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民法第722条
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297725
2026-07-17T05:33:39Z
Tomzo
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/* 判例 */
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wikitext
text/x-wiki
[[法学]]>[[民事法]]>[[民法]]>[[コンメンタール民法]]>[[第3編 債権 (コンメンタール民法)|第3編 債権]]
==条文==
([[損害賠償]]の方法、[[逸失利益|中間利息]]の控除及び[[過失相殺]])
;第722条
# [[民法第417条|第417条]]及び[[民法第417条の2|第417条の2]]の規定は、不法行為による損害賠償について[[準用]]する。
# 被害者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる。
===改正経緯===
2017年改正において、以下のとおり改正。
見出し
:(改正前)損害賠償の方法及び過失相殺
:(改正後)損害賠償の方法、中間利息の控除及び過失相殺
第1項
:(改正前)第417条の規定は
:(改正後)第417条及び第417条の2の規定は
==解説==
===第1項===
:不法行為においては[[原状回復]]ではなく[[金銭賠償]]が原則である([[民法第417条|第417条]])。名誉毀損の場合は例外的に[[原状回復]]としての謝罪広告等の請求が認められている([[民法第723条|第723条]])。
:既に発生した損害については、支払われるまで法定利息が付利される一方、将来利益については法定利率による中間利息が控除される([[民法第417条の2|第417条の2]])。
:損害賠償の支払い方法については一時金賠償が一般的であるが、後遺障害がある場合など事案によっては[[定期金賠償]]によることも可能である([[#定期金賠償|最判昭和62年02月06日]]、[[民事訴訟法第117条]])。
:不法行為が将来にわたって継続することが予想される場合であっても、損害賠償請求権の成否及びその額をあらかじめ一義的に明確に認定することができないなどの事情の下では請求権としての適格性を有しない([[#将来の請求権|最判昭和56年12月16日]])。
===第2項===
:本項は不法行為における過失相殺について定める。すなわち、「被害者に過失があったとき」には、それを勘案して、加害者の賠償責任を減額することが可能であるとする。
:過失相殺については、[[債務不履行]]と異なり、その相殺は義務的ではない。
:[[民法第416条]]の損害賠償の範囲の規定については、この条文に準用規定が存在せず問題になるが、通説はこれも不法行為に類推されると解している。ただし、これを否定する見解もある。否定説の根拠は、第416条は予見可能性の有無で損害賠償の範囲を決めているが、偶発性の高い不法行為には予見可能性の要求は妥当でない点にある。
:「被害者に過失があったとき」という要件について解釈の余地がある。
====過失相殺能力====
:被害者に過失を認めるためには、被害者の事理弁識能力を前提とする。たとえば、幼児が突然道路に飛び出したために交通事故に遭ったとしても、幼児には事理弁識能力がないから、幼児の過失を認めて過失相殺することはできない。ただし、この場合、未成年者は事理弁識能力を具えていれば足り、行為能力までも具えていることを要しない
::[[#弁識能力|最判昭和39年06月24日]]
:::民法722条2項の過失相殺の問題は、不法行為者に対し積極的に損害賠償責任を負わせる問題とは趣を異にし、不法行為者が(略)、公平の見地から、損害発生についての被害者の不注意をいかにしんしゃくするかの問題に過ぎないのであるから、被害者たる未成年者の過失をしんしゃくする場合においても、<u>未成年者に事理を弁識するに足る知能が具わっていれば足り、未成年者に対し不法行為責任を負わせる場合のごとく、行為の責任を弁識するに足る知能が具わっていることを要しない</u>ものと解するのが相当である。
====被害者側の過失====
:条文上は「被害者に過失があったとき」としているが、判例はこれを拡張し、被害者「側」に過失があったときにも過失相殺を認めている。判例は「被害者側」たる者を「被害者と身分上ないし生活関係上一体をなす」者と定義し([[#被害者側の範囲|最判昭和42年06月27日 判例A]])、たとえば夫の運転する車に妻が同乗しており、別の車と衝突して妻が傷害を負った場合に、「被害者側の過失」の法理によれば運転者たる夫に過失があれば、これと加害者の過失とを相殺することができるとされている([[#配偶者の過失|最判昭和51年03月25日]])。また、幼児の生命を害された慰藉料を請求する父母の一方に、その事故の発生につき監督上の過失があるときは、他の一方にも過失相殺の適用がある([[#父母一方の過失|最判昭和34年11月26日]])。一方で、被害者たる幼児を監護していた保母の監護上の過失は、被害者の過失にあたらないとした([[#監護上の過失|判例A]])。
====第2項の類推適用====
=====被害者の素因=====
:被害者側の身体的、心因的素因によって通常より被害が拡大した場合には、これを考慮して賠償額を減額することがある([[#被害者の性格|最判平成12年03月24日]])。もっとも「素因」は「過失」ではないので本条の直接適用ではなく類推適用といえる。過失相殺ではなく相当因果関係の判断のなかで被害者の素因を考慮する構成もある。
:被害者の素因の法理は、被害者自身に直接の帰責性がないにもかかわらず賠償額を減額するものであるから、その適用には慎重であるべきであるとする学説もある。
=====好意関係=====
:たとえば、好意で車に同乗させた結果、運転者の過失によって事故に遭い、同乗者が被害を負った場合などに、本条を類推適用し、通常の損害賠償に比べて賠償額を減額すべきであるという考え方である。自動車事故の判例でこの法理を認めるものが多い。また、預かっていた近所の子供が目を離した間に水死したケースにつき、この法理を用いて賠償額の減額を認めた判例はよく知られている('''[[w:隣人訴訟|隣人訴訟]]''' 津地判昭和58年2月25日)。
====損益相殺====
:不法行為によって損害を被った被害者が、同じ原因によって利益を受けた場合、この利益を損害から控除する場合がある。これを損益相殺という。
:ただし、積極侵害又は精神的侵害に対する賠償からは控除できない([[#積極侵害|最判昭和62年7月10日]])。また、保険の支払いなどがあっても損害賠償請求権自体が制限されるものではない([[#労災|最判昭和37年04月26日]])
=====不法行為により発生した利益とされる例=====
;年金保険:年金受給者が死亡した場合、逸失利益は年金受給額によって算定される。一方、遺族は遺族年金を受け取ることができる。判例はこの場合に損益相殺を認め、逸失利益から遺族年金分を控除すべきだとしている([[#年金保険|最判平成5年3月24日]])。ただし、控除される額は「支給を受けることが確定した」額に限られる。
;労災保険:勤務中に不法行為の被害を受けた場合、被害者には労災保険から給付がなされる。この労災保険についても、損益相殺の対象とすることが認められている([[#労災保険|最判平成元年04月11日]])。
=====不法行為により発生した利益ではないとされる例=====
;生命保険:被害者が死亡した場合に遺族が受け取る生命保険金は、損益相殺の対象にならないとされる。これは、生命保険金がもともと保険料の対価であり、不法行為と同じ原因から生じた利益とはいえないからである([[#生命保険|最判昭和39年9月25日]])。
;損害保険:物が損害を被った場合には被害者が損害保険金を受け取ることがある。この損害保険金は、損益相殺の対象にはならないとされる([[#損害保険|最判昭和50年01月31日]])。これも、保険料の対価という性質を有するためである。もっとも、損害保険の種類によっては、[[#保険代位|保険代位]]([[保険法第25条]], 旧・[[商法第622条]]第1項)が認められており、保険会社は支払った保険金について被害者の加害者に対する損害賠償請求権を獲得する。このため、被害者は事実上、利益の二重取りはできないことになる。
;子の養育費:不法行為による子の死亡により、親が相続した子の将来の逸失利益から子の養育に要したであろう費用を控除することはできない([[#養育費|最判昭和53年10月20日]])。
;不法原因給付として返還請求を免れたもの:損益相殺を認めると実質的に不法原因給付の返還を認めることになるため([[#不法原因給付|最判平成20年6月10日]])。
====過失相殺と損益相殺の適用順序====
過失相殺と損益相殺が競合する場合、まず過失相殺し、次に損益相殺すべきであるというのが判例の見解である([[#相殺の順序|最判平成元年04月11日]])。
==参照条文==
*[[民法第418条]](過失相殺)
*[[民法第723条]]([[名誉毀損]]における原状回復)
*<span id="保険代位"></span>[[保険法第25条]](請求権代位)
*#保険者は、保険給付を行ったときは、次に掲げる額のうちいずれか少ない額を限度として、保険事故による損害が生じたことにより被保険者が取得する債権(債務の不履行その他の理由により債権について生ずることのある損害をてん補する損害保険契約においては、当該債権を含む。以下この条において「被保険者債権」という。)について当然に被保険者に代位する。
*##当該保険者が行った保険給付の額
*##被保険者債権の額(前号に掲げる額がてん補損害額に不足するときは、被保険者債権の額から当該不足額を控除した残額)
*#前項の場合において、同項第1号に掲げる額がてん補損害額に不足するときは、被保険者は、被保険者債権のうち保険者が同項の規定により代位した部分を除いた部分について、当該代位に係る保険者の債権に先立って弁済を受ける権利を有する。
*[[労働者災害補償保険法第12条の4]]
*#政府は、保険給付の原因である事故が第三者の行為によつて生じた場合において、保険給付をしたときは、その給付の価額の限度で、保険給付を受けた者が第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得する。
*#前項の場合において、保険給付を受けるべき者が当該第三者から同一の事由について損害賠償を受けたときは、政府は、その価額の限度で保険給付をしないことができる。
==判例==
# <span id="父母一方の過失過失"></span>[https://www.courts.go.jp/hanrei/53611/detail2/index.html 慰藉料請求](最高裁判決 昭和34年11月26日)
#;慰藉料を請求する父母の一方に過失のある場合と民法第722条条第2項
#:幼児の生命を害された慰藉料を請求する父母の一方に、その事故の発生につき監督上の過失があるときは、父母の双方に民法第722条条第2項の適用があるものと解すべきである。
# [https://www.courts.go.jp/hanrei/54828/detail2/index.html 損害賠償請求](最高裁判決 昭和36年1月24日)
#;死者の活動年令期の算定。
#:死者の活動年令期は、死者の経歴、年令、職業、健康状態その他の具体的事情を考慮して算定することができ、必ずしも統計による生命表の有限平均余命の数値に拘束されない。
# <span id="労災"></span>[https://www.courts.go.jp/hanrei/57722/detail2/index.html 損害賠償並びに慰藉料請求](最高裁判決 昭和37年04月26日)[[民法第711条]],[[民法第717条]],[[労働基準法第79条]],[[労働基準法第80条]],[[労働基準法第84条]]2項
##'''労働者災害補償保険法による遺族補償費として受給者の財産的損害額をこえる金額が支給された場合と受給者以外の遺族の財産的損害賠償請求権の有無'''
##:労働者災害補償保険法に基づき妻に支給された遺族補償費の額が、妻の使用者に対して有する不法行為による財産的損害賠償請求権の額をこえる場合でも、妻以外の遺族はそのことと関係なく、使用者に対し、不法行為による財産的損害の賠償を請求することができる。
##'''労働者災害補償保険法による遺族補償費の受給と遺族の慰藉料請求権の有無'''
##:労働者災害補償保険法に基づき遺族補償費が支給された場合でも、遺族は別に、使用者に対し、不法行為による損害賠償としての慰藉料を請求することができる。
##'''労働者災害補償保険法による葬祭料の受給と遺族の損害補償請求権の有無'''
##:労働者災害補償保険法に基づき葬祭料が支給された場合でも、不法行為による遺族損害賠償請求権には消長をきたさない。
#[https://www.courts.go.jp/hanrei/53672/detail2/index.html 損害賠償請求](最高裁判決 昭和37年12月14日)
#;将来において得べき全利得を損害賠償として一時に支払を受ける場合とホフマン式計算法
#:将来数年間に得べき全利得を損害賠償として一時に支払を受けるため、中間利息の控除にホフマン式計算法を用いる場合には、一年ごとに得べき利得が確定されているかぎり、一年ごとに右計算法を適用して算出した金額を合算する方法によるのが相当である。
# <span id="弁識能力"></span>[https://www.courts.go.jp/hanrei/53761/detail2/index.html 損害賠償等請求](最高裁判決 昭和39年06月24日)
#;民法第722条第2項により被害者の過失を斟酌するについて必要な被害者の弁識能力の程度。
#:民法第722条第2項により被害者の過失を斟酌するには、被害者たる未成年者が、事理を弁識するに足る知能を具えていれば足り、行為の責任を弁識するに足る知能を具えていることを要しないものと解すべきである。
# <span id="生命保険"></span>[https://www.courts.go.jp/hanrei/53910/detail2/index.html 損害賠償請求](最高裁判決 昭和39年9月25日)旧・[[商法第673条]]
#;不法行為による死亡に基づく損害賠償額から生命保険金を控除することの適否。
#:生命保険金は、不法行為による死亡に基づく損害賠償額から控除すべきでない。
#::生命保険契約に基づいて給付される保険金は、すでに払い込んだ保険料の対価の性質を有し、もともと不法行為の原因と関係なく支払わるべきものであるから、たまたま本件事故のように不法行為により被保険者が死亡したためにその相続人たる被上告人両名に保険金の給付がされたとしても、これを不法行為による損害賠償額から控除すべきいわれはないと解するのが相当である。
# [https://www.courts.go.jp/hanrei/54979/detail2/index.html 慰藉料請求](最高裁判決 昭和42年06月27日)
#*保育園の保母に引率された4歳の幼児が,保母の不注意により道路に飛び出してダンプカーにひかれた事案
##<span id="被害者側の範囲"></span>'''被害者本人が幼児である場合と民法第722条第2項にいう被害者の範囲'''
##:被害者本人が幼児である場合における民法第722条第2項にいう被害者の過失には、被害者側の過失をも包含するが、右にいわゆる被害者側の過失とは、'''被害者本人である幼児と身分上ないしは生活関係上一体をなすとみられる関係にある者の過失'''をいうものと解するのが相当である。
##<span id="監護上の過失"></span>'''同条項にいう被害者の過失にあたらないとされた事例'''
##:保育園の保母が当該保育園の被用者として被害者たる幼児を監護していたにすぎないときは、右保育園と被害者たる幼児の保護者との間に、幼児の監護について保育園側においてその責任を負う旨の取極めがされていたとしても、右保母の監護上の過失は、民法第722条第2項にいう被害者の過失にあたらない。
#[https://www.courts.go.jp/hanrei/54169/detail2/index.html 損害賠償請求](最高裁判決 昭和45年07月24日)[[民法第709条]],[[民法第149条]],[[所得税法第9条]]1項21号,民訴法235条
#;得べかりし利益の喪失による損害額の算定と租税控除の要否
#:不法行為の被害者が負傷のため営業上得べかりし利益を喪失したことによつて被つた損害額を算定するにあたつては、営業収益に対して課せられるべき所得税その他の租税額を控除すべきではない。
# <span id="訴訟物"></span>[https://www.courts.go.jp/hanrei/51932/detail2/index.html 損害賠償請求](最高裁判決 昭和48年04月05日)民事訴訟法第186条(現[[民事訴訟法第246条|第246条]]),民事訴訟法224条1項(現[[民事訴訟法第134条|第134条]]2項),[[民法第709条]]
#;不法行為による損害賠償の一部請求と過失相殺
#:不法行為に基づく一個の損害賠償請求権のうちの一部が訴訟上請求されている場合に、過失相殺をするにあたつては、損害の全額から過失割合による減額をし、その残額が請求額をこえないときは右残額を認容し、残額が請求額をこえるときは請求の全額を認容することができるものと解すべきである。([[民法第709条#訴訟物の個数|訴訟物の個数]])
