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{{Pathnav|メインページ|小学校・中学校・高等学校の学習|frame=1}}
学校教育各科目の演習書です。
== 英語 ==
* [[初等英語演習]]
== 数学・算数 ==
* [[初等数学演習]]
== 国語 ==
* [[初等国語演習]]
== 理科 ==
* [[初等理科演習]]
== 社会 ==
* [[初等社会演習]]
== 実技教科 ==
* [[初等実技演習]]
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[[Category:中学校教育|ちゅうとうきゆういくえんしゆう]]
[[Category:高等学校教育|ちゅうとうきゆういくえんしゆう]]
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大学受験生物
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== 入試生物に関する情報 ==
#[[大学受験生物 入試生物に関する情報|入試生物に関する情報]]
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#[[大学受験生物 お勧め参考書|お勧め参考書]]
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== センター生物 ==
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労働者派遣法
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[[法学]] > [[労働法]] > [[労働者派遣法]]
{{wikipedia|労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律}}
労働者派遣等に関する法制度についての教科書。
== 教科書・コンメンタール ==
*[[労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律]]
== 外部リンク ==
*[[初級システムアドミニストレータ/情報化と経営#労働に関する法規|初級システムアドミニストレータ]]
{{stub|law}}
[[Category:労働法|ろうとうしやはけんしきようのてきせいなうんえいのかくほ]]
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刑法第176条
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text/x-wiki
*[[法学]]>[[刑事法]]>[[刑法]]>[[コンメンタール刑法]]
*[[法学]]>[[コンメンタール]]>[[コンメンタール刑法]]
== 条文 ==
(不同意わいせつ)
; 第176条
#次に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、6月以上10年以下の拘禁刑に処する。
##暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
##心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
##アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。
##睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
##同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
##予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕させること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。
##虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。
##経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。
#行為がわいせつなものではないとの誤信をさせ、若しくは行為をする者について人違いをさせ、又はそれらの誤信若しくは人違いをしていることに乗じて、わいせつな行為をした者も、前項と同様とする。
#16歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者(当該16歳未満の者が13歳以上である場合については、その者が生まれた日より5年以上前の日に生まれた者に限る。)も、第1項と同様とする。
===改正経緯===
====2023年改正====
2023年改正により、以下の条項から改正。
;(強制わいせつ)
: 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
:*改正ポイント
:*#強制わいせつ罪では、性犯罪の本質である「自由な意思決定が困難な状態で行われた性的行為」を「暴行・脅迫」、準強制性わいせつ罪では「抗拒不能・心神喪失」とそれぞれ表現していたが、これらを統合し「'''同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態'''」に表現し直された<ref name="moj_seihanzai">[https://www.moj.go.jp/keiji1/keiji12_00200.html 法務省「性犯罪関係の法改正等 Q&A」]</ref>。法務省は、同意していないこと、つまり内心そのものではなく、客観的、外形的な状態を要件としており、また関係証拠を踏まえて判断するものであって、被害者や被疑者の内心のみによって犯罪の成否が分かれるものではないと説明している<ref>{{Cite web
|url=https://kokkai.ndl.go.jp/simple/detail?minId=121115206X02220230615&spkNum
|title=第211回国会 参議院 法務委員会 第22号 令和5年6月15日
|website=国会会議録検索システム
|publisher=国立国会図書館
|date=2023-06-15
|access-date=2026-08-12
}}</ref>。
:*#*犯罪成立には(1)例示列挙(アルコールの影響など)などにより、(2)中核要件(全う困難な状態など)まで被害者が陥る、という2要件を満たすことが必要になった。(原因事由(アルコールの影響など)のみに該当する場合は性犯罪を構成しない。)
:*#*法務省によれば旧法(暴行・脅迫、心神喪失・抗拒不能)から処罰範囲は拡大はしていないが、より明確で、判断にばらつきが生じない規定となったとしている<ref name="moj_seihanzai" />。
:*#*誤信類型は旧法抗拒不能に含めていたが、2項で処罰されることになった<ref>安達光治「『ハイブリッド刑法各論〔第3版〕』補遺」5頁、法律文化社。[https://www.hou-bun.com/01main/01_04_hoi_pdf_129.pdf]</ref>。
:*#改正前から、13歳未満の若年者に対するわいせつは、「暴行・脅迫」の要件を要さず強制性交等罪を構成していた。本改正において16歳未満の若年者に対するわいせつは、他の要件を要さずとも本罪を構成することとなった。本改正は、対象年齢を引き上げただけの改正と言える。ただし、相手方が13歳以上16歳未満であって、わいせつをした者が当該相手方より5歳以上年上では'''ない'''場合は、年齢要件のみでは本罪は成立せず、第1項又は第2項の要件を満たした場合のみ本罪が成立することとした。
:*#婚姻関係の存在により本罪が成立しないものではないことを明確にした([[刑法第177条#夫婦間における本罪の成立|次条(不同意性交等罪)解説]]参照)。
====2022年改正====
2022年改正により、以下のとおり改正。施行日については本改正時は未定であったが(後に他の条項に関しては2025年6月1日と決定)、2023年改正施行に合わせ拘禁刑としている。
:(改正前)懲役
:(改正後)拘禁刑
====2017年改正====
2017年改正により以下の通り改正。
改正前
:13歳以上の'''男女'''に対し
改正後
:13歳以上の'''者'''に対し
強制わいせつ罪の特別法の位置づけになる強姦罪等については、犯罪の主体は男性のみであった。一般法である強制わいせつ罪は犯罪の主体は男女を問わなかったため、それを明示する意図も含め「男女」と記したものであるが、改正により、強姦罪等の後継である強制性交等の一連の罪の主体は性別を問うことが無くなったので、「男女」の明記を一般的な表記にしたもの。
== 解説 ==
2023年改正前の強制わいせつ罪の、保護法益は被害者の「性的自由」とされるが、改正前は「暴行又は脅迫」を用いてこの自由を侵害した行為が可罰性あるものとされていた。本罪では準強制わいせつ罪と統合し、「'''同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態'''」に陥っている被害者にわいせつを行った場合に処罰される。
また本要件は「同意しない意思」が前提となっているため、そもそも内心などに「同意」が存在する場合は構成要件該当性が否定されるとの見解がある<ref name="hashizume2025">{{Cite book|和書
|title=性犯罪に対する処罰規定の改正等について
|author=橋爪隆
|year=2024
|publisher=立花書房
}}</ref>。同意は明示のみならず黙示でも良い<ref name="田中上">{{Cite book
|和書
|title=性犯罪・児童虐待捜査ハンドブック〔第2版〕(上)―被害者心理から捜査・公判まで―
|last=田中
|first=嘉寿子
|year=2026
|publisher=立花書房
|isbn=9784803707304
}}</ref>。
第1項各号には行為・事由が列挙されているが、これらは原因事由であって、行為・事由のみに該当することは犯罪ではない。加えて「同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態」まで達していることが必須であり、後者の要件で被害者の状態の検討を要する<ref name="hashizume2025" />。
===わいせつな行為===
:「わいせつな行為」とは、わいせつ物頒布等罪([[刑法第175条|第175条]])における判例「徒らに性慾を興奮又は刺戟せしめ且つ普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するもの([[刑法第175条#猥褻|最判昭和26年5月10日]])」に準拠されるものとされ多くの判決などにも引かれるが、立法時と異なり、不同意わいせつ罪(強制わいせつ罪)の保護法益は「性的自由」と考えられるようになったため、176条の「わいせつな行為」の定義自体は、判例等において依然として変更されなかったものの、「客体である個人の性的自由を侵害するか」という見地から解釈すべきとされるようになった。その結果、現在では、刑法176条におけるわいせつ概念は、公然わいせつ罪におけるそれより広い概念だと理解されており、公然わいせつ罪にはあたらないが、強制わいせつ罪にあたりうるわいせつ行為が存在するとされる<ref>{{Cite web |url=https://www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/law/lex/17-56/007kamon.pdf |title= 強制わいせつ罪におけるわいせつ概念について |author=嘉門優 |work=立命館法学 375/376 116-134 |publisher=立命館大学 |date=2018-03 |accessdate=2023-07-15}}</ref>。たとえば、服の上から乳房や陰部などに触れる行為や接吻する行為自体は、公衆の前で行われても、わいせつとされ、公然わいせつ罪が問われる可能性は少ないが、その行為を相手方が同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態である場合に行えば不同意わいせつ罪を問いうる。しかし、現在、さらに進んで、わいせつな行為を単純に「性的性質を有する一定の重大な侵襲」と定義すべきとも主張もなされている<ref>{{Cite journal ja-jp|author = 佐藤陽子|year = 2016|title = 強制わいせつ罪におけるわいせつ概念について |journal = 法律時報|issue = 1104|publisher = 日本評論社|pages = 60-65}}</ref>。しかしながら、この定義では曖昧に過ぎ罪刑法定主義に反するとの批判もある。実際の判定においては、わいせつとされる行為について、(ⅰ)関係する部位,(ⅱ)接触の有無・方法,(ⅲ)継続性,(ⅳ)強度,(ⅴ)性的意図,(ⅵ)その他の状況の全事情を評価するものと分析されている。
==参照条文==
*[[刑法第180条|第180条]](未遂罪)
:未遂は、罰する。
==判例==
#[https://www.courts.go.jp/hanrei/50960/detail2/index.html 強制わいせつ、強姦致傷](最高裁判決昭和44年7月25日)
#;13才未満の者に対しその反抗を著しく困難にさせる程度の脅迫を用いてわいせつ行為をした場合の擬律
#:13才未満の者に対し、その反抗を著しく困難にさせる程度の脅迫を用いてわいせつの行為をした場合には、刑法176条の前段と後段との区別なく右法条に該当する一罪が成立する。
#[https://www.courts.go.jp/hanrei/50924/detail2/index.html 強制わいせつ](最高裁判決昭和45年1月29日 刑集24巻1号1頁)
#;専ら報復または侮辱虐待の目的をもつて婦女を脅迫し裸にして撮影する行為と強制わいせつ罪の成否
#:強制わいせつ罪が成立するためには、その行為が犯人の性欲を刺戟興奮させまたは満足させるという性的意図のもとに行なわれることを要し、婦女を脅迫し裸にして、その立つているところを撮影する行為であつても、これが専らその婦女に報復し、または、これを侮辱し、虐待する目的に出たときは、強要罪その他の罪を構成するのは格別、強制わいせつの罪は成立しない。
#:*被告人が、専ら報復のために被害者を裸にして写真を撮った事例
#:*:本判例は、以下の判決(最高裁判決平成29年11月29日)により変更されている。
