])。]]
*et nostrarum [[wikt:en:turris#Latin|turrium]] [[wikt:en:altitudo#Latin|altitudinem]],
**我が方<small>〔ローマ勢〕</small>の[[w:攻城塔|攻城櫓]]の高さを、
*[[wikt:en:quantum#Latin|quantum]] has [[wikt:en:cotidianus#Latin|cotidianus]] agger [[wikt:en:expresserat#Latin|expresserat]],
**毎日のようにこれらを<small>(ローマ側の)</small>土塁が押し出した分だけ、
*[[wikt:en:commissus#Latin|commissis]] suarum [[wikt:en:turris#Latin|turrium]] [[wikt:en:malus#Noun_5|malis]] [[wikt:en:adaequabant#Latin|adaequabant]],
**自分たち<small>〔ガッリア勢〕</small>の櫓を、柱を組み立てることにより、<small>(ローマ側の櫓の高さと)</small>等しくしようとした。
:
*<!--❺--><sup>(5)</sup> et [[wikt:en:apertus#Latin|apertos]] [[wikt:en:cuniculus#Latin|cuniculos]]
**<small>(ローマ勢が掘削した)</small>坑道の露出したところを
*[[wikt:en:praeustus#Latin|praeusta]] et [[wikt:en:praeacutus#Latin|praeacuta]] [[wikt:en:materia#Latin|materia]]
**先端を焼いて尖らせた木材や、
*et [[wikt:en:pix#Latin|pice]] [[wikt:en:fervefactus#Latin|fervefacta]]
**熱した<ruby><rb>[[w:ピッチ (樹脂)|樹脂]]</rb><rp>(</rp><rt>ピッチ</rt><rp>)</rp></ruby>や、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:pix は<ruby><rb>[[w:歴青|瀝青]]</rb><rp>(</rp><rt>れきせい</rt><rp>)</rp></ruby>と訳されることもあるが、とくに[[w:ピッチ (樹脂)|ピッチ]]を指す<ref>[https://kotobank.jp/word/%E6%9C%A8%E3%81%9F%E3%83%BC%E3%82%8B-3173189 木タール] などを蒸留したあとに残る黒色の物質。</ref>。<br> [[w:歴青|瀝青]]は「ビチューメン」ともいい、ラテン語の [[wikt:en:bitumen#Latin|bitūmen]] に由来する。<br> [[w:ピッチ (樹脂)|ピッチ]]([[w:en:Pitch (resin)|Pitch]])は、ラテン語の [[wikt:en:pix#Latin|pix]] に由来する。)</span>
*et [[wikt:en:maximus#Latin|maximi]] [[wikt:en:pondus#Latin|ponderis]] [[wikt:en:saxum#Latin|saxis]] [[wikt:en:morabantur#Etymology_1|morabantur]]
**たいへんな重さの岩石で、<small>(ローマ勢の掘削を)</small>滞らせたり、
*[[wikt:en:moenia#Latin|moenibus]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:adpropinquo#Latin|adpropinquare]] [[wikt:en:prohibebant#Latin|prohibebant]].
**<small>(ローマ勢が)</small>城壁に接近することを<small>(ガッリア勢が)</small>妨げたりしていた。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===23節===
{{Commons|Category:Murus gallicus|Murus gallicus}}
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/23節]] {{進捗|00%|2026-06-14}}</span>
;ガッリア式城壁の構造
:
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:murus#Latin|Muri]] autem omnes [[wikt:en:Gallicus#Latin|Gallici]] hac fere [[wikt:en:forma#Latin|forma]] sunt.
**ところで、ガッリアの<ruby><rb>城壁</rb><rp>(</rp><rt>ムルス</rt><rp>)</rp></ruby>のすべては、ほぼ以下のような形態である。
:
; 木材を2ペースずつ等間隔で離して、ずっと並べていく
*<u>Trabes</u> [[wikt:en:derectus#Latin|derectae]] [[wikt:en:perpetuus#Latin|perpetuae]] <u>in longitudinem</u>
**<u><ruby><rb>木材</rb><rp>(</rp><rt>トラプス</rt><rp>)</rp></ruby></u>が<small>(城壁の)</small><u><ruby><rb>長手方向</rb><rp>(</rp><rt>ロンギトゥードー</rt><rp>)</rp></ruby></u>に、<small>(垂直に)</small>真っ直ぐに、ずっと続いて、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:trabs#Latin|trabes]] は、とくに梁のような水平材を指していると思われる。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:in [[wikt:en:longitudo#Latin|longitudinem]] は、ここでは、城壁に沿った長手方向を指す。)</span>
[[画像:Murus gallicus de Lyon Fourvière - Maquette de Nicolas Hirsch - Service Archéologique de la Ville de Lyon - Détail structure.jpg|thumb|right|300px|ガッリア式城壁の[[w:ジオラマ|ジオラマ]](仏[[w:リヨン|リヨン市]]考古学局)。木材を約60cmの間隔で並べる。]]
*[[wikt:en:par#Latin|paribus]] [[wikt:en:intervallum#Latin|intervallis]], [[wikt:en:distans#Latin|distantes]] inter se [[wikt:en:binus#Latin|binos]] [[wikt:en:pes#Latin|pedes]],
**等間隔で、互いに2<u>ペース</u>ずつ離れて、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:1[[ガイウス・ユリウス・カエサルの著作/通貨・計量単位#ペース|ペース]]は約29.6cmで、2ペースは約60 cm弱。)</span>
*in [[wikt:en:solum#Latin|solo]] [[wikt:en:conlocantur#Latin|conlocantur]].
**<ruby><rb>地面</rb><rp>(</rp><rt>ソルム</rt><rp>)</rp></ruby>に配置される。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:右の画像を参照。)</span>
:
; 木材をつなぎ合わせ、土砂を埋めて、石材をかぶせる
[[画像:2018 Rheinisches Landesmuseum Trier, Keltischer Wehrmauer.jpg|thumb|right|300px|同じく城壁のジオラマ(独[[w:トリーア|トリーア市]])。]]
*<!--❷--><sup>(2)</sup> [[wikt:en:hae#Latin|Hae]] [[wikt:en:revinciuntur#Latin|revinciuntur]] [[wikt:en:introrsus#Latin|introrsus]]
**これら<small>〔木材〕</small>は、内側で緊結されて、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:明瞭な説明ではなく、肝心な記述が欠落している。<br> 上記の2ペースずつ等間隔で並べられた平行な木材は、<br> 節末で述べられるような40ペースの長い木材によって<br> 井桁状に組み合わされて、鉄の釘で固定されたようである。<br> 右上と右のジオラマの画像を参照。)</span>
*et [[wikt:en:multus#Latin|multo]] [[wikt:en:agger#Latin|aggere]] [[wikt:en:vestiuntur#Latin|vestiuntur]];
**多くの<ruby><rb>土砂</rb><rp>(</rp><rt>アッゲル</rt><rp>)</rp></ruby>で覆われる。
*ea autem, quae [[wikt:en:diximus#Verb|diximus]], [[wikt:en:intervallum#Latin|intervalla]]
**さらに、前述した<small>(2ペースの)</small>間隔には、
*[[wikt:en:grandis#Latin|grandibus]] in [[wikt:en:frons#Latin:_forehead|fronte]] [[wikt:en:saxum#Latin|saxis]] <u>efferciuntur</u>.
**前面に大きな<ruby><rb>石塊</rb><rp>(</rp><rt>サクスム</rt><rp>)</rp></ruby>が詰め込まれる。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、ρ系写本・写本V では [[wikt:en:efferciuntur#Latin|efferciuntur]] と表記され、<br> α系写本・写本T では [[wikt:en:effarciuntur#Latin|effarciuntur]] と表記されるが、<br> [[w:母音弱化|母音弱化]]の語形である前者の方が、共和制末期のカエサルが用いたと考えられる。)</span>
[[画像:Keltenmauer.gif|thumb|right|280px|ガッリア式城壁の構成図(上が側面、中が上面、下が前面)。木材を水平な井桁状に並べて[[w:釘|釘]]で緊結し、土砂で覆って何層にも重ね、前面には石をはめ込む。井桁状の骨組によって[[w:破城槌|破城槌]]など横からの力(水平荷重)に耐えられるように工夫されている。]]
:
*<!--❸--><sup>(3)</sup> His [[wikt:en:conlocatus#Latin|conlocatis]] et [[wikt:en:coagmentatus#Latin|coagmentatis]]
**<u>これら</u>が配置されて結び合わされると、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:<u>これら</u> とは、上述の木材や石材のこと。)</span>
*alius [[wikt:en:insuper#Latin|insuper]] [[wikt:en:ordo#Latin|ordo]] [[wikt:en:additur#Latin|additur]],
**上に別の<ruby><rb>階層</rb><rp>(</rp><rt>オルドー</rt><rp>)</rp></ruby>が付け加えられる。
*ut idem illud [[wikt:en:intervallum#Latin|intervallum]] [[wikt:en:servetur#Latin|servetur]],
**その同じ<small>(2ペースの)</small>間隔が保たれて、
*neque inter se [[wikt:en:contingant#Latin|contingant]] [[wikt:en:trabs#Latin|trabes]],
**かつ<ruby><rb>木材</rb><rp>(</rp><rt>トラプス</rt><rp>)</rp></ruby>が互いに接触しないように、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:上下の層の水平材どうしが接触しないように、<br> 互い違いに並べているようである。)</span>
*sed [[wikt:en:par#Latin|paribus]] [[wikt:en:intermissus#Latin|intermissae]] [[wikt:en:spatium#Latin|spatiis]] [[wikt:en:singulus#Latin|singulae]]
**けれども、等間隔で間をあけられたそれぞれ<small>(の木材)</small>は、
*[[wikt:en:singulus#Latin|singulis]] [[wikt:en:saxum#Latin|saxis]] [[wikt:en:interiectus#Latin|interiectis]]
**それぞれの<ruby><rb>石塊</rb><rp>(</rp><rt>サクスム</rt><rp>)</rp></ruby>が間に挟まれることによって、
*[[wikt:en:arte#Adverb|arte]] [[wikt:en:contineantur#Latin|contineantur]].
**緊密に連結される。
:
*<!--❹--><sup>(4)</sup> Sic [[wikt:en:deinceps#Latin|deinceps]] omne [[wikt:en:opus#Latin|opus]] [[wikt:en:contexitur#Latin|contexitur]], [[wikt:en:dum#Latin|dum]] [[wikt:en:iustus#Latin|iusta]] [[wikt:en:murus#Latin|muri]] [[wikt:en:altitudo#Latin|altitudo]] [[wikt:en:expleatur#Latin|expleatur]].
**このように、<ruby><rb>城壁</rb><rp>(</rp><rt>ムルス</rt><rp>)</rp></ruby>の十分な高さが満たされるまで、すべての<ruby><rb>工作物</rb><rp>(</rp><rt>オプス</rt><rp>)</rp></ruby>が続けて組み立てられる。
[[画像:Bibracte_murus_gallicus1.jpg|thumb|right|300px|ガッリア式城壁の[[w:ジオラマ|ジオラマ]](仏[[w:ビブラクテ|ビブラクテ]]遺跡のケルト文明博物館)。この構造形式はカエサルの記述から「[[w:ムルス・ガリクス|ムルス・ガリクス]](ガッリア壁)」と呼ばれるが、ガッリアに限らず、[[w:鉄器時代|鉄器時代]]末期すなわちBC1世紀頃の後期[[w:ラ・テーヌ文化|ラ・テーヌ文化]]が及んだ各地に遺構として残る。木材どうしを緊結するために数百トンもの[[w:鉄|鉄]]の[[w:釘|釘]]を用いているのが大きな特徴で、[[w:鉄#製錬|製鉄]]・[[w:鋳造|鋳造]]技術の発達を示す。]]
:
; ガッリア式城壁は、外観が見事で、城塞都市の防御にも有益
:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:以下、cum ~ tum … の構文「~だけでなく、また…でもある」。)</span>
*<!--❺--><sup>(5)</sup> Hoc <u>cum</u> in [[wikt:en:species#Latin|speciem]] [[wikt:en:varietas#Latin|varietatem]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:opus#Latin|opus]] [[wikt:en:deformis#Latin|deforme]] non est [[wikt:en:alternus#Latin|alternis]] [[wikt:en:trabs#Latin|trabibus]] ac [[wikt:en:saxum#Latin|saxis]],
**<ruby><rb>この</rb><rp>(</rp><rt>ホク</rt><rp>)</rp></ruby><ruby><rb>工作物</rb><rp>(</rp><rt>オプス</rt><rp>)</rp></ruby>は、互い違いの<ruby><rb>木材</rb><rp>(</rp><rt>トラプス</rt><rp>)</rp></ruby>と<ruby><rb>石塊</rb><rp>(</rp><rt>サクスム</rt><rp>)</rp></ruby>により、変化に富む外観において不格好でなく、
*quae [[wikt:en:rectus#Latin|rectis]] [[wikt:en:linea#Latin|lineis]] suos [[wikt:en:ordo#Latin|ordines]] [[wikt:en:servant#Latin|servant]],
**──それら<small>〔木材と石〕</small>は真っ直ぐな線により、その<ruby><rb>階層</rb><rp>(</rp><rt>オルドー</rt><rp>)</rp></ruby>を保っているのだが──
*<u>tum</u> ad [[wikt:en:utilitas#Latin|utilitatem]] et [[wikt:en:defensio#Latin|defensionem]] [[wikt:en:urbs#Latin|urbium]]
**同様に、都市の防御の有益性のためにも、
*summam [[wikt:en:habet#Latin|habet]] [[wikt:en:opportunitas#Latin|opportunitatem]],
**きわめて好都合となっている。
*quod et ab [[wikt:en:incendio#Latin|incendio]] [[wikt:en:lapis#Latin|lapis]] et ab [[wikt:en:aries#Latin|ariete]] [[wikt:en:materia#Latin|materia]] [[wikt:en:defendit#Latin|defendit]],
**──というのは、<ruby><rb>石材</rb><rp>(</rp><rt>ラピス</rt><rp>)</rp></ruby>が火災からも、<ruby><rb>材木</rb><rp>(</rp><rt>マーテリア</rt><rp>)</rp></ruby>が<ruby><rb>[[w:破城槌|破城槌]]</rb><rp>(</rp><rt>はじょうつい</rt><rp>)</rp></ruby>からも、防護しており、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:et ~ et …「~でもあり、…でもある」)</span>
*quae [[wikt:en:perpetuus#Latin|perpetuis]] [[wikt:en:trabs#Latin|trabibus]] [[wikt:en:pes#Latin|pedes]] [[wikt:en:quadragenus#Latin|quadragenos]] [[wikt:en:plerumque#Adverb|plerumque]] [[wikt:en:introrsus#Latin|introrsus]] [[wikt:en:revinctus#Latin|revincta]]
**それ<small>〔短手方向の材木〕</small>は、たいてい40<u>ペース</u>にわたって<small>(長手方向に)</small>続く<ruby><rb>木材</rb><rp>(</rp><rt>トラプス</rt><rp>)</rp></ruby>により内部で緊結されており、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:1[[ガイウス・ユリウス・カエサルの著作/通貨・計量単位#ペース|ペース]]は約29.6cmで、40ペースは約12メートル。)</span>
*neque [[wikt:en:perrumpi#Latin|perrumpi]] neque [[wikt:en:distrahi#Latin|distrahi]] potest.
**突破されることも、引きはがされることもできないからである。──
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===24節===
[[画像:Avaricum_westpoint_july_2006.jpg|thumb|right|350px|[[w:アウァリクム包囲戦|アウァーリクム攻略戦]]の[[w:ジオラマ|ジオラマ]]<small>([[w:陸軍士官学校 (アメリカ合衆国)|米国陸軍士官学校]]博物館)</small>。ローマ軍の<ruby><rb>[[w:アッゲル|土塁]]</rb><rp>(</rp><rt>アッゲル</rt><rp>)</rp></ruby>は、城壁(奥)の手前に材木と土砂を積み重ねた構築物が築き上げられ、左右の土手道をそれぞれ4層の[[w:攻城塔|攻城櫓]]が城壁に迫る。土塁の周辺には<ruby><rb>[[w:ウィネア|工作小屋]]</rb><rp>(</rp><rt>ウィネア</rt><rp>)</rp></ruby>(vinea)を多数つないだ通路(坑道)が延びている。手前には2台の<ruby><rb>投射機</rb><rp>(</rp><rt>スコルピオ</rt><rp>)</rp></ruby>が見える。]]
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/24節]] {{進捗|00%|2026-06-15}}</span>
;ローマ勢が徹夜の土塁工事、籠城ガッリア勢の攻勢
:
; ローマ勢が、25日間で大がかりな攻城設備を構築する
*<!--❶--><sup>(1)</sup> His [[wikt:en:tot#Latin|tot]] rebus [[wikt:en:impeditus#Latin|impedita]] [[wikt:en:oppugnatio#Latin|oppugnatione]]
**これら多くの事情により攻囲が妨げられて、
*[[wikt:en:miles#Latin|milites]],
**兵士たちは、
*cum [[wikt:en:totus#Etymology_1|toto]] tempore <u>luto</u> [[wikt:en:frigus#Latin|frigore]] et [[wikt:en:adsiduus#Latin|adsiduis]] [[wikt:en:imber#Latin|imbribus]] <u>tardarentur</u>,
**常時、<ruby><rb><u>泥土</u></rb><rp>(</rp><rt>ルトゥム</rt><rp>)</rp></ruby>、寒さと絶え間ない<ruby><rb>雨嵐</rb><rp>(</rp><rt>イムベル</rt><rp>)</rp></ruby>によって遅らせられていたが、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部の [[wikt:en:lutum#Latin|luto]] は、β系写本の記述で、<br> α系写本にはない。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部の二つ目は、<br> χ系・β系写本では [[wikt:en:tardarentur#Latin|tardarentur]] だが、<br> 写本B・M・Sでは traderentur、<br> 写本L・Nでは terrerentur などとなっている。)</span>
*tamen [[wikt:en:continens#Adjective|continenti]] [[wikt:en:labor#Latin|labore]] omnia haec [[wikt:en:superaverunt#Latin|superaverunt]]
**しかしながら、絶え間ない労働によってこれらすべてに打ち克って、
*et diebus XXV<small> ([[wikt:en:quinque#Latin|quinque]] et [[wikt:en:viginti#Latin|viginti]])</small>
**25日間で、
*[[wikt:en:agger#Latin|aggerem]] [[wikt:en:latus#Latin:_wide|latum]] [[wikt:en:pes#Latin|pedes]] CCCXXX<small> ([[wikt:en:trecenti#Latin|trecenti]] [[wikt:en:triginta#Latin|triginta]])</small>, [[wikt:en:altus#Latin|altum]] pedes LXXX<small> ([[wikt:en:octoginta#Latin|octoginta]])</small> [[wikt:en:exstruxerunt#Latin|exstruxerunt]].
**幅330<u>ペース</u>、高さ80<u>ペース</u>の<ruby><rb>[[w:アッゲル|土塁]]</rb><rp>(</rp><rt>アッゲル</rt><rp>)</rp></ruby>を築き上げた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:1[[ガイウス・ユリウス・カエサルの著作/通貨・計量単位#ペース|ペース]]は約29.6cmで、幅330ペースは約98メートル。高さ80ペースは約24メートル。)</span>
:
; アウァーリクムに籠城するガッリア勢が、攻囲するローマ勢の土塁に夜襲をしかける
*<!--❷--><sup>(2)</sup> Cum is [[wikt:en:murus#Latin|murum]] hostium paene [[wikt:en:contingeret#Latin|contingeret]],
**それ<small>〔ローマ側の土塁〕</small>が敵の城壁にほとんど接しようとしていたとき、
*et Caesar ad [[wikt:en:opus#Latin|opus]] [[wikt:en:consuetudo#Latin|consuetudine]] [[wikt:en:excubaret#Latin|excubaret]]
**かつ、カエサルが習慣により作業のそばで寝ずの番をしていて、
*[[wikt:en:miles#Latin|milites]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:hortaretur#Latin|hortaretur]], ne [[wikt:en:aliquod#Latin|quod]] [[wikt:en:omnino#Latin|omnino]] [[wikt:en:tempus#Latin|tempus]] ab [[wikt:en:opus#Latin|opere]] [[wikt:en:intermitteretur#Latin|intermitteretur]],
**いかなる時も作業がまったく中断されないように、と兵士たちを励ましていたときに、
*paulo ante tertiam [[wikt:en:vigilia#Latin|vigiliam]]
**第三夜警時の少し前に、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:第三夜警時は、真夜中から日の出までの時間帯の前半。「未明」<br> [[古代ローマの不定時法#夜警時|#夜警時]] を参照。)</span>
*est [[wikt:en:animadversus#Participle|animadversum]] [[wikt:en:fumo#Latin|fumare]] [[wikt:en:agger#Latin|aggerem]],
**土塁に煙が上がっていることが気付かれた。
*quem [[wikt:en:cuniculus#Latin|cuniculo]] hostes [[wikt:en:succenderant#Latin|succenderant]];
**<small>(その土塁を)</small>[[w:坑道|坑道]]によって敵たちが焼き討ちしていたものである。
:
*<!--❸--><sup>(3)</sup> [[wikt:en:idem#Latin|eodem]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:tempus#Latin|tempore]]
**そして同時に、
*[[wikt:en:totus#Latin|toto]] [[wikt:en:murus#Latin|muro]] [[wikt:en:clamor#Latin|clamore]] [[wikt:en:sublatus#Latin:_raised|sublato]],
**<small>(アウァーリクムの)</small>城壁全体で雄叫びが上がって、
*duabus portis ab [[wikt:en:uterque#Latin|utroque]] [[wikt:en:latus#Latin:_side|latere]] [[wikt:en:turris#Latin|turrium]]
**二つの城門より、<small>(ローマ勢の)</small>[[w:攻城塔|攻城櫓]]の両方の側面から
*[[wikt:en:eruptio#Latin|eruptio]] [[wikt:en:fiebat#Latin|fiebat]].
**<small>(ガッリア勢による)</small>突撃がなされていた。
:
*<!--❹--><sup>(4)</sup> Alii [[wikt:en:fax#Latin|faces]] atque [[wikt:en:aridus#Latin|aridam]] <u>materiam</u> de [[wikt:en:murus#Latin|muro]] in [[wikt:en:agger#Latin|aggerem]] [[wikt:en:eminus#Latin|eminus]] [[wikt:en:iaciebant#Latin|iaciebant]],
**<small>(ガッリア勢の)</small>他の者たちは、<ruby><rb>[[w:たいまつ|松明]]</rb><rp>(</rp><rt>たいまつ</rt><rp>)</rp></ruby>および乾いた材木を、城壁から<small>(ローマ側の)</small>土塁に、遠くから投げ込んで、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、β系写本では [[wikt:en:materiam#Latin|materiam]] だが、<br> α系写本では [[wikt:en:materiem#Latin|materiem]] となっている。<br> 文法学者[[w:カエサレアのプリスキアヌス|プリスキアーヌス]]は、カエサルの文法書 "De Analogia" について materiam と引用している。)</span>
*[[wikt:en:pix#Latin|picem]] [[wikt:en:reliquus#Latin|reliquas]]<nowiki>que</nowiki> res, quibus [[wikt:en:ignis#Latin|ignis]] [[wikt:en:excitari#Latin|excitari]] potest, [[wikt:en:fundebant#Latin|fundebant]],
**<ruby><rb>[[w:ピッチ (樹脂)|樹脂]]</rb><rp>(</rp><rt>ピッチ</rt><rp>)</rp></ruby>や、火を燃え立たせられるほかのもの<small>〔可燃物〕</small>を注ぎ込んだ。
*ut, [[wikt:en:quo#Latin:_where|quo]] primum <u>curreretur</u> aut cui rei [[wikt:en:ferretur#Latin|ferretur]] [[wikt:en:auxilium#Latin|auxilium]],
**それで、まずどこに駆け付けるのか、あるいはどの事態に支援がなされるのか、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:curreretur#Latin|curreretur]] だが、<br> β系写本では [[wikt:en:occurreretur#Latin|occurreretur]] となっている。)</span>
*vix [[wikt:en:ratio#Latin|ratio]] [[wikt:en:iniri#Latin|iniri]] posset.
**<small>(ローマ兵には)</small>ほとんど分別され得なかった。
:
*<!--❺--><sup>(5)</sup> Tamen, quod [[wikt:en:institutum#Latin|instituto]] Caesaris <u>semper duae</u> [[wikt:en:legio#Latin|legiones]] pro [[wikt:en:castra#Latin|castris]] [[wikt:en:excubabant#Latin|excubabant]]
**しかしながら、カエサルの定めにより常に2個[[w:ローマ軍団|軍団]]が陣営の前に寝ずの番をしていたので、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本の語順では semper duae だが、<br> β系写本の語順では duae semper となっている。)</span>
*[[wikt:en:plus#Latin|plures]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:partitus#Latin|partitis]] [[wikt:en:tempus#Latin|temporibus]] erant in [[wikt:en:opus#Latin|opere]],
**かつ、より多くの者たちが時間を割り当てられて作業していたので、
*celeriter [[wikt:en:factus#Latin|factum]] est,
**<small>(防戦は)</small>速やかになされた。
*ut <u>alii</u> [[wikt:en:eruptio#Latin|eruptionibus]] [[wikt:en:resisterent#Latin|resisterent]],
**ある者たちは<small>(ガッリア勢の)</small>突撃に抵抗しており、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:alii ~ alii …「~する者もいれば、…する者もいる。」)</span>
*<u>alii</u> [[wikt:en:turris#Latin|turres]] [[wikt:en:reducerent#Latin|reducerent]]
**別のある者たちは[[w:攻城塔|攻城櫓]]を引き戻して、
*[[wikt:en:agger#Latin|aggerem]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:interscinderent#Latin|interscinderent]],
**土塁を<small>(城壁側から)</small>切り離していた。
*omnis vero ex [[wikt:en:castra#Latin|castris]] [[wikt:en:multitudo#Latin|multitudo]] ad [[wikt:en:restinguendum#Verb|restinguendum]] [[wikt:en:concurreret#Latin|concurreret]].
**さらに陣営から大勢の皆が、消火するために急ぎ集まっていた。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===25節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/25節]] {{進捗|00%|2026-06-29}}</span>
;籠城ガッリア勢が必死の防戦
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--❶--><sup>(1)</sup> Cum in omnibus locis, <u>[[wikt:en:consumptus#Latin|consumpta]] iam reliqua parte noctis</u>, [[wikt:en:pugnaretur#Latin|pugnaretur]],
**<u>すでに夜も明けて</u>、至る所で戦われていたときに、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部の直訳は「すでに夜の残りの部分も費やされて」。)</span>
*[[wikt:en:semper#Latin|semper]]<nowiki>que</nowiki> hostibus [[wikt:en:spes#Latin|spes]] [[wikt:en:victoria#Latin|victoriae]] [[wikt:en:redintegraretur#Latin|redintegraretur]],
**かつ、常に敵たちにとって勝利の希望が蘇っており、
*<u>eo magis, quod</u> [[wikt:en:deustus#Latin|deustos]] [[wikt:en:pluteus#Latin|pluteos]] [[wikt:en:turris#Latin|turrium]] [[wikt:en:videbant#Latin|videbant]] nec facile [[wikt:en:adire#Latin|adire]] [[wikt:en:apertus#Latin|apertos]] ad [[wikt:en:auxiliandum#Verb|auxiliandum]] [[wikt:en:animadvertebant#Latin|animadvertebant]],
**<span style="font-family:Times New Roman;font-size:11pt;">[[w:攻城塔|攻城櫓]]の<ruby><rb>障壁</rb><rp>(</rp><rt>プルテウス</rt><rp>)</rp></ruby>が<ruby><rb>焼き落された</rb><rp>(</rp><rt>デウストゥス</rt><rp>)</rp></ruby>のを見ていて、<ruby><rb>身を曝した者</rb><rp>(</rp><rt>アペルトゥス</rt><rp>)</rp></ruby>たちが救援のために容易に近づけないのに気付いていた<u>のでなおさらだったが</u>、</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:eo magis, quod …「…であるから、それだけなおさら~」。)</span>
*[[wikt:en:semper#Latin|semper]]<nowiki>que</nowiki> ipsi [[wikt:en:recens#Adjective|recentes]] [[wikt:en:defessus#Latin|defessis]] [[wikt:en:succederent#Latin|succederent]]
**常に彼ら自身<small>〔籠城ガッリア勢〕</small>は新たな者たちが疲れ果てた者たちに交代しており、
*[[wikt:en:omnis#Latin|omnem]]<nowiki>que</nowiki> Galliae [[wikt:en:salus#Latin|salutem]] <u>in illo [[wikt:en:vestigium#Latin|vestigio]] temporis [[wikt:en:positus#Participle|positam]] <span style="color:#009900;"><small>(esse)</small></span></u> [[wikt:en:arbitrarentur#Latin|arbitrarentur]],
**ガッリアのすべての安全が、<u>その瞬間にかかっている</u>と思われていたので、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部の直訳は「その時の足跡(瞬間)に置かれている」。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:以上の cum ~ arbitrarentur, が状況や理由を説明する副文で、accidit 以下が主文となっている。)</span>
*[[wikt:en:accidit#Etymology_1|accidit]] [[wikt:en:inspectans#Latin|inspectantibus]] nobis,
**我が方<small>〔ローマ勢〕</small>が見ているなかで起こったのは、
*[[wikt:en:quod#Pronoun|quod]] [[wikt:en:dignus#Latin|dignum]] [[wikt:en:|memoria [[wikt:en:|visum [[wikt:en:|praetereundum non [[wikt:en:|existimavimus.
**記憶に値すると思われたことを<small>(我がローマ勢が)</small>見過ごすべきではないと考えていたことである。
[[画像:048_Conrad_Cichorius,_Die_Reliefs_der_Traianssäule,_Tafel_XLVIII_(Ausschnitt 01).jpg|thumb|right|250px|<ruby><rb>[[w:スコルピオ|投射機]]</rb><rp>(</rp><rt>スコルピオー</rt><rp>)</rp></ruby>を操作する[[w:ダキア人|ダキア人]]の彫刻([[w:トラヤヌスの記念柱|トラヤヌス帝の記念柱]]に刻まれた[[w:レリーフ|レリーフ]])。]]
[[画像:Balliste_fireing.jpg|thumb|right|250px|<ruby><rb>[[w:スコルピオ|投射機]]</rb><rp>(</rp><rt>スコルピオー</rt><rp>)</rp></ruby>([[w:en:Scorpio (dart-thrower)|Scorpio]])の現代における復元。]]
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--❷--><sup>(2)</sup> Quidam ante portam oppidi Gallus, <u>qui</u>
**城塞都市のその門の前に、<small>(1人の)</small>ガッリア人が、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部の qui は、β系写本の記述で、α系写本にはない。)</span>
*per manus sebi ac picis traditas [[wikt:en:glaeba#Latin|glaebas]] in ignem e regione turris proiciebat:
**手づてに渡された獣脂や<ruby><rb>[[w:ピッチ (樹脂)|樹脂]]</rb><rp>(</rp><rt>ピッチ</rt><rp>)</rp></ruby>の塊を、攻城櫓に向けて、火炎の中に投げ込んだが、
*scorpione ab latere dextro traiectus exanimatus<nowiki>que</nowiki> concidit.
**<ruby><rb>[[w:スコルピオ|投射機]]</rb><rp>(</rp><rt>スコルピオー</rt><rp>)</rp></ruby>で右の横腹を射られて、息絶えて倒れた。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--❸--><sup>(3)</sup> Hunc ex proximis unus iacentem transgressus
**彼が倒れているのを、すぐ近くの者たちのうちの1人が乗り越えて、
*eodem illo munere fungebatur;
**その同じ任務を果たした。
*Eadem ratione ictu scorpionis exanimato alteri
**同じやり方で<ruby><rb>[[w:スコルピオ|投射機]]</rb><rp>(</rp><rt>スコルピオー</rt><rp>)</rp></ruby>の射撃で息絶えさせられた第2の者に
*successit tertius et tertio quartus,
**第3の者が交代し、第3の者に第4の者が代わった。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--❹--><sup>(4)</sup> nec prius ille est a [[wikt:en:propugnator#Latin|propugnatoribus]] vacuus relictus locus
**その場は、防戦者たちによって空にしておかれなかった。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:nec prius ~ quam …「…までは~でない」)</span>
*quam restincto aggere atque <u>omni ex parte</u> submotis hostibus finis est pugnandi factus.
**<ruby><rb>[[w:アッゲル|土塁]]</rb><rp>(</rp><rt>アッゲル</rt><rp>)</rp></ruby>が鎮火されて、そのすべての方面で敵たちが撃退されて、戦いに決着が付けられるまでは。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、omni <u>ex</u> parte は ''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Ciacconius|Ciacconius]]'' による修正で、<br> α系写本では omni <u>ea</u> parte <br> β系写本では omni parte となっている。)</span>
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===26節===
'''アウァーリクム脱出の企て、女たちの絶叫'''
: <!-- [[wikt:en:| -->
*① Omnia experti Galli, quod res nulla successerat,
**ガッリア人たちはあらゆることを企てたが、何ら事が成功しなかったので、
*postero die consilium ceperunt ex oppido profugere,
**(戦いの夜が明けて)翌日には、(アウァーリクムの)城塞都市から退避する計画を立てた。
*hortante et iubente [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorige]].
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]によって促され、命じられたものであった。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*② Id silentio noctis conati non magna iactura suorum sese effecturos sperabant,
**それを夜の静けさのうちに試みても、味方に大きな犠牲もなく、自分たちは成し遂げるだろうと期待した。
*propterea quod neque longe ab oppido castra Vercingetorigis aberant,
**それというのも、(アウァーリクムの)城塞都市からウェルキンゲトリークスの陣営はあまり離れていなかったし、
*et palus, quae perpetua<ref>, quae perpetua はα系写本の記述で、β系写本では perpetua, quae となっている。</ref> intercedebat, Romanos ad insequendum tardabat.
**沼地も絶え間なく介在していて、ローマ人たちの追跡を遅らせた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:neque ~ et …「~ではなく、…である」)</span>
: <!-- [[wikt:en:| -->
*③ Iamque hoc<ref>hoc と校訂されているが、たいていの写本ωでは haec となっている。</ref> facere noctu apparabant,
**すでに、これを実行することを夜間に準備していた。
*cum matres familiae repente in publicum procurrerunt
**そのときに家庭の母親たちが不意に公の場に走り出て来て、
*flentesque proiectae ad pedes suorum omnibus precibus petierunt,
**泣きながら、身内のものたちの足元に(身を)投げ出して、あらゆる懇願でもって頼んだ。
*ne se et communes liberos hostibus ad supplicium dederent,
**自分たちと(身内に)共通の子供たちを敵に処刑されることのために引き渡さないで。
*quos<ref>quos はα系写本の記述で、β系写本では quas となっている。</ref> ad capiendam fugam naturae et virium infirmitas impediret.
**それらの者たちが逃げるためには、性質や体力の弱さが、妨げるのだ。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*④ Ubi eos in sententia perstare viderunt,
**彼ら(男たちが)意向に固執していると(女たちは)見て取ったときに、
*quod plerumque in summo periculo timor misericordiam non recipit,
**というのは、たいていは最高の危険においては、怖れが同情を受け入れないものであるが、
*conclamare et significare de fuga Romanis coeperunt.
**(女たちは)叫び声を上げて、ローマ人たちに(男たちの)逃亡について知らしめ始めた。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*⑤ Quo timore perterriti Galli,
**それによって、怖れに脅かされたガッリア人たちは、
*ne ab equitatu Romanorum viae praeoccuparentur, consilio destiterunt.
**ローマ人の[[w:騎兵|騎兵隊]]によって道を先取されないように、計画を取り止めた。
===27節===
'''ローマ軍が大雨の中で城壁を占拠'''
: <!-- [[wikt:en:| -->
*① Postero die Caesar promota turri perfectisque operibus, quae facere instituerat,
**翌日にカエサルは、(後退していた)[[w:攻城塔|攻城櫓]](の1基)が前進させられて、実施を定めていた作業が成し遂げられると、
*magno coorto imbre<ref>imbre はα系写本の記述だが、β系写本では imbri となっている。</ref> non inutilem hanc ad capiendum consilium tempestatem arbitratus est,<ref>arbitratus est, はα系写本の記述だが、β系写本では arbitratus, となっている。</ref>
**大雨が急に起こったが、作戦計画を立てるために、この天候は不利ではないと思われた。
*quod paulo incautius custodias in muro dispositas videbat,
**というのは、(アウァーリクムの)城壁に配備された守備兵たちが少しより油断していると見ていたのだ。
*suosque<ref>suosque はα系写本の記述だが、β系写本では suos quoque となっている。</ref> languidius in opere versari iussit et quid fieri vellet ostendit.
**配下の者たちには緩慢に作業に従事することを命じて、何がなされることを欲しているかを示した。
[[画像:Avaricum_westpoint_july_2006.jpg|thumb|right|300px|[[w:アウァリクム包囲戦|アウァーリクム攻略戦]]の[[w:ジオラマ|ジオラマ]](再掲;[[w:陸軍士官学校 (アメリカ合衆国)|米国陸軍士官学校]]博物館)。ローマ軍の<ruby><rb>[[w:アッゲル|土塁]]</rb><rp>(</rp><rt>アッゲル</rt><rp>)</rp></ruby>の周辺には、<ruby><rb>[[w:ウィネア|工作小屋]]</rb><rp>(</rp><rt>ウィネア</rt><rp>)</rp></ruby>(vinea)の両端を開いて多数つないだ廊下状の通路(坑道)が延びている。]]
: <!-- [[wikt:en:| -->
*② Legionibusque intra vineas in occulto expeditis,
**[[w:ローマ軍団|諸軍団]]が<ruby><rb>[[w:ウィネア|工作小屋]]</rb><rp>(</rp><rt>ウィネア</rt><rp>)</rp></ruby>の内側でひそかに戦備を整えており、
*cohortatus ut aliquando pro tantis laboribus fructum victoriae perciperent,
**やっと、これほどの労苦の見合う勝利の報酬を我がものとするように激励した。
*iis qui primi murum ascendissent, praemia proposuit militibusque signum dedit.
**一番乗りとして城壁に登った者たちには、恩賞を約束して、兵士たちに号令を発した。
*Illi subito ex omnibus partibus evolaverunt murumque celeriter compleverunt.
**彼ら(ローマ軍団兵)は不意にあらゆる方面から飛び出して、速やかに城壁を満たしたのだ。
===28節===
'''ローマ軍がアウァーリクムの市民4万人を大虐殺'''
: <!-- [[wikt:en:| -->
*① Hostes re nova perterriti, muro turribusque deiecti
**敵たち(籠城ガッリア勢)は新たな事態に脅かされて、(ローマ兵によって)城壁や櫓から追いやられて、
*in foro ac locis patentioribus cuneatim constiterunt
**<ruby><rb>広場</rb><rp>(</rp><rt>フォルム</rt><rp>)</rp></ruby>や開けた場所に楔状に留まった。
*hoc animo, ut, si qua ex parte obviam contra veniretur, acie instructa depugnarent.
**もし、どの方向から相対して対抗して来られても、戦列を整えて決戦しようという心積もりでいたのだ。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*② Ubi neminem in aequum locum sese demittere, sed toto undique muro circumfundi viderunt,
**(ローマ兵が)誰も平らな所に降りて来ず、しかし城壁全体の至る所で取り囲まれたことを見たときに、
*veriti, ne omnino spes fugae tolleretur,
**(籠城ガッリア勢は)逃亡のあらゆる希望を奪われないかと怖れて、
*abiectis armis ultimas oppidi partes continenti impetu petiverunt,
**武器を投げ捨てて、城塞都市の(ローマ勢から)最も遠くの方面を絶え間ない殺到によって求めた。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*③ parsque ibi, cum angusto exitu portarum se ipsi premerent, a militibus,
**ある一部の者たちはそこで、城門の狭い出口で自分たちで押し合っていたので、(軍団の)兵士たちによって(殺され)、
*pars iam egressa portis ab equitibus est interfecta.
**別の一部の者たちはすでに城門を出ていたが、(ローマ側の)[[w:騎兵|騎兵]]たちによって虐殺された。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*④ Nec fuit quisquam, qui praedae studeret.
**(ローマ勢には)略奪品を熱心に求める何者もいなかった。
*Sic et Cenabi<ref>Cenabi は、α系写本では Genabi 、T・V写本では Cenabensi などとなっている。</ref> caede et labore operis incitati
**このように、ケナブムの(ローマ市民の)殺害にも、(攻城)作業の労苦にも煽られて
**:<span style="color:#009900;">(訳注:カルヌーテース族によるローマ市民の殺害については[[#3節|3節]]を参照。)</span>
*non aetate confectis, non mulieribus, non infantibus pepercerunt.
**(ローマ勢は)年老いた者たちにも、妻女たちにも、幼児たちにも(虐殺することを)思いとどまらなかった。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ビトゥリゲース族はローマ市民の殺害には関与しておらず、報復される対象とするのは的外れである。</span>
**:<span style="color:#009900;">ましてや非戦闘員である老人・女性・子供たちまで殺戮するのは、戦争の狂気というしかない。)</span>
: <!-- [[wikt:en:| -->
*⑤ Denique ex omni eo<ref>eo はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> numero, qui fuit circiter milium XL(quadraginta),
**ついには、約40000名もいたすべての人員のうち、
*vix DCCC(octingenti), qui primo clamore audito se ex oppido eiecerunt<ref>eiecerunt はα系写本の記述で、β系写本では eiecerant となっている。</ref>,
**やっと800名が、はじめにどよめきを聞いて、城塞都市から急ぎ出ていたので、
*incolumes ad [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorigem]] pervenerunt.
**無傷のままで[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]のところへ到着した。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*⑥ Quos ille multa iam nocte silentio<ref>silentio はα系写本の記述で、β系写本にはない。</ref> sic<ref>sic はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> ex fuga excepit,
**その者たちを彼は、すでに夜も更けた静けさのうちに、逃亡から迎え入れた。
*veritus ne qua in castris ex eorum concursu et misericordia vulgi seditio oreretur<ref>oreretur は一部の写本の記述で、ほかの写本では oriretur となっている。</ref>,
**彼らの駆け込みや兵たちの同情から、陣営の中で何らかの騒動が生じないように怖れて、
*ut procul in via dispositis familiaribus suis principibusque civitatum
**(陣営の)遠くから途中で、自らの郎党たちや部族の領袖たちを配備して、
*disparandos deducendosque ad suos curaret,
**(敗走者たちを)味方のところへ分けて連れて行くようにさせた。
*quae cuique civitati pars castrorum ab initio obvenerat.
**陣営の各部分は、おのおのの部族にはじめから与えられていたのだ。
===29節===
[[画像:Vercingetorix stater CdM.jpg|thumb|right|250px|[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]の横顔が刻まれたガリアの金貨(パリの[[w:ビブリオテーク・ナショナル|仏国立図書館]]貨幣部蔵)]]
'''ウェルキンゲトリークスが演説で味方を鼓舞する'''
: <!-- [[wikt:en:| -->
*① Postero die concilio convocato consolatus cohortatusque est,
**(ウェルキンゲトリークスは)翌日に会合を召集して、(味方の者たちを)慰めて激励した。
*ne se admodum animo demitterent,
**あまり気を落とさないように、
*ne<ref>ne はα系写本の記述で、β系写本では neve となっている。</ref> perturbarentur incommodo.
**敗北により取り乱さないように、と。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*② Non virtute neque in acie vicisse Romanos,
**ローマ人たちが勝ったのは、武勇においてでも、(野戦の)戦場においてでもなく、
*sed artificio quodam et scientia oppugnationis,
**ある種の技巧および攻城戦の知識によるものであって、
*cuius rei fuerint ipsi imperiti.
**その事柄に(ガッリア勢)自身は通じていなかったのだ。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[ガリア戦記 第5巻#42節|第5巻42節]]では、ネルウィイ族らガッリア北部のベルガエ勢はローマ人の攻城術をまねていた。)</span>
: <!-- [[wikt:en:| -->
*③ Errare, si qui in bello omnes secundos rerum proventus exspectent.
**戦争においては、誰であれ万事、順調な成功を期待するのならば、誤りである。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*④ Sibi numquam placuisse Avaricum defendi,
**自分にとっては、アウァーリクムが防衛されることは決して気に入らなかった。
*cuius rei testes ipsos haberet;
**その事情の証人は(諸君ら)自身である。
*sed factum imprudentia Biturigum et nimia obsequentia reliquorum, uti hoc incommodum acciperetur.
**だが、ビトゥリゲース族の軽率さとほかの者たちが過度に意のままに従ったことにより、この敗北を蒙るようになったのだ。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*⑤ Id tamen se celeriter maioribus commodis sanaturum.
**しかしながら、それを自分が速やかに大いなる勝利によって埋め合わせよう。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*⑥ Nam quae ab reliquis Gallis civitates dissentirent,
**一方、(ウェルキンゲトリークスら)ほかのガッリア人たちとは意見を相異する諸部族、
*has sua diligentia adiuncturum atque unum consilium totius Galliae effecturum,
**彼らを自分の入念さにより加盟させるだろうし、全ガッリアの計画を一つにするだろう。
*cuius consensui ne orbis quidem terrarum possit obsistere;
**その協定には、全世界でさえ邪魔することはできない。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:ne quidem|ne ~ quidem]]「~でさえ…ない」)</span>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:orbis terrarum「全世界」)</span>
*idque se prope iam effectum habere.
**それを自分は、ほとんどすでに成し遂げたと思う。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*⑦ Interea aequum esse ab iis communis salutis causa impetrari,
**その間に(ガッリア)共通の安全のために、彼ら(ガッリア人たち)により(以下のように)遂げられることが好都合である。
*ut castra munire instituerent,
**陣営を防御することを実施するように、
*quo facilius repentinos hostium impetus sustinerent<ref>sustinerent はα系写本の記述で、β系写本では sustinere possent となっている。</ref>.
**それにより、敵たち(ローマ人)の予期せぬ襲撃により容易に持ちこたえられるように。
===30節===
'''ガッリア勢がウェルキンゲトリークスに心服し、希望を抱く'''
: <!-- [[wikt:en:| -->
*① Fuit haec oratio non ingrata Gallis,
**この演説は、ガッリア人たちには満更不快でもなかった。
*et maxime, quod ipse animo non defecerat tanto accepto incommodo
**というのは、とりわけ(ウェルキンゲトリークス)自身がこれほどの敗北を蒙っても気を落とさず、
*neque se<ref>se は写本にない記述だが、後の刊本で挿入された。</ref> in occultum abdiderat et conspectum multitudinis fugerat,
**秘密の場所に隠れたり、大勢の見ているところを逃れることがなかったからである。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*② plusque animo providere et praesentire existimabatur,
**(ウェルキンゲトリークスは)より多くのことを心に予見したり予感していると考えられた。
*quod re integra primo incendendum Avaricum, post deserendum censuerat.
**というのは、事態が定まらないのに、始めはアウァーリクムを焼かれるべきと、後には放棄するべきと考慮していたからだ。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*③ Itaque ut reliquorum imperatorum res adversae auctoritatem minuunt,
**こうして、ほかの将軍なら逆境が(彼の)影響力を減ずるのに、
*sic huius ex contrario dignitas incommodo accepto in dies augebatur.
**反対に彼の威厳は、敗北を蒙っても、日々において増されたのだ。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*④ Simul in spem veniebant eius adfirmatione de reliquis adiungendis civitatibus;
**同時に、彼の断言によって(彼らは)ほかの諸部族を加盟させることについて希望を抱いた。
*primumque eo tempore Galli castra munire instituerunt,
**そのときに初めて、ガッリア人たちは陣営を防御することを実施した。
*et sic sunt<ref>写本(ω)では sunt という記述だが、erant と修正する校訂版もある。</ref> animo consternati<ref>写本(ω)では consternati という記述だが、現代の校訂版では confirmati と修正されている。</ref>, homines insueti laboris,
**(陣営の防御という)努力に慣れていない人々が気持ちを駆り立てられた。
*ut omnia quae imperarentur sibi patienda et perferenda<ref>et perferenda はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> existimarent.
**自分たちにとって、命令されたことすべてを耐えるべきであり、成就するべきであると考えたほどであった。
===31節===
'''ウェルキンゲトリークスがほかの諸部族を勧誘し、兵力を補充する'''
: <!-- [[wikt:en:| -->
*① Nec minus quam est pollicitus [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]] animo laborabat, ut reliquas civitates adiungeret,
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は、約束したことに劣らず、ほかの諸部族を加盟させるように心から努力した。
*atque earum principes donis pollicitationibusque<ref>earum principes donis pollicitationibusque はβ系写本の記述で、α系写本では eas donis pollicitationibus となっている。</ref> adliciebat.
**その領袖たちに贈物を約束して、誘い込もうとした。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*② Huic rei idoneos homines deligebat,
**この事に適切な人物たちを(ウェルキンゲトリークスは)選び出して、
*quorum quisque aut oratione subdola aut amicitia facillime capere<ref>capere はχ・L写本の記述で、β系写本では capi となっている。</ref> posset.
**その者たちのおのおのは、巧妙な演説により、あるいは友情により、かなり容易に(同盟者を)得ることができた。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*③ Qui [[w:la:Avaricum Biturigum|Avarico]] expugnato refugerant, armandos vestiendosque curat;
**(ウェルキンゲトリークスは)[[w:アウァリクム|アウァーリクム]]が攻略されて逃げて来た者たちに、武装させ、服を着るようにさせた。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*④ simul, ut deminutae copiae redintegrarentur,
**同時に、減り衰えた軍勢が補完されるように、
*imperat certum numerum militum civitatibus, quem et quam ante diem in castra adduci velit,
**諸部族に、兵の一定の数をどれほど、かつ、どの日の前までに陣営に連れて来ることを欲するかを命令し、
*sagittariosque omnes, quorum erat permagnus numerus in Gallia<ref>numerus in Gallia はα系写本の記述で、β系写本では in Gallia numerus となっている。</ref>, conquiri et ad se mitti iubet.
**ガッリアにかなり多数がいた弓兵のすべてを、徴集して自分のところへ派遣することを命じた。
*His rebus celeriter id, quod Avarici deperierat, expletur.
**これらの事により、速やかに、アウァーリクムで壊滅していたそれ(らの軍勢)が補充された。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*⑤ Interim Teutomatus, Olloviconis filius, rex Nitiobrogum,
**その間に、オッロウィコの息子で、ニティオブロゲス族の王であるテウトマトゥスが、
*cuius pater ab senatu nostro amicus erat appellatus,
**その父(オッロウィコ)は、我が方(ローマ)の[[w:元老院 (ローマ)|元老院]]から友人と呼ばれていたのだが、
*cum magno equitum suorum numero et quos ex Aquitania conduxerat ad eum pervenit.
**自らの騎兵の多数および[[w:アクィタニア|アクィタニア]]から募っていた者たちとともに、彼(ウェルキンゲトリークス)のところへ到着した。
==ゲルゴウィア攻略戦、ハエドゥイー族の離反==
===32節===
'''ハエドゥイー族内紛の危機'''
*① Caesar [[w:la:Avaricum Biturigum|Avarici]] complures dies commoratus
**カエサルは、[[w:アウァリクム|アウァーリクム]]に幾日も留まって、
*summamque ibi copiam frumenti et reliqui commeatus nactus
**そこでかなり多量の糧食やほかの必需品を手に入れて、
*exercitum ex labore atque inopia refecit.
**軍隊を労苦や欠乏から回復させた。
*② Iam prope hieme confecta,
**すでに、ほぼ冬は過ぎ去り、
*cum ipso anni tempore ad gerendum bellum vocaretur et ad hostem proficisci constituisset,
**(カエサルが)まさにその時季に戦争を遂行することに呼び寄せられて、敵の方へ発つことを決意していたときに、
*sive eum ex paludibus silvisque elicere sive obsidione premere posset,
**あるいは(敵を)沼地や森林から誘い出せるか、あるいは包囲により圧倒することができるか、というときに、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:sive ~ sive …「あるいは~、あるいは…」)</span>
*legati ad eum principes [[w:la:Haedui|Haeduorum]] veniunt oratum,
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の領袖たちが使節として彼(カエサル)のところへ頼みにやって来た。
*ut maxime necessario tempore civitati subveniat;
**きわめて緊急の時に、部族を助けてくれるように、と。
*③ Summo esse in periculo rem,
**事態は最大の危機にある。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:以下は、ハエドゥイー族の救援要請(間接話法)である。)</span>
*quod, cum singuli magistratus antiquitus creari atque regiam potestatem annum<ref>annum はα系写本の記述で、β系写本では annuam となっている。</ref> obtinere consuessent,
**というのは、昔から一人ずつの統領が選出されて、一年ごとに支配権力に就くことが常であったのに、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[ガリア戦記 第1巻#16節|第1巻16節]]によれば、ウェルゴブレトゥス Vergobretus という最高官職が毎年選ばれて大権を司る。)</span>
*duo magistratum gerant et se uterque eorum legibus creatum esse<ref>creatum esse はα系写本の記述で、β系写本では creatum となっている。</ref> dicat.
**2名が統領を司り、彼らの双方ともに自分は法により(=合法的に)選出されたのであると言っているのだ。
*④ Horum esse alterum Convictolitavem, florentem et inlustrem adulescentem,
**彼らの一方は、[[w:コンウィクトリタウィス|コンウィクトリタウィス]]で、声望があり、秀でた青年である。
*alterum Cotum, antiquissima familia natum
**他方は、[[w:コトゥス|コトゥス]]で、とても古くからの家系に生まれて、
*atque ipsum hominem summae potentiae et magnae cognationis,
**自身も最大勢力と多くの縁戚関係をもつ人物であり、
*cuius frater Valetiacus proximo anno eundem magistratum gesserit.
**その兄弟[[w:ウァレティアクス|ウァレティアクス]]は前年に同じ統領を司っていたのである。
*Civitatem esse omnem in armis;
**部族は皆が武装している。
*divisum senatum, divisum populum, suas<ref>suas は中世までの写本(ω)で、近世の写本(ς)では in suas となっている。</ref> cuiusque eorum clientelas.
**評議会も分裂し、民衆も分裂し、彼ら(2名)の(それぞれの)庇護民となっている。
*Quodsi diutius alatur controversia, fore uti pars cum parte civitatis confligat;
**もしこれ以上、紛争が進められれば、部族の派閥と派閥が激突することになるであろう。
*Id ne accidat, positum in eius diligentia atque auctoritate.
**それが起こらないかは、彼(カエサル)の入念さと影響力にかかっている。
===33節===
'''カエサルがハエドゥイー族の権力をコンウィクトリタウィスに与える'''
*① Caesar, etsi a bello atque hoste discedere detrimentosum esse existimabat,
**カエサルは、戦争および敵から離れることが非常に不利であると考えていたのではあるが、
*tamen non ignorans, quanta ex dissensionibus incommoda oriri consuessent,
**しかしながら、不和からどれほどの災厄が生じることが常であるか、知らないではなかったし、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:etsi ~, tamen …「~ではあるが、しかしながら…」)</span>
*ne tanta et tam coniuncta populo Romano civitas,
**これほど大きく、これほどローマ人民と協同している(ハエドゥイーの)部族が、
*quam ipse semper aluisset omnibusque rebus ornasset,
**彼らのことを(カエサル)自身は常に助成して、かつあらゆる事柄で敬意を表していたのだが、
*ad vim atque arma descenderet,
**(彼らが内紛という)暴力や戦乱に沈み込まないように、
*atque ea pars, quae minus sibi confideret, auxilia a [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorige]] arcesseret,
**かつ、自分たちが劣勢だと確信している(ハエドゥイーの)一派が[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]の支援を招かないように、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ne ~ civitas, ~ descenderet, ~ arcesseret「~部族が、~沈まないように、~招かないように」)</span>
[[画像:FR-58-Decize29.JPG|thumb|right|250px|デケティア([[w:la:Decetia|Decetia]])すなわち現在のドスィーズ([[w:fr:Decize|Decize]])の景観。[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の版図であった[[w:ニエーヴル県|ニエーヴル県]]の南部にあり、リゲル川(現[[w:ロワール川|ロワール川]])のほとりに位置している。]]
*huic rei praevertendum existimavit et,
**この事態を(戦争よりも)優先されるべきと考えた。
*② quod legibus [[w:la:Haedui|Haeduorum]] iis, qui summum magistratum obtinerent, excedere ex finibus non liceret,
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の法により、最高の官職に就いている者は領土から出て行くことを許されないので、
*ne quid de iure aut de legibus eorum deminuisse videretur,
**(カエサルが)彼らの法令あるいは法制について何ら軽視したとは思われないように、
*ipse in Haeduos proficisci statuit
**自身がハエドゥイー族のところに出発することを決心した。
*senatumque omnem et quos inter controversia esset ad se [[w:la:Decetia|Decetiam]] evocavit.
**かつ、評議会の全員、および紛争が介在しているところの者たちをデケティアの自分のところへ呼び出した。
*③ Cum prope omnis civitas eo convenisset, docereturque
**部族のほぼすべての(主だった)者たちがそこに集まったときに、(以下のことが)報知された。
*paucis clam convocatis alio loco, alio tempore atque oportuerit, fratrem a fratre renuntiatum,
**わずかな者が密かに、あるべきはずとは別の場所、別の時に呼び集められて、兄により弟(の就位)が告げられたというのだ。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:前年に統領であった兄ウァレティアクスによって弟コトゥスの統領への就位が告げられたということであろう。)</span>
*cum leges duo<ref>duo はχ・B・M・S・β系写本の記述で、L・N写本では duos となっている。</ref> ex una familia vivo utroque non solum magistratus creari vetarent, sed etiam in senatu esse prohiberent,
**法は、一つの家族から2名が双方とも存命中に、統領に選出されるのを禁じるだけでなく、評議会にいることも禁止しているのに。
*Cotum imperium deponere coegit,
**(カエサルは)[[w:コトゥス|コトゥス]]に支配権を放棄することを強要した。
*Convictolitavem, qui per sacerdotes more civitatis intermissis magistratibus esset creatus,
**[[w:コンウィクトリタウィス|コンウィクトリタウィス]]は、統領が空位になったときに、部族の規則により、祭司を通じて選出されたので、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ここでいう祭司 sacerdos が[[ガリア戦記 第6巻#13節|第6巻13節]]以下で説明された[[w:ドルイド|ドルイド]]と同じか否かは不詳である。)</span>
*potestatem obtinere iussit.
**(カエサルは彼に)権力の座に就くことを命じた。
===34節===
'''ハエドゥイー族を動員し、ローマ軍をカエサルとラビエーヌスの二隊に分散'''
*① Hoc decreto interposito cohortatus Haeduos, ut
**この決定により仲裁して、(カエサルは)[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]に以下のように励ました。
*controversiarum ac dissensionis obliviscerentur
**(部族内部の)紛争や不和を忘れるように、
*atque omnibus omissis his rebus huic bello servirent
**かつ、これらすべての事情を度外視して、この(ウェルキンゲトリークスとの)戦争に尽くすように、
*eaque, quae meruissent, praemia ab se devicta Gallia exspectarent
**ガッリアが征服されたときには(彼らが)受けるに値する自分(カエサル)からの恩賞を期待するように、
*equitatumque omnem et peditum milia X(decem) sibi celeriter mitterent,
**(ハエドゥイー族の)騎兵隊のすべてと歩兵1万名を自分(カエサル)に速やかに派遣するように、
*quae in praesidiis rei frumentariae causa disponeret,
**それらは糧食供給のために守備隊として分けて置くものである、と。
[[画像:Brioude pont.JPEG|thumb|right|250px|エラウェル川([[w:la:Elaver|Elaver]])こと現在の[[w:アリエ川|アリエ川]](Allier)。ハエドゥイー族領の境辺りでリゲル川([[w:la:Liger|Liger]])こと現[[w:ロワール川|ロワール川]]([[w:fr:Loire (fleuve)|Loire]])に合流する。]]
*② exercitum in duas partes divisit:
**(カエサルは)軍隊を二つの方面軍に分けた。
*quattuor legiones in Senones Parisiosque [[w:la:Titus Labienus|Labieno]] ducendas dedit,
**4個[[w:ローマ軍団|軍団]]をセノネース族やパリスィイ族のところに率いて行くべく[[w:ティトゥス・ラビエヌス|ラビエーヌス]]に委ねた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ラビエーヌスのこの遠征については[[#57節|57節]]~62節で述べられる。)</span>
*sex ipse in Arvernos ad oppidum [[w:la:Gergovia|Gergoviam]] secundum flumen [[w:la:Elaver|Elaver]] duxit;
**6個を(カエサル)自身がアルウェルニー族のところの城塞都市ゲルゴウィアへエラウェル川に沿って率いて行った。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:エラウェル川 Elaver は現在の[[w:アリエ川|アリエ川]] Allier である。)</span>
*equitatus partem illi attribuit, partem sibi reliquit.
**騎兵隊の一部は彼(ラビエーヌス)に割り当てて、(残りの)部分は自分のもとに残した。
*③ Qua re cognita [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]] omnibus interruptis eius fluminis pontibus
**その事を知って、[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]はその川のすべての橋を破却しながら、
*ab altera fluminis parte iter facere coepit.
**川の別の側を行軍し始めた。
===35節===
'''カエサルが陽動によってエラウェル川に架橋、渡河する'''
*① Cum uterque utrimque exisset exercitus<ref>utrimque exisset exercitus はα系写本の記述で、β系写本では utrique esset exercitui となっている。</ref>, in conspectu, fereque e regione castris castra ponebant<ref>ponebant はα系写本の記述で、β系写本では poneret となっている。</ref>,
**(ガッリア勢とローマ勢の)軍隊の双方が互いに視界にあって、ほぼ真向かいに互いの陣営を設置したときに、
*dispositis exploratoribus, necubi effecto ponte Romani copias traducerent,
**(ウェルキンゲトリークスは)ローマ人の軍勢がどこにも橋を造って渡河しないように、偵察者たちを分けて置き、
*erat in magnis Caesaris<ref>Caesaris はα系写本などの記述で、π系写本などでは Caesari となっている。</ref> difficultatibus res,
**カエサルにとって事態は大きな困難になっていた。
*ne maiorem aestatis partem flumine impediretur,
**夏の大部分(の対岸の敵との交戦)が川により妨げられるのではないか、
*quod non fere ante autumnum [[w:la:Elaver|Elaver]] vado transiri solet.
**というのは、[[w:アリエ川|エラウェル川]]は秋の前はほとんど浅瀬を渡らない習わしであったからだ。
*② Itaque, ne id accideret, silvestri loco castris positis
**こうして、それが生じないように、森林地帯に陣営を設置した。
*e regione unius eorum pontium, quos [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]] rescindendos curaverat,
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]が切り裂かれるように手配していたところの橋の一つの真向かいに。
*postero die cum duabus legionibus in occulto restitit;
**翌日に、2個[[w:ローマ軍団|軍団]]とともに密かなところに留まった。
*③ reliquas copias cum omnibus impedimentis, ut consueverat, misit,
**残りの軍勢(=4個軍団)をすべての輜重とともに、通常のように、出発させた。
*captis<ref>写本(ω)では captis となっているが、Herald Fuchs の校訂版(1932年)では sic collocatis という記述が提案されている。etc.</ref> quibusdam cohortibus, uti numerus legionum constare videretur.
**軍団の数を保っていると(敵から)見られるように、いくつかの<ruby><rb>[[w:コホルス|歩兵大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>を含ませていた。
*④ His quam longissime possent egredi<ref>egredi はα系写本の記述で、β系写本では progredi となっている。</ref> iussis,
**彼ら(4個軍団)には、できる限り遠くまで前進することを命じた。
*cum iam ex diei tempore coniecturam ceperat<ref>ceperat はα系写本の記述で、β系写本では caperet となっている。</ref> in castra perventum,
**すでに、日の時刻から(彼らが)宿営地に到達したと(カエサルが)推測をしたときに、
*isdem sublicis, quarum pars inferior integra remanebat, pontem reficere coepit.
**(前述の)同じ橋杭は、そのより下方の部分が損なわれないで残っていたので、橋を修復し始めた。
*⑤ Celeriter effecto opere
**速やかに工事が成し遂げられて、
*legionibusque traductis et loco castris idoneo delecto
**(2個)軍団が渡河させられて、陣営に適切な地点を選んで、
*reliquas copias revocavit.
**残りの軍勢(=4個軍団)を呼び戻した。
*⑥ Vercingetorix re cognita,
**ウェルキンゲトリークスは事態を知って、
*ne contra suam voluntatem dimicare cogeretur,
**自らの意向に反して(ローマ勢と)争闘することを強いられないように、
*magnis itineribus antecessit.
**強行軍で(ゲルゴウィアに向けて)先行した。
===36節===
[[画像:FR-63-Gergovie.JPG|thumb|right|300px|[[w:ゲルゴウィア|ゲルゴウィア]]([[w:la:Gergovia|Gergovia]])すなわち現在のジェルゴヴィ高地([[w:fr:Plateau de Gergovie|Plateau de Gergovie]])の[[w:ピュイ=ド=ドーム県|ピュイ=ド=ドーム県]]県道978号(D978)からの眺望。19世紀の[[w:ウジェーヌ・ストッフェル|ウジェーヌ・ストッフェル]]大佐(colonel Eugène Stoffel)の発掘調査によって、城砦やローマ軍の溝の遺構などが発見され、当地がゲルゴウィアの古戦場だと確認された。]]
[[画像:Siège_GergovieI_-52.png|thumb|right|300px|ゲルゴウィアにおける両軍の布陣図。山の頂にある城塞都市に隣接してガッリア諸部族の陣営(黄色部分)、右方にローマ軍の大きな陣営(赤色部分)と左下にローマ軍の小さな陣営(赤色部分)が見える。推定される位置関係は19世紀の[[w:ウジェーヌ・ストッフェル|ストッフェル]]大佐の発掘調査に依拠しており、小陣営があった地点は現在のラ・ロシュ=ブランシュ([[w:fr:La Roche-Blanche (Puy-de-Dôme)|La Roche-Blanche]])だと考えられている。]]
'''両軍がゲルゴウィアの要衝に陣営を築く'''
*① Caesar ex eo loco quintis castris [[w:la:Gergovia|Gergoviam]] pervenit
**カエサルは(渡河した)その地点から5回目の宿営で[[w:ゲルゴウィア|ゲルゴウィア]]に到着した。
*equestrique eo die proelio levi facto,
**(到着した)その日に(ガッリア勢と)軽微な[[w:騎兵|騎兵]]戦を闘って、
*perspecto urbis situ, quae posita in altissimo monte omnes aditus difficiles habebat,
**山の非常に高いところに位置し、すべての接近路を困難なものとしている(ゲルゴウィアの)町の地勢を認識して、
*de expugnatione<ref>expugnatione はα系写本の記述で、β系写本では oppugnatione となっている。</ref> desperavit,
**(拙速に突撃するような)攻略については断念して、
*de obsessione non prius agendum constituit, quam rem frumentariam expedisset.
**糧食調達の整備をするより前には、攻囲について行なうべきでないと決心した。
*② At [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]], castris prope oppidum in monte<ref>in monte はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> positis,
**それに対して、[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は、山中の城塞都市の近くに陣営を設置して、
*mediocribus circum se intervallis separatim singularum civitatium<ref>civitatium はB・M・L・N写本の記述で、χ・S・β系写本では civitatum となっている。</ref> copias conlocaverat
**自陣の周りに、適切な間隔で個々の部族の軍勢を別々に駐屯させて、
*atque omnibus eius iugi collibus occupatis, qua despici poterat,
**その尾根のうち(山麓を)見下ろすことができたすべての丘陵を占有して、
*horribilem speciem praebebat;
**恐ろしげな姿を現わした。
*③ principesque earum civitatium<ref>civitatium はA・Q・B・M・L・N写本の記述で、Q・S・β系写本では civitatum となっている。</ref>, quos sibi ad consilium capiendum delegerat,
**(ウェルキンゲトリークス)自らが作戦を立てるために選び出していた諸部族の領袖たちに
*prima luce cotidie ad se convenire iubebat,
**毎日、夜明けに自分のところへ集まることを命じた。
*seu quid communicandum, seu quid administrandum videretur,
**何らかのことを伝達・協議するのか、あるいは何らかのことを指導するのだと思われる。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:seu ~ seu …「あるいは~、あるいは…」)</span>
*④ neque ullum fere diem intermittebat, quin equestri proelio interiectis sagittariis,
**騎兵戦に弓兵を介在させることを、ほとんどどの日も中断せずに、
*quid in quoque esset animi ac virtutis suorum, perspiceretur<ref>perspiceretur はα系写本の記述で、T写本では perspiceret、β系写本では periclitaretur となっている。</ref>.
**どのような心構えや武勇が、配下の者たちのおのおのにあるかを、吟味した。
*⑤ Erat e regione oppidi collis sub ipsis radicibus montis
**山のその麓の下方に、城塞都市の真向かいに、丘陵があって、
*egregie munitus atque ex omni parte circumcisus;
**あらゆる方面から周囲が険しくて、(その地形により)すばらしく護られていた。
*quem si tenerent nostri, et aquae magna parte et pabulatione libera prohibituri hostes videbantur.
**もし、それを我が方(ローマ勢)が占めれば、水源の大半と自由な糧秣徴発から敵たちを妨げるであろうと思われた。
*⑥ Sed is locus praesidio ab his, non nimis firmo, tenebatur.
**だが、その地点は、彼ら(ガッリア勢)により、大して強力ではない守備隊で占められていた。
*⑦ Tamen silentio noctis Caesar ex castris egressus,
**にもかかわらず(昼間ではなく)夜の静けさのうちに、カエサルは陣営から出撃して、
*priusquam subsidio ex oppido veniri posset,
**城塞都市(のそばの陣営)から援兵に来られるより前に、
*deiecto praesidio potitus loco duas ibi legiones conlocavit
**守備隊を追い出して、地点を占拠して、そこに2個[[w:ローマ軍団|軍団]]を駐屯させた。
*fossamque duplicem duodenum pedum a maioribus castris ad minora perduxit,
**12[[w:ペース (長さ)|ペース]](=約3.6mの幅)の二重の堀を、より大きな陣営から(この丘陵の)より小さな陣営へ至らしめた。
*ut tuto ab repentino hostium incursu singuli commeare possent.
**敵たちの不意の襲撃から安全に、1人1人が往来することができるように。
===37節===
'''ハエドゥイー族のコンウィクトリタウィスがガッリア同盟軍に内応する'''
*① Dum haec ad [[w:la:Gergovia|Gergoviam]] geruntur,
**これらがゲルゴウィアのところでなされている間に、
*Convictolitavis [[w:la:Haedui|Haeduus]],
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]のコンウィクトリタウィスは、
*cui magistratum adiudicatum a Caesare demonstravimus,
**その者はカエサルによって統領として承認されたと([[#33節|33節]]で)既述したが、
*sollicitatus ab Arvernis pecunia cum quibusdam adulescentibus conloquitur,
**[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]により金銭でそそのかされて、ある若者たちと談判した。
*quorum erat princeps Litaviccus atque eius fratres,
**その者たちの領袖は[[w:リタウィックス|リタウィックス]]とその兄弟たちであり、
*amplissima familia nati adulescentes.
**とても強大な一族に生まれた若者たちだった。
*② Cum his praemium communicat
**彼らとともに(アルウェルニー族からの)報酬を共有して、
*hortaturque, ut se liberos et imperio natos meminerint.
**自分たちが自由民で支配層の生まれであるのを思い起こせ、と鼓舞した。
*③ Unam esse Haeduorum civitatem, quae certissimam Galliae victoriam distineat<ref>distineat はM・N・π・R写本などの記述で、Q・U写本などでは destineat 、A・B・S写本などでは dedistineat などとなっている。</ref>;
**ハエドゥイーの部族国家は、ガッリアの至極確実な勝利を阻んでいる唯一のものであり、
*eius auctoritate reliquas contineri;
**その声望により、ほかの(同盟部族の)ものたちが(ローマ側に)保持されているが、
*qua traducta locum consistendi Romanis in Gallia non fore.
**それが(ガッリア勢に)引き入れられることによって、ガッリアにおいてローマ人が留まり続ける場はないであろう。
*④ Esse nonnullo se Caesaris beneficio adfectum,
**自分はカエサルの少なからぬ恩義をかけられているが、
*sic tamen, ut iustissimam apud eum causam obtinuerit;
**しかし、彼(カエサル)のもとで至極合法的な理由を手に入れたまでであり、
*sed plus communi libertati tribuere.
**しかし、(ガッリアの)共通の自由に従うことの方がより大きい。
*⑤ Cur enim potius Haedui de suo iure et de legibus ad Caesarem disceptatorem quam Romani ad Haeduos veniant?
**なぜ実際、ハエドゥイー族は自らの法令や法制について、ローマ人がハエドゥイー族へ来るよりむしろ、カエサルを仲裁者とするのか?
*⑥ Celeriter adulescentibus et oratione magistratus et praemio deductis,
**若者たちは速やかに、統領の演説と報酬によって導き入れられた。
*cum se vel principes eius consilii fore profiterentur,
**自分たちがその謀計の首謀者にすらなろうと申し出たときに、
*ratio perficiendi quaerebatur,
**(謀計を)成し遂げる方法が求められた。
*quod civitatem temere ad suscipiendum bellum adduci posse non confidebant.
**というのは、部族がむやみに(ローマ人との)戦争実行へ動かされることができるとは確信していなかったからだ。
*⑦ Placuit, ut Litaviccus decem illis milibus, quae Caesari ad bellum mitterentur, praeficeretur atque ea ducenda curaret,
**リタウィックスに、カエサルに戦争のために派遣されるあの(歩兵)1万名を指揮させ率いさせるのが良いとされた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:歩兵1万名については[[#34節|34節]]を参照。)</span>
*fratresque eius ad Caesarem praecurrerent.
**彼の兄弟たちは、カエサルのところへ先立って行った。
*Reliqua qua ratione agi placeat constituunt.
**残りのことが、どのようなやり方で行なわれるのが良いかが決められた。
===38節===
'''リタウィックスの鼓舞でハエドゥイー族の歩兵1万が挙兵する'''
*① Litaviccus accepto exercitu
**リタウィックスは(1万名の)歩兵隊を受け取って、
*cum milia passuum circiter XXX(triginta)<ref>XXX(triginta) はα系写本の記述で、β系写本では XL(quadraginta) となっている。</ref> ab<ref>ab は写本(ω)の記述であるが、モイゼル(Henricus Meusel)は a を提案している。</ref> [[w:la:Gergovia|Gergovia]] abesset,
**[[w:ゲルゴウィア|ゲルゴウィア]]から約30[[w:ローママイル|ローママイル]](=45km弱)離れたところに来たときに、
*convocatis subito militibus lacrimans,
**兵士たちを突然に呼び集めて、泣きながら、
*② "Quo proficiscimur," inquit, "milites?
**「兵士らよ、どこへ我々は進むのか?」と言った。
*Omnis noster equitatus, omnis nobilitas interiit;
**「我が方(ハエドゥイー族)のすべての[[w:騎兵|騎兵隊]]とすべての高貴な者たちは滅んだ。
*principes civitatis, [[w:la:Eporedorix|Eporedorix]] et Viridomarus,
**部族の領袖たち、エポレドリクスとウィリドマルスは、
*insimulati proditionis ab Romanis indicta causa interfecti sunt.
**裏切りの罪を着せられて、ローマ人たちによって、弁解の余地なく殺されてしまったのだ。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:indicta causa「弁解の余地なく」)</span>
*③ Haec ab ipsis<ref>ipsis はα系写本の記述で、β系写本では his となっている。</ref> cognoscite, qui ex ipsa caede fugerunt;
**これは、その虐殺から逃げて来た当人たちから聞き知ってくれ。
*nam ego fratribus atque omnibus meis propinquis interfectis
**なぜなら、私は、兄弟たちやすべての我が親族たちが殺されて
*dolore prohibeor, quae gesta sunt, pronuntiare."
**悲嘆により、なされたことを物語ることを妨げられているからだ。」
*④ Producuntur hi<ref>hi はφ・β系写本の記述で、A写本では ii 、Q写本では hii となっている。</ref>, quos ille edocuerat quae dici vellet,
**彼(リタウィックス)が言って欲しいことを教え込んでいた者たちが連れ出されて来て、
*atque eadem, quae Litaviccus pronuntiaverat, multitudini exponunt:
**リタウィックスが物語ったのと同じことを群衆に説明した。
*⑤ multos<ref>multos はα系写本の記述で、β系写本では omnes となっている。</ref> equites [[w:la:Haedui|Haeduorum]] interfectos, quod conlocuti cum Arvernis dicerentur;
**ハエドゥイー族の多くの騎兵たちは、アルウェルニー族と談判したと言われたので、殺された、と。
*ipsos se inter multitudinem militum occultasse atque ex media caede fugisse.
**(彼ら)自身は、兵士ら多数の間に身を隠して、虐殺の最中から逃げて来たのだ、と。
*⑥ Conclamant Haedui et Litaviccum obsecrant, ut sibi consulat.
**ハエドゥイー族の者たちは叫び声を上げて、リタウィックスに、自分たちに(どうするべきか)助言するように懇願した。
*"Quasi vero" inquit ille "consilii sit res, ac non necesse sit
**彼は言った「実にあたかも、事態が協議するべきというかのようだ。(協議する)必要はないのだ。
*nobis Gergoviam contendere et cum Arvernis nosmet coniungere.
**我々にとって、ゲルゴウィアに急行して、アルウェルニー族と我々が合流することは。
*⑦ An dubitamus, quin nefario facinore admisso Romani iam ad nos interficiendos concurrant?
**非道の悪行を犯したローマ人がもはや我々を殺戮するために襲いかかって来ることを疑うのかね?
*⑧ Proinde, si quid in nobis animi est,
**それゆえに、もし我々に何らかの心構えがあるならば、
*persequamur eorum mortem, qui indignissime interierunt,
**とても不面目に滅びた者たちの死に仇討ちしようではないか。
*atque hos latrones interficiamus."
**かの略奪者たち(ローマ人)を誅殺しようではないか。」
*Ostendit cives Romanos, qui eius praesidii fiducia una erant<ref>erant は写本(ω)の記述であるが、モムゼン(Mommsen)らは ierant を提案している。</ref>:
**(リタウィックスは)彼の護衛を信頼して一緒にいたローマ市民たちを示した。
*⑨ Continuo<ref>Continuo はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> magnum numerum frumenti commeatusque diripit,
**ただちに、(ローマ市民たちの)糧食や必需品の多数を略奪して、
*ipsos crudeliter excruciatos interficit.
**当人たちを残酷に拷問して殺した。
*⑩ Nuntios tota civitate Haeduorum dimittit,
**ハエドゥイー族の伝令たちを、部族全体にわたって遣わして、
*in<ref>in はβ系写本の記述だが、α系写本にはない。</ref> eodem mendacio de caede equitum et principum permovet<ref>permovet はL・N写本の記述だが、B写本では permanet 、χ・M・S・β系写本などでは permonet となっている。</ref>;
**騎兵や領袖たちの虐殺について、同じ嘘によって扇動した。
*hortatur ut simili ratione atque ipse fecerit suas iniurias persequantur.
**(リタウィックス)自身がしたのと同様のやり方で、自分たちの(受けた)無法に仇討ちするようにと鼓舞した。
===39節===
'''エポレドリクスがハエドゥイー勢1万の寝返りをカエサルに知らせる'''
*① [[w:la:Eporedorix|Eporedorix]] [[w:la:Haedui|Haeduus]], summo loco natus adulescens et summae domi potentiae,
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の[[w:エポレドリクス|エポレドリクス]]は、最高の身分に生まれた青年で、本国で最高の権勢にあった。
*et una Viridomarus, pari aetate et gratia, sed genere dispari,
**とともに、[[w:ウィリドマルス|ウィリドマルス]]も、同じ年輩で、同様に敬意を受けていたが、異なる階級であった。
*quem Caesar ab Diviciaco sibi traditum ex humili loco ad summam dignitatem perduxerat,
**カエサルは彼を[[w:ディウィキアクス|ディウィキアクス]]により託されて、低い身分から最高の地位へと引き立てていた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ディウィキアクスはかつてローマに援助を求めた有力者で、カエサルに殺されたドゥムノリクスの兄弟。)</span>
*in equitum numero convenerant nominatim ab eo evocati.
**(その2人は)彼(カエサル)から名指しで呼び出されて、[[w:騎兵|騎兵]]として(ローマの陣中に)一緒に来ていた。
*② His erat inter se de principatu contentio
**彼ら(2人)には、互いに指揮官の座についての競争があって、
*et in illa magistratuum controversia
**あの統領をめぐる紛争においても
**:<span style="color:#009900;">([[#32節|32節]]~33節を参照。)</span>
*alter pro Convictolitavi, alter pro Coto summis opibus pugnaverant<ref>pugnaverant はα系写本の記述で、β系写本では pugnaverat となっている。</ref>.
**一方は[[w:コンウィクトリタウィス|コンウィクトリタウィス]]のために、他方は[[w:コトゥス|コトゥス]]のために、最大限の助力で奮闘していた。
*③ Ex his Eporedorix cognito Litavicci consilio
**彼らのうちエポレドリクスが[[w:リタウィックス|リタウィックス]]の謀計を知って、
*media fere nocte rem ad Caesarem defert;
**ほぼ真夜中に、事情をカエサルのところへ報知した。
*orat ne patiatur civitatem pravis adulescentium consiliis ab amicitia populi Romani deficere;
**(ハエドゥイーの)部族が青年たちのゆがんだ謀計によってローマ人民の友好から背くことを容認しないように懇願した。
*quod futurum provideat, si se tot hominum milia cum hostibus coniunxerint,
**もし、このように多くの幾千もの同胞が敵たちと協同するならば、(上記の)ことが生じると用心するように、と。
*quorum salutem neque propinqui neglegere,
**(寝返った1万の歩兵たちの)縁者たちは彼らの身の安全をなおざりにすることはないし、
*neque civitas levi momento aestimare posset.
**部族が(寝返った歩兵たちの)影響力を軽く評価できない、と。
===40節===
'''カエサルが4個軍団を率いてハエドゥイー勢1万を制止し、リタウィックスは逃亡'''
*① Magna adfectus sollicitudine hoc nuntio Caesar,
**この知らせにより、大きな不安を感じたカエサルは、
*quod semper [[w:la:Haedui|Haeduorum]] civitati praecipue indulserat,
**常に[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイーの部族]]にとくに気遣っていたので、
*nulla interposita dubitatione legiones expeditas quattuor equitatumque omnem ex castris educit;
**何らためらいを差しはさまずに、戦備を整えた4個[[w:ローマ軍団|軍団]]と[[w:騎兵|騎兵隊]]すべてを陣営から進発させた。
*② nec fuit spatium tali tempore ad contrahenda castra,
**このような情勢で、陣営を縮小するための余地はなかった。
**:<span style="color:#009900;"> (訳注:[[#36節|36節]]で、カエサルはゲルゴウィアの大きな陣営および敵に近い小さな陣営を6個軍団で守っていた。)</span>
*quod res posita in celeritate videbatur;
**というのは、事態は迅速さにかかっていると思われたからだ。
*C.(Gaium) Fabium legatum cum legionibus duabus castris praesidio relinquit.
**総督副官[[w:ガイウス・ファビウス|ガイウス・ファビウス]]を2個軍団とともに陣営の守備に残しておいた。
*③ Fratres Litavicci cum comprehendi iussisset,
**(カエサルは)リタウィックスの兄弟たちを拘束することを命じていたのだが、
*paulo ante reperit ad hostes fugisse.
**少し前に(ゲルゴウィアの)敵たちのところへ去ったことを探り出した。
*④ Adhortatus milites ne necessario tempore itineris labore permoveantur,
**(カエサルは)緊急の時に、行軍の労苦により乱されないように、兵士たちを激励して、
*cupidissimis omnibus progressus milia passuum [[w:la:Viginti quinque|XXV]] agmen Haeduorum conspicatus<ref>conspicatus はα系写本の記述で、β系写本では conspicatur となっている。</ref>
**皆がとても熱中していたので、25[[w:|ローママイル]](約37km)進んで、ハエドゥイー族の隊列を視認した。
*immisso equitatu iter eorum moratur atque impedit
**騎兵隊を突進させて、彼ら(ハエドゥイー勢)の行軍を妨げて、停止させた。
*interdicitque omnibus ne quemquam interficiant.
**(ハエドゥイー勢を)誰一人殺さないように(ローマ勢の)皆に禁じた。
*⑤ [[w:la:Eporedorix|Eporedorigem]] et Viridomarum, quos illi interfectos existimabant,
**彼ら(ハエドゥイー勢)が、殺されたものと考えていた者たち、[[w:エポレドリクス|エポレドリクス]]と[[w:ウィリドマルス|ウィリドマルス]]に、
*inter equites versari suosque appellare iubet.
**(ハエドゥイー勢の)騎兵たちの間を歩き回って、味方に呼びかけることを命じた。
*⑥ His cognitis et Litavicci fraude perspecta Haedui manus tendere,
**彼ら(2人)に気付いて、リタウィックスのごまかしを見通して、ハエドゥイー族の者たちは手を差し出して、
*deditionem significare et proiectis armis mortem deprecari incipiunt.
**降伏の意を表して、武器を投げ出して、死を赦免されることを求め始めた。
*⑦ Litaviccus cum suis clientibus,
**[[w:リタウィックス|リタウィックス]]は、配下の子分たちとともに、
*quibus more Gallorum nefas est etiam in extrema fortuna deserere patronos,
**ガッリア人の風習では、最悪の境遇にあってさえも(子分が自分の)親分を見捨てることは非道であったので、
*[[w:la:Gergovia|Gergoviam]] profugit.
**(親分・子分ともども)[[w:ゲルゴウィア|ゲルゴウィア]]に逃れた。
===41節===
'''副官ファビウスの報告:ゲルゴウィアの敵勢がローマ陣営に襲来'''
*① Caesar nuntiis ad civitatem [[w:la:Haedui|Haeduorum]] missis,
**カエサルは伝令たちを[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー]]の部族(当局)に遣わして、
*qui suo beneficio conservatos docerent quos iure belli interficere potuisset,
**彼ら(伝令)に、戦時の権限により殺せた者たち(歩兵1万)は(カエサル)自らの恩恵により許されたのだ、と説かせた。
*tribusque horis noctis exercitui ad quietem datis castra ad [[w:la:Gergovia|Gergoviam]] movit.
**(カエサルは)夜の3時間を軍隊に休息のために与えて、陣営を引き払ってゲルゴウィアの方へ向かった。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:古代ローマの不定時法では、夏季の夜の3時間は、現在の定時法の3時間よりかなり短い。)</span>
*② Medio fere itinere equites a Fabio missi,
**(ゲルゴウィアへの)道程のほぼ中間のところで、ファビウスから[[w:騎兵|騎兵]]たちが遣わされて来て、
*quanto res in periculo fuerit, exponunt.
**事態がどれほどの危機にあるか、を打ち明けた。
*Summis copiis castra oppugnata demonstrant,
**(ガッリア勢の)最大級の軍勢により(ローマ勢の)陣営が攻撃された、と説明した。
*cum crebro integri defessis succederent
**そのときに(ガッリア勢は)たびたび新たな者たちが疲労した者たちに交代していたが、
*nostrosque adsiduo labore defatigarent,
**我が方(ローマ勢)は絶え間ない労苦により疲れ果てていた。
*quibus propter magnitudinem castrorum perpetuo esset isdem in vallo permanendum.
**彼ら(ローマ勢)にとり、陣営の大きさのために、同じ者たちが防柵の中に留まらざるを得なかった。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:カエサルは[[#40節|40節]]②項で「陣営を縮小するための余地はなかった」とあらかじめ弁解している。)</span>
*③ Multitudine sagittarum atque omnis generis<ref>omnis generis はα系写本の記述で、β系写本では omni genere となっている。</ref> telorum multos vulneratos;
**(ガッリア勢からの)矢の多数と飛び道具のあらゆる類いによって(ローマ勢の)多くのものが傷つけられた。
*ad haec sustinenda magno usui fuisse tormenta.
**これに持ちこたえるために、投石器が大いに役立った。
*④ Fabium discessu eorum duabus relictis portis obstruere ceteras
**ファビウスは、彼ら(ガッリア勢)が退却すると、2つの門を残して、ほか(の門)を閉鎖した。
*pluteosque vallo addere et se in posterum diem similemque casum apparare<ref>similemque casum apparare はα系写本の記述で、β系写本では similem ad casum parare となっている。</ref>.
**胸壁を防柵を付け加えて、翌日における似たような状況に備えた。
*⑤ His rebus cognitis Caesar
**これらの事態を知って、カエサルは、
*summo studio militum ante ortum solis in castra pervenit.
**兵士たちの最大級の努力によって、日の出の前に(ゲルゴウィアの)陣営に到着した。
===42節===
'''ハエドゥイー族の者たちが反ローマ暴動を引き起こす'''
*① Dum haec ad [[w:la:Gergovia|Gergoviam]] geruntur,
**これらがゲルゴウィアの辺りでなされている間に、
*[[w:la:Haedui|Haedui]] primis nuntiis ab Litavicco acceptis
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の者たちは、[[w:リタウィックス|リタウィックス]]からの最初の知らせを受け取ったが、
*nullum sibi ad cognoscendum spatium relinquunt.
**自分たちには(この知らせを)調べるための余地を何ら残さなかった。
*② Impellit alios avaritia, alios iracundia et temeritas
**ある者たちを貪欲さが、ある者たちを激しやすさや無分別が駆り立てた。
*─ quae maxime illi hominum generi est innata ─ ut levem auditionem habeant pro re comperta.
**あの種族の人々はとりわけ、軽率な風聞を確認された事として見なすように、生まれついているのだ。
*③ Bona civium Romanorum diripiunt, caedes faciunt, in servitutem abstrahunt.
**(ハエドゥイー族の者たちは)ローマ市民たちの財産を略奪し、殺戮を行なって、隷属状態に引きずり込んだ。
*④ Adiuvat rem proclinatam Convictolitavis
**(さらに)傾いた事態を[[w:コンウィクトリタウィス|コンウィクトリタウィス]]が助長して、
*plebemque ad furorem impellit, ut facinore admisso ad sanitatem reverti pudeat.
**民衆を狂暴さへと、悪行を犯して冷静さへ引き返すことを恥と思うように、駆り立てた。
*⑤ M.(Marcum) Aristium tribunum militum iter ad legionem facientem
**<ruby><rb>[[w:トリブヌス・ミリトゥム|兵士長官]]</rb><rp>(</rp><rt>トリブヌス・ミリトゥム</rt><rp>)</rp></ruby>であるマルクス・アリスティウスが[[w:ローマ軍団|軍団]]のところへ旅しているところを
*fide data ex oppido [[w:la:Cabillonum|Cavillono]] educunt;
**(安全の)保証を与えて、城塞都市カウィッロヌムから連れ出した。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:カウィッロヌム Cavillonum はカビッロヌム Cabillonum とも綴り、現在の[[w:シャロン=スュル=ソーヌ|シャロン=スュル=ソーヌ]])</span>
*idem facere cogunt eos, qui negotiandi causa ibi constiterant.
**そこに商売をするために定住していた(ローマ人の)者たちにも同じことをするように強要した。
*⑥ Hos continuo <in><ref>in は写本にないが、近世の活字本から挿入されている。</ref> itinere adorti omnibus impedimentis exuunt;
**直ちに彼らを途中で襲撃して、すべての手荷物を奪い取った。
*repugnantes diem noctemque obsident;
**抵抗する者たちを昼夜にわたって包囲した。
*multis utrimque interfectis
**(ハエドゥイー族とローマ人の)双方とも多くの者たちが殺されて、
*maiorem multitudinem armatorum<ref>armatorum はα系写本の記述で、β系写本では ad arma となっている。</ref> concitant.
**(ハエドゥイー族の)より多くの群衆を武装へと扇動した。
===43節===
'''ハエドゥイー族当局がカエサルに屈服。ガッリア大動乱の予感'''
*① Interim nuntio adlato omnes eorum milites in potestate Caesaris teneri,
**その間に、彼ら(ハエドゥイー族)の兵士すべてがカエサルの権力下で支配されているという知らせがもたらされて、
*concurrunt ad Aristium,
**(ハエドゥイー族当局の者たちは)アリスティウスのところへ急ぎ集まって、
*nihil publico factum consilio demonstrant;
**(ローマ市民に対する襲撃は)何ら公けに企てがなされたものではないと説明した。
*② quaestionem de bonis direptis decernunt,
**(部族当局は、ローマ市民から)略奪された財産についての究明を決定して、
*Litavicci fratrumque bona publicant,
**リタウィックスと兄弟たちの財産を没収し、
*legatos ad Caesarem sui purgandi gratia mittunt.
**カエサルのところへ使節たちを、自分たちを赦免することのために遣わした。
*③ Haec faciunt reciperandorum<ref>reciperandorum はα系写本の記述で、β系写本では recuperandorum となっている。</ref> suorum causa;
**これらを、配下の者たち(=歩兵1万名)を取り戻すために行なったのだ。
*sed contaminati facinore et capti compendio ex direptis bonis,
**しかし(彼らは)悪行に汚染されていて、略奪した財産の利得にとらわれており、
*quod ea res ad multos pertinebat, timore<ref>timore はα系写本の記述で、β系写本では et timore となっている。</ref> poenae exterriti
**その事に多くの者たちが関与していたので、懲罰の恐れに脅かされて、
*consilia clam de bello inire incipiunt
**ひそかに戦争の謀計に取りかかり始めて、
*civitatesque reliquas legationibus sollicitant.
**ほかの諸部族を使節派遣によって、そそのかした。
*④ Quae tametsi Caesar intellegebat, tamen quam mitissime potest legatos appellat;
**カエサルはそのようなことを認識していたけれども、(ハエドゥイー族の)使節たちにできるだけ平静に話しかけた。
*nihil se propter inscientiam levitatemque vulgi gravius de civitate iudicare
**自分は(ハエドゥイー族の)民衆の無知や軽率さのために、部族を何ら厳重に裁断することはない、と。
*neque de sua in [[w:la:Haedui|Haeduos]] benevolentia deminuere.
**自分のハエドゥイー族に対する好意を減ずることはない、と。
*⑤ Ipse maiorem Galliae motum exspectans,
**(カエサル)自身は、ガッリアのより大きな動乱を予期しており、
*ne ab omnibus civitatibus circumsisteretur,
**すべての部族によって包囲されることがないように、
*consilia inibat, quemadmodum ab<ref>ab はχ系写本の記述で、φ系写本では a となっており、β系写本にはない。</ref> [[w:la:Gergovia|Gergovia]] discederet ac rursus omnem exercitum contraheret,
**どのようにゲルゴウィアから撤退して再び軍隊全体を集結するか、策定に取りかかった。
*ne profectio nata ab<ref>ab はα系写本の記述で、β系写本では a となっている。</ref> timore defectionis similis<ref>similis はα系写本の記述で、β系写本では similisque となっている。</ref> fugae videretur.
**(諸部族の)背反の恐れから生じた出発が、逃亡同然と見られないように。
===44節===
'''ゲルゴウィアの急所の尾根'''
[[画像:Plateau_of_Gergovia.jpg|thumb|center|900px|ゲルゴウィア([[w:la:Gergovia|Gergovia]])すなわち現在のジェルゴヴィ高地([[w:fr:Plateau de Gergovie|Plateau de Gergovie]])の全景(南方のル・クレスト [[w:fr:Le Crest|Le Crest]] から撮影)。<br>画像中央の右下に、ローマ勢が占領して小さい方の陣営を築いていたと推定されているラ・ロシュ=ブランシュ([[w:fr:La Roche-Blanche (Puy-de-Dôme)|La Roche-Blanche]])の丘陵が見える。<br>本節①項で言及されているのは画像の左端に写る丘陵と思われ、尾根伝いにほぼ平坦なゲルゴウィアの山頂(画像中央)に続いている。<br>これらの位置関係の推定は、19世紀の[[w:ウジェーヌ・ストッフェル|ウジェーヌ・ストッフェル]]大佐(colonel Eugène Stoffel)の発掘調査に依拠したものである。]]
[[画像:La_Roche_Blanche.JPG|thumb|right|300px|ローマ勢が占領して小さい方の陣営を築いていたと推定されているラ・ロシュ=ブランシュ([[w:fr:La Roche-Blanche (Puy-de-Dôme)|La Roche-Blanche]])の丘陵]]
*① Haec cogitanti accidere visa est facultas bene rei gerendae<ref>rei gerendae はα系写本の記述で、β系写本では gerendae rei となっている。</ref>.
**(カエサルが)これらを考慮しているときに、事をうまく行なえる可能性が生じたと思われた。
*Nam cum in minora castra operis perspiciendi causa venisset,
**すなわち、(ローマ勢の)小さい方の陣営に、作業を視察するためにやって来たときに、
*animadvertit collem qui ab hostibus tenebatur nudatum hominibus,
**敵たちによって占められていた丘陵が、無人にされているのに気付いた。
*qui superioribus diebus vix prae multitudine cerni poterat.
**それは、前日には、(ガッリア勢の)大勢の者たちのためにほとんど見分けが付けられないものだった。
*② Admiratus quaerit ex perfugis causam,
**(カエサルは)驚いて、(ゲルゴウィアからの)[[w:脱走兵|脱走兵]]たちに理由を尋ねた。
*quorum magnus ad eum cotidie numerus confluebat.
**その者たちの多数は、毎日、彼(カエサル)のところへ群がり集まっていたのだ。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#14節|14節]]⑨項で既述のように、ガッリア勢は[[w:兵役逃れ|兵役忌避]]の多さに悩まされていた。)</span>
*③ Constabat inter omnes
**(脱走兵たち)皆の間では同じ意見であった。
*─ quod iam ipse Caesar per exploratores cognoverat ─
**─ すでにカエサル自身が偵察者たちを通して知っていたことであったが ─
*dorsum esse eius iugi prope aequum, sed silvestre<ref>silvestre はβ系写本の記述で、α系写本では hunc silvestrem となっている。</ref> et angustum,
**その尾根の背面はほぼ平地で、しかし森林におおわれて狭く、
*qua esset aditus ad alteram partem oppidi<ref>partem oppidi はα系写本の記述で、β系写本では oppidi partem となっている。</ref>;
**それによって城塞都市の別の方面への出入口となっている、と。
*④ vehementer huic illos loco<ref>vehementer huic illos loco はα系写本の記述で、β系写本では huic loco vehementer illos となっている。</ref> timere nec iam aliter sentire,
**この地帯を彼ら(ガッリア勢)が極度に恐れ、すでに感じていたことには、
*uno colle ab Romanis occupato, si alterum amisissent,
**ローマ人によって一つの丘陵が占領されているので、もしもう一方をも失ったならば、
*quin paene circumvallati atque omni exitu et pabulatione interclusi viderentur;
**(ゲルゴウィアが)ほとんど包囲されて、あらゆる出口と糧秣徴発を阻まれると思われたのである。
*ad hunc muniendum locum<ref>locum はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> omnes a [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorige]] evocatos.
**この地帯の辺りを防御するために、[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]により総勢が召集されていたのだ、と。
===45節===
'''ローマ勢の陽動部隊が敵を引き付け、本隊が敵の本陣を目指す'''
*① Hac re cognita Caesar mittit complures equitum turmas eodem<ref>eodem はβ系写本の記述で、α系写本では eisdem などとなっており、またモイゼル(Meusel)は eo de と解釈している。</ref> media nocte;
**この事を知って、カエサルは多数の[[w:騎兵|騎兵]]<ruby><rb>小隊</rb><rp>(</rp><rt>トゥルマ</rt><rp>)</rp></ruby>を同じところに真夜中に派遣した。
**:<span style="color:#009900;"> (訳注:騎兵小隊 turma は、ローマの同盟部族などからなる騎兵の単位で、30騎ほどからなるとされている。)</span>
*imperat his<ref>his はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> ut paulo tumultuosius omnibus locis vagarentur<ref>vagarentur はα系写本の記述で、β系写本では pervagentur となっている。</ref>.
**彼らには、いくらか騒々しく、あらゆる場所を動き回るように命令した。
*② Prima luce magnum numerum impedimentorum ex castris mulorumque produci deque his stramenta detrahi
**夜明けに、陣営から多数の荷馬や[[w:ラバ|ラバ]]を連れ出して、これらから[[w:鞍|荷鞍]]を取り去って、
*mulionesque cum cassidibus equitum specie ac simulatione collibus circumvehi iubet.
**ラバ引きの者たちを鉄兜とともに、騎兵の外見と真似をさせて、丘々を乗り回すことを命じた。
*③ His paucos addit equites, qui latius ostentationis causa vagarentur<ref>vagarentur はα系写本の記述で、β系写本では vagentur となっている。</ref>.
**彼らに少数の騎兵を付き添わせて、より広く見せびらかすために動き回らせた。
*Longo circuitu easdem omnes iubet petere regiones.
**(ラバ引きと騎兵の)皆には、長く迂回して、同じ一帯を目指すことを命じた。
*④ Haec procul ex oppido videbantur, ut erat a Gergovia despectus in castra,
**これらは<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>から遠くに望見され、ゲルゴウィアから(ローマ勢の)陣営が眺められたほどであったが、
*neque tanto spatio certi quid esset explorari poterat.
**これほどの距離のために(ガッリア勢からは)何ごとか確かなことは探り出されなかった。
*⑤ Legionem unam eodem iugo mittit
**(カエサルは)1個[[w:ローマ軍団|軍団]]を同じ尾根に派遣して、
*et paulum progressam inferiore constituit loco silvisque occultat.
**いくらか前進させて低い場所に駐留させ、森林に隠した。
*⑥ Augetur Gallis suspicio
**(これらを見た)ガッリア人には疑念が増されて、
*atque omnes illo ad munitionem copiae traducuntur.
**軍勢のすべてがあそこ(=無人にしていた急所の丘陵)へ防御のために移動した。
*⑦ Vacua castra hostium Caesar conspicatus
**カエサルは敵たちの(ゲルゴウィア山頂の)陣営が空であると気付いて、
*tectis insignibus suorum occultatisque signis militaribus
**配下の者たちの標章を覆い隠し、軍旗を隠して、
*raros milites, ne ex oppido animadverterentur, ex maioribus castris in minora traducit
**兵士たちをまばらに、城塞都市から気付かれないように、大きい方の陣営から小さい方に移動させた。
*legatisque, quos singulis legionibus praefecerat, quid fieri velit, ostendit;
**個々の軍団を指揮させていた<ruby><rb>[[w:レガトゥス|副官]]</rb><rp>(</rp><rt>レガトゥス</rt><rp>)</rp></ruby>たちに、何がなされることを欲しているかを示した。
*⑧ in primis monet ut contineant milites,
**第一に、兵士たちを抑え留めるように戒めた。
*ne studio pugnandi aut spe praedae longius progrediantur;
**(兵士たちが)戦うことの熱意、あるいは略奪の希望により、より遠くまで進み出ないように、と。
*⑨ quid iniquitas loci habeat incommodi proponit;
**地勢の不利がどれほど敗北を生じるかを示した。
*hoc una celeritate posse vitari<ref>vitari はβ系写本の記述で、α系写本では mutari となっている。</ref>;
**迅速さのみがこれを避けることができる。
*occasionis esse rem, non proelii.
**事の成否は、戦闘にではなく、好機にかかっている。
*⑩ His rebus expositis signum dat
**これらの事柄を説明して、(副官たちに進軍の)号令を出した。
*et ab dextra parte alio ascensu eodem tempore Haeduos mittit.
**右の方面からは、別の登り道を(ローマ軍本隊と)同時に[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]](の騎兵)を派遣した。
===46節===
'''ローマ軍の本隊が防壁を越えて、敵陣の一部を占拠'''
*① Oppidi murus ab<ref>ab はB・M・L・N写本の記述で、β系写本では a となっている。</ref> planitie atque initio ascensus recta regione,
**(ゲルゴウィアの)<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>の城壁は、平地や登り道の始まりから真っ直ぐに(=直線距離で)、
*si nullus amfractus<ref>amfractus はα系写本の記述で、β系写本では anfractus となっている。</ref> intercederet, mille CC(mille ducenti)<ref>mille CC(=1200) はα系写本の記述で、β系写本では CC(=200)となっている。</ref> passus aberat;
**もし何らの湾曲が間になければ、1200[[w:パッスス|パッスス]](=約1.8km)離れていた。
*② quicquid huc circuitus ad molliendum clivum accesserat<ref>accesserat は写本(ω)の記述だが、オットー・ゼール [[w:de:Otto Seel|Otto Seel]] の校訂では accesserit としている。</ref>,
**ここに(山の斜面の)傾斜を緩和するために、何らかの回り道が付け加わっていて、
*id spatium itineris augebat.
**その道のりの距離を増していた。
*③ A medio fere colle in longitudinem, ut natura montis ferebat,
**丘陵のほぼ真ん中から、山の地形が作り出したかのように、長きにわたって、
*ex grandibus saxis sex pedum murum qui nostrum<ref>nostrum は中世の写本(ω)の記述だが、近世の版では nostrorum となっている。</ref> impetum tardaret,
**大きな石垣からなる6[[w:ペース (長さ)|ペース]](=約1.8m)もの、我が方(ローマ勢)の突進を遅らせる防壁を、
*praeduxerant Galli,
**ガッリア人は引いて来ており、
*atque inferiore omni spatio vacuo relicto
**(その石垣の防壁)より下方のすべての空間は人気なく残されていて、
*superiorem partem collis usque ad murum oppidi densissimis castris compleverant.
**丘陵のより上方の部分を、城塞都市の城壁の方へ続けざまに、とても密集した(各部族ごとの)陣営で満たしていた。
*④ Milites dato signo celeriter ad munitionem perveniunt
**(ローマ人の)兵士たちは号令を与えられて、速やかに(石垣の)防壁のところへ到達して、
*eamque transgressi trinis castris potiuntur;
**それを越えて行って、3つの(部族ごとの)陣営を占拠した。
*⑤ ac tanta fuit in castris capiendis<ref>castris capiendis はα系写本の記述で、β系写本では capiendis castris となっている。</ref> celeritas,
**(3つの)陣営を奪取することにおいて、これほどにも迅速さがあったので、
*ut Teutomatus, rex Nitiobrogum, subito in tabernaculo oppressus,
**その結果、[[w:ニティオブロゲス族|ニティオブロゲス族]]の王[[w:テウトマトゥス|テウトマトゥス]]は、[[w:テント|天幕]]において突然に襲われて、
*ut meridie conquieverat, superiore corporis parte nudata<ref>nudata はα系写本の記述で、β系写本では nuda となっている。</ref>
**昼寝をしていたが、上半身は裸のままで、
*vulnerato equo vix se ex manibus praedantium militum eriperet.
**傷付けられた馬によって、略奪している(ローマ人)兵士の手から、やっと自らを救い出した。
===47節===
'''血気にはやるローマ兵たちの猪突猛進、ガッリア女たちの命乞い'''
*① Consecutus id quod animo proposuerat
**心に決めていたことを達成したので、
*Caesar receptui cani iussit
**カエサルは退却ラッパを吹くことを命じた。
*legionique decimae, quacum erat, contionatus signa constituit.
**彼とともにいた[[w:第10軍団エクェストリス|第10軍団]]に呼びかけて、軍旗を停止した。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:第10軍団はガッリア戦争初期からの最古参の軍団。軍旗を停止するとは、進軍を止めること。)</span>
*② Ac<ref>ac はα系写本の記述で、β系写本では at となっている。</ref> reliquarum legionum milites non exaudito<ref>exaudito はα系写本の記述で、β系写本では audito となっている。</ref> sono tubae,
**ほかの[[w:ローマ軍団|軍団]]の兵士たちは、ラッパの響きを聞き取れなかった。
*quod satis magna valles intercedebat,
**というのは、十分に大きな峡谷が間にあったからである。
*tamen ab<ref>ab はα系写本の記述で、β系写本では a となっている。</ref> tribunis militum legatisque, ut erat a Caesare praeceptum, retinebantur;
**しかしながら、<ruby><rb>[[w:トリブヌス・ミリトゥム|兵士長官]]</rb><rp>(</rp><rt>トリブヌス・ミリトゥム</rt><rp>)</rp></ruby>たちや<ruby><rb>[[w:レガトゥス|総督副官]]</rb><rp>(</rp><rt>レガトゥス</rt><rp>)</rp></ruby>たちにより、カエサルから指図されていたように、制止されていた。
*③ Sed elati spe celeris victoriae et hostium fuga et superiorum temporum secundis proeliis
**だが(兵士たちは)迅速な勝利の希望や、敵たちの逃亡や、それ以前のときの順調な戦闘により、高慢になっていて、
*nihil adeo arduum sibi esse existimaverunt<ref>esse existimaverunt はα系写本の記述で、β系写本では existimabant となっている。</ref>, quod non virtute consequi possent,
**自分たちにとって、武勇で達することができないほどの困難なものはまったく何もない、と考えており、
*neque finem prius sequendi fecerunt quam muro oppidi portisque adpropinquarunt.
**(ゲルゴウィアの)城塞都市の城壁や城門に近付くまでは、追及を終結させなかった。
*④ Tum vero ex omnibus urbis partibus orto clamore,
**すると、まさに(ゲルゴウィアの)町のあらゆる方面から叫び声が発せられて、
*qui longius aberant, repentino tumultu perterriti,
**(城内の)遠い方に離れていた者たちは、予期せぬ騒ぎに脅えており、
*cum hostem intra portas esse existimarent,
**敵(=ローマ人)が城門の内側にいると考えたので、
*sese ex oppido eiecerunt.
**城塞都市から急ぎ出た。
*⑤ Matres familiae de muro vestem argentumque iactabant
**家庭の母親たちは、城壁から衣類や貨幣をたびたび投げやった。
*et pectore nudo prominentes passis manibus obtestabantur Romanos,
**そして胸を裸にして(城壁の上に)進み出て、手を伸ばしてローマ人たちに哀願した。
*ut sibi parcerent
**自分たちを容赦するように、
*neu, sicut Avarici fecissent, ne a mulieribus quidem atque infantibus abstinerent;
**(ローマ人が)アウァーリクムでしたように女たちや子供たちでさえも赦免しないことのないように、と。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:ne quidem|ne ~ quidem]]「~でさえ…ない」)</span>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ローマ人がアウァーリクムでした行為については、[[#28節|28節]]④項を参照。)</span>
*⑥ nonnullae de muris<ref>muris はα系写本の記述で、β系写本では mure となっている。</ref> per manus demissae sese militibus tradebant.
**少なからぬ者たちは、城壁から手で降ろされて、(ローマ人)兵士たちに身を任せた。
[[画像:Gergovie_mur_pano2.jpg|thumb|center|700px|ゲルゴウィア([[w:la:Gergovia|Gergovia]])すなわち現在のジェルゴヴィ高地([[w:fr:Plateau de Gergovie|Plateau de Gergovie]])で発掘された城壁の遺構。]]
*⑦ L.(Lucius) Fabius centurio legionis VIII(octavae),
**[[w:第8軍団アウグスタ|第8軍団]]の<ruby><rb>[[w:ケントゥリオ|百人隊長]]</rb><rp>(</rp><rt>ケントゥリオ</rt><rp>)</rp></ruby>であるルキウス・ファビウスは、
*quem inter suos eo die dixisse constabat
**配下の者たちの間で、その日、(以下のように)言ったことが知られていた。
*excitari se Avaricensibus praemiis neque commissurum, ut prius quisquam murum ascenderet,
**自分はアウァーリクムの恩賞に奮い立たせられて、何者かが(自分)より早く城壁を登るようなことは生じさせない、と。
*tres suos nactus manipulares
**(ファビウスは)同じ隊の兵士である3人の配下と遭遇して、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:manipulares は「[[w:マニプルス|歩兵中隊]]の」とも解されるが、ここでは「同じ隊の兵士」という意味であろう。)</span>
*atque ab his sublevatus murum ascendit,
**彼らによって持ち上げられて城壁を登った。
*hos<ref>hos はα系写本の記述で、π系写本では eos 、ρ系写本では eo となっている。</ref> ipse rursus singulos exceptans in murum extulit.
**彼らは(ファビウス)自身が再び1人ずつ引き出して、城壁に導き上げた。
===48節===
'''ガッリア勢が城塞都市に引き返して、防戦に努める'''
*① Interim hi<ref>hi はα系・π系・R写本の記述で、U写本では ii となっている。</ref> qui ad alteram partem oppidi, ut supra demonstravimus, munitionis causa convenerant,
**その間に、前に述べたように、<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>の別の方面へ、防御のために集結していた(ガッリア勢の)者たちは、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#45節|45節]]⑥項で述べられている。)</span>
*primo exaudito clamore,
**初めに叫び声を聞き取り、
*inde etiam crebris nuntiis incitati oppidum ab Romanis teneri,
**さらに、城塞都市がローマ人たちによって占領されたという頻繁な知らせにさえも駆り立てられて、
*praemissis equitibus magno concursu<ref>concursu はα系写本の記述で、β系写本では cursu となっている。</ref> eo contenderunt.
**[[w:騎兵|騎兵]]たちを先遣して、(歩兵たちも)駆けに駆けて、そこ(=城塞都市)へ急いだ。
[[画像:Auvergne_Gaul_coin_CdM.jpg|thumb|right|300px|[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]の兵士が刻まれた貨幣([[w:ビブリオテーク・ナショナル|仏国立図書館]]貨幣部所蔵)]]
*② Eorum ut quisque primus venerat,
**彼らの(城塞都市に)到着した者から順々に
**:<span style="color:#009900;">(訳注:quisque primus「最初の者ごとに;順々に」)</span>
*sub muro consistebat suorumque pugnantium numerum augebat.
**城壁の下に陣取って、味方の戦う者たちの数を増した。
*③ Quorum cum magna multitudo convenisset,
**その者たちの大群集が集結したときに、
*matres familiae quae paulo ante Romanis de muro manus tendebant,
**少し前にはローマ人たちに城壁から手を差し出していた家庭の母親たちが
*suos obtestari
**味方に哀願して、
*et more Gallico passum capillum ostentare liberosque in conspectum proferre coeperunt.
**ガッリアの風習により、髪を広げて示し、子供たちを(男たちの)眼前に運び始めた。
*④ Erat Romanis nec loco nec numero aequa contentio;
**ローマ人たちにとっては、地の利でも(兵の)数でも、対等な闘いはなかった。
*simul et cursu et spatio pugnae defatigati
**と同時に、戦いの疾走や時間(の長さ)に疲弊させられていて、
*non facile recentes atque integros sustinebant.
**(ガッリア勢の)新来かつ無傷の者たちに、容易に持ちこたえられなかった。
===49節===
'''カエサルが劣勢の自軍に副官セクスティウスを増援する'''
*① Caesar cum iniquo loco pugnari hostiumque augeri copias videret,
**カエサルは(戦闘が自軍に)不利な場所で戦われていること、かつ敵方の軍勢が増やされていることを見たので、
*praemetuens suis
**配下の者たちを気遣って、
*ad T.(Titum) Sextium legatum, quem minoribus castris praesidio reliquerat, misit,
**小さい方の陣営に守備として残しておいた<ruby><rb>[[w:レガトゥス|総督副官]]</rb><rp>(</rp><rt>レガトゥス</rt><rp>)</rp></ruby>ティトゥス・セクスティウスのところへ(伝令を)遣わして、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:セクスティウスについては、すでに副官として[[ガリア戦記 第6巻#1節|第6巻1節]]で言及されている。)</span>
*ut cohortes ex castris celeriter educeret
**陣営から(いくつかの)<ruby><rb>[[w:コホルス|歩兵大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>を速やかに進発させるように、
*et sub infimo colle ab dextro latere hostium constitueret,
**かつ丘陵のふもとの下方で、敵方の右の側面に布陣するように、と。
*② ut, si nostros loco depulsos vidisset, quominus libere hostes insequerentur terreret.
**もし我が方が(戦闘の)場所から追いやられたのを見たら、敵方が自由に追撃することにならぬよう脅かすためである。
*③ Ipse paulum ex eo loco cum legione progressus, ubi constiterat,
**(カエサル)自身は、停止していた場所から、軍団とともに少し前進して、
**:<span style="color:#009900;">([[#47節|47節]]①項で既述のように、カエサルとともに停止していたのは[[w:第10軍団エクェストリス|第10軍団]]である。)</span>
*eventum pugnae exspectabat.
**戦いの決着を待っていた。
===50節===
'''激戦の末、敗勢に陥るローマ軍'''
*① Cum acerrime comminus pugnaretur, hostes loco et numero, nostri virtute confiderent,
**(両軍により)激烈に格闘して戦われていて、敵方は地の利と(兵の)数を、我が方(ローマ軍)が武勇を頼りとしていたときに、
*subito sunt Haedui visi ab latere nostris aperto,
**突如として、我が方にとって開けた側面(=右側)から、[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の者たち(の姿)が見られた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:「開けた側面から」ab latere aperto とは、兵士の[[w:スクトゥム|長盾]]で覆われていない右側を指す。)</span>
*quos Caesar ab dextra parte alio ascensu manus distinendae causa miserat.
**カエサルがその者たちを右の方面から別の登り道により(敵の)部隊を分散しておくために派遣していたのだ。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:この事は、[[#45節|45節]]⑩項で述べられている。)</span>
*② Hi similitudine armorum vehementer nostros perterruerunt,
**彼らの武具が(ガッリア勢のものと)似ていることが、我が方(の兵士たち)を極度に怖れさせた。
*ac tametsi dextris humeris<ref>humeris が写本(ω)の記述であるが、umeris とするのも一般的となっている。</ref> exsertis animadvertebantur, quod insigne pactum<ref>pactum はHellerによる修正提案で、写本(ω)では pacatum となっており、研究者たちにより他の修正も提案されている。</ref> esse consuerat,
**(ハエドゥイー勢は)右の肩を脱いでいるのが視認され、その印は(味方として)定められているのが常であったが、
*tamen id ipsum sui fallendi causa milites ab hostibus factum existimabant.
**けれども(ローマ人の)兵士たちは、それ自体が自分たちを欺くために、敵方によりなされたと考えたのだ。
[[画像:Dorf_La_Roche_Blanche.JPG|thumb|right|300px|ゲルゴウィア([[w:la:Gergovia|Gergovia]])すなわち現在のジェルゴヴィ高地([[w:fr:Plateau_de_Gergovie|Plateau de Gergovie]])の遠景(南方のル・クレスト [[w:fr:Le_Crest|Le Crest]] から撮影)。画像中央がローマ軍が小さい方の陣営を設置していたと推定されているラ・ロシュ=ブランシュ([[w:fr:La_Roche-Blanche_(Puy-de-Dôme)|La Roche Blanche]])の丘陵で、山頂からこの丘陵の辺りが激戦地だったと思われる。現在は山麓にかけて住宅地が広がっている。]]
*③ Eodem tempore L.(Lucius) Fabius centurio quique una murum ascenderant,
**同じ時に、<ruby><rb>[[w:ケントゥリオ|百人隊長]]</rb><rp>(</rp><rt>ケントゥリオ</rt><rp>)</rp></ruby>ルキウス・ファビウスおよび一緒に城壁を登っていた者たちは、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ファビウスらについては、[[#47節|47節]]⑦項で述べられている。)</span>
*circumventi atque interfecti de<ref>de はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> muro praecipitabantur.
**(ガッリア勢に)取り囲まれ、殺害されて、城壁から突き落とされた。
*④ M.(Marcus) Petronius, eiusdem legionis centurio,
**同じ[[w:ローマ軍団|軍団]]の百人隊長マルクス・ペトロニウスは、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ファビウスと同じ軍団とは、[[#47節|47節]]⑦項で述べられているように[[w:第8軍団アウグスタ|第8軍団]]である。)</span>
*cum portas<ref>portas は写本(ω)の記述だが、portam と単数形にする修正も提案されている。</ref> excidere conatus esset,
**城門を突き破って出ることを試みていたときに、
*a multitudine oppressus ac sibi desperans multis iam vulneribus acceptis,
**(敵の)大勢によって圧倒されて、すでに多くの傷を受けて自分に絶望しており、
*manipularibus suis, qui illum secuti erant<ref>secuti erant はα系写本の記述で、β系写本では erant secuti となっている。</ref>,
**彼に付き従っていた同じ隊の配下の者たちに、
*"quoniam" inquit "me una vobiscum servare non possum,
**曰く「私と諸君を一緒に救うことはできないのだから、
*vestrae quidem certe vitae prospiciam, quos cupiditate gloriae adductus in periculum deduxi.
**せめて、栄誉の欲に引き寄せられて危険に引きずり込んでしまった諸君の生命にはきっと見通しを与えるであろう。
*⑤ Vos data facultate vobis consulite."
**諸君は(生き延びる)可能性が与えられているから、諸君(自身)を助けたまえ。」
*Simul in medios hostes inrupit duobusque interfectis reliquos a porta paulum submovit.
**と同時に、敵方の真ん中に押し入って、2名を殺害して、ほかの者たちを城門からいくらか退けた。
*⑥ Conantibus auxiliari suis
**(ペトロニウスは自分の)支援を試みる配下の者たちに、
*"frustra" inquit "meae vitae subvenire conamini, quem iam sanguis viresque deficiunt.
**曰く「もはや血も活力も尽き果てた私の生命を助けることを試みているのは無益だ。
*Proinde abite, dum est facultas, vosque ad legionem recipite."
**ゆえに(生き延びる)可能性がある間に立ち去れ。諸君は軍団のところへ退却せよ。」
*Ita pugnans post paulum<ref>paulum はα系・ρ系写本の記述で、π系写本では paululum となっており、paulo という修正提案もされている。</ref> concidit ac suis saluti fuit.
**こうして(ペトロニウスは)戦って少し後で斃れ、配下の者たちにとっては救いとなった。
===51節===
[[画像:Monument_gergovie_fr.jpg|thumb|right|290px|[[w:ゲルゴウィアの戦い|ゲルゴウィア戦勝]]記念碑。[[w:1903年|1903年]]に[[w:クレルモン=フェラン|クレルモン=フェラン市]]出身の建築家ジャン・テラール([[w:fr:Jean Teillard|Jean Teillard]])が、侵略者カエサルを撃退した郷土の英雄[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]に捧げるためにジェルゴヴィ高地([[w:fr:Plateau_de_Gergovie|Plateau de Gergovie]])に建立したものである。]]
[[画像:Plaque_Napoléon_III_Gergovie.jpg|thumb|right|300px|[[w:ゲルゴウィアの戦い|ゲルゴウィア]]の地に残る銘板。フランス語で「[[w:ナポレオン3世|ナポレオン3世]]は、1862年のゲルゴウィアの[[w:オッピドゥム|城塞都市]](跡)訪問の結果、メルドーニュ(Merdogne)の住民たちの要求に対して、1865年1月11日の政令によって、彼らの村にジェルゴヴィ([[w:fr:Gergovie|Gergovie]])の名を与えることを決定した。」<!-- «A la suite de sa visite sur l'oppidum de Gergovia en 1862, Napoléon III, à la demande des habitants de Merdogne, décida d'attribuer à leur village le nom de Gergovie, par décret du 11 janvier 1865.»-->]]
'''カエサルが一敗地に塗れる'''
*① Nostri cum undique premerentur,
**我が方(ローマ軍)は、至る所で圧倒されたので、
*XLVI(sex et quadraginta)<ref>XLVI はα系写本の記述で、β系写本では sex et XL となっている(どちらも46)。</ref> centurionibus amissis deiecti sunt loco.
**46名の<ruby><rb>[[w:ケントゥリオ|百人隊長]]</rb><rp>(</rp><rt>ケントゥリオ</rt><rp>)</rp></ruby> を失い、(激戦の)場所から追いやられた。
*Sed intolerantius Gallos insequentes
**けれども、容赦なく追撃して来るガッリア人たちを
*legio decima tardavit, quae pro subsidio paulo aequiore loco constiterat.
**予備部隊(もしくは要撃部隊)として、いくらか平らな所に陣取っていた[[w:第10軍団エクェストリス|第10軍団]]が妨げた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#47節|47節]]①項で既述のように、第10軍団はカエサルとともに待機していた。)</span>
*② Hanc rursus XIII(tertiae decimae) legionis cohortes exceperunt,
**これ(=第10軍団)をさらに、第13軍団の諸<ruby><rb>[[w:コホルス|大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>が支えた。
*quae ex castris minoribus eductae cum T.(Tito) Sextio legato ceperant locum<ref>ceperant locum はα系写本の記述で、β系写本では locum ceperant となっている。</ref> superiorem.
**それらは<ruby><rb>[[w:レガトゥス|総督副官]]</rb><rp>(</rp><rt>レガトゥス</rt><rp>)</rp></ruby>ティトゥス・セクスティウスとともに小さい方の陣営から進発してより高い所を占めていたのだ。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#49節|49節]]を参照。)</span>
*③ Legiones ubi primum planitiem attigerunt,
**諸[[w:ローマ軍団|軍団]]は、平野に達するや否や、
*infestis contra hostes signis constiterunt.
**敵方に抗して戦備を整えて陣取った。
*④ [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]] ab radicibus collis suos intra munitiones reduxit.
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は、配下の者たちを丘陵の麓から(ゲルゴウィアの)防備の内側に連れ戻した。
*Eo die milites sunt paulo minus [[wikt:la:Septingenti|septingenti]] desiderati.
**その日、(ローマ軍は)700名よりいくらか少ない兵士を失った。
<br>
:<span style="color:#009900;">(訳注:カエサルとウェルキンゲトリークスは、たびたび交えた騎兵戦ではカエサルが勝っているが、</span>
:<span style="color:#009900;">両軍の主力部隊である歩兵どうしが激突したこの戦闘は、地の利もあって、ウェルキンゲトリークスが完勝した。</span>
:<span style="color:#009900;">カエサルは第8軍団など古参の部隊を投入しながら、歴戦の百人隊長と兵士たちを多く失った。)</span>
===52節===
'''敗軍の将カエサルが兵士たちを責める'''
*① Postero die Caesar contione advocata
**翌日にカエサルは(兵士たちの)集会を召集して、
*temeritatem cupiditatemque militum<ref>cupiditatemque militum はα系写本の記述で、β系写本では militum cupiditatemque となっている。</ref> reprehendit,
**兵士たちの無思慮や功名心をとがめた。
*quod sibi ipsi iudicavissent, quo procedendum aut quid agendum videretur,
**というのは、どこへ進み出るべきか、あるいは何がなされるべきと思われるのか、自分たちに対し自分たちで判断してしまったからだ。
*neque signo recipiendi dato constitissent
**退却することの合図を与えられても留まりもせず、
*neque ab<ref>ab はα系写本の記述で、β系写本では a となっている。</ref> tribunis militum legatisque retineri potuissent.
**<ruby><rb>[[w:トリブヌス・ミリトゥム|兵士長官]]</rb><rp>(</rp><rt>トリブヌス・ミリトゥム</rt><rp>)</rp></ruby>や<ruby><rb>[[w:レガトゥス|総督副官]]たち</rb><rp>(</rp><rt>レガトゥス</rt><rp>)</rp></ruby>により制止されることもできなかったからだ。
*② Exposuit quid iniquitas loci posset, quod<ref>quod は写本(ω)では quid となっているが、近世以降の校訂者たちは quod と修正提案している。</ref> ipse ad [[w:la:Avaricum Biturigum|Avaricum]] sensisset,
**地の利のなさがどれほど影響するのか、(カエサル)自身がアウァーリクムで判断したことを説明した。
*cum sine duce et sine equitatu deprehensis hostibus
**将帥もなく騎兵隊もない敵たちを探し当てたときに、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#18節|18節]]~[[#19節|19節]]を参照。そのときガッリア勢は、ウェルキンゲトリークスが騎兵隊を連れて出て不在であった。)</span>
*exploratam victoriam dimisisset,
**確実であった勝利を諦めたのだ。
*ne parvum modo detrimentum in contentione propter iniquitatem loci accideret.
**地の利のなさのために、闘いにおいてほんのわずかな損害も生じないように(勝利を諦めたのだ)。
*③ Quanto opere<ref>Quanto opere はα系写本の記述で、β系写本では Quantopere となっている。</ref> eorum animi magnitudinem admiraretur,
**彼ら(兵士たち)の大胆さに(カエサルが)驚嘆すればするほど、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:quanto opere ~ tanto opere …/quantopere ~ tantopere …「~すればするほど、ますます…」)</span>
*quos non castrorum munitiones, non altitudo montis, non murus oppidi tardare potuisset,
**彼らのことを(ガッリア勢の)陣営の防備も、山の高さも、[[w:オッピドゥム|城塞都市]]の城壁も妨げることができなかったのではあるが、
*tanto opere<ref>tanto opere はα系・T・ρ系写本の記述で、V写本では tantopere となっている。</ref> licentiam arrogantiamque reprehendere,
**それだけにますます(兵士たちの)勝手気ままさや高慢さを(カエサルは)非難する(と言った)。
*quod plus se quam imperatorem de victoria atque exitu rerum sentire existimarent;
**というのは、自分たちが将軍(カエサル)よりも勝利と事の結末についてよく判断していると考えていたからだ。
*④ nec<ref>nec はα系写本の記述で、β系写本では non となっている。</ref> minus se ab<ref>ab はα系写本の記述で、β系写本では in となっている。</ref> milite modestiam et continentiam quam virtutem atque animi magnitudinem desiderare.
**自分(カエサル)は兵士たちに、武勇や大胆さよりも、慎重さや自制心を望んでいるのだ。
*:<span style="color:#009900;">(訳注:カエサルは兵士たちを上のように責めたが、兵士たちを統制できなかった責任は最高司令官にある。)</span>
===53節===
'''カエサルとローマ軍がゲルゴウィアから撤退'''
*① Hac habita contione et ad extremam orationem confirmatis militibus,
**(カエサルは)このような熱弁を振るって、演説の最後に、兵士たちを元気付けた。
*ne ob hanc causam animo permoverentur
**このような理由のために心をかき乱されないように、
*neu, quod iniquitas loci attulisset, id virtuti hostium tribuerent,
**かつ、地の利のなさが引き起こしたことを、敵方の武勇に転嫁しないように、と。
*eadem de profectione cogitans, quae ante senserat,
**(ゲルゴウィアからの)出発については、以前から判断していたのと同じことを考えていて、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#43節|43節]]⑤項を参照。ゲルゴウィアからの撤退が敗走同然に見られないようにと、考えていたのであろう。)</span>
*legiones ex castris eduxit aciemque idoneo loco constituit.
**諸[[w:ローマ軍団|軍団]]を陣営から進発させて、適切な場所に戦列を整えた。
*② Cum [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]] nihilo minus < intra munitiones remaneret neque > in aequum locum descenderet,
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]が、防備の内側に留まったばかりか、平らな場所に降りてこなかったので、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:< intra munitiones remaneret neque > は、写本になく、近代に挿入提案された修正案の一つ。)</span>
*levi facto equestri proelio, atque secundo, in castra exercitum reduxit.
**軽微な騎兵戦を行なって、順調のうちに軍隊を陣営に連れ戻した。
*③ Cum hoc idem postero die fecisset,
**翌日もこれと同じことを行なって、
*satis ad Gallicam ostentationem minuendam militumque animos confirmandos factum existimans
**ガッリア人の誇示を弱めること、および(ローマ人)兵士の心を強固にすることが十分になされたと考えたので、
*in [[w:la:Haedui|Haeduos]] movit castra.
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]のところに陣営を移(すために出発)した。
*④ Ne tum quidem insecutis hostibus
**そのとき、敵方は決して追撃して来なかったので、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:ne quidem|ne ~ quidem]]「~でさえ…ない」)</span>
*tertio die ad flumen [[w:la:Elaver|Elaver]] pontes<ref>pontes はα系写本の記述で、β系写本では pontem となっている。</ref> reficit<ref>reficit はχ系・B・M・L・N写本の記述で、S写本では refecit となっている。</ref> eoque exercitum<ref>eoque exercitum はα系写本の記述で、β系写本では exercitumque となっている。</ref> traducit<ref>traducit はα系写本の記述で、β系写本では traduxit となっている。</ref>.
**3日目にはエラウェル川(=現在の[[w:アリエ川|アリエ川]])のところで橋を再建して、そこで軍隊を渡らせた。
===54節===
'''ハエドゥイー族のエポレドリクスとウィリドマルスらがカエサルのもとから立ち去る'''
*① Ibi a Viridomaro atque [[w:la:Eporedorix|Eporedorige]] [[w:la:Haedui|Haeduis]] appellatus discit
**そこで(カエサルが)[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の[[w:ウィリドマルス|ウィリドマルス]]と[[w:エポレドリクス|エポレドリクス]]から話しかけられて知ったことには、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#39節|39節]]~[[#40節|40節]]を参照。ウィリドマルスとエポレドリクスはカエサルの軍勢に従軍していたと思われる。)</span>
*cum omni equitatu Litaviccum ad sollicitandos Haeduos profectum;
**[[w:リタウィックス|リタウィックス]]がすべての騎兵隊とともに、ハエドゥイー族の者たちをそそのかすために出発したという。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#40節|40節]]を参照。リタウィックスは謀計が破れたので、ゲルゴウィアに逃れていた。)</span>
*opus esse ipsos antecedere ad confirmandam civitatem.
**部族の支持を固めるために、(彼ら)自身が(リタウィックスより)先行することが必須であるというのだ。
*② Etsi multis iam rebus perfidiam Haeduorum<ref>perfidiam Haeduorum はα系写本の記述で、β系写本では Haeduorum perfidiam となっている。</ref> Caesar<ref>Caesar はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> perspectam habebat
**カエサルは、すでに多くの事により、ハエドゥイー族の背信行為を目にして来ており、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:Etsi ~, tamen …「~としても、しかしながら…」)</span>
*atque horum discessu admaturari defectionem civitatis existimabat,
**この者たちが(カエサルのもとから)立ち去ることで、(ハエドゥイー)部族の背反が一層促進されると考えていたのだが、
*tamen eos retinendos non censuit<ref>censuit はπ系写本の記述で、α系・ρ系写本では constituit となっている。</ref>,
**しかしながら、彼ら(2人)を束縛するべきではないと考慮した。
*ne aut inferre iniuriam videretur aut dare<ref>dare はα系写本の記述で、β系写本では daret となっている。</ref> timoris aliquam<ref>timoris aliquam はα系写本の記述で、β系写本では aliquam timoris となっている。</ref> suspicionem.
**(カエサルが)無法行為を起こすと思われないように、あるいは(彼らを)怖れているという何らかの疑念を与えないように。
*③ Discedentibus his breviter sua in Haeduos merita exposuit,
**(カエサルは)立ち去る彼らに、ハエドゥイー族における自分の功績を手短に説明した。
*quos et quam humiles accepisset, compulsos in oppida, multatos agris,
**彼らが、どれほど無力であったのを引き受けたことか、[[w:オッピドゥム|城塞都市]]に押し込められ、耕地を台無しにされて、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:et ~, et …「~でもあり、…でもある。」)</span>
*omnibus ereptis sociis<ref>sociis「同盟者たち」 はβ系写本の記述で、α系写本では copiis「軍勢」となっている。</ref>, imposito stipendio, obsidibus summa cum contumelia extortis,
**すべての同盟者たちを奪い取られ、貢物を課せられて、たいへんな侮辱とともに人質をもぎ取られていたことか。
*④ et quam in fortunam quamque in amplitudinem deduxisset,
**かつ、どれほどの境遇に、どれほどの高位に(カエサルが)引き上げもしたことか。
*ut non solum in pristinum statum redissent,
**その結果(ハエドゥイー族は)かつての地位に戻っただけでなく、
*sed omnium temporum dignitatem et gratiam antecessisse viderentur.
**(以前の)あらゆる時期の品格や信望をも越えていると思われる。
*His datis mandatis eos ab se dimisit.
**このような訓示を与えて、彼ら(2人)を自分のもとから送り出した。
===55節===
'''エポレドリクスとウィリドマルスらがローマの拠点ノウィオドゥーヌムで寝返る'''
[[画像:Nevers_-_Vue_depuis_la_rive_sud_de_la_Loire.jpg|thumb|center|700px|ノウィオドゥーヌム([[w:la:Nivernum|Noviodunum]])=現・[[w:ヌヴェール|ヌヴェール]]([[w:fr:Nevers|Nevers]])における、リゲル川([[w:la:Liger|Liger]])=現・[[w:ロワール川|ロワール川]]([[w:fr:Loire (fleuve)|Loire]])の岸辺の景観]]
*① [[w:la:Nivernum|Noviodunum]] erat oppidum [[w:la:Haedui|Haeduorum]] ad ripas [[w:la:Liger|Ligeris]] opportuno loco positum.
**ノウィオドゥーヌムは、[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の[[w:オッピドゥム|城塞都市]]で、リゲル川(現[[w:ロワール川|ロワール川]])岸の好都合な所に位置していた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:『ガリア戦記』には同名の都市が計3か所載っているが、こちらは現在の[[w:ヌヴェール|ヌヴェール]] Nevers である。<br> 「[[ガリア戦記/ガリア語の名前#Nouio-dūnon|ガリア語の名前 #Nouio-dūnon]]」を参照せよ。)</span>
*② Huc Caesar omnes obsides Galliae, frumentum, pecuniam publicam,
**ここに、カエサルは、ガッリアのすべての人質たちや、糧食、公金、
*suorum atque exercitus impedimentorum magnam partem contulerat;
**および自分と軍隊の[[w:輜重|輜重]]の大部分を運び集めていた。
*③ huc magnum numerum equorum huius belli causa in [[w:la:Italia|Italia]] atque [[w:la:Hispania|Hispania]] coemptum miserat.
**ここに、この戦争のためにイタリアと[[w:ヒスパニア|ヒスパニア]]から買い集めた馬匹の多数を送っておいた。
*④ Eo cum [[w:la:Eporedorix|Eporedorix]] Viridomarusque venissent et de statu civitatis cognovissent,
**そこに、[[w:エポレドリクス|エポレドリクス]]と[[w:ウィリドマルス|ウィリドマルス]]がやって来て、(以下のような)部族の情勢について察知したときに、
[[画像:Bibracte333_crop.JPG|thumb|right|400px|[[w:ビブラクテ|ビブラクテ]]の[[w:オッピドゥム|城塞都市]]跡に整備された城壁の遺構]]
*Litaviccum [[w:la:Bibracte|Bibracti]] ab Haeduis receptum,
**(すなわち)リタウィックスが、ハエドゥイー族の者たちによって[[w:ビブラクテ|ビブラクテ]]に迎え入れられ、
*─ quod est oppidum apud eos maximae auctoritatis ─,
**それ(ビブラクテ)は彼ら(ハエドゥイー族)のもとで最大の影響力を持つ城塞都市であるが、
*Convictolitavem<ref>Convictolitavem はβ系・N写本の記述で、χ系・B・M・S・L写本では Convictolitabim となっている。</ref> magistratum magnamque partem senatus ad eum convenisse,
**統領コンウィクトリタウィスと評議会の大半の者たちが彼(リタウィックス)のもとへ参集し、
*legatos ad [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorigem]] de pace et<ref>et は α系・U写本の記述で、π系・R写本では et de となっている。</ref> amicitia concilianda publice missos,
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]のところへ和平と友好を仲介するべく公けに使節たちが遣わされた(ことを知った)ので、
*non praetermittendum instans<ref>instans はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> tantum commodum existimaverunt.
**(エポレドリクスとウィリドマルスは)眼前にあるこれほどの好機を放置するべきではないと考えたのだ。
*⑤ Itaque interfectis Novioduni custodibus quique eo negotiandi aut itineris<ref>aut itineris はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> causa convenerant,
**こうして(2人は)ノウィオドゥーヌムの(ローマ側の)番兵たちや商用や旅行のために来訪していた者たちを殺害し、
*pecuniam atque equos inter se partiti sunt;
**金銭および馬匹を互いに分け合った。
*⑥ obsides civitatum Bibracte ad magistratum deducendos curaverunt;
**(ガッリアの)部族の人質たちをビブラクテの統領のところへ連れて行くように手配した。
*⑦ oppidum, quod a<ref>a はα系写本の記述で、β系写本では ab となっている。</ref> se teneri non posse iudicabant,
**(ノウィオドゥーヌムの)城塞都市は、自分たちによって固守することはできないと判断したので、
*ne cui esset usui Romanis, incenderunt;
**ローマ人たちの有益になることがないように、焼き打ちした。
*⑧ frumenti quod subito potuerunt navibus avexerunt,
**糧食のうち、急いで(運ぶことが)できるものを船団で運び去って、
*reliquum flumine atque incendio corruperunt.
**残りのものを川(に流すこと)により、および焼き打ちにより、役立たないようにした。
*⑨ Ipsi ex finitimis regionibus copias cogere,
**(彼ら)自身は、近隣の地方から軍勢を徴集して、
*praesidia custodiasque ad ripas Ligeris disponere
**リゲルの川岸のたもとへ守備隊や番兵を分配して、
*equitatumque omnibus locis iniciendi timoris causa ostentare coeperunt,
**(ローマ人に)恐怖(の感情)を起こさせるために、[[w:騎兵|騎兵隊]]に誇示をさせ始めた。
*si ab re frumentaria Romanos excludere
**もし、ローマ人たちが糧食調達することを阻止するなら、
*† aut adductos inopia in provincia<ref>in provincia は、α系写本では ex provincia「属州から」、β系写本では provincia となっているが、コンスタン Constans やクロッツ A.Klotz らにより in provincia「属州に」と修正提案されている。</ref> expellere<ref>expellere「駆逐する」 はα系写本の記述で、β系写本では excludere「阻止する、妨げる」 となっている。</ref> † possent.
**あるいは(糧食などの)欠乏により、属州に駆逐することができるなら、と。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:† ~ † は、写本の文章が崩れて校訂者を迷わせていることを表す記号。修正提案されている。)</span>
*⑩ Quam ad spem multum eos adiuvabat,
**そのような希望へ、彼らを大いに励まし助けたのは、
*quod Liger ex nivibus creverat,
**リゲル川(の水位)が雪水により増したことで、
*ut omnino vado non posse transiri videretur.
**すべての浅瀬が渡らせられることができないと思われたのである。
===56節===
'''カエサルが属州へは戻らず、増水したリゲル川の渡河を敢行'''
*① Quibus rebus cognitis Caesar maturandum sibi censuit,
**それらの事態を知ると、カエサルは自らにとって(以下のことを)急ぐべきだと考慮した。
*si esset in perficiendis pontibus periclitandum,
**もし、橋を造り上げる最中に(敵勢と闘うという)危険を冒すのであれば、
*ut prius, quam essent maiores eo coactae copiae, dimicaret.
**そこに(敵方の)より多くの軍勢が集結するよりも早く闘うように(急ぐべきだと)。
*② Nam ut commutato consilio iter in provinciam converteret,
**なぜなら、作戦を変更して、属州([[w:ガリア・ナルボネンシス|ガッリア・トラーンサルピーナ]])に進路を方向転換するようにと、
*ne metu quidem<ref>ne metu quidem はα系写本の記述で、β系写本では nemo tunc quidem 、そのほか近代の校訂者によって修正提案が行なわれている。</ref> necessario faciendum<ref>faciendum はβ系写本の記述で、α系写本では faciundum となっている。</ref> existimabat;
**(ガッリア勢への)怖れによって行なうことは決して必要ではない、と考えたのだ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:ne quidem|ne ~ quidem]]「~でさえ…ない」)</span>
*cum infamia atque indignitas rei
**(属州に撤退するという)事の不名誉や恥辱が、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:cum ~ tum …「~であるのと同様に特に…である」)</span>
*et oppositus mons Cevenna<ref>Cevenna はχ系・U写本の記述で、π系・R写本の記述では Cebenna、φ系写本では Cevennae となっている。</ref> viarumque difficultas impediebat,
**およびケウェンナ山地が相対して道の(通行の)困難なことが、(属州への撤退を)妨げていたし、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ケウェンナ山地 mons Cevenna は現在のセヴェンヌ山地。[[#8節|8節]]を参照。)</span>
*tum maxime quod abiuncto [[w:la:Titus_Labienus|Labieno]] atque iis legionibus, quas una miserat, vehementer timebat.
**同様に、とりわけ[[w:ティトゥス・ラビエヌス|ラビエーヌス]]と一緒に派遣していた諸[[w:ローマ軍団|軍団]]から遠ざけられて、非常に心配してもいたのだ。
*③ Itaque admodum magnis diurnis nocturnisque itineribus confectis
**こうして、昼間も夜間も非常な強行軍を成し遂げて、
*contra omnium opinionem ad [[w:la:Liger|Ligerem]]<ref>Ligerem はα系写本の記述で、β系写本では Ligerim となっている。</ref> venit
**皆の予想に反して、リゲル川(=現[[w:ロワール川|ロワール川]])の辺りにやって来た。
*④ vadoque per equites invento pro rei necessitate opportuno,
**事態の緊急性に見合う好都合な浅瀬を、[[w:騎兵|騎兵]]たちを通じて見出して、
*ut brachia modo atque humeri<ref>humeri はA・φ系・ρ系写本の記述で、Q写本では umeri となっている。</ref> ad sustinenda arma liberi ab aqua esse possent,
**やっと腕と肩を、武器を差し上げるために、水から自由になることができた。
*disposito equitatu, qui vim fluminis refringeret,
**川の流れの圧力を妨げるべく、騎兵隊を分けて置いて、
*atque hostibus primo aspectu perturbatis,
**敵方は(ローマ勢を)初めに一見するや狼狽していたので、
*⑤ incolumem exercitum traduxit
**(カエサルは)軍隊を無傷のまま渡河させた。
*frumentumque in agris et pecoris copiam nactus
**耕地の穀物、および大量の家畜を獲得して、
*repleto his rebus exercitu
**これらの物を軍隊に補充して、
*iter in Senones facere instituit.
**セノネース族のところに行軍することを決めた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:セノネース族の方面には、副官ラビエーヌスと4個軍団を派遣していた。)</span>
==ラビエーヌスのルテティア遠征==
===57節===
'''副官ラビエーヌスがルテティア制圧に向かう'''
*① Dum haec apud Caesarem geruntur,
**これらがカエサルのもとで遂行されている間に、
*[[w:la:Titus Labienus|Labienus]] eo supplemento, quod nuper ex Italia venerat,
**[[w:ティトゥス・ラビエヌス|ラビエーヌス]]は、最近イタリアから来ていた補充兵(予備兵)を
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#34節|34節]]で既述のようにラビエーヌスはカエサルから4個軍団とともにガッリア北部の制圧を委ねられていた。</span>
**:<span style="color:#009900;">また、[[#1節|1節]]で既述のようにカエサルはイタリア(属州[[w:ガリア・キサルピナ|ガッリア・キサルピーナ]])で部隊を徴兵していた。)</span>
*relicto [[w:la:Agedincum|Agedinci]], ut esset impedimentis praesidio,
**アゲディンクムに、[[w:輜重|輜重]]にとっての守備隊となるように、残留させて、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#10節|10節]]で既述のように、カエサルはアゲディンクム(現在の[[w:サンス|サンス]])に全軍の輜重を残していた。)</span>
*cum quattuor legionibus Luteciam<ref>Luteciam はα系写本の記述で、π系写本では Luceciam 、ρ系写本では Lucetiam となっている。[[ガリア戦記 第6巻#3節|第6巻3節]]では Lutetia(m) とも綴られている。</ref> proficiscitur.
**4個軍団とともに[[w:ルテティア|ルテティア]]に出発した。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ルテティア Lutetia は写本ではルテキア Lutetia とも綴られる。[[ガリア戦記 第6巻#3節|第6巻3節]]を参照。)</span>
*Id est oppidum Parisiorum, quod positum est<ref>quod positum est はα系写本の記述で、β系写本では単に positum となっている。</ref> in insula fluminis [[w:la:Sequana|Sequanae]].
**それ(ルテティア)は[[w:パリシイ族|パリスィイ族]]の<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>で、セクアナ川(=現[[w:セーヌ川|セーヌ川]])の中洲に位置している。
*② Cuius adventu ab hostibus cognito
**彼(ラビエーヌス)の到来が敵方により知られると、
*magnae ex finitimis civitatibus copiae convenerunt.
**近隣の諸部族から大軍勢が集結していた。
*③ Summa imperii traditur Camulogeno Aulerco,
**(北部ガッリア勢の)最高司令権は、[[w:アウレルキ族|アウレルキ族]]の[[w:カムロゲヌス|カムロゲヌス]]に託された。
*qui prope confectus aetate
**その者はかなり年老いていたが、
*tamen propter singularem scientiam rei militaris ad eum est honorem evocatus.
**けれども、彼の卓越した軍事の知識のために、顕職に召集されたのだ。
*④ Is cum animadvertisset perpetuam esse paludem,
**彼(カムロゲヌス)は、沼地が絶え間なくあることに気付いていたので、
*quae influeret in Sequanam atque illum omnem locum magnopere impediret,
**それはセクアナ(川)に流れ込み、かの一帯すべてを大いに近付きにくくしていたので、
*hic consedit nostrosque transitu prohibere instituit.
**ここに陣取って、我が方(ローマ勢)が渡河するのを妨げることに決めた。
===58節===
'''ラビエーヌスがメトロセドゥムを陥落させ、ルテティアのガッリア勢と対峙'''
*① [[w:la:Titus Labienus|Labienus]] primo vineas agere, cratibus atque aggere paludem explere
**[[w:ティトゥス・ラビエヌス|ラビエーヌス]]は初めに、<ruby><rb>[[w:ウィネア|工作小屋]]</rb><rp>(</rp><rt>ウィネア</rt><rp>)</rp></ruby>を駆ること、柴や土砂で沼地を埋め立てること、
*atque iter munire conabatur.
**および道を築くこと、を試みた。
*② Postquam id difficilius confieri<ref>confieri はχ系・β系写本の記述で、Q写本では confici となっている。</ref> animadvertit,
**それが成し遂げられることが困難だと気付いた後で、
*silentio e castris tertia vigilia egressus
**(敵に知られないように)静けさのうちに第三夜警時に陣営から進発して、
*eodem, quo venerat, itinere Metlosedum<ref>Metlosedum はコンスタン L.-A. Constans による修正で、π系・U写本では Metiosedum 、α系・ρ系写本では Mellodunum などとなっており、写本により表記がさまざまである。</ref> pervenit.
**やって来たのと同じ道程により、メトロセドゥムに到達した。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:メトロセドゥム Metlosedum は、写本によりメティオセドゥム Metiosedum とも綴られ、</span>
**:<span style="color:#009900;">後にはメロドゥーヌム [[w:la:Melodunum|Melodunum]] として知られる。現在の[[w:ムラン|ムラン]] [[w:fr:Melun|Melun]] である。)</span>
*③ Id est oppidum [[w:la:Senones|Senonum]] in insula [[w:la:Sequana|Sequanae]] positum, ut paulo ante de [[w:la:Lutetia|Lutecia]] diximus.
**それはセノネース族の城塞都市で、少し前に[[w:ルテティア|ルテティア]]について述べたように、セクアナ川の[[w:中州|中州]]に位置している。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ルテティアすなわち現在の[[w:パリ|パリ]]の中心部に[[w:シテ島|シテ島]]や[[w:サン=ルイ島|サン=ルイ島]]という[[w:セーヌ川|セーヌ川]]の中州があるように、</span>
**:<span style="color:#009900;">現在のムランの中心部にもサン=テティエンヌ島 [[w:fr:Île Saint-Étienne|Île Saint-Étienne]] というセーヌ川の中州がある。)</span>
*④ Deprensis<ref>deprensis という語形はα系写本の記述で、β系写本では deprehensis となっている。</ref> navibus circiter quinquaginta celeriterque coniunctis
**約50隻の船を探し出して、速やかに結び合わせて(舟橋として)、
*atque eo militibus iniectis
**そこに兵士たちを投入して、
*et rei novitate perterritis oppidanis,
**事の新奇さに<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>の者たちは脅えて、
*quorum magna pars erat ad bellum evocata,
**彼ら(住民)の大部分は戦争へ徴集されていた(ため不在であった)ので、
*sine contentione oppido potitur.
**(ラビエーヌスは)闘うことなしに(中州にあるメトロセドゥムの)城塞都市を掌握した。
*⑤ Refecto ponte, quem superioribus diebus hostes resciderant, exercitum traducit
**それ以前の日々に敵方が破却していた橋を再建して、軍隊を(中州から対岸へ)渡らせて、
*et secundo flumine ad Luteciam iter facere coepit.
**川に沿ってルテティアの方へ行軍を始めた。
*⑥ Hostes re cognita ab iis, qui Metlosedo<ref>Metlosedo はコンスタン L.-A. Constans による修正で、β系・S写本では Metiosedo 、χ系写本では Melloduno 、B・M・L・N写本では Ametlodone(あるいは Ametclodone)などとなっている。</ref> fugerant,
**敵方は、メトロセドゥムから逃げて来た者たちから事態を知って、
*Luteciam incendi pontesque eius oppidi rescindi iubent;
**ルテティアを焼打ちすること、その城塞都市の橋を破却すること、を命じた。
*ipsi profecti a palude ad ripas<ref>ad ripas はχ系・B・M・L・N写本の記述で、S・Vおよびρ系写本では in ripas 、T写本では in ripa となっている。</ref> Sequanae
**彼ら自身は、沼地からセクアナの川岸へ出発して、
*e regione Luteciae contra Labieni castra considunt.
**ルテティア(の対岸)に向かってラビエーヌスの陣営に対抗して陣取った。
===59節===
'''ガッリア諸部族が迫り、ラビエーヌスが作戦変更を決断'''
*① Iam Caesar a [[w:la:Gergovia|Gergovia]] discessisse audiebatur,
**すでに、カエサルが[[w:ゲルゴウィア|ゲルゴウィア]]から撤退したことが聞かれていたし、
*iam de [[w:la:Haedui|Haeduorum]] defectione et secundo Galliae motu rumores adferebantur,
**もはや、[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の背反や、ガッリアの動乱の順調さについての噂がもたらされていた。
*Gallique in conloquiis
**(当地の)ガッリア人たちは会話の中で、
*interclusum itinere et [[w:la:Liger|Ligeri]] Caesarem inopia frumenti coactum in provinciam contendisse confirmabant.
**カエサルが行軍やリゲル(渡河)を遮られて、糧食の欠乏により属州([[w:ガリア・ナルボネンシス|ガッリア・トラーンサルピーナ]])に急ぐことを強いられた、と確言した。
*② Bellovaci autem defectione Haeduorum cognita,
**一方で、ベッロウァキ族もハエドゥイー族の背反を知って、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ベッロウァキ族は、ハエドゥイー族の仲介によりカエサルに降伏していた。[[ガリア戦記 第2巻#14節|第2巻14節]]~15節を参照。)</span>
*qui iam<ref>qui iam は古典学者 ニコラエス・ハインシウス1世 [[w:en:Nikolaes_Heinsius_the_Elder|Nikolaes Heinsius the Elder]] による修正提案で、χ系・S・β系写本では qui 、B・M・L・N写本では quia となっている。</ref> ante erant per se infideles,
**彼ら自身もすでに以前から(カエサルやローマ人に)忠誠的でなかったが、
*manus cogere atque aperte bellum parare coeperunt.
**手勢を徴集して、公けに戦争を準備することを始めた。
*③ Tum [[w:la:Titus Labienus|Labienus]] tanta rerum commutatione
**そこで、[[w:ティトゥス・ラビエヌス|ラビエーヌス]]はこれほどの事態の変動により、
*longe aliud sibi capiendum consilium, atque antea senserat, intellegebat,
**自分にとって、以前に判断していたのとはまったく別の作戦が立てられるべきだ、と考えた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:aliud ~ atque …「…とは別の~」)</span>
*④ neque iam, ut aliquid adquireret proelioque hostes lacesseret,
**もはや、何らかのものを獲得したり、敵方に戦闘を挑むようにではなく、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:neque ut ~, sed ut …「~ようにではなく、…ように」)</span>
*sed ut incolumem exercitum Agedincum reduceret, cogitabat.
**軍隊を無傷のままでアゲディンクム(=現[[w:サンス|サンス]])に連れ戻すように、と考えた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:アゲディンクムには輜重と守備隊が残されていた。[[#10節|10節]]・[[#57節|57節]]を参照。)</span>
*⑤ Namque altera ex parte Bellovaci,
**実際、一方の側からはベッロウァキ族が、
*quae civitas in Gallia maximam habet opinionem virtutis, instabant,
**ガッリアにおいて武勇に最大の評判を持つその部族が、迫りつつあった。
*alteram Camulogenus parato atque instructo exercitu tenebat:
**他方からは、カムロゲヌスが軍隊を準備し、整列させて、進んでいた。
*tum legiones a praesidio atque impedimentis interclusas
**そのとき、(ラビエーヌス麾下の)諸軍団は(アゲディンクムにいる)守備隊や輜重から遮られて、
*maximum flumen distinebat.
**とても大きな(セクアナ)川が阻んでいた。
*⑥ Tantis subito difficultatibus obiectis
**突然に、これほどの困難が投げ出されたので、
*ab animi virtute auxilium petendum videbat.
**武勇の心構えに救いを求めるべきだと(ラビエーヌスは)思った。
===60節===
'''ラビエーヌスが陽動戦術に努める'''
*① Itaque<ref>Itaque はS・β系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> sub vesperum consilio convocato
**こうして([[w:ティトゥス・ラビエヌス|ラビエーヌス]]は)夕方に会議を召集して、
*cohortatus, ut ea, quae imperasset, diligenter industrieque administrarent,
**(彼が)命令したことを入念かつ勤勉に従事するように鼓舞した。
*naves, quas [[w:la:Melodunum|Metlosedo]]<ref>Metlosedo はコンスタン L.-A. Constans による修正で、χ系・S・β系写本では Metiosedo 、B・M写本では ameclodone 、L・N写本では a mellodone 、<i>etc</i>. となっている。</ref> deduxerat, singulas equitibus Romanis attribuit,
**[[w:ムラン|メトロセドゥム]]から引いて来ていた船団を、ローマ人騎士たち1人ずつに配分して、
*et prima confecta vigilia IIII(quattuor) milia passuum secundo flumine silentio progredi
**第一夜警時が終わる頃に、4ローママイル(6km弱)下流に静けさのうちに進発すること、
*ibique se exspectari<ref>exspectari はα系・T・ρ系写本の記述で、S・V写本では exspectare などとなっている。</ref> iubet.
**かつ、そこで自分(ラビエーヌス)を待つことを命じた。
*② Quinque cohortes, quas minime firmas ad dimicandum esse existimabat,
**(白兵戦を)闘うためにはあまり強くないと(ラビエーヌスが)考えていた5個<ruby><rb>[[w:コホルス|歩兵大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>
*castris praesidio relinquit;
**陣営にとっての守備隊として残留させた。
*quinque eiusdem legionis reliquas
**同じ軍団の残りの5個(歩兵大隊)を
*de media nocte cum omnibus impedimentis adverso flumine magno tumultu proficisci imperat.
**真夜中から、すべての[[w:輜重|輜重]]とともに、上流の方に大きな喧騒でもって出発することを命令した。
*④ Conquirit etiam lintres;
**小舟さえも探し集めて、
*has magno sonitu remorum incitatas in eandem partem mittit.
**これらを大きな音とともに[[w:櫂|櫂]]を駆って、同じ方面に派遣した。
*Ipse post paulo silentio egressus cum tribus legionibus
**(ラビエーヌス)自身は、少し後で静けさのうちに3個[[w:ローマ軍団|軍団]]とともに進発して、
*eum locum petit, quo naves appelli iusserat.
**船団が停められることを命じていた地点へ行った。
===61節===
'''ラビエーヌスの陽動により、敵将カムロゲヌスが兵力を分散'''
*① Eo cum esset ventum,
**(ラビエーヌスの軍勢が)そこにやって来たときに、
*exploratores hostium, ut omni fluminis parte erant dispositi,
**敵方の偵察者たちが(セクアナ)川の至る所に分けて置かれていたが、
*inopinantes, quod magna subito erat coorta tempestas,
**突然に大きな嵐が生じたので(ローマ勢の襲撃を)予期していなかった者たちは、
*ab<ref>ab はχ系・B・M・L・N写本の記述で、S・β系写本では a となっている。</ref> nostris opprimuntur;
**我が方(ローマ勢)によって不意を襲われたのだ。
*② exercitus equitatusque equitibus Romanis administrantibus, quos ei negotio praefecerat,
**歩兵隊と騎兵隊が、(ラビエーヌスが)任務を指揮させていたローマ人騎士たちの指導により、
*celeriter transmittitur.
**速やかに(セクアナ川を)渡らせられた。
*③ Uno fere tempore sub lucem hostibus nuntiatur
**夜明け前のほぼ一時に(以下のことが)敵方に報知された。
*in castris Romanorum praeter consuetudinem tumultuari
**ローマ人の陣営において、通例に反して、騒がれていること、
*et magnum ire agmen adverso flumine
**大きな隊列が上流の方へ行軍していること、
*sonitumque remorum in eadem parte exaudiri
**(船を漕ぐ)櫂の音が同じ方面で聞き取られたこと、
*et paulo infra milites navibus transportari.
**少し下流で兵士たちが船で(セクアナ川を)渡されたこと、である。
*④ Quibus rebus auditis,
**それらの事態が聞かれて、
*quod existimabant tribus locis transire legiones atque omnes perturbatos defectione [[w:la:Haedui|Haeduorum]] fugam parare,
**(ローマ勢の)諸軍団が3か所で渡河したこと、[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の背反により総勢が取り乱して逃亡を準備していること、を考えたので、
*suas quoque copias in tres partes distribuerunt.
**自分たちの軍勢をも3方面に分配した。
*⑤ Nam praesidio e regione castrorum relicto
**すなわち(一隊がローマ勢の)陣営の真向かいに守備隊として残され、
*et parva manu Metlosedum<ref>Metlosedum はQ写本の記述で、χ系・β系写本では Metiosedum 、などとなっている。</ref> versus missa,
**(別の)わずかな手勢が[[w:ムラン|メトロセドゥム]]の方面へ派遣され、
*quae tantum progrediatur<ref>progrediatur はα系写本の記述で、Q・S・β系写本では progrederetur となっている。</ref>, quantum naves processissent,
**(ローマ勢の)船団が進み出るだけ、(ガッリア兵も)前進するようにした。
*reliquas copias contra Labienum duxerunt.
**残りを軍勢をラビエーヌスに対して(カムロゲヌス自身が)率いて行った。
===62節===
'''ラビエーヌスがカムロゲヌス麾下のガッリア勢を各個撃破して、カエサルと合流'''
*① Prima luce et nostri omnes erant transportati
**夜明けに、我が方(ローマ勢)は総勢が(セクアナ川の左岸に)渡されていたし、
*et hostium acies cernebatur.
**敵方の戦列も見分けられた。
*② [[w:la:Titus Labienus|Labienus]] milites cohortatus,
**[[w:ティトゥス・ラビエヌス|ラビエーヌス]]は兵士たちを(以下のように)鼓舞した。
*ut suae pristinae virtutis et tot<ref>tot はS・β系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> secundissimorum proeliorum retinerent memoriam<ref>retinerent memoriam はχ系・B・M・L・N写本の記述で、S・β系写本では memoriam retinerent となっている。</ref>
**自分たちのかつての武勇とこのようにとてもうまくいっている諸戦闘を記憶に留めるように、
*atque ipsum Caesarem, cuius ductu saepe numero hostes superassent, praesentem adesse existimarent,
**かつ、その指揮によって何度もしばしば敵方を打ち破って来たカエサル当人が目下居合わせていると考えるように、と。
*dat signum proelii.
**(それから)戦闘の号令を発した。
*③ Primo concursu ab dextro cornu, ubi septima legio constiterat,
**最初の激突は、[[w:第7軍団クラウディア・ピア・フィデリス|第7軍団]]が布陣していた(ローマ軍の)右翼からで、
*hostes pelluntur atque in fugam coniciuntur;
**敵方は撃退されて、逃亡に追いやられた。
*④ ab sinistro, quem locum duodecima legio tenebat,
**第12軍団が場所を占めていた左翼からは、
*cum primi ordines hostium transfixi pilis<ref>pilis はβ系写本の記述で、α系写本では telis となっている。</ref> concidissent,
**敵方の最前列(の兵たち)が投げ槍で突き通されて斃れたのだが、
*tamen acerrime reliqui resistebant
**けれども残りの者たちがとても激烈に抵抗していて、
*nec dabat suspicionem fugae quisquam.
**誰も逃亡の予兆を示さなかった。
*⑤ Ipse dux hostium Camulogenus suis aderat atque eos cohortabatur.
**敵方の将帥カムロゲヌス自身は、麾下の者たちに居合わせて、彼らを激励していた。
*⑥ At<ref>cohortabatur. At はχ系写本などの記述で、別の写本では記述が異なる。</ref> incerto nunc etiam<ref>nunc etiam はB・M・L・N写本の記述で、χ系・S・β系写本では etiamnunc となっている。</ref> exitu victoriae,
**勝敗の帰趨は今もなお不確実だったが、
*cum septimae legionis tribunis esset nuntiatum, quae in sinistro cornu gererentur,
**第7軍団の<ruby><rb>[[w:トリブヌス・ミリトゥム|兵士長官]]</rb><rp>(</rp><rt>トリブヌス・ミリトゥム</rt><rp>)</rp></ruby>たちに、左翼で<ruby><rb>出来</rb><rp>(</rp><rt>しゅったい</rt><rp>)</rp></ruby>したことが報告されたときに、
*post tergum hostium legionem ostenderunt signaque intulerunt.
**敵方の背後に(第7)軍団を差し向けて、軍旗を進めた(=進撃した)。
*⑦ Ne eo quidem tempore quisquam loco cessit,
**その時でさえ、(ガッリア勢の)誰も(戦闘の)場から退却しなかった
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:ne quidem|ne ~ quidem]]「~でさえ…ない」)</span>
*sed circumventi omnes interfectique sunt.
**けれども、総勢が包囲されて(ローマ軍により)殺戮された。
*Eandem fortunam tulit Camulogenus.
**同じ不幸をカムロゲヌスも蒙った。
*⑧ At ii<ref>ii はχ系写本の記述で、他の写本では記述が異なる。</ref>, qui praesidio contra castra Labieni erant relicti,
**これに対して、ラビエーヌスの陣営に対して守備隊として残されていた(ガッリア勢の)者たちは、
*cum proelium commissum audissent, subsidio suis ierunt collemque ceperunt,
**(両軍が)戦闘を交えているのを聞き付けたので、味方の援兵として出て行って、丘陵を占めていたが、
*neque nostrorum militum victorum impetum sustinere potuerunt.
**勝勢の我が方(ローマ軍)の兵士たちの突撃を持ちこたえることができなかった。
*⑨ Sic cum suis fugientibus permixti,
**このようにして、敗走している味方と混じり合ったときに、
*quos non silvae montesque texerunt, ab equitatu sunt interfecti.
**森林や山岳が覆い隠すことのなかったその者たちは、(ローマ側の)騎兵隊によって殺戮された。
*⑩ Hoc negotio confecto Labienus revertitur Agedincum,
**この戦役が成し遂げられると、ラビエーヌスは[[w:サンス|アゲディンクム]]に引き返した。
*ubi impedimenta totius exercitus relicta erant;
**そこには軍隊全体の[[w:輜重|輜重]]が残されていたのだ。
*inde die Ⅲ.<ref>inde die Ⅲ. は近代の校訂者による修正提案で、Q・M・S・N・β系写本では単に inde 、他の写本では別の記述になっている。</ref> cum omnibus copiis ad Caesarem pervenit.
**そこから3日目(=2日後)にすべての軍勢とともにカエサルのところへ到着した。
==ガッリア戦乱の拡大==
===63節===
'''ハエドゥイー族がウェルキンゲトリークスに主導権争いを挑む'''
*① Defectione [[w:la:Haedui|Haeduorum]] cognita bellum augetur.
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の背反が知られて、戦乱は拡大された。
*② Legationes in omnes partes circummittuntur;
**(ハエドゥイー族らにより)使節たちがあらゆる方面に遣わされまくり、
*quantum gratia, auctoritate, pecunia valent, ad sollicitandas civitates nituntur;
**信望、勢力や金銭によってできる限り、諸部族をそそのかすことに努めた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:quantum ~ valere「~によってできる限り」)</span>
*③ nacti obsides, quos Caesar apud eos deposuerat,
**カエサルが彼ら(ハエドゥイー族)のもとに預けて置いた人質たちを手に入れて、
*horum supplicio dubitantes territant.
**彼ら(人質たち)の処刑(を示唆すること)によって、決心がつかぬ者たちを恐れさせた。
*④ Petunt a [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorige]] Haedui, ut ad se veniat rationesque belli gerendi communicet;
**ハエドゥイー族は、[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]に、自分たちのところへ来て戦争遂行の戦略を協議するように要求した。
*re impetrata contendunt, ut ipsis summa imperii tradatur.
**その事が成し遂げられると、(ハエドゥイー族)自身に最高司令権が委ねられるように頑張った。
*Et re<ref>et re は近代の校訂者による修正提案で、β系写本では re 、α系写本では et rem となっている。</ref> in controversiam deducta totius Galliae concilium [[w:la:Bibracte|Bibracte]] indicitur.
**その事が論争の状態に置かれて、[[w:ビブラクテ|ビブラクテ]]でのガッリア全体の会合が公示された。
*Eodem conveniunt<ref>Eodem conveniunt はα系写本の記述で、β系写本では単に conveniunt 、etc.となっている。</ref> undique frequentes.
**同じところに至る所からたくさんの者たちが集まって来た。
*⑥ Multitudinis suffragiis res permittitur;
**(最高司令権の)事は衆人の票決に任せられて、
*ad unum omnes Vercingetorigem probant imperatorem.
**衆議一決により、ウェルキンゲトリークスを将軍(最高司令官)として承認した。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ad unum omnes「最後の一人に至るまですべて」)</span>
*⑦ Ab hoc concilio Remi, Lingones, Treveri afuerunt,
**この会合へは、[[w:レミ族|レーミー族]]、リンゴネス族、トレウェリ族が不在であった。
*illi quod amicitiam Romanorum sequebantur,
**前者(レーミー族とリンゴネス族)は、ローマ人との友好を遵守したので(不在であった)。
*Treveri quod aberant longius et ab<ref>ab はα系写本の記述で、β系写本では a となっている。</ref> [[w:la:Germani|Germanis]] premebantur,
**トレウェリ族は、はるか遠くに離れており、[[w:ゲルマニア|ゲルマニア]]人により圧迫されていた。
*quae fuit causa quare toto abessent bello
**それが、何ゆえに(ウェルキンゲトリークスによる)戦争全体に関与しなかったかの理由であり、
*et neutris auxilia mitterent.
**(ウェルキンゲトリークスとカエサルの)どちら側にも援軍を派遣しなかった。
*⑧ Magno dolore Haedui ferunt se deiectos principatu,
**ハエドゥイー族は、自分たちが盟主の座から遠ざけられて、とても憤懣やるかたなかったし、
*queruntur fortunae commutationem
**境遇の変わりようを嘆いて、
*et Caesaris indulgentiam in se<ref>indulgentiam in se はα系写本の記述で、β系写本では in se indulgentiam となっている。</ref> requirunt
**カエサルの自分たちへの寛大さを惜しんだ。
*neque tamen suscepto bello suum consilium ab reliquis separare audent.
**けれども戦争を引き受けてしまったので、あえて自分たちの作戦計画をほか(の諸部族)と異にしなかった。
*⑨ Inviti summae spei adulescentes Eporedorix et Viridomarus Vercingetorigi parent.
**たいへんな野心を持つ青年たち[[w:エポレドリクス|エポレドリクス]]と[[w:ウィリドマルス|ウィリドマルス]]は、意に反してウェルキンゲトリークスに服従した。
===64節===
'''ウェルキンゲトリークスがガッリア諸部族の誘降・服従を謀る'''
*① Ipse<ref>ipse はα系写本の記述で、β系写本では ille となっている。</ref> imperat reliquis civitatibus obsides denique ei rei constituit diem;
**(ウェルキンゲトリークス)自身は、ほかの諸部族に人質(の供出)を命令して、のみならずその事の期日を決めた。
*huc omnes equites, [[wikt:la:quindecim|XV(quindecim)]] milia numero, celeriter convenire iubet.
**そこに、1万5000名の数のすべての[[w:騎兵|騎兵]]に、速やかに集結することを命じた。
*② Peditatu quem antea habuerit se fore contentum dicit
**(歩兵については)自分は、以前から持っていた[[w:歩兵|歩兵隊]]で満足するであろうと言った。
*neque fortunam temptaturum aut in acie<ref>in acie はα系写本の記述で、β系写本では単に acie となっている。</ref> dimicaturum,
**(歩兵で)武運を試すことはしないであろうし、あるいは野戦で(白兵戦を)闘うこともないであろう、と。
*sed quoniam abundet equitatu,
**しかし、騎兵隊は豊富であるから、
*perfacile esse factu frumentationibus pabulationibusque Romanos prohibere;
**ローマ人たちの糧食・糧秣徴発を妨げることは、とても容易である、と。
*③ aequo modo animo sua ipsi frumenta corrumpant aedificiaque incendant,
**ただ平静な心で、自分たちの穀物を自身で傷めて、(穀物の)建屋を焼打ちするように。
*qua rei familiaris iactura perpetuum imperium libertatemque se consequi videant.
**資産の犠牲により、永久の領有権と自由を自分たちが獲得することを思え、と。
*④ His constitutis rebus
**これらの事が決定されると、
*[[w:la:Haedui|Haeduis]] Segusiavisque, qui sunt finitimi provinciae, decem milia peditum imperat;
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]および(ローマ人の)属州に隣接するセグスィアウィ族には1万の歩兵(の供出)を命令していたが、
*huc addit equites [[wikt:la:octingenti|octingentos]].
**この中に、800騎の騎兵たち(の供出)を付け加えた。
*⑤ His praeficit fratrem Eporedorigis bellumque inferri<ref>inferri はα系写本の記述で、β系写本では inferre となっている。</ref> Allobrogibus iubet.
**彼らをエポレドリクスの兄弟に指揮させて、アッロブロゲス族に戦争をしかけることを命じた。
*⑥ Altera ex parte Gabalos proximosque <u>[[wikt:en:pagus#Latin|pagos]]</u> Arvernorum in Helvios,
**別の方面から、ガバリ族および近隣のアルウェルニー族の諸<u>郷</u>に、ヘルウィイ族のところに(攻め入るように)、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:''pagus'' (郷) はここでは、部族の領土の農村区画を指す行政用語<ref name="pagus">''[[w:en:Pagus]]'' 等を参照。</ref>。)</span>
*item Rutenos Cadurcosque ad fines Volcarum Arecomicorum depopulandos mittit.
**同様に、ルテーニー族およびカドゥルキー族に、ウォルカエ・アレコミキ族の領土を荒らしまわるべく派遣した。
*⑦ Nihilo minus clandestinis nuntiis legationibusque Allobrogas<ref>Allobrogas はα系写本の記述で、β系写本では Allobroges となっている。</ref> sollicitat,
**それにもかかわらず、隠密に伝令たちや使節たちにより、アッロブロゲス族を(蜂起を)そそのかした。
*quorum mentes nondum ab<ref>ab はβ系写本の記述で、α系写本では ab となっている。</ref> superiore bello resedisse sperabat.
**彼ら(アッロブロゲス族)の心がかつての戦争からまだ静まっていないことを期待したのだ。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:アッロブロゲス族は、BC61年にローマに反旗を翻し、翌BC60年に鎮圧されていた。[[ガリア戦記 第1巻#6節|第1巻6節]]を参照。)</span>
*⑧ Horum principibus pecunias,
**彼らの領袖たちに金銭を(約束し)、
*civitati autem imperium totius provinciae pollicetur.
**さらに部族には(カエサル統治下の)属州全体の支配権をも約束したのだ。
===65節===
'''カエサルと同盟諸部族の防戦。ゲルマニア騎兵を呼び寄せる'''
*① Ad hos omnes casus provisa erant praesidia cohortium duarum et viginti,
**これらすべての出来事に対して、(カエサルは)22個<ruby><rb>[[w:コホルス|歩兵大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>からなる守備隊を用意していた。
*quae ex ipsa coacta<ref>coacta はχ系・β系写本の記述で、φ系写本にはない。</ref> provincia ab L.(Lucio) Caesare legato
**それらは、<ruby><rb>[[w:レガトゥス|総督副官]]</rb><rp>(</rp><rt>レガトゥス</rt><rp>)</rp></ruby>ルキウス・カエサルによって属州全体から徴集されたもので、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ここでいう属州とは、[[w:ガリア・ナルボネンシス|ガッリア・トラーンサルピーナ]]を指すと思われる。</span>
**:<span style="color:#009900;">ルキウス・ユリウス・カエサル4世 [[w:en:Lucius Julius Caesar IV|Lucius Julius Caesar IV]] は本書の著者カエサルと4代前の高祖父を共有する元執政官。[[w:en:Julii Caesares|Julii Caesares]] を参照。)</span>
*ad omnes partes opponebantur.
**あらゆる方面に対して配置された。
*② Helvii sua sponte cum finitimis proelio congressi pelluntur
**[[w:ヘルウィイ族|ヘルウィイ族]]は、自分たちの意思により、近隣(の諸部族)と戦闘で争って撃退され、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:この部族については[[#7節|7節]]~8節を参照。)</span>
*et C.(Gaio) Valerio Domnotauro<ref>Domnotauro はS・L・N写本の記述で、A・B・N写本では Donnotauro 、χ系・π系写本では Donotauro となっており、ρ系写本には記述がない。</ref>, Caburi filio, principe civitatis,
**カブルスの息子で、部族の領袖であるガイウス・ウァレリウス・ドムノタウルス
**:<span style="color:#009900;">(訳注:彼は、ローマとの友好により、ローマ人風の名前を与えられていたのであろう。)</span>
*compluribusque aliis interfectis intra oppida ac muros<ref>ac muros はα系写本の記述で、β系写本では murosque となっている。</ref> compelluntur.
**および他のかなりの者たちが殺戮されて、<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>と城壁の内側に追い込まれた。
*③ Allobroges crebris ad [[w:la:Rhodanus|Rhodanum]] dispositis praesidiis
**[[w:アッロブロゲス族|アッロブロゲス族]]は、ロダヌス(=現[[w:ローヌ川|ローヌ川]])のところへ密に守備隊を分け置いて、
*magna cum cura et diligentia suos fines tuentur.
**たいへんな注意と入念さにより、自分たちの領土を守った。
*④ Caesar quod hostes equitatu superiores esse intellegebat
**カエサルは、敵方が[[w:騎兵|騎兵隊]]で(自軍より)優っていると認識していたので、
*et interclusis omnibus itineribus nulla re ex provincia atque Italia sublevari poterat,
**かつ、すべての道が遮られて、属州やイタリアから何ら支援されることができなかったので、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:属州 provincia とはガッリア・トラーンサルピーナ、イタリア Italia とは[[w:ガリア・キサルピナ|ガッリア・キサルピーナ]]のことであろう。)</span>
*trans [[w:la:Rhenus|Rhenum]] in [[wikt:la:Germania|Germaniam]] mittit ad eas civitates, quas superioribus annis pacaverat,
**レヌス(=現[[w:ライン川|ライン川]])の向こう側の[[w:ゲルマニア|ゲルマニア]]に、先年に平定していた諸部族のところへ(使節を)遣わした。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ゲルマニア遠征や平定については、[[ガリア戦記 第4巻#16節|第4巻16節]]~19節、[[ガリア戦記 第6巻#9節|第6巻9節]]~10節を参照。)</span>
*equitesque ab his arcessit et levis armaturae pedites,
**彼らから、騎兵たち、および[[w:ウェリテス|軽い武装の歩兵]]たちを呼び寄せた。
*qui inter eos proeliari consuerant.
**その者ら(軽装歩兵)は、彼ら(騎兵)の間で戦闘することが常であったのだ。
*⑤ Eorum adventu, quod minus idoneis equis utebantur,
**彼ら(ゲルマニア騎兵)が到着すると、(戦闘に)あまり適していない馬を使役していたので、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ゲルマニア人の馬の使用については、[[ガリア戦記 第4巻#2節|第4巻2節]]を参照。)</span>
*a tribunis militum reliquisque equitibus Romanis atque evocatis equos sumit
**<ruby><rb>[[w:トリブヌス・ミリトゥム|兵士長官]]</rb><rp>(</rp><rt>トリブヌス・ミリトゥム</rt><rp>)</rp></ruby>たちやほかのローマ人騎士たちや<ruby><rb>再徴集兵</rb><rp>(</rp><rt>エウォカティ</rt><rp>)</rp></ruby>たちから、馬匹を取り上げて、
*[[w:la:Germani|Germanis]]que distribuit.
**ゲルマニア人たちに分配した。
===66節===
'''属州へと南下するカエサル、迎え撃とうとするウェルキンゲトリークス'''
*① Interea dum haec geruntur,
**その間に、これらが出来している間に、
*hostium copiae ex Arvernis
**敵方の(歩兵の)軍勢が(滞陣していたゲルゴウィアの)[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]のところから、
*equitesque qui toti Galliae erant imperati conveniunt.
**および全ガッリアの命令されていた[[w:騎兵|騎兵]]たちが、(ウェルキンゲトリークスのところに)集結して来た。
*② Magno horum coacto numero,
**これらの(ガッリア兵の)多数が徴集されて、
*cum Caesar in Sequanos per extremos Lingonum fines iter faceret,
**カエサルが、[[w:セクアニ族|セクアニ族]]のところに(向かって)[[w:リンゴネス族|リンゴネス族]]の領土の外縁を通って行軍していたときに、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:属州へは、リンゴネス族と後述のマンドゥビイ族の間を通ってセクアニ族領を通らねばならなかった。)</span>
*quo facilius subsidium provinciae ferri<ref>ferri はα系写本の記述で、β系写本では ferre となっている。</ref> posset,
**(それは)属州(ガッリア・トラーンサルピーナ)に援兵をより容易にもたらせるようにするためであったが、
*circiter milia passuum X(decem) ab Romanis trinis castris [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]] consedit
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は、ローマ人たちから約10ローママイル(15km)のところに、3つの陣営にて陣取った。
*③ convocatisque ad concilium praefectis equitum
**(ウェルキンゲトリークスは)騎兵の指揮官たちを会合へ召集して、
*venisse tempus victoriae demonstrat;
**勝利の時が来たと、明言した。
*fugere in provinciam Romanos Galliaque excedere.
**ローマ人たちは属州に逃亡して、ガッリアから立ち退きつつある、と。
*④ Id sibi ad praesentem obtinendam libertatem satis esse;
**それは、自分たちにとって目下のところ、自由を維持するためには十分であるが、
*ad reliqui temporis pacem atque otium parum profici;
**将来の平和と平穏は不充分にしか得られない。
*maioribus enim coactis copiis reversuros
**なぜなら(ローマ人たちは)より大きな軍勢を徴集して(ガッリアに)戻って来るであろうし、
*neque finem bellandi facturos.
**戦争することに結末をつけることはないであろう。
*Proinde agmine impeditos adorirentur<ref>adorirentur はA・β系写本の記述で、M・L・N写本では adoriantur 、S写本では adorantur 、Q・B・M写本ではadorientur となっている。</ref>.
**それゆえに、(ローマ勢の)行軍によって重荷となっている(輜重隊の)者たちを襲撃するのだ。
*⑤ Si pedites suis auxilium ferant atque in eo morentur, iter facere<ref>facere はα系写本の記述で、β系写本では confici となっている。</ref> non posse;
**もし(ローマ勢の)歩兵たちが味方を支援し、そのことで滞留するならば、(属州へ)行軍することはできない。
*si ─id quod magis futurum confidat─
**もし、─(我は)むしろそうなるであろうと期待することであるが─
*relictis impedimentis suae saluti consulant,
**(ローマ歩兵たちが)[[w:輜重|輜重]]を残して、自分たちの身の安全に意を用いるならば、
*et usu rerum necessariarum et dignitate spoliatum iri.
**必需品の使用や(ローマ人としての)品格をはぎ取られることになる。
*⑥ Nam de equitibus hostium,
**なぜなら、敵方の騎兵については
**<span style="color:#009900;">:(訳注:著者カエサルはここでは、間接話法でありながら、ローマ勢について hostium「敵方の」と表現している。)</span>
*quin nemo eorum progredi modo extra agmen audeat,
**彼ら(ローマ騎兵)のうち誰も、<ruby><rb>行軍縦隊</rb><rp>(</rp><rt>アグメン</rt><rp>)</rp></ruby>の外にすら、あえて進み出ようとしないこと、
*et ipsos quidem non<ref>et ipsos quidem non はα系写本の記述で、β系写本では ne ipsos quidem となっている。</ref> debere dubitare.
**(そのことを、諸君ら)自身は決して疑念を持つことなかれ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:ne quidem|ne ~ quidem]]「~でさえ…ない」)</span>
*Id quo maiore faciant animo,
**それ(=輜重隊への襲撃)を、より大胆な心構えで実行してもらうために、
*copias se omnes pro castris habiturum et terrori hostibus futurum.
**自分(ウェルキンゲトリークス)が軍勢すべてを陣営の前に保持しておくであろうし、敵方の心胆を寒からしめるであろう。
*⑦ Conclamant equites
**(ガッリア勢の)騎兵たちは(以下のように)叫んだ。
*sanctissimo iure iurando confirmari oportere,
**最も神聖な誓約によって確証されなければならぬ。
*ne tecto recipiatur, ne ad liberos, ne ad parentes, ad<ref>ne ad …, ne ad …, ad が写本(ω)の記述であるが、モイゼル Meusel は ne ad …, ad …, ad と修正提案をしている。</ref> uxorem aditum habeat,
**(以下の者は)家に迎え入れられたり、子供たちや親たちや妻女たちのところへ近づくことがないように。
*qui non bis per agmen hostium perequitasset<ref>perequitasset はα系写本の記述で、β系写本では perequitarit となっている。</ref>.
**敵方(ローマ勢)の隊列を越えて(往復の)2度、騎馬で駆け抜けることがなかった者は。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:敵中突破と生還を成し遂げなかった騎兵は、復員してはならない、と誓約したのである。)</span>
===67節===
'''カエサル麾下のゲルマニア騎兵がウェルキンゲトリークスを一蹴'''
*① Probata re atque omnibus iure iurando adactis
**これが賛同されて、(ガッリア騎兵の)皆が誓約させられて、
*postero die in tres partes distributo equitatu
**翌日に、[[w:騎兵|騎兵隊]]を3つの分隊に分配した。
*duae se acies ab duobus lateribus ostendunt,
**2隊は(ローマ勢の左右)2つの側面から<ruby><rb>戦闘隊形</rb><rp>(</rp><rt>アキエス</rt><rp>)</rp></ruby>として現われた。
*una a<ref>a はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> primo agmine iter impedire coepit.
**1隊は(ローマ勢の)前衛から行軍を妨げ始めた。
*② Qua re nuntiata
**その事が報告されて、
*Caesar suum quoque equitatum tripertito divisum contra hostem ire iubet.
**カエサルは麾下の騎兵隊おのおのを3つに配分して、敵に対して向かって行くことを命じた。
*Pugnatur una omnibus in partibus.
**(騎兵戦が)同時にすべての方面で戦われた。
*③ Consistit agmen;
**(ローマ勢の)<ruby><rb>行軍縦隊</rb><rp>(</rp><rt>アグメン</rt><rp>)</rp></ruby>は一歩も引かなかった。
*impedimenta intra legiones recipiuntur.
**[[w:輜重|輜重]]は諸[[w:ローマ軍団|軍団]]の内側に後退した。
*④ Si qua in parte nostri laborare aut gravius premi videbantur,
**もし、我が方(ローマ勢)のある部隊が苦戦したり、またはひどく押されぎみだと思われたならば、
*eo signa inferri Caesar aciemque constitui<ref>constitui はα系写本の記述で、β系写本では converti 、T写本では conferri となっている。</ref> iubebat;
**カエサルはそこに進撃して戦列を組織することを命じた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:signa inferre「軍旗を進める、進撃する」)</span>
*quae res et hostes ad insequendum tardabat et nostros spe auxilii confirmabat.
**その事が、敵方が追撃して来るのを遅らせもしたし、我が方が支援の希望により元気付けられもした。
*⑤ Tandem Germani ab dextro latere summum iugum nacti hostes loco depellunt,
**ついに、ゲルマニア人(騎兵)たちが右の側面から尾根の頂きを掌握して、敵方をその場から追いやった。
*fugientes usque ad flumen,
**逃亡する(ガッリア騎兵の)者たちを川の辺りまで(追って)、
*ubi [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]] cum pedestribus copiis consederat,
**そこには[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]が[[w:歩兵|歩兵]]の軍勢とともに陣取っていたのだが、
*persecuntur<ref>persecuntur はα系写本の記述で、β系写本では persequuntur となっている。</ref> compluresque interficiunt.
**(ゲルマニア騎兵が敵を川辺まで)追撃して、かなりの者たちを殺戮した。
*⑥ Qua re animadversa
**その事が(敵方に)気付かれて、
*reliqui ne circumirentur<ref>circumirentur はA・φ系写本の記述で、Q・β系写本では circumvenirentur となっている。</ref> veriti se fugae mandant.
**(ガッリア勢の)残りの者たちは、包囲されないようにと怖れて、逃亡に身を任せた。
*Omnibus locis fit caedes.
**(こうしてローマ方により)あらゆる場所で虐殺が行なわれた。
*⑦ Tres nobilissimi [[w:la:Haedui|Haedui]] capti ad Caesarem perducuntur:
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の3人の高位の貴族が捕らえられて、カエサルのところへ連行されて来た。
*Cotus, praefectus equitum, qui controversiam cum Convictolitavi proximis comitiis habuerat,
**コトゥスは騎兵指揮官で、最近の会議でコンウィクトリタウィスと(統領の座をめぐって)係争した。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#32節|32節]]~33節を参照。)</span>
*et Cavarillus, qui post defectionem Litavicci pedestribus copiis praefuerat,
**カウァリッルスは、リタウィックスの背反の後に、歩兵の軍勢を指揮していた。
*et Eporedorix, quo duce ante adventum Caesaris Haedui cum Sequanis bello contenderant.
**エポレドリクスは、カエサルの到来以前にハエドゥイー族の将帥としてセクアニ族と戦争を闘っていた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:この人物は、ウィリドマルスとともにカエサルを裏切ったエポレドリクスとは同名異人である。)</span>
==アレスィア攻囲戦==
===68節===
[[画像:Alésia.jpg|thumb|right|300px|[[w:アレシアの戦い|アレスィア古戦場]]であるとほぼ確実視されている仏アリーズ=サント=レーヌ村([[w:fr:Alise-Sainte-Reine|Alise-Sainte-Reine]])近郊のオソワ山(Mont Auxois)という丘陵の西端にある[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]像(<small>[[w:fr:Vercingétorix_(statue d'Aimé Millet)|Statue de Vercingétorix]]</small>)。<small>[http://maps.google.co.jp/?ie=UTF8&ll=47.538579,4.490544&spn=0.001172,0.002401&t=h&z=19&brcurrent=3,0x0:0x0,1 Googleマップ]</small>の航空写真にもこの巨像が写っている。<br>当地はフランス東部[[w:ブルゴーニュ地域圏|ブルゴーニュ地方]][[w:コート=ドール県|コート=ドール県]](<small>[[w:fr:Côte-d'Or|Côte-d'Or]]</small>)のオソワ地域(<small>[[w:fr:Auxois (région)|L'Auxois]]</small>)にあり、県都[[w:ディジョン|ディジョン]]市街から西北西へ約4.5kmの地点に位置する。ディジョン方面から県道905号(D905)を北西に進んで行くと、ヴナレ=レ=ローム(<small>[[w:fr:Venarey-les-Laumes|Venarey-les-Laumes]]</small>)から東の郊外にかけて古戦場跡が広がる。<br>オソワ(Auxois)という地域名・山名は、ラテン語の Alesiensis pagus「アレスィア郷」が転訛し、アリーズ(Alise)の名もアレスィア(Alesia)に由来すると考えられている。サント=レーヌ([[w:fr:Sainte Reine|Sainte Reine]] 聖レグニア)とはこの地でAD252年に殉教したキリスト教徒ガッリア人女性で、カトリック教会から聖人に列せられている。]]
'''ウェルキンゲトリークスがアレスィア入城、カエサルは攻囲を決断'''
*① Fugato omni equitatu
**すべての[[w:騎兵|騎兵隊]]が逃げてしまったので、
*[[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]] copias suas<ref>suas はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref>, ut pro castris conlocaverat, reduxit
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は、陣営の前に配置するようにしていた麾下の(歩兵の)軍勢を呼び戻して、
*protinusque [[w:la:Alesia|Alesiam]], quod est oppidum Mandubiorum, iter facere coepit
**すぐに、マンドゥビイ族の<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>である[[w:アレシア|アレスィア]]へ行軍し始めた。
*celeriterque impedimenta ex castris educi et se subsequi iussit.
**かつ、速やかに陣営から[[w:輜重|輜重]]を進発させること、および自分に追随すること、を命じた。
*② Caesar impedimentis in proximum collem deductis,
**カエサルは、輜重を近隣の丘陵に移させて、
*duabus legionibus praesidio relictis,
**2個[[w:ローマ軍団|軍団]]を(輜重の)守備隊として(その丘陵に)残留させた。
*secutus quantum diei tempus est passum,
**日中の時間が許される限り(ガッリア勢を)追跡して、
*circiter tribus milibus hostium ex novissimo agmine interfectis
**敵方の後衛のうちから約3000人を殺戮して、
*altero die ad Alesiam castra fecit.
**翌日には、アレスィアの辺りに陣営を張った。
*③ Perspecto urbis situ
**(アレスィアの)都市の地勢を吟味して、
*perterritisque hostibus, quod equitatu, qua maxime parte exercitus confidebant, erant pulsi,
**敵方は、部隊の大部分において頼りにしていた騎兵隊が撃退されていたので、怖れおののいていたから、
*adhortatus ad laborem milites circumvallare instituit.
**(カエサルは)兵士たちを労役に駆り立てて、(敵陣を)[[w:堡塁|堡塁]]で囲むことを決断した。
===69節===
[[画像:Alise2.jpg|thumb|right|300px|[[w:アレシア|アレスィア]]にあったローマ時代の[[w:フォルム|フォルム]](広場)や[[w:バシリカ|バシリカ]](教会堂)などと思われる遺跡([http://maps.google.co.jp/?ie=UTF8&t=h&brcurrent=3,0x0:0x0,1&ll=47.539477,4.5008&spn=0.002343,0.004801&z=18 Googleマップ]の航空写真を参照)。現在、オソワ山(Mont Auxois)と呼ばれているこの丘陵は、頂きが平坦な台地状になっており、その中央のさらに高い所に[[w:オッピドゥム|オッピドゥム]](城塞都市)があったと思われる。<br>上の画像からは、同等の高さの丘陵が周囲を取り巻いていることが見て取れる。<br>『ガリア戦記』に書かれたアレスィアの所在地については諸説があって永らく不明であったが、ゲルゴウィアと同様に19世紀のウジェーヌ・ストッフェル大佐(colonel Eugène Stoffel)の発掘調査によってローマ軍の遺構などが発見され、地勢もカエサルの記述にかなり合っていると見なされて、オソワ山とその中腹にあるアリーズ=サント=レーヌが有力視されることになった。]]
'''アレスィアの地勢、ローマ軍の攻囲線'''
*① Ipsum erat oppidum [[w:la:Alesia|Alesia]] in colle summo admodum edito loco,
**[[w:アレシア|アレスィア]]の<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>そのものは、丘陵の頂きにおいて、ひときわ高い地点にあって、
*ut nisi obsidione expugnari non posse videretur.
**攻囲(包囲)以外には攻略されることができないと思われた。
*② Cuius collis radices duo duabus ex partibus flumina subluebant.
**その丘陵のふもとを2つの方面から、2つの川が流れていた。
*③ Ante id<ref>id はα系写本の記述で、β系写本にはない。</ref> oppidum planities circiter milia passuum Ⅲ(tria) in longitudinem patebat;
**その城塞都市の前に、約3ローママイル(4.5km)の間隔で、平地が広がっていた。
*④ reliquis ex omnibus partibus colles mediocri interiecto spatio
**ほかのすべての方面からは(いくつかの)丘陵が適度な空間を置いており、
*pari altitudinis fastigio oppidum cingebant.
**同等の高さの頂上で(アレスィアの)城塞都市を取り巻いていた。
*⑤ Sub muro, quae pars collis ad orientem solem spectabat,
**(アレスィアの)丘陵の日が昇る方(=東方)へ面していた部分の城壁の下には、
*hunc omnem locum copiae Gallorum compleverant
**このすべての場所を、ガッリア人たちの軍勢が満たしていて、
*fossamque et maceriam sex in altitudinem pedum praeduxerant.
**堀、および高さ6[[w:ペース (長さ)|ペース]](約1.8m)の防壁を前に引いていた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[wikt:en:maceria|maceria]] は、軍事用語としては、立てこもるための城壁<ref><i>muraille (pour se retrancher)</i>(ラルース社の羅仏辞典 <small>“Dictionnaire MaxiPoche Plus latin-français et français-latin”</small> を参照)</ref>を指す。)</span>
*⑥ Eius munitionis quae ab Romanis instituebatur circuitus XI<ref>XI はα系写本の記述で、β系写本では X となっている。</ref> milia passuum tenebat.
**ローマ人たちによって建てられようとしていた塁壁の周囲は、11ローママイル(約16km)を占めていた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:α系写本では 11マイル=約16km、β系写本では 10マイル=約15km となっている。)</span>
*⑦ Castra opportunis locis erant posita
**(ローマ勢の)陣営は(戦略上)都合良い地点に設置されていて、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:歩兵・騎兵の陣営が計8か所に置かれていたようである。)</span>
*ibique<ref>ibique はα系写本の記述で、β系写本では itemque となっている。</ref> castella XXIII(viginti tria) facta,
**同じく23基の砦が造られた。
*quibus in castellis interdiu stationes ponebantur,
**それらの砦には、昼間は、歩哨たちが置かれて、
*ne qua subito eruptio fieret;
**不意に何らかの突撃がなされないようにした。
*haec eadem noctu excubitoribus ac firmis praesidiis tenebantur.
**この同じところが、夜間は、寝ずの番兵および強力な守備隊により固守された。
===70節===
'''カエサル麾下のゲルマニア騎兵が、再びガッリア騎兵を虐殺'''
*① Opere instituto
**(ローマ人により)[[w:堡塁|堡塁]]が建てられだして、
*fit equestre proelium in ea planitie,
**かの平地において[[w:騎兵|騎兵]]戦がなされた。
*quam intermissam collibus tria milia passuum in longitudinem patere supra demonstravimus.
**それ(平地)は(周囲の)丘陵から3ローママイル(約4.5km)の間隔を空けて広がっていることを、[[#69節|前]]に述べた。
*Summa vi ab utrisque contenditur.
**(騎兵戦は)双方の主力によって闘われた。
*② Laborantibus nostris Caesar Germanos submittit
**苦戦している我が方(ローマ騎兵)に対して、カエサルは[[w:ゲルマニア|ゲルマニア]]人(騎兵)を援けに派遣した。
*legionesque pro castris constituit, ne qua subito inruptio ab hostium peditatu fiat.
**諸[[w:ローマ軍団|軍団]]を陣営の前に駐留させて、不意に何らかの突入が敵方の[[w:歩兵|歩兵隊]]によってなされないようにした。
*③ Praesidio legionum addito nostris animus augetur;
**軍団の守備が加わって、我が方(ローマ勢の)勇気が増された。
*hostes in fugam coniecti se ipsi multitudine impediunt
**敵方(の騎兵)は敗走に追いやられて、彼ら自身が自分たち(の敗走)を大勢であることにより妨げた。
*atque angustioribus portis relictis coacervantur<ref>coacervantur は近世の写本(ς)の記述で、α系写本では coacervati tum 、β系写本では coartantur となっている。</ref>.
**さらに(ガッリア陣地の)諸門がとても狭いままにしておかれたので(騎兵たちが)積み重ねられた。
*④ Germani acrius usque ad munitiones sequuntur.
**ゲルマニア人(騎兵)たちは(ガッリア騎兵たちを)苛烈に、防塁のところまで追撃した。
*⑤ Fit magna caedes.
**(こうして)大虐殺が起こった。
*Nonnulli relictis equis fossam transire et maceriam transcendere conantur.
**(ガッリア騎兵の)幾人かは、馬を置き去りにして、堀を越えること、および防壁を登り越えることを試みた。
*Paulum legiones Caesar quas pro vallo constituerat promoveri iubet.
**カエサルは、防柵の前に駐留させていた諸軍団に、いくらか前進することを命じた。
*⑥ Non minus qui intra munitiones erant perturbantur Galli:
**防塁の内側にいたガッリア人たちも(騎兵たちに)劣らず狼狽した。
*veniri ad se confestim existimantes ad arma conclamant;
**(ローマ勢により)自分たちのところへ直ちにやって来られると考えた者たちは、防具を取れと叫んだ。
*nonnulli perterriti in oppidum inrumpunt.
**(ガッリア勢の)幾人かは、怖れおののいて(丘陵の頂きにある)城塞都市の中に押し入った。
*⑦ [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]] iubet portas claudi, ne castra nudentur.
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は、陣営が無防備にされないように、(防塁の)諸門が閉じられることを命じた。
*Multis interfectis, compluribus equis captis Germani sese recipiunt.
**(ガッリア騎兵の)多くが殺戮され、おびただしい馬が捕獲されて、ゲルマニア人(騎兵)たちは退却した。
===71節===
[[画像:Statue_Vercingetorix_st_germain_en_laye.JPG|thumb|right|250px|[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]の立像(<small>パリ郊外の[[w:サン=ジェルマン=アン=レー|サン=ジェルマン=アン=レー]] [[w:fr:Saint-Germain-en-Laye|Saint-Germain-en-Laye]]</small>)。[[w:アレシアの戦い|アレスィア古戦場]](<small>現在のアリーズ=サント=レーヌ</small>)にある巨大な銅像と同様に彫刻家エメ・ミレ([[w:fr:Aimé Millet|Aimé Millet]])によって建立された。]]
[[画像:Napoleon3.PNG|thumb|right|250px|ウジェーヌ・ストッフェル大佐(colonel Eugène Stoffel)をして[[w:アレシア|アレスィア]]およびゲルゴウィアの発掘調査をさせた立役者・皇帝[[w:ナポレオン3世|ナポレオン3世]]の肖像。[[w:ガリア起源説|ガッリア起源説]]により、王政に反感を持つフランスの共和派や庶民は、旧[[w:ブルボン家|ブルボン王朝]]を[[w:クロヴィス1世|クロヴィス]]や[[w:ユーグ・カペー|カペー]]にさかのぼるゲルマン系の[[w:フランク人|フランク人]]と見なし、自分たちのルーツを[[w:ケルト人|ケルト系]]の古代[[w:ガリア人|ガッリア人]]に求めた。ナポレオン3世はこのような国民の意識を利用して、[[w:ナショナリズム|ナショナリズム]]の高揚および帝政の基盤強化を図ったのである。]]
'''ウェルキンゲトリークスが援兵召集のため騎兵を放ち、籠城策を定める'''
*① [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]], priusquam munitiones ab Romanis perficiantur,
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は、ローマ人たちによって塁壁が完成されるより前に、
*consilium capit omnem ab se equitatum noctu dimittere.
**自分のところから[[w:騎兵|騎兵隊]]のすべてを夜間に送り出すことを計画した。
*② Discedentibus mandat
**(アレスィアから)退去する(騎兵の)者たちに(以下のように)指図した。
*ut suam quisque eorum civitatem adeat
**彼ら(騎兵)のおのおのが自らの部族に行くように、
*omnesque qui per aetatem arma ferre possint ad bellum cogant.
**かつ、年齢により武器を手に取ることができる者たちの皆を戦争へ徴集するように、と。
*③ Sua in illos merita proponit obtestaturque
**(ウェルキンゲトリークスは)彼ら(ガッリア人たち)における自分の功績に言及して(以下のように)懇願した。
*ut suae salutis rationem habeant
**自分の身の安全を顧慮してくれるように、
*neu se optime de communi libertate meritum in cruciatum hostibus<ref>in cruciatum hostibus はβ系写本の記述で、α系写本では hostibus in cruciatum となっている。</ref> dedant.
**かつ(ガッリア)共通の自由について功績が最上である自分を、敵方の責め苦に渡すことがないように、と。
*Quod si indiligentiores fuerint,
**ところが、もし(騎兵たちがウェルキンゲトリークスたちの安全に)無関心であったならば、
*milia hominum delecta octoginta una secum interitura demonstrat.
**選りすぐりの兵員8万名が自分と一緒に滅びるであろう、と明言した。
*④ Ratione inita frumentum se exigue dierum XXX(triginta) habere<ref>frumentum ~ habere はβ系写本の記述で、χ系・φ系あるいはモイゼル H. Meusel の修正提案など、写本や校訂者により語順が異なっていたり、単語が欠けていたりする。</ref>,
**見積もったところ、自分たちはわずかに30日分の穀物を保有しているが、
*sed paulo etiam longius tolerari posse parcendo.
**しかし節約することにより、なおいくらか長く耐え忍ぶことができる、と。
*⑤ His datis mandatis,
**これらの指図を与えてから、
*qua erat nostrum opus<ref>erat nostrum opus はβ系写本の記述で、α系写本では単に opus erat となっている。</ref> intermissum, secunda vigilia silentio equitatum mittit<ref>mittit はχ系・B・M・S写本の記述で、β系写本では dimittit となっている。</ref>.
**我が方(ローマ勢)の構築物が中断しているところから、第二夜警時に静けさのうちに、騎兵隊を送り出した。
*⑥ Frumentum omne ad se referri iubet,
**穀物をすべて自分のところへ運んで来ることを命じて、
*capitis poenam iis qui non paruerint constituit;
**服従しなかった者たちを極刑に処すと決めた。
*⑦ pecus, cuius magna erat copia a Mandubiis<ref>a Mandubiis はβ系写本の記述で、α系写本では ab Manduviis となっている。</ref> compulsa, viritim distribuit;
**家畜は、マンドゥビイ族によって大量に集められていたが、個々に分配した。
*frumentum parce et paulatim metiri instituit;
**穀物を節約して少しずつ量り分けることを定めた。
*⑧ copias omnes quas pro oppido collocaverat in oppidum recepit.
**<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>の前に駐留させていた(歩兵の)軍勢すべてを城塞都市の中に退却させた。
*⑨ His rationibus auxilia Galliae exspectare et bellum parat administrare<ref>parat administrare はα系写本の記述で、β系写本では administrare parat となっている。</ref>.
**これらの手段により、ガッリア(諸部族)の援軍を待つこと、および戦争を指導しようとしたのである。
===72節===
'''カエサルが、より大掛かりな攻囲陣地を構築する'''
*① Quibus rebus cognitis<ref>cognitis がこの位置にあるのはα系写本の記述で、β系写本では captivis の後となっている。</ref> ex perfugis et captivis
**それらの事情を脱走兵たちや捕虜たちから知って、
*Caesar haec genera munitionis instituit.
**カエサルは以下の類いの塁壁工事に取りかかった。
<br>
*'''前線の切り立った空堀'''
*Fossam pedum XX(viginti) derectis lateribus duxit,
**20[[w:ペース (長さ)|ペース]](約6m)の(幅の)垂直な側面の堀を引いた。
*ut eius fossae<ref>fossae がこの位置にあるのはβ系写本の記述で、α系写本では summa(e) の後になっている。</ref> solum tantundem pateret, quantum summa<ref>summa はβ系写本の記述で、α系写本では summae となっている。</ref> labra distarent<ref>distarent はα系写本の記述で、β系写本では distabant となっている。</ref>.
**その堀(の底)は、頂きの縁が離れているのとちょうど同じ分だけ広がるようにした。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:上辺と底の幅が等間隔になるような切り立った空堀にした。)</span>
*② Reliquas omnes munitiones ab ea fossa pedes<ref>pedes はα系写本の記述で、β系写本では pedibus となっている。</ref> CCCC(quadringentos) reduxit.
**ほかのすべての塁壁は、その堀から400ペース(約120m)後ろに引いた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:写本にあるこの数字は、19世紀のウジェーヌ・ストッフェル大佐(colonel Eugène Stoffel)の</span>
**:<span style="color:#009900;">発掘調査によって400[[w:パッスス|パッスス]](約600m)と修正された。この堀は、アレスィアの西方に引かれたと思われる。)</span>
*Id hoc consilio,
**それは、以下の考えによる。
*quoniam tantum spatium necessario esset<ref>spatium necessario esset はβ系写本の記述で、α系写本では esset necessario spatio となっている。</ref> complexus
**これほどの空間が包囲されなければならないのであるから、
*nec facile totum corpus<ref>corpus はα系写本の記述で、β系写本では opus となっており、ρ系写本にはない。</ref> corona militum cingeretur,
**すべての包囲作業が兵士たちの<ruby><rb>哨兵線</rb><rp>(</rp><rt>コロナ</rt><rp>)</rp></ruby>で取り囲まれるのは容易ではない。
*ne de improviso aut noctu ad munitiones hostium multitudo<ref>hostium multitudo はα系写本の記述で、β系写本では multitudo hostium となっている。</ref> advolaret
**不意に、あるいは夜間に、敵方の大勢が(ローマ側の)塁壁へ突進することがないように、
*aut interdiu tela in nostros operi destinatos conicere possent<ref>possent はα系写本の記述で、β系写本では posset となっている。</ref>.
**あるいは日中に、工事中の我が方(ローマ勢)に飛道具が投げ付けられることができないように。
<br>
[[画像:Fosse.Saint.Pierre.en.Chastres.png|thumb|right|300px|二重の堀およびその背後の堡塁(土塁と障壁・櫓)の模式図([[w:ウジェーヌ・エマニュエル・ヴィオレ・ル・デュク|ヴィオレ=ル=デュク]]著『中世フランス建築体系辞典』[[s:fr:Dictionnaire raisonné de l’architecture française du XIe au XVIe siècle - Tome 5, Fossé|(s)]]より)。]]
[[画像:AlesiaFortifications.JPG|thumb|right|300px|[[w:アレシアの戦い|アレスィア古戦場]]跡に再現された、二重の堀およびその背後の堡塁(土塁と鹿柴、胸壁・鋸壁、櫓)。]]
*'''二重の堀'''
*③ Hoc intermisso spatio
**この空間をあけて、
*duas fossas XV(quindecim) pedes latas eadem altitudine perduxit;
**15ペース(約4.5m)の幅の2つの堀を、同じ深さ(15ペース)で張り巡らせた。
*quarum interiorem campestribus ac demissis locis
**それらの内側(の堀)の平地で低く下がった所には、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:内側の堀とは、アレスィアに近い東側の堀と考えられている。)</span>
*aqua ex flumine derivata complevit.
**川から導かれた水で満たした。
<br>
*'''土塁と防柵、胸壁と鋸壁、鹿柴、櫓'''
*④ Post eas aggerem ac vallum XII(duodecim) pedum exstruxit.
**それらの後ろには、12ペース(約3.6mの高さ)の<ruby><rb>[[w:土塁|土塁]]</rb><rp>(</rp><rt>アッゲル</rt><rp>)</rp></ruby>と<ruby><rb>防柵</rb><rp>(</rp><rt>ウァッルム</rt><rp>)</rp></ruby>を築き上げた。
*Huic loricam pinnasque adiecit
**これに<ruby><rb>胸壁</rb><rp>(</rp><rt>ロリカ</rt><rp>)</rp></ruby>と<ruby><rb>鋸壁</rb><rp>(</rp><rt>ピンナ</rt><rp>)</rp></ruby>を付け加えて、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:胸壁と鋸壁とは、[[ガリア戦記 第5巻#40節|第5巻40節]]で既出のように、凹凸形に編み込まれた柴の壁)</span>
*grandibus cervis eminentibus ad commissuras pluteorum atque aggeris,
**障壁と土塁の接合部の辺りに大きな<ruby><rb>鹿柴</rb><rp>(</rp><rt>ケルウス</rt><rp>)</rp></ruby>を突き出させて、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:<ruby><rb>鹿柴</rb><rp>(</rp><rt>ろくさい</rt><rp>)</rp></ruby>(鹿砦または<ruby><rb>逆茂木</rb><rp>(</rp><rt>さかもぎ</rt><rp>)</rp></ruby>)とは、鹿の角のように枝分かれした杭や枝を逆立てた杭囲い。</span>
**:<span style="color:#009900;">障壁とは、防柵の前に取り付けられた胸壁と鋸壁の総称であろう。)</span>
*qui ascensum hostium tardarent,
**敵方が登って来るのを妨げようとした。
*et turres toto opere circumdedit, quae pedes LXXX(octoginta) inter se distarent.
**構築物の全体を、互いに80ペース(約24m)離れて立つ櫓で取り巻いた。
===73節===
'''カエサルは、攻囲陣地をさらに障害物で補強する'''
*① Erat eodem tempore et materiari et frumentari et tantas munitiones fieri necesse
**材木収集と糧食徴発、およびこれほどの塁壁工事がなされることが、同時に必要であった。
*deminutis nostris copiis, quae longius ab<ref>ab はα系写本の記述で、β系写本では a となっている。</ref> castris progrediebantur.
**我が方の軍勢(ローマ勢)は減じており、陣営からはるか遠くに進み出ていた。
*Ac nonnumquam opera nostra Galli temptare
**いくたびか、我が方の構築物に、ガッリア人が攻撃すること(を試み)、
*atque eruptionem ex oppido pluribus portis summa vi facere conabantur.
**かつ、<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>の多くの門から、主力でもって出撃することを試みた。
*② Quare ad haec rursus opera addendum Caesar putavit,
**そのゆえに、この構築物へさらに(以下の障害物が)付け加えられるべきだとカエサルは考えた。
*quo minore numero militum munitiones defendi possent.
**それによって、より少ない数の兵士で塁壁が防衛されることができるように、と。
[[画像:Archeodrome_Beaune_8.jpg|thumb|right|300px|[[w:アレシアの戦い|アレスィア古戦場]]跡に再現された攻囲陣地(上の画像と同じ物)。堡塁(土塁と障壁と櫓)の前の平地に、樹枝が突き出た「尖り杭」(奥)と落とし穴を枝で覆った「百合」(手前)が見える。]]
[[画像:Trous.de.loup.png|thumb|right|300px|サイコロの五つ目状に並べられた落とし穴「百合」(lilium)の模式図([[w:ウジェーヌ・エマニュエル・ヴィオレ・ル・デュク|ヴィオレ=ル=デュク]]著『中世フランス建築体系辞典』[[s:fr:Dictionnaire raisonné de l’architecture française du XIe au XVIe siècle - Tome 5, Fossé|(s)]]より)。図の上部が五つ目状の配列を、図の下部が落とし穴の断面図を示す。この断面図では、尖らされた樹幹の先端が、傾斜した穴の突き固められた底から4本指ほど突き出ていると解釈しているようである。カエサルの記述からは、地表から突き出ているとも解釈できる。]]
[[画像:Aiguillon.png|thumb|right|200px|鉄の鉤が固定された杭「刺」の模式図([[w:ウジェーヌ・エマニュエル・ヴィオレ・ル・デュク|ヴィオレ=ル=デュク]]著『中世フランス建築体系辞典』[[s:fr:Dictionnaire raisonné de l’architecture française du XIe au XVIe siècle - Tome 5, Fossé|(s)]]より)。]]
[[画像:Archeodrome_Beaune_2.jpg|thumb|right|300px|[[w:アレシアの戦い|アレスィア古戦場]]跡に再現された攻囲陣地(上の画像と同じ物)。いちばん手前に「刺」が再現されている。]]
:
'''尖り杭'''
*Itaque truncis arborum aut admodum firmis ramis abscisis
**こうして、樹木の幹、あるいは非常に強固な枝が切り取られて、
*atque horum delibratis ac praeacutis cacuminibus
**これらの皮がむかれて、<ruby><rb>梢</rb><rp>(</rp><rt>こずえ</rt><rp>)</rp></ruby>が<ruby><rb>尖</rb><rp>(</rp><rt>とが</rt><rp>)</rp></ruby>らされて、
*perpetuae fossae quinos pedes altae ducebantur.
**5[[w:ペース (長さ)|ペース]](約1.5m)ずつの連続した堀が引かれた。
*③ Huc illi stipites demissi
**ここに、あの樹幹が沈められて、
*et ab infimo revincti, ne revelli possent, ab ramis eminebant.
**底から固くしばられて、はぎ取ることができないようにして、枝から(地上に)突き出るようにしていた。
*④ Quini erant ordines coniuncti inter se atque implicati;
**5列ずつが、互いにつなげられて、結び合わされた。
*quo qui intraverant se ipsi acutissimis vallis induebant.
**そこに踏み込んだ者は、自身が自らをきわめて鋭い杭に陥れた。
*Hos cippos appellabant.
**(将兵たちは)これらを<ruby><rb>尖り杭</rb><rp>(</rp><rt>キップス</rt><rp>)</rp></ruby>と呼んだ。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[wikt:en:cippus|cippus]]「尖り杭」は「墓標」とも訳されるが、後者は古典期以降のラテン語で長方形の墓碑を指す<ref><small>POSTCLASSIQUE</small> <i>[[w:fr:Cippe|cippe]] (colonne funéraire rectangulaire)</i>(ラルース社の羅仏辞典 <small>“Dictionnaire MaxiPoche Plus latin-français et français-latin”</small> を参照)</ref>。)</span>
:
'''百合'''
*⑤ Ante<ref>ante はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> quos<ref>quos はα系写本の記述で、β系写本では hos となっている。</ref> obliquis ordinibus in quincuncem dispositis
**それらの前に、(サイコロの)<ruby><rb>五つ目状</rb><rp>(</rp><rt>クィンクンクス</rt><rp>)</rp></ruby>に斜めの列に配置されて、
*scrobes tres in altitudinem pedes fodiebantur
**深さ3ペース(約90cm)の穴が掘られた。
*paulatim angustiore ad infimum fastigio.
**しだいに、より狭く、底の方へ傾斜を付けて。
*⑥ Huc teretes stipites [[w:la:Femur|feminis]] crassitudine
**ここに、太ももの厚さの丸みを帯びた樹幹が
*ab summo praeacuti et praeusti demittebantur,
**先端から尖らせられ、焦がされて(穴の底に)突き刺された。
*ita ut non amplius digitis quattuor ex terra<ref>ex terra はα系写本の記述で、V・ρ系写本では e terra 、T写本では contra となっている。</ref> eminerent;
**4本の指より長くないほど地中から突き出るように。
*⑦ simul confirmandi et stabiliendi causa
**同時に、強固にして固定するために、
*singuli ab infimo solo pedes terra exculcabantur;
**それぞれ底から1ペース(約30cm)だけ土で突き固められた。
*reliqua pars scrobis ad occultandas insidias viminibus ac virgultis integebatur.
**穴の残りの部分は、わなを隠すために、柳の細枝や若枝で覆われた。
*⑧ Huius generis octoni ordines ducti ternos inter se pedes distabant.
**この類いを、8列ずつ、3ペース(約90cm)ずつ互いに離して、作った。
*Id ex similitudine floris lilium appellabant.
**(将兵たちは)それを花との類似から、<ruby><rb>[[w:ユリ|百合]]</rb><rp>(</rp><rt>リリウム</rt><rp>)</rp></ruby>と呼んだ。
:
'''刺'''
*⑨ Ante haec taleae pedem longae ferreis hamis infixis totae in terram infodiebantur
**これらの前に、鉄製の鉤が打ち込まれた長さ1ペース(約30cm)の棒の全体が地中に埋め込まれた。
*mediocribusque intermissis spatiis omnibus locis disserebantur,
**適度な空間を間にあけて、至る所に配置された。
*quos stimulos nominabant.
**(将兵たちは)それらを刺と呼んだ。
{| class="wikitable"
|-
! colspan="2" | [[w:la:Obsidio Alesiae|Obsidio Alesiae]]
|-
| style="vertical-align:top; text-align:left; width:35em;" |[[画像:Fortificazioni alesia png.png|thumb|left|500px|[[w:アレシアの戦い|アレシアの戦い]]における攻囲陣地の構成(図の説明はイタリア語)。]]
|}
===74節===
'''ガッリア人の来援に備えて、外周にも同様の塁壁を張り巡らす'''
*① His rebus perfectis
**これらの物が造り上げられると、
*regiones secutus quam potuit aequissimas pro loci natura
**地勢に応じて、できるかぎり好都合な地帯を探し求めて、
*XIIII(quattuordecim) milia passuum complexus
**14ローママイル(約21km)を取り巻いて、
*pares eiusdem generis munitiones,
**(内周の塁壁と規模が)匹敵する同じ類いの塁壁を
*diversas ab his, contra exteriorem hostem perfecit,
**これら(内周)に対置させて、外側の敵に対抗して造り上げた。
*ut ne magna quidem multitudine, si ita accidat equitatus<ref>equitatus はシェーラー(Schoeller)による修正提案で、写本(ω)では eius であるが、近代の校訂者たちにより修正提案がなされている。</ref> discessu,
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:ne quidem|ne ~ quidem]]「~でさえ…ない」)</span>
**もし[[w:騎兵|騎兵隊]]の退去によりこのようなこと(外敵との遭遇)が生じても、決して大軍により
*munitionum praesidia circumfundi possent;
**塁壁の守備隊が包囲されることができないように。
*② <ne> autem<ref>ne autem は近代の校訂者による修正提案で、α系・π系写本では aut、ρ系写本では ut となっている。</ref> cum periculo ex castris egredi cogatur,
**(ローマ勢が)危険を伴って陣営から進発することを強いられることもないように、
*dierum XXX(triginta) pabulum frumentumque habere omnes convectum iubet.
**30日分の[[w:糧秣|秣(まぐさ)や穀物]]を運び集めて保持することを皆に命じた。
===75節===
'''ガッリア同盟が各部族に動員を要請する'''
*① Dum haec apud<ref>apud はα系写本の記述で、β系写本では ad となっている。</ref> [[w:la:Alesia|Alesiam]] geruntur,
**これらが[[w:アレシア|アレスィア]]のもとで遂行されている間に、
*Galli concilio principum indicto
**ガッリア人たちは、領袖たちの会合を課して、
*non omnes hos<ref>omnes hos はα系写本の記述で、β系写本では単に omnes となっている。</ref> qui arma ferre possent, ut censuit [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]], convocandos statuunt,
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]が見積もったように武器を扱える者たち皆を召集するべき、ではないと判断した。
*sed certum numerum cuique ex civitate<ref>ex civitate はα系写本の記述で、β系写本では civitati となっている。</ref> imperandum,
**けれども、おのおのの部族から一定の兵数(の供出)を命令すること(を決めた)。
*ne tanta multitudine confusa nec moderari nec discernere suos nec frumentandi rationem<ref>frumentandi rationem はT・U・R写本などの記述で、V・U写本などでは frumenti rationem となっている。</ref> habere possent.
**これほどの大軍で混乱したり、味方を指揮できなかったり判別できなかったり、ということがないように。
*② Imperant [[w:la:Haedui|Haeduis]] atque eorum clientibus, Segusiavis, Ambivaretis, Aulercis Brannovicibus, Blannoviis, milia XXXV(triginta quinque);
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]とその庇護民であるセグスィアウィ族、アンビウァレティ族、アウレルキ・ブランノウィケス族、ブランノウィイ族に3万5千名を命令した。
*parem numerum Arvernis adiunctis Eleutetis, Cadurcis, Gabalis, Vellaviis,
**[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]に隣接しているエレウテティ族、カドゥルキー族、ガバリ族、ウェッラウィイ族に同等の兵数。
*qui sub imperio Arvernorum esse consuerunt;
**彼らはアルウェルニー族の支配下にいるのが常であった。
*③ Sequanis, Senonibus, Biturigibus, Santonis, Rutenis, Carnutibus duodena milia;
**セクアニ族、セノネース族、ビトゥリゲース族、サントネス族、ルテーニー族、カルヌーテース族には1万2千ずつ。
*Bellovacis X(decem); totidem Lemovicibus;
**ベッロウァキ族に1万。レモウィケス族に同じだけ多く(1万)。
*octona Pictonibus et Turonis et Parisiis et Helvetiis;
**ピクトネス族とトゥロニ族とパリスィイ族と[[w:ヘルウェティイ族|ヘルウェティイ族]]に8(千)ずつ。
*Senonibus<ref>Senonibus は写本(ω)にある記述だが、sen<a Suessi>onibus「6(千)ずつをスエッスィオニス族…に」などさまざまな修正提案がなされている。</ref>, Ambianis, Mediomatricis, Petrocoriis, Nerviis, Morinis, Nitiobrogibus quina milia;
**セノネース族、アンビアニ族、メディオマトリキ族、ペトロコリイ族、ネルウィイ族、モリニ族、ニティオブロゲス族に5千ずつ。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:Senonibus「セノネース族」は既出のためスエッスィオネス族などに書き替える修正提案がなされ、以下は校訂版によっては兵数がずれる。</span>
**:<span style="color:#009900;">しかし、スエッスィオネス族 Suessiones は[[ガリア戦記 第2巻#12節|第2巻12節]]でレーミー族を通じてカエサルに降伏しており、</span>
**:<span style="color:#009900;">第8巻6節でも「レーミー族に委ねられていた」「同盟者」と記されているので、アレスィアには出兵していないであろう。)</span>
*Aulercis Cenomanis totidem; Atrebatibus IIII;
**アウレルキ・ケノマニ族に同じだけ多く(5千)。アトレバテス族に4(千)。
*Veliocassis, Lexoviis et Aulercis Eburovicibus terna;
**ウェリオカッセス族、レクソウィイ族とアウレルキ・エブロウィケス族に3(千)ずつ。
*Rauracis et Boiis<ref>Boiis はα系写本の記述で、β系写本では Bois となっている。</ref> bina;
**ラウラキ族とボイイ族に2(千)ずつ。
*XXX<ref>XXX はα系写本の記述で、さまざまな修正提案がなされている。</ref> milia universis civitatibus, quae Oceanum attingunt
**<ruby><rb>大洋<span style="color:#009900;">〔[[w:大西洋|大西洋]]〕</span></rb><rp>(</rp><rt>オーケアヌス</rt><rp>)</rp></ruby>に接する諸部族全体に3万。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:この数は写本により異なっており、混乱している。)</span>
*quaeque eorum consuetudine Aremoricae appellantur,
**それらは、彼ら(ガッリア人)の慣習でアレモリカエと呼ばれており、
*quo sunt in numero Coriosolites, Redones, Ambibarii, Caletes, Osismi, Veneti, Lemovices, Unelli.
**コリオソリテス族、レドネス族、アンビバリイ族、カレテス族、オスィスミ族、ウェネティ族、レモウィケス族、ウネッリ族がそれらに数えられる。
*⑤ Ex his Bellovaci suum numerum non compleverunt<ref>compleverunt はα系写本の記述で、β系写本では contulerunt となっている。</ref>,
**これらのうちで、ベッロウァキ族は、自分たちの(割り当てられた)数を満たさなかった。
*quod se suo nomine atque arbitrio cum Romanis bellum gesturos dicebant
**というのは、彼らは自らの名と裁量でもってローマ人と交戦するであろうと言ったのだ。
*neque cuiusquam imperio obtemperaturos;
**(自分たちは)何者の命令にも服従しないであろう、と。
*rogati tamen ab<ref>ab はα系写本の記述で、β系写本では a となっている。</ref> Commio pro eius hospitio duo milia una miserunt.
**けれども、[[w:コンミウス|コンミウス]]の懇願により、彼を賓客としているために、2千名を一緒に送り出した。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ベッロウァキ族は要求された兵数の5分の1しか出さなかったが、第8巻22節ではこの出兵をも含めてカエサルから責められる。)</span>
===76節===
'''コンミウスもガッリア同盟軍に内応、約25万の大軍が集結'''
*① Huius opera Commii, ut antea demonstravimus, fideli atque utili
**前に述べたように、この[[w:コンミウス|コンミウス]]の信頼すべき有益な働きを
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[ガリア戦記 第4巻#21節|第4巻21節]]・[[ガリア戦記 第4巻#27節|27節]]・[[ガリア戦記 第4巻#35節|35節]]、[[ガリア戦記 第5巻#22節|第5巻22節]]、[[ガリア戦記 第6巻#6節|第6巻6節]]を参照。)</span>
*superioribus annis erat usus in [[w:la:Britannia Maior|Britannia]] Caesar;
**カエサルは先年(BC55~54年)に[[w:ブリタンニア|ブリタンニア]]において役立てていた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:コンミウスは、[[w:ローマによるブリタンニア侵攻 (紀元前55年-紀元前54年)|カエサルのブリタンニア侵攻]]の先導役を務めていた。後にブリタンニアで王となる。)</span>
*quibus ille pro meritis civitatem eius immunem esse iusserat,
**彼(カエサル)はそれらの功績の見返りに、彼(コンミウス)の部族が免税となることを命じており、
*iura legesque reddiderat atque ipsi Morinos attribuerat.
**権能や法度を元に戻してやり、(コンミウス)自身にモリニ族(の統治)をも委ねていた。
*② Tamen tanta<ref>tamen tanta はα系写本の記述で、β系写本では tanta tamen となっている。</ref> universae Galliae consensio fuit libertatis vindicandae et pristinae belli laudis recuperandae,
**けれども、自主独立が求められるべきで、かつての戦争の誉れが取り戻されるべきだという、ガッリア全体の合意があった。
*ut neque beneficiis neque amicitiae memoria moverentur
**その結果、(カエサルからの)厚遇にも友情の記憶にも揺り動かされず、
*omnesque et animo et opibus in id bellum incumberent.
**(ガッリアの)皆が闘志によっても兵力によっても、その戦争に没頭していたのだ。
*③ Coactis equitum milibus VIII(octo) et peditum circiter CCL(ducenti quinquaginta)<ref>CCL はβ系写本の記述で、α系写本では CCXL または CCXXXX となっている。</ref>
**[[w:騎兵|騎兵]]8千騎と[[w:歩兵|歩兵]]およそ250(千)名が徴集されて、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:歩兵の数は、β系写本では25万、α系写本では24万と異なっている。)</span>
*haec in Haeduorum finibus recensebantur, numerusque inibatur, praefecti constituebantur.
**これら(の軍勢)が[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の領土で閲兵されて、数が見積もられて、指揮官たちが決められた。
*④ Commio Atrebati, Viridomaro et [[w:la:Eporedorix|Eporedorigi]] [[w:la:Haedui|Haeduis]],
**アトレバテス族の[[w:コンミウス|コンミウス]]、ハエドゥイー族のウィリドマルスとエポレドリクス、
*[[w:la:Vercassivellaunus|Vercassivellauno]] Arverno, consobrino Vercingetorigis, summa imperii traditur.
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]の従兄弟である[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]のウェルカッスィウェッラウヌスに、最高司令権が託された。
*His delecti ex civitatibus attribuuntur, quorum consilio bellum administraretur.
**彼らに、諸部族から選ばれた者たちが付与されて、その者たちの協議により戦争が指導された。
*⑤ Omnes alacres et fiduciae pleni ad [[w:la:Alesia|Alesiam]] proficiscuntur,
**皆が、活気があって自身に満ち、[[w:アレシア|アレスィア]]へ向けて出発した。
*⑥ neque erat omnium quisquam qui adspectum modo tantae multitudinis sustineri posse arbitraretur,
**これほどの大軍を一見しただけで持ちこたえられる者は、誰一人いないと思われた。
*praesertim ancipiti proelio,
**とりわけ(内周と外周の)両面の戦闘で、
*cum ex oppido eruptione pugnaretur, foris tantae copiae equitatus peditatusque cernerentur.
**城塞都市からは出撃により戦われ、外からは騎兵と歩兵のこれほどの軍勢が視認されるのであるから。
===77節===
'''飢餓状態のアレスィアで、クリトグナトゥスが極論を唱える'''
*① At ii qui [[w:la:Alesia|Alesiae]] obsidebantur
**ところが、[[w:アレシア|アレスィア]]に包囲されていた者たちは、
*praeterita die qua auxilia suorum exspectaverant,
**味方の援軍を待ち望んでいた日も経過して、
*consumpto omni frumento,
**すべての糧食を消費し尽くして、
*inscii quid in [[w:la:Haedui|Haeduis]] gereretur,
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]のところにおいて何がなされているのかを知らず、
*concilio coacto de exitu suarum fortunarum consultabant.
**会合を召集して、自分たちの命運の結末について協議した。
*② Ac variis dictis sententiis
**そして、さまざまな意見が述べられた。
*quarum pars deditionem,
**それらの一部は降伏を、
*pars dum vires suppeterent eruptionem censebat,
**別の一部は、活動力が十分にある間に突撃することを考慮していた。
*non praetereunda oratio [[w:la:Critognatus|Critognati]] videtur propter eius singularem et nefariam crudelitatem.
**クリトグナトゥスの演説は、彼の特異で非道な残酷さのために、看過されるべきではないと思われる。
<br>
'''クリトグナトゥスの演説が始まる'''
*③ Hic summo in Arvernis ortus loco et magnae habitus auctoritatis,
**彼は、[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]において最高の身分に生まれ、大きな影響力を持つとみなされていた。
<br>
'''降伏論者は最低の輩だ'''
*"Nihil" inquit "de eorum sententia dicturus sum, qui turpissimam servitutem deditionis nomine appellant,
**「最も恥ずべき隷属を降伏という名で呼んでいる者たちの意見については、(私は)何も述べないであろう」と言った。
*neque hos habendos civium loco neque ad concilium adhibendos censeo.
**「この者たちは市民の身分を持つべきではないし、会合へ招き入れられるべきでもない、と(私は)考える。
<br>
'''突撃論者には辛抱が欠けている'''
*④ Cum his mihi res sit, qui eruptionem probant;
**突撃に賛同した者たちとともに、私の関わりはあるべきだ。
*quorum in consilio omnium vestrum consensu
**その者たちの考えには、君たち皆の同意があるだろうし、
*pristinae residere virtutis memoria videtur.
**かつての武勇の記憶が残っていることと思われる。
*⑤ Animi est ista mollitia, non virtus, paulisper inopiam ferre non posse.
**しばらくの間も(糧食の)欠乏に耐えることができない(君らの)ことは、気の弱さであって、武勇ではない。
*Qui se ultro morti offerant facilius reperiuntur quam qui dolorem patienter ferant.
**自発的に玉砕して逝った者たちは、苦痛に辛抱強く耐えた者たちよりも、より容易に見出されるのだ。
*⑥ Atque ego hanc sententiam probarem ─tantum apud me dignitas potest─,
**しかし私は(突撃という)この意見に賛同したであろう。それほど、私にとっても価値がある。
*si nullam praeterquam vitae nostrae iacturam fieri viderem;
**(ただし)もし、我々(ガッリア勢)の生命が投げ出されること以外に(方策が)何もないと思ったならばだ。
*⑦ sed in consilio capiendo omnem Galliam respiciamus, quam ad nostrum auxilium concitavimus.
**けれども、作戦を立てるに当たっては、我々のために援軍を(我々が)呼び寄せた全ガッリアを顧慮しよう。
*⑧ Quid hominum milibus LXXX(octoginta) uno loco interfectis
**(我々ガッリア勢)8万の人間が(アレスィア)1か所で殺戮されたら、
*propinquis consanguineisque nostris animi fore existimatis,
**我々の親類縁者たちの士気はどうなると(君らは)判断しているのか。
*si paene in ipsis cadaveribus proelio decertare cogentur?
**もし、ほとんど(我々)自身の亡骸の中で(味方が)決戦することを強いられたら?
*⑨ Nolite hos vestro auxilio exspoliare qui vestrae salutis causa suum periculum neglexerunt,
**君らの身の安全のために、己の危険を顧みなかった者たちのことを、君らが援助すること(の機会)を奪わないでくれ。
*nec stultitia ac temeritate vestra aut animi imbecillitate omnem Galliam prosternere et perpetuae servituti subicere.
**君らの愚かさや無思慮、または心の弱さによって、全ガッリアを滅ぼすことや永久の隷属に委ねることがないように。
<br>
'''ローマ人たちが恐れているのを見よ'''
*⑩ An quod ad diem non venerunt, de eorum fide constantiaque dubitatis?
**それとも(援軍が)期日までにやって来なかったので、彼らの誠実さや剛直さについて(君らは)疑っているのか?
*Quid ergo?
**それでは(あれは)何だ?
*Romanos in illis ulterioribus munitionibus animine causa cotidie exerceri putatis?
**ローマ人たちがあの向こう側の塁壁のところで、趣味のために毎日たえず働かされていると(君らは)思うのか?
*⑪ Si illorum nuntiis confirmari non potestis omni aditu praesaepto,
**もし、すべての出入口を(防柵で)遮られて、(援軍の到来を)彼らの伝令により(君らが)確証できないのならば、
*his utimini testibus adpropinquare eorum adventum,
**こちらの者たち(ローマ人)を、彼ら(援軍)の到来が近づいている証人として示せ。
*cuius rei timore exterriti diem noctemque in opere versantur.
**(援軍の到来という)その事態の恐れに戦慄して(ローマ人たちは)昼も夜も工事に従事しているのだ。
<br>
'''クリトグナトゥスの意見は?'''
*⑫ Quid ergo mei consilii est?
**それでは、私の考えは何であるか?
*Facere quod nostri maiores nequaquam pari bello Cimbrorum Teutonumque fecerunt:
**我々の先祖たちが(今回とは)決して比べものにならない[[w:キンブリ・テウトニ戦争|キンブリ族・テウトニ族との戦争]]でしたことをするのだ。
*qui in oppida compulsi ac simili inopia subacti
**彼ら(先祖たち)は、[[w:オッピドゥム|城塞都市]]に押し込められて、(今回と)似たような欠乏により衰弱させられて、
*eorum corporibus, qui aetate ad bellum inutiles videbantur, vitam toleraverunt
**加齢により戦争に役立たないと思われた者たちの肉体(を食べること)によって、生命を持ちこたえて、
*neque se hostibus tradiderunt.
**敵方に降伏しなかったのだ。
*⑬ Cuius rei si exemplum non haberemus,
**もし、そういう事態の先例を我々が持たなかったとしても、
*tamen libertatis causa institui et posteris prodi pulcherrimum iudicarem.
**けれども、自由のために、最も栄誉なことが決断され、子孫たちに伝えられることと、私は思いたい。
*⑭ Nam quid illi simile bello fuit?
**実際、あの戦争に(今回と)似ている何があっただろうか?
*Depopulata Gallia Cimbri magnaque inlata calamitate
**キンブリ族はガッリアを荒らしまわって、大きな災禍をもたらしたが、
*finibus quidem nostris aliquando excesserunt atque alias terras petierunt;
**あるとき我々の領土から立ち去って、他の土地を求めて行った。
*iura, leges, agros, libertatem nobis reliquerunt.
**権限、法度、耕地、自由を我々(ガッリア人)に残して行ったのだ。
*⑮ Romani vero quid petunt aliud aut quid volunt
**しかし、ローマ人たちは(以下に挙げることの)他に何を求め、何を欲しているのだろうか。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:「しかし、ローマ人が求め、欲しているのは、以下のことである」の意。)</span>
*nisi invidia adducti quos fama nobiles potentesque bello cognoverunt,
**高貴で戦争に力強い(ガッリアの)者たちを名声で知って羨望に駆られた以外には、
*horum in agris civitatibusque considere atque his aeternam iniungere servitutem?
**彼らの土地や部族共同体に居座って、彼らを永遠の隷属を課すること以外には。
*Neque enim ulla alia condicione bella gesserunt.
**実際、(ローマ人は)他のいかなる条件でも決して戦争を遂行したことがなかった。
*⑯ Quodsi ea quae in longinquis nationibus geruntur ignoratis,
**もし、遠方の種族のところでなされていることを(君らが)知らないのであれば、
*respicite finitimam Galliam,
**ガッリアの隣人たちを見渡しなさい。
*quae in provinciam redacta,
**(彼らはローマの)[[w:属州|属州]]になることを余儀なくされ、
*iure et legibus commutatis,
**権限や法度を変えられて、
*securibus subiecta perpetua premitur servitute."
**(ローマの)権力に服属させられて、永久の隷属に苦しめられているのだ。
===78節===
'''マンドゥビイ族の投降をカエサルが拒む'''
*① Sententiis dictis
**(いくつかの)意見が述べられて、
*constituunt ut ii, qui valetudine aut aetate inutiles sunt<ref>sunt はα系写本の記述で、β系写本では sint となっている。</ref> bello, oppido excedant
**(ガッリア人たちは)健康または年齢により戦争に役立たない者たちは[[w:オッピドゥム|城塞都市]]を退去するように決めた。
*atque omnia prius experiantur quam ad Critognati sententiam descendant;
**さらに、クリトグナトゥスの意見に同意するよりも、まずあらゆることを試みるように(決めた)。
*② illo tamen potius utendum consilio,
**けれども(以下の場合には)むしろ彼(クリトグナトゥス)の意見を実行するべきだ。
*si res cogat atque auxilia morentur,
**もし、事態が強いて、援軍が遅滞させられるのならば、
*quam aut deditionis aut pacis subeundam condicionem.
**降伏あるいは講和条件を受諾することよりも(クリトグナトゥスの意見を実行するべきだ)、と。
*③ Mandubii qui eos oppido receperant,
**彼ら(ガッリア勢)を城塞都市に受け入れていたマンドゥビイ族は、
*cum liberis atque uxoribus exire coguntur.
**子供たちや妻女たちとともに(城塞都市から)出て行くことを強いられた。
*④ Hi cum ad munitiones Romanorum accessissent,
**彼らは、ローマ人たちの塁壁のところへ近づいたときに、
*flentes omnibus precibus orabant, ut se in servitutem receptos cibo iuvarent.
**自分たちを奴隷として受け入れて食糧で助けてくれるように、泣きながらあらゆる懇願で頼んだ。
*⑤ At Caesar dispositis in vallo custodibus<ref>custodibus はα系写本の記述で、β系写本では custodiis となっている。</ref> recipi prohibebat.
**だが、カエサルは、防柵の中に番兵を分けて置き、(マンドゥビイ族を)受け入れることを禁じた。
===79節===
'''ガッリア同盟軍の来援、アレスィアの歓呼'''
*① Interea Commius reliquique duces, quibus summa imperii permissa erat,
**その間に、最高司令権を任されていた[[w:コンミウス|コンミウス]]とほかの将帥たちが、
*cum omnibus copiis ad Alesiam perveniunt
**すべての軍勢とともに[[w:アレシア|アレスィア]]の辺りへ到着して、
*et colle exteriore occupato
**より外側の丘陵を占拠して、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:現在のミュスィ=ラ=フォス村 [[w:fr:Mussy-la-Fosse|Mussy-la-Fosse]]<ref>[http://maps.google.com/maps?q=47.521944,4.438611&hl=fr&ie=UTF8&ll=47.522012,4.438648&spn=0.01849,0.027423&t=h&z=15 Google map]を参照。</ref> のある丘陵であると思われる。)</span>
*non longius mille passibus ab nostris munitionibus considunt.
**我が方(ローマ勢)の塁壁から1ローママイル(約1.5km)ほども遠くないところに陣取った。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:現在のヴナレ=レ=ローム [[w:fr:Venarey-les-Laumes|Venarey-les-Laumes]] 市街<ref>[http://maps.google.com/maps?q=47.542778,4.445833&hl=fr&ie=UTF8&ll=47.543106,4.458475&spn=0.036965,0.054846&t=h&z=14 Google map]を参照。</ref>の周辺であると思われる。)</span>
*② Postero die equitatu ex castris educto
**翌日に、[[w:騎兵|騎兵隊]]が陣営から進発させられて、
*omnem eam planitiem quam in longitudinem milia passuum III(tria)<ref>milia passuum III はβ系写本の記述で、α系写本では quattuor milia passuum などとなっている。</ref> patere demonstravimus, complent
**3ローママイル(約4.5km)の長さにわたり広がっていることを既述した平地のすべてを、満たした。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#69節|69節]]を参照。現在のローム平原に当たると思われる。)</span>
*pedestresque copias paulum ab eo loco abditas in locis superioribus constituunt.
**[[w:歩兵|歩兵]]の軍勢を、その地からいくらか遠ざけて、より高いところに駐留させた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:上記の丘陵のより高い所であると思われる。)</span>
*③ Erat ex oppido Alesia despectus in campum.
**アレスィアの[[w:オッピドゥム|城塞都市]]からは(その)平地に眺望があった。
*Concurrunt<ref>concurrunt はα系写本の記述で、β系写本では concurritur となっている。</ref> his auxiliis visis;
**これらの援軍が現われると(アレスィアのガッリア人たちは)群がり集まった。
*fit gratulatio inter eos
**彼らの間で祝賀がなされて、
*atque omnium animi ad laetitiam excitantur.
**皆の心が喜びへと鼓舞された。
*④ Itaque productis copiis ante oppidum considunt
**こうして(アレスィアの)軍勢が出撃させられて、城塞都市の前に陣取って、
*et proximam fossam cratibus integunt atque aggere explent
**最も近い堀を、柴で蔽って、土砂を充満させて、
*seque ad eruptionem atque omnes casus comparant.
**突撃やあらゆる有事に戦備を整えた。
===80節===
'''ゲルマニア騎兵らローマ勢が来援ガッリア騎兵をも打ち破る'''
*① Caesar omni exercitu ad utramque partem munitionum<ref>munitionum はα系写本の記述で、β系写本では munitionis となっている。</ref> disposito,
**カエサルは、すべての[[w:歩兵|歩兵隊]]を、塁壁の(内周と外周)両側に分けて置き、
*ut, si usus veniat, suum quisque locum teneat et noverit,
**もし、必要が生じたら、おのおのが自らの部署を知って固守するようにした。
*equitatum ex castris educi et proelium committi iubet.
**[[w:騎兵|騎兵隊]]を陣営から進発させて、交戦することを命じた。
*② Erat ex omnibus castris, quae summum undique iugum tenebant, despectus
**至る所で尾根の頂きを占めていた(ローマ勢の)すべての陣営から(騎兵戦の)眺望があった。
*atque omnes milites intenti<ref>intenti はα系写本の記述で、β系写本では intenti animi、Fuchs は intentis animis と修正提案している。</ref> pugnae proventum<ref>pugnae proventum はα系写本の記述で、β系写本では proventum pugnae となっている。</ref> exspectabant.
**すべての兵士たちは(観戦に)没頭して、戦いの結果を待っていた。
*③ Galli inter equites raros sagittarios expeditosque levis armaturae interiecerant,
**ガッリア人たちは、弓兵たちと軽装歩兵たちをまばらに、騎兵たちの間に置いていて、
*qui suis cedentibus auxilio succurrerent
**その者たち(弓兵と軽装歩兵)は、味方が後退するのを支援するために馳せ寄って、
*et nostrorum equitum impetus sustinerent.
**我が方(ローマ勢)の騎兵の突撃に持ちこたえていた。
*Ab his complures de improviso vulnerati proelio excedebant.
**彼らによって(ローマ側騎兵の)かなりの者たちが、思いがけず負傷させられて、戦闘から退いた。
*④ Cum suos pugna superiores esse Galli confiderent
**ガッリア人たちが、味方が戦いで優勢であることを確信したとき、
*et nostros multitudine premi viderent,
**かつ、我が方(ローマ勢)が多勢(のガッリア騎兵)により圧倒されているのを見て取ったときに、
*ex omnibus partibus et ii qui munitionibus continebantur
**あらゆる方面から(ローマ勢の)塁壁によって囲まれていた者たちも、
*et hi<ref>hi はφ系・β系写本の記述で、χ系写本では ii となっている。</ref> qui ad auxilium convenerant
**(アレスィア)救援のために集結して来ていた者たちも、
*clamore et ululatu suorum animos confirmabant.
**大声やわめき声によって味方の闘志を強めた。
*⑤ Quod in conspectu omnium res gerebatur
**(両軍の)皆の環視の中で合戦が遂行されたので、
*neque recte ac<ref>ac はα系・π系写本の記述で、ρ系写本では aut となっている。</ref> turpiter factum celari poterat,
**立派な行為または見苦しい行為も隠されることができなかったので、
*utrosque et laudis cupiditas et timor ignominiae ad virtutem excitabant<ref>excitabant はB・M・L・N・R写本などの記述で、χ系・B・S・π系・U写本などでは excitabat となっている。</ref>.
**賞賛への功名心も、不名誉への恐れも、双方を武勇へと駆り立てた。
*⑥ Cum a meridie prope ad solis occasum dubia victoria pugnaretur,
**正午から、ほぼ日没の頃まで、勝利が不確実なまま戦われていたときに、
*Germani una in parte confertis turmis
**ゲルマニア人たちが、騎兵部隊を一か所に密集させて、
*in hostes impetum fecerunt eosque propulerunt;
**敵方に突撃を行ない、彼ら(ガッリア騎兵)を駆逐した。
*⑦ quibus in fugam coniectis
**その者たち(ガッリア騎兵)は逃亡に追いやられて、
*sagittarii circumventi interfectique sunt.
**弓兵たちは包囲されて殺戮された。
*⑧ Item ex reliquis partibus nostri cedentes usque ad castra insecuti
**我が方(ローマ勢)の残りの部隊も、撤退する(ガッリア騎兵の)者たちを陣営のところまで追撃して、
*sui colligendi facultatem non dederunt.
**立ち直る機会を与えなかった。
*⑨ At ii qui ab [[w:la:Alesia|Alesia]] processerant,
**そして、[[w:アレシア|アレスィア]]から進み出ていた者たちは、
*maesti prope victoria desperata se in oppidum receperunt.
**ほとんど絶望的な勝利に悲嘆して、城塞都市に退却した。
===81節===
'''ガッリア来援軍と籠城軍がローマ陣地に夜襲をしかける'''
*① Uno die intermisso Galli
**ガッリア人たちは一日を間に置いて、
*atque hoc spatio magno cratium, scalarum, harpagonum numero effecto
**この間に、多数の柴、[[w:梯子|梯子]]、鉤竿を調達して、
*media nocte silentio ex castris egressi
**真夜中に静けさのうちに陣営から進発して、
*ad campestres munitiones accedunt.
**平地の(ローマ勢の)塁壁の辺りへ近づいた。
*② Subito clamore sublato, qua significatione
**突然に雄叫びを上げて、それを合図として、
*qui in oppido obsidebantur de suo adventu cognoscere possent,
**[[w:オッピドゥム|城塞都市]]の中に包囲されている者たちが、自分たちの到来について認識できるようにした。
*crates proicere, fundis, sagittis, lapidibus nostros de vallo proturbare
**柴を投げ込み、投石器で、矢で、石でもって我が方(ローマ勢)を防柵から追い出すこと、
*reliquaque quae ad oppugnationem pertinent parant administrare.
**(塁壁の)攻略のために役立つほかのことに従事すること、を目論んだ。
*③ Eodem tempore clamore exaudito
**同時に(来援軍の)雄叫びを聞き取って、
*dat tuba signum suis [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]] atque ex oppido educit.
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は、麾下の者たちにラッパで指図を与えて、城塞都市から進発させた。
*④ Nostri, ut superioribus diebus, suus cuique<ref>suus cuique はβ系写本の記述で、χ系・B・M・S写本では ut cuique となっている。</ref> erat locus attributus, ad munitiones accedunt;
**我が方(ローマ勢)は、以前の日々に、おのおのの部署が割り当てられており、塁壁のところへ近寄った。
*fundis librilibus sudibusque, quas in opere disposuerant, ac glandibus Gallos proterrent.
**堡塁に分配されていたポンド投石器や杭、並びに玉によって、ガッリア人たちを追い払った。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:librilis funda「ポンド投石器」;古代ローマの1ポンド [[w:la:Libra pondus|libra]] は約327グラム<ref>[[w:en:Ancient Roman units of measurement#Weight]]を参照。</ref>。)</span>
*⑤ Prospectu tenebris adempto multa utrimque vulnera accipiuntur.
**眺望が暗闇により奪われて、双方が多くの傷を蒙った。
*Complura tormentis tela coniciuntur.
**かなり多くの飛び道具が(巻上式)投石機によって投じられた。
*⑥ At [[w:la:Marcus Antonius|M.(Marcus) Antonius]] et [[w:la:Gaius Trebonius|C.(Gaius) Trebonius]] legati,
**[[w:マルクス・アントニウス|マルクス・アントニウス]]と[[w:ガイウス・トレボニウス|ガイウス・トレボニウス]] [[w:レガトゥス|両副官]]は、
*quibus hae partes ad defendendum obvenerant,
**この方面を防衛するために割り当てられていたが、
*qua ex parte nostros premi intellexerant,
**我が方(ローマ勢)が押されぎみであると見なした一帯のために、
*his auxilio ex ulterioribus castellis deductos submittebant.
**この者たちを支援するために、向こう側の砦から引き出した者たちを(援兵として)派遣した。
===82節===
'''アレスィア内外のガッリア勢が障害物に阻まれて退く'''
*① Dum longius ab munitione aberant Galli,
**ガッリア人たちは(ローマ勢の)塁壁から遠くに離れていた間は、
*plus multitudine telorum proficiebant;
**飛び道具の多さによって、前進していた。
*posteaquam propius successerunt,
**(塁壁の方へ)さらに近くに進入して来た後では、
*aut se ipsi<ref>ipsi はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> stimulis inopinantes induebant
**あるいは、思いがけず自ら「刺」に陥り、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:stimulus「刺」については、[[#73節|73節]]⑨項を参照。)</span>
*aut in scrobes delati transfodiebantur
**あるいは、穴に陥落して(「百合」で)突き刺されたり、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:「穴」と「百合」については、[[#73節|73節]]⑤~⑧項を参照。)</span>
*aut ex vallo ac turribus traiecti pilis muralibus interibant.
**あるいは、防柵や櫓から[[w:ピルム・ムーリアリス|防壁槍]]で射抜かれて逝った。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:防壁槍については、[[ガリア戦記 第5巻#40節|第5巻40節]]を参照。)</span>
*② Multis undique vulneribus acceptis
**(ガッリア勢は)至る所で多くの傷を負ったが、
*nulla munitione perrupta,
**どの(ローマ側の)塁壁も突破されなかった。
*cum lux appeteret,
**<ruby><rb>暁光</rb><rp>(</rp><rt>ぎょうこう</rt><rp>)</rp></ruby>が(空を)染めたとき、
*veriti ne ab latere aperto ex superioribus castris eruptione circumvenirentur,
**開けた側面から、(ローマ勢の)高所の陣営からの突撃によって包囲されないようにと怖れて、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:開けた側面とは、盾で守られていない右側のこと。)</span>
*se ad suos receperunt.
**味方のところへ退却した。
*③ At interiores
**それに対して、(アレスィア攻囲の)内側の者たちは、
*dum ea quae a [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorige]] ad eruptionem praeparata erant<ref>praeparata erant は、写本(ω)ではpraeparaverant だが、このように修正提案されている。あるいは、a Vercingetorige が削除提案されている。</ref> proferunt,
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]により、突撃のために準備していたものを運び出して
*priores fossas explent,
**一番前の堀を埋めている間に、
*diutius in his rebus administrandis morati
**これらの事に従事することに、より長く妨げられて、
*prius suos discessisse cognoverunt quam munitionibus adpropinquarent.
**塁壁に近づくよりも前に味方(=来援軍)が退去したことを知ったのだ。
*Ita re infecta in oppidum reverterunt.
**こうして、事は達成されていないものの、[[w:オッピドゥム|城塞都市]]に引き返した。
===83節===
'''ウェルカッスィウェッラウヌスが兵6万を率いて急所の丘へ向かう'''
*① Bis magno cum detrimento repulsi Galli
**大きな損害とともに二度も撃退されたガッリア人たちは、
*quid agant consulunt;
**何をなすべきかを協議した。
*locorum peritos adhibent;
**(その)土地に熟知した者たちを招いた。
*ex his superiorum castrorum situs munitionesque cognoscunt.
**この者たちから、(ローマ勢の)高いところの陣営の位置や塁壁を調べ上げた。
*② Erat a septentrionibus collis,
**(アレスィアの)北方に丘陵があって、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:これは現在のレア山 le Mont Réa であると思われ、山頂にはメネルー=ル=ピトワ村<ref>[[w:fr:Ménétreux-le-Pitois]]や[http://maps.google.fr/maps?f=q&hl=fr&geocode=&q=m%C3%A9n%C3%A9treux+le+pitois&sll=42.423457,8.789063&sspn=23.611541,40.957031&ie=UTF8&t=h&hq=&hnear=M%C3%A9n%C3%A9treux-le-Pitois,+C%C3%B4te-d'Or,+Bourgogne&ll=47.55475,4.460106&spn=0.018507,0.010042&z=15 Google map]などを参照。</ref>がある。)</span>
*quem propter magnitudinem circuitus
**その周囲の大きさのために、
*opere circumplecti non potuerant nostri,
**我が方(ローマ勢)は、堡塁により囲い込むことができずにいた。
*necessarioque<ref>-que はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> paene iniquo loco et leniter<ref>leniter はπ系写本の記述で、α系・ρ系写本では leviter となっている。</ref> declivi castra fecerunt<ref>fecerunt はα系写本の記述で、β系写本では fecerant となっている。</ref>.
**やむをえず、ほとんど不利でゆるやかに傾斜した地点に陣営を造った。
*③ Haec C.(Gaius) Antistius Reginus et C.(Gaius) Caninius Rebilus legati
**これを、ガーイウス・アンティスティウス・レーギーヌスとガイウス・カニニウス・レビルス [[w:レガトゥス|両副官]]が
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:''[[w:fr:Caius Antistius Reginus|Gaius Antistius Reginus]]'' は[[ガリア戦記_第6巻#1節|第6巻1節]]で既出。[[#90節|90節]]で後出。)</span>
*cum duabus legionibus obtinebant.
**2個軍団とともに占めていた。
*④ Cognitis per exploratores regionibus duces hostium
**敵方の将帥たちは、偵察者たちを通じて一帯を調べ上げて、
*LX(sexaginta) milia ex omni numero deligunt
**総員のうちから6万名を選抜した。
*earum civitatum quae maximam virtutis opinionem habebant;
**武勇において大きな評判を得ている部族のうち(から選抜した)。
*⑤ quid quoque pacto agi placeat, occulte inter se constituunt;
**何が、どんな方法で行なわれるのがよいか、互いに密かに取り決めた。
*adeundi tempus definiunt, cum meridie<ref>meridie は中世の写本(ω)の記述であるが、近世の写本(ς)では meridies となっている。</ref> esse videatur.
**正午であると思われる頃を突撃する時と定めた。
*⑥ His copiis Vercassivellaunum Arvernum,
**この軍勢を、[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]のウェルカッスィウェッラウヌス、
*unum ex quattuor ducibus, propinquum [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorigis]], praeficiunt.
**(すなわち)4人の将帥たちの1人で、[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]の親族である者に、指揮させた。
*⑦ Ille ex castris prima vigilia egressus
**彼(ウェルカッスィウェッラウヌス)は、陣営から第一夜警時に進発して、
*prope confecto sub lucem itinere
**夜明け前にほぼ行軍が成し遂げられて、
*post montem se occultavit
**山の後ろに身を隠して、
*militesque ex nocturno labore sese reficere iussit.
**兵士たちに夜間の疲労を回復しておくことを命じた。
*⑧ Cum iam meridies adpropinquare videretur,
**すでに正午に近付いていると思われたときに、
*ad ea castra, quae supra demonstravimus, contendit;
**前に述べた陣営のところへ急いだ。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:本節②項を参照。)</span>
*eodemque tempore equitatus ad campestres munitiones accedere
**同時に(ガッリア来援軍の)[[w:騎兵隊|騎兵隊]]が平地の(ローマ勢の)塁壁のところへ近付き、
*et reliquae copiae pro castris sese ostendere coeperunt.
**残りの軍勢が陣営の前に姿を現わし始めた。
===84節===
'''ウェルキンゲトリークスらアレスィア籠城軍も善戦する'''
*① [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]] ex arce [[w:la:Alesia|Alesiae]] suos conspicatus ex oppido egreditur;
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は、[[w:アレシア|アレスィア]]の高台から味方を望見して、[[w:オッピドゥム|城塞都市]]から進発した。
*a castris<ref>a castris はβ系写本の記述で、α系写本では単に castris となっている。</ref>, longurios, musculos, falces
**陣営から、長い竿、小屋、破城鎌や、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:falx「破城鎌」については、[[ガリア戦記 第5巻#42節|第5巻42節]]を参照。)</span>
*reliquaque quae eruptionis causa paraverat profert.
**(塁壁を)突破するために準備していたほかのものを運び出した。
*② Pugnatur uno tempore omnibus locis atque omnia temptantur;
**一時にあらゆる場所で戦われて、あらゆることが試みられた。
*quae minime visa pars firma est, huc concurritur.
**あまり堅固ではないと思われる部分、ここへ襲いかかった。
*③ Romanorum manus tantis munitionibus distinetur
**ローマ人の手勢は、これほどの(長大な)塁壁により離して置かれていて、
*nec facile pluribus locis occurrit.
**より多くの場所には容易に駆け付けられなかった。
*④ Multum ad terrendos nostros valet clamor qui post tergum pugnantibus exstitit,
**戦っている者たちの背後で生じた雄叫びは、我が方(ローマ勢)を怖れさせるために大いに力があった。
*quod suum periculum in aliena vident virtute<ref>virtute「武勇」 はβ系写本の記述で、α系写本では salute「安全」 となっている。</ref> constare;
**というのは、自分たち(ローマ勢)の危険が他人(ガッリア勢)の武勇に依拠していると思ったから。
*omnia enim plerumque, quae absunt, vehementius hominum mentes perturbant.
**なぜなら(そこに)不在であるものすべてはたいてい、人間の心を激しく混乱させるものであったからである。
===85節===
'''ウェルカッスィウェッラウヌスが急所の丘を攻める'''
*① Caesar idoneum locum nactus
**カエサルは適当な場所を得て,
*quid quaque in<ref>quaque in はβ系写本の記述で、α系写本では qua ex となっている。</ref> parte geratur cognoscit;
*何が各方面でなされているのかを認識した。
*laborantibus submittit.
**苦戦している者たちに(援兵を)派遣した。
*② Utrisque ad animum occurrit unum esse illud tempus, quo maxime contendi conveniat:
**双方にとって、最も雌雄を決するべきはこの時のみであるということが、心に生じた。
*③ Galli, nisi perfregerint munitiones, de omni salute desperant;
**ガッリア人たちは、(ローマ人の)塁壁を突破しない限り、あらゆる身の安全に絶望することになる。
*Romani, si rem obtinuerint, finem laborum omnium exspectant.
**ローマ人は、もし事を成就したら、すべての労苦の終わるということを期待した。
*④ Maxime ad superiores munitiones laboratur, quo [[w:la:Vercassivellaunus|Vercassivellaunum]] missum demonstravimus.
**ウェルカッスィウェッラウヌスが派遣されたと既述した、より高い塁壁の辺りで(ローマ勢は)とりわけ苦戦した。
*Iniquum loci ad declivitatem fastigium magnum habet momentum.
**けわしい地形の不利な傾斜が(ローマ勢にとって)大きな影響力を持った。
*⑤ Alii tela coniciunt, alii testudine facta subeunt;
**(ガッリア勢の)ある者は飛び道具を投げやって、ある者は[[w:テストゥド|亀甲陣形]]を形成して突き進んだ。
*defatigatis invicem integri succedunt.
**疲労させられた者たちに対しては、新手の者たちが交代した。
*⑥ Agger ab universis in munitionem coniectus
**土が総勢により(ローマ人の)塁壁に投じられて、
*et ascensum dat Gallis
**ガッリア人たちに登り道を与えもしたし、
*et ea, quae in terra occultaverant Romani, contegit;
**ローマ人たちが地中に隠しておいたもの(障害物)を埋め込んでしまった。
*nec iam arma nostris nec vires suppetunt.
**我が方(ローマ勢)には、もはや武器も活力も十分になかった。
===86節===
'''危急存亡の秋、両軍の苦闘'''
*① His rebus cognitis
**これらの事態を知って、
*Caesar [[w:la:Titus Labienus|Labienum]] cum cohortibus sex subsidio laborantibus mittit;
**カエサルは、[[w:ティトゥス・ラビエヌス|ラビエーヌス]]を6個<ruby><rb>[[w:コホルス|歩兵大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>とともに援兵として苦戦している者たちへ派遣した。
*② imperat, si sustinere non possit<ref>possit はχ系・B・M・S・β系写本の記述で、L・N写本では posset となっている。</ref>, deductis cohortibus eruptione pugnaret<ref>pugnaret はα系写本の記述で、β系写本では pugnet となっている。</ref>;
**もし(塁壁の防衛が)持ちこたえられなかったならば、諸大隊を引率して突撃によって戦うように、と命令していた。
*id nisi necessario ne faciat.
**それは、やむをえないのでなければ行なわないように(と命じていた)。
*③ Ipse adit reliquos, cohortatur ne labori succumbant;
**(カエサル)自身は、ほかの者たちを訪れて、労苦に屈服しないようにと鼓舞した。
*omnium superiorum dimicationum fructum in eo die atque hora docet consistere.
**これまでのあらゆる奮闘の結実がこの日、この時にかかっていることを説いた。
*④ Interiores desperatis campestribus locis propter magnitudinem munitionum
**(アレスィアに包囲されている)内側の者たちは、塁壁の大規模さのために、平坦な地点(での突破)を断念して、
*loca praerupta ex ascensu temptant;
**けわしい場所を登り坂から攻撃してみた。
*huc ea quae paraverant conferunt.
**ここに、準備していたものを運び集めた。
*⑤ Multitudine telorum ex turribus propugnantes deturbant,
**たくさんの飛び道具によって、防戦している者たちを櫓から駆逐した。
*aggere et cratibus fossas explent,
**土砂や柴で堀を埋めて、
*falcibus vallum ac loricam rescindunt.
**破城鎌によって防柵や胸壁を切り裂いた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:falx「破城鎌」については、[[ガリア戦記 第5巻#42節|第5巻42節]]を参照。)</span>
===87節===
'''カエサルの救援、ラビエーヌスの作戦'''
*① Mittit primo<ref>primo はφ系・ρ系写本の記述で、χ系・π系写本では primum となっている。</ref> [[w:la:Decimus Iunius Brutus Albinus|Brutum adulescentem]] cum cohortibus Caesar,
**カエサルは、初めに[[w:デキムス・ユニウス・ブルトゥス・アルビヌス|青年ブルトゥス]]を諸<ruby><rb>[[w:コホルス|歩兵大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>とともに派遣して、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:デキムス・ブルトゥスには[[ガリア戦記 第3巻#14節|第3巻14節]]で艦隊を、本巻[[#9節|9節]]②項では騎兵隊を指揮させている。)</span>
*post cum aliis C.(Gaium) Fabium legatum;
**後に副官のガイウス・ファビウスをほかの隊とともに(派遣した)。
*postremo ipse, cum vehementius pugnaretur,
**最後には(カエサル)自身が、激しく戦われていたので、
*integros subsidio adducit.
**新手の者たちを援兵として率いて行った。
*② Restituto proelio ac repulsis hostibus
**戦況が回復され、敵方が撃退されると、
*eo quo Labienum miserat contendit;
**ラビエーヌスを派遣していたところに急いだ。
*cohortes IIII(quattuor) ex proximo castello deducit,
**近隣の砦から4個歩兵大隊を引き出して、
*equitum partem se<ref>se はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> sequi,
**[[w:騎兵|騎兵]]のある一部には、自らに随行することを、
*partem circumire exteriores munitiones et ab<ref>ab はα系写本の記述で、β系写本では a となっている。</ref> tergo hostes adoriri iubet.
**別の一部には、外側の塁壁を取り囲んで、敵方を背後から襲撃することを命じた。
*③ Labienus, postquam neque aggeres neque fossae vim hostium sustinere poterant,
**ラビエーヌスは、土塁も堀も敵方の武力に持ちこたえることができなかった後で、
*coactis una XL(quadraginta) cohortibus, quas ex proximis praesidiis deductas fors obtulit,
**近隣の宿営地から、はからずも引き出しておいた40個歩兵大隊を集結させて、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:この数は、写本によって異なり、モイゼルらは undecim「11個」と提案している。)</span>
*Caesarem per nuntios facit certiorem, quid faciendum existimet.
**何がなされるべきと考えたのかを、カエサルに伝令を通じて報告した。
*Accelerat Caesar, ut proelio intersit.
**カエサルは、戦闘(の場)に居合わせるように急いで行った。
===88節===
'''雌雄決し、ガッリア来援軍が敗走'''
*① Eius adventu ex colore vestitus cognito, quo insigni in proeliis uti consuerat,
**彼(カエサル)の到来が、(彼が)戦闘において目印として用いるのが常であった衣服の色から認識され、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:カエサルは、真紅の外套を着用していたようである。)</span>
*turmisque equitum et cohortibus visis quas se sequi iusserat,
**(カエサルが)自らに随行することを命じていた諸<ruby><rb>[[w:騎兵|騎兵]]小隊</rb><rp>(</rp><rt>トゥルマ</rt><rp>)</rp></ruby>や諸<ruby><rb>[[w:コホルス|歩兵大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>が望見されて、
*ut de locis superioribus haec declivia et devexa cernebantur,
**(ウェルカッスィウェッラウヌスらが派遣された)高地から、これらの斜面や急坂が見分けられたので、
*hostes proelium committunt.
**敵方(ガッリア勢)は戦端を開いた。
*② Utrimque clamore sublato
**(ガッリア来援軍とアレスィア籠城軍の)双方から雄叫びが上げられて、
*excipit rursus ex vallo atque omnibus munitionibus clamor.
**さらに、防柵やすべての塁壁から(ローマ勢の)雄叫びが続いた。
*Nostri omissis pilis gladiis rem gerunt.
**我が方(ローマ勢)は<ruby><rb>[[w:ピルム|投槍]]</rb><rp>(</rp><rt>ピルム</rt><rp>)</rp></ruby>を放棄して、<ruby><rb>[[w:グラディウス (武器)|長剣]]</rb><rp>(</rp><rt>グラディウス</rt><rp>)</rp></ruby>で合戦した。
*③ Repente post tergum equitatus cernitur;
**不意に(ガッリア勢の)背後に(ローマ勢の)騎兵隊が見分けられた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:87節②項で、カエサルは騎兵隊に外壁を迂回して敵を背後から襲撃するように命じていた。)</span>
*cohortes aliae adpropinquant.
**別の諸<ruby><rb>歩兵大隊</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>も接近して来た。
*Hostes terga vertunt;
**敵方(ガッリア勢)は、(ローマ勢に)背を向けた。
*fugientibus equites occurrunt.
**逃げる者たち(ガッリア勢)を(ローマ勢の)騎兵たちが追撃した。
*Fit magna caedes.
**大虐殺が起こった。
*④ Sedullus, dux et princeps Lemovicum, occiditur;
**レモウィケス族の将帥で領袖であるセドゥッルスが斃された。
*[[w:la:Vercassivellaunus|Vercassivellaunus]] Arvernus vivus in fuga comprehenditur;
**[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]のウェルカッスィウェッラウヌスは逃亡中に生きたまま捕らえられた。
*signa militaria LXXIIII(septuaginta quattuor) ad Caesarem referuntur;
**(ガッリア勢の)74本の軍旗がカエサルのところへ運んで来られた。
*pauci ex tanto numero se incolumes<ref>se incolumes はα系写本の記述で、β系写本では incolumes se となっている。</ref> in castra recipiunt.
**これほどの兵数のうち、わずかな者たち(だけ)が無傷のまま陣営に退却した。
*⑤ Conspicati ex oppido caedem et fugam suorum
**(アレスィアの)[[w:オッピドゥム|城塞都市]]から味方の虐殺や逃亡を視認した者たちは、
*desperata salute copias a munitionibus reducunt.
**身の安全に絶望して、軍勢を塁壁から(城塞都市に)呼び戻した。
*⑥ Fit protinus hac re audita ex castris Gallorum fuga.
**この事態が聞かれるとただちに、(来援に来ていた)ガッリア人たちの陣営から逃亡が生じた。
*Quodnisi crebris subsidiis ac totius diei labore milites essent defessi,
**もし、たびたびの(味方への)支援や一日中の働きにより兵士たちが疲れ果てていなかったならば、
*omnes hostium copiae deleri potuissent.
**敵方(ガッリア来援軍)の全軍勢が壊滅させられることが可能であっただろう。
*⑦ De media nocte missus equitatus novissimum agmen consequitur;
**真夜中の頃に、派遣されていた(ローマ勢の)騎兵隊が(ガッリア勢の)後衛に追いついて、
*magnus numerus capitur atque interficitur;
**(ガッリア勢の)大多数が捕らえられ、かつ殺戮された。
*reliqui ex fuga in civitates discedunt.
**(ガッリア来援軍の)残りの者たちは、逃亡して諸部族のところに逃げのびた。
==ガッリア同盟軍主力の降伏==
===89節===
[[画像:Vercingétorix se rend à César 1886 HPMotte.jpg|thumb|right|330px|「カエサルの陣営に投降するウェルキンゲトリークス」<br>“Vercingétorix se rendant au camp de César”、<br>アンリ=ポール・モット([[w:fr:Henri-Paul_Motte|Henri-Paul Motte]])画、1886年。<br>[[w:ル・ピュイ=アン=ヴレ|ル・ピュイ=アン=ヴレ]]のクロザティエ美術館([[w:fr:Musée Crozatier au Puy-en-Velay|Musée Crozatier]] au [[w:fr:Le Puy-en-Velay|Puy-en-Velay]])蔵。]]
[[画像:Lionel Royer - Vercingetorix Throwing down His Weapons at the feet of Julius Caesar.jpg|thumb|right|330px|「ウェルキンゲトリークスが彼の武器をユリウス・カエサルの足元に投げ捨てる」“Vercingétorix jette ses armes aux pieds de Jules César”、リオネル=ノエル・ロワイエ([[w:fr:Lionel Royer|Lionel-Noël Royer]])
画、1899年。[[w:ル・ピュイ=アン=ヴレ|ル・ピュイ=アン=ヴレ]]のクロザティエ美術館([[w:fr:Musée Crozatier au Puy-en-Velay|Musée Crozatier]] au [[w:fr:Le Puy-en-Velay|Puy-en-Velay]])蔵。]]
[[画像:Coin_Vercingetorix.jpg|thumb|right|300px|ローマがBC48年に発行した[[w:デナリウス|デナリウス銀貨]]。ウェルキンゲトリークスの横顔が刻まれているとも言われ、[[w:マメルティヌスの牢獄|トゥッリアヌム牢獄]]に虜囚となっているかつてのガッリアの盟主を見せしめにしたものとも考えられる。彼はBC46年に処刑されたが、カエサルもBC44年に暗殺された。]]
'''ウェルキンゲトリークスとアレスィア籠城軍の降伏'''
*① Postero die [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]] concilio convocato
**(来援軍が敗走した)翌日に、[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は会合を召集して、
*id bellum se suscepisse<ref>se suscepisse はα系写本の記述で、β系写本では suscepisse se となっている。</ref>
**この戦争を引き受けたことは
*non suarum necessitatum<ref>necessitatum はχ系・S・L・N・β系写本の記述で、B・M写本では necessitatium となっている。</ref>, sed communis libertatis causa demonstrat,
**自らの(野心の)必要性からではなく、(ガッリア)共通の自由のためだ、と明言した。
*② et quoniam sit fortunae cedendum,
**運命には従うべきものなのであるから、
*ad utramque rem se illis offerre,
**(敗軍の将として、以下の)どちらの事にも、自ら(の処遇)を彼ら(ガッリア人たち)に委ねよう。
*seu morte sua Romanis satisfacere
**あるいは(ウェルキンゲトリークス)自らの死によってローマ人たちに償うこと(を欲する)にせよ、
*seu vivum tradere velint.
**あるいは生きたまま(ローマ人たちに)引き渡すことを欲するにせよ、と。
*③ Mittuntur de his rebus ad Caesarem legati.
**これらの事柄について、カエサルのところへ使節たちが遣わされた。
*Iubet arma tradi, principes produci.
**(カエサルは)武器が引き渡されること、領袖たちが連行されて来ることを命じた。
*④ Ipse in munitione pro castris consedit;
**(カエサル)自身は、陣営の前の塁壁のところに腰掛けた。
*eo duces producuntur.
**そこに(アレスィアに籠城していた)将帥たちが連行されて来た。
*Vercingetorix deditur, arma proiciuntur.
**ウェルキンゲトリークスが引き渡されて、武器が投げ捨てられた。
*⑤ Reservatis [[w:la:Haedui|Haeduis]] atque Arvernis,
**(カエサルは)[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]と[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]](の将兵たち)を保持しておいた。
*si per eos civitates reciperare<ref>reciperare はχ系・B<sup>1</sup>・S・U写本の記述で、B<sup>c</sup>・M・L・N・π系・R写本では recuperare となっている。</ref> posset,
**彼らによって両部族国家を(同盟国として)回復できないだろうかと(考えたのだ)。
*ex reliquis captivis toto exercitui capita singula praedae nomine distribuit.
**残りの(諸部族の)捕虜たちから、全軍(のローマ人)に一名ずつを戦利品という名目で分配した。
===90節===
[[画像:Autun_porte_Saint-André.JPG|thumb|right|300px|[[w:オータン|オータン市]]に遺されたローマ時代からの聖アンドレ門。[[w:ビブラクテ|ビブラクテ]]を首邑としていた[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]は、ローマ帝政初期に東方の平地に移り、「[[w:アウグストゥス|アウグストゥス]]の砦」を意味するアウグストドゥーヌム([[w:la:Augustodunum|Augustodunum]])を建設して首邑とした。これが現在のオータン(Autun)となっている。]]
[[画像:Clermont_vu_de_Montjuzet.JPG|thumb|right|300px|[[w:クレルモン=フェラン|クレルモン=フェラン市]]の街並み。ローマに降伏した[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]は、後に首邑のゲルゴウィアを廃城とされ、北方の平野にあるネメトゥム(Nemetum)に移住させられた。帝政初期に[[w:アウグストゥス|アウグストゥス]]に由来するアウグストネメトゥム([[w:la:Augustonemetum|Augustonemetum]])に改称して、[[w:クレルモン教会会議|クレルモン教会会議]]が開かれるなど宗教的中心地として栄え、現在のクレルモン=フェランに至る。]]
'''ハエドゥイー族とアルウェルニー族の降伏、諸軍団の冬営'''
*① His rebus confectis in [[w:la:Haedui|Haeduos]] proficiscitur;
**これらの事が成し遂げられて、(カエサルは)[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]のところに出発した。
*civitatem recipit.
**同部族を(同盟国として)回復した。
*② Eo legati ab Arvernis missi:
**そこに、[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]から使節たちが遣わされて来て、
*quae imperaret, se facturos pollicentur.
**自分たちは(カエサルが)命令したことを行なうであろう、と約束した。
*Imperat magnum numerum obsidum.
**(カエサルは)多数の人質(の供出)を命令した。
*③ Legiones in hiberna mittit.
**(カエサルは)諸[[w:ローマ軍団|軍団]]を冬営地に派遣した。
*Captivorum circiter XX(viginti) milia Haeduis Arvernisque reddit.
**捕虜たち約2万人をハエドゥイー族とアルウェルニー族に返還した。
*④ [[w:la:Titus Labienus|T.<small>(Titum)</small> Labienum]] duabus cum<ref>duabus cum はχ系・B・M・S写本の記述で、L・N・β系写本では cum duabus となっている。</ref> legionibus et equitatu in Sequanos proficisci iubet;
**[[w:ティトゥス・ラビエヌス|ティトゥス・ラビエーヌス]]を2個軍団および[[w:騎兵|騎兵隊]]とともにセクアニ族のところに出発することを命じた。
*huic M.<small>(Marcum)</small> Sempronium Rutilum attribuit.
**彼には、マルクス・[[w:センプロニウス氏族|センプロニウス]]・ルティルスを付属させた。
*⑤ C.<small>(Gaium)</small> Fabium legatum et L.<small>(Lucium)</small> Minucium Basilum cum legionibus duabus in Remis conlocat,
**副官 ガーイウス・ファビウスとルキウス・ミヌキウス・バスィルスを2個軍団とともにレーミー族のところに配置した。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:バスィルスは[[ガリア戦記 第6巻#29節|第6巻29節]]で騎兵隊を指揮した。)</span>
*ne quam ab<ref>ab はφ系写本の記述で、χ系・β系写本では a となっている。</ref> finitimis Bellovacis calamitatem accipiant.
**(レーミー族が)近隣のベッロウァキ族から何らかの災禍を蒙らないようにしたのである。
*⑥ C.<small>(Gaium)</small> Antistium Reginum in Ambivaretos,
**ガーイウス・アンティスティウス・レーギーヌスをアンビウァレティ族のところに、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:''[[w:fr:Caius Antistius Reginus|Gaius Antistius Reginus]]'' は[[ガリア戦記_第6巻#1節|第6巻1節]]、[[#83節|本巻83節]]で既出。)</span>
*T.<small>(Titum)</small> Sextium in Bituriges,
**ティトゥス・セクスティウスをビトゥリゲース族のところに、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[w:en:Titus Sextius|Titus Sextius]] も[[ガリア戦記_第6巻#1節|第6巻1節]]で既出。第6巻の年からカエサルの副官、<br> [[w:三頭政治#第二回三頭政治|第二回三頭政治]]では[[w:アフリカ属州|アフリカ属州]]の総督を務め、[[w:マルクス・アエミリウス・レピドゥス|レピドゥス]]に引き継ぐ。)
*C.<small>(Gaium)</small> Caninium Rebilum in Rutenos cum singulis legionibus mittit.
**ガーイウス・カニニウス・レビルスをルテーニー族のところに、それぞれ1個軍団とともに派遣した。
*⑦ [[w:la:Quintus Tullius Cicero|Q.<small>(Quintum)</small> Tullium Ciceronem]] et P.<small>(Publium)</small> Sulpicium
**[[w:クィントゥス・トゥッリウス・キケロ|クィーントゥス・トゥッリウス・キケロー]]とプーブリウス・スルピキウス(・ルーフス)を
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:カエサルの副官 ''[[w:en:Sulpicia_gens#Sulpicii_Rufi|Publius Sulpicius Rufus]] は、<br> [[ガリア戦記_第4巻#22節|第4巻22節]]で既述。[[内乱記_第1巻#74節|『内乱記』第1巻74節]]でも言及される。<br> [[w:紀元前48年|BC48年]]に[[w:プラエトル|法務官]]、[[w:紀元前42年|BC42年]]に[[w:ケンソル|監察官]]に任官する。)</span>
*[[w:la:Cabillonum|Cavilloni]]<ref>Cavilloni はβ系写本の記述で、α系写本などでは Cabilloni となっている。</ref> et [[w:la:Matisco|Matiscone]] in Haeduis ad Ararim rei frumentariae causa conlocat.
**ハエドゥイー族のところのアラル川沿いのカウィッロヌムとマティスコに、糧秣調達のために配置した。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:カウィッロヌムは現在の[[w:シャロン=スュル=ソーヌ|シャロン=スュル=ソーヌ]]、マティスコは現在の[[w:マコン|マコン]]。)</span>
*Ipse [[w:la:Bibracte|Bibracte]] hiemare constituit.
**(カエサル)自身は、[[w:ビブラクテ|ビブラクテ]]で冬営することを決めた。
*⑧ His litteris<ref>his litteris「これらが書簡により(知られると)」はα系写本の記述で、β系写本では huius anni rebus「この年の事績が(知られると)」と異なっており、huius anni rebus <ex Caesaris> litteris「この年の事績が<カエサルの>書簡により(知られると)」 などと修正提案されている。」</ref> cognitis Romae dierum viginti supplicatio redditur.
**これらが(カエサルの)書簡により知られると、ローマで20日間の感謝祭が許された。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[ガリア戦記 第2巻#35節|第2巻35節]]では、かつてない15日間の感謝祭が決議されたが、今回はそれを超えるものであった。)</span>
----
*<span style="background-color:#99ff99;">「ガリア戦記 第7巻」了。「[[ガリア戦記 第8巻]]」へ続く。</span>
==脚注==
<references />
==参考リンク==
'''ウィキペディア英語版など'''
*'''[[w:en:Category:Tribes of ancient Gaul|Category:Tribes of ancient Gaul]]'''('''[[w:Category:ガリアの部族|Category:ガリアの部族]]''')- [[w:fr:Catégorie:Personnalité gauloise|fr:Catégorie:Personnalité gauloise]]
**[[w:en:Allobroges|Allobroges]](アッロブロゲス族)
**'''[[w:en:Arverni|Arverni]]'''('''[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]''')
**:'''[[w:en:Vercingetorix|Vercingetorix]]'''('''[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]''')- '''<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Vercingetorix|la:Vercingetorix]]</span>'''
**:[[w:fr:Celtillos|fr:Celtillos]](ケルティッルス);ウェルキンゲトリークスの父
**:[[w:fr:Gobannitio|fr:Gobannitio]](ゴバンニティオ);ウェルキンゲトリークスのおじ
**:[[w:en:Vercassivellaunos|Vercassivellaunos]](ウェルカッスィウェッラウヌス) - <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Vercassivellaunus|la:Vercassivellaunus]]</span>
**:Critognatus(クリトグナトゥス)- <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Critognatus|la:Critognatus]]</span>
**[[w:en:Atrebates|Atrebates]](アトレバテス族)
**:[[w:en:Commius|Commius]]([[w:コンミウス|コンミウス]]):ガッリアとブリタンニアにおけるアトレバテス族の王
**[[w:en:Aedui|Aedui]]([[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]])- '''<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Haedui|la:Haedui]]</span>''';ガッリア中部の有力部族 - [[w:fr:Éduens|fr:Éduens]] <[[w:fr:Catégorie:Éduens|fr:Catégorie:Éduens]]
**:[[w:en:Convictolitavis|Convictolitavis]](コンウィクトリタウィス)- [[w:fr:Convictolitavis|fr:Convictolitavis]]
**:[[w:fr:Cotos|fr:Cotos]](コトゥス)
**:[[w:fr:Litaviccos|fr:Litaviccos]](リタウィックス)
**:エポレドリクス - <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Eporedorix|la:Eporedorix]]</span>
**:ウィリドマルス
**[[w:en:Andes (Andecavi)|Andes (Andecavi)]](アンデス族);現在の[[w:アンジェ|アンジェ]](Angers)周辺の部族
**[[w:en:Aulerci|Aulerci]](アウレルキ族);現在のフランス北西部に居住していた部族連合
**[[w:en:Bellovaci|Bellovaci]](ベッロウァキ族)
**[[w:en:Bituriges|Bituriges]](ビトゥリゲース族);現在の[[w:ブールジュ|ブールジュ]](Bourges)周辺の部族。[[#5節|5節]]でガッリア同盟軍に寝返る。
**[[w:en:Boii|Boii]](ボイイ族)- <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Boii|la:Boii]]</span>;[[w:ボヘミア|ボヘミア]]([[w:la:Bohemia|la:Bohemia]])から移住してきた部族
**Cadurci(カドゥルキー族);現在の[[w:カオール|カオール]](Cahors)周辺の部族 - [[w:fr:Cadurques|fr:Cadurques]]
**:[[w:en:Lucterius|Lucterius]](ルクテリウス);カドゥルキー族の指導者、[[#5節|5節]]を参照。
**[[w:en:Carnutes|Carnutes]](カルヌーテース族);現在の[[w:シャルトル|シャルトル]](Chartres)周辺の部族
**[[w:en:Gabali|Gabali]](ガバリ族)
**Haedui ⇒ Aedui
**[[w:en:Helvii|Helvii]](ヘルウィイ族);ガッリア南部にいたローマの同盟部族
**[[w:en:Lemovices|Lemovices]](レモウィケス族);現在の[[w:リモージュ|リモージュ]](Limoges)周辺の部族
**:[[w:en:Sedullos|Sedullos]](セドゥッルス Sedullus);レモウィケス族の将帥・領袖
**[[w:en:Lingones|Lingones]](リンゴネス族)- [[w:fr:Lingons|fr:Lingons]];現在のラングル([[w:en:Langres|Langres]])周辺の部族
**[[w:en:Mandubii|Mandubii]](マンドゥビイ族);[[w:アレシア|アレスィア]]周辺にいた部族
**Nitiobroges(ニティオブロゲス族)- [[w:fr:Nitiobroges|fr:Nitiobroges]]
**:[[w:fr:Ollovico|fr:Ollovico]](オッロウィコ);ローマ元老院から友人と呼ばれた王
**:[[w:fr:Teutomatos|fr:Teutomatos]](テウトマトゥス);王で、オッロウィコの子
**[[w:en:Parisii (Gaul)|Parisii (Gaul)]]([[w:パリシイ族|パリスィイ族]]);現在の[[w:パリ|パリ]]周辺の部族
**[[w:en:Pictones|Pictones]](ピクトネス族);現在の[[w:ポワチエ|ポワティエ]](Poitiers)周辺の部族
**[[w:en:Remi|Remi]](レーミー族)
**[[w:en:Ruteni|Ruteni]](ルテーニー族)
**[[w:en:Segusiavi|Segusiavi]](セグスィアウィ族)
**[[w:en:Senones|Senones]](セノネース族)- <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Senones|la:Senones]]</span>;現在の[[w:サン (ヨンヌ県)|サン]](Sens)周辺の部族
***[[w:en:Acco|Acco]](アッコー)
**[[w:en:Sequani|Sequani]](セクアニ族)
**[[w:en:Treveri|Treveri]](トレウェリ族)
**[[w:en:Turones|Turones]](トゥロニ族/トゥロネス族);現在の[[w:トゥール (アンドル=エ=ロワール県)|トゥール]](Tours)周辺の部族
**[[w:en:Volcae|Volcae]](ウォルカエ族)
*<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Germani|la:Germani]]</span>(ゲルマニア人)
*'''ガッリアの地名''' - '''[[w:la:Categoria:Urbes Franciae|la:Categoria:Urbes Franciae]]'''(フランスの都市)
**<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Agedincum|la:Agedincum]]</span>(アゲディンクム);現在の[[w:サンス|サンス]]([[w:en:Sens|Sens]])
**[[w:en:Alesia_(city)|Alesia (city)]]([[w:アレシア|アレスィア]])- <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Alesia|la:Alesia]]</span>:現在のアリーズ=サント=レーヌ([[w:fr:Alise-Sainte-Reine|fr:Alise-Sainte-Reine]])
**:'''[[w:en:Battle_of_Alesia|Battle of Alesia]]'''('''[[w:アレシアの戦い|アレスィアの戦い]]''')- '''<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Alesiae_pugna|la:Alesiae pugna]]</span>'''
**[[w:en:Avaricum|Avaricum]] ⇒ [[w:en:Bourges|Bourges]](アウァーリクム - 現在の[[w:ブールジュ|ブールジュ]])- <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Avaricum_Biturigum|la:Avaricum Biturigum]]</span>
**[[w:en:Bibracte|Bibracte]]([[w:ビブラクテ|ビブラクテ]]) - <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Bibracte|la:Bibracte]]</span>:[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の首邑。現在のボーヴレ山([[w:fr:Mont_Beuvray|fr:Mont Beuvray]])の山頂に位置していた。
**<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Cabillonum|la:Cabillonum]]</span>(カビッロヌム/カウィッロヌム)- 現在の[[w:シャロン=スュル=ソーヌ|シャロン=スュル=ソーヌ]]([[w:fr:Chalon-sur-Saône|fr:Chalon-sur-Saône]])
**[[w:en:Cenabum|Cenabum]](ケナブム)- 現在の[[w:オルレアン|オルレアン]] - [[w:fr:Cenabum|fr:Cenabum]]
**<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Decetia|la:Decetia]]</span>(デケティア)- [[w:en:Decize|en:Decize]] - 現在のドスィーズ(ドシーズ)([[w:fr:Decize|fr:Decize]])
**[[w:en:Gergovie|Gergovie]](ゲルゴウィア)- <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Gergovia|la:Gergovia]]</span>
**:'''[[w:en:Battle of Gergovia|Battle of Gergovia]]'''('''[[w:ゲルゴウィアの戦い|ゲルゴウィアの戦い]]''')- '''<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Obsidio Gergoviensis|la:Obsidio Gergoviensis]]</span>'''
**[[w:en:Gorgobina|Gorgobina]](ゴルゴビナ);ボイイ族が定住した城塞都市。現在のサン=パリズ=ル=シャテル([[w:en:Saint-Parize-le-Châtel|Saint-Parize-le-Châtel]])またはラ・ゲルシュ([[w:en:La Guerche|La Guerche]])
**'''[[w:en:Lutetia|Lutetia]]'''('''[[w:ルテティア|ルテティア]]'''/ルテキア);[[w:パリシイ族|パリスィイ族]]の首邑、現在の[[w:パリ|パリ市]] - <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Lutetia|la:Lutetia]]</span>
**<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Matisco|la:Matisco]]</span>(マティスコ);現在の[[w:マコン|マコン]](Mâcon)
**Metlosenum(メトロセドゥム/メティオセドゥム/メロドゥーヌム);現在の[[w:ムラン|ムラン]] - <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Melodunum|la:Melodunum]]</span>
**[[w:en:Narbonne|Narbonne]]([[w:ナルボンヌ|ナルボンヌ]];ラテン名ナルボ)- <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Narbo|la:Narbo]]</span>;ガッリア南部・地中海岸のローマの拠点
**[[w:en:Noviodunum|Noviodunum]](ノウィオドゥーヌム)- 現在のヌン=スュル=ブーヴロン([[w:en:Neung-sur-Beuvron|Neung-sur-Beuvron]])と推定されている。従来はローヌ川沿いの[[w:サンセール|サンセール]]([[w:en:Sancerre|Sancerre]])が有力だった
**[[w:en:Vellaunodunum|Vellaunodunum]](ウェッラウノドゥーヌム)- [[w:fr:Vellaunodunum|fr:Vellaunodunum]];現在のモンタルジ([[w:en:Montargis|Montargis]])やボーヌ=ラ=ロランド([[w:en:Beaune-la-Rolande|Beaune-la-Rolande]])、シャトー=ランドン([[w:en:Château-Landon|Château-Landon]])などと推定されている
**[[w:en:Vienne, Isère|Vienne, Isère]](ヴィエンヌ;ラテン名ウィエンナ)- [[w:la:Vienna|la:Vienna]]
*'''ガッリアの地形'''
**Cevenna(ケウェンナ山地):現在のセヴェンヌ山地([[w:fr:Cévennes|fr:Cévennes]]・[[w:en:Cévennes|Cévennes]])
**<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Elaver|la:Elaver]]</span>(エラウェル川):現在の[[w:アリエ川|アリエ川]]([[w:fr:Allier (rivière)|fr:Allier (rivière)]])
**<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Liger|la:Liger]]</span>(リゲル川):現在の[[w:ロワール川|ロワール川]]([[w:fr:Loire (fleuve)|fr:Loire (fleuve)]])
**<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Rhenus|la:Rhenus]]</span>(レヌス川):現在の[[w:ライン川|ライン川]]([[w:fr:Rhin|fr:Rhin]])
**<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Rhodanus|la:Rhodanus]]</span>(ロダヌス川):現在の[[w:ローヌ川|ローヌ川]]([[w:fr:Rhône|fr:Rhône]])
**<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Sequana|la:Sequana]]</span>(セクアナ川):現在の[[w:セーヌ川|セーヌ川]]([[w:fr:Seine|fr:Seine]])
*ローマ勢
**[[w:en:Mark_Antony|Mark Antony]]([[w:マルクス・アントニウス|マルクス・'''アントニウス''']])- <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Marcus_Antonius|la:Marcus Antonius]]</span>
**[[w:en:Decimus_Junius_Brutus_Albinus|Decimus Junius '''Brutus''' Albinus]]([[w:デキムス・ユニウス・ブルトゥス・アルビヌス|デキムス・ユニウス・'''ブルトゥス'''・アルビヌス]])- <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Decimus_Iunius_Brutus_Albinus|Decimus Iunius Brutus Albinus]]</span>([[#9節|9節]])
**[[w:en:Quintus Tullius Cicero|Quintus Tullius '''Cicero''']]([[w:クィントゥス・トゥッリウス・キケロ|クィントゥス・トゥッリウス・'''キケロ''']])- <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Quintus Tullius Cicero|la:Quintus Tullius Cicero]]</span>:カエサルの副官
**Gaius '''Fabius'''(ガイウス・'''ファビウス'''):カエサルの副官
**[[w:en:Titus Labienus|Titus '''Labienus''']]([[w:ティトゥス・ラビエヌス|ティトゥス・'''ラビエーヌス''']])- <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Titus Labienus|la:Titus Labienus]]</span>:カエサルの副官
**[[w:en:Trebonius|'''Trebonius''']]([[w:ガイウス・トレボニウス|ガイウス・'''トレボニウス''']])- <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Gaius_Trebonius|la:Gaius Trebonius]]</span>:カエサルの副官
**[[w:en:Lucius Julius Caesar IV|Lucius Julius '''Caesar''' IV]](ルキウス・ユリウス・'''カエサル'''4世):総督カエサルの副官で、4代前の高祖父を共有する。BC64年に執政官を務めた。
*イタリア方面
**[[w:en:Cisalpine_Gaul|Cisalpine Gaul]]([[w:ガリア・キサルピナ|ガッリア・キサルピーナ]]) - [[w:la:Gallia Cisalpina|la:Gallia Cisalpina]]
**[[w:en:Populares|Populares]]([[w:ポプラレス|ポプラレス]];民衆派)- [[w:la:Populares|la:Populares]]
**:[[w:en:Publius_Clodius_Pulcher|Publius Clodius Pulcher]]([[w:プブリウス・クロディウス・プルケル|プブリウス・クロディウス・プルケル]]) - [[w:la:Publius_Clodius_Pulcher|la:Publius Clodius Pulcher]]
**[[w:en:Optimates|Optimates]]([[w:オプティマテス|オプティマテス]];元老院派)
**:[[w:en:Cicero|Cicero]]([[w:マルクス・トゥッリウス・キケロ|マルクス・トゥッリウス・キケロ]])- [[w:la:Marcus_Tullius_Cicero|la:Marcus Tullius Cicero]]
**:[[w:en:Titus_Annius_Milo|Titus Annius Milo]](ティトゥス・アンニウス・ミロ)- [[w:la:Titus_Annius_Milo|la:Titus Annius Milo]]
**:[[w:en:Pompey|Pompey]]([[w:グナエウス・ポンペイウス|グナエウス・ポンペイウス]])- [[w:la:Gnaeus_Pompeius_Magnus|la:Gnaeus Pompeius Magnus]]
ef68sleg5p6jj55qdti6sxvl0cxjwuc
301347
301345
2026-07-08T13:56:30Z
Linguae
449
/* 25節 */ 修整、訳注
301347
wikitext
text/x-wiki
[[Category:ガリア戦記|7]] [[Category:ガリア戦記 第7巻|*]]
[[ガリア戦記]]> '''第7巻''' >[[ガリア戦記 第7巻/注解|注解]]
<div style="text-align:center">
<span style="font-size:20px; font-weight:bold; font-variant-caps: petite-caps; color:white; background: rgb(47,94,255);background: linear-gradient(180deg, rgba(47,94,255,1) 0%, rgba(24,56,255,1) 50%, rgba(0,8,255,1) 100%);"> C IVLII CAESARIS COMMENTARIORVM BELLI GALLICI </span>
<span style="font-size:40px; font-weight:bold; color:white; background: rgb(47,94,255);background: linear-gradient(180deg, rgba(47,94,255,1) 0%, rgba(24,56,255,1) 50%, rgba(0,8,255,1) 100%);"> LIBER SEPTIMVS </span>
</div>
[[画像:Gaule -52.png|thumb|right|150px|ガリア戦記 第7巻の情勢図(BC52年)。<br>黄色の領域がローマ領。桃色が同盟部族領。]]
{| id="toc" style="align:left;clear:all;" align="left" cellpadding="5"
! style="background:#ccccff; text-align:left;" colspan="2" | ガリア戦記 第7巻 目次
|-
| style="text-align:right; font-size: 0.86em;"|
'''[[#カルヌーテース族の蜂起|カルヌーテース族の蜂起]]''':<br />
'''[[#ウェルキンゲトリークスとガッリア同盟軍の蜂起|ウェルキンゲトリークスとガッリア同盟軍の蜂起]]''':<br />
<br />
'''[[#アウァーリクム攻略戦|アウァーリクム攻略戦]]''':<br />
<br />
<br />
'''[[#ゲルゴウィア攻略戦、ハエドゥイー族の離反|ゲルゴウィア攻略戦、ハエドゥイー族の離反]]''':<br />
<br />
<br />
'''[[#ラビエーヌスのルテティア遠征|ラビエーヌスのルテティア遠征]]''':<br />
'''[[#ガッリア戦乱の拡大|ガッリア戦乱の拡大]]''':<br />
'''[[#アレスィア攻囲戦|アレスィア攻囲戦]]''':<br />
<br />
<br />
'''[[#ガッリア同盟軍主力の降伏|ガッリア同盟軍主力の降伏]]''':<br />
<br />
<br />
| style="text-align:left; font-size: 0.86em;"|
[[#1節|01節]] |
[[#2節|02節]] |
[[#3節|03節]] <br />
[[#4節|04節]] |
[[#5節|05節]] |
[[#6節|06節]] |
[[#7節|07節]] |
[[#8節|08節]] |
[[#9節|09節]] |
[[#10節|10節]] <br />
[[#11節|11節]] |
[[#12節|12節]] |
[[#13節|13節]] <br />
[[#14節|14節]] |
[[#15節|15節]] |
[[#16節|16節]] |
[[#17節|17節]] |
[[#18節|18節]] |
[[#19節|19節]] |
[[#20節|20節]] <br />
[[#21節|21節]] |
[[#22節|22節]] |
[[#23節|23節]] |
[[#24節|24節]] |
[[#25節|25節]] |
[[#26節|26節]] |
[[#27節|27節]] |
[[#28節|28節]] |
[[#29節|29節]] |
[[#30節|30節]] <br />
[[#31節|31節]] <br />
[[#32節|32節]] |
[[#33節|33節]] |
[[#34節|34節]] |
[[#35節|35節]] |
[[#36節|36節]] |
[[#37節|37節]] |
[[#38節|38節]] |
[[#39節|39節]] |
[[#40節|40節]] <br />
[[#41節|41節]] |
[[#42節|42節]] |
[[#43節|43節]] |
[[#44節|44節]] |
[[#45節|45節]] |
[[#46節|46節]] |
[[#47節|47節]] |
[[#48節|48節]] |
[[#49節|49節]] |
[[#50節|50節]] <br />
[[#51節|51節]] |
[[#52節|52節]] |
[[#53節|53節]] |
[[#54節|54節]] |
[[#55節|55節]] |
[[#56節|56節]] <br />
[[#57節|57節]] |
[[#58節|58節]] |
[[#59節|59節]] |
[[#60節|60節]] |
[[#61節|61節]] |
[[#62節|62節]] <br />
[[#63節|63節]] |
[[#64節|64節]] |
[[#65節|65節]] |
[[#66節|66節]] |
[[#67節|67節]] <br />
[[#68節|68節]] |
[[#69節|69節]] |
[[#70節|70節]] <br />
[[#71節|71節]] |
[[#72節|72節]] |
[[#73節|73節]] |
[[#74節|74節]] |
[[#75節|75節]] |
[[#76節|76節]] |
[[#77節|77節]] |
[[#78節|78節]] |
[[#79節|79節]] |
[[#80節|80節]] <br />
[[#81節|81節]] |
[[#82節|82節]] |
[[#83節|83節]] |
[[#84節|84節]] |
[[#85節|85節]] |
[[#86節|86節]] |
[[#87節|87節]] |
[[#88節|88節]] <br />
[[#89節|89節]] |
[[#90節|90節]] <br />
[[#脚注|脚注]]<br />
[[#参考リンク|参考リンク]]<br />
|}
<br style="clear:both;" />
__notoc__
==カルヌーテース族の蜂起==
===1節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/1節]] {{進捗|00%|2025-10-26}}</span>
[[画像:Maccari-Cicero.jpg|thumb|right|250px|[[w:カティリナ弾劾演説|カティリーナ弾劾演説]]をする[[w:マルクス・トゥッリウス・キケロ|キケロー]](左中央)(チェザレ・マッカリによる19世紀のフレスコ画)。[[w:プブリウス・クロディウス・プルケル|クローディウス]]はこれを越権行為であるとして、カエサルの政敵となっていたキケローを一時的に亡命へ追い込み、ついにはキケローの友人ミローの配下によって殺害された。]]
[[画像:Pompei_Magnus_Antiquarium.jpg|thumb|right|250px|[[w:グナエウス・ポンペイウス|グナエウス・ポンペイウス]]の胸像。クローディウス殺害に伴う騒乱を収拾するべく、[[w:元老院|元老院]]によりポンペイウスが単独の[[w:執政官|執政官]]に選出され、首都ローマと本土イタリアを制圧した。一方、カエサルも属州で新たに徴兵して兵力を増した。元老院派はカエサルの勢力が強大になることを恐れて、カエサル自身から将兵を取り上げて召還すべきと主張したが、ポンペイウスは不和を避けて宥和を図った。]]
:
;首都ローマの政情不安、ガッリア人領袖たちの謀計
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:quietus#Latin|Quieta]] [[wikt:en:Gallia#Latin|Gallia]],
**[[w:ガリア|ガッリア]]が鎮定されると、
*Caesar, ut [[wikt:en:constituerat|constituerat]],
**カエサルは、定めていたように、
*in [[wikt:en:Italia#Latin|Italiam]] ad [[wikt:en:conventus#Noun|conventus]] [[wikt:en:agendus#Latin|agendos]] [[wikt:en:proficiscitur|proficiscitur]].
**イタリアに、巡回裁判を行なうために出発する。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ここでいうイタリアとは、カエサルの属州であった<br> [[w:ガリア・キサルピナ|ガッリア・キサルピーナ]]を指す。<br> カエサルは、巡回裁判を除けば、おもに[[w:ラヴェンナ|ラウェンナ]]に<br> 滞在していたと考えられる。[[内乱記_第1巻#5節|『内乱記』第1巻5節]]を参照。)</span>
:
*[[wikt:en:ibi#Latin|Ibi]] [[wikt:en:cognoscit|cognoscit]] de <P.> [[wikt:en:Clodius#Latin|Clodii]] [[wikt:en:caedes#Latin|caede]],
**そこで[[w:プブリウス・クロディウス・プルケル|プーブリウス・クローディウス]]の殺害について知って、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:クローディウスは護民官を務めた<ruby><rb>[[w:ポプラレス|民衆派]]</rb><rp>(</rp><rt>ポプラレス</rt><rp>)</rp></ruby> の政治家で、<br> カエサルから恩義を受けていた。<br> かの弁論家[[w:マルクス・トゥッリウス・キケロ|キケロー]]やその友人ティトゥス・ミロー [[w:la:Titus_Annius_Milo|Milo]] ら<br> <ruby><rb>[[w:オプティマテス|元老院派]]</rb><rp>(</rp><rt>オプティマテス</rt><rp>)</rp></ruby> と激しく対立し、ミローの配下によって殺害された。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:<P.> ([[wikt:en:Publius#Latin|Publii]]) 「プーブリウスの」は ρ系写本にのみ記されている。)</span>
*<de> <u>senatus</u>que <u>consulto</u> [[wikt:en:certior#Latin|certior]] [[wikt:en:factus#Participle|factus]], ut omnes [[wikt:en:iunior#Latin|iuniores]] Italiae [[wikt:en:coniurarent|coniurarent]],
**イタリアの全青年に<small>(新兵として)</small>宣誓するようにとの元老院決議について知らされて、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:この事態を収拾すべく元老院派の[[w:グナエウス・ポンペイウス|ポンペイウス]]が単独の執政官<br> (''[[w:de:Consul sine collega|consul sine collega]]'')に選任されて本土イタリアを掌握した。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:<de> は現存する写本にはなく、近世以降に挿入提案されたもの。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注: [[wikt:en:senatus_consultum#Latin|senātūs cōnsultum]] ([[wikt:en:ultimus#Latin|ultimum]]) 「[[w:セナトゥス・コンスルトゥム・ウルティムム|元老院(の最終)決議]]」<br> ; dē [[wikt:en:senatus_consulto#Latin|senātūs cōnsultō]] 「元老院決議について」)</span>
*<u>dilectum</u> [[wikt:en:totus#Latin|tota]] [[wikt:en:provincia#Latin|provincia]] habere [[wikt:en:instituo#Latin|instituit]].
**<small>(カエサルは)</small>属州<small>〔ガッリア・キサルピーナ〕</small>全体での徴集をすることを決定する。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:dilectus#Noun|dilectum]] は、[[wikt:en:delectus#Noun_2|delectum]] と表記している校訂版もある。)</span>
:
*<!--❷--><sup>(2)</sup> Eae res in Galliam [[wikt:en:transalpinus#Latin|Transalpinam]] celeriter [[wikt:en:perferuntur|perferuntur]].
**その状況は、[[w:ガリア・ナルボネンシス|ガッリア・トラーンサルピーナ]]<small>〔アルプスの向こう側のガッリア〕</small>に速やかに報知された。
:
*[[wikt:en:addunt|Addunt]] ipsi et [[wikt:en:adfingunt|adfingunt]] [[wikt:en:rumor#Latin|rumoribus]] [[wikt:en:Galli#Latin|Galli]],
**[[w:ガリア人|ガッリア人]]たち自身が風評に想像して付け加えたのは、
*quod res [[wikt:en:poscere|poscere]] [[wikt:en:videbatur|videbatur]]:
**事態が要求すると思われていたことで、
*[[wikt:en:retineri|retineri]] <u>urbano</u> [[wikt:en:motus#Noun_2|motu]] Caesarem
**カエサルは、都<small>〔[[w:ローマ|ローマ市]]〕</small>の騒乱に束縛されて、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:urbanus#Adjective|urbānus]] は「都市の」「都会の」と訳されるが、<br> とりわけ「首都[[w:ローマ|ローマ市]]の」を意味する。)</span>
*neque in [[wikt:en:tantus#Latin|tantis]] [[wikt:en:dissensio#Latin|dissensionibus]] ad [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitum]] venire posse.
**これほどの対立においては、軍隊のもとへ来ることができない、<br>ということである。
:
*<!--❸--><sup>(3)</sup> Hac [[wikt:en:impulsus#Participle|impulsi]] [[wikt:en:occasio#Latin|occasione]],
**このような好機に刺激されて、
*qui iam ante se [[wikt:en:populus#Noun|populi]] Romani [[wikt:en:imperium#Latin|imperio]] [[wikt:en:subiectus#Latin|subiectos]] [[wikt:en:dolerent|dolerent]],
**すでに以前から自分たちがローマ国民の支配に服属させられているのを悲嘆している者たちは、
*[[wikt:en:libere#Adverb_2|liberius]] atque [[wikt:en:audacter#Latin|audacius]] de bello [[wikt:en:consilium#Latin|consilia]] [[wikt:en:inire|inire]] [[wikt:en:incipiunt|incipiunt]].
**より自由に、かつ、より向こう見ずに、戦争について謀議に取りかかり始める。
:
[[画像:Brennus_mg_9724.jpg|thumb|right|250px|[[w:ブレンヌス|ブレンヌス]]の胸像。BC4世紀([[w:紀元前387年|387年]])に、ローマ軍を破って、ローマ市を占領した。アッコーと同じセノネース族の族長だったとされている。]]
*<!--❹--><sup>(4)</sup> [[wikt:en:indictus#Latin|Indictis]] inter se principes Galliae [[wikt:en:concilium#Latin|conciliis]] [[wikt:en:silvestris#Latin|silvestribus]] ac [[wikt:en:remotus#Latin|remotis]] locis
**ガッリアの領袖たちは、森林や人里離れた場所での会合を互いに申し合わせて、
*[[wikt:en:queruntur|queruntur]] de [[wikt:en:Acco#Latin|Acconis]] [[wikt:en:mors#Latin|morte]];
**アッコーの死について嘆く。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[ガリア戦記 第6巻#44節|第6巻44節]]を参照。)</span>
*<u>posse</u> hunc [[wikt:en:casus#Latin|casum]] ad ipsos [[wikt:en:recidere#Verb_4|recidere]] [[wikt:en:demonstrant#Latin|demonstrant]];
**彼<small>〔アッコー〕</small>の結末が彼ら自身へ降りかかりうることを説く。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:posse#Verb|posse]] の位置は、<br> α系写本では hunc の前だが、<br> β系写本では hunc casum ad ipsos recidere <u>posse</u> demonstrant <br> となっている。)</span>
:
*<!--❺--><sup>(5)</sup> [[wikt:en:miserantur|miserantur]] [[wikt:en:communis#Latin|communem]] Galliae [[wikt:en:fortuna#Latin|fortunam]];
**ガッリア共通の境遇をあわれむ。
*omnibus [[wikt:en:pollicitatio#Latin|pollicitationibus]] ac [[wikt:en:praemium#Latin|praemiis]] [[wikt:en:deposcunt|deposcunt]]
**<small>(以下の者たちを)</small>あらゆる約束と恩賞によって求める。
*qui [[wikt:en:bellum#Latin|belli]] <u>initia</u> [[wikt:en:faciant|faciant]] et sui [[wikt:en:caput#Latin|capitis]] [[wikt:en:periculum#Latin|periculo]] Galliam in [[wikt:en:libertas#Latin|libertatem]] [[wikt:en:vindicent|vindicent]].
**戦端を開いて、自らを危険にさらしても、ガッリアを解放する者たちを。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:~ in libertatem vindicare;~を解放する)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:initia#Latin|initia]] (複数形) だが、<br> β系写本では [[wikt:en:initium#Latin|initium]] (単数形) となっている。)</span>
:
*<!--❻--><sup>(6)</sup> In primis [[wikt:en:ratio#Latin|rationem]] esse [[wikt:en:habendus#Latin|habendam]] [[wikt:en:dicunt|dicunt]],
**とりわけ、<small>(以下のような)</small>方策を採るべきであると述べる。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:in_primis#Latin|in primis]] は、[[wikt:en:inprimis#Adverb|
inprimis]] と表記している校訂版もある。)</span>
*[[wikt:en:priusquam#Latin|prius quam]] eorum [[wikt:en:clandestinus#Latin|clandestina]] consilia [[wikt:en:efferantur|efferantur]],
**彼らの秘密の計画が漏らされるより前に、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:反ローマの挙兵のはかりごとが漏れる前に)</span>
*ut Caesar ab [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitu]] [[wikt:en:intercludatur|intercludatur]].
**カエサルが軍隊から切り離されるように、と。
:
*<!--❼--><sup>(7)</sup> Id esse [[wikt:en:facilis#Latin|facile]],
**それは容易なことである。
*quod neque legiones [[wikt:en:audeant|audeant]] [[wikt:en:absens#Latin|absente]] [[wikt:en:imperator#Latin|imperatore]] ex [[wikt:en:hiberna#Noun|hibernis]] [[wikt:en:egredi|egredi]],
**というのは、[[w:ローマ軍団|諸軍団]]は将軍<small>〔カエサル〕</small>が不在のときにあえて冬営から出て行こうとはしないし、
*neque [[wikt:en:imperator#Latin|imperator]] sine [[wikt:en:praesidium#Latin|praesidio]] ad legiones [[wikt:en:pervenire#Latin|pervenire]] [[wikt:en:possit|possit]].
**将軍は護衛なしに諸軍団のところへ到着することはできないのだから。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--❽--><sup>(8)</sup> [[wikt:en:postremo#Adverb|Postremo]] in [[wikt:en:acies#Latin|acie]] <u>praestare</u> [[wikt:en:interfici|interfici]],
**結局のところ、戦列において討ち死にする方がましである。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[wikt:en:praestare|praestare]] ~ [[wikt:en:quam#Adverb|quam]] …「…よりも~がより優る」)</span>
*<u>quam</u> non [[wikt:en:vetus#Latin|veterem]] belli [[wikt:en:gloria#Latin|gloriam]] [[wikt:en:libertas#Latin|libertatem]]<nowiki>que</nowiki> quam a [[wikt:en:maior#Noun|maioribus]] [[wikt:en:acceperint|acceperint]], [[wikt:en:recuperare#Latin|recuperare]].
**先祖から受け継いだかつての戦争の栄誉および自由を取り戻さないことよりは。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===2節===
[[画像:Chartres_1.jpg|thumb|right|320px|カルヌーテース族([[w:la:Carnutes|Carnutes]])の名を残す現在の[[w:シャルトル|シャルトル]]([[w:en:Chartres|Chartres]])の象徴である[[w:シャルトル大聖堂|シャルトル大聖堂]]([[w:世界遺産|世界遺産]])。[[ガリア戦記 第6巻#13節|第6巻13節]]⑩項で既述のように、カルヌーテース族の土地はガッリアの中心・聖地と見なされていた。ガッリアがキリスト教化されると、[[w:司教|司教座]]が置かれて、宗教的中心地となった。]]
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/2節]] {{進捗|00%|2025-11-05}}</span>
;ガッリア諸部族の会合で、カルヌーテース族が開戦動議
:
*<!--❶--><sup>(1)</sup> His rebus [[wikt:en:agitatus#Latin|agitatis]],
**これらの事柄が論議されて、
*[[wikt:en:profiteor#Latin|profitentur]] [[wikt:en:Carnutes#Latin|Carnutes]],
**カルヌーテース族の者が公言したことには、
*se [[wikt:en:nullus#Determiner|nullum]] [[wikt:en:periculum#Latin|periculum]] [[wikt:en:communis#Latin|communis]] [[wikt:en:salus#Latin|salutis]] causa [[wikt:en:recusare#Latin|recusare]],
**<small>(ガッリア)</small>共通の安全のためにはいかなる危険をも辞さない、
*[[wikt:en:princeps#Latin|principes]]<nowiki>que</nowiki> ex omnibus bellum [[wikt:en:facturus#Latin|facturos]] [[wikt:en:pollicentur|pollicentur]];
**かつ<small>(ガッリア方)</small>総勢の先鋒として戦争を遂行するであろうと約束する。
:
*<!--❷--><sup>(2)</sup> et, [[wikt:en:quoniam#Latin|quoniam]] in [[wikt:en:praesentia#Noun|praesentia]] [[wikt:en:obses#Latin|obsidibus]] [[wikt:en:cavere#Verb_2|cavere]] inter se non [[wikt:en:possint|possint]],
**目下のところ、人質により互いに保証し合うことはできなかったので、
*ne res [[wikt:en:efferatur|efferatur]],
**事が漏らされないように、
*<u>ut</u> [[wikt:en:ius_iurandum#Latin|iure iurando]] ac [[wikt:en:fides#Latin|fide]] [[wikt:en:sanciatur|sanciatur]], [[wikt:en:petunt|petunt]],
**誓約と信義でもって批准するように求める。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、写本ST<sup>c</sup> では ut だが、<br> 写本 T<sup>1</sup>・ρ系では at 、<br> 写本BMLNV・χ系では aut となっている。)</span>
*[[wikt:en:conlatus#Latin|conlatis]] [[wikt:en:militaris#Adjective|militaribus]] [[wikt:en:signum#Latin|signis]],
**軍旗が運び集められて、
*[[wikt:en:quo#Etymology_2_2|quo]] [[wikt:en:mos#Latin|more]] eorum [[wikt:en:gravissimus#Latin|gravissima]] [[wikt:en:caerimonia#Latin|caerimonia]] [[wikt:en:continetur|continetur]],
**それは彼らの慣習で最も荘重な<ruby><rb>神聖儀式</rb><rp>(</rp><rt>カエリモーニア</rt><rp>)</rp></ruby>として保たれているのだが、
*ne [[wikt:en:factus#Latin|facto]] [[wikt:en:initium#Latin|initio]] belli ab reliquis [[wikt:en:deserantur|deserantur]].