#<span id="損害保険"></span>[https://www.courts.go.jp/hanrei/52130/detail2/index.html 損害賠償、敷金返還請求](最高裁判決 昭和50年1月31日)[[民法第415条]],[[商法第665条]]<!--旧法-->
#;不法行為又は債務不履行による家屋焼失に基づく損害賠償額から火災保険金を損益相殺として控除することの適否
#:第三者の不法行為又は債務不履行により家屋が焼失した場合、その損害につき火災保険契約に基づいて家屋所有者に給付される保険金は、右第三者が負担すべき損害賠償額から損益相殺として控除されるべき利益にはあたらない。
#<span id="配偶者の過失"></span>[https://www.courts.go.jp/hanrei/53209/detail2/index.html 損害賠償請求]](最高裁判決 昭和51年03月25日)
#;夫の運転する自動車に同乗する妻が右自動車と第三者の運転する自動車との衝突により損害を被つた場合において夫にも過失があるときと民法722条2項
#:夫の運転する自動車に同乗する妻が右自動車と第三者の運転する自動車との衝突により損害を被つた場合において、右衝突につき夫にも過失があるときは、特段の事情のない限り、右第三者の負担すべき損害賠償額を定めるにつき、夫の過失を民法722条2項にいう被害者の過失として掛酌することができる。
#[https://www.courts.go.jp/hanrei/64216/detail2/index.html 損害賠償](最高裁判決 昭和52年10月20日)
#;不法行為の損害たる弁護士費用と過失相殺の規定の適用
#:不法行為による損害たる弁護士費用につき、事案の難易、請求額、認容額その他諸般の事情を斟酌して相当と認められる範囲内のものとして算定された額に対してさらに過失相殺の規定を適用するのは相当でない。
#<span id="養育費"></span>[https://www.courts.go.jp/hanrei/53250/detail2/index.html 損害賠償](最高裁判決 昭和53年10月20日)[[自動車損害賠償保障法第3条]]
##'''死亡した幼児の財産上の損害賠償額の算定と将来得べかりし収入額から養育費を控除することの可否'''
##:交通事故により死亡した幼児の財産上の損害賠償額の算定については、幼児の損害賠償債権を相続した者が一方で幼児の養育費の支出を必要としなくなつた場合においても、将来得べかりし収入額から養育費を控除すべきではない。
##'''将来得べかりし利益を事故当時の現在価額に換算するための中間利息控除の方法とライプニツツ式計算法'''
##:ライプニツツ式計算法は、交通事故の被害者の将来得べかりし利益を事故当時の現在価額に換算するための中間利息控除の方法として不合理なものとはいえない。
#<span id="将来の請求権"></span>[https://www.courts.go.jp/hanrei/54227/detail2/index.html 大阪国際空港夜間飛行禁止等](最高裁判決 昭和56年12月16日)[[国家賠償法第2条]],[[民法第709条]](,[[民法第720条]])
#;将来にわたつて継続する不法行為に基づく損害賠償請求権が将来の給付の訴えを提起することのできる請求権としての適格性を有するとされるための要件
#:現在不法行為が行われており、同一態様の行為が将来も継続することが予想されても、損害賠償請求権の成否及びその額をあらかじめ一義的に明確に認定することができず、具体的に請求権が成立したとされる時点においてはじめてこれを認定することができ、かつ、右権利の成立要件の具備については債権者がこれを立証すべきものと考えられる場合には、かかる将来の損害賠償請求権は、将来の給付の訴えを提起することのできる請求権としての適格性を有しない。
# <span id="定期金賠償"></span>[https://www.courts.go.jp/hanrei/70469/detail2/index.html 損害賠償](最高裁判決 昭和62年02月06日)[[国家賠償法第1条]]1項,[[民法第417条]],[[民法第722条]]1項
##'''公立学校における教師の教育活動と国家賠償法1条1項にいう「公権力の行使」'''
##:国家賠償法1条1項にいう「公権力の行使」には、公立学校における教師の教育活動も含まれる。
##'''損害賠償請求権者が一時金による支払を訴求している場合と定期金による支払を命ずる判決の許否'''(旧判例)
##:損害賠償請求権者が訴訟上一時金による支払を求めている場合には、定期金による支払を命ずる判決をすることはできない。
##:*改正後[[民事訴訟法第117条]]により可能となった。
# <span id="積極侵害"></span>[https://www.courts.go.jp/hanrei/55192/detail2/index.html 損害賠償](最高裁判決 昭和62年7月10日)[[労働基準法第84条]]2項,[[労働者災害補償保険法第12条の4]],[[労働者災害補償保険法第14条]],[[労働者災害補償保険法第18条]],[[厚生年金保険法第40条]],厚生年金保険法(昭和60年法律第34号による改正前のもの)47条,[[民法第710条]]
#;労働者災害補償保険法による休業補償給付若しくは傷病補償年金又は厚生年金保険法による障害年金を被害者の受けた財産的損害のうちの積極損害又は精神的損害から控除することの可否
#:労働者災害補償保険法による休業補償給付若しくは傷病補償年金又は厚生年金保険法による障害年金は、被害者の受けた財産的損害のうちの積極損害又は精神的損害から控除すべきでない。
#:*民事上の損害賠償の対象となる損害のうち、労災保険法による休業補償給付及び傷病補償年金並びに厚生年金保険法による障害年金が対象とする損害と同性質であり、したがつて、その間で前示の同一の事由の関係にあることを肯定することができるのは、財産的損害のうちの消極損害(いわゆる逸失利益)のみであつて、財産的損害のうちの積極損害(入院雑費、付添看護費はこれに含まれる。)及び精神的損害(慰藉料)は右の保険給付が対象とする損害とは同性質であるとはいえないものというべきである。したがつて、右の保険給付が現に認定された消極損害の額を上回るとしても、当該超過分を財産的損害のうちの積極損害や精神的損害(慰藉料)を填補するものとして、右給付額をこれらとの関係で控除することは許されないものというべきである。
#[https://www.courts.go.jp/hanrei/52189/detail2/index.html 損害賠償請求事件](最高裁判決 昭和63年04月21日)[[民法第709条]],[[民法第722条]]2項
#;身体に対する加害行為によつて生じた損害について被害者の心因的要因が寄与しているときと民法722条2項の類推適用
#:身体に対する加害行為と発生した損害との間に相当因果関係がある場合において、その損害が加害行為のみによつて通常発生する程度、範囲を超えるものであつて、かつ、その損害の拡大について被害者の心因的要因が寄与しているときは、損害賠償額を定めるにつき、民法722条2項を類推適用して、その損害の拡大に寄与した被害者の右事情を斟酌することができる。
# <span id="労災保険"></span><span id="相殺の順序"></span>[https://www.courts.go.jp/hanrei/52214/detail2/index.html 損害賠償請求事件](最高裁判決 平成元年04月11日)[[民法第709条]],[[労働者災害補償保険法第12条の4]]
#;いわゆる第三者行為災害に係る損害賠償額の算定に当たつての過失相殺と労働者災害補償保険法に基づく保険給付額の控除との先後
#:労働者がいわゆる第三者行為災害により被害を受け、第三者がその損害につき賠償責任を負う場合において、賠償額の算定に当たり労働者の過失を斟酌すべきときは、右損害の額から過失割合による減額をし、その残額から労働者災害補償保険法に基づく保険給付の価額を控除するのが相当である。
# <span id="年金保険"></span>[https://www.courts.go.jp/hanrei/56367/detail2/index.html 損害賠償請求事件](最高裁判決 平成5年3月24日)[[民法第709条]],地方公務員等共済組合法(昭和60年法律第108号による改正前のもの)78条,地方公務員等共済組合法(昭和60年法律第108号による改正前のもの)93条
##'''不法行為と同一の原因によつて被害者<u>又はその相続人</u>が第三者に対して取得した債権の額を加害者の賠償額から控除することの要否及びその範囲'''
##:不法行為と同一の原因によつて被害者<u>又はその相続人</u>が第三者に対して損害と同質性を有する利益を内容とする債権を取得した場合は、当該債権が現実に履行されたとき又はこれと同視し得る程度にその存続及び履行が確実であるときに限り、これを加害者の賠償すべき損害額から控除すべきである。
##'''地方公務員等共済組合法(改正前)の規定に基づく退職年金の受給者が不法行為によつて死亡した場合にその相続人が被害者の死亡を原因として受給権を取得した同法の規定に基づく遺族年金の額を加害者の賠償額から控除することの要否及びその範囲'''
##:地方公務員等共済組合法(改正前)の規定に基づく退職年金の受給者が不法行為によつて死亡した場合に、その相続人が被害者の死亡を原因として同法の規定に基づく遺族年金の受給権を取得したときは、<u>支給を受けることが確定した遺族年金の額の限度で</u>、これを加害者の賠償すべき損害額から控除すべきである。
##* (旧判例) 判例変更ではあるが、元々相続ではなく遺族年金等の受給権者であれば控除もありうるとはしている。
##*:[https://www.courts.go.jp/hanrei/54197/detail2/index.html 損害賠償代位請求、損害賠償請求](最高裁判決 昭和50年10月24日)[[国家公務員等退職手当法第2条]]1項1号,[[国家公務員共済組合法第88条]],国家公務員災害補償法(昭和41年法律第67号による改正前のもの)15条
##*:;不法行為により死亡した国家公務員の得べかりし利益の喪失による損害賠償債権を相続した右公務員の死亡により遺族に支給される退職手当、遺族年金、遺族補償金の受給権者でない場合と相続した損害賠償債権額から右各給付相当額を控除することの可否
##*::不法行為により死亡した国家公務員の給与、国家公務員等退職手当法による退職手当、国家公務員共済組合法による退職給付の受給利益喪失による損害賠償債権を相続した者が、<u>右公務員の死亡により遺族に給付される国家公務員等退職手当法による退職手当、国家公務員共済組合法による遺族年金、国家公務員災害補償法による遺族補償金の受給権者でない場合には</u>、右相続人の損害賠償債権額から右各給付相当額を控除すべきではない。
# [https://www.courts.go.jp/hanrei/52482/detail2/index.html 損害賠償](最高裁判決 平成7年1月30日)商法第3編第10章保険<!--旧法-->
#;被保険自動車に搭乗中交通事故により死亡した者の相続人が受領したいわゆる搭乗者傷害保険の死亡保険金を右相続人の損害額から控除することの要否
#:甲車を被保険自動車として締結された保険契約に適用される保険約款中に、被保険自動車に搭乗中の者がその運行に起因する事故により傷害を受けて死亡したときはその相続人に定額の保険金を支払う旨の定めがあり、甲車に搭乗中交通事故により死亡した者の相続人が右保険金を受領した場合、右保険金は、右相続人の損害額から控除すべきではない。
# [https://www.courts.go.jp/hanrei/55880/detail2/index.html 損害賠償](最高裁判決 平成8年2月23日)[[労働基準法第84条]]2項,[[労働者災害補償保険法第12条の4]],労働者災害補償保険法(平成7年法律第35号による改正前のもの)23条1項,[[労働者災害補償保険特別支給金支給規則第1条|労働者災害補償保険特別支給金支給規則(昭和49年労働省令第30号)1条]],[[労働者災害補償保険特別支給金支給規則第2条|労働者災害補償保険特別支給金支給規則(昭和49年労働省令第30号)2条]]
#;労働者災害補償保険特別支給金支給規則による特別支給金を被災労働者の損害額から控除することの可否
#:労働者災害補償保険特別支給金支給規則による特別支給金は、被災労働者の損害額から控除することができない。
#[https://www.courts.go.jp/hanrei/57064/detail2/index.html 損害賠償](最高裁判決 平成8年04月25日)[[民法第416条]]
#;後遺障害による逸失利益の算定に当たり事故後の別の原因による被害者の死亡を考慮することの許否
#:交通事故の被害者が後遺障害により労働能力の一部を喪失した場合における逸失利益の算定に当たっては、事故後に別の原因により被害者が死亡したとしても、事故の時点で、死亡の原因となる具体的事由が存在し、近い将来における死亡が客観的に予測されていたなどの特段の事情がない限り、死亡の事実は就労可能期間の認定上考慮すべきものではない。
#[https://www.courts.go.jp/hanrei/57063/detail2/index.html 損害賠償](最高裁判決 平成8年05月31日 )[[民法第416条]]
##'''交通事故の被害者がその後に第二の交通事故により死亡した場合に最初の事故の後遺障害による財産上の損害の額の算定に当たり被害者の死亡を考慮することの許否'''
##:交通事故の被害者がその後に第二の交通事故により死亡した場合、最初の事故の後遺障害による財産上の損害の額の算定に当たっては、死亡の事実は就労可能期間の算定上考慮すべきものではない。
##'''交通事故の被害者が事故後に死亡した場合に後遺障害による財産上の損害の額の算定に当たり死亡後の生活費を控除することの許否'''
##:交通事故の被害者が事故後に死亡した場合、後遺障害による財産上の損害の額の算定に当たっては、事故と被害者の死亡との間に相当因果関係がある場合に限り、死亡後の生活費を控除することができる。
# [https://www.courts.go.jp/hanrei/52613/detail2/index.html 損害賠償請求事件](最高裁判決 平成11年10月22日)[[国民年金法第30条]],[[厚生年金保険法第47条]],[[国民年金法第35条]]1号,[[厚生年金保険法第53条]]1号,[[民法第896条]],[[国民年金法第33条の2]],[[厚生年金保険法第50条の2]],[[国民年金法第37条]],[[厚生年金保険法第58条]]
#;障害基礎年金及び障害厚生年金の受給権者が不法行為により死亡した場合にその相続人がする損害賠償請求において当該相続人が受給権を取得した遺族基礎年金及び遺族厚生年金を控除すべき損害の費目
#:障害基礎年金及び障害厚生年金の受給権者が不法行為により死亡した場合に、その相続人が被害者の死亡を原因として遺族基礎年金及び遺族厚生年金の受給権を取得したときは、当該相続人がする損害賠償請求において、支給を受けることが確定した右各遺族年金は、財産的損害のうちの逸失利益から控除すべきである。
#[https://www.courts.go.jp/hanrei/57036/detail2/index.html 損害賠償請求事件](最高裁判決 平成11年12月20日)[[民法第416条]]
#;交通事故の被害者が事故のため介護を要する状態となった後に別の原因により死亡した場合に死亡後の期間に係る介護費用を右交通事故による損害として請求することの可否
#:交通事故の被害者が事故のため介護を要する状態となった後に別の原因により死亡した場合には、死亡後の期間に係る介護費用を右交通事故による損害として請求することはできない。
# <span id="被害者の性格"></span>[https://www.courts.go.jp/hanrei/52222/detail2/index.html 損害賠償請求事件(通称 電通損害賠償)](最高裁判決 平成12年03月24日)[[民法第709条]],[[民法第715条]]
#;業務の負担が過重であることを原因として心身に生じた損害につき労働者がする不法行為に基づく賠償請求において使用者の賠償額を決定するに当たり右労働者の性格及びこれに基づく業務遂行の態様等をしんしゃくすることの可否
#:業務の負担が過重であることを原因として労働者の心身に生じた損害の発生又は拡大に右労働者の性格及びこれに基づく業務遂行の態様等が寄与した場合において、右性格が同種の業務に従事する労働者の個性の多様さとして通常想定される範囲を外れるものでないときは、右損害につき使用者が賠償すべき額を決定するに当たり、右性格等を、民法722条2項の類推適用により右労働者の心因的要因としてしんしゃくすることはできない。
#[https://www.courts.go.jp/hanrei/52236/detail2/index.html 損害賠償請求事件](最高裁判決 平成13年03月13日)[[民法第722条]]2項
##'''交通事故と医療事故とが順次競合し運転行為と医療行為とが共同不法行為に当たる場合において各不法行為者が責任を負うべき損害額を被害者の被った損害額の一部に限定することの可否'''
##:交通事故と医療事故とが順次競合し,そのいずれもが被害者の死亡という不可分の一個の結果を招来しこの結果について相当因果関係を有する関係にあって,運転行為と医療行為とが共同不法行為に当たる場合において,各不法行為者は被害者の被った損害の全額について連帯責任を負うべきものであり,結果発生に対する寄与の割合をもって被害者の被った損害額を案分し,責任を負うべき損害額を限定することはできない。