#:*:なお、[[w:リベンジポルノ|リベンジポルノ]]については、「[[私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律]]」が立法され、個別犯罪化されている。
#:*:また、盗撮等不同意の撮影・映像の提供については「[[性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律]]」が立法され犯罪化されている。
#[https://www.courts.go.jp/hanrei/87256/detail2/index.html 児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反、強制わいせつ、犯罪による収益の移転防止に関する法律違反被告事件](最高裁判決平成29年11月29日 刑集71巻9号467頁)
#;強制わいせつ罪の成立と行為者の性的意図の要否
#:刑法(平成29年法律第72号による改正前のもの)176条にいう「わいせつな行為」に当たるか否かの判断を行うための個別具体的な事情の一つとして、行為者の目的等の主観的事情を判断要素として考慮すべき場合はあり得るが、行為者の性的意図は強制わいせつ罪の成立要件ではない。
===関連判例===
第1項第8号(セクシャルハラスメント)関連
#[https://www.courts.go.jp/hanrei/88104/detail2/index.html 停職処分取消請求事件](最高裁判決平成30年11月6日)[[地方公務員法第29条|地方公務員法29条]]1項,[[地方公務員法第33条|地方公務員法33条]],加古川市職員の懲戒の手続及び効果に関する条例(昭和28年加古川市条例第7号)4条
#;地方公共団体の男性職員が勤務時間中に訪れた店舗の女性従業員にわいせつな行為等をしたことを理由とする停職6月の懲戒処分に裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用した違法があるとした原審の判断に違法があるとされた事例
#:*行為態様
#:*:被上告人は,勤務時間中,上告人の市章の付いた作業着である制服制服を着用して本件店舗を訪れ,顔見知りであった女性従業員(以下「本件従業員」という。)に飲物を買い与えようとして,自らの左手を本件従業員の右手首に絡めるようにしてショーケースの前まで連れて行き,そこで商品を選ばせた上で,自らの右腕を本件従業員の左腕に絡めて歩き始め,その後間もなく,自らの右手で本件従業員の左手首をつかんで引き寄せ,その指先を制服の上から自らの股間に軽く触れさせた。本件従業員は,被上告人の手を振りほどき,本件店舗の奥に逃げ込んだ。
#:地方公共団体の男性職員が勤務時間中に訪れた店舗においてその女性従業員の手を自らの下半身に接触させようとするなどのわいせつな行為等をしたことを理由とする停職6月の懲戒処分がされた場合において,次の1.~5.など判示の事情の下では,上記処分に裁量権の範囲を逸脱し,又はこれを濫用した違法があるとした原審の判断には,懲戒権者の裁量権に関する法令の解釈適用を誤った違法がある【したがって、懲戒処分は相当である】。
#:#上記行為は,<u>上記職員と上記従業員が客と店員の関係にあって拒絶が困難であることに乗じて行われた</u>。
#:#上記行為は,勤務時間中に市の制服を着用してされたものである上,複数の新聞で報道されるなどしており,上記地方公共団体の公務一般に対する住民の信頼を大きく損なうものであった。
#:#上記職員は,以前から上記店舗の従業員らを不快に思わせる不適切な言動をしており,これを理由の一つとして退職した女性従業員もいた。
#:#<u>上記1.の従業員が終始笑顔で行動し,上記職員から手や腕を絡められるという身体的接触に抵抗を示さなかったとしても,それは客との間のトラブルを避けるためのものであったとみる余地がある</u>。
#:#<u>上記従業員及び上記店舗のオーナーが上記職員の処罰を望まないとしても,それは事情聴取の負担や上記店舗の営業への悪影響等を懸念したことによるものとも解される</u>。
==脚注==
<references/>
----
{{前後
|[[コンメンタール刑法|刑法]]
|[[コンメンタール刑法#2|第2編 罪]]<br>
[[コンメンタール刑法#2-22|第22章 わいせつ、不同意性交等及び重婚の罪]]<br>
|[[刑法第175条]]<br>(わいせつ物頒布等)<br>
|[[刑法第177条]]<br>(不同意性交等)<br>
}}
{{stub|law}}
[[Category:刑法|176]]
[[category:刑法 2017年改正|176]]
[[category:刑法 2023年改正|176]]
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*[[法学]]>[[刑事法]]>[[刑法]]>[[コンメンタール刑法]]
*[[法学]]>[[コンメンタール]]>[[コンメンタール刑法]]
== 条文 ==
(不同意わいせつ)
; 第176条
#次に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、6月以上10年以下の拘禁刑に処する。
##暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
##心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
##アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。
##睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
##同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
##予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕させること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。
##虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。
##経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。
#行為がわいせつなものではないとの誤信をさせ、若しくは行為をする者について人違いをさせ、又はそれらの誤信若しくは人違いをしていることに乗じて、わいせつな行為をした者も、前項と同様とする。
#16歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者(当該16歳未満の者が13歳以上である場合については、その者が生まれた日より5年以上前の日に生まれた者に限る。)も、第1項と同様とする。
===改正経緯===
====2023年改正====
2023年改正により、以下の条項から改正。
;(強制わいせつ)
: 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
:*改正ポイント
:*#強制わいせつ罪、準強制性わいせつ罪では、性犯罪の本質である「'''自由な意思決定が困難な状態で行われた性的行為'''」を'''暴行・脅迫'''、'''抗拒不能・心神喪失'''といった要件により判断していたが、これらを統合し、本罪では性犯罪の本質を「'''同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態'''」といった表現に変更された<ref name="moj_seihanzai">[https://www.moj.go.jp/keiji1/keiji12_00200.html 法務省「性犯罪関係の法改正等 Q&A」]</ref>。法務省は、同意していないこと、つまり内心そのものではなく、客観的、外形的な状態を要件としており、また関係証拠を踏まえて判断するものであって、被害者や被疑者の内心のみによって犯罪の成否が分かれるものではないと説明している<ref>{{Cite web
|url=https://kokkai.ndl.go.jp/simple/detail?minId=121115206X02220230615&spkNum
|title=第211回国会 参議院 法務委員会 第22号 令和5年6月15日
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}}</ref>。
:*#*犯罪成立には(1)例示列挙(アルコールの影響など)などにより、(2)中核要件(全う困難な状態など)まで被害者が陥る、という2要件を満たすことが必要になった。(原因事由(アルコールの影響など)のみに該当する場合は性犯罪を構成しない。)
:*#*法務省によれば旧法(暴行・脅迫、心神喪失・抗拒不能)から処罰範囲は拡大はしていないが、より明確で、判断にばらつきが生じない規定となったとしている<ref name="moj_seihanzai" />。
:*#*誤信類型は旧法抗拒不能に含めていたが、2項で処罰されることになった<ref>安達光治「『ハイブリッド刑法各論〔第3版〕』補遺」5頁、法律文化社。[https://www.hou-bun.com/01main/01_04_hoi_pdf_129.pdf]</ref>。
:*#改正前から、13歳未満の若年者に対するわいせつは、「暴行・脅迫」の要件を要さず強制性交等罪を構成していた。本改正において16歳未満の若年者に対するわいせつは、他の要件を要さずとも本罪を構成することとなった。本改正は、対象年齢を引き上げただけの改正と言える。ただし、相手方が13歳以上16歳未満であって、わいせつをした者が当該相手方より5歳以上年上では'''ない'''場合は、年齢要件のみでは本罪は成立せず、第1項又は第2項の要件を満たした場合のみ本罪が成立することとした。
:*#婚姻関係の存在により本罪が成立しないものではないことを明確にした([[刑法第177条#夫婦間における本罪の成立|次条(不同意性交等罪)解説]]参照)。
====2022年改正====
2022年改正により、以下のとおり改正。施行日については本改正時は未定であったが(後に他の条項に関しては2025年6月1日と決定)、2023年改正施行に合わせ拘禁刑としている。
:(改正前)懲役
:(改正後)拘禁刑
====2017年改正====
2017年改正により以下の通り改正。
改正前
:13歳以上の'''男女'''に対し
改正後
:13歳以上の'''者'''に対し
強制わいせつ罪の特別法の位置づけになる強姦罪等については、犯罪の主体は男性のみであった。一般法である強制わいせつ罪は犯罪の主体は男女を問わなかったため、それを明示する意図も含め「男女」と記したものであるが、改正により、強姦罪等の後継である強制性交等の一連の罪の主体は性別を問うことが無くなったので、「男女」の明記を一般的な表記にしたもの。
== 解説 ==
2023年改正前の強制わいせつ罪の、保護法益は被害者の「性的自由」とされるが、改正前は「暴行又は脅迫」を用いてこの自由を侵害した行為が可罰性あるものとされていた。本罪では準強制わいせつ罪と統合し、「'''同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態'''」に陥っている被害者にわいせつを行った場合に処罰される。
また本要件は「同意しない意思」が前提となっているため、そもそも内心などに「同意」が存在する場合は構成要件該当性が否定されるとの見解がある<ref name="hashizume2025">{{Cite book|和書
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}}</ref>。同意は明示のみならず黙示でも良い<ref name="田中上">{{Cite book
|和書
|title=性犯罪・児童虐待捜査ハンドブック〔第2版〕(上)―被害者心理から捜査・公判まで―
|last=田中
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|isbn=9784803707304
}}</ref>。
第1項各号には行為・事由が列挙されているが、これらは原因事由であって、行為・事由のみに該当することは犯罪ではない。加えて「同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態」まで達していることが必須であり、後者の要件で被害者の状態の検討を要する<ref name="hashizume2025" />。
===わいせつな行為===
:「わいせつな行為」とは、わいせつ物頒布等罪([[刑法第175条|第175条]])における判例「徒らに性慾を興奮又は刺戟せしめ且つ普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するもの([[刑法第175条#猥褻|最判昭和26年5月10日]])」に準拠されるものとされ多くの判決などにも引かれるが、立法時と異なり、不同意わいせつ罪(強制わいせつ罪)の保護法益は「性的自由」と考えられるようになったため、176条の「わいせつな行為」の定義自体は、判例等において依然として変更されなかったものの、「客体である個人の性的自由を侵害するか」という見地から解釈すべきとされるようになった。その結果、現在では、刑法176条におけるわいせつ概念は、公然わいせつ罪におけるそれより広い概念だと理解されており、公然わいせつ罪にはあたらないが、強制わいせつ罪にあたりうるわいせつ行為が存在するとされる<ref>{{Cite web |url=https://www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/law/lex/17-56/007kamon.pdf |title= 強制わいせつ罪におけるわいせつ概念について |author=嘉門優 |work=立命館法学 375/376 116-134 |publisher=立命館大学 |date=2018-03 |accessdate=2023-07-15}}</ref>。たとえば、服の上から乳房や陰部などに触れる行為や接吻する行為自体は、公衆の前で行われても、わいせつとされ、公然わいせつ罪が問われる可能性は少ないが、その行為を相手方が同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態である場合に行えば不同意わいせつ罪を問いうる。しかし、現在、さらに進んで、わいせつな行為を単純に「性的性質を有する一定の重大な侵襲」と定義すべきとも主張もなされている<ref>{{Cite journal ja-jp|author = 佐藤陽子|year = 2016|title = 強制わいせつ罪におけるわいせつ概念について |journal = 法律時報|issue = 1104|publisher = 日本評論社|pages = 60-65}}</ref>。しかしながら、この定義では曖昧に過ぎ罪刑法定主義に反するとの批判もある。実際の判定においては、わいせつとされる行為について、(ⅰ)関係する部位,(ⅱ)接触の有無・方法,(ⅲ)継続性,(ⅳ)強度,(ⅴ)性的意図,(ⅵ)その他の状況の全事情を評価するものと分析されている。