**開戦したら、ほかの<small>(部族の)</small>者たちから見放されないように、ということである。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--❸--><sup>(3)</sup> Tum [[wikt:en:conlaudatus#Latin|conlaudatis]] [[wikt:en:Carnutes#Latin|Carnutibus]],
**それから、カルヌーテース族が賞賛されて、
*[[wikt:en:datus#Participle|dato]] [[wikt:en:ius_iurandum#Latin|iure iurando]] ab omnibus, qui [[wikt:en:aderant|aderant]],
**訪れていたすべての者たちによって誓約が交わされて、
*[[wikt:en:tempus#Latin|tempore]] eius rei [[wikt:en:constitutus#Participle|constituto]]
**その事の時期を決定すると、
*ab [[wikt:en:concilium#Latin|concilio]] [[wikt:en:disceditur|disceditur]].
**<small>(ガッリアの領袖たちは)</small>会合から立ち去る。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===3節===
[[画像:Cathédrale_Sainte-Croix_d'Orléans_2008_PD_16.JPG|thumb|right|280px|ケナブム(Cenabum)すなわち現在の[[w:オルレアン|オルレアン]]の聖十字架大聖堂。ここもカルヌーテース族の[[w:オッピドゥム|城塞都市]]で、ガッリアの[[w:ドルイド|ドルイド]]たちが集まる聖地だったという。ローマの[[w:ルキウス・ドミティウス・アウレリアヌス|アウレリアヌス帝]](Aurelianus)によって再建されたのでアウレリアヌスの都市(アウレリアヌム [[w:la:Aurelianum|Aurelianum]])と改称され、オルレアン(Orléans)と転訛した。キリスト教化によってここにも[[w:司教|司教座]]が置かれて、布教の中心地になった。]]
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/3節]] {{進捗|00%|2025-11-17}}</span>
;カルヌーテース族がケナブム進駐
:
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:ubi#Latin|Ubi]] ea dies venit,
**その日が来ると、
*[[wikt:en:Carnutes#Latin|Carnutes]],
**カルヌーテース族は、
*Cotuato et Conconnetodumno [[wikt:en:dux#Latin|ducibus]], [[wikt:en:desperatus#Latin|desperatis]] hominibus,
**捨て身覚悟の連中であるコトゥアトゥスとコンコンネトドゥムヌスを指導者として、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ガリア語では、<br> コトゥアトス ''[[w:fr:Cotuatos|Cotuatos]]''、<br> コンコンネトドゥムノス ''[[w:fr:Conconnetodumnos|Conconnetodumnos]]''。)</span>
*<u>Cenabum</u> [[wikt:en:signum#Latin|signo]] [[wikt:en:datus#Participle|dato]] [[wikt:en:concurrunt|concurrunt]]
**号令が発せられるとともに<u>ケナブム</u>に襲来する。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ケナブムは、現在の[[w:オルレアン|オルレアン]]。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:fr:Cenabum|Cenabum]] はケルト語風の読みで、''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Vossius|Vossius]]'' による修正提案。<br> 写本では genabim, genebim, genebin などとなっている。<br> ⇒ [[wikt:en:Genabum#Latin|Genabum]])</span>
*[[wikt:en:civis#Latin|cives]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:Romanus#Adjective|Romanos]], qui [[wikt:en:negotiandi|negotiandi]] causa [[wikt:en:ibi#Latin|ibi]] [[wikt:en:constiterant|constiterant]],
**そこには、商いを営むためにローマ市民たちが滞在していて、
*in his [[wikt:en:Gaius#Latin|Gaium]] [[wikt:en:Fufius#Latin|Fufium]] Citam, [[wikt:en:honestus#Latin|honestum]] [[wikt:en:eques#Latin|equitem]] [[wikt:en:Romanus#Adjective|Romanum]],
**彼らの中には、気高いローマ人[[w:エクィテス|騎士]]ガーイウス・フーフィウス・キタがいて
*qui rei [[wikt:en:frumentarius#Latin|frumentariae]] [[wikt:en:iussus#Noun|iussu]] Caesaris [[wikt:en:praeerat|praeerat]],
**カエサルの指図により糧秣調達を統率していたが、
*[[wikt:en:interficiunt|interficiunt]] [[wikt:en:bonum#Noun_2|bona]]<nowiki>que</nowiki> eorum [[wikt:en:diripiunt|diripiunt]].
**<small>(カルヌーテース勢は彼らローマ市民たちを)</small>殺害して、彼らの財産を略奪する。
:
*<!--❷--><sup>(2)</sup> Celeriter ad omnes Galliae [[wikt:en:civitas#Latin|civitates]] [[wikt:en:fama#Latin|fama]] [[wikt:en:perfertur|perfertur]].
**速やかに全ガッリア部族のもとへ、評判が報知される。
*Nam, <u>ubique</u> [[wikt:en:maior#Latin|maior]] atque [[wikt:en:inlustrior|inlustrior]] [[wikt:en:incidit#Etymology_1|incidit]] res,
**なぜなら、より重大でより目立った事態が起こればどこであろうが、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、主要写本ω の大半では [[wikt:en:ubique#Latin|ubique]] だが、写本STでは [[wikt:en:ubi#Latin|ubi]] 、<br> さらに [[wikt:en:ubicumque#Latin|ubicumque]] という異読もあり、<br> ''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Schneider,K.E.Chr.|Chr. Schneider]]'' は ubi quae と修正提案している。)</span>
*[[wikt:en:clamor#Latin|clamore]] per [[wikt:en:ager#Latin|agros]] [[wikt:en:regio#Latin|regiones]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:significant#Latin|significant]];
**耕地や<small>(集落の)</small>区域を介して、大声で呼びかける。
*<u>hinc</u> [[wikt:en:alius#Latin|alii]] [[wikt:en:deinceps#Latin|deinceps]] [[wikt:en:excipiunt|excipiunt]]
**ここから、別の者たちが続けて引き受けて、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本の大半では [[wikt:en:hanc#Latin|hanc]] だが、<br> β系写本では [[wikt:en:hinc#Latin|hinc]] 「ここから」、<br> 写本Sでは [[wikt:en:hunc|hunc]] となっている。)</span>
*et [[wikt:en:proximus#Noun|proximis]] [[wikt:en:tradunt|tradunt]];
**近隣の者たちへ伝える。
*ut tum [[wikt:en:accidit#Etymology_1|accidit]].
**そのときにも<small>(同様のことが)</small>起こったのである。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--❸--><sup>(3)</sup> Nam, quae <u>Cenabi</u> [[wikt:en:oriens#Latin|oriente]] [[wikt:en:sol#Latin|sole]] gesta essent,
**ケナブムで日が昇るときになされていたこと<small>〔襲撃〕</small>が、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:Cenabi はケルト語風の読みで、''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Vossius|Vossius]]'' による修正提案。<br> 主要写本ω では genabi となっている。 ⇒ [[wikt:en:Genabum#Latin|Genabum]])</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:gestus#Latin|gesta]] [[wikt:en:essent#Etymology_1|essent]] は [[wikt:en:gero#Latin|gerō]] の3人称・複数・過去完了・受動・接続法。)</span>
*ante [[wikt:en:primus#Latin|primam]] [[wikt:en:confectus#Latin|confectam]] [[wikt:en:vigilia#Latin|vigiliam]]
**第一夜警時の終わる前頃には
**:<span style="color:#009900;">(訳注:第一夜警時は、日の入から真夜中までの時間帯の前半「宵の口」。<br> [[古代ローマの不定時法#夜警時|#夜警時]] を参照。)</span>
*in finibus [[wikt:en:Arverni#Latin|Arvernorum]] audita sunt,
**アルウェルニー族の領土において聞かれた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:auditus#Latin|audita]] [[wikt:en:sunt#Latin|sunt]] は [[wikt:en:audio#Latin|audiō]] の3人称・複数・完了・受動・直説法)</span>
*[[wikt:en:qui#Latin|quod]] [[wikt:en:spatium#Latin|spatium]] est [[wikt:en:mille#Latin|milium]] [[wikt:en:passus#Etymology_2|passuum]] circiter [[wikt:en:centum#Latin|centum]] [[wikt:en:sexaginta#Latin|sexaginta]](CLX).
**約160ローママイルもの隔たりがあったのに。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:1[[ガイウス・ユリウス・カエサルの著作/通貨・計量単位#ミーッレ・パッスーム、ミーリア(ローママイル)|ローママイル]]は約1.48 kmで、160マイルは約240 km)</span>
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
==ウェルキンゲトリークスとガッリア同盟軍の蜂起==
===4節===
[[画像:Vercingetorix stater CdM.jpg|thumb|right|200px|“<span style="font-family:Times New Roman;font-size:15pt;">(VERCIN)GETORIXS</span>”の名と横顔が刻まれた金貨。]]
[[画像:Vercingétorix_par_Millet.jpg|thumb|right|250px|[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]の立像(フランスのアリーズ=サント=レーヌ <small>[[w:fr:Alise-Sainte-Reine|Alise-Sainte-Reine]]</small>)。<br>近代[[w:ナショナリズム|ナショナリズム]]の高揚とともに[[w:フランス|フランス]]国民が自らを古代[[w:ガリア人|ガッリア人]]の末裔と見なすようになると([[w:ガリア起源説|ガッリア起源説]])、ガッリア諸部族を率いて[[w:古代ローマ|古代ローマ]]と戦った彼は「'''フランス最初の英雄'''」として祀り上げられた。[[w:フランス第二帝政|第二帝政]]期に皇帝[[w:ナポレオン3世|ナポレオン3世]]の命により[[w:アレシアの戦い|アレスィア古戦場]]の発掘調査が実施され、[[w:1865年|1865年]]にはその地に彫刻家エメ・ミレ([[w:fr:Aimé Millet|Aimé Millet]])による高さ7メートルの銅像が建立された。<br>([[w:fr:Vercingétorix_(statue_d'Aimé_Millet)|fr:La statue de Vercingétorix]])]]
[[画像:Statue-vercingetorix-jaude-clermont.jpg|thumb|right|250px|[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]の騎馬像([[w:fr:Statue équestre de Vercingétorix (Frédéric Auguste Bartholdi)|fr]])。彼の出身地ゲルゴウィアの近く、[[w:クレルモン=フェラン|クレルモン=フェラン市]]中央広場に建つ。[[w:1903年|1903年]]に、[[w:自由の女神像 (ニューヨーク)|自由の女神像]]の作者として著名な彫刻家[[w:フレデリク・バルトルディ|フレデリク・オーギュスト・バルトルディ]]によって建立された。[[w:フランス語|フランス語]]で「我は皆の自由のために武器を取った」« J’ai pris les armes pour la liberté de tous » と刻まれている。]]
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/4節]] {{進捗|00%|2025-11-24}}</span>
;アルウェルニー族のウェルキンゲトリークスが挙兵、ガッリア諸部族同盟軍を指揮する
:
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:similis#Latin|Simili]] [[wikt:en:ratio#Latin|ratione]] ibi
**そこ<small>〔アルウェルニー族領〕</small>でも同様のやり方によって、
*[[wikt:en:Vercingetorix#Latin|Vercingetorix]],
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]という、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ガリア語 [[wikt:en:Reconstruction:Gaulish/Werkingetorix|*Werkingetorīx]] は「戦士たちの最高の王」という意味で、<br> ガッリア同盟軍の最高司令官にふさわしい呼び名である。<br> 《[[ガリア戦記/ガリア語の名前#Vercingetorix|'''ガリア語の名前'''#Vercingetorix]]》 を参照せよ。)</span>
*[[wikt:fr:Celtillus|Celtilli]] filius, [[wikt:en:Arvernus#Latin|Arvernus]],
**ケルティッルスの息子で[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]の者で、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:''[[w:en:Celtillus|Celtillus]]'' はガリア語で「小さなケルト人」という意味だと解される。)</span>
*[[wikt:en:summus#Adjective|summae]] [[wikt:en:potentia#Latin|potentiae]] [[wikt:en:adulescens#Noun|adulescens]],
**最高の影響力のある青年が、
*cuius [[wikt:en:pater#Latin|pater]] [[wikt:en:principatus#Latin|principatum]] Galliae [[wikt:en:totus#Etymology_1|totius]] [[wikt:en:obtinuerat|obtinuerat]]
**──その父<small>〔ケルティッルス〕</small>はガッリア全体の主導権を占めていたが、
*et ob eam causam, quod [[wikt:en:regnum#Latin|regnum]] [[wikt:en:adpetebat|adpetebat]], ab [[wikt:en:civitas#Latin|civitate]] erat [[wikt:en:interfectus#Latin|interfectus]],
**王位を求めたという理由により、部族の者によって誅殺されていたのであるが、──
*[[wikt:en:convocatus#Latin|convocatis]] suis [[wikt:en:cliens#Latin|clientibus]]
**自らの庇護者たちを招集して、
*facile [[wikt:en:incendit|incendit]].
**容易に焚き付けた。
:
*<!--❷--><sup>(2)</sup> [[wikt:en:cognitus#Participle|Cognito]] eius [[wikt:en:consilium#Latin|consilio]]
**彼の計画を知ると、
*ad [[wikt:en:arma#Latin|arma]] [[wikt:en:concurritur|concurritur]].
**<small>(人々は)</small>武器のもとへ群がり集まった。
*[[wikt:en:prohibetur|Prohibetur]] ab [[wikt:fr:Gobannitio|Gobannitione]], [[wikt:en:patruus#Latin|patruo]] suo, [[wikt:en:reliquus#Latin|reliquis]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:princeps#Noun_3|principibus]],
**彼の<small>(父方の)</small>おじゴバンニティオやほかの領袖たちにより妨げられた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:''[[w:fr:Gobannitio|Gobannitio]]'' は「鍛冶屋」か「鍛冶の神」に由来する名前と解される。)</span>
*qui hanc [[wikt:en:temptandus#Latin|temptandam]] [[wikt:en:fortuna#Latin|fortunam]] non [[wikt:en:existimabant|existimabant]];
**その者たちは、このような運命を試すべきとは考えていなかったのだ。
*[[wikt:en:expellitur|expellitur]] ex [[wikt:en:oppidum#Latin|oppido]] [[wikt:en:Gergovia#Latin|Gergovia]];
**<small>(ウェルキンゲトリークスは)</small>城塞都市ゲルゴウィアから追放される。
:
*<!--❸--><sup>(3)</sup> non [[wikt:en:destitit|destitit]] tamen
**しかしながら<small>(彼は計画を)</small>取り止めず、
*atque in agris habet [[wikt:en:dilectus#Noun|dilectum]] [[wikt:en:egens#Latin|egentium]] ac [[wikt:en:perditor#Noun|perditorum]].
**野に貧窮者たちやならず者たちを徴集する。
:
*Hac [[wikt:en:coactus#Latin|coacta]] [[wikt:en:manus#Latin|manu]],
**こうした手勢が集められ、
*[[wikt:en:quoscumque|quoscumque]] [[wikt:en:adit#Latin|adit]] ex civitate,
**部族のうちで<small>(彼が)</small>会った者は誰であれ、
*ad suam [[wikt:en:sententia#Latin|sententiam]] [[wikt:en:perducit|perducit]];
**自らの意図に引き込んだ。
:
*<!--❹--><sup>(4)</sup> [[wikt:en:hortatur|hortatur]] ut [[wikt:en:communis#Latin|communis]] [[wikt:en:libertas#Latin|libertatis]] causa [[wikt:en:arma#Latin|arma]] [[wikt:en:capiant|capiant]],
**<small>(ガッリア)</small>共通の自由のために武器を取るように鼓舞した。
*[[wikt:en:magnus#Latin|magnis]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:coactus#Latin|coactis]] [[wikt:en:copia#Latin|copiis]]
**大軍勢が集められて、
*[[wikt:en:adversarius#Latin|adversarios]] suos, a quibus paulo ante erat [[wikt:en:eiectus#Latin|eiectus]],
**少し前に<small>(彼をゲルゴウィアから)</small>放逐したところの敵対者たちを、
*[[wikt:en:expellit|expellit]] ex civitate.
**部族から追放する。
*[[wikt:en:rex#Latin|Rex]] ab suis [[wikt:en:appellatur|appellatur]].
**<small>(ウェルキンゲトリークスは)</small>配下の者たちから王と呼ばれている。
:
*<!--❺--><sup>(5)</sup> [[wikt:en:dimittit|Dimittit]] [[wikt:en:quoque#Latin|quoque]] [[wikt:en:versus#Adverb|versus]] [[wikt:en:legatio#Latin|legationes]];
**<small>(ウェルキンゲトリークスは)</small>あらゆる方向へ使節団を派遣して、
*[[wikt:en:obtestatur|obtestatur]] ut in [[wikt:en:fides#Latin|fide]] [[wikt:en:maneant|maneant]].
**誓約に留まるようにと、懇願する。
:
*<!--❻--><sup>(6)</sup> Celeriter sibi
**速やかに、自分たち<small>〔アルウェルニー族〕</small>に対して
*[[wikt:en:Senones#Latin|Senones]], [[wikt:en:Parisii#Latin|Parisios]], [[wikt:en:Pictones#Latin|Pictones]], [[wikt:en:Cadurci#Latin|Cadurcos]], <u>Turonos</u>, [[wikt:en:Aulerci#Latin|Aulercos]], [[wikt:en:Lemovices#Latin|Lemovices]], <u>Andes</u>
**セノネース族、パリースィイー族、ピクトネース族、カドゥルキー族、<br><u>トゥロニイー族</u>、アウレルキー族、レモウィーケース族、アンデース族、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部のトゥロニイー族 ''[[w:Turoni|Turoni]]'' は、トゥロネース族 ''[[wikt:en:Turones#Latin|Turonēs]]'' ともいう。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:二つ目の下線部は、α系写本では [[wikt:en:Andi#Latin|Andos]]「アンディー族」だが、<br> ''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Glareanus|Glareanus]]'' は、[[wikt:en:Andes#Latin|Andēs]]「アンデース族」と修正提案し、<br> これは別名「アンデカーウィー族」''[[wikt:en:Andecavi#Latin|Andecāvī]]'' ともいう。)</span>
*reliquosque omnes, qui [[wikt:en:Oceanus#Latin|Oceanum]] [[wikt:en:adtingunt|adtingunt]], [[wikt:en:adiungit|adiungit]];
**および<ruby><rb>大洋<span style="color:#009900;">〔[[w:大西洋|大西洋]]〕</span></rb><rp>(</rp><rt>オーケアヌス</rt><rp>)</rp></ruby>に接するほかの全部族を、加盟させる。
*omnium [[wikt:en:consensus#Latin|consensu]]
**すべての者たちの同意により、
*ad eum [[wikt:en:defertur|defertur]] [[wikt:en:imperium#Latin|imperium]].
**彼<small>〔ウェルキンゲトリークス〕</small>に<small>(諸部族の)</small>軍勢指揮権が譲り渡される。
:
*<!--❼--><sup>(7)</sup> Qua [[wikt:en:oblatus#Latin|oblata]] [[wikt:en:potestas#Latin|potestate]]
**<small>(ウェルキンゲトリークスは)</small>その権限が任されると、
*omnibus his civitatibus [[wikt:en:obses#Latin|obsides]] [[wikt:en:imperat|imperat]],
**これらすべての部族に人質<small>(の供出)</small>を命令して、
*[[wikt:en:certus#Latin|certum]] numerum [[wikt:en:miles#Latin|militum]] ad se celeriter [[wikt:en:adduci#Latin|adduci]] [[wikt:en:iubet#Latin|iubet]],
**兵の一定の数が自分のもとへ速やかに動員されることを命じる。
:
*<!--❽--><sup>(8)</sup> [[wikt:en:arma#Latin|armorum]] [[wikt:en:quantum#Latin|quantum]] [[wikt:en:quisque#Latin|quaeque]] civitas [[wikt:en:domi#Latin|domi]] [[wikt:en:quisque#Latin|quodque]] ante tempus [[wikt:en:efficiat|efficiat]], [[wikt:en:constituit#Latin|constituit]];
**おのおのの部族が本国で、武器のどれほどをその時期の前に生産するかを、決定した。
*in primis [[wikt:en:equitatus#Latin|equitatui]] [[wikt:en:studet|studet]].
**とりわけ、[[w:騎兵|騎兵隊]]を熱心に求めた。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--❾--><sup>(9)</sup> Summae diligentiae summam [[wikt:en:imperium#Latin|imperii]] [[wikt:en:severitas#Latin|severitatem]] addit;
**<small></small>(ウェルキンゲトリークスは)最高の入念さに、命令の最高の厳格さを付け加える。
*magnitudine [[wikt:en:supplicium#Latin|supplicii]] [[wikt:en:dubitans#Latin|dubitantes]] cogit.
**重大な刑罰をふんぎりが付かぬ者たちへ強いる。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--❿--><sup>(10)</sup> Nam maiore commisso delicto <u>igni</u> atque omnibus tormentis necat,
**すなわち、より重大な違反を犯したら、火とあらゆる拷問によって誅殺した。
*leviore de causa auribus desectis aut singulis effossis oculis domum remittit,
**より軽微な場合については、両耳を切り取り、あるいは眼を一つずつ繰り抜いて、郷里へ送還する。
*ut sint reliquis documento et magnitudine poenae perterreant alios.
**ほかの者たちへの警告となり、懲罰の重大さが別の者たちを畏怖させるようにである。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===5節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/5節]] {{進捗|00%|2025-12-14}}</span>
;ビトゥリゲース族が、ガッリア同盟軍に寝返る
:
*<!--❶--><sup>(1)</sup> His [[wikt:en:supplicium#Latin|suppliciis]] celeriter [[wikt:en:coactus#Latin|coacto]] [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitu]],
**<small>(ウェルキンゲトリークスは)</small>これらの刑罰により速やかに軍隊を徴集して、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:「軍隊」と訳される [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitus]] には「鍛えられて規律がある」という意味合いがあり、<br> これまでカエサルがガッリア人の軍勢をこのように表現したことはまれであった。)</span>
*[[wikt:en:Lucterius#Latin|Lucterium]] [[wikt:en:Cadurcus#Latin|Cadurcum]], [[wikt:en:summus#Latin|summae]] hominem [[wikt:en:audacia#Latin|audaciae]],
**この上なく豪胆な人物であるカドゥルキー族のルクテリウスを
*cum parte [[wikt:en:copiarum#Noun_2|copiarum]] in [[wikt:en:Ruteni#Latin|Rutenos]] [[wikt:en:mittit|mittit]];
**軍勢の一部とともにルテーニー族のところに遣わす。
*ipse in [[wikt:en:Bituriges#Latin|Bituriges]] [[wikt:en:proficiscitur|proficiscitur]].
**<small>(ウェルキンゲトリークス)</small>自身はビトゥリゲース族のところに出発する。
:
; ビトゥリゲース族が、ハエドゥイー族に、対ウェルキンゲトリークスのための援兵を依頼
*<!--❷--><sup>(2)</sup> Eius [[wikt:en:adventus#Latin|adventu]]
**彼<small>〔ウェルキンゲトリークス〕</small>の到来により、
*[[wikt:en:Bituriges#Latin|Bituriges]] ad [[wikt:en:Aeduos|Haeduos]], quorum erant in [[wikt:en:fides#Latin|fide]],
**ビトゥリゲース族は、彼らが庇護下にあった[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]のもとへ、
*[[wikt:en:legatus#Latin|legatos]] [[wikt:en:mittunt|mittunt]] [[wikt:en:subsidium#Latin|subsidium]] [[wikt:en:rogatum#Verb|rogatum]],
**使節たちを、<small>(ハエドゥイー族からの)</small>援兵を依頼するために派遣する。
*[[wikt:en:quo#Adverb|quo]] [[wikt:en:facile#Latin|facilius]] hostium copias [[wikt:en:sustinere|sustinere]] [[wikt:en:possint|possint]].
**それにより、敵の軍勢をより容易に持ちこたえることができるようにということであった。
:
; ハエドゥイー族が、ビトゥリゲース族に対して援兵を派兵
*<!--❸--><sup>(3)</sup> [[wikt:en:Aedui#Latin|Haedui]] de [[wikt:en:consilium#Latin|consilio]] [[wikt:en:legatus#Latin|legatorum]], quos Caesar ad [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitum]] [[wikt:en:reliquerat|reliquerat]],
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]は、カエサルが軍隊のもとへ残していた<ruby><rb>[[w:レガトゥス|総督副官]]</rb><rp>(</rp><rt>レーガートゥス</rt><rp>)</rp></ruby>たちの助言により、
*copias [[wikt:en:equitatus#Noun|equitatus]] [[wikt:en:peditatus#Latin|peditatus]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:subsidium#Latin|subsidio]] [[wikt:en:Bituriges#Latin|Biturigibus]] [[wikt:en:mittunt|mittunt]].
**[[w:騎兵|騎兵隊]]と[[w:歩兵|歩兵隊]]の軍勢をビトゥリゲース族に対する援兵として派遣する。
:
; ハエドゥイー族の援兵が、ビトゥリゲース族の寝返りを怖れて、途中で逃げ帰ってしまう
*<!--❹--><sup>(4)</sup> Qui cum ad flumen [[wikt:en:Liger#Latin|Ligerim]] [[wikt:en:venissent|venissent]], quod [[wikt:en:Bituriges#Latin|Bituriges]] ab [[wikt:en:Aeduis|Haeduis]] [[wikt:en:dividit#Latin|dividit]],
**その者たち<small>〔援兵〕</small>は、ビトゥリゲース族を[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]から分け隔てるリゲル川のたもとへやって来たときに、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:リゲル川 [[w:la:Liger|Liger]] は、現在の[[w:ロワール川|ロワール川]]。<br> 本書に登場するビトゥリゲース・クビ族 ''[[w:en:Bituriges Cubi|Bituriges Cubi]]'' は、<br> ロワール川西岸の[[w:シェール県|シェール県]]の辺りに居住していた。<br> 対して、[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]は、<br> ロワール川東岸の[[w:ニエーヴル県|ニエーヴル県]]の辺りに居住していた。)</span>
[[画像:Map of Eduens people-fr.svg|thumb|right|250px|[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]を軸とするガッリアの合従連衡(<small>フランス語表記</small>)。赤い部分がハエドゥイー族(Eduens)、桃色・茶色の部分が同盟部族、灰色の部分が敵対する[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]](Arvernes)とセクアニ族(Sequanes)の領域である。茶色のビトゥリゲース族(Bituriges)と赤いハエドゥイー族(Eduens)の境界に沿ってリゲル川([[w:ロワール川|ロワール川]])が流れていることが見て取れる。川の西岸はビトゥリゲース族とアルウェルニー族の勢力圏になっている。]]
*paucos dies ibi [[wikt:en:moratus#Participle|morati]]
**わずかな日々をそこでぐずぐずして、
*neque flumen [[wikt:en:transire#Latin|transire]] [[wikt:en:ausus#Participle|ausi]] [[wikt:en:domus#Latin|domum]] [[wikt:en:revertuntur|revertuntur]]
**川をあえて渡らずに、故国に引き返す。
:
*<!--❺--><sup>(5)</sup> [[wikt:en:legatus#Latin|legatis]]<nowiki>que</nowiki> nostris [[wikt:en:renuntiant|renuntiant]]
**<small>(ハエドゥイー族の援兵たちが)</small>我が方<small>〔ローマ方〕</small>の<ruby><rb>[[w:レガトゥス|総督副官]]</rb><rp>(</rp><rt>レーガートゥス</rt><rp>)</rp></ruby>たちに報告したことには、
*se [[wikt:en:Bituriges#Latin|Biturigum]] [[wikt:en:perfidia#Latin|perfidiam]] [[wikt:en:veritus#Latin|veritos]] [[wikt:en:revertisse|revertisse]],
**自分たち<small>〔援兵〕</small>は、ビトゥリゲース族の寝返りを恐れて引き返した。
*quibus id [[wikt:en:consilium#Latin|consilii]] fuisse [[wikt:en:cognoverint|cognoverint]],
**彼らには、以下のような謀計があったことを探知したのだ。
*ut, si flumen [[wikt:en:transissent#Latin|transissent]], una ex parte ipsi, altera [[wikt:en:Arverni#Latin|Arverni]] se [[wikt:en:circumsisterent|circumsisterent]].
**もし川を渡ったら、一方から<small>(ビトゥリゲース族)</small>自身が、他方から[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]が自分たちを包囲するというものだ、と。
:
*<!--❻--><sup>(6)</sup> Id ea<span style="background-color:#ffa;">[[wikt:la:-ne|ne]]</span> de causa, quam [[wikt:en:legatus#Latin|legatis]] <u>pronuntiarunt</u>,
**そのことは<small>(援兵たちが)</small><ruby><rb>[[w:レガトゥス|総督副官]]</rb><rp>(</rp><rt>レーガートゥス</rt><rp>)</rp></ruby>たちに報告した理由によって<small>(なしたのか?)</small>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:-ne#Latin|-ne]] ~ [[wikt:en:an#Latin|an]] …;~であるか、あるいは…であるか。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部の [[wikt:en:pronuntiarunt|pronuntiarunt]]<sub> (直接法・完了形)</sub> は古い印刷本 ''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#クリティカル・アパラトゥスとその略号|edd.vett.]]'' の記述で、<br> α系写本では [[wikt:en:pronuntiarint|pronuntiarint]]<sub> (接続法・完了形)</sub> だが、<br> β系写本では [[wikt:en:pronuntiaverint|pronuntia<u>ve</u>rint]]<sub> (接続法・完了形)</sub> となっている。)</span>
*<span style="background-color:#ffa;">[[wikt:la:an|an]]</span> [[wikt:en:perfidia#Latin|perfidia]] [[wikt:en:adductus#Latin|adducti]] [[wikt:en:fecerint|fecerint]],
**あるいは<small>(ビドゥリゲース族の)</small>寝返りに動かされて、なしたのか?
*[[wikt:en:quod#Conjunction|quod]] [[wikt:en:nihil#Latin|nihil]] nobis [[wikt:en:constat#Latin|constat]],
**我々<small>〔ローマ人〕</small>には何ら定かではないので、
*non [[wikt:en:videtur|videtur]] pro [[wikt:en:certus#Latin|certo]] esse <u>proponendum</u>.
**確言するべきであるとは思われない。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:~ pro certo ponere;~を確かであると主張する)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:proponendum|<u>pro</u>ponendum]] だが、<br> β系写本では [[wikt:en:ponendum|ponendum]] となっている。)</span>
: <!-- [[wikt:en:| -->
; ビトゥリゲース族が、ローマ人やハエドゥイー族から離反して、アルウェルニー族と同盟してしまう
*<!--❼--><sup>(7)</sup> [[wikt:en:Bituriges#Latin|Bituriges]] eorum [[wikt:en:discessus#Noun|discessu]]
**ビトゥリゲース族は、彼ら<small>〔援兵〕</small>の撤収により、
*[[wikt:en:statim#Latin|statim]] <u>se</u> cum [[wikt:en:Arverni#Latin|Arvernis]] <u>coniunguntur</u>.
**ただちに[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]と<small>(同盟を)</small>結んだ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:iunguntur|iunguntur]] だが、<br> β系写本では se ~ [[wikt:en:coniungunt|coniungunt]] となっている。)</span>
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===6節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/6節]] {{進捗|00%|2025-12-15}}</span>
[[画像:Warsaw Royal Castle GM (12).JPG|thumb|right|200px|[[w:グナエウス・ポンペイウス|グナエウス・ポンペイウス]]の立像([[w:ワルシャワ歴史地区|ワルシャワ王宮]])。彼は首都の騒乱を鎮めるために単独の[[w:執政官|執政官]]として大権を与えられ、イタリアの徴兵権を得た。[[w:三頭政治|三頭政治]]後のこの混乱期に、彼はカエサルの政敵たちからこぞって支持されたが、危機に瀕していたカエサルを打倒する絶好の機会を見送った。これは重大な逸機であり、数年後にポンペイウスにとって致命的な結果をもたらすことになる。]]
;諸軍団と分断されて苦慮するカエサル
:
*<!--❶--><sup>(1)</sup> His rebus in Italiam Caesari [[wikt:en:nuntiatus#Latin|nuntiatis]],
**これらの事情がイタリアにいるカエサルへ知らされると、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ここでいうイタリアとは、<br> カエサルの属州[[w:ガリア・キサルピナ|ガッリア・キサルピーナ]]のことである。)</span>
*cum iam ille [[wikt:en:urbanus#Latin|urbanas]] res [[wikt:en:virtus#Latin|virtute]] [[wikt:en:Gnaei#Latin|Gnaei]]<sub> ([[wikt:en:Cn.#Latin|Cn.]])</sub> [[wikt:en:Pompeius#Proper_noun|Pompei]] [[wikt:en:commodior#Latin|commodiorem]] in [[wikt:en:status#Noun_11|statum]] [[wikt:en:pervenisse#Latin|pervenisse]] [[wikt:en:intellegeret|intellegeret]],
**彼は、もはや都<small>〔[[w:ローマ|ローマ市]]〕</small>の事態は[[w:グナエウス・ポンペイウス|グナエウス・ポンペイウス]]の果断さによってより相応な状態に至ったと認識したので、
*in [[wikt:en:Gallia_transalpina#Latin|Transalpinam Galliam]] [[wikt:en:profectus#Latin|profectus]] est.
**ガッリア・トラーンサルピーナ<small>〔アルプスの向こう側のガッリア〕</small>に出発した。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[#1節|1節]]②項で言及された Galliam Transalpinam は<br> アルプスの西側「長髪のガッリア」全般を指すと思われるが、<br> ここではどちらかといえば<br> ガッリア南部のローマ属州ガッリア・トラーンサルピーナ<br> すなわち後の[[w:ガリア・ナルボネンシス|ガッリア・ナルボーネーンスィス]]を指す。)</span>
:
*<!--❷--><sup>(2)</sup> [[wikt:en:eo#Adverb|Eo]] cum [[wikt:en:venisset|venisset]],
**<small>(カエサルが)</small>そこに来たときに、
*magna [[wikt:en:difficultas#Latin|difficultate]] [[wikt:en:adficiebatur|adficiebatur]], qua [[wikt:en:ratio#Latin|ratione]] ad [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitum]] [[wikt:en:pervenire#Latin|pervenire]] [[wikt:en:posset#Latin|posset]].
**どのような方策で軍隊のもとへ到達することができるか、という大きな困難に苦悩させられていた。
:
*<!--❸--><sup>(3)</sup> Nam, si [[wikt:en:legio#Latin|legiones]] in [[wikt:en:provincia#Latin|provinciam]] [[wikt:en:arcesseret|arcesseret]],
**なぜなら、もし、諸[[w:ローマ軍団|軍団]]を属州<small>〔ガッリア・トラーンサルピーナ〕</small>に呼び寄せるのならば、
*se [[wikt:en:absens#Latin|absente]] in [[wikt:en:iter#Latin|itinere]] [[wikt:en:proelium#Latin|proelio]] [[wikt:en:dimicaturus#Latin|dimicaturas]] [[wikt:en:intellegebat|intellegebat]];
**自分<small>〔カエサル〕</small>が不在のままで、行軍中に戦闘を闘うことになるであろうと理解していた。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--❹--><sup>(4)</sup> si ipse ad exercitum [[wikt:en:contenderet|contenderet]],
**もし<small>(カエサル)</small>自身が<small>(大部隊の護衛なしで)</small>軍隊のもとへ急いで行くのならば、
*<u>ne</u> iis <u>quidem</u> eo tempore qui quieti [[wikt:en:viderentur|viderentur]],
**そのときには、中立を保っていると見られる者たちでさえも、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:iis#Latin|iis]] はβ系写本の記述で、α系写本では [[wikt:en:his#Latin|his]] となっている。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:ne quidem|ne ~ quidem]]「~でさえ…ない」)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:quietus#Latin|quietus, quieti]]「平和的な、中立的な」)</span>
*suam [[wikt:en:salus#Latin|salutem]] [[wikt:en:recte#Latin|recte]] [[wikt:en:committi|committi]] [[wikt:en:videbat|videbat]].
**自分の身の安全を良く託されるとは思えなかったのだ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:前年まで、すなわち第6巻までの戦争は主としてガッリア北部・中部などで闘われていたので、<br> [[ガリア戦記 第6巻#44節|第6巻44節]]で既述のように、ローマ諸軍団はガッリア北部・中部周辺に冬営させられていた。<br> 今回は軍団が駐留していないガッリア中南部を中心に反乱が起こったので、<br> カエサルと諸軍団は分断された。<br> そのため、カエサルが大部隊の護衛なしで北上すれば、<br> 同盟部族にさえ寝首を掻かれる怖れがあったのである。)
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===7節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/7節]] {{進捗|00%|2025-12-19}}</span>
;ルクテリウスとカエサルのナルボーをめぐる駆け引き
[[画像:Narbonne_panorama.jpg|thumb|right|300px|'''ナルボー'''(Narbo)すなわち現在の[[w:ナルボンヌ|ナルボンヌ市]](Narbonne)の街並み。ローマ人が[[w:ドミティア街道|ドミティア街道]]の拠点として植民市'''コロニア・ナルボー・マルティウス'''(Colonia Narbo Martius)を建設し、後には[[w:ローマ内戦 (紀元前49年-紀元前45年)|ローマ内乱]]のときにもカエサル派の根拠地となった。その重要性から帝政期には州都に昇格し、[[w:属州|属州]]名も[[w:ガリア・ナルボネンシス|ガッリア・ナルボネンスィス]]に改められたほどである。]]
[[画像:Via_domitia_map600x600_(1).png|thumb|right|200px|[[w:ドミティア街道|ドミティア街道]](Via Domitia)の経路。ローマ人によってイタリアと[[w:ヒスパニア|ヒスパーニア]]を結ぶ重要な街道として整備された。本節でカエサル側の軍勢が往復したのもこの街道である。]]
:
; カドゥルキー族のルクテリウスが、ルテーニー族を同盟に引き入れる
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:interim#Latin|Interim]] [[wikt:en:Lucterius#Latin|Lucterius]] [[wikt:en:Cadurcus#Latin|Cadurcus]]
**その間に、カドゥルキー族のルクテリウスが
*in [[wikt:en:Ruteni#Latin|Rutenos]] [[wikt:en:missus#Participle|missus]]
**ルテーニー族のところに遣わされて、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[#5節|5節]]の冒頭で述べられた。<br> ルテーニー族 ''[[w:en:Ruteni|Ruteni]]'' は現在の[[w:アヴェロン県|アヴェロン県]]の<br> [[w:ロデーズ|ロデーズ]]辺りにいたとされる。)</span>
*eam [[wikt:en:civitas#Latin|civitatem]] [[wikt:en:Arverni#Latin|Arvernis]] [[wikt:en:conciliat|conciliat]].
**その部族に[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]との仲を取り持つ。
:
; ルクテリウスが、ローマ属州内の拠点都市ナルボーを目指す
*<!--❷--><sup>(2)</sup> [[wikt:en:progressus#Participle|Progressus]] in [[wikt:en:Nitiobriges#Latin|Nitiobriges]] et [[wikt:en:Gabali#Latin|Gabalos]]
**<small>(彼は)</small>ニティオブリゲース族とガバリー族のところに進んで行き、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ニティオブリゲース族<br> またはニティオブロゲース族 ''[[w:en:Nitiobroges|Nitiobroges]]'' は<br> 現在の[[w:ロット=エ=ガロンヌ県|ロット=エ=ガロンヌ県]][[w:アジャン|アジャン]]辺り、<br> ガバリー族 ''[[w:en:Gabali|Gabali]]'' は現在の[[w:ロゼール県|ロゼール県]]辺りにいたらしい。)</span>
*ab [[wikt:en:uterque#Latin|utrisque]] [[wikt:en:obses#Latin|obsides]] [[wikt:en:accipit|accipit]]
**双方から人質たちを受け取って、
*et, magna [[wikt:en:coactus#Latin|coacta]] [[wikt:en:manus#Latin|manu]],
**多くの手勢を徴集すると、
*in [[wikt:en:provincia#Latin|provinciam]] [[wikt:en:Narbo#Latin|Narbonem]] [[wikt:en:versus#Latin|versus]] [[wikt:en:eruptio#Latin|eruptionem]] facere [[wikt:en:contendit|contendit]].
**<small>(ローマ人の)</small>[[w:属州|属州]]内のナルボーに向かって出撃することを急ぐ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ナルボー [[w:la:Narbo|Narbo]] は、ローマ人が建設した地中海岸の植民市で、<br> ヒスパーニアとイタリアを結ぶ拠点であった。<br> 現在の[[w:ナルボンヌ|ナルボンヌ]]。)</span>
:
; カエサルもナルボーを目指す
*<!--❸--><sup>(3)</sup> Qua re [[wikt:en:untiatus#Latin|nuntiata]]
**その事を報告されると、
*Caesar omnibus [[wikt:en:consilium#Latin|consiliis]] [[wikt:en:antevertendus#Latin|antevertendum]] <span style="color:#009900;font-size:8pt;">(esse)</span> [[wikt:en:existimavit|existimavit]], ut [[wikt:en:Narbo#Latin|Narbonem]] [[wikt:en:proficisceretur|proficisceretur]].
**カエサルは、ナルボーに出発することを、あらゆる計画に先立ってするべきであると考えた。
:
*<!--❹--><sup>(4)</sup> [[wikt:en:eo#Adverb|Eo]] cum [[wikt:en:venisset|venisset]],
**<small>(カエサルは)</small>そこへやって来ると、
*[[wikt:en:timens#Latin|timentes]] [[wikt:en:confirmat#Latin|confirmat]],
**<ruby><rb>怖気</rb><rp>(</rp><rt>おじけ</rt><rp>)</rp></ruby>ている者たちを元気付けて、
*[[wikt:en:praesidium#Latin|praesidia]]
**守備隊を
*in [[wikt:en:Ruteni#Latin|Rutenis]] [[wikt:en:provincialis#Latin|provincialibus]], [[wikt:en:Volcae#Latin|Volcis]] [[wikt:en:Arecomici#Latin|Arecomicis]], [[wikt:en:Tolosates#Latin|Tolosatibus]]
**属州側のルテーニー族、[[w:ウォルカエ族|ウォルカエ]]・アレコミキー族、トローサーテース族<small>(らの領内)</small>に、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:上述のように、属州外の<u>ルテーニー族</u>は[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]と結んでいる。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[w:ウォルカエ族|ウォルカエ族]]は、西側に住むテクトサゲース族 ''[[w:en:Tectosages|Tectosages]]'' と<br> 東側に住むアレコミキー族 ''[[w:en:Arecomici|Arecomici]]'' の2支族に分かれていた。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:トローサーテース族 ''[[w:fr:Tolosates|Tolosates]]'' は、ウォルカエ・テクトサゲース族の分派とされ、<br> 現在の[[w:トゥールーズ|トゥールーズ]]の近くにいたと考えられている。)</span>
*[[wikt:en:circum#Preposition|circum]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:Narbo#Latin|Narbonem]], quae [[wikt:en:locum#Latin|loca]] hostibus erant [[wikt:en:finitimus#Latin|finitima]],
**および敵方に隣接した地である[[w:ナルボンヌ|ナルボー]]周辺に
*[[wikt:en:constituit#Latin|constituit]];
**駐留させる。
:
*<!--❺--><sup>(5)</sup> partem [[wikt:en:copiae#Noun_2|copiarum]] ex [[wikt:en:provincia#Latin|provincia]]
**属州<small>〔ガッリア・トラーンサルピーナ〕</small>からの軍勢の一部、
*[[wikt:en:supplementum#Latin|supplementum]]<nowiki>que</nowiki>, quod ex Italia [[wikt:en:adduxerat|adduxerat]],
**およびイタリアから率いて来た補充兵を
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:後者の補充兵 supplementum は、[[#1節|1節]]で既述のように、<br> [[w:ガリア・キサルピナ|ガッリア・キサルピーナ]]で徴募された軍団兵であろう。)</span>
*in [[wikt:en:Helvii#Latin|Helvios]], qui fines [[wikt:en:Arverni#Latin|Arvernorum]] [[wikt:en:contingunt|contingunt]],
**[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]の領土に接しているヘルウィイー族のところに
*[[wikt:en:convenire#Latin|convenire]] [[wikt:en:iubet#Latin|iubet]].
**集結することを命じる。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===8節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/8節]] {{進捗|00%|2026-01-03}}</span>
[[画像:Carte-cevennes-france.png|thumb|right|200px|フランスにおける[[w:中央高地 (フランス)|中央高地]](Massif Central)とセヴェンヌ山地(Cévennes)の位置]]
[[画像:Col_de_legal.jpeg|thumb|right|200px|[[w:雪|雪]]に覆われた[[w:オーヴェルニュ地域圏|オーヴェルニュ高地]]。オーヴェルニュ(Auvergne)の名は[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]](Arverni)に由来する。]]
[[画像:Causse_Mejean_Evening.jpg|thumb|right|200px|城壁のように続くケウェンナ(セヴェンヌ)山地の断崖]]
[[画像:France_Massif_central.jpg|thumb|right|200px|[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]の勢力圏であった[[w:中央高地 (フランス)|中央高地]](Massif Central)の領域(着色部分)。平野の多いフランスにおいて山塊としてそびえ立つ。]]
:
;カエサルがケウェンナ山地を越えてアルウェルニー族の領内へ突入
*<!--❶--><sup>(1)</sup> His rebus [[wikt:en:comparatus#Latin|comparatis]],
**これらの事が整えられて、
*[[wikt:en:repressus#Latin|represso]] iam [[wikt:en:Lucterius#Latin|Lucterio]] et [[wikt:en:remotus#Latin|remoto]],
**<small>(カドゥルキー族の)</small>ルクテリウスはすでに押し留められ、遠ざけられた。
*quod [[wikt:en:intrare#Latin|intrare]] intra [[wikt:en:praesidium#Latin|praesidia]] [[wikt:en:periculosus#Latin|periculosum]] [[wikt:en:putabat|putabat]],
**──というのは<small>(ローマ人の)</small>守備の範囲内に踏み込むことは危険なことであると<small>(ルクテリウスが)</small>見なしていたからであるが、──
*in [[wikt:en:Helvii#Latin|Helvios]] [[wikt:en:proficiscitur|proficiscitur]].
**<small>(そこで、カエサルは)</small>ヘルウィイー族のところに出発する。
:
; カエサルが、アルウェルニー族の要害ケウェンナ山を越える
*<!--❷--><sup>(2)</sup> <u>Etsi</u> mons <u>Cevenna</u>, qui [[wikt:en:Arverni#Latin|Arvernos]] ab [[wikt:en:Helvii#Latin|Helviis]] [[wikt:en:discludit|discludit]],
**[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]をヘルウィイー族から隔てている<u>ケウェンナ山</u>は、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:山の名は写本によって Cebenna または Cevenna となっており、<br> [[w:ガイウス・プリニウス・セクンドゥス|大プリーニウス]]が記した [[wikt:en:Cebenna#Latin|Cebenna]] がガリア語に近いようである。<br> 現在名はセヴェンヌ山地 Cévennes と呼ばれ、<br> [[w:中央高地 (フランス)|フランス中央高地]](Massif Central)の南東部にそそり立っている。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:etsi#Latin|etsi]] ~ [[wikt:en:tamen#Latin|tamen]] …「~としても、にもかかわらず…」)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:mons#Latin|mons]] は β系写本の記述で、α系写本にはない。)</span>
*[[wikt:en:durissimus#Latin|durissimo]] tempore anni
**最も厳しい時季に
*[[wikt:en:altissimus#Latin|altissima]] [[wikt:en:nix#Latin|nive]] iter [[wikt:en:impediebat|impediebat]],
**豪[[w:雪|雪]]によって道を閉ざしていたのであるが、
*<u>tamen</u> [[wikt:en:discussus#Latin|discussa]] [[wikt:en:nix#Latin|nive]] sex in [[wikt:en:altitudo#Latin|altitudinem]] [[wikt:en:pes#Latin|pedum]]
**にもかかわらず<small>(カエサル勢は)</small>深さ6<u>ペース</u>の雪を粉砕して、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:1[[ガイウス・ユリウス・カエサルの著作/通貨・計量単位#ペース|ペース]]は約29.6cmで、6ペースは約1.8メートル弱。)</span>
*atque ita [[wikt:en:via#Latin|viis]] [[wikt:en:patefactus#Latin|patefactis]] [[wikt:en:summus#Latin|summo]] [[wikt:en:miles#Latin|militum]] <u>sudore</u>
**このように兵士たちの最大の努力によって道が開かれて、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:sudor#Latin|sudore]]「汗」だが、<br> β系写本では [[wikt:en:labor#Latin|labore]]「労苦」 となっている。)</span>
*ad fines [[wikt:en:Arverni#Latin|Arvernorum]] [[wikt:en:pervenit#Latin|pervenit]].
**[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]の領土へ到達した。
:
; アルウェルニー族が、カエサルの奇襲に周章狼狽する
*<!--❸--><sup>(3)</sup> Quibus [[wikt:en:oppressus#Latin|oppressis]] [[wikt:en:inopinans#Latin|inopinantibus]],
**<small>(アルウェルニー族は)</small>彼らに対する<small>(カエサルの)</small>攻撃を予期していなかったが、
*quod se <u>Cevenna</u> ut [[wikt:en:murus#Latin|muro]] [[wikt:en:munitus#Latin|munitos]] [[wikt:en:existimabant|existimabant]],
**──というのは、自分たちは<u>ケウェンナ</u>を壁として防御されていると考えていたからであり、
*ac <u>ne</u> [[wikt:en:singularis#Latin|singulari]] <u>quidem</u> [[wikt:en:umquam#Latin|umquam]] homini eo tempore anni [[wikt:en:semita#Latin|semitae]] [[wikt:en:patuerant|patuerant]],
**かつ、その時季には、個人にとってさえも、小道はかつて開かれていなかったからであるが、──
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:ne quidem|ne ~ quidem]]「~でさえ…ない」)</span>
*[[wikt:en:eques#Latin|equitibus]] [[wikt:en:imperat|imperat]],
**<small>(カエサルは)</small>騎兵たちに命令する。
*ut, [[wikt:en:quam#Adverb|quam]] [[wikt:en:late#Latin|latissime]] [[wikt:en:possint|possint]], [[wikt:en:vagentur|vagentur]]
**できるだけ広く動き回り、
*et [[wikt:en:quam#Adverb|quam]] maximum hostibus [[wikt:en:terror#Latin|terrorem]] [[wikt:en:inferant|inferant]].
**敵たちに最大限の恐怖を引き起こすように、と。
:
; ウェルキンゲトリークスが、ビトゥリゲース族のもとから軍勢を取って返す
*<!--❹--><sup>(4)</sup> Celeriter haec [[wikt:en:fama#Latin|fama]] ac <u>nuntiis</u>
**これらのことは速やかに風評や伝令たちによって、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、主要写本ω では [[wikt:en:nuntii#Latin|nuntii]] だが、<br> ''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Manutius|Manutius]]'' が [[wikt:en:nuntiis#Etymology_1|nuntiis]] と修正提案している。)</span>
*ad [[wikt:en:Vercingetorix#Latin|Vercingetorigem]] [[wikt:en:perferuntur|perferuntur]];
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]のもとへ報知される。
*quem [[wikt:en:perterritus#Latin|perterriti]] omnes [[wikt:en:Arverni#Latin|Arverni]] [[wikt:en:circumsistunt|circumsistunt]] atque [[wikt:en:obsecrant|obsecrant]],
**彼<small>〔ウェルキンゲトリークス〕</small>を、脅かされている[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]の皆が取り巻いて、嘆願する。
*ut suis [[wikt:en:fortuna#Latin|fortunis]] [[wikt:en:consulat#Latin|consulat]],
**自分たち<small>〔アルウェルニー族〕</small>の境遇に配慮してくれるように、
*<u>neve</u> ab hostibus <u>diripiantur</u>,
**自分たち<small>〔アルウェルニー族〕</small>が敵<small>〔ローマ人〕</small>によって略奪されることを許容しないように、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:この行は、α系写本では [[wikt:en:neve#Latin|neve]] ab hostibus [[wikt:en:diripiantur|diripiantur]] <br> β系写本では [[wikt:en:neu#Latin|neu]] se ab hostibus [[wikt:en:diripi|diripi]] [[wikt:en:patiatur|patiatur]] となっている。)</span>
*[[wikt:en:praesertim#Latin|praesertim]] cum [[wikt:en:videat|videat]] [[wikt:en:omnis#Latin|omne]] ad se bellum [[wikt:en:translatus#Participle|translatum]].
**とりわけ、すべての戦争が自分たちへ向けられると<small>(彼が)</small>見なしているのであるから
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:praesertim cum ~;とりわけ~であるから)</span>
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--❺--><sup>(5)</sup> Quorum ille [[wikt:en:prex#Latin|precibus]] [[wikt:en:permotus#Latin|permotus]]
**彼<small>〔ウェルキンゲトリークス〕</small>は、その者たちの懇願に揺り動かされて、
*[[wikt:en:castra#Latin|castra]] ex [[wikt:en:Bituriges#Latin|Biturigibus]] [[wikt:en:movet|movet]] in [[wikt:en:Arverni#Latin|Arveruos]] [[wikt:en:versus#Latin|versus]].
**陣営をビトゥリゲース族のところから[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]のところに向けて行軍する。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:castra movet 「陣営を動かす」=「行軍する」)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:現在の[[w:ブールジュ|ブールジュ]]辺りから[[w:クレルモン=フェラン|クレルモン=フェラン]]辺りに南下したようである。)</span>
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===9節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/9節]] {{進捗|00%|2026-01-12}}</span>
;カエサルが北上して諸軍団と合流するが、同盟軍はゴルゴビナ攻略をめざす
:
*<!--❶--><sup>(1)</sup> At Caesar, [[wikt:en:biduum#Latin|biduum]] in his locis [[wikt:en:moratus#Participle|moratus]],
**それに対して、カエサルは2日間、この地に留まった。
*quod haec de [[wikt:en:Vercingetorix#Latin|Vercingetorige]] usu ventura [[wikt:en:opinio#Latin|opinione]] [[wikt:en:praeceperat|praeceperat]],
**──というのは、[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]についてこれ<small>〔陣営の移動〕</small>が起こると予想をしていたからだが、──
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:usu venire 「起こる」→ usu [[wikt:en:venturus#Latin|ventūra]] (esse) 「起こるであろう」)</span>
*per causam [[wikt:en:supplementum#Latin|supplementi]] [[wikt:en:equitatus#Noun|equitatus]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:cogendus#Latin|cogendi]]
**補充兵と騎兵隊を徴集するためという口実のもとに、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:per causam 「口実のもとに」)</span>
*ab [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitu]] [[wikt:en:discedit|discedit]];
**軍隊から離れる。
:
*<!--❷--><sup>(2)</sup> [[wikt:en:Brutus#Latin|Brutum]] [[wikt:en:adulescens#Noun|adulescentem]] his copiis [[wikt:en:praeficit|praeficit]];
**<small>(カエサルは)</small><u>青年ブルートゥス</u>にこの軍勢を指揮させる。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:青年ブルートゥスとは、<br> [[w:デキムス・ユニウス・ブルトゥス・アルビヌス|デキムス・ブルートゥス]](<small>[[w:la:Decimus_Iunius_Brutus_Albinus|Decimus Iunius Brutus Albinus]]</small>)のことで、<br> [[ガリア戦記 第3巻#14節|第3巻14節]]でカエサルの艦隊を指揮した。)</span>
*hunc [[wikt:en:monet#Latin|monet]], ut in omnes partes [[wikt:en:eques#Latin|equites]] quam [[wikt:en:late#Latin|latissime]] [[wikt:en:pervagentur|pervagentur]]:
**彼には、[[w:騎兵|騎兵]]たちがあらゆる方面にできるだけ広く駆け回るようにと、忠告する。
*<u>daturum</u> se <u>operam</u>, ne longius [[wikt:en:triduum#Latin|triduo]] ab [[wikt:en:castra#Latin|castris]] [[wikt:en:absit#Latin|absit]].
**自分<small>〔カエサル〕</small>は、3日間より長く陣営から離れないように、努力をするであろう、と。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:opera#Latin|operam]] dare 「努力をする」→ operam [[wikt:en:daturus#Latin|datūrum]] (esse) 「努力をするであろう」)</span>
[[画像:Image-Vienne-Cropped.jpg|thumb|right|300px|'''ウィエンナ'''(Vienna)すなわち現在のヴィエンヌ(Vienne)。ロダヌス川(現[[w:ローヌ川|ローヌ川]])のほとりにある当地は、南仏[[w:プロヴァンス|プロヴァンス地方]]と北仏[[w:ブルゴーニュ地域圏|ブルゴーニュ地方]]を結ぶ交通の要衝として、古代ローマ時代から栄え、今もローマ時代の遺跡が多く残る。]]
:
; カエサルが、急いでウィエンナへ北進する
*<!--❸--><sup>(3)</sup> His [[wikt:en:constitutus#Participle|constitutis]] rebus,
**これらの事を決定すると、
*<u>omnibus</u> suis [[wikt:en:inopinans#Latin|inopinantibus]],
**配下の皆が予期しないほど、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:omnibus は β系写本の記述で、<br> α系写本にはない。)</span>
*quam [[wikt:en:maximus#Latin|maximis]] potest [[wikt:en:iter#Latin|itineribus]],
**できるかぎりの強行軍で、
*[[wikt:en:Vienna#Etymology_1|Viennam]] [[wikt:en:pervenit#Latin|pervenit]].
**<u>ウィエンナ</u>に到着する。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ウィエンナ [[w:la:Vienna|Vienna]] は、<br> 現在の[[w:ヴィエンヌ (イゼール県)|ヴィエンヌ]] ''[[w:en:Vienne, Isère|Vienne]]'')</span>
:
; カエサルが、ハエドゥイー族領を抜けて、2個軍団が冬営するリンゴネース族領へ向けて北上する
*<!--❹--><sup>(4)</sup> [[wikt:en:ibi#Latin|Ibi]] [[wikt:en:nactus#Latin|nactus]] [[wikt:en:recens#Latin|recentem]] [[wikt:en:equitatus#Latin|equitatum]], quem [[wikt:en:multus#Latin|multis]] ante diebus eo [[wikt:en:praemiserat|praemiserat]],
**そこで、何日も前にそこに先遣していたまだ新兵の騎兵隊を得て、
[[画像:Langres_FR_(march_2008).jpg|thumb|right|300px|リンゴネース族(Lingones)の名を残す[[w:ラングル|ラングル]](Langres)の街の雪景色]]
*neque [[wikt:en:diurnus#Latin|diurno]] neque [[wikt:en:nocturnus#Latin|nocturno]] itinere [[wikt:en:intermissus#Latin|intermisso]]
**昼間も夜間も行軍を中断せずに、
*per fines [[wikt:en:Aedui#Latin|Haeduorum]]
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の領土を通って、
*in [[wikt:en:Lingones#Latin|Lingones]] [[wikt:en:contendit|contendit]],
**<u>リンゴネース族のところ</u>に急いだ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:リンゴネース族 [[w:la:Lingones|Lingones]] の首邑は<br> 現在の[[w:ラングル|ラングル]] ''[[w:en:Langres|Langres]]'' で、<br> ローマ時代には [[w:la:Andematunnum|Andematunnum]] と呼ばれたが、<br> ''[[wikt:fr:Lingones|Lingones]]'' の転訛が ''[[wikt:fr:Langres|Langres]]'' である。)</span>
*[[wikt:en:ubi#Latin|ubi]] [[wikt:en:duo#Latin|duae]] [[wikt:en:legio#Latin|legiones]] [[wikt:en:hiemabant|hiemabant]],
**そこには、2個[[w:ローマ軍団|軍団]]が冬営していた。
*ut, si [[wikt:en:aliquis#Latin|quid]] etiam de sua [[wikt:en:salus#Latin|salute]] ab [[wikt:en:Aedui#Latin|Haeduis]] [[wikt:en:iniretur|iniretur]] [[wikt:en:consilium#Latin|consilii]], [[wikt:en:celeritas#Latin|celeritate]] [[wikt:en:praecurreret|praecurreret]].
**もし<small>(カエサル)</small>自らの安全についてさえ、ハエドゥイー族により何らかの謀計が始められても、速やかに凌駕するように。
:
; カエサルが、リンゴネース族領の軍団冬営地へ到着して、諸軍団へ集結を指令する
*<!--❺--><sup>(5)</sup> [[wikt:en:eo#Adverb|Eo]] cum [[wikt:en:pervenisset|pervenisset]],
**<small>(カエサルは)</small>そこへ到着したときに、
*ad reliquas [[wikt:en:legio#Latin|legiones]] [[wikt:en:mittit|mittit]]
**残りの軍団のもとへ<small>(伝令を)</small>遣わす。
*<u>prius</u>que omnes in unum locum [[wikt:en:cogit|cogit]], <u>quam</u> de eius [[wikt:en:adventus#Latin|adventu]] [[wikt:en:Arverni#Latin|Arvernis]] [[wikt:en:nuntiari|nuntiari]] [[wikt:en:posset#Latin|posset]].
**彼の到着について[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]に知らされ得るより早く、総勢が一か所に集結するように、と。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:priusquam#Latin|prius ~ quam]] …;…より早く~)</span>
: <!-- [[wikt:en:| -->
; ウェルキンゲトリークスが、ボイイー族がいるゴルゴビナの攻略を企図する
*<!--❻--><sup>(6)</sup> Hac re [[wikt:en:cognitus#Participle|cognita]],
**この事を知ると、
*[[wikt:en:Vercingetorix#Latin|Vercingetorix]] rursus in [[wikt:en:Bituriges#Latin|Bituriges]] [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitum]] [[wikt:en:reducit|reducit]]
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は再びビトゥリゲース族のところに軍隊を連れ戻して、
*atque [[wikt:en:inde#Latin|inde]] [[wikt:en:profectus#Participle_2|profectus]] Gorgobinam, [[wikt:en:Boii#Latin|Boiorum]] [[wikt:en:oppidum#Latin|oppidum]],
**そこから、[[w:ボイイ族|ボイイー族]]の城塞都市であるゴルゴビナへ出発した。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ゴルゴビナ ''[[w:en:Gorgobina|Gorgobina]]'' は、現在の候補地としては、<br> [[w:ニエーヴル県|ニエーヴル県]]のサン=パリズ=ル=シャテル<small>([[w:en:Saint-Parize-le-Châtel|Saint-Parize-le-Châtel]])</small><br> [[w:アンドル=エ=ロワール県|アンドル=エ=ロワール県]]のラ・ゲルシュ([[w:en:La Guerche|La Guerche]])<br> あるいは、[[w:シェール県|シェール県]]のサン=サテュル([[w:fr:Saint-Satur|Saint-Satur]])などが挙げられている。)</span>
*quos ibi [[wikt:en:helvetico|Helvetico]] [[wikt:en:proelium#Latin|proelio]] [[wikt:en:victus#Participle|victos]]
**──[[w:ヘルウェティイ族|ヘルウェーティイー族]]の戦闘で打ち負かされた彼らをそこに、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ボイイー族はヘルウェーティイー族とともにガッリアに移動して、カエサルに敗れていた。第1巻28節~29節を参照。)</span>
*Caesar [[wikt:en:conlocaverat#Latin|conlocaverat]] [[wikt:en:Aedui#Latin|Haeduis]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:adtribuerat#Latin|adtribuerat]],
**カエサルは宿営させ、ハエドゥイー族<small>(の庇護)</small>に委ねていたのだが、──
*[[wikt:en:oppugnare#Latin|oppugnare]] [[wikt:en:instituit#Latin|instituit]].
**<small>(ウェルキンゲトリークスはゴルゴビナの)</small>攻略を決意した。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===10節===
[[画像:Caesar's_campaign_to_Agedincum_in_52BC.png|thumb|right|250px|前節までのカエサルの[[w:ナルボンヌ|ナルボー]]からアゲディンクムへの進路(青線)および[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]の進路(赤線)。青字名は親ローマ部族、赤字名は反ローマ部族。カエサルは[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]の本拠ゲルゴウィアを突くと見せかけてウェルキンゲトリークスを引き寄せ、その間に[[w:ブルゴーニュ地域圏|ブルゴーニュ]]に冬営していた諸軍団と合流できた。これに対して、ウェルキンゲトリークスはボイイー族を攻めようとする。]]
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/10節]] {{進捗|00%|2026-01-16}}</span>
;カエサルがアゲディンクムを発って、ボイイー族支援に向かう
:
; カエサルが抱えることになった「大きな困難」とは?
*<!--❶--><sup>(1)</sup> Magnam haec res Caesari [[wikt:en:difficultas#Latin|difficultatem]] ad [[wikt:en:consilium#Latin|consilium]] [[wikt:en:capiendus#Latin|capiendum]] [[wikt:en:adferebat|adferebat]]<!--:-->,
**この事態は、カエサルが作戦を立てるためには、大きな困難を引き起こしていた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:haec res 「この事態」とは、<br> ウェルキンゲトリークスが<br> ハエドゥイー族の庇護下にあったボイイー族を攻めること。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:magnam ~ difficultatem 「大きな困難を」)</span>
*si reliquam partem [[wikt:en:hiems#Latin|hiemis]] uno loco [[wikt:en:legio#Latin|legiones]] [[wikt:en:contineret|contineret]],
**もし、冬の残りの期間に、諸[[w:ローマ軍団|軍団]]を1か所に留めておくならば、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:前節で述べられたように、<br> カエサルはリンゴネース族の軍団冬営地に着いたときに、<br> 諸軍団に1か所に集結するべく伝令を遣わしていた。)</span>
*ne, [[wikt:en:stipendiarius#Latin|stipendiariis]] [[wikt:en:Haedui#Latin|Haeduorum]] [[wikt:en:expugnatus#Latin|expugnatis]], [[wikt:en:cunctus#Latin|cuncta]] Gallia [[wikt:en:deficeret|deficeret]],
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の朝貢国が攻略されて、ガッリア全体が背くのではないか?
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:「ハエドゥイー族の朝貢国」とは、ボイイー族のこと。)</span>
*quod [[wikt:en:nullus#Determiner|nullum]] amicis in eo [[wikt:en:praesidium#Latin|praesidium]] <u>videret positum esse</u>;
**──というのは、彼<small>〔カエサル〕</small>においては、友邦に対するいかなる守備隊も置かれていないと<small>(ガッリアが)</small>見るからである──。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、<br> [[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#写本の系図|α系写本]]のうち、χ系・M・B・S写本などでは [[wikt:en:videret|videret]] [[wikt:en:positus#Latin|positum]] esse 、<br> α系写本のうち、写本M・L・Nなどでは [[wikt:en:videretur|videretur]] positum esse 、<br> β系写本では、positum videret となっている。)</span>
*si [[wikt:en:mature#Adverb|maturius]] ex [[wikt:en:hiberna#Noun|hibernis]] [[wikt:en:educeret|educeret]],
**もし、尚早に冬営地から<small>(諸軍団を)</small>進発させれば、
*ne ab re [[wikt:en:frumentarius#Latin|frumentaria]] [[wikt:en:durus#Latin|duris]] [[wikt:en:subvectio#Latin|subvectionibus]] [[wikt:en:laboraret|laboraret]].
**<small>(降雪時期の)</small>糧秣供給の厄介な輸送によって苦労するのではないか?
:
*<!--❷--><sup>(2)</sup> <u>Praestare</u> [[wikt:en:visus#Participle|visum]] est tamen omnes [[wikt:en:difficultas#Latin|difficultates]] [[wikt:en:perpeti#Verb|perpeti]],
**しかしながら、あらゆる困難に耐えることの方が<u>優っている</u>ように見える。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:praestare|praestare]] ~ [[wikt:en:quam#Adverb|quam]] …「…よりも~が優る」)</span>
*<u>quam</u> [[wikt:en:tantus#Latin|tanta]] [[wikt:en:contumelia#Latin|contumelia]] [[wikt:en:acceptus#Latin|accepta]] omnium suorum [[wikt:en:voluntas#Latin|voluntates]] [[wikt:en:alienare#Latin|alienare]].
**これほどの恥辱を受けて、配下の皆の意欲を遠ざけてしまう<u>よりは</u>。
:
*<!--❸--><sup>(3)</sup> Itaque [[wikt:en:cohortatus#Latin|cohortatus]] [[wikt:en:Haedui#Latin|Haeduos]] de [[wikt:en:supportandus#Latin|supportando]] [[wikt:en:commeatus#Noun|commeatu]],
**こうして、<small>(カエサルは)</small>ハエドゥイー族に軍需物資の輸送について、激励して、
*[[wikt:en:praemittit|praemittit]] ad [[wikt:en:Boii#Latin|Boios]], qui de suo [[wikt:en:adventus#Latin|adventu]] [[wikt:en:doceant|doceant]]
**[[w:ボイイ族|ボイイー族]]のもとへ、<small>(カエサル)</small>自らの到着について知らせるための者たちを先遣して、
*[[wikt:en:hortentur|hortentur]]<nowiki>que</nowiki> ut in [[wikt:en:fides#Latin|fide]] [[wikt:en:maneant|maneant]] atque hostium [[wikt:en:impetus#Latin|impetum]] magno animo [[wikt:en:sustineant|sustineant]].
**<small>(カエサルへの)</small>信義に留まって、敵たちの襲撃に大いなる決意をもって持ちこたえるように、と激励させた。
[[画像:Aqueduc2.jpg|thumb|right|250px|アゲディンクム、すなわちセノネース族(Senones)の名を残す現在の[[w:サンス|サーンス]](Sens)に建てられたローマ時代の[[w:水道橋|水道橋]]遺跡。]]
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--❹--><sup>(4)</sup> Duabus [[wikt:en:Agedincum#Latin|Agedinci]] legionibus atque [[wikt:en:impedimentum#Latin|impedimentis]] [[wikt:en:totus#Latin|totius]] [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitus]] [[wikt:en:relictus#Latin|relictis]],
**アゲディンクムに、2個軍団および軍隊全体の輜重を残すと、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:アゲディンクムは敵対するセノネース族の首邑だが、<br> [[ガリア戦記 第6巻#44節|第6巻44節]]で6個軍団を冬営させていた。<br> 現在の[[w:サンス|サーンス]]。)</span>
*ad [[wikt:en:Boii#Latin|Boios]] [[wikt:en:proficiscitur|proficiscitur]].
**[[w:ボイイ族|ボイイー族]]のもとへ出発した。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===11節===
[[画像:France_-_Loiret_-_Montargis_-_Passerelle_vers_l'écluse.JPG|thumb|right|250px|ウェッラウノドゥーヌムの候補地の一つであるモンタルジ(Montargis)の運河沿いの景観。セノネース族の城塞都市ウェッラウノドゥーヌム(Vellaunodunum)が現在のどの地点に当たるのか定説はない。アゲディンクム(現在の[[w:サンス|サーンス]])とケナブム(現在の[[w:オルレアン|オルレアン]])の中間地点であると考えられることから、モンタルジ([[w:en:Montargis|Montargis]])、ボーヌ=ラ=ロランド([[w:en:Beaune-la-Rolande|Beaune-la-Rolande]])やシャトー=ランドン([[w:en:Château-Landon|Château-Landon]])などが候補地に挙げられている。]]
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/11節]] {{進捗|00%|2026-02-02}}</span>
;セノネース族のウェッラウノドゥーヌムを降し、カルヌーテース族のケナブムを攻略
:
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:alter#Latin|Altero]] die
**<small>(カエサルは出発して)</small>翌日に、
*cum ad [[wikt:en:oppidum#Latin|oppidum]] [[wikt:en:Senones#Latin|Senonum]] [[wikt:en:Vellaunodunum#Latin|Vellaunodunum]] [[wikt:en:venisset|venisset]],
**セノネース族の城塞都市ウェッラウノドゥーヌムへやって来たときに、
*ne [[wikt:en:aliquem|quem]] post se hostem [[wikt:en:relinqueret|relinqueret]],
**自らの後方に何らかの敵を残しておかないように、
*[[wikt:en:quo#Latin|quo]] [[wikt:en:expeditior#Latin|expeditiore]] re [[wikt:en:frumentarius#Adjective|frumentaria]] [[wikt:en:uteretur|uteretur]],
**そのことにより、妨げなく糧秣供給を享受するように、
*[[wikt:en:oppugnare#Latin|oppugnare]] [[wikt:en:instituit#Latin|instituit]]
**<small>(同市の)</small>攻囲を決めて、
*<u>idque</u> [[wikt:en:biduum#Latin|biduo]] [[wikt:en:circumvallavit|circumvallavit]];
**それ<small>〔城塞都市〕</small>を2日間で<small>(塁壁で)</small>囲んだ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:id#Latin|id]]<nowiki>que</nowiki> だが、<br> β系写本では [[wikt:en:eo#Etymology_4|eo]]<nowiki>que</nowiki> となっている。)</span>
:
; セノネース族の城塞都市ウェッラウノドゥーヌムが降伏する
*<!--❷--><sup>(2)</sup> [[wikt:en:tertius#Latin|tertio]] die
**3日目に、
*[[wikt:en:missus#Participle|missis]] ex [[wikt:en:oppidum#Latin|oppido]] [[wikt:en:legatus#Noun|legatis]] de [[wikt:en:deditio#Latin|deditione]],
**城塞都市から降伏についての使節たちが遣わされて来て、
*[[wikt:en:arma#Latin|arma]] [[wikt:en:conferri|conferri]],
**武器が運び集められること、
*[[wikt:en:iumentum#Latin|iumenta]] [[wikt:en:produci#Latin|produci]],
**役畜が引き渡されること、
*[[wikt:en:sescenti#Latin|sescentos]] [[wikt:en:obses#Latin|obsides]] [[wikt:en:dari#Latin|dari]] [[wikt:en:iubet#Latin|iubet]].
**600名の人質が供出されることを<small>(カエサルが)</small>命じる。
:
; ウェッラウノドゥーヌムに副官トレボーニスと守備隊を残し、カエサル自身はケナブムへ向かう
*<!--❸--><sup>(3)</sup> Ea qui [[wikt:en:conficeret|conficeret]],
**それらのことを成就するための者として、
*[[wikt:en:Gaius#Latin|Gaium]] [[wikt:en:Trebonius#Latin|Trebonium]] [[wikt:en:legatus#Latin|legatum]] [[wikt:en:relinquit|relinquit]].
**<ruby><rb>[[w:レガトゥス|総督副官]]</rb><rp>(</rp><rt>レーガートゥス</rt><rp>)</rp></ruby> [[w:ガイウス・トレボニウス|ガーイウス・トレボーニウス]]を<small>(ウェッラウノドゥーヌムに)</small>残留させる。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[w:la:Gaius Trebonius|Gaius Trebonius]] は、カエサルの副官の一人。)</span>
*Ipse, ut quam primum iter <u>faceret</u><ref>faceret はα系写本の表記で、β系写本では conficeret となっている。</ref>,
**<small>(カエサル)</small>自身は、できるだけ素早く<small>(ゴルゴビナへの)</small>行軍を成就するように、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:quam#Adverb|quam]] [[wikt:en:primum#Latin|primum]] 〜「できるだけ素早く〜」)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:faceret|faceret]] だが、<br> β系写本では [[wikt:en:conficeret|conficeret]] となっている。)</span>
*[[wikt:en:Genabum#Latin|Cenabum]] [[wikt:en:Carnutes#Latin|Carnutum]] [[wikt:en:proficiscitur|proficiscitur]];
**カルヌーテース族のケナブムに出発する。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ケナブム Cenabum はケルト語風の読みで、現在の[[w:オルレアン|オルレアン]]。)</span>
:
*<!--❹--><sup>(4)</sup> qui tum primum [[wikt:en:adlatus#Latin|adlato]] [[wikt:en:nuntium#Latin|nuntio]] de [[wikt:en:oppugnatio#Latin|oppugnatione]] [[wikt:en:Vellaunodunum#Latin|Vellaunoduni]],
**そのとき彼ら<small>〔カルヌーテース族〕</small>は、当初はウェッラウノドゥーヌムの攻囲についての報告をもたらされて、
*cum [[wikt:en:longe#Latin|longius]] eam rem <u>ductum</u> [[wikt:en:iri#Latin|iri]] [[wikt:en:existimarent|existimarent]],
**その事・軍事作戦はより長く引き延ばされて行われると考えていたので、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:ductus#Noun_2|ductus]] は、軍事的な指揮・作戦などを表す。[[#62節]]も同様。)</span>
*[[wikt:en:praesidium#Latin|praesidium]] [[wikt:en:Genabum#Latin|Cenabi]] [[wikt:en:tuendus#Latin|tuendi]] causa, quod eo [[wikt:en:mitterent|mitterent]], [[wikt:en:comparabant|comparabant]].
**ケナブムを固守するために、守備隊をそこへ派遣することを準備していた。
:
; カエサルが、カルヌーテース族の城塞都市ケナブムの攻囲を翌日に延期する
*<!--❺--><sup>(5)</sup> [[wikt:en:huc#Latin|Huc]] [[wikt:en:biduum#Latin|biduo]] [[wikt:en:pervenit#Etymology_1|pervenit]].
**<small>(カエサルは)</small>ここ<small>〔ケナブム〕</small>へ2日間で到着する。
*[[wikt:en:castra#Latin|Castris]] ante oppidum [[wikt:en:positus#Participle|positis]],
**城塞都市の前に陣営を設置したが、
*[[wikt:en:dies#Latin|diei]] [[wikt:en:tempus#Latin|tempore]] [[wikt:en:exclusus#Latin|exclusus]]
**日の時刻<small>〔夕刻〕</small>によって妨げられたので、
*in posterum [[wikt:en:oppugnatio#Latin|oppugnationem]] [[wikt:en:differt|differt]],
**翌日に攻囲を延期する。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:in posterum = in [[wikt:en:posterus#Latin|posterum]] [[wikt:en:diem#Latin|diem]]「翌日に」)</span>
*[[wikt:en:quisque#Latin|quaeque]] ad eam rem [[wikt:en:usus#Latin|usui]] [[wikt:en:sint#Latin|sint]],
**その事<small>〔攻囲〕</small>に有益になることは何であれ、
*[[wikt:en:miles#Latin|militibus]] [[wikt:en:imperat|imperat]];
**兵士たちに命令する。
[[画像:Orleans.jpg|thumb|right|400px|ケナブム(Cenabum)すなわち現在の[[w:オルレアン|オルレアン]](Orléans)を流れるリゲル川(現在の[[w:ロワール川|ロワール川]])の景観。左が北岸のオルレアン聖十字架大聖堂、右がジョージ5世橋と思われる。]]
:
*<!--❻--><sup>(6)</sup> et, quod oppidum [[wikt:en:Genabum#Latin|Cenabum]] [[wikt:en:pons#Latin|pons]] [[wikt:en:flumen#Latin|fluminis]] [[wikt:en:Liger#Latin|Ligeris]] [[wikt:en:contingebat|contingebat]],
**城塞都市ケナブムには、リゲル川の橋が接していたので、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:リゲル川は、現在の[[w:ロワール川|ロワール川]]。)</span>
*[[wikt:en:veritus#Latin|veritus]] ne [[wikt:en:noctu#Adverb|noctu]] ex oppido [[wikt:en:profugerent|profugerent]],
**夜間に城塞都市から<small>(敵勢が)</small>逃亡するのではないかと恐れて、
*[[wikt:en:duo#Latin|duas]] legiones in [[wikt:en:arma#Latin|armis]] [[wikt:en:excubare|excubare]] [[wikt:en:iubet#Latin|iubet]].
**<small>(カエサルは)</small>2個[[w:ローマ軍団|軍団]]に武装して寝ずの番をすることを命じる。
:
; ケナブムの住民たちが退避し始める
*<!--❼--><sup>(7)</sup> [[wikt:en:Genabensis#Noun|Cenabenses]] paulo ante mediam noctem
**ケナブムの人々は、真夜中の少し前に
*[[wikt:en:silentium#Latin|silentio]] ex oppido [[wikt:en:egressus#Participle|egressi]]
**沈黙のうちに城塞都市から出て、
*flumen [[wikt:en:transire#Latin|transire]] [[wikt:en:coeperunt|coeperunt]].
**川を渡り始めた。
:
; カエサルの諸軍団がケナブムを制圧する
*<!--❽--><sup>(8)</sup> Qua re per [[wikt:en:explorator#Latin|exploratores]] [[wikt:en:nuntiatus#Latin|nuntiata]]
**その事が偵察者たちによって報告されると、
*Caesar legiones, quas [[wikt:en:expeditus#Latin|expeditas]] esse [[wikt:en:iusserat|iusserat]]
**カエサルは、戦備を整えることを命じていた諸軍団を、
*[[wikt:en:porta#Latin|portis]] [[wikt:en:incensus#Participle|incensis]]
**<small>(ケナブムの)</small>城門を焼き打ちさせた後で、
*[[wikt:en:intromittit|intromittit]] atque oppido [[wikt:en:potitur|potitur]],
**<small>(軍団を)</small>送り込み、城塞都市を占領させて、
*[[wikt:en:perpaucus#Latin|perpaucis]] ex hostium numero [[wikt:en:desideratus#Latin|desideratis]] [[wikt:en:quin#Latin|quin]] [[wikt:en:cunctus#Latin|cuncti]] [[wikt:en:caperentur#Etymology_1|caperentur]],
**敵のうちからわずかな数を取り逃がしたが、むしろ皆がことごとく捕らえられた。
*quod [[wikt:en:pons#Latin|pontis]] atque [[wikt:en:iter#Latin|itinerum]] [[wikt:en:angustia#Latin|angustiae]] <u>multitudinis</u> fugam [[wikt:en:intercluserant|intercluserant]].
**──というのは、橋や道の狭さが、大勢の逃亡をさえぎったからである。──
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:multitudinis|multitudinis]]<sub> (単数・属格)</sub> だが、<br> β系写本では [[wikt:en:multitudini|multitudini]]<sub> (単数・与格)</sub> となっている。)</span>
: <!-- [[wikt:en:| -->
; カエサル勢がケナブムを略奪・焼き討ち。リゲル川を渡ってビトゥリゲース族領へ達する
*<!--❾--><sup>(9)</sup> Oppidum [[wikt:en:diripit|diripit]] atque [[wikt:en:incendit|incendit]],
**<small>(カエサルは)</small>城塞都市を略奪し、焼き討ちして、
*[[wikt:en:praeda#Latin|praedam]] militibus [[wikt:en:donat#Latin|donat]],
**略奪品を兵士たちに与える。
*[[wikt:en:exercitus#Noun|exercitum]] <u>Ligerem</u> [[wikt:en:traducit|traducit]]
***軍隊にリゲル川を渡らせて、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:Ligerem|Ligerem]] だが、<br> β系写本では Ligerim となっている。)</span>
*atque in [[wikt:en:Bituriges#Latin|Biturigum]] fines [[wikt:en:pervenit#Etymology_1|pervenit]].
*ビトゥリゲース族の領土に到達する。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===12節===
[[画像:Sancerre.jpg|thumb|right|250px|ビトゥリゲース族の城塞都市があったと考えられる[[w:サンセール|サンセール]]([[w:en:Sancerre|Sancerre]])の街並み。カエサルがケナブム(現[[w:オルレアン|オルレアン]])からリゲル川(現[[w:ロワール川|ロワール川]])沿いに当初の目的地であったゴルゴビナへ向かい、後にアウァーリクム(現[[w:ブールジュ|ブールジュ]])へ右折したと見なせば、この地がノウィオドゥーヌムであったとも考えられる。街の名 Sancerre の意味が「カエサルに捧げられた」であるという説もある。現在は[[w:ロワールワイン|ロワールワイン]]の産地として有名で、辛口の白ワインなどの銘柄「Sancerre」にもなっている。]]
[[画像:Neung-sur-Beuvron_église_Saint-Denis_1.jpg|thumb|right|250px|城塞都市ノウィオドゥーヌム(Noviodunum)の所在地として現在有力視されている[[w:ロワール=エ=シェール県|ロワール=エ=シェール県]]のヌン=スュル=ブーヴロン([[w:en:Neung-sur-Beuvron|Neung-sur-Beuvron]])のサン=ドニ教会。カエサルは当初の目的地であったボイイー族のゴルゴビナへは真っ直ぐ向かわずに大きく迂回しており、ケナブム(現[[w:オルレアン|オルレアン]])の南方約45kmにあるこの地点(Beuvron川沿いのNeung)がノウィオドゥーヌムであると推定されている。上空からは、ガッリア時代の城塞都市跡の輪郭が見て取れるという。しかしながら、ボイイ族からは遠い位置にある。]]
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/12節]] {{進捗|00%|2026-02-02}}</span>
;ビトゥリゲース族のノウィオドゥーヌムを降すが、敵の騎兵が来援
:
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:Vercingetorix#Latin|Vercingetorix]], ubi de Caesaris [[wikt:en:adventus#Latin|adventu]] [[wikt:en:cognovit#Latin|cognovit]],
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は、カエサルの到来について知るや否や、
*[[wikt:en:oppugnatio#Latin|oppugnatione]] <u>destitit</u>
**<small>(ボイイー族の城塞都市ゴルゴビナの)</small>攻略を取り止めて、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、<br> α系写本では [[wikt:en:destitit|destitit]]<sub> (完了形)</sub> だが、<br> β系写本や印刷本では [[wikt:en:desistit#Latin|desistit]]<sub> (現在形)</sub> となっている。)</span>
*atque [[wikt:en:obviam#Adverb|obviam]] Caesari [[wikt:en:proficiscitur|proficiscitur]].
**カエサルの方に向かって進発する。
:
*<!--❷--><sup>(2)</sup> Ille oppidum [[wikt:en:Biturigēs|Biturigum]] [[wikt:en:positus#Latin|positum]] in via [[wikt:en:Noviodunum#Latin|Noviodunum]] [[wikt:en:oppugnare#Latin|oppugnare]] [[wikt:en:instituerat|instituerat]].
**彼<small>〔カエサル〕</small>は、途中に位置しているビトゥリゲース族の[[w:オッピドゥム|城塞都市]]ノウィオドゥーヌムの攻略を決めていた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:どこへの途中なのか明記されていないため、その解釈により場所についての解釈が変わるようである。)</span>
:
; カエサルの城塞都市ノウィオドゥーヌムへの降伏条件
*<!--❸--><sup>(3)</sup> [[wikt:en:qui#Determiner|Quo]] ex oppido
**その城塞都市から
*cum legati ad eum [[wikt:en:venissent|venissent]] [[wikt:en:oratum#Verb|oratum]] ut sibi [[wikt:en:ignosceret|ignosceret]] suaeque vitae [[wikt:en:consuleret|consuleret]],
**使節たちが彼<small>〔カエサル〕</small>のもとへ、自分たちを容赦して生命を助けるように嘆願するために、やって来たときに、
*ut celeritate reliquas res [[wikt:en:conficeret|conficeret]], [[wikt:en:qui#Determiner|qua]] [[wikt:en:pleraque#Latin|pleraque]] erat [[wikt:en:consecutus#Latin|consecutus]],
**<small>(カエサルは)</small>多くのことを実行してきた迅速さによって、ほかの事を成し遂げるために、
*arma [[wikt:en:conferri|conferri]],
**武具が運び集められること、
*[[wikt:en:quus#Latin|equos]] [[wikt:en:produci#Verb_2|produci]],
**馬匹が引き渡されること、
*obsides [[wikt:en:dari#Latin|dari]] [[wikt:en:iubet#Latin|iubet]].
**人質が供出されること、を命じる。
:
*<!--❹--><sup>(4)</sup> Parte iam obsidum [[wikt:en:traditus#Participle|tradita]],
**すでに人質の一部が移送されて、
*cum [[wikt:en:reliqua#Latin|reliqua]] [[wikt:en:administrarentur|administrarentur]],
**残り<small>(の人質たち)</small>が処置されていたときに、
*[[wikt:en:centurio#Latin|centurionibus]] et paucis [[wikt:en:miles#Latin|militibus]] [[wikt:en:intromissus#Latin|intromissis]], qui arma [[wikt:en:iumentum#Latin|iumenta]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:conquirerent|conquirerent]],
**<ruby><rb>[[w:ケントゥリオ|百人隊長]]</rb><rp>(</rp><rt>ケントゥリオ</rt><rp>)</rp></ruby>たちや若干の兵士たちが、武器や[[w:使役動物|役畜]]を探し集めるべく<small>(城塞都市の中に)</small>送り込まれていたのだが、
*[[wikt:en:equitatus#Noun|equitatus]] hostium procul [[wikt:en:visus#Latin|visus]] est, qui [[wikt:en:agmen#Latin|agmen]] [[wikt:en:Vercingetorix#Latin|Vercingetorigis]] [[wikt:en:antecesserat|antecesserat]].
**ウェルキンゲトリークスの隊列に先行していた敵の[[w:騎兵|騎兵隊]]が遠くに望見された。
:
; ウェルキンゲトリークスの来援に気づいた城塞の者たちが、籠城に転じる
*<!--❺--><sup>(5)</sup> Quem [[wikt:en:simulatque|simulatque]] [[wikt:en:oppidanus#Noun|oppidani]] [[wikt:en:conspexerunt|conspexerunt]] atque in [[wikt:en:spes#Latin|spem]] [[wikt:en:auxilium#Latin|auxilii]] [[wikt:en:venerunt|venerunt]],
**それ<small></small>を城塞都市の者たちが視認して、救援の希望を抱くや否や、
*[[wikt:en:clamor#Latin|clamore]] [[wikt:en:sublatus#Etymology_1|sublato]]
**雄叫びを上げて、
*arma capere,
**武具を取ること、
*portas [[wikt:en:claudere#Etymology_1|claudere]],
**城門を閉じること、
*[[wikt:en:murus#Latin|murum]] [[wikt:en:complere|complere]] [[wikt:en:coeperunt|coeperunt]].
**城壁を<small>(兵で)</small>満たすこと、を始めた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:sublato は [[wikt:en:tollo|tollo]] の分詞)</span>
: <!-- [[wikt:en:| -->
; 城塞民たちの心変わりに感づいたローマ人の将兵たちが城外に撤収する
*<!--❻--><sup>(6)</sup> [[wikt:en:centurio#Latin|Centuriones]] in oppido,
**城塞都市の中の<small>(カエサルの配下の)</small>百人隊長たちは、
*cum ex [[wikt:en:significatio#Latin|significatione]] Gallorum [[wikt:en:novus#Latin|novi]] [[wikt:en:aliquis#Latin|aliquid]] ab iis [[wikt:en:iniri#Latin|iniri]] consilii [[wikt:en:intellexissent|intellexissent]],
**ガッリア人たちの兆候から、彼らによる何らかの新たな謀りごとが始められていると察知していたので、
*[[wikt:en:gladius#Latin|gladiis]] [[wikt:en:destrictus#Latin|destrictis]]
**<ruby><rb>[[w:グラディウス (武器)|長剣]]</rb><rp>(</rp><rt>グラディウス</rt><rp>)</rp></ruby> を抜いて、
*portas [[wikt:en:occupaverunt|occupaverunt]]
**城門を占拠して、
*suosque omnes [[wikt:en:incolumis#Latin|incolumes]] [[wikt:en:receperunt|receperunt]].
**配下たち皆を無傷なままで退却させた。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===13節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/13節]] {{進捗|00%|2026-02-15}}</span>
[[画像:Caesar's_campaign_to_Noviodunum_in_52BC.png|thumb|right|250px|ノウィオドゥーヌムに至るカエサルの進路(青線)および[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]の進路(赤線)。青字名は親ローマ部族、赤字名は反ローマ部族。カエサルはアゲディンクムを発してからウェッラウノドゥーヌム、ケナブム、ノウィオドゥーヌムを続けて降し、ボイイー族のゴルゴビナ攻略を諦めたウェルキンゲトリークスもノウィオドゥーヌム来援に駆けつけて来た。ここに、初めて両軍が騎兵戦で激突することになった。]]
;同盟軍の騎兵を撃退、城塞都市を再び降して、アウァーリクム攻めに向かう
:
; カエサルが、騎兵戦の切り札としてゲルマーニア騎兵を繰り出す
*<!--❶--><sup>(1)</sup> Caesar ex castris [[wikt:en:equitatus#Latin|equitatum]] [[wikt:en:educi#Latin|educi]] [[wikt:en:iubet#Latin|iubet]],
**カエサルは、陣営から[[w:騎兵|騎兵隊]]を進発させることを命じて、
*<u>[[wikt:en:proelium#Latin|proelium]]</u> [[wikt:en:equester#Latin|equestre]] [[wikt:en:committit|committit]];
**<small>(ウェルキンゲトリークス勢と)</small>騎兵戦を交える。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、<br> α系写本では proelium だが、<br> β系写本では proelium<u>que</u> となっている。)</span>
*[[wikt:en:laborans#Latin|laborantibus]] iam suis
**配下の者たちがすでに苦戦していたときに、
*[[wikt:en:Germanus#Adjective|Germanos]] [[wikt:en:eques#Latin|equites]] circiter CCCC([[wikt:en:quadringentos|quadringentos]]) [[wikt:en:submittit|submittit]],
**<small>(カエサルは)</small>[[w:ゲルマニア|ゲルマーニア]]人の騎兵たち約400騎を救援に派遣する。
*quos ab [[wikt:en:initium#Latin|initio]] <u>habere [[wikt:en:secum#Latin|secum]]</u> [[wikt:en:instituerat|instituerat]].
**その者らは<small>(戦いの)</small>当初から自分のそばに保持すると決めていたものであった。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、<br> χ系・B・M・S写本では habere secum だが、<br> β系・L・N写本では secum habere となっている。)</span>
:
; ゲルマーニア騎兵が、ウェルキンゲトリークス配下の騎兵を一蹴する
*<!--❷--><sup>(2)</sup> Eorum [[wikt:en:impetus#Latin|impetum]] [[wikt:en:Galli#Latin|Galli]] [[wikt:en:sustineo#Latin|sustinere]] non [[wikt:en:potuerunt|potuerunt]]
**彼ら<small>〔ゲルマーニア人騎兵〕</small>の突撃に<small>(敵側の)</small>ガッリア人たちは持ちこたえることができず、
*atque in fugam [[wikt:en:coniectus#Participle|coniecti]]
**敗走に追いやられて、
*multis [[wikt:en:amissus#Latin|amissis]]
**大勢の者を失い、
*se ad [[wikt:en:agmen#Latin|agmen]] [[wikt:en:receperunt|receperunt]].
**<small>(後方にいたウェルキンゲトリークスの)</small>隊列に退却した。
:
; 城塞都市ノウィオドゥーヌムがカエサルの軍門に降る
*Quibus [[wikt:en:profligatus#Latin|profligatis]],
**彼ら<small>〔ウェルキンゲトリークスの騎兵隊〕</small>が制圧されると、
*rursus [[wikt:en:oppidanus#Noun|oppidani]] [[wikt:en:perterritus#Latin|perterriti]]
**[[w:オッピドゥム|城塞都市]]<small>〔ノウィオドゥーヌム〕</small>の者たちは再び怖れをなして、
*[[wikt:en:comprehensus#Latin|comprehensos]] eos, quorum [[wikt:en:opera#Latin|opera]] [[wikt:en:plebs#Latin|plebem]] [[wikt:en:concitatus#Latin|concitatam]] [[wikt:en:existimabant|existimabant]],
**その働きかけによって民衆を扇動したと<small>(城塞の民が)</small>考えていたところの者たちを拘束して、
*ad Caesarem [[wikt:en:perduxerunt|perduxerunt]]
**カエサルのもとへ連行して、
*seseque ei [[wikt:en:dediderunt|dediderunt]].
**自分たちも彼<small>〔カエサル〕</small>に降伏した。
: <!-- [[wikt:en:| -->
; カエサルが、ビトゥリゲース族の城塞都市アウァーリクムを目指す
*<!--❸--><sup>(3)</sup> Quibus rebus [[wikt:en:confectus#Latin|confectis]],
**それらの事が成し遂げられると、
*Caesar ad oppidum [[wikt:en:Avaricum#Latin|Avaricum]],
**カエサルは、[[w:オッピドゥム|城塞都市]]アウァーリクムへ、
*quod erat [[wikt:en:maximus#Latin|maximum]] [[wikt:en:munitissimus#Latin|munitissimum]]<nowiki>que</nowiki> in finibus [[wikt:en:Bituriges#Latin|Biturigum]] atque [[wikt:en:ager#Latin|agri]] [[wikt:en:fertilissimus#Latin|fertilissima]] [[wikt:en:regio#Latin|regione]],
**──それはビトゥリゲース族の領土で耕地の最も肥沃な地方にあり、最大かつ最も要塞化されていたが、──
*[[wikt:en:profectus#Etymology_3|profectus]] est,
**<small>(そこへ)</small>出発した。
*quod eo oppido [[wikt:en:receptus#Latin|recepto]]
**──というのは、その城塞都市を獲得することで、
*[[wikt:en:civitas#Latin|civitatem]] [[wikt:en:Bituriges#Latin|Biturigum]] se in [[wikt:en:potestas#Latin|potestatem]] [[wikt:en:redacturus#Latin|redacturum]] [[wikt:en:confidebat|confidebat]].
**ビトゥリゲースの部族国家を<small>(カエサルの)</small>隷下に引き戻すであろうと、確信していたからである──。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
==アウァーリクム攻略戦==
===14節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/14節]] {{進捗|00%|2026-03-08}}</span>
;ウェルキンゲトリークスが兵站妨害と焦土戦術を決断
:
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:Vercingetorix#Latin|Vercingetorix]] tot [[wikt:en:continuus#Latin|continuis]] [[wikt:en:incommodum#Latin|incommodis]] [[wikt:en:Vellaunodunum#Latin|Vellaunoduni]], [[wikt:en:Genabum#Latin|Cenabi]], [[wikt:en:Noviodunum#Latin|Novioduni]] [[wikt:en:acceptus#Latin|acceptis]]
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は、ウェッラウノドゥーヌム、ケナブム、ノウィオドゥーヌムと、このような多くの引き続く敗北をこうむると、
*suos ad [[wikt:en:concilium#Latin|concilium]] [[wikt:en:convocat#Latin|convocat]].
**麾下の者たちを会合へ召集する。
: <!-- [[wikt:en:| -->
; ウェルキンゲトリークスが、ローマ勢の糧道を断つことを提言
*<!--❷--><sup>(2)</sup> [[wikt:en:docet|Docet]] longe alia ratione esse bellum [[wikt:en:gerendus#Latin|gerendum]] atque antea [[wikt:en:gestus#Participle|gestum]] sit.
**以前に遂行されていたのとはまったく別の作戦で戦争が遂行されるべきである、と説く。
*Omnibus [[wikt:en:modus#Latin|modis]] huic rei studendum, ut [[wikt:en:pabulatio#Latin|pabulatione]] et [[wikt:en:commeatus#Noun|commeatu]] Romani [[wikt:en:prohibeantur|prohibeantur]].
**ローマ人たちが[[w:糧秣|糧秣]]徴発と物資輸送を妨げられるべく、この事をあらゆる方法で追求するべきだ。
:
*<!--❸--><sup>(3)</sup> Id esse facile,
**そのことは、容易である。
*quod [[wikt:en:equitatus#Latin|equitatu]] ipsi [[wikt:en:abundent#Latin|abundent]]
**というのは<small>(我々ガッリア勢)</small>自身は[[w:騎兵|騎兵隊]]がたくさんおり、
*et quod anni tempore [[wikt:en:subleventur|subleventur]].
**<small>(冬という)</small>時季に支えられているのだから。
:
; ローマ人が穀物倉に群がるところを騎兵で襲撃するべし
*<!--❹--><sup>(4)</sup> [[wikt:en:pabulum#Latin|Pabulum]] [[wikt:en:secari|secari]] non posse;
**<small>(この時季には)</small><ruby><rb>[[w:秣|秣]]</rb><rp>(</rp><rt>まぐさ</rt><rp>)</rp></ruby> は刈り取られることができない。
*[[wikt:en:necessario#Adverb|necessario]] [[wikt:en:dispersus#Latin|dispersos]] hostes ex [[wikt:en:aedificium#Latin|aedificiis]] [[wikt:en:petere|petere]];
**敵たち<small>〔ローマ勢〕</small>はやむなく分散して、家屋から<small>(糧秣を)</small>求める。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ほとんどの会話が間接話法を採る本書で、<br> ローマ勢が「敵」hostes と表現されることは極めてまれである。)</span>
*hos omnes [[wikt:en:cotidie#Latin|cotidie]] ab [[wikt:en:eques#Latin|equitibus]] <u>deleri</u> posse.
**これら皆を日々に<small>(ガッリア側の)</small>騎兵隊によって壊滅させることができる。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、β系写本では [[wikt:en:deleri|deleri]]「滅ぼされる」だが、<br> α系写本では [[wikt:en:diligi#Latin|diligi]]「分断される」となっている。)</span>
:
; 焦土戦術をもって、ローマ人と軍馬を飢えさせるべし
*<!--❺--><sup>(5)</sup> Praeterea [[wikt:en:salus#Latin|salutis]] causa rei [[wikt:en:familiaris#Adjective|familiaris]] [[wikt:en:commodum#Latin|commoda]] [[wikt:en:neglegendus#Latin|neglegenda]];
**さらに<small>(同盟諸部族に共通の)</small>安全のために、私有資産の利益はなおざりにされるべきだ。
*[[wikt:en:vicus#Latin|vicos]] atque [[wikt:en:aedificium#Latin|aedificia]] [[wikt:en:incendi#Verb_2|incendi]] [[wikt:en:oportet#Latin|oportere]]
**<small>(以下のような領域の)</small>村々や建物は焼かれるべきだ。
*hoc spatio ab Boia quoque versus, quo [[wikt:en:pabulandi#Verb|pabulandi]] causa [[wikt:en:adire#Latin|adire]] posse [[wikt:en:videantur|videantur]].
**[[w:ボイイ族|ボイイー族]]のところから四方八方へ糧秣徴発するために赴くことができると思われる領域では。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:主要写本ω にある ab Boia「ボイイー族のところから」は、<br> 現代では「街道から」ab via と修正読みされることが多い。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:quoque#Latin|quōque]] [[wikt:en:versus#Adverb|versus]] = [[wikt:en:quisque#Latin|quōquō]] versus「あらゆる方向へ」)</span>
[[画像:Eglise_saint_parize_le_chatel.jpg|thumb|right|250px|ボイイ族(Boii)の領内であったと思われる現在のサン=パリーズ=ル=シャテルの教会。ボイイー族の首邑ゴルゴビナは、[[w:ニエーヴル県|ニエーヴル県]]のサン=パリーズ=ル=シャテル([[w:en:Saint-Parize-le-Châtel|Saint-Parize-le-Châtel]])あるいは[[w:シェール県|シェール県]]のラ・ゲルシュ=スュル=ローボワ([[w:en:La Guerche-sur-l'Aubois|La Guerche-sur-l'Aubois]])の近辺にあったと推定されている。]]
:
*<!--❻--><sup>(6)</sup> Harum ipsis rerum copiam [[wikt:en:suppeto#Latin|suppetere]],
**<small>(ガッリア勢)</small>自身には、これらの物は、豊富に貯えてある。
*quod quorum in finibus bellum [[wikt:en:geratur|geratur]], eorum [[wikt:en:ops#Noun_4|opibus]] [[wikt:en:subleventur|subleventur]];
**──というのは、戦争が遂行される領土内の者たちの、彼らの助力に支えられているからだ。──
:
*<!--❼--><sup>(7)</sup> Romanos <u>aut</u> [[wikt:en:inopia#Latin|inopiam]] non [[wikt:en:laturus#Latin|laturos]] <span style="color:#009900;">(esse)</span>
**ローマ人たちは、あるいは<small>(糧食の)</small>欠乏に耐えられないであろうし、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:aut#Latin|aut]] ~ aut …「あるいは~あるいは…」)</span>
*<u>aut</u> magno <u>cum</u> periculo longius <u>ab</u> castris [[wikt:en:processurus#Latin|processuros]] <span style="color:#009900;">(esse)</span>;
**あるいは大きな危険とともに陣営からより遠くに進み出るであろう。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:cum は、ρ系写本・写本Tの記述で、<br> α系写本・写本Vにはない。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ab は、α系・ρ系写本・写本Vの記述で、写本Tでは a となっている。)</span>
:
*<!--❽--><sup>(8)</sup> neque [[wikt:en:interesse#Latin|interesse]], ipsos<u>ne</u> [[wikt:en:interficiant|interficiant]], [[wikt:en:impedimentum#Latin|impedimentis]]<u><nowiki>ne</nowiki></u> [[wikt:en:exuant|exuant]],
**<small>(ローマ人の)</small>当人たちを殺戮するか、輜重を奪い取るか、<small>(どちらであろうが)</small>違いはない。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:-ne#Latin|-ne]] は疑問小辞。~ -ne, … -ne 「~か、…か」)</span>
*quibus [[wikt:en:amissus#Latin|amissis]] bellum [[wikt:en:geri#Latin|geri]] non [[wikt:en:possit|possit]].
**それら<small>〔輜重〕</small>を失えば、戦争を遂行することができないのだから。
:
*<!--❾--><sup>(9)</sup> Praeterea oppida [[wikt:en:incendi#Verb_2|incendi]] [[wikt:en:oportet#Latin|oportere]],
**さらに、<small>(以下のような)</small>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]は焼かれなければならない。
*quae non [[wikt:en:munitio#Latin|munitione]] et loci natura <u>ab omni</u> sint <u>periculo</u> [[wikt:en:tutus#Latin|tuta]],
**防塁や地勢によってあらゆる危険から守られていない<small>(城塞都市は)</small>。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ab [[wikt:en:omni#Latin|omni]] [[wikt:en:periculum#Latin|periculo]] 「あらゆる危険から」)</span>
*<u>neu</u> suis sint ad <u>detrectandam</u> [[wikt:en:militia#Latin|militiam]] [[wikt:en:receptaculum#Latin|receptacula]]
**麾下の者たちにとっては<small>(城塞都市が)</small>[[w:兵役逃れ|兵役を忌避すること]]のための隠れ場所になることがないように、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:neu#Latin|neu]] は α系写本の記述で、β系写本では [[wikt:en:ne#Latin|ne]] となっている。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:detrectandam|detrectandam]] は α系・ρ系写本の表記で、π系写本では [[wikt:en:detractandam|detractandam]] となっている。)</span>
*neu [[wikt:en:Romani#Latin|Romanis]] [[wikt:en:propositus#Latin|proposita]] ad [[wikt:en:copia#Latin|copiam]] [[wikt:en:commeatus#Noun|commeatus]] [[wikt:en:praeda#Latin|praedam]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:tollendus#Latin|tollendam]],
**ローマ人たちにとって<small>(城塞都市が)</small>豊富な物資や戦利品を奪うための置き場所ともならないように。
:
*<!--❿--><sup>(10)</sup> Haec si [[wikt:en:gravis#Latin|gravia]] aut [[wikt:en:acerbus#Latin|acerba]] [[wikt:en:videantur|videantur]],
**もし、これら<small>(の作戦)</small>が厳しい、または苦しいと見えるとしても、
*multo illa [[wikt:en:graviter#Latin|gravius]] <u>aestimare</u>, [[wikt:en:liber#Noun_6|liberos]], [[wikt:en:coniunx#Latin|coniuges]] in [[wikt:en:servitus#Latin|servitutem]] [[wikt:en:abstrahi|abstrahi]], ipsos [[wikt:en:interfici|interfici]];
**それより、子供や配偶者たちが奴隷状態で連れ去られ、自身が殺されることの方が、はるかに厳しいと判断されるべきだ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:aestimare|aestimare]] だが、 <br> β系写本では [[wikt:en:aestimari|aestimari]] [[wikt:en:debere|debere]] となっている。)</span>
*quae sit [[wikt:en:necesse#Latin|necesse]] [[wikt:en:accido#Etymology_1|accidere]] [[wikt:en:victus#Participle|victis]].
**それらのことは、打ち負かされた者たちには、起こることが必然なのである。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===15節===
[[画像:Bourges_-_002_-_Low_Res.jpg|thumb|right|300px|'''アウァーリクム'''(Avaricum)すなわちビトゥリゲース族(Bituriges)の名を残すともいわれる現在の[[w:ブールジュ|ブールジュ]](Bourges)の[[w:サン=テチエンヌ大聖堂 (ブールジュ)|サン=テティエンヌ大聖堂]]([[w:世界遺産|世界遺産]])。この街はガッリア時代からこの地方の中心的な城塞都市であり、現代ではそれほど大都会ではないが、世界遺産の大聖堂や音楽祭などで広く知られている。]]
[[画像:Bourges.JPG|thumb|right|300px|アウァーリクムすなわち[[w:ブールジュ|ブールジュ]]の大聖堂から眺めた街並み。'''ビトゥリゲース族'''はかつてはイタリア北部に移住したこともある強大な部族で、この当時はブルディガラ(Burdigala:現在の[[w:ボルドー|ボルドー]])周辺にいたビトゥリゲース・ウィウィスキ族(Bituriges Vivisci)およびアウァーリクム周辺にいた'''ビトゥリゲース・クビ族'''(Bituriges Cubi)の二派に分かれていた。『ガリア戦記』に登場するのはビトゥリゲース・クビ族の方である。]]
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/15節]] {{進捗|00%|2026-03-08}}</span>
;焦土戦術開始、しかしアウァーリクムの防衛を決定
:
; 焦土戦術として、ビトゥリゲース族の街々が焼かれる
*<!--❶--><sup>(1)</sup> Omnium [[wikt:en:consensus#Latin|consensu]]
**<small>(会合の参加者)</small>全員の合意により
*hac [[wikt:en:sententia#Latin|sententia]] [[wikt:en:probatus#Latin|probata]],
**<small>(ウェルキンゲトリークスの)</small>この意向が承認されると、
*uno die [[wikt:en:amplius|amplius]] [[wikt:en:viginti|viginti]]<sub> (XX)</sub> [[wikt:en:urbs#Latin|urbes]] [[wikt:en:Bituriges#Latin|Biturigum]] [[wikt:en:incenduntur|incenduntur]].
**一日で、20より多いビトゥリゲース族の街々が焼かれる。
:
; ほかの諸部族の街々も焼かれる
*<!--❷--><sup>(2)</sup> Hoc idem fit in reliquis [[wikt:en:civitas#Latin|civitatibus]]:
**これと同じことが、ほかの諸部族でも行なわれて、
*in omnibus partibus
**あらゆる方面において、
*[[wikt:en:incendium#Latin|incendia]] [[wikt:en:conspiciuntur|conspiciuntur]];
**炎上が望見される。
*quae <u>etsi</u> magno cum [[wikt:en:dolor#Latin|dolore]] omnes [[wikt:en:ferebant|ferebant]],
**それらの皆が大きな悲嘆とともに耐えていたとしても、
*<u>tamen</u> hoc sibi [[wikt:en:solacium#Latin|solacii]] [[wikt:en:proponebant|proponebant]],
**しかし、自分らにとっての<small>(以下の)</small>慰めを抱いていた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:etsi#Latin|etsi]] ~ [[wikt:en:tamen#Latin|tamen]] …<br> 「~としても、にもかかわらず…」)</span>
*quod se prope [[wikt:en:exploratus#Latin|explorata]] [[wikt:en:victoria#Latin|victoria]]
**勝利はほぼ確実なものとされて、
*celeriter [[wikt:en:amissus#Latin|amissa]] [[wikt:en:reciperaturus#Latin|reciperaturos]] <span style="color:#009900;">(esse)</span>
**失ったものを速やかに回復するであろう、
*[[wikt:en:confidebant|confidebant]].
**と確信していたことである。
:
; アウァーリクムは、焦土戦術か、それとも防衛すべきか?
*<!--❸--><sup>(3)</sup> [[wikt:en:deliberatur|Deliberatur]] de [[wikt:en:Avaricum#Latin|Avarico]] in [[wikt:en:communis#Latin|communi]] [[wikt:en:concilium#Latin|concilio]], [[wikt:en:incendi#Latin|incendi]] <u>placeret</u> an [[wikt:en:defendi#Latin|defendi]].
**合同の会合において、アウァーリクムについて (も) 焼き討ちが良いか、あるいは防衛か、が吟味される。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:placeret|placeret]]<sub> (接続法・未完了過去)</sub> だが、<br> β系写本では [[wikt:en:placeat|placeat]]<sub> (接続法・現在)</sub> となっている。)</span>
:
; ビトゥリゲース族が、要害であるアウァーリクムの防衛を懇願する
*<!--❹--><sup>(4)</sup> [[wikt:en:procumbunt|Procumbunt]] omnibus Gallis ad pedes [[wikt:en:Bituriges#Latin|Bituriges]],
**<small>(会合に参加していた)</small>すべてのガッリア人の足元へ、ビトゥリゲース族の者たちはひれ伏す。
*ne [[wikt:en:pulcherrimus#Latin|pulcherrimam]] prope <u>[[wikt:en:totus#Latin|totius]] Galliae</u> [[wikt:en:urbs#Latin|urbem]], quae <u>et</u> [[wikt:en:praesidium#Latin|praesidio]] et [[wikt:en:ornamentum#Latin|ornamento]] sit [[wikt:en:civitas#Latin|civitati]],
**ほぼ全ガッリアの街々で最も美しいもの、部族にとっては要害でも誉れでもあるものを、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:totius Galliae は α系写本の語順で、β系写本では Galliae totius となっている。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:et は β系写本にはあるが、α系写本にはない。)</span>
*suis manibus [[wikt:en:succendo#Latin|succendere]] [[wikt:en:cogerentur|cogerentur]];
**自分たちの手で燃やすことを強いられないように、と(懇願した)。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ne ~ cogerentur;~を強いられないように)</span>
:
; アウァーリクムの地の利
*<!--❺--><sup>(5)</sup> facile se loci natura [[wikt:en:defensurus#Latin|defensuros]] [[wikt:en:dicunt|dicunt]],
**自分たちは<small>(アウァーリクムを)</small>地勢によって容易に防衛するだろう、と述べる。
*quod prope ex omnibus partibus [[wikt:en:flumen#Latin|flumine]] et [[wikt:en:palus#Latin|palude]] [[wikt:en:circumdatus#Latin|circumdata]]
**というのは<small>(アウァーリクムは)</small>ほぼあらゆる方向から川や沼地で囲まれており、
*unum habeat et [[wikt:en:perangustus#Latin|perangustum]] [[wikt:en:aditus#Latin|aditum]].
**一つだけ、非常に狭い進入路を持っているからだ。
[[画像:Bourges_2.JPG|thumb|right|300px|アウァーリクムすなわち[[w:ブールジュ|ブールジュ]]の大聖堂から眺めた沼地。イェーヴル川([[w:fr:Yèvre (Cher)|fr:Yèvre]])と沼地は、カエサルが書いたようにガッリア時代からこの街を囲んでいる。]]
:
; アウァーリクムの防衛が認められる
*<!--❻--><sup>(6)</sup> [[wikt:en:datur#Latin|Datur]] [[wikt:en:petens#Latin|petentibus]] [[wikt:en:venia#Latin|venia]]
**<small>(アウァーリクムの防衛を)</small>求める者たちに許可が与えられる。
*[[wikt:en:dissuadens#Latin|dissuadente]] primo [[wikt:en:Vercingetorix#Latin|Vercingetorige]],
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は当初は思い止まらせていたが、
*post [[wikt:en:concedens#Latin|concedente]] et [[wikt:en:prex#Latin|precibus]] ipsorum et [[wikt:en:misericordia#Latin|misericordia]] [[wikt:en:vulgus#Latin|vulgi]].
**後には、彼ら当人の懇願にも、民衆への哀れみにも、譲歩した。
*[[wikt:en:defensor#Latin|Defensores]] [[wikt:en:oppidum#Latin|oppido]] [[wikt:en:idoneus#Latin|idonei]] [[wikt:en:deliguntur|deliguntur]].
**城塞都市の適切な防衛者たちが選ばれる。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===16節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/16節]] {{進捗|00%|2026-03-22}}</span>
;アウァーリクムをめぐる両軍の駆け引き
:
; ウェルキンゲトリークスが、アウァーリクムから16マイル離れたところに宿営する
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:Vercingetorix#Latin|Vercingetorix]] [[wikt:en:minor#Latin|minoribus]] Caesarem [[wikt:en:iter#Latin|itineribus]] [[wikt:en:subsequitur|subsequitur]]
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は、カエサルを緩やかな行軍で追尾して、
*et locum [[wikt:en:castra#Latin|castris]] [[wikt:en:eligit#Latin|deligit]] [[wikt:en:palus#Latin|paludibus]] [[wikt:en:silva#Latin|silvis]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:munitus#Latin|munitum]]
**沼地や森林で防御された地点を陣営のために選んだ。
*ab [[wikt:en:Avaricum#Latin|Avarico]] longe milia passuum [[wikt:en:sedecim#Latin|sedecim]]<sub> (XVI)</sub>.
**アウァーリクムから16<u>ローママイル</u>隔たっていた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:1[[ガイウス・ユリウス・カエサルの著作/通貨・計量単位#ミーッレ・パッスーム、ミーリア(ローママイル)|ローママイル]]は約1.48 kmで、16マイルは約24 km)</span>
:
; ウェルキンゲトリークスが、斥候を放ってアウァーリクムを探り、部下たちに指図する
*<!--❷--><sup>(2)</sup> Ibi per [[wikt:en:certus#Latin|certos]] [[wikt:en:explorator#Latin|exploratores]]
**そこで、一定の斥候たちを通して、
*in [[wikt:en:singulus#Latin|singula]] diei tempora, quae ad [[wikt:en:Avaricum#Latin|Avaricum]] <u>agerentur</u>, [[wikt:en:cognoscebat|cognoscebat]]
**日中の毎時、アウァーリクム近傍で行なわれていることを探知して、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:agerentur|agerentur]] だが、<br> β系写本では [[wikt:en:gererentur|gererentur]] となっている。)</span>
*et, [[wikt:en:quis#Latin|quid]] [[wikt:en:fieri#Latin|fieri]] [[wikt:en:vellet#Latin|vellet]], [[wikt:en:imperabat|imperabat]].
**<small>(彼自身が)</small>なされることを欲していることを<small>(麾下の者たちに)</small>命令していた。
:
; ウェルキンゲトリークスとローマ勢の糧秣調達をめぐる攻防
*<!--❸--><sup>(3)</sup> Omnes nostras [[wikt:en:pabulatio#Latin|pabulationes]] [[wikt:en:frumentatio#Latin|frumentationes]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:observabat|observabat]]
**我が方<small>〔ローマ勢〕</small>の[[w:糧秣|秣や糧食]]の徴発の一部始終を注視していて、
*[[wikt:en:dispersus#Latin|dispersos]]<nowiki>que</nowiki>, cum longius necessario [[wikt:en:procederent|procederent]], [[wikt:en:adoriebatur|adoriebatur]]
**<small>(ローマ勢が)</small>分散して、やむを得ずにはるか遠くに進み出たときに、<small>(ガッリア勢が)</small>襲いかかって、
*[[wikt:en:magnus#Latin|magno]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:incommodum#Latin|incommodo]] [[wikt:en:adficiebat|adficiebat]],
**<small>(ローマ勢に)</small>大きな損害を与えていた。
*[[wikt:en:etsi#Latin|etsi]], quantum [[wikt:en:ratio#Latin|ratione]] [[wikt:en:provideri|provideri]] [[wikt:en:poterat|poterat]], ab nostris [[wikt:en:occurrebatur|occurrebatur]],
**とはいえ、できるかぎり用心する判断により<small>(敵の襲撃を)</small>我が方<small>〔ローマ勢〕</small>によって阻止していた。
*ut [[wikt:en:incertus#Latin|incertis]] temporibus [[wikt:en:diversus#Latin|diversis]]<nowiki>que</nowiki> itineribus [[wikt:en:iretur|iretur]].
**不確定な時間帯にまったく別々の道を行き来するというように。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===17節===
[[画像:Carte_du_Cher.svg|thumb|right|250px|アウァーリクム、すなわち現在の[[w:ブールジュ|ブールジュ市]](Bourges)のあるフランス・[[w:シェール県|シェール県]]の地図。中心にブールジュがあり、右下(南東)のラ・ゲルシュ=スュル=ローボワ([[w:en:La Guerche-sur-l'Aubois|La Guerche-sur-l'Aubois]])の近辺にボイイー族の首邑ゴルゴビナ(Gorgobina)があったと推定されている。右(東)隣の[[w:ニエーヴル県|ニエーヴル県]](Nièvre)が[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の版図であった。]]
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/17節]] {{進捗|00%|2026-03-28}}</span>
;アウァーリクム攻囲に取りかかるローマ軍の糧秣欠乏
:
; カエサルが、アウァーリクム攻囲のための堡塁工事に着手
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:castra#Latin|Castris]] ad eam partem [[wikt:en:oppidum#Latin|oppidi]] [[wikt:en:positus#Participle|positis]] Caesar,
**カエサルは、[[w:オッピドゥム|城塞都市]]の<small>(以下に述べるような)</small>方面に陣営を設置して、
*quae [[wikt:en:intermissus#Latin|intermissa]] a flumine et a <u>paludibus</u>
**──<small>(その方面は)</small>川や沼地により<small>(外部から)</small>遮断されて、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:paludibus|paludibus]] だが、<br> β系写本では [[wikt:en:palude#Latin|palude]] となっている。)</span>
*[[wikt:en:aditus#Noun_3|aditum]], ut supra [[wikt:en:diximus#Latin|diximus]], [[wikt:en:angustus#Latin|angustum]] [[wikt:en:habebat|habebat]],
**<u>前に述べたように</u>、狭い進入路を持っているというものであるが、──
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[#15節|15節]]⑤項では、<br> ほぼあらゆる方向から川や沼地で囲まれており、<br> 一つだけ、非常に狭い進入路を持っている、<br> と言及された。)</span>
*[[wikt:en:agger#Latin|aggerem]] [[wikt:en:apparare#Latin|apparare]],
**<small>(さらに)</small><ruby><rb>[[w:土塁|土塁]]</rb><rp>(</rp><rt>アッゲル</rt><rp>)</rp></ruby> を装備すること、
*[[wikt:en:vinea#Latin|vineas]] [[wikt:en:ago#Latin|agere]],
**<ruby><rb>[[w:ウィネア|工作小屋]]</rb><rp>(</rp><rt>ウィネア</rt><rp>)</rp></ruby> を駆動すること、
*[[wikt:en:turris#Latin|turres]] duas [[wikt:en:constituo#Latin|constituere]] [[wikt:en:coepit|coepit]];
**2つの<ruby><rb>[[w:攻城塔|攻城櫓]]</rb><rp>(</rp><rt>トゥッリス</rt><rp>)</rp></ruby> を建てること、を始めた。
*nam [[wikt:en:circumvallo#Latin|circumvallare]] loci natura [[wikt:en:prohibebat|prohibebat]].
**なぜなら<small>(城塞都市を)</small>堡塁で囲むことを地勢が妨げていたからだ。
<div style="text-align:center;">
{|
|-
|[[画像:Caesar's Gallic war; (Allen and Greenough's ed.) (1898) (14781415375).jpg|thumb|right|350px|城壁(図中の左端)を攻略するために築かれた<ruby><rb>土塁</rb><rp>(</rp><rt>アッゲル</rt><rp>)</rp></ruby> の復元画([[ガリア戦記_第2巻#12節|第2巻12節]]で既出)。左上には、両軍の<ruby><rb>[[w:攻城塔|攻城櫓]]</rb><rp>(</rp><rt>トゥッリス</rt><rp>)</rp></ruby>が描かれている。]]
|[[画像:Bender - Vinea.JPG|thumb|right|350px|<ruby><rb>工作小屋</rb><rp>(</rp><rt>ウィネア</rt><rp>)</rp></ruby> [[wikt:en:vinea|vinea]] の復元画([[ガリア戦記_第2巻#12節|第2巻12節]]で既出)。敵の矢玉などから身を守りながら城壁に近づくために用いられたと考えられている。]]
|}
</div>
:
; カエサルが、同盟者であるボイイー族やハエドゥイー族に、糧秣徴発を促す
*<!--❷--><sup>(2)</sup> De re [[wikt:en:frumentarius#Adjective|frumentaria]]
**<small>(カエサルは)</small>[[w:糧秣|糧秣]]調達について、
*[[wikt:en:Boii#Latin|Boios]] atque [[wikt:en:Haedui#Latin|Haeduos]] [[wikt:en:adhortari|adhortari]] non [[wikt:en:destitit|destitit]];
**[[w:ボイイ族|ボイイー族]]や[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]を鼓舞することを止めなかった。
*quorum [[wikt:en:alter#Latin|alteri]], quod [[wikt:en:nullus#Determiner|nullo]] [[wikt:en:studium#Latin|studio]] [[wikt:en:agebant|agebant]], non multum [[wikt:en:adiuvabant|adiuvabant]],
**彼らのうち一方<small>〔ハエドゥイー族〕</small>は、何らの努力を行なわなかったので、あまり助けにならなかった。
*[[wikt:en:alter#Latin|alteri]] non magnis [[wikt:en:facultas#Latin|facultatibus]], quod [[wikt:en:civitas#Latin|civitas]] erat [[wikt:en:exiguus#Latin|exigua]] et [[wikt:en:infirmus#Latin|infirma]],
**他方<small>〔ボイイー族〕</small>は、貧弱かつ無力な部族であったので、大した貯えもなく、
*celeriter quod [[wikt:en:habuerunt|habuerunt]] [[wikt:en:consumpserunt|consumpserunt]].
**早々と持っていたものを消費し切ってしまった。
:
; 糧秣の欠乏が続くが、ローマの将兵たちが耐え抜く
*<!--❸--><sup>(3)</sup> [[wikt:en:summus#Latin|Summa]] [[wikt:en:difficultas#Latin|difficultate]] rei [[wikt:en:frumentarius#Adjective|frumentariae]] [[wikt:en:adfectus#Latin|adfecto]] [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitu]]
**<small>(ローマ人の)</small>軍隊は糧秣調達の大いなる困難さに苦悩させられながらも、
*[[wikt:en:tenuitas#Latin|tenuitate]] [[wikt:en:Boii#Latin|Boiorum]],
**──<small>(その困難は)</small>ボイイー族の微力さ、
*[[wikt:en:indiligentia#Latin|indiligentia]] [[wikt:en:Haedui#Latin|Haeduorum]],
**ハエドゥイー族の怠慢、
*[[wikt:en:incendium#Latin|incendiis]] [[wikt:en:aedificium#Latin|aedificiorum]],
**<small>(敵勢による)</small>家屋の焼き打ちによるものであったが、──
*usque eo ut [[wikt:en:complures#Determiner|complures]] dies [[wikt:en:frumentum#Latin|frumento]] [[wikt:en:miles#Latin|milites]] [[wikt:en:caruerint|caruerint]]
**かなりの日々にわたって兵士たちは糧食を欠くまでになり、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:usque#Latin|usque]] eo ut ~「~まで」)</span>
*et [[wikt:en:pecus#Latin|pecore]] ex [[wikt:en:longinquior#Latin|longinquioribus]] [[wikt:en:vicus#Latin|vicis]] [[wikt:en:adactus#Latin|adacto]]
**かなり遠方の村々から家畜を駆り立てたので
*[[wikt:en:extremus#Latin|extremam]] [[wikt:en:fames#Latin|famem]] [[wikt:en:sustentarent|sustentarent]],
**極限の飢えに耐え通すまでになったのであるが、
*[[wikt:en:nullus#Determiner|nulla]] tamen <u>vox est ab iis</u> [[wikt:en:auditus#Latin|audita]] populi Romani [[wikt:en:maiestas#Latin|maiestate]] et [[wikt:en:superior#Latin|superioribus]] [[wikt:en:victoria#Latin|victoriis]] [[wikt:en:indignus#Latin|indigna]].
**しかしながら、ローマ人民の威厳やかつての勝利にふさわしからぬ声は、彼らから何ら聞かれなかった。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:vox#Latin|vox]] est <u>ab</u> iis だが、<br> β系写本では <u>ex</u> iis vox est となっている。)</span>
:
; ローマ人将兵たちがカエサルに攻囲の継続を訴える
*<!--❹--><sup>(4)</sup> [[wikt:en:quin#Latin|Quin]] etiam Caesar cum in [[wikt:en:opus#Latin|opere]] [[wikt:en:singulus#Latin|singulas]] [[wikt:en:legio#Latin|legiones]] [[wikt:en:appellaret|appellaret]],
**いやそればかりか、カエサルが作業中のそれぞれの[[w:ローマ軍団|軍団]]に呼びかけたとき、
*et, si [[wikt:en:acerbe#Latin|acerbius]] [[wikt:en:inopia#Latin|inopiam]] [[wikt:en:ferrent#Latin|ferrent]], se [[wikt:en:dimissurus#Latin|dimissurum]] <span style="color:#009900;"><sub>(esse)</sub></span> [[wikt:en:oppugnatio#Latin|oppugnationem]] [[wikt:en:diceret|diceret]],
**もし、とても過酷に欠乏に耐えているのならば、自分は攻囲を放棄するであろう、とカエサルが言っていたときに、
:
*<!--❺--><sup>(5)</sup> [[wikt:en:universi#Latin|universi]] ab eo, ne id [[wikt:en:faceret|faceret]], [[wikt:en:petebant|petebant]] :
**<small>(各軍団の)</small>一同は、彼<small>〔カエサル〕</small>に、それ<small>〔攻囲の放棄〕</small>をしないように求めていた。
*sic se complures annos illo [[wikt:en:imperans#Latin|imperante]] [[wikt:en:meruisse|meruisse]],
**自分たちは<small>(以下のように)</small>幾年にもわたって彼<small>〔カエサル〕</small>の麾下で努めてきた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:sic ~ ut …「…のように~である」)</span>
*ut [[wikt:en:nullus#Determiner|nullam]] [[wikt:en:ignominia#Latin|ignominiam]] [[wikt:en:acciperent|acciperent]], <u>nusquam incepta</u> re [[wikt:en:discederent|discederent]]:
**何ら不名誉を蒙ってないし、事<small>〔戦役〕</small>が完遂されないまま<small>(戦列を)</small>離脱することは決してなかったのだ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:nusquam#Latin|nusquam]] [[wikt:en:inceptus#Latin|incepta]] だが、<br> β系写本では [[wikt:en:numquam#Latin|numquam]] [[wikt:en:infectus#Adjective|infecta]] となっている。)</span>
:
*<!--❻--><sup>(6)</sup> hoc se [[wikt:en:ignominia#Latin|ignominiae]] <u>loco [[wikt:en:laturus#Latin|laturos]]</u> <span style="color:#009900;"><sub>(esse)</sub></span>, si [[wikt:en:inceptus#Latin|inceptam]] [[wikt:en:oppugnatio#Latin|oppugnationem]] [[wikt:en:reliquissent|reliquissent]];
**もし<small>(自分たちが)</small>着手した攻囲を放棄してしまったならば、自分たちはこの状態を不名誉と見なすであろう。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、β系写本では loco laturos の語順だが、<br> α系写本では laturos loco の語順となっている。)</span>
:
*<!--❼--><sup>(7)</sup> <u>praestare</u> omnes [[wikt:en:perferre|perferre]] [[wikt:en:acerbitas#Latin|acerbitates]],
**あらゆる厳しさに持ちこたえることは<small>(以下のこと)</small>よりましである。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[wikt:en:praestare|praestare]] ~ [[wikt:en:quam#Adverb|quam]] …「…よりも~がより優る」)</span>
*<u>quam</u> non [[wikt:en:civis#Latin|civibus]] Romanis, qui [[wikt:en:Genabum#Latin|Cenabi]] [[wikt:en:perfidia#Latin|perfidia]] Gallorum [[wikt:en:interissent|interissent]], [[wikt:en:parentarent|parentarent]].
**ケナブムでガッリア人たちの不義により滅びたローマ市民たちの仇討ちをしないよりも。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[#3節|3節]]①項を参照。仇討ちをしないのなら、苦しむ方がましである、の意)</span>
:
*<!--❽--><sup>(8)</sup> Haec [[wikt:en:idem#Latin|eadem]] [[wikt:en:centurio#Latin|centurionibus]] [[wikt:en:tribunus#Latin|tribunis]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:miles#Latin|militum]]
**これらと同じことを、<ruby><rb>[[w:ケントゥリオ|百人隊長]]</rb><rp>(</rp><rt>ケントゥリオ</rt><rp>)</rp></ruby>たちや<ruby><rb>[[w:トリブヌス・ミリトゥム|兵士長官]]</rb><rp>(</rp><rt>トリブヌス・ミリトゥム</rt><rp>)</rp></ruby>たちに、
*[[wikt:en:mandabant|mandabant]], ut per eos ad Caesarem [[wikt:en:deferrentur|deferrentur]].
**彼らを通じてカエサルに申し立てるように、依頼していた。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===18節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/18節]] {{進捗|00%|2026-04-13}}</span>
;カエサルがウェルキンゲトリークス不在の敵陣へ迫る
:
; カエサルは、ウェルキンゲトリークスが糧秣の欠乏によりローマ勢の糧秣徴発隊を襲撃に向かったと知る
*<!--❶--><sup>(1)</sup> Cum iam [[wikt:en:murus#Latin|muro]] [[wikt:en:turris#Latin|turres]] [[wikt:en:adpropinquassent#Latin|adpropinquassent]],
**すでに<small>(アウァーリクムの)</small>城壁に<small>(ローマ勢の)</small>[[w:攻城塔|攻城櫓]]が近づいていた際に、
*ex [[wikt:en:captivus#Noun|captivis]] Caesar [[wikt:en:cognovit#Latin|cognovit]],
**カエサルは、捕虜たちから<small>(以下のことを)</small>知った。
*[[wikt:en:Vercingetorix#Latin|Vercingetorigem]], [[wikt:en:consumptus#Latin|consumpto]] [[wikt:en:pabulum#Latin|pabulo]],
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は[[w:糧秣|糧秣]]を消費し切ると、
*castra [[wikt:en:movisse#Latin|movisse]] propius [[wikt:en:Avaricum#Latin|Avaricum]],
**陣営をアウァーリクムのより近くに移動させて、
*atque ipsum cum [[wikt:en:equitatus#Latin|equitatu]] [[wikt:en:expeditus#Noun|expeditis]]<nowiki>que</nowiki>, qui inter [[wikt:en:eques#Latin|equites]] [[wikt:en:proeliari#Verb|proeliari]] [[wikt:en:consuessent#Latin|consuessent]],
**彼自身は、[[w:騎兵|騎兵]]隊、および騎兵たちの間で争闘することに習熟していた[[w:軽装歩兵|軽装歩兵]]たちとともに、
*<u>insidiarum</u> causa eo [[wikt:en:profectus#Etymology_3|profectum]], quo nostros postero die [[wikt:en:pabulatum#Verb|pabulatum]] [[wikt:en:venturus#Latin|venturos]] [[wikt:en:arbitraretur#Latin|arbitraretur]].
**我が方<small>〔ローマ勢〕</small>が翌日に糧秣徴発にやって来るであろうと思われるところで待ち伏せするために、出発した、と。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:insidiarum|insidiarum]] だが、<br> β系写本では [[wikt:en:insidiandi#Latin|insidiandi]] となっている。)</span>
[[画像:AVARICUM Battaglia 52 aC.png|thumb|right|300px|アウァーリクム攻略戦の布陣図(<small>イタリア語</small>)。中央がアウァーリクム(AVARICUM)、右下の赤枠内がカエサルと8個軍団の陣営、赤い矢印の先端がローマ軍の土塁。左上の楕円形がウェルキンゲトリークスが移動させた陣営。]]
[[画像:Funerary chariot in the archeological museum of Strasbourg.jpg|thumb|right|300px|[[w:ハルシュタット文化|ハルシュタット文化]]の墳墓の副葬品として発掘された '''四輪荷馬車''' のレプリカ(仏ストラスブール考古学博物館)。]]
:
*<!--❷--><sup>(2)</sup> Quibus rebus [[wikt:en:cognitus#Participle|cognitis]]
**<small>(カエサルは)</small>それらの事情を知るや、
*media nocte [[wikt:en:silentium#Latin|silentio]] [[wikt:en:profectus#Etymology_3|profectus]]
**真夜中の静けさのうちに出発して、
*ad hostium castra [[wikt:en:mane#Adverb_2|mane]] [[wikt:en:pervenit#Etymology_2|pervenit]].
**敵の陣営の辺りへ朝方に到着した。
:
*<!--❸--><sup>(3)</sup> Illi, celeriter per [[wikt:en:explorator#Latin|exploratores]] [[wikt:en:adventus#Latin|adventu]] Caesaris [[wikt:en:cognitus#Participle|cognito]]
**あの者たちは、速やかに斥候たちを通じてカエサルの到来を知るや、
*<u>carros</u> [[wikt:en:impedimentum#Latin|impedimenta]]<nowiki>que</nowiki> sua in [[wikt:en:artior#Latin|artiores]] [[wikt:en:silva#Latin|silvas]] [[wikt:en:abdiderunt#Latin|abdiderunt]],
**自分たちの<u>四輪荷馬車</u>と[[w:輜重|輜重]]をとても深い森の中に隠して、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:四輪荷馬車 [[wikt:en:carrus#Latin|carrus]] は、例えば右の画像のものを参照。)</span>
*copias omnes in loco [[wikt:en:editus#Latin|edito]] atque [[wikt:en:apertus#Latin|aperto]] [[wikt:en:instruxerunt#Latin|instruxerunt]].
**全軍勢を高くそびえて開けている場所に配置した。
:
*<!--❹--><sup>(4)</sup> Qua re [[wikt:en:nuntiatus#Latin|nuntiata]]
**その事を報告されて、
*Caesar celeriter [[wikt:en:sarcina#Latin|sarcinas]] [[wikt:en:conferri#Latin|conferri]],
**カエサルは速やかに<small>(兵士たちの)</small>[[w:背嚢|背嚢]]が運び集められること、
*[[wikt:en:arma#Latin|arma]] [[wikt:en:expediri#Latin|expediri]] [[wikt:en:iussit#Verb|iussit]].
**武具が<small>(すぐ使えるように)</small>整えられることを命じた。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===19節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/19節]] {{進捗|00%|2026-04-20}}</span>
;丘の上のガッリア勢と沼沢を挟んで対峙する
:
; ガッリア勢の陣営の地勢
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:collis#Latin|Collis]] erat <u>leniter</u> ab [[wikt:en:infimus#Latin|infimo]] [[wikt:en:adclivis#Latin|adclivis]].
**<small>(ガッリア勢がいる)</small>丘陵はふもとから緩やかに、登り坂になっていた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、β系・χ系・B・M・S・N<sup>c</sup> 写本では [[wikt:en:leviter#Latin|leviter]] 、<br> L・N写本では [[wikt:en:breviter#Latin|breviter]] だが、<br> より劣った写本 ''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#クリティカル・アパラトゥスとその略号|codd.deter.]]'' では [[wikt:en:leniter#Latin|leniter]] となっている。
*Hunc ex omnibus fere partibus [[wikt:en:palus#Latin|palus]] [[wikt:en:difficilis#Latin|difficilis]] atque [[wikt:en:impeditus#Latin|impedita]] [[wikt:en:cingebat#Latin|cingebat]]
**これ<small>〔丘陵〕</small>を、ほぼすべての方角から、不便で通りにくい沼地が取り巻いていて、
*non [[wikt:en:latior#Latin|latior]] [[wikt:en:pes#Latin|pedibus]] [[wikt:en:quinquaginta#Latin|quinquaginta]].
**<small>(その沼地は)</small>50<u>[[w:ペース (長さ)|ペース]]</u>より幅広くなかった。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:1[[ガイウス・ユリウス・カエサルの著作/通貨・計量単位#ペース|ペース]]は約29.6cmで、50ペースは約15メートル弱。)</span>
:
; 丘の周囲を部族ごとに分かれて守備している
*<!--❷--><sup>(2)</sup> Hoc se [[wikt:en:collis#Latin|colle]] [[wikt:en:interruptus#Latin|interruptis]] [[wikt:en:pons#Latin|pontibus]]
**この丘陵において、橋梁を破却すると、
*Galli [[wikt:en:fiducia#Latin|fiducia]] loci [[wikt:en:continebant#Latin|continebant]]
**ガッリア人たちは、地勢を頼りに留まっていて、
*[[wikt:en:generatim#Latin|generatim]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:distributus#Latin|distributi]] in civitates
**<small>(軍勢を)</small>諸部族の種族ごとに分けて配置させて、
*omnia [[wikt:en:vadum#Latin|vada]] ac [[wikt:en:saltus#Etymology_2|saltus]] eius [[wikt:en:palus#Latin|paludis]] <u>certis custodiis</u> [[wikt:en:obtinebant#Latin|obtinebant]],
**その沼地の、すべての浅瀬や隘路を <u>一定の護衛兵たちによって</u> 占領していた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部の [[wikt:en:certus#Latin|certis]] [[wikt:en:custodia#Latin|custodiis]] は β系写本の記述で、α系写本にはない。)</span>
*<u>sic</u> animo [[wikt:en:paratus#Latin|parati]] <u>ut</u>, si eam [[wikt:en:palus#Latin|paludem]] Romani [[wikt:en:perrumpo#Latin|perrumpere]] [[wikt:en:conarentur#Latin|conarentur]], [[wikt:en:haesitans#Latin|haesitantes]] [[wikt:en:premerent#Latin|premerent]] ex loco [[wikt:en:superior#Latin|superiore]];
**もしローマ勢がその沼地を強行突破せんと試みたならば、ぐずぐずしている者らを高地から圧倒する心積もりであった。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:sic#Latin|sīc]] ~, [[wikt:en:ut#Latin|ut]] ・・・「…であるように~である」)</span>
:
; 両軍は互角か?
*<!--❸--><sup>(3)</sup> ut, qui [[wikt:en:propinquitas#Latin|propinquitatem]] loci [[wikt:en:videret#Latin|videret]],
**<small>(両軍の)</small>陣地が近接していることを見た者は、
*[[wikt:en:paratus#Latin|paratos]] prope [[wikt:en:aequus#Latin|aequo]] <u>Marte</u> ad [[wikt:en:dimicandum#Latin|dimicandum]] [[wikt:en:existimaret#Latin|existimaret]],
**<small>(ガッリア勢がローマ勢に対して)</small>ほぼ互角の戦い<small>(の条件)</small>で闘うつもりでいると考えただろう。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、[[wikt:en:Mars#Proper_noun_22|Mars]]「戦争の神マールス」ではなく、<br> [[wikt:en:Mars#Noun_4|Mars]]「戦争、闘い」そのものを指す。)</span>
; ガッリア勢は不利なのに虚勢を張っているのか?
*qui [[wikt:en:iniquitas#Latin|iniquitatem]] [[wikt:en:condicio#Latin|condicionis]] [[wikt:en:perspiceret#Latin|perspiceret]],
**<small>(ガッリア勢の)</small>条件の不利なことを見通した者は、
*[[wikt:en:inanis#Latin|inani]] [[wikt:en:simulatio#Latin|simulatione]] sese [[wikt:en:ostentare#Latin|ostentare]] [[wikt:en:cognosceret#Latin|cognosceret]].
**<small>(ガッリア勢が)</small>虚栄の見せかけで己を誇示していることを、理解しただろう。
:
; カエサルが、至近距離の敵への攻撃にいきり立つ将兵らを教え諭す
*<!--❹--><sup>(4)</sup> [[wikt:en:indignans#Latin|Indignantes]] [[wikt:en:miles#Latin|milites]] Gaesar,
**カエサルは<small>(ガッリア勢の誇示に)</small>憤慨している兵士たちに、
*quod [[wikt:en:conspectus#Noun_2|conspectum]] suum hostes <u>perferre</u> [[wikt:en:possent#Latin|possent]] [[wikt:en:tantulus#Latin|tantulo]] [[wikt:en:spatium#Latin|spatio]] [[wikt:en:interiectus#Latin|interiecto]],
**──というのも、これほどのわずかな距離しか介在してないのに、敵勢が自分らを<small>(平然と)</small>見据えていられるためだが──
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:perferre#Latin|perferre]] だが、β系写本では [[wikt:en:ferre#Latin|ferre]] となっている。)</span>
*et signum proelii [[wikt:en:exposcens#Latin|exposcentes]] [[wikt:en:edocet#Latin|edocet]],
**および戦闘の合図を熱心に求めている者たちに対して<small>(以下のように)</small>説く。
*[[wikt:en:quantus#Latin|quanto]] [[wikt:en:detrimentum#Latin|detrimento]] et [[wikt:en:quot#Latin|quot]] [[wikt:en:vir#Latin|virorum]] [[wikt:en:fortis#Latin|fortium]] [[wikt:en:mors#Latin|morte]] [[wikt:en:necesse#Adverb|necesse]] sit [[wikt:en:constare#Latin|constare]] [[wikt:en:victoria#Latin|victoriam]];
**勝利を確実にすることが、どれほどの損害と、どれほど多くの勇敢な<ruby><rb>兵士</rb><rp>(</rp><rt>ウィル</rt><rp>)</rp></ruby>たちの死を必要とするか、を。
: <!-- [[wikt:en:| -->
; 多くのローマ兵が死に瀕すれば、カエサル自身が戦争犯罪で弾劾されるだろう
*<!--❺--><sup>(5)</sup> quos cum <u>sic</u> [[wikt:en:animus#Latin|animo]] [[wikt:en:paratus#Latin|paratos]] [[wikt:en:videat#Latin|videat]], <u>ut</u> [[wikt:en:nullus#Determiner|nullum]] pro sua [[wikt:en:laus#Latin|laude]] [[wikt:en:periculum#Latin|periculum]] [[wikt:en:recusent#Latin|recusent]],
**彼ら<small>〔兵士たち〕</small>が己の賞賛のためにいかなる危険をも辞さない心積もりであると<small>(カエサルは)</small>見て取ったので、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:sic#Latin|sīc]] ~, [[wikt:en:ut#Latin|ut]] ・・・「…であるように~である」)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:pro sua laude 「自らの賞賛のために」は、「カエサルの賞賛のために」と解することもできる。<br> しかし、共和制国家に忠誠を誓っているはずの兵士らが、カエサル個人のために命を投げ出そうとする記述は、<br> 野心家カエサルが軍隊を私兵化しようとしている野望をさらけ出すことになり、政敵たちを利することになる。)</span>
*[[wikt:en:summus#Latin|summae]] se [[wikt:en:iniquitas#Latin|iniquitatis]] [[wikt:en:condemnari#Latin|condemnari]] [[wikt:en:debere#Latin|debere]], [[wikt:en:nisi#Conjunction|nisi]] eorum [[wikt:en:vita#Latin|vitam]] sua [[wikt:en:salus#Latin|salute]] [[wikt:en:habeat#Latin|habeat]] [[wikt:en:carior#Latin|cariorem]].
**<small></small>彼ら<small>〔兵士〕</small>の生命を己<small>〔カエサル〕</small>の安全より貴重と思わない限り、自分<small>〔カエサル〕</small>は極度の不正のために告発されるに違いない。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:すでにサビーヌスら多くのローマ市民が戦死しており、ここでさらに多くのローマ市民を死なせることは、<br> カエサルから軍隊を取り上げることを主張していた政敵たちから厳しく糾弾されることになったであろう。)</span>
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--❻--><sup>(6)</sup> Sic [[wikt:en:miles#Latin|milites]] [[wikt:en:consolatus#Latin|consolatus]]
**<small>(カエサルは)</small>このように兵士たちを<ruby><rb>宥</rb><rp>(</rp><rt>なだ</rt><rp>)</rp></ruby>めて、
*eodem die [[wikt:en:reducit#Latin|reducit]] in castra
**同日に陣営の中に連れ戻して、
*[[wikt:en:reliquus#Latin|reliqua]]<nowiki>que</nowiki> quae ad [[wikt:en:oppugnatio#Latin|oppugnationem]] <u>[[wikt:en:pertinebant#Latin|pertinebant]] [[wikt:en:oppidum#Latin|oppidi]]</u> [[wikt:en:administrare#Latin|administrare]] [[wikt:en:instituit#Latin|instituit]].
**城塞都市<small>〔アウァーリクム〕</small>の攻略に関わっているほかのことに従事することを決めた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、χ系・B・M・S写本では pertinebant oppidi の語順だが、<br> L・N・β系写本では oppidi pertinebant の語順となっている。)</span>
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===20節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/20節]] {{進捗|00%|2026-05-04}}</span>
;ウェルキンゲトリークスが味方に弁明し、捕虜に問い質す
:
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:Vercingetorix#Latin|Vercingetorix]], cum ad suos [[wikt:en:redisset#Latin|redisset]], [[wikt:en:proditio#Latin|proditionis]] [[wikt:en:insimulatus#Latin|insimulatus]],
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は、味方のもとに戻った際に、<small>(以下のことで)</small>裏切りだと非難されていた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:以下、[[wikt:en:quod#Conjunction|quod]] ~ で箇条書き。)</span>
*quod [[wikt:en:castra#Latin|castra]] [[wikt:en:propius#Latin|propius]] [[wikt:en:Romani#Latin|Romanos]] [[wikt:en:movisset#Latin|movisset]],
**陣営をローマ人たちのより近くに移動させていたこと、
*quod cum omni [[wikt:en:equitatus#Noun|equitatu]] [[wikt:en:discessisset#Latin|discessisset]],
**全[[w:騎兵|騎兵隊]]とともに<small>(陣営を)</small>離れていたこと、
*quod sine [[wikt:en:imperium#Latin|imperio]] [[wikt:en:tantus#Latin|tantas]] [[wikt:en:copiae#Latin|copias]] [[wikt:en:reliquisset#Latin|reliquisset]],
**司令権<small>(を持つ者)</small>なしに、これほど多くの軍勢を置き去りにしていたこと、
*quod eius [[wikt:en:discessus#Noun|discessu]] [[wikt:en:Romani#Latin|Romani]] [[wikt:en:tantus#Latin|tanta]] [[wikt:en:opportunitas#Latin|opportunitate]] et [[wikt:en:celeritas#Latin|celeritate]] [[wikt:en:venissent#Latin|venissent]];
**彼<small>〔ウェルキンゲトリークス〕</small>の退去によりローマ人がこれほどの好機とこれほどの迅速さでやって来ていたこと、である。
:
*<!--❷--><sup>(2)</sup> non haec omnia [[wikt:en:fortuito#Latin|fortuito]] aut sine [[wikt:en:consilium#Latin|consilio]] [[wikt:en:accido#Etymology_1|accidere]] [[wikt:en:potuisse#Latin|potuisse]];
**──これらすべてが偶然に、あるいは謀りごとなしに起こることはあり得なかったのだ。
*[[wikt:en:regnum#Latin|regnum]] illum Galliae <u>malle</u> Caesaris [[wikt:en:concessus#Noun|concessu]] <u>quam</u> ipsorum habere [[wikt:en:beneficium#Latin|beneficio]]
**彼<small>〔ウェルキンゲトリークス〕</small>は<small>(ガッリア人)</small>自身の厚遇を得ることよりもむしろカエサルの許しにより[[w:ガリア|ガッリア]]の王権<small>(を持つこと)</small>を好んでいるのだ。──
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:malle#Latin|malle]] ~ quam …「…よりも、むしろ~を好む(選ぶ)」)</span>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ウェルキンゲトリークスが王権を望むあまり、同盟部族の生命をカエサルに売り渡したということである。)</span>
[[画像:Vercingetorix_stater_n2_CdM_alternate.jpg|thumb|right|250px|[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]の横顔が刻まれたガッリアの金貨(パリの[[w:ビブリオテーク・ナショナル|仏国立図書館]]貨幣部蔵)]]
:
; ━━ウェルキンゲトリークスの弁明が始まる━━
*<!--❸--><sup>(3)</sup> [[wikt:en:talis#Latin|tali]] [[wikt:en:modus#Latin|modo]] [[wikt:en:accusatus#Latin|accusatus]]
**こんな風に非難されて、
*ad haec [[wikt:en:respondit#Latin|respondit]]:
**<small>(ウェルキンゲトリークスは)</small>これらのことへ答えた。
*Quod [[wikt:en:castra#Latin|castra]] [[wikt:en:movisset#Latin|movisset]],
**陣営を移動させていたことは、
*[[wikt:en:factus#Latin|factum]] [[wikt:en:inopia#Latin|inopia]] [[wikt:en:pabulum#Latin|pabuli]],
**[[w:糧秣|糧秣]]の欠乏によりなされたのであり、
*etiam ipsis [[wikt:en:hortans#Latin|hortantibus]];
**<small>(ガッリア人たち)</small>自身が熱心に勧めることさえしているのだ。
*quod [[wikt:en:propius#Latin|propius]] [[wikt:en:Romani#Latin|Romanos]] [[wikt:en:accessisset#Latin|accessisset]],
**ローマ人たちのより近くに近寄っていたことは、
*[[wikt:en:persuasus#Latin|persuasum]] loci [[wikt:en:opportunitas#Latin|opportunitate]], qui se <u>ipsum</u> [[wikt:en:munitio#Latin|munitione]] [[wikt:en:defenderet#Latin|defenderet]];
**<small>(移動先の丘陵が)</small>それ自体を<small>(沼地という天然の)</small>要害により守っているという地の利に納得させられたのだ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:上記の se <u>ipsum</u> munitione defenderet 「そのものを防御物によって守る」は主要写本 ω の記述で、<br>''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Bentley,_Thomas|Th. Bentley]]'' は se <u>ipse sine</u> munitione defenderet 「そのものが防御物なしで守る」と修正提案している。)</span>
:
; 騎兵は、湿地帯での任務に適していない
*<!--❹--><sup>(4)</sup> [[wikt:en:eques#Latin|equitum]] vero [[wikt:en:opera#Latin|operam]]
**騎兵たちの働きはまさに、
*neque in loco [[wikt:en:paluster#Latin|palustri]] [[wikt:en:desiderari#Latin|desiderari]] [[wikt:en:debuisse#Latin|debuisse]]
**沼沢地において望まれるべきものではなかったし、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:湿地・沼地では、ぬかるみに馬の足が取られるため、<br> 騎兵の長所である機動力が著しく低下し、<br> 速さを活かした偵察・突撃・迂回・追撃などがし難くなる。)</span>
*et [[wikt:en:illic#Adverb|illic]] fuisse [[wikt:en:utilis#Latin|utilem]], quo sint [[wikt:en:profectus#Participle_2|profecti]].
**<small>(騎兵たちが)</small>発って行ったところにおいては有効だったのだ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[#16節|16節]]冒頭の説明によれば、<br> ウェルキンゲトリークスが最初に宿営した場所は、<br> アウァーリクムから16マイル離れ、沼地や森林に守られていた。<br> [[#19節|19節]]では、より近い、沼地に囲まれたゆるやかな丘陵に移動したという。<br> この移動前後の地勢の優劣を、カエサルは必ずしも明瞭に説明していない。)</span>
:
; 兵は拙速を尊ぶ
*<!--❺--><sup>(5)</sup> [[wikt:en:summa#Latin|Summam]] [[wikt:en:imperium#Latin|imperii]]
**<small>(軍勢の)</small>最高司令権は、
*se [[wikt:en:consulto#Adverb|consulto]] [[wikt:en:nullus#Latin|nulli]] [[wikt:en:discedens#Latin|discedentem]] [[wikt:en:tradidisse#Latin|tradidisse]],
**<small>(ウェルキンゲトリークス)</small>自らが意図的に、立ち去るに当たって、誰にも委託しなかった。
*[[wikt:en:ne#Latin|ne]] is [[wikt:en:multitudo#Latin|multitudinis]] [[wikt:en:studium#Latin|studio]] ad [[wikt:en:dimicandus#Latin|dimicandum]] [[wikt:en:impelleretur#Latin|impelleretur]];
**その者が大勢の熱意によって<small>(ローマ人と)</small>闘うことに駆り立てられないように、である。
*cui rei <u>propter animi [[wikt:en:mollities#Latin|mollitiem]]</u> [[wikt:en:studere#Latin|studere]] omnes [[wikt:en:videret#Latin|videret]],
**その事<small>〔闘って決着を付けること〕</small>を、<u>心の柔弱さのゆえに</u>、皆が求めたがっている。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:「心の柔弱さのゆえに、闘いがしたくなる」というのは、<br> 一見すると奇妙に感じられるが、ここでの柔弱さ([[wikt:en:mollities#Latin|mollities]])とは、<br> 長期の攻囲戦の労苦や疲弊に持ちこたえる忍耐力のなさを指し、<br> 長い苦難から逃避するために早期決戦を志向する心理を意味すると考えられる。)</span>
*quod [[wikt:en:diutius#Latin|diutius]] [[wikt:en:labor#Latin|laborem]] ferre non [[wikt:en:possent#Latin|possent]].
**──というのは、<small>(兵は)</small>より長く<small>(攻囲戦の)</small>労苦に耐えることができないからだ──。
**:<span style="color:#009900;"> (訳注:[[w:孫子 (書物)|孫子]]に曰く「兵は拙速を聞くも、未だ巧の久しきを<ruby><rb>睹</rb><rp>(</rp><rt>み</rt><rp>)</rp></ruby>ざるなり」<ref>[[wikt:en:故に兵は拙速を聞くも、未だ巧の久しきを睹ざるなり|故に兵は拙速を聞くも、未だ巧の久しきを睹ざるなり]]
「戦争というものは、拙劣に短期決戦を挑んだ事例は聞くが、巧妙に長期戦を続けた事例は聞かない」の意。長い戦争は人々を消耗させ、疲弊させてしまう。</ref>)</span>
:
; ローマ人は、闘わずに退却したではないか
*<!--❻--><sup>(6)</sup> Romani si [[wikt:en:casu#Latin|casu]] [[wikt:en:intervenerint#Latin|intervenerint]], [[wikt:en:fortuna#Latin|fortunae]],
**もしローマ人たちが偶然に現われたのならば、命運に<small>(感謝するべきであり)</small>、
*si [[wikt:en:alicuius#Latin|alicuius]] [[wikt:en:indicium#Latin|indicio]] [[wikt:en:vocatus#Latin|vocati]], huic [[wikt:en:habendus#Latin|habendam]] [[wikt:en:gratia#Latin|gratiam]],
**もし<small>(ローマ人たちが)</small>何者かの申し立てに呼ばれて来たのならば、その者に感謝するべきだ。
*quod <u>et</u> [[wikt:en:paucitas#Latin|paucitatem]] eorum ex loco [[wikt:en:superior#Latin|superiore]] [[wikt:en:cognosco#Latin|cognoscere]]
**──というのは、より高い位置から彼ら<small>〔ローマ人〕</small>の少なさを知ることも、
*<u>et</u> [[wikt:en:virtus#Latin|virtutem]] [[wikt:en:despicio#Latin|despicere]] [[wikt:en:potuerint#Latin|potuerint]],
**<small>(ローマ人の)</small>武勇とやらを見下すこともできたのだから。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:et ~ et …「~も…も」)</span>
*qui [[wikt:en:dimico#Latin|dimicare]] non [[wikt:en:ausus#Participle|ausi]]
**彼ら<small>〔ローマ人〕</small>は闘うことをあえてせずに、
*[[wikt:en:turpiter#Latin|turpiter]] se in castra [[wikt:en:receperint#Latin|receperint]].
**見苦しくも陣営に退却したのだ──。
:
; ガッリア人が勝つのだから、カエサルに寝返るはずがない
*<!--❼--><sup>(7)</sup> [[wikt:en:imperium#Latin|Imperium]] se <u>ab</u> Caesare per [[wikt:en:proditio#Latin|proditionem]] [[wikt:en:nullus#Latin|nullum]] [[wikt:en:desidero#Latin|desiderare]],
**自分<small>〔ウェルキンゲトリークス〕</small>は、カエサルから裏切りを通じて、どのような司令権も望んではいない。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:上の (2) 項では、味方のガッリア人たちは、ウェルキンゲトリークスが<br> カエサルにより [[wikt:en:regnum#Latin|regnum]](王権、支配権)を得ようとしていると非難したのに対し、<br> 彼は [[wikt:en:imperium#Latin|imperium]](軍隊司令権、または支配権)という言葉を巧妙に引きずって答えている。<br> もちろん、言葉を変えたのは、筆者カエサル自身であろう。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ab はα系写本の記述で、β系写本では a となっている。)</span>
*quod habere [[wikt:en:victoria#Latin|victoria]] [[wikt:en:posset#Latin|posset]],
**<small>(支配権は、ローマ人に対する)</small>勝利によって得られるものであり、
*quae iam esset sibi atque omnibus [[wikt:en:Galli#Latin|Gallis]] [[wikt:en:exploratus#Latin|explorata]];
**<small>(勝利は)</small>もはや自分とすべてのガッリア人にとって確実なものとされているのだ。
*quin etiam ipsis <u>remittere</u>,
**いやそればかりか<small>(以下の様であれば、ガッリア人たち)</small>自身に<small>(司令官職を)</small>返還しているだろう。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部の [[wikt:en:remitto#Latin|remittere]] は、写本Sの記述および ''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Stephanus_(Estienne)|Stephanus]]'' や ''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Vascosanus|Vascosanus]]'' による修正提案で、<br> β系・χ系写本・写本B・M・L・N では [[wikt:en:remitteret#Latin|remitteret]] となっている。)</span>
*si sibi <u>magis</u> [[wikt:en:honor#Latin|honorem]] [[wikt:en:tribuo#Latin|tribuere]], <u>quam</u> ab se [[wikt:en:salus#Latin|salutem]] [[wikt:en:accipio#Latin|accipere]] [[wikt:en:videantur#Latin|videantur]].
**もし<small>(ガッリア人が)</small>自分から安全を受け取っているよりも、むしろ顕職を自分に授けていると思っているのならば、だが。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:magis#Latin|magis]] ~, quam …「…というよりは、むしろ~」)</span>
:
; 捕虜のローマ人たちに訊いてみなさい
*<!--❽--><sup>(8)</sup> <!--▲直接話法--><span style="background-color:#e8e8ff;"> <span style="color:#009900;">«</span> Haec ut [[wikt:en:intellegatis#Latin|intellegatis]], <span style="color:#009900;">»</span> </span> [[wikt:en:inquit#Latin|inquit]], <!--▲直接話法--><span style="background-color:#e8e8ff;"> <span style="color:#009900;">«</span> a me [[wikt:en:sincere#Latin|sincere]] [[wikt:en:pronuntiari#Latin|pronuntiari]], [[wikt:en:audite#Latin|audite]] [[wikt:en:Romanus#Adjective|Romanos]] [[wikt:en:miles#Latin|milites]]. <span style="color:#009900;">»</span> </span>
**「これらは諸君が理解しているように、私により率直に示された。ローマ兵たちに聞いてみよ」と言った。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:<!--▲直接話法--><span style="background-color:#e8e8ff;"> <span style="color:#009900;">«</span> ~ <span style="color:#009900;">»</span> </span> の箇所は、直接話法で記されている。)</span>
:
*<!--❾--><sup>(9)</sup> [[wikt:en:producit#Latin|Producit]] [[wikt:en:servus#Latin|servos]], quos in [[wikt:en:pabulatio#Latin|pabulatione]] paucis ante diebus [[wikt:en:exceperat#Latin|exceperat]] et [[wikt:en:fames#Latin|fame]] [[wikt:en:vinculum#Latin|vinculis]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:excruciaverat#Latin|excruciaverat]].
**数日前に糧秣徴発しているのを<small>(彼が)</small>ひっ捕らえて、飢えと鎖で拷問していたところの奴隷たちを引き出す。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[wikt:en:calo#Noun_5|cālō]] カーロー(軍属奴隷)と呼ばれる輜重や陣営を管理する奴隷たちのことであろう。)</span>
:
*<!--❿--><sup>(10)</sup> Hi iam ante [[wikt:en:edoctus#Latin|edocti]], quae [[wikt:en:interrogatus#Latin|interrogati]] [[wikt:en:pronuntiarent#Latin|pronuntiarent]],
**彼ら<small>〔奴隷〕</small>は、すでに前もって<small>(ガッリア勢から)</small>訊問された際に語ることを<small>(ローマ人から)</small>教え込まれており、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:カエサルは奴隷たちが誰に教え込まれたのか明記していないため、<br> ウェルキンゲトリークスに教え込まれたと訳している場合もある。)</span>
*[[wikt:en:miles#Latin|milites]] se esse [[wikt:en:legionarius#Latin|legionarios]] [[wikt:en:dicunt#Latin|dicunt]];
**自分たちは[[w:軍団兵|軍団兵]]であると言った。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:糧秣徴発に出かけていた者は、たとえ軍団兵でも軽装であったであろうが、<br> 奴隷たちは、もともと戦争で捕虜になったガッリア人たち等であったと考えられるので、<br> 地中海人種のローマ人とは容易に見分けが付きそうなものではある。)</span>
*[[wikt:en:fames#Latin|fame]] <u>et</u> [[wikt:en:inopia#Noun_2|inopia]] [[wikt:en:adductus#Latin|adductos]] [[wikt:en:clam#Latin|clam]] ex castris [[wikt:en:exisse#Latin|exisse]], si [[wikt:en:aliquis#Latin|quid]] [[wikt:en:frumentum#Latin|frumenti]] aut [[wikt:en:pecus#Latin|pecoris]] in agris [[wikt:en:reperio#Latin|reperire]] [[wikt:en:possent#Latin|possent]];
**<small>(奴隷たち曰く)</small>飢えと欠乏に動かされて、何か穀物または家畜が野に見出せないかと、ひそかに陣営から抜け出した。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:et はα系写本の記述で、β系写本では atque となっている。)</span>
:
*<!--⓫--><sup>(11)</sup> [[wikt:en:similis#Latin|simili]] omnem [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitum]] [[wikt:en:inopia#Noun_2|inopia]] [[wikt:en:premi#Latin|premi]],
**<small>(ローマ人の)</small>全軍隊が同様の欠乏に悩まされて、
*<u>nec</u> iam [[wikt:en:vis#Latin|vires]] [[wikt:en:sufficio#Latin|sufficere]] [[wikt:en:quisquam#Latin|cuiusquam]] <u>nec</u> ferre [[wikt:en:opus#Latin|operis]] [[wikt:en:labor#Latin|laborem]] posse;
**もはや<small>(兵士の)</small>誰もが十分な能力がなく、<small>(城攻めの)</small>作業の労苦に耐えることができない。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:nec ~ nec …「~でもなく、…でもない」)</span>
*itaque [[wikt:en:statuisse#Latin|statuisse]] [[wikt:en:imperator#Latin|imperatorem]], si [[wikt:en:nihil#Latin|nihil]] in [[wikt:en:oppugnatio#Latin|oppugnatione]] oppidi <u>profecissent</u>, [[wikt:en:triduum#Latin|triduo]] [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitum]] [[wikt:en:deduco#Latin|deducere]].
**こうして将軍<small>〔カエサル〕</small>は、もし城塞都市の攻略において何ら得られないならば、3日間で軍隊を連れ帰ると決めた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、写本S・L・Nでは [[wikt:en:profecissent#Latin|profecissent]]<sub> (3人称・<u>複数</u>・過去完了・接続法)</sub> だが、<br> β系写本では [[wikt:en:profecisset#Latin|profecisset]]<sub> (3人称・<u>単数</u>・過去完了・接続法)</sub> となっており、<br> χ系および写本B・Mでは proficissent という綴りになっている。)</span>
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--⓬--><sup>(12)</sup> <!--▲直接話法--><span style="background-color:#e8e8ff;"> <span style="color:#009900;">«</span> Haec, <span style="color:#009900;">»</span> </span> [[wikt:en:inquit#Latin|inquit]], <!--▲直接話法--><span style="background-color:#e8e8ff;"> <span style="color:#009900;">«</span> a me, <span style="color:#009900;">»</span> </span> [[wikt:en:Vercingetorix#Latin|Vercingetorix]],
**「これぞ」「私によって」とウェルキンゲトリークスは言った。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:以下、<!--▲直接話法--><span style="background-color:#e8e8ff;"> <span style="color:#009900;">«</span> ~ <span style="color:#009900;">»</span> </span> の箇所は、直接話法で記されている。)</span>
*<!--▲直接話法--><span style="background-color:#e8e8ff;"> <span style="color:#009900;">«</span> [[wikt:en:beneficium#Latin|beneficia]] [[wikt:en:habetis#Latin|habetis]], quem [[wikt:en:proditio#Latin|proditionis]] [[wikt:en:insimulatis#Verb|insimulatis]];
**「裏切りだと諸君が糾弾している<small>(私という)</small>者のおかげで得ているのだ。
*<!--➡直接話法--><span style="background-color:#e8e8ff;"> cuius [[wikt:en:opera#Latin|opera]] sine [[wikt:en:vester#Latin|vestro]] [[wikt:en:sanguis#Latin|sanguine]]
**その<small>(私という)</small>者の尽力により、諸君らの流血なしに、
*<!--➡直接話法--><span style="background-color:#e8e8ff;"> tantum [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitum]] [[wikt:en:victor#Latin|victorem]] [[wikt:en:fames#Latin|fame]] <u>paene</u> [[wikt:en:consumptus#Latin|consumptum]] [[wikt:en:videtis#Latin|videtis]];
**これほどの軍隊の勝利者<small>〔ローマ人〕</small>を飢えにより、ほとんど滅ぼしたのを諸君は見ているのだ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:paene は β系写本の記述で、α系写本にはない。)</span>
*<!--➡直接話法--><span style="background-color:#e8e8ff;"> quem [[wikt:en:turpiter#Latin|turpiter]] se ex <u>hac</u> fuga [[wikt:en:recipiens#Latin|recipientem]]
**彼ら<small>〔ローマ人〕</small>が見苦しくもこのような逃亡から退却したところを、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:hac は β系写本の記述で、α系写本にはない。)</span>
*<!--➡直接話法--><span style="background-color:#e8e8ff;"> ne [[wikt:en:aliqua#Pronoun|qua]] [[wikt:en:civitas#Latin|civitas]] suis finibus [[wikt:en:recipiat#Latin|recipiat]],
**<small>(それらの退却したローマ人を)</small>どの部族も自らの領土に受け入れないように、
*<!--➡直接話法--><span style="background-color:#e8e8ff;"> a me [[wikt:en:provisus#Latin|provisum]] est. <span style="color:#009900;">»</span> </span>
**私<small>〔ウェルキンゲトリークス〕</small>により、手配された。」
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===21節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/21節]] {{進捗|00%|2026-05-10}}</span>
;ウェルキンゲトリークスの誠心とアウァーリクムの重要性を確認
:
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:conclamat#Latin|Conclamat]] omnis [[wikt:en:multitudo#Latin|multitudo]]
**群集すべてが雄叫びを上げて、
*et suo [[wikt:en:mos#Latin|more]] [[wikt:en:arma#Latin|armis]] [[wikt:en:concrepat#Latin|concrepat]],
**自分たちの慣習で武具を打ち鳴らす。
*quod facere in eo [[wikt:en:consuerunt#Verb_2|consuerunt]], cuius [[wikt:en:oratio#Latin|orationem]] [[wikt:en:adprobant#Latin|adprobant]];
**<small>(演説した)</small>その者の雄弁に賛同したら、その者に対してそれをすることが常であったのだ。
*summum esse [[wikt:en:Vercingetorix#Latin|Vercingetorigem]] [[wikt:en:dux#Latin|ducem]],
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は最高の将帥であり、
*<u>nec</u> de eius [[wikt:en:fides#Latin|fide]] [[wikt:en:dubitandus#Latin|dubitandum]],
**彼の信義については疑念を抱くべきではなく、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:nec#Latin|nec]] ~, nec …「~でもないし、…でもない」)</span>
*<u>nec</u> [[wikt:en:maior#Latin|maiore]] [[wikt:en:ratio#Latin|ratione]] bellum [[wikt:en:administrari#Latin|administrari]] posse.
**これ以上の作戦で戦争を指導することはできない<small>(と、叫んで武具を打ち鳴らす)</small>。
:
*<!--❷--><sup>(2)</sup> [[wikt:en:statuunt#Latin|Statuunt]], ut decem<sub> (X)</sub> milia hominum [[wikt:en:delectus#Latin|delecta]] ex omnibus [[wikt:en:copiae#Latin|copiis]] in oppidum <u>mittantur</u>,
**<small>(彼らは)</small>すべての軍勢から選り抜かれた兵員1万を<small>(アウァーリクムの)</small>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]の中に派遣すると決定する。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:mittantur#Latin|mittantur]] だが、<br> β系写本では [[wikt:en:submittantur#Latin|submittantur]] となっている。)</span>
:
*<!--❸--><sup>(3)</sup> nec [[wikt:en:solus#Latin|solis]] [[wikt:en:Bituriges#Latin|Biturigibus]] [[wikt:en:communis#Latin|communem]] [[wikt:en:salus#Latin|salutem]] [[wikt:en:committendus#Latin|committendam]] [[wikt:en:censent#Latin|censent]],
**<small>(ガッリア)</small>共通の安全をビトゥリゲース族だけに託すべきではないと考える。
*quod <u>penes eos</u>, si id oppidum [[wikt:en:retinuissent#Latin|retinuissent]],
**というのは、<u>彼らのもとで</u>、その城塞都市を維持したか否かが、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、<br> 主要写本ω では [[wikt:en:penes#Latin|penes]] eos 「彼らのもとで」だが、<br> オックスフォード写本 ''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Codex_Oxoniensis_Andino|codd. Andino. Oxon.]]'' や ''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Aldus|Aldus]]'' は paene in eo 「ほぼそのことにおいて」としている。)</span>
*[[wikt:en:summa#Latin|summam]] victoriae [[wikt:en:consto#Latin|constare]] [[wikt:en:intellegebant#Latin|intellegebant]].
**勝利の天王山を確かなものにすること、を理解していたからである。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===22節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/22節]] {{進捗|00%|2026-06-01}}</span>
;アウァーリクムの籠城ガッリア勢が坑道戦で攻防に努める
:
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:singularis#Latin|Singulari]] [[wikt:en:miles#Latin|militum]] nostrorum [[wikt:en:virtus#Latin|virtuti]]
**我が方<small>〔ローマ勢〕</small>の兵士の卓越した武勇に、
*[[wikt:en:consilium#Latin|consilia]] [[wikt:en:quisque#Latin|cuiusque]] [[wikt:en:modus#Latin|modi]] [[wikt:en:Galli#Latin|Gallorum]] [[wikt:en:occurrebant#Latin|occurrebant]],
**<small>(敵勢は)</small>ガッリア人のあらゆる流儀の方策で抗戦していた。
*ut est summae [[wikt:en:genus#Latin|genus]] [[wikt:en:sollertia#Latin|sollertiae]]
**確かに<small>(ガッリア人は)</small>このうえなく器用な種族であり、
*atque ad [[wikt:en:omnia#Noun|omnia]] [[wikt:en:imitandus#Latin|imitanda]] et [[wikt:en:efficiendus#Latin|efficienda]], quae ab [[wikt:en:quisque#Latin|quoque]] [[wikt:en:traduntur#Latin|traduntur]], [[wikt:en:aptissimus#Latin|aptissimum]].
**誰かによって教えられることすべてを模倣すること、造り出すことにとても適しているのだ。
:
; 鉄鉱山の土地柄で、坑道戦を展開する
*<!--❷--><sup>(2)</sup> Nam <u>et</u> [[wikt:en:laqueus#Latin|laqueis]] [[wikt:en:falx#Latin|falces]] [[wikt:en:avertebant#Latin|avertebant]],
**すなわち、輪縄で<small>(ローマ勢の)</small>破城鎌をそらし、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:et ~, et …「~でもあり、…でもある」)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:破城鎌([[w:en:Falx|falx]])については、右図や[[ガリア戦記 第5巻#42節|第5巻42節]]を参照)</span>
[[画像:Falx_bgiu.png|thumb|right|250px|破城鎌([[w:en:Falx|falx]])の想像画(再掲)]]
[[画像:Doura_Europos_tunnel.jpg|thumb|right|250px|ローマ支配下の城砦跡に残る[[w:坑道|坑道]]の例(シリアの[[w:ドゥラ・エウロポス|ドゥラ・エウロポス]]遺跡)。[[w:サーサーン朝|サーサーン朝]]軍が[[w:坑道戦|坑道戦]]のために掘削したと考えられている。]]
*quas, cum [[wikt:en:destinaverant#Latin|destinaverant]],
**それを縛り付けておいてから、
*[[wikt:en:tormentum#Latin|tormentis]] [[wikt:en:introrsus#Latin|introrsus]] [[wikt:en:reducebant#Latin|reducebant]],
**巻揚げ機で<small>(城塞都市の)</small>内部に引き込んでいたし、
*<u>et</u> [[wikt:en:agger#Latin|aggerem]] [[wikt:en:cuniculus#Latin|cuniculis]] [[wikt:en:subtrahebant#Latin|subtrahebant]],
**<small>(ローマ勢の)</small><ruby><rb>[[w:アッゲル|土塁]]</rb><rp>(</rp><rt>アッゲル</rt><rp>)</rp></ruby> を[[w:坑道|坑道]]によって陥没させたりもした。
*<u>eo</u> [[wikt:en:scienter#Latin|scientius]]
**<small>(以下の理由により、彼らはそのことに)</small>より習熟しているのだ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:eo#Pronoun_5|eō]] ~ [[wikt:en:quod#Conjunction|quod]] …「…という理由で~」)</span>
*<u>quod</u> apud eos magnae sunt [[wikt:en:ferraria#Latin|ferrariae]]
**──というのも、彼らのもとには多くの[[w:鉄鉱石|鉄鉱]]山があり、
*atque [[wikt:en:omnis#Latin|omne]] [[wikt:en:genus#Latin|genus]] [[wikt:en:cuniculus#Latin|cuniculorum]] [[wikt:en:notus#Latin|notum]]
**坑道のあらゆる類いが知られていて
*atque [[wikt:en:usitatus#Latin|usitatum]] est.
**慣れていただけに<small>(習熟しているのだ)</small>。──
:
; アウァーリクムの全周に防御のための櫓を建てる
*<!--❸--><sup>(3)</sup> [[wikt:en:totus#Latin|Totum]] autem [[wikt:en:murus#Latin|murum]] ex omni parte
**他方で、城壁の全体をあらゆる方向から、
*[[wikt:en:turris#Latin|turribus]] [[wikt:en:contabulaverant#Latin|contabulaverant]]
**<ruby><rb>[[w:攻城塔|攻城櫓]]</rb><rp>(</rp><rt>トゥッリス</rt><rp>)</rp></ruby>を<small>(何層にも)</small>構築しておいて、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:動詞 [[wikt:en:contabulo#Latin|contabulare]] は「板張りする」。[[内乱記_第2巻#9節|『内乱記』第2巻9節]]には [[wikt:en:contabulatio#Latin|contabulatio]]「床板張り」という単語が出て来る。)</span>
*atque has [[wikt:en:corium#Latin|coriis]] [[wikt:en:intexerant#Latin|intexerant]].
**これらを皮革で覆っていた。
:
*<!--❹--><sup>(4)</sup> Tum [[wikt:en:creber#Latin|crebris]] [[wikt:en:diurnus#Latin|diurnis]] [[wikt:en:nocturnus#Latin|nocturnis]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:eruptio#Latin|eruptionibus]]
**それから、たびたび昼間も夜間も出撃して、
*aut [[wikt:en:agger#Latin|aggeri]] [[wikt:en:ignis#Latin|ignem]] [[wikt:en:inferebant#Latin|inferebant]]
**あるいは土塁に火災を引き起こしたり、
*aut [[wikt:en:miles#Latin|milites]] [[wikt:en:occupatus#Latin|occupatos]] in [[wikt:en:opus#Latin|opere]] [[wikt:en:adoriebantur#Latin|adoriebantur]],
**あるいは工事に従事している<small>(ローマ人)</small>兵士たちを襲撃したりした。
[[画像:University_of_Queensland_Pitch_drop_experiment-white_bg.jpg|thumb|right|200px|<ruby><rb>[[w:ピッチ (樹脂)|樹脂]]</rb><rp>(</rp><rt>ピッチ</rt><rp>)</rp></ruby>の滴下実験の様子(豪州[[w:クイーンズランド大学|クイーンズランド大学]])。[[w:木材|木材]]を密閉加熱すると[[w:木炭|木炭]]が得られるが、その残り物から[[w:乾留液#木タール|木タール]]を[[w:蒸留|蒸留]]させた残り<ruby><rb>滓</rb><rp>(</rp><rt>かす</rt><rp>)</rp></ruby>がピッチである。樹木から得られるピッチは、黒色で[[w:粘度|粘っこく]]、高温で燃焼する。中世ヨーロッパでは城砦の防衛に使用され、城壁に近づく敵の上から熱したピッチを注いで焼死させたりしたという([[w:fr:Poix (matière)|fr:poix]])。]]
*et nostrarum [[wikt:en:turris#Latin|turrium]] [[wikt:en:altitudo#Latin|altitudinem]],
**我が方<small>〔ローマ勢〕</small>の[[w:攻城塔|攻城櫓]]の高さを、
*[[wikt:en:quantum#Latin|quantum]] has [[wikt:en:cotidianus#Latin|cotidianus]] agger [[wikt:en:expresserat#Latin|expresserat]],
**毎日のようにこれらを<small>(ローマ側の)</small>土塁が押し出した分だけ、
*[[wikt:en:commissus#Latin|commissis]] suarum [[wikt:en:turris#Latin|turrium]] [[wikt:en:malus#Noun_5|malis]] [[wikt:en:adaequabant#Latin|adaequabant]],
**自分たち<small>〔ガッリア勢〕</small>の櫓を、柱を組み立てることにより、<small>(ローマ側の櫓の高さと)</small>等しくしようとした。
:
*<!--❺--><sup>(5)</sup> et [[wikt:en:apertus#Latin|apertos]] [[wikt:en:cuniculus#Latin|cuniculos]]
**<small>(ローマ勢が掘削した)</small>坑道の露出したところを
*[[wikt:en:praeustus#Latin|praeusta]] et [[wikt:en:praeacutus#Latin|praeacuta]] [[wikt:en:materia#Latin|materia]]
**先端を焼いて尖らせた木材や、
*et [[wikt:en:pix#Latin|pice]] [[wikt:en:fervefactus#Latin|fervefacta]]
**熱した<ruby><rb>[[w:ピッチ (樹脂)|樹脂]]</rb><rp>(</rp><rt>ピッチ</rt><rp>)</rp></ruby>や、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:pix は<ruby><rb>[[w:歴青|瀝青]]</rb><rp>(</rp><rt>れきせい</rt><rp>)</rp></ruby>と訳されることもあるが、とくに[[w:ピッチ (樹脂)|ピッチ]]を指す<ref>[https://kotobank.jp/word/%E6%9C%A8%E3%81%9F%E3%83%BC%E3%82%8B-3173189 木タール] などを蒸留したあとに残る黒色の物質。</ref>。<br> [[w:歴青|瀝青]]は「ビチューメン」ともいい、ラテン語の [[wikt:en:bitumen#Latin|bitūmen]] に由来する。<br> [[w:ピッチ (樹脂)|ピッチ]]([[w:en:Pitch (resin)|Pitch]])は、ラテン語の [[wikt:en:pix#Latin|pix]] に由来する。)</span>
*et [[wikt:en:maximus#Latin|maximi]] [[wikt:en:pondus#Latin|ponderis]] [[wikt:en:saxum#Latin|saxis]] [[wikt:en:morabantur#Etymology_1|morabantur]]
**たいへんな重さの岩石で、<small>(ローマ勢の掘削を)</small>滞らせたり、
*[[wikt:en:moenia#Latin|moenibus]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:adpropinquo#Latin|adpropinquare]] [[wikt:en:prohibebant#Latin|prohibebant]].
**<small>(ローマ勢が)</small>城壁に接近することを<small>(ガッリア勢が)</small>妨げたりしていた。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===23節===
{{Commons|Category:Murus gallicus|Murus gallicus}}
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/23節]] {{進捗|00%|2026-06-14}}</span>
;ガッリア式城壁の構造
:
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:murus#Latin|Muri]] autem omnes [[wikt:en:Gallicus#Latin|Gallici]] hac fere [[wikt:en:forma#Latin|forma]] sunt.
**ところで、ガッリアの<ruby><rb>城壁</rb><rp>(</rp><rt>ムルス</rt><rp>)</rp></ruby>のすべては、ほぼ以下のような形態である。
:
; 木材を2ペースずつ等間隔で離して、ずっと並べていく
*<u>Trabes</u> [[wikt:en:derectus#Latin|derectae]] [[wikt:en:perpetuus#Latin|perpetuae]] <u>in longitudinem</u>
**<u><ruby><rb>木材</rb><rp>(</rp><rt>トラプス</rt><rp>)</rp></ruby></u>が<small>(城壁の)</small><u><ruby><rb>長手方向</rb><rp>(</rp><rt>ロンギトゥードー</rt><rp>)</rp></ruby></u>に、<small>(垂直に)</small>真っ直ぐに、ずっと続いて、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:trabs#Latin|trabes]] は、とくに梁のような水平材を指していると思われる。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:in [[wikt:en:longitudo#Latin|longitudinem]] は、ここでは、城壁に沿った長手方向を指す。)</span>
[[画像:Murus gallicus de Lyon Fourvière - Maquette de Nicolas Hirsch - Service Archéologique de la Ville de Lyon - Détail structure.jpg|thumb|right|300px|ガッリア式城壁の[[w:ジオラマ|ジオラマ]](仏[[w:リヨン|リヨン市]]考古学局)。木材を約60cmの間隔で並べる。]]
*[[wikt:en:par#Latin|paribus]] [[wikt:en:intervallum#Latin|intervallis]], [[wikt:en:distans#Latin|distantes]] inter se [[wikt:en:binus#Latin|binos]] [[wikt:en:pes#Latin|pedes]],
**等間隔で、互いに2<u>ペース</u>ずつ離れて、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:1[[ガイウス・ユリウス・カエサルの著作/通貨・計量単位#ペース|ペース]]は約29.6cmで、2ペースは約60 cm弱。)</span>
*in [[wikt:en:solum#Latin|solo]] [[wikt:en:conlocantur#Latin|conlocantur]].
**<ruby><rb>地面</rb><rp>(</rp><rt>ソルム</rt><rp>)</rp></ruby>に配置される。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:右の画像を参照。)</span>
:
; 木材をつなぎ合わせ、土砂を埋めて、石材をかぶせる
[[画像:2018 Rheinisches Landesmuseum Trier, Keltischer Wehrmauer.jpg|thumb|right|300px|同じく城壁のジオラマ(独[[w:トリーア|トリーア市]])。]]
*<!--❷--><sup>(2)</sup> [[wikt:en:hae#Latin|Hae]] [[wikt:en:revinciuntur#Latin|revinciuntur]] [[wikt:en:introrsus#Latin|introrsus]]
**これら<small>〔木材〕</small>は、内側で緊結されて、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:明瞭な説明ではなく、肝心な記述が欠落している。<br> 上記の2ペースずつ等間隔で並べられた平行な木材は、<br> 節末で述べられるような40ペースの長い木材によって<br> 井桁状に組み合わされて、鉄の釘で固定されたようである。<br> 右上と右のジオラマの画像を参照。)</span>
*et [[wikt:en:multus#Latin|multo]] [[wikt:en:agger#Latin|aggere]] [[wikt:en:vestiuntur#Latin|vestiuntur]];
**多くの<ruby><rb>土砂</rb><rp>(</rp><rt>アッゲル</rt><rp>)</rp></ruby>で覆われる。
*ea autem, quae [[wikt:en:diximus#Verb|diximus]], [[wikt:en:intervallum#Latin|intervalla]]
**さらに、前述した<small>(2ペースの)</small>間隔には、
*[[wikt:en:grandis#Latin|grandibus]] in [[wikt:en:frons#Latin:_forehead|fronte]] [[wikt:en:saxum#Latin|saxis]] <u>efferciuntur</u>.
**前面に大きな<ruby><rb>石塊</rb><rp>(</rp><rt>サクスム</rt><rp>)</rp></ruby>が詰め込まれる。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、ρ系写本・写本V では [[wikt:en:efferciuntur#Latin|efferciuntur]] と表記され、<br> α系写本・写本T では [[wikt:en:effarciuntur#Latin|effarciuntur]] と表記されるが、<br> [[w:母音弱化|母音弱化]]の語形である前者の方が、共和制末期のカエサルが用いたと考えられる。)</span>
[[画像:Keltenmauer.gif|thumb|right|280px|ガッリア式城壁の構成図(上が側面、中が上面、下が前面)。木材を水平な井桁状に並べて[[w:釘|釘]]で緊結し、土砂で覆って何層にも重ね、前面には石をはめ込む。井桁状の骨組によって[[w:破城槌|破城槌]]など横からの力(水平荷重)に耐えられるように工夫されている。]]
:
*<!--❸--><sup>(3)</sup> His [[wikt:en:conlocatus#Latin|conlocatis]] et [[wikt:en:coagmentatus#Latin|coagmentatis]]
**<u>これら</u>が配置されて結び合わされると、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:<u>これら</u> とは、上述の木材や石材のこと。)</span>
*alius [[wikt:en:insuper#Latin|insuper]] [[wikt:en:ordo#Latin|ordo]] [[wikt:en:additur#Latin|additur]],
**上に別の<ruby><rb>階層</rb><rp>(</rp><rt>オルドー</rt><rp>)</rp></ruby>が付け加えられる。
*ut idem illud [[wikt:en:intervallum#Latin|intervallum]] [[wikt:en:servetur#Latin|servetur]],
**その同じ<small>(2ペースの)</small>間隔が保たれて、
*neque inter se [[wikt:en:contingant#Latin|contingant]] [[wikt:en:trabs#Latin|trabes]],
**かつ<ruby><rb>木材</rb><rp>(</rp><rt>トラプス</rt><rp>)</rp></ruby>が互いに接触しないように、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:上下の層の水平材どうしが接触しないように、<br> 互い違いに並べているようである。)</span>
*sed [[wikt:en:par#Latin|paribus]] [[wikt:en:intermissus#Latin|intermissae]] [[wikt:en:spatium#Latin|spatiis]] [[wikt:en:singulus#Latin|singulae]]
**けれども、等間隔で間をあけられたそれぞれ<small>(の木材)</small>は、
*[[wikt:en:singulus#Latin|singulis]] [[wikt:en:saxum#Latin|saxis]] [[wikt:en:interiectus#Latin|interiectis]]
**それぞれの<ruby><rb>石塊</rb><rp>(</rp><rt>サクスム</rt><rp>)</rp></ruby>が間に挟まれることによって、
*[[wikt:en:arte#Adverb|arte]] [[wikt:en:contineantur#Latin|contineantur]].
**緊密に連結される。
:
*<!--❹--><sup>(4)</sup> Sic [[wikt:en:deinceps#Latin|deinceps]] omne [[wikt:en:opus#Latin|opus]] [[wikt:en:contexitur#Latin|contexitur]], [[wikt:en:dum#Latin|dum]] [[wikt:en:iustus#Latin|iusta]] [[wikt:en:murus#Latin|muri]] [[wikt:en:altitudo#Latin|altitudo]] [[wikt:en:expleatur#Latin|expleatur]].
**このように、<ruby><rb>城壁</rb><rp>(</rp><rt>ムルス</rt><rp>)</rp></ruby>の十分な高さが満たされるまで、すべての<ruby><rb>工作物</rb><rp>(</rp><rt>オプス</rt><rp>)</rp></ruby>が続けて組み立てられる。
[[画像:Bibracte_murus_gallicus1.jpg|thumb|right|300px|ガッリア式城壁の[[w:ジオラマ|ジオラマ]](仏[[w:ビブラクテ|ビブラクテ]]遺跡のケルト文明博物館)。この構造形式はカエサルの記述から「[[w:ムルス・ガリクス|ムルス・ガリクス]](ガッリア壁)」と呼ばれるが、ガッリアに限らず、[[w:鉄器時代|鉄器時代]]末期すなわちBC1世紀頃の後期[[w:ラ・テーヌ文化|ラ・テーヌ文化]]が及んだ各地に遺構として残る。木材どうしを緊結するために数百トンもの[[w:鉄|鉄]]の[[w:釘|釘]]を用いているのが大きな特徴で、[[w:鉄#製錬|製鉄]]・[[w:鋳造|鋳造]]技術の発達を示す。]]
:
; ガッリア式城壁は、外観が見事で、城塞都市の防御にも有益
:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:以下、cum ~ tum … の構文「~だけでなく、また…でもある」。)</span>
*<!--❺--><sup>(5)</sup> Hoc <u>cum</u> in [[wikt:en:species#Latin|speciem]] [[wikt:en:varietas#Latin|varietatem]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:opus#Latin|opus]] [[wikt:en:deformis#Latin|deforme]] non est [[wikt:en:alternus#Latin|alternis]] [[wikt:en:trabs#Latin|trabibus]] ac [[wikt:en:saxum#Latin|saxis]],
**<ruby><rb>この</rb><rp>(</rp><rt>ホク</rt><rp>)</rp></ruby><ruby><rb>工作物</rb><rp>(</rp><rt>オプス</rt><rp>)</rp></ruby>は、互い違いの<ruby><rb>木材</rb><rp>(</rp><rt>トラプス</rt><rp>)</rp></ruby>と<ruby><rb>石塊</rb><rp>(</rp><rt>サクスム</rt><rp>)</rp></ruby>により、変化に富む外観において不格好でなく、
*quae [[wikt:en:rectus#Latin|rectis]] [[wikt:en:linea#Latin|lineis]] suos [[wikt:en:ordo#Latin|ordines]] [[wikt:en:servant#Latin|servant]],
**──それら<small>〔木材と石〕</small>は真っ直ぐな線により、その<ruby><rb>階層</rb><rp>(</rp><rt>オルドー</rt><rp>)</rp></ruby>を保っているのだが──
*<u>tum</u> ad [[wikt:en:utilitas#Latin|utilitatem]] et [[wikt:en:defensio#Latin|defensionem]] [[wikt:en:urbs#Latin|urbium]]
**同様に、都市の防御の有益性のためにも、
*summam [[wikt:en:habet#Latin|habet]] [[wikt:en:opportunitas#Latin|opportunitatem]],
**きわめて好都合となっている。
*quod et ab [[wikt:en:incendio#Latin|incendio]] [[wikt:en:lapis#Latin|lapis]] et ab [[wikt:en:aries#Latin|ariete]] [[wikt:en:materia#Latin|materia]] [[wikt:en:defendit#Latin|defendit]],
**──というのは、<ruby><rb>石材</rb><rp>(</rp><rt>ラピス</rt><rp>)</rp></ruby>が火災からも、<ruby><rb>材木</rb><rp>(</rp><rt>マーテリア</rt><rp>)</rp></ruby>が<ruby><rb>[[w:破城槌|破城槌]]</rb><rp>(</rp><rt>はじょうつい</rt><rp>)</rp></ruby>からも、防護しており、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:et ~ et …「~でもあり、…でもある」)</span>
*quae [[wikt:en:perpetuus#Latin|perpetuis]] [[wikt:en:trabs#Latin|trabibus]] [[wikt:en:pes#Latin|pedes]] [[wikt:en:quadragenus#Latin|quadragenos]] [[wikt:en:plerumque#Adverb|plerumque]] [[wikt:en:introrsus#Latin|introrsus]] [[wikt:en:revinctus#Latin|revincta]]
**それ<small>〔短手方向の材木〕</small>は、たいてい40<u>ペース</u>にわたって<small>(長手方向に)</small>続く<ruby><rb>木材</rb><rp>(</rp><rt>トラプス</rt><rp>)</rp></ruby>により内部で緊結されており、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:1[[ガイウス・ユリウス・カエサルの著作/通貨・計量単位#ペース|ペース]]は約29.6cmで、40ペースは約12メートル。)</span>
*neque [[wikt:en:perrumpi#Latin|perrumpi]] neque [[wikt:en:distrahi#Latin|distrahi]] potest.
**突破されることも、引きはがされることもできないからである。──
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===24節===
[[画像:Avaricum_westpoint_july_2006.jpg|thumb|right|350px|[[w:アウァリクム包囲戦|アウァーリクム攻略戦]]の[[w:ジオラマ|ジオラマ]]<small>([[w:陸軍士官学校 (アメリカ合衆国)|米国陸軍士官学校]]博物館)</small>。ローマ軍の<ruby><rb>[[w:アッゲル|土塁]]</rb><rp>(</rp><rt>アッゲル</rt><rp>)</rp></ruby>は、城壁(奥)の手前に材木と土砂を積み重ねた構築物が築き上げられ、左右の土手道をそれぞれ4層の[[w:攻城塔|攻城櫓]]が城壁に迫る。土塁の周辺には<ruby><rb>[[w:ウィネア|工作小屋]]</rb><rp>(</rp><rt>ウィネア</rt><rp>)</rp></ruby>(vinea)を多数つないだ通路(坑道)が延びている。手前には2台の<ruby><rb>投射機</rb><rp>(</rp><rt>スコルピオ</rt><rp>)</rp></ruby>が見える。]]
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/24節]] {{進捗|00%|2026-06-15}}</span>
;ローマ勢が徹夜の土塁工事、籠城ガッリア勢の攻勢
:
; ローマ勢が、25日間で大がかりな攻城設備を構築する
*<!--❶--><sup>(1)</sup> His [[wikt:en:tot#Latin|tot]] rebus [[wikt:en:impeditus#Latin|impedita]] [[wikt:en:oppugnatio#Latin|oppugnatione]]
**これら多くの事情により攻囲が妨げられて、
*[[wikt:en:miles#Latin|milites]],
**兵士たちは、
*cum [[wikt:en:totus#Etymology_1|toto]] tempore <u>luto</u> [[wikt:en:frigus#Latin|frigore]] et [[wikt:en:adsiduus#Latin|adsiduis]] [[wikt:en:imber#Latin|imbribus]] <u>tardarentur</u>,
**常時、<ruby><rb><u>泥土</u></rb><rp>(</rp><rt>ルトゥム</rt><rp>)</rp></ruby>、寒さと絶え間ない<ruby><rb>雨嵐</rb><rp>(</rp><rt>イムベル</rt><rp>)</rp></ruby>によって遅らせられていたが、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部の [[wikt:en:lutum#Latin|luto]] は、β系写本の記述で、<br> α系写本にはない。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部の二つ目は、<br> χ系・β系写本では [[wikt:en:tardarentur#Latin|tardarentur]] だが、<br> 写本B・M・Sでは traderentur、<br> 写本L・Nでは terrerentur などとなっている。)</span>
*tamen [[wikt:en:continens#Adjective|continenti]] [[wikt:en:labor#Latin|labore]] omnia haec [[wikt:en:superaverunt#Latin|superaverunt]]
**しかしながら、絶え間ない労働によってこれらすべてに打ち克って、
*et diebus XXV<small> ([[wikt:en:quinque#Latin|quinque]] et [[wikt:en:viginti#Latin|viginti]])</small>
**25日間で、
*[[wikt:en:agger#Latin|aggerem]] [[wikt:en:latus#Latin:_wide|latum]] [[wikt:en:pes#Latin|pedes]] CCCXXX<small> ([[wikt:en:trecenti#Latin|trecenti]] [[wikt:en:triginta#Latin|triginta]])</small>, [[wikt:en:altus#Latin|altum]] pedes LXXX<small> ([[wikt:en:octoginta#Latin|octoginta]])</small> [[wikt:en:exstruxerunt#Latin|exstruxerunt]].
**幅330<u>ペース</u>、高さ80<u>ペース</u>の<ruby><rb>[[w:アッゲル|土塁]]</rb><rp>(</rp><rt>アッゲル</rt><rp>)</rp></ruby>を築き上げた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:1[[ガイウス・ユリウス・カエサルの著作/通貨・計量単位#ペース|ペース]]は約29.6cmで、幅330ペースは約98メートル。高さ80ペースは約24メートル。)</span>
:
; アウァーリクムに籠城するガッリア勢が、攻囲するローマ勢の土塁に夜襲をしかける
*<!--❷--><sup>(2)</sup> Cum is [[wikt:en:murus#Latin|murum]] hostium paene [[wikt:en:contingeret#Latin|contingeret]],
**それ<small>〔ローマ側の土塁〕</small>が敵の城壁にほとんど接しようとしていたとき、
*et Caesar ad [[wikt:en:opus#Latin|opus]] [[wikt:en:consuetudo#Latin|consuetudine]] [[wikt:en:excubaret#Latin|excubaret]]
**かつ、カエサルが習慣により作業のそばで寝ずの番をしていて、
*[[wikt:en:miles#Latin|milites]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:hortaretur#Latin|hortaretur]], ne [[wikt:en:aliquod#Latin|quod]] [[wikt:en:omnino#Latin|omnino]] [[wikt:en:tempus#Latin|tempus]] ab [[wikt:en:opus#Latin|opere]] [[wikt:en:intermitteretur#Latin|intermitteretur]],
**いかなる時も作業がまったく中断されないように、と兵士たちを励ましていたときに、
*paulo ante tertiam [[wikt:en:vigilia#Latin|vigiliam]]
**第三夜警時の少し前に、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:第三夜警時は、真夜中から日の出までの時間帯の前半。「未明」<br> [[古代ローマの不定時法#夜警時|#夜警時]] を参照。)</span>
*est [[wikt:en:animadversus#Participle|animadversum]] [[wikt:en:fumo#Latin|fumare]] [[wikt:en:agger#Latin|aggerem]],
**土塁に煙が上がっていることが気付かれた。
*quem [[wikt:en:cuniculus#Latin|cuniculo]] hostes [[wikt:en:succenderant#Latin|succenderant]];
**<small>(その土塁を)</small>[[w:坑道|坑道]]によって敵たちが焼き討ちしていたものである。
:
*<!--❸--><sup>(3)</sup> [[wikt:en:idem#Latin|eodem]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:tempus#Latin|tempore]]
**そして同時に、
*[[wikt:en:totus#Latin|toto]] [[wikt:en:murus#Latin|muro]] [[wikt:en:clamor#Latin|clamore]] [[wikt:en:sublatus#Latin:_raised|sublato]],
**<small>(アウァーリクムの)</small>城壁全体で雄叫びが上がって、
*duabus portis ab [[wikt:en:uterque#Latin|utroque]] [[wikt:en:latus#Latin:_side|latere]] [[wikt:en:turris#Latin|turrium]]
**二つの城門より、<small>(ローマ勢の)</small>[[w:攻城塔|攻城櫓]]の両方の側面から
*[[wikt:en:eruptio#Latin|eruptio]] [[wikt:en:fiebat#Latin|fiebat]].
**<small>(ガッリア勢による)</small>突撃がなされていた。
:
*<!--❹--><sup>(4)</sup> Alii [[wikt:en:fax#Latin|faces]] atque [[wikt:en:aridus#Latin|aridam]] <u>materiam</u> de [[wikt:en:murus#Latin|muro]] in [[wikt:en:agger#Latin|aggerem]] [[wikt:en:eminus#Latin|eminus]] [[wikt:en:iaciebant#Latin|iaciebant]],
**<small>(ガッリア勢の)</small>他の者たちは、<ruby><rb>[[w:たいまつ|松明]]</rb><rp>(</rp><rt>たいまつ</rt><rp>)</rp></ruby>および乾いた材木を、城壁から<small>(ローマ側の)</small>土塁に、遠くから投げ込んで、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、β系写本では [[wikt:en:materiam#Latin|materiam]] だが、<br> α系写本では [[wikt:en:materiem#Latin|materiem]] となっている。<br> 文法学者[[w:カエサレアのプリスキアヌス|プリスキアーヌス]]は、カエサルの文法書 "De Analogia" について materiam と引用している。)</span>
*[[wikt:en:pix#Latin|picem]] [[wikt:en:reliquus#Latin|reliquas]]<nowiki>que</nowiki> res, quibus [[wikt:en:ignis#Latin|ignis]] [[wikt:en:excitari#Latin|excitari]] potest, [[wikt:en:fundebant#Latin|fundebant]],
**<ruby><rb>[[w:ピッチ (樹脂)|樹脂]]</rb><rp>(</rp><rt>ピッチ</rt><rp>)</rp></ruby>や、火を燃え立たせられるほかのもの<small>〔可燃物〕</small>を注ぎ込んだ。
*ut, [[wikt:en:quo#Latin:_where|quo]] primum <u>curreretur</u> aut cui rei [[wikt:en:ferretur#Latin|ferretur]] [[wikt:en:auxilium#Latin|auxilium]],
**それで、まずどこに駆け付けるのか、あるいはどの事態に支援がなされるのか、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:curreretur#Latin|curreretur]] だが、<br> β系写本では [[wikt:en:occurreretur#Latin|occurreretur]] となっている。)</span>
*vix [[wikt:en:ratio#Latin|ratio]] [[wikt:en:iniri#Latin|iniri]] posset.
**<small>(ローマ兵には)</small>ほとんど分別され得なかった。
:
*<!--❺--><sup>(5)</sup> Tamen, quod [[wikt:en:institutum#Latin|instituto]] Caesaris <u>semper duae</u> [[wikt:en:legio#Latin|legiones]] pro [[wikt:en:castra#Latin|castris]] [[wikt:en:excubabant#Latin|excubabant]]
**しかしながら、カエサルの定めにより常に2個[[w:ローマ軍団|軍団]]が陣営の前に寝ずの番をしていたので、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本の語順では semper duae だが、<br> β系写本の語順では duae semper となっている。)</span>
*[[wikt:en:plus#Latin|plures]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:partitus#Latin|partitis]] [[wikt:en:tempus#Latin|temporibus]] erant in [[wikt:en:opus#Latin|opere]],
**かつ、より多くの者たちが時間を割り当てられて作業していたので、
*celeriter [[wikt:en:factus#Latin|factum]] est,
**<small>(防戦は)</small>速やかになされた。
*ut <u>alii</u> [[wikt:en:eruptio#Latin|eruptionibus]] [[wikt:en:resisterent#Latin|resisterent]],
**ある者たちは<small>(ガッリア勢の)</small>突撃に抵抗しており、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:alii ~ alii …「~する者もいれば、…する者もいる。」)</span>
*<u>alii</u> [[wikt:en:turris#Latin|turres]] [[wikt:en:reducerent#Latin|reducerent]]
**別のある者たちは[[w:攻城塔|攻城櫓]]を引き戻して、
*[[wikt:en:agger#Latin|aggerem]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:interscinderent#Latin|interscinderent]],
**土塁を<small>(城壁側から)</small>切り離していた。
*omnis vero ex [[wikt:en:castra#Latin|castris]] [[wikt:en:multitudo#Latin|multitudo]] ad [[wikt:en:restinguendum#Verb|restinguendum]] [[wikt:en:concurreret#Latin|concurreret]].
**さらに陣営から大勢の皆が、消火するために急ぎ集まっていた。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===25節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/25節]] {{進捗|00%|2026-06-29}}</span>
;籠城ガッリア勢が必死の防戦
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--❶--><sup>(1)</sup> Cum in omnibus locis, <u>[[wikt:en:consumptus#Latin|consumpta]] iam reliqua parte noctis</u>, [[wikt:en:pugnaretur#Latin|pugnaretur]],
**<u>すでに夜も明けて</u>、至る所で戦われていたときに、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部の直訳は「すでに夜の残りの部分も費やされて」。)</span>
*[[wikt:en:semper#Latin|semper]]<nowiki>que</nowiki> hostibus [[wikt:en:spes#Latin|spes]] [[wikt:en:victoria#Latin|victoriae]] [[wikt:en:redintegraretur#Latin|redintegraretur]],
**かつ、常に敵たちにとって勝利の希望が蘇っており、
*<u>eo magis, quod</u> [[wikt:en:deustus#Latin|deustos]] [[wikt:en:pluteus#Latin|pluteos]] [[wikt:en:turris#Latin|turrium]] [[wikt:en:videbant#Latin|videbant]] nec facile [[wikt:en:adire#Latin|adire]] [[wikt:en:apertus#Latin|apertos]] ad [[wikt:en:auxiliandum#Verb|auxiliandum]] [[wikt:en:animadvertebant#Latin|animadvertebant]],
**<span style="font-family:Times New Roman;font-size:11pt;">[[w:攻城塔|攻城櫓]]の<ruby><rb>障壁</rb><rp>(</rp><rt>プルテウス</rt><rp>)</rp></ruby>が<ruby><rb>焼き落された</rb><rp>(</rp><rt>デウストゥス</rt><rp>)</rp></ruby>のを見ていて、<ruby><rb>身を曝した者</rb><rp>(</rp><rt>アペルトゥス</rt><rp>)</rp></ruby>たちが救援のために容易に近づけないのに気付いていた<u>のでなおさらだったが</u>、</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:eo magis, quod …「…であるから、それだけなおさら~」。)</span>
*[[wikt:en:semper#Latin|semper]]<nowiki>que</nowiki> ipsi [[wikt:en:recens#Adjective|recentes]] [[wikt:en:defessus#Latin|defessis]] [[wikt:en:succederent#Latin|succederent]]
**常に彼ら自身<small>〔籠城ガッリア勢〕</small>は新たな者たちが疲れ果てた者たちに交代しており、
*[[wikt:en:omnis#Latin|omnem]]<nowiki>que</nowiki> Galliae [[wikt:en:salus#Latin|salutem]] <u>in illo [[wikt:en:vestigium#Latin|vestigio]] temporis [[wikt:en:positus#Participle|positam]] <span style="color:#009900;"><small>(esse)</small></span></u> [[wikt:en:arbitrarentur#Latin|arbitrarentur]],
**ガッリアのすべての安全が、<u>その瞬間にかかっている</u>と思われていたので、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部の直訳は「その時の足跡(瞬間)に置かれている」。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:以上の cum ~ arbitrarentur, が状況や理由を説明する副文で、以下が主文となっている。)</span>
*[[wikt:en:accidit#Etymology_1|accidit]] [[wikt:en:inspectans#Latin|inspectantibus]] nobis,
**我が方<small>〔ローマ勢〕</small>が見ているなかで起こったのは、
*[[wikt:en:quod#Pronoun|quod]] [[wikt:en:dignus#Latin|dignum]] [[wikt:en:memoria#Latin|memoria]] [[wikt:en:visus#Participle|visum]] [[wikt:en:praetereundus#Latin|praetereundum]] non [[wikt:en:existimavimus#Latin|existimavimus]].
**記憶に値すると思われたことを<small>(我がローマ勢が)</small>見過ごすべきではないと考えていたことである。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:この主文の主語を省略せずに記せば、以下のようになる。<br> [id], quod dignum memoria visum [esse] praetereundum [esse] non existimavimus.)</span>
[[画像:048_Conrad_Cichorius,_Die_Reliefs_der_Traianssäule,_Tafel_XLVIII_(Ausschnitt 01).jpg|thumb|right|250px|<ruby><rb>[[w:スコルピオ|投射機]]</rb><rp>(</rp><rt>スコルピオー</rt><rp>)</rp></ruby>を操作する[[w:ダキア人|ダキア人]]の彫刻([[w:トラヤヌスの記念柱|トラヤヌス帝の記念柱]]に刻まれた[[w:レリーフ|レリーフ]])。]]
[[画像:Balliste_fireing.jpg|thumb|right|250px|<ruby><rb>[[w:スコルピオ|投射機]]</rb><rp>(</rp><rt>スコルピオー</rt><rp>)</rp></ruby>([[w:en:Scorpio (dart-thrower)|Scorpio]])の現代における復元。]]
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--❷--><sup>(2)</sup> Quidam ante portam oppidi Gallus, <u>qui</u>
**城塞都市のその門の前に、<small>(1人の)</small>ガッリア人が、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部の qui は、β系写本の記述で、α系写本にはない。)</span>
*per manus sebi ac picis traditas [[wikt:en:glaeba#Latin|glaebas]] in ignem e regione turris proiciebat:
**手づてに渡された獣脂や<ruby><rb>[[w:ピッチ (樹脂)|樹脂]]</rb><rp>(</rp><rt>ピッチ</rt><rp>)</rp></ruby>の塊を、攻城櫓に向けて、火炎の中に投げ込んだが、
*scorpione ab latere dextro traiectus exanimatus<nowiki>que</nowiki> concidit.
**<ruby><rb>[[w:スコルピオ|投射機]]</rb><rp>(</rp><rt>スコルピオー</rt><rp>)</rp></ruby>で右の横腹を射られて、息絶えて倒れた。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--❸--><sup>(3)</sup> Hunc ex proximis unus iacentem transgressus
**彼が倒れているのを、すぐ近くの者たちのうちの1人が乗り越えて、
*eodem illo munere fungebatur;
**その同じ任務を果たした。
*Eadem ratione ictu scorpionis exanimato alteri
**同じやり方で<ruby><rb>[[w:スコルピオ|投射機]]</rb><rp>(</rp><rt>スコルピオー</rt><rp>)</rp></ruby>の射撃で息絶えさせられた第2の者に
*successit tertius et tertio quartus,
**第3の者が交代し、第3の者に第4の者が代わった。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--❹--><sup>(4)</sup> nec prius ille est a [[wikt:en:propugnator#Latin|propugnatoribus]] vacuus relictus locus
**その場は、防戦者たちによって空にしておかれなかった。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:nec prius ~ quam …「…までは~でない」)</span>
*quam restincto aggere atque <u>omni ex parte</u> submotis hostibus finis est pugnandi factus.
**<ruby><rb>[[w:アッゲル|土塁]]</rb><rp>(</rp><rt>アッゲル</rt><rp>)</rp></ruby>が鎮火されて、そのすべての方面で敵たちが撃退されて、戦いに決着が付けられるまでは。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、omni <u>ex</u> parte は ''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Ciacconius|Ciacconius]]'' による修正で、<br> α系写本では omni <u>ea</u> parte <br> β系写本では omni parte となっている。)</span>
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===26節===
'''アウァーリクム脱出の企て、女たちの絶叫'''
: <!-- [[wikt:en:| -->
*① Omnia experti Galli, quod res nulla successerat,
**ガッリア人たちはあらゆることを企てたが、何ら事が成功しなかったので、
*postero die consilium ceperunt ex oppido profugere,
**(戦いの夜が明けて)翌日には、(アウァーリクムの)城塞都市から退避する計画を立てた。
*hortante et iubente [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorige]].
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]によって促され、命じられたものであった。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*② Id silentio noctis conati non magna iactura suorum sese effecturos sperabant,
**それを夜の静けさのうちに試みても、味方に大きな犠牲もなく、自分たちは成し遂げるだろうと期待した。
*propterea quod neque longe ab oppido castra Vercingetorigis aberant,
**それというのも、(アウァーリクムの)城塞都市からウェルキンゲトリークスの陣営はあまり離れていなかったし、
*et palus, quae perpetua<ref>, quae perpetua はα系写本の記述で、β系写本では perpetua, quae となっている。</ref> intercedebat, Romanos ad insequendum tardabat.
**沼地も絶え間なく介在していて、ローマ人たちの追跡を遅らせた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:neque ~ et …「~ではなく、…である」)</span>
: <!-- [[wikt:en:| -->
*③ Iamque hoc<ref>hoc と校訂されているが、たいていの写本ωでは haec となっている。</ref> facere noctu apparabant,
**すでに、これを実行することを夜間に準備していた。
*cum matres familiae repente in publicum procurrerunt
**そのときに家庭の母親たちが不意に公の場に走り出て来て、
*flentesque proiectae ad pedes suorum omnibus precibus petierunt,
**泣きながら、身内のものたちの足元に(身を)投げ出して、あらゆる懇願でもって頼んだ。
*ne se et communes liberos hostibus ad supplicium dederent,
**自分たちと(身内に)共通の子供たちを敵に処刑されることのために引き渡さないで。
*quos<ref>quos はα系写本の記述で、β系写本では quas となっている。</ref> ad capiendam fugam naturae et virium infirmitas impediret.
**それらの者たちが逃げるためには、性質や体力の弱さが、妨げるのだ。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*④ Ubi eos in sententia perstare viderunt,
**彼ら(男たちが)意向に固執していると(女たちは)見て取ったときに、
*quod plerumque in summo periculo timor misericordiam non recipit,
**というのは、たいていは最高の危険においては、怖れが同情を受け入れないものであるが、
*conclamare et significare de fuga Romanis coeperunt.
**(女たちは)叫び声を上げて、ローマ人たちに(男たちの)逃亡について知らしめ始めた。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*⑤ Quo timore perterriti Galli,
**それによって、怖れに脅かされたガッリア人たちは、
*ne ab equitatu Romanorum viae praeoccuparentur, consilio destiterunt.
**ローマ人の[[w:騎兵|騎兵隊]]によって道を先取されないように、計画を取り止めた。
===27節===
'''ローマ軍が大雨の中で城壁を占拠'''
: <!-- [[wikt:en:| -->
*① Postero die Caesar promota turri perfectisque operibus, quae facere instituerat,
**翌日にカエサルは、(後退していた)[[w:攻城塔|攻城櫓]](の1基)が前進させられて、実施を定めていた作業が成し遂げられると、
*magno coorto imbre<ref>imbre はα系写本の記述だが、β系写本では imbri となっている。</ref> non inutilem hanc ad capiendum consilium tempestatem arbitratus est,<ref>arbitratus est, はα系写本の記述だが、β系写本では arbitratus, となっている。</ref>
**大雨が急に起こったが、作戦計画を立てるために、この天候は不利ではないと思われた。
*quod paulo incautius custodias in muro dispositas videbat,
**というのは、(アウァーリクムの)城壁に配備された守備兵たちが少しより油断していると見ていたのだ。
*suosque<ref>suosque はα系写本の記述だが、β系写本では suos quoque となっている。</ref> languidius in opere versari iussit et quid fieri vellet ostendit.
**配下の者たちには緩慢に作業に従事することを命じて、何がなされることを欲しているかを示した。
[[画像:Avaricum_westpoint_july_2006.jpg|thumb|right|300px|[[w:アウァリクム包囲戦|アウァーリクム攻略戦]]の[[w:ジオラマ|ジオラマ]](再掲;[[w:陸軍士官学校 (アメリカ合衆国)|米国陸軍士官学校]]博物館)。ローマ軍の<ruby><rb>[[w:アッゲル|土塁]]</rb><rp>(</rp><rt>アッゲル</rt><rp>)</rp></ruby>の周辺には、<ruby><rb>[[w:ウィネア|工作小屋]]</rb><rp>(</rp><rt>ウィネア</rt><rp>)</rp></ruby>(vinea)の両端を開いて多数つないだ廊下状の通路(坑道)が延びている。]]
: <!-- [[wikt:en:| -->
*② Legionibusque intra vineas in occulto expeditis,
**[[w:ローマ軍団|諸軍団]]が<ruby><rb>[[w:ウィネア|工作小屋]]</rb><rp>(</rp><rt>ウィネア</rt><rp>)</rp></ruby>の内側でひそかに戦備を整えており、
*cohortatus ut aliquando pro tantis laboribus fructum victoriae perciperent,
**やっと、これほどの労苦の見合う勝利の報酬を我がものとするように激励した。
*iis qui primi murum ascendissent, praemia proposuit militibusque signum dedit.
**一番乗りとして城壁に登った者たちには、恩賞を約束して、兵士たちに号令を発した。
*Illi subito ex omnibus partibus evolaverunt murumque celeriter compleverunt.
**彼ら(ローマ軍団兵)は不意にあらゆる方面から飛び出して、速やかに城壁を満たしたのだ。
===28節===
'''ローマ軍がアウァーリクムの市民4万人を大虐殺'''
: <!-- [[wikt:en:| -->
*① Hostes re nova perterriti, muro turribusque deiecti
**敵たち(籠城ガッリア勢)は新たな事態に脅かされて、(ローマ兵によって)城壁や櫓から追いやられて、
*in foro ac locis patentioribus cuneatim constiterunt
**<ruby><rb>広場</rb><rp>(</rp><rt>フォルム</rt><rp>)</rp></ruby>や開けた場所に楔状に留まった。
*hoc animo, ut, si qua ex parte obviam contra veniretur, acie instructa depugnarent.
**もし、どの方向から相対して対抗して来られても、戦列を整えて決戦しようという心積もりでいたのだ。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*② Ubi neminem in aequum locum sese demittere, sed toto undique muro circumfundi viderunt,
**(ローマ兵が)誰も平らな所に降りて来ず、しかし城壁全体の至る所で取り囲まれたことを見たときに、
*veriti, ne omnino spes fugae tolleretur,
**(籠城ガッリア勢は)逃亡のあらゆる希望を奪われないかと怖れて、
*abiectis armis ultimas oppidi partes continenti impetu petiverunt,
**武器を投げ捨てて、城塞都市の(ローマ勢から)最も遠くの方面を絶え間ない殺到によって求めた。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*③ parsque ibi, cum angusto exitu portarum se ipsi premerent, a militibus,
**ある一部の者たちはそこで、城門の狭い出口で自分たちで押し合っていたので、(軍団の)兵士たちによって(殺され)、
*pars iam egressa portis ab equitibus est interfecta.
**別の一部の者たちはすでに城門を出ていたが、(ローマ側の)[[w:騎兵|騎兵]]たちによって虐殺された。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*④ Nec fuit quisquam, qui praedae studeret.
**(ローマ勢には)略奪品を熱心に求める何者もいなかった。
*Sic et Cenabi<ref>Cenabi は、α系写本では Genabi 、T・V写本では Cenabensi などとなっている。</ref> caede et labore operis incitati
**このように、ケナブムの(ローマ市民の)殺害にも、(攻城)作業の労苦にも煽られて
**:<span style="color:#009900;">(訳注:カルヌーテース族によるローマ市民の殺害については[[#3節|3節]]を参照。)</span>
*non aetate confectis, non mulieribus, non infantibus pepercerunt.
**(ローマ勢は)年老いた者たちにも、妻女たちにも、幼児たちにも(虐殺することを)思いとどまらなかった。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ビトゥリゲース族はローマ市民の殺害には関与しておらず、報復される対象とするのは的外れである。</span>
**:<span style="color:#009900;">ましてや非戦闘員である老人・女性・子供たちまで殺戮するのは、戦争の狂気というしかない。)</span>
: <!-- [[wikt:en:| -->
*⑤ Denique ex omni eo<ref>eo はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> numero, qui fuit circiter milium XL(quadraginta),
**ついには、約40000名もいたすべての人員のうち、
*vix DCCC(octingenti), qui primo clamore audito se ex oppido eiecerunt<ref>eiecerunt はα系写本の記述で、β系写本では eiecerant となっている。</ref>,
**やっと800名が、はじめにどよめきを聞いて、城塞都市から急ぎ出ていたので、
*incolumes ad [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorigem]] pervenerunt.
**無傷のままで[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]のところへ到着した。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*⑥ Quos ille multa iam nocte silentio<ref>silentio はα系写本の記述で、β系写本にはない。</ref> sic<ref>sic はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> ex fuga excepit,
**その者たちを彼は、すでに夜も更けた静けさのうちに、逃亡から迎え入れた。
*veritus ne qua in castris ex eorum concursu et misericordia vulgi seditio oreretur<ref>oreretur は一部の写本の記述で、ほかの写本では oriretur となっている。</ref>,
**彼らの駆け込みや兵たちの同情から、陣営の中で何らかの騒動が生じないように怖れて、
*ut procul in via dispositis familiaribus suis principibusque civitatum
**(陣営の)遠くから途中で、自らの郎党たちや部族の領袖たちを配備して、
*disparandos deducendosque ad suos curaret,
**(敗走者たちを)味方のところへ分けて連れて行くようにさせた。
*quae cuique civitati pars castrorum ab initio obvenerat.
**陣営の各部分は、おのおのの部族にはじめから与えられていたのだ。
===29節===
[[画像:Vercingetorix stater CdM.jpg|thumb|right|250px|[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]の横顔が刻まれたガリアの金貨(パリの[[w:ビブリオテーク・ナショナル|仏国立図書館]]貨幣部蔵)]]
'''ウェルキンゲトリークスが演説で味方を鼓舞する'''
: <!-- [[wikt:en:| -->
*① Postero die concilio convocato consolatus cohortatusque est,
**(ウェルキンゲトリークスは)翌日に会合を召集して、(味方の者たちを)慰めて激励した。
*ne se admodum animo demitterent,
**あまり気を落とさないように、
*ne<ref>ne はα系写本の記述で、β系写本では neve となっている。</ref> perturbarentur incommodo.
**敗北により取り乱さないように、と。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*② Non virtute neque in acie vicisse Romanos,
**ローマ人たちが勝ったのは、武勇においてでも、(野戦の)戦場においてでもなく、
*sed artificio quodam et scientia oppugnationis,
**ある種の技巧および攻城戦の知識によるものであって、
*cuius rei fuerint ipsi imperiti.
**その事柄に(ガッリア勢)自身は通じていなかったのだ。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[ガリア戦記 第5巻#42節|第5巻42節]]では、ネルウィイ族らガッリア北部のベルガエ勢はローマ人の攻城術をまねていた。)</span>
: <!-- [[wikt:en:| -->
*③ Errare, si qui in bello omnes secundos rerum proventus exspectent.
**戦争においては、誰であれ万事、順調な成功を期待するのならば、誤りである。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*④ Sibi numquam placuisse Avaricum defendi,
**自分にとっては、アウァーリクムが防衛されることは決して気に入らなかった。
*cuius rei testes ipsos haberet;
**その事情の証人は(諸君ら)自身である。
*sed factum imprudentia Biturigum et nimia obsequentia reliquorum, uti hoc incommodum acciperetur.
**だが、ビトゥリゲース族の軽率さとほかの者たちが過度に意のままに従ったことにより、この敗北を蒙るようになったのだ。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*⑤ Id tamen se celeriter maioribus commodis sanaturum.
**しかしながら、それを自分が速やかに大いなる勝利によって埋め合わせよう。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*⑥ Nam quae ab reliquis Gallis civitates dissentirent,
**一方、(ウェルキンゲトリークスら)ほかのガッリア人たちとは意見を相異する諸部族、
*has sua diligentia adiuncturum atque unum consilium totius Galliae effecturum,
**彼らを自分の入念さにより加盟させるだろうし、全ガッリアの計画を一つにするだろう。
*cuius consensui ne orbis quidem terrarum possit obsistere;
**その協定には、全世界でさえ邪魔することはできない。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:ne quidem|ne ~ quidem]]「~でさえ…ない」)</span>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:orbis terrarum「全世界」)</span>
*idque se prope iam effectum habere.
**それを自分は、ほとんどすでに成し遂げたと思う。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*⑦ Interea aequum esse ab iis communis salutis causa impetrari,
**その間に(ガッリア)共通の安全のために、彼ら(ガッリア人たち)により(以下のように)遂げられることが好都合である。
*ut castra munire instituerent,
**陣営を防御することを実施するように、
*quo facilius repentinos hostium impetus sustinerent<ref>sustinerent はα系写本の記述で、β系写本では sustinere possent となっている。</ref>.
**それにより、敵たち(ローマ人)の予期せぬ襲撃により容易に持ちこたえられるように。
===30節===
'''ガッリア勢がウェルキンゲトリークスに心服し、希望を抱く'''
: <!-- [[wikt:en:| -->
*① Fuit haec oratio non ingrata Gallis,
**この演説は、ガッリア人たちには満更不快でもなかった。
*et maxime, quod ipse animo non defecerat tanto accepto incommodo
**というのは、とりわけ(ウェルキンゲトリークス)自身がこれほどの敗北を蒙っても気を落とさず、
*neque se<ref>se は写本にない記述だが、後の刊本で挿入された。</ref> in occultum abdiderat et conspectum multitudinis fugerat,
**秘密の場所に隠れたり、大勢の見ているところを逃れることがなかったからである。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*② plusque animo providere et praesentire existimabatur,
**(ウェルキンゲトリークスは)より多くのことを心に予見したり予感していると考えられた。
*quod re integra primo incendendum Avaricum, post deserendum censuerat.
**というのは、事態が定まらないのに、始めはアウァーリクムを焼かれるべきと、後には放棄するべきと考慮していたからだ。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*③ Itaque ut reliquorum imperatorum res adversae auctoritatem minuunt,
**こうして、ほかの将軍なら逆境が(彼の)影響力を減ずるのに、
*sic huius ex contrario dignitas incommodo accepto in dies augebatur.
**反対に彼の威厳は、敗北を蒙っても、日々において増されたのだ。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*④ Simul in spem veniebant eius adfirmatione de reliquis adiungendis civitatibus;
**同時に、彼の断言によって(彼らは)ほかの諸部族を加盟させることについて希望を抱いた。
*primumque eo tempore Galli castra munire instituerunt,
**そのときに初めて、ガッリア人たちは陣営を防御することを実施した。
*et sic sunt<ref>写本(ω)では sunt という記述だが、erant と修正する校訂版もある。</ref> animo consternati<ref>写本(ω)では consternati という記述だが、現代の校訂版では confirmati と修正されている。</ref>, homines insueti laboris,
**(陣営の防御という)努力に慣れていない人々が気持ちを駆り立てられた。
*ut omnia quae imperarentur sibi patienda et perferenda<ref>et perferenda はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> existimarent.
**自分たちにとって、命令されたことすべてを耐えるべきであり、成就するべきであると考えたほどであった。
===31節===
'''ウェルキンゲトリークスがほかの諸部族を勧誘し、兵力を補充する'''
: <!-- [[wikt:en:| -->
*① Nec minus quam est pollicitus [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]] animo laborabat, ut reliquas civitates adiungeret,
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は、約束したことに劣らず、ほかの諸部族を加盟させるように心から努力した。
*atque earum principes donis pollicitationibusque<ref>earum principes donis pollicitationibusque はβ系写本の記述で、α系写本では eas donis pollicitationibus となっている。</ref> adliciebat.
**その領袖たちに贈物を約束して、誘い込もうとした。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*② Huic rei idoneos homines deligebat,
**この事に適切な人物たちを(ウェルキンゲトリークスは)選び出して、
*quorum quisque aut oratione subdola aut amicitia facillime capere<ref>capere はχ・L写本の記述で、β系写本では capi となっている。</ref> posset.
**その者たちのおのおのは、巧妙な演説により、あるいは友情により、かなり容易に(同盟者を)得ることができた。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*③ Qui [[w:la:Avaricum Biturigum|Avarico]] expugnato refugerant, armandos vestiendosque curat;
**(ウェルキンゲトリークスは)[[w:アウァリクム|アウァーリクム]]が攻略されて逃げて来た者たちに、武装させ、服を着るようにさせた。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*④ simul, ut deminutae copiae redintegrarentur,
**同時に、減り衰えた軍勢が補完されるように、
*imperat certum numerum militum civitatibus, quem et quam ante diem in castra adduci velit,
**諸部族に、兵の一定の数をどれほど、かつ、どの日の前までに陣営に連れて来ることを欲するかを命令し、
*sagittariosque omnes, quorum erat permagnus numerus in Gallia<ref>numerus in Gallia はα系写本の記述で、β系写本では in Gallia numerus となっている。</ref>, conquiri et ad se mitti iubet.
**ガッリアにかなり多数がいた弓兵のすべてを、徴集して自分のところへ派遣することを命じた。
*His rebus celeriter id, quod Avarici deperierat, expletur.
**これらの事により、速やかに、アウァーリクムで壊滅していたそれ(らの軍勢)が補充された。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*⑤ Interim Teutomatus, Olloviconis filius, rex Nitiobrogum,
**その間に、オッロウィコの息子で、ニティオブロゲス族の王であるテウトマトゥスが、
*cuius pater ab senatu nostro amicus erat appellatus,
**その父(オッロウィコ)は、我が方(ローマ)の[[w:元老院 (ローマ)|元老院]]から友人と呼ばれていたのだが、
*cum magno equitum suorum numero et quos ex Aquitania conduxerat ad eum pervenit.
**自らの騎兵の多数および[[w:アクィタニア|アクィタニア]]から募っていた者たちとともに、彼(ウェルキンゲトリークス)のところへ到着した。
==ゲルゴウィア攻略戦、ハエドゥイー族の離反==
===32節===
'''ハエドゥイー族内紛の危機'''
*① Caesar [[w:la:Avaricum Biturigum|Avarici]] complures dies commoratus
**カエサルは、[[w:アウァリクム|アウァーリクム]]に幾日も留まって、
*summamque ibi copiam frumenti et reliqui commeatus nactus
**そこでかなり多量の糧食やほかの必需品を手に入れて、
*exercitum ex labore atque inopia refecit.
**軍隊を労苦や欠乏から回復させた。
*② Iam prope hieme confecta,
**すでに、ほぼ冬は過ぎ去り、
*cum ipso anni tempore ad gerendum bellum vocaretur et ad hostem proficisci constituisset,
**(カエサルが)まさにその時季に戦争を遂行することに呼び寄せられて、敵の方へ発つことを決意していたときに、
*sive eum ex paludibus silvisque elicere sive obsidione premere posset,
**あるいは(敵を)沼地や森林から誘い出せるか、あるいは包囲により圧倒することができるか、というときに、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:sive ~ sive …「あるいは~、あるいは…」)</span>
*legati ad eum principes [[w:la:Haedui|Haeduorum]] veniunt oratum,
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の領袖たちが使節として彼(カエサル)のところへ頼みにやって来た。
*ut maxime necessario tempore civitati subveniat;
**きわめて緊急の時に、部族を助けてくれるように、と。
*③ Summo esse in periculo rem,
**事態は最大の危機にある。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:以下は、ハエドゥイー族の救援要請(間接話法)である。)</span>
*quod, cum singuli magistratus antiquitus creari atque regiam potestatem annum<ref>annum はα系写本の記述で、β系写本では annuam となっている。</ref> obtinere consuessent,
**というのは、昔から一人ずつの統領が選出されて、一年ごとに支配権力に就くことが常であったのに、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[ガリア戦記 第1巻#16節|第1巻16節]]によれば、ウェルゴブレトゥス Vergobretus という最高官職が毎年選ばれて大権を司る。)</span>
*duo magistratum gerant et se uterque eorum legibus creatum esse<ref>creatum esse はα系写本の記述で、β系写本では creatum となっている。</ref> dicat.
**2名が統領を司り、彼らの双方ともに自分は法により(=合法的に)選出されたのであると言っているのだ。
*④ Horum esse alterum Convictolitavem, florentem et inlustrem adulescentem,
**彼らの一方は、[[w:コンウィクトリタウィス|コンウィクトリタウィス]]で、声望があり、秀でた青年である。
*alterum Cotum, antiquissima familia natum
**他方は、[[w:コトゥス|コトゥス]]で、とても古くからの家系に生まれて、
*atque ipsum hominem summae potentiae et magnae cognationis,
**自身も最大勢力と多くの縁戚関係をもつ人物であり、
*cuius frater Valetiacus proximo anno eundem magistratum gesserit.
**その兄弟[[w:ウァレティアクス|ウァレティアクス]]は前年に同じ統領を司っていたのである。
*Civitatem esse omnem in armis;
**部族は皆が武装している。
*divisum senatum, divisum populum, suas<ref>suas は中世までの写本(ω)で、近世の写本(ς)では in suas となっている。</ref> cuiusque eorum clientelas.
**評議会も分裂し、民衆も分裂し、彼ら(2名)の(それぞれの)庇護民となっている。
*Quodsi diutius alatur controversia, fore uti pars cum parte civitatis confligat;
**もしこれ以上、紛争が進められれば、部族の派閥と派閥が激突することになるであろう。
*Id ne accidat, positum in eius diligentia atque auctoritate.
**それが起こらないかは、彼(カエサル)の入念さと影響力にかかっている。
===33節===
'''カエサルがハエドゥイー族の権力をコンウィクトリタウィスに与える'''
*① Caesar, etsi a bello atque hoste discedere detrimentosum esse existimabat,
**カエサルは、戦争および敵から離れることが非常に不利であると考えていたのではあるが、
*tamen non ignorans, quanta ex dissensionibus incommoda oriri consuessent,
**しかしながら、不和からどれほどの災厄が生じることが常であるか、知らないではなかったし、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:etsi ~, tamen …「~ではあるが、しかしながら…」)</span>
*ne tanta et tam coniuncta populo Romano civitas,
**これほど大きく、これほどローマ人民と協同している(ハエドゥイーの)部族が、
*quam ipse semper aluisset omnibusque rebus ornasset,
**彼らのことを(カエサル)自身は常に助成して、かつあらゆる事柄で敬意を表していたのだが、
*ad vim atque arma descenderet,
**(彼らが内紛という)暴力や戦乱に沈み込まないように、
*atque ea pars, quae minus sibi confideret, auxilia a [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorige]] arcesseret,
**かつ、自分たちが劣勢だと確信している(ハエドゥイーの)一派が[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]の支援を招かないように、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ne ~ civitas, ~ descenderet, ~ arcesseret「~部族が、~沈まないように、~招かないように」)</span>
[[画像:FR-58-Decize29.JPG|thumb|right|250px|デケティア([[w:la:Decetia|Decetia]])すなわち現在のドスィーズ([[w:fr:Decize|Decize]])の景観。[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の版図であった[[w:ニエーヴル県|ニエーヴル県]]の南部にあり、リゲル川(現[[w:ロワール川|ロワール川]])のほとりに位置している。]]
*huic rei praevertendum existimavit et,
**この事態を(戦争よりも)優先されるべきと考えた。
*② quod legibus [[w:la:Haedui|Haeduorum]] iis, qui summum magistratum obtinerent, excedere ex finibus non liceret,
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の法により、最高の官職に就いている者は領土から出て行くことを許されないので、
*ne quid de iure aut de legibus eorum deminuisse videretur,
**(カエサルが)彼らの法令あるいは法制について何ら軽視したとは思われないように、
*ipse in Haeduos proficisci statuit
**自身がハエドゥイー族のところに出発することを決心した。
*senatumque omnem et quos inter controversia esset ad se [[w:la:Decetia|Decetiam]] evocavit.
**かつ、評議会の全員、および紛争が介在しているところの者たちをデケティアの自分のところへ呼び出した。
*③ Cum prope omnis civitas eo convenisset, docereturque
**部族のほぼすべての(主だった)者たちがそこに集まったときに、(以下のことが)報知された。
*paucis clam convocatis alio loco, alio tempore atque oportuerit, fratrem a fratre renuntiatum,
**わずかな者が密かに、あるべきはずとは別の場所、別の時に呼び集められて、兄により弟(の就位)が告げられたというのだ。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:前年に統領であった兄ウァレティアクスによって弟コトゥスの統領への就位が告げられたということであろう。)</span>
*cum leges duo<ref>duo はχ・B・M・S・β系写本の記述で、L・N写本では duos となっている。</ref> ex una familia vivo utroque non solum magistratus creari vetarent, sed etiam in senatu esse prohiberent,
**法は、一つの家族から2名が双方とも存命中に、統領に選出されるのを禁じるだけでなく、評議会にいることも禁止しているのに。
*Cotum imperium deponere coegit,
**(カエサルは)[[w:コトゥス|コトゥス]]に支配権を放棄することを強要した。
*Convictolitavem, qui per sacerdotes more civitatis intermissis magistratibus esset creatus,
**[[w:コンウィクトリタウィス|コンウィクトリタウィス]]は、統領が空位になったときに、部族の規則により、祭司を通じて選出されたので、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ここでいう祭司 sacerdos が[[ガリア戦記 第6巻#13節|第6巻13節]]以下で説明された[[w:ドルイド|ドルイド]]と同じか否かは不詳である。)</span>
*potestatem obtinere iussit.
**(カエサルは彼に)権力の座に就くことを命じた。
===34節===
'''ハエドゥイー族を動員し、ローマ軍をカエサルとラビエーヌスの二隊に分散'''
*① Hoc decreto interposito cohortatus Haeduos, ut
**この決定により仲裁して、(カエサルは)[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]に以下のように励ました。
*controversiarum ac dissensionis obliviscerentur
**(部族内部の)紛争や不和を忘れるように、
*atque omnibus omissis his rebus huic bello servirent
**かつ、これらすべての事情を度外視して、この(ウェルキンゲトリークスとの)戦争に尽くすように、
*eaque, quae meruissent, praemia ab se devicta Gallia exspectarent
**ガッリアが征服されたときには(彼らが)受けるに値する自分(カエサル)からの恩賞を期待するように、
*equitatumque omnem et peditum milia X(decem) sibi celeriter mitterent,
**(ハエドゥイー族の)騎兵隊のすべてと歩兵1万名を自分(カエサル)に速やかに派遣するように、
*quae in praesidiis rei frumentariae causa disponeret,
**それらは糧食供給のために守備隊として分けて置くものである、と。
[[画像:Brioude pont.JPEG|thumb|right|250px|エラウェル川([[w:la:Elaver|Elaver]])こと現在の[[w:アリエ川|アリエ川]](Allier)。ハエドゥイー族領の境辺りでリゲル川([[w:la:Liger|Liger]])こと現[[w:ロワール川|ロワール川]]([[w:fr:Loire (fleuve)|Loire]])に合流する。]]
*② exercitum in duas partes divisit:
**(カエサルは)軍隊を二つの方面軍に分けた。
*quattuor legiones in Senones Parisiosque [[w:la:Titus Labienus|Labieno]] ducendas dedit,
**4個[[w:ローマ軍団|軍団]]をセノネース族やパリスィイ族のところに率いて行くべく[[w:ティトゥス・ラビエヌス|ラビエーヌス]]に委ねた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ラビエーヌスのこの遠征については[[#57節|57節]]~62節で述べられる。)</span>
*sex ipse in Arvernos ad oppidum [[w:la:Gergovia|Gergoviam]] secundum flumen [[w:la:Elaver|Elaver]] duxit;
**6個を(カエサル)自身がアルウェルニー族のところの城塞都市ゲルゴウィアへエラウェル川に沿って率いて行った。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:エラウェル川 Elaver は現在の[[w:アリエ川|アリエ川]] Allier である。)</span>
*equitatus partem illi attribuit, partem sibi reliquit.
**騎兵隊の一部は彼(ラビエーヌス)に割り当てて、(残りの)部分は自分のもとに残した。
*③ Qua re cognita [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]] omnibus interruptis eius fluminis pontibus
**その事を知って、[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]はその川のすべての橋を破却しながら、
*ab altera fluminis parte iter facere coepit.
**川の別の側を行軍し始めた。
===35節===
'''カエサルが陽動によってエラウェル川に架橋、渡河する'''
*① Cum uterque utrimque exisset exercitus<ref>utrimque exisset exercitus はα系写本の記述で、β系写本では utrique esset exercitui となっている。</ref>, in conspectu, fereque e regione castris castra ponebant<ref>ponebant はα系写本の記述で、β系写本では poneret となっている。</ref>,
**(ガッリア勢とローマ勢の)軍隊の双方が互いに視界にあって、ほぼ真向かいに互いの陣営を設置したときに、
*dispositis exploratoribus, necubi effecto ponte Romani copias traducerent,
**(ウェルキンゲトリークスは)ローマ人の軍勢がどこにも橋を造って渡河しないように、偵察者たちを分けて置き、
*erat in magnis Caesaris<ref>Caesaris はα系写本などの記述で、π系写本などでは Caesari となっている。</ref> difficultatibus res,
**カエサルにとって事態は大きな困難になっていた。
*ne maiorem aestatis partem flumine impediretur,
**夏の大部分(の対岸の敵との交戦)が川により妨げられるのではないか、
*quod non fere ante autumnum [[w:la:Elaver|Elaver]] vado transiri solet.
**というのは、[[w:アリエ川|エラウェル川]]は秋の前はほとんど浅瀬を渡らない習わしであったからだ。
*② Itaque, ne id accideret, silvestri loco castris positis
**こうして、それが生じないように、森林地帯に陣営を設置した。
*e regione unius eorum pontium, quos [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]] rescindendos curaverat,
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]が切り裂かれるように手配していたところの橋の一つの真向かいに。
*postero die cum duabus legionibus in occulto restitit;
**翌日に、2個[[w:ローマ軍団|軍団]]とともに密かなところに留まった。
*③ reliquas copias cum omnibus impedimentis, ut consueverat, misit,
**残りの軍勢(=4個軍団)をすべての輜重とともに、通常のように、出発させた。
*captis<ref>写本(ω)では captis となっているが、Herald Fuchs の校訂版(1932年)では sic collocatis という記述が提案されている。etc.</ref> quibusdam cohortibus, uti numerus legionum constare videretur.
**軍団の数を保っていると(敵から)見られるように、いくつかの<ruby><rb>[[w:コホルス|歩兵大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>を含ませていた。
*④ His quam longissime possent egredi<ref>egredi はα系写本の記述で、β系写本では progredi となっている。</ref> iussis,
**彼ら(4個軍団)には、できる限り遠くまで前進することを命じた。
*cum iam ex diei tempore coniecturam ceperat<ref>ceperat はα系写本の記述で、β系写本では caperet となっている。</ref> in castra perventum,
**すでに、日の時刻から(彼らが)宿営地に到達したと(カエサルが)推測をしたときに、
*isdem sublicis, quarum pars inferior integra remanebat, pontem reficere coepit.
**(前述の)同じ橋杭は、そのより下方の部分が損なわれないで残っていたので、橋を修復し始めた。
*⑤ Celeriter effecto opere
**速やかに工事が成し遂げられて、
*legionibusque traductis et loco castris idoneo delecto
**(2個)軍団が渡河させられて、陣営に適切な地点を選んで、
*reliquas copias revocavit.
**残りの軍勢(=4個軍団)を呼び戻した。
*⑥ Vercingetorix re cognita,
**ウェルキンゲトリークスは事態を知って、
*ne contra suam voluntatem dimicare cogeretur,
**自らの意向に反して(ローマ勢と)争闘することを強いられないように、
*magnis itineribus antecessit.
**強行軍で(ゲルゴウィアに向けて)先行した。
===36節===
[[画像:FR-63-Gergovie.JPG|thumb|right|300px|[[w:ゲルゴウィア|ゲルゴウィア]]([[w:la:Gergovia|Gergovia]])すなわち現在のジェルゴヴィ高地([[w:fr:Plateau de Gergovie|Plateau de Gergovie]])の[[w:ピュイ=ド=ドーム県|ピュイ=ド=ドーム県]]県道978号(D978)からの眺望。19世紀の[[w:ウジェーヌ・ストッフェル|ウジェーヌ・ストッフェル]]大佐(colonel Eugène Stoffel)の発掘調査によって、城砦やローマ軍の溝の遺構などが発見され、当地がゲルゴウィアの古戦場だと確認された。]]
[[画像:Siège_GergovieI_-52.png|thumb|right|300px|ゲルゴウィアにおける両軍の布陣図。山の頂にある城塞都市に隣接してガッリア諸部族の陣営(黄色部分)、右方にローマ軍の大きな陣営(赤色部分)と左下にローマ軍の小さな陣営(赤色部分)が見える。推定される位置関係は19世紀の[[w:ウジェーヌ・ストッフェル|ストッフェル]]大佐の発掘調査に依拠しており、小陣営があった地点は現在のラ・ロシュ=ブランシュ([[w:fr:La Roche-Blanche (Puy-de-Dôme)|La Roche-Blanche]])だと考えられている。]]
'''両軍がゲルゴウィアの要衝に陣営を築く'''
*① Caesar ex eo loco quintis castris [[w:la:Gergovia|Gergoviam]] pervenit
**カエサルは(渡河した)その地点から5回目の宿営で[[w:ゲルゴウィア|ゲルゴウィア]]に到着した。
*equestrique eo die proelio levi facto,
**(到着した)その日に(ガッリア勢と)軽微な[[w:騎兵|騎兵]]戦を闘って、
*perspecto urbis situ, quae posita in altissimo monte omnes aditus difficiles habebat,
**山の非常に高いところに位置し、すべての接近路を困難なものとしている(ゲルゴウィアの)町の地勢を認識して、
*de expugnatione<ref>expugnatione はα系写本の記述で、β系写本では oppugnatione となっている。</ref> desperavit,
**(拙速に突撃するような)攻略については断念して、
*de obsessione non prius agendum constituit, quam rem frumentariam expedisset.
**糧食調達の整備をするより前には、攻囲について行なうべきでないと決心した。
*② At [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]], castris prope oppidum in monte<ref>in monte はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> positis,
**それに対して、[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は、山中の城塞都市の近くに陣営を設置して、
*mediocribus circum se intervallis separatim singularum civitatium<ref>civitatium はB・M・L・N写本の記述で、χ・S・β系写本では civitatum となっている。</ref> copias conlocaverat
**自陣の周りに、適切な間隔で個々の部族の軍勢を別々に駐屯させて、
*atque omnibus eius iugi collibus occupatis, qua despici poterat,
**その尾根のうち(山麓を)見下ろすことができたすべての丘陵を占有して、
*horribilem speciem praebebat;
**恐ろしげな姿を現わした。
*③ principesque earum civitatium<ref>civitatium はA・Q・B・M・L・N写本の記述で、Q・S・β系写本では civitatum となっている。</ref>, quos sibi ad consilium capiendum delegerat,
**(ウェルキンゲトリークス)自らが作戦を立てるために選び出していた諸部族の領袖たちに
*prima luce cotidie ad se convenire iubebat,
**毎日、夜明けに自分のところへ集まることを命じた。
*seu quid communicandum, seu quid administrandum videretur,
**何らかのことを伝達・協議するのか、あるいは何らかのことを指導するのだと思われる。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:seu ~ seu …「あるいは~、あるいは…」)</span>
*④ neque ullum fere diem intermittebat, quin equestri proelio interiectis sagittariis,
**騎兵戦に弓兵を介在させることを、ほとんどどの日も中断せずに、
*quid in quoque esset animi ac virtutis suorum, perspiceretur<ref>perspiceretur はα系写本の記述で、T写本では perspiceret、β系写本では periclitaretur となっている。</ref>.
**どのような心構えや武勇が、配下の者たちのおのおのにあるかを、吟味した。
*⑤ Erat e regione oppidi collis sub ipsis radicibus montis
**山のその麓の下方に、城塞都市の真向かいに、丘陵があって、
*egregie munitus atque ex omni parte circumcisus;
**あらゆる方面から周囲が険しくて、(その地形により)すばらしく護られていた。
*quem si tenerent nostri, et aquae magna parte et pabulatione libera prohibituri hostes videbantur.
**もし、それを我が方(ローマ勢)が占めれば、水源の大半と自由な糧秣徴発から敵たちを妨げるであろうと思われた。
*⑥ Sed is locus praesidio ab his, non nimis firmo, tenebatur.
**だが、その地点は、彼ら(ガッリア勢)により、大して強力ではない守備隊で占められていた。
*⑦ Tamen silentio noctis Caesar ex castris egressus,
**にもかかわらず(昼間ではなく)夜の静けさのうちに、カエサルは陣営から出撃して、
*priusquam subsidio ex oppido veniri posset,
**城塞都市(のそばの陣営)から援兵に来られるより前に、
*deiecto praesidio potitus loco duas ibi legiones conlocavit
**守備隊を追い出して、地点を占拠して、そこに2個[[w:ローマ軍団|軍団]]を駐屯させた。
*fossamque duplicem duodenum pedum a maioribus castris ad minora perduxit,
**12[[w:ペース (長さ)|ペース]](=約3.6mの幅)の二重の堀を、より大きな陣営から(この丘陵の)より小さな陣営へ至らしめた。
*ut tuto ab repentino hostium incursu singuli commeare possent.
**敵たちの不意の襲撃から安全に、1人1人が往来することができるように。
===37節===
'''ハエドゥイー族のコンウィクトリタウィスがガッリア同盟軍に内応する'''
*① Dum haec ad [[w:la:Gergovia|Gergoviam]] geruntur,
**これらがゲルゴウィアのところでなされている間に、
*Convictolitavis [[w:la:Haedui|Haeduus]],
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]のコンウィクトリタウィスは、
*cui magistratum adiudicatum a Caesare demonstravimus,
**その者はカエサルによって統領として承認されたと([[#33節|33節]]で)既述したが、
*sollicitatus ab Arvernis pecunia cum quibusdam adulescentibus conloquitur,
**[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]により金銭でそそのかされて、ある若者たちと談判した。
*quorum erat princeps Litaviccus atque eius fratres,
**その者たちの領袖は[[w:リタウィックス|リタウィックス]]とその兄弟たちであり、
*amplissima familia nati adulescentes.
**とても強大な一族に生まれた若者たちだった。
*② Cum his praemium communicat
**彼らとともに(アルウェルニー族からの)報酬を共有して、
*hortaturque, ut se liberos et imperio natos meminerint.
**自分たちが自由民で支配層の生まれであるのを思い起こせ、と鼓舞した。
*③ Unam esse Haeduorum civitatem, quae certissimam Galliae victoriam distineat<ref>distineat はM・N・π・R写本などの記述で、Q・U写本などでは destineat 、A・B・S写本などでは dedistineat などとなっている。</ref>;
**ハエドゥイーの部族国家は、ガッリアの至極確実な勝利を阻んでいる唯一のものであり、
*eius auctoritate reliquas contineri;
**その声望により、ほかの(同盟部族の)ものたちが(ローマ側に)保持されているが、
*qua traducta locum consistendi Romanis in Gallia non fore.
**それが(ガッリア勢に)引き入れられることによって、ガッリアにおいてローマ人が留まり続ける場はないであろう。
*④ Esse nonnullo se Caesaris beneficio adfectum,
**自分はカエサルの少なからぬ恩義をかけられているが、
*sic tamen, ut iustissimam apud eum causam obtinuerit;
**しかし、彼(カエサル)のもとで至極合法的な理由を手に入れたまでであり、
*sed plus communi libertati tribuere.
**しかし、(ガッリアの)共通の自由に従うことの方がより大きい。
*⑤ Cur enim potius Haedui de suo iure et de legibus ad Caesarem disceptatorem quam Romani ad Haeduos veniant?
**なぜ実際、ハエドゥイー族は自らの法令や法制について、ローマ人がハエドゥイー族へ来るよりむしろ、カエサルを仲裁者とするのか?
*⑥ Celeriter adulescentibus et oratione magistratus et praemio deductis,
**若者たちは速やかに、統領の演説と報酬によって導き入れられた。
*cum se vel principes eius consilii fore profiterentur,
**自分たちがその謀計の首謀者にすらなろうと申し出たときに、
*ratio perficiendi quaerebatur,
**(謀計を)成し遂げる方法が求められた。
*quod civitatem temere ad suscipiendum bellum adduci posse non confidebant.
**というのは、部族がむやみに(ローマ人との)戦争実行へ動かされることができるとは確信していなかったからだ。
*⑦ Placuit, ut Litaviccus decem illis milibus, quae Caesari ad bellum mitterentur, praeficeretur atque ea ducenda curaret,
**リタウィックスに、カエサルに戦争のために派遣されるあの(歩兵)1万名を指揮させ率いさせるのが良いとされた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:歩兵1万名については[[#34節|34節]]を参照。)</span>
*fratresque eius ad Caesarem praecurrerent.
**彼の兄弟たちは、カエサルのところへ先立って行った。
*Reliqua qua ratione agi placeat constituunt.
**残りのことが、どのようなやり方で行なわれるのが良いかが決められた。
===38節===
'''リタウィックスの鼓舞でハエドゥイー族の歩兵1万が挙兵する'''
*① Litaviccus accepto exercitu
**リタウィックスは(1万名の)歩兵隊を受け取って、
*cum milia passuum circiter XXX(triginta)<ref>XXX(triginta) はα系写本の記述で、β系写本では XL(quadraginta) となっている。</ref> ab<ref>ab は写本(ω)の記述であるが、モイゼル(Henricus Meusel)は a を提案している。</ref> [[w:la:Gergovia|Gergovia]] abesset,
**[[w:ゲルゴウィア|ゲルゴウィア]]から約30[[w:ローママイル|ローママイル]](=45km弱)離れたところに来たときに、
*convocatis subito militibus lacrimans,
**兵士たちを突然に呼び集めて、泣きながら、
*② "Quo proficiscimur," inquit, "milites?
**「兵士らよ、どこへ我々は進むのか?」と言った。
*Omnis noster equitatus, omnis nobilitas interiit;
**「我が方(ハエドゥイー族)のすべての[[w:騎兵|騎兵隊]]とすべての高貴な者たちは滅んだ。
*principes civitatis, [[w:la:Eporedorix|Eporedorix]] et Viridomarus,
**部族の領袖たち、エポレドリクスとウィリドマルスは、
*insimulati proditionis ab Romanis indicta causa interfecti sunt.
**裏切りの罪を着せられて、ローマ人たちによって、弁解の余地なく殺されてしまったのだ。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:indicta causa「弁解の余地なく」)</span>
*③ Haec ab ipsis<ref>ipsis はα系写本の記述で、β系写本では his となっている。</ref> cognoscite, qui ex ipsa caede fugerunt;
**これは、その虐殺から逃げて来た当人たちから聞き知ってくれ。
*nam ego fratribus atque omnibus meis propinquis interfectis
**なぜなら、私は、兄弟たちやすべての我が親族たちが殺されて
*dolore prohibeor, quae gesta sunt, pronuntiare."
**悲嘆により、なされたことを物語ることを妨げられているからだ。」
*④ Producuntur hi<ref>hi はφ・β系写本の記述で、A写本では ii 、Q写本では hii となっている。</ref>, quos ille edocuerat quae dici vellet,
**彼(リタウィックス)が言って欲しいことを教え込んでいた者たちが連れ出されて来て、
*atque eadem, quae Litaviccus pronuntiaverat, multitudini exponunt:
**リタウィックスが物語ったのと同じことを群衆に説明した。
*⑤ multos<ref>multos はα系写本の記述で、β系写本では omnes となっている。</ref> equites [[w:la:Haedui|Haeduorum]] interfectos, quod conlocuti cum Arvernis dicerentur;
**ハエドゥイー族の多くの騎兵たちは、アルウェルニー族と談判したと言われたので、殺された、と。
*ipsos se inter multitudinem militum occultasse atque ex media caede fugisse.
**(彼ら)自身は、兵士ら多数の間に身を隠して、虐殺の最中から逃げて来たのだ、と。
*⑥ Conclamant Haedui et Litaviccum obsecrant, ut sibi consulat.
**ハエドゥイー族の者たちは叫び声を上げて、リタウィックスに、自分たちに(どうするべきか)助言するように懇願した。
*"Quasi vero" inquit ille "consilii sit res, ac non necesse sit
**彼は言った「実にあたかも、事態が協議するべきというかのようだ。(協議する)必要はないのだ。
*nobis Gergoviam contendere et cum Arvernis nosmet coniungere.
**我々にとって、ゲルゴウィアに急行して、アルウェルニー族と我々が合流することは。
*⑦ An dubitamus, quin nefario facinore admisso Romani iam ad nos interficiendos concurrant?
**非道の悪行を犯したローマ人がもはや我々を殺戮するために襲いかかって来ることを疑うのかね?
*⑧ Proinde, si quid in nobis animi est,
**それゆえに、もし我々に何らかの心構えがあるならば、
*persequamur eorum mortem, qui indignissime interierunt,
**とても不面目に滅びた者たちの死に仇討ちしようではないか。
*atque hos latrones interficiamus."
**かの略奪者たち(ローマ人)を誅殺しようではないか。」
*Ostendit cives Romanos, qui eius praesidii fiducia una erant<ref>erant は写本(ω)の記述であるが、モムゼン(Mommsen)らは ierant を提案している。</ref>:
**(リタウィックスは)彼の護衛を信頼して一緒にいたローマ市民たちを示した。
*⑨ Continuo<ref>Continuo はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> magnum numerum frumenti commeatusque diripit,
**ただちに、(ローマ市民たちの)糧食や必需品の多数を略奪して、
*ipsos crudeliter excruciatos interficit.
**当人たちを残酷に拷問して殺した。
*⑩ Nuntios tota civitate Haeduorum dimittit,
**ハエドゥイー族の伝令たちを、部族全体にわたって遣わして、
*in<ref>in はβ系写本の記述だが、α系写本にはない。</ref> eodem mendacio de caede equitum et principum permovet<ref>permovet はL・N写本の記述だが、B写本では permanet 、χ・M・S・β系写本などでは permonet となっている。</ref>;
**騎兵や領袖たちの虐殺について、同じ嘘によって扇動した。
*hortatur ut simili ratione atque ipse fecerit suas iniurias persequantur.
**(リタウィックス)自身がしたのと同様のやり方で、自分たちの(受けた)無法に仇討ちするようにと鼓舞した。
===39節===
'''エポレドリクスがハエドゥイー勢1万の寝返りをカエサルに知らせる'''
*① [[w:la:Eporedorix|Eporedorix]] [[w:la:Haedui|Haeduus]], summo loco natus adulescens et summae domi potentiae,
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の[[w:エポレドリクス|エポレドリクス]]は、最高の身分に生まれた青年で、本国で最高の権勢にあった。
*et una Viridomarus, pari aetate et gratia, sed genere dispari,
**とともに、[[w:ウィリドマルス|ウィリドマルス]]も、同じ年輩で、同様に敬意を受けていたが、異なる階級であった。
*quem Caesar ab Diviciaco sibi traditum ex humili loco ad summam dignitatem perduxerat,
**カエサルは彼を[[w:ディウィキアクス|ディウィキアクス]]により託されて、低い身分から最高の地位へと引き立てていた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ディウィキアクスはかつてローマに援助を求めた有力者で、カエサルに殺されたドゥムノリクスの兄弟。)</span>
*in equitum numero convenerant nominatim ab eo evocati.
**(その2人は)彼(カエサル)から名指しで呼び出されて、[[w:騎兵|騎兵]]として(ローマの陣中に)一緒に来ていた。
*② His erat inter se de principatu contentio
**彼ら(2人)には、互いに指揮官の座についての競争があって、
*et in illa magistratuum controversia
**あの統領をめぐる紛争においても
**:<span style="color:#009900;">([[#32節|32節]]~33節を参照。)</span>
*alter pro Convictolitavi, alter pro Coto summis opibus pugnaverant<ref>pugnaverant はα系写本の記述で、β系写本では pugnaverat となっている。</ref>.
**一方は[[w:コンウィクトリタウィス|コンウィクトリタウィス]]のために、他方は[[w:コトゥス|コトゥス]]のために、最大限の助力で奮闘していた。
*③ Ex his Eporedorix cognito Litavicci consilio
**彼らのうちエポレドリクスが[[w:リタウィックス|リタウィックス]]の謀計を知って、
*media fere nocte rem ad Caesarem defert;
**ほぼ真夜中に、事情をカエサルのところへ報知した。
*orat ne patiatur civitatem pravis adulescentium consiliis ab amicitia populi Romani deficere;
**(ハエドゥイーの)部族が青年たちのゆがんだ謀計によってローマ人民の友好から背くことを容認しないように懇願した。
*quod futurum provideat, si se tot hominum milia cum hostibus coniunxerint,
**もし、このように多くの幾千もの同胞が敵たちと協同するならば、(上記の)ことが生じると用心するように、と。
*quorum salutem neque propinqui neglegere,
**(寝返った1万の歩兵たちの)縁者たちは彼らの身の安全をなおざりにすることはないし、
*neque civitas levi momento aestimare posset.
**部族が(寝返った歩兵たちの)影響力を軽く評価できない、と。
===40節===
'''カエサルが4個軍団を率いてハエドゥイー勢1万を制止し、リタウィックスは逃亡'''
*① Magna adfectus sollicitudine hoc nuntio Caesar,
**この知らせにより、大きな不安を感じたカエサルは、
*quod semper [[w:la:Haedui|Haeduorum]] civitati praecipue indulserat,
**常に[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイーの部族]]にとくに気遣っていたので、
*nulla interposita dubitatione legiones expeditas quattuor equitatumque omnem ex castris educit;
**何らためらいを差しはさまずに、戦備を整えた4個[[w:ローマ軍団|軍団]]と[[w:騎兵|騎兵隊]]すべてを陣営から進発させた。
*② nec fuit spatium tali tempore ad contrahenda castra,
**このような情勢で、陣営を縮小するための余地はなかった。
**:<span style="color:#009900;"> (訳注:[[#36節|36節]]で、カエサルはゲルゴウィアの大きな陣営および敵に近い小さな陣営を6個軍団で守っていた。)</span>
*quod res posita in celeritate videbatur;
**というのは、事態は迅速さにかかっていると思われたからだ。
*C.(Gaium) Fabium legatum cum legionibus duabus castris praesidio relinquit.
**総督副官[[w:ガイウス・ファビウス|ガイウス・ファビウス]]を2個軍団とともに陣営の守備に残しておいた。
*③ Fratres Litavicci cum comprehendi iussisset,
**(カエサルは)リタウィックスの兄弟たちを拘束することを命じていたのだが、
*paulo ante reperit ad hostes fugisse.
**少し前に(ゲルゴウィアの)敵たちのところへ去ったことを探り出した。
*④ Adhortatus milites ne necessario tempore itineris labore permoveantur,
**(カエサルは)緊急の時に、行軍の労苦により乱されないように、兵士たちを激励して、
*cupidissimis omnibus progressus milia passuum [[w:la:Viginti quinque|XXV]] agmen Haeduorum conspicatus<ref>conspicatus はα系写本の記述で、β系写本では conspicatur となっている。</ref>
**皆がとても熱中していたので、25[[w:|ローママイル]](約37km)進んで、ハエドゥイー族の隊列を視認した。
*immisso equitatu iter eorum moratur atque impedit
**騎兵隊を突進させて、彼ら(ハエドゥイー勢)の行軍を妨げて、停止させた。
*interdicitque omnibus ne quemquam interficiant.
**(ハエドゥイー勢を)誰一人殺さないように(ローマ勢の)皆に禁じた。
*⑤ [[w:la:Eporedorix|Eporedorigem]] et Viridomarum, quos illi interfectos existimabant,
**彼ら(ハエドゥイー勢)が、殺されたものと考えていた者たち、[[w:エポレドリクス|エポレドリクス]]と[[w:ウィリドマルス|ウィリドマルス]]に、
*inter equites versari suosque appellare iubet.
**(ハエドゥイー勢の)騎兵たちの間を歩き回って、味方に呼びかけることを命じた。
*⑥ His cognitis et Litavicci fraude perspecta Haedui manus tendere,
**彼ら(2人)に気付いて、リタウィックスのごまかしを見通して、ハエドゥイー族の者たちは手を差し出して、
*deditionem significare et proiectis armis mortem deprecari incipiunt.
**降伏の意を表して、武器を投げ出して、死を赦免されることを求め始めた。
*⑦ Litaviccus cum suis clientibus,
**[[w:リタウィックス|リタウィックス]]は、配下の子分たちとともに、
*quibus more Gallorum nefas est etiam in extrema fortuna deserere patronos,
**ガッリア人の風習では、最悪の境遇にあってさえも(子分が自分の)親分を見捨てることは非道であったので、
*[[w:la:Gergovia|Gergoviam]] profugit.
**(親分・子分ともども)[[w:ゲルゴウィア|ゲルゴウィア]]に逃れた。
===41節===
'''副官ファビウスの報告:ゲルゴウィアの敵勢がローマ陣営に襲来'''
*① Caesar nuntiis ad civitatem [[w:la:Haedui|Haeduorum]] missis,
**カエサルは伝令たちを[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー]]の部族(当局)に遣わして、
*qui suo beneficio conservatos docerent quos iure belli interficere potuisset,
**彼ら(伝令)に、戦時の権限により殺せた者たち(歩兵1万)は(カエサル)自らの恩恵により許されたのだ、と説かせた。
*tribusque horis noctis exercitui ad quietem datis castra ad [[w:la:Gergovia|Gergoviam]] movit.
**(カエサルは)夜の3時間を軍隊に休息のために与えて、陣営を引き払ってゲルゴウィアの方へ向かった。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:古代ローマの不定時法では、夏季の夜の3時間は、現在の定時法の3時間よりかなり短い。)</span>
*② Medio fere itinere equites a Fabio missi,
**(ゲルゴウィアへの)道程のほぼ中間のところで、ファビウスから[[w:騎兵|騎兵]]たちが遣わされて来て、
*quanto res in periculo fuerit, exponunt.
**事態がどれほどの危機にあるか、を打ち明けた。
*Summis copiis castra oppugnata demonstrant,
**(ガッリア勢の)最大級の軍勢により(ローマ勢の)陣営が攻撃された、と説明した。
*cum crebro integri defessis succederent
**そのときに(ガッリア勢は)たびたび新たな者たちが疲労した者たちに交代していたが、
*nostrosque adsiduo labore defatigarent,
**我が方(ローマ勢)は絶え間ない労苦により疲れ果てていた。
*quibus propter magnitudinem castrorum perpetuo esset isdem in vallo permanendum.
**彼ら(ローマ勢)にとり、陣営の大きさのために、同じ者たちが防柵の中に留まらざるを得なかった。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:カエサルは[[#40節|40節]]②項で「陣営を縮小するための余地はなかった」とあらかじめ弁解している。)</span>
*③ Multitudine sagittarum atque omnis generis<ref>omnis generis はα系写本の記述で、β系写本では omni genere となっている。</ref> telorum multos vulneratos;
**(ガッリア勢からの)矢の多数と飛び道具のあらゆる類いによって(ローマ勢の)多くのものが傷つけられた。
*ad haec sustinenda magno usui fuisse tormenta.
**これに持ちこたえるために、投石器が大いに役立った。
*④ Fabium discessu eorum duabus relictis portis obstruere ceteras
**ファビウスは、彼ら(ガッリア勢)が退却すると、2つの門を残して、ほか(の門)を閉鎖した。
*pluteosque vallo addere et se in posterum diem similemque casum apparare<ref>similemque casum apparare はα系写本の記述で、β系写本では similem ad casum parare となっている。</ref>.
**胸壁を防柵を付け加えて、翌日における似たような状況に備えた。
*⑤ His rebus cognitis Caesar
**これらの事態を知って、カエサルは、
*summo studio militum ante ortum solis in castra pervenit.
**兵士たちの最大級の努力によって、日の出の前に(ゲルゴウィアの)陣営に到着した。
===42節===
'''ハエドゥイー族の者たちが反ローマ暴動を引き起こす'''
*① Dum haec ad [[w:la:Gergovia|Gergoviam]] geruntur,
**これらがゲルゴウィアの辺りでなされている間に、
*[[w:la:Haedui|Haedui]] primis nuntiis ab Litavicco acceptis
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の者たちは、[[w:リタウィックス|リタウィックス]]からの最初の知らせを受け取ったが、
*nullum sibi ad cognoscendum spatium relinquunt.
**自分たちには(この知らせを)調べるための余地を何ら残さなかった。
*② Impellit alios avaritia, alios iracundia et temeritas
**ある者たちを貪欲さが、ある者たちを激しやすさや無分別が駆り立てた。
*─ quae maxime illi hominum generi est innata ─ ut levem auditionem habeant pro re comperta.
**あの種族の人々はとりわけ、軽率な風聞を確認された事として見なすように、生まれついているのだ。
*③ Bona civium Romanorum diripiunt, caedes faciunt, in servitutem abstrahunt.
**(ハエドゥイー族の者たちは)ローマ市民たちの財産を略奪し、殺戮を行なって、隷属状態に引きずり込んだ。
*④ Adiuvat rem proclinatam Convictolitavis
**(さらに)傾いた事態を[[w:コンウィクトリタウィス|コンウィクトリタウィス]]が助長して、
*plebemque ad furorem impellit, ut facinore admisso ad sanitatem reverti pudeat.
**民衆を狂暴さへと、悪行を犯して冷静さへ引き返すことを恥と思うように、駆り立てた。
*⑤ M.(Marcum) Aristium tribunum militum iter ad legionem facientem
**<ruby><rb>[[w:トリブヌス・ミリトゥム|兵士長官]]</rb><rp>(</rp><rt>トリブヌス・ミリトゥム</rt><rp>)</rp></ruby>であるマルクス・アリスティウスが[[w:ローマ軍団|軍団]]のところへ旅しているところを
*fide data ex oppido [[w:la:Cabillonum|Cavillono]] educunt;
**(安全の)保証を与えて、城塞都市カウィッロヌムから連れ出した。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:カウィッロヌム Cavillonum はカビッロヌム Cabillonum とも綴り、現在の[[w:シャロン=スュル=ソーヌ|シャロン=スュル=ソーヌ]])</span>
*idem facere cogunt eos, qui negotiandi causa ibi constiterant.
**そこに商売をするために定住していた(ローマ人の)者たちにも同じことをするように強要した。
*⑥ Hos continuo <in><ref>in は写本にないが、近世の活字本から挿入されている。</ref> itinere adorti omnibus impedimentis exuunt;
**直ちに彼らを途中で襲撃して、すべての手荷物を奪い取った。
*repugnantes diem noctemque obsident;
**抵抗する者たちを昼夜にわたって包囲した。
*multis utrimque interfectis
**(ハエドゥイー族とローマ人の)双方とも多くの者たちが殺されて、
*maiorem multitudinem armatorum<ref>armatorum はα系写本の記述で、β系写本では ad arma となっている。</ref> concitant.
**(ハエドゥイー族の)より多くの群衆を武装へと扇動した。
===43節===
'''ハエドゥイー族当局がカエサルに屈服。ガッリア大動乱の予感'''
*① Interim nuntio adlato omnes eorum milites in potestate Caesaris teneri,
**その間に、彼ら(ハエドゥイー族)の兵士すべてがカエサルの権力下で支配されているという知らせがもたらされて、
*concurrunt ad Aristium,
**(ハエドゥイー族当局の者たちは)アリスティウスのところへ急ぎ集まって、
*nihil publico factum consilio demonstrant;
**(ローマ市民に対する襲撃は)何ら公けに企てがなされたものではないと説明した。
*② quaestionem de bonis direptis decernunt,
**(部族当局は、ローマ市民から)略奪された財産についての究明を決定して、
*Litavicci fratrumque bona publicant,
**リタウィックスと兄弟たちの財産を没収し、
*legatos ad Caesarem sui purgandi gratia mittunt.
**カエサルのところへ使節たちを、自分たちを赦免することのために遣わした。
*③ Haec faciunt reciperandorum<ref>reciperandorum はα系写本の記述で、β系写本では recuperandorum となっている。</ref> suorum causa;
**これらを、配下の者たち(=歩兵1万名)を取り戻すために行なったのだ。
*sed contaminati facinore et capti compendio ex direptis bonis,
**しかし(彼らは)悪行に汚染されていて、略奪した財産の利得にとらわれており、
*quod ea res ad multos pertinebat, timore<ref>timore はα系写本の記述で、β系写本では et timore となっている。</ref> poenae exterriti
**その事に多くの者たちが関与していたので、懲罰の恐れに脅かされて、
*consilia clam de bello inire incipiunt
**ひそかに戦争の謀計に取りかかり始めて、
*civitatesque reliquas legationibus sollicitant.
**ほかの諸部族を使節派遣によって、そそのかした。
*④ Quae tametsi Caesar intellegebat, tamen quam mitissime potest legatos appellat;
**カエサルはそのようなことを認識していたけれども、(ハエドゥイー族の)使節たちにできるだけ平静に話しかけた。
*nihil se propter inscientiam levitatemque vulgi gravius de civitate iudicare
**自分は(ハエドゥイー族の)民衆の無知や軽率さのために、部族を何ら厳重に裁断することはない、と。
*neque de sua in [[w:la:Haedui|Haeduos]] benevolentia deminuere.
**自分のハエドゥイー族に対する好意を減ずることはない、と。
*⑤ Ipse maiorem Galliae motum exspectans,
**(カエサル)自身は、ガッリアのより大きな動乱を予期しており、
*ne ab omnibus civitatibus circumsisteretur,
**すべての部族によって包囲されることがないように、
*consilia inibat, quemadmodum ab<ref>ab はχ系写本の記述で、φ系写本では a となっており、β系写本にはない。</ref> [[w:la:Gergovia|Gergovia]] discederet ac rursus omnem exercitum contraheret,
**どのようにゲルゴウィアから撤退して再び軍隊全体を集結するか、策定に取りかかった。
*ne profectio nata ab<ref>ab はα系写本の記述で、β系写本では a となっている。</ref> timore defectionis similis<ref>similis はα系写本の記述で、β系写本では similisque となっている。</ref> fugae videretur.
**(諸部族の)背反の恐れから生じた出発が、逃亡同然と見られないように。
===44節===
'''ゲルゴウィアの急所の尾根'''
[[画像:Plateau_of_Gergovia.jpg|thumb|center|900px|ゲルゴウィア([[w:la:Gergovia|Gergovia]])すなわち現在のジェルゴヴィ高地([[w:fr:Plateau de Gergovie|Plateau de Gergovie]])の全景(南方のル・クレスト [[w:fr:Le Crest|Le Crest]] から撮影)。<br>画像中央の右下に、ローマ勢が占領して小さい方の陣営を築いていたと推定されているラ・ロシュ=ブランシュ([[w:fr:La Roche-Blanche (Puy-de-Dôme)|La Roche-Blanche]])の丘陵が見える。<br>本節①項で言及されているのは画像の左端に写る丘陵と思われ、尾根伝いにほぼ平坦なゲルゴウィアの山頂(画像中央)に続いている。<br>これらの位置関係の推定は、19世紀の[[w:ウジェーヌ・ストッフェル|ウジェーヌ・ストッフェル]]大佐(colonel Eugène Stoffel)の発掘調査に依拠したものである。]]
[[画像:La_Roche_Blanche.JPG|thumb|right|300px|ローマ勢が占領して小さい方の陣営を築いていたと推定されているラ・ロシュ=ブランシュ([[w:fr:La Roche-Blanche (Puy-de-Dôme)|La Roche-Blanche]])の丘陵]]
*① Haec cogitanti accidere visa est facultas bene rei gerendae<ref>rei gerendae はα系写本の記述で、β系写本では gerendae rei となっている。</ref>.
**(カエサルが)これらを考慮しているときに、事をうまく行なえる可能性が生じたと思われた。
*Nam cum in minora castra operis perspiciendi causa venisset,
**すなわち、(ローマ勢の)小さい方の陣営に、作業を視察するためにやって来たときに、
*animadvertit collem qui ab hostibus tenebatur nudatum hominibus,
**敵たちによって占められていた丘陵が、無人にされているのに気付いた。
*qui superioribus diebus vix prae multitudine cerni poterat.
**それは、前日には、(ガッリア勢の)大勢の者たちのためにほとんど見分けが付けられないものだった。
*② Admiratus quaerit ex perfugis causam,
**(カエサルは)驚いて、(ゲルゴウィアからの)[[w:脱走兵|脱走兵]]たちに理由を尋ねた。
*quorum magnus ad eum cotidie numerus confluebat.
**その者たちの多数は、毎日、彼(カエサル)のところへ群がり集まっていたのだ。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#14節|14節]]⑨項で既述のように、ガッリア勢は[[w:兵役逃れ|兵役忌避]]の多さに悩まされていた。)</span>
*③ Constabat inter omnes
**(脱走兵たち)皆の間では同じ意見であった。
*─ quod iam ipse Caesar per exploratores cognoverat ─
**─ すでにカエサル自身が偵察者たちを通して知っていたことであったが ─
*dorsum esse eius iugi prope aequum, sed silvestre<ref>silvestre はβ系写本の記述で、α系写本では hunc silvestrem となっている。</ref> et angustum,
**その尾根の背面はほぼ平地で、しかし森林におおわれて狭く、
*qua esset aditus ad alteram partem oppidi<ref>partem oppidi はα系写本の記述で、β系写本では oppidi partem となっている。</ref>;
**それによって城塞都市の別の方面への出入口となっている、と。
*④ vehementer huic illos loco<ref>vehementer huic illos loco はα系写本の記述で、β系写本では huic loco vehementer illos となっている。</ref> timere nec iam aliter sentire,
**この地帯を彼ら(ガッリア勢)が極度に恐れ、すでに感じていたことには、
*uno colle ab Romanis occupato, si alterum amisissent,
**ローマ人によって一つの丘陵が占領されているので、もしもう一方をも失ったならば、
*quin paene circumvallati atque omni exitu et pabulatione interclusi viderentur;
**(ゲルゴウィアが)ほとんど包囲されて、あらゆる出口と糧秣徴発を阻まれると思われたのである。
*ad hunc muniendum locum<ref>locum はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> omnes a [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorige]] evocatos.
**この地帯の辺りを防御するために、[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]により総勢が召集されていたのだ、と。
===45節===
'''ローマ勢の陽動部隊が敵を引き付け、本隊が敵の本陣を目指す'''
*① Hac re cognita Caesar mittit complures equitum turmas eodem<ref>eodem はβ系写本の記述で、α系写本では eisdem などとなっており、またモイゼル(Meusel)は eo de と解釈している。</ref> media nocte;
**この事を知って、カエサルは多数の[[w:騎兵|騎兵]]<ruby><rb>小隊</rb><rp>(</rp><rt>トゥルマ</rt><rp>)</rp></ruby>を同じところに真夜中に派遣した。
**:<span style="color:#009900;"> (訳注:騎兵小隊 turma は、ローマの同盟部族などからなる騎兵の単位で、30騎ほどからなるとされている。)</span>
*imperat his<ref>his はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> ut paulo tumultuosius omnibus locis vagarentur<ref>vagarentur はα系写本の記述で、β系写本では pervagentur となっている。</ref>.
**彼らには、いくらか騒々しく、あらゆる場所を動き回るように命令した。
*② Prima luce magnum numerum impedimentorum ex castris mulorumque produci deque his stramenta detrahi
**夜明けに、陣営から多数の荷馬や[[w:ラバ|ラバ]]を連れ出して、これらから[[w:鞍|荷鞍]]を取り去って、
*mulionesque cum cassidibus equitum specie ac simulatione collibus circumvehi iubet.
**ラバ引きの者たちを鉄兜とともに、騎兵の外見と真似をさせて、丘々を乗り回すことを命じた。
*③ His paucos addit equites, qui latius ostentationis causa vagarentur<ref>vagarentur はα系写本の記述で、β系写本では vagentur となっている。</ref>.
**彼らに少数の騎兵を付き添わせて、より広く見せびらかすために動き回らせた。
*Longo circuitu easdem omnes iubet petere regiones.
**(ラバ引きと騎兵の)皆には、長く迂回して、同じ一帯を目指すことを命じた。
*④ Haec procul ex oppido videbantur, ut erat a Gergovia despectus in castra,
**これらは<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>から遠くに望見され、ゲルゴウィアから(ローマ勢の)陣営が眺められたほどであったが、
*neque tanto spatio certi quid esset explorari poterat.
**これほどの距離のために(ガッリア勢からは)何ごとか確かなことは探り出されなかった。
*⑤ Legionem unam eodem iugo mittit
**(カエサルは)1個[[w:ローマ軍団|軍団]]を同じ尾根に派遣して、
*et paulum progressam inferiore constituit loco silvisque occultat.
**いくらか前進させて低い場所に駐留させ、森林に隠した。
*⑥ Augetur Gallis suspicio
**(これらを見た)ガッリア人には疑念が増されて、
*atque omnes illo ad munitionem copiae traducuntur.
**軍勢のすべてがあそこ(=無人にしていた急所の丘陵)へ防御のために移動した。
*⑦ Vacua castra hostium Caesar conspicatus
**カエサルは敵たちの(ゲルゴウィア山頂の)陣営が空であると気付いて、
*tectis insignibus suorum occultatisque signis militaribus
**配下の者たちの標章を覆い隠し、軍旗を隠して、
*raros milites, ne ex oppido animadverterentur, ex maioribus castris in minora traducit
**兵士たちをまばらに、城塞都市から気付かれないように、大きい方の陣営から小さい方に移動させた。
*legatisque, quos singulis legionibus praefecerat, quid fieri velit, ostendit;
**個々の軍団を指揮させていた<ruby><rb>[[w:レガトゥス|副官]]</rb><rp>(</rp><rt>レガトゥス</rt><rp>)</rp></ruby>たちに、何がなされることを欲しているかを示した。
*⑧ in primis monet ut contineant milites,
**第一に、兵士たちを抑え留めるように戒めた。
*ne studio pugnandi aut spe praedae longius progrediantur;
**(兵士たちが)戦うことの熱意、あるいは略奪の希望により、より遠くまで進み出ないように、と。
*⑨ quid iniquitas loci habeat incommodi proponit;
**地勢の不利がどれほど敗北を生じるかを示した。
*hoc una celeritate posse vitari<ref>vitari はβ系写本の記述で、α系写本では mutari となっている。</ref>;
**迅速さのみがこれを避けることができる。
*occasionis esse rem, non proelii.
**事の成否は、戦闘にではなく、好機にかかっている。
*⑩ His rebus expositis signum dat
**これらの事柄を説明して、(副官たちに進軍の)号令を出した。
*et ab dextra parte alio ascensu eodem tempore Haeduos mittit.
**右の方面からは、別の登り道を(ローマ軍本隊と)同時に[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]](の騎兵)を派遣した。
===46節===
'''ローマ軍の本隊が防壁を越えて、敵陣の一部を占拠'''
*① Oppidi murus ab<ref>ab はB・M・L・N写本の記述で、β系写本では a となっている。</ref> planitie atque initio ascensus recta regione,
**(ゲルゴウィアの)<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>の城壁は、平地や登り道の始まりから真っ直ぐに(=直線距離で)、
*si nullus amfractus<ref>amfractus はα系写本の記述で、β系写本では anfractus となっている。</ref> intercederet, mille CC(mille ducenti)<ref>mille CC(=1200) はα系写本の記述で、β系写本では CC(=200)となっている。</ref> passus aberat;
**もし何らの湾曲が間になければ、1200[[w:パッスス|パッスス]](=約1.8km)離れていた。
*② quicquid huc circuitus ad molliendum clivum accesserat<ref>accesserat は写本(ω)の記述だが、オットー・ゼール [[w:de:Otto Seel|Otto Seel]] の校訂では accesserit としている。</ref>,
**ここに(山の斜面の)傾斜を緩和するために、何らかの回り道が付け加わっていて、
*id spatium itineris augebat.
**その道のりの距離を増していた。
*③ A medio fere colle in longitudinem, ut natura montis ferebat,
**丘陵のほぼ真ん中から、山の地形が作り出したかのように、長きにわたって、
*ex grandibus saxis sex pedum murum qui nostrum<ref>nostrum は中世の写本(ω)の記述だが、近世の版では nostrorum となっている。</ref> impetum tardaret,
**大きな石垣からなる6[[w:ペース (長さ)|ペース]](=約1.8m)もの、我が方(ローマ勢)の突進を遅らせる防壁を、
*praeduxerant Galli,
**ガッリア人は引いて来ており、
*atque inferiore omni spatio vacuo relicto
**(その石垣の防壁)より下方のすべての空間は人気なく残されていて、
*superiorem partem collis usque ad murum oppidi densissimis castris compleverant.
**丘陵のより上方の部分を、城塞都市の城壁の方へ続けざまに、とても密集した(各部族ごとの)陣営で満たしていた。
*④ Milites dato signo celeriter ad munitionem perveniunt
**(ローマ人の)兵士たちは号令を与えられて、速やかに(石垣の)防壁のところへ到達して、
*eamque transgressi trinis castris potiuntur;
**それを越えて行って、3つの(部族ごとの)陣営を占拠した。
*⑤ ac tanta fuit in castris capiendis<ref>castris capiendis はα系写本の記述で、β系写本では capiendis castris となっている。</ref> celeritas,
**(3つの)陣営を奪取することにおいて、これほどにも迅速さがあったので、
*ut Teutomatus, rex Nitiobrogum, subito in tabernaculo oppressus,
**その結果、[[w:ニティオブロゲス族|ニティオブロゲス族]]の王[[w:テウトマトゥス|テウトマトゥス]]は、[[w:テント|天幕]]において突然に襲われて、
*ut meridie conquieverat, superiore corporis parte nudata<ref>nudata はα系写本の記述で、β系写本では nuda となっている。</ref>
**昼寝をしていたが、上半身は裸のままで、
*vulnerato equo vix se ex manibus praedantium militum eriperet.
**傷付けられた馬によって、略奪している(ローマ人)兵士の手から、やっと自らを救い出した。
===47節===
'''血気にはやるローマ兵たちの猪突猛進、ガッリア女たちの命乞い'''
*① Consecutus id quod animo proposuerat
**心に決めていたことを達成したので、
*Caesar receptui cani iussit
**カエサルは退却ラッパを吹くことを命じた。
*legionique decimae, quacum erat, contionatus signa constituit.
**彼とともにいた[[w:第10軍団エクェストリス|第10軍団]]に呼びかけて、軍旗を停止した。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:第10軍団はガッリア戦争初期からの最古参の軍団。軍旗を停止するとは、進軍を止めること。)</span>
*② Ac<ref>ac はα系写本の記述で、β系写本では at となっている。</ref> reliquarum legionum milites non exaudito<ref>exaudito はα系写本の記述で、β系写本では audito となっている。</ref> sono tubae,
**ほかの[[w:ローマ軍団|軍団]]の兵士たちは、ラッパの響きを聞き取れなかった。
*quod satis magna valles intercedebat,
**というのは、十分に大きな峡谷が間にあったからである。
*tamen ab<ref>ab はα系写本の記述で、β系写本では a となっている。</ref> tribunis militum legatisque, ut erat a Caesare praeceptum, retinebantur;
**しかしながら、<ruby><rb>[[w:トリブヌス・ミリトゥム|兵士長官]]</rb><rp>(</rp><rt>トリブヌス・ミリトゥム</rt><rp>)</rp></ruby>たちや<ruby><rb>[[w:レガトゥス|総督副官]]</rb><rp>(</rp><rt>レガトゥス</rt><rp>)</rp></ruby>たちにより、カエサルから指図されていたように、制止されていた。
*③ Sed elati spe celeris victoriae et hostium fuga et superiorum temporum secundis proeliis
**だが(兵士たちは)迅速な勝利の希望や、敵たちの逃亡や、それ以前のときの順調な戦闘により、高慢になっていて、
*nihil adeo arduum sibi esse existimaverunt<ref>esse existimaverunt はα系写本の記述で、β系写本では existimabant となっている。</ref>, quod non virtute consequi possent,
**自分たちにとって、武勇で達することができないほどの困難なものはまったく何もない、と考えており、
*neque finem prius sequendi fecerunt quam muro oppidi portisque adpropinquarunt.
**(ゲルゴウィアの)城塞都市の城壁や城門に近付くまでは、追及を終結させなかった。
*④ Tum vero ex omnibus urbis partibus orto clamore,
**すると、まさに(ゲルゴウィアの)町のあらゆる方面から叫び声が発せられて、
*qui longius aberant, repentino tumultu perterriti,
**(城内の)遠い方に離れていた者たちは、予期せぬ騒ぎに脅えており、
*cum hostem intra portas esse existimarent,
**敵(=ローマ人)が城門の内側にいると考えたので、
*sese ex oppido eiecerunt.
**城塞都市から急ぎ出た。
*⑤ Matres familiae de muro vestem argentumque iactabant
**家庭の母親たちは、城壁から衣類や貨幣をたびたび投げやった。
*et pectore nudo prominentes passis manibus obtestabantur Romanos,
**そして胸を裸にして(城壁の上に)進み出て、手を伸ばしてローマ人たちに哀願した。
*ut sibi parcerent
**自分たちを容赦するように、
*neu, sicut Avarici fecissent, ne a mulieribus quidem atque infantibus abstinerent;
**(ローマ人が)アウァーリクムでしたように女たちや子供たちでさえも赦免しないことのないように、と。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:ne quidem|ne ~ quidem]]「~でさえ…ない」)</span>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ローマ人がアウァーリクムでした行為については、[[#28節|28節]]④項を参照。)</span>
*⑥ nonnullae de muris<ref>muris はα系写本の記述で、β系写本では mure となっている。</ref> per manus demissae sese militibus tradebant.
**少なからぬ者たちは、城壁から手で降ろされて、(ローマ人)兵士たちに身を任せた。
[[画像:Gergovie_mur_pano2.jpg|thumb|center|700px|ゲルゴウィア([[w:la:Gergovia|Gergovia]])すなわち現在のジェルゴヴィ高地([[w:fr:Plateau de Gergovie|Plateau de Gergovie]])で発掘された城壁の遺構。]]
*⑦ L.(Lucius) Fabius centurio legionis VIII(octavae),
**[[w:第8軍団アウグスタ|第8軍団]]の<ruby><rb>[[w:ケントゥリオ|百人隊長]]</rb><rp>(</rp><rt>ケントゥリオ</rt><rp>)</rp></ruby>であるルキウス・ファビウスは、
*quem inter suos eo die dixisse constabat
**配下の者たちの間で、その日、(以下のように)言ったことが知られていた。
*excitari se Avaricensibus praemiis neque commissurum, ut prius quisquam murum ascenderet,
**自分はアウァーリクムの恩賞に奮い立たせられて、何者かが(自分)より早く城壁を登るようなことは生じさせない、と。
*tres suos nactus manipulares
**(ファビウスは)同じ隊の兵士である3人の配下と遭遇して、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:manipulares は「[[w:マニプルス|歩兵中隊]]の」とも解されるが、ここでは「同じ隊の兵士」という意味であろう。)</span>
*atque ab his sublevatus murum ascendit,
**彼らによって持ち上げられて城壁を登った。
*hos<ref>hos はα系写本の記述で、π系写本では eos 、ρ系写本では eo となっている。</ref> ipse rursus singulos exceptans in murum extulit.
**彼らは(ファビウス)自身が再び1人ずつ引き出して、城壁に導き上げた。
===48節===
'''ガッリア勢が城塞都市に引き返して、防戦に努める'''
*① Interim hi<ref>hi はα系・π系・R写本の記述で、U写本では ii となっている。</ref> qui ad alteram partem oppidi, ut supra demonstravimus, munitionis causa convenerant,
**その間に、前に述べたように、<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>の別の方面へ、防御のために集結していた(ガッリア勢の)者たちは、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#45節|45節]]⑥項で述べられている。)</span>
*primo exaudito clamore,
**初めに叫び声を聞き取り、
*inde etiam crebris nuntiis incitati oppidum ab Romanis teneri,
**さらに、城塞都市がローマ人たちによって占領されたという頻繁な知らせにさえも駆り立てられて、
*praemissis equitibus magno concursu<ref>concursu はα系写本の記述で、β系写本では cursu となっている。</ref> eo contenderunt.
**[[w:騎兵|騎兵]]たちを先遣して、(歩兵たちも)駆けに駆けて、そこ(=城塞都市)へ急いだ。
[[画像:Auvergne_Gaul_coin_CdM.jpg|thumb|right|300px|[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]の兵士が刻まれた貨幣([[w:ビブリオテーク・ナショナル|仏国立図書館]]貨幣部所蔵)]]
*② Eorum ut quisque primus venerat,
**彼らの(城塞都市に)到着した者から順々に
**:<span style="color:#009900;">(訳注:quisque primus「最初の者ごとに;順々に」)</span>
*sub muro consistebat suorumque pugnantium numerum augebat.
**城壁の下に陣取って、味方の戦う者たちの数を増した。
*③ Quorum cum magna multitudo convenisset,
**その者たちの大群集が集結したときに、
*matres familiae quae paulo ante Romanis de muro manus tendebant,
**少し前にはローマ人たちに城壁から手を差し出していた家庭の母親たちが
*suos obtestari
**味方に哀願して、
*et more Gallico passum capillum ostentare liberosque in conspectum proferre coeperunt.
**ガッリアの風習により、髪を広げて示し、子供たちを(男たちの)眼前に運び始めた。
*④ Erat Romanis nec loco nec numero aequa contentio;
**ローマ人たちにとっては、地の利でも(兵の)数でも、対等な闘いはなかった。
*simul et cursu et spatio pugnae defatigati
**と同時に、戦いの疾走や時間(の長さ)に疲弊させられていて、
*non facile recentes atque integros sustinebant.
**(ガッリア勢の)新来かつ無傷の者たちに、容易に持ちこたえられなかった。
===49節===
'''カエサルが劣勢の自軍に副官セクスティウスを増援する'''
*① Caesar cum iniquo loco pugnari hostiumque augeri copias videret,
**カエサルは(戦闘が自軍に)不利な場所で戦われていること、かつ敵方の軍勢が増やされていることを見たので、
*praemetuens suis
**配下の者たちを気遣って、
*ad T.(Titum) Sextium legatum, quem minoribus castris praesidio reliquerat, misit,
**小さい方の陣営に守備として残しておいた<ruby><rb>[[w:レガトゥス|総督副官]]</rb><rp>(</rp><rt>レガトゥス</rt><rp>)</rp></ruby>ティトゥス・セクスティウスのところへ(伝令を)遣わして、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:セクスティウスについては、すでに副官として[[ガリア戦記 第6巻#1節|第6巻1節]]で言及されている。)</span>
*ut cohortes ex castris celeriter educeret
**陣営から(いくつかの)<ruby><rb>[[w:コホルス|歩兵大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>を速やかに進発させるように、
*et sub infimo colle ab dextro latere hostium constitueret,
**かつ丘陵のふもとの下方で、敵方の右の側面に布陣するように、と。
*② ut, si nostros loco depulsos vidisset, quominus libere hostes insequerentur terreret.
**もし我が方が(戦闘の)場所から追いやられたのを見たら、敵方が自由に追撃することにならぬよう脅かすためである。
*③ Ipse paulum ex eo loco cum legione progressus, ubi constiterat,
**(カエサル)自身は、停止していた場所から、軍団とともに少し前進して、
**:<span style="color:#009900;">([[#47節|47節]]①項で既述のように、カエサルとともに停止していたのは[[w:第10軍団エクェストリス|第10軍団]]である。)</span>
*eventum pugnae exspectabat.
**戦いの決着を待っていた。
===50節===
'''激戦の末、敗勢に陥るローマ軍'''
*① Cum acerrime comminus pugnaretur, hostes loco et numero, nostri virtute confiderent,
**(両軍により)激烈に格闘して戦われていて、敵方は地の利と(兵の)数を、我が方(ローマ軍)が武勇を頼りとしていたときに、
*subito sunt Haedui visi ab latere nostris aperto,
**突如として、我が方にとって開けた側面(=右側)から、[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の者たち(の姿)が見られた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:「開けた側面から」ab latere aperto とは、兵士の[[w:スクトゥム|長盾]]で覆われていない右側を指す。)</span>
*quos Caesar ab dextra parte alio ascensu manus distinendae causa miserat.
**カエサルがその者たちを右の方面から別の登り道により(敵の)部隊を分散しておくために派遣していたのだ。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:この事は、[[#45節|45節]]⑩項で述べられている。)</span>
*② Hi similitudine armorum vehementer nostros perterruerunt,
**彼らの武具が(ガッリア勢のものと)似ていることが、我が方(の兵士たち)を極度に怖れさせた。
*ac tametsi dextris humeris<ref>humeris が写本(ω)の記述であるが、umeris とするのも一般的となっている。</ref> exsertis animadvertebantur, quod insigne pactum<ref>pactum はHellerによる修正提案で、写本(ω)では pacatum となっており、研究者たちにより他の修正も提案されている。</ref> esse consuerat,
**(ハエドゥイー勢は)右の肩を脱いでいるのが視認され、その印は(味方として)定められているのが常であったが、
*tamen id ipsum sui fallendi causa milites ab hostibus factum existimabant.
**けれども(ローマ人の)兵士たちは、それ自体が自分たちを欺くために、敵方によりなされたと考えたのだ。
[[画像:Dorf_La_Roche_Blanche.JPG|thumb|right|300px|ゲルゴウィア([[w:la:Gergovia|Gergovia]])すなわち現在のジェルゴヴィ高地([[w:fr:Plateau_de_Gergovie|Plateau de Gergovie]])の遠景(南方のル・クレスト [[w:fr:Le_Crest|Le Crest]] から撮影)。画像中央がローマ軍が小さい方の陣営を設置していたと推定されているラ・ロシュ=ブランシュ([[w:fr:La_Roche-Blanche_(Puy-de-Dôme)|La Roche Blanche]])の丘陵で、山頂からこの丘陵の辺りが激戦地だったと思われる。現在は山麓にかけて住宅地が広がっている。]]
*③ Eodem tempore L.(Lucius) Fabius centurio quique una murum ascenderant,
**同じ時に、<ruby><rb>[[w:ケントゥリオ|百人隊長]]</rb><rp>(</rp><rt>ケントゥリオ</rt><rp>)</rp></ruby>ルキウス・ファビウスおよび一緒に城壁を登っていた者たちは、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ファビウスらについては、[[#47節|47節]]⑦項で述べられている。)</span>
*circumventi atque interfecti de<ref>de はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> muro praecipitabantur.
**(ガッリア勢に)取り囲まれ、殺害されて、城壁から突き落とされた。
*④ M.(Marcus) Petronius, eiusdem legionis centurio,
**同じ[[w:ローマ軍団|軍団]]の百人隊長マルクス・ペトロニウスは、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ファビウスと同じ軍団とは、[[#47節|47節]]⑦項で述べられているように[[w:第8軍団アウグスタ|第8軍団]]である。)</span>
*cum portas<ref>portas は写本(ω)の記述だが、portam と単数形にする修正も提案されている。</ref> excidere conatus esset,
**城門を突き破って出ることを試みていたときに、
*a multitudine oppressus ac sibi desperans multis iam vulneribus acceptis,
**(敵の)大勢によって圧倒されて、すでに多くの傷を受けて自分に絶望しており、
*manipularibus suis, qui illum secuti erant<ref>secuti erant はα系写本の記述で、β系写本では erant secuti となっている。</ref>,
**彼に付き従っていた同じ隊の配下の者たちに、
*"quoniam" inquit "me una vobiscum servare non possum,
**曰く「私と諸君を一緒に救うことはできないのだから、
*vestrae quidem certe vitae prospiciam, quos cupiditate gloriae adductus in periculum deduxi.
**せめて、栄誉の欲に引き寄せられて危険に引きずり込んでしまった諸君の生命にはきっと見通しを与えるであろう。
*⑤ Vos data facultate vobis consulite."
**諸君は(生き延びる)可能性が与えられているから、諸君(自身)を助けたまえ。」
*Simul in medios hostes inrupit duobusque interfectis reliquos a porta paulum submovit.
**と同時に、敵方の真ん中に押し入って、2名を殺害して、ほかの者たちを城門からいくらか退けた。
*⑥ Conantibus auxiliari suis
**(ペトロニウスは自分の)支援を試みる配下の者たちに、
*"frustra" inquit "meae vitae subvenire conamini, quem iam sanguis viresque deficiunt.
**曰く「もはや血も活力も尽き果てた私の生命を助けることを試みているのは無益だ。
*Proinde abite, dum est facultas, vosque ad legionem recipite."
**ゆえに(生き延びる)可能性がある間に立ち去れ。諸君は軍団のところへ退却せよ。」
*Ita pugnans post paulum<ref>paulum はα系・ρ系写本の記述で、π系写本では paululum となっており、paulo という修正提案もされている。</ref> concidit ac suis saluti fuit.
**こうして(ペトロニウスは)戦って少し後で斃れ、配下の者たちにとっては救いとなった。
===51節===
[[画像:Monument_gergovie_fr.jpg|thumb|right|290px|[[w:ゲルゴウィアの戦い|ゲルゴウィア戦勝]]記念碑。[[w:1903年|1903年]]に[[w:クレルモン=フェラン|クレルモン=フェラン市]]出身の建築家ジャン・テラール([[w:fr:Jean Teillard|Jean Teillard]])が、侵略者カエサルを撃退した郷土の英雄[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]に捧げるためにジェルゴヴィ高地([[w:fr:Plateau_de_Gergovie|Plateau de Gergovie]])に建立したものである。]]
[[画像:Plaque_Napoléon_III_Gergovie.jpg|thumb|right|300px|[[w:ゲルゴウィアの戦い|ゲルゴウィア]]の地に残る銘板。フランス語で「[[w:ナポレオン3世|ナポレオン3世]]は、1862年のゲルゴウィアの[[w:オッピドゥム|城塞都市]](跡)訪問の結果、メルドーニュ(Merdogne)の住民たちの要求に対して、1865年1月11日の政令によって、彼らの村にジェルゴヴィ([[w:fr:Gergovie|Gergovie]])の名を与えることを決定した。」<!-- «A la suite de sa visite sur l'oppidum de Gergovia en 1862, Napoléon III, à la demande des habitants de Merdogne, décida d'attribuer à leur village le nom de Gergovie, par décret du 11 janvier 1865.»-->]]
'''カエサルが一敗地に塗れる'''
*① Nostri cum undique premerentur,
**我が方(ローマ軍)は、至る所で圧倒されたので、
*XLVI(sex et quadraginta)<ref>XLVI はα系写本の記述で、β系写本では sex et XL となっている(どちらも46)。</ref> centurionibus amissis deiecti sunt loco.
**46名の<ruby><rb>[[w:ケントゥリオ|百人隊長]]</rb><rp>(</rp><rt>ケントゥリオ</rt><rp>)</rp></ruby> を失い、(激戦の)場所から追いやられた。
*Sed intolerantius Gallos insequentes
**けれども、容赦なく追撃して来るガッリア人たちを
*legio decima tardavit, quae pro subsidio paulo aequiore loco constiterat.
**予備部隊(もしくは要撃部隊)として、いくらか平らな所に陣取っていた[[w:第10軍団エクェストリス|第10軍団]]が妨げた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#47節|47節]]①項で既述のように、第10軍団はカエサルとともに待機していた。)</span>
*② Hanc rursus XIII(tertiae decimae) legionis cohortes exceperunt,
**これ(=第10軍団)をさらに、第13軍団の諸<ruby><rb>[[w:コホルス|大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>が支えた。
*quae ex castris minoribus eductae cum T.(Tito) Sextio legato ceperant locum<ref>ceperant locum はα系写本の記述で、β系写本では locum ceperant となっている。</ref> superiorem.
**それらは<ruby><rb>[[w:レガトゥス|総督副官]]</rb><rp>(</rp><rt>レガトゥス</rt><rp>)</rp></ruby>ティトゥス・セクスティウスとともに小さい方の陣営から進発してより高い所を占めていたのだ。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#49節|49節]]を参照。)</span>
*③ Legiones ubi primum planitiem attigerunt,
**諸[[w:ローマ軍団|軍団]]は、平野に達するや否や、
*infestis contra hostes signis constiterunt.
**敵方に抗して戦備を整えて陣取った。
*④ [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]] ab radicibus collis suos intra munitiones reduxit.
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は、配下の者たちを丘陵の麓から(ゲルゴウィアの)防備の内側に連れ戻した。
*Eo die milites sunt paulo minus [[wikt:la:Septingenti|septingenti]] desiderati.
**その日、(ローマ軍は)700名よりいくらか少ない兵士を失った。
<br>
:<span style="color:#009900;">(訳注:カエサルとウェルキンゲトリークスは、たびたび交えた騎兵戦ではカエサルが勝っているが、</span>
:<span style="color:#009900;">両軍の主力部隊である歩兵どうしが激突したこの戦闘は、地の利もあって、ウェルキンゲトリークスが完勝した。</span>
:<span style="color:#009900;">カエサルは第8軍団など古参の部隊を投入しながら、歴戦の百人隊長と兵士たちを多く失った。)</span>
===52節===
'''敗軍の将カエサルが兵士たちを責める'''
*① Postero die Caesar contione advocata
**翌日にカエサルは(兵士たちの)集会を召集して、
*temeritatem cupiditatemque militum<ref>cupiditatemque militum はα系写本の記述で、β系写本では militum cupiditatemque となっている。</ref> reprehendit,
**兵士たちの無思慮や功名心をとがめた。
*quod sibi ipsi iudicavissent, quo procedendum aut quid agendum videretur,
**というのは、どこへ進み出るべきか、あるいは何がなされるべきと思われるのか、自分たちに対し自分たちで判断してしまったからだ。
*neque signo recipiendi dato constitissent
**退却することの合図を与えられても留まりもせず、
*neque ab<ref>ab はα系写本の記述で、β系写本では a となっている。</ref> tribunis militum legatisque retineri potuissent.
**<ruby><rb>[[w:トリブヌス・ミリトゥム|兵士長官]]</rb><rp>(</rp><rt>トリブヌス・ミリトゥム</rt><rp>)</rp></ruby>や<ruby><rb>[[w:レガトゥス|総督副官]]たち</rb><rp>(</rp><rt>レガトゥス</rt><rp>)</rp></ruby>により制止されることもできなかったからだ。
*② Exposuit quid iniquitas loci posset, quod<ref>quod は写本(ω)では quid となっているが、近世以降の校訂者たちは quod と修正提案している。</ref> ipse ad [[w:la:Avaricum Biturigum|Avaricum]] sensisset,
**地の利のなさがどれほど影響するのか、(カエサル)自身がアウァーリクムで判断したことを説明した。
*cum sine duce et sine equitatu deprehensis hostibus
**将帥もなく騎兵隊もない敵たちを探し当てたときに、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#18節|18節]]~[[#19節|19節]]を参照。そのときガッリア勢は、ウェルキンゲトリークスが騎兵隊を連れて出て不在であった。)</span>
*exploratam victoriam dimisisset,
**確実であった勝利を諦めたのだ。
*ne parvum modo detrimentum in contentione propter iniquitatem loci accideret.
**地の利のなさのために、闘いにおいてほんのわずかな損害も生じないように(勝利を諦めたのだ)。
*③ Quanto opere<ref>Quanto opere はα系写本の記述で、β系写本では Quantopere となっている。</ref> eorum animi magnitudinem admiraretur,
**彼ら(兵士たち)の大胆さに(カエサルが)驚嘆すればするほど、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:quanto opere ~ tanto opere …/quantopere ~ tantopere …「~すればするほど、ますます…」)</span>
*quos non castrorum munitiones, non altitudo montis, non murus oppidi tardare potuisset,
**彼らのことを(ガッリア勢の)陣営の防備も、山の高さも、[[w:オッピドゥム|城塞都市]]の城壁も妨げることができなかったのではあるが、
*tanto opere<ref>tanto opere はα系・T・ρ系写本の記述で、V写本では tantopere となっている。</ref> licentiam arrogantiamque reprehendere,
**それだけにますます(兵士たちの)勝手気ままさや高慢さを(カエサルは)非難する(と言った)。
*quod plus se quam imperatorem de victoria atque exitu rerum sentire existimarent;
**というのは、自分たちが将軍(カエサル)よりも勝利と事の結末についてよく判断していると考えていたからだ。
*④ nec<ref>nec はα系写本の記述で、β系写本では non となっている。</ref> minus se ab<ref>ab はα系写本の記述で、β系写本では in となっている。</ref> milite modestiam et continentiam quam virtutem atque animi magnitudinem desiderare.
**自分(カエサル)は兵士たちに、武勇や大胆さよりも、慎重さや自制心を望んでいるのだ。
*:<span style="color:#009900;">(訳注:カエサルは兵士たちを上のように責めたが、兵士たちを統制できなかった責任は最高司令官にある。)</span>
===53節===
'''カエサルとローマ軍がゲルゴウィアから撤退'''
*① Hac habita contione et ad extremam orationem confirmatis militibus,
**(カエサルは)このような熱弁を振るって、演説の最後に、兵士たちを元気付けた。
*ne ob hanc causam animo permoverentur
**このような理由のために心をかき乱されないように、
*neu, quod iniquitas loci attulisset, id virtuti hostium tribuerent,
**かつ、地の利のなさが引き起こしたことを、敵方の武勇に転嫁しないように、と。
*eadem de profectione cogitans, quae ante senserat,
**(ゲルゴウィアからの)出発については、以前から判断していたのと同じことを考えていて、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#43節|43節]]⑤項を参照。ゲルゴウィアからの撤退が敗走同然に見られないようにと、考えていたのであろう。)</span>
*legiones ex castris eduxit aciemque idoneo loco constituit.
**諸[[w:ローマ軍団|軍団]]を陣営から進発させて、適切な場所に戦列を整えた。
*② Cum [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]] nihilo minus < intra munitiones remaneret neque > in aequum locum descenderet,
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]が、防備の内側に留まったばかりか、平らな場所に降りてこなかったので、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:< intra munitiones remaneret neque > は、写本になく、近代に挿入提案された修正案の一つ。)</span>
*levi facto equestri proelio, atque secundo, in castra exercitum reduxit.
**軽微な騎兵戦を行なって、順調のうちに軍隊を陣営に連れ戻した。
*③ Cum hoc idem postero die fecisset,
**翌日もこれと同じことを行なって、
*satis ad Gallicam ostentationem minuendam militumque animos confirmandos factum existimans
**ガッリア人の誇示を弱めること、および(ローマ人)兵士の心を強固にすることが十分になされたと考えたので、
*in [[w:la:Haedui|Haeduos]] movit castra.
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]のところに陣営を移(すために出発)した。
*④ Ne tum quidem insecutis hostibus
**そのとき、敵方は決して追撃して来なかったので、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:ne quidem|ne ~ quidem]]「~でさえ…ない」)</span>
*tertio die ad flumen [[w:la:Elaver|Elaver]] pontes<ref>pontes はα系写本の記述で、β系写本では pontem となっている。</ref> reficit<ref>reficit はχ系・B・M・L・N写本の記述で、S写本では refecit となっている。</ref> eoque exercitum<ref>eoque exercitum はα系写本の記述で、β系写本では exercitumque となっている。</ref> traducit<ref>traducit はα系写本の記述で、β系写本では traduxit となっている。</ref>.
**3日目にはエラウェル川(=現在の[[w:アリエ川|アリエ川]])のところで橋を再建して、そこで軍隊を渡らせた。
===54節===
'''ハエドゥイー族のエポレドリクスとウィリドマルスらがカエサルのもとから立ち去る'''
*① Ibi a Viridomaro atque [[w:la:Eporedorix|Eporedorige]] [[w:la:Haedui|Haeduis]] appellatus discit
**そこで(カエサルが)[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の[[w:ウィリドマルス|ウィリドマルス]]と[[w:エポレドリクス|エポレドリクス]]から話しかけられて知ったことには、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#39節|39節]]~[[#40節|40節]]を参照。ウィリドマルスとエポレドリクスはカエサルの軍勢に従軍していたと思われる。)</span>
*cum omni equitatu Litaviccum ad sollicitandos Haeduos profectum;
**[[w:リタウィックス|リタウィックス]]がすべての騎兵隊とともに、ハエドゥイー族の者たちをそそのかすために出発したという。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#40節|40節]]を参照。リタウィックスは謀計が破れたので、ゲルゴウィアに逃れていた。)</span>
*opus esse ipsos antecedere ad confirmandam civitatem.
**部族の支持を固めるために、(彼ら)自身が(リタウィックスより)先行することが必須であるというのだ。
*② Etsi multis iam rebus perfidiam Haeduorum<ref>perfidiam Haeduorum はα系写本の記述で、β系写本では Haeduorum perfidiam となっている。</ref> Caesar<ref>Caesar はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> perspectam habebat
**カエサルは、すでに多くの事により、ハエドゥイー族の背信行為を目にして来ており、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:Etsi ~, tamen …「~としても、しかしながら…」)</span>
*atque horum discessu admaturari defectionem civitatis existimabat,
**この者たちが(カエサルのもとから)立ち去ることで、(ハエドゥイー)部族の背反が一層促進されると考えていたのだが、
*tamen eos retinendos non censuit<ref>censuit はπ系写本の記述で、α系・ρ系写本では constituit となっている。</ref>,
**しかしながら、彼ら(2人)を束縛するべきではないと考慮した。
*ne aut inferre iniuriam videretur aut dare<ref>dare はα系写本の記述で、β系写本では daret となっている。</ref> timoris aliquam<ref>timoris aliquam はα系写本の記述で、β系写本では aliquam timoris となっている。</ref> suspicionem.
**(カエサルが)無法行為を起こすと思われないように、あるいは(彼らを)怖れているという何らかの疑念を与えないように。
*③ Discedentibus his breviter sua in Haeduos merita exposuit,
**(カエサルは)立ち去る彼らに、ハエドゥイー族における自分の功績を手短に説明した。
*quos et quam humiles accepisset, compulsos in oppida, multatos agris,
**彼らが、どれほど無力であったのを引き受けたことか、[[w:オッピドゥム|城塞都市]]に押し込められ、耕地を台無しにされて、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:et ~, et …「~でもあり、…でもある。」)</span>
*omnibus ereptis sociis<ref>sociis「同盟者たち」 はβ系写本の記述で、α系写本では copiis「軍勢」となっている。</ref>, imposito stipendio, obsidibus summa cum contumelia extortis,
**すべての同盟者たちを奪い取られ、貢物を課せられて、たいへんな侮辱とともに人質をもぎ取られていたことか。
*④ et quam in fortunam quamque in amplitudinem deduxisset,
**かつ、どれほどの境遇に、どれほどの高位に(カエサルが)引き上げもしたことか。
*ut non solum in pristinum statum redissent,
**その結果(ハエドゥイー族は)かつての地位に戻っただけでなく、
*sed omnium temporum dignitatem et gratiam antecessisse viderentur.
**(以前の)あらゆる時期の品格や信望をも越えていると思われる。
*His datis mandatis eos ab se dimisit.
**このような訓示を与えて、彼ら(2人)を自分のもとから送り出した。
===55節===
'''エポレドリクスとウィリドマルスらがローマの拠点ノウィオドゥーヌムで寝返る'''
[[画像:Nevers_-_Vue_depuis_la_rive_sud_de_la_Loire.jpg|thumb|center|700px|ノウィオドゥーヌム([[w:la:Nivernum|Noviodunum]])=現・[[w:ヌヴェール|ヌヴェール]]([[w:fr:Nevers|Nevers]])における、リゲル川([[w:la:Liger|Liger]])=現・[[w:ロワール川|ロワール川]]([[w:fr:Loire (fleuve)|Loire]])の岸辺の景観]]
*① [[w:la:Nivernum|Noviodunum]] erat oppidum [[w:la:Haedui|Haeduorum]] ad ripas [[w:la:Liger|Ligeris]] opportuno loco positum.