##'''交通事故と医療事故とが順次競合し運転行為と医療行為とが共同不法行為に当たる場合の各不法行為者と被害者との間の過失相殺の方法'''
##:交通事故と医療事故とが順次競合し,そのいずれもが被害者の死亡という不可分の一個の結果を招来しこの結果について相当因果関係を有する関係にあって,運転行為と医療行為とが共同不法行為に当たる場合において,過失相殺は,各不法行為の加害者と被害者との間の過失の割合に応じてすべきものであり,他の不法行為者と被害者との間における過失の割合をしんしゃくしてすることは許されない。
# [https://www.courts.go.jp/hanrei/62604/detail2/index.html 損害賠償請求事件](最高裁判決 平成16年12月20日)[[厚生年金保険法第58条]]
#;不法行為により死亡した被害者の相続人がする損害賠償請求において当該相続人が受給権を取得した遺族厚生年金を控除すべき逸失利益の範囲
#:不法行為により死亡した被害者の相続人がその死亡を原因として遺族厚生年金の受給権を取得したときは,当該相続人がする損害賠償請求において,支給を受けることが確定した遺族厚生年金を給与収入等を含めた逸失利益全般から控除すべきである。
# <span id="不法原因給付"></span>[https://www.courts.go.jp/hanrei/36427/detail2/index.html 損害賠償請求事件](最高裁判決 平成20年6月10日)[[民法第708条]],(2につき)出資の受入れ,預り金及び金利等の取締りに関する法律(平成15年法律第136号による改正前のもの)5条2項
##'''社会の倫理,道徳に反する醜悪な行為に該当する不法行為の被害者が当該醜悪な行為に係る給付を受けて利益を得た場合に,被害者からの損害賠償請求において同利益を損益相殺等の対象として被害者の損害額から控除することの可否'''
##:社会の倫理,道徳に反する醜悪な行為に該当する不法行為の被害者が,これによって損害を被るとともに,当該醜悪な行為に係る給付を受けて利益を得た場合には,同利益については,加害者からの不当利得返還請求が許されないだけでなく,被害者からの不法行為に基づく損害賠償請求において損益相殺ないし損益相殺的な調整の対象として被害者の損害額から控除することも,[[民法第708条]]の趣旨に反するものとして許されない。
##'''いわゆるヤミ金融業者が元利金等の名目で違法に金員を取得する手段として著しく高利の貸付けの形をとって借主に金員を交付し,借主が貸付金に相当する利益を得た場合に,借主からの不法行為に基づく損害賠償請求において同利益を損益相殺等の対象として借主の損害額から控除することは,民法708条の趣旨に反するものとして許されないとされた事例'''
##:いわゆるヤミ金融の組織に属する業者が,借主から元利金等の名目で違法に金員を取得して多大の利益を得る手段として,年利数百%〜数千%の著しく高利の貸付けという形をとって借主に金員を交付し,これにより,当該借主が,弁済として交付した金員に相当する損害を被るとともに,上記貸付けとしての金員の交付によって利益を得たという事情の下では,当該借主から上記組織の統括者に対する不法行為に基づく損害賠償請求において同利益を損益相殺ないし損益相殺的な調整の対象として当該借主の損害額から控除することは,[[民法第708条]]の趣旨に反するものとして許されない。
# [https://www.courts.go.jp/hanrei/96730/detail2/index.html 損害賠償、報酬支払請求事件](最高裁判決 令和8年7月7日)
##'''火災事故により修繕することが不可能又は著しく困難となった施設を解体するために支出した費用について、上記火災事故と相当因果関係のある損害ということはできないとした原審の判断に違法があるとされた事例'''
##:(原審判断)
##::上告人(不法行為被害者。以下、「甲」)が被上告人(不法行為者。以下、「乙」)の不法行為によって損傷した施設を解体するために支出した費用(以下「本件解体費用」という。)は、本件火災事故が発生しなくても将来のいずれかの時点において生ずる費用であるから、本件火災事故と相当因果関係のある損害ということはできない。
##:(最高裁判断)
##::本件施設の耐用年数や本件火災事故当時の経過年数、本件火災事故発生前の稼働状況等に照らすと、本件火災事故が発生しなければ、本件施設は相当長期間にわたって粗大ごみの処理を行う施設として使用される蓋然性が高かったということができるのであって、甲において、本件施設を近い将来に解体する予定があったといった事情は見当たらない。そうすると、本件施設が将来のいずれかの時点において解体されるからといって、直ちに、本件解体費用の全部について、本件火災事故との相当因果関係が否定されることにはならない。
##'''不法行為に基づき賠償すべき額を定めるに当たり、損益相殺として 、不法行為により支出した費用相当額から支出を免れた費用相当額を控除した後に、過失相殺をすべきであるとされた事例'''
##:(原審判断)
##::甲に対し乙が賠償すべき額を定めるに当たっては、過失割合による減額をした後で、損益相殺として本件運転管理費相当額を控除すべきである。
##::*本件運転管理費相当額 - 本件火災事故後、復旧までの間に支出を免れた費用(本件施設における粗大ごみの処理のために支出されるべき消耗品費、修繕料及び委託料等の費用)の合計
##:(最高裁判断)
##::本件施設が使用できなくなったため代替的な手段を用いて粗大ごみを処理した場合に、乙が不法行為に基づき甲に対して賠償すべき額を定めるに当たっては、本件代替処理費相当額から本件運転管理費相当額を控除した後に、過失割合による減額をすべきである。
##::*甲は、本件施設に代わる新たな施設を取得するまでの合理的な期間については、不法行為に基づく損害賠償として、代替的な手段を用いて粗大ごみを処理するのに要した費用相当額の賠償を求めることができるというべきである。前記事実関係等によれば、甲は、本件火災事故後、本件施設において粗大ごみの処理ができなくなったことにより、本件火災事故発生から令和3年3月までの間、本件施設に代えて仮設破砕機を用いるなどして粗大ごみの処理を行い、本件代替処理費を支出することを余儀なくされた一方で、従前、本件施設で粗大ごみを処理するために要していた本件運転管理費の支出を免れたものである。本件代替処理費と本件運転管理費は、いずれも本件火災事故発生前に本件施設が担っていた粗大ごみの処理を行うために要する費用として同質性があり、上告人は、本件火災事故によって本件代替処理費の支出に係る損害を被ると共に本件運転管理費の支出を免れるという利益を受けた関係にある。そうすると、上記不法行為に基づき賠償すべき額を定めるに当たっては、公平の観点から、損益相殺として、本件代替処理費相当額から本件運転管理費の支出を免れたことによる利益を控除すべきであり、控除後の残額が上記不法行為によって粗大ごみの処理について甲が現実に被った損害となるのであるから、<u>上記利益の控除は、過失割合による減額に先行して行う</u>のが相当である。
==参考文献==
----
{{前後
|[[コンメンタール民法|民法]]
|[[第3編 債権 (コンメンタール民法)|第3編 債権]]<br>
[[第3編 債権 (コンメンタール民法)#5|第5章 不法行為]]
|[[民法第721条]]<br>(損害賠償請求権に関する胎児の権利能力)
|[[民法第723条]]<br>(名誉毀損における原状回復)
}}
{{stub|law}}
[[category:民法|722]]
[[category:民法 2017年改正|722]]
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301740
301739
2026-07-17T08:36:58Z
Tomzo
248
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wikitext
text/x-wiki
[[法学]]>[[民事法]]>[[民法]]>[[コンメンタール民法]]>[[第3編 債権 (コンメンタール民法)|第3編 債権]]
==条文==
([[損害賠償]]の方法、[[逸失利益|中間利息]]の控除及び[[過失相殺]])
;第722条
# [[民法第417条|第417条]]及び[[民法第417条の2|第417条の2]]の規定は、不法行為による損害賠償について[[準用]]する。
# 被害者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる。
===改正経緯===
2017年改正において、以下のとおり改正。
見出し
:(改正前)損害賠償の方法及び過失相殺
:(改正後)損害賠償の方法、中間利息の控除及び過失相殺
第1項
:(改正前)第417条の規定は
:(改正後)第417条及び第417条の2の規定は
==解説==
===第1項===
:不法行為においては[[原状回復]]ではなく[[金銭賠償]]が原則である([[民法第417条|第417条]])。名誉毀損の場合は例外的に[[原状回復]]としての謝罪広告等の請求が認められている([[民法第723条|第723条]])。
:既に発生した損害については、支払われるまで法定利息が付利される一方、将来利益については法定利率による中間利息が控除される([[民法第417条の2|第417条の2]])。
:損害賠償の支払い方法については一時金賠償が一般的であるが、後遺障害がある場合など事案によっては[[定期金賠償]]によることも可能である([[#定期金賠償|最判昭和62年02月06日]]、[[民事訴訟法第117条]])。
:不法行為が将来にわたって継続することが予想される場合であっても、損害賠償請求権の成否及びその額をあらかじめ一義的に明確に認定することができないなどの事情の下では請求権としての適格性を有しない([[#将来の請求権|最判昭和56年12月16日]])。
===第2項===
:本項は不法行為における過失相殺について定める。すなわち、「被害者に過失があったとき」には、それを勘案して、加害者の賠償責任を減額することが可能であるとする。
:過失相殺については、[[債務不履行]]と異なり、その相殺は義務的ではない。
:[[民法第416条]]の損害賠償の範囲の規定については、この条文に準用規定が存在せず問題になるが、通説はこれも不法行為に類推されると解している。ただし、これを否定する見解もある。否定説の根拠は、第416条は予見可能性の有無で損害賠償の範囲を決めているが、偶発性の高い不法行為には予見可能性の要求は妥当でない点にある。
:「被害者に過失があったとき」という要件について解釈の余地がある。
====過失相殺能力====
:被害者に過失を認めるためには、被害者の事理弁識能力を前提とする。たとえば、幼児が突然道路に飛び出したために交通事故に遭ったとしても、幼児には事理弁識能力がないから、幼児の過失を認めて過失相殺することはできない。ただし、この場合、未成年者は事理弁識能力を具えていれば足り、行為能力までも具えていることを要しない
::[[#弁識能力|最判昭和39年06月24日]]
:::民法722条2項の過失相殺の問題は、不法行為者に対し積極的に損害賠償責任を負わせる問題とは趣を異にし、不法行為者が(略)、公平の見地から、損害発生についての被害者の不注意をいかにしんしゃくするかの問題に過ぎないのであるから、被害者たる未成年者の過失をしんしゃくする場合においても、<u>未成年者に事理を弁識するに足る知能が具わっていれば足り、未成年者に対し不法行為責任を負わせる場合のごとく、行為の責任を弁識するに足る知能が具わっていることを要しない</u>ものと解するのが相当である。
====被害者側の過失====
:条文上は「被害者に過失があったとき」としているが、判例はこれを拡張し、被害者「側」に過失があったときにも過失相殺を認めている。判例は「被害者側」たる者を「被害者と身分上ないし生活関係上一体をなす」者と定義し([[#被害者側の範囲|最判昭和42年06月27日 判例A]])、たとえば夫の運転する車に妻が同乗しており、別の車と衝突して妻が傷害を負った場合に、「被害者側の過失」の法理によれば運転者たる夫に過失があれば、これと加害者の過失とを相殺することができるとされている([[#配偶者の過失|最判昭和51年03月25日]])。また、幼児の生命を害された慰藉料を請求する父母の一方に、その事故の発生につき監督上の過失があるときは、他の一方にも過失相殺の適用がある([[#父母一方の過失|最判昭和34年11月26日]])。一方で、被害者たる幼児を監護していた保母の監護上の過失は、被害者の過失にあたらないとした([[#監護上の過失|判例A]])。
====第2項の類推適用====
=====被害者の素因=====
:被害者側の身体的、心因的素因によって通常より被害が拡大した場合には、これを考慮して賠償額を減額することがある([[#被害者の性格|最判平成12年03月24日]])。もっとも「素因」は「過失」ではないので本条の直接適用ではなく類推適用といえる。過失相殺ではなく相当因果関係の判断のなかで被害者の素因を考慮する構成もある。
:被害者の素因の法理は、被害者自身に直接の帰責性がないにもかかわらず賠償額を減額するものであるから、その適用には慎重であるべきであるとする学説もある。
=====好意関係=====
:たとえば、好意で車に同乗させた結果、運転者の過失によって事故に遭い、同乗者が被害を負った場合などに、本条を類推適用し、通常の損害賠償に比べて賠償額を減額すべきであるという考え方である。自動車事故の判例でこの法理を認めるものが多い。また、預かっていた近所の子供が目を離した間に水死したケースにつき、この法理を用いて賠償額の減額を認めた判例はよく知られている('''[[w:隣人訴訟|隣人訴訟]]''' 津地判昭和58年2月25日)。
====損益相殺====
:不法行為によって損害を被った被害者が、同じ原因によって利益を受けた場合、この利益を損害から控除する場合がある。これを損益相殺という。
:ただし、積極侵害又は精神的侵害に対する賠償からは控除できない([[#積極侵害|最判昭和62年7月10日]])。また、保険の支払いなどがあっても損害賠償請求権自体が制限されるものではない([[#労災|最判昭和37年04月26日]])
=====不法行為により発生した利益とされる例=====
;年金保険:年金受給者が死亡した場合、逸失利益は年金受給額によって算定される。一方、遺族は遺族年金を受け取ることができる。判例はこの場合に損益相殺を認め、逸失利益から遺族年金分を控除すべきだとしている([[#年金保険|最判平成5年3月24日]])。ただし、控除される額は「支給を受けることが確定した」額に限られる。
;労災保険:勤務中に不法行為の被害を受けた場合、被害者には労災保険から給付がなされる。この労災保険についても、損益相殺の対象とすることが認められている([[#労災保険|最判平成元年04月11日]])。
=====不法行為により発生した利益ではないとされる例=====
;生命保険:被害者が死亡した場合に遺族が受け取る生命保険金は、損益相殺の対象にならないとされる。これは、生命保険金がもともと保険料の対価であり、不法行為と同じ原因から生じた利益とはいえないからである([[#生命保険|最判昭和39年9月25日]])。
;損害保険:物が損害を被った場合には被害者が損害保険金を受け取ることがある。この損害保険金は、損益相殺の対象にはならないとされる([[#損害保険|最判昭和50年01月31日]])。これも、保険料の対価という性質を有するためである。もっとも、損害保険の種類によっては、[[#保険代位|保険代位]]([[保険法第25条]], 旧・[[商法第622条]]第1項)が認められており、保険会社は支払った保険金について被害者の加害者に対する損害賠償請求権を獲得する。このため、被害者は事実上、利益の二重取りはできないことになる。
;子の養育費:不法行為による子の死亡により、親が相続した子の将来の逸失利益から子の養育に要したであろう費用を控除することはできない([[#養育費|最判昭和53年10月20日]])。
;不法原因給付として返還請求を免れたもの:損益相殺を認めると実質的に不法原因給付の返還を認めることになるため([[#不法原因給付|最判平成20年6月10日]])。
====過失相殺と損益相殺の適用順序====
不法行為に基づく損害賠償として加害者が被害者に対し賠償すべき額を定めるに当たり、過失相殺と損益相殺が競合する場合の適用順序については、①第三者から給付を受けた損害保険金や社会保険給付等の利益の控除をするもの(以下「第三者給付型」という。)と、②被害者が免れた支出を控除するもの(以下「支出節約型」という。)に分別され、その適用順序を異にする。
①「第三者給付型」については、[[#相殺の順序|最判平成元年04月11日]](以下「平成元年判決」という。)において、労働者がいわゆる第三者行為災害により被害を受け、第三者がその行為によって生じた損害につき賠償責任を負う場合において、賠償すべき額の算定に当たり労働者の過失を斟酌すべきときは、上記損害の額から過失割合による減額をし、その残額から労働者災害補償保険法に基づく保険給付の価額を控除するのが相当である旨判示しているが、これは第三者給付型の損益相殺的な調整について判示したものである。第三者給付型では、第三者からの給付の趣旨、目的等に照らして、控除の可否、控除される損害項目の限定の有無、過失相殺との先後関係等が判断されることになる。
