Wikibooks jawikibooks https://ja.wikibooks.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8 MediaWiki 1.47.0-wmf.22 first-letter メディア 特別 トーク 利用者 利用者・トーク Wikibooks Wikibooks・トーク ファイル ファイル・トーク MediaWiki MediaWiki・トーク テンプレート テンプレート・トーク ヘルプ ヘルプ・トーク カテゴリ カテゴリ・トーク Transwiki Transwiki‐ノート TimedText TimedText talk モジュール モジュール・トーク Event Event talk Wikibooks:談話室 4 30 304222 304219 2026-10-01T12:42:40Z MediaWiki message delivery 14540 /* Wikidata Sitelink changes in Recent Changes and Watchlist */ 新しい節 304222 wikitext text/x-wiki {{談話室}} ある程度時間のたった議論は[[/過去ログ]]に移動されます。最新の過去ログは [[特別:固定リンク/291757|2026年01月24日 (土) 01:14(UTC)の版]]です(確認日: 2026年1月26日)。過去ログ化の方法については[[Wikibooks:過去ログ化のガイドライン]]を参照ください。 {{/告知}} == WikipediaからWikibooksへのテンプレートの移入とTranswiki名前空間 == Wikipediaで使用されているテンプレートの多くがWikibooks上では導入されておらず、いつものWikipediaの記法でWikibooksを執筆しようとするとテンプレート不在のエラーが多発します。そこでWikipediaからテンプレートを移入 (移植) したいのですが、3点教えて頂きたいことがございます。 # (移入かゼロから自力作成するかは問わず) Wikibooks上でのテンプレートの新規作成は、事前に合意形成などが必要なのでしょうか?それとも好き勝手作っていいものなのでしょうか? # 仮に移入してくる時には、他言語版からの翻訳時と同様の履歴継承方法 (Oldid指定で継承元を示す、あるいはテンプレート名+日時明記する) で問題ないでしょうか? # 「[[Wikibooks:蔵書一覧/テンプレート一覧#Transwiki名前空間]]」によると、テンプレートを置く名前空間はWikibooksテンプレート空間の場合と、Transwiki名前空間と2種類あるように読めるのですが、このTranswiki名前空間にあるテンプレート群は何なのでしょうか? 質問の背景をお伝えしておくと、私の活動している法学の分野では伝統的に法律の概説はWikipediaに執筆し、逐条解説 (1つ1つの条文の細かい解釈や具体例などの提示) はWikibooksに譲るという棲み分けを行ってきたようです。現在私がWikipedia上で加筆している記事の記述が逐条解説まで踏み込んで肥大化してしまったので、一部はWikibooks側に書いた方が良さそうだ、と判断しました。ご存じのとおりWikipediaでは「[[w:Wikipedia:検証可能性|Wikipedia:検証可能性]]」が重視されていて、そのノリで信頼性の高い出典をガチガチに揃えて逐条解説の下書きをしていたのですが、いざ下書きをWikibooksのサンドボックスに投稿したところ ([[Special:Permalink/264757|編集差分]])、出典・脚注系のテンプレートがことごとく存在せずにエラーが出ています。 また、Transwiki名前空間にあるらしい「仮リンク」のテンプレートは、Wikipediaでも多用していたのでWikibooksでも使用したいのですが、Transwiki上にある「仮リンク」はWikibooksで <nowiki>{{{{仮リンク|あいうえお|en|ABC}}}}</nowiki> と記述してそのまま使えるのか、いまいちよく分かりません。[[特別:リンク元/Transwiki:仮リンク]] を見ても、現時点でWikibooksの標準名前空間で使用しているケースはゼロのようです。 Wikipediaと比較してWikibooksの活動が過疎ぎみなのは承知しておりまして、ここで愚痴を言いたいわけではなく、何とか使える形にしたいという前向きな質問の意図だと汲んで頂ければ幸いです。--[[利用者:ProfessorPine|ProfessorPine]] ([[利用者・トーク:ProfessorPine|トーク]]) 2024年12月7日 (土) 03:15 (UTC) :一年以上、議論が止まっていますが、重要な問題なので検討を継続したいと思います。 :個人的には、翻訳などと同様移植元の履歴が継承されていれば問題はなかろうと考えています。--[[利用者:Tomzo|Tomzo]] ([[利用者・トーク:Tomzo|トーク]]) 2026年1月26日 (月) 00:10 (UTC) ::{{コメント2|横から失礼}} 私は管理者などをやったことがないのでわからないのですが、Wiki間インポートを実施するのはいかがですか? ::その後に、Wikibooksに合う形に微調整した方が楽に感じます。 ::おそらくですが、[[WB:IP]]を見る感じ、コピーアンドペーストは推奨されてない方法に思います。 ::私が、管理者権限を持っていたら、協力したいのですが、[[利用者:Tomzo|Tomzo]]さんなどの管理者の協力が必須に感じます…--[[利用者:なまえみてい|なまえみてい]] ([[利用者・トーク:なまえみてい|トーク]]) 2026年2月4日 (水) 10:40 (UTC) == 「デスクトップLinux入門」を作りたい == サーバーではなくデスクトップ向けの,GNU/Linuxディストリビューションのインストール・利用方法を解説した文書をつくりたいと思っています。構想は[[利用者:KASAI_Toushi/デスクトップLinux入門]]にあります。 これにあたって,二つほど質問があります。 * この構想は,Wikibooksでは受け入れられますか? * タイトルは「デスクトップLinux入門」で問題ないでしょうか? [[利用者:KASAI Toushi|KASAI Toushi]] ([[利用者・トーク:KASAI Toushi|トーク]]) 2025年2月28日 (金) 03:55 (UTC) :内容に関してコメントはしかねますが(後述)、原則として受け入れには何ら問題はないと思います。むしろ歓迎です。 :[[情報技術]]にリンク元を作成して、後はツリー構造で作成することをお勧めします。 :「サーバーではなくデスクトップ向けの」という教科書を既存のLinux関係の教科書から分割して作成するのが適当かは不明ですので、それは知見者の方の間で相談いただければと思います。ただ、統合することのメリットが希薄なようであれば、作成することが、wikibooksにはメリットとは考えます。--[[利用者:Tomzo|Tomzo]] ([[利用者・トーク:Tomzo|トーク]]) 2025年2月28日 (金) 07:06 (UTC) ご返信ありがとうございます。分割すべきかどうかはまだ分からないので、利用者ページに下書きを書いておきます。 [[利用者:KASAI Toushi|KASAI Toushi]] ([[利用者・トーク:KASAI Toushi|トーク]]) == 編集合戦の件 == @[[利用者:Tomzo|Tomzo]]様 ~2025-47348氏とHousehome100氏の編集合戦について、どの版まで差し戻しになりますか?(4月中旬から彼らが編集に関わり始めましたが、彼らが関わる前の版にまで遡るのか、編集合戦が発生した(と判断できる)編集の直前の版になるのか)。もし彼らが関わる前の版に戻すとなると、(~2025-47348氏が行った)すじ肉氏が嘗て書いた問題のある版の修正が取り消されることになるので、それの再修正に多くの労力を割くことになりそうです。--[[特別:投稿記録/&#126;2025-49873|&#126;2025-49873]] ([[利用者・トーク:&#126;2025-49873|会話]]) 2025年5月2日 (金) 08:07 (UTC) :本来、ブロック中の編集者が別アカウントで作成した記事は、ブロックの意味をなくすため新規ページは削除、加筆等の編集は削除の上、不可視化とすべきところですが、今回はあまりにも量が多いため、個別の要望を待って対処したいと思います。もし、ページ削除・不可視化等が必要でしたら、最新版を適当なものにするなどご対応の上、削除等の依頼をお願いします。過去履歴の不可視化まで必要ないとお考えであれば、適当と考えられる最新版作成(過去の版へのリバートも可)で十分足りるとは考えています。--[[利用者:Tomzo|Tomzo]] ([[利用者・トーク:Tomzo|トーク]]) 2025年5月2日 (金) 08:24 (UTC) == 移動依頼 == [[旧課程(-2012年度)高等学校数学A/集合と論理]]を[[高等学校数学I/集合と論理]]へ移動お願いします。 *理由:「集合と命題」の内容は2013年度以降『数学I』の範囲になっている。 --[[特別:投稿記録/&#126;2025-57596|&#126;2025-57596]] ([[利用者・トーク:&#126;2025-57596|会話]]) 2025年5月24日 (土) 02:25 (UTC) :対応に関して 「[[トーク:高等学校数学#「学習指導要領」改正に伴う課程の変動について]]」を作成しましたので、ご確認ください。--[[利用者:Tomzo|Tomzo]] ([[利用者・トーク:Tomzo|トーク]]) 2025年5月28日 (水) 06:56 (UTC) == 検索した時に予測候補(サジェスト)が出ないようにできませんか? == 以前は無かったはずです。人によっては不快に感じると思います。--[[特別:投稿記録/&#126;2025-67762|&#126;2025-67762]] ([[利用者・トーク:&#126;2025-67762|会話]]) 2025年6月14日 (土) 14:13 (UTC) :それは難しいと思います。--[[利用者:KINGDOM OF ITALY|KINGDOM OF ITALY]] ([[利用者・トーク:KINGDOM OF ITALY|トーク]]) 2025年7月31日 (木) 08:24 (UTC) == 管理者の再信任のための「定期的な投票」実施について == 皆さん、こんにちは。このたび、[[Wikibooks:管理者の辞任#管理者の再信任投票]]に基づく2025年9月末で任期末を迎える現管理者3名の再信任のための「定期的な投票」を実施したく存じます。方針によれば、「各管理者に対し原則として毎年」行われるべき再信任投票ですが、ここ5年間行われておらず(前回は[[Wikibooks:管理者への立候補/再信任投票/202009|2020年9月]])、現管理者の方3名の無投票での留任が続いております。そこで当コミュニティの事前告知期間も踏まえ2週間後の2025年9月1日(予定)に投票ページとして「[[Wikibooks:管理者への立候補/再信任投票 202509]]」を作成いたします。そこから2週間(336時間)の投票期間を設けたいと存じます。なお、管理者の一人である {{admin|かげろん}} さんは、この再信任投票開始の時点までに活動がない場合には方針に基づき自動退任となります。以上につきまして何かコメントなどございましたらお寄せください。それでは何卒よろしくお願いいたします。--[[利用者:Shokupan|Shokupan]] ([[利用者・トーク:Shokupan|トーク]]) 2025年8月18日 (月) 04:27 (UTC) :{{コメント2|報告}} 事前告知のとおり、[[Wikibooks:管理者への立候補/再信任投票 202509|管理者の再信任投票ページ]]を作成いたしましたので、ご報告いたします。--[[利用者:Shokupan|Shokupan]] ([[利用者・トーク:Shokupan|トーク]]) 2025年9月1日 (月) 04:16 (UTC) == 根気が足りない…… == 現在[[沖縄語]]を執筆しているのですが、全て書き終わる前に根気が尽きてしまいそうです。 [[沖縄語]]を執筆したとて、正直誰の役に立つのか分かりませんし、需要があるのかもよく分かりませんし、そもそもwikibooksの知名度からして執筆しても自分以外見ないのではないかとさえ思うと書く意味はなんなのかなと思います。 今、完成している語学のページは、私が知る限り[[ペルシア語]]だけです。沖縄語も完成させたいという気持ちはありますが、書くべき章を整理したところあまりにも膨大で……。 章は「初級」「中級」「上級」に分けました。根気が続かなかったら途中で私は失踪すると思いますが、同時に、沖縄語は現在消滅の危機にあり、私が失踪したら誰も続きを書いてくれないだろうな……と思います。 じゃあ書かないと!とは思うのですが、なんかやる気が足りないです。 長々と申し訳ありませんでした。もしこれを読んでくださる方がおりましたら、なにかコメントをくださると嬉しいです。また、ウチナーグチのわかる方がいらっしゃいましたら、[[沖縄語]]に軽く目を通して変なところはないか見てくださると助かります。--[[利用者:さきじょーぐー|さきじょーぐー]] ([[利用者・トーク:さきじょーぐー|トーク]]) 2025年9月18日 (木) 09:28 (UTC) :お疲れ様です。 :当方も哲学・倫理学・歴史を中心にいろいろ書いているのですが、2年前の事案でウィキブレイク状態で、ほとんど大したものは書いていません。さきじょーぐーさんが沖縄語のページを充実させていらっしゃること、敬服しております。 :確かにここは知名度も低いのですが、ウィキペディアほどにはおかしな人物が来ないですし、自由にできると思ってはいかがでしょうか。 :なお、沖縄語は全くわからないのでそちらの方には力になれません……。申し訳ないです。--[[利用者:椎楽|椎楽]] ([[利用者・トーク:椎楽|トーク]]) 2025年9月21日 (日) 11:20 (UTC) ::ありがとうございます。まだwikiに参加したばかりなので出会ったことはありませんが、おかしな方があまり来ないというのは、沖縄という政治的に揉めやすいものを扱っているのもありとても嬉しいです。頑張って執筆します。--[[利用者:さきじょーぐー|さきじょーぐー]] ([[利用者・トーク:さきじょーぐー|トーク]]) 2025年9月24日 (水) 05:13 (UTC) == 申し訳ありませんがご協力ください。 == ===ご挨拶=== まずは、皆様にご挨拶させていただきます。アンサイクロペディアから参りました、「たけのこの土」と申します。まだまだ頭の硬い方には慣れていませんが、どうぞよろしくお願いします。 ===お願いしたい点=== この度、Wikipediaでも活動したいと思い、アカウント作成をしようとしたところ、まさかの自分が使用しているIPアドレスが広域ブロックを受けているということで、アカウントを作成することができませんでした。Wikipediaとアカウントが共通しているということでこちらなら出来るかもしれないとアカウント作成したところ、作成できたので…。 ということで、お手数ではございますが、IPの広域ブロック解除に詳しい方がいらっしゃいましたら、解除していただけるとありがたく存じます。--[[利用者:たけのこの土|たけのこの土]] ([[利用者・トーク:たけのこの土|トーク]]) 2025年10月9日 (木) 03:08 (UTC) == <span lang="en" dir="ltr">Help us decide the name of the new Abstract Wikipedia project</span> == <div lang="en" dir="ltr"> <section begin="function1"/> {{int:Hello}}. Please help pick a name for the new Abstract Wikipedia wiki project. This project will be a wiki that will enable users to combine functions from [[:f:|Wikifunctions]] and data from Wikidata in order to generate natural language sentences in any supported languages. These sentences can then be used by any Wikipedia (or elsewhere). There will be two rounds of voting, each followed by legal review of candidates, with votes beginning on 20 October and 17 November 2025. Our goal is to have a final project name selected on mid-December 2025. If you would like to participate, then '''[[m:Special:MyLanguage/Abstract Wikipedia/Abstract Wikipedia naming contest|please learn more and vote now]]''' at meta-wiki. {{Int:Feedback-thanks-title}} <section end="function1"/> </div> -- [[User:Sannita (WMF)|User:Sannita (WMF)]] ([[User talk:Sannita (WMF)|talk]]) 2025年10月20日 (月) 11:42 (UTC) <!-- User:Sannita (WMF)@metawiki が https://meta.wikimedia.org/w/index.php?title=Distribution_list/Global_message_delivery&oldid=29432175 のリストを使用して送信したメッセージ --> == 運動のいくつかの委員会で新任のボランティア委員を募集中 == <section begin="announcement-content" /> 例年10月から12月の期間に、ウィキメディア運動の委員会の一部では新任のボランティア委員を募集します。 それぞれの委員会の詳細は、個別のページがメタウィキにありますのでご参照ください。 * [[m:Special:MyLanguage/Affiliations Committeee|提携団体委員会]](略称AffCom、Affiliations Committee) * [[m:Special:MyLanguage/Ombuds commission|オンブズ委員会]](頭字語OC=Ombuds commission) * [[m:Special:MyLanguage/Wikimedia Foundation/Legal/Community Resilience and Sustainability/Trust and Safety/Case Review Committee|事案評価委員会]](頭字語CRC=Case Review Committee) これら委員会への立候補申請は2025年10月30日から受け付けます。立候補の受付〆切は、提携団体委員会が2025年12月11日、オンブズ委員会と事案評価委員会は2025年12月11日です。立候補申請の手順は[[m:Special:MyLanguage/Wikimedia Foundation/Legal/Committee appointments|Meta-wiki(メタウィキ)にある任命ページ]]をご一読願います。ご質問はその議論ページに投稿するか、メールの場合は cst[[File:At sign.svg|16x16px|link=|(_AT_)]]wikimedia.org 宛にお送りください。 委員会支援チームの一同より <section end="announcement-content" /> -[[m:User:MKaur (WMF)| MKaur (WMF)]] 2025年10月30日 (木) 14:12 (UTC) <!-- User:MKaur (WMF)@metawiki が https://meta.wikimedia.org/w/index.php?title=Distribution_list/Global_message_delivery&oldid=29517125 のリストを使用して送信したメッセージ --> == Wikimedians of Japan User Group 2025-10 == '''全体ニュース''' * 1月から6月までの[https://wikimediafoundation.org/who-we-are/transparency/2025-1/ 透明性レポート](英語)が公表されました。 * 提携団体委員会、オンブズ委員会、事案審査委員会への[[:m:Wikimedia_Foundation/Legal/Committee_appointments/ja|応募]]受付が開始されました。 '''ESEAPハブからのおしらせ'''[[File:ESEAP logo horizontal.svg|40px|link=:m:ESEAP_Hub/ja]] * 11月9日16時(JST)から[[:m:Event:ESEAP_Community_Call_53_(9_November_2025)|オンラインミーティング]]が行われます。 '''Wikimedians of Japan User Groupからのおしらせ'''[[File:Wikimedians of Japan User Group Logoonly.svg|20px|link=:m:Wikimedians_of_Japan_User_Group]] * 11月7日、8日に開催される[https://www.k-of.jp/2025/ 関西オープンフォーラム]に参加します。 * 11月22日に開催される[https://event.ospn.jp/osc2025-fukuoka/ OSC福岡]に参加します。また、翌23日には[https://techplay.jp/event/987206 オープンデータを作ろう! with ウィキメディアもくもく会 in 北九州]を[https://www.osmf.jp OSMFJ]と共催します。 '''[[:w:ja:メインページ|日本語版ウィキペディア]]'''[[File:Wikipedia-logo-v2.svg|20px|link=:w:ja:]] * [[:w:ja:Wikipedia:ウィキペディア・アジア月間|アジア月間]]が行われます。 * 今月は以下の記事が[[:w:ja:Wikipedia:良質な記事/良質な記事の選考|良質な記事の選考]]を通過しました。 **[[:w:ja:魚梁船|魚梁船]] **[[:w:ja:生得性仮説|生得性仮説]] **[[:w:ja:炎舞|炎舞]] **[[:w:ja:エリダヌス座|エリダヌス座]] **[[:w:ja:中堀由希子|中堀由希子]] **[[:w:ja:いて座|いて座]] **[[:w:ja:スティーブン (イングランド王)|スティーブン (イングランド王)]] **[[:w:ja:君と宇宙を歩くために|君と宇宙を歩くために]] **[[:w:ja:久隔帖|久隔帖]] * 今月の1枚 [[File:Lunar eclipse of 2025 September 7 (Montage s3).jpg|alt=|left|thumb|200x200px|​2025年9月7日の皆既[[:w:ja:月食|月食]]の時系列画像]] '''[[:f:|ウィキファンクションズ]]'''[[File:Wikifunctions-logo.svg|20px|link=:f:]] * * 抽象ウィキペディア(Abstract Wikipedia)の[[:m:Abstract_Wikipedia/Abstract_Wikipedia_naming_contest|正式名称]]の第1回投票は11月3日までです。 '''11月のイベント情報''' * 11/1 [https://tobemori-seeds.com/archives/2999 とべもりウィキペディアタウン] * 11/8 [https://mykoho.jp/article/012084/9874593/9964880 ウィキペディアタウン in 北見ワークショップ] * 11/8 [https://www.lib.city-hokuto.ed.jp/akeno/event-info/316/ ウィキペディアタウン@北杜in明野] * 11/9 [https://www2.city.tahara.aichi.jp/section/library/info/2511wikiatumi.html ウィキペディアタウンin渥美] * 11/9 [https://www.city.higashikurume.lg.jp/library/1024999/1027652.html ウィキペディアタウンin東久留米 ~武蔵野鉄道引き込み線~] * 11/15 [https://www.town.nakai.kanagawa.jp/soshiki/chiikibosaikachiikijohohan/citypromo/3716.html ウィキペディアタウンin里都] * 11/23 [https://facebook.com/events/s/wikipedia%E3%83%95%E3%83%B3%E3%82%AB%E3%82%AF14%E5%9D%82%E5%8F%A3%E5%AE%89%E5%90%BE/1534587237725121/ Wikipediaブンガク 坂口安吾] * 11/29 [https://www.city.yokkaichi.lg.jp/www/contents/1724135632047/index.html みんなで「あさけ」界隈を歩いてウィキペディアと世界地図に足跡を残そう!] * 11/30 [https://www.city.inazawa.aichi.jp/museum/0000005195.html ウィキペディアタウン稲沢] '''前回配信:2025年9月30日''' <hr style="border-top: 2px 破線 #7F9AEB; border-bottom: none;"> 配信元: ''[[:m:Wikimedians of Japan User Group|Wikimedians of Japan User Group]]''<br /> <small>[[:m:Talk:Wikimedians of Japan User Group/メールマガジン|フィードバック]]。[[:m:Wikimedians of Japan User Group/メールマガジン/targets list| 登録・削除]]。</small>2025年10月31日 (金) 09:53 (UTC) <hr style="border-top: 2px 破線 #7F9AEB; border-bottom: none;"> <!-- User:Chqaz-WMJPUG@metawiki が https://meta.wikimedia.org/w/index.php?title=Wikimedians_of_Japan_User_Group/%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%9E%E3%82%AC%E3%82%B8%E3%83%B3/targets_list&oldid=29400209 のリストを使用して送信したメッセージ --> == <span lang="en" dir="ltr">Reminder: Help us decide the name of the new Abstract Wikipedia project</span> == <div lang="en" dir="ltr"> <section begin="function2"/> {{int:Hello}}. Reminder: Please help to choose name for the new Abstract Wikipedia wiki project. The finalist vote starts today. The finalists for the name are: <span lang="en" dir="ltr" class="mw-content-ltr">Abstract Wikipedia, Multilingual Wikipedia, Wikiabstracts, Wikigenerator, Proto-Wiki</span>. If you would like to participate, then '''[[m:Special:MyLanguage/Abstract Wikipedia/Abstract Wikipedia naming contest|please learn more and vote now]]''' at meta-wiki. {{Int:Feedback-thanks-title}} <section end="function2"/> </div> -- [[User:Sannita (WMF)|User:Sannita (WMF)]] ([[User talk:Sannita (WMF)|talk]]) 2025年11月20日 (木) 14:21 (UTC) <!-- User:Sannita (WMF)@metawiki が https://meta.wikimedia.org/w/index.php?title=Distribution_list/Global_message_delivery&oldid=29583860 のリストを使用して送信したメッセージ --> == Wikimedians of Japan User Group 2025-11 == '''全体ニュース''' * ウィキメディア財団の[[:foundation:File:Wikimedia_Foundation_FY_24-25_Audit_Report.pdf|監査報告]](英語)が公表されました。 * 提携団体委員会、オンブズ委員会、事案審査委員会への[[:m:Wikimedia_Foundation/Legal/Committee_appointments/ja|応募]]は12月11日までです。 * ウィキマニア2027はチリのサンディエゴで開催されることが決定しました。 '''ESEAPハブからのおしらせ'''[[File:ESEAP logo horizontal.svg|40px|link=:m:ESEAP_Hub/ja]] * 12月6日17時半(JST)から[[:m:Event:ESEAP_Community_Call_54_(6_December_2025)|オンラインミーティング]]が行われます。 '''Wikimedians of Japan User Groupからのおしらせ'''[[File:Wikimedians of Japan User Group Logoonly.svg|20px|link=:m:Wikimedians_of_Japan_User_Group]] * 12月6日に大阪大学中之島センターにて、[[:m:Wikimedians of Japan User Group/events/West-Japan Wikimedia Conference 2025|West-Japan Wikimedia Conference 2025]]を開催します。 * 翌7日には[https://opendata-mokumoku2025.peatix.com/view もくもく会]を開催します。 '''[[:w:ja:メインページ|日本語版ウィキペディア]]'''[[File:Wikipedia-logo-v2.svg|20px|link=:w:ja:]] * 今月は以下の記事が[[:w:ja:Wikipedia:良質な記事/良質な記事の選考|良質な記事の選考]]を通過しました。 **[[:w:ja:根岸町 (仙台市)|根岸町 (仙台市)]] **[[:w:ja:遮光器土偶|遮光器土偶]] **[[:w:ja:尾去沢銅山事件|尾去沢銅山事件]] **[[:w:ja:雄勝地区|雄勝地区]] **[[:w:ja:ギャラクシー・ズー|ギャラクシー・ズー]] **[[:w:ja:ジ・アート・オブ・チャーリー・チャン・ホックチャイ|ジ・アート・オブ・チャーリー・チャン・ホックチャイ]] **[[:w:ja:第一次ポエニ戦争の講和条約|第一次ポエニ戦争の講和条約]] **[[:w:ja:道鏡|道鏡]] **[[:w:ja:八方池|八方池]] **[[:w:ja:マケドニア名称論争|マケドニア名称論争]] **[[:w:ja:連室細管|連室細管]] **[[:w:ja:オヴィリ|オヴィリ]] **[[:w:ja:原阿佐緒|原阿佐緒]] **[[:w:ja:宇佐八幡宮神託事件|宇佐八幡宮神託事件]] **[[:w:ja:薬師岳の圏谷群|薬師岳の圏谷群]] **[[:w:ja:うしかい座|うしかい座]] **[[:w:ja:上海郵便局|上海郵便局]] **[[:w:ja:日本大辞書|日本大辞書]] **[[:w:ja:細川ガラシャ|細川ガラシャ]] * 今月の1枚 [[File:Irozaki 20210131-2.jpg|alt=|thumb|200x200px|静岡県南伊豆町にある[[:w:ja:石廊崎|石廊崎]]の先端の画像|none]] '''[[:wmfblog:|Diff]]''' Diffはウィキメディアに関するブログプラットフォームです。今月から毎月Diffの掲載された記事を紹介します。タイトル / 著者;翻訳者 (掲載日) の順で記載しています。 * [https://diff.wikimedia.org/ja/2025/11/01/%e3%80%8c%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%9a%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e3%82%bf%e3%82%a6%e3%83%b3in%e5%b2%a9%e6%9d%91%e3%80%8d%e3%81%ab%e5%8f%82%e5%8a%a0%e3%81%99%e3%82%8b/ 「ウィキペディアタウンin岩村」に参加する] / Asturio Cantabrio (2025/11/01) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2025/11/02/%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%a1%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e3%83%bb%e3%83%af%e3%83%bc%e3%83%ab%e3%83%89in%e5%9b%b3%e6%9b%b8%e9%a4%a8%e7%b7%8f%e5%90%88%e5%b1%952025%ef%bc%9a%e3%82%a6%e3%82%a3/ ウィキメディア・ワールドin図書館総合展2025:ウィキマニア・ナイロビ参加報告] / Wadakuramon ( 2025/11/02) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2025/11/02/%e3%80%8c%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%9a%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e3%81%ab%e3%82%83%e3%82%a6%e3%83%b3-vol-8%e2%91%a1-%e6%96%87%e5%8c%96%e8%b2%a1xwikipedia%e3%80%8d%e3%81%ab%e5%8f%82/ 「ウィキペディアにゃウン vol.8② 文化財×Wikipedia」に参加する] / Asturio Cantabrio (2025/11/02) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2025/11/03/wikipedia%e8%a8%98%e4%ba%8b%e3%80%8c%e6%b8%af%e5%8d%97%e5%8f%b0%e3%82%b7%e3%83%8d%e3%82%b5%e3%83%ad%e3%83%b3%e3%80%8d%e3%82%92%e4%bd%9c%e6%88%90%e3%81%99%e3%82%8b/ Wikipedia記事「港南台シネサロン」を作成する] / Asturio Cantabrio (2025/11/03) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2025/11/03/%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%a1%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e3%82%82%e3%81%8f%e3%82%82%e3%81%8f%e4%bc%9a2025%e5%b9%b410%e6%9c%88%e6%9d%b1%e4%ba%ac%e3%81%a7%e8%aa%95%e7%94%9f%ef%bc%81wikidata/ ウィキメディアもくもく会2025年10月東京で誕生!Wikidata項目欠落検索ツール『Wikidata Missing』] / Ecute (2025/11/03) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2025/11/04/%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%9e%e3%83%8b%e3%82%a22027%e9%96%8b%e5%82%ac%e5%9c%b0%e6%b1%ba%e5%ae%9a/ ウィキマニア2027開催地決定] / Wikimania Steering Committee (2025/11/04) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2025/11/06/73%e6%ad%b3%e3%81%ae%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%a1%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e3%83%b3%e3%81%ae%e4%b8%80%e6%97%a5/ 73歳のウィキメディアンの一日] / Wadakuramon (2025/11/06) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2025/11/07/%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%82%ab%e3%83%b3%e3%83%95%e3%82%a1%e3%83%ac%e3%83%b3%e3%82%b9%e3%83%bb%e3%82%bd%e3%82%a6%e3%83%ab2025%e3%80%81%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%a1%e3%83%87%e3%82%a3/ ウィキカンファレンス・ソウル2025、ウィキメディアの未来は多様性にあり] / Wikimedia Korea ; Wadakuramon (2025/11/07) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2025/11/14/%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%9a%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e5%88%a9%e7%94%a8%e8%80%85%e3%81%ab%e6%96%b0%e3%81%97%e3%81%84%e3%83%88%e3%83%ac%e3%83%b3%e3%83%89/ ウィキペディア利用者に新しいトレンド] Marshall Miller ; Omotecho (2025/11/14) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2025/11/16/%e9%96%a2%e8%a5%bf%e3%82%aa%e3%83%bc%e3%83%97%e3%83%b3%e3%83%95%e3%82%a9%e3%83%bc%e3%83%a9%e3%83%a0%e3%81%a7%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%9e%e3%83%8b%e3%82%a2%e3%81%ae%e8%a9%b1%e3%82%92%e3%81%97/ 関西オープンフォーラムでウィキマニアの話をしました] / Wadakuramon (2025/11/16) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2025/11/26/%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%a1%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e5%9b%b3%e6%9b%b8%e9%a4%a8%ef%bc%9a100%e4%b8%87%e4%bb%b6%e3%81%ae%e3%83%aa%e3%83%b3%e3%82%af%e3%81%a8%e3%81%9d%e3%81%ae%e5%85%88/ ウィキメディア図書館:100万件のリンクとその先] / Vipin SJ;Omotecho (2025/11/26) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2025/11/27/international-semantic-web-conference-2025-%e3%81%ab%e5%8f%82%e5%8a%a0%e3%81%97%e3%81%9f%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%a1%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e3%83%b3%e3%81%ae%e6%84%9f%e6%83%b3/ International Semantic Web Conference 2025 に参加したウィキメディアンの感想] / Eugene Ormandy (2025/11/27) '''前回配信:2025年10月31日''' <hr style="border-top: 2px 破線 #7F9AEB; border-bottom: none;"> 配信元: ''[[:m:Wikimedians of Japan User Group|Wikimedians of Japan User Group]]''<br /> <small>[[:m:Talk:Wikimedians of Japan User Group/メールマガジン|フィードバック]]。[[:m:Wikimedians of Japan User Group/メールマガジン/targets list| 登録・削除]]。</small>2025年11月30日 (日) 13:06 (UTC) <hr style="border-top: 2px 破線 #7F9AEB; border-bottom: none;"> <!-- User:Chqaz-WMJPUG@metawiki が https://meta.wikimedia.org/w/index.php?title=Wikimedians_of_Japan_User_Group/%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%9E%E3%82%AC%E3%82%B8%E3%83%B3/targets_list&oldid=29717105 のリストを使用して送信したメッセージ --> == Wikimedians of Japan User Group 2025-12 == '''全体ニュース''' * ウィキペディアは1月15日で25周年を迎えます。同時に[[:m:Event:Wikipedia_25_Virtual_Celebration/ja|バーチャルお祝い会]]も開催されます。 * 1月20日にBernadette Meehanさんがウィキメディア財団のCEOに就任します。 '''ESEAPハブからのおしらせ'''[[File:ESEAP logo horizontal.svg|40px|link=:m:ESEAP_Hub/ja]] * 2027年のESEAPサミットは日本で開催することに決定しました。 '''Wikimedians of Japan User Groupからのおしらせ'''[[File:Wikimedians of Japan User Group Logoonly.svg|20px|link=:m:Wikimedians_of_Japan_User_Group]] * 1月31日に開催される[https://event.ospn.jp/osc2026-osaka/ OSC大阪]に参加します。 * [https://www.youtube.com/@WikimediaJaUG YouTubeチャンネル]を作成しました。 * 12月6日に[[:m:Wikimedians of Japan User Group/events/West-Japan Wikimedia Conference 2025|West-Japan Wikimedia Conference 2025]]を開催しました。 '''[[:w:ja:メインページ|日本語版ウィキペディア]]'''[[File:Wikipedia-logo-v2.svg|20px|link=:w:ja:]] * 今月は以下の記事が[[:w:ja:Wikipedia:良質な記事/良質な記事の選考|良質な記事の選考]]を通過しました。 **[[:w:ja:ロンドン自然史博物館の天井|ロンドン自然史博物館の天井]] **[[:w:ja:ミャンマーの歴史|ミャンマーの歴史]] **[[:w:ja:ボーラーン|ボーラーン]] **[[:w:ja:天蓋の聖母 (ラファエロ)|天蓋の聖母 (ラファエロ)]] **[[:w:ja:流行神|流行神]] **[[:w:ja:瑠璃坏|瑠璃坏]] **[[:w:ja:や座|や座]] **[[:w:ja:京坂キリシタン一件|京坂キリシタン一件]] **[[:w:ja:ベトナムの歴史|ベトナムの歴史]] **[[:w:ja:オニオオハシ|オニオオハシ]] **[[:w:ja:白瑠璃碗 (正倉院宝物)|白瑠璃碗 (正倉院宝物)]] **[[:w:ja:漢字|漢字]] **[[:w:ja:貞享の半知|貞享の半知]] **[[:w:ja:カンボジア文学|カンボジア文学]] **[[:w:ja:足利政知|足利政知]] * 今月の1枚 [[File:DSC_1418-DeNoiseAI-low-light_(1).jpg|alt=|thumb|200x200px|静岡県南伊豆町にある[[:w:ja:ヤマセミ|ヤマセミ]]のホバリング|none]] '''1月のイベント情報''' * 1/10 [[:w:ja:Wikipedia:オフラインミーティング/ウィキペディア25周年記念エディタソン|ウィキペディア25周年記念エディタソン]] * 1/25 [https://okunoto-archive.jp/202512/223/ ウィキペディアタウンin珠洲] * 1/25 [https://www.city.tambasasayama.lg.jp/chuotoshokan/information/27347.html ウィキペディアタウンin丹波篠山 Vol.2~丹波篠山の自慢「丹波黒」を世界に発信~] '''[[:wmfblog:|Diff]]''' タイトル / 著者;翻訳者 (掲載日) の順で記載しています。 * [https://diff.wikimedia.org/ja/2025/12/01/%e3%82%aa%e3%83%bc%e3%83%97%e3%83%b3%e3%82%bd%e3%83%bc%e3%82%b9%e3%82%ab%e3%83%b3%e3%83%95%e3%82%a1%e3%83%ac%e3%83%b3%e3%82%b92025kyoto%e3%81%ab%e5%8f%82%e5%8a%a0/ オープンソースカンファレンス2025Kyotoに参加] / VZP10224 (2025/12/01) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2025/12/03/%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%a1%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e3%83%bb%e3%83%af%e3%83%bc%e3%83%ab%e3%83%89in%e5%9b%b3%e6%9b%b8%e9%a4%a8%e7%b7%8f%e5%90%88%e5%b1%952025%ef%bc%9a6%e4%ba%ba%e3%81%ae/ ウィキメディア・ワールドin図書館総合展2025:6人のオンラインフォーラム] / Wadakuramon (2025/12/03) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2025/12/13/%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%a1%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e3%83%bb%e3%83%af%e3%83%bc%e3%83%ab%e3%83%89in%e5%9b%b3%e6%9b%b8%e9%a4%a8%e7%b7%8f%e5%90%88%e5%b1%952025%ef%bc%9a%e3%83%96%e3%8w3%bc/ ウィキメディア・ワールドin図書館総合展2025:ブース展示と横浜エディタソン] / Wadakuramon (2025/12/13) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2025/12/14/%e3%80%8c%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%9a%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e3%82%bf%e3%82%a6%e3%83%b3in%e5%92%8c%e6%ad%8c%e5%b1%b12025%e3%80%8d%e3%81%ab%e5%8f%82%e5%8a%a0%e3%81%99%e3%82%8b/ 「ウィキペディアタウンin和歌山2025」に参加する] / Asutrio Cantabrio (2025/12/14) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2025/12/14/12%e6%9c%88%e3%82%92%e6%b5%b7%e5%a4%96%e3%81%ae%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%a1%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e3%83%b3%e3%81%a8%e9%81%8e%e3%81%94%e3%81%99/ 12月を海外のウィキメディアンと過ごす] / Wadakuramon (2025/12/14) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2025/12/16/diff%e3%81%af2026%e5%b9%b4%e3%81%be%e3%81%a7%e3%81%8a%e4%bc%91%e3%81%bf%e3%81%97%e3%81%be%e3%81%99/ Diffは2026年までお休みします] / Chris Koerner ; Wadakuramon (2025/12/16) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2025/12/17/%e6%ad%a3%e5%80%89%e9%99%a2%e5%b1%95-%e3%81%a8-%e8%a8%98%e4%ba%8b%e5%9f%b7%e7%ad%86-%e7%91%a0%e7%92%83%e5%9d%8f%e3%81%a8%e3%82%82%e3%81%86%e4%b8%80%e3%81%a4%e3%81%ae%e7%99%bd%e7%91%a0%e7%92%83/ 正倉院展 と 記事執筆 -瑠璃坏ともう一つの白瑠璃碗-] / Lin Xiangru (2025/12/17) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2025/12/19/%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%9e%e3%83%8b%e3%82%a22026%e3%81%ab%e5%90%91%e3%81%91%e3%81%a6/ ウィキマニア2026に向けて] / Wikimania Core Organizing Team (2025/12/19) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2025/12/19/west-japan-wikimedia-conference-2025%e5%8f%82%e5%8a%a0%e8%a8%98%ef%bc%9a%e6%a8%aa%e6%b5%9c%e3%82%a8%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%bf%e3%82%bd%e3%83%b3%e3%82%92%e7%b4%b9%e4%bb%8b/ West-Japan Wikimedia Conference 2025参加記:横浜エディタソンを紹介] / Wadakuramon (2025/12/19) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2025/12/19/%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%a1%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e8%b2%a1%e5%9b%a32026-27%e5%b9%b4%e6%ac%a1%e8%a8%88%e7%94%bb%e3%81%ae%e3%82%b4%e3%83%bc%e3%83%ab%e7%ad%96%e5%ae%9a%ef%bc%9a%e3%82%a6/ ウィキメディア財団2026-27年次計画のゴール策定:ウィキメディア運動の重点となる質問] / Selena Deckelmann ; Omotecho (2025/12/19) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2025/12/23/%e6%97%a5%e6%9c%ac%e3%81%ae%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%a1%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e3%83%b3%e3%81%8cwikiconference-seoul-2025%e3%81%ab%e5%8f%82%e5%8a%a0%e3%81%97%e3%81%a6%e3%81%8d%e3%81%9f/ 日本のウィキメディアンがWikiConference Seoul 2025に参加してきた記録] / Narumi.SBT (2025/12/23) '''前回配信:2025年11月30日''' <hr style="border-top: 2px 破線 #7F9AEB; border-bottom: none;"> 配信元: ''[[:m:Wikimedians of Japan User Group|Wikimedians of Japan User Group]]''<br /> <small>[[:m:Talk:Wikimedians of Japan User Group/メールマガジン|フィードバック]]。[[:m:Wikimedians of Japan User Group/メールマガジン/targets list| 登録・削除]]。</small>2025年12月31日 (水) 11:04 (UTC) <hr style="border-top: 2px 破線 #7F9AEB; border-bottom: none;"> <!-- User:Chqaz-WMJPUG@metawiki が https://meta.wikimedia.org/w/index.php?title=Wikimedians_of_Japan_User_Group/%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%9E%E3%82%AC%E3%82%B8%E3%83%B3/targets_list&oldid=29848173 のリストを使用して送信したメッセージ --> == ほぼ同内容かつ似た題名の記事の並立について(日本語方言など) == [[日本語/方言]]と[[日本語の方言]]は同じような題で同じような内容を載せていますが、この2つはどう違うのでしょう。同じ意図で作ったものならどちらかに統合すべきだと思いますが、統合後はどちらの記事名にするのが良いでしょうか。 加えて、こういった例は他にも必ず存在する気がするのですが、そういった場合の方針などがあれば教えていただきたいです。--[[利用者:BrassSnail|BrassSnail]] ([[利用者・トーク:BrassSnail|トーク]]) 2026年1月12日 (月) 13:28 (UTC) :こちらでシスオペをやっております、[[利用者:Tomzo|Tomzo]] ([[利用者・トーク:Tomzo|トーク]])と申します。 :ご指摘ありがとうございます。本件ご指摘のとおりだと思います。手続き導入からは日が浅いものの、「[[Wikibooks:統合提案]]」という手続きがありますのでご紹介いたします。そちらで、ご提案をいただけるのとありがたいのですが、お忙しいようであれば、機会を見計らい私が対応いたします。 :WBとWPが微妙に異なることとして、ある一つの事柄についての記述でも、教科書として伝える層や伝える体系が異なると記述が異なることとなり、別ページを構成することがあるということで、これは、各々の体系のもので存続させることがあります。または、共通の記述に関してリンクを貼ることで対応するなどの手法も考えられます。この辺りは、決まった手法があるわけではないので、作成の過程で議論によって決めていくことなのかなと思っています。--[[利用者:Tomzo|Tomzo]] ([[利用者・トーク:Tomzo|トーク]]) 2026年1月12日 (月) 16:43 (UTC) ::ご教授ありがとうございます。そちらで提案させていただきました。。--[[利用者:BrassSnail|BrassSnail]] ([[利用者・トーク:BrassSnail|トーク]]) 2026年1月15日 (木) 15:27 (UTC) == Thank You for Last Year – Join Wiki Loves Ramadan 2026 == Dear Wikimedia communities, We hope you are doing well, and we wish you a happy New Year. ''Last year, we captured light. This year, we’ll capture legacy.'' In 2025, communities around the world shared the glow of Ramadan nights and the warmth of collective iftars. In 2026, ''Wiki Loves Ramadan'' is expanding, bringing more stories, more cultures, and deeper global connections across Wikimedia projects. We invite you to explore the ''Wiki Loves Ramadan 2026'' [[m:Special:MyLanguage/Wiki Loves Ramadan 2026|Meta page]] to learn how you can participate and [[m:Special:MyLanguage/Wiki Loves Ramadan 2026/Participating communities|sign up]] your community. 📷 ''Photo campaign on '' [[c:Special:MyLanguage/Commons:Wiki Loves Ramadan 2026|Wikimedia Commons]] If you have questions about the project, please refer to the FAQs: * [[m:Special:MyLanguage/Wiki Loves Ramadan/FAQ/|Meta-Wiki]] * [[c:Special:MyLanguage/Commons:Wiki Loves Ramadan/FAQ|Wikimedia Commons]] ''Early registration for updates is now open via the '''[[m:Special:RegisterForEvent/2710|Event page]]''''' ''Stay connected and receive updates:'' * [https://t.me/WikiLovesRamadan Telegram channel] * [https://lists.wikimedia.org/postorius/lists/wikilovesramadan.lists.wikimedia.org/ Mailing list] We look forward to collaborating with you and your community. '''The Wiki Loves Ramadan 2026 Organizing Team''' 2026年1月16日 (金) 19:45 (UTC) <!-- User:ZI Jony@metawiki が https://meta.wikimedia.org/w/index.php?title=Distribution_list/Non-Technical_Village_Pumps_distribution_list&oldid=29879549 のリストを使用して送信したメッセージ --> == <span lang="en" dir="ltr">Annual review of the Universal Code of Conduct and Enforcement Guidelines</span> == <div lang="en" dir="ltr"> <section begin="announcement-content" /> I am writing to you to let you know the annual review period for the Universal Code of Conduct and Enforcement Guidelines is open now. You can make suggestions for changes through 9 February 2026. This is the first step of several to be taken for the annual review. [[m:Special:MyLanguage/Universal Code of Conduct/Annual review/2026|Read more information and find a conversation to join on the UCoC page on Meta]]. The [[m:Special:MyLanguage/Universal Code of Conduct/Coordinating Committee|Universal Code of Conduct Coordinating Committee]] (U4C) is a global group dedicated to providing an equitable and consistent implementation of the UCoC. This annual review was planned and implemented by the U4C. For more information and the responsibilities of the U4C, [[m:Special:MyLanguage/Universal Code of Conduct/Coordinating Committee/Charter|you may review the U4C Charter]]. Please share this information with other members in your community wherever else might be appropriate. -- In cooperation with the U4C, [[m:User:Keegan (WMF)|Keegan (WMF)]] ([[m:User talk:Keegan (WMF)|talk]])<section end="announcement-content" /> </div> 2026年1月19日 (月) 21:01 (UTC) <!-- User:Keegan (WMF)@metawiki が https://meta.wikimedia.org/w/index.php?title=Distribution_list/Global_message_delivery&oldid=29905753 のリストを使用して送信したメッセージ --> == 無期限保護について == こんばんは。本日からWikibooksの編集を始めました。なまえみていです。 色々なページを見ていて、無期限 <s>保護</s> <u>半保護</u> がなされているページが多く感じられます。もちろん、度重なる荒らし、管理者不足など理由はあるのだと思いますが、Wikipediaに慣れている私からすると、厳しすぎる対応だと思います。(Wikipediaでは基本的に無期限は合意形成がないとできない) ただでさえ、Wikibooksを編集する利用者が少ないのに、積極的に <u>半</u> 保護していると、新規利用者ができづらいと考えます。 [[日本の大学受験ガイド#入試対策]]にある大学のうち保護されているものの解除を検討していただけないでしょうか? 学生による新規参入はWikibooksの存続に大きく影響すると思います。--[[利用者:なまえみてい|なまえみてい]] ([[利用者・トーク:なまえみてい|トーク]]) 2026年1月23日 (金) 16:55 (UTC) <small> 意味合いが変わってしまうので取り消し線と下線で訂正しました。--[[利用者:なまえみてい|なまえみてい]] ([[利用者・トーク:なまえみてい|トーク]]) 2026年1月24日 (土) 01:24 (UTC)</small> :はじめまして、[[利用者:Tomzo|Tomzo]] ([[利用者・トーク:Tomzo|トーク]])と申します。 :本件、一応説明いたしますと、WPに比べると当プロジェクトは、参加者もさながら管理者も圧倒的に少なく、多少の「いわゆる」民主的運営を犠牲にしてでも厳しい措置を取らざるを得ないという事情があります。また、作成保護に関して、強い保護は「Wikibooksのテーマになる可能性が非常に少ないもの」のみについてかけるようにし、その他は基本半保護のはずです(WPも実質永久半保護の記事は少なくありません)。初回ログイン後、数日平穏な編集が継続される限り、特に支障はないはずです。そのような記事に関しては、なまえみていさんも来週には編集可能となると思いますが、どうしても、すぐに編集したいという記事があるのであれば、[[Wikibooks:管理者伝言板#保護解除依頼]]に指定してご依頼ください。--[[利用者:Tomzo|Tomzo]] ([[利用者・トーク:Tomzo|トーク]]) 2026年1月24日 (土) 01:04 (UTC) ::(返信) ご丁寧にありがとうございます。 ::jawpと同じ基準ならおそらく、数時間で自動承認されるので私は困らないのですが、新規利用者が生まれにくく、利用者不足を加速させてしまうのかなと思った次第です。 ::私の方でお手伝いできることがありましたら、ご協力したいと考えています。失礼します。--[[利用者:なまえみてい|なまえみてい]] ([[利用者・トーク:なまえみてい|トーク]]) 2026年1月24日 (土) 01:20 (UTC) == Wikimedians of Japan User Group 2026-1 == '''全体ニュース''' * [[:m:Stewards/Elections_2026|スチュワード選挙2026]]及び[[:m:Stewards/Confirm/2026|現在のスチュワードへの信任投票]]への投票が2月6日 14:00 (UTC) から2月27日 14:00 (UTC) まで行われます。 * ウィキマニア2026の[[:wikimania:2026:Program|プログラム募集]]が3月1日まで行われています。 * 来年度のウィキメディア財団の年次計画についての[[:m:Talk:Wikimedia_Foundation_Annual_Plan/2026-2027|意見募集]]が行われています。 '''ESEAPハブからのおしらせ'''[[File:ESEAP logo horizontal.svg|40px|link=:m:ESEAP_Hub/ja]] * 2月1日16時(JST)から[[:m:Event:ESEAP_Community_Call_55_(1_February_2026)|オンラインミーティング]]が行われます。 '''Wikimedians of Japan User Groupからのおしらせ'''[[File:Wikimedians of Japan User Group Logoonly.svg|20px|link=:m:Wikimedians_of_Japan_User_Group]] * [https://www.ospn.jp オープンソースカンファレンス]のコミュニティサポーターになりました。 * 2月27,28日に開催される[https://event.ospn.jp/osc2026-spring/ OSC東京]に参加します。 * [[:m:「Diff」2025年日本語版記事索引|「Diff」2025年日本語版記事索引]]を公開しました。 '''[[:w:ja:メインページ|日本語版ウィキペディア]]'''[[File:Wikipedia-logo-v2.svg|20px|link=:w:ja:]] * 今月は以下の記事が[[:w:ja:Wikipedia:良質な記事/良質な記事の選考|良質な記事の選考]]を通過しました。 **[[:w:ja:マルキアヌス|マルキアヌス]] **[[:w:ja:高瀬渓谷の噴湯丘と球状石灰石|高瀬渓谷の噴湯丘と球状石灰石]] **[[:w:ja:帯金式甲冑|帯金式甲冑]] **[[:w:ja:百済の里|百済の里]] **[[:w:ja:仙人掌群鶏図|仙人掌群鶏図]] **[[:w:ja:(54598) ビエノール|(54598) ビエノール]] **[[:w:ja:平成の大合併|平成の大合併]] **[[:w:ja:正倉院展|正倉院展]] **[[:w:ja:駿河竹千筋細工|駿河竹千筋細工]] **[[:w:ja:横浜中華街の歴史|横浜中華街の歴史]] **[[:w:ja:毛利輝元の四国・九州出兵|毛利輝元の四国・九州出兵]] * 今月の1枚 [[File:251123 Shinsenkyo Hakone Japan26s3.jpg|alt=|thumb|200x200px|神奈川県箱根町に所在する[[:w:ja:神仙郷|神仙郷]]|none]] '''2月のイベント情報''' * 1/10 [[:w:ja:Wikipedia:オフラインミーティング/ウィキペディア25周年記念エディタソン|ウィキペディア25周年記念エディタソン]] * 2/7 [https://peatix.com/event/4795657 ウィキペディアタウン神保町 Vol.3] * 2/7 [[:w:ja:プロジェクト:アウトリーチ/ウィキペディアタウン#近畿|駅まちウィキペディア 動くエディタン編集室 vol.1 京都丹後鉄道あかまつ号]] * 2/14 [https://www.city.ichinoseki.iwate.jp/library/topics/page.php?p=679 ウィキペディアタウン in 東山] * 2/15 [https://www.city.toda.saitama.jp/koho-toda/260101/kouza04.html ウィキペディアタウン戸田 つくろう!戸田市の歴史事典] * 2/15 [https://iselib.city.ise.mie.jp/ise/?id=262 ウィキペディアタウン伊勢Vol.3] * 2/28 [[:w:ja:プロジェクト:アウトリーチ/ウィキペディアタウン#近畿|丹後古墳ウォーカー 歩いて発見!古代丹後の推し古墳をウィキで紹介! #1 大宮町東川岸]] '''[[:wmfblog:|Diff]]''' タイトル / 著者;翻訳者 (掲載日) の順で記載しています。 * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/01/09/%e5%9b%b3%e6%9b%b8%e9%a4%a8%e7%b7%8f%e5%90%88%e5%b1%952025%e3%81%ae%e3%80%8cedit-tango%e3%80%8d%e3%83%96%e3%83%bc%e3%82%b9/ 図書館総合展2025の「edit Tango」ブース] / Asturio Cantabrio (2026/01/09) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/01/11/%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%9a%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e6%97%a5%e6%9c%ac%e8%aa%9e%e7%89%88%e3%82%b3%e3%83%9f%e3%83%a5%e3%83%8b%e3%83%86%e3%82%a3%e3%81%ae%e6%ad%b4%e5%8f%b2%e3%82%92%e3%82%a6/ ウィキペディア日本語版コミュニティの歴史をウィキペディアに刻む] / Wadakuramon (2026/01/11) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/01/13/%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%9a%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a225%e5%91%a8%e5%b9%b4%e8%a8%98%e5%bf%b5%e3%82%a8%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%bf%e3%82%bd%e3%83%b3%e3%81%ab%e5%8f%82%e5%8a%a0%e3%81%97%e3%81%be/ ウィキペディア25周年記念エディタソンに参加しました] / Wadakuramon (2026/01/13) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/01/21/%e3%82%a2%e3%82%b8%e3%82%a2%e6%9c%88%e9%96%932025-%e3%82%92%e7%b5%82%e3%81%88%e3%81%a6/ アジア月間2025 を終えて] / Lin Xiangru (2026/01/21) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/01/26/%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%9a%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a225%e5%91%a8%e5%b9%b4%e8%a8%98%e5%bf%b5%e3%83%90%e3%83%bc%e3%82%b9%e3%83%87%e3%83%bc%e3%83%bb%e3%82%b1%e3%83%bc%e3%82%ad%e3%83%bb%e3%82%bd/ ウィキペディア25周年記念バースデー・ケーキ・ソング!] / Wadakuramon (2026/01/26) '''前回配信:2025年12月31日''' <hr style="border-top: 2px 破線 #7F9AEB; border-bottom: none;"> 配信元: ''[[:m:Wikimedians of Japan User Group|Wikimedians of Japan User Group]]''<br /> <small>[[:m:Talk:Wikimedians of Japan User Group/メールマガジン|フィードバック]]。[[:m:Wikimedians of Japan User Group/メールマガジン/targets list| 登録・削除]]。</small>2026年1月31日 (土) 12:17 (UTC) <hr style="border-top: 2px 破線 #7F9AEB; border-bottom: none;"> <!-- User:Chqaz-WMJPUG@metawiki が https://meta.wikimedia.org/w/index.php?title=Wikimedians_of_Japan_User_Group/%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%9E%E3%82%AC%E3%82%B8%E3%83%B3/targets_list&oldid=29923679 のリストを使用して送信したメッセージ --> == ほかの利用者さんとの対話について == 昨年の12月25日にある利用者さんの会話ページで話題を追加したのですが、その利用者さんは私が投稿する2週間ほど前から今月頭まで活動なさっておらず、活動再開後も現在に至るまで返答をいただけておりません。 気づいていらっしゃらないのか故意に返信なさっていないのかはわからないのですが、このような場合、再度会話ページでお知らせするのが良いのか、それとも他に適切な方法があるのでしょうか? 私自身としてはその話題が記事の品質に大きく関わる内容であり対話を行いたいのですが、過剰に返答を求めて当該の利用者さんや他の方に粘着的な行動だと受け取られてしまうと困りますので、こちらで相談させていただきます。--[[利用者:飛火野|飛火野]] ([[利用者・トーク:飛火野|トーク]]) 2026年2月18日 (水) 14:28 (UTC) :{{コメント2|コメント}} こんにちは。初めまして。 :この場合、対話拒否としてコメント依頼を提出したりできそうですが([[Wikibooks:コメント依頼/すじにくシチュー|例]])、Wikipediaみたいに制度が整ってなさそうですし、準備が大変です。 :ひとまず、異論なしとして、[[利用者:飛火野|飛火野]]さんが正しいと思う様に編集してみたらいかがでしょうか? :待っていても、何も始まらないですし……--[[利用者:なまえみてい|なまえみてい]] ([[利用者・トーク:なまえみてい|トーク]]) 2026年2月18日 (水) 17:47 (UTC) ::一般記事は、書かれた段階で「誰が書いたか」というものではなくなりますので、適当でないと思える記述は、適当と思うものに書き換えても全く構いません。--[[利用者:Tomzo|Tomzo]] ([[利用者・トーク:Tomzo|トーク]]) 2026年2月19日 (木) 12:37 (UTC) :::お二人とも、返信ありがとうございます。記事本体には追々手を加えさせていただきます。 :::返信の内容から拝察するに、私の投稿記録をご覧になっていただけたのだと思うのですが、あのような質問になった経緯を時系列順に記しますと、 :::1)当該の編集([https://ja.wikibooks.org/w/index.php?title=%E6%B0%97%E5%80%99%E5%AD%A6/%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%9A%E3%83%B3%E3%81%AE%E6%B0%97%E5%80%99%E5%8C%BA%E5%88%86&oldid=251398 こちら])を見て生成AIによる生成物を、十分に検証できないのに投稿なさっているのではないかという疑義を抱いた :::2)他の記事([https://ja.wikibooks.org/wiki/%E6%BA%96%E6%83%91%E6%98%9F こちら]や[https://ja.wikibooks.org/wiki/%E5%8F%A4%E7%94%9F%E7%89%A9%E5%AD%A6/%E5%A4%A7%E8%A6%8F%E6%A8%A1%E7%B5%B6%E6%BB%85%E3%82%A4%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%88 こちら]など)でも同様の編集をなさっているのが見受けられた :::3)もし当該の編集が私の考えているような「AIで生成し、さらにその内容の検証(この場合、日本の「気候学」や「古生物学」の記述として妥当なのかの判断)を十分に行えないままで投稿なさっているのであれば、手を止めていただく必要があるのではないかと考えた :::4)しかし、私の勇み足であっては失礼ですので、まずは編集の意図を確認した :::というところです。 :::確かに、今思うと誘導尋問的で、必要以上に迂遠な聞き方になってしまっていたとは思うのですが、私としてはまず当該利用者さんの編集の意図をお伺いしたいと思っています。--[[利用者:飛火野|飛火野]] ([[利用者・トーク:飛火野|トーク]]) 2026年2月19日 (木) 14:27 (UTC) == どうしてwikibooksが必要なのか == そのまんま--[[利用者:Guest A1|Guest A1]] ([[利用者・トーク:Guest A1|トーク]]) 2026年2月25日 (水) 09:28 (UTC) <del>:はじめまして。tkkn46tkkn46 と申します。</del> :wikipediaは、リンク?ハイパーテキスト?ハイパーリンク? がステキ。(任意へリンク) :wikibooksは、目次ページがあって、章、節、号、款、目  :(例:<nowiki>[[Wikibooks:ウィキプロジェクト 法学 コンメンタール執筆ガイドライン]]</nowiki>) :wikibooksは、wikipediaより本のイメージに近い思います。 :wikibooksで、「単語」だけ?だと、wikipediaでイイんじゃないの思います。 :wikipediaは、辞書のイメージです。本に、ならないタイトルだとキツイと思います。 :以下、wikibooksへのいつの日にか私の希望 :①標準機能内で、本なので、目次ページを参考に、ページ間の移動が楽だと助かります。 : F7(前頁へ)F8(後頁へ)?F6(1つ上へ)F9(1つ下へ) : 現在は、ページ内のフッターで、自作しています。 :②標準機能内で、books内の索引の自動作成機能。 :もしかしたら、誰かが開発済みカモ。アドバイスいただけると助かります。--[[利用者:Tkkn46tkkn46|Tkkn46tkkn46]] ([[利用者・トーク:Tkkn46tkkn46|トーク]]) 2026年2月25日 (水) 11:53 (UTC) :wikidiaryがあれば、Guest A1様の投稿はステキかも。--[[利用者:Tkkn46tkkn46|Tkkn46tkkn46]] ([[利用者・トーク:Tkkn46tkkn46|トーク]]) 2026年2月25日 (水) 12:12 (UTC) ::お二人に。 ::'''[[Wikibooks:児童・生徒の方々へ]]'''をきちんと読んでいただくことを希望いたします。--[[利用者:Tomzo|Tomzo]] ([[利用者・トーク:Tomzo|トーク]]) 2026年2月25日 (水) 12:37 (UTC) == 過去ログ化のガイドラインについて == [[Wikibooks:過去ログ化のガイドライン|このガイドライン]]はすじにくシチューさん一人で作成されてから草案状態が10年経ちました。正式にガイドライン化したいと考えています。 その前に一つ提案をいたします(この議論では実際に変更するわけではありません)。今現在、日本語版wikibooksではサブページ方式ではなく、固定リンク方式を使っていますが、個人的にはサブページ方式を使ったほうがよいと思います。 理由として # サブページ方式の方が感覚的に実行しやすく、煩わしくない。 # サブページ方式の方がログの保存方法の変更がしやすい。固定リンク方式の場合「今まで1年ごとに過去ログ化していたけど10年ごとに変更したい」となったときに対応が出来ません。 # サプページ方式の欠点として、[[Wikibooks:過去ログ化のガイドライン|ガイドライン]]では「他の方法(サブページをつくるなど)と比べて、固定版方式では編集方法をまちがった場合の差し戻しが容易なことが根拠です。」とありますが、むしろサブページ方式の方が2で挙げた場合もそうですが、差し戻し、過去ログページの削除で対応できるため簡単に対応できます。 本当はを作成されたすじにくシチューさんに理由や意図をお聞きしたいのですが、無期限ブロックされており、お聞きすることが出来ません。皆さんに賛成か反対か、反対ならその理由などをお聞きしたいです。 具体的な提案 サブページ方式で[[Wikibooks:過去ログ]]を作成し[[Wikibooks:過去ログ/談話室]]など項目別にサブページを作成する。ログを追加しないと考えられるものに関しては無期限半保護する。 wikipediaでは[[Wikipedia:談話室/過去ログ]]のような形式ですが、wikibooksでは[[Wikibooks:過去ログ]]で過去ログを一括で管理したいと考えています。「理由として」でも挙げたとおり、やり直しが利くのでとりあえず賛成していただいても大丈夫だと思います。 今後の流れ(←これに関しても意見があればお寄せください) # この議論で1週間程で御意見を募集する、議論で大まかに決める。 # 決定した内容で良いかを投票する(投票権は投票用の議論が開始された時点で自動承認されているユーザーまたはウィキメディアプロジェクトに参加してから3ヶ月経過しているユーザーで考えています。) # 実際に過去ログ化をして1ヶ月ほど経過したら問題が生じていないかを議論する # [[Wikibooks:過去ログ化のガイドライン]]を正式にガイドライン化する議論をする --[[利用者:なまえみてい|なまえみてい]] ([[利用者・トーク:なまえみてい|トーク]]) 2026年2月28日 (土) 12:58 (UTC) :こんにちは、編集お疲れ様です。 :現在の[[Wikibooks:過去ログ化のガイドライン|過去ログ化のガイドライン]]の作成された経緯については、こちらの[[特別:固定リンク/101028#過去ログ作業の公式方針を整備すべき|談話室での議論]]をご参照ください。この議論を経て草案ではありますが、いちおうガイドラインとして現状運用されています。なまえみていさんは、現在のガイドラインとは別方式による過去ログ化のガイドラインをお考えのようですので、まずはご自身の利用者ページ下などになまえみていさん式のガイドライン草案を作成されてみてはいかがでしょうか。現行草案と別方式草案の2案を提示した方が、コミュニティの意見も集まりやすくなるのではないかと思います。また、ここ談話室では議論の呼びかけにとどめ、本格的な議論は[[Wikibooks・トーク:過去ログ化のガイドライン|ガイドライン議論ページ]]でした方がよいかと思います。--[[利用者:Shokupan|Shokupan]] ([[利用者・トーク:Shokupan|トーク]]) 2026年3月15日 (日) 23:44 (UTC) == Wikimedians of Japan User Group 2026-2 == '''全体ニュース''' * ウィキマニア2026の[[:wikimania:2026:Program|プログラム募集]]が3月1日まで行われています。 * [https://diff.wikimedia.org/2026/02/11/announcing-new-policies-related-to-the-use-of-wikimedia-sites-for-advocacy-purposes/ 一部のグローバルポリシー]が変更されました。 '''ESEAPハブからのおしらせ'''[[File:ESEAP logo horizontal.svg|40px|link=:m:ESEAP_Hub/ja]] * 3月7日17時30分(JST)から[[:m:Event:ESEAP_Community_Call_56_(7_March_2026)|オンラインミーティング]]が行われます。 * [[:m:ESEAP_Conference_2026/ja|ESEAPカンファレンス2026]]の登録が開始されました。 '''Wikimedians of Japan User Groupからのおしらせ'''[[File:Wikimedians of Japan User Group Logoonly.svg|20px|link=:m:Wikimedians_of_Japan_User_Group]] * 3月1日に[https://peatix.com/event/4847333/view ウィキペディア25周年記念交流会]を開催します。 '''[[:w:ja:メインページ|日本語版ウィキペディア]]'''[[File:Wikipedia-logo-v2.svg|20px|link=:w:ja:]] * 今月は以下の記事が[[:w:ja:Wikipedia:良質な記事/良質な記事の選考|良質な記事の選考]]を通過しました。 **[[:w:ja:山田美妙|山田美妙]] **[[:w:ja:スペクトル分類|スペクトル分類]] **[[:w:ja:横手市|横手市]] **[[:w:ja:上杉憲方|上杉憲方]] **[[:w:ja:パノルムスの戦い|パノルムスの戦い]] **[[:w:ja:都市伝説解体センター|都市伝説解体センター]] **[[:w:ja:市川少女歌舞伎|市川少女歌舞伎]] **[[:w:ja:うお座|うお座]] **[[:w:ja:南アフリカ文学|南アフリカ文学]] * 今月の1枚 [[File:JRH_Senmo-Main-Line_H100-44.jpg|alt=|thumb|200x200px|オホーツク海沿岸部を走行する[[:w:ja:JR北海道H100形気動車|H100形気動車]]|none]] '''3月のイベント情報''' * 3/8 [https://www.facebook.com/events/731133399814596/ WikiGap in Kanagawa 2026] * 3/21 [[:w:ja:プロジェクト:アウトリーチ/ウィキペディアタウン#近畿|ウィキペディアタウンin網野町木津~駅まちウィキペディア「夕日ヶ浦木津温泉駅」~]] '''[[:wmfblog:|Diff]]''' タイトル / 著者;翻訳者 (掲載日) の順で記載しています。 * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/02/01/%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%9a%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a225%e5%91%a8%e5%b9%b4%e8%a8%98%e5%bf%b5%e3%83%89%e3%82%ad%e3%83%a5%e3%83%a1%e3%83%b3%e3%82%bf%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%82%b7%e3%83%aa%e3%83%bc/ ウィキペディア25周年記念ドキュメンタリーシリーズ] / Wadakuramon (2026/02/01) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/02/12/lod%e3%83%81%e3%83%a3%e3%83%ac%e3%83%b3%e3%82%b82025%e3%81%a7%e6%97%a5%e6%9c%ac%e3%81%ae%e3%80%8c%e6%b5%b7%e3%81%ae%e9%a7%85%e3%80%8d%e3%82%92%e3%82%aa%e3%83%bc%e3%83%97%e3%83%b3%e3%83%87%e3%83%bc/ LODチャレンジ2025で日本の「海の駅」をオープンデータ化 ― 約200件の海のインフラをWikidataに追加] / Ecute (2026/02/12) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/02/25/%e9%96%89%e6%a0%a1%e3%81%99%e3%82%8b%e5%b0%8f%e5%ad%a6%e6%a0%a1%e3%81%ae%e8%a8%98%e9%8c%b2%e3%82%92%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%9a%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e3%81%ab%e6%ae%8b%e3%81%99/ 閉校する小学校の記録をウィキペディアに残す] / VZP10224 (2026/02/25) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/02/25/eseap%e3%83%8f%e3%83%96%e3%82%92%e6%8e%a8%e9%80%b2%e3%81%99%e3%82%8b%e4%ba%ba%e3%80%85/ ESEAPハブを推進する人々] / FelianiESEAP Hub ; Wadakuramon (2026/02/25) '''前回配信:2025年1月31日''' <hr style="border-top: 2px 破線 #7F9AEB; border-bottom: none;"> 配信元: ''[[:m:Wikimedians of Japan User Group|Wikimedians of Japan User Group]]''<br /> <small>[[:m:Talk:Wikimedians of Japan User Group/メールマガジン|フィードバック]]。[[:m:Wikimedians of Japan User Group/メールマガジン/targets list| 登録・削除]]。</small>2026年2月28日 (土) 13:14 (UTC) <hr style="border-top: 2px 破線 #7F9AEB; border-bottom: none;"> <!-- User:Chqaz-WMJPUG@metawiki が https://meta.wikimedia.org/w/index.php?title=Wikimedians_of_Japan_User_Group/%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%9E%E3%82%AC%E3%82%B8%E3%83%B3/targets_list&oldid=30083678 のリストを使用して送信したメッセージ --> == Wikibooks: (ウイキブックス コロン)が現在何種類あるか教えて下さい。 == ウイキブックス コロンの全リストのページを教えて下さい。あいうえお順が望ましいです。リンクだけ。 よろしくお願いします。 >Wikibooks:ウィキブックスへようこそ(参照) >新規参加者にとって参考になるページ >ページ名に「Wikibooks:」とつくものは、ウィキブックスのプロジェクトそのものに関するページです。その中でも新規参加者にとって役に立つと思われるページをリストしておきます。 11種類以上だと思います。--[[利用者:Tkkn46tkkn46|Tkkn46tkkn46]] ([[利用者・トーク:Tkkn46tkkn46|トーク]]) 2026年3月13日 (金) 03:54 (UTC) :{{コメント2|コメント}} [[特別:ページ一覧|こちら]]で「名前空間」をWikibooksに指定し、検索すれば全リストが表示されます。 :なお、談話室は本来、これからのWikibooksについて話し合うものですので、個人的な質問は談話室ではなく[[WB:HD|こちら]]にお願いします。--[[利用者:なまえみてい|なまえみてい]] ([[利用者・トーク:なまえみてい|トーク]]) 2026年4月16日 (木) 04:39 (UTC) == ノートページの呼び方は、全部で何通りあるか教えて下さい。 == ①ノートの呼び方の種類の数です。違いです。 ②「ノート」は ノートページの意味ですか。 ③「議論」は 議論ページと呼びませんか。 よろしくお願いします。 >Help:ノートページ(wikipedia参照) >^ ノートページはトークページ(talk page)とも呼ばれるが、日本語版の「会話ページ」は、名前空間名がそう翻訳されている「利用者についての」トークページのみを指すことがしばしばある。--[[利用者:Tkkn46tkkn46|Tkkn46tkkn46]] ([[利用者・トーク:Tkkn46tkkn46|トーク]]) 2026年3月13日 (金) 03:56 (UTC) == <span lang="en" dir="ltr">Upcoming deployment of CampaignEvents extension to Wikibooks</span> == <div lang="en" dir="ltr"> <section begin="message"/> Hello everyone, We are writing to inform you that the [[mw:Help:Extension:CampaignEvents|CampaignEvents extension]] will be deployed to all Wikibooks projects during the week of '''23 March 2026'''. This follows last year’s broader rollout across Wikimedia projects. We realized that Wikibooks was not included at the time, and we’re now addressing that to ensure consistency across all communities. The CampaignEvents extension provides tools to support event and campaign organization on-wiki, including features like on-wiki event registration and collaboration lists(global event list). We welcome any questions, feedback, or concerns you may have. We are also happy to support anyone interested in trying out the tools. ''Apologies if this message is not in your preferred language. If you’re able to help translate it for your community, please feel free to do so.'' <section end="message"/> </div> <bdi lang="en" dir="ltr">[[User:Udehb-WMF|Udehb-WMF]] ([[User talk:Udehb-WMF|トーク]]) 2026年3月19日 (木) 18:22 (UTC)</bdi> <!-- User:Udehb-WMF@metawiki が https://meta.wikimedia.org/w/index.php?title=User:Udehb-WMF/sandbox/MM_target&oldid=30284073 のリストを使用して送信したメッセージ --> == Bot Flag Request for [[{{ns:User}}:SchlurcherBot]] == Appologies for posting in English. Also, I could not locate a dedicated page for bot request in {{#language:{{CONTENTLANGUAGE}}}} {{SITENAME}}, so I am posting here. Please direct me to the correct page if one exists. Thank you. * '''Bot name''': [[{{ns:User}}:SchlurcherBot]] * '''Bot operator''': [[commons:User:Schlurcher]] * '''Bot task''': Automatically convert links from <code>http://</code> to <code>https://</code> (secure protocol migration) * '''Technical details''': Please see [[metawiki:User:SchlurcherBot|meta:User:SchlurcherBot]] for full details, including the expected number of affected URLs on {{#language:{{CONTENTLANGUAGE}}}} {{SITENAME}}. * '''Bot flags on other projects:''': [[metawiki:Steward_requests/Bot_status/2025-12#Global_bot_status_for_User:SchlurcherBot|Global bot status granted]]. Also flagged on [[:w:en:Wikipedia:Bots/Requests for approval/SchlurcherBot|English Wikipedia]], [[:w:de:Wikipedia:Bots/Anträge_auf_Botflag/Archiv/2025#2025-02-14_–_SchlurcherBot|German Wikipedia]], [[:w:fr:Wikipédia:Bot/Statut/Archive_12#(Traité)_SchlurcherBot|French Wikipedia]], [[:w:it:Wikipedia:Bot/Autorizzazioni/Archivio/2025#SchlurcherBot|Italian Wikipedia]], [[:w:pl:Wikipedia:Boty/Zgłoszenia/2025#Wikipedysta:SchlurcherBot|Polish Wikipedia]], [[:w:pt:Wikipédia:Robôs/Pedidos_de_aprovação/Arquivo/2025#SchlurcherBot|Portuguese Wikipedia]], and [[commons:Commons:Bots/Requests/SchlurcherBot2|Commons]]. For a full list, see: [[metawiki:Special:CentralAuth/SchlurcherBot|sulutil:SchlurcherBot]] * '''Comment''': The bot is globally approved and active on the top 10 Wikipedia projects. As this wiki has opted out of the global bot policy, I am requesting permission to perform these link updates on {{#language:{{CONTENTLANGUAGE}}}} {{SITENAME}} as well. Please let me know if a local bot flag can be granted or if you have any questions. Thank you. --[[利用者:Schlurcher|Schlurcher]] ([[利用者・トーク:Schlurcher|トーク]]) 2026年3月26日 (木) 22:21 (UTC) ::{{RFB|対処}} I have done your request.--[[利用者:Tomzo|Tomzo]] ([[利用者・トーク:Tomzo|トーク]]) 2026年3月26日 (木) 23:13 (UTC) :::Thanks. --[[利用者:Schlurcher|Schlurcher]] ([[利用者・トーク:Schlurcher|トーク]]) 2026年3月27日 (金) 08:39 (UTC) == Wikimedians of Japan User Group 2026-3 == '''全体ニュース''' * ウィキメディア財団理事会はすべての言語版のウィキニュースを閉鎖することを承認しました。ウィキニュースは5月4日から読み取り専用になります。 '''ESEAPハブからのおしらせ'''[[File:ESEAP logo horizontal.svg|40px|link=:m:ESEAP_Hub/ja]] * 4月4日16時(JST)から[[:m:Event:ESEAP_Community_Call_57_(4_April_2026)|オンラインミーティング]]が行われます。 * [[:m:ESEAP_Conference_2026/ja|ESEAPカンファレンス2026]]の登録が開始されました。 '''Wikimedians of Japan User Groupからのおしらせ'''[[File:Wikimedians of Japan User Group Logoonly.svg|20px|link=:m:Wikimedians_of_Japan_User_Group]] * 4月18日に開催される[https://event.ospn.jp/osc2026-kagawa/ OSC香川]に参加します。 '''[[:w:ja:メインページ|日本語版ウィキペディア]]'''[[File:Wikipedia-logo-v2.svg|20px|link=:w:ja:]] * 4月17日まで[[:w:ja: Wikipedia:日本・韓国_友好編集月間|日本・韓国 友好編集月間]]が行われています。 * 今月は以下の記事が[[:w:ja:Wikipedia:良質な記事/良質な記事の選考|良質な記事の選考]]を通過しました。 **[[:w:ja:普通自転車の交差点進入禁止|普通自転車の交差点進入禁止]] **[[:w:ja:京都市の観光|京都市の観光]] **[[:w:ja:克美茂愛人殺害事件|克美茂愛人殺害事件]] **[[:w:ja:アフガニスタンの歴史|アフガニスタンの歴史]] **[[:w:ja:養老山地|養老山地]] **[[:w:ja:唐津藩|唐津藩]] **[[:w:ja:京都の歴史|京都の歴史]] **[[:w:ja:ムウタスィム|ムウタスィム]] **[[:w:ja:トゥーランガリラ交響曲|トゥーランガリラ交響曲]] **[[:w:ja:ガリレオ裁判|ガリレオ裁判]] **[[:w:ja:優しい世界へ|優しい世界へ]] **[[:w:ja:金属有機構造体|金属有機構造体]] **[[:w:ja:聖なるタラ|聖なるタラ]] **[[:w:ja:ギターを弾く女|ギターを弾く女]] **[[:w:ja:八方尾根のケルン|八方尾根のケルン]] **[[:w:ja:ひばり号|ひばり号]] **[[:w:ja:マリモ|マリモ]] **[[:w:ja:スイスの歴史|スイスの歴史]] * 今月の1枚 [[File:260110_Kosei-ji_Kyoto_Japan12s3.jpg|alt=|thumb|200x200px|京都市に位置する[[:w:ja:光清寺_(京都市)|光清寺]]の心字庭「心和の庭」 |none]] '''4月のオフラインイベント情報''' * 4/19 [https://www.facebook.com/events/1437162964770290 Wikipediaブンガク 吉屋信子 ] '''前回配信:2025年2月28日''' <hr style="border-top: 2px 破線 #7F9AEB; border-bottom: none;"> 配信元: ''[[:m:Wikimedians of Japan User Group|Wikimedians of Japan User Group]]''<br /> <small>[[:m:Talk:Wikimedians of Japan User Group/メールマガジン|フィードバック]]。[[:m:Wikimedians of Japan User Group/メールマガジン/targets list| 登録・削除]]。</small>2026年3月31日 (火) 11:00 (UTC) <hr style="border-top: 2px 破線 #7F9AEB; border-bottom: none;"> <!-- User:Chqaz-WMJPUG@metawiki が https://meta.wikimedia.org/w/index.php?title=Wikimedians_of_Japan_User_Group/%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%9E%E3%82%AC%E3%82%B8%E3%83%B3/targets_list&oldid=30083678 のリストを使用して送信したメッセージ --> == Action Required: Update templates/modules for electoral maps (Migrating from P1846 to P14226) == Hello everyone, This is a notice regarding an ongoing data migration on Wikidata that may affect your election-related templates and Lua modules (such as <code>Module:Itemgroup/list</code>). '''The Change:'''<br /> Currently, many templates pull electoral maps from Wikidata using the property [[:d:Property:P1846|P1846]], combined with the qualifier [[:d:Property:P180|P180]]: [[:d:Q19571328|Q19571328]]. We are migrating this data (across roughly 4,000 items) to a newly created, dedicated property: '''[[:d:Property:P14226|P14226]]'''. '''What You Need To Do:'''<br /> To ensure your templates and infoboxes do not break or lose their maps, please update your local code to fetch data from [[:d:Property:P14226|P14226]] instead of the old [[:d:Property:P1846|P1846]] + [[:d:Property:P180|P180]] structure. A [[m:Wikidata/Property Migration: P1846 to P14226/List|list of pages]] was generated using Wikimedia Global Search. '''Deadline:'''<br /> We are temporarily retaining the old data on [[:d:Property:P1846|P1846]] to allow for a smooth transition. However, to complete the data cleanup on Wikidata, the old [[:d:Property:P1846|P1846]] statements will be removed after '''May 1, 2026'''. Please update your modules and templates before this date to prevent any disruption to your wiki's election articles. Let us know if you have any questions or need assistance with the query logic. Thank you for your help! [[User:ZI Jony|ZI Jony]] using [[利用者:MediaWiki message delivery|MediaWiki message delivery]] ([[利用者・トーク:MediaWiki message delivery|トーク]]) 2026年4月3日 (金) 17:11 (UTC) <!-- User:ZI Jony@metawiki が https://meta.wikimedia.org/w/index.php?title=Distribution_list/Non-Technical_Village_Pumps_distribution_list&oldid=29941252 のリストを使用して送信したメッセージ --> == 「Lintエラーが生じる件について」 の対応について教えて下さい。 == >...このLintエラーは「優先度 高」になっていて、... 私は、機械的?な話である事を理解しました。(別件コメント:私的?には、ガイドラインの「本ガイドラインの有効性(そもそも論)」の方が「優先度 もっと高?」のような気がしました。別件コメント無視して下さい。) >...修正する必要があると考えます。... >...対応はおろか、...>...実害がないので... ○○法第1章 : の各行バックスラッシュ 1個を削除するだけではないカモ。 ①idが、目次ページの他に、条文ページ(判例を含む)もありました。 ②アンカー?第○章、第○条の漢字文字タイトル改正関係なしに、数字の便利さ使用もありカモ でした。←←← ③新規の目次ページ編集者は大変だろうな。感覚でした。 ④[[Wikibooks:ウィキプロジェクト 法学 コンメンタール執筆ガイドライン/目次ページ]]  [[Wikibooks:ウィキプロジェクト 法学 コンメンタール執筆ガイドライン/条文ページ]]  の2種類はどうなりますか。 <nowiki>==<span id="1"/>第1章 総則 (第1条~第5条)==</nowiki> <nowiki>:</nowiki><nowiki>[[○○法第1条|第1条]]</nowiki>(目的)== ... ⑤間違っている事をガイドラインに載せるのは、望ましくない。 フッターに影響するのは困る。 普通に他と同様に?ガイドラインのダブルスタンダードそのままで、←←←トリプル可??? 閲覧操作に違いがなければイイナです。私の理解です。 ⑥リンター?の操作は、何がいいですか。wikibooksの標準機能にありますか。手作業?見てからです。 ⑦wikipedia他はどのようにしていますか。放ったらかし? https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%B9%E5%88%A5:LintErrors/self-closed-tag 自己終了タグ (561 件のエラー) >...より質の高い教科書作りに...(ガイドライン議論より) >...「提案に従う義務はありません。」と記載していながら、...(〃) >...返信もありません(編集活動は続けられています)...(〃) >...彼(私?)の問いかけは論理的なものではないと考えます。...(利用者・トーク:Tomzo#お願いより) と言われませんように。--[[利用者:Tkkn46tkkn46|Tkkn46tkkn46]] ([[利用者・トーク:Tkkn46tkkn46|トーク]]) 2026年4月6日 (月) 13:46 (UTC) == Lint エラーの自己終了タグ (3,295 件のエラー)以外。他のエラー多数について、皆さんは、どのように考えておられますか。 == [[Wikibooks・トーク:ウィキプロジェクト 法学 コンメンタール執筆ガイドライン#Lintエラーが生じる件について]] の続き。 談話室にしました。下に続けるのも?です。 ①他のエラー多数の扱い。 ②リンターは、自動的に編集してくれますか。抽出だけですか。 ③リンターに、自作定義オプションを追加できますか。それを編集してくれるとうれしい。 ④おすすめのリンターを教えて下さい。AIでもいけそうな気もしました。エラー全部のLLM? >...彼の問いかけは論理的なものではないと考えます。...(利用者・トーク:Tomzo#お願いより) と言われませんように。--[[利用者:Tkkn46tkkn46|Tkkn46tkkn46]] ([[利用者・トーク:Tkkn46tkkn46|トーク]]) 2026年4月6日 (月) 13:49 (UTC) :{{コメント2|コメント}} 私たちの議論をご覧になっての質問ということで、ご回答致します。 :# 他のエラーも同様に修正するのが理想です。ただ、我々の能力的な問題があったり、量があったりでそのままにされているだけです。 :# 質問の意図が汲めなかったのですが、問題の箇所を修正すれば自動的にLintエラーのページからは表示されなくなります。 :# おそらく、我々は大元の設定はいじれないかと思います。 :# おすすめのLintエラーの意味がわかりません。ウィキペディアではBotが良く使われますが、同じエラーでもケースバイケースなのでLintエラーに対してはあまり使われていない印象です。結局、現時点では人間の判断が必要です。 :質問に対する答えになってるでしょうか?--[[利用者:なまえみてい|なまえみてい]] ([[利用者・トーク:なまえみてい|トーク]]) 2026年4月16日 (木) 04:33 (UTC) == アイコン?テンプレート?を探しています。英語でも。このページ「○○○」は、まだ書きかけです。出来上がるまでマッテ。 == 他、例えば、 ・このページ「○○○」は、まだ書きかけです。出来上がるまで余計な事言うな。 ・このページ「○○○」は、まだ書きかけです。出来上がるまでコメントするな。 ・このページ「○○○」は、まだ書きかけです。△△△日まで余計な事言うな。過ぎればOK。 ・このページ「○○○」は、コメントされても、返信しません。 (参考例) 以下は、ただちにコメントOKの例。 [[トランプ#関連項目]]を転写。 このページ「○○○○」は、まだ書きかけです。加筆・訂正など、協力いただける皆様の編集を心からお待ちしております。また、ご意見などがありましたら、お気軽にトークページへどうぞ。--[[利用者:Tkkn46tkkn46|Tkkn46tkkn46]] ([[利用者・トーク:Tkkn46tkkn46|トーク]]) 2026年4月11日 (土) 12:59 (UTC) == スタイルマニュアル の ナビゲーションをつける について4点教えて下さい。 == [[Wikibooks:スタイルマニュアル#ナビゲーションをつける]] ①>このうち、1(テンプレート:Pathnav)を使用して下さい。 上記があるので、2、3を<nowiki><del></del></nowiki>にして下さい。 ②><nowiki>{{[[テンプレート:Pathnav|Pathnav]]|メインページ|親項目|子項目}}</nowiki>  >最上位ページは「メインページ」にすること(英語の使用の回避) メインページ が必要ですか。1行目のアイコンと同じに見えます。 ③できれば、pathnav行を 削除したい。表示の重複。 例 [[トランプ]] <nowiki>{{Pathnav|メインページ|ゲーム|frame=1}}</nowiki> [[数学]] <nowiki>{{Pathnav|メインページ|frame=1|small=1}}</nowiki> ゲームの場合、ゲームはイラナイのか。ナントカナルです。 ④法文は、次行をどうして使わなかったのですか。フッタを使っているのですか。 <nowiki>top:[[本のタイトル]] / previous:[[前のページ]] - up:[[章タイトル]] - next:[[次のページ]]</nowiki>--[[利用者:Tkkn46tkkn46|Tkkn46tkkn46]] ([[利用者・トーク:Tkkn46tkkn46|トーク]]) 2026年4月14日 (火) 13:30 (UTC) == カテゴリー内。最新記事の日付を表示できますか。自動更新。ついでに、全記事の最終更新日もです。 == 記事内に自動更新 日付の事例を探しています。 ①(現在)トランプ記事の総数は、...以下の 76 ページを表示しています。 [[カテゴリ:トランプ#カテゴリ: “トランプ”]] ②次行、わかりやすいです。(ちょっと年表示が気になったけど、年表示しないのがステキ。曜日も。新型手動) [[利用者:AkiR27User#※作成・編集ページ]]※4/15時点 前行、wikibooksが自動的に、表示してほしい。 4/15(水)時点のトランプ記事の総数は、...以下の 76 ページを表示しています。(カテゴリー内) ↑↑↑ ??? wikibooksの言い分。そのくらい、人間が投稿履歴を見て、判断できるだろ。情報は提供している。手動。 ??? カテゴリー内でマジックワードが使えますか。 (参考) [[w:Help:マジックワード]]--[[利用者:Tkkn46tkkn46|Tkkn46tkkn46]] ([[利用者・トーク:Tkkn46tkkn46|トーク]]) 2026年4月15日 (水) 03:15 (UTC) == Request for comment (global AI policy) == <bdi lang="en" dir="ltr" class="mw-content-ltr"> Apologies for writing in English. {{int:Please-translate}} A [[:m:Requests for comment/Artificial intelligence policy|request for comment]] is currently being held to decide on a global AI policy. {{int:Feedback-thanks-title}} [[利用者:MediaWiki message delivery|MediaWiki message delivery]] ([[利用者・トーク:MediaWiki message delivery|トーク]]) 2026年4月26日 (日) 00:57 (UTC) </bdi> <!-- User:Codename Noreste@metawiki が https://meta.wikimedia.org/w/index.php?title=Distribution_list/Global_message_delivery&oldid=30424282 のリストを使用して送信したメッセージ --> == Wikimedians of Japan User Group 2026-4 == '''全体ニュース''' * ユニバーサル行動規範調整委員会委員(U4C)の立候補は5月11日21時(JST)までです。 * 5月18日から6月1日21時までU4C委員の投票が行われます。 * ウィキメディア財団理事会はすべての言語版のウィキニュースを閉鎖することを承認しました。ウィキニュースは5月4日から読み取り専用になります。 '''ESEAPハブからのおしらせ'''[[File:ESEAP logo horizontal.svg|40px|link=:m:ESEAP_Hub/ja]] * 5月3日15時(JST)から[[:m:Event:ESEAP_Community_Call_58_(3_May_2026)|オンラインミーティング]]が行われます。 * 5月15日から17日まで台湾で[[:m:ESEAP_Conference_2026/ja|ESEAPカンファレンス2026]]が開催されます。 '''Wikimedians of Japan User Groupからのおしらせ'''[[File:Wikimedians of Japan User Group Logoonly.svg|20px|link=:m:Wikimedians_of_Japan_User_Group]] * 5月23日に開催される[https://event.ospn.jp/osc2026-nagoya/ OSC名古屋]に参加します。 '''[[:w:ja:メインページ|日本語版ウィキペディア]]'''[[File:Wikipedia-logo-v2.svg|20px|link=:w:ja:]] * 今月は以下の記事が[[:w:ja:Wikipedia:良質な記事/良質な記事の選考|良質な記事の選考]]を通過しました。 **[[:w:ja:オシダ科|オシダ科]] **[[:w:ja:美濃電気軌道セミボ510形電車|美濃電気軌道セミボ510形電車]] **[[:w:ja:シャンブル|シャンブル]] **[[:w:ja:東山地域 (一関市)|東山地域 (一関市)]] **[[:w:ja:三方領地替え (1817年)|三方領地替え (1817年)]] **[[:w:ja:フサイン・ブン・ハムダーン|フサイン・ブン・ハムダーン]] **[[:w:ja:マリアノ・リベラ|マリアノ・リベラ]] **[[:w:ja:ナポレオンと田虫|ナポレオンと田虫]] **[[:w:ja:我が心は石にあらず|我が心は石にあらず]] **[[:w:ja:フランク・フラゼッタ|フランク・フラゼッタ]] **[[:w:ja:紀藤真琴|紀藤真琴]] **[[:w:ja:三ヶ島葭子|三ヶ島葭子]] **[[:w:ja:平野 (大阪市)|平野 (大阪市)]] **[[:w:ja:丹沢湖|丹沢湖]] * 今月の1枚 [[File:Matsumoto-castle-2026-HK.jpg|alt=|thumb|200x200px|ライトアップされた[[:w:ja:光清寺_(京都市)|松本城]] |none]] '''5月のオフラインイベント情報''' * 5/10 [[:w:ja:プロジェクト:アウトリーチ/ウィキペディアタウン#2026-05-10_ウィキペディアタウン_in_吉野地区|ウィキペディアタウン in 吉野地区]] * 5/10 [https://countries-romantic.connpass.com/event/389840/ 花博鶴見緑地で学ぶ 地図とWikipediaの編集体験] '''[[:wmfblog:|Diff]]''' タイトル / 著者;翻訳者 (掲載日) の順で記載しています。 * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/03/02/%e3%82%a6%e3%82%af%e3%83%a9%e3%82%a4%e3%83%8a%e3%81%ae%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%a1%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e3%83%b3%e3%81%af%e3%81%93%e3%81%ae%e5%9b%b0%e9%9b%a3%e3%81%aa%e5%86%ac%e3%82%92/ ウクライナのウィキメディアンはこの困難な冬をどう過ごしているか―4人の物語] / Anton Protsiuk ; Wadakuramon (2026/03/02) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/03/04/%e6%9d%b1%e4%ba%ac%e3%81%a7%e3%81%ae%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%9a%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a225%e5%91%a8%e5%b9%b4%e8%a8%98%e5%bf%b5%e4%ba%a4%e6%b5%81%e4%bc%9a%e3%81%af%e5%a4%a7%e7%9b%9b%e6%b3%81/ 東京でのウィキペディア25周年記念交流会は大盛況でした] / Wadakuramon (2026/03/04) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/03/10/%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%a1%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e6%8f%90%e6%90%ba%e5%9b%a3%e4%bd%93%e3%81%ae%e5%b0%86%e6%9d%a5%e5%83%8f%e3%82%92%e6%8f%90%e6%a1%88/ ウィキメディア提携団体の将来像を提案] / Kaarel ; Omotecho (2026/03/10) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/03/11/%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e7%a5%9d%e3%81%84%ef%bc%9a%e3%83%a1%e3%83%ab%e3%83%b4%e3%82%a1%e3%83%83%e3%83%88%ef%bc%8d%e7%9f%a5%e8%ad%98%e3%80%81%e3%82%b3%e3%83%9f%e3%83%a5%e3%83%8b%e3%83%86%e3%82%a3/ ウィキ祝い:メルヴァット-知識、コミュニティ、信頼を築いた10年] / Jan Beránek (WMF), Natalia Szafran-Kozakowska ; Wadakuramon (2026/03/11) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/03/16/%e3%82%a4%e3%83%99%e3%83%b3%e3%83%88%e4%b8%80%e8%a6%a7%e3%81%ae%e7%a7%bb%e5%8b%95%e6%83%85%e5%a0%b1%ef%bc%9adiff%e3%81%ae%e3%82%a4%e3%83%99%e3%83%b3%e3%83%88%e3%82%ab%e3%83%ac%e3%83%b3%e3%83%80/ イベント一覧の移動情報:Diffのイベントカレンダーはメタ・ウィキに移りました] / Chris Koerner ; Wadakuramon (2026/03/16) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/03/16/%e8%91%ac%e5%84%80%e3%81%a7%e5%ad%a6%e3%82%93%e3%81%a0%e3%80%81%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%9a%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e3%81%a8%e3%83%9c%e3%83%aa%e3%83%93%e3%82%a2%e3%81%a8%e6%97%a5%e6%9c%ac/ 葬儀で学んだ、ウィキペディアとボリビアと日本のこと:知識と愛情の物語] / Carlillasa ; Wadakuramon (2026/03/16) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/04/02/wikidata%e3%83%af%e3%83%bc%e3%82%af%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%9720260327%ef%bc%a0%e7%ad%91%e6%b3%a2%e5%a4%a7%e5%ad%a6%e6%9d%b1%e4%ba%ac%e3%82%ad%e3%83%a3%e3%83%b3%e3%83%91%e3%82%b9/ Wikidataワークショップ20260327@筑波大学東京キャンパス] / Eugene Ormandy (2026/04/02) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/04/04/%e4%ba%ba%e5%b7%a5%e7%9f%a5%e8%83%bd%e5%ad%a6%e4%bc%9a%e7%ac%ac68%e5%9b%9eswo%e7%a0%94%e7%a9%b6%e4%bc%9a%e3%81%ab%e7%99%bb%e5%a0%b4%e3%81%97%e3%81%9fwikimedia%e3%81%ae%e8%a9%b1/ 人工知能学会第68回SWO研究会に登場したWikimediaの話] / Eugene Ormandy (2026/04/04) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/04/06/jacet%e8%8b%b1%e8%aa%9e%e8%be%9e%e6%9b%b8%e7%a0%94%e7%a9%b6%e4%bc%9a2025%e5%b9%b4%e5%ba%a6%e7%ac%ac2%e5%9b%9e%e4%be%8b%e4%bc%9a%e3%81%a7wikipedia%e3%81%ae%e7%99%ba%e8%a1%a8%e3%82%92%e5%ae%9f%e6%96%bd/ JACET英語辞書研究会2025年度第2回例会でWikipediaの発表を実施] / Eugene Ormandy (2026/04/06) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/04/07/%e6%8f%90%e6%90%ba%e5%9b%a3%e4%bd%93%e8%aa%8d%e5%ae%9a%e3%81%ae%e4%b8%80%e6%99%82%e5%81%9c%e6%ad%a2%e6%9c%9f%e9%96%93%e3%81%8c2026%e5%b9%b49%e6%9c%88%e3%81%be%e3%81%a7%e5%bb%b6%e9%95%b7%e3%81%95/ 提携団体認定の一時停止期間が2026年9月まで延長されました] / CAlmog-WMF ; YShibata (2026/04/07) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/04/07/%e3%82%a6%e3%82%af%e3%83%a9%e3%82%a4%e3%83%8a%e3%81%ae%e6%96%87%e5%8c%96%e3%82%92%e4%b8%96%e7%95%8c%e3%81%b8%e4%bc%9d%e3%81%88%e3%81%be%e3%81%97%e3%82%87%e3%81%86%ef%bc%9a%e7%ac%ac6%e5%9b%9e%e3%82%a6/ ウクライナの文化を世界へ伝えましょう:第6回ウクライナの文化外交月間がウィキペディアで始まりました!] / OlesiaLukaniuk WMUA ; Wadakuramon (2026/04/07) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/04/13/%e5%b0%91%e6%95%b0%e8%80%85%e3%81%ae%e3%81%9f%e3%82%81%e3%81%ae%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%81%af%e7%ac%ac1%e5%9b%9e%e3%80%8c%e3%82%a2%e3%83%95%e3%83%aa%e3%82%ab%e3%81%ae%e5%b0%91%e6%95%b0%e8%80%85/ 少数者のためのウィキは第1回「アフリカの少数者キャンペーン」を2026年4月に開催します] / Fulani215 ; Wadakuramon (2026/04/13) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/04/17/%e7%a7%81%e3%81%9f%e3%81%a1%e3%81%8c%e3%83%9c%e3%83%aa%e3%83%93%e3%82%a2%e3%81%a7%e5%8f%96%e3%82%8a%e7%b5%84%e3%82%93%e3%81%a7%e3%81%84%e3%82%8b%e7%b9%94%e7%89%a9%e3%81%a8%e8%a1%a3%e6%96%99/ 私たちがボリビアで取り組んでいる織物と衣料] / NairaWM BO ; Wadakuramon (2026/04/17) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/04/23/%e6%97%a5%e9%9f%93%e3%82%a8%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%bf%e3%82%bd%e3%83%b32026%e3%81%a7%e6%9b%b8%e3%81%84%e3%81%9f3%e6%9c%ac%e3%81%ae%e8%a8%98%e4%ba%8b/ 日韓エディタソン2026で書いた3本の記事] / Wadakuramon (2026/04/23) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/04/24/%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%9a%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e3%82%92%e3%81%8a%e7%a5%9d%e3%81%84%e3%81%99%e3%82%8b%e3%81%ae%e3%81%af%e3%80%81%e7%a7%81%e3%81%9f%e3%81%a1%e3%81%ae%e3%82%b3%e3%83%9f/ ウィキペディアをお祝いするのは、私たちのコミュニティを祝うことでもあります] / N1ny4 t ; Wadakuramon (2026/04/24) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/04/28/%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%a1%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e8%b2%a1%e5%9b%a3%e5%b9%b4%e6%ac%a1%e8%a8%88%e7%94%bb-2026-2027%e3%81%ae%e3%81%94%e7%b4%b9%e4%bb%8b/ ウィキメディア財団年次計画/2026-2027のご紹介] / Wikimedia Foundation ; Omotecho (2026/04/28) '''前回配信:2025年3月31日''' <hr style="border-top: 2px 破線 #7F9AEB; border-bottom: none;"> 配信元: ''[[:m:Wikimedians of Japan User Group|Wikimedians of Japan User Group]]''<br /> <small>[[:m:Talk:Wikimedians of Japan User Group/メールマガジン|フィードバック]]。[[:m:Wikimedians of Japan User Group/メールマガジン/targets list| 登録・削除]]。</small>2026年4月30日 (木) 11:03 (UTC) <hr style="border-top: 2px 破線 #7F9AEB; border-bottom: none;"> <!-- User:Chqaz-WMJPUG@metawiki が https://meta.wikimedia.org/w/index.php?title=Wikimedians_of_Japan_User_Group/%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%9E%E3%82%AC%E3%82%B8%E3%83%B3/targets_list&oldid=30361722 のリストを使用して送信したメッセージ --> == 【要望】テンプレートについて教えて下さい。テンプレート:Pathnavのような、Wikinavがありますか。 == :<nowiki>{{Wikinav|交換法則}}</nowiki> 左記のカンジです。wikipediaへリンクです。文字w:を非表示。2step? :新規作成の、wikipediaへのリダイレクトページが不要の気がしました。 :(使用例) :[[初等数学公式集/解析幾何/コラム#外積の計算]] :[[交換法則]] :<nowiki>#redirect[[w:交換法則]]</nowiki> --[[利用者:Tkkn46tkkn46|Tkkn46tkkn46]] ([[利用者・トーク:Tkkn46tkkn46|トーク]]) 2026年5月27日 (水) 10:50 (UTC) == <span lang="en" dir="ltr">Vote now in the 2026 U4C election</span> == <div lang="en" dir="ltr"> <section begin="announcement-content" /> Eligible voters are asked to participate in the 2026 [[m:Special:MyLanguage/Universal_Code_of_Conduct/Coordinating_Committee|Universal Code of Conduct Coordinating Committee]] election. More information–including an eligibility check, voting process information, candidate information, and a link to the vote–are available on Meta at the [[m:Special:MyLanguage/Universal_Code_of_Conduct/Coordinating_Committee/Election/2026|2026 Election information page]]. The vote closes on 2 June 2026 at [https://zonestamp.toolforge.org/1780358400 00:00 UTC]. Please vote if your account is eligible. Results will be available by 14 June 2026. -- In cooperation with the U4C,<section end="announcement-content" /> </div> [[m:User:Keegan (WMF)|Keegan (WMF)]] ([[m:User talk:Keegan (WMF)|talk]]) 2026年5月27日 (水) 17:14 (UTC) <!-- User:Keegan (WMF)@metawiki が https://meta.wikimedia.org/w/index.php?title=Distribution_list/Global_message_delivery&oldid=30513860 のリストを使用して送信したメッセージ --> == ESEAP Strategy Summit 2027開催決定のお知らせ == 先日開催された、[[meta:ESEAP Conference 2026|ESEAP Conference 2026]]にて、来年2027年5月にESEAP Strategy Summit 2027を大阪で開催することが発表されました。詳細はこれからの検討事項となりますが、決定次第[[meta:ESEAP Strategy Summit 2027|ESEAP Strategy Summit 2027]]のページにて公開されるほか、適宜こちらのお知らせにて随時投稿させていただきますので、興味のある方、当日お手伝いなどいただける方はMeta-WikiのESEAP Strategy Summit 2027のページをご確認いただくか、[[meta:Wikimedians of Japan User Group|Wikimedians of Japan User Group]]にメンバーとして参加いただくことをご検討ください。--[[利用者:VZP10224(WjpUG)|VZP10224(WjpUG)]] ([[利用者・トーク:VZP10224(WjpUG)|トーク]]) 2026年5月28日 (木) 11:27 (UTC) == Wikimedians of Japan User Group 2026-5 == '''ESEAPハブからのおしらせ'''[[File:ESEAP logo horizontal.svg|40px|link=:m:ESEAP_Hub/ja]] * 6月6日15時(JST)から[[:m:Event:ESEAP_Community_Call_59_(6_June_2026)|オンラインミーティング]]が行われます。 '''Wikimedians of Japan User Groupからのおしらせ'''[[File:Wikimedians of Japan User Group Logoonly.svg|20px|link=:m:Wikimedians_of_Japan_User_Group]] * 6月1日から31日まで[[:w:ja:Event:日本ボリビア友好2026|日本ボリビア友好オンラインエディタソン]]を開催します。 * 6月27日に開催される[https://event.ospn.jp/osc2026-do/ OSC北海道]に参加します。 * [[:m:Grants:Programs/Wikimedia_Community_Fund/General_Support_Fund/Wikimedians_of_Japan_User_Group_2026-27_Annual_Plan|助成金申請]]が承認されました。 '''[[:w:ja:メインページ|日本語版ウィキペディア]]'''[[File:Wikipedia-logo-v2.svg|20px|link=:w:ja:]] * 今月は以下の記事が[[:w:ja:Wikipedia:良質な記事/良質な記事の選考|良質な記事の選考]]を通過しました。 **[[:w:ja:オシダ科|オシダ科]] **[[:w:ja:美濃電気軌道セミボ510形電車|美濃電気軌道セミボ510形電車]] **[[:w:ja:シャンブル|シャンブル]] **[[:w:ja:東山地域 (一関市)|東山地域 (一関市)]] **[[:w:ja:三方領地替え (1817年)|三方領地替え (1817年)]] **[[:w:ja:フサイン・ブン・ハムダーン|フサイン・ブン・ハムダーン]] **[[:w:ja:マリアノ・リベラ|マリアノ・リベラ]] **[[:w:ja:ナポレオンと田虫|ナポレオンと田虫]] **[[:w:ja:我が心は石にあらず|我が心は石にあらず]] **[[:w:ja:フランク・フラゼッタ|フランク・フラゼッタ]] **[[:w:ja:紀藤真琴|紀藤真琴]] **[[:w:ja:三ヶ島葭子|三ヶ島葭子]] **[[:w:ja:平野 (大阪市)|平野 (大阪市)]] **[[:w:ja:丹沢湖|丹沢湖]] * 今月の1枚 [[File:旧岩淵水門.jpg|alt=|thumb|200x200px|東京都北区の[[:w:ja:旧岩淵水門|岩淵水門]]|none]] '''6月のオフラインイベント情報''' * 6/6 [https://edit-tango.webnode.jp/l/edittango/ ウィキペディアタウン in 天女の里] * 6/7 [https://edit-tango.webnode.jp/l/edittango/ ウィキペディア見本市 in 第4回みすずフェスタ] * 6/27 [[:w:ja:プロジェクト:アウトリーチ/ウィキペディアタウン#2026-06-27_ウィキペディアタウン_in_丹後町2026|ウィキペディアタウン in 丹後町]] '''[[:wmfblog:|Diff]]''' タイトル / 著者;翻訳者 (掲載日) の順で記載しています。 * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/04/23/%e8%87%aa%e5%88%86%e3%81%ae%e3%80%8c%e6%b4%bb%e5%8b%95%e6%ad%b4%e3%80%8d%e3%82%92%e6%9b%b8%e3%81%84%e3%81%a6%e3%81%bf%e3%82%8b/ 自分の「活動歴」を書いてみる] / Lin Xiangru (2026/04/23) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/05/03/wikipedia%e8%a8%98%e4%ba%8b%e3%80%8e%e5%b8%82%e5%b7%9d%e5%b0%91%e5%a5%b3%e6%ad%8c%e8%88%9e%e4%bc%8e%e3%80%8f%e3%81%ae%e5%9f%b7%e7%ad%86%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6/ Wikipedia記事『市川少女歌舞伎』の執筆について] / のりまき (2026/05/03) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/05/07/%e6%a8%aa%e6%b5%9c%e4%b8%ad%e8%8f%af%e8%a1%97%e3%81%ae%e6%ad%b4%e5%8f%b2%ef%bc%9a%e4%b8%ad%e5%9b%bd%e6%96%99%e7%90%86%e3%81%ae%e3%83%86%e3%83%bc%e3%83%9e%e3%83%91%e3%83%bc%e3%82%af%e3%81%a8%e6%97%a5/?fbclid=IwY2xjawRsaTJleHRuA2FlbQIxMQBzcnRjBmFwcF9pZBAyMjIwMzkxNzg4MjAwODkyAAEeHzJBybslx3HqplC-5NsUD8hbdsj5sJDGda98CnGXQw5SL9tMrDGlXokf1dg_aem_sgRY_7nG6qRvDemytzjpFQ 横浜中華街の歴史:中国料理のテーマパークと日中/日台関係の鏡として] / のりまき (2026/05/07) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/05/19/%e3%83%90%e3%83%bc%e3%83%8a%e3%83%87%e3%83%83%e3%83%88ceo%e3%81%a8%e6%97%a5%e6%9c%ac%e3%81%ae%e3%82%b3%e3%83%9f%e3%83%a5%e3%83%8b%e3%83%86%e3%82%a3%e3%81%ae%e5%87%ba%e4%bc%9a%e3%81%84/ バーナデットCEOと日本のコミュニティの出会い] / Wadakuramon (2026/05/19) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/05/22/%e6%97%a5%e9%9f%93%e3%82%a8%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%bf%e3%82%bd%e3%83%b32026-%e3%82%92%e9%96%8b%e5%82%ac%e3%81%97%e3%81%be%e3%81%97%e3%81%9f/ 日韓エディタソン2026 を開催しました] / Lin Xiangru (2026/05/22) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/05/22/%e6%97%a5%e6%9c%ac%e3%81%a8%e3%83%9c%e3%83%aa%e3%83%93%e3%82%a2%e3%81%ae%e5%8f%8b%e5%a5%bd%e3%82%a8%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%bf%e3%82%bd%e3%83%b3%e3%82%926%e6%9c%88%e3%81%ab%e9%96%8b%e5%82%ac%e3%81%97/ 日本とボリビアの友好エディタソンを6月に開催します!] / Wadakuramon (2026/05/22) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/05/27/%e6%b5%b7%e5%a4%96%e3%81%ae%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%a1%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e3%83%b3%e3%81%a8%e4%bb%b2%e8%89%af%e3%81%8f%e3%81%aa%e3%82%8b%e6%96%b9%e6%b3%95/ 海外のウィキメディアンと仲良くなる方法] / Ga2by (2026/05/27) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/05/28/2027%e5%b9%b4%e3%81%aeeseap-strategy-summit%e3%82%92%e6%97%a5%e6%9c%ac%e3%81%a7%e9%96%8b%e5%82%ac/ 2027年のESEAP Strategy Summitを日本で開催] / VZP10224 (2026/05/28) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/05/28/eseap2026%e3%81%a7%e7%99%ba%e8%a1%a8%e3%81%97%e3%81%9f%e6%a8%aa%e6%b5%9c%e3%82%a8%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%bf%e3%82%bd%e3%83%b3%e3%81%a8%e3%80%81%e3%83%94%e3%82%bf%e3%83%90%e3%83%b3%e3%82%ac%e3%83%b3/ ESEAP2026で発表した横浜エディタソンと、ピタバンガン高雄] / Wadakuramon (2026/05/28) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/05/30/wm%e8%b2%a1%e5%9b%a3%e3%83%90%e3%83%bc%e3%83%8a%e3%83%87%e3%83%83%e3%83%88ceo%e3%81%8c%e6%97%a5%e6%9c%ac%e3%81%ae%e3%83%a1%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e3%81%ab%e7%99%bb%e5%a0%b4/ WM財団バーナデットCEOが日本のメディアに登場] / Wadakuramon (2026/05/30) '''前回配信:2026年4月30日''' <hr style="border-top: 2px 破線 #7F9AEB; border-bottom: none;"> 配信元: ''[[:m:Wikimedians of Japan User Group|Wikimedians of Japan User Group]]''<br /> <small>[[:m:Talk:Wikimedians of Japan User Group/メールマガジン|フィードバック]]。[[:m:Wikimedians of Japan User Group/メールマガジン/targets list| 登録・削除]]。</small>2026年5月31日 (日) 14:11 (UTC) <hr style="border-top: 2px 破線 #7F9AEB; border-bottom: none;"> <!-- User:Chqaz-WMJPUG@metawiki が https://meta.wikimedia.org/w/index.php?title=Wikimedians_of_Japan_User_Group/%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%9E%E3%82%AC%E3%82%B8%E3%83%B3/targets_list&oldid=30576890 のリストを使用して送信したメッセージ --> == RFC about AI-generated content in Wikimedia Commons == <bdi lang="en" dir="ltr">Apologies for writing in English, please help translate this message to your language. You are invited to participate in a [[c:Commons:Requests for comment/Policy update for AI content|request for comment on Wikimedia Commons about a policy update for AI content]]. This may affect files that are uploaded to Wikimedia Commons for use on this project. Thank you. [[m:User:Codename Noreste|Codename Noreste]] ([[m:User talk:Codename Noreste|トーク]])</bdi> 2026年6月23日 (火) 17:11 (UTC) <!-- User:Codename Noreste@metawiki が https://meta.wikimedia.org/w/index.php?title=Distribution_list/Global_message_delivery&oldid=30513860 のリストを使用して送信したメッセージ --> == <span lang="en" dir="ltr">Deployment of Legal and Safety Contacts Link in the Footer of Your Wiki</span> == <div lang="en" dir="ltr"> <section begin="Message"/> '''Legal & Safety Contacts''' Hello community, the Wikimedia Foundation has provided a [[wmf:Special:MyLanguage/Legal:Wikimedia Foundation Legal and Safety Contact Information|single legal and safety contact page]], to be linked in the footer of your wiki, to ensure access to accurate legal information. This is a regulatory requirement. We have already rolled out links to English, German, Italian, Spanish and other wikis and we will deploy to your wiki soon. [[m:Special:MyLanguage/Wikimedia_Foundation_Legal_and_Safety_Contacts_FAQ|Please read more on the project page]] and leave any comments in this thread or on the [[m:Special:MyLanguage/Talk:Wikimedia Foundation Legal and Safety Contacts FAQ|talk page]]. <section end="Message"/> </div> -- [[User:Sannita (WMF)|User:Sannita (WMF)]] ([[User talk:Sannita (WMF)|talk]]) 2026年6月25日 (木) 13:30 (UTC) <!-- User:Sannita (WMF)@metawiki が https://meta.wikimedia.org/w/index.php?title=User:Sannita_(WMF)/Mass_sending_test&oldid=30731267 のリストを使用して送信したメッセージ --> == Wikimedians of Japan User Group 2026-6 == '''全体ニュース''' * 7月21日から25日までパリで[[:wikimania:2026:Wikimania/ja|ウィキマニア]]が行われます。 '''ESEAPハブからのおしらせ'''[[File:ESEAP logo horizontal.svg|40px|link=:m:ESEAP_Hub/ja]] * 7月5日15時(JST)からオンラインミーティングが行われます。 '''Wikimedians of Japan User Groupからのおしらせ'''[[File:Wikimedians of Japan User Group Logoonly.svg|20px|link=:m:Wikimedians_of_Japan_User_Group]] * 法人化の準備を進めています。 * [[:w:ja:Event:日本ボリビア友好2026|日本ボリビア友好オンラインエディタソン]]を開催しました。 *[https://event.ospn.jp/osc2026-do/ OSC北海道]に参加しました。 '''[[:w:ja:メインページ|日本語版ウィキペディア]]'''[[File:Wikipedia-logo-v2.svg|20px|link=:w:ja:]] * 今月は以下の記事が[[:w:ja:Wikipedia:良質な記事/良質な記事の選考|良質な記事の選考]]を通過しました。 **[[:w:ja:宮城県における平成の大合併|宮城県における平成の大合併]] **[[:w:ja:文化財の保存と修復|文化財の保存と修復]] **[[:w:ja:障害学|障害学]] **[[:w:ja:エドワード・グレイ|エドワード・グレイ]] **[[:w:ja:トカラ列島の本土復帰|トカラ列島の本土復帰]] **[[:w:ja:お狂言師|お狂言師]] **[[:w:ja:ぬい活|ぬい活]] **[[:w:ja:夜の踊り子|夜の踊り子]] **[[:w:ja:P-47II MD|P-47II MD]] **[[:w:ja:ウルフキテル|ウルフキテル]] **[[:w:ja:雅楽|雅楽]] **[[:w:ja:上久世荘|上久世荘]] **[[:w:ja:タイガとココア|タイガとココア]] **[[:w:ja:くじら座タウ星|くじら座タウ星]] **[[:w:ja:尼子山トンネル火災事故|尼子山トンネル火災事故]] * 今月の1枚 [[File:Cherry_tree_and_Mount_Iwate_in_spring_2026.jpg|alt=|thumb|200x200px|[[:w:ja:小岩井農場|小岩井農場]]と[[:w:ja:岩手山|岩手山]]|none]] '''7月のオフラインイベント情報''' * 7/11 [https://www.city.yaizu.lg.jp/event/info-00563.html 焼津市ウィキペディアタウン~八雲と歩く焼津Wiki旅~] * 7/19 [https://edit-tango.webnode.jp/イベント/ ウィキペディアにゃウンvol.9 part.1 峰山城下町] * 7/29 [https://kumanichi.com/event/1993906 図書館×Wikipedia 地域発信ワークショップ] '''[[:wmfblog:|Diff]]''' タイトル / 著者;翻訳者 (掲載日) の順で記載しています。 * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/06/15/%e6%97%a5%e6%9c%ac%e3%81%ae%e5%ad%a6%e7%94%9f%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%9a%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e3%83%b3%e3%82%b5%e3%83%bc%e3%82%af%e3%83%ab%e3%81%8c%e5%90%8c%e4%ba%ba%e8%aa%8c%e3%82%92/ 日本の学生ウィキペディアンサークルが同人誌を刊行] / Wadakuramon (2026/06/15) '''前回配信:2026年5月31日''' <hr style="border-top: 2px 破線 #7F9AEB; border-bottom: none;"> 配信元: ''[[:m:Wikimedians of Japan User Group|Wikimedians of Japan User Group]]''<br /> <small>[[:m:Talk:Wikimedians of Japan User Group/メールマガジン|フィードバック]]。[[:m:Wikimedians of Japan User Group/メールマガジン/targets list| 登録・削除]]。</small>2026年6月30日 (火) 13:44 (UTC) <hr style="border-top: 2px 破線 #7F9AEB; border-bottom: none;"> <!-- User:Chqaz-WMJPUG@metawiki が https://meta.wikimedia.org/w/index.php?title=Wikimedians_of_Japan_User_Group/%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%9E%E3%82%AC%E3%82%B8%E3%83%B3/targets_list&oldid=30576890 のリストを使用して送信したメッセージ --> == {{NDC|021}} が 日本十進分類法/000 と表示されます。一致する方法を教えて下さい。 == :[[ウィキペディアの書き方#他言語版ウィキペディアの書き方]] :(参考) :[[Wikibooks:日本十進分類法#021.4 編集 編纂]] --[[利用者:Tkkn46tkkn46|Tkkn46tkkn46]] ([[利用者・トーク:Tkkn46tkkn46|トーク]]) 2026年7月1日 (水) 12:51 (UTC) :: ご質問の場合は、[[:カテゴリ:日本十進分類法/021]]を作成すれば、一致させることができます。ただ、個人的には、そのカテゴリに入るべきページがきわめて少ないのであれば、そのカテゴリは細分化されすぎであり、作成は時期尚早と考えます。 --[[利用者:Kyube|kyube]] ([[利用者・トーク:Kyube|トーク]]) 2026年7月1日 (水) 14:45 (UTC) == 最近の更新で (感謝) を押してみた。記事に変化はありません。 == [[ウィキペディアの書き方]] に説明はありませんでした。--[[利用者:Tkkn46tkkn46|Tkkn46tkkn46]] ([[利用者・トーク:Tkkn46tkkn46|トーク]]) 2026年7月1日 (水) 21:06 (UTC) : 日本語版wikibooksでは説明がないですね。[[w:Wikipedia:通知/感謝]]をお読みください。この機能は利用者に感謝を伝えるものですから、記事やページに変化を生じさせるものではありません。 : これに限らず日本語版wikibooksに説明がないものはまず日本語版wikipediaにないか探したほうが良いです。 --[[利用者:Kyube|kyube]] ([[利用者・トーク:Kyube|トーク]]) 2026年7月2日 (木) 17:03 (UTC) == 孤立しているページについて == [[特別:孤立しているページ|孤立しているページの一覧]]に、[[C++/キャスト]]や[[C++/クイックツアー]]が表示されていました。しかし、[[C++#下位階層のページ]]を確認すると、これらのページへのリンクが存在しています。 ただし、このリンクは 直接記述されたものではなく、「特別:前方一致ページ一覧/{PAGENAME}/|hideredirects=yes|stripprefix=yes」というテンプレートによって自動的にリンクされたものです。 この場合、孤立ページの判定では「直接リンク」が必要なため、テンプレートによる自動リンクでは孤立ページの解消として扱われないようです。 このままだと、「孤立ページに載っているのに、リンクされているように見える」という誤解を招く可能性があります。 そこで、誤解を防ぐために、直接リンクとして[[C++/キャスト]]や[[C++/クイックツアー]]を記述する編集を行いたいと考えています。 あくまで、ほかの利用者の混乱を避けるための対応であり、荒らし目的ではありません。ご理解とご協力をお願いいたします。--[[利用者:AkiR27User|AkiR27User]] ([[利用者・トーク:AkiR27User|トーク]]) 2026年7月8日 (水) 08:30 (UTC) == 最近の更新は1ページだけですか。もっと見たい。 == いい方法のurlを教えて下さい。--[[利用者:Tkkn46tkkn46|Tkkn46tkkn46]] ([[利用者・トーク:Tkkn46tkkn46|トーク]]) 2026年7月13日 (月) 21:41 (UTC) == Request for comment (the future of Abstract Wikipedia) == <bdi lang="en" dir="ltr" class="mw-content-ltr"> Apologies if this has not yet been translated into your wiki's language. {{int:Please-translate}} You are invited to voice your opinions in a [[:m:Requests for comment/The future of Abstract Wikipedia|request for comment about the future of Abstract Wikipedia]]. {{Int:Feedback-thanks-title}} [[:m:User:Kowal2701|Kowal2701]] ([[:m:User talk:Kowal2701|talk]]) 2026年7月24日 (金) 12:24 (UTC) </bdi> <!-- User:DreamRimmer@metawiki が https://meta.wikimedia.org/w/index.php?title=Distribution_list/Global_message_delivery&oldid=30513860 のリストを使用して送信したメッセージ --> == ウィキバーシティからの大規模な内容の移行、統合について == WikiversityはWikibooksの姉妹プロジェクト(Wikibooksより派生した)であり、主に学習活動の支援や学習教材の作成を目的とし、また各種の二次的研究および独自研究も視野に入れる活動群、プラットフォームです。ただし、ここで公開する教材は主として補助教材であり、教科書的内容は守備範囲ではありません(Wikibooksの領域です)。 本来はそういうものとして計画されているはずなのですが、現在はWikibooksと大差のない教科書的内容のページがほとんどを占めています。現在Wikiversityではプロジェクトのこれからのあり方に関する議論がなされており、参加者間でも今後に関しての具体的な計画やビジョンが共有されている訳ではないのですが、教科書的内容(現在ある記事の大部分)はWikibooksに移行・統合すべきという意見自体は概ね一致しています。 Wikiversityは初期から今まで過疎が続いており、記事の量も質もここにはかなり劣りますが、それでもWikibooksにはない記事や章構成を持った分野はあり、多少なりと有益な部分もあると思います。--[[利用者:BrassSnail|BrassSnail]] ([[利用者・トーク:BrassSnail|トーク]]) 2026年7月24日 (金) 14:52 (UTC) == Wikimedians of Japan User Group 2026-7 == '''全体ニュース''' * [[:w:ja:ウィキメディアン・オブ・ザ・イヤー|Wikimedian of the Year]]名誉賞を梅本聖さん(User:Hijiri)が受賞されました。 * [[:m:Updating_the_ecosystem_of_Wikimedia_organizations/Recognition_and_Funding_for_Movement_Organizations|ウィキメディア運動組織の認定・資金提供のあり方を見直す提案]]について意見募集が行われています。 * [[:m:Global_Resource_Distribution_Committee/Grantmaking_Strategy_2026|2026年の助成金戦略に関する提案]]について意見募集が行われています。 '''Wikimedians of Japan User Groupからのおしらせ'''[[File:Wikimedians of Japan User Group Logoonly.svg|20px|link=:m:Wikimedians_of_Japan_User_Group]] * 8月1日に開催される[https://event.ospn.jp/osc2026-kyoto/ OSC京都]に参加します。 * 8月8日、9日に開催される[https://coscup.org/2026/en/ coscup]に参加します。 * 8月22日にウィキデータ勉強会#2を開催します。 * 法人化に関する[[:m:Wikimedians of Japan User Group/法人設立|ページ]]を作成しました。 '''[[:w:ja:メインページ|日本語版ウィキペディア]]'''[[File:Wikipedia-logo-v2.svg|20px|link=:w:ja:]] * 今月は以下の記事が[[:w:ja:Wikipedia:良質な記事/良質な記事の選考|良質な記事の選考]]を通過しました。 **[[:w:ja:1960年桑絹村長選挙|1960年桑絹村長選挙]] **[[:w:ja:豚肉食のタブー|豚肉食のタブー]] **[[:w:ja:松岡寺|松岡寺]] **[[:w:ja:易 (占い)|易 (占い)]] **[[:w:ja:象と鯨図屏風|象と鯨図屏風]] * 今月の1枚 [[File:Cherry_blossoms_along_the_moat_of_Hirosaki_Castle_at_night_20260420h.jpg|alt=|thumb|200x200px|[[:w:ja:弘前城|弘前城]]の夜桜|none]] '''8月のオフラインイベント情報''' * 8/5,19 [[:w:ja:プロジェクト:アウトリーチ/ウィキペディアタウン#2026-08-05・2026-08-19_地域の記録をみんなの手で残して発信しよう_in_松戸|地域の記録をみんなの手で残して発信しよう in 松戸]] '''[[:wmfblog:|Diff]]''' タイトル / 著者;翻訳者 (掲載日) の順で記載しています。 * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/07/07/%e4%ba%ac%e5%a4%a7%e3%80%8c%e3%83%a1%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e6%96%87%e5%8c%96%e5%ad%a6%e3%80%8d%e8%ac%9b%e7%be%a9%e3%82%92%e8%81%b4%e8%ac%9b/ 京大「メディア文化学」講義を聴講] / Lin Xiangru (260707) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/07/07/%e6%97%a5%e6%9c%ac%e3%83%9c%e3%83%aa%e3%83%93%e3%82%a2%e5%8f%8b%e5%a5%bd%e3%82%a8%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%bf%e3%82%bd%e3%83%b3%e3%81%af%e5%a4%a7%e6%88%90%e5%8a%9f%e3%81%a7%e3%81%97%e3%81%9f%ef%bc%81/ 日本ボリビア友好エディタソンは大成功でした!] / Carlillassa, Wadakuramon (2026/07/07) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/07/09/gemini-canvas-%e3%82%92%e6%b4%bb%e7%94%a8%e3%81%97%e3%81%a6%e5%ae%b6%e7%b3%bb%e5%9b%b3%e4%bd%9c%e6%88%90%e3%82%92%e8%87%aa%e5%8b%95%e5%8c%96%e3%81%97%e3%81%a6%e3%81%bf%e3%82%8b/ Gemini canvas を活用して家系図作成を自動化してみる] / Lin Xiangru (2026/07/09) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/07/27/%e6%96%b0%e3%81%9f%e3%81%aa%e6%88%90%e6%9e%9c%e3%82%92%e9%81%94%e6%88%90-%e6%ad%b4%e5%8f%b2%e3%82%92%e5%88%bb%e3%82%93%e3%81%a0%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%a1%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e6%97%a5/ 新たな成果を達成! 