==参照条文==
*[[刑法第180条|第180条]](未遂罪)
:未遂は、罰する。
==判例==
#[https://www.courts.go.jp/hanrei/50960/detail2/index.html 強制わいせつ、強姦致傷](最高裁判決昭和44年7月25日)
#;13才未満の者に対しその反抗を著しく困難にさせる程度の脅迫を用いてわいせつ行為をした場合の擬律
#:13才未満の者に対し、その反抗を著しく困難にさせる程度の脅迫を用いてわいせつの行為をした場合には、刑法176条の前段と後段との区別なく右法条に該当する一罪が成立する。
#[https://www.courts.go.jp/hanrei/50924/detail2/index.html 強制わいせつ](最高裁判決昭和45年1月29日 刑集24巻1号1頁)
#;専ら報復または侮辱虐待の目的をもつて婦女を脅迫し裸にして撮影する行為と強制わいせつ罪の成否
#:強制わいせつ罪が成立するためには、その行為が犯人の性欲を刺戟興奮させまたは満足させるという性的意図のもとに行なわれることを要し、婦女を脅迫し裸にして、その立つているところを撮影する行為であつても、これが専らその婦女に報復し、または、これを侮辱し、虐待する目的に出たときは、強要罪その他の罪を構成するのは格別、強制わいせつの罪は成立しない。
#:*被告人が、専ら報復のために被害者を裸にして写真を撮った事例
#:*:本判例は、以下の判決(最高裁判決平成29年11月29日)により変更されている。
#:*:なお、[[w:リベンジポルノ|リベンジポルノ]]については、「[[私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律]]」が立法され、個別犯罪化されている。
#:*:また、盗撮等不同意の撮影・映像の提供については「[[性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律]]」が立法され犯罪化されている。
#[https://www.courts.go.jp/hanrei/87256/detail2/index.html 児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反、強制わいせつ、犯罪による収益の移転防止に関する法律違反被告事件](最高裁判決平成29年11月29日 刑集71巻9号467頁)
#;強制わいせつ罪の成立と行為者の性的意図の要否
#:刑法(平成29年法律第72号による改正前のもの)176条にいう「わいせつな行為」に当たるか否かの判断を行うための個別具体的な事情の一つとして、行為者の目的等の主観的事情を判断要素として考慮すべき場合はあり得るが、行為者の性的意図は強制わいせつ罪の成立要件ではない。
===関連判例===
第1項第8号(セクシャルハラスメント)関連
#[https://www.courts.go.jp/hanrei/88104/detail2/index.html 停職処分取消請求事件](最高裁判決平成30年11月6日)[[地方公務員法第29条|地方公務員法29条]]1項,[[地方公務員法第33条|地方公務員法33条]],加古川市職員の懲戒の手続及び効果に関する条例(昭和28年加古川市条例第7号)4条
#;地方公共団体の男性職員が勤務時間中に訪れた店舗の女性従業員にわいせつな行為等をしたことを理由とする停職6月の懲戒処分に裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用した違法があるとした原審の判断に違法があるとされた事例
#:*行為態様
#:*:被上告人は,勤務時間中,上告人の市章の付いた作業着である制服制服を着用して本件店舗を訪れ,顔見知りであった女性従業員(以下「本件従業員」という。)に飲物を買い与えようとして,自らの左手を本件従業員の右手首に絡めるようにしてショーケースの前まで連れて行き,そこで商品を選ばせた上で,自らの右腕を本件従業員の左腕に絡めて歩き始め,その後間もなく,自らの右手で本件従業員の左手首をつかんで引き寄せ,その指先を制服の上から自らの股間に軽く触れさせた。本件従業員は,被上告人の手を振りほどき,本件店舗の奥に逃げ込んだ。
#:地方公共団体の男性職員が勤務時間中に訪れた店舗においてその女性従業員の手を自らの下半身に接触させようとするなどのわいせつな行為等をしたことを理由とする停職6月の懲戒処分がされた場合において,次の1.~5.など判示の事情の下では,上記処分に裁量権の範囲を逸脱し,又はこれを濫用した違法があるとした原審の判断には,懲戒権者の裁量権に関する法令の解釈適用を誤った違法がある【したがって、懲戒処分は相当である】。
#:#上記行為は,<u>上記職員と上記従業員が客と店員の関係にあって拒絶が困難であることに乗じて行われた</u>。
#:#上記行為は,勤務時間中に市の制服を着用してされたものである上,複数の新聞で報道されるなどしており,上記地方公共団体の公務一般に対する住民の信頼を大きく損なうものであった。
#:#上記職員は,以前から上記店舗の従業員らを不快に思わせる不適切な言動をしており,これを理由の一つとして退職した女性従業員もいた。
#:#<u>上記1.の従業員が終始笑顔で行動し,上記職員から手や腕を絡められるという身体的接触に抵抗を示さなかったとしても,それは客との間のトラブルを避けるためのものであったとみる余地がある</u>。
#:#<u>上記従業員及び上記店舗のオーナーが上記職員の処罰を望まないとしても,それは事情聴取の負担や上記店舗の営業への悪影響等を懸念したことによるものとも解される</u>。
==脚注==
<references/>
----
{{前後
|[[コンメンタール刑法|刑法]]
|[[コンメンタール刑法#2|第2編 罪]]<br>
[[コンメンタール刑法#2-22|第22章 わいせつ、不同意性交等及び重婚の罪]]<br>
|[[刑法第175条]]<br>(わいせつ物頒布等)<br>
|[[刑法第177条]]<br>(不同意性交等)<br>
}}
{{stub|law}}
[[Category:刑法|176]]
[[category:刑法 2017年改正|176]]
[[category:刑法 2023年改正|176]]
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wikitext
text/x-wiki
*[[法学]]>[[刑事法]]>[[刑法]]>[[コンメンタール刑法]]
*[[法学]]>[[コンメンタール]]>[[コンメンタール刑法]]
== 条文 ==
(不同意わいせつ)
; 第176条
#次に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、6月以上10年以下の拘禁刑に処する。
##暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
##心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
##アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。
##睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
##同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
##予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕させること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。
##虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。
##経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。
#行為がわいせつなものではないとの誤信をさせ、若しくは行為をする者について人違いをさせ、又はそれらの誤信若しくは人違いをしていることに乗じて、わいせつな行為をした者も、前項と同様とする。
#16歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者(当該16歳未満の者が13歳以上である場合については、その者が生まれた日より5年以上前の日に生まれた者に限る。)も、第1項と同様とする。
===改正経緯===
====2023年改正====
2023年改正により、以下の条項から改正。
;(強制わいせつ)
: 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
:*改正ポイント
:*#強制わいせつ罪、準強制性わいせつ罪では、性犯罪の本質である「'''自由な意思決定が困難な状態で行われた性的行為'''」を暴行・脅迫、抗拒不能・心神喪失といった要件により判断していたが、これらを統合し、本罪では性犯罪の本質を「同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態」といった表現に変更された<ref name="moj_seihanzai">[https://www.moj.go.jp/keiji1/keiji12_00200.html 法務省「性犯罪関係の法改正等 Q&A」]</ref>。法務省は、同意していないこと、つまり内心そのものではなく、客観的、外形的な状態を要件としており、また関係証拠を踏まえて判断するものであって、被害者や被疑者の内心のみによって犯罪の成否が分かれるものではないと説明している<ref>{{Cite web
|url=https://kokkai.ndl.go.jp/simple/detail?minId=121115206X02220230615&spkNum
|title=第211回国会 参議院 法務委員会 第22号 令和5年6月15日
|website=国会会議録検索システム
|publisher=国立国会図書館
|date=2023-06-15
|access-date=2026-08-12
}}</ref>。
:*#*犯罪成立には(1)例示列挙(アルコールの影響など)などにより、(2)中核要件(全う困難な状態など)まで被害者が陥る、という2要件を満たすことが必要になった。(原因事由(アルコールの影響など)のみに該当する場合は性犯罪を構成しない。)
:*#*法務省によれば旧法(暴行・脅迫、心神喪失・抗拒不能)から処罰範囲は拡大はしていないが、より明確で、判断にばらつきが生じない規定となったとしている<ref name="moj_seihanzai" />。
:*#*誤信類型は旧法抗拒不能に含めていたが、2項で処罰されることになった<ref>安達光治「『ハイブリッド刑法各論〔第3版〕』補遺」5頁、法律文化社。[https://www.hou-bun.com/01main/01_04_hoi_pdf_129.pdf]</ref>。
:*#改正前から、13歳未満の若年者に対するわいせつは、「暴行・脅迫」の要件を要さず強制性交等罪を構成していた。本改正において16歳未満の若年者に対するわいせつは、他の要件を要さずとも本罪を構成することとなった。本改正は、対象年齢を引き上げただけの改正と言える。ただし、相手方が13歳以上16歳未満であって、わいせつをした者が当該相手方より5歳以上年上では'''ない'''場合は、年齢要件のみでは本罪は成立せず、第1項又は第2項の要件を満たした場合のみ本罪が成立することとした。
:*#婚姻関係の存在により本罪が成立しないものではないことを明確にした([[刑法第177条#夫婦間における本罪の成立|次条(不同意性交等罪)解説]]参照)。
====2022年改正====
2022年改正により、以下のとおり改正。施行日については本改正時は未定であったが(後に他の条項に関しては2025年6月1日と決定)、2023年改正施行に合わせ拘禁刑としている。
:(改正前)懲役
:(改正後)拘禁刑
====2017年改正====
2017年改正により以下の通り改正。
改正前
:13歳以上の'''男女'''に対し
改正後
:13歳以上の'''者'''に対し
強制わいせつ罪の特別法の位置づけになる強姦罪等については、犯罪の主体は男性のみであった。一般法である強制わいせつ罪は犯罪の主体は男女を問わなかったため、それを明示する意図も含め「男女」と記したものであるが、改正により、強姦罪等の後継である強制性交等の一連の罪の主体は性別を問うことが無くなったので、「男女」の明記を一般的な表記にしたもの。
== 解説 ==
2023年改正前の強制わいせつ罪の、保護法益は被害者の「性的自由」とされるが、改正前は「暴行又は脅迫」を用いてこの自由を侵害した行為が可罰性あるものとされていた。本罪では準強制わいせつ罪と統合し、「'''同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態'''」に陥っている被害者にわいせつを行った場合に処罰される。
また本要件は「同意しない意思」が前提となっているため、そもそも内心などに「同意」が存在する場合は構成要件該当性が否定されるとの見解がある<ref name="hashizume2025">{{Cite book|和書
|title=性犯罪に対する処罰規定の改正等について
|author=橋爪隆
|year=2024
|publisher=立花書房
}}</ref>。同意は明示のみならず黙示でも良い<ref name="田中上">{{Cite book
|和書
|title=性犯罪・児童虐待捜査ハンドブック〔第2版〕(上)―被害者心理から捜査・公判まで―
|last=田中
|first=嘉寿子
|year=2026
|publisher=立花書房
|isbn=9784803707304
}}</ref>。
第1項各号には行為・事由が列挙されているが、これらは原因事由であって、行為・事由のみに該当することは犯罪ではない。加えて「同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態」まで達していることが必須であり、後者の要件で被害者の状態の検討を要する<ref name="hashizume2025" />。
===わいせつな行為===