**ノウィオドゥーヌムは、[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の[[w:オッピドゥム|城塞都市]]で、リゲル川(現[[w:ロワール川|ロワール川]])岸の好都合な所に位置していた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:『ガリア戦記』には同名の都市が計3か所載っているが、こちらは現在の[[w:ヌヴェール|ヌヴェール]] Nevers である。<br> 「[[ガリア戦記/ガリア語の名前#Nouio-dūnon|ガリア語の名前 #Nouio-dūnon]]」を参照せよ。)</span>
*② Huc Caesar omnes obsides Galliae, frumentum, pecuniam publicam,
**ここに、カエサルは、ガッリアのすべての人質たちや、糧食、公金、
*suorum atque exercitus impedimentorum magnam partem contulerat;
**および自分と軍隊の[[w:輜重|輜重]]の大部分を運び集めていた。
*③ huc magnum numerum equorum huius belli causa in [[w:la:Italia|Italia]] atque [[w:la:Hispania|Hispania]] coemptum miserat.
**ここに、この戦争のためにイタリアと[[w:ヒスパニア|ヒスパニア]]から買い集めた馬匹の多数を送っておいた。
*④ Eo cum [[w:la:Eporedorix|Eporedorix]] Viridomarusque venissent et de statu civitatis cognovissent,
**そこに、[[w:エポレドリクス|エポレドリクス]]と[[w:ウィリドマルス|ウィリドマルス]]がやって来て、(以下のような)部族の情勢について察知したときに、
[[画像:Bibracte333_crop.JPG|thumb|right|400px|[[w:ビブラクテ|ビブラクテ]]の[[w:オッピドゥム|城塞都市]]跡に整備された城壁の遺構]]
*Litaviccum [[w:la:Bibracte|Bibracti]] ab Haeduis receptum,
**(すなわち)リタウィックスが、ハエドゥイー族の者たちによって[[w:ビブラクテ|ビブラクテ]]に迎え入れられ、
*─ quod est oppidum apud eos maximae auctoritatis ─,
**それ(ビブラクテ)は彼ら(ハエドゥイー族)のもとで最大の影響力を持つ城塞都市であるが、
*Convictolitavem<ref>Convictolitavem はβ系・N写本の記述で、χ系・B・M・S・L写本では Convictolitabim となっている。</ref> magistratum magnamque partem senatus ad eum convenisse,
**統領コンウィクトリタウィスと評議会の大半の者たちが彼(リタウィックス)のもとへ参集し、
*legatos ad [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorigem]] de pace et<ref>et は α系・U写本の記述で、π系・R写本では et de となっている。</ref> amicitia concilianda publice missos,
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]のところへ和平と友好を仲介するべく公けに使節たちが遣わされた(ことを知った)ので、
*non praetermittendum instans<ref>instans はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> tantum commodum existimaverunt.
**(エポレドリクスとウィリドマルスは)眼前にあるこれほどの好機を放置するべきではないと考えたのだ。
*⑤ Itaque interfectis Novioduni custodibus quique eo negotiandi aut itineris<ref>aut itineris はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> causa convenerant,
**こうして(2人は)ノウィオドゥーヌムの(ローマ側の)番兵たちや商用や旅行のために来訪していた者たちを殺害し、
*pecuniam atque equos inter se partiti sunt;
**金銭および馬匹を互いに分け合った。
*⑥ obsides civitatum Bibracte ad magistratum deducendos curaverunt;
**(ガッリアの)部族の人質たちをビブラクテの統領のところへ連れて行くように手配した。
*⑦ oppidum, quod a<ref>a はα系写本の記述で、β系写本では ab となっている。</ref> se teneri non posse iudicabant,
**(ノウィオドゥーヌムの)城塞都市は、自分たちによって固守することはできないと判断したので、
*ne cui esset usui Romanis, incenderunt;
**ローマ人たちの有益になることがないように、焼き打ちした。
*⑧ frumenti quod subito potuerunt navibus avexerunt,
**糧食のうち、急いで(運ぶことが)できるものを船団で運び去って、
*reliquum flumine atque incendio corruperunt.
**残りのものを川(に流すこと)により、および焼き打ちにより、役立たないようにした。
*⑨ Ipsi ex finitimis regionibus copias cogere,
**(彼ら)自身は、近隣の地方から軍勢を徴集して、
*praesidia custodiasque ad ripas Ligeris disponere
**リゲルの川岸のたもとへ守備隊や番兵を分配して、
*equitatumque omnibus locis iniciendi timoris causa ostentare coeperunt,
**(ローマ人に)恐怖(の感情)を起こさせるために、[[w:騎兵|騎兵隊]]に誇示をさせ始めた。
*si ab re frumentaria Romanos excludere
**もし、ローマ人たちが糧食調達することを阻止するなら、
*† aut adductos inopia in provincia<ref>in provincia は、α系写本では ex provincia「属州から」、β系写本では provincia となっているが、コンスタン Constans やクロッツ A.Klotz らにより in provincia「属州に」と修正提案されている。</ref> expellere<ref>expellere「駆逐する」 はα系写本の記述で、β系写本では excludere「阻止する、妨げる」 となっている。</ref> † possent.
**あるいは(糧食などの)欠乏により、属州に駆逐することができるなら、と。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:† ~ † は、写本の文章が崩れて校訂者を迷わせていることを表す記号。修正提案されている。)</span>
*⑩ Quam ad spem multum eos adiuvabat,
**そのような希望へ、彼らを大いに励まし助けたのは、
*quod Liger ex nivibus creverat,
**リゲル川(の水位)が雪水により増したことで、
*ut omnino vado non posse transiri videretur.
**すべての浅瀬が渡らせられることができないと思われたのである。
===56節===
'''カエサルが属州へは戻らず、増水したリゲル川の渡河を敢行'''
*① Quibus rebus cognitis Caesar maturandum sibi censuit,
**それらの事態を知ると、カエサルは自らにとって(以下のことを)急ぐべきだと考慮した。
*si esset in perficiendis pontibus periclitandum,
**もし、橋を造り上げる最中に(敵勢と闘うという)危険を冒すのであれば、
*ut prius, quam essent maiores eo coactae copiae, dimicaret.
**そこに(敵方の)より多くの軍勢が集結するよりも早く闘うように(急ぐべきだと)。
*② Nam ut commutato consilio iter in provinciam converteret,
**なぜなら、作戦を変更して、属州([[w:ガリア・ナルボネンシス|ガッリア・トラーンサルピーナ]])に進路を方向転換するようにと、
*ne metu quidem<ref>ne metu quidem はα系写本の記述で、β系写本では nemo tunc quidem 、そのほか近代の校訂者によって修正提案が行なわれている。</ref> necessario faciendum<ref>faciendum はβ系写本の記述で、α系写本では faciundum となっている。</ref> existimabat;
**(ガッリア勢への)怖れによって行なうことは決して必要ではない、と考えたのだ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:ne quidem|ne ~ quidem]]「~でさえ…ない」)</span>
*cum infamia atque indignitas rei
**(属州に撤退するという)事の不名誉や恥辱が、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:cum ~ tum …「~であるのと同様に特に…である」)</span>
*et oppositus mons Cevenna<ref>Cevenna はχ系・U写本の記述で、π系・R写本の記述では Cebenna、φ系写本では Cevennae となっている。</ref> viarumque difficultas impediebat,
**およびケウェンナ山地が相対して道の(通行の)困難なことが、(属州への撤退を)妨げていたし、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ケウェンナ山地 mons Cevenna は現在のセヴェンヌ山地。[[#8節|8節]]を参照。)</span>
*tum maxime quod abiuncto [[w:la:Titus_Labienus|Labieno]] atque iis legionibus, quas una miserat, vehementer timebat.
**同様に、とりわけ[[w:ティトゥス・ラビエヌス|ラビエーヌス]]と一緒に派遣していた諸[[w:ローマ軍団|軍団]]から遠ざけられて、非常に心配してもいたのだ。
*③ Itaque admodum magnis diurnis nocturnisque itineribus confectis
**こうして、昼間も夜間も非常な強行軍を成し遂げて、
*contra omnium opinionem ad [[w:la:Liger|Ligerem]]<ref>Ligerem はα系写本の記述で、β系写本では Ligerim となっている。</ref> venit
**皆の予想に反して、リゲル川(=現[[w:ロワール川|ロワール川]])の辺りにやって来た。
*④ vadoque per equites invento pro rei necessitate opportuno,
**事態の緊急性に見合う好都合な浅瀬を、[[w:騎兵|騎兵]]たちを通じて見出して、
*ut brachia modo atque humeri<ref>humeri はA・φ系・ρ系写本の記述で、Q写本では umeri となっている。</ref> ad sustinenda arma liberi ab aqua esse possent,
**やっと腕と肩を、武器を差し上げるために、水から自由になることができた。
*disposito equitatu, qui vim fluminis refringeret,
**川の流れの圧力を妨げるべく、騎兵隊を分けて置いて、
*atque hostibus primo aspectu perturbatis,
**敵方は(ローマ勢を)初めに一見するや狼狽していたので、
*⑤ incolumem exercitum traduxit
**(カエサルは)軍隊を無傷のまま渡河させた。
*frumentumque in agris et pecoris copiam nactus
**耕地の穀物、および大量の家畜を獲得して、
*repleto his rebus exercitu
**これらの物を軍隊に補充して、
*iter in Senones facere instituit.
**セノネース族のところに行軍することを決めた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:セノネース族の方面には、副官ラビエーヌスと4個軍団を派遣していた。)</span>
==ラビエーヌスのルテティア遠征==
===57節===
'''副官ラビエーヌスがルテティア制圧に向かう'''
*① Dum haec apud Caesarem geruntur,
**これらがカエサルのもとで遂行されている間に、
*[[w:la:Titus Labienus|Labienus]] eo supplemento, quod nuper ex Italia venerat,
**[[w:ティトゥス・ラビエヌス|ラビエーヌス]]は、最近イタリアから来ていた補充兵(予備兵)を
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#34節|34節]]で既述のようにラビエーヌスはカエサルから4個軍団とともにガッリア北部の制圧を委ねられていた。</span>
**:<span style="color:#009900;">また、[[#1節|1節]]で既述のようにカエサルはイタリア(属州[[w:ガリア・キサルピナ|ガッリア・キサルピーナ]])で部隊を徴兵していた。)</span>
*relicto [[w:la:Agedincum|Agedinci]], ut esset impedimentis praesidio,
**アゲディンクムに、[[w:輜重|輜重]]にとっての守備隊となるように、残留させて、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#10節|10節]]で既述のように、カエサルはアゲディンクム(現在の[[w:サンス|サンス]])に全軍の輜重を残していた。)</span>
*cum quattuor legionibus Luteciam<ref>Luteciam はα系写本の記述で、π系写本では Luceciam 、ρ系写本では Lucetiam となっている。[[ガリア戦記 第6巻#3節|第6巻3節]]では Lutetia(m) とも綴られている。</ref> proficiscitur.
**4個軍団とともに[[w:ルテティア|ルテティア]]に出発した。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ルテティア Lutetia は写本ではルテキア Lutetia とも綴られる。[[ガリア戦記 第6巻#3節|第6巻3節]]を参照。)</span>
*Id est oppidum Parisiorum, quod positum est<ref>quod positum est はα系写本の記述で、β系写本では単に positum となっている。</ref> in insula fluminis [[w:la:Sequana|Sequanae]].
**それ(ルテティア)は[[w:パリシイ族|パリスィイ族]]の<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>で、セクアナ川(=現[[w:セーヌ川|セーヌ川]])の中洲に位置している。
*② Cuius adventu ab hostibus cognito
**彼(ラビエーヌス)の到来が敵方により知られると、
*magnae ex finitimis civitatibus copiae convenerunt.
**近隣の諸部族から大軍勢が集結していた。
*③ Summa imperii traditur Camulogeno Aulerco,
**(北部ガッリア勢の)最高司令権は、[[w:アウレルキ族|アウレルキ族]]の[[w:カムロゲヌス|カムロゲヌス]]に託された。
*qui prope confectus aetate
**その者はかなり年老いていたが、
*tamen propter singularem scientiam rei militaris ad eum est honorem evocatus.
**けれども、彼の卓越した軍事の知識のために、顕職に召集されたのだ。
*④ Is cum animadvertisset perpetuam esse paludem,
**彼(カムロゲヌス)は、沼地が絶え間なくあることに気付いていたので、
*quae influeret in Sequanam atque illum omnem locum magnopere impediret,
**それはセクアナ(川)に流れ込み、かの一帯すべてを大いに近付きにくくしていたので、
*hic consedit nostrosque transitu prohibere instituit.
**ここに陣取って、我が方(ローマ勢)が渡河するのを妨げることに決めた。
===58節===
'''ラビエーヌスがメトロセドゥムを陥落させ、ルテティアのガッリア勢と対峙'''
*① [[w:la:Titus Labienus|Labienus]] primo vineas agere, cratibus atque aggere paludem explere
**[[w:ティトゥス・ラビエヌス|ラビエーヌス]]は初めに、<ruby><rb>[[w:ウィネア|工作小屋]]</rb><rp>(</rp><rt>ウィネア</rt><rp>)</rp></ruby>を駆ること、柴や土砂で沼地を埋め立てること、
*atque iter munire conabatur.
**および道を築くこと、を試みた。
*② Postquam id difficilius confieri<ref>confieri はχ系・β系写本の記述で、Q写本では confici となっている。</ref> animadvertit,
**それが成し遂げられることが困難だと気付いた後で、
*silentio e castris tertia vigilia egressus
**(敵に知られないように)静けさのうちに第三夜警時に陣営から進発して、
*eodem, quo venerat, itinere Metlosedum<ref>Metlosedum はコンスタン L.-A. Constans による修正で、π系・U写本では Metiosedum 、α系・ρ系写本では Mellodunum などとなっており、写本により表記がさまざまである。</ref> pervenit.
**やって来たのと同じ道程により、メトロセドゥムに到達した。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:メトロセドゥム Metlosedum は、写本によりメティオセドゥム Metiosedum とも綴られ、</span>
**:<span style="color:#009900;">後にはメロドゥーヌム [[w:la:Melodunum|Melodunum]] として知られる。現在の[[w:ムラン|ムラン]] [[w:fr:Melun|Melun]] である。)</span>
*③ Id est oppidum [[w:la:Senones|Senonum]] in insula [[w:la:Sequana|Sequanae]] positum, ut paulo ante de [[w:la:Lutetia|Lutecia]] diximus.
**それはセノネース族の城塞都市で、少し前に[[w:ルテティア|ルテティア]]について述べたように、セクアナ川の[[w:中州|中州]]に位置している。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ルテティアすなわち現在の[[w:パリ|パリ]]の中心部に[[w:シテ島|シテ島]]や[[w:サン=ルイ島|サン=ルイ島]]という[[w:セーヌ川|セーヌ川]]の中州があるように、</span>
**:<span style="color:#009900;">現在のムランの中心部にもサン=テティエンヌ島 [[w:fr:Île Saint-Étienne|Île Saint-Étienne]] というセーヌ川の中州がある。)</span>
*④ Deprensis<ref>deprensis という語形はα系写本の記述で、β系写本では deprehensis となっている。</ref> navibus circiter quinquaginta celeriterque coniunctis
**約50隻の船を探し出して、速やかに結び合わせて(舟橋として)、
*atque eo militibus iniectis
**そこに兵士たちを投入して、
*et rei novitate perterritis oppidanis,
**事の新奇さに<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>の者たちは脅えて、
*quorum magna pars erat ad bellum evocata,
**彼ら(住民)の大部分は戦争へ徴集されていた(ため不在であった)ので、
*sine contentione oppido potitur.
**(ラビエーヌスは)闘うことなしに(中州にあるメトロセドゥムの)城塞都市を掌握した。
*⑤ Refecto ponte, quem superioribus diebus hostes resciderant, exercitum traducit
**それ以前の日々に敵方が破却していた橋を再建して、軍隊を(中州から対岸へ)渡らせて、
*et secundo flumine ad Luteciam iter facere coepit.
**川に沿ってルテティアの方へ行軍を始めた。
*⑥ Hostes re cognita ab iis, qui Metlosedo<ref>Metlosedo はコンスタン L.-A. Constans による修正で、β系・S写本では Metiosedo 、χ系写本では Melloduno 、B・M・L・N写本では Ametlodone(あるいは Ametclodone)などとなっている。</ref> fugerant,
**敵方は、メトロセドゥムから逃げて来た者たちから事態を知って、
*Luteciam incendi pontesque eius oppidi rescindi iubent;
**ルテティアを焼打ちすること、その城塞都市の橋を破却すること、を命じた。
*ipsi profecti a palude ad ripas<ref>ad ripas はχ系・B・M・L・N写本の記述で、S・Vおよびρ系写本では in ripas 、T写本では in ripa となっている。</ref> Sequanae
**彼ら自身は、沼地からセクアナの川岸へ出発して、
*e regione Luteciae contra Labieni castra considunt.
**ルテティア(の対岸)に向かってラビエーヌスの陣営に対抗して陣取った。
===59節===
'''ガッリア諸部族が迫り、ラビエーヌスが作戦変更を決断'''
*① Iam Caesar a [[w:la:Gergovia|Gergovia]] discessisse audiebatur,
**すでに、カエサルが[[w:ゲルゴウィア|ゲルゴウィア]]から撤退したことが聞かれていたし、
*iam de [[w:la:Haedui|Haeduorum]] defectione et secundo Galliae motu rumores adferebantur,
**もはや、[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の背反や、ガッリアの動乱の順調さについての噂がもたらされていた。
*Gallique in conloquiis
**(当地の)ガッリア人たちは会話の中で、
*interclusum itinere et [[w:la:Liger|Ligeri]] Caesarem inopia frumenti coactum in provinciam contendisse confirmabant.
**カエサルが行軍やリゲル(渡河)を遮られて、糧食の欠乏により属州([[w:ガリア・ナルボネンシス|ガッリア・トラーンサルピーナ]])に急ぐことを強いられた、と確言した。
*② Bellovaci autem defectione Haeduorum cognita,
**一方で、ベッロウァキ族もハエドゥイー族の背反を知って、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ベッロウァキ族は、ハエドゥイー族の仲介によりカエサルに降伏していた。[[ガリア戦記 第2巻#14節|第2巻14節]]~15節を参照。)</span>
*qui iam<ref>qui iam は古典学者 ニコラエス・ハインシウス1世 [[w:en:Nikolaes_Heinsius_the_Elder|Nikolaes Heinsius the Elder]] による修正提案で、χ系・S・β系写本では qui 、B・M・L・N写本では quia となっている。</ref> ante erant per se infideles,
**彼ら自身もすでに以前から(カエサルやローマ人に)忠誠的でなかったが、
*manus cogere atque aperte bellum parare coeperunt.
**手勢を徴集して、公けに戦争を準備することを始めた。
*③ Tum [[w:la:Titus Labienus|Labienus]] tanta rerum commutatione
**そこで、[[w:ティトゥス・ラビエヌス|ラビエーヌス]]はこれほどの事態の変動により、
*longe aliud sibi capiendum consilium, atque antea senserat, intellegebat,
**自分にとって、以前に判断していたのとはまったく別の作戦が立てられるべきだ、と考えた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:aliud ~ atque …「…とは別の~」)</span>
*④ neque iam, ut aliquid adquireret proelioque hostes lacesseret,
**もはや、何らかのものを獲得したり、敵方に戦闘を挑むようにではなく、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:neque ut ~, sed ut …「~ようにではなく、…ように」)</span>
*sed ut incolumem exercitum Agedincum reduceret, cogitabat.
**軍隊を無傷のままでアゲディンクム(=現[[w:サンス|サンス]])に連れ戻すように、と考えた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:アゲディンクムには輜重と守備隊が残されていた。[[#10節|10節]]・[[#57節|57節]]を参照。)</span>
*⑤ Namque altera ex parte Bellovaci,
**実際、一方の側からはベッロウァキ族が、
*quae civitas in Gallia maximam habet opinionem virtutis, instabant,
**ガッリアにおいて武勇に最大の評判を持つその部族が、迫りつつあった。
*alteram Camulogenus parato atque instructo exercitu tenebat:
**他方からは、カムロゲヌスが軍隊を準備し、整列させて、進んでいた。
*tum legiones a praesidio atque impedimentis interclusas
**そのとき、(ラビエーヌス麾下の)諸軍団は(アゲディンクムにいる)守備隊や輜重から遮られて、
*maximum flumen distinebat.
**とても大きな(セクアナ)川が阻んでいた。
*⑥ Tantis subito difficultatibus obiectis
**突然に、これほどの困難が投げ出されたので、
*ab animi virtute auxilium petendum videbat.
**武勇の心構えに救いを求めるべきだと(ラビエーヌスは)思った。
===60節===
'''ラビエーヌスが陽動戦術に努める'''
*① Itaque<ref>Itaque はS・β系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> sub vesperum consilio convocato
**こうして([[w:ティトゥス・ラビエヌス|ラビエーヌス]]は)夕方に会議を召集して、
*cohortatus, ut ea, quae imperasset, diligenter industrieque administrarent,
**(彼が)命令したことを入念かつ勤勉に従事するように鼓舞した。
*naves, quas [[w:la:Melodunum|Metlosedo]]<ref>Metlosedo はコンスタン L.-A. Constans による修正で、χ系・S・β系写本では Metiosedo 、B・M写本では ameclodone 、L・N写本では a mellodone 、<i>etc</i>. となっている。</ref> deduxerat, singulas equitibus Romanis attribuit,
**[[w:ムラン|メトロセドゥム]]から引いて来ていた船団を、ローマ人騎士たち1人ずつに配分して、
*et prima confecta vigilia IIII(quattuor) milia passuum secundo flumine silentio progredi
**第一夜警時が終わる頃に、4ローママイル(6km弱)下流に静けさのうちに進発すること、
*ibique se exspectari<ref>exspectari はα系・T・ρ系写本の記述で、S・V写本では exspectare などとなっている。</ref> iubet.
**かつ、そこで自分(ラビエーヌス)を待つことを命じた。
*② Quinque cohortes, quas minime firmas ad dimicandum esse existimabat,
**(白兵戦を)闘うためにはあまり強くないと(ラビエーヌスが)考えていた5個<ruby><rb>[[w:コホルス|歩兵大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>
*castris praesidio relinquit;
**陣営にとっての守備隊として残留させた。
*quinque eiusdem legionis reliquas
**同じ軍団の残りの5個(歩兵大隊)を
*de media nocte cum omnibus impedimentis adverso flumine magno tumultu proficisci imperat.
**真夜中から、すべての[[w:輜重|輜重]]とともに、上流の方に大きな喧騒でもって出発することを命令した。
*④ Conquirit etiam lintres;
**小舟さえも探し集めて、
*has magno sonitu remorum incitatas in eandem partem mittit.
**これらを大きな音とともに[[w:櫂|櫂]]を駆って、同じ方面に派遣した。
*Ipse post paulo silentio egressus cum tribus legionibus
**(ラビエーヌス)自身は、少し後で静けさのうちに3個[[w:ローマ軍団|軍団]]とともに進発して、
*eum locum petit, quo naves appelli iusserat.
**船団が停められることを命じていた地点へ行った。
===61節===
'''ラビエーヌスの陽動により、敵将カムロゲヌスが兵力を分散'''
*① Eo cum esset ventum,
**(ラビエーヌスの軍勢が)そこにやって来たときに、
*exploratores hostium, ut omni fluminis parte erant dispositi,
**敵方の偵察者たちが(セクアナ)川の至る所に分けて置かれていたが、
*inopinantes, quod magna subito erat coorta tempestas,
**突然に大きな嵐が生じたので(ローマ勢の襲撃を)予期していなかった者たちは、
*ab<ref>ab はχ系・B・M・L・N写本の記述で、S・β系写本では a となっている。</ref> nostris opprimuntur;
**我が方(ローマ勢)によって不意を襲われたのだ。
*② exercitus equitatusque equitibus Romanis administrantibus, quos ei negotio praefecerat,
**歩兵隊と騎兵隊が、(ラビエーヌスが)任務を指揮させていたローマ人騎士たちの指導により、
*celeriter transmittitur.
**速やかに(セクアナ川を)渡らせられた。
*③ Uno fere tempore sub lucem hostibus nuntiatur
**夜明け前のほぼ一時に(以下のことが)敵方に報知された。
*in castris Romanorum praeter consuetudinem tumultuari
**ローマ人の陣営において、通例に反して、騒がれていること、
*et magnum ire agmen adverso flumine
**大きな隊列が上流の方へ行軍していること、
*sonitumque remorum in eadem parte exaudiri
**(船を漕ぐ)櫂の音が同じ方面で聞き取られたこと、
*et paulo infra milites navibus transportari.
**少し下流で兵士たちが船で(セクアナ川を)渡されたこと、である。
*④ Quibus rebus auditis,
**それらの事態が聞かれて、
*quod existimabant tribus locis transire legiones atque omnes perturbatos defectione [[w:la:Haedui|Haeduorum]] fugam parare,
**(ローマ勢の)諸軍団が3か所で渡河したこと、[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の背反により総勢が取り乱して逃亡を準備していること、を考えたので、
*suas quoque copias in tres partes distribuerunt.
**自分たちの軍勢をも3方面に分配した。
*⑤ Nam praesidio e regione castrorum relicto
**すなわち(一隊がローマ勢の)陣営の真向かいに守備隊として残され、
*et parva manu Metlosedum<ref>Metlosedum はQ写本の記述で、χ系・β系写本では Metiosedum 、などとなっている。</ref> versus missa,
**(別の)わずかな手勢が[[w:ムラン|メトロセドゥム]]の方面へ派遣され、
*quae tantum progrediatur<ref>progrediatur はα系写本の記述で、Q・S・β系写本では progrederetur となっている。</ref>, quantum naves processissent,
**(ローマ勢の)船団が進み出るだけ、(ガッリア兵も)前進するようにした。
*reliquas copias contra Labienum duxerunt.
**残りを軍勢をラビエーヌスに対して(カムロゲヌス自身が)率いて行った。
===62節===
'''ラビエーヌスがカムロゲヌス麾下のガッリア勢を各個撃破して、カエサルと合流'''
*① Prima luce et nostri omnes erant transportati
**夜明けに、我が方(ローマ勢)は総勢が(セクアナ川の左岸に)渡されていたし、
*et hostium acies cernebatur.
**敵方の戦列も見分けられた。
*② [[w:la:Titus Labienus|Labienus]] milites cohortatus,
**[[w:ティトゥス・ラビエヌス|ラビエーヌス]]は兵士たちを(以下のように)鼓舞した。
*ut suae pristinae virtutis et tot<ref>tot はS・β系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> secundissimorum proeliorum retinerent memoriam<ref>retinerent memoriam はχ系・B・M・L・N写本の記述で、S・β系写本では memoriam retinerent となっている。</ref>
**自分たちのかつての武勇とこのようにとてもうまくいっている諸戦闘を記憶に留めるように、
*atque ipsum Caesarem, cuius ductu saepe numero hostes superassent, praesentem adesse existimarent,
**かつ、その指揮によって何度もしばしば敵方を打ち破って来たカエサル当人が目下居合わせていると考えるように、と。
*dat signum proelii.
**(それから)戦闘の号令を発した。
*③ Primo concursu ab dextro cornu, ubi septima legio constiterat,
**最初の激突は、[[w:第7軍団クラウディア・ピア・フィデリス|第7軍団]]が布陣していた(ローマ軍の)右翼からで、
*hostes pelluntur atque in fugam coniciuntur;
**敵方は撃退されて、逃亡に追いやられた。
*④ ab sinistro, quem locum duodecima legio tenebat,
**第12軍団が場所を占めていた左翼からは、
*cum primi ordines hostium transfixi pilis<ref>pilis はβ系写本の記述で、α系写本では telis となっている。</ref> concidissent,
**敵方の最前列(の兵たち)が投げ槍で突き通されて斃れたのだが、
*tamen acerrime reliqui resistebant
**けれども残りの者たちがとても激烈に抵抗していて、
*nec dabat suspicionem fugae quisquam.
**誰も逃亡の予兆を示さなかった。
*⑤ Ipse dux hostium Camulogenus suis aderat atque eos cohortabatur.
**敵方の将帥カムロゲヌス自身は、麾下の者たちに居合わせて、彼らを激励していた。
*⑥ At<ref>cohortabatur. At はχ系写本などの記述で、別の写本では記述が異なる。</ref> incerto nunc etiam<ref>nunc etiam はB・M・L・N写本の記述で、χ系・S・β系写本では etiamnunc となっている。</ref> exitu victoriae,
**勝敗の帰趨は今もなお不確実だったが、
*cum septimae legionis tribunis esset nuntiatum, quae in sinistro cornu gererentur,
**第7軍団の<ruby><rb>[[w:トリブヌス・ミリトゥム|兵士長官]]</rb><rp>(</rp><rt>トリブヌス・ミリトゥム</rt><rp>)</rp></ruby>たちに、左翼で<ruby><rb>出来</rb><rp>(</rp><rt>しゅったい</rt><rp>)</rp></ruby>したことが報告されたときに、
*post tergum hostium legionem ostenderunt signaque intulerunt.
**敵方の背後に(第7)軍団を差し向けて、軍旗を進めた(=進撃した)。
*⑦ Ne eo quidem tempore quisquam loco cessit,
**その時でさえ、(ガッリア勢の)誰も(戦闘の)場から退却しなかった
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:ne quidem|ne ~ quidem]]「~でさえ…ない」)</span>
*sed circumventi omnes interfectique sunt.
**けれども、総勢が包囲されて(ローマ軍により)殺戮された。
*Eandem fortunam tulit Camulogenus.
**同じ不幸をカムロゲヌスも蒙った。
*⑧ At ii<ref>ii はχ系写本の記述で、他の写本では記述が異なる。</ref>, qui praesidio contra castra Labieni erant relicti,
**これに対して、ラビエーヌスの陣営に対して守備隊として残されていた(ガッリア勢の)者たちは、
*cum proelium commissum audissent, subsidio suis ierunt collemque ceperunt,
**(両軍が)戦闘を交えているのを聞き付けたので、味方の援兵として出て行って、丘陵を占めていたが、
*neque nostrorum militum victorum impetum sustinere potuerunt.
**勝勢の我が方(ローマ軍)の兵士たちの突撃を持ちこたえることができなかった。
*⑨ Sic cum suis fugientibus permixti,
**このようにして、敗走している味方と混じり合ったときに、
*quos non silvae montesque texerunt, ab equitatu sunt interfecti.
**森林や山岳が覆い隠すことのなかったその者たちは、(ローマ側の)騎兵隊によって殺戮された。
*⑩ Hoc negotio confecto Labienus revertitur Agedincum,
**この戦役が成し遂げられると、ラビエーヌスは[[w:サンス|アゲディンクム]]に引き返した。
*ubi impedimenta totius exercitus relicta erant;
**そこには軍隊全体の[[w:輜重|輜重]]が残されていたのだ。
*inde die Ⅲ.<ref>inde die Ⅲ. は近代の校訂者による修正提案で、Q・M・S・N・β系写本では単に inde 、他の写本では別の記述になっている。</ref> cum omnibus copiis ad Caesarem pervenit.
**そこから3日目(=2日後)にすべての軍勢とともにカエサルのところへ到着した。
==ガッリア戦乱の拡大==
===63節===
'''ハエドゥイー族がウェルキンゲトリークスに主導権争いを挑む'''
*① Defectione [[w:la:Haedui|Haeduorum]] cognita bellum augetur.
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の背反が知られて、戦乱は拡大された。
*② Legationes in omnes partes circummittuntur;
**(ハエドゥイー族らにより)使節たちがあらゆる方面に遣わされまくり、
*quantum gratia, auctoritate, pecunia valent, ad sollicitandas civitates nituntur;
**信望、勢力や金銭によってできる限り、諸部族をそそのかすことに努めた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:quantum ~ valere「~によってできる限り」)</span>
*③ nacti obsides, quos Caesar apud eos deposuerat,
**カエサルが彼ら(ハエドゥイー族)のもとに預けて置いた人質たちを手に入れて、
*horum supplicio dubitantes territant.
**彼ら(人質たち)の処刑(を示唆すること)によって、決心がつかぬ者たちを恐れさせた。
*④ Petunt a [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorige]] Haedui, ut ad se veniat rationesque belli gerendi communicet;
**ハエドゥイー族は、[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]に、自分たちのところへ来て戦争遂行の戦略を協議するように要求した。
*re impetrata contendunt, ut ipsis summa imperii tradatur.
**その事が成し遂げられると、(ハエドゥイー族)自身に最高司令権が委ねられるように頑張った。
*Et re<ref>et re は近代の校訂者による修正提案で、β系写本では re 、α系写本では et rem となっている。</ref> in controversiam deducta totius Galliae concilium [[w:la:Bibracte|Bibracte]] indicitur.
**その事が論争の状態に置かれて、[[w:ビブラクテ|ビブラクテ]]でのガッリア全体の会合が公示された。
*Eodem conveniunt<ref>Eodem conveniunt はα系写本の記述で、β系写本では単に conveniunt 、etc.となっている。</ref> undique frequentes.
**同じところに至る所からたくさんの者たちが集まって来た。
*⑥ Multitudinis suffragiis res permittitur;
**(最高司令権の)事は衆人の票決に任せられて、
*ad unum omnes Vercingetorigem probant imperatorem.
**衆議一決により、ウェルキンゲトリークスを将軍(最高司令官)として承認した。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ad unum omnes「最後の一人に至るまですべて」)</span>
*⑦ Ab hoc concilio Remi, Lingones, Treveri afuerunt,
**この会合へは、[[w:レミ族|レーミー族]]、リンゴネス族、トレウェリ族が不在であった。
*illi quod amicitiam Romanorum sequebantur,
**前者(レーミー族とリンゴネス族)は、ローマ人との友好を遵守したので(不在であった)。
*Treveri quod aberant longius et ab<ref>ab はα系写本の記述で、β系写本では a となっている。</ref> [[w:la:Germani|Germanis]] premebantur,
**トレウェリ族は、はるか遠くに離れており、[[w:ゲルマニア|ゲルマニア]]人により圧迫されていた。
*quae fuit causa quare toto abessent bello
**それが、何ゆえに(ウェルキンゲトリークスによる)戦争全体に関与しなかったかの理由であり、
*et neutris auxilia mitterent.
**(ウェルキンゲトリークスとカエサルの)どちら側にも援軍を派遣しなかった。
*⑧ Magno dolore Haedui ferunt se deiectos principatu,
**ハエドゥイー族は、自分たちが盟主の座から遠ざけられて、とても憤懣やるかたなかったし、
*queruntur fortunae commutationem
**境遇の変わりようを嘆いて、
*et Caesaris indulgentiam in se<ref>indulgentiam in se はα系写本の記述で、β系写本では in se indulgentiam となっている。</ref> requirunt
**カエサルの自分たちへの寛大さを惜しんだ。
*neque tamen suscepto bello suum consilium ab reliquis separare audent.
**けれども戦争を引き受けてしまったので、あえて自分たちの作戦計画をほか(の諸部族)と異にしなかった。
*⑨ Inviti summae spei adulescentes Eporedorix et Viridomarus Vercingetorigi parent.
**たいへんな野心を持つ青年たち[[w:エポレドリクス|エポレドリクス]]と[[w:ウィリドマルス|ウィリドマルス]]は、意に反してウェルキンゲトリークスに服従した。
===64節===
'''ウェルキンゲトリークスがガッリア諸部族の誘降・服従を謀る'''
*① Ipse<ref>ipse はα系写本の記述で、β系写本では ille となっている。</ref> imperat reliquis civitatibus obsides denique ei rei constituit diem;
**(ウェルキンゲトリークス)自身は、ほかの諸部族に人質(の供出)を命令して、のみならずその事の期日を決めた。
*huc omnes equites, [[wikt:la:quindecim|XV(quindecim)]] milia numero, celeriter convenire iubet.
**そこに、1万5000名の数のすべての[[w:騎兵|騎兵]]に、速やかに集結することを命じた。
*② Peditatu quem antea habuerit se fore contentum dicit
**(歩兵については)自分は、以前から持っていた[[w:歩兵|歩兵隊]]で満足するであろうと言った。
*neque fortunam temptaturum aut in acie<ref>in acie はα系写本の記述で、β系写本では単に acie となっている。</ref> dimicaturum,
**(歩兵で)武運を試すことはしないであろうし、あるいは野戦で(白兵戦を)闘うこともないであろう、と。
*sed quoniam abundet equitatu,
**しかし、騎兵隊は豊富であるから、
*perfacile esse factu frumentationibus pabulationibusque Romanos prohibere;
**ローマ人たちの糧食・糧秣徴発を妨げることは、とても容易である、と。
*③ aequo modo animo sua ipsi frumenta corrumpant aedificiaque incendant,
**ただ平静な心で、自分たちの穀物を自身で傷めて、(穀物の)建屋を焼打ちするように。
*qua rei familiaris iactura perpetuum imperium libertatemque se consequi videant.
**資産の犠牲により、永久の領有権と自由を自分たちが獲得することを思え、と。
*④ His constitutis rebus
**これらの事が決定されると、
*[[w:la:Haedui|Haeduis]] Segusiavisque, qui sunt finitimi provinciae, decem milia peditum imperat;
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]および(ローマ人の)属州に隣接するセグスィアウィ族には1万の歩兵(の供出)を命令していたが、
*huc addit equites [[wikt:la:octingenti|octingentos]].
**この中に、800騎の騎兵たち(の供出)を付け加えた。
*⑤ His praeficit fratrem Eporedorigis bellumque inferri<ref>inferri はα系写本の記述で、β系写本では inferre となっている。</ref> Allobrogibus iubet.
**彼らをエポレドリクスの兄弟に指揮させて、アッロブロゲス族に戦争をしかけることを命じた。
*⑥ Altera ex parte Gabalos proximosque <u>[[wikt:en:pagus#Latin|pagos]]</u> Arvernorum in Helvios,
**別の方面から、ガバリ族および近隣のアルウェルニー族の諸<u>郷</u>に、ヘルウィイ族のところに(攻め入るように)、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:''pagus'' (郷) はここでは、部族の領土の農村区画を指す行政用語<ref name="pagus">''[[w:en:Pagus]]'' 等を参照。</ref>。)</span>
*item Rutenos Cadurcosque ad fines Volcarum Arecomicorum depopulandos mittit.
**同様に、ルテーニー族およびカドゥルキー族に、ウォルカエ・アレコミキ族の領土を荒らしまわるべく派遣した。
*⑦ Nihilo minus clandestinis nuntiis legationibusque Allobrogas<ref>Allobrogas はα系写本の記述で、β系写本では Allobroges となっている。</ref> sollicitat,
**それにもかかわらず、隠密に伝令たちや使節たちにより、アッロブロゲス族を(蜂起を)そそのかした。
*quorum mentes nondum ab<ref>ab はβ系写本の記述で、α系写本では ab となっている。</ref> superiore bello resedisse sperabat.
**彼ら(アッロブロゲス族)の心がかつての戦争からまだ静まっていないことを期待したのだ。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:アッロブロゲス族は、BC61年にローマに反旗を翻し、翌BC60年に鎮圧されていた。[[ガリア戦記 第1巻#6節|第1巻6節]]を参照。)</span>
*⑧ Horum principibus pecunias,
**彼らの領袖たちに金銭を(約束し)、
*civitati autem imperium totius provinciae pollicetur.
**さらに部族には(カエサル統治下の)属州全体の支配権をも約束したのだ。
===65節===
'''カエサルと同盟諸部族の防戦。ゲルマニア騎兵を呼び寄せる'''
*① Ad hos omnes casus provisa erant praesidia cohortium duarum et viginti,
**これらすべての出来事に対して、(カエサルは)22個<ruby><rb>[[w:コホルス|歩兵大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>からなる守備隊を用意していた。
*quae ex ipsa coacta<ref>coacta はχ系・β系写本の記述で、φ系写本にはない。</ref> provincia ab L.(Lucio) Caesare legato
**それらは、<ruby><rb>[[w:レガトゥス|総督副官]]</rb><rp>(</rp><rt>レガトゥス</rt><rp>)</rp></ruby>ルキウス・カエサルによって属州全体から徴集されたもので、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ここでいう属州とは、[[w:ガリア・ナルボネンシス|ガッリア・トラーンサルピーナ]]を指すと思われる。</span>
**:<span style="color:#009900;">ルキウス・ユリウス・カエサル4世 [[w:en:Lucius Julius Caesar IV|Lucius Julius Caesar IV]] は本書の著者カエサルと4代前の高祖父を共有する元執政官。[[w:en:Julii Caesares|Julii Caesares]] を参照。)</span>
*ad omnes partes opponebantur.
**あらゆる方面に対して配置された。
*② Helvii sua sponte cum finitimis proelio congressi pelluntur
**[[w:ヘルウィイ族|ヘルウィイ族]]は、自分たちの意思により、近隣(の諸部族)と戦闘で争って撃退され、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:この部族については[[#7節|7節]]~8節を参照。)</span>
*et C.(Gaio) Valerio Domnotauro<ref>Domnotauro はS・L・N写本の記述で、A・B・N写本では Donnotauro 、χ系・π系写本では Donotauro となっており、ρ系写本には記述がない。</ref>, Caburi filio, principe civitatis,
**カブルスの息子で、部族の領袖であるガイウス・ウァレリウス・ドムノタウルス
**:<span style="color:#009900;">(訳注:彼は、ローマとの友好により、ローマ人風の名前を与えられていたのであろう。)</span>
*compluribusque aliis interfectis intra oppida ac muros<ref>ac muros はα系写本の記述で、β系写本では murosque となっている。</ref> compelluntur.
**および他のかなりの者たちが殺戮されて、<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>と城壁の内側に追い込まれた。
*③ Allobroges crebris ad [[w:la:Rhodanus|Rhodanum]] dispositis praesidiis
**[[w:アッロブロゲス族|アッロブロゲス族]]は、ロダヌス(=現[[w:ローヌ川|ローヌ川]])のところへ密に守備隊を分け置いて、
*magna cum cura et diligentia suos fines tuentur.
**たいへんな注意と入念さにより、自分たちの領土を守った。
*④ Caesar quod hostes equitatu superiores esse intellegebat
**カエサルは、敵方が[[w:騎兵|騎兵隊]]で(自軍より)優っていると認識していたので、
*et interclusis omnibus itineribus nulla re ex provincia atque Italia sublevari poterat,
**かつ、すべての道が遮られて、属州やイタリアから何ら支援されることができなかったので、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:属州 provincia とはガッリア・トラーンサルピーナ、イタリア Italia とは[[w:ガリア・キサルピナ|ガッリア・キサルピーナ]]のことであろう。)</span>
*trans [[w:la:Rhenus|Rhenum]] in [[wikt:la:Germania|Germaniam]] mittit ad eas civitates, quas superioribus annis pacaverat,
**レヌス(=現[[w:ライン川|ライン川]])の向こう側の[[w:ゲルマニア|ゲルマニア]]に、先年に平定していた諸部族のところへ(使節を)遣わした。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ゲルマニア遠征や平定については、[[ガリア戦記 第4巻#16節|第4巻16節]]~19節、[[ガリア戦記 第6巻#9節|第6巻9節]]~10節を参照。)</span>
*equitesque ab his arcessit et levis armaturae pedites,
**彼らから、騎兵たち、および[[w:ウェリテス|軽い武装の歩兵]]たちを呼び寄せた。
*qui inter eos proeliari consuerant.
**その者ら(軽装歩兵)は、彼ら(騎兵)の間で戦闘することが常であったのだ。
*⑤ Eorum adventu, quod minus idoneis equis utebantur,
**彼ら(ゲルマニア騎兵)が到着すると、(戦闘に)あまり適していない馬を使役していたので、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ゲルマニア人の馬の使用については、[[ガリア戦記 第4巻#2節|第4巻2節]]を参照。)</span>
*a tribunis militum reliquisque equitibus Romanis atque evocatis equos sumit
**<ruby><rb>[[w:トリブヌス・ミリトゥム|兵士長官]]</rb><rp>(</rp><rt>トリブヌス・ミリトゥム</rt><rp>)</rp></ruby>たちやほかのローマ人騎士たちや<ruby><rb>再徴集兵</rb><rp>(</rp><rt>エウォカティ</rt><rp>)</rp></ruby>たちから、馬匹を取り上げて、
*[[w:la:Germani|Germanis]]que distribuit.
**ゲルマニア人たちに分配した。
===66節===
'''属州へと南下するカエサル、迎え撃とうとするウェルキンゲトリークス'''
*① Interea dum haec geruntur,
**その間に、これらが出来している間に、
*hostium copiae ex Arvernis
**敵方の(歩兵の)軍勢が(滞陣していたゲルゴウィアの)[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]のところから、
*equitesque qui toti Galliae erant imperati conveniunt.
**および全ガッリアの命令されていた[[w:騎兵|騎兵]]たちが、(ウェルキンゲトリークスのところに)集結して来た。
*② Magno horum coacto numero,
**これらの(ガッリア兵の)多数が徴集されて、
*cum Caesar in Sequanos per extremos Lingonum fines iter faceret,
**カエサルが、[[w:セクアニ族|セクアニ族]]のところに(向かって)[[w:リンゴネス族|リンゴネス族]]の領土の外縁を通って行軍していたときに、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:属州へは、リンゴネス族と後述のマンドゥビイ族の間を通ってセクアニ族領を通らねばならなかった。)</span>
*quo facilius subsidium provinciae ferri<ref>ferri はα系写本の記述で、β系写本では ferre となっている。</ref> posset,
**(それは)属州(ガッリア・トラーンサルピーナ)に援兵をより容易にもたらせるようにするためであったが、
*circiter milia passuum X(decem) ab Romanis trinis castris [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]] consedit
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は、ローマ人たちから約10ローママイル(15km)のところに、3つの陣営にて陣取った。
*③ convocatisque ad concilium praefectis equitum
**(ウェルキンゲトリークスは)騎兵の指揮官たちを会合へ召集して、
*venisse tempus victoriae demonstrat;
**勝利の時が来たと、明言した。
*fugere in provinciam Romanos Galliaque excedere.
**ローマ人たちは属州に逃亡して、ガッリアから立ち退きつつある、と。
*④ Id sibi ad praesentem obtinendam libertatem satis esse;
**それは、自分たちにとって目下のところ、自由を維持するためには十分であるが、
*ad reliqui temporis pacem atque otium parum profici;
**将来の平和と平穏は不充分にしか得られない。
*maioribus enim coactis copiis reversuros
**なぜなら(ローマ人たちは)より大きな軍勢を徴集して(ガッリアに)戻って来るであろうし、
*neque finem bellandi facturos.
**戦争することに結末をつけることはないであろう。
*Proinde agmine impeditos adorirentur<ref>adorirentur はA・β系写本の記述で、M・L・N写本では adoriantur 、S写本では adorantur 、Q・B・M写本ではadorientur となっている。</ref>.
**それゆえに、(ローマ勢の)行軍によって重荷となっている(輜重隊の)者たちを襲撃するのだ。
*⑤ Si pedites suis auxilium ferant atque in eo morentur, iter facere<ref>facere はα系写本の記述で、β系写本では confici となっている。</ref> non posse;
**もし(ローマ勢の)歩兵たちが味方を支援し、そのことで滞留するならば、(属州へ)行軍することはできない。
*si ─id quod magis futurum confidat─
**もし、─(我は)むしろそうなるであろうと期待することであるが─
*relictis impedimentis suae saluti consulant,
**(ローマ歩兵たちが)[[w:輜重|輜重]]を残して、自分たちの身の安全に意を用いるならば、
*et usu rerum necessariarum et dignitate spoliatum iri.
**必需品の使用や(ローマ人としての)品格をはぎ取られることになる。
*⑥ Nam de equitibus hostium,
**なぜなら、敵方の騎兵については
**<span style="color:#009900;">:(訳注:著者カエサルはここでは、間接話法でありながら、ローマ勢について hostium「敵方の」と表現している。)</span>
*quin nemo eorum progredi modo extra agmen audeat,
**彼ら(ローマ騎兵)のうち誰も、<ruby><rb>行軍縦隊</rb><rp>(</rp><rt>アグメン</rt><rp>)</rp></ruby>の外にすら、あえて進み出ようとしないこと、
*et ipsos quidem non<ref>et ipsos quidem non はα系写本の記述で、β系写本では ne ipsos quidem となっている。</ref> debere dubitare.
**(そのことを、諸君ら)自身は決して疑念を持つことなかれ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:ne quidem|ne ~ quidem]]「~でさえ…ない」)</span>
*Id quo maiore faciant animo,
**それ(=輜重隊への襲撃)を、より大胆な心構えで実行してもらうために、
*copias se omnes pro castris habiturum et terrori hostibus futurum.
**自分(ウェルキンゲトリークス)が軍勢すべてを陣営の前に保持しておくであろうし、敵方の心胆を寒からしめるであろう。
*⑦ Conclamant equites
**(ガッリア勢の)騎兵たちは(以下のように)叫んだ。
*sanctissimo iure iurando confirmari oportere,
**最も神聖な誓約によって確証されなければならぬ。
*ne tecto recipiatur, ne ad liberos, ne ad parentes, ad<ref>ne ad …, ne ad …, ad が写本(ω)の記述であるが、モイゼル Meusel は ne ad …, ad …, ad と修正提案をしている。</ref> uxorem aditum habeat,
**(以下の者は)家に迎え入れられたり、子供たちや親たちや妻女たちのところへ近づくことがないように。
*qui non bis per agmen hostium perequitasset<ref>perequitasset はα系写本の記述で、β系写本では perequitarit となっている。</ref>.
**敵方(ローマ勢)の隊列を越えて(往復の)2度、騎馬で駆け抜けることがなかった者は。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:敵中突破と生還を成し遂げなかった騎兵は、復員してはならない、と誓約したのである。)</span>
===67節===
'''カエサル麾下のゲルマニア騎兵がウェルキンゲトリークスを一蹴'''
*① Probata re atque omnibus iure iurando adactis
**これが賛同されて、(ガッリア騎兵の)皆が誓約させられて、
*postero die in tres partes distributo equitatu
**翌日に、[[w:騎兵|騎兵隊]]を3つの分隊に分配した。
*duae se acies ab duobus lateribus ostendunt,
**2隊は(ローマ勢の左右)2つの側面から<ruby><rb>戦闘隊形</rb><rp>(</rp><rt>アキエス</rt><rp>)</rp></ruby>として現われた。
*una a<ref>a はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> primo agmine iter impedire coepit.
**1隊は(ローマ勢の)前衛から行軍を妨げ始めた。
*② Qua re nuntiata
**その事が報告されて、
*Caesar suum quoque equitatum tripertito divisum contra hostem ire iubet.
**カエサルは麾下の騎兵隊おのおのを3つに配分して、敵に対して向かって行くことを命じた。
*Pugnatur una omnibus in partibus.
**(騎兵戦が)同時にすべての方面で戦われた。
*③ Consistit agmen;
**(ローマ勢の)<ruby><rb>行軍縦隊</rb><rp>(</rp><rt>アグメン</rt><rp>)</rp></ruby>は一歩も引かなかった。
*impedimenta intra legiones recipiuntur.
**[[w:輜重|輜重]]は諸[[w:ローマ軍団|軍団]]の内側に後退した。
*④ Si qua in parte nostri laborare aut gravius premi videbantur,
**もし、我が方(ローマ勢)のある部隊が苦戦したり、またはひどく押されぎみだと思われたならば、
*eo signa inferri Caesar aciemque constitui<ref>constitui はα系写本の記述で、β系写本では converti 、T写本では conferri となっている。</ref> iubebat;
**カエサルはそこに進撃して戦列を組織することを命じた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:signa inferre「軍旗を進める、進撃する」)</span>
*quae res et hostes ad insequendum tardabat et nostros spe auxilii confirmabat.
**その事が、敵方が追撃して来るのを遅らせもしたし、我が方が支援の希望により元気付けられもした。
*⑤ Tandem Germani ab dextro latere summum iugum nacti hostes loco depellunt,
**ついに、ゲルマニア人(騎兵)たちが右の側面から尾根の頂きを掌握して、敵方をその場から追いやった。
*fugientes usque ad flumen,
**逃亡する(ガッリア騎兵の)者たちを川の辺りまで(追って)、
*ubi [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]] cum pedestribus copiis consederat,
**そこには[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]が[[w:歩兵|歩兵]]の軍勢とともに陣取っていたのだが、
*persecuntur<ref>persecuntur はα系写本の記述で、β系写本では persequuntur となっている。</ref> compluresque interficiunt.
**(ゲルマニア騎兵が敵を川辺まで)追撃して、かなりの者たちを殺戮した。
*⑥ Qua re animadversa
**その事が(敵方に)気付かれて、
*reliqui ne circumirentur<ref>circumirentur はA・φ系写本の記述で、Q・β系写本では circumvenirentur となっている。</ref> veriti se fugae mandant.
**(ガッリア勢の)残りの者たちは、包囲されないようにと怖れて、逃亡に身を任せた。
*Omnibus locis fit caedes.
**(こうしてローマ方により)あらゆる場所で虐殺が行なわれた。
*⑦ Tres nobilissimi [[w:la:Haedui|Haedui]] capti ad Caesarem perducuntur:
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の3人の高位の貴族が捕らえられて、カエサルのところへ連行されて来た。
*Cotus, praefectus equitum, qui controversiam cum Convictolitavi proximis comitiis habuerat,
**コトゥスは騎兵指揮官で、最近の会議でコンウィクトリタウィスと(統領の座をめぐって)係争した。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#32節|32節]]~33節を参照。)</span>
*et Cavarillus, qui post defectionem Litavicci pedestribus copiis praefuerat,
**カウァリッルスは、リタウィックスの背反の後に、歩兵の軍勢を指揮していた。
*et Eporedorix, quo duce ante adventum Caesaris Haedui cum Sequanis bello contenderant.
**エポレドリクスは、カエサルの到来以前にハエドゥイー族の将帥としてセクアニ族と戦争を闘っていた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:この人物は、ウィリドマルスとともにカエサルを裏切ったエポレドリクスとは同名異人である。)</span>
==アレスィア攻囲戦==
===68節===
[[画像:Alésia.jpg|thumb|right|300px|[[w:アレシアの戦い|アレスィア古戦場]]であるとほぼ確実視されている仏アリーズ=サント=レーヌ村([[w:fr:Alise-Sainte-Reine|Alise-Sainte-Reine]])近郊のオソワ山(Mont Auxois)という丘陵の西端にある[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]像(<small>[[w:fr:Vercingétorix_(statue d'Aimé Millet)|Statue de Vercingétorix]]</small>)。<small>[http://maps.google.co.jp/?ie=UTF8&ll=47.538579,4.490544&spn=0.001172,0.002401&t=h&z=19&brcurrent=3,0x0:0x0,1 Googleマップ]</small>の航空写真にもこの巨像が写っている。<br>当地はフランス東部[[w:ブルゴーニュ地域圏|ブルゴーニュ地方]][[w:コート=ドール県|コート=ドール県]](<small>[[w:fr:Côte-d'Or|Côte-d'Or]]</small>)のオソワ地域(<small>[[w:fr:Auxois (région)|L'Auxois]]</small>)にあり、県都[[w:ディジョン|ディジョン]]市街から西北西へ約4.5kmの地点に位置する。ディジョン方面から県道905号(D905)を北西に進んで行くと、ヴナレ=レ=ローム(<small>[[w:fr:Venarey-les-Laumes|Venarey-les-Laumes]]</small>)から東の郊外にかけて古戦場跡が広がる。<br>オソワ(Auxois)という地域名・山名は、ラテン語の Alesiensis pagus「アレスィア郷」が転訛し、アリーズ(Alise)の名もアレスィア(Alesia)に由来すると考えられている。サント=レーヌ([[w:fr:Sainte Reine|Sainte Reine]] 聖レグニア)とはこの地でAD252年に殉教したキリスト教徒ガッリア人女性で、カトリック教会から聖人に列せられている。]]
'''ウェルキンゲトリークスがアレスィア入城、カエサルは攻囲を決断'''
*① Fugato omni equitatu
**すべての[[w:騎兵|騎兵隊]]が逃げてしまったので、
*[[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]] copias suas<ref>suas はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref>, ut pro castris conlocaverat, reduxit
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は、陣営の前に配置するようにしていた麾下の(歩兵の)軍勢を呼び戻して、
*protinusque [[w:la:Alesia|Alesiam]], quod est oppidum Mandubiorum, iter facere coepit
**すぐに、マンドゥビイ族の<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>である[[w:アレシア|アレスィア]]へ行軍し始めた。
*celeriterque impedimenta ex castris educi et se subsequi iussit.
**かつ、速やかに陣営から[[w:輜重|輜重]]を進発させること、および自分に追随すること、を命じた。
*② Caesar impedimentis in proximum collem deductis,
**カエサルは、輜重を近隣の丘陵に移させて、
*duabus legionibus praesidio relictis,
**2個[[w:ローマ軍団|軍団]]を(輜重の)守備隊として(その丘陵に)残留させた。
*secutus quantum diei tempus est passum,
**日中の時間が許される限り(ガッリア勢を)追跡して、
*circiter tribus milibus hostium ex novissimo agmine interfectis
**敵方の後衛のうちから約3000人を殺戮して、
*altero die ad Alesiam castra fecit.
**翌日には、アレスィアの辺りに陣営を張った。
*③ Perspecto urbis situ
**(アレスィアの)都市の地勢を吟味して、
*perterritisque hostibus, quod equitatu, qua maxime parte exercitus confidebant, erant pulsi,
**敵方は、部隊の大部分において頼りにしていた騎兵隊が撃退されていたので、怖れおののいていたから、
*adhortatus ad laborem milites circumvallare instituit.
**(カエサルは)兵士たちを労役に駆り立てて、(敵陣を)[[w:堡塁|堡塁]]で囲むことを決断した。
===69節===
[[画像:Alise2.jpg|thumb|right|300px|[[w:アレシア|アレスィア]]にあったローマ時代の[[w:フォルム|フォルム]](広場)や[[w:バシリカ|バシリカ]](教会堂)などと思われる遺跡([http://maps.google.co.jp/?ie=UTF8&t=h&brcurrent=3,0x0:0x0,1&ll=47.539477,4.5008&spn=0.002343,0.004801&z=18 Googleマップ]の航空写真を参照)。現在、オソワ山(Mont Auxois)と呼ばれているこの丘陵は、頂きが平坦な台地状になっており、その中央のさらに高い所に[[w:オッピドゥム|オッピドゥム]](城塞都市)があったと思われる。<br>上の画像からは、同等の高さの丘陵が周囲を取り巻いていることが見て取れる。<br>『ガリア戦記』に書かれたアレスィアの所在地については諸説があって永らく不明であったが、ゲルゴウィアと同様に19世紀のウジェーヌ・ストッフェル大佐(colonel Eugène Stoffel)の発掘調査によってローマ軍の遺構などが発見され、地勢もカエサルの記述にかなり合っていると見なされて、オソワ山とその中腹にあるアリーズ=サント=レーヌが有力視されることになった。]]
'''アレスィアの地勢、ローマ軍の攻囲線'''
*① Ipsum erat oppidum [[w:la:Alesia|Alesia]] in colle summo admodum edito loco,
**[[w:アレシア|アレスィア]]の<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>そのものは、丘陵の頂きにおいて、ひときわ高い地点にあって、
*ut nisi obsidione expugnari non posse videretur.
**攻囲(包囲)以外には攻略されることができないと思われた。
*② Cuius collis radices duo duabus ex partibus flumina subluebant.
**その丘陵のふもとを2つの方面から、2つの川が流れていた。
*③ Ante id<ref>id はα系写本の記述で、β系写本にはない。</ref> oppidum planities circiter milia passuum Ⅲ(tria) in longitudinem patebat;
**その城塞都市の前に、約3ローママイル(4.5km)の間隔で、平地が広がっていた。
*④ reliquis ex omnibus partibus colles mediocri interiecto spatio
**ほかのすべての方面からは(いくつかの)丘陵が適度な空間を置いており、
*pari altitudinis fastigio oppidum cingebant.
**同等の高さの頂上で(アレスィアの)城塞都市を取り巻いていた。
*⑤ Sub muro, quae pars collis ad orientem solem spectabat,
**(アレスィアの)丘陵の日が昇る方(=東方)へ面していた部分の城壁の下には、
*hunc omnem locum copiae Gallorum compleverant
**このすべての場所を、ガッリア人たちの軍勢が満たしていて、
*fossamque et maceriam sex in altitudinem pedum praeduxerant.
**堀、および高さ6[[w:ペース (長さ)|ペース]](約1.8m)の防壁を前に引いていた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[wikt:en:maceria|maceria]] は、軍事用語としては、立てこもるための城壁<ref><i>muraille (pour se retrancher)</i>(ラルース社の羅仏辞典 <small>“Dictionnaire MaxiPoche Plus latin-français et français-latin”</small> を参照)</ref>を指す。)</span>
*⑥ Eius munitionis quae ab Romanis instituebatur circuitus XI<ref>XI はα系写本の記述で、β系写本では X となっている。</ref> milia passuum tenebat.
**ローマ人たちによって建てられようとしていた塁壁の周囲は、11ローママイル(約16km)を占めていた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:α系写本では 11マイル=約16km、β系写本では 10マイル=約15km となっている。)</span>
*⑦ Castra opportunis locis erant posita
**(ローマ勢の)陣営は(戦略上)都合良い地点に設置されていて、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:歩兵・騎兵の陣営が計8か所に置かれていたようである。)</span>
*ibique<ref>ibique はα系写本の記述で、β系写本では itemque となっている。</ref> castella XXIII(viginti tria) facta,
**同じく23基の砦が造られた。
*quibus in castellis interdiu stationes ponebantur,
**それらの砦には、昼間は、歩哨たちが置かれて、
*ne qua subito eruptio fieret;
**不意に何らかの突撃がなされないようにした。
*haec eadem noctu excubitoribus ac firmis praesidiis tenebantur.
**この同じところが、夜間は、寝ずの番兵および強力な守備隊により固守された。
===70節===
'''カエサル麾下のゲルマニア騎兵が、再びガッリア騎兵を虐殺'''
*① Opere instituto
**(ローマ人により)[[w:堡塁|堡塁]]が建てられだして、
*fit equestre proelium in ea planitie,
**かの平地において[[w:騎兵|騎兵]]戦がなされた。
*quam intermissam collibus tria milia passuum in longitudinem patere supra demonstravimus.
**それ(平地)は(周囲の)丘陵から3ローママイル(約4.5km)の間隔を空けて広がっていることを、[[#69節|前]]に述べた。
*Summa vi ab utrisque contenditur.
**(騎兵戦は)双方の主力によって闘われた。
*② Laborantibus nostris Caesar Germanos submittit
**苦戦している我が方(ローマ騎兵)に対して、カエサルは[[w:ゲルマニア|ゲルマニア]]人(騎兵)を援けに派遣した。
*legionesque pro castris constituit, ne qua subito inruptio ab hostium peditatu fiat.
**諸[[w:ローマ軍団|軍団]]を陣営の前に駐留させて、不意に何らかの突入が敵方の[[w:歩兵|歩兵隊]]によってなされないようにした。
*③ Praesidio legionum addito nostris animus augetur;
**軍団の守備が加わって、我が方(ローマ勢の)勇気が増された。
*hostes in fugam coniecti se ipsi multitudine impediunt
**敵方(の騎兵)は敗走に追いやられて、彼ら自身が自分たち(の敗走)を大勢であることにより妨げた。
*atque angustioribus portis relictis coacervantur<ref>coacervantur は近世の写本(ς)の記述で、α系写本では coacervati tum 、β系写本では coartantur となっている。</ref>.
**さらに(ガッリア陣地の)諸門がとても狭いままにしておかれたので(騎兵たちが)積み重ねられた。
*④ Germani acrius usque ad munitiones sequuntur.
**ゲルマニア人(騎兵)たちは(ガッリア騎兵たちを)苛烈に、防塁のところまで追撃した。
*⑤ Fit magna caedes.
**(こうして)大虐殺が起こった。
*Nonnulli relictis equis fossam transire et maceriam transcendere conantur.
**(ガッリア騎兵の)幾人かは、馬を置き去りにして、堀を越えること、および防壁を登り越えることを試みた。
*Paulum legiones Caesar quas pro vallo constituerat promoveri iubet.
**カエサルは、防柵の前に駐留させていた諸軍団に、いくらか前進することを命じた。
*⑥ Non minus qui intra munitiones erant perturbantur Galli:
**防塁の内側にいたガッリア人たちも(騎兵たちに)劣らず狼狽した。
*veniri ad se confestim existimantes ad arma conclamant;
**(ローマ勢により)自分たちのところへ直ちにやって来られると考えた者たちは、防具を取れと叫んだ。
*nonnulli perterriti in oppidum inrumpunt.
**(ガッリア勢の)幾人かは、怖れおののいて(丘陵の頂きにある)城塞都市の中に押し入った。
*⑦ [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]] iubet portas claudi, ne castra nudentur.
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は、陣営が無防備にされないように、(防塁の)諸門が閉じられることを命じた。
*Multis interfectis, compluribus equis captis Germani sese recipiunt.
**(ガッリア騎兵の)多くが殺戮され、おびただしい馬が捕獲されて、ゲルマニア人(騎兵)たちは退却した。
===71節===
[[画像:Statue_Vercingetorix_st_germain_en_laye.JPG|thumb|right|250px|[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]の立像(<small>パリ郊外の[[w:サン=ジェルマン=アン=レー|サン=ジェルマン=アン=レー]] [[w:fr:Saint-Germain-en-Laye|Saint-Germain-en-Laye]]</small>)。[[w:アレシアの戦い|アレスィア古戦場]](<small>現在のアリーズ=サント=レーヌ</small>)にある巨大な銅像と同様に彫刻家エメ・ミレ([[w:fr:Aimé Millet|Aimé Millet]])によって建立された。]]
[[画像:Napoleon3.PNG|thumb|right|250px|ウジェーヌ・ストッフェル大佐(colonel Eugène Stoffel)をして[[w:アレシア|アレスィア]]およびゲルゴウィアの発掘調査をさせた立役者・皇帝[[w:ナポレオン3世|ナポレオン3世]]の肖像。[[w:ガリア起源説|ガッリア起源説]]により、王政に反感を持つフランスの共和派や庶民は、旧[[w:ブルボン家|ブルボン王朝]]を[[w:クロヴィス1世|クロヴィス]]や[[w:ユーグ・カペー|カペー]]にさかのぼるゲルマン系の[[w:フランク人|フランク人]]と見なし、自分たちのルーツを[[w:ケルト人|ケルト系]]の古代[[w:ガリア人|ガッリア人]]に求めた。ナポレオン3世はこのような国民の意識を利用して、[[w:ナショナリズム|ナショナリズム]]の高揚および帝政の基盤強化を図ったのである。]]
'''ウェルキンゲトリークスが援兵召集のため騎兵を放ち、籠城策を定める'''
*① [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]], priusquam munitiones ab Romanis perficiantur,
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は、ローマ人たちによって塁壁が完成されるより前に、
*consilium capit omnem ab se equitatum noctu dimittere.
**自分のところから[[w:騎兵|騎兵隊]]のすべてを夜間に送り出すことを計画した。
*② Discedentibus mandat
**(アレスィアから)退去する(騎兵の)者たちに(以下のように)指図した。
*ut suam quisque eorum civitatem adeat
**彼ら(騎兵)のおのおのが自らの部族に行くように、
*omnesque qui per aetatem arma ferre possint ad bellum cogant.
**かつ、年齢により武器を手に取ることができる者たちの皆を戦争へ徴集するように、と。
*③ Sua in illos merita proponit obtestaturque
**(ウェルキンゲトリークスは)彼ら(ガッリア人たち)における自分の功績に言及して(以下のように)懇願した。
*ut suae salutis rationem habeant
**自分の身の安全を顧慮してくれるように、
*neu se optime de communi libertate meritum in cruciatum hostibus<ref>in cruciatum hostibus はβ系写本の記述で、α系写本では hostibus in cruciatum となっている。</ref> dedant.
**かつ(ガッリア)共通の自由について功績が最上である自分を、敵方の責め苦に渡すことがないように、と。
*Quod si indiligentiores fuerint,
**ところが、もし(騎兵たちがウェルキンゲトリークスたちの安全に)無関心であったならば、
*milia hominum delecta octoginta una secum interitura demonstrat.
**選りすぐりの兵員8万名が自分と一緒に滅びるであろう、と明言した。
*④ Ratione inita frumentum se exigue dierum XXX(triginta) habere<ref>frumentum ~ habere はβ系写本の記述で、χ系・φ系あるいはモイゼル H. Meusel の修正提案など、写本や校訂者により語順が異なっていたり、単語が欠けていたりする。</ref>,
**見積もったところ、自分たちはわずかに30日分の穀物を保有しているが、
*sed paulo etiam longius tolerari posse parcendo.
**しかし節約することにより、なおいくらか長く耐え忍ぶことができる、と。
*⑤ His datis mandatis,
**これらの指図を与えてから、
*qua erat nostrum opus<ref>erat nostrum opus はβ系写本の記述で、α系写本では単に opus erat となっている。</ref> intermissum, secunda vigilia silentio equitatum mittit<ref>mittit はχ系・B・M・S写本の記述で、β系写本では dimittit となっている。</ref>.
**我が方(ローマ勢)の構築物が中断しているところから、第二夜警時に静けさのうちに、騎兵隊を送り出した。
*⑥ Frumentum omne ad se referri iubet,
**穀物をすべて自分のところへ運んで来ることを命じて、
*capitis poenam iis qui non paruerint constituit;
**服従しなかった者たちを極刑に処すと決めた。
*⑦ pecus, cuius magna erat copia a Mandubiis<ref>a Mandubiis はβ系写本の記述で、α系写本では ab Manduviis となっている。</ref> compulsa, viritim distribuit;
**家畜は、マンドゥビイ族によって大量に集められていたが、個々に分配した。
*frumentum parce et paulatim metiri instituit;
**穀物を節約して少しずつ量り分けることを定めた。
*⑧ copias omnes quas pro oppido collocaverat in oppidum recepit.
**<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>の前に駐留させていた(歩兵の)軍勢すべてを城塞都市の中に退却させた。
*⑨ His rationibus auxilia Galliae exspectare et bellum parat administrare<ref>parat administrare はα系写本の記述で、β系写本では administrare parat となっている。</ref>.
**これらの手段により、ガッリア(諸部族)の援軍を待つこと、および戦争を指導しようとしたのである。
===72節===
'''カエサルが、より大掛かりな攻囲陣地を構築する'''
*① Quibus rebus cognitis<ref>cognitis がこの位置にあるのはα系写本の記述で、β系写本では captivis の後となっている。</ref> ex perfugis et captivis
**それらの事情を脱走兵たちや捕虜たちから知って、
*Caesar haec genera munitionis instituit.
**カエサルは以下の類いの塁壁工事に取りかかった。
<br>
*'''前線の切り立った空堀'''
*Fossam pedum XX(viginti) derectis lateribus duxit,
**20[[w:ペース (長さ)|ペース]](約6m)の(幅の)垂直な側面の堀を引いた。
*ut eius fossae<ref>fossae がこの位置にあるのはβ系写本の記述で、α系写本では summa(e) の後になっている。</ref> solum tantundem pateret, quantum summa<ref>summa はβ系写本の記述で、α系写本では summae となっている。</ref> labra distarent<ref>distarent はα系写本の記述で、β系写本では distabant となっている。</ref>.
**その堀(の底)は、頂きの縁が離れているのとちょうど同じ分だけ広がるようにした。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:上辺と底の幅が等間隔になるような切り立った空堀にした。)</span>
*② Reliquas omnes munitiones ab ea fossa pedes<ref>pedes はα系写本の記述で、β系写本では pedibus となっている。</ref> CCCC(quadringentos) reduxit.
**ほかのすべての塁壁は、その堀から400ペース(約120m)後ろに引いた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:写本にあるこの数字は、19世紀のウジェーヌ・ストッフェル大佐(colonel Eugène Stoffel)の</span>
**:<span style="color:#009900;">発掘調査によって400[[w:パッスス|パッスス]](約600m)と修正された。この堀は、アレスィアの西方に引かれたと思われる。)</span>
*Id hoc consilio,
**それは、以下の考えによる。
*quoniam tantum spatium necessario esset<ref>spatium necessario esset はβ系写本の記述で、α系写本では esset necessario spatio となっている。</ref> complexus
**これほどの空間が包囲されなければならないのであるから、
*nec facile totum corpus<ref>corpus はα系写本の記述で、β系写本では opus となっており、ρ系写本にはない。</ref> corona militum cingeretur,
**すべての包囲作業が兵士たちの<ruby><rb>哨兵線</rb><rp>(</rp><rt>コロナ</rt><rp>)</rp></ruby>で取り囲まれるのは容易ではない。
*ne de improviso aut noctu ad munitiones hostium multitudo<ref>hostium multitudo はα系写本の記述で、β系写本では multitudo hostium となっている。</ref> advolaret
**不意に、あるいは夜間に、敵方の大勢が(ローマ側の)塁壁へ突進することがないように、
*aut interdiu tela in nostros operi destinatos conicere possent<ref>possent はα系写本の記述で、β系写本では posset となっている。</ref>.
**あるいは日中に、工事中の我が方(ローマ勢)に飛道具が投げ付けられることができないように。
<br>
[[画像:Fosse.Saint.Pierre.en.Chastres.png|thumb|right|300px|二重の堀およびその背後の堡塁(土塁と障壁・櫓)の模式図([[w:ウジェーヌ・エマニュエル・ヴィオレ・ル・デュク|ヴィオレ=ル=デュク]]著『中世フランス建築体系辞典』[[s:fr:Dictionnaire raisonné de l’architecture française du XIe au XVIe siècle - Tome 5, Fossé|(s)]]より)。]]
[[画像:AlesiaFortifications.JPG|thumb|right|300px|[[w:アレシアの戦い|アレスィア古戦場]]跡に再現された、二重の堀およびその背後の堡塁(土塁と鹿柴、胸壁・鋸壁、櫓)。]]
*'''二重の堀'''
*③ Hoc intermisso spatio
**この空間をあけて、
*duas fossas XV(quindecim) pedes latas eadem altitudine perduxit;
**15ペース(約4.5m)の幅の2つの堀を、同じ深さ(15ペース)で張り巡らせた。
*quarum interiorem campestribus ac demissis locis
**それらの内側(の堀)の平地で低く下がった所には、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:内側の堀とは、アレスィアに近い東側の堀と考えられている。)</span>
*aqua ex flumine derivata complevit.
**川から導かれた水で満たした。
<br>
*'''土塁と防柵、胸壁と鋸壁、鹿柴、櫓'''
*④ Post eas aggerem ac vallum XII(duodecim) pedum exstruxit.
**それらの後ろには、12ペース(約3.6mの高さ)の<ruby><rb>[[w:土塁|土塁]]</rb><rp>(</rp><rt>アッゲル</rt><rp>)</rp></ruby>と<ruby><rb>防柵</rb><rp>(</rp><rt>ウァッルム</rt><rp>)</rp></ruby>を築き上げた。
*Huic loricam pinnasque adiecit
**これに<ruby><rb>胸壁</rb><rp>(</rp><rt>ロリカ</rt><rp>)</rp></ruby>と<ruby><rb>鋸壁</rb><rp>(</rp><rt>ピンナ</rt><rp>)</rp></ruby>を付け加えて、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:胸壁と鋸壁とは、[[ガリア戦記 第5巻#40節|第5巻40節]]で既出のように、凹凸形に編み込まれた柴の壁)</span>
*grandibus cervis eminentibus ad commissuras pluteorum atque aggeris,
**障壁と土塁の接合部の辺りに大きな<ruby><rb>鹿柴</rb><rp>(</rp><rt>ケルウス</rt><rp>)</rp></ruby>を突き出させて、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:<ruby><rb>鹿柴</rb><rp>(</rp><rt>ろくさい</rt><rp>)</rp></ruby>(鹿砦または<ruby><rb>逆茂木</rb><rp>(</rp><rt>さかもぎ</rt><rp>)</rp></ruby>)とは、鹿の角のように枝分かれした杭や枝を逆立てた杭囲い。</span>
**:<span style="color:#009900;">障壁とは、防柵の前に取り付けられた胸壁と鋸壁の総称であろう。)</span>
*qui ascensum hostium tardarent,
**敵方が登って来るのを妨げようとした。
*et turres toto opere circumdedit, quae pedes LXXX(octoginta) inter se distarent.
**構築物の全体を、互いに80ペース(約24m)離れて立つ櫓で取り巻いた。
===73節===
'''カエサルは、攻囲陣地をさらに障害物で補強する'''
*① Erat eodem tempore et materiari et frumentari et tantas munitiones fieri necesse
**材木収集と糧食徴発、およびこれほどの塁壁工事がなされることが、同時に必要であった。
*deminutis nostris copiis, quae longius ab<ref>ab はα系写本の記述で、β系写本では a となっている。</ref> castris progrediebantur.
**我が方の軍勢(ローマ勢)は減じており、陣営からはるか遠くに進み出ていた。
*Ac nonnumquam opera nostra Galli temptare
**いくたびか、我が方の構築物に、ガッリア人が攻撃すること(を試み)、
*atque eruptionem ex oppido pluribus portis summa vi facere conabantur.
**かつ、<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>の多くの門から、主力でもって出撃することを試みた。
*② Quare ad haec rursus opera addendum Caesar putavit,
**そのゆえに、この構築物へさらに(以下の障害物が)付け加えられるべきだとカエサルは考えた。
*quo minore numero militum munitiones defendi possent.
**それによって、より少ない数の兵士で塁壁が防衛されることができるように、と。
[[画像:Archeodrome_Beaune_8.jpg|thumb|right|300px|[[w:アレシアの戦い|アレスィア古戦場]]跡に再現された攻囲陣地(上の画像と同じ物)。堡塁(土塁と障壁と櫓)の前の平地に、樹枝が突き出た「尖り杭」(奥)と落とし穴を枝で覆った「百合」(手前)が見える。]]
[[画像:Trous.de.loup.png|thumb|right|300px|サイコロの五つ目状に並べられた落とし穴「百合」(lilium)の模式図([[w:ウジェーヌ・エマニュエル・ヴィオレ・ル・デュク|ヴィオレ=ル=デュク]]著『中世フランス建築体系辞典』[[s:fr:Dictionnaire raisonné de l’architecture française du XIe au XVIe siècle - Tome 5, Fossé|(s)]]より)。図の上部が五つ目状の配列を、図の下部が落とし穴の断面図を示す。この断面図では、尖らされた樹幹の先端が、傾斜した穴の突き固められた底から4本指ほど突き出ていると解釈しているようである。カエサルの記述からは、地表から突き出ているとも解釈できる。]]
[[画像:Aiguillon.png|thumb|right|200px|鉄の鉤が固定された杭「刺」の模式図([[w:ウジェーヌ・エマニュエル・ヴィオレ・ル・デュク|ヴィオレ=ル=デュク]]著『中世フランス建築体系辞典』[[s:fr:Dictionnaire raisonné de l’architecture française du XIe au XVIe siècle - Tome 5, Fossé|(s)]]より)。]]
[[画像:Archeodrome_Beaune_2.jpg|thumb|right|300px|[[w:アレシアの戦い|アレスィア古戦場]]跡に再現された攻囲陣地(上の画像と同じ物)。いちばん手前に「刺」が再現されている。]]
:
'''尖り杭'''
*Itaque truncis arborum aut admodum firmis ramis abscisis
**こうして、樹木の幹、あるいは非常に強固な枝が切り取られて、
*atque horum delibratis ac praeacutis cacuminibus
**これらの皮がむかれて、<ruby><rb>梢</rb><rp>(</rp><rt>こずえ</rt><rp>)</rp></ruby>が<ruby><rb>尖</rb><rp>(</rp><rt>とが</rt><rp>)</rp></ruby>らされて、
*perpetuae fossae quinos pedes altae ducebantur.
**5[[w:ペース (長さ)|ペース]](約1.5m)ずつの連続した堀が引かれた。
*③ Huc illi stipites demissi
**ここに、あの樹幹が沈められて、
*et ab infimo revincti, ne revelli possent, ab ramis eminebant.
**底から固くしばられて、はぎ取ることができないようにして、枝から(地上に)突き出るようにしていた。
*④ Quini erant ordines coniuncti inter se atque implicati;
**5列ずつが、互いにつなげられて、結び合わされた。
*quo qui intraverant se ipsi acutissimis vallis induebant.
**そこに踏み込んだ者は、自身が自らをきわめて鋭い杭に陥れた。
*Hos cippos appellabant.
**(将兵たちは)これらを<ruby><rb>尖り杭</rb><rp>(</rp><rt>キップス</rt><rp>)</rp></ruby>と呼んだ。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[wikt:en:cippus|cippus]]「尖り杭」は「墓標」とも訳されるが、後者は古典期以降のラテン語で長方形の墓碑を指す<ref><small>POSTCLASSIQUE</small> <i>[[w:fr:Cippe|cippe]] (colonne funéraire rectangulaire)</i>(ラルース社の羅仏辞典 <small>“Dictionnaire MaxiPoche Plus latin-français et français-latin”</small> を参照)</ref>。)</span>
:
'''百合'''
*⑤ Ante<ref>ante はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> quos<ref>quos はα系写本の記述で、β系写本では hos となっている。</ref> obliquis ordinibus in quincuncem dispositis
**それらの前に、(サイコロの)<ruby><rb>五つ目状</rb><rp>(</rp><rt>クィンクンクス</rt><rp>)</rp></ruby>に斜めの列に配置されて、
*scrobes tres in altitudinem pedes fodiebantur
**深さ3ペース(約90cm)の穴が掘られた。
*paulatim angustiore ad infimum fastigio.
**しだいに、より狭く、底の方へ傾斜を付けて。
*⑥ Huc teretes stipites [[w:la:Femur|feminis]] crassitudine
**ここに、太ももの厚さの丸みを帯びた樹幹が
*ab summo praeacuti et praeusti demittebantur,
**先端から尖らせられ、焦がされて(穴の底に)突き刺された。
*ita ut non amplius digitis quattuor ex terra<ref>ex terra はα系写本の記述で、V・ρ系写本では e terra 、T写本では contra となっている。</ref> eminerent;
**4本の指より長くないほど地中から突き出るように。
*⑦ simul confirmandi et stabiliendi causa
**同時に、強固にして固定するために、
*singuli ab infimo solo pedes terra exculcabantur;
**それぞれ底から1ペース(約30cm)だけ土で突き固められた。
*reliqua pars scrobis ad occultandas insidias viminibus ac virgultis integebatur.
**穴の残りの部分は、わなを隠すために、柳の細枝や若枝で覆われた。
*⑧ Huius generis octoni ordines ducti ternos inter se pedes distabant.
**この類いを、8列ずつ、3ペース(約90cm)ずつ互いに離して、作った。
*Id ex similitudine floris lilium appellabant.
**(将兵たちは)それを花との類似から、<ruby><rb>[[w:ユリ|百合]]</rb><rp>(</rp><rt>リリウム</rt><rp>)</rp></ruby>と呼んだ。
:
'''刺'''
*⑨ Ante haec taleae pedem longae ferreis hamis infixis totae in terram infodiebantur
**これらの前に、鉄製の鉤が打ち込まれた長さ1ペース(約30cm)の棒の全体が地中に埋め込まれた。
*mediocribusque intermissis spatiis omnibus locis disserebantur,
**適度な空間を間にあけて、至る所に配置された。
*quos stimulos nominabant.
**(将兵たちは)それらを刺と呼んだ。
{| class="wikitable"
|-
! colspan="2" | [[w:la:Obsidio Alesiae|Obsidio Alesiae]]
|-
| style="vertical-align:top; text-align:left; width:35em;" |[[画像:Fortificazioni alesia png.png|thumb|left|500px|[[w:アレシアの戦い|アレシアの戦い]]における攻囲陣地の構成(図の説明はイタリア語)。]]
|}
===74節===
'''ガッリア人の来援に備えて、外周にも同様の塁壁を張り巡らす'''
*① His rebus perfectis
**これらの物が造り上げられると、
*regiones secutus quam potuit aequissimas pro loci natura
**地勢に応じて、できるかぎり好都合な地帯を探し求めて、
*XIIII(quattuordecim) milia passuum complexus
**14ローママイル(約21km)を取り巻いて、
*pares eiusdem generis munitiones,
**(内周の塁壁と規模が)匹敵する同じ類いの塁壁を
*diversas ab his, contra exteriorem hostem perfecit,
**これら(内周)に対置させて、外側の敵に対抗して造り上げた。
*ut ne magna quidem multitudine, si ita accidat equitatus<ref>equitatus はシェーラー(Schoeller)による修正提案で、写本(ω)では eius であるが、近代の校訂者たちにより修正提案がなされている。</ref> discessu,
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:ne quidem|ne ~ quidem]]「~でさえ…ない」)</span>
**もし[[w:騎兵|騎兵隊]]の退去によりこのようなこと(外敵との遭遇)が生じても、決して大軍により
*munitionum praesidia circumfundi possent;
**塁壁の守備隊が包囲されることができないように。
*② <ne> autem<ref>ne autem は近代の校訂者による修正提案で、α系・π系写本では aut、ρ系写本では ut となっている。</ref> cum periculo ex castris egredi cogatur,
**(ローマ勢が)危険を伴って陣営から進発することを強いられることもないように、
*dierum XXX(triginta) pabulum frumentumque habere omnes convectum iubet.
**30日分の[[w:糧秣|秣(まぐさ)や穀物]]を運び集めて保持することを皆に命じた。
===75節===
'''ガッリア同盟が各部族に動員を要請する'''
*① Dum haec apud<ref>apud はα系写本の記述で、β系写本では ad となっている。</ref> [[w:la:Alesia|Alesiam]] geruntur,
**これらが[[w:アレシア|アレスィア]]のもとで遂行されている間に、
*Galli concilio principum indicto
**ガッリア人たちは、領袖たちの会合を課して、
*non omnes hos<ref>omnes hos はα系写本の記述で、β系写本では単に omnes となっている。</ref> qui arma ferre possent, ut censuit [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]], convocandos statuunt,
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]が見積もったように武器を扱える者たち皆を召集するべき、ではないと判断した。
*sed certum numerum cuique ex civitate<ref>ex civitate はα系写本の記述で、β系写本では civitati となっている。</ref> imperandum,
**けれども、おのおのの部族から一定の兵数(の供出)を命令すること(を決めた)。
*ne tanta multitudine confusa nec moderari nec discernere suos nec frumentandi rationem<ref>frumentandi rationem はT・U・R写本などの記述で、V・U写本などでは frumenti rationem となっている。</ref> habere possent.
**これほどの大軍で混乱したり、味方を指揮できなかったり判別できなかったり、ということがないように。
*② Imperant [[w:la:Haedui|Haeduis]] atque eorum clientibus, Segusiavis, Ambivaretis, Aulercis Brannovicibus, Blannoviis, milia XXXV(triginta quinque);
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]とその庇護民であるセグスィアウィ族、アンビウァレティ族、アウレルキ・ブランノウィケス族、ブランノウィイ族に3万5千名を命令した。
*parem numerum Arvernis adiunctis Eleutetis, Cadurcis, Gabalis, Vellaviis,
**[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]に隣接しているエレウテティ族、カドゥルキー族、ガバリ族、ウェッラウィイ族に同等の兵数。
*qui sub imperio Arvernorum esse consuerunt;
**彼らはアルウェルニー族の支配下にいるのが常であった。
*③ Sequanis, Senonibus, Biturigibus, Santonis, Rutenis, Carnutibus duodena milia;
**セクアニ族、セノネース族、ビトゥリゲース族、サントネス族、ルテーニー族、カルヌーテース族には1万2千ずつ。
*Bellovacis X(decem); totidem Lemovicibus;
**ベッロウァキ族に1万。レモウィケス族に同じだけ多く(1万)。
*octona Pictonibus et Turonis et Parisiis et Helvetiis;
**ピクトネス族とトゥロニ族とパリスィイ族と[[w:ヘルウェティイ族|ヘルウェティイ族]]に8(千)ずつ。
*Senonibus<ref>Senonibus は写本(ω)にある記述だが、sen<a Suessi>onibus「6(千)ずつをスエッスィオニス族…に」などさまざまな修正提案がなされている。</ref>, Ambianis, Mediomatricis, Petrocoriis, Nerviis, Morinis, Nitiobrogibus quina milia;
**セノネース族、アンビアニ族、メディオマトリキ族、ペトロコリイ族、ネルウィイ族、モリニ族、ニティオブロゲス族に5千ずつ。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:Senonibus「セノネース族」は既出のためスエッスィオネス族などに書き替える修正提案がなされ、以下は校訂版によっては兵数がずれる。</span>
**:<span style="color:#009900;">しかし、スエッスィオネス族 Suessiones は[[ガリア戦記 第2巻#12節|第2巻12節]]でレーミー族を通じてカエサルに降伏しており、</span>
**:<span style="color:#009900;">第8巻6節でも「レーミー族に委ねられていた」「同盟者」と記されているので、アレスィアには出兵していないであろう。)</span>
*Aulercis Cenomanis totidem; Atrebatibus IIII;
**アウレルキ・ケノマニ族に同じだけ多く(5千)。アトレバテス族に4(千)。
*Veliocassis, Lexoviis et Aulercis Eburovicibus terna;
**ウェリオカッセス族、レクソウィイ族とアウレルキ・エブロウィケス族に3(千)ずつ。
*Rauracis et Boiis<ref>Boiis はα系写本の記述で、β系写本では Bois となっている。</ref> bina;
**ラウラキ族とボイイ族に2(千)ずつ。
*XXX<ref>XXX はα系写本の記述で、さまざまな修正提案がなされている。</ref> milia universis civitatibus, quae Oceanum attingunt
**<ruby><rb>大洋<span style="color:#009900;">〔[[w:大西洋|大西洋]]〕</span></rb><rp>(</rp><rt>オーケアヌス</rt><rp>)</rp></ruby>に接する諸部族全体に3万。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:この数は写本により異なっており、混乱している。)</span>
*quaeque eorum consuetudine Aremoricae appellantur,
**それらは、彼ら(ガッリア人)の慣習でアレモリカエと呼ばれており、
*quo sunt in numero Coriosolites, Redones, Ambibarii, Caletes, Osismi, Veneti, Lemovices, Unelli.
**コリオソリテス族、レドネス族、アンビバリイ族、カレテス族、オスィスミ族、ウェネティ族、レモウィケス族、ウネッリ族がそれらに数えられる。
*⑤ Ex his Bellovaci suum numerum non compleverunt<ref>compleverunt はα系写本の記述で、β系写本では contulerunt となっている。</ref>,
**これらのうちで、ベッロウァキ族は、自分たちの(割り当てられた)数を満たさなかった。
*quod se suo nomine atque arbitrio cum Romanis bellum gesturos dicebant
**というのは、彼らは自らの名と裁量でもってローマ人と交戦するであろうと言ったのだ。
*neque cuiusquam imperio obtemperaturos;
**(自分たちは)何者の命令にも服従しないであろう、と。
*rogati tamen ab<ref>ab はα系写本の記述で、β系写本では a となっている。</ref> Commio pro eius hospitio duo milia una miserunt.
**けれども、[[w:コンミウス|コンミウス]]の懇願により、彼を賓客としているために、2千名を一緒に送り出した。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ベッロウァキ族は要求された兵数の5分の1しか出さなかったが、第8巻22節ではこの出兵をも含めてカエサルから責められる。)</span>
===76節===
'''コンミウスもガッリア同盟軍に内応、約25万の大軍が集結'''
*① Huius opera Commii, ut antea demonstravimus, fideli atque utili
**前に述べたように、この[[w:コンミウス|コンミウス]]の信頼すべき有益な働きを
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[ガリア戦記 第4巻#21節|第4巻21節]]・[[ガリア戦記 第4巻#27節|27節]]・[[ガリア戦記 第4巻#35節|35節]]、[[ガリア戦記 第5巻#22節|第5巻22節]]、[[ガリア戦記 第6巻#6節|第6巻6節]]を参照。)</span>
*superioribus annis erat usus in [[w:la:Britannia Maior|Britannia]] Caesar;
**カエサルは先年(BC55~54年)に[[w:ブリタンニア|ブリタンニア]]において役立てていた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:コンミウスは、[[w:ローマによるブリタンニア侵攻 (紀元前55年-紀元前54年)|カエサルのブリタンニア侵攻]]の先導役を務めていた。後にブリタンニアで王となる。)</span>
*quibus ille pro meritis civitatem eius immunem esse iusserat,
**彼(カエサル)はそれらの功績の見返りに、彼(コンミウス)の部族が免税となることを命じており、
*iura legesque reddiderat atque ipsi Morinos attribuerat.
**権能や法度を元に戻してやり、(コンミウス)自身にモリニ族(の統治)をも委ねていた。
*② Tamen tanta<ref>tamen tanta はα系写本の記述で、β系写本では tanta tamen となっている。</ref> universae Galliae consensio fuit libertatis vindicandae et pristinae belli laudis recuperandae,
**けれども、自主独立が求められるべきで、かつての戦争の誉れが取り戻されるべきだという、ガッリア全体の合意があった。
*ut neque beneficiis neque amicitiae memoria moverentur
**その結果、(カエサルからの)厚遇にも友情の記憶にも揺り動かされず、
*omnesque et animo et opibus in id bellum incumberent.
**(ガッリアの)皆が闘志によっても兵力によっても、その戦争に没頭していたのだ。
*③ Coactis equitum milibus VIII(octo) et peditum circiter CCL(ducenti quinquaginta)<ref>CCL はβ系写本の記述で、α系写本では CCXL または CCXXXX となっている。</ref>
**[[w:騎兵|騎兵]]8千騎と[[w:歩兵|歩兵]]およそ250(千)名が徴集されて、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:歩兵の数は、β系写本では25万、α系写本では24万と異なっている。)</span>
*haec in Haeduorum finibus recensebantur, numerusque inibatur, praefecti constituebantur.
**これら(の軍勢)が[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の領土で閲兵されて、数が見積もられて、指揮官たちが決められた。
*④ Commio Atrebati, Viridomaro et [[w:la:Eporedorix|Eporedorigi]] [[w:la:Haedui|Haeduis]],
**アトレバテス族の[[w:コンミウス|コンミウス]]、ハエドゥイー族のウィリドマルスとエポレドリクス、
*[[w:la:Vercassivellaunus|Vercassivellauno]] Arverno, consobrino Vercingetorigis, summa imperii traditur.
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]の従兄弟である[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]のウェルカッスィウェッラウヌスに、最高司令権が託された。
*His delecti ex civitatibus attribuuntur, quorum consilio bellum administraretur.
**彼らに、諸部族から選ばれた者たちが付与されて、その者たちの協議により戦争が指導された。
*⑤ Omnes alacres et fiduciae pleni ad [[w:la:Alesia|Alesiam]] proficiscuntur,
**皆が、活気があって自身に満ち、[[w:アレシア|アレスィア]]へ向けて出発した。
*⑥ neque erat omnium quisquam qui adspectum modo tantae multitudinis sustineri posse arbitraretur,
**これほどの大軍を一見しただけで持ちこたえられる者は、誰一人いないと思われた。
*praesertim ancipiti proelio,
**とりわけ(内周と外周の)両面の戦闘で、
*cum ex oppido eruptione pugnaretur, foris tantae copiae equitatus peditatusque cernerentur.
**城塞都市からは出撃により戦われ、外からは騎兵と歩兵のこれほどの軍勢が視認されるのであるから。
===77節===
'''飢餓状態のアレスィアで、クリトグナトゥスが極論を唱える'''
*① At ii qui [[w:la:Alesia|Alesiae]] obsidebantur
**ところが、[[w:アレシア|アレスィア]]に包囲されていた者たちは、
*praeterita die qua auxilia suorum exspectaverant,
**味方の援軍を待ち望んでいた日も経過して、
*consumpto omni frumento,
**すべての糧食を消費し尽くして、
*inscii quid in [[w:la:Haedui|Haeduis]] gereretur,
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]のところにおいて何がなされているのかを知らず、
*concilio coacto de exitu suarum fortunarum consultabant.
**会合を召集して、自分たちの命運の結末について協議した。
*② Ac variis dictis sententiis
**そして、さまざまな意見が述べられた。
*quarum pars deditionem,
**それらの一部は降伏を、
*pars dum vires suppeterent eruptionem censebat,
**別の一部は、活動力が十分にある間に突撃することを考慮していた。
*non praetereunda oratio [[w:la:Critognatus|Critognati]] videtur propter eius singularem et nefariam crudelitatem.
**クリトグナトゥスの演説は、彼の特異で非道な残酷さのために、看過されるべきではないと思われる。
<br>
'''クリトグナトゥスの演説が始まる'''
*③ Hic summo in Arvernis ortus loco et magnae habitus auctoritatis,
**彼は、[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]において最高の身分に生まれ、大きな影響力を持つとみなされていた。
<br>
'''降伏論者は最低の輩だ'''
*"Nihil" inquit "de eorum sententia dicturus sum, qui turpissimam servitutem deditionis nomine appellant,
**「最も恥ずべき隷属を降伏という名で呼んでいる者たちの意見については、(私は)何も述べないであろう」と言った。
*neque hos habendos civium loco neque ad concilium adhibendos censeo.
**「この者たちは市民の身分を持つべきではないし、会合へ招き入れられるべきでもない、と(私は)考える。
<br>
'''突撃論者には辛抱が欠けている'''
*④ Cum his mihi res sit, qui eruptionem probant;
**突撃に賛同した者たちとともに、私の関わりはあるべきだ。
*quorum in consilio omnium vestrum consensu
**その者たちの考えには、君たち皆の同意があるだろうし、
*pristinae residere virtutis memoria videtur.
**かつての武勇の記憶が残っていることと思われる。
*⑤ Animi est ista mollitia, non virtus, paulisper inopiam ferre non posse.
**しばらくの間も(糧食の)欠乏に耐えることができない(君らの)ことは、気の弱さであって、武勇ではない。
*Qui se ultro morti offerant facilius reperiuntur quam qui dolorem patienter ferant.
**自発的に玉砕して逝った者たちは、苦痛に辛抱強く耐えた者たちよりも、より容易に見出されるのだ。
*⑥ Atque ego hanc sententiam probarem ─tantum apud me dignitas potest─,
**しかし私は(突撃という)この意見に賛同したであろう。それほど、私にとっても価値がある。
*si nullam praeterquam vitae nostrae iacturam fieri viderem;
**(ただし)もし、我々(ガッリア勢)の生命が投げ出されること以外に(方策が)何もないと思ったならばだ。
*⑦ sed in consilio capiendo omnem Galliam respiciamus, quam ad nostrum auxilium concitavimus.
**けれども、作戦を立てるに当たっては、我々のために援軍を(我々が)呼び寄せた全ガッリアを顧慮しよう。
*⑧ Quid hominum milibus LXXX(octoginta) uno loco interfectis
**(我々ガッリア勢)8万の人間が(アレスィア)1か所で殺戮されたら、
*propinquis consanguineisque nostris animi fore existimatis,
**我々の親類縁者たちの士気はどうなると(君らは)判断しているのか。
*si paene in ipsis cadaveribus proelio decertare cogentur?
**もし、ほとんど(我々)自身の亡骸の中で(味方が)決戦することを強いられたら?
*⑨ Nolite hos vestro auxilio exspoliare qui vestrae salutis causa suum periculum neglexerunt,
**君らの身の安全のために、己の危険を顧みなかった者たちのことを、君らが援助すること(の機会)を奪わないでくれ。
*nec stultitia ac temeritate vestra aut animi imbecillitate omnem Galliam prosternere et perpetuae servituti subicere.
**君らの愚かさや無思慮、または心の弱さによって、全ガッリアを滅ぼすことや永久の隷属に委ねることがないように。
<br>
'''ローマ人たちが恐れているのを見よ'''
*⑩ An quod ad diem non venerunt, de eorum fide constantiaque dubitatis?
**それとも(援軍が)期日までにやって来なかったので、彼らの誠実さや剛直さについて(君らは)疑っているのか?
*Quid ergo?
**それでは(あれは)何だ?
*Romanos in illis ulterioribus munitionibus animine causa cotidie exerceri putatis?
**ローマ人たちがあの向こう側の塁壁のところで、趣味のために毎日たえず働かされていると(君らは)思うのか?
*⑪ Si illorum nuntiis confirmari non potestis omni aditu praesaepto,
**もし、すべての出入口を(防柵で)遮られて、(援軍の到来を)彼らの伝令により(君らが)確証できないのならば、
*his utimini testibus adpropinquare eorum adventum,
**こちらの者たち(ローマ人)を、彼ら(援軍)の到来が近づいている証人として示せ。
*cuius rei timore exterriti diem noctemque in opere versantur.
**(援軍の到来という)その事態の恐れに戦慄して(ローマ人たちは)昼も夜も工事に従事しているのだ。
<br>
'''クリトグナトゥスの意見は?'''
*⑫ Quid ergo mei consilii est?
**それでは、私の考えは何であるか?
*Facere quod nostri maiores nequaquam pari bello Cimbrorum Teutonumque fecerunt:
**我々の先祖たちが(今回とは)決して比べものにならない[[w:キンブリ・テウトニ戦争|キンブリ族・テウトニ族との戦争]]でしたことをするのだ。
*qui in oppida compulsi ac simili inopia subacti
**彼ら(先祖たち)は、[[w:オッピドゥム|城塞都市]]に押し込められて、(今回と)似たような欠乏により衰弱させられて、
*eorum corporibus, qui aetate ad bellum inutiles videbantur, vitam toleraverunt
**加齢により戦争に役立たないと思われた者たちの肉体(を食べること)によって、生命を持ちこたえて、
*neque se hostibus tradiderunt.
**敵方に降伏しなかったのだ。
*⑬ Cuius rei si exemplum non haberemus,
**もし、そういう事態の先例を我々が持たなかったとしても、
*tamen libertatis causa institui et posteris prodi pulcherrimum iudicarem.
**けれども、自由のために、最も栄誉なことが決断され、子孫たちに伝えられることと、私は思いたい。
*⑭ Nam quid illi simile bello fuit?
**実際、あの戦争に(今回と)似ている何があっただろうか?
*Depopulata Gallia Cimbri magnaque inlata calamitate
**キンブリ族はガッリアを荒らしまわって、大きな災禍をもたらしたが、
*finibus quidem nostris aliquando excesserunt atque alias terras petierunt;
**あるとき我々の領土から立ち去って、他の土地を求めて行った。
*iura, leges, agros, libertatem nobis reliquerunt.
**権限、法度、耕地、自由を我々(ガッリア人)に残して行ったのだ。
*⑮ Romani vero quid petunt aliud aut quid volunt
**しかし、ローマ人たちは(以下に挙げることの)他に何を求め、何を欲しているのだろうか。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:「しかし、ローマ人が求め、欲しているのは、以下のことである」の意。)</span>
*nisi invidia adducti quos fama nobiles potentesque bello cognoverunt,
**高貴で戦争に力強い(ガッリアの)者たちを名声で知って羨望に駆られた以外には、
*horum in agris civitatibusque considere atque his aeternam iniungere servitutem?
**彼らの土地や部族共同体に居座って、彼らを永遠の隷属を課すること以外には。
*Neque enim ulla alia condicione bella gesserunt.
**実際、(ローマ人は)他のいかなる条件でも決して戦争を遂行したことがなかった。
*⑯ Quodsi ea quae in longinquis nationibus geruntur ignoratis,
**もし、遠方の種族のところでなされていることを(君らが)知らないのであれば、
*respicite finitimam Galliam,
**ガッリアの隣人たちを見渡しなさい。
*quae in provinciam redacta,
**(彼らはローマの)[[w:属州|属州]]になることを余儀なくされ、
*iure et legibus commutatis,
**権限や法度を変えられて、
*securibus subiecta perpetua premitur servitute."
**(ローマの)権力に服属させられて、永久の隷属に苦しめられているのだ。
===78節===
'''マンドゥビイ族の投降をカエサルが拒む'''
*① Sententiis dictis
**(いくつかの)意見が述べられて、
*constituunt ut ii, qui valetudine aut aetate inutiles sunt<ref>sunt はα系写本の記述で、β系写本では sint となっている。</ref> bello, oppido excedant
**(ガッリア人たちは)健康または年齢により戦争に役立たない者たちは[[w:オッピドゥム|城塞都市]]を退去するように決めた。
*atque omnia prius experiantur quam ad Critognati sententiam descendant;
**さらに、クリトグナトゥスの意見に同意するよりも、まずあらゆることを試みるように(決めた)。
*② illo tamen potius utendum consilio,
**けれども(以下の場合には)むしろ彼(クリトグナトゥス)の意見を実行するべきだ。
*si res cogat atque auxilia morentur,
**もし、事態が強いて、援軍が遅滞させられるのならば、
*quam aut deditionis aut pacis subeundam condicionem.
**降伏あるいは講和条件を受諾することよりも(クリトグナトゥスの意見を実行するべきだ)、と。
*③ Mandubii qui eos oppido receperant,
**彼ら(ガッリア勢)を城塞都市に受け入れていたマンドゥビイ族は、
*cum liberis atque uxoribus exire coguntur.
**子供たちや妻女たちとともに(城塞都市から)出て行くことを強いられた。
*④ Hi cum ad munitiones Romanorum accessissent,
**彼らは、ローマ人たちの塁壁のところへ近づいたときに、
*flentes omnibus precibus orabant, ut se in servitutem receptos cibo iuvarent.
**自分たちを奴隷として受け入れて食糧で助けてくれるように、泣きながらあらゆる懇願で頼んだ。
*⑤ At Caesar dispositis in vallo custodibus<ref>custodibus はα系写本の記述で、β系写本では custodiis となっている。</ref> recipi prohibebat.
**だが、カエサルは、防柵の中に番兵を分けて置き、(マンドゥビイ族を)受け入れることを禁じた。
===79節===
'''ガッリア同盟軍の来援、アレスィアの歓呼'''
*① Interea Commius reliquique duces, quibus summa imperii permissa erat,
**その間に、最高司令権を任されていた[[w:コンミウス|コンミウス]]とほかの将帥たちが、
*cum omnibus copiis ad Alesiam perveniunt
**すべての軍勢とともに[[w:アレシア|アレスィア]]の辺りへ到着して、
*et colle exteriore occupato
**より外側の丘陵を占拠して、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:現在のミュスィ=ラ=フォス村 [[w:fr:Mussy-la-Fosse|Mussy-la-Fosse]]<ref>[http://maps.google.com/maps?q=47.521944,4.438611&hl=fr&ie=UTF8&ll=47.522012,4.438648&spn=0.01849,0.027423&t=h&z=15 Google map]を参照。</ref> のある丘陵であると思われる。)</span>
*non longius mille passibus ab nostris munitionibus considunt.
**我が方(ローマ勢)の塁壁から1ローママイル(約1.5km)ほども遠くないところに陣取った。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:現在のヴナレ=レ=ローム [[w:fr:Venarey-les-Laumes|Venarey-les-Laumes]] 市街<ref>[http://maps.google.com/maps?q=47.542778,4.445833&hl=fr&ie=UTF8&ll=47.543106,4.458475&spn=0.036965,0.054846&t=h&z=14 Google map]を参照。</ref>の周辺であると思われる。)</span>
*② Postero die equitatu ex castris educto
**翌日に、[[w:騎兵|騎兵隊]]が陣営から進発させられて、
*omnem eam planitiem quam in longitudinem milia passuum III(tria)<ref>milia passuum III はβ系写本の記述で、α系写本では quattuor milia passuum などとなっている。</ref> patere demonstravimus, complent
**3ローママイル(約4.5km)の長さにわたり広がっていることを既述した平地のすべてを、満たした。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#69節|69節]]を参照。現在のローム平原に当たると思われる。)</span>
*pedestresque copias paulum ab eo loco abditas in locis superioribus constituunt.
**[[w:歩兵|歩兵]]の軍勢を、その地からいくらか遠ざけて、より高いところに駐留させた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:上記の丘陵のより高い所であると思われる。)</span>
*③ Erat ex oppido Alesia despectus in campum.
**アレスィアの[[w:オッピドゥム|城塞都市]]からは(その)平地に眺望があった。
*Concurrunt<ref>concurrunt はα系写本の記述で、β系写本では concurritur となっている。</ref> his auxiliis visis;
**これらの援軍が現われると(アレスィアのガッリア人たちは)群がり集まった。
*fit gratulatio inter eos
**彼らの間で祝賀がなされて、
*atque omnium animi ad laetitiam excitantur.
**皆の心が喜びへと鼓舞された。
*④ Itaque productis copiis ante oppidum considunt
**こうして(アレスィアの)軍勢が出撃させられて、城塞都市の前に陣取って、
*et proximam fossam cratibus integunt atque aggere explent
**最も近い堀を、柴で蔽って、土砂を充満させて、
*seque ad eruptionem atque omnes casus comparant.
**突撃やあらゆる有事に戦備を整えた。
===80節===
'''ゲルマニア騎兵らローマ勢が来援ガッリア騎兵をも打ち破る'''
*① Caesar omni exercitu ad utramque partem munitionum<ref>munitionum はα系写本の記述で、β系写本では munitionis となっている。</ref> disposito,
**カエサルは、すべての[[w:歩兵|歩兵隊]]を、塁壁の(内周と外周)両側に分けて置き、
*ut, si usus veniat, suum quisque locum teneat et noverit,
**もし、必要が生じたら、おのおのが自らの部署を知って固守するようにした。
*equitatum ex castris educi et proelium committi iubet.
**[[w:騎兵|騎兵隊]]を陣営から進発させて、交戦することを命じた。
*② Erat ex omnibus castris, quae summum undique iugum tenebant, despectus
**至る所で尾根の頂きを占めていた(ローマ勢の)すべての陣営から(騎兵戦の)眺望があった。
*atque omnes milites intenti<ref>intenti はα系写本の記述で、β系写本では intenti animi、Fuchs は intentis animis と修正提案している。</ref> pugnae proventum<ref>pugnae proventum はα系写本の記述で、β系写本では proventum pugnae となっている。</ref> exspectabant.
**すべての兵士たちは(観戦に)没頭して、戦いの結果を待っていた。
*③ Galli inter equites raros sagittarios expeditosque levis armaturae interiecerant,
**ガッリア人たちは、弓兵たちと軽装歩兵たちをまばらに、騎兵たちの間に置いていて、
*qui suis cedentibus auxilio succurrerent
**その者たち(弓兵と軽装歩兵)は、味方が後退するのを支援するために馳せ寄って、
*et nostrorum equitum impetus sustinerent.
**我が方(ローマ勢)の騎兵の突撃に持ちこたえていた。
*Ab his complures de improviso vulnerati proelio excedebant.
**彼らによって(ローマ側騎兵の)かなりの者たちが、思いがけず負傷させられて、戦闘から退いた。
*④ Cum suos pugna superiores esse Galli confiderent
**ガッリア人たちが、味方が戦いで優勢であることを確信したとき、
*et nostros multitudine premi viderent,
**かつ、我が方(ローマ勢)が多勢(のガッリア騎兵)により圧倒されているのを見て取ったときに、
*ex omnibus partibus et ii qui munitionibus continebantur
**あらゆる方面から(ローマ勢の)塁壁によって囲まれていた者たちも、
*et hi<ref>hi はφ系・β系写本の記述で、χ系写本では ii となっている。</ref> qui ad auxilium convenerant
**(アレスィア)救援のために集結して来ていた者たちも、
*clamore et ululatu suorum animos confirmabant.
**大声やわめき声によって味方の闘志を強めた。
*⑤ Quod in conspectu omnium res gerebatur
**(両軍の)皆の環視の中で合戦が遂行されたので、
*neque recte ac<ref>ac はα系・π系写本の記述で、ρ系写本では aut となっている。</ref> turpiter factum celari poterat,
**立派な行為または見苦しい行為も隠されることができなかったので、
*utrosque et laudis cupiditas et timor ignominiae ad virtutem excitabant<ref>excitabant はB・M・L・N・R写本などの記述で、χ系・B・S・π系・U写本などでは excitabat となっている。</ref>.
**賞賛への功名心も、不名誉への恐れも、双方を武勇へと駆り立てた。
*⑥ Cum a meridie prope ad solis occasum dubia victoria pugnaretur,
**正午から、ほぼ日没の頃まで、勝利が不確実なまま戦われていたときに、
*Germani una in parte confertis turmis
**ゲルマニア人たちが、騎兵部隊を一か所に密集させて、
*in hostes impetum fecerunt eosque propulerunt;
**敵方に突撃を行ない、彼ら(ガッリア騎兵)を駆逐した。
*⑦ quibus in fugam coniectis
**その者たち(ガッリア騎兵)は逃亡に追いやられて、
*sagittarii circumventi interfectique sunt.
**弓兵たちは包囲されて殺戮された。
*⑧ Item ex reliquis partibus nostri cedentes usque ad castra insecuti
**我が方(ローマ勢)の残りの部隊も、撤退する(ガッリア騎兵の)者たちを陣営のところまで追撃して、
*sui colligendi facultatem non dederunt.
**立ち直る機会を与えなかった。
*⑨ At ii qui ab [[w:la:Alesia|Alesia]] processerant,
**そして、[[w:アレシア|アレスィア]]から進み出ていた者たちは、
*maesti prope victoria desperata se in oppidum receperunt.
**ほとんど絶望的な勝利に悲嘆して、城塞都市に退却した。
===81節===
'''ガッリア来援軍と籠城軍がローマ陣地に夜襲をしかける'''
*① Uno die intermisso Galli
**ガッリア人たちは一日を間に置いて、
*atque hoc spatio magno cratium, scalarum, harpagonum numero effecto
**この間に、多数の柴、[[w:梯子|梯子]]、鉤竿を調達して、
*media nocte silentio ex castris egressi
**真夜中に静けさのうちに陣営から進発して、
*ad campestres munitiones accedunt.
**平地の(ローマ勢の)塁壁の辺りへ近づいた。
*② Subito clamore sublato, qua significatione
**突然に雄叫びを上げて、それを合図として、
*qui in oppido obsidebantur de suo adventu cognoscere possent,
**[[w:オッピドゥム|城塞都市]]の中に包囲されている者たちが、自分たちの到来について認識できるようにした。
*crates proicere, fundis, sagittis, lapidibus nostros de vallo proturbare
**柴を投げ込み、投石器で、矢で、石でもって我が方(ローマ勢)を防柵から追い出すこと、
*reliquaque quae ad oppugnationem pertinent parant administrare.
**(塁壁の)攻略のために役立つほかのことに従事すること、を目論んだ。
*③ Eodem tempore clamore exaudito
**同時に(来援軍の)雄叫びを聞き取って、
*dat tuba signum suis [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]] atque ex oppido educit.
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は、麾下の者たちにラッパで指図を与えて、城塞都市から進発させた。
*④ Nostri, ut superioribus diebus, suus cuique<ref>suus cuique はβ系写本の記述で、χ系・B・M・S写本では ut cuique となっている。</ref> erat locus attributus, ad munitiones accedunt;
**我が方(ローマ勢)は、以前の日々に、おのおのの部署が割り当てられており、塁壁のところへ近寄った。
*fundis librilibus sudibusque, quas in opere disposuerant, ac glandibus Gallos proterrent.
**堡塁に分配されていたポンド投石器や杭、並びに玉によって、ガッリア人たちを追い払った。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:librilis funda「ポンド投石器」;古代ローマの1ポンド [[w:la:Libra pondus|libra]] は約327グラム<ref>[[w:en:Ancient Roman units of measurement#Weight]]を参照。</ref>。)</span>
*⑤ Prospectu tenebris adempto multa utrimque vulnera accipiuntur.
**眺望が暗闇により奪われて、双方が多くの傷を蒙った。
*Complura tormentis tela coniciuntur.
**かなり多くの飛び道具が(巻上式)投石機によって投じられた。
*⑥ At [[w:la:Marcus Antonius|M.(Marcus) Antonius]] et [[w:la:Gaius Trebonius|C.(Gaius) Trebonius]] legati,
**[[w:マルクス・アントニウス|マルクス・アントニウス]]と[[w:ガイウス・トレボニウス|ガイウス・トレボニウス]] [[w:レガトゥス|両副官]]は、
*quibus hae partes ad defendendum obvenerant,
**この方面を防衛するために割り当てられていたが、
*qua ex parte nostros premi intellexerant,
**我が方(ローマ勢)が押されぎみであると見なした一帯のために、
*his auxilio ex ulterioribus castellis deductos submittebant.
**この者たちを支援するために、向こう側の砦から引き出した者たちを(援兵として)派遣した。
===82節===
'''アレスィア内外のガッリア勢が障害物に阻まれて退く'''
*① Dum longius ab munitione aberant Galli,
**ガッリア人たちは(ローマ勢の)塁壁から遠くに離れていた間は、
*plus multitudine telorum proficiebant;
**飛び道具の多さによって、前進していた。
*posteaquam propius successerunt,
**(塁壁の方へ)さらに近くに進入して来た後では、
*aut se ipsi<ref>ipsi はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> stimulis inopinantes induebant
**あるいは、思いがけず自ら「刺」に陥り、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:stimulus「刺」については、[[#73節|73節]]⑨項を参照。)</span>
*aut in scrobes delati transfodiebantur
**あるいは、穴に陥落して(「百合」で)突き刺されたり、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:「穴」と「百合」については、[[#73節|73節]]⑤~⑧項を参照。)</span>
*aut ex vallo ac turribus traiecti pilis muralibus interibant.
**あるいは、防柵や櫓から[[w:ピルム・ムーリアリス|防壁槍]]で射抜かれて逝った。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:防壁槍については、[[ガリア戦記 第5巻#40節|第5巻40節]]を参照。)</span>
*② Multis undique vulneribus acceptis
**(ガッリア勢は)至る所で多くの傷を負ったが、
*nulla munitione perrupta,
**どの(ローマ側の)塁壁も突破されなかった。
*cum lux appeteret,
**<ruby><rb>暁光</rb><rp>(</rp><rt>ぎょうこう</rt><rp>)</rp></ruby>が(空を)染めたとき、
*veriti ne ab latere aperto ex superioribus castris eruptione circumvenirentur,
**開けた側面から、(ローマ勢の)高所の陣営からの突撃によって包囲されないようにと怖れて、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:開けた側面とは、盾で守られていない右側のこと。)</span>
*se ad suos receperunt.
**味方のところへ退却した。
*③ At interiores
**それに対して、(アレスィア攻囲の)内側の者たちは、
*dum ea quae a [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorige]] ad eruptionem praeparata erant<ref>praeparata erant は、写本(ω)ではpraeparaverant だが、このように修正提案されている。あるいは、a Vercingetorige が削除提案されている。</ref> proferunt,
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]により、突撃のために準備していたものを運び出して
*priores fossas explent,
**一番前の堀を埋めている間に、
*diutius in his rebus administrandis morati
**これらの事に従事することに、より長く妨げられて、
*prius suos discessisse cognoverunt quam munitionibus adpropinquarent.
**塁壁に近づくよりも前に味方(=来援軍)が退去したことを知ったのだ。
*Ita re infecta in oppidum reverterunt.
**こうして、事は達成されていないものの、[[w:オッピドゥム|城塞都市]]に引き返した。
===83節===
'''ウェルカッスィウェッラウヌスが兵6万を率いて急所の丘へ向かう'''
*① Bis magno cum detrimento repulsi Galli
**大きな損害とともに二度も撃退されたガッリア人たちは、
*quid agant consulunt;
**何をなすべきかを協議した。
*locorum peritos adhibent;
**(その)土地に熟知した者たちを招いた。
*ex his superiorum castrorum situs munitionesque cognoscunt.
**この者たちから、(ローマ勢の)高いところの陣営の位置や塁壁を調べ上げた。
*② Erat a septentrionibus collis,
**(アレスィアの)北方に丘陵があって、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:これは現在のレア山 le Mont Réa であると思われ、山頂にはメネルー=ル=ピトワ村<ref>[[w:fr:Ménétreux-le-Pitois]]や[http://maps.google.fr/maps?f=q&hl=fr&geocode=&q=m%C3%A9n%C3%A9treux+le+pitois&sll=42.423457,8.789063&sspn=23.611541,40.957031&ie=UTF8&t=h&hq=&hnear=M%C3%A9n%C3%A9treux-le-Pitois,+C%C3%B4te-d'Or,+Bourgogne&ll=47.55475,4.460106&spn=0.018507,0.010042&z=15 Google map]などを参照。</ref>がある。)</span>
*quem propter magnitudinem circuitus
**その周囲の大きさのために、
*opere circumplecti non potuerant nostri,
**我が方(ローマ勢)は、堡塁により囲い込むことができずにいた。
*necessarioque<ref>-que はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> paene iniquo loco et leniter<ref>leniter はπ系写本の記述で、α系・ρ系写本では leviter となっている。</ref> declivi castra fecerunt<ref>fecerunt はα系写本の記述で、β系写本では fecerant となっている。</ref>.
**やむをえず、ほとんど不利でゆるやかに傾斜した地点に陣営を造った。
*③ Haec C.(Gaius) Antistius Reginus et C.(Gaius) Caninius Rebilus legati
**これを、ガーイウス・アンティスティウス・レーギーヌスとガイウス・カニニウス・レビルス [[w:レガトゥス|両副官]]が
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:''[[w:fr:Caius Antistius Reginus|Gaius Antistius Reginus]]'' は[[ガリア戦記_第6巻#1節|第6巻1節]]で既出。[[#90節|90節]]で後出。)</span>
*cum duabus legionibus obtinebant.
**2個軍団とともに占めていた。
*④ Cognitis per exploratores regionibus duces hostium
**敵方の将帥たちは、偵察者たちを通じて一帯を調べ上げて、
*LX(sexaginta) milia ex omni numero deligunt
**総員のうちから6万名を選抜した。
*earum civitatum quae maximam virtutis opinionem habebant;
**武勇において大きな評判を得ている部族のうち(から選抜した)。
*⑤ quid quoque pacto agi placeat, occulte inter se constituunt;
**何が、どんな方法で行なわれるのがよいか、互いに密かに取り決めた。
*adeundi tempus definiunt, cum meridie<ref>meridie は中世の写本(ω)の記述であるが、近世の写本(ς)では meridies となっている。</ref> esse videatur.
**正午であると思われる頃を突撃する時と定めた。
*⑥ His copiis Vercassivellaunum Arvernum,
**この軍勢を、[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]のウェルカッスィウェッラウヌス、
*unum ex quattuor ducibus, propinquum [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorigis]], praeficiunt.
**(すなわち)4人の将帥たちの1人で、[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]の親族である者に、指揮させた。
*⑦ Ille ex castris prima vigilia egressus
**彼(ウェルカッスィウェッラウヌス)は、陣営から第一夜警時に進発して、
*prope confecto sub lucem itinere
**夜明け前にほぼ行軍が成し遂げられて、
*post montem se occultavit
**山の後ろに身を隠して、
*militesque ex nocturno labore sese reficere iussit.
**兵士たちに夜間の疲労を回復しておくことを命じた。
*⑧ Cum iam meridies adpropinquare videretur,
**すでに正午に近付いていると思われたときに、
*ad ea castra, quae supra demonstravimus, contendit;
**前に述べた陣営のところへ急いだ。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:本節②項を参照。)</span>
*eodemque tempore equitatus ad campestres munitiones accedere
**同時に(ガッリア来援軍の)[[w:騎兵隊|騎兵隊]]が平地の(ローマ勢の)塁壁のところへ近付き、
*et reliquae copiae pro castris sese ostendere coeperunt.
**残りの軍勢が陣営の前に姿を現わし始めた。
===84節===
'''ウェルキンゲトリークスらアレスィア籠城軍も善戦する'''
*① [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]] ex arce [[w:la:Alesia|Alesiae]] suos conspicatus ex oppido egreditur;
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は、[[w:アレシア|アレスィア]]の高台から味方を望見して、[[w:オッピドゥム|城塞都市]]から進発した。
*a castris<ref>a castris はβ系写本の記述で、α系写本では単に castris となっている。</ref>, longurios, musculos, falces
**陣営から、長い竿、小屋、破城鎌や、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:falx「破城鎌」については、[[ガリア戦記 第5巻#42節|第5巻42節]]を参照。)</span>
*reliquaque quae eruptionis causa paraverat profert.
**(塁壁を)突破するために準備していたほかのものを運び出した。
*② Pugnatur uno tempore omnibus locis atque omnia temptantur;
**一時にあらゆる場所で戦われて、あらゆることが試みられた。
*quae minime visa pars firma est, huc concurritur.
**あまり堅固ではないと思われる部分、ここへ襲いかかった。
*③ Romanorum manus tantis munitionibus distinetur
**ローマ人の手勢は、これほどの(長大な)塁壁により離して置かれていて、
*nec facile pluribus locis occurrit.
**より多くの場所には容易に駆け付けられなかった。
*④ Multum ad terrendos nostros valet clamor qui post tergum pugnantibus exstitit,
**戦っている者たちの背後で生じた雄叫びは、我が方(ローマ勢)を怖れさせるために大いに力があった。
*quod suum periculum in aliena vident virtute<ref>virtute「武勇」 はβ系写本の記述で、α系写本では salute「安全」 となっている。</ref> constare;
**というのは、自分たち(ローマ勢)の危険が他人(ガッリア勢)の武勇に依拠していると思ったから。
*omnia enim plerumque, quae absunt, vehementius hominum mentes perturbant.
**なぜなら(そこに)不在であるものすべてはたいてい、人間の心を激しく混乱させるものであったからである。
===85節===
'''ウェルカッスィウェッラウヌスが急所の丘を攻める'''
*① Caesar idoneum locum nactus
**カエサルは適当な場所を得て,
*quid quaque in<ref>quaque in はβ系写本の記述で、α系写本では qua ex となっている。</ref> parte geratur cognoscit;
*何が各方面でなされているのかを認識した。
*laborantibus submittit.
**苦戦している者たちに(援兵を)派遣した。
*② Utrisque ad animum occurrit unum esse illud tempus, quo maxime contendi conveniat:
**双方にとって、最も雌雄を決するべきはこの時のみであるということが、心に生じた。
*③ Galli, nisi perfregerint munitiones, de omni salute desperant;
**ガッリア人たちは、(ローマ人の)塁壁を突破しない限り、あらゆる身の安全に絶望することになる。
*Romani, si rem obtinuerint, finem laborum omnium exspectant.
**ローマ人は、もし事を成就したら、すべての労苦の終わるということを期待した。
*④ Maxime ad superiores munitiones laboratur, quo [[w:la:Vercassivellaunus|Vercassivellaunum]] missum demonstravimus.
**ウェルカッスィウェッラウヌスが派遣されたと既述した、より高い塁壁の辺りで(ローマ勢は)とりわけ苦戦した。
*Iniquum loci ad declivitatem fastigium magnum habet momentum.
**けわしい地形の不利な傾斜が(ローマ勢にとって)大きな影響力を持った。
*⑤ Alii tela coniciunt, alii testudine facta subeunt;
**(ガッリア勢の)ある者は飛び道具を投げやって、ある者は[[w:テストゥド|亀甲陣形]]を形成して突き進んだ。
*defatigatis invicem integri succedunt.
**疲労させられた者たちに対しては、新手の者たちが交代した。
*⑥ Agger ab universis in munitionem coniectus
**土が総勢により(ローマ人の)塁壁に投じられて、
*et ascensum dat Gallis
**ガッリア人たちに登り道を与えもしたし、
*et ea, quae in terra occultaverant Romani, contegit;
**ローマ人たちが地中に隠しておいたもの(障害物)を埋め込んでしまった。
*nec iam arma nostris nec vires suppetunt.
**我が方(ローマ勢)には、もはや武器も活力も十分になかった。
===86節===
'''危急存亡の秋、両軍の苦闘'''
*① His rebus cognitis
**これらの事態を知って、
*Caesar [[w:la:Titus Labienus|Labienum]] cum cohortibus sex subsidio laborantibus mittit;
**カエサルは、[[w:ティトゥス・ラビエヌス|ラビエーヌス]]を6個<ruby><rb>[[w:コホルス|歩兵大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>とともに援兵として苦戦している者たちへ派遣した。
*② imperat, si sustinere non possit<ref>possit はχ系・B・M・S・β系写本の記述で、L・N写本では posset となっている。</ref>, deductis cohortibus eruptione pugnaret<ref>pugnaret はα系写本の記述で、β系写本では pugnet となっている。</ref>;
**もし(塁壁の防衛が)持ちこたえられなかったならば、諸大隊を引率して突撃によって戦うように、と命令していた。
*id nisi necessario ne faciat.
**それは、やむをえないのでなければ行なわないように(と命じていた)。
*③ Ipse adit reliquos, cohortatur ne labori succumbant;
**(カエサル)自身は、ほかの者たちを訪れて、労苦に屈服しないようにと鼓舞した。
*omnium superiorum dimicationum fructum in eo die atque hora docet consistere.
**これまでのあらゆる奮闘の結実がこの日、この時にかかっていることを説いた。
*④ Interiores desperatis campestribus locis propter magnitudinem munitionum
**(アレスィアに包囲されている)内側の者たちは、塁壁の大規模さのために、平坦な地点(での突破)を断念して、
*loca praerupta ex ascensu temptant;
**けわしい場所を登り坂から攻撃してみた。
*huc ea quae paraverant conferunt.
**ここに、準備していたものを運び集めた。
*⑤ Multitudine telorum ex turribus propugnantes deturbant,
**たくさんの飛び道具によって、防戦している者たちを櫓から駆逐した。
*aggere et cratibus fossas explent,
**土砂や柴で堀を埋めて、
*falcibus vallum ac loricam rescindunt.
**破城鎌によって防柵や胸壁を切り裂いた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:falx「破城鎌」については、[[ガリア戦記 第5巻#42節|第5巻42節]]を参照。)</span>
===87節===
'''カエサルの救援、ラビエーヌスの作戦'''
*① Mittit primo<ref>primo はφ系・ρ系写本の記述で、χ系・π系写本では primum となっている。</ref> [[w:la:Decimus Iunius Brutus Albinus|Brutum adulescentem]] cum cohortibus Caesar,
**カエサルは、初めに[[w:デキムス・ユニウス・ブルトゥス・アルビヌス|青年ブルトゥス]]を諸<ruby><rb>[[w:コホルス|歩兵大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>とともに派遣して、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:デキムス・ブルトゥスには[[ガリア戦記 第3巻#14節|第3巻14節]]で艦隊を、本巻[[#9節|9節]]②項では騎兵隊を指揮させている。)</span>
*post cum aliis C.(Gaium) Fabium legatum;
**後に副官のガイウス・ファビウスをほかの隊とともに(派遣した)。
*postremo ipse, cum vehementius pugnaretur,
**最後には(カエサル)自身が、激しく戦われていたので、
*integros subsidio adducit.
**新手の者たちを援兵として率いて行った。
*② Restituto proelio ac repulsis hostibus
**戦況が回復され、敵方が撃退されると、
*eo quo Labienum miserat contendit;
**ラビエーヌスを派遣していたところに急いだ。
*cohortes IIII(quattuor) ex proximo castello deducit,
**近隣の砦から4個歩兵大隊を引き出して、
*equitum partem se<ref>se はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> sequi,
**[[w:騎兵|騎兵]]のある一部には、自らに随行することを、
*partem circumire exteriores munitiones et ab<ref>ab はα系写本の記述で、β系写本では a となっている。</ref> tergo hostes adoriri iubet.
**別の一部には、外側の塁壁を取り囲んで、敵方を背後から襲撃することを命じた。
*③ Labienus, postquam neque aggeres neque fossae vim hostium sustinere poterant,
**ラビエーヌスは、土塁も堀も敵方の武力に持ちこたえることができなかった後で、
*coactis una XL(quadraginta) cohortibus, quas ex proximis praesidiis deductas fors obtulit,
**近隣の宿営地から、はからずも引き出しておいた40個歩兵大隊を集結させて、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:この数は、写本によって異なり、モイゼルらは undecim「11個」と提案している。)</span>
*Caesarem per nuntios facit certiorem, quid faciendum existimet.
**何がなされるべきと考えたのかを、カエサルに伝令を通じて報告した。
*Accelerat Caesar, ut proelio intersit.
**カエサルは、戦闘(の場)に居合わせるように急いで行った。
===88節===
'''雌雄決し、ガッリア来援軍が敗走'''
*① Eius adventu ex colore vestitus cognito, quo insigni in proeliis uti consuerat,
**彼(カエサル)の到来が、(彼が)戦闘において目印として用いるのが常であった衣服の色から認識され、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:カエサルは、真紅の外套を着用していたようである。)</span>
*turmisque equitum et cohortibus visis quas se sequi iusserat,
**(カエサルが)自らに随行することを命じていた諸<ruby><rb>[[w:騎兵|騎兵]]小隊</rb><rp>(</rp><rt>トゥルマ</rt><rp>)</rp></ruby>や諸<ruby><rb>[[w:コホルス|歩兵大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>が望見されて、
*ut de locis superioribus haec declivia et devexa cernebantur,
**(ウェルカッスィウェッラウヌスらが派遣された)高地から、これらの斜面や急坂が見分けられたので、
*hostes proelium committunt.
**敵方(ガッリア勢)は戦端を開いた。
*② Utrimque clamore sublato
**(ガッリア来援軍とアレスィア籠城軍の)双方から雄叫びが上げられて、
*excipit rursus ex vallo atque omnibus munitionibus clamor.
**さらに、防柵やすべての塁壁から(ローマ勢の)雄叫びが続いた。
*Nostri omissis pilis gladiis rem gerunt.
**我が方(ローマ勢)は<ruby><rb>[[w:ピルム|投槍]]</rb><rp>(</rp><rt>ピルム</rt><rp>)</rp></ruby>を放棄して、<ruby><rb>[[w:グラディウス (武器)|長剣]]</rb><rp>(</rp><rt>グラディウス</rt><rp>)</rp></ruby>で合戦した。
*③ Repente post tergum equitatus cernitur;
**不意に(ガッリア勢の)背後に(ローマ勢の)騎兵隊が見分けられた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:87節②項で、カエサルは騎兵隊に外壁を迂回して敵を背後から襲撃するように命じていた。)</span>
*cohortes aliae adpropinquant.
**別の諸<ruby><rb>歩兵大隊</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>も接近して来た。
*Hostes terga vertunt;
**敵方(ガッリア勢)は、(ローマ勢に)背を向けた。
*fugientibus equites occurrunt.
**逃げる者たち(ガッリア勢)を(ローマ勢の)騎兵たちが追撃した。
*Fit magna caedes.
**大虐殺が起こった。
*④ Sedullus, dux et princeps Lemovicum, occiditur;
**レモウィケス族の将帥で領袖であるセドゥッルスが斃された。
*[[w:la:Vercassivellaunus|Vercassivellaunus]] Arvernus vivus in fuga comprehenditur;
**[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]のウェルカッスィウェッラウヌスは逃亡中に生きたまま捕らえられた。
*signa militaria LXXIIII(septuaginta quattuor) ad Caesarem referuntur;
**(ガッリア勢の)74本の軍旗がカエサルのところへ運んで来られた。
*pauci ex tanto numero se incolumes<ref>se incolumes はα系写本の記述で、β系写本では incolumes se となっている。</ref> in castra recipiunt.
**これほどの兵数のうち、わずかな者たち(だけ)が無傷のまま陣営に退却した。
*⑤ Conspicati ex oppido caedem et fugam suorum
**(アレスィアの)[[w:オッピドゥム|城塞都市]]から味方の虐殺や逃亡を視認した者たちは、
*desperata salute copias a munitionibus reducunt.
**身の安全に絶望して、軍勢を塁壁から(城塞都市に)呼び戻した。
*⑥ Fit protinus hac re audita ex castris Gallorum fuga.
**この事態が聞かれるとただちに、(来援に来ていた)ガッリア人たちの陣営から逃亡が生じた。
*Quodnisi crebris subsidiis ac totius diei labore milites essent defessi,
**もし、たびたびの(味方への)支援や一日中の働きにより兵士たちが疲れ果てていなかったならば、
*omnes hostium copiae deleri potuissent.
**敵方(ガッリア来援軍)の全軍勢が壊滅させられることが可能であっただろう。
*⑦ De media nocte missus equitatus novissimum agmen consequitur;
**真夜中の頃に、派遣されていた(ローマ勢の)騎兵隊が(ガッリア勢の)後衛に追いついて、
*magnus numerus capitur atque interficitur;
**(ガッリア勢の)大多数が捕らえられ、かつ殺戮された。
*reliqui ex fuga in civitates discedunt.
**(ガッリア来援軍の)残りの者たちは、逃亡して諸部族のところに逃げのびた。
==ガッリア同盟軍主力の降伏==
===89節===
[[画像:Vercingétorix se rend à César 1886 HPMotte.jpg|thumb|right|330px|「カエサルの陣営に投降するウェルキンゲトリークス」<br>“Vercingétorix se rendant au camp de César”、<br>アンリ=ポール・モット([[w:fr:Henri-Paul_Motte|Henri-Paul Motte]])画、1886年。<br>[[w:ル・ピュイ=アン=ヴレ|ル・ピュイ=アン=ヴレ]]のクロザティエ美術館([[w:fr:Musée Crozatier au Puy-en-Velay|Musée Crozatier]] au [[w:fr:Le Puy-en-Velay|Puy-en-Velay]])蔵。]]
[[画像:Lionel Royer - Vercingetorix Throwing down His Weapons at the feet of Julius Caesar.jpg|thumb|right|330px|「ウェルキンゲトリークスが彼の武器をユリウス・カエサルの足元に投げ捨てる」“Vercingétorix jette ses armes aux pieds de Jules César”、リオネル=ノエル・ロワイエ([[w:fr:Lionel Royer|Lionel-Noël Royer]])
画、1899年。[[w:ル・ピュイ=アン=ヴレ|ル・ピュイ=アン=ヴレ]]のクロザティエ美術館([[w:fr:Musée Crozatier au Puy-en-Velay|Musée Crozatier]] au [[w:fr:Le Puy-en-Velay|Puy-en-Velay]])蔵。]]
[[画像:Coin_Vercingetorix.jpg|thumb|right|300px|ローマがBC48年に発行した[[w:デナリウス|デナリウス銀貨]]。ウェルキンゲトリークスの横顔が刻まれているとも言われ、[[w:マメルティヌスの牢獄|トゥッリアヌム牢獄]]に虜囚となっているかつてのガッリアの盟主を見せしめにしたものとも考えられる。彼はBC46年に処刑されたが、カエサルもBC44年に暗殺された。]]
'''ウェルキンゲトリークスとアレスィア籠城軍の降伏'''
*① Postero die [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]] concilio convocato
**(来援軍が敗走した)翌日に、[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は会合を召集して、
*id bellum se suscepisse<ref>se suscepisse はα系写本の記述で、β系写本では suscepisse se となっている。</ref>
**この戦争を引き受けたことは
*non suarum necessitatum<ref>necessitatum はχ系・S・L・N・β系写本の記述で、B・M写本では necessitatium となっている。</ref>, sed communis libertatis causa demonstrat,
**自らの(野心の)必要性からではなく、(ガッリア)共通の自由のためだ、と明言した。
*② et quoniam sit fortunae cedendum,
**運命には従うべきものなのであるから、
*ad utramque rem se illis offerre,
**(敗軍の将として、以下の)どちらの事にも、自ら(の処遇)を彼ら(ガッリア人たち)に委ねよう。
*seu morte sua Romanis satisfacere
**あるいは(ウェルキンゲトリークス)自らの死によってローマ人たちに償うこと(を欲する)にせよ、
*seu vivum tradere velint.
**あるいは生きたまま(ローマ人たちに)引き渡すことを欲するにせよ、と。
*③ Mittuntur de his rebus ad Caesarem legati.
**これらの事柄について、カエサルのところへ使節たちが遣わされた。
*Iubet arma tradi, principes produci.
**(カエサルは)武器が引き渡されること、領袖たちが連行されて来ることを命じた。
*④ Ipse in munitione pro castris consedit;
**(カエサル)自身は、陣営の前の塁壁のところに腰掛けた。
*eo duces producuntur.
**そこに(アレスィアに籠城していた)将帥たちが連行されて来た。
*Vercingetorix deditur, arma proiciuntur.
**ウェルキンゲトリークスが引き渡されて、武器が投げ捨てられた。
*⑤ Reservatis [[w:la:Haedui|Haeduis]] atque Arvernis,
**(カエサルは)[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]と[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]](の将兵たち)を保持しておいた。
*si per eos civitates reciperare<ref>reciperare はχ系・B<sup>1</sup>・S・U写本の記述で、B<sup>c</sup>・M・L・N・π系・R写本では recuperare となっている。</ref> posset,
**彼らによって両部族国家を(同盟国として)回復できないだろうかと(考えたのだ)。
*ex reliquis captivis toto exercitui capita singula praedae nomine distribuit.
**残りの(諸部族の)捕虜たちから、全軍(のローマ人)に一名ずつを戦利品という名目で分配した。
===90節===
[[画像:Autun_porte_Saint-André.JPG|thumb|right|300px|[[w:オータン|オータン市]]に遺されたローマ時代からの聖アンドレ門。[[w:ビブラクテ|ビブラクテ]]を首邑としていた[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]は、ローマ帝政初期に東方の平地に移り、「[[w:アウグストゥス|アウグストゥス]]の砦」を意味するアウグストドゥーヌム([[w:la:Augustodunum|Augustodunum]])を建設して首邑とした。これが現在のオータン(Autun)となっている。]]
[[画像:Clermont_vu_de_Montjuzet.JPG|thumb|right|300px|[[w:クレルモン=フェラン|クレルモン=フェラン市]]の街並み。ローマに降伏した[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]は、後に首邑のゲルゴウィアを廃城とされ、北方の平野にあるネメトゥム(Nemetum)に移住させられた。帝政初期に[[w:アウグストゥス|アウグストゥス]]に由来するアウグストネメトゥム([[w:la:Augustonemetum|Augustonemetum]])に改称して、[[w:クレルモン教会会議|クレルモン教会会議]]が開かれるなど宗教的中心地として栄え、現在のクレルモン=フェランに至る。]]
'''ハエドゥイー族とアルウェルニー族の降伏、諸軍団の冬営'''
*① His rebus confectis in [[w:la:Haedui|Haeduos]] proficiscitur;
**これらの事が成し遂げられて、(カエサルは)[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]のところに出発した。
*civitatem recipit.
**同部族を(同盟国として)回復した。
*② Eo legati ab Arvernis missi:
**そこに、[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]から使節たちが遣わされて来て、
*quae imperaret, se facturos pollicentur.
**自分たちは(カエサルが)命令したことを行なうであろう、と約束した。
*Imperat magnum numerum obsidum.
**(カエサルは)多数の人質(の供出)を命令した。
*③ Legiones in hiberna mittit.
**(カエサルは)諸[[w:ローマ軍団|軍団]]を冬営地に派遣した。
*Captivorum circiter XX(viginti) milia Haeduis Arvernisque reddit.
**捕虜たち約2万人をハエドゥイー族とアルウェルニー族に返還した。
*④ [[w:la:Titus Labienus|T.<small>(Titum)</small> Labienum]] duabus cum<ref>duabus cum はχ系・B・M・S写本の記述で、L・N・β系写本では cum duabus となっている。</ref> legionibus et equitatu in Sequanos proficisci iubet;
**[[w:ティトゥス・ラビエヌス|ティトゥス・ラビエーヌス]]を2個軍団および[[w:騎兵|騎兵隊]]とともにセクアニ族のところに出発することを命じた。
*huic M.<small>(Marcum)</small> Sempronium Rutilum attribuit.
**彼には、マルクス・[[w:センプロニウス氏族|センプロニウス]]・ルティルスを付属させた。
*⑤ C.<small>(Gaium)</small> Fabium legatum et L.<small>(Lucium)</small> Minucium Basilum cum legionibus duabus in Remis conlocat,
**副官 ガーイウス・ファビウスとルキウス・ミヌキウス・バスィルスを2個軍団とともにレーミー族のところに配置した。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:バスィルスは[[ガリア戦記 第6巻#29節|第6巻29節]]で騎兵隊を指揮した。)</span>
*ne quam ab<ref>ab はφ系写本の記述で、χ系・β系写本では a となっている。</ref> finitimis Bellovacis calamitatem accipiant.
**(レーミー族が)近隣のベッロウァキ族から何らかの災禍を蒙らないようにしたのである。
*⑥ C.<small>(Gaium)</small> Antistium Reginum in Ambivaretos,
**ガーイウス・アンティスティウス・レーギーヌスをアンビウァレティ族のところに、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:''[[w:fr:Caius Antistius Reginus|Gaius Antistius Reginus]]'' は[[ガリア戦記_第6巻#1節|第6巻1節]]、[[#83節|本巻83節]]で既出。)</span>
*T.<small>(Titum)</small> Sextium in Bituriges,
**ティトゥス・セクスティウスをビトゥリゲース族のところに、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[w:en:Titus Sextius|Titus Sextius]] も[[ガリア戦記_第6巻#1節|第6巻1節]]で既出。第6巻の年からカエサルの副官、<br> [[w:三頭政治#第二回三頭政治|第二回三頭政治]]では[[w:アフリカ属州|アフリカ属州]]の総督を務め、[[w:マルクス・アエミリウス・レピドゥス|レピドゥス]]に引き継ぐ。)
*C.<small>(Gaium)</small> Caninium Rebilum in Rutenos cum singulis legionibus mittit.
**ガーイウス・カニニウス・レビルスをルテーニー族のところに、それぞれ1個軍団とともに派遣した。
*⑦ [[w:la:Quintus Tullius Cicero|Q.<small>(Quintum)</small> Tullium Ciceronem]] et P.<small>(Publium)</small> Sulpicium
**[[w:クィントゥス・トゥッリウス・キケロ|クィーントゥス・トゥッリウス・キケロー]]とプーブリウス・スルピキウス(・ルーフス)を
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:カエサルの副官 ''[[w:en:Sulpicia_gens#Sulpicii_Rufi|Publius Sulpicius Rufus]] は、<br> [[ガリア戦記_第4巻#22節|第4巻22節]]で既述。[[内乱記_第1巻#74節|『内乱記』第1巻74節]]でも言及される。<br> [[w:紀元前48年|BC48年]]に[[w:プラエトル|法務官]]、[[w:紀元前42年|BC42年]]に[[w:ケンソル|監察官]]に任官する。)</span>
*[[w:la:Cabillonum|Cavilloni]]<ref>Cavilloni はβ系写本の記述で、α系写本などでは Cabilloni となっている。</ref> et [[w:la:Matisco|Matiscone]] in Haeduis ad Ararim rei frumentariae causa conlocat.
**ハエドゥイー族のところのアラル川沿いのカウィッロヌムとマティスコに、糧秣調達のために配置した。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:カウィッロヌムは現在の[[w:シャロン=スュル=ソーヌ|シャロン=スュル=ソーヌ]]、マティスコは現在の[[w:マコン|マコン]]。)</span>
*Ipse [[w:la:Bibracte|Bibracte]] hiemare constituit.
**(カエサル)自身は、[[w:ビブラクテ|ビブラクテ]]で冬営することを決めた。
*⑧ His litteris<ref>his litteris「これらが書簡により(知られると)」はα系写本の記述で、β系写本では huius anni rebus「この年の事績が(知られると)」と異なっており、huius anni rebus <ex Caesaris> litteris「この年の事績が<カエサルの>書簡により(知られると)」 などと修正提案されている。」</ref> cognitis Romae dierum viginti supplicatio redditur.
**これらが(カエサルの)書簡により知られると、ローマで20日間の感謝祭が許された。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[ガリア戦記 第2巻#35節|第2巻35節]]では、かつてない15日間の感謝祭が決議されたが、今回はそれを超えるものであった。)</span>
----
*<span style="background-color:#99ff99;">「ガリア戦記 第7巻」了。「[[ガリア戦記 第8巻]]」へ続く。</span>
==脚注==
<references />
==参考リンク==
'''ウィキペディア英語版など'''
*'''[[w:en:Category:Tribes of ancient Gaul|Category:Tribes of ancient Gaul]]'''('''[[w:Category:ガリアの部族|Category:ガリアの部族]]''')- [[w:fr:Catégorie:Personnalité gauloise|fr:Catégorie:Personnalité gauloise]]
**[[w:en:Allobroges|Allobroges]](アッロブロゲス族)
**'''[[w:en:Arverni|Arverni]]'''('''[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]''')
**:'''[[w:en:Vercingetorix|Vercingetorix]]'''('''[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]''')- '''<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Vercingetorix|la:Vercingetorix]]</span>'''
**:[[w:fr:Celtillos|fr:Celtillos]](ケルティッルス);ウェルキンゲトリークスの父
**:[[w:fr:Gobannitio|fr:Gobannitio]](ゴバンニティオ);ウェルキンゲトリークスのおじ
**:[[w:en:Vercassivellaunos|Vercassivellaunos]](ウェルカッスィウェッラウヌス) - <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Vercassivellaunus|la:Vercassivellaunus]]</span>
**:Critognatus(クリトグナトゥス)- <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Critognatus|la:Critognatus]]</span>
**[[w:en:Atrebates|Atrebates]](アトレバテス族)
**:[[w:en:Commius|Commius]]([[w:コンミウス|コンミウス]]):ガッリアとブリタンニアにおけるアトレバテス族の王
**[[w:en:Aedui|Aedui]]([[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]])- '''<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Haedui|la:Haedui]]</span>''';ガッリア中部の有力部族 - [[w:fr:Éduens|fr:Éduens]] <[[w:fr:Catégorie:Éduens|fr:Catégorie:Éduens]]
**:[[w:en:Convictolitavis|Convictolitavis]](コンウィクトリタウィス)- [[w:fr:Convictolitavis|fr:Convictolitavis]]
**:[[w:fr:Cotos|fr:Cotos]](コトゥス)
**:[[w:fr:Litaviccos|fr:Litaviccos]](リタウィックス)
**:エポレドリクス - <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Eporedorix|la:Eporedorix]]</span>
**:ウィリドマルス
**[[w:en:Andes (Andecavi)|Andes (Andecavi)]](アンデス族);現在の[[w:アンジェ|アンジェ]](Angers)周辺の部族
**[[w:en:Aulerci|Aulerci]](アウレルキ族);現在のフランス北西部に居住していた部族連合
**[[w:en:Bellovaci|Bellovaci]](ベッロウァキ族)
**[[w:en:Bituriges|Bituriges]](ビトゥリゲース族);現在の[[w:ブールジュ|ブールジュ]](Bourges)周辺の部族。[[#5節|5節]]でガッリア同盟軍に寝返る。
**[[w:en:Boii|Boii]](ボイイ族)- <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Boii|la:Boii]]</span>;[[w:ボヘミア|ボヘミア]]([[w:la:Bohemia|la:Bohemia]])から移住してきた部族
**Cadurci(カドゥルキー族);現在の[[w:カオール|カオール]](Cahors)周辺の部族 - [[w:fr:Cadurques|fr:Cadurques]]
**:[[w:en:Lucterius|Lucterius]](ルクテリウス);カドゥルキー族の指導者、[[#5節|5節]]を参照。
**[[w:en:Carnutes|Carnutes]](カルヌーテース族);現在の[[w:シャルトル|シャルトル]](Chartres)周辺の部族
**[[w:en:Gabali|Gabali]](ガバリ族)
**Haedui ⇒ Aedui
**[[w:en:Helvii|Helvii]](ヘルウィイ族);ガッリア南部にいたローマの同盟部族
**[[w:en:Lemovices|Lemovices]](レモウィケス族);現在の[[w:リモージュ|リモージュ]](Limoges)周辺の部族
**:[[w:en:Sedullos|Sedullos]](セドゥッルス Sedullus);レモウィケス族の将帥・領袖
**[[w:en:Lingones|Lingones]](リンゴネス族)- [[w:fr:Lingons|fr:Lingons]];現在のラングル([[w:en:Langres|Langres]])周辺の部族
**[[w:en:Mandubii|Mandubii]](マンドゥビイ族);[[w:アレシア|アレスィア]]周辺にいた部族
**Nitiobroges(ニティオブロゲス族)- [[w:fr:Nitiobroges|fr:Nitiobroges]]
**:[[w:fr:Ollovico|fr:Ollovico]](オッロウィコ);ローマ元老院から友人と呼ばれた王
**:[[w:fr:Teutomatos|fr:Teutomatos]](テウトマトゥス);王で、オッロウィコの子
**[[w:en:Parisii (Gaul)|Parisii (Gaul)]]([[w:パリシイ族|パリスィイ族]]);現在の[[w:パリ|パリ]]周辺の部族
**[[w:en:Pictones|Pictones]](ピクトネス族);現在の[[w:ポワチエ|ポワティエ]](Poitiers)周辺の部族
**[[w:en:Remi|Remi]](レーミー族)
**[[w:en:Ruteni|Ruteni]](ルテーニー族)
**[[w:en:Segusiavi|Segusiavi]](セグスィアウィ族)
**[[w:en:Senones|Senones]](セノネース族)- <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Senones|la:Senones]]</span>;現在の[[w:サン (ヨンヌ県)|サン]](Sens)周辺の部族
***[[w:en:Acco|Acco]](アッコー)
**[[w:en:Sequani|Sequani]](セクアニ族)
**[[w:en:Treveri|Treveri]](トレウェリ族)
**[[w:en:Turones|Turones]](トゥロニ族/トゥロネス族);現在の[[w:トゥール (アンドル=エ=ロワール県)|トゥール]](Tours)周辺の部族
**[[w:en:Volcae|Volcae]](ウォルカエ族)
*<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Germani|la:Germani]]</span>(ゲルマニア人)
*'''ガッリアの地名''' - '''[[w:la:Categoria:Urbes Franciae|la:Categoria:Urbes Franciae]]'''(フランスの都市)
**<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Agedincum|la:Agedincum]]</span>(アゲディンクム);現在の[[w:サンス|サンス]]([[w:en:Sens|Sens]])
**[[w:en:Alesia_(city)|Alesia (city)]]([[w:アレシア|アレスィア]])- <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Alesia|la:Alesia]]</span>:現在のアリーズ=サント=レーヌ([[w:fr:Alise-Sainte-Reine|fr:Alise-Sainte-Reine]])
**:'''[[w:en:Battle_of_Alesia|Battle of Alesia]]'''('''[[w:アレシアの戦い|アレスィアの戦い]]''')- '''<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Alesiae_pugna|la:Alesiae pugna]]</span>'''
**[[w:en:Avaricum|Avaricum]] ⇒ [[w:en:Bourges|Bourges]](アウァーリクム - 現在の[[w:ブールジュ|ブールジュ]])- <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Avaricum_Biturigum|la:Avaricum Biturigum]]</span>
**[[w:en:Bibracte|Bibracte]]([[w:ビブラクテ|ビブラクテ]]) - <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Bibracte|la:Bibracte]]</span>:[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の首邑。現在のボーヴレ山([[w:fr:Mont_Beuvray|fr:Mont Beuvray]])の山頂に位置していた。
**<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Cabillonum|la:Cabillonum]]</span>(カビッロヌム/カウィッロヌム)- 現在の[[w:シャロン=スュル=ソーヌ|シャロン=スュル=ソーヌ]]([[w:fr:Chalon-sur-Saône|fr:Chalon-sur-Saône]])
**[[w:en:Cenabum|Cenabum]](ケナブム)- 現在の[[w:オルレアン|オルレアン]] - [[w:fr:Cenabum|fr:Cenabum]]
**<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Decetia|la:Decetia]]</span>(デケティア)- [[w:en:Decize|en:Decize]] - 現在のドスィーズ(ドシーズ)([[w:fr:Decize|fr:Decize]])
**[[w:en:Gergovie|Gergovie]](ゲルゴウィア)- <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Gergovia|la:Gergovia]]</span>
**:'''[[w:en:Battle of Gergovia|Battle of Gergovia]]'''('''[[w:ゲルゴウィアの戦い|ゲルゴウィアの戦い]]''')- '''<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Obsidio Gergoviensis|la:Obsidio Gergoviensis]]</span>'''
**[[w:en:Gorgobina|Gorgobina]](ゴルゴビナ);ボイイ族が定住した城塞都市。現在のサン=パリズ=ル=シャテル([[w:en:Saint-Parize-le-Châtel|Saint-Parize-le-Châtel]])またはラ・ゲルシュ([[w:en:La Guerche|La Guerche]])
**'''[[w:en:Lutetia|Lutetia]]'''('''[[w:ルテティア|ルテティア]]'''/ルテキア);[[w:パリシイ族|パリスィイ族]]の首邑、現在の[[w:パリ|パリ市]] - <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Lutetia|la:Lutetia]]</span>
**<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Matisco|la:Matisco]]</span>(マティスコ);現在の[[w:マコン|マコン]](Mâcon)
**Metlosenum(メトロセドゥム/メティオセドゥム/メロドゥーヌム);現在の[[w:ムラン|ムラン]] - <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Melodunum|la:Melodunum]]</span>
**[[w:en:Narbonne|Narbonne]]([[w:ナルボンヌ|ナルボンヌ]];ラテン名ナルボ)- <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Narbo|la:Narbo]]</span>;ガッリア南部・地中海岸のローマの拠点
**[[w:en:Noviodunum|Noviodunum]](ノウィオドゥーヌム)- 現在のヌン=スュル=ブーヴロン([[w:en:Neung-sur-Beuvron|Neung-sur-Beuvron]])と推定されている。従来はローヌ川沿いの[[w:サンセール|サンセール]]([[w:en:Sancerre|Sancerre]])が有力だった
**[[w:en:Vellaunodunum|Vellaunodunum]](ウェッラウノドゥーヌム)- [[w:fr:Vellaunodunum|fr:Vellaunodunum]];現在のモンタルジ([[w:en:Montargis|Montargis]])やボーヌ=ラ=ロランド([[w:en:Beaune-la-Rolande|Beaune-la-Rolande]])、シャトー=ランドン([[w:en:Château-Landon|Château-Landon]])などと推定されている
**[[w:en:Vienne, Isère|Vienne, Isère]](ヴィエンヌ;ラテン名ウィエンナ)- [[w:la:Vienna|la:Vienna]]
*'''ガッリアの地形'''
**Cevenna(ケウェンナ山地):現在のセヴェンヌ山地([[w:fr:Cévennes|fr:Cévennes]]・[[w:en:Cévennes|Cévennes]])
**<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Elaver|la:Elaver]]</span>(エラウェル川):現在の[[w:アリエ川|アリエ川]]([[w:fr:Allier (rivière)|fr:Allier (rivière)]])
**<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Liger|la:Liger]]</span>(リゲル川):現在の[[w:ロワール川|ロワール川]]([[w:fr:Loire (fleuve)|fr:Loire (fleuve)]])
**<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Rhenus|la:Rhenus]]</span>(レヌス川):現在の[[w:ライン川|ライン川]]([[w:fr:Rhin|fr:Rhin]])
**<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Rhodanus|la:Rhodanus]]</span>(ロダヌス川):現在の[[w:ローヌ川|ローヌ川]]([[w:fr:Rhône|fr:Rhône]])
**<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Sequana|la:Sequana]]</span>(セクアナ川):現在の[[w:セーヌ川|セーヌ川]]([[w:fr:Seine|fr:Seine]])
*ローマ勢
**[[w:en:Mark_Antony|Mark Antony]]([[w:マルクス・アントニウス|マルクス・'''アントニウス''']])- <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Marcus_Antonius|la:Marcus Antonius]]</span>
**[[w:en:Decimus_Junius_Brutus_Albinus|Decimus Junius '''Brutus''' Albinus]]([[w:デキムス・ユニウス・ブルトゥス・アルビヌス|デキムス・ユニウス・'''ブルトゥス'''・アルビヌス]])- <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Decimus_Iunius_Brutus_Albinus|Decimus Iunius Brutus Albinus]]</span>([[#9節|9節]])
**[[w:en:Quintus Tullius Cicero|Quintus Tullius '''Cicero''']]([[w:クィントゥス・トゥッリウス・キケロ|クィントゥス・トゥッリウス・'''キケロ''']])- <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Quintus Tullius Cicero|la:Quintus Tullius Cicero]]</span>:カエサルの副官
**Gaius '''Fabius'''(ガイウス・'''ファビウス'''):カエサルの副官
**[[w:en:Titus Labienus|Titus '''Labienus''']]([[w:ティトゥス・ラビエヌス|ティトゥス・'''ラビエーヌス''']])- <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Titus Labienus|la:Titus Labienus]]</span>:カエサルの副官
**[[w:en:Trebonius|'''Trebonius''']]([[w:ガイウス・トレボニウス|ガイウス・'''トレボニウス''']])- <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Gaius_Trebonius|la:Gaius Trebonius]]</span>:カエサルの副官
**[[w:en:Lucius Julius Caesar IV|Lucius Julius '''Caesar''' IV]](ルキウス・ユリウス・'''カエサル'''4世):総督カエサルの副官で、4代前の高祖父を共有する。BC64年に執政官を務めた。
*イタリア方面
**[[w:en:Cisalpine_Gaul|Cisalpine Gaul]]([[w:ガリア・キサルピナ|ガッリア・キサルピーナ]]) - [[w:la:Gallia Cisalpina|la:Gallia Cisalpina]]
**[[w:en:Populares|Populares]]([[w:ポプラレス|ポプラレス]];民衆派)- [[w:la:Populares|la:Populares]]
**:[[w:en:Publius_Clodius_Pulcher|Publius Clodius Pulcher]]([[w:プブリウス・クロディウス・プルケル|プブリウス・クロディウス・プルケル]]) - [[w:la:Publius_Clodius_Pulcher|la:Publius Clodius Pulcher]]
**[[w:en:Optimates|Optimates]]([[w:オプティマテス|オプティマテス]];元老院派)
**:[[w:en:Cicero|Cicero]]([[w:マルクス・トゥッリウス・キケロ|マルクス・トゥッリウス・キケロ]])- [[w:la:Marcus_Tullius_Cicero|la:Marcus Tullius Cicero]]
**:[[w:en:Titus_Annius_Milo|Titus Annius Milo]](ティトゥス・アンニウス・ミロ)- [[w:la:Titus_Annius_Milo|la:Titus Annius Milo]]
**:[[w:en:Pompey|Pompey]]([[w:グナエウス・ポンペイウス|グナエウス・ポンペイウス]])- [[w:la:Gnaeus_Pompeius_Magnus|la:Gnaeus Pompeius Magnus]]
qfwu4iorhgxa5isem3wwxna43w50fqn
301349
301347
2026-07-08T14:20:42Z
Linguae
449
/* 25節 */ 修整
301349
wikitext
text/x-wiki
[[Category:ガリア戦記|7]] [[Category:ガリア戦記 第7巻|*]]
[[ガリア戦記]]> '''第7巻''' >[[ガリア戦記 第7巻/注解|注解]]
<div style="text-align:center">
<span style="font-size:20px; font-weight:bold; font-variant-caps: petite-caps; color:white; background: rgb(47,94,255);background: linear-gradient(180deg, rgba(47,94,255,1) 0%, rgba(24,56,255,1) 50%, rgba(0,8,255,1) 100%);"> C IVLII CAESARIS COMMENTARIORVM BELLI GALLICI </span>
<span style="font-size:40px; font-weight:bold; color:white; background: rgb(47,94,255);background: linear-gradient(180deg, rgba(47,94,255,1) 0%, rgba(24,56,255,1) 50%, rgba(0,8,255,1) 100%);"> LIBER SEPTIMVS </span>
</div>
[[画像:Gaule -52.png|thumb|right|150px|ガリア戦記 第7巻の情勢図(BC52年)。<br>黄色の領域がローマ領。桃色が同盟部族領。]]
{| id="toc" style="align:left;clear:all;" align="left" cellpadding="5"
! style="background:#ccccff; text-align:left;" colspan="2" | ガリア戦記 第7巻 目次
|-
| style="text-align:right; font-size: 0.86em;"|
'''[[#カルヌーテース族の蜂起|カルヌーテース族の蜂起]]''':<br />
'''[[#ウェルキンゲトリークスとガッリア同盟軍の蜂起|ウェルキンゲトリークスとガッリア同盟軍の蜂起]]''':<br />
<br />
'''[[#アウァーリクム攻略戦|アウァーリクム攻略戦]]''':<br />
<br />
<br />
'''[[#ゲルゴウィア攻略戦、ハエドゥイー族の離反|ゲルゴウィア攻略戦、ハエドゥイー族の離反]]''':<br />
<br />
<br />
'''[[#ラビエーヌスのルテティア遠征|ラビエーヌスのルテティア遠征]]''':<br />
'''[[#ガッリア戦乱の拡大|ガッリア戦乱の拡大]]''':<br />
'''[[#アレスィア攻囲戦|アレスィア攻囲戦]]''':<br />
<br />
<br />
'''[[#ガッリア同盟軍主力の降伏|ガッリア同盟軍主力の降伏]]''':<br />
<br />
<br />
| style="text-align:left; font-size: 0.86em;"|
[[#1節|01節]] |
[[#2節|02節]] |
[[#3節|03節]] <br />
[[#4節|04節]] |
[[#5節|05節]] |
[[#6節|06節]] |
[[#7節|07節]] |
[[#8節|08節]] |
[[#9節|09節]] |
[[#10節|10節]] <br />
[[#11節|11節]] |
[[#12節|12節]] |
[[#13節|13節]] <br />
[[#14節|14節]] |
[[#15節|15節]] |
[[#16節|16節]] |
[[#17節|17節]] |
[[#18節|18節]] |
[[#19節|19節]] |
[[#20節|20節]] <br />
[[#21節|21節]] |
[[#22節|22節]] |
[[#23節|23節]] |
[[#24節|24節]] |
[[#25節|25節]] |
[[#26節|26節]] |
[[#27節|27節]] |
[[#28節|28節]] |
[[#29節|29節]] |
[[#30節|30節]] <br />
[[#31節|31節]] <br />
[[#32節|32節]] |
[[#33節|33節]] |
[[#34節|34節]] |
[[#35節|35節]] |
[[#36節|36節]] |
[[#37節|37節]] |
[[#38節|38節]] |
[[#39節|39節]] |
[[#40節|40節]] <br />
[[#41節|41節]] |
[[#42節|42節]] |
[[#43節|43節]] |
[[#44節|44節]] |
[[#45節|45節]] |
[[#46節|46節]] |
[[#47節|47節]] |
[[#48節|48節]] |
[[#49節|49節]] |
[[#50節|50節]] <br />
[[#51節|51節]] |
[[#52節|52節]] |
[[#53節|53節]] |
[[#54節|54節]] |
[[#55節|55節]] |
[[#56節|56節]] <br />
[[#57節|57節]] |
[[#58節|58節]] |
[[#59節|59節]] |
[[#60節|60節]] |
[[#61節|61節]] |
[[#62節|62節]] <br />
[[#63節|63節]] |
[[#64節|64節]] |
[[#65節|65節]] |
[[#66節|66節]] |
[[#67節|67節]] <br />
[[#68節|68節]] |
[[#69節|69節]] |
[[#70節|70節]] <br />
[[#71節|71節]] |
[[#72節|72節]] |
[[#73節|73節]] |
[[#74節|74節]] |
[[#75節|75節]] |
[[#76節|76節]] |
[[#77節|77節]] |
[[#78節|78節]] |
[[#79節|79節]] |
[[#80節|80節]] <br />
[[#81節|81節]] |
[[#82節|82節]] |
[[#83節|83節]] |
[[#84節|84節]] |
[[#85節|85節]] |
[[#86節|86節]] |
[[#87節|87節]] |
[[#88節|88節]] <br />
[[#89節|89節]] |
[[#90節|90節]] <br />
[[#脚注|脚注]]<br />
[[#参考リンク|参考リンク]]<br />
|}
<br style="clear:both;" />
__notoc__
==カルヌーテース族の蜂起==
===1節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/1節]] {{進捗|00%|2025-10-26}}</span>
[[画像:Maccari-Cicero.jpg|thumb|right|250px|[[w:カティリナ弾劾演説|カティリーナ弾劾演説]]をする[[w:マルクス・トゥッリウス・キケロ|キケロー]](左中央)(チェザレ・マッカリによる19世紀のフレスコ画)。[[w:プブリウス・クロディウス・プルケル|クローディウス]]はこれを越権行為であるとして、カエサルの政敵となっていたキケローを一時的に亡命へ追い込み、ついにはキケローの友人ミローの配下によって殺害された。]]
[[画像:Pompei_Magnus_Antiquarium.jpg|thumb|right|250px|[[w:グナエウス・ポンペイウス|グナエウス・ポンペイウス]]の胸像。クローディウス殺害に伴う騒乱を収拾するべく、[[w:元老院|元老院]]によりポンペイウスが単独の[[w:執政官|執政官]]に選出され、首都ローマと本土イタリアを制圧した。一方、カエサルも属州で新たに徴兵して兵力を増した。元老院派はカエサルの勢力が強大になることを恐れて、カエサル自身から将兵を取り上げて召還すべきと主張したが、ポンペイウスは不和を避けて宥和を図った。]]
:
;首都ローマの政情不安、ガッリア人領袖たちの謀計
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:quietus#Latin|Quieta]] [[wikt:en:Gallia#Latin|Gallia]],
**[[w:ガリア|ガッリア]]が鎮定されると、
*Caesar, ut [[wikt:en:constituerat|constituerat]],
**カエサルは、定めていたように、
*in [[wikt:en:Italia#Latin|Italiam]] ad [[wikt:en:conventus#Noun|conventus]] [[wikt:en:agendus#Latin|agendos]] [[wikt:en:proficiscitur|proficiscitur]].
**イタリアに、巡回裁判を行なうために出発する。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ここでいうイタリアとは、カエサルの属州であった<br> [[w:ガリア・キサルピナ|ガッリア・キサルピーナ]]を指す。<br> カエサルは、巡回裁判を除けば、おもに[[w:ラヴェンナ|ラウェンナ]]に<br> 滞在していたと考えられる。[[内乱記_第1巻#5節|『内乱記』第1巻5節]]を参照。)</span>
:
*[[wikt:en:ibi#Latin|Ibi]] [[wikt:en:cognoscit|cognoscit]] de <P.> [[wikt:en:Clodius#Latin|Clodii]] [[wikt:en:caedes#Latin|caede]],
**そこで[[w:プブリウス・クロディウス・プルケル|プーブリウス・クローディウス]]の殺害について知って、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:クローディウスは護民官を務めた<ruby><rb>[[w:ポプラレス|民衆派]]</rb><rp>(</rp><rt>ポプラレス</rt><rp>)</rp></ruby> の政治家で、<br> カエサルから恩義を受けていた。<br> かの弁論家[[w:マルクス・トゥッリウス・キケロ|キケロー]]やその友人ティトゥス・ミロー [[w:la:Titus_Annius_Milo|Milo]] ら<br> <ruby><rb>[[w:オプティマテス|元老院派]]</rb><rp>(</rp><rt>オプティマテス</rt><rp>)</rp></ruby> と激しく対立し、ミローの配下によって殺害された。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:<P.> ([[wikt:en:Publius#Latin|Publii]]) 「プーブリウスの」は ρ系写本にのみ記されている。)</span>
*<de> <u>senatus</u>que <u>consulto</u> [[wikt:en:certior#Latin|certior]] [[wikt:en:factus#Participle|factus]], ut omnes [[wikt:en:iunior#Latin|iuniores]] Italiae [[wikt:en:coniurarent|coniurarent]],
**イタリアの全青年に<small>(新兵として)</small>宣誓するようにとの元老院決議について知らされて、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:この事態を収拾すべく元老院派の[[w:グナエウス・ポンペイウス|ポンペイウス]]が単独の執政官<br> (''[[w:de:Consul sine collega|consul sine collega]]'')に選任されて本土イタリアを掌握した。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:<de> は現存する写本にはなく、近世以降に挿入提案されたもの。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注: [[wikt:en:senatus_consultum#Latin|senātūs cōnsultum]] ([[wikt:en:ultimus#Latin|ultimum]]) 「[[w:セナトゥス・コンスルトゥム・ウルティムム|元老院(の最終)決議]]」<br> ; dē [[wikt:en:senatus_consulto#Latin|senātūs cōnsultō]] 「元老院決議について」)</span>
*<u>dilectum</u> [[wikt:en:totus#Latin|tota]] [[wikt:en:provincia#Latin|provincia]] habere [[wikt:en:instituo#Latin|instituit]].
**<small>(カエサルは)</small>属州<small>〔ガッリア・キサルピーナ〕</small>全体での徴集をすることを決定する。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:dilectus#Noun|dilectum]] は、[[wikt:en:delectus#Noun_2|delectum]] と表記している校訂版もある。)</span>
:
*<!--❷--><sup>(2)</sup> Eae res in Galliam [[wikt:en:transalpinus#Latin|Transalpinam]] celeriter [[wikt:en:perferuntur|perferuntur]].
**その状況は、[[w:ガリア・ナルボネンシス|ガッリア・トラーンサルピーナ]]<small>〔アルプスの向こう側のガッリア〕</small>に速やかに報知された。
:
*[[wikt:en:addunt|Addunt]] ipsi et [[wikt:en:adfingunt|adfingunt]] [[wikt:en:rumor#Latin|rumoribus]] [[wikt:en:Galli#Latin|Galli]],
**[[w:ガリア人|ガッリア人]]たち自身が風評に想像して付け加えたのは、
*quod res [[wikt:en:poscere|poscere]] [[wikt:en:videbatur|videbatur]]:
**事態が要求すると思われていたことで、
*[[wikt:en:retineri|retineri]] <u>urbano</u> [[wikt:en:motus#Noun_2|motu]] Caesarem
**カエサルは、都<small>〔[[w:ローマ|ローマ市]]〕</small>の騒乱に束縛されて、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:urbanus#Adjective|urbānus]] は「都市の」「都会の」と訳されるが、<br> とりわけ「首都[[w:ローマ|ローマ市]]の」を意味する。)</span>
*neque in [[wikt:en:tantus#Latin|tantis]] [[wikt:en:dissensio#Latin|dissensionibus]] ad [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitum]] venire posse.
**これほどの対立においては、軍隊のもとへ来ることができない、<br>ということである。
:
*<!--❸--><sup>(3)</sup> Hac [[wikt:en:impulsus#Participle|impulsi]] [[wikt:en:occasio#Latin|occasione]],
**このような好機に刺激されて、
*qui iam ante se [[wikt:en:populus#Noun|populi]] Romani [[wikt:en:imperium#Latin|imperio]] [[wikt:en:subiectus#Latin|subiectos]] [[wikt:en:dolerent|dolerent]],
**すでに以前から自分たちがローマ国民の支配に服属させられているのを悲嘆している者たちは、
*[[wikt:en:libere#Adverb_2|liberius]] atque [[wikt:en:audacter#Latin|audacius]] de bello [[wikt:en:consilium#Latin|consilia]] [[wikt:en:inire|inire]] [[wikt:en:incipiunt|incipiunt]].
**より自由に、かつ、より向こう見ずに、戦争について謀議に取りかかり始める。
:
[[画像:Brennus_mg_9724.jpg|thumb|right|250px|[[w:ブレンヌス|ブレンヌス]]の胸像。BC4世紀([[w:紀元前387年|387年]])に、ローマ軍を破って、ローマ市を占領した。アッコーと同じセノネース族の族長だったとされている。]]
*<!--❹--><sup>(4)</sup> [[wikt:en:indictus#Latin|Indictis]] inter se principes Galliae [[wikt:en:concilium#Latin|conciliis]] [[wikt:en:silvestris#Latin|silvestribus]] ac [[wikt:en:remotus#Latin|remotis]] locis
**ガッリアの領袖たちは、森林や人里離れた場所での会合を互いに申し合わせて、
*[[wikt:en:queruntur|queruntur]] de [[wikt:en:Acco#Latin|Acconis]] [[wikt:en:mors#Latin|morte]];
**アッコーの死について嘆く。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[ガリア戦記 第6巻#44節|第6巻44節]]を参照。)</span>
*<u>posse</u> hunc [[wikt:en:casus#Latin|casum]] ad ipsos [[wikt:en:recidere#Verb_4|recidere]] [[wikt:en:demonstrant#Latin|demonstrant]];
**彼<small>〔アッコー〕</small>の結末が彼ら自身へ降りかかりうることを説く。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:posse#Verb|posse]] の位置は、<br> α系写本では hunc の前だが、<br> β系写本では hunc casum ad ipsos recidere <u>posse</u> demonstrant <br> となっている。)</span>
:
*<!--❺--><sup>(5)</sup> [[wikt:en:miserantur|miserantur]] [[wikt:en:communis#Latin|communem]] Galliae [[wikt:en:fortuna#Latin|fortunam]];
**ガッリア共通の境遇をあわれむ。
*omnibus [[wikt:en:pollicitatio#Latin|pollicitationibus]] ac [[wikt:en:praemium#Latin|praemiis]] [[wikt:en:deposcunt|deposcunt]]
**<small>(以下の者たちを)</small>あらゆる約束と恩賞によって求める。
*qui [[wikt:en:bellum#Latin|belli]] <u>initia</u> [[wikt:en:faciant|faciant]] et sui [[wikt:en:caput#Latin|capitis]] [[wikt:en:periculum#Latin|periculo]] Galliam in [[wikt:en:libertas#Latin|libertatem]] [[wikt:en:vindicent|vindicent]].
**戦端を開いて、自らを危険にさらしても、ガッリアを解放する者たちを。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:~ in libertatem vindicare;~を解放する)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:initia#Latin|initia]] (複数形) だが、<br> β系写本では [[wikt:en:initium#Latin|initium]] (単数形) となっている。)</span>
:
*<!--❻--><sup>(6)</sup> In primis [[wikt:en:ratio#Latin|rationem]] esse [[wikt:en:habendus#Latin|habendam]] [[wikt:en:dicunt|dicunt]],
**とりわけ、<small>(以下のような)</small>方策を採るべきであると述べる。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:in_primis#Latin|in primis]] は、[[wikt:en:inprimis#Adverb|
inprimis]] と表記している校訂版もある。)</span>
*[[wikt:en:priusquam#Latin|prius quam]] eorum [[wikt:en:clandestinus#Latin|clandestina]] consilia [[wikt:en:efferantur|efferantur]],
**彼らの秘密の計画が漏らされるより前に、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:反ローマの挙兵のはかりごとが漏れる前に)</span>
*ut Caesar ab [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitu]] [[wikt:en:intercludatur|intercludatur]].
**カエサルが軍隊から切り離されるように、と。
:
*<!--❼--><sup>(7)</sup> Id esse [[wikt:en:facilis#Latin|facile]],
**それは容易なことである。
*quod neque legiones [[wikt:en:audeant|audeant]] [[wikt:en:absens#Latin|absente]] [[wikt:en:imperator#Latin|imperatore]] ex [[wikt:en:hiberna#Noun|hibernis]] [[wikt:en:egredi|egredi]],
**というのは、[[w:ローマ軍団|諸軍団]]は将軍<small>〔カエサル〕</small>が不在のときにあえて冬営から出て行こうとはしないし、
*neque [[wikt:en:imperator#Latin|imperator]] sine [[wikt:en:praesidium#Latin|praesidio]] ad legiones [[wikt:en:pervenire#Latin|pervenire]] [[wikt:en:possit|possit]].
**将軍は護衛なしに諸軍団のところへ到着することはできないのだから。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--❽--><sup>(8)</sup> [[wikt:en:postremo#Adverb|Postremo]] in [[wikt:en:acies#Latin|acie]] <u>praestare</u> [[wikt:en:interfici|interfici]],
**結局のところ、戦列において討ち死にする方がましである。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[wikt:en:praestare|praestare]] ~ [[wikt:en:quam#Adverb|quam]] …「…よりも~がより優る」)</span>
*<u>quam</u> non [[wikt:en:vetus#Latin|veterem]] belli [[wikt:en:gloria#Latin|gloriam]] [[wikt:en:libertas#Latin|libertatem]]<nowiki>que</nowiki> quam a [[wikt:en:maior#Noun|maioribus]] [[wikt:en:acceperint|acceperint]], [[wikt:en:recuperare#Latin|recuperare]].
**先祖から受け継いだかつての戦争の栄誉および自由を取り戻さないことよりは。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===2節===
[[画像:Chartres_1.jpg|thumb|right|320px|カルヌーテース族([[w:la:Carnutes|Carnutes]])の名を残す現在の[[w:シャルトル|シャルトル]]([[w:en:Chartres|Chartres]])の象徴である[[w:シャルトル大聖堂|シャルトル大聖堂]]([[w:世界遺産|世界遺産]])。[[ガリア戦記 第6巻#13節|第6巻13節]]⑩項で既述のように、カルヌーテース族の土地はガッリアの中心・聖地と見なされていた。ガッリアがキリスト教化されると、[[w:司教|司教座]]が置かれて、宗教的中心地となった。]]
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/2節]] {{進捗|00%|2025-11-05}}</span>
;ガッリア諸部族の会合で、カルヌーテース族が開戦動議
:
*<!--❶--><sup>(1)</sup> His rebus [[wikt:en:agitatus#Latin|agitatis]],
**これらの事柄が論議されて、
*[[wikt:en:profiteor#Latin|profitentur]] [[wikt:en:Carnutes#Latin|Carnutes]],
**カルヌーテース族の者が公言したことには、
*se [[wikt:en:nullus#Determiner|nullum]] [[wikt:en:periculum#Latin|periculum]] [[wikt:en:communis#Latin|communis]] [[wikt:en:salus#Latin|salutis]] causa [[wikt:en:recusare#Latin|recusare]],
**<small>(ガッリア)</small>共通の安全のためにはいかなる危険をも辞さない、
*[[wikt:en:princeps#Latin|principes]]<nowiki>que</nowiki> ex omnibus bellum [[wikt:en:facturus#Latin|facturos]] [[wikt:en:pollicentur|pollicentur]];
**かつ<small>(ガッリア方)</small>総勢の先鋒として戦争を遂行するであろうと約束する。
:
*<!--❷--><sup>(2)</sup> et, [[wikt:en:quoniam#Latin|quoniam]] in [[wikt:en:praesentia#Noun|praesentia]] [[wikt:en:obses#Latin|obsidibus]] [[wikt:en:cavere#Verb_2|cavere]] inter se non [[wikt:en:possint|possint]],
**目下のところ、人質により互いに保証し合うことはできなかったので、
*ne res [[wikt:en:efferatur|efferatur]],
**事が漏らされないように、
*<u>ut</u> [[wikt:en:ius_iurandum#Latin|iure iurando]] ac [[wikt:en:fides#Latin|fide]] [[wikt:en:sanciatur|sanciatur]], [[wikt:en:petunt|petunt]],
**誓約と信義でもって批准するように求める。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、写本ST<sup>c</sup> では ut だが、<br> 写本 T<sup>1</sup>・ρ系では at 、<br> 写本BMLNV・χ系では aut となっている。)</span>
*[[wikt:en:conlatus#Latin|conlatis]] [[wikt:en:militaris#Adjective|militaribus]] [[wikt:en:signum#Latin|signis]],
**軍旗が運び集められて、
*[[wikt:en:quo#Etymology_2_2|quo]] [[wikt:en:mos#Latin|more]] eorum [[wikt:en:gravissimus#Latin|gravissima]] [[wikt:en:caerimonia#Latin|caerimonia]] [[wikt:en:continetur|continetur]],
**それは彼らの慣習で最も荘重な<ruby><rb>神聖儀式</rb><rp>(</rp><rt>カエリモーニア</rt><rp>)</rp></ruby>として保たれているのだが、
*ne [[wikt:en:factus#Latin|facto]] [[wikt:en:initium#Latin|initio]] belli ab reliquis [[wikt:en:deserantur|deserantur]].
**開戦したら、ほかの<small>(部族の)</small>者たちから見放されないように、ということである。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--❸--><sup>(3)</sup> Tum [[wikt:en:conlaudatus#Latin|conlaudatis]] [[wikt:en:Carnutes#Latin|Carnutibus]],
**それから、カルヌーテース族が賞賛されて、
*[[wikt:en:datus#Participle|dato]] [[wikt:en:ius_iurandum#Latin|iure iurando]] ab omnibus, qui [[wikt:en:aderant|aderant]],
**訪れていたすべての者たちによって誓約が交わされて、
*[[wikt:en:tempus#Latin|tempore]] eius rei [[wikt:en:constitutus#Participle|constituto]]
**その事の時期を決定すると、
*ab [[wikt:en:concilium#Latin|concilio]] [[wikt:en:disceditur|disceditur]].
**<small>(ガッリアの領袖たちは)</small>会合から立ち去る。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===3節===
[[画像:Cathédrale_Sainte-Croix_d'Orléans_2008_PD_16.JPG|thumb|right|280px|ケナブム(Cenabum)すなわち現在の[[w:オルレアン|オルレアン]]の聖十字架大聖堂。ここもカルヌーテース族の[[w:オッピドゥム|城塞都市]]で、ガッリアの[[w:ドルイド|ドルイド]]たちが集まる聖地だったという。ローマの[[w:ルキウス・ドミティウス・アウレリアヌス|アウレリアヌス帝]](Aurelianus)によって再建されたのでアウレリアヌスの都市(アウレリアヌム [[w:la:Aurelianum|Aurelianum]])と改称され、オルレアン(Orléans)と転訛した。キリスト教化によってここにも[[w:司教|司教座]]が置かれて、布教の中心地になった。]]
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/3節]] {{進捗|00%|2025-11-17}}</span>
;カルヌーテース族がケナブム進駐
:
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:ubi#Latin|Ubi]] ea dies venit,
**その日が来ると、
*[[wikt:en:Carnutes#Latin|Carnutes]],
**カルヌーテース族は、
*Cotuato et Conconnetodumno [[wikt:en:dux#Latin|ducibus]], [[wikt:en:desperatus#Latin|desperatis]] hominibus,
**捨て身覚悟の連中であるコトゥアトゥスとコンコンネトドゥムヌスを指導者として、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ガリア語では、<br> コトゥアトス ''[[w:fr:Cotuatos|Cotuatos]]''、<br> コンコンネトドゥムノス ''[[w:fr:Conconnetodumnos|Conconnetodumnos]]''。)</span>
*<u>Cenabum</u> [[wikt:en:signum#Latin|signo]] [[wikt:en:datus#Participle|dato]] [[wikt:en:concurrunt|concurrunt]]
**号令が発せられるとともに<u>ケナブム</u>に襲来する。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ケナブムは、現在の[[w:オルレアン|オルレアン]]。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:fr:Cenabum|Cenabum]] はケルト語風の読みで、''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Vossius|Vossius]]'' による修正提案。<br> 写本では genabim, genebim, genebin などとなっている。<br> ⇒ [[wikt:en:Genabum#Latin|Genabum]])</span>
*[[wikt:en:civis#Latin|cives]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:Romanus#Adjective|Romanos]], qui [[wikt:en:negotiandi|negotiandi]] causa [[wikt:en:ibi#Latin|ibi]] [[wikt:en:constiterant|constiterant]],
**そこには、商いを営むためにローマ市民たちが滞在していて、
*in his [[wikt:en:Gaius#Latin|Gaium]] [[wikt:en:Fufius#Latin|Fufium]] Citam, [[wikt:en:honestus#Latin|honestum]] [[wikt:en:eques#Latin|equitem]] [[wikt:en:Romanus#Adjective|Romanum]],
**彼らの中には、気高いローマ人[[w:エクィテス|騎士]]ガーイウス・フーフィウス・キタがいて
*qui rei [[wikt:en:frumentarius#Latin|frumentariae]] [[wikt:en:iussus#Noun|iussu]] Caesaris [[wikt:en:praeerat|praeerat]],
**カエサルの指図により糧秣調達を統率していたが、
*[[wikt:en:interficiunt|interficiunt]] [[wikt:en:bonum#Noun_2|bona]]<nowiki>que</nowiki> eorum [[wikt:en:diripiunt|diripiunt]].
**<small>(カルヌーテース勢は彼らローマ市民たちを)</small>殺害して、彼らの財産を略奪する。
:
*<!--❷--><sup>(2)</sup> Celeriter ad omnes Galliae [[wikt:en:civitas#Latin|civitates]] [[wikt:en:fama#Latin|fama]] [[wikt:en:perfertur|perfertur]].
**速やかに全ガッリア部族のもとへ、評判が報知される。
*Nam, <u>ubique</u> [[wikt:en:maior#Latin|maior]] atque [[wikt:en:inlustrior|inlustrior]] [[wikt:en:incidit#Etymology_1|incidit]] res,
**なぜなら、より重大でより目立った事態が起こればどこであろうが、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、主要写本ω の大半では [[wikt:en:ubique#Latin|ubique]] だが、写本STでは [[wikt:en:ubi#Latin|ubi]] 、<br> さらに [[wikt:en:ubicumque#Latin|ubicumque]] という異読もあり、<br> ''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Schneider,K.E.Chr.|Chr. Schneider]]'' は ubi quae と修正提案している。)</span>
*[[wikt:en:clamor#Latin|clamore]] per [[wikt:en:ager#Latin|agros]] [[wikt:en:regio#Latin|regiones]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:significant#Latin|significant]];
**耕地や<small>(集落の)</small>区域を介して、大声で呼びかける。
*<u>hinc</u> [[wikt:en:alius#Latin|alii]] [[wikt:en:deinceps#Latin|deinceps]] [[wikt:en:excipiunt|excipiunt]]
**ここから、別の者たちが続けて引き受けて、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本の大半では [[wikt:en:hanc#Latin|hanc]] だが、<br> β系写本では [[wikt:en:hinc#Latin|hinc]] 「ここから」、<br> 写本Sでは [[wikt:en:hunc|hunc]] となっている。)</span>
*et [[wikt:en:proximus#Noun|proximis]] [[wikt:en:tradunt|tradunt]];
**近隣の者たちへ伝える。
*ut tum [[wikt:en:accidit#Etymology_1|accidit]].
**そのときにも<small>(同様のことが)</small>起こったのである。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--❸--><sup>(3)</sup> Nam, quae <u>Cenabi</u> [[wikt:en:oriens#Latin|oriente]] [[wikt:en:sol#Latin|sole]] gesta essent,
**ケナブムで日が昇るときになされていたこと<small>〔襲撃〕</small>が、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:Cenabi はケルト語風の読みで、''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Vossius|Vossius]]'' による修正提案。<br> 主要写本ω では genabi となっている。 ⇒ [[wikt:en:Genabum#Latin|Genabum]])</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:gestus#Latin|gesta]] [[wikt:en:essent#Etymology_1|essent]] は [[wikt:en:gero#Latin|gerō]] の3人称・複数・過去完了・受動・接続法。)</span>
*ante [[wikt:en:primus#Latin|primam]] [[wikt:en:confectus#Latin|confectam]] [[wikt:en:vigilia#Latin|vigiliam]]
**第一夜警時の終わる前頃には
**:<span style="color:#009900;">(訳注:第一夜警時は、日の入から真夜中までの時間帯の前半「宵の口」。<br> [[古代ローマの不定時法#夜警時|#夜警時]] を参照。)</span>
*in finibus [[wikt:en:Arverni#Latin|Arvernorum]] audita sunt,
**アルウェルニー族の領土において聞かれた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:auditus#Latin|audita]] [[wikt:en:sunt#Latin|sunt]] は [[wikt:en:audio#Latin|audiō]] の3人称・複数・完了・受動・直説法)</span>
*[[wikt:en:qui#Latin|quod]] [[wikt:en:spatium#Latin|spatium]] est [[wikt:en:mille#Latin|milium]] [[wikt:en:passus#Etymology_2|passuum]] circiter [[wikt:en:centum#Latin|centum]] [[wikt:en:sexaginta#Latin|sexaginta]](CLX).
**約160ローママイルもの隔たりがあったのに。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:1[[ガイウス・ユリウス・カエサルの著作/通貨・計量単位#ミーッレ・パッスーム、ミーリア(ローママイル)|ローママイル]]は約1.48 kmで、160マイルは約240 km)</span>
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
==ウェルキンゲトリークスとガッリア同盟軍の蜂起==
===4節===
[[画像:Vercingetorix stater CdM.jpg|thumb|right|200px|“<span style="font-family:Times New Roman;font-size:15pt;">(VERCIN)GETORIXS</span>”の名と横顔が刻まれた金貨。]]
[[画像:Vercingétorix_par_Millet.jpg|thumb|right|250px|[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]の立像(フランスのアリーズ=サント=レーヌ <small>[[w:fr:Alise-Sainte-Reine|Alise-Sainte-Reine]]</small>)。<br>近代[[w:ナショナリズム|ナショナリズム]]の高揚とともに[[w:フランス|フランス]]国民が自らを古代[[w:ガリア人|ガッリア人]]の末裔と見なすようになると([[w:ガリア起源説|ガッリア起源説]])、ガッリア諸部族を率いて[[w:古代ローマ|古代ローマ]]と戦った彼は「'''フランス最初の英雄'''」として祀り上げられた。[[w:フランス第二帝政|第二帝政]]期に皇帝[[w:ナポレオン3世|ナポレオン3世]]の命により[[w:アレシアの戦い|アレスィア古戦場]]の発掘調査が実施され、[[w:1865年|1865年]]にはその地に彫刻家エメ・ミレ([[w:fr:Aimé Millet|Aimé Millet]])による高さ7メートルの銅像が建立された。<br>([[w:fr:Vercingétorix_(statue_d'Aimé_Millet)|fr:La statue de Vercingétorix]])]]
[[画像:Statue-vercingetorix-jaude-clermont.jpg|thumb|right|250px|[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]の騎馬像([[w:fr:Statue équestre de Vercingétorix (Frédéric Auguste Bartholdi)|fr]])。彼の出身地ゲルゴウィアの近く、[[w:クレルモン=フェラン|クレルモン=フェラン市]]中央広場に建つ。[[w:1903年|1903年]]に、[[w:自由の女神像 (ニューヨーク)|自由の女神像]]の作者として著名な彫刻家[[w:フレデリク・バルトルディ|フレデリク・オーギュスト・バルトルディ]]によって建立された。[[w:フランス語|フランス語]]で「我は皆の自由のために武器を取った」« J’ai pris les armes pour la liberté de tous » と刻まれている。]]
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/4節]] {{進捗|00%|2025-11-24}}</span>
;アルウェルニー族のウェルキンゲトリークスが挙兵、ガッリア諸部族同盟軍を指揮する
:
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:similis#Latin|Simili]] [[wikt:en:ratio#Latin|ratione]] ibi
**そこ<small>〔アルウェルニー族領〕</small>でも同様のやり方によって、
*[[wikt:en:Vercingetorix#Latin|Vercingetorix]],
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]という、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ガリア語 [[wikt:en:Reconstruction:Gaulish/Werkingetorix|*Werkingetorīx]] は「戦士たちの最高の王」という意味で、<br> ガッリア同盟軍の最高司令官にふさわしい呼び名である。<br> 《[[ガリア戦記/ガリア語の名前#Vercingetorix|'''ガリア語の名前'''#Vercingetorix]]》 を参照せよ。)</span>
*[[wikt:fr:Celtillus|Celtilli]] filius, [[wikt:en:Arvernus#Latin|Arvernus]],
**ケルティッルスの息子で[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]の者で、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:''[[w:en:Celtillus|Celtillus]]'' はガリア語で「小さなケルト人」という意味だと解される。)</span>
*[[wikt:en:summus#Adjective|summae]] [[wikt:en:potentia#Latin|potentiae]] [[wikt:en:adulescens#Noun|adulescens]],
**最高の影響力のある青年が、
*cuius [[wikt:en:pater#Latin|pater]] [[wikt:en:principatus#Latin|principatum]] Galliae [[wikt:en:totus#Etymology_1|totius]] [[wikt:en:obtinuerat|obtinuerat]]
**──その父<small>〔ケルティッルス〕</small>はガッリア全体の主導権を占めていたが、
*et ob eam causam, quod [[wikt:en:regnum#Latin|regnum]] [[wikt:en:adpetebat|adpetebat]], ab [[wikt:en:civitas#Latin|civitate]] erat [[wikt:en:interfectus#Latin|interfectus]],
**王位を求めたという理由により、部族の者によって誅殺されていたのであるが、──
*[[wikt:en:convocatus#Latin|convocatis]] suis [[wikt:en:cliens#Latin|clientibus]]
**自らの庇護者たちを招集して、
*facile [[wikt:en:incendit|incendit]].
**容易に焚き付けた。
:
*<!--❷--><sup>(2)</sup> [[wikt:en:cognitus#Participle|Cognito]] eius [[wikt:en:consilium#Latin|consilio]]
**彼の計画を知ると、
*ad [[wikt:en:arma#Latin|arma]] [[wikt:en:concurritur|concurritur]].
**<small>(人々は)</small>武器のもとへ群がり集まった。
*[[wikt:en:prohibetur|Prohibetur]] ab [[wikt:fr:Gobannitio|Gobannitione]], [[wikt:en:patruus#Latin|patruo]] suo, [[wikt:en:reliquus#Latin|reliquis]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:princeps#Noun_3|principibus]],
**彼の<small>(父方の)</small>おじゴバンニティオやほかの領袖たちにより妨げられた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:''[[w:fr:Gobannitio|Gobannitio]]'' は「鍛冶屋」か「鍛冶の神」に由来する名前と解される。)</span>
*qui hanc [[wikt:en:temptandus#Latin|temptandam]] [[wikt:en:fortuna#Latin|fortunam]] non [[wikt:en:existimabant|existimabant]];
**その者たちは、このような運命を試すべきとは考えていなかったのだ。
*[[wikt:en:expellitur|expellitur]] ex [[wikt:en:oppidum#Latin|oppido]] [[wikt:en:Gergovia#Latin|Gergovia]];
**<small>(ウェルキンゲトリークスは)</small>城塞都市ゲルゴウィアから追放される。
:
*<!--❸--><sup>(3)</sup> non [[wikt:en:destitit|destitit]] tamen
**しかしながら<small>(彼は計画を)</small>取り止めず、
*atque in agris habet [[wikt:en:dilectus#Noun|dilectum]] [[wikt:en:egens#Latin|egentium]] ac [[wikt:en:perditor#Noun|perditorum]].
**野に貧窮者たちやならず者たちを徴集する。
:
*Hac [[wikt:en:coactus#Latin|coacta]] [[wikt:en:manus#Latin|manu]],
**こうした手勢が集められ、
*[[wikt:en:quoscumque|quoscumque]] [[wikt:en:adit#Latin|adit]] ex civitate,
**部族のうちで<small>(彼が)</small>会った者は誰であれ、
*ad suam [[wikt:en:sententia#Latin|sententiam]] [[wikt:en:perducit|perducit]];
**自らの意図に引き込んだ。
:
*<!--❹--><sup>(4)</sup> [[wikt:en:hortatur|hortatur]] ut [[wikt:en:communis#Latin|communis]] [[wikt:en:libertas#Latin|libertatis]] causa [[wikt:en:arma#Latin|arma]] [[wikt:en:capiant|capiant]],
**<small>(ガッリア)</small>共通の自由のために武器を取るように鼓舞した。
*[[wikt:en:magnus#Latin|magnis]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:coactus#Latin|coactis]] [[wikt:en:copia#Latin|copiis]]
**大軍勢が集められて、
*[[wikt:en:adversarius#Latin|adversarios]] suos, a quibus paulo ante erat [[wikt:en:eiectus#Latin|eiectus]],
**少し前に<small>(彼をゲルゴウィアから)</small>放逐したところの敵対者たちを、
*[[wikt:en:expellit|expellit]] ex civitate.
**部族から追放する。
*[[wikt:en:rex#Latin|Rex]] ab suis [[wikt:en:appellatur|appellatur]].
**<small>(ウェルキンゲトリークスは)</small>配下の者たちから王と呼ばれている。
:
*<!--❺--><sup>(5)</sup> [[wikt:en:dimittit|Dimittit]] [[wikt:en:quoque#Latin|quoque]] [[wikt:en:versus#Adverb|versus]] [[wikt:en:legatio#Latin|legationes]];
**<small>(ウェルキンゲトリークスは)</small>あらゆる方向へ使節団を派遣して、
*[[wikt:en:obtestatur|obtestatur]] ut in [[wikt:en:fides#Latin|fide]] [[wikt:en:maneant|maneant]].
**誓約に留まるようにと、懇願する。
:
*<!--❻--><sup>(6)</sup> Celeriter sibi
**速やかに、自分たち<small>〔アルウェルニー族〕</small>に対して
*[[wikt:en:Senones#Latin|Senones]], [[wikt:en:Parisii#Latin|Parisios]], [[wikt:en:Pictones#Latin|Pictones]], [[wikt:en:Cadurci#Latin|Cadurcos]], <u>Turonos</u>, [[wikt:en:Aulerci#Latin|Aulercos]], [[wikt:en:Lemovices#Latin|Lemovices]], <u>Andes</u>
**セノネース族、パリースィイー族、ピクトネース族、カドゥルキー族、<br><u>トゥロニイー族</u>、アウレルキー族、レモウィーケース族、アンデース族、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部のトゥロニイー族 ''[[w:Turoni|Turoni]]'' は、トゥロネース族 ''[[wikt:en:Turones#Latin|Turonēs]]'' ともいう。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:二つ目の下線部は、α系写本では [[wikt:en:Andi#Latin|Andos]]「アンディー族」だが、<br> ''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Glareanus|Glareanus]]'' は、[[wikt:en:Andes#Latin|Andēs]]「アンデース族」と修正提案し、<br> これは別名「アンデカーウィー族」''[[wikt:en:Andecavi#Latin|Andecāvī]]'' ともいう。)</span>
*reliquosque omnes, qui [[wikt:en:Oceanus#Latin|Oceanum]] [[wikt:en:adtingunt|adtingunt]], [[wikt:en:adiungit|adiungit]];
**および<ruby><rb>大洋<span style="color:#009900;">〔[[w:大西洋|大西洋]]〕</span></rb><rp>(</rp><rt>オーケアヌス</rt><rp>)</rp></ruby>に接するほかの全部族を、加盟させる。
*omnium [[wikt:en:consensus#Latin|consensu]]
**すべての者たちの同意により、
*ad eum [[wikt:en:defertur|defertur]] [[wikt:en:imperium#Latin|imperium]].
**彼<small>〔ウェルキンゲトリークス〕</small>に<small>(諸部族の)</small>軍勢指揮権が譲り渡される。
:
*<!--❼--><sup>(7)</sup> Qua [[wikt:en:oblatus#Latin|oblata]] [[wikt:en:potestas#Latin|potestate]]
**<small>(ウェルキンゲトリークスは)</small>その権限が任されると、
*omnibus his civitatibus [[wikt:en:obses#Latin|obsides]] [[wikt:en:imperat|imperat]],
**これらすべての部族に人質<small>(の供出)</small>を命令して、
*[[wikt:en:certus#Latin|certum]] numerum [[wikt:en:miles#Latin|militum]] ad se celeriter [[wikt:en:adduci#Latin|adduci]] [[wikt:en:iubet#Latin|iubet]],
**兵の一定の数が自分のもとへ速やかに動員されることを命じる。
:
*<!--❽--><sup>(8)</sup> [[wikt:en:arma#Latin|armorum]] [[wikt:en:quantum#Latin|quantum]] [[wikt:en:quisque#Latin|quaeque]] civitas [[wikt:en:domi#Latin|domi]] [[wikt:en:quisque#Latin|quodque]] ante tempus [[wikt:en:efficiat|efficiat]], [[wikt:en:constituit#Latin|constituit]];
**おのおのの部族が本国で、武器のどれほどをその時期の前に生産するかを、決定した。
*in primis [[wikt:en:equitatus#Latin|equitatui]] [[wikt:en:studet|studet]].
**とりわけ、[[w:騎兵|騎兵隊]]を熱心に求めた。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--❾--><sup>(9)</sup> Summae diligentiae summam [[wikt:en:imperium#Latin|imperii]] [[wikt:en:severitas#Latin|severitatem]] addit;
**<small></small>(ウェルキンゲトリークスは)最高の入念さに、命令の最高の厳格さを付け加える。
*magnitudine [[wikt:en:supplicium#Latin|supplicii]] [[wikt:en:dubitans#Latin|dubitantes]] cogit.
**重大な刑罰をふんぎりが付かぬ者たちへ強いる。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--❿--><sup>(10)</sup> Nam maiore commisso delicto <u>igni</u> atque omnibus tormentis necat,
**すなわち、より重大な違反を犯したら、火とあらゆる拷問によって誅殺した。
*leviore de causa auribus desectis aut singulis effossis oculis domum remittit,
**より軽微な場合については、両耳を切り取り、あるいは眼を一つずつ繰り抜いて、郷里へ送還する。
*ut sint reliquis documento et magnitudine poenae perterreant alios.
**ほかの者たちへの警告となり、懲罰の重大さが別の者たちを畏怖させるようにである。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===5節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/5節]] {{進捗|00%|2025-12-14}}</span>
;ビトゥリゲース族が、ガッリア同盟軍に寝返る
:
*<!--❶--><sup>(1)</sup> His [[wikt:en:supplicium#Latin|suppliciis]] celeriter [[wikt:en:coactus#Latin|coacto]] [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitu]],
**<small>(ウェルキンゲトリークスは)</small>これらの刑罰により速やかに軍隊を徴集して、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:「軍隊」と訳される [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitus]] には「鍛えられて規律がある」という意味合いがあり、<br> これまでカエサルがガッリア人の軍勢をこのように表現したことはまれであった。)</span>
*[[wikt:en:Lucterius#Latin|Lucterium]] [[wikt:en:Cadurcus#Latin|Cadurcum]], [[wikt:en:summus#Latin|summae]] hominem [[wikt:en:audacia#Latin|audaciae]],
**この上なく豪胆な人物であるカドゥルキー族のルクテリウスを
*cum parte [[wikt:en:copiarum#Noun_2|copiarum]] in [[wikt:en:Ruteni#Latin|Rutenos]] [[wikt:en:mittit|mittit]];
**軍勢の一部とともにルテーニー族のところに遣わす。
*ipse in [[wikt:en:Bituriges#Latin|Bituriges]] [[wikt:en:proficiscitur|proficiscitur]].
**<small>(ウェルキンゲトリークス)</small>自身はビトゥリゲース族のところに出発する。
:
; ビトゥリゲース族が、ハエドゥイー族に、対ウェルキンゲトリークスのための援兵を依頼
*<!--❷--><sup>(2)</sup> Eius [[wikt:en:adventus#Latin|adventu]]
**彼<small>〔ウェルキンゲトリークス〕</small>の到来により、
*[[wikt:en:Bituriges#Latin|Bituriges]] ad [[wikt:en:Aeduos|Haeduos]], quorum erant in [[wikt:en:fides#Latin|fide]],
**ビトゥリゲース族は、彼らが庇護下にあった[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]のもとへ、
*[[wikt:en:legatus#Latin|legatos]] [[wikt:en:mittunt|mittunt]] [[wikt:en:subsidium#Latin|subsidium]] [[wikt:en:rogatum#Verb|rogatum]],
**使節たちを、<small>(ハエドゥイー族からの)</small>援兵を依頼するために派遣する。
*[[wikt:en:quo#Adverb|quo]] [[wikt:en:facile#Latin|facilius]] hostium copias [[wikt:en:sustinere|sustinere]] [[wikt:en:possint|possint]].
**それにより、敵の軍勢をより容易に持ちこたえることができるようにということであった。
:
; ハエドゥイー族が、ビトゥリゲース族に対して援兵を派兵
*<!--❸--><sup>(3)</sup> [[wikt:en:Aedui#Latin|Haedui]] de [[wikt:en:consilium#Latin|consilio]] [[wikt:en:legatus#Latin|legatorum]], quos Caesar ad [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitum]] [[wikt:en:reliquerat|reliquerat]],
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]は、カエサルが軍隊のもとへ残していた<ruby><rb>[[w:レガトゥス|総督副官]]</rb><rp>(</rp><rt>レーガートゥス</rt><rp>)</rp></ruby>たちの助言により、
*copias [[wikt:en:equitatus#Noun|equitatus]] [[wikt:en:peditatus#Latin|peditatus]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:subsidium#Latin|subsidio]] [[wikt:en:Bituriges#Latin|Biturigibus]] [[wikt:en:mittunt|mittunt]].
**[[w:騎兵|騎兵隊]]と[[w:歩兵|歩兵隊]]の軍勢をビトゥリゲース族に対する援兵として派遣する。
:
; ハエドゥイー族の援兵が、ビトゥリゲース族の寝返りを怖れて、途中で逃げ帰ってしまう
*<!--❹--><sup>(4)</sup> Qui cum ad flumen [[wikt:en:Liger#Latin|Ligerim]] [[wikt:en:venissent|venissent]], quod [[wikt:en:Bituriges#Latin|Bituriges]] ab [[wikt:en:Aeduis|Haeduis]] [[wikt:en:dividit#Latin|dividit]],
**その者たち<small>〔援兵〕</small>は、ビトゥリゲース族を[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]から分け隔てるリゲル川のたもとへやって来たときに、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:リゲル川 [[w:la:Liger|Liger]] は、現在の[[w:ロワール川|ロワール川]]。<br> 本書に登場するビトゥリゲース・クビ族 ''[[w:en:Bituriges Cubi|Bituriges Cubi]]'' は、<br> ロワール川西岸の[[w:シェール県|シェール県]]の辺りに居住していた。<br> 対して、[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]は、<br> ロワール川東岸の[[w:ニエーヴル県|ニエーヴル県]]の辺りに居住していた。)</span>
[[画像:Map of Eduens people-fr.svg|thumb|right|250px|[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]を軸とするガッリアの合従連衡(<small>フランス語表記</small>)。赤い部分がハエドゥイー族(Eduens)、桃色・茶色の部分が同盟部族、灰色の部分が敵対する[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]](Arvernes)とセクアニ族(Sequanes)の領域である。茶色のビトゥリゲース族(Bituriges)と赤いハエドゥイー族(Eduens)の境界に沿ってリゲル川([[w:ロワール川|ロワール川]])が流れていることが見て取れる。川の西岸はビトゥリゲース族とアルウェルニー族の勢力圏になっている。]]
*paucos dies ibi [[wikt:en:moratus#Participle|morati]]
**わずかな日々をそこでぐずぐずして、
*neque flumen [[wikt:en:transire#Latin|transire]] [[wikt:en:ausus#Participle|ausi]] [[wikt:en:domus#Latin|domum]] [[wikt:en:revertuntur|revertuntur]]
**川をあえて渡らずに、故国に引き返す。
:
*<!--❺--><sup>(5)</sup> [[wikt:en:legatus#Latin|legatis]]<nowiki>que</nowiki> nostris [[wikt:en:renuntiant|renuntiant]]
**<small>(ハエドゥイー族の援兵たちが)</small>我が方<small>〔ローマ方〕</small>の<ruby><rb>[[w:レガトゥス|総督副官]]</rb><rp>(</rp><rt>レーガートゥス</rt><rp>)</rp></ruby>たちに報告したことには、
*se [[wikt:en:Bituriges#Latin|Biturigum]] [[wikt:en:perfidia#Latin|perfidiam]] [[wikt:en:veritus#Latin|veritos]] [[wikt:en:revertisse|revertisse]],
**自分たち<small>〔援兵〕</small>は、ビトゥリゲース族の寝返りを恐れて引き返した。
*quibus id [[wikt:en:consilium#Latin|consilii]] fuisse [[wikt:en:cognoverint|cognoverint]],
**彼らには、以下のような謀計があったことを探知したのだ。
*ut, si flumen [[wikt:en:transissent#Latin|transissent]], una ex parte ipsi, altera [[wikt:en:Arverni#Latin|Arverni]] se [[wikt:en:circumsisterent|circumsisterent]].
**もし川を渡ったら、一方から<small>(ビトゥリゲース族)</small>自身が、他方から[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]が自分たちを包囲するというものだ、と。
:
*<!--❻--><sup>(6)</sup> Id ea<span style="background-color:#ffa;">[[wikt:la:-ne|ne]]</span> de causa, quam [[wikt:en:legatus#Latin|legatis]] <u>pronuntiarunt</u>,
**そのことは<small>(援兵たちが)</small><ruby><rb>[[w:レガトゥス|総督副官]]</rb><rp>(</rp><rt>レーガートゥス</rt><rp>)</rp></ruby>たちに報告した理由によって<small>(なしたのか?)</small>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:-ne#Latin|-ne]] ~ [[wikt:en:an#Latin|an]] …;~であるか、あるいは…であるか。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部の [[wikt:en:pronuntiarunt|pronuntiarunt]]<sub> (直接法・完了形)</sub> は古い印刷本 ''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#クリティカル・アパラトゥスとその略号|edd.vett.]]'' の記述で、<br> α系写本では [[wikt:en:pronuntiarint|pronuntiarint]]<sub> (接続法・完了形)</sub> だが、<br> β系写本では [[wikt:en:pronuntiaverint|pronuntia<u>ve</u>rint]]<sub> (接続法・完了形)</sub> となっている。)</span>
*<span style="background-color:#ffa;">[[wikt:la:an|an]]</span> [[wikt:en:perfidia#Latin|perfidia]] [[wikt:en:adductus#Latin|adducti]] [[wikt:en:fecerint|fecerint]],
**あるいは<small>(ビドゥリゲース族の)</small>寝返りに動かされて、なしたのか?
*[[wikt:en:quod#Conjunction|quod]] [[wikt:en:nihil#Latin|nihil]] nobis [[wikt:en:constat#Latin|constat]],
**我々<small>〔ローマ人〕</small>には何ら定かではないので、
*non [[wikt:en:videtur|videtur]] pro [[wikt:en:certus#Latin|certo]] esse <u>proponendum</u>.
**確言するべきであるとは思われない。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:~ pro certo ponere;~を確かであると主張する)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:proponendum|<u>pro</u>ponendum]] だが、<br> β系写本では [[wikt:en:ponendum|ponendum]] となっている。)</span>
: <!-- [[wikt:en:| -->
; ビトゥリゲース族が、ローマ人やハエドゥイー族から離反して、アルウェルニー族と同盟してしまう
*<!--❼--><sup>(7)</sup> [[wikt:en:Bituriges#Latin|Bituriges]] eorum [[wikt:en:discessus#Noun|discessu]]
**ビトゥリゲース族は、彼ら<small>〔援兵〕</small>の撤収により、
*[[wikt:en:statim#Latin|statim]] <u>se</u> cum [[wikt:en:Arverni#Latin|Arvernis]] <u>coniunguntur</u>.
**ただちに[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]と<small>(同盟を)</small>結んだ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:iunguntur|iunguntur]] だが、<br> β系写本では se ~ [[wikt:en:coniungunt|coniungunt]] となっている。)</span>
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===6節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/6節]] {{進捗|00%|2025-12-15}}</span>
[[画像:Warsaw Royal Castle GM (12).JPG|thumb|right|200px|[[w:グナエウス・ポンペイウス|グナエウス・ポンペイウス]]の立像([[w:ワルシャワ歴史地区|ワルシャワ王宮]])。彼は首都の騒乱を鎮めるために単独の[[w:執政官|執政官]]として大権を与えられ、イタリアの徴兵権を得た。[[w:三頭政治|三頭政治]]後のこの混乱期に、彼はカエサルの政敵たちからこぞって支持されたが、危機に瀕していたカエサルを打倒する絶好の機会を見送った。これは重大な逸機であり、数年後にポンペイウスにとって致命的な結果をもたらすことになる。]]
;諸軍団と分断されて苦慮するカエサル
:
*<!--❶--><sup>(1)</sup> His rebus in Italiam Caesari [[wikt:en:nuntiatus#Latin|nuntiatis]],
**これらの事情がイタリアにいるカエサルへ知らされると、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ここでいうイタリアとは、<br> カエサルの属州[[w:ガリア・キサルピナ|ガッリア・キサルピーナ]]のことである。)</span>
*cum iam ille [[wikt:en:urbanus#Latin|urbanas]] res [[wikt:en:virtus#Latin|virtute]] [[wikt:en:Gnaei#Latin|Gnaei]]<sub> ([[wikt:en:Cn.#Latin|Cn.]])</sub> [[wikt:en:Pompeius#Proper_noun|Pompei]] [[wikt:en:commodior#Latin|commodiorem]] in [[wikt:en:status#Noun_11|statum]] [[wikt:en:pervenisse#Latin|pervenisse]] [[wikt:en:intellegeret|intellegeret]],
**彼は、もはや都<small>〔[[w:ローマ|ローマ市]]〕</small>の事態は[[w:グナエウス・ポンペイウス|グナエウス・ポンペイウス]]の果断さによってより相応な状態に至ったと認識したので、
*in [[wikt:en:Gallia_transalpina#Latin|Transalpinam Galliam]] [[wikt:en:profectus#Latin|profectus]] est.
**ガッリア・トラーンサルピーナ<small>〔アルプスの向こう側のガッリア〕</small>に出発した。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[#1節|1節]]②項で言及された Galliam Transalpinam は<br> アルプスの西側「長髪のガッリア」全般を指すと思われるが、<br> ここではどちらかといえば<br> ガッリア南部のローマ属州ガッリア・トラーンサルピーナ<br> すなわち後の[[w:ガリア・ナルボネンシス|ガッリア・ナルボーネーンスィス]]を指す。)</span>
:
*<!--❷--><sup>(2)</sup> [[wikt:en:eo#Adverb|Eo]] cum [[wikt:en:venisset|venisset]],
**<small>(カエサルが)</small>そこに来たときに、
*magna [[wikt:en:difficultas#Latin|difficultate]] [[wikt:en:adficiebatur|adficiebatur]], qua [[wikt:en:ratio#Latin|ratione]] ad [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitum]] [[wikt:en:pervenire#Latin|pervenire]] [[wikt:en:posset#Latin|posset]].
**どのような方策で軍隊のもとへ到達することができるか、という大きな困難に苦悩させられていた。
:
*<!--❸--><sup>(3)</sup> Nam, si [[wikt:en:legio#Latin|legiones]] in [[wikt:en:provincia#Latin|provinciam]] [[wikt:en:arcesseret|arcesseret]],
**なぜなら、もし、諸[[w:ローマ軍団|軍団]]を属州<small>〔ガッリア・トラーンサルピーナ〕</small>に呼び寄せるのならば、
*se [[wikt:en:absens#Latin|absente]] in [[wikt:en:iter#Latin|itinere]] [[wikt:en:proelium#Latin|proelio]] [[wikt:en:dimicaturus#Latin|dimicaturas]] [[wikt:en:intellegebat|intellegebat]];
**自分<small>〔カエサル〕</small>が不在のままで、行軍中に戦闘を闘うことになるであろうと理解していた。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--❹--><sup>(4)</sup> si ipse ad exercitum [[wikt:en:contenderet|contenderet]],
**もし<small>(カエサル)</small>自身が<small>(大部隊の護衛なしで)</small>軍隊のもとへ急いで行くのならば、
*<u>ne</u> iis <u>quidem</u> eo tempore qui quieti [[wikt:en:viderentur|viderentur]],
**そのときには、中立を保っていると見られる者たちでさえも、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:iis#Latin|iis]] はβ系写本の記述で、α系写本では [[wikt:en:his#Latin|his]] となっている。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:ne quidem|ne ~ quidem]]「~でさえ…ない」)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:quietus#Latin|quietus, quieti]]「平和的な、中立的な」)</span>
*suam [[wikt:en:salus#Latin|salutem]] [[wikt:en:recte#Latin|recte]] [[wikt:en:committi|committi]] [[wikt:en:videbat|videbat]].
**自分の身の安全を良く託されるとは思えなかったのだ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:前年まで、すなわち第6巻までの戦争は主としてガッリア北部・中部などで闘われていたので、<br> [[ガリア戦記 第6巻#44節|第6巻44節]]で既述のように、ローマ諸軍団はガッリア北部・中部周辺に冬営させられていた。<br> 今回は軍団が駐留していないガッリア中南部を中心に反乱が起こったので、<br> カエサルと諸軍団は分断された。<br> そのため、カエサルが大部隊の護衛なしで北上すれば、<br> 同盟部族にさえ寝首を掻かれる怖れがあったのである。)
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===7節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/7節]] {{進捗|00%|2025-12-19}}</span>
;ルクテリウスとカエサルのナルボーをめぐる駆け引き
[[画像:Narbonne_panorama.jpg|thumb|right|300px|'''ナルボー'''(Narbo)すなわち現在の[[w:ナルボンヌ|ナルボンヌ市]](Narbonne)の街並み。ローマ人が[[w:ドミティア街道|ドミティア街道]]の拠点として植民市'''コロニア・ナルボー・マルティウス'''(Colonia Narbo Martius)を建設し、後には[[w:ローマ内戦 (紀元前49年-紀元前45年)|ローマ内乱]]のときにもカエサル派の根拠地となった。その重要性から帝政期には州都に昇格し、[[w:属州|属州]]名も[[w:ガリア・ナルボネンシス|ガッリア・ナルボネンスィス]]に改められたほどである。]]
[[画像:Via_domitia_map600x600_(1).png|thumb|right|200px|[[w:ドミティア街道|ドミティア街道]](Via Domitia)の経路。ローマ人によってイタリアと[[w:ヒスパニア|ヒスパーニア]]を結ぶ重要な街道として整備された。本節でカエサル側の軍勢が往復したのもこの街道である。]]
:
; カドゥルキー族のルクテリウスが、ルテーニー族を同盟に引き入れる
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:interim#Latin|Interim]] [[wikt:en:Lucterius#Latin|Lucterius]] [[wikt:en:Cadurcus#Latin|Cadurcus]]
**その間に、カドゥルキー族のルクテリウスが
*in [[wikt:en:Ruteni#Latin|Rutenos]] [[wikt:en:missus#Participle|missus]]
**ルテーニー族のところに遣わされて、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[#5節|5節]]の冒頭で述べられた。<br> ルテーニー族 ''[[w:en:Ruteni|Ruteni]]'' は現在の[[w:アヴェロン県|アヴェロン県]]の<br> [[w:ロデーズ|ロデーズ]]辺りにいたとされる。)</span>
*eam [[wikt:en:civitas#Latin|civitatem]] [[wikt:en:Arverni#Latin|Arvernis]] [[wikt:en:conciliat|conciliat]].
**その部族に[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]との仲を取り持つ。
:
; ルクテリウスが、ローマ属州内の拠点都市ナルボーを目指す
*<!--❷--><sup>(2)</sup> [[wikt:en:progressus#Participle|Progressus]] in [[wikt:en:Nitiobriges#Latin|Nitiobriges]] et [[wikt:en:Gabali#Latin|Gabalos]]
**<small>(彼は)</small>ニティオブリゲース族とガバリー族のところに進んで行き、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ニティオブリゲース族<br> またはニティオブロゲース族 ''[[w:en:Nitiobroges|Nitiobroges]]'' は<br> 現在の[[w:ロット=エ=ガロンヌ県|ロット=エ=ガロンヌ県]][[w:アジャン|アジャン]]辺り、<br> ガバリー族 ''[[w:en:Gabali|Gabali]]'' は現在の[[w:ロゼール県|ロゼール県]]辺りにいたらしい。)</span>
*ab [[wikt:en:uterque#Latin|utrisque]] [[wikt:en:obses#Latin|obsides]] [[wikt:en:accipit|accipit]]
**双方から人質たちを受け取って、
*et, magna [[wikt:en:coactus#Latin|coacta]] [[wikt:en:manus#Latin|manu]],
**多くの手勢を徴集すると、
*in [[wikt:en:provincia#Latin|provinciam]] [[wikt:en:Narbo#Latin|Narbonem]] [[wikt:en:versus#Latin|versus]] [[wikt:en:eruptio#Latin|eruptionem]] facere [[wikt:en:contendit|contendit]].
**<small>(ローマ人の)</small>[[w:属州|属州]]内のナルボーに向かって出撃することを急ぐ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ナルボー [[w:la:Narbo|Narbo]] は、ローマ人が建設した地中海岸の植民市で、<br> ヒスパーニアとイタリアを結ぶ拠点であった。<br> 現在の[[w:ナルボンヌ|ナルボンヌ]]。)</span>
:
; カエサルもナルボーを目指す
*<!--❸--><sup>(3)</sup> Qua re [[wikt:en:untiatus#Latin|nuntiata]]
**その事を報告されると、
*Caesar omnibus [[wikt:en:consilium#Latin|consiliis]] [[wikt:en:antevertendus#Latin|antevertendum]] <span style="color:#009900;font-size:8pt;">(esse)</span> [[wikt:en:existimavit|existimavit]], ut [[wikt:en:Narbo#Latin|Narbonem]] [[wikt:en:proficisceretur|proficisceretur]].
**カエサルは、ナルボーに出発することを、あらゆる計画に先立ってするべきであると考えた。
:
*<!--❹--><sup>(4)</sup> [[wikt:en:eo#Adverb|Eo]] cum [[wikt:en:venisset|venisset]],
**<small>(カエサルは)</small>そこへやって来ると、
*[[wikt:en:timens#Latin|timentes]] [[wikt:en:confirmat#Latin|confirmat]],
**<ruby><rb>怖気</rb><rp>(</rp><rt>おじけ</rt><rp>)</rp></ruby>ている者たちを元気付けて、
*[[wikt:en:praesidium#Latin|praesidia]]
**守備隊を
*in [[wikt:en:Ruteni#Latin|Rutenis]] [[wikt:en:provincialis#Latin|provincialibus]], [[wikt:en:Volcae#Latin|Volcis]] [[wikt:en:Arecomici#Latin|Arecomicis]], [[wikt:en:Tolosates#Latin|Tolosatibus]]
**属州側のルテーニー族、[[w:ウォルカエ族|ウォルカエ]]・アレコミキー族、トローサーテース族<small>(らの領内)</small>に、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:上述のように、属州外の<u>ルテーニー族</u>は[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]と結んでいる。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[w:ウォルカエ族|ウォルカエ族]]は、西側に住むテクトサゲース族 ''[[w:en:Tectosages|Tectosages]]'' と<br> 東側に住むアレコミキー族 ''[[w:en:Arecomici|Arecomici]]'' の2支族に分かれていた。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:トローサーテース族 ''[[w:fr:Tolosates|Tolosates]]'' は、ウォルカエ・テクトサゲース族の分派とされ、<br> 現在の[[w:トゥールーズ|トゥールーズ]]の近くにいたと考えられている。)</span>
*[[wikt:en:circum#Preposition|circum]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:Narbo#Latin|Narbonem]], quae [[wikt:en:locum#Latin|loca]] hostibus erant [[wikt:en:finitimus#Latin|finitima]],
**および敵方に隣接した地である[[w:ナルボンヌ|ナルボー]]周辺に
*[[wikt:en:constituit#Latin|constituit]];
**駐留させる。
:
*<!--❺--><sup>(5)</sup> partem [[wikt:en:copiae#Noun_2|copiarum]] ex [[wikt:en:provincia#Latin|provincia]]
**属州<small>〔ガッリア・トラーンサルピーナ〕</small>からの軍勢の一部、
*[[wikt:en:supplementum#Latin|supplementum]]<nowiki>que</nowiki>, quod ex Italia [[wikt:en:adduxerat|adduxerat]],
**およびイタリアから率いて来た補充兵を
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:後者の補充兵 supplementum は、[[#1節|1節]]で既述のように、<br> [[w:ガリア・キサルピナ|ガッリア・キサルピーナ]]で徴募された軍団兵であろう。)</span>
*in [[wikt:en:Helvii#Latin|Helvios]], qui fines [[wikt:en:Arverni#Latin|Arvernorum]] [[wikt:en:contingunt|contingunt]],
**[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]の領土に接しているヘルウィイー族のところに
*[[wikt:en:convenire#Latin|convenire]] [[wikt:en:iubet#Latin|iubet]].
**集結することを命じる。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===8節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/8節]] {{進捗|00%|2026-01-03}}</span>
[[画像:Carte-cevennes-france.png|thumb|right|200px|フランスにおける[[w:中央高地 (フランス)|中央高地]](Massif Central)とセヴェンヌ山地(Cévennes)の位置]]
[[画像:Col_de_legal.jpeg|thumb|right|200px|[[w:雪|雪]]に覆われた[[w:オーヴェルニュ地域圏|オーヴェルニュ高地]]。オーヴェルニュ(Auvergne)の名は[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]](Arverni)に由来する。]]
[[画像:Causse_Mejean_Evening.jpg|thumb|right|200px|城壁のように続くケウェンナ(セヴェンヌ)山地の断崖]]
[[画像:France_Massif_central.jpg|thumb|right|200px|[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]の勢力圏であった[[w:中央高地 (フランス)|中央高地]](Massif Central)の領域(着色部分)。平野の多いフランスにおいて山塊としてそびえ立つ。]]
:
;カエサルがケウェンナ山地を越えてアルウェルニー族の領内へ突入
*<!--❶--><sup>(1)</sup> His rebus [[wikt:en:comparatus#Latin|comparatis]],
**これらの事が整えられて、
*[[wikt:en:repressus#Latin|represso]] iam [[wikt:en:Lucterius#Latin|Lucterio]] et [[wikt:en:remotus#Latin|remoto]],
**<small>(カドゥルキー族の)</small>ルクテリウスはすでに押し留められ、遠ざけられた。
*quod [[wikt:en:intrare#Latin|intrare]] intra [[wikt:en:praesidium#Latin|praesidia]] [[wikt:en:periculosus#Latin|periculosum]] [[wikt:en:putabat|putabat]],
**──というのは<small>(ローマ人の)</small>守備の範囲内に踏み込むことは危険なことであると<small>(ルクテリウスが)</small>見なしていたからであるが、──
*in [[wikt:en:Helvii#Latin|Helvios]] [[wikt:en:proficiscitur|proficiscitur]].
**<small>(そこで、カエサルは)</small>ヘルウィイー族のところに出発する。
:
; カエサルが、アルウェルニー族の要害ケウェンナ山を越える
*<!--❷--><sup>(2)</sup> <u>Etsi</u> mons <u>Cevenna</u>, qui [[wikt:en:Arverni#Latin|Arvernos]] ab [[wikt:en:Helvii#Latin|Helviis]] [[wikt:en:discludit|discludit]],
**[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]をヘルウィイー族から隔てている<u>ケウェンナ山</u>は、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:山の名は写本によって Cebenna または Cevenna となっており、<br> [[w:ガイウス・プリニウス・セクンドゥス|大プリーニウス]]が記した [[wikt:en:Cebenna#Latin|Cebenna]] がガリア語に近いようである。<br> 現在名はセヴェンヌ山地 Cévennes と呼ばれ、<br> [[w:中央高地 (フランス)|フランス中央高地]](Massif Central)の南東部にそそり立っている。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:etsi#Latin|etsi]] ~ [[wikt:en:tamen#Latin|tamen]] …「~としても、にもかかわらず…」)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:mons#Latin|mons]] は β系写本の記述で、α系写本にはない。)</span>
*[[wikt:en:durissimus#Latin|durissimo]] tempore anni
**最も厳しい時季に
*[[wikt:en:altissimus#Latin|altissima]] [[wikt:en:nix#Latin|nive]] iter [[wikt:en:impediebat|impediebat]],
**豪[[w:雪|雪]]によって道を閉ざしていたのであるが、
*<u>tamen</u> [[wikt:en:discussus#Latin|discussa]] [[wikt:en:nix#Latin|nive]] sex in [[wikt:en:altitudo#Latin|altitudinem]] [[wikt:en:pes#Latin|pedum]]
**にもかかわらず<small>(カエサル勢は)</small>深さ6<u>ペース</u>の雪を粉砕して、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:1[[ガイウス・ユリウス・カエサルの著作/通貨・計量単位#ペース|ペース]]は約29.6cmで、6ペースは約1.8メートル弱。)</span>
*atque ita [[wikt:en:via#Latin|viis]] [[wikt:en:patefactus#Latin|patefactis]] [[wikt:en:summus#Latin|summo]] [[wikt:en:miles#Latin|militum]] <u>sudore</u>
**このように兵士たちの最大の努力によって道が開かれて、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:sudor#Latin|sudore]]「汗」だが、<br> β系写本では [[wikt:en:labor#Latin|labore]]「労苦」 となっている。)</span>
*ad fines [[wikt:en:Arverni#Latin|Arvernorum]] [[wikt:en:pervenit#Latin|pervenit]].
**[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]の領土へ到達した。
:
; アルウェルニー族が、カエサルの奇襲に周章狼狽する
*<!--❸--><sup>(3)</sup> Quibus [[wikt:en:oppressus#Latin|oppressis]] [[wikt:en:inopinans#Latin|inopinantibus]],
**<small>(アルウェルニー族は)</small>彼らに対する<small>(カエサルの)</small>攻撃を予期していなかったが、
*quod se <u>Cevenna</u> ut [[wikt:en:murus#Latin|muro]] [[wikt:en:munitus#Latin|munitos]] [[wikt:en:existimabant|existimabant]],
**──というのは、自分たちは<u>ケウェンナ</u>を壁として防御されていると考えていたからであり、
*ac <u>ne</u> [[wikt:en:singularis#Latin|singulari]] <u>quidem</u> [[wikt:en:umquam#Latin|umquam]] homini eo tempore anni [[wikt:en:semita#Latin|semitae]] [[wikt:en:patuerant|patuerant]],
**かつ、その時季には、個人にとってさえも、小道はかつて開かれていなかったからであるが、──
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:ne quidem|ne ~ quidem]]「~でさえ…ない」)</span>
*[[wikt:en:eques#Latin|equitibus]] [[wikt:en:imperat|imperat]],
**<small>(カエサルは)</small>騎兵たちに命令する。
*ut, [[wikt:en:quam#Adverb|quam]] [[wikt:en:late#Latin|latissime]] [[wikt:en:possint|possint]], [[wikt:en:vagentur|vagentur]]
**できるだけ広く動き回り、
*et [[wikt:en:quam#Adverb|quam]] maximum hostibus [[wikt:en:terror#Latin|terrorem]] [[wikt:en:inferant|inferant]].
**敵たちに最大限の恐怖を引き起こすように、と。
:
; ウェルキンゲトリークスが、ビトゥリゲース族のもとから軍勢を取って返す
*<!--❹--><sup>(4)</sup> Celeriter haec [[wikt:en:fama#Latin|fama]] ac <u>nuntiis</u>
**これらのことは速やかに風評や伝令たちによって、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、主要写本ω では [[wikt:en:nuntii#Latin|nuntii]] だが、<br> ''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Manutius|Manutius]]'' が [[wikt:en:nuntiis#Etymology_1|nuntiis]] と修正提案している。)</span>
*ad [[wikt:en:Vercingetorix#Latin|Vercingetorigem]] [[wikt:en:perferuntur|perferuntur]];
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]のもとへ報知される。
*quem [[wikt:en:perterritus#Latin|perterriti]] omnes [[wikt:en:Arverni#Latin|Arverni]] [[wikt:en:circumsistunt|circumsistunt]] atque [[wikt:en:obsecrant|obsecrant]],
**彼<small>〔ウェルキンゲトリークス〕</small>を、脅かされている[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]の皆が取り巻いて、嘆願する。
*ut suis [[wikt:en:fortuna#Latin|fortunis]] [[wikt:en:consulat#Latin|consulat]],
**自分たち<small>〔アルウェルニー族〕</small>の境遇に配慮してくれるように、
*<u>neve</u> ab hostibus <u>diripiantur</u>,
**自分たち<small>〔アルウェルニー族〕</small>が敵<small>〔ローマ人〕</small>によって略奪されることを許容しないように、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:この行は、α系写本では [[wikt:en:neve#Latin|neve]] ab hostibus [[wikt:en:diripiantur|diripiantur]] <br> β系写本では [[wikt:en:neu#Latin|neu]] se ab hostibus [[wikt:en:diripi|diripi]] [[wikt:en:patiatur|patiatur]] となっている。)</span>
*[[wikt:en:praesertim#Latin|praesertim]] cum [[wikt:en:videat|videat]] [[wikt:en:omnis#Latin|omne]] ad se bellum [[wikt:en:translatus#Participle|translatum]].
**とりわけ、すべての戦争が自分たちへ向けられると<small>(彼が)</small>見なしているのであるから
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:praesertim cum ~;とりわけ~であるから)</span>
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--❺--><sup>(5)</sup> Quorum ille [[wikt:en:prex#Latin|precibus]] [[wikt:en:permotus#Latin|permotus]]
**彼<small>〔ウェルキンゲトリークス〕</small>は、その者たちの懇願に揺り動かされて、
*[[wikt:en:castra#Latin|castra]] ex [[wikt:en:Bituriges#Latin|Biturigibus]] [[wikt:en:movet|movet]] in [[wikt:en:Arverni#Latin|Arveruos]] [[wikt:en:versus#Latin|versus]].
**陣営をビトゥリゲース族のところから[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]のところに向けて行軍する。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:castra movet 「陣営を動かす」=「行軍する」)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:現在の[[w:ブールジュ|ブールジュ]]辺りから[[w:クレルモン=フェラン|クレルモン=フェラン]]辺りに南下したようである。)</span>
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===9節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/9節]] {{進捗|00%|2026-01-12}}</span>
;カエサルが北上して諸軍団と合流するが、同盟軍はゴルゴビナ攻略をめざす
:
*<!--❶--><sup>(1)</sup> At Caesar, [[wikt:en:biduum#Latin|biduum]] in his locis [[wikt:en:moratus#Participle|moratus]],
**それに対して、カエサルは2日間、この地に留まった。
*quod haec de [[wikt:en:Vercingetorix#Latin|Vercingetorige]] usu ventura [[wikt:en:opinio#Latin|opinione]] [[wikt:en:praeceperat|praeceperat]],
**──というのは、[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]についてこれ<small>〔陣営の移動〕</small>が起こると予想をしていたからだが、──
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:usu venire 「起こる」→ usu [[wikt:en:venturus#Latin|ventūra]] (esse) 「起こるであろう」)</span>
*per causam [[wikt:en:supplementum#Latin|supplementi]] [[wikt:en:equitatus#Noun|equitatus]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:cogendus#Latin|cogendi]]
**補充兵と騎兵隊を徴集するためという口実のもとに、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:per causam 「口実のもとに」)</span>
*ab [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitu]] [[wikt:en:discedit|discedit]];
**軍隊から離れる。
:
*<!--❷--><sup>(2)</sup> [[wikt:en:Brutus#Latin|Brutum]] [[wikt:en:adulescens#Noun|adulescentem]] his copiis [[wikt:en:praeficit|praeficit]];
**<small>(カエサルは)</small><u>青年ブルートゥス</u>にこの軍勢を指揮させる。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:青年ブルートゥスとは、<br> [[w:デキムス・ユニウス・ブルトゥス・アルビヌス|デキムス・ブルートゥス]](<small>[[w:la:Decimus_Iunius_Brutus_Albinus|Decimus Iunius Brutus Albinus]]</small>)のことで、<br> [[ガリア戦記 第3巻#14節|第3巻14節]]でカエサルの艦隊を指揮した。)</span>
*hunc [[wikt:en:monet#Latin|monet]], ut in omnes partes [[wikt:en:eques#Latin|equites]] quam [[wikt:en:late#Latin|latissime]] [[wikt:en:pervagentur|pervagentur]]:
**彼には、[[w:騎兵|騎兵]]たちがあらゆる方面にできるだけ広く駆け回るようにと、忠告する。
*<u>daturum</u> se <u>operam</u>, ne longius [[wikt:en:triduum#Latin|triduo]] ab [[wikt:en:castra#Latin|castris]] [[wikt:en:absit#Latin|absit]].
**自分<small>〔カエサル〕</small>は、3日間より長く陣営から離れないように、努力をするであろう、と。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:opera#Latin|operam]] dare 「努力をする」→ operam [[wikt:en:daturus#Latin|datūrum]] (esse) 「努力をするであろう」)</span>
[[画像:Image-Vienne-Cropped.jpg|thumb|right|300px|'''ウィエンナ'''(Vienna)すなわち現在のヴィエンヌ(Vienne)。ロダヌス川(現[[w:ローヌ川|ローヌ川]])のほとりにある当地は、南仏[[w:プロヴァンス|プロヴァンス地方]]と北仏[[w:ブルゴーニュ地域圏|ブルゴーニュ地方]]を結ぶ交通の要衝として、古代ローマ時代から栄え、今もローマ時代の遺跡が多く残る。]]
:
; カエサルが、急いでウィエンナへ北進する
*<!--❸--><sup>(3)</sup> His [[wikt:en:constitutus#Participle|constitutis]] rebus,
**これらの事を決定すると、
*<u>omnibus</u> suis [[wikt:en:inopinans#Latin|inopinantibus]],
**配下の皆が予期しないほど、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:omnibus は β系写本の記述で、<br> α系写本にはない。)</span>
*quam [[wikt:en:maximus#Latin|maximis]] potest [[wikt:en:iter#Latin|itineribus]],
**できるかぎりの強行軍で、
*[[wikt:en:Vienna#Etymology_1|Viennam]] [[wikt:en:pervenit#Latin|pervenit]].
**<u>ウィエンナ</u>に到着する。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ウィエンナ [[w:la:Vienna|Vienna]] は、<br> 現在の[[w:ヴィエンヌ (イゼール県)|ヴィエンヌ]] ''[[w:en:Vienne, Isère|Vienne]]'')</span>
:
; カエサルが、ハエドゥイー族領を抜けて、2個軍団が冬営するリンゴネース族領へ向けて北上する
*<!--❹--><sup>(4)</sup> [[wikt:en:ibi#Latin|Ibi]] [[wikt:en:nactus#Latin|nactus]] [[wikt:en:recens#Latin|recentem]] [[wikt:en:equitatus#Latin|equitatum]], quem [[wikt:en:multus#Latin|multis]] ante diebus eo [[wikt:en:praemiserat|praemiserat]],
**そこで、何日も前にそこに先遣していたまだ新兵の騎兵隊を得て、
[[画像:Langres_FR_(march_2008).jpg|thumb|right|300px|リンゴネース族(Lingones)の名を残す[[w:ラングル|ラングル]](Langres)の街の雪景色]]
*neque [[wikt:en:diurnus#Latin|diurno]] neque [[wikt:en:nocturnus#Latin|nocturno]] itinere [[wikt:en:intermissus#Latin|intermisso]]
**昼間も夜間も行軍を中断せずに、
*per fines [[wikt:en:Aedui#Latin|Haeduorum]]
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の領土を通って、
*in [[wikt:en:Lingones#Latin|Lingones]] [[wikt:en:contendit|contendit]],
**<u>リンゴネース族のところ</u>に急いだ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:リンゴネース族 [[w:la:Lingones|Lingones]] の首邑は<br> 現在の[[w:ラングル|ラングル]] ''[[w:en:Langres|Langres]]'' で、<br> ローマ時代には [[w:la:Andematunnum|Andematunnum]] と呼ばれたが、<br> ''[[wikt:fr:Lingones|Lingones]]'' の転訛が ''[[wikt:fr:Langres|Langres]]'' である。)</span>
*[[wikt:en:ubi#Latin|ubi]] [[wikt:en:duo#Latin|duae]] [[wikt:en:legio#Latin|legiones]] [[wikt:en:hiemabant|hiemabant]],
**そこには、2個[[w:ローマ軍団|軍団]]が冬営していた。
*ut, si [[wikt:en:aliquis#Latin|quid]] etiam de sua [[wikt:en:salus#Latin|salute]] ab [[wikt:en:Aedui#Latin|Haeduis]] [[wikt:en:iniretur|iniretur]] [[wikt:en:consilium#Latin|consilii]], [[wikt:en:celeritas#Latin|celeritate]] [[wikt:en:praecurreret|praecurreret]].
**もし<small>(カエサル)</small>自らの安全についてさえ、ハエドゥイー族により何らかの謀計が始められても、速やかに凌駕するように。
:
; カエサルが、リンゴネース族領の軍団冬営地へ到着して、諸軍団へ集結を指令する
*<!--❺--><sup>(5)</sup> [[wikt:en:eo#Adverb|Eo]] cum [[wikt:en:pervenisset|pervenisset]],
**<small>(カエサルは)</small>そこへ到着したときに、
*ad reliquas [[wikt:en:legio#Latin|legiones]] [[wikt:en:mittit|mittit]]
**残りの軍団のもとへ<small>(伝令を)</small>遣わす。
*<u>prius</u>que omnes in unum locum [[wikt:en:cogit|cogit]], <u>quam</u> de eius [[wikt:en:adventus#Latin|adventu]] [[wikt:en:Arverni#Latin|Arvernis]] [[wikt:en:nuntiari|nuntiari]] [[wikt:en:posset#Latin|posset]].
**彼の到着について[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]に知らされ得るより早く、総勢が一か所に集結するように、と。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:priusquam#Latin|prius ~ quam]] …;…より早く~)</span>
: <!-- [[wikt:en:| -->
; ウェルキンゲトリークスが、ボイイー族がいるゴルゴビナの攻略を企図する
*<!--❻--><sup>(6)</sup> Hac re [[wikt:en:cognitus#Participle|cognita]],
**この事を知ると、
*[[wikt:en:Vercingetorix#Latin|Vercingetorix]] rursus in [[wikt:en:Bituriges#Latin|Bituriges]] [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitum]] [[wikt:en:reducit|reducit]]
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は再びビトゥリゲース族のところに軍隊を連れ戻して、
*atque [[wikt:en:inde#Latin|inde]] [[wikt:en:profectus#Participle_2|profectus]] Gorgobinam, [[wikt:en:Boii#Latin|Boiorum]] [[wikt:en:oppidum#Latin|oppidum]],
**そこから、[[w:ボイイ族|ボイイー族]]の城塞都市であるゴルゴビナへ出発した。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ゴルゴビナ ''[[w:en:Gorgobina|Gorgobina]]'' は、現在の候補地としては、<br> [[w:ニエーヴル県|ニエーヴル県]]のサン=パリズ=ル=シャテル<small>([[w:en:Saint-Parize-le-Châtel|Saint-Parize-le-Châtel]])</small><br> [[w:アンドル=エ=ロワール県|アンドル=エ=ロワール県]]のラ・ゲルシュ([[w:en:La Guerche|La Guerche]])<br> あるいは、[[w:シェール県|シェール県]]のサン=サテュル([[w:fr:Saint-Satur|Saint-Satur]])などが挙げられている。)</span>
*quos ibi [[wikt:en:helvetico|Helvetico]] [[wikt:en:proelium#Latin|proelio]] [[wikt:en:victus#Participle|victos]]
**──[[w:ヘルウェティイ族|ヘルウェーティイー族]]の戦闘で打ち負かされた彼らをそこに、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ボイイー族はヘルウェーティイー族とともにガッリアに移動して、カエサルに敗れていた。第1巻28節~29節を参照。)</span>
*Caesar [[wikt:en:conlocaverat#Latin|conlocaverat]] [[wikt:en:Aedui#Latin|Haeduis]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:adtribuerat#Latin|adtribuerat]],
**カエサルは宿営させ、ハエドゥイー族<small>(の庇護)</small>に委ねていたのだが、──
*[[wikt:en:oppugnare#Latin|oppugnare]] [[wikt:en:instituit#Latin|instituit]].
**<small>(ウェルキンゲトリークスはゴルゴビナの)</small>攻略を決意した。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===10節===
[[画像:Caesar's_campaign_to_Agedincum_in_52BC.png|thumb|right|250px|前節までのカエサルの[[w:ナルボンヌ|ナルボー]]からアゲディンクムへの進路(青線)および[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]の進路(赤線)。青字名は親ローマ部族、赤字名は反ローマ部族。カエサルは[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]の本拠ゲルゴウィアを突くと見せかけてウェルキンゲトリークスを引き寄せ、その間に[[w:ブルゴーニュ地域圏|ブルゴーニュ]]に冬営していた諸軍団と合流できた。これに対して、ウェルキンゲトリークスはボイイー族を攻めようとする。]]
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/10節]] {{進捗|00%|2026-01-16}}</span>
;カエサルがアゲディンクムを発って、ボイイー族支援に向かう
:
; カエサルが抱えることになった「大きな困難」とは?
*<!--❶--><sup>(1)</sup> Magnam haec res Caesari [[wikt:en:difficultas#Latin|difficultatem]] ad [[wikt:en:consilium#Latin|consilium]] [[wikt:en:capiendus#Latin|capiendum]] [[wikt:en:adferebat|adferebat]]<!--:-->,
**この事態は、カエサルが作戦を立てるためには、大きな困難を引き起こしていた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:haec res 「この事態」とは、<br> ウェルキンゲトリークスが<br> ハエドゥイー族の庇護下にあったボイイー族を攻めること。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:magnam ~ difficultatem 「大きな困難を」)</span>
*si reliquam partem [[wikt:en:hiems#Latin|hiemis]] uno loco [[wikt:en:legio#Latin|legiones]] [[wikt:en:contineret|contineret]],
**もし、冬の残りの期間に、諸[[w:ローマ軍団|軍団]]を1か所に留めておくならば、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:前節で述べられたように、<br> カエサルはリンゴネース族の軍団冬営地に着いたときに、<br> 諸軍団に1か所に集結するべく伝令を遣わしていた。)</span>
*ne, [[wikt:en:stipendiarius#Latin|stipendiariis]] [[wikt:en:Haedui#Latin|Haeduorum]] [[wikt:en:expugnatus#Latin|expugnatis]], [[wikt:en:cunctus#Latin|cuncta]] Gallia [[wikt:en:deficeret|deficeret]],
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の朝貢国が攻略されて、ガッリア全体が背くのではないか?
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:「ハエドゥイー族の朝貢国」とは、ボイイー族のこと。)</span>
*quod [[wikt:en:nullus#Determiner|nullum]] amicis in eo [[wikt:en:praesidium#Latin|praesidium]] <u>videret positum esse</u>;
**──というのは、彼<small>〔カエサル〕</small>においては、友邦に対するいかなる守備隊も置かれていないと<small>(ガッリアが)</small>見るからである──。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、<br> [[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#写本の系図|α系写本]]のうち、χ系・M・B・S写本などでは [[wikt:en:videret|videret]] [[wikt:en:positus#Latin|positum]] esse 、<br> α系写本のうち、写本M・L・Nなどでは [[wikt:en:videretur|videretur]] positum esse 、<br> β系写本では、positum videret となっている。)</span>
*si [[wikt:en:mature#Adverb|maturius]] ex [[wikt:en:hiberna#Noun|hibernis]] [[wikt:en:educeret|educeret]],
**もし、尚早に冬営地から<small>(諸軍団を)</small>進発させれば、
*ne ab re [[wikt:en:frumentarius#Latin|frumentaria]] [[wikt:en:durus#Latin|duris]] [[wikt:en:subvectio#Latin|subvectionibus]] [[wikt:en:laboraret|laboraret]].
**<small>(降雪時期の)</small>糧秣供給の厄介な輸送によって苦労するのではないか?
:
*<!--❷--><sup>(2)</sup> <u>Praestare</u> [[wikt:en:visus#Participle|visum]] est tamen omnes [[wikt:en:difficultas#Latin|difficultates]] [[wikt:en:perpeti#Verb|perpeti]],
**しかしながら、あらゆる困難に耐えることの方が<u>優っている</u>ように見える。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:praestare|praestare]] ~ [[wikt:en:quam#Adverb|quam]] …「…よりも~が優る」)</span>
*<u>quam</u> [[wikt:en:tantus#Latin|tanta]] [[wikt:en:contumelia#Latin|contumelia]] [[wikt:en:acceptus#Latin|accepta]] omnium suorum [[wikt:en:voluntas#Latin|voluntates]] [[wikt:en:alienare#Latin|alienare]].
**これほどの恥辱を受けて、配下の皆の意欲を遠ざけてしまう<u>よりは</u>。
:
*<!--❸--><sup>(3)</sup> Itaque [[wikt:en:cohortatus#Latin|cohortatus]] [[wikt:en:Haedui#Latin|Haeduos]] de [[wikt:en:supportandus#Latin|supportando]] [[wikt:en:commeatus#Noun|commeatu]],
**こうして、<small>(カエサルは)</small>ハエドゥイー族に軍需物資の輸送について、激励して、
*[[wikt:en:praemittit|praemittit]] ad [[wikt:en:Boii#Latin|Boios]], qui de suo [[wikt:en:adventus#Latin|adventu]] [[wikt:en:doceant|doceant]]
**[[w:ボイイ族|ボイイー族]]のもとへ、<small>(カエサル)</small>自らの到着について知らせるための者たちを先遣して、
*[[wikt:en:hortentur|hortentur]]<nowiki>que</nowiki> ut in [[wikt:en:fides#Latin|fide]] [[wikt:en:maneant|maneant]] atque hostium [[wikt:en:impetus#Latin|impetum]] magno animo [[wikt:en:sustineant|sustineant]].
**<small>(カエサルへの)</small>信義に留まって、敵たちの襲撃に大いなる決意をもって持ちこたえるように、と激励させた。
[[画像:Aqueduc2.jpg|thumb|right|250px|アゲディンクム、すなわちセノネース族(Senones)の名を残す現在の[[w:サンス|サーンス]](Sens)に建てられたローマ時代の[[w:水道橋|水道橋]]遺跡。]]
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--❹--><sup>(4)</sup> Duabus [[wikt:en:Agedincum#Latin|Agedinci]] legionibus atque [[wikt:en:impedimentum#Latin|impedimentis]] [[wikt:en:totus#Latin|totius]] [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitus]] [[wikt:en:relictus#Latin|relictis]],
**アゲディンクムに、2個軍団および軍隊全体の輜重を残すと、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:アゲディンクムは敵対するセノネース族の首邑だが、<br> [[ガリア戦記 第6巻#44節|第6巻44節]]で6個軍団を冬営させていた。<br> 現在の[[w:サンス|サーンス]]。)</span>
*ad [[wikt:en:Boii#Latin|Boios]] [[wikt:en:proficiscitur|proficiscitur]].
**[[w:ボイイ族|ボイイー族]]のもとへ出発した。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===11節===
[[画像:France_-_Loiret_-_Montargis_-_Passerelle_vers_l'écluse.JPG|thumb|right|250px|ウェッラウノドゥーヌムの候補地の一つであるモンタルジ(Montargis)の運河沿いの景観。セノネース族の城塞都市ウェッラウノドゥーヌム(Vellaunodunum)が現在のどの地点に当たるのか定説はない。アゲディンクム(現在の[[w:サンス|サーンス]])とケナブム(現在の[[w:オルレアン|オルレアン]])の中間地点であると考えられることから、モンタルジ([[w:en:Montargis|Montargis]])、ボーヌ=ラ=ロランド([[w:en:Beaune-la-Rolande|Beaune-la-Rolande]])やシャトー=ランドン([[w:en:Château-Landon|Château-Landon]])などが候補地に挙げられている。]]
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/11節]] {{進捗|00%|2026-02-02}}</span>
;セノネース族のウェッラウノドゥーヌムを降し、カルヌーテース族のケナブムを攻略
:
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:alter#Latin|Altero]] die
**<small>(カエサルは出発して)</small>翌日に、
*cum ad [[wikt:en:oppidum#Latin|oppidum]] [[wikt:en:Senones#Latin|Senonum]] [[wikt:en:Vellaunodunum#Latin|Vellaunodunum]] [[wikt:en:venisset|venisset]],
**セノネース族の城塞都市ウェッラウノドゥーヌムへやって来たときに、
*ne [[wikt:en:aliquem|quem]] post se hostem [[wikt:en:relinqueret|relinqueret]],
**自らの後方に何らかの敵を残しておかないように、
*[[wikt:en:quo#Latin|quo]] [[wikt:en:expeditior#Latin|expeditiore]] re [[wikt:en:frumentarius#Adjective|frumentaria]] [[wikt:en:uteretur|uteretur]],
**そのことにより、妨げなく糧秣供給を享受するように、
*[[wikt:en:oppugnare#Latin|oppugnare]] [[wikt:en:instituit#Latin|instituit]]
**<small>(同市の)</small>攻囲を決めて、
*<u>idque</u> [[wikt:en:biduum#Latin|biduo]] [[wikt:en:circumvallavit|circumvallavit]];
**それ<small>〔城塞都市〕</small>を2日間で<small>(塁壁で)</small>囲んだ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:id#Latin|id]]<nowiki>que</nowiki> だが、<br> β系写本では [[wikt:en:eo#Etymology_4|eo]]<nowiki>que</nowiki> となっている。)</span>
:
; セノネース族の城塞都市ウェッラウノドゥーヌムが降伏する
*<!--❷--><sup>(2)</sup> [[wikt:en:tertius#Latin|tertio]] die
**3日目に、
*[[wikt:en:missus#Participle|missis]] ex [[wikt:en:oppidum#Latin|oppido]] [[wikt:en:legatus#Noun|legatis]] de [[wikt:en:deditio#Latin|deditione]],
**城塞都市から降伏についての使節たちが遣わされて来て、
*[[wikt:en:arma#Latin|arma]] [[wikt:en:conferri|conferri]],
**武器が運び集められること、
*[[wikt:en:iumentum#Latin|iumenta]] [[wikt:en:produci#Latin|produci]],
**役畜が引き渡されること、
*[[wikt:en:sescenti#Latin|sescentos]] [[wikt:en:obses#Latin|obsides]] [[wikt:en:dari#Latin|dari]] [[wikt:en:iubet#Latin|iubet]].
**600名の人質が供出されることを<small>(カエサルが)</small>命じる。
:
; ウェッラウノドゥーヌムに副官トレボーニスと守備隊を残し、カエサル自身はケナブムへ向かう
*<!--❸--><sup>(3)</sup> Ea qui [[wikt:en:conficeret|conficeret]],
**それらのことを成就するための者として、
*[[wikt:en:Gaius#Latin|Gaium]] [[wikt:en:Trebonius#Latin|Trebonium]] [[wikt:en:legatus#Latin|legatum]] [[wikt:en:relinquit|relinquit]].
**<ruby><rb>[[w:レガトゥス|総督副官]]</rb><rp>(</rp><rt>レーガートゥス</rt><rp>)</rp></ruby> [[w:ガイウス・トレボニウス|ガーイウス・トレボーニウス]]を<small>(ウェッラウノドゥーヌムに)</small>残留させる。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[w:la:Gaius Trebonius|Gaius Trebonius]] は、カエサルの副官の一人。)</span>
*Ipse, ut quam primum iter <u>faceret</u><ref>faceret はα系写本の表記で、β系写本では conficeret となっている。</ref>,
**<small>(カエサル)</small>自身は、できるだけ素早く<small>(ゴルゴビナへの)</small>行軍を成就するように、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:quam#Adverb|quam]] [[wikt:en:primum#Latin|primum]] 〜「できるだけ素早く〜」)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:faceret|faceret]] だが、<br> β系写本では [[wikt:en:conficeret|conficeret]] となっている。)</span>
*[[wikt:en:Genabum#Latin|Cenabum]] [[wikt:en:Carnutes#Latin|Carnutum]] [[wikt:en:proficiscitur|proficiscitur]];
**カルヌーテース族のケナブムに出発する。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ケナブム Cenabum はケルト語風の読みで、現在の[[w:オルレアン|オルレアン]]。)</span>
:
*<!--❹--><sup>(4)</sup> qui tum primum [[wikt:en:adlatus#Latin|adlato]] [[wikt:en:nuntium#Latin|nuntio]] de [[wikt:en:oppugnatio#Latin|oppugnatione]] [[wikt:en:Vellaunodunum#Latin|Vellaunoduni]],
**そのとき彼ら<small>〔カルヌーテース族〕</small>は、当初はウェッラウノドゥーヌムの攻囲についての報告をもたらされて、
*cum [[wikt:en:longe#Latin|longius]] eam rem <u>ductum</u> [[wikt:en:iri#Latin|iri]] [[wikt:en:existimarent|existimarent]],
**その事・軍事作戦はより長く引き延ばされて行われると考えていたので、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:ductus#Noun_2|ductus]] は、軍事的な指揮・作戦などを表す。[[#62節]]も同様。)</span>
*[[wikt:en:praesidium#Latin|praesidium]] [[wikt:en:Genabum#Latin|Cenabi]] [[wikt:en:tuendus#Latin|tuendi]] causa, quod eo [[wikt:en:mitterent|mitterent]], [[wikt:en:comparabant|comparabant]].
**ケナブムを固守するために、守備隊をそこへ派遣することを準備していた。
:
; カエサルが、カルヌーテース族の城塞都市ケナブムの攻囲を翌日に延期する
*<!--❺--><sup>(5)</sup> [[wikt:en:huc#Latin|Huc]] [[wikt:en:biduum#Latin|biduo]] [[wikt:en:pervenit#Etymology_1|pervenit]].
**<small>(カエサルは)</small>ここ<small>〔ケナブム〕</small>へ2日間で到着する。
*[[wikt:en:castra#Latin|Castris]] ante oppidum [[wikt:en:positus#Participle|positis]],
**城塞都市の前に陣営を設置したが、
*[[wikt:en:dies#Latin|diei]] [[wikt:en:tempus#Latin|tempore]] [[wikt:en:exclusus#Latin|exclusus]]
**日の時刻<small>〔夕刻〕</small>によって妨げられたので、
*in posterum [[wikt:en:oppugnatio#Latin|oppugnationem]] [[wikt:en:differt|differt]],
**翌日に攻囲を延期する。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:in posterum = in [[wikt:en:posterus#Latin|posterum]] [[wikt:en:diem#Latin|diem]]「翌日に」)</span>
*[[wikt:en:quisque#Latin|quaeque]] ad eam rem [[wikt:en:usus#Latin|usui]] [[wikt:en:sint#Latin|sint]],
**その事<small>〔攻囲〕</small>に有益になることは何であれ、
*[[wikt:en:miles#Latin|militibus]] [[wikt:en:imperat|imperat]];
**兵士たちに命令する。
[[画像:Orleans.jpg|thumb|right|400px|ケナブム(Cenabum)すなわち現在の[[w:オルレアン|オルレアン]](Orléans)を流れるリゲル川(現在の[[w:ロワール川|ロワール川]])の景観。左が北岸のオルレアン聖十字架大聖堂、右がジョージ5世橋と思われる。]]
:
*<!--❻--><sup>(6)</sup> et, quod oppidum [[wikt:en:Genabum#Latin|Cenabum]] [[wikt:en:pons#Latin|pons]] [[wikt:en:flumen#Latin|fluminis]] [[wikt:en:Liger#Latin|Ligeris]] [[wikt:en:contingebat|contingebat]],
**城塞都市ケナブムには、リゲル川の橋が接していたので、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:リゲル川は、現在の[[w:ロワール川|ロワール川]]。)</span>
*[[wikt:en:veritus#Latin|veritus]] ne [[wikt:en:noctu#Adverb|noctu]] ex oppido [[wikt:en:profugerent|profugerent]],
**夜間に城塞都市から<small>(敵勢が)</small>逃亡するのではないかと恐れて、
*[[wikt:en:duo#Latin|duas]] legiones in [[wikt:en:arma#Latin|armis]] [[wikt:en:excubare|excubare]] [[wikt:en:iubet#Latin|iubet]].
**<small>(カエサルは)</small>2個[[w:ローマ軍団|軍団]]に武装して寝ずの番をすることを命じる。
:
; ケナブムの住民たちが退避し始める
*<!--❼--><sup>(7)</sup> [[wikt:en:Genabensis#Noun|Cenabenses]] paulo ante mediam noctem
**ケナブムの人々は、真夜中の少し前に
*[[wikt:en:silentium#Latin|silentio]] ex oppido [[wikt:en:egressus#Participle|egressi]]
**沈黙のうちに城塞都市から出て、
*flumen [[wikt:en:transire#Latin|transire]] [[wikt:en:coeperunt|coeperunt]].
**川を渡り始めた。
:
; カエサルの諸軍団がケナブムを制圧する
*<!--❽--><sup>(8)</sup> Qua re per [[wikt:en:explorator#Latin|exploratores]] [[wikt:en:nuntiatus#Latin|nuntiata]]
**その事が偵察者たちによって報告されると、
*Caesar legiones, quas [[wikt:en:expeditus#Latin|expeditas]] esse [[wikt:en:iusserat|iusserat]]
**カエサルは、戦備を整えることを命じていた諸軍団を、
*[[wikt:en:porta#Latin|portis]] [[wikt:en:incensus#Participle|incensis]]
**<small>(ケナブムの)</small>城門を焼き打ちさせた後で、
*[[wikt:en:intromittit|intromittit]] atque oppido [[wikt:en:potitur|potitur]],
**<small>(軍団を)</small>送り込み、城塞都市を占領させて、
*[[wikt:en:perpaucus#Latin|perpaucis]] ex hostium numero [[wikt:en:desideratus#Latin|desideratis]] [[wikt:en:quin#Latin|quin]] [[wikt:en:cunctus#Latin|cuncti]] [[wikt:en:caperentur#Etymology_1|caperentur]],
**敵のうちからわずかな数を取り逃がしたが、むしろ皆がことごとく捕らえられた。
*quod [[wikt:en:pons#Latin|pontis]] atque [[wikt:en:iter#Latin|itinerum]] [[wikt:en:angustia#Latin|angustiae]] <u>multitudinis</u> fugam [[wikt:en:intercluserant|intercluserant]].
**──というのは、橋や道の狭さが、大勢の逃亡をさえぎったからである。──
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:multitudinis|multitudinis]]<sub> (単数・属格)</sub> だが、<br> β系写本では [[wikt:en:multitudini|multitudini]]<sub> (単数・与格)</sub> となっている。)</span>
: <!-- [[wikt:en:| -->
; カエサル勢がケナブムを略奪・焼き討ち。リゲル川を渡ってビトゥリゲース族領へ達する
*<!--❾--><sup>(9)</sup> Oppidum [[wikt:en:diripit|diripit]] atque [[wikt:en:incendit|incendit]],
**<small>(カエサルは)</small>城塞都市を略奪し、焼き討ちして、
*[[wikt:en:praeda#Latin|praedam]] militibus [[wikt:en:donat#Latin|donat]],
**略奪品を兵士たちに与える。
*[[wikt:en:exercitus#Noun|exercitum]] <u>Ligerem</u> [[wikt:en:traducit|traducit]]
***軍隊にリゲル川を渡らせて、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:Ligerem|Ligerem]] だが、<br> β系写本では Ligerim となっている。)</span>
*atque in [[wikt:en:Bituriges#Latin|Biturigum]] fines [[wikt:en:pervenit#Etymology_1|pervenit]].
*ビトゥリゲース族の領土に到達する。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===12節===
[[画像:Sancerre.jpg|thumb|right|250px|ビトゥリゲース族の城塞都市があったと考えられる[[w:サンセール|サンセール]]([[w:en:Sancerre|Sancerre]])の街並み。カエサルがケナブム(現[[w:オルレアン|オルレアン]])からリゲル川(現[[w:ロワール川|ロワール川]])沿いに当初の目的地であったゴルゴビナへ向かい、後にアウァーリクム(現[[w:ブールジュ|ブールジュ]])へ右折したと見なせば、この地がノウィオドゥーヌムであったとも考えられる。街の名 Sancerre の意味が「カエサルに捧げられた」であるという説もある。現在は[[w:ロワールワイン|ロワールワイン]]の産地として有名で、辛口の白ワインなどの銘柄「Sancerre」にもなっている。]]
[[画像:Neung-sur-Beuvron_église_Saint-Denis_1.jpg|thumb|right|250px|城塞都市ノウィオドゥーヌム(Noviodunum)の所在地として現在有力視されている[[w:ロワール=エ=シェール県|ロワール=エ=シェール県]]のヌン=スュル=ブーヴロン([[w:en:Neung-sur-Beuvron|Neung-sur-Beuvron]])のサン=ドニ教会。カエサルは当初の目的地であったボイイー族のゴルゴビナへは真っ直ぐ向かわずに大きく迂回しており、ケナブム(現[[w:オルレアン|オルレアン]])の南方約45kmにあるこの地点(Beuvron川沿いのNeung)がノウィオドゥーヌムであると推定されている。上空からは、ガッリア時代の城塞都市跡の輪郭が見て取れるという。しかしながら、ボイイ族からは遠い位置にある。]]
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/12節]] {{進捗|00%|2026-02-02}}</span>
;ビトゥリゲース族のノウィオドゥーヌムを降すが、敵の騎兵が来援
:
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:Vercingetorix#Latin|Vercingetorix]], ubi de Caesaris [[wikt:en:adventus#Latin|adventu]] [[wikt:en:cognovit#Latin|cognovit]],
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は、カエサルの到来について知るや否や、
*[[wikt:en:oppugnatio#Latin|oppugnatione]] <u>destitit</u>
**<small>(ボイイー族の城塞都市ゴルゴビナの)</small>攻略を取り止めて、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、<br> α系写本では [[wikt:en:destitit|destitit]]<sub> (完了形)</sub> だが、<br> β系写本や印刷本では [[wikt:en:desistit#Latin|desistit]]<sub> (現在形)</sub> となっている。)</span>
*atque [[wikt:en:obviam#Adverb|obviam]] Caesari [[wikt:en:proficiscitur|proficiscitur]].
**カエサルの方に向かって進発する。
:
*<!--❷--><sup>(2)</sup> Ille oppidum [[wikt:en:Biturigēs|Biturigum]] [[wikt:en:positus#Latin|positum]] in via [[wikt:en:Noviodunum#Latin|Noviodunum]] [[wikt:en:oppugnare#Latin|oppugnare]] [[wikt:en:instituerat|instituerat]].
**彼<small>〔カエサル〕</small>は、途中に位置しているビトゥリゲース族の[[w:オッピドゥム|城塞都市]]ノウィオドゥーヌムの攻略を決めていた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:どこへの途中なのか明記されていないため、その解釈により場所についての解釈が変わるようである。)</span>
:
; カエサルの城塞都市ノウィオドゥーヌムへの降伏条件
*<!--❸--><sup>(3)</sup> [[wikt:en:qui#Determiner|Quo]] ex oppido
**その城塞都市から
*cum legati ad eum [[wikt:en:venissent|venissent]] [[wikt:en:oratum#Verb|oratum]] ut sibi [[wikt:en:ignosceret|ignosceret]] suaeque vitae [[wikt:en:consuleret|consuleret]],
**使節たちが彼<small>〔カエサル〕</small>のもとへ、自分たちを容赦して生命を助けるように嘆願するために、やって来たときに、
*ut celeritate reliquas res [[wikt:en:conficeret|conficeret]], [[wikt:en:qui#Determiner|qua]] [[wikt:en:pleraque#Latin|pleraque]] erat [[wikt:en:consecutus#Latin|consecutus]],
**<small>(カエサルは)</small>多くのことを実行してきた迅速さによって、ほかの事を成し遂げるために、
*arma [[wikt:en:conferri|conferri]],
**武具が運び集められること、
*[[wikt:en:quus#Latin|equos]] [[wikt:en:produci#Verb_2|produci]],
**馬匹が引き渡されること、
*obsides [[wikt:en:dari#Latin|dari]] [[wikt:en:iubet#Latin|iubet]].
**人質が供出されること、を命じる。
:
*<!--❹--><sup>(4)</sup> Parte iam obsidum [[wikt:en:traditus#Participle|tradita]],
**すでに人質の一部が移送されて、
*cum [[wikt:en:reliqua#Latin|reliqua]] [[wikt:en:administrarentur|administrarentur]],
**残り<small>(の人質たち)</small>が処置されていたときに、
*[[wikt:en:centurio#Latin|centurionibus]] et paucis [[wikt:en:miles#Latin|militibus]] [[wikt:en:intromissus#Latin|intromissis]], qui arma [[wikt:en:iumentum#Latin|iumenta]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:conquirerent|conquirerent]],
**<ruby><rb>[[w:ケントゥリオ|百人隊長]]</rb><rp>(</rp><rt>ケントゥリオ</rt><rp>)</rp></ruby>たちや若干の兵士たちが、武器や[[w:使役動物|役畜]]を探し集めるべく<small>(城塞都市の中に)</small>送り込まれていたのだが、
*[[wikt:en:equitatus#Noun|equitatus]] hostium procul [[wikt:en:visus#Latin|visus]] est, qui [[wikt:en:agmen#Latin|agmen]] [[wikt:en:Vercingetorix#Latin|Vercingetorigis]] [[wikt:en:antecesserat|antecesserat]].
**ウェルキンゲトリークスの隊列に先行していた敵の[[w:騎兵|騎兵隊]]が遠くに望見された。
:
; ウェルキンゲトリークスの来援に気づいた城塞の者たちが、籠城に転じる
*<!--❺--><sup>(5)</sup> Quem [[wikt:en:simulatque|simulatque]] [[wikt:en:oppidanus#Noun|oppidani]] [[wikt:en:conspexerunt|conspexerunt]] atque in [[wikt:en:spes#Latin|spem]] [[wikt:en:auxilium#Latin|auxilii]] [[wikt:en:venerunt|venerunt]],
**それ<small></small>を城塞都市の者たちが視認して、救援の希望を抱くや否や、
*[[wikt:en:clamor#Latin|clamore]] [[wikt:en:sublatus#Etymology_1|sublato]]
**雄叫びを上げて、
*arma capere,
**武具を取ること、
*portas [[wikt:en:claudere#Etymology_1|claudere]],
**城門を閉じること、
*[[wikt:en:murus#Latin|murum]] [[wikt:en:complere|complere]] [[wikt:en:coeperunt|coeperunt]].
**城壁を<small>(兵で)</small>満たすこと、を始めた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:sublato は [[wikt:en:tollo|tollo]] の分詞)</span>
: <!-- [[wikt:en:| -->
; 城塞民たちの心変わりに感づいたローマ人の将兵たちが城外に撤収する
*<!--❻--><sup>(6)</sup> [[wikt:en:centurio#Latin|Centuriones]] in oppido,
**城塞都市の中の<small>(カエサルの配下の)</small>百人隊長たちは、
*cum ex [[wikt:en:significatio#Latin|significatione]] Gallorum [[wikt:en:novus#Latin|novi]] [[wikt:en:aliquis#Latin|aliquid]] ab iis [[wikt:en:iniri#Latin|iniri]] consilii [[wikt:en:intellexissent|intellexissent]],
**ガッリア人たちの兆候から、彼らによる何らかの新たな謀りごとが始められていると察知していたので、
*[[wikt:en:gladius#Latin|gladiis]] [[wikt:en:destrictus#Latin|destrictis]]
**<ruby><rb>[[w:グラディウス (武器)|長剣]]</rb><rp>(</rp><rt>グラディウス</rt><rp>)</rp></ruby> を抜いて、
*portas [[wikt:en:occupaverunt|occupaverunt]]
**城門を占拠して、
*suosque omnes [[wikt:en:incolumis#Latin|incolumes]] [[wikt:en:receperunt|receperunt]].
**配下たち皆を無傷なままで退却させた。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===13節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/13節]] {{進捗|00%|2026-02-15}}</span>
[[画像:Caesar's_campaign_to_Noviodunum_in_52BC.png|thumb|right|250px|ノウィオドゥーヌムに至るカエサルの進路(青線)および[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]の進路(赤線)。青字名は親ローマ部族、赤字名は反ローマ部族。カエサルはアゲディンクムを発してからウェッラウノドゥーヌム、ケナブム、ノウィオドゥーヌムを続けて降し、ボイイー族のゴルゴビナ攻略を諦めたウェルキンゲトリークスもノウィオドゥーヌム来援に駆けつけて来た。ここに、初めて両軍が騎兵戦で激突することになった。]]
;同盟軍の騎兵を撃退、城塞都市を再び降して、アウァーリクム攻めに向かう
:
; カエサルが、騎兵戦の切り札としてゲルマーニア騎兵を繰り出す
*<!--❶--><sup>(1)</sup> Caesar ex castris [[wikt:en:equitatus#Latin|equitatum]] [[wikt:en:educi#Latin|educi]] [[wikt:en:iubet#Latin|iubet]],
**カエサルは、陣営から[[w:騎兵|騎兵隊]]を進発させることを命じて、
*<u>[[wikt:en:proelium#Latin|proelium]]</u> [[wikt:en:equester#Latin|equestre]] [[wikt:en:committit|committit]];
**<small>(ウェルキンゲトリークス勢と)</small>騎兵戦を交える。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、<br> α系写本では proelium だが、<br> β系写本では proelium<u>que</u> となっている。)</span>
*[[wikt:en:laborans#Latin|laborantibus]] iam suis
**配下の者たちがすでに苦戦していたときに、
*[[wikt:en:Germanus#Adjective|Germanos]] [[wikt:en:eques#Latin|equites]] circiter CCCC([[wikt:en:quadringentos|quadringentos]]) [[wikt:en:submittit|submittit]],
**<small>(カエサルは)</small>[[w:ゲルマニア|ゲルマーニア]]人の騎兵たち約400騎を救援に派遣する。
*quos ab [[wikt:en:initium#Latin|initio]] <u>habere [[wikt:en:secum#Latin|secum]]</u> [[wikt:en:instituerat|instituerat]].
**その者らは<small>(戦いの)</small>当初から自分のそばに保持すると決めていたものであった。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、<br> χ系・B・M・S写本では habere secum だが、<br> β系・L・N写本では secum habere となっている。)</span>
:
; ゲルマーニア騎兵が、ウェルキンゲトリークス配下の騎兵を一蹴する
*<!--❷--><sup>(2)</sup> Eorum [[wikt:en:impetus#Latin|impetum]] [[wikt:en:Galli#Latin|Galli]] [[wikt:en:sustineo#Latin|sustinere]] non [[wikt:en:potuerunt|potuerunt]]
**彼ら<small>〔ゲルマーニア人騎兵〕</small>の突撃に<small>(敵側の)</small>ガッリア人たちは持ちこたえることができず、
*atque in fugam [[wikt:en:coniectus#Participle|coniecti]]
**敗走に追いやられて、
*multis [[wikt:en:amissus#Latin|amissis]]
**大勢の者を失い、
*se ad [[wikt:en:agmen#Latin|agmen]] [[wikt:en:receperunt|receperunt]].
**<small>(後方にいたウェルキンゲトリークスの)</small>隊列に退却した。
:
; 城塞都市ノウィオドゥーヌムがカエサルの軍門に降る
*Quibus [[wikt:en:profligatus#Latin|profligatis]],
**彼ら<small>〔ウェルキンゲトリークスの騎兵隊〕</small>が制圧されると、
*rursus [[wikt:en:oppidanus#Noun|oppidani]] [[wikt:en:perterritus#Latin|perterriti]]
**[[w:オッピドゥム|城塞都市]]<small>〔ノウィオドゥーヌム〕</small>の者たちは再び怖れをなして、
*[[wikt:en:comprehensus#Latin|comprehensos]] eos, quorum [[wikt:en:opera#Latin|opera]] [[wikt:en:plebs#Latin|plebem]] [[wikt:en:concitatus#Latin|concitatam]] [[wikt:en:existimabant|existimabant]],
**その働きかけによって民衆を扇動したと<small>(城塞の民が)</small>考えていたところの者たちを拘束して、
*ad Caesarem [[wikt:en:perduxerunt|perduxerunt]]
**カエサルのもとへ連行して、
*seseque ei [[wikt:en:dediderunt|dediderunt]].
**自分たちも彼<small>〔カエサル〕</small>に降伏した。
: <!-- [[wikt:en:| -->
; カエサルが、ビトゥリゲース族の城塞都市アウァーリクムを目指す
*<!--❸--><sup>(3)</sup> Quibus rebus [[wikt:en:confectus#Latin|confectis]],
**それらの事が成し遂げられると、
*Caesar ad oppidum [[wikt:en:Avaricum#Latin|Avaricum]],
**カエサルは、[[w:オッピドゥム|城塞都市]]アウァーリクムへ、
*quod erat [[wikt:en:maximus#Latin|maximum]] [[wikt:en:munitissimus#Latin|munitissimum]]<nowiki>que</nowiki> in finibus [[wikt:en:Bituriges#Latin|Biturigum]] atque [[wikt:en:ager#Latin|agri]] [[wikt:en:fertilissimus#Latin|fertilissima]] [[wikt:en:regio#Latin|regione]],
**──それはビトゥリゲース族の領土で耕地の最も肥沃な地方にあり、最大かつ最も要塞化されていたが、──
*[[wikt:en:profectus#Etymology_3|profectus]] est,
**<small>(そこへ)</small>出発した。
*quod eo oppido [[wikt:en:receptus#Latin|recepto]]
**──というのは、その城塞都市を獲得することで、
*[[wikt:en:civitas#Latin|civitatem]] [[wikt:en:Bituriges#Latin|Biturigum]] se in [[wikt:en:potestas#Latin|potestatem]] [[wikt:en:redacturus#Latin|redacturum]] [[wikt:en:confidebat|confidebat]].
**ビトゥリゲースの部族国家を<small>(カエサルの)</small>隷下に引き戻すであろうと、確信していたからである──。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
==アウァーリクム攻略戦==
===14節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/14節]] {{進捗|00%|2026-03-08}}</span>
;ウェルキンゲトリークスが兵站妨害と焦土戦術を決断
:
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:Vercingetorix#Latin|Vercingetorix]] tot [[wikt:en:continuus#Latin|continuis]] [[wikt:en:incommodum#Latin|incommodis]] [[wikt:en:Vellaunodunum#Latin|Vellaunoduni]], [[wikt:en:Genabum#Latin|Cenabi]], [[wikt:en:Noviodunum#Latin|Novioduni]] [[wikt:en:acceptus#Latin|acceptis]]
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は、ウェッラウノドゥーヌム、ケナブム、ノウィオドゥーヌムと、このような多くの引き続く敗北をこうむると、
*suos ad [[wikt:en:concilium#Latin|concilium]] [[wikt:en:convocat#Latin|convocat]].
**麾下の者たちを会合へ召集する。
: <!-- [[wikt:en:| -->
; ウェルキンゲトリークスが、ローマ勢の糧道を断つことを提言
*<!--❷--><sup>(2)</sup> [[wikt:en:docet|Docet]] longe alia ratione esse bellum [[wikt:en:gerendus#Latin|gerendum]] atque antea [[wikt:en:gestus#Participle|gestum]] sit.
**以前に遂行されていたのとはまったく別の作戦で戦争が遂行されるべきである、と説く。
*Omnibus [[wikt:en:modus#Latin|modis]] huic rei studendum, ut [[wikt:en:pabulatio#Latin|pabulatione]] et [[wikt:en:commeatus#Noun|commeatu]] Romani [[wikt:en:prohibeantur|prohibeantur]].
**ローマ人たちが[[w:糧秣|糧秣]]徴発と物資輸送を妨げられるべく、この事をあらゆる方法で追求するべきだ。
:
*<!--❸--><sup>(3)</sup> Id esse facile,
**そのことは、容易である。
*quod [[wikt:en:equitatus#Latin|equitatu]] ipsi [[wikt:en:abundent#Latin|abundent]]
**というのは<small>(我々ガッリア勢)</small>自身は[[w:騎兵|騎兵隊]]がたくさんおり、
*et quod anni tempore [[wikt:en:subleventur|subleventur]].
**<small>(冬という)</small>時季に支えられているのだから。
:
; ローマ人が穀物倉に群がるところを騎兵で襲撃するべし
*<!--❹--><sup>(4)</sup> [[wikt:en:pabulum#Latin|Pabulum]] [[wikt:en:secari|secari]] non posse;
**<small>(この時季には)</small><ruby><rb>[[w:秣|秣]]</rb><rp>(</rp><rt>まぐさ</rt><rp>)</rp></ruby> は刈り取られることができない。
*[[wikt:en:necessario#Adverb|necessario]] [[wikt:en:dispersus#Latin|dispersos]] hostes ex [[wikt:en:aedificium#Latin|aedificiis]] [[wikt:en:petere|petere]];
**敵たち<small>〔ローマ勢〕</small>はやむなく分散して、家屋から<small>(糧秣を)</small>求める。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ほとんどの会話が間接話法を採る本書で、<br> ローマ勢が「敵」hostes と表現されることは極めてまれである。)</span>
*hos omnes [[wikt:en:cotidie#Latin|cotidie]] ab [[wikt:en:eques#Latin|equitibus]] <u>deleri</u> posse.
**これら皆を日々に<small>(ガッリア側の)</small>騎兵隊によって壊滅させることができる。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、β系写本では [[wikt:en:deleri|deleri]]「滅ぼされる」だが、<br> α系写本では [[wikt:en:diligi#Latin|diligi]]「分断される」となっている。)</span>
:
; 焦土戦術をもって、ローマ人と軍馬を飢えさせるべし
*<!--❺--><sup>(5)</sup> Praeterea [[wikt:en:salus#Latin|salutis]] causa rei [[wikt:en:familiaris#Adjective|familiaris]] [[wikt:en:commodum#Latin|commoda]] [[wikt:en:neglegendus#Latin|neglegenda]];
**さらに<small>(同盟諸部族に共通の)</small>安全のために、私有資産の利益はなおざりにされるべきだ。
*[[wikt:en:vicus#Latin|vicos]] atque [[wikt:en:aedificium#Latin|aedificia]] [[wikt:en:incendi#Verb_2|incendi]] [[wikt:en:oportet#Latin|oportere]]
**<small>(以下のような領域の)</small>村々や建物は焼かれるべきだ。
*hoc spatio ab Boia quoque versus, quo [[wikt:en:pabulandi#Verb|pabulandi]] causa [[wikt:en:adire#Latin|adire]] posse [[wikt:en:videantur|videantur]].
**[[w:ボイイ族|ボイイー族]]のところから四方八方へ糧秣徴発するために赴くことができると思われる領域では。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:主要写本ω にある ab Boia「ボイイー族のところから」は、<br> 現代では「街道から」ab via と修正読みされることが多い。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:quoque#Latin|quōque]] [[wikt:en:versus#Adverb|versus]] = [[wikt:en:quisque#Latin|quōquō]] versus「あらゆる方向へ」)</span>
[[画像:Eglise_saint_parize_le_chatel.jpg|thumb|right|250px|ボイイ族(Boii)の領内であったと思われる現在のサン=パリーズ=ル=シャテルの教会。ボイイー族の首邑ゴルゴビナは、[[w:ニエーヴル県|ニエーヴル県]]のサン=パリーズ=ル=シャテル([[w:en:Saint-Parize-le-Châtel|Saint-Parize-le-Châtel]])あるいは[[w:シェール県|シェール県]]のラ・ゲルシュ=スュル=ローボワ([[w:en:La Guerche-sur-l'Aubois|La Guerche-sur-l'Aubois]])の近辺にあったと推定されている。]]
:
*<!--❻--><sup>(6)</sup> Harum ipsis rerum copiam [[wikt:en:suppeto#Latin|suppetere]],
**<small>(ガッリア勢)</small>自身には、これらの物は、豊富に貯えてある。
*quod quorum in finibus bellum [[wikt:en:geratur|geratur]], eorum [[wikt:en:ops#Noun_4|opibus]] [[wikt:en:subleventur|subleventur]];
**──というのは、戦争が遂行される領土内の者たちの、彼らの助力に支えられているからだ。──
:
*<!--❼--><sup>(7)</sup> Romanos <u>aut</u> [[wikt:en:inopia#Latin|inopiam]] non [[wikt:en:laturus#Latin|laturos]] <span style="color:#009900;">(esse)</span>
**ローマ人たちは、あるいは<small>(糧食の)</small>欠乏に耐えられないであろうし、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:aut#Latin|aut]] ~ aut …「あるいは~あるいは…」)</span>
*<u>aut</u> magno <u>cum</u> periculo longius <u>ab</u> castris [[wikt:en:processurus#Latin|processuros]] <span style="color:#009900;">(esse)</span>;
**あるいは大きな危険とともに陣営からより遠くに進み出るであろう。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:cum は、ρ系写本・写本Tの記述で、<br> α系写本・写本Vにはない。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ab は、α系・ρ系写本・写本Vの記述で、写本Tでは a となっている。)</span>
:
*<!--❽--><sup>(8)</sup> neque [[wikt:en:interesse#Latin|interesse]], ipsos<u>ne</u> [[wikt:en:interficiant|interficiant]], [[wikt:en:impedimentum#Latin|impedimentis]]<u><nowiki>ne</nowiki></u> [[wikt:en:exuant|exuant]],
**<small>(ローマ人の)</small>当人たちを殺戮するか、輜重を奪い取るか、<small>(どちらであろうが)</small>違いはない。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:-ne#Latin|-ne]] は疑問小辞。~ -ne, … -ne 「~か、…か」)</span>
*quibus [[wikt:en:amissus#Latin|amissis]] bellum [[wikt:en:geri#Latin|geri]] non [[wikt:en:possit|possit]].
**それら<small>〔輜重〕</small>を失えば、戦争を遂行することができないのだから。
:
*<!--❾--><sup>(9)</sup> Praeterea oppida [[wikt:en:incendi#Verb_2|incendi]] [[wikt:en:oportet#Latin|oportere]],
**さらに、<small>(以下のような)</small>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]は焼かれなければならない。
*quae non [[wikt:en:munitio#Latin|munitione]] et loci natura <u>ab omni</u> sint <u>periculo</u> [[wikt:en:tutus#Latin|tuta]],
**防塁や地勢によってあらゆる危険から守られていない<small>(城塞都市は)</small>。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ab [[wikt:en:omni#Latin|omni]] [[wikt:en:periculum#Latin|periculo]] 「あらゆる危険から」)</span>
*<u>neu</u> suis sint ad <u>detrectandam</u> [[wikt:en:militia#Latin|militiam]] [[wikt:en:receptaculum#Latin|receptacula]]
**麾下の者たちにとっては<small>(城塞都市が)</small>[[w:兵役逃れ|兵役を忌避すること]]のための隠れ場所になることがないように、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:neu#Latin|neu]] は α系写本の記述で、β系写本では [[wikt:en:ne#Latin|ne]] となっている。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:detrectandam|detrectandam]] は α系・ρ系写本の表記で、π系写本では [[wikt:en:detractandam|detractandam]] となっている。)</span>
*neu [[wikt:en:Romani#Latin|Romanis]] [[wikt:en:propositus#Latin|proposita]] ad [[wikt:en:copia#Latin|copiam]] [[wikt:en:commeatus#Noun|commeatus]] [[wikt:en:praeda#Latin|praedam]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:tollendus#Latin|tollendam]],
**ローマ人たちにとって<small>(城塞都市が)</small>豊富な物資や戦利品を奪うための置き場所ともならないように。
:
*<!--❿--><sup>(10)</sup> Haec si [[wikt:en:gravis#Latin|gravia]] aut [[wikt:en:acerbus#Latin|acerba]] [[wikt:en:videantur|videantur]],
**もし、これら<small>(の作戦)</small>が厳しい、または苦しいと見えるとしても、
*multo illa [[wikt:en:graviter#Latin|gravius]] <u>aestimare</u>, [[wikt:en:liber#Noun_6|liberos]], [[wikt:en:coniunx#Latin|coniuges]] in [[wikt:en:servitus#Latin|servitutem]] [[wikt:en:abstrahi|abstrahi]], ipsos [[wikt:en:interfici|interfici]];
**それより、子供や配偶者たちが奴隷状態で連れ去られ、自身が殺されることの方が、はるかに厳しいと判断されるべきだ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:aestimare|aestimare]] だが、 <br> β系写本では [[wikt:en:aestimari|aestimari]] [[wikt:en:debere|debere]] となっている。)</span>
*quae sit [[wikt:en:necesse#Latin|necesse]] [[wikt:en:accido#Etymology_1|accidere]] [[wikt:en:victus#Participle|victis]].
**それらのことは、打ち負かされた者たちには、起こることが必然なのである。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===15節===
[[画像:Bourges_-_002_-_Low_Res.jpg|thumb|right|300px|'''アウァーリクム'''(Avaricum)すなわちビトゥリゲース族(Bituriges)の名を残すともいわれる現在の[[w:ブールジュ|ブールジュ]](Bourges)の[[w:サン=テチエンヌ大聖堂 (ブールジュ)|サン=テティエンヌ大聖堂]]([[w:世界遺産|世界遺産]])。この街はガッリア時代からこの地方の中心的な城塞都市であり、現代ではそれほど大都会ではないが、世界遺産の大聖堂や音楽祭などで広く知られている。]]
[[画像:Bourges.JPG|thumb|right|300px|アウァーリクムすなわち[[w:ブールジュ|ブールジュ]]の大聖堂から眺めた街並み。'''ビトゥリゲース族'''はかつてはイタリア北部に移住したこともある強大な部族で、この当時はブルディガラ(Burdigala:現在の[[w:ボルドー|ボルドー]])周辺にいたビトゥリゲース・ウィウィスキ族(Bituriges Vivisci)およびアウァーリクム周辺にいた'''ビトゥリゲース・クビ族'''(Bituriges Cubi)の二派に分かれていた。『ガリア戦記』に登場するのはビトゥリゲース・クビ族の方である。]]
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/15節]] {{進捗|00%|2026-03-08}}</span>
;焦土戦術開始、しかしアウァーリクムの防衛を決定
:
; 焦土戦術として、ビトゥリゲース族の街々が焼かれる
*<!--❶--><sup>(1)</sup> Omnium [[wikt:en:consensus#Latin|consensu]]
**<small>(会合の参加者)</small>全員の合意により
*hac [[wikt:en:sententia#Latin|sententia]] [[wikt:en:probatus#Latin|probata]],
**<small>(ウェルキンゲトリークスの)</small>この意向が承認されると、
*uno die [[wikt:en:amplius|amplius]] [[wikt:en:viginti|viginti]]<sub> (XX)</sub> [[wikt:en:urbs#Latin|urbes]] [[wikt:en:Bituriges#Latin|Biturigum]] [[wikt:en:incenduntur|incenduntur]].
**一日で、20より多いビトゥリゲース族の街々が焼かれる。
:
; ほかの諸部族の街々も焼かれる
*<!--❷--><sup>(2)</sup> Hoc idem fit in reliquis [[wikt:en:civitas#Latin|civitatibus]]:
**これと同じことが、ほかの諸部族でも行なわれて、
*in omnibus partibus
**あらゆる方面において、
*[[wikt:en:incendium#Latin|incendia]] [[wikt:en:conspiciuntur|conspiciuntur]];
**炎上が望見される。
*quae <u>etsi</u> magno cum [[wikt:en:dolor#Latin|dolore]] omnes [[wikt:en:ferebant|ferebant]],
**それらの皆が大きな悲嘆とともに耐えていたとしても、
*<u>tamen</u> hoc sibi [[wikt:en:solacium#Latin|solacii]] [[wikt:en:proponebant|proponebant]],
**しかし、自分らにとっての<small>(以下の)</small>慰めを抱いていた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:etsi#Latin|etsi]] ~ [[wikt:en:tamen#Latin|tamen]] …<br> 「~としても、にもかかわらず…」)</span>
*quod se prope [[wikt:en:exploratus#Latin|explorata]] [[wikt:en:victoria#Latin|victoria]]
**勝利はほぼ確実なものとされて、
*celeriter [[wikt:en:amissus#Latin|amissa]] [[wikt:en:reciperaturus#Latin|reciperaturos]] <span style="color:#009900;">(esse)</span>
**失ったものを速やかに回復するであろう、
*[[wikt:en:confidebant|confidebant]].
**と確信していたことである。
:
; アウァーリクムは、焦土戦術か、それとも防衛すべきか?
*<!--❸--><sup>(3)</sup> [[wikt:en:deliberatur|Deliberatur]] de [[wikt:en:Avaricum#Latin|Avarico]] in [[wikt:en:communis#Latin|communi]] [[wikt:en:concilium#Latin|concilio]], [[wikt:en:incendi#Latin|incendi]] <u>placeret</u> an [[wikt:en:defendi#Latin|defendi]].
**合同の会合において、アウァーリクムについて (も) 焼き討ちが良いか、あるいは防衛か、が吟味される。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:placeret|placeret]]<sub> (接続法・未完了過去)</sub> だが、<br> β系写本では [[wikt:en:placeat|placeat]]<sub> (接続法・現在)</sub> となっている。)</span>
:
; ビトゥリゲース族が、要害であるアウァーリクムの防衛を懇願する
*<!--❹--><sup>(4)</sup> [[wikt:en:procumbunt|Procumbunt]] omnibus Gallis ad pedes [[wikt:en:Bituriges#Latin|Bituriges]],
**<small>(会合に参加していた)</small>すべてのガッリア人の足元へ、ビトゥリゲース族の者たちはひれ伏す。
*ne [[wikt:en:pulcherrimus#Latin|pulcherrimam]] prope <u>[[wikt:en:totus#Latin|totius]] Galliae</u> [[wikt:en:urbs#Latin|urbem]], quae <u>et</u> [[wikt:en:praesidium#Latin|praesidio]] et [[wikt:en:ornamentum#Latin|ornamento]] sit [[wikt:en:civitas#Latin|civitati]],
**ほぼ全ガッリアの街々で最も美しいもの、部族にとっては要害でも誉れでもあるものを、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:totius Galliae は α系写本の語順で、β系写本では Galliae totius となっている。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:et は β系写本にはあるが、α系写本にはない。)</span>
*suis manibus [[wikt:en:succendo#Latin|succendere]] [[wikt:en:cogerentur|cogerentur]];
**自分たちの手で燃やすことを強いられないように、と(懇願した)。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ne ~ cogerentur;~を強いられないように)</span>
:
; アウァーリクムの地の利
*<!--❺--><sup>(5)</sup> facile se loci natura [[wikt:en:defensurus#Latin|defensuros]] [[wikt:en:dicunt|dicunt]],
**自分たちは<small>(アウァーリクムを)</small>地勢によって容易に防衛するだろう、と述べる。
*quod prope ex omnibus partibus [[wikt:en:flumen#Latin|flumine]] et [[wikt:en:palus#Latin|palude]] [[wikt:en:circumdatus#Latin|circumdata]]
**というのは<small>(アウァーリクムは)</small>ほぼあらゆる方向から川や沼地で囲まれており、
*unum habeat et [[wikt:en:perangustus#Latin|perangustum]] [[wikt:en:aditus#Latin|aditum]].
**一つだけ、非常に狭い進入路を持っているからだ。
[[画像:Bourges_2.JPG|thumb|right|300px|アウァーリクムすなわち[[w:ブールジュ|ブールジュ]]の大聖堂から眺めた沼地。イェーヴル川([[w:fr:Yèvre (Cher)|fr:Yèvre]])と沼地は、カエサルが書いたようにガッリア時代からこの街を囲んでいる。]]
:
; アウァーリクムの防衛が認められる
*<!--❻--><sup>(6)</sup> [[wikt:en:datur#Latin|Datur]] [[wikt:en:petens#Latin|petentibus]] [[wikt:en:venia#Latin|venia]]
**<small>(アウァーリクムの防衛を)</small>求める者たちに許可が与えられる。
*[[wikt:en:dissuadens#Latin|dissuadente]] primo [[wikt:en:Vercingetorix#Latin|Vercingetorige]],
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は当初は思い止まらせていたが、
*post [[wikt:en:concedens#Latin|concedente]] et [[wikt:en:prex#Latin|precibus]] ipsorum et [[wikt:en:misericordia#Latin|misericordia]] [[wikt:en:vulgus#Latin|vulgi]].
**後には、彼ら当人の懇願にも、民衆への哀れみにも、譲歩した。
*[[wikt:en:defensor#Latin|Defensores]] [[wikt:en:oppidum#Latin|oppido]] [[wikt:en:idoneus#Latin|idonei]] [[wikt:en:deliguntur|deliguntur]].
**城塞都市の適切な防衛者たちが選ばれる。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===16節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/16節]] {{進捗|00%|2026-03-22}}</span>
;アウァーリクムをめぐる両軍の駆け引き
:
; ウェルキンゲトリークスが、アウァーリクムから16マイル離れたところに宿営する
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:Vercingetorix#Latin|Vercingetorix]] [[wikt:en:minor#Latin|minoribus]] Caesarem [[wikt:en:iter#Latin|itineribus]] [[wikt:en:subsequitur|subsequitur]]
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は、カエサルを緩やかな行軍で追尾して、
*et locum [[wikt:en:castra#Latin|castris]] [[wikt:en:eligit#Latin|deligit]] [[wikt:en:palus#Latin|paludibus]] [[wikt:en:silva#Latin|silvis]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:munitus#Latin|munitum]]
**沼地や森林で防御された地点を陣営のために選んだ。
*ab [[wikt:en:Avaricum#Latin|Avarico]] longe milia passuum [[wikt:en:sedecim#Latin|sedecim]]<sub> (XVI)</sub>.
**アウァーリクムから16<u>ローママイル</u>隔たっていた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:1[[ガイウス・ユリウス・カエサルの著作/通貨・計量単位#ミーッレ・パッスーム、ミーリア(ローママイル)|ローママイル]]は約1.48 kmで、16マイルは約24 km)</span>
:
; ウェルキンゲトリークスが、斥候を放ってアウァーリクムを探り、部下たちに指図する
*<!--❷--><sup>(2)</sup> Ibi per [[wikt:en:certus#Latin|certos]] [[wikt:en:explorator#Latin|exploratores]]
**そこで、一定の斥候たちを通して、
*in [[wikt:en:singulus#Latin|singula]] diei tempora, quae ad [[wikt:en:Avaricum#Latin|Avaricum]] <u>agerentur</u>, [[wikt:en:cognoscebat|cognoscebat]]
**日中の毎時、アウァーリクム近傍で行なわれていることを探知して、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:agerentur|agerentur]] だが、<br> β系写本では [[wikt:en:gererentur|gererentur]] となっている。)</span>
*et, [[wikt:en:quis#Latin|quid]] [[wikt:en:fieri#Latin|fieri]] [[wikt:en:vellet#Latin|vellet]], [[wikt:en:imperabat|imperabat]].
**<small>(彼自身が)</small>なされることを欲していることを<small>(麾下の者たちに)</small>命令していた。
:
; ウェルキンゲトリークスとローマ勢の糧秣調達をめぐる攻防
*<!--❸--><sup>(3)</sup> Omnes nostras [[wikt:en:pabulatio#Latin|pabulationes]] [[wikt:en:frumentatio#Latin|frumentationes]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:observabat|observabat]]
**我が方<small>〔ローマ勢〕</small>の[[w:糧秣|秣や糧食]]の徴発の一部始終を注視していて、
*[[wikt:en:dispersus#Latin|dispersos]]<nowiki>que</nowiki>, cum longius necessario [[wikt:en:procederent|procederent]], [[wikt:en:adoriebatur|adoriebatur]]
**<small>(ローマ勢が)</small>分散して、やむを得ずにはるか遠くに進み出たときに、<small>(ガッリア勢が)</small>襲いかかって、
*[[wikt:en:magnus#Latin|magno]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:incommodum#Latin|incommodo]] [[wikt:en:adficiebat|adficiebat]],
**<small>(ローマ勢に)</small>大きな損害を与えていた。
*[[wikt:en:etsi#Latin|etsi]], quantum [[wikt:en:ratio#Latin|ratione]] [[wikt:en:provideri|provideri]] [[wikt:en:poterat|poterat]], ab nostris [[wikt:en:occurrebatur|occurrebatur]],
**とはいえ、できるかぎり用心する判断により<small>(敵の襲撃を)</small>我が方<small>〔ローマ勢〕</small>によって阻止していた。
*ut [[wikt:en:incertus#Latin|incertis]] temporibus [[wikt:en:diversus#Latin|diversis]]<nowiki>que</nowiki> itineribus [[wikt:en:iretur|iretur]].
**不確定な時間帯にまったく別々の道を行き来するというように。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===17節===
[[画像:Carte_du_Cher.svg|thumb|right|250px|アウァーリクム、すなわち現在の[[w:ブールジュ|ブールジュ市]](Bourges)のあるフランス・[[w:シェール県|シェール県]]の地図。中心にブールジュがあり、右下(南東)のラ・ゲルシュ=スュル=ローボワ([[w:en:La Guerche-sur-l'Aubois|La Guerche-sur-l'Aubois]])の近辺にボイイー族の首邑ゴルゴビナ(Gorgobina)があったと推定されている。右(東)隣の[[w:ニエーヴル県|ニエーヴル県]](Nièvre)が[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の版図であった。]]
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/17節]] {{進捗|00%|2026-03-28}}</span>
;アウァーリクム攻囲に取りかかるローマ軍の糧秣欠乏
:
; カエサルが、アウァーリクム攻囲のための堡塁工事に着手
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:castra#Latin|Castris]] ad eam partem [[wikt:en:oppidum#Latin|oppidi]] [[wikt:en:positus#Participle|positis]] Caesar,
**カエサルは、[[w:オッピドゥム|城塞都市]]の<small>(以下に述べるような)</small>方面に陣営を設置して、
*quae [[wikt:en:intermissus#Latin|intermissa]] a flumine et a <u>paludibus</u>
**──<small>(その方面は)</small>川や沼地により<small>(外部から)</small>遮断されて、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:paludibus|paludibus]] だが、<br> β系写本では [[wikt:en:palude#Latin|palude]] となっている。)</span>
*[[wikt:en:aditus#Noun_3|aditum]], ut supra [[wikt:en:diximus#Latin|diximus]], [[wikt:en:angustus#Latin|angustum]] [[wikt:en:habebat|habebat]],
**<u>前に述べたように</u>、狭い進入路を持っているというものであるが、──
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[#15節|15節]]⑤項では、<br> ほぼあらゆる方向から川や沼地で囲まれており、<br> 一つだけ、非常に狭い進入路を持っている、<br> と言及された。)</span>
*[[wikt:en:agger#Latin|aggerem]] [[wikt:en:apparare#Latin|apparare]],
**<small>(さらに)</small><ruby><rb>[[w:土塁|土塁]]</rb><rp>(</rp><rt>アッゲル</rt><rp>)</rp></ruby> を装備すること、
*[[wikt:en:vinea#Latin|vineas]] [[wikt:en:ago#Latin|agere]],
**<ruby><rb>[[w:ウィネア|工作小屋]]</rb><rp>(</rp><rt>ウィネア</rt><rp>)</rp></ruby> を駆動すること、
*[[wikt:en:turris#Latin|turres]] duas [[wikt:en:constituo#Latin|constituere]] [[wikt:en:coepit|coepit]];
**2つの<ruby><rb>[[w:攻城塔|攻城櫓]]</rb><rp>(</rp><rt>トゥッリス</rt><rp>)</rp></ruby> を建てること、を始めた。
*nam [[wikt:en:circumvallo#Latin|circumvallare]] loci natura [[wikt:en:prohibebat|prohibebat]].
**なぜなら<small>(城塞都市を)</small>堡塁で囲むことを地勢が妨げていたからだ。
<div style="text-align:center;">
{|
|-
|[[画像:Caesar's Gallic war; (Allen and Greenough's ed.) (1898) (14781415375).jpg|thumb|right|350px|城壁(図中の左端)を攻略するために築かれた<ruby><rb>土塁</rb><rp>(</rp><rt>アッゲル</rt><rp>)</rp></ruby> の復元画([[ガリア戦記_第2巻#12節|第2巻12節]]で既出)。左上には、両軍の<ruby><rb>[[w:攻城塔|攻城櫓]]</rb><rp>(</rp><rt>トゥッリス</rt><rp>)</rp></ruby>が描かれている。]]
|[[画像:Bender - Vinea.JPG|thumb|right|350px|<ruby><rb>工作小屋</rb><rp>(</rp><rt>ウィネア</rt><rp>)</rp></ruby> [[wikt:en:vinea|vinea]] の復元画([[ガリア戦記_第2巻#12節|第2巻12節]]で既出)。敵の矢玉などから身を守りながら城壁に近づくために用いられたと考えられている。]]
|}
</div>
:
; カエサルが、同盟者であるボイイー族やハエドゥイー族に、糧秣徴発を促す
*<!--❷--><sup>(2)</sup> De re [[wikt:en:frumentarius#Adjective|frumentaria]]
**<small>(カエサルは)</small>[[w:糧秣|糧秣]]調達について、
*[[wikt:en:Boii#Latin|Boios]] atque [[wikt:en:Haedui#Latin|Haeduos]] [[wikt:en:adhortari|adhortari]] non [[wikt:en:destitit|destitit]];
**[[w:ボイイ族|ボイイー族]]や[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]を鼓舞することを止めなかった。
*quorum [[wikt:en:alter#Latin|alteri]], quod [[wikt:en:nullus#Determiner|nullo]] [[wikt:en:studium#Latin|studio]] [[wikt:en:agebant|agebant]], non multum [[wikt:en:adiuvabant|adiuvabant]],
**彼らのうち一方<small>〔ハエドゥイー族〕</small>は、何らの努力を行なわなかったので、あまり助けにならなかった。
*[[wikt:en:alter#Latin|alteri]] non magnis [[wikt:en:facultas#Latin|facultatibus]], quod [[wikt:en:civitas#Latin|civitas]] erat [[wikt:en:exiguus#Latin|exigua]] et [[wikt:en:infirmus#Latin|infirma]],
**他方<small>〔ボイイー族〕</small>は、貧弱かつ無力な部族であったので、大した貯えもなく、
*celeriter quod [[wikt:en:habuerunt|habuerunt]] [[wikt:en:consumpserunt|consumpserunt]].
**早々と持っていたものを消費し切ってしまった。
:
; 糧秣の欠乏が続くが、ローマの将兵たちが耐え抜く
*<!--❸--><sup>(3)</sup> [[wikt:en:summus#Latin|Summa]] [[wikt:en:difficultas#Latin|difficultate]] rei [[wikt:en:frumentarius#Adjective|frumentariae]] [[wikt:en:adfectus#Latin|adfecto]] [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitu]]
**<small>(ローマ人の)</small>軍隊は糧秣調達の大いなる困難さに苦悩させられながらも、
*[[wikt:en:tenuitas#Latin|tenuitate]] [[wikt:en:Boii#Latin|Boiorum]],
**──<small>(その困難は)</small>ボイイー族の微力さ、
*[[wikt:en:indiligentia#Latin|indiligentia]] [[wikt:en:Haedui#Latin|Haeduorum]],
**ハエドゥイー族の怠慢、
*[[wikt:en:incendium#Latin|incendiis]] [[wikt:en:aedificium#Latin|aedificiorum]],
**<small>(敵勢による)</small>家屋の焼き打ちによるものであったが、──
*usque eo ut [[wikt:en:complures#Determiner|complures]] dies [[wikt:en:frumentum#Latin|frumento]] [[wikt:en:miles#Latin|milites]] [[wikt:en:caruerint|caruerint]]
**かなりの日々にわたって兵士たちは糧食を欠くまでになり、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:usque#Latin|usque]] eo ut ~「~まで」)</span>
*et [[wikt:en:pecus#Latin|pecore]] ex [[wikt:en:longinquior#Latin|longinquioribus]] [[wikt:en:vicus#Latin|vicis]] [[wikt:en:adactus#Latin|adacto]]
**かなり遠方の村々から家畜を駆り立てたので
*[[wikt:en:extremus#Latin|extremam]] [[wikt:en:fames#Latin|famem]] [[wikt:en:sustentarent|sustentarent]],
**極限の飢えに耐え通すまでになったのであるが、
*[[wikt:en:nullus#Determiner|nulla]] tamen <u>vox est ab iis</u> [[wikt:en:auditus#Latin|audita]] populi Romani [[wikt:en:maiestas#Latin|maiestate]] et [[wikt:en:superior#Latin|superioribus]] [[wikt:en:victoria#Latin|victoriis]] [[wikt:en:indignus#Latin|indigna]].
**しかしながら、ローマ人民の威厳やかつての勝利にふさわしからぬ声は、彼らから何ら聞かれなかった。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:vox#Latin|vox]] est <u>ab</u> iis だが、<br> β系写本では <u>ex</u> iis vox est となっている。)</span>
:
; ローマ人将兵たちがカエサルに攻囲の継続を訴える
*<!--❹--><sup>(4)</sup> [[wikt:en:quin#Latin|Quin]] etiam Caesar cum in [[wikt:en:opus#Latin|opere]] [[wikt:en:singulus#Latin|singulas]] [[wikt:en:legio#Latin|legiones]] [[wikt:en:appellaret|appellaret]],
**いやそればかりか、カエサルが作業中のそれぞれの[[w:ローマ軍団|軍団]]に呼びかけたとき、
*et, si [[wikt:en:acerbe#Latin|acerbius]] [[wikt:en:inopia#Latin|inopiam]] [[wikt:en:ferrent#Latin|ferrent]], se [[wikt:en:dimissurus#Latin|dimissurum]] <span style="color:#009900;"><sub>(esse)</sub></span> [[wikt:en:oppugnatio#Latin|oppugnationem]] [[wikt:en:diceret|diceret]],
**もし、とても過酷に欠乏に耐えているのならば、自分は攻囲を放棄するであろう、とカエサルが言っていたときに、
:
*<!--❺--><sup>(5)</sup> [[wikt:en:universi#Latin|universi]] ab eo, ne id [[wikt:en:faceret|faceret]], [[wikt:en:petebant|petebant]] :
**<small>(各軍団の)</small>一同は、彼<small>〔カエサル〕</small>に、それ<small>〔攻囲の放棄〕</small>をしないように求めていた。
*sic se complures annos illo [[wikt:en:imperans#Latin|imperante]] [[wikt:en:meruisse|meruisse]],
**自分たちは<small>(以下のように)</small>幾年にもわたって彼<small>〔カエサル〕</small>の麾下で努めてきた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:sic ~ ut …「…のように~である」)</span>
*ut [[wikt:en:nullus#Determiner|nullam]] [[wikt:en:ignominia#Latin|ignominiam]] [[wikt:en:acciperent|acciperent]], <u>nusquam incepta</u> re [[wikt:en:discederent|discederent]]:
**何ら不名誉を蒙ってないし、事<small>〔戦役〕</small>が完遂されないまま<small>(戦列を)</small>離脱することは決してなかったのだ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:nusquam#Latin|nusquam]] [[wikt:en:inceptus#Latin|incepta]] だが、<br> β系写本では [[wikt:en:numquam#Latin|numquam]] [[wikt:en:infectus#Adjective|infecta]] となっている。)</span>
:
*<!--❻--><sup>(6)</sup> hoc se [[wikt:en:ignominia#Latin|ignominiae]] <u>loco [[wikt:en:laturus#Latin|laturos]]</u> <span style="color:#009900;"><sub>(esse)</sub></span>, si [[wikt:en:inceptus#Latin|inceptam]] [[wikt:en:oppugnatio#Latin|oppugnationem]] [[wikt:en:reliquissent|reliquissent]];
**もし<small>(自分たちが)</small>着手した攻囲を放棄してしまったならば、自分たちはこの状態を不名誉と見なすであろう。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、β系写本では loco laturos の語順だが、<br> α系写本では laturos loco の語順となっている。)</span>
:
*<!--❼--><sup>(7)</sup> <u>praestare</u> omnes [[wikt:en:perferre|perferre]] [[wikt:en:acerbitas#Latin|acerbitates]],
**あらゆる厳しさに持ちこたえることは<small>(以下のこと)</small>よりましである。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[wikt:en:praestare|praestare]] ~ [[wikt:en:quam#Adverb|quam]] …「…よりも~がより優る」)</span>
*<u>quam</u> non [[wikt:en:civis#Latin|civibus]] Romanis, qui [[wikt:en:Genabum#Latin|Cenabi]] [[wikt:en:perfidia#Latin|perfidia]] Gallorum [[wikt:en:interissent|interissent]], [[wikt:en:parentarent|parentarent]].
**ケナブムでガッリア人たちの不義により滅びたローマ市民たちの仇討ちをしないよりも。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[#3節|3節]]①項を参照。仇討ちをしないのなら、苦しむ方がましである、の意)</span>
:
*<!--❽--><sup>(8)</sup> Haec [[wikt:en:idem#Latin|eadem]] [[wikt:en:centurio#Latin|centurionibus]] [[wikt:en:tribunus#Latin|tribunis]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:miles#Latin|militum]]
**これらと同じことを、<ruby><rb>[[w:ケントゥリオ|百人隊長]]</rb><rp>(</rp><rt>ケントゥリオ</rt><rp>)</rp></ruby>たちや<ruby><rb>[[w:トリブヌス・ミリトゥム|兵士長官]]</rb><rp>(</rp><rt>トリブヌス・ミリトゥム</rt><rp>)</rp></ruby>たちに、
*[[wikt:en:mandabant|mandabant]], ut per eos ad Caesarem [[wikt:en:deferrentur|deferrentur]].
**彼らを通じてカエサルに申し立てるように、依頼していた。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===18節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/18節]] {{進捗|00%|2026-04-13}}</span>
;カエサルがウェルキンゲトリークス不在の敵陣へ迫る
:
; カエサルは、ウェルキンゲトリークスが糧秣の欠乏によりローマ勢の糧秣徴発隊を襲撃に向かったと知る
*<!--❶--><sup>(1)</sup> Cum iam [[wikt:en:murus#Latin|muro]] [[wikt:en:turris#Latin|turres]] [[wikt:en:adpropinquassent#Latin|adpropinquassent]],
**すでに<small>(アウァーリクムの)</small>城壁に<small>(ローマ勢の)</small>[[w:攻城塔|攻城櫓]]が近づいていた際に、
*ex [[wikt:en:captivus#Noun|captivis]] Caesar [[wikt:en:cognovit#Latin|cognovit]],
**カエサルは、捕虜たちから<small>(以下のことを)</small>知った。
*[[wikt:en:Vercingetorix#Latin|Vercingetorigem]], [[wikt:en:consumptus#Latin|consumpto]] [[wikt:en:pabulum#Latin|pabulo]],
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は[[w:糧秣|糧秣]]を消費し切ると、
*castra [[wikt:en:movisse#Latin|movisse]] propius [[wikt:en:Avaricum#Latin|Avaricum]],
**陣営をアウァーリクムのより近くに移動させて、
*atque ipsum cum [[wikt:en:equitatus#Latin|equitatu]] [[wikt:en:expeditus#Noun|expeditis]]<nowiki>que</nowiki>, qui inter [[wikt:en:eques#Latin|equites]] [[wikt:en:proeliari#Verb|proeliari]] [[wikt:en:consuessent#Latin|consuessent]],
**彼自身は、[[w:騎兵|騎兵]]隊、および騎兵たちの間で争闘することに習熟していた[[w:軽装歩兵|軽装歩兵]]たちとともに、
*<u>insidiarum</u> causa eo [[wikt:en:profectus#Etymology_3|profectum]], quo nostros postero die [[wikt:en:pabulatum#Verb|pabulatum]] [[wikt:en:venturus#Latin|venturos]] [[wikt:en:arbitraretur#Latin|arbitraretur]].