歴史を刻んだウィキメディア日本ボリビア友好会] / Carlillasa ; Wadakuramon (2026/07/27) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/07/27/%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%9e%e3%83%8b%e3%82%a22026-%e8%b2%a2%e7%8c%ae%e3%81%99%e3%82%8b%e5%96%9c%e3%81%b3/ ウィキマニア2026: 貢献する喜び] / Wikimedia Foundation ; Wadakuramon (2026/07/27) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/07/27/%e5%9b%b3%e6%9b%b8%e9%a4%a8%e7%b7%8f%e5%90%88%e5%b1%95%e3%81%b8%e3%81%ae%e5%8f%82%e5%8a%a0/ 図書館総合展への参加] / VZP10224 (2026/07/27) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/07/27/%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%87%e3%83%bc%e3%82%bf%e5%8b%89%e5%bc%b7%e4%bc%9a%e3%82%92%e5%a7%8b%e3%82%81%e3%81%be%e3%81%97%e3%81%9f/ ウィキデータ勉強会を始めました] / Wadakuramon (2026/07/27) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/07/29/%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%a1%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e3%83%b3%e3%83%bb%e3%82%aa%e3%83%96%e3%83%bb%e3%82%b6%e3%83%bb%e3%82%a4%e3%83%a4%e3%83%bc2026%e5%8f%97%e8%b3%9e%e8%80%85%e3%81%ab/ ウィキメディアン・オブ・ザ・イヤー2026受賞者に会おう!] / Wikimedia Foundation ; Wadakuramon (2026/07/29) '''前回配信:2026年6月30日''' <hr style="border-top: 2px 破線 #7F9AEB; border-bottom: none;"> 配信元: ''[[:m:Wikimedians of Japan User Group|Wikimedians of Japan User Group]]''<br /> <small>[[:m:Talk:Wikimedians of Japan User Group/メールマガジン|フィードバック]]。[[:m:Wikimedians of Japan User Group/メールマガジン/targets list| 登録・削除]]。</small>2026年7月31日 (金) 13:55 (UTC) <hr style="border-top: 2px 破線 #7F9AEB; border-bottom: none;"> <!-- User:Chqaz-WMJPUG@metawiki が https://meta.wikimedia.org/w/index.php?title=Wikimedians_of_Japan_User_Group/%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%9E%E3%82%AC%E3%82%B8%E3%83%B3/targets_list&oldid=30828137 のリストを使用して送信したメッセージ --> == 管理者の再信任のための「定期的な投票」実施について(2026年) == 皆さん、こんにちは。このたび、[[Wikibooks:管理者の辞任#管理者の再信任投票]]に基づく2026年9月末で任期末を迎える現管理者2名の再信任のための「定期的な投票」を実施したく存じます。そこで当コミュニティの事前告知期間も踏まえ2週間後の2026年9月5日(予定)に投票ページとして「[[Wikibooks:管理者への立候補/再信任投票 202609]]」を作成いたします。そこから2週間(336時間)の投票期間を設けたいと存じます。なお、管理者の一人である {{admin|Kanjy}} さんは、2年以上、編集も権限行使もないため、この再信任投票開始の時点までに活動がない場合には[[Wikibooks:管理者の辞任#自動退任について|方針に基づき自動退任]]となります。以上につきまして何かコメントなどございましたらお寄せください。それでは何卒よろしくお願いいたします。--[[利用者:Shokupan|Shokupan]] ([[利用者・トーク:Shokupan|トーク]]) 2026年8月22日 (土) 02:12 (UTC) :{{コメント2|報告}} 事前告知のとおり、[[Wikibooks:管理者への立候補/再信任投票 202609|管理者の再信任投票ページ]]を作成いたしましたので、ご報告いたします。--[[利用者:Shokupan|Shokupan]] ([[利用者・トーク:Shokupan|トーク]]) 2026年9月5日 (土) 02:33 (UTC) == Wikimedians of Japan User Group 2026-8 == '''全体ニュース''' * 提携団体の新規認定の一時停止は[[:m:Affiliations_Committee/Extension_of_the_pause_on_new_affiliate_recognition|延長]]されます。 * [[:m:Users_with_Extended_Rights_Conference_2026|拡張権限保持者カンファレンス2026]]の申込みは9月4日までです。 '''ESEAPハブからのおしらせ'''[[File:ESEAP_logo_horizontal.svg|40px|link=:m:ESEAP_Hub/ja]] * 9月6日15時(JST)から[[:m:Event:ESEAP_Community_Call_61_(6_September_2026)|オンラインミーティング]]が行われます。 '''Wikimedians of Japan User Groupからのおしらせ'''[[File:Wikimedians of Japan User Group Logoonly.svg|20px|link=:m:Wikimedians_of_Japan_User_Group]] * Wikimaniaに関する[[:m:Wikimedians_of_Japan_User_Group/Release_20260823|声明]]を発表しました。 * 9月11日から13日にかけて[https://peatix.com/event/5119488 日韓ウィキメディアン交流イベントin唐津・太宰府]をウィキメディア韓国と共同で開催します。 '''[[:w:ja:メインページ|日本語版ウィキペディア]]'''[[File:Wikipedia-logo-v2.svg|20px|link=:w:ja:]] * 今月は以下の記事が[[:w:ja:Wikipedia:良質な記事/良質な記事の選考|良質な記事の選考]]を通過しました。 **[[:w:ja:高輪消防署二本榎出張所|高輪消防署二本榎出張所]] **[[:w:ja:柳川一件|柳川一件]] **[[:w:ja:第1回十字軍|第1回十字軍]] **[[:w:ja:易 (占い)|易 (占い)]] **[[:w:ja:1960年桑絹村長選挙|1960年桑絹村長選挙]] **[[:w:ja:カリホルニウム|カリホルニウム]] **[[:w:ja:力学系|力学系]] **[[:w:ja:松岡寺|松岡寺]] **[[:w:ja:象と鯨図屏風|象と鯨図屏風]] **[[:w:ja:オルペウス|オルペウス]] **[[:w:ja:ナースィル・アッダウラ|ナースィル・アッダウラ]] **[[:w:ja:探検部|探検部]] **[[:w:ja:豚肉食のタブー|豚肉食のタブー]] **[[:w:ja:リズム・アンド・ブルース|リズム・アンド・ブルース]] **[[:w:ja:リカンカブール山|リカンカブール山]] **[[:w:ja:膣|膣]] **[[:w:ja:歌舞伎町の歴史|歌舞伎町の歴史]] **[[:w:ja:眠り猫|眠り猫]] **[[:w:ja:ボリソフ彗星 (2I/Borisov)|ボリソフ彗星 (2I/Borisov)]] **[[:w:ja:ワースィク|ワースィク]] **[[:w:ja:道の駅もてぎ|道の駅もてぎ]] **[[:w:ja:弘田由己子|弘田由己子]] **[[:w:ja:エクリプス (競走馬)|エクリプス (競走馬)]] * 今月の1枚 [[File:TH2113_Hamanako-Sakume-STA.jpg|alt=|thumb|200x200px||none]] '''9月のオフラインイベント情報''' * 9/21 [https://edit-tango.webnode.jp/イベント/ ウィキペディアにゃウンvol.9 part.2 丹後のものづくり] '''前回配信:2026年7月31日''' <hr style="border-top: 2px 破線 #7F9AEB; border-bottom: none;"> 配信元: ''[[:m:Wikimedians of Japan User Group|Wikimedians of Japan User Group]]''<br /> <small>[[:m:Talk:Wikimedians of Japan User Group/メールマガジン|フィードバック]]。[[:m:Wikimedians of Japan User Group/メールマガジン/targets list| 登録・削除]]。</small>2026年8月31日 (月) 13:08 (UTC) <hr style="border-top: 2px 破線 #7F9AEB; border-bottom: none;"> <!-- User:Chqaz-WMJPUG@metawiki が https://meta.wikimedia.org/w/index.php?title=Wikimedians_of_Japan_User_Group/%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%9E%E3%82%AC%E3%82%B8%E3%83%B3/targets_list&oldid=30828137 のリストを使用して送信したメッセージ --> == サーバー切り替え - ご利用のウィキは間もなく短時間読み取り専用に切り替わります == <section begin="server-switch"/><div class="plainlinks"> [[:m:Special:MyLanguage/Tech/Server switch|他の言語で読む]] • [https://meta.wikimedia.org/w/index.php?title=Special:Translate&group=page-Tech%2FServer+switch&language=&action=page&filter= {{int:please-translate}}] [[foundation:|ウィキメディア財団]]ではデータセンター間でのトラフィックの切り替えを行います。 災害が起こった場合でも、ウィキペディアとその他のウィキメディア・ウィキが確実にオンラインとなるようにするための措置です。 全トラフィックの切り替えは'''{{#time:n月j日|2026-09-23|ja}}'''に行います。 テストは '''[https://zonestamp.toolforge.org/{{#time:U|2026-09-23T14:00|en}} {{#time:H:i e|2026-09-23T14:00}}]''' に開始されます。 残念ながら [[mw:Special:MyLanguage/Manual:What is MediaWiki?|MediaWiki]] の技術的制約により、切り替え作業中はすべての編集を停止する必要があります。 ご不便をおかけすることをお詫びするとともに、将来的にはそれが最小限にとどめられるよう努めます。 作業開始の30分前から、すべてのウィキで画面にバナーを表示する予定です。 このバナーはメンテナンス作業の終了まで表示されます。 バナーテキストの[https://meta.wikimedia.org/w/index.php?title=Special%3ATranslate&group=Centralnotice-tgroup-read_only_banner&task=view&language=&filter=&action=translate 翻訳や校正]にご協力ください、 '''閲覧は可能ですが、すべてのウィキにおいて編集ができないタイミングが短時間あります。''' * {{#time:Y年n月j日(l)|2026-09-23|ja}}には、最大1時間ほど編集できない時間が発生します。 * この間に編集や保存を行おうとした場合、エラーメッセージが表示されます。 その間に行われた編集が失われないようには努めますが、保証することはできません。 エラーメッセージが表示された場合、通常状態に復帰するまでお待ちください。 その後、編集の保存が可能となっているはずです。 しかし念のため、保存ボタンを押す前に、行った変更のコピーをとっておくことをお勧めします。 ''その他の影響'': * バックグラウンドジョブが遅くなり、場合によっては失われることもあります。 赤リンクの更新が通常時よりも遅くなる場合があります。 特に他のページからリンクされているページを作成した場合、そのページは通常よりも「赤リンク」状態が長くなる場合があります。 長時間にわたって実行されるスクリプトは、停止しなければなりません。 * コードの実装は通常の週と同様に行う見込みです。 しかしながら、作業上の必要性に合わせ、ケースバイケースでいずれかのコードフリーズが計画時間に発生することもあります。 * [[mw:Special:MyLanguage/GitLab|GitLab]]は90分ほどの間に利用不可になります。 必要に応じてこの計画は延期されることがあります。 [[wikitech:Switch_Datacenter|wikitech.wikimedia.orgで工程表を見られます]]。 変更はすべて工程表で発表しますので、ご参照ください。 '''この情報を皆さんのコミュニティで共有してください。'''</div><section end="server-switch"/> [[m:user:Trizek (WMF)|Trizek (WMF)]] 2026年9月15日 (火) 12:58 (UTC) <!-- User:Trizek (WMF)@metawiki が https://meta.wikimedia.org/w/index.php?title=Distribution_list/Non-Technical_Village_Pumps_distribution_list&oldid=30513874 のリストを使用して送信したメッセージ --> == Your feedback wanted: Remove ''(Language link added:) and similar'' edits from Special:RecentChanges == ''(Apologies for posting in English. You can help by translating it)'' Hello, I’m Danny from [[:en:w:Wikimedia_Deutschland|Wikimedia Deutschland’s]] [[m:Wikidata_For_Wikimedia_Projects|Wikidata For Wikimedia Projects]] team.<br/> We have been investigating and examining how Wikidata’s use in the [[Special:RecentChanges]] and [[Special:Watchlist]] pages can be made to be more useful, or less ‘noisy’ (fewer edits that have little value to the reader). We are currently exploring to make a change in the volume and the type of Wikidata edits that appear in these pages, and '''we need your feedback''' to help us ensure this is a positive change for the Wikis and won’t disrupt your workflows.<br/> Language links are also known as sitelinks or interlanguage links and describe when a Wikidata item is connected to a Wiki, adding it to the language dropdown tool for other connected Wikis. [[File:Types of Lang Link changes.png|x350px|frame|A variety of "Language Link" edits as seen in the Recent Changes feed]] The request for feedback is whether you support the removal of these language link edits from the Recent Changes and Watchlist feed, or would you oppose such a change and if so, why? Please share you thoughts on the dedicated '''[[m:Talk:Wikidata_For_Wikimedia_Projects/Clearer_Wikidata_Edit_Summaries/Hide_Language_Link_edits|metawiki Talk page]]'''. Further information about this change: [[m:Wikidata_For_Wikimedia_Projects/Clearer_Wikidata_Edit_Summaries/Hide_Language_Link_edits|m:Wikidata_For_Wikimedia_Projects/Hide_Language_Link_edits]] Thank you for any participation or feedback you give, -- [[m:User:Danny_Benjafield_(WMDE)|User:Danny Benjafield (WMDE)]] 2026年9月25日 (金) 11:46 (UTC) <!-- User:Danny Benjafield (WMDE)@metawiki が https://meta.wikimedia.org/w/index.php?title=User:Danny_Benjafield_(WMDE)/MassMessage_test_list&oldid=31080832 のリストを使用して送信したメッセージ --> == ESEAP翻訳者の募集 == ESEAP(東アジア・東南アジア・大洋州)地域における多言語コミュニケーションの促進とコミュニティへの参加意欲を高めるため、ESEAPハブでは、[[meta:ESEAP Hub/Activity/Community Translator Service|コミュニティ翻訳者プログラム]]への参加を希望する有能な人材を募集しています。 現在、以下の分野で日本語を話せる方を募集しています。 * 翻訳(文章) * 通訳(ライブイベント/会議) 応募方法:応募は随時受け付けています。「コミュニティ翻訳者応募フォーム」より、必要事項をご記入の上、ご提出ください。[https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScRlsOfpim2RxU1vBJZmK5UQm8elxUw6zS9vegzLDR78paVPQ/viewform 応募フォーム] 今後必要となるスキルをお持ちの候補者の方には、こちらからご連絡させていただきます。ご質問がございましたら、contact@eseap.org までお気軽にお問い合わせください。--[[利用者:VZP10224(WjpUG)|VZP10224(WjpUG)]] ([[利用者・トーク:VZP10224(WjpUG)|トーク]]) 2026年9月27日 (日) 06:00 (UTC) == Wikimedians of Japan User Group 2026-9 == '''全体ニュース''' * 来年、チリのサンティアゴで開催されるWikimania 2027の[[:wikimania:2027:Scholarships/ja|参加費用補助の申請]]は10月31日までです。 '''ESEAPハブからのおしらせ'''[[File:ESEAP logo horizontal.svg|40px|link=:m:ESEAP_Hub/ja]] * 10月3日15時(JST)から[[:m:Event:ESEAP_Community_Call_62_(3_October_2026)|オンラインミーティング]]が行われます。 '''Wikimedians of Japan User Groupからのおしらせ'''[[File:Wikimedians of Japan User Group Logoonly.svg|20px|link=:m:Wikimedians_of_Japan_User_Group]] * 10月20日から22日まで開催される図書館総合展に[[:w:ja:プロジェクト:アウトリーチ/ウィキメディア・ワールド2026|ウィキメディア・ワールド 2026]]と題して出展します。 * 上記イベントに関連して10月31日から11月13日にかけて[[:w:ja:Event:鎌倉エディタソン|オンライン鎌倉エディタソン]]を、10月18日に[[:w:ja:Event:オフライン鎌倉エディタソン|オフラインエディタソン]]を開催します。 * 10月17日に開催される[https://event.ospn.jp/osc2026-fall/ OSC東京]に参加します。 * ESEAPハブからの[[:m:Wikimedians_of_Japan_User_Group/Notice_20260929-1|翻訳者/通訳者募集のお知らせ]]を掲載しました。 * [[:m:Wikimedians_of_Japan_User_Group/Notice_20260929-2|Wiki Loves Peace開催のお知らせ]]を掲載しました。 '''[[:w:ja:メインページ|日本語版ウィキペディア]]'''[[File:Wikipedia-logo-v2.svg|20px|link=:w:ja:]] * 今月は以下の記事が[[:w:ja:Wikipedia:良質な記事/良質な記事の選考|良質な記事の選考]]を通過しました。 ** [[:w:ja:名古屋におけるシュルレアリスム|名古屋におけるシュルレアリスム]] ** [[:w:ja:ブルーベリー銀河|ブルーベリー銀河]] ** [[:w:ja:足利直義|足利直義]] ** [[:w:ja:束帯|束帯]] ** [[:w:ja:ウトゥルンク|ウトゥルンク]] ** [[:w:ja:トスティ・ゴドウィンソン|トスティ・ゴドウィンソン]] ** [[:w:ja:琵琶湖若狭湾快速鉄道|琵琶湖若狭湾快速鉄道]] ** [[:w:ja:ダークエネルギーサーベイ|ダークエネルギーサーベイ]] ** [[:w:ja:十島村 (鹿児島県大島郡1946年)|十島村 (鹿児島県大島郡1946年)]] ** [[:w:ja:フォーマルハウト|フォーマルハウト]] ** [[:w:ja:列女伝|列女伝]] ** [[:w:ja:倚子|倚子]] ** [[:w:ja:エルフガー (マーシア伯)|エルフガー (マーシア伯)]] ** [[:w:ja:南鳥島事件|南鳥島事件]] ** [[:w:ja:直腸|直腸]] ** [[:w:ja:ラプラス変換|ラプラス変換]] ** [[:w:ja:進駐軍クラブ|進駐軍クラブ]] ** [[:w:ja:ロシアの歴史|ロシアの歴史]] ** [[:w:ja:筑紫箏|筑紫箏]] ** [[:w:ja:COROT|COROT]] * 今月の1枚 [[File:Shin_Yamabiko_bridge_and_Kurobe_Torokko_railway.jpg|alt=|thumb|200x200px|[[:w:ja:山彦橋|山彦橋]]を渡る[[:w:ja:黒部峡谷鉄道|黒部峡谷鉄道]]のトロッコ電車|none]] '''10月のイベント情報''' * 10/3 [https://edit-tango.webnode.jp/イベント/ 丹後古墳ウォーカーvol.2 網野銚子山古墳フェス&ロー鉄サミット] * 10/4 [https://www.siofest.com/event/Wikipedia_bungaku Wikipediaブンガク鎌倉詩人 vol.2] * 10/12 [https://www.city.natori.miyagi.jp/page/46132.html ウィキペディアタウン in 名取] * 10/31 [https://www.lib.city-hokuto.ed.jp/mukawa/event-info/126/ ウィキペディアタウン@北杜 in 武川町] '''[[:wmfblog:|Diff]]''' タイトル / 著者;翻訳者 (掲載日) の順で記載しています。 * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/07/31/%e3%82%b7%e3%83%b3%e3%83%9d%e3%82%b8%e3%82%a6%e3%83%a0%e3%80%8c%e3%83%87%e3%82%b8%e3%82%bf%e3%83%ab%e3%82%a2%e3%83%bc%e3%82%ab%e3%82%a4%e3%83%96%e6%8e%a8%e9%80%b2%e5%9f%ba%e6%9c%ac%e6%b3%95%e3%81%ae/ シンポジウム「デジタルアーカイブ推進基本法の実現に向けて」参加記録] / Ga2by (2026/07/31) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/08/05/notebooklm%e3%81%af%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%9a%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e3%81%ae%e5%9f%b7%e7%ad%86%e3%82%b5%e3%83%9d%e3%83%bc%e3%83%88%e3%81%ab%e4%bd%bf%e3%81%88%e3%82%8b%e3%81%ae%e3%81%8b/ NotebookLMはウィキペディアの執筆サポートに使えるのか?] / Lin Xiangru (2026/08/05) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/08/13/eseap%e3%82%ab%e3%83%b3%e3%83%95%e3%82%a1%e3%83%ac%e3%83%b3%e3%82%b92026%e5%8f%82%e5%8a%a0%e8%80%85%e7%b5%8c%e9%a8%93%e8%ab%87%ef%bc%88%e5%89%8d%e7%b7%a8%ef%bc%89/ ESEAPカンファレンス2026参加者経験談(前編)] / Wadakuramon (2026/08/13) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/08/17/eseap%e3%82%ab%e3%83%b3%e3%83%95%e3%82%a1%e3%83%ac%e3%83%b3%e3%82%b92026%e5%8f%82%e5%8a%a0%e8%80%85%e7%b5%8c%e9%a8%93%e8%ab%87%ef%bc%88%e5%be%8c%e7%b7%a8%ef%bc%89/ ESEAPカンファレンス2026参加者経験談(後編)] / Wadakuramon (2026/08/17) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/08/19/ai%e3%81%8c%e7%9f%a5%e8%ad%98%e3%82%92%e5%89%b5%e3%82%8b%ef%bc%9f%e2%80%95llm-wiki%e3%81%a8%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%a1%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e3%83%b3%e3%83%bb%e3%83%a0%e3%83%bc%e3%83%96/ AIが知識を創る?―LLM Wikiとウィキメディアン・ムーブメントに関する考察] / Ga2by (2026/08/19) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/08/19/%e6%ac%a1%e3%80%85%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%aa%e3%81%8c%e3%81%a3%e3%81%a6%e3%81%84%e3%81%8f%e8%97%a9-%e5%b7%9d%e8%b6%8a%e8%97%a9%e3%81%a8%e4%bd%90%e5%80%89%e8%97%a9%e3%81%ae%e3%81%8a%e3%81%af/ 次々につながっていく藩 – 川越藩と佐倉藩のおはなし] / Lin Xiangru (2026/08/19) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/08/20/%e8%a3%9c%e5%8a%a9%e9%87%91%e6%94%af%e7%b5%a6%e6%88%a6%e7%95%a5%e3%81%ae%e8%8d%89%e6%a1%88%e3%80%81-grdc%e3%82%88%e3%82%8a%e5%8d%94%e8%ad%b0%e3%82%92%e5%91%bc%e3%81%b3%e3%81%8b%e3%81%91/ 補助金支給戦略の草案、 GRDCより協議を呼びかけ] / Lajmmoore, Mervat ; Omotecho (2026/08/20) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/08/30/%e6%b8%8b%e6%b2%a2%e6%95%ac%e4%b8%89%e3%81%a8%e9%9b%86%e5%90%88%e7%9f%a5%ef%bc%9a%e6%97%a5%e6%9c%ac%e5%b8%b8%e6%b0%91%e6%96%87%e5%8c%96%e7%a0%94%e7%a9%b6%e6%89%80%e3%82%a8%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%bf/ 渋沢敬三と集合知:日本常民文化研究所エディタソン参加記] / Wadakuramon (2026/08/30) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/09/01/%f0%9f%8c%b8%e3%81%95%e3%81%8f%e3%82%89%e3%83%bb%e3%82%b5%e3%82%af%f0%9f%8c%b8%e4%bd%90%e5%80%89%e5%9f%8e%e4%b8%8b%e7%94%ba%e3%83%bb%e5%8f%96%e6%9d%90%e6%97%85%e8%a1%8c/ 🌸さくら・サク🌸佐倉城下町・取材旅行] / Lin Xiangru (2026/09/01) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/09/01/%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%87%e3%83%bc%e3%82%bf%e3%81%ae%e7%ac%ac2%e5%9b%9e%e5%8b%89%e5%bc%b7%e4%bc%9a%e3%82%92%e8%a1%8c%e3%81%84%e3%81%be%e3%81%97%e3%81%9f/ ウィキデータの第2回勉強会を行いました] / Pusf.smbd (2026/09/01) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/09/03/japan-wikimedia-conference-2026-%e3%81%ae%e7%99%ba%e8%a1%a8%e8%80%85%e5%8b%9f%e9%9b%86%e4%b8%ad%ef%bc%81/ Japan Wikimedia Conference 2026 の発表者募集中!] / Wadakuramon (2026/09/03) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/09/06/%e8%ad%98%e5%88%a5%e5%ad%90%e3%81%af%e6%a4%9c%e8%a8%bc%e3%81%95%e3%82%8c%e3%80%81%e3%83%87%e3%83%bc%e3%82%bf%e3%81%af%e6%94%be%e7%bd%ae%e3%81%95%e3%82%8c%e3%82%8b-%e2%80%95%e5%8c%96%e5%ad%a6%e7%89%a9/ 識別子は検証され、データは放置される? ―化学物質をめぐる Wikipedia と Wikidata の温度差] / Lin Xiangru (2026/09/06) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/09/10/%e5%9c%b0%e5%85%83%e3%81%ae%e8%a9%b1%e3%82%92%e6%ae%8b%e3%81%99-%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e6%9d%91%e3%83%bb%e6%b1%9f%e6%99%af%e3%80%81%e3%82%a4%e3%83%99%e3%83%b3%e3%83%88%e7%b7%a8/ 地元の話を残す——ウィキ村・江景、イベント編] / Aspere, Wikimedia Korea (2026/09/10) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/09/11/%e5%9c%b0%e5%9f%9f%e3%82%92%e3%81%95%e3%81%8c%e3%81%97%e3%81%a6-%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e6%9d%91%e3%83%bb%e6%b1%9f%e6%99%af%e3%80%81%e9%81%8b%e5%96%b6%e7%b7%a8/ 地域をさがして——ウィキ村・江景、運営編] / Aspere, Wikimedia Korea (2026/09/11) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/09/11/%e5%85%b8%e6%8b%a0%e3%83%87%e3%83%bc%e3%82%bf%e3%82%82%e3%82%b3%e3%83%a2%e3%83%b3%e3%82%ba%e3%82%82%e3%80%81%e3%82%a4%e3%83%99%e3%83%b3%e3%83%88%e3%81%ae%e3%83%aa%e3%83%b3%e3%82%af%e9%9b%86%e3%81%a8/ 典拠データもコモンズも、イベントのリンク集としてまとめちゃえ!] / Lin Xiangru (2026/09/11) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/09/12/%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%a1%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e7%b7%a8%e9%9b%86%e8%a8%98%e9%8c%b2-%e5%b2%a9%e8%88%b9%e5%9c%b0%e8%94%b5%e5%a0%82-%e9%8e%8c%e5%80%89%e5%b8%82%e3%80%80%e3%80%9c/ ウィキメディア編集記録: 岩船地蔵堂 (鎌倉市) 〜鎌倉エディタソンに向けて] / Twkz0731 (2026/09/12) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/09/12/%e3%82%b3%e3%83%9f%e3%83%a5%e3%83%8b%e3%83%86%e3%82%a3%e3%82%92%e8%82%b2%e3%81%a6%e3%82%8b%ef%bc%9acode4lib-japan-2026%e5%8f%82%e5%8a%a0%e8%a8%98/ コミュニティを育てる:Code4Lib Japan 2026参加記] / Wadakuramon (2026/09/12) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/09/13/%e5%9c%b0%e5%9f%9f%e3%81%ae%e3%83%9c%e3%83%a9%e3%83%b3%e3%83%86%e3%82%a3%e3%82%a2%e4%bd%93%e9%a8%93%e3%82%92%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%a1%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e3%83%b3%e3%83%bb%e3%83%a0/ 地域のボランティア体験をウィキメディアン・ムーブメントにつなげる—富良野での体験記] / Ga2by (2026/09/13) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/09/16/%e5%b0%8f%e3%81%95%e3%81%aa%e3%82%a4%e3%83%99%e3%83%b3%e3%83%88%e3%81%a7%e3%82%82bot%e3%81%af%e5%bd%b9%e3%81%ab%e7%ab%8b%e3%81%a4-%e2%80%95-%e3%83%97%e3%83%ad%e3%82%b0%e3%83%a9%e3%83%9f%e3%83%b3/ 小さなイベントでもBotは役に立つ ― プログラミング初心者による Bot 活用記] / Lin Xiangru (2026/09/16) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/09/17/%e6%97%a5%e9%9f%93%e3%82%a6%e3%82%a3%e3%82%ad%e3%83%a1%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2%e3%83%b3%e4%ba%a4%e6%b5%81%e3%82%a4%e3%83%99%e3%83%b3%e3%83%88-in-%e5%94%90%e6%b4%a5-%e3%82%92%e9%96%8b%e5%82%ac/ 日韓ウィキメディアン交流イベント in 唐津 を開催しました] / Lin Xiangru (2026/09/17) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/09/19/%e5%94%90%e6%b4%a5-%e4%b9%9d%e5%b7%9e%e3%81%ae%e8%ad%9c%e4%bb%a3%e5%a4%a7%e5%90%8d%e3%81%ae%e5%9c%b0%e3%80%81%e3%81%9d%e3%81%97%e3%81%a6%e9%9f%93%e5%9b%bd%e3%81%a8%e3%81%ae%e7%b8%81/ 唐津 – 九州の譜代大名の地、そして韓国との縁] / Lin Xiangru (2026/09/19) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/09/19/%e5%90%8d%e8%ad%b7%e5%b1%8b%e5%9f%8e%e5%9d%80%e3%81%8b%e3%82%89%e9%9f%93%e5%9b%bd%e3%82%92%e6%9c%9b%e3%82%80%ef%bc%9a%e6%97%a5%e9%9f%93%e3%82%a8%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%bf%e3%82%bd%e3%83%b3in%e5%94%90/ 名護屋城址から韓国を望む:日韓エディタソンin唐津参加記] / Wadakuramon (2026/09/19) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/09/22/%e3%82%ab%e3%83%bc%e3%82%bd%e3%83%ab%e3%82%92%e4%bd%bf%e3%82%8f%e3%81%9a%e3%81%abwikipedia%e3%82%92%e7%b7%a8%e9%9b%86%e3%81%97%e3%81%9f%e3%81%84/ カーソルを使わずにWikipediaを編集したい] / Ga2by (2026/09/22) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/09/24/%e3%80%8c%e3%81%a9%e3%81%86%e3%81%ab%e3%81%8b%e3%81%aa%e3%82%8b%e3%80%8d%e3%80%81%e3%81%a8%e3%81%84%e3%81%86%e3%82%88%e3%82%8a%e3%80%8c%e3%81%a9%e3%81%86%e3%81%ab%e3%81%8b%e3%81%99%e3%82%8b%e3%80%8d/ 「どうにかなる」、というより「どうにかする」- 編集履歴は何を伝えるか] / Lin Xiangru (2026/09/24) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/09/29/wikimania-2026-%e5%8f%82%e5%8a%a0%e3%83%ac%e3%83%9d%e3%83%bc%e3%83%88%e2%91%a0-%e3%81%8d%e3%81%a3%e3%81%8b%e3%81%91%e3%81%a8%e4%ba%ac%e4%b8%b9%e5%be%8c%e3%82%a4%e3%83%99%e3%83%b3%e3%83%88/ Wikimania 2026 参加レポート① – きっかけと京丹後イベント] / Lin Xiangru (2026/09/29) * [https://diff.wikimedia.org/ja/2026/09/29/%e8%8b%a5%e8%80%85%e3%81%9f%e3%81%a1%e3%81%ae%e3%83%91%e3%83%8d%e3%83%ab%e3%81%a8%e9%8e%8c%e5%80%89%e3%82%a8%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%bf%e3%82%bd%e3%83%b3%ef%bc%9a%e5%9b%b3%e6%9b%b8%e9%a4%a8%e7%b7%8f/ 若者たちのパネルと鎌倉エディタソン:図書館総合展2026での挑戦] / Wadakuramon (2026/09/29) '''前回配信:2026年8月31日''' <hr style="border-top: 2px 破線 #7F9AEB; border-bottom: none;"> 配信元: ''[[:m:Wikimedians of Japan User Group|Wikimedians of Japan User Group]]''<br /> <small>[[:m:Talk:Wikimedians of Japan User Group/メールマガジン|フィードバック]]。[[:m:Wikimedians of Japan User Group/メールマガジン/targets list| 登録・削除]]。</small>2026年9月30日 (水) 09:59 (UTC) <hr style="border-top: 2px 破線 #7F9AEB; border-bottom: none;"> <!-- User:Chqaz-WMJPUG@metawiki が https://meta.wikimedia.org/w/index.php?title=Wikimedians_of_Japan_User_Group/%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%9E%E3%82%AC%E3%82%B8%E3%83%B3/targets_list&oldid=31038046 のリストを使用して送信したメッセージ --> == 「判例」の該当性について == [[行政事件訴訟法第37条の5]]において、[[User:Tomzo]]により掲載基準の押し付けによるrvvが行われています。 本案訴訟では問題にならない条文に関する「判例」は、判例集には載らないでしょう。--[[特別:投稿記録/~2026-52525-81|~2026-52525-81]] ([[利用者・トーク:~2026-52525-81|トーク]]) 2026年10月1日 (木) 03:51 (UTC) 加えて、Wikipediaの方針やガイドラインをそのままWikibooksに持ち込んで独自の理論を提唱してきて迷惑極まりないです。--[[特別:投稿記録/~2026-52525-81|~2026-52525-81]] ([[利用者・トーク:~2026-52525-81|トーク]]) 2026年10月1日 (木) 03:54 (UTC) [[民法第877条]]、[[民法第879条]]も同様です。家事事件について、オールラウンダー系の判例集に掲載されることはまずありません。 --[[特別:投稿記録/~2026-52525-81|~2026-52525-81]] ([[利用者・トーク:~2026-52525-81|トーク]]) 2026年10月1日 (木) 03:59 (UTC) == Wikidata Sitelink changes in Recent Changes and Watchlist == ''(Apologies for cross-posting in English, translating it will help spread the message)'' Editors on group 1 wikis, including Wikiquote, Wikibooks, Wikiversity, Wikivoyage, and Wikisource, will no longer see notifications on [[Special:RecentChanges|Recent Changes]] and [[Special:Watchlist|Watchlist]] when a link to ''another'' language version of a page is added, removed, or changed in its Wikidata item. This change will begin on '''October 5 at 07:00 UTC''' as a two-week trial to reduce high-volume, low-value notifications and make higher-value changes easier to identify. Editors who rely on these notifications should be aware of the change and can share feedback or concerns on the [[m:Wikidata For Wikimedia Projects/Clearer Wikidata Edit Summaries/Hide Language Link edits|project]] or [[m:Talk:Wikidata_For_Wikimedia_Projects/Clearer_Wikidata_Edit_Summaries/Hide_Language_Link_edits|talk page]].<br/>Please reach out if you have any questions, thank you! -- [[User:Danny_Benjafield_(WMDE)|Danny Benjafield (WMDE)]] ([[User_talk:Danny_Benjafield_(WMDE)|talk]]) sent via [[利用者:MediaWiki message delivery|MediaWiki message delivery]] ([[利用者・トーク:MediaWiki message delivery|トーク]]) 2026年10月1日 (木) 12:42 (UTC) <!-- User:Danny Benjafield (WMDE)@metawiki が https://meta.wikimedia.org/w/index.php?title=User:Danny_Benjafield_(WMDE)/MassMessage_test_list&oldid=31106967 のリストを使用して送信したメッセージ --> 8sa6yw4qotico86qr2kyp55fumsuls7 高等学校数学III/積分法 0 1933 304233 301932 2026-10-02T09:34:53Z Nermer314 62933 /* 演習問題 */ 304233 wikitext text/x-wiki {{pathnav|高等学校の学習|高等学校数学|高等学校数学III|pagename=積分法|frame=1|small=1}} ここでは、数学IIの[[高等学校数学II/微分・積分の考え|微分・積分の考え]]で学んだ積分の性質についてより詳しく扱う。また、三角関数や指数・対数関数などの関数の積分についても学習する。 [[高等学校数学]]の全ての分野を学んだ後に学習に取り組んでほしい。 == 不定積分 == === 積分の基本的な性質 === 積分法について <math>\int \{ f(x) + g(x) \} dx = \int f(x) dx + \int g(x) dx ,</math> <math>\int af(x) dx = a \int f(x) dx</math>(aは定数) が成り立つ。 導出 <math>\int \{ f(x) + g(x) \} dx = \int f(x) dx + \int g(x) dx</math> の両辺を微分すると、 左辺 =右辺 = <math> f + g</math> が従う。 よって、 <math>\int \{ f(x) + g(x) \} dx = \int f(x) dx + \int g(x) dx</math> の両辺は一致する。 (実際には2つの関数の導関数が一致するとき、 それらの関数には定数だけのちがいがある。 仮に、F(x)とG(x)が共通の導関数h(x)を持ったとする。 このとき、 <math>(F(x)-G(x) )' = h(x)- h(x) = 0</math> となるが、0の原始関数は定数Cであることが分かる。 よって、両辺を積分すると、 <math>F(x)-G(x) = C</math> となり、F(x)とG(x)には定数だけの差しかないことが確かめられた。 よって、 <math>\int \{ f(x) + g(x) \} dx = \int f(x) dx + \int g(x) dx</math> は定数だけのちがいを含んで成り立つ式である。 より一般に、不定積分が絡む等式は定数分の差を含めて成り立つというのが通例である。) <math>\int af(x) dx = a \int f(x) dx</math> についても両辺を微分すると、 左辺=右辺= a f(x) が従う。 よって、 <math>\int af dx = a\int f dx</math> が成り立つことが分る。 関数 <math>f(x)</math> の原始関数を <math>F(x)</math> とすると <math>\int_a^b f(x) \, = F(b)-F(a) = -(F(a)-F(b)) = -\int_b^af(x)\, dx</math> である。 <math>\int_{a}^{c} f(x) \, dx + \int_{c}^{b} f(x) \, dx = (F(c) - F(a)) + (F(b) - F(c)) = F(b) - F(a) = \int_{a}^{b} f(x) \, dx</math> === 置換積分法 === 関数の原始関数を求める手段として、 積分変数を別の変数で置き換えて積分を行なう手段が知られている。 これを置換積分と呼ぶ。 <math>\int f(g(x)) dg(x) = \int f(g(x)) g'(x) dx</math> 導出 <math>\int f(g(x)) dg(x) =F(g(x))</math>を<math>x</math>について微分すると、 <math>F'(g(x)) = f(g(x))g'(x)</math> 再び<math>x</math>について積分すると、 <math>\int f(g(x)) dg(x) = \int f(g(x)) g'(x) dx</math> また、特に *<math>\int f(ax+b) dx = \frac{1}{a} \int f(ax+b) d(ax+b)</math> *<math>\int \{f(x)\}^n f'(x) dx = \frac{1}{n+1} \{f(x)\}^{n+1} + C (n \ne -1)</math> *<math>\int \frac{f'(x)}{f(x)} dx = \log | f(x) | + C</math> 例えば、<math>\int (ax+b)^2 dx</math>を考える。 <math>t = ax+b</math>と置く。 この両辺を微分すると <math>dt = adx</math> が成り立つことを考慮すると、 {| |- |<math>\int t^2 \frac {dt} a</math> |<math>=\frac{ t^3} {3a} + C</math> |- | |<math>=\frac{ (ax+b)^3} {3a} + C</math> |} となることがわかる。 実際この式をxで微分すると <math> (ax+b)^2 </math> と一致することが分る。 置換積分を使わずに計算することも出来る。 {| |- |<math>\int (ax+b)^2 dx</math> |<math>=\int (a^2x^2+2abx +b^2) dx</math> |- | |<math>= \frac {a^2} 3 x^3 +abx^2 +b^2x + C'</math> |- | |<math>= \frac {a^2} 3 x^3 +abx^2 +b^2x + \frac {b^3} {3a} +C</math> |} (<math>C'=\frac {b^3} {3a} +C</math>と置き換えた。) <math>=\frac{ (ax+b)^3} {3a} + C</math> となり確かに一致する。 === 部分積分法 === 関数の積の積分を行なうときある関数の微分だけを取りだして積分すると、うまく積分できる場合がある。関数 <math>g(x)</math> の原始関数を <math>G(x)</math> とすると <math>\int f(x) g(x) \, dx = f(x) G(x) - \int f'(x) G(x) \, dx</math> 導出 積の微分法より <math>\{f(x)G(x)\}' = f'(x)G(x) + f(x)g(x)</math> である。これを移項して <math>f(x)g(x) = \{f(x)G(x)\}' - f'(x)G(x)</math> である。両辺をxで積分して <math>\int f(x) g(x) \, dx = f(x) G(x) - \int f'(x) G(x) \, dx</math> が得られる。 例えば、 {| |- |<math>\int x (ax+b)^3 dx</math> |<math>=\int x \left(\frac {(ax+b)^4} {4a} \right)' dx</math> |- | |<math>=x \left(\frac {(ax+b)^4} {4a} \right)- \int (x)' \frac {(ax+b)^4} {4a} dx</math> |- | |<math>=x \left(\frac {(ax+b)^4} {4a} \right)- \int (x)' \frac {(ax+b)^4} {4a} dx</math> |- | |<math>=x \left(\frac {(ax+b)^4} {4a} \right)- \int \frac {(ax+b)^4} {4a} dx</math> |- | |<math>=x \left(\frac {(ax+b)^4} {4a} \right)- \frac {(ax+b)^5} {20a^2} </math> |} 部分積分を <math>n</math> 回行うと、 <math>\begin{align} \int f(x) g(x) \, dx &= f(x) g^{(-1)}(x) - \int f'(x) g^{(-1)}(x) \, dx \\ &= f(x) g^{(-1)}(x) -f'(x) g^{(-2)}(x) + \int f''(x) g^{(-2)}(x) \, dx \\ &= f(x) g^{(-1)}(x) - f'(x) g^{(-2)}(x) + f''(x) g^{(-3)}(x) + \cdots + (-1)^n \int f^{(n)}(x) g^{(-n)}(x) \, dx \end{align}</math> となる。 ここで、<math>g^{(-1)}(x)</math> は <math>g(x)</math> の不定積分の任意の一つ。<math>g^{(-2)}(x)</math> は <math>g^{(-1)}(x)</math> の不定積分の任意の一つ。... <math>g^{(-n)}(x)</math> は <math>g^{(-n+1)}(x)</math> の不定積分の任意の一つというように定める。このように、積分記号で何回も不定積分を計算するのはやや面倒なので、次のような表を作ってみると計算しやすい。 {|class="wikitable" style="background: #ffffff; text-align: center;" |+ !符号 !微分 !積分 |- |<math>+</math> |<Math>f(x)</math> |<Math>g(x)</math> |- |<math>-</math> |<Math>f'(x)</math> |<Math>g^{(-1)}(x)</math> |- |<math>+</math> |<Math>f''(x)</math> |<Math>g^{(-2)}(x)</math> |- |<math>-</math> |<Math>f^{(3)}(x)</math> |<Math>g^{(-3)}(x)</math> |- |<math>\cdots</math> |<Math>\cdots</math> |<Math>\cdots</math> |- |<math>(-)^n</math> |<Math>f^{(n)}(x)</math> |<Math>g^{(-n)}(x)</math> |} この表から、部分積分を <math>n</math> 回行った結果は、 一行目の符号 × 一行目の微分 × 二行目の積分 + 二行目の符号 × 二行目の微分 × 三行目の積分 + ... + <math>\int</math> n行目の符号 × n行目の微分 × n行目の積分 dx と求まる。n行目の微分 が 0 であった場合は、最後の積分は消えて、不定積分は 一行目の符号 × 一行目の微分 × 二行目の積分 + 二行目の符号 × 二行目の微分 × 三行目の積分 + ... + n-1行目の符号 × n-1行目の微分 × n行目の積分 + C となる。 この方法は俗に'''瞬間部分積分法'''と呼ばれており、部分積分を複数回繰り返す際の計算を非常に簡略化できるため、受験数学では重宝されるテクニックの一つである。記述で用いる場合、上の表をそのまま記述するよりも、「部分積分を繰り返し用いると」という文言の後に瞬間部分積分で求めた結果を記述するのが無難である。 === いろいろな関数の積分=== ==== 多項式関数の積分 ==== <math>n \ne -1</math>のとき、<math>\left(\frac{1}{n+1} x^{n+1}\right)'=x^n</math>なので、 <math>\int x^n dx = \frac{1}{n+1} x^{n+1} + C</math> <math>n = -1</math>のとき、<math>(\log |x| )' = \frac{1}{x} = x^{-1}</math>なので、 <math>\int x^{-1} dx = \int \frac {1}{x} dx = \log |x| + C</math> が成り立つ。 ==== 三角関数の積分 ==== *<math>(\sin x )' = \cos x</math> *<math>(\cos x )' = -\sin x</math> *<math>(\tan x )' = \frac{1}{\cos^2 x}</math> が成り立つことを考慮すると、 *<math>\int \cos x dx= \sin x + C</math> *<math>\int \sin x dx = - \cos x + C</math> *<math>\int \frac{1}{\cos^2 x } dx = \tan x + C</math> となることが分る。 <math>\int \tan x dx</math>は、置換積分法を使って {| |- |<math>\int \tan x dx</math> |<math>=\int \frac{\sin x}{\cos x} dx</math> |- | |<math>=\int \frac{-(\cos x)'}{\cos x} dx</math> |- | |<math>= - \int \frac{(\cos x)'}{\cos x} dx</math> |- | |<math>= - \log | \cos x | + C</math> |} :  :なお同様に、<math>\frac{1}{\tan x} = \frac{\cos x}{\sin x}</math> であるので、<math>\int \frac{1}{\tan x} dx = \int \frac{\cos x}{\sin x} dx =\int \frac{(\sin x)'}{\sin x} dx = \log \left|\sin x\right| + C</math> :  より一般に有理関数 <math>R(x,y)</math> に対して、<math>\int R(\sin\theta,\cos\theta) \,d\theta</math> について考える。 <math>t = \tan \frac{\theta}{2}</math> とおく。 <math>\tan^2\frac{\theta}{2} + 1 = \frac{1}{\cos^2\frac{\theta}{2}}</math> よって <math>\cos^2\frac{\theta}{2} = \frac{1}{1+t^2}</math>である。<math>\frac{dt}{d\theta} = \frac{d}{d\theta}\tan\frac{\theta}{2} = \frac{1}{2\cos^2\frac{\theta}{2}} = \frac{1}{2}(t^2+1)</math> であり、<math>\cos\theta = 2\cos^2\frac{\theta}{2} - 1 = \frac{1-t^2}{1+t^2}</math> かつ <math>\sin\theta = \tan\theta\cos\theta = \frac{2\tan\frac{\theta}{2}}{1-\tan^2\frac{\theta}{2}}\cos\theta = \frac{2t}{1+t^2}</math> である。よって <math>\int R(\sin\theta,\cos\theta) \,d\theta = \int R\left(\frac{2t}{1+t^2}, \frac{1-t^2}{1+t^2}\right) \, \frac{2dt}{1+t^2}</math> と有理関数の積分にもち込める。 幾何学的は、この変換は単位円上の点 <math>P(\cos \theta, \sin \theta)</math>と点 <math>A(-1,0)</math> を結ぶ直線の勾配 <math>t</math> で変換したものである。実際円周角の定理より <math>\angle xAP = \frac 1 2 \angle xOP = \frac \theta 2</math>より <math>t = \tan \frac{\theta} 2.</math> 被積分関数の周期が <math>\pi</math> の場合は、被積分関数は <math>\sin 2\theta,\cos 2 \theta</math> の有理関数なので、 <math>t = \tan\theta</math> と置換すると計算が楽である。被積分関数が <math>\sin^2\theta,\cos^2\theta,\sin\theta\cos\theta</math> の有理関数となるときもこの範疇に属する。<math>t = \tan\theta</math> と置換したとき、<math>\cos^2\theta = \frac{1}{1+\tan^2\theta}=\frac{1}{1+t^2}</math>, <math>\sin^2\theta = \tan^2 \theta \cos^2 \theta = \frac{t^2}{1+t^2}</math> , <math>\sin\theta \cos\theta = \pm\sqrt{\sin^2\theta \cos^2\theta} = \frac{t}{1+t^2}</math> (<math>\sin\theta \cos\theta</math> と <math>\tan\theta = \frac{\sin\theta}{\cos\theta}</math> の正負は一致するため), <math>d \theta = \frac {dt}{1 + t^2}</math> となる。 例 <math>\int\frac{1}{\sin x \cos x}dx</math> は <math>t = \tan x</math> と置換すると、<math>\int \frac {1}{\sin x \cos x}dx = \int \frac {1+t^2}{t} \frac { dt}{1+t^2} = \ln|\tan x| + C. </math> <math>t = \tan \frac{\theta}{2}</math> と置換してしまうと、<math>\int \frac{1}{\sin x \cos x}\,dx = \int \frac {1+t^2}{t(1-t^2)}\,dt = \ln \left|\frac{t}{1-t^2}\right| + C' = \ln|\tan x| + C </math> と計算量が少し増える。 ==== 指数・対数関数の積分 ==== 指数関数について <math>(e^x )' = e^x</math> が成り立つことを用いると、 <math>\int e^x dx = e^x + C</math> が得られる。 また、 <math>\left(\frac{a^x}{\ln a}\right)' = a^x</math> なので、 <math>\int a^x \, dx=\frac{a^x}{\ln a}</math> である。 また、<math>\log |x|</math>の 原始関数も求めることが出来る。 {| |<math>\int \log |x| dx </math> |<math>=\int (x)' \log |x| dx </math> |- | |<math>=x \log |x| -\int x (\log |x|)' dx </math> |- | |<math>=x \log |x| -\int x \frac 1 x dx </math> |- | |<math>=x \log |x| -\int dx </math> |- | |<math>=x \log |x| -x + C</math> |} となる。 有理関数 <math>R(x)</math> に対して、積分 <math>\int R(e^x) \, dx</math> は <math>t = e^x</math> すると <math>\frac{dt}{dx} = e^x = t</math> より <math>\int R(e^x) \, dx = \int R(t) \frac{dt}{t}.</math> ==== 二次無理関数の積分(発展) ==== 有理関数 <math>R(x,y)</math> に対して、積分 <math>\int R(x,\sqrt{ax^2 + bx + c}) \, dx</math> について考えよう。平方根の中身は平方完成することによって、<math>\sqrt{p^2-x^2},\sqrt{x^2+p^2},\sqrt{x^2-p^2}</math>のいずれかの形になる。それぞれの場合について、<math>x = p\sin \theta,x = p\tan\theta,x = \frac{p}{\cos \theta}</math> と変数変換すると三角関数の積分に帰着する。 また、<math>y^2 = ax^2 +bx + c</math> は二次曲線で、特に <math>a>0</math> のときは双曲線となる(<math>y^2 -a\left(x+\frac{b}{2a}\right)^2 = \frac{-b^2 + 4ac}{4a}</math>より<ref>右辺が0のとき双曲線とはならないが、このときは簡単に平方根を外すことが出来るので考える必要はない。</ref>)。このとき、<math>y=\pm \sqrt a x + t</math> すなわち <math>t = \mp \sqrt a x + \sqrt{ax^2 + bx + c}</math> と変換するとうまく計算できる(符号はどちらを選択しても良い)。幾何学的には、双曲線の漸近線に平行で切片が <math>t</math> の直線 <math>y=\pm \sqrt a x + t</math> と双曲線のただ一つの交点 <math>(x,y)</math> を変数 <math>t</math> で表したものである。 例 <math>\int \frac{dx}{\sqrt{x^2-1}} </math> は <math>t = x + \sqrt{ x^2-1}</math> と置換すると、<math>\frac 1 t = x - \sqrt{x^2-1}</math> なので、<math>t + \frac 1 t = 2x</math> すなわち <math>2dx = \left(1 - \frac 1 {t^2}\right)dt</math> また、 <math>t - \frac 1 t = 2\sqrt{x^2-1}</math>.なので、<math>\int \frac{dx}{\sqrt{x^2-1}} = \int \frac{1-\frac{1}{t^2}}{t-\frac 1 t}dt = \int \frac{dt}{t} = \ln |x + \sqrt{x^2-1}| + C </math> である。 ところで、この変換は双曲線 <math>y^2 = x^2 - 1</math> と直線 <math>y = -x + t</math> のただ一つの交点による変換であった。その交点を方程式を解いて <math>t</math> で表すと、<math>x = \frac 1 2 \left(t + \frac 1 t\right), \, y =\frac 1 2 \left(t - \frac 1 t\right)</math> を得る。これは双曲線の媒介変数表示の一つである。また、 <math>t \rightarrow e^t</math> とすると、<math>x = \frac{e^t + e^{ -t} }{2} = \cosh t, \, y = \frac{e^t - e^{-t}}{2} = \sinh t.</math> これは <math>x > 0</math> の部分の双曲線の媒介変数表示である。最右辺は双曲線関数と呼ばれ、三角関数と似た性質を持つ。関数名の <math>\mathrm{h}</math> はhyperbolaに由来する。例えば、双曲線の方程式より得られる <math>\cosh^2 t - \sinh^2 t = 1</math> は <math>\sin^2\theta + \cos^2\theta = 1</math> とよく似ている。例示の不定積分は <math>x = \cosh t</math> と置換しても解くことが出来るが、ほとんど同じことなので省略する。 == 定積分 == 定積分について、不定積分と同じように以下が成り立つ。 '''定積分の置換積分法''' <math>\alpha < \beta</math>のとき、閉区間<math>[\alpha, \beta]</math>で微分可能な関数<math>x=g(t)</math>に対し、<math>a=g(\alpha), b=g(\beta)</math>ならば<math>\int_{a}^{b} f(x) \, dx = \int_{\alpha}^{\beta} f(g(t)) g'(t) \, dt </math> '''定積分の部分積分法''' <math>\int_{a}^{b} f(x) g'(x) \, dx = \left[ f(x) g(x) \right]^{a}_{b} - \int_{a}^{b} f'(x) g(x) \, dx </math> *問題 **以下の定積分を求めよ(Hint:5, 6は漸化式を利用する) **#<math>\int_{0}^{1} |e^x - \frac{3}{2}| \, dx</math> **#<math>\int_{1}^{0} \frac{x-2}{(3-x)^2} \, dx</math> **#<math>\int_{-5}^{5} x \sqrt{x^2-9} \, dx</math> **#<math>\int_{3}^{7} x \log (x^2 - 2) \, dx </math> **#<math>\int_{0}^{\frac{\pi}{2}} \sin^n x \, dx</math> **#<math>\int_{0}^{\frac{\pi}{4}} \tan^n x \, dx</math> === 特殊な定積分 === ==== 円 ==== <math>a < b</math> とする。積分 <math>\int_a ^b \sqrt{(x-a)(b-x)}\, dx</math> は <math>y = \sqrt{(x-a)(b-x)}</math> とすると、<math>\left(x-\frac{a+b}{2} \right) + y^2 = \left(\frac{a-b}{2} \right)^2</math> より、被積分関数 <math>y</math> は中心 <math>\frac{a+b}{2}</math> で半径 <math>\frac{b-a}{2}</math>の円周の上半分であり、積分区間もその両端なので、積分の値は半円の面積に等しく、<math>\int_a ^b \sqrt{(x-a)(b-x)} \, dx = \frac{\pi}{2}\left(\frac{b-a}{2}\right)^2</math> である。 ==== King Property ==== 一般に、関数 <math>f(a-x)</math> のグラフは関数 <math>f(x)</math> のグラフを直線 <math>x = \frac a 2</math> で対称移動したものである。 従って、連続関数 <math>f(x)</math> を区間 <math>\left[\frac{a+b}{2},b\right]</math> で積分した値 <math>\int_{\frac{a+b}{2}}^{b} f(x) \, dx</math> と、連続関数 <math>f(a+b-x)</math> を区間 <math>\left[a,\frac{a+b}{2}\right]</math> で積分した値 <math>\int_{a}^{\frac{a+b}{2}} f(a+b-x)\, dx</math> は等しい: :<math>\int_{\frac{a+b}{2}}^{b} f(x) \, dx = \int_{a}^{\frac{a+b}{2}} f(a+b-x) \, dx.</math> この等式は単に、 <math>x \to a+b-x</math> の変数変換によっても導出できる。 この等式より、 <math>\int_a^b f(x) \, dx = \int_{a}^{\frac{a+b}{2}} f(x)\, dx +\int_{\frac{a+b}{2}}^{b} f(x) \, dx = \int_{a}^{\frac{a+b}{2}} [f(x) + f(a+b-x)] \, dx </math> が導かれる。 この公式は、<math>f(x) + f(a+b-x)</math> が簡単な形になる定積分で役に立つ。 例えば、<math>\begin{align}\int_{0}^{\frac{\pi}{2}} \frac{\sin x}{\sin x + \cos x} \, dx &= \int_{0}^{\frac{\pi}{4}} \left[\frac{\sin x}{\sin x + \cos x} +\frac{\sin (\frac{\pi}{2}-x)}{\sin (\frac{\pi}{2}-x) + \cos (\frac{\pi}{2}-x)}\right]\, dx \\ &= \int_{0}^{\frac{\pi}{4}} \left[\frac{\sin x}{\sin x + \cos x} +\frac{\cos x}{\cos x + \sin x}\right]\, dx \\ &= \int_{0}^{\frac{\pi}{4}}dx = \frac{\pi}{4}.\end{align} </math> King Property の応用例は <math>\int_{-1}^{1} \frac{x^2}{1+e^x} \, dx = \frac 1 3</math> , <math>\int_0^{\frac \pi 4} \ln(1+\tan x)\, dx = \frac \pi 8 \log 2</math> , <math>\int_0^{\frac \pi 2} \log (\sin x) \, dx = -\frac{\pi}{2}\log 2</math>, <math>\int_0^{2\pi} \cos^2\left(\frac{\pi\tan{x}}{2+2\tan{x}}\right)dx=\frac{\pi}{2}</math> などがある。計算してみよ。 === 定積分と不等式 === 一般に、連続関数について次のことが成り立つ。 :閉区間<math>[a, b]</math>において<math>f(x) \leqq g(x)</math>ならば、<math>\int_{a}^{b} f(x) \, dx \leqq \int_{a}^{b} g(x) \, dx</math> :等号成立条件は閉区間<math>[a, b]</math>において恒等的に<math>f(x) = g(x)</math>であること。 *例題 :調和級数の第n部分和が<math>\log(n+1)</math>より大きいことを証明せよ。 *解答 自然数kに対して<math>k \leqq x \leqq k+1</math>のとき<math>\frac{1}{k} \geqq \frac{1}{x}</math>であり、等号は常には成り立たないので<math>\int_{k}^{k+1} \frac{dx}{k} > \int_{k}^{k+1} \frac{dx}{x}</math>である。故に<math>\sum_{k=1}^{n} \int_{k}^{k+1} \frac{dx}{k} > \sum_{k=1}^{n} \int_{k}^{k+1} \frac{dx}{x}</math>。 このとき、(左辺)<math>= \sum_{k=1}^{n} \frac{1}{k} \int_{k}^{k+1} dx = \sum_{k=1}^n \frac{1}{k}</math>より左辺は調和級数の第n部分和であり、(右辺)<math>= \sum_{k=1}^{n} \int_{k}^{k+1} \frac{dx}{x} = \int_{1}^{n+1} \frac{dx}{x} = \left[ \log(x) \right]_{1}^{n+1} = \log(n+1) - \log(1) = \log(n+1)</math>なので、題意は示された。 ===発展:広義積分=== '''広義積分'''とは、通常の定積分の範囲を超えて積分区間が無限であったり被積分関数が積分区間内で'''特異点'''(値が定義されなかったり微分不可能だったり不連続であったりする点)を持つ場合に、極限を用いて定義される定積分である。 定積分<math>\int_a^b f(x) \, dx</math>において、<math>b \to \infty</math>の極限を<math>\int_a^\infty f(x) \, dx</math>、<math>a \to -\infty</math>の極限を<math>\int_{-\infty}^b f(x) \, dx</math>のように表す。 例えば、<math>\int_0^\infty e^{-x} dx</math>は以下のように計算できる。 :<math>\int_0^\infty e^{-x} dx</math> :<math>=\lim_{b \to \infty} \int_0^b e^{-x} dx</math> :<math>=\lim_{b \to \infty} [-e^{-x}]_0^b </math> :<math>=\lim_{b \to \infty} (-\frac{1}{e^b} + 1)</math> :<math>=1</math> 但し、極限操作の前に定積分を計算してよいのは以下の場合に限られる。 :被積分関数が連続(定積分可能) :積分区間の内部に特異点が存在しない(特異点が端点のみ) :求めたい積分が(条件)収束する(発散しない) 積分区間の上端が正の無限大で下端が負の無限大のとき、広義積分は以下のように計算される。 :<math>\int_{-\infty}^{\infty} f(x) \, dx = \lim_{a \to -\infty} \lim_{b \to \infty} \int_a^b f(x) \, dx = \lim_{a\to\infty} \int_{-a}^0 f(x)dx + \lim_{b\to\infty} \int_{0}^b f(x)dx</math> 決して<math>\int_{-\infty}^{\infty} f(x) \, dx = \lim_{A \to \infty} \int_{-A}^A f(x) \, dx</math>(対称極限)のように計算してはならない<sup>※</sup>。 例えば、<math>\int_{-\infty}^{\infty} \frac{x}{1+x^2} \, dx</math>は :<math>\int_{-\infty}^{\infty} \frac{x}{1+x^2} \, dx=\lim_{a\to\infty}\int_{-a}^0 \frac{x}{1+x^2}dx + \lim_{b\to\infty} \int_{0}^b \frac{x}{1+x^2}</math> :<math>=\lim_{a\to\infty}\left[ -\frac{1}{2} \log(1+x^2) \right]_{-a}^0+\lim_{b\to\infty}\left[ \frac{1}{2} \log(1+x^2) \right]_{0}^b</math> :<math>=-\frac{1}{2}\lim_{a\to\infty} \log(1+a^2) + \frac{1}{2} \lim_{b\to\infty}\log(1+b^2)</math> :<math>=\infty-\infty</math> のように発散するが、対称極限のように計算すると :<math>\lim_{A \to \infty} \int_{-A}^{A} \frac{x}{1+x^2} \, dx = \lim_{A\to\infty}0 =0</math> という誤った結果を得る。 この例のように、非積分関数が奇関数であっても<math>\int_{-\infty}^{\infty} f(x) \, dx=0</math>は一般には成り立たない。同様に、偶関数であっても<math>\int_{-\infty}^\infty f(x)\,dx=2\int_0^\infty f(x)\,dx</math>は一般には成り立たない。あくまでも、'''上端と下端を独立に考えて極限を取る'''ことに注意が必要である。 特異点<math>(\lambda, f(\lambda))</math>を含む区間<math>[a, b]</math>での定積分は以下のように計算される。 :<math>\int_a^b f(x)dx = \lim_{c\to\lambda^-} \int_a^c f(x)dx + \lim_{d\to\lambda^+} \int_d^b f(x)dx </math> 先程と同様に、対称極限 <math>\lim_{\varepsilon\to\lambda} \left(\int_a^\varepsilon f(x)dx + \int_\varepsilon^b f(x)dx\right)</math>として計算してはならない。 例えば<math>\int_{-1}^{1} \frac{dx}{x}</math>は :<math>\int_{-1}^1 \frac{dx}{x}=\lim_{a\to0^-}\int_{-1}^a \frac{dx}{d} + \lim_{b\to0^+} \int_{b}^1 \frac{dx}{x}</math> :<math>=\lim_{a\to0^-} \left[ \log|x| \right]_{-1}^a + \lim_{b\to0^+} \left[ \log|x| \right]_{b}^1</math> :<math>=\lim_{a\to0^-} \left( \log |a| - \log 1 \right) + \lim_{b\to0^+} \left( \log 1 - \log b \right)</math> :<math>=\infty-\infty</math> と発散するが、対称極限のように計算すると :<math>\lim_{\varepsilon\to0^+} \left(\int_{-1}^{-\varepsilon} \frac{dx}{x} + \int_\varepsilon^1 \frac{dx}{x} \right)</math> :<math>=\lim_{\varepsilon\to0^+} \left( \log \varepsilon - \log \varepsilon \right) = 0</math> と誤った結果を得る。 この例のように、特異点を含む場合は特異点に片側から異なる近づけ方で近づける片側極限の和として考える必要がある。 ※広義積分を対称極限として計算した値を'''コーシー主値'''という。物理系への応用では通常の広義積分でなくコーシー主値を採用する場面もある。なお、広義積分が'''収束するならば'''コーシー主値と通常の広義積分は一致する。 例えば、以下が成り立つ。 :<math>\int_{-\infty}^\infty e^{-ax^2} dx = \sqrt{\frac{\pi}{a}}</math> これは'''ガウス積分'''と呼ばれる有名な結果である。 この値の導出には[[解析学基礎/多変数関数の微積分#広義重積分|重積分やヤコビ行列といった大学範囲の数学]]が良く用いられるが、一応は高校数学のみで証明可能である。後述の演習問題を参照。 この結果は[[高等学校数学B/確率分布と統計的な推測#正規分布|正規分布の確率密度関数]]の導出に用いられる。 :元となる関数は<math>y=e^{-x^2}</math>。 :平均値<math>\mu</math>を軸に持ってくる平行移動をして<math>y=e^{-(x-\mu)^2}</math>。 :分布の広さ(ばらつきの大きさ)を標準偏差<math>\sigma</math>に合わせるため<math>\mu \pm \sigma</math>で極値をとるように変形して<math>y=e^{-\frac{(x-\mu)^2}{2\sigma^2}}</math> :ガウス積分の結果より<math>\int_{-\infty}^\infty e^{-\frac{(x-\mu)^2}{2\sigma^2}} \, dx = \sqrt{2\pi}\sigma</math>。 :確率密度関数は<math>\int_{-\infty}^{\infty} f(x) \, dx=1</math>を満たすので、元の関数を<math>\sqrt{2\pi}\sigma</math>(定数)で割って<math>y=\frac{1}{\sqrt{2\pi}\sigma} e^{-\frac{(x-\mu)^2}{2\sigma^2}}</math>。 :これは正規分布の特徴を適切に表すため、確率密度関数として適当である。 他に、<math>\int_{-\infty}^{\infty} \sin(x^2) \, dx = \int_{-\infty}^{\infty} \cos(x^2) \, dx = \sqrt{\frac{\pi}{2}}</math>('''フレネル積分''')が有名な結果である。なお、この積分は不定積分を[[w:初等関数]]で表すことができない。 広義積分の応用例として、'''[[解析学基礎/フーリエ変換|フーリエ変換]]'''や'''[[解析学基礎/ラプラス変換|ラプラス変換]]'''が存在する。 :<math>\text{ℱ}[f(x)](\xi):=\int_{-\infty}^\infty f(x)e^{-2\pi{i}\xi{x}}dx</math> :<math>\text{ℒ}[f(x)](s):=\int_0^\infty f(x)e^{-sx}dx</math> これらは物理的には[[信号処理]]や[[制御工学]]に応用されているほか、数学では[[関数解析学]]と呼ばれる分野にも関わる概念である。 '''演習問題1''' 次の不定積分を求めよ。 :(1)<math>\int \tan xdx</math> :(2)<math>\int \frac{1}{\cos ^2x}dx</math> :(3)<math>\int \log xdx</math> :(4)<math>\int x\log xdx</math> :(5)<math>\int x^2\log xdx</math> :(6)<math>\int x^3\log xdx</math> :(7)<math>\int x\sin xdx</math> :(8)<math>\int x^2\sin xdx</math> :(9)<math>\int x^2e^xdx</math> :(10)<math>\int \frac{dx}{\sin x}</math> :(11)<math>\int \frac{dx}{\cos x}</math> {{解答}} :(1)<math>-\log |\cos x|+C</math> :(2)<math>\tan x+C</math> :(3)<math>x\log x-x+C</math> :(4)<math>\frac{x^2\log x}{2}-\frac{x^2}{4}+C</math> :(5)<math>\frac{x^3\log x}{3}-\frac{x^3}{9}+C</math> :(6)<math>\frac{x^4\log x}{4}-\frac{x^4}{16}+C</math> :(7)<math>\sin x-x\cos x+C</math> :(8)<math>2x\sin x+(2-x^2)\cos x+C</math> :(9)<math>(x^2-2x+2)e^x+C</math> :(10) <math> t = \tan\frac x 2 </math> と置換すると、 <math> \begin{align} \int \frac{dx}{\sin x} &= \int \frac{1+t^2}{2t}\frac{2dt}{1+t^2}\\ &= \int \frac{dt}{t}\\ &= \log |t| + C\\ &= \log \left|\tan\frac x 2 \right| + C. \end{align}</math> 別解 <math>\begin{align} \int \frac{dx}{\sin x} &= \int \frac{dx}{2\sin\frac x 2 \cos \frac x 2}\\ &= \int \frac{\cos\frac x 2 dx}{2\sin\frac x 2 \cos^2 \frac x 2}\\ &= \int \frac{(\tan \frac x 2)'dx}{\tan \frac x 2}\\ &= \log \left|\tan\frac x 2 \right| + C. \end{align}</math> <math>\begin{align} \int \frac{dx}{\sin x} &= \int \frac{\sin x}{\sin^2 x} dx\\ &= \int \frac{\sin x}{1- \cos^2 x} dx\\ &= \frac 1 2 \int \frac{\sin x}{1 - \cos x} dx + \frac 1 2 \int \frac{\sin x}{1 + \cos x} dx\\ &= \frac 1 2 \int \frac{(1 - \cos x)'}{1 - \cos x} dx - \frac 1 2 \int \frac{(1 + \cos x)'}{1 + \cos x} dx\\ &= \frac 1 2 \log \left|\frac{1-\cos x}{1+\cos x} \right| + C \\ &= \frac 1 2 \log \frac{1-\cos x}{1 + \cos x} + C. \end{align}</math> ちなみに、半角の公式より <math>\log \left|\tan\frac x 2 \right| = \frac 1 2 \log \left|\frac{\sin^2 \frac x 2}{\cos^2 \frac x 2}\right| = \frac 1 2 \log \frac{1-\cos x}{1 + \cos x} </math> が成り立つ。 :(11) <math> \begin{align} \int \frac{dx}{\cos x} &= \int \frac{dx}{\sin(x + \frac \pi 2)}\\ &= \log \left|\tan\left(\frac x 2 + \frac \pi 4 \right) \right| + C. \end{align}</math> 別解 <math> t = \tan\frac x 2 </math> と置換すると、 <math> \begin{align} \int \frac{dx}{\cos x} &= \int \frac{1+t^2}{1-t^2} \frac{2dt}{1+t^2}\\ &= \int \frac{2dt}{1-t^2}\\ &= \int \frac{dt}{1+t} + \int \frac{dt}{1-t}\\ &= \log \left|\frac{1+t}{1-t}\right| + C\\ &= \log \left|\frac{1+\tan\frac x 2}{1-\tan\frac x 2}\right| + C.\\ \Big( &= \log \left|\tan\left(\frac x 2 + \frac \pi 4\right) \right| + C \Big) \end{align}</math> なお、部分分数分解について、 <math>f(t) = \frac{2}{1-t^2} = \frac{A}{1+t} + \frac{B}{1-t}</math> とすると、 <math>A = \lim_{t\to -1}(1+t)f(t) = \lim_{t\to -1} \frac{2(1+t)}{1-t^2} = \lim_{t\to -1} \frac{2}{1-t} = 1</math>, <math>B = \lim_{t\to 1}(1-t)f(t) = \lim_{t\to 1} \frac{2(1-t)}{1-t^2} = \lim_{t\to 1} \frac{2}{1+t} = 1</math> より係数が求まる。 別解2 <math>\begin{align} \int \frac{dx}{\cos x} &= \int \frac{\cos x}{\cos^2 x} dx\\ &= \int \frac{\cos x}{1- \sin^2 x} dx\\ &= \frac 1 2 \int \frac{\cos x}{1 - \sin x} dx + \frac 1 2 \int \frac{\cos x}{1 + \sin x} dx\\ &= -\frac 1 2 \int \frac{(1 - \sin x)'}{1 - \sin x} dx + \frac 1 2 \int \frac{(1 + \sin x)'}{1 + \sin x} dx\\ &= \frac 1 2 \log \left|\frac{1+\sin x}{1 - \sin x} \right| + C \\ &= \frac 1 2 \log \frac{1+\sin x}{1 - \sin x} + C. \end{align}</math> これも、 <math>\log \left|\tan\left(\frac x 2 + \frac \pi 4\right) \right| = \frac 1 2 \log \frac{1-\cos (x + \frac \pi 2)}{1 + \cos(x + \frac \pi 2)} = \frac 1 2 \log \frac{1+\sin x}{1 -\sin x} </math> である。 {{証明終わり}} ==積分の応用== === 面積 === ある関数f(x)の原始関数を求める演算は f(x)とx軸にはさまれた領域の面積を求める演算に等しい。 このことを用いて ある関数によって作られた領域の面積を求めることが出来る。 [[画像:Integral_x%5E2_0-1.png|right|x^2の0から1までの積分]] 例えば、 <math> \int _0 ^1 x^2 dx = \frac 1 3 </math> は、放物線<math> y = x^2</math>について <math>0 < x < 1</math>の範囲でかこまれる面積に等しい。 '''面積(Ⅰ)''' 曲線<math>y=f(x)</math>と2直線<math>x=a, x=b</math>及びx軸で囲まれた領域の面積は、 閉区間<math>[a, b]</math>で常に<math>f(x) \geqq 0</math>のとき<math>S = \int_{a}^{b} f(x) dx</math> 閉区間<math>[a, b]</math>で常に<math>f(x) \leqq 0</math>のとき<math>S = -\int_{a}^{b} f(x) dx </math> 厳密な証明は既に数学Ⅱで扱った。 2曲線で囲まれた領域の面積についても、同様である。 '''面積(Ⅱ)''' 2曲線<math>y=f(x), y=g(x)</math>と2直線<math>x=a, x=b</math>で囲まれた領域の面積は、 閉区間<math>[a, b]</math>で常に<math>f(x) \geqq g(x)</math>のとき<math>S = \int_{a}^{b} \{ f(x) - g(x) \} dx</math> y軸まわりで考えた場合も同様である。 '''面積(Ⅲ)''' 2曲線<math>x=h(y), x=i(y)</math>と2直線<math>y=c, y=d</math>で囲まれた領域の面積は、 閉区間<math>[c, d]</math>で常に<math>h(y) \geqq i(y)</math>のとき<math>S = \int_{c}^{d} \{ h(y) - i(y) \} dy</math> 媒介変数表示された曲線の場合、xとyの好きな方で面積の式を考えてパラメータに関する式へと置換積分すれば良い。 {{コラム|ガウス=グリーンの定理| '''ガウス=グリーンの定理'''という以下のような公式が存在する。 :閉曲面Sで囲まれた空間の領域をV、曲面の外向き法線の方向余弦を(l, m, n)、微分可能な関数をf, g, hとするとき、<math>\int_{V} (\frac{\partial f}{\partial x} + \frac{\partial g}{\partial y} + \frac{\partial h}{\partial z}) dV = \int_{S} (fl+gm+hn) dS </math> この定理を高校レベルの求積で使えるように調整すると、以下のようになる。 :曲線<math>\begin{cases} x = f(t) \\ y = g(t) \end{cases}</math>について、<math>[a, b]</math>の範囲でtの増加とともに点<math>P(f(t), g(t))</math>がxy平面上を原点中心に反時計回りに動くときに線分<math>OP</math>が通過する領域の面積は、<math>\int_{a}^{b} \frac{1}{2} \{ x g'(t) - y f'(t) \} dt</math> この定理を用いると、通常の積分で面積を求めるよりも遙かに計算量が少なくて済む。 もちろん記述では使えないが、答えのみ書けば良い場合や検算用のツールとしては非常に役立つ。 }} ; '''発展:極座標系における面積''' [[高等学校数学C/平面上の曲線#極座標|極座標系]]においても、直交座標系と同様に微積分を考えることができる。ここでは、その一例として極方程式で表された曲線における面積について扱う。 '''面積(Ⅳ)''' 曲線<math>r=r(\theta)</math>と2直線<math>\theta = \alpha, \theta = \beta</math>で囲まれた部分の面積は、 <math>S = \int_{\alpha}^{\beta} \frac{1}{2} \{ r(\theta) \}^2 d\theta</math> *証明 基本的には直交座標の場合と同様である。 :曲線<math>r=r(\theta)</math>と2直線<math>\theta = \alpha, \theta = \tau</math>で囲まれた部分の面積を<math>S(\tau)</math>とおく。 :<math>\Delta \tau > 0</math>として<math>\tau + \Delta \tau</math>の場合を考える。 :閉区間<math>[\tau, \tau + \Delta \tau]</math>における<math>r(\theta)</math>の最小値を<math>m</math>、最大値を<math>M</math>とおくと、微小な扇形の面積を考えることにより<math>\frac{1}{2}m^2\Delta \tau \leqq S(\tau + \Delta \tau) - S(\tau) \leqq \frac{1}{2} M^2 \Delta \tau</math>が得られる。 :上の不等式の各辺を<math>\Delta \tau</math>で割ると、<math>\frac{1}{2}m^2 \leqq \frac{S(\tau + \Delta \tau) - S(\tau)}{\Delta \tau} \leqq \frac{1}{2}M^2</math> :<math>\Delta \tau \to 0</math>の極限を考えると、 ::<math>r(\tau)</math>は連続関数なので<math>\frac{1}{2} m^2 \to \frac{1}{2} \{ r(\tau) \}^2, \frac{1}{2} M^2 \to \frac{1}{2} \{ r(\tau) \}^2</math> ::微分の定義より<math>\frac{S(\tau + \Delta \tau) - S(\tau)}{\Delta \tau} \to S'(\tau)</math> :よってはさみうちの原理より<math>S'(\tau) = \frac{1}{2} \{ r(\tau) \}^2</math> :これにて示された。 この公式は、'''<math>\theta</math>が偏角である場合のみ用いることができる'''。もし<math>\theta</math>が偏角ではない場合、<math>\theta</math>と偏角<math>\phi</math>の関係を求めて置換積分する必要がある。 ; '''楕円の面積''' '''楕円の面積''' 楕円<math>\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}=1</math>の面積は、 <math>S=\pi ab</math> *導出 楕円<math>\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}=1</math>を<math>y</math>について解くと :<math>y=\pm\frac{b}{a}\sqrt{a^2-x^2}</math> となる。そのうち<math>y=\frac{b}{a}\sqrt{a^2-x^2}</math>は半楕円(楕円の上半分)を示している。その半楕円の面積を2倍したものが楕円の面積''S''となるので :<math>S=2\int _{-a} ^a \frac{b}{a}\sqrt{a^2-x^2} = \frac{2b}{a}\int _{-a} ^a \sqrt{a^2-x^2} = \frac{2b}{a} \times \frac{\pi a^2}{2} = \pi ab</math> となる。 === 体積 === ある立体<math>V_0</math>の<math>x = t</math>における断面積が有限な値で、その値が <math>t</math>の関数<math>S(t)</math>となるとき、この立体を平面<math>x = a</math>,<math>x = b</math>(ただし、<math>a < b</math>)で切り取った領域の体積は、底面積<math>S(t)</math>に極めて小さい高さ<math>dt</math><ref>なお、この時、<math>dt</math>が<math>S(t)</math>に対して積分区間で常に鉛直方向の関係にあることが保証されていなければならない。</ref>の積<math>S(t) \, dt</math>の区間<math>[a,b]</math>における累積であるので、以下の式で表すことができる。 :<math> V = \int_a^{b} S(t) \, dt</math> (例1) :<math>O(0,0,0), A(1,0,0), B(1,1,0), C(1,0,2)</math>である三角錐を考える。 :この三角錐を平面<math>x=t (0\leqq t \leqq 1)</math>で切断すると、断面の三角形の各座標は<math>A_t(t,0,0), B_t(t,t,0), C_t(t,0,2t)</math>となる。この時、<math>\triangle{A_t B_t C_t}</math>の面積<math>S(t)=t^2</math>となる。 :これを、区間<math>[0,1]</math>で積分すると、 :<math> V = \int_0^{1} S(t) \, dt = \int_0^{1} t^2 \, dt = \left[ \frac{t^3}{3}\right]_{0}^{1} = \frac{1}{3}</math>となる<ref>三角錐<math>O-ABC</math>は、<math>\triangle{ABC}</math>を底面(<math>S=1</math>)とし、<math>OA</math>を高さ(<math>1</math>)とする三角錐なので、体積は、<math>\frac{1}{3}</math>となり、正しい。</ref>。 (例2) :設問 :#<math>O(0,0,0), A(1,0,0), B(0,1,0), C(1,1,0), D(0,0,1), E(1,0,1), F(0,1,1), G(1,1,1)</math>である立方体を想定。 :#平面<math>x=t (0\leqq t \leqq 1)</math>で切断し、<math>\square{O_t A_t B_t C_t}</math>を得る。 :#線分<math>O_t A_t , A_t B_t , B_t C_t , C_t O_t </math>に、各々点<math>O_t, A_t, B_t, C_t</math>から、長さ<math>t</math>である点<math>H_t, I_t, J_t, K_t</math>をとり、<math>\square{H_t I_t J_t K_t}</math>を<math>S_t</math>とする。 :#<math>t</math>を区間<math>[0,1]</math>で変化させた時、<math>S_t</math>が通過する部分の体積<math>V</math>を求めよ。なお、<math>S_t</math>が正方形である証明は省略してよい。 :解答 :#<math>S_t</math>の1辺の長さを<math>l</math>とおくと、<math>l^2 = t^2 + (1-t)^2 = 2t^2 - 2t + 1</math> :#<math>S_t</math>の面積<math>S(t)</math>は<math>l^2</math>であるから、<math>S(t) = 2t^2 - 2t + 1</math> :#これを、区間<math>[0,1]</math>で積分すると、 :#<math> V = \int_0^{1} S(t) \, dt = \int_0^{1} (2t^2 - 2t + 1) \, dt = \left[ \frac{2t^3}{3} - t^2 +t \right]_{0}^{1} = \frac{2}{3}</math>となる。 ; '''回転体の体積''' <math>y= f(x) (a \le x \le b )</math> で与えられる曲線をx軸の回りに回転させて作られる立体の体積Vは、 <math>V = \int _a ^b \pi \{ f(x) \}^2 dx</math> で与えられる。 導出 立体をx軸に垂直であり、x=cを満たす面とx=c+hを満たす面で切ると(hは小さな 定数)、その切断面で挟まれた立体は半径 f(c)の円と半径 f(c+h)の円 ではさまれた立体となる。 しかし、hが極めて小さいとき、この図形は半径f(c),高さhの円柱で 近似できる。 よってこの2つの面に関して、得られた図形の体積は <math> h \times \pi (f(c) )^2 </math> となる。 これを<math>a<c<b</math>満たす全てのcについて足し合わせると、 <math> S = \int _a ^b \pi ( f(x))^2 dx </math> が得られる。 同様に、<math>x = g(y) (c \le x \le d )</math>で与えられる曲線をy軸の回りに回転させて作られる立体の体積Vは、 :<math>V = \int _c ^d \pi \{ g(y) \}^2 dy</math> で与えられる。 例えば、 <math> y= x^2 ~(0<x<1) </math> をx軸の回りに回転させて得られる図形の体積は、 :図形の絵? <math> S = \int_0^1 \pi (x^2)^2 dx </math> <math> =\pi \int_0^1 x^4 dx </math> <math> =\frac {\pi} 5 </math> となる。 ;球の体積 球の体積<math>V=\frac{4}{3}\pi r^3</math>の導出 半径''r''の球は半円<math>y=\sqrt{r^2-x^2}</math>を''x''軸の周りに回転させてつくることができる。 :<math>V=\pi \int_{-r}^r \sqrt{r^2-x^2}^2 dx=\pi \int_{-r}^r (r^2-x^2) dx= \frac{4}{3}\pi r^3</math> また体積を''r''で微分すると球の表面積<math>S=4\pi r^2</math>が得られる。 ; 補:バームクーヘン積分 上記の回転体の公式の導出では「円盤の面積を積分」しているが、「円筒の側面積」を積分しても同様の結果が得られる。この考え方を'''バームクーヘン積分(円筒分割積分)'''と呼ぶ。 バームクーヘン積分による回転体の体積の公式 曲線<math>y=f(x)</math>とx軸、直線<math>x=a, x=b</math>に囲まれた部分をx軸周りに一回転した立体の体積は、 <math>V = 2\pi \int_{a}^{b} x f(x) dx</math> *導出 :閉区間<math>[x, x + \Delta x](\Delta x > 0)</math>においてx軸と曲線<math>y=f(x)</math>で挟まれた領域をy軸周りに一回転してできる立体の体積を<math>\Delta V</math>とし、同区間におけるf(x)の最小値をm、最大値をMとおく。 :このとき、<math>\pi \{(x + \Delta x)^2 - x^2 \}m \leqq \Delta V \leqq \pi \{(x + \Delta x)^2 - x^2 \}M</math> :変形すると<math>\pi(2x + \Delta x)m \leqq \frac{\Delta V}{\Delta x} \leqq \pi (2x + \Delta x)M</math> :<math>\lim_{\Delta x \to + 0} m = \lim_{\Delta x \to + 0} M = f(x)</math>なのではさみうちの原理より<math>\lim_{\Delta x \to + 0} \frac{\Delta V}{\Delta x} = 2 \pi x f(x)</math> :<math>\therefore \frac{dV}{dx} = 2 \pi x f(x)</math> :<math>\Delta x < 0</math>でも同様。 :この微分方程式を解く(詳細は[[高等学校理数数学#微分方程式|こちら]])と、 ::<math>dV = 2 \pi x f(x) dx</math> ::<math>\int dV = \int 2 \pi x f(x) dx</math> ::<math>V = 2 \pi \int x f(x) dx + C</math>(Cは積分定数) :閉区間<math>[a, b]</math>で定積分を考えると、<math>V = 2 \pi \int_{a}^{b} x f(x) dx</math>となる。 記述問題で用いる場合、念のため上のように証明しておくと良い。 ; 補:パップス・ギュルダンの定理 図形Aを、図形Aと交わらない直線の周りに一回転してできる立体の体積は、V=(Aの重心が描く円の円周長)×(Aの面積)で求まる。 この定理は大学入試においては非常に有名な裏技であり知っておいて損はないが、記述で用いると完全にアウトである。この定理を用いるのは、選択肢形式の問題かどうしても記述の白紙解答を避けたい場合のみに限ろう。(もっとも、重心がわかる図形で出題されるのはごく稀だが。) {{コラム|一般の軸を中心とした回転体の体積の求め方| 一般に空間中の直線Lの周りの回転体('''斜軸回転体''')の体積は、回転軸Lに垂直な平面で回転体を切った断面積を考えて求めることができる。 ここでは、回転前の図形が座標平面上に存在する場合を扱う。 ; '''例題''' xy平面において<math>L:y=x, C:y=x^2</math>で囲まれた部分を, 直線Lの周りに一回転してできる立体の体積を求めよ。 解答) :曲線C上の点<math>\mathrm{P}(x, x^2)</math>から直線Lに下ろした垂線の足を<math>\mathrm{H}(t, t)</math>とし、直線L上に点<math>\mathrm{Q}(x, x)</math>をとる。 :与えられた条件より<math>0 \leqq x \leqq 1</math>である。 :このとき<math>\overline{\mathrm{PH}} = \frac{|x-x^2|}{\sqrt{2}} = \frac{x-x^2}{\sqrt{2}} (\because 0 \leqq x \leqq 1 \implies x \geqq x^2)</math>より、 :<math>t = \overline{\mathrm{OH}} = \overline{\mathrm{OQ}} - \overline{\mathrm{HQ}} = \overline{\mathrm{OQ}} - \overline{\mathrm{PH}} = \sqrt{2}x - \frac{x-x^2}{\sqrt{2}} = \frac{x+x^2}{\sqrt{2}}</math> :<math>\therefore dt = \frac{1+2x}{\sqrt{2}} dx</math> :tの積分範囲は0→√2なので、xの積分範囲は0→1である。 :故に、<math>V = \pi \int_{0}^{\sqrt{2}} \overline{\mathrm{PH}}^2 dt = \pi \int_{0}^{1} \left(\frac{x-x^2}{\sqrt{2}}\right)^2 \cdot \frac{1+2x}{\sqrt{2}} dx</math> :<math>= \frac{\pi}{2 \sqrt{2}} \int_{0}^{1} (2x^5-3x^4+x^2) dx = \frac{\sqrt{2} \pi}{4} \left[ \frac{1}{3} x^6 - \frac{3}{5} x^5 + \frac{1}{3} x^3 \right]_{0}^{1} </math> :<math>= \frac{\sqrt{2} \pi}{60}</math> この解答を簡潔に纏めると、直線Lをt軸と見做してt軸についての回転体の式を立て、それをx軸についての回転体の式へと置換積分している。 斜軸回転体の体積を求める方法は他にもあるので、簡潔に纏める。 ①傘型分割積分 上の例題で考えると、長さ<math>\overline{\mathrm{PQ}}</math>、微小幅<math>\Delta x</math>の部分をLの周りに一回転すると、傘型状の図形(円錐の側面)になる。 その面積(正確には微小体積)を積分すると回転体の体積が出てくる。この考え方を'''傘型分割積分'''という。不足なく論理展開を記述できれば、入試でこの考え方を用いても減点される可能性は低いだろう。 この過程を一般化すると、以下の公式を導くことができる。 :曲線<math>y=f(x)</math>と直線<math>mx+n, x=a, x=b</math>で囲まれた部分を直線<math>y=mx+n</math>の周りで一回転した体積は、 :<math>V = \pi \cos \theta \int_{a}^{b} \{ f(x) - (mx+n) \}^2 dx</math> :ただし、<math>\tan \theta = m</math>(回転軸がx軸となす角がθである) この公式は完全に裏技なので、記述問題では(証明なしに)使用しない方が無難である。 例題の別解1) :傘型分割積分の公式より<math>V=\pi\cos\frac{\pi}{4} \int_0^1 (x^2-x)^2dx=\frac{\pi}{\sqrt{2}} \int_0^1 (x^4-2x^3+x^2)dx </math> :<math>= \frac{\pi}{\sqrt{2}} \left[ \frac{1}{5}x^5 - \frac{1}{2}x^4 + \frac{1}{3}x^3 \right]_0^1=\frac{\pi}{\sqrt{2}}\left(\frac{1}{5}+\frac{1}{3}-\frac{1}{2}\right)</math> :<math>=\frac{\pi}{30\sqrt{2}}=\frac{\sqrt{2}\pi}{60}</math> ②回転移動の利用 図形全体を回転移動することにより、回転軸をx軸(もしくはy軸)に重ねることで、強引に回転体の公式に代入する方法。 回転移動には[[高等学校数学C/複素数平面#回転移動|複素数平面の知識]]、[[高等学校数学C/数学的な表現の工夫#一次変換|行列の知識]]のどちらを用いても良い。 この方法では、回転後の図形の方程式が媒介変数表示で出現する場合がある。その場合、回転体の公式を媒介変数についての積分へと置換積分すれば良い。 例題の別解2-1) :<math>y=f(x)</math>を原点中心に<math>\theta</math>回転した図形の方程式は<math>-x\sin\theta+y\cos\theta=f(x\cos\theta+y\sin\theta)</math>なので、 :<math>-\frac{\pi}{4}</math>回転してLをx軸に重ねるとCの方程式は :<math>\frac{y-x}{\sqrt{2}}=\left(\frac{x+y}{\sqrt{2}}\right)^2</math> :<math>\begin{cases}s=x+y \\ t=x-y \end{cases}</math>と置換すると<math>t=\frac{s^2}{\sqrt{2}}</math>であり、 :上下の和と差を考えて<math>\begin{cases} 2x=s+t \\ 2t= s-t \end{cases}</math> :よって媒介変数表示は :<math>\begin{cases} x=\frac{s+\frac{s^2}{\sqrt{2}}}{2}=\frac{\sqrt{2}s+s^2}{2\sqrt{2}} \\ y= \frac{s-\frac{s^2}{\sqrt{2}}}{2}=\frac{\sqrt{2}s-s^2}{2\sqrt{2}} \end{cases}</math> :交点<math>(1,1)</math>は<math>(0, \sqrt{2})</math>に移るので :<math>V=\pi\int_0^\sqrt{2} y^2dx=\pi\int_0^\sqrt{2} \left(\frac{\sqrt{2}s-s^2}{2\sqrt{2}}\right)^2 \frac{d}{ds}\left(\frac{\sqrt{2}s+s^2}{2\sqrt{2}}\right)ds</math> :<math>=\frac{\pi}{16}\int_0^\sqrt{2} (s^4-2\sqrt{2}s^3+2s^2)(\sqrt{2}s+1)ds</math> :<math>=\frac{\pi}{16}\int_0^\sqrt{2} (\sqrt{2}s^5-3s^4+2s^2)ds</math> :<math>=\frac{\pi}{16}\left[\frac{\sqrt{2}}{6}s^6-\frac{3}{5}s^5+\frac{2}{3}s^3\right]_0^\sqrt{2}</math> :<math>=\frac{\pi}{16}\left(\frac{4\sqrt{2}}{3}-\frac{12\sqrt{2}}{5}+\frac{4\sqrt{2}}{3}\right)</math> :<math>=\frac{\sqrt{2}\pi}{4}(\frac{10}{15}-\frac{9}{15})</math> :<math>=\frac{\sqrt{2}\pi}{60}</math> 例題の別解2-2) :<math>C</math>上の点<math>(t, t^2)</math>を<math>-\frac{\pi}{4}</math>回転した点を<math>X, Y</math>とする。 :<math>\begin{pmatrix} X \\ Y \end{pmatrix}=\begin{pmatrix} \cos(-\frac{\pi}{4}) & -\sin(-\frac{\pi}{4}) \\ \sin(-\frac{\pi}{4}) & \cos(-\frac{\pi}{4}) \end{pmatrix} \begin{pmatrix} t \\ t^2 \end{pmatrix}</math> :<math>=\frac{1}{\sqrt{2}}\begin{pmatrix} 1 & 1 \\ -1 & 1 \end{pmatrix}\begin{pmatrix} t \\ t^2 \end{pmatrix}</math> :<math>=\frac{1}{\sqrt{2}}\begin{pmatrix} t^2+t \\ t^2-t \end{pmatrix}</math> :交点<math>(1,1)</math>は<math>(0, \sqrt{2})</math>に移るので :<math>V=\pi\int_0^\sqrt{2} Y^2 dX=\pi\int_0^1 \left( \frac{t^2-t}{\sqrt{2}} \right)^2 \frac{d}{dt}\left(\frac{t^2+t}{\sqrt{2}}\right) dt</math> :<math>=\frac{\pi}{2\sqrt{2}}\int_0^1 (t^4-2t^3+t^2)(2t+1)dt</math> :<math>=\frac{\pi}{2\sqrt{2}}\int_0^1 (2t^5-3t^4+t^2)dt</math> :<math>=\frac{\sqrt{2}\pi}{4}\left[ \frac{1}{3}t^6-\frac{3}{5}t^5+\frac{1}{3}t^3 \right]_0^1</math> :<math>=\frac{\sqrt{2}\pi}{4}\left(\frac{1}{3}+\frac{1}{3}-\frac{3}{5}\right)</math> :<math>=\frac{\sqrt{2}\pi}{60}</math> }} === 曲線の長さと運動の道のり === ==== 曲線の長さ ==== 曲線<math>\begin{cases} x=f(t) \\ y=g(t) \end{cases}</math>の長さを考える。 :<math>f(t), g(t)</math>とも2階微分可能(第一次導関数が連続)とする。 :<math>a \leqq t \leqq b</math>として閉区間<math>[a, t]</math>における曲線の長さを<math>s(t)</math>とおく。 :<math>t</math>の増分<math>\Delta t</math>が十分小さいとき、<math>\Delta s \fallingdotseq \sqrt{(\Delta x)^2 + (\Delta y)^2}</math>より<math>\frac{\Delta s}{\Delta t} = \sqrt{(\frac{\Delta x}{\Delta t})^2 + (\frac{\Delta y}{\Delta t})^2}</math> :<math>\Delta t \to 0</math>のとき、<math>\frac{ds}{dt} = \sqrt{(\frac{dx}{dt})^2 + (\frac{dy}{dt})^2}</math> :この微分方程式を解くと、 ::<math>ds = \sqrt{(\frac{dx}{dt})^2 + (\frac{dy}{dt})^2}dt</math> ::<math>\int ds = \int \sqrt{(\frac{dx}{dt})^2 + (\frac{dy}{dt})^2}dt</math> ::<math>s = \int \sqrt{(\frac{dx}{dt})^2 + (\frac{dy}{dt})^2}dt + C</math>(Cは積分定数) :ここで<math>s(t)</math>の定義より<math>s(b) - s(a) = \int_{a}^{b} \sqrt{(\frac{dx}{dt})^2 + (\frac{dy}{dt})^2}dt</math> よって、以下のようになる。 曲線の長さ(Ⅰ) 曲線<math>\begin{cases} x=f(t) \\ y=g(t) \end{cases}</math>の閉区間<math>[a, b]</math>における長さLは、 <math>L = \int_{a}^{b} \sqrt{(\frac{dx}{dt})^2 + (\frac{dy}{dt})^2}dt</math> 曲線の式が<math>y=f(x)</math>で与えられている場合、<math>\begin{cases} x=t \\ y=f(t) \end{cases}</math>と考えて上の公式に代入すると、以下のようになる。 曲線の長さ(Ⅱ) 曲線<math>y=f(x)</math>の閉区間<math>[a, b]</math>における長さLは、 <math>L = \int_{a}^{b} \sqrt{1 + (\frac{dy}{dx})^2}dt</math> ==== 速度と道のり ==== [[高等学校数学III/微分法#速度と加速度|微分法で学んだ]]ように、数直線上を運動する点Pの時刻tにおける位置,速度がそれぞれ<math>x(t), v(t)</math>で与えられるとき、<math>v(t) = \frac{d}{dt} x(t)</math>という関係式が成り立った。微分と積分は逆演算の関係にあるので、<math>x(t) = \int v(t) dt + C</math>(Cは積分定数)という関係も成り立つ。このとき、積分定数Cは初期位置<math>x_0</math>を表す。 点Pが<math>t=a</math>から<math>t=b</math>まで運動するとき、位置の変化量は<math>x(b) - x(a) = \int_{a}^{b} v(t) dt</math>で与えられる。すなわち<math>x(b) = x(a) + \int_{a}^{b} v(t) dt</math>であり、<math>x(a)</math>が初期位置<math>x_0</math>を表すことが確かめられた。 また、上の場合において道のりは<math>\int_{a}^{b} |v(t)| dt</math>と計算できる。位置の変化量と道のりが一致するのは、恒等的に<math>x(t) \geqq 0</math>が成り立つ場合のみである。 平面上の運動も同様である。 なお、加速度は位置の二階微分なので、加速度を二階積分すれば位置が求まる。よって、時刻tにおける加速度が<math>a(t) = a</math>であるときの位置は、<math>x(t) = \int \! \int a(t) dt \; dt = \int (at + v_0) dt = \frac{1}{2}at^2 + v_0 t + x_0</math>である。([[高等学校物理基礎/力学#等加速度直線運動|等加速度直線運動]]の式) {{コラム|ベクトル関数|変数tの値を決めるとベクトルA(t)の値が一意に定まるとき、A(t)をtの'''[[解析学基礎/ベクトル解析#ベクトル関数|ベクトル関数]]'''という。基本ベクトルを用いると、ベクトル関数は基本ベクトルのスカラー倍の足し算に分解することができる。このとき、基本ベクトルにかかる係数をベクトル関数の'''成分'''という。ベクトル関数の定義より、成分はtの関数になる。 つまり、'''ベクトル関数に関する微積分はその成分をそれぞれ微分/積分すれば良い'''ということがわかる。 例えば、速度を表すベクトル関数<math>\vec{v}(t) = \begin{pmatrix} 2t \\ 3t^2-1 \end{pmatrix}</math>があったとして、初期位置<math>\begin{pmatrix} x_0 \\ y_0 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 0 \\ 0 \end{pmatrix}</math>とすると時刻tにおける位置は<math>\vec{x}(t) = \int \vec{v}(t) dt = \begin{pmatrix} \int (2t) dt \\ \int (3t^2-1) dt \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} t^2 \\ t^3-t \end{pmatrix}</math>、時刻tにおける加速度は<math>\vec{a}(t) = \frac{d}{dt} \vec{v}(t) = \begin{pmatrix} \frac{d}{dt}(2t) \\ \frac{d}{dt}(3t^2-1) \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 2 \\ 6t \end{pmatrix}</math>というベクトル関数になる。また、<math>t=0</math>から<math>t=2</math>まで運動したときの位置の変化量ベクトルは<math>\begin{pmatrix} \Delta x \\ \Delta y \end{pmatrix} = \int_{0}^{2} \vec{v}(t) dt = \begin{pmatrix} \int_{0}^{2} (2t) dt \\ \int_{0}^{2} (3t^2-1) dt \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} \left[ t^2 \right]_{0}^{2} \\ \left[ t^3-t \right]_{0}^{2} \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 4 \\ 6 \end{pmatrix}</math>と求まる 。 すなわち、速度・加速度・位置・道のり等に関する問題はベクトル関数の微積分を計算する問題であると言える。 }} == 区分求積法 == これまでに学んだように、積分は微分の逆演算であると同時に、座標平面上での面積計算でもある。この項では、座標平面上の面積計算の方法の一つである区分求積法、および積分法との関連について学ぶ。 [[File:Riemann Integration 1.png|thumb|300px|面積計算]] 右図のようなある曲線<math>y=f(x)</math>がある。単純のため、ここではつねに<math>f(x)>0</math>であるものとして考える。この曲線と、''x''軸、および直線<math>x = a, x = b (a < b)</math>によって囲まれる領域の面積''S''を求める。この面積は[[#面積]]の項で学んだように、 : <math>S = \int_a^b f(x)dx</math> と積分法を用いて計算することができた。では、これをもう少し原始的な方法で近似的に求めることを考えてみよう。 曲線を含む図形の面積を求めることは簡単ではないが、例えば三角形や長方形、台形などの直線で囲まれた図形の面積を求めることは難しくない。そこで、下図のようにy=f(x)を棒グラフで近似し、長方形の面積の和を計算することで、求めたい面積''S''に近い値を求めることができる。左下のように棒グラフの幅が大きいと誤差も大きいが、棒グラフの幅を狭くすればするほど、すなわち分割数を多くするほど、徐々に求めたい面積の値に近づけることができる。そこで、この区間[''a'',''b'']を''n''等分し、その時の長方形の面積の総和を求め、その後で<math>n \to \infty</math>の極限を考えることにする。このようにして、区間を細かく等分割し、長方形の面積の総和を求めることにより図形の面積を求める方法を、'''区分求積法'''と呼ぶ。 :[[File:Riemann Integration 4.png|350px|棒グラフによる近似]][[File:Riemann Integration 5.png|350px|さらに細かな棒グラフによる近似]] [[File:Integral numericky obd.svg|thumb|左側で近似]][[File:Somme-superiori.png|thumb|右側で近似]] <math>y=f(x)</math>を棒グラフで近似するとき、右図のように、長方形の左上の頂点を曲線上に取る方法と、右上の頂点を曲線上に取る方法がある。どちらの方法でも、分割数を大きくすればいずれ求めたい面積に近づくが、まずは左上の頂点を曲線上に取る方法で考えることにする。 ここでは面積を求めたい区間を、単純のため[0, 1]とする。区間[0, 1]を''n''等分するとき、それぞれの長方形の左端のx座標は、 :<math>0, \frac{1}{n}, \frac{2}{n}, \cdots, \frac{n-1}{n}</math> となる。ここで、一般に第''k''番目の長方形について考えることにする。ただし、いちばん左側の長方形を第0番目とし、いちばん右側の長方形を第''n''-1番目とする。第''k''番目の長方形の左端のx座標は<math>\frac{k}{n}</math>であるから、この長方形の高さは<math>f\left(\frac{k}{n}\right)</math>となり、また長方形の幅は<math>\frac{1}{n}</math>である。そのため、この長方形の面積<math>s_k</math>は、 :<math>s_k = \frac{1}{n}f\left(\frac{k}{n}\right)</math> となる。したがって、これらの長方形の面積の総和<math>S_n</math>は、 :<math>S_n = \sum_{k = 0}^{n-1} s_k = \frac{1}{n}\sum_{k = 0}^{n-1} f\left(\frac{k}{n}\right)</math> この<math>S_n</math>は、区間[0, 1]を''n''等分した時の長方形の面積の総和であるが、''n''を大きくすればするほど、次第にもとの面積に近づいていく。したがって、<math>n\to\infty</math>の極限を考え、 :<math>S = \lim_{n\to\infty} S_n = \lim_{n\to\infty} \frac{1}{n}\sum_{k=0}^{n-1} f\left(\frac{k}{n}\right)</math> となる。このようにして、求めたい面積を計算することができる。さらに、ここでこの区間の面積が積分法により計算できたことから、 :<math>\lim_{n\to\infty} \frac{1}{n}\sum_{k=0}^{n-1} f\left(\frac{k}{n}\right) = \int_0^1f(x)dx</math> が成り立つ。また、長方形の右上の頂点を曲線上に取る場合は、同様にして :<math>S = \lim_{n\to\infty} \frac{1}{n}\sum_{k=1}^{n} f\left(\frac{k}{n}\right) = \int_0^1f(x)dx</math> となる。 区分求積法を計算するとき、'''シグマの範囲の有限個のズレは無視して良い'''。nを無限大に飛ばした極限を考えるとき、有限個あるズレの値は全て0に収束するからである。<br> つまり、l, mを自然数として<math>\lim_{n \to \infty} \frac{1}{n} \sum_{k=l}^{n-m} f\left(\frac{k}{n}\right) = \int_0^1f(x)dx</math>である。 区分求積法は、より一般には次の式で表される。 :<math>\int_{a}^{b} f(x) dx = \lim_{n \to \infty} \sum_{k=l}^{n-m} f(x_k) \Delta x</math> :ただし、<math>\Delta x = \frac{b-a}{n}, x_k = a + k\Delta x</math> 証明は先ほどと同様である。<br> 大学においては、積分の定義を微分の逆演算ではなく、この式の右辺のような和('''リーマン和'''という)の極限とする場合がある。数学Ⅱで扱った微分積分学の基本定理は、リーマン和(面積計算)と原始関数(微分の逆演算)という二つの概念を結びつけている定理であると言える。 なお、<math>\lim_{n \to \infty} \sum_{k=an+l}^{bn-m} f\left(\frac{k}{n}\right) = \int_{a}^{b} f(x) dx</math>が成り立つ。 '''演習問題2''' :次の極限値を求めよ。 :(1) <math>\lim_{n\to\infty} \sum_{k=1}^{n} \frac{1}{n+k} </math> :(2) <math>\lim_{n\to\infty} \sum_{k=1}^{n} \frac{k}{n^2+k^2} </math> :(3) <math>\lim_{n\to\infty} \left(\frac{(2n)!}{n!n^n}\right)^\frac{1}{n}</math><ref group="ヒント">対数を取る</ref> {{解答}} (1) <math>\begin{align} \lim_{n\to\infty} \sum_{k=1}^{n} \frac{1}{n+k} &= \lim_{n\to\infty} \frac 1 n \sum_{k=1}^{n} \frac{1}{1+\frac k n} \\ &= \int_0^1 \frac{dx}{1+x}\\ &= [\log(1+x)]_0^1\\ &= \log 2. \end{align} </math> ちなみに、この結果は交代調和級数 <math>\sum_{n=1}^\infty \frac{(-1)^{n-1}}{n} = 1 - \frac 1 2 + \frac 1 3 - \frac 1 4 + \cdots</math> の値を求めることに利用できる。実際 <math> \begin{align} \sum_{k=1}^{2n} \frac{(-1)^{k-1}}{k} &= 1 - \frac{1}{2} + \cdots + \frac{1}{2n-1} - \frac{1}{2n} \\ &= 1 + \frac{1}{2} + \cdots + \frac{1}{2n-1} + \frac{1}{2n} - 2\left(\frac{1}{2} + \frac{1}{4} + \cdots + \frac{1}{2n}\right) \\ &= 1 + \frac{1}{2} + \cdots + \frac{1}{2n-1} + \frac{1}{2n} - \left(1 + \frac{1}{2} + \cdots + \frac{1}{n}\right) \\ &= \frac{1}{n+1} + \frac{1}{n+1} + \cdots + \frac{1}{n+n} \\ &= \sum_{k=1}^n \frac{1}{n+k} \end{align} </math> より、 <math> \lim_{n\to\infty}\sum_{k=1}^{2n} \frac{(-1)^{k-1}}{k} = \lim_{n\to\infty}\sum_{k=1}^n \frac{1}{n+k} = \log 2 </math> となる。また、 <math> \lim_{n\to\infty}\sum_{k=1}^{2n+1} \frac{(-1)^{k-1}}{k} = \lim_{n\to\infty}\left(\sum_{k=1}^{2n} \frac{(-1)^{k-1}}{k} + \frac{1}{2n+1}\right) = \log 2. </math> 従って、<math>\sum_{n=1}^\infty \frac{(-1)^{n-1}}{n} = \log 2 </math> を得る。 (2) <math>\begin{align} \lim_{n\to\infty} \sum_{k=1}^{n} \frac{k}{n^2+k^2} &= \lim_{n\to\infty} \frac 1 n \sum_{k=1}^{n} \frac{\frac{k}{n}}{1+\frac{k^2}{n^2}}\\ &= \int_0^1 \frac{xdx}{1+x^2}\\ &= \left[\frac 1 2 \log(1+x^2)\right]_0^1\\ &= \frac 1 2 \log 2. \end{align}</math> (3) <math>\begin{align} \log \left(\frac{(2n)!}{n!n^n}\right)^\frac{1}{n} &= \frac 1 n \log\left\{\left(\frac{n+1}{n}\right)\left(\frac{n+2}{n}\right)\cdots \left(\frac{n+2}{n}\right) \right\} \\ &= \frac 1 n \sum_{k=1}^n \log\left(1+\frac{k}{n}\right) \end{align}</math> となるから、 <math>\begin{align} \lim_{n\to\infty}\log \left(\frac{(2n)!}{n!n^n}\right)^\frac{1}{n} &= \int_0^1 \log(1+x)dx\\ &= [(1+x)\log(1+x)-(1+x)]_0^1\\ &= 2\log 2 - 1. \end{align}</math> したがって、 <math>\begin{align} \lim_{n\to\infty} \left(\frac{(2n)!}{n!n^n}\right)^\frac{1}{n} &= \frac 4 e. \end{align}</math> {{証明終わり}} == 演習問題 == * [[高等学校数学III 積分法/演習問題|不定積分44題]] * [[/演習問題]] '''演習問題3''' 第一問、第二問は基本問題である。第三問から第六問はやや難しい。 '''第一問(ウォリスの積分)''' :<math>n</math> は非負整数とし、<math>I_n = \int_{0}^{\frac \pi 2}\sin^n x \, dx</math> とする。 :(1) <math>\int_{0}^{\frac{\pi}{2}}\sin^n x \, dx = \int_{0}^{\frac{\pi}{2}}\cos^n x \, dx</math> を示せ。 :(2) <math>I_n = \frac{n-1}{n}I_{n-2}\quad (n \ge 2)</math> を示せ。 :(3) <math>I_n</math> を求めよ。 '''第二問(ベータ関数の特殊値)''' :<math>m,n</math> は非負整数、<math>\alpha,\beta</math> は <math>\beta > \alpha</math> なる実数とし、<math>I_{m,n} = \int_\alpha^\beta (x-\alpha)^m(\beta - x)^n \, dx</math> とする。 :(1) <math>I_{m,n} = \frac{n}{m+1} I_{m+1,n-1} \quad (n\ge 1) </math> を示せ。 :(2) <math>I_{m,n}</math> を求めよ。 :(3) <math>\int_0^{\frac{\pi}{2}} \sin^{2m+1}\theta \cos^{2n+1}\theta d\theta </math> を求めよ。 '''第三問(ウォリスの公式)''' :非負整数 <math>n</math> に対し、<math>I_n = \int_{0}^{\frac \pi 2}\sin^n x \, dx</math> とする。必要に応じて第一問の結果を用いてよい。 :(1) <math>1 < \frac{I_{2n}}{I_{2n+1}} < \frac{I_{2n-1}}{I_{2n+1}}</math> を示せ。 :(2) <math> \lim_{n \to \infty} \frac{2 \cdot 2}{1 \cdot 3} \frac{4 \cdot 4}{3 \cdot 5} \cdots \frac{2n \cdot 2n}{(2n-1)(2n+1)} </math> を求めよ。 :(3) <math> I_{2n}I_{2n+1} </math> を求めよ。 :(4) <math> \lim_{n \to \infty} \sqrt n I_{2n+1} </math> を求めよ。 :(5) <math> \lim_{n \to \infty} \frac{2^{2n}(n!)^2}{\sqrt n (2n)!} </math> を求めよ。 '''第四問(スターリングの近似)''' :数列 <math>\{a_n\}</math> を <math>a_n = \frac{n!}{n^{n+1/2}e^{-n}} </math> で定める。必要に応じて第三問の結果を用いてよい。 :(1) <math> \int_{k-1}^k \log x \, dx </math> の値を台形の面積で評価することによって、整数 <math>k \ge 2</math> について <math> \log k - \frac 1 2 \{\log k - \log(k-1)\} < \int_{k-1}^k \log x \, dx < \log k - \frac{1}{2k} </math> が成り立つことを示せ。 :(2) 正の整数 <math>n</math> について <math> - \frac{1}{4n} < \sum_{k=n+1}^{2n} \log k - \left(2n+\frac 1 2\right)\log 2n + \left(n+\frac 1 2\right)\log n + n < 0 </math> が成り立つことを示せ。 :(3) <math> \lim_{n\to \infty}\frac{a_{2n}}{a_n} </math> を求めよ。 :(4) <math> \lim_{n\to \infty}a_n </math> を求めよ。 '''第五問(バーゼル問題)''' :非負整数 <math>n</math> に対し、<math>I_n = \int_{0}^{\frac \pi 2}\cos^n x \, dx,\, J_n = \int_{0}^{\frac \pi 2}x^2 \cos^n x \, dx</math> とする。 :(1) <math> n > 0</math> について <math>I_{2n} = n(2n-1)J_{2n-2} - 2n^2 J_{2n}</math> が成り立つことを示せ。 :(2) <math> 0 \le x \le \frac \pi 2</math> について、<math> \frac{2}{\pi}x \le \sin x</math> が成り立つことを示せ。 :(3) <math>J_{2n} \le \frac{\pi^2 I_{2n}}{8(n+1)}</math> を示せ。 :(4) <math>\sum_{k=1}^{\infty} \frac{1}{k^2} </math> を求めよ。 '''第六問(ガウス積分)''' :非負整数 <math>n</math> に対し、<math>I_n = \int_{0}^{\frac \pi 2}\cos^n x </math> とする。必要に応じて第三問の結果を用いて良い。 :(1) <math> x > 0 </math> のとき、<math> 1-x^2 < e^{-x^2} < \frac{1}{1+x^2} </math> が成り立つことを示せ。 :(2) <math> \frac \pi 4 < \theta_0 < \frac \pi 2 </math> とする。正の整数 <math>n </math> について <math> \int_0^1 (1-x^2)^n dx < \int_0^{\tan\theta_0} e^{-nx^2}dx < \int_0^{\tan \theta_0} \frac{1}{(1+x^2)^n} dx </math> を示せ。 :(3) <math> \sqrt n I_{2n+1} < \int_0^\infty e^{-x^2}dx < \sqrt n I_{2n-2} </math> を示せ。ただし、<math>\int_0^\infty e^{-x^2}dx = \lim_{a \to \infty} \int_0^a e^{-x^2}dx </math> である。 :(4) <math> \int_{0}^\infty e^{-x^2}dx </math> を求めよ。 '''解答''' {{解答|第一問}} (1) <math> t = \frac \pi 2 - x </math> と変数変換すると、<math> \int_0^{\frac \pi 2} \sin^n x dx = \int_{\frac \pi 2}^0 \sin^n\left(\frac \pi 2 - t\right)(-dt) = \int_0^{\frac \pi 2} \cos^n t dt </math> となる。 (2) <math> \begin{align} \int_0^{\frac \pi 2} \sin^n x dx &= \left[-\sin^{n-1}x \cos x \right]_{0}^{\frac{\pi}{2}} + (n-1)\int_0^{\frac \pi 2} \sin^{n-2} x \cos^2 x dx \\ &= (n-1)\left(\int_0^{\frac \pi 2} \sin^{n-2} x dx - \int_0^{\frac \pi 2} \sin^n x dx \right)\\ \end{align} </math> 従って、<math>I_n = \frac{n-1}{n}I_{n-2}</math> となる。 (3) <math> I_0 = \int_0^{\frac \pi 2} dx = \frac \pi 2,\, I_1 = \int_0^{\frac \pi 2} \sin x dx = 1. </math> よって、<math> n </math> が偶数のときは <math> \begin{align} I_n &= \frac{n-1}{n}\frac{n-3}{n-2} \cdots \frac 1 2 I_0 \\ &= \frac{n-1}{n}\frac{n-3}{n-2} \cdots \frac 1 2 \frac \pi 2. \end{align} </math> <math> n </math> が奇数のときは、 <math> \begin{align} I_n &= \frac{n-1}{n}\frac{n-3}{n-2} \cdots \frac 2 3 I_1 \\ &= \frac{n-1}{n}\frac{n-3}{n-2} \cdots \frac 2 3 \end{align} </math> となる。 {{証明終わり}} {{解答|第二問}} (1) <math>\begin{align} \int_\alpha^\beta (x-\alpha)^m(\beta - x)^n \, dx &= \left[\frac{1}{m+1}(x-\alpha)^{m+1}(\beta-x)^n\right]_\alpha^\beta + \int_\alpha^\beta\frac{n}{m+1}(x-\alpha)^{m+1}(\beta-x)^{n-1}dx\\ &= \frac{n}{m+1}\int_\alpha^\beta(x-\alpha)^{m+1}(\beta-x)^{n-1}dx. \end{align} </math> (2) <math>\begin{align} I_{m,n} &= \frac{n}{m+1}I_{m+1,n-1} \\ &= \cdots \\ &= \frac{n}{m+1} \frac{n-1}{m+2} \cdots \frac{1}{m+n} I_{m+n,0} \\ &= \frac{m!n!}{(m+n)!}I_{m+n,0} \end{align} </math> ここで、 <math>I_{m+n,0} = \int_\alpha^\beta(x-\alpha)^{m+n} dx = \frac{(\beta-\alpha)^{m+n+1}}{m+n+1} </math> となる。よって、 <math>I_{m,n} = \frac{m!n!}{(m+n+1)!}(\beta-\alpha)^{m+n+1} </math> を得る。 (3) <math>t = \sin^2\theta </math> と変数変換すると、 <math>dt = 2\sin\theta\cos\theta d\theta </math> より、 <math>\int_0^{\frac{\pi}{2}} \sin^{2m+1}\theta \cos^{2n+1}\theta d\theta = \frac 1 2 \int_0^1 t^m (1-t)^n dt = \frac{m!n!}{2(m+n+1)!}. </math> {{証明終わり}} {{解答|第三問}} (1) <math>0 < x < \frac \pi 2 </math> のとき、<math>0 < \sin x < 1 </math> だから、<math>\sin^{2n+1} x < \sin^{2n} x < \sin^{2n-1} x </math> となる。これを積分して、<math>I_{2n+1} < I_{2n} < I_{2n-1} </math> を得る。よって、<math>1 < \frac{I_{2n}}{I_{2n+1}} < \frac{I_{2n-1}}{I_{2n+1}}</math> である。 (2) 第一問(1)より、 <math>\begin{align} \frac{I_{2n}}{I_{2n+1}} &= \frac{2n-1}{2n}\frac{2n-3}{2n-2} \cdots \frac 1 2 \frac \pi 2 \times \frac{2n+1}{2n}\frac{2n-1}{2n-2} \cdots \frac 3 2\\ &= \frac{1 \cdot 3}{2 \cdot 2} \frac{3 \cdot 5}{4 \cdot 4} \cdots \frac{(2n-1)(2n+1)}{2n \cdot 2n} \frac \pi 2 \end{align}</math> となる。また、<math>\frac{I_{2n-1}}{I_{2n+1}} = \frac{2n+1}{2n} = 1 + \frac{1}{2n} </math> となるから、(1) より、 <math>1 < \frac{I_{2n}}{I_{2n+1}} < \frac{I_{2n-1}}{I_{2n+1}} = 1 + \frac{1}{2n} </math> を得る。これより、<math>\lim_{n\to\infty} \frac{I_{2n}}{I_{2n+1}} = 1 </math> となるから、<math> \lim_{n \to \infty} \frac{2 \cdot 2}{1 \cdot 3} \frac{4 \cdot 4}{3 \cdot 5} \cdots \frac{2n \cdot 2n}{(2n-1)(2n+1)} = \frac \pi 2 </math> を得る。 (3) 第一問(3)より、<math>I_{2n} I_{2n+1} = \frac{1}{2n+1} \frac{\pi}{2} </math> である。 (4) <math>\frac{I_{2n}}{I_{2n+1}} = \frac{I_{2n}I_{2n+1}}{I_{2n+1}^2} = \frac{1}{2n+1}\frac \pi 2 I_{2n+1}^{-2} </math> である。<math>\sqrt{2n+1} I_{2n+1} = \sqrt{\frac{I_{2n+1}}{I_{2n}}\frac{\pi}{2}} </math> より、<math>\lim_{n\to\infty} \sqrt{2n+1} I_{2n+1} = \lim_{n\to\infty} \sqrt{\frac{I_{2n+1}}{I_{2n}}\frac{\pi}{2}} = \sqrt{\frac{\pi}{2}} </math> となる。また、 <math>\begin{align} \frac{\sqrt \pi}{2} &= \lim_{n\to\infty} \sqrt{\frac{2n+1}{2}} I_{2n+1}\\ &= \lim_{n\to\infty} \sqrt{n}\sqrt{1+\frac{1}{2n}} I_{2n+1}\\ &= \lim_{n\to\infty} \sqrt{n}I_{2n+1} \end{align} </math> となるから、<math>\lim_{n\to\infty} \sqrt{n}I_{2n+1} = \frac{\sqrt \pi}{2} </math> を得る。 (5) <math>\begin{align} I_{2n+1} &= \frac{2n}{2n+1}\frac{2n-2}{2n-1}\cdots \frac 2 3\\ &= \frac{\{2n(2n-2)\cdots 2\}^2}{(2n+1)!}\\ &= \frac{(2^n n!)^2}{(2n+1)!} \end{align} </math> より、 <math>\begin{align} \lim_{n\to\infty} \sqrt{n}I_{2n+1} &= \lim_{n\to\infty} \frac{\sqrt n}{2n+1} \frac{2^{2n}(n!)^2}{(2n)!}\\ &= \lim_{n\to\infty} \frac{1}{2\sqrt n + \frac{1}{\sqrt n}} \frac{2^{2n}(n!)^2}{(2n)!}\\ &= \lim_{n\to\infty} \frac{1}{2\sqrt n} \frac{2^{2n}(n!)^2}{(2n)!} \end{align} </math> となるから、 <math> \lim_{n \to \infty} \frac{2^{2n}(n!)^2}{\sqrt n (2n)!} = \sqrt \pi </math> を得る。 '''解説''' <math> \lim_{n \to \infty} \frac{2 \cdot 2}{1 \cdot 3} \frac{4 \cdot 4}{3 \cdot 5} \cdots \frac{2n \cdot 2n}{(2n-1)(2n+1)} = \frac \pi 2 </math> はウォリスの公式と呼ばれる。整数の乗除のみで円周率が計算されるという点で興味深いが、収束はとても遅く実用的ではない。例えば、<math>\pi > 3.05</math> を証明するためには <math>n=8</math> まで計算しなくてはならない<ref><math>2\cdot \frac{2\cdot 2}{1\cdot 3} \cdots \frac{16\cdot 16}{15\cdot 17} =</math> 213084064972800/69850115960625 = 2147483648/703956825 = 3.05058...</ref>。また <math>\pi > 3.14</math> を示すには <math>n=493</math> まで計算する必要がある。ちなみに単調増加性は <math>\frac{2n \cdot 2n}{(2n-1)(2n+1)} = \frac{1}{1-\frac{1}{(2n)^2}} > 1</math> から従う。 また、<math> \lim_{n \to \infty} \frac{2^{2n}(n!)^2}{\sqrt n (2n)!} = \sqrt \pi </math> もウォリスの公式と呼ばれる。これはスターリングの公式やガウス積分を証明するために必要となる。 {{証明終わり}} {{解答|第四問}} (1) [[ファイル:Bounding_the_Integral_of_log_x_with_Trapezoids.svg|サムネイル|log x の台形近似]] <math>\log x </math> は上に狭義凸な関数だから、<math>\int_{k-1}^k \log x \, dx</math> は、直線 <math>x = k-1,\,x=k</math> と <math>y = \log x</math> の2つの交点を結んだ線分と <math>x</math> 軸、直線 <math>x = k-1,k</math> によって切り取られる台形(図の青の領域)の面積よりも大きい。台形の面積は、<math>\frac 1 2 \{\log k + \log(k-1)\} = \log k - \frac 1 2 \{\log k - \log(k-1)\}</math> である。また、 <math>\int_{k-1}^k \log x \, dx</math> は、<math>y = \log x</math> の任意の接線と <math>x</math> 軸、直線 <math>x = k-1,k </math> によって切り取られる台形(図のピンクの領域)の面積よりも小さい。特に <math>x = k</math> で接線を引くと、その傾きは <math>\frac 1 k</math> だから、接線と直線 <math>x = k-1</math> の交点の <math>y</math> 座標は <math>\log k - \frac 1 k</math> である。よって、この台形の面積は <math>\log k - \frac{1}{2k} </math> となる。従って、 <math> \log k - \frac 1 2 \{\log k - \log(k-1)\} < \int_{k-1}^k \log x \, dx < \log k - \frac{1}{2k} </math> を得る。 (2) <math>\log k - \frac 1 2 \{\log k - \log(k-1)\} < \int_{k-1}^k \log x \, dx </math> より、<math>\log k < \int_{k-1}^k \log x \, dx + \frac 1 2 \{\log k - \log(k-1)\} </math> となる。よって、 <math>\begin{align} \sum_{k=n+1}^{2n} \log k &< \int_n^{2n} \log x \, dx + \frac 1 2 (\log 2n - \log n) \\ &= \left[x\log x - x\right]_n^{2n} + \frac 1 2 (\log 2n - \log n) \\ &= \left(2n + \frac 1 2\right)\log 2n - \left(n + \frac 1 2 \right) \log n - n \end{align} </math> となる。また、<math>\log k > \int_{k-1}^k \log x \, dx + \frac{1}{2k} </math> より、 <math>\begin{align} \sum_{k=n+1}^{2n} \log k &> \int_n^{2n} \log x \, dx + \sum_{k=n+1}^{2n} \frac{1}{2k} \\ &= \left[x\log x - x\right]_n^{2n} + \frac 1 2 \left(\frac{1}{2n} - \frac{1}{n} + \sum_{k=n}^{2n-1} \frac{1}{k}\right) \\ \end{align}</math> となる。ここで、<math>\frac 1 x </math> は <math>x > 0 </math> で単調減少だから、 <math>\sum_{k=n}^{2n-1} \frac{1}{k} > \int_n^{2n} \frac{dx}{x} = \log 2n - \log n </math> となる。従って、 <math>\begin{align} \sum_{k=n+1}^{2n} \log k &> \left(2n + \frac 1 2\right)\log 2n - \left(n + \frac 1 2 \right) \log n - n - \frac{1}{4n} \\ \end{align}</math> を得る。 (3) <math>\begin{align} \log \frac{a_{2n}}{a_n} &= \log a_{2n} - \log{a_n}\\ &= \log (2n)! - \left(2n + \frac 1 2 \right) \log 2n + 2n - \log n! + \left(n + \frac 1 2 \right)\log n - n\\ &= \sum_{k=n+1}^{2k}\log k - \left(2n + \frac 1 2 \right) \log 2n + \left(n + \frac 1 2 \right)\log n + n \end{align}</math> であるから、(2) より <math>-\frac{1}{4n} < \log \frac{a_{2n}}{a_n} < 0</math> となる。従って、 <math>\lim_{n\to\infty} \log \frac{a_{2n}}{a_n} = 0</math> あるいは、 <math>\lim_{n\to\infty} \frac{a_{2n}}{a_n} = 1 </math> を得る。 (4) <math>\begin{align} \frac{2^{2n}(n!)^2}{\sqrt n (2n)!} &= \frac{2^{2n}}{\sqrt n} \left(\frac{n!}{n^{n+\frac 1 2}e^{-n}}\right)^2 \frac{(2n)^{2n+\frac 1 2}e^{-2n}}{(2n)!} \frac{\left(n^{n+\frac 1 2}e^{-n}\right)^2}{(2n)^{2n+\frac 1 2}e^{-2n}}\\ &= \frac{1}{\sqrt 2} \frac{a_n^2}{a_{2n}} \end{align}</math> であるから、 <math>\lim_{n\to\infty} a_n = \lim_{n\to\infty} \sqrt 2 \frac{2^{2n}(n!)^2}{\sqrt n (2n)!} \frac{a_{2n}}{a_n} = \sqrt{2\pi} </math> を得る。 '''解説''' (1)は凹関数の定積分の値を台形で評価する問題である。このような台形近似の問題は難関大ではよく見られる。 (4) から <math>\lim_{n\to\infty} \frac{n!}{\sqrt{2\pi} n^{n+1/2}e^{-n}} = 1</math> を得る。これは、<math>n</math> が大きいとき階乗を <math>n! \approx \sqrt{2\pi} n^{n+\frac 1 2} e^{-n}</math> と近似できることを意味する。これがスターリングの近似である。 本問は<math> \lim_{n\to \infty}\frac{a_{2n}}{a_n} </math>を求めてから <math> \lim_{n\to \infty}a_n </math> を求めさせているためやや遠回りに思うかもしれない。数列 <math>\{a_n\}</math> が0以外の実数に収束することを既知とすれば <math> \lim_{n\to \infty}\frac{a_{2n}}{a_n} = \frac{\lim_{n\to \infty}a_{2n}}{\lim_{n\to \infty}a_n} = 1 </math> となることはすぐに分かる。しかし、数列が収束することの条件について高校では詳しく扱わないため、厳密に <math> \lim_{n\to \infty}a_n </math> を求めるためには <math> \lim_{n\to \infty}\frac{a_{2n}}{a_n} </math> を経由する必要がある。一般に、下に有界な単調減少数列は収束するということが知られている<ref>詳しくは [[解析学基礎/実数]]を参照</ref>。これを認めれば、数列 <math>\{a_n\}</math> が収束することは、次のように証明することができる。 <math>\log k > \int_{k-1}^k \log x \, dx + \frac{1}{2k} </math> より、 <math>\begin{align} \log n ! &= \sum_{k=2}^n \log k \\ &> \int_{1}^n \log x \, dx + \frac 1 2 \sum_{k=2}^n\frac{1}{k}\\ &> n\log n - n + 1 + \frac 1 2 \int_{2}^{n+1}\frac{dx}{x}\\ &= n\log n - n + 1 + \frac 1 2 \{\log(n+1) - \log 2\} \end{align} </math> <math>\begin{align} \log a_n &= \log n! - \left(n + \frac 1 2\right)\log n + n \\ &> \frac 1 2 \{\log(n+1) - \log n \} + 1 - \frac 1 2 \log 2\\ &> 1 - \frac 1 2 \log 2 \end{align} </math> となるから、<math> a_n > \frac e \sqrt{2} </math> より下に有界である。 また、 <math> \begin{align} \log \frac{a_{n+1}}{a_n} &= \log(n+1) - \left(n + \frac 3 2\right)\log(n+1) + n+1 + \left(n+\frac 1 2\right)\log n - n\\ &= \frac 1 2 \{\log(n+1)+\log n\} - \int_n^{n+1} \log x dx\\ &< 0 \end{align} </math> から、<math> a_{n+1} < a_n. </math> すなわち単調減少であるから、<math>\{a_n\}</math> は収束する。 {{証明終わり}} {{解答|スターリングの近似の応用}} スターリングの近似は階乗を含む極限の問題に応用できる。例えば、演習問題2の(2)は、 <math>\begin{align} \lim_{n\to\infty} \left(\frac{(2n)!}{n!n^n}\right)^\frac{1}{n} &= \lim_{n\to\infty} \left(\frac{\sqrt{2\pi}(2n)^{2n+1/2}e^{-2n}}{\sqrt{2\pi}n^{n+1/2}e^{-n}n^n}\right)^\frac{1}{n}\\ &= \lim_{n\to\infty} \left(\frac{2^{2n + 1/2}}{e^{n}}\right)^\frac{1}{n}\\ &= \frac 4 e. \end{align}</math> また、スターリングの近似から二項分布の極限が正規分布に収束することが証明できる。 二項分布の確率分布は、 <math>P(X=k) = \frac{n!}{k!(n-k)!}p^kq^{n-k} </math> である。スターリングの近似より、 <math>\begin{align} \frac{n!}{k!(n-k)!}p^kq^{n-k} &\approx \frac{\sqrt{2\pi}n^{n+\frac 1 2}e^{-n}}{\sqrt{2\pi}k^{k+\frac 1 2}e^{-k}\sqrt{2\pi}(n-k)^{n-k+\frac 1 2}e^{-(n-k)}}p^kq^{n-k}\\ &= \frac{1}{\sqrt{2\pi}} \left(\frac{np}{k}\right)^k \left(\frac{nq}{n-k}\right)^{n-k} \sqrt{\frac{n}{k(n-k)}} \end{align}</math> となる。ここで、<math>\lim_{n\to\infty} \frac k n = p </math> であるから、 <math>\lim_{n\to\infty}\sqrt{\frac{n}{k(n-k)}} = \lim_{n\to\infty}\sqrt{\frac{1}{n\frac k n (1-\frac k n)}} = \frac{1}{\sqrt{npq}}</math> となる。 次に、<math>\log (1+x) \approx x - \frac 1 2 x^2 </math> の近似式を使うと、 <math>\begin{align}\log \left(\frac{np}{k}\right)^k &= k\log \left(1 - \frac{k-np}{k}\right) \\ &\approx -(k-np) - \frac 1 2 \frac{(k-np)^2}{k} \end{align}</math> <math>\begin{align}\log \left(\frac{nq}{n-k}\right)^{n-k} &= (n-k)\log \left(1 - \frac{n-k-nq}{n-k}\right) \\ &\approx -(n-k-nq) - \frac 1 2 \frac{(n-k-nq)^2}{n-k} \\ &= -(np-k) - \frac 1 2 \frac{(np-k)^2}{n-k}\end{align}</math> となる。さらに、 <math>\begin{align}\log \left(\frac{np}{k}\right)^k \left(\frac{nq}{n-k}\right)^{n-k} &\approx -\frac 1 2 \frac{(k-np)^2}{k}-\frac 1 2 \frac{(np-k)^2}{n-k}\\ &= -\frac 1 2 \frac{(k-np)^2}{npq} \left(\frac{npq}{k} + \frac{npq}{n-k}\right)\\ &\approx -\frac 1 2 \frac{(k-np)^2}{npq} \left(\frac{pq}{p} + \frac{pq}{1-p}\right)\\ &= -\frac 1 2 \frac{(k-np)^2}{npq} \end{align}</math> となる。最終的に、 <math>P(X=k) \approx \frac{1}{\sqrt{2\pi npq}} e^{-\frac{(k-np)^2}{2npq}}</math> を得る。これは、平均 <math>\mu = np</math> 分散 <math>\sigma^2 = npq</math> の正規分布である。 {{証明終わり}} {{解答|第五問}} (1) <math>\begin{align} I_{2n} &= \int_0^{\frac \pi 2} \cos^{2n}x dx \\ &= \left[x\cos^{2n}x\right]_0^{\frac \pi 2} + 2n\int_0^{\frac \pi 2} x\sin x \cos^{2n-1}x dx\\ &= 2n \left[\frac 1 2 x^2 \sin x \cos^{2n-1}x\right]_0^{\frac \pi 2} - n\int_0^{\frac \pi 2} x^2 \{\cos^{2n}x - (2n-1)\sin^2 x \cos^{2n-2}x \} dx \\ &= - n\int_0^{\frac \pi 2} x^2 \{\cos^{2n}x - (2n-1)(1-\cos^2 x) \cos^{2n-2}x \} dx \\ &= n(2n-1)J_{2n-2} -2n^2 J_{2n}. \end{align} </math> (2) <math> 0 \le x \le \frac \pi 2</math> で <math>\sin x</math> は上に凸であるから、<math> \frac{2}{\pi}x \le \sin x</math> となる。 (3) <math> \begin{align} J_{2n} &= \int_0^{\frac \pi 2} x^2 \cos^{2n}x dx \le \frac{\pi^2}{4} \int_0^{\frac \pi 2} \sin^2 x \cos^{2n} x dx \\ &= \frac{\pi^2}{4} (I_{2n} - I_{2n+2}) \\ &= \frac{\pi^2}{4} \frac{I_{2n}}{2n+2} \end{align} </math> となる。ただし、最後の行への変形で第一問(2)の漸化式を使った。 (4) (1) より、 <math> \begin{align} \frac{1}{n^2} &= \frac{(2n-1)J_{2n-2}}{n I_{2n}} - \frac{2J_{2n}}{I_{2n}}\\ &= \frac{2J_{2n-2}}{I_{2n-2}} - \frac{2J_{2n}}{I_{2n}} \end{align} </math> となる。ただし、最後の行への変形で第一問(2)の漸化式を使った。 よって、 <math> \sum_{k=1}^n \frac{1}{k^2} = \sum_{k=1}^n \left(\frac{2J_{2k-2}}{I_{2k-2}} - \frac{2J_{2k}}{I_{2k}}\right) = \frac{2J_{0}}{I_{0}} - \frac{2J_{2n}}{I_{2n}} </math> となる。ここで、<math>J_0 = \int_0^{\frac \pi 2} x^2 dx = \frac{\pi^3}{24},\, I_0 = \frac \pi 2</math> より、<math>\frac{2J_{0}}{I_{0}} = \frac{\pi^2}{6}. </math> また、<math> 0 < \frac{J_{2n}}{I_{2n}} \le \frac{\pi^2}{8(n+1)} </math> より、<math>\lim_{n\to\infty}\frac{J_{2n}}{I_{2n}} = 0 </math> となるから、<math> \sum_{k=1}^\infty \frac{1}{k^2} = \frac{\pi^2}{6} </math> を得る。 '''解説''' 本問は Daniel Daners. (2012). A Short Elementary Proof of Σ 1/k<sup>2</sup> = π<sup>2</sup>/6. ''Mathematics Magazine'', ''85''(5), 361–364. https://doi.org/10.4169/math.mag.85.5.361 を参考にした。 <math>\zeta(s) = \sum_{n=1}^\infty \frac{1}{n^s}</math> はゼータ関数と呼ばれるもので、数論において重要な関数である。この問題から <math>\zeta(2) =\frac{\pi^2}{6}</math> である。また、<math>\zeta(1) = \sum_{n=1}^\infty \frac{1}{n}</math> は調和級数であるため発散する。 <math>s</math> が実数のとき、<math>s > 1</math> で <math>\zeta(s)</math> は収束することを示すことができる。実際、<math>\frac{1}{n^s} < \int_{n-1}^n \frac{dx}{x^s}</math> となるから、<math>\sum_{n=2}^m \frac{1}{n^s} < \int_1^m \frac{dx}{x^s} = \frac{1}{s-1}(1-m^{1-s}) < \frac{1}{s-1}</math> であるから上界を持つ。また、各項は正であるため <math>\sum_{n=1}^m \frac{1}{n^s}</math> は単調増加である。従って、 <math>\zeta(s)</math> は <math>s > 1</math> のとき収束する。 <math>s < 1</math> のとき、<math>\frac{1}{n} < \frac{1}{n^s}</math> から、<math>\sum_{n=1}^m \frac{1}{n} < \sum_{n=1}^m \frac{1}{n^s}</math> となるため発散する。 '''<math>\zeta(4)</math>の値''' この手法を拡張することで、<math>\zeta(4) = \sum_{n=1}^{\infty}\frac{1}{n^4}</math> の値を求めることができる。<math>K_n = \int_0^{\frac{\pi}{2}} x^4 \cos^{n}x\,dx</math> とする。部分積分より、 <math>J_{2n} = \frac{n(2n-1)}{6}K_{2n-2} - \frac{n^2}{3}K_{2n}</math> となる。<math>I_{2n}</math> で割って、第一問(2)の式を使うと、 <math>\frac{3}{n^2}\frac{J_{2n}}{I_{2n}} = \frac{K_{2n-2}}{I_{2n-2}} - \frac{K_{2n}}{I_{2n}}</math> を得る。この和を取ると、 <math>\sum_{n=1}^{N}\frac{3}{n^2}\frac{J_{2n}}{I_{2n}} = \frac{K_{0}}{I_{0}} - \frac{K_{2N}}{I_{2N}}</math> となる。ここで、本問の(5)より <math> \sum_{m=1}^n \frac{1}{m^2} = \frac{2J_{0}}{I_{0}} - \frac{2J_{2n}}{I_{2n}} </math> と <math> \sum_{m=1}^\infty \frac{1}{m^2} = \frac{2J_{0}}{I_{0}}</math> が成り立つので、 <math> \frac 1 2 \sum_{m=n+1}^\infty \frac{1}{m^2} = \frac{J_{2n}}{I_{2n}} </math> となる。これを代入して、 <math>\sum_{n=1}^{N}\sum_{m=n+1}^\infty\frac{3}{2n^2 m^2} = \frac{K_{0}}{I_{0}} - \frac{K_{2N}}{I_{2N}}</math> となる。簡単な計算から、<math>\frac{K_0}{I_0} = \frac{\pi^4}{80}</math> となる。また、 <math> 0 \le x \le \frac \pi 2</math> で <math> \frac{2}{\pi}x \le \sin x</math> となるから、 <math>K_{2n} \le \frac{\pi^4}{16}\int_0^{\frac \pi 2} \sin^4 x \cos^{2n}x \, dx = \frac{\pi^4}{16} (I_{2n}-2I_{2n+2}+I_{2n+4}) = \frac{3\pi^4}{16(2n+2)(2n+4)}I_{2n}</math> より、<math>\frac{K_{2n}}{I_{2n}} \to 0 (n\to\infty)</math>を得る。よって、 <math>\sum_{n=1}^{\infty}\sum_{m=n+1}^\infty\frac{1}{n^2 m^2} = \frac{\pi^4}{120}</math> である。さらに、 <math>(\zeta(2))^2 = \left(\sum_{n=1}^{\infty}\frac{1}{n^2}\right)^2 = \sum_{n=1}^{\infty}\sum_{m=1}^{\infty}\frac{1}{n^2m^2} = \sum_{n=1}^{\infty}\frac{1}{n^4} + 2\sum_{n=1}^{\infty}\sum_{m=n+1}^{\infty}\frac{1}{n^2m^2}</math> である。よって、 <math>\sum_{n=1}^{\infty}\frac{1}{n^4} = \frac{\pi^4}{90} </math> を得る。 {{証明終わり}} {{解答|第六問}} (1) <math>f(x) = e^x - x - 1</math> とすると、<math>f'(x) = e^x - 1 ,\, f''(x) = e^x</math> だから、<math>f(x) </math> は上に狭義凸な関数で最小値は <math>f(0) = 0</math> である。従って、<math>x \neq 0</math> のとき <math>e^x > x + 1</math> である。よって、<math>e^{-x^2} > 1-x^2.</math> また、<math>e^{-x} < \frac{1}{1+x}</math> に <math>x^2</math> を代入して <math>e^{-x^2} < \frac{1}{1+x^2}</math> を得る。 (2) (1) より、<math>(1-x^2)^n < e^{-nx^2} </math> であるから、積分して <math>\int_0^1 (1-x^2)^n dx < \int_0^1 e^{-nx^2} dx </math> を得る。同様に、<math>e^{-nx^2} < \frac{1}{(1+x^2)^n}</math> を積分して <math>\int_0^{\tan \theta_0}e^{-nx^2} dx < \int_0^{\tan\theta_0}\frac{1}{(1+x^2)^n}dx</math> を得る。<math> \frac \pi 4 < \theta_0 < \frac \pi 2 </math> より、<math>1 < \tan\theta_0</math> である。また、<math>e^{-nx^2} > 0</math> から <math>\int_0^{1}e^{-nx^2} dx < \int_0^{\tan \theta_0}e^{-nx^2} dx </math> となる。したがって、 <math> \int_0^1 (1-x^2)^n dx < \int_0^{\tan\theta_0} e^{-nx^2}dx < \int_0^{\tan \theta_0} \frac{1}{(1+x^2)^n} dx </math> である。 (3) <math>x = \sin \theta</math> と変数変換して、 <math>\begin{align} \int_0^1 (1-x^2)^n dx &= \int_0^{\frac \pi 2} (1-\sin^2\theta)^n \cos\theta d\theta\\ &= \int_0^{\frac \pi 2} \cos^{2n+1}\theta d\theta\\ &= I_{2n+1} \end{align} </math> となる。また、<math>x = \tan\theta</math> と変数変換して、 <math>\begin{align} \int_0^{\tan \theta_0} \frac{dx}{(1+x^2)^n} &= \int_0^{\theta_0} \cos^{2n}\theta \frac{d\theta}{\cos^2\theta}\\ &= \int_0^{\theta_0} \cos^{2n-2}\theta d\theta \end{align} </math> となる。 <math>x \to \frac x \sqrt n </math> と変数変換すると、<math>\int_0^{\tan \theta_0} e^{-nx^2}dx = \frac 1 \sqrt n \int_0^{\frac{\tan\theta_0}{\sqrt n}} e^{-x^2}dx </math> となる。よって、 <math> \sqrt n I_{2n+1} < \int_0^{\frac{\tan\theta_0}{\sqrt n}} e^{-x^2}dx < \sqrt n \int_0^{\theta_0} \cos^{2n-2}\theta d\theta </math> となる。ここで、<math> \theta_0 \to \frac \pi 2 - 0</math> の極限を取ると <math> \lim_{\theta_0 \to \frac \pi 2 - 0}\int_0^{\frac{\tan\theta_0}{\sqrt n}} e^{-x^2}dx = \lim_{a \to \infty}\int_0^{a} e^{-x^2}dx = \int_0^\infty e^{-x^2}dx </math> となるから <math> \sqrt n I_{2n+1} < \int_0^\infty e^{-x^2}dx < \sqrt n I_{2n-2} </math> を得る。 (4) 第三問より、<math>\lim_{n\to\infty} \frac{I_{2n+1}}{I_{2n}} = 1 </math>, <math>\lim_{n\to\infty} \sqrt n I_{2n+1} = \frac{\sqrt \pi}{2} </math> であるから、 <math>\lim_{n\to\infty} \sqrt n I_{2n-2} = \lim_{m\to\infty} \sqrt n \frac{I_{2n+1}}{I_{2n}}\frac{I_{2n}}{I_{2n-1}}\frac{I_{2n-1}}{I_{2n-2}}I_{2n-2} = \frac{\sqrt \pi}{2} </math> となる。よって、 <math>\int_0^{\infty} e^{-x^2}dx = \frac{\sqrt \pi}{2}. </math> '''解説''' (4) の被積分関数は偶関数だから、 <math>\int_{-\infty}^{\infty} e^{-x^2}dx = \sqrt \pi </math> となる。ここで、 <math>x \to \sqrt a x</math> (<math>a</math> は正の実数)と変換すると、<math> \int_{-\infty}^\infty e^{-ax^2}dx = \sqrt{\frac{\pi}{a}} </math> を得る。これを使うと正規分布の確率密度関数が<math> \frac{1}{\sqrt{2\pi \sigma^2}} \int_{-\infty}^\infty e^{-\frac{(x-\mu)^2}{2\sigma^2}}dx = 1 </math> と正規化されていることが分かる。また、 <math> \begin{align} \int_{-\infty}^\infty e^{-ax^2}dx &= [xe^{-ax^2}]_{-\infty}^{\infty} + \int_{-\infty}^\infty 2ax^2 e^{-ax^2}dx\\ &= \int_{-\infty}^\infty 2ax^2 e^{-ax^2}dx \end{align} </math> より、<math> \int_{-\infty}^\infty x^2 e^{-ax^2}dx = \frac 1 2 \sqrt{\frac{\pi}{a^3}} </math> を得る。よって、正規分布の分散は <math> \begin{align} V[X] &= \frac{1}{\sqrt{2\pi \sigma^2}} \int_{-\infty}^\infty (x-\mu)^2 e^{-\frac{(x-\mu)^2}{2\sigma^2}}dx\\ &= \frac{1}{\sqrt{2\pi \sigma^2}} \int_{-\infty}^\infty x^2 e^{-\frac{x^2}{2\sigma^2}}dx\\ &= \sigma^2 \end{align} </math> となる。 {{証明終わり}} == 脚注 == <references/> <references group="ヒント"/> {{DEFAULTSORT:こうとうかつこうすうかくIII せきふんほう}} [[Category:高等学校数学III|せきふんほう]] [[カテゴリ:積分法]] d8yvforh1epei16rtlqd48mhk5pzuye 民事訴訟法第94条 0 17983 304228 247251 2026-10-02T03:04:51Z ~2026-53117-65 92684 304228 wikitext text/x-wiki [[法学]]>[[民事法]]>[[コンメンタール民事訴訟法]] ==条文== (期日の呼出し) ;第94条 # 期日の呼出しは、次の各号のいずれかに掲げる方法その他相当と認める方法によってする。 ## ファイルに記録された電子呼出状(裁判所書記官が、最高裁判所規則で定めるところにより、裁判長が指定した期日に出頭すべき旨を告知するために出頭すべき者において出頭すべき日時及び場所を記録して作成した電磁的記録をいう。次項及び[[民事訴訟法第256条|第256条]]第3項において同じ。)を出頭すべき者に対して送達する方法 ## 当該事件について出頭した者に対して期日の告知をする方法 # 裁判所書記官は、電子呼出状を作成したときは、最高裁判所規則で定めるところにより、これをファイルに記録しなければならない。 # 第1項各号に規定する方法以外の方法による期日の呼出しをしたときは、期日に出頭しない当事者、証人又は鑑定人に対し、法律上の制裁その他期日の不遵守による不利益を帰することができない。ただし、これらの者が期日の呼出しを受けた旨を記載した書面を提出したときは、この限りでない。 ===改正経緯=== 2022年改正により、第1項を以下のとおり改正 #第1項 #:期日の呼出し方法を以下のものから詳細化 #::期日の呼出しは、呼出状の送達、当該事件について出頭した者に対する期日の告知その他相当と認める方法によってする。 #第2項 #:新設 #第3項 #:(改正前)呼出状の送達及び当該事件について出頭した者に対する期日の告知以外の方法 #:(改正後)第1項各号に規定する方法以外の方法 ==解説== ==参照条文== ---- {{前後 |[[コンメンタール民事訴訟法|民事訴訟法]] |[[コンメンタール民事訴訟法#1|第1編 総則]]<br> [[コンメンタール民事訴訟法#1-5|第5章 訴訟手続]]<br> [[コンメンタール民事訴訟法#1-5-3|第3節 期日及び期間]] |[[民事訴訟法第93条|第93条]]<br>(期日の指定及び変更) |[[民事訴訟法第95条|第95条]]<br>(期間の計算) }} {{stub|law}} [[category:民事訴訟法|094]] [[category:民事訴訟法 2022年改正|094]] 842d71cb9bd0rclovm09w3ujhf231b7 高等学校物理基礎/熱 0 18241 304227 302512 2026-10-02T02:36:21Z ~2026-53113-75 92683 /* 絶対零度 */ 誤植訂正 304227 wikitext text/x-wiki {{pathnav|高等学校の学習|高等学校理科|高等学校物理|[[高等学校 物理基礎|物理基礎]]|pagename=熱|frame=1|small=1}} == 温度 == [[File:Brownian motion large.gif|thumb|right|240px|ブラウン運動の概念図(シミュレーション)。黒色の媒質粒子の衝突により、黄色の微粒子が不規則に運動している。]] 物体の温度とは、実はその物体を構成している、それぞれの分子や原子の運動の強さのことである。この温度による運動は不規則である。 温度が低く固体の場合は熱運動の強さが弱いので、分子は分子どうしの引力で抑えこまれ、物体は固体状の形状を保つ。 固体でも、分子は、結晶の格子点を中心に運動している。液体では、外部から力を加えると、体積は変わらないものの、流動して容易に形を変える事ができる。 固体を加熱するなどして温度を高めると、いずれ、固体から液体へ変わる。これは、熱運動が強まり、もはや結晶の構造を取るのが不可能になったからである。 液体を加熱していくと、いずれ、気体へ変わる。気体は熱運動が、分子間力よりもはるかに大きく、もはや、各分子がバラバラに離れて行動している状態である。したがって、液体から固体になると体積が増える。 なお、液体から気体への変化にかぎらず、一般に物体は温度が上がると、ほとんどの物質で体積が増える。 ここでは、温度とは、物質を構成している分子や原子の運動がどのくらい強いかという、状態を表す数値だということを理解して頂きたい。 物体の状態を表す、固体・液体・気体といった状態のことを'''相'''という。固体のことを固相と言ったり、液体のことを液相と言ったり、気体のことを気相と言ったりする場合もある。 === セルシウス温度 === [[ファイル:Clinical thermometer 38.7.JPG|thumb|300px|セルシウス温度計]] 温度の単位として実用上、多く用いられている℃単位の摂氏温度は、'''セルシウス温度'''とも言う。 このセルシウス温度では、温度の値の基準として、大気圧 1atmのもとで、純水と氷の共存する温度を'''0℃'''と定め、純水が沸騰するときの温度を'''100℃'''と定めらている。 そして、0℃と100℃の間の温度を'''100等分'''している。 :;これは旧定義で、現在はボルツマン定数を使った定義に置換わっています。 温度計の種類にアルコール温度計や水銀温度計などあるが、これらは物体の温度が上がることによる膨張を、温度の測定器として利用した器具である。 いっぽう、温度があがることで体積が膨張するのは、なにも液体に限らず、気体や固体でも温度が上がれば膨張する。 == 熱量 == 1kgの物体と、べつの1kgの物体を合わせて、重量計に載せれば、測定値は2kgになる。だが、容器に入った10℃の水に、等量の10℃の水を注いでも、20℃にはならない。 いっぽう、温度を上げるには、エネルギーが必要だが、エネルギーは足しあわせができる。 このような理由から、加熱された物体に蓄えられた熱エネルギーと温度とを区別する必要がある。 そこで、熱エネルギーのことを'''熱量'''といい、これは温度とは区別する。 熱量の単位は、熱量はエネルギーの一種なので、力学的エネルギーの単位(ジュール:J)と同じであり、熱量の単位に'''ジュール'''(記号は'''J''' )を用いる。 なお、熱量の単位にはジュール(J)の他に、'''カロリー'''(記号はcal)という単位もある。カロリーは、水1gの温度を1K上昇させるのに必要な熱エネルギーのことである。栄養学の分野ではカロリーが用いられることが多い。物理学や化学では、特に断りがない限り、熱量の単位には、ジュールを用いる。 == 気体と温度との関係 == ここでは、気体の膨張を利用した温度計について、説明したい。気体には様々な性質があるが、この節では、温度測定に必要なことを主に説明する。 まず、気体の力学的な性質について説明する。 大気について考えよう。大気とは地球を包む空気の層のことである。空気にも重さがあるので、大気の中にいる物体には、その物体の上方にある空気の重さによって、圧力がかかる。 我々は大気圧にさらされている。一般に、気体の力は、分布して力が掛かるので単位面積あたりの力で考える必要がある。この単位面積あたりの力を'''圧力'''という。圧力の単位はN/m<sup>2</sup>で表す。 Nとは力の単位のニュートンであり、1ニュートン(1N)とは、質量1kgの物体に加速度1m/s<sup>2</sup>を増加できる力のことである。 mは長さの単位のメートルのことである。面積あたりの力を考えているので、mが2乗されてm<sup>2</sup>になっている。 このN/m<sup>2</sup>の単位を、そのままでも用いることもあるのだが、この単位N/m<sup>2</sup>のをPaと表す。Paの読みかたは、パスカルと読む。 1N/m<sup>2</sup>と1Paの大きさの基準は同じである。 つまり :1N/m<sup>2</sup> = 1Pa である。 ;ヘクトパスカル なお、大気圧をパスカル表示したときに、指数部の桁数が10<sup>5</sup>とやや計算には大きくて不便なので、補助単位として、気象分野では'''ヘクトパスカル'''を用いる場合がある。ヘクトパスカルはhPaと表す。 ヘクトとは100(百)を表す接頭語である。 つまり、 :1hPa = 100Pa である。 なぜ「ヘクト」のような中途半端な接頭辞を用いているかと言うと、嘗て使われていたバール(bar)という単位と換算するときに、1mbar=1hpaという等式が成り立つためである。 現在はあまり見なくなったが、1気圧に対応するアトム(atm)という単位も用いられることがある。 1atm = 1013.25 hpa ;mmHg 水銀柱の上部の液面からの深さ760mmの底部に掛かる圧力の大きさが1atmの大きさに、ほぼ等しいので、この水銀柱の760mm深さの圧力を760mmHgというふうに書く。Hgとは、化学式の水銀の記号Hgに由来している。このように圧力の単位には'''mmHg'''という単位もある。 1mmHgと1atmの大きさの関係は、 :1atm = 760 mmHg という関係である。 === 気体の熱膨張 === さて、この節で扱うのは、気体と温度との関係であった。たとえば、ピストンを用いて気体を封じたシリンダーなどで、内部の気体を熱した時に、内部気体がピストンを押して容積を膨らますことからの振る舞いを考えれば、気体は熱すれば膨張するのが分かるだろう。 この節では、ピストンやシリンダといった場合は、小学校や中学校の理科の実験などで扱ったような、注射器のような形のピストンで、直感的に考えて構わない。 これらピストンとシリンダーの組み合わせと、似たような原理の装置で、気体の圧力が測定できる。ピストンに外部から、何らかの機構で力を加え、外部の力を変化させれば、その外部の力と内部の気体による力とが釣り合うときの外部の力を調べれば、内部の圧力も計算によって求まる。 === ボイルの法則 === [[File:Legge di Boyle dati originali.jpg|thumb|400px|ボイルの法則<br>縦軸が圧力。横軸が体積。値はロバート・ボイル本人のオリジナルデータ。]] ボイルという人物が、一定温度での気体の圧力と気体の体積との関係を調べたところ、法則性を発見した。 外部から、ピストンを押しこむなどして、気体の体積を半分にすると、気体の圧力が'''2倍'''になる。気体の体積を<math>\frac{1}{3}</math>'''倍'''にすると、圧力が'''3倍'''になる。同様に、気体の体積を<math>\frac{1}{4}</math>'''倍'''にすると、圧力が'''4倍'''になる。 以下、気体体積の<math>\frac{1}{5}</math>'''倍'''や<math>\frac{1}{6}</math>'''倍'''でも同様に続く。べつに気体体積は整数倍でなくても、 :<math>\frac{1}{3.942}</math>'''倍'''とか、どんな数字でも、同様の法則が成り立つ。 これ等をまとめると、気体の圧力<math>\ p</math>と体積<math>\ V</math>との関係には、以下の関係式がある。 :<math>pV=k</math> (<math>k</math>は定数) この関係式を、'''ボイルの法則'''という。 {{clear}} === シャルルの法則 === [[File:Gay-lussac schema.jpg|thumb|right|300px|シャルルの法則の概念図<br>縦軸は体積で、このグラフではミリリットル単位。横軸の温度はこのグラフでは℃単位。]] さて、シャルルという人物が、温度と容積の関係を測って研究したところ、法則性を発見した。大気圧の状況下では、気体を1℃、上昇させると、0℃の体積の<math>\frac{1}{273}</math>ずつ膨張することを、シャルルは発見した。 これを式で表すと、0℃のときの気体の体積をV0として、一般の温度の体積をVとすると、温度t ℃のときの関係式は、 :<math>V=V_0(1 + \frac{t}{273})</math> であることを、シャルルは発見した。 ==== 絶対零度 ==== シャルルの観測結果をグラフに書くと、-273.15℃で、理論上では気体は体積が0になる。-273.15℃を'''絶対零度'''という。絶対零度以下の温度は、存在しない。 なお、この節では。計算の都合上、特に断らない限り、絶対零度は-273℃として扱うことにする。 絶対零度の-273.15℃とは、熱運動の全くない状態である。 ==== 絶対温度 ==== 温度の新しい単位として、マイナス273℃を基準とした、新しい温度単位を考える。 '''絶対温度'''を導入し、単位をケルビンとして、単位の記号は[K]で、絶対温度を<math>\ T</math> K と表した場合、ケルビン単位の絶対温度<math>\ T</math>[K]とセルシウス温度<math>\ t</math> ℃との関係は、 :<math>\ T = t +273</math> とする。 絶対温度を用いて、気体の膨張式が <math>V=V_0(1 + \frac{t}{273})=V_0 \frac{273+t}{273}=V_0 \frac{T}{273}</math> と書け、結論をまとめると、 :<math>V=V_0 \frac{T}{273}</math> となる。 変数どうしをまとめれば、 :<math>\frac{V}{T} = \frac{V_0}{273}</math> である。 なお、273Kが0℃となる。つまり、<math>\ T_0=273</math>Kとすれば、 :<math>\frac{V}{T} = \frac{V_0}{T_0}</math> となり、つまり、<math>\frac{V}{T} </math>は、大気圧のもとでは、定数であることがわかる。 この体積Vと温度Tの関係式は、なにも気体の圧力が大気圧でなくても成り立つことが、実験でも確認されて、分かっている。 定数を<math>\ k</math>とまとめれば、 :<math>\frac{V}{T} = k</math> を'''シャルルの法則'''という。 === ボイル・シャルルの法則 === ボイルの法則とシャルルの法則を、組み合わせることを考えてみよう。まずボイルの法則とは、圧力をpとして体積をVとすれば、'''ボイルの法則'''は、 :<math>pV=K_1</math>   K<sub>1</sub>は定数。 であった。 '''シャルルの法則'''とは、温度をTとすれば、 :<math>\frac{V}{T} = K_2</math>   K<sub>2</sub>は定数。 であった。(ここで、Tの単位は[K]である。) これら、二つの法則から、どうやら、 :<math>\frac{PV}{T}=K_3</math>   K<sub>3</sub>は定数。 という法則が、成り立ちそうな予感がしそうだろうと、読者は思うだろう。実際に、この法則は成り立つと、実験的に確認されている。 そこで、気体における法則の式、 :<math>\frac{PV}{T}=K_3</math>   K<sub>3</sub>は定数。 を、'''ボイル・シャルルの法則'''という。 このボイル・シャルルの法則は、気体が、「漏れ」などはしないかぎり、つまり容積の内部気体の物質が、一定量の場合に成り立つ。 == 気体の状態方程式 == ;モル 分子の数6.02×10<sup>23</sup>個を1モルと言う。モルの記号は'''mol'''である。もし、読者がモルについて知らなければ、化学Iを参照のこと。 ;アボガドロの法則 気体は、分子の種類によらず、温度0℃で圧力101kPaでは、分子量が1molあたり、体積22.4リットル(''l'')を取ることが、実験的に知られている。分子量が2molになれば、温度と圧力が同じなら、体積は2倍になるというふうに、体積は分子量に比例をする。 これを'''アボガドロの法則'''という。 なお、22.4''l''をメートル単位で表せば、2.24×10^-2[m<sup>3</sup>]である。(1000L = 1m<sup>3</sup> から導ける。) ;気体の状態方程式 そこで、アボガドロの法則をボイル・シャルルの法則と組み合わせることを考えよう。 圧力をp[Pa]、体積をV[m<sup>3</sup>]、分子量をn[mol]、温度をT[K]としよう。 まず、ボイル・シャルルの法則とは、 :<math>\frac{PV}{T}=K_3</math>   K<sub>3</sub>は定数。 という法則であった。 アボガドロの法則による、温度T一定かつ圧力P一定の条件下で、分子量nと体積Vが比例するということから、 :<math>\frac{PV}{T} = n R </math>   Rは定数。 と書ける。定数を、わざわざ '''R''' と書いたのは、この値は分子の種類によらず、一定だからである。また、Rは圧力にもよらず一定であり、温度や体積にもよらず一定である。つまり、Rは完全に定数である。この定数Rを'''普遍気体定数'''(universal gas constant)あるいは単に'''気体定数'''という。 この普遍気体定数Rの値は実験で求められ、測定結果は単位を [J/(mol・K)]で表した場合は : R = 8.31 [J/(mol・K)] である。 分母のTを移項すれば、 :<math>PV = nRT </math> と書ける。 この式 <math>PV = nRT </math> を'''気体の状態方程式'''という。 一般に、気体の圧力・体積・温度の関係を計算する場合は、ボイルの式やシャルルの式などから計算するのではなく、気体の状態方程式から、必要な計算式を導く。 === 状態方程式の変形 === ;モル濃度との関係で場合 なお、体積あたりのモル濃度をc[mol/m<sup>3</sup>]とすれば、 C=n/V なので :<math>P = cRT </math> とも書ける。 こう書くと、気体の圧力はモル濃度に比例するとも考えられる。 ;密度との関係で表した場合 また、気体の密度&rho;[kg/m<sup>3</sup>]は、分子1モルあたりの質量(これを'''分子量'''という。)をMとすれば<math>\rho = \frac{nM}{V} </math>となるので、この密度&rho;を用いて、状態方程式を表せば、 :<math>P = \frac{\rho}{M} RT </math> である。 == ランフォードの考察 == 今でこそ、熱はエネルギーの形態の一つであることが分かっている。しかし、昔の人類はそうでなかった。 ヨーロッパやアメリカでは、かつては力学的な仕事と熱とが別の量だと考えられていて、熱は「熱素」という架空の物質による現象だと思われていた時代があった。この熱素が熱や温度の原因であると考える仮説を熱素説という。 ランフォードという、1753年生まれのアメリカ人の科学者が、この熱素説に疑いを抱いた。彼は仕事柄、大砲の砲身の金属を削る実務に関わったことがあった。この金属を削る際の観察で、削るたびに金属から熱が発生することから、むしろ「削りの仕事こそが熱の発生原因であろう。熱素説は間違いだ。」と考え、熱素説を疑った。 彼は金属の削りくずの比熱を実験で調べ、それが削る前の比熱と変わらないという実験結果から、「もしも熱素の流出が熱の原因ならば、削り屑からは熱素が流出しているので、比熱が変わらないと、おかしい。実験によると、削り屑の比熱は、もとの金属の比熱と変わらない。だから熱素説は間違いだ。」と結論づけた。 イギリスの化学者ハンフリー・デービーも、このランフォードの意見に賛同し、デービーも1799年、2個の氷を摩擦すると熱が発生して溶解するという実験を行った。 == 仕事当量 == [[Image:Joule's Apparatus (Harper's Scan).png|300px|thumb|落下する“おもり”の位置エネルギーを利用して、水を攪拌して場合の"温度"を調べることで、温度と位置エネルギーの関係を調べるための、ジュールによる実験装置。]] ジュールが、水と温度を求めるため、右図のような羽根車で水をかき回す実験装置を用いて実験したところ、水の温度を1℃あげるには、位置エネルギーが4.19[J]ほど必要だということが分かった。 これは運動エネルギーや位置エネルギーといった力学的な仕事と、熱との関係を調べたので、'''4.19[J/cal]'''のことを'''熱の仕事等量'''という。 == 比熱 == 水の場合は、1K上昇させるのに1gあたり4.19Jの仕事が必要ということが分かっているが、他の物質では、この値は異なる。物体の温度を1K上昇させるのに必要なエネルギーは、物体ごとよって異なる。 そこで、次のような、新しい物性値が定義された。 :1gの物質を、温度を1Kだけ上昇させるのに、必要な熱量を、比熱という。比熱の単位はジュール毎グラムケルビン J/(g・K) である。 あるいは1kgあたりの熱量によって比熱を定義する場合もあり、この場合は単位は J/(kg・K) である。 式で表すと、物体に加えた熱量を<math>\ Q</math>[J]とし、その質量を<math>\ m</math>[g]とし、その物体の比熱を<math>\ c</math>[J/(g・K)]とし、その物体の温度上昇を<math>\ \Delta T</math>[K]とすれば、 :<math>\ Q=mc\Delta T</math> である。 比熱の大きいほど、温度が変化しづらい。比熱の大きほど、温まりにくく、冷めにくい。 == 熱容量 == ある物体を1K上昇させるのに必要な熱エネルギーを'''熱容量'''という。熱容量の単位は[J/K]である。(ジュール毎ケルビン)。 定義を数式で表せば、物体に加えた熱量を<math>\ Q</math>[J]とし、その物体の熱容量を<math>\ C</math>[J/K]とし、その物体の温度上昇を<math>\ \Delta T</math>[K]とすれば、 :<math>\ Q=C\Delta T</math> である。 ;比熱と熱容量の関係 比熱<math>\ c</math>[J/(g・K)]と熱容量<math>\ C</math>[J/K]の関係は、質量を<math>\ m</math>[kg]とすれば、 :<math>\ C=mc</math> である。 == 熱伝導 == 二つの固体の物体があったとして、その二物体は温度が異なるとしよう。高温の物体と、低温の物体とを接触させると、高温の物体から熱が低温の物体へ移動し、高温の物体は冷えて、低温の物体は温まる。 これは熱が、高温物体の側から、低温物体の側へと伝わったことになる。 この現象を'''熱伝導'''という。 == 熱の伝わり方 == 熱は、外部から手を加えなければ、自然と温度の高い所から、温度の低いところへと移動していく。 その結果、温度の高かった場所は、熱を手放していき、だんだんと温度は低くなる。逆に、周囲と比べて温度の低かった場所は、しだいに温度が高くなる。そして、いつしか、ふたつの箇所の温度は同じになる。このような熱の移動が無い状態を'''熱平衡'''という。 いっぽう、熱が、温度の低いところから、温度の高い所へと自然に移動することは無い。 さて、静止した物体での熱の伝わり方には、大きく分ければ、'''熱伝導'''と'''対流'''と'''熱放射'''の三つに分けられる。 === 対流 === [[File:ConvectionCells.svg|thumb|right|300px|上と下とで温度差のある流体での、対流の一例。下から入力された熱は、対流によって流体上部へと運ばれ、流体表面からの熱放出によって冷やされた後は流体下部へと潜る。]] 液体と気体とを総称して'''流体'''という場合がある。文字通り、液体や気体は流れる事ができるから、流体という。静止している場合でも、便宜上、流体という場合がある。特に流体が静止していることを、呼称で明示したい場合には、静止流体などと呼ぶ場合もある。 気体や液体などの流体の一部に温度差があり、その流体が運動をすると、熱を持った物体そのものが運動をするので、結果的に熱を運ぶことになる。このような場合は、熱伝達といい、熱伝達と熱伝導とは区別される。とくに、その運動する流体の、運動の発生源が温度差による密度変化による場合は、この流体の運動は循環運動をする場合が多い。なぜなら、暖められて密度が軽くることで浮力が発生し、そのため暖められた流体が上方に移動し、かわりに元から上部にあった冷たい流体が押しのけられ、押しのけられた冷たい物体は重力によって降りてくる。このように、温度差によって生じる流体の循環運動のことを'''対流'''という。 {{clear}} === 熱放射 === [[Image:Hot metalwork.jpg|250px|thumb|right|可視光の熱放射が、このような熱された金具で見ることができる。赤外線領域での放射は、人間の目と画像で撮影されたカメラには見えないが、赤外線カメラでは撮影できる。]] 絶対零度以外の温度を持つ、すべての物体は電磁波を放出している。常温で放射する電磁波は赤外線領域にあり、人間の目には見えない。高温になるほど、物体の放射電磁波の周波数が高くなり、可視領域へと入っていく。溶鉱炉などで、高温で溶けた金属が光るのは、この放射光によるものである。このような高温物体から電磁波がでることを'''熱放射、'''あるいは単に'''放射'''という。熱輻射と言う場合もある。 この放射電磁波によっても、エネルギーが高温側の物体から低温側の物体に輸送される。低温側からも放射電磁波が出るが、高温側の物体のほうが放射電磁波のエネルギーが大きいので、差し引きして、結局は、高温側から低温側へとエネルギーが移る。 == 内部エネルギー == 物体が静止していても、物質内の分子は熱運動をしていて、温度が高いほど、その運動が激しくなるのであった。そのため、静止している物体でも、温度による熱運動のエネルギーを持っている。また、静止している物体でも、その物体を構成する分子どうしが起こす分子間引力による位置エネルギーを持っている。 このような物体内部の運動エネルギーや位置エネルギーの総和を'''内部エネルギー'''という。記号はUで表す。温度が高いほど熱運動は激しくなるから、温度Tが高くなるにつれて内部エネルギーUも大きくなる。 === 熱力学第一法則 === 理想気体に、外から熱をあたえたとすると、気体の漏れなどが無ければ、与えた熱量Q[J]の分だけ内部エネルギーU[J]は増加する。 また、外から圧縮などをして力学的仕事W[J]を加えた場合も、その分だけ内部エネルギーは増加する。気体が外部に仕事W[J]をした場合は、その分だけ内部エネルギーU[J]が減る。 これらをまとめると、内部エネルギーU[J]の増加量を&Delta;U、外から加えた熱量をQ[J]として、外部との力学的仕事のやりとりをW[J]とした場合、 :<math>\Delta U =Q-W\Longleftrightarrow Q=\Delta U+W</math> となる。 (上式のWの符号は、気体が膨張して外部に力学的仕事をする場合は<math>W>0</math>、気体が外部から圧縮をされて力学的仕事をされる場合は<math>W<0</math>とする。) この式<math> \Delta U =Q-W </math>は、気体の漏れなどが無ければ、必ず成り立つ。この式を、'''熱力学第一法則'''という。 なお、この記事では、Wの符号の向きとして、気体が行った仕事を正の向きに取ったが、他書によっては気体にされた仕事を正の向きに取る場合もある。その場合、式のWの符号が逆になるので注意のこと。Wの符号をどちらに定義するにせよ、気体が圧縮などの仕事をされたら、内部エネルギーは増え、気体が膨張して外部に仕事をしたら内部エネルギーは減る。 === 断熱変化 === 外部との熱のやりとりがない状態で、気体の圧力・体積・温度などの状態を変化させることを'''断熱変化'''あるいは'''断熱過程'''という。断熱変化のとき、第一法則の式(&Delta;U=Q+W)は、Q=0なので、 :<math> \Delta U =W </math> である。 具体的に断熱変化と見なせる場合は、断熱性能の高い容器などに入れた気体で、特に熱源による加熱をせず、また冷却源による冷却などもしない場合は、気体の状態変化は断熱変化と見なして良い。また、断熱性能が通常の容器でも、特に熱源による加熱をせず、また冷却源による冷却などもしない場合なら、熱が伝わるにはある程度の時間が掛かるので、短時間的には断熱変化と近似しても良い場合もある。 === 定積変化 === [[File:Isochoric process.png|thumb|right|240px|定積変化]] 体積を変えずに温度や圧力を変化させることを'''定積変化'''という。他の呼びかたでは、「等積変化」や「等容変化」や「定容変化」という場合もある。物理では定積変化という呼び方が一般に用いられるので、本記事でも、その呼び方に合わせる。 体積が変わらないので、仕事Wは W=0 である。 :<math> \Delta U =Q </math> {{clear}} === 等温変化 === [[File: Isothermal_process.png|thumb|right|240px|等温変化。<br>黄色の面積が系が外部にする仕事になる。]] 気体が状態変化をするとき、温度が一定のまま、状態変化をすることを等温変化という。外部とは熱のやりとりが必要である。なぜならば、もし熱のやりとりが無いと、気体が膨張して外部に仕事をした場合は、仕事をした分だけ内部エネルギーが減ってしまい温度変化をしてしまう。だから、等温変化には外部との熱のやりとりが必要である。理想気体の場合は、 :<math>PV =</math>'''一定''' である。 {{clear}} === 定圧変化 === [[File:Isobaric process.png|thumb|right|240px|定圧変化。<br>図の黄色の面積がW=PΔVとなる。]] 気体の圧力が一定のまま、体積や温度などの状態が状態変化をすることを'''定圧変化'''という。等圧変化ともいう。呼び方は、本記事では、なるべく「定圧変化」を用いるとする。 このとき、気体が行った力学的仕事Wと体積Vの関係は、 :<math> W=P \Delta V </math> である。 == 熱膨張率 == 物体は温度が上昇すると体積が膨張する。これを'''熱膨張'''('''熱膨脹'''、ねつぼうちょう、thermal expantion)という。温度が1[℃](あるいは1[K])上昇するに連れて体積の増加する割合を'''体膨張率'''(たいぼうちょうりつ、coefficient of cubical expansion)という。 いっぽう、長さが、温度の1℃増加あたりに、長さの膨張する割合を、'''線膨張率'''(せんぼうちょうりつ、coefficient of linear expantion)という。 金属は熱伝導率が高い。中でも銀Agが最も高く、Cu、Au、Al、などがこれに次いでいる。 線膨張率はプラスチックが最も高い。 線膨張率を&alpha;として、長さをL、加熱後の長さの変化量を&Delta;L、加熱後の温度上昇を&Delta;Tとすると、定義より <math>\frac{\Delta L}{L}=\alpha\Delta T</math> の関係式が成り立つ。 あるいは、以下のように記述することもできる。 :<math>L_t = L_0 (1 + \alpha t)</math> :<math>V_t = V_0 (1 + \beta t)</math> 膨張量(あるいは温度変化の区間)が小さい場合の近似式として、線膨張率&alpha;と体積膨張率&beta;との間に、以下の近似式が知られている。 <math>\beta=3\alpha</math> * 導出 導出は、物体の体積をV、その変化量を&Delta;Vとすると、 <math>V+\Delta V=\left(L+\Delta L\right)^3</math> および <math>V=L^3</math> の関係より、 <math>1+\frac{\Delta V}{V}=\left(1+\frac{\Delta L}{L}\right)^3</math> さらに、近似式 <math>\left(1+\frac{\Delta L}{L}\right)^3=1+3\frac{\Delta L}{L}</math> により、 <math>1+\frac{\Delta V}{V}=1+3\frac{\Delta L}{L}</math> 両辺から1を引き、この問題設定では体積膨張率&beta;が、 <math>\beta=\frac{\Delta V}{V}</math> であり、線膨張率&alpha;が <math>\alpha=\frac{\Delta L}{L}</math> なので、結局は <math>\beta=3\alpha</math> となる。(以上、導出。) [[カテゴリ:物理学]] dgn9ui2grb8ulz5il9vddlws1kxe9nq 高等学校世界史B/南北アメリカの発展 0 23980 304223 223077 2026-10-01T15:55:56Z Frognall 92682 /* 南北戦争の経緯と結果 */ ±title page image of Uncle Tom's Cabin from a first edition's better copy 304223 wikitext text/x-wiki アメリカ合衆国が独立した時期は、フランス革命よりも前である。(むしろ、フランス革命の側が、アメリカ合衆国を参考にした可能性があるくらいだ。) == アメリカ合衆国の領土拡大 == 合衆国3代大統領'''ジェファーソンの'''ころ、フランスでは皇帝ナポレオンが支配していた。ジェファーソンひきいるアメリカ合衆国は、ルイジアナを(ナポレオンひきいる)フランスから買収した。 アメリカはナポレオン戦争では中立を守っていたが、イギリスが海上封鎖を行って通商を妨害したので、1812年に'''米英戦争'''が起きた。 その後1819年にはスペインからフロリダを買収した。 1820年代にアメリカ合衆国 第5代大統領'''モンロー'''は、そのころラテンアメリカで独立運動が盛んだったが、欧州各国に対して(アメリカの問題に干渉しないように呼びかけ、アメリカも欧州になるべく干渉しないという)相互不干渉の方針の'''モンロー主義'''を主張し、以降のアメリカ外交でもモンロー主義がアメリカ外交方針での手本となった。 そしてアメリカは領土拡大の方針を国家方針とし、方針として北アメリカ大陸の西部への領土拡大を目指していったので、メキシコと対立した。 アメリカは1845年にテキサスを併合したが、メキシコがこれに反発し、1845年に'''アメリカ=メキシコ戦争'''が起き、3年ほど戦争はつづき、この戦争に1848年にアメリカが勝利して、アメリカはさらにメキシコから領土としてカリフォルニアを獲得した。 同1848年、このカリフォルニアで金鉱が発見されたので、世界中から金鉱を掘り当てようとした者達が集まった(ゴールドラッシュ )。 このような領土拡大の実態は、アメリカでは、神から与えられた使命であるとして「明白な使命」(マニフェスト ディスティニー)であるとして正当化された。 ※ アメリカでは、西部への領土拡大は「フロンティア」への「開拓」などと言われたが、実際には先住民から土地を奪うものであった。 1828年に大統領になっジャクソンは、男子普通選挙を導入するなどの改革を行い、ジャクソン=デモクラシーと言われたが、黒人奴隷の問題は放置された。また、先住民は'''強制移住法'''によって、従来の土地をうばわれた。 == 南北戦争 == === 真相 === 中学校では、「南北戦争の原因について、農業中心で奴隷制維持の南部と、工業中心の北部とが、国家の方針をめぐって対立したから」的にならうが、これは、やや不正確。 より正しくは、以下のとおり。 じつは、南部は分離独立しようとしていた。南部は上述のように北部と政策が対立していたので、独立しようとしていたのである。しかし、北部が南部の独立を認めず、戦争になった。(※ 参考文献: 中経出版『改訂版 センター試験 世界史Bの点数が面白いほどとれる本』、茂木誠、2014年8月24日、320ページ。 ) これが南北戦争の真因である。 === 南北戦争の経緯と結果 === [[File:Abraham Lincoln head on shoulders photo portrait.jpg|thumb|150px|リンカン。第16代大統領。ゲティスバーグでの演説「人民の人民による人民のための政治」(government of the people by the people for the people)が有名。1865年に暗殺された。]] 1860年に大統領に就任した'''リンカン'''が、奴隷制の拡大反対の政策を主張した(奴隷制そのものに反対したのでなく、奴隷制拡大に反対しただけの穏健派)。それに南部は反発し、1861年には分離独立しようとして'''アメリカ連合国'''(Confederate States of America)を結成し、しかし北部は南部の独立を認めず、そして同1861年に北アメリカで'''南北戦争'''が始まった。 ※ もともと、南部の国家主権を認めるかどうかの問題であるが、しかし北部は奴隷解放宣言(1863年)を発表するなどして、この問題を人権問題に変えていった。 このように、歴史には、いろんな視点がある。視点によっては、奴隷解放を口実として、北部は南部に介入し、南部の国家主権を侵害した、という視点もある。 北部には厳しい視点かもしれないが、しかし後の帝国主義〜第二次大戦後の冷戦の時代に、ソビエト連邦や中華人民共和国などが、人民の「解放」などを口実に、諸外国を侵略していく。このように、「人権」は侵略の口実に使われることもある。日本も例外ではなく、大日本帝国の時代には、満州事変のさいに、「民族の共和」など満州人の権利保護を口実に主張していた。 [[File:Harriet Beecher Stowe, Uncle Tom's Cabin, vol. 1, 1852, title page.jpg|thumb|ストウ『アンクル=トムの小屋』<br>南北戦争開戦後にリンカンはストウに出会い、彼女が小柄な女性であることにおどろき、「とても小さな女性が、大きな戦争(南北戦争)を引き起こしたのですね」と言ったほどに、彼女はアメリカ社会に大きな影響を与えた。]] 1863年、北部のリンカンは、南部で奴隷反乱が起きることを期待して、'''奴隷解放宣言'''を出した。そして同1863年、北軍は'''ゲティスバーグの戦い'''で南軍に勝利したことで、戦争を有利にすすめた。1865年に南軍は降伏し、合衆国は統一された。 合衆国が統一されると、黒人にも投票権が与えられた。だが南部では公共施設が人種によって区別されるなど、差別が残った。また、事実上の差別団体であるクー=クラックス=クランという白人至上主義団体が結成された時期も、この1865年の頃である。 なお、人道主義者の女性作家ストウが『アンクル=トムの小屋』を発表して奴隷制を批判したのは1852年であり、南北戦争よりも少し前の時代であり、リンカンの大統領就任前である。 :※ つまり、時代順にいうと、ストウの作品が影響になって奴隷解放の世論が高まり、のちのリンカンの大統領当選に影響し、のちの南北戦争における奴隷解放宣言に影響したのである。 また、黒人奴隷解放の政策には土地の提供は含まれておらず、解放された黒人の仕事は土地をもたないため、小作人などにならざるをえず(南北戦争後のこのようなアメリカ黒人の小作人は「'''シェアクロッパー'''」(share cropper)といわれた)、黒人は貧しいままだった。 == 外交 == 1854年、江戸時代の日本にペリーが来航して日米和親条約が結ばれた。(南北戦争よりも前の時代である。その頃は、まだリンカンは大統領ではない。) ペリーの日本来航は、時期的にはカリフォルニアの併合後であるが、べつにペリーの船団はカリフォルニアの西海岸を出発したのではなく、インド方面から日本に来航したのである。 また、1867年にアメリカは、ロシアから'''アラスカ'''を買収した。 == 西部開拓 == 南北戦争中の1862年に、北部は農家の支持をあつめるため、西部の国有地に5年間定住して開拓した者に一定の土地を無償で提供する'''ホームステッド法'''を(1862年に)出した。 1869年には最初の'''大陸横断鉄道'''が完成した。 [[カテゴリ:アメリカ合衆国の歴史]] ngm1e9y4r6y4mjhpp40c6nqxwlno9b7 解析学基礎/ベクトル解析 0 45683 304224 304175 2026-10-02T00:59:29Z ~2026-51282-49 92621 /* 曲面 */ 304224 wikitext text/x-wiki {{Pathnav|数学|解析学|解析学基礎|frame=1}} {{wikipedia|ベクトル解析}} ここでは、ベクトル解析について解説する。[[物理数学I ベクトル解析]]も参照。 ==前提知識== ここでは、実数のみで考える。 ===ベクトル=== [[高等学校数学C/ベクトル]]、[[線型代数学/ベクトル]]、[[解析学基礎/ベクトル]]などを参照。本項では、矢印を付した表記(<math>\vec{a}</math>など)と太字斜体による表記(<math>\boldsymbol{x}</math>など)を混用する。 ===行列=== [[高等学校数学C/数学的な表現の工夫]]及び[[線形代数学]]・[[線型代数学続論]]の各ページを参照。本項では大文字の太字立体(<math>\mathbf{A}</math>など)で表記する。 ===多変数解析=== [[解析学基礎/多変数関数の微積分]]を参照。 ===領域=== <math>D\subset\mathbb{R}^n</math>と点<math>\boldsymbol{a}\in D</math>(位置ベクトル表記なので太文字斜体)に対し、集合<math>B_\varepsilon(\boldsymbol{a}) := \{ \boldsymbol{x} \in D \mid \| \boldsymbol{x} - \boldsymbol{a} \|<\varepsilon \}</math>を点<math>\boldsymbol{a}</math>の'''<math>\varepsilon</math>-開球'''という。不等号を<math>\leqq</math>に変えたときは開区間↔閉区間と同様に'''閉球'''と呼ぶ。このとき、<math>D</math>のように<math>\mathbb{R}^n</math>の部分集合であって<math>\varepsilon</math>-開球を含むものを点<math>\boldsymbol{a}</math>の'''<math>\varepsilon</math>-開近傍'''と呼ぶ。閉球を含むときは同様に'''閉近傍'''と呼ぶ。 <math>\forall \boldsymbol{a} \in U, \exist \varepsilon>0, B_\varepsilon(\boldsymbol{a})\subset U</math>を満たす<math>U\subset\mathbb{R}^n</math>を'''開集合'''と呼び、<math>V=\mathbb{R}^n\setminus U</math>を'''閉集合'''と呼ぶ。 注意点として、開集合と閉集合は排反ではない。則ち「開集合且つ閉集合」である集合が存在し(例えば<math>\mathbb{R}, \varnothing</math>)、「開集合でも閉集合でもない」集合も存在する(例えば<math>[0, 1)</math>)。 <math>M\subset\mathbb{R}^n</math>を含む最小の閉集合を<math>M</math>の'''閉包'''と呼び、<math>M^-, \bar{M}, \mathrm{Cl}(M)</math>などと表す。例えば有理数の稠密性より<math>\mathbb{Q}^-=\mathbb{R}</math>である。 閉包の性質として「閉包=集合の内部と境界の和集合(<math>M^- = \mathrm{Int}(M) \cup \partial{M}</math>)」がある。 集合<math>S\subset\mathbb{R}^n</math>に対して以下を満たす<math>\mathbb{R}^n</math>上開集合の組<math>(G_1, G_2)</math>が'''とれない'''とき、 #<math>G_1 \cap S = \varnothing \land G_2 \cap S = \varnothing</math> #<math>S = (G_1 \cap S) \sqcup (G_2 \cap S)</math> 「<math>S</math>は'''連結'''である」または「<math>S</math>は'''連結集合'''」という(但し、<math>\sqcup</math>は[[w:非交和|非交和]])。 空でない開連結集合を'''領域'''という。 実は、高校数学や1年次の解析学で扱ってきた「領域」はこの定義を満たしていないことが多かった。これは、「領域」の歴史的な用法では「条件の解集合」という意味であって開性や連結性を要求しなかったためである。しかし、本項を含めた以降に登場する数学ではこの定義を満たしていることが前提条件となる。なお、ややこしいことに「積分領域」は従来通り「その上で積分を行う集合」という緩い意味で使われることが多いので、区別が必要である。 ===右手系=== 三次元空間の正規直交基底を<math>(\boldsymbol{e}_1, \boldsymbol{e}_2, \boldsymbol{e}_3)</math>と置く。螺子を<math>\boldsymbol{e}_1\to\boldsymbol{e}_2</math>の向きに回すと<math>\boldsymbol{e}_3</math>の正方向に進むように3つの軸をとった系を'''右手系'''という。負方向に進むようにとったものを'''左手系'''という。数学・物理に限らず理数系の約束事として、'''三次元空間は必ず右手系で考える'''という暗黙の了解が存在するので覚えておこう。 右手系・左手系は基底の一部または全ての符号を反転することで変換することができる。一つだけを反転する場合は'''鏡像変換'''、二つだけを反転する場合は'''半回転'''、全てを反転する場合は'''空間反転'''と呼ぶ。 外積の結果として得るベクトルは右手系・左手系のどちらを考えるかで向きが変わる。このように、右手系↔左手系の変換で向きが変わるベクトルを'''軸性ベクトル'''という。 系の取り方で向きが変わるということは基底の係数である'''成分は不変量'''である。つまり、観測者の動きにベクトルが追従し、このベクトルは「物理的な実体を有しているのではなく計算の都合上向きが定められた便宜的な(=観測者が勝手に決めた)ベクトル」ということである。そのため、軸性ベクトルは'''擬ベクトル'''(シュードベクトル)とも呼ばれる。 位置や速度、加速度のような右手系・左手系のどちらを考えても同じ向きを向くベクトルを'''極性ベクトル'''という。座標系を取り換えても向きが維持されるため'''成分は座標変換に応じて変化する'''。これは、「観測の仕方によって起こる現象は変わらない」ということである。つまり擬ベクトルに対し、極性ベクトルは'''物理的実体を有するベクトル'''である。 偶奇と同じように軸性・極性にも外積を通じた相互関係が存在する。 :(軸性)×(軸性)=(軸性) :(軸性)×(極性)=(極性) :(極性)×(極性)=(軸性) ==基礎事項== ===ベクトル関数=== 関数<math>\boldsymbol{f} (x) = \sum_{i} f_i(x) \boldsymbol{e}_i</math>を'''ベクトル(値)関数'''(vector-valued function, vector function)という。 ただし、各<math>\boldsymbol{e}_i</math>は各座標軸方向の単位ベクトルであり、<math>\boldsymbol{f}(x)</math>の定義域は各<math>f_i(x)</math>の定義域の積集合である。 ベクトルの演算が成分ごとの演算結果を並べたベクトルで定義されたように、ベクトル関数の演算は(結果となる値が存在するならば)各成分の演算結果を並べたベクトルに等しい。これはベクトルの線型性による。 例えば、<math>\boldsymbol{f}(x) = \begin{pmatrix} \cos x \\ \sin x \end{pmatrix}</math>の<math>x\to0</math>の極限は、 :<math>\lim_{x\to0} \boldsymbol{f}(x) = \begin{pmatrix} \lim_{x\to0} \cos x \\ \lim_{x\to0} \sin x \end{pmatrix}</math> (<math>\because</math>線型性) :<math>=\begin{pmatrix} 1 \\ 0 \end{pmatrix}</math> :<math>=\boldsymbol{e}_x</math> と求まる。 このとき、<math>\boldsymbol{e}_x</math>を<math>\begin{pmatrix} \cos x \\ \sin x \end{pmatrix}</math>の<math>x\to0</math>に於ける'''極限ベクトル'''という。 <math>\boldsymbol{f}(x)</math>が<math>x=\alpha</math>で連続であるとは<math>\lim_{x\to\alpha}\boldsymbol{f}(x)=\boldsymbol{f}(\alpha)</math>が成立することであり、区間<math>I</math>で連続であるとは<math>\forall \alpha \in I</math>で連続であることである。 また、ベクトル関数の導関数<math>\boldsymbol{f}'(x)</math>は :<math>\frac{d}{dx} \boldsymbol{f} (x) = \frac{d}{dx} \left( \sum_i f_i(x) \boldsymbol{e}_i \right)</math> :<math>= \sum_i \left( \frac{d}{dx} f_i (x) \boldsymbol{e}_i \right)</math>(<math>\because</math>線型性) :<math>= \begin{pmatrix} f'_1(x) \\ f'_2(x) \\ \vdots \\ f'_i(x) \\ \vdots \end{pmatrix}</math> である。 この結果は、ベクトル関数に於ける導関数の正式な定義 <math>\lim_{h\to0} \frac{\boldsymbol{f}(x+h) - \boldsymbol{f}(x)}{h}</math>からも導かれる。 <math>\boldsymbol{f}(x)</math>が<math>x=\alpha</math>で微分可能であるとは極限値<math>\boldsymbol{f}'(\alpha)=\lim_{x\to\alpha}\frac{\boldsymbol{f}(x)-\boldsymbol{f}(\alpha)}{x-\alpha}</math>が存在することであり、区間<math>I</math>で微分可能であるとは<math>\forall \alpha \in I</math>で微分可能であることである。 高階導関数・高階微分可能も同様にして定義される。 <math>\boldsymbol{f}(x)</math>が区間<math>I</math>で連続ならば<math>\boldsymbol{f}(x)</math>は<math>I</math>上で<math>C^0</math>級であるといい、<math>\boldsymbol{f}\in C^0(I)</math>と書く。<math>\boldsymbol{f}(x)</math>が<math>I</math>で微分可能で<math>\boldsymbol{f}'(x)\in C^0(I)</math>ならば<math>\boldsymbol{f}(x)</math>は<math>I</math>上で<math>C^1</math>級である(一階連続微分可能)といい、<math>\boldsymbol{f}\in C^1(I)</math>と書く。<math>\boldsymbol{f}(x)</math>が<math>I</math>で二階微分可能で<math>\boldsymbol{f}'\in C^1(I)</math>ならば<math>\boldsymbol{f}(x)</math>は<math>I</math>上で<math>C^2</math>級である(二階連続微分可能)といい、<math>\boldsymbol{f}\in C^2(I)</math>と書く。同様にして順々に<math>C^k</math>級が定義され、<math>\forall k \in \mathbb{N}, \boldsymbol{f}\in C^k(I)</math>ならば<math>\boldsymbol{f}(x)</math>は<math>I</math>で<math>C^\infty</math>級(無限階連続微分可能)であるといい、<math>\boldsymbol{f}\in C^\infty(I)</math>と書く。<math>C^\infty</math>級である関数を'''滑らかな'''関数ともいう。 高校数学や高校物理で扱った平面(<math>\mathbb{R}^2</math>)上の運動は、実は2項ベクトル関数の理論に他ならない。 例えば、平面上の運動に於ける加速度・速度・変位の関係は<math>\boldsymbol{x}(t)= \begin{pmatrix} f(t) \\ g(t) \end{pmatrix}</math>として<math>\boldsymbol{a}(t) = \frac{d}{dt}\boldsymbol{v}(t) = \frac{d^2}{dt^2} \boldsymbol{x}(t)</math>と表すことができる。 曲線の媒介変数表示は、パラメータを変数とするベクトル関数とみることができる。 例えば、円の媒介変数表示<math>\begin{cases} x=r\cos\theta \\ y=r\sin\theta \end{cases}</math>は、<math>\boldsymbol{r}(\theta) = r\begin{pmatrix} \cos\theta \\ \sin\theta \end{pmatrix}</math>という2次元ベクトル関数とみることができる。更に<math>\theta=\omega t</math>とすると、これは等速円運動の式である。 1変数ベクトル関数の微分に関して、以下の公式が成り立つ。 #定数倍の導関数:<math>\{k\boldsymbol{a}(x)\}'=k\boldsymbol{a}'(x)</math> #和・差の導関数:<math>\{ \boldsymbol{a}(x)\pm\boldsymbol{b}(x) \}' = \boldsymbol{a}'(x)\pm\boldsymbol{b}'(x)</math> #積の導関数:<math>\{ f(x)\boldsymbol{a}(x) \}' = f'(x)\boldsymbol{a}(x)+f(x)\boldsymbol{a}'(x)</math> #商の導関数:<math>\left\{ \frac{\boldsymbol{a}(x)}{f(x)} \right\}' = \frac{f(x)\boldsymbol{a}'(x)-f'(x)\boldsymbol{a}(x)}{\{f(x)\}^2} \quad (f(x)\neq0)</math> #内積の導関数:<math>\{\boldsymbol{a}(x)\cdot\boldsymbol{b}(x)\}' = \boldsymbol{a}'(x)\cdot\boldsymbol{b}(x)+\boldsymbol{a}(x)\cdot\boldsymbol{b}'(x)</math> #外積の導関数:<math>\{\boldsymbol{a}(x)\times\boldsymbol{b}(x)\}' = \boldsymbol{a}'(x)\times\boldsymbol{b}(x)+\boldsymbol{a}(x)\times\boldsymbol{b}'(x)</math> #スカラー三重積の導関数:<math>[\boldsymbol{a}(x)\cdot\{\boldsymbol{b}(x)\times\boldsymbol{c}(x)\}]' = \boldsymbol{a}'(x)\cdot\{\boldsymbol{b}(x)\times\boldsymbol{c}(x)\}+\boldsymbol{a}(x)\cdot\{\boldsymbol{b}'(x)\times\boldsymbol{c}(x)\}+\boldsymbol{a}(x)\cdot\{\boldsymbol{b}(x)\times\boldsymbol{c}'(x)\}</math> #ベクトル三重積の導関数:<math>[\boldsymbol{a}(x)\times\{\boldsymbol{b}(x)\times\boldsymbol{c}(x)\}]' = \boldsymbol{a}'(x)\times\{\boldsymbol{b}(x)\times\boldsymbol{c}(x)\}+\boldsymbol{a}(x)\times\{\boldsymbol{b}'(x)\times\boldsymbol{c}(x)\}+\boldsymbol{a}(x)\times\{\boldsymbol{b}(x)\times\boldsymbol{c}'(x)\}</math> #連鎖律(チェイン・ルール):<math>[\boldsymbol{a}\{f(x)\}]'=\boldsymbol{a}'\{f(x)\}f'(x)</math> ベクトル関数の'''ノルム'''(大きさ、長さ)は、通常のベクトルと同様に :<math>\| \boldsymbol{f}(x) \| = \sqrt{\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}(x)} = \sqrt{\sum_{i} \{f_i (x)\}^2}</math> で与えられる。 つまり、ノルムは元のベクトル関数と同一変数のスカラー関数である。 ここで、このスカラー関数が定数関数である条件に就て見てみよう。 :<math>\| \boldsymbol{f}(x) \|= c \quad (c\in\mathbb{R}_{>0})</math>の両辺を2乗して :<math>\| \boldsymbol{f}(x) \|^2 = \boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}(x) = c^2</math> :両辺微分すると内積の微分より :<math>\{\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}(x)\}'=\boldsymbol{f}'(x)\cdot\boldsymbol{f}(x)+\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}'(x)=2\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}'(x)=0</math> :<math>\therefore \boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}'(x)=0</math> :逆に、 :<math>\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}'(x)=0 \iff 2\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}'(x)=\boldsymbol{f}'(x)\cdot\boldsymbol{f}(x)+\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}'(x)=\{\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}(x)\}'=0</math> :<math>\int \{\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}(x)\}'dx= \int 0 dx</math> :<math>\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}(x)=C_1</math>(<math>C_1\geq0</math>は積分定数) :<math>\| \boldsymbol{f}(x) \|^2=C_1</math>より :<math>\| \boldsymbol{f}(x) \| = \sqrt{C_1} = \mathrm{const}.</math> よって、以下が成り立つ。 {{定理|(直交条件の定理)}} :<math>\| \boldsymbol{f}(x) \|= \mathrm{const}. \iff \boldsymbol{f}(x) \cdot \boldsymbol{f}'(x) = 0</math> {{定理終わり}} これは、物理的には「位置ベクトルと速度ベクトルが直交する」ことを表す。則ち、<math>\boldsymbol{f}(x)</math>の終点が始点を中心とする円運動(球面運動)をするということである。 また、ベクトル関数が変数に依らず常に同一方向を向く条件も見てみよう(但し<math>\boldsymbol{f}(x)\neq\boldsymbol{0}</math>)。 :所与の条件は零ベクトルでない定ベクトル<math>\boldsymbol{c}</math>を用いて<math>\boldsymbol{f}(x) = f(x)\boldsymbol{c}</math>と表される。 :両辺微分して<math>\boldsymbol{f}'(x)=\{f(x)\boldsymbol{c}\}=f'(x)\boldsymbol{c}</math> :ここで元のベクトル関数との外積をとると :<math>\boldsymbol{f}(x)\times\boldsymbol{f}'(x)=\{f(x)\boldsymbol{c}\}\times\{f'(x)\boldsymbol{c}\}=f(x)f'(x) (\boldsymbol{c}\times\boldsymbol{c})=f(x)f'(x)\boldsymbol{0}=\boldsymbol{0}</math> :逆に、 :<math>\boldsymbol{f}(x)\times\boldsymbol{f}'(x)=\boldsymbol{0}</math>とすると一次従属なので :<math>\boldsymbol{f}'(x)=g(x)\boldsymbol{f}(x)</math>という微分方程式が成り立つ。 :各成分ごとに微分方程式を解くと、 ::これは変数分離型微分方程式なので第i成分は ::<math>\frac{df_i}{dx}=g(x)f_i(x)</math> ::<math>\int \frac{df_i}{f_i(x)}=\int g(x)dx</math> ::<math>G'(x)=g(x), C_i</math>を積分定数として<math>\log|f_i(x)|=G(x)+C_i</math> ::<math>C_i=\pm e^{C_i}</math>と改めておくと<math>f_i(x)=C_i e^{G(x)}</math> :よって :<math>\boldsymbol{f}(x)=\sum_i f_i(x) \boldsymbol{e}_i = \sum_i C_i e^{G(x)} \boldsymbol{e}_i = e^{G(x)} \sum_i C_i \boldsymbol{e}_i</math> :ここで<math>f(x)=e^{G(x)}, \boldsymbol{c}=\sum_i C_i \boldsymbol{e}_i</math>と置くと :<math>\boldsymbol{f}(x) = f(x) \boldsymbol{c}</math>となり、方向は変数に依らず一定であることが判る// よって、以下が成り立つ。 {{定理|(平行条件の定理)}} <math>\boldsymbol{c},\boldsymbol{f}(x)\neq\boldsymbol{0}</math>として :<math>\boldsymbol{f}(x)=f(x)\boldsymbol{c} \iff \boldsymbol{f}(x) \times \boldsymbol{f}'(x) = \boldsymbol{0}</math> {{定理終わり}} ベクトル解析では三次元空間の場合を考えることが多いため上では外積を用いて証明したが、外積は3項ベクトル(または7項ベクトル)にしか定義されないのであった。 一般次元では外積に代わって次の関係式を用いる。 :<math>|\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}'(x)|=\|\boldsymbol{f}(x)\|\|\boldsymbol{f}'(x)\|</math> これはCS不等式の等号成立の場合である。 実際、<math>\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}'(x)=\|\boldsymbol{f}(x)\|\|\boldsymbol{f}'(x)\|\cos\{\theta(x)\}</math>より等号成立の必要十分条件は :<math>\cos\{\theta(x)\}=\pm1\iff\theta(x) \equiv 0 \,(\mathrm{mod}\pi)</math> であり、2ベクトル<math>\boldsymbol{f}(x), \boldsymbol{f}'(x)</math>は平行とわかる。<br/> 平行ということは一次従属ということなので先程のように変数分離形微分方程式を解くことで3次元と同じ結果を得る。// 補足として、力学への応用を考える。 :速さの二乗<math>\|\boldsymbol{v}(t)\|^2</math>を時間微分すると :<math>\frac{d}{dt}\|\boldsymbol{v}(t)\|^2=\frac{d}{dt}(\boldsymbol{v}(t)\cdot\boldsymbol{v}(t))=\frac{d\boldsymbol{v}(t)}{dt}\cdot\boldsymbol{v}(t)+\boldsymbol{v}(t)\cdot\frac{d\boldsymbol{v}(t)}{dt}=2(\boldsymbol{v}(t)\cdot\boldsymbol{a}(t))</math> :よって等速運動の条件<math>\|\boldsymbol{v}(t)\|=\mathrm{const}.</math>は直交条件の定理から<math>\boldsymbol{v}(t)\perp\boldsymbol{a}(t)</math>に同値である。 :これを力学的に解釈すると、「加速度ベクトルは速度ベクトル方向に仕事をしないから速度ベクトルの大きさを変えずに向きだけを変える」となる。 :平面上で等速円運動を考えると円運動条件から<math>\boldsymbol{r}(t)\perp\boldsymbol{v}(t)</math>、等速条件から<math>\boldsymbol{v}(t)\perp\boldsymbol{a}(t)</math>なので<math>\boldsymbol{r}(t) /\!/ \boldsymbol{a}(t)</math>が出てくる。 :円運動条件<math>\|\boldsymbol{r}(t)\|^2=r^2</math>を一階微分すると ::<math>2\boldsymbol{r}(t)\cdot\boldsymbol{r}'(t)=0</math> :もう一度微分して ::<math>2(\boldsymbol{r}(t)\cdot\boldsymbol{r}''(t)+\boldsymbol{r}'(t)\cdot\boldsymbol{r}'(t))=0</math> :則ち ::<math>\boldsymbol{r}(t)\cdot\boldsymbol{a}(t)+\boldsymbol{v}(t)\cdot\boldsymbol{v}(t)=0</math> :位置ベクトルと加速度ベクトルが一次従属なので<math>\boldsymbol{a}(t)=\lambda\boldsymbol{r}(t)</math>であり、等速条件より<math>\|\boldsymbol{v}(t)\|=v</math>なので ::<math>\lambda r^2 + v^2 = 0</math> ::<math>\therefore \lambda = -\frac{v^2}{r^2}<0</math> :則ち<math>\boldsymbol{r}(t)</math>と<math>\boldsymbol{a}(t)</math>は逆向きであり、円運動の中心は<math>\boldsymbol{r}(t)</math>の始点なので<math>\boldsymbol{a}(t)</math>は常に円運動の中心を向く'''向心加速度'''であることが証明された。// なお、3次元以上では「<math>\boldsymbol{a}\perp\boldsymbol{b}\land\boldsymbol{b}\perp\boldsymbol{c}\implies\boldsymbol{a}/\!/\boldsymbol{c}</math>」が一般には成り立たないのでこの議論を成立させるには追加の条件が必要である。 <math>\boldsymbol{f}(x)</math>の不定積分は、各<math>f_i(x)</math>の原始関数を並べたベクトルを<math>\boldsymbol{F}(x)</math>として :<math>\int \boldsymbol{f}(x) dx = \boldsymbol{F}(x)+\boldsymbol{C}</math>(<math>\boldsymbol{C}</math>は各積分定数を並べたベクトル) と表される。 また、定積分は :<math>\int^b_a \boldsymbol{f}(x) dx=\boldsymbol{F}(b)-\boldsymbol{F}(a)</math> と表される。 1変数ベクトル関数の積分について、以下が成り立つ(不定積分表記だが定積分に就ても同様)。 #定数倍の原始関数:<math>\int \{k\boldsymbol{a}(x)\} dx = k\int\boldsymbol{a}(x)dx</math> #和・差の原始関数:<math>\int \{\boldsymbol{a}(x)\pm\boldsymbol{b}(x)\}dx=\int\boldsymbol{a}(x)dx\pm\int\boldsymbol{b}(x)dx</math> #内積の原始関数<math>\int \{\boldsymbol{k}\cdot\boldsymbol{a}(x)\}dx=\boldsymbol{k} \cdot \left( \int \boldsymbol{a}(x) dx \right)</math> #外積の原始関数<math>\int \{\boldsymbol{k}\times\boldsymbol{a}(x)\}dx=\boldsymbol{k} \times \left( \int \boldsymbol{a}(x) dx \right)</math> #スカラー倍の部分積分:<math>\int f(x)\boldsymbol{a}'(x)dx= f(x)\boldsymbol{a}(x)-\int f'(x)\boldsymbol{a}(x) dx \iff \int f'(x)\boldsymbol{a}(x)dx= f(x)\boldsymbol{a}(x)-\int f(x)\boldsymbol{a}'(x) dx</math> #内積の部分積分:<math>\int \{ \boldsymbol{a}(x)\cdot\boldsymbol{b}'(x) \}dx = \boldsymbol{a}(x)\cdot\boldsymbol{b}(x) - \int \{\boldsymbol{a}'(x)\cdot\boldsymbol{b}(x)\}dx</math> #外積の部分積分:<math>\int \{ \boldsymbol{a}(x)\times\boldsymbol{b}'(x) \}dx = \boldsymbol{a}(x)\times\boldsymbol{b}(x) - \int \{\boldsymbol{a}'(x)\times\boldsymbol{b}(x)\}dx</math> #置換積分:<math>u=f(x)</math>として<math>\int \boldsymbol{a}'\{f(x)\}f'(x) dx = \int \boldsymbol{a}(u)du</math> 平行条件の定理の証明でベクトル関数の微分方程式を解いたように、成分毎に考えることで解空間ベクトルを求められる。 :1階線型常微分方程式<math>\boldsymbol{f}'(x)+a(x)\boldsymbol{f}(x)=\boldsymbol{b}(x)</math>の解に就て考える。 :第<math>i</math>成分を考えると<math>f'_i(x)+a(x)f_i(x)=b_i(x)</math>という1階線型常微分方程式を得るので、 :両辺に積分因子<math>\mu(x)=\exp\left(\int a(x) dx\right)</math>を掛けることで :<math>f_i(x)=\frac{1}{\mu(x)} \left\{ \int \mu(x) b_i(x) dx + C_i \right\}</math>を得る。 :よって一般解は :<math>\boldsymbol{f}(x) = \sum_i \frac{1}{\mu(x)} \left\{ \int \mu(x) b_i(x) dx + C_i \right\} \boldsymbol{e}_i=\frac{1}{\mu(x)}\left\{ \int \mu(x) \boldsymbol{b}(x) dx + \boldsymbol{C} \right\}</math> ベクトル関数は必ずしもここで扱った<math>\boldsymbol{f}: \mathbb{R}\to\mathbb{R}^n</math>のみを指さない。 例えば、ベクトル変数 <math>\boldsymbol{x}= \sum_i g_i (x) \boldsymbol{e}_i</math>に対して :<math>\boldsymbol{h}(\boldsymbol{x})=\sum_i (h_i \circ g_i) (x) \boldsymbol{e}_i</math> と定義されるような関数<math>\boldsymbol{h}:\mathbb{R}^m \to \mathbb{R}^m</math>もベクトル関数である。 また、始域と終域の次元が異なる<math>\boldsymbol{i}: \mathbb{R}^m \to \mathbb{R}^n \, (m, n\neq1)</math>のようなベクトル関数も考えられる。 一般に、始域が<math>\mathbb{R}^n (n\neq1)</math>であっても終域が<math>\mathbb{R}</math>である関数はベクトル関数に対して'''スカラー関数'''(scalar function)と呼ばれる。スカラー関数は入力ベクトルを「変数の組」と見れば通常の多変数関数に一致する。 この節で述べた理論は、多くは一般のベクトル関数に対しても成り立つ。但し、後述のヤコビ行列のような拡張を必要とするものもある。 また、多変数ベクトル関数<math>\boldsymbol{f}(x_1, x_2,\cdots,x_n)</math>を考えたとき、多変数微積分の理論は一変数微積分と同様にしてベクトル関数にもそのまま拡張される。 ===ベクトル場・スカラー場=== 写像<math>\boldsymbol{a}: \mathbb{R}^m \to \mathbb{R}^n</math>を'''ベクトル場'''(vector field)という。 実際には<math>m=n</math>の場合を考えることが多い。 写像<math>\varphi: \mathbb{R}^n \to \mathbb{R}</math>を'''スカラー場'''(scalar field)という。 それぞれ上で述べたベクトル関数・スカラー関数に対応する。 もう少し具体的に述べると、空間の領域<math>V</math>が与えられたときその各点にスカラーまたはベクトルを割り当てたものが場である。要するに、<math>p\in V</math>とすると :スカラー場:<math>\varphi=\varphi(p)</math> :ベクトル場:<math>\boldsymbol{a}=\boldsymbol{a}(p)</math> のように場は「点を入力とする<sup>※</sup>関数」である。 <small>※なお、ベクトル場を図示するときは「出力されたベクトルの'''始点は原点でなく入力された点'''」であることに注意が必要である。出力ベクトルの成分表示は「入力点を基準に据えたときの位置ベクトル」なので原点から目盛を数えることに意味はない。</small> ここで<math>V</math>に何かしらの座標が設定されていれば、その座標系の変数の組をベクトルと見做すことで場を「通常のスカラー関数・ベクトル関数」として扱えるのである。 則ち、「滑らかな場」という概念は「滑らかな関数」として定義することができる。より具体的に言うと、スカラー場・ベクトル場が'''滑らか'''であるとは対応するスカラー関数・ベクトル関数が<math>C^\infty</math>級であることである。但し、滑らかさは任意の座標変換で保たれるわけではないことに注意が必要である(後述の座標変換テンソル及びその逆行列の全ての成分関数が滑らかである必要がある)。 ここで、二変数関数の極値を思い返してみる。 <math>z=f(x, y)</math>が<math>(a, b)</math>で極大であるとは<math>\begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix}\neq\begin{pmatrix} a \\ b \end{pmatrix}</math>として :<math>\exist \delta>0, \forall {\scriptstyle\left(\begin{array}{c} x \\[-6pt] y \end{array}\right)} \in \mathbb{R}^2, {\scriptstyle\left\| \left(\begin{array}{c} x \\[-6pt] y \end{array}\right) - \left(\begin{array}{c} a \\[-6pt] b \end{array}\right) \right\|} < \delta \implies f(x, y) \leq f(a, b)</math> という定義だった。 <math>z=f(x, y)</math>は曲面を表すが、これを<math>z</math>軸正方向から<math>xy</math>平面に射影するとその陰が<math>(x, y)</math>の動く範囲となるのであった。 ここで<math>\boldsymbol{x}:=\begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix}, \boldsymbol{\alpha}:=\begin{pmatrix} a \\ b \end{pmatrix}</math>とすると<math>z=f(x, y)</math>はスカラー場<math>z=\phi(\boldsymbol{x})</math>と解釈することができ、更に条件法の前件は<math>\boldsymbol{\alpha}</math>の<math>\delta</math>-開球(二次元なので開円板)である。 なので、極大値の定義式をベクトル解析的に解釈すると「<math>xy</math>平面の各点に<math>z</math>の値を割り当てた数分布に於いて、開円板<math>B_\delta(\boldsymbol{\alpha})</math>内部に於ける<math>z</math>の最大値が<math>\phi(\boldsymbol{\alpha})</math>となるような正数<math>\delta</math>が存在する」ということである。 ベクトル場の例としては、電場・磁場・重力場などが挙げられる。 スカラー場の例としては、電位分布・温度分布・圧力分布などが挙げられる。 例えば、ベクトル場<math>\boldsymbol{f}=(x, 0, 0)</math>は、<math>\mathbb{R}^3</math>内の平面<math>x=k</math>上の任意点に、その点を始点とするベクトル<math>\begin{pmatrix} k \\ 0 \\ 0 \end{pmatrix}</math>が存在する状態を表す。 ベクトル場の和は、出力ベクトルの型が同じならばベクトル場の成分の和をとったものに等しい。 例えば、<math>\boldsymbol{f}(x, y, z)=(y, z, x), \boldsymbol{g}(x, y, z)=(z, x, y)</math>について :<math>(\boldsymbol{f}+\boldsymbol{g})(x, y, z)=(y, z, x)+(z, x, y)=(y+z, z+x, x+y)</math>である。 これは、ベクトル場の加法の定義が :<math>\forall p \in V, (\boldsymbol{f}+\boldsymbol{g})(p):=\boldsymbol{f}(p)+\boldsymbol{g}(p)</math> となっていて且つ<math>V</math>に座標を入れればベクトル関数の加法則をそのまま適用できるためである(入力点が異なるとき、場同士は足すことができない)。 曲線<math>\{\boldsymbol{x}\in\mathbb{R}^2 \mid \varphi(\boldsymbol{x})=\mathrm{const}.\}</math>を'''等高線'''(等高曲線)、曲面<math>\{\boldsymbol{x}\in\mathbb{R}^3 \mid \varphi(\boldsymbol{x})=\mathrm{const}.\}</math>を'''等位面'''(等位曲面)という。これらの詳細は後述する。 ==曲線論・曲面論== ===曲線=== <math>xy</math>平面上の曲線は<math>y=f(x) (x\in[a, b])</math>という陽関数表示で扱うことが多かった。しかし、これだと自分自身と交わる('''自己交叉'''する)曲線や<math>x=x_0</math>に対して<math>f(x_0)</math>の値が複数存在する(<math>f</math>が'''多価関数''')場合に不都合が生じる。 例えば円を陽関数表示しようとすると :<math>x^2+y^2=r^2</math>を<math>y</math>に就いて解いて :<math>y=\pm\sqrt{r^2-x^2}</math> 則ち :<math>y=\begin{cases} \sqrt{r^2-x^2} & (y\geq0) \\ -\sqrt{r^2-x^2} & (y<0) \end{cases}</math> という多価関数が必要になる。 これだと端点の振舞を一々調べる必要があって曲線の連続性や接線の議論が煩雑になってしまう。 しかし、先程も述べたように曲線の媒介変数表示はベクトル関数として見れるのであった。 :<math>\boldsymbol{r}(\theta) = r\begin{pmatrix} \cos\theta \\ \sin\theta \end{pmatrix}</math>(再掲) こうすると一変数連続ベクトル関数によって曲線を表すことが可能である。物理的に捉えると「質点の運動の軌跡を原点からの位置ベクトルの時間変化で表す」ということである。 一般に、<math>\boldsymbol{r}\in\mathbb{R}^n, t \in I</math>としてベクトル方程式<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t)</math>の解集合<math>\{\boldsymbol{r}(t) \mid t \in I \}</math>は<math>n</math>次元空間内の曲線<math>C</math>を表す。これを<math>C</math>の'''ベクトル表示'''という。 ベクトル表示は成分表示に直せば<math>\boldsymbol{r}(t)=\sum_i r_i(t)\boldsymbol{e}_i</math>となる。これは媒介変数表示<math>\begin{cases} x_1&=&r_1(t) \\ x_2&=&r_2(t) \\ &\,\,\vdots& \\ x_n&=&r_n(t) \end{cases}</math>をベクトル表記したものに一致する。 例えば、<math>\boldsymbol{r}(t)=\begin{pmatrix} a\cos t \\ a\sin t \\ bt \end{pmatrix}</math>は'''常螺旋'''(弦巻線)のベクトル表示である。 パラメータが増加するときの点の移動方向を曲線の'''正の向き'''と定める。曲線の'''負の向き'''はパラメータが減少するときの点の移動方向である。このとき、パラメータで'''向き付け'''された曲線という表現もなされる。曲線<math>C</math>に対し、同じパラメータを用いた逆向きの曲線を<math>-C</math>と表す。ベクトル表示では<math>C:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t)</math>に対して<math>-C:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(-t)</math>ということである。 パラメータに関する変数変換<math>u=\phi(t)</math>を考える。但し、<math>\phi</math>は広義単調関数とする<sup>※</sup>。このとき、<math>\frac{du}{dt}</math>が非負ならば曲線の向き付けが保たれ、非正ならば向き付けが反転する。<math>\frac{du}{dt}=0</math>となる領域では点の運動が停止する。 <small>※<math>\phi</math>が非単調関数のときは曲線上の点が行ったり来たりすることになるため曲線のパラメータ表示としては扱いづらい。</small> <math>\boldsymbol{r}(t) \in C^1</math>且つ<math>\boldsymbol{r}'(t)\neq\boldsymbol{0}</math>であるとき、曲線<math>C</math>は'''滑らか'''であるという。 滑らかな曲線<math>C:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t)</math>に対して<math>\boldsymbol{r}'(t)</math>を<math>C</math>の'''速度ベクトル'''という。 <math>\overrightarrow{\mathrm{OP}}=\boldsymbol{r}</math>として点<math>\mathrm{P}(t)</math>に於ける速度ベクトルは<math>\lim_{\Delta t\to0}\frac{\boldsymbol{r}(t+\Delta t)-\boldsymbol{r}(t)}{\Delta t}</math>の極限ベクトルであるが、<math>\boldsymbol{r}(t+\Delta t)-\boldsymbol{r}(t)</math>を図示することで速度ベクトルが曲線<math>C</math>の点<math>\mathrm{P}(t)</math>に於ける接線の方向ベクトルになっていることがわかる。よって、速度ベクトルを'''接線ベクトル'''(接ベクトル)ともいう。 速度ベクトルが非零である曲線を'''正則'''な曲線と呼ぶ。滑らかな曲線は正則曲線である。 なお、一般には陽関数表示が区分的であることとベクトル表示の成分関数が区分的であることに対応はないほか、パラメータの取り方で速度ベクトルが変わるので「曲線の幾何学的滑らかさ」と「ベクトル表示した関数の解析学的滑らかさ」は一致するとは限らない。 正則な曲線に対して曲線長('''弧長''')を考える。 二次元曲線の場合は数学Ⅲで既に扱った。 :<math>L=\int_a^b \sqrt{\left(\frac{dx}{dt}\right)^2+\left(\frac{dy}{dt}\right)^2}dt</math> 実は、これを一般の<math>n</math>次元にそのまま拡張することができる。 {{定理|(弧長公式)}} 曲線<math>C:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t)</math>の点<math>\mathrm{P}(a)</math>から点<math>\mathrm{P}(b)</math>までの長さ(<math>a<b</math>)は :<math>L=\int_a^b \left\| \frac{d\boldsymbol{r}}{dt} \right\|dt</math> で与えられる。 {{定理終わり}} *証明 :<math>a=t_0, b=t_m</math>として閉区間<math>[a, b]</math>を各<math>t_i</math>で等分割する。このとき小区間<math>[t_{k-1}, t_k]</math>の長さは<math>\Delta t=\frac{b-a}{m}</math>。 :<math>C</math>の点<math>\mathrm{P}(a)</math>から点<math>\mathrm{P}(b)</math>までの長さ<math>L</math>は折れ線の長さ<math>\overline{\mathrm{P}(t_{k-1})\mathrm{P}(t_k)}</math>の総和で近似される。 :ここで<math>\overrightarrow{\mathrm{OP}}=\boldsymbol{r}(t)</math>より ::<math>L_m=\sum_{k=1}^m \| \boldsymbol{r}(t_k)-\boldsymbol{r}(t_{k-1}) \| = \sum_{k=1}^m \left\| \frac{\boldsymbol{r}(t_{k-1}+\Delta t)-\boldsymbol{r}(t_{k-1})}{\Delta t-0} \right\|(\Delta t-0)</math> :分割を限りなく細かくする極限をとると<math>m\to\infty</math>より<math>\Delta t\to0</math>なので ::<math>\lim_{m\to\infty} L_m = \sum_{k=1}^\infty \left\| \frac{d\boldsymbol{r}}{dt}(t_{k-1}) \right\|dt</math> :区分求積法より最後の無限級数は収束して :<math>L=\int_a^b \left\| \frac{d\boldsymbol{r}}{dt} \right\|dt</math>// ここで、<math>dl:=\left\| \frac{d\boldsymbol{r}}{dt} \right\|dt</math>という微小量を'''線素'''と呼ぶ。 1を線素に関して積分したパラメータ<math>s:=\int_0^t dl</math>を'''弧長パラメータ'''(標準パラメータ)という。弧長パラメータは曲線上で「基準点からの符号付き距離」を表す。 曲線の弧長パラメータによるベクトル表示('''弧長パラメータ表示''')を考える。<math>s=\int_0^t \left\| \frac{d\boldsymbol{r}}{dt} \right\|dt</math>で正則よりノルムは正。則ち<math>\frac{ds}{dt}>0</math>より<math>s=\phi(t)</math>は狭義単調増加なので、逆関数<math>t=\phi^{-1}(s)</math>を考えることができる。よって、<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t)</math>に<math>t=\phi^{-1}(s)</math>を代入した<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(\phi^{-1}(s))</math>が弧長パラメータ表示である。これを<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(s)</math>と略記してしまうことも多いが、'''一般には元の<math>\boldsymbol{r}(t)</math>と成分関数が異なる'''ことに注意。 通常の媒介変数によるベクトル表示は「座標系が予め与えられた状況」での表示であるが、弧長パラメータは座標系を取り替えたとしても表す曲線そのものが変わらなければ不変である。よって、「座標系に依存しない表記」として弧長パラメータ表示は多く利用されている。 また、弧長パラメータ表示で連鎖律を適用すると :<math>\frac{d\boldsymbol{r}(s)}{ds}=\frac{d\boldsymbol{r}(t)}{dt}\cdot\frac{dt}{ds}=\frac{d\boldsymbol{r}(t)}{dt}\cdot\frac{1}{\frac{ds}{dt}}</math> ここで微分積分学の基本定理より :<math>\frac{ds}{dt}=\frac{d}{dt} \int_0^t \left\| \frac{d\boldsymbol{r}}{dt} \right\|dt = \left\| \frac{d\boldsymbol{r}}{dt} \right\|</math> なので :<math>\frac{d\boldsymbol{r}(s)}{ds}=\frac{\frac{d\boldsymbol{r}(t)}{dt}}{\left\| \frac{d\boldsymbol{r}}{dt} \right\|}</math> であり、自身のノルムで割ってるので恒等的に<math>\left\| \frac{d\boldsymbol{r}}{ds} \right\|=1</math>である。 よって、弧長パラメータ表示された曲線の接ベクトルは常に単位ベクトルである。 弧長パラメータ表示された曲線で線素を考えると<math>s=\int_0^s \left\| \frac{d\boldsymbol{r}(s)}{ds} \right\| ds = \int_0^s dl</math>だが、常に<math>\left\| \frac{d\boldsymbol{r}}{ds} \right\|=1</math>なので<math>ds=dl</math>であり、弧長パラメータの微小量は線素に等しい(弧長パラメータそのものが1の線素に関する積分なので当たり前ではある)。 <math>\boldsymbol{e}_\dagger(s)=\frac{d\boldsymbol{r}}{ds}</math>と置くと、点<math>\mathrm{P}(s_0)</math>に於ける接線の方程式は :<math>\boldsymbol{p}-\boldsymbol{r}(s_0)=\boldsymbol{e}_\dagger(s_0) (s-s_0)</math> と表される。 ここで<math>\boldsymbol{r}(s)</math>の中心<math>s_0</math>に於けるテイラー展開は :<math>\boldsymbol{r}(s)=\sum_{i=0}^\infty \frac{(s-s_0)^i}{i!} \frac{d^i}{ds^i}\boldsymbol{r}(s_0) </math> であり、「接線が一次近似に対応する」という構造はベクトル関数でも維持されることが判った。 領域<math>\boldsymbol{D}</math>上の滑らかなベクトル場<math>\boldsymbol{a}</math>について、微分方程式<math>\frac{d\boldsymbol{r}}{dt}=\boldsymbol{a}(\boldsymbol{r}(t)) (\boldsymbol{r} \in \boldsymbol{D})</math>で与えられる曲線<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t)</math>を<math>\boldsymbol{a}</math>の'''流線'''(streamline)という(入力点を位置ベクトルと同一視していることに注意)。流線の接線ベクトルは元のベクトル場そのものになるので、ベクトルの相等から得る方程式<math>\frac{dx_1}{a_1}=\frac{dx_2}{a_2}=\cdots=\frac{dx_n}{a_n}</math>を'''流線方程式'''という。 例えば、<math>\boldsymbol{f}(x, y)=(y, x)</math>の流線は、 :定義から<math>\frac{dx}{dt}=y, \frac{dy}{dt}=x</math> :合成関数の微分公式から<math>\frac{dy}{dx}=\frac{\frac{dy}{dt}}{\frac{dx}{dt}}=\frac{x}{y}</math> :<math>\int y dy=\int xdx</math> :<math>\frac{1}{2}y^2=\frac{1}{2}x^2+C</math> :よって双曲線<math>y^2-x^2=2C</math>// この場合、<math>t</math>に関する2つの微分方程式を組み合わせることで :<math>\frac{d^2x}{dt^2}=x, \frac{d^2y}{dt^2}=y</math>という二階線型常微分方程式となり、一般解が双曲線関数を用いて<math>\begin{cases} x=C_1\cosh t+C_2\sinh t \\ y=C_1\sinh t+C_2\cosh t \end{cases}</math>であることが容易に判る。<br>なお、流線方程式を用いても<math>\frac{dx}{y}=\frac{dy}{x}</math>から<math>\frac{dy}{dx}=\frac{x}{y}</math>が出てくる。 「流線の接線ベクトルが元のベクトル場になる」とはつまり、「接線が常にベクトル場と平行になるような曲線」を考えているということである。滑らかなベクトル場を考えているためそのような曲線は常に存在する。流線は「ベクトル場の流れを繋げていった曲線」と考えることができるので、「流れを簡潔に図示」するのにちょうどよい。 有名な例として、電気力線・磁力線はそれぞれ電場<math>\boldsymbol{E}</math>・磁束密度<math>\boldsymbol{B}</math>の流線である。 流線の微分方程式を弧長パラメータ表示を用いて変形する。 :<math>\frac{d\boldsymbol{r}}{dt}=\boldsymbol{a}(\boldsymbol{r}(t))</math>の左辺に就いて :<math>\frac{d\boldsymbol{r}}{ds}\cdot\frac{ds}{dt}=\frac{d\boldsymbol{r}}{ds}\cdot \|\boldsymbol{r}'(\phi^{-1}(s))\|</math> 元の方程式の両辺でノルムをとると :<math>\left\|\frac{d\boldsymbol{r}}{dt}\right\|=\|\boldsymbol{a}(\boldsymbol{r}(t))\|</math> 代入して :<math>\frac{d\boldsymbol{r}}{ds}\cdot\|\boldsymbol{r}'(\phi^{-1}(s))\|=\frac{d\boldsymbol{r}}{ds}\cdot\|\boldsymbol{a}(\boldsymbol{r}(t))\|</math> :<math>\therefore \frac{d\boldsymbol{r}}{ds} = \boldsymbol{e}_{\boldsymbol{a}(\boldsymbol{r}(\phi^{-1}(s)))}</math> ここから、流線の形状はノルムには関係なく方向場のみで決まることがわかる。 ===フレネ標搆=== ここでは、三次元空間に於ける正則曲線について考える。 <math>C:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(s)</math>上の点<math>\mathrm{P}(s)</math>に於ける単位接線ベクトルを<math>\boldsymbol{t}</math>とおく。 先程の議論より<math>\boldsymbol{t}(s)=\frac{d\boldsymbol{r}(s)}{ds}</math>であり、<math>\left\| \frac{d\boldsymbol{r}(s)}{ds} \right\|=1 (=\mathrm{const}.)</math>なので直交条件の定理から<math>\boldsymbol{t}\cdot\frac{d\boldsymbol{t}}{ds}=0</math>、則ち<math>\boldsymbol{t} \perp \frac{d\boldsymbol{t}(s)}{ds}</math>である。この<math>\frac{d\boldsymbol{t}(s)}{ds}</math>を'''主法線ベクトル'''という。 主法線ベクトルを<math>\boldsymbol{n}</math>とおくとき、<math>\boldsymbol{b}=\boldsymbol{t}\times\boldsymbol{n}</math>を'''従法線ベクトル'''(陪法線ベクトル)という。ここで先程の結果より<math>\boldsymbol{t}\perp\boldsymbol{n}</math>であって<math>\boldsymbol{b}</math>の定義より<math>\boldsymbol{t}\perp\boldsymbol{b}, \boldsymbol{n}\perp\boldsymbol{b}</math>なので、この3ベクトルの組を正規化した<math>\{\boldsymbol{e}_t, \boldsymbol{e}_n, \boldsymbol{e}_b \}</math>は<math>\mathbb{R}^3</math>の正規直交基底である。これを<math>\mathbb{R}^3</math>の'''フレネ標搆'''という。外積の結果よりフレネ標搆は<math>\boldsymbol{e}_t, \boldsymbol{e}_n, \boldsymbol{e}_b</math>の順に右手系をなす。なお、接線ベクトル・主法線ベクトル・従法線ベクトルは全て曲線の位置ベクトル<math>\boldsymbol{r}(s)</math>を入力したベクトル場として捉えることができる。 <math>\{\boldsymbol{e}_n, \boldsymbol{e}_b \}</math>の張る平面を'''法平面'''、<math>\{\boldsymbol{e}_t, \boldsymbol{e}_b \}</math>の張る平面を'''展直平面'''、<math>\{\boldsymbol{e}_t, \boldsymbol{e}_n \}</math>の張る平面を'''接触平面'''という。 即ち、法平面・展直平面・接触平面は<math>tnb</math>空間の点<math>\mathrm{P}(s)</math>を原点とした基準面である。 平面の方程式の法線ベクトルに接ベクトル・主法線ベクトル・従法線ベクトルをそれぞれ代入することで :法平面の方程式:<math>(\boldsymbol{p}-\boldsymbol{r}(s))\cdot\boldsymbol{t}(s)=0</math> :展直平面の方程式:<math>(\boldsymbol{p}-\boldsymbol{r}(s))\cdot\boldsymbol{n}(s)=0</math> :接触平面の方程式:<math>(\boldsymbol{p}-\boldsymbol{r}(s))\cdot\boldsymbol{b}(s)=0</math> とわかる。 <math>\|\boldsymbol{t}\|=1</math>は常に成り立つが<math>\|\boldsymbol{n}\|, \|\boldsymbol{b}\|</math>は<math>1</math>とは限らない。そこで、主法線ベクトルの大きさ<math>\kappa(s)=\|\boldsymbol{n}(s)\|</math>を曲線<math>C</math>の'''曲率'''と呼ぶことにする。なお、<math>\|\boldsymbol{b}\|=\| \boldsymbol{t} \| \|\boldsymbol{n}\|\sin\frac{\pi}{2}</math>より<math>\|\boldsymbol{b}\|=\|\boldsymbol{n}\|=\kappa</math>が成り立つ。 主法線ベクトルの定義に立ち戻ると<math>\boldsymbol{n}(s)=\frac{d\boldsymbol{t}(s)}{ds}</math>であった。つまり、主法線ベクトルは接ベクトルの速度ベクトルなので「弧長パラメータを変化させたときに接ベクトルがどのくらい変化するか」という指標である。接ベクトルの変化の大小と<math>\kappa</math>の大小は対応し、接ベクトルの大小はカーブの緩急に対応することから<math>\kappa</math>の大小とカーブの緩急も対応する。これが「曲率」という名前の由来である。 なお、<math>\kappa(s)=0</math>の場合は<math>\boldsymbol{n}(s)=\boldsymbol{0}</math>なので<math>\boldsymbol{t}(s)=\boldsymbol{k}</math>(定ベクトル)であり、<math>\boldsymbol{r}(s)=s\boldsymbol{k}</math>という直線の場合に対応することがわかる。 単位接ベクトルの<math>s</math>を微分変数とする導関数(<math>s</math>-導関数)は主法線ベクトルだったが、単位主法線ベクトル・単位従法線ベクトルの<math>s</math>-導関数がどのように表されるか見ていく。 ここで、フレネ標搆が<math>\mathbb{R}^3</math>の正規直交基底であることから、<math>\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}, \frac{d\boldsymbol{e}_b}{ds}</math>ともにフレネ標搆の一次結合で表現できると予想される。 単位従法線ベクトルに就いて :<math>\frac{d\boldsymbol{e}_b}{ds}=\frac{d}{ds}(\boldsymbol{e}_t\times\boldsymbol{e}_n)=\frac{d\boldsymbol{e}_t}{ds}\times\boldsymbol{e}_n+\boldsymbol{e}_t\times\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}</math> <math>\boldsymbol{t}=\boldsymbol{e}_t</math>より<math>\frac{d\boldsymbol{e}_t}{ds}=\boldsymbol{n}=\kappa\boldsymbol{e}_n</math>則ち<math>\frac{d\boldsymbol{e}_t}{ds}\times\boldsymbol{e}_n=\kappa\boldsymbol{e}_n\times\boldsymbol{e}_n=\boldsymbol{0}</math>なので :<math>\frac{d\boldsymbol{e}_b}{ds}=\boldsymbol{e}_t\times\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}</math> <math>\|\boldsymbol{e}_n\|=1</math>から直交条件の定理より<math>\boldsymbol{e}_n\perp\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}</math>なので :<math>\boldsymbol{e}_n\times\frac{d\boldsymbol{e}_b}{ds}=\boldsymbol{e}_n\times(\boldsymbol{e}_t\times\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds})=\left(\boldsymbol{e}_n\cdot\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}\right)-(\boldsymbol{e}_n\cdot\boldsymbol{e}_t)\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}=\boldsymbol{0}</math> 外積が零ベクトルなので<math>\frac{d\boldsymbol{e}_b}{ds} /\!\!/ \boldsymbol{e}_n</math>であり、一次従属より :<math>\frac{d\boldsymbol{e}_b}{ds}=-\tau\boldsymbol{e}_n</math> となるスカラー関数<math>\tau(s)</math>が存在する。 この<math>\tau(s)</math>を曲線<math>C</math>の'''捩率'''と呼ぶ。捩率は接触平面の回転(捩れ)の率を表す。 <math>\tau=0</math>ならば<math>\frac{d\boldsymbol{e}_b}{ds}=0</math>より<math>\boldsymbol{e}_b</math>方向は変化しないので曲線は接触平面と平行な平面上に拘束される。即ち、<math>C</math>は平面曲線である。 単位主法線ベクトルに就いて :<math>\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}=\frac{d}{ds}(\boldsymbol{e}_b\times\boldsymbol{e}_t)=\frac{d\boldsymbol{e}_b}{ds}\times\boldsymbol{e}_t+\boldsymbol{e}_b\times\frac{d\boldsymbol{e}_t}{ds}</math> ここで<math>\frac{d\boldsymbol{e}_t}{ds}=\kappa\boldsymbol{e}_n, \frac{d\boldsymbol{e}_b}{ds}=-\tau\boldsymbol{e}_n</math>を代入して :<math>\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}=-\tau\boldsymbol{e}_n\times\boldsymbol{e}_t+\boldsymbol{e}_b\times\kappa\boldsymbol{e}_n=\tau\boldsymbol{e}_b-\kappa\boldsymbol{e}_t</math> よって、フレネ標搆の弧長パラメータを微分変数とする導関数を以下のようにフレネ標搆の一次結合で表すことができた。 :<math>\begin{cases} \frac{d\boldsymbol{e}_t}{ds}=\kappa\boldsymbol{e}_n \\ \frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds} = \tau\boldsymbol{e}_b-\kappa\boldsymbol{e}_t \\ \frac{d\boldsymbol{e}_b}{ds}=-\tau\boldsymbol{e}_n \end{cases}</math> これを一次変換で表記すると以下のようになる。但し、厳密にはベクトルを成分としている部分は列ではなく行に配置するのが正しいことに注意。 {{定理|(フレネ=セレーの公式)}} :<math>\frac{d}{ds}\begin{pmatrix} \boldsymbol{e}_t \\ \boldsymbol{e}_n \\ \boldsymbol{e}_b \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 0 & \kappa & 0 \\ -\kappa & 0 & \tau \\ 0 & -\tau & 0 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} \boldsymbol{e}_t \\ \boldsymbol{e}_n \\ \boldsymbol{e}_b \end{pmatrix}</math> {{定理終わり}} 表現行列が反対称行列(歪対称行列)になっているが、これは「直交変換を一次近似すると反対称変換になる」という無限小回転の理論に対応する。 捩率を求めるときは「基底分解の係数は対応する基底ベクトルとの内積に等しい」という性質を利用すれば<math>\boldsymbol{e}_b\cdot\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}=\tau</math>となるので左辺を計算すればよい。 例えば、円<math>\begin{cases} x^2+y^2=a^2 \\ z=b \end{cases}</math>の曲率と捩率は以下のように求まる。 :媒介変数表示して<math>\boldsymbol{r}(t)=\begin{pmatrix} a\cos t \\ a\sin t \\ b \end{pmatrix}</math> :接線ベクトルは<math>\frac{d\boldsymbol{r}(t)}{dt}=\begin{pmatrix} -a\sin t \\ a\cos t \\ 0 \end{pmatrix}</math> :弧長パラメータ<math>s</math>は<math>s=\int^t_0 \left\|\frac{d\boldsymbol{r}(t)}{dt}\right\|dt = \int_0^t a dt = at</math> :<math>\therefore t=\frac{s}{a}</math> :<math>\boldsymbol{r}(s)=\begin{pmatrix} a\cos\frac{s}{a} \\ a\sin\frac{s}{a} \\ b \end{pmatrix}</math> :<math>\boldsymbol{t}=\frac{d\boldsymbol{r}(s)}{ds}=\begin{pmatrix} -\sin\frac{s}{a} \\ \cos\frac{s}{a} \\ 0 \end{pmatrix}</math> :<math>\boldsymbol{n}=\frac{d\boldsymbol{t}(s)}{ds}=\frac{1}{a}\begin{pmatrix} -\cos\frac{s}{a} \\ -\sin\frac{s}{a} \\ 0 \end{pmatrix}</math> :<math>\kappa=\|\boldsymbol{n}\|=\frac{1}{a}</math> :<math>\boldsymbol{b}=\boldsymbol{t}\times\boldsymbol{n} = \begin{pmatrix} 0 \\ 0 \\ \frac{1}{a} \end{pmatrix}</math> :<math>\boldsymbol{e}_n=\begin{pmatrix} -\cos\frac{s}{a} \\ -\sin\frac{s}{a} \\ 0 \end{pmatrix}</math> :<math>\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}=\frac{1}{a}\begin{pmatrix} \sin\frac{s}{a} \\ -\cos\frac{s}{a} \\ 0 \end{pmatrix}</math> :<math>\boldsymbol{e}_b = \begin{pmatrix} 0 \\ 0 \\ 1 \end{pmatrix}</math> :<math>\tau = \begin{pmatrix} 0 \\ 0 \\ 1 \end{pmatrix}\cdot\frac{1}{a}\begin{pmatrix} \sin\frac{s}{a} \\ -\cos\frac{s}{a} \\ 0 \end{pmatrix}=0</math>// フレネ・セレーの公式は[[線型代数学続論/行列値関数|行列関数]]に関する一階常微分方程式である。そのため、微分方程式の基本定理(ピカール=リンデレーエフの定理)により初期条件(<math>s=0</math>に於けるフレネ標搆)を与えれば、滑らかな曲率関数・捩率関数の組<math>(\kappa, \tau)</math>を定めることで微分方程式の解として一般の<math>s</math>に対するフレネ標搆を一意に得る。このとき、曲線<math>C:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(s)</math>は接ベクトルを出発点を選んで積分することで決定される。 従って、次の定理が成り立つ<!-- 厳密証明はhttps://sshmathgeom.private.coocan.jp/diffgeom/curvetheorem.htmlを参照 -->。 {{定理|(曲線の基本定理)}} 開区間<math>(a,b)</math>上の実数<math>s</math>を変数とする2つの滑らかな関数<math>\kappa(s),\tau(s)</math>を与える。但し、<math>\kappa(s)</math>は正とする。<br/> このとき、<math>\kappa(s)</math>を曲率、<math>\tau(s)</math>を捩率、<math>s</math>を弧長パラメータとする三次元空間上の曲線<math>C</math>が剛体運動を除いて一意に定まる。 {{定理終わり}} 剛体運動とは「曲線の形を変えない」運動のことである(平行移動・回転など)。 <math>\kappa(s), \tau(s)</math>の定める曲線族を一般に<math>\mathcal{C}[\kappa, \tau]</math>と書く。 例えば、円を含む螺旋は<math>c_1, c_2=\mathrm{const}.</math>として<math>\mathcal{C}[c_1, c_2]</math>と書ける。 <math>R=\frac{1}{\kappa}</math>を'''曲率半径'''という。曲率半径は曲線の特定のカーブにおける曲がり具合の急さを表す指標であり、カーブを近似する真円('''密着円''')の半径でもある。高速道路の標識で<math>R=\circ\circ \mathrm{m}</math>は、そのカーブの曲率半径を示している。道路設計では、快適なドライブの為曲率半径がなるべく大きくなるように工夫を凝らしている。 ここで<math>\boldsymbol{r}(s)</math>の中心<math>s_0</math>に於けるテイラー展開は :<math>\boldsymbol{r}(s)=\sum_{i=0}^\infty \frac{(s-s_0)^i}{i!} \frac{d^i}{ds^i}\boldsymbol{r}(s_0) </math>(再掲) だったが、二次近似式(三次以降を切り捨てた式)を考えると :<math>\boldsymbol{r}(s) \fallingdotseq \boldsymbol{r}(s_0)+\frac{d\boldsymbol{r}(s_0)}{ds}(s-s_0) + \frac{1}{2}\frac{d^2\boldsymbol{r}(s_0)}{ds^2}(s-s_0)^2 </math> フレネ標搆を用いて書き直すと :<math>\boldsymbol{r}(s) \fallingdotseq \boldsymbol{r}(s_0)+\boldsymbol{e}_t(s-s_0) + \frac{1}{2}\kappa(s_0)\boldsymbol{e}_n(s-s_0)^2 </math> 二次近似とは「曲線を円弧で近似する」ことだったので曲率<math>\kappa(s_0)</math>が近似に用いる円弧と関係ある量であることが予想される。<br/> 接触平面で密着円<math> \| \boldsymbol{r} - (\boldsymbol{r}(s_0)+R\boldsymbol{e}_n) \| = R </math>を考える。接触平面を<math>xy</math>平面と考えると円の方程式は :<math>x^2+(y-R)^2=R^2</math> :<math>y=R-\sqrt{R^2-x^2}</math> テイラー展開して :<math>y=\frac{x^2}{2R}+O(x^4)</math> 二次の項を比較すると :<math>\frac{x^2}{2R}=\frac{(s-s_0)^2}{2}\kappa</math> よって :<math>R=\frac{1}{\kappa}</math> と定義するのは妥当である。 なお、先ほど求めた円の曲率から、真円に関して「曲率半径=半径」であることが判る。 フレネ・セレーの公式で最初の二行二列のみを考えると<math>\mathbb{R}^2</math>内の曲線に対するフレネ・セレーの公式を得る。一般に<math>\mathbb{R}^n</math>上の曲線に対し、今回の議論と同様にして接ベクトル・主法線ベクトル・曲率を定義することができる。但し、三次元空間と異なって同じ曲率に対して異なる曲線を与えることができる(主法線ベクトルが接触平面内で接ベクトルに対して左右どちらを向くかがそのままでは定まらないため)。なお、4次元以上であっても平面拘束曲線ならば捩率は0であって従法線ベクトルは零ベクトルに定まる。 ===単純閉曲線=== パラメータ区間を<math>I=[a, b]</math>とする。 このとき、曲線の端点はそれぞれ<math>\mathrm{P}(a), \mathrm{P}(b)</math>である。 端点が一致する、つまり<math>\mathrm{P}(a)=\mathrm{P}(b)</math>である連続曲線を'''閉曲線'''という。 自己交叉しない、つまり<math>\forall t_1, t_2 \in (a, b), t_1 \neq t_2 \iff \mathrm{P}(t_1)\neq\mathrm{P}(t_2)</math>となる閉曲線を'''単純閉曲線'''(ジョルダン曲線)という。閉曲線でない曲線に就いて「自己交叉しない」という条件は「曲線を表すベクトル関数が単射」と同値であるので、端点のみ単射性を外してやれば単純閉曲線の定義を得る。 幾何学的直観から、平面に拘束された単純閉曲線はその平面を単純閉曲線で囲まれた'''内部'''とそうでない'''外部'''の二つの領域に分割することが予想できる。 このことは以下の定理によって保証される。 {{定理|(ジョルダンの曲線定理)}} 平面<math>\Pi\subset\mathbb{R}^n</math>内の任意の単純閉曲線<math>\gamma</math>に対し、有界領域<math>I</math>・非有界領域<math>O</math>の組であって<math>\Pi\setminus\gamma=I \sqcup O</math>且つ<math>\partial{I}=\partial{O}=\gamma</math>であるものが唯一つに定まる。 {{定理終わり}} この<math>I, O</math>をそれぞれ内部・外部と定義する。証明は[[位相幾何学]]で行う。なお、「<math>\partial{I}=\partial{O}=\gamma</math>」を態々明示しているのは、滑らかでない単純閉曲線に対しては「<math>\Pi\setminus\gamma=I \sqcup O \implies \partial{I}=\partial{O}=\gamma</math>」が自明でないためである。 正則単純閉曲線に対して「曲線の向き」の幾何学的意味を考える。 ジョルダンの曲線定理より単純閉曲線<math>\gamma:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(s) \quad(\boldsymbol{r}\in \Pi)</math>は平面<math>\Pi</math>を内部<math>I</math>と外部<math>O</math>に分割する。平面拘束曲線なので<math>\forall{s}, \tau(s)=0</math>であり、従法線ベクトルは零ベクトル且つ接触平面が常に<math>\Pi</math>に一致する。 主法線ベクトル<math>\boldsymbol{n}(s)</math>が接ベクトル<math>\boldsymbol{t}(s)</math>に対して左側を向いているとすると、<math>\boldsymbol{r}(s_0)+\varepsilon\boldsymbol{n}(s_0) \quad(\varepsilon>0)</math>が点<math>\mathrm{P}(s_0)</math>に於ける<math>\gamma</math>の進行方向左側にある点である。 ここで、<math>\mathrm{P}(s_0)</math>に於ける<math>\varepsilon</math>-開球<math>B_\varepsilon(s_0)</math>を考えると、平面<math>\Pi</math>上では<math>\boldsymbol{r}(s_0)+\varepsilon\boldsymbol{n}(s_0)</math>が左側の領域、<math>\boldsymbol{r}(s_0)+\varepsilon\boldsymbol{n}(s_0)</math>が右側の領域に入る。 <math>s=s_0</math>を動かすと各点で進行方向左は<math>I, O</math>のいずれかであり、<math>\gamma</math>の正則性と<math>I, O</math>の連結性から「<math>I, O</math>のどちらが左側であるかは曲線全体で変わらない」ことが言える。 ここで円の場合を考える。<math>\Pi</math>に直交座標<math>u, v</math>を入れると向心加速度の議論から「加速度ベクトル=主法線ベクトルは円の中心を向く」ので、「円の正の向きは円の内部を左手に見る進行方向」である。 任意の正則単純閉曲線<math>\gamma</math>に対して自己交叉を起こさないまま円へ連続変形する可逆写像が存在し、その変形に於いて「左側」と「<math>I, O</math>」の対応は変化しない。則ち、円で確認された「正の向きは囲まれた内部を左手に見る向き」は任意の正則単純閉曲線で成り立つ。 つまり、単純閉曲線の正の向きは点を動かしたときに'''自身の囲む領域の内部を左手に見る向き'''である。負の向きは左手に外部を見る向きである。 集合<math>A</math>に含まれる任意の2点に対してそれらを端点とする滑らかな曲線<math>C</math>をとれるとき、<math>A</math>は'''弧状連結'''であるという。 弧状連結集合<math>S</math>内の任意の閉曲線<math>\gamma</math>に対して1点に退化するような連続変形が可能なとき、<math>S</math>は'''単連結'''であるという。単連結でない集合は'''多重連結'''であるという。 平面<math>\Pi\subset\mathbb{R}^n</math>に含まれる単連結集合<math>S</math>に対し、<math>\hat{\Pi}:=\Pi\cup\{\infty\}</math>とすると集合<math>\hat{\Pi}\setminus{S}</math>は連結である。逆も成り立つ。 なお、「<math>A</math>が連結集合である」ことは「補集合<math>\overline{A}</math>が非連結集合である」ことを意味しない。そのため「単連結な連結集合」も考えられ、特に「単連結な領域」はこの先頻繁に登場する。 集合<math>A</math>に含まれる任意の2点を結んだ線分が<math>A</math>に包含されるとき、<math>A</math>は'''凸型'''であるという。凸型集合でない集合は'''凹型'''であるという。 集合<math>A</math>内の1点を固定してそこから<math>A</math>内任意点へ引いた線分が<math>A</math>に包含されるとき、<math>A</math>は'''星状'''(星型)であるという。このとき固定した点を'''星の中心'''という。凸型集合は全て星状集合である。 単純閉曲線<math>\gamma</math>を境界とする内部<math>I</math>に関して<math>I\cup\gamma</math>が凸型集合であるとき、<math>\gamma</math>を'''卵形線'''(凸単純閉曲線・オーヴァル)という。 曲線<math>C</math>の曲率関数<math>\kappa(s)</math>が<math>C^3</math>級であるとき、<math>\kappa'(s_0)=0</math>を満たす点<math>\mathrm{P}(s_0)</math>を<math>C</math>の'''頂点'''という。 例えば、標準楕円<math>\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}=1</math>の頂点は4点<math>(\pm{a},0),(0,\pm{b})</math>である。このことは、<math>\mathbb{R}^2</math>上曲線<math>C:\boldsymbol{r}=x(t)\boldsymbol{e}_x(t)+y(t)\boldsymbol{e}_y(t)</math>に対する曲率の公式<math>\kappa(t)=\frac{\left|\frac{dx}{dt}\frac{d^2y}{dt^2}-\frac{dy}{dt}\frac{d^2x}{dt^2}\right|}{\left\{\left(\frac{dx}{dt}\right)^2+\left(\frac{dy}{dt}\right)^2\right\}^\frac{3}{2}}</math>と<math>\frac{ds}{dt}>0</math>を用いて確かめられる。 実は、この事実は楕円に限らないことが以下の定理で示される。 {{定理|(ムコパディヤーヤの定理・四頂点定理)}} <math>\mathbb{R}^2</math>上の滑らかな卵形線は少なくとも4つの頂点を持つ。 {{定理終わり}} *証明 :滑らかな卵形線<math>C:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(s)\quad(s\in[a, b])</math>に対して曲率関数<math>\kappa(s)</math>は滑らかであり、<math>\kappa\in C^3</math>を満たす。 :卵形線は単純閉曲線なので<math>\mathrm{P}(a)=\mathrm{P(b)}</math>であり、<math>\kappa(a)=\kappa(b)</math>。 :曲率関数が定数関数のときは<math>\kappa\in C^\infty</math>且つ常に<math>\kappa'(s)=0</math>なので曲線を構成するすべての点が頂点であり、明らかに定理を満たす。 :曲率関数が定数関数でないとする。 :ワイエルシュトラスの極値定理より<math>\kappa(s)</math>は<math>s\in[a, b]</math>のどこかで最大値・最小値をとり、その点で<math>\kappa'(s)=0</math>を満たす。 :従って少なくとも2つの頂点を持つ。 :ここで、頂点がこの2つのみと仮定する。 :曲率が最大値・最小値をとる点をそれぞれ<math>\mathrm{M, N}</math>と置く。 :線分<math>\mathrm{MN}</math>を含む直線を<math>x</math>軸とし、その垂直方向に<math>y</math>軸をとる。 :<math>s</math>が増加すると曲線上の点が<math>\mathrm{N}\to\mathrm{M}</math>のように動くとき、 :<math>\kappa(s)</math>は最小値から最大値に向かって増大し、他に頂点がないので狭義単調増加である。 :同様に、<math>\mathrm{M}\to\mathrm{N}</math>の向きでは<math>\kappa(s)</math>は狭義単調減少である。 :従って、<math>\kappa'(s)y(s)\neq0</math>の正の側だけ考えれば良い。 :<math>y(a)=y(b)=0</math>に注意すると部分積分して :<math>0<\int_a^b \kappa'(s)y(s)ds=-\int_a^b \kappa(s)y'(s)ds</math> :主法線ベクトル<math>\boldsymbol{n}(s)= \begin{pmatrix} \xi_1(s) \\ \xi_2(s) \end{pmatrix}</math>を考えると二次元版フレネ=セレーの公式から<math>\frac{d\boldsymbol{n}}{ds}=-\kappa\frac{d\boldsymbol{r}}{ds}</math>なので :<math>\xi'_2(s)=-\kappa(s)y'(s)</math> :よって :<math>-\int_a^b \kappa(s)y'(s)ds=\int_a^b \xi_2(s)ds = \left[\xi_2(s)\right]_a^b=0</math> :なので矛盾した不等式<math>0<0</math>を得る。 :則ち、<math>\mathrm{M, N}</math>と異なる点で<math>\kappa'(s)=0</math>を満たす点が少なくとも一つ存在する。 :そのような点を<math>\mathrm{L}</math>と置く。 :<math>\mathrm{L}</math>が<math>\mathrm{N}\to\mathrm{M}</math>という経路の途中にあるとする。 :このとき、<math>\mathrm{L}</math>以外に<math>\kappa'(s)=0</math>を満たす点が存在すると「<math>\mathrm{M}\to\mathrm{N}</math>という経路の途中にそのような点が無い」という最初の仮定に反するので :<math>\mathrm{M, N, L}</math>以外では<math>\kappa'(s)y(s)>0</math>である。 :同様に部分積分を行うことで矛盾した不等式を得、<math>\mathrm{M, N, L}</math>と異なる点で<math>\kappa'(s)=0</math>を満たす点が少なくとも一つ存在することが判る。 :この時点で「<math>\mathrm{M, N}</math>間の二つの経路のいずれにも<math>\kappa'(s)=0</math>を満たす点が存在しない」という仮定が否定されたのでこれ以上背理法を適用することはできない。 :よって、頂点個数の最小値は<math>4</math>である。// 最小値4をとる卵形線が実際に存在することは楕円の例で確かめた。 この定理は「卵形線」を「(正則)単純閉曲線」に取り換えてもそのまま成り立つことが知られている。一般の閉曲線でこの定理を成り立たせるには追加の条件が必要となる。 先程も述べたように、接ベクトルと単位主法線ベクトルは2次元以上の空間内部にある曲線ならば定義することができる。そして、<math>\boldsymbol{t}\cdot\boldsymbol{n}=0</math>も必ず成り立つ。よって、<math>\boldsymbol{e}_t\cdot\boldsymbol{e}_n=0</math>の両辺を<math>s</math>で微分して :<math>\frac{d\boldsymbol{e}_t}{ds}\cdot\boldsymbol{e}_n+\boldsymbol{e}_t\cdot\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}=0</math> :<math>\therefore \boldsymbol{e}_t\cdot\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}=-\boldsymbol{n}\cdot\boldsymbol{e}_n=-\kappa</math> ここで「基底分解に於ける成分はその基底との内積に等しい」という性質から、<br/> 一般次元に於いても「<math>\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}</math>の接線方向成分は<math>-\kappa(s)</math>」であることが判る。 ここで<math>C^2</math>級曲線の位置ベクトル<math>\boldsymbol{r}(s)</math>に対して単位主法線<math>\boldsymbol{e}_n(s)</math>を対応させることを考える。この対応を'''ガウス表示'''という。 <math>\boldsymbol{e}_n(s)</math>を二次までテイラー展開すると<math>\Delta s>0</math>を微小量として :<math>\boldsymbol{e}_n(s+\Delta s)=\boldsymbol{e}_n(s)+\frac{d\boldsymbol{e}_n(s)}{ds}\Delta s + O(\Delta s^2)</math> ここで<math>\boldsymbol{e}_t\cdot\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}=-\kappa</math>より、<math>s</math>を<math>\Delta s</math>だけ動かしたときの接線方向の速さは<math>|\kappa(s)|\Delta s</math>である(<math>\kappa(s)</math>が正で正の向き、負で負の向きに動くとする)。 閉曲線に対してはガウス表示によって法線方向の変化を完全に捉えられるので、<math>\kappa(s)</math>を微小量<math>\Delta s</math>に関して積分した<math>\int_a^b \kappa(s)ds</math>を考えてみる。 ガウス表示では曲線を単位主法線ベクトルの描く単位円として考えることができる。閉曲線では<math>\mathrm{P}(a)=\mathrm{P}(b)</math>より明らかに<math>\boldsymbol{e}_n(a)=\boldsymbol{e}_n(b)</math>であり、閉曲線が一周する間にベクトル<math>\boldsymbol{e}_n(s)</math>はこの単位円を<math>m(\in\mathbb{Z})</math>周する<sup>※</sup>。 <small>※物理的には「円そのものが動いても円周上の質点は『この円をどっちの方向に何周したか』という情報しか持たない」ので、単位円が動くことは議論にあまり関係ない</small> 弧度法より単位円を<math>m</math>周する符号付き道のりは<math>2\pi{m}</math>であり、ガウス表示より<math>\int_a^b \kappa(s)ds=2\pi{m}</math>。 従って、<math>m=\frac{1}{2\pi}\int_a^b \kappa(s)ds</math> この<math>m</math>を閉曲線の'''回転数'''と呼ぶことにする。 曲率が負の場合には積分値が途中で相殺されてしまうので、絶対値を付けて積分した :<math>\mu:=\int_a^b |\kappa(s)|ds</math> という量を考えることにする。 これを閉曲線の'''全曲率'''と呼ぶ。 全曲率に対して以下の定理が成り立つ。 {{定理|(フェンヒェルの定理)}} 滑らかな閉曲線の全曲率は<math>\mu\geq2\pi</math>を満たす。等号成立の場合は卵形線である。 {{定理終わり}} 証明は省略する。 ===曲面=== 多変数解析で既に扱った、三次元空間に於ける曲面の陽関数表示<math>z=f(x, y)</math>を'''モンジュ表示'''という。<math>f(x, y, z)=\mathrm{const}.</math>と陰関数表示された曲面は陰関数定理が成り立つ範囲でモンジュ表示に直すことができる。 一次式で陰関数表示される曲面を'''一次曲面'''という。平面の方程式より、一次曲面は全て平面である。 二次式で陰関数表示される曲面を'''二次曲面'''という。 以下、二次曲面の例を挙げる。各係数は非退化条件を満たすとする。なお、「直線に平行な平面」は「直線を法線とする平面に垂直な平面」を意味することに注意。 *'''球面'''(sphere) :高校数学で扱ったように、点<math>(a, b, c)</math>を中心とする半径<math>r</math>の球面の方程式は<math>(x-a)^2+(y-b)^2+(z-c)^2=r^2</math>である。この球面上の点の位置ベクトルは<math>\boldsymbol{r}=\begin{pmatrix} x \\ y \\ z \end{pmatrix}</math>なので、球面が満たすベクトル方程式は一般に<math>\|\boldsymbol{r}-\boldsymbol{a}\|=\mathrm{const}.</math>である。これは円のベクトル方程式の次元を上げたものである。 *'''楕円面'''(ellipsoid) :楕円の方程式を拡張した方程式<math>\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}+\frac{z^2}{c^2}=1</math>が表す曲面である。<math>xyz</math>空間の基本面で切った断面は全て楕円となる。 *'''楕円拋物面'''(elliptic paraboloid) :楕円の平面拘束条件を外した方程式<math>z=\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}</math>が表す曲面である。<math>z</math>軸に垂直な平面で切った断面は楕円、平行な平面で切った断面は拋物線となる。 *'''双曲拋物面'''(hyperbolic paraboloid) :双曲線の平面拘束条件を外した方程式<math>z=\frac{x^2}{a^2}-\frac{y^2}{b^2}</math>が表す曲面である。<math>z</math>軸に垂直な平面で切った断面は双曲線、平行な平面で切った断面は拋物線となる。また、原点は鞍点である。 *'''一葉双曲面'''(hyperboloid of one sheet) :楕円面の方程式の一つの項の符号を変えた<math>\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}-\frac{z^2}{c^2}=1</math>の表す曲面。<math>z</math>軸に垂直な平面で切った断面は楕円、平行な平面で切った断面は双曲線となる。 *'''二葉双曲面'''(hyperboloid of two sheet) :楕円面の方程式の二つの項の符号を変えた<math>\frac{x^2}{a^2}-\frac{y^2}{b^2}-\frac{z^2}{c^2}=1</math>の表す曲面。断面の分類は一葉双曲面と同じだが、<math>m^2<c^2</math>のときは平面<math>z=m</math>と交わらないため「二葉」と名付けられている。 *'''錐面'''(conical surface) :方程式<math>\frac{z^2}{c^2}=\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}</math>の表す曲面。<math>xy</math>平面との交点は原点のみであり、<math>yz</math>平面・<math>zx</math>平面で切った断面は直線である。 閉区間<math>I\subset\mathbb{R}</math>上の一変数ベクトル関数<math>\boldsymbol{r}(t)</math>を用いたベクトル方程式<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t) \quad(t\in I)</math>の解集合は次元に依らず曲線を表した。 同様に、領域<sup>※</sup><math>D\subset\mathbb{R}^2</math>上の二変数ベクトル関数<math>\boldsymbol{r}(t, u)</math>を用いたベクトル方程式<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t, u) \quad({\scriptstyle\left(\begin{array}{c} t \\[-6pt] u \end{array}\right)}\in D)</math>の解集合は次元に依らず曲面を表すと考えられる。 厳密には[[線型代数学/基底と次元|階数・退化次数の定理]]<!-- 次元定理・線型写像の基本定理 -->などを用いてこのことを確かめられる。 <small>※ここでいう「領域」は冒頭で厳密に定義した「領域」であることに注意。</small> 曲線と同様に、曲面の'''パラメータ表示'''と'''ベクトル表示'''は次のように定義される。 :パラメータ表示:<math>\begin{cases} x_1&=&r_1(t, u) \\ x_2&=&r_2(t, u) \\ &\,\,\vdots& \\ x_n&=&r_n(t, u) \end{cases}</math> :ベクトル表示:<math>\left\{\boldsymbol{r}(t, u) \,\bigg|\, {\scriptstyle\left(\begin{array}{c} t \\[-6pt] u \end{array}\right)} \in D \right\}</math> また、<math>S:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t, u)</math>のようにも表す。 例えば、<math>k>l>0</math>として<math>\boldsymbol{r}(t, u)=\begin{pmatrix} (k+l\cos u)\cos t \\ (k+l\cos u)\sin t \\ l\sin u \end{pmatrix} \quad(D=\left\{ \begin{pmatrix} t \\ u \end{pmatrix} \bigg| \begin{array}{c} 0 \leq t \leq 2\pi \\ 0 \leq u \leq 2\pi \end{array} \right\})</math>は'''トーラス'''のベクトル表示である。 <math>\mathbb{R}^3</math>上の平面の方程式は高校数学に於いて<math>\begin{pmatrix} a \\ b \\ c \end{pmatrix}\neq\boldsymbol{0}</math>として一次式<math>ax+by+cz+d=0</math>と表せることを学んだ。 これのベクトル方程式を求めてみよう。 :①<math>c=0</math>のとき ::平面の方程式は<math>\begin{cases} ax+by+d=0 \\ z=\mathrm{const}. \end{cases}</math> ::[1]<math>b=0</math>のとき :::平面の方程式は<math>\begin{cases} ax+d=0 \\ y=\mathrm{const}. \\ z=\mathrm{const}. \end{cases}</math> :::<math>\begin{pmatrix} a \\ b \\ c \end{pmatrix}\neq\boldsymbol{0}</math>より<math>a\neq0</math> :::<math>y=t, z=u</math>と置換すると :::<math>\begin{pmatrix} x \\ y \\ z \end{pmatrix}=\begin{pmatrix} -\frac{d}{a} \\ t \\ u \end{pmatrix}</math> :::<math>\boldsymbol{r} = t\begin{pmatrix} 0 \\ 1 \\ 0 \end{pmatrix}+u\begin{pmatrix} 0 \\ 0 \\ 1 \end{pmatrix}+\begin{pmatrix} -\frac{d}{a} \\ 0 \\ 0 \end{pmatrix}</math> ::[2]<math>b\neq0</math>のとき :::<math>x=t, z=u</math>と置換すると :::<math>\begin{pmatrix} x \\ y \\ z \end{pmatrix}=\begin{pmatrix} t \\ -\frac{a}{b}t-\frac{d}{b} \\ u \end{pmatrix}</math> :::<math>\boldsymbol{r} = t\begin{pmatrix} 1 \\ -\frac{a}{b} \\ 0 \end{pmatrix}+u\begin{pmatrix} 0 \\ 0 \\ 1 \end{pmatrix}+\begin{pmatrix} 0 \\ -\frac{d}{b} \\ 0 \end{pmatrix}</math> :②<math>c\neq0</math>のとき ::<math>x=t, y=u</math>と置換すると ::<math>\begin{pmatrix} x \\ y \\ z \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} t \\ u \\ -\frac{a}{c}t-\frac{b}{c}u-\frac{d}{c} \end{pmatrix}</math> ::<math>\boldsymbol{r}=t\begin{pmatrix} 1 \\ 0 \\ -\frac{a}{c} \end{pmatrix}+u\begin{pmatrix} 0 \\ 1 \\ -\frac{b}{c} \end{pmatrix} + \begin{pmatrix} 0 \\ 0 \\ -\frac{d}{c} \end{pmatrix}</math> なお、ここから平面のベクトル方程式が一般に<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{a}+t\boldsymbol{b}+u\boldsymbol{c}</math>という「直線のベクトル方程式を拡張した形」であることがわかる。 <math>\boldsymbol{r}(t, u)\in C^1</math>且つ<math>\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}, \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}\neq\boldsymbol{0}</math>である曲面を'''滑らか'''な曲面という。 曲面<math>S:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t, u)</math>とその上の点<math>\mathrm{P}_0=(a, b)</math>に対し、曲線<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(a, u), \boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t, b)</math>をそれぞれ点<math>\mathrm{P}_0</math>に於ける'''<math>t</math>曲線'''・'''<math>u</math>曲線'''という。 <math>\boldsymbol{r}(t, u)\in C^1</math>であるとき、偏導関数の定義から :<math>\frac{\partial}{\partial{u}}\boldsymbol{r}(a, u)=\frac{d}{du}\boldsymbol{r}(a, u)</math> :<math>\frac{\partial}{\partial{t}}\boldsymbol{r}(t, b)=\frac{d}{dt}\boldsymbol{r}(t, b)</math> ここで<math>a, b</math>をそれぞれ<math>t</math>軸・<math>u</math>軸上で動かすことで<math>t</math>曲線・<math>u</math>曲線の接ベクトルがそれぞれ<math>\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}, \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}</math>であると判る。これらを曲面のパラメータ方向の'''接ベクトル'''という。 これらの接ベクトルが平行でないとき、曲面<math>S</math>上の任意の点<math>\mathrm{P}</math>に対して<math>\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}, \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}</math>の張る平面が定まる。これを曲面<math>S</math>の点<math>\mathrm{P}</math>に於ける'''接平面'''という。曲線の接線は一次元ベクトル空間<math>\left\{ \xi\frac{d\boldsymbol{r}}{dt} \bigg| t \in\mathbb{R} \right\}</math>で表されたが、接平面は二次元ベクトル空間<math>\left\{ \xi\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}+\eta\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}} \bigg| \xi, \eta \in \mathbb{R} \right\}</math>で表される。このような接ベクトル全体が張るベクトル空間を一般に'''接空間'''と呼ぶ。 接ベクトルの組が一次独立である曲面を'''正則'''な曲面という。滑らかな曲面は正則曲面である。 曲面<math>S</math>の接平面に垂直なベクトルを<math>S</math>の'''法線ベクトル'''という。 三次元空間ならば接平面を張る2ベクトルの外積<math>\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}} \times \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}</math>で求められる。 モンジュ表示された曲面<math>S:z=f(x, y)</math>に対して接平面の存在性(つまり曲面の正則性)は「二変数関数<math>f</math>の全微分可能」に対応した。ベクトル表示された曲面<math>S:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t, u)</math>に対しては「ベクトル関数<math>\boldsymbol{r}</math>の全微分可能性」だけでは足りず、「ヤコビ行列<math>\frac{\partial{(\boldsymbol{r})}}{\partial{(t, u)}}</math>の階数が2」も要求される。 以下、正則曲面のみ扱う。 <math>\boldsymbol{r}(t, u)</math>の微小変化は全微分で与えられる。 :<math>d\boldsymbol{r}=\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}dt+ \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}du</math> 則ち、各パラメータを同時に<math>\begin{pmatrix} t \\ u \end{pmatrix}\to\begin{pmatrix} t+dt \\ u+du \end{pmatrix}</math>と単調に動かしたとき、対応する曲面上の点が描く領域は2ベクトル<math>\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}dt, \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}du</math>の張る微小平行四辺形として近似できる。その微小面積は線型代数の内容から :<math>\sqrt{ \left\| \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}dt \right\|^2 \left\| \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}du \right\|^2 - \left\{ \left(\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}dt\right)\cdot\left(\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}du\right) \right\}^2 }=\sqrt{\left\| \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}} \right\|^2\left\|\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}\right\|^2 - \left( \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}\cdot\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}} \right)^2 } dtdu</math> である。 これを領域<math>D=\mathrm{dom}\,S</math>で重積分してやれば曲面の表面積('''曲面積''')が求まると考えられる。 {{定理|(曲面積)}} <math>E := \left\| \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}} \right\|^2,\quad F := \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}\cdot\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}},\quad G := \left\|\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}\right\|^2</math>とすると、<br> 曲面<math>S:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t, u)</math>の領域<math>D</math>に於ける曲面積は :<math>S=\iint_D \sqrt{EG-F^2}dtdu</math> {{定理終わり}} この<math>E, F, G</math>を<math>S</math>の'''第一基本量'''と呼ぶ。また、<math>dS:=\sqrt{EG-F^2}dtdu</math>を'''面素'''(面積素・面積要素)と呼ぶ。 <math>t, u</math>が共通のパラメータ<math>\theta</math>で媒介変数表示されるとき、曲面は曲線に退化するので線素を考えられる。 具体的には、 :<math>dl=\left\|\frac{d\boldsymbol{r}}{d\theta}\right\|d\theta</math> より :<math>\left\|\frac{d\boldsymbol{r}}{d\theta}\right\|^2=\frac{d\boldsymbol{r}}{d\theta}\cdot\frac{d\boldsymbol{r}}{d\theta}</math> ここで合成関数の常微分公式より :<math>\frac{d\boldsymbol{r}}{d\theta}=\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}\frac{dt}{d\theta}+ \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}\frac{du}{d\theta}</math> なので :<math>\frac{d\boldsymbol{r}}{d\theta}\cdot\frac{d\boldsymbol{r}}{d\theta}=\left\|\frac{d\boldsymbol{r}}{dt}\right\|^2\left(\frac{dt}{d\theta}\right)^2+2\left(\frac{d\boldsymbol{r}}{dt}\cdot\frac{d\boldsymbol{r}}{du}\right)\frac{dt}{d\theta}\frac{du}{d\theta}+\left\|\frac{d\boldsymbol{r}}{du}\right\|^2\left(\frac{du}{d\theta}\right)^2</math> :<math>=E\left(\frac{dt}{d\theta}\right)^2+2F\frac{dt}{d\theta}\frac{du}{d\theta}+G\left(\frac{du}{d\theta}\right)^2</math> よって :<math>dl=\sqrt{E\left(\frac{dt}{d\theta}\right)^2+2F\frac{dt}{d\theta}\frac{du}{d\theta}+G\left(\frac{du}{d\theta}\right)^2}d\theta=\sqrt{E(dt)^2+2Fdtdu+G(du)^2}</math> このように、線素は<math>\theta</math>のとり方に依存しない。 そこで、最後の式で右辺を二乗した :<math>I:=E(dt)^2+2Fdtdu+G(du)^2</math> を<math>S</math>の'''第一基本形式'''と定める。 第一基本形式は二次形式になっていることが見て取れるので、<math>\boldsymbol{v}:=\begin{pmatrix} dt \\ du \end{pmatrix}, \mathbf{K}:=\begin{pmatrix} E & F \\ F & G \end{pmatrix}</math>とおくと :<math>I={}^t\!