これに対し、②「支出節約型」では、平成元年判決の射程は及ばないというべきであり、損益相殺を発生損害に加減し、その上で過失相殺を評価すべきとするのが判例の態度である([[#相殺の順序2|最判令和8年7月7日]]、以上本節は同判決における[[w:林道晴|林道晴]]裁判官の補足意見を参考にした)。
==参照条文==
*[[民法第418条]](過失相殺)
*[[民法第723条]]([[名誉毀損]]における原状回復)
*<span id="保険代位"></span>[[保険法第25条]](請求権代位)
*#保険者は、保険給付を行ったときは、次に掲げる額のうちいずれか少ない額を限度として、保険事故による損害が生じたことにより被保険者が取得する債権(債務の不履行その他の理由により債権について生ずることのある損害をてん補する損害保険契約においては、当該債権を含む。以下この条において「被保険者債権」という。)について当然に被保険者に代位する。
*##当該保険者が行った保険給付の額
*##被保険者債権の額(前号に掲げる額がてん補損害額に不足するときは、被保険者債権の額から当該不足額を控除した残額)
*#前項の場合において、同項第1号に掲げる額がてん補損害額に不足するときは、被保険者は、被保険者債権のうち保険者が同項の規定により代位した部分を除いた部分について、当該代位に係る保険者の債権に先立って弁済を受ける権利を有する。
*[[労働者災害補償保険法第12条の4]]
*#政府は、保険給付の原因である事故が第三者の行為によつて生じた場合において、保険給付をしたときは、その給付の価額の限度で、保険給付を受けた者が第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得する。
*#前項の場合において、保険給付を受けるべき者が当該第三者から同一の事由について損害賠償を受けたときは、政府は、その価額の限度で保険給付をしないことができる。
==判例==
# <span id="父母一方の過失過失"></span>[https://www.courts.go.jp/hanrei/53611/detail2/index.html 慰藉料請求](最高裁判決 昭和34年11月26日)
#;慰藉料を請求する父母の一方に過失のある場合と民法第722条条第2項
#:幼児の生命を害された慰藉料を請求する父母の一方に、その事故の発生につき監督上の過失があるときは、父母の双方に民法第722条条第2項の適用があるものと解すべきである。
# [https://www.courts.go.jp/hanrei/54828/detail2/index.html 損害賠償請求](最高裁判決 昭和36年1月24日)
#;死者の活動年令期の算定。
#:死者の活動年令期は、死者の経歴、年令、職業、健康状態その他の具体的事情を考慮して算定することができ、必ずしも統計による生命表の有限平均余命の数値に拘束されない。
# <span id="労災"></span>[https://www.courts.go.jp/hanrei/57722/detail2/index.html 損害賠償並びに慰藉料請求](最高裁判決 昭和37年04月26日)[[民法第711条]],[[民法第717条]],[[労働基準法第79条]],[[労働基準法第80条]],[[労働基準法第84条]]2項
##'''労働者災害補償保険法による遺族補償費として受給者の財産的損害額をこえる金額が支給された場合と受給者以外の遺族の財産的損害賠償請求権の有無'''
##:労働者災害補償保険法に基づき妻に支給された遺族補償費の額が、妻の使用者に対して有する不法行為による財産的損害賠償請求権の額をこえる場合でも、妻以外の遺族はそのことと関係なく、使用者に対し、不法行為による財産的損害の賠償を請求することができる。
##'''労働者災害補償保険法による遺族補償費の受給と遺族の慰藉料請求権の有無'''
##:労働者災害補償保険法に基づき遺族補償費が支給された場合でも、遺族は別に、使用者に対し、不法行為による損害賠償としての慰藉料を請求することができる。
##'''労働者災害補償保険法による葬祭料の受給と遺族の損害補償請求権の有無'''
##:労働者災害補償保険法に基づき葬祭料が支給された場合でも、不法行為による遺族損害賠償請求権には消長をきたさない。
#[https://www.courts.go.jp/hanrei/53672/detail2/index.html 損害賠償請求](最高裁判決 昭和37年12月14日)
#;将来において得べき全利得を損害賠償として一時に支払を受ける場合とホフマン式計算法
#:将来数年間に得べき全利得を損害賠償として一時に支払を受けるため、中間利息の控除にホフマン式計算法を用いる場合には、一年ごとに得べき利得が確定されているかぎり、一年ごとに右計算法を適用して算出した金額を合算する方法によるのが相当である。
# <span id="弁識能力"></span>[https://www.courts.go.jp/hanrei/53761/detail2/index.html 損害賠償等請求](最高裁判決 昭和39年06月24日)
#;民法第722条第2項により被害者の過失を斟酌するについて必要な被害者の弁識能力の程度。
#:民法第722条第2項により被害者の過失を斟酌するには、被害者たる未成年者が、事理を弁識するに足る知能を具えていれば足り、行為の責任を弁識するに足る知能を具えていることを要しないものと解すべきである。
# <span id="生命保険"></span>[https://www.courts.go.jp/hanrei/53910/detail2/index.html 損害賠償請求](最高裁判決 昭和39年9月25日)旧・[[商法第673条]]
#;不法行為による死亡に基づく損害賠償額から生命保険金を控除することの適否。
#:生命保険金は、不法行為による死亡に基づく損害賠償額から控除すべきでない。
#::生命保険契約に基づいて給付される保険金は、すでに払い込んだ保険料の対価の性質を有し、もともと不法行為の原因と関係なく支払わるべきものであるから、たまたま本件事故のように不法行為により被保険者が死亡したためにその相続人たる被上告人両名に保険金の給付がされたとしても、これを不法行為による損害賠償額から控除すべきいわれはないと解するのが相当である。
# [https://www.courts.go.jp/hanrei/54979/detail2/index.html 慰藉料請求](最高裁判決 昭和42年06月27日)
#*保育園の保母に引率された4歳の幼児が,保母の不注意により道路に飛び出してダンプカーにひかれた事案
##<span id="被害者側の範囲"></span>'''被害者本人が幼児である場合と民法第722条第2項にいう被害者の範囲'''
##:被害者本人が幼児である場合における民法第722条第2項にいう被害者の過失には、被害者側の過失をも包含するが、右にいわゆる被害者側の過失とは、'''被害者本人である幼児と身分上ないしは生活関係上一体をなすとみられる関係にある者の過失'''をいうものと解するのが相当である。
##<span id="監護上の過失"></span>'''同条項にいう被害者の過失にあたらないとされた事例'''
##:保育園の保母が当該保育園の被用者として被害者たる幼児を監護していたにすぎないときは、右保育園と被害者たる幼児の保護者との間に、幼児の監護について保育園側においてその責任を負う旨の取極めがされていたとしても、右保母の監護上の過失は、民法第722条第2項にいう被害者の過失にあたらない。
#[https://www.courts.go.jp/hanrei/54169/detail2/index.html 損害賠償請求](最高裁判決 昭和45年07月24日)[[民法第709条]],[[民法第149条]],[[所得税法第9条]]1項21号,民訴法235条
#;得べかりし利益の喪失による損害額の算定と租税控除の要否
#:不法行為の被害者が負傷のため営業上得べかりし利益を喪失したことによつて被つた損害額を算定するにあたつては、営業収益に対して課せられるべき所得税その他の租税額を控除すべきではない。
# <span id="訴訟物"></span>[https://www.courts.go.jp/hanrei/51932/detail2/index.html 損害賠償請求](最高裁判決 昭和48年04月05日)民事訴訟法第186条(現[[民事訴訟法第246条|第246条]]),民事訴訟法224条1項(現[[民事訴訟法第134条|第134条]]2項),[[民法第709条]]
#;不法行為による損害賠償の一部請求と過失相殺
#:不法行為に基づく一個の損害賠償請求権のうちの一部が訴訟上請求されている場合に、過失相殺をするにあたつては、損害の全額から過失割合による減額をし、その残額が請求額をこえないときは右残額を認容し、残額が請求額をこえるときは請求の全額を認容することができるものと解すべきである。([[民法第709条#訴訟物の個数|訴訟物の個数]])
#<span id="損害保険"></span>[https://www.courts.go.jp/hanrei/52130/detail2/index.html 損害賠償、敷金返還請求](最高裁判決 昭和50年1月31日)[[民法第415条]],[[商法第665条]]<!--旧法-->
#;不法行為又は債務不履行による家屋焼失に基づく損害賠償額から火災保険金を損益相殺として控除することの適否
#:第三者の不法行為又は債務不履行により家屋が焼失した場合、その損害につき火災保険契約に基づいて家屋所有者に給付される保険金は、右第三者が負担すべき損害賠償額から損益相殺として控除されるべき利益にはあたらない。
#<span id="配偶者の過失"></span>[https://www.courts.go.jp/hanrei/53209/detail2/index.html 損害賠償請求]](最高裁判決 昭和51年03月25日)
#;夫の運転する自動車に同乗する妻が右自動車と第三者の運転する自動車との衝突により損害を被つた場合において夫にも過失があるときと民法722条2項
#:夫の運転する自動車に同乗する妻が右自動車と第三者の運転する自動車との衝突により損害を被つた場合において、右衝突につき夫にも過失があるときは、特段の事情のない限り、右第三者の負担すべき損害賠償額を定めるにつき、夫の過失を民法722条2項にいう被害者の過失として掛酌することができる。
#[https://www.courts.go.jp/hanrei/64216/detail2/index.html 損害賠償](最高裁判決 昭和52年10月20日)
#;不法行為の損害たる弁護士費用と過失相殺の規定の適用
#:不法行為による損害たる弁護士費用につき、事案の難易、請求額、認容額その他諸般の事情を斟酌して相当と認められる範囲内のものとして算定された額に対してさらに過失相殺の規定を適用するのは相当でない。
#<span id="養育費"></span>[https://www.courts.go.jp/hanrei/53250/detail2/index.html 損害賠償](最高裁判決 昭和53年10月20日)[[自動車損害賠償保障法第3条]]
##'''死亡した幼児の財産上の損害賠償額の算定と将来得べかりし収入額から養育費を控除することの可否'''
##:交通事故により死亡した幼児の財産上の損害賠償額の算定については、幼児の損害賠償債権を相続した者が一方で幼児の養育費の支出を必要としなくなつた場合においても、将来得べかりし収入額から養育費を控除すべきではない。
##'''将来得べかりし利益を事故当時の現在価額に換算するための中間利息控除の方法とライプニツツ式計算法'''
##:ライプニツツ式計算法は、交通事故の被害者の将来得べかりし利益を事故当時の現在価額に換算するための中間利息控除の方法として不合理なものとはいえない。
#<span id="将来の請求権"></span>[https://www.courts.go.jp/hanrei/54227/detail2/index.html 大阪国際空港夜間飛行禁止等](最高裁判決 昭和56年12月16日)[[国家賠償法第2条]],[[民法第709条]](,[[民法第720条]])
#;将来にわたつて継続する不法行為に基づく損害賠償請求権が将来の給付の訴えを提起することのできる請求権としての適格性を有するとされるための要件
#:現在不法行為が行われており、同一態様の行為が将来も継続することが予想されても、損害賠償請求権の成否及びその額をあらかじめ一義的に明確に認定することができず、具体的に請求権が成立したとされる時点においてはじめてこれを認定することができ、かつ、右権利の成立要件の具備については債権者がこれを立証すべきものと考えられる場合には、かかる将来の損害賠償請求権は、将来の給付の訴えを提起することのできる請求権としての適格性を有しない。
# <span id="定期金賠償"></span>[https://www.courts.go.jp/hanrei/70469/detail2/index.html 損害賠償](最高裁判決 昭和62年02月06日)[[国家賠償法第1条]]1項,[[民法第417条]],[[民法第722条]]1項
##'''公立学校における教師の教育活動と国家賠償法1条1項にいう「公権力の行使」'''
##:国家賠償法1条1項にいう「公権力の行使」には、公立学校における教師の教育活動も含まれる。
##'''損害賠償請求権者が一時金による支払を訴求している場合と定期金による支払を命ずる判決の許否'''(旧判例)
##:損害賠償請求権者が訴訟上一時金による支払を求めている場合には、定期金による支払を命ずる判決をすることはできない。
##:*改正後[[民事訴訟法第117条]]により可能となった。
# <span id="積極侵害"></span>[https://www.courts.go.jp/hanrei/55192/detail2/index.html 損害賠償](最高裁判決 昭和62年7月10日)[[労働基準法第84条]]2項,[[労働者災害補償保険法第12条の4]],[[労働者災害補償保険法第14条]],[[労働者災害補償保険法第18条]],[[厚生年金保険法第40条]],厚生年金保険法(昭和60年法律第34号による改正前のもの)47条,[[民法第710条]]
#;労働者災害補償保険法による休業補償給付若しくは傷病補償年金又は厚生年金保険法による障害年金を被害者の受けた財産的損害のうちの積極損害又は精神的損害から控除することの可否
#:労働者災害補償保険法による休業補償給付若しくは傷病補償年金又は厚生年金保険法による障害年金は、被害者の受けた財産的損害のうちの積極損害又は精神的損害から控除すべきでない。
#:*民事上の損害賠償の対象となる損害のうち、労災保険法による休業補償給付及び傷病補償年金並びに厚生年金保険法による障害年金が対象とする損害と同性質であり、したがつて、その間で前示の同一の事由の関係にあることを肯定することができるのは、財産的損害のうちの消極損害(いわゆる逸失利益)のみであつて、財産的損害のうちの積極損害(入院雑費、付添看護費はこれに含まれる。)及び精神的損害(慰藉料)は右の保険給付が対象とする損害とは同性質であるとはいえないものというべきである。したがつて、右の保険給付が現に認定された消極損害の額を上回るとしても、当該超過分を財産的損害のうちの積極損害や精神的損害(慰藉料)を填補するものとして、右給付額をこれらとの関係で控除することは許されないものというべきである。
#[https://www.courts.go.jp/hanrei/52189/detail2/index.html 損害賠償請求事件](最高裁判決 昭和63年04月21日)[[民法第709条]],[[民法第722条]]2項
#;身体に対する加害行為によつて生じた損害について被害者の心因的要因が寄与しているときと民法722条2項の類推適用
#:身体に対する加害行為と発生した損害との間に相当因果関係がある場合において、その損害が加害行為のみによつて通常発生する程度、範囲を超えるものであつて、かつ、その損害の拡大について被害者の心因的要因が寄与しているときは、損害賠償額を定めるにつき、民法722条2項を類推適用して、その損害の拡大に寄与した被害者の右事情を斟酌することができる。
# <span id="労災保険"></span><span id="相殺の順序"></span>[https://www.courts.go.jp/hanrei/52214/detail2/index.html 損害賠償請求事件](最高裁判決 平成元年04月11日)[[民法第709条]],[[労働者災害補償保険法第12条の4]]
#;いわゆる第三者行為災害に係る損害賠償額の算定に当たつての過失相殺と労働者災害補償保険法に基づく保険給付額の控除との先後
#:労働者がいわゆる第三者行為災害により被害を受け、第三者がその損害につき賠償責任を負う場合において、賠償額の算定に当たり労働者の過失を斟酌すべきときは、右損害の額から過失割合による減額をし、その残額から労働者災害補償保険法に基づく保険給付の価額を控除するのが相当である。
# <span id="年金保険"></span>[https://www.courts.go.jp/hanrei/56367/detail2/index.html 損害賠償請求事件](最高裁判決 平成5年3月24日)[[民法第709条]],地方公務員等共済組合法(昭和60年法律第108号による改正前のもの)78条,地方公務員等共済組合法(昭和60年法律第108号による改正前のもの)93条
##'''不法行為と同一の原因によつて被害者<u>又はその相続人</u>が第三者に対して取得した債権の額を加害者の賠償額から控除することの要否及びその範囲'''