:「わいせつな行為」とは、わいせつ物頒布等罪([[刑法第175条|第175条]])における判例「徒らに性慾を興奮又は刺戟せしめ且つ普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するもの([[刑法第175条#猥褻|最判昭和26年5月10日]])」に準拠されるものとされ多くの判決などにも引かれるが、立法時と異なり、不同意わいせつ罪(強制わいせつ罪)の保護法益は「性的自由」と考えられるようになったため、176条の「わいせつな行為」の定義自体は、判例等において依然として変更されなかったものの、「客体である個人の性的自由を侵害するか」という見地から解釈すべきとされるようになった。その結果、現在では、刑法176条におけるわいせつ概念は、公然わいせつ罪におけるそれより広い概念だと理解されており、公然わいせつ罪にはあたらないが、強制わいせつ罪にあたりうるわいせつ行為が存在するとされる<ref>{{Cite web |url=https://www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/law/lex/17-56/007kamon.pdf |title= 強制わいせつ罪におけるわいせつ概念について |author=嘉門優 |work=立命館法学 375/376 116-134 |publisher=立命館大学 |date=2018-03 |accessdate=2023-07-15}}</ref>。たとえば、服の上から乳房や陰部などに触れる行為や接吻する行為自体は、公衆の前で行われても、わいせつとされ、公然わいせつ罪が問われる可能性は少ないが、その行為を相手方が同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態である場合に行えば不同意わいせつ罪を問いうる。しかし、現在、さらに進んで、わいせつな行為を単純に「性的性質を有する一定の重大な侵襲」と定義すべきとも主張もなされている<ref>{{Cite journal ja-jp|author = 佐藤陽子|year = 2016|title = 強制わいせつ罪におけるわいせつ概念について |journal = 法律時報|issue = 1104|publisher = 日本評論社|pages = 60-65}}</ref>。しかしながら、この定義では曖昧に過ぎ罪刑法定主義に反するとの批判もある。実際の判定においては、わいせつとされる行為について、(ⅰ)関係する部位,(ⅱ)接触の有無・方法,(ⅲ)継続性,(ⅳ)強度,(ⅴ)性的意図,(ⅵ)その他の状況の全事情を評価するものと分析されている。
==参照条文==
*[[刑法第180条|第180条]](未遂罪)
:未遂は、罰する。
==判例==
#[https://www.courts.go.jp/hanrei/50960/detail2/index.html 強制わいせつ、強姦致傷](最高裁判決昭和44年7月25日)
#;13才未満の者に対しその反抗を著しく困難にさせる程度の脅迫を用いてわいせつ行為をした場合の擬律
#:13才未満の者に対し、その反抗を著しく困難にさせる程度の脅迫を用いてわいせつの行為をした場合には、刑法176条の前段と後段との区別なく右法条に該当する一罪が成立する。
#[https://www.courts.go.jp/hanrei/50924/detail2/index.html 強制わいせつ](最高裁判決昭和45年1月29日 刑集24巻1号1頁)
#;専ら報復または侮辱虐待の目的をもつて婦女を脅迫し裸にして撮影する行為と強制わいせつ罪の成否
#:強制わいせつ罪が成立するためには、その行為が犯人の性欲を刺戟興奮させまたは満足させるという性的意図のもとに行なわれることを要し、婦女を脅迫し裸にして、その立つているところを撮影する行為であつても、これが専らその婦女に報復し、または、これを侮辱し、虐待する目的に出たときは、強要罪その他の罪を構成するのは格別、強制わいせつの罪は成立しない。
#:*被告人が、専ら報復のために被害者を裸にして写真を撮った事例
#:*:本判例は、以下の判決(最高裁判決平成29年11月29日)により変更されている。
#:*:なお、[[w:リベンジポルノ|リベンジポルノ]]については、「[[私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律]]」が立法され、個別犯罪化されている。
#:*:また、盗撮等不同意の撮影・映像の提供については「[[性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律]]」が立法され犯罪化されている。
#[https://www.courts.go.jp/hanrei/87256/detail2/index.html 児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反、強制わいせつ、犯罪による収益の移転防止に関する法律違反被告事件](最高裁判決平成29年11月29日 刑集71巻9号467頁)
#;強制わいせつ罪の成立と行為者の性的意図の要否
#:刑法(平成29年法律第72号による改正前のもの)176条にいう「わいせつな行為」に当たるか否かの判断を行うための個別具体的な事情の一つとして、行為者の目的等の主観的事情を判断要素として考慮すべき場合はあり得るが、行為者の性的意図は強制わいせつ罪の成立要件ではない。
===関連判例===
第1項第8号(セクシャルハラスメント)関連
#[https://www.courts.go.jp/hanrei/88104/detail2/index.html 停職処分取消請求事件](最高裁判決平成30年11月6日)[[地方公務員法第29条|地方公務員法29条]]1項,[[地方公務員法第33条|地方公務員法33条]],加古川市職員の懲戒の手続及び効果に関する条例(昭和28年加古川市条例第7号)4条
#;地方公共団体の男性職員が勤務時間中に訪れた店舗の女性従業員にわいせつな行為等をしたことを理由とする停職6月の懲戒処分に裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用した違法があるとした原審の判断に違法があるとされた事例
#:*行為態様
#:*:被上告人は,勤務時間中,上告人の市章の付いた作業着である制服制服を着用して本件店舗を訪れ,顔見知りであった女性従業員(以下「本件従業員」という。)に飲物を買い与えようとして,自らの左手を本件従業員の右手首に絡めるようにしてショーケースの前まで連れて行き,そこで商品を選ばせた上で,自らの右腕を本件従業員の左腕に絡めて歩き始め,その後間もなく,自らの右手で本件従業員の左手首をつかんで引き寄せ,その指先を制服の上から自らの股間に軽く触れさせた。本件従業員は,被上告人の手を振りほどき,本件店舗の奥に逃げ込んだ。
#:地方公共団体の男性職員が勤務時間中に訪れた店舗においてその女性従業員の手を自らの下半身に接触させようとするなどのわいせつな行為等をしたことを理由とする停職6月の懲戒処分がされた場合において,次の1.~5.など判示の事情の下では,上記処分に裁量権の範囲を逸脱し,又はこれを濫用した違法があるとした原審の判断には,懲戒権者の裁量権に関する法令の解釈適用を誤った違法がある【したがって、懲戒処分は相当である】。
#:#上記行為は,<u>上記職員と上記従業員が客と店員の関係にあって拒絶が困難であることに乗じて行われた</u>。
#:#上記行為は,勤務時間中に市の制服を着用してされたものである上,複数の新聞で報道されるなどしており,上記地方公共団体の公務一般に対する住民の信頼を大きく損なうものであった。
#:#上記職員は,以前から上記店舗の従業員らを不快に思わせる不適切な言動をしており,これを理由の一つとして退職した女性従業員もいた。
#:#<u>上記1.の従業員が終始笑顔で行動し,上記職員から手や腕を絡められるという身体的接触に抵抗を示さなかったとしても,それは客との間のトラブルを避けるためのものであったとみる余地がある</u>。
#:#<u>上記従業員及び上記店舗のオーナーが上記職員の処罰を望まないとしても,それは事情聴取の負担や上記店舗の営業への悪影響等を懸念したことによるものとも解される</u>。
==脚注==
<references/>
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{{前後
|[[コンメンタール刑法|刑法]]
|[[コンメンタール刑法#2|第2編 罪]]<br>
[[コンメンタール刑法#2-22|第22章 わいせつ、不同意性交等及び重婚の罪]]<br>
|[[刑法第175条]]<br>(わいせつ物頒布等)<br>
|[[刑法第177条]]<br>(不同意性交等)<br>
}}
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[[Category:刑法|176]]
[[category:刑法 2017年改正|176]]
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*[[法学]]>[[刑事法]]>[[刑法]]>[[コンメンタール刑法]]
*[[法学]]>[[コンメンタール]]>[[コンメンタール刑法]]
== 条文 ==
(不同意わいせつ)
; 第176条
#次に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、6月以上10年以下の拘禁刑に処する。
##暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
##心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
##アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。
##睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
##同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
##予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕させること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。
##虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。
##経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。
#行為がわいせつなものではないとの誤信をさせ、若しくは行為をする者について人違いをさせ、又はそれらの誤信若しくは人違いをしていることに乗じて、わいせつな行為をした者も、前項と同様とする。
#16歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者(当該16歳未満の者が13歳以上である場合については、その者が生まれた日より5年以上前の日に生まれた者に限る。)も、第1項と同様とする。
===改正経緯===
====2023年改正====
2023年改正により、以下の条項から改正。
;(強制わいせつ)
: 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
:*改正ポイント
:*#改正以前は、性犯罪の本質である「'''自由な意思決定が困難な状態で行われた性的行為'''」を暴行・脅迫、抗拒不能・心神喪失といった要件により判断していたが、これらを統合し、本罪では性犯罪の本質を「同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態」といった表現に変更された<ref name="moj_seihanzai">[https://www.moj.go.jp/keiji1/keiji12_00200.html 法務省「性犯罪関係の法改正等 Q&A」]</ref>。法務省は、同意していないこと、つまり内心そのものではなく、客観的、外形的な状態を要件としており、また関係証拠を踏まえて判断するものであって、被害者や被疑者の内心のみによって犯罪の成否が分かれるものではないと説明している<ref>{{Cite web
|url=https://kokkai.ndl.go.jp/simple/detail?minId=121115206X02220230615&spkNum
|title=第211回国会 参議院 法務委員会 第22号 令和5年6月15日
|website=国会会議録検索システム
|publisher=国立国会図書館
|date=2023-06-15
|access-date=2026-08-12
}}</ref>。
:*#*犯罪成立には(1)例示列挙(アルコールの影響など)などにより、(2)中核要件(全う困難な状態など)まで被害者が陥る、という2要件を満たすことが必要になった。(原因事由(アルコールの影響など)のみに該当する場合は性犯罪を構成しない。)
:*#*法務省によれば旧法(暴行・脅迫、心神喪失・抗拒不能)から処罰範囲は拡大はしていないが、より明確で、判断にばらつきが生じない規定となったとしている<ref name="moj_seihanzai" />。
:*#*誤信類型は旧法抗拒不能に含めていたが、2項で処罰されることになった<ref>安達光治「『ハイブリッド刑法各論〔第3版〕』補遺」5頁、法律文化社。[https://www.hou-bun.com/01main/01_04_hoi_pdf_129.pdf]</ref>。
:*#改正前から、13歳未満の若年者に対するわいせつは、「暴行・脅迫」の要件を要さず強制性交等罪を構成していた。本改正において16歳未満の若年者に対するわいせつは、他の要件を要さずとも本罪を構成することとなった。本改正は、対象年齢を引き上げただけの改正と言える。ただし、相手方が13歳以上16歳未満であって、わいせつをした者が当該相手方より5歳以上年上では'''ない'''場合は、年齢要件のみでは本罪は成立せず、第1項又は第2項の要件を満たした場合のみ本罪が成立することとした。
:*#婚姻関係の存在により本罪が成立しないものではないことを明確にした([[刑法第177条#夫婦間における本罪の成立|次条(不同意性交等罪)解説]]参照)。
====2022年改正====
2022年改正により、以下のとおり改正。施行日については本改正時は未定であったが(後に他の条項に関しては2025年6月1日と決定)、2023年改正施行に合わせ拘禁刑としている。
:(改正前)懲役
:(改正後)拘禁刑
====2017年改正====
2017年改正により以下の通り改正。
改正前
:13歳以上の'''男女'''に対し
改正後
:13歳以上の'''者'''に対し
強制わいせつ罪の特別法の位置づけになる強姦罪等については、犯罪の主体は男性のみであった。一般法である強制わいせつ罪は犯罪の主体は男女を問わなかったため、それを明示する意図も含め「男女」と記したものであるが、改正により、強姦罪等の後継である強制性交等の一連の罪の主体は性別を問うことが無くなったので、「男女」の明記を一般的な表記にしたもの。
== 解説 ==