**我が方<small>〔ローマ勢〕</small>が翌日に糧秣徴発にやって来るであろうと思われるところで待ち伏せするために、出発した、と。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:insidiarum|insidiarum]] だが、<br> β系写本では [[wikt:en:insidiandi#Latin|insidiandi]] となっている。)</span>
[[画像:AVARICUM Battaglia 52 aC.png|thumb|right|300px|アウァーリクム攻略戦の布陣図(<small>イタリア語</small>)。中央がアウァーリクム(AVARICUM)、右下の赤枠内がカエサルと8個軍団の陣営、赤い矢印の先端がローマ軍の土塁。左上の楕円形がウェルキンゲトリークスが移動させた陣営。]]
[[画像:Funerary chariot in the archeological museum of Strasbourg.jpg|thumb|right|300px|[[w:ハルシュタット文化|ハルシュタット文化]]の墳墓の副葬品として発掘された '''四輪荷馬車''' のレプリカ(仏ストラスブール考古学博物館)。]]
:
*<!--❷--><sup>(2)</sup> Quibus rebus [[wikt:en:cognitus#Participle|cognitis]]
**<small>(カエサルは)</small>それらの事情を知るや、
*media nocte [[wikt:en:silentium#Latin|silentio]] [[wikt:en:profectus#Etymology_3|profectus]]
**真夜中の静けさのうちに出発して、
*ad hostium castra [[wikt:en:mane#Adverb_2|mane]] [[wikt:en:pervenit#Etymology_2|pervenit]].
**敵の陣営の辺りへ朝方に到着した。
:
*<!--❸--><sup>(3)</sup> Illi, celeriter per [[wikt:en:explorator#Latin|exploratores]] [[wikt:en:adventus#Latin|adventu]] Caesaris [[wikt:en:cognitus#Participle|cognito]]
**あの者たちは、速やかに斥候たちを通じてカエサルの到来を知るや、
*<u>carros</u> [[wikt:en:impedimentum#Latin|impedimenta]]<nowiki>que</nowiki> sua in [[wikt:en:artior#Latin|artiores]] [[wikt:en:silva#Latin|silvas]] [[wikt:en:abdiderunt#Latin|abdiderunt]],
**自分たちの<u>四輪荷馬車</u>と[[w:輜重|輜重]]をとても深い森の中に隠して、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:四輪荷馬車 [[wikt:en:carrus#Latin|carrus]] は、例えば右の画像のものを参照。)</span>
*copias omnes in loco [[wikt:en:editus#Latin|edito]] atque [[wikt:en:apertus#Latin|aperto]] [[wikt:en:instruxerunt#Latin|instruxerunt]].
**全軍勢を高くそびえて開けている場所に配置した。
:
*<!--❹--><sup>(4)</sup> Qua re [[wikt:en:nuntiatus#Latin|nuntiata]]
**その事を報告されて、
*Caesar celeriter [[wikt:en:sarcina#Latin|sarcinas]] [[wikt:en:conferri#Latin|conferri]],
**カエサルは速やかに<small>(兵士たちの)</small>[[w:背嚢|背嚢]]が運び集められること、
*[[wikt:en:arma#Latin|arma]] [[wikt:en:expediri#Latin|expediri]] [[wikt:en:iussit#Verb|iussit]].
**武具が<small>(すぐ使えるように)</small>整えられることを命じた。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===19節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/19節]] {{進捗|00%|2026-04-20}}</span>
;丘の上のガッリア勢と沼沢を挟んで対峙する
:
; ガッリア勢の陣営の地勢
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:collis#Latin|Collis]] erat <u>leniter</u> ab [[wikt:en:infimus#Latin|infimo]] [[wikt:en:adclivis#Latin|adclivis]].
**<small>(ガッリア勢がいる)</small>丘陵はふもとから緩やかに、登り坂になっていた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、β系・χ系・B・M・S・N<sup>c</sup> 写本では [[wikt:en:leviter#Latin|leviter]] 、<br> L・N写本では [[wikt:en:breviter#Latin|breviter]] だが、<br> より劣った写本 ''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#クリティカル・アパラトゥスとその略号|codd.deter.]]'' では [[wikt:en:leniter#Latin|leniter]] となっている。
*Hunc ex omnibus fere partibus [[wikt:en:palus#Latin|palus]] [[wikt:en:difficilis#Latin|difficilis]] atque [[wikt:en:impeditus#Latin|impedita]] [[wikt:en:cingebat#Latin|cingebat]]
**これ<small>〔丘陵〕</small>を、ほぼすべての方角から、不便で通りにくい沼地が取り巻いていて、
*non [[wikt:en:latior#Latin|latior]] [[wikt:en:pes#Latin|pedibus]] [[wikt:en:quinquaginta#Latin|quinquaginta]].
**<small>(その沼地は)</small>50<u>[[w:ペース (長さ)|ペース]]</u>より幅広くなかった。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:1[[ガイウス・ユリウス・カエサルの著作/通貨・計量単位#ペース|ペース]]は約29.6cmで、50ペースは約15メートル弱。)</span>
:
; 丘の周囲を部族ごとに分かれて守備している
*<!--❷--><sup>(2)</sup> Hoc se [[wikt:en:collis#Latin|colle]] [[wikt:en:interruptus#Latin|interruptis]] [[wikt:en:pons#Latin|pontibus]]
**この丘陵において、橋梁を破却すると、
*Galli [[wikt:en:fiducia#Latin|fiducia]] loci [[wikt:en:continebant#Latin|continebant]]
**ガッリア人たちは、地勢を頼りに留まっていて、
*[[wikt:en:generatim#Latin|generatim]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:distributus#Latin|distributi]] in civitates
**<small>(軍勢を)</small>諸部族の種族ごとに分けて配置させて、
*omnia [[wikt:en:vadum#Latin|vada]] ac [[wikt:en:saltus#Etymology_2|saltus]] eius [[wikt:en:palus#Latin|paludis]] <u>certis custodiis</u> [[wikt:en:obtinebant#Latin|obtinebant]],
**その沼地の、すべての浅瀬や隘路を <u>一定の護衛兵たちによって</u> 占領していた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部の [[wikt:en:certus#Latin|certis]] [[wikt:en:custodia#Latin|custodiis]] は β系写本の記述で、α系写本にはない。)</span>
*<u>sic</u> animo [[wikt:en:paratus#Latin|parati]] <u>ut</u>, si eam [[wikt:en:palus#Latin|paludem]] Romani [[wikt:en:perrumpo#Latin|perrumpere]] [[wikt:en:conarentur#Latin|conarentur]], [[wikt:en:haesitans#Latin|haesitantes]] [[wikt:en:premerent#Latin|premerent]] ex loco [[wikt:en:superior#Latin|superiore]];
**もしローマ勢がその沼地を強行突破せんと試みたならば、ぐずぐずしている者らを高地から圧倒する心積もりであった。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:sic#Latin|sīc]] ~, [[wikt:en:ut#Latin|ut]] ・・・「…であるように~である」)</span>
:
; 両軍は互角か?
*<!--❸--><sup>(3)</sup> ut, qui [[wikt:en:propinquitas#Latin|propinquitatem]] loci [[wikt:en:videret#Latin|videret]],
**<small>(両軍の)</small>陣地が近接していることを見た者は、
*[[wikt:en:paratus#Latin|paratos]] prope [[wikt:en:aequus#Latin|aequo]] <u>Marte</u> ad [[wikt:en:dimicandum#Latin|dimicandum]] [[wikt:en:existimaret#Latin|existimaret]],
**<small>(ガッリア勢がローマ勢に対して)</small>ほぼ互角の戦い<small>(の条件)</small>で闘うつもりでいると考えただろう。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、[[wikt:en:Mars#Proper_noun_22|Mars]]「戦争の神マールス」ではなく、<br> [[wikt:en:Mars#Noun_4|Mars]]「戦争、闘い」そのものを指す。)</span>
; ガッリア勢は不利なのに虚勢を張っているのか?
*qui [[wikt:en:iniquitas#Latin|iniquitatem]] [[wikt:en:condicio#Latin|condicionis]] [[wikt:en:perspiceret#Latin|perspiceret]],
**<small>(ガッリア勢の)</small>条件の不利なことを見通した者は、
*[[wikt:en:inanis#Latin|inani]] [[wikt:en:simulatio#Latin|simulatione]] sese [[wikt:en:ostentare#Latin|ostentare]] [[wikt:en:cognosceret#Latin|cognosceret]].
**<small>(ガッリア勢が)</small>虚栄の見せかけで己を誇示していることを、理解しただろう。
:
; カエサルが、至近距離の敵への攻撃にいきり立つ将兵らを教え諭す
*<!--❹--><sup>(4)</sup> [[wikt:en:indignans#Latin|Indignantes]] [[wikt:en:miles#Latin|milites]] Gaesar,
**カエサルは<small>(ガッリア勢の誇示に)</small>憤慨している兵士たちに、
*quod [[wikt:en:conspectus#Noun_2|conspectum]] suum hostes <u>perferre</u> [[wikt:en:possent#Latin|possent]] [[wikt:en:tantulus#Latin|tantulo]] [[wikt:en:spatium#Latin|spatio]] [[wikt:en:interiectus#Latin|interiecto]],
**──というのも、これほどのわずかな距離しか介在してないのに、敵勢が自分らを<small>(平然と)</small>見据えていられるためだが──
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:perferre#Latin|perferre]] だが、β系写本では [[wikt:en:ferre#Latin|ferre]] となっている。)</span>
*et signum proelii [[wikt:en:exposcens#Latin|exposcentes]] [[wikt:en:edocet#Latin|edocet]],
**および戦闘の合図を熱心に求めている者たちに対して<small>(以下のように)</small>説く。
*[[wikt:en:quantus#Latin|quanto]] [[wikt:en:detrimentum#Latin|detrimento]] et [[wikt:en:quot#Latin|quot]] [[wikt:en:vir#Latin|virorum]] [[wikt:en:fortis#Latin|fortium]] [[wikt:en:mors#Latin|morte]] [[wikt:en:necesse#Adverb|necesse]] sit [[wikt:en:constare#Latin|constare]] [[wikt:en:victoria#Latin|victoriam]];
**勝利を確実にすることが、どれほどの損害と、どれほど多くの勇敢な<ruby><rb>兵士</rb><rp>(</rp><rt>ウィル</rt><rp>)</rp></ruby>たちの死を必要とするか、を。
: <!-- [[wikt:en:| -->
; 多くのローマ兵が死に瀕すれば、カエサル自身が戦争犯罪で弾劾されるだろう
*<!--❺--><sup>(5)</sup> quos cum <u>sic</u> [[wikt:en:animus#Latin|animo]] [[wikt:en:paratus#Latin|paratos]] [[wikt:en:videat#Latin|videat]], <u>ut</u> [[wikt:en:nullus#Determiner|nullum]] pro sua [[wikt:en:laus#Latin|laude]] [[wikt:en:periculum#Latin|periculum]] [[wikt:en:recusent#Latin|recusent]],
**彼ら<small>〔兵士たち〕</small>が己の賞賛のためにいかなる危険をも辞さない心積もりであると<small>(カエサルは)</small>見て取ったので、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:sic#Latin|sīc]] ~, [[wikt:en:ut#Latin|ut]] ・・・「…であるように~である」)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:pro sua laude 「自らの賞賛のために」は、「カエサルの賞賛のために」と解することもできる。<br> しかし、共和制国家に忠誠を誓っているはずの兵士らが、カエサル個人のために命を投げ出そうとする記述は、<br> 野心家カエサルが軍隊を私兵化しようとしている野望をさらけ出すことになり、政敵たちを利することになる。)</span>
*[[wikt:en:summus#Latin|summae]] se [[wikt:en:iniquitas#Latin|iniquitatis]] [[wikt:en:condemnari#Latin|condemnari]] [[wikt:en:debere#Latin|debere]], [[wikt:en:nisi#Conjunction|nisi]] eorum [[wikt:en:vita#Latin|vitam]] sua [[wikt:en:salus#Latin|salute]] [[wikt:en:habeat#Latin|habeat]] [[wikt:en:carior#Latin|cariorem]].
**<small></small>彼ら<small>〔兵士〕</small>の生命を己<small>〔カエサル〕</small>の安全より貴重と思わない限り、自分<small>〔カエサル〕</small>は極度の不正のために告発されるに違いない。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:すでにサビーヌスら多くのローマ市民が戦死しており、ここでさらに多くのローマ市民を死なせることは、<br> カエサルから軍隊を取り上げることを主張していた政敵たちから厳しく糾弾されることになったであろう。)</span>
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--❻--><sup>(6)</sup> Sic [[wikt:en:miles#Latin|milites]] [[wikt:en:consolatus#Latin|consolatus]]
**<small>(カエサルは)</small>このように兵士たちを<ruby><rb>宥</rb><rp>(</rp><rt>なだ</rt><rp>)</rp></ruby>めて、
*eodem die [[wikt:en:reducit#Latin|reducit]] in castra
**同日に陣営の中に連れ戻して、
*[[wikt:en:reliquus#Latin|reliqua]]<nowiki>que</nowiki> quae ad [[wikt:en:oppugnatio#Latin|oppugnationem]] <u>[[wikt:en:pertinebant#Latin|pertinebant]] [[wikt:en:oppidum#Latin|oppidi]]</u> [[wikt:en:administrare#Latin|administrare]] [[wikt:en:instituit#Latin|instituit]].
**城塞都市<small>〔アウァーリクム〕</small>の攻略に関わっているほかのことに従事することを決めた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、χ系・B・M・S写本では pertinebant oppidi の語順だが、<br> L・N・β系写本では oppidi pertinebant の語順となっている。)</span>
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===20節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/20節]] {{進捗|00%|2026-05-04}}</span>
;ウェルキンゲトリークスが味方に弁明し、捕虜に問い質す
:
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:Vercingetorix#Latin|Vercingetorix]], cum ad suos [[wikt:en:redisset#Latin|redisset]], [[wikt:en:proditio#Latin|proditionis]] [[wikt:en:insimulatus#Latin|insimulatus]],
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は、味方のもとに戻った際に、<small>(以下のことで)</small>裏切りだと非難されていた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:以下、[[wikt:en:quod#Conjunction|quod]] ~ で箇条書き。)</span>
*quod [[wikt:en:castra#Latin|castra]] [[wikt:en:propius#Latin|propius]] [[wikt:en:Romani#Latin|Romanos]] [[wikt:en:movisset#Latin|movisset]],
**陣営をローマ人たちのより近くに移動させていたこと、
*quod cum omni [[wikt:en:equitatus#Noun|equitatu]] [[wikt:en:discessisset#Latin|discessisset]],
**全[[w:騎兵|騎兵隊]]とともに<small>(陣営を)</small>離れていたこと、
*quod sine [[wikt:en:imperium#Latin|imperio]] [[wikt:en:tantus#Latin|tantas]] [[wikt:en:copiae#Latin|copias]] [[wikt:en:reliquisset#Latin|reliquisset]],
**司令権<small>(を持つ者)</small>なしに、これほど多くの軍勢を置き去りにしていたこと、
*quod eius [[wikt:en:discessus#Noun|discessu]] [[wikt:en:Romani#Latin|Romani]] [[wikt:en:tantus#Latin|tanta]] [[wikt:en:opportunitas#Latin|opportunitate]] et [[wikt:en:celeritas#Latin|celeritate]] [[wikt:en:venissent#Latin|venissent]];
**彼<small>〔ウェルキンゲトリークス〕</small>の退去によりローマ人がこれほどの好機とこれほどの迅速さでやって来ていたこと、である。
:
*<!--❷--><sup>(2)</sup> non haec omnia [[wikt:en:fortuito#Latin|fortuito]] aut sine [[wikt:en:consilium#Latin|consilio]] [[wikt:en:accido#Etymology_1|accidere]] [[wikt:en:potuisse#Latin|potuisse]];
**──これらすべてが偶然に、あるいは謀りごとなしに起こることはあり得なかったのだ。
*[[wikt:en:regnum#Latin|regnum]] illum Galliae <u>malle</u> Caesaris [[wikt:en:concessus#Noun|concessu]] <u>quam</u> ipsorum habere [[wikt:en:beneficium#Latin|beneficio]]
**彼<small>〔ウェルキンゲトリークス〕</small>は<small>(ガッリア人)</small>自身の厚遇を得ることよりもむしろカエサルの許しにより[[w:ガリア|ガッリア]]の王権<small>(を持つこと)</small>を好んでいるのだ。──
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:malle#Latin|malle]] ~ quam …「…よりも、むしろ~を好む(選ぶ)」)</span>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ウェルキンゲトリークスが王権を望むあまり、同盟部族の生命をカエサルに売り渡したということである。)</span>
[[画像:Vercingetorix_stater_n2_CdM_alternate.jpg|thumb|right|250px|[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]の横顔が刻まれたガッリアの金貨(パリの[[w:ビブリオテーク・ナショナル|仏国立図書館]]貨幣部蔵)]]
:
; ━━ウェルキンゲトリークスの弁明が始まる━━
*<!--❸--><sup>(3)</sup> [[wikt:en:talis#Latin|tali]] [[wikt:en:modus#Latin|modo]] [[wikt:en:accusatus#Latin|accusatus]]
**こんな風に非難されて、
*ad haec [[wikt:en:respondit#Latin|respondit]]:
**<small>(ウェルキンゲトリークスは)</small>これらのことへ答えた。
*Quod [[wikt:en:castra#Latin|castra]] [[wikt:en:movisset#Latin|movisset]],
**陣営を移動させていたことは、
*[[wikt:en:factus#Latin|factum]] [[wikt:en:inopia#Latin|inopia]] [[wikt:en:pabulum#Latin|pabuli]],
**[[w:糧秣|糧秣]]の欠乏によりなされたのであり、
*etiam ipsis [[wikt:en:hortans#Latin|hortantibus]];
**<small>(ガッリア人たち)</small>自身が熱心に勧めることさえしているのだ。
*quod [[wikt:en:propius#Latin|propius]] [[wikt:en:Romani#Latin|Romanos]] [[wikt:en:accessisset#Latin|accessisset]],
**ローマ人たちのより近くに近寄っていたことは、
*[[wikt:en:persuasus#Latin|persuasum]] loci [[wikt:en:opportunitas#Latin|opportunitate]], qui se <u>ipsum</u> [[wikt:en:munitio#Latin|munitione]] [[wikt:en:defenderet#Latin|defenderet]];
**<small>(移動先の丘陵が)</small>それ自体を<small>(沼地という天然の)</small>要害により守っているという地の利に納得させられたのだ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:上記の se <u>ipsum</u> munitione defenderet 「そのものを防御物によって守る」は主要写本 ω の記述で、<br>''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Bentley,_Thomas|Th. Bentley]]'' は se <u>ipse sine</u> munitione defenderet 「そのものが防御物なしで守る」と修正提案している。)</span>
:
; 騎兵は、湿地帯での任務に適していない
*<!--❹--><sup>(4)</sup> [[wikt:en:eques#Latin|equitum]] vero [[wikt:en:opera#Latin|operam]]
**騎兵たちの働きはまさに、
*neque in loco [[wikt:en:paluster#Latin|palustri]] [[wikt:en:desiderari#Latin|desiderari]] [[wikt:en:debuisse#Latin|debuisse]]
**沼沢地において望まれるべきものではなかったし、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:湿地・沼地では、ぬかるみに馬の足が取られるため、<br> 騎兵の長所である機動力が著しく低下し、<br> 速さを活かした偵察・突撃・迂回・追撃などがし難くなる。)</span>
*et [[wikt:en:illic#Adverb|illic]] fuisse [[wikt:en:utilis#Latin|utilem]], quo sint [[wikt:en:profectus#Participle_2|profecti]].
**<small>(騎兵たちが)</small>発って行ったところにおいては有効だったのだ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[#16節|16節]]冒頭の説明によれば、<br> ウェルキンゲトリークスが最初に宿営した場所は、<br> アウァーリクムから16マイル離れ、沼地や森林に守られていた。<br> [[#19節|19節]]では、より近い、沼地に囲まれたゆるやかな丘陵に移動したという。<br> この移動前後の地勢の優劣を、カエサルは必ずしも明瞭に説明していない。)</span>
:
; 兵は拙速を尊ぶ
*<!--❺--><sup>(5)</sup> [[wikt:en:summa#Latin|Summam]] [[wikt:en:imperium#Latin|imperii]]
**<small>(軍勢の)</small>最高司令権は、
*se [[wikt:en:consulto#Adverb|consulto]] [[wikt:en:nullus#Latin|nulli]] [[wikt:en:discedens#Latin|discedentem]] [[wikt:en:tradidisse#Latin|tradidisse]],
**<small>(ウェルキンゲトリークス)</small>自らが意図的に、立ち去るに当たって、誰にも委託しなかった。
*[[wikt:en:ne#Latin|ne]] is [[wikt:en:multitudo#Latin|multitudinis]] [[wikt:en:studium#Latin|studio]] ad [[wikt:en:dimicandus#Latin|dimicandum]] [[wikt:en:impelleretur#Latin|impelleretur]];
**その者が大勢の熱意によって<small>(ローマ人と)</small>闘うことに駆り立てられないように、である。
*cui rei <u>propter animi [[wikt:en:mollities#Latin|mollitiem]]</u> [[wikt:en:studere#Latin|studere]] omnes [[wikt:en:videret#Latin|videret]],
**その事<small>〔闘って決着を付けること〕</small>を、<u>心の柔弱さのゆえに</u>、皆が求めたがっている。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:「心の柔弱さのゆえに、闘いがしたくなる」というのは、<br> 一見すると奇妙に感じられるが、ここでの柔弱さ([[wikt:en:mollities#Latin|mollities]])とは、<br> 長期の攻囲戦の労苦や疲弊に持ちこたえる忍耐力のなさを指し、<br> 長い苦難から逃避するために早期決戦を志向する心理を意味すると考えられる。)</span>
*quod [[wikt:en:diutius#Latin|diutius]] [[wikt:en:labor#Latin|laborem]] ferre non [[wikt:en:possent#Latin|possent]].
**──というのは、<small>(兵は)</small>より長く<small>(攻囲戦の)</small>労苦に耐えることができないからだ──。
**:<span style="color:#009900;"> (訳注:[[w:孫子 (書物)|孫子]]に曰く「兵は拙速を聞くも、未だ巧の久しきを<ruby><rb>睹</rb><rp>(</rp><rt>み</rt><rp>)</rp></ruby>ざるなり」<ref>[[wikt:en:故に兵は拙速を聞くも、未だ巧の久しきを睹ざるなり|故に兵は拙速を聞くも、未だ巧の久しきを睹ざるなり]]
「戦争というものは、拙劣に短期決戦を挑んだ事例は聞くが、巧妙に長期戦を続けた事例は聞かない」の意。長い戦争は人々を消耗させ、疲弊させてしまう。</ref>)</span>
:
; ローマ人は、闘わずに退却したではないか
*<!--❻--><sup>(6)</sup> Romani si [[wikt:en:casu#Latin|casu]] [[wikt:en:intervenerint#Latin|intervenerint]], [[wikt:en:fortuna#Latin|fortunae]],
**もしローマ人たちが偶然に現われたのならば、命運に<small>(感謝するべきであり)</small>、
*si [[wikt:en:alicuius#Latin|alicuius]] [[wikt:en:indicium#Latin|indicio]] [[wikt:en:vocatus#Latin|vocati]], huic [[wikt:en:habendus#Latin|habendam]] [[wikt:en:gratia#Latin|gratiam]],
**もし<small>(ローマ人たちが)</small>何者かの申し立てに呼ばれて来たのならば、その者に感謝するべきだ。
*quod <u>et</u> [[wikt:en:paucitas#Latin|paucitatem]] eorum ex loco [[wikt:en:superior#Latin|superiore]] [[wikt:en:cognosco#Latin|cognoscere]]
**──というのは、より高い位置から彼ら<small>〔ローマ人〕</small>の少なさを知ることも、
*<u>et</u> [[wikt:en:virtus#Latin|virtutem]] [[wikt:en:despicio#Latin|despicere]] [[wikt:en:potuerint#Latin|potuerint]],
**<small>(ローマ人の)</small>武勇とやらを見下すこともできたのだから。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:et ~ et …「~も…も」)</span>
*qui [[wikt:en:dimico#Latin|dimicare]] non [[wikt:en:ausus#Participle|ausi]]
**彼ら<small>〔ローマ人〕</small>は闘うことをあえてせずに、
*[[wikt:en:turpiter#Latin|turpiter]] se in castra [[wikt:en:receperint#Latin|receperint]].
**見苦しくも陣営に退却したのだ──。
:
; ガッリア人が勝つのだから、カエサルに寝返るはずがない
*<!--❼--><sup>(7)</sup> [[wikt:en:imperium#Latin|Imperium]] se <u>ab</u> Caesare per [[wikt:en:proditio#Latin|proditionem]] [[wikt:en:nullus#Latin|nullum]] [[wikt:en:desidero#Latin|desiderare]],
**自分<small>〔ウェルキンゲトリークス〕</small>は、カエサルから裏切りを通じて、どのような司令権も望んではいない。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:上の (2) 項では、味方のガッリア人たちは、ウェルキンゲトリークスが<br> カエサルにより [[wikt:en:regnum#Latin|regnum]](王権、支配権)を得ようとしていると非難したのに対し、<br> 彼は [[wikt:en:imperium#Latin|imperium]](軍隊司令権、または支配権)という言葉を巧妙に引きずって答えている。<br> もちろん、言葉を変えたのは、筆者カエサル自身であろう。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ab はα系写本の記述で、β系写本では a となっている。)</span>
*quod habere [[wikt:en:victoria#Latin|victoria]] [[wikt:en:posset#Latin|posset]],
**<small>(支配権は、ローマ人に対する)</small>勝利によって得られるものであり、
*quae iam esset sibi atque omnibus [[wikt:en:Galli#Latin|Gallis]] [[wikt:en:exploratus#Latin|explorata]];
**<small>(勝利は)</small>もはや自分とすべてのガッリア人にとって確実なものとされているのだ。
*quin etiam ipsis <u>remittere</u>,
**いやそればかりか<small>(以下の様であれば、ガッリア人たち)</small>自身に<small>(司令官職を)</small>返還しているだろう。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部の [[wikt:en:remitto#Latin|remittere]] は、写本Sの記述および ''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Stephanus_(Estienne)|Stephanus]]'' や ''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Vascosanus|Vascosanus]]'' による修正提案で、<br> β系・χ系写本・写本B・M・L・N では [[wikt:en:remitteret#Latin|remitteret]] となっている。)</span>
*si sibi <u>magis</u> [[wikt:en:honor#Latin|honorem]] [[wikt:en:tribuo#Latin|tribuere]], <u>quam</u> ab se [[wikt:en:salus#Latin|salutem]] [[wikt:en:accipio#Latin|accipere]] [[wikt:en:videantur#Latin|videantur]].
**もし<small>(ガッリア人が)</small>自分から安全を受け取っているよりも、むしろ顕職を自分に授けていると思っているのならば、だが。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:magis#Latin|magis]] ~, quam …「…というよりは、むしろ~」)</span>
:
; 捕虜のローマ人たちに訊いてみなさい
*<!--❽--><sup>(8)</sup> <!--▲直接話法--><span style="background-color:#e8e8ff;"> <span style="color:#009900;">«</span> Haec ut [[wikt:en:intellegatis#Latin|intellegatis]], <span style="color:#009900;">»</span> </span> [[wikt:en:inquit#Latin|inquit]], <!--▲直接話法--><span style="background-color:#e8e8ff;"> <span style="color:#009900;">«</span> a me [[wikt:en:sincere#Latin|sincere]] [[wikt:en:pronuntiari#Latin|pronuntiari]], [[wikt:en:audite#Latin|audite]] [[wikt:en:Romanus#Adjective|Romanos]] [[wikt:en:miles#Latin|milites]]. <span style="color:#009900;">»</span> </span>
**「これらは諸君が理解しているように、私により率直に示された。ローマ兵たちに聞いてみよ」と言った。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:<!--▲直接話法--><span style="background-color:#e8e8ff;"> <span style="color:#009900;">«</span> ~ <span style="color:#009900;">»</span> </span> の箇所は、直接話法で記されている。)</span>
:
*<!--❾--><sup>(9)</sup> [[wikt:en:producit#Latin|Producit]] [[wikt:en:servus#Latin|servos]], quos in [[wikt:en:pabulatio#Latin|pabulatione]] paucis ante diebus [[wikt:en:exceperat#Latin|exceperat]] et [[wikt:en:fames#Latin|fame]] [[wikt:en:vinculum#Latin|vinculis]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:excruciaverat#Latin|excruciaverat]].
**数日前に糧秣徴発しているのを<small>(彼が)</small>ひっ捕らえて、飢えと鎖で拷問していたところの奴隷たちを引き出す。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[wikt:en:calo#Noun_5|cālō]] カーロー(軍属奴隷)と呼ばれる輜重や陣営を管理する奴隷たちのことであろう。)</span>
:
*<!--❿--><sup>(10)</sup> Hi iam ante [[wikt:en:edoctus#Latin|edocti]], quae [[wikt:en:interrogatus#Latin|interrogati]] [[wikt:en:pronuntiarent#Latin|pronuntiarent]],
**彼ら<small>〔奴隷〕</small>は、すでに前もって<small>(ガッリア勢から)</small>訊問された際に語ることを<small>(ローマ人から)</small>教え込まれており、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:カエサルは奴隷たちが誰に教え込まれたのか明記していないため、<br> ウェルキンゲトリークスに教え込まれたと訳している場合もある。)</span>
*[[wikt:en:miles#Latin|milites]] se esse [[wikt:en:legionarius#Latin|legionarios]] [[wikt:en:dicunt#Latin|dicunt]];
**自分たちは[[w:軍団兵|軍団兵]]であると言った。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:糧秣徴発に出かけていた者は、たとえ軍団兵でも軽装であったであろうが、<br> 奴隷たちは、もともと戦争で捕虜になったガッリア人たち等であったと考えられるので、<br> 地中海人種のローマ人とは容易に見分けが付きそうなものではある。)</span>
*[[wikt:en:fames#Latin|fame]] <u>et</u> [[wikt:en:inopia#Noun_2|inopia]] [[wikt:en:adductus#Latin|adductos]] [[wikt:en:clam#Latin|clam]] ex castris [[wikt:en:exisse#Latin|exisse]], si [[wikt:en:aliquis#Latin|quid]] [[wikt:en:frumentum#Latin|frumenti]] aut [[wikt:en:pecus#Latin|pecoris]] in agris [[wikt:en:reperio#Latin|reperire]] [[wikt:en:possent#Latin|possent]];
**<small>(奴隷たち曰く)</small>飢えと欠乏に動かされて、何か穀物または家畜が野に見出せないかと、ひそかに陣営から抜け出した。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:et はα系写本の記述で、β系写本では atque となっている。)</span>
:
*<!--⓫--><sup>(11)</sup> [[wikt:en:similis#Latin|simili]] omnem [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitum]] [[wikt:en:inopia#Noun_2|inopia]] [[wikt:en:premi#Latin|premi]],
**<small>(ローマ人の)</small>全軍隊が同様の欠乏に悩まされて、
*<u>nec</u> iam [[wikt:en:vis#Latin|vires]] [[wikt:en:sufficio#Latin|sufficere]] [[wikt:en:quisquam#Latin|cuiusquam]] <u>nec</u> ferre [[wikt:en:opus#Latin|operis]] [[wikt:en:labor#Latin|laborem]] posse;
**もはや<small>(兵士の)</small>誰もが十分な能力がなく、<small>(城攻めの)</small>作業の労苦に耐えることができない。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:nec ~ nec …「~でもなく、…でもない」)</span>
*itaque [[wikt:en:statuisse#Latin|statuisse]] [[wikt:en:imperator#Latin|imperatorem]], si [[wikt:en:nihil#Latin|nihil]] in [[wikt:en:oppugnatio#Latin|oppugnatione]] oppidi <u>profecissent</u>, [[wikt:en:triduum#Latin|triduo]] [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitum]] [[wikt:en:deduco#Latin|deducere]].
**こうして将軍<small>〔カエサル〕</small>は、もし城塞都市の攻略において何ら得られないならば、3日間で軍隊を連れ帰ると決めた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、写本S・L・Nでは [[wikt:en:profecissent#Latin|profecissent]]<sub> (3人称・<u>複数</u>・過去完了・接続法)</sub> だが、<br> β系写本では [[wikt:en:profecisset#Latin|profecisset]]<sub> (3人称・<u>単数</u>・過去完了・接続法)</sub> となっており、<br> χ系および写本B・Mでは proficissent という綴りになっている。)</span>
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--⓬--><sup>(12)</sup> <!--▲直接話法--><span style="background-color:#e8e8ff;"> <span style="color:#009900;">«</span> Haec, <span style="color:#009900;">»</span> </span> [[wikt:en:inquit#Latin|inquit]], <!--▲直接話法--><span style="background-color:#e8e8ff;"> <span style="color:#009900;">«</span> a me, <span style="color:#009900;">»</span> </span> [[wikt:en:Vercingetorix#Latin|Vercingetorix]],
**「これぞ」「私によって」とウェルキンゲトリークスは言った。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:以下、<!--▲直接話法--><span style="background-color:#e8e8ff;"> <span style="color:#009900;">«</span> ~ <span style="color:#009900;">»</span> </span> の箇所は、直接話法で記されている。)</span>
*<!--▲直接話法--><span style="background-color:#e8e8ff;"> <span style="color:#009900;">«</span> [[wikt:en:beneficium#Latin|beneficia]] [[wikt:en:habetis#Latin|habetis]], quem [[wikt:en:proditio#Latin|proditionis]] [[wikt:en:insimulatis#Verb|insimulatis]];
**「裏切りだと諸君が糾弾している<small>(私という)</small>者のおかげで得ているのだ。
*<!--➡直接話法--><span style="background-color:#e8e8ff;"> cuius [[wikt:en:opera#Latin|opera]] sine [[wikt:en:vester#Latin|vestro]] [[wikt:en:sanguis#Latin|sanguine]]
**その<small>(私という)</small>者の尽力により、諸君らの流血なしに、
*<!--➡直接話法--><span style="background-color:#e8e8ff;"> tantum [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitum]] [[wikt:en:victor#Latin|victorem]] [[wikt:en:fames#Latin|fame]] <u>paene</u> [[wikt:en:consumptus#Latin|consumptum]] [[wikt:en:videtis#Latin|videtis]];
**これほどの軍隊の勝利者<small>〔ローマ人〕</small>を飢えにより、ほとんど滅ぼしたのを諸君は見ているのだ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:paene は β系写本の記述で、α系写本にはない。)</span>
*<!--➡直接話法--><span style="background-color:#e8e8ff;"> quem [[wikt:en:turpiter#Latin|turpiter]] se ex <u>hac</u> fuga [[wikt:en:recipiens#Latin|recipientem]]
**彼ら<small>〔ローマ人〕</small>が見苦しくもこのような逃亡から退却したところを、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:hac は β系写本の記述で、α系写本にはない。)</span>
*<!--➡直接話法--><span style="background-color:#e8e8ff;"> ne [[wikt:en:aliqua#Pronoun|qua]] [[wikt:en:civitas#Latin|civitas]] suis finibus [[wikt:en:recipiat#Latin|recipiat]],
**<small>(それらの退却したローマ人を)</small>どの部族も自らの領土に受け入れないように、
*<!--➡直接話法--><span style="background-color:#e8e8ff;"> a me [[wikt:en:provisus#Latin|provisum]] est. <span style="color:#009900;">»</span> </span>
**私<small>〔ウェルキンゲトリークス〕</small>により、手配された。」
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===21節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/21節]] {{進捗|00%|2026-05-10}}</span>
;ウェルキンゲトリークスの誠心とアウァーリクムの重要性を確認
:
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:conclamat#Latin|Conclamat]] omnis [[wikt:en:multitudo#Latin|multitudo]]
**群集すべてが雄叫びを上げて、
*et suo [[wikt:en:mos#Latin|more]] [[wikt:en:arma#Latin|armis]] [[wikt:en:concrepat#Latin|concrepat]],
**自分たちの慣習で武具を打ち鳴らす。
*quod facere in eo [[wikt:en:consuerunt#Verb_2|consuerunt]], cuius [[wikt:en:oratio#Latin|orationem]] [[wikt:en:adprobant#Latin|adprobant]];
**<small>(演説した)</small>その者の雄弁に賛同したら、その者に対してそれをすることが常であったのだ。
*summum esse [[wikt:en:Vercingetorix#Latin|Vercingetorigem]] [[wikt:en:dux#Latin|ducem]],
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は最高の将帥であり、
*<u>nec</u> de eius [[wikt:en:fides#Latin|fide]] [[wikt:en:dubitandus#Latin|dubitandum]],
**彼の信義については疑念を抱くべきではなく、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:nec#Latin|nec]] ~, nec …「~でもないし、…でもない」)</span>
*<u>nec</u> [[wikt:en:maior#Latin|maiore]] [[wikt:en:ratio#Latin|ratione]] bellum [[wikt:en:administrari#Latin|administrari]] posse.
**これ以上の作戦で戦争を指導することはできない<small>(と、叫んで武具を打ち鳴らす)</small>。
:
*<!--❷--><sup>(2)</sup> [[wikt:en:statuunt#Latin|Statuunt]], ut decem<sub> (X)</sub> milia hominum [[wikt:en:delectus#Latin|delecta]] ex omnibus [[wikt:en:copiae#Latin|copiis]] in oppidum <u>mittantur</u>,
**<small>(彼らは)</small>すべての軍勢から選り抜かれた兵員1万を<small>(アウァーリクムの)</small>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]の中に派遣すると決定する。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:mittantur#Latin|mittantur]] だが、<br> β系写本では [[wikt:en:submittantur#Latin|submittantur]] となっている。)</span>
:
*<!--❸--><sup>(3)</sup> nec [[wikt:en:solus#Latin|solis]] [[wikt:en:Bituriges#Latin|Biturigibus]] [[wikt:en:communis#Latin|communem]] [[wikt:en:salus#Latin|salutem]] [[wikt:en:committendus#Latin|committendam]] [[wikt:en:censent#Latin|censent]],
**<small>(ガッリア)</small>共通の安全をビトゥリゲース族だけに託すべきではないと考える。
*quod <u>penes eos</u>, si id oppidum [[wikt:en:retinuissent#Latin|retinuissent]],
**というのは、<u>彼らのもとで</u>、その城塞都市を維持したか否かが、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、<br> 主要写本ω では [[wikt:en:penes#Latin|penes]] eos 「彼らのもとで」だが、<br> オックスフォード写本 ''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Codex_Oxoniensis_Andino|codd. Andino. Oxon.]]'' や ''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Aldus|Aldus]]'' は paene in eo 「ほぼそのことにおいて」としている。)</span>
*[[wikt:en:summa#Latin|summam]] victoriae [[wikt:en:consto#Latin|constare]] [[wikt:en:intellegebant#Latin|intellegebant]].
**勝利の天王山を確かなものにすること、を理解していたからである。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===22節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/22節]] {{進捗|00%|2026-06-01}}</span>
;アウァーリクムの籠城ガッリア勢が坑道戦で攻防に努める
:
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:singularis#Latin|Singulari]] [[wikt:en:miles#Latin|militum]] nostrorum [[wikt:en:virtus#Latin|virtuti]]
**我が方<small>〔ローマ勢〕</small>の兵士の卓越した武勇に、
*[[wikt:en:consilium#Latin|consilia]] [[wikt:en:quisque#Latin|cuiusque]] [[wikt:en:modus#Latin|modi]] [[wikt:en:Galli#Latin|Gallorum]] [[wikt:en:occurrebant#Latin|occurrebant]],
**<small>(敵勢は)</small>ガッリア人のあらゆる流儀の方策で抗戦していた。
*ut est summae [[wikt:en:genus#Latin|genus]] [[wikt:en:sollertia#Latin|sollertiae]]
**確かに<small>(ガッリア人は)</small>このうえなく器用な種族であり、
*atque ad [[wikt:en:omnia#Noun|omnia]] [[wikt:en:imitandus#Latin|imitanda]] et [[wikt:en:efficiendus#Latin|efficienda]], quae ab [[wikt:en:quisque#Latin|quoque]] [[wikt:en:traduntur#Latin|traduntur]], [[wikt:en:aptissimus#Latin|aptissimum]].
**誰かによって教えられることすべてを模倣すること、造り出すことにとても適しているのだ。
:
; 鉄鉱山の土地柄で、坑道戦を展開する
*<!--❷--><sup>(2)</sup> Nam <u>et</u> [[wikt:en:laqueus#Latin|laqueis]] [[wikt:en:falx#Latin|falces]] [[wikt:en:avertebant#Latin|avertebant]],
**すなわち、輪縄で<small>(ローマ勢の)</small>破城鎌をそらし、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:et ~, et …「~でもあり、…でもある」)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:破城鎌([[w:en:Falx|falx]])については、右図や[[ガリア戦記 第5巻#42節|第5巻42節]]を参照)</span>
[[画像:Falx_bgiu.png|thumb|right|250px|破城鎌([[w:en:Falx|falx]])の想像画(再掲)]]
[[画像:Doura_Europos_tunnel.jpg|thumb|right|250px|ローマ支配下の城砦跡に残る[[w:坑道|坑道]]の例(シリアの[[w:ドゥラ・エウロポス|ドゥラ・エウロポス]]遺跡)。[[w:サーサーン朝|サーサーン朝]]軍が[[w:坑道戦|坑道戦]]のために掘削したと考えられている。]]
*quas, cum [[wikt:en:destinaverant#Latin|destinaverant]],
**それを縛り付けておいてから、
*[[wikt:en:tormentum#Latin|tormentis]] [[wikt:en:introrsus#Latin|introrsus]] [[wikt:en:reducebant#Latin|reducebant]],
**巻揚げ機で<small>(城塞都市の)</small>内部に引き込んでいたし、
*<u>et</u> [[wikt:en:agger#Latin|aggerem]] [[wikt:en:cuniculus#Latin|cuniculis]] [[wikt:en:subtrahebant#Latin|subtrahebant]],
**<small>(ローマ勢の)</small><ruby><rb>[[w:アッゲル|土塁]]</rb><rp>(</rp><rt>アッゲル</rt><rp>)</rp></ruby> を[[w:坑道|坑道]]によって陥没させたりもした。
*<u>eo</u> [[wikt:en:scienter#Latin|scientius]]
**<small>(以下の理由により、彼らはそのことに)</small>より習熟しているのだ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:eo#Pronoun_5|eō]] ~ [[wikt:en:quod#Conjunction|quod]] …「…という理由で~」)</span>
*<u>quod</u> apud eos magnae sunt [[wikt:en:ferraria#Latin|ferrariae]]
**──というのも、彼らのもとには多くの[[w:鉄鉱石|鉄鉱]]山があり、
*atque [[wikt:en:omnis#Latin|omne]] [[wikt:en:genus#Latin|genus]] [[wikt:en:cuniculus#Latin|cuniculorum]] [[wikt:en:notus#Latin|notum]]
**坑道のあらゆる類いが知られていて
*atque [[wikt:en:usitatus#Latin|usitatum]] est.
**慣れていただけに<small>(習熟しているのだ)</small>。──
:
; アウァーリクムの全周に防御のための櫓を建てる
*<!--❸--><sup>(3)</sup> [[wikt:en:totus#Latin|Totum]] autem [[wikt:en:murus#Latin|murum]] ex omni parte
**他方で、城壁の全体をあらゆる方向から、
*[[wikt:en:turris#Latin|turribus]] [[wikt:en:contabulaverant#Latin|contabulaverant]]
**<ruby><rb>[[w:攻城塔|攻城櫓]]</rb><rp>(</rp><rt>トゥッリス</rt><rp>)</rp></ruby>を<small>(何層にも)</small>構築しておいて、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:動詞 [[wikt:en:contabulo#Latin|contabulare]] は「板張りする」。[[内乱記_第2巻#9節|『内乱記』第2巻9節]]には [[wikt:en:contabulatio#Latin|contabulatio]]「床板張り」という単語が出て来る。)</span>
*atque has [[wikt:en:corium#Latin|coriis]] [[wikt:en:intexerant#Latin|intexerant]].
**これらを皮革で覆っていた。
:
*<!--❹--><sup>(4)</sup> Tum [[wikt:en:creber#Latin|crebris]] [[wikt:en:diurnus#Latin|diurnis]] [[wikt:en:nocturnus#Latin|nocturnis]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:eruptio#Latin|eruptionibus]]
**それから、たびたび昼間も夜間も出撃して、
*aut [[wikt:en:agger#Latin|aggeri]] [[wikt:en:ignis#Latin|ignem]] [[wikt:en:inferebant#Latin|inferebant]]
**あるいは土塁に火災を引き起こしたり、
*aut [[wikt:en:miles#Latin|milites]] [[wikt:en:occupatus#Latin|occupatos]] in [[wikt:en:opus#Latin|opere]] [[wikt:en:adoriebantur#Latin|adoriebantur]],
**あるいは工事に従事している<small>(ローマ人)</small>兵士たちを襲撃したりした。
[[画像:University_of_Queensland_Pitch_drop_experiment-white_bg.jpg|thumb|right|200px|<ruby><rb>[[w:ピッチ (樹脂)|樹脂]]</rb><rp>(</rp><rt>ピッチ</rt><rp>)</rp></ruby>の滴下実験の様子(豪州[[w:クイーンズランド大学|クイーンズランド大学]])。[[w:木材|木材]]を密閉加熱すると[[w:木炭|木炭]]が得られるが、その残り物から[[w:乾留液#木タール|木タール]]を[[w:蒸留|蒸留]]させた残り<ruby><rb>滓</rb><rp>(</rp><rt>かす</rt><rp>)</rp></ruby>がピッチである。樹木から得られるピッチは、黒色で[[w:粘度|粘っこく]]、高温で燃焼する。中世ヨーロッパでは城砦の防衛に使用され、城壁に近づく敵の上から熱したピッチを注いで焼死させたりしたという([[w:fr:Poix (matière)|fr:poix]])。]]
*et nostrarum [[wikt:en:turris#Latin|turrium]] [[wikt:en:altitudo#Latin|altitudinem]],
**我が方<small>〔ローマ勢〕</small>の[[w:攻城塔|攻城櫓]]の高さを、
*[[wikt:en:quantum#Latin|quantum]] has [[wikt:en:cotidianus#Latin|cotidianus]] agger [[wikt:en:expresserat#Latin|expresserat]],
**毎日のようにこれらを<small>(ローマ側の)</small>土塁が押し出した分だけ、
*[[wikt:en:commissus#Latin|commissis]] suarum [[wikt:en:turris#Latin|turrium]] [[wikt:en:malus#Noun_5|malis]] [[wikt:en:adaequabant#Latin|adaequabant]],
**自分たち<small>〔ガッリア勢〕</small>の櫓を、柱を組み立てることにより、<small>(ローマ側の櫓の高さと)</small>等しくしようとした。
:
*<!--❺--><sup>(5)</sup> et [[wikt:en:apertus#Latin|apertos]] [[wikt:en:cuniculus#Latin|cuniculos]]
**<small>(ローマ勢が掘削した)</small>坑道の露出したところを
*[[wikt:en:praeustus#Latin|praeusta]] et [[wikt:en:praeacutus#Latin|praeacuta]] [[wikt:en:materia#Latin|materia]]
**先端を焼いて尖らせた木材や、
*et [[wikt:en:pix#Latin|pice]] [[wikt:en:fervefactus#Latin|fervefacta]]
**熱した<ruby><rb>[[w:ピッチ (樹脂)|樹脂]]</rb><rp>(</rp><rt>ピッチ</rt><rp>)</rp></ruby>や、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:pix は<ruby><rb>[[w:歴青|瀝青]]</rb><rp>(</rp><rt>れきせい</rt><rp>)</rp></ruby>と訳されることもあるが、とくに[[w:ピッチ (樹脂)|ピッチ]]を指す<ref>[https://kotobank.jp/word/%E6%9C%A8%E3%81%9F%E3%83%BC%E3%82%8B-3173189 木タール] などを蒸留したあとに残る黒色の物質。</ref>。<br> [[w:歴青|瀝青]]は「ビチューメン」ともいい、ラテン語の [[wikt:en:bitumen#Latin|bitūmen]] に由来する。<br> [[w:ピッチ (樹脂)|ピッチ]]([[w:en:Pitch (resin)|Pitch]])は、ラテン語の [[wikt:en:pix#Latin|pix]] に由来する。)</span>
*et [[wikt:en:maximus#Latin|maximi]] [[wikt:en:pondus#Latin|ponderis]] [[wikt:en:saxum#Latin|saxis]] [[wikt:en:morabantur#Etymology_1|morabantur]]
**たいへんな重さの岩石で、<small>(ローマ勢の掘削を)</small>滞らせたり、
*[[wikt:en:moenia#Latin|moenibus]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:adpropinquo#Latin|adpropinquare]] [[wikt:en:prohibebant#Latin|prohibebant]].
**<small>(ローマ勢が)</small>城壁に接近することを<small>(ガッリア勢が)</small>妨げたりしていた。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===23節===
{{Commons|Category:Murus gallicus|Murus gallicus}}
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/23節]] {{進捗|00%|2026-06-14}}</span>
;ガッリア式城壁の構造
:
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:murus#Latin|Muri]] autem omnes [[wikt:en:Gallicus#Latin|Gallici]] hac fere [[wikt:en:forma#Latin|forma]] sunt.
**ところで、ガッリアの<ruby><rb>城壁</rb><rp>(</rp><rt>ムルス</rt><rp>)</rp></ruby>のすべては、ほぼ以下のような形態である。
:
; 木材を2ペースずつ等間隔で離して、ずっと並べていく
*<u>Trabes</u> [[wikt:en:derectus#Latin|derectae]] [[wikt:en:perpetuus#Latin|perpetuae]] <u>in longitudinem</u>
**<u><ruby><rb>木材</rb><rp>(</rp><rt>トラプス</rt><rp>)</rp></ruby></u>が<small>(城壁の)</small><u><ruby><rb>長手方向</rb><rp>(</rp><rt>ロンギトゥードー</rt><rp>)</rp></ruby></u>に、<small>(垂直に)</small>真っ直ぐに、ずっと続いて、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:trabs#Latin|trabes]] は、とくに梁のような水平材を指していると思われる。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:in [[wikt:en:longitudo#Latin|longitudinem]] は、ここでは、城壁に沿った長手方向を指す。)</span>
[[画像:Murus gallicus de Lyon Fourvière - Maquette de Nicolas Hirsch - Service Archéologique de la Ville de Lyon - Détail structure.jpg|thumb|right|300px|ガッリア式城壁の[[w:ジオラマ|ジオラマ]](仏[[w:リヨン|リヨン市]]考古学局)。木材を約60cmの間隔で並べる。]]
*[[wikt:en:par#Latin|paribus]] [[wikt:en:intervallum#Latin|intervallis]], [[wikt:en:distans#Latin|distantes]] inter se [[wikt:en:binus#Latin|binos]] [[wikt:en:pes#Latin|pedes]],
**等間隔で、互いに2<u>ペース</u>ずつ離れて、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:1[[ガイウス・ユリウス・カエサルの著作/通貨・計量単位#ペース|ペース]]は約29.6cmで、2ペースは約60 cm弱。)</span>
*in [[wikt:en:solum#Latin|solo]] [[wikt:en:conlocantur#Latin|conlocantur]].
**<ruby><rb>地面</rb><rp>(</rp><rt>ソルム</rt><rp>)</rp></ruby>に配置される。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:右の画像を参照。)</span>
:
; 木材をつなぎ合わせ、土砂を埋めて、石材をかぶせる
[[画像:2018 Rheinisches Landesmuseum Trier, Keltischer Wehrmauer.jpg|thumb|right|300px|同じく城壁のジオラマ(独[[w:トリーア|トリーア市]])。]]
*<!--❷--><sup>(2)</sup> [[wikt:en:hae#Latin|Hae]] [[wikt:en:revinciuntur#Latin|revinciuntur]] [[wikt:en:introrsus#Latin|introrsus]]
**これら<small>〔木材〕</small>は、内側で緊結されて、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:明瞭な説明ではなく、肝心な記述が欠落している。<br> 上記の2ペースずつ等間隔で並べられた平行な木材は、<br> 節末で述べられるような40ペースの長い木材によって<br> 井桁状に組み合わされて、鉄の釘で固定されたようである。<br> 右上と右のジオラマの画像を参照。)</span>
*et [[wikt:en:multus#Latin|multo]] [[wikt:en:agger#Latin|aggere]] [[wikt:en:vestiuntur#Latin|vestiuntur]];
**多くの<ruby><rb>土砂</rb><rp>(</rp><rt>アッゲル</rt><rp>)</rp></ruby>で覆われる。
*ea autem, quae [[wikt:en:diximus#Verb|diximus]], [[wikt:en:intervallum#Latin|intervalla]]
**さらに、前述した<small>(2ペースの)</small>間隔には、
*[[wikt:en:grandis#Latin|grandibus]] in [[wikt:en:frons#Latin:_forehead|fronte]] [[wikt:en:saxum#Latin|saxis]] <u>efferciuntur</u>.
**前面に大きな<ruby><rb>石塊</rb><rp>(</rp><rt>サクスム</rt><rp>)</rp></ruby>が詰め込まれる。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、ρ系写本・写本V では [[wikt:en:efferciuntur#Latin|efferciuntur]] と表記され、<br> α系写本・写本T では [[wikt:en:effarciuntur#Latin|effarciuntur]] と表記されるが、<br> [[w:母音弱化|母音弱化]]の語形である前者の方が、共和制末期のカエサルが用いたと考えられる。)</span>
[[画像:Keltenmauer.gif|thumb|right|280px|ガッリア式城壁の構成図(上が側面、中が上面、下が前面)。木材を水平な井桁状に並べて[[w:釘|釘]]で緊結し、土砂で覆って何層にも重ね、前面には石をはめ込む。井桁状の骨組によって[[w:破城槌|破城槌]]など横からの力(水平荷重)に耐えられるように工夫されている。]]
:
*<!--❸--><sup>(3)</sup> His [[wikt:en:conlocatus#Latin|conlocatis]] et [[wikt:en:coagmentatus#Latin|coagmentatis]]
**<u>これら</u>が配置されて結び合わされると、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:<u>これら</u> とは、上述の木材や石材のこと。)</span>
*alius [[wikt:en:insuper#Latin|insuper]] [[wikt:en:ordo#Latin|ordo]] [[wikt:en:additur#Latin|additur]],
**上に別の<ruby><rb>階層</rb><rp>(</rp><rt>オルドー</rt><rp>)</rp></ruby>が付け加えられる。
*ut idem illud [[wikt:en:intervallum#Latin|intervallum]] [[wikt:en:servetur#Latin|servetur]],
**その同じ<small>(2ペースの)</small>間隔が保たれて、
*neque inter se [[wikt:en:contingant#Latin|contingant]] [[wikt:en:trabs#Latin|trabes]],
**かつ<ruby><rb>木材</rb><rp>(</rp><rt>トラプス</rt><rp>)</rp></ruby>が互いに接触しないように、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:上下の層の水平材どうしが接触しないように、<br> 互い違いに並べているようである。)</span>
*sed [[wikt:en:par#Latin|paribus]] [[wikt:en:intermissus#Latin|intermissae]] [[wikt:en:spatium#Latin|spatiis]] [[wikt:en:singulus#Latin|singulae]]
**けれども、等間隔で間をあけられたそれぞれ<small>(の木材)</small>は、
*[[wikt:en:singulus#Latin|singulis]] [[wikt:en:saxum#Latin|saxis]] [[wikt:en:interiectus#Latin|interiectis]]
**それぞれの<ruby><rb>石塊</rb><rp>(</rp><rt>サクスム</rt><rp>)</rp></ruby>が間に挟まれることによって、
*[[wikt:en:arte#Adverb|arte]] [[wikt:en:contineantur#Latin|contineantur]].
**緊密に連結される。
:
*<!--❹--><sup>(4)</sup> Sic [[wikt:en:deinceps#Latin|deinceps]] omne [[wikt:en:opus#Latin|opus]] [[wikt:en:contexitur#Latin|contexitur]], [[wikt:en:dum#Latin|dum]] [[wikt:en:iustus#Latin|iusta]] [[wikt:en:murus#Latin|muri]] [[wikt:en:altitudo#Latin|altitudo]] [[wikt:en:expleatur#Latin|expleatur]].
**このように、<ruby><rb>城壁</rb><rp>(</rp><rt>ムルス</rt><rp>)</rp></ruby>の十分な高さが満たされるまで、すべての<ruby><rb>工作物</rb><rp>(</rp><rt>オプス</rt><rp>)</rp></ruby>が続けて組み立てられる。
[[画像:Bibracte_murus_gallicus1.jpg|thumb|right|300px|ガッリア式城壁の[[w:ジオラマ|ジオラマ]](仏[[w:ビブラクテ|ビブラクテ]]遺跡のケルト文明博物館)。この構造形式はカエサルの記述から「[[w:ムルス・ガリクス|ムルス・ガリクス]](ガッリア壁)」と呼ばれるが、ガッリアに限らず、[[w:鉄器時代|鉄器時代]]末期すなわちBC1世紀頃の後期[[w:ラ・テーヌ文化|ラ・テーヌ文化]]が及んだ各地に遺構として残る。木材どうしを緊結するために数百トンもの[[w:鉄|鉄]]の[[w:釘|釘]]を用いているのが大きな特徴で、[[w:鉄#製錬|製鉄]]・[[w:鋳造|鋳造]]技術の発達を示す。]]
:
; ガッリア式城壁は、外観が見事で、城塞都市の防御にも有益
:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:以下、cum ~ tum … の構文「~だけでなく、また…でもある」。)</span>
*<!--❺--><sup>(5)</sup> Hoc <u>cum</u> in [[wikt:en:species#Latin|speciem]] [[wikt:en:varietas#Latin|varietatem]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:opus#Latin|opus]] [[wikt:en:deformis#Latin|deforme]] non est [[wikt:en:alternus#Latin|alternis]] [[wikt:en:trabs#Latin|trabibus]] ac [[wikt:en:saxum#Latin|saxis]],
**<ruby><rb>この</rb><rp>(</rp><rt>ホク</rt><rp>)</rp></ruby><ruby><rb>工作物</rb><rp>(</rp><rt>オプス</rt><rp>)</rp></ruby>は、互い違いの<ruby><rb>木材</rb><rp>(</rp><rt>トラプス</rt><rp>)</rp></ruby>と<ruby><rb>石塊</rb><rp>(</rp><rt>サクスム</rt><rp>)</rp></ruby>により、変化に富む外観において不格好でなく、
*quae [[wikt:en:rectus#Latin|rectis]] [[wikt:en:linea#Latin|lineis]] suos [[wikt:en:ordo#Latin|ordines]] [[wikt:en:servant#Latin|servant]],
**──それら<small>〔木材と石〕</small>は真っ直ぐな線により、その<ruby><rb>階層</rb><rp>(</rp><rt>オルドー</rt><rp>)</rp></ruby>を保っているのだが──
*<u>tum</u> ad [[wikt:en:utilitas#Latin|utilitatem]] et [[wikt:en:defensio#Latin|defensionem]] [[wikt:en:urbs#Latin|urbium]]
**同様に、都市の防御の有益性のためにも、
*summam [[wikt:en:habet#Latin|habet]] [[wikt:en:opportunitas#Latin|opportunitatem]],
**きわめて好都合となっている。
*quod et ab [[wikt:en:incendio#Latin|incendio]] [[wikt:en:lapis#Latin|lapis]] et ab [[wikt:en:aries#Latin|ariete]] [[wikt:en:materia#Latin|materia]] [[wikt:en:defendit#Latin|defendit]],
**──というのは、<ruby><rb>石材</rb><rp>(</rp><rt>ラピス</rt><rp>)</rp></ruby>が火災からも、<ruby><rb>材木</rb><rp>(</rp><rt>マーテリア</rt><rp>)</rp></ruby>が<ruby><rb>[[w:破城槌|破城槌]]</rb><rp>(</rp><rt>はじょうつい</rt><rp>)</rp></ruby>からも、防護しており、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:et ~ et …「~でもあり、…でもある」)</span>
*quae [[wikt:en:perpetuus#Latin|perpetuis]] [[wikt:en:trabs#Latin|trabibus]] [[wikt:en:pes#Latin|pedes]] [[wikt:en:quadragenus#Latin|quadragenos]] [[wikt:en:plerumque#Adverb|plerumque]] [[wikt:en:introrsus#Latin|introrsus]] [[wikt:en:revinctus#Latin|revincta]]
**それ<small>〔短手方向の材木〕</small>は、たいてい40<u>ペース</u>にわたって<small>(長手方向に)</small>続く<ruby><rb>木材</rb><rp>(</rp><rt>トラプス</rt><rp>)</rp></ruby>により内部で緊結されており、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:1[[ガイウス・ユリウス・カエサルの著作/通貨・計量単位#ペース|ペース]]は約29.6cmで、40ペースは約12メートル。)</span>
*neque [[wikt:en:perrumpi#Latin|perrumpi]] neque [[wikt:en:distrahi#Latin|distrahi]] potest.
**突破されることも、引きはがされることもできないからである。──
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===24節===
[[画像:Avaricum_westpoint_july_2006.jpg|thumb|right|350px|[[w:アウァリクム包囲戦|アウァーリクム攻略戦]]の[[w:ジオラマ|ジオラマ]]<small>([[w:陸軍士官学校 (アメリカ合衆国)|米国陸軍士官学校]]博物館)</small>。ローマ軍の<ruby><rb>[[w:アッゲル|土塁]]</rb><rp>(</rp><rt>アッゲル</rt><rp>)</rp></ruby>は、城壁(奥)の手前に材木と土砂を積み重ねた構築物が築き上げられ、左右の土手道をそれぞれ4層の[[w:攻城塔|攻城櫓]]が城壁に迫る。土塁の周辺には<ruby><rb>[[w:ウィネア|工作小屋]]</rb><rp>(</rp><rt>ウィネア</rt><rp>)</rp></ruby>(vinea)を多数つないだ通路(坑道)が延びている。手前には2台の<ruby><rb>投射機</rb><rp>(</rp><rt>スコルピオ</rt><rp>)</rp></ruby>が見える。]]
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/24節]] {{進捗|00%|2026-06-15}}</span>
;ローマ勢が徹夜の土塁工事、籠城ガッリア勢の攻勢
:
; ローマ勢が、25日間で大がかりな攻城設備を構築する
*<!--❶--><sup>(1)</sup> His [[wikt:en:tot#Latin|tot]] rebus [[wikt:en:impeditus#Latin|impedita]] [[wikt:en:oppugnatio#Latin|oppugnatione]]
**これら多くの事情により攻囲が妨げられて、
*[[wikt:en:miles#Latin|milites]],
**兵士たちは、
*cum [[wikt:en:totus#Etymology_1|toto]] tempore <u>luto</u> [[wikt:en:frigus#Latin|frigore]] et [[wikt:en:adsiduus#Latin|adsiduis]] [[wikt:en:imber#Latin|imbribus]] <u>tardarentur</u>,
**常時、<ruby><rb><u>泥土</u></rb><rp>(</rp><rt>ルトゥム</rt><rp>)</rp></ruby>、寒さと絶え間ない<ruby><rb>雨嵐</rb><rp>(</rp><rt>イムベル</rt><rp>)</rp></ruby>によって遅らせられていたが、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部の [[wikt:en:lutum#Latin|luto]] は、β系写本の記述で、<br> α系写本にはない。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部の二つ目は、<br> χ系・β系写本では [[wikt:en:tardarentur#Latin|tardarentur]] だが、<br> 写本B・M・Sでは traderentur、<br> 写本L・Nでは terrerentur などとなっている。)</span>
*tamen [[wikt:en:continens#Adjective|continenti]] [[wikt:en:labor#Latin|labore]] omnia haec [[wikt:en:superaverunt#Latin|superaverunt]]
**しかしながら、絶え間ない労働によってこれらすべてに打ち克って、
*et diebus XXV<small> ([[wikt:en:quinque#Latin|quinque]] et [[wikt:en:viginti#Latin|viginti]])</small>
**25日間で、
*[[wikt:en:agger#Latin|aggerem]] [[wikt:en:latus#Latin:_wide|latum]] [[wikt:en:pes#Latin|pedes]] CCCXXX<small> ([[wikt:en:trecenti#Latin|trecenti]] [[wikt:en:triginta#Latin|triginta]])</small>, [[wikt:en:altus#Latin|altum]] pedes LXXX<small> ([[wikt:en:octoginta#Latin|octoginta]])</small> [[wikt:en:exstruxerunt#Latin|exstruxerunt]].
**幅330<u>ペース</u>、高さ80<u>ペース</u>の<ruby><rb>[[w:アッゲル|土塁]]</rb><rp>(</rp><rt>アッゲル</rt><rp>)</rp></ruby>を築き上げた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:1[[ガイウス・ユリウス・カエサルの著作/通貨・計量単位#ペース|ペース]]は約29.6cmで、幅330ペースは約98メートル。高さ80ペースは約24メートル。)</span>
:
; アウァーリクムに籠城するガッリア勢が、攻囲するローマ勢の土塁に夜襲をしかける
*<!--❷--><sup>(2)</sup> Cum is [[wikt:en:murus#Latin|murum]] hostium paene [[wikt:en:contingeret#Latin|contingeret]],
**それ<small>〔ローマ側の土塁〕</small>が敵の城壁にほとんど接しようとしていたとき、
*et Caesar ad [[wikt:en:opus#Latin|opus]] [[wikt:en:consuetudo#Latin|consuetudine]] [[wikt:en:excubaret#Latin|excubaret]]
**かつ、カエサルが習慣により作業のそばで寝ずの番をしていて、
*[[wikt:en:miles#Latin|milites]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:hortaretur#Latin|hortaretur]], ne [[wikt:en:aliquod#Latin|quod]] [[wikt:en:omnino#Latin|omnino]] [[wikt:en:tempus#Latin|tempus]] ab [[wikt:en:opus#Latin|opere]] [[wikt:en:intermitteretur#Latin|intermitteretur]],
**いかなる時も作業がまったく中断されないように、と兵士たちを励ましていたときに、
*paulo ante tertiam [[wikt:en:vigilia#Latin|vigiliam]]
**第三夜警時の少し前に、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:第三夜警時は、真夜中から日の出までの時間帯の前半。「未明」<br> [[古代ローマの不定時法#夜警時|#夜警時]] を参照。)</span>
*est [[wikt:en:animadversus#Participle|animadversum]] [[wikt:en:fumo#Latin|fumare]] [[wikt:en:agger#Latin|aggerem]],
**土塁に煙が上がっていることが気付かれた。
*quem [[wikt:en:cuniculus#Latin|cuniculo]] hostes [[wikt:en:succenderant#Latin|succenderant]];
**<small>(その土塁を)</small>[[w:坑道|坑道]]によって敵たちが焼き討ちしていたものである。
:
*<!--❸--><sup>(3)</sup> [[wikt:en:idem#Latin|eodem]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:tempus#Latin|tempore]]
**そして同時に、
*[[wikt:en:totus#Latin|toto]] [[wikt:en:murus#Latin|muro]] [[wikt:en:clamor#Latin|clamore]] [[wikt:en:sublatus#Latin:_raised|sublato]],
**<small>(アウァーリクムの)</small>城壁全体で雄叫びが上がって、
*duabus portis ab [[wikt:en:uterque#Latin|utroque]] [[wikt:en:latus#Latin:_side|latere]] [[wikt:en:turris#Latin|turrium]]
**二つの城門より、<small>(ローマ勢の)</small>[[w:攻城塔|攻城櫓]]の両方の側面から
*[[wikt:en:eruptio#Latin|eruptio]] [[wikt:en:fiebat#Latin|fiebat]].
**<small>(ガッリア勢による)</small>突撃がなされていた。
:
*<!--❹--><sup>(4)</sup> Alii [[wikt:en:fax#Latin|faces]] atque [[wikt:en:aridus#Latin|aridam]] <u>materiam</u> de [[wikt:en:murus#Latin|muro]] in [[wikt:en:agger#Latin|aggerem]] [[wikt:en:eminus#Latin|eminus]] [[wikt:en:iaciebant#Latin|iaciebant]],
**<small>(ガッリア勢の)</small>他の者たちは、<ruby><rb>[[w:たいまつ|松明]]</rb><rp>(</rp><rt>たいまつ</rt><rp>)</rp></ruby>および乾いた材木を、城壁から<small>(ローマ側の)</small>土塁に、遠くから投げ込んで、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、β系写本では [[wikt:en:materiam#Latin|materiam]] だが、<br> α系写本では [[wikt:en:materiem#Latin|materiem]] となっている。<br> 文法学者[[w:カエサレアのプリスキアヌス|プリスキアーヌス]]は、カエサルの文法書 "De Analogia" について materiam と引用している。)</span>
*[[wikt:en:pix#Latin|picem]] [[wikt:en:reliquus#Latin|reliquas]]<nowiki>que</nowiki> res, quibus [[wikt:en:ignis#Latin|ignis]] [[wikt:en:excitari#Latin|excitari]] potest, [[wikt:en:fundebant#Latin|fundebant]],
**<ruby><rb>[[w:ピッチ (樹脂)|樹脂]]</rb><rp>(</rp><rt>ピッチ</rt><rp>)</rp></ruby>や、火を燃え立たせられるほかのもの<small>〔可燃物〕</small>を注ぎ込んだ。
*ut, [[wikt:en:quo#Latin:_where|quo]] primum <u>curreretur</u> aut cui rei [[wikt:en:ferretur#Latin|ferretur]] [[wikt:en:auxilium#Latin|auxilium]],
**それで、まずどこに駆け付けるのか、あるいはどの事態に支援がなされるのか、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:curreretur#Latin|curreretur]] だが、<br> β系写本では [[wikt:en:occurreretur#Latin|occurreretur]] となっている。)</span>
*vix [[wikt:en:ratio#Latin|ratio]] [[wikt:en:iniri#Latin|iniri]] posset.
**<small>(ローマ兵には)</small>ほとんど分別され得なかった。
:
*<!--❺--><sup>(5)</sup> Tamen, quod [[wikt:en:institutum#Latin|instituto]] Caesaris <u>semper duae</u> [[wikt:en:legio#Latin|legiones]] pro [[wikt:en:castra#Latin|castris]] [[wikt:en:excubabant#Latin|excubabant]]
**しかしながら、カエサルの定めにより常に2個[[w:ローマ軍団|軍団]]が陣営の前に寝ずの番をしていたので、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本の語順では semper duae だが、<br> β系写本の語順では duae semper となっている。)</span>
*[[wikt:en:plus#Latin|plures]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:partitus#Latin|partitis]] [[wikt:en:tempus#Latin|temporibus]] erant in [[wikt:en:opus#Latin|opere]],
**かつ、より多くの者たちが時間を割り当てられて作業していたので、
*celeriter [[wikt:en:factus#Latin|factum]] est,
**<small>(防戦は)</small>速やかになされた。
*ut <u>alii</u> [[wikt:en:eruptio#Latin|eruptionibus]] [[wikt:en:resisterent#Latin|resisterent]],
**ある者たちは<small>(ガッリア勢の)</small>突撃に抵抗しており、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:alii ~ alii …「~する者もいれば、…する者もいる。」)</span>
*<u>alii</u> [[wikt:en:turris#Latin|turres]] [[wikt:en:reducerent#Latin|reducerent]]
**別のある者たちは[[w:攻城塔|攻城櫓]]を引き戻して、
*[[wikt:en:agger#Latin|aggerem]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:interscinderent#Latin|interscinderent]],
**土塁を<small>(城壁側から)</small>切り離していた。
*omnis vero ex [[wikt:en:castra#Latin|castris]] [[wikt:en:multitudo#Latin|multitudo]] ad [[wikt:en:restinguendum#Verb|restinguendum]] [[wikt:en:concurreret#Latin|concurreret]].
**さらに陣営から大勢の皆が、消火するために急ぎ集まっていた。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===25節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/25節]] {{進捗|00%|2026-06-29}}</span>
;籠城ガッリア勢が必死の防戦
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--❶--><sup>(1)</sup> Cum in omnibus locis, <u>[[wikt:en:consumptus#Latin|consumpta]] iam reliqua parte noctis</u>, [[wikt:en:pugnaretur#Latin|pugnaretur]],
**<u>すでに夜も明けて</u>、至る所で戦われていたときに、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部の直訳は「すでに夜の残りの部分も費やされて」。)</span>
*[[wikt:en:semper#Latin|semper]]<nowiki>que</nowiki> hostibus [[wikt:en:spes#Latin|spes]] [[wikt:en:victoria#Latin|victoriae]] [[wikt:en:redintegraretur#Latin|redintegraretur]],
**かつ、常に敵たちにとって勝利の希望が蘇っており、
*<u>eo magis, quod</u> [[wikt:en:deustus#Latin|deustos]] [[wikt:en:pluteus#Latin|pluteos]] [[wikt:en:turris#Latin|turrium]] [[wikt:en:videbant#Latin|videbant]] nec facile [[wikt:en:adire#Latin|adire]] [[wikt:en:apertus#Latin|apertos]] ad [[wikt:en:auxiliandum#Verb|auxiliandum]] [[wikt:en:animadvertebant#Latin|animadvertebant]],
**<span style="font-family:Times New Roman;font-size:11pt;">[[w:攻城塔|攻城櫓]]の<ruby><rb>障壁</rb><rp>(</rp><rt>プルテウス</rt><rp>)</rp></ruby>が<ruby><rb>焼き落された</rb><rp>(</rp><rt>デウストゥス</rt><rp>)</rp></ruby>のを見ていて、<ruby><rb>身を曝した者</rb><rp>(</rp><rt>アペルトゥス</rt><rp>)</rp></ruby>たちが救援のために容易に近づけないのに気付いていた<u>のでなおさらだったが</u>、</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:eo#Pronoun_5|eo]] [[wikt:en:magis#Latin|magis]] [[wikt:en:quod#Conjunction|quod]] ~ 「~なので、その分だけ、より一層」。[[ガリア戦記 第3巻#14節|第3巻14節]]も参照。)</span>
*[[wikt:en:semper#Latin|semper]]<nowiki>que</nowiki> ipsi [[wikt:en:recens#Adjective|recentes]] [[wikt:en:defessus#Latin|defessis]] [[wikt:en:succederent#Latin|succederent]]
**常に彼ら自身<small>〔籠城ガッリア勢〕</small>は新たな者たちが疲れ果てた者たちに交代しており、
*[[wikt:en:omnis#Latin|omnem]]<nowiki>que</nowiki> Galliae [[wikt:en:salus#Latin|salutem]] <u>in illo [[wikt:en:vestigium#Latin|vestigio]] temporis [[wikt:en:positus#Participle|positam]] <span style="color:#009900;"><small>(esse)</small></span></u> [[wikt:en:arbitrarentur#Latin|arbitrarentur]],
**ガッリアのすべての安全が、<u>その瞬間にかかっている</u>と思われていたので、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部の直訳は「その時の足跡(瞬間)に置かれている」。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:以上の cum ~ arbitrarentur, が状況や理由を説明する副文で、以下が主文となっている。)</span>
*[[wikt:en:accidit#Etymology_1|accidit]] [[wikt:en:inspectans#Latin|inspectantibus]] nobis,
**我が方<small>〔ローマ勢〕</small>が見ているなかで起こったのは、
*[[wikt:en:quod#Pronoun|quod]] [[wikt:en:dignus#Latin|dignum]] [[wikt:en:memoria#Latin|memoria]] [[wikt:en:visus#Participle|visum]] [[wikt:en:praetereundus#Latin|praetereundum]] non [[wikt:en:existimavimus#Latin|existimavimus]].
**記憶に値すると思われたことを<small>(我がローマ勢が)</small>見過ごすべきではないと考えていたことである。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:この主文の主語を省略せずに記せば、以下のようになる。<br> [id], quod dignum memoria visum [esse] praetereundum [esse] non existimavimus.)</span>
[[画像:048_Conrad_Cichorius,_Die_Reliefs_der_Traianssäule,_Tafel_XLVIII_(Ausschnitt 01).jpg|thumb|right|250px|<ruby><rb>[[w:スコルピオ|投射機]]</rb><rp>(</rp><rt>スコルピオー</rt><rp>)</rp></ruby>を操作する[[w:ダキア人|ダキア人]]の彫刻([[w:トラヤヌスの記念柱|トラヤヌス帝の記念柱]]に刻まれた[[w:レリーフ|レリーフ]])。]]
[[画像:Balliste_fireing.jpg|thumb|right|250px|<ruby><rb>[[w:スコルピオ|投射機]]</rb><rp>(</rp><rt>スコルピオー</rt><rp>)</rp></ruby>([[w:en:Scorpio (dart-thrower)|Scorpio]])の現代における復元。]]
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--❷--><sup>(2)</sup> Quidam ante portam oppidi Gallus, <u>qui</u>
**城塞都市のその門の前に、<small>(1人の)</small>ガッリア人が、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部の qui は、β系写本の記述で、α系写本にはない。)</span>
*per manus sebi ac picis traditas [[wikt:en:glaeba#Latin|glaebas]] in ignem e regione turris proiciebat:
**手づてに渡された獣脂や<ruby><rb>[[w:ピッチ (樹脂)|樹脂]]</rb><rp>(</rp><rt>ピッチ</rt><rp>)</rp></ruby>の塊を、攻城櫓に向けて、火炎の中に投げ込んだが、
*scorpione ab latere dextro traiectus exanimatus<nowiki>que</nowiki> concidit.
**<ruby><rb>[[w:スコルピオ|投射機]]</rb><rp>(</rp><rt>スコルピオー</rt><rp>)</rp></ruby>で右の横腹を射られて、息絶えて倒れた。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--❸--><sup>(3)</sup> Hunc ex proximis unus iacentem transgressus
**彼が倒れているのを、すぐ近くの者たちのうちの1人が乗り越えて、
*eodem illo munere fungebatur;
**その同じ任務を果たした。
*Eadem ratione ictu scorpionis exanimato alteri
**同じやり方で<ruby><rb>[[w:スコルピオ|投射機]]</rb><rp>(</rp><rt>スコルピオー</rt><rp>)</rp></ruby>の射撃で息絶えさせられた第2の者に
*successit tertius et tertio quartus,
**第3の者が交代し、第3の者に第4の者が代わった。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--❹--><sup>(4)</sup> nec prius ille est a [[wikt:en:propugnator#Latin|propugnatoribus]] vacuus relictus locus
**その場は、防戦者たちによって空にしておかれなかった。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:nec prius ~ quam …「…までは~でない」)</span>
*quam restincto aggere atque <u>omni ex parte</u> submotis hostibus finis est pugnandi factus.
**<ruby><rb>[[w:アッゲル|土塁]]</rb><rp>(</rp><rt>アッゲル</rt><rp>)</rp></ruby>が鎮火されて、そのすべての方面で敵たちが撃退されて、戦いに決着が付けられるまでは。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、omni <u>ex</u> parte は ''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Ciacconius|Ciacconius]]'' による修正で、<br> α系写本では omni <u>ea</u> parte <br> β系写本では omni parte となっている。)</span>
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===26節===
'''アウァーリクム脱出の企て、女たちの絶叫'''
: <!-- [[wikt:en:| -->
*① Omnia experti Galli, quod res nulla successerat,
**ガッリア人たちはあらゆることを企てたが、何ら事が成功しなかったので、
*postero die consilium ceperunt ex oppido profugere,
**(戦いの夜が明けて)翌日には、(アウァーリクムの)城塞都市から退避する計画を立てた。
*hortante et iubente [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorige]].
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]によって促され、命じられたものであった。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*② Id silentio noctis conati non magna iactura suorum sese effecturos sperabant,
**それを夜の静けさのうちに試みても、味方に大きな犠牲もなく、自分たちは成し遂げるだろうと期待した。
*propterea quod neque longe ab oppido castra Vercingetorigis aberant,
**それというのも、(アウァーリクムの)城塞都市からウェルキンゲトリークスの陣営はあまり離れていなかったし、
*et palus, quae perpetua<ref>, quae perpetua はα系写本の記述で、β系写本では perpetua, quae となっている。</ref> intercedebat, Romanos ad insequendum tardabat.
**沼地も絶え間なく介在していて、ローマ人たちの追跡を遅らせた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:neque ~ et …「~ではなく、…である」)</span>
: <!-- [[wikt:en:| -->
*③ Iamque hoc<ref>hoc と校訂されているが、たいていの写本ωでは haec となっている。</ref> facere noctu apparabant,
**すでに、これを実行することを夜間に準備していた。
*cum matres familiae repente in publicum procurrerunt
**そのときに家庭の母親たちが不意に公の場に走り出て来て、
*flentesque proiectae ad pedes suorum omnibus precibus petierunt,
**泣きながら、身内のものたちの足元に(身を)投げ出して、あらゆる懇願でもって頼んだ。
*ne se et communes liberos hostibus ad supplicium dederent,
**自分たちと(身内に)共通の子供たちを敵に処刑されることのために引き渡さないで。
*quos<ref>quos はα系写本の記述で、β系写本では quas となっている。</ref> ad capiendam fugam naturae et virium infirmitas impediret.
**それらの者たちが逃げるためには、性質や体力の弱さが、妨げるのだ。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*④ Ubi eos in sententia perstare viderunt,
**彼ら(男たちが)意向に固執していると(女たちは)見て取ったときに、
*quod plerumque in summo periculo timor misericordiam non recipit,
**というのは、たいていは最高の危険においては、怖れが同情を受け入れないものであるが、
*conclamare et significare de fuga Romanis coeperunt.
**(女たちは)叫び声を上げて、ローマ人たちに(男たちの)逃亡について知らしめ始めた。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*⑤ Quo timore perterriti Galli,
**それによって、怖れに脅かされたガッリア人たちは、
*ne ab equitatu Romanorum viae praeoccuparentur, consilio destiterunt.
**ローマ人の[[w:騎兵|騎兵隊]]によって道を先取されないように、計画を取り止めた。
===27節===
'''ローマ軍が大雨の中で城壁を占拠'''
: <!-- [[wikt:en:| -->
*① Postero die Caesar promota turri perfectisque operibus, quae facere instituerat,
**翌日にカエサルは、(後退していた)[[w:攻城塔|攻城櫓]](の1基)が前進させられて、実施を定めていた作業が成し遂げられると、
*magno coorto imbre<ref>imbre はα系写本の記述だが、β系写本では imbri となっている。</ref> non inutilem hanc ad capiendum consilium tempestatem arbitratus est,<ref>arbitratus est, はα系写本の記述だが、β系写本では arbitratus, となっている。</ref>
**大雨が急に起こったが、作戦計画を立てるために、この天候は不利ではないと思われた。
*quod paulo incautius custodias in muro dispositas videbat,
**というのは、(アウァーリクムの)城壁に配備された守備兵たちが少しより油断していると見ていたのだ。
*suosque<ref>suosque はα系写本の記述だが、β系写本では suos quoque となっている。</ref> languidius in opere versari iussit et quid fieri vellet ostendit.
**配下の者たちには緩慢に作業に従事することを命じて、何がなされることを欲しているかを示した。
[[画像:Avaricum_westpoint_july_2006.jpg|thumb|right|300px|[[w:アウァリクム包囲戦|アウァーリクム攻略戦]]の[[w:ジオラマ|ジオラマ]](再掲;[[w:陸軍士官学校 (アメリカ合衆国)|米国陸軍士官学校]]博物館)。ローマ軍の<ruby><rb>[[w:アッゲル|土塁]]</rb><rp>(</rp><rt>アッゲル</rt><rp>)</rp></ruby>の周辺には、<ruby><rb>[[w:ウィネア|工作小屋]]</rb><rp>(</rp><rt>ウィネア</rt><rp>)</rp></ruby>(vinea)の両端を開いて多数つないだ廊下状の通路(坑道)が延びている。]]
: <!-- [[wikt:en:| -->
*② Legionibusque intra vineas in occulto expeditis,
**[[w:ローマ軍団|諸軍団]]が<ruby><rb>[[w:ウィネア|工作小屋]]</rb><rp>(</rp><rt>ウィネア</rt><rp>)</rp></ruby>の内側でひそかに戦備を整えており、
*cohortatus ut aliquando pro tantis laboribus fructum victoriae perciperent,
**やっと、これほどの労苦の見合う勝利の報酬を我がものとするように激励した。
*iis qui primi murum ascendissent, praemia proposuit militibusque signum dedit.
**一番乗りとして城壁に登った者たちには、恩賞を約束して、兵士たちに号令を発した。
*Illi subito ex omnibus partibus evolaverunt murumque celeriter compleverunt.
**彼ら(ローマ軍団兵)は不意にあらゆる方面から飛び出して、速やかに城壁を満たしたのだ。
===28節===
'''ローマ軍がアウァーリクムの市民4万人を大虐殺'''
: <!-- [[wikt:en:| -->
*① Hostes re nova perterriti, muro turribusque deiecti
**敵たち(籠城ガッリア勢)は新たな事態に脅かされて、(ローマ兵によって)城壁や櫓から追いやられて、
*in foro ac locis patentioribus cuneatim constiterunt
**<ruby><rb>広場</rb><rp>(</rp><rt>フォルム</rt><rp>)</rp></ruby>や開けた場所に楔状に留まった。
*hoc animo, ut, si qua ex parte obviam contra veniretur, acie instructa depugnarent.
**もし、どの方向から相対して対抗して来られても、戦列を整えて決戦しようという心積もりでいたのだ。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*② Ubi neminem in aequum locum sese demittere, sed toto undique muro circumfundi viderunt,
**(ローマ兵が)誰も平らな所に降りて来ず、しかし城壁全体の至る所で取り囲まれたことを見たときに、
*veriti, ne omnino spes fugae tolleretur,
**(籠城ガッリア勢は)逃亡のあらゆる希望を奪われないかと怖れて、
*abiectis armis ultimas oppidi partes continenti impetu petiverunt,
**武器を投げ捨てて、城塞都市の(ローマ勢から)最も遠くの方面を絶え間ない殺到によって求めた。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*③ parsque ibi, cum angusto exitu portarum se ipsi premerent, a militibus,
**ある一部の者たちはそこで、城門の狭い出口で自分たちで押し合っていたので、(軍団の)兵士たちによって(殺され)、
*pars iam egressa portis ab equitibus est interfecta.
**別の一部の者たちはすでに城門を出ていたが、(ローマ側の)[[w:騎兵|騎兵]]たちによって虐殺された。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*④ Nec fuit quisquam, qui praedae studeret.
**(ローマ勢には)略奪品を熱心に求める何者もいなかった。
*Sic et Cenabi<ref>Cenabi は、α系写本では Genabi 、T・V写本では Cenabensi などとなっている。</ref> caede et labore operis incitati
**このように、ケナブムの(ローマ市民の)殺害にも、(攻城)作業の労苦にも煽られて
**:<span style="color:#009900;">(訳注:カルヌーテース族によるローマ市民の殺害については[[#3節|3節]]を参照。)</span>
*non aetate confectis, non mulieribus, non infantibus pepercerunt.
**(ローマ勢は)年老いた者たちにも、妻女たちにも、幼児たちにも(虐殺することを)思いとどまらなかった。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ビトゥリゲース族はローマ市民の殺害には関与しておらず、報復される対象とするのは的外れである。</span>
**:<span style="color:#009900;">ましてや非戦闘員である老人・女性・子供たちまで殺戮するのは、戦争の狂気というしかない。)</span>
: <!-- [[wikt:en:| -->
*⑤ Denique ex omni eo<ref>eo はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> numero, qui fuit circiter milium XL(quadraginta),
**ついには、約40000名もいたすべての人員のうち、
*vix DCCC(octingenti), qui primo clamore audito se ex oppido eiecerunt<ref>eiecerunt はα系写本の記述で、β系写本では eiecerant となっている。</ref>,
**やっと800名が、はじめにどよめきを聞いて、城塞都市から急ぎ出ていたので、
*incolumes ad [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorigem]] pervenerunt.
**無傷のままで[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]のところへ到着した。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*⑥ Quos ille multa iam nocte silentio<ref>silentio はα系写本の記述で、β系写本にはない。</ref> sic<ref>sic はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> ex fuga excepit,
**その者たちを彼は、すでに夜も更けた静けさのうちに、逃亡から迎え入れた。
*veritus ne qua in castris ex eorum concursu et misericordia vulgi seditio oreretur<ref>oreretur は一部の写本の記述で、ほかの写本では oriretur となっている。</ref>,
**彼らの駆け込みや兵たちの同情から、陣営の中で何らかの騒動が生じないように怖れて、
*ut procul in via dispositis familiaribus suis principibusque civitatum
**(陣営の)遠くから途中で、自らの郎党たちや部族の領袖たちを配備して、
*disparandos deducendosque ad suos curaret,
**(敗走者たちを)味方のところへ分けて連れて行くようにさせた。
*quae cuique civitati pars castrorum ab initio obvenerat.
**陣営の各部分は、おのおのの部族にはじめから与えられていたのだ。
===29節===
[[画像:Vercingetorix stater CdM.jpg|thumb|right|250px|[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]の横顔が刻まれたガリアの金貨(パリの[[w:ビブリオテーク・ナショナル|仏国立図書館]]貨幣部蔵)]]
'''ウェルキンゲトリークスが演説で味方を鼓舞する'''
: <!-- [[wikt:en:| -->
*① Postero die concilio convocato consolatus cohortatusque est,
**(ウェルキンゲトリークスは)翌日に会合を召集して、(味方の者たちを)慰めて激励した。
*ne se admodum animo demitterent,
**あまり気を落とさないように、
*ne<ref>ne はα系写本の記述で、β系写本では neve となっている。</ref> perturbarentur incommodo.
**敗北により取り乱さないように、と。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*② Non virtute neque in acie vicisse Romanos,
**ローマ人たちが勝ったのは、武勇においてでも、(野戦の)戦場においてでもなく、
*sed artificio quodam et scientia oppugnationis,
**ある種の技巧および攻城戦の知識によるものであって、
*cuius rei fuerint ipsi imperiti.
**その事柄に(ガッリア勢)自身は通じていなかったのだ。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[ガリア戦記 第5巻#42節|第5巻42節]]では、ネルウィイ族らガッリア北部のベルガエ勢はローマ人の攻城術をまねていた。)</span>
: <!-- [[wikt:en:| -->
*③ Errare, si qui in bello omnes secundos rerum proventus exspectent.
**戦争においては、誰であれ万事、順調な成功を期待するのならば、誤りである。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*④ Sibi numquam placuisse Avaricum defendi,
**自分にとっては、アウァーリクムが防衛されることは決して気に入らなかった。
*cuius rei testes ipsos haberet;
**その事情の証人は(諸君ら)自身である。
*sed factum imprudentia Biturigum et nimia obsequentia reliquorum, uti hoc incommodum acciperetur.
**だが、ビトゥリゲース族の軽率さとほかの者たちが過度に意のままに従ったことにより、この敗北を蒙るようになったのだ。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*⑤ Id tamen se celeriter maioribus commodis sanaturum.
**しかしながら、それを自分が速やかに大いなる勝利によって埋め合わせよう。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*⑥ Nam quae ab reliquis Gallis civitates dissentirent,
**一方、(ウェルキンゲトリークスら)ほかのガッリア人たちとは意見を相異する諸部族、
*has sua diligentia adiuncturum atque unum consilium totius Galliae effecturum,
**彼らを自分の入念さにより加盟させるだろうし、全ガッリアの計画を一つにするだろう。
*cuius consensui ne orbis quidem terrarum possit obsistere;
**その協定には、全世界でさえ邪魔することはできない。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:ne quidem|ne ~ quidem]]「~でさえ…ない」)</span>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:orbis terrarum「全世界」)</span>
*idque se prope iam effectum habere.
**それを自分は、ほとんどすでに成し遂げたと思う。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*⑦ Interea aequum esse ab iis communis salutis causa impetrari,
**その間に(ガッリア)共通の安全のために、彼ら(ガッリア人たち)により(以下のように)遂げられることが好都合である。
*ut castra munire instituerent,
**陣営を防御することを実施するように、
*quo facilius repentinos hostium impetus sustinerent<ref>sustinerent はα系写本の記述で、β系写本では sustinere possent となっている。</ref>.
**それにより、敵たち(ローマ人)の予期せぬ襲撃により容易に持ちこたえられるように。
===30節===
'''ガッリア勢がウェルキンゲトリークスに心服し、希望を抱く'''
: <!-- [[wikt:en:| -->
*① Fuit haec oratio non ingrata Gallis,
**この演説は、ガッリア人たちには満更不快でもなかった。
*et maxime, quod ipse animo non defecerat tanto accepto incommodo
**というのは、とりわけ(ウェルキンゲトリークス)自身がこれほどの敗北を蒙っても気を落とさず、
*neque se<ref>se は写本にない記述だが、後の刊本で挿入された。</ref> in occultum abdiderat et conspectum multitudinis fugerat,
**秘密の場所に隠れたり、大勢の見ているところを逃れることがなかったからである。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*② plusque animo providere et praesentire existimabatur,
**(ウェルキンゲトリークスは)より多くのことを心に予見したり予感していると考えられた。
*quod re integra primo incendendum Avaricum, post deserendum censuerat.
**というのは、事態が定まらないのに、始めはアウァーリクムを焼かれるべきと、後には放棄するべきと考慮していたからだ。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*③ Itaque ut reliquorum imperatorum res adversae auctoritatem minuunt,
**こうして、ほかの将軍なら逆境が(彼の)影響力を減ずるのに、
*sic huius ex contrario dignitas incommodo accepto in dies augebatur.
**反対に彼の威厳は、敗北を蒙っても、日々において増されたのだ。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*④ Simul in spem veniebant eius adfirmatione de reliquis adiungendis civitatibus;
**同時に、彼の断言によって(彼らは)ほかの諸部族を加盟させることについて希望を抱いた。
*primumque eo tempore Galli castra munire instituerunt,
**そのときに初めて、ガッリア人たちは陣営を防御することを実施した。
*et sic sunt<ref>写本(ω)では sunt という記述だが、erant と修正する校訂版もある。</ref> animo consternati<ref>写本(ω)では consternati という記述だが、現代の校訂版では confirmati と修正されている。</ref>, homines insueti laboris,
**(陣営の防御という)努力に慣れていない人々が気持ちを駆り立てられた。
*ut omnia quae imperarentur sibi patienda et perferenda<ref>et perferenda はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> existimarent.
**自分たちにとって、命令されたことすべてを耐えるべきであり、成就するべきであると考えたほどであった。
===31節===
'''ウェルキンゲトリークスがほかの諸部族を勧誘し、兵力を補充する'''
: <!-- [[wikt:en:| -->
*① Nec minus quam est pollicitus [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]] animo laborabat, ut reliquas civitates adiungeret,
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は、約束したことに劣らず、ほかの諸部族を加盟させるように心から努力した。
*atque earum principes donis pollicitationibusque<ref>earum principes donis pollicitationibusque はβ系写本の記述で、α系写本では eas donis pollicitationibus となっている。</ref> adliciebat.
**その領袖たちに贈物を約束して、誘い込もうとした。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*② Huic rei idoneos homines deligebat,
**この事に適切な人物たちを(ウェルキンゲトリークスは)選び出して、
*quorum quisque aut oratione subdola aut amicitia facillime capere<ref>capere はχ・L写本の記述で、β系写本では capi となっている。</ref> posset.
**その者たちのおのおのは、巧妙な演説により、あるいは友情により、かなり容易に(同盟者を)得ることができた。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*③ Qui [[w:la:Avaricum Biturigum|Avarico]] expugnato refugerant, armandos vestiendosque curat;
**(ウェルキンゲトリークスは)[[w:アウァリクム|アウァーリクム]]が攻略されて逃げて来た者たちに、武装させ、服を着るようにさせた。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*④ simul, ut deminutae copiae redintegrarentur,
**同時に、減り衰えた軍勢が補完されるように、
*imperat certum numerum militum civitatibus, quem et quam ante diem in castra adduci velit,
**諸部族に、兵の一定の数をどれほど、かつ、どの日の前までに陣営に連れて来ることを欲するかを命令し、
*sagittariosque omnes, quorum erat permagnus numerus in Gallia<ref>numerus in Gallia はα系写本の記述で、β系写本では in Gallia numerus となっている。</ref>, conquiri et ad se mitti iubet.
**ガッリアにかなり多数がいた弓兵のすべてを、徴集して自分のところへ派遣することを命じた。
*His rebus celeriter id, quod Avarici deperierat, expletur.
**これらの事により、速やかに、アウァーリクムで壊滅していたそれ(らの軍勢)が補充された。
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*⑤ Interim Teutomatus, Olloviconis filius, rex Nitiobrogum,
**その間に、オッロウィコの息子で、ニティオブロゲス族の王であるテウトマトゥスが、
*cuius pater ab senatu nostro amicus erat appellatus,
**その父(オッロウィコ)は、我が方(ローマ)の[[w:元老院 (ローマ)|元老院]]から友人と呼ばれていたのだが、
*cum magno equitum suorum numero et quos ex Aquitania conduxerat ad eum pervenit.
**自らの騎兵の多数および[[w:アクィタニア|アクィタニア]]から募っていた者たちとともに、彼(ウェルキンゲトリークス)のところへ到着した。
==ゲルゴウィア攻略戦、ハエドゥイー族の離反==
===32節===
'''ハエドゥイー族内紛の危機'''
*① Caesar [[w:la:Avaricum Biturigum|Avarici]] complures dies commoratus
**カエサルは、[[w:アウァリクム|アウァーリクム]]に幾日も留まって、
*summamque ibi copiam frumenti et reliqui commeatus nactus
**そこでかなり多量の糧食やほかの必需品を手に入れて、
*exercitum ex labore atque inopia refecit.
**軍隊を労苦や欠乏から回復させた。
*② Iam prope hieme confecta,
**すでに、ほぼ冬は過ぎ去り、
*cum ipso anni tempore ad gerendum bellum vocaretur et ad hostem proficisci constituisset,
**(カエサルが)まさにその時季に戦争を遂行することに呼び寄せられて、敵の方へ発つことを決意していたときに、
*sive eum ex paludibus silvisque elicere sive obsidione premere posset,
**あるいは(敵を)沼地や森林から誘い出せるか、あるいは包囲により圧倒することができるか、というときに、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:sive ~ sive …「あるいは~、あるいは…」)</span>
*legati ad eum principes [[w:la:Haedui|Haeduorum]] veniunt oratum,
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の領袖たちが使節として彼(カエサル)のところへ頼みにやって来た。
*ut maxime necessario tempore civitati subveniat;
**きわめて緊急の時に、部族を助けてくれるように、と。
*③ Summo esse in periculo rem,
**事態は最大の危機にある。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:以下は、ハエドゥイー族の救援要請(間接話法)である。)</span>
*quod, cum singuli magistratus antiquitus creari atque regiam potestatem annum<ref>annum はα系写本の記述で、β系写本では annuam となっている。</ref> obtinere consuessent,
**というのは、昔から一人ずつの統領が選出されて、一年ごとに支配権力に就くことが常であったのに、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[ガリア戦記 第1巻#16節|第1巻16節]]によれば、ウェルゴブレトゥス Vergobretus という最高官職が毎年選ばれて大権を司る。)</span>
*duo magistratum gerant et se uterque eorum legibus creatum esse<ref>creatum esse はα系写本の記述で、β系写本では creatum となっている。</ref> dicat.
**2名が統領を司り、彼らの双方ともに自分は法により(=合法的に)選出されたのであると言っているのだ。
*④ Horum esse alterum Convictolitavem, florentem et inlustrem adulescentem,
**彼らの一方は、[[w:コンウィクトリタウィス|コンウィクトリタウィス]]で、声望があり、秀でた青年である。
*alterum Cotum, antiquissima familia natum
**他方は、[[w:コトゥス|コトゥス]]で、とても古くからの家系に生まれて、
*atque ipsum hominem summae potentiae et magnae cognationis,
**自身も最大勢力と多くの縁戚関係をもつ人物であり、
*cuius frater Valetiacus proximo anno eundem magistratum gesserit.
**その兄弟[[w:ウァレティアクス|ウァレティアクス]]は前年に同じ統領を司っていたのである。
*Civitatem esse omnem in armis;
**部族は皆が武装している。
*divisum senatum, divisum populum, suas<ref>suas は中世までの写本(ω)で、近世の写本(ς)では in suas となっている。</ref> cuiusque eorum clientelas.
**評議会も分裂し、民衆も分裂し、彼ら(2名)の(それぞれの)庇護民となっている。
*Quodsi diutius alatur controversia, fore uti pars cum parte civitatis confligat;
**もしこれ以上、紛争が進められれば、部族の派閥と派閥が激突することになるであろう。
*Id ne accidat, positum in eius diligentia atque auctoritate.
**それが起こらないかは、彼(カエサル)の入念さと影響力にかかっている。
===33節===
'''カエサルがハエドゥイー族の権力をコンウィクトリタウィスに与える'''
*① Caesar, etsi a bello atque hoste discedere detrimentosum esse existimabat,
**カエサルは、戦争および敵から離れることが非常に不利であると考えていたのではあるが、
*tamen non ignorans, quanta ex dissensionibus incommoda oriri consuessent,
**しかしながら、不和からどれほどの災厄が生じることが常であるか、知らないではなかったし、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:etsi ~, tamen …「~ではあるが、しかしながら…」)</span>
*ne tanta et tam coniuncta populo Romano civitas,
**これほど大きく、これほどローマ人民と協同している(ハエドゥイーの)部族が、
*quam ipse semper aluisset omnibusque rebus ornasset,
**彼らのことを(カエサル)自身は常に助成して、かつあらゆる事柄で敬意を表していたのだが、
*ad vim atque arma descenderet,
**(彼らが内紛という)暴力や戦乱に沈み込まないように、
*atque ea pars, quae minus sibi confideret, auxilia a [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorige]] arcesseret,
**かつ、自分たちが劣勢だと確信している(ハエドゥイーの)一派が[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]の支援を招かないように、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ne ~ civitas, ~ descenderet, ~ arcesseret「~部族が、~沈まないように、~招かないように」)</span>
[[画像:FR-58-Decize29.JPG|thumb|right|250px|デケティア([[w:la:Decetia|Decetia]])すなわち現在のドスィーズ([[w:fr:Decize|Decize]])の景観。[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の版図であった[[w:ニエーヴル県|ニエーヴル県]]の南部にあり、リゲル川(現[[w:ロワール川|ロワール川]])のほとりに位置している。]]
*huic rei praevertendum existimavit et,
**この事態を(戦争よりも)優先されるべきと考えた。
*② quod legibus [[w:la:Haedui|Haeduorum]] iis, qui summum magistratum obtinerent, excedere ex finibus non liceret,
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の法により、最高の官職に就いている者は領土から出て行くことを許されないので、
*ne quid de iure aut de legibus eorum deminuisse videretur,
**(カエサルが)彼らの法令あるいは法制について何ら軽視したとは思われないように、
*ipse in Haeduos proficisci statuit
**自身がハエドゥイー族のところに出発することを決心した。
*senatumque omnem et quos inter controversia esset ad se [[w:la:Decetia|Decetiam]] evocavit.
**かつ、評議会の全員、および紛争が介在しているところの者たちをデケティアの自分のところへ呼び出した。
*③ Cum prope omnis civitas eo convenisset, docereturque
**部族のほぼすべての(主だった)者たちがそこに集まったときに、(以下のことが)報知された。
*paucis clam convocatis alio loco, alio tempore atque oportuerit, fratrem a fratre renuntiatum,
**わずかな者が密かに、あるべきはずとは別の場所、別の時に呼び集められて、兄により弟(の就位)が告げられたというのだ。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:前年に統領であった兄ウァレティアクスによって弟コトゥスの統領への就位が告げられたということであろう。)</span>
*cum leges duo<ref>duo はχ・B・M・S・β系写本の記述で、L・N写本では duos となっている。</ref> ex una familia vivo utroque non solum magistratus creari vetarent, sed etiam in senatu esse prohiberent,
**法は、一つの家族から2名が双方とも存命中に、統領に選出されるのを禁じるだけでなく、評議会にいることも禁止しているのに。
*Cotum imperium deponere coegit,
**(カエサルは)[[w:コトゥス|コトゥス]]に支配権を放棄することを強要した。
*Convictolitavem, qui per sacerdotes more civitatis intermissis magistratibus esset creatus,
**[[w:コンウィクトリタウィス|コンウィクトリタウィス]]は、統領が空位になったときに、部族の規則により、祭司を通じて選出されたので、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ここでいう祭司 sacerdos が[[ガリア戦記 第6巻#13節|第6巻13節]]以下で説明された[[w:ドルイド|ドルイド]]と同じか否かは不詳である。)</span>
*potestatem obtinere iussit.
**(カエサルは彼に)権力の座に就くことを命じた。
===34節===
'''ハエドゥイー族を動員し、ローマ軍をカエサルとラビエーヌスの二隊に分散'''
*① Hoc decreto interposito cohortatus Haeduos, ut
**この決定により仲裁して、(カエサルは)[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]に以下のように励ました。
*controversiarum ac dissensionis obliviscerentur
**(部族内部の)紛争や不和を忘れるように、
*atque omnibus omissis his rebus huic bello servirent
**かつ、これらすべての事情を度外視して、この(ウェルキンゲトリークスとの)戦争に尽くすように、
*eaque, quae meruissent, praemia ab se devicta Gallia exspectarent
**ガッリアが征服されたときには(彼らが)受けるに値する自分(カエサル)からの恩賞を期待するように、
*equitatumque omnem et peditum milia X(decem) sibi celeriter mitterent,
**(ハエドゥイー族の)騎兵隊のすべてと歩兵1万名を自分(カエサル)に速やかに派遣するように、
*quae in praesidiis rei frumentariae causa disponeret,
**それらは糧食供給のために守備隊として分けて置くものである、と。
[[画像:Brioude pont.JPEG|thumb|right|250px|エラウェル川([[w:la:Elaver|Elaver]])こと現在の[[w:アリエ川|アリエ川]](Allier)。ハエドゥイー族領の境辺りでリゲル川([[w:la:Liger|Liger]])こと現[[w:ロワール川|ロワール川]]([[w:fr:Loire (fleuve)|Loire]])に合流する。]]
*② exercitum in duas partes divisit:
**(カエサルは)軍隊を二つの方面軍に分けた。
*quattuor legiones in Senones Parisiosque [[w:la:Titus Labienus|Labieno]] ducendas dedit,
**4個[[w:ローマ軍団|軍団]]をセノネース族やパリスィイ族のところに率いて行くべく[[w:ティトゥス・ラビエヌス|ラビエーヌス]]に委ねた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ラビエーヌスのこの遠征については[[#57節|57節]]~62節で述べられる。)</span>
*sex ipse in Arvernos ad oppidum [[w:la:Gergovia|Gergoviam]] secundum flumen [[w:la:Elaver|Elaver]] duxit;
**6個を(カエサル)自身がアルウェルニー族のところの城塞都市ゲルゴウィアへエラウェル川に沿って率いて行った。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:エラウェル川 Elaver は現在の[[w:アリエ川|アリエ川]] Allier である。)</span>
*equitatus partem illi attribuit, partem sibi reliquit.
**騎兵隊の一部は彼(ラビエーヌス)に割り当てて、(残りの)部分は自分のもとに残した。
*③ Qua re cognita [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]] omnibus interruptis eius fluminis pontibus
**その事を知って、[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]はその川のすべての橋を破却しながら、
*ab altera fluminis parte iter facere coepit.
**川の別の側を行軍し始めた。
===35節===
'''カエサルが陽動によってエラウェル川に架橋、渡河する'''
*① Cum uterque utrimque exisset exercitus<ref>utrimque exisset exercitus はα系写本の記述で、β系写本では utrique esset exercitui となっている。</ref>, in conspectu, fereque e regione castris castra ponebant<ref>ponebant はα系写本の記述で、β系写本では poneret となっている。</ref>,
**(ガッリア勢とローマ勢の)軍隊の双方が互いに視界にあって、ほぼ真向かいに互いの陣営を設置したときに、
*dispositis exploratoribus, necubi effecto ponte Romani copias traducerent,
**(ウェルキンゲトリークスは)ローマ人の軍勢がどこにも橋を造って渡河しないように、偵察者たちを分けて置き、
*erat in magnis Caesaris<ref>Caesaris はα系写本などの記述で、π系写本などでは Caesari となっている。</ref> difficultatibus res,
**カエサルにとって事態は大きな困難になっていた。
*ne maiorem aestatis partem flumine impediretur,
**夏の大部分(の対岸の敵との交戦)が川により妨げられるのではないか、
*quod non fere ante autumnum [[w:la:Elaver|Elaver]] vado transiri solet.
**というのは、[[w:アリエ川|エラウェル川]]は秋の前はほとんど浅瀬を渡らない習わしであったからだ。
*② Itaque, ne id accideret, silvestri loco castris positis
**こうして、それが生じないように、森林地帯に陣営を設置した。
*e regione unius eorum pontium, quos [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]] rescindendos curaverat,
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]が切り裂かれるように手配していたところの橋の一つの真向かいに。
*postero die cum duabus legionibus in occulto restitit;
**翌日に、2個[[w:ローマ軍団|軍団]]とともに密かなところに留まった。
*③ reliquas copias cum omnibus impedimentis, ut consueverat, misit,
**残りの軍勢(=4個軍団)をすべての輜重とともに、通常のように、出発させた。
*captis<ref>写本(ω)では captis となっているが、Herald Fuchs の校訂版(1932年)では sic collocatis という記述が提案されている。etc.</ref> quibusdam cohortibus, uti numerus legionum constare videretur.
**軍団の数を保っていると(敵から)見られるように、いくつかの<ruby><rb>[[w:コホルス|歩兵大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>を含ませていた。
*④ His quam longissime possent egredi<ref>egredi はα系写本の記述で、β系写本では progredi となっている。</ref> iussis,
**彼ら(4個軍団)には、できる限り遠くまで前進することを命じた。
*cum iam ex diei tempore coniecturam ceperat<ref>ceperat はα系写本の記述で、β系写本では caperet となっている。</ref> in castra perventum,
**すでに、日の時刻から(彼らが)宿営地に到達したと(カエサルが)推測をしたときに、
*isdem sublicis, quarum pars inferior integra remanebat, pontem reficere coepit.
**(前述の)同じ橋杭は、そのより下方の部分が損なわれないで残っていたので、橋を修復し始めた。
*⑤ Celeriter effecto opere
**速やかに工事が成し遂げられて、
*legionibusque traductis et loco castris idoneo delecto
**(2個)軍団が渡河させられて、陣営に適切な地点を選んで、
*reliquas copias revocavit.
**残りの軍勢(=4個軍団)を呼び戻した。
*⑥ Vercingetorix re cognita,
**ウェルキンゲトリークスは事態を知って、
*ne contra suam voluntatem dimicare cogeretur,
**自らの意向に反して(ローマ勢と)争闘することを強いられないように、
*magnis itineribus antecessit.
**強行軍で(ゲルゴウィアに向けて)先行した。
===36節===
[[画像:FR-63-Gergovie.JPG|thumb|right|300px|[[w:ゲルゴウィア|ゲルゴウィア]]([[w:la:Gergovia|Gergovia]])すなわち現在のジェルゴヴィ高地([[w:fr:Plateau de Gergovie|Plateau de Gergovie]])の[[w:ピュイ=ド=ドーム県|ピュイ=ド=ドーム県]]県道978号(D978)からの眺望。19世紀の[[w:ウジェーヌ・ストッフェル|ウジェーヌ・ストッフェル]]大佐(colonel Eugène Stoffel)の発掘調査によって、城砦やローマ軍の溝の遺構などが発見され、当地がゲルゴウィアの古戦場だと確認された。]]
[[画像:Siège_GergovieI_-52.png|thumb|right|300px|ゲルゴウィアにおける両軍の布陣図。山の頂にある城塞都市に隣接してガッリア諸部族の陣営(黄色部分)、右方にローマ軍の大きな陣営(赤色部分)と左下にローマ軍の小さな陣営(赤色部分)が見える。推定される位置関係は19世紀の[[w:ウジェーヌ・ストッフェル|ストッフェル]]大佐の発掘調査に依拠しており、小陣営があった地点は現在のラ・ロシュ=ブランシュ([[w:fr:La Roche-Blanche (Puy-de-Dôme)|La Roche-Blanche]])だと考えられている。]]
'''両軍がゲルゴウィアの要衝に陣営を築く'''
*① Caesar ex eo loco quintis castris [[w:la:Gergovia|Gergoviam]] pervenit
**カエサルは(渡河した)その地点から5回目の宿営で[[w:ゲルゴウィア|ゲルゴウィア]]に到着した。
*equestrique eo die proelio levi facto,
**(到着した)その日に(ガッリア勢と)軽微な[[w:騎兵|騎兵]]戦を闘って、
*perspecto urbis situ, quae posita in altissimo monte omnes aditus difficiles habebat,
**山の非常に高いところに位置し、すべての接近路を困難なものとしている(ゲルゴウィアの)町の地勢を認識して、
*de expugnatione<ref>expugnatione はα系写本の記述で、β系写本では oppugnatione となっている。</ref> desperavit,
**(拙速に突撃するような)攻略については断念して、
*de obsessione non prius agendum constituit, quam rem frumentariam expedisset.
**糧食調達の整備をするより前には、攻囲について行なうべきでないと決心した。
*② At [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]], castris prope oppidum in monte<ref>in monte はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> positis,
**それに対して、[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は、山中の城塞都市の近くに陣営を設置して、
*mediocribus circum se intervallis separatim singularum civitatium<ref>civitatium はB・M・L・N写本の記述で、χ・S・β系写本では civitatum となっている。</ref> copias conlocaverat
**自陣の周りに、適切な間隔で個々の部族の軍勢を別々に駐屯させて、
*atque omnibus eius iugi collibus occupatis, qua despici poterat,
**その尾根のうち(山麓を)見下ろすことができたすべての丘陵を占有して、
*horribilem speciem praebebat;
**恐ろしげな姿を現わした。
*③ principesque earum civitatium<ref>civitatium はA・Q・B・M・L・N写本の記述で、Q・S・β系写本では civitatum となっている。</ref>, quos sibi ad consilium capiendum delegerat,
**(ウェルキンゲトリークス)自らが作戦を立てるために選び出していた諸部族の領袖たちに
*prima luce cotidie ad se convenire iubebat,
**毎日、夜明けに自分のところへ集まることを命じた。
*seu quid communicandum, seu quid administrandum videretur,
**何らかのことを伝達・協議するのか、あるいは何らかのことを指導するのだと思われる。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:seu ~ seu …「あるいは~、あるいは…」)</span>
*④ neque ullum fere diem intermittebat, quin equestri proelio interiectis sagittariis,
**騎兵戦に弓兵を介在させることを、ほとんどどの日も中断せずに、
*quid in quoque esset animi ac virtutis suorum, perspiceretur<ref>perspiceretur はα系写本の記述で、T写本では perspiceret、β系写本では periclitaretur となっている。</ref>.
**どのような心構えや武勇が、配下の者たちのおのおのにあるかを、吟味した。
*⑤ Erat e regione oppidi collis sub ipsis radicibus montis
**山のその麓の下方に、城塞都市の真向かいに、丘陵があって、
*egregie munitus atque ex omni parte circumcisus;
**あらゆる方面から周囲が険しくて、(その地形により)すばらしく護られていた。
*quem si tenerent nostri, et aquae magna parte et pabulatione libera prohibituri hostes videbantur.
**もし、それを我が方(ローマ勢)が占めれば、水源の大半と自由な糧秣徴発から敵たちを妨げるであろうと思われた。
*⑥ Sed is locus praesidio ab his, non nimis firmo, tenebatur.
**だが、その地点は、彼ら(ガッリア勢)により、大して強力ではない守備隊で占められていた。
*⑦ Tamen silentio noctis Caesar ex castris egressus,
**にもかかわらず(昼間ではなく)夜の静けさのうちに、カエサルは陣営から出撃して、
*priusquam subsidio ex oppido veniri posset,
**城塞都市(のそばの陣営)から援兵に来られるより前に、
*deiecto praesidio potitus loco duas ibi legiones conlocavit
**守備隊を追い出して、地点を占拠して、そこに2個[[w:ローマ軍団|軍団]]を駐屯させた。
*fossamque duplicem duodenum pedum a maioribus castris ad minora perduxit,
**12[[w:ペース (長さ)|ペース]](=約3.6mの幅)の二重の堀を、より大きな陣営から(この丘陵の)より小さな陣営へ至らしめた。
*ut tuto ab repentino hostium incursu singuli commeare possent.
**敵たちの不意の襲撃から安全に、1人1人が往来することができるように。
===37節===
'''ハエドゥイー族のコンウィクトリタウィスがガッリア同盟軍に内応する'''
*① Dum haec ad [[w:la:Gergovia|Gergoviam]] geruntur,
**これらがゲルゴウィアのところでなされている間に、
*Convictolitavis [[w:la:Haedui|Haeduus]],
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]のコンウィクトリタウィスは、
*cui magistratum adiudicatum a Caesare demonstravimus,
**その者はカエサルによって統領として承認されたと([[#33節|33節]]で)既述したが、
*sollicitatus ab Arvernis pecunia cum quibusdam adulescentibus conloquitur,
**[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]により金銭でそそのかされて、ある若者たちと談判した。
*quorum erat princeps Litaviccus atque eius fratres,
**その者たちの領袖は[[w:リタウィックス|リタウィックス]]とその兄弟たちであり、
*amplissima familia nati adulescentes.
**とても強大な一族に生まれた若者たちだった。
*② Cum his praemium communicat
**彼らとともに(アルウェルニー族からの)報酬を共有して、
*hortaturque, ut se liberos et imperio natos meminerint.
**自分たちが自由民で支配層の生まれであるのを思い起こせ、と鼓舞した。
*③ Unam esse Haeduorum civitatem, quae certissimam Galliae victoriam distineat<ref>distineat はM・N・π・R写本などの記述で、Q・U写本などでは destineat 、A・B・S写本などでは dedistineat などとなっている。</ref>;
**ハエドゥイーの部族国家は、ガッリアの至極確実な勝利を阻んでいる唯一のものであり、
*eius auctoritate reliquas contineri;
**その声望により、ほかの(同盟部族の)ものたちが(ローマ側に)保持されているが、
*qua traducta locum consistendi Romanis in Gallia non fore.
**それが(ガッリア勢に)引き入れられることによって、ガッリアにおいてローマ人が留まり続ける場はないであろう。
*④ Esse nonnullo se Caesaris beneficio adfectum,
**自分はカエサルの少なからぬ恩義をかけられているが、
*sic tamen, ut iustissimam apud eum causam obtinuerit;
**しかし、彼(カエサル)のもとで至極合法的な理由を手に入れたまでであり、
*sed plus communi libertati tribuere.
**しかし、(ガッリアの)共通の自由に従うことの方がより大きい。
*⑤ Cur enim potius Haedui de suo iure et de legibus ad Caesarem disceptatorem quam Romani ad Haeduos veniant?
**なぜ実際、ハエドゥイー族は自らの法令や法制について、ローマ人がハエドゥイー族へ来るよりむしろ、カエサルを仲裁者とするのか?
*⑥ Celeriter adulescentibus et oratione magistratus et praemio deductis,
**若者たちは速やかに、統領の演説と報酬によって導き入れられた。
*cum se vel principes eius consilii fore profiterentur,
**自分たちがその謀計の首謀者にすらなろうと申し出たときに、
*ratio perficiendi quaerebatur,
**(謀計を)成し遂げる方法が求められた。
*quod civitatem temere ad suscipiendum bellum adduci posse non confidebant.
**というのは、部族がむやみに(ローマ人との)戦争実行へ動かされることができるとは確信していなかったからだ。
*⑦ Placuit, ut Litaviccus decem illis milibus, quae Caesari ad bellum mitterentur, praeficeretur atque ea ducenda curaret,
**リタウィックスに、カエサルに戦争のために派遣されるあの(歩兵)1万名を指揮させ率いさせるのが良いとされた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:歩兵1万名については[[#34節|34節]]を参照。)</span>
*fratresque eius ad Caesarem praecurrerent.
**彼の兄弟たちは、カエサルのところへ先立って行った。
*Reliqua qua ratione agi placeat constituunt.
**残りのことが、どのようなやり方で行なわれるのが良いかが決められた。
===38節===
'''リタウィックスの鼓舞でハエドゥイー族の歩兵1万が挙兵する'''
*① Litaviccus accepto exercitu
**リタウィックスは(1万名の)歩兵隊を受け取って、
*cum milia passuum circiter XXX(triginta)<ref>XXX(triginta) はα系写本の記述で、β系写本では XL(quadraginta) となっている。</ref> ab<ref>ab は写本(ω)の記述であるが、モイゼル(Henricus Meusel)は a を提案している。</ref> [[w:la:Gergovia|Gergovia]] abesset,
**[[w:ゲルゴウィア|ゲルゴウィア]]から約30[[w:ローママイル|ローママイル]](=45km弱)離れたところに来たときに、
*convocatis subito militibus lacrimans,
**兵士たちを突然に呼び集めて、泣きながら、
*② "Quo proficiscimur," inquit, "milites?
**「兵士らよ、どこへ我々は進むのか?」と言った。
*Omnis noster equitatus, omnis nobilitas interiit;
**「我が方(ハエドゥイー族)のすべての[[w:騎兵|騎兵隊]]とすべての高貴な者たちは滅んだ。
*principes civitatis, [[w:la:Eporedorix|Eporedorix]] et Viridomarus,
**部族の領袖たち、エポレドリクスとウィリドマルスは、
*insimulati proditionis ab Romanis indicta causa interfecti sunt.
**裏切りの罪を着せられて、ローマ人たちによって、弁解の余地なく殺されてしまったのだ。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:indicta causa「弁解の余地なく」)</span>
*③ Haec ab ipsis<ref>ipsis はα系写本の記述で、β系写本では his となっている。</ref> cognoscite, qui ex ipsa caede fugerunt;
**これは、その虐殺から逃げて来た当人たちから聞き知ってくれ。
*nam ego fratribus atque omnibus meis propinquis interfectis
**なぜなら、私は、兄弟たちやすべての我が親族たちが殺されて
*dolore prohibeor, quae gesta sunt, pronuntiare."
**悲嘆により、なされたことを物語ることを妨げられているからだ。」
*④ Producuntur hi<ref>hi はφ・β系写本の記述で、A写本では ii 、Q写本では hii となっている。</ref>, quos ille edocuerat quae dici vellet,
**彼(リタウィックス)が言って欲しいことを教え込んでいた者たちが連れ出されて来て、
*atque eadem, quae Litaviccus pronuntiaverat, multitudini exponunt:
**リタウィックスが物語ったのと同じことを群衆に説明した。
*⑤ multos<ref>multos はα系写本の記述で、β系写本では omnes となっている。</ref> equites [[w:la:Haedui|Haeduorum]] interfectos, quod conlocuti cum Arvernis dicerentur;
**ハエドゥイー族の多くの騎兵たちは、アルウェルニー族と談判したと言われたので、殺された、と。
*ipsos se inter multitudinem militum occultasse atque ex media caede fugisse.
**(彼ら)自身は、兵士ら多数の間に身を隠して、虐殺の最中から逃げて来たのだ、と。
*⑥ Conclamant Haedui et Litaviccum obsecrant, ut sibi consulat.
**ハエドゥイー族の者たちは叫び声を上げて、リタウィックスに、自分たちに(どうするべきか)助言するように懇願した。
*"Quasi vero" inquit ille "consilii sit res, ac non necesse sit
**彼は言った「実にあたかも、事態が協議するべきというかのようだ。(協議する)必要はないのだ。
*nobis Gergoviam contendere et cum Arvernis nosmet coniungere.
**我々にとって、ゲルゴウィアに急行して、アルウェルニー族と我々が合流することは。
*⑦ An dubitamus, quin nefario facinore admisso Romani iam ad nos interficiendos concurrant?
**非道の悪行を犯したローマ人がもはや我々を殺戮するために襲いかかって来ることを疑うのかね?
*⑧ Proinde, si quid in nobis animi est,
**それゆえに、もし我々に何らかの心構えがあるならば、
*persequamur eorum mortem, qui indignissime interierunt,
**とても不面目に滅びた者たちの死に仇討ちしようではないか。
*atque hos latrones interficiamus."
**かの略奪者たち(ローマ人)を誅殺しようではないか。」
*Ostendit cives Romanos, qui eius praesidii fiducia una erant<ref>erant は写本(ω)の記述であるが、モムゼン(Mommsen)らは ierant を提案している。</ref>:
**(リタウィックスは)彼の護衛を信頼して一緒にいたローマ市民たちを示した。
*⑨ Continuo<ref>Continuo はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> magnum numerum frumenti commeatusque diripit,
**ただちに、(ローマ市民たちの)糧食や必需品の多数を略奪して、
*ipsos crudeliter excruciatos interficit.
**当人たちを残酷に拷問して殺した。
*⑩ Nuntios tota civitate Haeduorum dimittit,
**ハエドゥイー族の伝令たちを、部族全体にわたって遣わして、
*in<ref>in はβ系写本の記述だが、α系写本にはない。</ref> eodem mendacio de caede equitum et principum permovet<ref>permovet はL・N写本の記述だが、B写本では permanet 、χ・M・S・β系写本などでは permonet となっている。</ref>;
**騎兵や領袖たちの虐殺について、同じ嘘によって扇動した。
*hortatur ut simili ratione atque ipse fecerit suas iniurias persequantur.
**(リタウィックス)自身がしたのと同様のやり方で、自分たちの(受けた)無法に仇討ちするようにと鼓舞した。
===39節===
'''エポレドリクスがハエドゥイー勢1万の寝返りをカエサルに知らせる'''
*① [[w:la:Eporedorix|Eporedorix]] [[w:la:Haedui|Haeduus]], summo loco natus adulescens et summae domi potentiae,
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の[[w:エポレドリクス|エポレドリクス]]は、最高の身分に生まれた青年で、本国で最高の権勢にあった。
*et una Viridomarus, pari aetate et gratia, sed genere dispari,
**とともに、[[w:ウィリドマルス|ウィリドマルス]]も、同じ年輩で、同様に敬意を受けていたが、異なる階級であった。
*quem Caesar ab Diviciaco sibi traditum ex humili loco ad summam dignitatem perduxerat,
**カエサルは彼を[[w:ディウィキアクス|ディウィキアクス]]により託されて、低い身分から最高の地位へと引き立てていた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ディウィキアクスはかつてローマに援助を求めた有力者で、カエサルに殺されたドゥムノリクスの兄弟。)</span>
*in equitum numero convenerant nominatim ab eo evocati.
**(その2人は)彼(カエサル)から名指しで呼び出されて、[[w:騎兵|騎兵]]として(ローマの陣中に)一緒に来ていた。
*② His erat inter se de principatu contentio
**彼ら(2人)には、互いに指揮官の座についての競争があって、
*et in illa magistratuum controversia
**あの統領をめぐる紛争においても
**:<span style="color:#009900;">([[#32節|32節]]~33節を参照。)</span>
*alter pro Convictolitavi, alter pro Coto summis opibus pugnaverant<ref>pugnaverant はα系写本の記述で、β系写本では pugnaverat となっている。</ref>.
**一方は[[w:コンウィクトリタウィス|コンウィクトリタウィス]]のために、他方は[[w:コトゥス|コトゥス]]のために、最大限の助力で奮闘していた。
*③ Ex his Eporedorix cognito Litavicci consilio
**彼らのうちエポレドリクスが[[w:リタウィックス|リタウィックス]]の謀計を知って、
*media fere nocte rem ad Caesarem defert;
**ほぼ真夜中に、事情をカエサルのところへ報知した。
*orat ne patiatur civitatem pravis adulescentium consiliis ab amicitia populi Romani deficere;
**(ハエドゥイーの)部族が青年たちのゆがんだ謀計によってローマ人民の友好から背くことを容認しないように懇願した。
*quod futurum provideat, si se tot hominum milia cum hostibus coniunxerint,
**もし、このように多くの幾千もの同胞が敵たちと協同するならば、(上記の)ことが生じると用心するように、と。
*quorum salutem neque propinqui neglegere,
**(寝返った1万の歩兵たちの)縁者たちは彼らの身の安全をなおざりにすることはないし、
*neque civitas levi momento aestimare posset.
**部族が(寝返った歩兵たちの)影響力を軽く評価できない、と。
===40節===
'''カエサルが4個軍団を率いてハエドゥイー勢1万を制止し、リタウィックスは逃亡'''
*① Magna adfectus sollicitudine hoc nuntio Caesar,
**この知らせにより、大きな不安を感じたカエサルは、
*quod semper [[w:la:Haedui|Haeduorum]] civitati praecipue indulserat,
**常に[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイーの部族]]にとくに気遣っていたので、
*nulla interposita dubitatione legiones expeditas quattuor equitatumque omnem ex castris educit;
**何らためらいを差しはさまずに、戦備を整えた4個[[w:ローマ軍団|軍団]]と[[w:騎兵|騎兵隊]]すべてを陣営から進発させた。
*② nec fuit spatium tali tempore ad contrahenda castra,
**このような情勢で、陣営を縮小するための余地はなかった。
**:<span style="color:#009900;"> (訳注:[[#36節|36節]]で、カエサルはゲルゴウィアの大きな陣営および敵に近い小さな陣営を6個軍団で守っていた。)</span>
*quod res posita in celeritate videbatur;
**というのは、事態は迅速さにかかっていると思われたからだ。
*C.(Gaium) Fabium legatum cum legionibus duabus castris praesidio relinquit.
**総督副官[[w:ガイウス・ファビウス|ガイウス・ファビウス]]を2個軍団とともに陣営の守備に残しておいた。
*③ Fratres Litavicci cum comprehendi iussisset,
**(カエサルは)リタウィックスの兄弟たちを拘束することを命じていたのだが、
*paulo ante reperit ad hostes fugisse.
**少し前に(ゲルゴウィアの)敵たちのところへ去ったことを探り出した。
*④ Adhortatus milites ne necessario tempore itineris labore permoveantur,
**(カエサルは)緊急の時に、行軍の労苦により乱されないように、兵士たちを激励して、
*cupidissimis omnibus progressus milia passuum [[w:la:Viginti quinque|XXV]] agmen Haeduorum conspicatus<ref>conspicatus はα系写本の記述で、β系写本では conspicatur となっている。</ref>
**皆がとても熱中していたので、25[[w:|ローママイル]](約37km)進んで、ハエドゥイー族の隊列を視認した。
*immisso equitatu iter eorum moratur atque impedit
**騎兵隊を突進させて、彼ら(ハエドゥイー勢)の行軍を妨げて、停止させた。
*interdicitque omnibus ne quemquam interficiant.
**(ハエドゥイー勢を)誰一人殺さないように(ローマ勢の)皆に禁じた。
*⑤ [[w:la:Eporedorix|Eporedorigem]] et Viridomarum, quos illi interfectos existimabant,
**彼ら(ハエドゥイー勢)が、殺されたものと考えていた者たち、[[w:エポレドリクス|エポレドリクス]]と[[w:ウィリドマルス|ウィリドマルス]]に、
*inter equites versari suosque appellare iubet.
**(ハエドゥイー勢の)騎兵たちの間を歩き回って、味方に呼びかけることを命じた。
*⑥ His cognitis et Litavicci fraude perspecta Haedui manus tendere,
**彼ら(2人)に気付いて、リタウィックスのごまかしを見通して、ハエドゥイー族の者たちは手を差し出して、
*deditionem significare et proiectis armis mortem deprecari incipiunt.
**降伏の意を表して、武器を投げ出して、死を赦免されることを求め始めた。
*⑦ Litaviccus cum suis clientibus,
**[[w:リタウィックス|リタウィックス]]は、配下の子分たちとともに、
*quibus more Gallorum nefas est etiam in extrema fortuna deserere patronos,
**ガッリア人の風習では、最悪の境遇にあってさえも(子分が自分の)親分を見捨てることは非道であったので、
*[[w:la:Gergovia|Gergoviam]] profugit.
**(親分・子分ともども)[[w:ゲルゴウィア|ゲルゴウィア]]に逃れた。
===41節===
'''副官ファビウスの報告:ゲルゴウィアの敵勢がローマ陣営に襲来'''
*① Caesar nuntiis ad civitatem [[w:la:Haedui|Haeduorum]] missis,
**カエサルは伝令たちを[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー]]の部族(当局)に遣わして、
*qui suo beneficio conservatos docerent quos iure belli interficere potuisset,
**彼ら(伝令)に、戦時の権限により殺せた者たち(歩兵1万)は(カエサル)自らの恩恵により許されたのだ、と説かせた。
*tribusque horis noctis exercitui ad quietem datis castra ad [[w:la:Gergovia|Gergoviam]] movit.
**(カエサルは)夜の3時間を軍隊に休息のために与えて、陣営を引き払ってゲルゴウィアの方へ向かった。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:古代ローマの不定時法では、夏季の夜の3時間は、現在の定時法の3時間よりかなり短い。)</span>
*② Medio fere itinere equites a Fabio missi,
**(ゲルゴウィアへの)道程のほぼ中間のところで、ファビウスから[[w:騎兵|騎兵]]たちが遣わされて来て、
*quanto res in periculo fuerit, exponunt.
**事態がどれほどの危機にあるか、を打ち明けた。
*Summis copiis castra oppugnata demonstrant,
**(ガッリア勢の)最大級の軍勢により(ローマ勢の)陣営が攻撃された、と説明した。
*cum crebro integri defessis succederent
**そのときに(ガッリア勢は)たびたび新たな者たちが疲労した者たちに交代していたが、
*nostrosque adsiduo labore defatigarent,
**我が方(ローマ勢)は絶え間ない労苦により疲れ果てていた。
*quibus propter magnitudinem castrorum perpetuo esset isdem in vallo permanendum.
**彼ら(ローマ勢)にとり、陣営の大きさのために、同じ者たちが防柵の中に留まらざるを得なかった。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:カエサルは[[#40節|40節]]②項で「陣営を縮小するための余地はなかった」とあらかじめ弁解している。)</span>
*③ Multitudine sagittarum atque omnis generis<ref>omnis generis はα系写本の記述で、β系写本では omni genere となっている。</ref> telorum multos vulneratos;
**(ガッリア勢からの)矢の多数と飛び道具のあらゆる類いによって(ローマ勢の)多くのものが傷つけられた。
*ad haec sustinenda magno usui fuisse tormenta.
**これに持ちこたえるために、投石器が大いに役立った。
*④ Fabium discessu eorum duabus relictis portis obstruere ceteras
**ファビウスは、彼ら(ガッリア勢)が退却すると、2つの門を残して、ほか(の門)を閉鎖した。
*pluteosque vallo addere et se in posterum diem similemque casum apparare<ref>similemque casum apparare はα系写本の記述で、β系写本では similem ad casum parare となっている。</ref>.
**胸壁を防柵を付け加えて、翌日における似たような状況に備えた。
*⑤ His rebus cognitis Caesar
**これらの事態を知って、カエサルは、
*summo studio militum ante ortum solis in castra pervenit.
**兵士たちの最大級の努力によって、日の出の前に(ゲルゴウィアの)陣営に到着した。
===42節===
'''ハエドゥイー族の者たちが反ローマ暴動を引き起こす'''
*① Dum haec ad [[w:la:Gergovia|Gergoviam]] geruntur,
**これらがゲルゴウィアの辺りでなされている間に、
*[[w:la:Haedui|Haedui]] primis nuntiis ab Litavicco acceptis
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の者たちは、[[w:リタウィックス|リタウィックス]]からの最初の知らせを受け取ったが、
*nullum sibi ad cognoscendum spatium relinquunt.
**自分たちには(この知らせを)調べるための余地を何ら残さなかった。
*② Impellit alios avaritia, alios iracundia et temeritas
**ある者たちを貪欲さが、ある者たちを激しやすさや無分別が駆り立てた。
*─ quae maxime illi hominum generi est innata ─ ut levem auditionem habeant pro re comperta.
**あの種族の人々はとりわけ、軽率な風聞を確認された事として見なすように、生まれついているのだ。
*③ Bona civium Romanorum diripiunt, caedes faciunt, in servitutem abstrahunt.
**(ハエドゥイー族の者たちは)ローマ市民たちの財産を略奪し、殺戮を行なって、隷属状態に引きずり込んだ。
*④ Adiuvat rem proclinatam Convictolitavis
**(さらに)傾いた事態を[[w:コンウィクトリタウィス|コンウィクトリタウィス]]が助長して、
*plebemque ad furorem impellit, ut facinore admisso ad sanitatem reverti pudeat.
**民衆を狂暴さへと、悪行を犯して冷静さへ引き返すことを恥と思うように、駆り立てた。
*⑤ M.(Marcum) Aristium tribunum militum iter ad legionem facientem
**<ruby><rb>[[w:トリブヌス・ミリトゥム|兵士長官]]</rb><rp>(</rp><rt>トリブヌス・ミリトゥム</rt><rp>)</rp></ruby>であるマルクス・アリスティウスが[[w:ローマ軍団|軍団]]のところへ旅しているところを
*fide data ex oppido [[w:la:Cabillonum|Cavillono]] educunt;
**(安全の)保証を与えて、城塞都市カウィッロヌムから連れ出した。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:カウィッロヌム Cavillonum はカビッロヌム Cabillonum とも綴り、現在の[[w:シャロン=スュル=ソーヌ|シャロン=スュル=ソーヌ]])</span>
*idem facere cogunt eos, qui negotiandi causa ibi constiterant.
**そこに商売をするために定住していた(ローマ人の)者たちにも同じことをするように強要した。
*⑥ Hos continuo <in><ref>in は写本にないが、近世の活字本から挿入されている。</ref> itinere adorti omnibus impedimentis exuunt;
**直ちに彼らを途中で襲撃して、すべての手荷物を奪い取った。
*repugnantes diem noctemque obsident;
**抵抗する者たちを昼夜にわたって包囲した。
*multis utrimque interfectis
**(ハエドゥイー族とローマ人の)双方とも多くの者たちが殺されて、
*maiorem multitudinem armatorum<ref>armatorum はα系写本の記述で、β系写本では ad arma となっている。</ref> concitant.
**(ハエドゥイー族の)より多くの群衆を武装へと扇動した。
===43節===
'''ハエドゥイー族当局がカエサルに屈服。ガッリア大動乱の予感'''
*① Interim nuntio adlato omnes eorum milites in potestate Caesaris teneri,
**その間に、彼ら(ハエドゥイー族)の兵士すべてがカエサルの権力下で支配されているという知らせがもたらされて、
*concurrunt ad Aristium,
**(ハエドゥイー族当局の者たちは)アリスティウスのところへ急ぎ集まって、
*nihil publico factum consilio demonstrant;
**(ローマ市民に対する襲撃は)何ら公けに企てがなされたものではないと説明した。
*② quaestionem de bonis direptis decernunt,
**(部族当局は、ローマ市民から)略奪された財産についての究明を決定して、
*Litavicci fratrumque bona publicant,
**リタウィックスと兄弟たちの財産を没収し、
*legatos ad Caesarem sui purgandi gratia mittunt.
**カエサルのところへ使節たちを、自分たちを赦免することのために遣わした。
*③ Haec faciunt reciperandorum<ref>reciperandorum はα系写本の記述で、β系写本では recuperandorum となっている。</ref> suorum causa;
**これらを、配下の者たち(=歩兵1万名)を取り戻すために行なったのだ。
*sed contaminati facinore et capti compendio ex direptis bonis,
**しかし(彼らは)悪行に汚染されていて、略奪した財産の利得にとらわれており、
*quod ea res ad multos pertinebat, timore<ref>timore はα系写本の記述で、β系写本では et timore となっている。</ref> poenae exterriti
**その事に多くの者たちが関与していたので、懲罰の恐れに脅かされて、
*consilia clam de bello inire incipiunt
**ひそかに戦争の謀計に取りかかり始めて、
*civitatesque reliquas legationibus sollicitant.
**ほかの諸部族を使節派遣によって、そそのかした。
*④ Quae tametsi Caesar intellegebat, tamen quam mitissime potest legatos appellat;
**カエサルはそのようなことを認識していたけれども、(ハエドゥイー族の)使節たちにできるだけ平静に話しかけた。
*nihil se propter inscientiam levitatemque vulgi gravius de civitate iudicare
**自分は(ハエドゥイー族の)民衆の無知や軽率さのために、部族を何ら厳重に裁断することはない、と。
*neque de sua in [[w:la:Haedui|Haeduos]] benevolentia deminuere.
**自分のハエドゥイー族に対する好意を減ずることはない、と。
*⑤ Ipse maiorem Galliae motum exspectans,
**(カエサル)自身は、ガッリアのより大きな動乱を予期しており、
*ne ab omnibus civitatibus circumsisteretur,
**すべての部族によって包囲されることがないように、
*consilia inibat, quemadmodum ab<ref>ab はχ系写本の記述で、φ系写本では a となっており、β系写本にはない。</ref> [[w:la:Gergovia|Gergovia]] discederet ac rursus omnem exercitum contraheret,
**どのようにゲルゴウィアから撤退して再び軍隊全体を集結するか、策定に取りかかった。
*ne profectio nata ab<ref>ab はα系写本の記述で、β系写本では a となっている。</ref> timore defectionis similis<ref>similis はα系写本の記述で、β系写本では similisque となっている。</ref> fugae videretur.
**(諸部族の)背反の恐れから生じた出発が、逃亡同然と見られないように。
===44節===
'''ゲルゴウィアの急所の尾根'''
[[画像:Plateau_of_Gergovia.jpg|thumb|center|900px|ゲルゴウィア([[w:la:Gergovia|Gergovia]])すなわち現在のジェルゴヴィ高地([[w:fr:Plateau de Gergovie|Plateau de Gergovie]])の全景(南方のル・クレスト [[w:fr:Le Crest|Le Crest]] から撮影)。<br>画像中央の右下に、ローマ勢が占領して小さい方の陣営を築いていたと推定されているラ・ロシュ=ブランシュ([[w:fr:La Roche-Blanche (Puy-de-Dôme)|La Roche-Blanche]])の丘陵が見える。<br>本節①項で言及されているのは画像の左端に写る丘陵と思われ、尾根伝いにほぼ平坦なゲルゴウィアの山頂(画像中央)に続いている。<br>これらの位置関係の推定は、19世紀の[[w:ウジェーヌ・ストッフェル|ウジェーヌ・ストッフェル]]大佐(colonel Eugène Stoffel)の発掘調査に依拠したものである。]]
[[画像:La_Roche_Blanche.JPG|thumb|right|300px|ローマ勢が占領して小さい方の陣営を築いていたと推定されているラ・ロシュ=ブランシュ([[w:fr:La Roche-Blanche (Puy-de-Dôme)|La Roche-Blanche]])の丘陵]]
*① Haec cogitanti accidere visa est facultas bene rei gerendae<ref>rei gerendae はα系写本の記述で、β系写本では gerendae rei となっている。</ref>.
**(カエサルが)これらを考慮しているときに、事をうまく行なえる可能性が生じたと思われた。
*Nam cum in minora castra operis perspiciendi causa venisset,
**すなわち、(ローマ勢の)小さい方の陣営に、作業を視察するためにやって来たときに、
*animadvertit collem qui ab hostibus tenebatur nudatum hominibus,
**敵たちによって占められていた丘陵が、無人にされているのに気付いた。
*qui superioribus diebus vix prae multitudine cerni poterat.
**それは、前日には、(ガッリア勢の)大勢の者たちのためにほとんど見分けが付けられないものだった。
*② Admiratus quaerit ex perfugis causam,
**(カエサルは)驚いて、(ゲルゴウィアからの)[[w:脱走兵|脱走兵]]たちに理由を尋ねた。
*quorum magnus ad eum cotidie numerus confluebat.
**その者たちの多数は、毎日、彼(カエサル)のところへ群がり集まっていたのだ。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#14節|14節]]⑨項で既述のように、ガッリア勢は[[w:兵役逃れ|兵役忌避]]の多さに悩まされていた。)</span>
*③ Constabat inter omnes
**(脱走兵たち)皆の間では同じ意見であった。
*─ quod iam ipse Caesar per exploratores cognoverat ─
**─ すでにカエサル自身が偵察者たちを通して知っていたことであったが ─
*dorsum esse eius iugi prope aequum, sed silvestre<ref>silvestre はβ系写本の記述で、α系写本では hunc silvestrem となっている。</ref> et angustum,
**その尾根の背面はほぼ平地で、しかし森林におおわれて狭く、
*qua esset aditus ad alteram partem oppidi<ref>partem oppidi はα系写本の記述で、β系写本では oppidi partem となっている。</ref>;
**それによって城塞都市の別の方面への出入口となっている、と。
*④ vehementer huic illos loco<ref>vehementer huic illos loco はα系写本の記述で、β系写本では huic loco vehementer illos となっている。</ref> timere nec iam aliter sentire,
**この地帯を彼ら(ガッリア勢)が極度に恐れ、すでに感じていたことには、
*uno colle ab Romanis occupato, si alterum amisissent,
**ローマ人によって一つの丘陵が占領されているので、もしもう一方をも失ったならば、
*quin paene circumvallati atque omni exitu et pabulatione interclusi viderentur;
**(ゲルゴウィアが)ほとんど包囲されて、あらゆる出口と糧秣徴発を阻まれると思われたのである。
*ad hunc muniendum locum<ref>locum はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> omnes a [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorige]] evocatos.
**この地帯の辺りを防御するために、[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]により総勢が召集されていたのだ、と。
===45節===
'''ローマ勢の陽動部隊が敵を引き付け、本隊が敵の本陣を目指す'''
*① Hac re cognita Caesar mittit complures equitum turmas eodem<ref>eodem はβ系写本の記述で、α系写本では eisdem などとなっており、またモイゼル(Meusel)は eo de と解釈している。</ref> media nocte;
**この事を知って、カエサルは多数の[[w:騎兵|騎兵]]<ruby><rb>小隊</rb><rp>(</rp><rt>トゥルマ</rt><rp>)</rp></ruby>を同じところに真夜中に派遣した。
**:<span style="color:#009900;"> (訳注:騎兵小隊 turma は、ローマの同盟部族などからなる騎兵の単位で、30騎ほどからなるとされている。)</span>
*imperat his<ref>his はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> ut paulo tumultuosius omnibus locis vagarentur<ref>vagarentur はα系写本の記述で、β系写本では pervagentur となっている。</ref>.
**彼らには、いくらか騒々しく、あらゆる場所を動き回るように命令した。
*② Prima luce magnum numerum impedimentorum ex castris mulorumque produci deque his stramenta detrahi
**夜明けに、陣営から多数の荷馬や[[w:ラバ|ラバ]]を連れ出して、これらから[[w:鞍|荷鞍]]を取り去って、
*mulionesque cum cassidibus equitum specie ac simulatione collibus circumvehi iubet.
**ラバ引きの者たちを鉄兜とともに、騎兵の外見と真似をさせて、丘々を乗り回すことを命じた。
*③ His paucos addit equites, qui latius ostentationis causa vagarentur<ref>vagarentur はα系写本の記述で、β系写本では vagentur となっている。</ref>.
**彼らに少数の騎兵を付き添わせて、より広く見せびらかすために動き回らせた。
*Longo circuitu easdem omnes iubet petere regiones.
**(ラバ引きと騎兵の)皆には、長く迂回して、同じ一帯を目指すことを命じた。
*④ Haec procul ex oppido videbantur, ut erat a Gergovia despectus in castra,
**これらは<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>から遠くに望見され、ゲルゴウィアから(ローマ勢の)陣営が眺められたほどであったが、
*neque tanto spatio certi quid esset explorari poterat.
**これほどの距離のために(ガッリア勢からは)何ごとか確かなことは探り出されなかった。
*⑤ Legionem unam eodem iugo mittit
**(カエサルは)1個[[w:ローマ軍団|軍団]]を同じ尾根に派遣して、
*et paulum progressam inferiore constituit loco silvisque occultat.
**いくらか前進させて低い場所に駐留させ、森林に隠した。
*⑥ Augetur Gallis suspicio
**(これらを見た)ガッリア人には疑念が増されて、
*atque omnes illo ad munitionem copiae traducuntur.
**軍勢のすべてがあそこ(=無人にしていた急所の丘陵)へ防御のために移動した。
*⑦ Vacua castra hostium Caesar conspicatus
**カエサルは敵たちの(ゲルゴウィア山頂の)陣営が空であると気付いて、
*tectis insignibus suorum occultatisque signis militaribus
**配下の者たちの標章を覆い隠し、軍旗を隠して、
*raros milites, ne ex oppido animadverterentur, ex maioribus castris in minora traducit
**兵士たちをまばらに、城塞都市から気付かれないように、大きい方の陣営から小さい方に移動させた。
*legatisque, quos singulis legionibus praefecerat, quid fieri velit, ostendit;
**個々の軍団を指揮させていた<ruby><rb>[[w:レガトゥス|副官]]</rb><rp>(</rp><rt>レガトゥス</rt><rp>)</rp></ruby>たちに、何がなされることを欲しているかを示した。
*⑧ in primis monet ut contineant milites,
**第一に、兵士たちを抑え留めるように戒めた。
*ne studio pugnandi aut spe praedae longius progrediantur;
**(兵士たちが)戦うことの熱意、あるいは略奪の希望により、より遠くまで進み出ないように、と。
*⑨ quid iniquitas loci habeat incommodi proponit;
**地勢の不利がどれほど敗北を生じるかを示した。
*hoc una celeritate posse vitari<ref>vitari はβ系写本の記述で、α系写本では mutari となっている。</ref>;
**迅速さのみがこれを避けることができる。
*occasionis esse rem, non proelii.
**事の成否は、戦闘にではなく、好機にかかっている。
*⑩ His rebus expositis signum dat
**これらの事柄を説明して、(副官たちに進軍の)号令を出した。
*et ab dextra parte alio ascensu eodem tempore Haeduos mittit.
**右の方面からは、別の登り道を(ローマ軍本隊と)同時に[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]](の騎兵)を派遣した。
===46節===
'''ローマ軍の本隊が防壁を越えて、敵陣の一部を占拠'''
*① Oppidi murus ab<ref>ab はB・M・L・N写本の記述で、β系写本では a となっている。</ref> planitie atque initio ascensus recta regione,
**(ゲルゴウィアの)<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>の城壁は、平地や登り道の始まりから真っ直ぐに(=直線距離で)、
*si nullus amfractus<ref>amfractus はα系写本の記述で、β系写本では anfractus となっている。</ref> intercederet, mille CC(mille ducenti)<ref>mille CC(=1200) はα系写本の記述で、β系写本では CC(=200)となっている。</ref> passus aberat;
**もし何らの湾曲が間になければ、1200[[w:パッスス|パッスス]](=約1.8km)離れていた。
*② quicquid huc circuitus ad molliendum clivum accesserat<ref>accesserat は写本(ω)の記述だが、オットー・ゼール [[w:de:Otto Seel|Otto Seel]] の校訂では accesserit としている。</ref>,
**ここに(山の斜面の)傾斜を緩和するために、何らかの回り道が付け加わっていて、
*id spatium itineris augebat.
**その道のりの距離を増していた。
*③ A medio fere colle in longitudinem, ut natura montis ferebat,
**丘陵のほぼ真ん中から、山の地形が作り出したかのように、長きにわたって、
*ex grandibus saxis sex pedum murum qui nostrum<ref>nostrum は中世の写本(ω)の記述だが、近世の版では nostrorum となっている。</ref> impetum tardaret,
**大きな石垣からなる6[[w:ペース (長さ)|ペース]](=約1.8m)もの、我が方(ローマ勢)の突進を遅らせる防壁を、
*praeduxerant Galli,
**ガッリア人は引いて来ており、
*atque inferiore omni spatio vacuo relicto
**(その石垣の防壁)より下方のすべての空間は人気なく残されていて、
*superiorem partem collis usque ad murum oppidi densissimis castris compleverant.
**丘陵のより上方の部分を、城塞都市の城壁の方へ続けざまに、とても密集した(各部族ごとの)陣営で満たしていた。
*④ Milites dato signo celeriter ad munitionem perveniunt
**(ローマ人の)兵士たちは号令を与えられて、速やかに(石垣の)防壁のところへ到達して、
*eamque transgressi trinis castris potiuntur;
**それを越えて行って、3つの(部族ごとの)陣営を占拠した。
*⑤ ac tanta fuit in castris capiendis<ref>castris capiendis はα系写本の記述で、β系写本では capiendis castris となっている。</ref> celeritas,
**(3つの)陣営を奪取することにおいて、これほどにも迅速さがあったので、
*ut Teutomatus, rex Nitiobrogum, subito in tabernaculo oppressus,
**その結果、[[w:ニティオブロゲス族|ニティオブロゲス族]]の王[[w:テウトマトゥス|テウトマトゥス]]は、[[w:テント|天幕]]において突然に襲われて、
*ut meridie conquieverat, superiore corporis parte nudata<ref>nudata はα系写本の記述で、β系写本では nuda となっている。</ref>
**昼寝をしていたが、上半身は裸のままで、
*vulnerato equo vix se ex manibus praedantium militum eriperet.
**傷付けられた馬によって、略奪している(ローマ人)兵士の手から、やっと自らを救い出した。
===47節===
'''血気にはやるローマ兵たちの猪突猛進、ガッリア女たちの命乞い'''
*① Consecutus id quod animo proposuerat
**心に決めていたことを達成したので、
*Caesar receptui cani iussit
**カエサルは退却ラッパを吹くことを命じた。
*legionique decimae, quacum erat, contionatus signa constituit.
**彼とともにいた[[w:第10軍団エクェストリス|第10軍団]]に呼びかけて、軍旗を停止した。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:第10軍団はガッリア戦争初期からの最古参の軍団。軍旗を停止するとは、進軍を止めること。)</span>
*② Ac<ref>ac はα系写本の記述で、β系写本では at となっている。</ref> reliquarum legionum milites non exaudito<ref>exaudito はα系写本の記述で、β系写本では audito となっている。</ref> sono tubae,
**ほかの[[w:ローマ軍団|軍団]]の兵士たちは、ラッパの響きを聞き取れなかった。
*quod satis magna valles intercedebat,
**というのは、十分に大きな峡谷が間にあったからである。
*tamen ab<ref>ab はα系写本の記述で、β系写本では a となっている。</ref> tribunis militum legatisque, ut erat a Caesare praeceptum, retinebantur;
**しかしながら、<ruby><rb>[[w:トリブヌス・ミリトゥム|兵士長官]]</rb><rp>(</rp><rt>トリブヌス・ミリトゥム</rt><rp>)</rp></ruby>たちや<ruby><rb>[[w:レガトゥス|総督副官]]</rb><rp>(</rp><rt>レガトゥス</rt><rp>)</rp></ruby>たちにより、カエサルから指図されていたように、制止されていた。
*③ Sed elati spe celeris victoriae et hostium fuga et superiorum temporum secundis proeliis
**だが(兵士たちは)迅速な勝利の希望や、敵たちの逃亡や、それ以前のときの順調な戦闘により、高慢になっていて、
*nihil adeo arduum sibi esse existimaverunt<ref>esse existimaverunt はα系写本の記述で、β系写本では existimabant となっている。</ref>, quod non virtute consequi possent,
**自分たちにとって、武勇で達することができないほどの困難なものはまったく何もない、と考えており、
*neque finem prius sequendi fecerunt quam muro oppidi portisque adpropinquarunt.
**(ゲルゴウィアの)城塞都市の城壁や城門に近付くまでは、追及を終結させなかった。
*④ Tum vero ex omnibus urbis partibus orto clamore,
**すると、まさに(ゲルゴウィアの)町のあらゆる方面から叫び声が発せられて、
*qui longius aberant, repentino tumultu perterriti,
**(城内の)遠い方に離れていた者たちは、予期せぬ騒ぎに脅えており、
*cum hostem intra portas esse existimarent,
**敵(=ローマ人)が城門の内側にいると考えたので、
*sese ex oppido eiecerunt.
**城塞都市から急ぎ出た。
*⑤ Matres familiae de muro vestem argentumque iactabant
**家庭の母親たちは、城壁から衣類や貨幣をたびたび投げやった。
*et pectore nudo prominentes passis manibus obtestabantur Romanos,
**そして胸を裸にして(城壁の上に)進み出て、手を伸ばしてローマ人たちに哀願した。
*ut sibi parcerent
**自分たちを容赦するように、
*neu, sicut Avarici fecissent, ne a mulieribus quidem atque infantibus abstinerent;
**(ローマ人が)アウァーリクムでしたように女たちや子供たちでさえも赦免しないことのないように、と。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:ne quidem|ne ~ quidem]]「~でさえ…ない」)</span>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ローマ人がアウァーリクムでした行為については、[[#28節|28節]]④項を参照。)</span>
*⑥ nonnullae de muris<ref>muris はα系写本の記述で、β系写本では mure となっている。</ref> per manus demissae sese militibus tradebant.
**少なからぬ者たちは、城壁から手で降ろされて、(ローマ人)兵士たちに身を任せた。
[[画像:Gergovie_mur_pano2.jpg|thumb|center|700px|ゲルゴウィア([[w:la:Gergovia|Gergovia]])すなわち現在のジェルゴヴィ高地([[w:fr:Plateau de Gergovie|Plateau de Gergovie]])で発掘された城壁の遺構。]]
*⑦ L.(Lucius) Fabius centurio legionis VIII(octavae),
**[[w:第8軍団アウグスタ|第8軍団]]の<ruby><rb>[[w:ケントゥリオ|百人隊長]]</rb><rp>(</rp><rt>ケントゥリオ</rt><rp>)</rp></ruby>であるルキウス・ファビウスは、
*quem inter suos eo die dixisse constabat
**配下の者たちの間で、その日、(以下のように)言ったことが知られていた。
*excitari se Avaricensibus praemiis neque commissurum, ut prius quisquam murum ascenderet,
**自分はアウァーリクムの恩賞に奮い立たせられて、何者かが(自分)より早く城壁を登るようなことは生じさせない、と。
*tres suos nactus manipulares
**(ファビウスは)同じ隊の兵士である3人の配下と遭遇して、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:manipulares は「[[w:マニプルス|歩兵中隊]]の」とも解されるが、ここでは「同じ隊の兵士」という意味であろう。)</span>
*atque ab his sublevatus murum ascendit,
**彼らによって持ち上げられて城壁を登った。
*hos<ref>hos はα系写本の記述で、π系写本では eos 、ρ系写本では eo となっている。</ref> ipse rursus singulos exceptans in murum extulit.
**彼らは(ファビウス)自身が再び1人ずつ引き出して、城壁に導き上げた。
===48節===
'''ガッリア勢が城塞都市に引き返して、防戦に努める'''
*① Interim hi<ref>hi はα系・π系・R写本の記述で、U写本では ii となっている。</ref> qui ad alteram partem oppidi, ut supra demonstravimus, munitionis causa convenerant,
**その間に、前に述べたように、<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>の別の方面へ、防御のために集結していた(ガッリア勢の)者たちは、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#45節|45節]]⑥項で述べられている。)</span>
*primo exaudito clamore,
**初めに叫び声を聞き取り、
*inde etiam crebris nuntiis incitati oppidum ab Romanis teneri,
**さらに、城塞都市がローマ人たちによって占領されたという頻繁な知らせにさえも駆り立てられて、
*praemissis equitibus magno concursu<ref>concursu はα系写本の記述で、β系写本では cursu となっている。</ref> eo contenderunt.
**[[w:騎兵|騎兵]]たちを先遣して、(歩兵たちも)駆けに駆けて、そこ(=城塞都市)へ急いだ。
[[画像:Auvergne_Gaul_coin_CdM.jpg|thumb|right|300px|[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]の兵士が刻まれた貨幣([[w:ビブリオテーク・ナショナル|仏国立図書館]]貨幣部所蔵)]]
*② Eorum ut quisque primus venerat,
**彼らの(城塞都市に)到着した者から順々に
**:<span style="color:#009900;">(訳注:quisque primus「最初の者ごとに;順々に」)</span>
*sub muro consistebat suorumque pugnantium numerum augebat.
**城壁の下に陣取って、味方の戦う者たちの数を増した。
*③ Quorum cum magna multitudo convenisset,
**その者たちの大群集が集結したときに、
*matres familiae quae paulo ante Romanis de muro manus tendebant,
**少し前にはローマ人たちに城壁から手を差し出していた家庭の母親たちが
*suos obtestari
**味方に哀願して、
*et more Gallico passum capillum ostentare liberosque in conspectum proferre coeperunt.
**ガッリアの風習により、髪を広げて示し、子供たちを(男たちの)眼前に運び始めた。
*④ Erat Romanis nec loco nec numero aequa contentio;
**ローマ人たちにとっては、地の利でも(兵の)数でも、対等な闘いはなかった。
*simul et cursu et spatio pugnae defatigati
**と同時に、戦いの疾走や時間(の長さ)に疲弊させられていて、
*non facile recentes atque integros sustinebant.
**(ガッリア勢の)新来かつ無傷の者たちに、容易に持ちこたえられなかった。
===49節===
'''カエサルが劣勢の自軍に副官セクスティウスを増援する'''
*① Caesar cum iniquo loco pugnari hostiumque augeri copias videret,
**カエサルは(戦闘が自軍に)不利な場所で戦われていること、かつ敵方の軍勢が増やされていることを見たので、
*praemetuens suis
**配下の者たちを気遣って、
*ad T.(Titum) Sextium legatum, quem minoribus castris praesidio reliquerat, misit,
**小さい方の陣営に守備として残しておいた<ruby><rb>[[w:レガトゥス|総督副官]]</rb><rp>(</rp><rt>レガトゥス</rt><rp>)</rp></ruby>ティトゥス・セクスティウスのところへ(伝令を)遣わして、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:セクスティウスについては、すでに副官として[[ガリア戦記 第6巻#1節|第6巻1節]]で言及されている。)</span>
*ut cohortes ex castris celeriter educeret
**陣営から(いくつかの)<ruby><rb>[[w:コホルス|歩兵大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>を速やかに進発させるように、
*et sub infimo colle ab dextro latere hostium constitueret,
**かつ丘陵のふもとの下方で、敵方の右の側面に布陣するように、と。
*② ut, si nostros loco depulsos vidisset, quominus libere hostes insequerentur terreret.
**もし我が方が(戦闘の)場所から追いやられたのを見たら、敵方が自由に追撃することにならぬよう脅かすためである。
*③ Ipse paulum ex eo loco cum legione progressus, ubi constiterat,
**(カエサル)自身は、停止していた場所から、軍団とともに少し前進して、
**:<span style="color:#009900;">([[#47節|47節]]①項で既述のように、カエサルとともに停止していたのは[[w:第10軍団エクェストリス|第10軍団]]である。)</span>
*eventum pugnae exspectabat.
**戦いの決着を待っていた。
===50節===
'''激戦の末、敗勢に陥るローマ軍'''
*① Cum acerrime comminus pugnaretur, hostes loco et numero, nostri virtute confiderent,
**(両軍により)激烈に格闘して戦われていて、敵方は地の利と(兵の)数を、我が方(ローマ軍)が武勇を頼りとしていたときに、
*subito sunt Haedui visi ab latere nostris aperto,
**突如として、我が方にとって開けた側面(=右側)から、[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の者たち(の姿)が見られた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:「開けた側面から」ab latere aperto とは、兵士の[[w:スクトゥム|長盾]]で覆われていない右側を指す。)</span>
*quos Caesar ab dextra parte alio ascensu manus distinendae causa miserat.
**カエサルがその者たちを右の方面から別の登り道により(敵の)部隊を分散しておくために派遣していたのだ。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:この事は、[[#45節|45節]]⑩項で述べられている。)</span>
*② Hi similitudine armorum vehementer nostros perterruerunt,
**彼らの武具が(ガッリア勢のものと)似ていることが、我が方(の兵士たち)を極度に怖れさせた。
*ac tametsi dextris humeris<ref>humeris が写本(ω)の記述であるが、umeris とするのも一般的となっている。</ref> exsertis animadvertebantur, quod insigne pactum<ref>pactum はHellerによる修正提案で、写本(ω)では pacatum となっており、研究者たちにより他の修正も提案されている。</ref> esse consuerat,
**(ハエドゥイー勢は)右の肩を脱いでいるのが視認され、その印は(味方として)定められているのが常であったが、
*tamen id ipsum sui fallendi causa milites ab hostibus factum existimabant.
**けれども(ローマ人の)兵士たちは、それ自体が自分たちを欺くために、敵方によりなされたと考えたのだ。
[[画像:Dorf_La_Roche_Blanche.JPG|thumb|right|300px|ゲルゴウィア([[w:la:Gergovia|Gergovia]])すなわち現在のジェルゴヴィ高地([[w:fr:Plateau_de_Gergovie|Plateau de Gergovie]])の遠景(南方のル・クレスト [[w:fr:Le_Crest|Le Crest]] から撮影)。画像中央がローマ軍が小さい方の陣営を設置していたと推定されているラ・ロシュ=ブランシュ([[w:fr:La_Roche-Blanche_(Puy-de-Dôme)|La Roche Blanche]])の丘陵で、山頂からこの丘陵の辺りが激戦地だったと思われる。現在は山麓にかけて住宅地が広がっている。]]
*③ Eodem tempore L.(Lucius) Fabius centurio quique una murum ascenderant,
**同じ時に、<ruby><rb>[[w:ケントゥリオ|百人隊長]]</rb><rp>(</rp><rt>ケントゥリオ</rt><rp>)</rp></ruby>ルキウス・ファビウスおよび一緒に城壁を登っていた者たちは、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ファビウスらについては、[[#47節|47節]]⑦項で述べられている。)</span>
*circumventi atque interfecti de<ref>de はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> muro praecipitabantur.
**(ガッリア勢に)取り囲まれ、殺害されて、城壁から突き落とされた。
*④ M.(Marcus) Petronius, eiusdem legionis centurio,
**同じ[[w:ローマ軍団|軍団]]の百人隊長マルクス・ペトロニウスは、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ファビウスと同じ軍団とは、[[#47節|47節]]⑦項で述べられているように[[w:第8軍団アウグスタ|第8軍団]]である。)</span>
*cum portas<ref>portas は写本(ω)の記述だが、portam と単数形にする修正も提案されている。</ref> excidere conatus esset,
**城門を突き破って出ることを試みていたときに、
*a multitudine oppressus ac sibi desperans multis iam vulneribus acceptis,
**(敵の)大勢によって圧倒されて、すでに多くの傷を受けて自分に絶望しており、
*manipularibus suis, qui illum secuti erant<ref>secuti erant はα系写本の記述で、β系写本では erant secuti となっている。</ref>,
**彼に付き従っていた同じ隊の配下の者たちに、
*"quoniam" inquit "me una vobiscum servare non possum,
**曰く「私と諸君を一緒に救うことはできないのだから、
*vestrae quidem certe vitae prospiciam, quos cupiditate gloriae adductus in periculum deduxi.
**せめて、栄誉の欲に引き寄せられて危険に引きずり込んでしまった諸君の生命にはきっと見通しを与えるであろう。
*⑤ Vos data facultate vobis consulite."
**諸君は(生き延びる)可能性が与えられているから、諸君(自身)を助けたまえ。」
*Simul in medios hostes inrupit duobusque interfectis reliquos a porta paulum submovit.
**と同時に、敵方の真ん中に押し入って、2名を殺害して、ほかの者たちを城門からいくらか退けた。
*⑥ Conantibus auxiliari suis
**(ペトロニウスは自分の)支援を試みる配下の者たちに、
*"frustra" inquit "meae vitae subvenire conamini, quem iam sanguis viresque deficiunt.
**曰く「もはや血も活力も尽き果てた私の生命を助けることを試みているのは無益だ。
*Proinde abite, dum est facultas, vosque ad legionem recipite."
**ゆえに(生き延びる)可能性がある間に立ち去れ。諸君は軍団のところへ退却せよ。」
*Ita pugnans post paulum<ref>paulum はα系・ρ系写本の記述で、π系写本では paululum となっており、paulo という修正提案もされている。</ref> concidit ac suis saluti fuit.
**こうして(ペトロニウスは)戦って少し後で斃れ、配下の者たちにとっては救いとなった。
===51節===
[[画像:Monument_gergovie_fr.jpg|thumb|right|290px|[[w:ゲルゴウィアの戦い|ゲルゴウィア戦勝]]記念碑。[[w:1903年|1903年]]に[[w:クレルモン=フェラン|クレルモン=フェラン市]]出身の建築家ジャン・テラール([[w:fr:Jean Teillard|Jean Teillard]])が、侵略者カエサルを撃退した郷土の英雄[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]に捧げるためにジェルゴヴィ高地([[w:fr:Plateau_de_Gergovie|Plateau de Gergovie]])に建立したものである。]]
[[画像:Plaque_Napoléon_III_Gergovie.jpg|thumb|right|300px|[[w:ゲルゴウィアの戦い|ゲルゴウィア]]の地に残る銘板。フランス語で「[[w:ナポレオン3世|ナポレオン3世]]は、1862年のゲルゴウィアの[[w:オッピドゥム|城塞都市]](跡)訪問の結果、メルドーニュ(Merdogne)の住民たちの要求に対して、1865年1月11日の政令によって、彼らの村にジェルゴヴィ([[w:fr:Gergovie|Gergovie]])の名を与えることを決定した。」<!-- «A la suite de sa visite sur l'oppidum de Gergovia en 1862, Napoléon III, à la demande des habitants de Merdogne, décida d'attribuer à leur village le nom de Gergovie, par décret du 11 janvier 1865.»-->]]
'''カエサルが一敗地に塗れる'''
*① Nostri cum undique premerentur,
**我が方(ローマ軍)は、至る所で圧倒されたので、
*XLVI(sex et quadraginta)<ref>XLVI はα系写本の記述で、β系写本では sex et XL となっている(どちらも46)。</ref> centurionibus amissis deiecti sunt loco.
**46名の<ruby><rb>[[w:ケントゥリオ|百人隊長]]</rb><rp>(</rp><rt>ケントゥリオ</rt><rp>)</rp></ruby> を失い、(激戦の)場所から追いやられた。
*Sed intolerantius Gallos insequentes
**けれども、容赦なく追撃して来るガッリア人たちを
*legio decima tardavit, quae pro subsidio paulo aequiore loco constiterat.
**予備部隊(もしくは要撃部隊)として、いくらか平らな所に陣取っていた[[w:第10軍団エクェストリス|第10軍団]]が妨げた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#47節|47節]]①項で既述のように、第10軍団はカエサルとともに待機していた。)</span>
*② Hanc rursus XIII(tertiae decimae) legionis cohortes exceperunt,
**これ(=第10軍団)をさらに、第13軍団の諸<ruby><rb>[[w:コホルス|大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>が支えた。
*quae ex castris minoribus eductae cum T.(Tito) Sextio legato ceperant locum<ref>ceperant locum はα系写本の記述で、β系写本では locum ceperant となっている。</ref> superiorem.
**それらは<ruby><rb>[[w:レガトゥス|総督副官]]</rb><rp>(</rp><rt>レガトゥス</rt><rp>)</rp></ruby>ティトゥス・セクスティウスとともに小さい方の陣営から進発してより高い所を占めていたのだ。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#49節|49節]]を参照。)</span>
*③ Legiones ubi primum planitiem attigerunt,
**諸[[w:ローマ軍団|軍団]]は、平野に達するや否や、
*infestis contra hostes signis constiterunt.
**敵方に抗して戦備を整えて陣取った。
*④ [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]] ab radicibus collis suos intra munitiones reduxit.
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は、配下の者たちを丘陵の麓から(ゲルゴウィアの)防備の内側に連れ戻した。
*Eo die milites sunt paulo minus [[wikt:la:Septingenti|septingenti]] desiderati.
**その日、(ローマ軍は)700名よりいくらか少ない兵士を失った。
<br>
:<span style="color:#009900;">(訳注:カエサルとウェルキンゲトリークスは、たびたび交えた騎兵戦ではカエサルが勝っているが、</span>
:<span style="color:#009900;">両軍の主力部隊である歩兵どうしが激突したこの戦闘は、地の利もあって、ウェルキンゲトリークスが完勝した。</span>
:<span style="color:#009900;">カエサルは第8軍団など古参の部隊を投入しながら、歴戦の百人隊長と兵士たちを多く失った。)</span>
===52節===
'''敗軍の将カエサルが兵士たちを責める'''
*① Postero die Caesar contione advocata
**翌日にカエサルは(兵士たちの)集会を召集して、
*temeritatem cupiditatemque militum<ref>cupiditatemque militum はα系写本の記述で、β系写本では militum cupiditatemque となっている。</ref> reprehendit,
**兵士たちの無思慮や功名心をとがめた。
*quod sibi ipsi iudicavissent, quo procedendum aut quid agendum videretur,
**というのは、どこへ進み出るべきか、あるいは何がなされるべきと思われるのか、自分たちに対し自分たちで判断してしまったからだ。
*neque signo recipiendi dato constitissent
**退却することの合図を与えられても留まりもせず、
*neque ab<ref>ab はα系写本の記述で、β系写本では a となっている。</ref> tribunis militum legatisque retineri potuissent.
**<ruby><rb>[[w:トリブヌス・ミリトゥム|兵士長官]]</rb><rp>(</rp><rt>トリブヌス・ミリトゥム</rt><rp>)</rp></ruby>や<ruby><rb>[[w:レガトゥス|総督副官]]たち</rb><rp>(</rp><rt>レガトゥス</rt><rp>)</rp></ruby>により制止されることもできなかったからだ。
*② Exposuit quid iniquitas loci posset, quod<ref>quod は写本(ω)では quid となっているが、近世以降の校訂者たちは quod と修正提案している。</ref> ipse ad [[w:la:Avaricum Biturigum|Avaricum]] sensisset,
**地の利のなさがどれほど影響するのか、(カエサル)自身がアウァーリクムで判断したことを説明した。
*cum sine duce et sine equitatu deprehensis hostibus
**将帥もなく騎兵隊もない敵たちを探し当てたときに、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#18節|18節]]~[[#19節|19節]]を参照。そのときガッリア勢は、ウェルキンゲトリークスが騎兵隊を連れて出て不在であった。)</span>
*exploratam victoriam dimisisset,
**確実であった勝利を諦めたのだ。
*ne parvum modo detrimentum in contentione propter iniquitatem loci accideret.
**地の利のなさのために、闘いにおいてほんのわずかな損害も生じないように(勝利を諦めたのだ)。
*③ Quanto opere<ref>Quanto opere はα系写本の記述で、β系写本では Quantopere となっている。</ref> eorum animi magnitudinem admiraretur,
**彼ら(兵士たち)の大胆さに(カエサルが)驚嘆すればするほど、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:quanto opere ~ tanto opere …/quantopere ~ tantopere …「~すればするほど、ますます…」)</span>
*quos non castrorum munitiones, non altitudo montis, non murus oppidi tardare potuisset,
**彼らのことを(ガッリア勢の)陣営の防備も、山の高さも、[[w:オッピドゥム|城塞都市]]の城壁も妨げることができなかったのではあるが、
*tanto opere<ref>tanto opere はα系・T・ρ系写本の記述で、V写本では tantopere となっている。</ref> licentiam arrogantiamque reprehendere,
**それだけにますます(兵士たちの)勝手気ままさや高慢さを(カエサルは)非難する(と言った)。
*quod plus se quam imperatorem de victoria atque exitu rerum sentire existimarent;
**というのは、自分たちが将軍(カエサル)よりも勝利と事の結末についてよく判断していると考えていたからだ。
*④ nec<ref>nec はα系写本の記述で、β系写本では non となっている。</ref> minus se ab<ref>ab はα系写本の記述で、β系写本では in となっている。</ref> milite modestiam et continentiam quam virtutem atque animi magnitudinem desiderare.
**自分(カエサル)は兵士たちに、武勇や大胆さよりも、慎重さや自制心を望んでいるのだ。
*:<span style="color:#009900;">(訳注:カエサルは兵士たちを上のように責めたが、兵士たちを統制できなかった責任は最高司令官にある。)</span>
===53節===
'''カエサルとローマ軍がゲルゴウィアから撤退'''
*① Hac habita contione et ad extremam orationem confirmatis militibus,
**(カエサルは)このような熱弁を振るって、演説の最後に、兵士たちを元気付けた。
*ne ob hanc causam animo permoverentur
**このような理由のために心をかき乱されないように、
*neu, quod iniquitas loci attulisset, id virtuti hostium tribuerent,
**かつ、地の利のなさが引き起こしたことを、敵方の武勇に転嫁しないように、と。
*eadem de profectione cogitans, quae ante senserat,
**(ゲルゴウィアからの)出発については、以前から判断していたのと同じことを考えていて、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#43節|43節]]⑤項を参照。ゲルゴウィアからの撤退が敗走同然に見られないようにと、考えていたのであろう。)</span>
*legiones ex castris eduxit aciemque idoneo loco constituit.
**諸[[w:ローマ軍団|軍団]]を陣営から進発させて、適切な場所に戦列を整えた。
*② Cum [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]] nihilo minus < intra munitiones remaneret neque > in aequum locum descenderet,
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]が、防備の内側に留まったばかりか、平らな場所に降りてこなかったので、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:< intra munitiones remaneret neque > は、写本になく、近代に挿入提案された修正案の一つ。)</span>
*levi facto equestri proelio, atque secundo, in castra exercitum reduxit.
**軽微な騎兵戦を行なって、順調のうちに軍隊を陣営に連れ戻した。
*③ Cum hoc idem postero die fecisset,
**翌日もこれと同じことを行なって、
*satis ad Gallicam ostentationem minuendam militumque animos confirmandos factum existimans
**ガッリア人の誇示を弱めること、および(ローマ人)兵士の心を強固にすることが十分になされたと考えたので、
*in [[w:la:Haedui|Haeduos]] movit castra.
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]のところに陣営を移(すために出発)した。
*④ Ne tum quidem insecutis hostibus
**そのとき、敵方は決して追撃して来なかったので、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:ne quidem|ne ~ quidem]]「~でさえ…ない」)</span>
*tertio die ad flumen [[w:la:Elaver|Elaver]] pontes<ref>pontes はα系写本の記述で、β系写本では pontem となっている。</ref> reficit<ref>reficit はχ系・B・M・L・N写本の記述で、S写本では refecit となっている。</ref> eoque exercitum<ref>eoque exercitum はα系写本の記述で、β系写本では exercitumque となっている。</ref> traducit<ref>traducit はα系写本の記述で、β系写本では traduxit となっている。</ref>.
**3日目にはエラウェル川(=現在の[[w:アリエ川|アリエ川]])のところで橋を再建して、そこで軍隊を渡らせた。
===54節===
'''ハエドゥイー族のエポレドリクスとウィリドマルスらがカエサルのもとから立ち去る'''
*① Ibi a Viridomaro atque [[w:la:Eporedorix|Eporedorige]] [[w:la:Haedui|Haeduis]] appellatus discit
**そこで(カエサルが)[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の[[w:ウィリドマルス|ウィリドマルス]]と[[w:エポレドリクス|エポレドリクス]]から話しかけられて知ったことには、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#39節|39節]]~[[#40節|40節]]を参照。ウィリドマルスとエポレドリクスはカエサルの軍勢に従軍していたと思われる。)</span>
*cum omni equitatu Litaviccum ad sollicitandos Haeduos profectum;
**[[w:リタウィックス|リタウィックス]]がすべての騎兵隊とともに、ハエドゥイー族の者たちをそそのかすために出発したという。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#40節|40節]]を参照。リタウィックスは謀計が破れたので、ゲルゴウィアに逃れていた。)</span>
*opus esse ipsos antecedere ad confirmandam civitatem.
**部族の支持を固めるために、(彼ら)自身が(リタウィックスより)先行することが必須であるというのだ。
*② Etsi multis iam rebus perfidiam Haeduorum<ref>perfidiam Haeduorum はα系写本の記述で、β系写本では Haeduorum perfidiam となっている。</ref> Caesar<ref>Caesar はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> perspectam habebat
**カエサルは、すでに多くの事により、ハエドゥイー族の背信行為を目にして来ており、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:Etsi ~, tamen …「~としても、しかしながら…」)</span>
*atque horum discessu admaturari defectionem civitatis existimabat,
**この者たちが(カエサルのもとから)立ち去ることで、(ハエドゥイー)部族の背反が一層促進されると考えていたのだが、
*tamen eos retinendos non censuit<ref>censuit はπ系写本の記述で、α系・ρ系写本では constituit となっている。</ref>,
**しかしながら、彼ら(2人)を束縛するべきではないと考慮した。
*ne aut inferre iniuriam videretur aut dare<ref>dare はα系写本の記述で、β系写本では daret となっている。</ref> timoris aliquam<ref>timoris aliquam はα系写本の記述で、β系写本では aliquam timoris となっている。</ref> suspicionem.
**(カエサルが)無法行為を起こすと思われないように、あるいは(彼らを)怖れているという何らかの疑念を与えないように。
*③ Discedentibus his breviter sua in Haeduos merita exposuit,
**(カエサルは)立ち去る彼らに、ハエドゥイー族における自分の功績を手短に説明した。
*quos et quam humiles accepisset, compulsos in oppida, multatos agris,
**彼らが、どれほど無力であったのを引き受けたことか、[[w:オッピドゥム|城塞都市]]に押し込められ、耕地を台無しにされて、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:et ~, et …「~でもあり、…でもある。」)</span>
*omnibus ereptis sociis<ref>sociis「同盟者たち」 はβ系写本の記述で、α系写本では copiis「軍勢」となっている。</ref>, imposito stipendio, obsidibus summa cum contumelia extortis,
**すべての同盟者たちを奪い取られ、貢物を課せられて、たいへんな侮辱とともに人質をもぎ取られていたことか。
*④ et quam in fortunam quamque in amplitudinem deduxisset,
**かつ、どれほどの境遇に、どれほどの高位に(カエサルが)引き上げもしたことか。
*ut non solum in pristinum statum redissent,
**その結果(ハエドゥイー族は)かつての地位に戻っただけでなく、
*sed omnium temporum dignitatem et gratiam antecessisse viderentur.
**(以前の)あらゆる時期の品格や信望をも越えていると思われる。
*His datis mandatis eos ab se dimisit.
**このような訓示を与えて、彼ら(2人)を自分のもとから送り出した。
===55節===
'''エポレドリクスとウィリドマルスらがローマの拠点ノウィオドゥーヌムで寝返る'''
[[画像:Nevers_-_Vue_depuis_la_rive_sud_de_la_Loire.jpg|thumb|center|700px|ノウィオドゥーヌム([[w:la:Nivernum|Noviodunum]])=現・[[w:ヌヴェール|ヌヴェール]]([[w:fr:Nevers|Nevers]])における、リゲル川([[w:la:Liger|Liger]])=現・[[w:ロワール川|ロワール川]]([[w:fr:Loire (fleuve)|Loire]])の岸辺の景観]]
*① [[w:la:Nivernum|Noviodunum]] erat oppidum [[w:la:Haedui|Haeduorum]] ad ripas [[w:la:Liger|Ligeris]] opportuno loco positum.
**ノウィオドゥーヌムは、[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の[[w:オッピドゥム|城塞都市]]で、リゲル川(現[[w:ロワール川|ロワール川]])岸の好都合な所に位置していた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:『ガリア戦記』には同名の都市が計3か所載っているが、こちらは現在の[[w:ヌヴェール|ヌヴェール]] Nevers である。<br> 「[[ガリア戦記/ガリア語の名前#Nouio-dūnon|ガリア語の名前 #Nouio-dūnon]]」を参照せよ。)</span>
*② Huc Caesar omnes obsides Galliae, frumentum, pecuniam publicam,
**ここに、カエサルは、ガッリアのすべての人質たちや、糧食、公金、
*suorum atque exercitus impedimentorum magnam partem contulerat;
**および自分と軍隊の[[w:輜重|輜重]]の大部分を運び集めていた。
*③ huc magnum numerum equorum huius belli causa in [[w:la:Italia|Italia]] atque [[w:la:Hispania|Hispania]] coemptum miserat.
**ここに、この戦争のためにイタリアと[[w:ヒスパニア|ヒスパニア]]から買い集めた馬匹の多数を送っておいた。
*④ Eo cum [[w:la:Eporedorix|Eporedorix]] Viridomarusque venissent et de statu civitatis cognovissent,
**そこに、[[w:エポレドリクス|エポレドリクス]]と[[w:ウィリドマルス|ウィリドマルス]]がやって来て、(以下のような)部族の情勢について察知したときに、
[[画像:Bibracte333_crop.JPG|thumb|right|400px|[[w:ビブラクテ|ビブラクテ]]の[[w:オッピドゥム|城塞都市]]跡に整備された城壁の遺構]]
*Litaviccum [[w:la:Bibracte|Bibracti]] ab Haeduis receptum,
**(すなわち)リタウィックスが、ハエドゥイー族の者たちによって[[w:ビブラクテ|ビブラクテ]]に迎え入れられ、
*─ quod est oppidum apud eos maximae auctoritatis ─,
**それ(ビブラクテ)は彼ら(ハエドゥイー族)のもとで最大の影響力を持つ城塞都市であるが、
*Convictolitavem<ref>Convictolitavem はβ系・N写本の記述で、χ系・B・M・S・L写本では Convictolitabim となっている。</ref> magistratum magnamque partem senatus ad eum convenisse,
**統領コンウィクトリタウィスと評議会の大半の者たちが彼(リタウィックス)のもとへ参集し、
*legatos ad [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorigem]] de pace et<ref>et は α系・U写本の記述で、π系・R写本では et de となっている。</ref> amicitia concilianda publice missos,
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]のところへ和平と友好を仲介するべく公けに使節たちが遣わされた(ことを知った)ので、
*non praetermittendum instans<ref>instans はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> tantum commodum existimaverunt.
**(エポレドリクスとウィリドマルスは)眼前にあるこれほどの好機を放置するべきではないと考えたのだ。
*⑤ Itaque interfectis Novioduni custodibus quique eo negotiandi aut itineris<ref>aut itineris はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> causa convenerant,
**こうして(2人は)ノウィオドゥーヌムの(ローマ側の)番兵たちや商用や旅行のために来訪していた者たちを殺害し、
*pecuniam atque equos inter se partiti sunt;
**金銭および馬匹を互いに分け合った。
*⑥ obsides civitatum Bibracte ad magistratum deducendos curaverunt;
**(ガッリアの)部族の人質たちをビブラクテの統領のところへ連れて行くように手配した。
*⑦ oppidum, quod a<ref>a はα系写本の記述で、β系写本では ab となっている。</ref> se teneri non posse iudicabant,
**(ノウィオドゥーヌムの)城塞都市は、自分たちによって固守することはできないと判断したので、
*ne cui esset usui Romanis, incenderunt;
**ローマ人たちの有益になることがないように、焼き打ちした。
*⑧ frumenti quod subito potuerunt navibus avexerunt,
**糧食のうち、急いで(運ぶことが)できるものを船団で運び去って、
*reliquum flumine atque incendio corruperunt.
**残りのものを川(に流すこと)により、および焼き打ちにより、役立たないようにした。
*⑨ Ipsi ex finitimis regionibus copias cogere,
**(彼ら)自身は、近隣の地方から軍勢を徴集して、
*praesidia custodiasque ad ripas Ligeris disponere
**リゲルの川岸のたもとへ守備隊や番兵を分配して、
*equitatumque omnibus locis iniciendi timoris causa ostentare coeperunt,
**(ローマ人に)恐怖(の感情)を起こさせるために、[[w:騎兵|騎兵隊]]に誇示をさせ始めた。
*si ab re frumentaria Romanos excludere
**もし、ローマ人たちが糧食調達することを阻止するなら、
*† aut adductos inopia in provincia<ref>in provincia は、α系写本では ex provincia「属州から」、β系写本では provincia となっているが、コンスタン Constans やクロッツ A.Klotz らにより in provincia「属州に」と修正提案されている。</ref> expellere<ref>expellere「駆逐する」 はα系写本の記述で、β系写本では excludere「阻止する、妨げる」 となっている。</ref> † possent.
**あるいは(糧食などの)欠乏により、属州に駆逐することができるなら、と。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:† ~ † は、写本の文章が崩れて校訂者を迷わせていることを表す記号。修正提案されている。)</span>
*⑩ Quam ad spem multum eos adiuvabat,
**そのような希望へ、彼らを大いに励まし助けたのは、
*quod Liger ex nivibus creverat,
**リゲル川(の水位)が雪水により増したことで、
*ut omnino vado non posse transiri videretur.
**すべての浅瀬が渡らせられることができないと思われたのである。
===56節===
'''カエサルが属州へは戻らず、増水したリゲル川の渡河を敢行'''
*① Quibus rebus cognitis Caesar maturandum sibi censuit,
**それらの事態を知ると、カエサルは自らにとって(以下のことを)急ぐべきだと考慮した。
*si esset in perficiendis pontibus periclitandum,
**もし、橋を造り上げる最中に(敵勢と闘うという)危険を冒すのであれば、
*ut prius, quam essent maiores eo coactae copiae, dimicaret.
**そこに(敵方の)より多くの軍勢が集結するよりも早く闘うように(急ぐべきだと)。
*② Nam ut commutato consilio iter in provinciam converteret,
**なぜなら、作戦を変更して、属州([[w:ガリア・ナルボネンシス|ガッリア・トラーンサルピーナ]])に進路を方向転換するようにと、
*ne metu quidem<ref>ne metu quidem はα系写本の記述で、β系写本では nemo tunc quidem 、そのほか近代の校訂者によって修正提案が行なわれている。</ref> necessario faciendum<ref>faciendum はβ系写本の記述で、α系写本では faciundum となっている。</ref> existimabat;
**(ガッリア勢への)怖れによって行なうことは決して必要ではない、と考えたのだ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:ne quidem|ne ~ quidem]]「~でさえ…ない」)</span>
*cum infamia atque indignitas rei
**(属州に撤退するという)事の不名誉や恥辱が、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:cum ~ tum …「~であるのと同様に特に…である」)</span>
*et oppositus mons Cevenna<ref>Cevenna はχ系・U写本の記述で、π系・R写本の記述では Cebenna、φ系写本では Cevennae となっている。</ref> viarumque difficultas impediebat,
**およびケウェンナ山地が相対して道の(通行の)困難なことが、(属州への撤退を)妨げていたし、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ケウェンナ山地 mons Cevenna は現在のセヴェンヌ山地。[[#8節|8節]]を参照。)</span>
*tum maxime quod abiuncto [[w:la:Titus_Labienus|Labieno]] atque iis legionibus, quas una miserat, vehementer timebat.
**同様に、とりわけ[[w:ティトゥス・ラビエヌス|ラビエーヌス]]と一緒に派遣していた諸[[w:ローマ軍団|軍団]]から遠ざけられて、非常に心配してもいたのだ。
*③ Itaque admodum magnis diurnis nocturnisque itineribus confectis
**こうして、昼間も夜間も非常な強行軍を成し遂げて、
*contra omnium opinionem ad [[w:la:Liger|Ligerem]]<ref>Ligerem はα系写本の記述で、β系写本では Ligerim となっている。</ref> venit
**皆の予想に反して、リゲル川(=現[[w:ロワール川|ロワール川]])の辺りにやって来た。
*④ vadoque per equites invento pro rei necessitate opportuno,
**事態の緊急性に見合う好都合な浅瀬を、[[w:騎兵|騎兵]]たちを通じて見出して、
*ut brachia modo atque humeri<ref>humeri はA・φ系・ρ系写本の記述で、Q写本では umeri となっている。</ref> ad sustinenda arma liberi ab aqua esse possent,
**やっと腕と肩を、武器を差し上げるために、水から自由になることができた。
*disposito equitatu, qui vim fluminis refringeret,
**川の流れの圧力を妨げるべく、騎兵隊を分けて置いて、
*atque hostibus primo aspectu perturbatis,
**敵方は(ローマ勢を)初めに一見するや狼狽していたので、
*⑤ incolumem exercitum traduxit
**(カエサルは)軍隊を無傷のまま渡河させた。
*frumentumque in agris et pecoris copiam nactus
**耕地の穀物、および大量の家畜を獲得して、
*repleto his rebus exercitu
**これらの物を軍隊に補充して、
*iter in Senones facere instituit.
**セノネース族のところに行軍することを決めた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:セノネース族の方面には、副官ラビエーヌスと4個軍団を派遣していた。)</span>
==ラビエーヌスのルテティア遠征==
===57節===
'''副官ラビエーヌスがルテティア制圧に向かう'''
*① Dum haec apud Caesarem geruntur,
**これらがカエサルのもとで遂行されている間に、
*[[w:la:Titus Labienus|Labienus]] eo supplemento, quod nuper ex Italia venerat,
**[[w:ティトゥス・ラビエヌス|ラビエーヌス]]は、最近イタリアから来ていた補充兵(予備兵)を
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#34節|34節]]で既述のようにラビエーヌスはカエサルから4個軍団とともにガッリア北部の制圧を委ねられていた。</span>
**:<span style="color:#009900;">また、[[#1節|1節]]で既述のようにカエサルはイタリア(属州[[w:ガリア・キサルピナ|ガッリア・キサルピーナ]])で部隊を徴兵していた。)</span>
*relicto [[w:la:Agedincum|Agedinci]], ut esset impedimentis praesidio,
**アゲディンクムに、[[w:輜重|輜重]]にとっての守備隊となるように、残留させて、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#10節|10節]]で既述のように、カエサルはアゲディンクム(現在の[[w:サンス|サンス]])に全軍の輜重を残していた。)</span>
*cum quattuor legionibus Luteciam<ref>Luteciam はα系写本の記述で、π系写本では Luceciam 、ρ系写本では Lucetiam となっている。[[ガリア戦記 第6巻#3節|第6巻3節]]では Lutetia(m) とも綴られている。</ref> proficiscitur.
**4個軍団とともに[[w:ルテティア|ルテティア]]に出発した。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ルテティア Lutetia は写本ではルテキア Lutetia とも綴られる。[[ガリア戦記 第6巻#3節|第6巻3節]]を参照。)</span>
*Id est oppidum Parisiorum, quod positum est<ref>quod positum est はα系写本の記述で、β系写本では単に positum となっている。</ref> in insula fluminis [[w:la:Sequana|Sequanae]].
**それ(ルテティア)は[[w:パリシイ族|パリスィイ族]]の<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>で、セクアナ川(=現[[w:セーヌ川|セーヌ川]])の中洲に位置している。
*② Cuius adventu ab hostibus cognito
**彼(ラビエーヌス)の到来が敵方により知られると、
*magnae ex finitimis civitatibus copiae convenerunt.
**近隣の諸部族から大軍勢が集結していた。
*③ Summa imperii traditur Camulogeno Aulerco,
**(北部ガッリア勢の)最高司令権は、[[w:アウレルキ族|アウレルキ族]]の[[w:カムロゲヌス|カムロゲヌス]]に託された。
*qui prope confectus aetate
**その者はかなり年老いていたが、
*tamen propter singularem scientiam rei militaris ad eum est honorem evocatus.
**けれども、彼の卓越した軍事の知識のために、顕職に召集されたのだ。
*④ Is cum animadvertisset perpetuam esse paludem,
**彼(カムロゲヌス)は、沼地が絶え間なくあることに気付いていたので、
*quae influeret in Sequanam atque illum omnem locum magnopere impediret,
**それはセクアナ(川)に流れ込み、かの一帯すべてを大いに近付きにくくしていたので、
*hic consedit nostrosque transitu prohibere instituit.
**ここに陣取って、我が方(ローマ勢)が渡河するのを妨げることに決めた。
===58節===
'''ラビエーヌスがメトロセドゥムを陥落させ、ルテティアのガッリア勢と対峙'''
*① [[w:la:Titus Labienus|Labienus]] primo vineas agere, cratibus atque aggere paludem explere
**[[w:ティトゥス・ラビエヌス|ラビエーヌス]]は初めに、<ruby><rb>[[w:ウィネア|工作小屋]]</rb><rp>(</rp><rt>ウィネア</rt><rp>)</rp></ruby>を駆ること、柴や土砂で沼地を埋め立てること、
*atque iter munire conabatur.
**および道を築くこと、を試みた。
*② Postquam id difficilius confieri<ref>confieri はχ系・β系写本の記述で、Q写本では confici となっている。</ref> animadvertit,
**それが成し遂げられることが困難だと気付いた後で、
*silentio e castris tertia vigilia egressus
**(敵に知られないように)静けさのうちに第三夜警時に陣営から進発して、
*eodem, quo venerat, itinere Metlosedum<ref>Metlosedum はコンスタン L.-A. Constans による修正で、π系・U写本では Metiosedum 、α系・ρ系写本では Mellodunum などとなっており、写本により表記がさまざまである。</ref> pervenit.
**やって来たのと同じ道程により、メトロセドゥムに到達した。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:メトロセドゥム Metlosedum は、写本によりメティオセドゥム Metiosedum とも綴られ、</span>
**:<span style="color:#009900;">後にはメロドゥーヌム [[w:la:Melodunum|Melodunum]] として知られる。現在の[[w:ムラン|ムラン]] [[w:fr:Melun|Melun]] である。)</span>
*③ Id est oppidum [[w:la:Senones|Senonum]] in insula [[w:la:Sequana|Sequanae]] positum, ut paulo ante de [[w:la:Lutetia|Lutecia]] diximus.
**それはセノネース族の城塞都市で、少し前に[[w:ルテティア|ルテティア]]について述べたように、セクアナ川の[[w:中州|中州]]に位置している。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ルテティアすなわち現在の[[w:パリ|パリ]]の中心部に[[w:シテ島|シテ島]]や[[w:サン=ルイ島|サン=ルイ島]]という[[w:セーヌ川|セーヌ川]]の中州があるように、</span>
**:<span style="color:#009900;">現在のムランの中心部にもサン=テティエンヌ島 [[w:fr:Île Saint-Étienne|Île Saint-Étienne]] というセーヌ川の中州がある。)</span>
*④ Deprensis<ref>deprensis という語形はα系写本の記述で、β系写本では deprehensis となっている。</ref> navibus circiter quinquaginta celeriterque coniunctis
**約50隻の船を探し出して、速やかに結び合わせて(舟橋として)、
*atque eo militibus iniectis
**そこに兵士たちを投入して、
*et rei novitate perterritis oppidanis,
**事の新奇さに<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>の者たちは脅えて、
*quorum magna pars erat ad bellum evocata,
**彼ら(住民)の大部分は戦争へ徴集されていた(ため不在であった)ので、
*sine contentione oppido potitur.
**(ラビエーヌスは)闘うことなしに(中州にあるメトロセドゥムの)城塞都市を掌握した。
*⑤ Refecto ponte, quem superioribus diebus hostes resciderant, exercitum traducit
**それ以前の日々に敵方が破却していた橋を再建して、軍隊を(中州から対岸へ)渡らせて、
*et secundo flumine ad Luteciam iter facere coepit.
**川に沿ってルテティアの方へ行軍を始めた。
*⑥ Hostes re cognita ab iis, qui Metlosedo<ref>Metlosedo はコンスタン L.-A. Constans による修正で、β系・S写本では Metiosedo 、χ系写本では Melloduno 、B・M・L・N写本では Ametlodone(あるいは Ametclodone)などとなっている。</ref> fugerant,
**敵方は、メトロセドゥムから逃げて来た者たちから事態を知って、
*Luteciam incendi pontesque eius oppidi rescindi iubent;
**ルテティアを焼打ちすること、その城塞都市の橋を破却すること、を命じた。
*ipsi profecti a palude ad ripas<ref>ad ripas はχ系・B・M・L・N写本の記述で、S・Vおよびρ系写本では in ripas 、T写本では in ripa となっている。</ref> Sequanae
**彼ら自身は、沼地からセクアナの川岸へ出発して、
*e regione Luteciae contra Labieni castra considunt.
**ルテティア(の対岸)に向かってラビエーヌスの陣営に対抗して陣取った。
===59節===
'''ガッリア諸部族が迫り、ラビエーヌスが作戦変更を決断'''
*① Iam Caesar a [[w:la:Gergovia|Gergovia]] discessisse audiebatur,
**すでに、カエサルが[[w:ゲルゴウィア|ゲルゴウィア]]から撤退したことが聞かれていたし、
*iam de [[w:la:Haedui|Haeduorum]] defectione et secundo Galliae motu rumores adferebantur,
**もはや、[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の背反や、ガッリアの動乱の順調さについての噂がもたらされていた。
*Gallique in conloquiis
**(当地の)ガッリア人たちは会話の中で、
*interclusum itinere et [[w:la:Liger|Ligeri]] Caesarem inopia frumenti coactum in provinciam contendisse confirmabant.
**カエサルが行軍やリゲル(渡河)を遮られて、糧食の欠乏により属州([[w:ガリア・ナルボネンシス|ガッリア・トラーンサルピーナ]])に急ぐことを強いられた、と確言した。
*② Bellovaci autem defectione Haeduorum cognita,
**一方で、ベッロウァキ族もハエドゥイー族の背反を知って、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ベッロウァキ族は、ハエドゥイー族の仲介によりカエサルに降伏していた。[[ガリア戦記 第2巻#14節|第2巻14節]]~15節を参照。)</span>
*qui iam<ref>qui iam は古典学者 ニコラエス・ハインシウス1世 [[w:en:Nikolaes_Heinsius_the_Elder|Nikolaes Heinsius the Elder]] による修正提案で、χ系・S・β系写本では qui 、B・M・L・N写本では quia となっている。</ref> ante erant per se infideles,
**彼ら自身もすでに以前から(カエサルやローマ人に)忠誠的でなかったが、
*manus cogere atque aperte bellum parare coeperunt.
**手勢を徴集して、公けに戦争を準備することを始めた。
*③ Tum [[w:la:Titus Labienus|Labienus]] tanta rerum commutatione
**そこで、[[w:ティトゥス・ラビエヌス|ラビエーヌス]]はこれほどの事態の変動により、
*longe aliud sibi capiendum consilium, atque antea senserat, intellegebat,
**自分にとって、以前に判断していたのとはまったく別の作戦が立てられるべきだ、と考えた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:aliud ~ atque …「…とは別の~」)</span>
*④ neque iam, ut aliquid adquireret proelioque hostes lacesseret,
**もはや、何らかのものを獲得したり、敵方に戦闘を挑むようにではなく、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:neque ut ~, sed ut …「~ようにではなく、…ように」)</span>
*sed ut incolumem exercitum Agedincum reduceret, cogitabat.
**軍隊を無傷のままでアゲディンクム(=現[[w:サンス|サンス]])に連れ戻すように、と考えた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:アゲディンクムには輜重と守備隊が残されていた。[[#10節|10節]]・[[#57節|57節]]を参照。)</span>
*⑤ Namque altera ex parte Bellovaci,
**実際、一方の側からはベッロウァキ族が、
*quae civitas in Gallia maximam habet opinionem virtutis, instabant,
**ガッリアにおいて武勇に最大の評判を持つその部族が、迫りつつあった。
*alteram Camulogenus parato atque instructo exercitu tenebat:
**他方からは、カムロゲヌスが軍隊を準備し、整列させて、進んでいた。
*tum legiones a praesidio atque impedimentis interclusas
**そのとき、(ラビエーヌス麾下の)諸軍団は(アゲディンクムにいる)守備隊や輜重から遮られて、
*maximum flumen distinebat.
**とても大きな(セクアナ)川が阻んでいた。
*⑥ Tantis subito difficultatibus obiectis
**突然に、これほどの困難が投げ出されたので、
*ab animi virtute auxilium petendum videbat.
**武勇の心構えに救いを求めるべきだと(ラビエーヌスは)思った。
===60節===
'''ラビエーヌスが陽動戦術に努める'''
*① Itaque<ref>Itaque はS・β系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> sub vesperum consilio convocato
**こうして([[w:ティトゥス・ラビエヌス|ラビエーヌス]]は)夕方に会議を召集して、
*cohortatus, ut ea, quae imperasset, diligenter industrieque administrarent,
**(彼が)命令したことを入念かつ勤勉に従事するように鼓舞した。
*naves, quas [[w:la:Melodunum|Metlosedo]]<ref>Metlosedo はコンスタン L.-A. Constans による修正で、χ系・S・β系写本では Metiosedo 、B・M写本では ameclodone 、L・N写本では a mellodone 、<i>etc</i>. となっている。</ref> deduxerat, singulas equitibus Romanis attribuit,
**[[w:ムラン|メトロセドゥム]]から引いて来ていた船団を、ローマ人騎士たち1人ずつに配分して、
*et prima confecta vigilia IIII(quattuor) milia passuum secundo flumine silentio progredi
**第一夜警時が終わる頃に、4ローママイル(6km弱)下流に静けさのうちに進発すること、
*ibique se exspectari<ref>exspectari はα系・T・ρ系写本の記述で、S・V写本では exspectare などとなっている。</ref> iubet.
**かつ、そこで自分(ラビエーヌス)を待つことを命じた。
*② Quinque cohortes, quas minime firmas ad dimicandum esse existimabat,
**(白兵戦を)闘うためにはあまり強くないと(ラビエーヌスが)考えていた5個<ruby><rb>[[w:コホルス|歩兵大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>
*castris praesidio relinquit;
**陣営にとっての守備隊として残留させた。
*quinque eiusdem legionis reliquas
**同じ軍団の残りの5個(歩兵大隊)を
*de media nocte cum omnibus impedimentis adverso flumine magno tumultu proficisci imperat.
**真夜中から、すべての[[w:輜重|輜重]]とともに、上流の方に大きな喧騒でもって出発することを命令した。
*④ Conquirit etiam lintres;
**小舟さえも探し集めて、
*has magno sonitu remorum incitatas in eandem partem mittit.
**これらを大きな音とともに[[w:櫂|櫂]]を駆って、同じ方面に派遣した。
*Ipse post paulo silentio egressus cum tribus legionibus
**(ラビエーヌス)自身は、少し後で静けさのうちに3個[[w:ローマ軍団|軍団]]とともに進発して、
*eum locum petit, quo naves appelli iusserat.
**船団が停められることを命じていた地点へ行った。
===61節===
'''ラビエーヌスの陽動により、敵将カムロゲヌスが兵力を分散'''
*① Eo cum esset ventum,
**(ラビエーヌスの軍勢が)そこにやって来たときに、
*exploratores hostium, ut omni fluminis parte erant dispositi,
**敵方の偵察者たちが(セクアナ)川の至る所に分けて置かれていたが、
*inopinantes, quod magna subito erat coorta tempestas,
**突然に大きな嵐が生じたので(ローマ勢の襲撃を)予期していなかった者たちは、
*ab<ref>ab はχ系・B・M・L・N写本の記述で、S・β系写本では a となっている。</ref> nostris opprimuntur;
**我が方(ローマ勢)によって不意を襲われたのだ。
*② exercitus equitatusque equitibus Romanis administrantibus, quos ei negotio praefecerat,
**歩兵隊と騎兵隊が、(ラビエーヌスが)任務を指揮させていたローマ人騎士たちの指導により、
*celeriter transmittitur.
**速やかに(セクアナ川を)渡らせられた。
*③ Uno fere tempore sub lucem hostibus nuntiatur
**夜明け前のほぼ一時に(以下のことが)敵方に報知された。
*in castris Romanorum praeter consuetudinem tumultuari
**ローマ人の陣営において、通例に反して、騒がれていること、
*et magnum ire agmen adverso flumine
**大きな隊列が上流の方へ行軍していること、
*sonitumque remorum in eadem parte exaudiri
**(船を漕ぐ)櫂の音が同じ方面で聞き取られたこと、
*et paulo infra milites navibus transportari.
**少し下流で兵士たちが船で(セクアナ川を)渡されたこと、である。
*④ Quibus rebus auditis,
**それらの事態が聞かれて、
*quod existimabant tribus locis transire legiones atque omnes perturbatos defectione [[w:la:Haedui|Haeduorum]] fugam parare,
**(ローマ勢の)諸軍団が3か所で渡河したこと、[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の背反により総勢が取り乱して逃亡を準備していること、を考えたので、
*suas quoque copias in tres partes distribuerunt.
**自分たちの軍勢をも3方面に分配した。
*⑤ Nam praesidio e regione castrorum relicto
**すなわち(一隊がローマ勢の)陣営の真向かいに守備隊として残され、
*et parva manu Metlosedum<ref>Metlosedum はQ写本の記述で、χ系・β系写本では Metiosedum 、などとなっている。</ref> versus missa,
**(別の)わずかな手勢が[[w:ムラン|メトロセドゥム]]の方面へ派遣され、
*quae tantum progrediatur<ref>progrediatur はα系写本の記述で、Q・S・β系写本では progrederetur となっている。</ref>, quantum naves processissent,
**(ローマ勢の)船団が進み出るだけ、(ガッリア兵も)前進するようにした。
*reliquas copias contra Labienum duxerunt.
**残りを軍勢をラビエーヌスに対して(カムロゲヌス自身が)率いて行った。
===62節===
'''ラビエーヌスがカムロゲヌス麾下のガッリア勢を各個撃破して、カエサルと合流'''
*① Prima luce et nostri omnes erant transportati
**夜明けに、我が方(ローマ勢)は総勢が(セクアナ川の左岸に)渡されていたし、
*et hostium acies cernebatur.
**敵方の戦列も見分けられた。
*② [[w:la:Titus Labienus|Labienus]] milites cohortatus,
**[[w:ティトゥス・ラビエヌス|ラビエーヌス]]は兵士たちを(以下のように)鼓舞した。
*ut suae pristinae virtutis et tot<ref>tot はS・β系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> secundissimorum proeliorum retinerent memoriam<ref>retinerent memoriam はχ系・B・M・L・N写本の記述で、S・β系写本では memoriam retinerent となっている。</ref>
**自分たちのかつての武勇とこのようにとてもうまくいっている諸戦闘を記憶に留めるように、
*atque ipsum Caesarem, cuius ductu saepe numero hostes superassent, praesentem adesse existimarent,
**かつ、その指揮によって何度もしばしば敵方を打ち破って来たカエサル当人が目下居合わせていると考えるように、と。
*dat signum proelii.
**(それから)戦闘の号令を発した。
*③ Primo concursu ab dextro cornu, ubi septima legio constiterat,
**最初の激突は、[[w:第7軍団クラウディア・ピア・フィデリス|第7軍団]]が布陣していた(ローマ軍の)右翼からで、
*hostes pelluntur atque in fugam coniciuntur;
**敵方は撃退されて、逃亡に追いやられた。
*④ ab sinistro, quem locum duodecima legio tenebat,
**第12軍団が場所を占めていた左翼からは、
*cum primi ordines hostium transfixi pilis<ref>pilis はβ系写本の記述で、α系写本では telis となっている。</ref> concidissent,
**敵方の最前列(の兵たち)が投げ槍で突き通されて斃れたのだが、
*tamen acerrime reliqui resistebant
**けれども残りの者たちがとても激烈に抵抗していて、
*nec dabat suspicionem fugae quisquam.
**誰も逃亡の予兆を示さなかった。
*⑤ Ipse dux hostium Camulogenus suis aderat atque eos cohortabatur.
**敵方の将帥カムロゲヌス自身は、麾下の者たちに居合わせて、彼らを激励していた。
*⑥ At<ref>cohortabatur. At はχ系写本などの記述で、別の写本では記述が異なる。</ref> incerto nunc etiam<ref>nunc etiam はB・M・L・N写本の記述で、χ系・S・β系写本では etiamnunc となっている。</ref> exitu victoriae,
**勝敗の帰趨は今もなお不確実だったが、
*cum septimae legionis tribunis esset nuntiatum, quae in sinistro cornu gererentur,
**第7軍団の<ruby><rb>[[w:トリブヌス・ミリトゥム|兵士長官]]</rb><rp>(</rp><rt>トリブヌス・ミリトゥム</rt><rp>)</rp></ruby>たちに、左翼で<ruby><rb>出来</rb><rp>(</rp><rt>しゅったい</rt><rp>)</rp></ruby>したことが報告されたときに、
*post tergum hostium legionem ostenderunt signaque intulerunt.
**敵方の背後に(第7)軍団を差し向けて、軍旗を進めた(=進撃した)。
*⑦ Ne eo quidem tempore quisquam loco cessit,
**その時でさえ、(ガッリア勢の)誰も(戦闘の)場から退却しなかった
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:ne quidem|ne ~ quidem]]「~でさえ…ない」)</span>
*sed circumventi omnes interfectique sunt.
**けれども、総勢が包囲されて(ローマ軍により)殺戮された。
*Eandem fortunam tulit Camulogenus.
**同じ不幸をカムロゲヌスも蒙った。
*⑧ At ii<ref>ii はχ系写本の記述で、他の写本では記述が異なる。</ref>, qui praesidio contra castra Labieni erant relicti,
**これに対して、ラビエーヌスの陣営に対して守備隊として残されていた(ガッリア勢の)者たちは、
*cum proelium commissum audissent, subsidio suis ierunt collemque ceperunt,
**(両軍が)戦闘を交えているのを聞き付けたので、味方の援兵として出て行って、丘陵を占めていたが、
*neque nostrorum militum victorum impetum sustinere potuerunt.
**勝勢の我が方(ローマ軍)の兵士たちの突撃を持ちこたえることができなかった。
*⑨ Sic cum suis fugientibus permixti,
**このようにして、敗走している味方と混じり合ったときに、
*quos non silvae montesque texerunt, ab equitatu sunt interfecti.
**森林や山岳が覆い隠すことのなかったその者たちは、(ローマ側の)騎兵隊によって殺戮された。
*⑩ Hoc negotio confecto Labienus revertitur Agedincum,
**この戦役が成し遂げられると、ラビエーヌスは[[w:サンス|アゲディンクム]]に引き返した。
*ubi impedimenta totius exercitus relicta erant;
**そこには軍隊全体の[[w:輜重|輜重]]が残されていたのだ。
*inde die Ⅲ.<ref>inde die Ⅲ. は近代の校訂者による修正提案で、Q・M・S・N・β系写本では単に inde 、他の写本では別の記述になっている。</ref> cum omnibus copiis ad Caesarem pervenit.
**そこから3日目(=2日後)にすべての軍勢とともにカエサルのところへ到着した。
==ガッリア戦乱の拡大==
===63節===
'''ハエドゥイー族がウェルキンゲトリークスに主導権争いを挑む'''
*① Defectione [[w:la:Haedui|Haeduorum]] cognita bellum augetur.
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の背反が知られて、戦乱は拡大された。
*② Legationes in omnes partes circummittuntur;
**(ハエドゥイー族らにより)使節たちがあらゆる方面に遣わされまくり、
*quantum gratia, auctoritate, pecunia valent, ad sollicitandas civitates nituntur;
**信望、勢力や金銭によってできる限り、諸部族をそそのかすことに努めた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:quantum ~ valere「~によってできる限り」)</span>
*③ nacti obsides, quos Caesar apud eos deposuerat,
**カエサルが彼ら(ハエドゥイー族)のもとに預けて置いた人質たちを手に入れて、
*horum supplicio dubitantes territant.
**彼ら(人質たち)の処刑(を示唆すること)によって、決心がつかぬ者たちを恐れさせた。
*④ Petunt a [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorige]] Haedui, ut ad se veniat rationesque belli gerendi communicet;
**ハエドゥイー族は、[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]に、自分たちのところへ来て戦争遂行の戦略を協議するように要求した。
*re impetrata contendunt, ut ipsis summa imperii tradatur.
**その事が成し遂げられると、(ハエドゥイー族)自身に最高司令権が委ねられるように頑張った。
*Et re<ref>et re は近代の校訂者による修正提案で、β系写本では re 、α系写本では et rem となっている。</ref> in controversiam deducta totius Galliae concilium [[w:la:Bibracte|Bibracte]] indicitur.
**その事が論争の状態に置かれて、[[w:ビブラクテ|ビブラクテ]]でのガッリア全体の会合が公示された。
*Eodem conveniunt<ref>Eodem conveniunt はα系写本の記述で、β系写本では単に conveniunt 、etc.となっている。</ref> undique frequentes.
**同じところに至る所からたくさんの者たちが集まって来た。
*⑥ Multitudinis suffragiis res permittitur;
**(最高司令権の)事は衆人の票決に任せられて、
*ad unum omnes Vercingetorigem probant imperatorem.
**衆議一決により、ウェルキンゲトリークスを将軍(最高司令官)として承認した。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ad unum omnes「最後の一人に至るまですべて」)</span>
*⑦ Ab hoc concilio Remi, Lingones, Treveri afuerunt,
**この会合へは、[[w:レミ族|レーミー族]]、リンゴネス族、トレウェリ族が不在であった。
*illi quod amicitiam Romanorum sequebantur,
**前者(レーミー族とリンゴネス族)は、ローマ人との友好を遵守したので(不在であった)。
*Treveri quod aberant longius et ab<ref>ab はα系写本の記述で、β系写本では a となっている。</ref> [[w:la:Germani|Germanis]] premebantur,
**トレウェリ族は、はるか遠くに離れており、[[w:ゲルマニア|ゲルマニア]]人により圧迫されていた。
*quae fuit causa quare toto abessent bello
**それが、何ゆえに(ウェルキンゲトリークスによる)戦争全体に関与しなかったかの理由であり、
*et neutris auxilia mitterent.
**(ウェルキンゲトリークスとカエサルの)どちら側にも援軍を派遣しなかった。
*⑧ Magno dolore Haedui ferunt se deiectos principatu,
**ハエドゥイー族は、自分たちが盟主の座から遠ざけられて、とても憤懣やるかたなかったし、
*queruntur fortunae commutationem
**境遇の変わりようを嘆いて、
*et Caesaris indulgentiam in se<ref>indulgentiam in se はα系写本の記述で、β系写本では in se indulgentiam となっている。</ref> requirunt
**カエサルの自分たちへの寛大さを惜しんだ。
*neque tamen suscepto bello suum consilium ab reliquis separare audent.
**けれども戦争を引き受けてしまったので、あえて自分たちの作戦計画をほか(の諸部族)と異にしなかった。
*⑨ Inviti summae spei adulescentes Eporedorix et Viridomarus Vercingetorigi parent.
**たいへんな野心を持つ青年たち[[w:エポレドリクス|エポレドリクス]]と[[w:ウィリドマルス|ウィリドマルス]]は、意に反してウェルキンゲトリークスに服従した。
===64節===
'''ウェルキンゲトリークスがガッリア諸部族の誘降・服従を謀る'''
*① Ipse<ref>ipse はα系写本の記述で、β系写本では ille となっている。</ref> imperat reliquis civitatibus obsides denique ei rei constituit diem;
**(ウェルキンゲトリークス)自身は、ほかの諸部族に人質(の供出)を命令して、のみならずその事の期日を決めた。
*huc omnes equites, [[wikt:la:quindecim|XV(quindecim)]] milia numero, celeriter convenire iubet.
**そこに、1万5000名の数のすべての[[w:騎兵|騎兵]]に、速やかに集結することを命じた。
*② Peditatu quem antea habuerit se fore contentum dicit
**(歩兵については)自分は、以前から持っていた[[w:歩兵|歩兵隊]]で満足するであろうと言った。
*neque fortunam temptaturum aut in acie<ref>in acie はα系写本の記述で、β系写本では単に acie となっている。</ref> dimicaturum,
**(歩兵で)武運を試すことはしないであろうし、あるいは野戦で(白兵戦を)闘うこともないであろう、と。
*sed quoniam abundet equitatu,
**しかし、騎兵隊は豊富であるから、
*perfacile esse factu frumentationibus pabulationibusque Romanos prohibere;
**ローマ人たちの糧食・糧秣徴発を妨げることは、とても容易である、と。
*③ aequo modo animo sua ipsi frumenta corrumpant aedificiaque incendant,
**ただ平静な心で、自分たちの穀物を自身で傷めて、(穀物の)建屋を焼打ちするように。
*qua rei familiaris iactura perpetuum imperium libertatemque se consequi videant.
**資産の犠牲により、永久の領有権と自由を自分たちが獲得することを思え、と。
*④ His constitutis rebus
**これらの事が決定されると、
*[[w:la:Haedui|Haeduis]] Segusiavisque, qui sunt finitimi provinciae, decem milia peditum imperat;
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]および(ローマ人の)属州に隣接するセグスィアウィ族には1万の歩兵(の供出)を命令していたが、
*huc addit equites [[wikt:la:octingenti|octingentos]].
**この中に、800騎の騎兵たち(の供出)を付け加えた。
*⑤ His praeficit fratrem Eporedorigis bellumque inferri<ref>inferri はα系写本の記述で、β系写本では inferre となっている。</ref> Allobrogibus iubet.
**彼らをエポレドリクスの兄弟に指揮させて、アッロブロゲス族に戦争をしかけることを命じた。
*⑥ Altera ex parte Gabalos proximosque <u>[[wikt:en:pagus#Latin|pagos]]</u> Arvernorum in Helvios,
**別の方面から、ガバリ族および近隣のアルウェルニー族の諸<u>郷</u>に、ヘルウィイ族のところに(攻め入るように)、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:''pagus'' (郷) はここでは、部族の領土の農村区画を指す行政用語<ref name="pagus">''[[w:en:Pagus]]'' 等を参照。</ref>。)</span>
*item Rutenos Cadurcosque ad fines Volcarum Arecomicorum depopulandos mittit.
**同様に、ルテーニー族およびカドゥルキー族に、ウォルカエ・アレコミキ族の領土を荒らしまわるべく派遣した。
*⑦ Nihilo minus clandestinis nuntiis legationibusque Allobrogas<ref>Allobrogas はα系写本の記述で、β系写本では Allobroges となっている。</ref> sollicitat,
**それにもかかわらず、隠密に伝令たちや使節たちにより、アッロブロゲス族を(蜂起を)そそのかした。
*quorum mentes nondum ab<ref>ab はβ系写本の記述で、α系写本では ab となっている。</ref> superiore bello resedisse sperabat.
**彼ら(アッロブロゲス族)の心がかつての戦争からまだ静まっていないことを期待したのだ。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:アッロブロゲス族は、BC61年にローマに反旗を翻し、翌BC60年に鎮圧されていた。[[ガリア戦記 第1巻#6節|第1巻6節]]を参照。)</span>
*⑧ Horum principibus pecunias,
**彼らの領袖たちに金銭を(約束し)、
*civitati autem imperium totius provinciae pollicetur.
**さらに部族には(カエサル統治下の)属州全体の支配権をも約束したのだ。
===65節===
'''カエサルと同盟諸部族の防戦。ゲルマニア騎兵を呼び寄せる'''
*① Ad hos omnes casus provisa erant praesidia cohortium duarum et viginti,
**これらすべての出来事に対して、(カエサルは)22個<ruby><rb>[[w:コホルス|歩兵大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>からなる守備隊を用意していた。
*quae ex ipsa coacta<ref>coacta はχ系・β系写本の記述で、φ系写本にはない。</ref> provincia ab L.(Lucio) Caesare legato
**それらは、<ruby><rb>[[w:レガトゥス|総督副官]]</rb><rp>(</rp><rt>レガトゥス</rt><rp>)</rp></ruby>ルキウス・カエサルによって属州全体から徴集されたもので、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ここでいう属州とは、[[w:ガリア・ナルボネンシス|ガッリア・トラーンサルピーナ]]を指すと思われる。</span>
**:<span style="color:#009900;">ルキウス・ユリウス・カエサル4世 [[w:en:Lucius Julius Caesar IV|Lucius Julius Caesar IV]] は本書の著者カエサルと4代前の高祖父を共有する元執政官。[[w:en:Julii Caesares|Julii Caesares]] を参照。)</span>
*ad omnes partes opponebantur.
**あらゆる方面に対して配置された。
*② Helvii sua sponte cum finitimis proelio congressi pelluntur
**[[w:ヘルウィイ族|ヘルウィイ族]]は、自分たちの意思により、近隣(の諸部族)と戦闘で争って撃退され、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:この部族については[[#7節|7節]]~8節を参照。)</span>
*et C.(Gaio) Valerio Domnotauro<ref>Domnotauro はS・L・N写本の記述で、A・B・N写本では Donnotauro 、χ系・π系写本では Donotauro となっており、ρ系写本には記述がない。</ref>, Caburi filio, principe civitatis,
**カブルスの息子で、部族の領袖であるガイウス・ウァレリウス・ドムノタウルス
**:<span style="color:#009900;">(訳注:彼は、ローマとの友好により、ローマ人風の名前を与えられていたのであろう。)</span>
*compluribusque aliis interfectis intra oppida ac muros<ref>ac muros はα系写本の記述で、β系写本では murosque となっている。</ref> compelluntur.
**および他のかなりの者たちが殺戮されて、<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>と城壁の内側に追い込まれた。
*③ Allobroges crebris ad [[w:la:Rhodanus|Rhodanum]] dispositis praesidiis
**[[w:アッロブロゲス族|アッロブロゲス族]]は、ロダヌス(=現[[w:ローヌ川|ローヌ川]])のところへ密に守備隊を分け置いて、
*magna cum cura et diligentia suos fines tuentur.
**たいへんな注意と入念さにより、自分たちの領土を守った。
*④ Caesar quod hostes equitatu superiores esse intellegebat
**カエサルは、敵方が[[w:騎兵|騎兵隊]]で(自軍より)優っていると認識していたので、
*et interclusis omnibus itineribus nulla re ex provincia atque Italia sublevari poterat,
**かつ、すべての道が遮られて、属州やイタリアから何ら支援されることができなかったので、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:属州 provincia とはガッリア・トラーンサルピーナ、イタリア Italia とは[[w:ガリア・キサルピナ|ガッリア・キサルピーナ]]のことであろう。)</span>
*trans [[w:la:Rhenus|Rhenum]] in [[wikt:la:Germania|Germaniam]] mittit ad eas civitates, quas superioribus annis pacaverat,
**レヌス(=現[[w:ライン川|ライン川]])の向こう側の[[w:ゲルマニア|ゲルマニア]]に、先年に平定していた諸部族のところへ(使節を)遣わした。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ゲルマニア遠征や平定については、[[ガリア戦記 第4巻#16節|第4巻16節]]~19節、[[ガリア戦記 第6巻#9節|第6巻9節]]~10節を参照。)</span>
*equitesque ab his arcessit et levis armaturae pedites,
**彼らから、騎兵たち、および[[w:ウェリテス|軽い武装の歩兵]]たちを呼び寄せた。
*qui inter eos proeliari consuerant.
**その者ら(軽装歩兵)は、彼ら(騎兵)の間で戦闘することが常であったのだ。
*⑤ Eorum adventu, quod minus idoneis equis utebantur,
**彼ら(ゲルマニア騎兵)が到着すると、(戦闘に)あまり適していない馬を使役していたので、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ゲルマニア人の馬の使用については、[[ガリア戦記 第4巻#2節|第4巻2節]]を参照。)</span>
*a tribunis militum reliquisque equitibus Romanis atque evocatis equos sumit
**<ruby><rb>[[w:トリブヌス・ミリトゥム|兵士長官]]</rb><rp>(</rp><rt>トリブヌス・ミリトゥム</rt><rp>)</rp></ruby>たちやほかのローマ人騎士たちや<ruby><rb>再徴集兵</rb><rp>(</rp><rt>エウォカティ</rt><rp>)</rp></ruby>たちから、馬匹を取り上げて、
*[[w:la:Germani|Germanis]]que distribuit.
**ゲルマニア人たちに分配した。
===66節===
'''属州へと南下するカエサル、迎え撃とうとするウェルキンゲトリークス'''
*① Interea dum haec geruntur,
**その間に、これらが出来している間に、
*hostium copiae ex Arvernis
**敵方の(歩兵の)軍勢が(滞陣していたゲルゴウィアの)[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]のところから、
*equitesque qui toti Galliae erant imperati conveniunt.
**および全ガッリアの命令されていた[[w:騎兵|騎兵]]たちが、(ウェルキンゲトリークスのところに)集結して来た。
*② Magno horum coacto numero,
**これらの(ガッリア兵の)多数が徴集されて、
*cum Caesar in Sequanos per extremos Lingonum fines iter faceret,
**カエサルが、[[w:セクアニ族|セクアニ族]]のところに(向かって)[[w:リンゴネス族|リンゴネス族]]の領土の外縁を通って行軍していたときに、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:属州へは、リンゴネス族と後述のマンドゥビイ族の間を通ってセクアニ族領を通らねばならなかった。)</span>
*quo facilius subsidium provinciae ferri<ref>ferri はα系写本の記述で、β系写本では ferre となっている。</ref> posset,
**(それは)属州(ガッリア・トラーンサルピーナ)に援兵をより容易にもたらせるようにするためであったが、
*circiter milia passuum X(decem) ab Romanis trinis castris [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]] consedit
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は、ローマ人たちから約10ローママイル(15km)のところに、3つの陣営にて陣取った。
*③ convocatisque ad concilium praefectis equitum
**(ウェルキンゲトリークスは)騎兵の指揮官たちを会合へ召集して、
*venisse tempus victoriae demonstrat;
**勝利の時が来たと、明言した。
*fugere in provinciam Romanos Galliaque excedere.
**ローマ人たちは属州に逃亡して、ガッリアから立ち退きつつある、と。
*④ Id sibi ad praesentem obtinendam libertatem satis esse;
**それは、自分たちにとって目下のところ、自由を維持するためには十分であるが、
*ad reliqui temporis pacem atque otium parum profici;
**将来の平和と平穏は不充分にしか得られない。
*maioribus enim coactis copiis reversuros
**なぜなら(ローマ人たちは)より大きな軍勢を徴集して(ガッリアに)戻って来るであろうし、
*neque finem bellandi facturos.
**戦争することに結末をつけることはないであろう。
*Proinde agmine impeditos adorirentur<ref>adorirentur はA・β系写本の記述で、M・L・N写本では adoriantur 、S写本では adorantur 、Q・B・M写本ではadorientur となっている。</ref>.
**それゆえに、(ローマ勢の)行軍によって重荷となっている(輜重隊の)者たちを襲撃するのだ。
*⑤ Si pedites suis auxilium ferant atque in eo morentur, iter facere<ref>facere はα系写本の記述で、β系写本では confici となっている。</ref> non posse;
**もし(ローマ勢の)歩兵たちが味方を支援し、そのことで滞留するならば、(属州へ)行軍することはできない。
*si ─id quod magis futurum confidat─
**もし、─(我は)むしろそうなるであろうと期待することであるが─
*relictis impedimentis suae saluti consulant,
**(ローマ歩兵たちが)[[w:輜重|輜重]]を残して、自分たちの身の安全に意を用いるならば、
*et usu rerum necessariarum et dignitate spoliatum iri.
**必需品の使用や(ローマ人としての)品格をはぎ取られることになる。
*⑥ Nam de equitibus hostium,
**なぜなら、敵方の騎兵については
**<span style="color:#009900;">:(訳注:著者カエサルはここでは、間接話法でありながら、ローマ勢について hostium「敵方の」と表現している。)</span>
*quin nemo eorum progredi modo extra agmen audeat,
**彼ら(ローマ騎兵)のうち誰も、<ruby><rb>行軍縦隊</rb><rp>(</rp><rt>アグメン</rt><rp>)</rp></ruby>の外にすら、あえて進み出ようとしないこと、
*et ipsos quidem non<ref>et ipsos quidem non はα系写本の記述で、β系写本では ne ipsos quidem となっている。</ref> debere dubitare.
**(そのことを、諸君ら)自身は決して疑念を持つことなかれ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:ne quidem|ne ~ quidem]]「~でさえ…ない」)</span>
*Id quo maiore faciant animo,
**それ(=輜重隊への襲撃)を、より大胆な心構えで実行してもらうために、
*copias se omnes pro castris habiturum et terrori hostibus futurum.
**自分(ウェルキンゲトリークス)が軍勢すべてを陣営の前に保持しておくであろうし、敵方の心胆を寒からしめるであろう。
*⑦ Conclamant equites
**(ガッリア勢の)騎兵たちは(以下のように)叫んだ。
*sanctissimo iure iurando confirmari oportere,
**最も神聖な誓約によって確証されなければならぬ。
*ne tecto recipiatur, ne ad liberos, ne ad parentes, ad<ref>ne ad …, ne ad …, ad が写本(ω)の記述であるが、モイゼル Meusel は ne ad …, ad …, ad と修正提案をしている。</ref> uxorem aditum habeat,
**(以下の者は)家に迎え入れられたり、子供たちや親たちや妻女たちのところへ近づくことがないように。
*qui non bis per agmen hostium perequitasset<ref>perequitasset はα系写本の記述で、β系写本では perequitarit となっている。</ref>.
**敵方(ローマ勢)の隊列を越えて(往復の)2度、騎馬で駆け抜けることがなかった者は。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:敵中突破と生還を成し遂げなかった騎兵は、復員してはならない、と誓約したのである。)</span>
===67節===
'''カエサル麾下のゲルマニア騎兵がウェルキンゲトリークスを一蹴'''
*① Probata re atque omnibus iure iurando adactis
**これが賛同されて、(ガッリア騎兵の)皆が誓約させられて、
*postero die in tres partes distributo equitatu
**翌日に、[[w:騎兵|騎兵隊]]を3つの分隊に分配した。
*duae se acies ab duobus lateribus ostendunt,
**2隊は(ローマ勢の左右)2つの側面から<ruby><rb>戦闘隊形</rb><rp>(</rp><rt>アキエス</rt><rp>)</rp></ruby>として現われた。
*una a<ref>a はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> primo agmine iter impedire coepit.
**1隊は(ローマ勢の)前衛から行軍を妨げ始めた。
*② Qua re nuntiata
**その事が報告されて、
*Caesar suum quoque equitatum tripertito divisum contra hostem ire iubet.
**カエサルは麾下の騎兵隊おのおのを3つに配分して、敵に対して向かって行くことを命じた。
*Pugnatur una omnibus in partibus.
**(騎兵戦が)同時にすべての方面で戦われた。
*③ Consistit agmen;
**(ローマ勢の)<ruby><rb>行軍縦隊</rb><rp>(</rp><rt>アグメン</rt><rp>)</rp></ruby>は一歩も引かなかった。
*impedimenta intra legiones recipiuntur.
**[[w:輜重|輜重]]は諸[[w:ローマ軍団|軍団]]の内側に後退した。
*④ Si qua in parte nostri laborare aut gravius premi videbantur,
**もし、我が方(ローマ勢)のある部隊が苦戦したり、またはひどく押されぎみだと思われたならば、
*eo signa inferri Caesar aciemque constitui<ref>constitui はα系写本の記述で、β系写本では converti 、T写本では conferri となっている。</ref> iubebat;
**カエサルはそこに進撃して戦列を組織することを命じた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:signa inferre「軍旗を進める、進撃する」)</span>
*quae res et hostes ad insequendum tardabat et nostros spe auxilii confirmabat.
**その事が、敵方が追撃して来るのを遅らせもしたし、我が方が支援の希望により元気付けられもした。
*⑤ Tandem Germani ab dextro latere summum iugum nacti hostes loco depellunt,
**ついに、ゲルマニア人(騎兵)たちが右の側面から尾根の頂きを掌握して、敵方をその場から追いやった。
*fugientes usque ad flumen,
**逃亡する(ガッリア騎兵の)者たちを川の辺りまで(追って)、
*ubi [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]] cum pedestribus copiis consederat,
**そこには[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]が[[w:歩兵|歩兵]]の軍勢とともに陣取っていたのだが、
*persecuntur<ref>persecuntur はα系写本の記述で、β系写本では persequuntur となっている。</ref> compluresque interficiunt.
**(ゲルマニア騎兵が敵を川辺まで)追撃して、かなりの者たちを殺戮した。
*⑥ Qua re animadversa
**その事が(敵方に)気付かれて、
*reliqui ne circumirentur<ref>circumirentur はA・φ系写本の記述で、Q・β系写本では circumvenirentur となっている。</ref> veriti se fugae mandant.
**(ガッリア勢の)残りの者たちは、包囲されないようにと怖れて、逃亡に身を任せた。
*Omnibus locis fit caedes.
**(こうしてローマ方により)あらゆる場所で虐殺が行なわれた。
*⑦ Tres nobilissimi [[w:la:Haedui|Haedui]] capti ad Caesarem perducuntur:
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の3人の高位の貴族が捕らえられて、カエサルのところへ連行されて来た。
*Cotus, praefectus equitum, qui controversiam cum Convictolitavi proximis comitiis habuerat,
**コトゥスは騎兵指揮官で、最近の会議でコンウィクトリタウィスと(統領の座をめぐって)係争した。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#32節|32節]]~33節を参照。)</span>
*et Cavarillus, qui post defectionem Litavicci pedestribus copiis praefuerat,
**カウァリッルスは、リタウィックスの背反の後に、歩兵の軍勢を指揮していた。
*et Eporedorix, quo duce ante adventum Caesaris Haedui cum Sequanis bello contenderant.
**エポレドリクスは、カエサルの到来以前にハエドゥイー族の将帥としてセクアニ族と戦争を闘っていた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:この人物は、ウィリドマルスとともにカエサルを裏切ったエポレドリクスとは同名異人である。)</span>
==アレスィア攻囲戦==
===68節===
[[画像:Alésia.jpg|thumb|right|300px|[[w:アレシアの戦い|アレスィア古戦場]]であるとほぼ確実視されている仏アリーズ=サント=レーヌ村([[w:fr:Alise-Sainte-Reine|Alise-Sainte-Reine]])近郊のオソワ山(Mont Auxois)という丘陵の西端にある[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]像(<small>[[w:fr:Vercingétorix_(statue d'Aimé Millet)|Statue de Vercingétorix]]</small>)。<small>[http://maps.google.co.jp/?ie=UTF8&ll=47.538579,4.490544&spn=0.001172,0.002401&t=h&z=19&brcurrent=3,0x0:0x0,1 Googleマップ]</small>の航空写真にもこの巨像が写っている。<br>当地はフランス東部[[w:ブルゴーニュ地域圏|ブルゴーニュ地方]][[w:コート=ドール県|コート=ドール県]](<small>[[w:fr:Côte-d'Or|Côte-d'Or]]</small>)のオソワ地域(<small>[[w:fr:Auxois (région)|L'Auxois]]</small>)にあり、県都[[w:ディジョン|ディジョン]]市街から西北西へ約4.5kmの地点に位置する。ディジョン方面から県道905号(D905)を北西に進んで行くと、ヴナレ=レ=ローム(<small>[[w:fr:Venarey-les-Laumes|Venarey-les-Laumes]]</small>)から東の郊外にかけて古戦場跡が広がる。<br>オソワ(Auxois)という地域名・山名は、ラテン語の Alesiensis pagus「アレスィア郷」が転訛し、アリーズ(Alise)の名もアレスィア(Alesia)に由来すると考えられている。サント=レーヌ([[w:fr:Sainte Reine|Sainte Reine]] 聖レグニア)とはこの地でAD252年に殉教したキリスト教徒ガッリア人女性で、カトリック教会から聖人に列せられている。]]
'''ウェルキンゲトリークスがアレスィア入城、カエサルは攻囲を決断'''
*① Fugato omni equitatu
**すべての[[w:騎兵|騎兵隊]]が逃げてしまったので、
*[[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]] copias suas<ref>suas はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref>, ut pro castris conlocaverat, reduxit
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は、陣営の前に配置するようにしていた麾下の(歩兵の)軍勢を呼び戻して、
*protinusque [[w:la:Alesia|Alesiam]], quod est oppidum Mandubiorum, iter facere coepit
**すぐに、マンドゥビイ族の<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>である[[w:アレシア|アレスィア]]へ行軍し始めた。
*celeriterque impedimenta ex castris educi et se subsequi iussit.
**かつ、速やかに陣営から[[w:輜重|輜重]]を進発させること、および自分に追随すること、を命じた。
*② Caesar impedimentis in proximum collem deductis,
**カエサルは、輜重を近隣の丘陵に移させて、
*duabus legionibus praesidio relictis,
**2個[[w:ローマ軍団|軍団]]を(輜重の)守備隊として(その丘陵に)残留させた。
*secutus quantum diei tempus est passum,
**日中の時間が許される限り(ガッリア勢を)追跡して、
*circiter tribus milibus hostium ex novissimo agmine interfectis
**敵方の後衛のうちから約3000人を殺戮して、
*altero die ad Alesiam castra fecit.
**翌日には、アレスィアの辺りに陣営を張った。
*③ Perspecto urbis situ
**(アレスィアの)都市の地勢を吟味して、
*perterritisque hostibus, quod equitatu, qua maxime parte exercitus confidebant, erant pulsi,
**敵方は、部隊の大部分において頼りにしていた騎兵隊が撃退されていたので、怖れおののいていたから、
*adhortatus ad laborem milites circumvallare instituit.
**(カエサルは)兵士たちを労役に駆り立てて、(敵陣を)[[w:堡塁|堡塁]]で囲むことを決断した。
===69節===
[[画像:Alise2.jpg|thumb|right|300px|[[w:アレシア|アレスィア]]にあったローマ時代の[[w:フォルム|フォルム]](広場)や[[w:バシリカ|バシリカ]](教会堂)などと思われる遺跡([http://maps.google.co.jp/?ie=UTF8&t=h&brcurrent=3,0x0:0x0,1&ll=47.539477,4.5008&spn=0.002343,0.004801&z=18 Googleマップ]の航空写真を参照)。現在、オソワ山(Mont Auxois)と呼ばれているこの丘陵は、頂きが平坦な台地状になっており、その中央のさらに高い所に[[w:オッピドゥム|オッピドゥム]](城塞都市)があったと思われる。<br>上の画像からは、同等の高さの丘陵が周囲を取り巻いていることが見て取れる。<br>『ガリア戦記』に書かれたアレスィアの所在地については諸説があって永らく不明であったが、ゲルゴウィアと同様に19世紀のウジェーヌ・ストッフェル大佐(colonel Eugène Stoffel)の発掘調査によってローマ軍の遺構などが発見され、地勢もカエサルの記述にかなり合っていると見なされて、オソワ山とその中腹にあるアリーズ=サント=レーヌが有力視されることになった。]]
'''アレスィアの地勢、ローマ軍の攻囲線'''
*① Ipsum erat oppidum [[w:la:Alesia|Alesia]] in colle summo admodum edito loco,
**[[w:アレシア|アレスィア]]の<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>そのものは、丘陵の頂きにおいて、ひときわ高い地点にあって、
*ut nisi obsidione expugnari non posse videretur.
**攻囲(包囲)以外には攻略されることができないと思われた。
*② Cuius collis radices duo duabus ex partibus flumina subluebant.
**その丘陵のふもとを2つの方面から、2つの川が流れていた。
*③ Ante id<ref>id はα系写本の記述で、β系写本にはない。</ref> oppidum planities circiter milia passuum Ⅲ(tria) in longitudinem patebat;
**その城塞都市の前に、約3ローママイル(4.5km)の間隔で、平地が広がっていた。
*④ reliquis ex omnibus partibus colles mediocri interiecto spatio
**ほかのすべての方面からは(いくつかの)丘陵が適度な空間を置いており、
*pari altitudinis fastigio oppidum cingebant.
**同等の高さの頂上で(アレスィアの)城塞都市を取り巻いていた。
*⑤ Sub muro, quae pars collis ad orientem solem spectabat,
**(アレスィアの)丘陵の日が昇る方(=東方)へ面していた部分の城壁の下には、
*hunc omnem locum copiae Gallorum compleverant
**このすべての場所を、ガッリア人たちの軍勢が満たしていて、
*fossamque et maceriam sex in altitudinem pedum praeduxerant.
**堀、および高さ6[[w:ペース (長さ)|ペース]](約1.8m)の防壁を前に引いていた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[wikt:en:maceria|maceria]] は、軍事用語としては、立てこもるための城壁<ref><i>muraille (pour se retrancher)</i>(ラルース社の羅仏辞典 <small>“Dictionnaire MaxiPoche Plus latin-français et français-latin”</small> を参照)</ref>を指す。)</span>
*⑥ Eius munitionis quae ab Romanis instituebatur circuitus XI<ref>XI はα系写本の記述で、β系写本では X となっている。</ref> milia passuum tenebat.
**ローマ人たちによって建てられようとしていた塁壁の周囲は、11ローママイル(約16km)を占めていた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:α系写本では 11マイル=約16km、β系写本では 10マイル=約15km となっている。)</span>
*⑦ Castra opportunis locis erant posita
**(ローマ勢の)陣営は(戦略上)都合良い地点に設置されていて、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:歩兵・騎兵の陣営が計8か所に置かれていたようである。)</span>
*ibique<ref>ibique はα系写本の記述で、β系写本では itemque となっている。</ref> castella XXIII(viginti tria) facta,
**同じく23基の砦が造られた。
*quibus in castellis interdiu stationes ponebantur,
**それらの砦には、昼間は、歩哨たちが置かれて、
*ne qua subito eruptio fieret;
**不意に何らかの突撃がなされないようにした。
*haec eadem noctu excubitoribus ac firmis praesidiis tenebantur.
**この同じところが、夜間は、寝ずの番兵および強力な守備隊により固守された。
===70節===
'''カエサル麾下のゲルマニア騎兵が、再びガッリア騎兵を虐殺'''
*① Opere instituto
**(ローマ人により)[[w:堡塁|堡塁]]が建てられだして、
*fit equestre proelium in ea planitie,
**かの平地において[[w:騎兵|騎兵]]戦がなされた。
*quam intermissam collibus tria milia passuum in longitudinem patere supra demonstravimus.
**それ(平地)は(周囲の)丘陵から3ローママイル(約4.5km)の間隔を空けて広がっていることを、[[#69節|前]]に述べた。
*Summa vi ab utrisque contenditur.
**(騎兵戦は)双方の主力によって闘われた。
*② Laborantibus nostris Caesar Germanos submittit
**苦戦している我が方(ローマ騎兵)に対して、カエサルは[[w:ゲルマニア|ゲルマニア]]人(騎兵)を援けに派遣した。
*legionesque pro castris constituit, ne qua subito inruptio ab hostium peditatu fiat.
**諸[[w:ローマ軍団|軍団]]を陣営の前に駐留させて、不意に何らかの突入が敵方の[[w:歩兵|歩兵隊]]によってなされないようにした。
*③ Praesidio legionum addito nostris animus augetur;
**軍団の守備が加わって、我が方(ローマ勢の)勇気が増された。
*hostes in fugam coniecti se ipsi multitudine impediunt
**敵方(の騎兵)は敗走に追いやられて、彼ら自身が自分たち(の敗走)を大勢であることにより妨げた。
*atque angustioribus portis relictis coacervantur<ref>coacervantur は近世の写本(ς)の記述で、α系写本では coacervati tum 、β系写本では coartantur となっている。</ref>.
**さらに(ガッリア陣地の)諸門がとても狭いままにしておかれたので(騎兵たちが)積み重ねられた。
*④ Germani acrius usque ad munitiones sequuntur.
**ゲルマニア人(騎兵)たちは(ガッリア騎兵たちを)苛烈に、防塁のところまで追撃した。
*⑤ Fit magna caedes.
**(こうして)大虐殺が起こった。
*Nonnulli relictis equis fossam transire et maceriam transcendere conantur.
**(ガッリア騎兵の)幾人かは、馬を置き去りにして、堀を越えること、および防壁を登り越えることを試みた。
*Paulum legiones Caesar quas pro vallo constituerat promoveri iubet.
**カエサルは、防柵の前に駐留させていた諸軍団に、いくらか前進することを命じた。
*⑥ Non minus qui intra munitiones erant perturbantur Galli:
**防塁の内側にいたガッリア人たちも(騎兵たちに)劣らず狼狽した。
*veniri ad se confestim existimantes ad arma conclamant;
**(ローマ勢により)自分たちのところへ直ちにやって来られると考えた者たちは、防具を取れと叫んだ。
*nonnulli perterriti in oppidum inrumpunt.
**(ガッリア勢の)幾人かは、怖れおののいて(丘陵の頂きにある)城塞都市の中に押し入った。
*⑦ [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]] iubet portas claudi, ne castra nudentur.
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は、陣営が無防備にされないように、(防塁の)諸門が閉じられることを命じた。
*Multis interfectis, compluribus equis captis Germani sese recipiunt.
**(ガッリア騎兵の)多くが殺戮され、おびただしい馬が捕獲されて、ゲルマニア人(騎兵)たちは退却した。
===71節===
[[画像:Statue_Vercingetorix_st_germain_en_laye.JPG|thumb|right|250px|[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]の立像(<small>パリ郊外の[[w:サン=ジェルマン=アン=レー|サン=ジェルマン=アン=レー]] [[w:fr:Saint-Germain-en-Laye|Saint-Germain-en-Laye]]</small>)。[[w:アレシアの戦い|アレスィア古戦場]](<small>現在のアリーズ=サント=レーヌ</small>)にある巨大な銅像と同様に彫刻家エメ・ミレ([[w:fr:Aimé Millet|Aimé Millet]])によって建立された。]]
[[画像:Napoleon3.PNG|thumb|right|250px|ウジェーヌ・ストッフェル大佐(colonel Eugène Stoffel)をして[[w:アレシア|アレスィア]]およびゲルゴウィアの発掘調査をさせた立役者・皇帝[[w:ナポレオン3世|ナポレオン3世]]の肖像。[[w:ガリア起源説|ガッリア起源説]]により、王政に反感を持つフランスの共和派や庶民は、旧[[w:ブルボン家|ブルボン王朝]]を[[w:クロヴィス1世|クロヴィス]]や[[w:ユーグ・カペー|カペー]]にさかのぼるゲルマン系の[[w:フランク人|フランク人]]と見なし、自分たちのルーツを[[w:ケルト人|ケルト系]]の古代[[w:ガリア人|ガッリア人]]に求めた。ナポレオン3世はこのような国民の意識を利用して、[[w:ナショナリズム|ナショナリズム]]の高揚および帝政の基盤強化を図ったのである。]]
'''ウェルキンゲトリークスが援兵召集のため騎兵を放ち、籠城策を定める'''
*① [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]], priusquam munitiones ab Romanis perficiantur,
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は、ローマ人たちによって塁壁が完成されるより前に、
*consilium capit omnem ab se equitatum noctu dimittere.
**自分のところから[[w:騎兵|騎兵隊]]のすべてを夜間に送り出すことを計画した。
*② Discedentibus mandat
**(アレスィアから)退去する(騎兵の)者たちに(以下のように)指図した。
*ut suam quisque eorum civitatem adeat
**彼ら(騎兵)のおのおのが自らの部族に行くように、
*omnesque qui per aetatem arma ferre possint ad bellum cogant.
**かつ、年齢により武器を手に取ることができる者たちの皆を戦争へ徴集するように、と。
*③ Sua in illos merita proponit obtestaturque
**(ウェルキンゲトリークスは)彼ら(ガッリア人たち)における自分の功績に言及して(以下のように)懇願した。
*ut suae salutis rationem habeant
**自分の身の安全を顧慮してくれるように、
*neu se optime de communi libertate meritum in cruciatum hostibus<ref>in cruciatum hostibus はβ系写本の記述で、α系写本では hostibus in cruciatum となっている。</ref> dedant.
**かつ(ガッリア)共通の自由について功績が最上である自分を、敵方の責め苦に渡すことがないように、と。
*Quod si indiligentiores fuerint,
**ところが、もし(騎兵たちがウェルキンゲトリークスたちの安全に)無関心であったならば、
*milia hominum delecta octoginta una secum interitura demonstrat.
**選りすぐりの兵員8万名が自分と一緒に滅びるであろう、と明言した。
*④ Ratione inita frumentum se exigue dierum XXX(triginta) habere<ref>frumentum ~ habere はβ系写本の記述で、χ系・φ系あるいはモイゼル H. Meusel の修正提案など、写本や校訂者により語順が異なっていたり、単語が欠けていたりする。</ref>,
**見積もったところ、自分たちはわずかに30日分の穀物を保有しているが、
*sed paulo etiam longius tolerari posse parcendo.
**しかし節約することにより、なおいくらか長く耐え忍ぶことができる、と。
*⑤ His datis mandatis,
**これらの指図を与えてから、
*qua erat nostrum opus<ref>erat nostrum opus はβ系写本の記述で、α系写本では単に opus erat となっている。</ref> intermissum, secunda vigilia silentio equitatum mittit<ref>mittit はχ系・B・M・S写本の記述で、β系写本では dimittit となっている。</ref>.
**我が方(ローマ勢)の構築物が中断しているところから、第二夜警時に静けさのうちに、騎兵隊を送り出した。
*⑥ Frumentum omne ad se referri iubet,
**穀物をすべて自分のところへ運んで来ることを命じて、
*capitis poenam iis qui non paruerint constituit;
**服従しなかった者たちを極刑に処すと決めた。
*⑦ pecus, cuius magna erat copia a Mandubiis<ref>a Mandubiis はβ系写本の記述で、α系写本では ab Manduviis となっている。</ref> compulsa, viritim distribuit;
**家畜は、マンドゥビイ族によって大量に集められていたが、個々に分配した。
*frumentum parce et paulatim metiri instituit;
**穀物を節約して少しずつ量り分けることを定めた。
*⑧ copias omnes quas pro oppido collocaverat in oppidum recepit.
**<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>の前に駐留させていた(歩兵の)軍勢すべてを城塞都市の中に退却させた。
*⑨ His rationibus auxilia Galliae exspectare et bellum parat administrare<ref>parat administrare はα系写本の記述で、β系写本では administrare parat となっている。</ref>.
**これらの手段により、ガッリア(諸部族)の援軍を待つこと、および戦争を指導しようとしたのである。
===72節===
'''カエサルが、より大掛かりな攻囲陣地を構築する'''
*① Quibus rebus cognitis<ref>cognitis がこの位置にあるのはα系写本の記述で、β系写本では captivis の後となっている。</ref> ex perfugis et captivis
**それらの事情を脱走兵たちや捕虜たちから知って、
*Caesar haec genera munitionis instituit.
**カエサルは以下の類いの塁壁工事に取りかかった。
<br>
*'''前線の切り立った空堀'''
*Fossam pedum XX(viginti) derectis lateribus duxit,
**20[[w:ペース (長さ)|ペース]](約6m)の(幅の)垂直な側面の堀を引いた。
*ut eius fossae<ref>fossae がこの位置にあるのはβ系写本の記述で、α系写本では summa(e) の後になっている。</ref> solum tantundem pateret, quantum summa<ref>summa はβ系写本の記述で、α系写本では summae となっている。</ref> labra distarent<ref>distarent はα系写本の記述で、β系写本では distabant となっている。</ref>.
**その堀(の底)は、頂きの縁が離れているのとちょうど同じ分だけ広がるようにした。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:上辺と底の幅が等間隔になるような切り立った空堀にした。)</span>
*② Reliquas omnes munitiones ab ea fossa pedes<ref>pedes はα系写本の記述で、β系写本では pedibus となっている。</ref> CCCC(quadringentos) reduxit.
**ほかのすべての塁壁は、その堀から400ペース(約120m)後ろに引いた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:写本にあるこの数字は、19世紀のウジェーヌ・ストッフェル大佐(colonel Eugène Stoffel)の</span>
**:<span style="color:#009900;">発掘調査によって400[[w:パッスス|パッスス]](約600m)と修正された。この堀は、アレスィアの西方に引かれたと思われる。)</span>
*Id hoc consilio,
**それは、以下の考えによる。
*quoniam tantum spatium necessario esset<ref>spatium necessario esset はβ系写本の記述で、α系写本では esset necessario spatio となっている。</ref> complexus
**これほどの空間が包囲されなければならないのであるから、
*nec facile totum corpus<ref>corpus はα系写本の記述で、β系写本では opus となっており、ρ系写本にはない。</ref> corona militum cingeretur,
**すべての包囲作業が兵士たちの<ruby><rb>哨兵線</rb><rp>(</rp><rt>コロナ</rt><rp>)</rp></ruby>で取り囲まれるのは容易ではない。
*ne de improviso aut noctu ad munitiones hostium multitudo<ref>hostium multitudo はα系写本の記述で、β系写本では multitudo hostium となっている。</ref> advolaret
**不意に、あるいは夜間に、敵方の大勢が(ローマ側の)塁壁へ突進することがないように、
*aut interdiu tela in nostros operi destinatos conicere possent<ref>possent はα系写本の記述で、β系写本では posset となっている。</ref>.
**あるいは日中に、工事中の我が方(ローマ勢)に飛道具が投げ付けられることができないように。
<br>
[[画像:Fosse.Saint.Pierre.en.Chastres.png|thumb|right|300px|二重の堀およびその背後の堡塁(土塁と障壁・櫓)の模式図([[w:ウジェーヌ・エマニュエル・ヴィオレ・ル・デュク|ヴィオレ=ル=デュク]]著『中世フランス建築体系辞典』[[s:fr:Dictionnaire raisonné de l’architecture française du XIe au XVIe siècle - Tome 5, Fossé|(s)]]より)。]]
[[画像:AlesiaFortifications.JPG|thumb|right|300px|[[w:アレシアの戦い|アレスィア古戦場]]跡に再現された、二重の堀およびその背後の堡塁(土塁と鹿柴、胸壁・鋸壁、櫓)。]]
*'''二重の堀'''
*③ Hoc intermisso spatio
**この空間をあけて、
*duas fossas XV(quindecim) pedes latas eadem altitudine perduxit;
**15ペース(約4.5m)の幅の2つの堀を、同じ深さ(15ペース)で張り巡らせた。
*quarum interiorem campestribus ac demissis locis
**それらの内側(の堀)の平地で低く下がった所には、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:内側の堀とは、アレスィアに近い東側の堀と考えられている。)</span>
*aqua ex flumine derivata complevit.
**川から導かれた水で満たした。
<br>
*'''土塁と防柵、胸壁と鋸壁、鹿柴、櫓'''
*④ Post eas aggerem ac vallum XII(duodecim) pedum exstruxit.
**それらの後ろには、12ペース(約3.6mの高さ)の<ruby><rb>[[w:土塁|土塁]]</rb><rp>(</rp><rt>アッゲル</rt><rp>)</rp></ruby>と<ruby><rb>防柵</rb><rp>(</rp><rt>ウァッルム</rt><rp>)</rp></ruby>を築き上げた。
*Huic loricam pinnasque adiecit
**これに<ruby><rb>胸壁</rb><rp>(</rp><rt>ロリカ</rt><rp>)</rp></ruby>と<ruby><rb>鋸壁</rb><rp>(</rp><rt>ピンナ</rt><rp>)</rp></ruby>を付け加えて、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:胸壁と鋸壁とは、[[ガリア戦記 第5巻#40節|第5巻40節]]で既出のように、凹凸形に編み込まれた柴の壁)</span>
*grandibus cervis eminentibus ad commissuras pluteorum atque aggeris,
**障壁と土塁の接合部の辺りに大きな<ruby><rb>鹿柴</rb><rp>(</rp><rt>ケルウス</rt><rp>)</rp></ruby>を突き出させて、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:<ruby><rb>鹿柴</rb><rp>(</rp><rt>ろくさい</rt><rp>)</rp></ruby>(鹿砦または<ruby><rb>逆茂木</rb><rp>(</rp><rt>さかもぎ</rt><rp>)</rp></ruby>)とは、鹿の角のように枝分かれした杭や枝を逆立てた杭囲い。</span>
**:<span style="color:#009900;">障壁とは、防柵の前に取り付けられた胸壁と鋸壁の総称であろう。)</span>
*qui ascensum hostium tardarent,
**敵方が登って来るのを妨げようとした。
*et turres toto opere circumdedit, quae pedes LXXX(octoginta) inter se distarent.
**構築物の全体を、互いに80ペース(約24m)離れて立つ櫓で取り巻いた。
===73節===
'''カエサルは、攻囲陣地をさらに障害物で補強する'''
*① Erat eodem tempore et materiari et frumentari et tantas munitiones fieri necesse
**材木収集と糧食徴発、およびこれほどの塁壁工事がなされることが、同時に必要であった。
*deminutis nostris copiis, quae longius ab<ref>ab はα系写本の記述で、β系写本では a となっている。</ref> castris progrediebantur.
**我が方の軍勢(ローマ勢)は減じており、陣営からはるか遠くに進み出ていた。
*Ac nonnumquam opera nostra Galli temptare
**いくたびか、我が方の構築物に、ガッリア人が攻撃すること(を試み)、
*atque eruptionem ex oppido pluribus portis summa vi facere conabantur.
**かつ、<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>の多くの門から、主力でもって出撃することを試みた。
*② Quare ad haec rursus opera addendum Caesar putavit,
**そのゆえに、この構築物へさらに(以下の障害物が)付け加えられるべきだとカエサルは考えた。
*quo minore numero militum munitiones defendi possent.
**それによって、より少ない数の兵士で塁壁が防衛されることができるように、と。
[[画像:Archeodrome_Beaune_8.jpg|thumb|right|300px|[[w:アレシアの戦い|アレスィア古戦場]]跡に再現された攻囲陣地(上の画像と同じ物)。堡塁(土塁と障壁と櫓)の前の平地に、樹枝が突き出た「尖り杭」(奥)と落とし穴を枝で覆った「百合」(手前)が見える。]]
[[画像:Trous.de.loup.png|thumb|right|300px|サイコロの五つ目状に並べられた落とし穴「百合」(lilium)の模式図([[w:ウジェーヌ・エマニュエル・ヴィオレ・ル・デュク|ヴィオレ=ル=デュク]]著『中世フランス建築体系辞典』[[s:fr:Dictionnaire raisonné de l’architecture française du XIe au XVIe siècle - Tome 5, Fossé|(s)]]より)。図の上部が五つ目状の配列を、図の下部が落とし穴の断面図を示す。この断面図では、尖らされた樹幹の先端が、傾斜した穴の突き固められた底から4本指ほど突き出ていると解釈しているようである。カエサルの記述からは、地表から突き出ているとも解釈できる。]]
[[画像:Aiguillon.png|thumb|right|200px|鉄の鉤が固定された杭「刺」の模式図([[w:ウジェーヌ・エマニュエル・ヴィオレ・ル・デュク|ヴィオレ=ル=デュク]]著『中世フランス建築体系辞典』[[s:fr:Dictionnaire raisonné de l’architecture française du XIe au XVIe siècle - Tome 5, Fossé|(s)]]より)。]]
[[画像:Archeodrome_Beaune_2.jpg|thumb|right|300px|[[w:アレシアの戦い|アレスィア古戦場]]跡に再現された攻囲陣地(上の画像と同じ物)。いちばん手前に「刺」が再現されている。]]
:
'''尖り杭'''
*Itaque truncis arborum aut admodum firmis ramis abscisis
**こうして、樹木の幹、あるいは非常に強固な枝が切り取られて、
*atque horum delibratis ac praeacutis cacuminibus
**これらの皮がむかれて、<ruby><rb>梢</rb><rp>(</rp><rt>こずえ</rt><rp>)</rp></ruby>が<ruby><rb>尖</rb><rp>(</rp><rt>とが</rt><rp>)</rp></ruby>らされて、
*perpetuae fossae quinos pedes altae ducebantur.
**5[[w:ペース (長さ)|ペース]](約1.5m)ずつの連続した堀が引かれた。
*③ Huc illi stipites demissi
**ここに、あの樹幹が沈められて、
*et ab infimo revincti, ne revelli possent, ab ramis eminebant.
**底から固くしばられて、はぎ取ることができないようにして、枝から(地上に)突き出るようにしていた。
*④ Quini erant ordines coniuncti inter se atque implicati;
**5列ずつが、互いにつなげられて、結び合わされた。
*quo qui intraverant se ipsi acutissimis vallis induebant.
**そこに踏み込んだ者は、自身が自らをきわめて鋭い杭に陥れた。
*Hos cippos appellabant.
**(将兵たちは)これらを<ruby><rb>尖り杭</rb><rp>(</rp><rt>キップス</rt><rp>)</rp></ruby>と呼んだ。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[wikt:en:cippus|cippus]]「尖り杭」は「墓標」とも訳されるが、後者は古典期以降のラテン語で長方形の墓碑を指す<ref><small>POSTCLASSIQUE</small> <i>[[w:fr:Cippe|cippe]] (colonne funéraire rectangulaire)</i>(ラルース社の羅仏辞典 <small>“Dictionnaire MaxiPoche Plus latin-français et français-latin”</small> を参照)</ref>。)</span>
:
'''百合'''
*⑤ Ante<ref>ante はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> quos<ref>quos はα系写本の記述で、β系写本では hos となっている。</ref> obliquis ordinibus in quincuncem dispositis
**それらの前に、(サイコロの)<ruby><rb>五つ目状</rb><rp>(</rp><rt>クィンクンクス</rt><rp>)</rp></ruby>に斜めの列に配置されて、
*scrobes tres in altitudinem pedes fodiebantur
**深さ3ペース(約90cm)の穴が掘られた。
*paulatim angustiore ad infimum fastigio.
**しだいに、より狭く、底の方へ傾斜を付けて。
*⑥ Huc teretes stipites [[w:la:Femur|feminis]] crassitudine
**ここに、太ももの厚さの丸みを帯びた樹幹が
*ab summo praeacuti et praeusti demittebantur,
**先端から尖らせられ、焦がされて(穴の底に)突き刺された。
*ita ut non amplius digitis quattuor ex terra<ref>ex terra はα系写本の記述で、V・ρ系写本では e terra 、T写本では contra となっている。</ref> eminerent;
**4本の指より長くないほど地中から突き出るように。
*⑦ simul confirmandi et stabiliendi causa
**同時に、強固にして固定するために、
*singuli ab infimo solo pedes terra exculcabantur;
**それぞれ底から1ペース(約30cm)だけ土で突き固められた。
*reliqua pars scrobis ad occultandas insidias viminibus ac virgultis integebatur.
**穴の残りの部分は、わなを隠すために、柳の細枝や若枝で覆われた。
*⑧ Huius generis octoni ordines ducti ternos inter se pedes distabant.
**この類いを、8列ずつ、3ペース(約90cm)ずつ互いに離して、作った。
*Id ex similitudine floris lilium appellabant.
**(将兵たちは)それを花との類似から、<ruby><rb>[[w:ユリ|百合]]</rb><rp>(</rp><rt>リリウム</rt><rp>)</rp></ruby>と呼んだ。
:
'''刺'''
*⑨ Ante haec taleae pedem longae ferreis hamis infixis totae in terram infodiebantur
**これらの前に、鉄製の鉤が打ち込まれた長さ1ペース(約30cm)の棒の全体が地中に埋め込まれた。
*mediocribusque intermissis spatiis omnibus locis disserebantur,
**適度な空間を間にあけて、至る所に配置された。
*quos stimulos nominabant.
**(将兵たちは)それらを刺と呼んだ。
{| class="wikitable"
|-
! colspan="2" | [[w:la:Obsidio Alesiae|Obsidio Alesiae]]
|-
| style="vertical-align:top; text-align:left; width:35em;" |[[画像:Fortificazioni alesia png.png|thumb|left|500px|[[w:アレシアの戦い|アレシアの戦い]]における攻囲陣地の構成(図の説明はイタリア語)。]]
|}
===74節===
'''ガッリア人の来援に備えて、外周にも同様の塁壁を張り巡らす'''
*① His rebus perfectis
**これらの物が造り上げられると、
*regiones secutus quam potuit aequissimas pro loci natura
**地勢に応じて、できるかぎり好都合な地帯を探し求めて、
*XIIII(quattuordecim) milia passuum complexus
**14ローママイル(約21km)を取り巻いて、
*pares eiusdem generis munitiones,
**(内周の塁壁と規模が)匹敵する同じ類いの塁壁を
*diversas ab his, contra exteriorem hostem perfecit,
**これら(内周)に対置させて、外側の敵に対抗して造り上げた。
*ut ne magna quidem multitudine, si ita accidat equitatus<ref>equitatus はシェーラー(Schoeller)による修正提案で、写本(ω)では eius であるが、近代の校訂者たちにより修正提案がなされている。</ref> discessu,
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:ne quidem|ne ~ quidem]]「~でさえ…ない」)</span>
**もし[[w:騎兵|騎兵隊]]の退去によりこのようなこと(外敵との遭遇)が生じても、決して大軍により
*munitionum praesidia circumfundi possent;
**塁壁の守備隊が包囲されることができないように。
*② <ne> autem<ref>ne autem は近代の校訂者による修正提案で、α系・π系写本では aut、ρ系写本では ut となっている。</ref> cum periculo ex castris egredi cogatur,
**(ローマ勢が)危険を伴って陣営から進発することを強いられることもないように、
*dierum XXX(triginta) pabulum frumentumque habere omnes convectum iubet.
**30日分の[[w:糧秣|秣(まぐさ)や穀物]]を運び集めて保持することを皆に命じた。
===75節===
'''ガッリア同盟が各部族に動員を要請する'''
*① Dum haec apud<ref>apud はα系写本の記述で、β系写本では ad となっている。</ref> [[w:la:Alesia|Alesiam]] geruntur,
**これらが[[w:アレシア|アレスィア]]のもとで遂行されている間に、
*Galli concilio principum indicto
**ガッリア人たちは、領袖たちの会合を課して、
*non omnes hos<ref>omnes hos はα系写本の記述で、β系写本では単に omnes となっている。</ref> qui arma ferre possent, ut censuit [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]], convocandos statuunt,
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]が見積もったように武器を扱える者たち皆を召集するべき、ではないと判断した。
*sed certum numerum cuique ex civitate<ref>ex civitate はα系写本の記述で、β系写本では civitati となっている。</ref> imperandum,
**けれども、おのおのの部族から一定の兵数(の供出)を命令すること(を決めた)。
*ne tanta multitudine confusa nec moderari nec discernere suos nec frumentandi rationem<ref>frumentandi rationem はT・U・R写本などの記述で、V・U写本などでは frumenti rationem となっている。</ref> habere possent.
**これほどの大軍で混乱したり、味方を指揮できなかったり判別できなかったり、ということがないように。
*② Imperant [[w:la:Haedui|Haeduis]] atque eorum clientibus, Segusiavis, Ambivaretis, Aulercis Brannovicibus, Blannoviis, milia XXXV(triginta quinque);
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]とその庇護民であるセグスィアウィ族、アンビウァレティ族、アウレルキ・ブランノウィケス族、ブランノウィイ族に3万5千名を命令した。
*parem numerum Arvernis adiunctis Eleutetis, Cadurcis, Gabalis, Vellaviis,
**[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]に隣接しているエレウテティ族、カドゥルキー族、ガバリ族、ウェッラウィイ族に同等の兵数。
*qui sub imperio Arvernorum esse consuerunt;
**彼らはアルウェルニー族の支配下にいるのが常であった。
*③ Sequanis, Senonibus, Biturigibus, Santonis, Rutenis, Carnutibus duodena milia;
**セクアニ族、セノネース族、ビトゥリゲース族、サントネス族、ルテーニー族、カルヌーテース族には1万2千ずつ。
*Bellovacis X(decem); totidem Lemovicibus;
**ベッロウァキ族に1万。レモウィケス族に同じだけ多く(1万)。
*octona Pictonibus et Turonis et Parisiis et Helvetiis;
**ピクトネス族とトゥロニ族とパリスィイ族と[[w:ヘルウェティイ族|ヘルウェティイ族]]に8(千)ずつ。
*Senonibus<ref>Senonibus は写本(ω)にある記述だが、sen<a Suessi>onibus「6(千)ずつをスエッスィオニス族…に」などさまざまな修正提案がなされている。</ref>, Ambianis, Mediomatricis, Petrocoriis, Nerviis, Morinis, Nitiobrogibus quina milia;
**セノネース族、アンビアニ族、メディオマトリキ族、ペトロコリイ族、ネルウィイ族、モリニ族、ニティオブロゲス族に5千ずつ。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:Senonibus「セノネース族」は既出のためスエッスィオネス族などに書き替える修正提案がなされ、以下は校訂版によっては兵数がずれる。</span>
**:<span style="color:#009900;">しかし、スエッスィオネス族 Suessiones は[[ガリア戦記 第2巻#12節|第2巻12節]]でレーミー族を通じてカエサルに降伏しており、</span>
**:<span style="color:#009900;">第8巻6節でも「レーミー族に委ねられていた」「同盟者」と記されているので、アレスィアには出兵していないであろう。)</span>
*Aulercis Cenomanis totidem; Atrebatibus IIII;
**アウレルキ・ケノマニ族に同じだけ多く(5千)。アトレバテス族に4(千)。
*Veliocassis, Lexoviis et Aulercis Eburovicibus terna;
**ウェリオカッセス族、レクソウィイ族とアウレルキ・エブロウィケス族に3(千)ずつ。
*Rauracis et Boiis<ref>Boiis はα系写本の記述で、β系写本では Bois となっている。</ref> bina;
**ラウラキ族とボイイ族に2(千)ずつ。
*XXX<ref>XXX はα系写本の記述で、さまざまな修正提案がなされている。</ref> milia universis civitatibus, quae Oceanum attingunt
**<ruby><rb>大洋<span style="color:#009900;">〔[[w:大西洋|大西洋]]〕</span></rb><rp>(</rp><rt>オーケアヌス</rt><rp>)</rp></ruby>に接する諸部族全体に3万。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:この数は写本により異なっており、混乱している。)</span>
*quaeque eorum consuetudine Aremoricae appellantur,
**それらは、彼ら(ガッリア人)の慣習でアレモリカエと呼ばれており、
*quo sunt in numero Coriosolites, Redones, Ambibarii, Caletes, Osismi, Veneti, Lemovices, Unelli.
**コリオソリテス族、レドネス族、アンビバリイ族、カレテス族、オスィスミ族、ウェネティ族、レモウィケス族、ウネッリ族がそれらに数えられる。
*⑤ Ex his Bellovaci suum numerum non compleverunt<ref>compleverunt はα系写本の記述で、β系写本では contulerunt となっている。</ref>,
**これらのうちで、ベッロウァキ族は、自分たちの(割り当てられた)数を満たさなかった。
*quod se suo nomine atque arbitrio cum Romanis bellum gesturos dicebant
**というのは、彼らは自らの名と裁量でもってローマ人と交戦するであろうと言ったのだ。
*neque cuiusquam imperio obtemperaturos;
**(自分たちは)何者の命令にも服従しないであろう、と。
*rogati tamen ab<ref>ab はα系写本の記述で、β系写本では a となっている。</ref> Commio pro eius hospitio duo milia una miserunt.
**けれども、[[w:コンミウス|コンミウス]]の懇願により、彼を賓客としているために、2千名を一緒に送り出した。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ベッロウァキ族は要求された兵数の5分の1しか出さなかったが、第8巻22節ではこの出兵をも含めてカエサルから責められる。)</span>
===76節===
'''コンミウスもガッリア同盟軍に内応、約25万の大軍が集結'''
*① Huius opera Commii, ut antea demonstravimus, fideli atque utili
**前に述べたように、この[[w:コンミウス|コンミウス]]の信頼すべき有益な働きを
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[ガリア戦記 第4巻#21節|第4巻21節]]・[[ガリア戦記 第4巻#27節|27節]]・[[ガリア戦記 第4巻#35節|35節]]、[[ガリア戦記 第5巻#22節|第5巻22節]]、[[ガリア戦記 第6巻#6節|第6巻6節]]を参照。)</span>
*superioribus annis erat usus in [[w:la:Britannia Maior|Britannia]] Caesar;
**カエサルは先年(BC55~54年)に[[w:ブリタンニア|ブリタンニア]]において役立てていた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:コンミウスは、[[w:ローマによるブリタンニア侵攻 (紀元前55年-紀元前54年)|カエサルのブリタンニア侵攻]]の先導役を務めていた。後にブリタンニアで王となる。)</span>
*quibus ille pro meritis civitatem eius immunem esse iusserat,
**彼(カエサル)はそれらの功績の見返りに、彼(コンミウス)の部族が免税となることを命じており、
*iura legesque reddiderat atque ipsi Morinos attribuerat.
**権能や法度を元に戻してやり、(コンミウス)自身にモリニ族(の統治)をも委ねていた。
*② Tamen tanta<ref>tamen tanta はα系写本の記述で、β系写本では tanta tamen となっている。</ref> universae Galliae consensio fuit libertatis vindicandae et pristinae belli laudis recuperandae,
**けれども、自主独立が求められるべきで、かつての戦争の誉れが取り戻されるべきだという、ガッリア全体の合意があった。
*ut neque beneficiis neque amicitiae memoria moverentur
**その結果、(カエサルからの)厚遇にも友情の記憶にも揺り動かされず、
*omnesque et animo et opibus in id bellum incumberent.
**(ガッリアの)皆が闘志によっても兵力によっても、その戦争に没頭していたのだ。
*③ Coactis equitum milibus VIII(octo) et peditum circiter CCL(ducenti quinquaginta)<ref>CCL はβ系写本の記述で、α系写本では CCXL または CCXXXX となっている。</ref>
**[[w:騎兵|騎兵]]8千騎と[[w:歩兵|歩兵]]およそ250(千)名が徴集されて、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:歩兵の数は、β系写本では25万、α系写本では24万と異なっている。)</span>
*haec in Haeduorum finibus recensebantur, numerusque inibatur, praefecti constituebantur.
**これら(の軍勢)が[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の領土で閲兵されて、数が見積もられて、指揮官たちが決められた。
*④ Commio Atrebati, Viridomaro et [[w:la:Eporedorix|Eporedorigi]] [[w:la:Haedui|Haeduis]],
**アトレバテス族の[[w:コンミウス|コンミウス]]、ハエドゥイー族のウィリドマルスとエポレドリクス、
*[[w:la:Vercassivellaunus|Vercassivellauno]] Arverno, consobrino Vercingetorigis, summa imperii traditur.
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]の従兄弟である[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]のウェルカッスィウェッラウヌスに、最高司令権が託された。
*His delecti ex civitatibus attribuuntur, quorum consilio bellum administraretur.
**彼らに、諸部族から選ばれた者たちが付与されて、その者たちの協議により戦争が指導された。
*⑤ Omnes alacres et fiduciae pleni ad [[w:la:Alesia|Alesiam]] proficiscuntur,
**皆が、活気があって自身に満ち、[[w:アレシア|アレスィア]]へ向けて出発した。
*⑥ neque erat omnium quisquam qui adspectum modo tantae multitudinis sustineri posse arbitraretur,
**これほどの大軍を一見しただけで持ちこたえられる者は、誰一人いないと思われた。
*praesertim ancipiti proelio,
**とりわけ(内周と外周の)両面の戦闘で、
*cum ex oppido eruptione pugnaretur, foris tantae copiae equitatus peditatusque cernerentur.
**城塞都市からは出撃により戦われ、外からは騎兵と歩兵のこれほどの軍勢が視認されるのであるから。
===77節===
'''飢餓状態のアレスィアで、クリトグナトゥスが極論を唱える'''
*① At ii qui [[w:la:Alesia|Alesiae]] obsidebantur
**ところが、[[w:アレシア|アレスィア]]に包囲されていた者たちは、
*praeterita die qua auxilia suorum exspectaverant,
**味方の援軍を待ち望んでいた日も経過して、
*consumpto omni frumento,
**すべての糧食を消費し尽くして、
*inscii quid in [[w:la:Haedui|Haeduis]] gereretur,
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]のところにおいて何がなされているのかを知らず、
*concilio coacto de exitu suarum fortunarum consultabant.
**会合を召集して、自分たちの命運の結末について協議した。
*② Ac variis dictis sententiis
**そして、さまざまな意見が述べられた。
*quarum pars deditionem,
**それらの一部は降伏を、
*pars dum vires suppeterent eruptionem censebat,
**別の一部は、活動力が十分にある間に突撃することを考慮していた。
*non praetereunda oratio [[w:la:Critognatus|Critognati]] videtur propter eius singularem et nefariam crudelitatem.
**クリトグナトゥスの演説は、彼の特異で非道な残酷さのために、看過されるべきではないと思われる。
<br>
'''クリトグナトゥスの演説が始まる'''
*③ Hic summo in Arvernis ortus loco et magnae habitus auctoritatis,
**彼は、[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]において最高の身分に生まれ、大きな影響力を持つとみなされていた。
<br>
'''降伏論者は最低の輩だ'''
*"Nihil" inquit "de eorum sententia dicturus sum, qui turpissimam servitutem deditionis nomine appellant,
**「最も恥ずべき隷属を降伏という名で呼んでいる者たちの意見については、(私は)何も述べないであろう」と言った。
*neque hos habendos civium loco neque ad concilium adhibendos censeo.
**「この者たちは市民の身分を持つべきではないし、会合へ招き入れられるべきでもない、と(私は)考える。
<br>
'''突撃論者には辛抱が欠けている'''
*④ Cum his mihi res sit, qui eruptionem probant;
**突撃に賛同した者たちとともに、私の関わりはあるべきだ。
*quorum in consilio omnium vestrum consensu
**その者たちの考えには、君たち皆の同意があるだろうし、
*pristinae residere virtutis memoria videtur.
**かつての武勇の記憶が残っていることと思われる。
*⑤ Animi est ista mollitia, non virtus, paulisper inopiam ferre non posse.
**しばらくの間も(糧食の)欠乏に耐えることができない(君らの)ことは、気の弱さであって、武勇ではない。
*Qui se ultro morti offerant facilius reperiuntur quam qui dolorem patienter ferant.
**自発的に玉砕して逝った者たちは、苦痛に辛抱強く耐えた者たちよりも、より容易に見出されるのだ。
*⑥ Atque ego hanc sententiam probarem ─tantum apud me dignitas potest─,
**しかし私は(突撃という)この意見に賛同したであろう。それほど、私にとっても価値がある。
*si nullam praeterquam vitae nostrae iacturam fieri viderem;
**(ただし)もし、我々(ガッリア勢)の生命が投げ出されること以外に(方策が)何もないと思ったならばだ。
*⑦ sed in consilio capiendo omnem Galliam respiciamus, quam ad nostrum auxilium concitavimus.
**けれども、作戦を立てるに当たっては、我々のために援軍を(我々が)呼び寄せた全ガッリアを顧慮しよう。
*⑧ Quid hominum milibus LXXX(octoginta) uno loco interfectis
**(我々ガッリア勢)8万の人間が(アレスィア)1か所で殺戮されたら、
*propinquis consanguineisque nostris animi fore existimatis,
**我々の親類縁者たちの士気はどうなると(君らは)判断しているのか。
*si paene in ipsis cadaveribus proelio decertare cogentur?
**もし、ほとんど(我々)自身の亡骸の中で(味方が)決戦することを強いられたら?
*⑨ Nolite hos vestro auxilio exspoliare qui vestrae salutis causa suum periculum neglexerunt,
**君らの身の安全のために、己の危険を顧みなかった者たちのことを、君らが援助すること(の機会)を奪わないでくれ。
*nec stultitia ac temeritate vestra aut animi imbecillitate omnem Galliam prosternere et perpetuae servituti subicere.
**君らの愚かさや無思慮、または心の弱さによって、全ガッリアを滅ぼすことや永久の隷属に委ねることがないように。
<br>
'''ローマ人たちが恐れているのを見よ'''
*⑩ An quod ad diem non venerunt, de eorum fide constantiaque dubitatis?
**それとも(援軍が)期日までにやって来なかったので、彼らの誠実さや剛直さについて(君らは)疑っているのか?
*Quid ergo?
**それでは(あれは)何だ?
*Romanos in illis ulterioribus munitionibus animine causa cotidie exerceri putatis?
**ローマ人たちがあの向こう側の塁壁のところで、趣味のために毎日たえず働かされていると(君らは)思うのか?
*⑪ Si illorum nuntiis confirmari non potestis omni aditu praesaepto,
**もし、すべての出入口を(防柵で)遮られて、(援軍の到来を)彼らの伝令により(君らが)確証できないのならば、
*his utimini testibus adpropinquare eorum adventum,
**こちらの者たち(ローマ人)を、彼ら(援軍)の到来が近づいている証人として示せ。
*cuius rei timore exterriti diem noctemque in opere versantur.
**(援軍の到来という)その事態の恐れに戦慄して(ローマ人たちは)昼も夜も工事に従事しているのだ。
<br>
'''クリトグナトゥスの意見は?'''
*⑫ Quid ergo mei consilii est?
**それでは、私の考えは何であるか?
*Facere quod nostri maiores nequaquam pari bello Cimbrorum Teutonumque fecerunt:
**我々の先祖たちが(今回とは)決して比べものにならない[[w:キンブリ・テウトニ戦争|キンブリ族・テウトニ族との戦争]]でしたことをするのだ。
*qui in oppida compulsi ac simili inopia subacti
**彼ら(先祖たち)は、[[w:オッピドゥム|城塞都市]]に押し込められて、(今回と)似たような欠乏により衰弱させられて、
*eorum corporibus, qui aetate ad bellum inutiles videbantur, vitam toleraverunt
**加齢により戦争に役立たないと思われた者たちの肉体(を食べること)によって、生命を持ちこたえて、
*neque se hostibus tradiderunt.
**敵方に降伏しなかったのだ。
*⑬ Cuius rei si exemplum non haberemus,
**もし、そういう事態の先例を我々が持たなかったとしても、
*tamen libertatis causa institui et posteris prodi pulcherrimum iudicarem.
**けれども、自由のために、最も栄誉なことが決断され、子孫たちに伝えられることと、私は思いたい。
*⑭ Nam quid illi simile bello fuit?
**実際、あの戦争に(今回と)似ている何があっただろうか?
*Depopulata Gallia Cimbri magnaque inlata calamitate
**キンブリ族はガッリアを荒らしまわって、大きな災禍をもたらしたが、
*finibus quidem nostris aliquando excesserunt atque alias terras petierunt;
**あるとき我々の領土から立ち去って、他の土地を求めて行った。
*iura, leges, agros, libertatem nobis reliquerunt.
**権限、法度、耕地、自由を我々(ガッリア人)に残して行ったのだ。
*⑮ Romani vero quid petunt aliud aut quid volunt
**しかし、ローマ人たちは(以下に挙げることの)他に何を求め、何を欲しているのだろうか。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:「しかし、ローマ人が求め、欲しているのは、以下のことである」の意。)</span>
*nisi invidia adducti quos fama nobiles potentesque bello cognoverunt,
**高貴で戦争に力強い(ガッリアの)者たちを名声で知って羨望に駆られた以外には、
*horum in agris civitatibusque considere atque his aeternam iniungere servitutem?
**彼らの土地や部族共同体に居座って、彼らを永遠の隷属を課すること以外には。
*Neque enim ulla alia condicione bella gesserunt.
**実際、(ローマ人は)他のいかなる条件でも決して戦争を遂行したことがなかった。
*⑯ Quodsi ea quae in longinquis nationibus geruntur ignoratis,
**もし、遠方の種族のところでなされていることを(君らが)知らないのであれば、
*respicite finitimam Galliam,
**ガッリアの隣人たちを見渡しなさい。
*quae in provinciam redacta,
**(彼らはローマの)[[w:属州|属州]]になることを余儀なくされ、
*iure et legibus commutatis,
**権限や法度を変えられて、
*securibus subiecta perpetua premitur servitute."
**(ローマの)権力に服属させられて、永久の隷属に苦しめられているのだ。
===78節===
'''マンドゥビイ族の投降をカエサルが拒む'''
*① Sententiis dictis
**(いくつかの)意見が述べられて、
*constituunt ut ii, qui valetudine aut aetate inutiles sunt<ref>sunt はα系写本の記述で、β系写本では sint となっている。</ref> bello, oppido excedant
**(ガッリア人たちは)健康または年齢により戦争に役立たない者たちは[[w:オッピドゥム|城塞都市]]を退去するように決めた。
*atque omnia prius experiantur quam ad Critognati sententiam descendant;
**さらに、クリトグナトゥスの意見に同意するよりも、まずあらゆることを試みるように(決めた)。
*② illo tamen potius utendum consilio,
**けれども(以下の場合には)むしろ彼(クリトグナトゥス)の意見を実行するべきだ。
*si res cogat atque auxilia morentur,
**もし、事態が強いて、援軍が遅滞させられるのならば、
*quam aut deditionis aut pacis subeundam condicionem.
**降伏あるいは講和条件を受諾することよりも(クリトグナトゥスの意見を実行するべきだ)、と。
*③ Mandubii qui eos oppido receperant,
**彼ら(ガッリア勢)を城塞都市に受け入れていたマンドゥビイ族は、
*cum liberis atque uxoribus exire coguntur.
**子供たちや妻女たちとともに(城塞都市から)出て行くことを強いられた。
*④ Hi cum ad munitiones Romanorum accessissent,
**彼らは、ローマ人たちの塁壁のところへ近づいたときに、
*flentes omnibus precibus orabant, ut se in servitutem receptos cibo iuvarent.
**自分たちを奴隷として受け入れて食糧で助けてくれるように、泣きながらあらゆる懇願で頼んだ。
*⑤ At Caesar dispositis in vallo custodibus<ref>custodibus はα系写本の記述で、β系写本では custodiis となっている。</ref> recipi prohibebat.
**だが、カエサルは、防柵の中に番兵を分けて置き、(マンドゥビイ族を)受け入れることを禁じた。
===79節===
'''ガッリア同盟軍の来援、アレスィアの歓呼'''
*① Interea Commius reliquique duces, quibus summa imperii permissa erat,
**その間に、最高司令権を任されていた[[w:コンミウス|コンミウス]]とほかの将帥たちが、
*cum omnibus copiis ad Alesiam perveniunt
**すべての軍勢とともに[[w:アレシア|アレスィア]]の辺りへ到着して、
*et colle exteriore occupato
**より外側の丘陵を占拠して、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:現在のミュスィ=ラ=フォス村 [[w:fr:Mussy-la-Fosse|Mussy-la-Fosse]]<ref>[http://maps.google.com/maps?q=47.521944,4.438611&hl=fr&ie=UTF8&ll=47.522012,4.438648&spn=0.01849,0.027423&t=h&z=15 Google map]を参照。</ref> のある丘陵であると思われる。)</span>
*non longius mille passibus ab nostris munitionibus considunt.
**我が方(ローマ勢)の塁壁から1ローママイル(約1.5km)ほども遠くないところに陣取った。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:現在のヴナレ=レ=ローム [[w:fr:Venarey-les-Laumes|Venarey-les-Laumes]] 市街<ref>[http://maps.google.com/maps?q=47.542778,4.445833&hl=fr&ie=UTF8&ll=47.543106,4.458475&spn=0.036965,0.054846&t=h&z=14 Google map]を参照。</ref>の周辺であると思われる。)</span>
*② Postero die equitatu ex castris educto
**翌日に、[[w:騎兵|騎兵隊]]が陣営から進発させられて、
*omnem eam planitiem quam in longitudinem milia passuum III(tria)<ref>milia passuum III はβ系写本の記述で、α系写本では quattuor milia passuum などとなっている。</ref> patere demonstravimus, complent
**3ローママイル(約4.5km)の長さにわたり広がっていることを既述した平地のすべてを、満たした。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#69節|69節]]を参照。現在のローム平原に当たると思われる。)</span>
*pedestresque copias paulum ab eo loco abditas in locis superioribus constituunt.
**[[w:歩兵|歩兵]]の軍勢を、その地からいくらか遠ざけて、より高いところに駐留させた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:上記の丘陵のより高い所であると思われる。)</span>
*③ Erat ex oppido Alesia despectus in campum.
**アレスィアの[[w:オッピドゥム|城塞都市]]からは(その)平地に眺望があった。
*Concurrunt<ref>concurrunt はα系写本の記述で、β系写本では concurritur となっている。</ref> his auxiliis visis;
**これらの援軍が現われると(アレスィアのガッリア人たちは)群がり集まった。
*fit gratulatio inter eos
**彼らの間で祝賀がなされて、
*atque omnium animi ad laetitiam excitantur.
**皆の心が喜びへと鼓舞された。
*④ Itaque productis copiis ante oppidum considunt
**こうして(アレスィアの)軍勢が出撃させられて、城塞都市の前に陣取って、
*et proximam fossam cratibus integunt atque aggere explent
**最も近い堀を、柴で蔽って、土砂を充満させて、
*seque ad eruptionem atque omnes casus comparant.
**突撃やあらゆる有事に戦備を整えた。
===80節===
'''ゲルマニア騎兵らローマ勢が来援ガッリア騎兵をも打ち破る'''
*① Caesar omni exercitu ad utramque partem munitionum<ref>munitionum はα系写本の記述で、β系写本では munitionis となっている。</ref> disposito,
**カエサルは、すべての[[w:歩兵|歩兵隊]]を、塁壁の(内周と外周)両側に分けて置き、
*ut, si usus veniat, suum quisque locum teneat et noverit,
**もし、必要が生じたら、おのおのが自らの部署を知って固守するようにした。
*equitatum ex castris educi et proelium committi iubet.
**[[w:騎兵|騎兵隊]]を陣営から進発させて、交戦することを命じた。
*② Erat ex omnibus castris, quae summum undique iugum tenebant, despectus
**至る所で尾根の頂きを占めていた(ローマ勢の)すべての陣営から(騎兵戦の)眺望があった。
*atque omnes milites intenti<ref>intenti はα系写本の記述で、β系写本では intenti animi、Fuchs は intentis animis と修正提案している。</ref> pugnae proventum<ref>pugnae proventum はα系写本の記述で、β系写本では proventum pugnae となっている。</ref> exspectabant.
**すべての兵士たちは(観戦に)没頭して、戦いの結果を待っていた。
*③ Galli inter equites raros sagittarios expeditosque levis armaturae interiecerant,
**ガッリア人たちは、弓兵たちと軽装歩兵たちをまばらに、騎兵たちの間に置いていて、
*qui suis cedentibus auxilio succurrerent
**その者たち(弓兵と軽装歩兵)は、味方が後退するのを支援するために馳せ寄って、
*et nostrorum equitum impetus sustinerent.
**我が方(ローマ勢)の騎兵の突撃に持ちこたえていた。
*Ab his complures de improviso vulnerati proelio excedebant.
**彼らによって(ローマ側騎兵の)かなりの者たちが、思いがけず負傷させられて、戦闘から退いた。
*④ Cum suos pugna superiores esse Galli confiderent
**ガッリア人たちが、味方が戦いで優勢であることを確信したとき、
*et nostros multitudine premi viderent,
**かつ、我が方(ローマ勢)が多勢(のガッリア騎兵)により圧倒されているのを見て取ったときに、
*ex omnibus partibus et ii qui munitionibus continebantur
**あらゆる方面から(ローマ勢の)塁壁によって囲まれていた者たちも、
*et hi<ref>hi はφ系・β系写本の記述で、χ系写本では ii となっている。</ref> qui ad auxilium convenerant
**(アレスィア)救援のために集結して来ていた者たちも、
*clamore et ululatu suorum animos confirmabant.
**大声やわめき声によって味方の闘志を強めた。
*⑤ Quod in conspectu omnium res gerebatur
**(両軍の)皆の環視の中で合戦が遂行されたので、
*neque recte ac<ref>ac はα系・π系写本の記述で、ρ系写本では aut となっている。</ref> turpiter factum celari poterat,
**立派な行為または見苦しい行為も隠されることができなかったので、
*utrosque et laudis cupiditas et timor ignominiae ad virtutem excitabant<ref>excitabant はB・M・L・N・R写本などの記述で、χ系・B・S・π系・U写本などでは excitabat となっている。</ref>.
**賞賛への功名心も、不名誉への恐れも、双方を武勇へと駆り立てた。
*⑥ Cum a meridie prope ad solis occasum dubia victoria pugnaretur,
**正午から、ほぼ日没の頃まで、勝利が不確実なまま戦われていたときに、
*Germani una in parte confertis turmis
**ゲルマニア人たちが、騎兵部隊を一か所に密集させて、
*in hostes impetum fecerunt eosque propulerunt;
**敵方に突撃を行ない、彼ら(ガッリア騎兵)を駆逐した。
*⑦ quibus in fugam coniectis
**その者たち(ガッリア騎兵)は逃亡に追いやられて、
*sagittarii circumventi interfectique sunt.
**弓兵たちは包囲されて殺戮された。
*⑧ Item ex reliquis partibus nostri cedentes usque ad castra insecuti
**我が方(ローマ勢)の残りの部隊も、撤退する(ガッリア騎兵の)者たちを陣営のところまで追撃して、
*sui colligendi facultatem non dederunt.
**立ち直る機会を与えなかった。
*⑨ At ii qui ab [[w:la:Alesia|Alesia]] processerant,
**そして、[[w:アレシア|アレスィア]]から進み出ていた者たちは、
*maesti prope victoria desperata se in oppidum receperunt.
**ほとんど絶望的な勝利に悲嘆して、城塞都市に退却した。
===81節===
'''ガッリア来援軍と籠城軍がローマ陣地に夜襲をしかける'''
*① Uno die intermisso Galli
**ガッリア人たちは一日を間に置いて、
*atque hoc spatio magno cratium, scalarum, harpagonum numero effecto
**この間に、多数の柴、[[w:梯子|梯子]]、鉤竿を調達して、
*media nocte silentio ex castris egressi
**真夜中に静けさのうちに陣営から進発して、
*ad campestres munitiones accedunt.
**平地の(ローマ勢の)塁壁の辺りへ近づいた。
*② Subito clamore sublato, qua significatione
**突然に雄叫びを上げて、それを合図として、
*qui in oppido obsidebantur de suo adventu cognoscere possent,
**[[w:オッピドゥム|城塞都市]]の中に包囲されている者たちが、自分たちの到来について認識できるようにした。
*crates proicere, fundis, sagittis, lapidibus nostros de vallo proturbare
**柴を投げ込み、投石器で、矢で、石でもって我が方(ローマ勢)を防柵から追い出すこと、
*reliquaque quae ad oppugnationem pertinent parant administrare.
**(塁壁の)攻略のために役立つほかのことに従事すること、を目論んだ。
*③ Eodem tempore clamore exaudito
**同時に(来援軍の)雄叫びを聞き取って、
*dat tuba signum suis [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]] atque ex oppido educit.
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は、麾下の者たちにラッパで指図を与えて、城塞都市から進発させた。
*④ Nostri, ut superioribus diebus, suus cuique<ref>suus cuique はβ系写本の記述で、χ系・B・M・S写本では ut cuique となっている。</ref> erat locus attributus, ad munitiones accedunt;
**我が方(ローマ勢)は、以前の日々に、おのおのの部署が割り当てられており、塁壁のところへ近寄った。
*fundis librilibus sudibusque, quas in opere disposuerant, ac glandibus Gallos proterrent.
**堡塁に分配されていたポンド投石器や杭、並びに玉によって、ガッリア人たちを追い払った。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:librilis funda「ポンド投石器」;古代ローマの1ポンド [[w:la:Libra pondus|libra]] は約327グラム<ref>[[w:en:Ancient Roman units of measurement#Weight]]を参照。</ref>。)</span>
*⑤ Prospectu tenebris adempto multa utrimque vulnera accipiuntur.
**眺望が暗闇により奪われて、双方が多くの傷を蒙った。
*Complura tormentis tela coniciuntur.
**かなり多くの飛び道具が(巻上式)投石機によって投じられた。
*⑥ At [[w:la:Marcus Antonius|M.(Marcus) Antonius]] et [[w:la:Gaius Trebonius|C.(Gaius) Trebonius]] legati,
**[[w:マルクス・アントニウス|マルクス・アントニウス]]と[[w:ガイウス・トレボニウス|ガイウス・トレボニウス]] [[w:レガトゥス|両副官]]は、
*quibus hae partes ad defendendum obvenerant,
**この方面を防衛するために割り当てられていたが、
*qua ex parte nostros premi intellexerant,
**我が方(ローマ勢)が押されぎみであると見なした一帯のために、
*his auxilio ex ulterioribus castellis deductos submittebant.
**この者たちを支援するために、向こう側の砦から引き出した者たちを(援兵として)派遣した。
===82節===
'''アレスィア内外のガッリア勢が障害物に阻まれて退く'''
*① Dum longius ab munitione aberant Galli,
**ガッリア人たちは(ローマ勢の)塁壁から遠くに離れていた間は、
*plus multitudine telorum proficiebant;
**飛び道具の多さによって、前進していた。
*posteaquam propius successerunt,
**(塁壁の方へ)さらに近くに進入して来た後では、
*aut se ipsi<ref>ipsi はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> stimulis inopinantes induebant
**あるいは、思いがけず自ら「刺」に陥り、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:stimulus「刺」については、[[#73節|73節]]⑨項を参照。)</span>
*aut in scrobes delati transfodiebantur
**あるいは、穴に陥落して(「百合」で)突き刺されたり、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:「穴」と「百合」については、[[#73節|73節]]⑤~⑧項を参照。)</span>
*aut ex vallo ac turribus traiecti pilis muralibus interibant.
**あるいは、防柵や櫓から[[w:ピルム・ムーリアリス|防壁槍]]で射抜かれて逝った。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:防壁槍については、[[ガリア戦記 第5巻#40節|第5巻40節]]を参照。)</span>
*② Multis undique vulneribus acceptis
**(ガッリア勢は)至る所で多くの傷を負ったが、
*nulla munitione perrupta,
**どの(ローマ側の)塁壁も突破されなかった。
*cum lux appeteret,
**<ruby><rb>暁光</rb><rp>(</rp><rt>ぎょうこう</rt><rp>)</rp></ruby>が(空を)染めたとき、
*veriti ne ab latere aperto ex superioribus castris eruptione circumvenirentur,
**開けた側面から、(ローマ勢の)高所の陣営からの突撃によって包囲されないようにと怖れて、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:開けた側面とは、盾で守られていない右側のこと。)</span>
*se ad suos receperunt.
**味方のところへ退却した。
*③ At interiores
**それに対して、(アレスィア攻囲の)内側の者たちは、
*dum ea quae a [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorige]] ad eruptionem praeparata erant<ref>praeparata erant は、写本(ω)ではpraeparaverant だが、このように修正提案されている。あるいは、a Vercingetorige が削除提案されている。</ref> proferunt,
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]により、突撃のために準備していたものを運び出して
*priores fossas explent,
**一番前の堀を埋めている間に、
*diutius in his rebus administrandis morati
**これらの事に従事することに、より長く妨げられて、
*prius suos discessisse cognoverunt quam munitionibus adpropinquarent.
**塁壁に近づくよりも前に味方(=来援軍)が退去したことを知ったのだ。
*Ita re infecta in oppidum reverterunt.
**こうして、事は達成されていないものの、[[w:オッピドゥム|城塞都市]]に引き返した。
===83節===
'''ウェルカッスィウェッラウヌスが兵6万を率いて急所の丘へ向かう'''
*① Bis magno cum detrimento repulsi Galli
**大きな損害とともに二度も撃退されたガッリア人たちは、
*quid agant consulunt;
**何をなすべきかを協議した。
*locorum peritos adhibent;
**(その)土地に熟知した者たちを招いた。
*ex his superiorum castrorum situs munitionesque cognoscunt.
**この者たちから、(ローマ勢の)高いところの陣営の位置や塁壁を調べ上げた。
*② Erat a septentrionibus collis,
**(アレスィアの)北方に丘陵があって、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:これは現在のレア山 le Mont Réa であると思われ、山頂にはメネルー=ル=ピトワ村<ref>[[w:fr:Ménétreux-le-Pitois]]や[http://maps.google.fr/maps?f=q&hl=fr&geocode=&q=m%C3%A9n%C3%A9treux+le+pitois&sll=42.423457,8.789063&sspn=23.611541,40.957031&ie=UTF8&t=h&hq=&hnear=M%C3%A9n%C3%A9treux-le-Pitois,+C%C3%B4te-d'Or,+Bourgogne&ll=47.55475,4.460106&spn=0.018507,0.010042&z=15 Google map]などを参照。</ref>がある。)</span>
*quem propter magnitudinem circuitus
**その周囲の大きさのために、
*opere circumplecti non potuerant nostri,
**我が方(ローマ勢)は、堡塁により囲い込むことができずにいた。
*necessarioque<ref>-que はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> paene iniquo loco et leniter<ref>leniter はπ系写本の記述で、α系・ρ系写本では leviter となっている。</ref> declivi castra fecerunt<ref>fecerunt はα系写本の記述で、β系写本では fecerant となっている。</ref>.
**やむをえず、ほとんど不利でゆるやかに傾斜した地点に陣営を造った。
*③ Haec C.(Gaius) Antistius Reginus et C.(Gaius) Caninius Rebilus legati
**これを、ガーイウス・アンティスティウス・レーギーヌスとガイウス・カニニウス・レビルス [[w:レガトゥス|両副官]]が
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:''[[w:fr:Caius Antistius Reginus|Gaius Antistius Reginus]]'' は[[ガリア戦記_第6巻#1節|第6巻1節]]で既出。[[#90節|90節]]で後出。)</span>
*cum duabus legionibus obtinebant.
**2個軍団とともに占めていた。
*④ Cognitis per exploratores regionibus duces hostium
**敵方の将帥たちは、偵察者たちを通じて一帯を調べ上げて、
*LX(sexaginta) milia ex omni numero deligunt
**総員のうちから6万名を選抜した。
*earum civitatum quae maximam virtutis opinionem habebant;
**武勇において大きな評判を得ている部族のうち(から選抜した)。
*⑤ quid quoque pacto agi placeat, occulte inter se constituunt;
**何が、どんな方法で行なわれるのがよいか、互いに密かに取り決めた。
*adeundi tempus definiunt, cum meridie<ref>meridie は中世の写本(ω)の記述であるが、近世の写本(ς)では meridies となっている。</ref> esse videatur.
**正午であると思われる頃を突撃する時と定めた。
*⑥ His copiis Vercassivellaunum Arvernum,
**この軍勢を、[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]のウェルカッスィウェッラウヌス、
*unum ex quattuor ducibus, propinquum [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorigis]], praeficiunt.
**(すなわち)4人の将帥たちの1人で、[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]の親族である者に、指揮させた。
*⑦ Ille ex castris prima vigilia egressus
**彼(ウェルカッスィウェッラウヌス)は、陣営から第一夜警時に進発して、
*prope confecto sub lucem itinere
**夜明け前にほぼ行軍が成し遂げられて、
*post montem se occultavit
**山の後ろに身を隠して、
*militesque ex nocturno labore sese reficere iussit.
**兵士たちに夜間の疲労を回復しておくことを命じた。
*⑧ Cum iam meridies adpropinquare videretur,
**すでに正午に近付いていると思われたときに、
*ad ea castra, quae supra demonstravimus, contendit;
**前に述べた陣営のところへ急いだ。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:本節②項を参照。)</span>
*eodemque tempore equitatus ad campestres munitiones accedere
**同時に(ガッリア来援軍の)[[w:騎兵隊|騎兵隊]]が平地の(ローマ勢の)塁壁のところへ近付き、
*et reliquae copiae pro castris sese ostendere coeperunt.
**残りの軍勢が陣営の前に姿を現わし始めた。
===84節===
'''ウェルキンゲトリークスらアレスィア籠城軍も善戦する'''
*① [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]] ex arce [[w:la:Alesia|Alesiae]] suos conspicatus ex oppido egreditur;
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は、[[w:アレシア|アレスィア]]の高台から味方を望見して、[[w:オッピドゥム|城塞都市]]から進発した。
*a castris<ref>a castris はβ系写本の記述で、α系写本では単に castris となっている。</ref>, longurios, musculos, falces
**陣営から、長い竿、小屋、破城鎌や、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:falx「破城鎌」については、[[ガリア戦記 第5巻#42節|第5巻42節]]を参照。)</span>
*reliquaque quae eruptionis causa paraverat profert.
**(塁壁を)突破するために準備していたほかのものを運び出した。
*② Pugnatur uno tempore omnibus locis atque omnia temptantur;
**一時にあらゆる場所で戦われて、あらゆることが試みられた。
*quae minime visa pars firma est, huc concurritur.
**あまり堅固ではないと思われる部分、ここへ襲いかかった。
*③ Romanorum manus tantis munitionibus distinetur
**ローマ人の手勢は、これほどの(長大な)塁壁により離して置かれていて、
*nec facile pluribus locis occurrit.
**より多くの場所には容易に駆け付けられなかった。
*④ Multum ad terrendos nostros valet clamor qui post tergum pugnantibus exstitit,
**戦っている者たちの背後で生じた雄叫びは、我が方(ローマ勢)を怖れさせるために大いに力があった。
*quod suum periculum in aliena vident virtute<ref>virtute「武勇」 はβ系写本の記述で、α系写本では salute「安全」 となっている。</ref> constare;
**というのは、自分たち(ローマ勢)の危険が他人(ガッリア勢)の武勇に依拠していると思ったから。
*omnia enim plerumque, quae absunt, vehementius hominum mentes perturbant.
**なぜなら(そこに)不在であるものすべてはたいてい、人間の心を激しく混乱させるものであったからである。
===85節===
'''ウェルカッスィウェッラウヌスが急所の丘を攻める'''
*① Caesar idoneum locum nactus
**カエサルは適当な場所を得て,
*quid quaque in<ref>quaque in はβ系写本の記述で、α系写本では qua ex となっている。</ref> parte geratur cognoscit;
*何が各方面でなされているのかを認識した。
*laborantibus submittit.
**苦戦している者たちに(援兵を)派遣した。
*② Utrisque ad animum occurrit unum esse illud tempus, quo maxime contendi conveniat:
**双方にとって、最も雌雄を決するべきはこの時のみであるということが、心に生じた。
*③ Galli, nisi perfregerint munitiones, de omni salute desperant;
**ガッリア人たちは、(ローマ人の)塁壁を突破しない限り、あらゆる身の安全に絶望することになる。
*Romani, si rem obtinuerint, finem laborum omnium exspectant.
**ローマ人は、もし事を成就したら、すべての労苦の終わるということを期待した。
*④ Maxime ad superiores munitiones laboratur, quo [[w:la:Vercassivellaunus|Vercassivellaunum]] missum demonstravimus.
**ウェルカッスィウェッラウヌスが派遣されたと既述した、より高い塁壁の辺りで(ローマ勢は)とりわけ苦戦した。
*Iniquum loci ad declivitatem fastigium magnum habet momentum.
**けわしい地形の不利な傾斜が(ローマ勢にとって)大きな影響力を持った。
*⑤ Alii tela coniciunt, alii testudine facta subeunt;
**(ガッリア勢の)ある者は飛び道具を投げやって、ある者は[[w:テストゥド|亀甲陣形]]を形成して突き進んだ。
*defatigatis invicem integri succedunt.
**疲労させられた者たちに対しては、新手の者たちが交代した。
*⑥ Agger ab universis in munitionem coniectus
**土が総勢により(ローマ人の)塁壁に投じられて、
*et ascensum dat Gallis
**ガッリア人たちに登り道を与えもしたし、
*et ea, quae in terra occultaverant Romani, contegit;
**ローマ人たちが地中に隠しておいたもの(障害物)を埋め込んでしまった。
*nec iam arma nostris nec vires suppetunt.
**我が方(ローマ勢)には、もはや武器も活力も十分になかった。
===86節===
'''危急存亡の秋、両軍の苦闘'''
*① His rebus cognitis
**これらの事態を知って、
*Caesar [[w:la:Titus Labienus|Labienum]] cum cohortibus sex subsidio laborantibus mittit;
**カエサルは、[[w:ティトゥス・ラビエヌス|ラビエーヌス]]を6個<ruby><rb>[[w:コホルス|歩兵大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>とともに援兵として苦戦している者たちへ派遣した。
*② imperat, si sustinere non possit<ref>possit はχ系・B・M・S・β系写本の記述で、L・N写本では posset となっている。</ref>, deductis cohortibus eruptione pugnaret<ref>pugnaret はα系写本の記述で、β系写本では pugnet となっている。</ref>;
**もし(塁壁の防衛が)持ちこたえられなかったならば、諸大隊を引率して突撃によって戦うように、と命令していた。
*id nisi necessario ne faciat.
**それは、やむをえないのでなければ行なわないように(と命じていた)。
*③ Ipse adit reliquos, cohortatur ne labori succumbant;
**(カエサル)自身は、ほかの者たちを訪れて、労苦に屈服しないようにと鼓舞した。
*omnium superiorum dimicationum fructum in eo die atque hora docet consistere.
**これまでのあらゆる奮闘の結実がこの日、この時にかかっていることを説いた。
*④ Interiores desperatis campestribus locis propter magnitudinem munitionum
**(アレスィアに包囲されている)内側の者たちは、塁壁の大規模さのために、平坦な地点(での突破)を断念して、
*loca praerupta ex ascensu temptant;
**けわしい場所を登り坂から攻撃してみた。
*huc ea quae paraverant conferunt.
**ここに、準備していたものを運び集めた。
*⑤ Multitudine telorum ex turribus propugnantes deturbant,
**たくさんの飛び道具によって、防戦している者たちを櫓から駆逐した。
*aggere et cratibus fossas explent,
**土砂や柴で堀を埋めて、
*falcibus vallum ac loricam rescindunt.
**破城鎌によって防柵や胸壁を切り裂いた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:falx「破城鎌」については、[[ガリア戦記 第5巻#42節|第5巻42節]]を参照。)</span>
===87節===
'''カエサルの救援、ラビエーヌスの作戦'''
*① Mittit primo<ref>primo はφ系・ρ系写本の記述で、χ系・π系写本では primum となっている。</ref> [[w:la:Decimus Iunius Brutus Albinus|Brutum adulescentem]] cum cohortibus Caesar,
**カエサルは、初めに[[w:デキムス・ユニウス・ブルトゥス・アルビヌス|青年ブルトゥス]]を諸<ruby><rb>[[w:コホルス|歩兵大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>とともに派遣して、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:デキムス・ブルトゥスには[[ガリア戦記 第3巻#14節|第3巻14節]]で艦隊を、本巻[[#9節|9節]]②項では騎兵隊を指揮させている。)</span>
*post cum aliis C.(Gaium) Fabium legatum;
**後に副官のガイウス・ファビウスをほかの隊とともに(派遣した)。
*postremo ipse, cum vehementius pugnaretur,
**最後には(カエサル)自身が、激しく戦われていたので、
*integros subsidio adducit.
**新手の者たちを援兵として率いて行った。
*② Restituto proelio ac repulsis hostibus
**戦況が回復され、敵方が撃退されると、
*eo quo Labienum miserat contendit;
**ラビエーヌスを派遣していたところに急いだ。
*cohortes IIII(quattuor) ex proximo castello deducit,
**近隣の砦から4個歩兵大隊を引き出して、
*equitum partem se<ref>se はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> sequi,
**[[w:騎兵|騎兵]]のある一部には、自らに随行することを、
*partem circumire exteriores munitiones et ab<ref>ab はα系写本の記述で、β系写本では a となっている。</ref> tergo hostes adoriri iubet.
**別の一部には、外側の塁壁を取り囲んで、敵方を背後から襲撃することを命じた。
*③ Labienus, postquam neque aggeres neque fossae vim hostium sustinere poterant,
**ラビエーヌスは、土塁も堀も敵方の武力に持ちこたえることができなかった後で、
*coactis una XL(quadraginta) cohortibus, quas ex proximis praesidiis deductas fors obtulit,
**近隣の宿営地から、はからずも引き出しておいた40個歩兵大隊を集結させて、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:この数は、写本によって異なり、モイゼルらは undecim「11個」と提案している。)</span>
*Caesarem per nuntios facit certiorem, quid faciendum existimet.
**何がなされるべきと考えたのかを、カエサルに伝令を通じて報告した。
*Accelerat Caesar, ut proelio intersit.
**カエサルは、戦闘(の場)に居合わせるように急いで行った。
===88節===
'''雌雄決し、ガッリア来援軍が敗走'''
*① Eius adventu ex colore vestitus cognito, quo insigni in proeliis uti consuerat,
**彼(カエサル)の到来が、(彼が)戦闘において目印として用いるのが常であった衣服の色から認識され、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:カエサルは、真紅の外套を着用していたようである。)</span>
*turmisque equitum et cohortibus visis quas se sequi iusserat,
**(カエサルが)自らに随行することを命じていた諸<ruby><rb>[[w:騎兵|騎兵]]小隊</rb><rp>(</rp><rt>トゥルマ</rt><rp>)</rp></ruby>や諸<ruby><rb>[[w:コホルス|歩兵大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>が望見されて、
*ut de locis superioribus haec declivia et devexa cernebantur,
**(ウェルカッスィウェッラウヌスらが派遣された)高地から、これらの斜面や急坂が見分けられたので、
*hostes proelium committunt.
**敵方(ガッリア勢)は戦端を開いた。
*② Utrimque clamore sublato
**(ガッリア来援軍とアレスィア籠城軍の)双方から雄叫びが上げられて、
*excipit rursus ex vallo atque omnibus munitionibus clamor.
**さらに、防柵やすべての塁壁から(ローマ勢の)雄叫びが続いた。
*Nostri omissis pilis gladiis rem gerunt.
**我が方(ローマ勢)は<ruby><rb>[[w:ピルム|投槍]]</rb><rp>(</rp><rt>ピルム</rt><rp>)</rp></ruby>を放棄して、<ruby><rb>[[w:グラディウス (武器)|長剣]]</rb><rp>(</rp><rt>グラディウス</rt><rp>)</rp></ruby>で合戦した。
*③ Repente post tergum equitatus cernitur;
**不意に(ガッリア勢の)背後に(ローマ勢の)騎兵隊が見分けられた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:87節②項で、カエサルは騎兵隊に外壁を迂回して敵を背後から襲撃するように命じていた。)</span>
*cohortes aliae adpropinquant.
**別の諸<ruby><rb>歩兵大隊</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>も接近して来た。
*Hostes terga vertunt;
**敵方(ガッリア勢)は、(ローマ勢に)背を向けた。
*fugientibus equites occurrunt.
**逃げる者たち(ガッリア勢)を(ローマ勢の)騎兵たちが追撃した。
*Fit magna caedes.
**大虐殺が起こった。
*④ Sedullus, dux et princeps Lemovicum, occiditur;
**レモウィケス族の将帥で領袖であるセドゥッルスが斃された。
*[[w:la:Vercassivellaunus|Vercassivellaunus]] Arvernus vivus in fuga comprehenditur;
**[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]のウェルカッスィウェッラウヌスは逃亡中に生きたまま捕らえられた。
*signa militaria LXXIIII(septuaginta quattuor) ad Caesarem referuntur;
**(ガッリア勢の)74本の軍旗がカエサルのところへ運んで来られた。
*pauci ex tanto numero se incolumes<ref>se incolumes はα系写本の記述で、β系写本では incolumes se となっている。</ref> in castra recipiunt.
**これほどの兵数のうち、わずかな者たち(だけ)が無傷のまま陣営に退却した。
*⑤ Conspicati ex oppido caedem et fugam suorum
**(アレスィアの)[[w:オッピドゥム|城塞都市]]から味方の虐殺や逃亡を視認した者たちは、
*desperata salute copias a munitionibus reducunt.
**身の安全に絶望して、軍勢を塁壁から(城塞都市に)呼び戻した。
*⑥ Fit protinus hac re audita ex castris Gallorum fuga.
**この事態が聞かれるとただちに、(来援に来ていた)ガッリア人たちの陣営から逃亡が生じた。
*Quodnisi crebris subsidiis ac totius diei labore milites essent defessi,
**もし、たびたびの(味方への)支援や一日中の働きにより兵士たちが疲れ果てていなかったならば、
*omnes hostium copiae deleri potuissent.
**敵方(ガッリア来援軍)の全軍勢が壊滅させられることが可能であっただろう。
*⑦ De media nocte missus equitatus novissimum agmen consequitur;
**真夜中の頃に、派遣されていた(ローマ勢の)騎兵隊が(ガッリア勢の)後衛に追いついて、
*magnus numerus capitur atque interficitur;
**(ガッリア勢の)大多数が捕らえられ、かつ殺戮された。
*reliqui ex fuga in civitates discedunt.