##:不法行為と同一の原因によつて被害者<u>又はその相続人</u>が第三者に対して損害と同質性を有する利益を内容とする債権を取得した場合は、当該債権が現実に履行されたとき又はこれと同視し得る程度にその存続及び履行が確実であるときに限り、これを加害者の賠償すべき損害額から控除すべきである。
##'''地方公務員等共済組合法(改正前)の規定に基づく退職年金の受給者が不法行為によつて死亡した場合にその相続人が被害者の死亡を原因として受給権を取得した同法の規定に基づく遺族年金の額を加害者の賠償額から控除することの要否及びその範囲'''
##:地方公務員等共済組合法(改正前)の規定に基づく退職年金の受給者が不法行為によつて死亡した場合に、その相続人が被害者の死亡を原因として同法の規定に基づく遺族年金の受給権を取得したときは、<u>支給を受けることが確定した遺族年金の額の限度で</u>、これを加害者の賠償すべき損害額から控除すべきである。
##* (旧判例) 判例変更ではあるが、元々相続ではなく遺族年金等の受給権者であれば控除もありうるとはしている。
##*:[https://www.courts.go.jp/hanrei/54197/detail2/index.html 損害賠償代位請求、損害賠償請求](最高裁判決 昭和50年10月24日)[[国家公務員等退職手当法第2条]]1項1号,[[国家公務員共済組合法第88条]],国家公務員災害補償法(昭和41年法律第67号による改正前のもの)15条
##*:;不法行為により死亡した国家公務員の得べかりし利益の喪失による損害賠償債権を相続した右公務員の死亡により遺族に支給される退職手当、遺族年金、遺族補償金の受給権者でない場合と相続した損害賠償債権額から右各給付相当額を控除することの可否
##*::不法行為により死亡した国家公務員の給与、国家公務員等退職手当法による退職手当、国家公務員共済組合法による退職給付の受給利益喪失による損害賠償債権を相続した者が、<u>右公務員の死亡により遺族に給付される国家公務員等退職手当法による退職手当、国家公務員共済組合法による遺族年金、国家公務員災害補償法による遺族補償金の受給権者でない場合には</u>、右相続人の損害賠償債権額から右各給付相当額を控除すべきではない。
# [https://www.courts.go.jp/hanrei/52482/detail2/index.html 損害賠償](最高裁判決 平成7年1月30日)商法第3編第10章保険<!--旧法-->
#;被保険自動車に搭乗中交通事故により死亡した者の相続人が受領したいわゆる搭乗者傷害保険の死亡保険金を右相続人の損害額から控除することの要否
#:甲車を被保険自動車として締結された保険契約に適用される保険約款中に、被保険自動車に搭乗中の者がその運行に起因する事故により傷害を受けて死亡したときはその相続人に定額の保険金を支払う旨の定めがあり、甲車に搭乗中交通事故により死亡した者の相続人が右保険金を受領した場合、右保険金は、右相続人の損害額から控除すべきではない。
# [https://www.courts.go.jp/hanrei/55880/detail2/index.html 損害賠償](最高裁判決 平成8年2月23日)[[労働基準法第84条]]2項,[[労働者災害補償保険法第12条の4]],労働者災害補償保険法(平成7年法律第35号による改正前のもの)23条1項,[[労働者災害補償保険特別支給金支給規則第1条|労働者災害補償保険特別支給金支給規則(昭和49年労働省令第30号)1条]],[[労働者災害補償保険特別支給金支給規則第2条|労働者災害補償保険特別支給金支給規則(昭和49年労働省令第30号)2条]]
#;労働者災害補償保険特別支給金支給規則による特別支給金を被災労働者の損害額から控除することの可否
#:労働者災害補償保険特別支給金支給規則による特別支給金は、被災労働者の損害額から控除することができない。
#[https://www.courts.go.jp/hanrei/57064/detail2/index.html 損害賠償](最高裁判決 平成8年04月25日)[[民法第416条]]
#;後遺障害による逸失利益の算定に当たり事故後の別の原因による被害者の死亡を考慮することの許否
#:交通事故の被害者が後遺障害により労働能力の一部を喪失した場合における逸失利益の算定に当たっては、事故後に別の原因により被害者が死亡したとしても、事故の時点で、死亡の原因となる具体的事由が存在し、近い将来における死亡が客観的に予測されていたなどの特段の事情がない限り、死亡の事実は就労可能期間の認定上考慮すべきものではない。
#[https://www.courts.go.jp/hanrei/57063/detail2/index.html 損害賠償](最高裁判決 平成8年05月31日 )[[民法第416条]]
##'''交通事故の被害者がその後に第二の交通事故により死亡した場合に最初の事故の後遺障害による財産上の損害の額の算定に当たり被害者の死亡を考慮することの許否'''
##:交通事故の被害者がその後に第二の交通事故により死亡した場合、最初の事故の後遺障害による財産上の損害の額の算定に当たっては、死亡の事実は就労可能期間の算定上考慮すべきものではない。
##'''交通事故の被害者が事故後に死亡した場合に後遺障害による財産上の損害の額の算定に当たり死亡後の生活費を控除することの許否'''
##:交通事故の被害者が事故後に死亡した場合、後遺障害による財産上の損害の額の算定に当たっては、事故と被害者の死亡との間に相当因果関係がある場合に限り、死亡後の生活費を控除することができる。
# [https://www.courts.go.jp/hanrei/52613/detail2/index.html 損害賠償請求事件](最高裁判決 平成11年10月22日)[[国民年金法第30条]],[[厚生年金保険法第47条]],[[国民年金法第35条]]1号,[[厚生年金保険法第53条]]1号,[[民法第896条]],[[国民年金法第33条の2]],[[厚生年金保険法第50条の2]],[[国民年金法第37条]],[[厚生年金保険法第58条]]
#;障害基礎年金及び障害厚生年金の受給権者が不法行為により死亡した場合にその相続人がする損害賠償請求において当該相続人が受給権を取得した遺族基礎年金及び遺族厚生年金を控除すべき損害の費目
#:障害基礎年金及び障害厚生年金の受給権者が不法行為により死亡した場合に、その相続人が被害者の死亡を原因として遺族基礎年金及び遺族厚生年金の受給権を取得したときは、当該相続人がする損害賠償請求において、支給を受けることが確定した右各遺族年金は、財産的損害のうちの逸失利益から控除すべきである。
#[https://www.courts.go.jp/hanrei/57036/detail2/index.html 損害賠償請求事件](最高裁判決 平成11年12月20日)[[民法第416条]]
#;交通事故の被害者が事故のため介護を要する状態となった後に別の原因により死亡した場合に死亡後の期間に係る介護費用を右交通事故による損害として請求することの可否
#:交通事故の被害者が事故のため介護を要する状態となった後に別の原因により死亡した場合には、死亡後の期間に係る介護費用を右交通事故による損害として請求することはできない。
# <span id="被害者の性格"></span>[https://www.courts.go.jp/hanrei/52222/detail2/index.html 損害賠償請求事件(通称 電通損害賠償)](最高裁判決 平成12年03月24日)[[民法第709条]],[[民法第715条]]
#;業務の負担が過重であることを原因として心身に生じた損害につき労働者がする不法行為に基づく賠償請求において使用者の賠償額を決定するに当たり右労働者の性格及びこれに基づく業務遂行の態様等をしんしゃくすることの可否
#:業務の負担が過重であることを原因として労働者の心身に生じた損害の発生又は拡大に右労働者の性格及びこれに基づく業務遂行の態様等が寄与した場合において、右性格が同種の業務に従事する労働者の個性の多様さとして通常想定される範囲を外れるものでないときは、右損害につき使用者が賠償すべき額を決定するに当たり、右性格等を、民法722条2項の類推適用により右労働者の心因的要因としてしんしゃくすることはできない。
#[https://www.courts.go.jp/hanrei/52236/detail2/index.html 損害賠償請求事件](最高裁判決 平成13年03月13日)[[民法第722条]]2項
##'''交通事故と医療事故とが順次競合し運転行為と医療行為とが共同不法行為に当たる場合において各不法行為者が責任を負うべき損害額を被害者の被った損害額の一部に限定することの可否'''
##:交通事故と医療事故とが順次競合し,そのいずれもが被害者の死亡という不可分の一個の結果を招来しこの結果について相当因果関係を有する関係にあって,運転行為と医療行為とが共同不法行為に当たる場合において,各不法行為者は被害者の被った損害の全額について連帯責任を負うべきものであり,結果発生に対する寄与の割合をもって被害者の被った損害額を案分し,責任を負うべき損害額を限定することはできない。
##'''交通事故と医療事故とが順次競合し運転行為と医療行為とが共同不法行為に当たる場合の各不法行為者と被害者との間の過失相殺の方法'''
##:交通事故と医療事故とが順次競合し,そのいずれもが被害者の死亡という不可分の一個の結果を招来しこの結果について相当因果関係を有する関係にあって,運転行為と医療行為とが共同不法行為に当たる場合において,過失相殺は,各不法行為の加害者と被害者との間の過失の割合に応じてすべきものであり,他の不法行為者と被害者との間における過失の割合をしんしゃくしてすることは許されない。
# [https://www.courts.go.jp/hanrei/62604/detail2/index.html 損害賠償請求事件](最高裁判決 平成16年12月20日)[[厚生年金保険法第58条]]
#;不法行為により死亡した被害者の相続人がする損害賠償請求において当該相続人が受給権を取得した遺族厚生年金を控除すべき逸失利益の範囲
#:不法行為により死亡した被害者の相続人がその死亡を原因として遺族厚生年金の受給権を取得したときは,当該相続人がする損害賠償請求において,支給を受けることが確定した遺族厚生年金を給与収入等を含めた逸失利益全般から控除すべきである。
# <span id="不法原因給付"></span>[https://www.courts.go.jp/hanrei/36427/detail2/index.html 損害賠償請求事件](最高裁判決 平成20年6月10日)[[民法第708条]],(2につき)出資の受入れ,預り金及び金利等の取締りに関する法律(平成15年法律第136号による改正前のもの)5条2項
##'''社会の倫理,道徳に反する醜悪な行為に該当する不法行為の被害者が当該醜悪な行為に係る給付を受けて利益を得た場合に,被害者からの損害賠償請求において同利益を損益相殺等の対象として被害者の損害額から控除することの可否'''
##:社会の倫理,道徳に反する醜悪な行為に該当する不法行為の被害者が,これによって損害を被るとともに,当該醜悪な行為に係る給付を受けて利益を得た場合には,同利益については,加害者からの不当利得返還請求が許されないだけでなく,被害者からの不法行為に基づく損害賠償請求において損益相殺ないし損益相殺的な調整の対象として被害者の損害額から控除することも,[[民法第708条]]の趣旨に反するものとして許されない。
##'''いわゆるヤミ金融業者が元利金等の名目で違法に金員を取得する手段として著しく高利の貸付けの形をとって借主に金員を交付し,借主が貸付金に相当する利益を得た場合に,借主からの不法行為に基づく損害賠償請求において同利益を損益相殺等の対象として借主の損害額から控除することは,民法708条の趣旨に反するものとして許されないとされた事例'''
##:いわゆるヤミ金融の組織に属する業者が,借主から元利金等の名目で違法に金員を取得して多大の利益を得る手段として,年利数百%〜数千%の著しく高利の貸付けという形をとって借主に金員を交付し,これにより,当該借主が,弁済として交付した金員に相当する損害を被るとともに,上記貸付けとしての金員の交付によって利益を得たという事情の下では,当該借主から上記組織の統括者に対する不法行為に基づく損害賠償請求において同利益を損益相殺ないし損益相殺的な調整の対象として当該借主の損害額から控除することは,[[民法第708条]]の趣旨に反するものとして許されない。
# <span id="相殺の順序2"></span>[https://www.courts.go.jp/hanrei/96730/detail2/index.html 損害賠償、報酬支払請求事件](最高裁判決 令和8年7月7日)
##'''火災事故により修繕することが不可能又は著しく困難となった施設を解体するために支出した費用について、上記火災事故と相当因果関係のある損害ということはできないとした原審の判断に違法があるとされた事例'''
##:(原審判断)
##::上告人(不法行為被害者。以下、「甲」)が被上告人(不法行為者。以下、「乙」)の不法行為によって損傷した施設を解体するために支出した費用(以下「本件解体費用」という。)は、本件火災事故が発生しなくても将来のいずれかの時点において生ずる費用であるから、本件火災事故と相当因果関係のある損害ということはできない。
##:(最高裁判断)
##::本件施設の耐用年数や本件火災事故当時の経過年数、本件火災事故発生前の稼働状況等に照らすと、本件火災事故が発生しなければ、本件施設は相当長期間にわたって粗大ごみの処理を行う施設として使用される蓋然性が高かったということができるのであって、甲において、本件施設を近い将来に解体する予定があったといった事情は見当たらない。そうすると、本件施設が将来のいずれかの時点において解体されるからといって、直ちに、本件解体費用の全部について、本件火災事故との相当因果関係が否定されることにはならない。
##'''不法行為に基づき賠償すべき額を定めるに当たり、損益相殺として 、不法行為により支出した費用相当額から支出を免れた費用相当額を控除した後に、過失相殺をすべきであるとされた事例'''
##:(原審判断)
##::甲に対し乙が賠償すべき額を定めるに当たっては、過失割合による減額をした後で、損益相殺として本件運転管理費相当額を控除すべきである。
##::*本件運転管理費相当額 - 本件火災事故後、復旧までの間に支出を免れた費用(本件施設における粗大ごみの処理のために支出されるべき消耗品費、修繕料及び委託料等の費用)の合計
##:(最高裁判断)
##::本件施設が使用できなくなったため代替的な手段を用いて粗大ごみを処理した場合に、乙が不法行為に基づき甲に対して賠償すべき額を定めるに当たっては、本件代替処理費相当額から本件運転管理費相当額を控除した後に、過失割合による減額をすべきである。
##::*甲は、本件施設に代わる新たな施設を取得するまでの合理的な期間については、不法行為に基づく損害賠償として、代替的な手段を用いて粗大ごみを処理するのに要した費用相当額の賠償を求めることができるというべきである。前記事実関係等によれば、甲は、本件火災事故後、本件施設において粗大ごみの処理ができなくなったことにより、本件火災事故発生から令和3年3月までの間、本件施設に代えて仮設破砕機を用いるなどして粗大ごみの処理を行い、本件代替処理費を支出することを余儀なくされた一方で、従前、本件施設で粗大ごみを処理するために要していた本件運転管理費の支出を免れたものである。本件代替処理費と本件運転管理費は、いずれも本件火災事故発生前に本件施設が担っていた粗大ごみの処理を行うために要する費用として同質性があり、上告人は、本件火災事故によって本件代替処理費の支出に係る損害を被ると共に本件運転管理費の支出を免れるという利益を受けた関係にある。そうすると、上記不法行為に基づき賠償すべき額を定めるに当たっては、公平の観点から、損益相殺として、本件代替処理費相当額から本件運転管理費の支出を免れたことによる利益を控除すべきであり、控除後の残額が上記不法行為によって粗大ごみの処理について甲が現実に被った損害となるのであるから、<u>上記利益の控除は、過失割合による減額に先行して行う</u>のが相当である。
==参考文献==
----
{{前後
|[[コンメンタール民法|民法]]
|[[第3編 債権 (コンメンタール民法)|第3編 債権]]<br>
[[第3編 債権 (コンメンタール民法)#5|第5章 不法行為]]
|[[民法第721条]]<br>(損害賠償請求権に関する胎児の権利能力)
|[[民法第723条]]<br>(名誉毀損における原状回復)
}}
{{stub|law}}
[[category:民法|722]]
[[category:民法 2017年改正|722]]
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厚生年金保険法第58条
0
15655
301738
284032
2026-07-17T04:11:27Z
Tomzo
248
/* 判例 */
301738
wikitext
text/x-wiki
==条文==
(受給権者)
;第58条
#遺族厚生年金は、被保険者又は被保険者であつた者が次の各号のいずれかに該当する場合に、その者の遺族に支給する。ただし、第1号又は第2号に該当する場合にあつては、死亡した者につき、死亡日の前日において、死亡日の属する月の前々月までに国民年金の被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が当該被保険者期間の3分の2に満たないときは、この限りでない。
##被保険者(失踪の宣告を受けた被保険者であつた者であつて、行方不明となつた当時被保険者であつたものを含む。)が、死亡したとき。