2023年改正前の強制わいせつ罪の、保護法益は被害者の「性的自由」とされるが、改正前は「暴行又は脅迫」を用いてこの自由を侵害した行為が可罰性あるものとされていた。本罪では準強制わいせつ罪と統合し、「'''同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態'''」に陥っている被害者にわいせつを行った場合に処罰される。
また本要件は「同意しない意思」が前提となっているため、そもそも内心などに「同意」が存在する場合は構成要件該当性が否定されるとの見解がある<ref name="hashizume2025">{{Cite book|和書
|title=性犯罪に対する処罰規定の改正等について
|author=橋爪隆
|year=2024
|publisher=立花書房
}}</ref>。同意は明示のみならず黙示でも良い<ref name="田中上">{{Cite book
|和書
|title=性犯罪・児童虐待捜査ハンドブック〔第2版〕(上)―被害者心理から捜査・公判まで―
|last=田中
|first=嘉寿子
|year=2026
|publisher=立花書房
|isbn=9784803707304
}}</ref>。
第1項各号には行為・事由が列挙されているが、これらは原因事由であって、行為・事由のみに該当することは犯罪ではない。加えて「同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態」まで達していることが必須であり、後者の要件で被害者の状態の検討を要する<ref name="hashizume2025" />。
===わいせつな行為===
:「わいせつな行為」とは、わいせつ物頒布等罪([[刑法第175条|第175条]])における判例「徒らに性慾を興奮又は刺戟せしめ且つ普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するもの([[刑法第175条#猥褻|最判昭和26年5月10日]])」に準拠されるものとされ多くの判決などにも引かれるが、立法時と異なり、不同意わいせつ罪(強制わいせつ罪)の保護法益は「性的自由」と考えられるようになったため、176条の「わいせつな行為」の定義自体は、判例等において依然として変更されなかったものの、「客体である個人の性的自由を侵害するか」という見地から解釈すべきとされるようになった。その結果、現在では、刑法176条におけるわいせつ概念は、公然わいせつ罪におけるそれより広い概念だと理解されており、公然わいせつ罪にはあたらないが、強制わいせつ罪にあたりうるわいせつ行為が存在するとされる<ref>{{Cite web |url=https://www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/law/lex/17-56/007kamon.pdf |title= 強制わいせつ罪におけるわいせつ概念について |author=嘉門優 |work=立命館法学 375/376 116-134 |publisher=立命館大学 |date=2018-03 |accessdate=2023-07-15}}</ref>。たとえば、服の上から乳房や陰部などに触れる行為や接吻する行為自体は、公衆の前で行われても、わいせつとされ、公然わいせつ罪が問われる可能性は少ないが、その行為を相手方が同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態である場合に行えば不同意わいせつ罪を問いうる。しかし、現在、さらに進んで、わいせつな行為を単純に「性的性質を有する一定の重大な侵襲」と定義すべきとも主張もなされている<ref>{{Cite journal ja-jp|author = 佐藤陽子|year = 2016|title = 強制わいせつ罪におけるわいせつ概念について |journal = 法律時報|issue = 1104|publisher = 日本評論社|pages = 60-65}}</ref>。しかしながら、この定義では曖昧に過ぎ罪刑法定主義に反するとの批判もある。実際の判定においては、わいせつとされる行為について、(ⅰ)関係する部位,(ⅱ)接触の有無・方法,(ⅲ)継続性,(ⅳ)強度,(ⅴ)性的意図,(ⅵ)その他の状況の全事情を評価するものと分析されている。
==参照条文==
*[[刑法第180条|第180条]](未遂罪)
:未遂は、罰する。
==判例==
#[https://www.courts.go.jp/hanrei/50960/detail2/index.html 強制わいせつ、強姦致傷](最高裁判決昭和44年7月25日)
#;13才未満の者に対しその反抗を著しく困難にさせる程度の脅迫を用いてわいせつ行為をした場合の擬律
#:13才未満の者に対し、その反抗を著しく困難にさせる程度の脅迫を用いてわいせつの行為をした場合には、刑法176条の前段と後段との区別なく右法条に該当する一罪が成立する。
#[https://www.courts.go.jp/hanrei/50924/detail2/index.html 強制わいせつ](最高裁判決昭和45年1月29日 刑集24巻1号1頁)
#;専ら報復または侮辱虐待の目的をもつて婦女を脅迫し裸にして撮影する行為と強制わいせつ罪の成否
#:強制わいせつ罪が成立するためには、その行為が犯人の性欲を刺戟興奮させまたは満足させるという性的意図のもとに行なわれることを要し、婦女を脅迫し裸にして、その立つているところを撮影する行為であつても、これが専らその婦女に報復し、または、これを侮辱し、虐待する目的に出たときは、強要罪その他の罪を構成するのは格別、強制わいせつの罪は成立しない。
#:*被告人が、専ら報復のために被害者を裸にして写真を撮った事例
#:*:本判例は、以下の判決(最高裁判決平成29年11月29日)により変更されている。
#:*:なお、[[w:リベンジポルノ|リベンジポルノ]]については、「[[私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律]]」が立法され、個別犯罪化されている。
#:*:また、盗撮等不同意の撮影・映像の提供については「[[性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律]]」が立法され犯罪化されている。
#[https://www.courts.go.jp/hanrei/87256/detail2/index.html 児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反、強制わいせつ、犯罪による収益の移転防止に関する法律違反被告事件](最高裁判決平成29年11月29日 刑集71巻9号467頁)
#;強制わいせつ罪の成立と行為者の性的意図の要否
#:刑法(平成29年法律第72号による改正前のもの)176条にいう「わいせつな行為」に当たるか否かの判断を行うための個別具体的な事情の一つとして、行為者の目的等の主観的事情を判断要素として考慮すべき場合はあり得るが、行為者の性的意図は強制わいせつ罪の成立要件ではない。
===関連判例===
第1項第8号(セクシャルハラスメント)関連
#[https://www.courts.go.jp/hanrei/88104/detail2/index.html 停職処分取消請求事件](最高裁判決平成30年11月6日)[[地方公務員法第29条|地方公務員法29条]]1項,[[地方公務員法第33条|地方公務員法33条]],加古川市職員の懲戒の手続及び効果に関する条例(昭和28年加古川市条例第7号)4条
#;地方公共団体の男性職員が勤務時間中に訪れた店舗の女性従業員にわいせつな行為等をしたことを理由とする停職6月の懲戒処分に裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用した違法があるとした原審の判断に違法があるとされた事例
#:*行為態様
#:*:被上告人は,勤務時間中,上告人の市章の付いた作業着である制服制服を着用して本件店舗を訪れ,顔見知りであった女性従業員(以下「本件従業員」という。)に飲物を買い与えようとして,自らの左手を本件従業員の右手首に絡めるようにしてショーケースの前まで連れて行き,そこで商品を選ばせた上で,自らの右腕を本件従業員の左腕に絡めて歩き始め,その後間もなく,自らの右手で本件従業員の左手首をつかんで引き寄せ,その指先を制服の上から自らの股間に軽く触れさせた。本件従業員は,被上告人の手を振りほどき,本件店舗の奥に逃げ込んだ。
#:地方公共団体の男性職員が勤務時間中に訪れた店舗においてその女性従業員の手を自らの下半身に接触させようとするなどのわいせつな行為等をしたことを理由とする停職6月の懲戒処分がされた場合において,次の1.~5.など判示の事情の下では,上記処分に裁量権の範囲を逸脱し,又はこれを濫用した違法があるとした原審の判断には,懲戒権者の裁量権に関する法令の解釈適用を誤った違法がある【したがって、懲戒処分は相当である】。
#:#上記行為は,<u>上記職員と上記従業員が客と店員の関係にあって拒絶が困難であることに乗じて行われた</u>。
#:#上記行為は,勤務時間中に市の制服を着用してされたものである上,複数の新聞で報道されるなどしており,上記地方公共団体の公務一般に対する住民の信頼を大きく損なうものであった。
#:#上記職員は,以前から上記店舗の従業員らを不快に思わせる不適切な言動をしており,これを理由の一つとして退職した女性従業員もいた。
#:#<u>上記1.の従業員が終始笑顔で行動し,上記職員から手や腕を絡められるという身体的接触に抵抗を示さなかったとしても,それは客との間のトラブルを避けるためのものであったとみる余地がある</u>。
#:#<u>上記従業員及び上記店舗のオーナーが上記職員の処罰を望まないとしても,それは事情聴取の負担や上記店舗の営業への悪影響等を懸念したことによるものとも解される</u>。
==脚注==
<references/>
----
{{前後
|[[コンメンタール刑法|刑法]]
|[[コンメンタール刑法#2|第2編 罪]]<br>
[[コンメンタール刑法#2-22|第22章 わいせつ、不同意性交等及び重婚の罪]]<br>
|[[刑法第175条]]<br>(わいせつ物頒布等)<br>
|[[刑法第177条]]<br>(不同意性交等)<br>
}}
{{stub|law}}
[[Category:刑法|176]]
[[category:刑法 2017年改正|176]]
[[category:刑法 2023年改正|176]]
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刑法第177条
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2026-09-13T13:23:54Z
Seihigaisya
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303623
wikitext
text/x-wiki
*[[法学]]>[[刑事法]]>[[刑法]]>[[コンメンタール刑法]]
*[[法学]]>[[コンメンタール]]>[[コンメンタール刑法]]
== 条文 ==
(不同意性交等)
; 第177条
#[[刑法第176条|前条]]第1項各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、性交、肛門性交、口腔性交又は膣若しくは肛門に身体の一部(陰茎を除く。)若しくは物を挿入する行為であってわいせつなもの(以下この条及び[[刑法第179条|第179条]]第2項において「性交等」という。)をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、5年以上の有期拘禁刑に処する。
#行為がわいせつなものではないとの誤信をさせ、若しくは行為をする者について人違いをさせ、又はそれらの誤信若しくは人違いをしていることに乗じて、性交等をした者も、前項と同様とする。
#16歳未満の者に対し、性交等をした者(当該16歳未満の者が13歳以上である場合については、その者が生まれた日より5年以上前の日に生まれた者に限る。)も、第1項と同様とする。
===改正経緯===
====2023年改正====
2023年改正により、以下の条項から改正。
;(強制性交等)
: 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、{{ruby|肛|こう}}門性交又は口{{ruby|腔|こう}}性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。
:*改正ポイント
:*#強制性交等罪では、性犯罪の本質である「自由な意思決定が困難な状態で行われた性的行為」を「暴行・脅迫」、準強制性交等罪では「抗拒不能・心神喪失」とそれぞれ表現していたが、本罪ではこれらを統合し「'''同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態'''」に表現し直された<ref name="moj_seihanzai">[https://www.moj.go.jp/keiji1/keiji12_00200.html 法務省「性犯罪関係の法改正等 Q&A」]</ref>。法務省は、同意していないこと、つまり内心そのものではなく、客観的、外形的な状態を要件としており、また関係証拠を踏まえて判断するものであって、被害者や被疑者の内心のみによって犯罪の成否が分かれるものではないと説明している<ref>{{Cite web
|url=https://kokkai.ndl.go.jp/simple/detail?minId=121115206X02220230615&spkNum
|title=第211回国会 参議院 法務委員会 第22号 令和5年6月15日
|website=国会会議録検索システム
|publisher=国立国会図書館
|date=2023-06-15
|access-date=2026-08-12
}}</ref>。
:*#*犯罪成立には(1)原因事由(アルコールの影響など)により、(2)中核要件(全う困難な状態など)まで被害者が陥る、という2要件を満たすことが必要になった。(原因事由(アルコールの影響など)のみに該当する場合は性犯罪を構成しない。)
:*#*法務省によれば旧法(暴行・脅迫、心神喪失・抗拒不能)から処罰範囲は拡大はしていないが、より明確で、判断にばらつきが生じない規定となったとしている<ref name="moj_seihanzai" />。
:*#*誤信類型は旧法抗拒不能に含めていたが、2項で処罰されることになった<ref>安達光治「『ハイブリッド刑法各論〔第3版〕』補遺」5頁、法律文化社。[https://www.hou-bun.com/01main/01_04_hoi_pdf_129.pdf]</ref>。