**(ガッリア来援軍の)残りの者たちは、逃亡して諸部族のところに逃げのびた。
==ガッリア同盟軍主力の降伏==
===89節===
[[画像:Vercingétorix se rend à César 1886 HPMotte.jpg|thumb|right|330px|「カエサルの陣営に投降するウェルキンゲトリークス」<br>“Vercingétorix se rendant au camp de César”、<br>アンリ=ポール・モット([[w:fr:Henri-Paul_Motte|Henri-Paul Motte]])画、1886年。<br>[[w:ル・ピュイ=アン=ヴレ|ル・ピュイ=アン=ヴレ]]のクロザティエ美術館([[w:fr:Musée Crozatier au Puy-en-Velay|Musée Crozatier]] au [[w:fr:Le Puy-en-Velay|Puy-en-Velay]])蔵。]]
[[画像:Lionel Royer - Vercingetorix Throwing down His Weapons at the feet of Julius Caesar.jpg|thumb|right|330px|「ウェルキンゲトリークスが彼の武器をユリウス・カエサルの足元に投げ捨てる」“Vercingétorix jette ses armes aux pieds de Jules César”、リオネル=ノエル・ロワイエ([[w:fr:Lionel Royer|Lionel-Noël Royer]])
画、1899年。[[w:ル・ピュイ=アン=ヴレ|ル・ピュイ=アン=ヴレ]]のクロザティエ美術館([[w:fr:Musée Crozatier au Puy-en-Velay|Musée Crozatier]] au [[w:fr:Le Puy-en-Velay|Puy-en-Velay]])蔵。]]
[[画像:Coin_Vercingetorix.jpg|thumb|right|300px|ローマがBC48年に発行した[[w:デナリウス|デナリウス銀貨]]。ウェルキンゲトリークスの横顔が刻まれているとも言われ、[[w:マメルティヌスの牢獄|トゥッリアヌム牢獄]]に虜囚となっているかつてのガッリアの盟主を見せしめにしたものとも考えられる。彼はBC46年に処刑されたが、カエサルもBC44年に暗殺された。]]
'''ウェルキンゲトリークスとアレスィア籠城軍の降伏'''
*① Postero die [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]] concilio convocato
**(来援軍が敗走した)翌日に、[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は会合を召集して、
*id bellum se suscepisse<ref>se suscepisse はα系写本の記述で、β系写本では suscepisse se となっている。</ref>
**この戦争を引き受けたことは
*non suarum necessitatum<ref>necessitatum はχ系・S・L・N・β系写本の記述で、B・M写本では necessitatium となっている。</ref>, sed communis libertatis causa demonstrat,
**自らの(野心の)必要性からではなく、(ガッリア)共通の自由のためだ、と明言した。
*② et quoniam sit fortunae cedendum,
**運命には従うべきものなのであるから、
*ad utramque rem se illis offerre,
**(敗軍の将として、以下の)どちらの事にも、自ら(の処遇)を彼ら(ガッリア人たち)に委ねよう。
*seu morte sua Romanis satisfacere
**あるいは(ウェルキンゲトリークス)自らの死によってローマ人たちに償うこと(を欲する)にせよ、
*seu vivum tradere velint.
**あるいは生きたまま(ローマ人たちに)引き渡すことを欲するにせよ、と。
*③ Mittuntur de his rebus ad Caesarem legati.
**これらの事柄について、カエサルのところへ使節たちが遣わされた。
*Iubet arma tradi, principes produci.
**(カエサルは)武器が引き渡されること、領袖たちが連行されて来ることを命じた。
*④ Ipse in munitione pro castris consedit;
**(カエサル)自身は、陣営の前の塁壁のところに腰掛けた。
*eo duces producuntur.
**そこに(アレスィアに籠城していた)将帥たちが連行されて来た。
*Vercingetorix deditur, arma proiciuntur.
**ウェルキンゲトリークスが引き渡されて、武器が投げ捨てられた。
*⑤ Reservatis [[w:la:Haedui|Haeduis]] atque Arvernis,
**(カエサルは)[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]と[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]](の将兵たち)を保持しておいた。
*si per eos civitates reciperare<ref>reciperare はχ系・B<sup>1</sup>・S・U写本の記述で、B<sup>c</sup>・M・L・N・π系・R写本では recuperare となっている。</ref> posset,
**彼らによって両部族国家を(同盟国として)回復できないだろうかと(考えたのだ)。
*ex reliquis captivis toto exercitui capita singula praedae nomine distribuit.
**残りの(諸部族の)捕虜たちから、全軍(のローマ人)に一名ずつを戦利品という名目で分配した。
===90節===
[[画像:Autun_porte_Saint-André.JPG|thumb|right|300px|[[w:オータン|オータン市]]に遺されたローマ時代からの聖アンドレ門。[[w:ビブラクテ|ビブラクテ]]を首邑としていた[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]は、ローマ帝政初期に東方の平地に移り、「[[w:アウグストゥス|アウグストゥス]]の砦」を意味するアウグストドゥーヌム([[w:la:Augustodunum|Augustodunum]])を建設して首邑とした。これが現在のオータン(Autun)となっている。]]
[[画像:Clermont_vu_de_Montjuzet.JPG|thumb|right|300px|[[w:クレルモン=フェラン|クレルモン=フェラン市]]の街並み。ローマに降伏した[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]は、後に首邑のゲルゴウィアを廃城とされ、北方の平野にあるネメトゥム(Nemetum)に移住させられた。帝政初期に[[w:アウグストゥス|アウグストゥス]]に由来するアウグストネメトゥム([[w:la:Augustonemetum|Augustonemetum]])に改称して、[[w:クレルモン教会会議|クレルモン教会会議]]が開かれるなど宗教的中心地として栄え、現在のクレルモン=フェランに至る。]]
'''ハエドゥイー族とアルウェルニー族の降伏、諸軍団の冬営'''
*① His rebus confectis in [[w:la:Haedui|Haeduos]] proficiscitur;
**これらの事が成し遂げられて、(カエサルは)[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]のところに出発した。
*civitatem recipit.
**同部族を(同盟国として)回復した。
*② Eo legati ab Arvernis missi:
**そこに、[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]から使節たちが遣わされて来て、
*quae imperaret, se facturos pollicentur.
**自分たちは(カエサルが)命令したことを行なうであろう、と約束した。
*Imperat magnum numerum obsidum.
**(カエサルは)多数の人質(の供出)を命令した。
*③ Legiones in hiberna mittit.
**(カエサルは)諸[[w:ローマ軍団|軍団]]を冬営地に派遣した。
*Captivorum circiter XX(viginti) milia Haeduis Arvernisque reddit.
**捕虜たち約2万人をハエドゥイー族とアルウェルニー族に返還した。
*④ [[w:la:Titus Labienus|T.<small>(Titum)</small> Labienum]] duabus cum<ref>duabus cum はχ系・B・M・S写本の記述で、L・N・β系写本では cum duabus となっている。</ref> legionibus et equitatu in Sequanos proficisci iubet;
**[[w:ティトゥス・ラビエヌス|ティトゥス・ラビエーヌス]]を2個軍団および[[w:騎兵|騎兵隊]]とともにセクアニ族のところに出発することを命じた。
*huic M.<small>(Marcum)</small> Sempronium Rutilum attribuit.
**彼には、マルクス・[[w:センプロニウス氏族|センプロニウス]]・ルティルスを付属させた。
*⑤ C.<small>(Gaium)</small> Fabium legatum et L.<small>(Lucium)</small> Minucium Basilum cum legionibus duabus in Remis conlocat,
**副官 ガーイウス・ファビウスとルキウス・ミヌキウス・バスィルスを2個軍団とともにレーミー族のところに配置した。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:バスィルスは[[ガリア戦記 第6巻#29節|第6巻29節]]で騎兵隊を指揮した。)</span>
*ne quam ab<ref>ab はφ系写本の記述で、χ系・β系写本では a となっている。</ref> finitimis Bellovacis calamitatem accipiant.
**(レーミー族が)近隣のベッロウァキ族から何らかの災禍を蒙らないようにしたのである。
*⑥ C.<small>(Gaium)</small> Antistium Reginum in Ambivaretos,
**ガーイウス・アンティスティウス・レーギーヌスをアンビウァレティ族のところに、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:''[[w:fr:Caius Antistius Reginus|Gaius Antistius Reginus]]'' は[[ガリア戦記_第6巻#1節|第6巻1節]]、[[#83節|本巻83節]]で既出。)</span>
*T.<small>(Titum)</small> Sextium in Bituriges,
**ティトゥス・セクスティウスをビトゥリゲース族のところに、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[w:en:Titus Sextius|Titus Sextius]] も[[ガリア戦記_第6巻#1節|第6巻1節]]で既出。第6巻の年からカエサルの副官、<br> [[w:三頭政治#第二回三頭政治|第二回三頭政治]]では[[w:アフリカ属州|アフリカ属州]]の総督を務め、[[w:マルクス・アエミリウス・レピドゥス|レピドゥス]]に引き継ぐ。)
*C.<small>(Gaium)</small> Caninium Rebilum in Rutenos cum singulis legionibus mittit.
**ガーイウス・カニニウス・レビルスをルテーニー族のところに、それぞれ1個軍団とともに派遣した。
*⑦ [[w:la:Quintus Tullius Cicero|Q.<small>(Quintum)</small> Tullium Ciceronem]] et P.<small>(Publium)</small> Sulpicium
**[[w:クィントゥス・トゥッリウス・キケロ|クィーントゥス・トゥッリウス・キケロー]]とプーブリウス・スルピキウス(・ルーフス)を
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:カエサルの副官 ''[[w:en:Sulpicia_gens#Sulpicii_Rufi|Publius Sulpicius Rufus]] は、<br> [[ガリア戦記_第4巻#22節|第4巻22節]]で既述。[[内乱記_第1巻#74節|『内乱記』第1巻74節]]でも言及される。<br> [[w:紀元前48年|BC48年]]に[[w:プラエトル|法務官]]、[[w:紀元前42年|BC42年]]に[[w:ケンソル|監察官]]に任官する。)</span>
*[[w:la:Cabillonum|Cavilloni]]<ref>Cavilloni はβ系写本の記述で、α系写本などでは Cabilloni となっている。</ref> et [[w:la:Matisco|Matiscone]] in Haeduis ad Ararim rei frumentariae causa conlocat.
**ハエドゥイー族のところのアラル川沿いのカウィッロヌムとマティスコに、糧秣調達のために配置した。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:カウィッロヌムは現在の[[w:シャロン=スュル=ソーヌ|シャロン=スュル=ソーヌ]]、マティスコは現在の[[w:マコン|マコン]]。)</span>
*Ipse [[w:la:Bibracte|Bibracte]] hiemare constituit.
**(カエサル)自身は、[[w:ビブラクテ|ビブラクテ]]で冬営することを決めた。
*⑧ His litteris<ref>his litteris「これらが書簡により(知られると)」はα系写本の記述で、β系写本では huius anni rebus「この年の事績が(知られると)」と異なっており、huius anni rebus <ex Caesaris> litteris「この年の事績が<カエサルの>書簡により(知られると)」 などと修正提案されている。」</ref> cognitis Romae dierum viginti supplicatio redditur.
**これらが(カエサルの)書簡により知られると、ローマで20日間の感謝祭が許された。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[ガリア戦記 第2巻#35節|第2巻35節]]では、かつてない15日間の感謝祭が決議されたが、今回はそれを超えるものであった。)</span>
----
*<span style="background-color:#99ff99;">「ガリア戦記 第7巻」了。「[[ガリア戦記 第8巻]]」へ続く。</span>
==脚注==
<references />
==参考リンク==
'''ウィキペディア英語版など'''
*'''[[w:en:Category:Tribes of ancient Gaul|Category:Tribes of ancient Gaul]]'''('''[[w:Category:ガリアの部族|Category:ガリアの部族]]''')- [[w:fr:Catégorie:Personnalité gauloise|fr:Catégorie:Personnalité gauloise]]
**[[w:en:Allobroges|Allobroges]](アッロブロゲス族)
**'''[[w:en:Arverni|Arverni]]'''('''[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]''')
**:'''[[w:en:Vercingetorix|Vercingetorix]]'''('''[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]''')- '''<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Vercingetorix|la:Vercingetorix]]</span>'''
**:[[w:fr:Celtillos|fr:Celtillos]](ケルティッルス);ウェルキンゲトリークスの父
**:[[w:fr:Gobannitio|fr:Gobannitio]](ゴバンニティオ);ウェルキンゲトリークスのおじ
**:[[w:en:Vercassivellaunos|Vercassivellaunos]](ウェルカッスィウェッラウヌス) - <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Vercassivellaunus|la:Vercassivellaunus]]</span>
**:Critognatus(クリトグナトゥス)- <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Critognatus|la:Critognatus]]</span>
**[[w:en:Atrebates|Atrebates]](アトレバテス族)
**:[[w:en:Commius|Commius]]([[w:コンミウス|コンミウス]]):ガッリアとブリタンニアにおけるアトレバテス族の王
**[[w:en:Aedui|Aedui]]([[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]])- '''<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Haedui|la:Haedui]]</span>''';ガッリア中部の有力部族 - [[w:fr:Éduens|fr:Éduens]] <[[w:fr:Catégorie:Éduens|fr:Catégorie:Éduens]]
**:[[w:en:Convictolitavis|Convictolitavis]](コンウィクトリタウィス)- [[w:fr:Convictolitavis|fr:Convictolitavis]]
**:[[w:fr:Cotos|fr:Cotos]](コトゥス)
**:[[w:fr:Litaviccos|fr:Litaviccos]](リタウィックス)
**:エポレドリクス - <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Eporedorix|la:Eporedorix]]</span>
**:ウィリドマルス
**[[w:en:Andes (Andecavi)|Andes (Andecavi)]](アンデス族);現在の[[w:アンジェ|アンジェ]](Angers)周辺の部族
**[[w:en:Aulerci|Aulerci]](アウレルキ族);現在のフランス北西部に居住していた部族連合
**[[w:en:Bellovaci|Bellovaci]](ベッロウァキ族)
**[[w:en:Bituriges|Bituriges]](ビトゥリゲース族);現在の[[w:ブールジュ|ブールジュ]](Bourges)周辺の部族。[[#5節|5節]]でガッリア同盟軍に寝返る。
**[[w:en:Boii|Boii]](ボイイ族)- <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Boii|la:Boii]]</span>;[[w:ボヘミア|ボヘミア]]([[w:la:Bohemia|la:Bohemia]])から移住してきた部族
**Cadurci(カドゥルキー族);現在の[[w:カオール|カオール]](Cahors)周辺の部族 - [[w:fr:Cadurques|fr:Cadurques]]
**:[[w:en:Lucterius|Lucterius]](ルクテリウス);カドゥルキー族の指導者、[[#5節|5節]]を参照。
**[[w:en:Carnutes|Carnutes]](カルヌーテース族);現在の[[w:シャルトル|シャルトル]](Chartres)周辺の部族
**[[w:en:Gabali|Gabali]](ガバリ族)
**Haedui ⇒ Aedui
**[[w:en:Helvii|Helvii]](ヘルウィイ族);ガッリア南部にいたローマの同盟部族
**[[w:en:Lemovices|Lemovices]](レモウィケス族);現在の[[w:リモージュ|リモージュ]](Limoges)周辺の部族
**:[[w:en:Sedullos|Sedullos]](セドゥッルス Sedullus);レモウィケス族の将帥・領袖
**[[w:en:Lingones|Lingones]](リンゴネス族)- [[w:fr:Lingons|fr:Lingons]];現在のラングル([[w:en:Langres|Langres]])周辺の部族
**[[w:en:Mandubii|Mandubii]](マンドゥビイ族);[[w:アレシア|アレスィア]]周辺にいた部族
**Nitiobroges(ニティオブロゲス族)- [[w:fr:Nitiobroges|fr:Nitiobroges]]
**:[[w:fr:Ollovico|fr:Ollovico]](オッロウィコ);ローマ元老院から友人と呼ばれた王
**:[[w:fr:Teutomatos|fr:Teutomatos]](テウトマトゥス);王で、オッロウィコの子
**[[w:en:Parisii (Gaul)|Parisii (Gaul)]]([[w:パリシイ族|パリスィイ族]]);現在の[[w:パリ|パリ]]周辺の部族
**[[w:en:Pictones|Pictones]](ピクトネス族);現在の[[w:ポワチエ|ポワティエ]](Poitiers)周辺の部族
**[[w:en:Remi|Remi]](レーミー族)
**[[w:en:Ruteni|Ruteni]](ルテーニー族)
**[[w:en:Segusiavi|Segusiavi]](セグスィアウィ族)
**[[w:en:Senones|Senones]](セノネース族)- <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Senones|la:Senones]]</span>;現在の[[w:サン (ヨンヌ県)|サン]](Sens)周辺の部族
***[[w:en:Acco|Acco]](アッコー)
**[[w:en:Sequani|Sequani]](セクアニ族)
**[[w:en:Treveri|Treveri]](トレウェリ族)
**[[w:en:Turones|Turones]](トゥロニ族/トゥロネス族);現在の[[w:トゥール (アンドル=エ=ロワール県)|トゥール]](Tours)周辺の部族
**[[w:en:Volcae|Volcae]](ウォルカエ族)
*<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Germani|la:Germani]]</span>(ゲルマニア人)
*'''ガッリアの地名''' - '''[[w:la:Categoria:Urbes Franciae|la:Categoria:Urbes Franciae]]'''(フランスの都市)
**<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Agedincum|la:Agedincum]]</span>(アゲディンクム);現在の[[w:サンス|サンス]]([[w:en:Sens|Sens]])
**[[w:en:Alesia_(city)|Alesia (city)]]([[w:アレシア|アレスィア]])- <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Alesia|la:Alesia]]</span>:現在のアリーズ=サント=レーヌ([[w:fr:Alise-Sainte-Reine|fr:Alise-Sainte-Reine]])
**:'''[[w:en:Battle_of_Alesia|Battle of Alesia]]'''('''[[w:アレシアの戦い|アレスィアの戦い]]''')- '''<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Alesiae_pugna|la:Alesiae pugna]]</span>'''
**[[w:en:Avaricum|Avaricum]] ⇒ [[w:en:Bourges|Bourges]](アウァーリクム - 現在の[[w:ブールジュ|ブールジュ]])- <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Avaricum_Biturigum|la:Avaricum Biturigum]]</span>
**[[w:en:Bibracte|Bibracte]]([[w:ビブラクテ|ビブラクテ]]) - <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Bibracte|la:Bibracte]]</span>:[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の首邑。現在のボーヴレ山([[w:fr:Mont_Beuvray|fr:Mont Beuvray]])の山頂に位置していた。
**<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Cabillonum|la:Cabillonum]]</span>(カビッロヌム/カウィッロヌム)- 現在の[[w:シャロン=スュル=ソーヌ|シャロン=スュル=ソーヌ]]([[w:fr:Chalon-sur-Saône|fr:Chalon-sur-Saône]])
**[[w:en:Cenabum|Cenabum]](ケナブム)- 現在の[[w:オルレアン|オルレアン]] - [[w:fr:Cenabum|fr:Cenabum]]
**<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Decetia|la:Decetia]]</span>(デケティア)- [[w:en:Decize|en:Decize]] - 現在のドスィーズ(ドシーズ)([[w:fr:Decize|fr:Decize]])
**[[w:en:Gergovie|Gergovie]](ゲルゴウィア)- <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Gergovia|la:Gergovia]]</span>
**:'''[[w:en:Battle of Gergovia|Battle of Gergovia]]'''('''[[w:ゲルゴウィアの戦い|ゲルゴウィアの戦い]]''')- '''<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Obsidio Gergoviensis|la:Obsidio Gergoviensis]]</span>'''
**[[w:en:Gorgobina|Gorgobina]](ゴルゴビナ);ボイイ族が定住した城塞都市。現在のサン=パリズ=ル=シャテル([[w:en:Saint-Parize-le-Châtel|Saint-Parize-le-Châtel]])またはラ・ゲルシュ([[w:en:La Guerche|La Guerche]])
**'''[[w:en:Lutetia|Lutetia]]'''('''[[w:ルテティア|ルテティア]]'''/ルテキア);[[w:パリシイ族|パリスィイ族]]の首邑、現在の[[w:パリ|パリ市]] - <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Lutetia|la:Lutetia]]</span>
**<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Matisco|la:Matisco]]</span>(マティスコ);現在の[[w:マコン|マコン]](Mâcon)
**Metlosenum(メトロセドゥム/メティオセドゥム/メロドゥーヌム);現在の[[w:ムラン|ムラン]] - <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Melodunum|la:Melodunum]]</span>
**[[w:en:Narbonne|Narbonne]]([[w:ナルボンヌ|ナルボンヌ]];ラテン名ナルボ)- <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Narbo|la:Narbo]]</span>;ガッリア南部・地中海岸のローマの拠点
**[[w:en:Noviodunum|Noviodunum]](ノウィオドゥーヌム)- 現在のヌン=スュル=ブーヴロン([[w:en:Neung-sur-Beuvron|Neung-sur-Beuvron]])と推定されている。従来はローヌ川沿いの[[w:サンセール|サンセール]]([[w:en:Sancerre|Sancerre]])が有力だった
**[[w:en:Vellaunodunum|Vellaunodunum]](ウェッラウノドゥーヌム)- [[w:fr:Vellaunodunum|fr:Vellaunodunum]];現在のモンタルジ([[w:en:Montargis|Montargis]])やボーヌ=ラ=ロランド([[w:en:Beaune-la-Rolande|Beaune-la-Rolande]])、シャトー=ランドン([[w:en:Château-Landon|Château-Landon]])などと推定されている
**[[w:en:Vienne, Isère|Vienne, Isère]](ヴィエンヌ;ラテン名ウィエンナ)- [[w:la:Vienna|la:Vienna]]
*'''ガッリアの地形'''
**Cevenna(ケウェンナ山地):現在のセヴェンヌ山地([[w:fr:Cévennes|fr:Cévennes]]・[[w:en:Cévennes|Cévennes]])
**<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Elaver|la:Elaver]]</span>(エラウェル川):現在の[[w:アリエ川|アリエ川]]([[w:fr:Allier (rivière)|fr:Allier (rivière)]])
**<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Liger|la:Liger]]</span>(リゲル川):現在の[[w:ロワール川|ロワール川]]([[w:fr:Loire (fleuve)|fr:Loire (fleuve)]])
**<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Rhenus|la:Rhenus]]</span>(レヌス川):現在の[[w:ライン川|ライン川]]([[w:fr:Rhin|fr:Rhin]])
**<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Rhodanus|la:Rhodanus]]</span>(ロダヌス川):現在の[[w:ローヌ川|ローヌ川]]([[w:fr:Rhône|fr:Rhône]])
**<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Sequana|la:Sequana]]</span>(セクアナ川):現在の[[w:セーヌ川|セーヌ川]]([[w:fr:Seine|fr:Seine]])
*ローマ勢
**[[w:en:Mark_Antony|Mark Antony]]([[w:マルクス・アントニウス|マルクス・'''アントニウス''']])- <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Marcus_Antonius|la:Marcus Antonius]]</span>
**[[w:en:Decimus_Junius_Brutus_Albinus|Decimus Junius '''Brutus''' Albinus]]([[w:デキムス・ユニウス・ブルトゥス・アルビヌス|デキムス・ユニウス・'''ブルトゥス'''・アルビヌス]])- <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Decimus_Iunius_Brutus_Albinus|Decimus Iunius Brutus Albinus]]</span>([[#9節|9節]])
**[[w:en:Quintus Tullius Cicero|Quintus Tullius '''Cicero''']]([[w:クィントゥス・トゥッリウス・キケロ|クィントゥス・トゥッリウス・'''キケロ''']])- <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Quintus Tullius Cicero|la:Quintus Tullius Cicero]]</span>:カエサルの副官
**Gaius '''Fabius'''(ガイウス・'''ファビウス'''):カエサルの副官
**[[w:en:Titus Labienus|Titus '''Labienus''']]([[w:ティトゥス・ラビエヌス|ティトゥス・'''ラビエーヌス''']])- <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Titus Labienus|la:Titus Labienus]]</span>:カエサルの副官
**[[w:en:Trebonius|'''Trebonius''']]([[w:ガイウス・トレボニウス|ガイウス・'''トレボニウス''']])- <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Gaius_Trebonius|la:Gaius Trebonius]]</span>:カエサルの副官
**[[w:en:Lucius Julius Caesar IV|Lucius Julius '''Caesar''' IV]](ルキウス・ユリウス・'''カエサル'''4世):総督カエサルの副官で、4代前の高祖父を共有する。BC64年に執政官を務めた。
*イタリア方面
**[[w:en:Cisalpine_Gaul|Cisalpine Gaul]]([[w:ガリア・キサルピナ|ガッリア・キサルピーナ]]) - [[w:la:Gallia Cisalpina|la:Gallia Cisalpina]]
**[[w:en:Populares|Populares]]([[w:ポプラレス|ポプラレス]];民衆派)- [[w:la:Populares|la:Populares]]
**:[[w:en:Publius_Clodius_Pulcher|Publius Clodius Pulcher]]([[w:プブリウス・クロディウス・プルケル|プブリウス・クロディウス・プルケル]]) - [[w:la:Publius_Clodius_Pulcher|la:Publius Clodius Pulcher]]
**[[w:en:Optimates|Optimates]]([[w:オプティマテス|オプティマテス]];元老院派)
**:[[w:en:Cicero|Cicero]]([[w:マルクス・トゥッリウス・キケロ|マルクス・トゥッリウス・キケロ]])- [[w:la:Marcus_Tullius_Cicero|la:Marcus Tullius Cicero]]
**:[[w:en:Titus_Annius_Milo|Titus Annius Milo]](ティトゥス・アンニウス・ミロ)- [[w:la:Titus_Annius_Milo|la:Titus Annius Milo]]
**:[[w:en:Pompey|Pompey]]([[w:グナエウス・ポンペイウス|グナエウス・ポンペイウス]])- [[w:la:Gnaeus_Pompeius_Magnus|la:Gnaeus Pompeius Magnus]]
bv8tvikvp81in9n8wilvfirwhr6qqw8
301351
301349
2026-07-08T15:14:29Z
Linguae
449
/* 25節 */ 修整
301351
wikitext
text/x-wiki
[[Category:ガリア戦記|7]] [[Category:ガリア戦記 第7巻|*]]
[[ガリア戦記]]> '''第7巻''' >[[ガリア戦記 第7巻/注解|注解]]
<div style="text-align:center">
<span style="font-size:20px; font-weight:bold; font-variant-caps: petite-caps; color:white; background: rgb(47,94,255);background: linear-gradient(180deg, rgba(47,94,255,1) 0%, rgba(24,56,255,1) 50%, rgba(0,8,255,1) 100%);"> C IVLII CAESARIS COMMENTARIORVM BELLI GALLICI </span>
<span style="font-size:40px; font-weight:bold; color:white; background: rgb(47,94,255);background: linear-gradient(180deg, rgba(47,94,255,1) 0%, rgba(24,56,255,1) 50%, rgba(0,8,255,1) 100%);"> LIBER SEPTIMVS </span>
</div>
[[画像:Gaule -52.png|thumb|right|150px|ガリア戦記 第7巻の情勢図(BC52年)。<br>黄色の領域がローマ領。桃色が同盟部族領。]]
{| id="toc" style="align:left;clear:all;" align="left" cellpadding="5"
! style="background:#ccccff; text-align:left;" colspan="2" | ガリア戦記 第7巻 目次
|-
| style="text-align:right; font-size: 0.86em;"|
'''[[#カルヌーテース族の蜂起|カルヌーテース族の蜂起]]''':<br />
'''[[#ウェルキンゲトリークスとガッリア同盟軍の蜂起|ウェルキンゲトリークスとガッリア同盟軍の蜂起]]''':<br />
<br />
'''[[#アウァーリクム攻略戦|アウァーリクム攻略戦]]''':<br />
<br />
<br />
'''[[#ゲルゴウィア攻略戦、ハエドゥイー族の離反|ゲルゴウィア攻略戦、ハエドゥイー族の離反]]''':<br />
<br />
<br />
'''[[#ラビエーヌスのルテティア遠征|ラビエーヌスのルテティア遠征]]''':<br />
'''[[#ガッリア戦乱の拡大|ガッリア戦乱の拡大]]''':<br />
'''[[#アレスィア攻囲戦|アレスィア攻囲戦]]''':<br />
<br />
<br />
'''[[#ガッリア同盟軍主力の降伏|ガッリア同盟軍主力の降伏]]''':<br />
<br />
<br />
| style="text-align:left; font-size: 0.86em;"|
[[#1節|01節]] |
[[#2節|02節]] |
[[#3節|03節]] <br />
[[#4節|04節]] |
[[#5節|05節]] |
[[#6節|06節]] |
[[#7節|07節]] |
[[#8節|08節]] |
[[#9節|09節]] |
[[#10節|10節]] <br />
[[#11節|11節]] |
[[#12節|12節]] |
[[#13節|13節]] <br />
[[#14節|14節]] |
[[#15節|15節]] |
[[#16節|16節]] |
[[#17節|17節]] |
[[#18節|18節]] |
[[#19節|19節]] |
[[#20節|20節]] <br />
[[#21節|21節]] |
[[#22節|22節]] |
[[#23節|23節]] |
[[#24節|24節]] |
[[#25節|25節]] |
[[#26節|26節]] |
[[#27節|27節]] |
[[#28節|28節]] |
[[#29節|29節]] |
[[#30節|30節]] <br />
[[#31節|31節]] <br />
[[#32節|32節]] |
[[#33節|33節]] |
[[#34節|34節]] |
[[#35節|35節]] |
[[#36節|36節]] |
[[#37節|37節]] |
[[#38節|38節]] |
[[#39節|39節]] |
[[#40節|40節]] <br />
[[#41節|41節]] |
[[#42節|42節]] |
[[#43節|43節]] |
[[#44節|44節]] |
[[#45節|45節]] |
[[#46節|46節]] |
[[#47節|47節]] |
[[#48節|48節]] |
[[#49節|49節]] |
[[#50節|50節]] <br />
[[#51節|51節]] |
[[#52節|52節]] |
[[#53節|53節]] |
[[#54節|54節]] |
[[#55節|55節]] |
[[#56節|56節]] <br />
[[#57節|57節]] |
[[#58節|58節]] |
[[#59節|59節]] |
[[#60節|60節]] |
[[#61節|61節]] |
[[#62節|62節]] <br />
[[#63節|63節]] |
[[#64節|64節]] |
[[#65節|65節]] |
[[#66節|66節]] |
[[#67節|67節]] <br />
[[#68節|68節]] |
[[#69節|69節]] |
[[#70節|70節]] <br />
[[#71節|71節]] |
[[#72節|72節]] |
[[#73節|73節]] |
[[#74節|74節]] |
[[#75節|75節]] |
[[#76節|76節]] |
[[#77節|77節]] |
[[#78節|78節]] |
[[#79節|79節]] |
[[#80節|80節]] <br />
[[#81節|81節]] |
[[#82節|82節]] |
[[#83節|83節]] |
[[#84節|84節]] |
[[#85節|85節]] |
[[#86節|86節]] |
[[#87節|87節]] |
[[#88節|88節]] <br />
[[#89節|89節]] |
[[#90節|90節]] <br />
[[#脚注|脚注]]<br />
[[#参考リンク|参考リンク]]<br />
|}
<br style="clear:both;" />
__notoc__
==カルヌーテース族の蜂起==
===1節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/1節]] {{進捗|00%|2025-10-26}}</span>
[[画像:Maccari-Cicero.jpg|thumb|right|250px|[[w:カティリナ弾劾演説|カティリーナ弾劾演説]]をする[[w:マルクス・トゥッリウス・キケロ|キケロー]](左中央)(チェザレ・マッカリによる19世紀のフレスコ画)。[[w:プブリウス・クロディウス・プルケル|クローディウス]]はこれを越権行為であるとして、カエサルの政敵となっていたキケローを一時的に亡命へ追い込み、ついにはキケローの友人ミローの配下によって殺害された。]]
[[画像:Pompei_Magnus_Antiquarium.jpg|thumb|right|250px|[[w:グナエウス・ポンペイウス|グナエウス・ポンペイウス]]の胸像。クローディウス殺害に伴う騒乱を収拾するべく、[[w:元老院|元老院]]によりポンペイウスが単独の[[w:執政官|執政官]]に選出され、首都ローマと本土イタリアを制圧した。一方、カエサルも属州で新たに徴兵して兵力を増した。元老院派はカエサルの勢力が強大になることを恐れて、カエサル自身から将兵を取り上げて召還すべきと主張したが、ポンペイウスは不和を避けて宥和を図った。]]
:
;首都ローマの政情不安、ガッリア人領袖たちの謀計
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:quietus#Latin|Quieta]] [[wikt:en:Gallia#Latin|Gallia]],
**[[w:ガリア|ガッリア]]が鎮定されると、
*Caesar, ut [[wikt:en:constituerat|constituerat]],
**カエサルは、定めていたように、
*in [[wikt:en:Italia#Latin|Italiam]] ad [[wikt:en:conventus#Noun|conventus]] [[wikt:en:agendus#Latin|agendos]] [[wikt:en:proficiscitur|proficiscitur]].
**イタリアに、巡回裁判を行なうために出発する。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ここでいうイタリアとは、カエサルの属州であった<br> [[w:ガリア・キサルピナ|ガッリア・キサルピーナ]]を指す。<br> カエサルは、巡回裁判を除けば、おもに[[w:ラヴェンナ|ラウェンナ]]に<br> 滞在していたと考えられる。[[内乱記_第1巻#5節|『内乱記』第1巻5節]]を参照。)</span>
:
*[[wikt:en:ibi#Latin|Ibi]] [[wikt:en:cognoscit|cognoscit]] de <P.> [[wikt:en:Clodius#Latin|Clodii]] [[wikt:en:caedes#Latin|caede]],
**そこで[[w:プブリウス・クロディウス・プルケル|プーブリウス・クローディウス]]の殺害について知って、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:クローディウスは護民官を務めた<ruby><rb>[[w:ポプラレス|民衆派]]</rb><rp>(</rp><rt>ポプラレス</rt><rp>)</rp></ruby> の政治家で、<br> カエサルから恩義を受けていた。<br> かの弁論家[[w:マルクス・トゥッリウス・キケロ|キケロー]]やその友人ティトゥス・ミロー [[w:la:Titus_Annius_Milo|Milo]] ら<br> <ruby><rb>[[w:オプティマテス|元老院派]]</rb><rp>(</rp><rt>オプティマテス</rt><rp>)</rp></ruby> と激しく対立し、ミローの配下によって殺害された。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:<P.> ([[wikt:en:Publius#Latin|Publii]]) 「プーブリウスの」は ρ系写本にのみ記されている。)</span>
*<de> <u>senatus</u>que <u>consulto</u> [[wikt:en:certior#Latin|certior]] [[wikt:en:factus#Participle|factus]], ut omnes [[wikt:en:iunior#Latin|iuniores]] Italiae [[wikt:en:coniurarent|coniurarent]],
**イタリアの全青年に<small>(新兵として)</small>宣誓するようにとの元老院決議について知らされて、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:この事態を収拾すべく元老院派の[[w:グナエウス・ポンペイウス|ポンペイウス]]が単独の執政官<br> (''[[w:de:Consul sine collega|consul sine collega]]'')に選任されて本土イタリアを掌握した。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:<de> は現存する写本にはなく、近世以降に挿入提案されたもの。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注: [[wikt:en:senatus_consultum#Latin|senātūs cōnsultum]] ([[wikt:en:ultimus#Latin|ultimum]]) 「[[w:セナトゥス・コンスルトゥム・ウルティムム|元老院(の最終)決議]]」<br> ; dē [[wikt:en:senatus_consulto#Latin|senātūs cōnsultō]] 「元老院決議について」)</span>
*<u>dilectum</u> [[wikt:en:totus#Latin|tota]] [[wikt:en:provincia#Latin|provincia]] habere [[wikt:en:instituo#Latin|instituit]].
**<small>(カエサルは)</small>属州<small>〔ガッリア・キサルピーナ〕</small>全体での徴集をすることを決定する。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:dilectus#Noun|dilectum]] は、[[wikt:en:delectus#Noun_2|delectum]] と表記している校訂版もある。)</span>
:
*<!--❷--><sup>(2)</sup> Eae res in Galliam [[wikt:en:transalpinus#Latin|Transalpinam]] celeriter [[wikt:en:perferuntur|perferuntur]].
**その状況は、[[w:ガリア・ナルボネンシス|ガッリア・トラーンサルピーナ]]<small>〔アルプスの向こう側のガッリア〕</small>に速やかに報知された。
:
*[[wikt:en:addunt|Addunt]] ipsi et [[wikt:en:adfingunt|adfingunt]] [[wikt:en:rumor#Latin|rumoribus]] [[wikt:en:Galli#Latin|Galli]],
**[[w:ガリア人|ガッリア人]]たち自身が風評に想像して付け加えたのは、
*quod res [[wikt:en:poscere|poscere]] [[wikt:en:videbatur|videbatur]]:
**事態が要求すると思われていたことで、
*[[wikt:en:retineri|retineri]] <u>urbano</u> [[wikt:en:motus#Noun_2|motu]] Caesarem
**カエサルは、都<small>〔[[w:ローマ|ローマ市]]〕</small>の騒乱に束縛されて、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:urbanus#Adjective|urbānus]] は「都市の」「都会の」と訳されるが、<br> とりわけ「首都[[w:ローマ|ローマ市]]の」を意味する。)</span>
*neque in [[wikt:en:tantus#Latin|tantis]] [[wikt:en:dissensio#Latin|dissensionibus]] ad [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitum]] venire posse.
**これほどの対立においては、軍隊のもとへ来ることができない、<br>ということである。
:
*<!--❸--><sup>(3)</sup> Hac [[wikt:en:impulsus#Participle|impulsi]] [[wikt:en:occasio#Latin|occasione]],
**このような好機に刺激されて、
*qui iam ante se [[wikt:en:populus#Noun|populi]] Romani [[wikt:en:imperium#Latin|imperio]] [[wikt:en:subiectus#Latin|subiectos]] [[wikt:en:dolerent|dolerent]],
**すでに以前から自分たちがローマ国民の支配に服属させられているのを悲嘆している者たちは、
*[[wikt:en:libere#Adverb_2|liberius]] atque [[wikt:en:audacter#Latin|audacius]] de bello [[wikt:en:consilium#Latin|consilia]] [[wikt:en:inire|inire]] [[wikt:en:incipiunt|incipiunt]].
**より自由に、かつ、より向こう見ずに、戦争について謀議に取りかかり始める。
:
[[画像:Brennus_mg_9724.jpg|thumb|right|250px|[[w:ブレンヌス|ブレンヌス]]の胸像。BC4世紀([[w:紀元前387年|387年]])に、ローマ軍を破って、ローマ市を占領した。アッコーと同じセノネース族の族長だったとされている。]]
*<!--❹--><sup>(4)</sup> [[wikt:en:indictus#Latin|Indictis]] inter se principes Galliae [[wikt:en:concilium#Latin|conciliis]] [[wikt:en:silvestris#Latin|silvestribus]] ac [[wikt:en:remotus#Latin|remotis]] locis
**ガッリアの領袖たちは、森林や人里離れた場所での会合を互いに申し合わせて、
*[[wikt:en:queruntur|queruntur]] de [[wikt:en:Acco#Latin|Acconis]] [[wikt:en:mors#Latin|morte]];
**アッコーの死について嘆く。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[ガリア戦記 第6巻#44節|第6巻44節]]を参照。)</span>
*<u>posse</u> hunc [[wikt:en:casus#Latin|casum]] ad ipsos [[wikt:en:recidere#Verb_4|recidere]] [[wikt:en:demonstrant#Latin|demonstrant]];
**彼<small>〔アッコー〕</small>の結末が彼ら自身へ降りかかりうることを説く。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:posse#Verb|posse]] の位置は、<br> α系写本では hunc の前だが、<br> β系写本では hunc casum ad ipsos recidere <u>posse</u> demonstrant <br> となっている。)</span>
:
*<!--❺--><sup>(5)</sup> [[wikt:en:miserantur|miserantur]] [[wikt:en:communis#Latin|communem]] Galliae [[wikt:en:fortuna#Latin|fortunam]];
**ガッリア共通の境遇をあわれむ。
*omnibus [[wikt:en:pollicitatio#Latin|pollicitationibus]] ac [[wikt:en:praemium#Latin|praemiis]] [[wikt:en:deposcunt|deposcunt]]
**<small>(以下の者たちを)</small>あらゆる約束と恩賞によって求める。
*qui [[wikt:en:bellum#Latin|belli]] <u>initia</u> [[wikt:en:faciant|faciant]] et sui [[wikt:en:caput#Latin|capitis]] [[wikt:en:periculum#Latin|periculo]] Galliam in [[wikt:en:libertas#Latin|libertatem]] [[wikt:en:vindicent|vindicent]].
**戦端を開いて、自らを危険にさらしても、ガッリアを解放する者たちを。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:~ in libertatem vindicare;~を解放する)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:initia#Latin|initia]] (複数形) だが、<br> β系写本では [[wikt:en:initium#Latin|initium]] (単数形) となっている。)</span>
:
*<!--❻--><sup>(6)</sup> In primis [[wikt:en:ratio#Latin|rationem]] esse [[wikt:en:habendus#Latin|habendam]] [[wikt:en:dicunt|dicunt]],
**とりわけ、<small>(以下のような)</small>方策を採るべきであると述べる。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:in_primis#Latin|in primis]] は、[[wikt:en:inprimis#Adverb|
inprimis]] と表記している校訂版もある。)</span>
*[[wikt:en:priusquam#Latin|prius quam]] eorum [[wikt:en:clandestinus#Latin|clandestina]] consilia [[wikt:en:efferantur|efferantur]],
**彼らの秘密の計画が漏らされるより前に、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:反ローマの挙兵のはかりごとが漏れる前に)</span>
*ut Caesar ab [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitu]] [[wikt:en:intercludatur|intercludatur]].
**カエサルが軍隊から切り離されるように、と。
:
*<!--❼--><sup>(7)</sup> Id esse [[wikt:en:facilis#Latin|facile]],
**それは容易なことである。
*quod neque legiones [[wikt:en:audeant|audeant]] [[wikt:en:absens#Latin|absente]] [[wikt:en:imperator#Latin|imperatore]] ex [[wikt:en:hiberna#Noun|hibernis]] [[wikt:en:egredi|egredi]],
**というのは、[[w:ローマ軍団|諸軍団]]は将軍<small>〔カエサル〕</small>が不在のときにあえて冬営から出て行こうとはしないし、
*neque [[wikt:en:imperator#Latin|imperator]] sine [[wikt:en:praesidium#Latin|praesidio]] ad legiones [[wikt:en:pervenire#Latin|pervenire]] [[wikt:en:possit|possit]].
**将軍は護衛なしに諸軍団のところへ到着することはできないのだから。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--❽--><sup>(8)</sup> [[wikt:en:postremo#Adverb|Postremo]] in [[wikt:en:acies#Latin|acie]] <u>praestare</u> [[wikt:en:interfici|interfici]],
**結局のところ、戦列において討ち死にする方がましである。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[wikt:en:praestare|praestare]] ~ [[wikt:en:quam#Adverb|quam]] …「…よりも~がより優る」)</span>
*<u>quam</u> non [[wikt:en:vetus#Latin|veterem]] belli [[wikt:en:gloria#Latin|gloriam]] [[wikt:en:libertas#Latin|libertatem]]<nowiki>que</nowiki> quam a [[wikt:en:maior#Noun|maioribus]] [[wikt:en:acceperint|acceperint]], [[wikt:en:recuperare#Latin|recuperare]].
**先祖から受け継いだかつての戦争の栄誉および自由を取り戻さないことよりは。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===2節===
[[画像:Chartres_1.jpg|thumb|right|320px|カルヌーテース族([[w:la:Carnutes|Carnutes]])の名を残す現在の[[w:シャルトル|シャルトル]]([[w:en:Chartres|Chartres]])の象徴である[[w:シャルトル大聖堂|シャルトル大聖堂]]([[w:世界遺産|世界遺産]])。[[ガリア戦記 第6巻#13節|第6巻13節]]⑩項で既述のように、カルヌーテース族の土地はガッリアの中心・聖地と見なされていた。ガッリアがキリスト教化されると、[[w:司教|司教座]]が置かれて、宗教的中心地となった。]]
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/2節]] {{進捗|00%|2025-11-05}}</span>
;ガッリア諸部族の会合で、カルヌーテース族が開戦動議
:
*<!--❶--><sup>(1)</sup> His rebus [[wikt:en:agitatus#Latin|agitatis]],
**これらの事柄が論議されて、
*[[wikt:en:profiteor#Latin|profitentur]] [[wikt:en:Carnutes#Latin|Carnutes]],
**カルヌーテース族の者が公言したことには、
*se [[wikt:en:nullus#Determiner|nullum]] [[wikt:en:periculum#Latin|periculum]] [[wikt:en:communis#Latin|communis]] [[wikt:en:salus#Latin|salutis]] causa [[wikt:en:recusare#Latin|recusare]],
**<small>(ガッリア)</small>共通の安全のためにはいかなる危険をも辞さない、
*[[wikt:en:princeps#Latin|principes]]<nowiki>que</nowiki> ex omnibus bellum [[wikt:en:facturus#Latin|facturos]] [[wikt:en:pollicentur|pollicentur]];
**かつ<small>(ガッリア方)</small>総勢の先鋒として戦争を遂行するであろうと約束する。
:
*<!--❷--><sup>(2)</sup> et, [[wikt:en:quoniam#Latin|quoniam]] in [[wikt:en:praesentia#Noun|praesentia]] [[wikt:en:obses#Latin|obsidibus]] [[wikt:en:cavere#Verb_2|cavere]] inter se non [[wikt:en:possint|possint]],
**目下のところ、人質により互いに保証し合うことはできなかったので、
*ne res [[wikt:en:efferatur|efferatur]],
**事が漏らされないように、
*<u>ut</u> [[wikt:en:ius_iurandum#Latin|iure iurando]] ac [[wikt:en:fides#Latin|fide]] [[wikt:en:sanciatur|sanciatur]], [[wikt:en:petunt|petunt]],
**誓約と信義でもって批准するように求める。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、写本ST<sup>c</sup> では ut だが、<br> 写本 T<sup>1</sup>・ρ系では at 、<br> 写本BMLNV・χ系では aut となっている。)</span>
*[[wikt:en:conlatus#Latin|conlatis]] [[wikt:en:militaris#Adjective|militaribus]] [[wikt:en:signum#Latin|signis]],
**軍旗が運び集められて、
*[[wikt:en:quo#Etymology_2_2|quo]] [[wikt:en:mos#Latin|more]] eorum [[wikt:en:gravissimus#Latin|gravissima]] [[wikt:en:caerimonia#Latin|caerimonia]] [[wikt:en:continetur|continetur]],
**それは彼らの慣習で最も荘重な<ruby><rb>神聖儀式</rb><rp>(</rp><rt>カエリモーニア</rt><rp>)</rp></ruby>として保たれているのだが、
*ne [[wikt:en:factus#Latin|facto]] [[wikt:en:initium#Latin|initio]] belli ab reliquis [[wikt:en:deserantur|deserantur]].
**開戦したら、ほかの<small>(部族の)</small>者たちから見放されないように、ということである。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--❸--><sup>(3)</sup> Tum [[wikt:en:conlaudatus#Latin|conlaudatis]] [[wikt:en:Carnutes#Latin|Carnutibus]],
**それから、カルヌーテース族が賞賛されて、
*[[wikt:en:datus#Participle|dato]] [[wikt:en:ius_iurandum#Latin|iure iurando]] ab omnibus, qui [[wikt:en:aderant|aderant]],
**訪れていたすべての者たちによって誓約が交わされて、
*[[wikt:en:tempus#Latin|tempore]] eius rei [[wikt:en:constitutus#Participle|constituto]]
**その事の時期を決定すると、
*ab [[wikt:en:concilium#Latin|concilio]] [[wikt:en:disceditur|disceditur]].
**<small>(ガッリアの領袖たちは)</small>会合から立ち去る。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===3節===
[[画像:Cathédrale_Sainte-Croix_d'Orléans_2008_PD_16.JPG|thumb|right|280px|ケナブム(Cenabum)すなわち現在の[[w:オルレアン|オルレアン]]の聖十字架大聖堂。ここもカルヌーテース族の[[w:オッピドゥム|城塞都市]]で、ガッリアの[[w:ドルイド|ドルイド]]たちが集まる聖地だったという。ローマの[[w:ルキウス・ドミティウス・アウレリアヌス|アウレリアヌス帝]](Aurelianus)によって再建されたのでアウレリアヌスの都市(アウレリアヌム [[w:la:Aurelianum|Aurelianum]])と改称され、オルレアン(Orléans)と転訛した。キリスト教化によってここにも[[w:司教|司教座]]が置かれて、布教の中心地になった。]]
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/3節]] {{進捗|00%|2025-11-17}}</span>
;カルヌーテース族がケナブム進駐
:
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:ubi#Latin|Ubi]] ea dies venit,
**その日が来ると、
*[[wikt:en:Carnutes#Latin|Carnutes]],
**カルヌーテース族は、
*Cotuato et Conconnetodumno [[wikt:en:dux#Latin|ducibus]], [[wikt:en:desperatus#Latin|desperatis]] hominibus,
**捨て身覚悟の連中であるコトゥアトゥスとコンコンネトドゥムヌスを指導者として、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ガリア語では、<br> コトゥアトス ''[[w:fr:Cotuatos|Cotuatos]]''、<br> コンコンネトドゥムノス ''[[w:fr:Conconnetodumnos|Conconnetodumnos]]''。)</span>
*<u>Cenabum</u> [[wikt:en:signum#Latin|signo]] [[wikt:en:datus#Participle|dato]] [[wikt:en:concurrunt|concurrunt]]
**号令が発せられるとともに<u>ケナブム</u>に襲来する。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ケナブムは、現在の[[w:オルレアン|オルレアン]]。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:fr:Cenabum|Cenabum]] はケルト語風の読みで、''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Vossius|Vossius]]'' による修正提案。<br> 写本では genabim, genebim, genebin などとなっている。<br> ⇒ [[wikt:en:Genabum#Latin|Genabum]])</span>
*[[wikt:en:civis#Latin|cives]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:Romanus#Adjective|Romanos]], qui [[wikt:en:negotiandi|negotiandi]] causa [[wikt:en:ibi#Latin|ibi]] [[wikt:en:constiterant|constiterant]],
**そこには、商いを営むためにローマ市民たちが滞在していて、
*in his [[wikt:en:Gaius#Latin|Gaium]] [[wikt:en:Fufius#Latin|Fufium]] Citam, [[wikt:en:honestus#Latin|honestum]] [[wikt:en:eques#Latin|equitem]] [[wikt:en:Romanus#Adjective|Romanum]],
**彼らの中には、気高いローマ人[[w:エクィテス|騎士]]ガーイウス・フーフィウス・キタがいて
*qui rei [[wikt:en:frumentarius#Latin|frumentariae]] [[wikt:en:iussus#Noun|iussu]] Caesaris [[wikt:en:praeerat|praeerat]],
**カエサルの指図により糧秣調達を統率していたが、
*[[wikt:en:interficiunt|interficiunt]] [[wikt:en:bonum#Noun_2|bona]]<nowiki>que</nowiki> eorum [[wikt:en:diripiunt|diripiunt]].
**<small>(カルヌーテース勢は彼らローマ市民たちを)</small>殺害して、彼らの財産を略奪する。
:
*<!--❷--><sup>(2)</sup> Celeriter ad omnes Galliae [[wikt:en:civitas#Latin|civitates]] [[wikt:en:fama#Latin|fama]] [[wikt:en:perfertur|perfertur]].
**速やかに全ガッリア部族のもとへ、評判が報知される。
*Nam, <u>ubique</u> [[wikt:en:maior#Latin|maior]] atque [[wikt:en:inlustrior|inlustrior]] [[wikt:en:incidit#Etymology_1|incidit]] res,
**なぜなら、より重大でより目立った事態が起こればどこであろうが、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、主要写本ω の大半では [[wikt:en:ubique#Latin|ubique]] だが、写本STでは [[wikt:en:ubi#Latin|ubi]] 、<br> さらに [[wikt:en:ubicumque#Latin|ubicumque]] という異読もあり、<br> ''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Schneider,K.E.Chr.|Chr. Schneider]]'' は ubi quae と修正提案している。)</span>
*[[wikt:en:clamor#Latin|clamore]] per [[wikt:en:ager#Latin|agros]] [[wikt:en:regio#Latin|regiones]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:significant#Latin|significant]];
**耕地や<small>(集落の)</small>区域を介して、大声で呼びかける。
*<u>hinc</u> [[wikt:en:alius#Latin|alii]] [[wikt:en:deinceps#Latin|deinceps]] [[wikt:en:excipiunt|excipiunt]]
**ここから、別の者たちが続けて引き受けて、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本の大半では [[wikt:en:hanc#Latin|hanc]] だが、<br> β系写本では [[wikt:en:hinc#Latin|hinc]] 「ここから」、<br> 写本Sでは [[wikt:en:hunc|hunc]] となっている。)</span>
*et [[wikt:en:proximus#Noun|proximis]] [[wikt:en:tradunt|tradunt]];
**近隣の者たちへ伝える。
*ut tum [[wikt:en:accidit#Etymology_1|accidit]].
**そのときにも<small>(同様のことが)</small>起こったのである。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--❸--><sup>(3)</sup> Nam, quae <u>Cenabi</u> [[wikt:en:oriens#Latin|oriente]] [[wikt:en:sol#Latin|sole]] gesta essent,
**ケナブムで日が昇るときになされていたこと<small>〔襲撃〕</small>が、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:Cenabi はケルト語風の読みで、''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Vossius|Vossius]]'' による修正提案。<br> 主要写本ω では genabi となっている。 ⇒ [[wikt:en:Genabum#Latin|Genabum]])</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:gestus#Latin|gesta]] [[wikt:en:essent#Etymology_1|essent]] は [[wikt:en:gero#Latin|gerō]] の3人称・複数・過去完了・受動・接続法。)</span>
*ante [[wikt:en:primus#Latin|primam]] [[wikt:en:confectus#Latin|confectam]] [[wikt:en:vigilia#Latin|vigiliam]]
**第一夜警時の終わる前頃には
**:<span style="color:#009900;">(訳注:第一夜警時は、日の入から真夜中までの時間帯の前半「宵の口」。<br> [[古代ローマの不定時法#夜警時|#夜警時]] を参照。)</span>
*in finibus [[wikt:en:Arverni#Latin|Arvernorum]] audita sunt,
**アルウェルニー族の領土において聞かれた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:auditus#Latin|audita]] [[wikt:en:sunt#Latin|sunt]] は [[wikt:en:audio#Latin|audiō]] の3人称・複数・完了・受動・直説法)</span>
*[[wikt:en:qui#Latin|quod]] [[wikt:en:spatium#Latin|spatium]] est [[wikt:en:mille#Latin|milium]] [[wikt:en:passus#Etymology_2|passuum]] circiter [[wikt:en:centum#Latin|centum]] [[wikt:en:sexaginta#Latin|sexaginta]](CLX).
**約160ローママイルもの隔たりがあったのに。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:1[[ガイウス・ユリウス・カエサルの著作/通貨・計量単位#ミーッレ・パッスーム、ミーリア(ローママイル)|ローママイル]]は約1.48 kmで、160マイルは約240 km)</span>
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
==ウェルキンゲトリークスとガッリア同盟軍の蜂起==
===4節===
[[画像:Vercingetorix stater CdM.jpg|thumb|right|200px|“<span style="font-family:Times New Roman;font-size:15pt;">(VERCIN)GETORIXS</span>”の名と横顔が刻まれた金貨。]]
[[画像:Vercingétorix_par_Millet.jpg|thumb|right|250px|[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]の立像(フランスのアリーズ=サント=レーヌ <small>[[w:fr:Alise-Sainte-Reine|Alise-Sainte-Reine]]</small>)。<br>近代[[w:ナショナリズム|ナショナリズム]]の高揚とともに[[w:フランス|フランス]]国民が自らを古代[[w:ガリア人|ガッリア人]]の末裔と見なすようになると([[w:ガリア起源説|ガッリア起源説]])、ガッリア諸部族を率いて[[w:古代ローマ|古代ローマ]]と戦った彼は「'''フランス最初の英雄'''」として祀り上げられた。[[w:フランス第二帝政|第二帝政]]期に皇帝[[w:ナポレオン3世|ナポレオン3世]]の命により[[w:アレシアの戦い|アレスィア古戦場]]の発掘調査が実施され、[[w:1865年|1865年]]にはその地に彫刻家エメ・ミレ([[w:fr:Aimé Millet|Aimé Millet]])による高さ7メートルの銅像が建立された。<br>([[w:fr:Vercingétorix_(statue_d'Aimé_Millet)|fr:La statue de Vercingétorix]])]]
[[画像:Statue-vercingetorix-jaude-clermont.jpg|thumb|right|250px|[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]の騎馬像([[w:fr:Statue équestre de Vercingétorix (Frédéric Auguste Bartholdi)|fr]])。彼の出身地ゲルゴウィアの近く、[[w:クレルモン=フェラン|クレルモン=フェラン市]]中央広場に建つ。[[w:1903年|1903年]]に、[[w:自由の女神像 (ニューヨーク)|自由の女神像]]の作者として著名な彫刻家[[w:フレデリク・バルトルディ|フレデリク・オーギュスト・バルトルディ]]によって建立された。[[w:フランス語|フランス語]]で「我は皆の自由のために武器を取った」« J’ai pris les armes pour la liberté de tous » と刻まれている。]]
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/4節]] {{進捗|00%|2025-11-24}}</span>
;アルウェルニー族のウェルキンゲトリークスが挙兵、ガッリア諸部族同盟軍を指揮する
:
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:similis#Latin|Simili]] [[wikt:en:ratio#Latin|ratione]] ibi
**そこ<small>〔アルウェルニー族領〕</small>でも同様のやり方によって、
*[[wikt:en:Vercingetorix#Latin|Vercingetorix]],
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]という、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ガリア語 [[wikt:en:Reconstruction:Gaulish/Werkingetorix|*Werkingetorīx]] は「戦士たちの最高の王」という意味で、<br> ガッリア同盟軍の最高司令官にふさわしい呼び名である。<br> 《[[ガリア戦記/ガリア語の名前#Vercingetorix|'''ガリア語の名前'''#Vercingetorix]]》 を参照せよ。)</span>
*[[wikt:fr:Celtillus|Celtilli]] filius, [[wikt:en:Arvernus#Latin|Arvernus]],
**ケルティッルスの息子で[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]の者で、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:''[[w:en:Celtillus|Celtillus]]'' はガリア語で「小さなケルト人」という意味だと解される。)</span>
*[[wikt:en:summus#Adjective|summae]] [[wikt:en:potentia#Latin|potentiae]] [[wikt:en:adulescens#Noun|adulescens]],
**最高の影響力のある青年が、
*cuius [[wikt:en:pater#Latin|pater]] [[wikt:en:principatus#Latin|principatum]] Galliae [[wikt:en:totus#Etymology_1|totius]] [[wikt:en:obtinuerat|obtinuerat]]
**──その父<small>〔ケルティッルス〕</small>はガッリア全体の主導権を占めていたが、
*et ob eam causam, quod [[wikt:en:regnum#Latin|regnum]] [[wikt:en:adpetebat|adpetebat]], ab [[wikt:en:civitas#Latin|civitate]] erat [[wikt:en:interfectus#Latin|interfectus]],
**王位を求めたという理由により、部族の者によって誅殺されていたのであるが、──
*[[wikt:en:convocatus#Latin|convocatis]] suis [[wikt:en:cliens#Latin|clientibus]]
**自らの庇護者たちを招集して、
*facile [[wikt:en:incendit|incendit]].
**容易に焚き付けた。
:
*<!--❷--><sup>(2)</sup> [[wikt:en:cognitus#Participle|Cognito]] eius [[wikt:en:consilium#Latin|consilio]]
**彼の計画を知ると、
*ad [[wikt:en:arma#Latin|arma]] [[wikt:en:concurritur|concurritur]].
**<small>(人々は)</small>武器のもとへ群がり集まった。
*[[wikt:en:prohibetur|Prohibetur]] ab [[wikt:fr:Gobannitio|Gobannitione]], [[wikt:en:patruus#Latin|patruo]] suo, [[wikt:en:reliquus#Latin|reliquis]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:princeps#Noun_3|principibus]],
**彼の<small>(父方の)</small>おじゴバンニティオやほかの領袖たちにより妨げられた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:''[[w:fr:Gobannitio|Gobannitio]]'' は「鍛冶屋」か「鍛冶の神」に由来する名前と解される。)</span>
*qui hanc [[wikt:en:temptandus#Latin|temptandam]] [[wikt:en:fortuna#Latin|fortunam]] non [[wikt:en:existimabant|existimabant]];
**その者たちは、このような運命を試すべきとは考えていなかったのだ。
*[[wikt:en:expellitur|expellitur]] ex [[wikt:en:oppidum#Latin|oppido]] [[wikt:en:Gergovia#Latin|Gergovia]];
**<small>(ウェルキンゲトリークスは)</small>城塞都市ゲルゴウィアから追放される。
:
*<!--❸--><sup>(3)</sup> non [[wikt:en:destitit|destitit]] tamen
**しかしながら<small>(彼は計画を)</small>取り止めず、
*atque in agris habet [[wikt:en:dilectus#Noun|dilectum]] [[wikt:en:egens#Latin|egentium]] ac [[wikt:en:perditor#Noun|perditorum]].
**野に貧窮者たちやならず者たちを徴集する。
:
*Hac [[wikt:en:coactus#Latin|coacta]] [[wikt:en:manus#Latin|manu]],
**こうした手勢が集められ、
*[[wikt:en:quoscumque|quoscumque]] [[wikt:en:adit#Latin|adit]] ex civitate,
**部族のうちで<small>(彼が)</small>会った者は誰であれ、
*ad suam [[wikt:en:sententia#Latin|sententiam]] [[wikt:en:perducit|perducit]];
**自らの意図に引き込んだ。
:
*<!--❹--><sup>(4)</sup> [[wikt:en:hortatur|hortatur]] ut [[wikt:en:communis#Latin|communis]] [[wikt:en:libertas#Latin|libertatis]] causa [[wikt:en:arma#Latin|arma]] [[wikt:en:capiant|capiant]],
**<small>(ガッリア)</small>共通の自由のために武器を取るように鼓舞した。
*[[wikt:en:magnus#Latin|magnis]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:coactus#Latin|coactis]] [[wikt:en:copia#Latin|copiis]]
**大軍勢が集められて、
*[[wikt:en:adversarius#Latin|adversarios]] suos, a quibus paulo ante erat [[wikt:en:eiectus#Latin|eiectus]],
**少し前に<small>(彼をゲルゴウィアから)</small>放逐したところの敵対者たちを、
*[[wikt:en:expellit|expellit]] ex civitate.
**部族から追放する。
*[[wikt:en:rex#Latin|Rex]] ab suis [[wikt:en:appellatur|appellatur]].
**<small>(ウェルキンゲトリークスは)</small>配下の者たちから王と呼ばれている。
:
*<!--❺--><sup>(5)</sup> [[wikt:en:dimittit|Dimittit]] [[wikt:en:quoque#Latin|quoque]] [[wikt:en:versus#Adverb|versus]] [[wikt:en:legatio#Latin|legationes]];
**<small>(ウェルキンゲトリークスは)</small>あらゆる方向へ使節団を派遣して、
*[[wikt:en:obtestatur|obtestatur]] ut in [[wikt:en:fides#Latin|fide]] [[wikt:en:maneant|maneant]].
**誓約に留まるようにと、懇願する。
:
*<!--❻--><sup>(6)</sup> Celeriter sibi
**速やかに、自分たち<small>〔アルウェルニー族〕</small>に対して
*[[wikt:en:Senones#Latin|Senones]], [[wikt:en:Parisii#Latin|Parisios]], [[wikt:en:Pictones#Latin|Pictones]], [[wikt:en:Cadurci#Latin|Cadurcos]], <u>Turonos</u>, [[wikt:en:Aulerci#Latin|Aulercos]], [[wikt:en:Lemovices#Latin|Lemovices]], <u>Andes</u>
**セノネース族、パリースィイー族、ピクトネース族、カドゥルキー族、<br><u>トゥロニイー族</u>、アウレルキー族、レモウィーケース族、アンデース族、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部のトゥロニイー族 ''[[w:Turoni|Turoni]]'' は、トゥロネース族 ''[[wikt:en:Turones#Latin|Turonēs]]'' ともいう。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:二つ目の下線部は、α系写本では [[wikt:en:Andi#Latin|Andos]]「アンディー族」だが、<br> ''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Glareanus|Glareanus]]'' は、[[wikt:en:Andes#Latin|Andēs]]「アンデース族」と修正提案し、<br> これは別名「アンデカーウィー族」''[[wikt:en:Andecavi#Latin|Andecāvī]]'' ともいう。)</span>
*reliquosque omnes, qui [[wikt:en:Oceanus#Latin|Oceanum]] [[wikt:en:adtingunt|adtingunt]], [[wikt:en:adiungit|adiungit]];
**および<ruby><rb>大洋<span style="color:#009900;">〔[[w:大西洋|大西洋]]〕</span></rb><rp>(</rp><rt>オーケアヌス</rt><rp>)</rp></ruby>に接するほかの全部族を、加盟させる。
*omnium [[wikt:en:consensus#Latin|consensu]]
**すべての者たちの同意により、
*ad eum [[wikt:en:defertur|defertur]] [[wikt:en:imperium#Latin|imperium]].
**彼<small>〔ウェルキンゲトリークス〕</small>に<small>(諸部族の)</small>軍勢指揮権が譲り渡される。
:
*<!--❼--><sup>(7)</sup> Qua [[wikt:en:oblatus#Latin|oblata]] [[wikt:en:potestas#Latin|potestate]]
**<small>(ウェルキンゲトリークスは)</small>その権限が任されると、
*omnibus his civitatibus [[wikt:en:obses#Latin|obsides]] [[wikt:en:imperat|imperat]],
**これらすべての部族に人質<small>(の供出)</small>を命令して、
*[[wikt:en:certus#Latin|certum]] numerum [[wikt:en:miles#Latin|militum]] ad se celeriter [[wikt:en:adduci#Latin|adduci]] [[wikt:en:iubet#Latin|iubet]],
**兵の一定の数が自分のもとへ速やかに動員されることを命じる。
:
*<!--❽--><sup>(8)</sup> [[wikt:en:arma#Latin|armorum]] [[wikt:en:quantum#Latin|quantum]] [[wikt:en:quisque#Latin|quaeque]] civitas [[wikt:en:domi#Latin|domi]] [[wikt:en:quisque#Latin|quodque]] ante tempus [[wikt:en:efficiat|efficiat]], [[wikt:en:constituit#Latin|constituit]];
**おのおのの部族が本国で、武器のどれほどをその時期の前に生産するかを、決定した。
*in primis [[wikt:en:equitatus#Latin|equitatui]] [[wikt:en:studet|studet]].
**とりわけ、[[w:騎兵|騎兵隊]]を熱心に求めた。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--❾--><sup>(9)</sup> Summae diligentiae summam [[wikt:en:imperium#Latin|imperii]] [[wikt:en:severitas#Latin|severitatem]] addit;
**<small></small>(ウェルキンゲトリークスは)最高の入念さに、命令の最高の厳格さを付け加える。
*magnitudine [[wikt:en:supplicium#Latin|supplicii]] [[wikt:en:dubitans#Latin|dubitantes]] cogit.
**重大な刑罰をふんぎりが付かぬ者たちへ強いる。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--❿--><sup>(10)</sup> Nam maiore commisso delicto <u>igni</u> atque omnibus tormentis necat,
**すなわち、より重大な違反を犯したら、火とあらゆる拷問によって誅殺した。
*leviore de causa auribus desectis aut singulis effossis oculis domum remittit,
**より軽微な場合については、両耳を切り取り、あるいは眼を一つずつ繰り抜いて、郷里へ送還する。
*ut sint reliquis documento et magnitudine poenae perterreant alios.
**ほかの者たちへの警告となり、懲罰の重大さが別の者たちを畏怖させるようにである。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===5節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/5節]] {{進捗|00%|2025-12-14}}</span>
;ビトゥリゲース族が、ガッリア同盟軍に寝返る
:
*<!--❶--><sup>(1)</sup> His [[wikt:en:supplicium#Latin|suppliciis]] celeriter [[wikt:en:coactus#Latin|coacto]] [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitu]],
**<small>(ウェルキンゲトリークスは)</small>これらの刑罰により速やかに軍隊を徴集して、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:「軍隊」と訳される [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitus]] には「鍛えられて規律がある」という意味合いがあり、<br> これまでカエサルがガッリア人の軍勢をこのように表現したことはまれであった。)</span>
*[[wikt:en:Lucterius#Latin|Lucterium]] [[wikt:en:Cadurcus#Latin|Cadurcum]], [[wikt:en:summus#Latin|summae]] hominem [[wikt:en:audacia#Latin|audaciae]],
**この上なく豪胆な人物であるカドゥルキー族のルクテリウスを
*cum parte [[wikt:en:copiarum#Noun_2|copiarum]] in [[wikt:en:Ruteni#Latin|Rutenos]] [[wikt:en:mittit|mittit]];
**軍勢の一部とともにルテーニー族のところに遣わす。
*ipse in [[wikt:en:Bituriges#Latin|Bituriges]] [[wikt:en:proficiscitur|proficiscitur]].
**<small>(ウェルキンゲトリークス)</small>自身はビトゥリゲース族のところに出発する。
:
; ビトゥリゲース族が、ハエドゥイー族に、対ウェルキンゲトリークスのための援兵を依頼
*<!--❷--><sup>(2)</sup> Eius [[wikt:en:adventus#Latin|adventu]]
**彼<small>〔ウェルキンゲトリークス〕</small>の到来により、
*[[wikt:en:Bituriges#Latin|Bituriges]] ad [[wikt:en:Aeduos|Haeduos]], quorum erant in [[wikt:en:fides#Latin|fide]],
**ビトゥリゲース族は、彼らが庇護下にあった[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]のもとへ、
*[[wikt:en:legatus#Latin|legatos]] [[wikt:en:mittunt|mittunt]] [[wikt:en:subsidium#Latin|subsidium]] [[wikt:en:rogatum#Verb|rogatum]],
**使節たちを、<small>(ハエドゥイー族からの)</small>援兵を依頼するために派遣する。
*[[wikt:en:quo#Adverb|quo]] [[wikt:en:facile#Latin|facilius]] hostium copias [[wikt:en:sustinere|sustinere]] [[wikt:en:possint|possint]].
**それにより、敵の軍勢をより容易に持ちこたえることができるようにということであった。
:
; ハエドゥイー族が、ビトゥリゲース族に対して援兵を派兵
*<!--❸--><sup>(3)</sup> [[wikt:en:Aedui#Latin|Haedui]] de [[wikt:en:consilium#Latin|consilio]] [[wikt:en:legatus#Latin|legatorum]], quos Caesar ad [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitum]] [[wikt:en:reliquerat|reliquerat]],
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]は、カエサルが軍隊のもとへ残していた<ruby><rb>[[w:レガトゥス|総督副官]]</rb><rp>(</rp><rt>レーガートゥス</rt><rp>)</rp></ruby>たちの助言により、
*copias [[wikt:en:equitatus#Noun|equitatus]] [[wikt:en:peditatus#Latin|peditatus]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:subsidium#Latin|subsidio]] [[wikt:en:Bituriges#Latin|Biturigibus]] [[wikt:en:mittunt|mittunt]].
**[[w:騎兵|騎兵隊]]と[[w:歩兵|歩兵隊]]の軍勢をビトゥリゲース族に対する援兵として派遣する。
:
; ハエドゥイー族の援兵が、ビトゥリゲース族の寝返りを怖れて、途中で逃げ帰ってしまう
*<!--❹--><sup>(4)</sup> Qui cum ad flumen [[wikt:en:Liger#Latin|Ligerim]] [[wikt:en:venissent|venissent]], quod [[wikt:en:Bituriges#Latin|Bituriges]] ab [[wikt:en:Aeduis|Haeduis]] [[wikt:en:dividit#Latin|dividit]],
**その者たち<small>〔援兵〕</small>は、ビトゥリゲース族を[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]から分け隔てるリゲル川のたもとへやって来たときに、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:リゲル川 [[w:la:Liger|Liger]] は、現在の[[w:ロワール川|ロワール川]]。<br> 本書に登場するビトゥリゲース・クビ族 ''[[w:en:Bituriges Cubi|Bituriges Cubi]]'' は、<br> ロワール川西岸の[[w:シェール県|シェール県]]の辺りに居住していた。<br> 対して、[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]は、<br> ロワール川東岸の[[w:ニエーヴル県|ニエーヴル県]]の辺りに居住していた。)</span>
[[画像:Map of Eduens people-fr.svg|thumb|right|250px|[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]を軸とするガッリアの合従連衡(<small>フランス語表記</small>)。赤い部分がハエドゥイー族(Eduens)、桃色・茶色の部分が同盟部族、灰色の部分が敵対する[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]](Arvernes)とセクアニ族(Sequanes)の領域である。茶色のビトゥリゲース族(Bituriges)と赤いハエドゥイー族(Eduens)の境界に沿ってリゲル川([[w:ロワール川|ロワール川]])が流れていることが見て取れる。川の西岸はビトゥリゲース族とアルウェルニー族の勢力圏になっている。]]
*paucos dies ibi [[wikt:en:moratus#Participle|morati]]
**わずかな日々をそこでぐずぐずして、
*neque flumen [[wikt:en:transire#Latin|transire]] [[wikt:en:ausus#Participle|ausi]] [[wikt:en:domus#Latin|domum]] [[wikt:en:revertuntur|revertuntur]]
**川をあえて渡らずに、故国に引き返す。
:
*<!--❺--><sup>(5)</sup> [[wikt:en:legatus#Latin|legatis]]<nowiki>que</nowiki> nostris [[wikt:en:renuntiant|renuntiant]]
**<small>(ハエドゥイー族の援兵たちが)</small>我が方<small>〔ローマ方〕</small>の<ruby><rb>[[w:レガトゥス|総督副官]]</rb><rp>(</rp><rt>レーガートゥス</rt><rp>)</rp></ruby>たちに報告したことには、
*se [[wikt:en:Bituriges#Latin|Biturigum]] [[wikt:en:perfidia#Latin|perfidiam]] [[wikt:en:veritus#Latin|veritos]] [[wikt:en:revertisse|revertisse]],
**自分たち<small>〔援兵〕</small>は、ビトゥリゲース族の寝返りを恐れて引き返した。
*quibus id [[wikt:en:consilium#Latin|consilii]] fuisse [[wikt:en:cognoverint|cognoverint]],
**彼らには、以下のような謀計があったことを探知したのだ。
*ut, si flumen [[wikt:en:transissent#Latin|transissent]], una ex parte ipsi, altera [[wikt:en:Arverni#Latin|Arverni]] se [[wikt:en:circumsisterent|circumsisterent]].
**もし川を渡ったら、一方から<small>(ビトゥリゲース族)</small>自身が、他方から[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]が自分たちを包囲するというものだ、と。
:
*<!--❻--><sup>(6)</sup> Id ea<span style="background-color:#ffa;">[[wikt:la:-ne|ne]]</span> de causa, quam [[wikt:en:legatus#Latin|legatis]] <u>pronuntiarunt</u>,
**そのことは<small>(援兵たちが)</small><ruby><rb>[[w:レガトゥス|総督副官]]</rb><rp>(</rp><rt>レーガートゥス</rt><rp>)</rp></ruby>たちに報告した理由によって<small>(なしたのか?)</small>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:-ne#Latin|-ne]] ~ [[wikt:en:an#Latin|an]] …;~であるか、あるいは…であるか。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部の [[wikt:en:pronuntiarunt|pronuntiarunt]]<sub> (直接法・完了形)</sub> は古い印刷本 ''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#クリティカル・アパラトゥスとその略号|edd.vett.]]'' の記述で、<br> α系写本では [[wikt:en:pronuntiarint|pronuntiarint]]<sub> (接続法・完了形)</sub> だが、<br> β系写本では [[wikt:en:pronuntiaverint|pronuntia<u>ve</u>rint]]<sub> (接続法・完了形)</sub> となっている。)</span>
*<span style="background-color:#ffa;">[[wikt:la:an|an]]</span> [[wikt:en:perfidia#Latin|perfidia]] [[wikt:en:adductus#Latin|adducti]] [[wikt:en:fecerint|fecerint]],
**あるいは<small>(ビドゥリゲース族の)</small>寝返りに動かされて、なしたのか?
*[[wikt:en:quod#Conjunction|quod]] [[wikt:en:nihil#Latin|nihil]] nobis [[wikt:en:constat#Latin|constat]],
**我々<small>〔ローマ人〕</small>には何ら定かではないので、
*non [[wikt:en:videtur|videtur]] pro [[wikt:en:certus#Latin|certo]] esse <u>proponendum</u>.
**確言するべきであるとは思われない。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:~ pro certo ponere;~を確かであると主張する)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:proponendum|<u>pro</u>ponendum]] だが、<br> β系写本では [[wikt:en:ponendum|ponendum]] となっている。)</span>
: <!-- [[wikt:en:| -->
; ビトゥリゲース族が、ローマ人やハエドゥイー族から離反して、アルウェルニー族と同盟してしまう
*<!--❼--><sup>(7)</sup> [[wikt:en:Bituriges#Latin|Bituriges]] eorum [[wikt:en:discessus#Noun|discessu]]
**ビトゥリゲース族は、彼ら<small>〔援兵〕</small>の撤収により、
*[[wikt:en:statim#Latin|statim]] <u>se</u> cum [[wikt:en:Arverni#Latin|Arvernis]] <u>coniunguntur</u>.
**ただちに[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]と<small>(同盟を)</small>結んだ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:iunguntur|iunguntur]] だが、<br> β系写本では se ~ [[wikt:en:coniungunt|coniungunt]] となっている。)</span>
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===6節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/6節]] {{進捗|00%|2025-12-15}}</span>
[[画像:Warsaw Royal Castle GM (12).JPG|thumb|right|200px|[[w:グナエウス・ポンペイウス|グナエウス・ポンペイウス]]の立像([[w:ワルシャワ歴史地区|ワルシャワ王宮]])。彼は首都の騒乱を鎮めるために単独の[[w:執政官|執政官]]として大権を与えられ、イタリアの徴兵権を得た。[[w:三頭政治|三頭政治]]後のこの混乱期に、彼はカエサルの政敵たちからこぞって支持されたが、危機に瀕していたカエサルを打倒する絶好の機会を見送った。これは重大な逸機であり、数年後にポンペイウスにとって致命的な結果をもたらすことになる。]]
;諸軍団と分断されて苦慮するカエサル
:
*<!--❶--><sup>(1)</sup> His rebus in Italiam Caesari [[wikt:en:nuntiatus#Latin|nuntiatis]],
**これらの事情がイタリアにいるカエサルへ知らされると、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ここでいうイタリアとは、<br> カエサルの属州[[w:ガリア・キサルピナ|ガッリア・キサルピーナ]]のことである。)</span>
*cum iam ille [[wikt:en:urbanus#Latin|urbanas]] res [[wikt:en:virtus#Latin|virtute]] [[wikt:en:Gnaei#Latin|Gnaei]]<sub> ([[wikt:en:Cn.#Latin|Cn.]])</sub> [[wikt:en:Pompeius#Proper_noun|Pompei]] [[wikt:en:commodior#Latin|commodiorem]] in [[wikt:en:status#Noun_11|statum]] [[wikt:en:pervenisse#Latin|pervenisse]] [[wikt:en:intellegeret|intellegeret]],
**彼は、もはや都<small>〔[[w:ローマ|ローマ市]]〕</small>の事態は[[w:グナエウス・ポンペイウス|グナエウス・ポンペイウス]]の果断さによってより相応な状態に至ったと認識したので、
*in [[wikt:en:Gallia_transalpina#Latin|Transalpinam Galliam]] [[wikt:en:profectus#Latin|profectus]] est.
**ガッリア・トラーンサルピーナ<small>〔アルプスの向こう側のガッリア〕</small>に出発した。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[#1節|1節]]②項で言及された Galliam Transalpinam は<br> アルプスの西側「長髪のガッリア」全般を指すと思われるが、<br> ここではどちらかといえば<br> ガッリア南部のローマ属州ガッリア・トラーンサルピーナ<br> すなわち後の[[w:ガリア・ナルボネンシス|ガッリア・ナルボーネーンスィス]]を指す。)</span>
:
*<!--❷--><sup>(2)</sup> [[wikt:en:eo#Adverb|Eo]] cum [[wikt:en:venisset|venisset]],
**<small>(カエサルが)</small>そこに来たときに、
*magna [[wikt:en:difficultas#Latin|difficultate]] [[wikt:en:adficiebatur|adficiebatur]], qua [[wikt:en:ratio#Latin|ratione]] ad [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitum]] [[wikt:en:pervenire#Latin|pervenire]] [[wikt:en:posset#Latin|posset]].
**どのような方策で軍隊のもとへ到達することができるか、という大きな困難に苦悩させられていた。
:
*<!--❸--><sup>(3)</sup> Nam, si [[wikt:en:legio#Latin|legiones]] in [[wikt:en:provincia#Latin|provinciam]] [[wikt:en:arcesseret|arcesseret]],
**なぜなら、もし、諸[[w:ローマ軍団|軍団]]を属州<small>〔ガッリア・トラーンサルピーナ〕</small>に呼び寄せるのならば、
*se [[wikt:en:absens#Latin|absente]] in [[wikt:en:iter#Latin|itinere]] [[wikt:en:proelium#Latin|proelio]] [[wikt:en:dimicaturus#Latin|dimicaturas]] [[wikt:en:intellegebat|intellegebat]];
**自分<small>〔カエサル〕</small>が不在のままで、行軍中に戦闘を闘うことになるであろうと理解していた。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--❹--><sup>(4)</sup> si ipse ad exercitum [[wikt:en:contenderet|contenderet]],
**もし<small>(カエサル)</small>自身が<small>(大部隊の護衛なしで)</small>軍隊のもとへ急いで行くのならば、
*<u>ne</u> iis <u>quidem</u> eo tempore qui quieti [[wikt:en:viderentur|viderentur]],
**そのときには、中立を保っていると見られる者たちでさえも、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:iis#Latin|iis]] はβ系写本の記述で、α系写本では [[wikt:en:his#Latin|his]] となっている。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:ne quidem|ne ~ quidem]]「~でさえ…ない」)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:quietus#Latin|quietus, quieti]]「平和的な、中立的な」)</span>
*suam [[wikt:en:salus#Latin|salutem]] [[wikt:en:recte#Latin|recte]] [[wikt:en:committi|committi]] [[wikt:en:videbat|videbat]].
**自分の身の安全を良く託されるとは思えなかったのだ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:前年まで、すなわち第6巻までの戦争は主としてガッリア北部・中部などで闘われていたので、<br> [[ガリア戦記 第6巻#44節|第6巻44節]]で既述のように、ローマ諸軍団はガッリア北部・中部周辺に冬営させられていた。<br> 今回は軍団が駐留していないガッリア中南部を中心に反乱が起こったので、<br> カエサルと諸軍団は分断された。<br> そのため、カエサルが大部隊の護衛なしで北上すれば、<br> 同盟部族にさえ寝首を掻かれる怖れがあったのである。)
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===7節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/7節]] {{進捗|00%|2025-12-19}}</span>
;ルクテリウスとカエサルのナルボーをめぐる駆け引き
[[画像:Narbonne_panorama.jpg|thumb|right|300px|'''ナルボー'''(Narbo)すなわち現在の[[w:ナルボンヌ|ナルボンヌ市]](Narbonne)の街並み。ローマ人が[[w:ドミティア街道|ドミティア街道]]の拠点として植民市'''コロニア・ナルボー・マルティウス'''(Colonia Narbo Martius)を建設し、後には[[w:ローマ内戦 (紀元前49年-紀元前45年)|ローマ内乱]]のときにもカエサル派の根拠地となった。その重要性から帝政期には州都に昇格し、[[w:属州|属州]]名も[[w:ガリア・ナルボネンシス|ガッリア・ナルボネンスィス]]に改められたほどである。]]
[[画像:Via_domitia_map600x600_(1).png|thumb|right|200px|[[w:ドミティア街道|ドミティア街道]](Via Domitia)の経路。ローマ人によってイタリアと[[w:ヒスパニア|ヒスパーニア]]を結ぶ重要な街道として整備された。本節でカエサル側の軍勢が往復したのもこの街道である。]]
:
; カドゥルキー族のルクテリウスが、ルテーニー族を同盟に引き入れる
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:interim#Latin|Interim]] [[wikt:en:Lucterius#Latin|Lucterius]] [[wikt:en:Cadurcus#Latin|Cadurcus]]
**その間に、カドゥルキー族のルクテリウスが
*in [[wikt:en:Ruteni#Latin|Rutenos]] [[wikt:en:missus#Participle|missus]]
**ルテーニー族のところに遣わされて、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[#5節|5節]]の冒頭で述べられた。<br> ルテーニー族 ''[[w:en:Ruteni|Ruteni]]'' は現在の[[w:アヴェロン県|アヴェロン県]]の<br> [[w:ロデーズ|ロデーズ]]辺りにいたとされる。)</span>
*eam [[wikt:en:civitas#Latin|civitatem]] [[wikt:en:Arverni#Latin|Arvernis]] [[wikt:en:conciliat|conciliat]].
**その部族に[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]との仲を取り持つ。
:
; ルクテリウスが、ローマ属州内の拠点都市ナルボーを目指す
*<!--❷--><sup>(2)</sup> [[wikt:en:progressus#Participle|Progressus]] in [[wikt:en:Nitiobriges#Latin|Nitiobriges]] et [[wikt:en:Gabali#Latin|Gabalos]]
**<small>(彼は)</small>ニティオブリゲース族とガバリー族のところに進んで行き、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ニティオブリゲース族<br> またはニティオブロゲース族 ''[[w:en:Nitiobroges|Nitiobroges]]'' は<br> 現在の[[w:ロット=エ=ガロンヌ県|ロット=エ=ガロンヌ県]][[w:アジャン|アジャン]]辺り、<br> ガバリー族 ''[[w:en:Gabali|Gabali]]'' は現在の[[w:ロゼール県|ロゼール県]]辺りにいたらしい。)</span>
*ab [[wikt:en:uterque#Latin|utrisque]] [[wikt:en:obses#Latin|obsides]] [[wikt:en:accipit|accipit]]
**双方から人質たちを受け取って、
*et, magna [[wikt:en:coactus#Latin|coacta]] [[wikt:en:manus#Latin|manu]],
**多くの手勢を徴集すると、
*in [[wikt:en:provincia#Latin|provinciam]] [[wikt:en:Narbo#Latin|Narbonem]] [[wikt:en:versus#Latin|versus]] [[wikt:en:eruptio#Latin|eruptionem]] facere [[wikt:en:contendit|contendit]].
**<small>(ローマ人の)</small>[[w:属州|属州]]内のナルボーに向かって出撃することを急ぐ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ナルボー [[w:la:Narbo|Narbo]] は、ローマ人が建設した地中海岸の植民市で、<br> ヒスパーニアとイタリアを結ぶ拠点であった。<br> 現在の[[w:ナルボンヌ|ナルボンヌ]]。)</span>
:
; カエサルもナルボーを目指す
*<!--❸--><sup>(3)</sup> Qua re [[wikt:en:untiatus#Latin|nuntiata]]
**その事を報告されると、
*Caesar omnibus [[wikt:en:consilium#Latin|consiliis]] [[wikt:en:antevertendus#Latin|antevertendum]] <span style="color:#009900;font-size:8pt;">(esse)</span> [[wikt:en:existimavit|existimavit]], ut [[wikt:en:Narbo#Latin|Narbonem]] [[wikt:en:proficisceretur|proficisceretur]].
**カエサルは、ナルボーに出発することを、あらゆる計画に先立ってするべきであると考えた。
:
*<!--❹--><sup>(4)</sup> [[wikt:en:eo#Adverb|Eo]] cum [[wikt:en:venisset|venisset]],
**<small>(カエサルは)</small>そこへやって来ると、
*[[wikt:en:timens#Latin|timentes]] [[wikt:en:confirmat#Latin|confirmat]],
**<ruby><rb>怖気</rb><rp>(</rp><rt>おじけ</rt><rp>)</rp></ruby>ている者たちを元気付けて、
*[[wikt:en:praesidium#Latin|praesidia]]
**守備隊を
*in [[wikt:en:Ruteni#Latin|Rutenis]] [[wikt:en:provincialis#Latin|provincialibus]], [[wikt:en:Volcae#Latin|Volcis]] [[wikt:en:Arecomici#Latin|Arecomicis]], [[wikt:en:Tolosates#Latin|Tolosatibus]]
**属州側のルテーニー族、[[w:ウォルカエ族|ウォルカエ]]・アレコミキー族、トローサーテース族<small>(らの領内)</small>に、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:上述のように、属州外の<u>ルテーニー族</u>は[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]と結んでいる。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[w:ウォルカエ族|ウォルカエ族]]は、西側に住むテクトサゲース族 ''[[w:en:Tectosages|Tectosages]]'' と<br> 東側に住むアレコミキー族 ''[[w:en:Arecomici|Arecomici]]'' の2支族に分かれていた。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:トローサーテース族 ''[[w:fr:Tolosates|Tolosates]]'' は、ウォルカエ・テクトサゲース族の分派とされ、<br> 現在の[[w:トゥールーズ|トゥールーズ]]の近くにいたと考えられている。)</span>
*[[wikt:en:circum#Preposition|circum]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:Narbo#Latin|Narbonem]], quae [[wikt:en:locum#Latin|loca]] hostibus erant [[wikt:en:finitimus#Latin|finitima]],
**および敵方に隣接した地である[[w:ナルボンヌ|ナルボー]]周辺に
*[[wikt:en:constituit#Latin|constituit]];
**駐留させる。
:
*<!--❺--><sup>(5)</sup> partem [[wikt:en:copiae#Noun_2|copiarum]] ex [[wikt:en:provincia#Latin|provincia]]
**属州<small>〔ガッリア・トラーンサルピーナ〕</small>からの軍勢の一部、
*[[wikt:en:supplementum#Latin|supplementum]]<nowiki>que</nowiki>, quod ex Italia [[wikt:en:adduxerat|adduxerat]],
**およびイタリアから率いて来た補充兵を
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:後者の補充兵 supplementum は、[[#1節|1節]]で既述のように、<br> [[w:ガリア・キサルピナ|ガッリア・キサルピーナ]]で徴募された軍団兵であろう。)</span>
*in [[wikt:en:Helvii#Latin|Helvios]], qui fines [[wikt:en:Arverni#Latin|Arvernorum]] [[wikt:en:contingunt|contingunt]],
**[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]の領土に接しているヘルウィイー族のところに
*[[wikt:en:convenire#Latin|convenire]] [[wikt:en:iubet#Latin|iubet]].
**集結することを命じる。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===8節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/8節]] {{進捗|00%|2026-01-03}}</span>
[[画像:Carte-cevennes-france.png|thumb|right|200px|フランスにおける[[w:中央高地 (フランス)|中央高地]](Massif Central)とセヴェンヌ山地(Cévennes)の位置]]
[[画像:Col_de_legal.jpeg|thumb|right|200px|[[w:雪|雪]]に覆われた[[w:オーヴェルニュ地域圏|オーヴェルニュ高地]]。オーヴェルニュ(Auvergne)の名は[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]](Arverni)に由来する。]]
[[画像:Causse_Mejean_Evening.jpg|thumb|right|200px|城壁のように続くケウェンナ(セヴェンヌ)山地の断崖]]
[[画像:France_Massif_central.jpg|thumb|right|200px|[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]の勢力圏であった[[w:中央高地 (フランス)|中央高地]](Massif Central)の領域(着色部分)。平野の多いフランスにおいて山塊としてそびえ立つ。]]
:
;カエサルがケウェンナ山地を越えてアルウェルニー族の領内へ突入
*<!--❶--><sup>(1)</sup> His rebus [[wikt:en:comparatus#Latin|comparatis]],
**これらの事が整えられて、
*[[wikt:en:repressus#Latin|represso]] iam [[wikt:en:Lucterius#Latin|Lucterio]] et [[wikt:en:remotus#Latin|remoto]],
**<small>(カドゥルキー族の)</small>ルクテリウスはすでに押し留められ、遠ざけられた。
*quod [[wikt:en:intrare#Latin|intrare]] intra [[wikt:en:praesidium#Latin|praesidia]] [[wikt:en:periculosus#Latin|periculosum]] [[wikt:en:putabat|putabat]],
**──というのは<small>(ローマ人の)</small>守備の範囲内に踏み込むことは危険なことであると<small>(ルクテリウスが)</small>見なしていたからであるが、──
*in [[wikt:en:Helvii#Latin|Helvios]] [[wikt:en:proficiscitur|proficiscitur]].
**<small>(そこで、カエサルは)</small>ヘルウィイー族のところに出発する。
:
; カエサルが、アルウェルニー族の要害ケウェンナ山を越える
*<!--❷--><sup>(2)</sup> <u>Etsi</u> mons <u>Cevenna</u>, qui [[wikt:en:Arverni#Latin|Arvernos]] ab [[wikt:en:Helvii#Latin|Helviis]] [[wikt:en:discludit|discludit]],
**[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]をヘルウィイー族から隔てている<u>ケウェンナ山</u>は、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:山の名は写本によって Cebenna または Cevenna となっており、<br> [[w:ガイウス・プリニウス・セクンドゥス|大プリーニウス]]が記した [[wikt:en:Cebenna#Latin|Cebenna]] がガリア語に近いようである。<br> 現在名はセヴェンヌ山地 Cévennes と呼ばれ、<br> [[w:中央高地 (フランス)|フランス中央高地]](Massif Central)の南東部にそそり立っている。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:etsi#Latin|etsi]] ~ [[wikt:en:tamen#Latin|tamen]] …「~としても、にもかかわらず…」)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:mons#Latin|mons]] は β系写本の記述で、α系写本にはない。)</span>
*[[wikt:en:durissimus#Latin|durissimo]] tempore anni
**最も厳しい時季に
*[[wikt:en:altissimus#Latin|altissima]] [[wikt:en:nix#Latin|nive]] iter [[wikt:en:impediebat|impediebat]],
**豪[[w:雪|雪]]によって道を閉ざしていたのであるが、
*<u>tamen</u> [[wikt:en:discussus#Latin|discussa]] [[wikt:en:nix#Latin|nive]] sex in [[wikt:en:altitudo#Latin|altitudinem]] [[wikt:en:pes#Latin|pedum]]
**にもかかわらず<small>(カエサル勢は)</small>深さ6<u>ペース</u>の雪を粉砕して、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:1[[ガイウス・ユリウス・カエサルの著作/通貨・計量単位#ペース|ペース]]は約29.6cmで、6ペースは約1.8メートル弱。)</span>
*atque ita [[wikt:en:via#Latin|viis]] [[wikt:en:patefactus#Latin|patefactis]] [[wikt:en:summus#Latin|summo]] [[wikt:en:miles#Latin|militum]] <u>sudore</u>
**このように兵士たちの最大の努力によって道が開かれて、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:sudor#Latin|sudore]]「汗」だが、<br> β系写本では [[wikt:en:labor#Latin|labore]]「労苦」 となっている。)</span>
*ad fines [[wikt:en:Arverni#Latin|Arvernorum]] [[wikt:en:pervenit#Latin|pervenit]].
**[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]の領土へ到達した。
:
; アルウェルニー族が、カエサルの奇襲に周章狼狽する
*<!--❸--><sup>(3)</sup> Quibus [[wikt:en:oppressus#Latin|oppressis]] [[wikt:en:inopinans#Latin|inopinantibus]],
**<small>(アルウェルニー族は)</small>彼らに対する<small>(カエサルの)</small>攻撃を予期していなかったが、
*quod se <u>Cevenna</u> ut [[wikt:en:murus#Latin|muro]] [[wikt:en:munitus#Latin|munitos]] [[wikt:en:existimabant|existimabant]],
**──というのは、自分たちは<u>ケウェンナ</u>を壁として防御されていると考えていたからであり、
*ac <u>ne</u> [[wikt:en:singularis#Latin|singulari]] <u>quidem</u> [[wikt:en:umquam#Latin|umquam]] homini eo tempore anni [[wikt:en:semita#Latin|semitae]] [[wikt:en:patuerant|patuerant]],
**かつ、その時季には、個人にとってさえも、小道はかつて開かれていなかったからであるが、──
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:ne quidem|ne ~ quidem]]「~でさえ…ない」)</span>
*[[wikt:en:eques#Latin|equitibus]] [[wikt:en:imperat|imperat]],
**<small>(カエサルは)</small>騎兵たちに命令する。
*ut, [[wikt:en:quam#Adverb|quam]] [[wikt:en:late#Latin|latissime]] [[wikt:en:possint|possint]], [[wikt:en:vagentur|vagentur]]
**できるだけ広く動き回り、
*et [[wikt:en:quam#Adverb|quam]] maximum hostibus [[wikt:en:terror#Latin|terrorem]] [[wikt:en:inferant|inferant]].
**敵たちに最大限の恐怖を引き起こすように、と。
:
; ウェルキンゲトリークスが、ビトゥリゲース族のもとから軍勢を取って返す
*<!--❹--><sup>(4)</sup> Celeriter haec [[wikt:en:fama#Latin|fama]] ac <u>nuntiis</u>
**これらのことは速やかに風評や伝令たちによって、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、主要写本ω では [[wikt:en:nuntii#Latin|nuntii]] だが、<br> ''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Manutius|Manutius]]'' が [[wikt:en:nuntiis#Etymology_1|nuntiis]] と修正提案している。)</span>
*ad [[wikt:en:Vercingetorix#Latin|Vercingetorigem]] [[wikt:en:perferuntur|perferuntur]];
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]のもとへ報知される。
*quem [[wikt:en:perterritus#Latin|perterriti]] omnes [[wikt:en:Arverni#Latin|Arverni]] [[wikt:en:circumsistunt|circumsistunt]] atque [[wikt:en:obsecrant|obsecrant]],
**彼<small>〔ウェルキンゲトリークス〕</small>を、脅かされている[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]の皆が取り巻いて、嘆願する。
*ut suis [[wikt:en:fortuna#Latin|fortunis]] [[wikt:en:consulat#Latin|consulat]],
**自分たち<small>〔アルウェルニー族〕</small>の境遇に配慮してくれるように、
*<u>neve</u> ab hostibus <u>diripiantur</u>,
**自分たち<small>〔アルウェルニー族〕</small>が敵<small>〔ローマ人〕</small>によって略奪されることを許容しないように、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:この行は、α系写本では [[wikt:en:neve#Latin|neve]] ab hostibus [[wikt:en:diripiantur|diripiantur]] <br> β系写本では [[wikt:en:neu#Latin|neu]] se ab hostibus [[wikt:en:diripi|diripi]] [[wikt:en:patiatur|patiatur]] となっている。)</span>
*[[wikt:en:praesertim#Latin|praesertim]] cum [[wikt:en:videat|videat]] [[wikt:en:omnis#Latin|omne]] ad se bellum [[wikt:en:translatus#Participle|translatum]].
**とりわけ、すべての戦争が自分たちへ向けられると<small>(彼が)</small>見なしているのであるから
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:praesertim cum ~;とりわけ~であるから)</span>
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--❺--><sup>(5)</sup> Quorum ille [[wikt:en:prex#Latin|precibus]] [[wikt:en:permotus#Latin|permotus]]
**彼<small>〔ウェルキンゲトリークス〕</small>は、その者たちの懇願に揺り動かされて、
*[[wikt:en:castra#Latin|castra]] ex [[wikt:en:Bituriges#Latin|Biturigibus]] [[wikt:en:movet|movet]] in [[wikt:en:Arverni#Latin|Arveruos]] [[wikt:en:versus#Latin|versus]].
**陣営をビトゥリゲース族のところから[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]のところに向けて行軍する。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:castra movet 「陣営を動かす」=「行軍する」)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:現在の[[w:ブールジュ|ブールジュ]]辺りから[[w:クレルモン=フェラン|クレルモン=フェラン]]辺りに南下したようである。)</span>
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===9節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/9節]] {{進捗|00%|2026-01-12}}</span>
;カエサルが北上して諸軍団と合流するが、同盟軍はゴルゴビナ攻略をめざす
:
*<!--❶--><sup>(1)</sup> At Caesar, [[wikt:en:biduum#Latin|biduum]] in his locis [[wikt:en:moratus#Participle|moratus]],
**それに対して、カエサルは2日間、この地に留まった。
*quod haec de [[wikt:en:Vercingetorix#Latin|Vercingetorige]] usu ventura [[wikt:en:opinio#Latin|opinione]] [[wikt:en:praeceperat|praeceperat]],
**──というのは、[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]についてこれ<small>〔陣営の移動〕</small>が起こると予想をしていたからだが、──
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:usu venire 「起こる」→ usu [[wikt:en:venturus#Latin|ventūra]] (esse) 「起こるであろう」)</span>
*per causam [[wikt:en:supplementum#Latin|supplementi]] [[wikt:en:equitatus#Noun|equitatus]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:cogendus#Latin|cogendi]]
**補充兵と騎兵隊を徴集するためという口実のもとに、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:per causam 「口実のもとに」)</span>
*ab [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitu]] [[wikt:en:discedit|discedit]];
**軍隊から離れる。
:
*<!--❷--><sup>(2)</sup> [[wikt:en:Brutus#Latin|Brutum]] [[wikt:en:adulescens#Noun|adulescentem]] his copiis [[wikt:en:praeficit|praeficit]];
**<small>(カエサルは)</small><u>青年ブルートゥス</u>にこの軍勢を指揮させる。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:青年ブルートゥスとは、<br> [[w:デキムス・ユニウス・ブルトゥス・アルビヌス|デキムス・ブルートゥス]](<small>[[w:la:Decimus_Iunius_Brutus_Albinus|Decimus Iunius Brutus Albinus]]</small>)のことで、<br> [[ガリア戦記 第3巻#14節|第3巻14節]]でカエサルの艦隊を指揮した。)</span>
*hunc [[wikt:en:monet#Latin|monet]], ut in omnes partes [[wikt:en:eques#Latin|equites]] quam [[wikt:en:late#Latin|latissime]] [[wikt:en:pervagentur|pervagentur]]:
**彼には、[[w:騎兵|騎兵]]たちがあらゆる方面にできるだけ広く駆け回るようにと、忠告する。
*<u>daturum</u> se <u>operam</u>, ne longius [[wikt:en:triduum#Latin|triduo]] ab [[wikt:en:castra#Latin|castris]] [[wikt:en:absit#Latin|absit]].
**自分<small>〔カエサル〕</small>は、3日間より長く陣営から離れないように、努力をするであろう、と。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:opera#Latin|operam]] dare 「努力をする」→ operam [[wikt:en:daturus#Latin|datūrum]] (esse) 「努力をするであろう」)</span>
[[画像:Image-Vienne-Cropped.jpg|thumb|right|300px|'''ウィエンナ'''(Vienna)すなわち現在のヴィエンヌ(Vienne)。ロダヌス川(現[[w:ローヌ川|ローヌ川]])のほとりにある当地は、南仏[[w:プロヴァンス|プロヴァンス地方]]と北仏[[w:ブルゴーニュ地域圏|ブルゴーニュ地方]]を結ぶ交通の要衝として、古代ローマ時代から栄え、今もローマ時代の遺跡が多く残る。]]
:
; カエサルが、急いでウィエンナへ北進する
*<!--❸--><sup>(3)</sup> His [[wikt:en:constitutus#Participle|constitutis]] rebus,
**これらの事を決定すると、
*<u>omnibus</u> suis [[wikt:en:inopinans#Latin|inopinantibus]],
**配下の皆が予期しないほど、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:omnibus は β系写本の記述で、<br> α系写本にはない。)</span>
*quam [[wikt:en:maximus#Latin|maximis]] potest [[wikt:en:iter#Latin|itineribus]],
**できるかぎりの強行軍で、
*[[wikt:en:Vienna#Etymology_1|Viennam]] [[wikt:en:pervenit#Latin|pervenit]].
**<u>ウィエンナ</u>に到着する。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ウィエンナ [[w:la:Vienna|Vienna]] は、<br> 現在の[[w:ヴィエンヌ (イゼール県)|ヴィエンヌ]] ''[[w:en:Vienne, Isère|Vienne]]'')</span>
:
; カエサルが、ハエドゥイー族領を抜けて、2個軍団が冬営するリンゴネース族領へ向けて北上する
*<!--❹--><sup>(4)</sup> [[wikt:en:ibi#Latin|Ibi]] [[wikt:en:nactus#Latin|nactus]] [[wikt:en:recens#Latin|recentem]] [[wikt:en:equitatus#Latin|equitatum]], quem [[wikt:en:multus#Latin|multis]] ante diebus eo [[wikt:en:praemiserat|praemiserat]],
**そこで、何日も前にそこに先遣していたまだ新兵の騎兵隊を得て、
[[画像:Langres_FR_(march_2008).jpg|thumb|right|300px|リンゴネース族(Lingones)の名を残す[[w:ラングル|ラングル]](Langres)の街の雪景色]]
*neque [[wikt:en:diurnus#Latin|diurno]] neque [[wikt:en:nocturnus#Latin|nocturno]] itinere [[wikt:en:intermissus#Latin|intermisso]]
**昼間も夜間も行軍を中断せずに、
*per fines [[wikt:en:Aedui#Latin|Haeduorum]]
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の領土を通って、
*in [[wikt:en:Lingones#Latin|Lingones]] [[wikt:en:contendit|contendit]],
**<u>リンゴネース族のところ</u>に急いだ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:リンゴネース族 [[w:la:Lingones|Lingones]] の首邑は<br> 現在の[[w:ラングル|ラングル]] ''[[w:en:Langres|Langres]]'' で、<br> ローマ時代には [[w:la:Andematunnum|Andematunnum]] と呼ばれたが、<br> ''[[wikt:fr:Lingones|Lingones]]'' の転訛が ''[[wikt:fr:Langres|Langres]]'' である。)</span>
*[[wikt:en:ubi#Latin|ubi]] [[wikt:en:duo#Latin|duae]] [[wikt:en:legio#Latin|legiones]] [[wikt:en:hiemabant|hiemabant]],
**そこには、2個[[w:ローマ軍団|軍団]]が冬営していた。
*ut, si [[wikt:en:aliquis#Latin|quid]] etiam de sua [[wikt:en:salus#Latin|salute]] ab [[wikt:en:Aedui#Latin|Haeduis]] [[wikt:en:iniretur|iniretur]] [[wikt:en:consilium#Latin|consilii]], [[wikt:en:celeritas#Latin|celeritate]] [[wikt:en:praecurreret|praecurreret]].
**もし<small>(カエサル)</small>自らの安全についてさえ、ハエドゥイー族により何らかの謀計が始められても、速やかに凌駕するように。
:
; カエサルが、リンゴネース族領の軍団冬営地へ到着して、諸軍団へ集結を指令する
*<!--❺--><sup>(5)</sup> [[wikt:en:eo#Adverb|Eo]] cum [[wikt:en:pervenisset|pervenisset]],
**<small>(カエサルは)</small>そこへ到着したときに、
*ad reliquas [[wikt:en:legio#Latin|legiones]] [[wikt:en:mittit|mittit]]
**残りの軍団のもとへ<small>(伝令を)</small>遣わす。
*<u>prius</u>que omnes in unum locum [[wikt:en:cogit|cogit]], <u>quam</u> de eius [[wikt:en:adventus#Latin|adventu]] [[wikt:en:Arverni#Latin|Arvernis]] [[wikt:en:nuntiari|nuntiari]] [[wikt:en:posset#Latin|posset]].
**彼の到着について[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]に知らされ得るより早く、総勢が一か所に集結するように、と。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:priusquam#Latin|prius ~ quam]] …;…より早く~)</span>
: <!-- [[wikt:en:| -->
; ウェルキンゲトリークスが、ボイイー族がいるゴルゴビナの攻略を企図する
*<!--❻--><sup>(6)</sup> Hac re [[wikt:en:cognitus#Participle|cognita]],
**この事を知ると、
*[[wikt:en:Vercingetorix#Latin|Vercingetorix]] rursus in [[wikt:en:Bituriges#Latin|Bituriges]] [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitum]] [[wikt:en:reducit|reducit]]
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は再びビトゥリゲース族のところに軍隊を連れ戻して、
*atque [[wikt:en:inde#Latin|inde]] [[wikt:en:profectus#Participle_2|profectus]] Gorgobinam, [[wikt:en:Boii#Latin|Boiorum]] [[wikt:en:oppidum#Latin|oppidum]],
**そこから、[[w:ボイイ族|ボイイー族]]の城塞都市であるゴルゴビナへ出発した。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ゴルゴビナ ''[[w:en:Gorgobina|Gorgobina]]'' は、現在の候補地としては、<br> [[w:ニエーヴル県|ニエーヴル県]]のサン=パリズ=ル=シャテル<small>([[w:en:Saint-Parize-le-Châtel|Saint-Parize-le-Châtel]])</small><br> [[w:アンドル=エ=ロワール県|アンドル=エ=ロワール県]]のラ・ゲルシュ([[w:en:La Guerche|La Guerche]])<br> あるいは、[[w:シェール県|シェール県]]のサン=サテュル([[w:fr:Saint-Satur|Saint-Satur]])などが挙げられている。)</span>
*quos ibi [[wikt:en:helvetico|Helvetico]] [[wikt:en:proelium#Latin|proelio]] [[wikt:en:victus#Participle|victos]]
**──[[w:ヘルウェティイ族|ヘルウェーティイー族]]の戦闘で打ち負かされた彼らをそこに、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ボイイー族はヘルウェーティイー族とともにガッリアに移動して、カエサルに敗れていた。第1巻28節~29節を参照。)</span>
*Caesar [[wikt:en:conlocaverat#Latin|conlocaverat]] [[wikt:en:Aedui#Latin|Haeduis]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:adtribuerat#Latin|adtribuerat]],
**カエサルは宿営させ、ハエドゥイー族<small>(の庇護)</small>に委ねていたのだが、──
*[[wikt:en:oppugnare#Latin|oppugnare]] [[wikt:en:instituit#Latin|instituit]].
**<small>(ウェルキンゲトリークスはゴルゴビナの)</small>攻略を決意した。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===10節===
[[画像:Caesar's_campaign_to_Agedincum_in_52BC.png|thumb|right|250px|前節までのカエサルの[[w:ナルボンヌ|ナルボー]]からアゲディンクムへの進路(青線)および[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]の進路(赤線)。青字名は親ローマ部族、赤字名は反ローマ部族。カエサルは[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]の本拠ゲルゴウィアを突くと見せかけてウェルキンゲトリークスを引き寄せ、その間に[[w:ブルゴーニュ地域圏|ブルゴーニュ]]に冬営していた諸軍団と合流できた。これに対して、ウェルキンゲトリークスはボイイー族を攻めようとする。]]
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/10節]] {{進捗|00%|2026-01-16}}</span>
;カエサルがアゲディンクムを発って、ボイイー族支援に向かう
:
; カエサルが抱えることになった「大きな困難」とは?
*<!--❶--><sup>(1)</sup> Magnam haec res Caesari [[wikt:en:difficultas#Latin|difficultatem]] ad [[wikt:en:consilium#Latin|consilium]] [[wikt:en:capiendus#Latin|capiendum]] [[wikt:en:adferebat|adferebat]]<!--:-->,
**この事態は、カエサルが作戦を立てるためには、大きな困難を引き起こしていた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:haec res 「この事態」とは、<br> ウェルキンゲトリークスが<br> ハエドゥイー族の庇護下にあったボイイー族を攻めること。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:magnam ~ difficultatem 「大きな困難を」)</span>
*si reliquam partem [[wikt:en:hiems#Latin|hiemis]] uno loco [[wikt:en:legio#Latin|legiones]] [[wikt:en:contineret|contineret]],
**もし、冬の残りの期間に、諸[[w:ローマ軍団|軍団]]を1か所に留めておくならば、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:前節で述べられたように、<br> カエサルはリンゴネース族の軍団冬営地に着いたときに、<br> 諸軍団に1か所に集結するべく伝令を遣わしていた。)</span>
*ne, [[wikt:en:stipendiarius#Latin|stipendiariis]] [[wikt:en:Haedui#Latin|Haeduorum]] [[wikt:en:expugnatus#Latin|expugnatis]], [[wikt:en:cunctus#Latin|cuncta]] Gallia [[wikt:en:deficeret|deficeret]],
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の朝貢国が攻略されて、ガッリア全体が背くのではないか?
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:「ハエドゥイー族の朝貢国」とは、ボイイー族のこと。)</span>
*quod [[wikt:en:nullus#Determiner|nullum]] amicis in eo [[wikt:en:praesidium#Latin|praesidium]] <u>videret positum esse</u>;
**──というのは、彼<small>〔カエサル〕</small>においては、友邦に対するいかなる守備隊も置かれていないと<small>(ガッリアが)</small>見るからである──。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、<br> [[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#写本の系図|α系写本]]のうち、χ系・M・B・S写本などでは [[wikt:en:videret|videret]] [[wikt:en:positus#Latin|positum]] esse 、<br> α系写本のうち、写本M・L・Nなどでは [[wikt:en:videretur|videretur]] positum esse 、<br> β系写本では、positum videret となっている。)</span>
*si [[wikt:en:mature#Adverb|maturius]] ex [[wikt:en:hiberna#Noun|hibernis]] [[wikt:en:educeret|educeret]],
**もし、尚早に冬営地から<small>(諸軍団を)</small>進発させれば、
*ne ab re [[wikt:en:frumentarius#Latin|frumentaria]] [[wikt:en:durus#Latin|duris]] [[wikt:en:subvectio#Latin|subvectionibus]] [[wikt:en:laboraret|laboraret]].
**<small>(降雪時期の)</small>糧秣供給の厄介な輸送によって苦労するのではないか?
:
*<!--❷--><sup>(2)</sup> <u>Praestare</u> [[wikt:en:visus#Participle|visum]] est tamen omnes [[wikt:en:difficultas#Latin|difficultates]] [[wikt:en:perpeti#Verb|perpeti]],
**しかしながら、あらゆる困難に耐えることの方が<u>優っている</u>ように見える。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:praestare|praestare]] ~ [[wikt:en:quam#Adverb|quam]] …「…よりも~が優る」)</span>
*<u>quam</u> [[wikt:en:tantus#Latin|tanta]] [[wikt:en:contumelia#Latin|contumelia]] [[wikt:en:acceptus#Latin|accepta]] omnium suorum [[wikt:en:voluntas#Latin|voluntates]] [[wikt:en:alienare#Latin|alienare]].
**これほどの恥辱を受けて、配下の皆の意欲を遠ざけてしまう<u>よりは</u>。
:
*<!--❸--><sup>(3)</sup> Itaque [[wikt:en:cohortatus#Latin|cohortatus]] [[wikt:en:Haedui#Latin|Haeduos]] de [[wikt:en:supportandus#Latin|supportando]] [[wikt:en:commeatus#Noun|commeatu]],
**こうして、<small>(カエサルは)</small>ハエドゥイー族に軍需物資の輸送について、激励して、
*[[wikt:en:praemittit|praemittit]] ad [[wikt:en:Boii#Latin|Boios]], qui de suo [[wikt:en:adventus#Latin|adventu]] [[wikt:en:doceant|doceant]]
**[[w:ボイイ族|ボイイー族]]のもとへ、<small>(カエサル)</small>自らの到着について知らせるための者たちを先遣して、
*[[wikt:en:hortentur|hortentur]]<nowiki>que</nowiki> ut in [[wikt:en:fides#Latin|fide]] [[wikt:en:maneant|maneant]] atque hostium [[wikt:en:impetus#Latin|impetum]] magno animo [[wikt:en:sustineant|sustineant]].
**<small>(カエサルへの)</small>信義に留まって、敵たちの襲撃に大いなる決意をもって持ちこたえるように、と激励させた。
[[画像:Aqueduc2.jpg|thumb|right|250px|アゲディンクム、すなわちセノネース族(Senones)の名を残す現在の[[w:サンス|サーンス]](Sens)に建てられたローマ時代の[[w:水道橋|水道橋]]遺跡。]]
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--❹--><sup>(4)</sup> Duabus [[wikt:en:Agedincum#Latin|Agedinci]] legionibus atque [[wikt:en:impedimentum#Latin|impedimentis]] [[wikt:en:totus#Latin|totius]] [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitus]] [[wikt:en:relictus#Latin|relictis]],
**アゲディンクムに、2個軍団および軍隊全体の輜重を残すと、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:アゲディンクムは敵対するセノネース族の首邑だが、<br> [[ガリア戦記 第6巻#44節|第6巻44節]]で6個軍団を冬営させていた。<br> 現在の[[w:サンス|サーンス]]。)</span>
*ad [[wikt:en:Boii#Latin|Boios]] [[wikt:en:proficiscitur|proficiscitur]].
**[[w:ボイイ族|ボイイー族]]のもとへ出発した。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===11節===
[[画像:France_-_Loiret_-_Montargis_-_Passerelle_vers_l'écluse.JPG|thumb|right|250px|ウェッラウノドゥーヌムの候補地の一つであるモンタルジ(Montargis)の運河沿いの景観。セノネース族の城塞都市ウェッラウノドゥーヌム(Vellaunodunum)が現在のどの地点に当たるのか定説はない。アゲディンクム(現在の[[w:サンス|サーンス]])とケナブム(現在の[[w:オルレアン|オルレアン]])の中間地点であると考えられることから、モンタルジ([[w:en:Montargis|Montargis]])、ボーヌ=ラ=ロランド([[w:en:Beaune-la-Rolande|Beaune-la-Rolande]])やシャトー=ランドン([[w:en:Château-Landon|Château-Landon]])などが候補地に挙げられている。]]
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/11節]] {{進捗|00%|2026-02-02}}</span>
;セノネース族のウェッラウノドゥーヌムを降し、カルヌーテース族のケナブムを攻略
:
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:alter#Latin|Altero]] die
**<small>(カエサルは出発して)</small>翌日に、
*cum ad [[wikt:en:oppidum#Latin|oppidum]] [[wikt:en:Senones#Latin|Senonum]] [[wikt:en:Vellaunodunum#Latin|Vellaunodunum]] [[wikt:en:venisset|venisset]],
**セノネース族の城塞都市ウェッラウノドゥーヌムへやって来たときに、
*ne [[wikt:en:aliquem|quem]] post se hostem [[wikt:en:relinqueret|relinqueret]],
**自らの後方に何らかの敵を残しておかないように、
*[[wikt:en:quo#Latin|quo]] [[wikt:en:expeditior#Latin|expeditiore]] re [[wikt:en:frumentarius#Adjective|frumentaria]] [[wikt:en:uteretur|uteretur]],
**そのことにより、妨げなく糧秣供給を享受するように、
*[[wikt:en:oppugnare#Latin|oppugnare]] [[wikt:en:instituit#Latin|instituit]]
**<small>(同市の)</small>攻囲を決めて、
*<u>idque</u> [[wikt:en:biduum#Latin|biduo]] [[wikt:en:circumvallavit|circumvallavit]];
**それ<small>〔城塞都市〕</small>を2日間で<small>(塁壁で)</small>囲んだ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:id#Latin|id]]<nowiki>que</nowiki> だが、<br> β系写本では [[wikt:en:eo#Etymology_4|eo]]<nowiki>que</nowiki> となっている。)</span>
:
; セノネース族の城塞都市ウェッラウノドゥーヌムが降伏する
*<!--❷--><sup>(2)</sup> [[wikt:en:tertius#Latin|tertio]] die
**3日目に、
*[[wikt:en:missus#Participle|missis]] ex [[wikt:en:oppidum#Latin|oppido]] [[wikt:en:legatus#Noun|legatis]] de [[wikt:en:deditio#Latin|deditione]],
**城塞都市から降伏についての使節たちが遣わされて来て、
*[[wikt:en:arma#Latin|arma]] [[wikt:en:conferri|conferri]],
**武器が運び集められること、
*[[wikt:en:iumentum#Latin|iumenta]] [[wikt:en:produci#Latin|produci]],
**役畜が引き渡されること、
*[[wikt:en:sescenti#Latin|sescentos]] [[wikt:en:obses#Latin|obsides]] [[wikt:en:dari#Latin|dari]] [[wikt:en:iubet#Latin|iubet]].
**600名の人質が供出されることを<small>(カエサルが)</small>命じる。
:
; ウェッラウノドゥーヌムに副官トレボーニスと守備隊を残し、カエサル自身はケナブムへ向かう
*<!--❸--><sup>(3)</sup> Ea qui [[wikt:en:conficeret|conficeret]],
**それらのことを成就するための者として、
*[[wikt:en:Gaius#Latin|Gaium]] [[wikt:en:Trebonius#Latin|Trebonium]] [[wikt:en:legatus#Latin|legatum]] [[wikt:en:relinquit|relinquit]].
**<ruby><rb>[[w:レガトゥス|総督副官]]</rb><rp>(</rp><rt>レーガートゥス</rt><rp>)</rp></ruby> [[w:ガイウス・トレボニウス|ガーイウス・トレボーニウス]]を<small>(ウェッラウノドゥーヌムに)</small>残留させる。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[w:la:Gaius Trebonius|Gaius Trebonius]] は、カエサルの副官の一人。)</span>
*Ipse, ut quam primum iter <u>faceret</u><ref>faceret はα系写本の表記で、β系写本では conficeret となっている。</ref>,
**<small>(カエサル)</small>自身は、できるだけ素早く<small>(ゴルゴビナへの)</small>行軍を成就するように、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:quam#Adverb|quam]] [[wikt:en:primum#Latin|primum]] 〜「できるだけ素早く〜」)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:faceret|faceret]] だが、<br> β系写本では [[wikt:en:conficeret|conficeret]] となっている。)</span>
*[[wikt:en:Genabum#Latin|Cenabum]] [[wikt:en:Carnutes#Latin|Carnutum]] [[wikt:en:proficiscitur|proficiscitur]];
**カルヌーテース族のケナブムに出発する。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ケナブム Cenabum はケルト語風の読みで、現在の[[w:オルレアン|オルレアン]]。)</span>
:
*<!--❹--><sup>(4)</sup> qui tum primum [[wikt:en:adlatus#Latin|adlato]] [[wikt:en:nuntium#Latin|nuntio]] de [[wikt:en:oppugnatio#Latin|oppugnatione]] [[wikt:en:Vellaunodunum#Latin|Vellaunoduni]],
**そのとき彼ら<small>〔カルヌーテース族〕</small>は、当初はウェッラウノドゥーヌムの攻囲についての報告をもたらされて、
*cum [[wikt:en:longe#Latin|longius]] eam rem <u>ductum</u> [[wikt:en:iri#Latin|iri]] [[wikt:en:existimarent|existimarent]],
**その事・軍事作戦はより長く引き延ばされて行われると考えていたので、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:ductus#Noun_2|ductus]] は、軍事的な指揮・作戦などを表す。[[#62節]]も同様。)</span>
*[[wikt:en:praesidium#Latin|praesidium]] [[wikt:en:Genabum#Latin|Cenabi]] [[wikt:en:tuendus#Latin|tuendi]] causa, quod eo [[wikt:en:mitterent|mitterent]], [[wikt:en:comparabant|comparabant]].
**ケナブムを固守するために、守備隊をそこへ派遣することを準備していた。
:
; カエサルが、カルヌーテース族の城塞都市ケナブムの攻囲を翌日に延期する
*<!--❺--><sup>(5)</sup> [[wikt:en:huc#Latin|Huc]] [[wikt:en:biduum#Latin|biduo]] [[wikt:en:pervenit#Etymology_1|pervenit]].
**<small>(カエサルは)</small>ここ<small>〔ケナブム〕</small>へ2日間で到着する。
*[[wikt:en:castra#Latin|Castris]] ante oppidum [[wikt:en:positus#Participle|positis]],
**城塞都市の前に陣営を設置したが、
*[[wikt:en:dies#Latin|diei]] [[wikt:en:tempus#Latin|tempore]] [[wikt:en:exclusus#Latin|exclusus]]
**日の時刻<small>〔夕刻〕</small>によって妨げられたので、
*in posterum [[wikt:en:oppugnatio#Latin|oppugnationem]] [[wikt:en:differt|differt]],
**翌日に攻囲を延期する。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:in posterum = in [[wikt:en:posterus#Latin|posterum]] [[wikt:en:diem#Latin|diem]]「翌日に」)</span>
*[[wikt:en:quisque#Latin|quaeque]] ad eam rem [[wikt:en:usus#Latin|usui]] [[wikt:en:sint#Latin|sint]],
**その事<small>〔攻囲〕</small>に有益になることは何であれ、
*[[wikt:en:miles#Latin|militibus]] [[wikt:en:imperat|imperat]];
**兵士たちに命令する。
[[画像:Orleans.jpg|thumb|right|400px|ケナブム(Cenabum)すなわち現在の[[w:オルレアン|オルレアン]](Orléans)を流れるリゲル川(現在の[[w:ロワール川|ロワール川]])の景観。左が北岸のオルレアン聖十字架大聖堂、右がジョージ5世橋と思われる。]]
:
*<!--❻--><sup>(6)</sup> et, quod oppidum [[wikt:en:Genabum#Latin|Cenabum]] [[wikt:en:pons#Latin|pons]] [[wikt:en:flumen#Latin|fluminis]] [[wikt:en:Liger#Latin|Ligeris]] [[wikt:en:contingebat|contingebat]],
**城塞都市ケナブムには、リゲル川の橋が接していたので、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:リゲル川は、現在の[[w:ロワール川|ロワール川]]。)</span>
*[[wikt:en:veritus#Latin|veritus]] ne [[wikt:en:noctu#Adverb|noctu]] ex oppido [[wikt:en:profugerent|profugerent]],
**夜間に城塞都市から<small>(敵勢が)</small>逃亡するのではないかと恐れて、
*[[wikt:en:duo#Latin|duas]] legiones in [[wikt:en:arma#Latin|armis]] [[wikt:en:excubare|excubare]] [[wikt:en:iubet#Latin|iubet]].
**<small>(カエサルは)</small>2個[[w:ローマ軍団|軍団]]に武装して寝ずの番をすることを命じる。
:
; ケナブムの住民たちが退避し始める
*<!--❼--><sup>(7)</sup> [[wikt:en:Genabensis#Noun|Cenabenses]] paulo ante mediam noctem
**ケナブムの人々は、真夜中の少し前に
*[[wikt:en:silentium#Latin|silentio]] ex oppido [[wikt:en:egressus#Participle|egressi]]
**沈黙のうちに城塞都市から出て、
*flumen [[wikt:en:transire#Latin|transire]] [[wikt:en:coeperunt|coeperunt]].
**川を渡り始めた。
:
; カエサルの諸軍団がケナブムを制圧する
*<!--❽--><sup>(8)</sup> Qua re per [[wikt:en:explorator#Latin|exploratores]] [[wikt:en:nuntiatus#Latin|nuntiata]]
**その事が偵察者たちによって報告されると、
*Caesar legiones, quas [[wikt:en:expeditus#Latin|expeditas]] esse [[wikt:en:iusserat|iusserat]]
**カエサルは、戦備を整えることを命じていた諸軍団を、
*[[wikt:en:porta#Latin|portis]] [[wikt:en:incensus#Participle|incensis]]
**<small>(ケナブムの)</small>城門を焼き打ちさせた後で、
*[[wikt:en:intromittit|intromittit]] atque oppido [[wikt:en:potitur|potitur]],
**<small>(軍団を)</small>送り込み、城塞都市を占領させて、
*[[wikt:en:perpaucus#Latin|perpaucis]] ex hostium numero [[wikt:en:desideratus#Latin|desideratis]] [[wikt:en:quin#Latin|quin]] [[wikt:en:cunctus#Latin|cuncti]] [[wikt:en:caperentur#Etymology_1|caperentur]],
**敵のうちからわずかな数を取り逃がしたが、むしろ皆がことごとく捕らえられた。
*quod [[wikt:en:pons#Latin|pontis]] atque [[wikt:en:iter#Latin|itinerum]] [[wikt:en:angustia#Latin|angustiae]] <u>multitudinis</u> fugam [[wikt:en:intercluserant|intercluserant]].
**──というのは、橋や道の狭さが、大勢の逃亡をさえぎったからである。──
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:multitudinis|multitudinis]]<sub> (単数・属格)</sub> だが、<br> β系写本では [[wikt:en:multitudini|multitudini]]<sub> (単数・与格)</sub> となっている。)</span>
: <!-- [[wikt:en:| -->
; カエサル勢がケナブムを略奪・焼き討ち。リゲル川を渡ってビトゥリゲース族領へ達する
*<!--❾--><sup>(9)</sup> Oppidum [[wikt:en:diripit|diripit]] atque [[wikt:en:incendit|incendit]],
**<small>(カエサルは)</small>城塞都市を略奪し、焼き討ちして、
*[[wikt:en:praeda#Latin|praedam]] militibus [[wikt:en:donat#Latin|donat]],
**略奪品を兵士たちに与える。
*[[wikt:en:exercitus#Noun|exercitum]] <u>Ligerem</u> [[wikt:en:traducit|traducit]]
***軍隊にリゲル川を渡らせて、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:Ligerem|Ligerem]] だが、<br> β系写本では Ligerim となっている。)</span>
*atque in [[wikt:en:Bituriges#Latin|Biturigum]] fines [[wikt:en:pervenit#Etymology_1|pervenit]].
*ビトゥリゲース族の領土に到達する。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===12節===
[[画像:Sancerre.jpg|thumb|right|250px|ビトゥリゲース族の城塞都市があったと考えられる[[w:サンセール|サンセール]]([[w:en:Sancerre|Sancerre]])の街並み。カエサルがケナブム(現[[w:オルレアン|オルレアン]])からリゲル川(現[[w:ロワール川|ロワール川]])沿いに当初の目的地であったゴルゴビナへ向かい、後にアウァーリクム(現[[w:ブールジュ|ブールジュ]])へ右折したと見なせば、この地がノウィオドゥーヌムであったとも考えられる。街の名 Sancerre の意味が「カエサルに捧げられた」であるという説もある。現在は[[w:ロワールワイン|ロワールワイン]]の産地として有名で、辛口の白ワインなどの銘柄「Sancerre」にもなっている。]]
[[画像:Neung-sur-Beuvron_église_Saint-Denis_1.jpg|thumb|right|250px|城塞都市ノウィオドゥーヌム(Noviodunum)の所在地として現在有力視されている[[w:ロワール=エ=シェール県|ロワール=エ=シェール県]]のヌン=スュル=ブーヴロン([[w:en:Neung-sur-Beuvron|Neung-sur-Beuvron]])のサン=ドニ教会。カエサルは当初の目的地であったボイイー族のゴルゴビナへは真っ直ぐ向かわずに大きく迂回しており、ケナブム(現[[w:オルレアン|オルレアン]])の南方約45kmにあるこの地点(Beuvron川沿いのNeung)がノウィオドゥーヌムであると推定されている。上空からは、ガッリア時代の城塞都市跡の輪郭が見て取れるという。しかしながら、ボイイ族からは遠い位置にある。]]
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/12節]] {{進捗|00%|2026-02-02}}</span>
;ビトゥリゲース族のノウィオドゥーヌムを降すが、敵の騎兵が来援
:
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:Vercingetorix#Latin|Vercingetorix]], ubi de Caesaris [[wikt:en:adventus#Latin|adventu]] [[wikt:en:cognovit#Latin|cognovit]],
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は、カエサルの到来について知るや否や、
*[[wikt:en:oppugnatio#Latin|oppugnatione]] <u>destitit</u>
**<small>(ボイイー族の城塞都市ゴルゴビナの)</small>攻略を取り止めて、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、<br> α系写本では [[wikt:en:destitit|destitit]]<sub> (完了形)</sub> だが、<br> β系写本や印刷本では [[wikt:en:desistit#Latin|desistit]]<sub> (現在形)</sub> となっている。)</span>
*atque [[wikt:en:obviam#Adverb|obviam]] Caesari [[wikt:en:proficiscitur|proficiscitur]].
**カエサルの方に向かって進発する。
:
*<!--❷--><sup>(2)</sup> Ille oppidum [[wikt:en:Biturigēs|Biturigum]] [[wikt:en:positus#Latin|positum]] in via [[wikt:en:Noviodunum#Latin|Noviodunum]] [[wikt:en:oppugnare#Latin|oppugnare]] [[wikt:en:instituerat|instituerat]].
**彼<small>〔カエサル〕</small>は、途中に位置しているビトゥリゲース族の[[w:オッピドゥム|城塞都市]]ノウィオドゥーヌムの攻略を決めていた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:どこへの途中なのか明記されていないため、その解釈により場所についての解釈が変わるようである。)</span>
:
; カエサルの城塞都市ノウィオドゥーヌムへの降伏条件
*<!--❸--><sup>(3)</sup> [[wikt:en:qui#Determiner|Quo]] ex oppido
**その城塞都市から
*cum legati ad eum [[wikt:en:venissent|venissent]] [[wikt:en:oratum#Verb|oratum]] ut sibi [[wikt:en:ignosceret|ignosceret]] suaeque vitae [[wikt:en:consuleret|consuleret]],
**使節たちが彼<small>〔カエサル〕</small>のもとへ、自分たちを容赦して生命を助けるように嘆願するために、やって来たときに、
*ut celeritate reliquas res [[wikt:en:conficeret|conficeret]], [[wikt:en:qui#Determiner|qua]] [[wikt:en:pleraque#Latin|pleraque]] erat [[wikt:en:consecutus#Latin|consecutus]],
**<small>(カエサルは)</small>多くのことを実行してきた迅速さによって、ほかの事を成し遂げるために、
*arma [[wikt:en:conferri|conferri]],
**武具が運び集められること、
*[[wikt:en:quus#Latin|equos]] [[wikt:en:produci#Verb_2|produci]],
**馬匹が引き渡されること、
*obsides [[wikt:en:dari#Latin|dari]] [[wikt:en:iubet#Latin|iubet]].
**人質が供出されること、を命じる。
:
*<!--❹--><sup>(4)</sup> Parte iam obsidum [[wikt:en:traditus#Participle|tradita]],
**すでに人質の一部が移送されて、
*cum [[wikt:en:reliqua#Latin|reliqua]] [[wikt:en:administrarentur|administrarentur]],
**残り<small>(の人質たち)</small>が処置されていたときに、
*[[wikt:en:centurio#Latin|centurionibus]] et paucis [[wikt:en:miles#Latin|militibus]] [[wikt:en:intromissus#Latin|intromissis]], qui arma [[wikt:en:iumentum#Latin|iumenta]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:conquirerent|conquirerent]],
**<ruby><rb>[[w:ケントゥリオ|百人隊長]]</rb><rp>(</rp><rt>ケントゥリオ</rt><rp>)</rp></ruby>たちや若干の兵士たちが、武器や[[w:使役動物|役畜]]を探し集めるべく<small>(城塞都市の中に)</small>送り込まれていたのだが、
*[[wikt:en:equitatus#Noun|equitatus]] hostium procul [[wikt:en:visus#Latin|visus]] est, qui [[wikt:en:agmen#Latin|agmen]] [[wikt:en:Vercingetorix#Latin|Vercingetorigis]] [[wikt:en:antecesserat|antecesserat]].
**ウェルキンゲトリークスの隊列に先行していた敵の[[w:騎兵|騎兵隊]]が遠くに望見された。
:
; ウェルキンゲトリークスの来援に気づいた城塞の者たちが、籠城に転じる
*<!--❺--><sup>(5)</sup> Quem [[wikt:en:simulatque|simulatque]] [[wikt:en:oppidanus#Noun|oppidani]] [[wikt:en:conspexerunt|conspexerunt]] atque in [[wikt:en:spes#Latin|spem]] [[wikt:en:auxilium#Latin|auxilii]] [[wikt:en:venerunt|venerunt]],
**それ<small></small>を城塞都市の者たちが視認して、救援の希望を抱くや否や、
*[[wikt:en:clamor#Latin|clamore]] [[wikt:en:sublatus#Etymology_1|sublato]]
**雄叫びを上げて、
*arma capere,
**武具を取ること、
*portas [[wikt:en:claudere#Etymology_1|claudere]],
**城門を閉じること、
*[[wikt:en:murus#Latin|murum]] [[wikt:en:complere|complere]] [[wikt:en:coeperunt|coeperunt]].
**城壁を<small>(兵で)</small>満たすこと、を始めた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:sublato は [[wikt:en:tollo|tollo]] の分詞)</span>
: <!-- [[wikt:en:| -->
; 城塞民たちの心変わりに感づいたローマ人の将兵たちが城外に撤収する
*<!--❻--><sup>(6)</sup> [[wikt:en:centurio#Latin|Centuriones]] in oppido,
**城塞都市の中の<small>(カエサルの配下の)</small>百人隊長たちは、
*cum ex [[wikt:en:significatio#Latin|significatione]] Gallorum [[wikt:en:novus#Latin|novi]] [[wikt:en:aliquis#Latin|aliquid]] ab iis [[wikt:en:iniri#Latin|iniri]] consilii [[wikt:en:intellexissent|intellexissent]],
**ガッリア人たちの兆候から、彼らによる何らかの新たな謀りごとが始められていると察知していたので、
*[[wikt:en:gladius#Latin|gladiis]] [[wikt:en:destrictus#Latin|destrictis]]
**<ruby><rb>[[w:グラディウス (武器)|長剣]]</rb><rp>(</rp><rt>グラディウス</rt><rp>)</rp></ruby> を抜いて、
*portas [[wikt:en:occupaverunt|occupaverunt]]
**城門を占拠して、
*suosque omnes [[wikt:en:incolumis#Latin|incolumes]] [[wikt:en:receperunt|receperunt]].
**配下たち皆を無傷なままで退却させた。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===13節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/13節]] {{進捗|00%|2026-02-15}}</span>
[[画像:Caesar's_campaign_to_Noviodunum_in_52BC.png|thumb|right|250px|ノウィオドゥーヌムに至るカエサルの進路(青線)および[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]の進路(赤線)。青字名は親ローマ部族、赤字名は反ローマ部族。カエサルはアゲディンクムを発してからウェッラウノドゥーヌム、ケナブム、ノウィオドゥーヌムを続けて降し、ボイイー族のゴルゴビナ攻略を諦めたウェルキンゲトリークスもノウィオドゥーヌム来援に駆けつけて来た。ここに、初めて両軍が騎兵戦で激突することになった。]]
;同盟軍の騎兵を撃退、城塞都市を再び降して、アウァーリクム攻めに向かう
:
; カエサルが、騎兵戦の切り札としてゲルマーニア騎兵を繰り出す
*<!--❶--><sup>(1)</sup> Caesar ex castris [[wikt:en:equitatus#Latin|equitatum]] [[wikt:en:educi#Latin|educi]] [[wikt:en:iubet#Latin|iubet]],
**カエサルは、陣営から[[w:騎兵|騎兵隊]]を進発させることを命じて、
*<u>[[wikt:en:proelium#Latin|proelium]]</u> [[wikt:en:equester#Latin|equestre]] [[wikt:en:committit|committit]];
**<small>(ウェルキンゲトリークス勢と)</small>騎兵戦を交える。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、<br> α系写本では proelium だが、<br> β系写本では proelium<u>que</u> となっている。)</span>
*[[wikt:en:laborans#Latin|laborantibus]] iam suis
**配下の者たちがすでに苦戦していたときに、
*[[wikt:en:Germanus#Adjective|Germanos]] [[wikt:en:eques#Latin|equites]] circiter CCCC([[wikt:en:quadringentos|quadringentos]]) [[wikt:en:submittit|submittit]],
**<small>(カエサルは)</small>[[w:ゲルマニア|ゲルマーニア]]人の騎兵たち約400騎を救援に派遣する。
*quos ab [[wikt:en:initium#Latin|initio]] <u>habere [[wikt:en:secum#Latin|secum]]</u> [[wikt:en:instituerat|instituerat]].
**その者らは<small>(戦いの)</small>当初から自分のそばに保持すると決めていたものであった。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、<br> χ系・B・M・S写本では habere secum だが、<br> β系・L・N写本では secum habere となっている。)</span>
:
; ゲルマーニア騎兵が、ウェルキンゲトリークス配下の騎兵を一蹴する
*<!--❷--><sup>(2)</sup> Eorum [[wikt:en:impetus#Latin|impetum]] [[wikt:en:Galli#Latin|Galli]] [[wikt:en:sustineo#Latin|sustinere]] non [[wikt:en:potuerunt|potuerunt]]
**彼ら<small>〔ゲルマーニア人騎兵〕</small>の突撃に<small>(敵側の)</small>ガッリア人たちは持ちこたえることができず、
*atque in fugam [[wikt:en:coniectus#Participle|coniecti]]
**敗走に追いやられて、
*multis [[wikt:en:amissus#Latin|amissis]]
**大勢の者を失い、
*se ad [[wikt:en:agmen#Latin|agmen]] [[wikt:en:receperunt|receperunt]].
**<small>(後方にいたウェルキンゲトリークスの)</small>隊列に退却した。
:
; 城塞都市ノウィオドゥーヌムがカエサルの軍門に降る
*Quibus [[wikt:en:profligatus#Latin|profligatis]],
**彼ら<small>〔ウェルキンゲトリークスの騎兵隊〕</small>が制圧されると、
*rursus [[wikt:en:oppidanus#Noun|oppidani]] [[wikt:en:perterritus#Latin|perterriti]]
**[[w:オッピドゥム|城塞都市]]<small>〔ノウィオドゥーヌム〕</small>の者たちは再び怖れをなして、
*[[wikt:en:comprehensus#Latin|comprehensos]] eos, quorum [[wikt:en:opera#Latin|opera]] [[wikt:en:plebs#Latin|plebem]] [[wikt:en:concitatus#Latin|concitatam]] [[wikt:en:existimabant|existimabant]],
**その働きかけによって民衆を扇動したと<small>(城塞の民が)</small>考えていたところの者たちを拘束して、
*ad Caesarem [[wikt:en:perduxerunt|perduxerunt]]
**カエサルのもとへ連行して、
*seseque ei [[wikt:en:dediderunt|dediderunt]].
**自分たちも彼<small>〔カエサル〕</small>に降伏した。
: <!-- [[wikt:en:| -->
; カエサルが、ビトゥリゲース族の城塞都市アウァーリクムを目指す
*<!--❸--><sup>(3)</sup> Quibus rebus [[wikt:en:confectus#Latin|confectis]],
**それらの事が成し遂げられると、
*Caesar ad oppidum [[wikt:en:Avaricum#Latin|Avaricum]],
**カエサルは、[[w:オッピドゥム|城塞都市]]アウァーリクムへ、
*quod erat [[wikt:en:maximus#Latin|maximum]] [[wikt:en:munitissimus#Latin|munitissimum]]<nowiki>que</nowiki> in finibus [[wikt:en:Bituriges#Latin|Biturigum]] atque [[wikt:en:ager#Latin|agri]] [[wikt:en:fertilissimus#Latin|fertilissima]] [[wikt:en:regio#Latin|regione]],
**──それはビトゥリゲース族の領土で耕地の最も肥沃な地方にあり、最大かつ最も要塞化されていたが、──
*[[wikt:en:profectus#Etymology_3|profectus]] est,
**<small>(そこへ)</small>出発した。
*quod eo oppido [[wikt:en:receptus#Latin|recepto]]
**──というのは、その城塞都市を獲得することで、
*[[wikt:en:civitas#Latin|civitatem]] [[wikt:en:Bituriges#Latin|Biturigum]] se in [[wikt:en:potestas#Latin|potestatem]] [[wikt:en:redacturus#Latin|redacturum]] [[wikt:en:confidebat|confidebat]].
**ビトゥリゲースの部族国家を<small>(カエサルの)</small>隷下に引き戻すであろうと、確信していたからである──。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
==アウァーリクム攻略戦==
===14節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/14節]] {{進捗|00%|2026-03-08}}</span>
;ウェルキンゲトリークスが兵站妨害と焦土戦術を決断
:
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:Vercingetorix#Latin|Vercingetorix]] tot [[wikt:en:continuus#Latin|continuis]] [[wikt:en:incommodum#Latin|incommodis]] [[wikt:en:Vellaunodunum#Latin|Vellaunoduni]], [[wikt:en:Genabum#Latin|Cenabi]], [[wikt:en:Noviodunum#Latin|Novioduni]] [[wikt:en:acceptus#Latin|acceptis]]
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は、ウェッラウノドゥーヌム、ケナブム、ノウィオドゥーヌムと、このような多くの引き続く敗北をこうむると、
*suos ad [[wikt:en:concilium#Latin|concilium]] [[wikt:en:convocat#Latin|convocat]].
**麾下の者たちを会合へ召集する。
: <!-- [[wikt:en:| -->
; ウェルキンゲトリークスが、ローマ勢の糧道を断つことを提言
*<!--❷--><sup>(2)</sup> [[wikt:en:docet|Docet]] longe alia ratione esse bellum [[wikt:en:gerendus#Latin|gerendum]] atque antea [[wikt:en:gestus#Participle|gestum]] sit.
**以前に遂行されていたのとはまったく別の作戦で戦争が遂行されるべきである、と説く。
*Omnibus [[wikt:en:modus#Latin|modis]] huic rei studendum, ut [[wikt:en:pabulatio#Latin|pabulatione]] et [[wikt:en:commeatus#Noun|commeatu]] Romani [[wikt:en:prohibeantur|prohibeantur]].
**ローマ人たちが[[w:糧秣|糧秣]]徴発と物資輸送を妨げられるべく、この事をあらゆる方法で追求するべきだ。
:
*<!--❸--><sup>(3)</sup> Id esse facile,
**そのことは、容易である。
*quod [[wikt:en:equitatus#Latin|equitatu]] ipsi [[wikt:en:abundent#Latin|abundent]]
**というのは<small>(我々ガッリア勢)</small>自身は[[w:騎兵|騎兵隊]]がたくさんおり、
*et quod anni tempore [[wikt:en:subleventur|subleventur]].
**<small>(冬という)</small>時季に支えられているのだから。
:
; ローマ人が穀物倉に群がるところを騎兵で襲撃するべし
*<!--❹--><sup>(4)</sup> [[wikt:en:pabulum#Latin|Pabulum]] [[wikt:en:secari|secari]] non posse;
**<small>(この時季には)</small><ruby><rb>[[w:秣|秣]]</rb><rp>(</rp><rt>まぐさ</rt><rp>)</rp></ruby> は刈り取られることができない。
*[[wikt:en:necessario#Adverb|necessario]] [[wikt:en:dispersus#Latin|dispersos]] hostes ex [[wikt:en:aedificium#Latin|aedificiis]] [[wikt:en:petere|petere]];
**敵たち<small>〔ローマ勢〕</small>はやむなく分散して、家屋から<small>(糧秣を)</small>求める。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ほとんどの会話が間接話法を採る本書で、<br> ローマ勢が「敵」hostes と表現されることは極めてまれである。)</span>
*hos omnes [[wikt:en:cotidie#Latin|cotidie]] ab [[wikt:en:eques#Latin|equitibus]] <u>deleri</u> posse.
**これら皆を日々に<small>(ガッリア側の)</small>騎兵隊によって壊滅させることができる。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、β系写本では [[wikt:en:deleri|deleri]]「滅ぼされる」だが、<br> α系写本では [[wikt:en:diligi#Latin|diligi]]「分断される」となっている。)</span>
:
; 焦土戦術をもって、ローマ人と軍馬を飢えさせるべし
*<!--❺--><sup>(5)</sup> Praeterea [[wikt:en:salus#Latin|salutis]] causa rei [[wikt:en:familiaris#Adjective|familiaris]] [[wikt:en:commodum#Latin|commoda]] [[wikt:en:neglegendus#Latin|neglegenda]];
**さらに<small>(同盟諸部族に共通の)</small>安全のために、私有資産の利益はなおざりにされるべきだ。
*[[wikt:en:vicus#Latin|vicos]] atque [[wikt:en:aedificium#Latin|aedificia]] [[wikt:en:incendi#Verb_2|incendi]] [[wikt:en:oportet#Latin|oportere]]
**<small>(以下のような領域の)</small>村々や建物は焼かれるべきだ。
*hoc spatio ab Boia quoque versus, quo [[wikt:en:pabulandi#Verb|pabulandi]] causa [[wikt:en:adire#Latin|adire]] posse [[wikt:en:videantur|videantur]].
**[[w:ボイイ族|ボイイー族]]のところから四方八方へ糧秣徴発するために赴くことができると思われる領域では。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:主要写本ω にある ab Boia「ボイイー族のところから」は、<br> 現代では「街道から」ab via と修正読みされることが多い。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:quoque#Latin|quōque]] [[wikt:en:versus#Adverb|versus]] = [[wikt:en:quisque#Latin|quōquō]] versus「あらゆる方向へ」)</span>
[[画像:Eglise_saint_parize_le_chatel.jpg|thumb|right|250px|ボイイ族(Boii)の領内であったと思われる現在のサン=パリーズ=ル=シャテルの教会。ボイイー族の首邑ゴルゴビナは、[[w:ニエーヴル県|ニエーヴル県]]のサン=パリーズ=ル=シャテル([[w:en:Saint-Parize-le-Châtel|Saint-Parize-le-Châtel]])あるいは[[w:シェール県|シェール県]]のラ・ゲルシュ=スュル=ローボワ([[w:en:La Guerche-sur-l'Aubois|La Guerche-sur-l'Aubois]])の近辺にあったと推定されている。]]
:
*<!--❻--><sup>(6)</sup> Harum ipsis rerum copiam [[wikt:en:suppeto#Latin|suppetere]],
**<small>(ガッリア勢)</small>自身には、これらの物は、豊富に貯えてある。
*quod quorum in finibus bellum [[wikt:en:geratur|geratur]], eorum [[wikt:en:ops#Noun_4|opibus]] [[wikt:en:subleventur|subleventur]];
**──というのは、戦争が遂行される領土内の者たちの、彼らの助力に支えられているからだ。──
:
*<!--❼--><sup>(7)</sup> Romanos <u>aut</u> [[wikt:en:inopia#Latin|inopiam]] non [[wikt:en:laturus#Latin|laturos]] <span style="color:#009900;">(esse)</span>
**ローマ人たちは、あるいは<small>(糧食の)</small>欠乏に耐えられないであろうし、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:aut#Latin|aut]] ~ aut …「あるいは~あるいは…」)</span>
*<u>aut</u> magno <u>cum</u> periculo longius <u>ab</u> castris [[wikt:en:processurus#Latin|processuros]] <span style="color:#009900;">(esse)</span>;
**あるいは大きな危険とともに陣営からより遠くに進み出るであろう。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:cum は、ρ系写本・写本Tの記述で、<br> α系写本・写本Vにはない。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ab は、α系・ρ系写本・写本Vの記述で、写本Tでは a となっている。)</span>
:
*<!--❽--><sup>(8)</sup> neque [[wikt:en:interesse#Latin|interesse]], ipsos<u>ne</u> [[wikt:en:interficiant|interficiant]], [[wikt:en:impedimentum#Latin|impedimentis]]<u><nowiki>ne</nowiki></u> [[wikt:en:exuant|exuant]],
**<small>(ローマ人の)</small>当人たちを殺戮するか、輜重を奪い取るか、<small>(どちらであろうが)</small>違いはない。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:-ne#Latin|-ne]] は疑問小辞。~ -ne, … -ne 「~か、…か」)</span>
*quibus [[wikt:en:amissus#Latin|amissis]] bellum [[wikt:en:geri#Latin|geri]] non [[wikt:en:possit|possit]].
**それら<small>〔輜重〕</small>を失えば、戦争を遂行することができないのだから。
:
*<!--❾--><sup>(9)</sup> Praeterea oppida [[wikt:en:incendi#Verb_2|incendi]] [[wikt:en:oportet#Latin|oportere]],
**さらに、<small>(以下のような)</small>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]は焼かれなければならない。
*quae non [[wikt:en:munitio#Latin|munitione]] et loci natura <u>ab omni</u> sint <u>periculo</u> [[wikt:en:tutus#Latin|tuta]],
**防塁や地勢によってあらゆる危険から守られていない<small>(城塞都市は)</small>。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ab [[wikt:en:omni#Latin|omni]] [[wikt:en:periculum#Latin|periculo]] 「あらゆる危険から」)</span>
*<u>neu</u> suis sint ad <u>detrectandam</u> [[wikt:en:militia#Latin|militiam]] [[wikt:en:receptaculum#Latin|receptacula]]
**麾下の者たちにとっては<small>(城塞都市が)</small>[[w:兵役逃れ|兵役を忌避すること]]のための隠れ場所になることがないように、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:neu#Latin|neu]] は α系写本の記述で、β系写本では [[wikt:en:ne#Latin|ne]] となっている。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:detrectandam|detrectandam]] は α系・ρ系写本の表記で、π系写本では [[wikt:en:detractandam|detractandam]] となっている。)</span>
*neu [[wikt:en:Romani#Latin|Romanis]] [[wikt:en:propositus#Latin|proposita]] ad [[wikt:en:copia#Latin|copiam]] [[wikt:en:commeatus#Noun|commeatus]] [[wikt:en:praeda#Latin|praedam]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:tollendus#Latin|tollendam]],
**ローマ人たちにとって<small>(城塞都市が)</small>豊富な物資や戦利品を奪うための置き場所ともならないように。
:
*<!--❿--><sup>(10)</sup> Haec si [[wikt:en:gravis#Latin|gravia]] aut [[wikt:en:acerbus#Latin|acerba]] [[wikt:en:videantur|videantur]],
**もし、これら<small>(の作戦)</small>が厳しい、または苦しいと見えるとしても、
*multo illa [[wikt:en:graviter#Latin|gravius]] <u>aestimare</u>, [[wikt:en:liber#Noun_6|liberos]], [[wikt:en:coniunx#Latin|coniuges]] in [[wikt:en:servitus#Latin|servitutem]] [[wikt:en:abstrahi|abstrahi]], ipsos [[wikt:en:interfici|interfici]];
**それより、子供や配偶者たちが奴隷状態で連れ去られ、自身が殺されることの方が、はるかに厳しいと判断されるべきだ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:aestimare|aestimare]] だが、 <br> β系写本では [[wikt:en:aestimari|aestimari]] [[wikt:en:debere|debere]] となっている。)</span>
*quae sit [[wikt:en:necesse#Latin|necesse]] [[wikt:en:accido#Etymology_1|accidere]] [[wikt:en:victus#Participle|victis]].
**それらのことは、打ち負かされた者たちには、起こることが必然なのである。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===15節===
[[画像:Bourges_-_002_-_Low_Res.jpg|thumb|right|300px|'''アウァーリクム'''(Avaricum)すなわちビトゥリゲース族(Bituriges)の名を残すともいわれる現在の[[w:ブールジュ|ブールジュ]](Bourges)の[[w:サン=テチエンヌ大聖堂 (ブールジュ)|サン=テティエンヌ大聖堂]]([[w:世界遺産|世界遺産]])。この街はガッリア時代からこの地方の中心的な城塞都市であり、現代ではそれほど大都会ではないが、世界遺産の大聖堂や音楽祭などで広く知られている。]]
[[画像:Bourges.JPG|thumb|right|300px|アウァーリクムすなわち[[w:ブールジュ|ブールジュ]]の大聖堂から眺めた街並み。'''ビトゥリゲース族'''はかつてはイタリア北部に移住したこともある強大な部族で、この当時はブルディガラ(Burdigala:現在の[[w:ボルドー|ボルドー]])周辺にいたビトゥリゲース・ウィウィスキ族(Bituriges Vivisci)およびアウァーリクム周辺にいた'''ビトゥリゲース・クビ族'''(Bituriges Cubi)の二派に分かれていた。『ガリア戦記』に登場するのはビトゥリゲース・クビ族の方である。]]
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/15節]] {{進捗|00%|2026-03-08}}</span>
;焦土戦術開始、しかしアウァーリクムの防衛を決定
:
; 焦土戦術として、ビトゥリゲース族の街々が焼かれる
*<!--❶--><sup>(1)</sup> Omnium [[wikt:en:consensus#Latin|consensu]]
**<small>(会合の参加者)</small>全員の合意により
*hac [[wikt:en:sententia#Latin|sententia]] [[wikt:en:probatus#Latin|probata]],
**<small>(ウェルキンゲトリークスの)</small>この意向が承認されると、
*uno die [[wikt:en:amplius|amplius]] [[wikt:en:viginti|viginti]]<sub> (XX)</sub> [[wikt:en:urbs#Latin|urbes]] [[wikt:en:Bituriges#Latin|Biturigum]] [[wikt:en:incenduntur|incenduntur]].
**一日で、20より多いビトゥリゲース族の街々が焼かれる。
:
; ほかの諸部族の街々も焼かれる
*<!--❷--><sup>(2)</sup> Hoc idem fit in reliquis [[wikt:en:civitas#Latin|civitatibus]]:
**これと同じことが、ほかの諸部族でも行なわれて、
*in omnibus partibus
**あらゆる方面において、
*[[wikt:en:incendium#Latin|incendia]] [[wikt:en:conspiciuntur|conspiciuntur]];
**炎上が望見される。
*quae <u>etsi</u> magno cum [[wikt:en:dolor#Latin|dolore]] omnes [[wikt:en:ferebant|ferebant]],
**それらの皆が大きな悲嘆とともに耐えていたとしても、
*<u>tamen</u> hoc sibi [[wikt:en:solacium#Latin|solacii]] [[wikt:en:proponebant|proponebant]],
**しかし、自分らにとっての<small>(以下の)</small>慰めを抱いていた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:etsi#Latin|etsi]] ~ [[wikt:en:tamen#Latin|tamen]] …<br> 「~としても、にもかかわらず…」)</span>
*quod se prope [[wikt:en:exploratus#Latin|explorata]] [[wikt:en:victoria#Latin|victoria]]
**勝利はほぼ確実なものとされて、
*celeriter [[wikt:en:amissus#Latin|amissa]] [[wikt:en:reciperaturus#Latin|reciperaturos]] <span style="color:#009900;">(esse)</span>
**失ったものを速やかに回復するであろう、
*[[wikt:en:confidebant|confidebant]].
**と確信していたことである。
:
; アウァーリクムは、焦土戦術か、それとも防衛すべきか?
*<!--❸--><sup>(3)</sup> [[wikt:en:deliberatur|Deliberatur]] de [[wikt:en:Avaricum#Latin|Avarico]] in [[wikt:en:communis#Latin|communi]] [[wikt:en:concilium#Latin|concilio]], [[wikt:en:incendi#Latin|incendi]] <u>placeret</u> an [[wikt:en:defendi#Latin|defendi]].
**合同の会合において、アウァーリクムについて (も) 焼き討ちが良いか、あるいは防衛か、が吟味される。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:placeret|placeret]]<sub> (接続法・未完了過去)</sub> だが、<br> β系写本では [[wikt:en:placeat|placeat]]<sub> (接続法・現在)</sub> となっている。)</span>
:
; ビトゥリゲース族が、要害であるアウァーリクムの防衛を懇願する
*<!--❹--><sup>(4)</sup> [[wikt:en:procumbunt|Procumbunt]] omnibus Gallis ad pedes [[wikt:en:Bituriges#Latin|Bituriges]],
**<small>(会合に参加していた)</small>すべてのガッリア人の足元へ、ビトゥリゲース族の者たちはひれ伏す。
*ne [[wikt:en:pulcherrimus#Latin|pulcherrimam]] prope <u>[[wikt:en:totus#Latin|totius]] Galliae</u> [[wikt:en:urbs#Latin|urbem]], quae <u>et</u> [[wikt:en:praesidium#Latin|praesidio]] et [[wikt:en:ornamentum#Latin|ornamento]] sit [[wikt:en:civitas#Latin|civitati]],
**ほぼ全ガッリアの街々で最も美しいもの、部族にとっては要害でも誉れでもあるものを、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:totius Galliae は α系写本の語順で、β系写本では Galliae totius となっている。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:et は β系写本にはあるが、α系写本にはない。)</span>
*suis manibus [[wikt:en:succendo#Latin|succendere]] [[wikt:en:cogerentur|cogerentur]];
**自分たちの手で燃やすことを強いられないように、と(懇願した)。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ne ~ cogerentur;~を強いられないように)</span>
:
; アウァーリクムの地の利
*<!--❺--><sup>(5)</sup> facile se loci natura [[wikt:en:defensurus#Latin|defensuros]] [[wikt:en:dicunt|dicunt]],
**自分たちは<small>(アウァーリクムを)</small>地勢によって容易に防衛するだろう、と述べる。
*quod prope ex omnibus partibus [[wikt:en:flumen#Latin|flumine]] et [[wikt:en:palus#Latin|palude]] [[wikt:en:circumdatus#Latin|circumdata]]
**というのは<small>(アウァーリクムは)</small>ほぼあらゆる方向から川や沼地で囲まれており、
*unum habeat et [[wikt:en:perangustus#Latin|perangustum]] [[wikt:en:aditus#Latin|aditum]].
**一つだけ、非常に狭い進入路を持っているからだ。
[[画像:Bourges_2.JPG|thumb|right|300px|アウァーリクムすなわち[[w:ブールジュ|ブールジュ]]の大聖堂から眺めた沼地。イェーヴル川([[w:fr:Yèvre (Cher)|fr:Yèvre]])と沼地は、カエサルが書いたようにガッリア時代からこの街を囲んでいる。]]
:
; アウァーリクムの防衛が認められる
*<!--❻--><sup>(6)</sup> [[wikt:en:datur#Latin|Datur]] [[wikt:en:petens#Latin|petentibus]] [[wikt:en:venia#Latin|venia]]
**<small>(アウァーリクムの防衛を)</small>求める者たちに許可が与えられる。
*[[wikt:en:dissuadens#Latin|dissuadente]] primo [[wikt:en:Vercingetorix#Latin|Vercingetorige]],
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は当初は思い止まらせていたが、
*post [[wikt:en:concedens#Latin|concedente]] et [[wikt:en:prex#Latin|precibus]] ipsorum et [[wikt:en:misericordia#Latin|misericordia]] [[wikt:en:vulgus#Latin|vulgi]].
**後には、彼ら当人の懇願にも、民衆への哀れみにも、譲歩した。
*[[wikt:en:defensor#Latin|Defensores]] [[wikt:en:oppidum#Latin|oppido]] [[wikt:en:idoneus#Latin|idonei]] [[wikt:en:deliguntur|deliguntur]].
**城塞都市の適切な防衛者たちが選ばれる。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===16節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/16節]] {{進捗|00%|2026-03-22}}</span>
;アウァーリクムをめぐる両軍の駆け引き
:
; ウェルキンゲトリークスが、アウァーリクムから16マイル離れたところに宿営する
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:Vercingetorix#Latin|Vercingetorix]] [[wikt:en:minor#Latin|minoribus]] Caesarem [[wikt:en:iter#Latin|itineribus]] [[wikt:en:subsequitur|subsequitur]]
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は、カエサルを緩やかな行軍で追尾して、
*et locum [[wikt:en:castra#Latin|castris]] [[wikt:en:eligit#Latin|deligit]] [[wikt:en:palus#Latin|paludibus]] [[wikt:en:silva#Latin|silvis]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:munitus#Latin|munitum]]
**沼地や森林で防御された地点を陣営のために選んだ。
*ab [[wikt:en:Avaricum#Latin|Avarico]] longe milia passuum [[wikt:en:sedecim#Latin|sedecim]]<sub> (XVI)</sub>.
**アウァーリクムから16<u>ローママイル</u>隔たっていた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:1[[ガイウス・ユリウス・カエサルの著作/通貨・計量単位#ミーッレ・パッスーム、ミーリア(ローママイル)|ローママイル]]は約1.48 kmで、16マイルは約24 km)</span>
:
; ウェルキンゲトリークスが、斥候を放ってアウァーリクムを探り、部下たちに指図する
*<!--❷--><sup>(2)</sup> Ibi per [[wikt:en:certus#Latin|certos]] [[wikt:en:explorator#Latin|exploratores]]
**そこで、一定の斥候たちを通して、
*in [[wikt:en:singulus#Latin|singula]] diei tempora, quae ad [[wikt:en:Avaricum#Latin|Avaricum]] <u>agerentur</u>, [[wikt:en:cognoscebat|cognoscebat]]
**日中の毎時、アウァーリクム近傍で行なわれていることを探知して、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:agerentur|agerentur]] だが、<br> β系写本では [[wikt:en:gererentur|gererentur]] となっている。)</span>
*et, [[wikt:en:quis#Latin|quid]] [[wikt:en:fieri#Latin|fieri]] [[wikt:en:vellet#Latin|vellet]], [[wikt:en:imperabat|imperabat]].
**<small>(彼自身が)</small>なされることを欲していることを<small>(麾下の者たちに)</small>命令していた。
:
; ウェルキンゲトリークスとローマ勢の糧秣調達をめぐる攻防
*<!--❸--><sup>(3)</sup> Omnes nostras [[wikt:en:pabulatio#Latin|pabulationes]] [[wikt:en:frumentatio#Latin|frumentationes]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:observabat|observabat]]
**我が方<small>〔ローマ勢〕</small>の[[w:糧秣|秣や糧食]]の徴発の一部始終を注視していて、
*[[wikt:en:dispersus#Latin|dispersos]]<nowiki>que</nowiki>, cum longius necessario [[wikt:en:procederent|procederent]], [[wikt:en:adoriebatur|adoriebatur]]
**<small>(ローマ勢が)</small>分散して、やむを得ずにはるか遠くに進み出たときに、<small>(ガッリア勢が)</small>襲いかかって、
*[[wikt:en:magnus#Latin|magno]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:incommodum#Latin|incommodo]] [[wikt:en:adficiebat|adficiebat]],
**<small>(ローマ勢に)</small>大きな損害を与えていた。
*[[wikt:en:etsi#Latin|etsi]], quantum [[wikt:en:ratio#Latin|ratione]] [[wikt:en:provideri|provideri]] [[wikt:en:poterat|poterat]], ab nostris [[wikt:en:occurrebatur|occurrebatur]],
**とはいえ、できるかぎり用心する判断により<small>(敵の襲撃を)</small>我が方<small>〔ローマ勢〕</small>によって阻止していた。
*ut [[wikt:en:incertus#Latin|incertis]] temporibus [[wikt:en:diversus#Latin|diversis]]<nowiki>que</nowiki> itineribus [[wikt:en:iretur|iretur]].
**不確定な時間帯にまったく別々の道を行き来するというように。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===17節===
[[画像:Carte_du_Cher.svg|thumb|right|250px|アウァーリクム、すなわち現在の[[w:ブールジュ|ブールジュ市]](Bourges)のあるフランス・[[w:シェール県|シェール県]]の地図。中心にブールジュがあり、右下(南東)のラ・ゲルシュ=スュル=ローボワ([[w:en:La Guerche-sur-l'Aubois|La Guerche-sur-l'Aubois]])の近辺にボイイー族の首邑ゴルゴビナ(Gorgobina)があったと推定されている。右(東)隣の[[w:ニエーヴル県|ニエーヴル県]](Nièvre)が[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の版図であった。]]
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/17節]] {{進捗|00%|2026-03-28}}</span>
;アウァーリクム攻囲に取りかかるローマ軍の糧秣欠乏
:
; カエサルが、アウァーリクム攻囲のための堡塁工事に着手
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:castra#Latin|Castris]] ad eam partem [[wikt:en:oppidum#Latin|oppidi]] [[wikt:en:positus#Participle|positis]] Caesar,
**カエサルは、[[w:オッピドゥム|城塞都市]]の<small>(以下に述べるような)</small>方面に陣営を設置して、
*quae [[wikt:en:intermissus#Latin|intermissa]] a flumine et a <u>paludibus</u>
**──<small>(その方面は)</small>川や沼地により<small>(外部から)</small>遮断されて、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:paludibus|paludibus]] だが、<br> β系写本では [[wikt:en:palude#Latin|palude]] となっている。)</span>
*[[wikt:en:aditus#Noun_3|aditum]], ut supra [[wikt:en:diximus#Latin|diximus]], [[wikt:en:angustus#Latin|angustum]] [[wikt:en:habebat|habebat]],
**<u>前に述べたように</u>、狭い進入路を持っているというものであるが、──
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[#15節|15節]]⑤項では、<br> ほぼあらゆる方向から川や沼地で囲まれており、<br> 一つだけ、非常に狭い進入路を持っている、<br> と言及された。)</span>
*[[wikt:en:agger#Latin|aggerem]] [[wikt:en:apparare#Latin|apparare]],
**<small>(さらに)</small><ruby><rb>[[w:土塁|土塁]]</rb><rp>(</rp><rt>アッゲル</rt><rp>)</rp></ruby> を装備すること、
*[[wikt:en:vinea#Latin|vineas]] [[wikt:en:ago#Latin|agere]],
**<ruby><rb>[[w:ウィネア|工作小屋]]</rb><rp>(</rp><rt>ウィネア</rt><rp>)</rp></ruby> を駆動すること、
*[[wikt:en:turris#Latin|turres]] duas [[wikt:en:constituo#Latin|constituere]] [[wikt:en:coepit|coepit]];
**2つの<ruby><rb>[[w:攻城塔|攻城櫓]]</rb><rp>(</rp><rt>トゥッリス</rt><rp>)</rp></ruby> を建てること、を始めた。
*nam [[wikt:en:circumvallo#Latin|circumvallare]] loci natura [[wikt:en:prohibebat|prohibebat]].
**なぜなら<small>(城塞都市を)</small>堡塁で囲むことを地勢が妨げていたからだ。
<div style="text-align:center;">
{|
|-
|[[画像:Caesar's Gallic war; (Allen and Greenough's ed.) (1898) (14781415375).jpg|thumb|right|350px|城壁(図中の左端)を攻略するために築かれた<ruby><rb>土塁</rb><rp>(</rp><rt>アッゲル</rt><rp>)</rp></ruby> の復元画([[ガリア戦記_第2巻#12節|第2巻12節]]で既出)。左上には、両軍の<ruby><rb>[[w:攻城塔|攻城櫓]]</rb><rp>(</rp><rt>トゥッリス</rt><rp>)</rp></ruby>が描かれている。]]
|[[画像:Bender - Vinea.JPG|thumb|right|350px|<ruby><rb>工作小屋</rb><rp>(</rp><rt>ウィネア</rt><rp>)</rp></ruby> [[wikt:en:vinea|vinea]] の復元画([[ガリア戦記_第2巻#12節|第2巻12節]]で既出)。敵の矢玉などから身を守りながら城壁に近づくために用いられたと考えられている。]]
|}
</div>
:
; カエサルが、同盟者であるボイイー族やハエドゥイー族に、糧秣徴発を促す
*<!--❷--><sup>(2)</sup> De re [[wikt:en:frumentarius#Adjective|frumentaria]]
**<small>(カエサルは)</small>[[w:糧秣|糧秣]]調達について、
*[[wikt:en:Boii#Latin|Boios]] atque [[wikt:en:Haedui#Latin|Haeduos]] [[wikt:en:adhortari|adhortari]] non [[wikt:en:destitit|destitit]];
**[[w:ボイイ族|ボイイー族]]や[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]を鼓舞することを止めなかった。
*quorum [[wikt:en:alter#Latin|alteri]], quod [[wikt:en:nullus#Determiner|nullo]] [[wikt:en:studium#Latin|studio]] [[wikt:en:agebant|agebant]], non multum [[wikt:en:adiuvabant|adiuvabant]],
**彼らのうち一方<small>〔ハエドゥイー族〕</small>は、何らの努力を行なわなかったので、あまり助けにならなかった。
*[[wikt:en:alter#Latin|alteri]] non magnis [[wikt:en:facultas#Latin|facultatibus]], quod [[wikt:en:civitas#Latin|civitas]] erat [[wikt:en:exiguus#Latin|exigua]] et [[wikt:en:infirmus#Latin|infirma]],
**他方<small>〔ボイイー族〕</small>は、貧弱かつ無力な部族であったので、大した貯えもなく、
*celeriter quod [[wikt:en:habuerunt|habuerunt]] [[wikt:en:consumpserunt|consumpserunt]].
**早々と持っていたものを消費し切ってしまった。
:
; 糧秣の欠乏が続くが、ローマの将兵たちが耐え抜く
*<!--❸--><sup>(3)</sup> [[wikt:en:summus#Latin|Summa]] [[wikt:en:difficultas#Latin|difficultate]] rei [[wikt:en:frumentarius#Adjective|frumentariae]] [[wikt:en:adfectus#Latin|adfecto]] [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitu]]
**<small>(ローマ人の)</small>軍隊は糧秣調達の大いなる困難さに苦悩させられながらも、
*[[wikt:en:tenuitas#Latin|tenuitate]] [[wikt:en:Boii#Latin|Boiorum]],
**──<small>(その困難は)</small>ボイイー族の微力さ、
*[[wikt:en:indiligentia#Latin|indiligentia]] [[wikt:en:Haedui#Latin|Haeduorum]],
**ハエドゥイー族の怠慢、
*[[wikt:en:incendium#Latin|incendiis]] [[wikt:en:aedificium#Latin|aedificiorum]],
**<small>(敵勢による)</small>家屋の焼き打ちによるものであったが、──
*usque eo ut [[wikt:en:complures#Determiner|complures]] dies [[wikt:en:frumentum#Latin|frumento]] [[wikt:en:miles#Latin|milites]] [[wikt:en:caruerint|caruerint]]
**かなりの日々にわたって兵士たちは糧食を欠くまでになり、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:usque#Latin|usque]] eo ut ~「~まで」)</span>
*et [[wikt:en:pecus#Latin|pecore]] ex [[wikt:en:longinquior#Latin|longinquioribus]] [[wikt:en:vicus#Latin|vicis]] [[wikt:en:adactus#Latin|adacto]]
**かなり遠方の村々から家畜を駆り立てたので
*[[wikt:en:extremus#Latin|extremam]] [[wikt:en:fames#Latin|famem]] [[wikt:en:sustentarent|sustentarent]],
**極限の飢えに耐え通すまでになったのであるが、
*[[wikt:en:nullus#Determiner|nulla]] tamen <u>vox est ab iis</u> [[wikt:en:auditus#Latin|audita]] populi Romani [[wikt:en:maiestas#Latin|maiestate]] et [[wikt:en:superior#Latin|superioribus]] [[wikt:en:victoria#Latin|victoriis]] [[wikt:en:indignus#Latin|indigna]].
**しかしながら、ローマ人民の威厳やかつての勝利にふさわしからぬ声は、彼らから何ら聞かれなかった。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:vox#Latin|vox]] est <u>ab</u> iis だが、<br> β系写本では <u>ex</u> iis vox est となっている。)</span>
:
; ローマ人将兵たちがカエサルに攻囲の継続を訴える
*<!--❹--><sup>(4)</sup> [[wikt:en:quin#Latin|Quin]] etiam Caesar cum in [[wikt:en:opus#Latin|opere]] [[wikt:en:singulus#Latin|singulas]] [[wikt:en:legio#Latin|legiones]] [[wikt:en:appellaret|appellaret]],
**いやそればかりか、カエサルが作業中のそれぞれの[[w:ローマ軍団|軍団]]に呼びかけたとき、
*et, si [[wikt:en:acerbe#Latin|acerbius]] [[wikt:en:inopia#Latin|inopiam]] [[wikt:en:ferrent#Latin|ferrent]], se [[wikt:en:dimissurus#Latin|dimissurum]] <span style="color:#009900;"><sub>(esse)</sub></span> [[wikt:en:oppugnatio#Latin|oppugnationem]] [[wikt:en:diceret|diceret]],
**もし、とても過酷に欠乏に耐えているのならば、自分は攻囲を放棄するであろう、とカエサルが言っていたときに、
:
*<!--❺--><sup>(5)</sup> [[wikt:en:universi#Latin|universi]] ab eo, ne id [[wikt:en:faceret|faceret]], [[wikt:en:petebant|petebant]] :
**<small>(各軍団の)</small>一同は、彼<small>〔カエサル〕</small>に、それ<small>〔攻囲の放棄〕</small>をしないように求めていた。
*sic se complures annos illo [[wikt:en:imperans#Latin|imperante]] [[wikt:en:meruisse|meruisse]],
**自分たちは<small>(以下のように)</small>幾年にもわたって彼<small>〔カエサル〕</small>の麾下で努めてきた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:sic ~ ut …「…のように~である」)</span>
*ut [[wikt:en:nullus#Determiner|nullam]] [[wikt:en:ignominia#Latin|ignominiam]] [[wikt:en:acciperent|acciperent]], <u>nusquam incepta</u> re [[wikt:en:discederent|discederent]]:
**何ら不名誉を蒙ってないし、事<small>〔戦役〕</small>が完遂されないまま<small>(戦列を)</small>離脱することは決してなかったのだ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:nusquam#Latin|nusquam]] [[wikt:en:inceptus#Latin|incepta]] だが、<br> β系写本では [[wikt:en:numquam#Latin|numquam]] [[wikt:en:infectus#Adjective|infecta]] となっている。)</span>
:
*<!--❻--><sup>(6)</sup> hoc se [[wikt:en:ignominia#Latin|ignominiae]] <u>loco [[wikt:en:laturus#Latin|laturos]]</u> <span style="color:#009900;"><sub>(esse)</sub></span>, si [[wikt:en:inceptus#Latin|inceptam]] [[wikt:en:oppugnatio#Latin|oppugnationem]] [[wikt:en:reliquissent|reliquissent]];
**もし<small>(自分たちが)</small>着手した攻囲を放棄してしまったならば、自分たちはこの状態を不名誉と見なすであろう。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、β系写本では loco laturos の語順だが、<br> α系写本では laturos loco の語順となっている。)</span>
:
*<!--❼--><sup>(7)</sup> <u>praestare</u> omnes [[wikt:en:perferre|perferre]] [[wikt:en:acerbitas#Latin|acerbitates]],
**あらゆる厳しさに持ちこたえることは<small>(以下のこと)</small>よりましである。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[wikt:en:praestare|praestare]] ~ [[wikt:en:quam#Adverb|quam]] …「…よりも~がより優る」)</span>
*<u>quam</u> non [[wikt:en:civis#Latin|civibus]] Romanis, qui [[wikt:en:Genabum#Latin|Cenabi]] [[wikt:en:perfidia#Latin|perfidia]] Gallorum [[wikt:en:interissent|interissent]], [[wikt:en:parentarent|parentarent]].
**ケナブムでガッリア人たちの不義により滅びたローマ市民たちの仇討ちをしないよりも。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[#3節|3節]]①項を参照。仇討ちをしないのなら、苦しむ方がましである、の意)</span>
:
*<!--❽--><sup>(8)</sup> Haec [[wikt:en:idem#Latin|eadem]] [[wikt:en:centurio#Latin|centurionibus]] [[wikt:en:tribunus#Latin|tribunis]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:miles#Latin|militum]]
**これらと同じことを、<ruby><rb>[[w:ケントゥリオ|百人隊長]]</rb><rp>(</rp><rt>ケントゥリオ</rt><rp>)</rp></ruby>たちや<ruby><rb>[[w:トリブヌス・ミリトゥム|兵士長官]]</rb><rp>(</rp><rt>トリブヌス・ミリトゥム</rt><rp>)</rp></ruby>たちに、
*[[wikt:en:mandabant|mandabant]], ut per eos ad Caesarem [[wikt:en:deferrentur|deferrentur]].
**彼らを通じてカエサルに申し立てるように、依頼していた。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===18節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/18節]] {{進捗|00%|2026-04-13}}</span>
;カエサルがウェルキンゲトリークス不在の敵陣へ迫る
:
; カエサルは、ウェルキンゲトリークスが糧秣の欠乏によりローマ勢の糧秣徴発隊を襲撃に向かったと知る
*<!--❶--><sup>(1)</sup> Cum iam [[wikt:en:murus#Latin|muro]] [[wikt:en:turris#Latin|turres]] [[wikt:en:adpropinquassent#Latin|adpropinquassent]],
**すでに<small>(アウァーリクムの)</small>城壁に<small>(ローマ勢の)</small>[[w:攻城塔|攻城櫓]]が近づいていた際に、
*ex [[wikt:en:captivus#Noun|captivis]] Caesar [[wikt:en:cognovit#Latin|cognovit]],
**カエサルは、捕虜たちから<small>(以下のことを)</small>知った。
*[[wikt:en:Vercingetorix#Latin|Vercingetorigem]], [[wikt:en:consumptus#Latin|consumpto]] [[wikt:en:pabulum#Latin|pabulo]],
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は[[w:糧秣|糧秣]]を消費し切ると、
*castra [[wikt:en:movisse#Latin|movisse]] propius [[wikt:en:Avaricum#Latin|Avaricum]],
**陣営をアウァーリクムのより近くに移動させて、
*atque ipsum cum [[wikt:en:equitatus#Latin|equitatu]] [[wikt:en:expeditus#Noun|expeditis]]<nowiki>que</nowiki>, qui inter [[wikt:en:eques#Latin|equites]] [[wikt:en:proeliari#Verb|proeliari]] [[wikt:en:consuessent#Latin|consuessent]],
**彼自身は、[[w:騎兵|騎兵]]隊、および騎兵たちの間で争闘することに習熟していた[[w:軽装歩兵|軽装歩兵]]たちとともに、
*<u>insidiarum</u> causa eo [[wikt:en:profectus#Etymology_3|profectum]], quo nostros postero die [[wikt:en:pabulatum#Verb|pabulatum]] [[wikt:en:venturus#Latin|venturos]] [[wikt:en:arbitraretur#Latin|arbitraretur]].
**我が方<small>〔ローマ勢〕</small>が翌日に糧秣徴発にやって来るであろうと思われるところで待ち伏せするために、出発した、と。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:insidiarum|insidiarum]] だが、<br> β系写本では [[wikt:en:insidiandi#Latin|insidiandi]] となっている。)</span>
[[画像:AVARICUM Battaglia 52 aC.png|thumb|right|300px|アウァーリクム攻略戦の布陣図(<small>イタリア語</small>)。中央がアウァーリクム(AVARICUM)、右下の赤枠内がカエサルと8個軍団の陣営、赤い矢印の先端がローマ軍の土塁。左上の楕円形がウェルキンゲトリークスが移動させた陣営。]]
[[画像:Funerary chariot in the archeological museum of Strasbourg.jpg|thumb|right|300px|[[w:ハルシュタット文化|ハルシュタット文化]]の墳墓の副葬品として発掘された '''四輪荷馬車''' のレプリカ(仏ストラスブール考古学博物館)。]]
:
*<!--❷--><sup>(2)</sup> Quibus rebus [[wikt:en:cognitus#Participle|cognitis]]
**<small>(カエサルは)</small>それらの事情を知るや、
*media nocte [[wikt:en:silentium#Latin|silentio]] [[wikt:en:profectus#Etymology_3|profectus]]
**真夜中の静けさのうちに出発して、
*ad hostium castra [[wikt:en:mane#Adverb_2|mane]] [[wikt:en:pervenit#Etymology_2|pervenit]].
**敵の陣営の辺りへ朝方に到着した。
:
*<!--❸--><sup>(3)</sup> Illi, celeriter per [[wikt:en:explorator#Latin|exploratores]] [[wikt:en:adventus#Latin|adventu]] Caesaris [[wikt:en:cognitus#Participle|cognito]]
**あの者たちは、速やかに斥候たちを通じてカエサルの到来を知るや、
*<u>carros</u> [[wikt:en:impedimentum#Latin|impedimenta]]<nowiki>que</nowiki> sua in [[wikt:en:artior#Latin|artiores]] [[wikt:en:silva#Latin|silvas]] [[wikt:en:abdiderunt#Latin|abdiderunt]],
**自分たちの<u>四輪荷馬車</u>と[[w:輜重|輜重]]をとても深い森の中に隠して、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:四輪荷馬車 [[wikt:en:carrus#Latin|carrus]] は、例えば右の画像のものを参照。)</span>
*copias omnes in loco [[wikt:en:editus#Latin|edito]] atque [[wikt:en:apertus#Latin|aperto]] [[wikt:en:instruxerunt#Latin|instruxerunt]].
**全軍勢を高くそびえて開けている場所に配置した。
:
*<!--❹--><sup>(4)</sup> Qua re [[wikt:en:nuntiatus#Latin|nuntiata]]
**その事を報告されて、
*Caesar celeriter [[wikt:en:sarcina#Latin|sarcinas]] [[wikt:en:conferri#Latin|conferri]],
**カエサルは速やかに<small>(兵士たちの)</small>[[w:背嚢|背嚢]]が運び集められること、
*[[wikt:en:arma#Latin|arma]] [[wikt:en:expediri#Latin|expediri]] [[wikt:en:iussit#Verb|iussit]].
**武具が<small>(すぐ使えるように)</small>整えられることを命じた。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===19節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/19節]] {{進捗|00%|2026-04-20}}</span>
;丘の上のガッリア勢と沼沢を挟んで対峙する
:
; ガッリア勢の陣営の地勢
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:collis#Latin|Collis]] erat <u>leniter</u> ab [[wikt:en:infimus#Latin|infimo]] [[wikt:en:adclivis#Latin|adclivis]].
**<small>(ガッリア勢がいる)</small>丘陵はふもとから緩やかに、登り坂になっていた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、β系・χ系・B・M・S・N<sup>c</sup> 写本では [[wikt:en:leviter#Latin|leviter]] 、<br> L・N写本では [[wikt:en:breviter#Latin|breviter]] だが、<br> より劣った写本 ''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#クリティカル・アパラトゥスとその略号|codd.deter.]]'' では [[wikt:en:leniter#Latin|leniter]] となっている。
*Hunc ex omnibus fere partibus [[wikt:en:palus#Latin|palus]] [[wikt:en:difficilis#Latin|difficilis]] atque [[wikt:en:impeditus#Latin|impedita]] [[wikt:en:cingebat#Latin|cingebat]]
**これ<small>〔丘陵〕</small>を、ほぼすべての方角から、不便で通りにくい沼地が取り巻いていて、
*non [[wikt:en:latior#Latin|latior]] [[wikt:en:pes#Latin|pedibus]] [[wikt:en:quinquaginta#Latin|quinquaginta]].
**<small>(その沼地は)</small>50<u>[[w:ペース (長さ)|ペース]]</u>より幅広くなかった。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:1[[ガイウス・ユリウス・カエサルの著作/通貨・計量単位#ペース|ペース]]は約29.6cmで、50ペースは約15メートル弱。)</span>
:
; 丘の周囲を部族ごとに分かれて守備している
*<!--❷--><sup>(2)</sup> Hoc se [[wikt:en:collis#Latin|colle]] [[wikt:en:interruptus#Latin|interruptis]] [[wikt:en:pons#Latin|pontibus]]
**この丘陵において、橋梁を破却すると、
*Galli [[wikt:en:fiducia#Latin|fiducia]] loci [[wikt:en:continebant#Latin|continebant]]
**ガッリア人たちは、地勢を頼りに留まっていて、
*[[wikt:en:generatim#Latin|generatim]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:distributus#Latin|distributi]] in civitates
**<small>(軍勢を)</small>諸部族の種族ごとに分けて配置させて、
*omnia [[wikt:en:vadum#Latin|vada]] ac [[wikt:en:saltus#Etymology_2|saltus]] eius [[wikt:en:palus#Latin|paludis]] <u>certis custodiis</u> [[wikt:en:obtinebant#Latin|obtinebant]],
**その沼地の、すべての浅瀬や隘路を <u>一定の護衛兵たちによって</u> 占領していた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部の [[wikt:en:certus#Latin|certis]] [[wikt:en:custodia#Latin|custodiis]] は β系写本の記述で、α系写本にはない。)</span>
*<u>sic</u> animo [[wikt:en:paratus#Latin|parati]] <u>ut</u>, si eam [[wikt:en:palus#Latin|paludem]] Romani [[wikt:en:perrumpo#Latin|perrumpere]] [[wikt:en:conarentur#Latin|conarentur]], [[wikt:en:haesitans#Latin|haesitantes]] [[wikt:en:premerent#Latin|premerent]] ex loco [[wikt:en:superior#Latin|superiore]];
**もしローマ勢がその沼地を強行突破せんと試みたならば、ぐずぐずしている者らを高地から圧倒する心積もりであった。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:sic#Latin|sīc]] ~, [[wikt:en:ut#Latin|ut]] ・・・「…であるように~である」)</span>
:
; 両軍は互角か?
*<!--❸--><sup>(3)</sup> ut, qui [[wikt:en:propinquitas#Latin|propinquitatem]] loci [[wikt:en:videret#Latin|videret]],
**<small>(両軍の)</small>陣地が近接していることを見た者は、
*[[wikt:en:paratus#Latin|paratos]] prope [[wikt:en:aequus#Latin|aequo]] <u>Marte</u> ad [[wikt:en:dimicandum#Latin|dimicandum]] [[wikt:en:existimaret#Latin|existimaret]],
**<small>(ガッリア勢がローマ勢に対して)</small>ほぼ互角の戦い<small>(の条件)</small>で闘うつもりでいると考えただろう。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、[[wikt:en:Mars#Proper_noun_22|Mars]]「戦争の神マールス」ではなく、<br> [[wikt:en:Mars#Noun_4|Mars]]「戦争、闘い」そのものを指す。)</span>
; ガッリア勢は不利なのに虚勢を張っているのか?
*qui [[wikt:en:iniquitas#Latin|iniquitatem]] [[wikt:en:condicio#Latin|condicionis]] [[wikt:en:perspiceret#Latin|perspiceret]],
**<small>(ガッリア勢の)</small>条件の不利なことを見通した者は、
*[[wikt:en:inanis#Latin|inani]] [[wikt:en:simulatio#Latin|simulatione]] sese [[wikt:en:ostentare#Latin|ostentare]] [[wikt:en:cognosceret#Latin|cognosceret]].
**<small>(ガッリア勢が)</small>虚栄の見せかけで己を誇示していることを、理解しただろう。
:
; カエサルが、至近距離の敵への攻撃にいきり立つ将兵らを教え諭す
*<!--❹--><sup>(4)</sup> [[wikt:en:indignans#Latin|Indignantes]] [[wikt:en:miles#Latin|milites]] Gaesar,
**カエサルは<small>(ガッリア勢の誇示に)</small>憤慨している兵士たちに、
*quod [[wikt:en:conspectus#Noun_2|conspectum]] suum hostes <u>perferre</u> [[wikt:en:possent#Latin|possent]] [[wikt:en:tantulus#Latin|tantulo]] [[wikt:en:spatium#Latin|spatio]] [[wikt:en:interiectus#Latin|interiecto]],
**──というのも、これほどのわずかな距離しか介在してないのに、敵勢が自分らを<small>(平然と)</small>見据えていられるためだが──
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:perferre#Latin|perferre]] だが、β系写本では [[wikt:en:ferre#Latin|ferre]] となっている。)</span>
*et signum proelii [[wikt:en:exposcens#Latin|exposcentes]] [[wikt:en:edocet#Latin|edocet]],
**および戦闘の合図を熱心に求めている者たちに対して<small>(以下のように)</small>説く。
*[[wikt:en:quantus#Latin|quanto]] [[wikt:en:detrimentum#Latin|detrimento]] et [[wikt:en:quot#Latin|quot]] [[wikt:en:vir#Latin|virorum]] [[wikt:en:fortis#Latin|fortium]] [[wikt:en:mors#Latin|morte]] [[wikt:en:necesse#Adverb|necesse]] sit [[wikt:en:constare#Latin|constare]] [[wikt:en:victoria#Latin|victoriam]];
**勝利を確実にすることが、どれほどの損害と、どれほど多くの勇敢な<ruby><rb>兵士</rb><rp>(</rp><rt>ウィル</rt><rp>)</rp></ruby>たちの死を必要とするか、を。
: <!-- [[wikt:en:| -->
; 多くのローマ兵が死に瀕すれば、カエサル自身が戦争犯罪で弾劾されるだろう
*<!--❺--><sup>(5)</sup> quos cum <u>sic</u> [[wikt:en:animus#Latin|animo]] [[wikt:en:paratus#Latin|paratos]] [[wikt:en:videat#Latin|videat]], <u>ut</u> [[wikt:en:nullus#Determiner|nullum]] pro sua [[wikt:en:laus#Latin|laude]] [[wikt:en:periculum#Latin|periculum]] [[wikt:en:recusent#Latin|recusent]],
**彼ら<small>〔兵士たち〕</small>が己の賞賛のためにいかなる危険をも辞さない心積もりであると<small>(カエサルは)</small>見て取ったので、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:sic#Latin|sīc]] ~, [[wikt:en:ut#Latin|ut]] ・・・「…であるように~である」)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:pro sua laude 「自らの賞賛のために」は、「カエサルの賞賛のために」と解することもできる。<br> しかし、共和制国家に忠誠を誓っているはずの兵士らが、カエサル個人のために命を投げ出そうとする記述は、<br> 野心家カエサルが軍隊を私兵化しようとしている野望をさらけ出すことになり、政敵たちを利することになる。)</span>
*[[wikt:en:summus#Latin|summae]] se [[wikt:en:iniquitas#Latin|iniquitatis]] [[wikt:en:condemnari#Latin|condemnari]] [[wikt:en:debere#Latin|debere]], [[wikt:en:nisi#Conjunction|nisi]] eorum [[wikt:en:vita#Latin|vitam]] sua [[wikt:en:salus#Latin|salute]] [[wikt:en:habeat#Latin|habeat]] [[wikt:en:carior#Latin|cariorem]].
**<small></small>彼ら<small>〔兵士〕</small>の生命を己<small>〔カエサル〕</small>の安全より貴重と思わない限り、自分<small>〔カエサル〕</small>は極度の不正のために告発されるに違いない。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:すでにサビーヌスら多くのローマ市民が戦死しており、ここでさらに多くのローマ市民を死なせることは、<br> カエサルから軍隊を取り上げることを主張していた政敵たちから厳しく糾弾されることになったであろう。)</span>
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--❻--><sup>(6)</sup> Sic [[wikt:en:miles#Latin|milites]] [[wikt:en:consolatus#Latin|consolatus]]
**<small>(カエサルは)</small>このように兵士たちを<ruby><rb>宥</rb><rp>(</rp><rt>なだ</rt><rp>)</rp></ruby>めて、
*eodem die [[wikt:en:reducit#Latin|reducit]] in castra
**同日に陣営の中に連れ戻して、
*[[wikt:en:reliquus#Latin|reliqua]]<nowiki>que</nowiki> quae ad [[wikt:en:oppugnatio#Latin|oppugnationem]] <u>[[wikt:en:pertinebant#Latin|pertinebant]] [[wikt:en:oppidum#Latin|oppidi]]</u> [[wikt:en:administrare#Latin|administrare]] [[wikt:en:instituit#Latin|instituit]].
**城塞都市<small>〔アウァーリクム〕</small>の攻略に関わっているほかのことに従事することを決めた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、χ系・B・M・S写本では pertinebant oppidi の語順だが、<br> L・N・β系写本では oppidi pertinebant の語順となっている。)</span>
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===20節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/20節]] {{進捗|00%|2026-05-04}}</span>
;ウェルキンゲトリークスが味方に弁明し、捕虜に問い質す
:
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:Vercingetorix#Latin|Vercingetorix]], cum ad suos [[wikt:en:redisset#Latin|redisset]], [[wikt:en:proditio#Latin|proditionis]] [[wikt:en:insimulatus#Latin|insimulatus]],
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は、味方のもとに戻った際に、<small>(以下のことで)</small>裏切りだと非難されていた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:以下、[[wikt:en:quod#Conjunction|quod]] ~ で箇条書き。)</span>
*quod [[wikt:en:castra#Latin|castra]] [[wikt:en:propius#Latin|propius]] [[wikt:en:Romani#Latin|Romanos]] [[wikt:en:movisset#Latin|movisset]],
**陣営をローマ人たちのより近くに移動させていたこと、
*quod cum omni [[wikt:en:equitatus#Noun|equitatu]] [[wikt:en:discessisset#Latin|discessisset]],
**全[[w:騎兵|騎兵隊]]とともに<small>(陣営を)</small>離れていたこと、
*quod sine [[wikt:en:imperium#Latin|imperio]] [[wikt:en:tantus#Latin|tantas]] [[wikt:en:copiae#Latin|copias]] [[wikt:en:reliquisset#Latin|reliquisset]],
**司令権<small>(を持つ者)</small>なしに、これほど多くの軍勢を置き去りにしていたこと、
*quod eius [[wikt:en:discessus#Noun|discessu]] [[wikt:en:Romani#Latin|Romani]] [[wikt:en:tantus#Latin|tanta]] [[wikt:en:opportunitas#Latin|opportunitate]] et [[wikt:en:celeritas#Latin|celeritate]] [[wikt:en:venissent#Latin|venissent]];
**彼<small>〔ウェルキンゲトリークス〕</small>の退去によりローマ人がこれほどの好機とこれほどの迅速さでやって来ていたこと、である。
:
*<!--❷--><sup>(2)</sup> non haec omnia [[wikt:en:fortuito#Latin|fortuito]] aut sine [[wikt:en:consilium#Latin|consilio]] [[wikt:en:accido#Etymology_1|accidere]] [[wikt:en:potuisse#Latin|potuisse]];
**──これらすべてが偶然に、あるいは謀りごとなしに起こることはあり得なかったのだ。
*[[wikt:en:regnum#Latin|regnum]] illum Galliae <u>malle</u> Caesaris [[wikt:en:concessus#Noun|concessu]] <u>quam</u> ipsorum habere [[wikt:en:beneficium#Latin|beneficio]]
**彼<small>〔ウェルキンゲトリークス〕</small>は<small>(ガッリア人)</small>自身の厚遇を得ることよりもむしろカエサルの許しにより[[w:ガリア|ガッリア]]の王権<small>(を持つこと)</small>を好んでいるのだ。──
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:malle#Latin|malle]] ~ quam …「…よりも、むしろ~を好む(選ぶ)」)</span>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ウェルキンゲトリークスが王権を望むあまり、同盟部族の生命をカエサルに売り渡したということである。)</span>
[[画像:Vercingetorix_stater_n2_CdM_alternate.jpg|thumb|right|250px|[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]の横顔が刻まれたガッリアの金貨(パリの[[w:ビブリオテーク・ナショナル|仏国立図書館]]貨幣部蔵)]]
:
; ━━ウェルキンゲトリークスの弁明が始まる━━
*<!--❸--><sup>(3)</sup> [[wikt:en:talis#Latin|tali]] [[wikt:en:modus#Latin|modo]] [[wikt:en:accusatus#Latin|accusatus]]
**こんな風に非難されて、
*ad haec [[wikt:en:respondit#Latin|respondit]]:
**<small>(ウェルキンゲトリークスは)</small>これらのことへ答えた。
*Quod [[wikt:en:castra#Latin|castra]] [[wikt:en:movisset#Latin|movisset]],
**陣営を移動させていたことは、
*[[wikt:en:factus#Latin|factum]] [[wikt:en:inopia#Latin|inopia]] [[wikt:en:pabulum#Latin|pabuli]],
**[[w:糧秣|糧秣]]の欠乏によりなされたのであり、
*etiam ipsis [[wikt:en:hortans#Latin|hortantibus]];
**<small>(ガッリア人たち)</small>自身が熱心に勧めることさえしているのだ。
*quod [[wikt:en:propius#Latin|propius]] [[wikt:en:Romani#Latin|Romanos]] [[wikt:en:accessisset#Latin|accessisset]],
**ローマ人たちのより近くに近寄っていたことは、
*[[wikt:en:persuasus#Latin|persuasum]] loci [[wikt:en:opportunitas#Latin|opportunitate]], qui se <u>ipsum</u> [[wikt:en:munitio#Latin|munitione]] [[wikt:en:defenderet#Latin|defenderet]];
**<small>(移動先の丘陵が)</small>それ自体を<small>(沼地という天然の)</small>要害により守っているという地の利に納得させられたのだ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:上記の se <u>ipsum</u> munitione defenderet 「そのものを防御物によって守る」は主要写本 ω の記述で、<br>''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Bentley,_Thomas|Th. Bentley]]'' は se <u>ipse sine</u> munitione defenderet 「そのものが防御物なしで守る」と修正提案している。)</span>
:
; 騎兵は、湿地帯での任務に適していない
*<!--❹--><sup>(4)</sup> [[wikt:en:eques#Latin|equitum]] vero [[wikt:en:opera#Latin|operam]]
**騎兵たちの働きはまさに、
*neque in loco [[wikt:en:paluster#Latin|palustri]] [[wikt:en:desiderari#Latin|desiderari]] [[wikt:en:debuisse#Latin|debuisse]]
**沼沢地において望まれるべきものではなかったし、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:湿地・沼地では、ぬかるみに馬の足が取られるため、<br> 騎兵の長所である機動力が著しく低下し、<br> 速さを活かした偵察・突撃・迂回・追撃などがし難くなる。)</span>
*et [[wikt:en:illic#Adverb|illic]] fuisse [[wikt:en:utilis#Latin|utilem]], quo sint [[wikt:en:profectus#Participle_2|profecti]].
**<small>(騎兵たちが)</small>発って行ったところにおいては有効だったのだ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[#16節|16節]]冒頭の説明によれば、<br> ウェルキンゲトリークスが最初に宿営した場所は、<br> アウァーリクムから16マイル離れ、沼地や森林に守られていた。<br> [[#19節|19節]]では、より近い、沼地に囲まれたゆるやかな丘陵に移動したという。<br> この移動前後の地勢の優劣を、カエサルは必ずしも明瞭に説明していない。)</span>
:
; 兵は拙速を尊ぶ
*<!--❺--><sup>(5)</sup> [[wikt:en:summa#Latin|Summam]] [[wikt:en:imperium#Latin|imperii]]
**<small>(軍勢の)</small>最高司令権は、
*se [[wikt:en:consulto#Adverb|consulto]] [[wikt:en:nullus#Latin|nulli]] [[wikt:en:discedens#Latin|discedentem]] [[wikt:en:tradidisse#Latin|tradidisse]],
**<small>(ウェルキンゲトリークス)</small>自らが意図的に、立ち去るに当たって、誰にも委託しなかった。
*[[wikt:en:ne#Latin|ne]] is [[wikt:en:multitudo#Latin|multitudinis]] [[wikt:en:studium#Latin|studio]] ad [[wikt:en:dimicandus#Latin|dimicandum]] [[wikt:en:impelleretur#Latin|impelleretur]];
**その者が大勢の熱意によって<small>(ローマ人と)</small>闘うことに駆り立てられないように、である。
*cui rei <u>propter animi [[wikt:en:mollities#Latin|mollitiem]]</u> [[wikt:en:studere#Latin|studere]] omnes [[wikt:en:videret#Latin|videret]],
**その事<small>〔闘って決着を付けること〕</small>を、<u>心の柔弱さのゆえに</u>、皆が求めたがっている。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:「心の柔弱さのゆえに、闘いがしたくなる」というのは、<br> 一見すると奇妙に感じられるが、ここでの柔弱さ([[wikt:en:mollities#Latin|mollities]])とは、<br> 長期の攻囲戦の労苦や疲弊に持ちこたえる忍耐力のなさを指し、<br> 長い苦難から逃避するために早期決戦を志向する心理を意味すると考えられる。)</span>
*quod [[wikt:en:diutius#Latin|diutius]] [[wikt:en:labor#Latin|laborem]] ferre non [[wikt:en:possent#Latin|possent]].
**──というのは、<small>(兵は)</small>より長く<small>(攻囲戦の)</small>労苦に耐えることができないからだ──。
**:<span style="color:#009900;"> (訳注:[[w:孫子 (書物)|孫子]]に曰く「兵は拙速を聞くも、未だ巧の久しきを<ruby><rb>睹</rb><rp>(</rp><rt>み</rt><rp>)</rp></ruby>ざるなり」<ref>[[wikt:en:故に兵は拙速を聞くも、未だ巧の久しきを睹ざるなり|故に兵は拙速を聞くも、未だ巧の久しきを睹ざるなり]]
「戦争というものは、拙劣に短期決戦を挑んだ事例は聞くが、巧妙に長期戦を続けた事例は聞かない」の意。長い戦争は人々を消耗させ、疲弊させてしまう。</ref>)</span>
:
; ローマ人は、闘わずに退却したではないか
*<!--❻--><sup>(6)</sup> Romani si [[wikt:en:casu#Latin|casu]] [[wikt:en:intervenerint#Latin|intervenerint]], [[wikt:en:fortuna#Latin|fortunae]],
**もしローマ人たちが偶然に現われたのならば、命運に<small>(感謝するべきであり)</small>、
*si [[wikt:en:alicuius#Latin|alicuius]] [[wikt:en:indicium#Latin|indicio]] [[wikt:en:vocatus#Latin|vocati]], huic [[wikt:en:habendus#Latin|habendam]] [[wikt:en:gratia#Latin|gratiam]],
**もし<small>(ローマ人たちが)</small>何者かの申し立てに呼ばれて来たのならば、その者に感謝するべきだ。
*quod <u>et</u> [[wikt:en:paucitas#Latin|paucitatem]] eorum ex loco [[wikt:en:superior#Latin|superiore]] [[wikt:en:cognosco#Latin|cognoscere]]
**──というのは、より高い位置から彼ら<small>〔ローマ人〕</small>の少なさを知ることも、
*<u>et</u> [[wikt:en:virtus#Latin|virtutem]] [[wikt:en:despicio#Latin|despicere]] [[wikt:en:potuerint#Latin|potuerint]],
**<small>(ローマ人の)</small>武勇とやらを見下すこともできたのだから。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:et ~ et …「~も…も」)</span>
*qui [[wikt:en:dimico#Latin|dimicare]] non [[wikt:en:ausus#Participle|ausi]]
**彼ら<small>〔ローマ人〕</small>は闘うことをあえてせずに、
*[[wikt:en:turpiter#Latin|turpiter]] se in castra [[wikt:en:receperint#Latin|receperint]].
**見苦しくも陣営に退却したのだ──。
:
; ガッリア人が勝つのだから、カエサルに寝返るはずがない
*<!--❼--><sup>(7)</sup> [[wikt:en:imperium#Latin|Imperium]] se <u>ab</u> Caesare per [[wikt:en:proditio#Latin|proditionem]] [[wikt:en:nullus#Latin|nullum]] [[wikt:en:desidero#Latin|desiderare]],
**自分<small>〔ウェルキンゲトリークス〕</small>は、カエサルから裏切りを通じて、どのような司令権も望んではいない。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:上の (2) 項では、味方のガッリア人たちは、ウェルキンゲトリークスが<br> カエサルにより [[wikt:en:regnum#Latin|regnum]](王権、支配権)を得ようとしていると非難したのに対し、<br> 彼は [[wikt:en:imperium#Latin|imperium]](軍隊司令権、または支配権)という言葉を巧妙に引きずって答えている。<br> もちろん、言葉を変えたのは、筆者カエサル自身であろう。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:ab はα系写本の記述で、β系写本では a となっている。)</span>
*quod habere [[wikt:en:victoria#Latin|victoria]] [[wikt:en:posset#Latin|posset]],
**<small>(支配権は、ローマ人に対する)</small>勝利によって得られるものであり、
*quae iam esset sibi atque omnibus [[wikt:en:Galli#Latin|Gallis]] [[wikt:en:exploratus#Latin|explorata]];
**<small>(勝利は)</small>もはや自分とすべてのガッリア人にとって確実なものとされているのだ。
*quin etiam ipsis <u>remittere</u>,
**いやそればかりか<small>(以下の様であれば、ガッリア人たち)</small>自身に<small>(司令官職を)</small>返還しているだろう。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部の [[wikt:en:remitto#Latin|remittere]] は、写本Sの記述および ''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Stephanus_(Estienne)|Stephanus]]'' や ''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Vascosanus|Vascosanus]]'' による修正提案で、<br> β系・χ系写本・写本B・M・L・N では [[wikt:en:remitteret#Latin|remitteret]] となっている。)</span>
*si sibi <u>magis</u> [[wikt:en:honor#Latin|honorem]] [[wikt:en:tribuo#Latin|tribuere]], <u>quam</u> ab se [[wikt:en:salus#Latin|salutem]] [[wikt:en:accipio#Latin|accipere]] [[wikt:en:videantur#Latin|videantur]].
**もし<small>(ガッリア人が)</small>自分から安全を受け取っているよりも、むしろ顕職を自分に授けていると思っているのならば、だが。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:magis#Latin|magis]] ~, quam …「…というよりは、むしろ~」)</span>
:
; 捕虜のローマ人たちに訊いてみなさい
*<!--❽--><sup>(8)</sup> <!--▲直接話法--><span style="background-color:#e8e8ff;"> <span style="color:#009900;">«</span> Haec ut [[wikt:en:intellegatis#Latin|intellegatis]], <span style="color:#009900;">»</span> </span> [[wikt:en:inquit#Latin|inquit]], <!--▲直接話法--><span style="background-color:#e8e8ff;"> <span style="color:#009900;">«</span> a me [[wikt:en:sincere#Latin|sincere]] [[wikt:en:pronuntiari#Latin|pronuntiari]], [[wikt:en:audite#Latin|audite]] [[wikt:en:Romanus#Adjective|Romanos]] [[wikt:en:miles#Latin|milites]]. <span style="color:#009900;">»</span> </span>
**「これらは諸君が理解しているように、私により率直に示された。ローマ兵たちに聞いてみよ」と言った。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:<!--▲直接話法--><span style="background-color:#e8e8ff;"> <span style="color:#009900;">«</span> ~ <span style="color:#009900;">»</span> </span> の箇所は、直接話法で記されている。)</span>
:
*<!--❾--><sup>(9)</sup> [[wikt:en:producit#Latin|Producit]] [[wikt:en:servus#Latin|servos]], quos in [[wikt:en:pabulatio#Latin|pabulatione]] paucis ante diebus [[wikt:en:exceperat#Latin|exceperat]] et [[wikt:en:fames#Latin|fame]] [[wikt:en:vinculum#Latin|vinculis]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:excruciaverat#Latin|excruciaverat]].
**数日前に糧秣徴発しているのを<small>(彼が)</small>ひっ捕らえて、飢えと鎖で拷問していたところの奴隷たちを引き出す。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[wikt:en:calo#Noun_5|cālō]] カーロー(軍属奴隷)と呼ばれる輜重や陣営を管理する奴隷たちのことであろう。)</span>
:
*<!--❿--><sup>(10)</sup> Hi iam ante [[wikt:en:edoctus#Latin|edocti]], quae [[wikt:en:interrogatus#Latin|interrogati]] [[wikt:en:pronuntiarent#Latin|pronuntiarent]],
**彼ら<small>〔奴隷〕</small>は、すでに前もって<small>(ガッリア勢から)</small>訊問された際に語ることを<small>(ローマ人から)</small>教え込まれており、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:カエサルは奴隷たちが誰に教え込まれたのか明記していないため、<br> ウェルキンゲトリークスに教え込まれたと訳している場合もある。)</span>
*[[wikt:en:miles#Latin|milites]] se esse [[wikt:en:legionarius#Latin|legionarios]] [[wikt:en:dicunt#Latin|dicunt]];
**自分たちは[[w:軍団兵|軍団兵]]であると言った。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:糧秣徴発に出かけていた者は、たとえ軍団兵でも軽装であったであろうが、<br> 奴隷たちは、もともと戦争で捕虜になったガッリア人たち等であったと考えられるので、<br> 地中海人種のローマ人とは容易に見分けが付きそうなものではある。)</span>
*[[wikt:en:fames#Latin|fame]] <u>et</u> [[wikt:en:inopia#Noun_2|inopia]] [[wikt:en:adductus#Latin|adductos]] [[wikt:en:clam#Latin|clam]] ex castris [[wikt:en:exisse#Latin|exisse]], si [[wikt:en:aliquis#Latin|quid]] [[wikt:en:frumentum#Latin|frumenti]] aut [[wikt:en:pecus#Latin|pecoris]] in agris [[wikt:en:reperio#Latin|reperire]] [[wikt:en:possent#Latin|possent]];
**<small>(奴隷たち曰く)</small>飢えと欠乏に動かされて、何か穀物または家畜が野に見出せないかと、ひそかに陣営から抜け出した。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:et はα系写本の記述で、β系写本では atque となっている。)</span>
:
*<!--⓫--><sup>(11)</sup> [[wikt:en:similis#Latin|simili]] omnem [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitum]] [[wikt:en:inopia#Noun_2|inopia]] [[wikt:en:premi#Latin|premi]],
**<small>(ローマ人の)</small>全軍隊が同様の欠乏に悩まされて、
*<u>nec</u> iam [[wikt:en:vis#Latin|vires]] [[wikt:en:sufficio#Latin|sufficere]] [[wikt:en:quisquam#Latin|cuiusquam]] <u>nec</u> ferre [[wikt:en:opus#Latin|operis]] [[wikt:en:labor#Latin|laborem]] posse;
**もはや<small>(兵士の)</small>誰もが十分な能力がなく、<small>(城攻めの)</small>作業の労苦に耐えることができない。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:nec ~ nec …「~でもなく、…でもない」)</span>
*itaque [[wikt:en:statuisse#Latin|statuisse]] [[wikt:en:imperator#Latin|imperatorem]], si [[wikt:en:nihil#Latin|nihil]] in [[wikt:en:oppugnatio#Latin|oppugnatione]] oppidi <u>profecissent</u>, [[wikt:en:triduum#Latin|triduo]] [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitum]] [[wikt:en:deduco#Latin|deducere]].
**こうして将軍<small>〔カエサル〕</small>は、もし城塞都市の攻略において何ら得られないならば、3日間で軍隊を連れ帰ると決めた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、写本S・L・Nでは [[wikt:en:profecissent#Latin|profecissent]]<sub> (3人称・<u>複数</u>・過去完了・接続法)</sub> だが、<br> β系写本では [[wikt:en:profecisset#Latin|profecisset]]<sub> (3人称・<u>単数</u>・過去完了・接続法)</sub> となっており、<br> χ系および写本B・Mでは proficissent という綴りになっている。)</span>
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--⓬--><sup>(12)</sup> <!--▲直接話法--><span style="background-color:#e8e8ff;"> <span style="color:#009900;">«</span> Haec, <span style="color:#009900;">»</span> </span> [[wikt:en:inquit#Latin|inquit]], <!--▲直接話法--><span style="background-color:#e8e8ff;"> <span style="color:#009900;">«</span> a me, <span style="color:#009900;">»</span> </span> [[wikt:en:Vercingetorix#Latin|Vercingetorix]],
**「これぞ」「私によって」とウェルキンゲトリークスは言った。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:以下、<!--▲直接話法--><span style="background-color:#e8e8ff;"> <span style="color:#009900;">«</span> ~ <span style="color:#009900;">»</span> </span> の箇所は、直接話法で記されている。)</span>
*<!--▲直接話法--><span style="background-color:#e8e8ff;"> <span style="color:#009900;">«</span> [[wikt:en:beneficium#Latin|beneficia]] [[wikt:en:habetis#Latin|habetis]], quem [[wikt:en:proditio#Latin|proditionis]] [[wikt:en:insimulatis#Verb|insimulatis]];
**「裏切りだと諸君が糾弾している<small>(私という)</small>者のおかげで得ているのだ。
*<!--➡直接話法--><span style="background-color:#e8e8ff;"> cuius [[wikt:en:opera#Latin|opera]] sine [[wikt:en:vester#Latin|vestro]] [[wikt:en:sanguis#Latin|sanguine]]
**その<small>(私という)</small>者の尽力により、諸君らの流血なしに、
*<!--➡直接話法--><span style="background-color:#e8e8ff;"> tantum [[wikt:en:exercitus#Noun|exercitum]] [[wikt:en:victor#Latin|victorem]] [[wikt:en:fames#Latin|fame]] <u>paene</u> [[wikt:en:consumptus#Latin|consumptum]] [[wikt:en:videtis#Latin|videtis]];
**これほどの軍隊の勝利者<small>〔ローマ人〕</small>を飢えにより、ほとんど滅ぼしたのを諸君は見ているのだ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:paene は β系写本の記述で、α系写本にはない。)</span>
*<!--➡直接話法--><span style="background-color:#e8e8ff;"> quem [[wikt:en:turpiter#Latin|turpiter]] se ex <u>hac</u> fuga [[wikt:en:recipiens#Latin|recipientem]]
**彼ら<small>〔ローマ人〕</small>が見苦しくもこのような逃亡から退却したところを、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:hac は β系写本の記述で、α系写本にはない。)</span>
*<!--➡直接話法--><span style="background-color:#e8e8ff;"> ne [[wikt:en:aliqua#Pronoun|qua]] [[wikt:en:civitas#Latin|civitas]] suis finibus [[wikt:en:recipiat#Latin|recipiat]],
**<small>(それらの退却したローマ人を)</small>どの部族も自らの領土に受け入れないように、
*<!--➡直接話法--><span style="background-color:#e8e8ff;"> a me [[wikt:en:provisus#Latin|provisum]] est. <span style="color:#009900;">»</span> </span>
**私<small>〔ウェルキンゲトリークス〕</small>により、手配された。」
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===21節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/21節]] {{進捗|00%|2026-05-10}}</span>
;ウェルキンゲトリークスの誠心とアウァーリクムの重要性を確認
:
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:conclamat#Latin|Conclamat]] omnis [[wikt:en:multitudo#Latin|multitudo]]
**群集すべてが雄叫びを上げて、
*et suo [[wikt:en:mos#Latin|more]] [[wikt:en:arma#Latin|armis]] [[wikt:en:concrepat#Latin|concrepat]],
**自分たちの慣習で武具を打ち鳴らす。
*quod facere in eo [[wikt:en:consuerunt#Verb_2|consuerunt]], cuius [[wikt:en:oratio#Latin|orationem]] [[wikt:en:adprobant#Latin|adprobant]];
**<small>(演説した)</small>その者の雄弁に賛同したら、その者に対してそれをすることが常であったのだ。
*summum esse [[wikt:en:Vercingetorix#Latin|Vercingetorigem]] [[wikt:en:dux#Latin|ducem]],
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は最高の将帥であり、
*<u>nec</u> de eius [[wikt:en:fides#Latin|fide]] [[wikt:en:dubitandus#Latin|dubitandum]],
**彼の信義については疑念を抱くべきではなく、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:nec#Latin|nec]] ~, nec …「~でもないし、…でもない」)</span>
*<u>nec</u> [[wikt:en:maior#Latin|maiore]] [[wikt:en:ratio#Latin|ratione]] bellum [[wikt:en:administrari#Latin|administrari]] posse.
**これ以上の作戦で戦争を指導することはできない<small>(と、叫んで武具を打ち鳴らす)</small>。
:
*<!--❷--><sup>(2)</sup> [[wikt:en:statuunt#Latin|Statuunt]], ut decem<sub> (X)</sub> milia hominum [[wikt:en:delectus#Latin|delecta]] ex omnibus [[wikt:en:copiae#Latin|copiis]] in oppidum <u>mittantur</u>,
**<small>(彼らは)</small>すべての軍勢から選り抜かれた兵員1万を<small>(アウァーリクムの)</small>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]の中に派遣すると決定する。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:mittantur#Latin|mittantur]] だが、<br> β系写本では [[wikt:en:submittantur#Latin|submittantur]] となっている。)</span>
:
*<!--❸--><sup>(3)</sup> nec [[wikt:en:solus#Latin|solis]] [[wikt:en:Bituriges#Latin|Biturigibus]] [[wikt:en:communis#Latin|communem]] [[wikt:en:salus#Latin|salutem]] [[wikt:en:committendus#Latin|committendam]] [[wikt:en:censent#Latin|censent]],
**<small>(ガッリア)</small>共通の安全をビトゥリゲース族だけに託すべきではないと考える。
*quod <u>penes eos</u>, si id oppidum [[wikt:en:retinuissent#Latin|retinuissent]],
**というのは、<u>彼らのもとで</u>、その城塞都市を維持したか否かが、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、<br> 主要写本ω では [[wikt:en:penes#Latin|penes]] eos 「彼らのもとで」だが、<br> オックスフォード写本 ''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Codex_Oxoniensis_Andino|codd. Andino. Oxon.]]'' や ''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Aldus|Aldus]]'' は paene in eo 「ほぼそのことにおいて」としている。)</span>
*[[wikt:en:summa#Latin|summam]] victoriae [[wikt:en:consto#Latin|constare]] [[wikt:en:intellegebant#Latin|intellegebant]].
**勝利の天王山を確かなものにすること、を理解していたからである。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===22節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/22節]] {{進捗|00%|2026-06-01}}</span>
;アウァーリクムの籠城ガッリア勢が坑道戦で攻防に努める
:
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:singularis#Latin|Singulari]] [[wikt:en:miles#Latin|militum]] nostrorum [[wikt:en:virtus#Latin|virtuti]]
**我が方<small>〔ローマ勢〕</small>の兵士の卓越した武勇に、
*[[wikt:en:consilium#Latin|consilia]] [[wikt:en:quisque#Latin|cuiusque]] [[wikt:en:modus#Latin|modi]] [[wikt:en:Galli#Latin|Gallorum]] [[wikt:en:occurrebant#Latin|occurrebant]],
**<small>(敵勢は)</small>ガッリア人のあらゆる流儀の方策で抗戦していた。
*ut est summae [[wikt:en:genus#Latin|genus]] [[wikt:en:sollertia#Latin|sollertiae]]
**確かに<small>(ガッリア人は)</small>このうえなく器用な種族であり、
*atque ad [[wikt:en:omnia#Noun|omnia]] [[wikt:en:imitandus#Latin|imitanda]] et [[wikt:en:efficiendus#Latin|efficienda]], quae ab [[wikt:en:quisque#Latin|quoque]] [[wikt:en:traduntur#Latin|traduntur]], [[wikt:en:aptissimus#Latin|aptissimum]].
**誰かによって教えられることすべてを模倣すること、造り出すことにとても適しているのだ。
:
; 鉄鉱山の土地柄で、坑道戦を展開する
*<!--❷--><sup>(2)</sup> Nam <u>et</u> [[wikt:en:laqueus#Latin|laqueis]] [[wikt:en:falx#Latin|falces]] [[wikt:en:avertebant#Latin|avertebant]],
**すなわち、輪縄で<small>(ローマ勢の)</small>破城鎌をそらし、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:et ~, et …「~でもあり、…でもある」)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:破城鎌([[w:en:Falx|falx]])については、右図や[[ガリア戦記 第5巻#42節|第5巻42節]]を参照)</span>
[[画像:Falx_bgiu.png|thumb|right|250px|破城鎌([[w:en:Falx|falx]])の想像画(再掲)]]
[[画像:Doura_Europos_tunnel.jpg|thumb|right|250px|ローマ支配下の城砦跡に残る[[w:坑道|坑道]]の例(シリアの[[w:ドゥラ・エウロポス|ドゥラ・エウロポス]]遺跡)。[[w:サーサーン朝|サーサーン朝]]軍が[[w:坑道戦|坑道戦]]のために掘削したと考えられている。]]
*quas, cum [[wikt:en:destinaverant#Latin|destinaverant]],
**それを縛り付けておいてから、
*[[wikt:en:tormentum#Latin|tormentis]] [[wikt:en:introrsus#Latin|introrsus]] [[wikt:en:reducebant#Latin|reducebant]],
**巻揚げ機で<small>(城塞都市の)</small>内部に引き込んでいたし、
*<u>et</u> [[wikt:en:agger#Latin|aggerem]] [[wikt:en:cuniculus#Latin|cuniculis]] [[wikt:en:subtrahebant#Latin|subtrahebant]],
**<small>(ローマ勢の)</small><ruby><rb>[[w:アッゲル|土塁]]</rb><rp>(</rp><rt>アッゲル</rt><rp>)</rp></ruby> を[[w:坑道|坑道]]によって陥没させたりもした。
*<u>eo</u> [[wikt:en:scienter#Latin|scientius]]
**<small>(以下の理由により、彼らはそのことに)</small>より習熟しているのだ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:eo#Pronoun_5|eō]] ~ [[wikt:en:quod#Conjunction|quod]] …「…という理由で~」)</span>
*<u>quod</u> apud eos magnae sunt [[wikt:en:ferraria#Latin|ferrariae]]
**──というのも、彼らのもとには多くの[[w:鉄鉱石|鉄鉱]]山があり、
*atque [[wikt:en:omnis#Latin|omne]] [[wikt:en:genus#Latin|genus]] [[wikt:en:cuniculus#Latin|cuniculorum]] [[wikt:en:notus#Latin|notum]]
**坑道のあらゆる類いが知られていて
*atque [[wikt:en:usitatus#Latin|usitatum]] est.
**慣れていただけに<small>(習熟しているのだ)</small>。──
:
; アウァーリクムの全周に防御のための櫓を建てる
*<!--❸--><sup>(3)</sup> [[wikt:en:totus#Latin|Totum]] autem [[wikt:en:murus#Latin|murum]] ex omni parte
**他方で、城壁の全体をあらゆる方向から、
*[[wikt:en:turris#Latin|turribus]] [[wikt:en:contabulaverant#Latin|contabulaverant]]
**<ruby><rb>[[w:攻城塔|攻城櫓]]</rb><rp>(</rp><rt>トゥッリス</rt><rp>)</rp></ruby>を<small>(何層にも)</small>構築しておいて、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:動詞 [[wikt:en:contabulo#Latin|contabulare]] は「板張りする」。[[内乱記_第2巻#9節|『内乱記』第2巻9節]]には [[wikt:en:contabulatio#Latin|contabulatio]]「床板張り」という単語が出て来る。)</span>
*atque has [[wikt:en:corium#Latin|coriis]] [[wikt:en:intexerant#Latin|intexerant]].
**これらを皮革で覆っていた。
:
*<!--❹--><sup>(4)</sup> Tum [[wikt:en:creber#Latin|crebris]] [[wikt:en:diurnus#Latin|diurnis]] [[wikt:en:nocturnus#Latin|nocturnis]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:eruptio#Latin|eruptionibus]]
**それから、たびたび昼間も夜間も出撃して、
*aut [[wikt:en:agger#Latin|aggeri]] [[wikt:en:ignis#Latin|ignem]] [[wikt:en:inferebant#Latin|inferebant]]
**あるいは土塁に火災を引き起こしたり、
*aut [[wikt:en:miles#Latin|milites]] [[wikt:en:occupatus#Latin|occupatos]] in [[wikt:en:opus#Latin|opere]] [[wikt:en:adoriebantur#Latin|adoriebantur]],
**あるいは工事に従事している<small>(ローマ人)</small>兵士たちを襲撃したりした。
[[画像:University_of_Queensland_Pitch_drop_experiment-white_bg.jpg|thumb|right|200px|<ruby><rb>[[w:ピッチ (樹脂)|樹脂]]</rb><rp>(</rp><rt>ピッチ</rt><rp>)</rp></ruby>の滴下実験の様子(豪州[[w:クイーンズランド大学|クイーンズランド大学]])。[[w:木材|木材]]を密閉加熱すると[[w:木炭|木炭]]が得られるが、その残り物から[[w:乾留液#木タール|木タール]]を[[w:蒸留|蒸留]]させた残り<ruby><rb>滓</rb><rp>(</rp><rt>かす</rt><rp>)</rp></ruby>がピッチである。樹木から得られるピッチは、黒色で[[w:粘度|粘っこく]]、高温で燃焼する。中世ヨーロッパでは城砦の防衛に使用され、城壁に近づく敵の上から熱したピッチを注いで焼死させたりしたという([[w:fr:Poix (matière)|fr:poix]])。]]
*et nostrarum [[wikt:en:turris#Latin|turrium]] [[wikt:en:altitudo#Latin|altitudinem]],
**我が方<small>〔ローマ勢〕</small>の[[w:攻城塔|攻城櫓]]の高さを、
*[[wikt:en:quantum#Latin|quantum]] has [[wikt:en:cotidianus#Latin|cotidianus]] agger [[wikt:en:expresserat#Latin|expresserat]],
**毎日のようにこれらを<small>(ローマ側の)</small>土塁が押し出した分だけ、
*[[wikt:en:commissus#Latin|commissis]] suarum [[wikt:en:turris#Latin|turrium]] [[wikt:en:malus#Noun_5|malis]] [[wikt:en:adaequabant#Latin|adaequabant]],
**自分たち<small>〔ガッリア勢〕</small>の櫓を、柱を組み立てることにより、<small>(ローマ側の櫓の高さと)</small>等しくしようとした。
:
*<!--❺--><sup>(5)</sup> et [[wikt:en:apertus#Latin|apertos]] [[wikt:en:cuniculus#Latin|cuniculos]]
**<small>(ローマ勢が掘削した)</small>坑道の露出したところを
*[[wikt:en:praeustus#Latin|praeusta]] et [[wikt:en:praeacutus#Latin|praeacuta]] [[wikt:en:materia#Latin|materia]]
**先端を焼いて尖らせた木材や、
*et [[wikt:en:pix#Latin|pice]] [[wikt:en:fervefactus#Latin|fervefacta]]
**熱した<ruby><rb>[[w:ピッチ (樹脂)|樹脂]]</rb><rp>(</rp><rt>ピッチ</rt><rp>)</rp></ruby>や、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:pix は<ruby><rb>[[w:歴青|瀝青]]</rb><rp>(</rp><rt>れきせい</rt><rp>)</rp></ruby>と訳されることもあるが、とくに[[w:ピッチ (樹脂)|ピッチ]]を指す<ref>[https://kotobank.jp/word/%E6%9C%A8%E3%81%9F%E3%83%BC%E3%82%8B-3173189 木タール] などを蒸留したあとに残る黒色の物質。</ref>。<br> [[w:歴青|瀝青]]は「ビチューメン」ともいい、ラテン語の [[wikt:en:bitumen#Latin|bitūmen]] に由来する。<br> [[w:ピッチ (樹脂)|ピッチ]]([[w:en:Pitch (resin)|Pitch]])は、ラテン語の [[wikt:en:pix#Latin|pix]] に由来する。)</span>
*et [[wikt:en:maximus#Latin|maximi]] [[wikt:en:pondus#Latin|ponderis]] [[wikt:en:saxum#Latin|saxis]] [[wikt:en:morabantur#Etymology_1|morabantur]]
**たいへんな重さの岩石で、<small>(ローマ勢の掘削を)</small>滞らせたり、
*[[wikt:en:moenia#Latin|moenibus]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:adpropinquo#Latin|adpropinquare]] [[wikt:en:prohibebant#Latin|prohibebant]].
**<small>(ローマ勢が)</small>城壁に接近することを<small>(ガッリア勢が)</small>妨げたりしていた。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===23節===
{{Commons|Category:Murus gallicus|Murus gallicus}}
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/23節]] {{進捗|00%|2026-06-14}}</span>
;ガッリア式城壁の構造
:
*<!--❶--><sup>(1)</sup> [[wikt:en:murus#Latin|Muri]] autem omnes [[wikt:en:Gallicus#Latin|Gallici]] hac fere [[wikt:en:forma#Latin|forma]] sunt.
**ところで、ガッリアの<ruby><rb>城壁</rb><rp>(</rp><rt>ムルス</rt><rp>)</rp></ruby>のすべては、ほぼ以下のような形態である。
:
; 木材を2ペースずつ等間隔で離して、ずっと並べていく
*<u>Trabes</u> [[wikt:en:derectus#Latin|derectae]] [[wikt:en:perpetuus#Latin|perpetuae]] <u>in longitudinem</u>
**<u><ruby><rb>木材</rb><rp>(</rp><rt>トラプス</rt><rp>)</rp></ruby></u>が<small>(城壁の)</small><u><ruby><rb>長手方向</rb><rp>(</rp><rt>ロンギトゥードー</rt><rp>)</rp></ruby></u>に、<small>(垂直に)</small>真っ直ぐに、ずっと続いて、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:trabs#Latin|trabes]] は、とくに梁のような水平材を指していると思われる。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:in [[wikt:en:longitudo#Latin|longitudinem]] は、ここでは、城壁に沿った長手方向を指す。)</span>
[[画像:Murus gallicus de Lyon Fourvière - Maquette de Nicolas Hirsch - Service Archéologique de la Ville de Lyon - Détail structure.jpg|thumb|right|300px|ガッリア式城壁の[[w:ジオラマ|ジオラマ]](仏[[w:リヨン|リヨン市]]考古学局)。木材を約60cmの間隔で並べる。]]
*[[wikt:en:par#Latin|paribus]] [[wikt:en:intervallum#Latin|intervallis]], [[wikt:en:distans#Latin|distantes]] inter se [[wikt:en:binus#Latin|binos]] [[wikt:en:pes#Latin|pedes]],
**等間隔で、互いに2<u>ペース</u>ずつ離れて、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:1[[ガイウス・ユリウス・カエサルの著作/通貨・計量単位#ペース|ペース]]は約29.6cmで、2ペースは約60 cm弱。)</span>
*in [[wikt:en:solum#Latin|solo]] [[wikt:en:conlocantur#Latin|conlocantur]].
**<ruby><rb>地面</rb><rp>(</rp><rt>ソルム</rt><rp>)</rp></ruby>に配置される。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:右の画像を参照。)</span>
:
; 木材をつなぎ合わせ、土砂を埋めて、石材をかぶせる
[[画像:2018 Rheinisches Landesmuseum Trier, Keltischer Wehrmauer.jpg|thumb|right|300px|同じく城壁のジオラマ(独[[w:トリーア|トリーア市]])。]]
*<!--❷--><sup>(2)</sup> [[wikt:en:hae#Latin|Hae]] [[wikt:en:revinciuntur#Latin|revinciuntur]] [[wikt:en:introrsus#Latin|introrsus]]
**これら<small>〔木材〕</small>は、内側で緊結されて、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:明瞭な説明ではなく、肝心な記述が欠落している。<br> 上記の2ペースずつ等間隔で並べられた平行な木材は、<br> 節末で述べられるような40ペースの長い木材によって<br> 井桁状に組み合わされて、鉄の釘で固定されたようである。<br> 右上と右のジオラマの画像を参照。)</span>
*et [[wikt:en:multus#Latin|multo]] [[wikt:en:agger#Latin|aggere]] [[wikt:en:vestiuntur#Latin|vestiuntur]];
**多くの<ruby><rb>土砂</rb><rp>(</rp><rt>アッゲル</rt><rp>)</rp></ruby>で覆われる。
*ea autem, quae [[wikt:en:diximus#Verb|diximus]], [[wikt:en:intervallum#Latin|intervalla]]
**さらに、前述した<small>(2ペースの)</small>間隔には、
*[[wikt:en:grandis#Latin|grandibus]] in [[wikt:en:frons#Latin:_forehead|fronte]] [[wikt:en:saxum#Latin|saxis]] <u>efferciuntur</u>.
**前面に大きな<ruby><rb>石塊</rb><rp>(</rp><rt>サクスム</rt><rp>)</rp></ruby>が詰め込まれる。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、ρ系写本・写本V では [[wikt:en:efferciuntur#Latin|efferciuntur]] と表記され、<br> α系写本・写本T では [[wikt:en:effarciuntur#Latin|effarciuntur]] と表記されるが、<br> [[w:母音弱化|母音弱化]]の語形である前者の方が、共和制末期のカエサルが用いたと考えられる。)</span>
[[画像:Keltenmauer.gif|thumb|right|280px|ガッリア式城壁の構成図(上が側面、中が上面、下が前面)。木材を水平な井桁状に並べて[[w:釘|釘]]で緊結し、土砂で覆って何層にも重ね、前面には石をはめ込む。井桁状の骨組によって[[w:破城槌|破城槌]]など横からの力(水平荷重)に耐えられるように工夫されている。]]
:
*<!--❸--><sup>(3)</sup> His [[wikt:en:conlocatus#Latin|conlocatis]] et [[wikt:en:coagmentatus#Latin|coagmentatis]]
**<u>これら</u>が配置されて結び合わされると、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:<u>これら</u> とは、上述の木材や石材のこと。)</span>
*alius [[wikt:en:insuper#Latin|insuper]] [[wikt:en:ordo#Latin|ordo]] [[wikt:en:additur#Latin|additur]],
**上に別の<ruby><rb>階層</rb><rp>(</rp><rt>オルドー</rt><rp>)</rp></ruby>が付け加えられる。
*ut idem illud [[wikt:en:intervallum#Latin|intervallum]] [[wikt:en:servetur#Latin|servetur]],
**その同じ<small>(2ペースの)</small>間隔が保たれて、
*neque inter se [[wikt:en:contingant#Latin|contingant]] [[wikt:en:trabs#Latin|trabes]],
**かつ<ruby><rb>木材</rb><rp>(</rp><rt>トラプス</rt><rp>)</rp></ruby>が互いに接触しないように、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:上下の層の水平材どうしが接触しないように、<br> 互い違いに並べているようである。)</span>
*sed [[wikt:en:par#Latin|paribus]] [[wikt:en:intermissus#Latin|intermissae]] [[wikt:en:spatium#Latin|spatiis]] [[wikt:en:singulus#Latin|singulae]]
**けれども、等間隔で間をあけられたそれぞれ<small>(の木材)</small>は、
*[[wikt:en:singulus#Latin|singulis]] [[wikt:en:saxum#Latin|saxis]] [[wikt:en:interiectus#Latin|interiectis]]
**それぞれの<ruby><rb>石塊</rb><rp>(</rp><rt>サクスム</rt><rp>)</rp></ruby>が間に挟まれることによって、
*[[wikt:en:arte#Adverb|arte]] [[wikt:en:contineantur#Latin|contineantur]].
**緊密に連結される。
:
*<!--❹--><sup>(4)</sup> Sic [[wikt:en:deinceps#Latin|deinceps]] omne [[wikt:en:opus#Latin|opus]] [[wikt:en:contexitur#Latin|contexitur]], [[wikt:en:dum#Latin|dum]] [[wikt:en:iustus#Latin|iusta]] [[wikt:en:murus#Latin|muri]] [[wikt:en:altitudo#Latin|altitudo]] [[wikt:en:expleatur#Latin|expleatur]].
**このように、<ruby><rb>城壁</rb><rp>(</rp><rt>ムルス</rt><rp>)</rp></ruby>の十分な高さが満たされるまで、すべての<ruby><rb>工作物</rb><rp>(</rp><rt>オプス</rt><rp>)</rp></ruby>が続けて組み立てられる。
[[画像:Bibracte_murus_gallicus1.jpg|thumb|right|300px|ガッリア式城壁の[[w:ジオラマ|ジオラマ]](仏[[w:ビブラクテ|ビブラクテ]]遺跡のケルト文明博物館)。この構造形式はカエサルの記述から「[[w:ムルス・ガリクス|ムルス・ガリクス]](ガッリア壁)」と呼ばれるが、ガッリアに限らず、[[w:鉄器時代|鉄器時代]]末期すなわちBC1世紀頃の後期[[w:ラ・テーヌ文化|ラ・テーヌ文化]]が及んだ各地に遺構として残る。木材どうしを緊結するために数百トンもの[[w:鉄|鉄]]の[[w:釘|釘]]を用いているのが大きな特徴で、[[w:鉄#製錬|製鉄]]・[[w:鋳造|鋳造]]技術の発達を示す。]]
:
; ガッリア式城壁は、外観が見事で、城塞都市の防御にも有益
:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:以下、cum ~ tum … の構文「~だけでなく、また…でもある」。)</span>
*<!--❺--><sup>(5)</sup> Hoc <u>cum</u> in [[wikt:en:species#Latin|speciem]] [[wikt:en:varietas#Latin|varietatem]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:opus#Latin|opus]] [[wikt:en:deformis#Latin|deforme]] non est [[wikt:en:alternus#Latin|alternis]] [[wikt:en:trabs#Latin|trabibus]] ac [[wikt:en:saxum#Latin|saxis]],
**<ruby><rb>この</rb><rp>(</rp><rt>ホク</rt><rp>)</rp></ruby><ruby><rb>工作物</rb><rp>(</rp><rt>オプス</rt><rp>)</rp></ruby>は、互い違いの<ruby><rb>木材</rb><rp>(</rp><rt>トラプス</rt><rp>)</rp></ruby>と<ruby><rb>石塊</rb><rp>(</rp><rt>サクスム</rt><rp>)</rp></ruby>により、変化に富む外観において不格好でなく、
*quae [[wikt:en:rectus#Latin|rectis]] [[wikt:en:linea#Latin|lineis]] suos [[wikt:en:ordo#Latin|ordines]] [[wikt:en:servant#Latin|servant]],
**──それら<small>〔木材と石〕</small>は真っ直ぐな線により、その<ruby><rb>階層</rb><rp>(</rp><rt>オルドー</rt><rp>)</rp></ruby>を保っているのだが──
*<u>tum</u> ad [[wikt:en:utilitas#Latin|utilitatem]] et [[wikt:en:defensio#Latin|defensionem]] [[wikt:en:urbs#Latin|urbium]]
**同様に、都市の防御の有益性のためにも、
*summam [[wikt:en:habet#Latin|habet]] [[wikt:en:opportunitas#Latin|opportunitatem]],
**きわめて好都合となっている。
*quod et ab [[wikt:en:incendio#Latin|incendio]] [[wikt:en:lapis#Latin|lapis]] et ab [[wikt:en:aries#Latin|ariete]] [[wikt:en:materia#Latin|materia]] [[wikt:en:defendit#Latin|defendit]],
**──というのは、<ruby><rb>石材</rb><rp>(</rp><rt>ラピス</rt><rp>)</rp></ruby>が火災からも、<ruby><rb>材木</rb><rp>(</rp><rt>マーテリア</rt><rp>)</rp></ruby>が<ruby><rb>[[w:破城槌|破城槌]]</rb><rp>(</rp><rt>はじょうつい</rt><rp>)</rp></ruby>からも、防護しており、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:et ~ et …「~でもあり、…でもある」)</span>
*quae [[wikt:en:perpetuus#Latin|perpetuis]] [[wikt:en:trabs#Latin|trabibus]] [[wikt:en:pes#Latin|pedes]] [[wikt:en:quadragenus#Latin|quadragenos]] [[wikt:en:plerumque#Adverb|plerumque]] [[wikt:en:introrsus#Latin|introrsus]] [[wikt:en:revinctus#Latin|revincta]]
**それ<small>〔短手方向の材木〕</small>は、たいてい40<u>ペース</u>にわたって<small>(長手方向に)</small>続く<ruby><rb>木材</rb><rp>(</rp><rt>トラプス</rt><rp>)</rp></ruby>により内部で緊結されており、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:1[[ガイウス・ユリウス・カエサルの著作/通貨・計量単位#ペース|ペース]]は約29.6cmで、40ペースは約12メートル。)</span>
*neque [[wikt:en:perrumpi#Latin|perrumpi]] neque [[wikt:en:distrahi#Latin|distrahi]] potest.
**突破されることも、引きはがされることもできないからである。──
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===24節===
[[画像:Avaricum_westpoint_july_2006.jpg|thumb|right|350px|[[w:アウァリクム包囲戦|アウァーリクム攻略戦]]の[[w:ジオラマ|ジオラマ]]<small>([[w:陸軍士官学校 (アメリカ合衆国)|米国陸軍士官学校]]博物館)</small>。ローマ軍の<ruby><rb>[[w:アッゲル|土塁]]</rb><rp>(</rp><rt>アッゲル</rt><rp>)</rp></ruby>は、城壁(奥)の手前に材木と土砂を積み重ねた構築物が築き上げられ、左右の土手道をそれぞれ4層の[[w:攻城塔|攻城櫓]]が城壁に迫る。土塁の周辺には<ruby><rb>[[w:ウィネア|工作小屋]]</rb><rp>(</rp><rt>ウィネア</rt><rp>)</rp></ruby>(vinea)を多数つないだ通路(坑道)が延びている。手前には2台の<ruby><rb>投射機</rb><rp>(</rp><rt>スコルピオ</rt><rp>)</rp></ruby>が見える。]]
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/24節]] {{進捗|00%|2026-06-15}}</span>
;ローマ勢が徹夜の土塁工事、籠城ガッリア勢の攻勢
:
; ローマ勢が、25日間で大がかりな攻城設備を構築する
*<!--❶--><sup>(1)</sup> His [[wikt:en:tot#Latin|tot]] rebus [[wikt:en:impeditus#Latin|impedita]] [[wikt:en:oppugnatio#Latin|oppugnatione]]
**これら多くの事情により攻囲が妨げられて、
*[[wikt:en:miles#Latin|milites]],
**兵士たちは、
*cum [[wikt:en:totus#Etymology_1|toto]] tempore <u>luto</u> [[wikt:en:frigus#Latin|frigore]] et [[wikt:en:adsiduus#Latin|adsiduis]] [[wikt:en:imber#Latin|imbribus]] <u>tardarentur</u>,
**常時、<ruby><rb><u>泥土</u></rb><rp>(</rp><rt>ルトゥム</rt><rp>)</rp></ruby>、寒さと絶え間ない<ruby><rb>雨嵐</rb><rp>(</rp><rt>イムベル</rt><rp>)</rp></ruby>によって遅らせられていたが、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部の [[wikt:en:lutum#Latin|luto]] は、β系写本の記述で、<br> α系写本にはない。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部の二つ目は、<br> χ系・β系写本では [[wikt:en:tardarentur#Latin|tardarentur]] だが、<br> 写本B・M・Sでは traderentur、<br> 写本L・Nでは terrerentur などとなっている。)</span>
*tamen [[wikt:en:continens#Adjective|continenti]] [[wikt:en:labor#Latin|labore]] omnia haec [[wikt:en:superaverunt#Latin|superaverunt]]
**しかしながら、絶え間ない労働によってこれらすべてに打ち克って、
*et diebus XXV<small> ([[wikt:en:quinque#Latin|quinque]] et [[wikt:en:viginti#Latin|viginti]])</small>
**25日間で、
*[[wikt:en:agger#Latin|aggerem]] [[wikt:en:latus#Latin:_wide|latum]] [[wikt:en:pes#Latin|pedes]] CCCXXX<small> ([[wikt:en:trecenti#Latin|trecenti]] [[wikt:en:triginta#Latin|triginta]])</small>, [[wikt:en:altus#Latin|altum]] pedes LXXX<small> ([[wikt:en:octoginta#Latin|octoginta]])</small> [[wikt:en:exstruxerunt#Latin|exstruxerunt]].
**幅330<u>ペース</u>、高さ80<u>ペース</u>の<ruby><rb>[[w:アッゲル|土塁]]</rb><rp>(</rp><rt>アッゲル</rt><rp>)</rp></ruby>を築き上げた。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:1[[ガイウス・ユリウス・カエサルの著作/通貨・計量単位#ペース|ペース]]は約29.6cmで、幅330ペースは約98メートル。高さ80ペースは約24メートル。)</span>
:
; アウァーリクムに籠城するガッリア勢が、攻囲するローマ勢の土塁に夜襲をしかける
*<!--❷--><sup>(2)</sup> Cum is [[wikt:en:murus#Latin|murum]] hostium paene [[wikt:en:contingeret#Latin|contingeret]],
**それ<small>〔ローマ側の土塁〕</small>が敵の城壁にほとんど接しようとしていたとき、
*et Caesar ad [[wikt:en:opus#Latin|opus]] [[wikt:en:consuetudo#Latin|consuetudine]] [[wikt:en:excubaret#Latin|excubaret]]
**かつ、カエサルが習慣により作業のそばで寝ずの番をしていて、
*[[wikt:en:miles#Latin|milites]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:hortaretur#Latin|hortaretur]], ne [[wikt:en:aliquod#Latin|quod]] [[wikt:en:omnino#Latin|omnino]] [[wikt:en:tempus#Latin|tempus]] ab [[wikt:en:opus#Latin|opere]] [[wikt:en:intermitteretur#Latin|intermitteretur]],
**いかなる時も作業がまったく中断されないように、と兵士たちを励ましていたときに、
*paulo ante tertiam [[wikt:en:vigilia#Latin|vigiliam]]
**第三夜警時の少し前に、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:第三夜警時は、真夜中から日の出までの時間帯の前半。「未明」<br> [[古代ローマの不定時法#夜警時|#夜警時]] を参照。)</span>
*est [[wikt:en:animadversus#Participle|animadversum]] [[wikt:en:fumo#Latin|fumare]] [[wikt:en:agger#Latin|aggerem]],
**土塁に煙が上がっていることが気付かれた。
*quem [[wikt:en:cuniculus#Latin|cuniculo]] hostes [[wikt:en:succenderant#Latin|succenderant]];
**<small>(その土塁を)</small>[[w:坑道|坑道]]によって敵たちが焼き討ちしていたものである。
:
*<!--❸--><sup>(3)</sup> [[wikt:en:idem#Latin|eodem]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:tempus#Latin|tempore]]
**そして同時に、
*[[wikt:en:totus#Latin|toto]] [[wikt:en:murus#Latin|muro]] [[wikt:en:clamor#Latin|clamore]] [[wikt:en:sublatus#Latin:_raised|sublato]],
**<small>(アウァーリクムの)</small>城壁全体で雄叫びが上がって、
*duabus portis ab [[wikt:en:uterque#Latin|utroque]] [[wikt:en:latus#Latin:_side|latere]] [[wikt:en:turris#Latin|turrium]]
**二つの城門より、<small>(ローマ勢の)</small>[[w:攻城塔|攻城櫓]]の両方の側面から
*[[wikt:en:eruptio#Latin|eruptio]] [[wikt:en:fiebat#Latin|fiebat]].
**<small>(ガッリア勢による)</small>突撃がなされていた。
:
*<!--❹--><sup>(4)</sup> Alii [[wikt:en:fax#Latin|faces]] atque [[wikt:en:aridus#Latin|aridam]] <u>materiam</u> de [[wikt:en:murus#Latin|muro]] in [[wikt:en:agger#Latin|aggerem]] [[wikt:en:eminus#Latin|eminus]] [[wikt:en:iaciebant#Latin|iaciebant]],
**<small>(ガッリア勢の)</small>他の者たちは、<ruby><rb>[[w:たいまつ|松明]]</rb><rp>(</rp><rt>たいまつ</rt><rp>)</rp></ruby>および乾いた材木を、城壁から<small>(ローマ側の)</small>土塁に、遠くから投げ込んで、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、β系写本では [[wikt:en:materiam#Latin|materiam]] だが、<br> α系写本では [[wikt:en:materiem#Latin|materiem]] となっている。<br> 文法学者[[w:カエサレアのプリスキアヌス|プリスキアーヌス]]は、カエサルの文法書 "De Analogia" について materiam と引用している。)</span>
*[[wikt:en:pix#Latin|picem]] [[wikt:en:reliquus#Latin|reliquas]]<nowiki>que</nowiki> res, quibus [[wikt:en:ignis#Latin|ignis]] [[wikt:en:excitari#Latin|excitari]] potest, [[wikt:en:fundebant#Latin|fundebant]],
**<ruby><rb>[[w:ピッチ (樹脂)|樹脂]]</rb><rp>(</rp><rt>ピッチ</rt><rp>)</rp></ruby>や、火を燃え立たせられるほかのもの<small>〔可燃物〕</small>を注ぎ込んだ。
*ut, [[wikt:en:quo#Latin:_where|quo]] primum <u>curreretur</u> aut cui rei [[wikt:en:ferretur#Latin|ferretur]] [[wikt:en:auxilium#Latin|auxilium]],
**それで、まずどこに駆け付けるのか、あるいはどの事態に支援がなされるのか、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本では [[wikt:en:curreretur#Latin|curreretur]] だが、<br> β系写本では [[wikt:en:occurreretur#Latin|occurreretur]] となっている。)</span>
*vix [[wikt:en:ratio#Latin|ratio]] [[wikt:en:iniri#Latin|iniri]] posset.
**<small>(ローマ兵には)</small>ほとんど分別され得なかった。
:
*<!--❺--><sup>(5)</sup> Tamen, quod [[wikt:en:institutum#Latin|instituto]] Caesaris <u>semper duae</u> [[wikt:en:legio#Latin|legiones]] pro [[wikt:en:castra#Latin|castris]] [[wikt:en:excubabant#Latin|excubabant]]
**しかしながら、カエサルの定めにより常に2個[[w:ローマ軍団|軍団]]が陣営の前に寝ずの番をしていたので、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、α系写本の語順では semper duae だが、<br> β系写本の語順では duae semper となっている。)</span>
*[[wikt:en:plus#Latin|plures]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:partitus#Latin|partitis]] [[wikt:en:tempus#Latin|temporibus]] erant in [[wikt:en:opus#Latin|opere]],
**かつ、より多くの者たちが時間を割り当てられて作業していたので、
*celeriter [[wikt:en:factus#Latin|factum]] est,
**<small>(防戦は)</small>速やかになされた。
*ut <u>alii</u> [[wikt:en:eruptio#Latin|eruptionibus]] [[wikt:en:resisterent#Latin|resisterent]],
**ある者たちは<small>(ガッリア勢の)</small>突撃に抵抗しており、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:alii ~ alii …「~する者もいれば、…する者もいる。」)</span>
*<u>alii</u> [[wikt:en:turris#Latin|turres]] [[wikt:en:reducerent#Latin|reducerent]]
**別のある者たちは[[w:攻城塔|攻城櫓]]を引き戻して、
*[[wikt:en:agger#Latin|aggerem]]<nowiki>que</nowiki> [[wikt:en:interscinderent#Latin|interscinderent]],
**土塁を<small>(城壁側から)</small>切り離していた。
*omnis vero ex [[wikt:en:castra#Latin|castris]] [[wikt:en:multitudo#Latin|multitudo]] ad [[wikt:en:restinguendum#Verb|restinguendum]] [[wikt:en:concurreret#Latin|concurreret]].
**さらに陣営から大勢の皆が、消火するために急ぎ集まっていた。
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===25節===
*<span style="background-color:#ffd;">[[/注解/25節]] {{進捗|00%|2026-06-29}}</span>
;籠城ガッリア勢が必死の防戦
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--❶--><sup>(1)</sup> Cum in omnibus locis, <u>[[wikt:en:consumptus#Latin|consumpta]] iam reliqua parte noctis</u>, [[wikt:en:pugnaretur#Latin|pugnaretur]],
**<u>すでに夜も明けて</u>、至る所で戦われていたときに、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部の直訳は「すでに夜の残りの部分も費やされて」。)</span>
*[[wikt:en:semper#Latin|semper]]<nowiki>que</nowiki> hostibus [[wikt:en:spes#Latin|spes]] [[wikt:en:victoria#Latin|victoriae]] [[wikt:en:redintegraretur#Latin|redintegraretur]],
**かつ、常に敵たちにとって勝利の希望が蘇っており、
*<u>eo magis, quod</u> [[wikt:en:deustus#Latin|deustos]] [[wikt:en:pluteus#Latin|pluteos]] [[wikt:en:turris#Latin|turrium]] [[wikt:en:videbant#Latin|videbant]] nec facile [[wikt:en:adire#Latin|adire]] [[wikt:en:apertus#Latin|apertos]] ad [[wikt:en:auxiliandum#Verb|auxiliandum]] [[wikt:en:animadvertebant#Latin|animadvertebant]],
**<span style="font-family:Times New Roman;font-size:11pt;">[[w:攻城塔|攻城櫓]]の<ruby><rb>障壁</rb><rp>(</rp><rt>プルテウス</rt><rp>)</rp></ruby>が<ruby><rb>焼き落された</rb><rp>(</rp><rt>デウストゥス</rt><rp>)</rp></ruby>のを見ていて、<ruby><rb>身を曝した者</rb><rp>(</rp><rt>アペルトゥス</rt><rp>)</rp></ruby>たちが救援のために容易に近づけないのに気付いていた<u>のでなおさらだったが</u>、</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:eo magis quod|eo magis quod]] ~ 「~なので、その分だけ、より一層」。[[ガリア戦記 第3巻#14節|第3巻14節]]も参照。)</span>
*[[wikt:en:semper#Latin|semper]]<nowiki>que</nowiki> ipsi [[wikt:en:recens#Adjective|recentes]] [[wikt:en:defessus#Latin|defessis]] [[wikt:en:succederent#Latin|succederent]]
**常に彼ら自身<small>〔籠城ガッリア勢〕</small>は新たな者たちが疲れ果てた者たちに交代しており、
*[[wikt:en:omnis#Latin|omnem]]<nowiki>que</nowiki> Galliae [[wikt:en:salus#Latin|salutem]] <u>in illo [[wikt:en:vestigium#Latin|vestigio]] temporis [[wikt:en:positus#Participle|positam]] <span style="color:#009900;"><small>(esse)</small></span></u> [[wikt:en:arbitrarentur#Latin|arbitrarentur]],
**ガッリアのすべての安全が、<u>その瞬間にかかっている</u>と思われていたので、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部の直訳は「その時の足跡(瞬間)に置かれている」。)</span>
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:以上の cum ~ arbitrarentur, が状況や理由を説明する副文で、以下が主文となっている。)</span>
*[[wikt:en:accidit#Etymology_1|accidit]] [[wikt:en:inspectans#Latin|inspectantibus]] nobis,
**我が方<small>〔ローマ勢〕</small>が見ているなかで起こったのは、
*[[wikt:en:quod#Pronoun|quod]] [[wikt:en:dignus#Latin|dignum]] [[wikt:en:memoria#Latin|memoria]] [[wikt:en:visus#Participle|visum]] [[wikt:en:praetereundus#Latin|praetereundum]] non [[wikt:en:existimavimus#Latin|existimavimus]].
**記憶に値すると思われたことを<small>(我がローマ勢が)</small>見過ごすべきではないと考えていたことである。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:この主文の主語を省略せずに記せば、以下のようになる。<br> [id], quod dignum memoria visum [esse] praetereundum [esse] non existimavimus.)</span>
[[画像:048_Conrad_Cichorius,_Die_Reliefs_der_Traianssäule,_Tafel_XLVIII_(Ausschnitt 01).jpg|thumb|right|250px|<ruby><rb>[[w:スコルピオ|投射機]]</rb><rp>(</rp><rt>スコルピオー</rt><rp>)</rp></ruby>を操作する[[w:ダキア人|ダキア人]]の彫刻([[w:トラヤヌスの記念柱|トラヤヌス帝の記念柱]]に刻まれた[[w:レリーフ|レリーフ]])。]]
[[画像:Balliste_fireing.jpg|thumb|right|250px|<ruby><rb>[[w:スコルピオ|投射機]]</rb><rp>(</rp><rt>スコルピオー</rt><rp>)</rp></ruby>([[w:en:Scorpio (dart-thrower)|Scorpio]])の現代における復元。]]
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--❷--><sup>(2)</sup> Quidam ante portam oppidi Gallus, <u>qui</u>
**城塞都市のその門の前に、<small>(1人の)</small>ガッリア人が、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部の qui は、β系写本の記述で、α系写本にはない。)</span>
*per manus sebi ac picis traditas [[wikt:en:glaeba#Latin|glaebas]] in ignem e regione turris proiciebat:
**手づてに渡された獣脂や<ruby><rb>[[w:ピッチ (樹脂)|樹脂]]</rb><rp>(</rp><rt>ピッチ</rt><rp>)</rp></ruby>の塊を、攻城櫓に向けて、火炎の中に投げ込んだが、
*scorpione ab latere dextro traiectus exanimatus<nowiki>que</nowiki> concidit.
**<ruby><rb>[[w:スコルピオ|投射機]]</rb><rp>(</rp><rt>スコルピオー</rt><rp>)</rp></ruby>で右の横腹を射られて、息絶えて倒れた。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--❸--><sup>(3)</sup> Hunc ex proximis unus iacentem transgressus
**彼が倒れているのを、すぐ近くの者たちのうちの1人が乗り越えて、
*eodem illo munere fungebatur;
**その同じ任務を果たした。
*Eadem ratione ictu scorpionis exanimato alteri
**同じやり方で<ruby><rb>[[w:スコルピオ|投射機]]</rb><rp>(</rp><rt>スコルピオー</rt><rp>)</rp></ruby>の射撃で息絶えさせられた第2の者に
*successit tertius et tertio quartus,
**第3の者が交代し、第3の者に第4の者が代わった。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*<!--❹--><sup>(4)</sup> nec prius ille est a [[wikt:en:propugnator#Latin|propugnatoribus]] vacuus relictus locus
**その場は、防戦者たちによって空にしておかれなかった。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:nec prius ~ quam …「…までは~でない」)</span>
*quam restincto aggere atque <u>omni ex parte</u> submotis hostibus finis est pugnandi factus.
**<ruby><rb>[[w:アッゲル|土塁]]</rb><rp>(</rp><rt>アッゲル</rt><rp>)</rp></ruby>が鎮火されて、そのすべての方面で敵たちが撃退されて、戦いに決着が付けられるまでは。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:下線部は、omni <u>ex</u> parte は ''[[ガリア戦記/注解編/写本と校訂版#Ciacconius|Ciacconius]]'' による修正で、<br> α系写本では omni <u>ea</u> parte <br> β系写本では omni parte となっている。)</span>
<!--
<span style="color:#009900;"></span>
<small></small>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:
-->
===26節===
'''アウァーリクム脱出の企て、女たちの絶叫'''
: <!-- [[wikt:en:| -->
*① Omnia experti Galli, quod res nulla successerat,
**ガッリア人たちはあらゆることを企てたが、何ら事が成功しなかったので、
*postero die consilium ceperunt ex oppido profugere,
**(戦いの夜が明けて)翌日には、(アウァーリクムの)城塞都市から退避する計画を立てた。
*hortante et iubente [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorige]].
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]によって促され、命じられたものであった。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*② Id silentio noctis conati non magna iactura suorum sese effecturos sperabant,
**それを夜の静けさのうちに試みても、味方に大きな犠牲もなく、自分たちは成し遂げるだろうと期待した。
*propterea quod neque longe ab oppido castra Vercingetorigis aberant,
**それというのも、(アウァーリクムの)城塞都市からウェルキンゲトリークスの陣営はあまり離れていなかったし、
*et palus, quae perpetua<ref>, quae perpetua はα系写本の記述で、β系写本では perpetua, quae となっている。</ref> intercedebat, Romanos ad insequendum tardabat.
**沼地も絶え間なく介在していて、ローマ人たちの追跡を遅らせた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:neque ~ et …「~ではなく、…である」)</span>
: <!-- [[wikt:en:| -->
*③ Iamque hoc<ref>hoc と校訂されているが、たいていの写本ωでは haec となっている。</ref> facere noctu apparabant,
**すでに、これを実行することを夜間に準備していた。
*cum matres familiae repente in publicum procurrerunt
**そのときに家庭の母親たちが不意に公の場に走り出て来て、
*flentesque proiectae ad pedes suorum omnibus precibus petierunt,
**泣きながら、身内のものたちの足元に(身を)投げ出して、あらゆる懇願でもって頼んだ。
*ne se et communes liberos hostibus ad supplicium dederent,
**自分たちと(身内に)共通の子供たちを敵に処刑されることのために引き渡さないで。
*quos<ref>quos はα系写本の記述で、β系写本では quas となっている。</ref> ad capiendam fugam naturae et virium infirmitas impediret.
**それらの者たちが逃げるためには、性質や体力の弱さが、妨げるのだ。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*④ Ubi eos in sententia perstare viderunt,
**彼ら(男たちが)意向に固執していると(女たちは)見て取ったときに、
*quod plerumque in summo periculo timor misericordiam non recipit,
**というのは、たいていは最高の危険においては、怖れが同情を受け入れないものであるが、
*conclamare et significare de fuga Romanis coeperunt.
**(女たちは)叫び声を上げて、ローマ人たちに(男たちの)逃亡について知らしめ始めた。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*⑤ Quo timore perterriti Galli,
**それによって、怖れに脅かされたガッリア人たちは、
*ne ab equitatu Romanorum viae praeoccuparentur, consilio destiterunt.
**ローマ人の[[w:騎兵|騎兵隊]]によって道を先取されないように、計画を取り止めた。
===27節===
'''ローマ軍が大雨の中で城壁を占拠'''
: <!-- [[wikt:en:| -->
*① Postero die Caesar promota turri perfectisque operibus, quae facere instituerat,
**翌日にカエサルは、(後退していた)[[w:攻城塔|攻城櫓]](の1基)が前進させられて、実施を定めていた作業が成し遂げられると、
*magno coorto imbre<ref>imbre はα系写本の記述だが、β系写本では imbri となっている。</ref> non inutilem hanc ad capiendum consilium tempestatem arbitratus est,<ref>arbitratus est, はα系写本の記述だが、β系写本では arbitratus, となっている。</ref>
**大雨が急に起こったが、作戦計画を立てるために、この天候は不利ではないと思われた。
*quod paulo incautius custodias in muro dispositas videbat,
**というのは、(アウァーリクムの)城壁に配備された守備兵たちが少しより油断していると見ていたのだ。
*suosque<ref>suosque はα系写本の記述だが、β系写本では suos quoque となっている。</ref> languidius in opere versari iussit et quid fieri vellet ostendit.
**配下の者たちには緩慢に作業に従事することを命じて、何がなされることを欲しているかを示した。
[[画像:Avaricum_westpoint_july_2006.jpg|thumb|right|300px|[[w:アウァリクム包囲戦|アウァーリクム攻略戦]]の[[w:ジオラマ|ジオラマ]](再掲;[[w:陸軍士官学校 (アメリカ合衆国)|米国陸軍士官学校]]博物館)。ローマ軍の<ruby><rb>[[w:アッゲル|土塁]]</rb><rp>(</rp><rt>アッゲル</rt><rp>)</rp></ruby>の周辺には、<ruby><rb>[[w:ウィネア|工作小屋]]</rb><rp>(</rp><rt>ウィネア</rt><rp>)</rp></ruby>(vinea)の両端を開いて多数つないだ廊下状の通路(坑道)が延びている。]]
: <!-- [[wikt:en:| -->
*② Legionibusque intra vineas in occulto expeditis,
**[[w:ローマ軍団|諸軍団]]が<ruby><rb>[[w:ウィネア|工作小屋]]</rb><rp>(</rp><rt>ウィネア</rt><rp>)</rp></ruby>の内側でひそかに戦備を整えており、
*cohortatus ut aliquando pro tantis laboribus fructum victoriae perciperent,
**やっと、これほどの労苦の見合う勝利の報酬を我がものとするように激励した。
*iis qui primi murum ascendissent, praemia proposuit militibusque signum dedit.
**一番乗りとして城壁に登った者たちには、恩賞を約束して、兵士たちに号令を発した。
*Illi subito ex omnibus partibus evolaverunt murumque celeriter compleverunt.
**彼ら(ローマ軍団兵)は不意にあらゆる方面から飛び出して、速やかに城壁を満たしたのだ。
===28節===
'''ローマ軍がアウァーリクムの市民4万人を大虐殺'''
: <!-- [[wikt:en:| -->
*① Hostes re nova perterriti, muro turribusque deiecti
**敵たち(籠城ガッリア勢)は新たな事態に脅かされて、(ローマ兵によって)城壁や櫓から追いやられて、
*in foro ac locis patentioribus cuneatim constiterunt
**<ruby><rb>広場</rb><rp>(</rp><rt>フォルム</rt><rp>)</rp></ruby>や開けた場所に楔状に留まった。
*hoc animo, ut, si qua ex parte obviam contra veniretur, acie instructa depugnarent.
**もし、どの方向から相対して対抗して来られても、戦列を整えて決戦しようという心積もりでいたのだ。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*② Ubi neminem in aequum locum sese demittere, sed toto undique muro circumfundi viderunt,
**(ローマ兵が)誰も平らな所に降りて来ず、しかし城壁全体の至る所で取り囲まれたことを見たときに、
*veriti, ne omnino spes fugae tolleretur,
**(籠城ガッリア勢は)逃亡のあらゆる希望を奪われないかと怖れて、
*abiectis armis ultimas oppidi partes continenti impetu petiverunt,
**武器を投げ捨てて、城塞都市の(ローマ勢から)最も遠くの方面を絶え間ない殺到によって求めた。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*③ parsque ibi, cum angusto exitu portarum se ipsi premerent, a militibus,
**ある一部の者たちはそこで、城門の狭い出口で自分たちで押し合っていたので、(軍団の)兵士たちによって(殺され)、
*pars iam egressa portis ab equitibus est interfecta.
**別の一部の者たちはすでに城門を出ていたが、(ローマ側の)[[w:騎兵|騎兵]]たちによって虐殺された。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*④ Nec fuit quisquam, qui praedae studeret.
**(ローマ勢には)略奪品を熱心に求める何者もいなかった。
*Sic et Cenabi<ref>Cenabi は、α系写本では Genabi 、T・V写本では Cenabensi などとなっている。</ref> caede et labore operis incitati
**このように、ケナブムの(ローマ市民の)殺害にも、(攻城)作業の労苦にも煽られて
**:<span style="color:#009900;">(訳注:カルヌーテース族によるローマ市民の殺害については[[#3節|3節]]を参照。)</span>
*non aetate confectis, non mulieribus, non infantibus pepercerunt.
**(ローマ勢は)年老いた者たちにも、妻女たちにも、幼児たちにも(虐殺することを)思いとどまらなかった。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ビトゥリゲース族はローマ市民の殺害には関与しておらず、報復される対象とするのは的外れである。</span>
**:<span style="color:#009900;">ましてや非戦闘員である老人・女性・子供たちまで殺戮するのは、戦争の狂気というしかない。)</span>
: <!-- [[wikt:en:| -->
*⑤ Denique ex omni eo<ref>eo はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> numero, qui fuit circiter milium XL(quadraginta),
**ついには、約40000名もいたすべての人員のうち、
*vix DCCC(octingenti), qui primo clamore audito se ex oppido eiecerunt<ref>eiecerunt はα系写本の記述で、β系写本では eiecerant となっている。</ref>,
**やっと800名が、はじめにどよめきを聞いて、城塞都市から急ぎ出ていたので、
*incolumes ad [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorigem]] pervenerunt.
**無傷のままで[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]のところへ到着した。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*⑥ Quos ille multa iam nocte silentio<ref>silentio はα系写本の記述で、β系写本にはない。</ref> sic<ref>sic はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> ex fuga excepit,
**その者たちを彼は、すでに夜も更けた静けさのうちに、逃亡から迎え入れた。
*veritus ne qua in castris ex eorum concursu et misericordia vulgi seditio oreretur<ref>oreretur は一部の写本の記述で、ほかの写本では oriretur となっている。</ref>,
**彼らの駆け込みや兵たちの同情から、陣営の中で何らかの騒動が生じないように怖れて、
*ut procul in via dispositis familiaribus suis principibusque civitatum
**(陣営の)遠くから途中で、自らの郎党たちや部族の領袖たちを配備して、
*disparandos deducendosque ad suos curaret,
**(敗走者たちを)味方のところへ分けて連れて行くようにさせた。
*quae cuique civitati pars castrorum ab initio obvenerat.
**陣営の各部分は、おのおのの部族にはじめから与えられていたのだ。
===29節===
[[画像:Vercingetorix stater CdM.jpg|thumb|right|250px|[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]の横顔が刻まれたガリアの金貨(パリの[[w:ビブリオテーク・ナショナル|仏国立図書館]]貨幣部蔵)]]
'''ウェルキンゲトリークスが演説で味方を鼓舞する'''
: <!-- [[wikt:en:| -->
*① Postero die concilio convocato consolatus cohortatusque est,
**(ウェルキンゲトリークスは)翌日に会合を召集して、(味方の者たちを)慰めて激励した。
*ne se admodum animo demitterent,
**あまり気を落とさないように、
*ne<ref>ne はα系写本の記述で、β系写本では neve となっている。</ref> perturbarentur incommodo.
**敗北により取り乱さないように、と。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*② Non virtute neque in acie vicisse Romanos,
**ローマ人たちが勝ったのは、武勇においてでも、(野戦の)戦場においてでもなく、
*sed artificio quodam et scientia oppugnationis,
**ある種の技巧および攻城戦の知識によるものであって、
*cuius rei fuerint ipsi imperiti.
**その事柄に(ガッリア勢)自身は通じていなかったのだ。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[ガリア戦記 第5巻#42節|第5巻42節]]では、ネルウィイ族らガッリア北部のベルガエ勢はローマ人の攻城術をまねていた。)</span>
: <!-- [[wikt:en:| -->
*③ Errare, si qui in bello omnes secundos rerum proventus exspectent.
**戦争においては、誰であれ万事、順調な成功を期待するのならば、誤りである。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*④ Sibi numquam placuisse Avaricum defendi,
**自分にとっては、アウァーリクムが防衛されることは決して気に入らなかった。
*cuius rei testes ipsos haberet;
**その事情の証人は(諸君ら)自身である。
*sed factum imprudentia Biturigum et nimia obsequentia reliquorum, uti hoc incommodum acciperetur.
**だが、ビトゥリゲース族の軽率さとほかの者たちが過度に意のままに従ったことにより、この敗北を蒙るようになったのだ。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*⑤ Id tamen se celeriter maioribus commodis sanaturum.
**しかしながら、それを自分が速やかに大いなる勝利によって埋め合わせよう。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*⑥ Nam quae ab reliquis Gallis civitates dissentirent,
**一方、(ウェルキンゲトリークスら)ほかのガッリア人たちとは意見を相異する諸部族、
*has sua diligentia adiuncturum atque unum consilium totius Galliae effecturum,
**彼らを自分の入念さにより加盟させるだろうし、全ガッリアの計画を一つにするだろう。
*cuius consensui ne orbis quidem terrarum possit obsistere;
**その協定には、全世界でさえ邪魔することはできない。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:ne quidem|ne ~ quidem]]「~でさえ…ない」)</span>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:orbis terrarum「全世界」)</span>
*idque se prope iam effectum habere.
**それを自分は、ほとんどすでに成し遂げたと思う。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*⑦ Interea aequum esse ab iis communis salutis causa impetrari,
**その間に(ガッリア)共通の安全のために、彼ら(ガッリア人たち)により(以下のように)遂げられることが好都合である。
*ut castra munire instituerent,
**陣営を防御することを実施するように、
*quo facilius repentinos hostium impetus sustinerent<ref>sustinerent はα系写本の記述で、β系写本では sustinere possent となっている。</ref>.
**それにより、敵たち(ローマ人)の予期せぬ襲撃により容易に持ちこたえられるように。
===30節===
'''ガッリア勢がウェルキンゲトリークスに心服し、希望を抱く'''
: <!-- [[wikt:en:| -->
*① Fuit haec oratio non ingrata Gallis,
**この演説は、ガッリア人たちには満更不快でもなかった。
*et maxime, quod ipse animo non defecerat tanto accepto incommodo
**というのは、とりわけ(ウェルキンゲトリークス)自身がこれほどの敗北を蒙っても気を落とさず、
*neque se<ref>se は写本にない記述だが、後の刊本で挿入された。</ref> in occultum abdiderat et conspectum multitudinis fugerat,
**秘密の場所に隠れたり、大勢の見ているところを逃れることがなかったからである。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*② plusque animo providere et praesentire existimabatur,
**(ウェルキンゲトリークスは)より多くのことを心に予見したり予感していると考えられた。
*quod re integra primo incendendum Avaricum, post deserendum censuerat.
**というのは、事態が定まらないのに、始めはアウァーリクムを焼かれるべきと、後には放棄するべきと考慮していたからだ。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*③ Itaque ut reliquorum imperatorum res adversae auctoritatem minuunt,
**こうして、ほかの将軍なら逆境が(彼の)影響力を減ずるのに、
*sic huius ex contrario dignitas incommodo accepto in dies augebatur.
**反対に彼の威厳は、敗北を蒙っても、日々において増されたのだ。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*④ Simul in spem veniebant eius adfirmatione de reliquis adiungendis civitatibus;
**同時に、彼の断言によって(彼らは)ほかの諸部族を加盟させることについて希望を抱いた。
*primumque eo tempore Galli castra munire instituerunt,
**そのときに初めて、ガッリア人たちは陣営を防御することを実施した。
*et sic sunt<ref>写本(ω)では sunt という記述だが、erant と修正する校訂版もある。</ref> animo consternati<ref>写本(ω)では consternati という記述だが、現代の校訂版では confirmati と修正されている。</ref>, homines insueti laboris,
**(陣営の防御という)努力に慣れていない人々が気持ちを駆り立てられた。
*ut omnia quae imperarentur sibi patienda et perferenda<ref>et perferenda はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> existimarent.
**自分たちにとって、命令されたことすべてを耐えるべきであり、成就するべきであると考えたほどであった。
===31節===
'''ウェルキンゲトリークスがほかの諸部族を勧誘し、兵力を補充する'''
: <!-- [[wikt:en:| -->
*① Nec minus quam est pollicitus [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]] animo laborabat, ut reliquas civitates adiungeret,
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は、約束したことに劣らず、ほかの諸部族を加盟させるように心から努力した。
*atque earum principes donis pollicitationibusque<ref>earum principes donis pollicitationibusque はβ系写本の記述で、α系写本では eas donis pollicitationibus となっている。</ref> adliciebat.
**その領袖たちに贈物を約束して、誘い込もうとした。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*② Huic rei idoneos homines deligebat,
**この事に適切な人物たちを(ウェルキンゲトリークスは)選び出して、
*quorum quisque aut oratione subdola aut amicitia facillime capere<ref>capere はχ・L写本の記述で、β系写本では capi となっている。</ref> posset.
**その者たちのおのおのは、巧妙な演説により、あるいは友情により、かなり容易に(同盟者を)得ることができた。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*③ Qui [[w:la:Avaricum Biturigum|Avarico]] expugnato refugerant, armandos vestiendosque curat;
**(ウェルキンゲトリークスは)[[w:アウァリクム|アウァーリクム]]が攻略されて逃げて来た者たちに、武装させ、服を着るようにさせた。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*④ simul, ut deminutae copiae redintegrarentur,
**同時に、減り衰えた軍勢が補完されるように、
*imperat certum numerum militum civitatibus, quem et quam ante diem in castra adduci velit,
**諸部族に、兵の一定の数をどれほど、かつ、どの日の前までに陣営に連れて来ることを欲するかを命令し、
*sagittariosque omnes, quorum erat permagnus numerus in Gallia<ref>numerus in Gallia はα系写本の記述で、β系写本では in Gallia numerus となっている。</ref>, conquiri et ad se mitti iubet.
**ガッリアにかなり多数がいた弓兵のすべてを、徴集して自分のところへ派遣することを命じた。
*His rebus celeriter id, quod Avarici deperierat, expletur.
**これらの事により、速やかに、アウァーリクムで壊滅していたそれ(らの軍勢)が補充された。
: <!-- [[wikt:en:| -->
*⑤ Interim Teutomatus, Olloviconis filius, rex Nitiobrogum,
**その間に、オッロウィコの息子で、ニティオブロゲス族の王であるテウトマトゥスが、
*cuius pater ab senatu nostro amicus erat appellatus,
**その父(オッロウィコ)は、我が方(ローマ)の[[w:元老院 (ローマ)|元老院]]から友人と呼ばれていたのだが、
*cum magno equitum suorum numero et quos ex Aquitania conduxerat ad eum pervenit.
**自らの騎兵の多数および[[w:アクィタニア|アクィタニア]]から募っていた者たちとともに、彼(ウェルキンゲトリークス)のところへ到着した。
==ゲルゴウィア攻略戦、ハエドゥイー族の離反==
===32節===
'''ハエドゥイー族内紛の危機'''
*① Caesar [[w:la:Avaricum Biturigum|Avarici]] complures dies commoratus
**カエサルは、[[w:アウァリクム|アウァーリクム]]に幾日も留まって、
*summamque ibi copiam frumenti et reliqui commeatus nactus
**そこでかなり多量の糧食やほかの必需品を手に入れて、
*exercitum ex labore atque inopia refecit.
**軍隊を労苦や欠乏から回復させた。
*② Iam prope hieme confecta,
**すでに、ほぼ冬は過ぎ去り、
*cum ipso anni tempore ad gerendum bellum vocaretur et ad hostem proficisci constituisset,
**(カエサルが)まさにその時季に戦争を遂行することに呼び寄せられて、敵の方へ発つことを決意していたときに、
*sive eum ex paludibus silvisque elicere sive obsidione premere posset,
**あるいは(敵を)沼地や森林から誘い出せるか、あるいは包囲により圧倒することができるか、というときに、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:sive ~ sive …「あるいは~、あるいは…」)</span>
*legati ad eum principes [[w:la:Haedui|Haeduorum]] veniunt oratum,
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の領袖たちが使節として彼(カエサル)のところへ頼みにやって来た。
*ut maxime necessario tempore civitati subveniat;
**きわめて緊急の時に、部族を助けてくれるように、と。
*③ Summo esse in periculo rem,
**事態は最大の危機にある。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:以下は、ハエドゥイー族の救援要請(間接話法)である。)</span>
*quod, cum singuli magistratus antiquitus creari atque regiam potestatem annum<ref>annum はα系写本の記述で、β系写本では annuam となっている。</ref> obtinere consuessent,
**というのは、昔から一人ずつの統領が選出されて、一年ごとに支配権力に就くことが常であったのに、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[ガリア戦記 第1巻#16節|第1巻16節]]によれば、ウェルゴブレトゥス Vergobretus という最高官職が毎年選ばれて大権を司る。)</span>
*duo magistratum gerant et se uterque eorum legibus creatum esse<ref>creatum esse はα系写本の記述で、β系写本では creatum となっている。</ref> dicat.
**2名が統領を司り、彼らの双方ともに自分は法により(=合法的に)選出されたのであると言っているのだ。
*④ Horum esse alterum Convictolitavem, florentem et inlustrem adulescentem,
**彼らの一方は、[[w:コンウィクトリタウィス|コンウィクトリタウィス]]で、声望があり、秀でた青年である。
*alterum Cotum, antiquissima familia natum
**他方は、[[w:コトゥス|コトゥス]]で、とても古くからの家系に生まれて、
*atque ipsum hominem summae potentiae et magnae cognationis,
**自身も最大勢力と多くの縁戚関係をもつ人物であり、
*cuius frater Valetiacus proximo anno eundem magistratum gesserit.
**その兄弟[[w:ウァレティアクス|ウァレティアクス]]は前年に同じ統領を司っていたのである。
*Civitatem esse omnem in armis;
**部族は皆が武装している。
*divisum senatum, divisum populum, suas<ref>suas は中世までの写本(ω)で、近世の写本(ς)では in suas となっている。</ref> cuiusque eorum clientelas.
**評議会も分裂し、民衆も分裂し、彼ら(2名)の(それぞれの)庇護民となっている。
*Quodsi diutius alatur controversia, fore uti pars cum parte civitatis confligat;
**もしこれ以上、紛争が進められれば、部族の派閥と派閥が激突することになるであろう。
*Id ne accidat, positum in eius diligentia atque auctoritate.
**それが起こらないかは、彼(カエサル)の入念さと影響力にかかっている。
===33節===
'''カエサルがハエドゥイー族の権力をコンウィクトリタウィスに与える'''
*① Caesar, etsi a bello atque hoste discedere detrimentosum esse existimabat,
**カエサルは、戦争および敵から離れることが非常に不利であると考えていたのではあるが、
*tamen non ignorans, quanta ex dissensionibus incommoda oriri consuessent,
**しかしながら、不和からどれほどの災厄が生じることが常であるか、知らないではなかったし、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:etsi ~, tamen …「~ではあるが、しかしながら…」)</span>
*ne tanta et tam coniuncta populo Romano civitas,
**これほど大きく、これほどローマ人民と協同している(ハエドゥイーの)部族が、
*quam ipse semper aluisset omnibusque rebus ornasset,
**彼らのことを(カエサル)自身は常に助成して、かつあらゆる事柄で敬意を表していたのだが、
*ad vim atque arma descenderet,
**(彼らが内紛という)暴力や戦乱に沈み込まないように、
*atque ea pars, quae minus sibi confideret, auxilia a [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorige]] arcesseret,
**かつ、自分たちが劣勢だと確信している(ハエドゥイーの)一派が[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]の支援を招かないように、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ne ~ civitas, ~ descenderet, ~ arcesseret「~部族が、~沈まないように、~招かないように」)</span>
[[画像:FR-58-Decize29.JPG|thumb|right|250px|デケティア([[w:la:Decetia|Decetia]])すなわち現在のドスィーズ([[w:fr:Decize|Decize]])の景観。[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の版図であった[[w:ニエーヴル県|ニエーヴル県]]の南部にあり、リゲル川(現[[w:ロワール川|ロワール川]])のほとりに位置している。]]
*huic rei praevertendum existimavit et,
**この事態を(戦争よりも)優先されるべきと考えた。
*② quod legibus [[w:la:Haedui|Haeduorum]] iis, qui summum magistratum obtinerent, excedere ex finibus non liceret,
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の法により、最高の官職に就いている者は領土から出て行くことを許されないので、
*ne quid de iure aut de legibus eorum deminuisse videretur,
**(カエサルが)彼らの法令あるいは法制について何ら軽視したとは思われないように、
*ipse in Haeduos proficisci statuit
**自身がハエドゥイー族のところに出発することを決心した。
*senatumque omnem et quos inter controversia esset ad se [[w:la:Decetia|Decetiam]] evocavit.
**かつ、評議会の全員、および紛争が介在しているところの者たちをデケティアの自分のところへ呼び出した。
*③ Cum prope omnis civitas eo convenisset, docereturque
**部族のほぼすべての(主だった)者たちがそこに集まったときに、(以下のことが)報知された。
*paucis clam convocatis alio loco, alio tempore atque oportuerit, fratrem a fratre renuntiatum,
**わずかな者が密かに、あるべきはずとは別の場所、別の時に呼び集められて、兄により弟(の就位)が告げられたというのだ。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:前年に統領であった兄ウァレティアクスによって弟コトゥスの統領への就位が告げられたということであろう。)</span>
*cum leges duo<ref>duo はχ・B・M・S・β系写本の記述で、L・N写本では duos となっている。</ref> ex una familia vivo utroque non solum magistratus creari vetarent, sed etiam in senatu esse prohiberent,
**法は、一つの家族から2名が双方とも存命中に、統領に選出されるのを禁じるだけでなく、評議会にいることも禁止しているのに。
*Cotum imperium deponere coegit,
**(カエサルは)[[w:コトゥス|コトゥス]]に支配権を放棄することを強要した。
*Convictolitavem, qui per sacerdotes more civitatis intermissis magistratibus esset creatus,
**[[w:コンウィクトリタウィス|コンウィクトリタウィス]]は、統領が空位になったときに、部族の規則により、祭司を通じて選出されたので、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ここでいう祭司 sacerdos が[[ガリア戦記 第6巻#13節|第6巻13節]]以下で説明された[[w:ドルイド|ドルイド]]と同じか否かは不詳である。)</span>
*potestatem obtinere iussit.
**(カエサルは彼に)権力の座に就くことを命じた。
===34節===
'''ハエドゥイー族を動員し、ローマ軍をカエサルとラビエーヌスの二隊に分散'''
*① Hoc decreto interposito cohortatus Haeduos, ut
**この決定により仲裁して、(カエサルは)[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]に以下のように励ました。
*controversiarum ac dissensionis obliviscerentur
**(部族内部の)紛争や不和を忘れるように、
*atque omnibus omissis his rebus huic bello servirent
**かつ、これらすべての事情を度外視して、この(ウェルキンゲトリークスとの)戦争に尽くすように、
*eaque, quae meruissent, praemia ab se devicta Gallia exspectarent
**ガッリアが征服されたときには(彼らが)受けるに値する自分(カエサル)からの恩賞を期待するように、
*equitatumque omnem et peditum milia X(decem) sibi celeriter mitterent,
**(ハエドゥイー族の)騎兵隊のすべてと歩兵1万名を自分(カエサル)に速やかに派遣するように、
*quae in praesidiis rei frumentariae causa disponeret,
**それらは糧食供給のために守備隊として分けて置くものである、と。
[[画像:Brioude pont.JPEG|thumb|right|250px|エラウェル川([[w:la:Elaver|Elaver]])こと現在の[[w:アリエ川|アリエ川]](Allier)。ハエドゥイー族領の境辺りでリゲル川([[w:la:Liger|Liger]])こと現[[w:ロワール川|ロワール川]]([[w:fr:Loire (fleuve)|Loire]])に合流する。]]
*② exercitum in duas partes divisit:
**(カエサルは)軍隊を二つの方面軍に分けた。
*quattuor legiones in Senones Parisiosque [[w:la:Titus Labienus|Labieno]] ducendas dedit,
**4個[[w:ローマ軍団|軍団]]をセノネース族やパリスィイ族のところに率いて行くべく[[w:ティトゥス・ラビエヌス|ラビエーヌス]]に委ねた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ラビエーヌスのこの遠征については[[#57節|57節]]~62節で述べられる。)</span>
*sex ipse in Arvernos ad oppidum [[w:la:Gergovia|Gergoviam]] secundum flumen [[w:la:Elaver|Elaver]] duxit;
**6個を(カエサル)自身がアルウェルニー族のところの城塞都市ゲルゴウィアへエラウェル川に沿って率いて行った。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:エラウェル川 Elaver は現在の[[w:アリエ川|アリエ川]] Allier である。)</span>
*equitatus partem illi attribuit, partem sibi reliquit.
**騎兵隊の一部は彼(ラビエーヌス)に割り当てて、(残りの)部分は自分のもとに残した。
*③ Qua re cognita [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]] omnibus interruptis eius fluminis pontibus
**その事を知って、[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]はその川のすべての橋を破却しながら、
*ab altera fluminis parte iter facere coepit.
**川の別の側を行軍し始めた。
===35節===
'''カエサルが陽動によってエラウェル川に架橋、渡河する'''
*① Cum uterque utrimque exisset exercitus<ref>utrimque exisset exercitus はα系写本の記述で、β系写本では utrique esset exercitui となっている。</ref>, in conspectu, fereque e regione castris castra ponebant<ref>ponebant はα系写本の記述で、β系写本では poneret となっている。</ref>,
**(ガッリア勢とローマ勢の)軍隊の双方が互いに視界にあって、ほぼ真向かいに互いの陣営を設置したときに、
*dispositis exploratoribus, necubi effecto ponte Romani copias traducerent,
**(ウェルキンゲトリークスは)ローマ人の軍勢がどこにも橋を造って渡河しないように、偵察者たちを分けて置き、
*erat in magnis Caesaris<ref>Caesaris はα系写本などの記述で、π系写本などでは Caesari となっている。</ref> difficultatibus res,
**カエサルにとって事態は大きな困難になっていた。
*ne maiorem aestatis partem flumine impediretur,
**夏の大部分(の対岸の敵との交戦)が川により妨げられるのではないか、
*quod non fere ante autumnum [[w:la:Elaver|Elaver]] vado transiri solet.
**というのは、[[w:アリエ川|エラウェル川]]は秋の前はほとんど浅瀬を渡らない習わしであったからだ。
*② Itaque, ne id accideret, silvestri loco castris positis
**こうして、それが生じないように、森林地帯に陣営を設置した。
*e regione unius eorum pontium, quos [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]] rescindendos curaverat,
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]が切り裂かれるように手配していたところの橋の一つの真向かいに。
*postero die cum duabus legionibus in occulto restitit;
**翌日に、2個[[w:ローマ軍団|軍団]]とともに密かなところに留まった。
*③ reliquas copias cum omnibus impedimentis, ut consueverat, misit,
**残りの軍勢(=4個軍団)をすべての輜重とともに、通常のように、出発させた。
*captis<ref>写本(ω)では captis となっているが、Herald Fuchs の校訂版(1932年)では sic collocatis という記述が提案されている。etc.</ref> quibusdam cohortibus, uti numerus legionum constare videretur.
**軍団の数を保っていると(敵から)見られるように、いくつかの<ruby><rb>[[w:コホルス|歩兵大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>を含ませていた。
*④ His quam longissime possent egredi<ref>egredi はα系写本の記述で、β系写本では progredi となっている。</ref> iussis,
**彼ら(4個軍団)には、できる限り遠くまで前進することを命じた。
*cum iam ex diei tempore coniecturam ceperat<ref>ceperat はα系写本の記述で、β系写本では caperet となっている。</ref> in castra perventum,
**すでに、日の時刻から(彼らが)宿営地に到達したと(カエサルが)推測をしたときに、
*isdem sublicis, quarum pars inferior integra remanebat, pontem reficere coepit.
**(前述の)同じ橋杭は、そのより下方の部分が損なわれないで残っていたので、橋を修復し始めた。
*⑤ Celeriter effecto opere
**速やかに工事が成し遂げられて、
*legionibusque traductis et loco castris idoneo delecto
**(2個)軍団が渡河させられて、陣営に適切な地点を選んで、
*reliquas copias revocavit.
**残りの軍勢(=4個軍団)を呼び戻した。
*⑥ Vercingetorix re cognita,
**ウェルキンゲトリークスは事態を知って、
*ne contra suam voluntatem dimicare cogeretur,
**自らの意向に反して(ローマ勢と)争闘することを強いられないように、
*magnis itineribus antecessit.
**強行軍で(ゲルゴウィアに向けて)先行した。
===36節===
[[画像:FR-63-Gergovie.JPG|thumb|right|300px|[[w:ゲルゴウィア|ゲルゴウィア]]([[w:la:Gergovia|Gergovia]])すなわち現在のジェルゴヴィ高地([[w:fr:Plateau de Gergovie|Plateau de Gergovie]])の[[w:ピュイ=ド=ドーム県|ピュイ=ド=ドーム県]]県道978号(D978)からの眺望。19世紀の[[w:ウジェーヌ・ストッフェル|ウジェーヌ・ストッフェル]]大佐(colonel Eugène Stoffel)の発掘調査によって、城砦やローマ軍の溝の遺構などが発見され、当地がゲルゴウィアの古戦場だと確認された。]]
[[画像:Siège_GergovieI_-52.png|thumb|right|300px|ゲルゴウィアにおける両軍の布陣図。山の頂にある城塞都市に隣接してガッリア諸部族の陣営(黄色部分)、右方にローマ軍の大きな陣営(赤色部分)と左下にローマ軍の小さな陣営(赤色部分)が見える。推定される位置関係は19世紀の[[w:ウジェーヌ・ストッフェル|ストッフェル]]大佐の発掘調査に依拠しており、小陣営があった地点は現在のラ・ロシュ=ブランシュ([[w:fr:La Roche-Blanche (Puy-de-Dôme)|La Roche-Blanche]])だと考えられている。]]
'''両軍がゲルゴウィアの要衝に陣営を築く'''
*① Caesar ex eo loco quintis castris [[w:la:Gergovia|Gergoviam]] pervenit
**カエサルは(渡河した)その地点から5回目の宿営で[[w:ゲルゴウィア|ゲルゴウィア]]に到着した。
*equestrique eo die proelio levi facto,
**(到着した)その日に(ガッリア勢と)軽微な[[w:騎兵|騎兵]]戦を闘って、
*perspecto urbis situ, quae posita in altissimo monte omnes aditus difficiles habebat,
**山の非常に高いところに位置し、すべての接近路を困難なものとしている(ゲルゴウィアの)町の地勢を認識して、
*de expugnatione<ref>expugnatione はα系写本の記述で、β系写本では oppugnatione となっている。</ref> desperavit,
**(拙速に突撃するような)攻略については断念して、
*de obsessione non prius agendum constituit, quam rem frumentariam expedisset.
**糧食調達の整備をするより前には、攻囲について行なうべきでないと決心した。
*② At [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]], castris prope oppidum in monte<ref>in monte はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> positis,
**それに対して、[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は、山中の城塞都市の近くに陣営を設置して、
*mediocribus circum se intervallis separatim singularum civitatium<ref>civitatium はB・M・L・N写本の記述で、χ・S・β系写本では civitatum となっている。</ref> copias conlocaverat
**自陣の周りに、適切な間隔で個々の部族の軍勢を別々に駐屯させて、
*atque omnibus eius iugi collibus occupatis, qua despici poterat,
**その尾根のうち(山麓を)見下ろすことができたすべての丘陵を占有して、
*horribilem speciem praebebat;
**恐ろしげな姿を現わした。
*③ principesque earum civitatium<ref>civitatium はA・Q・B・M・L・N写本の記述で、Q・S・β系写本では civitatum となっている。</ref>, quos sibi ad consilium capiendum delegerat,
**(ウェルキンゲトリークス)自らが作戦を立てるために選び出していた諸部族の領袖たちに
*prima luce cotidie ad se convenire iubebat,
**毎日、夜明けに自分のところへ集まることを命じた。
*seu quid communicandum, seu quid administrandum videretur,
**何らかのことを伝達・協議するのか、あるいは何らかのことを指導するのだと思われる。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:seu ~ seu …「あるいは~、あるいは…」)</span>
*④ neque ullum fere diem intermittebat, quin equestri proelio interiectis sagittariis,
**騎兵戦に弓兵を介在させることを、ほとんどどの日も中断せずに、
*quid in quoque esset animi ac virtutis suorum, perspiceretur<ref>perspiceretur はα系写本の記述で、T写本では perspiceret、β系写本では periclitaretur となっている。</ref>.
**どのような心構えや武勇が、配下の者たちのおのおのにあるかを、吟味した。
*⑤ Erat e regione oppidi collis sub ipsis radicibus montis
**山のその麓の下方に、城塞都市の真向かいに、丘陵があって、
*egregie munitus atque ex omni parte circumcisus;
**あらゆる方面から周囲が険しくて、(その地形により)すばらしく護られていた。
*quem si tenerent nostri, et aquae magna parte et pabulatione libera prohibituri hostes videbantur.
**もし、それを我が方(ローマ勢)が占めれば、水源の大半と自由な糧秣徴発から敵たちを妨げるであろうと思われた。
*⑥ Sed is locus praesidio ab his, non nimis firmo, tenebatur.
**だが、その地点は、彼ら(ガッリア勢)により、大して強力ではない守備隊で占められていた。
*⑦ Tamen silentio noctis Caesar ex castris egressus,
**にもかかわらず(昼間ではなく)夜の静けさのうちに、カエサルは陣営から出撃して、
*priusquam subsidio ex oppido veniri posset,
**城塞都市(のそばの陣営)から援兵に来られるより前に、
*deiecto praesidio potitus loco duas ibi legiones conlocavit
**守備隊を追い出して、地点を占拠して、そこに2個[[w:ローマ軍団|軍団]]を駐屯させた。
*fossamque duplicem duodenum pedum a maioribus castris ad minora perduxit,
**12[[w:ペース (長さ)|ペース]](=約3.6mの幅)の二重の堀を、より大きな陣営から(この丘陵の)より小さな陣営へ至らしめた。
*ut tuto ab repentino hostium incursu singuli commeare possent.
**敵たちの不意の襲撃から安全に、1人1人が往来することができるように。
===37節===
'''ハエドゥイー族のコンウィクトリタウィスがガッリア同盟軍に内応する'''
*① Dum haec ad [[w:la:Gergovia|Gergoviam]] geruntur,
**これらがゲルゴウィアのところでなされている間に、
*Convictolitavis [[w:la:Haedui|Haeduus]],
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]のコンウィクトリタウィスは、
*cui magistratum adiudicatum a Caesare demonstravimus,
**その者はカエサルによって統領として承認されたと([[#33節|33節]]で)既述したが、
*sollicitatus ab Arvernis pecunia cum quibusdam adulescentibus conloquitur,
**[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]により金銭でそそのかされて、ある若者たちと談判した。
*quorum erat princeps Litaviccus atque eius fratres,
**その者たちの領袖は[[w:リタウィックス|リタウィックス]]とその兄弟たちであり、
*amplissima familia nati adulescentes.
**とても強大な一族に生まれた若者たちだった。
*② Cum his praemium communicat
**彼らとともに(アルウェルニー族からの)報酬を共有して、
*hortaturque, ut se liberos et imperio natos meminerint.
**自分たちが自由民で支配層の生まれであるのを思い起こせ、と鼓舞した。
*③ Unam esse Haeduorum civitatem, quae certissimam Galliae victoriam distineat<ref>distineat はM・N・π・R写本などの記述で、Q・U写本などでは destineat 、A・B・S写本などでは dedistineat などとなっている。</ref>;
**ハエドゥイーの部族国家は、ガッリアの至極確実な勝利を阻んでいる唯一のものであり、
*eius auctoritate reliquas contineri;
**その声望により、ほかの(同盟部族の)ものたちが(ローマ側に)保持されているが、
*qua traducta locum consistendi Romanis in Gallia non fore.
**それが(ガッリア勢に)引き入れられることによって、ガッリアにおいてローマ人が留まり続ける場はないであろう。
*④ Esse nonnullo se Caesaris beneficio adfectum,
**自分はカエサルの少なからぬ恩義をかけられているが、
*sic tamen, ut iustissimam apud eum causam obtinuerit;
**しかし、彼(カエサル)のもとで至極合法的な理由を手に入れたまでであり、
*sed plus communi libertati tribuere.
**しかし、(ガッリアの)共通の自由に従うことの方がより大きい。
*⑤ Cur enim potius Haedui de suo iure et de legibus ad Caesarem disceptatorem quam Romani ad Haeduos veniant?
**なぜ実際、ハエドゥイー族は自らの法令や法制について、ローマ人がハエドゥイー族へ来るよりむしろ、カエサルを仲裁者とするのか?
*⑥ Celeriter adulescentibus et oratione magistratus et praemio deductis,
**若者たちは速やかに、統領の演説と報酬によって導き入れられた。
*cum se vel principes eius consilii fore profiterentur,
**自分たちがその謀計の首謀者にすらなろうと申し出たときに、
*ratio perficiendi quaerebatur,
**(謀計を)成し遂げる方法が求められた。
*quod civitatem temere ad suscipiendum bellum adduci posse non confidebant.
**というのは、部族がむやみに(ローマ人との)戦争実行へ動かされることができるとは確信していなかったからだ。
*⑦ Placuit, ut Litaviccus decem illis milibus, quae Caesari ad bellum mitterentur, praeficeretur atque ea ducenda curaret,
**リタウィックスに、カエサルに戦争のために派遣されるあの(歩兵)1万名を指揮させ率いさせるのが良いとされた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:歩兵1万名については[[#34節|34節]]を参照。)</span>
*fratresque eius ad Caesarem praecurrerent.
**彼の兄弟たちは、カエサルのところへ先立って行った。
*Reliqua qua ratione agi placeat constituunt.
**残りのことが、どのようなやり方で行なわれるのが良いかが決められた。
===38節===
'''リタウィックスの鼓舞でハエドゥイー族の歩兵1万が挙兵する'''
*① Litaviccus accepto exercitu
**リタウィックスは(1万名の)歩兵隊を受け取って、
*cum milia passuum circiter XXX(triginta)<ref>XXX(triginta) はα系写本の記述で、β系写本では XL(quadraginta) となっている。</ref> ab<ref>ab は写本(ω)の記述であるが、モイゼル(Henricus Meusel)は a を提案している。</ref> [[w:la:Gergovia|Gergovia]] abesset,
**[[w:ゲルゴウィア|ゲルゴウィア]]から約30[[w:ローママイル|ローママイル]](=45km弱)離れたところに来たときに、
*convocatis subito militibus lacrimans,
**兵士たちを突然に呼び集めて、泣きながら、
*② "Quo proficiscimur," inquit, "milites?
**「兵士らよ、どこへ我々は進むのか?」と言った。
*Omnis noster equitatus, omnis nobilitas interiit;
**「我が方(ハエドゥイー族)のすべての[[w:騎兵|騎兵隊]]とすべての高貴な者たちは滅んだ。
*principes civitatis, [[w:la:Eporedorix|Eporedorix]] et Viridomarus,
**部族の領袖たち、エポレドリクスとウィリドマルスは、
*insimulati proditionis ab Romanis indicta causa interfecti sunt.
**裏切りの罪を着せられて、ローマ人たちによって、弁解の余地なく殺されてしまったのだ。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:indicta causa「弁解の余地なく」)</span>
*③ Haec ab ipsis<ref>ipsis はα系写本の記述で、β系写本では his となっている。</ref> cognoscite, qui ex ipsa caede fugerunt;
**これは、その虐殺から逃げて来た当人たちから聞き知ってくれ。
*nam ego fratribus atque omnibus meis propinquis interfectis
**なぜなら、私は、兄弟たちやすべての我が親族たちが殺されて
*dolore prohibeor, quae gesta sunt, pronuntiare."
**悲嘆により、なされたことを物語ることを妨げられているからだ。」
*④ Producuntur hi<ref>hi はφ・β系写本の記述で、A写本では ii 、Q写本では hii となっている。</ref>, quos ille edocuerat quae dici vellet,
**彼(リタウィックス)が言って欲しいことを教え込んでいた者たちが連れ出されて来て、
*atque eadem, quae Litaviccus pronuntiaverat, multitudini exponunt:
**リタウィックスが物語ったのと同じことを群衆に説明した。
*⑤ multos<ref>multos はα系写本の記述で、β系写本では omnes となっている。</ref> equites [[w:la:Haedui|Haeduorum]] interfectos, quod conlocuti cum Arvernis dicerentur;
**ハエドゥイー族の多くの騎兵たちは、アルウェルニー族と談判したと言われたので、殺された、と。
*ipsos se inter multitudinem militum occultasse atque ex media caede fugisse.
**(彼ら)自身は、兵士ら多数の間に身を隠して、虐殺の最中から逃げて来たのだ、と。
*⑥ Conclamant Haedui et Litaviccum obsecrant, ut sibi consulat.
**ハエドゥイー族の者たちは叫び声を上げて、リタウィックスに、自分たちに(どうするべきか)助言するように懇願した。
*"Quasi vero" inquit ille "consilii sit res, ac non necesse sit
**彼は言った「実にあたかも、事態が協議するべきというかのようだ。(協議する)必要はないのだ。
*nobis Gergoviam contendere et cum Arvernis nosmet coniungere.
**我々にとって、ゲルゴウィアに急行して、アルウェルニー族と我々が合流することは。
*⑦ An dubitamus, quin nefario facinore admisso Romani iam ad nos interficiendos concurrant?
**非道の悪行を犯したローマ人がもはや我々を殺戮するために襲いかかって来ることを疑うのかね?
*⑧ Proinde, si quid in nobis animi est,
**それゆえに、もし我々に何らかの心構えがあるならば、
*persequamur eorum mortem, qui indignissime interierunt,
**とても不面目に滅びた者たちの死に仇討ちしようではないか。
*atque hos latrones interficiamus."
**かの略奪者たち(ローマ人)を誅殺しようではないか。」
*Ostendit cives Romanos, qui eius praesidii fiducia una erant<ref>erant は写本(ω)の記述であるが、モムゼン(Mommsen)らは ierant を提案している。</ref>:
**(リタウィックスは)彼の護衛を信頼して一緒にいたローマ市民たちを示した。
*⑨ Continuo<ref>Continuo はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> magnum numerum frumenti commeatusque diripit,
**ただちに、(ローマ市民たちの)糧食や必需品の多数を略奪して、
*ipsos crudeliter excruciatos interficit.
**当人たちを残酷に拷問して殺した。
*⑩ Nuntios tota civitate Haeduorum dimittit,
**ハエドゥイー族の伝令たちを、部族全体にわたって遣わして、
*in<ref>in はβ系写本の記述だが、α系写本にはない。</ref> eodem mendacio de caede equitum et principum permovet<ref>permovet はL・N写本の記述だが、B写本では permanet 、χ・M・S・β系写本などでは permonet となっている。</ref>;
**騎兵や領袖たちの虐殺について、同じ嘘によって扇動した。
*hortatur ut simili ratione atque ipse fecerit suas iniurias persequantur.
**(リタウィックス)自身がしたのと同様のやり方で、自分たちの(受けた)無法に仇討ちするようにと鼓舞した。
===39節===
'''エポレドリクスがハエドゥイー勢1万の寝返りをカエサルに知らせる'''
*① [[w:la:Eporedorix|Eporedorix]] [[w:la:Haedui|Haeduus]], summo loco natus adulescens et summae domi potentiae,
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の[[w:エポレドリクス|エポレドリクス]]は、最高の身分に生まれた青年で、本国で最高の権勢にあった。
*et una Viridomarus, pari aetate et gratia, sed genere dispari,
**とともに、[[w:ウィリドマルス|ウィリドマルス]]も、同じ年輩で、同様に敬意を受けていたが、異なる階級であった。
*quem Caesar ab Diviciaco sibi traditum ex humili loco ad summam dignitatem perduxerat,
**カエサルは彼を[[w:ディウィキアクス|ディウィキアクス]]により託されて、低い身分から最高の地位へと引き立てていた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ディウィキアクスはかつてローマに援助を求めた有力者で、カエサルに殺されたドゥムノリクスの兄弟。)</span>
*in equitum numero convenerant nominatim ab eo evocati.
**(その2人は)彼(カエサル)から名指しで呼び出されて、[[w:騎兵|騎兵]]として(ローマの陣中に)一緒に来ていた。
*② His erat inter se de principatu contentio
**彼ら(2人)には、互いに指揮官の座についての競争があって、
*et in illa magistratuum controversia
**あの統領をめぐる紛争においても
**:<span style="color:#009900;">([[#32節|32節]]~33節を参照。)</span>
*alter pro Convictolitavi, alter pro Coto summis opibus pugnaverant<ref>pugnaverant はα系写本の記述で、β系写本では pugnaverat となっている。</ref>.
**一方は[[w:コンウィクトリタウィス|コンウィクトリタウィス]]のために、他方は[[w:コトゥス|コトゥス]]のために、最大限の助力で奮闘していた。
*③ Ex his Eporedorix cognito Litavicci consilio
**彼らのうちエポレドリクスが[[w:リタウィックス|リタウィックス]]の謀計を知って、
*media fere nocte rem ad Caesarem defert;
**ほぼ真夜中に、事情をカエサルのところへ報知した。
*orat ne patiatur civitatem pravis adulescentium consiliis ab amicitia populi Romani deficere;
**(ハエドゥイーの)部族が青年たちのゆがんだ謀計によってローマ人民の友好から背くことを容認しないように懇願した。
*quod futurum provideat, si se tot hominum milia cum hostibus coniunxerint,
**もし、このように多くの幾千もの同胞が敵たちと協同するならば、(上記の)ことが生じると用心するように、と。
*quorum salutem neque propinqui neglegere,
**(寝返った1万の歩兵たちの)縁者たちは彼らの身の安全をなおざりにすることはないし、
*neque civitas levi momento aestimare posset.
**部族が(寝返った歩兵たちの)影響力を軽く評価できない、と。
===40節===
'''カエサルが4個軍団を率いてハエドゥイー勢1万を制止し、リタウィックスは逃亡'''
*① Magna adfectus sollicitudine hoc nuntio Caesar,
**この知らせにより、大きな不安を感じたカエサルは、
*quod semper [[w:la:Haedui|Haeduorum]] civitati praecipue indulserat,
**常に[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイーの部族]]にとくに気遣っていたので、
*nulla interposita dubitatione legiones expeditas quattuor equitatumque omnem ex castris educit;
**何らためらいを差しはさまずに、戦備を整えた4個[[w:ローマ軍団|軍団]]と[[w:騎兵|騎兵隊]]すべてを陣営から進発させた。
*② nec fuit spatium tali tempore ad contrahenda castra,
**このような情勢で、陣営を縮小するための余地はなかった。
**:<span style="color:#009900;"> (訳注:[[#36節|36節]]で、カエサルはゲルゴウィアの大きな陣営および敵に近い小さな陣営を6個軍団で守っていた。)</span>
*quod res posita in celeritate videbatur;
**というのは、事態は迅速さにかかっていると思われたからだ。
*C.(Gaium) Fabium legatum cum legionibus duabus castris praesidio relinquit.
**総督副官[[w:ガイウス・ファビウス|ガイウス・ファビウス]]を2個軍団とともに陣営の守備に残しておいた。
*③ Fratres Litavicci cum comprehendi iussisset,
**(カエサルは)リタウィックスの兄弟たちを拘束することを命じていたのだが、
*paulo ante reperit ad hostes fugisse.
**少し前に(ゲルゴウィアの)敵たちのところへ去ったことを探り出した。
*④ Adhortatus milites ne necessario tempore itineris labore permoveantur,
**(カエサルは)緊急の時に、行軍の労苦により乱されないように、兵士たちを激励して、
*cupidissimis omnibus progressus milia passuum [[w:la:Viginti quinque|XXV]] agmen Haeduorum conspicatus<ref>conspicatus はα系写本の記述で、β系写本では conspicatur となっている。</ref>
**皆がとても熱中していたので、25[[w:|ローママイル]](約37km)進んで、ハエドゥイー族の隊列を視認した。
*immisso equitatu iter eorum moratur atque impedit
**騎兵隊を突進させて、彼ら(ハエドゥイー勢)の行軍を妨げて、停止させた。
*interdicitque omnibus ne quemquam interficiant.
**(ハエドゥイー勢を)誰一人殺さないように(ローマ勢の)皆に禁じた。
*⑤ [[w:la:Eporedorix|Eporedorigem]] et Viridomarum, quos illi interfectos existimabant,
**彼ら(ハエドゥイー勢)が、殺されたものと考えていた者たち、[[w:エポレドリクス|エポレドリクス]]と[[w:ウィリドマルス|ウィリドマルス]]に、
*inter equites versari suosque appellare iubet.
**(ハエドゥイー勢の)騎兵たちの間を歩き回って、味方に呼びかけることを命じた。
*⑥ His cognitis et Litavicci fraude perspecta Haedui manus tendere,
**彼ら(2人)に気付いて、リタウィックスのごまかしを見通して、ハエドゥイー族の者たちは手を差し出して、
*deditionem significare et proiectis armis mortem deprecari incipiunt.
**降伏の意を表して、武器を投げ出して、死を赦免されることを求め始めた。
*⑦ Litaviccus cum suis clientibus,
**[[w:リタウィックス|リタウィックス]]は、配下の子分たちとともに、
*quibus more Gallorum nefas est etiam in extrema fortuna deserere patronos,
**ガッリア人の風習では、最悪の境遇にあってさえも(子分が自分の)親分を見捨てることは非道であったので、
*[[w:la:Gergovia|Gergoviam]] profugit.
**(親分・子分ともども)[[w:ゲルゴウィア|ゲルゴウィア]]に逃れた。
===41節===
'''副官ファビウスの報告:ゲルゴウィアの敵勢がローマ陣営に襲来'''
*① Caesar nuntiis ad civitatem [[w:la:Haedui|Haeduorum]] missis,
**カエサルは伝令たちを[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー]]の部族(当局)に遣わして、
*qui suo beneficio conservatos docerent quos iure belli interficere potuisset,
**彼ら(伝令)に、戦時の権限により殺せた者たち(歩兵1万)は(カエサル)自らの恩恵により許されたのだ、と説かせた。
*tribusque horis noctis exercitui ad quietem datis castra ad [[w:la:Gergovia|Gergoviam]] movit.
**(カエサルは)夜の3時間を軍隊に休息のために与えて、陣営を引き払ってゲルゴウィアの方へ向かった。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:古代ローマの不定時法では、夏季の夜の3時間は、現在の定時法の3時間よりかなり短い。)</span>
*② Medio fere itinere equites a Fabio missi,
**(ゲルゴウィアへの)道程のほぼ中間のところで、ファビウスから[[w:騎兵|騎兵]]たちが遣わされて来て、
*quanto res in periculo fuerit, exponunt.
**事態がどれほどの危機にあるか、を打ち明けた。
*Summis copiis castra oppugnata demonstrant,
**(ガッリア勢の)最大級の軍勢により(ローマ勢の)陣営が攻撃された、と説明した。
*cum crebro integri defessis succederent
**そのときに(ガッリア勢は)たびたび新たな者たちが疲労した者たちに交代していたが、
*nostrosque adsiduo labore defatigarent,
**我が方(ローマ勢)は絶え間ない労苦により疲れ果てていた。
*quibus propter magnitudinem castrorum perpetuo esset isdem in vallo permanendum.
**彼ら(ローマ勢)にとり、陣営の大きさのために、同じ者たちが防柵の中に留まらざるを得なかった。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:カエサルは[[#40節|40節]]②項で「陣営を縮小するための余地はなかった」とあらかじめ弁解している。)</span>
*③ Multitudine sagittarum atque omnis generis<ref>omnis generis はα系写本の記述で、β系写本では omni genere となっている。</ref> telorum multos vulneratos;
**(ガッリア勢からの)矢の多数と飛び道具のあらゆる類いによって(ローマ勢の)多くのものが傷つけられた。
*ad haec sustinenda magno usui fuisse tormenta.
**これに持ちこたえるために、投石器が大いに役立った。
*④ Fabium discessu eorum duabus relictis portis obstruere ceteras
**ファビウスは、彼ら(ガッリア勢)が退却すると、2つの門を残して、ほか(の門)を閉鎖した。
*pluteosque vallo addere et se in posterum diem similemque casum apparare<ref>similemque casum apparare はα系写本の記述で、β系写本では similem ad casum parare となっている。</ref>.
**胸壁を防柵を付け加えて、翌日における似たような状況に備えた。
*⑤ His rebus cognitis Caesar
**これらの事態を知って、カエサルは、
*summo studio militum ante ortum solis in castra pervenit.
**兵士たちの最大級の努力によって、日の出の前に(ゲルゴウィアの)陣営に到着した。
===42節===
'''ハエドゥイー族の者たちが反ローマ暴動を引き起こす'''
*① Dum haec ad [[w:la:Gergovia|Gergoviam]] geruntur,
**これらがゲルゴウィアの辺りでなされている間に、
*[[w:la:Haedui|Haedui]] primis nuntiis ab Litavicco acceptis
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の者たちは、[[w:リタウィックス|リタウィックス]]からの最初の知らせを受け取ったが、
*nullum sibi ad cognoscendum spatium relinquunt.
**自分たちには(この知らせを)調べるための余地を何ら残さなかった。
*② Impellit alios avaritia, alios iracundia et temeritas
**ある者たちを貪欲さが、ある者たちを激しやすさや無分別が駆り立てた。
*─ quae maxime illi hominum generi est innata ─ ut levem auditionem habeant pro re comperta.
**あの種族の人々はとりわけ、軽率な風聞を確認された事として見なすように、生まれついているのだ。
*③ Bona civium Romanorum diripiunt, caedes faciunt, in servitutem abstrahunt.
**(ハエドゥイー族の者たちは)ローマ市民たちの財産を略奪し、殺戮を行なって、隷属状態に引きずり込んだ。
*④ Adiuvat rem proclinatam Convictolitavis
**(さらに)傾いた事態を[[w:コンウィクトリタウィス|コンウィクトリタウィス]]が助長して、
*plebemque ad furorem impellit, ut facinore admisso ad sanitatem reverti pudeat.