##被保険者であつた者が、被保険者の資格を喪失した後に、被保険者であつた間に初診日がある傷病により当該初診日から起算して5年を経過する日前に死亡したとき。
##障害等級の一級又は二級に該当する障害の状態にある障害厚生年金の受給権者が、死亡したとき。
##老齢厚生年金の受給権者又は[[厚生年金保険第42条|第42条第2号]]に該当する者が、死亡したとき。
#前項の場合において、死亡した被保険者又は被保険者であつた者が同項第1号から第3号までのいずれかに該当し、かつ、同項第4号にも該当するときは、その遺族が遺族厚生年金を請求したときに別段の申出をした場合を除き、同項第1号から第4号までのいずれかのみに該当し、同項第4号には該当しないものとみなす。
==解説==
==参照条文==
*第42条(受給権者)
*[[民法第30条]](失踪宣告)
==判例==
#[https://www.courts.go.jp/hanrei/52613/detail2/index.html 損害賠償請求事件](最高裁判決平成11年10月22日)[[国民年金法第30条]],[[厚生年金保険法第47条]],[[民法第709条]],[[国民年金法第35条]]1号,[[厚生年金保険法第53条]]1号,[[民法第896条]],[[国民年金法第33条の2]],[[厚生年金保険法第50条の2]],[[国民年金法第37条]]
##'''不法行為により死亡した者の相続人が被害者の得べかりし障害基礎年金及び障害厚生年金を逸失利益として請求することの可否'''
##:障害基礎年金及び障害厚生年金の受給権者が不法行為により死亡した場合には、その相続人は、加害者に対し、被害者の得べかりし右各障害年金額を逸失利益として請求することができる。
##'''不法行為により死亡した者の相続人が被害者の得べかりし障害基礎年金及び障害厚生年金についての各加給分を逸失利益として請求することの可否'''
##:障害基礎年金及び障害厚生年金についてそれぞれ加給分を受給している者が不法行為により死亡した場合には、その相続人は、加害者に対し、被害者の得べかりし右各加給分額を逸失利益として請求することはできない。
##'''障害基礎年金及び障害厚生年金の受給権者が不法行為により死亡した場合にその相続人がする損害賠償請求において当該相続人が受給権を取得した遺族基礎年金及び遺族厚生年金を控除すべき損害の費目'''
##:障害基礎年金及び障害厚生年金の受給権者が不法行為により死亡した場合に、その相続人が被害者の死亡を原因として遺族基礎年金及び遺族厚生年金の受給権を取得したときは、当該相続人がする損害賠償請求において、支給を受けることが確定した右各遺族年金は、財産的損害のうちの逸失利益から控除すべきである。
#[https://www.courts.go.jp/hanrei/62604/detail2/index.html 損害賠償請求事件](最高裁判決平成16年12月20日)[[民法第709条]],[[民法第722条]]
#;不法行為により死亡した被害者の相続人がする損害賠償請求において当該相続人が受給権を取得した遺族厚生年金を控除すべき逸失利益の範囲
#:不法行為により死亡した被害者の相続人がその死亡を原因として遺族厚生年金の受給権を取得したときは,当該相続人がする損害賠償請求において,支給を受けることが確定した遺族厚生年金を給与収入等を含めた逸失利益全般から控除すべきである。
----
{{前後
|[[厚生年金保険法]]
|[[厚生年金保険法#3|第3章 保険給付]]<br>
[[厚生年金保険法#3-4|第4節 遺族厚生年金]]
|[[厚生年金保険法第57条]]<br>(障害手当金の額)
|[[厚生年金保険法第59条]]<br>(遺族)
}}
{{stub|law}}
[[category:厚生年金保険法|058]]
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中学校国語/現代文
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2026-07-17T08:49:26Z
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wikitext
text/x-wiki
おもに、入試の現代文対策を述べる。学校の定期テスト対策では、授業中にとったノートや教科書や教科書ガイドなどをキチンと復習すればよい。
学校のテストでも、教科書に書いてない作品を問題文として出題する場合がある。そういう問題の対策にも、これから述べる入試対策の現代文対策と似たような勉強法が必要になるだろう。
これから述べる読解の作法は、あくまで、入試対策や、定期テストでの授業で扱っていない範囲から出題された問題文への対策です。授業でならった範囲から出た問題文の場合は、あらかじめ内容や解釈を覚えた方が、てっとり早いです。というより、授業で習った範囲の問題文の解釈は、あらかじめテスト前の復習で、解釈ごと覚えておかないと、テスト中に問題をテスト時間内に解き終わりません。
== 現代文の読解とは ==
現代文の読解は、筆者の主張を短時間で正確に理解するための作業です。読解力とは、そのような短時間での理解の作業を遂行していく能力でしょう。
数学に公式と言う「手法」があるように、現代文の読解にも「手法」があります。
== テクニック ==
=== 指示語(「その」「あの」など)や代名詞(「それ」「彼」など)の内容を確認しながら、メモしながら読み進める。 ===
読解中の具体的な作業として、「それ」とか「その○○」みたいな指示語などの「それ」とは何を指すかを明確にしながら、問題文を読み進めます。
このため、国語の問題練習では、鉛筆や消しゴムなど筆記用具が必要になります。単に読むだけでは、練習になりません。数学などと学習法が似ています。数学などでは、計算練習のような、鉛筆を使った作業が必要な科目です。現代文も、鉛筆などの筆記用具を使った作業が必要です。
テスト問題にも、問題文(作品の文章本文のこと)中に代名詞の「それ」とか「あれ」とかに傍線が引いてあって、設問文で "傍線部Aの「それ」とは何を指すかを問題文中から抜き出して書きなさい。" というような設問が多く出ます。
なので、文を読むときに、最初から「それ」とか「その」などの代名詞などが出てきたら、問題文の何に相当するかをメモしながら(試験用紙などにメモ)、読み進めます。線で結ぶとか、カタカナ書きなどで具体的に対応する語句をメモしておくと良いでしょう。
話題は変わりますが、もし自分で文章を書くときは、代名詞をあまり多用しすぎないように書いたほうが、読み手にとっては分かりやすい文章が書けるでしょう。
「それ」などの代名詞を用いるよりも、「その○○」などというふうに具体的に指示対象を併記したほうが読み手が分かりやすいでしょう。
とくに実社会での報告書や説明文などでは、なるべく読み手に掛かる読解の手間を、減らす工夫をしなければなりません。報告書での文の読まれる順序は、かならずしも文章のはじめから文が読まれるとはかぎらず、抜粋(ばっすい)などをされて、第三者の読者に途中だけ読まれる場合もあります。なので、もし書く際に代名詞を多用すると、読み手が前の文を読み返す負担が増えるので、なるべく代名詞を抑えたほうが良いのです。途中の段落の始めや、途中の章の始めなどでは、読み手がわざわざ前の段落や前の章を読み返さなくてもすむように、代名詞や指示語の使用はひかえめにして、具体的に名称を書くほうが読みやすくなる場合が多いでしょう。
中学生・高校生では、別に報告書の書き方をここまで練習する必要は無いでしょう。学習時間も足りませんし。(学生は、他の教科・他の単元の学習もしなければならない。) まあ、読者は頭の片隅にでも、報告書の書き方を入れといてください。
たとえるなら算数で引き算の練習をやれば、自然に足し算も上達しますよね。同様に、読解の練習をすると、自然に書く能力も上がります。
なので読解練習での指示語の指示対象を探す練習の学習成果によって、自然に報告書や説明文を書く能力も上がります。
ただし、詩歌や俳句や物語文などの場合は、文を書く際のノウハウが変わります。俳句の場合は字数の制限がありますし、詩歌や物語文などの場合には音のリズムの関係もあるでしょうから、あまりに具体的に名称を書いてばかりいると、かえって読みづらくなってしまうかもしれません。このような詩歌などの場合には、指示語や代名詞も用いたほうが良いかもしれません。
なので、書き手は用途に応じて、書き方を分けてください。
=== 問題文の主張に、感心する必要は無い ===
問題文の主張に、感心する必要はありません。そんな事は入試では要求されません。現代文のテスト問題には、出題者が「この作品は優れた内容の作品であるので、出題しよう。」と判断した作品が問題文として採用されているので、ついつい感心しやすい内容の問題文が出ます。しかし、テスト中には、感心している暇がありません。そういう感傷(かんしょう)は、テスト後にひたりましょう。
もっとも、検定教科書に採用された作品の場合、とくに説明文や近代文学などの場合は、内容の理解も教育の一部として考えられているので、もし予習復習の時間に余裕があったら、感心するような作品の問題文は何度か読み返すのも良いでしょう。また、現代文ではないですが、古文や漢文などでも、あらかじめ内容を理解してないと読解に時間が掛かるので、古文・漢文の作品は内容ごと覚えてしまうのも良いでしょう。
ただし、作品に「感心した」「感動した」という感情は、主観的な感情にすぎません。テスト等では、客観的に測定できる分析力や読解力が要求されます。客観的な読解能力とは、訓練しないと身につきづらいものです。客観的な読解能力のほうが、需要(じゅよう)が高いのです。
== 読解問題よりも先に、暗記問題を解く ==
読解問題には時間が掛かります。なので、まずは暗記してれば解ける、漢字問題などを中心とした大問(たいもん)があれば、そちらから解くことで、得点を確保しましょう。
また、古文・漢文などの古典の問題は、比較的、短時間で読解できたり、あるいは暗記問題だったりするので、現代文よりも先に古典文の大問から解いたほうが、得点できるでしょう。
=== 問題の問題文を読む前に、設問を読む。 ===
さて、問題の問題文を読む前に、設問を読むのが、受験テクニックです。現代文の大問では当然、設問から読むべきだし、古典の大問でも同様に、設問から読むべきです。
その上で、設問で問われることを念頭に置きながら、問題文を読みます。もし、そうせずに、かりに試験用紙の掲載順どおりに読んでしまい、つまり問題文を読んでから設問文を読むと、そうすると設問文を読んだあとに再び問題文を読み直す必要がありますので、問題文を2度読むことになります。だから掲載順どおりの読み方をしてしまうと、問題文の読み直しをする必要が生じてしまうので、余計な時間が掛かり、設問を考える時間が足りなくなります。
多少の例外はあるかもしれませんが、たいていの場合、設問から先に読んだほうが、得(とく)な場合が多いです。
もしくは、本文の最初の段落など、本文の一部だけ先に読んでおいて、そのあとに設問を読んで、それから本文全部を順番に読む、などという方法も、よいかもしれません。
かりに設問の数がやたらと多い場合とかは別でしょうが、普通のテストでは、そういう事はありません。そういう例外的な場合(設問の数がメチャクチャと多い場合とか)でない限りは、まずは設問を読んでから問題文全体を読んだほうが安全でしょう。
そして、設問を先に読んでいるので、問われる内容が分かってるので、問題文を読んでる途中に、ある設問の答えが分かる場合があります。もし答えが分かった場合、その答えを忘れないうちに、もう解答用紙に書いてしまいましょう。どうしても解答用紙にかけない場合(たとえば字数内にマトメルのに時間が掛かる、とか)でも、せめて、答えの内容のメモ書きくらいは、問題用紙の余白などに、しておきましょう。
数分でも時間がたつと、意外と忘れるものです。なので、忘れない内にメモ、です。
なお、「代名詞の内容を追いながら、読む」などのテクニックを実行しながら、問題文本文を読むことを忘れないようにしてください。
つまり、これまでの読解テクニックをまとめると
# なるべく暗記問題から解く。古典(古文・漢文)から解く。こうすることで、得点を先に確保。
# まずは設問をさきに読む。 こうすることで、問題文の二度読みの時間ロスを防止。
# それから問題文を読み始める。
# 代名詞などの内容を(問題用紙に)メモしながら問題文を読むことを実行。
# もし設問の答えが分かったら、解答用紙に書く。なんらかの理由で解答できない場合は、メモを問題用紙に残す。
というような順番になります。
'''もし問題文を1回読んでも分からない場合、ほんの1分ほど設問に関係しそうな場所を読み直して、それでも分からない場合、もし他にも別作品の大問があれば、そちら(別作品)を解くのに取りかかります。'''
たいてい1つのテストで、2個や3個の作品が問題文として別々に出題されてるので、それらに均等に時間配分をして、テストを解いていきます。ときどき、最初に掲載された問題文が、やたらと難しい場合もあるので、もしそういう場合に、最初の問題文だけに時間を割くと、ほかの問題を解く時間が無くなってしまいます。
「問題用紙に掲載された作品中、どの作品が易しく解けて、どの作品が難しいか」なんてのは、読んでみないと分からないので、とりあえず、設問を読み終わったら、さっさと問題文を最初の作品から順番に読み始めましょう。
さて、問題文と設問文との掲載順序について、けっして出題者は「気を利かして先に設問を掲載してから、次に問題文を掲載する、」なんて事は、してくれません。なので、しかたなく受験者のほうが、気を利かして先に設問文を読む必要があります。
実社会でも、上司に報告や連絡や相談などをするときには、先に概要(がいよう)とか要約(ようやく)を話してから、続けて詳細を続けて話す必要があります。そうやって先に要約を話しておかないと、上司が聞きなおす必要が生じて、上司の時間を奪ってしまうからです。実社会での報告・連絡・相談では、もし先に要約を話さずに、先に詳細から話しはじめると、おそらく上司に叱られます。
なので、新人の社会人は報告での要約の練習をさせられたりします。
学校の現代文での練習で、設問を先に読むことも、そういう実社会での要約の練習だと思って、がんばりましょう。
また、実社会でも、文献調査(ぶんけんちょうさ)や取材(しゅざい)などをするときは、客先(きゃくさき)などから質問されそうなことを先に目星をつけておきながら、それから文献調査したり取材したりして、気付いたことをノートなどにメモをしながら、調査をしていくわけです。(※ ここで私のいう「取材」とは、一般企業の社員などが、勤務する業界の関連する展示会(てんじかい)イベントなどを取材することです。テレビ局などマスコミの「取材」の場合とは、ちがうかもしれません。)
特に取材の場合、出張費用などが掛かったり、イベントなどの取材だと年に1回しか取材できない場合とかがありますので、取材前に事前に目星をつける必要があるわけです。
話を戻すと、中学の国語の読解問題の解きかたの話でしたね。
ともかく、設問を先に読んでから、問題文を読むのが、受験テクニックです。
=== 報告書を作れるような能力が、設問で要求される ===
学校や入試での、国語の現代文の長文読解での読解作業は、報告書の書き方とは逆方向の読み方を、やれば良いワケです。
それでは、報告書の書き方のノウハウを例示しましょう。
==== 報告書の書き方のノウハウ ====
* なるべく主語は省略せず、あるいは目的語は省略せず、主語・目的語を書いたほうが分かりやすいです。
:物語文などでは文章の主語は省略される場合もあります。ですが、説明文や報告書などでは、なるべく主語を書いたほうが分かりやすいです。この箇条書き項目の「なるべく主語は省略せず、あるいは目的語は省略せず、主語・目的語を書いたほうが分かりやすいです。」という文章も、主語や目的語を省略せず、書いています。
* 一文は、短めに書く。
日本語は、文章の最後まで読まないと意味が確定しません。なので、一文が長いと、読む際の負担が増えます。この「一文は、短めに書く。」という文章自体、なるべく短く書こうとしています。
* なるべく肯定形で書く。あまり、否定形は用いない。報告書などでは、二重否定よりも、肯定形に置き換える。
日本語は、文章の最後まで読まないと意味が確定しません。さて日本語では、否定形は、文の最後に来ます。否定形の前後では、文全体の意味が正反対に変わります。なので、否定形があると、読み直しの手間が生じます。だから否定形が多いと、読み直しの手間が増えて、読みにくい文章になります。この記事の「なるべく肯定形で書く。あまり、否定形は用いない。」という文章じたい、「○○で書く」という肯定形の表現を優先し、「△△は用いない。」というような否定形の表現を後回しにしています。
* 接続詞を用いて、文の概要を示す。
たとえ読み手が文章を最後まで読まなくても、読み手が文意を予測できるようにして、冒頭に接続詞などを用いて、文意を示します。この「たとえ読み手が文章を最後まで読まなくても、」という文節自体が、「たとえ」という接続詞によって、文意を予測させています。
* 箇条書きを利用する。
理由は、箇条書きによって説明対象が明示的になるから。そのため、この記事自体、箇条書きを利用しています。
* なるべく結論から書く。あるいは冒頭に、要約(ようやく)や概要(がいよう)などを書く。段落の始め近くや章の始め近くにも、なるべく結論や要約などを書く。
なぜなら、読者にとっては、読み直しの手間が減ります。この記事自体、なるべく結論から書こうとしています。
==== 学校のテストの問題文では、報告書の書き方とは逆の問題文が出題されます。 ====
学生のテスト対策では、これの逆の文章が出題されることを意識すれば、対策しやすいわけです。つまり国語テストの読解問題の設問には、文章の結論を問う設問が、ほぼ必ず一問は出題されたりします。