:*#*本改正における要件の一元化により、[[刑法第178条|第178条]]第2項に定める事例は吸収・継承されることとなり、第1項は[[刑法第176条|前条]]に吸収されたため、同条は削除された。
:*#「性交等」の態様に関して、従来の「性交、肛門性交又は口腔性交」に「肛門に身体の一部(陰茎を除く。)若しくは物を挿入する行為であってわいせつなもの」が加わった。新たに加わった態様については「わいせつなもの」という[[傾向犯]]の要件を要する。
:*#改正前から、13歳未満の若年者に対する性交等は、「暴行・脅迫」の要件を要さず強制性交等罪を構成していた。本改正において16歳未満の若年者に対する性交等は、他の要件を要さずとも本罪を構成することとなった。本改正は、対象年齢を引き上げただけの改正と言える。ただし、相手方が13歳以上16歳未満であって、性交等をした者が当該相手方より5歳以上年上では'''ない'''場合は、年齢要件のみでは本罪は成立せず、第1項又は第2項の要件を満たした場合のみ本罪が成立することとした。
:*#婚姻関係の存在により本罪が成立しないものではないことを明確にした([[#夫婦間における本罪の成立|解説]]参照)。
====2022年改正====
2022年改正により、以下のとおり改正。施行日については本改正時は未定であったが(後に他の条項に関しては2025年6月1日と決定)、2023年改正施行に合わせ拘禁刑としている。
:(改正前)懲役
:(改正後)拘禁刑
====2017年改正====
2017年改正により以下の条項から改正。
(改正前)
;見出し
:強姦
;条文
:'''暴行'''又は脅迫を用いて'''十三歳以上の女子を姦淫した者は、強姦の罪とし、三年'''以上の有期懲役に処する。十三歳未満の'''女子を姦淫した'''者も、同様とする。
(改正のポイント)
#処罰行為の拡張
#:処罰行為が、暴行又は脅迫を用いて(13歳未満については手段を問わない)の姦淫(「性交」)、いわゆる「強姦」に、「肛門性交」又は「口腔性交」を加えた。
#被害客体の拡張
#:処罰行為が拡張されたことに伴い、被害客体が女子のみであったものを、男性も被害客体とした。
#科刑の重罰化
#:科刑下限を3年の有期懲役から、5年の有期懲役へと厳罰化された。
== 解説 ==
2023年改正前の強制性交等罪の、保護法益は被害者の「性的自由」とされるが、改正前は「暴行又は脅迫」を用いてこの自由を侵害した行為が可罰性あるものとされていた。本罪では準強制性交等罪と統合し、「'''同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態'''」に陥っている被害者と性交等を行った場合に処罰される。
また本要件は「同意しない意思」が前提となっているため、そもそも内心などに「同意」が存在する場合は構成要件該当性が否定されるとの見解がある<ref name="hashizume2025">{{Cite book|和書
|title=性犯罪に対する処罰規定の改正等について
|author=橋爪隆
|year=2024
|publisher=立花書房
}}</ref>。同意は明示のみならず黙示でも良い<ref name="田中上">{{Cite book
|和書
|title=性犯罪・児童虐待捜査ハンドブック〔第2版〕(上)―被害者心理から捜査・公判まで―
|last=田中
|first=嘉寿子
|year=2026
|publisher=立花書房
|isbn=9784803707304
}}</ref>。
前条第1項各号には行為・事由が列挙されているが、これらは原因事由であって、行為・事由のみに該当することは犯罪ではない。加えて「同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態」まで達していることが必須であり、後者の要件で被害者の状態の検討を要する<ref name="hashizume2025" />。
:#暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
:#心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
:#アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。
:#睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
:#同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
:#予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕させること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。
:#虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。
:#経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。
=== 夫婦間における本罪の成立 ===
:改正前、強姦罪の時代から、婚姻関係が存在する場合、すなわち夫婦間において本罪(夫婦間レイプ)が成立するかについての議論があった。
:学説においては、夫婦間レイプについて本罪が成立する余地はないとする①無条件否定説([[w:団藤重光|団藤]]、[[w:大塚仁|大塚]] 等)、婚姻関係が実質的に破綻していた場合など、一定の場合にのみ本罪の成立を肯定する②限定的肯定説([[w:町野朔|町野]]、[[w:林幹人|林]] 等)、夫婦間レイプについても通常の男女間と同様に本罪が成立するものと解する③無条件肯定説([[w:平川宗信|平川]]、[[w:西田典之|西田]]、[[w:山口厚|山口]]、[[w:大谷實|大谷]] 等)がある。無条件否定説は、かつて、強姦罪の保護法益は女性の貞操と捉えられており、夫婦の関係においてそれを評価する必要がないと考えられたことを背景にしていると考えられるが、保護法益は個人の性的自己決定権であることが共通認識となっている現在においては支持を失う方向にあった。
:裁判例としては、[[#夫婦間レイプ|広島高裁松江支部昭和62年6月18日判決]]および東京高裁平成19年9月26日判決(東高時報58巻1=12号86頁)があり、いずれも、婚姻関係が実質的に破綻している状況において強制的な性行為がなされたものであり強姦罪が成立するとしている。なお、後者判決においては、「婚姻関係の実質的破綻」は必須のものとし無条件肯定説の採用を否定している。
:これら学説の傾向および判例をうけ、2023年改正において本罪に加え不同意わいせつ罪と「婚姻関係の有無にかかわらず」の文言が入り、無条件否定説は否定され、夫婦間レイプも本罪または不同意わいせつ罪が適用されることが明定された。しかし、「婚姻関係の実質的破綻」を要するか否かは明らかではない。
==参照条文==
*[[刑法第180条|第180条]](未遂罪)
*[[刑法第241条|第241条]](強盗・強制性交等及び同致死)
==判例==
#[https://www.courts.go.jp/hanrei/55338/detail2/index.html 強姦致傷](最高裁判決 昭和24年05月10日)
#;本条の暴行又は脅迫の程度
#:本条にいわゆる暴行又は脅迫は相手方の抗拒を著しく困難ならしめる程度のものであることを以て足りる。
#[https://www.courts.go.jp/hanrei/56488/detail2/index.html 強姦致死](最高裁判決 昭和24年07月09日)
#;暴行又は脅迫を以つて婦女の心神を喪失させ若しくは抗拒不能に為して姦淫した行為の擬律
#:刑法第177条は暴行又は脅迫を以つて婦女を姦淫した者は、強姦の罪として処罰するを規定し、次に[[刑法第178条|同法第178條]]において、人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又はこれをして心神を喪失せしめ、若しくは抗拒不能ならしめて姦淫したる者についても、前条の例による旨を規定している。かかる法条の排列から見れば、苟しくも暴行又は脅迫を以つて婦女を姦淫した者は、前条に該当するのであつて従ってその暴行又は脅迫によつて、婦女をして心神を喪失せしめ、若しくは抗拒不能ならしめて姦淫した者も、また当然これに包含せられるものと解すべきである。
#:*暴行脅迫により心神喪失となった被害者に対する姦淫行為(→強制性交行為)は次条【削除】準強姦(→準強制性交)ではなく、直接強姦(→強制性交)となる。
#:*:→2023年改正により、刑法第178条は削除され、本条に統合された。
#;強姦の点が未遂に終つた強姦致死罪の擬律
#:強姦致死罪は単一な[[刑法第181条]]の犯罪を構成するものであつて、強姦の点が未遂であるかどうか及びその未遂が中止未遂であるか障礙未遂であるかということは、単に情状の問題にすぎないのであつて、処断刑に変更を来たすべき性質のものではないから、本罪に対しては刑法第181条を適用すれば足り、未遂軽減に関する[[刑法第43条|同法第43条]]本文又は但書を適用すべきものではない。
#;驚愕によつて犯行を中止した場合と中止未遂
#:犯罪の実行に着手した後、驚愕によつて犯行を中止した場合においても、その驚愕の原因となつた諸般の状況が、被告人の犯意の遂行を思い止まらしめる障碍の事情として客観性のあるものと認められるときは、障碍未遂であつて中止未遂ではない。
#[https://www.courts.go.jp/hanrei/58672/detail2/index.html 窃盗、強姦致傷 ](最高裁判決 昭和33年06月06日 高刑集11巻10号701頁)
#;本条の暴行又は脅迫の程度
#:本条にいわゆる暴行脅迫は、<u>単にそれのみを取り上げて観察すれば「相手方の抗拒を著しく困難ならしめる」程度には達しないと認められるようなものであつても、</u>その相手方の年令、性別、素行、経歴等やそれがなされた時間、場所の四囲の環境その他具体的事情の如何と相伴つて、相手方の抗拒を不能にし又はこれを著しく困難ならしめるものであれば足りると解すべきである。
#[https://www.courts.go.jp/hanrei/23390/detail2/index.html 住居侵入強姦致傷等被告事件](広島高裁判決 昭和33年12月24日)
#;錯誤を利用した姦淫と抗拒不能
#:犯人に当初よリ強姦の意思があり、被害者が睡気その他の事情により犯人を自己の夫と誤認しているのに乗じて姦淫する以上、性交の当時またはその直前に被害者が完全に覚せいしても右誤認の継続するかぎり刑法第178条にいわゆる抗拒不能に乗じて婦女を姦淫した場合にあたる。
#:*2023年改正前において「抗拒不能」を拡張した事例
#:*:半睡半覚状態の被害者が夫と誤認して行為者と性交した(松原89事例10:)→法益関係的錯誤説(西田=橋爪104;山口112;浅田127)
#:*2023年改正後は「睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること」により、争いなく不合意性交等罪が成立する。
#<span id="夫婦間レイプ"/>[https://www.courts.go.jp/hanrei/24717/detail2/index.html 強姦、傷害被告事件](広島高裁松江支部判決 昭和62年6月18日)
#;夫婦間でも強姦罪が成立するとされた事例
#:法律上は夫婦であつても、婚姻が破綻して名ばかりの夫婦にすぎない場合に、夫が暴行又は脅迫をもつて妻を姦淫したときは強姦罪が成立する。
==脚注==
<references/>
----
{{前後
|[[コンメンタール刑法|刑法]]
|[[コンメンタール刑法#2|第2編 罪]]<br>
[[コンメンタール刑法#2-22|第22章 わいせつ、不同意性交等及び重婚の罪]]<br>
|[[刑法第176条]]<br>(不同意わいせつ)
|[[刑法第178条]]<br>'''削除'''<br>[[刑法第179条]]<br>(監護者わいせつ及び監護者性交等)
}}
{{stub|law}}
[[Category:刑法|177]]
[[category:刑法 2017年改正|177]]
[[category:刑法 2023年改正|177]]
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303627
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2026-09-13T13:44:29Z
Seihigaisya
92079
303627
wikitext
text/x-wiki
*[[法学]]>[[刑事法]]>[[刑法]]>[[コンメンタール刑法]]
*[[法学]]>[[コンメンタール]]>[[コンメンタール刑法]]
== 条文 ==
(不同意性交等)
; 第177条
#[[刑法第176条|前条]]第1項各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、性交、肛門性交、口腔性交又は膣若しくは肛門に身体の一部(陰茎を除く。)若しくは物を挿入する行為であってわいせつなもの(以下この条及び[[刑法第179条|第179条]]第2項において「性交等」という。)をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、5年以上の有期拘禁刑に処する。
#行為がわいせつなものではないとの誤信をさせ、若しくは行為をする者について人違いをさせ、又はそれらの誤信若しくは人違いをしていることに乗じて、性交等をした者も、前項と同様とする。
#16歳未満の者に対し、性交等をした者(当該16歳未満の者が13歳以上である場合については、その者が生まれた日より5年以上前の日に生まれた者に限る。)も、第1項と同様とする。
===改正経緯===
====2023年改正====
2023年改正により、以下の条項から改正。
;(強制性交等)
: 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、{{ruby|肛|こう}}門性交又は口{{ruby|腔|こう}}性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。
:*改正ポイント
:*#改正以前は、性犯罪の本質である「'''自由な意思決定が困難な状態で行われた性的行為'''」を暴行・脅迫、抗拒不能・心神喪失といった要件により判断していたが、これらを統合し、本罪では性犯罪の本質を「同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態」といった表現に変更された<ref name="moj_seihanzai">[https://www.moj.go.jp/keiji1/keiji12_00200.html 法務省「性犯罪関係の法改正等 Q&A」]</ref>。法務省は、同意していないこと、つまり内心そのものではなく、客観的、外形的な状態を要件としており、また関係証拠を踏まえて判断するものであって、被害者や被疑者の内心のみによって犯罪の成否が分かれるものではないと説明している<ref>{{Cite web