**民衆を狂暴さへと、悪行を犯して冷静さへ引き返すことを恥と思うように、駆り立てた。
*⑤ M.(Marcum) Aristium tribunum militum iter ad legionem facientem
**<ruby><rb>[[w:トリブヌス・ミリトゥム|兵士長官]]</rb><rp>(</rp><rt>トリブヌス・ミリトゥム</rt><rp>)</rp></ruby>であるマルクス・アリスティウスが[[w:ローマ軍団|軍団]]のところへ旅しているところを
*fide data ex oppido [[w:la:Cabillonum|Cavillono]] educunt;
**(安全の)保証を与えて、城塞都市カウィッロヌムから連れ出した。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:カウィッロヌム Cavillonum はカビッロヌム Cabillonum とも綴り、現在の[[w:シャロン=スュル=ソーヌ|シャロン=スュル=ソーヌ]])</span>
*idem facere cogunt eos, qui negotiandi causa ibi constiterant.
**そこに商売をするために定住していた(ローマ人の)者たちにも同じことをするように強要した。
*⑥ Hos continuo <in><ref>in は写本にないが、近世の活字本から挿入されている。</ref> itinere adorti omnibus impedimentis exuunt;
**直ちに彼らを途中で襲撃して、すべての手荷物を奪い取った。
*repugnantes diem noctemque obsident;
**抵抗する者たちを昼夜にわたって包囲した。
*multis utrimque interfectis
**(ハエドゥイー族とローマ人の)双方とも多くの者たちが殺されて、
*maiorem multitudinem armatorum<ref>armatorum はα系写本の記述で、β系写本では ad arma となっている。</ref> concitant.
**(ハエドゥイー族の)より多くの群衆を武装へと扇動した。
===43節===
'''ハエドゥイー族当局がカエサルに屈服。ガッリア大動乱の予感'''
*① Interim nuntio adlato omnes eorum milites in potestate Caesaris teneri,
**その間に、彼ら(ハエドゥイー族)の兵士すべてがカエサルの権力下で支配されているという知らせがもたらされて、
*concurrunt ad Aristium,
**(ハエドゥイー族当局の者たちは)アリスティウスのところへ急ぎ集まって、
*nihil publico factum consilio demonstrant;
**(ローマ市民に対する襲撃は)何ら公けに企てがなされたものではないと説明した。
*② quaestionem de bonis direptis decernunt,
**(部族当局は、ローマ市民から)略奪された財産についての究明を決定して、
*Litavicci fratrumque bona publicant,
**リタウィックスと兄弟たちの財産を没収し、
*legatos ad Caesarem sui purgandi gratia mittunt.
**カエサルのところへ使節たちを、自分たちを赦免することのために遣わした。
*③ Haec faciunt reciperandorum<ref>reciperandorum はα系写本の記述で、β系写本では recuperandorum となっている。</ref> suorum causa;
**これらを、配下の者たち(=歩兵1万名)を取り戻すために行なったのだ。
*sed contaminati facinore et capti compendio ex direptis bonis,
**しかし(彼らは)悪行に汚染されていて、略奪した財産の利得にとらわれており、
*quod ea res ad multos pertinebat, timore<ref>timore はα系写本の記述で、β系写本では et timore となっている。</ref> poenae exterriti
**その事に多くの者たちが関与していたので、懲罰の恐れに脅かされて、
*consilia clam de bello inire incipiunt
**ひそかに戦争の謀計に取りかかり始めて、
*civitatesque reliquas legationibus sollicitant.
**ほかの諸部族を使節派遣によって、そそのかした。
*④ Quae tametsi Caesar intellegebat, tamen quam mitissime potest legatos appellat;
**カエサルはそのようなことを認識していたけれども、(ハエドゥイー族の)使節たちにできるだけ平静に話しかけた。
*nihil se propter inscientiam levitatemque vulgi gravius de civitate iudicare
**自分は(ハエドゥイー族の)民衆の無知や軽率さのために、部族を何ら厳重に裁断することはない、と。
*neque de sua in [[w:la:Haedui|Haeduos]] benevolentia deminuere.
**自分のハエドゥイー族に対する好意を減ずることはない、と。
*⑤ Ipse maiorem Galliae motum exspectans,
**(カエサル)自身は、ガッリアのより大きな動乱を予期しており、
*ne ab omnibus civitatibus circumsisteretur,
**すべての部族によって包囲されることがないように、
*consilia inibat, quemadmodum ab<ref>ab はχ系写本の記述で、φ系写本では a となっており、β系写本にはない。</ref> [[w:la:Gergovia|Gergovia]] discederet ac rursus omnem exercitum contraheret,
**どのようにゲルゴウィアから撤退して再び軍隊全体を集結するか、策定に取りかかった。
*ne profectio nata ab<ref>ab はα系写本の記述で、β系写本では a となっている。</ref> timore defectionis similis<ref>similis はα系写本の記述で、β系写本では similisque となっている。</ref> fugae videretur.
**(諸部族の)背反の恐れから生じた出発が、逃亡同然と見られないように。
===44節===
'''ゲルゴウィアの急所の尾根'''
[[画像:Plateau_of_Gergovia.jpg|thumb|center|900px|ゲルゴウィア([[w:la:Gergovia|Gergovia]])すなわち現在のジェルゴヴィ高地([[w:fr:Plateau de Gergovie|Plateau de Gergovie]])の全景(南方のル・クレスト [[w:fr:Le Crest|Le Crest]] から撮影)。<br>画像中央の右下に、ローマ勢が占領して小さい方の陣営を築いていたと推定されているラ・ロシュ=ブランシュ([[w:fr:La Roche-Blanche (Puy-de-Dôme)|La Roche-Blanche]])の丘陵が見える。<br>本節①項で言及されているのは画像の左端に写る丘陵と思われ、尾根伝いにほぼ平坦なゲルゴウィアの山頂(画像中央)に続いている。<br>これらの位置関係の推定は、19世紀の[[w:ウジェーヌ・ストッフェル|ウジェーヌ・ストッフェル]]大佐(colonel Eugène Stoffel)の発掘調査に依拠したものである。]]
[[画像:La_Roche_Blanche.JPG|thumb|right|300px|ローマ勢が占領して小さい方の陣営を築いていたと推定されているラ・ロシュ=ブランシュ([[w:fr:La Roche-Blanche (Puy-de-Dôme)|La Roche-Blanche]])の丘陵]]
*① Haec cogitanti accidere visa est facultas bene rei gerendae<ref>rei gerendae はα系写本の記述で、β系写本では gerendae rei となっている。</ref>.
**(カエサルが)これらを考慮しているときに、事をうまく行なえる可能性が生じたと思われた。
*Nam cum in minora castra operis perspiciendi causa venisset,
**すなわち、(ローマ勢の)小さい方の陣営に、作業を視察するためにやって来たときに、
*animadvertit collem qui ab hostibus tenebatur nudatum hominibus,
**敵たちによって占められていた丘陵が、無人にされているのに気付いた。
*qui superioribus diebus vix prae multitudine cerni poterat.
**それは、前日には、(ガッリア勢の)大勢の者たちのためにほとんど見分けが付けられないものだった。
*② Admiratus quaerit ex perfugis causam,
**(カエサルは)驚いて、(ゲルゴウィアからの)[[w:脱走兵|脱走兵]]たちに理由を尋ねた。
*quorum magnus ad eum cotidie numerus confluebat.
**その者たちの多数は、毎日、彼(カエサル)のところへ群がり集まっていたのだ。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#14節|14節]]⑨項で既述のように、ガッリア勢は[[w:兵役逃れ|兵役忌避]]の多さに悩まされていた。)</span>
*③ Constabat inter omnes
**(脱走兵たち)皆の間では同じ意見であった。
*─ quod iam ipse Caesar per exploratores cognoverat ─
**─ すでにカエサル自身が偵察者たちを通して知っていたことであったが ─
*dorsum esse eius iugi prope aequum, sed silvestre<ref>silvestre はβ系写本の記述で、α系写本では hunc silvestrem となっている。</ref> et angustum,
**その尾根の背面はほぼ平地で、しかし森林におおわれて狭く、
*qua esset aditus ad alteram partem oppidi<ref>partem oppidi はα系写本の記述で、β系写本では oppidi partem となっている。</ref>;
**それによって城塞都市の別の方面への出入口となっている、と。
*④ vehementer huic illos loco<ref>vehementer huic illos loco はα系写本の記述で、β系写本では huic loco vehementer illos となっている。</ref> timere nec iam aliter sentire,
**この地帯を彼ら(ガッリア勢)が極度に恐れ、すでに感じていたことには、
*uno colle ab Romanis occupato, si alterum amisissent,
**ローマ人によって一つの丘陵が占領されているので、もしもう一方をも失ったならば、
*quin paene circumvallati atque omni exitu et pabulatione interclusi viderentur;
**(ゲルゴウィアが)ほとんど包囲されて、あらゆる出口と糧秣徴発を阻まれると思われたのである。
*ad hunc muniendum locum<ref>locum はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> omnes a [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorige]] evocatos.
**この地帯の辺りを防御するために、[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]により総勢が召集されていたのだ、と。
===45節===
'''ローマ勢の陽動部隊が敵を引き付け、本隊が敵の本陣を目指す'''
*① Hac re cognita Caesar mittit complures equitum turmas eodem<ref>eodem はβ系写本の記述で、α系写本では eisdem などとなっており、またモイゼル(Meusel)は eo de と解釈している。</ref> media nocte;
**この事を知って、カエサルは多数の[[w:騎兵|騎兵]]<ruby><rb>小隊</rb><rp>(</rp><rt>トゥルマ</rt><rp>)</rp></ruby>を同じところに真夜中に派遣した。
**:<span style="color:#009900;"> (訳注:騎兵小隊 turma は、ローマの同盟部族などからなる騎兵の単位で、30騎ほどからなるとされている。)</span>
*imperat his<ref>his はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> ut paulo tumultuosius omnibus locis vagarentur<ref>vagarentur はα系写本の記述で、β系写本では pervagentur となっている。</ref>.
**彼らには、いくらか騒々しく、あらゆる場所を動き回るように命令した。
*② Prima luce magnum numerum impedimentorum ex castris mulorumque produci deque his stramenta detrahi
**夜明けに、陣営から多数の荷馬や[[w:ラバ|ラバ]]を連れ出して、これらから[[w:鞍|荷鞍]]を取り去って、
*mulionesque cum cassidibus equitum specie ac simulatione collibus circumvehi iubet.
**ラバ引きの者たちを鉄兜とともに、騎兵の外見と真似をさせて、丘々を乗り回すことを命じた。
*③ His paucos addit equites, qui latius ostentationis causa vagarentur<ref>vagarentur はα系写本の記述で、β系写本では vagentur となっている。</ref>.
**彼らに少数の騎兵を付き添わせて、より広く見せびらかすために動き回らせた。
*Longo circuitu easdem omnes iubet petere regiones.
**(ラバ引きと騎兵の)皆には、長く迂回して、同じ一帯を目指すことを命じた。
*④ Haec procul ex oppido videbantur, ut erat a Gergovia despectus in castra,
**これらは<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>から遠くに望見され、ゲルゴウィアから(ローマ勢の)陣営が眺められたほどであったが、
*neque tanto spatio certi quid esset explorari poterat.
**これほどの距離のために(ガッリア勢からは)何ごとか確かなことは探り出されなかった。
*⑤ Legionem unam eodem iugo mittit
**(カエサルは)1個[[w:ローマ軍団|軍団]]を同じ尾根に派遣して、
*et paulum progressam inferiore constituit loco silvisque occultat.
**いくらか前進させて低い場所に駐留させ、森林に隠した。
*⑥ Augetur Gallis suspicio
**(これらを見た)ガッリア人には疑念が増されて、
*atque omnes illo ad munitionem copiae traducuntur.
**軍勢のすべてがあそこ(=無人にしていた急所の丘陵)へ防御のために移動した。
*⑦ Vacua castra hostium Caesar conspicatus
**カエサルは敵たちの(ゲルゴウィア山頂の)陣営が空であると気付いて、
*tectis insignibus suorum occultatisque signis militaribus
**配下の者たちの標章を覆い隠し、軍旗を隠して、
*raros milites, ne ex oppido animadverterentur, ex maioribus castris in minora traducit
**兵士たちをまばらに、城塞都市から気付かれないように、大きい方の陣営から小さい方に移動させた。
*legatisque, quos singulis legionibus praefecerat, quid fieri velit, ostendit;
**個々の軍団を指揮させていた<ruby><rb>[[w:レガトゥス|副官]]</rb><rp>(</rp><rt>レガトゥス</rt><rp>)</rp></ruby>たちに、何がなされることを欲しているかを示した。
*⑧ in primis monet ut contineant milites,
**第一に、兵士たちを抑え留めるように戒めた。
*ne studio pugnandi aut spe praedae longius progrediantur;
**(兵士たちが)戦うことの熱意、あるいは略奪の希望により、より遠くまで進み出ないように、と。
*⑨ quid iniquitas loci habeat incommodi proponit;
**地勢の不利がどれほど敗北を生じるかを示した。
*hoc una celeritate posse vitari<ref>vitari はβ系写本の記述で、α系写本では mutari となっている。</ref>;
**迅速さのみがこれを避けることができる。
*occasionis esse rem, non proelii.
**事の成否は、戦闘にではなく、好機にかかっている。
*⑩ His rebus expositis signum dat
**これらの事柄を説明して、(副官たちに進軍の)号令を出した。
*et ab dextra parte alio ascensu eodem tempore Haeduos mittit.
**右の方面からは、別の登り道を(ローマ軍本隊と)同時に[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]](の騎兵)を派遣した。
===46節===
'''ローマ軍の本隊が防壁を越えて、敵陣の一部を占拠'''
*① Oppidi murus ab<ref>ab はB・M・L・N写本の記述で、β系写本では a となっている。</ref> planitie atque initio ascensus recta regione,
**(ゲルゴウィアの)<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>の城壁は、平地や登り道の始まりから真っ直ぐに(=直線距離で)、
*si nullus amfractus<ref>amfractus はα系写本の記述で、β系写本では anfractus となっている。</ref> intercederet, mille CC(mille ducenti)<ref>mille CC(=1200) はα系写本の記述で、β系写本では CC(=200)となっている。</ref> passus aberat;
**もし何らの湾曲が間になければ、1200[[w:パッスス|パッスス]](=約1.8km)離れていた。
*② quicquid huc circuitus ad molliendum clivum accesserat<ref>accesserat は写本(ω)の記述だが、オットー・ゼール [[w:de:Otto Seel|Otto Seel]] の校訂では accesserit としている。</ref>,
**ここに(山の斜面の)傾斜を緩和するために、何らかの回り道が付け加わっていて、
*id spatium itineris augebat.
**その道のりの距離を増していた。
*③ A medio fere colle in longitudinem, ut natura montis ferebat,
**丘陵のほぼ真ん中から、山の地形が作り出したかのように、長きにわたって、
*ex grandibus saxis sex pedum murum qui nostrum<ref>nostrum は中世の写本(ω)の記述だが、近世の版では nostrorum となっている。</ref> impetum tardaret,
**大きな石垣からなる6[[w:ペース (長さ)|ペース]](=約1.8m)もの、我が方(ローマ勢)の突進を遅らせる防壁を、
*praeduxerant Galli,
**ガッリア人は引いて来ており、
*atque inferiore omni spatio vacuo relicto
**(その石垣の防壁)より下方のすべての空間は人気なく残されていて、
*superiorem partem collis usque ad murum oppidi densissimis castris compleverant.
**丘陵のより上方の部分を、城塞都市の城壁の方へ続けざまに、とても密集した(各部族ごとの)陣営で満たしていた。
*④ Milites dato signo celeriter ad munitionem perveniunt
**(ローマ人の)兵士たちは号令を与えられて、速やかに(石垣の)防壁のところへ到達して、
*eamque transgressi trinis castris potiuntur;
**それを越えて行って、3つの(部族ごとの)陣営を占拠した。
*⑤ ac tanta fuit in castris capiendis<ref>castris capiendis はα系写本の記述で、β系写本では capiendis castris となっている。</ref> celeritas,
**(3つの)陣営を奪取することにおいて、これほどにも迅速さがあったので、
*ut Teutomatus, rex Nitiobrogum, subito in tabernaculo oppressus,
**その結果、[[w:ニティオブロゲス族|ニティオブロゲス族]]の王[[w:テウトマトゥス|テウトマトゥス]]は、[[w:テント|天幕]]において突然に襲われて、
*ut meridie conquieverat, superiore corporis parte nudata<ref>nudata はα系写本の記述で、β系写本では nuda となっている。</ref>
**昼寝をしていたが、上半身は裸のままで、
*vulnerato equo vix se ex manibus praedantium militum eriperet.
**傷付けられた馬によって、略奪している(ローマ人)兵士の手から、やっと自らを救い出した。
===47節===
'''血気にはやるローマ兵たちの猪突猛進、ガッリア女たちの命乞い'''
*① Consecutus id quod animo proposuerat
**心に決めていたことを達成したので、
*Caesar receptui cani iussit
**カエサルは退却ラッパを吹くことを命じた。
*legionique decimae, quacum erat, contionatus signa constituit.
**彼とともにいた[[w:第10軍団エクェストリス|第10軍団]]に呼びかけて、軍旗を停止した。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:第10軍団はガッリア戦争初期からの最古参の軍団。軍旗を停止するとは、進軍を止めること。)</span>
*② Ac<ref>ac はα系写本の記述で、β系写本では at となっている。</ref> reliquarum legionum milites non exaudito<ref>exaudito はα系写本の記述で、β系写本では audito となっている。</ref> sono tubae,
**ほかの[[w:ローマ軍団|軍団]]の兵士たちは、ラッパの響きを聞き取れなかった。
*quod satis magna valles intercedebat,
**というのは、十分に大きな峡谷が間にあったからである。
*tamen ab<ref>ab はα系写本の記述で、β系写本では a となっている。</ref> tribunis militum legatisque, ut erat a Caesare praeceptum, retinebantur;
**しかしながら、<ruby><rb>[[w:トリブヌス・ミリトゥム|兵士長官]]</rb><rp>(</rp><rt>トリブヌス・ミリトゥム</rt><rp>)</rp></ruby>たちや<ruby><rb>[[w:レガトゥス|総督副官]]</rb><rp>(</rp><rt>レガトゥス</rt><rp>)</rp></ruby>たちにより、カエサルから指図されていたように、制止されていた。
*③ Sed elati spe celeris victoriae et hostium fuga et superiorum temporum secundis proeliis
**だが(兵士たちは)迅速な勝利の希望や、敵たちの逃亡や、それ以前のときの順調な戦闘により、高慢になっていて、
*nihil adeo arduum sibi esse existimaverunt<ref>esse existimaverunt はα系写本の記述で、β系写本では existimabant となっている。</ref>, quod non virtute consequi possent,
**自分たちにとって、武勇で達することができないほどの困難なものはまったく何もない、と考えており、
*neque finem prius sequendi fecerunt quam muro oppidi portisque adpropinquarunt.
**(ゲルゴウィアの)城塞都市の城壁や城門に近付くまでは、追及を終結させなかった。
*④ Tum vero ex omnibus urbis partibus orto clamore,
**すると、まさに(ゲルゴウィアの)町のあらゆる方面から叫び声が発せられて、
*qui longius aberant, repentino tumultu perterriti,
**(城内の)遠い方に離れていた者たちは、予期せぬ騒ぎに脅えており、
*cum hostem intra portas esse existimarent,
**敵(=ローマ人)が城門の内側にいると考えたので、
*sese ex oppido eiecerunt.
**城塞都市から急ぎ出た。
*⑤ Matres familiae de muro vestem argentumque iactabant
**家庭の母親たちは、城壁から衣類や貨幣をたびたび投げやった。
*et pectore nudo prominentes passis manibus obtestabantur Romanos,
**そして胸を裸にして(城壁の上に)進み出て、手を伸ばしてローマ人たちに哀願した。
*ut sibi parcerent
**自分たちを容赦するように、
*neu, sicut Avarici fecissent, ne a mulieribus quidem atque infantibus abstinerent;
**(ローマ人が)アウァーリクムでしたように女たちや子供たちでさえも赦免しないことのないように、と。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:ne quidem|ne ~ quidem]]「~でさえ…ない」)</span>
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ローマ人がアウァーリクムでした行為については、[[#28節|28節]]④項を参照。)</span>
*⑥ nonnullae de muris<ref>muris はα系写本の記述で、β系写本では mure となっている。</ref> per manus demissae sese militibus tradebant.
**少なからぬ者たちは、城壁から手で降ろされて、(ローマ人)兵士たちに身を任せた。
[[画像:Gergovie_mur_pano2.jpg|thumb|center|700px|ゲルゴウィア([[w:la:Gergovia|Gergovia]])すなわち現在のジェルゴヴィ高地([[w:fr:Plateau de Gergovie|Plateau de Gergovie]])で発掘された城壁の遺構。]]
*⑦ L.(Lucius) Fabius centurio legionis VIII(octavae),
**[[w:第8軍団アウグスタ|第8軍団]]の<ruby><rb>[[w:ケントゥリオ|百人隊長]]</rb><rp>(</rp><rt>ケントゥリオ</rt><rp>)</rp></ruby>であるルキウス・ファビウスは、
*quem inter suos eo die dixisse constabat
**配下の者たちの間で、その日、(以下のように)言ったことが知られていた。
*excitari se Avaricensibus praemiis neque commissurum, ut prius quisquam murum ascenderet,
**自分はアウァーリクムの恩賞に奮い立たせられて、何者かが(自分)より早く城壁を登るようなことは生じさせない、と。
*tres suos nactus manipulares
**(ファビウスは)同じ隊の兵士である3人の配下と遭遇して、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:manipulares は「[[w:マニプルス|歩兵中隊]]の」とも解されるが、ここでは「同じ隊の兵士」という意味であろう。)</span>
*atque ab his sublevatus murum ascendit,
**彼らによって持ち上げられて城壁を登った。
*hos<ref>hos はα系写本の記述で、π系写本では eos 、ρ系写本では eo となっている。</ref> ipse rursus singulos exceptans in murum extulit.
**彼らは(ファビウス)自身が再び1人ずつ引き出して、城壁に導き上げた。
===48節===
'''ガッリア勢が城塞都市に引き返して、防戦に努める'''
*① Interim hi<ref>hi はα系・π系・R写本の記述で、U写本では ii となっている。</ref> qui ad alteram partem oppidi, ut supra demonstravimus, munitionis causa convenerant,
**その間に、前に述べたように、<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>の別の方面へ、防御のために集結していた(ガッリア勢の)者たちは、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#45節|45節]]⑥項で述べられている。)</span>
*primo exaudito clamore,
**初めに叫び声を聞き取り、
*inde etiam crebris nuntiis incitati oppidum ab Romanis teneri,
**さらに、城塞都市がローマ人たちによって占領されたという頻繁な知らせにさえも駆り立てられて、
*praemissis equitibus magno concursu<ref>concursu はα系写本の記述で、β系写本では cursu となっている。</ref> eo contenderunt.
**[[w:騎兵|騎兵]]たちを先遣して、(歩兵たちも)駆けに駆けて、そこ(=城塞都市)へ急いだ。
[[画像:Auvergne_Gaul_coin_CdM.jpg|thumb|right|300px|[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]の兵士が刻まれた貨幣([[w:ビブリオテーク・ナショナル|仏国立図書館]]貨幣部所蔵)]]
*② Eorum ut quisque primus venerat,
**彼らの(城塞都市に)到着した者から順々に
**:<span style="color:#009900;">(訳注:quisque primus「最初の者ごとに;順々に」)</span>
*sub muro consistebat suorumque pugnantium numerum augebat.
**城壁の下に陣取って、味方の戦う者たちの数を増した。
*③ Quorum cum magna multitudo convenisset,
**その者たちの大群集が集結したときに、
*matres familiae quae paulo ante Romanis de muro manus tendebant,
**少し前にはローマ人たちに城壁から手を差し出していた家庭の母親たちが
*suos obtestari
**味方に哀願して、
*et more Gallico passum capillum ostentare liberosque in conspectum proferre coeperunt.
**ガッリアの風習により、髪を広げて示し、子供たちを(男たちの)眼前に運び始めた。
*④ Erat Romanis nec loco nec numero aequa contentio;
**ローマ人たちにとっては、地の利でも(兵の)数でも、対等な闘いはなかった。
*simul et cursu et spatio pugnae defatigati
**と同時に、戦いの疾走や時間(の長さ)に疲弊させられていて、
*non facile recentes atque integros sustinebant.
**(ガッリア勢の)新来かつ無傷の者たちに、容易に持ちこたえられなかった。
===49節===
'''カエサルが劣勢の自軍に副官セクスティウスを増援する'''
*① Caesar cum iniquo loco pugnari hostiumque augeri copias videret,
**カエサルは(戦闘が自軍に)不利な場所で戦われていること、かつ敵方の軍勢が増やされていることを見たので、
*praemetuens suis
**配下の者たちを気遣って、
*ad T.(Titum) Sextium legatum, quem minoribus castris praesidio reliquerat, misit,
**小さい方の陣営に守備として残しておいた<ruby><rb>[[w:レガトゥス|総督副官]]</rb><rp>(</rp><rt>レガトゥス</rt><rp>)</rp></ruby>ティトゥス・セクスティウスのところへ(伝令を)遣わして、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:セクスティウスについては、すでに副官として[[ガリア戦記 第6巻#1節|第6巻1節]]で言及されている。)</span>
*ut cohortes ex castris celeriter educeret
**陣営から(いくつかの)<ruby><rb>[[w:コホルス|歩兵大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>を速やかに進発させるように、
*et sub infimo colle ab dextro latere hostium constitueret,
**かつ丘陵のふもとの下方で、敵方の右の側面に布陣するように、と。
*② ut, si nostros loco depulsos vidisset, quominus libere hostes insequerentur terreret.
**もし我が方が(戦闘の)場所から追いやられたのを見たら、敵方が自由に追撃することにならぬよう脅かすためである。
*③ Ipse paulum ex eo loco cum legione progressus, ubi constiterat,
**(カエサル)自身は、停止していた場所から、軍団とともに少し前進して、
**:<span style="color:#009900;">([[#47節|47節]]①項で既述のように、カエサルとともに停止していたのは[[w:第10軍団エクェストリス|第10軍団]]である。)</span>
*eventum pugnae exspectabat.
**戦いの決着を待っていた。
===50節===
'''激戦の末、敗勢に陥るローマ軍'''
*① Cum acerrime comminus pugnaretur, hostes loco et numero, nostri virtute confiderent,
**(両軍により)激烈に格闘して戦われていて、敵方は地の利と(兵の)数を、我が方(ローマ軍)が武勇を頼りとしていたときに、
*subito sunt Haedui visi ab latere nostris aperto,
**突如として、我が方にとって開けた側面(=右側)から、[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の者たち(の姿)が見られた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:「開けた側面から」ab latere aperto とは、兵士の[[w:スクトゥム|長盾]]で覆われていない右側を指す。)</span>
*quos Caesar ab dextra parte alio ascensu manus distinendae causa miserat.
**カエサルがその者たちを右の方面から別の登り道により(敵の)部隊を分散しておくために派遣していたのだ。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:この事は、[[#45節|45節]]⑩項で述べられている。)</span>
*② Hi similitudine armorum vehementer nostros perterruerunt,
**彼らの武具が(ガッリア勢のものと)似ていることが、我が方(の兵士たち)を極度に怖れさせた。
*ac tametsi dextris humeris<ref>humeris が写本(ω)の記述であるが、umeris とするのも一般的となっている。</ref> exsertis animadvertebantur, quod insigne pactum<ref>pactum はHellerによる修正提案で、写本(ω)では pacatum となっており、研究者たちにより他の修正も提案されている。</ref> esse consuerat,
**(ハエドゥイー勢は)右の肩を脱いでいるのが視認され、その印は(味方として)定められているのが常であったが、
*tamen id ipsum sui fallendi causa milites ab hostibus factum existimabant.
**けれども(ローマ人の)兵士たちは、それ自体が自分たちを欺くために、敵方によりなされたと考えたのだ。
[[画像:Dorf_La_Roche_Blanche.JPG|thumb|right|300px|ゲルゴウィア([[w:la:Gergovia|Gergovia]])すなわち現在のジェルゴヴィ高地([[w:fr:Plateau_de_Gergovie|Plateau de Gergovie]])の遠景(南方のル・クレスト [[w:fr:Le_Crest|Le Crest]] から撮影)。画像中央がローマ軍が小さい方の陣営を設置していたと推定されているラ・ロシュ=ブランシュ([[w:fr:La_Roche-Blanche_(Puy-de-Dôme)|La Roche Blanche]])の丘陵で、山頂からこの丘陵の辺りが激戦地だったと思われる。現在は山麓にかけて住宅地が広がっている。]]
*③ Eodem tempore L.(Lucius) Fabius centurio quique una murum ascenderant,
**同じ時に、<ruby><rb>[[w:ケントゥリオ|百人隊長]]</rb><rp>(</rp><rt>ケントゥリオ</rt><rp>)</rp></ruby>ルキウス・ファビウスおよび一緒に城壁を登っていた者たちは、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ファビウスらについては、[[#47節|47節]]⑦項で述べられている。)</span>
*circumventi atque interfecti de<ref>de はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> muro praecipitabantur.
**(ガッリア勢に)取り囲まれ、殺害されて、城壁から突き落とされた。
*④ M.(Marcus) Petronius, eiusdem legionis centurio,
**同じ[[w:ローマ軍団|軍団]]の百人隊長マルクス・ペトロニウスは、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ファビウスと同じ軍団とは、[[#47節|47節]]⑦項で述べられているように[[w:第8軍団アウグスタ|第8軍団]]である。)</span>
*cum portas<ref>portas は写本(ω)の記述だが、portam と単数形にする修正も提案されている。</ref> excidere conatus esset,
**城門を突き破って出ることを試みていたときに、
*a multitudine oppressus ac sibi desperans multis iam vulneribus acceptis,
**(敵の)大勢によって圧倒されて、すでに多くの傷を受けて自分に絶望しており、
*manipularibus suis, qui illum secuti erant<ref>secuti erant はα系写本の記述で、β系写本では erant secuti となっている。</ref>,
**彼に付き従っていた同じ隊の配下の者たちに、
*"quoniam" inquit "me una vobiscum servare non possum,
**曰く「私と諸君を一緒に救うことはできないのだから、
*vestrae quidem certe vitae prospiciam, quos cupiditate gloriae adductus in periculum deduxi.
**せめて、栄誉の欲に引き寄せられて危険に引きずり込んでしまった諸君の生命にはきっと見通しを与えるであろう。
*⑤ Vos data facultate vobis consulite."
**諸君は(生き延びる)可能性が与えられているから、諸君(自身)を助けたまえ。」
*Simul in medios hostes inrupit duobusque interfectis reliquos a porta paulum submovit.
**と同時に、敵方の真ん中に押し入って、2名を殺害して、ほかの者たちを城門からいくらか退けた。
*⑥ Conantibus auxiliari suis
**(ペトロニウスは自分の)支援を試みる配下の者たちに、
*"frustra" inquit "meae vitae subvenire conamini, quem iam sanguis viresque deficiunt.
**曰く「もはや血も活力も尽き果てた私の生命を助けることを試みているのは無益だ。
*Proinde abite, dum est facultas, vosque ad legionem recipite."
**ゆえに(生き延びる)可能性がある間に立ち去れ。諸君は軍団のところへ退却せよ。」
*Ita pugnans post paulum<ref>paulum はα系・ρ系写本の記述で、π系写本では paululum となっており、paulo という修正提案もされている。</ref> concidit ac suis saluti fuit.
**こうして(ペトロニウスは)戦って少し後で斃れ、配下の者たちにとっては救いとなった。
===51節===
[[画像:Monument_gergovie_fr.jpg|thumb|right|290px|[[w:ゲルゴウィアの戦い|ゲルゴウィア戦勝]]記念碑。[[w:1903年|1903年]]に[[w:クレルモン=フェラン|クレルモン=フェラン市]]出身の建築家ジャン・テラール([[w:fr:Jean Teillard|Jean Teillard]])が、侵略者カエサルを撃退した郷土の英雄[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]に捧げるためにジェルゴヴィ高地([[w:fr:Plateau_de_Gergovie|Plateau de Gergovie]])に建立したものである。]]
[[画像:Plaque_Napoléon_III_Gergovie.jpg|thumb|right|300px|[[w:ゲルゴウィアの戦い|ゲルゴウィア]]の地に残る銘板。フランス語で「[[w:ナポレオン3世|ナポレオン3世]]は、1862年のゲルゴウィアの[[w:オッピドゥム|城塞都市]](跡)訪問の結果、メルドーニュ(Merdogne)の住民たちの要求に対して、1865年1月11日の政令によって、彼らの村にジェルゴヴィ([[w:fr:Gergovie|Gergovie]])の名を与えることを決定した。」<!-- «A la suite de sa visite sur l'oppidum de Gergovia en 1862, Napoléon III, à la demande des habitants de Merdogne, décida d'attribuer à leur village le nom de Gergovie, par décret du 11 janvier 1865.»-->]]
'''カエサルが一敗地に塗れる'''
*① Nostri cum undique premerentur,
**我が方(ローマ軍)は、至る所で圧倒されたので、
*XLVI(sex et quadraginta)<ref>XLVI はα系写本の記述で、β系写本では sex et XL となっている(どちらも46)。</ref> centurionibus amissis deiecti sunt loco.
**46名の<ruby><rb>[[w:ケントゥリオ|百人隊長]]</rb><rp>(</rp><rt>ケントゥリオ</rt><rp>)</rp></ruby> を失い、(激戦の)場所から追いやられた。
*Sed intolerantius Gallos insequentes
**けれども、容赦なく追撃して来るガッリア人たちを
*legio decima tardavit, quae pro subsidio paulo aequiore loco constiterat.
**予備部隊(もしくは要撃部隊)として、いくらか平らな所に陣取っていた[[w:第10軍団エクェストリス|第10軍団]]が妨げた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#47節|47節]]①項で既述のように、第10軍団はカエサルとともに待機していた。)</span>
*② Hanc rursus XIII(tertiae decimae) legionis cohortes exceperunt,
**これ(=第10軍団)をさらに、第13軍団の諸<ruby><rb>[[w:コホルス|大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>が支えた。
*quae ex castris minoribus eductae cum T.(Tito) Sextio legato ceperant locum<ref>ceperant locum はα系写本の記述で、β系写本では locum ceperant となっている。</ref> superiorem.
**それらは<ruby><rb>[[w:レガトゥス|総督副官]]</rb><rp>(</rp><rt>レガトゥス</rt><rp>)</rp></ruby>ティトゥス・セクスティウスとともに小さい方の陣営から進発してより高い所を占めていたのだ。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#49節|49節]]を参照。)</span>
*③ Legiones ubi primum planitiem attigerunt,
**諸[[w:ローマ軍団|軍団]]は、平野に達するや否や、
*infestis contra hostes signis constiterunt.
**敵方に抗して戦備を整えて陣取った。
*④ [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]] ab radicibus collis suos intra munitiones reduxit.
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は、配下の者たちを丘陵の麓から(ゲルゴウィアの)防備の内側に連れ戻した。
*Eo die milites sunt paulo minus [[wikt:la:Septingenti|septingenti]] desiderati.
**その日、(ローマ軍は)700名よりいくらか少ない兵士を失った。
<br>
:<span style="color:#009900;">(訳注:カエサルとウェルキンゲトリークスは、たびたび交えた騎兵戦ではカエサルが勝っているが、</span>
:<span style="color:#009900;">両軍の主力部隊である歩兵どうしが激突したこの戦闘は、地の利もあって、ウェルキンゲトリークスが完勝した。</span>
:<span style="color:#009900;">カエサルは第8軍団など古参の部隊を投入しながら、歴戦の百人隊長と兵士たちを多く失った。)</span>
===52節===
'''敗軍の将カエサルが兵士たちを責める'''
*① Postero die Caesar contione advocata
**翌日にカエサルは(兵士たちの)集会を召集して、
*temeritatem cupiditatemque militum<ref>cupiditatemque militum はα系写本の記述で、β系写本では militum cupiditatemque となっている。</ref> reprehendit,
**兵士たちの無思慮や功名心をとがめた。
*quod sibi ipsi iudicavissent, quo procedendum aut quid agendum videretur,
**というのは、どこへ進み出るべきか、あるいは何がなされるべきと思われるのか、自分たちに対し自分たちで判断してしまったからだ。
*neque signo recipiendi dato constitissent
**退却することの合図を与えられても留まりもせず、
*neque ab<ref>ab はα系写本の記述で、β系写本では a となっている。</ref> tribunis militum legatisque retineri potuissent.
**<ruby><rb>[[w:トリブヌス・ミリトゥム|兵士長官]]</rb><rp>(</rp><rt>トリブヌス・ミリトゥム</rt><rp>)</rp></ruby>や<ruby><rb>[[w:レガトゥス|総督副官]]たち</rb><rp>(</rp><rt>レガトゥス</rt><rp>)</rp></ruby>により制止されることもできなかったからだ。
*② Exposuit quid iniquitas loci posset, quod<ref>quod は写本(ω)では quid となっているが、近世以降の校訂者たちは quod と修正提案している。</ref> ipse ad [[w:la:Avaricum Biturigum|Avaricum]] sensisset,
**地の利のなさがどれほど影響するのか、(カエサル)自身がアウァーリクムで判断したことを説明した。
*cum sine duce et sine equitatu deprehensis hostibus
**将帥もなく騎兵隊もない敵たちを探し当てたときに、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#18節|18節]]~[[#19節|19節]]を参照。そのときガッリア勢は、ウェルキンゲトリークスが騎兵隊を連れて出て不在であった。)</span>
*exploratam victoriam dimisisset,
**確実であった勝利を諦めたのだ。
*ne parvum modo detrimentum in contentione propter iniquitatem loci accideret.
**地の利のなさのために、闘いにおいてほんのわずかな損害も生じないように(勝利を諦めたのだ)。
*③ Quanto opere<ref>Quanto opere はα系写本の記述で、β系写本では Quantopere となっている。</ref> eorum animi magnitudinem admiraretur,
**彼ら(兵士たち)の大胆さに(カエサルが)驚嘆すればするほど、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:quanto opere ~ tanto opere …/quantopere ~ tantopere …「~すればするほど、ますます…」)</span>
*quos non castrorum munitiones, non altitudo montis, non murus oppidi tardare potuisset,
**彼らのことを(ガッリア勢の)陣営の防備も、山の高さも、[[w:オッピドゥム|城塞都市]]の城壁も妨げることができなかったのではあるが、
*tanto opere<ref>tanto opere はα系・T・ρ系写本の記述で、V写本では tantopere となっている。</ref> licentiam arrogantiamque reprehendere,
**それだけにますます(兵士たちの)勝手気ままさや高慢さを(カエサルは)非難する(と言った)。
*quod plus se quam imperatorem de victoria atque exitu rerum sentire existimarent;
**というのは、自分たちが将軍(カエサル)よりも勝利と事の結末についてよく判断していると考えていたからだ。
*④ nec<ref>nec はα系写本の記述で、β系写本では non となっている。</ref> minus se ab<ref>ab はα系写本の記述で、β系写本では in となっている。</ref> milite modestiam et continentiam quam virtutem atque animi magnitudinem desiderare.
**自分(カエサル)は兵士たちに、武勇や大胆さよりも、慎重さや自制心を望んでいるのだ。
*:<span style="color:#009900;">(訳注:カエサルは兵士たちを上のように責めたが、兵士たちを統制できなかった責任は最高司令官にある。)</span>
===53節===
'''カエサルとローマ軍がゲルゴウィアから撤退'''
*① Hac habita contione et ad extremam orationem confirmatis militibus,
**(カエサルは)このような熱弁を振るって、演説の最後に、兵士たちを元気付けた。
*ne ob hanc causam animo permoverentur
**このような理由のために心をかき乱されないように、
*neu, quod iniquitas loci attulisset, id virtuti hostium tribuerent,
**かつ、地の利のなさが引き起こしたことを、敵方の武勇に転嫁しないように、と。
*eadem de profectione cogitans, quae ante senserat,
**(ゲルゴウィアからの)出発については、以前から判断していたのと同じことを考えていて、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#43節|43節]]⑤項を参照。ゲルゴウィアからの撤退が敗走同然に見られないようにと、考えていたのであろう。)</span>
*legiones ex castris eduxit aciemque idoneo loco constituit.
**諸[[w:ローマ軍団|軍団]]を陣営から進発させて、適切な場所に戦列を整えた。
*② Cum [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]] nihilo minus < intra munitiones remaneret neque > in aequum locum descenderet,
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]が、防備の内側に留まったばかりか、平らな場所に降りてこなかったので、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:< intra munitiones remaneret neque > は、写本になく、近代に挿入提案された修正案の一つ。)</span>
*levi facto equestri proelio, atque secundo, in castra exercitum reduxit.
**軽微な騎兵戦を行なって、順調のうちに軍隊を陣営に連れ戻した。
*③ Cum hoc idem postero die fecisset,
**翌日もこれと同じことを行なって、
*satis ad Gallicam ostentationem minuendam militumque animos confirmandos factum existimans
**ガッリア人の誇示を弱めること、および(ローマ人)兵士の心を強固にすることが十分になされたと考えたので、
*in [[w:la:Haedui|Haeduos]] movit castra.
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]のところに陣営を移(すために出発)した。
*④ Ne tum quidem insecutis hostibus
**そのとき、敵方は決して追撃して来なかったので、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:ne quidem|ne ~ quidem]]「~でさえ…ない」)</span>
*tertio die ad flumen [[w:la:Elaver|Elaver]] pontes<ref>pontes はα系写本の記述で、β系写本では pontem となっている。</ref> reficit<ref>reficit はχ系・B・M・L・N写本の記述で、S写本では refecit となっている。</ref> eoque exercitum<ref>eoque exercitum はα系写本の記述で、β系写本では exercitumque となっている。</ref> traducit<ref>traducit はα系写本の記述で、β系写本では traduxit となっている。</ref>.
**3日目にはエラウェル川(=現在の[[w:アリエ川|アリエ川]])のところで橋を再建して、そこで軍隊を渡らせた。
===54節===
'''ハエドゥイー族のエポレドリクスとウィリドマルスらがカエサルのもとから立ち去る'''
*① Ibi a Viridomaro atque [[w:la:Eporedorix|Eporedorige]] [[w:la:Haedui|Haeduis]] appellatus discit
**そこで(カエサルが)[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の[[w:ウィリドマルス|ウィリドマルス]]と[[w:エポレドリクス|エポレドリクス]]から話しかけられて知ったことには、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#39節|39節]]~[[#40節|40節]]を参照。ウィリドマルスとエポレドリクスはカエサルの軍勢に従軍していたと思われる。)</span>
*cum omni equitatu Litaviccum ad sollicitandos Haeduos profectum;
**[[w:リタウィックス|リタウィックス]]がすべての騎兵隊とともに、ハエドゥイー族の者たちをそそのかすために出発したという。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#40節|40節]]を参照。リタウィックスは謀計が破れたので、ゲルゴウィアに逃れていた。)</span>
*opus esse ipsos antecedere ad confirmandam civitatem.
**部族の支持を固めるために、(彼ら)自身が(リタウィックスより)先行することが必須であるというのだ。
*② Etsi multis iam rebus perfidiam Haeduorum<ref>perfidiam Haeduorum はα系写本の記述で、β系写本では Haeduorum perfidiam となっている。</ref> Caesar<ref>Caesar はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> perspectam habebat
**カエサルは、すでに多くの事により、ハエドゥイー族の背信行為を目にして来ており、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:Etsi ~, tamen …「~としても、しかしながら…」)</span>
*atque horum discessu admaturari defectionem civitatis existimabat,
**この者たちが(カエサルのもとから)立ち去ることで、(ハエドゥイー)部族の背反が一層促進されると考えていたのだが、
*tamen eos retinendos non censuit<ref>censuit はπ系写本の記述で、α系・ρ系写本では constituit となっている。</ref>,
**しかしながら、彼ら(2人)を束縛するべきではないと考慮した。
*ne aut inferre iniuriam videretur aut dare<ref>dare はα系写本の記述で、β系写本では daret となっている。</ref> timoris aliquam<ref>timoris aliquam はα系写本の記述で、β系写本では aliquam timoris となっている。</ref> suspicionem.
**(カエサルが)無法行為を起こすと思われないように、あるいは(彼らを)怖れているという何らかの疑念を与えないように。
*③ Discedentibus his breviter sua in Haeduos merita exposuit,
**(カエサルは)立ち去る彼らに、ハエドゥイー族における自分の功績を手短に説明した。
*quos et quam humiles accepisset, compulsos in oppida, multatos agris,
**彼らが、どれほど無力であったのを引き受けたことか、[[w:オッピドゥム|城塞都市]]に押し込められ、耕地を台無しにされて、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:et ~, et …「~でもあり、…でもある。」)</span>
*omnibus ereptis sociis<ref>sociis「同盟者たち」 はβ系写本の記述で、α系写本では copiis「軍勢」となっている。</ref>, imposito stipendio, obsidibus summa cum contumelia extortis,
**すべての同盟者たちを奪い取られ、貢物を課せられて、たいへんな侮辱とともに人質をもぎ取られていたことか。
*④ et quam in fortunam quamque in amplitudinem deduxisset,
**かつ、どれほどの境遇に、どれほどの高位に(カエサルが)引き上げもしたことか。
*ut non solum in pristinum statum redissent,
**その結果(ハエドゥイー族は)かつての地位に戻っただけでなく、
*sed omnium temporum dignitatem et gratiam antecessisse viderentur.
**(以前の)あらゆる時期の品格や信望をも越えていると思われる。
*His datis mandatis eos ab se dimisit.
**このような訓示を与えて、彼ら(2人)を自分のもとから送り出した。
===55節===
'''エポレドリクスとウィリドマルスらがローマの拠点ノウィオドゥーヌムで寝返る'''
[[画像:Nevers_-_Vue_depuis_la_rive_sud_de_la_Loire.jpg|thumb|center|700px|ノウィオドゥーヌム([[w:la:Nivernum|Noviodunum]])=現・[[w:ヌヴェール|ヌヴェール]]([[w:fr:Nevers|Nevers]])における、リゲル川([[w:la:Liger|Liger]])=現・[[w:ロワール川|ロワール川]]([[w:fr:Loire (fleuve)|Loire]])の岸辺の景観]]
*① [[w:la:Nivernum|Noviodunum]] erat oppidum [[w:la:Haedui|Haeduorum]] ad ripas [[w:la:Liger|Ligeris]] opportuno loco positum.
**ノウィオドゥーヌムは、[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の[[w:オッピドゥム|城塞都市]]で、リゲル川(現[[w:ロワール川|ロワール川]])岸の好都合な所に位置していた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:『ガリア戦記』には同名の都市が計3か所載っているが、こちらは現在の[[w:ヌヴェール|ヌヴェール]] Nevers である。<br> 「[[ガリア戦記/ガリア語の名前#Nouio-dūnon|ガリア語の名前 #Nouio-dūnon]]」を参照せよ。)</span>
*② Huc Caesar omnes obsides Galliae, frumentum, pecuniam publicam,
**ここに、カエサルは、ガッリアのすべての人質たちや、糧食、公金、
*suorum atque exercitus impedimentorum magnam partem contulerat;
**および自分と軍隊の[[w:輜重|輜重]]の大部分を運び集めていた。
*③ huc magnum numerum equorum huius belli causa in [[w:la:Italia|Italia]] atque [[w:la:Hispania|Hispania]] coemptum miserat.
**ここに、この戦争のためにイタリアと[[w:ヒスパニア|ヒスパニア]]から買い集めた馬匹の多数を送っておいた。
*④ Eo cum [[w:la:Eporedorix|Eporedorix]] Viridomarusque venissent et de statu civitatis cognovissent,
**そこに、[[w:エポレドリクス|エポレドリクス]]と[[w:ウィリドマルス|ウィリドマルス]]がやって来て、(以下のような)部族の情勢について察知したときに、
[[画像:Bibracte333_crop.JPG|thumb|right|400px|[[w:ビブラクテ|ビブラクテ]]の[[w:オッピドゥム|城塞都市]]跡に整備された城壁の遺構]]
*Litaviccum [[w:la:Bibracte|Bibracti]] ab Haeduis receptum,
**(すなわち)リタウィックスが、ハエドゥイー族の者たちによって[[w:ビブラクテ|ビブラクテ]]に迎え入れられ、
*─ quod est oppidum apud eos maximae auctoritatis ─,
**それ(ビブラクテ)は彼ら(ハエドゥイー族)のもとで最大の影響力を持つ城塞都市であるが、
*Convictolitavem<ref>Convictolitavem はβ系・N写本の記述で、χ系・B・M・S・L写本では Convictolitabim となっている。</ref> magistratum magnamque partem senatus ad eum convenisse,
**統領コンウィクトリタウィスと評議会の大半の者たちが彼(リタウィックス)のもとへ参集し、
*legatos ad [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorigem]] de pace et<ref>et は α系・U写本の記述で、π系・R写本では et de となっている。</ref> amicitia concilianda publice missos,
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]のところへ和平と友好を仲介するべく公けに使節たちが遣わされた(ことを知った)ので、
*non praetermittendum instans<ref>instans はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> tantum commodum existimaverunt.
**(エポレドリクスとウィリドマルスは)眼前にあるこれほどの好機を放置するべきではないと考えたのだ。
*⑤ Itaque interfectis Novioduni custodibus quique eo negotiandi aut itineris<ref>aut itineris はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> causa convenerant,
**こうして(2人は)ノウィオドゥーヌムの(ローマ側の)番兵たちや商用や旅行のために来訪していた者たちを殺害し、
*pecuniam atque equos inter se partiti sunt;
**金銭および馬匹を互いに分け合った。
*⑥ obsides civitatum Bibracte ad magistratum deducendos curaverunt;
**(ガッリアの)部族の人質たちをビブラクテの統領のところへ連れて行くように手配した。
*⑦ oppidum, quod a<ref>a はα系写本の記述で、β系写本では ab となっている。</ref> se teneri non posse iudicabant,
**(ノウィオドゥーヌムの)城塞都市は、自分たちによって固守することはできないと判断したので、
*ne cui esset usui Romanis, incenderunt;
**ローマ人たちの有益になることがないように、焼き打ちした。
*⑧ frumenti quod subito potuerunt navibus avexerunt,
**糧食のうち、急いで(運ぶことが)できるものを船団で運び去って、
*reliquum flumine atque incendio corruperunt.
**残りのものを川(に流すこと)により、および焼き打ちにより、役立たないようにした。
*⑨ Ipsi ex finitimis regionibus copias cogere,
**(彼ら)自身は、近隣の地方から軍勢を徴集して、
*praesidia custodiasque ad ripas Ligeris disponere
**リゲルの川岸のたもとへ守備隊や番兵を分配して、
*equitatumque omnibus locis iniciendi timoris causa ostentare coeperunt,
**(ローマ人に)恐怖(の感情)を起こさせるために、[[w:騎兵|騎兵隊]]に誇示をさせ始めた。
*si ab re frumentaria Romanos excludere
**もし、ローマ人たちが糧食調達することを阻止するなら、
*† aut adductos inopia in provincia<ref>in provincia は、α系写本では ex provincia「属州から」、β系写本では provincia となっているが、コンスタン Constans やクロッツ A.Klotz らにより in provincia「属州に」と修正提案されている。</ref> expellere<ref>expellere「駆逐する」 はα系写本の記述で、β系写本では excludere「阻止する、妨げる」 となっている。</ref> † possent.
**あるいは(糧食などの)欠乏により、属州に駆逐することができるなら、と。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:† ~ † は、写本の文章が崩れて校訂者を迷わせていることを表す記号。修正提案されている。)</span>
*⑩ Quam ad spem multum eos adiuvabat,
**そのような希望へ、彼らを大いに励まし助けたのは、
*quod Liger ex nivibus creverat,
**リゲル川(の水位)が雪水により増したことで、
*ut omnino vado non posse transiri videretur.
**すべての浅瀬が渡らせられることができないと思われたのである。
===56節===
'''カエサルが属州へは戻らず、増水したリゲル川の渡河を敢行'''
*① Quibus rebus cognitis Caesar maturandum sibi censuit,
**それらの事態を知ると、カエサルは自らにとって(以下のことを)急ぐべきだと考慮した。
*si esset in perficiendis pontibus periclitandum,
**もし、橋を造り上げる最中に(敵勢と闘うという)危険を冒すのであれば、
*ut prius, quam essent maiores eo coactae copiae, dimicaret.
**そこに(敵方の)より多くの軍勢が集結するよりも早く闘うように(急ぐべきだと)。
*② Nam ut commutato consilio iter in provinciam converteret,
**なぜなら、作戦を変更して、属州([[w:ガリア・ナルボネンシス|ガッリア・トラーンサルピーナ]])に進路を方向転換するようにと、
*ne metu quidem<ref>ne metu quidem はα系写本の記述で、β系写本では nemo tunc quidem 、そのほか近代の校訂者によって修正提案が行なわれている。</ref> necessario faciendum<ref>faciendum はβ系写本の記述で、α系写本では faciundum となっている。</ref> existimabat;
**(ガッリア勢への)怖れによって行なうことは決して必要ではない、と考えたのだ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:ne quidem|ne ~ quidem]]「~でさえ…ない」)</span>
*cum infamia atque indignitas rei
**(属州に撤退するという)事の不名誉や恥辱が、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:cum ~ tum …「~であるのと同様に特に…である」)</span>
*et oppositus mons Cevenna<ref>Cevenna はχ系・U写本の記述で、π系・R写本の記述では Cebenna、φ系写本では Cevennae となっている。</ref> viarumque difficultas impediebat,
**およびケウェンナ山地が相対して道の(通行の)困難なことが、(属州への撤退を)妨げていたし、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ケウェンナ山地 mons Cevenna は現在のセヴェンヌ山地。[[#8節|8節]]を参照。)</span>
*tum maxime quod abiuncto [[w:la:Titus_Labienus|Labieno]] atque iis legionibus, quas una miserat, vehementer timebat.
**同様に、とりわけ[[w:ティトゥス・ラビエヌス|ラビエーヌス]]と一緒に派遣していた諸[[w:ローマ軍団|軍団]]から遠ざけられて、非常に心配してもいたのだ。
*③ Itaque admodum magnis diurnis nocturnisque itineribus confectis
**こうして、昼間も夜間も非常な強行軍を成し遂げて、
*contra omnium opinionem ad [[w:la:Liger|Ligerem]]<ref>Ligerem はα系写本の記述で、β系写本では Ligerim となっている。</ref> venit
**皆の予想に反して、リゲル川(=現[[w:ロワール川|ロワール川]])の辺りにやって来た。
*④ vadoque per equites invento pro rei necessitate opportuno,
**事態の緊急性に見合う好都合な浅瀬を、[[w:騎兵|騎兵]]たちを通じて見出して、
*ut brachia modo atque humeri<ref>humeri はA・φ系・ρ系写本の記述で、Q写本では umeri となっている。</ref> ad sustinenda arma liberi ab aqua esse possent,
**やっと腕と肩を、武器を差し上げるために、水から自由になることができた。
*disposito equitatu, qui vim fluminis refringeret,
**川の流れの圧力を妨げるべく、騎兵隊を分けて置いて、
*atque hostibus primo aspectu perturbatis,
**敵方は(ローマ勢を)初めに一見するや狼狽していたので、
*⑤ incolumem exercitum traduxit
**(カエサルは)軍隊を無傷のまま渡河させた。
*frumentumque in agris et pecoris copiam nactus
**耕地の穀物、および大量の家畜を獲得して、
*repleto his rebus exercitu
**これらの物を軍隊に補充して、
*iter in Senones facere instituit.
**セノネース族のところに行軍することを決めた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:セノネース族の方面には、副官ラビエーヌスと4個軍団を派遣していた。)</span>
==ラビエーヌスのルテティア遠征==
===57節===
'''副官ラビエーヌスがルテティア制圧に向かう'''
*① Dum haec apud Caesarem geruntur,
**これらがカエサルのもとで遂行されている間に、
*[[w:la:Titus Labienus|Labienus]] eo supplemento, quod nuper ex Italia venerat,
**[[w:ティトゥス・ラビエヌス|ラビエーヌス]]は、最近イタリアから来ていた補充兵(予備兵)を
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#34節|34節]]で既述のようにラビエーヌスはカエサルから4個軍団とともにガッリア北部の制圧を委ねられていた。</span>
**:<span style="color:#009900;">また、[[#1節|1節]]で既述のようにカエサルはイタリア(属州[[w:ガリア・キサルピナ|ガッリア・キサルピーナ]])で部隊を徴兵していた。)</span>
*relicto [[w:la:Agedincum|Agedinci]], ut esset impedimentis praesidio,
**アゲディンクムに、[[w:輜重|輜重]]にとっての守備隊となるように、残留させて、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#10節|10節]]で既述のように、カエサルはアゲディンクム(現在の[[w:サンス|サンス]])に全軍の輜重を残していた。)</span>
*cum quattuor legionibus Luteciam<ref>Luteciam はα系写本の記述で、π系写本では Luceciam 、ρ系写本では Lucetiam となっている。[[ガリア戦記 第6巻#3節|第6巻3節]]では Lutetia(m) とも綴られている。</ref> proficiscitur.
**4個軍団とともに[[w:ルテティア|ルテティア]]に出発した。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ルテティア Lutetia は写本ではルテキア Lutetia とも綴られる。[[ガリア戦記 第6巻#3節|第6巻3節]]を参照。)</span>
*Id est oppidum Parisiorum, quod positum est<ref>quod positum est はα系写本の記述で、β系写本では単に positum となっている。</ref> in insula fluminis [[w:la:Sequana|Sequanae]].
**それ(ルテティア)は[[w:パリシイ族|パリスィイ族]]の<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>で、セクアナ川(=現[[w:セーヌ川|セーヌ川]])の中洲に位置している。
*② Cuius adventu ab hostibus cognito
**彼(ラビエーヌス)の到来が敵方により知られると、
*magnae ex finitimis civitatibus copiae convenerunt.
**近隣の諸部族から大軍勢が集結していた。
*③ Summa imperii traditur Camulogeno Aulerco,
**(北部ガッリア勢の)最高司令権は、[[w:アウレルキ族|アウレルキ族]]の[[w:カムロゲヌス|カムロゲヌス]]に託された。
*qui prope confectus aetate
**その者はかなり年老いていたが、
*tamen propter singularem scientiam rei militaris ad eum est honorem evocatus.
**けれども、彼の卓越した軍事の知識のために、顕職に召集されたのだ。
*④ Is cum animadvertisset perpetuam esse paludem,
**彼(カムロゲヌス)は、沼地が絶え間なくあることに気付いていたので、
*quae influeret in Sequanam atque illum omnem locum magnopere impediret,
**それはセクアナ(川)に流れ込み、かの一帯すべてを大いに近付きにくくしていたので、
*hic consedit nostrosque transitu prohibere instituit.
**ここに陣取って、我が方(ローマ勢)が渡河するのを妨げることに決めた。
===58節===
'''ラビエーヌスがメトロセドゥムを陥落させ、ルテティアのガッリア勢と対峙'''
*① [[w:la:Titus Labienus|Labienus]] primo vineas agere, cratibus atque aggere paludem explere
**[[w:ティトゥス・ラビエヌス|ラビエーヌス]]は初めに、<ruby><rb>[[w:ウィネア|工作小屋]]</rb><rp>(</rp><rt>ウィネア</rt><rp>)</rp></ruby>を駆ること、柴や土砂で沼地を埋め立てること、
*atque iter munire conabatur.
**および道を築くこと、を試みた。
*② Postquam id difficilius confieri<ref>confieri はχ系・β系写本の記述で、Q写本では confici となっている。</ref> animadvertit,
**それが成し遂げられることが困難だと気付いた後で、
*silentio e castris tertia vigilia egressus
**(敵に知られないように)静けさのうちに第三夜警時に陣営から進発して、
*eodem, quo venerat, itinere Metlosedum<ref>Metlosedum はコンスタン L.-A. Constans による修正で、π系・U写本では Metiosedum 、α系・ρ系写本では Mellodunum などとなっており、写本により表記がさまざまである。</ref> pervenit.
**やって来たのと同じ道程により、メトロセドゥムに到達した。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:メトロセドゥム Metlosedum は、写本によりメティオセドゥム Metiosedum とも綴られ、</span>
**:<span style="color:#009900;">後にはメロドゥーヌム [[w:la:Melodunum|Melodunum]] として知られる。現在の[[w:ムラン|ムラン]] [[w:fr:Melun|Melun]] である。)</span>
*③ Id est oppidum [[w:la:Senones|Senonum]] in insula [[w:la:Sequana|Sequanae]] positum, ut paulo ante de [[w:la:Lutetia|Lutecia]] diximus.
**それはセノネース族の城塞都市で、少し前に[[w:ルテティア|ルテティア]]について述べたように、セクアナ川の[[w:中州|中州]]に位置している。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ルテティアすなわち現在の[[w:パリ|パリ]]の中心部に[[w:シテ島|シテ島]]や[[w:サン=ルイ島|サン=ルイ島]]という[[w:セーヌ川|セーヌ川]]の中州があるように、</span>
**:<span style="color:#009900;">現在のムランの中心部にもサン=テティエンヌ島 [[w:fr:Île Saint-Étienne|Île Saint-Étienne]] というセーヌ川の中州がある。)</span>
*④ Deprensis<ref>deprensis という語形はα系写本の記述で、β系写本では deprehensis となっている。</ref> navibus circiter quinquaginta celeriterque coniunctis
**約50隻の船を探し出して、速やかに結び合わせて(舟橋として)、
*atque eo militibus iniectis
**そこに兵士たちを投入して、
*et rei novitate perterritis oppidanis,
**事の新奇さに<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>の者たちは脅えて、
*quorum magna pars erat ad bellum evocata,
**彼ら(住民)の大部分は戦争へ徴集されていた(ため不在であった)ので、
*sine contentione oppido potitur.
**(ラビエーヌスは)闘うことなしに(中州にあるメトロセドゥムの)城塞都市を掌握した。
*⑤ Refecto ponte, quem superioribus diebus hostes resciderant, exercitum traducit
**それ以前の日々に敵方が破却していた橋を再建して、軍隊を(中州から対岸へ)渡らせて、
*et secundo flumine ad Luteciam iter facere coepit.
**川に沿ってルテティアの方へ行軍を始めた。
*⑥ Hostes re cognita ab iis, qui Metlosedo<ref>Metlosedo はコンスタン L.-A. Constans による修正で、β系・S写本では Metiosedo 、χ系写本では Melloduno 、B・M・L・N写本では Ametlodone(あるいは Ametclodone)などとなっている。</ref> fugerant,
**敵方は、メトロセドゥムから逃げて来た者たちから事態を知って、
*Luteciam incendi pontesque eius oppidi rescindi iubent;
**ルテティアを焼打ちすること、その城塞都市の橋を破却すること、を命じた。
*ipsi profecti a palude ad ripas<ref>ad ripas はχ系・B・M・L・N写本の記述で、S・Vおよびρ系写本では in ripas 、T写本では in ripa となっている。</ref> Sequanae
**彼ら自身は、沼地からセクアナの川岸へ出発して、
*e regione Luteciae contra Labieni castra considunt.
**ルテティア(の対岸)に向かってラビエーヌスの陣営に対抗して陣取った。
===59節===
'''ガッリア諸部族が迫り、ラビエーヌスが作戦変更を決断'''
*① Iam Caesar a [[w:la:Gergovia|Gergovia]] discessisse audiebatur,
**すでに、カエサルが[[w:ゲルゴウィア|ゲルゴウィア]]から撤退したことが聞かれていたし、
*iam de [[w:la:Haedui|Haeduorum]] defectione et secundo Galliae motu rumores adferebantur,
**もはや、[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の背反や、ガッリアの動乱の順調さについての噂がもたらされていた。
*Gallique in conloquiis
**(当地の)ガッリア人たちは会話の中で、
*interclusum itinere et [[w:la:Liger|Ligeri]] Caesarem inopia frumenti coactum in provinciam contendisse confirmabant.
**カエサルが行軍やリゲル(渡河)を遮られて、糧食の欠乏により属州([[w:ガリア・ナルボネンシス|ガッリア・トラーンサルピーナ]])に急ぐことを強いられた、と確言した。
*② Bellovaci autem defectione Haeduorum cognita,
**一方で、ベッロウァキ族もハエドゥイー族の背反を知って、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ベッロウァキ族は、ハエドゥイー族の仲介によりカエサルに降伏していた。[[ガリア戦記 第2巻#14節|第2巻14節]]~15節を参照。)</span>
*qui iam<ref>qui iam は古典学者 ニコラエス・ハインシウス1世 [[w:en:Nikolaes_Heinsius_the_Elder|Nikolaes Heinsius the Elder]] による修正提案で、χ系・S・β系写本では qui 、B・M・L・N写本では quia となっている。</ref> ante erant per se infideles,
**彼ら自身もすでに以前から(カエサルやローマ人に)忠誠的でなかったが、
*manus cogere atque aperte bellum parare coeperunt.
**手勢を徴集して、公けに戦争を準備することを始めた。
*③ Tum [[w:la:Titus Labienus|Labienus]] tanta rerum commutatione
**そこで、[[w:ティトゥス・ラビエヌス|ラビエーヌス]]はこれほどの事態の変動により、
*longe aliud sibi capiendum consilium, atque antea senserat, intellegebat,
**自分にとって、以前に判断していたのとはまったく別の作戦が立てられるべきだ、と考えた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:aliud ~ atque …「…とは別の~」)</span>
*④ neque iam, ut aliquid adquireret proelioque hostes lacesseret,
**もはや、何らかのものを獲得したり、敵方に戦闘を挑むようにではなく、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:neque ut ~, sed ut …「~ようにではなく、…ように」)</span>
*sed ut incolumem exercitum Agedincum reduceret, cogitabat.
**軍隊を無傷のままでアゲディンクム(=現[[w:サンス|サンス]])に連れ戻すように、と考えた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:アゲディンクムには輜重と守備隊が残されていた。[[#10節|10節]]・[[#57節|57節]]を参照。)</span>
*⑤ Namque altera ex parte Bellovaci,
**実際、一方の側からはベッロウァキ族が、
*quae civitas in Gallia maximam habet opinionem virtutis, instabant,
**ガッリアにおいて武勇に最大の評判を持つその部族が、迫りつつあった。
*alteram Camulogenus parato atque instructo exercitu tenebat:
**他方からは、カムロゲヌスが軍隊を準備し、整列させて、進んでいた。
*tum legiones a praesidio atque impedimentis interclusas
**そのとき、(ラビエーヌス麾下の)諸軍団は(アゲディンクムにいる)守備隊や輜重から遮られて、
*maximum flumen distinebat.
**とても大きな(セクアナ)川が阻んでいた。
*⑥ Tantis subito difficultatibus obiectis
**突然に、これほどの困難が投げ出されたので、
*ab animi virtute auxilium petendum videbat.
**武勇の心構えに救いを求めるべきだと(ラビエーヌスは)思った。
===60節===
'''ラビエーヌスが陽動戦術に努める'''
*① Itaque<ref>Itaque はS・β系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> sub vesperum consilio convocato
**こうして([[w:ティトゥス・ラビエヌス|ラビエーヌス]]は)夕方に会議を召集して、
*cohortatus, ut ea, quae imperasset, diligenter industrieque administrarent,
**(彼が)命令したことを入念かつ勤勉に従事するように鼓舞した。
*naves, quas [[w:la:Melodunum|Metlosedo]]<ref>Metlosedo はコンスタン L.-A. Constans による修正で、χ系・S・β系写本では Metiosedo 、B・M写本では ameclodone 、L・N写本では a mellodone 、<i>etc</i>. となっている。</ref> deduxerat, singulas equitibus Romanis attribuit,
**[[w:ムラン|メトロセドゥム]]から引いて来ていた船団を、ローマ人騎士たち1人ずつに配分して、
*et prima confecta vigilia IIII(quattuor) milia passuum secundo flumine silentio progredi
**第一夜警時が終わる頃に、4ローママイル(6km弱)下流に静けさのうちに進発すること、
*ibique se exspectari<ref>exspectari はα系・T・ρ系写本の記述で、S・V写本では exspectare などとなっている。</ref> iubet.
**かつ、そこで自分(ラビエーヌス)を待つことを命じた。
*② Quinque cohortes, quas minime firmas ad dimicandum esse existimabat,
**(白兵戦を)闘うためにはあまり強くないと(ラビエーヌスが)考えていた5個<ruby><rb>[[w:コホルス|歩兵大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>
*castris praesidio relinquit;
**陣営にとっての守備隊として残留させた。
*quinque eiusdem legionis reliquas
**同じ軍団の残りの5個(歩兵大隊)を
*de media nocte cum omnibus impedimentis adverso flumine magno tumultu proficisci imperat.
**真夜中から、すべての[[w:輜重|輜重]]とともに、上流の方に大きな喧騒でもって出発することを命令した。
*④ Conquirit etiam lintres;
**小舟さえも探し集めて、
*has magno sonitu remorum incitatas in eandem partem mittit.
**これらを大きな音とともに[[w:櫂|櫂]]を駆って、同じ方面に派遣した。
*Ipse post paulo silentio egressus cum tribus legionibus
**(ラビエーヌス)自身は、少し後で静けさのうちに3個[[w:ローマ軍団|軍団]]とともに進発して、
*eum locum petit, quo naves appelli iusserat.
**船団が停められることを命じていた地点へ行った。
===61節===
'''ラビエーヌスの陽動により、敵将カムロゲヌスが兵力を分散'''
*① Eo cum esset ventum,
**(ラビエーヌスの軍勢が)そこにやって来たときに、
*exploratores hostium, ut omni fluminis parte erant dispositi,
**敵方の偵察者たちが(セクアナ)川の至る所に分けて置かれていたが、
*inopinantes, quod magna subito erat coorta tempestas,
**突然に大きな嵐が生じたので(ローマ勢の襲撃を)予期していなかった者たちは、
*ab<ref>ab はχ系・B・M・L・N写本の記述で、S・β系写本では a となっている。</ref> nostris opprimuntur;
**我が方(ローマ勢)によって不意を襲われたのだ。
*② exercitus equitatusque equitibus Romanis administrantibus, quos ei negotio praefecerat,
**歩兵隊と騎兵隊が、(ラビエーヌスが)任務を指揮させていたローマ人騎士たちの指導により、
*celeriter transmittitur.
**速やかに(セクアナ川を)渡らせられた。
*③ Uno fere tempore sub lucem hostibus nuntiatur
**夜明け前のほぼ一時に(以下のことが)敵方に報知された。
*in castris Romanorum praeter consuetudinem tumultuari
**ローマ人の陣営において、通例に反して、騒がれていること、
*et magnum ire agmen adverso flumine
**大きな隊列が上流の方へ行軍していること、
*sonitumque remorum in eadem parte exaudiri
**(船を漕ぐ)櫂の音が同じ方面で聞き取られたこと、
*et paulo infra milites navibus transportari.
**少し下流で兵士たちが船で(セクアナ川を)渡されたこと、である。
*④ Quibus rebus auditis,
**それらの事態が聞かれて、
*quod existimabant tribus locis transire legiones atque omnes perturbatos defectione [[w:la:Haedui|Haeduorum]] fugam parare,
**(ローマ勢の)諸軍団が3か所で渡河したこと、[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の背反により総勢が取り乱して逃亡を準備していること、を考えたので、
*suas quoque copias in tres partes distribuerunt.
**自分たちの軍勢をも3方面に分配した。
*⑤ Nam praesidio e regione castrorum relicto
**すなわち(一隊がローマ勢の)陣営の真向かいに守備隊として残され、
*et parva manu Metlosedum<ref>Metlosedum はQ写本の記述で、χ系・β系写本では Metiosedum 、などとなっている。</ref> versus missa,
**(別の)わずかな手勢が[[w:ムラン|メトロセドゥム]]の方面へ派遣され、
*quae tantum progrediatur<ref>progrediatur はα系写本の記述で、Q・S・β系写本では progrederetur となっている。</ref>, quantum naves processissent,
**(ローマ勢の)船団が進み出るだけ、(ガッリア兵も)前進するようにした。
*reliquas copias contra Labienum duxerunt.
**残りを軍勢をラビエーヌスに対して(カムロゲヌス自身が)率いて行った。
===62節===
'''ラビエーヌスがカムロゲヌス麾下のガッリア勢を各個撃破して、カエサルと合流'''
*① Prima luce et nostri omnes erant transportati
**夜明けに、我が方(ローマ勢)は総勢が(セクアナ川の左岸に)渡されていたし、
*et hostium acies cernebatur.
**敵方の戦列も見分けられた。
*② [[w:la:Titus Labienus|Labienus]] milites cohortatus,
**[[w:ティトゥス・ラビエヌス|ラビエーヌス]]は兵士たちを(以下のように)鼓舞した。
*ut suae pristinae virtutis et tot<ref>tot はS・β系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> secundissimorum proeliorum retinerent memoriam<ref>retinerent memoriam はχ系・B・M・L・N写本の記述で、S・β系写本では memoriam retinerent となっている。</ref>
**自分たちのかつての武勇とこのようにとてもうまくいっている諸戦闘を記憶に留めるように、
*atque ipsum Caesarem, cuius ductu saepe numero hostes superassent, praesentem adesse existimarent,
**かつ、その指揮によって何度もしばしば敵方を打ち破って来たカエサル当人が目下居合わせていると考えるように、と。
*dat signum proelii.
**(それから)戦闘の号令を発した。
*③ Primo concursu ab dextro cornu, ubi septima legio constiterat,
**最初の激突は、[[w:第7軍団クラウディア・ピア・フィデリス|第7軍団]]が布陣していた(ローマ軍の)右翼からで、
*hostes pelluntur atque in fugam coniciuntur;
**敵方は撃退されて、逃亡に追いやられた。
*④ ab sinistro, quem locum duodecima legio tenebat,
**第12軍団が場所を占めていた左翼からは、
*cum primi ordines hostium transfixi pilis<ref>pilis はβ系写本の記述で、α系写本では telis となっている。</ref> concidissent,
**敵方の最前列(の兵たち)が投げ槍で突き通されて斃れたのだが、
*tamen acerrime reliqui resistebant
**けれども残りの者たちがとても激烈に抵抗していて、
*nec dabat suspicionem fugae quisquam.
**誰も逃亡の予兆を示さなかった。
*⑤ Ipse dux hostium Camulogenus suis aderat atque eos cohortabatur.
**敵方の将帥カムロゲヌス自身は、麾下の者たちに居合わせて、彼らを激励していた。
*⑥ At<ref>cohortabatur. At はχ系写本などの記述で、別の写本では記述が異なる。</ref> incerto nunc etiam<ref>nunc etiam はB・M・L・N写本の記述で、χ系・S・β系写本では etiamnunc となっている。</ref> exitu victoriae,
**勝敗の帰趨は今もなお不確実だったが、
*cum septimae legionis tribunis esset nuntiatum, quae in sinistro cornu gererentur,
**第7軍団の<ruby><rb>[[w:トリブヌス・ミリトゥム|兵士長官]]</rb><rp>(</rp><rt>トリブヌス・ミリトゥム</rt><rp>)</rp></ruby>たちに、左翼で<ruby><rb>出来</rb><rp>(</rp><rt>しゅったい</rt><rp>)</rp></ruby>したことが報告されたときに、
*post tergum hostium legionem ostenderunt signaque intulerunt.
**敵方の背後に(第7)軍団を差し向けて、軍旗を進めた(=進撃した)。
*⑦ Ne eo quidem tempore quisquam loco cessit,
**その時でさえ、(ガッリア勢の)誰も(戦闘の)場から退却しなかった
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:ne quidem|ne ~ quidem]]「~でさえ…ない」)</span>
*sed circumventi omnes interfectique sunt.
**けれども、総勢が包囲されて(ローマ軍により)殺戮された。
*Eandem fortunam tulit Camulogenus.
**同じ不幸をカムロゲヌスも蒙った。
*⑧ At ii<ref>ii はχ系写本の記述で、他の写本では記述が異なる。</ref>, qui praesidio contra castra Labieni erant relicti,
**これに対して、ラビエーヌスの陣営に対して守備隊として残されていた(ガッリア勢の)者たちは、
*cum proelium commissum audissent, subsidio suis ierunt collemque ceperunt,
**(両軍が)戦闘を交えているのを聞き付けたので、味方の援兵として出て行って、丘陵を占めていたが、
*neque nostrorum militum victorum impetum sustinere potuerunt.
**勝勢の我が方(ローマ軍)の兵士たちの突撃を持ちこたえることができなかった。
*⑨ Sic cum suis fugientibus permixti,
**このようにして、敗走している味方と混じり合ったときに、
*quos non silvae montesque texerunt, ab equitatu sunt interfecti.
**森林や山岳が覆い隠すことのなかったその者たちは、(ローマ側の)騎兵隊によって殺戮された。
*⑩ Hoc negotio confecto Labienus revertitur Agedincum,
**この戦役が成し遂げられると、ラビエーヌスは[[w:サンス|アゲディンクム]]に引き返した。
*ubi impedimenta totius exercitus relicta erant;
**そこには軍隊全体の[[w:輜重|輜重]]が残されていたのだ。
*inde die Ⅲ.<ref>inde die Ⅲ. は近代の校訂者による修正提案で、Q・M・S・N・β系写本では単に inde 、他の写本では別の記述になっている。</ref> cum omnibus copiis ad Caesarem pervenit.
**そこから3日目(=2日後)にすべての軍勢とともにカエサルのところへ到着した。
==ガッリア戦乱の拡大==
===63節===
'''ハエドゥイー族がウェルキンゲトリークスに主導権争いを挑む'''
*① Defectione [[w:la:Haedui|Haeduorum]] cognita bellum augetur.
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の背反が知られて、戦乱は拡大された。
*② Legationes in omnes partes circummittuntur;
**(ハエドゥイー族らにより)使節たちがあらゆる方面に遣わされまくり、
*quantum gratia, auctoritate, pecunia valent, ad sollicitandas civitates nituntur;
**信望、勢力や金銭によってできる限り、諸部族をそそのかすことに努めた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:quantum ~ valere「~によってできる限り」)</span>
*③ nacti obsides, quos Caesar apud eos deposuerat,
**カエサルが彼ら(ハエドゥイー族)のもとに預けて置いた人質たちを手に入れて、
*horum supplicio dubitantes territant.
**彼ら(人質たち)の処刑(を示唆すること)によって、決心がつかぬ者たちを恐れさせた。
*④ Petunt a [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorige]] Haedui, ut ad se veniat rationesque belli gerendi communicet;
**ハエドゥイー族は、[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]に、自分たちのところへ来て戦争遂行の戦略を協議するように要求した。
*re impetrata contendunt, ut ipsis summa imperii tradatur.
**その事が成し遂げられると、(ハエドゥイー族)自身に最高司令権が委ねられるように頑張った。
*Et re<ref>et re は近代の校訂者による修正提案で、β系写本では re 、α系写本では et rem となっている。</ref> in controversiam deducta totius Galliae concilium [[w:la:Bibracte|Bibracte]] indicitur.
**その事が論争の状態に置かれて、[[w:ビブラクテ|ビブラクテ]]でのガッリア全体の会合が公示された。
*Eodem conveniunt<ref>Eodem conveniunt はα系写本の記述で、β系写本では単に conveniunt 、etc.となっている。</ref> undique frequentes.
**同じところに至る所からたくさんの者たちが集まって来た。
*⑥ Multitudinis suffragiis res permittitur;
**(最高司令権の)事は衆人の票決に任せられて、
*ad unum omnes Vercingetorigem probant imperatorem.
**衆議一決により、ウェルキンゲトリークスを将軍(最高司令官)として承認した。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ad unum omnes「最後の一人に至るまですべて」)</span>
*⑦ Ab hoc concilio Remi, Lingones, Treveri afuerunt,
**この会合へは、[[w:レミ族|レーミー族]]、リンゴネス族、トレウェリ族が不在であった。
*illi quod amicitiam Romanorum sequebantur,
**前者(レーミー族とリンゴネス族)は、ローマ人との友好を遵守したので(不在であった)。
*Treveri quod aberant longius et ab<ref>ab はα系写本の記述で、β系写本では a となっている。</ref> [[w:la:Germani|Germanis]] premebantur,
**トレウェリ族は、はるか遠くに離れており、[[w:ゲルマニア|ゲルマニア]]人により圧迫されていた。
*quae fuit causa quare toto abessent bello
**それが、何ゆえに(ウェルキンゲトリークスによる)戦争全体に関与しなかったかの理由であり、
*et neutris auxilia mitterent.
**(ウェルキンゲトリークスとカエサルの)どちら側にも援軍を派遣しなかった。
*⑧ Magno dolore Haedui ferunt se deiectos principatu,
**ハエドゥイー族は、自分たちが盟主の座から遠ざけられて、とても憤懣やるかたなかったし、
*queruntur fortunae commutationem
**境遇の変わりようを嘆いて、
*et Caesaris indulgentiam in se<ref>indulgentiam in se はα系写本の記述で、β系写本では in se indulgentiam となっている。</ref> requirunt
**カエサルの自分たちへの寛大さを惜しんだ。
*neque tamen suscepto bello suum consilium ab reliquis separare audent.
**けれども戦争を引き受けてしまったので、あえて自分たちの作戦計画をほか(の諸部族)と異にしなかった。
*⑨ Inviti summae spei adulescentes Eporedorix et Viridomarus Vercingetorigi parent.
**たいへんな野心を持つ青年たち[[w:エポレドリクス|エポレドリクス]]と[[w:ウィリドマルス|ウィリドマルス]]は、意に反してウェルキンゲトリークスに服従した。
===64節===
'''ウェルキンゲトリークスがガッリア諸部族の誘降・服従を謀る'''
*① Ipse<ref>ipse はα系写本の記述で、β系写本では ille となっている。</ref> imperat reliquis civitatibus obsides denique ei rei constituit diem;
**(ウェルキンゲトリークス)自身は、ほかの諸部族に人質(の供出)を命令して、のみならずその事の期日を決めた。
*huc omnes equites, [[wikt:la:quindecim|XV(quindecim)]] milia numero, celeriter convenire iubet.
**そこに、1万5000名の数のすべての[[w:騎兵|騎兵]]に、速やかに集結することを命じた。
*② Peditatu quem antea habuerit se fore contentum dicit
**(歩兵については)自分は、以前から持っていた[[w:歩兵|歩兵隊]]で満足するであろうと言った。
*neque fortunam temptaturum aut in acie<ref>in acie はα系写本の記述で、β系写本では単に acie となっている。</ref> dimicaturum,
**(歩兵で)武運を試すことはしないであろうし、あるいは野戦で(白兵戦を)闘うこともないであろう、と。
*sed quoniam abundet equitatu,
**しかし、騎兵隊は豊富であるから、
*perfacile esse factu frumentationibus pabulationibusque Romanos prohibere;
**ローマ人たちの糧食・糧秣徴発を妨げることは、とても容易である、と。
*③ aequo modo animo sua ipsi frumenta corrumpant aedificiaque incendant,
**ただ平静な心で、自分たちの穀物を自身で傷めて、(穀物の)建屋を焼打ちするように。
*qua rei familiaris iactura perpetuum imperium libertatemque se consequi videant.
**資産の犠牲により、永久の領有権と自由を自分たちが獲得することを思え、と。
*④ His constitutis rebus
**これらの事が決定されると、
*[[w:la:Haedui|Haeduis]] Segusiavisque, qui sunt finitimi provinciae, decem milia peditum imperat;
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]および(ローマ人の)属州に隣接するセグスィアウィ族には1万の歩兵(の供出)を命令していたが、
*huc addit equites [[wikt:la:octingenti|octingentos]].
**この中に、800騎の騎兵たち(の供出)を付け加えた。
*⑤ His praeficit fratrem Eporedorigis bellumque inferri<ref>inferri はα系写本の記述で、β系写本では inferre となっている。</ref> Allobrogibus iubet.
**彼らをエポレドリクスの兄弟に指揮させて、アッロブロゲス族に戦争をしかけることを命じた。
*⑥ Altera ex parte Gabalos proximosque <u>[[wikt:en:pagus#Latin|pagos]]</u> Arvernorum in Helvios,
**別の方面から、ガバリ族および近隣のアルウェルニー族の諸<u>郷</u>に、ヘルウィイ族のところに(攻め入るように)、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:''pagus'' (郷) はここでは、部族の領土の農村区画を指す行政用語<ref name="pagus">''[[w:en:Pagus]]'' 等を参照。</ref>。)</span>
*item Rutenos Cadurcosque ad fines Volcarum Arecomicorum depopulandos mittit.
**同様に、ルテーニー族およびカドゥルキー族に、ウォルカエ・アレコミキ族の領土を荒らしまわるべく派遣した。
*⑦ Nihilo minus clandestinis nuntiis legationibusque Allobrogas<ref>Allobrogas はα系写本の記述で、β系写本では Allobroges となっている。</ref> sollicitat,
**それにもかかわらず、隠密に伝令たちや使節たちにより、アッロブロゲス族を(蜂起を)そそのかした。
*quorum mentes nondum ab<ref>ab はβ系写本の記述で、α系写本では ab となっている。</ref> superiore bello resedisse sperabat.
**彼ら(アッロブロゲス族)の心がかつての戦争からまだ静まっていないことを期待したのだ。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:アッロブロゲス族は、BC61年にローマに反旗を翻し、翌BC60年に鎮圧されていた。[[ガリア戦記 第1巻#6節|第1巻6節]]を参照。)</span>
*⑧ Horum principibus pecunias,
**彼らの領袖たちに金銭を(約束し)、
*civitati autem imperium totius provinciae pollicetur.
**さらに部族には(カエサル統治下の)属州全体の支配権をも約束したのだ。
===65節===
'''カエサルと同盟諸部族の防戦。ゲルマニア騎兵を呼び寄せる'''
*① Ad hos omnes casus provisa erant praesidia cohortium duarum et viginti,
**これらすべての出来事に対して、(カエサルは)22個<ruby><rb>[[w:コホルス|歩兵大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>からなる守備隊を用意していた。
*quae ex ipsa coacta<ref>coacta はχ系・β系写本の記述で、φ系写本にはない。</ref> provincia ab L.(Lucio) Caesare legato
**それらは、<ruby><rb>[[w:レガトゥス|総督副官]]</rb><rp>(</rp><rt>レガトゥス</rt><rp>)</rp></ruby>ルキウス・カエサルによって属州全体から徴集されたもので、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ここでいう属州とは、[[w:ガリア・ナルボネンシス|ガッリア・トラーンサルピーナ]]を指すと思われる。</span>
**:<span style="color:#009900;">ルキウス・ユリウス・カエサル4世 [[w:en:Lucius Julius Caesar IV|Lucius Julius Caesar IV]] は本書の著者カエサルと4代前の高祖父を共有する元執政官。[[w:en:Julii Caesares|Julii Caesares]] を参照。)</span>
*ad omnes partes opponebantur.
**あらゆる方面に対して配置された。
*② Helvii sua sponte cum finitimis proelio congressi pelluntur
**[[w:ヘルウィイ族|ヘルウィイ族]]は、自分たちの意思により、近隣(の諸部族)と戦闘で争って撃退され、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:この部族については[[#7節|7節]]~8節を参照。)</span>
*et C.(Gaio) Valerio Domnotauro<ref>Domnotauro はS・L・N写本の記述で、A・B・N写本では Donnotauro 、χ系・π系写本では Donotauro となっており、ρ系写本には記述がない。</ref>, Caburi filio, principe civitatis,
**カブルスの息子で、部族の領袖であるガイウス・ウァレリウス・ドムノタウルス
**:<span style="color:#009900;">(訳注:彼は、ローマとの友好により、ローマ人風の名前を与えられていたのであろう。)</span>
*compluribusque aliis interfectis intra oppida ac muros<ref>ac muros はα系写本の記述で、β系写本では murosque となっている。</ref> compelluntur.
**および他のかなりの者たちが殺戮されて、<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>と城壁の内側に追い込まれた。
*③ Allobroges crebris ad [[w:la:Rhodanus|Rhodanum]] dispositis praesidiis
**[[w:アッロブロゲス族|アッロブロゲス族]]は、ロダヌス(=現[[w:ローヌ川|ローヌ川]])のところへ密に守備隊を分け置いて、
*magna cum cura et diligentia suos fines tuentur.
**たいへんな注意と入念さにより、自分たちの領土を守った。
*④ Caesar quod hostes equitatu superiores esse intellegebat
**カエサルは、敵方が[[w:騎兵|騎兵隊]]で(自軍より)優っていると認識していたので、
*et interclusis omnibus itineribus nulla re ex provincia atque Italia sublevari poterat,
**かつ、すべての道が遮られて、属州やイタリアから何ら支援されることができなかったので、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:属州 provincia とはガッリア・トラーンサルピーナ、イタリア Italia とは[[w:ガリア・キサルピナ|ガッリア・キサルピーナ]]のことであろう。)</span>
*trans [[w:la:Rhenus|Rhenum]] in [[wikt:la:Germania|Germaniam]] mittit ad eas civitates, quas superioribus annis pacaverat,
**レヌス(=現[[w:ライン川|ライン川]])の向こう側の[[w:ゲルマニア|ゲルマニア]]に、先年に平定していた諸部族のところへ(使節を)遣わした。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ゲルマニア遠征や平定については、[[ガリア戦記 第4巻#16節|第4巻16節]]~19節、[[ガリア戦記 第6巻#9節|第6巻9節]]~10節を参照。)</span>
*equitesque ab his arcessit et levis armaturae pedites,
**彼らから、騎兵たち、および[[w:ウェリテス|軽い武装の歩兵]]たちを呼び寄せた。
*qui inter eos proeliari consuerant.
**その者ら(軽装歩兵)は、彼ら(騎兵)の間で戦闘することが常であったのだ。
*⑤ Eorum adventu, quod minus idoneis equis utebantur,
**彼ら(ゲルマニア騎兵)が到着すると、(戦闘に)あまり適していない馬を使役していたので、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ゲルマニア人の馬の使用については、[[ガリア戦記 第4巻#2節|第4巻2節]]を参照。)</span>
*a tribunis militum reliquisque equitibus Romanis atque evocatis equos sumit
**<ruby><rb>[[w:トリブヌス・ミリトゥム|兵士長官]]</rb><rp>(</rp><rt>トリブヌス・ミリトゥム</rt><rp>)</rp></ruby>たちやほかのローマ人騎士たちや<ruby><rb>再徴集兵</rb><rp>(</rp><rt>エウォカティ</rt><rp>)</rp></ruby>たちから、馬匹を取り上げて、
*[[w:la:Germani|Germanis]]que distribuit.
**ゲルマニア人たちに分配した。
===66節===
'''属州へと南下するカエサル、迎え撃とうとするウェルキンゲトリークス'''
*① Interea dum haec geruntur,
**その間に、これらが出来している間に、
*hostium copiae ex Arvernis
**敵方の(歩兵の)軍勢が(滞陣していたゲルゴウィアの)[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]のところから、
*equitesque qui toti Galliae erant imperati conveniunt.
**および全ガッリアの命令されていた[[w:騎兵|騎兵]]たちが、(ウェルキンゲトリークスのところに)集結して来た。
*② Magno horum coacto numero,
**これらの(ガッリア兵の)多数が徴集されて、
*cum Caesar in Sequanos per extremos Lingonum fines iter faceret,
**カエサルが、[[w:セクアニ族|セクアニ族]]のところに(向かって)[[w:リンゴネス族|リンゴネス族]]の領土の外縁を通って行軍していたときに、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:属州へは、リンゴネス族と後述のマンドゥビイ族の間を通ってセクアニ族領を通らねばならなかった。)</span>
*quo facilius subsidium provinciae ferri<ref>ferri はα系写本の記述で、β系写本では ferre となっている。</ref> posset,
**(それは)属州(ガッリア・トラーンサルピーナ)に援兵をより容易にもたらせるようにするためであったが、
*circiter milia passuum X(decem) ab Romanis trinis castris [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]] consedit
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は、ローマ人たちから約10ローママイル(15km)のところに、3つの陣営にて陣取った。
*③ convocatisque ad concilium praefectis equitum
**(ウェルキンゲトリークスは)騎兵の指揮官たちを会合へ召集して、
*venisse tempus victoriae demonstrat;
**勝利の時が来たと、明言した。
*fugere in provinciam Romanos Galliaque excedere.
**ローマ人たちは属州に逃亡して、ガッリアから立ち退きつつある、と。
*④ Id sibi ad praesentem obtinendam libertatem satis esse;
**それは、自分たちにとって目下のところ、自由を維持するためには十分であるが、
*ad reliqui temporis pacem atque otium parum profici;
**将来の平和と平穏は不充分にしか得られない。
*maioribus enim coactis copiis reversuros
**なぜなら(ローマ人たちは)より大きな軍勢を徴集して(ガッリアに)戻って来るであろうし、
*neque finem bellandi facturos.
**戦争することに結末をつけることはないであろう。
*Proinde agmine impeditos adorirentur<ref>adorirentur はA・β系写本の記述で、M・L・N写本では adoriantur 、S写本では adorantur 、Q・B・M写本ではadorientur となっている。</ref>.
**それゆえに、(ローマ勢の)行軍によって重荷となっている(輜重隊の)者たちを襲撃するのだ。
*⑤ Si pedites suis auxilium ferant atque in eo morentur, iter facere<ref>facere はα系写本の記述で、β系写本では confici となっている。</ref> non posse;
**もし(ローマ勢の)歩兵たちが味方を支援し、そのことで滞留するならば、(属州へ)行軍することはできない。
*si ─id quod magis futurum confidat─
**もし、─(我は)むしろそうなるであろうと期待することであるが─
*relictis impedimentis suae saluti consulant,
**(ローマ歩兵たちが)[[w:輜重|輜重]]を残して、自分たちの身の安全に意を用いるならば、
*et usu rerum necessariarum et dignitate spoliatum iri.
**必需品の使用や(ローマ人としての)品格をはぎ取られることになる。
*⑥ Nam de equitibus hostium,
**なぜなら、敵方の騎兵については
**<span style="color:#009900;">:(訳注:著者カエサルはここでは、間接話法でありながら、ローマ勢について hostium「敵方の」と表現している。)</span>
*quin nemo eorum progredi modo extra agmen audeat,
**彼ら(ローマ騎兵)のうち誰も、<ruby><rb>行軍縦隊</rb><rp>(</rp><rt>アグメン</rt><rp>)</rp></ruby>の外にすら、あえて進み出ようとしないこと、
*et ipsos quidem non<ref>et ipsos quidem non はα系写本の記述で、β系写本では ne ipsos quidem となっている。</ref> debere dubitare.
**(そのことを、諸君ら)自身は決して疑念を持つことなかれ。
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:ne quidem|ne ~ quidem]]「~でさえ…ない」)</span>
*Id quo maiore faciant animo,
**それ(=輜重隊への襲撃)を、より大胆な心構えで実行してもらうために、
*copias se omnes pro castris habiturum et terrori hostibus futurum.
**自分(ウェルキンゲトリークス)が軍勢すべてを陣営の前に保持しておくであろうし、敵方の心胆を寒からしめるであろう。
*⑦ Conclamant equites
**(ガッリア勢の)騎兵たちは(以下のように)叫んだ。
*sanctissimo iure iurando confirmari oportere,
**最も神聖な誓約によって確証されなければならぬ。
*ne tecto recipiatur, ne ad liberos, ne ad parentes, ad<ref>ne ad …, ne ad …, ad が写本(ω)の記述であるが、モイゼル Meusel は ne ad …, ad …, ad と修正提案をしている。</ref> uxorem aditum habeat,
**(以下の者は)家に迎え入れられたり、子供たちや親たちや妻女たちのところへ近づくことがないように。
*qui non bis per agmen hostium perequitasset<ref>perequitasset はα系写本の記述で、β系写本では perequitarit となっている。</ref>.
**敵方(ローマ勢)の隊列を越えて(往復の)2度、騎馬で駆け抜けることがなかった者は。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:敵中突破と生還を成し遂げなかった騎兵は、復員してはならない、と誓約したのである。)</span>
===67節===
'''カエサル麾下のゲルマニア騎兵がウェルキンゲトリークスを一蹴'''
*① Probata re atque omnibus iure iurando adactis
**これが賛同されて、(ガッリア騎兵の)皆が誓約させられて、
*postero die in tres partes distributo equitatu
**翌日に、[[w:騎兵|騎兵隊]]を3つの分隊に分配した。
*duae se acies ab duobus lateribus ostendunt,
**2隊は(ローマ勢の左右)2つの側面から<ruby><rb>戦闘隊形</rb><rp>(</rp><rt>アキエス</rt><rp>)</rp></ruby>として現われた。
*una a<ref>a はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> primo agmine iter impedire coepit.
**1隊は(ローマ勢の)前衛から行軍を妨げ始めた。
*② Qua re nuntiata
**その事が報告されて、
*Caesar suum quoque equitatum tripertito divisum contra hostem ire iubet.
**カエサルは麾下の騎兵隊おのおのを3つに配分して、敵に対して向かって行くことを命じた。
*Pugnatur una omnibus in partibus.
**(騎兵戦が)同時にすべての方面で戦われた。
*③ Consistit agmen;
**(ローマ勢の)<ruby><rb>行軍縦隊</rb><rp>(</rp><rt>アグメン</rt><rp>)</rp></ruby>は一歩も引かなかった。
*impedimenta intra legiones recipiuntur.
**[[w:輜重|輜重]]は諸[[w:ローマ軍団|軍団]]の内側に後退した。
*④ Si qua in parte nostri laborare aut gravius premi videbantur,
**もし、我が方(ローマ勢)のある部隊が苦戦したり、またはひどく押されぎみだと思われたならば、
*eo signa inferri Caesar aciemque constitui<ref>constitui はα系写本の記述で、β系写本では converti 、T写本では conferri となっている。</ref> iubebat;
**カエサルはそこに進撃して戦列を組織することを命じた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:signa inferre「軍旗を進める、進撃する」)</span>
*quae res et hostes ad insequendum tardabat et nostros spe auxilii confirmabat.
**その事が、敵方が追撃して来るのを遅らせもしたし、我が方が支援の希望により元気付けられもした。
*⑤ Tandem Germani ab dextro latere summum iugum nacti hostes loco depellunt,
**ついに、ゲルマニア人(騎兵)たちが右の側面から尾根の頂きを掌握して、敵方をその場から追いやった。
*fugientes usque ad flumen,
**逃亡する(ガッリア騎兵の)者たちを川の辺りまで(追って)、
*ubi [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]] cum pedestribus copiis consederat,
**そこには[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]が[[w:歩兵|歩兵]]の軍勢とともに陣取っていたのだが、
*persecuntur<ref>persecuntur はα系写本の記述で、β系写本では persequuntur となっている。</ref> compluresque interficiunt.
**(ゲルマニア騎兵が敵を川辺まで)追撃して、かなりの者たちを殺戮した。
*⑥ Qua re animadversa
**その事が(敵方に)気付かれて、
*reliqui ne circumirentur<ref>circumirentur はA・φ系写本の記述で、Q・β系写本では circumvenirentur となっている。</ref> veriti se fugae mandant.
**(ガッリア勢の)残りの者たちは、包囲されないようにと怖れて、逃亡に身を任せた。
*Omnibus locis fit caedes.
**(こうしてローマ方により)あらゆる場所で虐殺が行なわれた。
*⑦ Tres nobilissimi [[w:la:Haedui|Haedui]] capti ad Caesarem perducuntur:
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の3人の高位の貴族が捕らえられて、カエサルのところへ連行されて来た。
*Cotus, praefectus equitum, qui controversiam cum Convictolitavi proximis comitiis habuerat,
**コトゥスは騎兵指揮官で、最近の会議でコンウィクトリタウィスと(統領の座をめぐって)係争した。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#32節|32節]]~33節を参照。)</span>
*et Cavarillus, qui post defectionem Litavicci pedestribus copiis praefuerat,
**カウァリッルスは、リタウィックスの背反の後に、歩兵の軍勢を指揮していた。
*et Eporedorix, quo duce ante adventum Caesaris Haedui cum Sequanis bello contenderant.
**エポレドリクスは、カエサルの到来以前にハエドゥイー族の将帥としてセクアニ族と戦争を闘っていた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:この人物は、ウィリドマルスとともにカエサルを裏切ったエポレドリクスとは同名異人である。)</span>
==アレスィア攻囲戦==
===68節===
[[画像:Alésia.jpg|thumb|right|300px|[[w:アレシアの戦い|アレスィア古戦場]]であるとほぼ確実視されている仏アリーズ=サント=レーヌ村([[w:fr:Alise-Sainte-Reine|Alise-Sainte-Reine]])近郊のオソワ山(Mont Auxois)という丘陵の西端にある[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]像(<small>[[w:fr:Vercingétorix_(statue d'Aimé Millet)|Statue de Vercingétorix]]</small>)。<small>[http://maps.google.co.jp/?ie=UTF8&ll=47.538579,4.490544&spn=0.001172,0.002401&t=h&z=19&brcurrent=3,0x0:0x0,1 Googleマップ]</small>の航空写真にもこの巨像が写っている。<br>当地はフランス東部[[w:ブルゴーニュ地域圏|ブルゴーニュ地方]][[w:コート=ドール県|コート=ドール県]](<small>[[w:fr:Côte-d'Or|Côte-d'Or]]</small>)のオソワ地域(<small>[[w:fr:Auxois (région)|L'Auxois]]</small>)にあり、県都[[w:ディジョン|ディジョン]]市街から西北西へ約4.5kmの地点に位置する。ディジョン方面から県道905号(D905)を北西に進んで行くと、ヴナレ=レ=ローム(<small>[[w:fr:Venarey-les-Laumes|Venarey-les-Laumes]]</small>)から東の郊外にかけて古戦場跡が広がる。<br>オソワ(Auxois)という地域名・山名は、ラテン語の Alesiensis pagus「アレスィア郷」が転訛し、アリーズ(Alise)の名もアレスィア(Alesia)に由来すると考えられている。サント=レーヌ([[w:fr:Sainte Reine|Sainte Reine]] 聖レグニア)とはこの地でAD252年に殉教したキリスト教徒ガッリア人女性で、カトリック教会から聖人に列せられている。]]
'''ウェルキンゲトリークスがアレスィア入城、カエサルは攻囲を決断'''
*① Fugato omni equitatu
**すべての[[w:騎兵|騎兵隊]]が逃げてしまったので、
*[[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]] copias suas<ref>suas はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref>, ut pro castris conlocaverat, reduxit
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は、陣営の前に配置するようにしていた麾下の(歩兵の)軍勢を呼び戻して、
*protinusque [[w:la:Alesia|Alesiam]], quod est oppidum Mandubiorum, iter facere coepit
**すぐに、マンドゥビイ族の<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>である[[w:アレシア|アレスィア]]へ行軍し始めた。
*celeriterque impedimenta ex castris educi et se subsequi iussit.
**かつ、速やかに陣営から[[w:輜重|輜重]]を進発させること、および自分に追随すること、を命じた。
*② Caesar impedimentis in proximum collem deductis,
**カエサルは、輜重を近隣の丘陵に移させて、
*duabus legionibus praesidio relictis,
**2個[[w:ローマ軍団|軍団]]を(輜重の)守備隊として(その丘陵に)残留させた。
*secutus quantum diei tempus est passum,
**日中の時間が許される限り(ガッリア勢を)追跡して、
*circiter tribus milibus hostium ex novissimo agmine interfectis
**敵方の後衛のうちから約3000人を殺戮して、
*altero die ad Alesiam castra fecit.
**翌日には、アレスィアの辺りに陣営を張った。
*③ Perspecto urbis situ
**(アレスィアの)都市の地勢を吟味して、
*perterritisque hostibus, quod equitatu, qua maxime parte exercitus confidebant, erant pulsi,
**敵方は、部隊の大部分において頼りにしていた騎兵隊が撃退されていたので、怖れおののいていたから、
*adhortatus ad laborem milites circumvallare instituit.
**(カエサルは)兵士たちを労役に駆り立てて、(敵陣を)[[w:堡塁|堡塁]]で囲むことを決断した。
===69節===
[[画像:Alise2.jpg|thumb|right|300px|[[w:アレシア|アレスィア]]にあったローマ時代の[[w:フォルム|フォルム]](広場)や[[w:バシリカ|バシリカ]](教会堂)などと思われる遺跡([http://maps.google.co.jp/?ie=UTF8&t=h&brcurrent=3,0x0:0x0,1&ll=47.539477,4.5008&spn=0.002343,0.004801&z=18 Googleマップ]の航空写真を参照)。現在、オソワ山(Mont Auxois)と呼ばれているこの丘陵は、頂きが平坦な台地状になっており、その中央のさらに高い所に[[w:オッピドゥム|オッピドゥム]](城塞都市)があったと思われる。<br>上の画像からは、同等の高さの丘陵が周囲を取り巻いていることが見て取れる。<br>『ガリア戦記』に書かれたアレスィアの所在地については諸説があって永らく不明であったが、ゲルゴウィアと同様に19世紀のウジェーヌ・ストッフェル大佐(colonel Eugène Stoffel)の発掘調査によってローマ軍の遺構などが発見され、地勢もカエサルの記述にかなり合っていると見なされて、オソワ山とその中腹にあるアリーズ=サント=レーヌが有力視されることになった。]]
'''アレスィアの地勢、ローマ軍の攻囲線'''
*① Ipsum erat oppidum [[w:la:Alesia|Alesia]] in colle summo admodum edito loco,
**[[w:アレシア|アレスィア]]の<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>そのものは、丘陵の頂きにおいて、ひときわ高い地点にあって、
*ut nisi obsidione expugnari non posse videretur.
**攻囲(包囲)以外には攻略されることができないと思われた。
*② Cuius collis radices duo duabus ex partibus flumina subluebant.
**その丘陵のふもとを2つの方面から、2つの川が流れていた。
*③ Ante id<ref>id はα系写本の記述で、β系写本にはない。</ref> oppidum planities circiter milia passuum Ⅲ(tria) in longitudinem patebat;
**その城塞都市の前に、約3ローママイル(4.5km)の間隔で、平地が広がっていた。
*④ reliquis ex omnibus partibus colles mediocri interiecto spatio
**ほかのすべての方面からは(いくつかの)丘陵が適度な空間を置いており、
*pari altitudinis fastigio oppidum cingebant.
**同等の高さの頂上で(アレスィアの)城塞都市を取り巻いていた。
*⑤ Sub muro, quae pars collis ad orientem solem spectabat,
**(アレスィアの)丘陵の日が昇る方(=東方)へ面していた部分の城壁の下には、
*hunc omnem locum copiae Gallorum compleverant
**このすべての場所を、ガッリア人たちの軍勢が満たしていて、
*fossamque et maceriam sex in altitudinem pedum praeduxerant.
**堀、および高さ6[[w:ペース (長さ)|ペース]](約1.8m)の防壁を前に引いていた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[wikt:en:maceria|maceria]] は、軍事用語としては、立てこもるための城壁<ref><i>muraille (pour se retrancher)</i>(ラルース社の羅仏辞典 <small>“Dictionnaire MaxiPoche Plus latin-français et français-latin”</small> を参照)</ref>を指す。)</span>
*⑥ Eius munitionis quae ab Romanis instituebatur circuitus XI<ref>XI はα系写本の記述で、β系写本では X となっている。</ref> milia passuum tenebat.
**ローマ人たちによって建てられようとしていた塁壁の周囲は、11ローママイル(約16km)を占めていた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:α系写本では 11マイル=約16km、β系写本では 10マイル=約15km となっている。)</span>
*⑦ Castra opportunis locis erant posita
**(ローマ勢の)陣営は(戦略上)都合良い地点に設置されていて、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:歩兵・騎兵の陣営が計8か所に置かれていたようである。)</span>
*ibique<ref>ibique はα系写本の記述で、β系写本では itemque となっている。</ref> castella XXIII(viginti tria) facta,
**同じく23基の砦が造られた。
*quibus in castellis interdiu stationes ponebantur,
**それらの砦には、昼間は、歩哨たちが置かれて、
*ne qua subito eruptio fieret;
**不意に何らかの突撃がなされないようにした。
*haec eadem noctu excubitoribus ac firmis praesidiis tenebantur.
**この同じところが、夜間は、寝ずの番兵および強力な守備隊により固守された。
===70節===
'''カエサル麾下のゲルマニア騎兵が、再びガッリア騎兵を虐殺'''
*① Opere instituto
**(ローマ人により)[[w:堡塁|堡塁]]が建てられだして、
*fit equestre proelium in ea planitie,
**かの平地において[[w:騎兵|騎兵]]戦がなされた。
*quam intermissam collibus tria milia passuum in longitudinem patere supra demonstravimus.
**それ(平地)は(周囲の)丘陵から3ローママイル(約4.5km)の間隔を空けて広がっていることを、[[#69節|前]]に述べた。
*Summa vi ab utrisque contenditur.
**(騎兵戦は)双方の主力によって闘われた。
*② Laborantibus nostris Caesar Germanos submittit
**苦戦している我が方(ローマ騎兵)に対して、カエサルは[[w:ゲルマニア|ゲルマニア]]人(騎兵)を援けに派遣した。
*legionesque pro castris constituit, ne qua subito inruptio ab hostium peditatu fiat.
**諸[[w:ローマ軍団|軍団]]を陣営の前に駐留させて、不意に何らかの突入が敵方の[[w:歩兵|歩兵隊]]によってなされないようにした。
*③ Praesidio legionum addito nostris animus augetur;
**軍団の守備が加わって、我が方(ローマ勢の)勇気が増された。
*hostes in fugam coniecti se ipsi multitudine impediunt
**敵方(の騎兵)は敗走に追いやられて、彼ら自身が自分たち(の敗走)を大勢であることにより妨げた。
*atque angustioribus portis relictis coacervantur<ref>coacervantur は近世の写本(ς)の記述で、α系写本では coacervati tum 、β系写本では coartantur となっている。</ref>.
**さらに(ガッリア陣地の)諸門がとても狭いままにしておかれたので(騎兵たちが)積み重ねられた。
*④ Germani acrius usque ad munitiones sequuntur.
**ゲルマニア人(騎兵)たちは(ガッリア騎兵たちを)苛烈に、防塁のところまで追撃した。
*⑤ Fit magna caedes.
**(こうして)大虐殺が起こった。
*Nonnulli relictis equis fossam transire et maceriam transcendere conantur.
**(ガッリア騎兵の)幾人かは、馬を置き去りにして、堀を越えること、および防壁を登り越えることを試みた。
*Paulum legiones Caesar quas pro vallo constituerat promoveri iubet.
**カエサルは、防柵の前に駐留させていた諸軍団に、いくらか前進することを命じた。
*⑥ Non minus qui intra munitiones erant perturbantur Galli:
**防塁の内側にいたガッリア人たちも(騎兵たちに)劣らず狼狽した。
*veniri ad se confestim existimantes ad arma conclamant;
**(ローマ勢により)自分たちのところへ直ちにやって来られると考えた者たちは、防具を取れと叫んだ。
*nonnulli perterriti in oppidum inrumpunt.
**(ガッリア勢の)幾人かは、怖れおののいて(丘陵の頂きにある)城塞都市の中に押し入った。
*⑦ [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]] iubet portas claudi, ne castra nudentur.
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は、陣営が無防備にされないように、(防塁の)諸門が閉じられることを命じた。
*Multis interfectis, compluribus equis captis Germani sese recipiunt.
**(ガッリア騎兵の)多くが殺戮され、おびただしい馬が捕獲されて、ゲルマニア人(騎兵)たちは退却した。
===71節===
[[画像:Statue_Vercingetorix_st_germain_en_laye.JPG|thumb|right|250px|[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]の立像(<small>パリ郊外の[[w:サン=ジェルマン=アン=レー|サン=ジェルマン=アン=レー]] [[w:fr:Saint-Germain-en-Laye|Saint-Germain-en-Laye]]</small>)。[[w:アレシアの戦い|アレスィア古戦場]](<small>現在のアリーズ=サント=レーヌ</small>)にある巨大な銅像と同様に彫刻家エメ・ミレ([[w:fr:Aimé Millet|Aimé Millet]])によって建立された。]]
[[画像:Napoleon3.PNG|thumb|right|250px|ウジェーヌ・ストッフェル大佐(colonel Eugène Stoffel)をして[[w:アレシア|アレスィア]]およびゲルゴウィアの発掘調査をさせた立役者・皇帝[[w:ナポレオン3世|ナポレオン3世]]の肖像。[[w:ガリア起源説|ガッリア起源説]]により、王政に反感を持つフランスの共和派や庶民は、旧[[w:ブルボン家|ブルボン王朝]]を[[w:クロヴィス1世|クロヴィス]]や[[w:ユーグ・カペー|カペー]]にさかのぼるゲルマン系の[[w:フランク人|フランク人]]と見なし、自分たちのルーツを[[w:ケルト人|ケルト系]]の古代[[w:ガリア人|ガッリア人]]に求めた。ナポレオン3世はこのような国民の意識を利用して、[[w:ナショナリズム|ナショナリズム]]の高揚および帝政の基盤強化を図ったのである。]]
'''ウェルキンゲトリークスが援兵召集のため騎兵を放ち、籠城策を定める'''
*① [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]], priusquam munitiones ab Romanis perficiantur,
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は、ローマ人たちによって塁壁が完成されるより前に、
*consilium capit omnem ab se equitatum noctu dimittere.
**自分のところから[[w:騎兵|騎兵隊]]のすべてを夜間に送り出すことを計画した。
*② Discedentibus mandat
**(アレスィアから)退去する(騎兵の)者たちに(以下のように)指図した。
*ut suam quisque eorum civitatem adeat
**彼ら(騎兵)のおのおのが自らの部族に行くように、
*omnesque qui per aetatem arma ferre possint ad bellum cogant.
**かつ、年齢により武器を手に取ることができる者たちの皆を戦争へ徴集するように、と。
*③ Sua in illos merita proponit obtestaturque
**(ウェルキンゲトリークスは)彼ら(ガッリア人たち)における自分の功績に言及して(以下のように)懇願した。
*ut suae salutis rationem habeant
**自分の身の安全を顧慮してくれるように、
*neu se optime de communi libertate meritum in cruciatum hostibus<ref>in cruciatum hostibus はβ系写本の記述で、α系写本では hostibus in cruciatum となっている。</ref> dedant.
**かつ(ガッリア)共通の自由について功績が最上である自分を、敵方の責め苦に渡すことがないように、と。
*Quod si indiligentiores fuerint,
**ところが、もし(騎兵たちがウェルキンゲトリークスたちの安全に)無関心であったならば、
*milia hominum delecta octoginta una secum interitura demonstrat.
**選りすぐりの兵員8万名が自分と一緒に滅びるであろう、と明言した。
*④ Ratione inita frumentum se exigue dierum XXX(triginta) habere<ref>frumentum ~ habere はβ系写本の記述で、χ系・φ系あるいはモイゼル H. Meusel の修正提案など、写本や校訂者により語順が異なっていたり、単語が欠けていたりする。</ref>,
**見積もったところ、自分たちはわずかに30日分の穀物を保有しているが、
*sed paulo etiam longius tolerari posse parcendo.
**しかし節約することにより、なおいくらか長く耐え忍ぶことができる、と。
*⑤ His datis mandatis,
**これらの指図を与えてから、
*qua erat nostrum opus<ref>erat nostrum opus はβ系写本の記述で、α系写本では単に opus erat となっている。</ref> intermissum, secunda vigilia silentio equitatum mittit<ref>mittit はχ系・B・M・S写本の記述で、β系写本では dimittit となっている。</ref>.
**我が方(ローマ勢)の構築物が中断しているところから、第二夜警時に静けさのうちに、騎兵隊を送り出した。
*⑥ Frumentum omne ad se referri iubet,
**穀物をすべて自分のところへ運んで来ることを命じて、
*capitis poenam iis qui non paruerint constituit;
**服従しなかった者たちを極刑に処すと決めた。
*⑦ pecus, cuius magna erat copia a Mandubiis<ref>a Mandubiis はβ系写本の記述で、α系写本では ab Manduviis となっている。</ref> compulsa, viritim distribuit;
**家畜は、マンドゥビイ族によって大量に集められていたが、個々に分配した。
*frumentum parce et paulatim metiri instituit;
**穀物を節約して少しずつ量り分けることを定めた。
*⑧ copias omnes quas pro oppido collocaverat in oppidum recepit.
**<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>の前に駐留させていた(歩兵の)軍勢すべてを城塞都市の中に退却させた。
*⑨ His rationibus auxilia Galliae exspectare et bellum parat administrare<ref>parat administrare はα系写本の記述で、β系写本では administrare parat となっている。</ref>.
**これらの手段により、ガッリア(諸部族)の援軍を待つこと、および戦争を指導しようとしたのである。
===72節===
'''カエサルが、より大掛かりな攻囲陣地を構築する'''
*① Quibus rebus cognitis<ref>cognitis がこの位置にあるのはα系写本の記述で、β系写本では captivis の後となっている。</ref> ex perfugis et captivis
**それらの事情を脱走兵たちや捕虜たちから知って、
*Caesar haec genera munitionis instituit.
**カエサルは以下の類いの塁壁工事に取りかかった。
<br>
*'''前線の切り立った空堀'''
*Fossam pedum XX(viginti) derectis lateribus duxit,
**20[[w:ペース (長さ)|ペース]](約6m)の(幅の)垂直な側面の堀を引いた。
*ut eius fossae<ref>fossae がこの位置にあるのはβ系写本の記述で、α系写本では summa(e) の後になっている。</ref> solum tantundem pateret, quantum summa<ref>summa はβ系写本の記述で、α系写本では summae となっている。</ref> labra distarent<ref>distarent はα系写本の記述で、β系写本では distabant となっている。</ref>.
**その堀(の底)は、頂きの縁が離れているのとちょうど同じ分だけ広がるようにした。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:上辺と底の幅が等間隔になるような切り立った空堀にした。)</span>
*② Reliquas omnes munitiones ab ea fossa pedes<ref>pedes はα系写本の記述で、β系写本では pedibus となっている。</ref> CCCC(quadringentos) reduxit.
**ほかのすべての塁壁は、その堀から400ペース(約120m)後ろに引いた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:写本にあるこの数字は、19世紀のウジェーヌ・ストッフェル大佐(colonel Eugène Stoffel)の</span>
**:<span style="color:#009900;">発掘調査によって400[[w:パッスス|パッスス]](約600m)と修正された。この堀は、アレスィアの西方に引かれたと思われる。)</span>
*Id hoc consilio,
**それは、以下の考えによる。
*quoniam tantum spatium necessario esset<ref>spatium necessario esset はβ系写本の記述で、α系写本では esset necessario spatio となっている。</ref> complexus
**これほどの空間が包囲されなければならないのであるから、
*nec facile totum corpus<ref>corpus はα系写本の記述で、β系写本では opus となっており、ρ系写本にはない。</ref> corona militum cingeretur,
**すべての包囲作業が兵士たちの<ruby><rb>哨兵線</rb><rp>(</rp><rt>コロナ</rt><rp>)</rp></ruby>で取り囲まれるのは容易ではない。
*ne de improviso aut noctu ad munitiones hostium multitudo<ref>hostium multitudo はα系写本の記述で、β系写本では multitudo hostium となっている。</ref> advolaret
**不意に、あるいは夜間に、敵方の大勢が(ローマ側の)塁壁へ突進することがないように、
*aut interdiu tela in nostros operi destinatos conicere possent<ref>possent はα系写本の記述で、β系写本では posset となっている。</ref>.
**あるいは日中に、工事中の我が方(ローマ勢)に飛道具が投げ付けられることができないように。
<br>
[[画像:Fosse.Saint.Pierre.en.Chastres.png|thumb|right|300px|二重の堀およびその背後の堡塁(土塁と障壁・櫓)の模式図([[w:ウジェーヌ・エマニュエル・ヴィオレ・ル・デュク|ヴィオレ=ル=デュク]]著『中世フランス建築体系辞典』[[s:fr:Dictionnaire raisonné de l’architecture française du XIe au XVIe siècle - Tome 5, Fossé|(s)]]より)。]]
[[画像:AlesiaFortifications.JPG|thumb|right|300px|[[w:アレシアの戦い|アレスィア古戦場]]跡に再現された、二重の堀およびその背後の堡塁(土塁と鹿柴、胸壁・鋸壁、櫓)。]]
*'''二重の堀'''
*③ Hoc intermisso spatio
**この空間をあけて、
*duas fossas XV(quindecim) pedes latas eadem altitudine perduxit;
**15ペース(約4.5m)の幅の2つの堀を、同じ深さ(15ペース)で張り巡らせた。
*quarum interiorem campestribus ac demissis locis
**それらの内側(の堀)の平地で低く下がった所には、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:内側の堀とは、アレスィアに近い東側の堀と考えられている。)</span>
*aqua ex flumine derivata complevit.
**川から導かれた水で満たした。
<br>
*'''土塁と防柵、胸壁と鋸壁、鹿柴、櫓'''
*④ Post eas aggerem ac vallum XII(duodecim) pedum exstruxit.
**それらの後ろには、12ペース(約3.6mの高さ)の<ruby><rb>[[w:土塁|土塁]]</rb><rp>(</rp><rt>アッゲル</rt><rp>)</rp></ruby>と<ruby><rb>防柵</rb><rp>(</rp><rt>ウァッルム</rt><rp>)</rp></ruby>を築き上げた。
*Huic loricam pinnasque adiecit
**これに<ruby><rb>胸壁</rb><rp>(</rp><rt>ロリカ</rt><rp>)</rp></ruby>と<ruby><rb>鋸壁</rb><rp>(</rp><rt>ピンナ</rt><rp>)</rp></ruby>を付け加えて、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:胸壁と鋸壁とは、[[ガリア戦記 第5巻#40節|第5巻40節]]で既出のように、凹凸形に編み込まれた柴の壁)</span>
*grandibus cervis eminentibus ad commissuras pluteorum atque aggeris,
**障壁と土塁の接合部の辺りに大きな<ruby><rb>鹿柴</rb><rp>(</rp><rt>ケルウス</rt><rp>)</rp></ruby>を突き出させて、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:<ruby><rb>鹿柴</rb><rp>(</rp><rt>ろくさい</rt><rp>)</rp></ruby>(鹿砦または<ruby><rb>逆茂木</rb><rp>(</rp><rt>さかもぎ</rt><rp>)</rp></ruby>)とは、鹿の角のように枝分かれした杭や枝を逆立てた杭囲い。</span>
**:<span style="color:#009900;">障壁とは、防柵の前に取り付けられた胸壁と鋸壁の総称であろう。)</span>
*qui ascensum hostium tardarent,
**敵方が登って来るのを妨げようとした。
*et turres toto opere circumdedit, quae pedes LXXX(octoginta) inter se distarent.
**構築物の全体を、互いに80ペース(約24m)離れて立つ櫓で取り巻いた。
===73節===
'''カエサルは、攻囲陣地をさらに障害物で補強する'''
*① Erat eodem tempore et materiari et frumentari et tantas munitiones fieri necesse
**材木収集と糧食徴発、およびこれほどの塁壁工事がなされることが、同時に必要であった。
*deminutis nostris copiis, quae longius ab<ref>ab はα系写本の記述で、β系写本では a となっている。</ref> castris progrediebantur.
**我が方の軍勢(ローマ勢)は減じており、陣営からはるか遠くに進み出ていた。
*Ac nonnumquam opera nostra Galli temptare
**いくたびか、我が方の構築物に、ガッリア人が攻撃すること(を試み)、
*atque eruptionem ex oppido pluribus portis summa vi facere conabantur.
**かつ、<ruby><rb>[[w:オッピドゥム|城塞都市]]</rb><rp>(</rp><rt>オッピドゥム</rt><rp>)</rp></ruby>の多くの門から、主力でもって出撃することを試みた。
*② Quare ad haec rursus opera addendum Caesar putavit,
**そのゆえに、この構築物へさらに(以下の障害物が)付け加えられるべきだとカエサルは考えた。
*quo minore numero militum munitiones defendi possent.
**それによって、より少ない数の兵士で塁壁が防衛されることができるように、と。
[[画像:Archeodrome_Beaune_8.jpg|thumb|right|300px|[[w:アレシアの戦い|アレスィア古戦場]]跡に再現された攻囲陣地(上の画像と同じ物)。堡塁(土塁と障壁と櫓)の前の平地に、樹枝が突き出た「尖り杭」(奥)と落とし穴を枝で覆った「百合」(手前)が見える。]]
[[画像:Trous.de.loup.png|thumb|right|300px|サイコロの五つ目状に並べられた落とし穴「百合」(lilium)の模式図([[w:ウジェーヌ・エマニュエル・ヴィオレ・ル・デュク|ヴィオレ=ル=デュク]]著『中世フランス建築体系辞典』[[s:fr:Dictionnaire raisonné de l’architecture française du XIe au XVIe siècle - Tome 5, Fossé|(s)]]より)。図の上部が五つ目状の配列を、図の下部が落とし穴の断面図を示す。この断面図では、尖らされた樹幹の先端が、傾斜した穴の突き固められた底から4本指ほど突き出ていると解釈しているようである。カエサルの記述からは、地表から突き出ているとも解釈できる。]]
[[画像:Aiguillon.png|thumb|right|200px|鉄の鉤が固定された杭「刺」の模式図([[w:ウジェーヌ・エマニュエル・ヴィオレ・ル・デュク|ヴィオレ=ル=デュク]]著『中世フランス建築体系辞典』[[s:fr:Dictionnaire raisonné de l’architecture française du XIe au XVIe siècle - Tome 5, Fossé|(s)]]より)。]]
[[画像:Archeodrome_Beaune_2.jpg|thumb|right|300px|[[w:アレシアの戦い|アレスィア古戦場]]跡に再現された攻囲陣地(上の画像と同じ物)。いちばん手前に「刺」が再現されている。]]
:
'''尖り杭'''
*Itaque truncis arborum aut admodum firmis ramis abscisis
**こうして、樹木の幹、あるいは非常に強固な枝が切り取られて、
*atque horum delibratis ac praeacutis cacuminibus
**これらの皮がむかれて、<ruby><rb>梢</rb><rp>(</rp><rt>こずえ</rt><rp>)</rp></ruby>が<ruby><rb>尖</rb><rp>(</rp><rt>とが</rt><rp>)</rp></ruby>らされて、
*perpetuae fossae quinos pedes altae ducebantur.
**5[[w:ペース (長さ)|ペース]](約1.5m)ずつの連続した堀が引かれた。
*③ Huc illi stipites demissi
**ここに、あの樹幹が沈められて、
*et ab infimo revincti, ne revelli possent, ab ramis eminebant.
**底から固くしばられて、はぎ取ることができないようにして、枝から(地上に)突き出るようにしていた。
*④ Quini erant ordines coniuncti inter se atque implicati;
**5列ずつが、互いにつなげられて、結び合わされた。
*quo qui intraverant se ipsi acutissimis vallis induebant.
**そこに踏み込んだ者は、自身が自らをきわめて鋭い杭に陥れた。
*Hos cippos appellabant.
**(将兵たちは)これらを<ruby><rb>尖り杭</rb><rp>(</rp><rt>キップス</rt><rp>)</rp></ruby>と呼んだ。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[wikt:en:cippus|cippus]]「尖り杭」は「墓標」とも訳されるが、後者は古典期以降のラテン語で長方形の墓碑を指す<ref><small>POSTCLASSIQUE</small> <i>[[w:fr:Cippe|cippe]] (colonne funéraire rectangulaire)</i>(ラルース社の羅仏辞典 <small>“Dictionnaire MaxiPoche Plus latin-français et français-latin”</small> を参照)</ref>。)</span>
:
'''百合'''
*⑤ Ante<ref>ante はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> quos<ref>quos はα系写本の記述で、β系写本では hos となっている。</ref> obliquis ordinibus in quincuncem dispositis
**それらの前に、(サイコロの)<ruby><rb>五つ目状</rb><rp>(</rp><rt>クィンクンクス</rt><rp>)</rp></ruby>に斜めの列に配置されて、
*scrobes tres in altitudinem pedes fodiebantur
**深さ3ペース(約90cm)の穴が掘られた。
*paulatim angustiore ad infimum fastigio.
**しだいに、より狭く、底の方へ傾斜を付けて。
*⑥ Huc teretes stipites [[w:la:Femur|feminis]] crassitudine
**ここに、太ももの厚さの丸みを帯びた樹幹が
*ab summo praeacuti et praeusti demittebantur,
**先端から尖らせられ、焦がされて(穴の底に)突き刺された。
*ita ut non amplius digitis quattuor ex terra<ref>ex terra はα系写本の記述で、V・ρ系写本では e terra 、T写本では contra となっている。</ref> eminerent;
**4本の指より長くないほど地中から突き出るように。
*⑦ simul confirmandi et stabiliendi causa
**同時に、強固にして固定するために、
*singuli ab infimo solo pedes terra exculcabantur;
**それぞれ底から1ペース(約30cm)だけ土で突き固められた。
*reliqua pars scrobis ad occultandas insidias viminibus ac virgultis integebatur.
**穴の残りの部分は、わなを隠すために、柳の細枝や若枝で覆われた。
*⑧ Huius generis octoni ordines ducti ternos inter se pedes distabant.
**この類いを、8列ずつ、3ペース(約90cm)ずつ互いに離して、作った。
*Id ex similitudine floris lilium appellabant.
**(将兵たちは)それを花との類似から、<ruby><rb>[[w:ユリ|百合]]</rb><rp>(</rp><rt>リリウム</rt><rp>)</rp></ruby>と呼んだ。
:
'''刺'''
*⑨ Ante haec taleae pedem longae ferreis hamis infixis totae in terram infodiebantur
**これらの前に、鉄製の鉤が打ち込まれた長さ1ペース(約30cm)の棒の全体が地中に埋め込まれた。
*mediocribusque intermissis spatiis omnibus locis disserebantur,
**適度な空間を間にあけて、至る所に配置された。
*quos stimulos nominabant.
**(将兵たちは)それらを刺と呼んだ。
{| class="wikitable"
|-
! colspan="2" | [[w:la:Obsidio Alesiae|Obsidio Alesiae]]
|-
| style="vertical-align:top; text-align:left; width:35em;" |[[画像:Fortificazioni alesia png.png|thumb|left|500px|[[w:アレシアの戦い|アレシアの戦い]]における攻囲陣地の構成(図の説明はイタリア語)。]]
|}
===74節===
'''ガッリア人の来援に備えて、外周にも同様の塁壁を張り巡らす'''
*① His rebus perfectis
**これらの物が造り上げられると、
*regiones secutus quam potuit aequissimas pro loci natura
**地勢に応じて、できるかぎり好都合な地帯を探し求めて、
*XIIII(quattuordecim) milia passuum complexus
**14ローママイル(約21km)を取り巻いて、
*pares eiusdem generis munitiones,
**(内周の塁壁と規模が)匹敵する同じ類いの塁壁を
*diversas ab his, contra exteriorem hostem perfecit,
**これら(内周)に対置させて、外側の敵に対抗して造り上げた。
*ut ne magna quidem multitudine, si ita accidat equitatus<ref>equitatus はシェーラー(Schoeller)による修正提案で、写本(ω)では eius であるが、近代の校訂者たちにより修正提案がなされている。</ref> discessu,
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[wikt:en:ne quidem|ne ~ quidem]]「~でさえ…ない」)</span>
**もし[[w:騎兵|騎兵隊]]の退去によりこのようなこと(外敵との遭遇)が生じても、決して大軍により
*munitionum praesidia circumfundi possent;
**塁壁の守備隊が包囲されることができないように。
*② <ne> autem<ref>ne autem は近代の校訂者による修正提案で、α系・π系写本では aut、ρ系写本では ut となっている。</ref> cum periculo ex castris egredi cogatur,
**(ローマ勢が)危険を伴って陣営から進発することを強いられることもないように、
*dierum XXX(triginta) pabulum frumentumque habere omnes convectum iubet.
**30日分の[[w:糧秣|秣(まぐさ)や穀物]]を運び集めて保持することを皆に命じた。
===75節===
'''ガッリア同盟が各部族に動員を要請する'''
*① Dum haec apud<ref>apud はα系写本の記述で、β系写本では ad となっている。</ref> [[w:la:Alesia|Alesiam]] geruntur,
**これらが[[w:アレシア|アレスィア]]のもとで遂行されている間に、
*Galli concilio principum indicto
**ガッリア人たちは、領袖たちの会合を課して、
*non omnes hos<ref>omnes hos はα系写本の記述で、β系写本では単に omnes となっている。</ref> qui arma ferre possent, ut censuit [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]], convocandos statuunt,
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]が見積もったように武器を扱える者たち皆を召集するべき、ではないと判断した。
*sed certum numerum cuique ex civitate<ref>ex civitate はα系写本の記述で、β系写本では civitati となっている。</ref> imperandum,
**けれども、おのおのの部族から一定の兵数(の供出)を命令すること(を決めた)。
*ne tanta multitudine confusa nec moderari nec discernere suos nec frumentandi rationem<ref>frumentandi rationem はT・U・R写本などの記述で、V・U写本などでは frumenti rationem となっている。</ref> habere possent.
**これほどの大軍で混乱したり、味方を指揮できなかったり判別できなかったり、ということがないように。
*② Imperant [[w:la:Haedui|Haeduis]] atque eorum clientibus, Segusiavis, Ambivaretis, Aulercis Brannovicibus, Blannoviis, milia XXXV(triginta quinque);
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]とその庇護民であるセグスィアウィ族、アンビウァレティ族、アウレルキ・ブランノウィケス族、ブランノウィイ族に3万5千名を命令した。
*parem numerum Arvernis adiunctis Eleutetis, Cadurcis, Gabalis, Vellaviis,
**[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]に隣接しているエレウテティ族、カドゥルキー族、ガバリ族、ウェッラウィイ族に同等の兵数。
*qui sub imperio Arvernorum esse consuerunt;
**彼らはアルウェルニー族の支配下にいるのが常であった。
*③ Sequanis, Senonibus, Biturigibus, Santonis, Rutenis, Carnutibus duodena milia;
**セクアニ族、セノネース族、ビトゥリゲース族、サントネス族、ルテーニー族、カルヌーテース族には1万2千ずつ。
*Bellovacis X(decem); totidem Lemovicibus;
**ベッロウァキ族に1万。レモウィケス族に同じだけ多く(1万)。
*octona Pictonibus et Turonis et Parisiis et Helvetiis;
**ピクトネス族とトゥロニ族とパリスィイ族と[[w:ヘルウェティイ族|ヘルウェティイ族]]に8(千)ずつ。
*Senonibus<ref>Senonibus は写本(ω)にある記述だが、sen<a Suessi>onibus「6(千)ずつをスエッスィオニス族…に」などさまざまな修正提案がなされている。</ref>, Ambianis, Mediomatricis, Petrocoriis, Nerviis, Morinis, Nitiobrogibus quina milia;
**セノネース族、アンビアニ族、メディオマトリキ族、ペトロコリイ族、ネルウィイ族、モリニ族、ニティオブロゲス族に5千ずつ。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:Senonibus「セノネース族」は既出のためスエッスィオネス族などに書き替える修正提案がなされ、以下は校訂版によっては兵数がずれる。</span>
**:<span style="color:#009900;">しかし、スエッスィオネス族 Suessiones は[[ガリア戦記 第2巻#12節|第2巻12節]]でレーミー族を通じてカエサルに降伏しており、</span>
**:<span style="color:#009900;">第8巻6節でも「レーミー族に委ねられていた」「同盟者」と記されているので、アレスィアには出兵していないであろう。)</span>
*Aulercis Cenomanis totidem; Atrebatibus IIII;
**アウレルキ・ケノマニ族に同じだけ多く(5千)。アトレバテス族に4(千)。
*Veliocassis, Lexoviis et Aulercis Eburovicibus terna;
**ウェリオカッセス族、レクソウィイ族とアウレルキ・エブロウィケス族に3(千)ずつ。
*Rauracis et Boiis<ref>Boiis はα系写本の記述で、β系写本では Bois となっている。</ref> bina;
**ラウラキ族とボイイ族に2(千)ずつ。
*XXX<ref>XXX はα系写本の記述で、さまざまな修正提案がなされている。</ref> milia universis civitatibus, quae Oceanum attingunt
**<ruby><rb>大洋<span style="color:#009900;">〔[[w:大西洋|大西洋]]〕</span></rb><rp>(</rp><rt>オーケアヌス</rt><rp>)</rp></ruby>に接する諸部族全体に3万。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:この数は写本により異なっており、混乱している。)</span>
*quaeque eorum consuetudine Aremoricae appellantur,
**それらは、彼ら(ガッリア人)の慣習でアレモリカエと呼ばれており、
*quo sunt in numero Coriosolites, Redones, Ambibarii, Caletes, Osismi, Veneti, Lemovices, Unelli.
**コリオソリテス族、レドネス族、アンビバリイ族、カレテス族、オスィスミ族、ウェネティ族、レモウィケス族、ウネッリ族がそれらに数えられる。
*⑤ Ex his Bellovaci suum numerum non compleverunt<ref>compleverunt はα系写本の記述で、β系写本では contulerunt となっている。</ref>,
**これらのうちで、ベッロウァキ族は、自分たちの(割り当てられた)数を満たさなかった。
*quod se suo nomine atque arbitrio cum Romanis bellum gesturos dicebant
**というのは、彼らは自らの名と裁量でもってローマ人と交戦するであろうと言ったのだ。
*neque cuiusquam imperio obtemperaturos;
**(自分たちは)何者の命令にも服従しないであろう、と。
*rogati tamen ab<ref>ab はα系写本の記述で、β系写本では a となっている。</ref> Commio pro eius hospitio duo milia una miserunt.
**けれども、[[w:コンミウス|コンミウス]]の懇願により、彼を賓客としているために、2千名を一緒に送り出した。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:ベッロウァキ族は要求された兵数の5分の1しか出さなかったが、第8巻22節ではこの出兵をも含めてカエサルから責められる。)</span>
===76節===
'''コンミウスもガッリア同盟軍に内応、約25万の大軍が集結'''
*① Huius opera Commii, ut antea demonstravimus, fideli atque utili
**前に述べたように、この[[w:コンミウス|コンミウス]]の信頼すべき有益な働きを
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[ガリア戦記 第4巻#21節|第4巻21節]]・[[ガリア戦記 第4巻#27節|27節]]・[[ガリア戦記 第4巻#35節|35節]]、[[ガリア戦記 第5巻#22節|第5巻22節]]、[[ガリア戦記 第6巻#6節|第6巻6節]]を参照。)</span>
*superioribus annis erat usus in [[w:la:Britannia Maior|Britannia]] Caesar;
**カエサルは先年(BC55~54年)に[[w:ブリタンニア|ブリタンニア]]において役立てていた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:コンミウスは、[[w:ローマによるブリタンニア侵攻 (紀元前55年-紀元前54年)|カエサルのブリタンニア侵攻]]の先導役を務めていた。後にブリタンニアで王となる。)</span>
*quibus ille pro meritis civitatem eius immunem esse iusserat,
**彼(カエサル)はそれらの功績の見返りに、彼(コンミウス)の部族が免税となることを命じており、
*iura legesque reddiderat atque ipsi Morinos attribuerat.
**権能や法度を元に戻してやり、(コンミウス)自身にモリニ族(の統治)をも委ねていた。
*② Tamen tanta<ref>tamen tanta はα系写本の記述で、β系写本では tanta tamen となっている。</ref> universae Galliae consensio fuit libertatis vindicandae et pristinae belli laudis recuperandae,
**けれども、自主独立が求められるべきで、かつての戦争の誉れが取り戻されるべきだという、ガッリア全体の合意があった。
*ut neque beneficiis neque amicitiae memoria moverentur
**その結果、(カエサルからの)厚遇にも友情の記憶にも揺り動かされず、
*omnesque et animo et opibus in id bellum incumberent.
**(ガッリアの)皆が闘志によっても兵力によっても、その戦争に没頭していたのだ。
*③ Coactis equitum milibus VIII(octo) et peditum circiter CCL(ducenti quinquaginta)<ref>CCL はβ系写本の記述で、α系写本では CCXL または CCXXXX となっている。</ref>
**[[w:騎兵|騎兵]]8千騎と[[w:歩兵|歩兵]]およそ250(千)名が徴集されて、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:歩兵の数は、β系写本では25万、α系写本では24万と異なっている。)</span>
*haec in Haeduorum finibus recensebantur, numerusque inibatur, praefecti constituebantur.
**これら(の軍勢)が[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の領土で閲兵されて、数が見積もられて、指揮官たちが決められた。
*④ Commio Atrebati, Viridomaro et [[w:la:Eporedorix|Eporedorigi]] [[w:la:Haedui|Haeduis]],
**アトレバテス族の[[w:コンミウス|コンミウス]]、ハエドゥイー族のウィリドマルスとエポレドリクス、
*[[w:la:Vercassivellaunus|Vercassivellauno]] Arverno, consobrino Vercingetorigis, summa imperii traditur.
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]の従兄弟である[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]のウェルカッスィウェッラウヌスに、最高司令権が託された。
*His delecti ex civitatibus attribuuntur, quorum consilio bellum administraretur.
**彼らに、諸部族から選ばれた者たちが付与されて、その者たちの協議により戦争が指導された。
*⑤ Omnes alacres et fiduciae pleni ad [[w:la:Alesia|Alesiam]] proficiscuntur,
**皆が、活気があって自身に満ち、[[w:アレシア|アレスィア]]へ向けて出発した。
*⑥ neque erat omnium quisquam qui adspectum modo tantae multitudinis sustineri posse arbitraretur,
**これほどの大軍を一見しただけで持ちこたえられる者は、誰一人いないと思われた。
*praesertim ancipiti proelio,
**とりわけ(内周と外周の)両面の戦闘で、
*cum ex oppido eruptione pugnaretur, foris tantae copiae equitatus peditatusque cernerentur.
**城塞都市からは出撃により戦われ、外からは騎兵と歩兵のこれほどの軍勢が視認されるのであるから。
===77節===
'''飢餓状態のアレスィアで、クリトグナトゥスが極論を唱える'''
*① At ii qui [[w:la:Alesia|Alesiae]] obsidebantur
**ところが、[[w:アレシア|アレスィア]]に包囲されていた者たちは、
*praeterita die qua auxilia suorum exspectaverant,
**味方の援軍を待ち望んでいた日も経過して、
*consumpto omni frumento,
**すべての糧食を消費し尽くして、
*inscii quid in [[w:la:Haedui|Haeduis]] gereretur,
**[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]のところにおいて何がなされているのかを知らず、
*concilio coacto de exitu suarum fortunarum consultabant.
**会合を召集して、自分たちの命運の結末について協議した。
*② Ac variis dictis sententiis
**そして、さまざまな意見が述べられた。
*quarum pars deditionem,
**それらの一部は降伏を、
*pars dum vires suppeterent eruptionem censebat,
**別の一部は、活動力が十分にある間に突撃することを考慮していた。
*non praetereunda oratio [[w:la:Critognatus|Critognati]] videtur propter eius singularem et nefariam crudelitatem.
**クリトグナトゥスの演説は、彼の特異で非道な残酷さのために、看過されるべきではないと思われる。
<br>
'''クリトグナトゥスの演説が始まる'''
*③ Hic summo in Arvernis ortus loco et magnae habitus auctoritatis,
**彼は、[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]において最高の身分に生まれ、大きな影響力を持つとみなされていた。
<br>
'''降伏論者は最低の輩だ'''
*"Nihil" inquit "de eorum sententia dicturus sum, qui turpissimam servitutem deditionis nomine appellant,
**「最も恥ずべき隷属を降伏という名で呼んでいる者たちの意見については、(私は)何も述べないであろう」と言った。
*neque hos habendos civium loco neque ad concilium adhibendos censeo.
**「この者たちは市民の身分を持つべきではないし、会合へ招き入れられるべきでもない、と(私は)考える。
<br>
'''突撃論者には辛抱が欠けている'''
*④ Cum his mihi res sit, qui eruptionem probant;
**突撃に賛同した者たちとともに、私の関わりはあるべきだ。
*quorum in consilio omnium vestrum consensu
**その者たちの考えには、君たち皆の同意があるだろうし、
*pristinae residere virtutis memoria videtur.
**かつての武勇の記憶が残っていることと思われる。
*⑤ Animi est ista mollitia, non virtus, paulisper inopiam ferre non posse.
**しばらくの間も(糧食の)欠乏に耐えることができない(君らの)ことは、気の弱さであって、武勇ではない。
*Qui se ultro morti offerant facilius reperiuntur quam qui dolorem patienter ferant.
**自発的に玉砕して逝った者たちは、苦痛に辛抱強く耐えた者たちよりも、より容易に見出されるのだ。
*⑥ Atque ego hanc sententiam probarem ─tantum apud me dignitas potest─,
**しかし私は(突撃という)この意見に賛同したであろう。それほど、私にとっても価値がある。
*si nullam praeterquam vitae nostrae iacturam fieri viderem;
**(ただし)もし、我々(ガッリア勢)の生命が投げ出されること以外に(方策が)何もないと思ったならばだ。
*⑦ sed in consilio capiendo omnem Galliam respiciamus, quam ad nostrum auxilium concitavimus.
**けれども、作戦を立てるに当たっては、我々のために援軍を(我々が)呼び寄せた全ガッリアを顧慮しよう。
*⑧ Quid hominum milibus LXXX(octoginta) uno loco interfectis
**(我々ガッリア勢)8万の人間が(アレスィア)1か所で殺戮されたら、
*propinquis consanguineisque nostris animi fore existimatis,
**我々の親類縁者たちの士気はどうなると(君らは)判断しているのか。
*si paene in ipsis cadaveribus proelio decertare cogentur?
**もし、ほとんど(我々)自身の亡骸の中で(味方が)決戦することを強いられたら?
*⑨ Nolite hos vestro auxilio exspoliare qui vestrae salutis causa suum periculum neglexerunt,
**君らの身の安全のために、己の危険を顧みなかった者たちのことを、君らが援助すること(の機会)を奪わないでくれ。
*nec stultitia ac temeritate vestra aut animi imbecillitate omnem Galliam prosternere et perpetuae servituti subicere.
**君らの愚かさや無思慮、または心の弱さによって、全ガッリアを滅ぼすことや永久の隷属に委ねることがないように。
<br>
'''ローマ人たちが恐れているのを見よ'''
*⑩ An quod ad diem non venerunt, de eorum fide constantiaque dubitatis?
**それとも(援軍が)期日までにやって来なかったので、彼らの誠実さや剛直さについて(君らは)疑っているのか?
*Quid ergo?
**それでは(あれは)何だ?
*Romanos in illis ulterioribus munitionibus animine causa cotidie exerceri putatis?
**ローマ人たちがあの向こう側の塁壁のところで、趣味のために毎日たえず働かされていると(君らは)思うのか?
*⑪ Si illorum nuntiis confirmari non potestis omni aditu praesaepto,
**もし、すべての出入口を(防柵で)遮られて、(援軍の到来を)彼らの伝令により(君らが)確証できないのならば、
*his utimini testibus adpropinquare eorum adventum,
**こちらの者たち(ローマ人)を、彼ら(援軍)の到来が近づいている証人として示せ。
*cuius rei timore exterriti diem noctemque in opere versantur.
**(援軍の到来という)その事態の恐れに戦慄して(ローマ人たちは)昼も夜も工事に従事しているのだ。
<br>
'''クリトグナトゥスの意見は?'''
*⑫ Quid ergo mei consilii est?
**それでは、私の考えは何であるか?
*Facere quod nostri maiores nequaquam pari bello Cimbrorum Teutonumque fecerunt:
**我々の先祖たちが(今回とは)決して比べものにならない[[w:キンブリ・テウトニ戦争|キンブリ族・テウトニ族との戦争]]でしたことをするのだ。
*qui in oppida compulsi ac simili inopia subacti
**彼ら(先祖たち)は、[[w:オッピドゥム|城塞都市]]に押し込められて、(今回と)似たような欠乏により衰弱させられて、
*eorum corporibus, qui aetate ad bellum inutiles videbantur, vitam toleraverunt
**加齢により戦争に役立たないと思われた者たちの肉体(を食べること)によって、生命を持ちこたえて、
*neque se hostibus tradiderunt.
**敵方に降伏しなかったのだ。
*⑬ Cuius rei si exemplum non haberemus,
**もし、そういう事態の先例を我々が持たなかったとしても、
*tamen libertatis causa institui et posteris prodi pulcherrimum iudicarem.
**けれども、自由のために、最も栄誉なことが決断され、子孫たちに伝えられることと、私は思いたい。
*⑭ Nam quid illi simile bello fuit?
**実際、あの戦争に(今回と)似ている何があっただろうか?
*Depopulata Gallia Cimbri magnaque inlata calamitate
**キンブリ族はガッリアを荒らしまわって、大きな災禍をもたらしたが、
*finibus quidem nostris aliquando excesserunt atque alias terras petierunt;
**あるとき我々の領土から立ち去って、他の土地を求めて行った。
*iura, leges, agros, libertatem nobis reliquerunt.
**権限、法度、耕地、自由を我々(ガッリア人)に残して行ったのだ。
*⑮ Romani vero quid petunt aliud aut quid volunt
**しかし、ローマ人たちは(以下に挙げることの)他に何を求め、何を欲しているのだろうか。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:「しかし、ローマ人が求め、欲しているのは、以下のことである」の意。)</span>
*nisi invidia adducti quos fama nobiles potentesque bello cognoverunt,
**高貴で戦争に力強い(ガッリアの)者たちを名声で知って羨望に駆られた以外には、
*horum in agris civitatibusque considere atque his aeternam iniungere servitutem?
**彼らの土地や部族共同体に居座って、彼らを永遠の隷属を課すること以外には。
*Neque enim ulla alia condicione bella gesserunt.
**実際、(ローマ人は)他のいかなる条件でも決して戦争を遂行したことがなかった。
*⑯ Quodsi ea quae in longinquis nationibus geruntur ignoratis,
**もし、遠方の種族のところでなされていることを(君らが)知らないのであれば、
*respicite finitimam Galliam,
**ガッリアの隣人たちを見渡しなさい。
*quae in provinciam redacta,
**(彼らはローマの)[[w:属州|属州]]になることを余儀なくされ、
*iure et legibus commutatis,
**権限や法度を変えられて、
*securibus subiecta perpetua premitur servitute."
**(ローマの)権力に服属させられて、永久の隷属に苦しめられているのだ。
===78節===
'''マンドゥビイ族の投降をカエサルが拒む'''
*① Sententiis dictis
**(いくつかの)意見が述べられて、
*constituunt ut ii, qui valetudine aut aetate inutiles sunt<ref>sunt はα系写本の記述で、β系写本では sint となっている。</ref> bello, oppido excedant
**(ガッリア人たちは)健康または年齢により戦争に役立たない者たちは[[w:オッピドゥム|城塞都市]]を退去するように決めた。
*atque omnia prius experiantur quam ad Critognati sententiam descendant;
**さらに、クリトグナトゥスの意見に同意するよりも、まずあらゆることを試みるように(決めた)。
*② illo tamen potius utendum consilio,
**けれども(以下の場合には)むしろ彼(クリトグナトゥス)の意見を実行するべきだ。
*si res cogat atque auxilia morentur,
**もし、事態が強いて、援軍が遅滞させられるのならば、
*quam aut deditionis aut pacis subeundam condicionem.
**降伏あるいは講和条件を受諾することよりも(クリトグナトゥスの意見を実行するべきだ)、と。
*③ Mandubii qui eos oppido receperant,
**彼ら(ガッリア勢)を城塞都市に受け入れていたマンドゥビイ族は、
*cum liberis atque uxoribus exire coguntur.
**子供たちや妻女たちとともに(城塞都市から)出て行くことを強いられた。
*④ Hi cum ad munitiones Romanorum accessissent,
**彼らは、ローマ人たちの塁壁のところへ近づいたときに、
*flentes omnibus precibus orabant, ut se in servitutem receptos cibo iuvarent.
**自分たちを奴隷として受け入れて食糧で助けてくれるように、泣きながらあらゆる懇願で頼んだ。
*⑤ At Caesar dispositis in vallo custodibus<ref>custodibus はα系写本の記述で、β系写本では custodiis となっている。</ref> recipi prohibebat.
**だが、カエサルは、防柵の中に番兵を分けて置き、(マンドゥビイ族を)受け入れることを禁じた。
===79節===
'''ガッリア同盟軍の来援、アレスィアの歓呼'''
*① Interea Commius reliquique duces, quibus summa imperii permissa erat,
**その間に、最高司令権を任されていた[[w:コンミウス|コンミウス]]とほかの将帥たちが、
*cum omnibus copiis ad Alesiam perveniunt
**すべての軍勢とともに[[w:アレシア|アレスィア]]の辺りへ到着して、
*et colle exteriore occupato
**より外側の丘陵を占拠して、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:現在のミュスィ=ラ=フォス村 [[w:fr:Mussy-la-Fosse|Mussy-la-Fosse]]<ref>[http://maps.google.com/maps?q=47.521944,4.438611&hl=fr&ie=UTF8&ll=47.522012,4.438648&spn=0.01849,0.027423&t=h&z=15 Google map]を参照。</ref> のある丘陵であると思われる。)</span>
*non longius mille passibus ab nostris munitionibus considunt.
**我が方(ローマ勢)の塁壁から1ローママイル(約1.5km)ほども遠くないところに陣取った。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:現在のヴナレ=レ=ローム [[w:fr:Venarey-les-Laumes|Venarey-les-Laumes]] 市街<ref>[http://maps.google.com/maps?q=47.542778,4.445833&hl=fr&ie=UTF8&ll=47.543106,4.458475&spn=0.036965,0.054846&t=h&z=14 Google map]を参照。</ref>の周辺であると思われる。)</span>
*② Postero die equitatu ex castris educto
**翌日に、[[w:騎兵|騎兵隊]]が陣営から進発させられて、
*omnem eam planitiem quam in longitudinem milia passuum III(tria)<ref>milia passuum III はβ系写本の記述で、α系写本では quattuor milia passuum などとなっている。</ref> patere demonstravimus, complent
**3ローママイル(約4.5km)の長さにわたり広がっていることを既述した平地のすべてを、満たした。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[#69節|69節]]を参照。現在のローム平原に当たると思われる。)</span>
*pedestresque copias paulum ab eo loco abditas in locis superioribus constituunt.
**[[w:歩兵|歩兵]]の軍勢を、その地からいくらか遠ざけて、より高いところに駐留させた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:上記の丘陵のより高い所であると思われる。)</span>
*③ Erat ex oppido Alesia despectus in campum.
**アレスィアの[[w:オッピドゥム|城塞都市]]からは(その)平地に眺望があった。
*Concurrunt<ref>concurrunt はα系写本の記述で、β系写本では concurritur となっている。</ref> his auxiliis visis;
**これらの援軍が現われると(アレスィアのガッリア人たちは)群がり集まった。
*fit gratulatio inter eos
**彼らの間で祝賀がなされて、
*atque omnium animi ad laetitiam excitantur.
**皆の心が喜びへと鼓舞された。
*④ Itaque productis copiis ante oppidum considunt
**こうして(アレスィアの)軍勢が出撃させられて、城塞都市の前に陣取って、
*et proximam fossam cratibus integunt atque aggere explent
**最も近い堀を、柴で蔽って、土砂を充満させて、
*seque ad eruptionem atque omnes casus comparant.
**突撃やあらゆる有事に戦備を整えた。
===80節===
'''ゲルマニア騎兵らローマ勢が来援ガッリア騎兵をも打ち破る'''
*① Caesar omni exercitu ad utramque partem munitionum<ref>munitionum はα系写本の記述で、β系写本では munitionis となっている。</ref> disposito,
**カエサルは、すべての[[w:歩兵|歩兵隊]]を、塁壁の(内周と外周)両側に分けて置き、
*ut, si usus veniat, suum quisque locum teneat et noverit,
**もし、必要が生じたら、おのおのが自らの部署を知って固守するようにした。
*equitatum ex castris educi et proelium committi iubet.
**[[w:騎兵|騎兵隊]]を陣営から進発させて、交戦することを命じた。
*② Erat ex omnibus castris, quae summum undique iugum tenebant, despectus
**至る所で尾根の頂きを占めていた(ローマ勢の)すべての陣営から(騎兵戦の)眺望があった。
*atque omnes milites intenti<ref>intenti はα系写本の記述で、β系写本では intenti animi、Fuchs は intentis animis と修正提案している。</ref> pugnae proventum<ref>pugnae proventum はα系写本の記述で、β系写本では proventum pugnae となっている。</ref> exspectabant.
**すべての兵士たちは(観戦に)没頭して、戦いの結果を待っていた。
*③ Galli inter equites raros sagittarios expeditosque levis armaturae interiecerant,
**ガッリア人たちは、弓兵たちと軽装歩兵たちをまばらに、騎兵たちの間に置いていて、
*qui suis cedentibus auxilio succurrerent
**その者たち(弓兵と軽装歩兵)は、味方が後退するのを支援するために馳せ寄って、
*et nostrorum equitum impetus sustinerent.
**我が方(ローマ勢)の騎兵の突撃に持ちこたえていた。
*Ab his complures de improviso vulnerati proelio excedebant.
**彼らによって(ローマ側騎兵の)かなりの者たちが、思いがけず負傷させられて、戦闘から退いた。
*④ Cum suos pugna superiores esse Galli confiderent
**ガッリア人たちが、味方が戦いで優勢であることを確信したとき、
*et nostros multitudine premi viderent,
**かつ、我が方(ローマ勢)が多勢(のガッリア騎兵)により圧倒されているのを見て取ったときに、
*ex omnibus partibus et ii qui munitionibus continebantur
**あらゆる方面から(ローマ勢の)塁壁によって囲まれていた者たちも、
*et hi<ref>hi はφ系・β系写本の記述で、χ系写本では ii となっている。</ref> qui ad auxilium convenerant
**(アレスィア)救援のために集結して来ていた者たちも、
*clamore et ululatu suorum animos confirmabant.
**大声やわめき声によって味方の闘志を強めた。
*⑤ Quod in conspectu omnium res gerebatur
**(両軍の)皆の環視の中で合戦が遂行されたので、
*neque recte ac<ref>ac はα系・π系写本の記述で、ρ系写本では aut となっている。</ref> turpiter factum celari poterat,
**立派な行為または見苦しい行為も隠されることができなかったので、
*utrosque et laudis cupiditas et timor ignominiae ad virtutem excitabant<ref>excitabant はB・M・L・N・R写本などの記述で、χ系・B・S・π系・U写本などでは excitabat となっている。</ref>.
**賞賛への功名心も、不名誉への恐れも、双方を武勇へと駆り立てた。
*⑥ Cum a meridie prope ad solis occasum dubia victoria pugnaretur,
**正午から、ほぼ日没の頃まで、勝利が不確実なまま戦われていたときに、
*Germani una in parte confertis turmis
**ゲルマニア人たちが、騎兵部隊を一か所に密集させて、
*in hostes impetum fecerunt eosque propulerunt;
**敵方に突撃を行ない、彼ら(ガッリア騎兵)を駆逐した。
*⑦ quibus in fugam coniectis
**その者たち(ガッリア騎兵)は逃亡に追いやられて、
*sagittarii circumventi interfectique sunt.
**弓兵たちは包囲されて殺戮された。
*⑧ Item ex reliquis partibus nostri cedentes usque ad castra insecuti
**我が方(ローマ勢)の残りの部隊も、撤退する(ガッリア騎兵の)者たちを陣営のところまで追撃して、
*sui colligendi facultatem non dederunt.
**立ち直る機会を与えなかった。
*⑨ At ii qui ab [[w:la:Alesia|Alesia]] processerant,
**そして、[[w:アレシア|アレスィア]]から進み出ていた者たちは、
*maesti prope victoria desperata se in oppidum receperunt.
**ほとんど絶望的な勝利に悲嘆して、城塞都市に退却した。
===81節===
'''ガッリア来援軍と籠城軍がローマ陣地に夜襲をしかける'''
*① Uno die intermisso Galli
**ガッリア人たちは一日を間に置いて、
*atque hoc spatio magno cratium, scalarum, harpagonum numero effecto
**この間に、多数の柴、[[w:梯子|梯子]]、鉤竿を調達して、
*media nocte silentio ex castris egressi
**真夜中に静けさのうちに陣営から進発して、
*ad campestres munitiones accedunt.
**平地の(ローマ勢の)塁壁の辺りへ近づいた。
*② Subito clamore sublato, qua significatione
**突然に雄叫びを上げて、それを合図として、
*qui in oppido obsidebantur de suo adventu cognoscere possent,
**[[w:オッピドゥム|城塞都市]]の中に包囲されている者たちが、自分たちの到来について認識できるようにした。
*crates proicere, fundis, sagittis, lapidibus nostros de vallo proturbare
**柴を投げ込み、投石器で、矢で、石でもって我が方(ローマ勢)を防柵から追い出すこと、
*reliquaque quae ad oppugnationem pertinent parant administrare.
**(塁壁の)攻略のために役立つほかのことに従事すること、を目論んだ。
*③ Eodem tempore clamore exaudito
**同時に(来援軍の)雄叫びを聞き取って、
*dat tuba signum suis [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]] atque ex oppido educit.
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は、麾下の者たちにラッパで指図を与えて、城塞都市から進発させた。
*④ Nostri, ut superioribus diebus, suus cuique<ref>suus cuique はβ系写本の記述で、χ系・B・M・S写本では ut cuique となっている。</ref> erat locus attributus, ad munitiones accedunt;
**我が方(ローマ勢)は、以前の日々に、おのおのの部署が割り当てられており、塁壁のところへ近寄った。
*fundis librilibus sudibusque, quas in opere disposuerant, ac glandibus Gallos proterrent.
**堡塁に分配されていたポンド投石器や杭、並びに玉によって、ガッリア人たちを追い払った。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:librilis funda「ポンド投石器」;古代ローマの1ポンド [[w:la:Libra pondus|libra]] は約327グラム<ref>[[w:en:Ancient Roman units of measurement#Weight]]を参照。</ref>。)</span>
*⑤ Prospectu tenebris adempto multa utrimque vulnera accipiuntur.
**眺望が暗闇により奪われて、双方が多くの傷を蒙った。
*Complura tormentis tela coniciuntur.
**かなり多くの飛び道具が(巻上式)投石機によって投じられた。
*⑥ At [[w:la:Marcus Antonius|M.(Marcus) Antonius]] et [[w:la:Gaius Trebonius|C.(Gaius) Trebonius]] legati,
**[[w:マルクス・アントニウス|マルクス・アントニウス]]と[[w:ガイウス・トレボニウス|ガイウス・トレボニウス]] [[w:レガトゥス|両副官]]は、
*quibus hae partes ad defendendum obvenerant,
**この方面を防衛するために割り当てられていたが、
*qua ex parte nostros premi intellexerant,
**我が方(ローマ勢)が押されぎみであると見なした一帯のために、
*his auxilio ex ulterioribus castellis deductos submittebant.
**この者たちを支援するために、向こう側の砦から引き出した者たちを(援兵として)派遣した。
===82節===
'''アレスィア内外のガッリア勢が障害物に阻まれて退く'''
*① Dum longius ab munitione aberant Galli,
**ガッリア人たちは(ローマ勢の)塁壁から遠くに離れていた間は、
*plus multitudine telorum proficiebant;
**飛び道具の多さによって、前進していた。
*posteaquam propius successerunt,
**(塁壁の方へ)さらに近くに進入して来た後では、
*aut se ipsi<ref>ipsi はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> stimulis inopinantes induebant
**あるいは、思いがけず自ら「刺」に陥り、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:stimulus「刺」については、[[#73節|73節]]⑨項を参照。)</span>
*aut in scrobes delati transfodiebantur
**あるいは、穴に陥落して(「百合」で)突き刺されたり、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:「穴」と「百合」については、[[#73節|73節]]⑤~⑧項を参照。)</span>
*aut ex vallo ac turribus traiecti pilis muralibus interibant.
**あるいは、防柵や櫓から[[w:ピルム・ムーリアリス|防壁槍]]で射抜かれて逝った。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:防壁槍については、[[ガリア戦記 第5巻#40節|第5巻40節]]を参照。)</span>
*② Multis undique vulneribus acceptis
**(ガッリア勢は)至る所で多くの傷を負ったが、
*nulla munitione perrupta,
**どの(ローマ側の)塁壁も突破されなかった。
*cum lux appeteret,
**<ruby><rb>暁光</rb><rp>(</rp><rt>ぎょうこう</rt><rp>)</rp></ruby>が(空を)染めたとき、
*veriti ne ab latere aperto ex superioribus castris eruptione circumvenirentur,
**開けた側面から、(ローマ勢の)高所の陣営からの突撃によって包囲されないようにと怖れて、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:開けた側面とは、盾で守られていない右側のこと。)</span>
*se ad suos receperunt.
**味方のところへ退却した。
*③ At interiores
**それに対して、(アレスィア攻囲の)内側の者たちは、
*dum ea quae a [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorige]] ad eruptionem praeparata erant<ref>praeparata erant は、写本(ω)ではpraeparaverant だが、このように修正提案されている。あるいは、a Vercingetorige が削除提案されている。</ref> proferunt,
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]により、突撃のために準備していたものを運び出して
*priores fossas explent,
**一番前の堀を埋めている間に、
*diutius in his rebus administrandis morati
**これらの事に従事することに、より長く妨げられて、
*prius suos discessisse cognoverunt quam munitionibus adpropinquarent.
**塁壁に近づくよりも前に味方(=来援軍)が退去したことを知ったのだ。
*Ita re infecta in oppidum reverterunt.
**こうして、事は達成されていないものの、[[w:オッピドゥム|城塞都市]]に引き返した。
===83節===
'''ウェルカッスィウェッラウヌスが兵6万を率いて急所の丘へ向かう'''
*① Bis magno cum detrimento repulsi Galli
**大きな損害とともに二度も撃退されたガッリア人たちは、
*quid agant consulunt;
**何をなすべきかを協議した。
*locorum peritos adhibent;
**(その)土地に熟知した者たちを招いた。
*ex his superiorum castrorum situs munitionesque cognoscunt.
**この者たちから、(ローマ勢の)高いところの陣営の位置や塁壁を調べ上げた。
*② Erat a septentrionibus collis,
**(アレスィアの)北方に丘陵があって、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:これは現在のレア山 le Mont Réa であると思われ、山頂にはメネルー=ル=ピトワ村<ref>[[w:fr:Ménétreux-le-Pitois]]や[http://maps.google.fr/maps?f=q&hl=fr&geocode=&q=m%C3%A9n%C3%A9treux+le+pitois&sll=42.423457,8.789063&sspn=23.611541,40.957031&ie=UTF8&t=h&hq=&hnear=M%C3%A9n%C3%A9treux-le-Pitois,+C%C3%B4te-d'Or,+Bourgogne&ll=47.55475,4.460106&spn=0.018507,0.010042&z=15 Google map]などを参照。</ref>がある。)</span>
*quem propter magnitudinem circuitus
**その周囲の大きさのために、
*opere circumplecti non potuerant nostri,
**我が方(ローマ勢)は、堡塁により囲い込むことができずにいた。
*necessarioque<ref>-que はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> paene iniquo loco et leniter<ref>leniter はπ系写本の記述で、α系・ρ系写本では leviter となっている。</ref> declivi castra fecerunt<ref>fecerunt はα系写本の記述で、β系写本では fecerant となっている。</ref>.
**やむをえず、ほとんど不利でゆるやかに傾斜した地点に陣営を造った。
*③ Haec C.(Gaius) Antistius Reginus et C.(Gaius) Caninius Rebilus legati
**これを、ガーイウス・アンティスティウス・レーギーヌスとガイウス・カニニウス・レビルス [[w:レガトゥス|両副官]]が
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:''[[w:fr:Caius Antistius Reginus|Gaius Antistius Reginus]]'' は[[ガリア戦記_第6巻#1節|第6巻1節]]で既出。[[#90節|90節]]で後出。)</span>
*cum duabus legionibus obtinebant.
**2個軍団とともに占めていた。
*④ Cognitis per exploratores regionibus duces hostium
**敵方の将帥たちは、偵察者たちを通じて一帯を調べ上げて、
*LX(sexaginta) milia ex omni numero deligunt
**総員のうちから6万名を選抜した。
*earum civitatum quae maximam virtutis opinionem habebant;
**武勇において大きな評判を得ている部族のうち(から選抜した)。
*⑤ quid quoque pacto agi placeat, occulte inter se constituunt;
**何が、どんな方法で行なわれるのがよいか、互いに密かに取り決めた。
*adeundi tempus definiunt, cum meridie<ref>meridie は中世の写本(ω)の記述であるが、近世の写本(ς)では meridies となっている。</ref> esse videatur.
**正午であると思われる頃を突撃する時と定めた。
*⑥ His copiis Vercassivellaunum Arvernum,
**この軍勢を、[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]のウェルカッスィウェッラウヌス、
*unum ex quattuor ducibus, propinquum [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorigis]], praeficiunt.
**(すなわち)4人の将帥たちの1人で、[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]の親族である者に、指揮させた。
*⑦ Ille ex castris prima vigilia egressus
**彼(ウェルカッスィウェッラウヌス)は、陣営から第一夜警時に進発して、
*prope confecto sub lucem itinere
**夜明け前にほぼ行軍が成し遂げられて、
*post montem se occultavit
**山の後ろに身を隠して、
*militesque ex nocturno labore sese reficere iussit.
**兵士たちに夜間の疲労を回復しておくことを命じた。
*⑧ Cum iam meridies adpropinquare videretur,
**すでに正午に近付いていると思われたときに、
*ad ea castra, quae supra demonstravimus, contendit;
**前に述べた陣営のところへ急いだ。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:本節②項を参照。)</span>
*eodemque tempore equitatus ad campestres munitiones accedere
**同時に(ガッリア来援軍の)[[w:騎兵隊|騎兵隊]]が平地の(ローマ勢の)塁壁のところへ近付き、
*et reliquae copiae pro castris sese ostendere coeperunt.
**残りの軍勢が陣営の前に姿を現わし始めた。
===84節===
'''ウェルキンゲトリークスらアレスィア籠城軍も善戦する'''
*① [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]] ex arce [[w:la:Alesia|Alesiae]] suos conspicatus ex oppido egreditur;
**[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は、[[w:アレシア|アレスィア]]の高台から味方を望見して、[[w:オッピドゥム|城塞都市]]から進発した。
*a castris<ref>a castris はβ系写本の記述で、α系写本では単に castris となっている。</ref>, longurios, musculos, falces
**陣営から、長い竿、小屋、破城鎌や、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:falx「破城鎌」については、[[ガリア戦記 第5巻#42節|第5巻42節]]を参照。)</span>
*reliquaque quae eruptionis causa paraverat profert.
**(塁壁を)突破するために準備していたほかのものを運び出した。
*② Pugnatur uno tempore omnibus locis atque omnia temptantur;
**一時にあらゆる場所で戦われて、あらゆることが試みられた。
*quae minime visa pars firma est, huc concurritur.
**あまり堅固ではないと思われる部分、ここへ襲いかかった。
*③ Romanorum manus tantis munitionibus distinetur
**ローマ人の手勢は、これほどの(長大な)塁壁により離して置かれていて、
*nec facile pluribus locis occurrit.
**より多くの場所には容易に駆け付けられなかった。
*④ Multum ad terrendos nostros valet clamor qui post tergum pugnantibus exstitit,
**戦っている者たちの背後で生じた雄叫びは、我が方(ローマ勢)を怖れさせるために大いに力があった。
*quod suum periculum in aliena vident virtute<ref>virtute「武勇」 はβ系写本の記述で、α系写本では salute「安全」 となっている。</ref> constare;
**というのは、自分たち(ローマ勢)の危険が他人(ガッリア勢)の武勇に依拠していると思ったから。
*omnia enim plerumque, quae absunt, vehementius hominum mentes perturbant.
**なぜなら(そこに)不在であるものすべてはたいてい、人間の心を激しく混乱させるものであったからである。
===85節===
'''ウェルカッスィウェッラウヌスが急所の丘を攻める'''
*① Caesar idoneum locum nactus
**カエサルは適当な場所を得て,
*quid quaque in<ref>quaque in はβ系写本の記述で、α系写本では qua ex となっている。</ref> parte geratur cognoscit;
*何が各方面でなされているのかを認識した。
*laborantibus submittit.
**苦戦している者たちに(援兵を)派遣した。
*② Utrisque ad animum occurrit unum esse illud tempus, quo maxime contendi conveniat:
**双方にとって、最も雌雄を決するべきはこの時のみであるということが、心に生じた。
*③ Galli, nisi perfregerint munitiones, de omni salute desperant;
**ガッリア人たちは、(ローマ人の)塁壁を突破しない限り、あらゆる身の安全に絶望することになる。
*Romani, si rem obtinuerint, finem laborum omnium exspectant.
**ローマ人は、もし事を成就したら、すべての労苦の終わるということを期待した。
*④ Maxime ad superiores munitiones laboratur, quo [[w:la:Vercassivellaunus|Vercassivellaunum]] missum demonstravimus.
**ウェルカッスィウェッラウヌスが派遣されたと既述した、より高い塁壁の辺りで(ローマ勢は)とりわけ苦戦した。
*Iniquum loci ad declivitatem fastigium magnum habet momentum.
**けわしい地形の不利な傾斜が(ローマ勢にとって)大きな影響力を持った。
*⑤ Alii tela coniciunt, alii testudine facta subeunt;
**(ガッリア勢の)ある者は飛び道具を投げやって、ある者は[[w:テストゥド|亀甲陣形]]を形成して突き進んだ。
*defatigatis invicem integri succedunt.
**疲労させられた者たちに対しては、新手の者たちが交代した。
*⑥ Agger ab universis in munitionem coniectus
**土が総勢により(ローマ人の)塁壁に投じられて、
*et ascensum dat Gallis
**ガッリア人たちに登り道を与えもしたし、
*et ea, quae in terra occultaverant Romani, contegit;
**ローマ人たちが地中に隠しておいたもの(障害物)を埋め込んでしまった。
*nec iam arma nostris nec vires suppetunt.
**我が方(ローマ勢)には、もはや武器も活力も十分になかった。
===86節===
'''危急存亡の秋、両軍の苦闘'''
*① His rebus cognitis
**これらの事態を知って、
*Caesar [[w:la:Titus Labienus|Labienum]] cum cohortibus sex subsidio laborantibus mittit;
**カエサルは、[[w:ティトゥス・ラビエヌス|ラビエーヌス]]を6個<ruby><rb>[[w:コホルス|歩兵大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>とともに援兵として苦戦している者たちへ派遣した。
*② imperat, si sustinere non possit<ref>possit はχ系・B・M・S・β系写本の記述で、L・N写本では posset となっている。</ref>, deductis cohortibus eruptione pugnaret<ref>pugnaret はα系写本の記述で、β系写本では pugnet となっている。</ref>;
**もし(塁壁の防衛が)持ちこたえられなかったならば、諸大隊を引率して突撃によって戦うように、と命令していた。
*id nisi necessario ne faciat.
**それは、やむをえないのでなければ行なわないように(と命じていた)。
*③ Ipse adit reliquos, cohortatur ne labori succumbant;
**(カエサル)自身は、ほかの者たちを訪れて、労苦に屈服しないようにと鼓舞した。
*omnium superiorum dimicationum fructum in eo die atque hora docet consistere.
**これまでのあらゆる奮闘の結実がこの日、この時にかかっていることを説いた。
*④ Interiores desperatis campestribus locis propter magnitudinem munitionum
**(アレスィアに包囲されている)内側の者たちは、塁壁の大規模さのために、平坦な地点(での突破)を断念して、
*loca praerupta ex ascensu temptant;
**けわしい場所を登り坂から攻撃してみた。
*huc ea quae paraverant conferunt.
**ここに、準備していたものを運び集めた。
*⑤ Multitudine telorum ex turribus propugnantes deturbant,
**たくさんの飛び道具によって、防戦している者たちを櫓から駆逐した。
*aggere et cratibus fossas explent,
**土砂や柴で堀を埋めて、
*falcibus vallum ac loricam rescindunt.
**破城鎌によって防柵や胸壁を切り裂いた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:falx「破城鎌」については、[[ガリア戦記 第5巻#42節|第5巻42節]]を参照。)</span>
===87節===
'''カエサルの救援、ラビエーヌスの作戦'''
*① Mittit primo<ref>primo はφ系・ρ系写本の記述で、χ系・π系写本では primum となっている。</ref> [[w:la:Decimus Iunius Brutus Albinus|Brutum adulescentem]] cum cohortibus Caesar,
**カエサルは、初めに[[w:デキムス・ユニウス・ブルトゥス・アルビヌス|青年ブルトゥス]]を諸<ruby><rb>[[w:コホルス|歩兵大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>とともに派遣して、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:デキムス・ブルトゥスには[[ガリア戦記 第3巻#14節|第3巻14節]]で艦隊を、本巻[[#9節|9節]]②項では騎兵隊を指揮させている。)</span>
*post cum aliis C.(Gaium) Fabium legatum;
**後に副官のガイウス・ファビウスをほかの隊とともに(派遣した)。
*postremo ipse, cum vehementius pugnaretur,
**最後には(カエサル)自身が、激しく戦われていたので、
*integros subsidio adducit.
**新手の者たちを援兵として率いて行った。
*② Restituto proelio ac repulsis hostibus
**戦況が回復され、敵方が撃退されると、
*eo quo Labienum miserat contendit;
**ラビエーヌスを派遣していたところに急いだ。
*cohortes IIII(quattuor) ex proximo castello deducit,
**近隣の砦から4個歩兵大隊を引き出して、
*equitum partem se<ref>se はβ系写本の記述で、α系写本にはない。</ref> sequi,
**[[w:騎兵|騎兵]]のある一部には、自らに随行することを、
*partem circumire exteriores munitiones et ab<ref>ab はα系写本の記述で、β系写本では a となっている。</ref> tergo hostes adoriri iubet.
**別の一部には、外側の塁壁を取り囲んで、敵方を背後から襲撃することを命じた。
*③ Labienus, postquam neque aggeres neque fossae vim hostium sustinere poterant,
**ラビエーヌスは、土塁も堀も敵方の武力に持ちこたえることができなかった後で、
*coactis una XL(quadraginta) cohortibus, quas ex proximis praesidiis deductas fors obtulit,
**近隣の宿営地から、はからずも引き出しておいた40個歩兵大隊を集結させて、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:この数は、写本によって異なり、モイゼルらは undecim「11個」と提案している。)</span>
*Caesarem per nuntios facit certiorem, quid faciendum existimet.
**何がなされるべきと考えたのかを、カエサルに伝令を通じて報告した。
*Accelerat Caesar, ut proelio intersit.
**カエサルは、戦闘(の場)に居合わせるように急いで行った。
===88節===
'''雌雄決し、ガッリア来援軍が敗走'''
*① Eius adventu ex colore vestitus cognito, quo insigni in proeliis uti consuerat,
**彼(カエサル)の到来が、(彼が)戦闘において目印として用いるのが常であった衣服の色から認識され、
**:<span style="color:#009900;">(訳注:カエサルは、真紅の外套を着用していたようである。)</span>
*turmisque equitum et cohortibus visis quas se sequi iusserat,
**(カエサルが)自らに随行することを命じていた諸<ruby><rb>[[w:騎兵|騎兵]]小隊</rb><rp>(</rp><rt>トゥルマ</rt><rp>)</rp></ruby>や諸<ruby><rb>[[w:コホルス|歩兵大隊]]</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>が望見されて、
*ut de locis superioribus haec declivia et devexa cernebantur,
**(ウェルカッスィウェッラウヌスらが派遣された)高地から、これらの斜面や急坂が見分けられたので、
*hostes proelium committunt.
**敵方(ガッリア勢)は戦端を開いた。
*② Utrimque clamore sublato
**(ガッリア来援軍とアレスィア籠城軍の)双方から雄叫びが上げられて、
*excipit rursus ex vallo atque omnibus munitionibus clamor.
**さらに、防柵やすべての塁壁から(ローマ勢の)雄叫びが続いた。
*Nostri omissis pilis gladiis rem gerunt.
**我が方(ローマ勢)は<ruby><rb>[[w:ピルム|投槍]]</rb><rp>(</rp><rt>ピルム</rt><rp>)</rp></ruby>を放棄して、<ruby><rb>[[w:グラディウス (武器)|長剣]]</rb><rp>(</rp><rt>グラディウス</rt><rp>)</rp></ruby>で合戦した。
*③ Repente post tergum equitatus cernitur;
**不意に(ガッリア勢の)背後に(ローマ勢の)騎兵隊が見分けられた。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:87節②項で、カエサルは騎兵隊に外壁を迂回して敵を背後から襲撃するように命じていた。)</span>
*cohortes aliae adpropinquant.
**別の諸<ruby><rb>歩兵大隊</rb><rp>(</rp><rt>コホルス</rt><rp>)</rp></ruby>も接近して来た。
*Hostes terga vertunt;
**敵方(ガッリア勢)は、(ローマ勢に)背を向けた。
*fugientibus equites occurrunt.
**逃げる者たち(ガッリア勢)を(ローマ勢の)騎兵たちが追撃した。
*Fit magna caedes.
**大虐殺が起こった。
*④ Sedullus, dux et princeps Lemovicum, occiditur;
**レモウィケス族の将帥で領袖であるセドゥッルスが斃された。
*[[w:la:Vercassivellaunus|Vercassivellaunus]] Arvernus vivus in fuga comprehenditur;
**[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]のウェルカッスィウェッラウヌスは逃亡中に生きたまま捕らえられた。
*signa militaria LXXIIII(septuaginta quattuor) ad Caesarem referuntur;
**(ガッリア勢の)74本の軍旗がカエサルのところへ運んで来られた。
*pauci ex tanto numero se incolumes<ref>se incolumes はα系写本の記述で、β系写本では incolumes se となっている。</ref> in castra recipiunt.
**これほどの兵数のうち、わずかな者たち(だけ)が無傷のまま陣営に退却した。
*⑤ Conspicati ex oppido caedem et fugam suorum
**(アレスィアの)[[w:オッピドゥム|城塞都市]]から味方の虐殺や逃亡を視認した者たちは、
*desperata salute copias a munitionibus reducunt.
**身の安全に絶望して、軍勢を塁壁から(城塞都市に)呼び戻した。
*⑥ Fit protinus hac re audita ex castris Gallorum fuga.
**この事態が聞かれるとただちに、(来援に来ていた)ガッリア人たちの陣営から逃亡が生じた。
*Quodnisi crebris subsidiis ac totius diei labore milites essent defessi,
**もし、たびたびの(味方への)支援や一日中の働きにより兵士たちが疲れ果てていなかったならば、
*omnes hostium copiae deleri potuissent.
**敵方(ガッリア来援軍)の全軍勢が壊滅させられることが可能であっただろう。
*⑦ De media nocte missus equitatus novissimum agmen consequitur;
**真夜中の頃に、派遣されていた(ローマ勢の)騎兵隊が(ガッリア勢の)後衛に追いついて、
*magnus numerus capitur atque interficitur;
**(ガッリア勢の)大多数が捕らえられ、かつ殺戮された。
*reliqui ex fuga in civitates discedunt.
**(ガッリア来援軍の)残りの者たちは、逃亡して諸部族のところに逃げのびた。
==ガッリア同盟軍主力の降伏==
===89節===
[[画像:Vercingétorix se rend à César 1886 HPMotte.jpg|thumb|right|330px|「カエサルの陣営に投降するウェルキンゲトリークス」<br>“Vercingétorix se rendant au camp de César”、<br>アンリ=ポール・モット([[w:fr:Henri-Paul_Motte|Henri-Paul Motte]])画、1886年。<br>[[w:ル・ピュイ=アン=ヴレ|ル・ピュイ=アン=ヴレ]]のクロザティエ美術館([[w:fr:Musée Crozatier au Puy-en-Velay|Musée Crozatier]] au [[w:fr:Le Puy-en-Velay|Puy-en-Velay]])蔵。]]
[[画像:Lionel Royer - Vercingetorix Throwing down His Weapons at the feet of Julius Caesar.jpg|thumb|right|330px|「ウェルキンゲトリークスが彼の武器をユリウス・カエサルの足元に投げ捨てる」“Vercingétorix jette ses armes aux pieds de Jules César”、リオネル=ノエル・ロワイエ([[w:fr:Lionel Royer|Lionel-Noël Royer]])
画、1899年。[[w:ル・ピュイ=アン=ヴレ|ル・ピュイ=アン=ヴレ]]のクロザティエ美術館([[w:fr:Musée Crozatier au Puy-en-Velay|Musée Crozatier]] au [[w:fr:Le Puy-en-Velay|Puy-en-Velay]])蔵。]]
[[画像:Coin_Vercingetorix.jpg|thumb|right|300px|ローマがBC48年に発行した[[w:デナリウス|デナリウス銀貨]]。ウェルキンゲトリークスの横顔が刻まれているとも言われ、[[w:マメルティヌスの牢獄|トゥッリアヌム牢獄]]に虜囚となっているかつてのガッリアの盟主を見せしめにしたものとも考えられる。彼はBC46年に処刑されたが、カエサルもBC44年に暗殺された。]]
'''ウェルキンゲトリークスとアレスィア籠城軍の降伏'''
*① Postero die [[w:la:Vercingetorix|Vercingetorix]] concilio convocato
**(来援軍が敗走した)翌日に、[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]は会合を召集して、
*id bellum se suscepisse<ref>se suscepisse はα系写本の記述で、β系写本では suscepisse se となっている。</ref>
**この戦争を引き受けたことは
*non suarum necessitatum<ref>necessitatum はχ系・S・L・N・β系写本の記述で、B・M写本では necessitatium となっている。</ref>, sed communis libertatis causa demonstrat,
**自らの(野心の)必要性からではなく、(ガッリア)共通の自由のためだ、と明言した。
*② et quoniam sit fortunae cedendum,
**運命には従うべきものなのであるから、
*ad utramque rem se illis offerre,
**(敗軍の将として、以下の)どちらの事にも、自ら(の処遇)を彼ら(ガッリア人たち)に委ねよう。
*seu morte sua Romanis satisfacere
**あるいは(ウェルキンゲトリークス)自らの死によってローマ人たちに償うこと(を欲する)にせよ、
*seu vivum tradere velint.
**あるいは生きたまま(ローマ人たちに)引き渡すことを欲するにせよ、と。
*③ Mittuntur de his rebus ad Caesarem legati.
**これらの事柄について、カエサルのところへ使節たちが遣わされた。
*Iubet arma tradi, principes produci.
**(カエサルは)武器が引き渡されること、領袖たちが連行されて来ることを命じた。
*④ Ipse in munitione pro castris consedit;
**(カエサル)自身は、陣営の前の塁壁のところに腰掛けた。
*eo duces producuntur.
**そこに(アレスィアに籠城していた)将帥たちが連行されて来た。
*Vercingetorix deditur, arma proiciuntur.
**ウェルキンゲトリークスが引き渡されて、武器が投げ捨てられた。
*⑤ Reservatis [[w:la:Haedui|Haeduis]] atque Arvernis,
**(カエサルは)[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]と[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]](の将兵たち)を保持しておいた。
*si per eos civitates reciperare<ref>reciperare はχ系・B<sup>1</sup>・S・U写本の記述で、B<sup>c</sup>・M・L・N・π系・R写本では recuperare となっている。</ref> posset,
**彼らによって両部族国家を(同盟国として)回復できないだろうかと(考えたのだ)。
*ex reliquis captivis toto exercitui capita singula praedae nomine distribuit.
**残りの(諸部族の)捕虜たちから、全軍(のローマ人)に一名ずつを戦利品という名目で分配した。
===90節===
[[画像:Autun_porte_Saint-André.JPG|thumb|right|300px|[[w:オータン|オータン市]]に遺されたローマ時代からの聖アンドレ門。[[w:ビブラクテ|ビブラクテ]]を首邑としていた[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]は、ローマ帝政初期に東方の平地に移り、「[[w:アウグストゥス|アウグストゥス]]の砦」を意味するアウグストドゥーヌム([[w:la:Augustodunum|Augustodunum]])を建設して首邑とした。これが現在のオータン(Autun)となっている。]]
[[画像:Clermont_vu_de_Montjuzet.JPG|thumb|right|300px|[[w:クレルモン=フェラン|クレルモン=フェラン市]]の街並み。ローマに降伏した[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]は、後に首邑のゲルゴウィアを廃城とされ、北方の平野にあるネメトゥム(Nemetum)に移住させられた。帝政初期に[[w:アウグストゥス|アウグストゥス]]に由来するアウグストネメトゥム([[w:la:Augustonemetum|Augustonemetum]])に改称して、[[w:クレルモン教会会議|クレルモン教会会議]]が開かれるなど宗教的中心地として栄え、現在のクレルモン=フェランに至る。]]
'''ハエドゥイー族とアルウェルニー族の降伏、諸軍団の冬営'''
*① His rebus confectis in [[w:la:Haedui|Haeduos]] proficiscitur;
**これらの事が成し遂げられて、(カエサルは)[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]のところに出発した。
*civitatem recipit.
**同部族を(同盟国として)回復した。
*② Eo legati ab Arvernis missi:
**そこに、[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]から使節たちが遣わされて来て、
*quae imperaret, se facturos pollicentur.
**自分たちは(カエサルが)命令したことを行なうであろう、と約束した。
*Imperat magnum numerum obsidum.
**(カエサルは)多数の人質(の供出)を命令した。
*③ Legiones in hiberna mittit.
**(カエサルは)諸[[w:ローマ軍団|軍団]]を冬営地に派遣した。
*Captivorum circiter XX(viginti) milia Haeduis Arvernisque reddit.
**捕虜たち約2万人をハエドゥイー族とアルウェルニー族に返還した。
*④ [[w:la:Titus Labienus|T.<small>(Titum)</small> Labienum]] duabus cum<ref>duabus cum はχ系・B・M・S写本の記述で、L・N・β系写本では cum duabus となっている。</ref> legionibus et equitatu in Sequanos proficisci iubet;
**[[w:ティトゥス・ラビエヌス|ティトゥス・ラビエーヌス]]を2個軍団および[[w:騎兵|騎兵隊]]とともにセクアニ族のところに出発することを命じた。
*huic M.<small>(Marcum)</small> Sempronium Rutilum attribuit.
**彼には、マルクス・[[w:センプロニウス氏族|センプロニウス]]・ルティルスを付属させた。
*⑤ C.<small>(Gaium)</small> Fabium legatum et L.<small>(Lucium)</small> Minucium Basilum cum legionibus duabus in Remis conlocat,
**副官 ガーイウス・ファビウスとルキウス・ミヌキウス・バスィルスを2個軍団とともにレーミー族のところに配置した。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:バスィルスは[[ガリア戦記 第6巻#29節|第6巻29節]]で騎兵隊を指揮した。)</span>
*ne quam ab<ref>ab はφ系写本の記述で、χ系・β系写本では a となっている。</ref> finitimis Bellovacis calamitatem accipiant.
**(レーミー族が)近隣のベッロウァキ族から何らかの災禍を蒙らないようにしたのである。
*⑥ C.<small>(Gaium)</small> Antistium Reginum in Ambivaretos,
**ガーイウス・アンティスティウス・レーギーヌスをアンビウァレティ族のところに、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:''[[w:fr:Caius Antistius Reginus|Gaius Antistius Reginus]]'' は[[ガリア戦記_第6巻#1節|第6巻1節]]、[[#83節|本巻83節]]で既出。)</span>
*T.<small>(Titum)</small> Sextium in Bituriges,
**ティトゥス・セクスティウスをビトゥリゲース族のところに、
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:[[w:en:Titus Sextius|Titus Sextius]] も[[ガリア戦記_第6巻#1節|第6巻1節]]で既出。第6巻の年からカエサルの副官、<br> [[w:三頭政治#第二回三頭政治|第二回三頭政治]]では[[w:アフリカ属州|アフリカ属州]]の総督を務め、[[w:マルクス・アエミリウス・レピドゥス|レピドゥス]]に引き継ぐ。)
*C.<small>(Gaium)</small> Caninium Rebilum in Rutenos cum singulis legionibus mittit.
**ガーイウス・カニニウス・レビルスをルテーニー族のところに、それぞれ1個軍団とともに派遣した。
*⑦ [[w:la:Quintus Tullius Cicero|Q.<small>(Quintum)</small> Tullium Ciceronem]] et P.<small>(Publium)</small> Sulpicium
**[[w:クィントゥス・トゥッリウス・キケロ|クィーントゥス・トゥッリウス・キケロー]]とプーブリウス・スルピキウス(・ルーフス)を
**:<span style="color:#009900;font-family:Times New Roman;">(訳注:カエサルの副官 ''[[w:en:Sulpicia_gens#Sulpicii_Rufi|Publius Sulpicius Rufus]] は、<br> [[ガリア戦記_第4巻#22節|第4巻22節]]で既述。[[内乱記_第1巻#74節|『内乱記』第1巻74節]]でも言及される。<br> [[w:紀元前48年|BC48年]]に[[w:プラエトル|法務官]]、[[w:紀元前42年|BC42年]]に[[w:ケンソル|監察官]]に任官する。)</span>
*[[w:la:Cabillonum|Cavilloni]]<ref>Cavilloni はβ系写本の記述で、α系写本などでは Cabilloni となっている。</ref> et [[w:la:Matisco|Matiscone]] in Haeduis ad Ararim rei frumentariae causa conlocat.
**ハエドゥイー族のところのアラル川沿いのカウィッロヌムとマティスコに、糧秣調達のために配置した。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:カウィッロヌムは現在の[[w:シャロン=スュル=ソーヌ|シャロン=スュル=ソーヌ]]、マティスコは現在の[[w:マコン|マコン]]。)</span>
*Ipse [[w:la:Bibracte|Bibracte]] hiemare constituit.
**(カエサル)自身は、[[w:ビブラクテ|ビブラクテ]]で冬営することを決めた。
*⑧ His litteris<ref>his litteris「これらが書簡により(知られると)」はα系写本の記述で、β系写本では huius anni rebus「この年の事績が(知られると)」と異なっており、huius anni rebus <ex Caesaris> litteris「この年の事績が<カエサルの>書簡により(知られると)」 などと修正提案されている。」</ref> cognitis Romae dierum viginti supplicatio redditur.
**これらが(カエサルの)書簡により知られると、ローマで20日間の感謝祭が許された。
**:<span style="color:#009900;">(訳注:[[ガリア戦記 第2巻#35節|第2巻35節]]では、かつてない15日間の感謝祭が決議されたが、今回はそれを超えるものであった。)</span>
----
*<span style="background-color:#99ff99;">「ガリア戦記 第7巻」了。「[[ガリア戦記 第8巻]]」へ続く。</span>
==脚注==
<references />
==参考リンク==
'''ウィキペディア英語版など'''
*'''[[w:en:Category:Tribes of ancient Gaul|Category:Tribes of ancient Gaul]]'''('''[[w:Category:ガリアの部族|Category:ガリアの部族]]''')- [[w:fr:Catégorie:Personnalité gauloise|fr:Catégorie:Personnalité gauloise]]
**[[w:en:Allobroges|Allobroges]](アッロブロゲス族)
**'''[[w:en:Arverni|Arverni]]'''('''[[w:アルウェルニ族|アルウェルニー族]]''')
**:'''[[w:en:Vercingetorix|Vercingetorix]]'''('''[[w:ウェルキンゲトリクス|ウェルキンゲトリークス]]''')- '''<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Vercingetorix|la:Vercingetorix]]</span>'''
**:[[w:fr:Celtillos|fr:Celtillos]](ケルティッルス);ウェルキンゲトリークスの父
**:[[w:fr:Gobannitio|fr:Gobannitio]](ゴバンニティオ);ウェルキンゲトリークスのおじ
**:[[w:en:Vercassivellaunos|Vercassivellaunos]](ウェルカッスィウェッラウヌス) - <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Vercassivellaunus|la:Vercassivellaunus]]</span>
**:Critognatus(クリトグナトゥス)- <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Critognatus|la:Critognatus]]</span>
**[[w:en:Atrebates|Atrebates]](アトレバテス族)
**:[[w:en:Commius|Commius]]([[w:コンミウス|コンミウス]]):ガッリアとブリタンニアにおけるアトレバテス族の王
**[[w:en:Aedui|Aedui]]([[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]])- '''<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Haedui|la:Haedui]]</span>''';ガッリア中部の有力部族 - [[w:fr:Éduens|fr:Éduens]] <[[w:fr:Catégorie:Éduens|fr:Catégorie:Éduens]]
**:[[w:en:Convictolitavis|Convictolitavis]](コンウィクトリタウィス)- [[w:fr:Convictolitavis|fr:Convictolitavis]]
**:[[w:fr:Cotos|fr:Cotos]](コトゥス)
**:[[w:fr:Litaviccos|fr:Litaviccos]](リタウィックス)
**:エポレドリクス - <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Eporedorix|la:Eporedorix]]</span>
**:ウィリドマルス
**[[w:en:Andes (Andecavi)|Andes (Andecavi)]](アンデス族);現在の[[w:アンジェ|アンジェ]](Angers)周辺の部族
**[[w:en:Aulerci|Aulerci]](アウレルキ族);現在のフランス北西部に居住していた部族連合
**[[w:en:Bellovaci|Bellovaci]](ベッロウァキ族)
**[[w:en:Bituriges|Bituriges]](ビトゥリゲース族);現在の[[w:ブールジュ|ブールジュ]](Bourges)周辺の部族。[[#5節|5節]]でガッリア同盟軍に寝返る。
**[[w:en:Boii|Boii]](ボイイ族)- <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Boii|la:Boii]]</span>;[[w:ボヘミア|ボヘミア]]([[w:la:Bohemia|la:Bohemia]])から移住してきた部族
**Cadurci(カドゥルキー族);現在の[[w:カオール|カオール]](Cahors)周辺の部族 - [[w:fr:Cadurques|fr:Cadurques]]
**:[[w:en:Lucterius|Lucterius]](ルクテリウス);カドゥルキー族の指導者、[[#5節|5節]]を参照。
**[[w:en:Carnutes|Carnutes]](カルヌーテース族);現在の[[w:シャルトル|シャルトル]](Chartres)周辺の部族
**[[w:en:Gabali|Gabali]](ガバリ族)
**Haedui ⇒ Aedui
**[[w:en:Helvii|Helvii]](ヘルウィイ族);ガッリア南部にいたローマの同盟部族
**[[w:en:Lemovices|Lemovices]](レモウィケス族);現在の[[w:リモージュ|リモージュ]](Limoges)周辺の部族
**:[[w:en:Sedullos|Sedullos]](セドゥッルス Sedullus);レモウィケス族の将帥・領袖
**[[w:en:Lingones|Lingones]](リンゴネス族)- [[w:fr:Lingons|fr:Lingons]];現在のラングル([[w:en:Langres|Langres]])周辺の部族
**[[w:en:Mandubii|Mandubii]](マンドゥビイ族);[[w:アレシア|アレスィア]]周辺にいた部族
**Nitiobroges(ニティオブロゲス族)- [[w:fr:Nitiobroges|fr:Nitiobroges]]
**:[[w:fr:Ollovico|fr:Ollovico]](オッロウィコ);ローマ元老院から友人と呼ばれた王
**:[[w:fr:Teutomatos|fr:Teutomatos]](テウトマトゥス);王で、オッロウィコの子
**[[w:en:Parisii (Gaul)|Parisii (Gaul)]]([[w:パリシイ族|パリスィイ族]]);現在の[[w:パリ|パリ]]周辺の部族
**[[w:en:Pictones|Pictones]](ピクトネス族);現在の[[w:ポワチエ|ポワティエ]](Poitiers)周辺の部族
**[[w:en:Remi|Remi]](レーミー族)
**[[w:en:Ruteni|Ruteni]](ルテーニー族)
**[[w:en:Segusiavi|Segusiavi]](セグスィアウィ族)
**[[w:en:Senones|Senones]](セノネース族)- <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Senones|la:Senones]]</span>;現在の[[w:サン (ヨンヌ県)|サン]](Sens)周辺の部族
***[[w:en:Acco|Acco]](アッコー)
**[[w:en:Sequani|Sequani]](セクアニ族)
**[[w:en:Treveri|Treveri]](トレウェリ族)
**[[w:en:Turones|Turones]](トゥロニ族/トゥロネス族);現在の[[w:トゥール (アンドル=エ=ロワール県)|トゥール]](Tours)周辺の部族
**[[w:en:Volcae|Volcae]](ウォルカエ族)
*<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Germani|la:Germani]]</span>(ゲルマニア人)
*'''ガッリアの地名''' - '''[[w:la:Categoria:Urbes Franciae|la:Categoria:Urbes Franciae]]'''(フランスの都市)
**<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Agedincum|la:Agedincum]]</span>(アゲディンクム);現在の[[w:サンス|サンス]]([[w:en:Sens|Sens]])
**[[w:en:Alesia_(city)|Alesia (city)]]([[w:アレシア|アレスィア]])- <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Alesia|la:Alesia]]</span>:現在のアリーズ=サント=レーヌ([[w:fr:Alise-Sainte-Reine|fr:Alise-Sainte-Reine]])
**:'''[[w:en:Battle_of_Alesia|Battle of Alesia]]'''('''[[w:アレシアの戦い|アレスィアの戦い]]''')- '''<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Alesiae_pugna|la:Alesiae pugna]]</span>'''
**[[w:en:Avaricum|Avaricum]] ⇒ [[w:en:Bourges|Bourges]](アウァーリクム - 現在の[[w:ブールジュ|ブールジュ]])- <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Avaricum_Biturigum|la:Avaricum Biturigum]]</span>
**[[w:en:Bibracte|Bibracte]]([[w:ビブラクテ|ビブラクテ]]) - <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Bibracte|la:Bibracte]]</span>:[[w:ハエドゥイ族|ハエドゥイー族]]の首邑。現在のボーヴレ山([[w:fr:Mont_Beuvray|fr:Mont Beuvray]])の山頂に位置していた。
**<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Cabillonum|la:Cabillonum]]</span>(カビッロヌム/カウィッロヌム)- 現在の[[w:シャロン=スュル=ソーヌ|シャロン=スュル=ソーヌ]]([[w:fr:Chalon-sur-Saône|fr:Chalon-sur-Saône]])
**[[w:en:Cenabum|Cenabum]](ケナブム)- 現在の[[w:オルレアン|オルレアン]] - [[w:fr:Cenabum|fr:Cenabum]]
**<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Decetia|la:Decetia]]</span>(デケティア)- [[w:en:Decize|en:Decize]] - 現在のドスィーズ(ドシーズ)([[w:fr:Decize|fr:Decize]])
**[[w:en:Gergovie|Gergovie]](ゲルゴウィア)- <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Gergovia|la:Gergovia]]</span>
**:'''[[w:en:Battle of Gergovia|Battle of Gergovia]]'''('''[[w:ゲルゴウィアの戦い|ゲルゴウィアの戦い]]''')- '''<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Obsidio Gergoviensis|la:Obsidio Gergoviensis]]</span>'''
**[[w:en:Gorgobina|Gorgobina]](ゴルゴビナ);ボイイ族が定住した城塞都市。現在のサン=パリズ=ル=シャテル([[w:en:Saint-Parize-le-Châtel|Saint-Parize-le-Châtel]])またはラ・ゲルシュ([[w:en:La Guerche|La Guerche]])
**'''[[w:en:Lutetia|Lutetia]]'''('''[[w:ルテティア|ルテティア]]'''/ルテキア);[[w:パリシイ族|パリスィイ族]]の首邑、現在の[[w:パリ|パリ市]] - <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Lutetia|la:Lutetia]]</span>
**<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Matisco|la:Matisco]]</span>(マティスコ);現在の[[w:マコン|マコン]](Mâcon)
**Metlosenum(メトロセドゥム/メティオセドゥム/メロドゥーヌム);現在の[[w:ムラン|ムラン]] - <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Melodunum|la:Melodunum]]</span>
**[[w:en:Narbonne|Narbonne]]([[w:ナルボンヌ|ナルボンヌ]];ラテン名ナルボ)- <span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Narbo|la:Narbo]]</span>;ガッリア南部・地中海岸のローマの拠点
**[[w:en:Noviodunum|Noviodunum]](ノウィオドゥーヌム)- 現在のヌン=スュル=ブーヴロン([[w:en:Neung-sur-Beuvron|Neung-sur-Beuvron]])と推定されている。従来はローヌ川沿いの[[w:サンセール|サンセール]]([[w:en:Sancerre|Sancerre]])が有力だった
**[[w:en:Vellaunodunum|Vellaunodunum]](ウェッラウノドゥーヌム)- [[w:fr:Vellaunodunum|fr:Vellaunodunum]];現在のモンタルジ([[w:en:Montargis|Montargis]])やボーヌ=ラ=ロランド([[w:en:Beaune-la-Rolande|Beaune-la-Rolande]])、シャトー=ランドン([[w:en:Château-Landon|Château-Landon]])などと推定されている
**[[w:en:Vienne, Isère|Vienne, Isère]](ヴィエンヌ;ラテン名ウィエンナ)- [[w:la:Vienna|la:Vienna]]
*'''ガッリアの地形'''
**Cevenna(ケウェンナ山地):現在のセヴェンヌ山地([[w:fr:Cévennes|fr:Cévennes]]・[[w:en:Cévennes|Cévennes]])
**<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Elaver|la:Elaver]]</span>(エラウェル川):現在の[[w:アリエ川|アリエ川]]([[w:fr:Allier (rivière)|fr:Allier (rivière)]])
**<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Liger|la:Liger]]</span>(リゲル川):現在の[[w:ロワール川|ロワール川]]([[w:fr:Loire (fleuve)|fr:Loire (fleuve)]])
**<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Rhenus|la:Rhenus]]</span>(レヌス川):現在の[[w:ライン川|ライン川]]([[w:fr:Rhin|fr:Rhin]])
**<span style="background-color:#ffff00;">[[w:la:Rhodanus|la:Rhodanus]]</span>(ロダヌス川):現在の[[w:ローヌ川|ローヌ川]]([[w:fr:Rhône|fr:Rhône]])
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*イタリア方面
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オペレーティングシステム
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2026-07-08T12:18:03Z
AkiR27User
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本書は、コンピュータシステムにおける中心的な役割を果たすオペレーティングシステム(OS)の深層に迫ることを目的としています。OSは、プロセス管理、メモリ管理、ファイルシステム、デバイス管理、セキュリティ、そしてプロセス間通信といった多岐にわたる機能を通じて、コンピュータの効率的な運用と安定性を支えています。本書では、これらの基本的かつ重要な要素に焦点を当て、理論的な背景から実践的な応用に至るまで、読者に体系的かつ深い理解を提供します。
オペレーティングシステムの設計思想とその進化は、現代の計算機科学における基盤であり、システムの性能、セキュリティ、柔軟性に決定的な影響を与えることを本書を通じて明確にします。読者は、OSの構造を単なる抽象的な理論として捉えるのではなく、実際のシステムにおける適用方法とその効果を理解することが求められます。
本書は、学生、研究者、そして業界の実務者が、オペレーティングシステムに関する深い知識を培い、現実の問題解決に結びつけるための道標となることを目指しています。技術的な詳細に立脚しながらも、各章はその背後にある理論と実務の架け橋となることを意図し、全ての読者が実践的な視点をもって学びを深められるように構成されています。
== 序論 ==
=== コンピューターシステムの概要 ===
現代社会において、コンピューターシステムは我々の日常生活やビジネス活動において不可欠な存在となっています。この章では、コンピューターシステムの根幹をなす基本構成要素に焦点を当て、その洗練された構造が如何にして機能するかを探求します。
==== ハードウェアの役割 ====
プロセッサ、メモリ、デバイスなどのハードウェアは、コンピューターシステムの根幹をなす要素であり、計算とデータ処理の基盤を提供しています。プロセッサは高度な演算能力を有し、プログラムの実行やデータ処理を担当します。メモリは、プロセッサが効率的にアクセスできるようにデータや命令を一時的に保持し、効率的な処理を支えます。デバイスは、入出力を制御し、外部機器との連携を担当します。これらのハードウェアコンポーネントが連携することで、コンピューターシステムは多様なタスクを遂行し、我々の日常生活に欠かせない存在となっています。
==== ソフトウェアの役割 ====
ソフトウェアは、ハードウェアを効果的に制御し、様々なタスクを実行します。オペレーティングシステムは、ハードウェア資源を管理し、アプリケーションソフトウェアが効果的に動作する環境を提供します。アプリケーションソフトウェアは、ユーザーのニーズに合わせて機能し、データの処理や情報の提供などを行います。ソフトウェアの協力により、ユーザーエクスペリエンスが向上し、リソースが最適に利用されます。
==== 通信機構の役割 ====
ネットワーク技術や通信プロトコルは、異なるコンピューターシステム同士を結びつけ、情報の共有と連携を可能にします。これにより、データの移動やリモートアクセスが実現され、情報社会の基盤を支えています。通信機構によって、地理的な制約を超えてリソースや情報を利用できるようになり、グローバルなコネクティビティが形成されます。これらの要素が緊密に連携し、複雑な機能を実現しているコンピューターシステムの進化を探求します。
=== オペレーティングシステムの役割と進化 ===
オペレーティングシステム(OS)は、コンピューターシステムにおいて不可欠な仲介者としての役割を果たしています。その基本的な役割は多岐にわたり、コンピュータの効率的な運用とユーザーエクスペリエンスの向上を担保します。この節では、オペレーティングシステムが果たす主要な役割に焦点を当て、その進化と歴史的変遷を明らかにします。
; [[#プロセス管理|プロセス管理]]
: オペレーティングシステムは、同時に複数のプロセスを実行し、リソースの適切な割り当てとスケジューリングを担当します。これにより、複数のタスクが同時に実行され、効率的な利用が可能となります。
; [[#メモリ管理|メモリ管理]]
: メモリの管理は、オペレーティングシステムが物理メモリを仮想メモリにマッピングし、アプリケーションが必要なメモリを確保できるようにする役割を果たします。ページングやセグメンテーションなどの手法が導入され、効率的なメモリ使用が可能となります。
; [[#ファイルシステム|ファイルシステム]]
: オペレーティングシステムは、データの永続的な保存やアクセスを管理するためにファイルシステムを提供します。ディレクトリ構造、ファイルの作成、読み書き、削除などの機能が含まれます。
; [[#デバイス管理|デバイス管理]]
: デバイスドライバや入出力の管理を通じて、オペレーティングシステムは様々なデバイスとの通信を取り持ちます。プリンタ、ハードディスク、ネットワークカードなど、異なるデバイスとの連携を調整し、シームレスな操作を提供します。
==== 進化と挑戦 ====
オペレーティングシステムはその発展の中で、様々な進化と挑戦に直面してきました。時代とともに変わる技術や要件に順応し、新たな機能やアーキテクチャが取り入れられてきました。
以下はその進化の一端を探るものです。
; 分散コンピューティングの台頭: インターネットの普及と共に、分散コンピューティングが注目を浴びました。オペレーティングシステムは、複数のコンピュータが連携して処理を行う分散環境に対応する必要があり、ネットワーキングや通信プロトコルの統合が求められました。
; 仮想化技術の導入: 仮想化技術が台頭する中、オペレーティングシステムはハイパーバイザーといった仮想化層を介して、複数の仮想マシンをホストする能力を備えるようになりました。これにより、物理リソースの柔軟な利用や隔離が可能となりました。
; クラウドコンピューティングの普及: クラウドコンピューティングの浸透により、オペレーティングシステムはクラウド環境に最適化されるよう進化しました。サービス提供者としての要件や、クラウド上で動作するアプリケーションの要求に対応するための新たな機能が組み込まれました。
; セキュリティの強化: インターネットの普及に伴い、セキュリティの脅威も増加しました。オペレーティングシステムは、より堅牢でセキュアな動作を保証するための仕組みを導入し、ユーザーデータやシステムの安全性を向上させる方向に進化しました。
; リアルタイム処理の要請: リアルタイム性が求められるシステムが増加する中、オペレーティングシステムはリアルタイム処理への対応が重要となりました。組み込みシステムや制御システムにおいて、時間的な制約を満たすことが要求されています。
; モバイルデバイスへの適応: スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスが普及するにつれ、オペレーティングシステムはモバイルプラットフォームに特化した機能やエネルギー効率の向上などに焦点を当てました。
これらの進化と挑戦は、オペレーティングシステムが未来の技術とニーズに対応し続けるための基盤となっています。将来的な展望では、人工知能、量子コンピューティング、エッジコンピューティングなどが新たな課題となり、オペレーティングシステムはこれらの分野においてどのように進化していくかが注目されています。
=== 基本的な概念と用語の紹介 ===
オペレーティングシステムの理解には、複数の基本的な概念や用語への理解が欠かせません。これらの用語の統一的な理解が、後の章で深化する知識の基盤となります。
; プロセス: プロセスは、実行中のプログラムのインスタンスであり、メモリ上での実行状態を指します。オペレーティングシステムはプロセスの生成、スケジューリング、同期、通信などを管理し、複数のプロセスが協調して作業できるようにサポートします。
; メモリ管理: メモリ管理は、プログラムやデータがメモリ内でどのように配置され、アクセスされるかを制御します。仮想メモリ、ページング、セグメンテーションなどの概念が含まれ、オペレーティングシステムがメモリリソースを最適に利用できるようにします。
; ファイル: ファイルはデータを永続的に保存するための概念であり、オペレーティングシステムが提供するファイルシステムによって管理されます。ファイルはディレクトリに組織され、構造的に管理されます。
; デバイス: デバイスは、コンピューターシステムと外部機器とのインターフェースを提供する要素です。デバイスはデバイスドライバによって制御され、オペレーティングシステムとの間で効果的な通信を実現します。
; ファイルディスクリプタ: ファイルディスクリプタは、オープンされたファイルやデバイスへのアクセスを識別するための抽象的な概念です。プロセスはファイルディスクリプタを使用してファイルやデバイスにアクセスし、読み書きなどの操作を行います。
; システムコール: システムコールは、ユーザープログラムがオペレーティングシステムのサービスを利用するための手段です。プロセスがオペレーティングシステムに対してリクエストを送り、必要なサービスを受けることができます。
これらの基本的な概念と用語への理解が、オペレーティングシステムにおけるさまざまな機能やメカニズムを理解する上での出発点となります。深い知識の構築に向けて、これらの概念を綿密に理解していきましょう。
{{コラム|width=stretch|最初のオペレーティングシステムは?|2=最初のオペレーティングシステム(OS)は、1950年代に開発された「GM-NAA I/O」(General Motors - North American Aviation Input/Output System)とされています。これは、IBM 701コンピューターのために開発されたもので、バッチ処理システムとして機能しました。
その後、1956年には「GM-NAA I/O」を拡張し、より洗練された機能を持つオペレーティングシステム「SHARE Operating System」が登場しました。これは、ユーザーが独自のプログラムを開発し、それを他のユーザーと共有するための環境を提供しました。
一方で、UNIVAC Iコンピューターのために開発された「EXEC I」も初期のオペレーティングシステムの一例です。これは、バッチ処理をサポートするもので、1950年代後半に登場しました。
最初のオペレーティングシステムの起源についての議論が存在しますが、Fortranモニタもその一例です。Fortranモニタは、1956年にIBM 704コンピューターのために開発されたもので、バッチ処理をサポートするためのものでした。これは、プログラムの実行順序やリソースの管理を行う初期のオペレーティングシステムの特徴を持っています。
ただし、同時期に他のシステムでもオペレーティングシステムに近い機能を果たるものが開発されており、最初のオペレーティングシステムが何であるかについては議論の余地があります。初期のコンピューターでは、プログラム実行やリソース管理に関する機能が、特定のプログラムやモニタープログラムなどに分散していたことが一般的でした。
これらの初期のオペレーティングシステムは、コンピューターのリソース(特にプリンタやテープドライブなどの入出力装置)を効率的に利用するためのもので、その後の発展に影響を与えました。
}}
<!--
OSをモニタという慣習
"モニタ"(Monitor)という用語がオペレーティングシステムに関連して使われるようになったのは、初期のコンピュータシステムの時代に遡ります。この用語は、コンピュータ科学の歴史の中でいくつかの意味合いで使われてきました。
初期の時点では、"モニタ"はプログラムや処理の監視を指す言葉として使われていました。例えば、FortranモニタやIBM 704のGM-NAA I/Oモニタなどがその一例です。これらのモニタは、バッチ処理やジョブ制御、リソース管理を担当していました。
その後、"モニタ"の概念はオペレーティングシステム全体を指す一般的な用語へと発展しました。1960年代には、オペレーティングシステム全体を指して"モニタプログラム"(Monitor Program)と呼ばれ、これが次第に"オペレーティングシステム"としての意味を帯びるようになりました。
このような言葉の変遷は、初期のコンピュータ科学の発展とともに進み、異なるコンピュータ環境やプロジェクトでの用語の使い方が重なり合って形成されました。
::リアルタイムモニタ・マルチタスクモニタなど
-->
== プロセス管理 ==
=== プロセスの基本概念 ===
プロセスは、コンピュータシステム内で実行されるプログラムの実行単位です。それはプログラムのコード、データ、実行状態など、実行に必要な情報を含みます。プロセスには一意のプロセスIDが割り当てられ、オペレーティングシステムはこれらのプロセスを管理し、リソースの割り当てや制御を担当します。
=== プロセスのスケジューリングと管理 ===
プロセスのスケジューリングと管理
プロセスのスケジューリングは、複数のプロセスが競合する場合に、どのプロセスを優先して実行するかを決定する仕組みです。スケジューリングアルゴリズムは、公平性、優先度、待ち時間などの要因を考慮して、効率的かつ公正なリソース利用を実現します。オペレーティングシステムはまた、プロセスの生成、終了、中断などを管理し、メモリやCPUの効率的な利用を促進します。
=== プロセス同期と通信 ===
複数のプロセスが同時に実行される際に、これらのプロセスが協調して動作するためには、プロセス同期と通信が必要です。同期は、プロセス間での相互の進捗状況を合わせ、競合状態やデータ不整合を防ぎます。通信は、プロセス間でデータを受け渡し、情報を共有するための仕組みです。これにより、連携してタスクを達成することが可能となります。
=== プロセス間通信と同期の機構 ===
オペレーティングシステムは、異なるプロセス間でデータを共有し、同期を図るためにさまざまな機構を提供します。共有メモリ、パイプ、メッセージキュー、セマフォ、モニタなどがその例です。これらの機構を適切に使用することで、プロセス間の協調動作やデータの安全な受け渡しが可能となります。
プロセス管理はオペレーティングシステムの中核的な機能であり、効率的で安定したシステム運用を支えます。各概念や機構の理解は、システム設計やプログラミングにおいて重要です。
==== BSD Socket ====
BSD Socket(Berkeley Software Distribution Socket)は、ネットワーク通信のためのAPI(アプリケーションプログラミングインターフェース)です。BSD UNIXオペレーティングシステムにおいて開発され、後に標準的なネットワークプログラミングのインターフェースとして多くのオペレーティングシステムで採用されました。BSD Socketは、ソケットを用いてプロセス間通信やネットワーク通信を実現するための機能を提供します。
BSD UNIXではSocketを使ってパイプなどのIPC(プロセス間通信)も再実装されました。BSD UNIXが開発された際、Socketを通じたネットワーク通信だけでなく、プロセス間通信の手段としてもSocketが利用され、パイプなどが再構築されました。
BSD Socket APIはその後、SystemVを含む多くのUNIX系オペレーティングシステムに採用され、ネットワークとIPCの両方で幅広く使用されるようになりました。
==== SystemV STREAMS ====
SystemV STREAMS(StreamS)は、UNIX System Vオペレーティングシステムで導入された通信機構です。STREAMSは、モジュール化された通信プロトコルスタックを提供し、柔軟で効率的なデータの受け渡しを可能にします。これは、プロセス間通信やデバイス制御において、標準的なインターフェースとして使用されました。 STREAMSはUNIXの派生版や一部の商用UNIXオペレーティングシステムでサポートされています。
{{コラム|width=stretch|BSDとSystem V|2=BSD(Berkeley Software Distribution)とSystem Vは、UNIXオペレーティングシステムの2つの主要な派生系統です。これらは、UNIXの発展と普及の過程で異なるアプローチや機能を取り入れ、それぞれの特徴を持っています。
; BSD (Berkeley Software Distribution)
: BSDは、カリフォルニア大学バークレー校で開発されたUNIXの派生です。BSD UNIXは、ネットワーク機能の強化やTCP/IPプロトコルの導入、さらにはパフォーマンスの向上など、多くの革新的な機能を提供しました。また、BSDはオープンソースのUNIXシステムとして、多くのUNIX系オペレーティングシステムに影響を与えました。
:主な特徴として、BSD Socket API(ネットワーク通信用のAPI)やファイルシステムの改善、プロセス間通信の機能の追加などがあります。
; System V
: System Vは、AT&T(アメリカン・テレフォン・アンド・テレグラフ)社が開発したUNIXの派生で、商業的なUNIXオペレーティングシステムの基盤として採用されました。System Vは、UNIXの標準規格であるPOSIXに強く準拠し、標準化されたAPIやサービスを提供しました。
: System Vの特徴として、System V IPC(プロセス間通信機構)、標準的なランレベルの導入、共有ライブラリのサポートなどが挙げられます。
; 統合と相互影響
: UNIXの歴史では、これらの2つの系統が相互に影響を与え合いました。多くのUNIXオペレーティングシステムは、BSDとSystem Vの機能を組み合わせて採用しています。例えば、System V IPCとBSD Socket APIを同時にサポートするなどが行われています。
}}
== メモリ管理 ==
オペレーティングシステムのメモリ管理は、コンピュータのメモリ資源を効果的に管理する仕組みです。これにより、複数のプログラムが同時に実行され、物理メモリを適切に利用できます。メモリ管理はプロセスの割り当てや解放、ページング、セグメンテーション、仮想メモリの導入などを含み、システムの安定性と性能を確保します。
=== メモリの階層構造と管理 ===
メモリ管理は、コンピューターシステムにおける重要な側面であり、メモリは階層的な構造を有しています。この階層には、コンピュータがデータを処理する際に使用される異なるタイプのメモリが含まれます。最も高速で直接アクセス可能なのがレジスタであり、次にキャッシュ、主記憶(RAM)、そして補助記憶(ハードディスクなど)が続きます。この章では、各メモリ階層がどのように機能し、効果的に管理されるかを探求します。
レジスタはCPU内部にあり、非常に高速でありながらも容量が非常に小さいため、プロセッサが即座にアクセスできるデータを格納します。キャッシュは主記憶とプロセッサ間のデータ転送を高速化するための中間的なメモリであり、主記憶はプロセッサが直接アクセスする大容量のメモリです。補助記憶は永続的なデータの保存やプログラムの読み込みに用いられます。
=== 仮想記憶とは? ===
仮想記憶は、主記憶装置と補助記憶装置から構成される記憶領域であり、補助記憶装置を安価で大容量のデバイスとして使用することで、プログラマが仮想記憶上で大容量の主記憶装置が実装されているかのようにプログラミングを行うことができる概念です。
=== ページングとセグメンテーション ===
ページングとセグメンテーションは、仮想記憶の管理手法であり、物理メモリの効率的な利用を目指しています。
ページングでは、メモリを固定サイズのページに分割し、プログラムの実行に必要なページだけを動的に読み込みます。これにより、物理メモリの空間が節約され、必要なページだけが物理メモリに配置されます。ページングは、デマンドページングの手法を使用し、プロセスがアクセスしようとするページが物理メモリに存在しない場合にページフォルトが発生し、必要なページが動的に読み込まれます。
一方、セグメンテーションでは、プログラムを論理的なセグメントに分割し、必要なセグメントだけを物理メモリに読み込むことでメモリを効果的に利用します。各セグメントは論理的なまとまりを持ち、柔軟なメモリ管理が可能です。
これらの手法は、コンピュータシステムのメモリ管理において重要であり、効率的なリソース利用と性能向上に寄与しています。
=== 仮想記憶とページフォルト ===
仮想記憶は、物理メモリを補完するための概念であり、プロセスにとっては拡張されたメモリ空間を提供します。通常、プロセスは必要なだけのメモリを仮想的に確保できるため、物理メモリよりも広範なメモリアクセスが可能です。しかし、すべての仮想記憶が物理メモリに常時格納されているわけではありません。
ページフォルトは、プログラムが物理メモリにアクセスしようとした際に発生します。もし必要なページが物理メモリに存在しない場合、オペレーティングシステムはページフォルトを検知し、必要なページをディスクや他の補助記憶装置から読み込みます。これにより、物理メモリの限られたスペースに必要なページだけを動的に配置することが可能となります。
ページフォルトのハンドリングは、仮想記憶の有効活用と効率的なメモリ使用を実現します。オペレーティングシステムは必要なページを要求された時点で読み込むため、大きなプログラムやデータセットを処理する際にも物理メモリを効果的に活用できます。
=== デマンドページング方式の仮想記憶の仕組み ====
デマンドページング方式の仮想記憶は、ページングとPMMU(Paged Memory Management Unit)との連携によって実現されます。
以下に、その仕組みについて簡単に説明します。
;仮想記憶の基本概念:仮想記憶は、物理メモリを補完するための概念であり、プロセスにとっては仮想的に拡張されたメモリ空間を提供します。プロセスが物理メモリよりも大きなメモリ空間を確保できるため、大規模なプログラムやデータセットを扱う際に柔軟性が向上します。
;デマンドページング方式:デマンドページングでは、プロセスの実行に必要な部分だけが物理メモリに読み込まれます。
プロセスが初めてアクセスしようとするメモリ領域に対して、そのページが物理メモリに存在しない場合にページフォルトが発生します。ページフォルトが発生すると、オペレーティングシステムは必要なページを補完的に物理メモリに読み込みます。
;PMMUの役割
: PMMU(Paged Memory Management Unit)は、プログラムが物理メモリにアクセスする際に、それを対応する物理メモリアドレスに変換する役割を果たします。
:仮想メモリ空間から物理メモリへのマッピングを行い、ページテーブルと呼ばれるデータ構造を使用して各ページの対応を管理します。
:ページフォルトが発生すると、PMMUはオペレーティングシステムに通知し、必要なページをディスクから読み込む手続きを開始します。
;具体的な仕組み
:プロセスがアクセスしようとする仮想メモリのページが物理メモリに存在しない場合、PMMUはページフォルトを検知し、オペレーティングシステムに制御を移譲します。
:オペレーティングシステムはディスク上にある対応するページを探し、必要なページを物理メモリに読み込みます。
:読み込まれたページの情報をページテーブルに更新し、PMMUが再度プロセスの実行を再開します。
仮想記憶、デマンドページング、PMMUが組み合わさることで、大容量の仮想メモリを有効に利用しながら、物理メモリを必要に応じて動的に確保し、効率的にプロセスを実行することが可能となります。
==== デマンドページング方式以外の設計と実装 ====
仮想記憶の実装には、デマンドページングとPMMU以外にもいくつかのアプローチが存在します。以下に、その一部を紹介します。
;セグメンテーション
:セグメンテーションは、プログラムやデータを論理的なセグメントに分割し、それぞれのセグメントを物理メモリ上に配置します。
:各セグメントは異なるサイズや属性を持ち、プロセスが必要なセグメントだけを物理メモリに読み込むことができます。
:セグメンテーションは、ページングと組み合わせて使用されることもあります。
;ページングとセグメンテーションの組み合わせ:
:ページングとセグメンテーションを組み合わせたアプローチでは、セグメンテーションで大まかなメモリ管理を行い、各セグメント内でページングを使用して詳細なメモリアクセスを制御します。
:これにより、柔軟性と効率の両方を備えた仮想メモリ管理が可能となります。
;アドレススペースの共有:
:複数のプロセスが同じ物理メモリ領域を共有するアプローチもあります。これにより、プロセス間でデータを共有しやすくなります。
:共有メモリとして知られるこの手法は、IPC(Inter-Process Communication)やスレッド間通信などに利用されることがあります。
;スワッピング:
:スワッピングは、物理メモリ上のページをディスク上に移動させる手法です。これにより、物理メモリの不足時にプロセスの一部をディスクにスワップアウトし、必要なページをスワップインすることができます。
:スワッピングはデマンドページングと併用され、物理メモリの制約に対処します。
これらの手法は、システムの要件や特性によって異なる利用があり、適切な組み合わせが選択されます。
==== 初期の仮想記憶の実装例 ====
===== Atlas Supervisorの仮想記憶 =====
初期の仮想記憶の実装例として、Atlasコンピュータが挙げられます。Atlasは、1960年代初頭にイギリスのマンチェスター大学で開発された大型のコンピュータシステムで、仮想記憶の概念を実現しました。Atlasの仮想記憶システムは、当時のコンピュータシステムと比較して先進的で、ページング・ページテーブル・プロセス間の分離などの特徴がありました。
{{See|[[#Atlas Supervisor (1962)}}}}
Atlasの仮想記憶システムは、その後のコンピュータアーキテクチャの発展に影響を与え、ページングや仮想記憶の考え方が広く受け入れられる基盤を築きました。
===== MULTICS/GE645の仮想記憶 =====
MULTICS(Multiplexed Information and Computing Service)は、仮想記憶を採用した初期の商用オペレーティングシステムの一つです。MULTICSは、General Electric(GE)、Bell Labs(AT&T)、およびMIT(Massachusetts Institute of Technology)の共同開発プロジェクトとして始まり、GE-645メインフレームコンピュータ上で動作しました。
{{See|[[#MULTICS (Multiplexed Information and Computing Service) (1969)]]}}
MULTICSは、セキュリティや拡張性の向上を含む様々な革新的な機能を持っていましたが、その中でも特に注目されたのが仮想記憶の導入でした。MULTICSの仮想記憶は、物理メモリよりも大きな仮想メモリ空間をプログラムに提供し、必要な部分だけを物理メモリに配置することで、大規模なプログラムや複数のプロセスを同時に実行できるようになりました。
MULTICSの仮想記憶は、ページングとセグメンテーションを組み合わせた方式を採用していました。これにより、プログラムやデータを効率的に管理し、ユーザーに対して広い仮想アドレス空間を提供できました。MULTICSの仮想記憶は、その後のオペレーティングシステムにおける仮想記憶の発展に影響を与えました。
==== 最も古い商用仮想記憶実装 ====
商用で最初に導入された仮想記憶システムの一つは、IBMの「System/360 Model 67」が含まれます。このシステムは、1966年に導入されました。System/360 Model 67は、プログラムが物理メモリに収まりきらなくても実行できるようにするために、仮想記憶の概念を採用していました。
System/360 Model 67の仮想記憶システムは、プログラムが実際の物理メモリよりも大きなサイズであっても実行でき、必要な部分だけを物理メモリに読み込む仕組みを持っていました。これにより、大規模で複雑なプログラムを効率的に実行できるようになりました。
=== メモリ保護とアクセス制御 ===
メモリ保護は、プロセスがメモリを読み書きできるかどうかを管理します。アクセス権の設定やセグメンテーションにおけるセグメント保護など、様々な手法が存在します。これらの手法により、オペレーティングシステムはプロセスが正しくメモリにアクセスできるように制御します。
アクセス権は通常、読み取り専用、読み書き可能、実行可能などの形式で指定され、各プロセスが必要な権限を持つかどうかを管理します。セグメンテーションにおいては、各セグメントに対して保護フラグが設定され、プロセスはそれに基づいてメモリへのアクセスを制御します。これにより、異なるプロセスがお互いのメモリを不正にアクセスすることを防ぎ、システム全体のセキュリティを確保します。
=== 用語集 ===
以下は、OSのメモリ管理に関連する用語の一覧です。
;メモリ管理 (Memory Management):コンピュータのメモリリソースを管理し、プロセスが必要なメモリを確保・解放する仕組み。
; 物理メモリ (Physical Memory):コンピュータの本来のメモリ装置で、RAM(ランダムアクセスメモリ)などが該当。
;仮想メモリ (Virtual Memory):物理メモリの拡張として、補助記憶装置(ハードディスクなど)を仮想的にメモリとして利用する概念。
;ページング (Paging):メモリを固定サイズのページに分割し、プロセスの実行に必要なページだけを読み込む手法。
;セグメンテーション (Segmentation):プログラムやデータを論理的なセグメントに分割し、必要なセグメントだけをメモリに読み込む手法。
;ページフォルト (Page Fault):プログラムが物理メモリにアクセスしようとした際に、対応するページが物理メモリに読み込まれていない場合の例外。
;デマンドページング (Demand Paging):プログラムが必要なページだけを必要な時点で読み込む方式。
;MMU (Memory Management Unit):メモリアクセスの制御を担当するハードウェアユニット。
;PMMU (Paged Memory Management Unit):ページングをサポートするためのハードウェアユニット。
;メモリフラグメンテーション (Memory Fragmentation):メモリ領域が小さな断片に分かれることで、効率的なメモリ使用が難しくなる現象。
;スワッピング (Swapping):プロセスが物理メモリからディスク上のスワップ領域に一時的に移動されること。
;メモリプール (Memory Pool):メモリを効率的に管理するために、同一サイズのメモリ領域をまとめてプールとして管理する仕組み。
;メモリマッピング (Memory Mapping):ファイルやデバイスをメモリに対応付け、メモリ上で直接アクセスできるようにする仕組み。
;メモリキャッシュ (Memory Cache):メモリの一部をキャッシュとして使用し、高速なアクセスを可能にする手法。
;メモリアロケーション (Memory Allocation):プロセスに必要なメモリ領域を確保する処理。
;メモリ解放 (Memory Deallocation):プロセスが使用していたメモリ領域を解放し、再利用可能にする処理。
;メモリオーバーヘッド (Memory Overhead):メモリ管理に伴う余分なコストやリソースの使用。
;メモリ保護 (Memory Protection):プロセスが他のプロセスやオペレーティングシステムのメモリにアクセスできないようにする仕組み。
;メモリマネージャ (Memory Manager):オペレーティングシステム内でメモリを管理するソフトウェアコンポーネント。
;セグメントフォルト (Segmentation Fault):プログラムが許可されていないメモリにアクセスしようとした際に発生する例外。
== ファイルシステム ==
オペレーティングシステムのファイルシステムは、データを整理して保存する仕組みです。ファイルやディレクトリを階層的に管理し、アクセスや保護機能を提供します。これにより、ユーザーはデータを構造的に保存・取得でき、プログラムやシステムが必要な情報にアクセスできます。ファイルシステムはデータの整合性と永続性を保ち、効率的なデータ管理を実現します。
=== ファイルとディレクトリの基本 ===
=== ファイルシステムの構造と操作 ===
=== ディスク管理とデータの永続性 ===
=== ファイルシステムとディスクリプタ管理 ===
== デバイス管理 ==
オペレーティングシステムのデバイス管理は、コンピュータ内外のハードウェアデバイスとの効率的な通信を担当します。デバイスドライバを介し、異なるデバイスとのインタラクションを標準化し、アプリケーションやユーザーがハードウェアを利用できるようにします。デバイス管理はデバイスの初期化、資源割り当て、エラーハンドリングなどを通じてシステムの正確かつ円滑な動作を確保します。
=== デバイスドライバとハードウェアインターフェース ===
=== 入出力制御とバッファリング ===
=== デバイスの割り込みとポーリング ===
=== デバイスの仮想化とディスクリプタ管理 ===
== セキュリティとケーパビリティ ==
オペレーティングシステムのセキュリティは、機密性、整合性、可用性を保護し、不正なアクセスからシステムを守ります。一方で、ケーパビリティはユーザーやプロセスが持つ権限や操作可能な範囲を制御し、機能の適切な利用を促進します。セキュリティとケーパビリティの統合は、システム全体の信頼性と安定性を確保します。
=== セキュリティの基本概念 ===
=== セキュリティポリシーとメカニズム ===
=== ケーパビリティと権限管理 ===
=== セキュアなオペレーティングシステムの概念 ===
== プロセス間通信とネットワーキング ==
オペレーティングシステムのプロセス間通信(IPC)は、プロセス間で情報をやり取りするメカニズムで、共有メモリやメッセージパッシングなどが利用されます。ネットワーキングは、複数のシステムが通信してリソースを共有し、分散処理やデータ交換を可能にします。これらはオペレーティングシステムが異なるプロセスやシステム間で効果的なコミュニケーションをサポートする重要な機能です。
=== プロセス間通信の基本概念とメカニズム ===
=== ネットワーキングとオペレーティングシステムの連携 ===
=== 分散オペレーティングシステムの概念 ===
== 実装と最適化 ==
オペレーティングシステムの実装と最適化は、カーネルの構造や設計、システムコールとAPIの効果的な提供、パフォーマンス向上と最適化の手法を含みます。カーネルはOSの中核で、システムコールやAPIはユーザーとOSのやり取りを制御します。最適化は効率的な動作やリソース利用を追求し、高いパフォーマンスを実現します。
=== カーネルの構造と設計 ===
=== システムコールとAPI ===
=== パフォーマンス向上と最適化の手法 ===
== 実際のオペレーティングシステムの設計と実装 ==
ここからは、実在のオペレーティングシステムを題材に、その設計と実装について解説します。
=== Atlas Supervisor (1962) ===
Atlas Supervisorは、Manchester Universityで開発された世界初のバッチ処理オペレーティングシステムの一つです。
Atlasコンピュータ向けに設計され、当初は並列処理やリアルタイム処理をサポートしていました。以下に、Atlas Supervisorが提供していた主な機能について見ていきましょう。
;バッチ処理: Atlas Supervisorは、複数のジョブをまとめて処理するバッチ処理をサポートしていました。これにより、ユーザーはジョブを順次実行し、リソースを最適に利用することができました。
;メモリ管理
:Atlasの仮想記憶システムは、当時のコンピュータシステムと比較して先進的で、以下の特徴がありました:
:;ページング
::Atlasはページング方式を採用していました。メモリは固定サイズのページに分割され、プログラムがアクセスしようとするページが物理メモリに存在しない場合にページフォルトが発生しました。
::ページングは物理メモリの効率的な利用を可能にし、大規模で複雑なプログラムを扱う際に重要な役割を果たしました。
:;プロセス間の分離:
::Atlasでは、各プログラム(プロセス)が独立した仮想記憶空間を持ち、他のプログラムのメモリにアクセスすることが制限されました。これにより、プロセス間のデータ保護が実現されました。
:;ページテーブル:
::Atlasでは、ページングを管理するためにページテーブルが使用されました。ページテーブルには各ページの物理アドレスと仮想アドレスの対応関係が格納され、ページフォルト時に参照されました。
::Atlasの仮想記憶システムは、その後のコンピュータアーキテクチャの発展に影響を与え、ページングや仮想記憶の考え方が広く受け入れられる基盤を築きました。
;プロセス管理: ジョブの実行は、プロセス管理の観点からも注目されました。Atlas Supervisorは、異なるジョブやプロセスが競合することなく実行されるように調整されていました。
;ファイルシステム: ファイルシステムの概念は、Atlas Supervisorにおいても存在していました。ジョブがデータを永続的に保存し、後続のジョブでそれを利用できるようになっていました。
;ユーザーコミュニケーション: 当初のバッチ処理向けのシステムではありますが、Atlas Supervisorはユーザーとの対話も可能でした。ユーザーはジョブのセットアップや結果の確認を行うことができました。
Atlas Supervisorは当時のハードウェアと調和して、計算機利用の合理性を追求した先進的なオペレーティングシステムであり、その後のオペレーティングシステムの発展に影響を与えました。
=== CTSS (Compatible Time-Sharing System) (1961) ===
MIT(マサチューセッツ工科大学)で開発されたCTSSは、1961年に初めて導入されたオペレーティングシステムの一つで、仮想記憶の概念を取り入れていました。これにより、複数のユーザーが同時にメインフレームを使用できるようになりました。
=== IBM System/360 Model 67 (1966) ===
IBM System/360 Model 67は、セグメンテーションとページングを組み合わせた仮想記憶をサポートしたメインフレームコンピュータでした。これにより、大規模な科学計算やビジネスアプリケーション向けに柔軟で効率的なメモリ管理が可能となりました。
=== MULTICS (Multiplexed Information and Computing Service) (1969) ===
MULTICSは、ベル研究所、MIT、およびゼネラル・エレクトリック(GE)が共同で開発したオペレーティングシステムで、セグメンテーションとページングを採用し、仮想記憶の概念を拡張しました。MULTICSのアイディアは後にUNIXに影響を与えました。
MULTICSはUNIXに影響を与えた重要な要因の一つとされています。MULTICSプロジェクトに携わっていたKen Thompson、Dennis Ritchie、そしてその他の開発者たちが、MULTICSの経験から得た教訓を元に新しいオペレーティングシステムであるUNIXを開発しました。
UNIXは、MULTICSよりもシンプルで軽量な設計を持っており、小規模なマシンでも動作可能でした。MULTICSでの経験がUNIXの設計に影響を与え、シェル、ファイルシステム、プロセス管理などの概念が引き継がれました。UNIXは1970年代から広く普及し、その後のオペレーティングシステムの発展に大きな影響を与えました。
UNIXがMULTICSから模倣または影響を受けた具体的な機能や概念はいくつかあります。
以下はその一部です:
;コマンドインタプリタ(シェル)
:;MULTICSの影響: MULTICSは、コマンドとプログラムの実行を補完する強力なコマンド言語を持っていました。
:;UNIXの実装: Ken ThompsonがMULTICSでの経験をもとに、UNIXにはシンプルながら柔軟で拡張可能なシェルが実装されました。初期のUNIXのシェルとしては、ThompsonシェルやBourneシェルがありました。
;階層ファイルシステム:
:;MULTICSの影響: MULTICSは階層型のファイルシステムを採用しており、ユーザーがデータやプログラムを整理しやすい構造を提供していました。
:;UNIXの実装: UNIXはこれを受けて、階層型ファイルシステムを採用しました。ディレクトリやサブディレクトリの概念がUNIXに取り入れられ、パス指定でのファイルアクセスが可能となりました。
;プロセスとプロセス管理:
:;MULTICSの影響: MULTICSでは、プロセスとメモリ管理が重要な概念でした。MULTICSは複数のプロセスを同時に実行し、各プロセスには独自のメモリ空間が割り当てられました。
:;UNIXの実装: UNIXもプロセスの概念を取り入れ、各プロセスが独立して動作することで、安定性やセキュリティが向上しました。
これらの機能や概念は、UNIXがMULTICSの経験から学びながら独自のアプローチで実装され、UNIXが普及する一因となりました。
これらの「UNIXらしさ」と言われる特徴は、MULTICSから影響を受けいますが、UNIXの仮想記憶システムは、MULTICSからの直接の影響は受けていません。UNIXの仮想記憶は、主にKen ThompsonとDennis Ritchieによる独自の設計に基づいています。UNIXが登場した時点では、コンピュータの物理メモリが非常に限られていたため、仮想記憶が導入されました。
MULTICSとUNIXの時代背景を考えると、MULTICSの影響は他の要素に比べて相対的に小さかったと言えます。UNIXは小型でリソースが限られたマシン上で動作することを重視し、シンプルで効率的な設計を採用しました。UNIXの仮想記憶の実装は、MULTICSの大規模かつ複雑な設計からは逸脱しています。
=== UNIX (1969) ===
UNIXは、ベル研究所で開発されたオペレーティングシステムで、Ken Thompson、Dennis Ritchie、およびチームによって生み出されました。シンプルで柔軟な設計を持ち、C言語で記述されたことが特徴です。UNIXは、マルチユーザー、マルチタスク、およびポータブル性を重視し、その後のオペレーティングシステムの基盤となりました。
=== OS-9 (1979) ===
OS-9は、Microware Systems Corporationが開発したリアルタイムオペレーティングシステムで、主に組み込みシステムや産業制御などの用途で利用されました。モジューラ設計を採用しています。8ビットプロセッサであるMC6809をターゲットとしましたがOS-9レベルIIでは仮想記憶をサポートしました。
=== Mach (1985) ===
Machは、カーネギーメロン大学で開発されたマイクロカーネルベースのオペレーティングシステムで、仮想メモリやマルチプロセッシングをサポートしています。Machは、そのマイクロカーネルアーキテクチャから派生して、GNU/Hurdなどのプロジェクトに影響を与えました。
=== OS/2 (1987) ===
OS/2は、IBMとマイクロソフトが共同で開発したオペレーティングシステムで、当初はPC向けに開発されました。マルチタスク、マルチスレッド、およびGUIサポートを提供し、Windowsとの互換性も備えていましたが、後にWindows NTに取って代わられました。
=== Windows NT (1993) ===
Windows NTは、マイクロソフトが開発した32ビットのオペレーティングシステムで、企業向けに設計されました。安定性、セキュリティ、ネットワーキングの向上を重視し、Windowsファミリーの基盤となりました。 Windows 2000やXPなどのバージョンがこれを基にしています。
== 最新のトピックスと動向 ==
=== 仮想化技術 ===
=== コンテナ化 ===
=== クラウドコンピューティングとオペレーティングシステム ===
== ケーススタディとプロジェクト ==
=== 実際のオペレーティングシステムのケーススタディ ===
=== プロジェクトや実習を通じての実践的な学習 ===
[[カテゴリ:オペレーティングシステム|*]]
== 関連項目 ==
*[[MINIX]]
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Python
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/* 整理作業中 */ == 関連項目 == *[[Python/]] *[[Python/GUIアプリの作成]] *[[Python/コードギャラリー]] *[[Python/ツール]] *[[Python/プログラマのように考えるには]] [[Category:Python]] [[Category:プログラミング言語]]追加
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wikitext
text/x-wiki
{{Pathnav|メインページ|工学|情報技術|プログラミング|frame=1}}
{{Wikipedia|Python}}{{wikiversity|Python}}[[File:Python-logo-notext.svg|thumb|100px|Python]]
'''''Python'''''は高水準な汎用プログラミング言語です。
Pythonの設計思想は、コードの読みやすさを重視しています。
たとえばブロックは波括弧 { } ではなくインデントで構造化されているなど、その構造に対するアプローチは独特です。
また、Pythonは、オブジェクト指向・インタープリタ型・動的型付け・クロスプラットフォームなプログラミング言語です。
これらのアプローチは、プログラマーが小規模および大規模なプロジェクトで自己説明的で論理的なコードを書けるようにすることを目的としています。
== 目次 ==
{{進捗状況}}
=== 入門 ===
: [[/基本事項|基本事項]]{{進捗簡易|100%|2022-11-28}}{{---}}[[/基本事項#pythonの実行方法|pythonの実行方法]]、[[/基本事項#「Hello, world!」と表示させよう|Hello, world!]]
: [[/変数と代入|変数と代入]]{{進捗簡易|75%|2022-11-28}}{{---}}[[/変数と代入#変数とは|変数とは]]、[[/変数と代入#代入|代入]]、[[/変数と代入#識別子|識別子]]
: [[/数値入力と文字入力と出力表示|数値入力と文字入力と出力表示]]{{進捗簡易|50%|2022-11-28}}{{---}}input(), int(), float()
: [[/条件分岐と繰り返し|条件分岐と繰り返し]]{{進捗簡易|100%|2022-11-28}}{{---}}if, else, for, while
: [[/演算子|演算子]]{{進捗簡易|25%|2022-11-28}}{{---}}
: [[/関数|関数]]{{進捗簡易|75%|2022-11-28}}{{---}}def、[[/関数#引数のある関数|引数]]、ローカル変数、id()、戻り値、[[/関数#キーワード引数|キーワード引数]]、[[/関数#デコレータ|デコレーター]]
=== 基礎 ===
: [[/コレクション|コレクション]]{{---}}複数の要素をまとめたデータ構造です。
:: [[/シーケンス|シーケンス]]{{進捗簡易|50%|2022-11-28}}{{---}}データの順序付きコレクションです。
::: [[/リスト|リスト]]{{進捗簡易|100%|2022-11-28}}{{---}}''list'' 順序つきの可変シーケンスで、異なるデータ型の要素を含むことができます。
::: [[/タプル|タプル]]{{進捗簡易|25%|2022-11-28}}{{---}}''tuple'' 順序つきの不変シーケンスで、異なるデータ型の要素を含むことができます。
::: [[/文字列|文字列]]{{---}}''string'' 文字の並びで、シングルクォートまたはダブルクォートで囲まれた不変のデータ型です。
:: [[/辞書|辞書]]{{進捗簡易|25%|2022-11-28}}{{---}}''dict'' キーと値の対応付けを持つ可変コレクションで、中括弧{}を使って定義されます。
:: [[/セット|セット]]{{進捗簡易|50%|2022-11-28}}{{---}}''set'' 重複のない要素のコレクションで、中括弧{}を使って定義し、順序は保持されません。
:: [[/レンジ|レンジ]]{{進捗簡易|50%|2022-11-28}}{{---}}''range'' 数値の範囲を生成する不変のシーケンスで、通常、forループなどで使用されます。
: [[/三種の内包表記とジェネレーター式|三種の内包表記とジェネレーター式]]
: [[/モジュールのインポート|モジュールのインポート]]{{進捗簡易|100%|2022-11-28}}{{---}}math モジュール、random モジュール、importlib
:: [[/array|array]]{{進捗簡易|50%|2022-11-28}}{{---}}効率的な数値計算のために配列を提供する
: [[/例外処理|例外処理]]{{進捗簡易|25%|2022-11-28}}{{---}}try、except、finally、複数の例外の場合分け
: [[/クラス|クラス]]{{進捗簡易|75%|2022-11-28}}{{---}}クラス定義、__init__()、self
: [[/ファイルの書き込みと読み込み|ファイルの書き込みと読み込み]]{{進捗簡易|00%|2022-11-28}}{{---}}open関数, with文を使ったリソース管理、オープンモード、write、readline
=== 応用 ===
: [[/型ヒント|型ヒント]]{{進捗簡易|25%|2022-11-28}}{{---}}[[/型ヒント#型アノテーション|型アノテーション]]
: [[/イテレータ|イテレータ]]
: [[/演算子オーバーロード|演算子オーバーロード]]
; [[/改廃された技術|改廃された技術]]
=== モジュール ===
==== 標準モジュール ====
[[/標準モジュール|標準モジュール]]{{---}}標準モジュールの一覧
: [[/標準モジュール/Tkinter|Tkinter]]{{---}}GUIアプリケーションの作成
: [[/標準モジュール/urllib|urllib]]{{---}}url拡張、識別
: [[SQLite#Pythonからの利用|sqlite3]]{{---}}簡易的なデータベースの利用
: [[/標準モジュール/yaml|yaml]]{{---}}yaml書式の解析
==== サードパーティモジュール ====
: [[/TheOtherModules|その他のモジュール]]{{---}}
: [[/pip|pip]]{{---}}Pythonのパッケージ管理システム
: [[/NumPy|NumPy]]{{---}}数値計算を効率的かつ簡単に行うためのライブラリ
: [[/Pandas|Pandas]]{{---}}データ分析やデータ処理において高度な機能を提供するライブラリ
: [[/transformers|Transformers]]{{---}}ニューラルネットワークなどの機械学習モデルのデプロイなどに使用されるライブラリ。
: [[/TensorFlow|TensorFlow]]{{---}}ニューラルネットワークなどの機械学習アプリケーションの実装に使用される数値計算ライブラリ
: [[/サードパーティデータベースモジュール|サードパーティデータベースモジュール]]{{---}}拡張的データベースの利用
:: [[/mysql|mysql]]{{---}}mysql、aiomysql
:: [[/sqlarchemy|sqlarchemy]]
: [[/matplotlib|matplotlib]]{{---}}グラフの作成
: [[/requests|requests]]{{---}}HTTPリクエストを簡単に送信するためのライブラリ
: [[/BeautifulSoup|BeautifulSoup]]{{---}}HTMLやXMLのパースやスクレイピングに使用されるライブラリ
: [[/Django|Django]]{{---}}Webアプリケーションの開発に使用されるフルスタックフレームワーク
: [[/Flask|Flask]]{{---}}Webアプリケーションの開発に使用されるマイクロフレームワーク
: [[/Pygame|Pygame]]{{---}}ゲーム開発に使用されるマルチメディアライブラリ
: [[/OpenCV|OpenCV]]{{---}}コンピュータビジョンタスク(画像処理や機械学習)に使用されるライブラリ
: [[/gradio|gradio]]{{---}}機械学習モデルのデプロイや対話型UIの作成を行うためのライブラリ
: [[/streamlit|streamlit]]{{---}}データの可視化や機械学習アプリケーションの作成を行うためのライブラリ
: [[/Scikit-learn|Scikit-learn]]{{---}}機械学習のさまざまなタスク(分類、回帰、クラスタリングなど)をサポートするライブラリ
: [[/Keras|Keras]]{{---}}深層学習モデルの構築とトレーニングを容易に行うための高水準のニューラルネットワークAPI
: [[/NLTK|NLTK]]{{---}}自然言語処理(NLP)タスクのための豊富な言語データと機能を提供するライブラリ
: [[/SciPy|SciPy]]{{---}}科学技術計算のための機能を提供するライブラリ(最適化、統計、信号処理など)
: [[/Gensim|Gensim]]{{---}}トピックモデリングや自然言語処理のためのベクトル空間モデルを構築するライブラリ
: [[/PyTorch|PyTorch]]{{---}}機械学習およびディープラーニングのためのフレームワーク
: [[/FastAPI|FastAPI]]{{---}}高速なWeb APIの開発を支援するマイクロフレームワーク
: [[/Celery|Celery]]{{---}}分散タスクキューの実装を可能にする非同期タスクキューライブラリ
: [[/pytest|pytest]]{{---}}Pythonのテストフレームワークで、効率的で拡張可能なテストの作成をサポートする
: [[/Scrapy|Scrapy]]{{---}}Webスクレイピングとクローリングのためのフレームワーク
: [[/PySpark|PySpark]]{{---}}Apache SparkのPython APIで、大規模データ処理や分散処理をサポートする
: [[/Arrow|Arrow]]{{---}}効率的な日時とタイムゾーンの操作を提供するライブラリ
: [[/Plotly|Plotly]]{{---}}インタラクティブなグラフや可視化を作成するためのライブラリ
: [[/Cython|Cython]]{{---}}Pythonのための静的型付けをサポートし、高速なC拡張モジュールを作成するためのツール
: [[/PyQt|PyQt]]{{---}}QtアプリケーションフレームワークのPythonバインディング
: [[/PyPDF2|PyPDF2]]: PDFファイルの操作と処理を行うためのライブラリ
: [[/NetworkX|NetworkX]]: 複雑なネットワークやグラフの解析と可視化を行うためのライブラリ
: [[/Seaborn|Seaborn]]: 美しいグラフと統計プロットを作成するためのライブラリ
: [[/Cryptography|Cryptography]]: 暗号化やデータ保護のためのライブラリ
: [[/Panda3D|Panda3D]]{{---}}3Dゲーム開発のためのオープンソースフレームワーク
: [[/Godot Engine|Godot Engine]]{{---}}オープンソースの2Dおよび3Dゲームエンジンで、Pythonを含むさまざまなプログラミング言語をサポート
: [[/Arcade|Arcade]]{{---}}シンプルで使いやすい2Dゲーム開発ライブラリ
: [[/Pygame Zero|Pygame Zero]]{{---}}Pygameをベースにしたシンプルなゲーム開発フレームワーク。初心者向けに適している
: [[/Ursina|Ursina]]{{---}}Pythonで記述された3Dゲームを簡単に作成できるライブラ
==== 拡張モジュールの作成 ====
: [[/c言語による拡張|c言語による拡張]]
: [[/ctypesによる拡張|ctypesによる拡張]]
=== リファレンス ===
: [[/組込み関数|組込み関数]]{{進捗簡易|25%|2022-11-28}}
: [[/組込み型|組込み型]]{{進捗簡易|50%|2022-11-28}}
{{コラム|PEPについて|2=PEP(Python Enhancement Proposal)は、Pythonプログラミング言語の改善や機能追加に関する提案や文書のことです。PEPはPythonコミュニティによって作成され、議論されます。Pythonの開発者やユーザーが新しいアイデアを提案し、共有するためのフレームワークとして機能しています。
{{See also|[https://peps.python.org/ Python Enhancement Proposals]}}
PEPはさまざまなカテゴリーにわたる提案を含みます。例えば:
# 新機能の提案: 新しい機能や機能の変更についての提案が含まれます。例えば、新しい文法、標準ライブラリへの追加、言語の機能強化などがあります。
# 改善案: Pythonの改善や修正に関する提案も含まれます。これには、パフォーマンスの向上、既存の機能の改善、コードの可読性の向上などが含まれます。
# プロセスやガイドライン: Pythonコミュニティの運営や開発プロセスに関する提案もあります。例えば、コードスタイルのガイドライン、バージョン管理に関する規則、開発プロセスの改善などが挙げられます。
PEPはPythonの設計や開発プロセスに透明性と一貫性をもたらし、Pythonの成長と発展を支えてきました。PEPが提案されると、Pythonのコミュニティで議論され、採用されることがあります。採用されたPEPは、将来のPythonのバージョンで実装されることがあります。
}}
== Python 3.13 の新機能 ==
Python 3.13 では、言語仕様、実装、標準ライブラリに多彩な新機能と改良が導入されました。以下に主な新機能とその使用例を示します。
=== 新しい対話型インタプリタの導入 ===
Python 3.13 では、ユーザーエクスペリエンスを向上させる新しい対話型シェルがデフォルトとなりました。主な特徴は以下の通りです:
* 複数行の編集と履歴の保持
* 直接的な REPL コマンドのサポート(例:<code>help</code>、<code>exit</code>、<code>quit</code> など)
* カラー表示による視認性の向上
* インタラクティブなヘルプブラウジング(F1 キー)
新しい対話型シェルを無効にするには、環境変数 <code>PYTHON_BASIC_REPL</code> を設定してください。
=== New <code>@override</code> decorator ===
Python 3.13 では、メソッドのオーバーライドを明示的に示すための <code>@override</code> デコレータが導入されました。これにより、親クラスのメソッドを正しくオーバーライドしているかどうかをチェックできます。
;コード例:<syntaxhighlight lang=python3>
from typing import override
class Parent:
def greet(self):
print("Hello from Parent")
class Child(Parent):
@override
def greet(self):
print("Hello from Child")
child = Child()
child.greet() # Output: Hello from Child
</syntaxhighlight>
=== フリー・スレッディッドモードの実験的サポート (PEP 703) ===
Python 3.13 では、グローバルインタプリタロック (GIL) を無効にして Python コードを実行できるフリー・スレッディッドモードが実験的にサポートされました。これにより、マルチコア CPU を活用してスレッドを並行実行できます。この機能はデフォルトでは無効であり、使用するには特別な実行ファイルを利用するか、ソースからビルドする際に <code>--disable-gil</code> オプションを指定する必要があります。
=== New <code>asyncio.TaskGroup</code> for better task management ===
Python 3.13 では、<code>asyncio.TaskGroup</code> が導入され、非同期タスクの管理がより簡単になりました。これにより、複数の非同期タスクをグループ化して管理することが容易になります。
;コード例:<syntaxhighlight lang=python3>
import asyncio
async def task1():
await asyncio.sleep(1)
print("Task 1 completed")
async def task2():
await asyncio.sleep(2)
print("Task 2 completed")
async def main():
async with asyncio.TaskGroup() as tg:
tg.create_task(task1())
tg.create_task(task2())
asyncio.run(main())
# Output:
# Task 1 completed
# Task 2 completed
</syntaxhighlight>
=== 型パラメータのデフォルト値のサポート (PEP 696) ===
<code>typing.TypeVar</code>、<code>typing.ParamSpec</code>、<code>typing.TypeVarTuple</code> でデフォルト値がサポートされるようになりました。これにより、ジェネリック型の定義がより柔軟になります。
;コード例:<syntaxhighlight lang=python3>
from typing import TypeVar, Generic
T = TypeVar('T', default=int)
class MyClass(Generic[T]):
def __init__(self, value: T):
self.value = value
# デフォルトで T は int 型として扱われる
obj = MyClass(42)
</syntaxhighlight>
これらの新機能により、Python 3.13 はさらに強力で使いやすい言語となっています。新しい機能を活用して、より効率的で読みやすいコードを書くことができます。詳細な情報やその他の変更点については、公式のリリースノートをご参照ください。
== Python 3.12 の新機能 ==
Python 3.12 には、いくつかの新機能が追加されています。以下にいくつかの新機能とそれらを使用するためのコード例を示します。
* Parenthesized context managers in with statements
Python 3.12 では、with ステートメントのコンテキストマネージャーに括弧を付けることができます。これにより、コンテキストマネージャーが複数の行にまたがっている場合に、より読みやすいコードを書くことができます。
;コード例:<syntaxhighlight lang=python3>
# Before Python 3.12
with open("file.txt", "r") as file1, open("file2.txt", "r") as file2:
# do something with file1 and file2
# With Python 3.12
with (open("file.txt", "r"), open("file2.txt", "r")) as (file1, file2):
# do something with file1 and file2
</syntaxhighlight>
*Pattern matching improvements
Python 3.10 で導入されたパターンマッチングには、Python 3.12 で改良が加えられました。例えば、以下のように | を使用して複数のパターンをマッチングすることができます。
;コード例:<syntaxhighlight lang=python3>
# Before Python 3.12
def my_function(x):
if isinstance(x, int):
# do something
elif isinstance(x, str):
# do something else
elif isinstance(x, list):
# do something else
else:
raise ValueError("Invalid argument type")
# With Python 3.12
def my_function(x):
match x:
case int:
# do something
case str:
# do something else
case list | tuple:
# do something else
case _:
raise ValueError("Invalid argument type")
</syntaxhighlight>
*New zoneinfo module for working with time zones
Python 3.9 で導入された zoneinfo モジュールは、Python 3.12 で改良が加えられました。これにより、タイムゾーンを扱うためのさまざまな機能が追加されました。
;コード例:<syntaxhighlight lang=python3>
# Before Python 3.12
import datetime
import pytz
tz = pytz.timezone("Asia/Tokyo")
now = datetime.datetime.now(tz)
# With Python 3.12
import datetime
import zoneinfo
tz = zoneinfo.ZoneInfo("Asia/Tokyo")
now = datetime.datetime.now(tz)
</syntaxhighlight>
== 整理作業中 ==
[[Python/整理中]] (複素数、正規表現、HTTPクライアント、JSON、pass)
== 関連項目 ==
*[[Python/]]
*[[Python/GUIアプリの作成]]
*[[Python/コードギャラリー]]
*[[Python/ツール]]
*[[Python/プログラマのように考えるには]]
[[Category:Python]]
[[Category:プログラミング言語]]
{{NDC|007.64}}
7vylbkefkez1d20a6w2mfd1rt8nuam8
Linux
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15333
301325
268483
2026-07-08T12:13:55Z
AkiR27User
90873
/* 下位階層のページ */ テンプレート削除、直接リンク追加。詳細は[[Wikibooks:談話室#孤立しているページについて]]まで
301325
wikitext
text/x-wiki
== はじめに ==
[[Linux]]は、世界中で広く利用されているオープンソースのオペレーティングシステム(OS)カーネルです。Linuxカーネルは、Linus Torvaldsによって1991年に開発が開始され、その後、世界中の開発者によって協力して発展してきました。このハンドブックでは、Linuxカーネルの基本的な概念、その設計思想、主要な機能、およびその役割について解説します。
== Linuxカーネルの基本概念 ==
=== Linuxカーネルとは何か ===
[[Linux]]カーネルは、オペレーティングシステムの中核部分であり、ハードウェアとソフトウェアの間の橋渡し役を果たします。具体的には、以下のような役割を担っています:
* '''ハードウェアの抽象化''': ハードウェアリソース(CPU、メモリ、ストレージ、ネットワークデバイスなど)を管理し、アプリケーションがハードウェアを直接操作せずに済むようにします。
* '''プロセス管理''': 複数のプロセスを効率的にスケジューリングし、リソースを公平に分配します。
* '''メモリ管理''': 物理メモリと仮想メモリを管理し、各プロセスに独立したアドレス空間を提供します。
* '''ファイルシステム''': ディスク上のデータを整理し、ファイルやディレクトリとしてアクセスできるようにします。
* '''デバイスドライバ''': ハードウェアデバイス(キーボード、マウス、プリンタ、ネットワークカードなど)との通信を可能にします。
=== Linuxカーネルの特徴 ===
[[Linux]]カーネルは、以下のような特徴を持っています:
* '''モノリシックカーネル''': カーネルが多くの機能を直接提供し、ハードウェアとのやり取りを効率的に行います。
* '''オープンソース''': GPL(GNU General Public License)ライセンスの下で公開されており、誰でも自由に利用、改変、配布できます。
* '''マルチプラットフォーム対応''': x86、ARM、PowerPC、RISC-Vなど、多様なハードウェアアーキテクチャに対応しています。
* '''モジュール性''': カーネルモジュールを動的にロード・アンロードできるため、柔軟なカスタマイズが可能です。
== Linuxカーネルの設計思想 ==
=== モノリシックカーネル ===
[[Linux]]カーネルは、モノリシックカーネルアーキテクチャを採用しています。これは、カーネルが多くの機能(プロセス管理、メモリ管理、ファイルシステム、デバイスドライバなど)を直接提供する設計です。モノリシックカーネルの利点は、以下の通りです:
* '''パフォーマンス''': カーネル内で直接機能を実行するため、高速です。
* '''統合性''': すべての機能が密接に連携して動作するため、効率的なリソース管理が可能です。
一方で、モノリシックカーネルは以下のような課題もあります:
* '''複雑性''': カーネルが大きくなりやすく、保守や拡張が難しくなる可能性があります。
* '''信頼性''': カーネル内のバグがシステム全体に影響を与えるリスクがあります。
=== オープンソースの精神 ===
[[Linux]]カーネルは、オープンソースプロジェクトとして開発されています。これにより、以下のようなメリットがあります:
* '''透明性''': 誰でもソースコードを閲覧できるため、信頼性が高まります。
* '''協力開発''': 世界中の開発者が協力して、新機能の追加やバグ修正を行います。
* '''柔軟性''': ユーザーが自分でカーネルをカスタマイズし、特定の用途に最適化できます。
== Linuxカーネルの主要な機能 ==
=== プロセス管理 ===
[[Linux]]カーネルは、プロセスとスレッドを管理し、以下のような機能を提供します:
* '''プロセススケジューリング''': 複数のプロセスを公平に実行するためのスケジューリングアルゴリズム(CFS: Completely Fair Schedulerなど)を提供します。
* '''プロセス間通信(IPC)''': プロセス間でデータをやり取りするための仕組み(パイプ、共有メモリ、メッセージキューなど)を提供します。
=== メモリ管理 ===
[[Linux]]カーネルは、物理メモリと仮想メモリを管理し、以下のような機能を提供します:
* '''ページング''': 物理メモリと仮想メモリのマッピングを管理します。
* '''スワップ''': 物理メモリが不足した場合、ディスク上のスワップ領域を使用してメモリを拡張します。
* '''メモリ保護''': 各プロセスに独立したアドレス空間を提供し、他のプロセスのメモリにアクセスできないようにします。
=== ファイルシステム ===
[[Linux]]カーネルは、多様なファイルシステムをサポートしています。以下は、その例です:
* '''[[/ext4|ext4]]''': Linuxで広く使用されているジャーナリングファイルシステム。
* '''[[/XFS|XFS]]''': 大規模なファイルシステムに適した高性能ファイルシステム。
* '''[[/Btrfs|Btrfs]]''': スナップショットやデータの整合性チェックをサポートする先進的なファイルシステム。
=== デバイスドライバ ===
[[Linux]]カーネルは、多様なハードウェアデバイスをサポートするためのデバイスドライバを提供します。以下は、その例です:
* '''ネットワークドライバ''': イーサネット、Wi-Fi、Bluetoothなどのネットワークデバイスをサポート。
* '''ストレージドライバ''': SSD、HDD、USBストレージなどのストレージデバイスをサポート。
* '''グラフィックスドライバ''': GPUやディスプレイデバイスをサポート。
== Linuxカーネルの役割 ==
=== ハードウェアとソフトウェアの仲介 ===
[[Linux]]カーネルは、ハードウェアとソフトウェアの間の仲介役として機能します。これにより、アプリケーションはハードウェアの詳細を意識せずに、統一されたインターフェースを通じてリソースを利用できます。
=== リソース管理 ===
[[Linux]]カーネルは、CPU、メモリ、ストレージ、ネットワークなどのリソースを効率的に管理し、複数のプロセスが公平にリソースを利用できるようにします。
=== セキュリティ ===
[[Linux]]カーネルは、プロセス間の分離やアクセス制御を通じて、システムのセキュリティを確保します。また、[[Security-Enhanced Linux|SELinux]]や[[AppArmor]]などのセキュリティモジュールをサポートしています。
== おわりに ==
[[Linux]]カーネルは、オペレーティングシステムの中核として、ハードウェアとソフトウェアの間の橋渡し役を果たしています。そのモノリシックカーネルアーキテクチャ、オープンソースの精神、そして多様な機能により、Linuxはサーバー、デスクトップ、組み込みシステム、モバイルデバイスなど、幅広い分野で利用されています。
[[Linux]]カーネルの設計思想と機能を理解することは、オペレーティングシステムの動作原理を深く学ぶ上で非常に重要です。このハンドブックが、Linuxカーネルの世界を探求するための一助となれば幸いです。
== 下位階層のページ ==
*[[Linux/LinuxのGCC依存]]
== 関連項目 ==
*[[Linuxのパッケージマネージャの歴史]]
*[[Linuxカーネルの技術的な変遷]]
{{DEFAULTSORT:LINUX}}
[[Category:オペレーティングシステム]]
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Fortran
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AkiR27User
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<small>{{Pathnav|メインページ|工学|情報技術|プログラミング}}</small>
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{{Wikipedia|FORTRAN|FORTRAN}}
Fortran(フォートラン)は[[w:数値解析|数値計算]]用の[[w:コンパイラ|コンパイラ]]言語です。
この教科書では、最新の機能を取り入れたFortran90、Fortran95について勉強します。
<!--from:https://en.wikibooks.org/w/index.php?title=Fortran&oldid=3870367-->
== はじめに ==
* [[/なぜFortranを学ぶのか?|なぜFortranを学ぶのか?]]
* [[/歴史|歴史]]
== クイックスタート・チュートリアル ==
* [[/Hello world|Hello world]] <!-- Hello World -->
* [[/基本|基本]] <!-- Fundamentals -->
* [[/変数|変数]] <!-- Variables -->
* [[/テキスト入出力|テキスト入出力]] <!-- Text input and output -->
* [[/プログラムのフロー制御|プログラムのフロー制御]] <!-- Program flow control -->
* [[/サブルーチンと関数|サブルーチンと関数]] <!-- Subroutines and functions -->
==Fortranの詳細==
* [[/データ型|データ型]]
* [[/形式と構造|形式と構造]]
* [[/入出力文|入出力文]]
* [[/文字列操作|文字列操作]]
* [[/構造化データ|構造化データ]]
* [[/メモリ管理と共通ブロック|メモリ管理と共通ブロック]]
* [[/エラーの捕捉|エラーの捕捉]]
* [[/並列処理|並列処理]]
* [[/オブジェクト指向プログラミング|オブジェクト指向プログラミング]]
* [[/言語の拡張とオーバーロード|言語の拡張とオーバーロード]]
== その他のFortran関連ソフトウェア・ツール ==
* [[/言語の混合|言語の混合]]
* ドキュメント生成ツール
* ソースコード整形ツール
== 附録 ==
* [[/コードギャラリー|コードギャラリー]]
* [[/Fortranの活用例|Fortranの活用例]]
* [[/よくある質問|よくある質問]]
* [[/改廃された技術|改廃された技術]]
=== 外部リンク ===
*[https://www.mri-jma.go.jp/Project/mrinpd/coderule.html Fortran 標準コーディングルール]([https://www.mri-jma.go.jp/Project/mrinpd/coderule.html WARPのアーカイブ])(気象庁の数値モデル開発に携わる有志によりとりまとめられたもの)
*[[dmoz:Computers/Programming/Languages/Fortran/Tutorials/Fortran 90 and 95|Open Directory - F95/F90 Tutorials]]を参照してください。
*[https://www.eclipse.org/photran/ EclipseベースのIDE fortran].
*[https://github.com/jerryd/gtk-fortran/wiki gtk-fortran, a GTK+ / Fortran 2003 binding project].
===コンパイラー===
*[https://www.g95.org g95 コンパイラ].
*[http://www.gnu.org/software/fortran/fortran.html GNU g77 (gcc) Fortran 77 コンパイラ].
*[https://gcc.gnu.org/fortran/ GNU gfortran (gcc) Fortran 95 コンパイラ]
*[http://www.intel.com/cd/software/products/asmo-na/eng/compilers/flin/ Intel Fortran Compiler for Linux: a free non-commercial Fortran compiler].
*[http://developers.sun.com/sunstudio Free Sun Fortran 95, C, and C++ compilers and tools].
== 下位階層のページ ==
*[[Fortran/Fortran 2003]]
*[[Fortran/Fortranの活用例]]
*[[Fortran/Hello world]]
*[[Fortran/なぜFortranを学ぶのか?]]
*[[Fortran/よくある質問]]
*[[Fortran/エラーの捕捉]]
*[[Fortran/オブジェクト指向プログラミング]]
*[[Fortran/コードギャラリー]]
*[[Fortran/サブルーチンと関数]]
*[[Fortran/テキスト入出力]]
*[[Fortran/データ型]]
*[[Fortran/プログラムのフロー制御]]
*[[Fortran/メモリ管理と共通ブロック]]
*[[Fortran/並列処理]]
*[[Fortran/入出力文]]
*[[Fortran/入門]]
*[[Fortran/基本]]
*[[Fortran/変数]]
*[[Fortran/形式と構造]]
*[[Fortran/改廃された技術]]
*[[Fortran/文字列操作]]
*[[Fortran/構造化データ]]
*[[Fortran/歴史]]
*[[Fortran/言語の拡張とオーバーロード]]
*[[Fortran/言語の混合]]
{{DEFAULTSORT:FORTRAN}}
[[Category:Fortran|*]]
[[Category:プログラミング言語]]
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中学校家庭
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/* 4編 私達の消費生活と環境 */
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[[小学校・中学校・高等学校の学習]]>[[中学校の学習]]>中学校家庭
{{進捗状況}}この書籍は、中学校の科目「技術・家庭」の家庭科分野に関する教科書です。高等学校の「[[高等学校家庭総合|家庭総合]]」や「[[高等学校家庭基礎|家庭基礎]]」内容をさらに精選して簡単にしたのが、中学校の家庭科です。
なお、配列やタイトルなどについては、当科目で最も採択率が高い東京書籍株式会社「[https://www.tokyo-shoseki.co.jp/textbook/j/7/505/ 新しい技術・家庭(家庭分野)自立と共生を目指して]」【家庭701】に合わせています。
高校生の他科目執筆を兼ねて、少しずつ、執筆していこうと思います。
== 家庭分野のガイダンス ==
[[中学校家庭/家庭分野のガイダンス|家庭分野のガイダンス]]{{進捗|75%|2023-05-04}}(実習上の注意、学習上の注意など)
== 1編 私達の食生活 ==
[[中学校家庭/私達の食生活 学習のポイント|私達の食生活 学習のポイント]]{{進捗|75%|2023-01-08}}(1編のガイダンス、調理実習の注意点)
=== 1章 食事の役割と中学生の栄養の特徴 ===
# [[中学校家庭/どうして食事をするのだろう|どうして食事をするのだろう]]{{進捗|00%|2023-02-00}}(食事の役割、朝食)
# [[中学校家庭/私達の食生活|私達の食生活]]{{進捗|00%|2023-02-00}}
# [[中学校家庭/栄養素ってなんだろう|栄養素ってなんだろう]]{{進捗|100%|2022-05-10}}(栄養素、栄養、五大栄養素、水の働き)
# [[中学校家庭/中学生に必要な栄養|中学生に必要な栄養]]{{進捗|25%|2023-05-12}}(食事摂取基準)
=== 2章 中学生に必要な栄養を満たす食事 ===
# [[中学校家庭/食品に含まれる栄養素|食品に含まれる栄養素]]{{進捗|00%|2023-02-00}}
# [[中学校家庭/何をどれくらい食べればよいか|何をどれくらい食べればよいか]]{{進捗|00%|2023-02-00}}
# [[中学校家庭/バランスの良い献立作り|バランスの良い献立作り]]{{進捗|00%|2023-02-00}}
=== 3章 調理のための食品の選択と購入 ===
# [[中学校家庭/食品の選択と購入|食品の選択と購入]]{{進捗|100%|2023-02-06}}(食品の選び方、食品表示)
# [[中学校家庭/生鮮食品の特徴|生鮮食品の特徴]]{{進捗|00%|2023-02-06}}(生鮮食品、旬)
# [[中学校家庭/加工食品の特徴|加工食品の特徴]]{{進捗|00%|2023-02-00}}
# [[中学校家庭/食品の保存と食中毒の防止|食品の保存と食中毒の防止]]{{進捗|50%|2023-05-10}}(食品の保存、食中毒)
=== 4章 日常食の調理と地域の食文化 ===
# [[中学校家庭/日常食の調理|日常食の調理]]{{進捗|00%|2023-05-02}}(調理)
# [[中学校家庭/野菜・芋の調理|野菜・芋の調理]]{{進捗|00%|2023-05-20}}(野菜・芋の種類、野菜・芋の調理上の性質)
# [[中学校家庭/肉の調理|肉の調理]]{{進捗|25%|2023-05-03}}(肉の種類、肉の調理上の性質)
# [[中学校家庭/魚の調理|魚の調理]]{{進捗|50%|2023-05-20}}(魚の種類、魚の調理上の性質)
# [[中学校家庭/日本の食文化と和食の調理|日本の食文化と和食の調理]]{{進捗|00%|2023-08-00}}(地産地消、郷土料理、行事食、和食)
# [[中学校家庭/持続可能な食生活を目指して|持続可能な食生活を目指して]]{{進捗|00%|2023-02-00}}
== 2編 私達の衣生活 ==
[[中学校家庭/私達の衣生活 学習のポイント|私達の衣生活 学習のポイント]]{{進捗|00%|2023-05-00}}(2編のガイダンス、被服実習の注意点)
=== 1章 衣服の選択と手入れ ===
# [[中学校家庭/どうして衣服を着るのだろう|どうして衣服を着るのだろう]]{{進捗|100%|2023-11-08}}(社会生活上の働き、TPO)
# [[中学校家庭/私らしさとTPO 着方の工夫|私らしさとTPO 着方の工夫]]{{進捗|100%|2023-04-10}}(自分らしい着方)
# [[中学校家庭/日本の衣文化|日本の衣文化]]{{進捗|00%|2023-05-00}}
# [[中学校家庭/衣服計画と必要な衣服の選択|衣服計画と必要な衣服の選択]]{{進捗|00%|2023-05-00}}
# [[中学校家庭/衣服の手入れ|衣服の手入れ]]{{進捗|25%|2023-05-02}}(衣服の手入れ、衣服の汚れ)
=== 2章 生活を豊かにするために ===
# [[中学校家庭/作って楽しい布作品|作って楽しい布作品]]{{進捗|00%|2023-05-00}}
# [[中学校家庭/持続可能な衣生活を目指して|持続可能な衣生活を目指して]]{{進捗|75%|2023-11-12}}(リデュース、リユース、リサイクル)
== 3編 私達の住生活 ==
[[中学校家庭/私達の住生活 学習のポイント|私達の住生活 学習のポイント]]{{進捗|100%|2023-02-07}}(3編のガイダンス)
=== 1章 住まいの役割と安全な住まい方 ===
家族が気持ちよく暮らせるように、住空間がどのように成り立っているのか、どのように整えていくのかを学びましょう。また、より快適な住宅になるように地域との共生についても考えましょう。
# [[中学校家庭/もしも住まいがなかったら|もしも住まいがなかったら]]{{進捗|25%|2026-03-03}}(住まいの役割、生活行為、住空間)
# [[中学校家庭/住まいと気候風土の関わり|住まいと気候風土の関わり]]{{進捗|100%|2023-01-06}}(和式、洋式、和洋折衷)
# [[中学校家庭/健康で快適な室内環境|健康で快適な室内環境]]{{進捗|100%|2023-02-07}}(シックハウス症候群、ー酸化炭素)
# [[中学校家庭/家族の住まいを安全・安心に|家族の住まいを安全・安心に]]{{進捗|100%|2023-02-07}}(家庭内事故、バリアフリー、ユニバーサルデザイン)
# [[中学校家庭/災害への対策|災害への対策]]{{進捗|100%|2023-05-07}}(防災、減災、通電火災、避難所・仮設住宅)
# [[中学校家庭/持続可能な住生活を目指して|持続可能な住生活を目指して]]{{進捗|100%|2023-02-01}}(持続可能な社会)
== 4編 私達の消費生活と環境 ==
[[中学校家庭/私達の消費生活と環境 学習のポイント|私達の消費生活と環境 学習のポイント]]{{進捗|00%|2023-05-07}}(4編のガイダンス)
=== 1章 私達の消費生活 ===
# [[中学校家庭/消費者としての自覚|消費者としての自覚]]{{進捗|100%|2023-02-09}}(商品、物資、サービス、消費者、契約)
# [[中学校家庭/購入方法と支払い方法|購入方法と支払い方法]]{{進捗|100%|2023-05-06}}(購入方法、支払い方法、キャッシュレス化)
# [[中学校家庭/バランス良く計画的な金銭の管理|バランス良く計画的な金銭の管理]]{{進捗|100%|2023-05-07}}(収入、支出、金銭の管理、三者間契約)
# [[中学校家庭/消費者トラブルとその対策|消費者トラブルとその対策]]{{進捗|100%|2023-04-20}}(消費者トラブル、クーリング・オフ制度、消費生活センター)
# [[中学校家庭/何を考えて決めますか 意思決定のプロセス|何を考えて決めますか 意思決定のプロセス]]{{進捗|100%|2023-05-05}}(ニーズ、ウォンツ、意思決定)
=== 2章 責任ある消費者になるために ===
# [[中学校家庭/消費者としてできること~権利と責任~|消費者としてできること~権利と責任~]]{{進捗|00%|2023-05-06}}(消費者の権利と責任、消費者基本法)
# [[中学校家庭/省エネルギーと持続可能な社会|省エネルギーと持続可能な社会]]{{進捗|00%|2023-05-06}}(地球温暖化、再生可能エネルギー、循環型社会、3R)
# [[中学校家庭/持続可能な消費生活を目指して|持続可能な消費生活を目指して]]{{進捗|100%|2026-07-08}}(SDGs、エシカル消費、消費者市民社会)
== 5編 私達の成長と家族・地域 ==
[[中学校家庭/私達の成長と家族・地域 学習のポイント|私達の成長と家族・地域 学習のポイント]]{{進捗|100%|2023-04-30}}(5編のガイダンス、触れ合い体験の注意点)
=== 1章 家族・家庭と地域 ===
家族や家庭の役割、家庭生活と地域との関わりなどを学び、中学生として何が出来るかを考えましょう。
# [[中学校家庭/私達の生活と家族・家庭の機能|私達の生活と家族・家庭の機能]]{{進捗|100%|2023-02-04}}(家族、家庭、基本的な機能)
# [[中学校家庭/中学生としての自立|中学生としての自立]]{{進捗|100%|2023-02-01}}(自立、家庭の仕事、協力、協働)
# [[中学校家庭/家庭生活と地域との関わり|家庭生活と地域との関わり]]{{進捗|100%|2023-02-04}}(地域)
=== 2章 幼児の生活と家族 ===
幼児の発達や生活、遊びや家族の役割について学び、幼児と触れ合う活動から幼児の関わり方を考えましょう。
# [[中学校家庭/幼い頃の振り返り|幼い頃の振り返り]]{{進捗|100%|2023-02-02}}(乳児期、幼児期、児童期)
# [[中学校家庭/幼児の体の発達|幼児の体の発達]]{{進捗|100%|2023-02-08}}(個性、個人差、運動機能、方向と順序、生理的機能)
# [[中学校家庭/幼児の心の発達|幼児の心の発達]]{{進捗|100%|2023-02-09}}(言葉、知能、感情、社会性、自立心、自律心)
# [[中学校家庭/幼児の1日の生活|幼児の1日の生活]]{{進捗|100%|2023-02-08}}(遊び、間食)
# [[中学校家庭/支えられて身に付ける生活習慣|支えられて身に付ける生活習慣]]{{進捗|100%|2023-02-03}}(基本的生活習慣、社会的生活習慣)
# [[中学校家庭/幼児の生活と遊び|幼児の生活と遊び]]{{進捗|100%|2023-04-12}}(遊び、玩具)
# [[中学校家庭/幼児との関わり方の工夫|幼児との関わり方の工夫]]{{進捗|100%|2023-04-23}}(幼児との触れ合い)
# [[中学校家庭/幼児との関わりを生活に生かす|幼児との関わりを生活に生かす]]{{進捗|100%|2023-02-02}}(関わりの振り返り)
# [[中学校家庭/子どもにとっての家族|子どもにとっての家族]]{{進捗|100%|2023-05-03}}(信頼関係)
=== 3章 これからの家族と地域 ===
家族や高齢者など、地域の人々と上手く関わり、協働する方法を考えて工夫しましょう。
# [[中学校家庭/家族との関わり|家族との関わり]]{{進捗|100%|2023-02-02}}(家族関係)
# [[中学校家庭/家族や地域の高齢者との関わり|家族や地域の高齢者との関わり]]{{進捗|100%|2023-04-15}}(高齢者、少子高齢社会、高齢期)
# [[中学校家庭/地域での協働を目指して|地域での協働を目指して]]{{進捗|100%|2023-04-30}}(共生、協カ、協働)
[[Category:中学校家庭科|*]]
[[Category:中学校教育|かていか]]
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高校受験ガイド
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AkiR27User
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text/x-wiki
{{pathnav|小学校・中学校・高等学校の学習|高校受験参考書|frame=1|small=1}}
{{Pathnav|試験|入学試験|受験ガイド|frame=1}}
高校受験制度は、様々な知識が必要なので、生徒だけで完全に理解出来ません。保護者も高校受験制度を知っておきましょう。塾の保護者会などで説明しているかもしれません。{{Stub|中}}
== 最低限、必要な知識 ==
* [[高校受験ガイド/受験制度や手続きなど]]
* [[高校受験ガイド/学科]]
* [[高校受験ガイド/私立志望の最低限の注意事項]]
* [[高校受験ガイド/偏差値・倍率など数値データの分析法]]
== ほか ==
=== 勉強ノウハウ的な話 ===
* [[高校受験ガイド/受験勉強ノウハウ]] (過去問、模試、など)
* [[中学受験・高校受験の共通のガイド/塾・予備校について]] (入塾の条件などの傾向)
* [[高校受験ガイド/志望理由書および面接の対策]]
=== 志望校決め ===
* [[高校受験ガイド/志望校決めノウハウ]] ( 「チャレンジ校」と「実力相応校」、通学時間と学生寮の有無、)
* [[高校受験ガイド/高校偏差値についてのよくある誤解]] (エンカレッジスクールなどの類について)
=== 高校入学後についての話 ===
* [[高校受験ガイド/普通科高校のカリキュラム]]
* [[高校受験ガイド/高校の部活動の傾向]](部活動は私立の祭典、超・進学校での部活の早期引退)
* [[高校受験ガイド/大学受験に向けての高校合格後の勉強]] (進学校のハイペース、文化祭の食事と検便)
=== 備考 ===
* [[中学受験・高校受験の共通のガイド]] (語学研修、エレベーターなど設備、)
関連知識
* [[高校受験ガイド/高大連携]]
* [[高校受験ガイド/校則や自転車通学などの傾向]]
* [[高校受験ガイド/男女の別学や共学]]
* [[高校受験ガイド/高校生の論文]]
雑多な話題
* [[高校受験ガイド/関連知識]] (「進学実績」と「合格実績」の違い)
== 高校受験の学習方法 ==
* [[学習方法/高校受験/高校受験全般]]
* [[学習方法/高校受験/国語]]
* [[学習方法/高校受験/社会]]
* [[学習方法/高校受験/数学]]
* [[学習方法/高校受験/理科]]
* [[学習方法/高校受験/英語]]
* [[都立高対策]]
* [[高校受験ガイド]]
== 脚注 ==
<references/>
[[カテゴリ:入学試験]]
[[カテゴリ:高等学校|受]]
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中学校社会 地理/標高の高い地域での暮らし
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text/x-wiki
== アメリカ州の高山地域 ==
[[ファイル:Bolivian Alpaca.jpg|thumb|left|アルパカと飼育者(ポンチョをまとったボリビア人男性)]]
[[File:Andes Août 2007 - Col en route vers Chavin.jpg|thumb|400px|アンデス山脈の一部。]]
[[画像:Pan flute played 2.jpg||200px|left|thumb|笛を吹くインディオ]]
[[File:Corazon Full.jpg|thumb|アルパカ]]
[[File:A Quechua girl and her Llama.jpg|thumb|伝統的な衣装を着たケチュア族の少女とリャマ(ペルー クスコ)]]
南アメリカ州のペルーからボリビアにかけての地域にある'''アンデス山脈'''(英:Andes アンディース)ぞいには、標高が富士山の山頂(標高3776m)よりも高い地域もあり、標高が高いところでは約4000mもあり、標高が2000m〜4000m以上のある'''中央アンデス高地'''が広がっている。
標高が高いので、この中央アンデス高地の地域は全体的に、すずしい。この地域の住民は、<span style="font-size: large;">'''インディオ'''</span>(スペイン語など:indio)とよばれる先住民の人たちが古くから暮らしている。「インディオ」とは、ヨーロッパ人たちによる、この地域の先住民の呼び方である。
すずしいので、低地よりも暮らしやすく、古くから <span style="font-size: large;">高山都市</span>(こうざん とし) が発達してきあーあ変人ボロネーゼ
高地のため、木が少ないことから、住居には石づくり、れんがづくりの家が多い。
標高3000m〜4000mあたりの作物は、じゃがいも の栽培である。じゃがいもは寒さに強い。そもそも じゃがいも は、アンデス山脈が発祥の作物である。
標高が下がり、標高2000m〜3000mの、やや温暖なところでは、とうもろこしを栽培することもある。標高によって育ててる作物が変わってくる。
チチカカ湖(Lake Titicaca)という湖が、ペルーとボリビアの国境あたりの、標高3800mのあたりにあり、観光名所の一つになっている。
標高4000m以上の場所では作物が育たないので、家畜を放牧(ほうぼく)しており、'''リャマ'''や'''アルパカ'''を'''放牧'''(ほうぼく 英:grazing)している。
これらの家畜は、荷物の運搬用や、毛を利用するためであり、あまり食用にはしない。'''アルパカ'''(英:Alpaca アルパーカ)の毛が衣類の材料になる。リャマもアルパカもラクダ科である。
現地の人の衣類は、アルパカの毛で作った'''ポンチョ'''(英:poncho ポンチョウ)とよばれる服や、つばのついた帽子を着ている。
帽子は、高地の強い日射しを防ぐためにかぶっている。
<gallery>
ファイル:Gauchowheat edit2.jpg|ポンチョをまとったガウチョ(1940年代)
ファイル:Genova-Poncho.jpg|中南米で着用されているポンチョ
ファイル:Lula_poncho.jpg|ポンチョを着用する、ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ
ファイル:Cobos_y_kirchner.jpg|ポンチョを着用する、ネストル・キルチネル
ファイル:APEC2004_Chamanto.jpg|ポンチョを着用する各国首脳(当時)
ファイル:PonchoGirl.JPG|ポンチョを着用する子供
</gallery>
もっとも高いところは標高6000m近くあるが、これらの標高の地域は氷雪地帯になっている。
*現代
携帯電話やインターネットが普及している。急斜面が多いため、電話線を引くのがむずかしく、有線の電話が好まれていない。なので、かわりに携帯電話が普及している。携帯電話なら、通信用のアンテナがあれば、たとえ通信回線を引かなくても、利用できるからである。
[[ファイル:Machu Picchu05.jpg|thumb|マチュピチュ。建造から500年を経てなお健在な急斜面の石積み]]
世界遺産で、古代のインカ文明(英:Inca Civilization)の遺跡である、'''マチュピチュ'''(英:Machu Picchu)があり、観光資源になっている。
道路も整備され、トラックなど
による輸送も増えてきた。
*周辺の低地
アンデス高地の周辺の低地では、赤道に近いこともあり、熱帯雨林などが広がる。
果樹の栽培をしたり、ゴムの栽培をしたりしている。
低地で栽培された作物が、高地の市場(いちば)で取引されることも多い。
古くから使われてきた言語を話す人が少なくなりスペイン語を話す人が増えている
== 高山の特徴 ==
*標高が上がるにつれて、気温は下がる。
*気圧(きあつ)が低い。
:たとえば日本国内の旅行で山に旅行した時に、未開封のポテトチップスの袋などスナック菓子の袋がふくらむのは周辺の気圧が下がるためである。自然法則は世界共通なので、どこの国でも似たような現象は起きる。
*標高が上がると、酸素濃度がうすくなる。そのため、旅行者などが高山病にかかることもある。
:スポーツ選手などが、たびたび高山地域でトレーニングを行うのは、空気のうすい所でトレーニングすることで、心肺機能をきたえるためである。
== チベット高原 ==
[[Image:Tibet landscape.jpg|thumb|left|300px|チベット高原]]
[[File:NJ2-0074 and 0075 on Qinghai-Tibet Railway.jpg|thumb|right|250px|チベットの鉄道]]
[[File:Bos grunniens at Letdar on Annapurna Circuit.jpg|thumb|left|250px|ヤク]]
[[File:Tibet Autonomous Region in China (undisputed + other de-facto hatched) (+all claims hatched).svg|thumb|200px|チベット自治区。]]
アジア州の <span style="font-size: large;">ヒマラヤ山脈</span>(英:Himalayan Range) の北側にある、<span style="font-size: large;">'''チベット高原'''</span>(チベットこうげん、英:Tibetan Plateau チベトン・プラトー)は、標高が高く(標高4000m前後)、あまり普通の農産物の栽培には向いていない。
ここでは、寒さに強い大麦や小麦が作物として、標高4000m以下の地域あたりで、栽培されている。
チベットの主食は、大麦、小麦などであり、米では無い。
米は熱帯で多雨の土地に適した作物であり、チベットのような寒冷地では米は栽培に適さない。日本の北海道や東北で米が栽培されるのは、品種改良によるものであり、また日本が降水量が多いことによる。
なお、チベットは現在、中華人民共和国に併合されて自治区の一つの チベット自治区 となっており、チベットは漢字で「西蔵」と書く。
チベットでは、中国による開発が進んでいる。
[[Category:中学校地理|にほんのしよちいき たかいちいきてのくらし]]
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== アメリカ州の高山地域 ==
[[ファイル:Bolivian Alpaca.jpg|thumb|left|アルパカと飼育者(ポンチョをまとったボリビア人男性)]]
[[File:Andes Août 2007 - Col en route vers Chavin.jpg|thumb|400px|アンデス山脈の一部。]]
[[画像:Pan flute played 2.jpg||200px|left|thumb|笛を吹くインディオ]]
[[File:Corazon Full.jpg|thumb|アルパカ]]
[[File:A Quechua girl and her Llama.jpg|thumb|伝統的な衣装を着たケチュア族の少女とリャマ(ペルー クスコ)]]
南アメリカ州のペルーからボリビアにかけての地域にある'''アンデス山脈'''(英:Andes アンディース)ぞいには、標高が富士山の山頂(標高3776m)よりも高い地域もあり、標高が高いところでは約4000mもあり、標高が2000m〜4000m以上のある'''中央アンデス高地'''が広がっている。
標高が高いので、この中央アンデス高地の地域は全体的に、すずしい。この地域の住民は、<span style="font-size: large;">'''インディオ'''</span>(スペイン語など:indio)とよばれる先住民の人たちが古くから暮らしている。「インディオ」とは、ヨーロッパ人たちによる、この地域の先住民の呼び方である。
すずしいので、低地よりも暮らしやすく、古くから <span style="font-size: large;">高山都市</span>(こうざん とし) が発達してきあーあ変人ボロネーゼ
高地のため、木が少ないことから、住居には石づくり、例何梅栗の家が多い。
標高3000m〜4000mあたりの作物は、じゃがいも の栽培である。じゃがいもは寒さに強い。そもそも じゃがいも は、アンデス山脈が発祥の作物である。
標高が下がり、標高2000m〜3000mの、やや温暖なところでは、とうもろこしを栽培することもある。標高によって育ててる作物が変わってくる。
チチカカ湖(Lake Titicaca)という湖が、ペルーとボリビアの国境あたりの、標高3800mのあたりにあり、観光名所の一つになっている。
標高4000m以上の場所では作物が育たないので、家畜を放牧(ほうぼく)しており、'''リャマ'''や'''アルパカ'''を'''放牧'''(ほうぼく 英:grazing)している。
これらの家畜は、荷物の運搬用や、毛を利用するためであり、あまり食用にはしない。'''アルパカ'''(英:Alpaca アルパーカ)の毛が衣類の材料になる。リャマもアルパカもラクダ科である。
現地の人の衣類は、アルパカの毛で作った'''ポンチョ'''(英:poncho ポンチョウ)とよばれる服や、つばのついた帽子を着ている。
帽子は、高地の強い日射しを防ぐためにかぶっている。
<gallery>
ファイル:Gauchowheat edit2.jpg|ポンチョをまとったガウチョ(1940年代)
ファイル:Genova-Poncho.jpg|中南米で着用されているポンチョ
ファイル:Lula_poncho.jpg|ポンチョを着用する、ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ
ファイル:Cobos_y_kirchner.jpg|ポンチョを着用する、ネストル・キルチネル
ファイル:APEC2004_Chamanto.jpg|ポンチョを着用する各国首脳(当時)
ファイル:PonchoGirl.JPG|ポンチョを着用する子供
</gallery>
もっとも高いところは標高6000m近くあるが、これらの標高の地域は氷雪地帯になっている。
*現代
携帯電話やインターネットが普及している。急斜面が多いため、電話線を引くのがむずかしく、有線の電話が好まれていない。なので、かわりに携帯電話が普及している。携帯電話なら、通信用のアンテナがあれば、たとえ通信回線を引かなくても、利用できるからである。
[[ファイル:Machu Picchu05.jpg|thumb|マチュピチュ。建造から500年を経てなお健在な急斜面の石積み]]
世界遺産で、古代のインカ文明(英:Inca Civilization)の遺跡である、'''マチュピチュ'''(英:Machu Picchu)があり、観光資源になっている。
道路も整備され、トラックなど
による輸送も増えてきた。
*周辺の低地
アンデス高地の周辺の低地では、赤道に近いこともあり、熱帯雨林などが広がる。
果樹の栽培をしたり、ゴムの栽培をしたりしている。
低地で栽培された作物が、高地の市場(いちば)で取引されることも多い。
古くから使われてきた言語を話す人が少なくなりスペイン語を話す人が増えている
== 高山の特徴 ==
*標高が上がるにつれて、気温は下がる。
*気圧(きあつ)が低い。
:たとえば日本国内の旅行で山に旅行した時に、未開封のポテトチップスの袋などスナック菓子の袋がふくらむのは周辺の気圧が下がるためである。自然法則は世界共通なので、どこの国でも似たような現象は起きる。
*標高が上がると、酸素濃度がうすくなる。そのため、旅行者などが高山病にかかることもある。
:スポーツ選手などが、たびたび高山地域でトレーニングを行うのは、空気のうすい所でトレーニングすることで、心肺機能をきたえるためである。
== チベット高原 ==
[[Image:Tibet landscape.jpg|thumb|left|300px|チベット高原]]
[[File:NJ2-0074 and 0075 on Qinghai-Tibet Railway.jpg|thumb|right|250px|チベットの鉄道]]
[[File:Bos grunniens at Letdar on Annapurna Circuit.jpg|thumb|left|250px|ヤク]]
[[File:Tibet Autonomous Region in China (undisputed + other de-facto hatched) (+all claims hatched).svg|thumb|200px|チベット自治区。]]
アジア州の <span style="font-size: large;">ヒマラヤ山脈</span>(英:Himalayan Range) の北側にある、<span style="font-size: large;">'''チベット高原'''</span>(チベットこうげん、英:Tibetan Plateau チベトン・プラトー)は、標高が高く(標高4000m前後)、あまり普通の農産物の栽培には向いていない。
ここでは、寒さに強い大麦や小麦が作物として、標高4000m以下の地域あたりで、栽培されている。
チベットの主食は、大麦、小麦などであり、米では無い。
米は熱帯で多雨の土地に適した作物であり、チベットのような寒冷地では米は栽培に適さない。日本の北海道や東北で米が栽培されるのは、品種改良によるものであり、また日本が降水量が多いことによる。
なお、チベットは現在、中華人民共和国に併合されて自治区の一つの チベット自治区 となっており、チベットは漢字で「西蔵」と書く。
チベットでは、中国による開発が進んでいる。
[[Category:中学校地理|にほんのしよちいき たかいちいきてのくらし]]
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高等学校政治経済/政治
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/* 主権者としての参政の在り方 */ 追加
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== いろいろ ==
== 見出しタイトル ==
=== 日本の政治の機構 ===
政治機構には、主に立法機関、行政機関、司法機関で構成されている。日本では、立法機関として国会が、行政機関として内閣などが、司法機関として裁判所がある。
;国会
国会は、法律を制定する機関である。ほかにも内閣総理大臣の指名などを行う。
;内閣
内閣は、法律を執行するための機関である。
;裁判所
裁判所は、裁判を行う機関である。
;その他の機構
このほかにも[[w:会計検査院|会計検査院]]などがある。
==== 人権保障と法の支配 ====
;人権保障
大きくは、平等権(平等則)、自由権、社会権、基本的人権を守るための権利などがあり、日本国憲法などによって定められている。
==== 権利と義務の関係 ====
;義務
日本国民には、納税の義務、勤労の義務、子女に教育を受けさせる義務が定められている。また、この場合の日本国民とは20歳以上の男女を指す。
==== 政党政治や選挙など ====
政党とは同じ考えを持った政治家が集まり結成した団体のことで、事実上、衆議院総選挙において過半数をとった政党が日本の第1党となる。
'''政党政治'''とは政党ごとに与党・野党と分かれ、与党が政権を組織し、野党がそれを監視・批判するといった政治の仕組みのことでる。
また政党内閣を本格的にはじめたのは元総理大臣の原敬(はら たかし)であり、自らの立憲政友会を陸軍大臣・外務大臣以外に登用したことが始まりである。
現在は連立政権と言って第1党および提携をしている政党をともに「与党」と呼び、その与党すべての党で内閣を組織するということが増えてきている。
==== 主権者としての参政の在り方 ====
年々、投票率の低下が増え社会問題になりつつある。自らが日本国民なのだという自覚を持ち、その権利をきちんと果たすことが大事である。また、主権者として自分の意見を政治に反映させるためにも参政権を大事にしていかねばならない。
なお、いわゆるシビリアン・コントロール(文民統制)は、主権者たる国民の参政の一態様と考えることができる。シビリアン・コントロールとは、国民が、選挙で選ばれた国民の代表(政治家)を通じて、軍隊をコントロールすることである。
== 下位ページ ==
*[[高等学校政治経済/政治/the Constitution of Japan/Preamble]]
[[カテゴリ:高等学校教育|政]]
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高等学校歴史総合
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[[小学校・中学校・高等学校の学習]]>[[高等学校の学習]]>[[高等学校地理歴史]]>高等学校歴史総合
{{進捗状況}} 「'''歴史総合'''」は標準単位数2単位で'''必修科目'''です。
=== 注意事項 ===
# 目次の項目、本文内容ともに[https://www.shimizushoin.co.jp/info_kyo/rekishisougou/index.html 清水書院『私たちの歴史総合』]【歴総705】に合わせています。ただし、コラムの項目名とかはwikibooksオリジナル表題に変更しています。
# なお、古代と中世に関しては、当科目では扱っていないので、[[高等学校世界史探究|世界史探究]]と[[高等学校日本史探究|日本史探究]]の学習内容を見てください。
== 第1編 歴史の扉 ==
=== 第1章 歴史と私たち ===
* [[高等学校歴史総合/日本とスポーツの歴史|日本とスポーツの歴史]]{{進捗|100%|2024-11-22}}(スポーツ史)
=== 第2章 歴史の特質と資料 ===
* [[高等学校歴史総合/8月15日とそれぞれの「終戦」|8月15日とそれぞれの「終戦」]]{{進捗|100%|2025-06-03}}(玉音放送)
== 第2編 近代化と私たち ==
=== 第1章 生活や社会の変化を読み取ってみよう(未記述) ===
=== 第2章 結びつく世界と日本 ===
==== 18世紀までの世界 ====
* [[高等学校歴史総合/近世の日本と世界|近世の日本と世界]]{{進捗|100%|2024-11-23}}(日本の「鎖国」と東アジアの交易、近世東アジアの国際秩序)
* [[高等学校歴史総合/18世紀の中国とアジア貿易|18世紀の中国とアジア貿易]]{{進捗|100%|2024-12-15}}(清の繁栄、清と近隣諸国とのつながり)
* [[高等学校歴史総合/18世紀のイギリス・アジア・アフリカ|18世紀のイギリス・アジア・アフリカ]]{{進捗|100%|2024-12-29}}(ヨーロッパの世界進出と大西洋三角貿易、世界経済の覇権を握ったイギリス)
* もっと知りたい 海を渡った日本産陶磁器{{進捗|00%|2023-12-24}}(陶磁器の歴史)
* [[高等学校歴史総合/もっと知りたい 琉球と蝦夷地|もっと知りたい 琉球と蝦夷地]]{{進捗|100%|2025-03-26}}(琉球王国、蝦夷地)
==== 工業化と世界市場の形成 ====
* [[高等学校歴史総合/産業革命による経済発展と社会の変化|産業革命による経済発展と社会の変化]]{{進捗|100%|2025-01-01}}(産業革命、資本主義社会)
* [[高等学校歴史総合/世界市場の形成とイギリスによるアジア進出|世界市場の形成とイギリスによるアジア進出]]{{進捗|100%|2024-12-27}}(イギリスによる世界市場の形成、イギリスのアジア進出 )
* [[高等学校歴史総合/日本の開国とその影響|日本の開国とその影響]]{{進捗|100%|2024-12-28}}(日本の開国・開港、交通革命の進展と東アジア)
* [[高等学校歴史総合/歴史のなかの16歳 工女と工場法|歴史のなかの16歳 工女と工場法]]{{進捗|100%|2025-06-29}}(工場法など)
* [[高等学校歴史総合/もっと知りたい 産業革命とブラスバンド|もっと知りたい 産業革命とブラスバンド]]{{進捗|100%|2024-11-23}}(金管楽器の歴史)
=== 第3章 国民国家と明治維新 ===
==== 国民国家と立憲体制 ====
* [[高等学校歴史総合/二つの市民革命と近代民主主義社会の成立|二つの市民革命と近代民主主義社会の成立]]{{進捗|100%|2024-12-20}}(アメリカ独立革命、フランス革命、ナポレオン)
* [[高等学校歴史総合/国民統合とナショナリズム|国民統合とナショナリズム]]{{進捗|100%|2024-12-12}}(19世紀前半のヨーロッパ諸国、ドイツ統一、南北戦争など)
* [[高等学校歴史総合/明治維新期の日本と世界|明治維新期の日本と世界]]{{進捗|100%|2024-01-03}}(明治新政府の成立、近代化と東アジア)
* [[高等学校歴史総合/近代国家への移行と憲法の制定|近代国家への移行と憲法の制定]]{{進捗|100%|2025-01-04}}(大日本帝国憲法、条約改正の実現)
* もっと知りたい 国境の過去・現在・未来{{進捗|00%|2022-12-26}}(近代国家と領土画定など)
* もっと知りたい 女王と天皇 理想の家族{{進捗|00%|2022-02-12}}(近代の天皇史)
==== 帝国主義とアジア・アフリカの変容 ====
* [[高等学校歴史総合/列強による帝国主義|列強による帝国主義]]{{進捗|100%|2024-12-28}}(第2次産業革命と帝国主義、欧米諸国の帝国主義政策)
* [[高等学校歴史総合/帝国主義がアジア・アフリカにもたらしたもの|帝国主義がアジア・アフリカにもたらしたもの]]{{進捗|100%|2024-12-28}}(列強のアフリカ分割、西アジア諸国の改革など)
* [[高等学校歴史総合/日清戦争とその影響|日清戦争とその影響]]{{進捗|100%|2025-01-02}}(日清戦争、東アジアの構造変動)
* [[高等学校歴史総合/日露戦争|日露戦争]]{{進捗|100%|2025-01-03}}(義和団事件、日露戦争、朝鮮の植民地化、辛亥革命)
* [[高等学校歴史総合/もっと知りたい 近代の博覧会|もっと知りたい 近代の博覧会]]{{進捗|100%|2025-03-15}}(万国博覧会の歴史)
* [[高等学校歴史総合/もっと知りたい ペストと感染症|もっと知りたい ペストと感染症]]{{進捗|100%|2024-12-08}}(ペストの大流行ほか)
=== 第4章 近代化と現代的な諸課題 ===
* 鉄道建設{{進捗|00%|2023-03-02}}
== 第3編 国際秩序の変化や大衆化と私たち ==
=== 第1章 生活や社会の変化を読み取ってみよう(未記述) ===
=== 第2章 第一次世界大戦と大衆社会 ===
==== 第一次世界大戦と国際社会 ====
* [[高等学校歴史総合/第一次世界大戦|第一次世界大戦]]{{進捗|100%|2024-11-25}}(第一次世界大戦)
* [[高等学校歴史総合/社会主義革命|社会主義革命]]{{進捗|100%|2024-11-27}}(ロシア革命、コミンテルン、ソビエト社会主義共和国連邦)
* [[高等学校歴史総合/国際協調体制|国際協調体制]]{{進捗|100%|2024-11-23}}(ヴェルサイユ体制とワシントン体制、国際協調の高まり)
* [[高等学校歴史総合/アジアの民族運動|アジアの民族運動]]{{進捗|100%|2025-01-04}}(アジアの経済成長、東アジアの民族運動、インド・東南アジア・西アジアの民族運動)
* もっと知りたい ユダヤ人のパレスチナ移住とパレスチナ分割{{進捗|00%|2022-12-30}}(パレスチナの歴史、シオニズム運動)
* [[高等学校歴史総合/もっと知りたい 浅川巧 朝鮮の人々とともに生きた日本人|もっと知りたい 浅川巧 朝鮮の人々とともに生きた日本人]]{{進捗|100%|2025-03-10}}(浅川兄弟)
==== 1920年代の世界と大衆の時代の到来 ====
* [[高等学校歴史総合/大衆の政治参加|大衆の政治参加]]{{進捗|100%|2025-01-02}}(世界史上の民衆運動、大正デモクラシーと大衆の政治参加)
* [[高等学校歴史総合/女性の社会参加|女性の社会参加]]{{進捗|100%|2024-12-10}}(女性の社会進出、日本の大正期の女性)
* [[高等学校歴史総合/大衆社会の形成|大衆社会の形成]]{{進捗|100%|2024-11-27}}(大衆社会の出現、1920年代のアメリカ、日本の大衆社会)
* [[高等学校歴史総合/もっと知りたい 映画と「大衆化」|もっと知りたい 映画と「大衆化」]]{{進捗|100%|2025-03-28}}(映画の歴史)
* [[高等学校歴史総合/もっと知りたい オリンピックの歩み|もっと知りたい オリンピックの歩み]]{{進捗|100%|2025-03-26}}(オリンピックの歴史)
=== 第3章 経済危機と第二次世界大戦 ===
==== 国際協調の挫折と2度目の世界大戦 ====
* [[高等学校歴史総合/世界恐慌|世界恐慌]]{{進捗|100%|2025-01-04}}(昭和恐慌、ブロック経済圏)
* [[高等学校歴史総合/ファシズムの台頭|ファシズムの台頭]]{{進捗|100%|2024-12-22}}(ファシズム、ナチ党の政権掌握)
* [[高等学校歴史総合/日本の大陸進出|日本の大陸進出]]{{進捗|100%|2024-12-07}}(満州事変、日中戦争)
* [[高等学校歴史総合/第二次世界大戦|第二次世界大戦]]{{進捗|100%|2025-01-06}}(ドイツの拡大、第二次世界大戦、大量殺戮と民衆の抵抗)
* [[高等学校歴史総合/もっと知りたい リンゲルブルム・アーカイヴと『アンネの日記』|もっと知りたい リンゲルブルム・アーカイヴと『アンネの日記』]]{{進捗|100%|2025-03-07}}(アンネ・フランク)
* [[高等学校歴史総合/歴史のなかの16歳 満蒙開拓青少年義勇軍|歴史のなかの16歳 満蒙開拓青少年義勇軍]]{{進捗|100%|2025-03-11}}(満蒙開拓青少年義勇軍の活動とか)
==== 世界大戦がもたらしたもの ====
* [[高等学校歴史総合/アジア太平洋戦争|アジア太平洋戦争]]{{進捗|100%|2025-01-12}}(日米交渉の挫折と開戦、日本のアジア支配、戦争の被害と加害)
* [[高等学校歴史総合/戦争が変えた人々のくらし|戦争が変えた人々のくらし]]{{進捗|100%|2024-12-08}}(マス・メディアの普及と情報や生活の画一化、国民の組織化と戦時動員ほか)
* [[高等学校歴史総合/戦後世界の新たな枠組み|戦後世界の新たな枠組み]]{{進捗|100%|2025-01-08}}(戦後構想と大戦の終結、冷戦の開始とドイツの分断、国際連合の成立)
* [[高等学校歴史総合/敗戦後の日本とアジア|敗戦後の日本とアジア]]{{進捗|100%|2025-01-10}}(日本の戦後改革、大衆は敗戦をどう生きたか、冷戦と日本の独立)
* [[高等学校歴史総合/冷戦下の東アジア|冷戦下の東アジア]]{{進捗|100%|2025-01-17}}(戦後の中国、朝鮮半島の南北分断、現代の朝鮮半島と台湾)
* [[高等学校歴史総合/もっと知りたい 戦争を「記憶」するということ|もっと知りたい 戦争を「記憶」するということ]]{{進捗|100%|2025-03-13}}(明日の神話ほか)
* [[高等学校歴史総合/もっと知りたい 核と原子力エネルギー|もっと知りたい 核と原子力エネルギー]]{{進捗|50%|2025-03-27}}(原子力の平和利用、原子力エネルギーの普及と課題)
=== 第4章 国際秩序の変化や大衆化と現代的な諸課題 ===
* ナショナリズム{{進捗|00%|2022-03-08}}[発展講義]
== 第4編 グローバル化と私たち ==
=== 第1章 生活や社会の変化を読み取ってみよう(未記述) ===
=== 第2章 冷戦と世界経済 ===
==== 冷戦と国際政治 ====
* [[高等学校歴史総合/脱植民地化とアジア・アフリカ諸国|脱植民地化とアジア・アフリカ諸国]]{{進捗|100%|2025-01-25}}(アジア・アフリカ諸国の独立、第三世界の形成と連帯)
* [[高等学校歴史総合/冷戦下の地域紛争|冷戦下の地域紛争]]{{進捗|100%|2025-01-22}}(ベトナム戦争、中東戦争)
* [[高等学校歴史総合/先進国の政治と社会運動|先進国の政治と社会運動]]{{進捗|100%|2025-01-23}}(西側諸国と福祉国家政策、国境をこえる社会運動)
* [[高等学校歴史総合/核兵器の脅威と核軍縮|核兵器の脅威と核軍縮]]{{進捗|100%|2025-01-18}}(核拡散と核兵器反対運動、核軍縮の取り組みと課題)
==== 世界経済の拡大と日本 ====
* [[高等学校歴史総合/西ヨーロッパ・東南アジアの地域連携|西ヨーロッパ・東南アジアの地域連携]]{{進捗|100%|2024-12-03}}(西ヨーロッパ統合への動き、東南アジア諸国の動き)
* [[高等学校歴史総合/戦後の日本とアジア諸国との関係|戦後の日本とアジア諸国との関係]]{{進捗|100%|2024-12-04}}(日本の国連加盟、アジア諸国との国交回復、沖縄の本土復帰)
* [[高等学校歴史総合/高度経済成長|高度経済成長]]{{進捗|100%|2024-12-08}}(日本と西ドイツの経済成長、高度経済成長と人々の生活、成長のもたらした課題)
* [[高等学校歴史総合/もっと知りたい グローバリゼーションとストリートダンス|もっと知りたい グローバリゼーションとストリートダンス]]{{進捗|100%|2025-03-16}}(ダンスの歴史)
* [[高等学校歴史総合/歴史のなかの16歳 集団就職 「金の卵」たちの時代|歴史のなかの16歳 集団就職 「金の卵」たちの時代]]{{進捗|100%|2025-06-29}}(集団就職列車など)
=== 第3章 世界秩序の変容と日本 ===
==== 市場経済の変容と冷戦の終結 ====
* [[高等学校歴史総合/石油危機と価値観の転換|石油危機と価値観の転換]]{{進捗|100%|2025-01-11}}(戦後経済の転換、石油危機と日本、価値観の転換)
* [[高等学校歴史総合/アジアの成長|アジアの成長]]{{進捗|100%|2024-12-15}}(アジア諸国の成長、第三世界の多様化、日本の経済大国化)
* [[高等学校歴史総合/冷戦の終結|冷戦の終結]]{{進捗|100%|2024-12-07}}(社会主義世界の変容、冷戦の終結とソ連の崩壊、冷戦後の地域紛争と日本)
==== 冷戦終結後の世界 ====
* [[高等学校歴史総合/民主化の進展と冷戦終結後の日本|民主化の進展と冷戦終結後の日本]]{{進捗|100%|2024-12-18}}(民主化の進展と課題、日本の政治の展開)
* [[高等学校歴史総合/市場開放と経済の自由化|市場開放と経済の自由化]]{{進捗|100%|2024-11-29}}(新自由主義の台頭、経済のグローバル化と新たな国際経済組織)
* [[高等学校歴史総合/地域統合の進展と課題|地域統合の進展と課題]]{{進捗|100%|2024-11-29}}(地域統合の拡大、地域統合の課題)
* [[高等学校歴史総合/情報通信技術の発達|情報通信技術の発達]]{{進捗|100%|2024-11-27}}(情報通信技術の発達と社会の変化、情報化社会とその課題)
* [[高等学校歴史総合/冷戦終結後の紛争と平和への取り組み|冷戦終結後の紛争と平和への取り組み]]{{進捗|100%|2024-12-07}}(冷戦終結後の紛争、紛争の解決と国際社会の役割)
* [[高等学校歴史総合/もっと知りたい 災害と私たち|もっと知りたい 災害と私たち]]{{進捗|100%|2025-03-15}}(自然災害)
* [[高等学校歴史総合/もっと知りたい 中東の少数派クルド人|もっと知りたい 中東の少数派クルド人]]{{進捗|100%|2025-03-17}}(国民国家の中の少数派、クルド人問題の展開)
=== 第4章 現代的な諸課題の形成と展望 ===
* 移民{{進捗|00%|2023-02-22}}(近代の移民史)
== 分類依頼 ==
*[[高等学校歴史総合/もっと知りたい ユダヤ人のパレスチナ移住とパレスチナ分割]]
*[[高等学校歴史総合/もっと知りたい 国境の過去・現在・未来]]
*[[高等学校歴史総合/もっと知りたい 女王と天皇 理想の家族]]
*[[高等学校歴史総合/ナショナリズム]]
*[[高等学校歴史総合/日本の領土をめぐる問題]]
*[[高等学校歴史総合/移民]]
*[[高等学校歴史総合/近現代史関連用語解説]]
*[[高等学校歴史総合/鉄道建設]]
== 近現代史関連用語解説・参考 ==
* 近現代史関連用語解説{{進捗|00%|2023-02-22}}
* 途上国から見た国際関係理論{{進捗|00%|2023-03-05}}[発展講義(イマニュエル・ウォーラースティンなど)]
[[カテゴリ:歴史|こうとうかつこうれきしそうこう]]
[[カテゴリ:高等学校歴史総合|*]]
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日本史/原始
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日本の原始時代は、旧石器時代、縄文時代、弥生時代の3つの主要な時代に区分されます。これらの時代は、日本列島における人類の生活様式や文化、技術の進化を理解する上で重要な時期です。以下に、各時代の特徴と変遷を詳しく説明します。
== 旧石器時代 ==
=== 時代の概要 ===
[[/旧石器時代|旧石器時代]]は、日本列島に人類が住み始めた最も古い時代であり、約3万8,000年前から約1万6,000年前まで続きました。この時代は、狩猟・採集を中心とした生活が特徴で、人々は移動しながら生活していました。
=== 生活様式 ===
* '''狩猟''': ナウマンゾウやオオツノジカなどの大型動物のほか、シカやイノシシなどを狩猟していました。
* '''採集''': 木の実や根菜類を採集し、食料としていました。
* '''道具''': 打製石器(石を打ち欠いて作った道具)を使用していました。代表的な石器には、尖頭器(せんとうき)や削器(さっき)があります。
=== 遺跡と発見 ===
* '''岩宿遺跡(群馬県)''': 日本で初めて旧石器時代の遺跡が発見された場所です。
* '''野尻湖遺跡群(長野県)''': ナウマンゾウの化石や石器が発見され、当時の生活を理解する重要な資料となっています。
== 縄文時代 ==
=== 時代の概要 ===
[[/縄文時代|縄文時代]]は、約1万6,000年前から約3,000年前まで続きました。この時代は、土器の使用が始まり、定住生活が一般的になったことが特徴です。縄文時代の名前は、土器の表面に縄目の文様が施されていることに由来します。
=== 生活様式 ===
* '''狩猟・採集・漁労''': 縄文人は、狩猟、採集、漁労を組み合わせた多様な生活を送っていました。特に、貝塚からは魚介類や動物の骨が大量に出土しており、漁労が重要な役割を果たしていたことがわかります。
* '''定住生活''': 竪穴建物に住み、集落を形成していました。集落には、共同のゴミ捨て場である貝塚や、祭祀の場と考えられる環状列石(ストーンサークル)が見られます。
* '''土器の使用''': 縄文土器は、食物の調理や保存に使用されました。土器の形状や文様は時代や地域によって多様です。
=== 文化と信仰 ===
* '''土偶''': 縄文時代には、土偶と呼ばれる人形が作られました。これらの土偶は、祭祀や儀式に用いられたと考えられています。
* '''祭祀''': 環状列石や土偶は、縄文人の信仰や精神世界を反映していると考えられます。
=== 遺跡と発見 ===
* '''三内丸山遺跡(青森県)''': 大規模な集落跡で、縄文時代の生活を理解する上で重要な遺跡です。
* '''加曽利貝塚(千葉県)''': 日本最大級の貝塚で、当時の食生活を理解する貴重な資料となっています。
== 弥生時代 ==
=== 時代の概要 ===
[[/弥生時代|弥生時代]]は、約3,000年前から約1,700年前まで続きました。この時代は、稲作農業の開始や金属器の使用が特徴です。弥生時代の名前は、東京の弥生町で発見された土器に由来します。
=== 生活様式 ===
* '''稲作農業''': 弥生時代の最も大きな特徴は、稲作農業の開始です。これにより、人々の生活様式が大きく変化し、定住生活がさらに進みました。
* '''金属器の使用''': 青銅器や鉄器が使用されるようになりました。青銅器は祭祀用として、鉄器は農具や武器として使用されました。
* '''集落の発展''': 環濠集落(集落の周りに堀を巡らせたもの)が作られ、集落間の争いが増えたことを示しています。
=== 社会の変化 ===
* '''階層化''': 稲作による富の蓄積により、社会に階層が生まれました。特に、首長と呼ばれる指導者が現れ、政治的・社会的な組織が形成されました。
* '''クニの形成''': 地域ごとに小国家(クニ)が形成され、後にヤマト政権へと発展していきます。
=== 遺跡と発見 ===
* '''吉野ヶ里遺跡(佐賀県)''': 大規模な環濠集落で、弥生時代の社会構造を理解する上で重要な遺跡です。
* '''登呂遺跡(静岡県)''': 水田跡や住居跡が発見され、弥生時代の農業生活を理解する貴重な資料となっています。
== 原始時代の意義 ==
日本の原始時代は、人類が日本列島に住み始めてから、農業社会が確立するまでの長い期間をカバーしています。この時代の特徴は、以下のようにまとめられます。
=== 技術の進化 ===
* 旧石器時代の打製石器から、縄文時代の土器、弥生時代の金属器へと、技術が進化していきました。
* 特に、土器の使用は、食物の調理や保存を可能にし、生活の質を大きく向上させました。
=== 社会の変化 ===
* 狩猟・採集から農業へと生活様式が変化し、定住生活が一般的になりました。
* 社会の階層化が進み、政治的・社会的な組織が形成されました。
=== 文化の多様性 ===
* 縄文時代の土偶や環状列石は、当時の人々の信仰や精神世界を反映しています。
* 弥生時代の青銅器や鉄器は、技術的な進化とともに、祭祀や戦争の様子を物語っています。
== 土器 ==
{{Main|日本史/原始/土器}}
== まとめ ==
日本の原始時代は、旧石器時代、縄文時代、弥生時代の3つの時代に区分されます。これらの時代を通じて、人類は狩猟・採集から農業へと生活様式を変化させ、技術や社会構造を進化させてきました。原始時代の遺跡や出土品は、当時の人々の生活や文化を理解する上で貴重な資料であり、現代の日本社会の基盤を形作った重要な時代として位置づけられています。
{{DEFAULTSORT:けんし}}
[[Category:日本の歴史]]
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Swift
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wikitext
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{{Pathnav|メインページ|工学|情報技術|プログラミング}}
Swiftは、Appleが開発したプログラミング言語で、iOS、macOS、watchOS、tvOSアプリケーションの開発に主に使用されます。2014年に発表され、モダンな構文、安全性、パフォーマンスを重視して設計されています。オープンソースで、初心者にも学びやすく、Objective-Cの代替として広く採用されています。
== 目次 ==
* Swift/
* [[Swift/文法]] - 主に制御構造、関数定義について
* [[Swift/オブジェクト指向]] - 主に列挙体、クラス、構造体について
* [[Swift/非同期処理]] - 主にGrand Central Dispatchによる非同期処理について
== 環境準備 ==
{{先頭に戻る}}
=== オンラインコンパイル実行 ===
ローカルにコンパイル実行環境を作るのが困難、すぐにコンパイルと実行を試してみたい。そんな場合には、オンラインコンパイル実行環境を使うことも検討に値します。
; [https://www.apple.com/jp/swift/playgrounds/ Swift Playgrounds]
: 公式のオンラインコンパイル実行環境です。
; [https://paiza.io/ja/projects/new?language=swift paiza.io]
: 複数のプログラミン言語に対応しており、Swiftにも対応しています。
=== ビルド済みバイナリーの導入 ===
公式サイトの、[https://www.swift.org/install/ Install Swift]からインストーラーを入手するのが基本です。
==== iPadOS ====
Appleから、「[[W:Swift Playgrounds|Swift Playgrounds]]」が学生を対象に公開されています。
Swift Playgroundsは開発環境であるとともに、Swiftの基本を習得するためのチュートリアルを含んでいます。
==== macOS ====
Swiftを開発したAppleのプラットフォームです。
Xcodeに統合されています。
複数のツールチェインがSwiftをサポートしているので、目的に応じて切り替えて使用します。
==== Windows ====
Windows10以降をサポートしています(Windows8.1以前はサポート対象外)。[https://www.swift.org/install/windows/ swift公式サイト]では[[Windowsパッケージマネージャー|winget]]などパッケージマネージャを用いてインストールすることを推奨している。
==== GNU/Linuxのディストリビューション ====
公式サイトの、[https://www.swift.org/install/ Install Swift]からインストールします。
公式サイトが対応している Linux platform:
* Amazon Linux
* Debian
* Fedora
* Red Hat
* Ubuntu
=== ソースコードからのビルド ===
最新のあるいはリリース前のバージョンのSwiftをインストールしたい場合は、ソースコードを入手しビルドします。
# ソースコードの入手
#: https://github.com/apple/swift から clone します。
# ビルド環境の構築
#: ビルド環境の構築のために build-toolchain スクリプトが用意されています。--help で全てのオプションの説明を見ることが出来ます。
# コンフィギュレーション
# ビルド
# テスト
# インストール
=== バージョン確認コマンド ===
インストールに成功したと思ったら、バージョン確認など簡単なコマンドを実行してみましょう。
<pre>
swift --version
</pre>
で確認できます。
実行結果の一例(WindowsのPowershellから実行)
<pre>
PS C:\Users\ユーザー名> swift -version
compnerd.org Swift version 5.8.1 (swift-5.8.1-RELEASE)
Target: x86_64-unknown-windows-msvc
</pre>
== 実行方法 ==
{{先頭に戻る}}
=== Hello World ===
コードは
;[https://paiza.io/projects/jQf1nn3WevpSPxGi3wtxww?language=swift hello.swift]:<syntaxhighlight lang=swift copy>
print( "Hello, World!" )
</syntaxhighlight>
の1行です。これをテキストエディターでコードを書き、ファイル名 <code>hello.swift</code> 保存します。swiftのソースファイルの拡張子には <code>.swift</code> が使われます。
=== コンパイルする場合 ===
実行方法は、まずコンパイルのために
:<syntaxhighlight lang=bash>
$ swiftc ファイル名.swift
</syntaxhighlight>
を実行します。
すると、標準設定ならカレントディレクトリなどシステム標準の場所に ''ファイル名'' の実行ファイルが出来るので、あとはそれを通常の実行ファイルと同じ方法で実行します。
MS-DOSやWindowsでは、PATHが通っていなくてもカレントフォルダのファイルを名前を打つだけで実行できますが、他のプラットフォームの場合は
:<syntaxhighlight lang=bash>
$ ./ファイル名
</syntaxhighlight>
のようなに <code>./</code> を前置してカレントディレクトのファイルであることを明示して実行します。
=== インタプリタの場合 ===
コマンド
:<syntaxhighlight lang=bash>
$ swift ファイル名.swift
</syntaxhighlight>
で、コンパイルと実行を行えます。
かつては「swift run ファイル名.swift」というコマンドでしたが、いまでは廃止され、上のようなコマンドになっています。
=== 対話モードの場合 ===
:<syntaxhighlight lang=bash>
$ swift
</syntaxhighlight>
で対話モードになります。
終了したい場合、Ctrl + D ボタンで終了します。
== 定数と変数 ==
{{先頭に戻る}}
=== 変数 ===
変数は、値と結びついた識別子で初期化や代入によって結びつく値を変えることが出来ます。
変数は、キーワード <code>var</code> を使って宣言します。
;変数の宣言:<syntaxhighlight lang=swift copy>
var 変数名: 型 = 式
</syntaxhighlight>
=== 定数 ===
定数は、一度しか値を初期化あるいは代入できない変数です。
定数は、キーワード <code>let</code> を使って宣言します。
;定数の宣言:<syntaxhighlight lang=swift copy>
let 定数名: 型 = 式
</syntaxhighlight>
;[https://paiza.io/projects/sImpqWxj8ncj3fETs6oc5w?language=swift 変数の値を参照]:<syntaxhighlight lang=swift copy>
var a: Int = 47
print( a )
</syntaxhighlight>
;実行結果:<syntaxhighlight lang="text">
47
</syntaxhighlight>
型 <code>Int</code> は冒頭が大文字でなければなりません。Swiftでは大文字と小文字は区別されます。
=== 識別子 ===
定数や変数の名前のことを識別子( ''identifier'' )と言います(他にも関数・メソッド・クラス・クラスのメンバーなどの名前も識別子で、同じ名前空間の中では識別子は重複できません)。
* 識別子には以下の文字セットが使えます。
** 英数字(a-z, A-Z, 0-9)
** アンダースコア(_)
** $ 記号
** Unicode文字
* 識別子の先頭に数字(0-9)を使うことは出来ません。
* <code>var</code> のようなSwiftのキーワードは識別子に使用できません。
* <code>print</code> のような標準ライブラリー関数は識別子に使用すべきではありません。
この規則に違反したコードはコンパイルエラーになります。
;[https://paiza.io/projects/MEqayjud3SgpX4oyMzN8hQ?language=swift 標準ライブラリー関数の名前を定数の名前に使った]:<syntaxhighlight lang=swift copy>
let print = 0
print(print)
</syntaxhighlight>
;コンパイル結果:<syntaxhighlight lang="text">
main.swift:2:1: error: cannot call value of non-function type 'Int'
print(print)
</syntaxhighlight>
ただし、識別子を `(バッククオーテーション)で括るとキーワードも識別子に使うことができます。
;[https://paiza.io/projects/cnnl6j6eVBxpSEY2VHU2Qw?language=swift `(バッククオーテーション)で括りキーワードを識別子に使う]:<syntaxhighlight lang=swift copy>
let `var` = 42
print(`var`)
</syntaxhighlight>
;実行結果:<syntaxhighlight lang="text">
42
</syntaxhighlight>
=== 初期化と参照 ===
;[https://paiza.io/projects/twUAZ8qPyXnS7Tf5Bf4IOQ?language=swift 定数と変数は宣言時の初期化を省略できます]:<syntaxhighlight lang=swift copy>
var a: Int
a = 31
print( a )
let b: Int
b = 42
print( b )
</syntaxhighlight>
;実行結果:<syntaxhighlight lang="text">
31
42
</syntaxhighlight>
定数と変数は宣言時に初期化を省略できますが、初期化を省略した変数の値を参照するとコンパイル時にエラーになります。
;[https://paiza.io/projects/XztA-lHHfU7rMUOG6ixdOA?language=swift 宣言時に初期化を省略した変数の値を参照(コンパイル時にエラーになります)]:<syntaxhighlight lang=swift copy>
var a: Int
print( a )
</syntaxhighlight>
;コンパイル結果:<syntaxhighlight lang="text">
main.swift:2:8: error: variable 'a' used before being initialized
print( a )
^
</syntaxhighlight>
=== 型推論 ===
初期値を伴って変数か定数が宣言された場合、型アノテーション(''type annotation''; <code>: 型名</code>の部分)を省略することができます。
これを[[型推論]]( ''type inference'' )と呼びます。
;[https://paiza.io/projects/Hj4gcLxMdsNMQPR2gGlmlQ?language=swift 型推論]:<syntaxhighlight lang=swift copy>
let a = 31
print( a, String(describing: type(of: a)) )
let b = "abc"
print( b, String(describing: type(of: b)) )
let c = 3.1415926536
print( c, String(describing: type(of: c)) )
</syntaxhighlight>
;実行結果:<syntaxhighlight lang="text">
31 Int
abc String
3.1415926536 Double
</syntaxhighlight>
: <code>String(describing: type(of: 式)</code>は、式の型を文字列で返します。
一般に定数と変数は宣言に初期化することは良い習慣だと考えられています。このため、多くのシチュエーションで型推定が可能となり型アノテーションが省略できます。
型アノテーションを省略すると、『コードの意図が読みにくくなる』とコードレビューで指摘されることがありますが、全部の宣言に型アノテーションを追加すると、『型アノテーションが冗長』とコードレビュー指摘されます。「どのような場合に、型アノテーションを書くべきか」一般則はありませんが <code>let str = "abc"</code> に型アノテーションを書くべきだと主張する人はまれなので、定数と変数の名前えらびは重要で、単に <var>a</var> や <var>b</var> の様な「色のない」 名前は選ぶべきではありません。
=== 暗黙の型変換は行われない ===
なお、いかなる数値型の変数についても'''暗黙の型変換'''( ''implicit conversion'' )が行われることはなく、型の違う数値同士の演算、右辺と左辺で型の異なる代入は全てコンパイルエラーとなります。
;符号の有無の違う定数による初期化:<syntaxhighlight lang=swift copy>
let signed: Int = 1
let unsigned: UInt = signed
</syntaxhighlight>
;コンパイル結果:<syntaxhighlight lang="text">
main.swift:2:22: error: cannot convert value of type 'Int' to specified type 'UInt'
let unsigned: UInt = signed
^~~~~~
UInt( )
</syntaxhighlight>
: 数値リテラル<code>1</code>は、UIntの範囲内ですが swift は型の不整合を理由にエラーにします。
;型の異なる定数と数値リテラルからなる式:<syntaxhighlight lang=swift copy>
let signed: Int = 1
let number = signed + 1.0
</syntaxhighlight>
;コンパイル結果:<syntaxhighlight lang="text">
main.swift:2:8: error: binary operator '+' cannot be applied to operands of type 'Int' and 'Double'
signed + 1.0
~~~~~~ ^ ~~~
main.swift:2:8: note: overloads for '+' exist with these partially matching parameter lists: (Double, Double), (Int, Int)
signed + 1.0
^
</syntaxhighlight>
;型の異なる数値リテラル同士からなる式:<syntaxhighlight lang=swift copy>
let number = 1 + 1.0
print( number, String(describing: type(of: number)) )
</syntaxhighlight>
;実行結果:<syntaxhighlight lang="text">
2.0 Double
</syntaxhighlight>
: これは暗黙の型変換に似ていますが、数値リテラルのみからなる式(=コンパイル時定数式)で、コンパイル時に静的に評価されます。
;Double.piは数値リテラル扱い?:<syntaxhighlight lang=swift copy>
let rad_to_deg_factor = Double.pi / 180
print( rad_to_deg_factor, String(describing: type(of: rad_to_deg_factor)) )
</syntaxhighlight>
;実行結果:<syntaxhighlight lang="text">
0.017453292519943295 Double
</syntaxhighlight>
: なぜ?