「作者の主張に近いものを、次の選択肢の中から選べ」というような設問です。
あるいは接続詞を問う問題が出題されます。たとえば問題文のある文の接続詞を隠して空欄にして、その空欄に適した接続詞を選択させる選択問題なども、よく出題されます。
ある指示語のさす内容について、字数を一定以下に限定し、「この指示語の内容を○○文字以内で書け。」というような設問も、箇条書きの能力に近いでしょう。
ある動作の主語の内容を問う選択問題も多いです。たとえば設問文で 「傍線部Aの「彼」とは誰ですか? 問題文の中から抜き出しなさい。」みたいに主語の内容を問う問題も多いです。
=== 学校で習う文章は、実社会の文章とは違う。学校で習う文章は、読解練習のために編集されている。 ===
学校で習う文章は、テスト問題として出すための文章であるという理由から、実社会で書くべき文章とはズレがあります。学校で習う文章は、読解練習用に教育用に編集された文章であるので、やや読解が難しめの文章になっています。
「教育用に編集」という主張の意味は、たとえば、たとえ作者が読み手に分かりやすいように、作者が文の冒頭に要約を書いていたりしても、出題者が冒頭の要約を隠して問題文を出題したりして、わざと分かりづらくさせたりまします。しまいには選択問題として、隠された要約にふさわしい選択肢を選ぶ問題が出題される場合すらも、あります。同様に、たとえ作者が文章の最後に結論やマトメなどを書いていても、出題者が結論などを隠して、問題の一つとして出題する場合もあります。
ですが、教育訓練の用途としては、あえて分かりづらく編集する出題も、必要な措置(そち)です。
実は「具体的に明示的に書く。読み手に読みやすくなるように、書き手が書く。」というのは、書き手にとっては、難しいのです。読み手にとっては読むのが簡単な文章ほど、書き手にとっては書くのが難しくなります。
たとえば全自動の洗濯機とか、あるいは全自動の炊飯器とかで、家事をするのは、利用者にとってはボタン一つで簡単かもしれませんが、その全自動の製品を作っている企業での仕事は、決してボタンひとつでは片付きません。
同様に、読み手がスラスラと読めて内容を即座に把握しやすい文章であるほど、その文章を書き手は時間を多く掛けて書いています。
だから、いきなり学生に文を書かせる教育は、難しいのです。なので、まずは、やや難しめにした文章を読ませる練習から、学生は教育されるわけです。
たとえば小学校の算数の練習で、全自動の電卓をあまり使わない事と似ていますね。「電卓を作れ!」「計算機を作れ!」という課題は、小学生には解決が無理です。なので、まずは電卓に頼らなくても計算できるように、小学生は教育されますよね。
同様に、中学での国語の読解練習でも、たとえ書き手の親切心に頼らなくても中学生が読解を出来るようになるため、中学生は読解練習をさせられているわけです。
== 勉強法 ==
=== 学校の活用 ===
読解は独学しづらいので、学校の授業や塾などを活用する。まずは、キチンと学校に通って、キチンと予習復習をする。
宿題などで「課題図書を読め」などという宿題も、読解力など訓練も兼ねているだろうから、キチンと宿題をする。
== 高校受験に向けて ==
ここでは高校受験の国語のうち、現代文の対策について解説する。高校受験の現代文は以下の内容が出されることが多い。
* 説明的文章(説明文・評論文・解説文)
* 文学的文章(物語文・随筆・詩歌)
* 文法・言語(漢字、ことわざ・慣用句など)
* 作文
国語は数学・英語と並んで「主要3教科」と呼ばれることが多いが、3教科の中ではもっとも扱いが低い傾向にある。それは普段私たちが使用している日本語の読み書きが中心で、普段の生活でなんとなく身についているかのように見えるからであろう。しかし、国語の現代文の力は数学や英語と同じくらい、力をつけるのに時間のかかるものである。たとえば新聞が読めるからといって、哲学書や難解な評論が読める(理解できる)とはかぎらない。これらを読むには筆者の主張を丁寧に追うトレーニングを積まなければならない。小説でもストーリーを理解することはそれほど難しくはないが、登場人物の心理といった表面的な部分に描かれていないものを理解するには日常体験や他の本で読んだことなどと重ね合わせるなどを行わなければ読み間違えるであろう。また、筆者・作者が用いている日本語の表現技法も理解する必要がある。読解に限らず、作文でも同じことが言える。メールが書けることと仕事の報告書などを書くこととは全くことなる。この二つはそもそもルールが違うのだ。
国語の現代文が英語・数学に比べて軽視されがちなもう一つの理由は勉強方法がわかりにくいというのもあるだろう。数学は計算練習や公式の暗記と適用が、英語は単語や文法の学習が基礎となることがはっきりしているが、国語の現代文では何をやればよいのかがよくわからないまま「なんとなく」点を取ったり落としたりすることは珍しいことではない。
国語の学習に必要なものは丁寧に文章を追い、筆者の主張や作者の意図を汲み取るのに必要な読解力だけではなく、それを自分で組み立てなおす論理的な思考や体験や経験、一般常識などと重ね合わせる力である。これらは漫然と学習しても身につかない。正解・不正解にかかわらず「なぜこの答えになるのか(なったのか)」ということを考えながら解いてゆかなければならない。
== 分野別の傾向 ==
=== 説明的文章 ===
大雑把に分けると、あるものごとについて説明することが中心で筆者の意見が少ない'''説明文'''(たとえば「科学はどのように進んできたか」「サルの行動からわかること」など)、ある事実を踏まえて筆者の意見を述べているため筆者の主張がはっきりとしている'''評論文'''(たとえば「環境問題を解決するには何が必要か」など)、詩や俳句がどのようにしてでき、そのみどころなどを作品に沿って筆者の意見も交えながら解説している'''解説文'''に分けられる。
全体として現在も存命の評論家や学者の文章が多い。これは現代文が現在進行しているいろいろな問題について評論・説明している文章を扱うことが多いためである。
筆者の意見とその理由などが明確なため、文章を丁寧に追えば根拠となる部分を見つけることは難しくない。そのため、比較的力をつけやすく点を取りやすい。
==== 読解のポイント ====
説明文や評論文では筆者の意見なのか事実なのかを理解しなければ文章を読んでいるうちに混乱してしまう。
==== 頻出テーマ ====
* エコロジー・科学技術
* 言語論(「言葉とは何か」など)
* 社会批評(社会の移り変わりなどを論じた文章)
* 学問論(「なぜ勉強するのか」といった問題を扱う)
* 美術・芸術についての評論
* 詩歌とその解説
==== 論者 ====
* [[W:大岡信|大岡信]](詩歌の解説文・随筆文)
* [[W:鷲田清一|鷲田清一]](身体論)
* [[W:内山節|内山節]](共同体・エコロジー)
* [[W:外山滋比古|外山滋比古]](言語論・学問論)
* [[W:加藤周一|加藤周一]](文学論・学問論・文化論 故人)
大学入試の現代文で出題されることの多い鷲田清一の文章だが、易しいところを高校入試に出題することもある。エコロジーへの関心などから内山節の評論も近年出題されやすくなった。また、数十年前から入試国語で人気のある大岡信・外山滋比古・加藤周一も、時間があればチェックしても損はない。
=== 文学的文章 ===
'''物語文'''と'''随筆文'''に分けることができる。説明的文章と同様に現在も活躍している作家の作品が多く、公立高校や中堅私立高校ではすでに亡くなった作家はあまり登場しない。詩・短歌(和歌)・俳句が単独で出されることはあまりなく、解説文や古文と共に出題されることが多い。
感覚的な理解や心理の読み取りといったものが必要とされるが、これはすぐに身につくものではない。そのため、早くからいろいろな問題を練習するのがよい。
==== 読解のポイント ====
物語文ではまず、登場人物や場面をおさえなければならない。どんな人がいて、その人の人物像を簡単にとらえること、場面はどんなところで登場人物が何をしているのかをしっかりおさえるのが基本である。その上で場面の転換やストーリーの展開、登場人物の言動とその理由を考えると解きやすくなる。
随筆文の読解は説明的文章に近い。つまり、筆者が何についてどう感じたのかを文章にそって考えなければならない。
==== 作家 ====
* [[w:重松清|重松清]](物語文)
* [[W:五木寛之|五木寛之]](随筆文)
* [[W:白洲正子|白洲正子]](随筆文 故人)
* [[W:向田邦子|向田邦子]](随筆文 故人)
小説文ではあまりメジャーな作家の作品は出題されない。例外が重松清で、彼の作品は中学入試・高校入試共にどこかで出題されることが多い。そのため、彼の著作に一冊ぐらい目を通しておくと役に立つかもしれない。随筆では五木寛之の文章が比較的出題されやすい。白洲正子や向田邦子の随筆は、故人である上に教科書や問題集に文章が掲載されていることが多く、(公平性を保つことを目的に)公立高校を中心に高校入試では出題されにくい。しかし、今でも読みつがれている作家であるので、私立入試では出題者が「これくらいは読んでほしい」という気持ちを含めて、出題することもある。
=== 文法・言語 ===
=== 漢字 ===
漢字の読み書きは大問1に出されることが多い。数学の計算問題と同じように始めにすませるのがよい。また、漢字の書き順に関する問題が出ることもある。
=== 文法 ===
=== ことわざ・慣用句 ===
=== その他 ===
奈良県の公立高校入試問題などのように手本の文を楷書で書き写すというのもある。この場合、止め・はねの正確さなどがチェックされる。
== 作文 ==
多くの公立高校の入試では200字程度の作文を書かせる。作文には以下のような傾向が見られる。
# 出題された本文の感想や本文を踏まえたスピーチ原稿。
# 文学的文章において登場人物の気持ちを考える。または自分ならどうするかを考える。
# 中学校時代の出来事などを書く。
# 手紙や報告書などを書く。
文章の内容や構成だけでなく、原稿用紙の基本的な使い方や言葉づかいなどもチェックされる。作文に限らないが国語の記述問題では制限字数の80%は最低書かなければ、減点される恐れがある。
== その他 ==
現代文と古文・漢文をセットにした問題が出されることがある。また、2008年まで都立高校の入試問題には対談が出題された。
== 参考情報==
*[https://www.ichizenn.com/kanji/ 漢字書き順]
{{stub|中}}
[[category:中学校国語|けんたいふん]]
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日本語/非母語話者むけ/漢字
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{{ruby|漢字|かんじ}}は中国に由来し、日本に仏教が広まった5世紀ごろに伝来しました。日本語におけるおよそ70%もの語彙が中国語に由来するといわれています。個々の文字の意味はかなり一貫していますが、熟語になると別の意味を持つことが多いです。
漢字は後続のひらがなによって活用し、助詞によって格が与えられます。ほとんどの語が漢字で書かれますが、漢字で書けない語やカタカナで書く外来語もあります。同音異義語がとても多いので漢字を使うことが非常に望ましく、また漢字を学ぶことが単語の記憶の手助けになるでしょう。
漢字をうまく「書く」ことは、漢字を上手に「読む」ことよりも、顕著に難しいです。というのも、文字を単に「認識」するのではなく、「想起」する必要があるからです。さらに、日本語入力システムによってコンピュータ上で読み方から漢字を書くことができるようになったので(漢字を認識するだけでよく、漢字を書く必要がありません)、漢字を書く技能の実用性や必要性はかつてより低くなりましたが、それでも日本語をマスターするときの基礎事項です。
== 勉強法 ==
{{wikipedia|漢字教育}}
漢字が学習における困難な障壁となる可能性があります。漢字が音に変換される概念の視覚的表現であるという性質あるため、特に多様な漢字勉強法があります。
根本的に、最終目標は「日本語」を学ぶことであり、「漢字」自体を学ぶことではありません。そこから2つの事柄が示唆されます。1つ目に、多くの語が熟語であることから、およそ2,000字を不規則に個々に学ぶだけでは不十分で、字の組み合わせも学ばなければなりません。さらに、他の言語と同様に、語彙だけではなくその語を使う文脈も学ばなければなりません。それは語の暗記に役立つだけではなく、必然的にニュアンスも理解できます。最後に述べた方がいいこととして、他の言語と同様に読み書きを学ばずに日本語が話せるようにはなります。しかし、文章読解を学ぶ際はすぐに始め、語句の学習と同時に漢字を学んだ方がいいでしょう。
全体として、何かの技能をマスターすることは未完成であり、不完全であり、非永久的です([[w:わび・さび|侘び・寂び]]もご覧ください)―完璧も価値のある目標ですが、期待も要求もすべきではありません―誤りは予期すべきであり、マスターはさらなる水準にあることを受け入れてください:[[w:日本漢字能力検定|漢字検定]]1級の合格者は1年に300人もいません。
勉強法に関係なく、漢字学習の基本です:
; 早く始める
: 漢字学習には長期間かかります。早く始めれば上達を制限する要因にはなりませんが、遅いと追いつくのに多大な労力が必要で意気消沈するでしょう。
: 常用漢字2136字や人名用漢字を覚えるだけではありません―同じ漢字でも文脈によって読み方や使い方が違います。漢字はまさしく大量の情報量を持ち、長期間かけて学んでいくのが一番です。
; 定期的に復習する
: 漢字は忘れやすく、微妙な細部や差異は復習しないと記憶からなくなっていきます。定期的な復習、特に[[w:Anki|Anki]]や[[w:Mnemosyne|Mnemosyne]]などデジタルの[[w:フラッシュカード|フラッシュカード]]プログラムを用いた復習、がマスターに不可欠です。
; 関連づける
: 別々に文字を覚えるのではなく、関連づけることで記憶を手助けします。たとえば、熟語で覚えたり、見た目が似ている字や字源的に関連のある字と一緒に覚えたりすることで、簡単には忘れにくくなります。
; 細部
: 1画足りなかったり、滅多に使わない字を忘れたりするなど、細かな過ちを犯しやすいです。高水準でのマスターには下記のとおり細部への注意が必要です。
漢字は非常に多く、個々の文字はその頻度が低いので(常用漢字は2136字で大半は仮名とは違いどの文例でも使用も記憶強化もされません)、単にその字形と発音を覚えるのは(ラテンアルファベットの場合は26文字、かな文字の場合はその2倍の46字)、実用的でも効率的でもありません。その代わり、より計画的な記憶法を使います。
漢字には3つの側面があります:
; 字形
: 漢字の形と筆画
; 読み
: 発音、概して複数ある
; 意味
: 個々の字の意味と熟語の意味
漢字の学び方はいくつもあります。1つだけ選ぶよりも、個々の効果を試しながら組み合わせてください。
=== 丸暗記 ===
漢字学習におけるもっとも単純な方法は[[w:暗記|暗記]]です。およそ2000字も基本漢字の一部を覚え続ける人も少ないですが―その熟語は言うまでもありません―暗記は下記のような暗記術を実践するにはいい方法です。書き取りによって文字の細部の記憶を強化し、{{仮リンク|運動学習|w|en|Motor learning|w|en|Muscle Memory}}を構築し(体が覚え)、手書き能力を向上させます。したがって、学習体系にかかわらず、漢字を書く練習は学習において価値のある一面です。
* [http://ichi2.net/anki/ Anki]
* [https://www.mnemosyne-proj.org/ Mnemosyne]
暗記用フラッシュカードの片面に漢字を書き、もう一方に読みと意味を書いて反復練習してください。また、カードセットをもう1つ用意し、片面に意味を書き、その裏に漢字と読みを書いて反復練習してください。漢字の反復練習できるプログラムやウェブサイトもいくつかあります。一定期間ごとに認識練習をするソフトウェアの中で著名なものとして、例ええばAnkiやMnemosyneなどがあります。
ほとんど使わない漢字は簡単に忘れてしまうので、定期的に復習するのが大切です。
=== 手書き ===
* [http://www.thejapanshop.com/product.php?productid=17578 Practice notebook]、[http://www.thejapanshop.com/ The Japan Shop]より
どの文字にも、一般に受け入れられている筆順というものがあります。はじめは余分な負担に思われるかもしれませんが、順序は非常に規則的で、他の人の手書き文字を読む能力をたいそう向上させます。自分の書いた字が読みやすくなるのは言うまでもありません。
ほとんどの手書き文字と同様に、日本の書道も長い歴史を持ち、こんにちまで非常に尊敬されています。漢字はラテン文字よりいくぶん複雑なので、手書きの質と筆画における順序はかなり重要です。事実、広く受け入れられている筆記体系でなければ、筆文字や走り書きは確かに読みにくいです。
もちろん、手書き練習の方法はたった1つです:書くことしかありません。ちょうどいい大きさのいいノートを用意しましょう。あとはひたすら練習、練習、練習です。
=== 文脈 ===
アメリカ・カナダ大学連合日本研究センターの『文脈における漢字』では、漢字を別々に覚えるのよりも、「漢字に基づく語彙」を、特にフレーズやイディオムをとして、学んでいくのが重要であると強調しています。このアプローチ法では、その字を使う重要語も学びます。さらに、熟語と同時にそれに使われる字を覚えます―たとえば、日本という語を学ぶときには、「日」と「本」も勉強します。
=== 構成要素の認識 ===