|url=https://kokkai.ndl.go.jp/simple/detail?minId=121115206X02220230615&spkNum
|title=第211回国会 参議院 法務委員会 第22号 令和5年6月15日
|website=国会会議録検索システム
|publisher=国立国会図書館
|date=2023-06-15
|access-date=2026-08-12
}}</ref>。
:*#*犯罪成立には(1)原因事由(アルコールの影響など)により、(2)中核要件(全う困難な状態など)まで被害者が陥る、という2要件を満たすことが必要になった。(原因事由(アルコールの影響など)のみに該当する場合は性犯罪を構成しない。)
:*#*法務省によれば旧法(暴行・脅迫、心神喪失・抗拒不能)から処罰範囲は拡大はしていないが、より明確で、判断にばらつきが生じない規定となったとしている<ref name="moj_seihanzai" />。
:*#*誤信類型は旧法抗拒不能に含めていたが、2項で処罰されることになった<ref>安達光治「『ハイブリッド刑法各論〔第3版〕』補遺」5頁、法律文化社。[https://www.hou-bun.com/01main/01_04_hoi_pdf_129.pdf]</ref>。
:*#*本改正における要件の一元化により、[[刑法第178条|第178条]]第2項に定める事例は吸収・継承されることとなり、第1項は[[刑法第176条|前条]]に吸収されたため、同条は削除された。
:*#「性交等」の態様に関して、従来の「性交、肛門性交又は口腔性交」に「肛門に身体の一部(陰茎を除く。)若しくは物を挿入する行為であってわいせつなもの」が加わった。新たに加わった態様については「わいせつなもの」という[[傾向犯]]の要件を要する。
:*#改正前から、13歳未満の若年者に対する性交等は、「暴行・脅迫」の要件を要さず強制性交等罪を構成していた。本改正において16歳未満の若年者に対する性交等は、他の要件を要さずとも本罪を構成することとなった。本改正は、対象年齢を引き上げただけの改正と言える。ただし、相手方が13歳以上16歳未満であって、性交等をした者が当該相手方より5歳以上年上では'''ない'''場合は、年齢要件のみでは本罪は成立せず、第1項又は第2項の要件を満たした場合のみ本罪が成立することとした。
:*#婚姻関係の存在により本罪が成立しないものではないことを明確にした([[#夫婦間における本罪の成立|解説]]参照)。
====2022年改正====
2022年改正により、以下のとおり改正。施行日については本改正時は未定であったが(後に他の条項に関しては2025年6月1日と決定)、2023年改正施行に合わせ拘禁刑としている。
:(改正前)懲役
:(改正後)拘禁刑
====2017年改正====
2017年改正により以下の条項から改正。
(改正前)
;見出し
:強姦
;条文
:'''暴行'''又は脅迫を用いて'''十三歳以上の女子を姦淫した者は、強姦の罪とし、三年'''以上の有期懲役に処する。十三歳未満の'''女子を姦淫した'''者も、同様とする。
(改正のポイント)
#処罰行為の拡張
#:処罰行為が、暴行又は脅迫を用いて(13歳未満については手段を問わない)の姦淫(「性交」)、いわゆる「強姦」に、「肛門性交」又は「口腔性交」を加えた。
#被害客体の拡張
#:処罰行為が拡張されたことに伴い、被害客体が女子のみであったものを、男性も被害客体とした。
#科刑の重罰化
#:科刑下限を3年の有期懲役から、5年の有期懲役へと厳罰化された。
== 解説 ==
2023年改正前の強制性交等罪の、保護法益は被害者の「性的自由」とされるが、改正前は「暴行又は脅迫」を用いてこの自由を侵害した行為が可罰性あるものとされていた。本罪では準強制性交等罪と統合し、「'''同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態'''」に陥っている被害者と性交等を行った場合に処罰される。
また本要件は「同意しない意思」が前提となっているため、そもそも内心などに「同意」が存在する場合は構成要件該当性が否定されるとの見解がある<ref name="hashizume2025">{{Cite book|和書
|title=性犯罪に対する処罰規定の改正等について
|author=橋爪隆
|year=2024
|publisher=立花書房
}}</ref>。同意は明示のみならず黙示でも良い<ref name="田中上">{{Cite book
|和書
|title=性犯罪・児童虐待捜査ハンドブック〔第2版〕(上)―被害者心理から捜査・公判まで―
|last=田中
|first=嘉寿子
|year=2026
|publisher=立花書房
|isbn=9784803707304
}}</ref>。
前条第1項各号には行為・事由が列挙されているが、これらは原因事由であって、行為・事由のみに該当することは犯罪ではない。加えて「同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態」まで達していることが必須であり、後者の要件で被害者の状態の検討を要する<ref name="hashizume2025" />。
:#暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
:#心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
:#アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。
:#睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
:#同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
:#予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕させること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。
:#虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。
:#経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。
=== 夫婦間における本罪の成立 ===
:改正前、強姦罪の時代から、婚姻関係が存在する場合、すなわち夫婦間において本罪(夫婦間レイプ)が成立するかについての議論があった。
:学説においては、夫婦間レイプについて本罪が成立する余地はないとする①無条件否定説([[w:団藤重光|団藤]]、[[w:大塚仁|大塚]] 等)、婚姻関係が実質的に破綻していた場合など、一定の場合にのみ本罪の成立を肯定する②限定的肯定説([[w:町野朔|町野]]、[[w:林幹人|林]] 等)、夫婦間レイプについても通常の男女間と同様に本罪が成立するものと解する③無条件肯定説([[w:平川宗信|平川]]、[[w:西田典之|西田]]、[[w:山口厚|山口]]、[[w:大谷實|大谷]] 等)がある。無条件否定説は、かつて、強姦罪の保護法益は女性の貞操と捉えられており、夫婦の関係においてそれを評価する必要がないと考えられたことを背景にしていると考えられるが、保護法益は個人の性的自己決定権であることが共通認識となっている現在においては支持を失う方向にあった。
:裁判例としては、[[#夫婦間レイプ|広島高裁松江支部昭和62年6月18日判決]]および東京高裁平成19年9月26日判決(東高時報58巻1=12号86頁)があり、いずれも、婚姻関係が実質的に破綻している状況において強制的な性行為がなされたものであり強姦罪が成立するとしている。なお、後者判決においては、「婚姻関係の実質的破綻」は必須のものとし無条件肯定説の採用を否定している。
:これら学説の傾向および判例をうけ、2023年改正において本罪に加え不同意わいせつ罪と「婚姻関係の有無にかかわらず」の文言が入り、無条件否定説は否定され、夫婦間レイプも本罪または不同意わいせつ罪が適用されることが明定された。しかし、「婚姻関係の実質的破綻」を要するか否かは明らかではない。
==参照条文==
*[[刑法第180条|第180条]](未遂罪)
*[[刑法第241条|第241条]](強盗・強制性交等及び同致死)
==判例==
#[https://www.courts.go.jp/hanrei/55338/detail2/index.html 強姦致傷](最高裁判決 昭和24年05月10日)
#;本条の暴行又は脅迫の程度
#:本条にいわゆる暴行又は脅迫は相手方の抗拒を著しく困難ならしめる程度のものであることを以て足りる。
#[https://www.courts.go.jp/hanrei/56488/detail2/index.html 強姦致死](最高裁判決 昭和24年07月09日)
#;暴行又は脅迫を以つて婦女の心神を喪失させ若しくは抗拒不能に為して姦淫した行為の擬律
#:刑法第177条は暴行又は脅迫を以つて婦女を姦淫した者は、強姦の罪として処罰するを規定し、次に[[刑法第178条|同法第178條]]において、人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又はこれをして心神を喪失せしめ、若しくは抗拒不能ならしめて姦淫したる者についても、前条の例による旨を規定している。かかる法条の排列から見れば、苟しくも暴行又は脅迫を以つて婦女を姦淫した者は、前条に該当するのであつて従ってその暴行又は脅迫によつて、婦女をして心神を喪失せしめ、若しくは抗拒不能ならしめて姦淫した者も、また当然これに包含せられるものと解すべきである。
#:*暴行脅迫により心神喪失となった被害者に対する姦淫行為(→強制性交行為)は次条【削除】準強姦(→準強制性交)ではなく、直接強姦(→強制性交)となる。
#:*:→2023年改正により、刑法第178条は削除され、本条に統合された。
#;強姦の点が未遂に終つた強姦致死罪の擬律
#:強姦致死罪は単一な[[刑法第181条]]の犯罪を構成するものであつて、強姦の点が未遂であるかどうか及びその未遂が中止未遂であるか障礙未遂であるかということは、単に情状の問題にすぎないのであつて、処断刑に変更を来たすべき性質のものではないから、本罪に対しては刑法第181条を適用すれば足り、未遂軽減に関する[[刑法第43条|同法第43条]]本文又は但書を適用すべきものではない。
#;驚愕によつて犯行を中止した場合と中止未遂
#:犯罪の実行に着手した後、驚愕によつて犯行を中止した場合においても、その驚愕の原因となつた諸般の状況が、被告人の犯意の遂行を思い止まらしめる障碍の事情として客観性のあるものと認められるときは、障碍未遂であつて中止未遂ではない。
#[https://www.courts.go.jp/hanrei/58672/detail2/index.html 窃盗、強姦致傷 ](最高裁判決 昭和33年06月06日 高刑集11巻10号701頁)
#;本条の暴行又は脅迫の程度
#:本条にいわゆる暴行脅迫は、<u>単にそれのみを取り上げて観察すれば「相手方の抗拒を著しく困難ならしめる」程度には達しないと認められるようなものであつても、</u>その相手方の年令、性別、素行、経歴等やそれがなされた時間、場所の四囲の環境その他具体的事情の如何と相伴つて、相手方の抗拒を不能にし又はこれを著しく困難ならしめるものであれば足りると解すべきである。
#[https://www.courts.go.jp/hanrei/23390/detail2/index.html 住居侵入強姦致傷等被告事件](広島高裁判決 昭和33年12月24日)
#;錯誤を利用した姦淫と抗拒不能
#:犯人に当初よリ強姦の意思があり、被害者が睡気その他の事情により犯人を自己の夫と誤認しているのに乗じて姦淫する以上、性交の当時またはその直前に被害者が完全に覚せいしても右誤認の継続するかぎり刑法第178条にいわゆる抗拒不能に乗じて婦女を姦淫した場合にあたる。
#:*2023年改正前において「抗拒不能」を拡張した事例
#:*:半睡半覚状態の被害者が夫と誤認して行為者と性交した(松原89事例10:)→法益関係的錯誤説(西田=橋爪104;山口112;浅田127)
#:*2023年改正後は「睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること」により、争いなく不合意性交等罪が成立する。
#<span id="夫婦間レイプ"/>[https://www.courts.go.jp/hanrei/24717/detail2/index.html 強姦、傷害被告事件](広島高裁松江支部判決 昭和62年6月18日)
#;夫婦間でも強姦罪が成立するとされた事例
#:法律上は夫婦であつても、婚姻が破綻して名ばかりの夫婦にすぎない場合に、夫が暴行又は脅迫をもつて妻を姦淫したときは強姦罪が成立する。
==脚注==
<references/>
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{{前後
|[[コンメンタール刑法|刑法]]
|[[コンメンタール刑法#2|第2編 罪]]<br>
[[コンメンタール刑法#2-22|第22章 わいせつ、不同意性交等及び重婚の罪]]<br>
|[[刑法第176条]]<br>(不同意わいせつ)
|[[刑法第178条]]<br>'''削除'''<br>[[刑法第179条]]<br>(監護者わいせつ及び監護者性交等)
}}
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[[Category:刑法|177]]
[[category:刑法 2017年改正|177]]
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電気工学
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== 書棚 ==
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食と掩蔽
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/* 地球による静止衛星の食 */ iwln. 静止衛星
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'''食'''(しょく)は、天文学において天体が別の天体によって影に入る事を言います。また、天体が別の天体によって隠さる現象を'''掩蔽'''(えんぺい)と言います。よく知られているのは'''日食'''や'''月食'''で、日常でも耳にすることが多いです。本項目では、天文学における「食」と「掩蔽」について詳しく解説します。なお、厳密には「日食」は「掩蔽」に分類されますが、慣用的に「日食」という語が広く使われています。