== 基本データ型 ==
Swiftには、整数、浮動小数点数、真理値型、文字列型などの基本的なデータ型があります。これらのデータ型は、Swiftのプログラミングにおいて非常に重要な役割を果たします。本稿では、Swiftの基本データ型について、その特徴や使い方について解説していきます。
=== 整数 ===
以下はSwiftにおける整数とそのバリエーションとリテラルに関する表です。
:{| class="wikitable"
!タイプ
!範囲
!大きさ
!リテラルの例
|-
|Int8
(符号付き)
| -128 〜 127
|8ビット
|<code>let myInt8: Int8 = -12</code>
|-
|UInt8
(符号なし)
|0 〜 255
|8ビット
|<code>let myUInt8: UInt8 = 42</code>
|-
|Int16
(符号付き)
| -32,768 〜 32,767
|16ビット
|<code>let myInt16: Int16 = -1234</code>
|-
|UInt16
(符号なし)
|0 〜 65,535
|16ビット
|<code>let myUInt16: UInt16 = 5678</code>
|-
|Int32
(符号付き)
| -2,147,483,648 〜 2,147,483,647
|32ビット
|<code>let myInt32: Int32 = -123456</code>
|-
|UInt32
(符号なし)
|0 〜 4,294,967,295
|32ビット
|<code>let myUInt32: UInt32 = 123456</code>
|-
|Int64
(符号付き)
| -9,223,372,036,854,775,808 〜 9,223,372,036,854,775,807
|64ビット
|<code>let myInt64: Int64 = -1234567890</code>
|-
|UInt64
(符号なし)
|0 〜 18,446,744,073,709,551,615
|64ビット
|<code>let myUInt64: UInt64 = 1234567890</code>
|-
|Int
(符号付き)
| -2,147,483,648 〜 2,147,483,647
(32ビット
または
64ビット)
|32ビットまたは64ビット
(環境による)
|<code>let myInt: Int = -1234567890</code>
|-
|UInt
(符号なし)
|0 〜 4,294,967,295
(32ビット
または
64ビット)
|32ビットまたは64ビット
(環境による)
|<code>let myUInt: UInt = 1234567890</code>
|}
Swiftには、整数のリテラルに使用できる多くのオプションがあります。以下に、Swiftで使用できる整数のリテラル構文の例を示します。
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
let decimalInt = 17 // 10進数
let binaryInt = 0b10001 // 2進数
let octalInt = 0o21 // 8進数
let hexInt = 0x11 // 16進数
</syntaxhighlight>
これらのリテラルの前には、マイナス記号を使用して、負の整数を表すことができます。また、アンダースコア(_)を使用して、リテラルの読みやすさを向上させることができます。
=== 浮動小数点数 ===
以下はSwiftの浮動小数点数とそのバリエーション、およびリテラルの表です。
:{| class="wikitable"
!データ型
!ビット
!最小値
!最大値
!リテラル
|-
|<code>Float</code>
|32
|1.175494e-38
|3.402823e+38
|<code>3.14</code>, <code>0.1e2</code>, <code>1.25E-2</code>
|-
|<code>Double</code>
|64
|2.2250738585072014e-308
|1.7976931348623157e+308
|<code>3.14</code>, <code>0.1e2</code>, <code>1.25E-2</code>
|-
|<code>Float80</code>
|80
|3.36210314311209350626e-4932
|1.18973149535723176505e+4932
|<code>3.14</code>, <code>0.1e2</code>, <code>1.25E-2</code>
|}
以下はSwiftのコード例です。
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
let a: Float = 3.14
let b: Double = 0.1e2
let c: Float80 = 1.25E-2
print(a) // 3.14
print(b) // 10.0
print(c) // 0.0125
</syntaxhighlight>
=== 真理値 ===
Swiftでは、真を表すのにtrue、偽を表すのにfalseを使用します。これらは、Boolというデータ型の値です。例えば、以下のように使用します。
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
let happy: Bool = true
let hungry = false
print(happy) // true
print(hungry) // false
</syntaxhighlight>
=== 文字と文字列 ===
以下はSwiftで使用可能な文字型、バリエーション、およびリテラルの表です:
:{| class="wikitable"
!型
!バリエーション
!リテラルの例
|-
|Character
|Unicodeスカラー値
|<code>"A"</code>
|-
|String
|Unicodeスカラー値または文字列
|<code>"Hello, world!"</code>
|}
こちらはSwiftでの文字型の実際のコード例です:
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
let letterA: Character = "A"
let message: String = "Hello, world!"
</syntaxhighlight>
==== 文字列と文字列の連結 ====
以下はSwiftの文字列と文字列の連結の方法です。まず、+演算子を使用して文字列を連結することができます。
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
let str1 = "Hello"
let str2 = "world"
let str3 = str1 + " " + str2
print(str3) // "Hello world"
</syntaxhighlight>
また、+=演算子を使用して文字列を更新することもできます。
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
var str4 = "Hello"
str4 += " world"
print(str4) // "Hello world"
var str4 = "Hello"
str4 += " world"
print(str4) // "Hello world"
</syntaxhighlight>
==== 文字列に値を埋め込む方法 ====
以下は、Swiftで文字列に値を埋め込む方法の例です。\(value)のように、文字列内に変数を\( )で囲んで埋め込みます。
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
var name = "John"
var age = 25
var message = "\(name) is \(age) years old."
print(message)
</syntaxhighlight>
;実行結果:<syntaxhighlight lang=text>
John is 25 years old.
</syntaxhighlight>
また、String(format: "%@", value)のように、Stringクラスのformatメソッドを使用することもできます。以下は例です。
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
var name = "John"
var age = 25
var message = String(format: "%@ is %d years old.", name, age)
print(message)
</syntaxhighlight>
;実行結果:<syntaxhighlight lang=text>
John is 25 years old.
</syntaxhighlight>
どちらの方法でも同じ結果が得られます。
==== サロゲートペア ====
このSwiftのコードは、文字列をUTF-8形式およびUTF-16形式でそれぞれカウントする方法と、文字列長を計算する方法を示しています。
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
import Foundation // Foundationフレームワークをインポート
let str = "aαあ𪚲" // 文字列を定義(ASCII, ギリシャ文字, ひらがな, 片仮名, および漢字等を含む)
print(str.utf8.count) // UTF-8形式での文字列の長さをカウント(バイト単位):10
print(str.utf16.count) // UTF-16形式での文字列の長さをカウント(16ビット単位):5
print((str as NSString).length) // UTF-16形式での文字列の長さを計算:5
print(str._bridgeToObjectiveC().length) // 上と同様にUTF-16形式での文字列の長さを計算:5
let char = str.character(at:3) // 4番目の文字のUnicode scalarを見つける
print(type(of: char)) // UInt16(16ビット符号なし整数型)
print(String(format:"%x", char)) // d869(4番目の文字のUnicode scalarを16進数表記で出力)
</syntaxhighlight>
このコードでは、<code>Foundation</code>フレームワークがインポートされているため、<code>NSString</code>のメソッドである<code>length</code>メソッドにアクセスできます。
また、<code>character(at:)</code>は<code>NSString</code>にも実装されていますが、<code>Swift</code>の組み込みの<code>String</code>型でも提供されています。
=== 配列 ===
Swiftにおける配列は、複数の値を一箇所に保持することができるデータ構造です。Swiftでは、配列を宣言するために2つの方法があります。以下の表では、それぞれの方法について解説します。
:{| class="wikitable"
!配列の宣言方法
!説明
|-
|<code>Array<要素の型>()</code>
|空の配列を定義する方法です。
|-
|<code>[要素の型]()</code>
|空の配列を定義する省略形です。
|}
以下は、Swiftにおける配列のバリエーションとリテラルのコード例です。
空の配列を定義する場合
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
var emptyArray: Array<Int> = Array<Int>()
var emptyArray2: [Int] = [Int]()
var emptyArray3: [Int] = []
</syntaxhighlight>
ここで、<code>Array<Int>()</code>と<code>[Int]()</code>は、空の配列を宣言するための方法で、それぞれ<code>emptyArray</code>と<code>emptyArray2</code>に割り当てられます。同様に、<code>[]</code>は空の配列を宣言する省略形で、<code>emptyArray3</code>に割り当てられます。
配列のリテラルを使用する場合
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
var arrayWithLiteral1: [Int] = [1, 2, 3]
var arrayWithLiteral2 = [4, 5, 6]
</syntaxhighlight>
ここで、<code>[1, 2, 3]</code>と<code>[4, 5, 6]</code>は、配列のリテラルと呼ばれるもので、それぞれ<code>arrayWithLiteral1</code>と<code>arrayWithLiteral2</code>に割り当てられます。
配列にアクセスする方法
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
var fruits = ["apple", "banana", "orange"]
print(fruits[0]) // "apple"
print(fruits[1]) // "banana"
print(fruits[2]) // "orange"
</syntaxhighlight>
配列には、各要素に対応するインデックスがあります。上の例では、<code>fruits</code>の最初の要素にアクセスするには、<code>fruits[0]</code>と書きます。インデックスは0から始まり、配列の最後の要素にアクセスするインデックスは<code>(配列の要素数 - 1)</code>となります。
==== 配列の結合 ====
===== <code>+</code>演算子を使った配列の結合 =====
<code>+</code>演算子を使うと、2つの配列を結合することができます。例えば、以下のように書くことができます。
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
let array1 = [1, 2, 3]
let array2 = [4, 5, 6]
let joinedArray = array1 + array2
print(joinedArray) // => [1, 2, 3, 4, 5, 6]</syntaxhighlight>
===== <code>+=</code>演算子を使った配列の結合 =====
<code>+=</code>演算子を使うと、配列自身を変更して結合することができます。例えば、以下のように書くことができます。
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
var array3 = [7, 8, 9]
array3 += [10, 11, 12]
print(array3) // => [7, 8, 9, 10, 11, 12]
</syntaxhighlight>
==== 配列の代入 ====
Swiftの配列は値型であるため、代入する場合にはコピーが作成されます。つまり、元の配列に影響を与えずに別の配列に代入することができます。例えば、以下のように書くことができます。
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
var array4 = [13, 14, 15]
var array5 = array4
array5.append(16)
print(array4) // => [13, 14, 15]
print(array5) // => [13, 14, 15, 16]
</syntaxhighlight>
ただし、配列内の要素が参照型である場合は、代入先の配列でも同じオブジェクトが参照されるため、元の配列の要素に変更を加えた場合には代入先の配列にも同じ変更が反映されます。
==== 基本操作 ====
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
var arr = [0, 1, 2, 3, 4, 5, 6]
arr.append(7)
print(arr) // [0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7]
arr += [8, 9, 10]
print(arr) // [0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10]
arr.insert(11, at:2)
print(arr) // [0, 1, 11, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10]
arr[2] = 12
print(arr) // [0, 1, 12, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10]
arr[2...2] = [11, 12, 13]
print(arr) // [0, 1, 11, 12, 13, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10]
arr.remove(at:0)
print(arr) // [1, 11, 12, 13, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10]
arr.removeLast()
print(arr) // [1, 11, 12, 13, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9]
arr[5...] = [99]
print(arr) // [1, 11, 12, 13, 2, 99]
let index13 = arr.index(of: 13)
print(index13) // Optional(3)
let squared = arr.map{ i in i * i }
print(squared) // [1, 121, 144, 169, 4, 9801]
let filtered = arr.filter{ n in n > 3 }
print(filtered) // [11, 12, 13, 99]
let sorted = arr.sorted{ (a, b) in a > b }
print(sorted) // [99, 13, 12, 11, 2, 1]
let sum = arr.reduce(0){ (s, n) in s + n }
print(sum) // 138
arr.forEach{ n in print(n) } // 1↵121↵144↵169↵4↵9801
let arr1 = [[1, 2, 3], [4, 5, 6], [7, 8, 9]]
let arr1_1 = arr1.map{ a -> [Int] in a.reversed() }
print(arr1_1) // [[3, 2, 1], [6, 5, 4], [9, 8, 7]]
let arr1_2 = arr1.flatMap{ a -> [Int] in a.reversed() }
print(arr1_2) // [3, 2, 1, 6, 5, 4, 9, 8, 7]
let arr2 = [1, 2, nil, 4]
let arr2_1 = arr2.map{ n -> Int? in n }
print(arr2_1) // [Optional(1), Optional(2), nil, Optional(4)]
let arr2_2 = arr2.flatMap{ n -> Int? in n }
print(arr2_2) // [1, 2, 4]
</syntaxhighlight>
このコードは、Swift言語で配列に対して行うことができるいくつかの操作を示しています。
最初に、配列の要素を追加する方法が示されています。<code>append()</code>メソッドは、配列の末尾に要素を追加します。<code>+=</code>演算子は、別の配列を末尾に追加することもできます。
次に、配列内の要素を挿入したり、置き換えたり、削除したりする方法が示されています。<code>insert()</code>メソッドは、特定の位置に要素を挿入します。要素を置き換えるには、要素のインデックスを指定して値を割り当てます。<code>remove()</code>メソッドは、指定したインデックスの要素を削除します。<code>removeLast()</code>メソッドは、配列の末尾の要素を削除します。また、配列スライスを使用して、複数の要素を一度に置き換えることもできます。
次に、配列を操作して新しい配列を作成する方法が示されています。<code>map()</code>メソッドは、配列内のすべての要素に対して関数を適用し、新しい配列を返します。<code>filter()</code>メソッドは、配列内の要素をフィルタリングし、指定した条件を満たす要素だけを含む新しい配列を返します。<code>sorted()</code>メソッドは、配列内の要素をソートし、新しい配列を返します。<code>reduce()</code>メソッドは、配列内の要素を畳み込んで単一の値を返します。<code>forEach()</code>メソッドは、配列内のすべての要素に対して、指定されたクロージャを実行します。
最後に、多次元配列に対して操作を行う方法が示されています。<code>map()</code>メソッドは、多次元配列内のすべての配列に対して、それぞれの要素の順序を反転した新しい配列を返します。<code>flatMap()</code>メソッドは、多次元配列内のすべての要素を1つの配列に平坦化します。また、オプショナル型の値を含む配列に対しても動作します。<code>map()</code>メソッドはオプショナル型の値を含む配列に対しては動作しますが、<code>flatMap()</code>メソッドは<code>nil</code>値を削除して新しい配列を返します。
=== 集合 ===
Swiftの集合(Set)は、ユニークで順序がない要素のコレクションです。それぞれの要素は同じ型でなければなりません。重複した要素は1つの要素として扱われます。
以下は、Swiftの集合に関する基本的な機能の例です。
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
// 空の集合を作成する
var setA = Set<Int>()
print(setA) // []
// 初期値を指定して集合を作成する
var setB: Set<Int> = [1, 2, 3]
print(setB) // [1, 2, 3]
// 集合に要素を追加する
setA.insert(1)
setA.insert(2)
setA.insert(3)
setA.insert(4)
print(setA) // [1, 2, 3, 4]
// 集合から要素を削除する
setA.remove(3)
print(setA) // [1, 2, 4]
// 集合の要素数を取得する
print(setA.count) // 3
// 集合に要素が含まれているかを調べる
print(setA.contains(1)) // true
print(setA.contains(3)) // false
// 集合を空にする
setA.removeAll()
print(setA) // []
// 集合の演算
let set1: Set<Int> = [1, 2, 3, 4]
let set2: Set<Int> = [3, 4, 5, 6]
// 和集合を取得する
let unionSet = set1.union(set2)
print(unionSet) // [1, 2, 3, 4, 5, 6]
// 積集合を取得する
let intersectionSet = set1.intersection(set2)
print(intersectionSet) // [3, 4]
// 差集合を取得する
let subtractingSet = set1.subtracting(set2)
print(subtractingSet) // [1, 2]
// 対称差集合を取得する
let symmetricDifferenceSet = set1.symmetricDifference(set2)
print(symmetricDifferenceSet) // [1, 2, 5, 6]
</syntaxhighlight>
Swiftの集合(Set)には、forループや高階関数を使用して要素を処理することができます。
まず、forループを使用する場合は、次のように記述します。
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
let set: Set = ["apple", "orange", "banana"]
for element in set {
print(element)
}
// apple
// orange
// banana
</syntaxhighlight>
この例では、<code>Set</code>の要素を<code>for-in</code>ループで1つずつ取り出し、それぞれの要素を処理しています。
次に、高階関数を使用する場合は、<code>map()</code>、<code>filter()</code>、<code>reduce()</code>のような関数が使用できます。
例えば、<code>map()</code>関数を使用して、<code>Set</code>の各要素に対して操作を行い、新しい<code>Set</code>を作成することができます。
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
let set: Set = [1, 2, 3, 4, 5]
let mappedSet = set.map { $0 * 2 }
print(mappedSet) // [2, 4, 10, 8, 6]
</syntaxhighlight>
この例では、<code>Set</code>の各要素を2倍して、新しい<code>Set</code>を作成しています。<code>map()</code>関数は、クロージャーを引数として受け取り、そのクロージャーで<code>Set</code>の各要素を操作しています。
また、<code>filter()</code>関数を使用して、<code>Set</code>の要素をフィルタリングすることができます。
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
let set: Set = [1, 2, 3, 4, 5]
let filteredSet = set.filter { $0 % 2 == 0 }
print(filteredSet) // [4, 2]
</syntaxhighlight>
この例では、<code>Set</code>の要素を2で割った余りが0のものだけを取り出し、新しい<code>Set</code>を作成しています。
最後に、<code>reduce()</code>関数を使用して、<code>Set</code>の要素を畳み込むことができます。
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
let set: Set = [1, 2, 3, 4, 5]
let sum = set.reduce(0) { $0 + $1 }
print(sum) // 15
</syntaxhighlight>
この例では、<code>Set</code>の各要素を合計しています。<code>reduce()</code>関数は、初期値とクロージャーを引数として受け取り、<code>Set</code>の各要素を畳み込んで、1つの値を生成しています。
=== 辞書 ===
Swiftの辞書(Dictionary)は、キーと値のペアを保存するためのコレクションです。キーと値はそれぞれ異なるデータ型である必要があります。辞書は、値を取得するためのキーを使用してアクセスできます。
辞書は、以下のように宣言されます。
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
var dict: [KeyType: ValueType] = [KeyType: ValueType]()
</syntaxhighlight>
ここで、KeyTypeはキーのデータ型を表し、ValueTypeは値のデータ型を表します。例えば、文字列をキーに持ち整数を値に持つ辞書は以下のように宣言できます。
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
var numberDict: [String: Int] = ["one": 1, "two": 2, "three": 3]
</syntaxhighlight>
辞書の要素にアクセスするには、キーを使用します。
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
print(numberDict["one"]) // Optional(1)
print(numberDict["four"]) // nil
</syntaxhighlight>
存在しないキーにアクセスすると、nilが返されます。辞書にキーが存在するかどうかを確認するには、<code>contains</code>メソッドを使用します。
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
if numberDict.contains(where: { $0.key == "one" }) {
print("Key exists")
} else {
print("Key does not exist")
}
</syntaxhighlight>
辞書に要素を追加するには、新しいキーと値のペアを辞書に追加します。
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
numberDict["four"] = 4
</syntaxhighlight>
辞書から要素を削除するには、キーを指定して<code>removeValue(forKey:)</code>メソッドを使用します。
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
numberDict.removeValue(forKey: "four")
</syntaxhighlight>
辞書の要素を変更するには、新しい値をキーに割り当てます。
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
numberDict["one"] = 10
</syntaxhighlight>
辞書のキーと値を反復処理するには、<code>for-in</code>ループを使用します。
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
for (key, value) in numberDict {
print("\(key): \(value)")
}
</syntaxhighlight>
辞書のキーを反復処理するには、<code>keys</code>プロパティを使用します。
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
for key in numberDict.keys {
print(key)
}
</syntaxhighlight>
辞書の値を反復処理するには、<code>values</code>プロパティを使用します。
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
for value in numberDict.values {
print(value)
}
</syntaxhighlight>
辞書にも、配列や集合と同様に <code>map</code>、<code>filter</code>、<code>reduce</code> などの高階関数が使用できます。
<code>map</code> は辞書の各要素に対して、変換処理を適用し、新しい辞書を作成するメソッドです。変換処理は、クロージャーの引数として、各要素の <code>(key, value)</code> のタプルを取ります。以下は、辞書 <code>dict</code> の各要素の値を2倍にした新しい辞書を作成する例です。
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
let dict = ["a": 1, "b": 2, "c": 3]
let doubled = dict.map { (key, value) in (key, value * 2) }
print(doubled) // ["a": 2, "b": 4, "c": 6]
</syntaxhighlight>
<code>filter</code> は辞書の各要素に対して、指定した条件を満たす要素だけを抽出して、新しい辞書を作成するメソッドです。条件は、クロージャーの引数として、各要素の <code>(key, value)</code> のタプルを取り、条件式を返します。以下は、値が奇数の要素だけを抽出した新しい辞書を作成する例です。
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
let dict = ["a": 1, "b": 2, "c": 3]
let oddValues = dict.filter { (key, value) in value % 2 != 0 }
print(oddValues) // ["a": 1, "c": 3]
</syntaxhighlight>
<code>reduce</code> は辞書の各要素を畳み込んで、1つの値を生成するメソッドです。初期値と、畳み込み処理をクロージャーの引数として渡します。畳み込み処理は、初期値と各要素の <code>(key, value)</code> のタプルを引数として受け取り、新しい値を返します。以下は、辞書 <code>dict</code> の全要素の値の和を求める例です。
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
let dict = ["a": 1, "b": 2, "c": 3]
let sum = dict.reduce(0) { (result, keyValue) in
let (_, value) = keyValue
return result + value
}
print(sum) // 6
</syntaxhighlight>
=== タプル ===
Swiftのタプルは、複数の異なるデータ型を一つのグループにまとめることができます。タプルは、複数の値を返すときにも便利です。
以下は、タプルの例です。
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
let myTuple = ("apple", 3.14, true)
print(myTuple) // 出力: ("apple", 3.14, true)
</syntaxhighlight>
タプルには、複数の要素をカンマ区切りで指定し、丸括弧で囲みます。
タプルの各要素は、インデックスを指定してアクセスすることができます。
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
let myTuple = ("apple", 3.14, true)
print(myTuple.0) // 出力: apple
print(myTuple.1) // 出力: 3.14
print(myTuple.2) // 出力: true
</syntaxhighlight>
また、タプルの各要素に名前を付けることもできます。
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
let myTuple = (name: "apple", price: 100, isOnSale: true)
print(myTuple.name) // 出力: apple
print(myTuple.price) // 出力: 100
print(myTuple.isOnSale) // 出力: true
</syntaxhighlight>
タプルは、関数の戻り値としても利用できます。複数の値を返す場合、タプルを使うとコードを簡潔に記述することができます。
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
func findMinMax(array: [Int]) -> (min: Int, max: Int) {
var min = array[0]
var max = array[0]
for value in array {
if value < min {
min = value
}
if value > max {
max = value
}
}
return (min, max)
}
let result = findMinMax(array: [3, 5, 2, 8, 1])
print("最小値: \(result.min), 最大値: \(result.max)") // 出力: 最小値: 1, 最大値: 8
</syntaxhighlight>
この例では、<code>findMinMax</code>関数がタプルを返し、そのタプルには、最小値と最大値の値が含まれます。戻り値を受け取った<code>result</code>は、タプルであるため、<code>.min</code>と<code>.max</code>を使って値を取得することができます。
=== オプショナル型 ===
Swiftにおけるオプショナル(Optional)は、値が存在する場合にはその値を持ち、存在しない場合には<code>nil</code>という値を持つ特殊な型です。つまり、オプショナルは存在しない値を表現するための型です。
例えば、<code>Int</code>型の変数<code>x</code>を宣言したとき、その初期値は<code>nil</code>となります。
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
var x: Int?
</syntaxhighlight>
このようにオプショナルを使うことで、変数に値が入るまで型を決めずに宣言することができます。
オプショナルの値にアクセスするには、アンラップ(unwrapping)が必要です。アンラップとは、オプショナルの値が<code>nil</code>でないことを確認してから、値にアクセスすることです。
以下は、オプショナルの値にアクセスする方法の例です。
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
var optionalInt: Int? = 10
// optionalIntがnilでないことを確認してからアクセスする
if let unwrappedInt = optionalInt {
print(unwrappedInt)
}
// 強制的にアンラップする
let unwrappedInt2 = optionalInt!
print(unwrappedInt2)
</syntaxhighlight>
上記の例では、オプショナル型の変数<code>optionalInt</code>に値<code>10</code>を代入しています。その後、<code>if let</code>文で<code>optionalInt</code>が<code>nil</code>でないことを確認し、<code>unwrappedInt</code>にアンラップした値を代入しています。また、<code>!</code>演算子を使って強制的にアンラップすることもできます。ただし、<code>optionalInt</code>が<code>nil</code>である場合にはランタイムエラーが発生します。
また、オプショナル型には、<code>guard let</code>文を使ってもアンラップすることができます。
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
func foo(optionalStr: String?) {
guard let unwrappedStr = optionalStr else {
print("optionalStr is nil")
return
}
print(unwrappedStr)
}
foo(optionalStr: "Hello, world!") // Hello, world!
foo(optionalStr: nil) // optionalStr is nil
</syntaxhighlight>
この例では、<code>foo</code>関数の引数<code>optionalStr</code>が<code>nil</code>でない場合には、<code>unwrappedStr</code>にアンラップされた値を使って処理を行い、<code>nil</code>である場合には<code>guard</code>文の中の処理を行っています。
オプショナル型には、Null合体演算子( Nil-Coalescing Operator )<code>??</code> を使用して、オプショナルの値がnilである場合に、デフォルト値を返すこともできます。
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
var optionalStr: String? = nil
let unwrappedStr = optionalStr ?? ""
</syntaxhighlight>
; オプショナル連鎖
Swiftにおいて、オプショナルの値に対して簡潔かつ安全にアクセスする方法の1つに、「オプショナル連鎖 (Optional chaining)」があります。
オプショナル連鎖は、オプショナルのプロパティにアクセスする際に使用する「?」を使って、プロパティの存在を確認しながらアクセスを行うことができます。オプショナル連鎖が適用された式の値は、オプショナル値として評価されます。
以下は、オプショナル連鎖の例です。
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
struct Person {
var name: String
var age: Int?
}
let person: Person? = Person(name: "John", age: 30)
// オプショナル連鎖を使用せずにageにアクセスすると、コンパイルエラーになる
// let age = person.age
// オプショナル連鎖を使用してageにアクセスする
let age = person?.age
print(age) // Optional(30)
</syntaxhighlight>
上記の例では、<code>person</code>は<code>Person</code>型のオプショナル値であり、その<code>age</code>プロパティもオプショナルです。<code>let age = person?.age</code>とすることで、<code>person</code>が<code>nil</code>でない場合に限り、<code>age</code>にアクセスされます。<code>age</code>の型は、<code>Int?</code>となります。
また、オプショナル連鎖は、プロパティだけでなくメソッドやサブスクリプトにも適用することができます。以下は、オプショナル連鎖を使用したメソッドの例です。
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
struct Car {
var name: String
func drive() {
print("\(name) is driving.")
}
}
var car: Car? = Car(name: "Tesla")
// オプショナル連鎖を使用してdriveメソッドにアクセスする
car?.drive() // "Tesla is driving."
car = nil
// オプショナル連鎖を使用してdriveメソッドにアクセスする
car?.drive() // 何も出力されない
</syntaxhighlight>
上記の例では、<code>car</code>は<code>Car</code>型のオプショナル値です。<code>car?.drive()</code>とすることで、<code>car</code>が<code>nil</code>でない場合に限り、<code>drive</code>メソッドが実行されます。
オプショナル連鎖の利用により、アンラップ処理を簡潔かつ安全に行うことができます。
ただし、オプショナル値を使用する場合は、値が存在しない場合に備えたハンドリングを行うことが重要です。
== 演算子 ==
Swiftにおいて、式はプログラムで何かしらの値を生成するための構成要素です。式は、変数やリテラル、関数呼び出し、演算子、そしてそれらを組み合わせたものから構成されます。
演算子は、式内で値を操作するために使用されます。
Swiftには、算術演算子、比較演算子、論理演算子、代入演算子、範囲演算子、ビット演算子など、さまざまな種類の演算子があります。演算子は、変数や定数、リテラル値などのオペランドに対して、特定の操作を実行するために使用されます。
演算子は、一般的に、単項演算子(1つのオペランドを取る)、二項演算子(2つのオペランドを取る)または三項演算子(3つのオペランドを取る)に分類されます。Swiftでは、いくつかの演算子は、オプショナルや範囲、タプルなどの機能に特化しています。
このセクションでは、Swiftで使用できる演算子について詳しく説明します。演算子の優先順位、結合性、および使用例を示し、適切な演算子を使用して式を組み立てる方法を紹介します。
=== 算術演算子 ===
{| class="wikitable"
|+ 二項演算子
|-
! 文法 !! 意味
|-
| <code>+</code> || 加算
|-
| <code>-</code> || 減算
|-
| <code>*</code> || 乗算
|-
| <code>/</code> || 除算(整数型のゼロ除算はエラーとなります)
|-
| <code>%</code> || 剰余(整数型のゼロでの剰余演算はエラーとなります)
|-
| <code>&+</code> || 加算(オーバーフローを無視します)
|-
| <code>&-</code> || 減算(オーバーフローを無視します)
|-
| <code>&*</code> || 乗算(オーバーフローを無視します)
|-
| <code>&/</code> || 除算(オーバーフローを無視し、ゼロ除算の結果は<code>0</code>となります)(※廃止済み)
|-
| <code>&%</code> || 剰余(オーバーフローを無視し、ゼロでの剰余演算の結果は<code>0</code>となります)(※廃止済み)
|}
{| class="wikitable"
|+ 単項演算子(前置)
|-
! 文法 !! 意味
|-
| <code>+</code> || 単項プラス
|-
| <code>-</code> || 単項マイナス(符号反転)
|-
| <code>++</code> || インクリメント(式はインクリメントされた'''後'''の値を返す)※Swift 3.0で廃止<ref name="SE-0004">[https://github.com/apple/swift-evolution#accepted-proposals-for-swift-30 Accepted proposals for Swift 3.0]</ref>
|-
| <code>--</code> || デクリメント(式はデクリメントされた'''後'''の値を返す)※Swift 3.0で廃止<ref name="SE-0004">[https://github.com/apple/swift-evolution#accepted-proposals-for-swift-30 Accepted proposals for Swift 3.0]</ref>
|}
{| class="wikitable"
|+ 単項演算子(後置)
|-
! 文法 !! 意味
|-
| <code>++</code> || インクリメント(式はインクリメントされる'''前'''の値を返す)※Swift 3.0で廃止<ref name="SE-0004">[https://github.com/apple/swift-evolution#accepted-proposals-for-swift-30 Accepted proposals for Swift 3.0]</ref>
|-
| <code>--</code> || デクリメント(式はデクリメントされる'''前'''の値を返す)※Swift 3.0で廃止<ref name="SE-0004">[https://github.com/apple/swift-evolution#accepted-proposals-for-swift-30 Accepted proposals for Swift 3.0]</ref>
|}
=== 比較演算子 ===
{|
|+ 比較演算
|-
| valign="top" |
{| class="wikitable"
|-
! 文法 !! 意味
|-
| <code><</code> || より小さい
|-
| <code><=</code> || 以下
|-
| <code>></code> || より大きい
|-
| <code>>=</code> || 以上
|-
|}
|
| valign="top" |
{| class="wikitable"
|-
! 文法 !! 意味
|-
| <code>==</code> || 等しい
|-
| <code>!=</code> || 等しくない
|-
| <code>===</code> || 同じオブジェクトへの参照
|-
| <code>!==</code> || 別のオブジェクトへの参照
|-
|}
|
| valign="top" |
{| class="wikitable"
|-
! 文法 !! 意味
|-
| <code>~=</code> || パターンマッチ(左辺の範囲内に右辺が有ればtrue)
|}
|}
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
print(1...5 ~= 3) // true
</syntaxhighlight>
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
var str = "mission control"
print(str.range(of: "control")! ~= str.index(of: "c")!) // true
</syntaxhighlight>
=== 論理演算子 ===
{| class="wikitable"
|+ 論理演算子
|-
! 文法 !! 意味
|-
| <code>&&</code> || 論理AND
|-
| <code>||</code> || 論理OR
|-
| <code>!</code> || 論理NOT
|}
=== 三項演算子 ===
{| class="wikitable"
|+ 三項演算子
|-
! 文法 !! 意味
|-
| <code>''条件'' ? ''式1'' : ''式2''</code> || ''条件''が真のとき''式1''の値を、偽のとき''式2''の値を返す
|}
=== nil結合演算子 ===
{| class="wikitable"
|+ nil結合演算子( ''Nil Coalescing Operator'' )
|-
! 文法 !! 意味
|-
| <code>??</code> || 左オペランドには<code>T?</code>型、右オペランドには<code>T</code>型の値をとり、<br />左オペランドに値が存在していればアンラップしてその値を返し、左オペランドが<code>nil</code>であれば右オペランドの値を返す
|}
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
"x".toInt() ?? 0 // 0
"5".toInt() ?? 0 // 5
</syntaxhighlight>
=== ビット演算子 ===
{| class="wikitable"
|+ ビット演算子
|-
! 文法 !! 意味
|-
| <code><<</code> || 左シフト
|-
| <code>>></code> || 右シフト(左オペランドが符号付き整数の場合は算術シフト、符号無し整数の場合は論理シフト)
|-
| <code>&</code> ||AND
|-
| <code>|</code> ||OR
|-
| <code>^</code> || XOR
|-
| <code>~</code> || NOT(ビット反転)
|}
=== 代入演算子 ===
{|
|+ 代入演算子
|-
| valign="top" |
{| class="wikitable"
|-
! 文法 !! 意味
|-
| <code>=</code> || 代入
|-
| <code>+=</code> || 加算と代入
|-
| <code>-=</code> || 減算と代入
|-
| <code>*=</code> || 乗算と代入
|-
| <code>%=</code> || 剰余演算と代入
|-
| <code>/=</code> || 除算と代入
|}
| valign="top" |
{| class="wikitable"
|-
! 文法 !! 意味
|-
| <code><<=</code> || 左ビットシフトと代入
|-
| <code>>>=</code> || 右ビットシフトと代入
|-
| <code>&=</code> || ビット演算ANDと代入
|-
| <code>^=</code> || ビット演算XORと代入
|-
| <code>|=</code> || ビット演算ORと代入
|-
| <code>&&=</code> || 論理ANDと代入
|-
| <code>||=</code> || 論理ORと代入
|}
|}
=== 範囲演算子 ===
{| class="wikitable"
|+ 範囲演算子( ''Range operators'' )
|-
! 文法 !! 意味
|-
| <code>..<</code> || 半分開いた範囲(終端を'''含まない'''):半開区間
|-
| <code>...</code> || 閉じた範囲(終端を'''含む'''):閉区間
|}
=== キャスト演算子 ===
{| class="wikitable"
|+ キャスト演算子
|-
! 文法 !! 意味
|-
| <code>is</code> || 型検査
|-
| <code>as</code> || 型キャスト
|-
| <code>as?</code> || オプショナル型へのキャスト キャストできない場合はnilとなる
|-
| <code>as!</code> || 強制型キャスト キャストできない場合は実行時エラーとなる
|}
;キャスト演算子:<syntaxhighlight lang=swift copy>
var arr:[Any] = [1, 2.0, "3", -4]
for item in arr {
let intItem = item as? Int
print(intItem)
}
</syntaxhighlight>
;実行結果:<syntaxhighlight lang="text">
Optional(1)
nil
nil
Optional(-4)
</syntaxhighlight>
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
import Foundation
var array1 = [1, 2, 3, 4] as NSArray
var mutableArray1 = array1 as? NSMutableArray // ダウンキャストできないので、nilになる
// ※補足: 上記の例の場合、Mutableな状態で取得したければ array1.mutableCopy() を行うべき。
var mutableArray2 = [1, 2, 3, 4] as NSMutableArray
var array2 = mutableArray2 as NSArray
var mutableArray2_2 = array2 as? NSMutableArray // 元々mutableArray2の型はNSMutableArrayなので、キャストに成功する
</syntaxhighlight>
== その他 ==
{{先頭に戻る}}
識別子にはUnicode文字を用いることができます。
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
let リンゴの数 = 3
let みかんの数 = 5
</syntaxhighlight>
文字列リテラルの中にある<code>\(...)</code>には、式の結果が展開される
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
let リンゴ説明 = "私は\(リンゴの数)個のリンゴを持っています。" // ”私は3個のリンゴを持っています。"
let 果物説明 = "私は\(リンゴの数 + みかんの数)個の果物を持っています。" //"私は8個の果物を持っています。"
</syntaxhighlight>
'''ヒアドキュメント'''には、ダブルクォーテーション3つを使用します。ヒアドキュメント内の行頭の空白は自動的にトリミングされます。
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
let tanka = """
田子の浦に
うち出でてみれば
白妙の
富士の高嶺に
雪は降りつつ
"""
print(tanka)
</syntaxhighlight>
'''数値リテラル'''のプレフィックスは"<code>0b</code>"で2進数、"<code>0o</code>"で8進数、"<code>0x</code>"で16進数を表す。
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
let dec = 29
let bin = 0b11101 // 2進数で29
let oct = 0o35 // 8進数で29
let hex = 0x1D // 16進数で29
</syntaxhighlight>
'''浮動小数点リテラル'''は、通常の十進数表記に加え16進数表記もサポートしています。
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
let π = 3.1415926535897931
let pi = 0x1.921fb54442d18p+1 // NSString(format:"%a", π) の出力と同様
</syntaxhighlight>
整数型と浮動小数点型のどちらでも、コードの見やすさのためにアンダースコア '''_''' を桁の区切りとして挿入できます。
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
let threeHundledMillion = 300_000_000
let bitMask: UInt8 = 0b0010_0000
</syntaxhighlight>
アンダースコアは、代入文で代入する値を無視したいときに、仮の代入先として使用できます。
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
var s:String? = "String"
if let _ = s {
print("sはnilではありません。")
}
</syntaxhighlight>
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
for _ in 0..<5 {
print("repeat")
}
</syntaxhighlight>
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
let result = (404, "Not Found", false)
let (_, message, _) = result
</syntaxhighlight>
== 他言語との比較 ==
{{先頭に戻る}}
=== C言語との類似点 ===
* ほとんどのC言語の演算子はSwiftでも使用できます。
** ただし、Swiftではオーバーフローを伴う数値演算のサポートのための演算子が追加されています。
* 中括弧は、文をグループ化するために使用されます。
* 等号1つ<code>=</code>は代入、2つ<code>==</code>は等価比較を意味します。
** この他に、Swiftでは等号3つ<code>===</code>は同じオブジェクトを参照しているかどうかを確認するための演算子を意味します。
* <code>while</code>、<code>if</code>、<code>for</code>等の制御文が類似しています。
** ただし、Swiftでは拡張機能を有します。例えば、<code>while</code>、<code>if</code>文はパターンマッチングや条件付きOptionalアンラップをサポートします。
* 角括弧は、配列の宣言と配列の要素取得の両方で使用されます。
=== Objective-Cとの類似点 ===
* 基本的な数値型<code>Int</code>、<code>UInt</code>、<code>Float</code>、<code>Double</code>等のサポート。
* クラスメソッドは、インスタンスメソッドと同様に継承されます。クラスメソッド内の<code>self</code>は、メソッドが呼び出されたクラスを意味します。
* <code>for</code>...<code>in</code>列挙構文のサポート。
=== Objective-Cとの相違点 ===
* 文はセミコロン(<code>;</code>)で終わる必要はありません。しかし、1行に複数の文を記述する際に使用することができます。
* ヘッダーファイルが存在しません。
* <code>/*</code>~<code>*/</code>によるコメントはネスト'''できます'''。
* 型推論のサポート。
* ジェネリックプログラミングのサポート。
* 関数は第一級オブジェクトです。
* 演算子はクラスに対して再定義(演算子のオーバーロード)でき、新しい演算子を定義できます。
* 文字列はUnicodeを完全にサポートします。ほとんどのUnicode文字は識別子や演算子でも使用できます。
* 例外処理は存在しません。Swift 2では例外処理とは互換性のない別のエラー処理モデルが導入されています。
* バグの原因となるC言語ファミリーの特徴がいくつか削除されています。
** デフォルトでは、ポインタは公開されていません。プログラマが参照の管理をする必要はありません。
** 変数割り当ては値を返しません。これにより、<code>=</code>と<code>==</code>の誤用を防ぐことができます。
** <code>switch</code>文内で<code>break</code>を行う必要はありません。明示的に<code>fallthrough</code>を行わない限り次の<code>case</code>にフォールスルーすることはありません。
** 変数と定数は常に初期化され、配列の境界は常にチェックされます。
** 算術オーバーフローは実行時エラーとしてトラップされます。オーバーフローを許可する演算子は<code>&+</code>、<code>&-</code>、<code>&*</code>、<code>&/</code>、<code>&%</code>として定義されます。また、全ての整数型にはプロパティ<code>min</code>、<code>max</code>が定義されており、潜在的なオーバーフローのチェックに利用することができます。
** ブロックを用いない1行の<code>if</code>文、<code>while</code>文はサポートされていません。
** Off-by-oneエラーの原因となるC言語スタイルの<code>for (int i = 0; i < c; i++)</code>文は、Swift 3で削除されました。
** インクリメント演算子<code>++</code>、デクリメント演算子<code>--</code>は、Swift 3で削除されました。
{{コラム|SwiftにGCはありますか?|2=Swiftにはガベージコレクション(Garbage Collection, GC)はありません。代わりに、Swiftは自動参照カウント(Automatic Reference Counting, ARC)と呼ばれるメモリ管理手法を採用しています。ARCは、オブジェクトが参照されている限りメモリを保持し、参照がなくなった時点で自動的にメモリを解放する仕組みです。ARCは、Objective-Cでも採用されており、SwiftはObjective-Cランタイムを利用することができるため、Objective-Cで使用されるARCと互換性があります。}}
== 脚註 ==
{{先頭に戻る}}
<references />
== 外部リンク ==
* [https://swift.org/ 公式ウェブサイト]
* [http://online.swiftplayground.run/ Online Swift Playground]
* [https://swiftfiddle.com/ SwiftFiddle - Swift Online Playground]
== 附録 ==
{{先頭に戻る}}
=== コードギャラリー ===
{{先頭に戻る|title=附録に戻る|label=附録|style=border-top:1px solid gray;}}
:<syntaxhighlight lang=Swift highlight=18 copy>
</syntaxhighlight>
:<syntaxhighlight lang=text>
</syntaxhighlight>
==== エラトステネスの篩 ====
{{先頭に戻る|title=コード・ギャラリーに戻る|label=コードギャラリー|style=border-top:1px solid gray;}}
エラトステネスの篩を、若干 Swift らしく書いてみました。
;エラトステネスの篩:<syntaxhighlight lang=Swift line copy>
import Foundation
func sieveOfEratosthenes(_ n: Int) -> [Int] {
var sieve = Array(repeating: true, count: n + 1)
sieve[0] = false
sieve[1] = false
let sqrtN = Int(sqrt(Double(n)))
for i in 2...sqrtN {
if sieve[i] {
for j in stride(from: i * i, through: n, by: i) {
sieve[j] = false
}
}
}
return sieve.enumerated().compactMap { $1 ? $0 : nil }
}
print(sieveOfEratosthenes(100))
</syntaxhighlight>
;実行結果:<syntaxhighlight lang=text>
[2, 3, 5, 7, 11, 13, 17, 19, 23, 29, 31, 37, 41, 43, 47, 53, 59, 61, 67, 71, 73, 79, 83, 89, 97]
</syntaxhighlight>
==== 最大公約数と最小公倍数 ====
{{先頭に戻る|title=コード・ギャラリーに戻る|label=コードギャラリー|style=border-top:1px solid gray;}}
最大公約数と最小公倍数を、若干 Swift らしく書いてみました。
;最大公約数と最小公倍数:<syntaxhighlight lang=Swift line copy>
func gcd2(_ m: Int, _ n: Int) -> Int { n == 0 ? m : gcd2(n, m % n) }
func gcd(_ args: Int...) -> Int {
guard let first = args.first else { return 0 }
return args.suffix(args.count - 1).reduce(first){ gcd2($0, $1) }
}
func lcm2(_ m: Int, _ n: Int) -> Int { m * n / gcd2(m, n) }
func lcm(_ args: Int...) -> Int {
guard let first = args.first else { return 0 }
return args.suffix(args.count - 1).reduce(first){ lcm2($0, $1) }
}
print("gcd2(30, 45) => \(gcd2(30, 45))")
print("gcd(30, 72, 12) => \(gcd(30, 72, 12))")
print("lcm2(30, 72) => \(lcm2(30, 72))")
print("lcm(30, 42, 72) => \(lcm(30, 42, 72))")
</syntaxhighlight>
;実行結果:<syntaxhighlight lang=text>
gcd2(30, 45) => 15
gcd(30, 72, 12) => 6
lcm2(30, 72) => 360
lcm(30, 42, 72) => 2520
</syntaxhighlight>
==== 二分法 ====
{{先頭に戻る|title=コード・ギャラリーに戻る|label=コードギャラリー|style=border-top:1px solid gray;}}
[[W:二分法|二分法]]を、若干 Swift らしく書いてみました。
;二分法:<syntaxhighlight lang=Swift line copy>
func bisection(low: Double, high: Double, f: (Double) -> Double) -> Double {
var low = low
var high = high
var x = (low + high) / 2.0
var fx = f(x)
if abs(fx) < 1.0e-10 {
return x
}
if fx < 0.0 {
low = x
} else {
high = x
}
return bisection(low: low, high: high, f: f)
}
let result1 = bisection(low: 0, high: 3) { x in return x - 1 }
print(result1)
let result2 = bisection(low: 0, high: 3) { x in return x * x - 1 }
print(result2)
</syntaxhighlight>
;実行結果:<syntaxhighlight lang=text>
0.9999999999417923
1.0000000000291038
</syntaxhighlight>
: [[旧課程(-2012年度)高等学校数学B/数値計算とコンピューター#2分法]]の例を Swift に移植しました。
== 関連項目 ==
*[[Swift/改廃された技術]]
== 外部リンク ==
{{Wikipedia|Swift (プログラミング言語)}}
* [[https://www.apple.com/jp/swift/ 公式サイト]]
[[Category:Swift|*]]
[[Category:プログラミング言語]]
{{NDC|007.64}}
84qmf624vhu89cfcs4um2nx3xo1m3w5
高等学校 科学と人間生活
0
29159
301369
300065
2026-07-08T21:55:23Z
AkiR27User
90873
/* Chapter1 太陽と地球 */ 孤立ページリンク追加
301369
wikitext
text/x-wiki
[[小学校・中学校・高等学校の学習]]>[[高等学校の学習]]>[[高等学校理科]]>高等学校科学と人間生活
高等学校科学と人間生活のページです。
目次のタイトル・項目は、啓林館『[https://www.shinko-keirin.co.jp/keirinkan/kou/science/text-2026/life/ 高等学校科学と人間生活 改訂版]』【科人061-901】の教科書に合わせました。また、内容は理数5大横綱教科書出版社【東京書籍・実教出版・啓林館・数研出版・第一学習社】の発行分対応になります。{{substub|200730}}
== Prologue 科学技術の発展 ==
* [[/科学と技術の発展|科学と技術の発展]]
== Part1 生命の科学 ==
=== '''Chapter1 '''ヒトの生命現象 ===
* タンパク質と遺伝子
* ヒトの視覚と光
* 血糖濃度の調節
* 免疫
=== '''Chapter2 '''微生物とその利用 ===
* 生態系における微生物
* 微生物と人間の食生活
* 微生物と医学への利用
== Part2 物質の科学 ==
=== '''Chapter1 '''材料とその利用 ===
* プラスチック
* 金属
* セラミックス
* 資源の再利用
=== '''Chapter2 '''衣料と食品 ===
* [[高等学校 科学と人間生活/衣料の科学|衣料の科学]]
* [[高等学校 科学と人間生活/食品の科学|食品の科学]]
== Part3 光や熱の科学 ==
=== '''Chapter1 '''光の性質とその利用 ===
* 光の進み方
* 光の波としての性質
* 電磁波とその利用
=== '''Chapter2 '''熱の性質とその利用 ===
* 熱とは何か
* エネルギーの利用
== Part4 宇宙や地球の科学 ==
=== '''Chapter1 '''太陽と地球 ===
* 身近な天体~太陽と月~
* [[高等学校理科 科学と人間生活/身近な天体と太陽系における地球|身近な天体と地球]]
* 潮の満ち引き
* 太陽放射と地球
* 大気の運動
=== '''Chapter2 '''自然景観と自然災害 ===
* 河川のはたらきによる景観と災害
* 地震による景観と災害
* 火山による景観と災害
== Final Chapter これからの科学と人間生活 ==
* [[/これからの科学と人間生活|これからの科学と人間生活]]
[[カテゴリ:生活]]
[[カテゴリ:高校理科]]
8jgmishkslmq5muzm0wprgid8piiyl9
Prolog
0
29637
301332
177240
2026-07-08T12:25:49Z
AkiR27User
90873
/* Prologインタプリタに於けるカットの処理 */ == 関連項目 == *[[Prolog/データタイプ]] *[[Prolog/言語仕様]]追加
301332
wikitext
text/x-wiki
{{wikipedia|Prolog}}
<!-- プログラム例は英語版より追加 -->
== プログラム例 ==
{{lang|en|Prolog}}のプログラム例を以下に示す。
=== Hello world ===
"Hello World"は1970年代から「コンピュータはプログラム言語を使って、こんなにも簡単に動くものですよ」ということを感じさせる課題として好んで使われ、今日では教則本の冒頭にこれを置くことが半ば様式化してしまった。しかしPrologの述語は基本的に真偽値を問うものであって、入出力は副作用として疎ましい存在であり、冒頭にHello World述語を持ってくることには反対意見が強い。
そういう事情を理解した上で、ここでは、この課題をPrologプログラミングの導入として利用してみよう。
Prologは質問すると、処理系が答えを返す系である。"Hello World!"という表示は処理系が行うのだから、その前に質問がなくてはならない。質問を "hi" とする。
<syntaxhighlight lang="Prolog">
hi :-
write('Hello World!\n').
</syntaxhighlight>
writeは引数が一個の組込述語である。引数の内容を表示する。<code>world!</code>の後の"\n"は改行することを意味する。
実行例で見てみよう。Prologインタプリタは一般にプロンプトとして "?- " が表示された後に、ユーザーが質問を入れる。
<syntaxhighlight lang="Prolog">
?- hi.
Hello World!
</syntaxhighlight>
述語名が hi であっても hi(a) :- や hi(1,2,3) :- の定義もあるかもしれない。Prologではこれらを区別するために、それぞれ<code>hi/0</code> <code>hi/1</code> <code>hi/3</code> のようにスラッシュの後に引数の数を書いて区別する。ここでは <code>hi/0</code> である。
質問 <code>hi</code> に対して、定義済みの <code>hi</code> が呼び出されて、その中でさらに <code>write('Hello World!\n')</code> が呼び出された。
ここでは "Hello World!\n" は組込述語 <code>write/1</code> の中に直接記述されたが、一般にはこのような原初的な情報はデータベース述語によって管理され、そこから引き出されて使われる。
<syntaxhighlight lang="Prolog">
hi :-
answer(hi,S),
write(S).
answer(hi,'Hello World!\n').
</syntaxhighlight>
<code>S</code> は先頭が英大文字だから論理変数である。<code>answer/2</code>はプログラマが定義したデータベース述語である。
副目標<code>answer(hi,S)</code>は述語定義 <code>answer/2</code> と融合され、各引数が単一化される。第一引数はatom同士でしかも<code>hi</code>で完全一致、第二引数は<code>S</code>と<code>'Hello Wolrld!\n'</code>が単一化されて、これは単一化のルールにより無条件に論理変数<code>S</code>は<code>'Hello World!\n'</code>となる。その<code>S</code>、乃ち<code>'Hello World!\n'</code>を<code>write/1</code>する。
さらにこのプログラムに bye を追加してみよう。
<syntaxhighlight lang="Prolog">
hi :-
answer(hi,S),
write(S).
bye :-
answer(bye,S),
write(S),
halt.
answer(hi,'Hello World!\n').
answer(bye,'See you again!\n').
</syntaxhighlight>
述語 <code>bye/0</code> の本体 (<code>:-</code> の右側) の最後にある <code>halt</code> は0引数の組込述語で処理系を終了させる。
実行例
<syntaxhighlight lang="Prolog">
?- hi.
Hello World!
?- bye.
See you again!
#
</syntaxhighlight>
Hello World からの導入はこんなところだろう。
=== 家系図 ===
よく知られる[[漫画作品]]・「[[サザエさん]]」の家系図(部分)をPrologで表現する。
<syntaxhighlight lang="prolog">
親子(波平,サザエ).
親子(ふね,サザエ).
親子(波平,カツオ).
親子(ふね,カツオ).
親子(波平,ワカメ).
親子(ふね,ワカメ).
親子(マスオ,タラオ).
親子(サザエ,タラオ).
夫婦(波平,ふね).
夫婦(マスオ,サザエ).
</syntaxhighlight>
このように、本体がない、あるいは本体のtrueが省略された定義を、単位節と呼ぶ。親子、夫婦の両述語はともに第一引数または第二引数をキーとしてデータを参照することができる一種のデータベースと考えることができる。
このような単位節データベースは全ての知識の基礎であって、必ずしもすぐにプログラムとして利用されなくても価値がある。ノートに書き付けるように身の回りの知識を定義していけばよい。
備忘録としての単位節データベースへ実際に問いかける例を示そう。「サザエの親は誰か」という質問をする。
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- 親子(_親,サザエ).
_親 = 波平
</syntaxhighlight>
ここで一旦処理系は停止する。この解に満足な時はただ改行する。
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- 親子(_親,サザエ).
_親 = 波平 ;
_親 = ふね.
?-
</syntaxhighlight>
1) 波平に満足できない。
2) 波平以外の解がほしい。
そんな場合には停止中のカーソルにセミコロン(;)を入力すると、次の解を示してくる。_親 = ふね だ。他にも親はいないものかと
さらにセミコロンを入力すると、もうこれ以上解はないと、この処理系では入力したセミコロンをピリオドに置き換えて表示して
質問は終わりとなる。
=== 孫の定義 ===
前題の家系図が既に定義済みという前提で、祖父-孫 関係を定義してみよう。
<syntaxhighlight lang="prolog">
'祖父-孫'(波平,タラオ).
</syntaxhighlight>
祖父・孫の関係になれるのは波平とタラオだけである。'祖父-孫'という述語名はハイフンのような記号を含むアトムとなるため、
シングルクォートで囲む必要がある例として示した。述語名はこれに限らず、 祖父孫 でも 祖父と孫 でも 祖父孫関係 あるいは単に 祖父 でも、特にこうしなくてはいけないというルールはない。処理系への知識の与え方は基本的に自由である。
今度は、「孫」を定義する。上記の定義に倣うなら '祖父母-孫' 関係ということになるが、ここでは単に「孫」とする。
<syntaxhighlight lang="prolog">
孫(波平,タラオ).
孫(ふね,タラオ).
</syntaxhighlight>
実行例を示そう。
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- 孫(X,タラオ).
X = 波平 ;
X = ふね.
?-
</syntaxhighlight>
一般に質問する時は、入力の負担を減らすために、最少の文字数となる XとかA,Bなど英大文字一文字を論理変数に置くことが多い。
Xを使うことが多いのは、方程式の解となる変数をXとする習慣を引き継いだものと考えられる。
もちろん家系図の時のように ?- 孫(_祖父母,タラオ). と質問しても構わないし、常にそういう習慣があるならそれが望ましい。
孫を具体的な人と人の関係として定義して見たが、以下のような定義も可能である。このような定義をルールという。
<syntaxhighlight lang="prolog">
孫(_祖父または祖母,_孫) :-
親子(_祖父または祖母,A),
親子(A,_孫).
</syntaxhighlight>
Aは孫から見ると親であるが、祖父または祖母から見ると親ではないので、_親 とはせずに、英大文字の A で抽象化した。
本体の二つの副目標である親子/2のそれぞれの引数に共通のAが存在することが重要である。孫の親と祖父または祖母の子が同一人物のAであることを示している。だから
<syntaxhighlight lang="prolog">
% これでは具合が悪い!
孫(_祖父または祖母,_孫) :-
親子(_祖父または祖母,_祖父または祖母の子),
親子(_孫の親,_孫).
</syntaxhighlight>
行の先頭に % がある一行目は「註釈行」でありプログラム実行の対象とはならない。述語形式とは限らない自由な文を書くこともできる。
_祖父または祖母の子 と _孫の親 とは単一化できていないため、変数名から同一が類推できるとしても、処理系は A の時のように同一のものと扱わない。
それならば、_祖父または祖母の子 と _孫の親 を単一化させてしまえばよい。それを実行したのが下のコードである。
<syntaxhighlight lang="prolog">
孫(_祖父または祖母,_孫) :-
親子(_祖父または祖母,_祖父または祖母の子),
親子(_孫の親,_孫),
_祖父または祖母の子 = _孫の親.
</syntaxhighlight>
単一化述語である =/2 で二つの変数が実は同じものであるが明確になる。二つの視点からそれぞれ別の変数シンボルになってしまうことは屡々ある。そのような場合は単一化で解決する。
家系図の中で、このような二つの親子関係が連接して、孫関係を充たすのは、
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- 孫(X,Y).
X = 波平,
Y = タラオ;
X = ふね,
Y = タラオ .
?-
</syntaxhighlight>
である。
=== リスト要素の加算 ===
与えられたリスト要素を加算する。[[再帰]]的な定義である。
<syntaxhighlight lang="prolog">
リスト要素の加算([],0).
リスト要素の加算([N|R],S) :-
リスト要素の加算(R,S1),
S is S1 + N.
</syntaxhighlight>
1要素少ないRの加算計がS1ならばSはS1にNを加えたものだ、という宣言である。
実行例: このように定義しておけば、以下の質問は
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- リスト要素の加算([1,2,3,4,5,6,7,8,9,10],X).
X = 55
</syntaxhighlight>
となる。
加算は以下のように、二つの述語に分離して、引数をひとつ増やした述語を作ると累算部分がはっきりしてわかりやすい。加算を担うのは後の方、引数が3個ある方の述語だ。述語名は引数の数が違うから同じ リスト要素の加算 で構わない。リストから数を取り出すと、この第二引数に加算していく。
<syntaxhighlight lang="Prolog">
% 1
リスト要素の加算(L,S) :-
リスト要素の加算(L,0,S).
% 2
リスト要素の加算([],S,S).
リスト要素の加算([N|R],S1,S) :-
S2 is S1 + N,
リスト要素の加算(R,S2,S).
</syntaxhighlight>
リスト要素の加算/3 の第一節の %1 の下の
<syntaxhighlight lang="prolog">
リスト要素の加算([],S,S).
</syntaxhighlight>
というところがProlog独特のテクニックである。
第一引数のリストが空になったとき、第二引数に累計が存在するのだが、
最初の %1 述語リスト要素の加算/2の副目標
<syntaxhighlight lang="prolog">
リスト要素の加算(L,0,S).
</syntaxhighlight>
の第二引数では初期値0と値を決めて引数に渡しているため、この第二引数から値を受け取ることは不可能である。
そこで、第三引数として一つ余分な引数を設けて、そちらを変数にして置けば、最終的にその引数が単一化されることによって値を受け取ることができるという訳だ。その第二引数と第三引数の単一化を行っているのが、%2 の リスト要素の加算/3の第一節の
<syntaxhighlight lang="prolog">
リスト要素の加算([],S,S).
</syntaxhighlight>
である。
この述語の第二節第三引数がともにSで同一であることも重要である。
<syntaxhighlight lang="Prolog">
リスト要素の加算([N|R],S1,S) :-
S2 is S1 + N,
リスト要素の加算(R,S2,S).
</syntaxhighlight>
この部分が束縛されないまま、単に同一の変数であることが示されている。
質問の第一引数が[]になれば、この述語の第二節が融合されて、質問側に用意されている第二引数の加算計がこれに単一化される。
<syntaxhighlight lang="Prolog">
リスト要素の加算([],S,S).
</syntaxhighlight>
これまで第三引数は全て同一ということになっているため、この第三引数経由で加算値が質問の第二引数に返される。
=== 単位節要素の加算(集約問題) ===
単位節(本体のない事実上のデータベース定義)要素の加算。
実例として次の単位節データベースを考える。
<syntaxhighlight lang="prolog">
年齢(山田,35).
年齢(大島,20).
年齢(清川,28).
</syntaxhighlight>
ここでは年齢の合計を計算する。
簡単なデータベースの参照は、
<syntaxhighlight lang="Prolog">
?- 年齢(A,B).
A = 山田,
B = 35;
A = 大島,
B = 20;
A = 清川,
B = 28 .
?-
</syntaxhighlight>
Prologの述語の中のそれぞれの節に現れる要素は他の節から完全に独立である。すなわち一つの節の中の値は別の節からは参照できない。
山田を得たとき、大島を得たとき、清川を得たときはそれぞれ独立している。以前の変数の束縛は解かれてしまっている。
大島の20を得たときには、山田の35の情報は失ってしまっているということになる。
これでは加算のような集約問題を解決できない。
このことを可能にするために、メタ述語 findall/3 が存在する。
findall/3 は[[SQL]]のselect文に似た述語であり、述語を実行した際に任意の値をリストに集めることができる。
<syntaxhighlight lang="prolog">
年齢(山田,35).
年齢(大島,20).
年齢(清川,28).
年齢合計(X) :-
findall(N,年齢(_,N),L),
リスト要素の加算(L,X).
</syntaxhighlight>
本来、情報の連関のない述語 年齢/2 のそれぞれの節を、連関を持つデータ構造であるリストに取り込むことによって、集約を可能とする。
実行例:
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- 年齢合計(X).
X = 83
</syntaxhighlight>
理解を深めるために、findall以下を直接質問として呼び出してみよう。
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- findall(N,年齢(_,N),L),
リスト要素の加算(L,X).
L = [35,20,28],
X = 83
</syntaxhighlight>
となる。findallは強力な述語であるが、対象となる定義節数が極めて多い場合、例えば、1000万節を越えるような場合、スタックオーバーフロー等のエラーが発生する危険が生じる。内部メモリにリストとして情報の連鎖を生成するのだから、やむを得ないことではあるが、注意が必要である。
=== 相加平均 ===
算術平均ともいい、一般に平均値といった場合これを指す。標本はリストとして保持しているとする。基本的には加算と同じだが、同時にリストの標本数も数える。第二、第三引数にそれぞれ初期値 <code>0</code> を置き、これに標本数と値を加算していく。
<syntaxhighlight lang="prolog">
相加平均(_標本リスト,_相加平均) :-
相加平均(_標本リスト,0,0,_相加平均).
相加平均([],_標本数,_累計,_相加平均) :-
_標本数 > 0,
_相加平均 is _累計 / _標本数.
相加平均([_値|R],_標本数累計_1,_累計_1,_相加平均) :-
_標本数累計_2 is _標本数累計_1 + 1,
_累計_2 is _累計_1 + _値,
相加平均(R,_標本数累計_2,_累計_2,_相加平均).
</syntaxhighlight>
この述語では要素数や累計を求められていないため、これを入手するための変数は用意されていない。その代わりにリストが空の時に相加平均が計算されて単一化される。これが平均値の述語定義だが、多くの場合ここまでプログラマが定義する必要はない。下記のように、組込述語を含めて、定義済みの述語を組み合わせて相加平均は定義される。上記の要素数のカウント部分は独立して <code>length</code> という組込述語となっている。したがって、相加平均の定義は
<syntaxhighlight lang="prolog">
相加平均(_標本リスト,_相加平均) :-
length(_標本リスト,_標本数),
リスト要素の加算(_標本リスト,_合計),
_相加平均 is _合計 / _標本数.
</syntaxhighlight>
で構わない。
=== 標準偏差 ===
相加平均が使われる定義の一つ標準偏差の定義である。標準偏差本体の定義の前にこの相加平均の計算が完了している必要がある。
<syntaxhighlight lang="prolog">
標準偏差(L,V) :-
length(L,N),
相加平均(L,M),
標準偏差(L,N,M,0.0,V).
標準偏差([],N,M,S,V) :-
V is sqrt(S / (N - 1)),!.
標準偏差([A|R],N,M,S,V) :-
S1 is (A - M) ^ 2,
S2 is S + S1,
標準偏差(R,N,M,S2,V).
</syntaxhighlight>
is/2評価の中に現れる関数<code>sqrt()</code>で平方根を求める。
=== 最大値、カットの用法 ===
リストの最大値を求める。併せて、カットの典型的な用法について説明する。最初に初期値を設定して、それと再帰的に比較する。 初期値はリストの中の要素であれば、何でも構わないのだが、ここでは第一要素を使う。
<syntaxhighlight lang="prolog">
最大値(_標本リスト,_最大値) :-
_標本リスト = [_第一要素|R],
最大値(R,_第一要素,_最大値).
最大値([],_最大値,_最大値).
最大値([_要素|R],_最大値_1,_最大値) :-
_要素 > _最大値_1,!, % ! の位置に注意。
最大値(R,_要素,_最大値).
最大値([_要素|R],_最大値_1,_最大値) :-
最大値(R,_最大値_1,_最大値).
</syntaxhighlight>
_要素がこれまでの最大値を超えない時は最後の節が選択される。超えた場合は第二節の「<code>_要素 > _最大値_1,!</code>」のカットが働き最後の節が選択されることはなくなる。引数が3の最大値の第二節に「<code>!</code>」がある。これがないと、
<syntaxhighlight lang="prolog">
最大値(_標本リスト,_最大値) :-
_標本リスト = [_第一要素|R],
最大値(R,_第一要素,_最大値).
最大値([],_最大値,_最大値).
最大値([_要素|R],_最大値_1,_最大値) :-
_要素 > _最大値_1,
最大値(R,_要素,_最大値).
最大値([_要素|R],_最大値_1,_最大値) :-
最大値(R,_最大値_1,_最大値).
?- 最大値([2,4,6,8,3],X).
X = 8;
X = 6;
X = 8;
X = 4;
X = 8;
X = 6;
X = 8;
X = 3;
X = 2;
false.
?-
</syntaxhighlight>
というようなことが起こりうる。バックトラックして来たときにそれまでで最大としたものを、「<code>;</code>」の入力で「それではない」と否定されて、撤回してしまう。せっかく見つけ出したそれまでの最大値であるべきものがこれまでの最大値として使われないためである。「<code>!</code>」を入れることが有効な場所を、最初の定義も含めて示す。
<syntaxhighlight lang="prolog">
%%% 案1 %%%
最大値(_標本リスト,_最大値) :-
_標本リスト = [_第一要素|R],
最大値(R,_第一要素,_最大値).
最大値([],_最大値,_最大値).
最大値([_要素|R],_最大値_1,_最大値) :-
_要素 > _最大値_1,!, % ! の位置に注意。
最大値(R,_要素,_最大値).
最大値([_要素|R],_最大値_1,_最大値) :-
最大値(R,_最大値_1,_最大値).
%%% 案2 %%%
最大値(_標本リスト,_最大値) :-
_標本リスト = [_第一要素|R],
最大値(R,_第一要素,_最大値).
最大値([],_最大値,_最大値).
最大値([_要素|R],_最大値_1,_最大値) :-
_要素 > _最大値_1,
最大値(R,_要素,_最大値),!. % この節の末尾に ! がくる。
最大値([_要素|R],_最大値_1,_最大値) :-
最大値(R,_最大値_1,_最大値).
%%% 案3 %%%
最大値(_標本リスト,_最大値) :-
_標本リスト = [_第一要素|R],
最大値(R,_第一要素,_最大値),!. % ここに ! を打つ。非決定性述語 最大値/3 を事実上決定性述語とすることができる。
最大値([],_最大値,_最大値).
最大値([_要素|R],_最大値_1,_最大値) :-
_要素 > _最大値_1,
最大値(R,_要素,_最大値).
最大値([_要素|R],_最大値_1,_最大値) :-
最大値(R,_最大値_1,_最大値).
</syntaxhighlight>
などが考えられる。ただし、案3は 最初の <code>最大値</code> で質問した場合は ! が有効になるが、<code>最大値/3</code> の方で質問した場合は、「<code>!</code>」はないので、有効にならない。最大値/2の方で質問するように注意する必要がある。
<syntaxhighlight lang="prolog">
最大値([],_最大値,_最大値).
</syntaxhighlight>
の本体に必ずしも「<code>!</code>」が存在しない理由は、第一引数が <code>[]</code> で呼ばれた場合、さらに他の節が選択されることはこの定義の場合はあり得ないからだ。最初の最大値の定義の、
<syntaxhighlight lang="prolog">
最大値(_標本リスト,_最大値) :-
_標本リスト = [_第一要素|R],
最大値(R,_第一要素,_最大値).
最大値([],_最大値,_最大値).
最大値([_要素|R],_最大値_1,_最大値) :-
_要素 > _最大値_1, % 今度は ! がない。
最大値(R,_要素,_最大値).
最大値([_要素|R],_最大値_1,_最大値) :-
_要素 =< _最大値_1,
最大値(R,_最大値_1,_最大値).
</syntaxhighlight>
最後の節の本体に「<code>_要素 =< _最大値</code>」を加えれば「<code>!</code>」を排除することができる。
最後に、'''最も宣言的な最大値の定義'''を示す。「選択した値以外の全ての要素が選択した値以下である時、選択した値が最大値である」がその意味である。
<syntaxhighlight lang="prolog">
最大値(_標本リスト,_最大値) :-
_選択した値 = _最大値,
select(_選択した値,_標本リスト,_選択した値を除くリスト),
forall(member(_要素,_選択した値を除くリスト),_要素 =< _選択した値),!.
</syntaxhighlight>
select/3とforall/2は共に組込述語となっている。select/3は第二引数のリストの先頭から要素を非決定性に取り出し、第一引数に単一化すると共に第三引数にその要素を除いたリストを単一化する。
forall/2は 第一引数の評価を真とするものに全てに対して、第二引数の評価は真となる、というものである。
=== 行列 ===
行列も集合同様、Prologでは特別な記法は用意されてはいない。そのため一般に行列を、リストを要素として持つリストとして表現することが多い。
例えば 3 × 3 の単位行列
<math>
\begin{pmatrix}
1 & 0 & 0 \\
0 & 1 & 0 \\
0 & 0 & 1
\end{pmatrix}
</math>
は [[1,0,0],[0,1,0],[0,0,1]] のように表す。
全体が3要素のリスト、そのそれぞれの要素がまた3要素のリストである。
ここでは、findall/3を二重に使った行列の転置の定義を示す。
<syntaxhighlight lang="prolog">
行列の転置([_最初の行|_残りの行],_転置行列) :-
length(_最初の行,_列数),
findall(_転置された行,(
between(1,_列数,_nth1),
findall(_値,(
member(_行,[_最初の行|_残りの行]),
nth1(_nth1,_行,_値)),
_転置された行)),
_転置行列).
</syntaxhighlight>
この定義の難しさは、列数を得るための表現にある。ここでは行列の転置述語の第一引数を細工してこれを得たが、代償として、対象行列を[_最初の行|_残りの行]と表現したため、この引数が何を意味するのかわかりにくいコードとなった。
行列が[[1,2,3],[4,5,6],[7,8,9],[10,11,12]]として与えられた時の行列の転置は
実行例
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- 行列の転置([[1,2,3],[4,5,6],[7,8,9],[10,11,12]],_転置行列).
_転置行列 = [[1,4,7,10],[2,5,8,11],[3,6,9,12]]
</syntaxhighlight>
となる。
行列の転置の再帰的な定義は
<syntaxhighlight lang="prolog">
行列の転置(L,[L1|R2]) :-
行列の転置(L,L2,L1),
行列の転置(L2,R2).
行列の転置([],[],[]) :- !.
行列の転置([[A|R1]|R2],[R1|R3],[A|R4]) :-
行列の転置(R2,R3,R4).
</syntaxhighlight>
findall/3の定義に比べると、定義自体は簡素なのだが、可読性はかなり悪い。
=== 行列の掛算 ===
行列の掛算は普通第二引数の行列を一旦、行列の転置/2 で転置し、掛け合わせる3つの述語 行列の掛算_1/3 行列の掛算_2/3 行列の掛算_3/3 によって積を得る。述語名の末尾に _1 _2 _3 を付加して別の述語とするのは、引数が同じで同一の述語名が使えない時の方便である。一般に、述語の意味する言葉を述語名とすることが望ましいが、行列述語などを含めて数学的なアルゴリズムでは、部分的な計算を言葉で表現することが困難な場合も多い。それでこのような述語の命名がしばしば見られる。
<syntaxhighlight lang="prolog">
行列の掛算(_行列_1,_行列_2,_行列の積) :-
行列の転置(_行列_2,_転置された行列),
行列の掛算_1(_行列_1,_転置された行列,_行列の積).
行列の掛算_1([],_,[]) :- !.
行列の掛算_1([L_1|R1],LL_2,[S1|R3]) :-
行列の掛算_2(L_1,LL_2,S1),
行列の掛算_1(R1,LL_2,R3).
行列の掛算_2(_,[],[]) :- !.
行列の掛算_2(L_1,[L_2|R2],[S|R3]) :-
行列の掛算_3(L_1,L_2,S),
行列の掛算_2(A,R2,R3).
行列の掛算_3([],[],0) :- !.
行列の掛算_3([A|R1],[B|R2],S) :-
S1 is A * B,
行列の掛算_3(R1,R2,S2),
S is S1 + S2.
</syntaxhighlight>
実行例
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- 行列の掛算([[3,4,8],[2,6,5]],[[7,8],[2,6],[5,4]],X).
X = [[69,80],[51,72]].
</syntaxhighlight>
=== 正方行列の対角要素 ===
正方行列の右下がり対角要素リストと左下がり対角要素リストを得る。正方行列の対角要素とは、
<math>
\begin{pmatrix}
1 & 2 & 3 \\
4 & 5 & 6 \\
7 & 8 & 9
\end{pmatrix}
</math>
1、5、9 が右下がり対角要素であり、3、5、7 が左下がり対角要素であるとする。これを <code>nth1</code> と <code>length</code> と <code>append</code> の組み合わせで定義する。
<syntaxhighlight lang="prolog">
右下がり対角要素リスト(_正方行列,_右下がり対角要素リスト) :-
findall(V,(
nth1(_nth1,_正方行列,L),
nth1(_nth1,L,V)),
_右下がり対角要素リスト).
左下がり対角要素リスト(_正方行列,_左下がり対角要素リスト) :-
findall(V,(
nth1(_nth1,_正方行列,L),
length([_|R],_nth1),
append(_,[V|R],L)),
_左下がり対角要素リスト),!.
</syntaxhighlight>
組込述語 <code>nth1</code> は非決定性の述語で第一引数が論理変数の場合は、1、2、3、…、n とバックトラックされる度に順に値を生成する。<code>nth1</code> の <code>1</code> は1からこのカウントを開始するの意味である。
上記二つの定義では、要素位置を示す論理変数 <code>_nth1</code> が現れるが、この論理変数に対して何ら演算を施してはいない。このように要素位置等の数値による管理からプログラマが解放される機会が多いことも {{lang|en|Prolog}} の大きな特長である。
実行例を示す。
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- 右下がり対角要素リスト([[1,2,3,4],[5,6,7,8],[9,10,11,12],[13,14,15,16]],L).
L = [1,6,11,16]
?- 左下がり対角要素リスト([[1,2],[3,4]],L).
L = [2,3]
</syntaxhighlight>
=== ガウス行列検査 ===
行列がガウス行列であるかどうか検査します。ここではガウス行列検査/1を述語名を冗長に取って、その事によって、宣言的に述語定義することで、Prologのプログラムが、ガウス行列の解説になっているように工夫されています。
<syntaxhighlight lang="prolog">
ガウス行列検査(_ガウス行列) :-
'ガウス行列とは、行が下がるごとに、最初に現れる0でない要素が右に移っていく行列のことをいいます'(_ガウス行列).
'ガウス行列とは、行が下がるごとに、最初に現れる0でない要素が右に移っていく行列のことをいいます'(_ガウス行列) :-
行が下がるごとに最初に現れる0でない要素が(_ガウス行列,_最初に現れる0でない要素の変位のリスト),
右に移っていく行列のことをいいます(_最初に現れる0でない要素の変位のリスト).
行が下がるごとに最初に現れる0でない要素が(_ガウス行列,_最初に現れる0でない要素の変位のリスト) :-
findall(_最初に現れる0でない要素の変位,(
append(_,[_ガウス行列の行|_],_ガウス行列),
最初に現れる0でない要素の変位が(_ガウス行列の行,_最初に現れる0でない要素の変位)),
_最初に現れる0でない要素の変位のリスト).
最初に現れる0でない要素の変位が(_ガウス行列の行,_最初に現れる0でない要素の変位) :-
append(_0のみのならび,[_0でない要素|_],_ガウス行列の行),
\+(_0でない要素 = 0),
length(_0のみのならび,_最初に現れる0でない要素の変位),!.
右に移っていく行列のことをいいます([A]).
右に移っていく行列のことをいいます([A,B|R]) :-
A < B,
右に移っていく行列のことをいいます([B|R]).
</syntaxhighlight>
実は、最初に現れる0でない要素がない、すなわち、全ての要素が0であるような行があり得ますが、<code>_0でない要素</code>がない訳ですから
<code>append(_0のみのならび,[_0でない要素|_],_ガウス行列の行),</code>が偽になります。これは、最終的に、
<code>行が下がるごとに最初に現れる0でない要素が/2</code>の中の<code>findall/3</code>の中に現れますから、偽になればリストLに採用されません。乃ち、この判定では全て要素が0の行は無視されます。
この<code>ガウス行列検査/1</code>のように、配列と違って添字を使わないリストで行列を表現するため、Prologの行列の処理では、大小比較以外の数値計算が全く現れないこともあります。
=== 部分集合 ===
{{lang|en|Prolog}} が集合をどのように扱うかについては、既に {{lang|en|Prolog}} プログラミングの章で述べた。
ある集合が別の集合の部分集合であるか確かめる述語 <code>部分集合</code> を定義する。
この述語は組込述語 <code>subset</code> として定義済みであり、その定義は
<syntaxhighlight lang="prolog">
subset(_subsets,_sets) :-
forall(member(_element,_subsets),member(_element,_sets)).
</syntaxhighlight>
であると考えられる。<code>_subsets</code> のメンバーは必ず <code>_sets</code> のメンバーであると宣言している。
組込述語 <code>forall</code> は第一引数の副目標が真になる場合は、第二引数の副目標も必ず真になると宣言するメタ述語である。「全ての・・・について、」がその意味と考えればよい。
<code>forall(member(_element,_subsets),member(_element,_sets))</code>は
「全ての部分集合の要素は、全体集合の要素である」という意味となる。
これとは別に再帰を使った <code>部分集合</code> の定義もある。
<syntaxhighlight lang="prolog">
部分集合([],_).
部分集合([_要素|R],_集合) :-
member(_要素,_集合),
部分集合(R,_集合).
</syntaxhighlight>
実行例を示す。
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- 部分集合([2,4],[4,1,2,6]).
true.
?- 部分集合([3,4],[4,1,2,6]).
false.
</syntaxhighlight>
となる。集合では「その要素が・・・」と語られることが常であるが、「その要素が」をProlog述語として表現したものが
<code>member/2</code>である。
=== 階乗 ===
階乗は整数の性質に含まれる数の連関を使うだけで計算できる数少ない例の一つである。Nの階乗を <code>階乗/2</code> として定義する。
<syntaxhighlight lang="prolog">
階乗(0,1) :- !.
階乗(N,_階乗) :-
N_1 is N - 1,
階乗(N_1,_階乗_1),
_階乗 is _階乗_1 * N.
</syntaxhighlight>
ここでの階乗の定義のように、計算対象となる要素が、常に1ずつ減っていく、そして、それだけで計算が完了するというのは特別な例なのであって、そのような固定した性質がない集合の計算では計算対象をリストに取ることが多い。既にそのような例としては 加算の <code>リスト要素の加算</code> があった。
階乗には以下のように第二引数に累算部分を明示的に取る定義もある。
<syntaxhighlight lang="prolog">
階乗(N,_階乗) :-
階乗(N,N,_階乗).
階乗(1,_階乗,_階乗) :- !.
階乗(N,_階乗_1,_階乗) :-
N_1 is N - 1,
_階乗_2 is _階乗_1 * N,
階乗(N_1,_階乗_2,_階乗).
</syntaxhighlight>
この定義は最後に副目標として<code>階乗(N_1,_階乗_2,_階乗)</code>のような再帰表現の締め括りが来ている。このような形式の再帰を[[末尾再帰]]と言って、Prologに於いてはこの末尾再帰の方が、インタプリタ/コンパイラが最適化をしやすい。再帰の実行が深くなったり、巨大数を扱った場合、スタックオーバフローのようなエラーになることを回避しやすい。
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- 階乗(100000,X).
</syntaxhighlight>
このような質問がなされた場合、上側の定義、則ち末尾再帰でない定義では多くの処理系で解が返らない。一方、末尾再帰の定義では、もちろん多倍長整数のサポートが条件ではあるが、456579桁の整数解が返るに相違ない。
このような事情から、一般にPrologプログラマには二つの定義のうち、下の定義の方が好まれる。
=== 階乗保存計算 ===
10000以下の素数のリストをウィルソンの定理による素数判定を使って得る。この計算では階乗計算が繰り返し使われるのだが、述語に定義節を動的に書き加えることによって、階乗の呼び出し回数を大幅に少なくできる。ただし、述語論理を完全に逸脱したプログラムである。
<syntaxhighlight lang="prolog">
:- dynamic(階乗保存計算/2).
'ウィルソンの定理を使って素数を判定する関数is_primeを実装し、100000以下の素数をリストに得る'(_10000以下の素数リスト) :-
findall(_p,(
between(1,10000,_p),
is_prime(_p)),
_10000以下の素数リスト).
is_prime(_p) :-
'ウィルソンの定理とは pが素数 <=> (p-1)!+1 (mod p) == 0'(_p).
'ウィルソンの定理とは pが素数 <=> (p-1)!+1 (mod p) == 0'(_p) :-
_p > 0,
Y is _p - 1,
階乗保存計算(Y,Z),
0 is (Z + 1) mod _p,!.
階乗保存計算(0,1) :- !.
階乗保存計算(1,1) :- !.
階乗保存計算(N,X) :-
N2 is N - 1,
階乗保存計算(N2,Y),
X is N * Y,
asserta((階乗保存計算(N,X) :- !)).
</syntaxhighlight>
<code>asserta</code> は述語の先頭に定義節を加える組込述語。既に計算した階乗は答えを階乗保存計算の先頭に付け加えることで、以後階乗計算に入るまえに、その解を得ることができるようになる。
述語 <code>階乗保存計算</code> の定義は階乗保存計算(7). を実行前と後では以下のように変化する。
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- listing(階乗保存定義/2).
階乗保存計算(0, 1) :- !.
階乗保存計算(1, 1) :- !.
階乗保存計算(A, C) :-
B is A + -1,
階乗保存計算(B, D),
C is A * D,
asserta((階乗保存計算(A, C):-!)).
true.
?- 階乗保存計算(7,X).
X = 5040
?- listing(階乗保存計算/2).
階乗保存計算(7, 5040) :- !.
階乗保存計算(6, 720) :- !.
階乗保存計算(5, 120) :- !.
階乗保存計算(4, 24) :- !.
階乗保存計算(3, 6) :- !.
階乗保存計算(2, 2) :- !.
階乗保存計算(0, 1) :- !.
階乗保存計算(1, 1) :- !.
階乗保存計算(A, C) :-
B is A + -1,
階乗保存計算(B, D),
C is A * D,
asserta((階乗保存計算(A, C):-!)).
true.
</syntaxhighlight>
<code>listing</code> は現在の述語定義を示す、処理系のサービス述語である。
組込述語 <code>asserta</code> や <code>assertz</code> を使えば、プログラムによるプログラムの生成が可能になる。それだけではなく、プログラムの実行中に追加プログラムコードを生成して、それを即実行することもできる。
=== リストの重複要素を削除する ===
リストの要素が重複している時、これを唯ひとつの要素に置き換えたい時がある。
<syntaxhighlight lang="prolog">
リストの重複要素を削除する([],[]).
リストの重複要素を削除する([A|R1],R2) :-
member(A,R1),
リストの重複要素を削除する(R1,R2).
リストの重複要素を削除する([A|R1],[A|R2]) :-
\+(member(A,R1)),
リストの重複要素を削除する(R1,R2).
?- リストの重複要素を削除する([3,4,2,3,5],L).
L = [4,2,3,5].
</syntaxhighlight>
最も基本的な再帰のなかで member/2 を使って後に再びこの要素が現るかどうか検査している。複数同一要素が存在するときには、
最後の位置にある要素だけが選択される。リスト要素の順序の変化に注意が必要である。
リストの重複要素削除には、他にも有力な方法がある。
組込述語 setof/3 と member/2 を組合せて使う。setof/3は名前から想像できるように出来上がるリストを集合とみなす。従ってこの述語のなかには要素が重複したらこれを取り除いてしまう機能を含んでいる。
<syntaxhighlight lang="prolog">
リストの重複要素を削除する(L1,L2) :-
setof(_要素,member(_要素,L1),L2).
</syntaxhighlight>
もうひとつ、これは組込述語 sort/2 の約束事であるが、最終的に整列結果の重複要素は取り除かれる。従って、
<syntaxhighlight lang="prolog">
リストの重複要素を削除する(L1,L2) :-
sort(L1,L2).
</syntaxhighlight>
これだけで済んでしまう。
=== リストの全ての要素が同じ ===
リスト要素が全て同じ。検査述語であると同時に、リストに変数を含む場合はそれを第二引数と単一化して全て同じ要素になるように企てる働きをする。
さらに第二引数が変数で呼ばれたら、第一引数のリスト要素が全て同じ場合にのみ真となり、その要素と第二引数が単一化される。
<syntaxhighlight lang="prolog">
全ての要素が同じ([],_).
全ての要素が同じ([A|R],A) :-
全ての要素が同じ(R,A).
</syntaxhighlight>
第一引数のリストのなかにひとつでも第二引数と異なった要素が現れたら、則ち偽となる。偽にならず、第一引数が[]まで到達したら、全ての要素は第二引数と同じであったことになる。
実行例
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- 全ての要素が同じ([2,2,2],2).
true.
?- 全ての要素が同じ([2,2,3],2).
false.
?- 全ての要素が同じ([2,2,2],X).
X = 2
?- 全ての要素が同じ([X,Y,Z],0).
X = 0,
Y = 0,
Z = 0,
?- 全ての要素が同じ([A,2,B],X).
A = 2,
B = 2,
X = 2.
</syntaxhighlight>
最後の例は、Prologの単一化の = による制約表現とその制約解消過程が面白い。
=== '全ての要素が同じ(但し空リストを除く)' ===
上記、<code>全ての要素が同じ/2</code>は大変有用な述語であるが、仕様上重大な疑問がある。それは第一節の定義で、空リストの要素という矛盾を認めている点である。この問題は単に矛盾であるばかりでなく、
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- append(L1,L2,[1,1,3,2]),全ての要素が同じ(L1,A).
L1 = [], L2 = [1,1,3,2];
L1 = [1], L2 = [1,3,2];
L1 = [1,1], L2 = [3,2];
false.
?-
</syntaxhighlight>
となり、L1 = [] を解として含んでしまう。これは受け入れがたい。空リストになるかどうかの検査が常に必要になり不便でもある。そこで、
<code>'全ての要素が同じ(但し空リストは除く)'/2</code>を定義しよう。定義は述語名そのまま、
<syntaxhighlight lang="prolog">
'全ての要素が同じ(但し空リストは除く)'(L,A) :-
全ての要素が同じ(L,A),
\+(L = []).
</syntaxhighlight>
と定義する。これで
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- '全ての要素が同じ(但し空リストは除く)'([X,Y,Z],0).
X = 0,
Y = 0,
Z = 0,
?- '全ての要素が同じ(但し空リストは除く)'([A,2,B],X).
A = 2,
B = 2,
X = 2.
</syntaxhighlight>
重複するから一部省略するが、<code>全ての要素が同じ/2</code>に於ける質問例の動作通りになる。
なお、<code>全ての要素が同じ/2</code>を以下のように変更すると、
<syntaxhighlight lang="prolog">
全ての要素が同じ([A],A).
全ての要素が同じ([A|R],A) :-
全ての要素が同じ(R,A).
?- 全ての要素が同じ(L,3).
L = [3];
L = [3];
L = [3,3];
L = [3,3];
・・・
</syntaxhighlight>
というような実行となり、思い通りの結果にならない。結局この定義に於いても、
<syntaxhighlight lang="prolog">
全ての要素が同じ([A],A).
全ての要素が同じ([A|R],A) :-
\+(R=[]),
全ての要素が同じ(R,A).
</syntaxhighlight>
<code>\+(R=[])</code>という意味の判り難い副目標が必要ということになる。
=== N個の空白からなるアトムを生成する ===
N個の空白からなるアトムを生成する。述語名がシングルクォートで括られているのはその先頭文字に英大文字が来ているからである。ここでは組込述語 <code>length</code> によって要素数N個の変数のリストを生成し、
その要素全てを空白文字とした上で、文字のリストからアトムを生成するために、組込述語 <code>atom_chars</code> を使っている。
<syntaxhighlight lang="prolog">
'N個の空白からなるアトムを生成する'(N,_アトム) :-
length(L,N),
全ての要素が同じ(L,' '),
atom_chars(_アトム,L).
</syntaxhighlight>
実例を示す。
<syntaxhighlight lang="Prolog">
?- 'N個の空白からならアトムを生成する'(8,Atom).
Atom = ' '
</syntaxhighlight>
上に示した定義は、全ての要素が同じ/2が既に用意されていることを前提に、空白からなるアトムを作ったが、
<syntaxhighlight lang="prolog">
'N個の空白からなるアトムを生成する'(N,_アトム) :-
findall(' ',between(1,N,_),L),
atom_chars(_アトム,L).
</syntaxhighlight>
でよく、この定義の空白と指定された部分を抽象して、同一文字からなるアトムの定義は
<syntaxhighlight lang="prolog">
'N個の同一文字からなるアトムを生成する'(N,_文字,_アトム) :-
findall(_文字,between(1,N,_),L),
atom_chars(_アトム,L).
</syntaxhighlight>
でよい。
'N個の空白からなるアトムを生成する'/2の再帰的な定義は組込述語 atom_concat/3 を使って実現する。
<syntaxhighlight lang="prolog">
'N個の空白からなるアトムを生成する'(1,' ') :- !.
'N個の空白からなるアトムを生成する'(N,_アトム) :-
N_1 is N - 1,
'N個の空白からなるアトムを生成する'(N_1,_アトム_1),
atom_concat(' ',_アトム_1,_アトム).
</syntaxhighlight>
上に示した非再帰的な定義とどちらが判りやすいか、取捨に悩むことが多い。
=== ヘッドゼロサプライ ===
事務計算などでは、123という整数を8桁の数値表現で、しかも頭部を空白ではなく0で埋めることを要求されることがある。
これを上記 <code>全ての要素が同じ</code> を使って定義する。最初に枠を取り、頭部の桁不足の部分は <code>全ての要素が同じ</code> を使って <code>0</code> を埋めている。
<syntaxhighlight lang="prolog">
ヘッドゼロサプライ(_桁数,_数値,_ヘッドゼロサプライ数値表現) :-
length(_桁数枠のリスト,_桁数),
number_chars(_数値,_数字のリスト),
append(_頭部の枠リスト,_数字のリスト,_桁数枠のリスト),
全ての要素が同じ(_頭部の枠リスト,'0'),
atom_chars(_ヘッドゼロサプライ数値表現,_桁数枠のリスト).
</syntaxhighlight>
<code>number_chars</code>、<code>atom_chars</code> ともに組込述語で、それぞれ、数値を分解して数字リストに、アトムを分解して文字リストとする。
頭部の枠リストの桁(要素数)は述語 <code>append</code> が決定する。
実行例
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- ヘッドゼロサプライ(8,123,X).
X = '000000123'
?-
</syntaxhighlight>
ヘッドゼロサプレスの定義は、
<syntaxhighlight lang="prolog">
ヘッドゼロサプレス(_桁数,_数値,_ヘッドゼロサプレス数値表現) :-
length(_桁数枠のリスト,_桁数),
number_chars(_数値,_数字のリスト),
append(_頭部の枠リスト,_数字のリスト,_桁数枠のリスト),
全ての要素が同じ(_頭部の枠リスト,' '),
atom_chars(_ヘッドゼロサプレス数値表現,_桁数枠のリスト).
</syntaxhighlight>
変数名を変更したが実質的には <code>全ての要素が同じ</code> の第二引数を変更するだけの違いである。
=== 数値とカンマ区切り文字列の変換 ===
以下二つとも事務計算では必須の述語である。最初の述語が必要になるのは帳票からOCRで文字列を読み取りデジタルテキスト化されたものが入力になる場合であろう。
<syntaxhighlight lang="prolog">
カンマ区切り文字列を数値に変換(_文字列,_数値) :-
findall(_カンマではない文字,
カンマではない文字(_文字列,_カンマではない文字),_数字文字ならび),
number_chars(_数値,_数字文字ならび).
カンマではない文字(_文字列,_文字) :-
sub_atom(_文字列,_,1,_,_文字),
\+(_文字=',').
整数を3桁ずつカンマ区切りした文字列に変換(_数値,_数値文字列) :-
整数を3桁ずつアトムに変換しながら区切る(_数値,[],L),
atomic_list_concat(L,',',_数値文字列).
整数を3桁ずつアトムに変換しながら区切る(0,L,L) :- !.
整数を3桁ずつアトムに変換しながら区切る(N,L1,L) :-
整数の下位3桁を文字列に変換する(N,_桁数を調整した数値文字列,_下位3桁を取り除いた整数),
整数を3桁ずつアトムに変換しながら区切る(_下位3桁を取り除いた整数,[_桁数を調整した数値文字列|L1],L).
整数の下位3桁を文字列に変換する(N,_桁数を調整した数値文字列,_下位3桁を取り除いた整数) :-
_Nを1000で割った剰余 is N mod 1000,
_下位3桁を取り除いた整数 is N // 1000,
atom_number(_数値文字列,_Nを1000で割った剰余),
桁を3桁に(_下位3桁を取り除いた整数,_数値文字列,_桁数を調整した数値文字列).
桁を3桁に(0,A,A) :- !.
桁を3桁に(_,A,A) :-
atom_length(A,3),!.
桁を3桁に(_,A,C) :-
atom_concat('000',A,B),
sub_atom(B,_,3,0,C).
</syntaxhighlight>
<code>カンマ区切り文字列を数値に変換/2</code>はnumber_chars/2に寄り掛かった定義になっている。
<code>整数を3ケタカンマ区切り数値文字列に変換/2</code>は、ここでは整数に限定しているが、実数を対象にする場合は、整数部と少数部に分離し、整数部にだけこの述語を適用すればよい。
<code>整数を3桁ずつアトムに変換しながら区切る/3</code>に於いて、Lに下3桁ずつ、積んで行き、しかも最終的に上位桁から下位の順に展開できている。これは、プログラム事例の後に出てくる<code>リスト要素の反転</code>の中で見ることができるPrologの特徴的な技法である。
<code>整数の下位3桁を文字列に変換する/3</code>はカンマ区切りの厄介なところで、1000で除した剰余が2桁以下の時に頭部に0を強制している。しかし、最上位の3桁はその限りではない。そのための述語が<code>桁を3桁に/3</code>である。
=== ユークリッドの互除法によって最大公約数を求める ===
ユークリッドの互除法によって最大公約数を求める。
数値演算の場合、他の言語とそれほど変わらない。Prologの特徴を求めるならば出力用の引数が必要とされることだろう。
<syntaxhighlight lang="prolog">
最大公約数(N,_最大公約数,_最大公約数) :-
0 is N mod _最大公約数.
最大公約数(N,M,_最大公約数) :-
M_2 is N mod M,
最大公約数(M,M_2,_最大公約数).
</syntaxhighlight>
実行例
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- 最大公約数(49,28,X).
X = 7
?-
</syntaxhighlight>
=== エラトステネスの篩 ===
n以下の全ての素数をリストに集める。エラトステネスの篩を述語として定義し、これを呼び出す。
最初の述語 <code>n以下の素数</code> の冒頭で、2から始まりnまで連続する整数のリストを組込述語 <code>findall</code> と <code>between</code> を使って生成する。代表的な生成パターンである。
このリストを対象に小さい順に素数を探し、その素数の倍数をリストから削除して再帰的にエラトステネスの篩は実行される。
<syntaxhighlight lang="prolog">
n以下の素数(_n以下,_n以下の全ての素数) :-
findall(_数,between(2,_n以下,_数),_2以上_n以下の数リスト),
エラトステネスの篩(_2以上_n以下の数リスト,_n以下の全ての素数).
エラトステネスの篩([],[]) :- !.
エラトステネスの篩([A|R1],[A|R2]) :-
エラトステネスの篩(A,R1,L),
エラトステネスの篩(L,R2).
エラトステネスの篩(_,[],[]) :-!.
エラトステネスの篩(N,[A|R1],R2) :-
0 is A mod N,
エラトステネスの篩(N,R1,R2),!.
エラトステネスの篩(N,[A|R1],[A|R2]) :-
エラトステネスの篩(N,R1,R2).
</syntaxhighlight>
<code>エラトステネスの篩</code> の定義の中で <code>findall</code> を使うと <code>エラトステネス/3</code> は実は不要である。
<syntaxhighlight lang="prolog">
エラトステネスの篩([],[]).
エラトステネスの篩([M|R1],[M|R2]) :-
findall(N,(
member(N,R1),
\+(0 is N mod M)),
L),
エラトステネスの篩(L,R2).
</syntaxhighlight>
どちらの定義が読みやすいかについては、常に問題となる。
この <code>findall</code> を <code>エラトステネスの篩</code> の中に持つ
<syntaxhighlight lang="prolog">
エラトステネスの篩([],[]) :- !.
エラトステネスの篩([M|R1],[M|R2]) :-
エラトステネスの篩(M,R1,L),
エラトステネスの篩(L,R2).
エラトステネスの篩(M,R1,L) :-
findall(N,(
member(N,R1),
\+(0 is N mod M)),
L).
</syntaxhighlight>
が最も宣言的なエラトステネスの篩の定義かも知れない。
<code>エラトステネスの篩/2</code> の方は、<code>findall</code> で生成される新たなリストが第一引数に置き換えられて再び駆動される。このような新しい対象を生成しつつ、ダイナミックに繰り返すパターンは、再帰的な定義以外に方法がない。
実行例
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- n以下の素数(32,L).
L = [2,3,5,7,11,13,17,19,23,29,31]
?- エラトステネスの篩([2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14],L).
L = [2,3,5,7,11,13]
?-
</syntaxhighlight>
=== 文字列の検索 ===
Prologでは、文字列という場合、一般にアトムを指すが、<code>String</code>(文字コードのリスト)を指す場合もあり、少々曖昧である。ここではアトムを指すとする。
<syntaxhighlight lang="prolog">
文字列の検索(_文字列,_検索語,_検索語の前方文字列,_検索語,_検索語の後方文字列) :-
sub_atom(_文字列,_開始点,_文字列長,_残り文字列長,_検索語),
sub_atom(_文字列,0,_開始点,_,_検索語の前方文字列),
sub_atom(_文字列,_,_残り文字列長,0,_検索語の後方文字列).
</syntaxhighlight>
<code>sub_atom</code> という極めてスーパーな非決定性の組込述語がこの機能の全てを司る。開始点は0オリジンであることに注意が必要である。Prologの組込述語では1オリジンを使うものが多いのだが、この述語は0オリジンである。
<code>sub_atom</code> の仕様は (1) 第一引数に検索対象アトムがくる、(2) 第二引数には検索語の開始点がくる、(3) 第三引数には検索語の文字数、(4) 第四引数には検索が成功した時の残り文字列長、(5) 第五引数に検索語がくる。
<code>sub_atom</code>は文字の出現順序は保たれるが、対象文字列を一文字ずつ開始点、終了点のポインターをずらしながら試行錯誤で、全ての切り取ることができる副文字列が試さながら実行される。従って、対象文字列が長く、第二、第三、第四引数が変数の場合は、検索を完了するまでに時間を要する。
文字列の検索には<code>sub_atom/5</code>の代わりに組込述語の<code>atom_concat/2</code>を使う定義もある。こちらの方が引数に変位が現れず若干は抽象的な定義である。
<syntaxhighlight lang="prolog">
文字列の検索(_文字列,_検索語,_検索語の前方文字列,_検索語,_検索語の後方文字列) :-
atom_concat(_検索語の前方文字列,_残り文字列,_文字列),
atom_concat(_検索語,_検索語の後方文字列,_残り文字列).
</syntaxhighlight>
<code>atom_concat/2</code>は二つのアトムを結合することと、アトムを二つの文字列に分解すること、この二つ意味を双方向に持っている。
実行例
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- 文字列の検索(abd126fgabyz,ab,X,Y,Z).
X = '',
Y = ab,
Z = d126fgabyz;
X = abd126fg,
Y = ab,
Z = z;
False
</syntaxhighlight>
上記検索パターン通じて、目標に _検索語 がふたつ冗長に現れ、単一化を二重に行っている部分もあるが、将来、検索語に何らかの記号パターン(正規表現のような)が利用される可能性を考えて、ここではあえて検索語と検索結果の検索語が同じになることを承知の上で、一引数余分に確保している。
検索語に変数がきたらどうなるか。ここではYとする。この場合、<code>文字列検索/5</code>は検索文字列の候補を挙げてくるだけである。その後に連接した二つの<code>sub_atom/5</code>で制限を付けている。
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- 文字列の検索(abd126fgabyz,Y,X,Y,Z),sub_atom(Y,0,2,_,fg),sub_atom(Y,_2,_,by).
X = abd126,
Y = fgaby,
Z = yz.
</syntaxhighlight>
このように検索語を与えなくても、検索する可能性を持つことはPrologによる文字列処理の特長である。
<code>sub_atom</code>は第一引数が変数で実行されるとエラーとなる。第二引数以下の情報から双方向に第一引数を生成することはしない。
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- sub_atom(A,0,5,0,abcde).
ERROR: sub_atom/5: Arguments are not sufficiently instantiated
</syntaxhighlight>
論理的には第一引数Aにabcdeが返ってきても良さそうなケースだが、述語定義の仕様から、エラーとなってしまう。
=== 文字列の置換 ===
ISO規格を含めて、ほとんどの処理系では正規表現がサポートされていない。Prologは文字列操作を得意とする言語だが、それでも複雑な置換パターンでは長い定義となることが多い。
最初に、置換対象が一つの単純な置換を考えてみよう。
<syntaxhighlight lang="prolog">
文字列の置換(_対象文字列,_置換される副文字列,_置換する副文字列,_置換された文字列) :-
sub_atom(_対象文字列,_開始点,_長さ,_残り長さ,_置換される副文字列),
sub_atom(_対象文字列,0,_開始点,_,_前文字列),
sub_atom(_対象文字列,_,_残り長さ,0,_後文字列),
atomic_list_concat([_前文字列,_置換する副文字列,_後文字列],_置換された文字列).
</syntaxhighlight>
<code>atomic_list_concat</code> はリスト要素を結合して新しいアトムを生成する。
実行例を示す。
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- 文字列の置換(いろははほへと,はは,はに,_置換された文字列).
_置換された文字列 = いろはにほへと
</syntaxhighlight>
これはうまく行くが、複数置換対象が存在する場合を見てみよう。
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- 文字列の置換(生垣作るその生垣を,生垣,八重垣,_置換された文字列).
_置換された文字列 = 八重垣作るその生垣を;
_置換された文字列 = 生垣作るその八重垣を;
false.
</syntaxhighlight>
置換対象が複数あっても、一ヶ所だけ置換するという場合もある。その場合には選択的に置換できるこの定義で良い。
しかしこの例もそうだが、対象となる副文字列全てを置換したいことも多い。結論を言ってしまえば、このようなバックトラックを使ったパターン(失敗駆動)では全置換は定義できない。
<syntaxhighlight lang="prolog">
文字列の全置換(_対象文字列,_置換される副文字列,_置換する副文字列,_置換された文字列) :-
置換対象の選択(_対象文字列,_置換される副文字列,_前文字列,_後文字列),
文字列の全置換(_後文字列,_置換される副文字列,_置換する副文字列,_置換された後文字列),
atomic_list_concat([_前文字列,_置換する副文字列,_置換された後文字列],_置換された文字列),!.
文字列の全置換(_文字列,_,_,_文字列).
置換対象の選択(_対象文字列,_置換される副文字列,_前文字列,_後文字列) :-
sub_atom(_対象文字列,_開始点,_長さ,_残り長さ,_置換される副文字列),
sub_atom(_対象文字列,0,_開始点,_,_前文字列),
sub_atom(_対象文字列,_,_残り長さ,0,_後文字列).
</syntaxhighlight>
一般に置換では、置換対象文字列が存在しなかった時、その副目標(質問)を偽としないで、元の文字列をそのまま残す。<code>文字列の全置換</code> の第二節 文字列の全置換(_文字列,_,_,_文字列). はそのために必要である。
ちょっとわかりにくいが、<code>文字列の全置換</code> は再帰的な述語である。置換対象までとその後文字列に分割して、後文字列を再帰的に置換したものと、それまでの文字列を置換しながら結合する。
実行例
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- 文字列の全置換(生垣作るその生垣を,生垣,八重垣,_置換された文字列).
_置換された文字列 = 八重垣作るその八重垣を
</syntaxhighlight>
これで二ヶ所の生垣を八重垣に置換することができる。
=== リストの結合 ===
リストの結合とは引数として与えられた二つのリストを最初のリストの最終要素の次から第二リストの最初の要素から順に付け加えて行って、一つのリストに纏めることを言う。この述語はほとんどの処理系で組込述語 <code>append</code> として特に利用者が定義しなくても済むが、述語定義技法としての観点からも {{lang|en|Prolog}} を代表する述語であるため、ここでは <code>append</code> 述語が {{lang|en|Prolog}} でどのように定義されるかを紹介する。
<syntaxhighlight lang="prolog">
リストの結合(L1,L2,L) :- append(L1,L2,L).
</syntaxhighlight>
appendは2つのリストを結合する
<syntaxhighlight lang="prolog">
append([],L,L).
append([E|L1],L2,[E|L]) :- append(L1,L2,L).
</syntaxhighlight>
実行例
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- append([a,b],[1,2,3],L).
L = [a,b,1,2,3]
</syntaxhighlight>
appendの意味は結合に留まらない。'''第一引数、第二引数に変数が来るとリストを分解する。'''
実は非決定性の述語としての代表でもある。
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- append(X,[2,3],[1,2,3]).
X = [1]
?- append(X,Y,[1,2,3]).
X = [],
Y = [1,2,3];
X = [1],
Y = [2,3];
X = [1,2],
Y = [3];
X = [1,2,3],
Y = [];
false
</syntaxhighlight>
となる。さらに以下のように使用するとappendは実はmemberのスーパーセットであることがわかる。
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- append(L1,[X|L2],[ワカメ,マスオ,タラオ]).
L1 = [],
X = ワカメ,
L2 = [マスオ,タラオ];
L1 = [ワカメ],
X = マスオ,
L2 = [タラオ];
L1 = [ワカメ,マスオ],
X = タラオ,
L2 = [];
false
</syntaxhighlight>
ここで注目するべきことは、このような使い方の <code>append</code> に於いては、切り出したい情報とその情報のリスト前部、リスト後部の情報を同時に取得できることである。例えば切り出した情報(上の定義例では <code>X</code>)の前部や後部にXが含まれていないか検査などが可能になる。これは <code>member</code> においては不可能なことである。
<code>append</code> は多義的な述語であり、同時に <code>Prolog</code> を代表する述語でもあるため、機能に見合った述語名をリストの結合、リストの分解という具合に与えるか、それとも、通りのよい <code>append</code> 一本で貫くか迷うことが多い。ここではこの述語定義を理解、記憶してもらうためにもっぱら <code>append</code> で通したが、それぞれ別の述語名を与えて利用するのが本来の {{lang|en|Prolog}} の姿であろう。
<syntaxhighlight lang="prolog">
リストの結合(L1,L2,L) :- append(L1,L2,L).
リストの分解(L1,L2,L) :- append(L1,L2,L).
</syntaxhighlight>
=== 四引数以上のリストの結合 ===
引数が3のappendを示したが、4引数以上のものも便利である。
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- append(L1,[X,Y],L3,[a,b,c,d]).
L1 = [],
X = a,
Y = b,
L3 = [c,d];
L1 = [a],
X = b,
Y = c,
L3 = [d];
L1 = [a,b],
X = c,
Y = d,
L3 = [];
false.
</syntaxhighlight>
このように、中間のリストの前のリスト、後のリストという分解が簡単にできる。この append/4 の定義は append/3 の定義を利用して
<syntaxhighlight lang="prolog">
append([],L2,L3,L4) :-
append(L2,L3,L4).
append([E|L1],L2,L3,[E|L4]) :-
append(L1,L2,L3,L4).
</syntaxhighlight>
である。
さらに append/4 ができれば、 append/5 は
<syntaxhighlight lang="prolog">
append([],L2,L3,L4,L5) :-
append(L2,L3,L4,L5).
append([E|L1],L2,L3,L4,[E|L5]) :-
append(L1,L2,L3,L4,L5).
</syntaxhighlight>
となっていく。一引数少ない append の定義ができていれば、このように、それを第一節の本体に使って簡単に定義を追加できる。
=== append/4を使った探索 ===
四引数の<code>append</code>の定義ができたところで、これを使って二文字以上の要素が昇順に並ぶリストを検索する。
この探索は、対象がアトムではなくリストになる点で、<code>member/2,append/3,select/3</code>のそれに比べで強力である。
<syntaxhighlight lang="prolog">
二文字以上の要素が昇順に並ぶリストを検索する(_文字リスト,_前リスト,_二文字以上の要素が昇順に並ぶリスト,_後リスト) :-
append(_前リスト,_二文字以上の要素が昇順に並ぶリスト,_後リスト,_文字リスト),
要素が昇順に並んでいる(_二文字以上の要素が昇順に並ぶリスト).
要素が昇順に並んでいる([A,B]) :-
A @=< B.
要素が昇順に並んでいる([A,B|R]) :-
A @=< B,
要素が昇順に並んでいる([B|R]).
append([],L2,L3,L4) :-
append(L2,L3,L4).
append([U|L1],L2,L3,[U|L4]) :-
append(L1,L2,L3,L4).
</syntaxhighlight>
第二引数のリストが単純な性格を持ち、その性質が完結しているか検査する述語を書くような場合であるが、その程度の難度の検索では<code>append/4</code>は強力である。
次に二文字以上の要素が昇順に並ぶのだが、各昇順文字リストのグループとしては最長の文字リストを検索する。
<syntaxhighlight lang="prolog">
二文字以上の要素が昇順に並ぶリストを検索する(_文字リスト,_前リスト,_二文字以上の要素が昇順に並ぶリスト,_後リスト) :-
append(L1,L2,L3,_文字リスト),
\+((last(_前リスト,A),_二文字以上の要素が昇順に並ぶリスト=[B|_],A @< B)),
\+((last(_二文字以上の要素が昇順に並ぶリスト,C),_後リスト=[D|_],C @< D)),
要素が昇順に並んでいる(_二文字以上の要素が昇順に並ぶリスト).
last([A],A) :- !.
last([A|R],B) :-
last(R,B).
要素が昇順に並んでいる([A,B]) :-
A @=< B.
要素が昇順に並んでいる([A,B|R]) :-
A @=< B,
要素が昇順に並んでいる([B|R]).
</syntaxhighlight>
<code>last/2</code>は第一引数のリストの最終要素が第二引数と単一化される。ここでは最後の要素と次のリストの先頭要素を比較している。
検索文字列が先頭からだったり、末尾まで続いている場合には、第一引数や第三引数が[]になる。<code>last/2</code>は偽となりそれぞれ、
<syntaxhighlight lang="prolog">
\+((last(_前リスト,A),_二文字以上の要素が昇順に並ぶリスト=[B|_],A @< B)),
\+((last(_二文字以上の要素が昇順に並ぶリスト,C),_後リスト=[D|_],C @< D)),
</syntaxhighlight>
それを否定しているから、ここの検査条件は真になる。
=== 文字リストに変換して文字列を検索 ===
先に文字列の検索を組込述語 <code>sub_atom</code> を使うことで例題とした。ここでは一旦、アトムとしての文字列を文字を要素とするリストに変換して検索する例を示す。この場合、検索語も文字のリストに変換する。
<syntaxhighlight lang="prolog">
文字列の検索(_文字列,_検索語,_検索語の前方文字列,_検索語,_検索語の後方文字列) :-
文字列と検索語を文字リストに変換(_文字列,_検索語,_文字リスト,_検索文字リスト),
文字リストの検索(_文字リスト,_検索文字リスト,_検索語の前方文字リスト,_検索文字リスト,_検索語の後方文字リスト),
'検索語の前方文字リスト、検索文字リスト、検索語後方の文字リストを文字リストから文字列に変換'(_検索語の前方文字リスト,_検索文字リスト,_検索語の後方文字リスト,_検索語の前方文字列,_検索語,_検索語の後方文字列).
文字列と検索語を文字リストに変換(_文字列,_検索語,_文字リスト,_検索文字リスト) :-
atom_chars(_文字列,_文字リスト),
atom_chars(_検索語,_検索文字リスト).
文字リストの検索(_文字リスト,_検索文字リスト,_検索語の前方文字リスト,_検索文字リスト,_検索語の後方文字リスト) :-
append(_検索語の前方文字リスト,L2,_文字リスト),
append(_検索文字リスト,_検索語の後方文字リスト,L2),
'検索語の前方文字リスト、検索文字リスト、検索語後方の文字リストを文字リストから文字列に変換'(_検索語の前方文字リスト,_検索文字リスト,検索語の後方文字リスト,_検索語の前方文字列,_検索語,_検索語の後方文字列) :-
atom_chars(_検索語の前方文字列,_検索語の前方文字リスト),
atom_chars(_検索語,_検索文字リスト),
atom_chars(_検索語の後方文字列,_検索語の後方文字リスト).
</syntaxhighlight>
「検索語の前方文字リスト、検索文字リスト、検索語の後方文字リストを文字リストから文字列に変換」がシングルクォートで囲まれて定義されているのは、途中に「、」が含まれているからである。規格で定められてはいないが、全角の記号は将来全角文字のみで処理系が利用される可能性から、記号扱いにしている処理系が多い。
述語 文字リストの検索/5 では、上記のリストの結合 <code>append</code> が、リストの結合というより分解として二つ連続して利用されている。
=== 文字列を検索パターンを用いて検索 ===
すでに文字列の検索を <code>sub_atom</code> を用いた例を示したが、一般に文字列の検索は <code>atom_chars</code> を用いて一旦文字のリストに変換してから検索するほうが定義が柔軟になる。
<syntaxhighlight lang="prolog">
:- dynamic(パターン照合/2).
文字リストに変換しての検索(_文字列,_検索パターンリスト,_前文字列,_適合文字列,_後文字列) :-
atom_chars(_文字列,_文字リスト),
リストによる検索(_前文字列リスト,_適合文字リスト,_後文字リスト,_文字リスト),
パターン照合(_検索パターンリスト,_適合文字リスト),
atom_chars(_前文字列,_前文字リスト),
atom_chars(_適合文字列,_適合文字リスト),
atom_chars(_後文字列,_後文字リスト).
リストによる検索([],L2,L3,L4) :-
append(L2,L3,L4).
リストによる検索([A|R1],L2,L3,[A|R4]) :-
リストによる検索(R1,L2,L3,R4).
</syntaxhighlight>
この述語の利用者は、検索する前に述語 パターン照合/2 を定義する。リストによる検索/4 は append/4 として知られる述語。
append/3 を member/2 として使う
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- append(L1,[A|L2],[1,2,3,4]).
</syntaxhighlight>
に極めて近いが、Aは単項としか単一化できないのに対して、 リストによる検索/4 のL2は複数項のパターンを切り取ることができる点が違う。
実例を示す。"八重"から始まり"に"で終わる文字列を検索する。
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- assertz((パターン照合(L,L) :-
L = [八,重|R],append(L1,[に],R))).
?- 文字リストに変換しての検索(八雲立つ出雲八重垣妻籠みに八重垣作るその八重垣を,L,_前文字列,_適合文字列,_後文字列).
_前文字列 = 八雲立つ出雲,
L = [八,重,垣,妻,籠,み,に],
_適合文字列 = 八重垣妻籠みに,
_後文字列 = 八重垣作るその八重垣を;
false.
</syntaxhighlight>
ここでは検索パターンリストに変数を置いている。最初に[八,重]が来て文字がわからないリストが来て、そして最後に[に]が来る。{{lang|en|Prolog}} では、このようにパターンを一つのリストで表現することはできない。それでここは変数にして、<code>パターン照合</code> 述語に解決を委ねている。
=== リスト要素の隣/リスト要素の両隣 ===
<code>append</code> を利用してリスト要素の隣を定義してみよう。極めて宣言的な定義となる。
<syntaxhighlight lang="prolog">
リスト要素の隣(_リスト,_要素,_隣の要素) :-
append(_,[_隣の要素,_要素|_],_リスト).
リスト要素の隣(_リスト,_要素,_隣の要素) :-
append(_,[_要素,_隣の要素|_],_リスト).
</syntaxhighlight>
さらに、リスト要素の両隣は
<syntaxhighlight lang="prolog">
リスト要素の両隣(_リスト,_要素,_隣の要素_1,_隣の要素_2) :-
append(_,[_隣の要素_1,_要素,_隣の要素_2|_],_リスト).
リスト要素の両隣(_リスト,_要素,_隣の要素_1,_隣の要素_2) :-
append(_,[_隣の要素_2,_要素,_隣の要素_1|_],_リスト).
</syntaxhighlight>
実行例
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- リスト要素の隣([a,b,c],X,Y).
X = a,
Y = b;
X = b,
Y = a;
X = b,
Y = c;
X = c,
Y = b
?- リスト要素の隣([a,b,c,d,e,f,g],b,f).
false.
?- リスト要素の隣([a,b,c,d,e,f,g],e,d).
true.
?- リスト要素の両隣([a,b,c,d,e,f,g],e,Y,Z).
Y = d,
Z = f;
Y = f,
Z = d
</syntaxhighlight>
二つの隣要素が第三引数と第四引数に出現順に入るのだと決めておけば定義は
<syntaxhighlight lang="prolog">
リスト要素の両隣(_リスト,_要素,_左隣の要素,_右隣の要素) :-
append(_,[_左隣の要素,_要素,_右隣の要素|_],_リスト).
</syntaxhighlight>
となる。これが自然な定義であろう。
しかし、「リスト要素の両隣」がこの述語の仕様であったとすると、左右の順序や出現順はどこにも示唆されていないと
考えることがむしろ素直であり、上記の左右順あるいは右左順の二節とする定義も成立するのである。
=== リスト要素の反転 ===
リストの要素の反転は <code>reverse</code> が組込述語になっているが、ここでは、これを定義してみる。
<syntaxhighlight lang="prolog">
リスト要素の反転([],[]).
リスト要素の反転([A|R1],L) :-
リスト要素の反転(R1,L2),
append(L2,[A],L).
</syntaxhighlight>
<code>append</code> を使った明解な宣言性の強い定義であるが、実行速度が遅いことからこの定義はあまり使われることがない。
普通、リストの反転の定義には、以下のように二つの述語に分解して定義する。ただしこの定義は完全ではない。正しい定義は最後に示す。
<syntaxhighlight lang="prolog">
リスト要素の反転(L1,L2) :-
リスト要素の反転(L1,[],L2).
リスト要素の反転([],L,L).
リスト要素の反転([A|R1],L1,L) :-
リスト要素の反転(R1,[A|L1],L).
</syntaxhighlight>
<code>リスト要素の反転</code> の方の第二節 <code>A</code> に着目して欲しい。第二引数で受け取ったリストの前に追加しているが、最初が <code>[]</code> だから、先頭から順に末尾から付加されていくことになる。第一節の主張は、第一引数が <code>[]</code> になった時には、第二引数に反転したリストが積み上がっているはず、ということである。
実行例
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- リスト要素の反転([a,b,c],L).
L = [c,b,a]
</syntaxhighlight>
さらに、
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- リスト要素の反転(L,[a,b,c]).
L = [c,b,a]
</syntaxhighlight>
述語の双方向性も確かめられたと思いがちだが、そうはいかない。
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- リスト要素の反転(L,[a,b,c]).
L = [c,b,a];
%%% 解を示さなくなり、やがて、多くの処理系で内部メモリが足りなくなりエラーとなる(スタックオーバーフロー) %%%
</syntaxhighlight>
エラー状態が生成されていく過程は興味深いのだが、複雑で難解になり過ぎるため、どのような経過で内部メモリがなくなっていくかはここでは示さない。このような基礎的な述語定義の中に重大なエラーが潜む余地があることは {{lang|en|Prologの弱点}} と考えるべきである。
以下はこのエラーに対する対策の一例である。
<syntaxhighlight lang="prolog">
リスト要素の反転(L1,L2) :-
リスト要素の反転(L1,[],L2).
リスト要素の反転([],L,L) :- !.
リスト要素の反転([A|R1],L1,L) :-
リスト要素の反転(R1,[A|L1],L).
</syntaxhighlight>
リスト要素の反転/3 の方の第一節にカットを入れる。これで上記エラーは回避できる。
最初に示した <code>append</code> を利用した定義ではこのようなことは起こらない。それで、あまり使われることがないとしながらも、こちらの定義を最初に載せた。
=== 文字列の反転 ===
<code>"文字列"</code> という文字列を反転して <code>"列字文"</code> という文字列を生成する 文字列の反転/2 を定義する。組込述語 <code>atom_chars</code> と上記定義した <code>リストの反転</code> を組み合わせる。
<syntaxhighlight lang="prolog">
文字列の反転(_文字列,_反転した文字列) :-
atom_chars(_文字列,_文字のリスト),
リストの反転(_文字のリスト,_反転した文字のリスト),
atom_chars(_反転した文字列,_反転した文字のリスト),
</syntaxhighlight>
ここでは一旦文字のリストに変換している。それによってリストの反転/2が利用できた。
ただし、元の文字列の形式に <code>atom_chars</code> をもう一度使って戻さなくてはならない。
<code>atom_chars</code> でリストに変換せずに、文字列の反転/2を定義できるが、以下のような難しい定義となる。
<syntaxhighlight lang="prolog">
文字列の反転(_文字列,_反転した文字列) :-
文字列の反転(0,_文字列,_反転した文字列).
文字列の反転(N文字目,_文字列,_文字) :-
sub_atom(_文字列,N文字目,1,0,_文字).
文字列の反転(N文字目,_文字列,_副文字列) :-
sub_atom(_文字列,N文字目,1,_,_反転した文字列),
N_1文字目 is N文字目 - 1,
文字列の反転(N_1文字目,_文字列,_反転した文字列_1),
atom_concat(_反転した文字列_1,_文字,_反転した文字列).
</syntaxhighlight>
組込述語 <code>atom_concat</code> が使われた。アトムとアトムを結合して別の長いアトムを生成する述語である。
文字列の反転の例を示す。
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- 文字列の反転(文字列,X).
X = 列字文
?-
</syntaxhighlight>
=== 回文 ===
回文とは先頭から読んでも、末尾から反対に文字をたどって読んでも、同じ文になるある程度意味の通る文のことである。回文は実用性よりも、文字列操作の練習課題としてしばしば利用される。
ここでの定義は回文を生成するのではなく、回文であるかどうかの検査である。ここでは「なかきよのとおのねふりのなふめさめふなのりふねのおとのよきかな」(長き夜の 遠の睡りの 皆目醒め 波乗り船の 音の良きかな)のように、文字の並びを対象とする。
<syntaxhighlight lang="prolog">
回文(_回文) :-
atom_chars(_回文,Chars),
リストの反転(Chars,Chars).
</syntaxhighlight>
一旦組込述語 <code>atom_chars</code> で文字のリストに変換する。ここまではいわば定石のようなものだが、回文の場合はここから、そのリストを反転し、引数が共通であることを示して、反転前と反転後が同じなのが回文であると宣言している。実例はもちろん
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- 回文(なかきよのとおのねふりのなふめさめふなのりふねのおとのよきかな).
true.
?-
</syntaxhighlight>
である。
回文には<code>sub_atom/5</code>を使った定義もある。
<syntaxhighlight lang="prolog">
回文(_回文) :-
forall(sub_atom(_回文,N,1,_,_文字),sub_atom(_回文,_,1,N,_文字)).
</syntaxhighlight>
回文の文字列中の前方からN文字目一文字と後方からN文字目一文字の対はどれも同じ文字になる。そういうことをこの定義では述べている。これも細部を述べながら、かつ、宣言性を維持した美しい定義である。
ただし、中間点まで確かめたならば回文と決定できるはずだが、ここでは全文を走査してしまっている。
中間点で打ち切る定義は、<code>sub_atom/5</code>の第二、第四引数を比較する。
<syntaxhighlight lang="prolog">
回文(_回文) :-
forall((sub_atom(_回文,N,1,R,_文字),N =< R),sub_atom(_回文,_,1,N,_文字)).
</syntaxhighlight>
<code>forall/2</code>
これで第一引数の走査が中間点に達すると第二引数の走査はしなくなる。
これで中間点を過ぎると<code>N >= R</code>が偽となるから第二引数の<code>sub_atom(_回文,_,1,N,_文字)</code>の検査には進まなくなる。
しかし、<code>forall/2</code>の第一引数の<code>sub_atom/5</code>の方は最後まで走査されてしまう。
この問題も解決しようとすると、
<syntaxhighlight lang="prolog">
回文(_回文) :-
forall((sub_atom(_回文,N,1,R,_文字),N =< R; !,fail),sub_atom(_回文,_,1,N,_文字).
</syntaxhighlight>
これで中間点に達すると<code>!,fail</code>が働いて、<code>sub_atom/5</code>へのバックトラックは止まる。
しかし、<code>; !,fail</code>の部分は、複雑で宣言性を損ねる記述になっている。<code>forall/2</code>の中の副目標の述語名が<code>sub_atom</code>に統一できなくなっている点でも、読み易さを損ねている。カットの説明を参照されたいが、
ここでの<code>N =< R; !,fail</code>を独立した副目標として定義し直すことは、カットの有効範囲の関係からできない。
このような場合、日本語で解説して行くようなつもりで、冗長な述語表現を取ると上手く行く。
<syntaxhighlight lang="prolog">
回文(_回文) :-
回文とは中間点まで先頭からN文字目と末尾からN文字目の文字が同一の文字列である(_回文).
回文とは中間点まで先頭からN文字目と末尾からN文字目の文字が同一の文字列である(_回文) :-
forall(中間点までのN文字目(_回文,N,_文字),末尾からN文字目(_回文,N,_文字)).
中間点までのN文字目(_回文,N,_文字) :-
sub_atom(_回文,N,1,R,_文字),N =< R; !,fail.
末尾からN文字目(_回文,N,_文字) :-
sub_atom(_回文,_,1,N,_文字).
</syntaxhighlight>
この方がずっと宣言的で明解な表現になっている。
=== <code>above</code>、到達可能性 ===
<syntaxhighlight lang="prolog">
above(X,Y) :-
on(X,Y).
above(X,Y) :-
on(X,Z),
above(Z,Y).
</syntaxhighlight>
ここで <code>on</code> の定義は具体的に定義する。例えば、
<syntaxhighlight lang="prolog">
on(波平,サザエ).
on(サザエ,カツオ).
</syntaxhighlight>
実行例
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- above(波平,X).
X = サザエ;
X = カツオ;
False
?= above(波平,カツオ).
True
</syntaxhighlight>
一つ以上離れた関係を <code>above</code> の第二節でので定義で、引数の変数を <code>on</code> を経ながら <code>X</code> - <code>Z</code> - <code>Y</code> と連鎖することによって表現している。
経路が以下のような定義の時、ある駅から別の駅に到達できるかを示す <code>到達可能性</code> の定義は。
<syntaxhighlight lang="prolog">
経路(渋谷,神泉).
経路(神泉,駒場東大前).
経路(駒場東大前,池の上).
経路(池の上,下北沢).
到達可能性(_駅_1,_駅_2) :-
経路(_駅_1,_駅_2).
到達可能性(_駅_1,_駅_2) :-
経路(_駅_1,_駅_3),
到達可能性(_駅_3,_駅_2).
</syntaxhighlight>
実行例
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- 到達可能性(神泉,下北沢).
true.
</syntaxhighlight>
検索は、<code>(神泉,駒場東大前)</code> → <code>(駒場東大前,池の上)</code> → <code>(池の上,下北沢)</code> と進み、第一節の本体で <code>:- 経路(池の上,下北沢).</code> が真となることにより、到達可能性は真となる。この定義を見比べると、<code>経路</code>/<code>到達可能性</code>と<code>on</code>/<code>above</code>さらに、既に例として見てきた<code>親子</code>/<code>孫</code>(あるいは先祖)の関係が同じアルゴリズムであることがわかる。
=== 失敗駆動 ===
単位節要素の加算の例に示された"年齢"のような単位節(本体定義なのない節)を定義順に表示するには普通失敗駆動を利用する。
年齢の定義次の通りだとする。
<syntaxhighlight lang="prolog">
年齢(山田,35).
年齢(大島,20).
年齢(清川,28).
</syntaxhighlight>
ここでは定義順に氏名,年齢を全て表示する方法を示す。
<syntaxhighlight lang="prolog">
年齢表示 :-
年齢(_氏名,_年齢),
writef('%t,%t\n',[_氏名,_年齢]),
fail.
</syntaxhighlight>
表示は組込述語 <code>writef</code> を使っている。無条件に偽になる組込述語があるため、バックトラックが起こり順に述語 <code>年齢</code> の
各節が呼び出されて表示される。これが失敗駆動だ。最終的には年齢/2の呼び出しは偽となるため、質問は <code>False</code> で終わる。
実行例
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- 年齢表示.
山田,35
大島,20
清川,28
false.
?-
</syntaxhighlight>
一般に必ず偽となって終わる定義は、これを再利用する際に不都合が生じる場合が多い。真として終了するためには、
<syntaxhighlight lang="prolog">
年齢表示 :-
年齢(_氏名,_年齢),
writef('%t,%t\n',[_氏名,_年齢]),
fail.
年齢表示.
</syntaxhighlight>
と書き加えるのみである。
失敗駆動を用いることなく、再帰を使って上記の年齢を表示することは案外と難しい。
<syntaxhighlight lang="prolog">
年齢表示 :-
findall([_氏名,_年齢],年齢(_氏名,_年齢),L),
再帰による年齢表示(L).
再帰による年齢表示([]).
再帰による年齢表示([[_氏名,_年齢]|R]) :-
writef('%t\n',[_氏名,_年齢]),
再帰による年齢表示(R).
</syntaxhighlight>
完全に独立した存在である定義節から、情報の連関を付与されたものとしてのリストを得るために、<code>findall</code> をここでも使用した。実はこの <code>findall</code> の中に失敗駆動が含まれている。つまり、ここでは <code>findall</code> を使うことによって失敗駆動を隠蔽していることになる。
=== <code>repeat</code> ===
<code>repeat</code> の定義は以下の通り単純である。
<syntaxhighlight lang="prolog">
repeat.
repeat :- repeat.
</syntaxhighlight>
<code>repeat</code> 自体は究極の再帰プログラミングである。問題はこれをどのように使用するかで、
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- repeat,read(X),write(X),nl,X=end_of_file.
|: abc.
abc
|: 123.
123
|: end_of_file.
end_of_file
X = end_of_file
</syntaxhighlight>
<code>repeat</code> は再帰述語ではあるが、失敗駆動の起点としてのみ利用される。
<code>repeat</code>に制御が返ってくるのは、後続する副目標が完全に失敗したときである。<code>repeat</code>まで制御は戻り、再び後続する副目標が実行される。まったく最初と同じ状態に戻って実行される。ということは、本来述語定義や定義された節の引数は実行中に書き換えないことが基本なので、後続の副目標を何度繰り返しても同じ結果となり、停止しないはずである。したがって<code>repeat</code>を含む節がプログラマの期待通り停止するためには、その後続の副目標の実行に副作用があることが前提となる。この副作用による変化を読み取って<code>repeat</code>の節を停止するように工夫する。上記の場合、
<code>X = end_of_file.</code>
がそれである。
次に、<code>四季</code> という検索述語を <code>repeat</code> の前に置いてみる。
<syntaxhighlight lang="prolog">
四季(春).
四季(夏).
四季(秋).
四季(冬).
?- 四季(_季節),repeat,read(X),write(X),nl,X=end_of_file.
|: abc.
abc
|: 123.
123
|: end_of_file.
end_of_file
_季節 = 春,
X = end_of_file,
</syntaxhighlight>
<code>季節</code> の選択が春から先に進んでいない。副目標 <code>四季</code> には <code>repeat</code> があるためバックトラックしてこないことになる。
=== 行入力 ===
前節ですでに用いたが、{{lang|en|Prolog}} には入力述語として古くから、1引数と2引数の <code>read</code> が存在した。この入力述語の魅力はアトム、数値、リストを含む複合項など、どんな項でも入力可能である点にある。入力された文字列は解析されて、引数と単一化される。
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- read(X).
|: 33.
X = 33.
?- read(X).
|: a(b,c).
X = a(b,c).
?- read(X).
33abc.
ERROR: Stream user_input:
?- read(a(b,c)).
33.
false.
?- read(a(b,c)).
a(b,c).
true.
?-
</syntaxhighlight>
のように使う。注意するべきことは、プロンプト <tt>|:</tt> の後の入力には正しく項が来なくてはならず、しかも、入力はピリオドで終了する必要がある。
ごく一般的なカンマ区切りの「<code>abc,def</code>」の入力はシングルクォートで囲み「<code>'abc,def'.</code>」でなくてはならないことになる。
これでは実務的には不自由なので、文字列が改行されて終了するまでを、アトムとして受け取る <code>行入力</code> を定義してみる。
<syntaxhighlight lang="prolog">
行入力(_行文字列) :-
get_char(C),
行入力_1(C,Chars),
atom_chars(_行文字列,Chars) .
行入力_1('\n',[]) :- !.
行入力_1(end_of_file,[]) :- !.
行入力_1(C,[C|R]) :-
get_char(C2),
行入力_1(C2,R).
</syntaxhighlight>
これで改行によって、それまで入力された文字が一旦リストに収められ、それを <code>atom_chars</code> で変換して、アトムとして受け取ることができるようになった。ただし、入力はアトムだけに限られる。この点は <code>read</code> が項であったのとは異なる。
<code>行入力_1</code> の第二節に現れる <code>end_of_file</code> であるが、これは改行ではなく[[End Of File|ファイルの終端]]を意味する情報が入力されたことを意味する。この独特なアトムを {{lang|en|Prolog}} では伝統的に用いている。
実行例
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- 行入力(X).
abc,def
X = 'abc,def'
</syntaxhighlight>
今度は <tt>|:</tt> のプロンプトが表示されない。このプロンプトの表示は項入力述語 <code>read</code> のいわばサービスであって、同じく組込述語であるが、<code>get_char</code> では表示されない。
=== 入力検査 ===
<code>整数入力</code> は <code>repeat</code> によく似ているが、第一節の末尾にカットがあるため、失敗駆動の起点としての繰り返しにはならない。整数入力検査に失敗した場合のみ、整数入力を繰り返す。
<syntaxhighlight lang="prolog">
整数入力(_整数) :-
行入力(_行入力),
整数入力検査(_行入力,_整数),!.
整数入力(_整数) :-
整数入力(_整数).
整数入力検査(_行入力,_整数) :-
read_term_from_atom(_行入力,_整数,[]),
integer(_整数),!.
整数入力検査(_行入力,_) :-
writef('入力された文字列%tは整数ではありません。再入力をお願いします。\n',[_行入力]),
fail.
</syntaxhighlight>
<code>read_term_from_atom</code> は組込述語であり、アトム(文字列)を受け取りこれを解析して、{{lang|en|Prolog}} の項に変換している。整数でない情報を受け取った時にその情報を表示させるためには、<code>行入力</code> と同じ本体の中で、処理することが必要である。
<code>整数入力</code> の第二節で表示することは、この節が引数から <code>get_char</code> で得た情報を受け取っていない以上不可能である。入力エラーを表示させる際に、入力された文字列も共に表示したいのであるが、第一節の本体内の副目標でない限り、引数からこの情報を受け取ることはできない。
実行例
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- 整数入力(X).
33
X = 33
?- 整数入力(X).
abc
入力されたabcは整数ではありません。再入力をお願いします。
8
X = 8
?-
</syntaxhighlight>
<code>整数入力</code> 述語は <code>repeat</code> を使っても書くことができる。
<syntaxhighlight lang="prolog">
整数入力(_整数) :-
repeat,
行入力(_行入力),
整数入力検査(_行入力,_整数),!.
</syntaxhighlight>
<code>repeat</code> とほとんど同型の再帰述語の整数入力の代わりに <code>repeat</code> 自体を挿入することによって上記のように失敗駆動的な
整数入力述語が定義できることは実に興味深い。
<syntaxhighlight lang="prolog">
整数入力(_整数) :-
行入力(_行入力),
整数入力検査(_行入力,_整数),!.
整数入力(_整数) :-
整数入力(_整数).
repeat.
repeat :-
repeat.
member(H,[H|T]).
member(H,[_|T]) :-
member(H,T).
append([],L,L).
append([U|X],Y,[U|Z]) :-
append(X,Y,Z).
</syntaxhighlight>
整数入力の主述語と {{lang|en|Prolog}} を代表する述語 <code>repeat</code>、<code>member</code>、<code>append</code> を比較した見た。極めて類似したパターンの述語であることが分かる。
=== キュー操作 ===
{{lang|en|Prolog}} ではキュー操作を差分リスト(重リストともいう)を使って表現している。差分リストとは二つのペアとなったリストを設定し、第二リストの全てが、第一リストの末尾に来るようにしたものである。第一リストのなかで第二リストと重ならない部分が、示したい情報・生きた情報である。例を示す。
<syntaxhighlight lang="prolog">
第一リスト 第二リスト 示したい情報
[1,2,3,4] [3,4] [1,2]
[x,y,z] [y,z] [x]
[1,2,3|X] [3|X] [1,2]
[1,2,3|X] [2,3|X] [1]
[1,2,3|X] X [1,2,3]
</syntaxhighlight>
キュー操作では、もっぱらこの最後の表現を使う(<code>[1,2,3|X] X</code> → <code>[1,2,3]</code>)。ここでは、直感的理解を深めるためオペレータ「<code>-</code>」を使って(すなわち複合項として)キューを表現してみる。
<syntaxhighlight lang="prolog">
makeEmptyQueue(X-X).
emptyQueue(X-Y) :- X == Y.
dequeue(_要素,[_要素|X]-Y,X-Y).
enqueue(_要素,X-[_要素|Y],X-Y).
</syntaxhighlight>
<code>[1,2,3|X]</code> のような構造を不完全データ構造と呼ぶ。<code>[1,2,3,4]</code> のように完結していないという意味で。
しかし、すでに多くのプログラム例を見てきたが、<code>append</code> に代表されるように、{{lang|en|Prolog}} の引数部分はこの不完全データ構造で満ちている。構造の不完全な部分、すなわち変数部分に新たに情報構造を単一化することによって、そしてその末尾に再び不完全データ構造が来るようにすることで構造を成長させる。不完全データ構造の多用は {{lang|en|Prolog}} プログラムの最も顕著な特徴である。キューの操作は、以下のようにキューを以前、以後と対にして(ここでは <code>A,B</code> <code>B,C</code>)持ち回ることで利用する。
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- makeEmptyQueue(A), ・・・ ,enqueue(2,A,B), ・・・ ,dequeue(E,B,C), ・・・
</syntaxhighlight>
上記の例では、現在のキューは、最後の <code>C</code> と単一化された構造であるといえる。キュー <code>C</code> は現在は空である。<code>E</code> には <code>2</code> が取り出せた。ところで、上記のキュー定義では、オペレータ「<code>-</code>」を利用して直感的に差分を強調することによって宣言性を高めた。しかし、{{lang|en|Prolog}} では、引数には極力、リストを排することはできないにしても、構造体を持たず、アトムのみで構成するほうがプログラムの見通しがよくなる。ここで、キュー操作を日本語に書き直しながら、定義を書き直す。
<syntaxhighlight lang="prolog">
空のキューを生成する(X,X).
キューは空である(X,Y) :- X == Y.
キューから要素を取り出す(_要素,[_要素|X],Y,X,Y).
キューに要素を追加する(_要素,X,[_要素|Y],X,Y).
</syntaxhighlight>
<code>X</code> と <code>Y</code> がペアであることが不明瞭になってしまったが、これで自然な定義である。
=== スタック操作 ===
キュー操作が出てきたところでスタック操作について述べる。スタックの定義はさらに簡単である。
<syntaxhighlight lang="prolog">
スタックを生成する([]).
スタックに要素を追加する(_pushされる要素,_push前のスタック,[_pushされる要素|_push前のスタック]).
スタックから要素を取り出す([_popされる要素|_pop後のスタック],_popされる要素,_pop後のスタック).
</syntaxhighlight>
利用法は、
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- スタックを生成する(A), ・・ ,スタックに要素を追加する(2,A,B), ・・ ,スタックに要素を追加する(3,B,C), ・・ ,スタックから要素を取り出す(C,E,D), ・・・
</syntaxhighlight>
上記の例では現在のスタックは、<code>D</code> であり、内容は <code>[3]</code> である。<code>2</code> は一度プッシュされたがその後ポップされてしまった。
=== 組合せ ===
リストによって与えられた集合要素のN個の組合せ。非決定性の述語である。
<syntaxhighlight lang="prolog">
組合せ(X,1,[A]) :-
member(A,X).
組合せ([A|Y],N,[A|X]) :-
N > 1,
N_1 is N - 1,
組合せ(Y,N_1,X).
組合せ([_|Y],N,A) :-
N > 1,
組合せ(Y,N,A).
</syntaxhighlight>
第二引数が1になる則ち組合せの最後の一個を残りリストXの中から<code>member/2</code>を使って順に選択する。これが第一節の意味である。
第二節と第三節はバックトラックして全てのN-1個の組合せを作る非決定性の再帰的述語のパターンである。ここまでで、N-1個の全組み合わせが組み上がることを前提に、第一節でまだ選択されていない最後の一個をこれまた<code>member/2</code>によって全ての可能性を選択して付加している。
実行例
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- 組合せ([a,b,c,d],3,X).
X = [a,b,c];
X = [a,b,d];
X = [a,c,d];
X = [b,c,d];
false
</syntaxhighlight>
全ての組合せを蒐集するには、<code>findall</code> を用いればよい。述語を非決定性に定義することを基本として、必要な場合に <code>findall</code> によって全解をリストに取得する。これは {{lang|en|Prolog}} の代表的なプログラムスタイルである。
<syntaxhighlight lang="prolog">
全ての組合せ(L,N,LL) :-
findall(X,組合せ(L,N,X),LL).
</syntaxhighlight>
実行例
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- 全ての組合せ([a,b,c,d],3,LL).
LL = [[a,b,c],[a,b,d],[a,c,d],[b,c,d]]
</syntaxhighlight>
=== 組合せの総数 ===
異なるn個のものから異なるr個のものを選ぶ、組合せの総数は公式から、
<syntaxhighlight lang="prolog">
nCr(N,R,X) :-
U is N - R + 1,
階乗(U,N,K1),
階乗(R,K2),
X is K1 // K2 .
</syntaxhighlight>
と {{lang|en|Prolog}} では定義される。階乗の定義はこのプログラム例の中で既出である。
<code>findall</code> を使い、<code>組合せ</code> が解を生成するごとに1をリストに格納することによっても、組合せの総数を求めることができる。
<syntaxhighlight lang="prolog">
nCr(N,R,X) :-
findall(1,組合せ(N,R,_),L),
length(L,X).
</syntaxhighlight>
ここでは、格納する値を1としたが、実はこれはアトム、数値、変数、何が来てもよい。
実行例
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- nCr(4,3,X).
X = 4
</syntaxhighlight>
=== 順列 ===
組合せ同様これも非決定性の述語として作る。組込述語の<code>select/3</code>を使うことによって、更に洗練された述語に仕上がる。
<syntaxhighlight lang="prolog">
順列(_,0,[]).
順列(L,N,[A|L2]) :-
select(A,L,R),
N_1 is N - 1,
順列(R,N_1,L2).
</syntaxhighlight>
<code>select/3</code>は<code>member/2</code>に近い述語だが、ひとつ要素を取った残りが第三引数に単一化されている。そういう非決定性の述語である。
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- 順列([a,b,c],2,L).
L = [a, b] ;
L = [a, c] ;
L = [b, a] ;
L = [b, c] ;
L = [c, a] ;
L = [c, b] ;
false.
</syntaxhighlight>
のように順列が取れる。これをリストに取りたい場合は、ここでも<code>findall/3</code>を使って、
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- findall(L,順列([a,b,c],2,L),LL).
LL = [[a,b],[a,c],[b,a],[b,c],[c,a],[c,b]].
</syntaxhighlight>
となる。
=== select ===
上記、組込述語<code>select/3</code>を定義してみる。
<syntaxhighlight lang="prolog">
select(_取り出す要素,_リスト,_残り要素のリスト) :-
append(_前リスト,[_取り出す要素|_後リスト],_リスト),
append(_前リスト,_後リスト,_残り要素のリスト).
</syntaxhighlight>
<code>append/3</code>を劇的に使うことによって、極めて宣言的に定義が出来上がる。
<code>select/3</code>には他に、以下のような再帰的な定義がある。
<syntaxhighlight lang="prolog">
select(E,[E|R],R).
select(E,[A|R2],[A|R3]) :-
select(E,R2,R3).
</syntaxhighlight>
これも<code>member/2</code>や<code>append/3</code>に似て、洗練された定義だが、直感的に理解させる力は上記のものに遠く及ばない。
Prologの述語定義は再帰的なものが、宣言的であり、直観に訴えるものだとは必ずしも言えない事例である。
=== 項複写 ===
項を複写する。ただ、単なる複写ではない、大事な点がある。変数はそのまま複写することはしない。新たに別の変数を作り出して、それを複写元の変数があった構造上の同じ位置に置く。例から示そう。
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- 項複写(a(あい,X,z(Y)),U).
U = a(あい, _G1017, z(_G1020)).
</syntaxhighlight>
注意するべきは変数であり、ここでは<code>X -> _61017</code>, <code>Y -> _61020</code>と明白に別の変数に置き換わって複写されている。それ以外の関数名 "a","z" アトム"あい"は変化していない。
この述語は高階述語を使用し、かつそれが再帰の中で引数として引き継がれて行く場合に使用される。引数として受け取った高階の述語呼び出し項と基本的に同じ構造だが、変数だけは単一化されることのない項を作り出し、それを引数として渡す時の基礎とする。引数を受け取った時点と引き渡す時点の間で変数が単一化された場合、意図した同型の引き渡し述語とならず、再帰が失敗してしまうことを避けるために使用されることが多い。項複写のプログラムを示す前に、この高階述語の使用例を示してしまう。第一引数 <code>P</code> に述語が渡されることとする。
<syntaxhighlight lang="prolog">
foo(P,X) :-
項複写(P,Q),
call(P),
・・・
foo(Q,X).
</syntaxhighlight>
<code>P</code> が単一化されてしまうと、次の再帰呼び出しでは、受け取った <code>P</code> とは単一化された、つまり、異なったデータを渡してしまうこととなる。Pの引数に変数があった場合そのことが起こる。引き続き変数で渡したいPであるが、これを単一化され具体化された値で渡してしまうことになる。往々にしてこの場合呼び出した再帰の副目標はプログラマの意図に反して偽となる。これを避けるために、この述語の入り口で <code>P</code> を複写して <code>Q</code> を作ってしまってそれを渡すようにする。もう少し具体的な例を示す。
<syntaxhighlight lang="prolog">
リスト要素をPの第一引数と単一化してPを適用してPの第二引数を収集する([],_,[]).
リスト要素をPの第一引数と単一化してPを適用してPの第二引数を収集する([A|R1],P,[B|R3]) :-
arg(1,P,A),
call(P),
arg(2,P,B),
リスト要素をPの第一引数と単一化してPを適用してPの第二引数を収集する(R1,P,R3).
?- リスト要素をPの第一引数と単一化してPを適用してPの第二引数を収集する([2,3,5],succ(X,Y),L).
false.
</syntaxhighlight>
と失敗する。この原因はリストの第一要素2では<code>succ(2,3),</code>が得られるが、その状態で次の再帰の引数として、P乃ちsucc(2,3)が使われてしまうからだ。この問題を回避するのが<code>項複写/2</code>である。
<syntaxhighlight lang="prolog">
リスト要素をPの第一引数と単一化してPを適用してPの第二引数を収集する([],_,[]).
リスト要素をPの第一引数と単一化してPを適用してPの第二引数を収集する([A|R1],P,[B|R3]) :-
項複写(P,P1),
arg(1,P,A),
call(P),
arg(2,P,B),
リスト要素をPの第一引数と単一化してPを適用してPの第二引数を収集する(R1,P1,R3).
?- リスト要素をPの第一引数と単一化してPを適用してPの第二引数を収集する([2,3,5],succ(X,Y),L).
L = [3,4,6].
</syntaxhighlight>
項複写はPが実行される前に行わなければならないことが分るだろう。
さて、本題に戻って項複写の定義は
<syntaxhighlight lang="Prolog">
項複写(P,P1) :-
compound(P),
同一構造を生成(P,P1,A),
項引数複写(1,A,P,P1),!.
項複写(P,P1) :-
var(P),!.
項複写(P,P).
同一構造を生成(P,P1,A) :-
functor(P,F,A),
functor(P1,F,A).
項引数複写(M,N,P,P1) :-
M > N,!.
項引数複写(M,N,P,P1) :-
'1引数を再帰的に項複写'(M,P,P1),
M1 is M + 1,
項引数複写(M1,N,P,P1).
'1引数を再帰的に項複写'(M,P,P1) :-
arg(M,P,T),
arg(M,P1,T1),
項複写(T,T1).
</syntaxhighlight>
第一引数に複写前の項、第二引数に複写後の項がくる。項複写/2の第二節 <code>P,P1</code> と変数が異なっている点が重要である。<code>functor</code>、<code>arg</code> は組込述語。<code>functor</code> は項を関数とアリティに分解する。<code>arg</code> は項の引数に値を与える。<code>compound</code> も組込述語で引数が複合項であるかどうか検査する。述語 <code>1引数を再帰的に項複写</code> は第一文字が数字であるためシングルクォートで囲われている。
実行例
<syntaxhighlight lang="Prolog">
?- 項複写(a(b,U,c(V,W),d),X).
U = _1,
V = _2,
W = _3,
X = a(b,_4,c(_5,_6),d)
</syntaxhighlight>
項複写された変数は元の変数とは別のものなので、逆にこの変数を単一化する必要がある場合は、どこに変数があるか、あるいは何に単一化すればよいかわからないという事態が生じる。その可能性に対処するためには項複写を少し拡張する。ここで、<code>項複写</code> の引数の数を増やし、第三引数に複写元の項の変数、第四引数に複写先の項の変数をそれぞれ順序正しくリストに取れるようにする。
<syntaxhighlight lang="Prolog">
項複写(P,P1,VL1,VL2) :-
compound(P),
同一構造を生成(P,P1,A),
項複写(1,A,P,P1,VL1,VL2),!.
項複写(P,P1,[P],[P1]) :-
var(P),!.
項複写(P,P,[],[]).
同一構造を生成(P,P1,A) :-
functor(P,F,A),
functor(P1,F,A).
項引数複写(M,N,P,P1,[],[]) :-
M > N,!.
項引数複写(M,N,P,P1,VL1,VL2) :-
ひとつの引数を再帰的に項複写(M,P,P1,V3,V4),
M1 is M + 1,
項引数複写(M1,N,P,P1,VL5,VL6),
append(VL3,VL5,VL1),
append(VL4,VL6,VL2),!.
ひとつの引数を再帰的に項複写(M,P,P1,V3,V4) :-
arg(M,P,T),
arg(M,P1,T1),
項複写(T,T1,V3,V4).
</syntaxhighlight>
これで以下の実行例に見られるように、引数の対応を取ることができる。
実行例
<syntaxhighlight lang="Prolog">
?- 項複写(a(b,U,c(V,W),d),X,L1,L2),V = 8.
U = _1,
V = 8,
W = _3,
X = a(b,_4,c(8,_6),d),
L1 = [U,8,W],
L2 = [_4,_5,_6]
</syntaxhighlight>
この後、L1の中の変数とL2の中の変数はnth1/3の第一引数を共通にして取得する。
<syntaxhighlight lang="prolog">
・・・
nth1(_nth1,L1,A),
nth1(_nth1,L2,B),
・・・
</syntaxhighlight>
別に変数が取られてしまったことが却って都合の悪い場合は、<code> A = B </code>のように単一化して対応付ければよい。
=== 挿入ソート ===
プログラム例全体を通して、可能な限り述語名を日本語にしてきた。ここでもソートには整列という語があるが、一般にソートが使われる機会が圧倒的に多い。それでここは挿入ソートとした。与えられたリストを昇順にソートする挿入ソートのプログラムを示す。
<syntaxhighlight lang="prolog">
挿入ソート(L1,L2) :-
挿入ソート(L1,[],L2).
挿入ソート([],L,L).
挿入ソート([A|R],L1,L) :-
挿入(A,L1,L2),
挿入ソート(R,L2,L).
挿入(A,[],[A]).
挿入(A,[B|R],[A,B|R]) :-
A @=< B,!.
挿入(A,[B|R1],[B|R2]) :-
A @> B,
挿入(A,R1,R2).
</syntaxhighlight>
空のリストから始めて一要素ずつ取り出し、整列した状態で成長するリストの適切な位置に挿入するという述語である。降順の挿入ソートの場合は <code>挿入</code> を
<syntaxhighlight lang="prolog">
挿入(A,[],[A]).
挿入(A,[B|R],[A,B|R]) :-
A @>= B,!.
挿入(A,[B|R1],[B|R2]) :-
A @< B,
挿入(A,R1,R2).
</syntaxhighlight>
のように比較演算子を反転させればよい。ただ、これでは <code>挿入</code> が二通りできてしまうため、
<syntaxhighlight lang="prolog">
昇順挿入(A,[],[A]).
昇順挿入(A,[B|R],[A,B|R]) :-
A @=< B,!.
昇順挿入(A,[B|R1],[B|R2]) :-
A @> B,
昇順挿入(A,R1,R2).
降順挿入(A,[],[A]).
降順挿入(A,[B|R],[A,B|R]) :-
A @>= B,!.
降順挿入(A,[B|R1],[B|R2]) :-
A @< B,
降順挿入(A,R1,R2).
</syntaxhighlight>
のように明確に述語名を分けて定義するべきである。当然これら述語を副目標として呼び出す定義の述語名も <code>昇順挿入ソート</code>、<code>降順挿入ソート</code> でなくてはならない。
=== クイックソート ===
与えられたリストを昇順にソートする[[クイックソート]]のプログラム例を示す。
<syntaxhighlight lang="prolog">
quicksort([],[]).
quicksort([X|Xs], Ys) :-
partition(Xs, X, Smaller, Bigger),
quicksort(Smaller, L1),
quicksort(Bigger, L2),
append(L1, [X|L2], Ys).
partition([], _, [], []).
partition([X|Xs], Pivot, [X|Smalls], Bigs) :-
X @< Pivot,
partition(Xs, Pivot, Smalls, Bigs).
partition([X|Xs], Pivot, Smalls, [X|Bigs]) :-
X @>= Pivot,
partition(Xs, Pivot, Smalls, Bigs).
</syntaxhighlight>
<code>Pivot</code>とは軸要素のことである。
軸要素より小さい要素を整列、軸要素より大きい要素も整列。それを軸要素を挟んで結合したものが整列したリストだ。
末尾再帰版(<code>partition</code>は上に同じ)
<syntaxhighlight lang="prolog">
quicksort(Xs, Ys) :-
quicksort(Xs, Ys, []).
quicksort([], Ys, Ys).
quicksort([X|Xs], Ys, Ys_1) :-
partition(Xs, X, Smaller, Bigger),
quicksort(Smaller, Ys, [X|Ys_2]),
quicksort(Bigger, Ys_2, Ys_1).
</syntaxhighlight>
Ys-[], Ys-Ys_1, Ys-[X|Ys_2], Ys_2-Ys_1 に差分リストの関係が見られる。美しい定義であり、上記appendを使うクイックソートに較べて若干速いが、差分リストを分かっていない人に対して、言葉で説明して理解させる事は難しい。<code>quicksort/3</code>の第二・第三引数の位置が前の版のものと変わっている。一般にPrologでは最終引数を出力とすることが多いが、ここでは差分リストの理解を扶けるために逆転した。
限定節文法によって記述されたもの(<code>partition</code>は上に同じ)
<syntaxhighlight lang="prolog">
quicksort(Xs,Ys) :-
quicksort(Xs,Ys,[]).
quicksort([]) --> [].
quicksort([X|Xs]) -->
{ partition(Xs, X, Smaller, Bigger) },
quicksort(Smaller), [X], quicksort(Bigger).
</syntaxhighlight>
実行例。
<syntaxhighlight lang="Prolog">
?- quicksort([3,2,1,6],L).
L = [1,2,3,6]
?= quicksort([a,b,1,2],L).
L = [1,2,a,b]
?- quicksort([聖,徳,太子],L).
L = [太子,徳,聖]
?- quicksort([2,3,3,1,1,4],L).
L = [1,1,2,3,3,4]
</syntaxhighlight>
実行例の最後に示すように、ここでの定義では <code>Xs</code> を集合と見なしていない。そのため重複する2番目以降の要素を削除することはしていない。
集合解 <code>L = [1,2,3,4]</code> を期待する場合は、<code>partition</code> の定義を
<syntaxhighlight lang="Prolog">
partition([], _, [], []).
partition([X|Xs], Pivot, [X|Smalls], Bigs) :-
X @< Pivot,
partition(Xs, Pivot, Smalls, Bigs).
partition([X|Xs], Pivot, Smalls, [X|Bigs]) :-
X @> Pivot,
partition(Xs, Pivot, Smalls, Bigs).
partititon([_|Xs], Pivot, Smalls, Bigs) :-
X = Pivot,
partition(Xs, Pivot, Smalls, Bigs).
</syntaxhighlight>
と文字変更する。すなわち、6行目の「<code>X @>= Pivot</code>」を「<code>X @> Pivot</code>」に変更する。なぜならば、すでに同一の値は <code>Pivot</code> 自身として存在するからである。さらにそれだけだと同一要素が出現すると <code>partition</code> は失敗してしまうから、同一要素は無視することの宣言である第四節を加える。組込述語 <code>sort</code> は、この集合解が返ってくる仕様に決められている。
最後に昇順または降順を区別する問題は挿入ソートの部分で述べた方針で、このクイックソートも書き直す必要がある。
=== 木構造整列 ===
木構造整列(ヒープソート)はメモリ上のスタックやヒープ領域に木構造を構築することによってソートを実現する。ここでは、標準入力ファイルから値の列が与えられたものを、引数上(スタック上)に木構造を成長させて、読み込みを終了したら、昇順または降順に整列された値を取り出すことのできる述語<code>木構造整列/1</code>を定義してみる。
<syntaxhighlight lang="prolog">
木構造整列(_木構造) :-
read(_値),
木構造整列(_値,[],_木構造).
木構造整列(end_of_file,_木構造,_木構造) :- !.
木構造整列(_値_1,_木構造_1,_木構造) :-
挿入(_値_1,_木構造_1,_木構造_2),
read(_値_2),
木構造整列(_値_2,_木構造_2,_木構造).
挿入(_値,[],_木構造) :-
木構造([],_値,[],_木構造).
挿入(_値,_木構造_1,_木構造_2) :-
木構造(_左部分木_1,_値_1,_右部分木_1,_木構造_1),
挿入(_値,_左部分木_1,_値_1,_右部分木_1,_左部分木_2,_右部分木_2),
木構造(_左部分木_2,_値_1,_右部分木_2,_木構造_2).
挿入(_値,_左部分木_1,_値_1,_右部分木,_左部分木_2,_右部分木) :-
_値 @=< _値_1,
挿入(_値,_左部分木_1,_左部分木_2).
挿入(_値,_左部分木,_値_1,_右部分木_1,_左部分木,_右部分木_2) :-
_値 @> _値_1,
挿入(_値,_右部分木_1,_右部分木_2).
木構造(_左部分木,_値,_右部分木,_木構造) :-
functor(_木構造,木,3),
arg(1,_木構造,_左部分木),
arg(2,_木構造,_値),
arg(3,_木構造,_右部分木).
</syntaxhighlight>
この<code>木構造整列</code>は標準入力からの整列に適したものであり、それ故に最初にそれを示したが、リストからの整列も可能である。
<syntaxhighlight lang="prolog">
木構造整列(_リスト,_木構造) :-
木構造整列(_リスト,[],_木構造).
木構造整列([],_木構造,_木構造) :- !.
木構造整列([_値_1|R],_木構造_1,_木構造) :-
挿入(_値_1,_木構造_1,_木構造_2),
木構造整列(R,_木構造_2,_木構造).
</syntaxhighlight>
と書き換えるだけである。
次に、構築が終った木構造から順に昇順に値を取り出す非決定性の述語<code>木構造整列からの昇順取り出し/2</code>と<code>木構造整列からの降順取り出し/2</code>を定義し、それを使って昇順または降順に整列したリストを取り出す。
<syntaxhighlight lang="prolog">
木構造整列からの昇順取り出し(_木構造,_値) :-
木構造(_左部分木,_,_右部分木,_木構造),
整列木構造からの昇順取り出し(_左部分木,_値).
木構造整列からの昇順取り出し(_木構造,_値) :-
木構造(_,_値,_,_木構造).
木構造整列からの昇順取り出し(_木構造,_値) :-
木構造(_左部分木,_,_右部分木,_木構造),
木構造整列からの昇順取り出し(_右部分木,_値).
木構造整列からの降順取り出し(_木構造,_値) :-
木構造(_左部分木,_,_右部分木,_木構造),
整列木構造からの降順取り出し(_右部分木,_値).
木構造整列からの降順取り出し(_木構造,_値) :-
木構造(_,_値,_,_木構造).
木構造整列からの降順取り出し(_木構造,_値) :-
木構造(_左部分木,_,_右部分木,_木構造),
木構造整列からの降順取り出し(_左部分木,_値).
木構造整列からの昇順リスト(_木構造,_昇順に整列したリスト) :-
findall(_値,木構造整列からの昇順取り出し(_木構造,_値),_昇順に整列したリスト).
木構造整列からの降順リスト(_木構造,_降順に整列したリスト) :-
findall(_値,木構造整列からの降順取り出し(_木構造,_値),_降順に整列したリスト).
</syntaxhighlight>
一般にPrologで引数に構造のあるデータが来ることは歓迎されない。関係データベースに比肩する平明さがこの言語の特長となっているからだ。この木構造整列に見られるグラフは例外的なものである。
=== ハノイの塔 ===
[[ハノイの塔]]は最も {{lang|en|Prolog}} 向きの課題のひとつとして知られる。ここでは、N枚の円盤を三本の柱のうち、一番左の柱から右の柱に移すケースを示す。円盤は下から上に向かうほど小さくなるように積まれ、常にその状態が維持されなくてはならない。
<syntaxhighlight lang="prolog">
:- op(500,xfx,から).
:- op(400,xf,へ).
ハノイの塔(N,_移動履歴) :-
length(Ln,N),
ハノイの塔(Ln,左柱,中柱,右柱,_移動履歴).
ハノイの塔([_],_左,_中,_右,[_左 から _右 へ]).
ハノイの塔([_|Ln],_左,_中,_右,_移動履歴) :-
ハノイの塔(Ln,_左,_右,_中,_移動履歴_1),
ハノイの塔(Ln,_中,_左,_右,_移動履歴_2),
append(_移動履歴_1,[_左 から _右 へ|_移動履歴_2],_移動履歴).
</syntaxhighlight>
冒頭、<code>から</code> を中置演算子、<code>へ</code> を後置演算子として定義している。それを使って <code>_移動前の位置</code> から <code>_移動後の位置</code> という項を表現して、それを履歴として残している。
このプログラムは {{lang|en|Prolog}} が宣言的であることを顕著に示す好例である。この述語で述べられていることは、三回が一組となって同じパターンが繰り返されるということ。さらに最も下の一枚が順に、この課題では右柱に積まれるのだが、新しい最下層の円盤が右柱の最上位に積まれた時には、それより上の塔は中柱、左柱と交互に完全に積み上がっている。それを、[[ハノイの塔]]述語の本体の二番目の副目標で、どちらの柱を起点として以後の移動を開始するかを、引数の位置を入れ替えることだけによって、表現している。このように全体の骨格と僅かな引数の置き換えだけによって、手続的動作の全てを暗示している。このような表現力に対して「宣言的」と言うのである。
実行例
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- ハノイの塔(4,L),
member(A,L),
writef('%t\n',[A]),
fail;
true.
左柱 から 中柱 へ
左柱 から 右柱 へ
中柱 から 右柱 へ
左柱 から 中柱 へ
右柱 から 左柱 へ
右柱 から 中柱 へ
左柱 から 中柱 へ
左柱 から 右柱 へ
中柱 から 右柱 へ
中柱 から 左柱 へ
右柱 から 左柱 へ
中柱 から 右柱 へ
左柱 から 中柱 へ
左柱 から 右柱 へ
中柱 から 右柱 へ
true.
?-
</syntaxhighlight>
=== nクイーン ===
nクイーン問題も {{lang|en|Prolog}} 向き問題の代表のひとつである。チェス盤が8×8であることから、8クイーンとして課題になることが多いが、ここでは盤面の大きさを一般化したnクイーンである。チェスのクイーンは縦横斜め、盤面の自分の位置から盤面の端までが全て利き筋となる駒である。この駒を各行に適宜ひとつずつ配置して、全てのクイーンの利き筋に他のクイーンがいないように、全ての列にクイーン配置せよという問題である。一つの解は列番号のリストで得られる。nクイーンの {{lang|en|Prolog}} 定義は随分と工夫され、多くの作品がある。ここでは最も一般的な戦略の解法を示す。駒の利き筋という概念を示すために、可能な限り説明的な {{lang|en|Prolog}} をコードを試みている。途中に現れる <code>Qs</code> という論理変数に、一つずつ解候補のクイーン位置が成長していく。
<syntaxhighlight lang="prolog">
nクイーン(_nクイーン,_一解) :-
'1からnまでの数リストを得る(縦横の利き筋検査はこれを行ごとに一つずつ選択することで回避される)'(_nクイーン,_数リスト),
行ごとに順に駒を置き利き筋を調べて一解を得る(_数リスト,[],_一解).
行ごとに順に駒を置き利き筋を調べて一解を得る([],_一解,_一解).
行ごとに順に駒を置き利き筋を調べて一解を得る(_位置リスト,Qs,_一解) :-
'駒の位置と残り駒の位置リストを得る(この選択自体が縦横の利き筋検査になっている)'(_駒の位置,
_位置リスト,_残り駒の位置リスト),
斜めの利き筋に駒はない(_駒の位置,1,Qs),
行ごとに順に駒を置き利き筋を調べて一解を得る(_残り駒の位置リスト,[_駒の位置|Qs],_一解).
'駒の位置と残り駒の位置リストを得る(この選択自体が縦横の利き筋検査になっている)'(_駒の位置,
[_駒の位置|_残り駒の位置リスト],_残り駒の位置リスト).
'駒の位置と残り駒の位置リストを得る(この選択自体が縦横の利き筋検査になっている)'(X,[H|T],[H|T1]) :-
'駒の位置と残り駒の位置リストを得る(この選択自体が縦横の利き筋検査になっている)'(X,T,T1).
斜めの利き筋に駒はない(_,_,[]).
斜めの利き筋に駒はない(Q,_隔たり,[Q1|Qs]) :-
Q + _隔たり =\= Q1,
Q - _隔たり =\= Q1,
_隔たり_2 is _隔たり + 1,
斜めの利き筋に駒はない(Q,_隔たり_2,Qs).
'1からnまでの数リストを得る(縦横の利き筋検査はこれを行ごとに一つずつ選択することで回避される)'(_nクイーン,_数リスト) :-
findall(M,between(1,_nクイーン,M),_数リスト).
</syntaxhighlight>
これは非決定的な述語である。
上記の定義では、表示幅の制限から引数の途中で改行している部分があるが、引数の区切りである「<code>,</code>」の前後であるならば、これは構わない。6クイーンの場合の実行例を示す。
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- nクイーン(6,L).
L = [5, 3, 1, 6, 4, 2] ;
L = [4, 1, 5, 2, 6, 3] ;
L = [3, 6, 2, 5, 1, 4] ;
L = [2, 4, 6, 1, 3, 5] ;
false.
?-
</syntaxhighlight>
ここでは4つの解が得られたが、8クイーンだと92解になる。
=== 有限オートマトン ===
言語 <code>(ab)*</code> を受理する決定性有限オートマトンと非決定性有限オートマトンのシミュレート。
<syntaxhighlight lang="prolog">
% a
% -------------------------->
% 状態_0 状態_1
% <--------------------------
% b
%
% 言語(ab)*を受理する決定性有限オートマトンの遷移
%
'言語(ab)*を受理する決定性有限オートマトン'(_記号ならび) :-
'言語(ab)*初期状態'(_状態),
'言語(ab)*を受理する決定性有限オートマトン'(_状態,_記号ならび).
'言語(ab)*を受理する決定性有限オートマトン'(_状態,[_記号|R]) :-
'言語(ab)*'(_状態,_記号,_状態_1),
'言語(ab)*を受理する決定性有限オートマトン'(_状態_1,R).
'言語(ab)*を受理する決定性有限オートマトン'(_状態,[]) :-
'言語(ab)*終了状態'(_状態).
'言語(ab)*初期状態'(状態_0).
'言語(ab)*終了状態'(状態_0).
'言語(ab)*'(状態_0,a,状態_1).
'言語(ab)*'(状態_1,b,状態_0).
%
% a
% -------------------------->
% 状態集合_0 {0} 状態集合_1 {1}
% <--------------------------
% b
%
% 言語(ab)*を受理する非決定性有限オートマトンの遷移
%
'言語(ab)*を受理する非決定性有限オートマトン'(_記号ならび) :-
'言語(ab)*初期状態'(_状態),
'言語(ab)*を受理する非決定性有限オートマトン'(_状態,_記号ならび).
'言語(ab)*を受理する非決定性有限オートマトン'(_状態,[_記号|R]) :-
'言語(ab)*'(_状態集合,_記号,_状態集合_1),
状態集合(_状態集合,_状態),
状態集合(_状態集合_1,_状態_1),
'言語(ab)*を受理する決定性有限オートマトン'(_状態_1,R).
'言語(ab)*を受理する非決定性有限オートマトン'(_状態,[]) :-
'言語(ab)*終了状態'(_状態).
'言語(ab)*初期状態'(0).
'言語(ab)*終了状態'(0).
'言語(ab)*'(状態集合_0,a,状態集合_1).
'言語(ab)*'(状態集合_1,b,状態集合_0).
状態集合(状態集合_0,0).
状態集合(状態集合_1,1).
</syntaxhighlight>
記号ならびが <code>[a,b,a,b,a,b]</code> のように <code>a,b</code> が対になって最後まで並んでいる場合だけ真となる。[[正規表現]]を正しく理解してプログラムテスト等に挑むためには、このようなコードの理解も必要である。
非決定性有限オートマトンを状態集合で記述したが、これを'言語(ab)*' に展開してしまうことも可能である。
例えば 状態集合_1 が {1,2} である場合には、
<syntaxhighlight lang="prolog">
'言語(ab)*'(0,a,1).
'言語(ab)*'(0,a,2).
'言語(ab)*'(1,b,0).
'言語(ab)*'(2,b,0).
</syntaxhighlight>
と展開できる。複数行になるだけで、決定性有限オートマトンと形式的なの違いはなくなってしまう。決定性有限オートマトンは、このような複数の状態を書かないという約束事によって成立している。
上記、有限オートマトンと同等の {{lang|en|Prolog}} 述語としての定義は、
<syntaxhighlight lang="prolog">
'(ab)*'([]).
'(ab)*'([a,b|R]) :-
'(ab)*'(R).
</syntaxhighlight>
とこれも相当に短いコードとなる。
=== チューリングマシン ===
{{lang|en|Prolog}} の[[チューリング完全|チューリング完全性]]は、[[チューリングマシン]]をシミュレートすることで示すことができる。
<syntaxhighlight lang="prolog">
turing(Tape0, Tape) :-
perform(q0, [], Ls, Tape0, Rs),
reverse(Ls, Ls1),
append(Ls1, Rs, Tape).
perform(qf, Ls, Ls, Rs, Rs) :- !.
perform(Q0, Ls0, Ls, Rs0, Rs) :-
symbol(Rs0, Sym, RsRest),
once(rule(Q0, Sym, Q1, NewSym, Action)),
action(Action, Ls0, Ls1, [NewSym|RsRest], Rs1),
perform(Q1, Ls1, Ls, Rs1, Rs).
symbol([], b, []).
symbol([Sym|Rs], Sym, Rs).
action(left, Ls0, Ls, Rs0, Rs) :-
left(Ls0, Ls, Rs0, Rs).
action(stay, Ls, Ls, Rs, Rs).
action(right, Ls0, [Sym|Ls0], [Sym|Rs], Rs).
left([], [], Rs0, [b|Rs0]).
left([L|Ls], Ls, Rs, [L|Rs]).
</syntaxhighlight>
以下のルールは簡単なチューリングマシンの例である。状態遷移と動作を {{lang|en|Prolog}} の節として表現している。
<syntaxhighlight lang="prolog">
rule(q0, 1, q0, 1, right).
rule(q0, b, qf, 1, stay).
</syntaxhighlight>
このチューリングマシンは単進符号化(<code>1</code>の並びで符号化)した数値に<code>1</code>を加える。つまり、任意個の<code>1</code>のセル上をループし、最後に<code>1</code>を追加する。
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- turing([1,1,1], Ts).
Ts = [1, 1, 1, 1] ;
</syntaxhighlight>
この例から、状態間の関係を {{lang|en|Prolog}} で表現することで、任意の計算が状態遷移のシーケンスとして宣言的に表現できることが分かる。
=== 動的計画法 ===
以下の{{lang|en|Prolog}}プログラムは[[動的計画法]]を使って2つのリストの最長共通部分列問題<ref>{{lang-en-short|longest common subsequence}}</ref>を多項式時間で求める。{{lang|en|Prolog}}節によるデータベースを部分計算の結果の[[メモ化]]に用いている。
<syntaxhighlight lang="prolog">
:- dynamic(stored/1).
memo(Goal) :-
( stored(Goal) -> true ; Goal, assertz(stored(Goal)) ).
lcs([], _, []) :- !.
lcs(_, [], []) :- !.
lcs([X|Xs], [X|Ys], [X|Ls]) :-
!,
memo(lcs(Xs, Ys, Ls)).
lcs([X|Xs], [Y|Ys], Ls) :-
memo(lcs([X|Xs], Ys, Ls1)),
memo(lcs(Xs, [Y|Ys], Ls2)),
length(Ls1, L1), length(Ls2, L2),
( L1 >= L2 -> Ls = Ls1 ; Ls = Ls2 ).
</syntaxhighlight>
実行例:
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- lcs([x,m,j,y,a,u,z], [m,z,j,a,w,x,u], Ls).
Ls = [m, j, a, u]
</syntaxhighlight>
=== Prologインタプリタ ===
Prolog言語で記述された簡単なPrologインタプリタを示す。ただしこの<code>解釈実行/0,解釈実行/1</code>はカットが働かない。カットが働くインタプリタはこれよりもずっと複雑になる。
<code>解釈実行/1</code>が中核部であるが、本体がtrueの第一節が停止節になっている。第二節は副目標が連言、第三節は副目標が選言になっている場合の定義である。引数が単項になっている第四節が組込述語の定義、第五節がユーザ定義述語の解釈実行の定義である。
<syntaxhighlight lang="prolog">
解釈実行 :-
負節の読み込み(_目標),
解釈実行(_目標),
解釈実行.
負節の読み込み(_負節文字列) :-
write('?- '),
read(_負節文字列).
解釈実行(true) :- !.
解釈実行((_副目標_1,_副目標_2)) :-
!,解釈実行(_副目標_1),解釈実行(_副目標_2).
解釈実行((_副目標_1;_副目標_2)) :-
!,(解釈実行(_副目標_1);解釈実行(_副目標_2)).
解釈実行(_副目標) :-
組込述語(_副目標),!,call(_副目標).
解釈実行(_副目標) :-
clause(_副目標,_本体),解釈実行(_本体).
組込述語(_副目標) :-
predicate_property(_副目標,built).
</syntaxhighlight>
<code>負節の読み込み/1</code>の中で、<code>read/1</code>を用いて、入力した文字列を解析して項として組み上げることを免れる定義となっている。
<code>clause/2</code>は述語定義されたものから第一引数の頭部と融合可能の定義節の本体を第二引数に単一化する。
<syntaxhighlight lang="prolog">
append([],L2,L3,L4) :-
append(L2,L3,L4).
append([U|L1],L2,L3,[U|L4]) :-
append(L1,L2,L3,L4).
</syntaxhighlight>
が定義済みだとして、
<syntaxhighlight lang="prolog">
?- clause(append(A,B,C,D),Body).
A = [], B = L2, C = L3, D = L4, Body = true;
A = [U|L1], B = L2, C = L3, D = [U|L4], Body = append(L1,L2,L3,L4).
</syntaxhighlight>
となる。
<code>解釈実行/1</code>の中での<code>clause/2</code>の役割は、第一引数の本体と単一化可能の述語の節を探し、その本体を導出することである。この本体を以て解釈実行を再帰的に呼び出し、本体がなくなる、つまり<code>clause/2</code>の
第二引数にtrueが導かれることによって<code>解釈実行/1</code>は成功する。則ち最終的に単位節の頭部単一化に成功した場合である。
組込述語は導出できないので、ただ実行する(call)のみである。この組込述語が成功すると<code>解釈実行/1</code>は成功する。則ち真となる。ここでは副目標が組込述語であるか検査する<code>組込述語/1</code><code>predicate_property/2</code>を呼んで組込述語かどうか検査している。
この<code>predicate_property/2</code>はSWI-Prologに存在する組込述語であるが、この機能の組込述語は処理系によって規格的に統一されていない代表格のものである。存在しない場合さえあり、その時は、
<syntaxhighlight lang="prolog">
組込述語(asserta(_)).
組込述語(assertz(_)).
組込述語(retract(_))
組込述語(is(_,_)).
組込述語(read(_)).
・・・
</syntaxhighlight>
のように<code>組込述語/1</code>として、全てユーザ述語定義として列挙して置く必要が生じる。
=== Prologインタプリタに於けるカットの処理 ===
カットを解釈できるPrologインタプリタの制作の指針を述べる。これを理解するには、 5.9 カットと否定 に対するある程度の知識が必要がである。
カットは実行する節以外には効力が及ばないことが述べられているが、このことは、解釈される対象の節のカットはいわばサインであって、解釈実行を処理する節そのものの中にこそ、カットが存在しなくてはならない、ということを意味する。
一度は真と成り通過し、バックトラックして来て、再びこれを実行しようとすれば、その解釈実行の節が偽になる。そのような工夫はどのようなものか。
ここでは、汎く知られている引数を増やして、これに対応する方法を示す。
解釈実行/2の第二引数はカットが実行された場合にのみ、意味を持つ。
<syntaxhighlight lang="prolog">
cut(_).
cut(既にcutを一度通過した).
解釈実行(Var,_) :- var(Var),!,fail.
解釈実行(!,V) :- !,cut(V).
解釈実行(true,_) :- !.
解釈実行(fail,_) :- !,fail.
解釈実行((A , B),V) :- !,解釈実行(A,V),( \+(var(V)),! ; var(V),解釈実行(B,V)).
解釈実行((A -> B ; C),V) :- !,( 解釈実行(A,V) -> 解釈実行(B,V) ; 解釈実行(C,V)).
解釈実行((A ; B),V) :- !,( 解釈実行(A,V);解釈実行(B,V)).
解釈実行(P,V) :- 組込述語(P),!,call(P) .
解釈実行(P,V) :- !,clause(P,Q),解釈実行(Q,W),( \+(var(W)),!,fail; true).
</syntaxhighlight>
只々、最終節の<code>( \+(var(W)),!,fail; true)</code>を実行できるように、解釈実行の引数をひとつ増やしたということである。
引数をひとつ増やしたということは、このインタプリタは単一化の量が多くなり、その実行は確実に遅くなる。
== 関連項目 ==
*[[Prolog/データタイプ]]
*[[Prolog/言語仕様]]
[[カテゴリ:Prolog|*]]
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高等学校 化学
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{{pathnav|高等学校の学習|高等学校理科|高等学校化学|frame=1}}
この記事では高校化学の解説をする。無機物質では無機物質の性質について学ぶが、暗記が大きな比重を占める。有機化合物では炭素が関わる化合物について学ぶ。高分子化合物では分子量の大きい化合物について学ぶ。人間の体や服などの繊維は高分子化合物によって出来ている。
== 物質の状態 ==
* [[高校化学 結晶|結晶]]
* [[高校化学 物質の三態|物質の三態]]
* [[高校化学 気体の性質|気体の性質]]
* [[高校化学 溶液の性質|溶液の性質]]
== 物質の変化と平衡 ==
* [[高校化学 化学反応とエネルギー|化学反応とエネルギー]](2021年以前入学者用)
* [[高校化学 化学反応とエンタルピー|化学反応とエンタルピー]](2022年以降入学者用)
* [[高校化学 電池と電気分解|電池と電気分解]]
* [[高校化学 化学反応の速さ|化学反応の速さ]]
* [[高校化学 化学平衡|化学平衡]]
== 無機物質 ==
* [[高校化学 元素と周期表|元素と周期表]]
* [[高校化学 非金属元素|非金属元素]]
* [[高校化学 典型金属|典型金属]]
* [[高校化学 遷移金属|遷移金属]]
* [[高校化学 無機化学まとめ|無機化学まとめ]]
== 有機化合物 ==
* [[高等学校化学/有機化合物の特徴|有機化合物の特徴]]
* [[高校化学 脂肪族炭化水素|脂肪族炭化水素]]
* [[高校化学 酸素を含む脂肪族化合物|酸素を含む脂肪族化合物]]
* [[高校化学 芳香族化合物|芳香族化合物]]
* [[高校化学 有機化合物と人間生活|有機化合物と人間生活]]
== 高分子化合物 ==
* [[高校化学 天然高分子化合物|天然高分子化合物]]
* [[高校化学 合成高分子化合物|合成高分子化合物]]
[[カテゴリ:高等学校化学|*]]
== Tab ==
*[[高等学校化学I/脂肪族化合物/Tab]]
*[[高等学校化学I/芳香族化合物/Tab]]
*[[高等学校化学I/金属元素の単体と化合物/Tab]]
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この記事では高校化学の解説をする。無機物質では無機物質の性質について学ぶが、暗記が大きな比重を占める。有機化合物では炭素が関わる化合物について学ぶ。高分子化合物では分子量の大きい化合物について学ぶ。人間の体や服などの繊維は高分子化合物によって出来ている。
== 物質の状態 ==
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== 物質の変化と平衡 ==
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== 無機物質 ==
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== 有機化合物 ==
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== Tab ==
*[[高等学校化学I/脂肪族化合物/Tab]]
*[[高等学校化学I/芳香族化合物/Tab]]
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高校化学 原子とイオン
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<small> [[小学校・中学校・高等学校の学習]] > [[高等学校の学習]] > [[高等学校化学]] > [[高等学校理科 化学]] > [[高等学校化学 原子とイオン]] </small>
この単元では物質の最小単位である原子を構成する粒子と、イオンの発生方法について学ぶ。
== 原子の構造 ==
=== 原子の構造と電子配置 ===
[[ファイル:原子とイオン.jpg|360px|thumb|ヘリウム原子のボーアモデルによる各粒子の説明]]
すべての物質は'''原子'''からなる。そして、原子は中心にある'''原子核'''とその周りを取り巻く、いくつかの'''電子'''からなっている。さらに、原子核はいくつかの'''陽子'''と'''中性子'''からなる。
電子は原子核の周りに存在する'''電子殻'''と呼ばれるいくつかの層に存在し、内側からK殻,L殻,M殻,N殻と呼ばれる。そして、電子は一般にK殻から順に入っていく。K殻には電子が2個存在することができ、L殻には8個、M殻には18個入ることができる。また、電子がどの殻にいくつ入っているか表したものを'''電子配置'''という。
=== 価電子 ===
[[File:電子配置.png|240px|thumb|周期が3までの元素の電子配置]]
そして、電子配置に注目した際、最も外側の殻に入っている電子を'''最外殻電子'''といい、そのうち重要な働きをする1~7個の電子を'''価電子'''という。価電子が0である原子は、最外殻に電子が最大まで入っていることを示す。HeやNe、Arは価電子が0である気体であり、このような気体を貴ガス元素(希ガス元素)と呼ぶ。貴ガス元素の価電子が0であるとする理由は、最外殻電子の電子配置が安定しており、安定した物質である(ほかの原子と結合したり、イオンになったりしにくい)ためである。価電子は元素の性質を決める重要な働きをするので、OやSなどの価電子の数が同じ元素は、化学的性質がよく似ている。
== イオン ==
原子中の陽子と電子の数は等しく、原子はふつう電気的に中性である。しかし、原子が価電子を放出したり、電子を受け取ったりして電気を帯びることがある。このような粒子を'''イオン'''という。原子が価電子を放出すると、陽子の数が電子の数よりも多くなり、正の電荷をもつ'''陽イオン'''となる。逆に原子が電子を受け取ると、電子の数が陽子の数よりも多くない、負の電荷をもつ'''陰イオン'''となる。そして、イオンのうち、1つの原子がイオンとなったものを'''単原子イオン'''、2つ以上の原子が結合した原子団がイオンとなったものを'''多原子イオン'''という。
イオンには独特の呼び方がある。陽イオンは単に、物質名の後に「イオン」を付けるだけである(例:H<sup>+</sup>…水素イオン)。しかし、陰イオンはそれぞれ特別な呼び方がある。例えば、
*F<sup>-</sup>…フッ化物イオン
*Cl<sup>-</sup>…塩化物イオン
*O<sup>2-</sup>…酸化物イオン
*S<sup>2-</sup>…硫化物イオン
*OH<sup>-</sup>…水酸化物イオン
*NO<sub>3</sub><sup>-</sup>…硝酸イオン
*CO<sub>3</sub><sup>2-</sup>…炭酸イオン
*SO<sub>4</sub><sup>2-</sup>…硫酸イオン
などが挙げられる。
{| class="wikitable"
|+ イオンの例
|-
! !! 陽イオン !! 陰イオン
|-
| 単原子イオン || H<sup>+</sup>,Na<sup>+</sup>,Cu<sup>+</sup>,Mg<sup>2+</sup>,Zn<sup>2+</sup> || F<sup>-</sup>,Cl<sup>-</sup>,O<sup>2-</sup>,S<sup>2-</sup>
|-
| 多原子イオン || NH<sub>4</sub><sup>+</sup>,H<sub>3</sub>O<sup>+</sup> || OH<sup>-</sup>,NO<sub>3</sub><sup>-</sup>,CO<sub>3</sub><sup>2-</sup>,SO<sub>4</sub><sup>2-</sup>
|}
== 演習 ==
# ナトリウム(Na)はイオンになると、ナトリウムイオン(Na<sup>+</sup>)となるが、このイオンと電子配置が同じ原子またはイオンを表'''イオンの例'''の中からすべて答えよ。
# 原子がイオンとなる際、イオンの電子配置はどうなるか。表'''イオンの例'''と図'''周期が3までの元素の電子配置'''を参考にして、「価電子」・「安定」という語を用いて答えなさい。
== 演習の解答・解説 ==
# ナトリウムイオンの電子配置は、K,L,M殻から順に、2,8,0であるから、'''F<sup>-</sup>,O<sup>2-</sup>,Na<sup>+</sup>,Mg<sup>2+</sup>'''が該当する。
# 例)イオンは価電子が0になる電子配置になる。これは、価電子が0となる電子配置では物質が安定するためである。
[[カテゴリ:高等学校化学|けんしといおん]]
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Wikijunior:言語
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text/x-wiki
{{Pathnav|Wikijunior:メインページ|frame=1}}
{{Wikipedia|言語}}
{{Wikiversity|School:語学と文学|語学と文学}}
[[File:Globe_of_letters.svg|150px|link=]]<span style="font-size: 300%"> 言語</span>
<span style="font-size: 130%">[[Wikijunior:メインページ|ウィキジュニア]]の本「言語」へようこそ。この本では、8才から12才の人たちに向けて、'''世界の言語'''について{{ruby|紹介|しょうかい}}します。この本を通して、世界中に{{ruby|存在|そんざい}}する言語について知っていただけることを期待しています。</span>
== 目次 ==
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{{進捗状況}}
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=== はじめに ===
* [[/タイトルページ|タイトルページ]]{{進捗|100%|2022-03-27}}
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=== 言語の{{ruby|一覧|いちらん}} ===
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===おわりに===
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== おねがい ==
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:この本については、[[Wikijunior:言葉/はじめに|はじめに]]を読んでおいてください。
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----
;保護者・教員の方々へ
:この本の概要については、[[Wikijunior:言葉/はじめに|はじめに]]をご覧ください。
:著作権の扱いについては、[[Wikijunior:言葉/著作権について#大人の方々へ|著作権について]]や[[Wikibooks:著作権]]をご覧下さい。
:この本の正確性については、[[ヘルプ:読者FAQ#情報の正確性についてはどのように調べることができますか?|一切保証できません]]ので、ご理解下さい。
----
;編集者への注意
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高等学校 地学
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/* Chapter1 地球の概観 */ 孤立ページリンク追加
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text/x-wiki
[[小学校・中学校・高等学校の学習]]>[[高等学校の学習]]>[[高等学校理科]]>[[高等学校地学]]>[[高等学校 地学|地学]]
高等学校地学のページです。
以下の項目は啓林館地学の配列に従っています。{{進捗状況}}
==Part1 固体宇宙の概観と活動 ==
=== Chapter1 地球の概観===
#[[高等学校 地学/地球の観測|地球の観測]]{{進捗|100%|2022-11-07}}
#[[高等学校 地学/地球の内部|地球の内部]]
#[[高等学校 地学/地球の内部(重力)|地球の内部(重力)]]{{進捗|00%|2022-00-00}}
#[[高等学校 地学/地球の内部(地震波)|地球の内部(地震波)]]
#[[高等学校 地学/熱で探る地球の内部|熱で探る地球の内部]]{{進捗|00%|2023-00-00}}
#[[高等学校 地学/地球の内部(地磁気)|地球の内部(地磁気)]]
#[[高等学校理科/地学/地球の形と重力|地球の形と重力]]
=== Chapter2 プレートテクトニクス ===
# [[高等学校 地学/地球表面を覆うプレート|地球表面を覆うプレート]]
# [[高等学校 地学/プレートテクトニクスの成立|プレートテクトニクスの成立]]{{進捗|00%|2022-00-00}}
# [[高等学校 地学/プレートテクトニクスとマントルの動き|プレートテクトニクスとマントルの動き]]{{進捗|25%|2022-11-26}}
=== Chapter3 地球の活動 ===
# 地震{{進捗|00%|2022-11-19}}
# 地殻変動{{進捗|00%|2022-11-19}}
# 火山と火成活動{{進捗|00%|2022-11-19}}
# 造山帯と変成作用{{進捗|00%|2022-11-19}}
== Part2 地球の歴史 ==
=== Chapter1 地表の変化と地層 ===
# [[高等学校 地学/地表の変化と堆積物|地表の変化と堆積物]]{{進捗|100%|2022-11-20}}
# [[高等学校 地学/地層の連続とその分布|地層の連続とその分布]]{{進捗|100%|2022-11-19}}
=== Chapter2 地球・生命・環境の歴史 ===
# 地殻の進化{{進捗|00%|2022-11-19}}
# [[高等学校 地学/生命の進化|生命の進化]]{{進捗|25%|2025-01-26}}
# [[高等学校 地学/長期の気候変動|長期の気候変動]]{{進捗|75%|2022-11-03}}
=== Chapter3 私達の日本列島 ===
# 日本列島{{進捗|00%|2022-11-19}}
# 日本列島の歴史{{進捗|00%|2022-11-19}}
==Part3 大気と海洋 ==
=== Chapter1 大気の構造===
#[[高等学校 地学/大気圏|大気圏]]{{進捗|100%|2022-10-29}}
#雨と雲{{進捗|00%|2022-11-19}}
#[[高等学校 地学/地球のエネルギー収支|地球のエネルギー収支]]{{進捗|75%|2022-10-29}}
=== Chapter2 大気の運動 ===
# 風{{進捗|00%|2022-11-19}}
# 大気の大循環と世界の気象{{進捗|00%|2022-11-19}}
=== Chapter3 海洋と海水の運動 ===
# 海洋{{進捗|00%|2022-11-19}}
# 海水の運動{{進捗|00%|2022-11-19}}
=== Chapter4 気候変動と地球環境 ===
# [[高等学校 地学/気候変動|気候変動]]{{進捗|100%|2023-01-25}}
# 物質の循環{{進捗|00%|2022-11-19}}
# 人間の活動と地球環境{{進捗|00%|2022-11-19}}
==Part4 宇宙の構造 ==
=== Chapter1 太陽系の天体===
#[[高等学校 地学/地球の運動|地球の運動]]{{進捗|00%|2022-11-19}}
#[[高等学校 地学/惑星の運動|惑星の運動]]{{進捗|00%|2022-11-19}}
#[[高等学校 地学/太陽系の天体|太陽系の天体]]{{進捗|100%|2022-11-20}}
#[[高等学校 地学/太陽|太陽]]{{進捗|25%|2022-11-19}}
=== Chapter2 恒星の性質と進化 ===
# 恒星の光{{進捗|00%|2022-11-19}}
# 恒星の性質とHR図{{進捗|00%|2022-11-19}}
# 恒星の誕生と進化{{進捗|00%|2022-11-19}}
=== Chapter3 銀河系と宇宙 ===
# 銀河系{{進捗|00%|2022-11-19}}
# 銀河と宇宙{{進捗|00%|2022-11-19}}
# 膨張する宇宙{{進捗|00%|2022-11-19}}
== 当ページの出典 ==
新興出版社啓林館『地学 改訂版』(2020年)
[[カテゴリ:地球科学]]
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Lua
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text/x-wiki
{{pathnav|メインページ|工学|情報技術|プログラミング|frame=1}}
{{Wikipedia}}
Luaは、軽量で高レベルなマルチパラダイムなプログラミング言語です。他のプログラミング言語とのインタフェースも容易で、シンプルなAPIを備えています。
Luaはかつては家庭用プログラミング言語として開発されましたが、現在ではLuaは、組込みシステムやゲーム開発などで幅広く使用され、ビデオゲームや製品にも多く採用されています。
Roberto Ierusalimschyによる『'''''Programming in Lua fourth edition'''''』が最も有名なLuaの本です<ref>{{Cite
|title=Programming in Lua, fourth edition
|author=Roberto Ierusalimschy
|publisher=Lua.Org
|date=2016/08/01
|isbn=978-8590379867
}}</ref>。
== 目次 ==
本書は、以下の章と付録で構成されています。
;[[/はじめに|はじめに]]:この章では、Lua言語について紹介し、その目的と歴史について簡単に説明します。また、いくつかのプログラミングの概念についても紹介します。
;[[Lua/式|式]]:この章では、式、演算子、型について包括的に学びます。
;[[/文|文]]:この章では、Luaで利用可能な文について説明します。
;[[/関数|関数]]:この章では、関数の目的と使い方、関数定義の文法について説明します。
;[[/テーブル|テーブル]]:この章では、テーブルのコンストラクター、メタテーブル、イテレーター、ソートについて説明します。
;[[/標準ライブラリー|標準ライブラリー]]:この章では、標準ライブラリーが提供する機能について説明します。
;[[/付録:ソフトウェアのテスト|付録:ソフトウェアのテスト]]::この付録では、Luaで書かれたプログラムのテストに関する情報を提供します。
;[[:en:Lua_Programming/Glossary|用語集]]:この用語集は、本書で使用されているすべての重要な用語の正確な定義を収録しています(英語)。
;[[:en:Lua_Programming/Index|索引]]:本書で扱うすべてのトピックと機能のリストと、それらのトピックと機能が説明されている書籍の場所へのリファレンスを含むインデックスです(英語)。
== 脚註 ==
<references />
== 下位階層のページ ==
*[[Lua/Contents]]
*[[Lua/はじめに]]
*[[Lua/チュートリアル]]
*[[Lua/テーブル]]
*[[Lua/付録:ソフトウェアのテスト]]
*[[Lua/式]]
*[[Lua/改廃された技術]]
*[[Lua/文]]
*[[Lua/標準ライブラリー]]
*[[Lua/関数]]
== 外部リンク ==
* [https://www.lua.org/ The Programming Language Lua]
** [https://www.lua.org/manual/5.4/ Lua 5.4 Reference Manual]
* [https://github.com/lua/lua lua/lua: The Lua development repository, as seen by the Lua team. Mirrored irregularly.] GitHub
{{DEFAULTSORT:LUA}}
[[Category:Lua|*]]
[[Category:スクリプティング言語]]
[[Category:プログラミング言語]]
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高等学校日本史探究
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/* 第7章 グローバル化のなかの現代日本 */ 孤立ページリンク追加
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text/x-wiki
[[小学校・中学校・高等学校の学習]]>[[高等学校の学習]]>[[高等学校地理歴史]]>高等学校日本史探究
高等学校日本史探究のページです。{{進捗状況}} 本ページの目次と項目の配列は、実教出版株式会社の新課程教科書「[https://www.jikkyo.co.jp/book/detail/23010423 日本史探究]」(日探702・日探007-901)に合わせて作成しています。文章の配列も原則上記教科書会社さんに従いました。学習指導要領に定められた日本史探究の標準単位数は'''3単位です。'''
※本ページは大学の二次試験まで対応させるため、日本史探究の完成時期は未定です。当面の間は日本史Bを参照して下さい。
== 第1部 原始・古代の日本と東アジア ==
INTRODUCTION
=== 第1章 日本文化のあけぼの ===
# [[高等学校日本史探究/日本列島最古の文化Ⅰ|日本列島最古の文化Ⅰ]]{{進捗|100%|2024-09-21}}(人類の誕生と日本列島への居住)
# [[高等学校日本史探究/日本列島最古の文化Ⅱ|日本列島最古の文化Ⅱ]]{{進捗|100%|2024-10-01}}(日本の旧石器時代)
# [[高等学校日本史探究/縄文時代の社会と文化|縄文時代の社会と文化]]{{進捗|25%|2026-04-24}}(縄文文化の成立~縄文社会と縄文人)
# 弥生時代の社会と文化Ⅰ{{進捗|00%|2023-11-11}}
# 弥生時代の社会と文化Ⅱ{{進捗|00%|2023-11-11}}
=== 第2章 ヤマト政権の成立と古墳文化 ===
# 小国の分立と邪馬台国{{進捗|00%|2023-11-11}}
# 古墳の出現とヤマト政権の成立{{進捗|00%|2023-11-11}}
# ヤマト政権の展開と統治の進展{{進捗|00%|2023-11-11}}
# 古墳時代の生活と文化{{進捗|00%|2023-11-11}}
=== 第3章 律令国家の形成 ===
# [[高等学校日本史探究/古代国家の形成Ⅰ|古代国家の形成Ⅰ]]{{進捗|100%|2024-11-18}}(6世紀の朝鮮半島と倭~7世紀の東アジアと倭国)
# [[高等学校日本史探究/古代国家の形成Ⅱ|古代国家の形成Ⅱ]]{{進捗|100%|2025-02-01}}(大化の改新~東北遠征と白村江の戦い)
# [[高等学校日本史探究/古代国家の形成Ⅲ|古代国家の形成Ⅲ]]{{進捗|100%|2025-02-11}}(近江朝廷と壬申の乱~天武・持統期の政治改革)
# [[高等学校日本史探究/飛鳥文化・白鳳文化|飛鳥文化・白鳳文化]]{{進捗|100%|2024-11-06}}
# [[高等学校日本史探究/律令制度|律令制度]]{{進捗|100%|2025-06-03}}(大宝律令の官制~土地・人民の支配制度)
# [[高等学校日本史探究/奈良時代の政治Ⅰ|奈良時代の政治Ⅰ]]{{進捗|100%|2025-07-21}}(遣唐使派遣と平城京遷都)
# [[高等学校日本史探究/奈良時代の政治Ⅱ|奈良時代の政治Ⅱ]]{{進捗|100%|2025-11-22}}(奈良時代初期の政策~度重なる遷都と鎮護国家の仏教)
# [[高等学校日本史探究/奈良時代の政治Ⅲ|奈良時代の政治Ⅲ]]{{進捗|100%|2025-12-21}}(公地公民制の修正~奈良時代後半の政争)
# 天平文化
STEP UP 1 [[高等学校日本史探究/奈良時代の人々の暮らし|奈良時代の人々の暮らし]]{{進捗|100%|2026-04-09}}(奈良時代の貴族生活~生活文化の発展と庶民の苦難)
=== 第4章 古代の国家・社会の変容 ===
# 律令体制再編期の政治と社会
# 摂関政治の成立と支配体制の転換
# 国風文化
== 第2部 中世の日本と世界 ==
INTRODUCTION
=== 第1章 荘園公領制の成立と院政 ===
※荘園公領制の成立と院政は2027年4月に記述します。
* 荘園公領制の成立と院政Ⅰ
* 荘園公領制の成立と院政Ⅱ
* 荘園公領制の成立と院政Ⅲ
* 荘園公領制の成立と院政Ⅳ
=== 第2章 中世の国家・社会の展開 ===
# 鎌倉幕府の成立と朝廷
# 中世に生きる人々
# 蒙古襲来と幕府の衰退
# 鎌倉文化
=== 第3章 中世の国家・社会の変容 ===
# 南北朝の動乱
# 室町幕府の政治と外交
# 室町社会の展開と応仁の乱
# 室町文化
# [[高等学校日本史探究/戦国大名の分国経営Ⅰ|戦国大名の分国経営Ⅰ]]{{進捗|100%|2025-02-15}}(戦国時代の特質~戦国の争乱)
# 戦国大名の分国経営Ⅱ{{進捗|00%|2023-00-00}}(分国経営)
# 戦国大名の分国経営Ⅲ{{進捗|00%|2025-02-15}}(都市の発達と町衆~経済の混乱)
STEP UP 2 東アジアのなかのアイヌ文化・琉球文化
STEP UP 3 女性と仏教
== 第3部 近世の日本と世界 ==
INTRODUCTION
=== 第1章 東アジア世界の変容と天下統一 ===
# 織豊政権
# 天下統一の完成
# 近世成立期の文化
歴史資料と近世の展望
=== 第2章 幕藩体制の成立と展開 ===
# 幕藩体制の成立
# 貿易の統制と対外関係
# 近世社会のしくみ
# 幕府政治の展開
# 経済の発展
# 元禄文化と学芸の発展
STEP UP 4 近世の遊郭
=== 第3章 近世の国家・社会の変容 ===
# 幕藩体制の動揺と幕政の改革
# 欧米列強の接近と天保の改革
# 近世文化の成熟と変容
STEP UP 5 百姓一揆と義民物語
== 第4部 近現代の地域・日本と世界 ==
INTRODUCTION(近代)
=== 第1章 開国から倒幕へ ===
歴史資料と近代の展望
=== 第2章 明治維新 ===
# 明治維新
# 文明開化
=== 第3章 近代国家の形成 ===
# 立憲国家への道
# 議会政治の展開と日清・日露戦争
# 産業革命と社会の変化
# 近代文化の形成と展開
STEP UP 6 日露戦争のアジアへの影響
=== 第4章 両大戦間の日本 ===
# 第一次世界大戦
# 政党政治の展開
# 市民文化の展開
STEP UP 7 近代日本の「食」と米
=== 第5章 十五年戦争と日本 ===
# 満洲事変
# 日中戦争
# アジア・太平洋戦争(太平洋戦争)
INTRODUCTION(現代)
=== 第6章 戦後日本の形成 ===
# 占領と民主改革
# 独立と日米安保体制の形成
# 高度経済成長下の日本
STEP UP 8 エネルギー革命
=== 第7章 グローバル化のなかの現代日本 ===
# 「国際化」する経済大国Ⅰ{{進捗|00%|2023-00-00}}(ドル=ショックと石油危機~安定成長への転換まで)
# 「国際化」する経済大国Ⅱ{{進捗|00%|2023-00-00}}(経済大国への道と国際化の時代)
# 「国際化」する経済大国Ⅲ{{進捗|00%|2023-00-00}}(貿易摩擦とバブル経済~「豊かさ」と社会・生活の変容まで)
# [[高等学校日本史探究/新たな世紀の日本へⅠ|新たな世紀の日本へⅠ]]{{進捗|100%|2026-04-10}}(冷戦の終結とグローバル化~湾岸戦争と平和維持活動まで)
# [[高等学校日本史探究/新たな世紀の日本へⅡ|新たな世紀の日本へⅡ]]{{進捗|75%|2023-09-03}}(政界再編と55年体制の終結~行政改革と日米安保の変化まで)
# [[高等学校日本史探究/新たな世紀の日本へⅢ|新たな世紀の日本へⅢ]]{{進捗|75%|2026-04-18}}(「構造改革」と対テロ戦争~新しい世界を目指してまで)
【STEP UP 9】[[高等学校日本史探究/多文化共生|多文化共生]]{{進捗|100%|2024-09-24}}
現代の日本の課題の探究
== 読書案内・学習方法 ==
* [[高等学校日本史探究/資料出所・読書案内|資料出所・読書案内]]
* [[学習方法/高校日本史|高校日本史学習方法]]{{進捗|100%|2026-04-29}}(新試験対応)
[[カテゴリ:高等学校日本史|探]]
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プログラミング/
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wikitext
text/x-wiki
*[[プログラミング/]]
*[[プログラミング/C++]]
*[[プログラミング/C言語]]
*[[プログラミング/Fortran]]
*[[プログラミング/Go]]
*[[プログラミング/Haskell で学ぶ関数型プログラミング]]
*[[プログラミング/Java]]
*[[プログラミング/JavaScript]]
*[[プログラミング/JavaScript で学ぶプロトタイプベースオブジェクト指向プログラミング]]
*[[プログラミング/Java仮想機械]]
*[[プログラミング/Julia]]
*[[プログラミング/Kotlin]]
*[[プログラミング/Null安全性]]
*[[プログラミング/Polyfill]]
*[[プログラミング/Ruby で学ぶオブジェクト指向プログラミング]]
*[[プログラミング/Rust]]
*[[プログラミング/make]]
*[[プログラミング/アジャイル開発]]
*[[プログラミング/アスペクト指向プログラミング]]
*[[プログラミング/アセンブリ言語]]
*[[プログラミング/アルゴリズム]]
*[[プログラミング/インタプリタ]]
*[[プログラミング/インターフェース]]
*[[プログラミング/エラーハンドリング]]
*[[プログラミング/オブジェクト指向プログラミング]]
*[[プログラミング/カプセル化]]
*[[プログラミング/カリー化]]
*[[プログラミング/クロージャ]]
*[[プログラミング/コンパイラ]]
*[[プログラミング/コンパイラ実装技術]]
*[[プログラミング/コンパイラ言語における修飾子と認知コスト]]
*[[プログラミング/コード生成]]
*[[プログラミング/ジェネリックプログラミング]]
*[[プログラミング/スレッド安全性]]
*[[プログラミング/セキュリティ]]
*[[プログラミング/ダックタイピング]]
*[[プログラミング/テスト]]
*[[プログラミング/テスト駆動開発]]
*[[プログラミング/テンソル]]
*[[プログラミング/データー構造]]
*[[プログラミング/データ構造
*[[プログラミング/トランスパイル]]
*[[プログラミング/トレイト]]
*[[プログラミング/ドメイン駆動設計]]
*[[プログラミング/パターンマッチング]]
*[[プログラミング/プログラミング・パラダイム]]
*[[プログラミング/プログラミング言語の発展]]
*[[プログラミング/ミックスイン]]
*[[プログラミング/メモリ安全性]]
*[[プログラミング/モナド]]
*[[プログラミング/リテラル]]
*[[プログラミング/リファクタリング]]
*[[プログラミング/リフレクション]]
*[[プログラミング/例外処理]]
*[[プログラミング/依存性の注入]]
*[[プログラミング/依存性逆転の原則]]
*[[プログラミング/共通知識]]
*[[プログラミング/列挙型]]
*[[プログラミング/初歩的な課題集]]
*[[プログラミング/制御構造]]
*[[プログラミング/割り込み]]
*[[プログラミング/命令型プログラミング]]
*[[プログラミング/固定幅整数]]
*[[プログラミング/型制約]]
*[[プログラミング/型安全性]]
*[[プログラミング/型推論]]
*[[プログラミング/型消去]]
*[[プログラミング/変数]]
*[[プログラミング/多倍長整数]]
*[[プログラミング/多倍長整数/Toom-Cook乗算]]
*[[プログラミング/多倍長整数/カラツバ法]]
*[[プログラミング/多倍長整数/ショーンハーゲ・ストラッセン法]]
*[[プログラミング/多倍長整数/ショーンハーゲ・ストラッセン法 (NTT版)]]
*[[プログラミング/字句解析]]
*[[プログラミング/宣言型プログラミング]]
*[[プログラミング/式と演算子]]
*[[プログラミング/意味解析]]
*[[プログラミング/文脈自由文法]]
*[[プログラミング/最適化]]
*[[プログラミング/構文解析]]
*[[プログラミング/構造化プログラミング]]
*[[プログラミング/浮動小数点数]]
*[[プログラミング/生成文法]]
*[[プログラミング/短絡評価]]
*[[プログラミング/連想配列]]
*[[プログラミング/遅延評価]]
*[[プログラミング/配列]]
*[[プログラミング/配列の反復]]
*[[プログラミング/関数合成]]
*[[プログラミング/関数型プログラミング]]
*[[プログラミング/集合]]
*[[プログラミング/高級言語]]
*[[プログラミング/高階関数]]
----
プログラミングとは、コンピュータに特定の指示を与え、目的の処理を実現する技術です。
現代社会では、さまざまな業界や分野でプログラミングが必要とされ、その需要はますます高まっています。
本書は、プログラミング初学者を対象に、基礎から応用までを包括的に解説します。
具体的には、プログラミング言語の概要、データ型や制御構造、関数の使い方、クラスの定義など、プログラム作成に必要な基本知識を詳しく説明します。また、アルゴリズム設計、デバッグ手法、プログラムの品質管理といった、重要な考え方や手法も取り上げます。これらを身につけることで、より効率的に高品質なプログラムを作成できるようになるでしょう。
本書を通じて、基礎知識を習得し、簡単なプログラムを書けるようになるだけでなく、応用的なプログラムの作成や問題解決能力の向上も目指します。
ぜひ本書を活用し、プログラミングの魅力や奥深さを体験してください。
__TOC__
== プログラミングの概要 ==
=== プログラミングの定義 ===
プログラミングとは、コンピューターに実行させる手順や命令を記述することを指します。これにより、コンピューターに特定のタスクを実行させることが可能になります。プログラミングは通常、プログラミング言語を用いてコードを書く形で行われます。
プログラミングは、アプリケーション、ゲーム、Webサイト、モバイルアプリ、自動化ツールなどの作成に広く利用される技術です。また、コンピューターサイエンスや情報技術分野において、欠かせない重要なスキルとされています。
=== プログラミング言語の種類 ===
プログラミング言語には多くの種類があり、いくつかの視点から分類できます。以下に代表的な分類方法を示します。
==== 言語の種類による分類 ====
# '''クラスベースのオブジェクト指向言語''' クラスと呼ばれるテンプレートを使用してオブジェクトを定義する言語です。クラスはオブジェクトのプロパティやメソッドを定義します。
#* 例: <code>[[Smalltalk]]</code>, <code>[[C++]]</code>, <code>[[Java]]</code>, <code>[[C#]]</code>, <code>[[Ruby]]</code>
# '''プロトタイプベースのオブジェクト指向言語''' クラスを使わずにオブジェクトを定義する言語です。オブジェクトはプロトタイプから派生します。プロトタイプを変更すると、その影響が派生オブジェクトに及びます。
#* 例: <code>[[Self]]</code>, <code>[[JavaScript]]</code>, <code>[[Lua]]</code>
# '''関数型プログラミング言語''' 関数を主要な構成要素とする言語です。状態変更よりも値の変換や計算に重点を置きます。
#* 例: <code>[[Haskell]]</code>, <code>[[Lisp]]</code>, <code>[[ML]]</code>, <code>[[Erlang]]</code>
# '''命令型プログラミング言語''' コンピュータに具体的な手順を指示する言語です。
#* 例: <code>[[アセンブリ言語]]</code>, <code>[[C言語|C]]</code>, <code>[[Fortran]]</code>
# '''宣言型プログラミング言語''' 処理の「方法」ではなく「目的」を記述する言語です。
#* 例: <code>[[Prolog]]</code>
==== 言語の世代による分類 ====
プログラミング言語の進化を反映した分類です。
# '''第1世代言語(機械語)''' バイナリコードを用いてハードウェアに直接命令を与えます。
# '''第2世代言語(アセンブリ言語)''' ニーモニック(助記符号)を用いた低水準言語です。
# '''第3世代言語(高水準言語)''' <code>[[C言語|C]]</code>, <code>[[Java]]</code>, <code>[[Ruby]]</code>など、人間にとって理解しやすい高水準言語です。
# '''第4世代言語''' SQLやGUI生成言語など、高度に抽象化され迅速な開発が可能な言語です。
==== 用途による分類 ====
# '''システムプログラミング言語''' オペレーティングシステムやハードウェア制御に使用されます。
#* 例: <code>[[C言語|C]]</code>, <code>[[C++]]</code>, <code>[[アセンブリ言語]]</code>
# '''アプリケーションプログラミング言語''' ソフトウェア開発に使用されます。
#* 例: <code>[[Java]]</code>, <code>[[Ruby]]</code>, <code>[[JavaScript]]</code>
# '''スクリプト言語''' バッチ処理や自動化、小規模なタスクに使用されます。
#* 例: <code>[[Bash]]</code>, <code>[[Perl]]</code>, <code>[[Python]]</code>, <code>[[Ruby]]</code>
# '''データベースプログラミング言語''' データベース操作に使用されます(厳密にはプログラミング言語ではありません)。
#* 例: <code>[[SQL]]</code>
# '''マークアップ言語''' 文書の構造を記述するために使用されます(厳密にはプログラミング言語ではありません)。
#* 例: <code>[[HTML]]</code>, <code>[[XML]]</code>, <code>[[Markdown]]</code>
プログラミング言語は多様な特徴を持ちます。目的に応じて最適な言語を選ぶことが重要です。
==== 様々なプログラミング言語 ====
プログラミング言語には、その用途や設計思想によって多様な種類があります。ここでは一部を紹介します。
*[[Fortran]]:科学技術計算や数値解析などの分野で使用されるプログラミング言語。初期のコンピュータシステムの開発に大きく貢献した言語の一つ。
*[[COBOL]]:ビジネスアプリケーションの開発に使用されるプログラミング言語。特に金融業界で広く使用されている。
*[[ALGOL]]:アルゴリズム言語の略で、数学的な表現能力を持った構造化されたプログラミング言語です。1950年代に開発され、科学技術計算や数値解析などの分野で使用されました。ALGOL 60は、プログラミング言語の標準化の初期段階で、多くの言語の設計に影響を与えました。
*[[Pascal]]:教育用言語としても広く使用されました。Pascalには、データ型の強制やサブルーチンの定義など、構造化プログラミングの基本概念が含まれています。
*[[Logo]]:子供たちがプログラミングの基本概念を学ぶのに適したプログラミング言語。タトルグラフィックの他、リスト処理もサポートしています。
*[[BASIC]]:初心者向けのプログラミング言語で、簡単に学び始めることができる。コンピュータゲームや教育用アプリケーションの開発にも使用されます。
*[[C言語]]:UNIXオペレーティングシステムや組込みシステムなどに広く使用される汎用的なプログラミング言語。
*[[C++]]:C言語を基盤にしたオブジェクト指向プログラミング言語で、高速で効率的なコンピュータアプリケーションの開発に使用されます。
*[[Java]]:クロスプラットフォームアプリケーションやWebアプリケーション、モバイルアプリケーションなどを開発するために使用されるプログラミング言語。
*[[Python]]:データサイエンスや人工知能などの分野で広く使用される高水準言語。
*[[Lua]]:組込みシステムやゲーム開発に広く使用されるスクリプト言語。
*[[Perl]]:UNIX環境で広く使用されるスクリプト言語で、正規表現やテキスト処理に優れています。
*[[Ruby]]:Webアプリケーションや動的なWebページを作成するために使用されるプログラミング言語。
*[[JavaScript]]:WebアプリケーションやWebページのインタラクティブな要素を実装するために使用されるスクリプト言語。
*[[TypeScript]]:JavaScriptの拡張言語で、静的型付けやクラスベースのオブジェクト指向プログラミングをサポートしています。
*[[PHP]]:Webサイトの開発に特化したスクリプト言語で、WordPressやDrupalなどのCMSで使用されます。
*[[Haskell]]:関数型プログラミング言語で、高度な数学的操作を行うことができます。並行処理にも適しており、複雑なアプリケーションの開発に使用されます。また、人工知能や自然言語処理などの分野でも使用されます。
*[[Swift]]:iOSおよびmacOSアプリケーションの開発に使用されるプログラミング言語。
*[[Groovy]]:Java仮想マシン上で動作する動的なオブジェクト指向言語で、Javaのライブラリを簡単に利用することができます。
*[[Scala]]:Java仮想マシン上で動作するマルチパラダイムプログラミング言語で、関数型プログラミングやオブジェクト指向プログラミングが可能です。
*[[Kotlin]]:Androidアプリケーションの開発に使用されているプログラミング言語。
*[[Rust]]:Rustはシステムプログラミングに適したプログラミング言語で、安全性、パフォーマンス、並行処理を重視しています。
*[[Go]]:Googleが開発した並列処理や分散システムの開発に適したプログラミング言語。
*[[Julia]]:科学技術計算や数値解析、データ解析などに特化した高速なプログラミング言語。
*[[Dart]]:Dartは、Googleが開発したUIフレームワークである[[Flutter]]の基盤言語として、クロスプラットフォームアプリケーション開発に利用されます。
*[[Scratch]]:教育用プログラミング言語で、ビジュアルプログラミングによってコーディングの基本を学ぶことができます。
*[[CobolScript]]:COBOL言語をスクリプト言語として使用することができるプログラミング言語。
{{コラム|width=stretch|プログラミング初学者の学習に適したプログラミング言語|2=プログラミングの学習には、いくつかのプログラミング言語が適しています。以下にいくつかの候補を示し、それぞれの言語が適している理由と実例を示します。
; [[Python]]
: Pythonは、初心者に最適な言語です。シンプルで読みやすく、科学計算からWeb開発まで幅広く使われます。
; 例:Hello World
:<syntaxhighlight lang=python3 copy>print("Hello, world!")</syntaxhighlight>
; 例:フィボナッチ関数
:<syntaxhighlight lang=python3 copy>def fibonacci(n):
return n if n <= 1 else fibonacci(n-1) + fibonacci(n-2)</syntaxhighlight>
; [[Ruby]]
: Rubyは直感的な構文で初心者向け。WebフレームワークのRuby on Railsで有名です。
; 例:Hello World
:<syntaxhighlight lang=ruby copy>puts "Hello, world!"</syntaxhighlight>
; 例:フィボナッチ関数
:<syntaxhighlight lang=ruby copy>
def fibonacci(n) = n <= 1 ? n : fibonacci(n-1) + fibonacci(n-2)
</syntaxhighlight>
; [[Java]]
: Javaはオブジェクト指向を学ぶのに最適。大規模システムやAndroidアプリ開発で活用されます。
; 例:Hello World
:<syntaxhighlight lang=java copy>
public class HelloWorld {
public static void main(String[] args) {
System.out.println("Hello, world!");
}
}
</syntaxhighlight>
; 例:フィボナッチ関数
:<syntaxhighlight lang=java copy>
public class Fibonacci {
public static int fibonacci(int n) {
return n <= 1 ? n : fibonacci(n-1) + fibonacci(n-2);
}
}
</syntaxhighlight>
; [[JavaScript]]
: JavaScriptはWeb開発の基本言語で、フロントエンドからバックエンドまで幅広く使用されます。
; 例:Hello World
:<syntaxhighlight lang=js copy>
console.log("Hello, world!");
</syntaxhighlight>
; 例:フィボナッチ関数
:<syntaxhighlight lang=js copy>
function fibonacci(n) {
return n <= 1 ? n : fibonacci(n-1) + fibonacci(n-2);
}
</syntaxhighlight>
; [[C言語|C]]
: C言語は低レベルプログラミングやシステム開発に適しており、コンピュータサイエンスの基礎を学べます。
; 例:Hello World
:<syntaxhighlight lang=c copy>
#include <stdio.h>
int main() {
printf("Hello, world!\n");
return 0;
}
</syntaxhighlight>
; 例:フィボナッチ関数
:<syntaxhighlight lang=c copy>
int fibonacci(int n) {
return n <= 1 ? n : fibonacci(n-1) + fibonacci(n-2);
}
</syntaxhighlight>
; [[C++]]
: C++は、Cにオブジェクト指向を追加した言語で、高性能アプリケーション開発に最適です。
; 例:Hello World
:<syntaxhighlight lang=c++ copy>
#include <iostream>
auto main() -> int {
std::cout << "Hello, world!" << std::endl;
return 0;
}
</syntaxhighlight>
; 例:フィボナッチ関数
:<syntaxhighlight lang=c++ copy>
auto fibonacci(int n) -> int {
return n <= 1 ? n : fibonacci(n-1) + fibonacci(n-2);
}
</syntaxhighlight>
; [[PHP]]
: PHPはサーバサイドスクリプト言語で、動的Webサイトの開発に適しています。
; 例:Hello World
:<syntaxhighlight lang=php copy>
<?php
echo "Hello, world!";
?>
</syntaxhighlight>
; 例:フィボナッチ関数
:<syntaxhighlight lang=php copy>
function fibonacci($n) {
return $n <= 1 ? $n : fibonacci($n-1) + fibonacci($n-2);
}
</syntaxhighlight>
; [[Go]]
: Goは、シンプルかつ効率的な並行処理をサポートするモダンな言語です。
; 例:Hello World
:<syntaxhighlight lang=go copy>
package main
import "fmt"
func main() {
fmt.Println("Hello, world!")
}
</syntaxhighlight>
; 例:フィボナッチ関数
:<syntaxhighlight lang=go copy>
func fibonacci(n int) int {
if n <= 1 {
return n
} else {
return fibonacci(n-1) + fibonacci(n-2)
}
}
</syntaxhighlight>
; [[Swift]]
: Swiftは、Apple製品向けアプリ開発に特化したモダンな言語です。
; 例:Hello World
:<syntaxhighlight lang=swift copy>print("Hello, world!")</syntaxhighlight>
; 例:フィボナッチ関数
:<syntaxhighlight lang=swift copy>
func fibonacci(_ n: Int) -> Int {
return n <= 1 ? n : fibonacci(n-1) + fibonacci(n-2)
}
</syntaxhighlight>
; [[Kotlin]]
: Kotlinは、Androidアプリ開発で人気が高い簡潔な言語です。
; 例:Hello World
:<syntaxhighlight lang=kotlin copy>
fun main() {
println("Hello, world!")
}
</syntaxhighlight>
; 例:フィボナッチ関数
:<syntaxhighlight lang=kotlin copy>
fun fibonacci(n: Int): Int = if (n <= 1) n else fibonacci(n-1) + fibonacci(n-2)
</syntaxhighlight>
これらの言語の中から、自身の目的に合った言語を選び、学習を進めていきましょう。
}}
=== プログラムの実行方法 ===
プログラムの実行方法は、プログラムの種類と実行するプラットフォームによって異なりますが、一般的な手順は以下の通りです。
#プログラムをダウンロードまたは作成する:プログラムをダウンロードする場合は、インターネット上からダウンロードするか、ソフトウェアのディスクを購入してインストールします。また、自分でプログラムを作成する場合は、テキストエディタや開発環境を使用してコードを書きます。
#プログラムをコンパイルする:コンパイルとは、プログラムを実行可能な形式に変換する作業です。多くのプログラムは、コンパイルが必要です。プログラムをコンパイルするには、開発環境やターミナルでコンパイルコマンドを実行します。
#プログラムを実行する:コンパイルされたプログラムは、実行可能ファイルとして保存されます。この実行可能ファイルをダブルクリックすることで、プログラムを実行できます。また、ターミナルでプログラム名を入力して実行することもできます。
ただし、プログラムの種類によっては、上記の手順と異なる場合があります。たとえば、Webアプリケーションは、ウェブサーバー上で実行されます。また、スクリプト言語のプログラムは、コンパイルする必要がなく、直接実行できます。
=== プログラミングの応用例 ===
プログラミングは、様々な分野で応用されています。以下にいくつかの例を挙げます。
#ソフトウェア開発:プログラミングは、ソフトウェアの開発に欠かせない技術です。プログラミング言語を使って、ウェブアプリケーション、デスクトップアプリケーション、モバイルアプリケーションなどを開発することができます。
#データサイエンス:プログラミングは、データ分析や機械学習の分野でも重要な役割を担っています。PythonやRなどのプログラミング言語を使って、データの処理、分析、可視化などを行います。
#ゲーム開発:プログラミングは、ゲーム開発にも欠かせない技術です。ゲームエンジンやゲームプログラムを作成するために、C++やC#などの言語を使用します。
#ウェブ開発:ウェブサイトやウェブアプリケーションを開発するために、HTML、CSSなどのマークアップ言語やJavaScript、PHP、Rubyなどのプログラミング言語を使用します。
#自動化:プログラミングは、作業の自動化にも使われます。例えば、バッチ処理やスクリプトを書くことで、繰り返し作業を自動化することができます。
#IoT:プログラミングは、インターネット・オブ・シングス(IoT)の分野でも使用されます。例えば、マイクロコントローラをプログラミングして、センサーデータの収集やアクチュエータの制御を行うことができます。
#コンピューターグラフィックス:プログラミングは、コンピューターグラフィックスの分野でも使用されます。OpenGLやDirectXなどのライブラリを使用して、3Dグラフィックスやアニメーションの作成ができます。
これらは、プログラミングの応用例の一部です。プログラミングは、あらゆる分野で使用される汎用技術であり、多くの可能性を秘めています。
== プログラムの基本構造 ==
{{Main|プログラミング/変数}}
=== 変数 ===
変数は、プログラムで使用される値を格納するためのメモリの場所を示す識別子です。識別子として有効な名前はプログラミング言語によって異なります。
動的型付け言語では、実行時に変数の型が決定されます。つまり、変数に表示される値は、代入されたときにその型に関連する動的に決定された型情報を持っています。
静的型付け言語では、変数が定義されるときに変数の型が決まり、その型以外の値は代入できません。つまり、変数の型は実行前に決定されます。
代入の意味論上の違いは、変数に代入できる値の型に関連しています。動的型付けでは、型が実行時に決定されるため、ある型の値が別の型の変数に代入されることができます。一方、静的型付けでは、変数が定義されるときに変数の型が決定され、以降は同じ型の値しか代入できません。
例えば、動的型付け言語では、以下のようなコードが有効です。
:<syntaxhighlight lang=js copy>
x = 1
x = "hello"
</syntaxhighlight>
しかし、静的型付け言語では、同じコードはエラーを返します。
:<syntaxhighlight lang=c copy>
x = 1 // エラー:宣言が必要
x = "hello" // エラー:互換性のない型の値の代入
</syntaxhighlight>
=== 定数 ===
定数とは、プログラム中で名前を持ち、その値が常に変わらない変数のことを指します。例えば、数値や文字列などが定数として使用されます。
定数は、プログラム内で多数回使用される値を表すときに特に役立ちます。定数を使用することで、プログラムをより理解しやすく、メンテナンスが容易になります。また、誤って値を変更してしまうことがないため、バグを減らすことができます。
プログラム中で定数を宣言する方法は、プログラミング言語によって異なりますが、多くのプログラミング言語では、定数には識別子を付け、初期値を割り当てることによって宣言します。
{{コラム|width=stretch|静的型付け言語と動的型付け言語|2=静的型付け言語と動的型付け言語は、プログラミング言語のタイプの2つの主要なカテゴリーです。
静的型付け言語は、プログラムが実行される前にすべての変数に型が割り当てられ、コンパイル時に型エラーを検出することができます。これは、変数の値が予期しない型である場合にコンパイラがエラーを出力し、実行時エラーを回避することができるため、プログラムの安全性を高めることができます。代表的な言語としてC、Java、C#、TypeScriptなどが挙げられます。
一方、動的型付け言語は、変数の型が実行時に決定されます。つまり、変数に値を割り当てる際に、その値の型に応じて変数の型が決まります。これにより、柔軟性が高く、開発者がより素早くコードを記述できます。ただし、型エラーが実行時に検出されるため、開発者が自分でチェックする必要があります。代表的な言語としてPython、Ruby、JavaScript、PHP、Perlなどが挙げられます。
静的型付け言語と動的型付け言語は、それぞれの利点と欠点があり、開発者が使用する言語を選択する際には、プロジェクトの性質や要件に応じて判断する必要があります。}}
=== 基本的なデータ型 ===
以下は、プログラミングにおいて一般的に使用される基本的なデータ型です。
* 整数 (int) - 整数値を表します。
* 浮動小数点数 (float) - 実数値を表します。
* 文字列 (str) - 文字列を表します。
* 真偽値 (bool) - 真または偽の値を表します。
* 配列 (array) - 複数の値を順序付けて格納するデータ型です。
* 連想配列 (hash) - キーと値のペアを格納するデータ型です。
これらのデータ型は、プログラムやアプリケーションで使用されるデータを表すために非常に役立ちます。
=== 式と演算子 ===
「式」は、計算を表すものであり、一連の「演算子」と「オペランド」と呼ばれる値を含みます。 演算子には、算術演算子(加算、減算、乗算、除算など)、比較演算子、ビット演算子、論理演算子などがあります。 オペランドは、演算子によって実行される計算の対象となる値を表し、変数、定数、関数呼び出しなどが含まれます。
一連の演算子を使用して、式を組み合わせて複雑な式を作成することができます。 これらの式は、プログラム内の各種タスク、例えば計算、比較、論理演算、条件分岐などに使用されます。
=== 制御構造 ===
制御構造とは、プログラムの流れを制御するための仕組みのことです。プログラミングでは、条件分岐や繰り返しの処理などが制御構造の一例です。
条件分岐とは、ある条件が満たされたときに特定の処理を実行する仕組みです。例えば、ある数が0より大きい場合には「正の数です」と表示し、0以下の場合には「0または負の数です」と表示するような処理を、条件分岐を使って書くことができます。
繰り返しの処理とは、同じ処理を繰り返す仕組みです。例えば、1から10までの数を全て表示するような処理を、繰り返しの処理を使って書くことができます。
プログラミング言語によっては、if文やfor文などの具体的な構文が用意されており、それらを組み合わせて制御構造を実現します。また、関数やオブジェクト指向プログラミングなどの技法も、制御構造の実現に役立ちます。
{{コラム|width=stretch|プログラミング言語と代数学の類似点と差異について|2=プログラミング言語と代数学には、いくつかの類似点と差異があります。
類似点:
;記号や構文に依存する:両方とも、特定の記号や構文に依存しています。代数学では、記号の配置と演算子の使用が重要です。プログラミング言語でも同様で、特定の構文を使用して、処理を行います。
;論理的な演算が必要:代数学では、論理的な演算が必要です。プログラミング言語でも、制御フローを制御するために論理的な演算が必要になります。
;計算結果に基づく処理:両方とも、計算結果に基づいて処理を行います。代数学では、計算結果を次の演算に使用することができます。プログラミング言語でも同様です。
;変数:プログラミング言語と代数学の両方で、変数は値を格納するために使用されます。変数には、数値、文字列、真偽値など、異なるデータ型の値を格納できます。
;関数:プログラミング言語と代数学の両方で、関数は一連の命令または式のグループであり、入力と出力を取得することができます。代数学では、関数は一般に数学的な式で表され、一連の入力値を受け取り、出力値を生成します。プログラミング言語では、関数はコード内で定義され、一連の入力値を受け取り、出力値を返すことができます。
;代入:プログラミング言語と代数学の両方で、代入は変数に値を割り当てるために使用されます。
;式:プログラミング言語と代数学の両方で、式は数値や変数などの要素を含む数学的または論理的な式であり、計算を実行するために使用されます。
;演算子:プログラミング言語と代数学の両方で、演算子は式内で使用され、値を結合したり、比較したり、操作したりするために使用されます。
差異:
;目的の違い:代数学は、数学的な理論や問題を解決することに焦点を当てています。プログラミング言語は、実際のアプリケーションやソフトウェアを開発することに焦点を当てています。
;言語の種類:代数学には、いくつかの種類の代数学があります。それに対して、プログラミング言語には、多くの異なる種類の言語があります。
;ツールの違い:代数学には、紙と鉛筆や電卓が必要です。一方、プログラミング言語では、コンピューター上で実行されるため、開発にはコンピューターと開発ツールが必要です。
;精度の違い:代数学は、厳密な数学的証明に基づいています。一方、プログラミング言語は、近似値や実装の限界に基づいています。
;式:代数学では、数学的な式は常に等式であり、左側と右側が等しいことを示します。しかし、プログラミング言語では、式は単に計算を表すことができます。
;式と演算子:プログラミング言語では、式と演算子は通常、コード内で記述される文字列の形式で表されます。しかし、代数学では、数学的な式は一般に記号や文字で表されます。
;変数と代入:プログラミング言語では、変数の型によって、代入できる値が異なります。しかし、代数学では、変数には特定の型はありません。
;関数:プログラミング言語では、関数は入力値に応じて異なる出力を生成できますが、代数学では、同じ入力に対して常に同じ出力を生成する関数のみが考慮されます。
以上が、プログラミング言語と代数学の類似点と差異です。
プログラミング言語によっては、より数学よりな言語(など関数型プログラミング言語)もあり、言語により差異と共通点も異なってきます。
}}
== 関数とモジュール ==
=== 関数の定義と呼び出し ===
=== モジュールの概念 ===
=== 標準ライブラリの利用 ===
=== プログラムの構造化 ===
== 配列と連想配列 ==
=== 配列の概念と利用方法 ===
=== 連想配列の概念と利用方法 ===
=== 多次元配列 ===
=== 配列の操作とアルゴリズム ===
== オブジェクト指向プログラミング ==
=== オブジェクト指向プログラミングの概念 ===
=== クラスとオブジェクト ===
=== 継承、ポリモーフィズム、カプセル化 ===
=== オブジェクト指向プログラミングの応用例 ===
== 関数型プログラミング ==
== ファイル入出力 ==
=== ファイル入出力の概要 ===
=== ファイルの種類と操作方法 ===
=== テキストファイルとバイナリファイル ===
=== ファイル入出力の応用例 ===
== デバッグとテスト ==
=== デバッグの概要 ===
=== デバッグの手法とツール ===
=== 単体テストと結合テスト ===
=== テスト駆動開発(TDD)の概念 ===
== アルゴリズムとデータ構造 ==
=== アルゴリズムの概要 ===
=== ソート、探索、再帰 ===
=== スタック、キュー、リスト ===
=== ツリー、グラフ ===
== プログラミングの応用 ==
=== ウェブアプリケーション開発 ===
=== データベースとSQL ===
=== ネットワークプログラミング ===
=== ゲームプログラミング ===
[[カテゴリ:プログラミング|*]]
q6xyx88rwgx8gfz5hzrnyf3i6epinn4
スタイルシート言語
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2026-07-09T09:21:25Z
AkiR27User
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追加
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wikitext
text/x-wiki
スタイルシート言語は、ウェブページやドキュメントのデザインやレイアウトを定義するための言語です。ウェブ開発者は、HTMLを使用してコンテンツを記述し、スタイルシートを使用してコンテンツの見た目を変更できます。スタイルシートは、テキストの色、フォントの種類、背景色、レイアウトなどの属性を定義できます。
以下に、代表的なスタイルシート言語と具体的なスタイルシートの例をいくつか紹介します。
#[[CSS]](Cascading Style Sheets){{---}} CSSは、ウェブ開発者によって最も広く使用されているスタイルシート言語です。CSSは、HTMLによって定義された要素に対してスタイルを定義することができます。以下は、CSSを使用してテキストの色、フォント、背景色、余白を定義する例です。
{{Main|スタイルシート言語/CSS}}
#:<syntaxhighlight lang=css>
body {
font-family: Arial, sans-serif;
color: #333;
background-color: #fff;
margin: 0;
padding: 0;
}
</syntaxhighlight>
#[[SASS|Sass]]{{---}} SCSSは、CSSの拡張機能を提供する言語で、Sassとも呼ばれます。SCSSは、変数、ネスト、ミックスイン、継承などの機能を提供し、CSSの書き方をより簡潔にすることができます。以下は、SCSSを使用してテキストの色、フォント、背景色、余白を定義する例です。
#:<syntaxhighlight lang=scss>
$primary-font: Arial, sans-serif;
$primary-color: #333;
$background-color: #fff;
body {
font-family: $primary-font;
color: $primary-color;
background-color: $background-color;
margin: 0;
padding: 0;
}
</syntaxhighlight>
#[[LESS]] {{---}}LESSは、CSSの拡張機能を提供する言語で、Sassと同様の機能を提供します。以下は、LESSを使用してテキストの色、フォント、背景色、余白を定義する例です。
#:<syntaxhighlight lang=less>
@primary-font: Arial, sans-serif;
@primary-color: #333;
@background-color: #fff;
body {
font-family: @primary-font;
color: @primary-color;
background-color: @background-color;
margin: 0;
padding: 0;
}
</syntaxhighlight>
以上の例は、すべて同じ結果を出力しますが、それぞれの言語には異なる構文や機能があります。ウェブ開発者は、プロジェクトのニーズに合わせて、最適なスタイルシート言語を選択することができます。
== CSS系以外のスタイルシート言語 ==
; [[DSSSL]]
: DSSSL(Document Style Semantics and Specification Language)は、SGML(Standard Generalized Markup Language)ドキュメントのスタイルシートを指定するための国際標準規格です。DSSSLは、ドキュメントのツリー構造を操作するためのツリートランスフォーメーションプロセスと、ソースドキュメントの要素をターゲット表現の特定ノード(フローオブジェクトツリー)に関連付けるフォーマットプロセスの2つの部分で構成されています。
: DSSSLはデバイスに依存しない情報の交換を可能にし、異なるプラットフォーム間で互換性を持つ仕様を提供します。ただし、DSSSLは出力を生成するバックエンドフォーマッタを標準化しておらず、これらのフォーマッタは画面表示用に出力をレンダリングしたり、PostScriptやRTF(Rich Text Format)などの特定のファイル形式に書き出したりすることができます。
;[[XSL]]
:XSL(Extensible Stylesheet Language)は、XMLドキュメントを変換およびレンダリングするための言語ファミリーです。W3Cが開発し、XSLT、XSL-FO、XPathの3つに分かれています。
:;XSLT:XSLT(XSL Transformations)はXMLの変換
:;XSL-FO:XSL-FO(XSL Formatting Objects)は視覚的フォーマット
:;XPath:XPath(XML Path Language)はXMLの特定部分のアドレス指定に使われます。
:XSLは、DSSSLの機能をXMLに持ち込む試みとして始まりました。主要な実装にはSaxon、AltovaのRaptorXML、Microsoftの.NET実装などがあります。
== 外部リンク ==
{{Wikipedia|スタイルシート}}
[[Category:プログラミング言語]]
[[Category:スタイルシート言語|*]]
skiqvs1tx18jvfphhwmcjhq39lyfics
中学校家庭/持続可能な消費生活を目指して
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2026-07-08T17:13:37Z
Kwawe
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/* 地球環境への負荷 */ 文章を執筆。
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[[小学校・中学校・高等学校の学習]]>[[中学校の学習]]>[[中学校家庭]]>持続可能な消費生活を目指して
== キーワード ==
SDGs(Sustainable Development Goals)・エシカル消費・消費者市民社会
== 消費行動の社会性 ==
私達が毎日買い物をすると、その選び方から社会と環境も大きく変わります。どの商品を選ぶかによって、私達の気持ち「この商品を作ってほしい」が生産者と企業にも伝わります。その結果、企業は選んでもらえるように取り組みを工夫します。したがって、買い物は投票と同じです。私達が相応しい商品を選んで相応しくない商品を買わなかったら、企業は買い物傾向から、相応しい商品を作るようにします。
== エシカル消費推進までの背景 ==
[[ファイル:SDG 12 Japanese.png|サムネイル|159x159ピクセル|つくる責任・つかう責任]]
=== 地球環境への負荷 ===
もし現在の生活を続けると、地球1.7個分の天然資源が必要になります(エコロジカル・フットプリント)。もし世界中の人が日本人と同じ生活をすると、地球2.9個分の天然資源が必要になります。つまり、今の生活のままなら地球の天然資源を使いすぎてしまい、地球の未来を守れなくなります。
=== 持続可能な開発目標の12番目「つくる責任つかう責任」 ===
2015年、持続可能な開発目標(<span style="color:#f29100">'''Sustainable Development Goals:SDGs'''</span>)が国連サミットで出されました。この時、多くの国際連合加盟国が持続可能な開発目標を守りたいと国際連合に伝えました。「生産者が環境に優しい商品を作らなければなりません。消費者も環境に優しい商品を選ばなければなりません。」を持続可能な開発目標の12番目「つくる責任つかう責任」に記されています。このように、生産者と消費者は12番目の目標を守っていくと、環境問題も資源問題も減らせます。その結果、現役世代も将来世代も生活の安全を守れます。
== エシカル消費とは何か? ==
<span style="color:#f29100">'''エシカル消費(倫理的な消費)'''</span>は人間・社会・環境・地域に優しい買い物をいいます。エシカル消費(倫理的な消費)は日本人の価値観「思いやり」「もったいない」と同じです。どのような商品でも生産者がいないと成り立ちません。安さと見た目だけで商品を選ぶのではなく、生産者・社会・地球環境をよく考えて商品を選びましょう。
また、見栄を張るための買い物はエシカル消費と言えません。自分の収入に合う優しい買い物もエシカル消費の大切な考え方になります。
== グリーンコンシューマーとは何か? ==
私達は毎日の買い物で自然環境を守ろうと取り組んでいます(グリーンコンシューマー)。グリーンコンシューマーは特別な準備・遠出・高い買い物・我慢などをしません。普段の買い物で「この商品は環境にやさしいか」「流行よりも自分に似合う商品」を考えて選んでいます。例えば、私服なら自分好みの色で、壊れにくく、暖かかったら同じ私服を長年ローテーションで着れます。その結果、買い替え費用とごみも減らせます。また、再生紙・プラスチック製品を選ぶと新しい木を切ったり、石油を新しく使ったりしなくて済みます。グリーンコンシューマーの行動は目立たなくてもお店(売り手)と工場(作り手)の売り上げに大きく関わります。お店(売り手)はグリーンコンシューマーの買い方から環境に優しい商品をより多くとり入れたいと会社に伝えます。工場(作り手)も環境に優しい商品をより多く作ろうとします。このように、環境に優しい商品は綺麗な空気・綺麗な水・資源を守ります。
== 消費者市民社会とは何か? ==
私達は、毎日の買い物から「どの商品を選ぶか」を決めています。この選び方が日本経済と少しずつつながります(<span style="color:#f29100">'''消費者市民社会'''</span>)。言い換えると、消費者市民社会はどの商品を選んだら望ましい社会・望ましい環境になるのかをいいます。
== エシカル消費の種類と内容 ==
エシカル消費は人間・社会・環境・地域を明るくします。オーガニックコットン製品の服を買うと環境を守れます。オーガニックコットンは、農薬や肥料を出来るだけ使わずに育てられています。その後、工場で周りの空気や水を汚さないようにオーガニックコットン製品の服を作られています。処分品・使わない商品をリサイクル商品・アップサイクル商品に作り直したら資源と環境を守れます。地元産地の商品を買うとその地域も明るくなります(地産地消)。地元の農家・お店は地産地消で助かり、運送会社の軽油代も減らせます。消費者が就労継続支援事業所の商品を選ぶと、就労継続支援事業所内で働く障害者を守れます。レッドカップキャンペーンのマーク付き商品を買うと、学校給食調理員がその費用の一部から献立の食材を買って、給食を作ります。エシカル消費は認証ラベル付きの商品も含みます。国際フェアトレードラベル機構がその商品を取り入れたら、国際フェアトレード認証ラベルが貼られます。森林法に従って木を切ってその木から紙製品を作ったら、FSC認証ラベルが貼られます。水産流通適正化法に従って魚を獲って、その魚を売ったらMSC認証ラベルが貼られます。<gallery widths="180" heights="180">
ファイル:Fairtrade Certification Mark.svg|国際フェアトレード認証ラベル
ファイル:Forest Stewardship Council Logo.svg|FSC認証ラベル
</gallery>
== フェアトレードの役割 ==
開発途上国の場合、商品を売ってもその値段が安くなったり高くなったりして、生産者の収入も毎月決まりません。その結果、子供も働いて家族の生活費用を稼がなければなりません。もし、消費者が原料・商品をずっと同じ値段で買い続けると生産者の暮らしも守れます(フェアトレード)。2012年のロンドンオリンピックはフェアトレード認証商品を大量に取り入れました。私達がフェアトレード認証商品を買うと開発途上国の生産者も喜ばれます。
== まとめ ==
[[カテゴリ:中学校家庭科]]
[[カテゴリ:経済生活]]
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/* エシカル消費とは何か? */
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wikitext
text/x-wiki
[[小学校・中学校・高等学校の学習]]>[[中学校の学習]]>[[中学校家庭]]>持続可能な消費生活を目指して
== キーワード ==
SDGs(Sustainable Development Goals)・エシカル消費・消費者市民社会
== 消費行動の社会性 ==
私達が毎日買い物をすると、その選び方から社会と環境も大きく変わります。どの商品を選ぶかによって、私達の気持ち「この商品を作ってほしい」が生産者と企業にも伝わります。その結果、企業は選んでもらえるように取り組みを工夫します。したがって、買い物は投票と同じです。私達が相応しい商品を選んで相応しくない商品を買わなかったら、企業は買い物傾向から、相応しい商品を作るようにします。
== エシカル消費推進までの背景 ==
[[ファイル:SDG 12 Japanese.png|サムネイル|159x159ピクセル|つくる責任・つかう責任]]
=== 地球環境への負荷 ===
もし現在の生活を続けると、地球1.7個分の天然資源が必要になります(エコロジカル・フットプリント)。もし世界中の人が日本人と同じ生活をすると、地球2.9個分の天然資源が必要になります。つまり、今の生活のままなら地球の天然資源を使いすぎてしまい、地球の未来を守れなくなります。
=== 持続可能な開発目標の12番目「つくる責任つかう責任」 ===
2015年、持続可能な開発目標(<span style="color:#f29100">'''Sustainable Development Goals:SDGs'''</span>)が国連サミットで出されました。この時、多くの国際連合加盟国が持続可能な開発目標を守りたいと国際連合に伝えました。「生産者が環境に優しい商品を作らなければなりません。消費者も環境に優しい商品を選ばなければなりません。」を持続可能な開発目標の12番目「つくる責任つかう責任」に記されています。このように、生産者と消費者は12番目の目標を守っていくと、環境問題も資源問題も減らせます。その結果、現役世代も将来世代も生活の安全を守れます。
== エシカル消費とは何か? ==
<span style="color:#f29100">'''エシカル消費(倫理的な消費)'''</span>は人間・社会・環境・地域に優しい買い物をいいます。エシカル消費(倫理的な消費)は日本人の価値観「思いやり」「もったいない」と同じです。どのような商品でも生産者がいないと成り立ちません。安さと見た目だけで商品を選ぶのではなく、生産者・社会・地球環境をよく考えて商品を選びましょう。また、見栄を張るための買い物はエシカル消費と言えません。自分の収入に合う優しい買い物もエシカル消費の大切な考え方になります。
== グリーンコンシューマーとは何か? ==
私達は毎日の買い物で自然環境を守ろうと取り組んでいます(グリーンコンシューマー)。グリーンコンシューマーは特別な準備・遠出・高い買い物・我慢などをしません。普段の買い物で「この商品は環境にやさしいか」「流行よりも自分に似合う商品」を考えて選んでいます。例えば、私服なら自分好みの色で、壊れにくく、暖かかったら同じ私服を長年ローテーションで着れます。その結果、買い替え費用とごみも減らせます。また、再生紙・プラスチック製品を選ぶと新しい木を切ったり、石油を新しく使ったりしなくて済みます。グリーンコンシューマーの行動は目立たなくてもお店(売り手)と工場(作り手)の売り上げに大きく関わります。お店(売り手)はグリーンコンシューマーの買い方から環境に優しい商品をより多くとり入れたいと会社に伝えます。工場(作り手)も環境に優しい商品をより多く作ろうとします。このように、環境に優しい商品は綺麗な空気・綺麗な水・資源を守ります。
== 消費者市民社会とは何か? ==
私達は、毎日の買い物から「どの商品を選ぶか」を決めています。この選び方が日本経済と少しずつつながります(<span style="color:#f29100">'''消費者市民社会'''</span>)。言い換えると、消費者市民社会はどの商品を選んだら望ましい社会・望ましい環境になるのかをいいます。
== エシカル消費の種類と内容 ==
エシカル消費は人間・社会・環境・地域を明るくします。オーガニックコットン製品の服を買うと環境を守れます。オーガニックコットンは、農薬や肥料を出来るだけ使わずに育てられています。その後、工場で周りの空気や水を汚さないようにオーガニックコットン製品の服を作られています。処分品・使わない商品をリサイクル商品・アップサイクル商品に作り直したら資源と環境を守れます。地元産地の商品を買うとその地域も明るくなります(地産地消)。地元の農家・お店は地産地消で助かり、運送会社の軽油代も減らせます。消費者が就労継続支援事業所の商品を選ぶと、就労継続支援事業所内で働く障害者を守れます。レッドカップキャンペーンのマーク付き商品を買うと、学校給食調理員がその費用の一部から献立の食材を買って、給食を作ります。エシカル消費は認証ラベル付きの商品も含みます。国際フェアトレードラベル機構がその商品を取り入れたら、国際フェアトレード認証ラベルが貼られます。森林法に従って木を切ってその木から紙製品を作ったら、FSC認証ラベルが貼られます。水産流通適正化法に従って魚を獲って、その魚を売ったらMSC認証ラベルが貼られます。<gallery widths="180" heights="180">
ファイル:Fairtrade Certification Mark.svg|国際フェアトレード認証ラベル
ファイル:Forest Stewardship Council Logo.svg|FSC認証ラベル
</gallery>
== フェアトレードの役割 ==
開発途上国の場合、商品を売ってもその値段が安くなったり高くなったりして、生産者の収入も毎月決まりません。その結果、子供も働いて家族の生活費用を稼がなければなりません。もし、消費者が原料・商品をずっと同じ値段で買い続けると生産者の暮らしも守れます(フェアトレード)。2012年のロンドンオリンピックはフェアトレード認証商品を大量に取り入れました。私達がフェアトレード認証商品を買うと開発途上国の生産者も喜ばれます。
== まとめ ==
[[カテゴリ:中学校家庭科]]
[[カテゴリ:経済生活]]
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2026-07-08T17:37:03Z
Kwawe
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/* まとめ */ 本節完成。
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wikitext
text/x-wiki
[[小学校・中学校・高等学校の学習]]>[[中学校の学習]]>[[中学校家庭]]>持続可能な消費生活を目指して
== キーワード ==
SDGs(Sustainable Development Goals)・エシカル消費・消費者市民社会
== 消費行動の社会性 ==
私達が毎日買い物をすると、その選び方から社会と環境も大きく変わります。どの商品を選ぶかによって、私達の気持ち「この商品を作ってほしい」が生産者と企業にも伝わります。その結果、企業は選んでもらえるように取り組みを工夫します。したがって、買い物は投票と同じです。私達が相応しい商品を選んで相応しくない商品を買わなかったら、企業は買い物傾向から、相応しい商品を作るようにします。
== エシカル消費推進までの背景 ==
[[ファイル:SDG 12 Japanese.png|サムネイル|159x159ピクセル|つくる責任・つかう責任]]
=== 地球環境への負荷 ===
もし現在の生活を続けると、地球1.7個分の天然資源が必要になります(エコロジカル・フットプリント)。もし世界中の人が日本人と同じ生活をすると、地球2.9個分の天然資源が必要になります。つまり、今の生活のままなら地球の天然資源を使いすぎてしまい、地球の未来を守れなくなります。
=== 持続可能な開発目標の12番目「つくる責任つかう責任」 ===
2015年、持続可能な開発目標(<span style="color:#f29100">'''Sustainable Development Goals:SDGs'''</span>)が国連サミットで出されました。この時、多くの国際連合加盟国が持続可能な開発目標を守りたいと国際連合に伝えました。「生産者が環境に優しい商品を作らなければなりません。消費者も環境に優しい商品を選ばなければなりません。」を持続可能な開発目標の12番目「つくる責任つかう責任」に記されています。このように、生産者と消費者は12番目の目標を守っていくと、環境問題も資源問題も減らせます。その結果、現役世代も将来世代も生活の安全を守れます。
== エシカル消費とは何か? ==
<span style="color:#f29100">'''エシカル消費(倫理的な消費)'''</span>は人間・社会・環境・地域に優しい買い物をいいます。エシカル消費(倫理的な消費)は日本人の価値観「思いやり」「もったいない」と同じです。どのような商品でも生産者がいないと成り立ちません。安さと見た目だけで商品を選ぶのではなく、生産者・社会・地球環境をよく考えて商品を選びましょう。また、見栄を張るための買い物はエシカル消費と言えません。自分の収入に合う優しい買い物もエシカル消費の大切な考え方になります。
== グリーンコンシューマーとは何か? ==
私達は毎日の買い物で自然環境を守ろうと取り組んでいます(グリーンコンシューマー)。グリーンコンシューマーは特別な準備・遠出・高い買い物・我慢などをしません。普段の買い物で「この商品は環境にやさしいか」「流行よりも自分に似合う商品」を考えて選んでいます。例えば、私服なら自分好みの色で、壊れにくく、暖かかったら同じ私服を長年ローテーションで着れます。その結果、買い替え費用とごみも減らせます。また、再生紙・プラスチック製品を選ぶと新しい木を切ったり、石油を新しく使ったりしなくて済みます。グリーンコンシューマーの行動は目立たなくてもお店(売り手)と工場(作り手)の売り上げに大きく関わります。お店(売り手)はグリーンコンシューマーの買い方から環境に優しい商品をより多くとり入れたいと会社に伝えます。工場(作り手)も環境に優しい商品をより多く作ろうとします。このように、環境に優しい商品は綺麗な空気・綺麗な水・資源を守ります。
== 消費者市民社会とは何か? ==
私達は、毎日の買い物から「どの商品を選ぶか」を決めています。この選び方が日本経済と少しずつつながります(<span style="color:#f29100">'''消費者市民社会'''</span>)。言い換えると、消費者市民社会はどの商品を選んだら望ましい社会・望ましい環境になるのかをいいます。
== エシカル消費の種類と内容 ==
エシカル消費は人間・社会・環境・地域を明るくします。オーガニックコットン製品の服を買うと環境を守れます。オーガニックコットンは、農薬や肥料を出来るだけ使わずに育てられています。その後、工場で周りの空気や水を汚さないようにオーガニックコットン製品の服を作られています。処分品・使わない商品をリサイクル商品・アップサイクル商品に作り直したら資源と環境を守れます。地元産地の商品を買うとその地域も明るくなります(地産地消)。地元の農家・お店は地産地消で助かり、運送会社の軽油代も減らせます。消費者が就労継続支援事業所の商品を選ぶと、就労継続支援事業所内で働く障害者を守れます。レッドカップキャンペーンのマーク付き商品を買うと、学校給食調理員がその費用の一部から献立の食材を買って、給食を作ります。エシカル消費は認証ラベル付きの商品も含みます。国際フェアトレードラベル機構がその商品を取り入れたら、国際フェアトレード認証ラベルが貼られます。森林法に従って木を切ってその木から紙製品を作ったら、FSC認証ラベルが貼られます。水産流通適正化法に従って魚を獲って、その魚を売ったらMSC認証ラベルが貼られます。<gallery widths="180" heights="180">
ファイル:Fairtrade Certification Mark.svg|国際フェアトレード認証ラベル
ファイル:Forest Stewardship Council Logo.svg|FSC認証ラベル
</gallery>
== フェアトレードの役割 ==
開発途上国の場合、商品を売ってもその値段が安くなったり高くなったりして、生産者の収入も毎月決まりません。その結果、子供も働いて家族の生活費用を稼がなければなりません。もし、消費者が原料・商品をずっと同じ値段で買い続けると生産者の暮らしも守れます(フェアトレード)。2012年のロンドンオリンピックはフェアトレード認証商品を大量に取り入れました。私達がフェアトレード認証商品を買うと開発途上国の生産者も喜ばれます。
== まとめ ==
人間・社会・環境・地域に優しい買い物がエシカル消費になります。多くの消費者が毎日同じような考えを取り入れたら、日本経済と日本社会も明るく変わります。
[[カテゴリ:中学校家庭科]]
[[カテゴリ:経済生活]]
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Node.js
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AkiR27User
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== 関連項目 == *[[Node.js/package.json]] *[[Node.js/ツール]] *[[Node.js/パッケージマネージャ]]追加
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wikitext
text/x-wiki
[[File:Node.js logo.svg|thumb]]
{{Wikipedia}}
Node.jsは、JavaScriptランタイム環境で、サーバーサイドのアプリケーション開発を行うための強力なプラットフォームです。このチュートリアルでは、Node.jsの基本から始め、プログラミング初心者にも理解しやすいように構成されています。
このチュートリアルは、理論的な概念だけでなく、各トピックにおいて実際のコード例や演習を提供することで、読者が理解を深めるのに役立ちます。最終的には、Node.jsを使用して実践的なウェブアプリケーションを構築できるようになります。初学者から経験者まで、幅広い層のプログラマにとってNode.jsの基本的な概念や実践的なスキルを身につけるための手順が含まれています。
== Node.jsの基本 ==
=== Node.jsの紹介と特徴 ===
Node.jsは、JavaScriptランタイム環境であり、非同期イベント駆動型のサーバーサイドアプリケーション開発に特に適しています。JavaScriptをブラウザのみでなく、サーバーサイドでも実行できるようになり、統一されたプログラミング言語でクライアントとサーバーの開発が可能となりました。これにより、フロントエンドとバックエンドのシームレスな連携が可能となり、開発効率が向上しました。
Node.jsの主な特徴は非同期イベント駆動型のプログラミングモデルです。これにより、複数のイベントが同時に処理され、高い効率でスケーラビリティを実現できます。また、V8エンジンを採用しており、高速な実行が可能です。
=== Node.jsのインストールと環境構築 ===
Node.jsを使用するには、公式ウェブサイトから対応するバージョンをダウンロードしてインストールする必要があります。インストールが完了したら、コマンドラインで<code>node -v</code>と入力してバージョンが表示されるか確認しましょう。これでNode.jsが正しくインストールされたことが確認できます。
;nvmを使う方法
:<code>nvm</code>(Node Version Manager)は、Node.jsのバージョン管理を担当し、プロジェクトごとに異なるバージョンを簡単に切り替えられる便利なツールです。<code>.nvmrc</code>のサポートやシンプルなコマンドで使いやすく、システムへの影響を最小限に抑えています。
{{Main|nvm}}
Node.jsの環境構築では、npm(Node Package Manager)も一緒にインストールされます。npmはパッケージの管理や依存関係の解決に利用され、Node.js開発において欠かせないツールです。<code>npm -v</code>と入力して正しいバージョンが表示されるか確認しましょう。
=== npm(Node Package Manager)の基本的な使用法 ===
npmはパッケージ(ライブラリやツール)のインストール、管理、公開などを行うツールです。以下は、npmの基本的な使用法です。
* パッケージのインストール: <code>npm install パッケージ名</code>
* パッケージのバージョン指定: <code>npm install パッケージ名@バージョン</code>
* パッケージのグローバルインストール: <code>npm install -g パッケージ名</code>
* パッケージの削除: <code>npm uninstall パッケージ名</code>
* プロジェクトの初期化(<code>package.json</code>ファイルの作成): <code>npm init</code>
これらのコマンドを使って、プロジェクトに必要なパッケージを簡単に追加できます。また、<code>package.json</code>ファイルにはプロジェクトの依存関係やスクリプトなどの情報が記述されます。npmを使うことで、プロジェクトの管理がより効率的になります。
{{Main|npm}}
=== yarn ===
Yarn は、JavaScriptのパッケージ管理ツールで、Node.jsプロジェクトでの依存関係の管理を行います。Facebook、Expo、Google、Tildeが共同で開発したもので、npm(Node Package Manager)の代替として開発されました。Yarnは、パフォーマンスの向上、セキュリティ、再現性の確保などの特長があります。
以下に、Yarnの基本的な機能やコマンドを解説します。
;インストール
:Yarnをインストールするには、まずNode.jsがインストールされている必要があります。その後、以下のコマンドでYarnをグローバルにインストールします。
:<syntaxhighlight lang=tcsh>
npm install -g yarn
</syntaxhighlight>
;プロジェクトの初期化
新しいプロジェクトを始める際には、まずプロジェクトディレクトリに移動し、以下のコマンドを実行して初期化します。
:<syntaxhighlight lang=tcsh>
yarn init
</syntaxhighlight>
:このコマンドでは、プロジェクトに関する質問がいくつか表示され、それに答えることで <code>package.json</code> ファイルが作成されます。
;パッケージの追加と削除
新しいパッケージをプロジェクトに追加する場合は、<code>yarn add</code> コマンドを使用します。
:<syntaxhighlight lang=tcsh>
yarn add <パッケージ名>
</syntaxhighlight>
;例えば、Express.jsを追加する場合:
:<syntaxhighlight lang=tcsh>
yarn add express
</syntaxhighlight>
:パッケージを削除する場合は、<code>yarn remove</code> コマンドを使用します。
:<syntaxhighlight lang=tcsh>
yarn remove <パッケージ名>
</syntaxhighlight>
;パッケージのアップグレード
:パッケージを最新のバージョンにアップグレードするには、<code>yarn upgrade</code> コマンドを使用します。
:<syntaxhighlight lang=tcsh>
yarn upgrade <パッケージ名>
</syntaxhighlight>
;依存関係によるインストール
:<code>package.json</code> ファイルに記載された依存関係をインストールするには、以下のコマンドを使用します。
:<syntaxhighlight lang=tcsh>
yarn install
</syntaxhighlight>
;ロックファイル
:Yarnはパッケージのバージョン情報を保持するために <code>yarn.lock</code> ファイルを使用します。このファイルがあることで、再現性を持ったパッケージのインストールが行えます。
これらの基本的なコマンドを駆使することで、Yarnはプロジェクトの依存関係を効果的に管理し、一貫性のある開発環境を提供します。
{{コラム|フロントエンドとバックエンド|2=フロントエンドとバックエンドは、ウェブ開発において異なる役割を果たす2つの主要な側面です。
;フロントエンド(クライアントサイド)
:フロントエンドは、ユーザーが直接触れるウェブページやアプリケーションのインターフェースを構築する部分です。主な役割は以下の通りです:
:;ユーザーインターフェース (UI) の構築: HTML、CSS、JavaScriptを使用して、見栄えやユーザーエクスペリエンスを提供します。
:;ユーザーエクスペリエンス (UX) の向上: ページの読み込み速度や応答性の向上など、ユーザーが快適に操作できるように努めます。
:;クライアントサイドのロジックの管理: フォームのバリデーション、アニメーション、ページ遷移など、クライアントサイドの振る舞いを制御します。
:;APIとの通信: バックエンドから提供されるデータやサービスへのアクセスを可能にし、非同期通信を利用してデータの取得や送信を行います。
:代表的なフロントエンドのフレームワークとライブラリには、React.js、Angular、Vue.jsなどがあります。
;バックエンド(サーバーサイド)
:バックエンドは、ウェブアプリケーションの裏側で動作し、データの処理、ストレージ、ビジネスロジックなどを担当します。主な役割は以下の通りです:
:;データベースとの対話: データの取得、更新、削除などをデータベースとやりとりしながら管理します。
:;ビジネスロジックの処理: ユーザーやクライアントからのリクエストに基づいて、ビジネスルールや処理を実行します。
:;サーバーサイドのロジックの管理: セッション管理、認証、セキュリティなど、クライアントサイドで実装できないサーバーサイドの機能を担当します。
:;APIの提供: フロントエンドや外部サービスとの通信を可能にし、データを提供します。
:代表的なバックエンドのプログラミング言語とフレームワークには、Node.js (Express.js)、Python (Django、Flask)、Ruby (Ruby on Rails)、Java (Spring)などがあります。
;フルスタック開発者:フルスタック開発者は、フロントエンドとバックエンドの両方に精通している開発者のことを指します。彼らはウェブアプリケーション全体の開発に携わり、クライアントサイドからサーバーサイドまで、システム全体を理解し、開発できるスキルを有しています。
}}
== Express.jsの導入 ==
=== Express.jsの概要と特徴 ===
Express.jsは、Node.js用の軽量で柔軟かつ高速なWebアプリケーションフレームワークです。これを使用することで、シンプルなAPIから複雑なWebアプリケーションまで、効率的で堅牢なサーバーサイドの開発が可能になります。Express.jsはミドルウェアを活用して柔軟性を提供し、開発者が簡単かつ効果的にHTTPサーバーを構築できるように設計されています。
主な特徴として、ルーティングやミドルウェアの強力なサポート、HTTPのメソッドに基づいたルーティングの容易さ、拡張性、そして大規模なアプリケーションの構築にも適していることが挙げられます。
=== Expressアプリケーションの基本構造 ===
Expressアプリケーションの基本構造は、以下のようになります。
:<syntaxhighlight lang=js>
// 必要なモジュールのインポート
const express = require('express');
const app = express();
const port = 3000;
// ルートへのGETリクエストへの応答
app.get('/', (req, res) => {
res.send('Hello, Express!');
});
// サーバーの起動
app.listen(port, () => {
console.log(`Server is running on http://localhost:${port}`);
});
</syntaxhighlight>
この基本的な構造では、Expressをインポートし、<code>app</code>オブジェクトを作成します。その後、<code>app.get()</code>メソッドを使用してルートパス('/')へのGETリクエストに対して応答を定義し、最後に<code>app.listen()</code>メソッドでサーバーを指定のポートで起動します。
=== ルーティングとミドルウェアの使用 ===
==== ルーティング ====
Express.jsでは、<code>app.get()</code>、<code>app.post()</code>、<code>app.put()</code>などのメソッドを使用して異なるHTTPメソッドに対するルーティングを定義できます。例えば、以下のようにして異なるエンドポイントに対してルーティングを設定できます。
:<syntaxhighlight lang=js>
app.get('/users', (req, res) => {
res.send('Get all users');
});
app.post('/users', (req, res) => {
res.send('Create a new user');
});
</syntaxhighlight>
==== ミドルウェア ====
Node.jsにおいて、ミドルウェア(Middleware)はリクエストとレスポンスの処理の中間に位置する機能を指します。これはExpress.jsなどのウェブフレームワークで広く使用されています。ミドルウェアは、リクエストがサーバーに到達する前、またはレスポンスがクライアントに送信される前に、その処理を行う役割を果たします。
Express.jsでは、ミドルウェアがリクエストの前後に実行され、リクエストやレスポンスを変更することができます。
例えば、以下のようにしてログを出力するミドルウェアを作成できます。
:<syntaxhighlight lang=js>
// ログを出力するミドルウェア
const logMiddleware = (req, res, next) => {
console.log(`[${new Date()}] ${req.method} ${req.url}`);
next();
};
// ミドルウェアの使用
app.use(logMiddleware);
// ルートの定義
app.get('/', (req, res) => {
res.send('Hello, Express!');
});
</syntaxhighlight>
ここでは、<code>logMiddleware</code>というミドルウェアが定義され、<code>app.use()</code>を使ってそれを全てのリクエストに対して使用しています。ミドルウェアは順次実行され、<code>next()</code>を呼ぶことで次のミドルウェアやルートハンドラに処理が渡ります。
Express.jsのルーティングとミドルウェアの機能を駆使することで、柔軟で効率的なWebアプリケーションの構築が可能です。
{{コラム|Express.jsとRuby on Railsの類似点と相違点|2=Express.jsとRuby on Railsは、それぞれJavaScriptとRubyをベースにしたウェブアプリケーションフレームワークであり、いくつかの類似点と相違点があります。
;類似点:
:;MVCアーキテクチャ:両方のフレームワークは、モデル(データ処理)、ビュー(ユーザーインターフェース)、コントローラ(ロジック)のMVCアーキテクチャを採用しています。これにより、コードの分離と保守性が向上します。
:;コードの効率性:両者は自動的に一般的なタスクを処理するジェネレーターやコードの自動生成ツールを提供しており、開発者に対してプロジェクトの効率的な進行をサポートしています。
:;データベースサポート:どちらも主流なデータベースとの連携が得意であり、ORM(Object-Relational Mapping)を使用してデータベースの操作を抽象化することができます。
:;開発者コミュニティ:Express.jsとRuby on Railsは、豊富な開発者コミュニティを持っています。これにより、ドキュメンテーションやサポートが充実しており、問題解決が比較的容易です。
:相違点:
:;プログラミング言語:一番の大きな違いは、Express.jsがJavaScriptを使用しているのに対し、Ruby on RailsはRubyを使用しています。これにより、選択されたプログラミング言語によって開発者の好みやプロジェクトの要件が影響を受けます。
:;非同期処理:Express.jsは非同期イベント駆動型のモデルを採用しており、非同期処理に強みがあります。対照的に、Ruby on Railsは同期的な処理が基本であり、非同期処理に関してはActiveJobなどの拡張機能が必要です。
:;構築の哲学:Express.jsは「ミニマリスティック」な設計のため、柔軟性が高く、開発者が好みのライブラリやツールを組み合わせて使用できます。対照的に、Ruby on Railsは「意見の統一」を重視し、プロジェクトの構造やライブラリの選択に関して強力な規約があります。
:;フレームワークのサイズ:Express.jsは小規模かつ柔軟で、必要な機能を手動で追加することが一般的です。Ruby on Railsは大規模で、開発者が手動で設定する必要が少なく、多くの機能が最初から組み込まれています。
選択はプロジェクトの要件、開発者の好み、チームのスキルセットに依存します。どちらも強力なフレームワークであり、適切に使われると迅速かつ堅牢なウェブアプリケーションを構築できます。
}}
== 非同期処理の扱い ==
== コールバック関数の復習 ==
JavaScriptにおいて非同期処理は一般的であり、コールバック関数がその基本的な仕組みとなります。コールバック関数は、非同期操作が完了した際に呼び出される関数であり、例えばファイルの読み込みやHTTPリクエストの処理などに利用されます。
:<syntaxhighlight lang=js>
// コールバック関数の例
function fetchData(callback) {
setTimeout(() => {
console.log('Data fetched successfully');
callback();
}, 1000);
}
// fetchData関数の使用
fetchData(() => {
console.log('Callback executed');
});
</syntaxhighlight>
== Promiseとasync/awaitの使用 ==
コールバックヘル(Callback Hell)を避けるために、Promiseやasync/awaitが導入されました。Promiseは非同期操作を表すオブジェクトであり、処理が成功したか失敗したかに応じてコールバック関数を呼び出します。async/awaitはPromiseをより扱いやすくするための構文糖衣であり、非同期コードを同期的に書くことができます。
:<syntaxhighlight lang=js>
// Promiseの例
function fetchData() {
return new Promise((resolve, reject) => {
setTimeout(() => {
console.log('Data fetched successfully');
resolve();
}, 1000);
});
}
// async/awaitの例
async function fetchDataAsync() {
await fetchData();
console.log('Async function executed');
}
// fetchDataAsync関数の使用
fetchDataAsync();
</syntaxhighlight>
== 非同期処理のベストプラクティス ==
# エラーハンドリング:
#* 非同期処理ではエラーが発生しやすいため、適切なエラーハンドリングが重要です。Promiseでは<code>catch</code>メソッドやtry-catch文を利用してエラーをキャッチしましょう。
#:<syntaxhighlight lang=js>
fetchData()
.then(() => {
// 成功時の処理
})
.catch((error) => {
console.error('Error:', error);
});
</syntaxhighlight>
# 同時に複数の非同期処理:
#* <code>Promise.all</code>を使用して複数の非同期処理が全て完了するのを待つことができます。
#:<syntaxhighlight lang=js>
const promise1 = fetchData();
const promise2 = fetchData();
Promise.all([promise1, promise2])
.then(() => {
console.log('All promises resolved');
})
.catch((error) => {
console.error('Error:', error);
});
</syntaxhighlight>
# 非同期処理の逐次実行:
#* <code>async/await</code>を使用して非同期処理を逐次実行することができます。
#:<syntaxhighlight lang=js>
async function sequentialAsyncOperations() {
await fetchData();
await fetchData();
console.log('Sequential operations completed');
}
sequentialAsyncOperations();
</syntaxhighlight>
非同期処理の適切なハンドリングと制御は、JavaScriptにおける効果的なプログラミングの一環となります。これにより、アプリケーションが予測可能で、エラーレスポンスが改善され、保守性が向上します。
== ファイル操作とデバッグ ==
=== ファイルの読み書きとディレクトリ操作 ===
=== ファイルの読み込み ===
Node.jsでは、<code>fs</code>(ファイルシステム)モジュールを使用してファイルの読み書きが行えます。以下は、ファイルの読み込みの基本的な例です。
:<syntaxhighlight lang=js>
const fs = require('fs');
fs.readFile('example.txt', 'utf8', (err, data) => {
if (err) {
console.error('Error reading the file:', err);
return;
}
console.log('File content:', data);
});
</syntaxhighlight>
=== ファイルの書き込み ===
同様に、ファイルの書き込みも<code>fs</code>モジュールを使用します。
:<syntaxhighlight lang=js>
const fs = require('fs');
const content = 'Hello, Node.js!';
fs.writeFile('example.txt', content, 'utf8', (err) => {
if (err) {
console.error('Error writing to the file:', err);
return;
}
console.log('File written successfully');
});
</syntaxhighlight>
=== ディレクトリ操作 ===
ディレクトリの作成や削除も<code>fs</code>モジュールを使用して行います。
:<syntaxhighlight lang=js>
const fs = require('fs');
// ディレクトリの作成
fs.mkdir('example_directory', (err) => {
if (err) {
console.error('Error creating directory:', err);
return;
}
console.log('Directory created successfully');
});
// ディレクトリの削除
fs.rmdir('example_directory', (err) => {
if (err) {
console.error('Error deleting directory:', err);
return;
}
console.log('Directory deleted successfully');
});
</syntaxhighlight>
== デバッグツールの使用方法 ==
Node.jsはデバッグをサポートする豊富なツールを提供しています。
=== Node.js内蔵のデバッグモード ===
Node.jsには<code>--inspect</code>オプションを使用してデバッグモードを有効にすることができます。
:<syntaxhighlight lang=js>
node --inspect myScript.js
</syntaxhighlight>
デフォルトではChrome DevToolsが使われ、<code>chrome://inspect</code>からデバッグセッションにアクセスできます。
=== console.logの利用 ===
単純ながら効果的なデバッグ手法として、<code>console.log</code>を使用することがあります。コードの特定の地点で変数やメッセージをログに出力して、プログラムの実行状態を把握することができます。
:<syntaxhighlight lang=js>
const exampleVar = 'Hello, debugging!';
console.log(exampleVar);
</syntaxhighlight>
== npmモジュールのデバッグ ==
npmにはデバッグ用のモジュールもあります。例えば、<code>debug</code>モジュールを使用することで、コードのどの部分でログを出力するかを制御できます。
:<syntaxhighlight lang=js>
const debug = require('debug')('myApp');
const exampleVar = 'Hello, debugging!';
debug(exampleVar);
</syntaxhighlight>
これにより、特定のモジュールや機能に焦点を当ててデバッグ情報を得ることができます。
ファイル操作やデバッグはNode.js開発において不可欠なスキルです。これらの手法をマスターすることで、プログラムの正確性やパフォーマンスを向上させることができます。
== データベースの操作 ==
=== SQLやNoSQLデータベースの導入(例: SQLite、MongoDB) ===
==== SQLデータベース(例: SQLite) ====
SQLデータベースはリレーショナルデータベースで、表形式のテーブルを使用してデータを保存します。Node.jsでよく使用されるSQLデータベースの一つにSQLiteがあります。以下は、SQLiteデータベースの導入と基本的な操作の例です。
:<syntaxhighlight lang=js>
const sqlite3 = require('sqlite3').verbose();
const db = new sqlite3.Database('example.db');
// テーブルの作成
db.run('CREATE TABLE IF NOT EXISTS users (id INT, name TEXT)');
// データの挿入
db.run('INSERT INTO users VALUES (1, "John Doe")');
// データの取得
db.each('SELECT * FROM users', (err, row) => {
console.log(row.id, row.name);
});
// データベースのクローズ
db.close();
</syntaxhighlight>
==== NoSQLデータベース(例: MongoDB) ====
NoSQLデータベースは柔軟なデータ構造を持ち、ドキュメント指向データベースのMongoDBがよく利用されます。以下は、MongoDBの導入と基本的な操作の例です。
:<syntaxhighlight lang=js>
const mongoose = require('mongoose');
mongoose.connect('mongodb://localhost/example', { useNewUrlParser: true, useUnifiedTopology: true });
// スキーマの定義
const userSchema = new mongoose.Schema({
id: Number,
name: String
});
// モデルの作成
const User = mongoose.model('User', userSchema);
// ドキュメントの作成と保存
const user = new User({ id: 1, name: 'John Doe' });
user.save();
// ドキュメントの検索
User.find({ id: 1 }, (err, users) => {
console.log(users);
});
</syntaxhighlight>
=== データベースへの接続と基本的なクエリ ===
==== SQLデータベースへの接続とクエリ ====
SQLデータベースへの接続には<code>sqlite3</code>や<code>mysql</code>などのライブラリが使われます。以下はSQLiteデータベースへの接続と基本的なクエリの例です。
:<syntaxhighlight lang=js>
const sqlite3 = require('sqlite3').verbose();
const db = new sqlite3.Database('example.db');
// クエリの実行
db.all('SELECT * FROM users', (err, rows) => {
if (err) {
console.error(err);
return;
}
console.log(rows);
});
// データベースのクローズ
db.close();
</syntaxhighlight>
==== NoSQLデータベースへの接続とクエリ ====
NoSQLデータベースへの接続には各データベースに対応するライブラリ(例: <code>mongoose</code> for MongoDB)が使用されます。以下はMongoDBへの接続と基本的なクエリの例です。
:<syntaxhighlight lang=js>
const mongoose = require('mongoose');
mongoose.connect('mongodb://localhost/example', { useNewUrlParser: true, useUnifiedTopology: true });
// クエリの実行
User.find({ id: 1 }, (err, users) => {
console.log(users);
});
</syntaxhighlight>
=== ORM(Object-Relational Mapping)の導入 ===
ORMはデータベースとオブジェクト指向プログラミング言語の間でデータを変換する仕組みです。Node.jsでよく使用されるORMライブラリには<code>Sequelize</code>(SQLデータベース向け)や<code>Mongoose</code>(MongoDB向け)があります。
=== Sequelizeの導入(SQLデータベース向け) ===
:<syntaxhighlight lang=js>
const Sequelize = require('sequelize');
const sequelize = new Sequelize('sqlite::memory:');
// モデルの定義
const User = sequelize.define('user', {
id: {
type: Sequelize.INTEGER,
primaryKey: true
},
name: Sequelize.STRING
});
// 同期化とデータの操作
sequelize.sync()
.then(() => User.create({ id: 1, name: 'John Doe' }))
.then(() => User.findAll())
.then(users => {
console.log(users);
});
</syntaxhighlight>
=== Mongooseの導入(MongoDB向け) ===
:<syntaxhighlight lang=js>
const mongoose = require('mongoose');
mongoose.connect('mongodb://localhost/example', { useNewUrlParser: true, useUnifiedTopology: true });
// スキーマの定義
const userSchema = new mongoose.Schema({
id: Number,
name: String
});
// モデルの作成
const User = mongoose.model('User', userSchema);
// データの操作
const user = new User({ id: 1, name: 'John Doe' });
user.save()
.then(() => User.find({ id: 1 }))
.then(users => {
console.log(users);
});
</syntaxhighlight>
ORMを使用することで、データベースとのやりとりをオブジェクト指向的な形で行えます。これにより、より効率的で保守しやすいコードを記述することができます。
== 認証とセキュリティ ==
=== ユーザー認証の基本 ===
ユーザー認証はウェブアプリケーションの重要な機能であり、正当なユーザーであることを確認し、権限を与えるプロセスです。以下は、Node.jsでの基本的なユーザー認証の手法です。
; パスワード認証の例
:<syntaxhighlight lang=js>
const bcrypt = require('bcrypt');
const saltRounds = 10;
// パスワードのハッシュ化
bcrypt.hash('user_password', saltRounds, (err, hash) => {
if (err) {
console.error('Error hashing password:', err);
return;
}
// データベースにハッシュを保存
saveHashToDatabase(hash);
});
// パスワードの検証
bcrypt.compare('user_password', storedHashFromDatabase, (err, result) => {
if (err) {
console.error('Error comparing passwords:', err);
return;
}
if (result) {
console.log('Password is correct');
} else {
console.log('Password is incorrect');
}
});
</syntaxhighlight>
; セッション管理とトークン認証
==== セッション管理 ====
セッション管理は、ユーザーがサイトにアクセスしている間にサーバーがユーザーの状態を記録する仕組みです。<code>express-session</code>などのライブラリを使用してセッションを管理できます。
:<syntaxhighlight lang=js>
const express = require('express');
const session = require('express-session');
const app = express();
app.use(session({
secret: 'your_secret_key',
resave: false,
saveUninitialized: true
}));
// セッションの利用
app.get('/profile', (req, res) => {
if (req.session.user) {
res.send(`Welcome, ${req.session.user.name}!`);
} else {
res.send('Unauthorized');
}
});
</syntaxhighlight>
==== トークン認証 ====
トークン認証は、トークン(JWTなど)を使用してユーザーを認証する手法です。以下は、Expressと<code>jsonwebtoken</code>を使用したトークン認証の例です。
:<syntaxhighlight lang=js>
const express = require('express');
const jwt = require('jsonwebtoken');
const app = express();
// トークンの生成
const generateToken = (user) => {
return jwt.sign({ user }, 'your_secret_key', { expiresIn: '1h' });
};
// 認証のミドルウェア
const authenticateToken = (req, res, next) => {
const token = req.headers['authorization'];
if (!token) {
res.sendStatus(401);
return;
}
jwt.verify(token, 'your_secret_key', (err, user) => {
if (err) {
res.sendStatus(403);
return;
}
req.user = user;
next();
});
};
// トークンの利用
app.get('/profile', authenticateToken, (req, res) => {
res.send(`Welcome, ${req.user.user.name}!`);
});
</syntaxhighlight>
=== セキュリティの基本(CSRF、XSS、SQLインジェクションなど) ===
==== CSRF(Cross-Site Request Forgery) ====
CSRF攻撃は、ユーザーが意図しない操作を行わせる攻撃です。対策として、リクエストにCSRFトークンを含めたり、SameSite属性を使用することがあります。
:<syntaxhighlight lang=js>
// CSRFトークンの生成
const csrfToken = generateCsrfToken();
// フォームにトークンを埋め込む
app.get('/form', (req, res) => {
res.send(`<form action="/submit" method="post">
<input type="hidden" name="_csrf" value="${csrfToken}">
<button type="submit">Submit</button>
</form>`);
});
// CSRFトークンの検証
app.post('/submit', (req, res) => {
const { _csrf } = req.body;
if (_csrf !== csrfToken) {
res.sendStatus(403);
return;
}
// 正当なリクエストの処理
});
</syntaxhighlight>
==== XSS(Cross-Site Scripting) ====
XSS攻撃は、悪意のあるスクリプトを挿入し、ユーザーのブラウザで実行させる攻撃です。対策として、入力値のエスケープや、CORSヘッダーの設定を行うことがあります。
:<syntaxhighlight lang=js>
// エスケープ関数の例
function escapeHtml(input) {
return input.replace(/</g, '<').replace(/>/g, '>');
}
// ユーザー入力の表示
app.get('/user/:name', (req, res) => {
const { name } = req.params;
res.send(`Hello, ${escapeHtml(name)}!`);
});
</syntaxhighlight>
==== SQLインジェクション ====
SQLインジェクションは、不正なSQLクエリを挿入し、データベースを攻撃する手法です。対策として、プリペアドステートメントやORMを使用することがあります。
:<syntaxhighlight lang=js>
const userId = req.params.id;
// 脆弱なクエリ
const sql = `SELECT * FROM users WHERE id = ${userId}`;
// プリペアドステートメントの使用
const sql = 'SELECT * FROM users WHERE id = ?';
db.query(sql, [userId], (err, result) => {
// クエリの結果を処理
});
</syntaxhighlight>
セキュリティの重要性を理解し、適切な手法を使用することで、ウェブアプリケーションの脆弱性を最小限に抑えることができます。各攻撃手法に対する詳細な対策は、プロジェクトの要件や使用しているライブラリによって異なります。
== APIの作成と利用 ==
=== RESTful APIの基本 ===
RESTful APIは、Representational State Transfer(表現状態転送)の原則に基づいたAPIデザインの一手法です。以下はRESTful APIの基本的な原則です。
# リソース指向:
#* APIのエンドポイントはリソース(データやサービス)を表現します。例えば、<code>/users</code>はユーザーリソースを表し、<code>/posts</code>は投稿リソースを表します。
# HTTPメソッドの使用:
#* CRUD操作(Create, Read, Update, Delete)に対応するHTTPメソッドを使用します。
#** <code>GET</code>: リソースの取得
#** <code>POST</code>: リソースの作成
#** <code>PUT</code>: リソースの更新
#** <code>DELETE</code>: リソースの削除
# ステートレス性:
#* 各リクエストは必要な情報を含み、サーバー側ではセッションなどの状態を保持しません。各リクエストは独立して処理されます。
# 統一的なインターフェース:
#* インターフェースは統一されているため、クライアントがどのAPIでも同様のパターンで通信できます。
=== Express.jsを使用したAPIエンドポイントの実装 ===
Express.jsはNode.js用のウェブアプリケーションフレームワークであり、APIの作成に適しています。以下はExpress.jsを使用してRESTful APIエンドポイントを作成する基本的な例です。
:<syntaxhighlight lang=js>
const express = require('express');
const app = express();
const port = 3000;
// ミドルウェアの設定
app.use(express.json());
// ユーザーデータの一覧取得
app.get('/api/users', (req, res) => {
// データベースからユーザーデータを取得
const users = getAllUsersFromDatabase();
res.json(users);
});
// ユーザーデータの取得
app.get('/api/users/:id', (req, res) => {
const userId = req.params.id;
// データベースから指定されたユーザーデータを取得
const user = getUserByIdFromDatabase(userId);
res.json(user);
});
// ユーザーデータの作成
app.post('/api/users', (req, res) => {
const newUser = req.body;
// データベースに新しいユーザーデータを作成
createUserInDatabase(newUser);
res.sendStatus(201); // Created
});
// ユーザーデータの更新
app.put('/api/users/:id', (req, res) => {
const userId = req.params.id;
const updatedUser = req.body;
// データベースで指定されたユーザーデータを更新
updateUserInDatabase(userId, updatedUser);
res.sendStatus(204); // No Content
});
// ユーザーデータの削除
app.delete('/api/users/:id', (req, res) => {
const userId = req.params.id;
// データベースから指定されたユーザーデータを削除
deleteUserFromDatabase(userId);
res.sendStatus(204); // No Content
});
// サーバーの起動
app.listen(port, () => {
console.log(`Server is running at http://localhost:${port}`);
});
</syntaxhighlight>
=== 外部APIとの連携 ===
外部APIとの連携は、自分のAPIが外部のサービスやデータにアクセスするための手段です。以下は、Node.jsで外部APIと連携する基本的な例です。
:<syntaxhighlight lang=js>
const axios = require('axios');
// 外部APIからデータを取得
axios.get('https://api.example.com/data')
.then(response => {
console.log(response.data);
})
.catch(error => {
console.error('Error:', error);
});
// 外部APIにデータを送信
const newData = { key: 'value' };
axios.post('https://api.example.com/data', newData)
.then(response => {
console.log('Data sent successfully');
})
.catch(error => {
console.error('Error:', error);
});
</syntaxhighlight>
外部APIとの連携では、APIキーの認証やトークンの使用、エラーハンドリングなどを考慮する必要があります。axiosはPromiseベースのHTTPクライアントであり、非同期の外部APIリクエストを簡単に実装できます。
== WebSocketの導入 ==
=== WebSocketの基本概念 ===
WebSocketは、双方向でリアルタイムな通信を実現するためのプロトコルです。通常のHTTPリクエストとは異なり、WebSocketは一度の接続でデータを双方向にやり取りできます。これにより、サーバーからクライアントへのプッシュ通知や、クライアントからサーバーへのリアルタイムな情報更新が可能となります。
WebSocket通信は以下の特徴を持っています。
;リアルタイム性: WebSocketは低遅延でのデータ通信を実現し、クライアントとサーバーがほぼ同時にデータを送受信できます。
;双方向通信: クライアントとサーバーは同時にデータを送信でき、両者がリアルタイムに対話することができます。
;効率的な通信: HTTPと比較して通信量が少なく、ヘッダーのオーバヘッドが軽減されるため、高い効率で通信が行えます。
=== Socket.ioを使用したリアルタイム通信 ===
Socket.ioはWebSocketを簡単に利用できるライブラリで、WebSocketをサポートするだけでなく、WebSocketが利用できない環境でも動作するフォールバック機能も提供しています。以下は、Socket.ioを使用した基本的なサーバーとクライアントの実装例です。
;サーバー側(Node.js + Express)
:<syntaxhighlight lang=js>
const express = require('express');
const http = require('http');
const socketIo = require('socket.io');
const app = express();
const server = http.createServer(app);
const io = socketIo(server);
io.on('connection', (socket) => {
console.log('A user connected');
// クライアントからのメッセージ受信
socket.on('message', (data) => {
console.log('Message from client:', data);
// クライアント全体にメッセージ送信
io.emit('message', { text: 'Hello, everyone!' });
});
// 切断時の処理
socket.on('disconnect', () => {
console.log('User disconnected');
});
});
const port = 3000;
server.listen(port, () => {
console.log(`Server is running at http://localhost:${port}`);
});
</syntaxhighlight>
;クライアント側
:<syntaxhighlight lang=html>
<!-- クライアント側のHTMLファイル -->
<!DOCTYPE html>
<html lang="en">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<meta name="viewport" content="width=device-width, initial-scale=1.0">
<title>WebSocket Chat</title>
</head>
<body>
<h1>WebSocket Chat</h1>
<ul id="messages"></ul>
<input id="messageInput" autocomplete="off" /><button onclick="sendMessage()">Send</button>
<script src="https://cdnjs.cloudflare.com/ajax/libs/socket.io/4.0.1/socket.io.js"></script>
<script>
const socket = io();
// サーバーからのメッセージ受信
socket.on('message', (data) => {
const messages = document.getElementById('messages');
const li = document.createElement('li');
li.textContent = data.text;
messages.appendChild(li);
});
// メッセージ送信
function sendMessage() {
const input = document.getElementById('messageInput');
const message = input.value;
socket.emit('message', { text: message });
input.value = '';
}
</script>
</body>
</html>
</syntaxhighlight>
=== チャットアプリなどのサンプル実装 ===
上記のサーバーとクライアントの実装例は、簡単なチャットアプリの基本的な骨組みです。ユーザーがメッセージを入力すると、サーバーがそれを受け取り、全てのクライアントにそのメッセージをブロードキャストします。クライアントはブロードキャストされたメッセージを受け取り、画面に表示します。
この例を拡張して、ユーザーごとのルーム分け、特定のユーザーへのプライベートメッセージ、絵文字やファイルの送受信など、様々な機能を追加することができます。 Socket.ioの公式ドキュメントやその他のリソースを参考にして、WebSocketを活用したリアルタイムアプリケーションの構築を進めてみましょう。
== テストとデプロイ ==
=== ユニットテストと統合テストの基本 ===
==== ユニットテスト ====
ユニットテストは、アプリケーションの個々の機能やモジュールが正しく動作するかを確認するためのテストです。テスト対象の関数やクラスなどの単位(ユニット)ごとにテストケースを作成し、期待される結果と実際の結果が一致するかを検証します。
:<syntaxhighlight lang=js>
// ユニットテストの例 (使用ツール: Jest)
test('addition', () => {
expect(1 + 2).toBe(3);
});
test('substraction', () => {
expect(5 - 2).toBe(3);
});
</syntaxhighlight>
==== 統合テスト ====
統合テストは、異なる部分が連携して正しく動作するかを確認するテストです。通常、モジュール単位のテストが終わった後に行われ、複数のモジュールが協調して動くことを確認します。
:<syntaxhighlight lang=js>
// 統合テストの例 (使用ツール: Supertest + Jest)
const request = require('supertest');
const app = require('../app'); // テスト対象のExpressアプリ
test('GET /api/users', async () => {
const response = await request(app).get('/api/users');
expect(response.status).toBe(200);
expect(response.body).toHaveLength(3);
});
</syntaxhighlight>
=== デプロイの基本(Heroku、AWS、Vercelなど) ===
==== Herokuを使用したデプロイ ====
Herokuは簡単かつ柔軟なプラットフォームで、Node.jsアプリケーションをデプロイするのに適しています。以下はHerokuにNode.jsアプリケーションをデプロイする基本的な手順です。
# Herokuアカウントの作成
# Heroku CLIのインストール
# アプリケーションのディレクトリで<code>git init</code>を実行し、アプリケーションをGitリポジトリに初期化
# Herokuにログイン (<code>heroku login</code>)
# Herokuアプリの作成 (<code>heroku create</code>)
# リモートリポジトリの追加 (<code>git remote add heroku <HerokuアプリのURL></code>)
# アプリケーションのデプロイ (<code>git push heroku master</code>)
==== AWSを使用したデプロイ ====
Amazon Web Services (AWS)は、様々なサービスを提供するクラウドプロバイダで、Node.jsアプリケーションをデプロイするためのオプションが豊富です。以下はAWS Elastic Beanstalkを使用したデプロイ手順の例です。
# AWSアカウントの作成
# AWS Elastic Beanstalkアプリケーションの作成
# Elastic Beanstalk環境の作成
# アプリケーションのデプロイ (<code>eb deploy</code>)
==== Vercelを使用したデプロイ ====
Vercelは、フロントエンドやサーバーレスなバックエンドを簡単にデプロイできるプラットフォームです。以下はVercelを使用してNode.jsアプリケーションをデプロイする手順の例です。
# Vercelアカウントの作成
# Vercel CLIのインストール (<code>npm install -g vercel</code>)
# アプリケーションのディレクトリで<code>vercel</code>を実行
# デプロイの設定を行い、デプロイの確認
=== デプロイ時の注意事項とベストプラクティス ===
; 注意事項
* 環境変数の管理: 重要な情報は環境変数を使用して管理し、公開されないようにしましょう。
* データベースの設定: デプロイ先のデータベースとローカルのデータベースが同じであることを確認しましょう。
* セキュリティの確認: HTTPSの使用やセキュリティヘッダーの設定など、セキュリティ対策を実施しましょう。
; ベストプラクティス
* CI/CDの導入: 継続的インテグレーション(CI)および継続的デリバリー(CD)を導入して、自動化されたビルドとデプロイプロセスを確立しましょう。
* モニタリング: アプリケーションのモニタリングツールを導入して、デプロイ後のパフォーマンスやエラーを監視しましょう。
* バージョニング: アプリケーションやAPIに対してセマンティック バージョニングを適用し、互換性のある変更を行いましょう。
* スケーリングの考慮: トラフィックが増えた場合のスケーリング戦略を検討し、必要に応じて自動スケーリングを導入しましょう。
デプロイはアプリケーションのライフサイクルにおいて重要なフェーズであり、注意深く行う必要があります。上記の手順やベストプラクティスを参考にして、スムーズで安全なデプロイを実現してください。
== 最新のNode.jsの機能 ==
== ECMAScriptモジュールの使用 ==
ECMAScriptモジュール(ESM)は、Node.jsにおいてCommonJSモジュールシステムに代わる新しいモジュールシステムです。以下は、ECMAScriptモジュールの基本的な使用例です。
; モジュールの作成
:<syntaxhighlight lang=js>
// math.js
export const add = (a, b) => a + b;
export const subtract = (a, b) => a - b;
</syntaxhighlight>
; モジュールの利用
:<syntaxhighlight lang=js>
// index.js
import { add, subtract } from './math.js';
console.log(add(5, 3)); // 出力: 8
console.log(subtract(8, 3)); // 出力: 5
</syntaxhighlight>
ECMAScriptモジュールはファイル拡張子が <code>.mjs</code> の場合、もしくは、<code>"type": "module"</code> を指定した場合に使用できます。
:<syntaxhighlight lang=json>
// package.json
{
"type": "module"
}
</syntaxhighlight>
=== WebAssemblyとの連携 ===
WebAssembly(Wasm)は、ブラウザ以外の環境でも実行できるバイナリ形式の低レベルな仮想マシンです。Node.jsはWebAssemblyモジュールをサポートしており、C/C++などで書かれたバイナリをNode.jsアプリケーションで使用できます。
; WebAssemblyモジュールの読み込み
:<syntaxhighlight lang=js>
// wasm_example.js
const fs = require('fs');
const { readFileSync } = fs;
// WebAssembly バイナリファイルの読み込み
const wasmCode = readFileSync('example.wasm');
// WebAssembly モジュールのインスタンス化
const wasmInstance = new WebAssembly.Instance(new WebAssembly.Module(wasmCode));
// WebAssembly 関数の呼び出し
console.log(wasmInstance.exports.add(5, 3)); // 出力: 8
</syntaxhighlight>
=== 最新のNode.jsフレームワークやツールの紹介 ===
==== Fastify ====
Fastifyは、高速で軽量なウェブフレームワークであり、Node.jsアプリケーションの開発をサポートします。以下はFastifyの基本的な例です。
:<syntaxhighlight lang=js>
const fastify = require('fastify')();
fastify.get('/', (request, reply) => {
reply.send({ message: 'Hello, Fastify!' });
});
fastify.listen(3000, (err, address) => {
if (err) throw err;
console.log(`Server listening on ${address}`);
});
</syntaxhighlight>
==== Deno ====
Denoは、Ryan Dahlによって作られた新しいランタイムで、Node.jsの改良版とも言えるものです。Denoはセキュリティ向上、ESMの標準サポート、ブラウザ互換性などが特徴です。
:<syntaxhighlight lang=js>
// deno_example.ts
console.log('Hello, Deno!');
</syntaxhighlight>
Denoのスクリプトは <code>.ts</code> ファイル拡張子で書かれ、TypeScriptを標準でサポートしています。
これらの新しい機能やツールを使用することで、より効率的でモダンなNode.jsアプリケーションの開発が可能になります。ただし、導入前に十分なテストと検証を行い、プロジェクトの要件に合致しているか確認することが重要です。
== チートシート ==
以下は、Node.jsの基本的な操作や機能に関するチートシートです。
このチートシートは要約版であり、詳細な情報や構文に関しては公式ドキュメントを参照してください。
=== Node.jsの基本 ===
; Node.jsのインストール:
:<syntaxhighlight lang=tcsh>
# nvm (Node Version Manager) を使用する場合
nvm install <バージョン>
# 直接インストールする場合
# https://nodejs.org/ からバイナリやインストーラをダウンロード
</syntaxhighlight>
; バージョン確認:
:<syntaxhighlight lang=tcsh>
node -v
</syntaxhighlight>
; npmのバージョン確認:
:<syntaxhighlight lang=tcsh>
npm -v
</syntaxhighlight>
=== npmの基本操作 ===
; パッケージのインストール:
:<syntaxhighlight lang=tcsh>
npm install <パッケージ名>
</syntaxhighlight>
; グローバルにパッケージをインストール:
:<syntaxhighlight lang=tcsh>
npm install -g <パッケージ名>
</syntaxhighlight>
; パッケージのアンインストール:
:<syntaxhighlight lang=tcsh>
npm uninstall <パッケージ名>
</syntaxhighlight>
; パッケージのバージョン指定:
:<syntaxhighlight lang=tcsh>
npm install <パッケージ名>@<バージョン>
</syntaxhighlight>
=== Node.jsの実行 ===
; スクリプトの実行:
:<syntaxhighlight lang=tcsh>
node <ファイル名>
</syntaxhighlight>
; 対話モードの開始:
:<syntaxhighlight lang=tcsh>
node
</syntaxhighlight>
: スクリプトの一部を対話的に実行可能。
=== Express.jsの基本 ===
;Express.jsのインストール:
:<syntaxhighlight lang=tcsh>
npm install express
</syntaxhighlight>
; 基本的なExpress.jsアプリケーション:
:<syntaxhighlight lang=js>
const express = require('express');
const app = express();
app.get('/', (req, res) => {
res.send('Hello, Express!');
});
const port = 3000;
app.listen(port, () => {
console.log(`Server is running on http://localhost:${port}`);
});
</syntaxhighlight>
=== モジュールの作成と使用 ===
; モジュールの作成:
:<syntaxhighlight lang=js>
// math.js
exports.add = (a, b) => a + b;
</syntaxhighlight>
; モジュールの使用:
:<syntaxhighlight lang=js>
// index.js
const math = require('./math.js');
console.log(math.add(5, 3)); // 出力: 8
</syntaxhighlight>
=== 非同期処理 ===
; コールバック関数:
:<syntaxhighlight lang=js>
fs.readFile('file.txt', 'utf8', (err, data) => {
if (err) throw err;
console.log(data);
});
</syntaxhighlight>
; Promise:
:<syntaxhighlight lang=js>
const readFileAsync = (file) => {
return new Promise((resolve, reject) => {
fs.readFile(file, 'utf8', (err, data) => {
if (err) reject(err);
resolve(data);
});
});
};
readFileAsync('file.txt')
.then(data => console.log(data))
.catch(err => console.error(err));
</syntaxhighlight>
; async/await:
:<syntaxhighlight lang=js>
const readFileAsync = async (file) => {
try {
const data = await fs.promises.readFile(file, 'utf8');
console.log(data);
} catch (err) {
console.error(err);
}
};
readFileAsync('file.txt');
</syntaxhighlight>
これは基本的なNode.js操作の要約版であり、詳細な情報や機能に関しては公式ドキュメントを参照してください。
== 用語集 ==
;Node.js: JavaScriptランタイム環境で、サーバーサイドのアプリケーション開発に特化したプラットフォーム。
;npm (Node Package Manager): Node.jsのパッケージ管理ツールで、外部ライブラリやツールのインストール、依存関係の管理を行う。
;Express.js: Node.js用の軽量かつ柔軟なウェブアプリケーションフレームワーク。
;Callback関数: 非同期処理において、処理の完了後に呼び出される関数。
;Promise: 非同期処理をより直感的かつ効果的に扱うためのオブジェクト。
;async/await: 非同期処理を同期的に書くための構文。Promiseをより扱いやすくする。
;WebSocket: リアルタイムな双方向通信を可能にする通信プロトコル。
;Expressミドルウェア: Express.jsアプリケーションでリクエストとレスポンスの間に挟む処理。
;RESTful API: Representational State Transfer(REST)の原則に基づいたAPIデザイン。
;WebAssembly (Wasm): ブラウザ以外の環境でも実行できるバイナリ形式の仮想マシン。
;ECMAScriptモジュール (ESM): JavaScriptのモジュールシステムの新しい標準仕様。
;Deno: Ryan Dahlによって作られた新しいランタイムで、Node.jsの進化版とも言えるもの。
;Fastify: 高速で軽量なNode.js用ウェブフレームワーク。
;CORS (Cross-Origin Resource Sharing): ウェブアプリケーションにおいて、異なるオリジン間でのリソース共有を制御する仕組み。
;CI/CD (Continuous Integration/Continuous Deployment): 継続的なビルド、テスト、デプロイを自動化するプロセス。
;ORM (Object-Relational Mapping): データベースとのやり取りをオブジェクト指向の形で行う仕組み。
;JWT (JSON Web Token): ウェブトークンの一種で、ユーザー認証や情報の安全な伝送に利用される。
;GraphQL: クライアントが必要なデータのみを要求できるようにするためのデータクエリ言語。
;Serverless: サーバーレスアーキテクチャの一部で、サーバーの管理をクラウドプロバイダに委任する開発手法。
;Microservices (マイクロサービス): アプリケーションを小さな独立したサービスに分割し、それらを組み合わせて機能させるアーキテクチャスタイル。
== 関連項目 ==
*[[Node.js/package.json]]
*[[Node.js/ツール]]
*[[Node.js/パッケージマネージャ]]
== 脚註 ==
<references />
[[Category:JavaScript|のとしえいえす]]
8nvxznddhl71qx4m9wybh3bot32igs9
Fortran/Fortran 2003
0
39121
301391
244735
2026-07-09T08:31:13Z
AkiR27User
90873
AkiR27User がページ「[[Fortran 2003]]」を「[[Fortran/Fortran 2003]]」に移動しました: ページ体系の変更/明確化
244735
wikitext
text/x-wiki
'''Fortran 2003''' はFortranの標準です。この本は現代のFortranに焦点を当て、Fortran 77やそれ以前の標準の古い機能には触れません。
== Hello World ==
以下はFortranでのHello Worldプログラムです。
:<syntaxhighlight lang=fortran>
program hello
implicit none
write (*,*) "Hello, world."