* [http://kanji-web.com/ Kanji ABC]
* [http://kanji.koohii.com/index.php Reviewing the Kanji]
* [http://genki.japantimes.co.jp/self/self.en.html Genki] [Japan Times]
漢字学習を進めるうちに、パターンが現れるのに気づき始めるでしょう;多くの文字に共通する構成部分があるのです。これらを認識することで、漢字を単なる筆画ではなく、形の組み合わせと見ることができるようになり、忘れにくくなります。一般的な方法として、文字を視覚的要素へ体系的に分解します。要素の一部はそれ自体で文字として使われないこともあります。次に、これらの要素を記憶術へと体系的に配置し、これらを組み合わせて全体図や物語をつくります。
作業の原則は以下のとおりです:
; 分析的
: 複雑な文字を単純な構成要素に分解します
: 例:「認」は15画ですが、「言」(いう)、「刃」(やいば)、「心」(こころ)の組み合わせだと考えると少しは覚えやすくなります。
: 同じ構成要素を持つ字と関連付ける
: 「売」(うる)に「言」をつけると「読」(よむ)、「糸」をつけると「続」(つづく)になります。これによって同じ視覚的要素や類似した構成要素をもつ文字との関連をさらに構築することができます。
; 物語
: 文字と物語を結び付けるのは、その構成要素を覚えるのに強力な方法です。
: 例:「暖」(あたたかい)は、「日」、「爫」、「一」、「友」に分解できます。そこで、「お日さまは、一人の友に不注意(爫)だ」と覚えます。
構成部品を調べるには、"Kanji ABC"の[http://kanji-web.com/ オンライン版]と書籍です。James Heisigが書いた''[[w:en:Remembering the Kanji|Remembering the Kanji]]''シリーズもこの勉強法を用いた教材です。他にも、一般的な漢字とそれを形成する構成要素のみを収めた[http://smartkanjibook.com/wp-content/uploads/2013/11/free_sample.pdf Smart Kanji Book]や記憶術用物語の代わりに視覚的アプローチを用いた[http://www.amazon.com/Kana-Pict---Graphix-Mnemonics-Japanese/dp/1880656183/ Kanji Pictographix]などが有用です。さらに、Genkiの[http://genki.japantimes.co.jp/lookandlearn_en.html Kanji Look and Learn]もあります。これらは文字だけに焦点を当てているので不十分かもしれませんが、字形、特に細部を覚えるのに役立つでしょう。
=== 構成要素と読み ===
漢字の大半は音的構成要素と意味的構成要素からなります:片方の構成要素(一般的に根本的な方)が意味、もう一方が読み(発音)を表します。なお、これは中国語として用いられる文字の構成です。漢字にはふつう中国語由来のものなど複数の読みがあり、文字とその読みを覚えるときの手助けになります。
これを理解し、文字を読みの部分と意味の部分とに分け、そのいずれかと共通の部分をもつ字と関連付けることで、字形、意味、{{ruby|音読|おんよ|み}}(中国語由来の読み方)を覚える手助けとなります。
たとえば、「小」の音読みは「ショウ」ですが、少、炒、抄、省、称、鈔、渉も同じ読みを持ちます。繰り返しになりますが、これは音読みに過ぎず、それぞれの字に別の読み方もあります。
=== 細部への注意 ===
漢字を読み書きするときに小さな誤りを犯しやすいです。高水準でのマスターには細部への注意と継続的な[[w:改善|改善]]が必要です。そのような水準でなくても、細部への注意によって[[w:過剰学習|過剰学習]]が起こり、理解が深まります;筆順を気にすれば、完全に文字を忘れない可能性が高くなるでしょう。
小さな間違いは手書き(例:誤った筆画、接しない箇所での接触、誤った筆順)や発音(例:誤った濁音、特に連濁や音便)で起こる可能性があります。上級者になるにはこういった誤りを「意識」し、「発見」する必要があります。漢字を忘れたことを悟るのは十分簡単なことです。他の誤りは気づかないかもしれず、または不十分さを反映して「自信のなさ」を感じるかもしれません。誤りを発見するには、定期的に復習して細部も正しく覚えていることを確かめてください。
特に、ぼんやりとした誤りに有用なのは関連する文字(字源的、また[[Wiktionary:en:Appendix:Easily confused Chinese characters|紛らわしい漢字(英語版ウィクショナリー)]]にあるように字形的に関連のあるもの)やいろいろな単語の文脈と一緒に勉強することです:これによって別々に覚えるのではなく「対比」することができます。
== 読み ==
文脈に応じて、漢字1字に対して複数の読み(発音)があります。読みは2種類に分けられます―中国由来の{{ruby|音読|おんよ|み}}と日本が由来の{{ruby|訓読|くんよ|み}}です。{{ruby|名乗|なの|り}}読みという、人名や地名に使われる読み方もあります。
1字の読み方が音読み1つだけではないことが多いです。これは、漢字が中国の一時代だけに一地域だけから伝来したわけではないからです。
=== 音読み ===
{{ruby|音読|おんよ|み}}は中国由来の読み方で、熟語や数詞などに使われます。音読みはカタカナで書かれることが多いです。
たとえば、一(イチ)、二(ニ)、三(サン)、四(シ)が音読みです。
=== 訓読み ===
{{ruby|訓|くん}}読みは日本の読み方で、1字だけで単語を表す場合も、熟語に使われる場合もあります。漢字辞典では訓読みはひらがなで書かれるのが一般的です。
たとえば、月(つき)や火(ひ)が訓読みです。
=== 名乗り読み ===
{{ruby|名乗|なの|り}}読みは人名や地名に使う読み方です。
たとえば、「康」を「やす」と読んだり(徳川家"康")、「信」を「のぶ」と読んだり(織田信"長")するのが名乗り読みです。
== 同の字点 ==
{{ruby|同|どう}}の字点(々)は漢字が繰り返されることを表します。たとえば、「我我」の代わりに「我々」、「人人」の代わりに「人々」のように書きます。
== JLPT ==
*[http://www.jlpt-kanji.com/list_all.php Kanji Project]で熟語が探せます
{{wikipedia|日本語能力試験}}
{{ruby|日本語|にほんご}}{{ruby|能力|のうりょく}}{{ruby|試験|しけん}} (JLPT) は非日本語母語話者の言語運用能力を評価し証明する際の標準的なテストです。JLPTには5段階あり、入門者向けのN5から一番難しいN1まであります。
各級ごとに出題される漢字が決まっています。
=== JLPT N5 ===
N5ではおよそ100字が必要です。
:''以下は現在の進捗状況です:''
:* [[File:00%.svg]]: まだリストに載っていない字があります
:* [[File:25%.svg]]: 全漢字ありますが、読みが不足しています。
:* [[File:50%.svg]]: 音読みも訓読みもありますが、語例が不足しています。
:* [[File:75%.svg]]: 語例はそろっていますが、テンプレートまたは筆順が不足しています。
:* [[File:100 percent.svg]]: 適切なテンプレート内に全漢字の全情報が載っています。
* [[:en:Japanese/Kanji/Lesson 1|Lesson 1]] [[File:100 percent.svg]]: 一二三四五
* [[:en:Japanese/Kanji/Lesson 2|Lesson 2]] [[File:100 percent.svg]]: 六七八九十
* [[:en:Japanese/Kanji/Lesson 3|Lesson 3]] [[File:100 percent.svg]]: 百千万父母
* [[:en:Japanese/Kanji/Lesson 4|Lesson 4]] [[File:50%.svg]]: 友女男人子
* [[:en:Japanese/Kanji/Lesson 5|Lesson 5]] [[File:75%.svg]]: 日月火水木
* [[:en:Japanese/Kanji/Lesson 6|Lesson 6]] [[File:75%.svg]]: 金土本休語
* [[:en:Japanese/Kanji/Lesson 7|Lesson 7]] [[File:50%.svg]]: 年午前後時
* [[:en:Japanese/Kanji/Lesson 8|Lesson 8]] [[File:50%.svg]]: 間毎先今何
* [[:en:Japanese/Kanji/Lesson 9|Lesson 9]] [[File:50%.svg]]: 上下左右北
* [[:en:Japanese/Kanji/Lesson 10|Lesson 10]] [[File:50%.svg]]: 南東西外名
* [[:en:Japanese/Kanji/Lesson 11|Lesson 11]] [[File:50%.svg]]: 高小中大長
* [[:en:Japanese/Kanji/Lesson 12|Lesson 12]] [[File:75%.svg]]: 半分学校生
* [[:en:Japanese/Kanji/Lesson 13|Lesson 13]] [[File:50%.svg]]: 山川白天雨
* [[:en:Japanese/Kanji/Lesson 14|Lesson 14]] [[File:25%.svg]]: 電気車国円
* [[:en:Japanese/Kanji/Lesson 15|Lesson 15]] [[File:50%.svg]]: 話聞食読来
* [[:en:Japanese/Kanji/Lesson 16|Lesson 16]] [[File:50%.svg]]: 書見行出入
* [[:en:Japanese/Kanji/Lesson 17|Lesson 17]] [[File:100 percent.svg]]: 目耳口手足
* [[:en:Japanese/Kanji/Lesson 18|Lesson 18]] [[File:00%.svg]]: 新古多少空
* [[:en:Japanese/Kanji/Lesson 19|Lesson 19]] [[File:00%.svg]]: 店社買立安
* [[:en:Japanese/Kanji/Lesson 20|Lesson 20]] [[File:00%.svg]]: 会道飲駅魚
* [[:en:Japanese/Kanji/Lesson 21|Lesson 21]] [[File:00%.svg]]: 週花言
== 参考情報==
*[https://www.ichizenn.com/kanji/ 漢字書き順]
[[カテゴリ:漢字]]
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漢字/中学校国語
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例題 次の漢字の太字の読み仮名を答えなさい。(入試問題)
(1)赤ん坊の'''屈託'''のない笑顔に心が和む。
(2)垣根を'''隔'''てて、梅の香が漂ってくる。
(3)体操選手の見事な'''跳躍'''に歓声が上がる。
(4)インターネットで'''貨幣'''の歴史について調べる。
(5)誕生日に買ってもらった新しいコートに'''袖'''を通す。
答え (1) くったく (2) へだ (3) ちょうやく (4) かへい (5) そで
この問題は東京の高校入試で出された読みの問題である。比較的、漢字の読みの問題は正答率が高い傾向があるのでしっかりとそこで点数を取るようにしよう。
問 次の漢字の太字の読み仮名を答えなさい。(入試問題)
(1)表情から'''堅固'''な意志が感じられる。
(2)旅の'''土産'''話に夢中になる。
(3)優勝の喜びに'''浸'''る。
(4)'''柔和'''な表情で子犬を眺める。
(5)作文の'''添削'''をお願いする。
(6)所有者の'''許諾'''を得る。
(7)'''為替'''相場の変動を調べる。
(8)貨幣を'''鋳造'''する。
(9)やすりをかけて'''凹凸'''をなくす。
(10)'''干潟'''にすむ生きものを探す。
(11)校旗を'''掲'''げる。
(12)上流に行くほど川幅が'''狭'''まる。
(13)冬の'''夜空'''に満天の星が輝く。
(14)入学の記念にクラス写真を'''撮影'''する。
(15)高原の静かな'''湖畔'''でひと夏を過ごす。
(16)青々とした麦の穂がまっすぐに'''伸'''びる。
(17)教室の床を'''磨'''いて、新入生を迎える。
(18)心を込めて'''栽培'''したトマトが赤く色づく。
(19)地域を'''循環'''するバスが満開の桜並木を走る。
(20)初夏の風に吹かれて、木々の青葉が'''揺'''れる。
(21)日ごろからの'''鍛錬'''の成果が試合で発揮される。
(22)'''紅葉'''が山を彩る。
(23)'''渓谷'''にかかるつり橋を渡る。
(24)絵画展に'''秀逸'''な作品が並ぶ。
(25)激しい雨を'''伴'''った風が吹く。
(26)海外旅行のために、'''旅券'''の発行を申請する。
(27)白鳥の群が湖で'''越冬'''する。
(28)一点差で'''惜敗'''し、決勝進出を逃す。
(29)港に'''停泊'''している帆船を写生する。
(30)観光バスに乗って、名所旧跡を'''巡'''る。
答え (1) けんご (2) みやげ (3) ひた (4) にゅうわ (5) てんさく (6) きょだく (7) かわせ (8) ちゅうぞう (9) おうとつ (10)ひがた (11) かか (12) せば (13) よぞら (14) さつえい (15) こはん (16) の (17) み (18) さいばい (19) じゅんかん (20) ゆ (21) たんれん (22) もみじ (23) けいこく (24) しゅういつ (25) とも (26) りょけん (27) えっとう (28) せきはい (29) ていはく (30) めぐ
例題 次のカタカナの漢字を答えなさい。(入試問題)
(1)情報技術が'''イチジル'''しく進歩する。
(2)決勝で'''ゼンセン'''したチームに観衆が拍手を送る。
(3)町作りに必要な'''ザイゲン'''を確保する。
(4)れんが造りの'''ヨウカン'''を訪ねる。
(5)世界的な映画賞を受賞し、脚光を'''ア'''びる。
答え (1) 著 (2) 善戦 (3) 財源 (4) 洋館 (5) 浴
この問題は東京の高校入試で出された書きの問題である。比較的、漢字の書きの問題は正答率が低い傾向があるのでしっかりと練習しよう。
問 次のカタカナの漢字を答えなさい。(入試問題)
(1)合唱祭のために実行委員会を'''モウ'''ける。
(2)窓に'''アンマク'''を引いて、映写会の準備をする。
(3)説明の内容を'''オギナ'''うために図表を提示する。
(4)例年にもまして、'''ザンショ'''の厳しい日が続く。
(5)'''ヤクソク'''の時刻に遅れないように早めに家を出る。
(6)大草原を野生生物の'''ム'''れが移動する。
(7)美しい色の絹糸で布を'''オ'''る体験をする。
(8)収穫された穀物が倉庫に'''チョゾウ'''される。
(9)姉に頼まれて、テレビドラマを'''ロクガ'''する。
(10)'''オウフク'''の時間を考えて山小屋を出発する。
(11)巧みな手さばきで、人形を'''アヤツ'''る。
(12)手厚い'''カンゴ'''を受け、病状が回復する。
(13)夕食の献立を'''ザッシ'''を見ながら考える。
(14)出場する'''ユメ'''を抱いて、練習に励む。
(15)作品の例は、'''マイキョ'''にいとまがない。
(16)庭のかきの実が赤く'''ジュク'''してきた。
(17)'''ボウエキ'''の主な相手国。
(18)港の市場で'''バイバイ'''される。
(19)早起きの'''シュウカン'''を身につける。
(20)鳴き声に思わず'''アタ'''りの木々を見る。
(21)冷たい'''ムギチャ'''でのどを潤す。
(22)たきぎを'''モ'''やして料理を作る。
(23)'''オンダン'''な地方の農作物。
(24)'''ユウエキ'''な体験談を聞く。
(25)夏の日差しを'''ア'''びる。
(26)'''オサナ'''い妹と、美しい貝殻を拾う。
(27)停車駅を'''ツ'''げる放送が車内に流れる。
(28)'''ジシャク'''で方位を確認。
(29)世界各地を巡る'''コウカイ'''に旅立つ。
(30)'''キュウユ'''を終えた飛行機。
答え (1) 設 (2) 暗幕 (3) 補 (4) 残暑 (5) 約束 (6) 群 (7) 織 (8) 貯蔵 (9) 録画 (10) 往復 (11) 操 (12) 看護 (13) 雑誌 (14) 夢 (15)
枚挙 (16) 熟 (17) 貿易 (18) 売買 (19) 習慣 (20) 辺 (21) 麦茶 (22) 燃 (23) 温暖 (24) 有益 (25) 浴 (26) 幼 (27) 告 (28) 磁石 (29)
航海 (30) 給油
== 参考情報(おとなの方へ)==
*[https://www.ichizenn.com/kanji/ 漢字書き順]
[[カテゴリ:漢字]]
[[カテゴリ:中学校国語]]
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