== 日食 ==
[[ファイル:Eclipses Solares.png|250px|thumb|3種類の日食。左から部分日食、金環日食、皆既日食。画像の言語はスペイン語。Aは月の中心、Bは太陽の中心で、A≠Bのとき部分日食、A=Bで太陽視直径>月視直径のとき金環日食、太陽視直径<月視直径のとき皆既日食とされる。]]
太陽が月によって隠される現象を'''日食'''(にっしょく)といいます。日食には以下の3種類があります。
* 一部だけ隠れる'''部分日食'''(ぶぶんにっしょく)
* 完全に隠れる'''皆既日食'''(かいきにっしょく)
* 月が太陽より小さく見えるときに、月が太陽を完全に覆い輪のように見える'''金環日食'''(きんかんにっしょく)
日食は、太陽と月の大きさや地球との距離によって生じる珍しい現象です。通常、天体の距離と大きさの比が一致しないため、このような現象は見られませんが、偶然にも太陽-地球間の距離と月-地球間の距離の比率、および太陽と月の大きさの比率がほぼ等しいために日食が発生します。具体的には、太陽地球間の距離d<sub>S</sub>、月地球間の距離d<sub>M</sub>、太陽半径R<sub>S</sub>、月半径R<sub>M</sub>の関係は次の通りです。
:<math>d_S : d_M \fallingdotseq R_S : R_M \fallingdotseq 400 : 1</math>
[[ファイル:Earth Eclipses Sun-ap12-s80-37406 - edited.jpg|250px|thumb|アポロ12号で撮影された日食の際に見られるダイヤモンドリング現象。]]
特に皆既日食では、月のクレーターにより一部の太陽光が漏れ、宝石のように輝く現象が見られることがあります。これを'''ダイヤモンドリング'''といいます。
== 月食 ==
[[ファイル:Lto-bloodharvestmoon-20150928-041311.jpg|250px|thumb|2015年9月28日に観測された月食。]]
月が地球の影に入ることによって生じる現象を'''月食'''(げっしょく)といいます。月食には以下の2種類があります。
* 部分的に隠れる'''部分月食'''(ぶぶんげっしょく)
* 完全に隠れる'''皆既月食'''(かいきげっしょく)
月食の際、特に皆既月食では月が赤く見えることがあります。これは、太陽光が地球の大気を通過する際に短波長の光(紫に近い光)が散乱され、長波長の赤い光が月に到達するためです。
== 食と掩蔽の厳密な分類 ==
「食」は、天体が別の天体によって隠される現象を指しますが、厳密には影によるもののみを「食」と呼びます。そのため、月食は「食」に該当しますが、日食は月が太陽を直接隠す現象であり、影に入るものではないため、本来は「食」ではありません。しかし、慣用的に「日食」と呼ばれています。
一方で、天体が別の天体を隠す現象は'''掩蔽'''(えんぺい)と呼ばれ、天体Aが天体Bを隠す場合「AによるBの掩蔽」と表現されます。例えば、月が金星を隠す場合、「月による金星の掩蔽」といいます。このような現象は、特に惑星が隠される場合には'''惑星食'''(わくせいしょく)または'''星食'''(せいしょく)とも呼ばれます。
日食は皆既日食の場合に掩蔽に該当します。部分日食や金環日食のように天体が一部だけ隠される現象は、'''通過'''と呼ばれます。特に太陽の前を別の天体が通過する現象は'''太陽面通過'''として知られています。
== 様々な天体の食と掩蔽 ==
食や掩蔽の現象は、地球から見える太陽や月だけでなく、他の天体でも見られます。天体同士の位置関係によって、さまざまな種類の食や掩蔽が観測されます。
=== 惑星食 ===
[[ファイル:OccultJupiter_6-7-2005_6-07PM_Nelson_NZ.jpg|thumb|250px|月による木星の掩蔽の数分前(2005年6月7日)]]
惑星が他の天体によって隠される現象を'''惑星食'''(わくせいしょく)といいます。多くの場合、月が惑星を隠す現象が観測されます。たとえば、'''月による木星の掩蔽'''(月が木星を隠す現象)が挙げられます。惑星食は比較的まれで、肉眼で観測できることは少ないため、望遠鏡を使うことが一般的です。
=== 恒星食 ===
恒星(星)が別の天体によって隠される現象を'''恒星食'''(こうせいしょく)と呼びます。恒星食も掩蔽の一種で、月や惑星が恒星の前を横切って、星が一時的に見えなくなる現象です。月による恒星の掩蔽は、'''星食'''(せいしょく)とも呼ばれ、天文学者によって位置精度の高い観測が行われています。
=== 木星や土星の衛星食 ===
[[ファイル:Dione_Rhea_Occultation.jpg|thumb|250px|木星の衛星ディオネによるレアの接食]]
巨大ガス惑星である[[木星]]や[[土星]]には多くの衛星があり、これらの衛星同士や、惑星本体に隠されることがあります。これを'''衛星食'''(えいせいしょく)といいます。特に木星では、衛星が木星の影に入ることで食が頻繁に発生し、地球から観測することが可能です。
また、土星の衛星も土星やその環の影響で隠されることがあります。これらの現象は、天体力学の理解に役立つため、観測されることが多いです。
=== 小惑星による掩蔽 ===
[[小惑星]]が背景にある恒星を隠す現象を'''小惑星掩蔽'''(しょうわくせいえんぺい)と呼びます。この現象は非常にまれであり、精密な観測機器を使わないと検出が難しいですが、これにより小惑星の形状や大きさ、さらには衛星の存在が判明することもあります。
=== 木星・土星による掩蔽 ===
木星や土星のような巨大な惑星は、他の惑星や恒星を掩蔽することがあります。これを'''木星掩蔽'''、'''土星掩蔽'''と呼び、特に木星や土星の環境や大気の観測が行われる際に重要なデータをもたらします。
様々な天体の食や掩蔽は、地球から観測されるものだけでなく、宇宙全体にわたる多様な現象です。これらの現象は、天体同士の相対的な運動や位置に依存しており、天文学の発展において重要な観測対象となっています。
== 地球による静止衛星の食 ==
[[w:静止衛星|静止衛星]]は、赤道上空の高度約3万5786キロメートルにあるため、春分や秋分とその前後には太陽と静止衛星の間に地球が入る期間があり、これを静止衛星の「食」といいます。
== 日食や月食が珍しい理由 ==
{{Wikipedia|食 (天文)}}
{{Wikipedia|掩蔽}}
日食は新月のとき、月食は満月のときに発生しますが、毎回これらの現象が見られるわけではありません。これは、地球と月の公転面が約5°傾いているため、天体が一直線に並ぶことが少ないためです。
また、日食と月食を比較すると、月食の方が観測頻度が高いように思われますが、実際には日食の方が発生頻度は高いです。これは、日食は観測できる地域が限られているのに対し、月食は広範囲で観測できるためです。
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[[Category:観測天文学]]
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Microsoft PowerPoint
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{{Wikipedia|Microsoft PowerPoint}}
'''Microsoft PowerPoint'''は、[[w:Microsoft|Microsoft]]の販売する[[w:プレゼンテーションソフト|プレゼンテーションソフト]]です。
==目次==
* [[Microsoft PowerPoint/入門]]
* [[Microsoft PowerPoint/ヒント]]
* [[Microsoft PowerPoint/挿入]]
* [[Microsoft PowerPoint/デザイン]]
* [[Microsoft PowerPoint/画面切り替え]]
* [[Microsoft PowerPoint/アニメーション]]
* [[Microsoft PowerPoint/その他ツール]]
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[[カテゴリ:Microsoft PowerPoint|*]]
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旧課程(2013年度-2021年度)高等学校数学A
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本項は現行課程高等学校数学の科目である「数学A」の解説である。
数学Aは、
* [[高等学校数学A/場合の数と確率|場合の数と確率]]
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wikitext
text/x-wiki
{{ウィキジュニアのスタブ}}
振り子の糸の長さを変えて、1秒で1往復する振り子を作ります。
==用意するもの==
*丸おもり
*[[テグス]]
*[[ペットボトル]](2L)
*ステンレス棒
*[[ストップウォッチ]]
*はさみ
*ペットボトルのキャップ
*[[接着剤]]
**水
*ものさし
**六角ナット
==実験の手順==
#おもりを作る
#振り子の台を作る
#振り子を作る。
#振り子の長さを調整する。
#振り子の長さを測る。
==参考==
[http://science.wao.ne.jp/experiment/recipe.php?contents%20no=51902 参考](リンク切れ)
[[Category:ウィキジュニア|ふりこをつくつてみよう]]
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那覇言葉/ごはんを食べるとき
0
46511
303635
284193
2026-09-13T18:26:33Z
Tomzo
248
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wikitext
text/x-wiki
*ひてぃみてぃむのー かりー? - 朝ごはんは食べた?
*ひてぃみてぃむのー うさがみそーちー? - 朝ごはんは召し上がりましたか?
*ひてぃみてぃむん かめー - 朝ごはんを食べなさい
*ひてぃみてぃむん うさがみそーれー - 朝ごはんを召し上がれ
*うさがみそーれー - お召し上がりください
*ちゅふぁーら うさがみしぇーびりよー - たくさん食べてくださいね
*とー、まじゅん かまな - さあ、一緒に食べよう
*くゎっちー さびら - いただきます
*くゎっちー さびたん - ごちそうさまでした
{{分岐stub|251007}}
{{デフォルトソート:あやまる}}
[[カテゴリ:日本語の方言]]
[[カテゴリ:琉球語]]
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那覇言葉/買い物をするとき
0
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303641
284248
2026-09-13T20:01:29Z
Tomzo
248
303641
wikitext
text/x-wiki
*ちゃーびら さい/たい - ごめんください
*はい、めんそーれー - いらっしゃいませ
*〇〇んでぃ いる くみや あいびーがやー さい/たい? - 〇〇という米はありますか?
*うー、くまぬ たなんかい あいびーん - はい、この棚にあります
*たまなーとぅ くみ うてぃ くぃみそーれー - キャベツと米を売ってください
*くれー ちゃっさ やいびーが? - これはいくらですか?
*むるっし しんいん やいびーん - 全部で1000円です
*にふぇーでーびる - ありがとうございます
*また っち とぅらしよー - また来てちょうだいね
{{分岐stub|251007}}
{{デフォルトソート:かいもの}}
[[カテゴリ:日本語の方言]]
[[カテゴリ:琉球語]]
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紙飛行機
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2026-09-13T18:18:35Z
Tomzo
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text/x-wiki
{{Pathnav|ゲーム|frame=1}}
{{Wikipedia}}
紙飛行機は、紙を折って飛行機を作り、空気の流れを利用して飛ばす遊びです。
折り方によって飛び方が大きく変わるので、工夫次第で、さまざまな飛行を楽しめます。
== 準備 ==
*紙(折り紙など)
==紙飛行機==
'''紙飛行機'''
標準
*一般的で、まっすぐ進む
グライダー
*翼が広く、ゆっくり飛ぶ
スピード
*先端が細く、早く飛ぶ
'''コツ'''
*適切な角度に
*軽く押し出すように投げる
*翼の端を少し曲げる
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[[Category:ゲーム]]
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パン食い競走
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Tomzo
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text/x-wiki
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{{Wikipedia}}
パン食い競走は、吊るされたパンを手を使わずに口で取ってからゴールするというユニークな競技です。
== 所要 ==
*パンをつるすためのロープ
*パン(袋入り推奨)
== ルール ==
#合図とともにスタートします
#パンがつるされた地点まで走ります
#手を使わずに、口だけでパンを取ります
#パンをもってゴールへ走ります
#最も早くゴールした人の勝ちです
== コツ ==
*口を大きく開ける
*パンが取れなくても諦めない
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{{DEFAULTSORT:はんくいきようそう}}
[[Category:ゲーム]]
[[Category:運動会]]
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