end program hello
</syntaxhighlight>
"implicit none" 文は、すべての変数を宣言するようにプログラマーに強制し、良いスタイルと考えられています。Fortranには整数、文字、実数、複素数、論理型のデータ型があります。以下のプログラムはそれらの使用法を示しています。
:<syntaxhighlight lang=fortran>
program data_types
implicit none
integer :: i
real :: x
logical :: tf
complex :: z
i = 3
x = 3.0
z = (3.0,3.0)
tf = .true.
write (*,*) "i =",i," x =",x," z =",z," tf = ",tf
end program data_types
</syntaxhighlight>
;出力:<syntaxhighlight lang=text>
i = 3 x = 3. z = (3.,3.) tf = T
</syntaxhighlight>
== 算術演算子 ==
Fortranには、加算(+), 減算(-), 除算(/), 乗算(*), および冪乗(**)の算術演算子があります。次のプログラムの出力は次のとおりです。
:<syntaxhighlight lang=fortran>
program xx
implicit none
write (*,*) 2+3,2-3,2/3,4*3,2**3
end program xx
</syntaxhighlight>
;出力:<syntaxhighlight lang=text>
5 -1 0 12 8
</syntaxhighlight>
== 配列 ==
Fortran 90以降のバージョンでは、配列の強力な機能があります。次のプログラムは配列のいくつかの機能を示しています。デフォルトでは、配列要素は[[C言語|C]]や[[C++]]のように0ではなく1から番号付けされます。
:<syntaxhighlight lang=fortran>
program xarray
! 配列コンストラクターと組み込み関数をデモする
implicit none
integer, parameter :: n = 3
integer :: vec(n)
vec = (/9,4,1/) ! vec(1)を9、vec(2)を4、vec(3)を1に設定する
write (*,*) "vec = ",vec ! vecの各要素を出力する
write (*,*) "vec(1) = ",vec(1),", vec(3) =",vec(3) ! 1番目と3番目の要素を出力する
write (*,*) "size(vec), sum(vec), product(vec) = ", &
size(vec), sum(vec), product(vec)
write (*,*) "minval(vec), maxval(vec) = ",minval(vec),maxval(vec)
vec = vec + 2 ! vecの各要素に2を加える
write (*,*) "vec = ",vec ! vecの各要素を出力する
vec = vec**2 ! vecの各要素を2乗する
write (*,*) "vec = ",vec ! vecの各要素を出力する
end program xarray
</syntaxhighlight>
;出力:<syntaxhighlight lang=text>
vec = 9 4 1
vec(1) = 9 , vec(3) = 1
size(vec), sum(vec), product(vec) = 3 14 36
minval(vec), maxval(vec) = 1 9
vec = 11 6 3
vec = 121 36 9
</syntaxhighlight>
== ループ ==
Fortranでは、反復のためにdoループを使用します。たとえば、次のプログラムは次の出力を生成します。
:<syntaxhighlight lang=fortran>
program xloop
implicit none
integer :: i
do i=1,3
write (*,*) i,i**2
end do
write (*,*) "i=",i
do i=1,4,2
write (*,*) i
end do
write (*,*) "i=",i
end program xloop
</syntaxhighlight>
;出力:<syntaxhighlight lang=text>
1 1
2 4
3 9
i= 4
1
3
i= 5
</syntaxhighlight>
最初のループでは、変数iは1から3までの値を取り、ステップサイズは1です。2番目のループではステップサイズが2です。ループを完了した後、iの値はループを終了する前の最後の値にステップサイズを加えたものです。
=== 比較演算子 ===
Fortranには、<、<=、/=、==、>=、>などの比較演算子があります。/= は「等しくない」を意味し、他の演算子は通常の意味を持ちます。次のプログラムは次の出力を生成します。
:<syntaxhighlight lang=fortran>
program xcompare
implicit none
write (*,*) 1<0,1<=0,1==0,1/=0,1>=0,1>0
end program xcompare
</syntaxhighlight>
;出力:<syntaxhighlight lang=text>
F F F T T T
</syntaxhighlight>
=== do ===
カウンター変数のないDOループを持つことができます。この場合、EXIT文がループを抜けるために必要になります。以下のプログラムで示されているように。
:<syntaxhighlight lang=fortran>
program xfibonacci
! max_fibまでのフィボナッチ数を出力する
implicit none
integer, parameter :: max_fib = 10
integer :: i,fib,fib1,fib2
i = 0
fib = 0
fib1 = 0
fib2 = 0
write (*,*) "Fibonacci numbers <= ",max_fib
do
if (fib > max_fib) exit
write (*,*) fib
i = i + 1
if (i > 1) then
fib = fib1 + fib2
else
fib = 1
end if
fib2 = fib1
fib1 = fib
end do
end program xfibonacci
</syntaxhighlight>
max_fibをパラメーターとして宣言すると、その値はプログラムの残りの部分で変更できなくなります。
=== ネストされたループ ===
ループをネストすることができます。次のプログラムで示されているように。
:<syntaxhighlight lang=fortran>
program xnest
implicit none
integer :: i,j
do i=1,3
do j=1,2
write (*,*) "i,j=",i,j
end do
end do
end program xnest
</syntaxhighlight>
;出力:<syntaxhighlight lang=text>
i,j= 1 1
i,j= 1 2
i,j= 2 1
i,j= 2 2
i,j= 3 1
i,j= 3 2
</syntaxhighlight>
== 関数と戻り値 ==
関数は、0個以上の引数に依存して値を返すために使用できます。以下のコードは、華氏度から摂氏度への変換を行う関数を示しています。
:<syntaxhighlight lang=fortran>
module convert_mod
implicit none
contains
function cels_from_fahr(degrees_fahr) result(degrees_cels)
real, intent(in) :: degrees_fahr
real :: degrees_cels
degrees_cels = (degrees_fahr-32)/1.8
end function cels_from_fahr
end module convert_mod
program xtemperature
use convert_mod, only: cels_from_fahr
real :: deg
integer :: i
write (*,"(2a10)") "degrees_F","degrees_C"
do i=12,100,20
deg = real(i)
write (*,"(2f10.1)") deg,cels_from_fahr(deg)
end do
end program xtemperature
</syntaxhighlight>
;出力:<syntaxhighlight lang=text>
degrees_F degrees_C
12.0 -11.1
32.0 0.0
52.0 11.1
72.0 22.2
92.0 33.3
</syntaxhighlight>
== サブルーチン ==
サブルーチンは式で使用することはできず、call文で呼び出されます。以下のプログラムで示されているように、同じ出力を生成します。
:<syntaxhighlight lang=fortran>
module convert_mod
implicit none
contains
subroutine cels_from_fahr(degrees_fahr,degrees_cels)
real, intent(in) :: degrees_fahr
real, intent(out) :: degrees_cels
degrees_cels = (degrees_fahr-32)/1.8
end subroutine cels_from_fahr
end module convert_mod
program xtemperature
use convert_mod, only: cels_from_fahr
real :: deg_f,deg_c
integer :: i
write (*,"(2a10)") "degrees_F","degrees_C"
do i=12,100,20
deg_f = real(i)
call cels_from_fahr(deg_f,deg_c)
write (*,"(2f10.1)") deg_f,deg_c
end do
end program xtemperature
</syntaxhighlight>
[[カテゴリ:Fortran|2003]]
p0obedsej9f239y9pzmb4u8ggbheb17
LLVM
0
39960
301324
268965
2026-07-08T12:12:08Z
AkiR27User
90873
/* 下位階層のページ */ テンプレート削除、直接リンク追加。詳細は[[Wikibooks:談話室#孤立しているページについて]]まで
301324
wikitext
text/x-wiki
= LLVMハンドブック =
== はじめに ==
=== LLVMとは ===
LLVMは、コンパイラを開発するためのモジュール化されたフレームワークであり、再利用可能なコンパイラおよびツールチェーンコンポーネントのセットです。LLVMは、最適化、コード生成、リンカなど、コンパイルプロセスの多くの段階で使用されます。
=== LLVMの歴史と開発コミュニティ ===
LLVMは2000年代初頭にクリス・ラットナーによって設立されました。その後、Apple、Google、Facebookなどの主要企業がLLVMを採用し、開発を支援しています。LLVMプロジェクトはオープンソースであり、世界中の開発者が貢献しています。
かつてBSD系UNIX(FreeBSDやNetBSDなど)では、GCCやbinutilsがコンパイラツールチェインとして使用されていましたが、2000年代に相次いでLLVM/Clangに移行しました。
=== LLVMプロジェクトの全体構成 ===
LLVMプロジェクトは、以下の多くのサブプロジェクトで構成されています。
* [[#LLVMコアライブラリ|LLVMコアライブラリ]]
* [[#Clangと周辺ツール|Clangと周辺ツール]]
* [[#compiler-rt|compiler-rt]]
* [[#Polly|Polly]]
* [[#libFuzzer|libFuzzer]]
* [[#LLDB|LLDB]]
* [[#LLD (Linker)|LLD (Linker)]]
* [[#libc++|libc++]]
* [[#OpenMP|OpenMP]]
* [[#libclc|libclc]]
* [[#libunwind|libunwind]]
* [[#MLIR|MLIR]]
* [[#BOLT|BOLT]]
* [[#Flang|Flang]]
* [[#WebAssemblyサポート|WebAssemblyサポート]]
* [[#LLVM libc|LLVM libc]]
各サブプロジェクトについては、後続の章で概要を説明し、詳細は専用のハンドブックを参照してください。
== LLVMメインプロジェクト ==
=== LLVMコアライブラリ ===
LLVMコアライブラリは、コンパイラのフロントエンドからバックエンドまで、すべての段階で使用される基本的なライブラリです。
=== インストールとビルド ===
LLVMのインストールとビルドは、以下のコマンドで行います。
:<syntaxhighlight lang=bash>
git clone --depth=1 -b llvmorg-18.1.6 https://github.com/llvm/llvm-project.git
cd llvm-project/
cmake -S . -B build/ -DLLVM_ENABLE_PROJECTS="llvm" -DCMAKE_BUILD_TYPE=Release llvm
cmake --build build/
</syntaxhighlight>
=== 基本的な使い方 ===
LLVMは、様々なツール(<code>clang</code>、<code>opt</code>、<code>llc</code>など)を提供しています。例えば、C言語のソースコードをコンパイルしてLLVM IRに変換するには、以下のようにします。
:<syntaxhighlight lang=bash>
clang -S -emit-llvm hello.c -o hello.ll
</syntaxhighlight>
=== 中間表現(IR) ===
LLVM IRは、LLVMコンパイラフレームワークの中心であり、フロントエンドとバックエンドの間でコードを表現するための形式です。
=== 最適化パス ===
LLVMは、多くの最適化パスを提供しており、これを使用してコードを最適化できます。最適化パスの例として、デッドコード除去やループ最適化があります。
=== 進んだ使い方とカスタマイズ ===
LLVMは、高度にカスタマイズ可能であり、独自の最適化パスやコード生成器を追加することができます。
{{Main|LLVM/LLVMコア}}
== Clangと周辺ツール ==
=== Clangの概要 ===
Clangは、C、C++、Objective-C、Objective-C++用のLLVMベースのフロントエンドです。高速でモジュール化されており、他のツールやIDEと容易に統合できます。
=== インストールとビルド ===
Clangのインストールとビルドは、LLVMのビルドと一緒に行われます。
:<syntaxhighlight lang=bash>
cd llvm-project/
cmake -S . -B build/ -DLLVM_ENABLE_PROJECTS="clang;clang-tools-extra" llvm
cmake --build build/
</syntaxhighlight>
=== 基本的な使い方 ===
Clangを使用してC++プログラムをコンパイルするには、以下のようにします。
:<syntaxhighlight lang=bash>
clang++ hello.cpp -o hello
</syntaxhighlight>
=== コンパイルオプションとフラグ ===
Clangは、多くのコンパイルオプションを提供しており、最適化レベルの指定や警告の制御が可能です。
:<syntaxhighlight lang=bash>
clang++ -march=native -Oz -Weverything -std=c++23 -use-ld=lld hello.cpp -o hello
</syntaxhighlight>
=== 静的解析ツール ===
Clangには、静的解析ツールが組み込まれており、コードの品質を向上させるために使用できます。
=== 進んだ使い方とカスタマイズ ===
Clangは、プラグインを通じて機能を拡張することができます。また、AST(抽象構文木)を直接操作することも可能です。
{{Main|LLVM/Clang}}
== compiler-rt ==
=== compiler-rtの概要 ===
compiler-rtは、LLVMとClangに依存するランタイムライブラリ群です。主にサニタイザやプロファイリングツールとして使用されます。
=== インストールとビルド ===
compiler-rtのインストールとビルドは、LLVMとClangのビルドと一緒に行われます。
:<syntaxhighlight lang=bash>
cd llvm-project/
cmake -S . -B build/ -DLLVM_ENABLE_PROJECTS="clang;compiler-rt" llvm
cmake --build build/
</syntaxhighlight>
=== サニタイザ(AddressSanitizer, ThreadSanitizer, UndefinedBehaviorSanitizerなど) ===
compiler-rtには、様々なサニタイザが含まれており、メモリエラーやデータ競合などを検出することができます。
:<syntaxhighlight lang=bash>
clang -fsanitize=address example.c -o example
./example
</syntaxhighlight>
=== プロファイリングツール ===
compiler-rtには、プロファイリングツールも含まれており、パフォーマンスのボトルネックを特定するのに役立ちます。
=== 進んだ使い方とカスタマイズ ===
compiler-rtの機能をカスタマイズすることで、特定のニーズに応じたエラー検出やプロファイリングが可能です。
{{Main|LLVM/compiler-rt}}
== Polly ==
=== Pollyの概要 ===
Pollyは、LLVMのループ最適化ツールです。ループの並列化やタイル化を行うことで、プログラムの実行速度を向上させます。
=== インストールとビルド ===
Pollyのインストールとビルドは、LLVMのビルドと一緒に行われます。
:<syntaxhighlight lang=bash>
cd llvm-project/
cmake -S . -B build/ -DLLVM_ENABLE_PROJECTS="clang;polly" llvm
cmake --build build/
</syntaxhighlight>
=== 基本的な使い方 ===
Pollyを使用してコードを最適化するには、<code>clang</code>の<code>-mllvm</code>および<code>-polly</code>オプションを使用します。
:<syntaxhighlight lang=bash>
clang -O3 -mllvm -polly example.c -o example
</syntaxhighlight>
=== ループ最適化 ===
Pollyは、ループの依存関係を解析し、並列化やタイル化を行います。これにより、プログラムの実行速度を大幅に向上させることができます。
=== 進んだ使い方とカスタマイズ ===
Pollyの機能をカスタマイズすることで、特定のループ最適化手法を適用することが可能です。
{{Main|LLVM/Polly}}
== libFuzzer ==
=== libFuzzerの概要 ===
libFuzzerは、LLVMプロジェクトの一部であり、ライブラリ内のバグを検出するためのファジングツールです。入力をランダムに生成し、テスト対象の関数に与えて異常動作を引き起こすことで、バグを発見します。
=== インストールとビルド ===
libFuzzerのインストールとビルドは、LLVMのビルドと一緒に行われます。
:<syntaxhighlight lang=bash>
cd llvm-project/
cmake -S . -B build/ -DLLVM_ENABLE_PROJECTS="clang;compiler-rt" llvm
cmake --build build/
</syntaxhighlight>
=== 基本的な使い方 ===
libFuzzerを使用するには、ファジング対象の関数を定義し、libFuzzerのAPIを使用してファズテストを実行します。
:<syntaxhighlight lang=c++>
#include <stdint.h>
#include <stddef.h>
extern "C" int LLVMFuzzerTestOneInput(const uint8_t *Data, size_t Size) {
// ファジング対象のコード
return 0;
}
</syntaxhighlight>
コンパイルと実行は以下の通りです。
:<syntaxhighlight lang=bash>
clang++ -fsanitize=fuzzer example.cpp -o example
./example
</syntaxhighlight>
=== 進んだ使い方とカスタマイズ ===
libFuzzerは、カスタムの入力生成器やターゲット関数のインストルメンテーションをサポートしており、特定のニーズに合わせてカスタマイズ可能です。
{{Main|LLVM/libFuzzer}}
== LLDB ==
=== LLDBの概要 ===
LLDBは、LLVMプロジェクトのデバッガであり、高速でモジュール化されたデバッグツールです。C、C++、Objective-Cなどの言語をサポートしています。
=== インストールとビルド ===
LLDBのインストールとビルドは、LLVMのビルドと一緒に行われます。
:<syntaxhighlight lang=bash>
cd llvm-project/
cmake -S . -B build/ -DLLVM_ENABLE_PROJECTS="clang;lldb" llvm
cmake --build build/
</syntaxhighlight>
=== 基本的な使い方 ===
LLDBを使用してプログラムをデバッグするには、以下のコマンドを使用します。
:<syntaxhighlight lang=bash>
lldb ./example
(lldb) target create "./example"
(lldb) run
</syntaxhighlight>
=== デバッグテクニック ===
LLDBは、ブレークポイント設定、ステップ実行、変数の検査など、多くのデバッグ機能を提供します。
:<syntaxhighlight lang=bash>
(lldb) breakpoint set --name main
(lldb) step
(lldb) print variable_name
</syntaxhighlight>
=== 進んだ使い方とカスタマイズ ===
LLDBはスクリプトを使用してカスタマイズ可能であり、Pythonスクリプティングをサポートしています。
{{Main|LLVM/LLDB}}
== LLD (Linker) ==
=== LLDの概要 ===
LLDは、LLVMプロジェクトのリンカであり、高速かつ柔軟性に富んだリンキングツールです。ELF、COFF、Mach-Oなど、様々なフォーマットをサポートしています。
=== インストールとビルド ===
LLDのインストールとビルドは、LLVMのビルドと一緒に行われます。
:<syntaxhighlight lang=bash>
cd llvm-project/
cmake -S . -B build/ -DLLVM_ENABLE_PROJECTS="clang;lld" llvm
cmake --build build/
</syntaxhighlight>
=== 基本的な使い方 ===
LLDを使用してプログラムをリンキングするには、以下のコマンドを使用します。
:<syntaxhighlight lang=bash>
clang++ -fuse-ld=lld example.o -o example
</syntaxhighlight>
=== 進んだ使い方とカスタマイズ ===
LLDは、多くのリンキングオプションを提供しており、特定のリンキングシナリオに応じてカスタマイズ可能です。
{{Main|LLVM/LLD}}
== libc++ ==
=== libc++の概要 ===
libc++は、LLVMプロジェクトの一部である標準C++ライブラリです。最新のC++標準に準拠しており、高いパフォーマンスと互換性を提供します。
=== インストールとビルド ===
libc++のインストールとビルドは、LLVMのビルドと一緒に行われます。
:<syntaxhighlight lang=bash>
cd llvm-project/
cmake -S . -B build/ -DLLVM_ENABLE_PROJECTS="libcxx;libcxxabi" llvm
cmake --build build/
</syntaxhighlight>
=== 基本的な使い方 ===
libc++を使用するには、コンパイル時に指定します。
:<syntaxhighlight lang=bash>
clang++ -stdlib=libc++ example.cpp -o example
</syntaxhighlight>
=== 進んだ使い方とカスタマイズ ===
libc++は、高度にカスタマイズ可能であり、独自のアロケータやスレッド管理機能を実装することができます。
{{Main|LLVM/libc++}}
== OpenMP ==
=== OpenMPの概要 ===
OpenMPは、マルチプラットフォームの並列プログラミングAPIであり、C、C++、Fortranで使用されます。LLVMは、OpenMPのコンパイラサポートを提供しています。
=== インストールとビルド ===
OpenMPのインストールとビルドは、LLVMのビルドと一緒に行われます。
:<syntaxhighlight lang=bash>
cd llvm-project/
cmake -S . -B build/ -DLLVM_ENABLE_PROJECTS="clang;openmp" llvm
cmake --build build/
</syntaxhighlight>
=== 基本的な使い方 ===
OpenMPを使用して並列プログラムを作成するには、以下のディレクティブを使用します。
:<syntaxhighlight lang=c++>
#include <omp.h>
auto main() -> int {
#pragma omp parallel
{
// 並列化されたコード
}
return 0;
}
</syntaxhighlight>
コンパイルは以下の通りです。
:<syntaxhighlight lang=bash>
clang++ -fopenmp example.cpp -o example
</syntaxhighlight>
=== 進んだ使い方とカスタマイズ ===
OpenMPの高度な機能には、タスク並列性、データ指向の並列性、およびネストされた並列性が含まれます。
{{Main|LLVM/OpenMP}}
== libclc ==
=== libclcの概要 ===
libclcは、オープンソースのOpenCL実装であり、LLVMバックエンドを使用してOpenCLカーネルをコンパイルします。
=== インストールとビルド ===
libclcのインストールとビルドは、以下の手順で行います。
:<syntaxhighlight lang=bash>
git clone --depth=1 -b llvmorg-18.1.6 https://github.com/llvm/llvm-project.git
cd llvm-project/
cmake -S . -B build/ -DLLVM_ENABLE_PROJECTS="libclc" llvm
cmake --build build/
</syntaxhighlight>
=== 基本的な使い方 ===
libclcを使用してOpenCLカーネルをコンパイルするには、Clangを使用します。
:<syntaxhighlight lang=bash>
clang -x cl -cl-std=CL1.2 example.cl -o example.bc
</syntaxhighlight>
=== 進んだ使い方とカスタマイズ ===
libclcは、特定のデバイス向けのカスタムビルトイン関数を追加するなど、カスタマイズが可能です。
{{Main|LLVM/libclc}}
== libunwind ==
=== libunwindの概要 ===
libunwindは、スタックトレースを取得し、例外処理のためにコールスタックを巻き戻すためのライブラリです。
=== インストールとビルド ===
libunwindのインストールとビルドは、LLVMのビルドと一緒に行われます。
:<syntaxhighlight lang=bash>
cd llvm-project/
cmake -S . -B build/ -DLLVM_ENABLE_PROJECTS="libunwind" llvm
cmake --build build/
</syntaxhighlight>
=== 基本的な使い方 ===
libunwindを使用してスタックトレースを取得するには、以下のコードを使用します。
:<syntaxhighlight lang=c++>
#include <libunwind.h>
auto printStackTrace() -> void {
unw_cursor_t cursor;
unw_context_t context;
unw_getcontext(&context);
unw_init_local(&cursor, &context);
while (unw_step(&cursor) > 0) {
unw_word_t offset, pc;
unw_get_reg(&cursor, UNW_REG_IP, &pc);
printf("0x%lx\n", pc);
}
}
</syntaxhighlight>
=== 進んだ使い方とカスタマイズ ===
libunwindは、特定のプラットフォームやアーキテクチャに応じてカスタマイズが可能です。
{{Main|LLVM/libunwind}}
== MLIR ==
=== MLIRの概要 ===
MLIR(Multi-Level Intermediate Representation)は、LLVMプロジェクトの一部であり、ドメイン固有の中間表現を構築するためのフレームワークです。
=== インストールとビルド ===
MLIRのインストールとビルドは、LLVMのビルドと一緒に行われます。
:<syntaxhighlight lang=bash>
cd llvm-project/
cmake -S . -B build/ -DLLVM_ENABLE_PROJECTS="mlir" llvm
cmake --build build/
</syntaxhighlight>
=== 基本的な使い方 ===
MLIRを使用して中間表現を操作するには、以下のコードを使用します。
:<syntaxhighlight lang=c++>
#include "mlir/IR/MLIRContext.h"
#include "mlir/IR/Module.h"
auto main() -> int {
mlir::MLIRContext context;
auto module = mlir::ModuleOp::create(mlir::UnknownLoc::get(&context));
module.dump();
return 0;
}
</syntaxhighlight>
=== 進んだ使い方とカスタマイズ ===
MLIRは、カスタムのディアレクトやオペレーションを定義することで、特定のドメインに適した中間表現を構築することが可能です。
{{Main|LLVM/MLIR}}
== BOLT ==
=== BOLTの概要 ===
BOLT(Binary Optimization and Layout Tool)は、バイナリの最適化ツールであり、実行時プロファイリングデータを使用してバイナリのパフォーマンスを向上させます。
=== インストールとビルド ===
BOLTのインストールとビルドは、以下の手順で行います。
:<syntaxhighlight lang=bash>
git clone --depth=1 -b llvmorg-18.1.6 https://github.com/facebookincubator/BOLT.git
cd BOLT
cmake -S . -B build/ .. llvm
cmake --build build/
</syntaxhighlight>
=== 基本的な使い方 ===
BOLTを使用してバイナリを最適化するには、以下のコマンドを使用します。
:<syntaxhighlight lang=bash>
perf record -e cycles:u ./example
llvm-bolt ./example -o example.bolt --data=perf.data
</syntaxhighlight>
=== 進んだ使い方とカスタマイズ ===
BOLTは、詳細なプロファイリングデータを収集し、特定のコードパスを最適化することで、さらにパフォーマンスを向上させることができます。
{{Main|LLVM/BOLT}}
== Flang ==
=== Flangの概要 ===
Flangは、LLVMプロジェクトのFortranコンパイラフロントエンドです。FortranコードをLLVM IRに変換し、最適化およびコード生成を行います。
=== インストールとビルド ===
Flangのインストールとビルドは、LLVMのビルドと一緒に行われます。
:<syntaxhighlight lang=bash>
cd llvm-project/
cmake -S . -B build/ -DLLVM_ENABLE_PROJECTS="flang" llvm
cmake --build build/
</syntaxhighlight>
=== 基本的な使い方 ===
Flangを使用してFortranプログラムをコンパイルするには、以下のコマンドを使用します。
:<syntaxhighlight lang=bash>
flang hello.f90 -o hello
</syntaxhighlight>
=== 進んだ使い方とカスタマイズ ===
Flangは、特定の最適化パスやランタイムライブラリのカスタマイズをサポートしています。
{{Main|LLVM/Flang}}
== WebAssemblyサポート ==
=== WebAssemblyの概要 ===
WebAssembly(Wasm)は、バイナリ命令フォーマットであり、LLVMはWebAssembly向けのバックエンドを提供しています。
=== インストールとビルド ===
WebAssemblyのインストールとビルドは、LLVMのビルドと一緒に行われます。
:<syntaxhighlight lang=bash>
cd llvm-project/
cmake -S . -B build/ -DLLVM_ENABLE_PROJECTS="clang;lld" -DLLVM_TARGETS_TO_BUILD="WebAssembly" llvm
cmake --build build/
</syntaxhighlight>
=== 基本的な使い方 ===
WebAssembly向けにコードをコンパイルするには、以下のコマンドを使用します。
:<syntaxhighlight lang=bash>
clang --target=wasm32-unknown-unknown-wasm -O3 -o hello.wasm hello.c
</syntaxhighlight>
=== 進んだ使い方とカスタマイズ ===
WebAssemblyのバックエンドは、カスタムセクションや特定の最適化オプションをサポートしています。
{{Main|LLVM/WebAssemblyサポート}}
== LLVM libc ==
=== LLVM libcの概要 ===
LLVM libcは、LLVMプロジェクトによって提供される標準Cライブラリです。高い移植性とパフォーマンスを目指しています。
=== インストールとビルド ===
LLVM libcのインストールとビルドは、以下の手順で行います。
:<syntaxhighlight lang=bash>
cd llvm-project/
cmake -S . -B build/ -DLLVM_ENABLE_PROJECTS="libc" llvm
cmake --build build/
</syntaxhighlight>
=== 基本的な使い方 ===
LLVM libcを使用するには、コンパイル時に指定します。
:<syntaxhighlight lang=bash>
clang --rtlib=libc hello.c -o hello
</syntaxhighlight>
=== 進んだ使い方とカスタマイズ ===
LLVM libcは、高度にカスタマイズ可能であり、独自の機能や最適化を追加することができます。
{{Main|LLVM/LLVM libc}}
== 附録 ==
=== コマンド一覧 ===
以下は、LLVM関連のユーティリティを「名称」と「解説」の順で表組みしたものです。
:{| class="wikitable"
! 名称 || 解説
|-
! [[/FileCheck|FileCheck]]
| テストファイル内のチェックを行うツール。
|-
! [[/amdgpu-arch|amdgpu-arch]]
| AMD GPUのアーキテクチャを識別するツール。
|-
! [[/analyze-build|analyze-build]]
| ビルドログを解析するツール。
|-
! [[/bugpoint|bugpoint]]
| LLVMのバグを特定するためのツール。
|-
! [[/c-index-test|c-index-test]]
| Clangのインデックス機能をテストするツール。
|-
! [[/diagtool|diagtool]]
| 診断ツールのユーティリティ。
|-
! [[/dsymutil|dsymutil]]
| DWARFデバッグシンボルを操作するツール。
|-
! [[/find-all-symbols|find-all-symbols]]
| ソースコード内のシンボルを検索するツール。
|-
! [[/git-clang-format|git-clang-format]]
| Gitのコミットにclang-formatを適用するツール。
|-
! [[/hmaptool|hmaptool]]
| ヘッダーマップを操作するツール。
|-
! [[/intercept-build|intercept-build]]
| ビルドプロセスをインターセプトするツール。
|-
! [[/lit|lit]]
| LLVMのテストランナー。
|-
! [[/llc|llc]]
| LLVM IRを機械語にコンパイルするツール。
|-
! [[/lld|lld]]
| LLVMのリンカ。
|-
! [[/lldb|lldb]]
| LLVMのデバッガ。
|-
! [[/lldb-argdumper|lldb-argdumper]]
| LLDBの引数をダンプするツール。
|-
! [[/lldb-dap|lldb-dap]]
| LLDBのDebug Adapter Protocol実装。
|-
! [[/lldb-instr|lldb-instr]]
| LLDBのインストルメンテーションツール。
|-
! [[/lldb-server|lldb-server]]
| LLDBのリモートデバッグサーバー。
|-
! [[/lli|lli]]
| LLVM IRをインタプリタ実行するツール。
|-
! [[/llvm-ar|llvm-ar]]
| LLVMのアーカイブツール。
|-
! [[/llvm-as|llvm-as]]
| LLVMアセンブリをバイナリ形式に変換するツール。
|-
! [[/llvm-bcanalyzer|llvm-bcanalyzer]]
| LLVMビットコードを解析するツール。
|-
! [[/llvm-c-test|llvm-c-test]]
| LLVM C APIをテストするツール。
|-
! [[/llvm-cat|llvm-cat]]
| LLVMビットコードファイルを連結するツール。
|-
! [[/llvm-cfi-verify|llvm-cfi-verify]]
| CFI(Control Flow Integrity)を検証するツール。
|-
! [[/llvm-config|llvm-config]]
| LLVMの設定情報を表示するツール。
|-
! [[/llvm-cov|llvm-cov]]
| コードカバレッジ情報を表示するツール。
|-
! [[/llvm-cvtres|llvm-cvtres]]
| Windowsリソースファイルを変換するツール。
|-
! [[/llvm-cxxdump|llvm-cxxdump]]
| C++オブジェクトファイルの情報をダンプするツール。
|-
! [[/llvm-cxxfilt|llvm-cxxfilt]]
| C++のマングルされたシンボルをデマングルするツール。
|-
! [[/llvm-cxxmap|llvm-cxxmap]]
| C++のシンボルマッピングを生成するツール。
|-
! [[/llvm-debuginfo-analyzer|llvm-debuginfo-analyzer]]
| デバッグ情報を解析するツール。
|-
! [[/llvm-debuginfod|llvm-debuginfod]]
| デバッグ情報を提供するサーバー。
|-
! [[/llvm-debuginfod-find|llvm-debuginfod-find]]
| デバッグ情報を検索するツール。
|-
! [[/llvm-diff|llvm-diff]]
| LLVM IRの差分を比較するツール。
|-
! [[/llvm-dis|llvm-dis]]
| LLVMビットコードをアセンブリに変換するツール。
|-
! [[/llvm-dwarfdump|llvm-dwarfdump]]
| DWARFデバッグ情報をダンプするツール。
|-
! [[/llvm-dwarfutil|llvm-dwarfutil]]
| DWARFデバッグ情報を操作するツール。
|-
! [[/llvm-dwp|llvm-dwp]]
| DWARFパッケージファイルを生成するツール。
|-
! [[/llvm-exegesis|llvm-exegesis]]
| マイクロベンチマークを生成するツール。
|-
! [[/llvm-extract|llvm-extract]]
| LLVM IRから関数やグローバル変数を抽出するツール。
|-
! [[/llvm-gsymutil|llvm-gsymutil]]
| GSYMシンボル情報を操作するツール。
|-
! [[/llvm-ifs|llvm-ifs]]
| インターフェーススタブを生成するツール。
|-
! [[/llvm-jitlink|llvm-jitlink]]
| JITリンクのユーティリティ。
|-
! [[/llvm-libtool-darwin|llvm-libtool-darwin]]
| Darwin用のライブラリツール。
|-
! [[/llvm-link|llvm-link]]
| LLVMビットコードファイルをリンクするツール。
|-
! [[/llvm-lipo|llvm-lipo]]
| ユニバーサルバイナリを操作するツール。
|-
! [[/llvm-lit|llvm-lit]]
| LLVMのテストランナー。
|-
! [[/llvm-lto|llvm-lto]]
| LLVMのLTO(Link Time Optimization)ツール。
|-
! [[/llvm-lto2|llvm-lto2]]
| LTOの実験的なツール。
|-
! [[/llvm-mc|llvm-mc]]
| 機械語をアセンブル/ディスアセンブルするツール。
|-
! [[/llvm-mca|llvm-mca]]
| 機械語分析ツール。
|-
! [[/llvm-ml|llvm-ml]]
| LLVM MASM Assembler
|-
! [[/llvm-modextract|llvm-modextract]]
| Module extractor
|-
! [[/llvm-mt|llvm-mt]]
| Manifest Tool
|-
! [[/llvm-nm|llvm-nm]]
| オブジェクトファイルのシンボルを表示するツール。
|-
! [[/llvm-objcopy|llvm-objcopy]]
| オブジェクトファイルをコピー/変換するツール。
|-
! [[/llvm-objdump|llvm-objdump]]
| オブジェクトファイルの情報をダンプするツール。
|-
! [[/llvm-opt-report|llvm-opt-report]]
| 最適化レポートを生成するツール。
|-
! [[/llvm-pdbutil|llvm-pdbutil]]
| PDB(Program Database)ファイルを操作するツール。
|-
! [[/llvm-profdata|llvm-profdata]]
| プロファイルデータを操作するツール。
|-
! [[/llvm-profgen|llvm-profgen]]
| プロファイルデータを生成するツール。
|-
! [[/llvm-rc|llvm-rc]]
| Windowsリソースコンパイラ。
|-
! [[/llvm-readobj|llvm-readobj]]
| オブジェクトファイルの情報を表示するツール。
|-
! [[/llvm-readtapi|llvm-readtapi]]
| TAPIファイルを読み取るツール。
|-
! [[/llvm-reduce|llvm-reduce]]
| テストケースを縮小するツール。
|-
! [[/llvm-remarkutil|llvm-remarkutil]]
| 最適化レマークを操作するツール。
|-
! [[/llvm-rtdyld|llvm-rtdyld]]
| ランタイムダイナミックリンカ。
|-
! [[/llvm-sim|llvm-sim]]
| シミュレーションツール。
|-
! [[/llvm-size|llvm-size]]
| オブジェクトファイルのサイズを表示するツール。
|-
! [[/llvm-split|llvm-split]]
| LLVM IRを分割するツール。
|-
! [[/llvm-stress|llvm-stress]]
| LLVM IRをランダムに生成するツール。
|-
! [[/llvm-strings|llvm-strings]]
| バイナリファイルから文字列を抽出するツール。
|-
! [[/llvm-symbolizer|llvm-symbolizer]]
| アドレスをシンボル情報に変換するツール。
|-
! [[/llvm-tblgen|llvm-tblgen]]
| LLVMのテーブルジェネレータ。
|-
! [[/llvm-tli-checker|llvm-tli-checker]]
| ターゲットライブラリインターフェースをチェックするツール。
|-
! [[/llvm-undname|llvm-undname]]
| マングルされたシンボルをデマングルするツール。
|-
! [[/llvm-xray|llvm-xray]]
| XRayのログを解析するツール。
|-
! [[/modularize|modularize]]
| モジュール化ツール。
|-
! [[/nvptx-arch|nvptx-arch]]
| NVIDIA PTXアーキテクチャを識別するツール。
|-
! [[/opt|opt]]
| LLVM IRを最適化するツール。
|-
! [[/pp-trace|pp-trace]]
| プリプロセッサのトレースツール。
|-
! [[/reduce-chunk-list|reduce-chunk-list]]
| チャンクリストを縮小するツール。
|-
! [[/run-clang-tidy|run-clang-tidy]]
| clang-tidyを実行するツール。
|-
! [[/sancov|sancov]]
| サニタイザーカバレッジツール。
|-
! [[/sanstats|sanstats]]
| サニタイザーの統計情報を表示するツール。
|-
! [[/scan-build|scan-build]]
| 静的解析ツール。
|-
! [[/scan-build-py|scan-build-py]]
| scan-buildのPythonラッパー。
|-
! [[/scan-view|scan-view]]
| scan-buildの結果を表示するツール。
|-
! [[/tblgen-lsp-server|tblgen-lsp-server]]
| テーブルジェネレータのLSPサーバー。
|-
! [[/tblgen-to-irdl|tblgen-to-irdl]]
| テーブルジェネレータからIRDLを生成するツール。
|-
! [[/verify-uselistorder|verify-uselistorder]]
| use-listの順序を検証するツール。
|}
この表は、LLVM関連の主要なユーティリティをまとめたものです。各ツールの詳細な使用方法やオプションについては、公式ドキュメントを参照してください。
== 下位階層のページ ==
*[[LLVM/BOLT]]
*[[LLVM/Clang]]
*[[LLVM/Flang]]
*[[LLVM/LLD]]
*[[LLVM/LLDB]]
*[[LLVM/LLVM Link Time Optimization]]
*[[LLVM/LLVM Profile-guided optimization]]
*[[LLVM/LLVM libc]]
*[[LLVM/LLVMコア]]
*[[LLVM/MLIR]]
*[[LLVM/OpenMP]]
*[[LLVM/Polly]]
*[[LLVM/WebAssemblyサポート]]
*[[LLVM/clang]]
*[[LLVM/clang++]]
*[[LLVM/clang-apply-replacements]]
*[[LLVM/clang-format]]
*[[LLVM/clang-tidy]]
*[[LLVM/compiler-rt]]
*[[LLVM/libFuzzer]]
*[[LLVM/libc++]]
*[[LLVM/libclc]]
*[[LLVM/libunwind]]
*[[LLVM/scan-build]]
*[[LLVM/コンパイラ最適化技術]]
== 外部リンク ==
{{Wikipedia}}
[[Category:コンピューター科学]]
qew8sug7ce2jr7ewle13i49k6aq4u85
Fortran/入門
0
39976
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AkiR27User
90873
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249989
wikitext
text/x-wiki
== はじめに ==
== Fortranの歴史 ==
Fortran(Formula Translation)は、1950年代にIBMのジョン・バッカスを中心としたチームによって開発されました。1957年に最初のバージョンがリリースされ、科学技術計算の分野で広く普及しました。Fortranは、数値計算と科学技術計算のために設計された最初の高級プログラミング言語であり、その効率性と計算速度の高さから、多くの研究者や技術者に愛用されてきました。
Fortranの発展は、以下の主要なバージョンに分けられます:
; Fortran I (1957年) : 初版であり、基本的な数値計算と入出力機能を提供。
; Fortran II (1958年) : サブルーチンや関数のサポートを追加。
; Fortran IV (1962年) : 言語仕様の標準化と拡張。
; Fortran 77 (1978年) : 構造化プログラミングのサポート強化。
; Fortran 90 (1991年) : モジュール、再帰、動的メモリ管理、配列演算の導入。
; Fortran 95 (1997年) : 高速計算のための新機能追加といくつかの既存機能の改良。
; Fortran 2003 (2004年) : オブジェクト指向プログラミングのサポート。
; Fortran 2008 (2010年) : 並列計算機能の強化。
; Fortran 2018 (2018年) : 最新の標準であり、さらなる並列計算機能と現代的なプログラミング手法のサポート。
これらのバージョンを通じて、Fortranは計算科学や工学、気象学、物理学、化学などの分野での主要なツールとして進化し続けています。
== なぜ今Fortranなのか ==
今日、プログラミング言語は多様化し、[[Python]]や[[Julia]]などの新しい言語が台頭しています。しかし、Fortranは依然として科学技術計算において重要な位置を占めています。なぜなら、Fortranには以下のような強みがあるからです:
; 計算効率の高さ : Fortranは数値計算の最適化が施されており、大規模な科学技術計算において非常に高いパフォーマンスを発揮します。
; 豊富なライブラリ : 長い歴史の中で、多くの実績ある数値計算ライブラリが開発されており、これを利用することで信頼性の高い計算が可能です。
; 並列計算のサポート : 最新のFortran標準では、並列計算機能が強化されており、現代の多コアプロセッサ環境に適したプログラムの記述が可能です。
また、最新のFortran 2018では、さらに使いやすく強力な機能が追加され、現代のプログラミング要件に応えることができるようになっています。特に、Coarray Fortranによる並列計算機能の強化は、ビッグデータ時代における大規模なシミュレーションや解析において大きな利点となっています。
Fortranのこれらの強みは、特に科学技術計算において他の言語では得難いメリットを提供します。本書では、このような最新のFortranの動向とその活用方法を解説し、現代のプログラミングにおけるFortranの再評価を行います。
== Fortranの基礎 ==
Fortranを学ぶための第一歩は、その基本的な文法と構造を理解することです。この章では、Fortranプログラムの基本構造から始め、主要な文法要素を詳しく解説します。
=== 基本文法 ===
==== 変数とデータ型 ====
Fortranでは、変数はデータ型と共に宣言されます。主要なデータ型には以下があります:
; 整数型 (INTEGER) : 整数値を格納するためのデータ型です。
:<syntaxhighlight lang=fortran>
INTEGER :: i, j, k
</syntaxhighlight>
; 実数型 (REAL) : 実数値を格納するためのデータ型です。
:<syntaxhighlight lang=fortran>
REAL :: x, y, z
</syntaxhighlight>
; 複素数型 (COMPLEX) : 複素数を格納するためのデータ型です。
:<syntaxhighlight lang=fortran>
COMPLEX :: z
</syntaxhighlight>
; 論理型 (LOGICAL) : 真偽値を格納するためのデータ型です。
:<syntaxhighlight lang=fortran>
LOGICAL :: flag
</syntaxhighlight>
; 文字列型 (CHARACTER) : 文字列を格納するためのデータ型です。
:<syntaxhighlight lang=fortran>
CHARACTER(len=20) :: name
</syntaxhighlight>
==== 演算子と式 ====
Fortranには、数値計算を行うための基本的な演算子があります。
; 算術演算子 : <code>+</code>, <code>-</code>, <code>*</code>, <code>/</code>, <code>**</code>(べき乗)
:<syntaxhighlight lang=fortran>
REAL :: a, b, c
a = b + c
b = a * 2.0
c = a ** 2
</syntaxhighlight>
; 比較演算子 : <code>.EQ.</code>, <code>.NE.</code>, <code>.LT.</code>, <code>.LE.</code>, <code>.GT.</code>, <code>.GE.</code>
:<syntaxhighlight lang=fortran>
LOGICAL :: result
result = (a .GT. b)
</syntaxhighlight>
; 論理演算子 : <code>.AND.</code>, <code>.OR.</code>, <code>.NOT.</code>
:<syntaxhighlight lang=fortran>
LOGICAL :: flag1, flag2, result
result = flag1 .AND. flag2
</syntaxhighlight>
==== 制御構造 ====
Fortranの制御構造は、プログラムの流れを制御するための基本的な構文を提供します。
; IF文 : 条件に基づいて異なる処理を行う。
:<syntaxhighlight lang=fortran>
IF (a > b) THEN
PRINT *, "a is greater than b"
ELSE
PRINT *, "a is not greater than b"
END IF
</syntaxhighlight>
; DO文 : 繰り返し処理を行う。
:<syntaxhighlight lang=fortran>
INTEGER :: i
DO i = 1, 10
PRINT *, "i =", i
END DO
</syntaxhighlight>
; SELECT CASE文 : 複数の条件に基づいて処理を分岐する。
:<syntaxhighlight lang=fortran>
INTEGER :: k
SELECT CASE (k)
CASE (1)
PRINT *, "k is 1"
CASE (2)
PRINT *, "k is 2"
CASE DEFAULT
PRINT *, "k is neither 1 nor 2"
END SELECT
</syntaxhighlight>
以上の基本文法を理解することで、Fortranプログラムの基礎をしっかりと身につけることができます。次に、Fortranの入出力操作について詳しく見ていきましょう。
=== 入出力 ===
Fortranでは、データの入出力操作も簡潔に記述することができます。標準入力・出力を扱う基本的な方法と、ファイル操作について解説します。
==== 基本的な入出力文 ====
; PRINT文 : 標準出力に文字列や変数の値を表示します。
:<syntaxhighlight lang=fortran>
PRINT *, "Hello, Fortran!"
PRINT *, "The value of a is", a
</syntaxhighlight>
; READ文 : 標準入力からデータを読み込みます。
:<syntaxhighlight lang=fortran>
INTEGER :: num
PRINT *, "Enter a number:"
READ *, num
PRINT *, "You entered", num
</syntaxhighlight>
==== ファイル操作 ====
Fortranでは、ファイルを扱うための一連の手続きが用意されています。
; OPEN文 : ファイルを開きます。
:<syntaxhighlight lang=fortran>
INTEGER :: unit
unit = 10
OPEN (unit=unit, file="data.txt", status="old", action="read")
</syntaxhighlight>
; CLOSE文 : ファイルを閉じます。
:<syntaxhighlight lang=fortran>
CLOSE (unit)
</syntaxhighlight>
; READ文とWRITE文 : ファイルからの読み取りとファイルへの書き込みを行います。
:<syntaxhighlight lang=fortran>
INTEGER :: num
READ (unit, *) num
WRITE (unit, *) num
</syntaxhighlight>
このようにして、Fortranの基本的な入出力操作を習得することができます。次章では、最新のFortranの機能について詳しく解説していきます。
== Fortranの最新機能 ==
最新のFortran標準では、いくつかの新しい機能が導入され、従来の機能がさらに強化されています。この章では、Fortran 2018およびそれ以降のバージョンで追加された主要な機能を紹介します。
=== Fortran 2018とその後の更新 ===
==== 新しい構文と機能 ====
Fortran 2018では、プログラミングをより効率的かつ柔軟にするための新しい構文が導入されています。
; ブロックスコープ : ブロックスコープは、変数のスコープを制御するための新しい機能です。これにより、特定のブロック内でのみ有効な変数を定義できます。
:<syntaxhighlight lang=fortran>
BLOCK
INTEGER :: temp
temp = 42
PRINT *, "temp =", temp
END BLOCK
</syntaxhighlight>
; 純粋手続き (PURE) と要素手続き (ELEMENTAL) : 純粋手続きは、副作用を持たない手続きを定義するためのキーワードです。また、要素手続きは、配列の各要素に対して手続きを適用するためのものです。
:<syntaxhighlight lang=fortran>
PURE FUNCTION add(a, b)
INTEGER, INTENT(IN) :: a, b
INTEGER :: add
add = a + b
END FUNCTION add
ELEMENTAL FUNCTION square(x)
REAL, INTENT(IN) :: x
REAL :: square
square = x * x
END FUNCTION square
</syntaxhighlight>
==== Coarray Fortranによる並列計算 ====
Coarray Fortranは、並列計算を簡潔に記述するための新しい構文です。これにより、並列プログラミングがより直感的に行えるようになります。
; コアレイの定義と使用 : コアレイは、並列計算のための配列です。各イメージ(並列プロセス)は、コアレイの異なる部分にアクセスします。
:<syntaxhighlight lang=fortran>
REAL, COARRAY :: a[*]
INTEGER :: me, num_images
me = THIS_IMAGE()
num_images = NUM_IMAGES()
! 各イメージで異なる値を設定
a = me
! すべてのイメージの値を出力
PRINT *, "Image", me, "a =", a
</syntaxhighlight>
==== インターフェースとモジュールの改善 ====
Fortran 2018では、インターフェースとモジュールの機能も強化されています。これにより、コードの再利用性と可読性が向上します。
; 抽象インターフェース : 抽象インターフェースは、複数の手続きを統一的に扱うためのものです。
:<syntaxhighlight lang=fortran>
ABSTRACT INTERFACE
SUBROUTINE compute(x)
REAL, INTENT(INOUT) :: x
END SUBROUTINE compute
END INTERFACE
MODULE calculations
INTERFACE
MODULE SUBROUTINE add_one(x)
REAL, INTENT(INOUT) :: x
END SUBROUTINE add_one
MODULE SUBROUTINE double(x)
REAL, INTENT(INOUT) :: x
END SUBROUTINE double
END INTERFACE
END MODULE calculations
</syntaxhighlight>
; モジュールの使用例 : モジュールを使うことで、コードの構造化と再利用が容易になります。
:<syntaxhighlight lang=fortran>
MODULE math_operations
CONTAINS
SUBROUTINE add_one(x)
REAL, INTENT(INOUT) :: x
x = x + 1
END SUBROUTINE add_one
SUBROUTINE double(x)
REAL, INTENT(INOUT) :: x
x = x * 2
END SUBROUTINE double
END MODULE math_operations
PROGRAM main
USE math_operations
REAL :: value
value = 3.0
CALL add_one(value)
PRINT *, "Value after add_one:", value
CALL double(value)
PRINT *, "Value after double:", value
END PROGRAM main
</syntaxhighlight>
==== 最新の標準ライブラリ ====
最新のFortran標準には、数値計算やデータ処理のための便利なライブラリが多数含まれています。以下は、その一部の紹介です。
; IEEE数値演算 : IEEE数値演算ライブラリは、浮動小数点演算に関する標準的な関数を提供します。
:<syntaxhighlight lang=fortran>
USE, INTRINSIC :: IEEE_ARITHMETIC
REAL :: x
x = 0.0
IF (IEEE_IS_NAN(x)) THEN
PRINT *, "x is NaN"
END IF
</syntaxhighlight>
; マトリックス操作 : Fortranには、行列計算を効率的に行うための関数が含まれています。
:<syntaxhighlight lang=fortran>
REAL, DIMENSION(3,3) :: A, B, C
! AとBを初期化
C = MATMUL(A, B)
PRINT *, "C =", C
</syntaxhighlight>
== 高度なFortranプログラミング ==
Fortranは、科学技術計算に特化した高度なプログラミング機能を提供しています。この章では、オブジェクト指向プログラミングや並列計算の実践について詳しく解説します。
=== オブジェクト指向プログラミング ===
Fortran 2003以降では、オブジェクト指向プログラミング (OOP) をサポートしています。これにより、コードの再利用性と保守性が向上します。
; 派生型と継承 : 派生型を使って、共通のプロパティを持つオブジェクトを定義できます。
:<syntaxhighlight lang=fortran>
MODULE shapes
TYPE :: Shape
REAL :: x, y
CONTAINS
PROCEDURE :: move
END TYPE Shape
TYPE, EXTENDS(Shape) :: Circle
REAL :: radius
CONTAINS
PROCEDURE :: area
END TYPE Circle
CONTAINS
SUBROUTINE move(this, dx, dy)
CLASS(Shape), INTENT(INOUT) :: this
REAL, INTENT(IN) :: dx, dy
this%x = this%x + dx
this%y = this%y + dy
END SUBROUTINE move
FUNCTION area(this) RESULT(a)
CLASS(Circle), INTENT(IN) :: this
REAL :: a
a = 3.14159 * this%radius**2
END FUNCTION area
END MODULE shapes
PROGRAM main
USE shapes
TYPE(Circle) :: c
c%x = 0.0
c%y = 0.0
c%radius = 5.0
CALL c%move(2.0, 3.0)
PRINT *, "Circle area:", c%area()
END PROGRAM main
</syntaxhighlight>
=== 並列計算の実践 ===
Fortranの並列計算機能を使うことで、大規模なデータを効率的に処理することができます。ここでは、Coarray FortranとMPI (Message Passing Interface) を用いた並列計算の実例を紹介します。
; Coarray Fortranの使用例
:<syntaxhighlight lang=fortran>
PROGRAM coarray_example
REAL, COARRAY :: a[*]
INTEGER :: me, num_images
me = THIS_IMAGE()
num_images = NUM_IMAGES()
! 各イメージで異なる値を設定
a = me
! すべてのイメージの値を出力
SYNC ALL
IF (me == 1) THEN
PRINT *, "Values across images:"
DO i = 1, num_images
PRINT *, "Image", i, "value =", a[i]
END DO
END IF
END PROGRAM coarray_example
</syntaxhighlight>
; MPIを用いた並列計算
:<syntaxhighlight lang=fortran>
PROGRAM mpi_example
USE mpi
INTEGER :: rank, size, ierr
CALL MPI_INIT(ierr)
CALL MPI_COMM_RANK(MPI_COMM_WORLD, rank, ierr)
CALL MPI_COMM_SIZE(MPI_COMM_WORLD, size, ierr)
PRINT *, "Hello from rank", rank, "out of", size
CALL MPI_FINALIZE(ierr)
END PROGRAM mpi_example
</syntaxhighlight>
このように、Fortranの高度な機能を活用することで、効率的かつ拡張性の高いプログラムを作成することができます。次章では、Fortranと他の言語との連携について解説します。
== Fortranと他の言語との連携 ==
Fortranは他のプログラミング言語と連携することが可能であり、これによりFortranの強力な数値計算能力を他の言語の利便性と組み合わせることができます。この章では、特にC言語とPythonとの連携方法について解説します。
== Cとのインターフェース ==
FortranとCは、異なる特性を持つ言語ですが、Fortran 2003以降ではCとの連携が標準化されています。これにより、Cの関数をFortranから呼び出したり、FortranのサブルーチンをCから利用することができます。
; Cとの連携の基本 : Fortranでは、<code>ISO_C_BINDING</code>モジュールを使用して[[C言語/|C]]と連携します。
:<syntaxhighlight lang=fortran>
MODULE c_interface
USE, INTRINSIC :: ISO_C_BINDING
INTERFACE
FUNCTION c_function(x) BIND(C, NAME="c_function")
USE, INTRINSIC :: ISO_C_BINDING
INTEGER(C_INT) :: c_function
REAL(C_FLOAT), VALUE :: x
END FUNCTION c_function
END INTERFACE
END MODULE c_interface
PROGRAM main
USE c_interface
REAL(C_FLOAT) :: x
INTEGER(C_INT) :: result
x = 2.0
result = c_function(x)
PRINT *, "Result from C function:", result
END PROGRAM main
</syntaxhighlight>
== Pythonとの連携 ==
Pythonは、その使いやすさと豊富なライブラリから、科学技術計算でも広く利用されています。Fortranの高性能計算能力とPythonの利便性を組み合わせることで、より強力なプログラムを作成できます。
; f2pyの使い方 : f2pyは、FortranコードをPythonから呼び出すためのツールです。f2pyを使うことで、Fortranの関数やサブルーチンをPythonに簡単にインポートできます。
; sample.f90
:<syntaxhighlight lang=fortran>
SUBROUTINE add(x, y, result)
REAL, INTENT(IN) :: x, y
REAL, INTENT(OUT) :: result
result = x + y
END SUBROUTINE add
</syntaxhighlight>
; コマンドライン
:<syntaxhighlight lang=bash>
$ f2py -c -m sample sample.f90
</syntaxhighlight>
; sample.py
:<syntaxhighlight lang=python>
import sample
result = sample.add(2.0, 3.0)
print("Result from Fortran:", result)
</syntaxhighlight>
このようにして、Fortranと他の言語の連携方法を理解し、実際のプロジェクトで活用することができます。次章では、Fortranの開発環境について解説します。
== Fortranの開発環境 ==
Fortranでの開発を効率的に行うためには、適切な開発環境を整えることが重要です。この章では、主要な開発ツールとIDE、デバッグと最適化の方法について紹介します。
== 開発ツールとIDE ==
Fortranの開発には、以下の主要なツールとIDEが利用できます。
; コンパイラ :
: GNU Fortran (gfortran)
: Intel Fortran Compiler (ifort)
: NVIDIA HPC SDK
: NAG Fortran Compiler
; IDE :
: Visual Studio Code (VSCode) + Fortran拡張
: Eclipse + Photranプラグイン
: JetBrains CLion
: Code::Blocks
これらのツールを使用することで、効率的なコーディング、ビルド、デバッグが可能になります。
== デバッグと最適化 ==
Fortranプログラムのデバッグと最適化は、高性能なアプリケーションを開発するために不可欠です。
; デバッグツール :
: GDB (GNU Debugger)
: Intel Debugger (IDB)
: TotalView
; 最適化テクニック :
: コンパイラ最適化オプションの使用 (<code>-O2</code>, <code>-O3</code> など)
: プロファイリングツールの活用 (gprof, Intel VTune)
: 効率的なアルゴリズムの選択
この章で紹介する開発環境の整備と最適化テクニックを活用することで、Fortranプログラムのパフォーマンスを最大限に引き出すことができます。
== 実践的なFortranプログラミング ==
Fortranを実際のプロジェクトで活用するための具体的な方法を紹介します。この章では、科学技術計算の実例やプロジェクト管理の方法について解説します。
== 科学技術計算の実例 ==
Fortranは、数値解析やモンテカルロ法、偏微分方程式の解法など、様々な科学技術計算に利用されています。
; 数値解析 :
:<syntaxhighlight lang=fortran>
PROGRAM numerical_integration
REAL :: a, b, result
INTEGER :: n
a = 0.0
b = 1.0
n = 1000
result = trapezoidal_rule(a, b, n)
PRINT *, "Integral result:", result
END PROGRAM numerical_integration
FUNCTION trapezoidal_rule(a, b, n)
REAL, INTENT(IN) :: a, b
INTEGER, INTENT(IN) :: n
REAL :: trapezoidal_rule
REAL :: h, x
INTEGER :: i
h = (b - a) / n
trapezoidal_rule = 0.5 * (f(a) + f(b))
DO i = 1, n-1
x = a + i * h
trapezoidal_rule = trapezoidal_rule + f(x)
END DO
trapezoidal_rule = trapezoidal_rule * h
END FUNCTION trapezoidal_rule
FUNCTION f(x)
REAL, INTENT(IN) :: x
REAL :: f
f = x**2
END FUNCTION f
</syntaxhighlight>
; モンテカルロ法 :
:<syntaxhighlight lang=fortran>
PROGRAM monte_carlo_pi
IMPLICIT NONE
INTEGER :: i, n_inside, n_total
REAL :: x, y, pi_estimate
n_total = 1000000
n_inside = 0
CALL RANDOM_SEED()
DO i = 1, n_total
CALL RANDOM_NUMBER(x)
CALL RANDOM_NUMBER(y)
IF (x**2 + y**2 <= 1.0) THEN
n_inside = n_inside + 1
END IF
END DO
pi_estimate = 4.0 * REAL(n_inside) / REAL(n_total)
PRINT *, "Estimated value of Pi:", pi_estimate
END PROGRAM monte_carlo_pi
</syntaxhighlight>
; 偏微分方程式の解法 :
:<syntaxhighlight lang=fortran>
PROGRAM pde_solver
REAL, DIMENSION(:,:), ALLOCATABLE :: u
INTEGER :: i, j, n, m
REAL :: dx, dy, dt, alpha
n = 100
m = 100
dx = 1.0 / (n - 1)
dy = 1.0 / (m - 1)
dt = 0.001
alpha = 0.01
ALLOCATE(u(n, m))
CALL initialize(u, n, m)
DO i = 2, n-1
DO j = 2, m-1
u(i, j) = u(i, j) + alpha * dt * (
& (u(i+1, j) - 2.0*u(i, j) + u(i-1, j)) / dx**2 +
& (u(i, j+1) - 2.0*u(i, j) + u(i, j-1)) / dy**2 )
END DO
END DO
PRINT *, "Solution at the center:", u(n/2, m/2)
END PROGRAM pde_solver
SUBROUTINE initialize(u, n, m)
REAL, DIMENSION(:,:), INTENT(OUT) :: u
INTEGER, INTENT(IN) :: n, m
INTEGER :: i, j
DO i = 1, n
DO j = 1, m
u(i, j) = 0.0
END DO
END DO
u(n/2, m/2) = 1.0
END SUBROUTINE initialize
</syntaxhighlight>
== プロジェクトの管理 ==
Fortranプロジェクトを効率的に管理するためには、コード管理やバージョン管理、テスト、ドキュメント作成が重要です。
; コード管理とバージョン管理 :
: Gitを使ったバージョン管理: Fortranプロジェクトでも、Gitを使ってバージョン管理を行うことで、変更履歴を追跡し、共同開発を効率的に行うことができます。
:<syntaxhighlight lang=bash>
# 新しいリポジトリの初期化
$ git init
# 変更をステージングしてコミット
$ git add .
$ git commit -m "Initial commit"
# リモートリポジトリの追加とプッシュ
$ git remote add origin https://github.com/username/repo.git
$ git push -u origin main
</syntaxhighlight>
; テスト :
: テストフレームワークを用いたユニットテストの実行は、コードの信頼性を高めるために重要です。Fortranには、<code>pFUnit</code> や <code>FRUIT</code> といったテストフレームワークがあります。
:<syntaxhighlight lang=fortran>
MODULE test_example
USE pFUnit
IMPLICIT NONE
CONTAINS
@test
SUBROUTINE test_addition
REAL :: result
result = add(2.0, 3.0)
@assertEqual(result, 5.0)
END SUBROUTINE test_addition
END MODULE test_example
</syntaxhighlight>
; ドキュメント作成 :
: ドキュメントは、プロジェクトの理解と維持に欠かせません。<code>FORD</code> や <code>Doxygen</code> を使ってFortranコードのドキュメントを自動生成できます。
:<syntaxhighlight lang=bash>
# FORDの設定ファイルを作成してドキュメント生成
$ ford project.md
</syntaxhighlight>
== プロジェクトの事例 ==
実際のプロジェクトでFortranをどのように使用するかを示す具体的な事例を紹介します。以下に、数値計算を中心としたプロジェクトの例を示します。
=== 数値シミュレーションプロジェクト ===
数値シミュレーションは、Fortranの得意分野の一つです。ここでは、流体シミュレーションのプロジェクトを例に、プロジェクトの構成と実装方法を説明します。
; プロジェクトの構成 :
:<syntaxhighlight lang=text>
fluid_simulation/
├── src/
│ ├── main.f90
│ ├── fluid.f90
│ ├── solver.f90
│ └── utils.f90
├── test/
│ ├── test_fluid.f90
│ └── test_solver.f90
├── doc/
│ ├── README.md
│ └── user_guide.md
├── Makefile
└── .gitignore
</syntaxhighlight>
; メインプログラム
; main.f90
:<syntaxhighlight lang=fortran>
PROGRAM fluid_simulation
USE fluid
USE solver
IMPLICIT NONE
CALL initialize()
CALL run_simulation()
CALL finalize()
END PROGRAM fluid_simulation
</syntaxhighlight>
; 流体モジュール
; fluid.f90
:<syntaxhighlight lang=fortran>
MODULE fluid
IMPLICIT NONE
REAL, DIMENSION(:,:), ALLOCATABLE :: velocity, pressure
CONTAINS
SUBROUTINE initialize()
! 初期化処理
ALLOCATE(velocity(100, 100), pressure(100, 100))
CALL initialize_fields()
END SUBROUTINE initialize
SUBROUTINE initialize_fields()
! フィールドの初期化
velocity = 0.0
pressure = 0.0
END SUBROUTINE initialize_fields
SUBROUTINE finalize()
! 後処理
DEALLOCATE(velocity, pressure)
END SUBROUTINE finalize
END MODULE fluid
</syntaxhighlight>
; ソルバーモジュール
; solver.f90
:<syntaxhighlight lang=fortran>
MODULE solver
IMPLICIT NONE
CONTAINS
SUBROUTINE run_simulation()
INTEGER :: step
DO step = 1, 1000
CALL solve_step()
END DO
END SUBROUTINE run_simulation
SUBROUTINE solve_step()
! シミュレーションステップの計算
END SUBROUTINE solve_step
END MODULE solver
</syntaxhighlight>
; ユーティリティモジュール
; utils.f90
:<syntaxhighlight lang=fortran>
MODULE utils
IMPLICIT NONE
CONTAINS
SUBROUTINE log_message(msg)
CHARACTER(LEN=*), INTENT(IN) :: msg
PRINT *, TRIM(msg)
END SUBROUTINE log_message
END MODULE utils
</syntaxhighlight>
このように、Fortranを用いた数値シミュレーションプロジェクトを効率的に構築し、管理することができます。次章では、Fortranの最適化テクニックについて詳しく解説します。
== Fortranの最適化 ==
Fortranプログラムの性能を最大限に引き出すための最適化テクニックを紹介します。この章では、コンパイラオプションの活用、コードのチューニング方法、並列化手法について説明します。
== コンパイラオプションの活用 ==
コンパイラオプションを適切に設定することで、プログラムの性能を大幅に向上させることができます。
; 最適化オプション :
:; <code>-O2</code>, <code>-O3</code>: 一般的な最適化レベル。<code>-O3</code>はより積極的な最適化を行います。
:; <code>-funroll-loops</code>: ループ展開を行うことで、ループのオーバーヘッドを減らします。
:; <code>-march=native</code>: ホストマシンのCPUアーキテクチャに最適化します。
:<syntaxhighlight lang=bash>
$ gfortran -O3 -funroll-loops -march=native -o my_program main.f90
</syntaxhighlight>
== コードのチューニング ==
コードの構造やアルゴリズムを改善することで、プログラムの性能を向上させることができます。
; ループの最適化 :
: ループの融合(Loop Fusion): 複数のループを一つにまとめることで、メモリアクセスの効率を向上させます。
:<syntaxhighlight lang=fortran>
DO i = 1, n
a(i) = a(i) + b(i)
c(i) = c(i) * d(i)
END DO
</syntaxhighlight>
; メモリアクセスパターンの改善 :
: メモリの局所性を向上させるために、配列アクセスパターンを最適化します。
:<syntaxhighlight lang=fortran>
DO j = 1, n
DO i = 1, m
a(i, j) = a(i, j) + b(i, j)
END DO
END DO
</syntaxhighlight>
== 並列化手法 ==
Fortranプログラムを並列化することで、大規模な計算を効率的に実行することができます。
; OpenMPを用いた並列化 :
: OpenMPディレクティブを使用して、ループを並列化します。
:<syntaxhighlight lang=fortran>
PROGRAM parallel_example
USE omp_lib
INTEGER :: i, n
REAL, DIMENSION(:), ALLOCATABLE :: a, b
n = 1000000
ALLOCATE(a(n), b(n))
!$OMP PARALLEL DO
DO i = 1, n
a(i) = b(i) * 2.0
END DO
!$OMP END PARALLEL DO
PRINT *, "Calculation completed"
END PROGRAM parallel_example
</syntaxhighlight>
; MPIを用いた分散メモリ並列化 :
: MPIを使用して、複数のプロセス間でデータを分散し、並列計算を行います。
:<syntaxhighlight lang=fortran>
PROGRAM mpi_parallel_example
USE mpi
INTEGER :: rank, size, ierr
CALL MPI_INIT(ierr)
CALL MPI_COMM_RANK(MPI_COMM_WORLD, rank, ierr)
CALL MPI_COMM_SIZE(MPI_COMM_WORLD, size, ierr)
PRINT *, "Hello from rank", rank, "out of", size
CALL MPI_FINALIZE(ierr)
END PROGRAM mpi_parallel_example
</syntaxhighlight>
この章で紹介した最適化テクニックを活用することで、Fortranプログラムの性能を最大限に引き出すことができます。次章では、Fortranの応用分野について詳しく解説します。
== Fortranの応用分野 ==
Fortranは、科学技術計算を中心に幅広い分野で活用されています。この章では、具体的な応用例を紹介し、各分野におけるFortranの利点について説明します。
== 応用分野の紹介 ==
; 気象・気候モデリング :
: 大規模な気象モデルや気候モデルは、膨大な数値計算を必要とするため、Fortranの高速な数値計算能力が活用されています。
:; 例: 気象予報モデル (WRF)、気候モデル (GCM)。
; 流体力学シミュレーション :
: 流体の挙動をシミュレーションするCFD (Computational Fluid Dynamics) は、航空宇宙、機械工学、土木工学などで重要な役割を果たしています。
:; 例: OpenFOAM、FLUENT。
; 地球科学・地震シミュレーション :
: 地震波の伝播や地殻変動のシミュレーションは、地球科学の重要な研究分野です。
:; 例: Seismic Wave Propagation Simulator。
; 天文学・宇宙物理学 :
: 星や銀河の形成、宇宙の大規模構造のシミュレーションは、天文学と宇宙物理学の主要な研究テーマです。
:; 例: N-bodyシミュレーション、SPH (Smoothed Particle Hydrodynamics)。
; 金融工学 :
: リスク管理やデリバティブ価格の計算など、金融工学における数値解析にもFortranが利用されています。
:; 例: モンテカルロシミュレーション、ブラック・ショールズモデル。
; 医療・バイオインフォマティクス :
: 生体シミュレーションや遺伝子解析など、医療やバイオインフォマティクスの分野でもFortranの高性能計算が役立っています。
:; 例: 分子動力学シミュレーション、タンパク質構造予測。
== 応用例の詳細 ==
ここでは、いくつかの具体的な応用例について詳しく説明します。
=== 気象予報モデル (WRF) ===
; 概要 :
: WRF (Weather Research and Forecasting model) は、気象予報と気候研究のための大規模な数値モデルです。
: 高解像度の気象予報を提供するために、複雑な物理モデルと大量のデータを扱います。
; Fortranの役割 :
: WRFは主にFortranで記述されており、その高速な数値計算能力がリアルタイム予報の実現に貢献しています。
:; 例:
::<syntaxhighlight lang=fortran>
PROGRAM wrf_example
! 気象データの初期化とシミュレーションの実行
CALL initialize_weather_data()
CALL run_weather_simulation()
CALL output_results()
END PROGRAM wrf_example
</syntaxhighlight>
=== 流体力学シミュレーション (OpenFOAM) ===
; 概要 :
: OpenFOAMは、流体力学や伝熱解析のためのオープンソースソフトウェアです。
: 計算グリッド上での流体の運動をシミュレーションします。
; Fortranの役割 :
: 高速な計算を要する部分にFortranを使用することで、シミュレーションの効率を向上させています。
:; 例:
::<syntaxhighlight lang=fortran>
MODULE cfd_solver
IMPLICIT NONE
CONTAINS
SUBROUTINE solve_fluid_dynamics()
! 流体力学方程式の数値解法
END SUBROUTINE solve_fluid_dynamics
END MODULE cfd_solver
</syntaxhighlight>
このように、Fortranは多くの科学技術分野で重要な役割を果たしており、今後もその活用が期待されます。次章では、Fortranの最新動向と将来展望について解説します。
== Fortranの最新動向と将来展望 ==
Fortranは長い歴史を持ちながらも、進化を続けており、現代の計算科学においても重要な位置を占めています。この章では、Fortranの最新動向と将来の展望について考察します。
== 最新動向 ==
; Fortran 2018 :
: Fortran 2018は最新の標準規格であり、さらなる機能強化と使いやすさの向上が図られています。
: 主な新機能には、並列処理の強化、ジェネリックプログラミングのサポート、I/O機能の改善などがあります。
; オープンソースコミュニティの活発化 :
: GitHubを中心に、Fortranのオープンソースプロジェクトが活発に開発されています。
: <code>stdlib</code>プロジェクトは、標準ライブラリを拡充し、モダンFortranの利便性を向上させることを目的としています。
; ツールとライブラリの充実 :
: fpm (Fortran Package Manager) の登場により、依存関係管理やビルドが容易になっています。
: 高性能計算ライブラリ(BLAS、LAPACK、FFTWなど)のFortranインターフェースも進化しています。
== 将来展望 ==
; 性能向上の追求 :
: ハードウェアの進化に対応し続けるため、Fortranの性能最適化は今後も重要な課題です。
: 新たなアーキテクチャ(GPU、FPGAなど)に対応するための取り組みが進むでしょう。
; 教育と普及 :
: 若い世代へのFortran教育の充実が求められています。オンラインコースや教材の充実が期待されます。
: 科学技術計算の入門書やチュートリアルの提供が重要です。
; 多言語との連携強化 :
: PythonやC++との連携を強化することで、Fortranの利用範囲が拡大します。
: f2pyやISO_C_BINDINGのようなツールのさらなる発展が期待されます。
== まとめ ==
Fortranは、その高性能な数値計算能力と堅牢な構文により、科学技術計算の分野で重要な役割を果たし続けています。最新の動向を把握し、将来の展望に向けて準備することは、Fortranを効果的に活用するために不可欠です。本書を通じて、Fortranの基礎から応用までを学び、実践的なスキルを身につけることで、皆様のプロジェクトがより成功することを願っています。
[[Category:コンピューター科学]]
[[カテゴリ:Fortran]]
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高校化学 化学反応とエンタルピー
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2026-07-08T12:08:33Z
Sakamoto-takaich
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/* 化学反応と光 */
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wikitext
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{{pathnav|高等学校の学習|高等学校理科|高等学校化学|[[高等学校 化学|化学]]|pagename=化学反応とエンタルピー|frame=1|small=1}}
このページでは、いわゆる'''熱化学'''の内容について扱う。熱力学と関連が深い分野なので、[[高等学校物理基礎|物理基礎]]の既習を前提とする。必要があれば[[高校物理 熱力学]]も参照。
化学反応が起こると、多くの場合反応物と生成物の化学エネルギーの差により熱の出入りが起こる。以下では、この現象を定量的に考える。
==化学反応と熱==
化学反応が起こり、人間の観察の対象となる部分を'''系'''という。系の外側を'''外界'''という。
すると、熱力学第一法則<math>\Delta U = Q - W</math>において、ΔUは内部エネルギーの変化量、Qは'''系が外界から受け取った熱'''、Wは'''系が外界にした仕事'''を表すと言える。
定積変化ではW=0となるため、熱力学第一法則よりΔU=Qである。つまり、定積の系では反応に伴う熱の出入りの量は内部エネルギーの変化量に等しい。
しかし、化学反応を定積条件下で行うことはまずないため、この場合を考えるのは物理学の範疇になる。
定圧変化を考える前に、以下のように'''エンタルピー'''を定義する。
'''エンタルピー'''
Uを系の内部エネルギー、Pを系の内圧、Vを系の体積としたとき、<math>H = U + PV</math>を'''エンタルピー(熱含量、焓)'''という。単位は'''ジュール(J)'''である。
すると、定圧変化におけるエンタルピー変化は、<math>\Delta H = (U_1 + P V_1) - (U_0 + P V_0) = U_1 - U_0 + P(V_1 - V_0) = \Delta U + P \Delta V</math>となる。定圧変化では体積が変化するので、'''系は外界に仕事をする'''。このときの仕事WはPΔVに等しい。故に、熱力学第一法則より<math>\Delta H = \Delta U + W = Q </math>となる。
ここから、定圧の系において'''反応に伴う熱の出入りの量はエンタルピー変化に等しい'''ということがわかる(逆にいうと、そうなるようにエンタルピーを上手く定義したと言える)。エンタルピーは物質が持つエネルギーを表す物理量の一つである。
一般に、物質は'''エンタルピーが低いほど安定'''である。
==反応エンタルピー==
定圧条件下で化学反応により放出・吸収される熱量を'''反応エンタルピー'''といい、ΔHで表す。
反応エンタルピー = ('''生成物'''が持つエンタルピー) - ('''反応物'''が持つエンタルピー)である。
系の熱を外界に放出しながら進む反応を'''発熱反応'''、外界の熱を系に吸収しながら進む反応を'''吸熱反応'''という。
発熱反応では系の熱を外界に放出するので、系が持つエネルギーすなわちエンタルピーは減少する。つまり、'''発熱反応ではΔHは負'''である。
吸熱反応では外界の熱を系に吸収するので、系が持つエンタルピーは増加する。つまり、'''吸熱反応ではΔHは正'''である。
化学反応に伴うエンタルピー変化を表すとき、以下の2点に注意する。
:①物質の種類が同じでも、'''状態が違えばエンタルピーは異なる'''。
::物質の後ろに、固体ならば(固)または(s)、液体ならば(液)または(l)、気体ならば(気)または(g)と付ける。※sはsolid、lはliquid、gはgasの略である。
:::例)CO<sub>2</sub>(g)、H<sub>2</sub>O(液)
::同素体を持つ物質は括弧の中に同素体名を書いて区別する。
:::例)C(黒鉛)、C(ダイヤモンド)、S(斜方硫黄)
:②'''注目する物質の係数を1とする'''。
::注目する物質の物質量を1molとみなして考える。係数が分数になっても構わない。
この2点を踏まえると、1molの水素が完全燃焼して液体の水が生成し、286kJの熱量が放出された反応は以下のように書ける。
[1] 化学反応式を書く
:<chem>2H2 + O2 -> 2H2O</chem>
[2] 着目する物質の係数を1にする
:<chem>H2 + 1/2 O2 -> H2O</chem>
[3] 物質の状態とエンタルピー変化を付記する。
:<chem>H2 (s) + 1/2 O2(s) -> H2O(l)</chem><math>\quad \Delta H = -286 \, \mathrm{kJ}</math>
このような反応式を、'''エンタルピー変化を付した反応式'''という。<!-- 一部の参考書ではこちらも「熱化学方程式」「熱化学反応式」としていましたが、旧来の熱化学方程式との混同を避けるため採用しません。 -->
なお、エンタルピー変化を付した反応式は、'''現実には起こり得ない反応も多い'''。起こり得ない理由は後述する。
==反応エンタルピーの種類==
反応エンタルピーは、反応の種類によっては固有の名称で呼ばれるものもある。
それらは着目する物質1molあたりの熱量(単位:kJ/mol)で表されるが、'''反応式の中では単位のうち/molを省略する'''。
;'''燃焼エンタルピー'''
物質1molが'''完全燃焼'''するときの反応エンタルピー。
:例)<chem>CO(g) + 1/2 O2(g) -> CO2(g)</chem><math>\quad \Delta H = -283 \, \mathrm{kJ}</math>
;'''生成エンタルピー'''
化合物1molを構成元素の'''単体'''から生成するときの反応エンタルピー。※単体の生成エンタルピーは0とし、同素体が存在する元素は25℃で最も安定な同素体から生成する反応を用いる。
:例)<chem>1/2 N2(g) + 1/2 O2(g) -> NO(g)</chem><math>\quad \Delta H = -90.3 \, \mathrm{kJ}</math>
;'''溶解エンタルピー'''
溶質1molが'''多量の溶媒'''に溶解するときの反応エンタルピー。溶媒が水の場合、aqという記号を用いる。※aqはaquaの略である。
:例)<chem>NaOH(S) + aq -> NaOHaq</chem><math>\quad \Delta H = -44.5 \, \mathrm{kJ}</math>
なお、化学式にaqをつけたものは、その物質が水溶液の状態であることを表す。
;'''中和エンタルピー'''
酸と塩基が反応し、'''水'''1molが生成するときの反応エンタルピー。
:例)<chem>H^+ aq + OH^- aq -> H2O(l)</chem><math>\quad \Delta H = 56.5 \, \mathrm{kJ}</math>
;状態変化とエンタルピー
物質の状態変化においても熱の出入りが発生するため、エンタルピー変化を用いて表せる。便宜上、反応エンタルピーの一種に分類する。名前は、状態変化の名(融解、蒸発、昇華、凝固、凝縮、凝華)にエンタルピーをくっつければよい。
:例)<chem>H2O(g) -> H2O(l)</chem><math>\quad \Delta H = -41 \, \mathrm{kJ}</math>
なお、融解エンタルピーと凝固エンタルピー、蒸発エンタルピーと凝縮エンタルピー、昇華エンタルピーと凝華エンタルピーはそれぞれ逆反応の関係にあるので、お互いに反応式の両辺を入れ替えてΔHの符号を反転させれば一致する。
==ヘスの法則==
[[File:Hess cycles NaOH jp.svg|500px]]
図のように、固体の水酸化ナトリウムから塩化ナトリウムを生成する反応には2つの経路があるが、どちらの経路で合成を行っても、出入りする熱量(反応エンタルピー)の総和は同じである。
化学反応の際のエンタルピー変化は反応前後の物質の種類・状態で決まり、途中の反応経路や反応方法に依存しない。このことを'''ヘスの法則'''または'''総熱量保存則'''という。
ヘスの法則を応用することで、複数の反応式から未知の反応エンタルピーを求めることができる。
;応用1:反応式の連立
以下の反応の反応エンタルピーQ[kJ/mol]を求めたい。
:<chem>C(graphite) + 1/2 O2(g) -> CO(g)</chem><math>\quad \Delta H = Q \, \mathrm{kJ}</math>・・・Ⅰ
黒鉛、一酸化炭素の燃焼エンタルピーは以下と判明している。
:<chem>C(graphite) + O2(g) -> CO2(g)</chem><math>\quad \Delta H = -394 \, \mathrm{kJ}</math>・・・Ⅱ
:<chem>CO(g) + 1/2 O2 -> CO2(g)</chem><math>\quad \Delta H = -283 \, \mathrm{kJ}</math>・・・Ⅲ
ヘスの法則より、ⅡとⅠ+Ⅲはエンタルピー変化が等しいので、ⅡからⅢを引けばⅠを求められる。
:<chem>C(graphite) + O2(g) - CO(g) - 1/2 O2 -> CO2(g) - CO2(g)</chem><math>\quad \Delta H = -394 - (-283) \, \mathrm{kJ}</math>
:<chem>C(graphite) + 1/2 O2(g) -> CO(g)</chem><math>\quad \Delta H = -111 \, \mathrm{kJ}</math>※
:<math>\therefore Q = -111 [\mathrm{kJ/mol}]</math>
※化学反応式で引き算が残ったら移項する。
;応用2:エンタルピー図の利用
[[File:ヘスの法則svg.svg|thumb|250px|H<sub>2</sub>Oの凝集エンタルピーを求める。]]
<!-- 縦軸は本来「エンタルピー」にするべきだが、良い画像がなかったので旧課程版の画像を流用している。 -->
エンタルピー変化を表した図を'''エンタルピー図'''という。
エンタルピー図を利用すると、未知の反応エンタルピーを視覚的に求めることができる。
:<chem>H2(g) + 1/2 O2(g) -> H2O(l)</chem><math>\quad \Delta H = -286 \, \mathrm{kJ}</math>
:<chem>H2(g) + 1/2 O2(g) -> H2O(g)</chem><math>\quad \Delta H = -242 \, \mathrm{kJ}</math>
右のエンタルピー図から、水の凝集エンタルピーQは<math>Q = -44 [\mathrm{kJ/mol}]</math>と求まる。
なお、単体や完全燃焼化合物を基準にするとエンタルピー図を書きやすいが、'''燃焼性生物は低エンタルピー、単体は高エンタルピーとなることが多い'''。
;応用3:生成エンタルピーと反応エンタルピーの関係
エンタルピー図を書くことによって、次の関係がわかる。
:反応エンタルピー = ('''生成物'''の生成エンタルピー) - ('''反応物'''の生成エンタルピー)
当然、この関係を利用して反応エンタルピーを求めることもできる。
;応用4:結合エンタルピー
分子内の1mol(602214076000000000000000本)の'''共有結合'''を切断して気体状(ばらばら状態)の原子にするために必要なエネルギーを、その共有結合の'''結合エンタルピー'''([[高等学校物理/原子物理#原子核反応|結合エネルギー]])という。結合を切断するためにエネルギーが必要になるため、ΔHは必ず'''正'''である。
:例)<chem>H-H (g) -> 2H(g)</chem><math>\quad \Delta H = 436 \, \mathrm{kJ}</math>
※<chem>H-H</chem>は<chem>H2</chem>のままで書いても良い。
エンタルピー図を書くことによって、以下の関係がわかる。
:反応エンタルピー = ('''反応物'''の結合エンタルピー) - ('''生成物'''の結合エンタルピー)
;応用5:格子エンタルピー(発展)
1molのイオンからなるイオン結晶のイオン結合を切断して気体状のイオンにするのに必要なエネルギーを、そのイオン結合の'''格子エンタルピー'''(格子エネルギー)という。格子エンタルピーは、そのイオン結晶が安定かどうかの指標になる。
直接的に求めることは不可能だが、ヘスの法則を利用して間接的に求めることはできる。
1. エンタルピー(熱の量:\(H\))の視点
* 氷が水になるためには、周囲から熱を吸収する(吸熱反応)必要がある。
* つまり、氷よりも水のほうが'''「内部に蓄えている熱エネルギー(エンタルピー)」が高い'''状態である。
2. エントロピー(乱雑さ:\(S\))の視点
* 氷のときは、水分子が規則正しくカチッと並んでいる(エントロピーが低い=綺麗)。
* 水になると、分子が自由に動き回ってバラバラになる('''エントロピーが高い'''=散らかっている)。
----
*例題
NaCl(s)の生成エンタルピーを-411[kJ/mol]、NaCl(s)の昇華エンタルピーを92[kJ/mol]、Cl<sub>2</sub>の結合エンタルピーを243[kJ/mol]、Na(g)のイオン化エネルギーを496[kJ/mol]、Cl(g)の電気親和力を-349[kJ/mol]とする。Na(s)の格子エンタルピーQ[kJ/mol]を求めよ。
*解答
それぞれの反応エンタルピーを付した化学反応式は以下のようになる。
:①<chem>Na(s) + 1/2 Cl2(g) -> NaCl(s)</chem><math>\quad \Delta H = -41 \, \mathrm{kJ}</math>
:②<chem>Na(s) -> Na(g)</chem><math>\quad \Delta H = 92 \, \mathrm{kJ}</math>
:③<chem>Cl2(g) -> 2Cl(g)</chem><math>\quad \Delta H = 243 \, \mathrm{kJ}</math>
:④<chem>Na(g) -> Na^+(g) + e^-</chem><math>\quad \Delta H = 496 \, \mathrm{kJ}</math>
:⑤<chem>Cl(g) + e^- -> Cl^- (g)</chem><math>\quad \Delta H = -349 \, \mathrm{kJ}</math>
:⑥<chem>NaCl(s) -> Na^+(g) + Cl^- (g)</chem><math>\quad \Delta H = Q \, \mathrm{kJ}</math>
エンタルピー図を書くと、ヘスの法則より-①+②+1/2 ③+④=-⑤+⑥がわかる。
ΔHの部分にのみ着目して計算すると、<math>-(-411) + 92 + \frac{243}{2} + 496 = -(-349) + Q</math>すなわち<math>Q = 411+92+\frac{243}{2}+496-349 = 771.5</math>であり、有効数字を考慮すると<math>Q = 772 [\mathrm{kJ/mol}]</math>と求まる。
;反応エンタルピーの測定
反応エンタルピーは、反応による熱の吸収・放出を測定することにより求められる。測定には水温変化を利用する。
水溶液の質量をm[kg]、温度変化をΔT[K]、比熱をc[J/(g・K)]とすると、発熱量(吸熱量)Qは<math>Q = mc \Delta T</math>である。反応エンタルピーの'''絶対値'''はQを物質量で割れば求まる。反応エンタルピーの符号は発熱反応か吸熱反応華どうかで判断する。
==化学反応が自発的に進む要因==
; エントロピー
一般に、物質はエンタルピーが低い方が安定なので、発熱反応では反応が自発的に進みやすい。しかし、エンタルピーが高くなる反応なのにも拘らず、自発的に進む吸熱反応は私たちの身の回りに溢れている。氷の溶解がその最たる例である。
このように、エンタルピーだけでは反応が自発的に進むかどうかを判断することはできない。そこで、以下のような量を考える。
'''エントロピー'''
熱源の温度をT、熱源との熱の出入りの量をQとしたとき、<math>S = \frac{Q}{T}</math>を'''エントロピー(内転効率、熵)'''という。単位は'''ジュール毎ケルビン(J/K)'''である。
エントロピーは'''系の乱雑さを表す物理量'''であり、可逆な熱機関(熱効率が理論最大値をとる熱機関)では保存される。
熱力学第二法則より、熱は高温物体から低温物体に伝わっていく。この過程において、低温物体のエントロピーは増大する。一般に、孤立系、及び断熱系において不可逆変化が生じた場合、その系のエントロピーは増大する。これを'''エントロピー増大則'''という。例えば、溶解などの拡散する変化はエンタルピー増大則に従ったものである。
これを踏まえると、化学反応が自発的に反応するかどうかは「エンタルピー変化による安定化の度合い」と「エントロピー変化による乱雑さ増大の度合い」の兼ね合いで判断することができる。
; ギブスの自由エネルギー
系の乱雑さが増大する度合いは、熱運動が激しいほど大きくなる。よって、系の乱雑さはエントロピーと絶対温度の積で表される。
そこで、乱雑さとエンタルピーによる安定化を同時に考えるため、以下のような量を導入する。
'''ギブスの自由エネルギー'''
系のエンタルピーをH、系のエントロピーをS、系の内部の絶対温度をTとしたとき、<math>G = H - TS</math>を'''ギブスの自由エネルギー'''という。単位は'''ジュール(J)'''である。
Hが小さいほど安定、Sが大きいほど安定なので、Gが小さいほど安定である。故に、自由エネルギー変化ΔGが'''負'''ならば、安定な方向に反応が進むので自発的に反応する。ΔGが0ならば化学平衡の状態にある。ΔGが'''正'''ならば自発的に反応せず、逆反応が進む。なお、エンタルピー変化・エントロピー変化ともに負ならば低温条件で反応が進行し、ともに正ならば高温条件で反応が進行する。
エンタルピー変化を付した反応式上では成り立っても現実に起こらない反応があるのは、その反応において自由エネルギー変化が負にならないためである。
;補足:熱力学第三法則
絶対零度では完全結晶(分子欠落や不純物のない結晶)の取りうる配置は1通りなので、エントロピーは0と考えられる。故に、次の法則が成り立つ。
'''熱力学第三法則'''
完全結晶のエントロピーは絶対零度下では全て等しい。
この法則は「有限回の操作では絶対零度に到達することはできない」という定理と同値である。
熱力学は、第零法則(「物体AとB、BとCがそれぞれ熱平衡ならばAとCも熱平衡にある」という法則)、第一法則、第二法則だけでなくこの第三法則を加えて初めて完成する。
==化学反応と光==
光は電磁波の一種であり、波長の長い方から電波、赤外線、可視光線、紫外線、X線、γ線に分けられる。波長が短いほどエネルギーは大きくなる([[高等学校物理/原子物理#光の粒子性]]を参照)。
なお、虹の七色は'''{{ruby|赤橙黄緑青藍紫|せきとうおうりょくせいらんし}}'''である。
;化学発光
反応物と生成物のエネルギーの差を光エネルギーとして放出する反応を'''化学発光'''('''化学冷光'''、'''化学ルミネセンス''')という。
*ルミノール反応
塩基性条件下で'''ルミノール'''(<chem>C8H7N3O2</chem>)を過酸化水素などを用いて酸化すると、青く発光する。遷移元素の錯体が存在すれば強く反応するため、血液の検出に用いられる。
*蛍光物質
'''蓚酸ジフェニル'''(<chem>C14H10O4</chem>)は、酸化されるときにエネルギーを'''蛍光物質'''に与え、発光させる。ケミカルライトに用いられる。
炎色反応も化学発光の一つである。ホタルやクラゲなど、生物による化学発光は'''生物発光'''という。([[高等学校 生物/効果器]]も参照。)
;光化学反応
化学反応を起こさせるのは熱だけではない。可視光線や紫外線などの吸収により起こったり促進されたりする反応を'''光化学反応'''という。
*ハロゲン化銀の感光
[[高校化学 ハロゲン#ハロゲン化銀・ハロゲン化鉛|ハロゲン化銀]]は光に当てると銀を遊離する('''感光性''')。歴史的には臭化銀<chem>AgBr</chem>(Silver Bromide)が写真に用いられ、有名人の写真を意味する「ブロマイド」の語源となっている。
*水素と塩素の爆発
水素と塩素の混合気体に強い光を当てると、爆発的に反応して塩化水素を生じる。
*ベンゼンの付加反応
[[高校化学 芳香族化合物#ベンゼン|ベンゼン]]<chem>C6H6</chem>は付加反応が起こりづらいが、紫外線を照射すると塩素原子が付加してヘキサクロロシクロヘキサン<chem>C6H6Cl6</chem>を生じる
*光触媒
光が当たると触媒の働きを示す物質を'''光触媒'''という。例えば、'''チタニア'''('''酸化チタン(Ⅳ)''')<chem>TiO2</chem>に酢酸などの有機化合物が付着した状態で光を当てると、有機化合物が二酸化炭素と水に分解される。チタニアは家屋の外壁や太陽電池に用いられている。2024年現在、チタニアと酸化タングステン以外の光触媒は未だ実用化に至っていない。
*光合成
植物は光エネルギーを利用して、二酸化炭素と酸素から'''グルコース'''('''葡萄糖''')<chem>C6H12O6</chem>を合成する。この反応は、<chem>6CO2(g) + 12H2O(l) -> C6H12O6(s) + 6O2(g) + 6H2O(l)</chem><math>\Delta H = 2803 \mathrm{kJ}</math>と書き表される。多数のグルコースが繫って[[高校化学 天然高分子化合物|高分子化合物]]を形成すると、'''澱粉'''となる。([[高等学校生物/生物I/細胞とエネルギー|)]]
[[高等学校生物/生物I/細胞とエネルギー|<br />
日焼けやプラスチックゴミの]]分解によるマイクロプラスチックの発生も光化学反応によるものである。
==補足:熱化学方程式==
2022年度以前の課程では、長らくエンタルピーではなく'''熱化学方程式'''('''熱化学反応式''')が用いられていた。
熱化学方程式では、化学反応式中に等号『=』を用いるほか、熱量を反応式に足して記していた。
例えば、光合成の反応は熱化学方程式では以下のように書き表される。
:<chem>6CO2(g) + 12H2O(l) + 668 kcal = C6H12O6(s) + 6O2(g) + 6H2O(l)</chem> ※1 kcal = 4184 J
ここで、エンタルピー変化を付した反応式とは'''熱量の符号が逆'''になっていることがわかる。これは、エンタルピー変化を付した反応式では'''系の物質の視点'''に立っているのに対して、熱化学方程式は'''外界の観察者の視点'''に立っているためである。
よって、2022年度施行課程以前の教科書・参考書を使用する際は注意が必要である。
熱化学方程式が廃止された理由としては、熱化学方程式は『日本の高校でしか通用しない概念』であったことが挙げられる。大学や海外ではエンタルピーを用いるのが普通なので、そこで熱化学を学習すると先述の通り熱量の符号が逆転してしまい、学習者に大きな混乱を与えていた。また、化学の様々な分野がある中で反応式中に『=』が登場するのは熱化学方程式だけであったので、他の分野との整合が取れていなかったのも一因と考えられる。
*参考文献:数研出版特集『[https://www.chart.co.jp/subject/rika/scnet/76/Snet76-2.pdf 「反応熱」から「反応エンタルピー」へ]』
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ふゆくれ
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/* 化学反応と光 */
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このページでは、いわゆる'''熱化学'''の内容について扱う。熱力学と関連が深い分野なので、[[高等学校物理基礎|物理基礎]]の既習を前提とする。必要があれば[[高校物理 熱力学]]も参照。
化学反応が起こると、多くの場合反応物と生成物の化学エネルギーの差により熱の出入りが起こる。以下では、この現象を定量的に考える。
==化学反応と熱==
化学反応が起こり、人間の観察の対象となる部分を'''系'''という。系の外側を'''外界'''という。
すると、熱力学第一法則<math>\Delta U = Q - W</math>において、ΔUは内部エネルギーの変化量、Qは'''系が外界から受け取った熱'''、Wは'''系が外界にした仕事'''を表すと言える。
定積変化ではW=0となるため、熱力学第一法則よりΔU=Qである。つまり、定積の系では反応に伴う熱の出入りの量は内部エネルギーの変化量に等しい。
しかし、化学反応を定積条件下で行うことはまずないため、この場合を考えるのは物理学の範疇になる。
定圧変化を考える前に、以下のように'''エンタルピー'''を定義する。
'''エンタルピー'''
Uを系の内部エネルギー、Pを系の内圧、Vを系の体積としたとき、<math>H = U + PV</math>を'''エンタルピー(熱含量、焓)'''という。単位は'''ジュール(J)'''である。
すると、定圧変化におけるエンタルピー変化は、<math>\Delta H = (U_1 + P V_1) - (U_0 + P V_0) = U_1 - U_0 + P(V_1 - V_0) = \Delta U + P \Delta V</math>となる。定圧変化では体積が変化するので、'''系は外界に仕事をする'''。このときの仕事WはPΔVに等しい。故に、熱力学第一法則より<math>\Delta H = \Delta U + W = Q </math>となる。
ここから、定圧の系において'''反応に伴う熱の出入りの量はエンタルピー変化に等しい'''ということがわかる(逆にいうと、そうなるようにエンタルピーを上手く定義したと言える)。エンタルピーは物質が持つエネルギーを表す物理量の一つである。
一般に、物質は'''エンタルピーが低いほど安定'''である。
==反応エンタルピー==
定圧条件下で化学反応により放出・吸収される熱量を'''反応エンタルピー'''といい、ΔHで表す。
反応エンタルピー = ('''生成物'''が持つエンタルピー) - ('''反応物'''が持つエンタルピー)である。
系の熱を外界に放出しながら進む反応を'''発熱反応'''、外界の熱を系に吸収しながら進む反応を'''吸熱反応'''という。
発熱反応では系の熱を外界に放出するので、系が持つエネルギーすなわちエンタルピーは減少する。つまり、'''発熱反応ではΔHは負'''である。
吸熱反応では外界の熱を系に吸収するので、系が持つエンタルピーは増加する。つまり、'''吸熱反応ではΔHは正'''である。
化学反応に伴うエンタルピー変化を表すとき、以下の2点に注意する。
:①物質の種類が同じでも、'''状態が違えばエンタルピーは異なる'''。
::物質の後ろに、固体ならば(固)または(s)、液体ならば(液)または(l)、気体ならば(気)または(g)と付ける。※sはsolid、lはliquid、gはgasの略である。
:::例)CO<sub>2</sub>(g)、H<sub>2</sub>O(液)
::同素体を持つ物質は括弧の中に同素体名を書いて区別する。
:::例)C(黒鉛)、C(ダイヤモンド)、S(斜方硫黄)
:②'''注目する物質の係数を1とする'''。
::注目する物質の物質量を1molとみなして考える。係数が分数になっても構わない。
この2点を踏まえると、1molの水素が完全燃焼して液体の水が生成し、286kJの熱量が放出された反応は以下のように書ける。
[1] 化学反応式を書く
:<chem>2H2 + O2 -> 2H2O</chem>
[2] 着目する物質の係数を1にする
:<chem>H2 + 1/2 O2 -> H2O</chem>
[3] 物質の状態とエンタルピー変化を付記する。
:<chem>H2 (s) + 1/2 O2(s) -> H2O(l)</chem><math>\quad \Delta H = -286 \, \mathrm{kJ}</math>
このような反応式を、'''エンタルピー変化を付した反応式'''という。<!-- 一部の参考書ではこちらも「熱化学方程式」「熱化学反応式」としていましたが、旧来の熱化学方程式との混同を避けるため採用しません。 -->
なお、エンタルピー変化を付した反応式は、'''現実には起こり得ない反応も多い'''。起こり得ない理由は後述する。
==反応エンタルピーの種類==
反応エンタルピーは、反応の種類によっては固有の名称で呼ばれるものもある。
それらは着目する物質1molあたりの熱量(単位:kJ/mol)で表されるが、'''反応式の中では単位のうち/molを省略する'''。
;'''燃焼エンタルピー'''
物質1molが'''完全燃焼'''するときの反応エンタルピー。
:例)<chem>CO(g) + 1/2 O2(g) -> CO2(g)</chem><math>\quad \Delta H = -283 \, \mathrm{kJ}</math>
;'''生成エンタルピー'''
化合物1molを構成元素の'''単体'''から生成するときの反応エンタルピー。※単体の生成エンタルピーは0とし、同素体が存在する元素は25℃で最も安定な同素体から生成する反応を用いる。
:例)<chem>1/2 N2(g) + 1/2 O2(g) -> NO(g)</chem><math>\quad \Delta H = -90.3 \, \mathrm{kJ}</math>
;'''溶解エンタルピー'''
溶質1molが'''多量の溶媒'''に溶解するときの反応エンタルピー。溶媒が水の場合、aqという記号を用いる。※aqはaquaの略である。
:例)<chem>NaOH(S) + aq -> NaOHaq</chem><math>\quad \Delta H = -44.5 \, \mathrm{kJ}</math>
なお、化学式にaqをつけたものは、その物質が水溶液の状態であることを表す。
;'''中和エンタルピー'''
酸と塩基が反応し、'''水'''1molが生成するときの反応エンタルピー。
:例)<chem>H^+ aq + OH^- aq -> H2O(l)</chem><math>\quad \Delta H = 56.5 \, \mathrm{kJ}</math>
;状態変化とエンタルピー
物質の状態変化においても熱の出入りが発生するため、エンタルピー変化を用いて表せる。便宜上、反応エンタルピーの一種に分類する。名前は、状態変化の名(融解、蒸発、昇華、凝固、凝縮、凝華)にエンタルピーをくっつければよい。
:例)<chem>H2O(g) -> H2O(l)</chem><math>\quad \Delta H = -41 \, \mathrm{kJ}</math>
なお、融解エンタルピーと凝固エンタルピー、蒸発エンタルピーと凝縮エンタルピー、昇華エンタルピーと凝華エンタルピーはそれぞれ逆反応の関係にあるので、お互いに反応式の両辺を入れ替えてΔHの符号を反転させれば一致する。
==ヘスの法則==
[[File:Hess cycles NaOH jp.svg|500px]]
図のように、固体の水酸化ナトリウムから塩化ナトリウムを生成する反応には2つの経路があるが、どちらの経路で合成を行っても、出入りする熱量(反応エンタルピー)の総和は同じである。
化学反応の際のエンタルピー変化は反応前後の物質の種類・状態で決まり、途中の反応経路や反応方法に依存しない。このことを'''ヘスの法則'''または'''総熱量保存則'''という。
ヘスの法則を応用することで、複数の反応式から未知の反応エンタルピーを求めることができる。
;応用1:反応式の連立
以下の反応の反応エンタルピーQ[kJ/mol]を求めたい。
:<chem>C(graphite) + 1/2 O2(g) -> CO(g)</chem><math>\quad \Delta H = Q \, \mathrm{kJ}</math>・・・Ⅰ
黒鉛、一酸化炭素の燃焼エンタルピーは以下と判明している。
:<chem>C(graphite) + O2(g) -> CO2(g)</chem><math>\quad \Delta H = -394 \, \mathrm{kJ}</math>・・・Ⅱ
:<chem>CO(g) + 1/2 O2 -> CO2(g)</chem><math>\quad \Delta H = -283 \, \mathrm{kJ}</math>・・・Ⅲ
ヘスの法則より、ⅡとⅠ+Ⅲはエンタルピー変化が等しいので、ⅡからⅢを引けばⅠを求められる。
:<chem>C(graphite) + O2(g) - CO(g) - 1/2 O2 -> CO2(g) - CO2(g)</chem><math>\quad \Delta H = -394 - (-283) \, \mathrm{kJ}</math>
:<chem>C(graphite) + 1/2 O2(g) -> CO(g)</chem><math>\quad \Delta H = -111 \, \mathrm{kJ}</math>※
:<math>\therefore Q = -111 [\mathrm{kJ/mol}]</math>
※化学反応式で引き算が残ったら移項する。
;応用2:エンタルピー図の利用
[[File:ヘスの法則svg.svg|thumb|250px|H<sub>2</sub>Oの凝集エンタルピーを求める。]]
<!-- 縦軸は本来「エンタルピー」にするべきだが、良い画像がなかったので旧課程版の画像を流用している。 -->
エンタルピー変化を表した図を'''エンタルピー図'''という。
エンタルピー図を利用すると、未知の反応エンタルピーを視覚的に求めることができる。
:<chem>H2(g) + 1/2 O2(g) -> H2O(l)</chem><math>\quad \Delta H = -286 \, \mathrm{kJ}</math>
:<chem>H2(g) + 1/2 O2(g) -> H2O(g)</chem><math>\quad \Delta H = -242 \, \mathrm{kJ}</math>
右のエンタルピー図から、水の凝集エンタルピーQは<math>Q = -44 [\mathrm{kJ/mol}]</math>と求まる。
なお、単体や完全燃焼化合物を基準にするとエンタルピー図を書きやすいが、'''燃焼性生物は低エンタルピー、単体は高エンタルピーとなることが多い'''。
;応用3:生成エンタルピーと反応エンタルピーの関係
エンタルピー図を書くことによって、次の関係がわかる。
:反応エンタルピー = ('''生成物'''の生成エンタルピー) - ('''反応物'''の生成エンタルピー)
当然、この関係を利用して反応エンタルピーを求めることもできる。
;応用4:結合エンタルピー
分子内の1mol(602214076000000000000000本)の'''共有結合'''を切断して気体状(ばらばら状態)の原子にするために必要なエネルギーを、その共有結合の'''結合エンタルピー'''([[高等学校物理/原子物理#原子核反応|結合エネルギー]])という。結合を切断するためにエネルギーが必要になるため、ΔHは必ず'''正'''である。
:例)<chem>H-H (g) -> 2H(g)</chem><math>\quad \Delta H = 436 \, \mathrm{kJ}</math>
※<chem>H-H</chem>は<chem>H2</chem>のままで書いても良い。
エンタルピー図を書くことによって、以下の関係がわかる。
:反応エンタルピー = ('''反応物'''の結合エンタルピー) - ('''生成物'''の結合エンタルピー)
;応用5:格子エンタルピー(発展)
1molのイオンからなるイオン結晶のイオン結合を切断して気体状のイオンにするのに必要なエネルギーを、そのイオン結合の'''格子エンタルピー'''(格子エネルギー)という。格子エンタルピーは、そのイオン結晶が安定かどうかの指標になる。
直接的に求めることは不可能だが、ヘスの法則を利用して間接的に求めることはできる。
1. エンタルピー(熱の量:\(H\))の視点
* 氷が水になるためには、周囲から熱を吸収する(吸熱反応)必要がある。
* つまり、氷よりも水のほうが'''「内部に蓄えている熱エネルギー(エンタルピー)」が高い'''状態である。
2. エントロピー(乱雑さ:\(S\))の視点
* 氷のときは、水分子が規則正しくカチッと並んでいる(エントロピーが低い=綺麗)。
* 水になると、分子が自由に動き回ってバラバラになる('''エントロピーが高い'''=散らかっている)。
----
*例題
NaCl(s)の生成エンタルピーを-411[kJ/mol]、NaCl(s)の昇華エンタルピーを92[kJ/mol]、Cl<sub>2</sub>の結合エンタルピーを243[kJ/mol]、Na(g)のイオン化エネルギーを496[kJ/mol]、Cl(g)の電気親和力を-349[kJ/mol]とする。Na(s)の格子エンタルピーQ[kJ/mol]を求めよ。
*解答
それぞれの反応エンタルピーを付した化学反応式は以下のようになる。
:①<chem>Na(s) + 1/2 Cl2(g) -> NaCl(s)</chem><math>\quad \Delta H = -41 \, \mathrm{kJ}</math>
:②<chem>Na(s) -> Na(g)</chem><math>\quad \Delta H = 92 \, \mathrm{kJ}</math>
:③<chem>Cl2(g) -> 2Cl(g)</chem><math>\quad \Delta H = 243 \, \mathrm{kJ}</math>
:④<chem>Na(g) -> Na^+(g) + e^-</chem><math>\quad \Delta H = 496 \, \mathrm{kJ}</math>
:⑤<chem>Cl(g) + e^- -> Cl^- (g)</chem><math>\quad \Delta H = -349 \, \mathrm{kJ}</math>
:⑥<chem>NaCl(s) -> Na^+(g) + Cl^- (g)</chem><math>\quad \Delta H = Q \, \mathrm{kJ}</math>
エンタルピー図を書くと、ヘスの法則より-①+②+1/2 ③+④=-⑤+⑥がわかる。
ΔHの部分にのみ着目して計算すると、<math>-(-411) + 92 + \frac{243}{2} + 496 = -(-349) + Q</math>すなわち<math>Q = 411+92+\frac{243}{2}+496-349 = 771.5</math>であり、有効数字を考慮すると<math>Q = 772 [\mathrm{kJ/mol}]</math>と求まる。
;反応エンタルピーの測定
反応エンタルピーは、反応による熱の吸収・放出を測定することにより求められる。測定には水温変化を利用する。
水溶液の質量をm[kg]、温度変化をΔT[K]、比熱をc[J/(g・K)]とすると、発熱量(吸熱量)Qは<math>Q = mc \Delta T</math>である。反応エンタルピーの'''絶対値'''はQを物質量で割れば求まる。反応エンタルピーの符号は発熱反応か吸熱反応華どうかで判断する。
==化学反応が自発的に進む要因==
; エントロピー
一般に、物質はエンタルピーが低い方が安定なので、発熱反応では反応が自発的に進みやすい。しかし、エンタルピーが高くなる反応なのにも拘らず、自発的に進む吸熱反応は私たちの身の回りに溢れている。氷の溶解がその最たる例である。
このように、エンタルピーだけでは反応が自発的に進むかどうかを判断することはできない。そこで、以下のような量を考える。
'''エントロピー'''
熱源の温度をT、熱源との熱の出入りの量をQとしたとき、<math>S = \frac{Q}{T}</math>を'''エントロピー(内転効率、熵)'''という。単位は'''ジュール毎ケルビン(J/K)'''である。
エントロピーは'''系の乱雑さを表す物理量'''であり、可逆な熱機関(熱効率が理論最大値をとる熱機関)では保存される。
熱力学第二法則より、熱は高温物体から低温物体に伝わっていく。この過程において、低温物体のエントロピーは増大する。一般に、孤立系、及び断熱系において不可逆変化が生じた場合、その系のエントロピーは増大する。これを'''エントロピー増大則'''という。例えば、溶解などの拡散する変化はエンタルピー増大則に従ったものである。
これを踏まえると、化学反応が自発的に反応するかどうかは「エンタルピー変化による安定化の度合い」と「エントロピー変化による乱雑さ増大の度合い」の兼ね合いで判断することができる。
; ギブスの自由エネルギー
系の乱雑さが増大する度合いは、熱運動が激しいほど大きくなる。よって、系の乱雑さはエントロピーと絶対温度の積で表される。
そこで、乱雑さとエンタルピーによる安定化を同時に考えるため、以下のような量を導入する。
'''ギブスの自由エネルギー'''
系のエンタルピーをH、系のエントロピーをS、系の内部の絶対温度をTとしたとき、<math>G = H - TS</math>を'''ギブスの自由エネルギー'''という。単位は'''ジュール(J)'''である。
Hが小さいほど安定、Sが大きいほど安定なので、Gが小さいほど安定である。故に、自由エネルギー変化ΔGが'''負'''ならば、安定な方向に反応が進むので自発的に反応する。ΔGが0ならば化学平衡の状態にある。ΔGが'''正'''ならば自発的に反応せず、逆反応が進む。なお、エンタルピー変化・エントロピー変化ともに負ならば低温条件で反応が進行し、ともに正ならば高温条件で反応が進行する。
エンタルピー変化を付した反応式上では成り立っても現実に起こらない反応があるのは、その反応において自由エネルギー変化が負にならないためである。
;補足:熱力学第三法則
絶対零度では完全結晶(分子欠落や不純物のない結晶)の取りうる配置は1通りなので、エントロピーは0と考えられる。故に、次の法則が成り立つ。
'''熱力学第三法則'''
完全結晶のエントロピーは絶対零度下では全て等しい。
この法則は「有限回の操作では絶対零度に到達することはできない」という定理と同値である。
熱力学は、第零法則(「物体AとB、BとCがそれぞれ熱平衡ならばAとCも熱平衡にある」という法則)、第一法則、第二法則だけでなくこの第三法則を加えて初めて完成する。
==化学反応と光==
光は電磁波の一種であり、波長の長い方から電波、赤外線、可視光線、紫外線、X線、γ線に分けられる。波長が短いほどエネルギーは大きくなる([[高等学校物理/原子物理#光の粒子性]]を参照)。
なお、虹の七色は'''{{ruby|赤橙黄緑青藍紫|せきとうおうりょくせいらんし}}'''である。
;化学発光
反応物と生成物のエネルギーの差を光エネルギーとして放出する反応を'''化学発光'''('''化学冷光'''、'''化学ルミネセンス''')という。
*ルミノール反応
塩基性条件下で'''ルミノール'''(<chem>C8H7N3O2</chem>)を過酸化水素などを用いて酸化すると、青く発光する。遷移元素の錯体が存在すれば強く反応するため、血液の検出に用いられる。
*蛍光物質
'''蓚酸ジフェニル'''(<chem>C14H10O4</chem>)は、酸化されるときにエネルギーを'''蛍光物質'''に与え、発光させる。ケミカルライトに用いられる。
炎色反応も化学発光の一つである。ホタルやクラゲなど、生物による化学発光は'''生物発光'''という。([[高等学校 生物/効果器]]も参照。)
;光化学反応
化学反応を起こさせるのは熱だけではない。可視光線や紫外線などの吸収により起こったり促進されたりする反応を'''光化学反応'''という。
*ハロゲン化銀の感光
[[高校化学 ハロゲン#ハロゲン化銀・ハロゲン化鉛|ハロゲン化銀]]は光に当てると銀を遊離する('''感光性''')。歴史的には臭化銀<chem>AgBr</chem>(Silver Bromide)が写真に用いられ、有名人の写真を意味する「ブロマイド」の語源となっている。
*水素と塩素の爆発
水素と塩素の混合気体に強い光を当てると、爆発的に反応して塩化水素を生じる。
*ベンゼンの付加反応
[[高校化学 芳香族化合物#ベンゼン|ベンゼン]]<chem>C6H6</chem>は付加反応が起こりづらいが、紫外線を照射すると塩素原子が付加してヘキサクロロシクロヘキサン<chem>C6H6Cl6</chem>を生じる
*光触媒
光が当たると触媒の働きを示す物質を'''光触媒'''という。例えば、'''チタニア'''('''酸化チタン(Ⅳ)''')<chem>TiO2</chem>に酢酸などの有機化合物が付着した状態で光を当てると、有機化合物が二酸化炭素と水に分解される。チタニアは家屋の外壁や太陽電池に用いられている。2024年現在、チタニアと酸化タングステン以外の光触媒は未だ実用化に至っていない。
*光合成
植物は光エネルギーを利用して、二酸化炭素と酸素から'''グルコース'''('''葡萄糖''')<chem>C6H12O6</chem>を合成する。この反応は、<chem>6CO2(g) + 12H2O(l) -> C6H12O6(s) + 6O2(g) + 6H2O(l)</chem><math>\Delta H = 2803 \mathrm{kJ}</math>と書き表される。多数のグルコースが繫って[[高校化学 天然高分子化合物|高分子化合物]]を形成すると、'''澱粉'''となる。([[高等学校 生物/光合成]]も参照)
日焼けやプラスチックゴミの分解によるマイクロプラスチックの発生も光化学反応によるものである。
==補足:熱化学方程式==
2022年度以前の課程では、長らくエンタルピーではなく'''熱化学方程式'''('''熱化学反応式''')が用いられていた。
熱化学方程式では、化学反応式中に等号『=』を用いるほか、熱量を反応式に足して記していた。
例えば、光合成の反応は熱化学方程式では以下のように書き表される。
:<chem>6CO2(g) + 12H2O(l) + 668 kcal = C6H12O6(s) + 6O2(g) + 6H2O(l)</chem> ※1 kcal = 4184 J
ここで、エンタルピー変化を付した反応式とは'''熱量の符号が逆'''になっていることがわかる。これは、エンタルピー変化を付した反応式では'''系の物質の視点'''に立っているのに対して、熱化学方程式は'''外界の観察者の視点'''に立っているためである。
よって、2022年度施行課程以前の教科書・参考書を使用する際は注意が必要である。
熱化学方程式が廃止された理由としては、熱化学方程式は『日本の高校でしか通用しない概念』であったことが挙げられる。大学や海外ではエンタルピーを用いるのが普通なので、そこで熱化学を学習すると先述の通り熱量の符号が逆転してしまい、学習者に大きな混乱を与えていた。また、化学の様々な分野がある中で反応式中に『=』が登場するのは熱化学方程式だけであったので、他の分野との整合が取れていなかったのも一因と考えられる。
*参考文献:数研出版特集『[https://www.chart.co.jp/subject/rika/scnet/76/Snet76-2.pdf 「反応熱」から「反応エンタルピー」へ]』
{{DEFAULTSORT:かかくはんのうとえんたるひ}}
[[Category:高等学校化学]]
[[カテゴリ:化学反応]]
[[カテゴリ:エネルギー]]
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Pkgsrc
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2026-07-08T12:20:39Z
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== はじめに ==
'''pkgsrc'''は、Unix系システム向けのパッケージ管理システムで、特にNetBSDでの利用が広く、他の多くのUnix系オペレーティングシステムでもサポートされています。このシステムは、ソフトウェアパッケージをソースからビルドし、依存関係を管理します。pkgsrcは、ポータブルなパッケージ管理を提供し、多くのOSプラットフォームで使用することができます。
== pkgsrc インストール手順 ==
以下に主要な OS へのインストール手順をまとめます。
=== 共通の準備:pkgsrc ソースの取得 ===
まず pkgsrc ツリー自体を取得します。
:<syntaxhighlight lang=bash copy>
doas git clone --depth=1 https://github.com/NetBSD/pkgsrc.git /usr/pkgsrc
</syntaxhighlight>
=== macOS ===
==== 前提条件 ====
* Xcode Command Line Tools が必要です。
:<syntaxhighlight lang=zsh copy>
xcode-select --install
</syntaxhighlight>
==== bootstrap ====
:<syntaxhighlight lang=zsh copy>
cd /usr/pkgsrc/bootstrap && ./bootstrap --prefix=/opt/pkg
</syntaxhighlight>
==== 環境変数の設定 ====
:<syntaxhighlight lang=zsh copy>
echo "export PATH=/opt/pkg/bin:/opt/pkg/sbin:$PATH" >> ~/.zshrc
echo "export MANPATH=/opt/pkg/man:$MANPATH" >> ~/.zshrc
source ~/.zshrc
</syntaxhighlight>
=== Linux(Debian / Ubuntu) ===
==== 前提条件 ====
:<syntaxhighlight lang=bash copy>
sudo doas apt install git build-essential
</syntaxhighlight>
==== bootstrap ====
:<syntaxhighlight lang=bash copy>
cd /usr/pkgsrc/bootstrap && doas ./bootstrap --prefix=/usr/pkg
</syntaxhighlight>
==== 環境変数の設定 ====
:<syntaxhighlight lang=bash copy>
echo "export PATH=/usr/pkg/bin:/usr/pkg/sbin:$PATH" >> ~/.bashrc
source ~/.bashrc
</syntaxhighlight>
=== Linux(RHEL / CentOS / Fedora) ===
==== 前提条件 ====
:<syntaxhighlight lang=bash copy>
sudo doas dnf install curl git @development-tools
</syntaxhighlight>
==== bootstrap ====
:<syntaxhighlight lang=bash copy>
cd /usr/pkgsrc/bootstrap && doas ./bootstrap --prefix=/usr/pkg
</syntaxhighlight>
=== NetBSD ===
NetBSD には pkgsrc が標準で付属しています。
:<syntaxhighlight lang=bash copy>
# ソースが /usr/pkgsrc にある場合
cd /usr/pkgsrc/bootstrap && ./bootstrap
</syntaxhighlight>
=== Solaris / illumos(OmniOS, OpenIndiana) ===
:<syntaxhighlight lang=bash copy>
cd /usr/pkgsrc/bootstrap && ./bootstrap --prefix=/opt/pkg --varbase=/var/db/pkg
</syntaxhighlight>
=== 参考リンク ===
* 公式サイト: https://pkgsrc.org
* ドキュメント: https://www.netbsd.org/docs/pkgsrc/
* バイナリパッケージ: https://pkgsrc.org/packages/
== パッケージのインストール ==
pkgsrcでは、パッケージをビルドしてインストールする手順は比較的簡単です。インストールするソフトウェアのパッケージが決まったら、次のコマンドを使ってインストールできます。
例えば、<code>vim</code>をインストールする場合、次の手順を実行します。
:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>
bmake -C /usr/pkgsrc/editors/vim install clean
</syntaxhighlight>
このコマンドは、<code>vim</code>のソースコードをビルドし、インストールします。<code>make install clean</code>は、インストール後にビルドしたファイルをクリーンアップします。
== パッケージの削除 ==
インストール済みのパッケージを削除するには、次のコマンドを使用します。
:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>
pkg_delete vim
</syntaxhighlight>
これにより、<code>vim</code>がシステムから削除されます。
== pkgsrcの設定 ==
pkgsrcでは、パッケージのビルドオプションを設定することができます。設定は、<code>mk.conf</code>ファイルを編集することで行います。
例えば、<code>/etc/mk.conf</code>ファイルに次の設定を追加することで、特定のオプションを変更できます。
:<syntaxhighlight lang=text copy>
PKG_DEFAULT_OPTIONS+= -python
</syntaxhighlight>
この設定により、Python関連のパッケージが無効化されます。
== パッケージの依存関係 ==
pkgsrcは、パッケージの依存関係を自動的に管理します。パッケージが他のパッケージを必要とする場合、pkgsrcは自動的にそれらをインストールし、ビルドします。依存関係を確認するには、次のコマンドを使用します。
:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>
pkg_info -R package-name
</syntaxhighlight>
これにより、指定したパッケージの依存関係が表示されます。
== パッケージのクリーンアップ ==
パッケージを削除した後でも、キャッシュや不要なファイルが残ることがあります。これらをクリーンアップするには、<code>pkg_admin</code>を使用します。
:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>
pkg_admin rebuild
</syntaxhighlight>
これにより、不要なファイルが削除され、パッケージデータベースが再構築されます。
== まとめ ==
pkgsrcは、強力で柔軟なパッケージ管理システムであり、多くのUnix系システムで使用できます。パッケージのインストール、管理、削除など、基本的な操作は簡単に行うことができます。依存関係の管理やビルドオプションのカスタマイズも可能で、ユーザーのニーズに応じたシステム構築が可能です。
== 下位階層のページ ==
*[[Pkgsrc/mk.conf]]
*[[Pkgsrc/pkg add]]
*[[Pkgsrc/pkg admin]]
*[[Pkgsrc/pkg chk]]
*[[Pkgsrc/pkg create]]
*[[Pkgsrc/pkg delete]]
*[[Pkgsrc/pkg info]]
*[[Pkgsrc/pkg rolling-replace]]
{{DEFAULTSORT:PKGSRC}}
[[Category:パッケージマネージメントシステム]]
[[Category:NetBSD]]
f5ch63wifh7k2o0wc9wv8kf2sodtm9n
PostCSS
0
43564
301331
265369
2026-07-08T12:24:22Z
AkiR27User
90873
/* 結論 */ ==関連項目==*[[PostCSS/parser]] *[[PostCSS/plugins]] *[[PostCSS/postcss.config.js]] *[[PostCSS/setup.js]] *[[PostCSS/プラグイン]]
301331
wikitext
text/x-wiki
== PostCSSの基礎 ==
=== PostCSSとは何か? ===
PostCSSは、[[JavaScript]]ベースのツールで、[[CSS]]を変換するための強力なエコシステムを提供します。従来のCSSプリプロセッサとは異なり、PostCSSは柔軟なプラグインアーキテクチャを採用しており、開発者は自由にCSSを拡張、最適化できます。
=== コード例:基本的なPostCSSの設定 ===
; postcss.config.js
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = {
plugins: [
require('autoprefixer'),
require('postcss-nested'),
require('postcss-custom-properties')
]
}
</syntaxhighlight>
=== PostCSSの主な特徴 ===
PostCSSの特徴は、その柔軟性と拡張性にあります:
# '''プラグインベースのアーキテクチャ''': 各プラグインが特定の変換や最適化を担当
# '''高速な処理''': 従来のプリプロセッサよりも高速
# '''モダンなCSS機能のサポート''': 将来のCSS仕様を現在のブラウザで利用可能
# '''カスタマイズ性''': 独自のプラグイン開発が可能
=== 実際の変換の流れ ===
PostCSSは、入力されたCSSを抽象構文木(AST)に変換し、各プラグインがそのASTを順次処理します。
:<syntaxhighlight lang=js copy>
// 簡略化されたPostCSSの変換フロー
const postcss = require('postcss');
const autoprefixer = require('autoprefixer');
const css = `
.example {
display: flex;
}
`;
postcss([autoprefixer])
.process(css)
.then(result => {
console.log(result.css);
// ブラウザ互換のプレフィックス付きCSSが出力される
});
</syntaxhighlight>
=== 歴史的背景 ===
PostCSSは、2013年に開発者 '''Andrey Sitnik''' によって最初にリリースされました。その誕生の背景には、CSSの拡張性や保守性を向上させるための新しいツールの必要性がありました。当時、CSSのエコシステムはすでにSassやLESSなどのプリプロセッサが主流でしたが、PostCSSはそれらとは異なるアプローチを取り、CSSのエコシステムに大きな影響を与えることになります。
=== CSSプリプロセッサとの違い ===
==== Sass/LESSとの比較 ====
:{| class="wikitable"
! 特徴 || Sass/LESS || PostCSS
|-
| 言語拡張 || 独自の言語仕様 || プラグインによる拡張
|-
| パフォーマンス || 比較的遅い || 高速
|-
| カスタマイズ性 || 限定的 || 非常に高い
|-
| 学習コスト || 独自文法の習得が必要 || 既存のCSS知識で対応可能
|}
=== プロジェクトへの導入例 ===
;典型的なプロジェクト構造:
:<syntaxhighlight lang=text copy>
my-project/
│
├── src/
│ └── styles/
│ ├── main.css
│ ├── components/
│ └── utilities/
│
├── postcss.config.js
├── package.json
└── webpack.config.js
</syntaxhighlight>
=== パッケージのインストール ===
:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>
npm install postcss postcss-cli autoprefixer postcss-nested --save-dev
</syntaxhighlight>
== セットアップと環境構築 ==
=== Node.jsとnpmの準備 ===
プロジェクトの前提条件として、Node.jsとnpmの最新バージョンが必要です。最新のLTS(Long Term Support)バージョンをインストールすることをお勧めします。
{{See also|Node.js|npm}}
==== Node.jsのバージョン確認 ====
:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>
# Node.jsのバージョン確認
node --version
# npmのバージョン確認
npm --version
</syntaxhighlight>
推奨されるNode.jsのバージョン:
* v18.x以上
* v22.x (最新LTS)
=== PostCSSのインストール ===
プロジェクトの依存関係に、PostCSSとその関連パッケージをインストールします。
:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>
# 基本的なPostCSSパッケージ
npm install postcss postcss-cli autoprefixer postcss-nested --save-dev
</syntaxhighlight>
=== 詳細な設定ファイル ===
==== postcss.config.js ====
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = {
plugins: [
require('autoprefixer'),
require('postcss-nested'),
require('postcss-custom-properties'),
require('postcss-import'),
require('cssnano')({
preset: 'default'
})
]
}
</syntaxhighlight>
=== ビルドツールとの統合 ===
==== Webpack連携 ====
<code>webpack.config.js</code>の例:
:<syntaxhighlight lang=js copy>
const path = require('path');
module.exports = {
entry: './src/index.js',
module: {
rules: [
{
test: /\.css$/,
use: [
'style-loader',
'css-loader',
{
loader: 'postcss-loader',
options: {
postcssOptions: {
config: path.resolve(__dirname, 'postcss.config.js')
}
}
}
]
}
]
}
}
</syntaxhighlight>
==== Vite連携 ====
<code>vite.config.js</code>の例:
:<syntaxhighlight lang=js copy>
import { defineConfig } from 'vite';
import postcss from './postcss.config.js';
export default defineConfig({
css: {
postcss: postcss
}
})
</syntaxhighlight>
=== npm scriptsの設定 ===
<code>package.json</code>でビルドスクリプトを定義:
:<syntaxhighlight lang=json copy>
{
"scripts": {
"build:css": "postcss src/styles/main.css -o dist/styles/main.css",
"watch:css": "postcss src/styles/main.css -o dist/styles/main.css --watch"
}
}
</syntaxhighlight>
=== 開発環境の推奨構成 ===
:<syntaxhighlight lang=text copy>
project-root/
│
├── src/
│ ├── styles/
│ │ ├── main.css
│ │ ├── components/
│ │ │ ├── button.css
│ │ │ └── form.css
│ │ └── utilities/
│ │ ├── variables.css
│ │ └── mixins.css
│ └── index.js
│
├── dist/
│ └── styles/
│
├── postcss.config.js
├── package.json
└── webpack.config.js
</syntaxhighlight>
=== 注意点と推奨事項 ===
# '''依存関係の管理''':
#* 定期的に<code>npm outdated</code>でパッケージの更新を確認
#* <code>npm audit</code>でセキュリティの脆弱性をチェック
# '''プラグインの選択''':
#* 必要最小限のプラグインから始める
#* パフォーマンスに注意を払う
#* プラグインの更新履歴と互換性を確認
# '''ソースマップの設定''':
#* デバッグのためにソースマップを有効化:
; postcss.config.js
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = {
map: {
inline: false, // 別ファイルに出力
annotation: true // ソースマップの生成
},
plugins: [
// 既存のプラグイン設定
]
}
</syntaxhighlight>
=== トラブルシューティング ===
よくある設定エラーと対処法:
* プラグインの読み込みエラー: バージョン確認と正確なインポート
* 設定ファイルの構文エラー: 最新のPostCS仕様に準拠
* ビルドの遅延: 不要なプラグインの削除
== 基本的なプラグイン ==
=== プラグインの概念と仕組み ===
PostCSSプラグインは、CSSを変換するための小さな JavaScript モジュールです。各プラグインは特定の機能を提供し、CSSの抽象構文木(AST)を操作します。
==== プラグインの基本的な構造 ====
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = (opts = {}) => {
return {
postcssPlugin: 'plugin-name',
OnceExit (root, postcss) {
// CSSルートを処理するロジック
root.walkRules(rule => {
// 各ルールに対する変換
});
}
}
}
module.exports.postcss = true;
</syntaxhighlight>
=== 必須プラグインの詳細 ===
==== Autoprefixer ====
ベンダープレフィックスを自動追加する最も重要なプラグイン。
:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>
npm install autoprefixer --save-dev
</syntaxhighlight>
;設定例:
; postcss.config.js
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = {
plugins: [
require('autoprefixer')({
browsers: ['> 1%', 'last 2 versions', 'not dead'],
grid: 'autoplace'
})
]
}
</syntaxhighlight>
変換の例:
:<syntaxhighlight lang=css copy>
/* 入力 */
.example {
display: flex;
grid-template-columns: 1fr 1fr;
}
/* 出力 */
.example {
display: -webkit-box;
display: -ms-flexbox;
display: flex;
-ms-grid-columns: 1fr 1fr;
grid-template-columns: 1fr 1fr;
}
</syntaxhighlight>
==== CSS Nested ====
ネストされたCSS記法を可能にするプラグイン。
:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>
npm install postcss-nested --save-dev
</syntaxhighlight>
使用例:
:<syntaxhighlight lang=css copy>
/* 入力 */
.container {
width: 100%;
& .header {
background-color: #f0f0f0;
&:hover {
background-color: #e0e0e0;
}
}
}
/* 出力 */
.container {
width: 100%;
}
.container .header {
background-color: #f0f0f0;
}
.container .header:hover {
background-color: #e0e0e0;
}
</syntaxhighlight>
==== Custom Properties (CSS変数) ====
CSS変数の高度な処理を提供するプラグイン。
:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>
npm install postcss-custom-properties --save-dev
</syntaxhighlight>
使用例:
:<syntaxhighlight lang=css copy>
/* 入力 */
:root {
--primary-color: #3498db;
--secondary-color: color-mix(in srgb, var(--primary-color), white 20%);
}
.button {
background-color: var(--primary-color);
border-color: var(--secondary-color);
}
/* 出力 */
.button {
background-color: #3498db;
border-color: #63b2e7;
}
</syntaxhighlight>
==== Import ====
CSSファイルのモジュラーな読み込みを実現。
:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>
npm install postcss-import --save-dev
</syntaxhighlight>
使用例:
:<syntaxhighlight lang=css copy>
/* main.css */
@import "variables.css";
@import "components/button.css";
.container {
color: var(--text-color);
}
/* 複数のCSSファイルを単一のファイルにまとめる */
</syntaxhighlight>
=== 高度なプラグイン設定 ===
==== 統合的な設定例 ====
; postcss.config.js
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = {
plugins: [
require('postcss-import')(),
require('postcss-custom-properties')({
preserve: false // 変数を静的な値に置き換え
}),
require('postcss-nested')(),
require('autoprefixer')({
grid: 'autoplace'
}),
process.env.NODE_ENV === 'production'
? require('cssnano')()
: null
].filter(Boolean) // nullを除外
}
</syntaxhighlight>
=== プラグインの選択と最適化のヒント ===
# '''必要最小限のプラグイン''':
#* パフォーマンスを考慮
#* 本当に必要な機能のみを追加
# '''順序の重要性''':
#* プラグインの実行順序に注意
#* <code>postcss-import</code> → <code>postcss-nested</code> → <code>autoprefixer</code> の順が一般的
# '''環境による条件分岐''':
#* 本番環境と開発環境で異なる設定
#* 圧縮や最適化の切り替え
=== トラブルシューティング ===
* プラグインの競合を避けるため、常に最新バージョンを使用
* 設定の複雑さに注意
* パフォーマンスへの影響を常に意識
== 高度なプラグイン活用 ==
=== 最適化プラグイン ===
==== cssnano ====
CSS圧縮と最適化の決定版プラグイン。
:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>
npm install cssnano --save-dev
</syntaxhighlight>
;設定例:
; postcss.config.js
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = {
plugins: [
require('cssnano')({
preset: 'default', // 標準の最適化設定
plugins: [
require('autoprefixer'),
require('css-mqpacker'), // メディアクエリの統合
]
})
]
}
</syntaxhighlight>
==== postcss-preset-env ====
次世代のCSS機能を現在のブラウザで利用可能に。
:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>
npm install postcss-preset-env --save-dev
</syntaxhighlight>
; postcss.config.js
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = {
plugins: [
require('postcss-preset-env')({
stage: 2, // 安定性のステージ
features: {
'custom-media-queries': true,
'custom-properties': true
}
})
]
}
</syntaxhighlight>
=== 変数と関数の拡張 ===
==== postcss-advanced-variables ====
より高度な変数処理を実現。
:<syntaxhighlight lang=css copy>
/* 入力 */
$width: 100px;
$height: 200px;
.box {
width: $width;
height: $height;
@if $width > 50px {
border: 1px solid black;
}
}
</syntaxhighlight>
==== postcss-functions ====
カスタム関数の定義が可能。
; functions.js
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = {
darken: (color, amount) => {
// 色を暗くする関数
},
rem: (px) => `${px / 16}rem`
}
</syntaxhighlight>
; postcss.config.js
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = {
plugins: [
require('postcss-functions')({
functions: require('./functions.js')
})
]
}
</syntaxhighlight>
=== レスポンシブデザインのためのプラグイン ===
==== postcss-responsive-type ====
レスポンシブなフォントサイズを簡単に実装。
:<syntaxhighlight lang=css copy>
html {
responsive-font-size: 16px 768px 32px;
}
</syntaxhighlight>
==== postcss-custom-media ====
メディアクエリの変数化。
:<syntaxhighlight lang=css copy>
@custom-media --narrow-window (max-width: 30em);
@media (--narrow-window) {
/* モバイル向けスタイル */
}
</syntaxhighlight>
=== 画像最適化プラグイン ===
==== postcss-assets ====
画像パスの管理や基本的な処理。
; postcss.config.js
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = {
plugins: [
require('postcss-assets')({
loadPaths: ['src/images/'],
cache: true
})
]
}
</syntaxhighlight>
; example.css
:<syntaxhighlight lang=css copy>
.logo {
background: resolve('logo.png');
width: width('logo.png');
height: height('logo.png');
}
</syntaxhighlight>
=== パフォーマンス最適化のためのテクニック ===
==== プラグインの組み合わせ例 ====
; postcss.config.js
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = {
plugins: [
require('postcss-import'),
require('postcss-custom-properties')({
preserve: false
}),
require('postcss-nested'),
require('autoprefixer'),
process.env.NODE_ENV === 'production'
? require('cssnano')({
preset: 'advanced'
})
: null
].filter(Boolean)
}
</syntaxhighlight>
=== 実践的な設定例 ===
; webpack.config.js
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = {
module: {
rules: [
{
test: /\.css$/,
use: [
'style-loader',
{
loader: 'css-loader',
options: {
importLoaders: 1
}
},
{
loader: 'postcss-loader',
options: {
postcssOptions: {
plugins: [
require('postcss-import'),
require('postcss-preset-env')({
stage: 2
}),
require('autoprefixer'),
process.env.NODE_ENV === 'production'
? require('cssnano')
: null
].filter(Boolean)
}
}
}
]
}
]
}
}
</syntaxhighlight>
=== プラグイン選択の注意点 ===
# パフォーマンスへの影響を常に意識
# 必要最小限のプラグインを選択
# 定期的にプラグインの更新と互換性を確認
# 本番環境と開発環境で異なる設定を検討
== カスタムプラグインの開発 ==
=== プラグインの基本構造 ===
PostCSSプラグインは、CSSの抽象構文木(AST)を操作するJavaScriptモジュールです。基本的な構造は以下のようになります:
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = (opts = {}) => {
// デフォルトオプション
const options = {
// プラグインのデフォルト設定
prefix: 'custom-'
};
return {
postcssPlugin: 'custom-plugin-name',
// プラグインのメインロジック
Root (root, postcss) {
// ルート全体に対する処理
},
Declaration (decl, postcss) {
// 個々の宣言に対する処理
},
Rule (rule, postcss) {
// CSSルールに対する処理
}
}
}
; PostCSSプラグインであることを明示
module.exports.postcss = true;
</syntaxhighlight>
=== 実際のカスタムプラグイン例 ===
==== 簡単な変数変換プラグイン ====
:<syntaxhighlight lang=js copy>
const postcss = require('postcss');
module.exports = (opts = {}) => {
const variables = opts.variables || {};
return {
postcssPlugin: 'postcss-custom-variables',
Declaration(decl) {
// 特定の接頭辞を持つ変数を置換
if (decl.prop.startsWith('--custom-')) {
const varName = decl.prop.replace('--custom-', '');
const replacement = variables[varName] || decl.value;
decl.prop = `--${varName}`;
decl.value = replacement;
}
}
}
}
module.exports.postcss = true;
</syntaxhighlight>
==== 使用例 ====
:<syntaxhighlight lang=js copy>
const postcss = require('postcss');
const customVariablesPlugin = require('./custom-variables-plugin');
const css = `
:root {
--custom-primary-color: #3498db;
--custom-secondary-color: #2ecc71;
}
.button {
background-color: var(--primary-color);
}
`;
postcss([
customVariablesPlugin({
variables: {
'primary-color': '#e74c3c'
}
})
]).process(css).then(result => {
console.log(result.css);
});
</syntaxhighlight>
=== プラグイン開発のベストプラクティス ===
# '''AST操作の基本'''
#:PostCSSは強力なASTメソッドを提供します:
#:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = () => {
return {
postcssPlugin: 'ast-manipulation-example',
Root(root) {
// ルート全体の走査
root.walkRules(rule => {
// 各ルールに対する処理
rule.walkDecls(decl => {
// 各宣言に対する処理
});
});
}
}
}
</syntaxhighlight>
# '''エラーハンドリング'''
#:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = (opts = {}) => {
return {
postcssPlugin: 'error-handling-plugin',
Declaration(decl) {
try {
// 変換ロジック
if (someCondition) {
decl.warn(result, 'カスタム警告メッセージ');
}
} catch (error) {
decl.error(`プラグイン内でエラーが発生: ${error.message}`);
}
}
}
}
</syntaxhighlight>
=== テストの実装 ===
==== Jest を使用したプラグインテスト ====
:<syntaxhighlight lang=js copy>
const postcss = require('postcss');
const plugin = require('./your-plugin');
describe('カスタムプラグイン', () => {
it('期待通りの変換を行うこと', async () => {
const input = '.test { color: red; }';
const output = await postcss([plugin()])
.process(input)
.then(result => result.css);
expect(output).toBe('.test { color: blue; }');
});
});
</syntaxhighlight>
=== プラグイン公開の手順 ===
# <code>package.json</code>の整備
#;package.json
#:<syntaxhighlight lang=json copy>
{
"name": "postcss-custom-plugin",
"version": "1.0.0",
"main": "index.js",
"keywords": ["postcss", "postcss-plugin"],
"peerDependencies": {
"postcss": "^8.0.0"
}
}
</syntaxhighlight>
# npmへの公開
#:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>
npm login
npm publish
</syntaxhighlight>
=== 高度な変換の例 ===
;postcss.config.js
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = (opts = {}) => {
const {
prefix = 'custom-',
transform = (value) => value
} = opts;
return {
postcssPlugin: 'advanced-transformation-plugin',
Declaration(decl) {
if (decl.prop.startsWith(prefix)) {
// 動的な変換
const transformedValue = transform(decl.value);
// 新しい宣言の作成
const newDecl = decl.clone({
prop: decl.prop.replace(prefix, ''),
value: transformedValue
});
// 元の宣言を置き換え
decl.replaceWith(newDecl);
}
}
}
}
</syntaxhighlight>
=== 注意点とベストプラクティス ===
# パフォーマンスを常に意識
# 軽量で単一責任のプラグインを心がける
# 広範囲なテストケースの用意
# 互換性と柔軟性の確保
== 実践的な活用パターン ==
=== モジュラーCSSの設計 ===
==== コンポーネントベースのアプローチ ====
; components/button.css
:<syntaxhighlight lang=css copy>
.button {
display: inline-block;
padding: 10px 15px;
border-radius: 4px;
&--primary {
background-color: var(--primary-color);
color: white;
}
&--secondary {
background-color: var(--secondary-color);
color: black;
}
}
</syntaxhighlight>
; components/card.css
:<syntaxhighlight lang=css copy>
.card {
border: 1px solid var(--border-color);
border-radius: 8px;
&__header {
background-color: var(--light-gray);
padding: 15px;
}
&__body {
padding: 15px;
}
}
</syntaxhighlight>
==== グローバル変数の管理 ====
; global/variables.css
:<syntaxhighlight lang=css copy>
:root {
--primary-color: #3498db;
--secondary-color: #2ecc71;
--border-color: #bdc3c7;
--text-color: #333;
/* レスポンシブ対応の変数 */
--breakpoint-mobile: 576px;
--breakpoint-tablet: 768px;
--breakpoint-desktop: 992px;
}
</syntaxhighlight>
=== デザインシステムの構築 ===
==== 色彩システム ====
; design-system/colors.css
:<syntaxhighlight lang=css copy>
:root {
/* プライマリーカラーパレット */
--color-primary-100: #e6f2ff;
--color-primary-300: #66b0ff;
--color-primary-500: #3498db;
--color-primary-700: #2980b9;
--color-primary-900: #1c5a8a;
/* セマンティックカラー */
--color-success: #2ecc71;
--color-warning: #f39c12;
--color-danger: #e74c3c;
}
</syntaxhighlight>
==== タイポグラフィシステム ====
; design-system/typography.css
:<syntaxhighlight lang=css copy>
:root {
/* フォントサイズ */
--font-size-xs: 0.75rem;
--font-size-sm: 0.875rem;
--font-size-base: 1rem;
--font-size-lg: 1.25rem;
--font-size-xl: 1.5rem;
/* フォントウェイト */
--font-weight-light: 300;
--font-weight-regular: 400;
--font-weight-bold: 700;
}
</syntaxhighlight>
=== クロスブラウザ対応 ===
==== ベンダープレフィックスの自動化 ====
; postcss.config.js
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = {
plugins: [
require('autoprefixer')({
grid: 'autoplace',
browsers: [
'> 1%',
'last 2 versions',
'not dead'
]
})
]
}
</syntaxhighlight>
==== フレックスボックスと Grid のサポート ====
:<syntaxhighlight lang=css copy>
.flex-container {
display: flex;
justify-content: space-between;
align-items: center;
}
.grid-layout {
display: grid;
grid-template-columns: repeat(3, 1fr);
gap: 20px;
}
</syntaxhighlight>
=== パフォーマンス最適化 ===
==== CSS最適化 ====
; postcss.config.js
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = {
plugins: [
require('postcss-import'),
require('postcss-preset-env'),
process.env.NODE_ENV === 'production'
? require('cssnano')({
preset: 'advanced'
})
: null
].filter(Boolean)
}
</syntaxhighlight>
==== メディアクエリの最適化 ====
:<syntaxhighlight lang=css copy>
/* レスポンシブデザイン */
@media (max-width: 768px) {
.container {
flex-direction: column;
}
}
/* モバイルファースト */
.element {
width: 100%;
}
@media (min-width: 768px) {
.element {
width: 50%;
}
}
</syntaxhighlight>
=== 実践的な構成例 ===
:<syntaxhighlight lang=text copy>
src/
├── styles/
│ ├── global/
│ │ ├── variables.css
│ │ ├── reset.css
│ │ └── utilities.css
│ ├── design-system/
│ │ ├── colors.css
│ │ ├── typography.css
│ │ └── spacing.css
│ ├── components/
│ │ ├── button.css
│ │ ├── card.css
│ │ └── form.css
│ └── main.css
└── postcss.config.js
</syntaxhighlight>
=== 注意点とベストプラクティス ===
# 一貫性のある命名規則
# 変数と再利用可能なスタイルの活用
# パフォーマンスへの継続的な注意
# ブラウザサポートの定期的な確認
== 実際のプロジェクトでの導入 ==
=== 既存プロジェクトへの統合 ===
==== 段階的な導入アプローチ ====
# '''初期評価'''
#:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>
# 現在のCSSビルドプロセスの確認
npm list postcss autoprefixer
</syntaxhighlight>
# '''依存関係のインストール'''
#:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>
npm install postcss postcss-cli autoprefixer postcss-nested --save-dev
</syntaxhighlight>
# '''設定ファイルの追加'''
#; postcss.config.js
#:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = {
plugins: [
require('postcss-import'),
require('postcss-nested'),
require('autoprefixer')
]
}
</syntaxhighlight>
==== サンプルマイグレーションシナリオ ====
===== Sassからの移行例 =====
;sample.sass
:<syntaxhighlight lang=css copy>
/* Sass (旧) */
$primary-color: #3498db;
.button {
background-color: $primary-color;
&:hover {
background-color: darken($primary-color, 10%);
}
}
</syntaxhighlight>
;sample.css
:<syntaxhighlight lang=css copy>
/* PostCSS (新) */
:root {
--primary-color: #3498db;
}
.button {
background-color: var(--primary-color);
&:hover {
background-color: color-mod(var(--primary-color) shade(10%));
}
}
</syntaxhighlight>
=== マイグレーションガイド ===
==== 移行チェックリスト ====
# 依存関係の確認
# ビルドツールの設定更新
# プラグインの選定
# 変数システムの再設計
# テストと検証
==== webpack設定例 ====
; webpack.config.js
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = {
module: {
rules: [
{
test: /\.css$/,
use: [
'style-loader',
'css-loader',
{
loader: 'postcss-loader',
options: {
postcssOptions: {
plugins: [
require('postcss-import'),
require('postcss-nested'),
require('autoprefixer')
]
}
}
}
]
}
]
}
}
</syntaxhighlight>
=== 段階的な導入戦略 ===
==== フェーズ別アプローチ ====
# '''評価フェーズ'''
#* 既存のCSSアーキテクチャ分析
#* 互換性の確認
#* プラグイン選定
# '''パイロット導入'''
#* 小規模なコンポーネントで試験的移行
#* 段階的な機能追加
# '''全面移行'''
#* 徐々に対象範囲拡大
#* 継続的な検証
=== 注意点と落とし穴 ===
==== 一般的な課題と対策 ====
# '''ブラウザ互換性'''
#:<syntaxhighlight lang=js copy>
// browserslist設定
module.exports = {
overrideBrowserslist: [
'> 1%',
'last 2 versions',
'not dead'
]
}
</syntaxhighlight>
# '''パフォーマンス監視'''
#:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>
# ビルド時間の計測
time npm run build:css
</syntaxhighlight>
# '''プラグイン互換性'''
#:<syntaxhighlight lang=js copy>
// 条件付きプラグイン読み込み
module.exports = {
plugins: [
require('postcss-import'),
process.env.NODE_ENV === 'production'
? require('cssnano')
: null
].filter(Boolean)
}
</syntaxhighlight>
=== プロジェクト構造の再設計例 ===
:<syntaxhighlight lang=text copy>
project/
├── src/
│ ├── styles/
│ │ ├── base/
│ │ │ ├── reset.css
│ │ │ └── variables.css
│ │ ├── components/
│ │ │ ├── button.css
│ │ │ └── card.css
│ │ └── main.css
│ └── components/
│ └── ...
├── postcss.config.js
├── webpack.config.js
└── package.json
</syntaxhighlight>
=== リスク軽減戦略 ===
# '''バックアップ'''
#* 移行前の完全なCSSアーカイブ
#* Git履歴の保持
# '''段階的検証'''
#* コンポーネント単位の移行
#* 継続的な目視テスト
#* 自動テストの拡充
=== 推奨ツールと検証方法 ===
:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>
# CSS検証ツール
npm install --save-dev stylelint postcss-scss
# パフォーマンス計測
npm install --save-dev webpack-bundle-analyzer
</syntaxhighlight>
=== 移行後の継続的改善 ===
# 定期的なプラグインアップデート
# パフォーマンス監視
# ブラウザサポートの再評価
== パフォーマンスとデバッグ ==
=== PostCSSのパフォーマンス最適化 ===
==== ビルド時間の分析 ====
:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>
# ビルド時間の計測
time npm run build:css
# webpack-bundle-analyzerの導入
npm install --save-dev webpack-bundle-analyzer
</syntaxhighlight>
==== webpack設定例 ====
:<syntaxhighlight lang=js copy>
const BundleAnalyzerPlugin = require('webpack-bundle-analyzer').BundleAnalyzerPlugin;
module.exports = {
plugins: [
new BundleAnalyzerPlugin({
analyzerMode: 'static',
openAnalyzer: false,
generateStatsFile: true
})
]
}
</syntaxhighlight>
=== プラグインのパフォーマンス比較 ===
; postcss.config.js
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = {
plugins: [
require('postcss-import'), // 依存関係の解決
require('postcss-preset-env')({
stage: 2, // 安定性の高いステージ
features: {
'custom-properties': true,
'nesting-rules': true
}
}),
process.env.NODE_ENV === 'production'
? require('cssnano')({
preset: 'default'
})
: null
].filter(Boolean)
}
</syntaxhighlight>
=== デバッグツールと技法 ===
==== ソースマップの設定 ====
; postcss.config.js
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = {
map: {
inline: false, // 外部ソースマップファイル
annotation: true // デバッグ情報の追加
}
}
</syntaxhighlight>
==== ロギングプラグインの実装 ====
:<syntaxhighlight lang=js copy>
const postcss = require('postcss');
module.exports = (opts = {}) => {
return {
postcssPlugin: 'debug-plugin',
Root(root) {
console.log('処理対象のCSS:');
console.log(root.toString());
},
Declaration(decl) {
console.log(`宣言: ${decl.prop}: ${decl.value}`);
}
}
}
module.exports.postcss = true;
</syntaxhighlight>
=== よくある問題と解決策 ===
==== ベンダープレフィックスの過剰生成 ====
:<syntaxhighlight lang=js copy>
// autoprefixer設定の最適化
module.exports = {
plugins: [
require('autoprefixer')({
grid: 'autoplace',
remove: true // 不要なプレフィックスの削除
})
]
}
</syntaxhighlight>
==== 変数の解決と互換性 ====
:<syntaxhighlight lang=css copy>
/* 変数の定義と使用 */
:root {
--primary-color: #3498db;
}
.button {
/* 古いブラウザ向けのフォールバック */
background-color: #3498db;
background-color: var(--primary-color);
}
</syntaxhighlight>
=== パフォーマンス監視ツール ===
:<syntaxhighlight lang=js copy>
// カスタムパフォーマンス計測プラグイン
const { performance } = require('perf_hooks');
module.exports = (opts = {}) => {
return {
postcssPlugin: 'performance-monitor',
OnceExit(root) {
const start = performance.now();
// CSSの変換処理
const end = performance.now();
console.log(`処理時間: ${end - start}ms`);
}
}
}
</syntaxhighlight>
=== モニタリングとベンチマーク ===
==== CLI Tools ====
:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>
# CSS圧縮率の確認
npm install -g css-stats
# パフォーマンス分析
npx css-stats styles.css
</syntaxhighlight>
=== 高度なデバッグ戦略 ===
==== AST(抽象構文木)の可視化 ====
:<syntaxhighlight lang=js copy>
const postcss = require('postcss');
module.exports = (opts = {}) => {
return {
postcssPlugin: 'ast-debug-plugin',
Root(root) {
// ASTの構造を詳細に出力
console.log(JSON.stringify(root, null, 2));
}
}
}
</syntaxhighlight>
=== トラブルシューティングチェックリスト ===
# プラグインの互換性確認
# ソースマップの有効化
# 段階的な変換の検証
# ブラウザ互換性テスト
=== 推奨モニタリングツール ===
* stylelint
* postcss-reporter
* webpack-bundle-analyzer
=== 注意点とベストプラクティス ===
# 最小限のプラグイン構成
# 定期的な依存関係の更新
# 環境別の最適化
# 継続的なパフォーマンス測定
== 最新トレンドと将来の展望 ==
=== Web標準との関係 ===
PostCSSは、まさにWeb標準の進化に密接に寄り添うツールとして進化を続けています。CSSの仕様が常に更新される中、PostCSSはいち早く新しい文法や機能をサポートし、開発者にとって最先端のスタイリング体験を提供しています。
例えば、CSS Custom Propertiesのようなモダンな仕様を、ブラウザのサポート状況に関わらず利用可能にするプラグインを提供しています。
; postcss.config.js
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = {
plugins: [
require('postcss-custom-properties')({
preserve: true, // 元の変数も残す
importFrom: './src/variables.css'
}),
require('autoprefixer')
]
}
</syntaxhighlight>
=== CSS-in-JSとの比較 ===
PostCSSとCSS-in-JSは、スタイリングにおける異なるアプローチを提供します。PostCSSは従来のCSSファイルベースの開発を強化し、一方CSS-in-JSはコンポーネント内でのスタイル管理に特化しています。
PostCSSの利点は、既存のCSSワークフローとの高い親和性と、柔軟なプラグインシステムにあります。
:<syntaxhighlight lang=js copy>
// 典型的なPostCSSのワークフロー
const postcss = require('postcss');
const autoprefixer = require('autoprefixer');
const cssnano = require('cssnano');
postcss([
autoprefixer,
cssnano
])
.process(css, { from: 'src/style.css', to: 'dist/style.css' })
.then(result => {
// 最適化されたCSSが生成される
});
</syntaxhighlight>
=== 次世代のCSS技術 ===
==== ネストされたセレクタ ====
PostCSSは、SCSSのようなネストされたセレクタ記法をネイティブCSSに変換する機能を提供します。
:<syntaxhighlight lang=css copy>
/* 入力 */
.container {
max-width: 1200px;
& .header {
background-color: #f0f0f0;
&:hover {
background-color: #e0e0e0;
}
}
}
/* 変換後 */
.container {
max-width: 1200px;
}
.container .header {
background-color: #f0f0f0;
}
.container .header:hover {
background-color: #e0e0e0;
}
</syntaxhighlight>
==== カスタム属性 ====
将来的なCSS仕様を先取りし、現在のブラウザでも利用可能にします。
; postcss-custom-properties
:<syntaxhighlight lang=js copy>
:root {
--primary-color: #3498db;
}
.button {
background-color: var(--primary-color);
}
</syntaxhighlight>
=== PostCSSのロードマップ ===
PostCSSコミュニティは、以下の方向性を重視しています:
# よりスマートな変換と最適化
# Web標準との緊密な連携
# パフォーマンスの継続的な改善
# より直感的なプラグイン開発
現在のロードマップでは、静的解析の精度向上、より高速な変換処理、そしてTypeScriptサポートの強化が計画されています。
:<syntaxhighlight lang=js copy>
; 将来のPostCSSプラグイン構造の例
module.exports = {
plugins: {
'postcss-advanced-variables': {
importPaths: ['./src/design-tokens'],
disableParse: ['color-mod()'] // 実験的機能の制御
},
'postcss-preset-env': {
stage: 2, // 仕様のステージを指定
features: {
'nesting-rules': true
}
}
}
}
</syntaxhighlight>
<!--
附録
* 主要プラグイン一覧
* 設定リファレンス
* 便利なリソースとコミュニティ情報-->
----
== 設定ファイル ==
PostCSSの設定は以下の方法で行います。
=== postcss.config.js ===
PostCSSは通常、<code>postcss.config.js</code>ファイルを使用して設定します。
; postcss.config.js
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = {
plugins: {
autoprefixer: {},
cssnano: {}
}
};
</syntaxhighlight>
=== package.jsonに設定 ===
直接<code>package.json</code>に記述することも可能です。
; package.json
:<syntaxhighlight lang=json copy>
"postcss": {
"plugins": {
"autoprefixer": {},
"cssnano": {}
}
}
</syntaxhighlight>
=== ctx(Context) ===
PostCSSでの <code>ctx</code> は、PostCSSの設定ファイル (<code>postcss.config.js</code>) 内でエクスポートされる関数に渡される'''コンテキストオブジェクト'''を指します。この <code>ctx</code> オブジェクトは、PostCSSの設定や、実行環境に関する情報を持ち、設定を動的に切り替えたりカスタマイズしたりするために使用されます。
==== <code>ctx</code> の内容 ====
<code>ctx</code> オブジェクトの中身は、使用する環境やビルドツールの設定に応じて変化しますが、以下のような一般的なプロパティを含むことがあります:
# '''<code>ctx.env</code>'''
#* 現在の実行環境を表す文字列(例: <code>"development"</code> や <code>"production"</code>)。
#* 環境に応じてプラグインの設定を切り替えることが可能です。
# '''<code>ctx.options</code>'''
#* PostCSS CLI やビルドツールから渡される追加オプション。
#* <code>--config</code> や <code>--use</code> フラグで指定した内容が反映されることがあります。
# '''<code>ctx.file</code>'''
#* 入力ファイルに関する情報(ファイル名やパスなど)。
# '''カスタムプロパティ'''
#* ユーザーがCLIやスクリプトから渡したカスタム設定(例: テーマ名、フラグなど)。
==== <code>ctx</code> を使った設定例 ====
===== 環境に応じてプラグインを切り替える =====
例えば、開発環境と本番環境で異なるプラグイン設定を使いたい場合、以下のように <code>ctx.env</code> を利用できます:
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = (ctx) => {
return {
plugins: [
require('postcss-import'),
require('autoprefixer'),
ctx.env === 'production' && require('cssnano')({
preset: 'default',
})
].filter(Boolean) // null を除外
};
};
</syntaxhighlight>
* <code>ctx.env</code> が <code>"production"</code> の場合にのみ、<code>cssnano</code> が有効になります。
* 配列の <code>.filter(Boolean)</code> を使用して、無効なエントリを除外しています。
===== カスタムオプションを利用する =====
<code>ctx</code> にカスタムプロパティを追加し、それを動的に参照することも可能です:
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = (ctx) => {
const isDarkTheme = ctx.theme === 'dark';
return {
plugins: [
require('postcss-simple-vars')({
variables: {
color: isDarkTheme ? '#000' : '#fff',
},
}),
],
};
};
</syntaxhighlight>
* この例では、<code>ctx.theme</code> に基づいてCSS変数 <code>color</code> を切り替えます。
* CLIで <code>--theme dark</code> のように渡すと、<code>ctx.theme</code> に <code>dark</code> がセットされます。
===== ファイルごとに異なる設定を適用する =====
<code>ctx.file</code> を使って、入力ファイルの情報に応じた設定を切り替えることも可能です:
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = (ctx) => {
const isVendorFile = ctx.file && ctx.file.basename.includes('vendor');
return {
plugins: [
require('autoprefixer'),
isVendorFile && require('postcss-discard-comments')({
removeAll: true,
}),
].filter(Boolean),
};
};</syntaxhighlight>
* ファイル名に <code>vendor</code> が含まれる場合、<code>postcss-discard-comments</code> を適用します。
==== <code>ctx</code> を渡す方法 ====
CLIやツールを利用してPostCSSを実行すると、<code>ctx</code> は自動的に生成されて関数に渡されます。CLIを使ってカスタムプロパティを渡すには以下のようにします:
:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>
npx postcss src/styles.css -o dist/styles.css --env production --theme dark
</syntaxhighlight>
* 上記の例では、<code>ctx.env</code> が <code>"production"</code>、<code>ctx.theme</code> が <code>"dark"</code> になります。
==== まとめ ====
<code>ctx</code> はPostCSSの設定を柔軟にするための便利なオブジェクトです。環境やファイル、ユーザーのカスタムオプションに応じて設定を切り替えることができるため、PostCSSの可能性を最大限に引き出すことができます。
== 実践例 ==
=== 複数のプラグインの統合 ===
以下の例では、Autoprefixerとcssnanoを組み合わせて使用しています。
; postcss.config.js
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = {
plugins: [
require('autoprefixer')(),
require('cssnano')({
preset: 'default',
})
]
};
</syntaxhighlight>
=== Gulpとの連携 ===
[[Gulp]]と組み合わせてPostCSSを使用する例です。
:<syntaxhighlight lang=js copy>
const gulp = require('gulp');
const postcss = require('gulp-postcss');
const autoprefixer = require('autoprefixer');
const cssnano = require('cssnano');
gulp.task('css', function() {
return gulp.src('src/*.css')
.pipe(postcss([
autoprefixer(),
cssnano()
]))
.pipe(gulp.dest('dist'));
});
</syntaxhighlight>
=== Webpackとの連携 ===
[[Webpack]]の<code>postcss-loader</code>を使った例です。
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = {
module: {
rules: [
{
test: /\.css$/,
use: ['style-loader', 'css-loader', 'postcss-loader']
}
]
}
};
</syntaxhighlight>
== PostCSSでSassを利用する ==
PostCSSと[[SASS|Sass]]を組み合わせることで、より柔軟で拡張性の高いスタイルシート開発が可能になります。この節では、PostCSSとSassの統合方法と、その利点について詳説します。
=== インストール手順 ===
必要なパッケージをnpmでインストール:
:<syntaxhighlight lang=bash copy>
npm install postcss postcss-cli sass postcss-scss autoprefixer
</syntaxhighlight>
=== 設定ファイルの作成 ===
; postcss.config.js
:<syntaxhighlight lang=js copy>
module.exports = {
syntax: require('postcss-scss'),
plugins: [
require('autoprefixer')
]
}
</syntaxhighlight>
=== 基本的なワークフロー ===
# Sassファイルの作成
#; src/styles.scss
#:<syntaxhighlight lang=scss copy>
$primary-color: #3498db;
.container {
background-color: $primary-color;
&:hover {
opacity: 0.8;
}
@media (max-width: 768px) {
width: 100%;
}
}
</syntaxhighlight>
# PostCSSでコンパイル
#:<syntaxhighlight lang=bash copy>
npx sass src/styles.scss:dist/styles.css && npx postcss dist/styles.css -o dist/styles.css
</syntaxhighlight>
#コンパイル結果
#; dist/styles.css
#:<syntaxhighlight lang=scss copy>
.container {
background-color: #3498db;
}
.container:hover {
opacity: 0.8;
}
@media (max-width: 768px) {
.container {
width: 100%;
}
}
/*# sourceMappingURL=styles.css.map */
</syntaxhighlight>
=== 高度な機能統合 ===
==== Modernizrとの連携 ====
:<syntaxhighlight lang=scss copy>
.flexbox {
display: flex;
// Flexboxをサポートしている場合のみ適用
}
.no-flexbox {
// フォールバックスタイル
display: block;
}
</syntaxhighlight>
=== メリット ===
* '''柔軟性''': PostCSSのプラグインシステムによる拡張性
* '''互換性''': 最新のCSS機能への対応
* '''パフォーマンス''': 高速なコンパイル
* '''モジュール性''': 必要な機能のみを追加可能
=== よくある課題と解決策 ===
; ブラウザ互換性
: Autoprefixerプラグインを使用して自動的にベンダープレフィックスを追加
; パフォーマンス
: 不要なCSSの削除に[[PurgeCSS]]などのツールを活用
=== 推奨プラグイン ===
* <code>[[postcss-preset-env]]</code>: 最新のCSS仕様を使用可能に
* <code>[[autoprefixer]]</code>: ベンダープレフィックスの自動付与
* <code>[[cssnano]]</code>: CSS圧縮
* <code>[[postcss-sass]]</code>: Sassとの統合
=== 注意点 ===
* 設定の複雑さに注意
* 過度なプラグイン追加は避ける
* パフォーマンスへの影響を常に意識する
* 本体とプラグインのバージョンアップによる非互換性に注意する
=== サンプル設定 ===
<code>package.json</code>のscriptセクション:
; package.json
:<syntaxhighlight lang=json copy>
{
"scripts": {
"css:build": "npx postcss src/*.scss -d dist",
"css:watch": "npx postcss src/*.scss -d dist --watch"
}
}
</syntaxhighlight>
=== 発展的な例 ===
:<syntaxhighlight lang=scss copy>
// 機能検出と連携
@supports (display: grid) {
.grid-container {
display: grid;
grid-template-columns: repeat(3, 1fr);
}
}
// Modernizrクラスとの組み合わせ
.no-flexbox {
// フレックスボックスをサポートしていない場合
display: block;
}
</syntaxhighlight>
== トラブルシューティング ==
=== プラグインの競合 ===
複数のプラグインが競合する場合は、順序を調整することで解決できることがあります。
=== CSSの不具合 ===
生成されたCSSが期待通りでない場合、PostCSSの設定やプラグインのバージョンを確認してください。
== リソース ==
* [https://postcss.org/ 公式ドキュメント]
** [https://postcss.org/docs/postcss-plugins プラグイン一覧]
* [https://github.com/postcss/postcss GitHubリポジトリ]
== 結論 ==
PostCSSは、モダンなCSS開発の中心的なツールとして、多様なニーズに対応します。このハンドブックを通じて、PostCSSの効果的な使い方を理解し、開発効率を向上させてください。
== 関連項目 ==
*[[PostCSS/parser]]
*[[PostCSS/plugins]]
*[[PostCSS/postcss.config.js]]
*[[PostCSS/setup.js]]
*[[PostCSS/プラグイン]]
{{DEFAULTSORT:POSTCSS}}
[[Category:PostCSS|*]]
[[Category:Web開発]]
qjg8w2bxjdj4a4y1t71erwvmhvnfudu
テンプレートエンジン
0
43894
301337
266558
2026-07-08T12:35:14Z
AkiR27User
90873
/* 下位階層のページ */ テンプレート削除。直接リンク追加。詳細は[[Wikibooks:談話室#孤立しているページについて]]で
301337
wikitext
text/x-wiki
'''テンプレートエンジン'''は、Webアプリケーション開発における重要な基盤技術です。[[HTML]]や[[CSS]]の生成を効率化し、コードの再利用性と保守性を高めることができます。本ハンドブックでは、主要なテンプレートエンジンの特徴と実践的な使用方法について解説します。
== HTMLテンプレートエンジン ==
=== Pug(旧Jade) ===
[[Pug]]は、インデントベースの文法を採用し、HTMLの冗長性を排除することで、より読みやすく保守しやすいコードの記述を実現します。特に[[Node.js]]環境において広く採用されています。
基本的な構文例を見てみましょう:
:<syntaxhighlight lang=pug copy>
doctype html
html(lang="ja")
head
meta(charset="UTF-8")
title マイページ
link(rel="stylesheet" href="/styles/main.css")
body
header.main-header
nav
ul
li: a(href="/") ホーム
li: a(href="/about") 概要
li: a(href="/contact") お問い合わせ
main.content
h1 ようこそ#{username}さん
if messages.length
.message-list
each message in messages
article.message
h2= message.title
p= message.content
time(datetime=message.created)= message.formattedDate
else
p メッセージはありません
</syntaxhighlight>
Pugの強力な機能の一つが継承機能です。以下のように基本レイアウトを定義し、各ページで拡張して使用できます:
; layout.pug
:<syntaxhighlight lang=pug copy>
doctype html
html
head
block head
title デフォルトタイトル
body
block header
include includes/header
block content
block footer
include includes/footer
block scripts
</syntaxhighlight>
; page.pug
:<syntaxhighlight lang=pug copy>
extends layout
block head
title マイページ - サイト名
block content
main
h1 マイページ
p ここにコンテンツが入ります
block scripts
script(src="/js/main.js")
</syntaxhighlight>
また、再利用可能なコンポーネントをミックスインとして定義できます:
:<syntaxhighlight lang=pug copy>
mixin userCard(user)
.user-card
img.avatar(src=user.avatar alt=user.name)
.user-info
h3= user.name
p.title= user.title
if user.isOnline
span.status.online オンライン
else
span.status.offline オフライン
// 使用例
+userCard({
name: '山田太郎',
title: 'シニアエンジニア',
avatar: '/images/yamada.jpg',
isOnline: true
})
</syntaxhighlight>
=== ERB ===
[[ERB]](Embedded Ruby)は、[[Ruby]]に標準で組み込まれているテンプレートエンジンで、HTML内にRubyコードを埋め込むことができます。そのシンプルさと柔軟性から、特に[[Ruby on Rails]]で広く使用されています。
基本的な構文例を見てみましょう:
:<syntaxhighlight lang=html+erb copy>
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<title>マイページ</title>
<link rel="stylesheet" href="/styles/main.css">
</head>
<body>
<header class="main-header">
<nav>
<ul>
<li><%= link_to "ホーム", "/" %></li>
<li><%= link_to "概要", "/about" %></li>
<li><%= link_to "お問い合わせ", "/contact" %></li>
</ul>
</nav>
</header>
<main class="content">
<h1>ようこそ<%= @username %>さん</h1>
<% if @messages.any? %>
<div class="message-list">
<% @messages.each do |message| %>
<article class="message">
<h2><%= message.title %></h2>
<p><%= message.content %></p>
<time datetime="<%= message.created_at %>"><%= message.formatted_date %></time>
</article>
<% end %>
</div>
<% else %>
<p>メッセージはありません</p>
<% end %>
</main>
</body>
</html>
</syntaxhighlight>
ERBは'''レイアウト'''と'''部分テンプレート'''を組み合わせて使用できます。以下に基本レイアウトとページの例を示します:
; layout.html.erb
:<syntaxhighlight lang=html+erb copy>
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<title><%= content_for?(:title) ? yield(:title) : "デフォルトタイトル" %></title>
<%= yield(:head) %>
</head>
<body>
<header>
<%= render "includes/header" %>
</header>
<%= yield %>
<footer>
<%= render "includes/footer" %>
</footer>
<%= yield(:scripts) %>
</body>
</html>
</syntaxhighlight>
; page.html.erb
:<syntaxhighlight lang=html+erb copy>
<% content_for :title, "マイページ - サイト名" %>
<main>
<h1>マイページ</h1>
<p>ここにコンテンツが入ります</p>
</main>
<% content_for :scripts do %>
<script src="/js/main.js"></script>
<% end %>
</syntaxhighlight>
また、再利用可能なコンポーネントをヘルパーメソッドとして定義できます:
; app/helpers/application_helper.rb
:<syntaxhighlight lang=ruby copy>
module ApplicationHelper
def user_card(user)
content_tag(:div, class: "user-card") do
concat image_tag(user.avatar, alt: user.name, class: "avatar")
concat content_tag(:div, class: "user-info") do
concat content_tag(:h3, user.name)
concat content_tag(:p, user.title, class: "title")
concat content_tag(:span, user.is_online? ? "オンライン" : "オフライン", class: "status #{user.is_online? ? 'online' : 'offline'}")
end
end
end
end
</syntaxhighlight>
; 使用例
:<syntaxhighlight lang=html+erb copy>
<%= user_card(@user) %>
</syntaxhighlight>
ERBはその柔軟さと標準的なサポートにより、Rubyアプリケーションにおいて強力なテンプレートエンジンとして機能します。シンプルな構文とRailsとの相性の良さから、初心者にもおすすめです。
=== Haml ===
[[HAML|Haml]]は、インデントベースの文法を採用し、HTMLの冗長性を排除することで、より簡潔で読みやすいコードの記述を可能にします。[[Ruby on Rails]]を中心に、Rubyのプロジェクトで広く使用されています。
基本的な構文例を見てみましょう:
:<syntaxhighlight lang=haml copy>
!!! 5
%html{ lang: "ja" }
%head
%meta{ charset: "UTF-8" }
%title マイページ
%link{ rel: "stylesheet", href: "/styles/main.css" }
%body
%header.main-header
%nav
%ul
%li= link_to "ホーム", "/"
%li= link_to "概要", "/about"
%li= link_to "お問い合わせ", "/contact"
%main.content
%h1 ようこそ#{@username}さん
- if @messages.any?
.message-list
- @messages.each do |message|
%article.message
%h2= message.title
%p= message.content
%time{ datetime: message.created_at }= message.formatted_date
- else
%p メッセージはありません
</syntaxhighlight>
Hamlの強力な機能の一つが'''部分テンプレート'''です。以下のように基本レイアウトを定義し、個別のページで拡張できます:
; layout.haml
:<syntaxhighlight lang=haml copy>
!!! 5
%html
%head
= yield :head
%title デフォルトタイトル
%body
%header
= render "includes/header"
= yield
%footer
= render "includes/footer"
= yield :scripts
</syntaxhighlight>
; page.haml
:<syntaxhighlight lang=haml copy>
- content_for :head do
%title マイページ - サイト名
%main
%h1 マイページ
%p ここにコンテンツが入ります
- content_for :scripts do
%script{ src: "/js/main.js" }
</syntaxhighlight>
さらに、再利用可能なコンポーネントを'''ヘルパーメソッド'''で実現できます:
; app/helpers/application_helper.rb
:<syntaxhighlight lang=ruby copy>
module ApplicationHelper
def user_card(user)
content_tag(:div, class: "user-card") do
concat image_tag(user.avatar, alt: user.name, class: "avatar")
concat content_tag(:div, class: "user-info") do
concat content_tag(:h3, user.name)
concat content_tag(:p, user.title, class: "title")
concat content_tag(:span, user.is_online? ? "オンライン" : "オフライン", class: "status #{user.is_online? ? 'online' : 'offline'}")
end
end
end
end
</syntaxhighlight>
; 使用例
:<syntaxhighlight lang=haml copy>
= user_card(@user)
</syntaxhighlight>
Hamlは、シンプルな構文とRubyとの統合が魅力的なテンプレートエンジンです。プロジェクトに適したテンプレートエンジンとして、ぜひ検討してください!
=== Slim ===
[[Slim]]は、軽量で高速なテンプレートエンジンで、Ruby環境で広く使用されています。[[Haml]]と同様のインデントベースの文法を採用しながらも、さらに簡潔で効率的な記述を実現します。
基本的な構文例を見てみましょう:
:<syntaxhighlight lang=slim copy>
doctype html
html lang="ja"
head
meta charset="UTF-8"
title マイページ
link rel="stylesheet" href="/styles/main.css"
body
header.main-header
nav
ul
li = link_to "ホーム", "/"
li = link_to "概要", "/about"
li = link_to "お問い合わせ", "/contact"
main.content
h1 ようこそ#{@username}さん
- if @messages.any?
.message-list
- @messages.each do |message|
article.message
h2 = message.title
p = message.content
time datetime=message.created_at = message.formatted_date
- else
p メッセージはありません
</syntaxhighlight>
Slimでは、'''レイアウト'''と'''部分テンプレート'''を組み合わせて使用できます。以下に基本レイアウトとページの例を示します:
; layout.slim
:<syntaxhighlight lang=slim copy>
doctype html
html lang="ja"
head
meta charset="UTF-8"
title = yield(:title) || "デフォルトタイトル"
== yield :head
body
header
== render "includes/header"
== yield
footer
== render "includes/footer"
== yield :scripts
</syntaxhighlight>
; page.slim
:<syntaxhighlight lang=slim copy>
- content_for :title, "マイページ - サイト名"
main
h1 マイページ
p ここにコンテンツが入ります
- content_for :scripts
script src="/js/main.js"
</syntaxhighlight>
さらに、Slimは再利用可能なコンポーネントを簡単に構築できます。以下は'''ヘルパーメソッド'''を使用した例です:
; app/helpers/application_helper.rb
:<syntaxhighlight lang=ruby copy>
module ApplicationHelper
def user_card(user)
content_tag(:div, class: "user-card") do
concat image_tag(user.avatar, alt: user.name, class: "avatar")
concat content_tag(:div, class: "user-info") do
concat content_tag(:h3, user.name)
concat content_tag(:p, user.title, class: "title")
concat content_tag(:span, user.is_online? ? "オンライン" : "オフライン", class: "status #{user.is_online? ? 'online' : 'offline'}")
end
end
end
end
</syntaxhighlight>
; 使用例
:<syntaxhighlight lang=slim copy>
= user_card(@user)
</syntaxhighlight>
Slimの簡潔な構文とパフォーマンスの良さは、特に大規模なプロジェクトやパフォーマンス重視のアプリケーションに適しています。Ruby開発において、効率的なテンプレートエンジンを求めるなら、Slimを検討してみてください!
=== Tilt ===
[[Tilt]]は、Rubyで利用可能なテンプレートエンジンの抽象化ライブラリで、多くのテンプレートエンジン([[ERB]]、[[Haml]]、[[Slim]]、[[Markdown]]など)を統一的に扱うことができます。独自のテンプレートエンジンを使用している場合でも、Tiltを介することで一貫したインターフェースで利用可能になります。
Tiltを使うと、異なるテンプレートエンジンを簡単に切り替えたり、統合することができます。
以下はTiltの基本的な使用例です:
:<syntaxhighlight lang=ruby copy>
require 'tilt'
# ERBテンプレートを使用
template = Tilt.new('example.erb')
output = template.render(Object.new, name: '山田太郎')
puts output
</syntaxhighlight>
; example.erb
:<syntaxhighlight lang=html+erb copy>
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<title>マイページ</title>
</head>
<body>
<h1>ようこそ<%= name %>さん</h1>
</body>
</html>
</syntaxhighlight>
Tiltは複数のテンプレートエンジンをサポートしているため、別のエンジンに簡単に切り替えることも可能です:
:<syntaxhighlight lang=ruby copy>
require 'tilt'
# Slimテンプレートを使用
template = Tilt.new('example.slim')
output = template.render(Object.new, username: '山田太郎')
puts output
</syntaxhighlight>
; example.slim
:<syntaxhighlight lang=slim copy>
doctype html
html lang="ja"
head
meta charset="UTF-8"
title マイページ
body
h1 ようこそ#{username}さん
</syntaxhighlight>
Tiltを利用することで、'''テンプレートエンジンを柔軟に選択できる利点'''があります。以下のようにHamlやMarkdownを使った例も簡単に実現できます:
:<syntaxhighlight lang=ruby copy>
require 'tilt'
# Hamlテンプレートを使用
haml_template = Tilt.new('example.haml')
puts haml_template.render(Object.new, user: '田中一郎')
# Markdownテンプレートを使用
markdown_template = Tilt.new('example.md')
puts markdown_template.render
</syntaxhighlight>
; example.haml
:<syntaxhighlight lang=haml copy>
!!!
%html{ lang: "ja" }
%head
%meta{ charset: "UTF-8" }
%title マイページ
%body
%h1 ようこそ#{user}さん
</syntaxhighlight>
; example.md
:<syntaxhighlight lang=markdown copy>
# マイページ
ようこそ!
</syntaxhighlight>
Tiltは主に以下の特徴を持ちます:
* '''抽象化''':複数のテンプレートエンジンを統一的に扱える。
* '''拡張性''':カスタムテンプレートエンジンを簡単に統合可能。
* '''柔軟性''':プロジェクトに応じてエンジンを動的に選択。
Tiltは、さまざまなテンプレートエンジンを統合して使用したい場合に最適なライブラリです。特に、複数のテンプレートフォーマットが混在する大規模なアプリケーションで便利です。
=== EJS ===
[[EJS]]は、JavaScriptの式を直接HTMLに埋め込めるテンプレートエンジンです。学習曲線が緩やかで、既存のJavaScript知識をそのまま活用できる点が特徴です。
基本的な使用例を見てみましょう:
:<syntaxhighlight lang=html+erb copy>
<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<title><%= title %></title>
<link rel="stylesheet" href="/css/style.css">
</head>
<body>
<header>
<% if (user) { %>
<nav>
<a href="/dashboard">ダッシュボード</a>
<a href="/profile">プロフィール</a>
<a href="/logout">ログアウト</a>
</nav>
<% } else { %>
<nav>
<a href="/login">ログイン</a>
<a href="/register">新規登録</a>
</nav>
<% } %>
</header>
<main>
<h1><%= pageTitle %></h1>
<%- include('partials/messageList', { messages: messages }) %>
</main>
<%- include('partials/footer') %>
</body>
</html>
</syntaxhighlight>
部分テンプレート(パーシャル)の例:
:<syntaxhighlight lang=html+erb copy>
<!-- partials/messageList.ejs -->
<% if (messages && messages.length) { %>
<div class="message-list">
<% messages.forEach(function(message) { %>
<article class="message <%= message.type %>">
<header>
<h2><%= message.title %></h2>
<time datetime="<%= message.created %>">
<%= message.formattedDate %>
</time>
</header>
<div class="content">
<%= message.content %>
</div>
<% if (message.attachments && message.attachments.length) { %>
<footer>
<h3>添付ファイル</h3>
<ul class="attachments">
<% message.attachments.forEach(function(file) { %>
<li>
<a href="<%= file.url %>">
<%= file.name %> (<%= file.size %>)
</a>
</li>
<% }); %>
</ul>
</footer>
<% } %>
</article>
<% }); %>
</div>
<% } else { %>
<p class="no-messages">メッセージはありません</p>
<% } %>
</syntaxhighlight>
=== Handlebars (HBS) ===
[[Handlebars]]は、ロジックレスなテンプレートエンジンとして知られています。テンプレート内のロジックを最小限に抑え、プレゼンテーション層とビジネスロジックの分離を促進します。
基本的な使用例:
:<syntaxhighlight lang=handlebars copy>
<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<title>{{title}}</title>
</head>
<body>
<header>
{{> header}}
</header>
<main>
<h1>{{pageTitle}}</h1>
{{#if user}}
<div class="profile">
<h2>プロフィール</h2>
{{#with user}}
<p>名前: {{firstName}} {{lastName}}</p>
<p>メール: {{email}}</p>
{{#if bio}}
<p>自己紹介: {{bio}}</p>
{{/if}}
{{/with}}
</div>
{{/if}}
{{#if posts.length}}
<section class="posts">
{{#each posts}}
{{> postCard}}
{{/each}}
</section>
{{else}}
<p>投稿がありません</p>
{{/if}}
</main>
{{> footer}}
</body>
</html>
</syntaxhighlight>
カスタムヘルパーの定義と使用:
:<syntaxhighlight lang=javascript copy>
// ヘルパーの登録
Handlebars.registerHelper('formatDate', function(date) {
return new Date(date).toLocaleDateString('ja-JP');
});
Handlebars.registerHelper('truncate', function(text, length) {
if (text.length > length) {
return text.substring(0, length) + '...';
}
return text;
});
</syntaxhighlight>
; postCard.hbs
:<syntaxhighlight lang=handlebars copy>
{{!-- postCard.hbs --}}
<article class="post-card">
<header>
<h2>{{title}}</h2>
<time datetime="{{createdAt}}">{{formatDate createdAt}}</time>
</header>
<div class="content">
{{truncate content 200}}
</div>
<footer>
<div class="meta">
<span class="author">作成者: {{author.name}}</span>
<span class="comments">コメント: {{comments.length}}</span>
</div>
<a href="/posts/{{id}}" class="read-more">続きを読む</a>
</footer>
</article>
</syntaxhighlight>
=== Markaby ===
[[Markaby]] (Markup as Ruby) は、RubyのDSLとしてHTMLを記述できるテンプレートエンジンです。HTMLをRubyのコードとして直接書けることが特徴です。
基本的な使用例:
:<syntaxhighlight lang=ruby copy>
require 'markaby'
# テンプレートの作成
mab = Markaby::Builder.new do
html do
head do
title @title
link :rel => 'stylesheet', :href => '/css/main.css'
end
body do
header :class => 'main-header' do
h1 @site_name
nav :class => 'main-nav' do
ul do
li { a 'ホーム', :href => '/' }
li { a 'ブログ', :href => '/blog' }
li { a '問い合わせ', :href => '/contact' }
end
end
end
main do
if @user
div.profile do
h2 'プロフィール'
p "名前: #{@user.full_name}"
p "メール: #{@user.email}"
p "自己紹介: #{@user.bio}" if @user.bio
end
end
section.posts do
if @posts.any?
@posts.each do |post|
article.post_card do
h2 post.title
time post.created_at.strftime('%Y-%m-%d'),
:datetime => post.created_at.iso8601
div.content text(post.content)
footer do
div.meta do
span.author "作成者: #{post.author.name}"
span.comments "コメント: #{post.comments.count}"
end
a '続きを読む', :href => "/posts/#{post.id}",
:class => 'read-more'
end
end
end
else
p '投稿がありません'
end
end
end
footer :id => 'main-footer' do
p do
text '© 2024 '
a @site_name, :href => '/'
end
end
end
end
end
# ヘルパーメソッドの定義
module MarkabyHelpers
def format_date(date)
date.strftime('%Y年%m月%d日')
end
def truncate(text, length)
if text.length > length
"#{text[0...length]}..."
else
text
end
end
end
</syntaxhighlight>
主な特徴:
* HTMLタグがRubyのメソッドとして扱える
* 属性はハッシュとして渡せる
* クラスとIDはドット記法とシャープ記法で指定可能 (.class と #id)
* Rubyの制御構文をそのまま使用可能
* メソッドチェーンでタグのネストを表現
* text メソッドでエスケープ済みのテキストを出力
* ブロック構文で階層構造を表現
== CSSプリプロセッサ ==
=== Sass/SCSS ===
[[SASS|Sass]]は最も成熟したCSSプリプロセッサの一つです。[[SCSS]]シンタックスは、標準のCSSと完全な互換性を持ちながら、強力な機能を提供します。
変数とネスティングを活用した基本的な例:
:<syntaxhighlight lang=scss copy>
// variables.scss
$primary-color: #007bff;
$secondary-color: #6c757d;
$spacing-unit: 8px;
$border-radius: 4px;
$transition-base: all 0.2s ease-in-out;
// コンポーネントの定義
.card {
background: white;
border-radius: $border-radius;
box-shadow: 0 2px 4px rgba(0, 0, 0, 0.1);
transition: $transition-base;
&:hover {
transform: translateY(-2px);
box-shadow: 0 4px 8px rgba(0, 0, 0, 0.15);
}
.card-header {
padding: $spacing-unit * 2;
border-bottom: 1px solid rgba(0, 0, 0, 0.1);
h2 {
margin: 0;
color: $primary-color;
}
}
.card-body {
padding: $spacing-unit * 3;
}
}
</syntaxhighlight>
ミックスインとエクステンドの活用例:
:<syntaxhighlight lang=scss copy>
// mixins.scss
@mixin flex-container($direction: row, $justify: center, $align: center) {
display: flex;
flex-direction: $direction;
justify-content: $justify;
align-items: $align;
}
@mixin responsive-text($min-size, $max-size, $min-width: 320px, $max-width: 1200px) {
font-size: clamp(#{$min-size}, #{($max-size - $min-size) / ($max-width - $min-width)} * 100vw, #{$max-size});
}
// プレースホルダーセレクタ
%button-base {
padding: $spacing-unit $spacing-unit * 2;
border: none;
border-radius: $border-radius;
cursor: pointer;
transition: $transition-base;
}
// 実装例
.container {
@include flex-container(column, flex-start, stretch);
max-width: 1200px;
margin: 0 auto;
}
.heading {
@include responsive-text(24px, 48px);
color: $primary-color;
}
.button {
@extend %button-base;
&.primary {
background-color: $primary-color;
color: white;
&:hover {
background-color: darken($primary-color, 10%);
}
}
&.secondary {
background-color: $secondary-color;
color: white;
&:hover {
background-color: darken($secondary-color, 10%);
}
}
}
</syntaxhighlight>
=== Stylus ===
[[Stylus]]は、より簡潔な文法を提供し、オプションの括弧やセミコロンを特徴とします。
基本的な使用例:
:<syntaxhighlight lang=sass copy>
// variables
primary-color = #007bff
secondary-color = #6c757d
spacing = 8px
// mixins
flex-center()
display flex
align-items center
justify-content center
button(bg-color)
background-color bg-color
color white
padding spacing * 2
border none
border-radius 4px
cursor pointer
transition all 0.2s ease
&:hover
background-color darken(bg-color, 10%)
// implementation
.header
flex-center()
height 60px
background-color #f8f9fa
.nav-item
margin 0 spacing
a
color primary-color
text-decoration none
&:hover
color darken(primary-color, 20%)
.button
&.primary
button(primary-color)
&.secondary
button(secondary-color)
</syntaxhighlight>
=== Less ===
[[LESS|Less]]は、CSSに近い文法を持ちながら、変数やミックスインなどの機能を提供します。
:<syntaxhighlight lang=less copy>
// Variables
@primary-color: #007bff;
@secondary-color: #6c757d;
@spacing: 8px;
@border-radius: 4px;
// Mixins
.gradient-background(@start-color, @end-color) {
background: @start-color;
background: linear-gradient(180deg, @start-color 0%, @end-color 100%);
}
.transition(@property: all, @duration: 0.2s, @timing: ease) {
transition: @arguments;
}
// Components
.navbar {
.gradient-background(#ffffff, #f8f9fa);
padding: @spacing * 2;
box-shadow: 0 2px 4px rgba(0, 0, 0, 0.1);
&-brand {
color: @primary-color;
font-size: 1.5em;
.transition(color);
&:hover {
color: darken(@primary-color, 10%);
}
}
&-nav {
display: flex;
gap: @spacing * 2;
.nav-item {
a {
color: @secondary-color;
text-decoration: none;
.transition(color);
&:hover {
color: darken(@secondary-color, 15%);
}
}
}
}
}
</syntaxhighlight>
== モダンなテンプレートエンジン ==
=== Nunjucks ===
[[Nunjucks]]は、Mozillaが開発した[[Python]]の[[Jinja2]]に影響を受けたテンプレートエンジンです。
; layout.njk
:<syntaxhighlight lang=jinja copy>
{# layout.njk #}
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<title>{{ title }} | サイト名</title>
{% block styles %}
<link rel="stylesheet" href="/css/main.css">
{% endblock %}
</head>
<body>
{% include "partials/header.njk" %}
<main>
{% block content %}{% endblock %}
</main>
{% include "partials/footer.njk" %}
{% block scripts %}
<script src="/js/main.js"></script>
{% endblock %}
</body>
</html>
</syntaxhighlight>
; index.njk
:<syntaxhighlight lang=jinja copy>
{# index.njk #}
{% extends "layout.njk" %}
{% block content %}
<div class="container">
<h1>{{ pageTitle }}</h1>
{% if posts.length %}
<div class="post-grid">
{% for post in posts %}
{% include "partials/post-card.njk" %}
{% endfor %}
</div>
{% else %}
<p>投稿がありません。</p>
{% endif %}
{% if pagination.pages > 1 %}
<nav class="pagination">
{% for pageNum in range(1, pagination.pages + 1) %}
<a href="?page={{ pageNum }}"
class="page-link {{ 'active' if pageNum == pagination.current }}">
{{ pageNum }}
</a>
{% endfor %}
</nav>
{% endif %}
</div>
{% endblock %}
</syntaxhighlight>
マクロの使用例:
; macros/forms.njk
:<syntaxhighlight lang=jinja copy>
{# macros/forms.njk #}
{% macro input(name, label, type="text", value="", required=false) %}
<div class="form-group">
<label for="{{ name }}">{{ label }}</label>
<input type="{{ type }}"
id="{{ name }}"
name="{{ name }}"
value="{{ value }}"
{% if required %}required{% endif %}
class="form-control">
</div>
{% endmacro %}
{% macro select(name, label, options, selected="") %}
<div class="form-group">
<label for="{{ name }}">{{ label }}</label>
<select id="{{ name }}" name="{{ name }}" class="form-select">
{% for option in options %}
<option value="{{ option.value }}"
{{ 'selected' if option.value == selected }}>
{{ option.label }}
</option>
{% endfor %}
</select>
</div>
{% endmacro %}
{# usage #}
{% import "macros/forms.njk" as forms %}
<form method="post" action="/register">
{{ forms.input('username', 'ユーザー名', required=true) }}
{{ forms.input('email', 'メールアドレス', type='email', required=true) }}
{{ forms.input('password', 'パスワード', type='password', required=true) }}
{{ forms.select('role', '権限', [
{value: 'user', label: '一般ユーザー'},
{value: 'admin', label: '管理者'}
]) }}
<button type="submit">登録</button>
</form>
</syntaxhighlight>
=== Twig ===
[[Twig]]は、PHPのテンプレートエンジンとして広く使用されており、特に[[Symfonyフレームワーク]]のデフォルトテンプレートエンジンとして知られています。
基本的な構文例:
; layout.twig
:<syntaxhighlight lang=twig copy>
{# layout.twig #}
<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<meta charset="UTF-8">
<title>{% block title %}デフォルトタイトル{% endblock %}</title>
{% block stylesheets %}
<link href="{{ asset('css/main.css') }}" rel="stylesheet">
{% endblock %}
</head>
<body>
{% include 'partials/header.twig' with {'menu_items': main_menu} %}
<div class="container">
{% block content %}{% endblock %}
</div>
{{ include('partials/footer.twig') }}
{% block javascripts %}
<script src="{{ asset('js/main.js') }}"></script>
{% endblock %}
</body>
</html>
</syntaxhighlight>
マクロとコンポーネントの実装例:
; components/forms.twig
:<syntaxhighlight lang=twig copy>
{# components/forms.twig #}
{% macro form_row(label, name, type = 'text', value = '', attributes = {}) %}
<div class="form-group">
<label for="{{ name }}">{{ label }}</label>
<input type="{{ type }}"
id="{{ name }}"
name="{{ name }}"
value="{{ value }}"
{% for attr, val in attributes %}
{{ attr }}="{{ val }}"
{% endfor %}
class="form-control">
</div>
{% endmacro %}
{% macro alert(message, type = 'info') %}
<div class="alert alert-{{ type }}" role="alert">
{% if type == 'error' %}
<i class="fas fa-exclamation-triangle"></i>
{% endif %}
{{ message }}
{% if type != 'error' %}
<button type="button" class="close" data-dismiss="alert">
<span>×</span>
</button>
{% endif %}
</div>
{% endmacro %}
{# usage.twig #}
{% import "components/forms.twig" as forms %}
<form action="/register" method="post">
{{ forms.form_row('ユーザー名', 'username', 'text', '', {
'required': 'required',
'minlength': '3',
'maxlength': '20'
}) }}
{{ forms.form_row('メールアドレス', 'email', 'email', '', {
'required': 'required'
}) }}
{% if errors %}
{{ forms.alert(errors.join('\n'), 'error') }}
{% endif %}
</form>
</syntaxhighlight>
=== Liquid ===
[[Liquidテンプレートエンジン|Liquid]]は、Shopifyで開発され、Jekyllなどの静的サイトジェネレータでも使用される安全なテンプレート言語です。
; layout.liquid
:<syntaxhighlight lang=liquid copy>
{% comment %}layout.liquid{% endcomment %}
<!DOCTYPE html>
<html lang="{{ page.language | default: 'en' }}">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<title>
{{ page.title | default: site.title }} | {{ site.name }}
</title>
{% if page.description %}
<meta name="description" content="{{ page.description | escape }}">
{% endif %}
<link rel="stylesheet" href="{{ 'css/main.css' | asset_url }}">
</head>
<body class="{{ page.layout }}">
{% include 'header' %}
<main>
{{ content }}
</main>
{% include 'footer' %}
{% if page.custom_js %}
{% for js in page.custom_js %}
<script src="{{ js | asset_url }}"></script>
{% endfor %}
{% endif %}
</body>
</html>
</syntaxhighlight>
製品リスト表示の実装例:
; products.liquid
:<syntaxhighlight lang=liquid copy>
{% comment %}products.liquid{% endcomment %}
{% assign sorted_products = collection.products | sort: 'price' %}
<div class="product-grid">
{% paginate sorted_products by 12 %}
{% for product in sorted_products %}
<div class="product-card">
{% if product.featured_image %}
<img src="{{ product.featured_image | img_url: '300x300', crop: 'center' }}"
alt="{{ product.title | escape }}"
loading="lazy">
{% endif %}
<h3>{{ product.title }}</h3>
<div class="price">
{% if product.compare_at_price > product.price %}
<span class="sale-price">
{{ product.price | money }}
</span>
<s class="compare-price">
{{ product.compare_at_price | money }}
</s>
{% else %}
<span class="regular-price">
{{ product.price | money }}
</span>
{% endif %}
</div>
{% if product.available %}
<form method="post" action="/cart/add">
<input type="hidden" name="id" value="{{ product.variants.first.id }}">
<button type="submit" class="add-to-cart">
カートに追加
</button>
</form>
{% else %}
<button disabled class="sold-out">
売り切れ
</button>
{% endif %}
</div>
{% endfor %}
{% if paginate.pages > 1 %}
<nav class="pagination">
{{ paginate | default_pagination }}
</nav>
{% endif %}
{% endpaginate %}
</div>
</syntaxhighlight>
=== Mustache ===
[[Mustache]]は、様々な言語に実装されているロジックレスなテンプレートエンジンです。シンプルな構文と言語非依存の特徴が特長です。
; layout.mustache
:<syntaxhighlight lang=handlebars copy>
{{! layout.mustache }}
<!DOCTYPE html>
<html lang="{{language}}">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<title>
{{#page_title}}{{page_title}}{{/page_title}}
{{^page_title}}{{site_title}}{{/page_title}}
| {{site_name}}
</title>
{{#description}}
<meta name="description" content="{{description}}">
{{/description}}
<link rel="stylesheet" href="/css/main.css">
</head>
<body class="{{layout_class}}">
{{> header}}
<main>
{{{content}}}
</main>
{{> footer}}
{{#custom_js}}
<script src="{{.}}"></script>
{{/custom_js}}
</body>
</html>
</syntaxhighlight>
製品リスト表示の実装例:
; products.mustache
:<syntaxhighlight lang=handlebars copy>
{{! products.mustache }}
<div class="product-grid">
{{#products}}
<div class="product-card">
{{#featured_image}}
<img src="{{featured_image}}"
alt="{{title}}"
loading="lazy">
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<h3>{{title}}</h3>
<div class="price">
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</div>
{{#available}}
<form method="post" action="/cart/add">
<input type="hidden" name="id" value="{{variant_id}}">
<button type="submit" class="add-to-cart">
カートに追加
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売り切れ
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{{/products}}
{{#show_pagination}}
<nav class="pagination">
{{{pagination_html}}}
</nav>
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</div>
</syntaxhighlight>
主な特徴:
* <syntaxhighlight lang=handlebars inline>{{変数名}}</syntaxhighlight> で変数を展開
* <syntaxhighlight lang=handlebars inline>{{{変数名}}}</syntaxhighlight> でHTMLエスケープなしの変数展開
* <syntaxhighlight lang=handlebars inline>{{#セクション名}}...{{/セクション名}}</syntaxhighlight> で条件分岐とループ
* <syntaxhighlight lang=handlebars inline>{{^セクション名}}...{{/セクション名}}</syntaxhighlight> で否定条件
* <syntaxhighlight lang=handlebars inline>{{> パーシャル名}}</syntaxhighlight> でパーシャルテンプレートを読み込み
* <syntaxhighlight lang=handlebars inline>{{! コメント}}</syntaxhighlight> でコメントを記述
* ロジックレスなため、複雑な制御構文やフィルタは使用不可
=== パフォーマンス最適化 ===
テンプレートエンジンを効率的に使用するためのベストプラクティス:
; キャッシュの活用
:<syntaxhighlight lang=javascript copy>
// Express + EJSでのキャッシュ設定
app.set('view cache', true);
// カスタムキャッシュの実装
const cache = new Map();
function renderWithCache(template, data, cacheKey) {
if (cache.has(cacheKey)) {
return cache.get(cacheKey);
}
const rendered = ejs.render(template, data);
cache.set(cacheKey, rendered);
return rendered;
}
</syntaxhighlight>
; 部分的なレンダリング
:<syntaxhighlight lang=javascript copy>
// パーシャルの効率的な使用
const headerHtml = await renderWithCache('header', headerData, 'header');
const footerHtml = await renderWithCache('footer', footerData, 'footer');
const contentHtml = await render('content', pageData);
const fullPage = `
${headerHtml}
${contentHtml}
${footerHtml}
`;
</syntaxhighlight>
; 非同期レンダリング
:<syntaxhighlight lang=javascript copy>
// [[Node.js]]での非同期レンダリング
async function renderTemplate(template, data) {
return new Promise((resolve, reject) => {
ejs.renderFile(template, data, {}, (err, str) => {
if (err) reject(err);
else resolve(str);
});
});
}
// 複数テンプレートの並列レンダリング
const [header, content, footer] = await Promise.all([
renderTemplate('header.ejs', headerData),
renderTemplate('content.ejs', contentData),
renderTemplate('footer.ejs', footerData)
]);
</syntaxhighlight>
=== テンプレートエンジンの選定基準 ===
テンプレートエンジンを選択する際の主要な考慮点:
; プロジェクトの要件
:* 静的/動的コンテンツの比率
:* リアルタイム更新の必要性
:* SEO要件
:* パフォーマンス要件
:<syntaxhighlight lang=javascript copy>
// 動的コンテンツが多い場合の例(React + EJS)
function DynamicTemplate({ initialData }) {
const [data, setData] = useState(initialData);
useEffect(() => {
const socket = new WebSocket('ws://api.example.com');
socket.onmessage = (event) => {
setData(JSON.parse(event.data));
};
return () => socket.close();
}, []);
return <div dangerouslySetInnerHTML={{ __html:
ejs.render(template, data)
}} />;
}
</syntaxhighlight>
; 開発チームのスキルセット
:* 既存の技術スタックとの整合性
:* 学習曲線
:* ドキュメントの充実度
; メンテナンス性
:* コードの可読性
:* デバッグのしやすさ
:* エラーハンドリング
:<syntaxhighlight lang=javascript copy>
// デバッグしやすい実装例
const debugTemplate = (template, data) => {
try {
return ejs.render(template, data);
} catch (error) {
console.error('Template rendering failed:', {
template: template.slice(0, 100) + '...',
data: JSON.stringify(data, null, 2),
error: error.message
});
throw error;
}
};
</syntaxhighlight>
== セキュリティ対策 ==
テンプレートエンジンを使用する際は、適切なセキュリティ対策が不可欠です。
=== XSS対策 ===
テンプレートエンジンでの一般的なXSS対策実装例:
:<syntaxhighlight lang=javascript copy>
// EJSでのエスケープ処理
const escapeHtml = str => {
const htmlEscapes = {
'&': '&',
'<': '<',
'>': '>',
'"': '"',
"'": ''',
};
return str.replace(/[&<>"']/g, match => htmlEscapes[match]);
};
// カスタムフィルターの実装
app.locals.safeHtml = (unsafe) => {
// 許可するタグのホワイトリスト
const allowedTags = {
'b': [],
'i': [],
'em': [],
'strong': [],
'a': ['href', 'title'],
'p': []
};
// DOMPurifyなどのライブラリを使用した安全な HTML サニタイズ
return DOMPurify.sanitize(unsafe, {
ALLOWED_TAGS: Object.keys(allowedTags),
ALLOWED_ATTR: ['href', 'title']
});
};
// テンプレートでの使用例
app.get('/article/:id', async (req, res) => {
const article = await getArticle(req.params.id);
res.render('article', {
title: escapeHtml(article.title),
content: req.app.locals.safeHtml(article.content)
});
});
</syntaxhighlight>
=== CSRF対策 ===
CSRFトークンの実装と検証:
:<syntaxhighlight lang=javascript copy>
// CSRFトークンの生成
const generateCsrfToken = () => {
return crypto.randomBytes(32).toString('hex');
};
// CSRFミドルウェア
const csrfProtection = (req, res, next) => {
if (req.method === 'GET') {
// GETリクエストの場合、新しいトークンを生成
const token = generateCsrfToken();
res.locals.csrfToken = token;
res.cookie('_csrf', token, {
httpOnly: true,
secure: process.env.NODE_ENV === 'production'
});
} else {
// POST/PUT/DELETEリクエストの場合、トークンを検証
const cookieToken = req.cookies._csrf;
const bodyToken = req.body._csrf;
if (!cookieToken || !bodyToken || cookieToken !== bodyToken) {
return res.status(403).json({ error: 'CSRF token validation failed' });
}
}
next();
};
// テンプレートでの使用例
</syntaxhighlight>
:<syntaxhighlight lang=twig copy>
<form method="post" action="/submit">
<input type="hidden" name="_csrf" value="{{ csrfToken }}">
<!-- フォームフィールド -->
</form>
</syntaxhighlight>
=== 入力検証 ===
テンプレートエンジンでの入力検証の実装:
:<syntaxhighlight lang=javascript copy>
// バリデーションルールの定義
const validationRules = {
username: {
required: true,
minLength: 3,
maxLength: 20,
pattern: /^[a-zA-Z0-9_]+$/
},
email: {
required: true,
pattern: /^[^\s@]+@[^\s@]+\.[^\s@]+$/
},
age: {
required: true,
min: 18,
max: 120
}
};
// バリデーション関数
const validateInput = (data, rules) => {
const errors = {};
for (const [field, rule] of Object.entries(rules)) {
const value = data[field];
if (rule.required && !value) {
errors[field] = `${field} is required`;
continue;
}
if (value) {
if (rule.minLength && value.length < rule.minLength) {
errors[field] = `${field} must be at least ${rule.minLength} characters`;
}
if (rule.maxLength && value.length > rule.maxLength) {
errors[field] = `${field} must be no more than ${rule.maxLength} characters`;
}
if (rule.pattern && !rule.pattern.test(value)) {
errors[field] = `${field} format is invalid`;
}
if (rule.min && Number(value) < rule.min) {
errors[field] = `${field} must be at least ${rule.min}`;
}
if (rule.max && Number(value) > rule.max) {
errors[field] = `${field} must be no more than ${rule.max}`;
}
}
}
return errors;
};
</syntaxhighlight>
== デバッグとトラブルシューティング ==
=== デバッグモードの実装 ===
:<syntaxhighlight lang=javascript copy>
const debugMiddleware = (req, res, next) => {
if (process.env.NODE_ENV === 'development') {
// デバッグ情報の収集
res.locals.debug = {
startTime: Date.now(),
queries: [],
templates: [],
logs: []
};
// SQLクエリのログ
const logQuery = (query, params, duration) => {
res.locals.debug.queries.push({
query,
params,
duration,
timestamp: Date.now()
});
};
// テンプレートのログ
const logTemplate = (template, data) => {
res.locals.debug.templates.push({
template,
data: JSON.stringify(data, null, 2),
timestamp: Date.now()
});
};
// デバッグ情報をレスポンスヘッダーに追加
res.on('finish', () => {
const duration = Date.now() - res.locals.debug.startTime;
console.log(`Request completed in ${duration}ms`);
console.log('Queries:', res.locals.debug.queries.length);
console.log('Templates:', res.locals.debug.templates.length);
});
}
next();
};
</syntaxhighlight>
=== エラーハンドリング ===
:<syntaxhighlight lang=javascript copy>
// カスタムエラーハンドラー
class TemplateError extends Error {
constructor(message, template, data) {
super(message);
this.name = 'TemplateError';
this.template = template;
this.data = data;
Error.captureStackTrace(this, TemplateError);
}
}
// エラーハンドリングミドルウェア
const errorHandler = (err, req, res, next) => {
if (err instanceof TemplateError) {
console.error('Template Error:', {
message: err.message,
template: err.template,
data: err.data,
stack: err.stack
});
if (process.env.NODE_ENV === 'development') {
res.status(500).render('error', {
error: err,
stack: err.stack,
template: err.template,
data: err.data
});
} else {
res.status(500).render('error', {
message: 'An error occurred while processing your request.'
});
}
} else {
next(err);
}
};
</syntaxhighlight>
=== パフォーマンスモニタリング ===
:<syntaxhighlight lang=javascript copy>
const performanceMiddleware = (req, res, next) => {
const metrics = {
startTime: process.hrtime(),
templateRenderTime: 0,
queryTime: 0,
totalQueries: 0
};
// テンプレートレンダリング時間の計測
const originalRender = res.render;
res.render = function(view, options, callback) {
const renderStart = process.hrtime();
const renderCallback = (err, html) => {
if (!err) {
const renderDuration = process.hrtime(renderStart);
metrics.templateRenderTime = renderDuration[0] * 1e3 + renderDuration[1] / 1e6;
}
if (callback) callback(err, html);
};
return originalRender.call(this, view, options, renderCallback);
};
// レスポンス完了時のメトリクス記録
res.on('finish', () => {
const duration = process.hrtime(metrics.startTime);
const totalTime = duration[0] * 1e3 + duration[1] / 1e6;
console.log({
path: req.path,
method: req.method,
totalTime: `${totalTime.toFixed(2)}ms`,
templateRenderTime: `${metrics.templateRenderTime.toFixed(2)}ms`,
queryTime: `${metrics.queryTime.toFixed(2)}ms`,
totalQueries: metrics.totalQueries
});
});
next();
};
</syntaxhighlight>
== テンプレートエンジンの将来展望 ==
=== 新しいトレンド ===
; Hybrid Rendering
:* サーバーサイドとクライアントサイドのレンダリングを組み合わせた手法
:* 初期表示の高速化とインタラクティブ性の両立
; TypeScriptサポート
:* 型安全なテンプレートエンジン
:* コンパイル時のエラー検出
; マイクロフロントエンド対応
:* 複数のテンプレートエンジンの共存
:* モジュール化されたテンプレート管理
これらのトレンドに対応した実装例:
:<syntaxhighlight lang=typescript copy>
// TypeScriptを活用したテンプレートエンジンの型定義
interface TemplateContext {
user?: {
id: string;
name: string;
email: string;
};
content: {
title: string;
body: string;
tags: string[];
};
settings: {
theme: 'light' | 'dark';
language: string;
};
}
// ハイブリッドレンダリングの実装例
class HybridTemplate {
private static readonly clientPrefix = 'data-client-render';
static async render(template: string, context: TemplateContext): Promise<string> {
// サーバーサイドレンダリング
const ssrContent = await this.serverRender(template, context);
// クライアントサイド用のデータ埋め込み
return `
${ssrContent}
<script>
window.__INITIAL_STATE__ = ${JSON.stringify(context)};
</script>
<script src="/js/client-hydration.js"></script>
`;
}
private static async serverRender(template: string, context: TemplateContext): Promise<string> {
// テンプレートのサーバーサイドレンダリング
return ''; // 実装省略
}
}
</syntaxhighlight>
これらの新しいアプローチにより、テンプレートエンジンはより強力で柔軟なツールとして進化を続けています。開発者は、プロジェクトの要件に応じて適切なアプローチを選択し、最新のトレンドを取り入れることで、より効率的な開発を実現できます。
== 下位階層のページ ==
*[[テンプレートエンジン/C Sharp]]
*[[テンプレートエンジン/Go]]
*[[テンプレートエンジン/Java]]
*[[テンプレートエンジン/Node.js]]
*[[テンプレートエンジン/PHP]]
*[[テンプレートエンジン/Ruby]]
*[[テンプレートエンジン/Rust]]
*[[テンプレートエンジン/歴史]]
{{DEFAULTSORT:てんふれとえんしん}}
[[Category:テンプレートエンジン|*]]
[[Category:Web開発]]
[[Category:HTML]]
[[Category:CSS]]
[[Category:JavaScript]]
rsqvdhpikx7l5albfiejfx29m7mx5hc
X Window Programming
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AkiR27User
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/* 下位階層のページ */ テンプレート削除。直接リンク追加。詳細は[[Wikibooks:談話室#孤立しているページについて]]で
301336
wikitext
text/x-wiki
== 概要 ==
'''X Window System'''(通称X)は、Unix系のオペレーティングシステムで使用されるウィンドウシステムです。Xは、ユーザーインターフェースを提供するための標準的な手段として広く利用されており、プログラムが画面上でウィンドウを操作したり、グラフィックスを描画するための機能を提供します。このハンドブックでは、X Windowプログラミングの基本的な概念とその実装方法について説明します。
== 前提知識 ==
X Window Systemを理解するためには、次の技術的な前提知識が必要です。
* Unix/Linux環境の基本操作
* C言語の基本的な理解
* グラフィックスプログラミングの基礎
== 第1章: X Windowシステムの概要 ==
=== 1.1 X Windowの基本 ===
X Windowシステムは、クライアント-サーバモデルに基づいています。サーバはディスプレイ、入力デバイス、ウィンドウを管理し、クライアントはユーザーインターフェースを描画します。Xはネットワーク越しに動作するため、リモート環境でもウィンドウ操作が可能です。
=== 1.2 Xのアーキテクチャ ===
Xのアーキテクチャは次のように構成されています:
* '''Xサーバ''': ユーザーのディスプレイや入力デバイスを管理します。
* '''Xクライアント''': アプリケーションがグラフィックスを描画し、ウィンドウを操作するプログラムです。
=== 1.3 Xの基本的なプロトコル ===
X Windowは、ネットワーク越しに通信するためにXプロトコルを使用します。これにより、クライアントとサーバは物理的に異なるマシン上でも動作できます。
== 第2章: Xプログラミングの準備 ==
=== 2.1 必要なライブラリとツール ===
X Windowプログラミングを行うためには、次のライブラリとツールが必要です:
* '''Xlib''': X Windowシステム用のC言語ライブラリ
* '''X11''': X Windowシステムのヘッダーファイル
これらは、LinuxやUnixのパッケージマネージャを通じてインストールできます。
=== 2.2 開発環境の設定 ===
Xlibを利用するための開発環境設定は、以下の手順で行います。
# X11ライブラリをインストールします。
#* Ubuntu例: <code>sudo apt-get install libx11-dev</code>
# Cコンパイラ(gccなど)をインストールします。
# Xlibをリンクするための設定を行います。
== 第3章: 最初のXプログラム ==
=== 3.1 基本的なXプログラムの作成 ===
以下に、最初のXウィンドウを作成する基本的なCプログラムの例を示します。
:<syntaxhighlight lang=c copy>
#include <X11/Xlib.h>
#include <stdlib.h>
int main() {
// Xサーバに接続
Display *display = XOpenDisplay(NULL);
if (display == NULL) {
fprintf(stderr, "Xサーバに接続できませんでした\n");
exit(1);
}
// ウィンドウ作成
Window window = XCreateSimpleWindow(display, DefaultRootWindow(display), 10, 10, 300, 200, 1, BlackPixel(display, 0), WhitePixel(display, 0));
// ウィンドウ表示
XMapWindow(display, window);
// イベントループ
for (;;) {
XEvent event;
XNextEvent(display, &event);
if (event.type == KeyPress)
break;
}
// Xサーバから切断
XCloseDisplay(display);
return 0;
}
</syntaxhighlight>
このプログラムは、簡単なウィンドウを作成し、キーボードのキー入力を待機します。
=== 3.2 コンパイルと実行 ===
上記のプログラムをコンパイルするには、以下のコマンドを使用します。
:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>
clang -o xwindow_program xwindow_program.c -lX11
</syntaxhighlight>
コンパイル後、プログラムを実行します。
:<syntaxhighlight lang=shell-session copy>
./xwindow_program
</syntaxhighlight>
== 第4章: ウィンドウ操作 ==
=== 4.1 ウィンドウの位置とサイズの変更 ===
ウィンドウの位置やサイズは、<code>XMoveWindow</code>や<code>XResizeWindow</code>関数を使用して変更できます。
:<syntaxhighlight lang=c copy>
XMoveWindow(display, window, 100, 100);
XResizeWindow(display, window, 400, 300);
</syntaxhighlight>
=== 4.2 ウィンドウイベントの処理 ===
ウィンドウイベントは、<code>XSelectInput</code>を使用して選択し、<code>XNextEvent</code>で処理します。以下のように、キーボードイベントやマウスイベントを処理することができます。
:<syntaxhighlight lang=c copy>
XSelectInput(display, window, ExposureMask | KeyPressMask);
</syntaxhighlight>
== 第5章: グラフィックスの描画 ==
=== 5.1 描画の基本 ===
Xlibでは、<code>XDrawLine</code>や<code>XFillRectangle</code>などの関数を使用して、基本的なグラフィックスを描画できます。
:<syntaxhighlight lang=c copy>
GC gc = XCreateGC(display, window, 0, NULL);
XSetForeground(display, gc, BlackPixel(display, 0));
XDrawLine(display, window, gc, 10, 10, 100, 100);
</syntaxhighlight>
=== 5.2 イメージの描画 ===
画像の描画には、<code>XPutImage</code>関数を使用します。これにより、ビットマップ画像をウィンドウに表示できます。
== 第6章: 高度な機能 ==
=== 6.1 フォントとテキストの描画 ===
Xlibでは、<code>XLoadFont</code>や<code>XDrawString</code>を使用してテキストを描画できます。
=== 6.2 イベントの詳細な処理 ===
Xイベントには、ウィンドウのリサイズやマウスクリックなど多様なものがあります。イベントハンドリングの詳細について説明します。
== 附録 ==
=== A.1 X Windowのデバッグ方法 ===
X Windowプログラミングのデバッグには、<code>xwininfo</code>や<code>xev</code>などのツールが便利です。これらを使用して、ウィンドウやイベントの情報を取得できます。
=== A.2 よく使うXlib関数リスト ===
Xlibでよく使用される関数のリストを示します。
:{| class="wikitable"
|+ よく使うXlib関数リスト
| 関数名 || 説明
|-
!colspan=3| ディスプレイ接続
|-
| XOpenDisplay || X サーバーへの接続を確立
|-
| XCloseDisplay || X サーバーとの接続を終了
|-
| XConnectionNumber || ディスプレイのファイル記述子を取得
|-
!colspan=3| ウィンドウ操作
|-
| XCreateWindow || 新しいウィンドウを作成
|-
| XCreateSimpleWindow || シンプルなウィンドウを作成
|-
| XDestroyWindow || ウィンドウを破棄
|-
| XMapWindow || ウィンドウを表示
|-
| XUnmapWindow || ウィンドウを非表示
|-
| XMoveWindow || ウィンドウを移動
|-
| XResizeWindow || ウィンドウをリサイズ
|-
!colspan=3| イベント処理
|-
| XNextEvent || 次のイベントを取得
|-
| XSelectInput || イベントマスクを設定
|-
| XSendEvent || イベントを送信
|-
| XPending || 保留中のイベント数を取得
|-
!colspan=3| 描画操作
|-
| XDrawPoint || 点を描画
|-
| XDrawLine || 線を描画
|-
| XDrawRectangle || 矩形を描画
|-
| XFillRectangle || 塗りつぶした矩形を描画
|-
| XDrawArc || 円弧を描画
|-
| XFillArc || 塗りつぶした円弧を描画
|-
!colspan=3| テキスト操作
|-
| XDrawString || 文字列を描画
|-
| XDrawImageString || 背景付き文字列を描画
|-
| XLoadFont || フォントをロード
|-
| XUnloadFont || フォントを解放
|-
!colspan=3| カラー操作
|-
| XAllocColor || カラーを割り当て
|-
| XFreeColors || カラーを解放
|-
| XParseColor || カラー名を RGB 値に変換
|-
!colspan=3| GC (Graphics Context)
|-
| XCreateGC || GC を作成
|-
| XFreeGC || GC を解放
|-
| XSetForeground || 前景色を設定
|-
| XSetBackground || 背景色を設定
|-
!colspan=3| プロパティ操作
|-
| XGetWindowProperty || ウィンドウプロパティを取得
|-
| XChangeProperty || プロパティを変更
|-
| XDeleteProperty || プロパティを削除
|-
!colspan=3| クリップボード操作
|-
| XSetSelectionOwner || セレクション所有者を設定
|-
| XGetSelectionOwner || セレクション所有者を取得
|-
!colspan=3| エラー処理
|-
| XSetErrorHandler || エラーハンドラを設定
|-
| XGetErrorText || エラーメッセージを取得
|-
!colspan=3| フラッシュ・同期
|-
| XFlush || 出力バッファをフラッシュ
|-
| XSync || サーバーと同期
|}
== 参考文献 ==
* [https://www.x.org/releases/X11R7.7/doc/ Documentation for the X Window System Version 11 Release 7.7 (X11R7.7)]
== 下位階層のページ ==
*[[X Window Programming/Athena Widgets]]
*[[X Window Programming/CLX]]
*[[X Window Programming/Motif]]
*[[X Window Programming/UNIXでのリソース管理]]
*[[X Window Programming/UNIX特有のリソース管理]]
*[[X Window Programming/UNIX環境での非同期処理]]
*[[X Window Programming/X11R7.0]]
*[[X Window Programming/X11R7.1]]
*[[X Window Programming/X11R7.2]]
*[[X Window Programming/X11とUNIXの関係]]
*[[X Window Programming/X11アーキテクチャ]]
*[[X Window Programming/XCB]]
*[[X Window Programming/X Toolkit Intrinsics]]
*[[X Window Programming/X resources]]
*[[X Window Programming/Xlib]]
*[[X Window Programming/イベント]]
*[[X Window Programming/イベントの基本]]
*[[X Window Programming/描画とグラフィックス]]
*[[X Window Programming/最初のXプログラム]]
*[[X Window Programming/開発環境の準備]]
{{DEFAULTSORT:X WINDOW PROGRAMMING}}
[[Category:X Window Programming|*]]
[[Category:プログラミング]]
qcf7tsa5fndtuuz5bc4277ci2h3s8l4
ゲーム開発フレームワーク
0
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2026-07-08T21:22:57Z
AkiR27User
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テンプレート削除、直接リンク追加
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wikitext
text/x-wiki
'''ゲーム開発フレームワーク'''とは、ゲームを効率的に開発するために提供される一連のツールやライブラリ、API、設計テンプレートのことです。これにより、開発者は低レベルのプログラミングや複雑な技術的課題に直接取り組む必要がなくなり、ゲームロジックやデザインなど、より高いレベルの開発に集中できます。
=== 主な機能 ===
ゲーム開発フレームワークは以下のような機能を提供します:
# '''描画処理'''
#* 2D/3Dグラフィックスの描画
#* スプライトの管理、アニメーションのサポート
# '''物理エンジン'''
#* 衝突判定
#* 重力や反射といった物理シミュレーション
# '''サウンド'''
#* 効果音やBGMの再生・管理
# '''入力処理'''
#* キーボード、マウス、タッチ操作、コントローラーの入力対応
# '''シーン管理'''
#* ゲーム画面の切り替えや状態の管理
# '''ネットワーク'''
#* マルチプレイやオンライン機能のサポート
# '''スクリプトサポート'''
#* LuaやPythonなどでのゲームロジック記述
# '''ツール'''
#* レベルエディターやデバッグツールの統合
=== 主なゲーム開発フレームワーク例 ===
# '''[[/Unity|Unity]]'''
#* 3Dゲーム開発が得意だが、2Dにも対応。クロスプラットフォーム。
# '''[[/Unreal Engine|Unreal Engine]]'''
#* 高品質な3Dグラフィックスとリアルタイムレンダリングが特徴。
# '''[[/Godot Engine|Godot Engine]]'''
#* オープンソースで、2D・3Dゲームの両方を簡単に開発可能。
# '''[[/Pygame|Pygame]]'''
#* Pythonを使用した2Dゲーム開発向け。
# '''[[/Cocos2d|Cocos2d]]'''
#* 2Dゲーム開発に特化し、軽量でモバイルゲームに強みがある。
# '''[[/Phaser|Phaser]]'''
#* HTML5ベースの2Dゲーム開発フレームワーク。
=== フレームワークの利点 ===
* '''効率性''':汎用的な機能が既に用意されているため、ゼロから作る手間が省ける。
* '''クロスプラットフォーム対応''':複数のプラットフォームに対応したゲームを容易に作成可能。
* '''コミュニティサポート''':ドキュメントやチュートリアルが豊富で、開発中の問題解決が容易。
* '''拡張性''':プラグインやカスタムモジュールで独自の機能を追加可能。
=== フレームワーク選びのポイント ===
* 開発するゲームのジャンル(2D/3D、モバイル向け、PC向けなど)
* サポートするプログラミング言語
* コミュニティやドキュメントの充実度
* パフォーマンス要件とターゲットデバイス
適切なフレームワークを選ぶことで、ゲーム開発の効率が大幅に向上します。開発するゲームの規模や目的に応じて最適なものを選びましょう。
== 下位階層のページ ==
*[[ゲーム開発フレームワーク/Godot]]
*[[ゲーム開発フレームワーク/Unity]]
*[[ゲーム開発フレームワーク/Unreal Engine]]
*[[ゲーム開発フレームワーク/ウェブアプリケーションフレームワークとの融合]]
{{DEFAULTSORT:けむかいはつふれむわく}}
[[Category:ゲーム開発フレームワーク|*]]
[[Category:フレームワーク]]
he3or7zsfc8irjgzh0ydu1ea1af2mm5
ゲーム開発
0
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267728
2026-07-08T21:19:49Z
AkiR27User
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/* 下位階層のページ */ テンプレート削除、直接リンク追加。詳細は[[Wikibooks:談話室#孤立しているページについて]]まで
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'''ゲーム開発'''とは、コンピュータゲームやビデオゲームを作成する過程のことを指します。これには、アイデアやコンセプトの発想から始まり、ゲームの設計、プログラミング、グラフィックや音声の制作、テスト、デバッグ、最終的なリリースに至るまでのすべてのプロセスが含まれます。ゲーム開発は、単一の開発者が行う場合もあれば、複数の専門家が協力して行う大規模なプロジェクトにもなり得ます。
== ゲーム開発の主要なフェーズとプロセス ==
; アイデアとコンセプトの発案
: ゲーム開発の最初のステップは、どんなゲームを作るのかというアイデアを出すことです。この段階では、ゲームのジャンル(アクション、RPG、パズル、スポーツなど)や基本的なストーリー、ゲームプレイの仕組み(戦闘システム、レベルデザイン、キャラクターなど)を決定します。
; ゲームデザイン
: ゲームデザインは、ゲームの具体的な仕様やメカニクスを決めるプロセスです。この段階では、ゲーム内のシステムやルール、目標、プレイヤーがどのようにインタラクションを行うかが定義されます。ドキュメント化された[[/ゲームデザイン文書|ゲームデザイン文書]](Game Design Document, GDD)が作成されることが一般的です。
; プログラミング
: プログラミングは、ゲームの動作を実現するためにコードを書くプロセスです。これには、ゲームエンジンやミドルウェアを使用して、ゲーム内のロジック、物理エンジン、AI(人工知能)、インタラクション、ユーザーインターフェース(UI)などをプログラミングすることが含まれます。プログラミングはゲーム開発の中で最も技術的な部分であり、効率的でエラーの少ないコードを書くことが求められます。
; アート制作
: ゲームのアートは、キャラクターデザイン、背景、アイテム、エフェクト、インターフェースなどを含みます。アーティストは、ゲーム内の視覚的な要素を作り、キャラクターや世界を表現します。2Dアートや3Dモデリング、テクスチャ作成、アニメーションなど、多岐にわたる作業があります。
; サウンドデザインと音楽
: ゲームにおける音楽とサウンドは、ゲームの雰囲気やプレイヤーの没入感を高めるために重要な要素です。サウンドデザイナーは、効果音や環境音、キャラクターボイスなどを作成します。また、ゲームのテーマに合った音楽の作曲も行われます。
; テストとデバッグ
: ゲームが完成に近づくと、開発者はテストとデバッグを行い、ゲームの動作が正しいことを確認します。テストには、バグやエラーを見つけて修正する「デバッグ」作業のほか、ゲームプレイのバランスを調整する「プレイテスト」が含まれます。多くの場合、プレイヤーのフィードバックを収集し、必要に応じてゲームの調整を行います。
; マーケティングと販売
: ゲームの完成後、開発者はゲームのマーケティングを行い、ターゲットとなるプレイヤーに向けて宣伝活動を行います。また、リリースプラットフォーム(Steam、PlayStation、Nintendo Switchなど)を選定し、ゲームを販売するための準備をします。
; アップデートとサポート
: ゲームがリリースされた後も、バグ修正や新しいコンテンツの追加(DLCやアップデート)などを行い、プレイヤーのフィードバックを反映させながら長期間にわたってゲームをサポートします。
== ゲーム開発の主要な要素 ==
; ゲームエンジン
: ゲームエンジンは、ゲームの動作を管理するソフトウェアフレームワークです。これには、レンダリング、物理エンジン、AI、オーディオ管理、ネットワークなどの機能が組み込まれており、開発者はこれを利用して効率的にゲームを作成します。代表的なゲームエンジンには、Unity、Unreal Engine、Godotなどがあります。
; プラットフォーム
: ゲームがどのデバイスでプレイされるかによって開発の方向性が決まります。PC、ゲームコンソール(PlayStation、Xbox、Switchなど)、モバイル(iOS、Android)、VR/ARプラットフォームなどが存在し、開発者はターゲットプラットフォームに合わせてゲームを最適化します。
; ゲームアートとグラフィックス
: ゲームの視覚的要素を作成するアーティストとデザイナーは、ゲーム内でのキャラクター、環境、エフェクトなどのビジュアルを設計します。これには、2Dのスプライト、3Dモデリング、アニメーション、ライティング、テクスチャ作成などが含まれます。
; サウンドと音楽
: 音楽や効果音は、ゲームの雰囲気や感情的な影響を大きく左右します。サウンドデザイナーは、ゲーム内の各シーンやアクションに合わせた音を制作します。
; ストーリーテリングとシナリオ
: 特にストーリー主導型のゲームでは、ストーリーやキャラクターの背景設定が重要です。シナリオライターは、ゲーム内での登場人物の台詞やイベントを作成し、物語を形作ります。
== ゲーム開発のチーム構成 ==
ゲーム開発は通常、複数の専門職が協力して行われます。チームのメンバーは、次のような役割を担います:
* '''ゲームデザイナー''': ゲームのコンセプトやシステムを設計。
* '''プログラマー''': ゲームのコードを書く。
* '''アーティスト''': ゲームのビジュアルを作成。
* '''サウンドデザイナー''': 音楽や効果音を作成。
* '''シナリオライター''': ゲームのストーリーや台詞を作成。
* '''テスター''': ゲームをテストしてバグを発見・修正。
== 結論 ==
ゲーム開発は、創造性と技術が融合する複雑で多面的なプロセスです。ゲーム開発者は、ストーリーテリング、デザイン、プログラミング、アート、音楽など、さまざまな専門知識とスキルを活かしながら、プレイヤーに楽しさを提供するゲームを作り上げます。
== 下位階層のページ ==
*[[ゲーム開発/ゲームデザイン文書]]
*[[ゲーム開発/進行管理]]
{{DEFAULTSORT:けむかいはつ}}
[[Category:ゲーム開発|*]]
[[Category:ソフトウェア開発]]
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{{Pathnav|ゲーム|frame=1}}
'''ゲーム開発'''とは、コンピュータゲームやビデオゲームを作成する過程のことを指します。これには、アイデアやコンセプトの発想から始まり、ゲームの設計、プログラミング、グラフィックや音声の制作、テスト、デバッグ、最終的なリリースに至るまでのすべてのプロセスが含まれます。ゲーム開発は、単一の開発者が行う場合もあれば、複数の専門家が協力して行う大規模なプロジェクトにもなり得ます。
== ゲーム開発の主要なフェーズとプロセス ==
; アイデアとコンセプトの発案
: ゲーム開発の最初のステップは、どんなゲームを作るのかというアイデアを出すことです。この段階では、ゲームのジャンル(アクション、RPG、パズル、スポーツなど)や基本的なストーリー、ゲームプレイの仕組み(戦闘システム、レベルデザイン、キャラクターなど)を決定します。
; ゲームデザイン
: ゲームデザインは、ゲームの具体的な仕様やメカニクスを決めるプロセスです。この段階では、ゲーム内のシステムやルール、目標、プレイヤーがどのようにインタラクションを行うかが定義されます。ドキュメント化された[[/ゲームデザイン文書|ゲームデザイン文書]](Game Design Document, GDD)が作成されることが一般的です。
; プログラミング
: プログラミングは、ゲームの動作を実現するためにコードを書くプロセスです。これには、ゲームエンジンやミドルウェアを使用して、ゲーム内のロジック、物理エンジン、AI(人工知能)、インタラクション、ユーザーインターフェース(UI)などをプログラミングすることが含まれます。プログラミングはゲーム開発の中で最も技術的な部分であり、効率的でエラーの少ないコードを書くことが求められます。
; アート制作
: ゲームのアートは、キャラクターデザイン、背景、アイテム、エフェクト、インターフェースなどを含みます。アーティストは、ゲーム内の視覚的な要素を作り、キャラクターや世界を表現します。2Dアートや3Dモデリング、テクスチャ作成、アニメーションなど、多岐にわたる作業があります。
; サウンドデザインと音楽
: ゲームにおける音楽とサウンドは、ゲームの雰囲気やプレイヤーの没入感を高めるために重要な要素です。サウンドデザイナーは、効果音や環境音、キャラクターボイスなどを作成します。また、ゲームのテーマに合った音楽の作曲も行われます。
; テストとデバッグ
: ゲームが完成に近づくと、開発者はテストとデバッグを行い、ゲームの動作が正しいことを確認します。テストには、バグやエラーを見つけて修正する「デバッグ」作業のほか、ゲームプレイのバランスを調整する「プレイテスト」が含まれます。多くの場合、プレイヤーのフィードバックを収集し、必要に応じてゲームの調整を行います。
; マーケティングと販売
: ゲームの完成後、開発者はゲームのマーケティングを行い、ターゲットとなるプレイヤーに向けて宣伝活動を行います。また、リリースプラットフォーム(Steam、PlayStation、Nintendo Switchなど)を選定し、ゲームを販売するための準備をします。
; アップデートとサポート
: ゲームがリリースされた後も、バグ修正や新しいコンテンツの追加(DLCやアップデート)などを行い、プレイヤーのフィードバックを反映させながら長期間にわたってゲームをサポートします。
== ゲーム開発の主要な要素 ==
; ゲームエンジン
: ゲームエンジンは、ゲームの動作を管理するソフトウェアフレームワークです。これには、レンダリング、物理エンジン、AI、オーディオ管理、ネットワークなどの機能が組み込まれており、開発者はこれを利用して効率的にゲームを作成します。代表的なゲームエンジンには、Unity、Unreal Engine、Godotなどがあります。
; プラットフォーム
: ゲームがどのデバイスでプレイされるかによって開発の方向性が決まります。PC、ゲームコンソール(PlayStation、Xbox、Switchなど)、モバイル(iOS、Android)、VR/ARプラットフォームなどが存在し、開発者はターゲットプラットフォームに合わせてゲームを最適化します。
; ゲームアートとグラフィックス
: ゲームの視覚的要素を作成するアーティストとデザイナーは、ゲーム内でのキャラクター、環境、エフェクトなどのビジュアルを設計します。これには、2Dのスプライト、3Dモデリング、アニメーション、ライティング、テクスチャ作成などが含まれます。
; サウンドと音楽
: 音楽や効果音は、ゲームの雰囲気や感情的な影響を大きく左右します。サウンドデザイナーは、ゲーム内の各シーンやアクションに合わせた音を制作します。
; ストーリーテリングとシナリオ
: 特にストーリー主導型のゲームでは、ストーリーやキャラクターの背景設定が重要です。シナリオライターは、ゲーム内での登場人物の台詞やイベントを作成し、物語を形作ります。
== ゲーム開発のチーム構成 ==
ゲーム開発は通常、複数の専門職が協力して行われます。チームのメンバーは、次のような役割を担います:
* '''ゲームデザイナー''': ゲームのコンセプトやシステムを設計。
* '''プログラマー''': ゲームのコードを書く。
* '''アーティスト''': ゲームのビジュアルを作成。
* '''サウンドデザイナー''': 音楽や効果音を作成。
* '''シナリオライター''': ゲームのストーリーや台詞を作成。
* '''テスター''': ゲームをテストしてバグを発見・修正。
== 結論 ==
ゲーム開発は、創造性と技術が融合する複雑で多面的なプロセスです。ゲーム開発者は、ストーリーテリング、デザイン、プログラミング、アート、音楽など、さまざまな専門知識とスキルを活かしながら、プレイヤーに楽しさを提供するゲームを作り上げます。
== 下位階層のページ ==
*[[ゲーム開発/ゲームデザイン文書]]
*[[ゲーム開発/進行管理]]
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[[Category:ソフトウェア開発]]
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MINIX
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== はじめに ==
[[MINIX]]は、教育用に設計されたUNIXライクなオペレーティングシステムです。Andrew S. Tanenbaumによって開発され、オペレーティングシステムの設計と実装を学ぶための教材として広く使用されています。このハンドブックでは、MINIXの基本的な概念、インストール方法、使用方法、およびその内部構造について解説します。
== MINIXの基本概念 ==
=== MINIXとは何か ===
[[MINIX]]は、マイクロカーネルアーキテクチャを採用したUNIXライクなオペレーティングシステムです。その主な目的は、オペレーティングシステムの設計と実装を学ぶための教材として利用されることです。MINIXは、教育用であるため、シンプルで理解しやすい設計が特徴です。
=== MINIXの歴史 ===
[[MINIX]]は、1987年にAndrew S. Tanenbaumによって開発されました。当初は、教育用のオペレーティングシステムとして設計され、UNIXの基本的な概念を学ぶための教材として利用されました。MINIXは、その後も進化を続け、最新版のMINIX 3は、より実用的な機能を備えています。
=== MINIXの特徴 ===
* '''マイクロカーネルアーキテクチャ''': カーネルが最小限の機能しか持たず、他の機能はユーザーモードで実行される。
* '''教育用設計''': シンプルで理解しやすい設計。
* '''UNIX互換性''': UNIXライクなコマンドとシステムコールを提供。
== MINIXのインストール ==
=== インストールの準備 ===
[[MINIX]]をインストールするには、以下のものが必要です。
* 対応するハードウェア(PCまたは仮想マシン)
* MINIXのインストールイメージ(ISOファイル)
=== インストール手順 ===
# '''インストールメディアの作成''': MINIXのISOファイルをUSBメモリやCD/DVDに書き込みます。
# '''ブート''': インストールメディアからシステムをブートします。
# '''インストーラの起動''': ブート後、インストーラが起動します。指示に従ってインストールを進めます。
# '''パーティションの設定''': ディスクパーティションを設定し、MINIXをインストールします。
# '''システムの設定''': ネットワーク設定やユーザーアカウントの作成を行います。
# '''インストールの完了''': インストールが完了したら、システムを再起動します。
== MINIXの基本操作 ==
=== システムの起動とシャットダウン ===
* '''起動''': システムを起動すると、ログインプロンプトが表示されます。
*:<syntaxhighlight lang=sh copy>
MINIX login:
</syntaxhighlight>
* '''シャットダウン''': システムをシャットダウンするには、<code>shutdown</code>コマンドを使用します。
*:<syntaxhighlight lang=sh copy>
$ shutdown -h now
</syntaxhighlight>
=== ファイルシステムの操作 ===
[[MINIX]]では、UNIXライクなファイルシステムコマンドを使用できます。
* '''<code>ls</code>''': ディレクトリの内容を表示する。
*:<syntaxhighlight lang=sh copy>
$ ls
</syntaxhighlight>
* '''<code>cd</code>''': ディレクトリを変更する。
*:<syntaxhighlight lang=sh copy>
$ cd /usr/local
</syntaxhighlight>
* '''<code>cp</code>''': ファイルをコピーする。
*:<syntaxhighlight lang=sh copy>
$ cp file1.txt file2.txt
</syntaxhighlight>
* '''<code>mv</code>''': ファイルを移動または名前変更する。
*:<syntaxhighlight lang=sh copy>
$ mv oldname.txt newname.txt
</syntaxhighlight>
* '''<code>rm</code>''': ファイルを削除する。
*:<syntaxhighlight lang=sh copy>
$ rm file.txt
</syntaxhighlight>
=== プロセス管理 ===
* '''<code>ps</code>''': 実行中のプロセスを表示する。
*:<syntaxhighlight lang=sh copy>
$ ps
</syntaxhighlight>
* '''<code>kill</code>''': プロセスを終了する。
*:<syntaxhighlight lang=sh copy>
$ kill <PID>
</syntaxhighlight>
== MINIXの内部構造 ==
=== マイクロカーネルアーキテクチャ ===
[[MINIX]]は、マイクロカーネルアーキテクチャを採用しています。カーネルは、最小限の機能(プロセス管理、メモリ管理、インタープロセス通信など)しか持たず、他の機能(ファイルシステム、デバイスドライバなど)はユーザーモードで実行されます。
=== プロセス管理 ===
[[MINIX]]のプロセス管理は、マイクロカーネルによって行われます。プロセスは、独立したアドレス空間で実行され、インタープロセス通信(IPC)によって相互に通信します。
=== メモリ管理 ===
[[MINIX]]のメモリ管理は、ページング方式を採用しています。カーネルは、物理メモリと仮想メモリのマッピングを管理し、プロセスごとに独立したアドレス空間を提供します。
=== ファイルシステム ===
[[MINIX]]のファイルシステムは、UNIXライクな階層構造を持ちます。ファイルシステムは、ユーザーモードで実行されるファイルサーバによって管理されます。
== MINIXの開発と拡張 ==
=== カーネルの開発 ===
[[MINIX]]のカーネルは、C言語で記述されています。カーネルの開発には、MINIXのソースコードを理解し、必要な機能を追加または変更します。
=== デバイスドライバの開発 ===
[[MINIX]]のデバイスドライバは、ユーザーモードで実行されます。新しいデバイスドライバを開発するには、MINIXのドライバAPIを使用します。
=== アプリケーションの開発 ===
[[MINIX]]上で動作するアプリケーションは、C言語で開発できます。UNIXライクなシステムコールとライブラリを使用して、アプリケーションを開発します。
== おわりに ==
[[MINIX]]は、オペレーティングシステムの設計と実装を学ぶための優れた教材です。このハンドブックを参考に、MINIXの世界をさらに探求してください。MINIXを通じて、オペレーティングシステムの内部構造や動作原理を深く理解することができるでしょう。
== 外部リンク ==
{{Wikipedia}}
* [[https://minix3.org/ MINIX3]]
* [https://github.com/Stichting-MINIX-Research-Foundation/minix/ Gitリポジトリ]
== 下位階層のページ ==
*[[MINIX/Linuxフレイム]]
*[[MINIX/MINIXとLinux]]
{{DEFAULTSORT:MINIX}}
[[Category:オペレーティングシステム]]
94ol1cgjjroiikrwb0xwnd1vyodidis
Portable, Extensible Toolkit for Scientific Computation
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2026-07-08T12:21:58Z
AkiR27User
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== はじめに ==
'''PETSc'''(Portable, Extensible Toolkit for Scientific Computation)は、科学技術計算のための高性能な数値計算ライブラリです。並列計算をサポートし、線形代数、非線形方程式、微分方程式の解法など、幅広い数値計算問題に対応しています。このハンドブックでは、PETScの基本的な使い方から応用例までを解説します。
== PETScの概要 ==
=== PETScとは ===
PETScは、C言語で書かれたライブラリで、以下の特徴を持っています。
* '''並列計算''': MPIを利用した分散メモリ並列計算をサポート。
* '''拡張性''': 新しいソルバーやデータ構造を簡単に追加可能。
* '''柔軟性''': 線形代数、非線形方程式、微分方程式など、多様な問題に対応。
=== 主な機能 ===
* '''線形代数''': 疎行列や密行列の操作、線形ソルバー。
* '''非線形方程式''': 非線形ソルバーと最適化ツール。
* '''微分方程式''': 時間依存および時間非依存の微分方程式ソルバー。
== PETScのインストール ==
=== 必要なソフトウェア ===
* '''MPI''': 並列計算用のライブラリ(例: OpenMPI, MPICH)。
* '''BLAS/LAPACK''': 線形代数計算用のライブラリ。
* '''コンパイラ''': C/C++コンパイラ(例: GCC, Clang)。
=== インストール手順 ===
# PETScのソースコードをダウンロード:
#:<syntaxhighlight lang=bash copy>
git clone https://gitlab.com/petsc/petsc.git
cd petsc
</syntaxhighlight>
# 設定とビルド:
#:<syntaxhighlight lang=bash copy>
./configure --with-mpi-dir=/path/to/mpi --with-blas-lapack-dir=/path/to/blas-lapack
make all
make install
</syntaxhighlight>
== PETScの基本操作 ==
=== 初期化と終了 ===
PETScを使用する前に、<code>PetscInitialize</code>で初期化し、終了時に<code>PetscFinalize</code>を呼び出します。
==== 例 ====
:<syntaxhighlight lang=c copy>
#include "petsc.h"
int main(int argc, char **argv) {
PetscInitialize(&argc, &argv, NULL, NULL);
// PETScのコード
PetscFinalize();
return 0;
}
</syntaxhighlight>
=== ベクトルの操作 ===
PETScでは、<code>Vec</code>型を使ってベクトルを操作します。
==== 例: ベクトルの作成と設定 ====
:<syntaxhighlight lang=c copy>
Vec x;
PetscInt n = 10;
VecCreate(PETSC_COMM_WORLD, &x);
VecSetSizes(x, PETSC_DECIDE, n);
VecSetFromOptions(x);
PetscScalar value = 1.0;
VecSet(x, value);
VecAssemblyBegin(x);
VecAssemblyEnd(x);
</syntaxhighlight>
=== 行列の操作 ===
PETScでは、<code>Mat</code>型を使って行列を操作します。
==== 例: 疎行列の作成と設定 ====
:<syntaxhighlight lang=c copy>
Mat A;
PetscInt m = 10, n = 10;
MatCreate(PETSC_COMM_WORLD, &A);
MatSetSizes(A, PETSC_DECIDE, PETSC_DECIDE, m, n);
MatSetFromOptions(A);
MatSetUp(A);
PetscInt row = 0, col = 0;
PetscScalar val = 1.0;
MatSetValue(A, row, col, val, INSERT_VALUES);
MatAssemblyBegin(A, MAT_FINAL_ASSEMBLY);
MatAssemblyEnd(A, MAT_FINAL_ASSEMBLY);
</syntaxhighlight>
== 線形ソルバー ==
=== 線形方程式の解法 ===
PETScは、線形方程式 <math> Ax = b </math>を解くためのさまざまなソルバーを提供しています。
==== 例: 線形ソルバーの使用 ====
:<syntaxhighlight lang=c copy>
KSP ksp;
KSPCreate(PETSC_COMM_WORLD, &ksp);
KSPSetOperators(ksp, A, A);
KSPSetFromOptions(ksp);
KSPSolve(ksp, b, x);
</syntaxhighlight>
=== 前処理 ===
PETScは、前処理(Preconditioner)をサポートしており、収束性を向上させます。
==== 例: 前処理の設定 ====
:<syntaxhighlight lang=c copy>
PC pc;
KSPGetPC(ksp, &pc);
PCSetType(pc, PCJACOBI);
</syntaxhighlight>
== 非線形ソルバー ==
=== 非線形方程式の解法 ===
PETScは、非線形方程式 <math> F(x) = 0 </math> を解くためのソルバーを提供しています。
==== 例: 非線形ソルバーの使用 ====
:<syntaxhighlight lang=c copy>
SNES snes;
SNESCreate(PETSC_COMM_WORLD, &snes);
SNESSetFunction(snes, r, FormFunction, NULL);
SNESSetJacobian(snes, J, J, FormJacobian, NULL);
SNESSetFromOptions(snes);
SNESSolve(snes, NULL, x);
</syntaxhighlight>
== 時間依存問題 ==
=== 時間ステッピング ===
PETScは、時間依存問題を解くための時間ステッピングソルバーを提供しています。
==== 例: 時間ステッピングの使用 ====
:<syntaxhighlight lang=c copy>
TS ts;
TSCreate(PETSC_COMM_WORLD, &ts);
TSSetProblemType(ts, TS_NONLINEAR);
TSSetRHSFunction(ts, NULL, FormRHSFunction, NULL);
TSSetFromOptions(ts);
TSSolve(ts, x);
</syntaxhighlight>
== 応用例 ==
=== 熱方程式の解法 ===
熱方程式を解くためのPETScのコード例を示します。
==== 例: 熱方程式 ====
:<syntaxhighlight lang=c copy>
// 初期化と設定
PetscInitialize(&argc, &argv, NULL, NULL);
// ベクトルと行列の作成
Vec u;
Mat A;
// ... (省略)
// 線形ソルバーの設定
KSP ksp;
KSPCreate(PETSC_COMM_WORLD, &ksp);
KSPSetOperators(ksp, A, A);
KSPSetFromOptions(ksp);
// 時間ステッピングの設定
TS ts;
TSCreate(PETSC_COMM_WORLD, &ts);
TSSetProblemType(ts, TS_NONLINEAR);
TSSetRHSFunction(ts, NULL, FormRHSFunction, NULL);
TSSetFromOptions(ts);
// ソルバーの実行
TSSolve(ts, u);
// 終了処理
PetscFinalize();
</syntaxhighlight>
== 練習問題 ==
# '''ベクトル操作''': サイズ100のベクトルを作成し、すべての要素を2.0に設定するプログラムを作成してください。
# '''行列操作''': 10x10の疎行列を作成し、対角要素を1.0、非対角要素を0.0に設定するプログラムを作成してください。
# '''線形ソルバー''': 線形方程式 <math> Ax = b </math> を解くプログラムを作成し、解を表示してください。
# '''非線形ソルバー''': 非線形方程式 <math> F(x) = x^2 - 2 = 0 </math> を解くプログラムを作成してください。
== まとめ ==
PETScは、科学技術計算のための強力なツールキットです。並列計算をサポートし、線形代数、非線形方程式、微分方程式の解法など、幅広い問題に対応しています。このハンドブックを通じて、PETScの基本的な使い方から応用例までを学び、実際の問題に適用できるようになりましょう。
<!--
'''次章の予告''': 第X+1章「PETScの高度な機能」では、カスタムソルバーの作成や性能チューニングなど、より高度なトピックについて解説します。
-->
== 下位階層のページ ==
*[[Portable, Extensible Toolkit for Scientific Computation/PETScのパフォーマンスチューニング]]
*[[Portable, Extensible Toolkit for Scientific Computation/PETScの実践的な応用]]
*[[Portable, Extensible Toolkit for Scientific Computation/PETScの応用事例]]
*[[Portable, Extensible Toolkit for Scientific Computation/PETScの拡張とカスタマイズ]]
*[[Portable, Extensible Toolkit for Scientific Computation/PETScの最新動向と将来の展望]]
*[[Portable, Extensible Toolkit for Scientific Computation/PETScの高度な機能]]
{{DEFAULTSORT:PORTABLE EXTENSIVE TOOLKIT FOR SCIENTIFIC COMPUTATION}}
[[Category:PETSc|*]]
[[Category:科学技術計算]]
[[Category:C言語]]
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V
0
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269164
2026-07-08T12:28:08Z
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/* 外部リンク */ == 関連項目 == *[[V/イディオム]] *[[V/クイックツアー]] *[[V/ユースケース]] *[[V/他の新興言語との比較]]追加
301334
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text/x-wiki
== はじめに ==
Vは、システムプログラミングの分野に新しい視点をもたらすプログラミング言語です。C言語の影響を強く受けた構文を持ちながら、現代のソフトウェア開発で重要視される安全性と生産性を重視して設計されています。
2019年にAlexander Medvednikovは、プログラミング言語に存在する多くの複雑さは不要であるという考えのもと、Vを設計しました。その結果、言語仕様はコンパクトながら表現力豊かなものとなっています。コンパイラ自体もVで書かれており、これは言語の実用性を証明する良い例となっています。
== Vの特徴 ==
Vは、現代のソフトウェア開発における課題に対する明確な解決策を提供します。コンパイル速度は非常に高速で、多くの場合1秒未満でコンパイルが完了します。これは開発サイクルを大幅に短縮し、開発者の生産性を向上させます。
メモリ管理において、Vはガベージコレクションを採用していません。代わりに、コンパイル時の所有権チェックと、必要な場合のみ使用される参照カウンティングを組み合わせることで、予測可能なパフォーマンスと低いメモリ使用量を実現しています。
変数はデフォルトでイミュータブル(不変)として宣言されます。これにより、意図しない状態の変更を防ぎ、コードの理解と保守を容易にします。状態を変更する必要がある場合は、明示的に<code>mut</code>キーワードを使用する必要があります。
関数もデフォルトで純粋関数として扱われます。これは、同じ入力に対して常に同じ出力を返し、副作用を持たないことを意味します。この特徴により、並行処理や関数のテストが容易になります。
== 開発環境のセットアップ ==
Vの開発環境は、GitHubリポジトリからソースコードを取得することで構築できます。ビルドプロセスは非常にシンプルで、必要な依存関係も最小限に抑えられています。
開発環境のセットアップは以下の手順で行います:
:<syntaxhighlight lang=bash copy>
git clone https://github.com/vlang/v
cd v
make
</syntaxhighlight>
エディタのサポートも充実しており、Visual Studio Code用の拡張機能が公式に提供されています。この拡張機能は、シンタックスハイライト、コード補完、定義へのジャンプなどの機能を提供し、効率的な開発を支援します。
== 基本文法 ==
Vの基本文法は、C言語やGo言語に親しんだ開発者にとって馴染みやすいものとなっています。変数の宣言では型推論が利用でき、明示的な型指定も可能です。
; 変数宣言の例:
:<syntaxhighlight lang=v copy>
name := 'V' // 文字列型として推論される
mut age := 25 // 変更可能な整数型として宣言
const VERSION = '0.3' // コンパイル時に決定される定数
</syntaxhighlight>
制御構文は直感的で、余分な括弧や記号を必要としません:
:<syntaxhighlight lang=v copy>
if x > 0 {
println('正の数です')
} else if x < 0 {
println('負の数です')
} else {
println('ゼロです')
}
</syntaxhighlight>
反復処理には柔軟な構文が用意されています:
:<syntaxhighlight lang=v copy>
// 配列の反復
numbers := [1, 2, 3, 4, 5]
for number in numbers {
println(number)
}
// 条件付きループ
mut count := 0
for count < 5 {
count++
}
</syntaxhighlight>
== 型システム ==
Vの型システムは、安全性と使いやすさのバランスを重視して設計されています。プリミティブ型には、整数型(i8からi64まで)、浮動小数点型(f32とf64)、真偽値型(bool)、文字列型(string)が用意されています。
構造体は、関連するデータをグループ化する主要な手段として提供されています:
:<syntaxhighlight lang=v copy>
struct User {
name string
age int
mut:
email string // 変更可能なフィールド
pub:
id int // 公開フィールド
}
</syntaxhighlight>
構造体のフィールドはデフォルトでプライベートかつイミュータブルです。特定のフィールドを変更可能にしたい場合は<code>mut:</code>セクションで宣言し、外部からアクセス可能にしたい場合は<code>pub:</code>セクションで宣言します。
== メモリ管理 ==
Vのメモリ管理は、安全性と効率性を両立させる設計となっています。基本的にはスタック割り当てが使用され、必要な場合にのみヒープ割り当てが行われます。
参照カウンティングは、ヒープ上のメモリを管理するために使用されます。これにより、メモリリークを防ぎながら、予測可能なパフォーマンスを実現しています。また、必要に応じて手動でのメモリ管理も可能です。
== 並行処理 ==
Vは、現代のマルチコアプロセッサを効率的に活用するための並行処理機能を提供します。並行処理は<code>go</code>キーワードを使用して簡単に実装できます:
:<syntaxhighlight lang=v copy>
fn heavy_computation() int {
// 時間のかかる計算
return 42
}
fn main() {
handle := go heavy_computation()
// 他の処理を実行
result := handle.wait() // 計算結果を待機
}
</syntaxhighlight>
スレッド間の通信には、チャネルを使用することができます。チャネルは型安全で、データの送受信を同期的に行うことができます:
:<syntaxhighlight lang=v copy>
fn number_generator(ch chan int) {
for i := 0; i < 5; i++ {
ch <- i // チャネルにデータを送信
}
}
fn main() {
ch := chan int{}
go number_generator(ch)
for i := 0; i < 5; i++ {
num := <-ch // チャネルからデータを受信
println(num)
}
}
</syntaxhighlight>
== モジュールシステム ==
Vのモジュールシステムは、コードの再利用と整理を促進します。モジュールは論理的な単位でコードをグループ化し、名前空間を提供します。
新しいモジュールは以下のように作成します:
:<syntaxhighlight lang=v copy>
module mymodule
pub fn calculate_total(numbers []int) int {
mut total := 0
for num in numbers {
total += num
}
return total
}
</syntaxhighlight>
モジュールの利用側では、<code>import</code>文を使用してモジュールを取り込みます:
:<syntaxhighlight lang=v copy>
import mymodule
fn main() {
numbers := [1, 2, 3, 4, 5]
total := mymodule.calculate_total(numbers)
println(total)
}
</syntaxhighlight>
== ツールとエコシステム ==
Vは、開発を効率化するための様々なツールを提供しています。コードフォーマッタの<code>vfmt</code>は、一貫性のあるコードスタイルを維持するために使用されます。このツールは自動的にコードを整形し、Vのスタイルガイドラインに従ったフォーマットを適用します。
テストフレームワークは言語に組み込まれており、<code>v test</code>コマンドで実行できます。テストファイルは<code>_test.v</code>という名前で作成し、各テスト関数は<code>test_</code>というプレフィックスを持つ必要があります。
Vのパッケージマネージャであるvpmを使用すると、サードパーティのライブラリを簡単に管理できます。Webアプリケーション開発のためのvwebフレームワークや、グラフィックスアプリケーション開発のためのggライブラリなど、実用的なパッケージが提供されています。
== 関連項目 ==
*[[V/イディオム]]
*[[V/クイックツアー]]
*[[V/ユースケース]]
*[[V/他の新興言語との比較]]
== 外部リンク ==
{{Wikipedia|V言語|V}}
* [https://vlang.io/ The V Programming Language] - 公式サイト
{{DEFAULTSORT:V}}
[[Category:V|*]]
[[Category:プログラミング言語]]
{{NDC|007.64}}
n839gp9b765qcc1wav26v2qtb1jqa1c
古生物学
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AkiR27User
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/* 8. まとめ */ 孤立リンク追加
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text/x-wiki
== 古生物学概論 ==
=== 1. 古生物学とは ===
古生物学(Paleontology)は、地質時代に生息していた生物の化石を研究し、それらの進化、環境との関係、生態系の変遷を明らかにする学問である。古生物学は生物学と地質学の境界に位置し、化石を用いて過去の生命を理解することを目的とする。
=== 2. 古生物学の重要性 ===
古生物学は、生命の進化史を解明するだけでなく、現代の生態系や気候変動の理解にも寄与する。例えば、過去の大量絶滅を研究することで、現代の生物多様性の危機や環境変化の影響を予測する手がかりとなる。
=== 3. 主要な研究分野 ===
古生物学は多岐にわたり、以下のような研究分野がある。
* '''古生物の分類学''': 生物の系統関係を分類し、進化の過程を探る。
* '''古環境学''': 化石を通じて過去の環境や気候を推測する。
* '''層序学と年代測定''': 化石を用いて地層の年代を決定し、地球史を明らかにする。
* '''生層序学''': 地層の中の化石の分布を調べ、地質時代の区分を行う。
* '''進化古生物学''': 化石記録をもとに生物の進化を研究する。
=== 4. 化石とは ===
化石は、過去に生息した生物の遺骸や生痕が地層中に保存されたものであり、以下のような種類がある。
* '''体化石''': 骨、貝殻、歯、木片など生物の硬組織が保存されたもの。
* '''生痕化石''': 足跡、這い跡、糞化石など生物の活動の痕跡。
* '''化学化石''': 生物由来の有機物の痕跡が地層中に残されたもの。
=== 5. 主要な古生物群 ===
古生物学では、多様な生物群が研究対象となる。代表的なものを以下に示す。
* '''三葉虫'''(Trilobita): 古生代の代表的な節足動物。
* '''アンモナイト'''(Ammonoidea): 中生代に繁栄した頭足類。
* '''恐竜'''(Dinosauria): 中生代を支配した爬虫類。
* '''哺乳類化石''': 新生代に発展した哺乳類の進化を示す。
* '''植物化石''': シダ植物、裸子植物、被子植物の進化を示す重要な手がかり。
=== 6. 地質時代と生物進化 ===
地球の歴史は、地質時代に区分され、それぞれに特徴的な生物が存在した。
{| class="wikitable"
|+ 地質時代と生物進化
! 地質時代 || 代表的な生物
|-
! 先カンブリア時代
| ストロマトライト、エディアカラ生物群
|-
! 古生代
| 三葉虫、ウミサソリ、魚類の出現
|-
! 中生代
| 恐竜、アンモナイト、初期哺乳類
|-
! 新生代
| 哺乳類の繁栄、人類の登場
|}
=== 7. 古生物学の研究手法 ===
古生物学では、以下のような方法を用いて化石を分析する。
* '''フィールドワーク''': 地層から化石を発掘し、産出環境を調査する。
* '''CTスキャン・3Dモデリング''': 非破壊的な方法で化石内部を解析する。
* '''アイソトープ分析''': 過去の気候や生物の食性を調べる。
* '''比較解剖学''': 現生生物と比較し、古生物の形態や機能を推測する。
=== 8. まとめ ===
古生物学は、化石を通じて生命の歴史を探る重要な学問であり、進化、生態系の変遷、環境変化の解明に貢献する。地質学や生物学と密接に関連し、現代の環境問題への示唆を与える学問としても注目されている。
== 下位ページ ==
*[[古生物学/大規模絶滅イベント]]
*[[古生物学/示相化石]]
{{DEFAULTSORT:こせいふつかく}}
[[Category:古生物学|*]]
[[Category:生物学]]
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利用者:Tkkn46tkkn46
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Tkkn46tkkn46
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/* 自然科学(4類) */ 初等数学演習 を追加
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text/x-wiki
== 関連項目 ==
*[[Wikibooks:日本十進分類法]] < [[:Category:日本十進分類法|カテゴリ:日本十進分類法]]
*[[Wikibooks:蔵書一覧]]
*[[:w:日本十進分類法#要目表(第3次区分表)|<span style="color:#3399cc">w:日本十進分類法#要目表(第3次区分表)</span>]]< [[:w:日本十進分類法|<span style="color:#3399cc">w:日本十進分類法</span>]]
*[[w:ISBN#現行規格(2007年以降)|<span style="color:#3399cc">w:ISBN#現行規格(2007年以降)</span>]] < [[w:ISBN|<span style="color:#3399cc>w:ISBN</span>]],014.45(資料分類法)
== 総記(0類) ==
== 哲学(1類) ==
== 歴史(2類) ==
== 社会科学(3類) ==
<div style="column-count:2; column-gap:24px;">
* 300 社会科学
* 310 政治
** 311 政治学、政治思想
** 312 政治史・事情
** 313 国家の形態、政治体制
** 314 議会
** 315 政党、政治結社
** 316 国家と個人・宗教・民族
** 317 行政
** 318 地方自治、地方行政
** 319 外交、国際問題
* 320 法律
** 321 法学
** 322 法制史
** 323 憲法
** 324 民法、民事法
** 325 商法、商事法
** 326 刑法、刑事法
** 327 司法、訴訟手続法
** 328 諸法
** 329 国際法
* 330 経済
** 331 経済学、経済思想
** 332 経済史・事情、経済体制
** 333 経済政策、国際経済
** 334 人口、土地、資源
** 335 企業、経営
** 336 経営管理
** 337 貨幣、通貨
** 338 金融、銀行、信託
** 339 保険
* 340 財政
** 341 財政学、財政思想
** 342 財政史・事情
** 343 財政政策、財務行政
** 344 予算、決算
** 345 租税
** 346
** 347 公債、国債
** 348 専売、国有財産
** 349 地方財政
* 350 統計
* 360 社会
* 370 教育
** 371 教育学、教育思想
** 372 教育史・事情
** 373 教育政策、教育制度、教育行財政
** 374 学校経営・管理、学校保健
** 375 教育課程、学習指導、教科別教育
** 376 幼児・初等・中等教育
:::小学校算数,中学数学 幾何学のみ
::*[[Wikijunior:算数/小学校入学前 算数教育#かたち]]
::*[[小学校算数/1学年#かたち]]
::*[[小学校算数/2学年#ながさ]]
::*[[小学校算数/2学年#形]]
::*[[小学校算数/3学年#図形]]
::*[[小学校算数/4学年#図形]]
::*[[小学校算数/4学年#直方体と立方体]]
::*[[小学校算数/5学年#図形]]
::*[[小学校算数/5学年#角柱と円柱]]
::*[[小学校算数/6学年#量と測定]]
::*[[小学校算数/6学年#図形]]
::*[[中学数学1年 平面図形]]
::*[[中学数学1年 空間図形]]
::*[[中学数学2年 図形の調べ方]]
::*[[中学数学2年 三角形と四角形]]
::*[[中学数学3年 相似な図形]]
::*[[中学数学3年 円]]
::*[[中学数学3年 三平方の定理]]
:* 377 大学、高等・専門教育、学術行政
::*[[高等学校数学]]
:::高等学校数学 幾何学のみ
::*[[高等学校数学I/図形と計量]]
::*[[高等学校数学A/図形の性質]]
::*[[高等学校数学II/図形と方程式]]
::*[[高等学校数学III/微分法]]
::*[[高等学校数学III/積分法]]
::*[[高等学校数学C/ベクトル]] *旧課程のままです。
::*[[高等学校数学C/平面上の曲線]]
::*[[高等学校数学C/複素数平面]]
::*[[高等学校理数数学#円と円の共有点]]
::*[[高等学校理数数学#平面の方程式]]
::*[[大学受験数学 三角関数]]
::*[[高等学校物理]]*スペースなしの物理
:::*[[高等学校物理/力学]]
:::*[[高等学校 物理基礎]]
::::*[[高等学校 物理基礎/物理のための数学]]
::::*[[高等学校 物理]]*スペースありの物理
::::*[[高校物理 波]]*高校物理
* 378 障害児教育(特別支援教育)
* 379 社会教育
* 380 風俗習慣、民俗学、民族学
* 390 国防、軍事
</div>
== 自然科学(4類) ==
<div style="column-count:2; column-gap:24px;">
* 400 自然科学
* 410 数学
::初等数学シリーズ
::*[[初等数学]]
::*[[初等数学演習]]
::*[[初等数学索引]]
::*[[初等数学用語索引]]
::*[[初等数学記号集]]
::*[[初等数学公式集]]
:::*[[初等数学公式集/初等幾何]]
::::*[[初等数学公式集/初等幾何/平面図形]]
::::*[[初等数学公式集/初等幾何/表面積]]
::::*[[初等数学公式集/初等幾何/体積]]
:::*[[初等数学公式集/初等関数の性質]]
:::*[[初等数学公式集/解析幾何]]
::::*[[初等数学公式集/解析幾何/証明]]
::::*[[初等数学公式集/解析幾何/コラム]]
:::::(参考)とも言う。
::*[[初等幾何学]]
::*[[初等整数論]]
::中等数学シリーズ
::*[[中等数学]]
::高等数学シリーズ
::*[[高等数学]](大学以上の課程で取り扱う数学)
::大学数学シリーズ
::*[[大学数学公式集]]
:* 411 代数学
::*[[代数学入門]]
:* 412 数論(整数論)
:* 413 解析学
::*[[解析学基礎]]
::*[[解析学基礎/ベクトル解析]]
:* 414 幾何学
:* 415 位相数学
:* 416
:* 417 確率論、数理統計学
:* 418 計算法
:* 419 和算、中国算法
* 420 物理学
::初等物理学シリーズ
::*[[初等物理学]]
::*[[初等物理学記号集]]
::*[[初等物理学公式集]]
::*[[初等物理学公式集/初等力学]]
** 421 理論物理学
::テンソル シリーズ
::*[[特殊相対論]]
:::*[[特殊相対論 テンソル]]
::*[[一般相対性理論]]
::*[[物理数学I]] {{進捗|75%|2023-11-05}}
:::*[[物理数学I ベクトル解析]]
:::*[[物理数学I ベクトル解析#テンソル代数]]
:::*[[物理数学I ベクトル解析/付録]]
::*[[物理数学II]]
:* 422
:* 423 力学
:* 424 振動学、音響学
:* 425 光学
:* 426 熱学
:* 427 電磁気学
:* 428 物性物理学
:* 429 原子物理学
* 430 化学
* 440 天文学、宇宙科学
* 450 地球科学、地学
* 460 生物科学、一般生物学
* 470 植物学
* 480 動物学
* 490 医学
</div>
== 技術(5類) ==
<div style="column-count:2; column-gap:24px;">
* 500 技術、工学
* 510 建設工学、土木工学
** 511 土木力学、建設材料
** 512 測量
** 513 土木設計・施工法
** 514 道路工学
** 515 橋梁工学
** 516 鉄道工学
** 517 河海工学、河川工学
** 518 衛生工学、都市工学
** 519 環境工学、公害
* 520 建築学
** 521 日本の建築
** 522 東洋の建築、アジアの建築
** 523 西洋の建築、その他の様式の建築
** 524 建築構造
** 525 建築計画・施工
** 526 各種の建築
** 527 住宅建築
** 528 建築設備、設備工学
** 529 建築意匠・装飾
* 530 機械工学
** 531 機械力学・材料・設計
** 532 機械工作、工作機械
** 533 熱機関、熱工学
** 534 流体機械、流体工学
** 535 精密機器、光学機器
** 536 運輸工学、車両、運搬機械
** 537 自動車工学
** 538 航空工学、宇宙工学
** 539 原子力工学
* 540 電気工学
** 541 電気回路・計測・材料
** 542 電気機器
** 543 発電
** 544 送電、変電、配電
** 545 電灯、照明、電熱
** 547 通信工学、電気通信
** 548 情報工学
** 549 電子工学
* 550 海洋工学、船舶工学
** 551 理論造船学
** 552 船体構造・材料・施工
** 553 船体艤装、船舶設備
** 554 舶用機関(造機)
** 555 船舶修理、保守
** 556 各種の船舶・艦艇
** 557 航海、航海学
** 558 海洋開発
** 559 兵器、軍事工学
* 560 金属工学、鉱山工学
* 570 化学工業
* 580 製造工業
* 590 家政学、生活科学
</div>
== 産業(6類) ==
== 芸術(7類) ==
== 言語(8類) ==
== 文学(9類) ==
<div style="column-count:2; column-gap:24px;">
* [[:Category:日本十進分類法/900|900 文学]]
** 901 文学理論・作法
** 902 文学史、文学思想史
** 903 参考図書(レファレンスブック)
** 904 論文集、評論集、講演集
** 905 逐次刊行物
** 906 団体
** 907 研究法、指導法、文学教育
** 908 叢書、全集、選集
** 909 児童文学研究
* 910 日本文学
* 920 中国文学
* 929 その他の東洋文学
* 930 英米文学
* 940 ドイツ文学
* 949 その他のゲルマン文学
* 950 フランス文学
* 959 プロバンス文学
* 960 スペイン文学
* 969 ポルトガル文学
* 970 イタリア文学
* 979 その他のロマンス文学
* 980 ロシア・ソビエト文学
* 989 その他のスラブ文学
* 990 その他の諸言語文学
** 991 ギリシア文学
** 992 [[:Category:日本十進分類法/992|ラテン文学]]
** 993 その他のヨーロッパ文学
** 994 アフリカ文学
** 995 アメリカ諸言語の文学 <span style="background-color:#dde;">※10版3刷での変更</span>
** 996
** 997 オーストラリア諸言語の文学 <span style="background-color:#dde;">※10版3刷での変更</span>
** 998
** 999 国際語(人工語)による文学
</div>
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利用者:AkiR27User/その他
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下記は[[利用者:AkiR27User|AkiR27User]]が作成・編集した、[[トランプ|トランプゲーム]]や[[野球]]以外に関するページです。
何か気になることがあれば、このページのトークページではなく、こちらの[[利用者・トーク:AkiR27User|'''トークページ''']]までお願いします。
==== '''編集ページ(wikibooks関連)''' ====
* [[Wikibooks:ウィキブックスは何でないか]]
* [[ウィキペディアの書き方/中級編/便利なテクニック]]
* [[ウィキペディアの書き方/中級編/管理作業入門]]
*[[wikibooks:削除依頼]]
==== '''プログラミング''' ====
'''編集'''
*[[Scratch]]
'''作成'''
*[[Scratch/ブロック]]
*[[Scratch/ブロック/動き]]
*[[Scratch/ブロック/見た目]]
*[[Scratch/ブロック/音]]
*[[Scratch/ブロック/イベント]]
*[[Scratch/ブロック/制御]]
*[[Scratch/ブロック/調べる]]
*[[Scratch/ブロック/演算]]
*[[Scratch/ブロック/変数]]
*[[Scratch/ブロック/ブロック定義]]
*[[Scratch/ブロック/拡張機能]]
*[[Scratch/作品]]
*[[Scratch/作品/猫が歩く]]
*[[Scratch/作品/猫が回る]]
*[[Scratch/作品/色を変える]]
*[[Scratch/作品/クリックで音が出る]]
*[[Scratch/作品/ボールが跳ねる]]
==== '''転送ページ''' ====
*
===='''ゲーム'''====
======'''編集'''======
*[[ゲーム]]
*[[マリオカート]]
*[[スーパーマリオカート]]
*[[マリオカート64]]
*[[マリオカートアドバンス]]
*[[マリオカート ダブルダッシュ!!]]
*[[マリオカートDS]]
*[[マリオカート7]]
*[[マリオカート8]]
*[[マリオカートワールド]]
*[[マリオカートアーケードグランプリ2]]
*[[マリオカートアーケードグランプリDX]]
======'''作成'''======
*[[椅子取りゲーム]]
*[[フルーツバスケット]]
*[[缶蹴り]]
*[[けいどろ]]
*[[お手玉]]
*[[折り紙]]
*[[めんこ]]
*[[かるた]]
*[[ドミノ]]
*[[紙飛行機]]
*[[ゲーム]]
*[[ジェンガ]]
*[[人生ゲーム]]
*[[ベーゴマ]]
*[[こま回し]]
*[[おはじき]]
*[[あやとり]]
*[[竹とんぼ]]
*[[ヨーヨー]]
*[[伝言ゲーム]]
*[[ジェスチャーゲーム]]
*[[連想ゲーム]]
*[[マジカルバナナ]]
*[[山手線ゲーム]]
*[[ワードウルフ]]
*[[カテゴリ:マリオカート]]
*[[Wii]]
*[[Wii Sports]]
*[[Wii Fit Plus]]
====== 運動 ======
*[[運動会]]
*[[徒競走]]
*[[かけっこ]]
*[[リレー]]
*[[二人三脚(運動会)]]
*[[綱引き]]
*[[大玉転がし]]
*[[棒引き]]
*[[台風の目]]
*[[玉入れ]]
*[[借り物競争]]
*[[ムカデ競争]]
*[[大縄跳び]]
*[[応援合戦]]
*[[パン食い競走]]
*[[騎馬戦]]
*[[団体演技]]
*[[カテゴリ:運動会]]
======'''転送ページ'''======
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AkiR27User
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*[[Scratch/作品/ボールが跳ねる]]
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*[[マリオカート]]
*[[スーパーマリオカート]]
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*[[おはじき]]
*[[あやとり]]
*[[竹とんぼ]]
*[[ヨーヨー]]
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*[[Wii]]
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====== 運動 ======
*[[運動会]]
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*[[かけっこ]]
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*[[二人三脚(運動会)]]
*[[綱引き]]
*[[大玉転がし]]
*[[棒引き]]
*[[台風の目]]
*[[玉入れ]]
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*[[ムカデ競争]]
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*[[騎馬戦]]
*[[団体演技]]
*[[カテゴリ:運動会]]
======'''転送ページ'''======
*[[どろじゅん]]
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ガリア戦記 第7巻/注解/25節
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2026-07-08T13:15:30Z
Linguae
449
/* 整形テキスト */
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text/x-wiki
<div style="font-family:Arial Black;font-style:normal;font-size:15pt;color:#990033;text-align:center;">C · IVLII · CAESARIS · COMMENTARIORVM · BELLI · GALLICI</div>
<div style="font-family:Arial Black;font-style:normal;font-size:30pt;color:#990033;text-align:center;">LIBER · SEPTIMVS</div>
<br>
{| id="toc" style="align:center;clear:all;" align="center" cellpadding="5"
|-
! style="background:#bbf; text-align:center;" | [[ガリア戦記/注解編|ガリア戦記 注解編]]
| style="background:#ccf; text-align:center;" | [[ガリア戦記 第7巻/注解|第7巻]]
| style="background:#eef; text-align:center;"|
[[ガリア戦記 第7巻/注解/24節|24節]] |
[[ガリア戦記 第7巻/注解/25節|25節]] |
[[ガリア戦記 第7巻/注解/26節|26節]]
|}
__notoc__
== 原文テキスト ==
<div style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:15pt;color:#333;text-align:left;"><ref>原文テキストについては[[ガリア戦記/注解編#原文テキスト]]を参照。</ref> 25.
<!--❶--><sup>1</sup>Cum in omnibus locis, consumpta iam reliqua parte noctis, pugnaretur<!--,--> semperque hostibus spes victoriae redintegraretur, eo magis<!--,--> quod deustos pluteos turrium videbant nec facile adire apertos ad auxiliandum animadvertebant, semperque ipsi recentes defessis succederent omnemque Galliae salutem in illo vestigio temporis positam arbitrarentur, accidit inspectantibus nobis<!--,--> quod dignum memoria visum praetereundum non existimavimus. <!--◆--> <!--❷--><sup>2</sup>Quidam ante portam oppidi Gallus<!--,--> <!--(α) om.--><!--(β) qui--> per manus sebi ac picis traditas <span style="background-color:#ffc;">glaebas</span><!--glebas--> in ignem e regione turris proiciebat<!--,-->: <!--◆--> scorpione ab latere dextro traiectus exanimatusque concidit. <!--◆--> <!--❸--><sup>3</sup>Hunc ex proximis unus iacentem transgressus eodem illo munere fungebatur<!--.-->; <!--◆--> <!--(4)-->eadem ratione ictu scorpionis exanimato alteri successit tertius et tertio quartus<!--,-->; <!--◆--> <!--❹--><sup>4</sup>nec prius ille est a propugnatoribus vacuus relictus locus quam restincto aggere atque <!--(Ciacconius) -->omni ex <!--(α) omni ea--><!--(β) omni--> parte <span style="background-color:#ffc;">summotis</span><!--submotis --> hostibus finis est pugnandi factus. </div>
<span style="background-color:#ffc;"></span>
----
;テキスト引用についての注記
*<span style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:15pt;">[[wikt:en:glaebas#Latin|glaebas]] : [[wikt:en:glebas#Latin|glebas]]</span> と表記している校訂版もある。
*<span style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:15pt;">[[wikt:en:summotis|summōtīs]] : [[wikt:en:submotis|submōtīs]]</span> と表記している校訂版もある。
<span style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:15pt;"></span>
<span style="font-family:Times New Roman;font-style:oblique;font-size:15pt;"></span>
<span style="font-family:Times New Roman;font-style:bold;font-size:15pt;"></span>
== 整形テキスト ==
<div style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:15pt;color:#333;text-align:left;"><ref>整形テキストについては[[ガリア戦記/注解編#凡例]]を参照。</ref> XXV. <!--❶--><sup>①</sup>Cum in omnibus locīs, cōnsūmptā iam reliquā parte noctis, pugnārētur<!--,--><span style="color:#800;">,</span> semperque hostibus spēs victōriae redintegrārētur, eō magis<!--,--><span style="color:#800;">,</span> quod deustōs<!--▽deūstōs--> pluteōs turrium vidēbant nec facile adīre apertōs ad auxiliandum animadvertēbant, semperque ipsī recentēs dēfessīs succēderent omnemque Galliae salūtem in illō vestīgiō<!--▽vēstīgiō--> temporis positam arbitrārentur, accidit<!--,--><span style="color:#800;">,</span> īnspectantibus nōbīs<!--,--><span style="color:#800;">,</span> quod dignum<!--×dīgnum--> memoriā vīsum praetereundum nōn exīstimāvimus. <!--◆--> <!--❷--><sup>②</sup>Quīdam ante portam oppidī Gallus<!--,--><span style="color:#800;">,</span> <span style="color:#800;"><u>quī</u></span><!--(α) om.--><!--(β) quī--> per manūs sēbī ac picis trāditās glaebās<!--glēbās--> in ignem ē regiōne turris prōiciēbat<!--,;-->: <!--◆--> scorpiōne ab latere dextrō trāiectus exanimātusque concidit. <!--◆--> <!--❸--><sup>③</sup>Hunc ex proximīs ūnus iacentem trānsgressus eōdem illō mūnere fungēbātur<!--.-->; <!--◆--> <span style="color:#800;"><sup>(4)</sup></span>eādem ratiōne ictū scorpiōnis exanimātō alterī successit tertius et tertiō quārtus<!--,-->; <!--◆-->
<!--❹--><sup>④</sup>nec prius ille est ā prōpugnātōribus vacuus relīctus locus<!--,--><span style="color:#800;">,</span> quam<!--,--><span style="color:#800;">,</span> restīnctō aggere atque <!--(Ciacconius) --><u>omnī ex</u> <!--(α) omnī ea--><!--(β) omnī--> parte <span style="color:#800;">submōtīs</span><!--summōtīs--> hostibus<!--,--><span style="color:#800;">,</span> fīnis est pugnandī factus. </div>
<span style="color:#800;"></span>
----
;注記
*②項
**<span style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:15pt;"><u>quī</u></span> は <span style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:15pt;">β</span>系写本の記述で、<span style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:15pt;">α</span>系写本にはない。
*④項
**<span style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:15pt;">nec prius ille est ~ fīnis est pugnandī factus.</span> を底本では④項とするが、
**:<span style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:15pt;">eādem ratiōne ictū scorpiōnis ~ fīnis est pugnandī factus.</span> を④項とする校訂版もある。
<span style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:15pt;"></span>
*原文の <span style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:15pt;">[[wikt:en:summotis|summōtīs]] <!--[[wikt:en:acclivis#Latin|acclīvis]], [[wikt:en:accommodatae|accommodātae]], [[wikt:en:allatis|allātīs]], [[wikt:en:Aduatuca#Latin|Aduātucam]], [[wikt:en:Aduatuci|Aduatucī]], [[wikt:en:Aduatucis|Aduatucīs]], [[wikt:en:Aduatucos|Aduatucōs]], [[wikt:en:Aeduae|Aeduae]], [[wikt:en:Aedui#Latin|Aeduī]], [[wikt:en:Aeduis|Aeduīs]], [[wikt:en:Aeduorum|Aeduōrum]], [[wikt:en:Aeduos|Aeduōs]], [[wikt:en:Aeduus#Latin|Aeduus]], [[wikt:en:aequinocti|aequinoctī]], [[wikt:en:affecti|affectī]], [[wikt:en:affectus#Participle|affectus]], [[wikt:en:afferat|afferat]], [[wikt:en:afferebat|afferēbat]], [[wikt:en:afferret|afferret]], [[wikt:en:afferretur|afferrētur]], [[wikt:en:afflictae|afflīctae]], [[wikt:en:affligunt|afflīgunt]], [[wikt:en:aggregabat|aggregābat]], [[wikt:en:aggregaverant|aggregāverant]] ([[wikt:en:aggregarant|aggregārant]]), [[wikt:en:allato|allātō]], [[wikt:en:Alpis#Latin|Alpīs]], [[wikt:en:appelluntur|appelluntur]], [[wikt:en:appetebat|appetēbat]], [[wikt:en:apportari|apportārī]], [[wikt:en:applicant#Latin|applicant]], [[wikt:en:approbant#Latin|approbant]], [[wikt:en:appropinquabat|appropinquābat]], [[wikt:en:appropinquare#Latin|appropinquāre]], [[wikt:en:appropinquarent|appropinquārent]], [[wikt:en:appropinquassent|appropinquāssent]], [[wikt:en:appropinquaverunt|appropinquāvērunt]] ([[wikt:en:appropinquarunt|appropinquārunt]]), [[wikt:en:appropinquavit|appropinquāvit]], [[wikt:en:appulso#Latin|appulsō]], [[wikt:en:arripere|arripere]], [[wikt:en:articlis|articlīs]], [[wikt:en:ascendissent#Latin|ascendissent]], [[wikt:en:ascensu#Noun|ascēnsū]], [[wikt:en:assidua#Latin|assiduā]], [[wikt:en:assiduis#Latin|assiduīs]], [[wikt:en:assuefacti|assuēfactī]], [[wikt:en:assuescere#Latin|assuēscere]], [[wikt:en:attingit|attingit]], [[wikt:en:attingunt|attingunt]], [[wikt:en:attribuerat#Latin|attribuerat]], [[wikt:en:attribuit|attribuit]], [[wikt:en:attribuunt|attribuunt]], [[wikt:en:auris#Latin|aurīs]], [[wikt:en:auxili#Latin|auxilī]], [[wikt:en:cedentis|cēdentīs]], [[wikt:en:civis#Latin|cīvīs]], [[wikt:en:clientis|clientīs]], [[wikt:en:cohortis|cohortīs]], [[wikt:en:coicere|coicere]], [[wikt:en:coicerent|coicerent]], [[wikt:en:coici|coicī]], [[wikt:en:coiciant|coiciant]], [[wikt:en:coiciebant|coiciēbant]], [[wikt:en:coiciunt|coiciunt]], [[wikt:en:coiecerant|coiēcerant]], [[wikt:en:coiecerunt|coiēcērunt]], [[wikt:en:coiecisse|coiēcisse]], [[wikt:en:coiecta|coiecta]], [[wikt:en:coiecti|coiectī]], [[wikt:en:coiectis|coiectīs]], [[wikt:en:collatis|collātīs]], [[wikt:en:collaudantur|collaudantur]], [[wikt:en:collaudat|collaudat]], [[wikt:en:collaudatis#Participle|collaudātīs]], [[wikt:en:collis#Latin|collīs]], [[wikt:en:collocabant|collocābant]], [[wikt:en:collocabat|collocābat]], [[wikt:en:collocandis|collocandīs]], [[wikt:en:collocant#Latin|collocant]], [[wikt:en:collocantur#Latin|collocantur]], [[wikt:en:collocarat|collocārat]], [[wikt:en:collocare#Latin|collocāre]], [[wikt:en:collocaret|collocāret]], [[wikt:en:collocari|collocārī]], [[wikt:en:collocatas|collocātās]], [[wikt:en:collocati#Latin|collocātī]], [[wikt:en:collocatis#Participle|collocātīs]], [[wikt:en:collocaverat#Latin|collocāverat]], [[wikt:en:collocavit|collocāvit]], [[wikt:en:collocuti|collocūtī]], [[wikt:en:colloquantur|colloquantur]], [[wikt:en:colloquendi|colloquendī]], [[wikt:en:colloqui#Latin|colloquī]], [[wikt:en:colloquium#Latin|colloquium]], [[wikt:en:compluribus|complūribus]], [[wikt:en:compluris|complūrīs]], [[wikt:en:comprehensis|comprehēnsīs]], [[wikt:en:comprehensos|comprehēnsōs]], [[wikt:en:conantis|cōnantīs]], [[wikt:en:consili|cōnsilī]], [[wikt:en:directus#Latin|dīrēctus]], [[wikt:en:dubitantis#Participle_2|dubitantīs]], [[wikt:en:effarciuntur#Latin|effarciuntur]], [[wikt:en:egredientis#Etymology_2|ēgredientīs]], [[wikt:en:ei#Latin|eī]], [[wikt:en:eis#Latin|eīs]], [[wikt:en:existit#Latin|existit]], [[wikt:en:exposcentis#Participle_2|exposcentīs]], [[wikt:en:exstruxerunt#Latin|exstruxerunt]], [[wikt:en:ferventis#Latin|ferventīs]], [[wikt:en:finis#Latin|fīnīs]], [[wikt:en:glandis#Latin|glandīs]], [[wikt:en:haesitantis#Participle_2|haesitantīs]], [[wikt:en:hostis#Latin|hostīs]], [[wikt:en:ignis#Latin|ignīs]], [[wikt:en:illatas|illātās]], [[wikt:en:immittit|immittit]], [[wikt:en:immittunt|immittunt]], [[wikt:en:imparatum|imparātum]], [[wikt:en:impedita#Latin|impedīta]], [[wikt:en:imperi#Latin|imperī]], [[wikt:en:incolumis#Latin|incolumīs]], [[wikt:en:indignantis#Participle_2|indignantīs]], [[wikt:en:inopinantis#Adjective_2|inopīnantīs]], [[wikt:en:irridere#Latin|irrīdēre]], [[wikt:en:irrumpere|irrumpere]], [[wikt:en:irrumpit|irrumpit]], [[wikt:en:irruperunt|irrūpērunt]], [[wikt:en:laborantis#Etymology_2|labōrantīs]], [[wikt:en:montis|montīs]], [[wikt:en:natalis#Latin|nātālīs]], [[wikt:en:navis#Latin|nāvīs]], [[wikt:en:negoti|negōtī]], nōn nūllae, nōn nūllōs, [[wikt:en:offici#Noun_2|officī]], [[wikt:en:omnis#Latin|omnīs]], [[wikt:en:partis#Latin|partīs]], [[wikt:en:periclum#Latin|perīclum]], plūrīs, [[wikt:en:praesidi|praesidī]], [[wikt:en:proeli|proelī]], proficīscentīs, [[wikt:en:resistentis|resistentīs]], [[wikt:en:singularis#Latin|singulārīs]], [[wikt:en:solaci|sōlācī]], [[wikt:en:spati#Latin|spatī]], [[wikt:en:subeuntis|subeuntīs]], [[wikt:en:suffossis|suffossīs]], [[wikt:en:sumministrata|sumministrāta]], [[wikt:en:summissis|summissīs]], [[wikt:en:summittantur#Latin|summittantur]], [[wikt:en:summittebat|summittēbat]], [[wikt:en:summittit|summittit]], [[wikt:en:summoveri|summovērī]], [[wikt:en:supplici#Noun|supplicī]], [[wikt:en:timentis#Participle_2|timentīs]], [[wikt:en:Tituri|Titūrī]], [[wikt:en:Trinobantes#Latin|Trinobantēs]], trīs, [[wikt:en:turris#Latin|turrīs]], [[wikt:en:utilis#Latin|ūtilīs]], [[wikt:en:vectigalis#Latin|vectīgālīs]] --></span><!-- など-->は、<!--それぞれ--> <span style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:15pt;">[[wikt:en:submotis|submōtīs]] <!--[[wikt:en:adclivis#Latin|adclīvis]], [[wikt:en:adcommodatae|adcommodātae]], [[wikt:en:adlatis|adlātīs]], Atuātucam, [[wikt:de:Atuatuci|Atuatucī]], Atuatucīs, Atuatucōs, Haeduae, [[wikt:en:Haedui|Haeduī]], [[wikt:en:Haeduis|Haeduīs]], [[wikt:en:Haeduorum|Haeduōrum]], [[wikt:en:Haeduos|Haeduōs]], Haeduus, [[wikt:en:aequinoctii|aequinoctiī]], [[wikt:en:adfecti|adfectī]], [[wikt:en:adfectus#Adjective|adfectus]], [[wikt:en:adferat|adferat]], [[wikt:en:adferebat|adferēbat]], [[wikt:en:adferret|adferret]], [[wikt:en:adferretur|adferrētur]], [[wikt:en:adflictae|adflīctae]], [[wikt:en:adfligunt|adflīgunt]], [[wikt:en:adgregabat|adgregābat]], [[wikt:en:adgregaverant|adgregāverant]] ([[wikt:en:adgregarant|adgregārant]]), [[wikt:en:adlato|adlātō]], [[wikt:en:Alpes#Latin|Alpēs]], [[wikt:en:adpelluntur|adpelluntur]], [[wikt:en:adpetebat|adpetēbat]], [[wikt:en:adportari|adportārī]], [[wikt:en:adplicant|adplicant]], [[wikt:en:adprobant#Latin|adprobant]], [[wikt:en:adpropinquabat|adpropinquābat]], [[wikt:en:adpropinquare|adpropinquāre]], [[wikt:en:adpropinquarent|adpropinquārent]], [[wikt:en:adpropinquassent|adpropinquāssent]], [[wikt:en:adpropinquaverunt|adpropinquāvērunt]] ([[wikt:en:adpropinquarunt|adpropinquārunt]]), [[wikt:en:adpropinquavit|adpropinquāvit]], [[wikt:en:adpulso|adpulsō]], [[wikt:en:adripere|adripere]], [[wikt:en:articulis|articulīs]], [[wikt:en:adscendissent|adscendissent]], [[wikt:en:adscensu#Noun|adscēnsū]], [[wikt:en:adsidua|adsiduā]], [[wikt:en:adsiduis#Latin|adsiduīs]], [[wikt:en:adsuefacti|adsuēfactī]], [[wikt:en:adsuescere#Latin|adsuēscere]], [[wikt:en:adtingit|adtingit]], [[wikt:en:adtingunt|adtingunt]], [[wikt:en:adtribuerat#Latin|adtribuerat]], [[wikt:en:adtribuit|adtribuit]], [[wikt:en:adtribuunt|adtribuunt]], [[wikt:en:aures#Noun|aurēs]], [[wikt:en:auxilii|auxiliī]], [[wikt:en:cedentes#Latin|cēdentēs]], [[wikt:en:cives#Latin|cīvēs]], [[wikt:en:clientes#Latin|clientēs]], [[wikt:en:cohortes#Latin|cohortēs]], [[wikt:en:conicere|conicere]], [[wikt:en:conicerent|conicerent]], [[wikt:en:conici#Latin|conicī]], [[wikt:en:coniciant|coniciant]], [[wikt:en:coniciebant|coniciēbant]], [[wikt:en:coniciunt|coniciunt]], [[wikt:en:coniecerant|coniēcerant]], [[wikt:en:coniecerunt|coniēcērunt]], [[wikt:en:coniecisse|coniēcisse]], [[wikt:en:coniecta|coniecta]], [[wikt:en:coniecti|coniectī]], [[wikt:en:coniectis|coniectīs]], [[wikt:en:conlatis|conlātīs]], [[wikt:en:conlaudantur|conlaudantur]], [[wikt:en:conlaudat|conlaudat]], [[wikt:en:conlaudatis#Participle|conlaudātīs]], [[wikt:en:colles#Latin|collēs]], [[wikt:en:conlocabant|conlocābant]], [[wikt:en:conlocabat|conlocābat]], [[wikt:en:conlocandis|conlocandīs]], [[wikt:en:conlocant|conlocant]], [[wikt:en:conlocantur#Latin|conlocantur]], [[wikt:en:conlocarat|conlocārat]], [[wikt:en:conlocare|conlocāre]], [[wikt:en:conlocaret|conlocāret]], [[wikt:en:conlocari|conlocārī]], [[wikt:en:conlocatas|conlocātās]], [[wikt:en:conlocati|conlocātī]], [[wikt:en:conlocatis#Participle|conlocātīs]], [[wikt:en:conlocaverat#Latin|conlocāverat]], [[wikt:en:conlocavit|conlocāvit]], [[wikt:en:conlocuti|conlocūtī]], [[wikt:en:conloquantur|conloquantur]], [[wikt:en:conloquendi|conloquendī]], [[wikt:en:conloqui#Latin|conloquī]], [[wikt:en:conloquium#Latin|conloquium]], [[wikt:en:conpluribus|conplūribus]], [[wikt:en:complures#Latin|complūrēs]], [[wikt:en:conprehensis|conprehēnsīs]], [[wikt:en:conprehensos|conprehēnsōs]], [[wikt:en:conantes|cōnantēs]], [[wikt:en:consilii|cōnsiliī]], [[wikt:en:derectus#Latin|dērēctus]], [[wikt:en:dubitantes|dubitantēs]], [[wikt:en:efferciuntur#Latin|efferciuntur]], [[wikt:en:egredientes|ēgredientēs]], [[wikt:en:ii#Latin|iī]], [[wikt:en:iis#Latin|iīs]], [[wikt:en:exsistit|exsistit]], [[wikt:en:exposcentes#Latin|exposcentēs]], [[wikt:en:extruxerunt#Latin|extruxerunt]], [[wikt:en:ferventes#Latin|ferventēs]], [[wikt:en:fines#Latin|fīnēs]], [[wikt:en:glandes#Latin|glandēs]], [[wikt:en:haesitantes#Latin|haesitantēs]], [[wikt:en:hostes#Latin|hostēs]], [[wikt:en:ignes|ignēs]], [[wikt:en:inlatas|inlātās]], [[wikt:en:inmittit|inmittit]], [[wikt:en:inmittunt|inmittunt]], [[wikt:en:inparatum|inparātum]], [[wikt:en:inpedita#Latin|inpedīta]], [[wikt:en:imperii#Latin|imperiī]], [[wikt:en:incolumes|incolumēs]], [[wikt:en:indignantes#Latin|indignantēs]], [[wikt:en:inopinantes|inopīnantēs]], [[wikt:en:inridere|inrīdēre]], [[wikt:en:inrumpere|inrumpere]], [[wikt:en:inrumpit|inrumpit]], [[wikt:en:inruperunt|inrūpērunt]], [[wikt:en:laborantes#Latin|labōrantēs]], [[wikt:en:montes#Latin|montēs]], [[wikt:en:natales#Latin|nātālēs]], [[wikt:en:naves#Latin|nāvēs]], [[wikt:en:negotii|negōtiī]], [[wikt:en:nonnullae|nōnnūllae]], [[wikt:en:nonnullos|nōnnūllōs]], [[wikt:en:officii#Latin|officiī]], [[wikt:en:omnes#Latin|omnēs]], [[wikt:en:partes#Latin|partēs]], [[wikt:en:periculum#Latin|perīculum]], [[wikt:en:plures|plūrēs]], [[wikt:en:praesidii|praesidiī]], [[wikt:en:proelii|proeliī]], [[wikt:en:proficiscentes|proficīscentēs]], [[wikt:en:resistentes#Latin|resistentēs]], [[wikt:en:singulares#Latin|singulārēs]], [[wikt:en:solacii|sōlāciī]], [[wikt:en:spatii#Latin|spatiī]], [[wikt:en:subeuntes|subeuntēs]], [[wikt:en:subfossis|subfossīs]], [[wikt:en:subministrata|subministrāta]], [[wikt:en:submissis|submissīs]], [[wikt:en:submittantur#Latin|submittantur]], [[wikt:en:submittebat|submittēbat]], [[wikt:en:submittit|submittit]], [[wikt:en:submoveri|submovērī]], [[wikt:en:supplicii|suppliciī]], [[wikt:en:timentes|timentēs]], [[wikt:en:Titurii|Titūriī]], [[wikt:en:Trinovantes#Latin|Trinovantēs]], [[wikt:en:tres#Latin|trēs]], [[wikt:en:turres#Latin|turrēs]], [[wikt:en:utiles#Latin|ūtilēs]], [[wikt:en:vectigales|vectīgālēs]] --></span> などとした。
<span style="font-family:Times New Roman;font-style:normal;font-size:15pt;"></span>
<span style="font-family:Times New Roman;font-style:oblique;font-size:15pt;"></span>
<span style="color:#b00;"></span>
<span style="color:#800;"></span>
<span style="font-size:10pt;"></span>
<span style="background-color:#ff0;"></span>
== 注解 ==
=== 1項 ===
*<div style="background-color:#ffffcc;"></span><span style="font-family:Times New Roman;font-size:15pt;">cum</span> 以下、<span style="font-family:Times New Roman;font-size:15pt;">arbitrārentur</span> までが、状況を表わす従属節で、<span style="font-family:Times New Roman;font-size:15pt;">accidit</span> 以下が主節(主文)。</div>
<span style="font-family:Times New Roman;font-size:20pt;"></span>
;語釈
<span style="font-family:Times New Roman;font-size:15pt;background-color:#fff;"></span>
<span style="font-family:Times New Roman;font-size:15pt;"></span>
<span style="font-family:Times New Roman;font-size:15pt;"></span>
<span style="background-color:#ccffcc;"></span>
<!--
;対訳
《 》 内は、訳者が説明のために補った語。<span style="font-family:Times New Roman;font-size:30pt;">{</span> <span style="font-family:Times New Roman;font-size:30pt;">}</span> 内は関係文。
<span style="font-family:Times New Roman;font-size:15pt;"></span>
-->
== 訳文 ==
*<span style="background-color:#dff;">訳文は、[[ガリア戦記_第7巻#25節]]</span>
== 脚注 ==
{{Reflist}}
== 解説 ==
<!--
{| class="wikitable" style="text-align:center"
|- style="height:23em;"
|
|
|}
-->
== 関連項目 ==
*[[ガリア戦記]]
**[[ガリア戦記/注解編]]
***[[ガリア戦記 第7巻/注解]]
**[[ガリア戦記/用例集]]
== 関連記事 ==
== 外部リンク ==
* [https://babel.hathitrust.org/cgi/pt?id=hvd.hn1tp9&seq=258 #258 - C. Iuli Caesaris De bello gallico libri VII : Caesar's Gallic ... - Full View | HathiTrust Digital Library]
[[Category:ガリア戦記 第7巻|25節]]
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マインクラフト 攻略
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'''注意'''
この記事は、主にマインクラフトBedrock Editionの内容で書かせていただきます。
'''マインクラフトとは'''
マインクラフトとは、Mojang studios(モジャングスタジオズ)が開発しているサンドボックス系ゲームです。マインクラフトは、さまざまなブロックでできた世界に自由に建造物を作ったり、現実の気候や地形を忠実に再現した世界を自由に冒険したりすることができるゲームです。マインクラフトは、2009年に開発が始まり、2011年11月18日に正式版がリリースされました。
'''マインクラフトのゲームモード'''
マインクラフトには、2026年時点で主に以下のゲームモードがあります。
・[[マインクラフト サバイバル|サバイバル]]
・[[マインクラフト クリエイティブモード|クリエイティブモード]]
・[[マインクラフト ハードコアモード|ハードコアモード]]
・[[マインクラフト アドベンチャーモード|アドベンチャーモード]]
・[[マインクラフト スペクテイターモード|スペクテイターモード]]
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[[法学]]>[[民事法]]>[[コンメンタール]]>[[立木ニ関スル法律]]
{{Wikipedia|立木ニ関スル法律}}
立木ニ関スル法律(明治42年4月5日法律第22号<ref>{{Cite book |和書 |title=官報 |volume=第七千七百二十九号 |publisher=印刷局 |date=1909-04-05 |pages=79-80 |url=https://dl.ndl.go.jp/pid/2951079}}</ref>、最終改正:平成16年6月18日法律第124号)の逐条解説書。<br />本来の法文には見出しが附されていないが、『経営六法 1962年版』を参考に各条に見出しを附している<ref>{{Cite book |和書 |others=[[w:田中誠二 (法学者)|田中誠二]]監修 |title=経営六法 |edition=1962年版 |date=1961-09-01 |publisher=東京法令出版 |url=http://id.ndl.go.jp/bib/000001031751}}</ref>。
==目次==
===本則===
*[[立木ニ関スル法律第1条|第1条]]〔定義〕
*[[立木ニ関スル法律第2条|第2条]]〔独立性〕
*[[立木ニ関スル法律第3条|第3条]]〔抵当立木の採取〕
*[[立木ニ関スル法律第4条|第4条]]〔抵当権の効力〕
*[[立木ニ関スル法律第5条|第5条]]〔法定地上権〕
*[[立木ニ関スル法律第6条|第6条]]〔法定借地権〕
*[[立木ニ関スル法律第7条|第7条]]〔同前〕
*[[立木ニ関スル法律第8条|第8条]]〔地上権又は賃借権に対する抵当権の効力〕
*[[立木ニ関スル法律第9条|第9条]]〔競落人の土地使用権〕
*[[立木ニ関スル法律第10条|第10条]]〔先取特権への準用〕
*[[立木ニ関スル法律第11条|第11条]]〔土地の質権の効力〕
*[[立木ニ関スル法律第12条|第12条]]〔立木登記簿〕
*[[立木ニ関スル法律第13条|第13条]]〔同前〕
*[[立木ニ関スル法律第14条|第14条]]〔同前〕
*[[立木ニ関スル法律第15条|第15条]]〔登記申請書記載事項〕
*[[立木ニ関スル法律第16条|第16条]]〔保存登記〕
*[[立木ニ関スル法律第17条|第17条]]〔保存登記の申請〕
*[[立木ニ関スル法律第18条|第18条]]〔保存登記の申請ある場合の手続〕
*[[立木ニ関スル法律第19条|第19条]]〔同前〕
*[[立木ニ関スル法律第20条|第20条]]〔変更登記〕
*[[立木ニ関スル法律第21条|第21条]]〔抵当権設定登記〕
===制定附則===
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
==関連条文==
* [[立木ノ先取特権ニ関スル法律]]
==脚注==
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==外部リンク==
* [https://laws.e-gov.go.jp/law/142AC0000000022 明治四十二年法律第二十二号(立木ニ関スル法律) | e-Gov 法令検索]
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[[category:立木ニ関スル法律|*]]
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立木ニ関スル法律第2条
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==条文==
; 第2条
# 立木ハ之ヲ不動産ト看做ス
# 立木ノ所有者ハ土地ト分離シテ立木ヲ譲渡シ又ハ之ヲ以テ抵当権ノ目的ト為スコトヲ得
# 土地所有権又ハ地上権ノ処分ノ効力ハ立木ニ及ハス
==解説==
本条は、本法に規定する立木(樹木の集団)を、その生えている土地とは別個の独立した不動産として扱うことについて規定している。
そのため、立木は、土地と切り離して売買でき、また、立木単独で抵当権を設定できる。土地の権利変動が立木に波及しないため、土地が売却されたり、地上権が譲渡・消滅したりしても、立木の所有権は影響を受けない。
== 参照条文 ==
* [[民法第86条]](不動産及び動産)
== 判例 ==
* 最高裁判所第一小法廷判決、昭和40年12月16日、昭和39年(オ)第953号、『[https://www.courts.go.jp/hanrei/66374/detail2/index.html 立木所有権確認請求事件]』、最高裁判所裁判集民事81号469頁。
== 脚注 ==
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== 参考文献 ==
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|[[立木ニ関スル法律]]
|
|[[立木ニ関スル法律第1条|第1条]]
|[[立木ニ関スル法律第3条|第3条]]
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立木ニ関スル法律第3条
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==条文==
; 第3条
: 立木ノ所有者ハ立木カ抵当権ノ目的タル場合ニ於テモ当事者ノ協定シタル施業方法ニ依リ其ノ樹木ヲ採取スルコトヲ妨ケス
==解説==
本条は、立木が抵当権の目的となっていても抵当権設定によって立木の伐採が制限されるわけではなく、立木所有者は当事者間で合意した施業方法に従って立木を採取できると規定している。
本法にて立木は不動産とみなすとしても、伐採して土地から分離された樹木は不動産としての性質を失うこととなる。そのため、不動産の性質を失った樹木に対しては、抵当権の効力が及ばなくなる。
しかし、立木は伐採して利用することが本来の経済的価値であり、伐採を禁止すると立木の価値が失われてしまうため、抵当権の設定中であっても当事者の協定した施業方法という条件下で伐採が許容される。
== 参照条文 ==
== 判例 ==
== 脚注 ==
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== 参考文献 ==
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|[[立木ニ関スル法律第2条|第2条]]
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立木ニ関スル法律第4条
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==条文==
; 第4条
# 立木ヲ目的トスル抵当権ハ前条ノ規定ニ依ル採取ノ場合ヲ除クノ外其ノ樹木カ土地ヨリ分離シタル後ト雖其ノ樹木ニ付之ヲ行フコトヲ得
# 抵当権者ハ債権ノ期限ノ到来前ト雖前項ノ樹木ヲ競売スルコトヲ得但シ其ノ代金ハ之ヲ供託スヘシ
# 樹木ノ所有者ハ競売ヲ為スヘキ地ノ地方裁判所ニ相当ノ担保ヲ供託シテ競売ノ免除ヲ申立ツルコトヲ得
# 樹木ノ所有者ハ抵当権者ニ対シテ1箇月以上ノ期間ヲ定メ競売ヲ為スヘキ旨ヲ催告スルコトヲ得若抵当権者カ其ノ期間内ニ競売ヲ為ササルトキハ其ノ樹木ニ付抵当権ヲ行フコトヲ得ス
# 第1項ノ規定ハ民法第192条乃至第194条ノ規定ノ適用ヲ妨ケス
: <small>(昭和54年3月30日法律第5号<ref>{{Cite web |url=https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/houritsu/08719790330005.htm |title=法律第五号(昭五四・三・三〇) |publisher=衆議院 |accessdate=2026-07-09}}</ref>改正)</small>
===改正経緯===
====明治42年4月5日法律第22号====
; 第4条
# 立木ヲ目的トスル抵当権ハ前条ノ規定ニ依ル採取ノ場合ヲ除クノ外其ノ樹木カ土地ヨリ分離シタル後ト雖其ノ樹木ニ付之ヲ行フコトヲ得
# 抵当権者ハ債権ノ期限ノ到来前ト雖前項ノ樹木ヲ競売スルコトヲ得但シ其ノ<u>競落代金</u>ハ之ヲ供託スヘシ
# 樹木ノ所有者ハ競売ヲ為スヘキ地ノ<u>区裁判所</u>ニ相当ノ担保ヲ供託シテ競売ノ免除ヲ申立ツルコトヲ得
# 樹木ノ所有者ハ抵当権者ニ対シテ1箇月以上ノ期間ヲ定メ競売ヲ為スヘキ旨ヲ催告スルコトヲ得若抵当権者カ其ノ期間内ニ競売ヲ為ササルトキハ其ノ樹木ニ付抵当権ヲ行フコトヲ得ス
# 第1項ノ規定ハ民法第192条乃至第194条ノ規定ノ適用ヲ妨ケス
==解説==
本条は、立木が抵当権の目的となった場合の抵当権の効力・競売・競売の免除手続・所有者の保護を体系的に規定している。
== 参照条文 ==
* [[立木ニ関スル法律第3条]]
* [[民法第192条]](即時取得)
* [[民法第193条]](盗品又は遺失物の回復)
* [[民法第194条]]
== 判例 ==
== 脚注 ==
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== 参考文献 ==
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|[[立木ニ関スル法律]]
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|[[立木ニ関スル法律第3条|第3条]]
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Fortran入門
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#転送 [[Fortran/入門]]
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Fortran 2003
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#転送 [[Fortran/Fortran 2003]]
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高等学校化学 原子とイオン
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#転送 [[高校化学 原子とイオン]]
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