\boldsymbol{v} \mathbf{K} \boldsymbol{v}</math> と行列表示できる。 ここで<math>I=dl^2>0</math>なので<math>\mathbf{K}</math>は正定値行列である。 また、<math>\boldsymbol{x}_i=\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}, \boldsymbol{x}_j=\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}</math>と置いて第一基本量の定義を思い返してみると<math>\mathbf{K}_{ij}=\boldsymbol{x}_i \cdot \boldsymbol{x}_j</math>なのでこの行列は接ベクトルに関するグラム行列である。この意味でも、<math>\mathbf{K}</math>は正定値行列である。 また、面素の式で根号の中身が<math>\det\mathbf{K}</math>に等しいことも判る。 則ち、第一基本量が曲面の本質であると予想される。 <math>F=0 \land E=G=\lambda</math>であるとき、<math>\mathbf{K}=\lambda\mathbf{E}_2</math>である。このときのパラメータの組<math>(u, v)</math>を曲面の'''等温座標系'''という。 等温座標系で表示された曲面<math>S</math>に対し、第一基本形式は<math>I=\lambda(dt^2+du^2)</math>と二次形式の標準形となっている。則ち、等温座標系へのパラメータ変換は主軸変換である。 面素を考えると<math>dS=\lambda^2dtdu</math>と非常に単純な形となるほか、曲面上の角度計算が平面の場合と全く同じ式で与えられることも等温座標系の利点である。 曲面<math>S</math>上の各点<math>\mathrm{P}</math>に対して単位法線ベクトル<math>\boldsymbol{n}(\mathrm{P})</math>を考える。ベクトル表示の定義域<math>D</math>でベクトル場<math>\boldsymbol{n}(\mathrm{P})</math>が連続であるとき、<math>S</math>は'''向き付け可能'''であるという。 向き付け不能な曲面の例として<math>\boldsymbol{r}(t, u)=\begin{pmatrix} (u\cos t+2)\sin 2t \\ (u\cos t+2)\cos 2t \\ u\sin t \end{pmatrix} \quad(D=\left\{ \begin{pmatrix} t \\ u \end{pmatrix} \bigg| \begin{array}{c} 0 \leq t \leq \pi \\ -1 \leq u \leq 1 \end{array} \right\})</math>と表される'''メビウスの帯'''が挙げられる。 メビウスの帯が向き付け不能である証明を概説する。 :接ベクトルをそれぞれ求める。簡単のため<math>u=0</math>として考える。単位法線ベクトルは外積を正規化して得るが、向きの取り方で正負の符号が付く。どちらの符号を採用するにしろ<math>\boldsymbol{n}(\boldsymbol{r}(0, 0))\neq\boldsymbol{n}(\boldsymbol{r}(\pi, 0))</math>を得、<math>\boldsymbol{r}(0, 0)=\boldsymbol{r}(\pi, 0)</math>より同じ点に対して異なる法線ベクトルを出力するので<math>\boldsymbol{n}(\mathrm{P})</math>はwell-definedではなく、向き付け可能性の定義を満たさない。// 四次元以上の空間では法線ベクトルの方向を複数とれるため法線ベクトル場は扱いにくい。そこで、法線ベクトルに依らない定義を考えたい。 2つの滑らかな曲面<math>S_1, S_2</math>が以下を満たすとき、 #パラメータ<math>(t_1, u_1), (t_2, u_2)</math>の間に滑らかな全単射<math>\begin{cases}t_2 =\phi(t_1, u_1) \\ u_2=\psi(t_1, u_1) \end{cases}</math>が存在する。 #この変数変換のヤコビ行列<math>\frac{\partial{(\phi, \psi)}}{\partial{(t_1, u_1)}}</math>が正則。 #<math>\boldsymbol{r}_1(t_1, u_1)=\boldsymbol{r}_2(t_2, u_2)</math> この2つは'''パラメータ変換で同値'''という。 このとき、ヤコビアンが正であるパラメータの組は'''同じ向き'''、負であるパラメータの組は'''逆向き'''であるという。 任意の<math>(t_1, u_1)</math>に対して開近傍<math>U \subset \mathrm{dom}\,S_1</math>をとったとき、どの<math>U</math>上でも<math>\det\frac{\partial{(\phi, \psi)}}{\partial{(t_1, u_1)}}>0</math>を満足するならば<math>S_1</math>は'''向き付け可能'''という。 向き付け可能な曲面の接空間に対して右手系を成すような向きの法線ベクトルを'''外向き法線ベクトル'''と呼ぶ。 外向き法線の向く側を曲面の'''表'''、その反対側を曲面の'''裏'''と定義する。 <math>\partial{S}=\varnothing</math>を満たす正則曲面<math>S</math>を'''閉曲面'''という。ジョルダンの曲線定理を拡張した定理('''ジョルダン・ブラウワーの分離定理''')によって閉曲面が空間を内部・外部に分割することが保証される。内部に面する向きを閉曲面の裏、外部に面する向きを閉曲面の表と定義する。 パラメータ空間の座標軸の向きの組み合わせが<math>xy</math>平面と同じとき、外向き法線で定義される閉曲面の表裏は内部・外部から定義される表裏に一致する。 ===回転面=== ここでは三次元空間内の曲面について考える。 高校数学で回転体を扱ったが、領域の回転体の表面である曲面は元の領域の疆界である単純閉曲線を軸に関して回転したものである。そこで、平面上の任意の曲線を回転すると曲面('''回転面''')を得ると考えられる。 簡単な場合として、<math>x\geq0</math>で定義された<math>zx</math>平面上の曲線<math>z=f(x)</math>を<math>y</math>軸に関して回転させた回転面を考える。 :任意の<math>k\in[0,\infty)</math>に関して曲線上の点は<math>\begin{pmatrix} x \\ z \end{pmatrix}=\begin{pmatrix} k \\ f(k)\end{pmatrix}</math>と与えられる。 :領域<math>\left\{ {\scriptstyle\left(\begin{array}{c} x \\[-6pt] z \end{array}\right)} \big| x \leq k \right\}</math>を<math>y</math>軸に関して回転した回転体を平面<math>z=f(k)</math>で切った断面は半径<math>k</math>の閉円盤であり、疆界円周上の点を<math>\begin{pmatrix} x \\ y \\ f(k) \end{pmatrix}</math>とすると<math>k=\sqrt{x^2+y^2}</math>である。 :則ち回転体の疆界である回転面上の点<math>\begin{pmatrix} x \\ y \\ z \end{pmatrix}</math>は方程式<math>z=f(\sqrt{x^2+y^2})</math>を満たし、逆にこの方程式を満たす<math>\begin{pmatrix} x \\ y \\ z \end{pmatrix}</math>は回転面上にある。 纏めると以下のようになる。 {{定理|(回転面の方程式)}} <math>zx</math>平面上の曲線<math>z=f(x)\quad(x\geq0)</math>を<math>y</math>軸に関して回転させた回転面の方程式は :<math>z=f(\sqrt{x^2+y^2})</math> {{定理終わり}} <math>z</math>軸・<math>x</math>軸に関する回転面の方程式は変数を輪環の順に入れ替えることで得られる。 回転面に対し、元の曲線を'''母線'''という。 母線が直線である回転面は'''円錐'''である。 :<math>z=mx+n\quad(m\neq0,x\geq0)</math>とすれば<math>y</math>軸に関して回転した曲面の方程式は :<math>z=m\sqrt{x^2+y^2}+n</math> :<math>z-n = m\sqrt{x^2+y^2}</math> これを両辺二乗すると :<math>(z-n)^2=m^2x^2+m^2y^2</math> であり、錐面の方程式<math>\frac{z^2}{c^2}=\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}</math>を満たしていることがわかる。 回転軸が傾いている場合、<math>xyz</math>空間の回転行列<math>\mathbf{R}</math>を利用することで各軸に関する回転に帰着することもできるが、ここでは曲面のベクトル表示を扱ったのでベクトル方程式で回転を記述することを考えたい。 点<math>\mathrm{O}</math>から<math>\boldsymbol{r}</math>とそれに平行でない単位ベクトル<math>\boldsymbol{e}</math>が伸びており、そのなす角が<math>\theta</math>であるとする。<math>\boldsymbol{r}</math>の終点<math>\mathrm{P}</math>を含み<math>\boldsymbol{e}</math>を法線とする平面を<math>\Pi</math>、<math>\Pi</math>と直線<math>\{k\boldsymbol{e} \mid k>0\}</math>の交点を<math>\mathrm{N}</math>、<math>\mathrm{P}</math>を<math>\Pi</math>内で<math>\mathrm{N}</math>を中心として<math>\phi</math>回転した点を<math>\mathrm{Q}</math>、<math>\mathrm{NQ}</math>から<math>\mathrm{NP}</math>へ降ろした垂足を<math>\mathrm{R}</math>と置く。但し、回転角<math>\phi</math>の正の向きは<math>\boldsymbol{e}</math>を右螺子の進む向きとする方向に定める。 このとき、<math>\boldsymbol{r}</math>を<math>\boldsymbol{e}</math>に関して<math>\phi</math>だけ回転させたベクトル<math>\boldsymbol{r}'</math>は以下のように表される。 {{定理|(ロドリゲスの公式)}} :<math>\boldsymbol{r}'=\boldsymbol{r}\cos\phi+(\boldsymbol{r}\cdot\boldsymbol{e})\,\mathrm{versin}\,\phi\,\boldsymbol{e}-(\boldsymbol{r}\times\boldsymbol{e})\sin\phi</math> {{定理終わり}} *証明 :<math>\boldsymbol{r}'=\overrightarrow{\mathrm{OQ}}=\overrightarrow{\mathrm{ON}}+\overrightarrow{\mathrm{NR}}+\overrightarrow{\mathrm{RQ}}</math> :<math>\overrightarrow{\mathrm{ON}}</math>は<math>\boldsymbol{r}</math>の<math>\boldsymbol{e}</math>への正射影ベクトルなので ::<math>\overrightarrow{\mathrm{ON}}=\frac{\boldsymbol{r}\cdot\boldsymbol{e}}{\boldsymbol{e}\cdot\boldsymbol{e}}\boldsymbol{e}=(\boldsymbol{r}\cdot\boldsymbol{e})\boldsymbol{e}</math> :<math>\triangle\mathrm{NQR}</math>を考えると<math>\|\overrightarrow{\mathrm{NQ}}\|=\|\overrightarrow{\mathrm{NP}}\|</math>と<math>\|\overrightarrow{\mathrm{NR}}\|=\|\overrightarrow{\mathrm{NQ}}\|\cos\phi</math>及び<math>\overrightarrow{\mathrm{NR}}/\!\!/\overrightarrow{\mathrm{NP}}</math>より ::<math>\overrightarrow{\mathrm{NR}}=\overrightarrow{\mathrm{NP}}\cos\phi=(\overrightarrow{\mathrm{OP}}-\overrightarrow{\mathrm{ON}})\cos\phi=\{\boldsymbol{r}-(\boldsymbol{r}\cdot\boldsymbol{e})\boldsymbol{e}\}\cos\phi</math> :<math>\boldsymbol{r}\times\boldsymbol{e}</math>は外積の定義から<math>\overrightarrow{\mathrm{NP}}</math>を<math>\Pi</math>上で<math>-\phi</math>方向に<math>\frac{\pi}{2}</math>だけ回転させたベクトルになるので、 :<math>\boldsymbol{r}\times\boldsymbol{e}/\!\!/\overrightarrow{\mathrm{RQ}}</math>と<math>\|\overrightarrow{\mathrm{RQ}}\|=\|\overrightarrow{\mathrm{NQ}}\|\sin\phi</math>及び<math>\|\overrightarrow{\mathrm{NQ}}\|=\|\overrightarrow{\mathrm{NP}}\|</math>から ::<math>\overrightarrow{\mathrm{RQ}}=-(\boldsymbol{r}\times\boldsymbol{e})\sin\phi</math> :これらを足して ::<math>\boldsymbol{r}'=(\boldsymbol{r}\cdot\boldsymbol{e})\boldsymbol{e}+\{\boldsymbol{r}-(\boldsymbol{r}\cdot\boldsymbol{e})\boldsymbol{e}\}\cos\phi-(\boldsymbol{r}\times\boldsymbol{e})\sin\phi</math> ::<math>=\boldsymbol{r}\cos\phi+(\boldsymbol{r}\cdot\boldsymbol{e})(1-\cos\phi)\boldsymbol{e}-(\boldsymbol{r}\times\boldsymbol{e})\sin\phi</math> ::<math>=\boldsymbol{r}\cos\phi+(\boldsymbol{r}\cdot\boldsymbol{e})\,\mathrm{versin}\,\phi\,\boldsymbol{e}-(\boldsymbol{r}\times\boldsymbol{e})\sin\phi</math>// この証明ではベクトルの平行移動を用いているのでアフィン空間を前提とするが、この式そのものはアフィン構造に依存してないので一般のベクトル空間で成り立つ。 また、回転後のベクトルは母線のパラメータ<math>t</math>に加えて回転角<math>\phi</math>もパラメータとして有するので、<math>\boldsymbol{r}'(t, \phi)</math>という二変数ベクトル関数となって曲面を表すことになる。則ち、「曲線を回転すれば曲面を得る」という直感は正しい。 ロドリゲスの公式の応用として、例えば円錐のベクトル方程式が<math>\frac{(\boldsymbol{r}-\boldsymbol{p})\cdot\boldsymbol{a}}{\|\boldsymbol{r}-\boldsymbol{p}\|}=\mathrm{const}.</math>であることが導ける。 :円錐頂点の位置ベクトルを<math>\boldsymbol{p}</math>、軸ベクトルを<math>\boldsymbol{a}</math>、<math>\boldsymbol{a}</math>と角度<math>\alpha</math>をなす単位ベクトルを<math>\boldsymbol{v}</math>とする。このとき直線<math>\{k\boldsymbol{v}\mid k>0\}</math>が円錐の母線であり、母線と交わる向きである軸の法線ベクトルを<math>\boldsymbol{b}</math>とおく。 :ロドリゲスの公式より<math>\boldsymbol{v}</math>を<math>\boldsymbol{a}</math>の周りに<math>\theta</math>だけ回転させたベクトル<math>\boldsymbol{v}'</math>は ::<math>\boldsymbol{v}'=\boldsymbol{v}\cos\theta+(\boldsymbol{v}\cdot\boldsymbol{e}_a)\,\mathrm{versin}\,\theta\,\boldsymbol{e}_a-(\boldsymbol{v}\times\boldsymbol{e}_a)\sin\theta</math> :ここで<math>\boldsymbol{v}</math>を<math>\boldsymbol{a}, \boldsymbol{b}</math>方向に基底分解すると ::<math>\boldsymbol{v}=\cos\alpha\,\boldsymbol{e}_a+\sin\alpha\,\boldsymbol{e}_b</math> :なので、 ::<math>\boldsymbol{v}'=\cos\alpha\boldsymbol{e}_a+\sin\alpha\{\boldsymbol{e}_b\cos\theta+(\boldsymbol{e}_a\times\boldsymbol{e}_b)\sin\theta\}</math> :円錐上の点<math>\boldsymbol{r}</math>の位置ベクトルは頂点から母線方向に<math>\rho</math>だけ進むので ::<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{p}+\rho\boldsymbol{v}'</math> :であり、 ::<math>\boldsymbol{r}-\boldsymbol{p}=\rho\boldsymbol{v}'</math> :ここで<math>\|\boldsymbol{v}'\|=\|\boldsymbol{v}\|=1</math>より ::<math>\rho=\|\boldsymbol{r}-\boldsymbol{p}\|</math> :このベクトルと軸ベクトルの内積をとると ::<math>(\boldsymbol{r}-\boldsymbol{p})\cdot\boldsymbol{a}=\rho\boldsymbol{v}'\cdot\boldsymbol{a}</math> ::<math>=\rho\{\cos\alpha(\boldsymbol{e}_a\cdot\boldsymbol{a})+\sin\alpha\cos\theta(\boldsymbol{e}_b\cdot\boldsymbol{a})+\sin\alpha\sin\theta(\boldsymbol{e}_a\times\boldsymbol{e}_b)\cdot\boldsymbol{a}\}</math> :<math>\boldsymbol{e}_b, \boldsymbol{e}_a\times\boldsymbol{e}_b</math>とも<math>\boldsymbol{a}</math>に直交するので後ろの二項は消えて ::<math>(\boldsymbol{r}-\boldsymbol{p})\cdot\boldsymbol{a}=\rho\cos\alpha(\boldsymbol{e}_a\cdot\boldsymbol{a})=\|\boldsymbol{r}-\boldsymbol{p}\|\|\boldsymbol{a}\|\cos\alpha</math> :則ち ::<math>\frac{(\boldsymbol{r}-\boldsymbol{p})\cdot\boldsymbol{a}}{\|\boldsymbol{r}-\boldsymbol{p}\|}=\|\boldsymbol{a}\|\cos\alpha=\mathrm{const}.</math>// 円錐が先に与えられている場合は「<math>\boldsymbol{r}-\boldsymbol{p}</math>が母線の方向ベクトルなのは図より自明」とできるが、ここでは「母線が先に与えられて回転によって円錐が構成される」という立場を採ったのでロドリゲスの公式が効くのである。 ロドリゲスの公式で微小回転<math>d\phi</math>の場合を考える。 正弦関数・余弦関数の部分を1項目までテイラー展開して<math>\cos(d\phi)=1+O(d\phi^2), \sin(d\phi)= d\phi+O(d\phi^3)</math>なので<math>\mathrm{versin}(d\phi)=O(d\phi^2)</math>であり、 :<math>\boldsymbol{r}' = \boldsymbol{r}-(\boldsymbol{r}\times\boldsymbol{e})d\phi+O(d\phi^2)</math> ここで<math>d\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}'-\boldsymbol{r}</math>なので :<math>d\boldsymbol{r}=-(\boldsymbol{r}\times\boldsymbol{e})d\phi+O(d\phi^2)</math> 則ち、ベクトル関数の全微分は微小回転で近似される。 オーダー記法の項を無視して<math>\boldsymbol{\omega}=\frac{d\phi}{dt}\boldsymbol{e}</math>と置くと :<math>d\boldsymbol{r}=(d\phi\boldsymbol{e})\times\boldsymbol{r}</math> これの両辺を<math>dt</math>で割って :<math>\frac{d\boldsymbol{r}}{dt}=\boldsymbol{\omega}\times\boldsymbol{r}</math> これは剛体の速度公式である。 ロドリゲスの公式の一次変換表記を考える。 <math>\boldsymbol{r}=\begin{pmatrix} r_1 \\ r_2 \\ r_3 \end{pmatrix}, \boldsymbol{r}'=\begin{pmatrix} r'_1 \\ r'_2 \\ r'_3 \end{pmatrix}, \boldsymbol{e}=\begin{pmatrix} a \\ b \\ c \end{pmatrix}</math>とすると、 :<math>\begin{pmatrix} r'_1 \\ r'_2 \\ r'_3 \end{pmatrix}=\cos\phi\begin{pmatrix} r_1 \\ r_2 \\ r_3 \end{pmatrix}+(ar_1+br_2+cr_3)\mathrm{versin}\,\phi\begin{pmatrix} a \\ b \\ c \end{pmatrix} - \sin\phi \begin{pmatrix} cr_2-br_3 \\ ar_3-cr_1 \\ br_1-ar_2 \end{pmatrix}</math> :<math>=\begin{pmatrix} (\cos\phi + a^2\,\mathrm{versin}\,\phi) r_1 + (ab\,\mathrm{versin}\,\phi -c\sin\phi) r_2 + (ca\,\mathrm{versin}\,\phi + b\sin\phi) r_3 \\ (ab\,\mathrm{versin}\,\phi + c\sin\phi) r_1 + (\cos\phi + b^2\,\mathrm{versin}\,\phi) r_2 + (bc\,\mathrm{versin}\,\phi -a\sin\phi) r_3 \\ (ca\,\mathrm{versin}\,\phi - b\sin\phi) r_1 + (bc\,\mathrm{versin}\,\phi+ a\sin\phi) r_2 + (\cos\phi + c^2\,\mathrm{versin}\,\phi) r_3 \end{pmatrix}</math> :<math>=\begin{pmatrix} \cos\phi + a^2\,\mathrm{versin}\,\phi & ab\,\mathrm{versin}\,\phi -c\sin\phi & ca\,\mathrm{versin}\,\phi + b\sin\phi \\ ab\,\mathrm{versin}\,\phi + c\sin\phi & \cos\phi + b^2\,\mathrm{versin}\,\phi & bc\,\mathrm{versin}\,\phi -a\sin\phi \\ ca\,\mathrm{versin}\,\phi - b\sin\phi & bc\,\mathrm{versin}\,\phi+ a\sin\phi & \cos\phi + c^2\,\mathrm{versin}\,\phi \end{pmatrix} \begin{pmatrix} r_1 \\ r_2 \\ r_3 \end{pmatrix}</math> ここで<math>\mathrm{versin}\,\phi</math>を<math>1-\cos\phi</math>に戻して係数行列を<math>1, \cos\phi, \sin\phi</math>の項に分解してみると :<math>=\begin{pmatrix} a^2+(1-a^2)\cos\phi & ab-ab\cos\phi -c\sin\phi & ca-ca\cos\phi + b\sin\phi \\ ab-ab\cos\phi + c\sin\phi & b^2+(1-b^2)\cos\phi & bc-bc\cos\phi -a\sin\phi \\ ca-ca\cos\phi - b\sin\phi & bc-bc\cos\phi+ a\sin\phi & c^2+(1-c^2)\cos\phi \end{pmatrix} \begin{pmatrix} r_1 \\ r_2 \\ r_3 \end{pmatrix}</math> :<math>=\left\{ \begin{pmatrix} a^2 & ab & ca \\ ab & b^2 & bc \\ ca & bc & c^2 \end{pmatrix} + \cos\phi\begin{pmatrix} 1-a^2 & -ab & -ca \\ -ab & 1-b^2 & -bc \\ -ca & -bc & 1-c^2 \end{pmatrix} +\sin\phi\begin{pmatrix} 0 & -c & b \\ c & 0 & -a \\ -b & a & 0 \end{pmatrix} \right\} \begin{pmatrix} r_1 \\ r_2 \\ r_3 \end{pmatrix}</math> :<math>=\left[ \begin{pmatrix} a^2 & ab & ca \\ ab & b^2 & bc \\ ca & bc & c^2 \end{pmatrix} + \cos\phi \left\{ \begin{pmatrix} 1 & 0 & 0 \\ 0 & 1 & 0 \\ 0 & 0 & 1 \end{pmatrix}-\begin{pmatrix} a^2 & ab & ca \\ ab & b^2 & bc \\ ca & bc & c^2 \end{pmatrix} \right\} +\sin\phi\begin{pmatrix} 0 & -c & b \\ c & 0 & -a \\ -b & a & 0 \end{pmatrix} \right] \begin{pmatrix} r_1 \\ r_2 \\ r_3 \end{pmatrix}</math> ここで<math>\begin{pmatrix} a^2 & ab & ca \\ ab & b^2 & bc \\ ca & bc & c^2 \end{pmatrix}</math>は<math>\boldsymbol{e}</math>の<math>(i, j)</math>成分と<math>(j, i)</math>成分を掛けて並べた行列になっていることがわかる。これを<math>\boldsymbol{e}\otimes\boldsymbol{e}</math>と書くことにする。<math>\sin\phi</math>に係る行列を<math>\mathbf{N}</math>と置くと、 :<math>\boldsymbol{r}'=\{\boldsymbol{e}\otimes\boldsymbol{e}+\cos\phi(\mathbf{E}_3-\boldsymbol{e}\otimes\boldsymbol{e})+\sin\phi\mathbf{N}\}\boldsymbol{r}</math> という表示を得る。 更に、<math>\mathbf{N}^2=\begin{pmatrix} -b^2-c^2 & ab & ca \\ ab & -c^2-a^2 & bc \\ ca & bc & -a^2-b^2 \end{pmatrix}</math>と<math>\|\boldsymbol{e}\|=\sqrt{a^2+b^2+c^2}=1</math>より :<math>\boldsymbol{e}\otimes\boldsymbol{e}=\mathbf{N}^2+(a^2+b^2+c^2)\mathbf{E}_3=\mathbf{N}^2+\mathbf{E}_3</math> が成り立つので、最終的に :<math>\boldsymbol{r}'=(\mathbf{E}_3+\sin\phi\mathbf{N}+\mathrm{versin}\,\phi\mathbf{N}^2)\boldsymbol{r}</math> と二次の行列多項式で表示される。 なお、<math>\otimes</math>は発展節で紹介する'''テンソル積'''を表している。 ここで、行列<math>\mathbf{N}</math>についてより具体的に考えてみる。 先ず、<math>{}^t\!\mathbf{N}=-\mathbf{N}</math>が成り立つので<math>\mathbf{N}</math>は反対称行列(歪対称行列・交代行列)である。 <math>\mathbf{N}\boldsymbol{r}</math>を計算すると :<math>\mathbf{N}\boldsymbol{r}=\begin{pmatrix} 0 & -c & b \\ c & 0 & -a \\ -b & a & 0 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} r_1 \\ r_2 \\ r_3 \end{pmatrix}=\begin{pmatrix} br_3-cr_2 \\ cr_1-ar_3 \\ ar_2-br_1 \end{pmatrix}=\boldsymbol{e}\times\boldsymbol{r}</math> 則ち、<math>\mathbf{N}</math>は<math>\boldsymbol{e}</math>に関する外積(形式的には<math>\boldsymbol{e}\times</math>という左演算)を一次変換とみて表現行列に直したものである。 更に、成分計算により<math>\mathbf{N}^3=-\mathbf{N}</math>という性質が成り立つことも判る。外積を「ベクトルを90°回転させる演算」とみると、二回の演算によって180°回転するということなのでこの結果は妥当である。 ここで行列自然指数関数<math>\exp(\phi\mathbf{N})=\sum_{i=0}^\infty \frac{(\phi\mathbf{N})^i}{i!}</math>を考えてみると上の性質より三次以上の項は<math>\mathbf{N}^4=-\mathbf{N}^2, \mathbf{N}^5=\mathbf{N},\cdots</math>のように全て二次以下に帰着できる。<br> また、自然指数関数のテイラー展開は絶対収束級数なので各項は可換であり、<math>\mathbf{N}</math>の二次式として纏め直すと :<math>\exp(\phi\mathbf{N})=\mathbf{E}_3 + (\phi-\frac{\phi^3}{3!}+\frac{\phi^5}{5!}-\frac{\phi^7}{7!}+\cdots) \mathbf{N}+(\frac{\phi^2}{2!}-\frac{\phi^4}{4!}+\frac{\phi^6}{6!}-\frac{\phi^8}{8!}+\cdots)\mathbf{N}^2</math> ここで一次・二次の係数はそれぞれ正弦関数・正矢関数のテイラー展開になっているので結局は :<math>\exp(\phi\mathbf{N})=\mathbf{E}_3+\sin\phi\mathbf{N}+\mathrm{versin}\,\phi\mathbf{N}^2</math> ここから、<math>\exp(\phi\mathbf{N})</math>は角度<math>\phi</math>に関する有限回転に対応することが判った。 このことは以下の考え方でも求まる。<br> <math>\mathbf{N}</math>の最小方程式は<math>\mathbf{N}^3+\mathbf{N}=\mathbf{O}_3</math>より<math>x(x^2+1)=0</math>であり固有値は<math>0, \pm{i}</math>と求まるので、<math>\exp(\phi\mathbf{N})</math>の対角化行列は :<math>\begin{pmatrix} e^{0\phi} & 0 & 0 \\ 0 & e^{i\phi} & 0 \\ 0 & 0 & e^{-i\phi} \end{pmatrix}</math> ここで任意の解析関数<math>f</math>について<math>f(\mathbf{N})</math>のテイラー展開は二次以下の多項式になるので :<math>\exp(\phi\mathbf{N})=\alpha\mathbf{E}_3+\beta\mathbf{N}+\gamma\mathbf{N}^2</math> これを実多項式に戻した<math>\alpha+\beta{x}+\gamma{x^2}</math>が<math>e^{\phi{x}}</math>と任意の固有値で一致すればよい(二次補間)ので、 :<math>\begin{cases} e^0 = \alpha \\ e^{i\phi} = i\beta -\gamma \\ e^{-i\phi} = -i\beta-\gamma \end{cases}</math> :<math>\iff \begin{cases} 1 = \alpha \\ \cos\phi+i\sin\phi = (\alpha -\gamma) + i\beta \end{cases}</math> :<math>\therefore \begin{cases} \alpha=1 \\ \beta=\sin\phi \\ \gamma=1-\cos\phi=\mathrm{versin}\,\phi \end{cases}</math> 則ち、<math>\mathbf{N}^3=-\mathbf{N}</math>という構造は<math>\Psi_\mathbf{N}(x)=x(x^2+1)</math>という最小多項式に起因するということである。 更に[[表現論]]の観点から見ると、三次直交行列全体である回転群<math>SO(3)</math>に対し、<math>\mathbf{N}</math>は<math>SO(3)</math>の単位元に於ける接空間(三次反対称行列全体・則ちリー代数<math>\mathfrak{so}(3)</math>)の元であり、<math>\exp(\phi\mathbf{N})</math>はリー群<math>SO(3)</math>の元である。ここで行列自然指数関数は「リー代数からリー群へ引き戻す写像」なので'''指数写像'''と呼ばれる。 これが[[#フレネ標搆]]で述べた「直交変換の一次近似が反対称変換」という事実のより正確な表現である。 補足だが、力学で扱う[[w:オイラー角]]というものを導入するとロドリゲスの公式を各座標軸に関する回転の合成で表すこともできる。 ===種々の曲率=== 法曲率・主曲率・平均曲率・全曲率 ==直交曲線座標系== {{節stub}} ===円筒座標系=== 平面の座標系として直交座標の他に斜交座標、極座標(円座標)、重心座標などがあったように、空間の座標系も複数通り考えられる。 空間座標を3つの実数の組<math>(r, \theta, z)</math>で表した座標系を'''円筒座標系'''('''円柱座標系'''、cylindrical coordinate system)という。ただし、<math>r</math>は原点からの(符号付き)距離、<math>\theta</math>は基準面に於ける始線からの正の回転角、<math>z</math>は基準面からの高さである。 円筒座標系は、円座標系のrθ平面にz軸方向の次元を加えた3次元空間の座標と考えられる。 そのため、円筒座標系と直交座標系の対応は以下のようになる。 :<math>\begin{cases} x=r\cos\theta \\ y=r\sin\theta \\ z=z \end{cases} \iff \begin{cases} r=\sqrt{x^2+y^2} \\ \theta = \arctan\frac{y}{x} \\ z=z \end{cases}</math> 但し、<math>r</math>は基準面の裏側では負とする。 直交座標のz軸を基に円筒座標系の座標軸を決定する。一般に座標軸は直線とは限らないので、「軸」ではなく「曲線」と呼ぶことにする('''座標線''')。なお、「曲線」という語は一般に「直線」を包含する。 :r曲線:z軸上の点を通りz軸に垂直な半直線。 :θ曲線:z軸を法線とする平面内にあり、中心がz軸上にある円周。 :z曲線:z軸に平行な直線。 ここで、各曲線に沿った微小変化がどのように表されるか見ていく。 <math>\boldsymbol{f}: (r,\theta,z)\to(x,y,z)</math>とする。 <math>\boldsymbol{f}</math>全体の微小変化は全微分<math>d\boldsymbol{f}=\frac{\partial{(x,y,z)}}{\partial{(r,\theta,z)}} \begin{pmatrix} dr \\ d\theta \\ dz \end{pmatrix}</math>で表される。 上で求めた関係式より :<math>\boldsymbol{f}\begin{pmatrix} r \\ \theta \\ z\end{pmatrix}=\begin{pmatrix} x \\ y \\ z \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} r\cos\theta \\ r\sin\theta \\ z \end{pmatrix}</math> なので、 :<math>\frac{\partial{(x,y,z)}}{\partial{(r,\theta,z)}} = \begin{pmatrix} \frac{\partial}{\partial{r}}r\cos\theta & \frac{\partial}{\partial{\theta}}r\cos\theta & \frac{\partial}{\partial{z}}r\cos\theta \\ \frac{\partial}{\partial{r}}r\sin\theta & \frac{\partial}{\partial{\theta}}r\sin\theta & \frac{\partial}{\partial{z}}r\sin\theta \\ \frac{\partial}{\partial{r}}z & \frac{\partial}{\partial{\theta}}z & \frac{\partial}{\partial{z}}z \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} \cos\theta & -r\sin\theta & 0 \\ \sin\theta & r\cos\theta & 0 \\ 0 & 0 & 1 \end{pmatrix}</math> よって :<math>d\boldsymbol{f}=\begin{pmatrix} \cos\theta & -r\sin\theta & 0 \\ \sin\theta & r\cos\theta & 0 \\ 0 & 0 & 1 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} dr \\ d\theta \\ dz \end{pmatrix}=\begin{pmatrix} \cos\theta \\ \sin \theta \\ 0 \end{pmatrix}dr + \begin{pmatrix} -\sin\theta \\ \cos\theta \\ 0 \end{pmatrix}rd\theta + \begin{pmatrix} 0 \\ 0 \\ 1 \end{pmatrix}dz </math> 再右辺の各項を<math>d\vec{r}, d\vec{\theta}, d\vec{z}</math>と書くことにすると、<math>|d\vec{r}|, |d\vec{\theta}|, |d\vec{z}|</math>はそれぞれ<math>dr, rd\theta, dz</math>とわかる。<math>r, \theta, z</math>を物理量として捉えたとき<math>d\theta</math>の単位はラジアン(無次元量)であり、<math>rd\theta</math>の単位はメートル(長さの次元1)なので、次元の整合性が取れる。 纏めると以下のようになる。 {| class="wikitable" | ||style="text-align:center;"| <math>\boldsymbol{e}_x</math>成分 ||style="text-align:center;"| <math>\boldsymbol{e}_y</math>成分 ||style="text-align:center;"| <math>\boldsymbol{e}_z</math>成分 ||style="text-align:center;"| ノルム |- |style="text-align:center;"| <math>d\vec{r}</math> ||style="text-align:center;"| <math>\cos\theta dr</math> ||style="text-align:center;"| <math>\sin\theta dr</math> ||style="text-align:center;"| <math>0</math> ||style="text-align:center;"| <math>dr</math> |- |style="text-align:center;"| <math>d\vec{\theta}</math> ||style="text-align:center;"| <math>-r\sin\theta d\theta</math> ||style="text-align:center;"| <math>r\cos\theta d\theta</math> ||style="text-align:center;"| <math>0</math> ||style="text-align:center;"| <math>rd\theta</math> |- |style="text-align:center;"| <math>d\vec{z}</math> ||style="text-align:center;"| <math>0</math> ||style="text-align:center;"| <math>0</math> ||style="text-align:center;"| <math>1</math> ||style="text-align:center;"| <math>dz</math> |} ここで<math>d\vec{r}, d\vec{\theta}, d\vec{z}</math>は内積を取ればどの組も互いに直交することが容易にわかるので、この3つのベクトルは3次元ユークリッド空間の直交基底である。 そこで、それぞれのベクトルを正規化することで各軸曲線方向の基本ベクトルを得る。 :<math>\boldsymbol{e}_r = \frac{d\vec{r}}{dr} = \cos\theta \boldsymbol{e}_x + \sin\theta \boldsymbol{e}_y</math> :<math>\boldsymbol{e}_\theta = \frac{d\vec{\theta}}{rd\theta} = -\sin\theta\boldsymbol{e}_x+\cos\theta\boldsymbol{e}_y</math> :<math>\boldsymbol{e}_z=\frac{d\vec{z}}{dz}=\boldsymbol{e}_z</math> これを一次変換の形式で表すと :<math>\begin{pmatrix} \boldsymbol{e}_r \\ \boldsymbol{e}_\theta \\ \boldsymbol{e}_z \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} \cos\theta & \sin\theta & 0 \\ -\sin\theta & \cos\theta & 0 \\ 0 & 0 & 1 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} \boldsymbol{e}_x \\ \boldsymbol{e}_y \\ \boldsymbol{e}_z \end{pmatrix}</math> となる。 このときの変換行列を、座標系または基底ベクトルを変換することから'''座標変換行列'''又は'''基底変換行列'''という。場合によっては'''変換テンソル'''とも呼ぶ。 なお、この直交座標⇒円筒座標の座標変換行列は、xyz空間に於けるz軸まわりの回転行列に等しい。 逆基底変換はこの座標変換行列の逆行列を求めれば定式化できる。 回転行列は直交行列なので :<math>\begin{pmatrix} \cos\theta & \sin\theta & 0 \\ -\sin\theta & \cos\theta & 0 \\ 0 & 0 & 1 \end{pmatrix} ^{-1}= {}^t \! \begin{pmatrix} \cos\theta & \sin\theta & 0 \\ -\sin\theta & \cos\theta & 0 \\ 0 & 0 & 1 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} \cos\theta & -\sin\theta & 0 \\ \sin\theta & \cos\theta & 0 \\ 0 & 0 & 1 \end{pmatrix} </math> であり、 :<math>\begin{pmatrix} \boldsymbol{e}_x \\ \boldsymbol{e}_y \\ \boldsymbol{e}_z \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} \cos\theta & -\sin\theta & 0 \\ \sin\theta & \cos\theta & 0 \\ 0 & 0 & 1 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} \boldsymbol{e}_r \\ \boldsymbol{e}_\theta \\ \boldsymbol{e}_z \end{pmatrix}</math> 円筒座標系は、[[電磁気学]]の解析でよく使用される。 例えば、高校物理の公式<math>B(r)=\frac{\mu_0I}{\tau r}</math>は、円筒座標系を知っていれば「電流がz軸に平行であることから磁場はz方向に一葉且つθ方向に回転対称なので、r方向の項のみが寄与する」と理解される。 ===極座標系=== 高等学校までの地理で習ったように、球面上の位置は緯度<math>\theta</math>と経度<math>\phi</math>で定めることができる。 一般に三次元空間で球面上のある点の座標を定めるには、更に球の中心からの距離<math>r</math>が必要である。 このようにして定められる座標系を'''三次元極座標系'''(polar coordinate system in 3D)または'''球(面)座標系'''(spherical coordinate system)という。 xyz座標空間の点<math>P(x, y, z)</math>の極座標表示を考える。 <math>r=|\vec{OP}|=\sqrt{x^2+y^2+z^2}</math>は容易にわかる。 <math>\theta</math>はz軸からの'''天頂角'''(zenith angle)であり、<math>\vec{OP}</math>のz軸への正射影ベクトルを<math>\vec{OH}=\vec{h}</math>とすると<math>\tan\theta = \frac{|\vec{h}|}{z}</math>が成り立つ。<math>|\vec{h}|=\sqrt{x^2+y^2}</math>より、<math>\theta=\arctan \frac{\sqrt{x^2+y^2}}{z}</math>である。 <math>\phi</math>はx軸からの'''方位角'''(azimuth angle)であり、<math>P</math>からxy平面に下した垂線の足<math>Q</math>を考えると<math>\tan\phi=\frac{y}{x}</math>とわかる。よって、<math>\phi=\arctan\frac{y}{x}</math>である。 逆に、これを<math>P(x, y, z)</math>に復元することを考える。 <math>\triangle OHP</math>について<math>\angle HOP=\theta</math>なので、<math>z=\overline{OH}=r\cos\theta</math>。 また、<math>\triangle OPQ</math>について<math>\angle OPQ=\theta</math>なので、<math>\overline{OQ}=r\sin\theta</math>。 よって<math>x=\overline{OQ}\cos\phi=r\sin\theta\cos\phi, y=\overline{OQ}\sin\phi=r\sin\theta\sin\phi</math>。 以上を纏めると、直交座標と球面座標の対応関係は :<math>\begin{cases} x=r\sin\theta\cos\phi \\ y=r\sin\theta\sin\phi \\ z=r\cos\theta \end{cases} \iff \begin{cases} r=\sqrt{x^2+y^2+z^2} \\ \theta=\arctan\frac{\sqrt{x^2+y^2}}{z} \\ \phi=\arctan\frac{y}{x} \end{cases}</math> 一般に緯度は<math>-90^\circ \leqq \theta \leqq 90^\circ</math>、経度は<math>-180^\circ \leqq \phi \leqq 180^\circ</math>の範囲で表される(但し、符号の違いは東⇔西、南⇔北の違いである)。同様に、球面座標の天頂角<math>\theta</math>、方位角<math>\phi</math>は<math>\theta \in [-\frac{\pi}{4}, \frac{\tau}{4}], \phi \in [-\frac{\tau}{2}, \frac{\tau}{2}]</math>で考える。赤道面より下側(すなわち南半球)では<math>\theta<0</math>とする。 直交座標のz軸を基に極座標系の座標線を決定する。 :r曲線:原点を通る半直線。 :θ曲線:原点中心でz軸上の一点から出る半円弧。 :φ曲線:z軸を法線とする平面内でz軸上に中心を持つ円周。 各曲線に沿った微小変化は円柱座標系の場合と同様、ベクトル場の全微分を用いて :<math>\begin{cases} d\vec{r}= \begin{pmatrix} \sin\theta\cos\phi \\ \sin\theta\sin\phi \\ \cos\theta \end{pmatrix} dr \\ d\vec{\theta}= \begin{pmatrix} \cos\theta\cos\phi \\ \cos\theta\sin\phi \\ -\sin\theta \end{pmatrix}rd\theta \\ d\vec{\phi} = \begin{pmatrix} -\sin\phi \\ \cos\phi \\ 0 \end{pmatrix} r\sin\theta d\phi \end{cases}</math> と求まる。 これらは(内積の結果から)互いに直交するので、円柱座標の場合と同様の議論により :<math>\begin{pmatrix} \sin\theta\cos\phi & \sin\theta\sin\phi & \cos\theta \\ \cos\theta\cos\phi & \cos\theta\sin\phi & -\sin\theta \\ -\sin\phi & \cos\phi & 0 \end{pmatrix}</math> と変換テンソルが求まる。 これも直交行列であるので、逆変換テンソルは :<math>\begin{pmatrix} \sin\theta\cos\phi & \cos\theta\cos\phi & \cos\phi \\ \sin\theta\sin\phi & \cos\theta\sin\phi & -\sin\phi \\ -\sin\theta & \cos\theta & 0 \end{pmatrix}</math> と求まる。 球面座標系は、[[力学]]の解析でよく使用される。 例えば、赤道平面における角運動量保存則は<math>mr^2\frac{d\phi}{dt}=\mathrm{const}.</math>と表示されるが、これはz軸方向の角運動量を球面座標系の演算により取り出したものである。 球面座標系は特に機械制御に応用されている。 円柱座標系・球面座標系ともに各基底ベクトルが互いに直交しているので、そのことを明示して(且つ通常の直交座標系と区別して)'''直交曲線座標系'''(orthogonal curvilinear coordinate system)と呼ぶ場合がある。直交曲線座標系には、他にも放物柱座標系や楕円座標系などがある。 ===円環座標系=== ===双極座標系=== ===回転放物面座標=== ===放物柱座標=== ===回転楕円面座標=== ===楕円柱座標=== ===楕円体座標=== ==空間微分== ===勾配=== ===発散=== ===回転=== ===ラプラシアン=== ==空間積分== ===線積分=== ===面積分=== ===体積分=== ===ガウスの発散定理=== ===ストークスの定理=== ===グリーンの定理=== ==発展事項== {{節stub}} {{Advanced|多様体論}} {{Advanced|微分幾何学}} {{Advanced|積分幾何学}} ===体積分再考=== 体積分は先程「<math>\mathbb{R}^3</math>上の閉立体<math>V</math>」上で考えたが、実はここには線積分・面積分との大きな非対称性がある。 線積分は「曲線」、面積分は「曲面」を積分領域としたが、先程定義した体積分の積分領域は「平坦な立体」なのである(二次元で例えば楕円領域<math>\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}\leq1</math>は境界こそ"曲線"だが空間そのものは<math>\mathbb{R}^2</math>という"平面"であることと同じ)。 1次元の曲がった空間である曲線<math>M^1:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(s)</math>が<math>\mathbb{R}^2</math>内、2次元の曲がった空間である曲面<math>M^2:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(s, t)</math>が<math>\mathbb{R}^3</math>内に存在するように、3次元の曲がった空間である曲立体<math>M^3:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(s, t, u)</math>は<math>\mathbb{R}^4</math>内に存在すると考えるのが自然である。ここで一般に<math>M^n\subset\mathbb{R}^{n+1}</math>が成り立つと予想され、この関係を「<math>M^n</math>の<math>\mathbb{R}^{n+1}</math>への'''埋め込み'''」と呼ぶことにする。 線積分を<math>M^1</math>、面積分を<math>M^2</math>で定義したように、体積分を<math>M^3</math>で定義することを考える。 媒介変数空間<math>\begin{pmatrix} s \\ t \\ u \end{pmatrix} \in V \subset\mathbb{R^3}</math>上の微小変化を考えると全微分を用いて :<math>d\boldsymbol{r}=\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{s}}ds+\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}dt+\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}du</math> よって<math>V</math>上の微小立方体<math>dsdtdu</math>は3ベクトル<math>\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{s}}ds,\quad\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}dt,\quad\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}du</math>の張る微小平行六面体へ移される。 体素はこの微小平行六面体の体積と考えられるが、<math>\boldsymbol{r}\in\mathbb{R}^4</math>より当然この3ベクトルは4項ベクトルなので、'''外積を含んでいるスカラー三重積は使えない'''。 全微分を一次変換表記すると :<math>d\boldsymbol{r}=\begin{pmatrix} \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{s}} & \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}} & \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}} \end{pmatrix} \begin{pmatrix} ds \\ dt \\ du \end{pmatrix}</math> :<math>=\begin{pmatrix} \frac{\partial{x}}{\partial{s}} & \frac{\partial{x}}{\partial{t}} & \frac{\partial{x}}{\partial{u}} \\ \frac{\partial{y}}{\partial{s}} & \frac{\partial{y}}{\partial{t}} & \frac{\partial{y}}{\partial{u}} \\ \frac{\partial{z}}{\partial{s}} & \frac{\partial{z}}{\partial{t}} & \frac{\partial{z}}{\partial{u}} \\ \frac{\partial{w}}{\partial{s}} & \frac{\partial{w}}{\partial{t}} & \frac{\partial{w}}{\partial{u}} \end{pmatrix} \begin{pmatrix} ds \\ dt \\ du \end{pmatrix}</math> :<math>=\frac{\partial{(x, y, z, w)}}{\partial{(s, t, u)}}\begin{pmatrix} ds \\ dt \\ du \end{pmatrix}</math> ここでヤコビ行列は<math>\frac{\partial{(x, y, z, w)}}{\partial{(s, t, u)}}\in\mathbb{R}^{4\times3}</math>であって'''正方行列でないので行列式も求まらない'''。 そこで、[[線型代数学続論/種々の行列#随伴行列|グラム行列]]を利用することを考える。 '''グラム行列は必ず半正定値行列'''なので行列式は非負であり、平方根をとれる。 そのため、<math>\mathbf{G}:=\left(\frac{\partial{(x, y, z, w)}}{\partial{(s, t, u)}}\right)^*\frac{\partial{(x, y, z, w)}}{\partial{(s, t, u)}}</math>として<math>\sqrt{\det\mathbf{G}}</math>を体積拡大率とする。 これは正方行列ならヤコビアンの絶対値に一致する。 {{NavTop|title=補足:体積拡大率に一致する証明}} :<math>\frac{\partial{(x, y, z, w)}}{\partial{(s, t, u)}}</math>の列ベクトルにグラム=シュミットの直交化法を適用すると[[線型代数学続論/行列分解|QR分解]]によって :<math>\frac{\partial{(x, y, z, w)}}{\partial{(s, t, u)}}=\mathbf{QR}\quad (\mathbf{Q}\in\mathbb{R}^{4\times3}, \mathbf{R}\in\mathbb{R}^{3\times3})</math> よって :<math>\mathbf{G}=(\mathbf{QR})^*\mathbf{QR}</math> :<math>=\mathbf{R}^*\mathbf{Q}^*\mathbf{Q}\mathbf{R}</math> :<math>=\mathbf{R}^*\mathbf{E}_3\mathbf{R}</math>(<math>\because\mathbf{Q}</math>は列ユニタリ行列) :<math>=\mathbf{R}^*\mathbf{R}</math> :<math>\therefore \sqrt{\det\mathbf{G}}=\sqrt{\det\left( \mathbf{R}^*\mathbf{R} \right)}=\sqrt{\left(\det\mathbf{R}\right)^2}=|\det\mathbf{R}|</math> <math>\mathbf{Q}</math>は列ユニタリ行列なのでその一次変換は等長変換であり、全微分による拡大率は<math>\mathbf{R}</math>による拡大率と一致する。<br/> 則ち、<math>\sqrt{\det\mathbf{G}}</math>を拡大率としてとれる。// {{NavBottom}} よって体積分は :<math>\iiint_{M^3} f(\boldsymbol{r})dM^3 = \iiint_{V} f(\boldsymbol{r}(s, t, u))\sqrt{\det\mathbf{G}}\,dsdtdu</math> ここから、適切な媒介変数表示が存在するならば<math>M^n</math>上での体積分の計算に<math>\mathbb{R}^{n+1}\setminus M^n</math>の情報は入ってこず、<math>M^n</math>の情報のみで計算されると予想される。 実際、<math>M^n</math>に適切な媒介変数表示<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(\boldsymbol{p})\quad(\boldsymbol{p}\in\mathbb{R}^n)</math>が存在するとき、全微分による一次変換の拡大率は同様にグラム行列式の平方根で与えられるので体積素は<math>dM^n = \sqrt{\det\mathbf{G}} \prod_{k=1}^{n}d\boldsymbol{p}_k</math>と書け、これは正しい。 実は、体素だけでなく一般に角度や長さといった幾何学的な量は埋め込み先である<math>\mathbb{R}^{n+1}</math>の情報を全く必要とせず、<math>M^n</math>の情報だけで構成できることが知られている。このことは微分幾何学のうち[[w:リーマン幾何学|リーマン幾何学]]と呼ばれる分野で詳しく扱われる。 ここまで<math>M^n</math>を適切な媒介変数<math>\boldsymbol{p}\in\mathbb{R}^n</math>で表すことを強調してきたが、媒介変数表示を考えるということは<math>M^n</math>から媒介変数空間<math>U\subset\mathbb{R}^n</math>への射影<math>\pi:M^n\to U</math>を考えるということである。 ここで、この<math>\pi</math>が全単射ならば逆向きの射影<math>\pi^{-1}:U\to M^n</math>が存在してそれが媒介変数表示<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(\boldsymbol{p})</math>となるわけであるが、これは以下のようにも捉えられる。 :<math>\pi</math>によって射影した平坦な空間で座標を設定すると、'''適切な逆変換<sup>※</sup>によって曲がった空間<math>M^n</math>上に(局所)座標系を与えることができる'''。 つまり、体積分を媒介変数空間に置換積分するということは、逆に体積分の元の表示が「<math>M^n</math>上の局所座標系に於ける積分」であることを示している。 ※この適切な逆変換が存在する条件は'''陰関数定理そのもの'''である。 ここで、適切な媒介変数表示が存在するよう<math>M^n</math>に制限を課したものが、以下で扱う'''多様体'''である。 ===多様体=== ===微分形式=== [[線型代数学続論/外積代数]]も参照。 ===リーマン計量=== ===テンソル解析=== [[線型代数学続論/テンソル代数]]も参照。 ===複素ベクトル解析=== [[複素解析学]]も参照。 {{DEFAULTSORT:へくとるかいせき}} [[Category:解析学]] [[Category:微分積分学]] [[Category:ベクトル解析|かいせきかくきそ]] mnmefr7o6n441mmcrqgcxtesrejqtx3 304225 304224 2026-10-02T01:06:54Z ~2026-51282-49 92621 /* 曲面 */ 304225 wikitext text/x-wiki {{Pathnav|数学|解析学|解析学基礎|frame=1}} {{wikipedia|ベクトル解析}} ここでは、ベクトル解析について解説する。[[物理数学I ベクトル解析]]も参照。 ==前提知識== ここでは、実数のみで考える。 ===ベクトル=== [[高等学校数学C/ベクトル]]、[[線型代数学/ベクトル]]、[[解析学基礎/ベクトル]]などを参照。本項では、矢印を付した表記(<math>\vec{a}</math>など)と太字斜体による表記(<math>\boldsymbol{x}</math>など)を混用する。 ===行列=== [[高等学校数学C/数学的な表現の工夫]]及び[[線形代数学]]・[[線型代数学続論]]の各ページを参照。本項では大文字の太字立体(<math>\mathbf{A}</math>など)で表記する。 ===多変数解析=== [[解析学基礎/多変数関数の微積分]]を参照。 ===領域=== <math>D\subset\mathbb{R}^n</math>と点<math>\boldsymbol{a}\in D</math>(位置ベクトル表記なので太文字斜体)に対し、集合<math>B_\varepsilon(\boldsymbol{a}) := \{ \boldsymbol{x} \in D \mid \| \boldsymbol{x} - \boldsymbol{a} \|<\varepsilon \}</math>を点<math>\boldsymbol{a}</math>の'''<math>\varepsilon</math>-開球'''という。不等号を<math>\leqq</math>に変えたときは開区間↔閉区間と同様に'''閉球'''と呼ぶ。このとき、<math>D</math>のように<math>\mathbb{R}^n</math>の部分集合であって<math>\varepsilon</math>-開球を含むものを点<math>\boldsymbol{a}</math>の'''<math>\varepsilon</math>-開近傍'''と呼ぶ。閉球を含むときは同様に'''閉近傍'''と呼ぶ。 <math>\forall \boldsymbol{a} \in U, \exist \varepsilon>0, B_\varepsilon(\boldsymbol{a})\subset U</math>を満たす<math>U\subset\mathbb{R}^n</math>を'''開集合'''と呼び、<math>V=\mathbb{R}^n\setminus U</math>を'''閉集合'''と呼ぶ。 注意点として、開集合と閉集合は排反ではない。則ち「開集合且つ閉集合」である集合が存在し(例えば<math>\mathbb{R}, \varnothing</math>)、「開集合でも閉集合でもない」集合も存在する(例えば<math>[0, 1)</math>)。 <math>M\subset\mathbb{R}^n</math>を含む最小の閉集合を<math>M</math>の'''閉包'''と呼び、<math>M^-, \bar{M}, \mathrm{Cl}(M)</math>などと表す。例えば有理数の稠密性より<math>\mathbb{Q}^-=\mathbb{R}</math>である。 閉包の性質として「閉包=集合の内部と境界の和集合(<math>M^- = \mathrm{Int}(M) \cup \partial{M}</math>)」がある。 集合<math>S\subset\mathbb{R}^n</math>に対して以下を満たす<math>\mathbb{R}^n</math>上開集合の組<math>(G_1, G_2)</math>が'''とれない'''とき、 #<math>G_1 \cap S = \varnothing \land G_2 \cap S = \varnothing</math> #<math>S = (G_1 \cap S) \sqcup (G_2 \cap S)</math> 「<math>S</math>は'''連結'''である」または「<math>S</math>は'''連結集合'''」という(但し、<math>\sqcup</math>は[[w:非交和|非交和]])。 空でない開連結集合を'''領域'''という。 実は、高校数学や1年次の解析学で扱ってきた「領域」はこの定義を満たしていないことが多かった。これは、「領域」の歴史的な用法では「条件の解集合」という意味であって開性や連結性を要求しなかったためである。しかし、本項を含めた以降に登場する数学ではこの定義を満たしていることが前提条件となる。なお、ややこしいことに「積分領域」は従来通り「その上で積分を行う集合」という緩い意味で使われることが多いので、区別が必要である。 ===右手系=== 三次元空間の正規直交基底を<math>(\boldsymbol{e}_1, \boldsymbol{e}_2, \boldsymbol{e}_3)</math>と置く。螺子を<math>\boldsymbol{e}_1\to\boldsymbol{e}_2</math>の向きに回すと<math>\boldsymbol{e}_3</math>の正方向に進むように3つの軸をとった系を'''右手系'''という。負方向に進むようにとったものを'''左手系'''という。数学・物理に限らず理数系の約束事として、'''三次元空間は必ず右手系で考える'''という暗黙の了解が存在するので覚えておこう。 右手系・左手系は基底の一部または全ての符号を反転することで変換することができる。一つだけを反転する場合は'''鏡像変換'''、二つだけを反転する場合は'''半回転'''、全てを反転する場合は'''空間反転'''と呼ぶ。 外積の結果として得るベクトルは右手系・左手系のどちらを考えるかで向きが変わる。このように、右手系↔左手系の変換で向きが変わるベクトルを'''軸性ベクトル'''という。 系の取り方で向きが変わるということは基底の係数である'''成分は不変量'''である。つまり、観測者の動きにベクトルが追従し、このベクトルは「物理的な実体を有しているのではなく計算の都合上向きが定められた便宜的な(=観測者が勝手に決めた)ベクトル」ということである。そのため、軸性ベクトルは'''擬ベクトル'''(シュードベクトル)とも呼ばれる。 位置や速度、加速度のような右手系・左手系のどちらを考えても同じ向きを向くベクトルを'''極性ベクトル'''という。座標系を取り換えても向きが維持されるため'''成分は座標変換に応じて変化する'''。これは、「観測の仕方によって起こる現象は変わらない」ということである。つまり擬ベクトルに対し、極性ベクトルは'''物理的実体を有するベクトル'''である。 偶奇と同じように軸性・極性にも外積を通じた相互関係が存在する。 :(軸性)×(軸性)=(軸性) :(軸性)×(極性)=(極性) :(極性)×(極性)=(軸性) ==基礎事項== ===ベクトル関数=== 関数<math>\boldsymbol{f} (x) = \sum_{i} f_i(x) \boldsymbol{e}_i</math>を'''ベクトル(値)関数'''(vector-valued function, vector function)という。 ただし、各<math>\boldsymbol{e}_i</math>は各座標軸方向の単位ベクトルであり、<math>\boldsymbol{f}(x)</math>の定義域は各<math>f_i(x)</math>の定義域の積集合である。 ベクトルの演算が成分ごとの演算結果を並べたベクトルで定義されたように、ベクトル関数の演算は(結果となる値が存在するならば)各成分の演算結果を並べたベクトルに等しい。これはベクトルの線型性による。 例えば、<math>\boldsymbol{f}(x) = \begin{pmatrix} \cos x \\ \sin x \end{pmatrix}</math>の<math>x\to0</math>の極限は、 :<math>\lim_{x\to0} \boldsymbol{f}(x) = \begin{pmatrix} \lim_{x\to0} \cos x \\ \lim_{x\to0} \sin x \end{pmatrix}</math> (<math>\because</math>線型性) :<math>=\begin{pmatrix} 1 \\ 0 \end{pmatrix}</math> :<math>=\boldsymbol{e}_x</math> と求まる。 このとき、<math>\boldsymbol{e}_x</math>を<math>\begin{pmatrix} \cos x \\ \sin x \end{pmatrix}</math>の<math>x\to0</math>に於ける'''極限ベクトル'''という。 <math>\boldsymbol{f}(x)</math>が<math>x=\alpha</math>で連続であるとは<math>\lim_{x\to\alpha}\boldsymbol{f}(x)=\boldsymbol{f}(\alpha)</math>が成立することであり、区間<math>I</math>で連続であるとは<math>\forall \alpha \in I</math>で連続であることである。 また、ベクトル関数の導関数<math>\boldsymbol{f}'(x)</math>は :<math>\frac{d}{dx} \boldsymbol{f} (x) = \frac{d}{dx} \left( \sum_i f_i(x) \boldsymbol{e}_i \right)</math> :<math>= \sum_i \left( \frac{d}{dx} f_i (x) \boldsymbol{e}_i \right)</math>(<math>\because</math>線型性) :<math>= \begin{pmatrix} f'_1(x) \\ f'_2(x) \\ \vdots \\ f'_i(x) \\ \vdots \end{pmatrix}</math> である。 この結果は、ベクトル関数に於ける導関数の正式な定義 <math>\lim_{h\to0} \frac{\boldsymbol{f}(x+h) - \boldsymbol{f}(x)}{h}</math>からも導かれる。 <math>\boldsymbol{f}(x)</math>が<math>x=\alpha</math>で微分可能であるとは極限値<math>\boldsymbol{f}'(\alpha)=\lim_{x\to\alpha}\frac{\boldsymbol{f}(x)-\boldsymbol{f}(\alpha)}{x-\alpha}</math>が存在することであり、区間<math>I</math>で微分可能であるとは<math>\forall \alpha \in I</math>で微分可能であることである。 高階導関数・高階微分可能も同様にして定義される。 <math>\boldsymbol{f}(x)</math>が区間<math>I</math>で連続ならば<math>\boldsymbol{f}(x)</math>は<math>I</math>上で<math>C^0</math>級であるといい、<math>\boldsymbol{f}\in C^0(I)</math>と書く。<math>\boldsymbol{f}(x)</math>が<math>I</math>で微分可能で<math>\boldsymbol{f}'(x)\in C^0(I)</math>ならば<math>\boldsymbol{f}(x)</math>は<math>I</math>上で<math>C^1</math>級である(一階連続微分可能)といい、<math>\boldsymbol{f}\in C^1(I)</math>と書く。<math>\boldsymbol{f}(x)</math>が<math>I</math>で二階微分可能で<math>\boldsymbol{f}'\in C^1(I)</math>ならば<math>\boldsymbol{f}(x)</math>は<math>I</math>上で<math>C^2</math>級である(二階連続微分可能)といい、<math>\boldsymbol{f}\in C^2(I)</math>と書く。同様にして順々に<math>C^k</math>級が定義され、<math>\forall k \in \mathbb{N}, \boldsymbol{f}\in C^k(I)</math>ならば<math>\boldsymbol{f}(x)</math>は<math>I</math>で<math>C^\infty</math>級(無限階連続微分可能)であるといい、<math>\boldsymbol{f}\in C^\infty(I)</math>と書く。<math>C^\infty</math>級である関数を'''滑らかな'''関数ともいう。 高校数学や高校物理で扱った平面(<math>\mathbb{R}^2</math>)上の運動は、実は2項ベクトル関数の理論に他ならない。 例えば、平面上の運動に於ける加速度・速度・変位の関係は<math>\boldsymbol{x}(t)= \begin{pmatrix} f(t) \\ g(t) \end{pmatrix}</math>として<math>\boldsymbol{a}(t) = \frac{d}{dt}\boldsymbol{v}(t) = \frac{d^2}{dt^2} \boldsymbol{x}(t)</math>と表すことができる。 曲線の媒介変数表示は、パラメータを変数とするベクトル関数とみることができる。 例えば、円の媒介変数表示<math>\begin{cases} x=r\cos\theta \\ y=r\sin\theta \end{cases}</math>は、<math>\boldsymbol{r}(\theta) = r\begin{pmatrix} \cos\theta \\ \sin\theta \end{pmatrix}</math>という2次元ベクトル関数とみることができる。更に<math>\theta=\omega t</math>とすると、これは等速円運動の式である。 1変数ベクトル関数の微分に関して、以下の公式が成り立つ。 #定数倍の導関数:<math>\{k\boldsymbol{a}(x)\}'=k\boldsymbol{a}'(x)</math> #和・差の導関数:<math>\{ \boldsymbol{a}(x)\pm\boldsymbol{b}(x) \}' = \boldsymbol{a}'(x)\pm\boldsymbol{b}'(x)</math> #積の導関数:<math>\{ f(x)\boldsymbol{a}(x) \}' = f'(x)\boldsymbol{a}(x)+f(x)\boldsymbol{a}'(x)</math> #商の導関数:<math>\left\{ \frac{\boldsymbol{a}(x)}{f(x)} \right\}' = \frac{f(x)\boldsymbol{a}'(x)-f'(x)\boldsymbol{a}(x)}{\{f(x)\}^2} \quad (f(x)\neq0)</math> #内積の導関数:<math>\{\boldsymbol{a}(x)\cdot\boldsymbol{b}(x)\}' = \boldsymbol{a}'(x)\cdot\boldsymbol{b}(x)+\boldsymbol{a}(x)\cdot\boldsymbol{b}'(x)</math> #外積の導関数:<math>\{\boldsymbol{a}(x)\times\boldsymbol{b}(x)\}' = \boldsymbol{a}'(x)\times\boldsymbol{b}(x)+\boldsymbol{a}(x)\times\boldsymbol{b}'(x)</math> #スカラー三重積の導関数:<math>[\boldsymbol{a}(x)\cdot\{\boldsymbol{b}(x)\times\boldsymbol{c}(x)\}]' = \boldsymbol{a}'(x)\cdot\{\boldsymbol{b}(x)\times\boldsymbol{c}(x)\}+\boldsymbol{a}(x)\cdot\{\boldsymbol{b}'(x)\times\boldsymbol{c}(x)\}+\boldsymbol{a}(x)\cdot\{\boldsymbol{b}(x)\times\boldsymbol{c}'(x)\}</math> #ベクトル三重積の導関数:<math>[\boldsymbol{a}(x)\times\{\boldsymbol{b}(x)\times\boldsymbol{c}(x)\}]' = \boldsymbol{a}'(x)\times\{\boldsymbol{b}(x)\times\boldsymbol{c}(x)\}+\boldsymbol{a}(x)\times\{\boldsymbol{b}'(x)\times\boldsymbol{c}(x)\}+\boldsymbol{a}(x)\times\{\boldsymbol{b}(x)\times\boldsymbol{c}'(x)\}</math> #連鎖律(チェイン・ルール):<math>[\boldsymbol{a}\{f(x)\}]'=\boldsymbol{a}'\{f(x)\}f'(x)</math> ベクトル関数の'''ノルム'''(大きさ、長さ)は、通常のベクトルと同様に :<math>\| \boldsymbol{f}(x) \| = \sqrt{\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}(x)} = \sqrt{\sum_{i} \{f_i (x)\}^2}</math> で与えられる。 つまり、ノルムは元のベクトル関数と同一変数のスカラー関数である。 ここで、このスカラー関数が定数関数である条件に就て見てみよう。 :<math>\| \boldsymbol{f}(x) \|= c \quad (c\in\mathbb{R}_{>0})</math>の両辺を2乗して :<math>\| \boldsymbol{f}(x) \|^2 = \boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}(x) = c^2</math> :両辺微分すると内積の微分より :<math>\{\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}(x)\}'=\boldsymbol{f}'(x)\cdot\boldsymbol{f}(x)+\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}'(x)=2\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}'(x)=0</math> :<math>\therefore \boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}'(x)=0</math> :逆に、 :<math>\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}'(x)=0 \iff 2\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}'(x)=\boldsymbol{f}'(x)\cdot\boldsymbol{f}(x)+\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}'(x)=\{\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}(x)\}'=0</math> :<math>\int \{\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}(x)\}'dx= \int 0 dx</math> :<math>\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}(x)=C_1</math>(<math>C_1\geq0</math>は積分定数) :<math>\| \boldsymbol{f}(x) \|^2=C_1</math>より :<math>\| \boldsymbol{f}(x) \| = \sqrt{C_1} = \mathrm{const}.</math> よって、以下が成り立つ。 {{定理|(直交条件の定理)}} :<math>\| \boldsymbol{f}(x) \|= \mathrm{const}. \iff \boldsymbol{f}(x) \cdot \boldsymbol{f}'(x) = 0</math> {{定理終わり}} これは、物理的には「位置ベクトルと速度ベクトルが直交する」ことを表す。則ち、<math>\boldsymbol{f}(x)</math>の終点が始点を中心とする円運動(球面運動)をするということである。 また、ベクトル関数が変数に依らず常に同一方向を向く条件も見てみよう(但し<math>\boldsymbol{f}(x)\neq\boldsymbol{0}</math>)。 :所与の条件は零ベクトルでない定ベクトル<math>\boldsymbol{c}</math>を用いて<math>\boldsymbol{f}(x) = f(x)\boldsymbol{c}</math>と表される。 :両辺微分して<math>\boldsymbol{f}'(x)=\{f(x)\boldsymbol{c}\}=f'(x)\boldsymbol{c}</math> :ここで元のベクトル関数との外積をとると :<math>\boldsymbol{f}(x)\times\boldsymbol{f}'(x)=\{f(x)\boldsymbol{c}\}\times\{f'(x)\boldsymbol{c}\}=f(x)f'(x) (\boldsymbol{c}\times\boldsymbol{c})=f(x)f'(x)\boldsymbol{0}=\boldsymbol{0}</math> :逆に、 :<math>\boldsymbol{f}(x)\times\boldsymbol{f}'(x)=\boldsymbol{0}</math>とすると一次従属なので :<math>\boldsymbol{f}'(x)=g(x)\boldsymbol{f}(x)</math>という微分方程式が成り立つ。 :各成分ごとに微分方程式を解くと、 ::これは変数分離型微分方程式なので第i成分は ::<math>\frac{df_i}{dx}=g(x)f_i(x)</math> ::<math>\int \frac{df_i}{f_i(x)}=\int g(x)dx</math> ::<math>G'(x)=g(x), C_i</math>を積分定数として<math>\log|f_i(x)|=G(x)+C_i</math> ::<math>C_i=\pm e^{C_i}</math>と改めておくと<math>f_i(x)=C_i e^{G(x)}</math> :よって :<math>\boldsymbol{f}(x)=\sum_i f_i(x) \boldsymbol{e}_i = \sum_i C_i e^{G(x)} \boldsymbol{e}_i = e^{G(x)} \sum_i C_i \boldsymbol{e}_i</math> :ここで<math>f(x)=e^{G(x)}, \boldsymbol{c}=\sum_i C_i \boldsymbol{e}_i</math>と置くと :<math>\boldsymbol{f}(x) = f(x) \boldsymbol{c}</math>となり、方向は変数に依らず一定であることが判る// よって、以下が成り立つ。 {{定理|(平行条件の定理)}} <math>\boldsymbol{c},\boldsymbol{f}(x)\neq\boldsymbol{0}</math>として :<math>\boldsymbol{f}(x)=f(x)\boldsymbol{c} \iff \boldsymbol{f}(x) \times \boldsymbol{f}'(x) = \boldsymbol{0}</math> {{定理終わり}} ベクトル解析では三次元空間の場合を考えることが多いため上では外積を用いて証明したが、外積は3項ベクトル(または7項ベクトル)にしか定義されないのであった。 一般次元では外積に代わって次の関係式を用いる。 :<math>|\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}'(x)|=\|\boldsymbol{f}(x)\|\|\boldsymbol{f}'(x)\|</math> これはCS不等式の等号成立の場合である。 実際、<math>\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}'(x)=\|\boldsymbol{f}(x)\|\|\boldsymbol{f}'(x)\|\cos\{\theta(x)\}</math>より等号成立の必要十分条件は :<math>\cos\{\theta(x)\}=\pm1\iff\theta(x) \equiv 0 \,(\mathrm{mod}\pi)</math> であり、2ベクトル<math>\boldsymbol{f}(x), \boldsymbol{f}'(x)</math>は平行とわかる。<br/> 平行ということは一次従属ということなので先程のように変数分離形微分方程式を解くことで3次元と同じ結果を得る。// 補足として、力学への応用を考える。 :速さの二乗<math>\|\boldsymbol{v}(t)\|^2</math>を時間微分すると :<math>\frac{d}{dt}\|\boldsymbol{v}(t)\|^2=\frac{d}{dt}(\boldsymbol{v}(t)\cdot\boldsymbol{v}(t))=\frac{d\boldsymbol{v}(t)}{dt}\cdot\boldsymbol{v}(t)+\boldsymbol{v}(t)\cdot\frac{d\boldsymbol{v}(t)}{dt}=2(\boldsymbol{v}(t)\cdot\boldsymbol{a}(t))</math> :よって等速運動の条件<math>\|\boldsymbol{v}(t)\|=\mathrm{const}.</math>は直交条件の定理から<math>\boldsymbol{v}(t)\perp\boldsymbol{a}(t)</math>に同値である。 :これを力学的に解釈すると、「加速度ベクトルは速度ベクトル方向に仕事をしないから速度ベクトルの大きさを変えずに向きだけを変える」となる。 :平面上で等速円運動を考えると円運動条件から<math>\boldsymbol{r}(t)\perp\boldsymbol{v}(t)</math>、等速条件から<math>\boldsymbol{v}(t)\perp\boldsymbol{a}(t)</math>なので<math>\boldsymbol{r}(t) /\!/ \boldsymbol{a}(t)</math>が出てくる。 :円運動条件<math>\|\boldsymbol{r}(t)\|^2=r^2</math>を一階微分すると ::<math>2\boldsymbol{r}(t)\cdot\boldsymbol{r}'(t)=0</math> :もう一度微分して ::<math>2(\boldsymbol{r}(t)\cdot\boldsymbol{r}''(t)+\boldsymbol{r}'(t)\cdot\boldsymbol{r}'(t))=0</math> :則ち ::<math>\boldsymbol{r}(t)\cdot\boldsymbol{a}(t)+\boldsymbol{v}(t)\cdot\boldsymbol{v}(t)=0</math> :位置ベクトルと加速度ベクトルが一次従属なので<math>\boldsymbol{a}(t)=\lambda\boldsymbol{r}(t)</math>であり、等速条件より<math>\|\boldsymbol{v}(t)\|=v</math>なので ::<math>\lambda r^2 + v^2 = 0</math> ::<math>\therefore \lambda = -\frac{v^2}{r^2}<0</math> :則ち<math>\boldsymbol{r}(t)</math>と<math>\boldsymbol{a}(t)</math>は逆向きであり、円運動の中心は<math>\boldsymbol{r}(t)</math>の始点なので<math>\boldsymbol{a}(t)</math>は常に円運動の中心を向く'''向心加速度'''であることが証明された。// なお、3次元以上では「<math>\boldsymbol{a}\perp\boldsymbol{b}\land\boldsymbol{b}\perp\boldsymbol{c}\implies\boldsymbol{a}/\!/\boldsymbol{c}</math>」が一般には成り立たないのでこの議論を成立させるには追加の条件が必要である。 <math>\boldsymbol{f}(x)</math>の不定積分は、各<math>f_i(x)</math>の原始関数を並べたベクトルを<math>\boldsymbol{F}(x)</math>として :<math>\int \boldsymbol{f}(x) dx = \boldsymbol{F}(x)+\boldsymbol{C}</math>(<math>\boldsymbol{C}</math>は各積分定数を並べたベクトル) と表される。 また、定積分は :<math>\int^b_a \boldsymbol{f}(x) dx=\boldsymbol{F}(b)-\boldsymbol{F}(a)</math> と表される。 1変数ベクトル関数の積分について、以下が成り立つ(不定積分表記だが定積分に就ても同様)。 #定数倍の原始関数:<math>\int \{k\boldsymbol{a}(x)\} dx = k\int\boldsymbol{a}(x)dx</math> #和・差の原始関数:<math>\int \{\boldsymbol{a}(x)\pm\boldsymbol{b}(x)\}dx=\int\boldsymbol{a}(x)dx\pm\int\boldsymbol{b}(x)dx</math> #内積の原始関数<math>\int \{\boldsymbol{k}\cdot\boldsymbol{a}(x)\}dx=\boldsymbol{k} \cdot \left( \int \boldsymbol{a}(x) dx \right)</math> #外積の原始関数<math>\int \{\boldsymbol{k}\times\boldsymbol{a}(x)\}dx=\boldsymbol{k} \times \left( \int \boldsymbol{a}(x) dx \right)</math> #スカラー倍の部分積分:<math>\int f(x)\boldsymbol{a}'(x)dx= f(x)\boldsymbol{a}(x)-\int f'(x)\boldsymbol{a}(x) dx \iff \int f'(x)\boldsymbol{a}(x)dx= f(x)\boldsymbol{a}(x)-\int f(x)\boldsymbol{a}'(x) dx</math> #内積の部分積分:<math>\int \{ \boldsymbol{a}(x)\cdot\boldsymbol{b}'(x) \}dx = \boldsymbol{a}(x)\cdot\boldsymbol{b}(x) - \int \{\boldsymbol{a}'(x)\cdot\boldsymbol{b}(x)\}dx</math> #外積の部分積分:<math>\int \{ \boldsymbol{a}(x)\times\boldsymbol{b}'(x) \}dx = \boldsymbol{a}(x)\times\boldsymbol{b}(x) - \int \{\boldsymbol{a}'(x)\times\boldsymbol{b}(x)\}dx</math> #置換積分:<math>u=f(x)</math>として<math>\int \boldsymbol{a}'\{f(x)\}f'(x) dx = \int \boldsymbol{a}(u)du</math> 平行条件の定理の証明でベクトル関数の微分方程式を解いたように、成分毎に考えることで解空間ベクトルを求められる。 :1階線型常微分方程式<math>\boldsymbol{f}'(x)+a(x)\boldsymbol{f}(x)=\boldsymbol{b}(x)</math>の解に就て考える。 :第<math>i</math>成分を考えると<math>f'_i(x)+a(x)f_i(x)=b_i(x)</math>という1階線型常微分方程式を得るので、 :両辺に積分因子<math>\mu(x)=\exp\left(\int a(x) dx\right)</math>を掛けることで :<math>f_i(x)=\frac{1}{\mu(x)} \left\{ \int \mu(x) b_i(x) dx + C_i \right\}</math>を得る。 :よって一般解は :<math>\boldsymbol{f}(x) = \sum_i \frac{1}{\mu(x)} \left\{ \int \mu(x) b_i(x) dx + C_i \right\} \boldsymbol{e}_i=\frac{1}{\mu(x)}\left\{ \int \mu(x) \boldsymbol{b}(x) dx + \boldsymbol{C} \right\}</math> ベクトル関数は必ずしもここで扱った<math>\boldsymbol{f}: \mathbb{R}\to\mathbb{R}^n</math>のみを指さない。 例えば、ベクトル変数 <math>\boldsymbol{x}= \sum_i g_i (x) \boldsymbol{e}_i</math>に対して :<math>\boldsymbol{h}(\boldsymbol{x})=\sum_i (h_i \circ g_i) (x) \boldsymbol{e}_i</math> と定義されるような関数<math>\boldsymbol{h}:\mathbb{R}^m \to \mathbb{R}^m</math>もベクトル関数である。 また、始域と終域の次元が異なる<math>\boldsymbol{i}: \mathbb{R}^m \to \mathbb{R}^n \, (m, n\neq1)</math>のようなベクトル関数も考えられる。 一般に、始域が<math>\mathbb{R}^n (n\neq1)</math>であっても終域が<math>\mathbb{R}</math>である関数はベクトル関数に対して'''スカラー関数'''(scalar function)と呼ばれる。スカラー関数は入力ベクトルを「変数の組」と見れば通常の多変数関数に一致する。 この節で述べた理論は、多くは一般のベクトル関数に対しても成り立つ。但し、後述のヤコビ行列のような拡張を必要とするものもある。 また、多変数ベクトル関数<math>\boldsymbol{f}(x_1, x_2,\cdots,x_n)</math>を考えたとき、多変数微積分の理論は一変数微積分と同様にしてベクトル関数にもそのまま拡張される。 ===ベクトル場・スカラー場=== 写像<math>\boldsymbol{a}: \mathbb{R}^m \to \mathbb{R}^n</math>を'''ベクトル場'''(vector field)という。 実際には<math>m=n</math>の場合を考えることが多い。 写像<math>\varphi: \mathbb{R}^n \to \mathbb{R}</math>を'''スカラー場'''(scalar field)という。 それぞれ上で述べたベクトル関数・スカラー関数に対応する。 もう少し具体的に述べると、空間の領域<math>V</math>が与えられたときその各点にスカラーまたはベクトルを割り当てたものが場である。要するに、<math>p\in V</math>とすると :スカラー場:<math>\varphi=\varphi(p)</math> :ベクトル場:<math>\boldsymbol{a}=\boldsymbol{a}(p)</math> のように場は「点を入力とする<sup>※</sup>関数」である。 <small>※なお、ベクトル場を図示するときは「出力されたベクトルの'''始点は原点でなく入力された点'''」であることに注意が必要である。出力ベクトルの成分表示は「入力点を基準に据えたときの位置ベクトル」なので原点から目盛を数えることに意味はない。</small> ここで<math>V</math>に何かしらの座標が設定されていれば、その座標系の変数の組をベクトルと見做すことで場を「通常のスカラー関数・ベクトル関数」として扱えるのである。 則ち、「滑らかな場」という概念は「滑らかな関数」として定義することができる。より具体的に言うと、スカラー場・ベクトル場が'''滑らか'''であるとは対応するスカラー関数・ベクトル関数が<math>C^\infty</math>級であることである。但し、滑らかさは任意の座標変換で保たれるわけではないことに注意が必要である(後述の座標変換テンソル及びその逆行列の全ての成分関数が滑らかである必要がある)。 ここで、二変数関数の極値を思い返してみる。 <math>z=f(x, y)</math>が<math>(a, b)</math>で極大であるとは<math>\begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix}\neq\begin{pmatrix} a \\ b \end{pmatrix}</math>として :<math>\exist \delta>0, \forall {\scriptstyle\left(\begin{array}{c} x \\[-6pt] y \end{array}\right)} \in \mathbb{R}^2, {\scriptstyle\left\| \left(\begin{array}{c} x \\[-6pt] y \end{array}\right) - \left(\begin{array}{c} a \\[-6pt] b \end{array}\right) \right\|} < \delta \implies f(x, y) \leq f(a, b)</math> という定義だった。 <math>z=f(x, y)</math>は曲面を表すが、これを<math>z</math>軸正方向から<math>xy</math>平面に射影するとその陰が<math>(x, y)</math>の動く範囲となるのであった。 ここで<math>\boldsymbol{x}:=\begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix}, \boldsymbol{\alpha}:=\begin{pmatrix} a \\ b \end{pmatrix}</math>とすると<math>z=f(x, y)</math>はスカラー場<math>z=\phi(\boldsymbol{x})</math>と解釈することができ、更に条件法の前件は<math>\boldsymbol{\alpha}</math>の<math>\delta</math>-開球(二次元なので開円板)である。 なので、極大値の定義式をベクトル解析的に解釈すると「<math>xy</math>平面の各点に<math>z</math>の値を割り当てた数分布に於いて、開円板<math>B_\delta(\boldsymbol{\alpha})</math>内部に於ける<math>z</math>の最大値が<math>\phi(\boldsymbol{\alpha})</math>となるような正数<math>\delta</math>が存在する」ということである。 ベクトル場の例としては、電場・磁場・重力場などが挙げられる。 スカラー場の例としては、電位分布・温度分布・圧力分布などが挙げられる。 例えば、ベクトル場<math>\boldsymbol{f}=(x, 0, 0)</math>は、<math>\mathbb{R}^3</math>内の平面<math>x=k</math>上の任意点に、その点を始点とするベクトル<math>\begin{pmatrix} k \\ 0 \\ 0 \end{pmatrix}</math>が存在する状態を表す。 ベクトル場の和は、出力ベクトルの型が同じならばベクトル場の成分の和をとったものに等しい。 例えば、<math>\boldsymbol{f}(x, y, z)=(y, z, x), \boldsymbol{g}(x, y, z)=(z, x, y)</math>について :<math>(\boldsymbol{f}+\boldsymbol{g})(x, y, z)=(y, z, x)+(z, x, y)=(y+z, z+x, x+y)</math>である。 これは、ベクトル場の加法の定義が :<math>\forall p \in V, (\boldsymbol{f}+\boldsymbol{g})(p):=\boldsymbol{f}(p)+\boldsymbol{g}(p)</math> となっていて且つ<math>V</math>に座標を入れればベクトル関数の加法則をそのまま適用できるためである(入力点が異なるとき、場同士は足すことができない)。 曲線<math>\{\boldsymbol{x}\in\mathbb{R}^2 \mid \varphi(\boldsymbol{x})=\mathrm{const}.\}</math>を'''等高線'''(等高曲線)、曲面<math>\{\boldsymbol{x}\in\mathbb{R}^3 \mid \varphi(\boldsymbol{x})=\mathrm{const}.\}</math>を'''等位面'''(等位曲面)という。これらの詳細は後述する。 ==曲線論・曲面論== ===曲線=== <math>xy</math>平面上の曲線は<math>y=f(x) (x\in[a, b])</math>という陽関数表示で扱うことが多かった。しかし、これだと自分自身と交わる('''自己交叉'''する)曲線や<math>x=x_0</math>に対して<math>f(x_0)</math>の値が複数存在する(<math>f</math>が'''多価関数''')場合に不都合が生じる。 例えば円を陽関数表示しようとすると :<math>x^2+y^2=r^2</math>を<math>y</math>に就いて解いて :<math>y=\pm\sqrt{r^2-x^2}</math> 則ち :<math>y=\begin{cases} \sqrt{r^2-x^2} & (y\geq0) \\ -\sqrt{r^2-x^2} & (y<0) \end{cases}</math> という多価関数が必要になる。 これだと端点の振舞を一々調べる必要があって曲線の連続性や接線の議論が煩雑になってしまう。 しかし、先程も述べたように曲線の媒介変数表示はベクトル関数として見れるのであった。 :<math>\boldsymbol{r}(\theta) = r\begin{pmatrix} \cos\theta \\ \sin\theta \end{pmatrix}</math>(再掲) こうすると一変数連続ベクトル関数によって曲線を表すことが可能である。物理的に捉えると「質点の運動の軌跡を原点からの位置ベクトルの時間変化で表す」ということである。 一般に、<math>\boldsymbol{r}\in\mathbb{R}^n, t \in I</math>としてベクトル方程式<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t)</math>の解集合<math>\{\boldsymbol{r}(t) \mid t \in I \}</math>は<math>n</math>次元空間内の曲線<math>C</math>を表す。これを<math>C</math>の'''ベクトル表示'''という。 ベクトル表示は成分表示に直せば<math>\boldsymbol{r}(t)=\sum_i r_i(t)\boldsymbol{e}_i</math>となる。これは媒介変数表示<math>\begin{cases} x_1&=&r_1(t) \\ x_2&=&r_2(t) \\ &\,\,\vdots& \\ x_n&=&r_n(t) \end{cases}</math>をベクトル表記したものに一致する。 例えば、<math>\boldsymbol{r}(t)=\begin{pmatrix} a\cos t \\ a\sin t \\ bt \end{pmatrix}</math>は'''常螺旋'''(弦巻線)のベクトル表示である。 パラメータが増加するときの点の移動方向を曲線の'''正の向き'''と定める。曲線の'''負の向き'''はパラメータが減少するときの点の移動方向である。このとき、パラメータで'''向き付け'''された曲線という表現もなされる。曲線<math>C</math>に対し、同じパラメータを用いた逆向きの曲線を<math>-C</math>と表す。ベクトル表示では<math>C:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t)</math>に対して<math>-C:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(-t)</math>ということである。 パラメータに関する変数変換<math>u=\phi(t)</math>を考える。但し、<math>\phi</math>は広義単調関数とする<sup>※</sup>。このとき、<math>\frac{du}{dt}</math>が非負ならば曲線の向き付けが保たれ、非正ならば向き付けが反転する。<math>\frac{du}{dt}=0</math>となる領域では点の運動が停止する。 <small>※<math>\phi</math>が非単調関数のときは曲線上の点が行ったり来たりすることになるため曲線のパラメータ表示としては扱いづらい。</small> <math>\boldsymbol{r}(t) \in C^1</math>且つ<math>\boldsymbol{r}'(t)\neq\boldsymbol{0}</math>であるとき、曲線<math>C</math>は'''滑らか'''であるという。 滑らかな曲線<math>C:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t)</math>に対して<math>\boldsymbol{r}'(t)</math>を<math>C</math>の'''速度ベクトル'''という。 <math>\overrightarrow{\mathrm{OP}}=\boldsymbol{r}</math>として点<math>\mathrm{P}(t)</math>に於ける速度ベクトルは<math>\lim_{\Delta t\to0}\frac{\boldsymbol{r}(t+\Delta t)-\boldsymbol{r}(t)}{\Delta t}</math>の極限ベクトルであるが、<math>\boldsymbol{r}(t+\Delta t)-\boldsymbol{r}(t)</math>を図示することで速度ベクトルが曲線<math>C</math>の点<math>\mathrm{P}(t)</math>に於ける接線の方向ベクトルになっていることがわかる。よって、速度ベクトルを'''接線ベクトル'''(接ベクトル)ともいう。 速度ベクトルが非零である曲線を'''正則'''な曲線と呼ぶ。滑らかな曲線は正則曲線である。 なお、一般には陽関数表示が区分的であることとベクトル表示の成分関数が区分的であることに対応はないほか、パラメータの取り方で速度ベクトルが変わるので「曲線の幾何学的滑らかさ」と「ベクトル表示した関数の解析学的滑らかさ」は一致するとは限らない。 正則な曲線に対して曲線長('''弧長''')を考える。 二次元曲線の場合は数学Ⅲで既に扱った。 :<math>L=\int_a^b \sqrt{\left(\frac{dx}{dt}\right)^2+\left(\frac{dy}{dt}\right)^2}dt</math> 実は、これを一般の<math>n</math>次元にそのまま拡張することができる。 {{定理|(弧長公式)}} 曲線<math>C:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t)</math>の点<math>\mathrm{P}(a)</math>から点<math>\mathrm{P}(b)</math>までの長さ(<math>a<b</math>)は :<math>L=\int_a^b \left\| \frac{d\boldsymbol{r}}{dt} \right\|dt</math> で与えられる。 {{定理終わり}} *証明 :<math>a=t_0, b=t_m</math>として閉区間<math>[a, b]</math>を各<math>t_i</math>で等分割する。このとき小区間<math>[t_{k-1}, t_k]</math>の長さは<math>\Delta t=\frac{b-a}{m}</math>。 :<math>C</math>の点<math>\mathrm{P}(a)</math>から点<math>\mathrm{P}(b)</math>までの長さ<math>L</math>は折れ線の長さ<math>\overline{\mathrm{P}(t_{k-1})\mathrm{P}(t_k)}</math>の総和で近似される。 :ここで<math>\overrightarrow{\mathrm{OP}}=\boldsymbol{r}(t)</math>より ::<math>L_m=\sum_{k=1}^m \| \boldsymbol{r}(t_k)-\boldsymbol{r}(t_{k-1}) \| = \sum_{k=1}^m \left\| \frac{\boldsymbol{r}(t_{k-1}+\Delta t)-\boldsymbol{r}(t_{k-1})}{\Delta t-0} \right\|(\Delta t-0)</math> :分割を限りなく細かくする極限をとると<math>m\to\infty</math>より<math>\Delta t\to0</math>なので ::<math>\lim_{m\to\infty} L_m = \sum_{k=1}^\infty \left\| \frac{d\boldsymbol{r}}{dt}(t_{k-1}) \right\|dt</math> :区分求積法より最後の無限級数は収束して :<math>L=\int_a^b \left\| \frac{d\boldsymbol{r}}{dt} \right\|dt</math>// ここで、<math>dl:=\left\| \frac{d\boldsymbol{r}}{dt} \right\|dt</math>という微小量を'''線素'''と呼ぶ。 1を線素に関して積分したパラメータ<math>s:=\int_0^t dl</math>を'''弧長パラメータ'''(標準パラメータ)という。弧長パラメータは曲線上で「基準点からの符号付き距離」を表す。 曲線の弧長パラメータによるベクトル表示('''弧長パラメータ表示''')を考える。<math>s=\int_0^t \left\| \frac{d\boldsymbol{r}}{dt} \right\|dt</math>で正則よりノルムは正。則ち<math>\frac{ds}{dt}>0</math>より<math>s=\phi(t)</math>は狭義単調増加なので、逆関数<math>t=\phi^{-1}(s)</math>を考えることができる。よって、<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t)</math>に<math>t=\phi^{-1}(s)</math>を代入した<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(\phi^{-1}(s))</math>が弧長パラメータ表示である。これを<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(s)</math>と略記してしまうことも多いが、'''一般には元の<math>\boldsymbol{r}(t)</math>と成分関数が異なる'''ことに注意。 通常の媒介変数によるベクトル表示は「座標系が予め与えられた状況」での表示であるが、弧長パラメータは座標系を取り替えたとしても表す曲線そのものが変わらなければ不変である。よって、「座標系に依存しない表記」として弧長パラメータ表示は多く利用されている。 また、弧長パラメータ表示で連鎖律を適用すると :<math>\frac{d\boldsymbol{r}(s)}{ds}=\frac{d\boldsymbol{r}(t)}{dt}\cdot\frac{dt}{ds}=\frac{d\boldsymbol{r}(t)}{dt}\cdot\frac{1}{\frac{ds}{dt}}</math> ここで微分積分学の基本定理より :<math>\frac{ds}{dt}=\frac{d}{dt} \int_0^t \left\| \frac{d\boldsymbol{r}}{dt} \right\|dt = \left\| \frac{d\boldsymbol{r}}{dt} \right\|</math> なので :<math>\frac{d\boldsymbol{r}(s)}{ds}=\frac{\frac{d\boldsymbol{r}(t)}{dt}}{\left\| \frac{d\boldsymbol{r}}{dt} \right\|}</math> であり、自身のノルムで割ってるので恒等的に<math>\left\| \frac{d\boldsymbol{r}}{ds} \right\|=1</math>である。 よって、弧長パラメータ表示された曲線の接ベクトルは常に単位ベクトルである。 弧長パラメータ表示された曲線で線素を考えると<math>s=\int_0^s \left\| \frac{d\boldsymbol{r}(s)}{ds} \right\| ds = \int_0^s dl</math>だが、常に<math>\left\| \frac{d\boldsymbol{r}}{ds} \right\|=1</math>なので<math>ds=dl</math>であり、弧長パラメータの微小量は線素に等しい(弧長パラメータそのものが1の線素に関する積分なので当たり前ではある)。 <math>\boldsymbol{e}_\dagger(s)=\frac{d\boldsymbol{r}}{ds}</math>と置くと、点<math>\mathrm{P}(s_0)</math>に於ける接線の方程式は :<math>\boldsymbol{p}-\boldsymbol{r}(s_0)=\boldsymbol{e}_\dagger(s_0) (s-s_0)</math> と表される。 ここで<math>\boldsymbol{r}(s)</math>の中心<math>s_0</math>に於けるテイラー展開は :<math>\boldsymbol{r}(s)=\sum_{i=0}^\infty \frac{(s-s_0)^i}{i!} \frac{d^i}{ds^i}\boldsymbol{r}(s_0) </math> であり、「接線が一次近似に対応する」という構造はベクトル関数でも維持されることが判った。 領域<math>\boldsymbol{D}</math>上の滑らかなベクトル場<math>\boldsymbol{a}</math>について、微分方程式<math>\frac{d\boldsymbol{r}}{dt}=\boldsymbol{a}(\boldsymbol{r}(t)) (\boldsymbol{r} \in \boldsymbol{D})</math>で与えられる曲線<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t)</math>を<math>\boldsymbol{a}</math>の'''流線'''(streamline)という(入力点を位置ベクトルと同一視していることに注意)。流線の接線ベクトルは元のベクトル場そのものになるので、ベクトルの相等から得る方程式<math>\frac{dx_1}{a_1}=\frac{dx_2}{a_2}=\cdots=\frac{dx_n}{a_n}</math>を'''流線方程式'''という。 例えば、<math>\boldsymbol{f}(x, y)=(y, x)</math>の流線は、 :定義から<math>\frac{dx}{dt}=y, \frac{dy}{dt}=x</math> :合成関数の微分公式から<math>\frac{dy}{dx}=\frac{\frac{dy}{dt}}{\frac{dx}{dt}}=\frac{x}{y}</math> :<math>\int y dy=\int xdx</math> :<math>\frac{1}{2}y^2=\frac{1}{2}x^2+C</math> :よって双曲線<math>y^2-x^2=2C</math>// この場合、<math>t</math>に関する2つの微分方程式を組み合わせることで :<math>\frac{d^2x}{dt^2}=x, \frac{d^2y}{dt^2}=y</math>という二階線型常微分方程式となり、一般解が双曲線関数を用いて<math>\begin{cases} x=C_1\cosh t+C_2\sinh t \\ y=C_1\sinh t+C_2\cosh t \end{cases}</math>であることが容易に判る。<br>なお、流線方程式を用いても<math>\frac{dx}{y}=\frac{dy}{x}</math>から<math>\frac{dy}{dx}=\frac{x}{y}</math>が出てくる。 「流線の接線ベクトルが元のベクトル場になる」とはつまり、「接線が常にベクトル場と平行になるような曲線」を考えているということである。滑らかなベクトル場を考えているためそのような曲線は常に存在する。流線は「ベクトル場の流れを繋げていった曲線」と考えることができるので、「流れを簡潔に図示」するのにちょうどよい。 有名な例として、電気力線・磁力線はそれぞれ電場<math>\boldsymbol{E}</math>・磁束密度<math>\boldsymbol{B}</math>の流線である。 流線の微分方程式を弧長パラメータ表示を用いて変形する。 :<math>\frac{d\boldsymbol{r}}{dt}=\boldsymbol{a}(\boldsymbol{r}(t))</math>の左辺に就いて :<math>\frac{d\boldsymbol{r}}{ds}\cdot\frac{ds}{dt}=\frac{d\boldsymbol{r}}{ds}\cdot \|\boldsymbol{r}'(\phi^{-1}(s))\|</math> 元の方程式の両辺でノルムをとると :<math>\left\|\frac{d\boldsymbol{r}}{dt}\right\|=\|\boldsymbol{a}(\boldsymbol{r}(t))\|</math> 代入して :<math>\frac{d\boldsymbol{r}}{ds}\cdot\|\boldsymbol{r}'(\phi^{-1}(s))\|=\frac{d\boldsymbol{r}}{ds}\cdot\|\boldsymbol{a}(\boldsymbol{r}(t))\|</math> :<math>\therefore \frac{d\boldsymbol{r}}{ds} = \boldsymbol{e}_{\boldsymbol{a}(\boldsymbol{r}(\phi^{-1}(s)))}</math> ここから、流線の形状はノルムには関係なく方向場のみで決まることがわかる。 ===フレネ標搆=== ここでは、三次元空間に於ける正則曲線について考える。 <math>C:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(s)</math>上の点<math>\mathrm{P}(s)</math>に於ける単位接線ベクトルを<math>\boldsymbol{t}</math>とおく。 先程の議論より<math>\boldsymbol{t}(s)=\frac{d\boldsymbol{r}(s)}{ds}</math>であり、<math>\left\| \frac{d\boldsymbol{r}(s)}{ds} \right\|=1 (=\mathrm{const}.)</math>なので直交条件の定理から<math>\boldsymbol{t}\cdot\frac{d\boldsymbol{t}}{ds}=0</math>、則ち<math>\boldsymbol{t} \perp \frac{d\boldsymbol{t}(s)}{ds}</math>である。この<math>\frac{d\boldsymbol{t}(s)}{ds}</math>を'''主法線ベクトル'''という。 主法線ベクトルを<math>\boldsymbol{n}</math>とおくとき、<math>\boldsymbol{b}=\boldsymbol{t}\times\boldsymbol{n}</math>を'''従法線ベクトル'''(陪法線ベクトル)という。ここで先程の結果より<math>\boldsymbol{t}\perp\boldsymbol{n}</math>であって<math>\boldsymbol{b}</math>の定義より<math>\boldsymbol{t}\perp\boldsymbol{b}, \boldsymbol{n}\perp\boldsymbol{b}</math>なので、この3ベクトルの組を正規化した<math>\{\boldsymbol{e}_t, \boldsymbol{e}_n, \boldsymbol{e}_b \}</math>は<math>\mathbb{R}^3</math>の正規直交基底である。これを<math>\mathbb{R}^3</math>の'''フレネ標搆'''という。外積の結果よりフレネ標搆は<math>\boldsymbol{e}_t, \boldsymbol{e}_n, \boldsymbol{e}_b</math>の順に右手系をなす。なお、接線ベクトル・主法線ベクトル・従法線ベクトルは全て曲線の位置ベクトル<math>\boldsymbol{r}(s)</math>を入力したベクトル場として捉えることができる。 <math>\{\boldsymbol{e}_n, \boldsymbol{e}_b \}</math>の張る平面を'''法平面'''、<math>\{\boldsymbol{e}_t, \boldsymbol{e}_b \}</math>の張る平面を'''展直平面'''、<math>\{\boldsymbol{e}_t, \boldsymbol{e}_n \}</math>の張る平面を'''接触平面'''という。 即ち、法平面・展直平面・接触平面は<math>tnb</math>空間の点<math>\mathrm{P}(s)</math>を原点とした基準面である。 平面の方程式の法線ベクトルに接ベクトル・主法線ベクトル・従法線ベクトルをそれぞれ代入することで :法平面の方程式:<math>(\boldsymbol{p}-\boldsymbol{r}(s))\cdot\boldsymbol{t}(s)=0</math> :展直平面の方程式:<math>(\boldsymbol{p}-\boldsymbol{r}(s))\cdot\boldsymbol{n}(s)=0</math> :接触平面の方程式:<math>(\boldsymbol{p}-\boldsymbol{r}(s))\cdot\boldsymbol{b}(s)=0</math> とわかる。 <math>\|\boldsymbol{t}\|=1</math>は常に成り立つが<math>\|\boldsymbol{n}\|, \|\boldsymbol{b}\|</math>は<math>1</math>とは限らない。そこで、主法線ベクトルの大きさ<math>\kappa(s)=\|\boldsymbol{n}(s)\|</math>を曲線<math>C</math>の'''曲率'''と呼ぶことにする。なお、<math>\|\boldsymbol{b}\|=\| \boldsymbol{t} \| \|\boldsymbol{n}\|\sin\frac{\pi}{2}</math>より<math>\|\boldsymbol{b}\|=\|\boldsymbol{n}\|=\kappa</math>が成り立つ。 主法線ベクトルの定義に立ち戻ると<math>\boldsymbol{n}(s)=\frac{d\boldsymbol{t}(s)}{ds}</math>であった。つまり、主法線ベクトルは接ベクトルの速度ベクトルなので「弧長パラメータを変化させたときに接ベクトルがどのくらい変化するか」という指標である。接ベクトルの変化の大小と<math>\kappa</math>の大小は対応し、接ベクトルの大小はカーブの緩急に対応することから<math>\kappa</math>の大小とカーブの緩急も対応する。これが「曲率」という名前の由来である。 なお、<math>\kappa(s)=0</math>の場合は<math>\boldsymbol{n}(s)=\boldsymbol{0}</math>なので<math>\boldsymbol{t}(s)=\boldsymbol{k}</math>(定ベクトル)であり、<math>\boldsymbol{r}(s)=s\boldsymbol{k}</math>という直線の場合に対応することがわかる。 単位接ベクトルの<math>s</math>を微分変数とする導関数(<math>s</math>-導関数)は主法線ベクトルだったが、単位主法線ベクトル・単位従法線ベクトルの<math>s</math>-導関数がどのように表されるか見ていく。 ここで、フレネ標搆が<math>\mathbb{R}^3</math>の正規直交基底であることから、<math>\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}, \frac{d\boldsymbol{e}_b}{ds}</math>ともにフレネ標搆の一次結合で表現できると予想される。 単位従法線ベクトルに就いて :<math>\frac{d\boldsymbol{e}_b}{ds}=\frac{d}{ds}(\boldsymbol{e}_t\times\boldsymbol{e}_n)=\frac{d\boldsymbol{e}_t}{ds}\times\boldsymbol{e}_n+\boldsymbol{e}_t\times\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}</math> <math>\boldsymbol{t}=\boldsymbol{e}_t</math>より<math>\frac{d\boldsymbol{e}_t}{ds}=\boldsymbol{n}=\kappa\boldsymbol{e}_n</math>則ち<math>\frac{d\boldsymbol{e}_t}{ds}\times\boldsymbol{e}_n=\kappa\boldsymbol{e}_n\times\boldsymbol{e}_n=\boldsymbol{0}</math>なので :<math>\frac{d\boldsymbol{e}_b}{ds}=\boldsymbol{e}_t\times\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}</math> <math>\|\boldsymbol{e}_n\|=1</math>から直交条件の定理より<math>\boldsymbol{e}_n\perp\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}</math>なので :<math>\boldsymbol{e}_n\times\frac{d\boldsymbol{e}_b}{ds}=\boldsymbol{e}_n\times(\boldsymbol{e}_t\times\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds})=\left(\boldsymbol{e}_n\cdot\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}\right)-(\boldsymbol{e}_n\cdot\boldsymbol{e}_t)\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}=\boldsymbol{0}</math> 外積が零ベクトルなので<math>\frac{d\boldsymbol{e}_b}{ds} /\!\!/ \boldsymbol{e}_n</math>であり、一次従属より :<math>\frac{d\boldsymbol{e}_b}{ds}=-\tau\boldsymbol{e}_n</math> となるスカラー関数<math>\tau(s)</math>が存在する。 この<math>\tau(s)</math>を曲線<math>C</math>の'''捩率'''と呼ぶ。捩率は接触平面の回転(捩れ)の率を表す。 <math>\tau=0</math>ならば<math>\frac{d\boldsymbol{e}_b}{ds}=0</math>より<math>\boldsymbol{e}_b</math>方向は変化しないので曲線は接触平面と平行な平面上に拘束される。即ち、<math>C</math>は平面曲線である。 単位主法線ベクトルに就いて :<math>\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}=\frac{d}{ds}(\boldsymbol{e}_b\times\boldsymbol{e}_t)=\frac{d\boldsymbol{e}_b}{ds}\times\boldsymbol{e}_t+\boldsymbol{e}_b\times\frac{d\boldsymbol{e}_t}{ds}</math> ここで<math>\frac{d\boldsymbol{e}_t}{ds}=\kappa\boldsymbol{e}_n, \frac{d\boldsymbol{e}_b}{ds}=-\tau\boldsymbol{e}_n</math>を代入して :<math>\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}=-\tau\boldsymbol{e}_n\times\boldsymbol{e}_t+\boldsymbol{e}_b\times\kappa\boldsymbol{e}_n=\tau\boldsymbol{e}_b-\kappa\boldsymbol{e}_t</math> よって、フレネ標搆の弧長パラメータを微分変数とする導関数を以下のようにフレネ標搆の一次結合で表すことができた。 :<math>\begin{cases} \frac{d\boldsymbol{e}_t}{ds}=\kappa\boldsymbol{e}_n \\ \frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds} = \tau\boldsymbol{e}_b-\kappa\boldsymbol{e}_t \\ \frac{d\boldsymbol{e}_b}{ds}=-\tau\boldsymbol{e}_n \end{cases}</math> これを一次変換で表記すると以下のようになる。但し、厳密にはベクトルを成分としている部分は列ではなく行に配置するのが正しいことに注意。 {{定理|(フレネ=セレーの公式)}} :<math>\frac{d}{ds}\begin{pmatrix} \boldsymbol{e}_t \\ \boldsymbol{e}_n \\ \boldsymbol{e}_b \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 0 & \kappa & 0 \\ -\kappa & 0 & \tau \\ 0 & -\tau & 0 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} \boldsymbol{e}_t \\ \boldsymbol{e}_n \\ \boldsymbol{e}_b \end{pmatrix}</math> {{定理終わり}} 表現行列が反対称行列(歪対称行列)になっているが、これは「直交変換を一次近似すると反対称変換になる」という無限小回転の理論に対応する。 捩率を求めるときは「基底分解の係数は対応する基底ベクトルとの内積に等しい」という性質を利用すれば<math>\boldsymbol{e}_b\cdot\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}=\tau</math>となるので左辺を計算すればよい。 例えば、円<math>\begin{cases} x^2+y^2=a^2 \\ z=b \end{cases}</math>の曲率と捩率は以下のように求まる。 :媒介変数表示して<math>\boldsymbol{r}(t)=\begin{pmatrix} a\cos t \\ a\sin t \\ b \end{pmatrix}</math> :接線ベクトルは<math>\frac{d\boldsymbol{r}(t)}{dt}=\begin{pmatrix} -a\sin t \\ a\cos t \\ 0 \end{pmatrix}</math> :弧長パラメータ<math>s</math>は<math>s=\int^t_0 \left\|\frac{d\boldsymbol{r}(t)}{dt}\right\|dt = \int_0^t a dt = at</math> :<math>\therefore t=\frac{s}{a}</math> :<math>\boldsymbol{r}(s)=\begin{pmatrix} a\cos\frac{s}{a} \\ a\sin\frac{s}{a} \\ b \end{pmatrix}</math> :<math>\boldsymbol{t}=\frac{d\boldsymbol{r}(s)}{ds}=\begin{pmatrix} -\sin\frac{s}{a} \\ \cos\frac{s}{a} \\ 0 \end{pmatrix}</math> :<math>\boldsymbol{n}=\frac{d\boldsymbol{t}(s)}{ds}=\frac{1}{a}\begin{pmatrix} -\cos\frac{s}{a} \\ -\sin\frac{s}{a} \\ 0 \end{pmatrix}</math> :<math>\kappa=\|\boldsymbol{n}\|=\frac{1}{a}</math> :<math>\boldsymbol{b}=\boldsymbol{t}\times\boldsymbol{n} = \begin{pmatrix} 0 \\ 0 \\ \frac{1}{a} \end{pmatrix}</math> :<math>\boldsymbol{e}_n=\begin{pmatrix} -\cos\frac{s}{a} \\ -\sin\frac{s}{a} \\ 0 \end{pmatrix}</math> :<math>\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}=\frac{1}{a}\begin{pmatrix} \sin\frac{s}{a} \\ -\cos\frac{s}{a} \\ 0 \end{pmatrix}</math> :<math>\boldsymbol{e}_b = \begin{pmatrix} 0 \\ 0 \\ 1 \end{pmatrix}</math> :<math>\tau = \begin{pmatrix} 0 \\ 0 \\ 1 \end{pmatrix}\cdot\frac{1}{a}\begin{pmatrix} \sin\frac{s}{a} \\ -\cos\frac{s}{a} \\ 0 \end{pmatrix}=0</math>// フレネ・セレーの公式は[[線型代数学続論/行列値関数|行列関数]]に関する一階常微分方程式である。そのため、微分方程式の基本定理(ピカール=リンデレーエフの定理)により初期条件(<math>s=0</math>に於けるフレネ標搆)を与えれば、滑らかな曲率関数・捩率関数の組<math>(\kappa, \tau)</math>を定めることで微分方程式の解として一般の<math>s</math>に対するフレネ標搆を一意に得る。このとき、曲線<math>C:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(s)</math>は接ベクトルを出発点を選んで積分することで決定される。 従って、次の定理が成り立つ<!-- 厳密証明はhttps://sshmathgeom.private.coocan.jp/diffgeom/curvetheorem.htmlを参照 -->。 {{定理|(曲線の基本定理)}} 開区間<math>(a,b)</math>上の実数<math>s</math>を変数とする2つの滑らかな関数<math>\kappa(s),\tau(s)</math>を与える。但し、<math>\kappa(s)</math>は正とする。<br/> このとき、<math>\kappa(s)</math>を曲率、<math>\tau(s)</math>を捩率、<math>s</math>を弧長パラメータとする三次元空間上の曲線<math>C</math>が剛体運動を除いて一意に定まる。 {{定理終わり}} 剛体運動とは「曲線の形を変えない」運動のことである(平行移動・回転など)。 <math>\kappa(s), \tau(s)</math>の定める曲線族を一般に<math>\mathcal{C}[\kappa, \tau]</math>と書く。 例えば、円を含む螺旋は<math>c_1, c_2=\mathrm{const}.</math>として<math>\mathcal{C}[c_1, c_2]</math>と書ける。 <math>R=\frac{1}{\kappa}</math>を'''曲率半径'''という。曲率半径は曲線の特定のカーブにおける曲がり具合の急さを表す指標であり、カーブを近似する真円('''密着円''')の半径でもある。高速道路の標識で<math>R=\circ\circ \mathrm{m}</math>は、そのカーブの曲率半径を示している。道路設計では、快適なドライブの為曲率半径がなるべく大きくなるように工夫を凝らしている。 ここで<math>\boldsymbol{r}(s)</math>の中心<math>s_0</math>に於けるテイラー展開は :<math>\boldsymbol{r}(s)=\sum_{i=0}^\infty \frac{(s-s_0)^i}{i!} \frac{d^i}{ds^i}\boldsymbol{r}(s_0) </math>(再掲) だったが、二次近似式(三次以降を切り捨てた式)を考えると :<math>\boldsymbol{r}(s) \fallingdotseq \boldsymbol{r}(s_0)+\frac{d\boldsymbol{r}(s_0)}{ds}(s-s_0) + \frac{1}{2}\frac{d^2\boldsymbol{r}(s_0)}{ds^2}(s-s_0)^2 </math> フレネ標搆を用いて書き直すと :<math>\boldsymbol{r}(s) \fallingdotseq \boldsymbol{r}(s_0)+\boldsymbol{e}_t(s-s_0) + \frac{1}{2}\kappa(s_0)\boldsymbol{e}_n(s-s_0)^2 </math> 二次近似とは「曲線を円弧で近似する」ことだったので曲率<math>\kappa(s_0)</math>が近似に用いる円弧と関係ある量であることが予想される。<br/> 接触平面で密着円<math> \| \boldsymbol{r} - (\boldsymbol{r}(s_0)+R\boldsymbol{e}_n) \| = R </math>を考える。接触平面を<math>xy</math>平面と考えると円の方程式は :<math>x^2+(y-R)^2=R^2</math> :<math>y=R-\sqrt{R^2-x^2}</math> テイラー展開して :<math>y=\frac{x^2}{2R}+O(x^4)</math> 二次の項を比較すると :<math>\frac{x^2}{2R}=\frac{(s-s_0)^2}{2}\kappa</math> よって :<math>R=\frac{1}{\kappa}</math> と定義するのは妥当である。 なお、先ほど求めた円の曲率から、真円に関して「曲率半径=半径」であることが判る。 フレネ・セレーの公式で最初の二行二列のみを考えると<math>\mathbb{R}^2</math>内の曲線に対するフレネ・セレーの公式を得る。一般に<math>\mathbb{R}^n</math>上の曲線に対し、今回の議論と同様にして接ベクトル・主法線ベクトル・曲率を定義することができる。但し、三次元空間と異なって同じ曲率に対して異なる曲線を与えることができる(主法線ベクトルが接触平面内で接ベクトルに対して左右どちらを向くかがそのままでは定まらないため)。なお、4次元以上であっても平面拘束曲線ならば捩率は0であって従法線ベクトルは零ベクトルに定まる。 ===単純閉曲線=== パラメータ区間を<math>I=[a, b]</math>とする。 このとき、曲線の端点はそれぞれ<math>\mathrm{P}(a), \mathrm{P}(b)</math>である。 端点が一致する、つまり<math>\mathrm{P}(a)=\mathrm{P}(b)</math>である連続曲線を'''閉曲線'''という。 自己交叉しない、つまり<math>\forall t_1, t_2 \in (a, b), t_1 \neq t_2 \iff \mathrm{P}(t_1)\neq\mathrm{P}(t_2)</math>となる閉曲線を'''単純閉曲線'''(ジョルダン曲線)という。閉曲線でない曲線に就いて「自己交叉しない」という条件は「曲線を表すベクトル関数が単射」と同値であるので、端点のみ単射性を外してやれば単純閉曲線の定義を得る。 幾何学的直観から、平面に拘束された単純閉曲線はその平面を単純閉曲線で囲まれた'''内部'''とそうでない'''外部'''の二つの領域に分割することが予想できる。 このことは以下の定理によって保証される。 {{定理|(ジョルダンの曲線定理)}} 平面<math>\Pi\subset\mathbb{R}^n</math>内の任意の単純閉曲線<math>\gamma</math>に対し、有界領域<math>I</math>・非有界領域<math>O</math>の組であって<math>\Pi\setminus\gamma=I \sqcup O</math>且つ<math>\partial{I}=\partial{O}=\gamma</math>であるものが唯一つに定まる。 {{定理終わり}} この<math>I, O</math>をそれぞれ内部・外部と定義する。証明は[[位相幾何学]]で行う。なお、「<math>\partial{I}=\partial{O}=\gamma</math>」を態々明示しているのは、滑らかでない単純閉曲線に対しては「<math>\Pi\setminus\gamma=I \sqcup O \implies \partial{I}=\partial{O}=\gamma</math>」が自明でないためである。 正則単純閉曲線に対して「曲線の向き」の幾何学的意味を考える。 ジョルダンの曲線定理より単純閉曲線<math>\gamma:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(s) \quad(\boldsymbol{r}\in \Pi)</math>は平面<math>\Pi</math>を内部<math>I</math>と外部<math>O</math>に分割する。平面拘束曲線なので<math>\forall{s}, \tau(s)=0</math>であり、従法線ベクトルは零ベクトル且つ接触平面が常に<math>\Pi</math>に一致する。 主法線ベクトル<math>\boldsymbol{n}(s)</math>が接ベクトル<math>\boldsymbol{t}(s)</math>に対して左側を向いているとすると、<math>\boldsymbol{r}(s_0)+\varepsilon\boldsymbol{n}(s_0) \quad(\varepsilon>0)</math>が点<math>\mathrm{P}(s_0)</math>に於ける<math>\gamma</math>の進行方向左側にある点である。 ここで、<math>\mathrm{P}(s_0)</math>に於ける<math>\varepsilon</math>-開球<math>B_\varepsilon(s_0)</math>を考えると、平面<math>\Pi</math>上では<math>\boldsymbol{r}(s_0)+\varepsilon\boldsymbol{n}(s_0)</math>が左側の領域、<math>\boldsymbol{r}(s_0)+\varepsilon\boldsymbol{n}(s_0)</math>が右側の領域に入る。 <math>s=s_0</math>を動かすと各点で進行方向左は<math>I, O</math>のいずれかであり、<math>\gamma</math>の正則性と<math>I, O</math>の連結性から「<math>I, O</math>のどちらが左側であるかは曲線全体で変わらない」ことが言える。 ここで円の場合を考える。<math>\Pi</math>に直交座標<math>u, v</math>を入れると向心加速度の議論から「加速度ベクトル=主法線ベクトルは円の中心を向く」ので、「円の正の向きは円の内部を左手に見る進行方向」である。 任意の正則単純閉曲線<math>\gamma</math>に対して自己交叉を起こさないまま円へ連続変形する可逆写像が存在し、その変形に於いて「左側」と「<math>I, O</math>」の対応は変化しない。則ち、円で確認された「正の向きは囲まれた内部を左手に見る向き」は任意の正則単純閉曲線で成り立つ。 つまり、単純閉曲線の正の向きは点を動かしたときに'''自身の囲む領域の内部を左手に見る向き'''である。負の向きは左手に外部を見る向きである。 集合<math>A</math>に含まれる任意の2点に対してそれらを端点とする滑らかな曲線<math>C</math>をとれるとき、<math>A</math>は'''弧状連結'''であるという。 弧状連結集合<math>S</math>内の任意の閉曲線<math>\gamma</math>に対して1点に退化するような連続変形が可能なとき、<math>S</math>は'''単連結'''であるという。単連結でない集合は'''多重連結'''であるという。 平面<math>\Pi\subset\mathbb{R}^n</math>に含まれる単連結集合<math>S</math>に対し、<math>\hat{\Pi}:=\Pi\cup\{\infty\}</math>とすると集合<math>\hat{\Pi}\setminus{S}</math>は連結である。逆も成り立つ。 なお、「<math>A</math>が連結集合である」ことは「補集合<math>\overline{A}</math>が非連結集合である」ことを意味しない。そのため「単連結な連結集合」も考えられ、特に「単連結な領域」はこの先頻繁に登場する。 集合<math>A</math>に含まれる任意の2点を結んだ線分が<math>A</math>に包含されるとき、<math>A</math>は'''凸型'''であるという。凸型集合でない集合は'''凹型'''であるという。 集合<math>A</math>内の1点を固定してそこから<math>A</math>内任意点へ引いた線分が<math>A</math>に包含されるとき、<math>A</math>は'''星状'''(星型)であるという。このとき固定した点を'''星の中心'''という。凸型集合は全て星状集合である。 単純閉曲線<math>\gamma</math>を境界とする内部<math>I</math>に関して<math>I\cup\gamma</math>が凸型集合であるとき、<math>\gamma</math>を'''卵形線'''(凸単純閉曲線・オーヴァル)という。 曲線<math>C</math>の曲率関数<math>\kappa(s)</math>が<math>C^3</math>級であるとき、<math>\kappa'(s_0)=0</math>を満たす点<math>\mathrm{P}(s_0)</math>を<math>C</math>の'''頂点'''という。 例えば、標準楕円<math>\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}=1</math>の頂点は4点<math>(\pm{a},0),(0,\pm{b})</math>である。このことは、<math>\mathbb{R}^2</math>上曲線<math>C:\boldsymbol{r}=x(t)\boldsymbol{e}_x(t)+y(t)\boldsymbol{e}_y(t)</math>に対する曲率の公式<math>\kappa(t)=\frac{\left|\frac{dx}{dt}\frac{d^2y}{dt^2}-\frac{dy}{dt}\frac{d^2x}{dt^2}\right|}{\left\{\left(\frac{dx}{dt}\right)^2+\left(\frac{dy}{dt}\right)^2\right\}^\frac{3}{2}}</math>と<math>\frac{ds}{dt}>0</math>を用いて確かめられる。 実は、この事実は楕円に限らないことが以下の定理で示される。 {{定理|(ムコパディヤーヤの定理・四頂点定理)}} <math>\mathbb{R}^2</math>上の滑らかな卵形線は少なくとも4つの頂点を持つ。 {{定理終わり}} *証明 :滑らかな卵形線<math>C:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(s)\quad(s\in[a, b])</math>に対して曲率関数<math>\kappa(s)</math>は滑らかであり、<math>\kappa\in C^3</math>を満たす。 :卵形線は単純閉曲線なので<math>\mathrm{P}(a)=\mathrm{P(b)}</math>であり、<math>\kappa(a)=\kappa(b)</math>。 :曲率関数が定数関数のときは<math>\kappa\in C^\infty</math>且つ常に<math>\kappa'(s)=0</math>なので曲線を構成するすべての点が頂点であり、明らかに定理を満たす。 :曲率関数が定数関数でないとする。 :ワイエルシュトラスの極値定理より<math>\kappa(s)</math>は<math>s\in[a, b]</math>のどこかで最大値・最小値をとり、その点で<math>\kappa'(s)=0</math>を満たす。 :従って少なくとも2つの頂点を持つ。 :ここで、頂点がこの2つのみと仮定する。 :曲率が最大値・最小値をとる点をそれぞれ<math>\mathrm{M, N}</math>と置く。 :線分<math>\mathrm{MN}</math>を含む直線を<math>x</math>軸とし、その垂直方向に<math>y</math>軸をとる。 :<math>s</math>が増加すると曲線上の点が<math>\mathrm{N}\to\mathrm{M}</math>のように動くとき、 :<math>\kappa(s)</math>は最小値から最大値に向かって増大し、他に頂点がないので狭義単調増加である。 :同様に、<math>\mathrm{M}\to\mathrm{N}</math>の向きでは<math>\kappa(s)</math>は狭義単調減少である。 :従って、<math>\kappa'(s)y(s)\neq0</math>の正の側だけ考えれば良い。 :<math>y(a)=y(b)=0</math>に注意すると部分積分して :<math>0<\int_a^b \kappa'(s)y(s)ds=-\int_a^b \kappa(s)y'(s)ds</math> :主法線ベクトル<math>\boldsymbol{n}(s)= \begin{pmatrix} \xi_1(s) \\ \xi_2(s) \end{pmatrix}</math>を考えると二次元版フレネ=セレーの公式から<math>\frac{d\boldsymbol{n}}{ds}=-\kappa\frac{d\boldsymbol{r}}{ds}</math>なので :<math>\xi'_2(s)=-\kappa(s)y'(s)</math> :よって :<math>-\int_a^b \kappa(s)y'(s)ds=\int_a^b \xi_2(s)ds = \left[\xi_2(s)\right]_a^b=0</math> :なので矛盾した不等式<math>0<0</math>を得る。 :則ち、<math>\mathrm{M, N}</math>と異なる点で<math>\kappa'(s)=0</math>を満たす点が少なくとも一つ存在する。 :そのような点を<math>\mathrm{L}</math>と置く。 :<math>\mathrm{L}</math>が<math>\mathrm{N}\to\mathrm{M}</math>という経路の途中にあるとする。 :このとき、<math>\mathrm{L}</math>以外に<math>\kappa'(s)=0</math>を満たす点が存在すると「<math>\mathrm{M}\to\mathrm{N}</math>という経路の途中にそのような点が無い」という最初の仮定に反するので :<math>\mathrm{M, N, L}</math>以外では<math>\kappa'(s)y(s)>0</math>である。 :同様に部分積分を行うことで矛盾した不等式を得、<math>\mathrm{M, N, L}</math>と異なる点で<math>\kappa'(s)=0</math>を満たす点が少なくとも一つ存在することが判る。 :この時点で「<math>\mathrm{M, N}</math>間の二つの経路のいずれにも<math>\kappa'(s)=0</math>を満たす点が存在しない」という仮定が否定されたのでこれ以上背理法を適用することはできない。 :よって、頂点個数の最小値は<math>4</math>である。// 最小値4をとる卵形線が実際に存在することは楕円の例で確かめた。 この定理は「卵形線」を「(正則)単純閉曲線」に取り換えてもそのまま成り立つことが知られている。一般の閉曲線でこの定理を成り立たせるには追加の条件が必要となる。 先程も述べたように、接ベクトルと単位主法線ベクトルは2次元以上の空間内部にある曲線ならば定義することができる。そして、<math>\boldsymbol{t}\cdot\boldsymbol{n}=0</math>も必ず成り立つ。よって、<math>\boldsymbol{e}_t\cdot\boldsymbol{e}_n=0</math>の両辺を<math>s</math>で微分して :<math>\frac{d\boldsymbol{e}_t}{ds}\cdot\boldsymbol{e}_n+\boldsymbol{e}_t\cdot\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}=0</math> :<math>\therefore \boldsymbol{e}_t\cdot\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}=-\boldsymbol{n}\cdot\boldsymbol{e}_n=-\kappa</math> ここで「基底分解に於ける成分はその基底との内積に等しい」という性質から、<br/> 一般次元に於いても「<math>\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}</math>の接線方向成分は<math>-\kappa(s)</math>」であることが判る。 ここで<math>C^2</math>級曲線の位置ベクトル<math>\boldsymbol{r}(s)</math>に対して単位主法線<math>\boldsymbol{e}_n(s)</math>を対応させることを考える。この対応を'''ガウス表示'''という。 <math>\boldsymbol{e}_n(s)</math>を二次までテイラー展開すると<math>\Delta s>0</math>を微小量として :<math>\boldsymbol{e}_n(s+\Delta s)=\boldsymbol{e}_n(s)+\frac{d\boldsymbol{e}_n(s)}{ds}\Delta s + O(\Delta s^2)</math> ここで<math>\boldsymbol{e}_t\cdot\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}=-\kappa</math>より、<math>s</math>を<math>\Delta s</math>だけ動かしたときの接線方向の速さは<math>|\kappa(s)|\Delta s</math>である(<math>\kappa(s)</math>が正で正の向き、負で負の向きに動くとする)。 閉曲線に対してはガウス表示によって法線方向の変化を完全に捉えられるので、<math>\kappa(s)</math>を微小量<math>\Delta s</math>に関して積分した<math>\int_a^b \kappa(s)ds</math>を考えてみる。 ガウス表示では曲線を単位主法線ベクトルの描く単位円として考えることができる。閉曲線では<math>\mathrm{P}(a)=\mathrm{P}(b)</math>より明らかに<math>\boldsymbol{e}_n(a)=\boldsymbol{e}_n(b)</math>であり、閉曲線が一周する間にベクトル<math>\boldsymbol{e}_n(s)</math>はこの単位円を<math>m(\in\mathbb{Z})</math>周する<sup>※</sup>。 <small>※物理的には「円そのものが動いても円周上の質点は『この円をどっちの方向に何周したか』という情報しか持たない」ので、単位円が動くことは議論にあまり関係ない</small> 弧度法より単位円を<math>m</math>周する符号付き道のりは<math>2\pi{m}</math>であり、ガウス表示より<math>\int_a^b \kappa(s)ds=2\pi{m}</math>。 従って、<math>m=\frac{1}{2\pi}\int_a^b \kappa(s)ds</math> この<math>m</math>を閉曲線の'''回転数'''と呼ぶことにする。 曲率が負の場合には積分値が途中で相殺されてしまうので、絶対値を付けて積分した :<math>\mu:=\int_a^b |\kappa(s)|ds</math> という量を考えることにする。 これを閉曲線の'''全曲率'''と呼ぶ。 全曲率に対して以下の定理が成り立つ。 {{定理|(フェンヒェルの定理)}} 滑らかな閉曲線の全曲率は<math>\mu\geq2\pi</math>を満たす。等号成立の場合は卵形線である。 {{定理終わり}} 証明は省略する。 ===曲面=== 多変数解析で既に扱った、三次元空間に於ける曲面の陽関数表示<math>z=f(x, y)</math>を'''モンジュ表示'''という。<math>f(x, y, z)=\mathrm{const}.</math>と陰関数表示された曲面は陰関数定理が成り立つ範囲でモンジュ表示に直すことができる。 一次式で陰関数表示される曲面を'''一次曲面'''という。平面の方程式より、一次曲面は全て平面である。 二次式で陰関数表示される曲面を'''二次曲面'''という。 以下、三次元空間に於ける二次曲面の例を挙げる。各係数は非退化条件を満たすとする。なお、「直線に平行な平面」は「直線を法線とする平面に垂直な平面」を意味することに注意。 *'''球面'''(sphere) :高校数学で扱ったように、点<math>(a, b, c)</math>を中心とする半径<math>r</math>の球面の方程式は<math>(x-a)^2+(y-b)^2+(z-c)^2=r^2</math>である。この球面上の点の位置ベクトルは<math>\boldsymbol{r}=\begin{pmatrix} x \\ y \\ z \end{pmatrix}</math>なので、球面が満たすベクトル方程式は一般に<math>\|\boldsymbol{r}-\boldsymbol{a}\|=\mathrm{const}.</math>である。これは円のベクトル方程式の次元を上げたものである。 *'''楕円面'''(ellipsoid) :楕円の方程式を拡張した方程式<math>\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}+\frac{z^2}{c^2}=1</math>が表す曲面である。<math>xyz</math>空間の基本面で切った断面は全て楕円となる。 *'''楕円拋物面'''(elliptic paraboloid) :楕円の平面拘束条件を外した方程式<math>z=\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}</math>が表す曲面である。<math>z</math>軸に垂直な平面で切った断面は楕円、平行な平面で切った断面は拋物線となる。 *'''双曲拋物面'''(hyperbolic paraboloid) :双曲線の平面拘束条件を外した方程式<math>z=\frac{x^2}{a^2}-\frac{y^2}{b^2}</math>が表す曲面である。<math>z</math>軸に垂直な平面で切った断面は双曲線、平行な平面で切った断面は拋物線となる。また、原点は鞍点である。 *'''一葉双曲面'''(hyperboloid of one sheet) :楕円面の方程式の一つの項の符号を変えた<math>\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}-\frac{z^2}{c^2}=1</math>の表す曲面。<math>z</math>軸に垂直な平面で切った断面は楕円、平行な平面で切った断面は双曲線となる。 *'''二葉双曲面'''(hyperboloid of two sheet) :楕円面の方程式の二つの項の符号を変えた<math>\frac{x^2}{a^2}-\frac{y^2}{b^2}-\frac{z^2}{c^2}=1</math>の表す曲面。断面の分類は一葉双曲面と同じだが、<math>m^2<c^2</math>のときは平面<math>z=m</math>と交わらないため「二葉」と名付けられている。 *'''錐面'''(conical surface) :方程式<math>\frac{z^2}{c^2}=\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}</math>の表す曲面。<math>xy</math>平面との交点は原点のみであり、<math>yz</math>平面・<math>zx</math>平面で切った断面は直線である。 閉区間<math>I\subset\mathbb{R}</math>上の一変数ベクトル関数<math>\boldsymbol{r}(t)</math>を用いたベクトル方程式<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t) \quad(t\in I)</math>の解集合は次元に依らず曲線を表した。 同様に、領域<sup>※</sup><math>D\subset\mathbb{R}^2</math>上の二変数ベクトル関数<math>\boldsymbol{r}(t, u)</math>を用いたベクトル方程式<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t, u) \quad({\scriptstyle\left(\begin{array}{c} t \\[-6pt] u \end{array}\right)}\in D)</math>の解集合は次元に依らず曲面を表すと考えられる。 厳密には[[線型代数学/基底と次元|階数・退化次数の定理]]<!-- 次元定理・線型写像の基本定理 -->などを用いてこのことを確かめられる。 <small>※ここでいう「領域」は冒頭で厳密に定義した「領域」であることに注意。</small> 曲線と同様に、曲面の'''パラメータ表示'''と'''ベクトル表示'''は次のように定義される。 :パラメータ表示:<math>\begin{cases} x_1&=&r_1(t, u) \\ x_2&=&r_2(t, u) \\ &\,\,\vdots& \\ x_n&=&r_n(t, u) \end{cases}</math> :ベクトル表示:<math>\left\{\boldsymbol{r}(t, u) \,\bigg|\, {\scriptstyle\left(\begin{array}{c} t \\[-6pt] u \end{array}\right)} \in D \right\}</math> また、<math>S:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t, u)</math>のようにも表す。 例えば、<math>k>l>0</math>として<math>\boldsymbol{r}(t, u)=\begin{pmatrix} (k+l\cos u)\cos t \\ (k+l\cos u)\sin t \\ l\sin u \end{pmatrix} \quad(D=\left\{ \begin{pmatrix} t \\ u \end{pmatrix} \bigg| \begin{array}{c} 0 \leq t \leq 2\pi \\ 0 \leq u \leq 2\pi \end{array} \right\})</math>は'''トーラス'''のベクトル表示である。 <math>\mathbb{R}^3</math>上の平面の方程式は高校数学に於いて<math>\begin{pmatrix} a \\ b \\ c \end{pmatrix}\neq\boldsymbol{0}</math>として一次式<math>ax+by+cz+d=0</math>と表せることを学んだ。 これのベクトル方程式を求めてみよう。 :①<math>c=0</math>のとき ::平面の方程式は<math>\begin{cases} ax+by+d=0 \\ z=\mathrm{const}. \end{cases}</math> ::[1]<math>b=0</math>のとき :::平面の方程式は<math>\begin{cases} ax+d=0 \\ y=\mathrm{const}. \\ z=\mathrm{const}. \end{cases}</math> :::<math>\begin{pmatrix} a \\ b \\ c \end{pmatrix}\neq\boldsymbol{0}</math>より<math>a\neq0</math> :::<math>y=t, z=u</math>と置換すると :::<math>\begin{pmatrix} x \\ y \\ z \end{pmatrix}=\begin{pmatrix} -\frac{d}{a} \\ t \\ u \end{pmatrix}</math> :::<math>\boldsymbol{r} = t\begin{pmatrix} 0 \\ 1 \\ 0 \end{pmatrix}+u\begin{pmatrix} 0 \\ 0 \\ 1 \end{pmatrix}+\begin{pmatrix} -\frac{d}{a} \\ 0 \\ 0 \end{pmatrix}</math> ::[2]<math>b\neq0</math>のとき :::<math>x=t, z=u</math>と置換すると :::<math>\begin{pmatrix} x \\ y \\ z \end{pmatrix}=\begin{pmatrix} t \\ -\frac{a}{b}t-\frac{d}{b} \\ u \end{pmatrix}</math> :::<math>\boldsymbol{r} = t\begin{pmatrix} 1 \\ -\frac{a}{b} \\ 0 \end{pmatrix}+u\begin{pmatrix} 0 \\ 0 \\ 1 \end{pmatrix}+\begin{pmatrix} 0 \\ -\frac{d}{b} \\ 0 \end{pmatrix}</math> :②<math>c\neq0</math>のとき ::<math>x=t, y=u</math>と置換すると ::<math>\begin{pmatrix} x \\ y \\ z \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} t \\ u \\ -\frac{a}{c}t-\frac{b}{c}u-\frac{d}{c} \end{pmatrix}</math> ::<math>\boldsymbol{r}=t\begin{pmatrix} 1 \\ 0 \\ -\frac{a}{c} \end{pmatrix}+u\begin{pmatrix} 0 \\ 1 \\ -\frac{b}{c} \end{pmatrix} + \begin{pmatrix} 0 \\ 0 \\ -\frac{d}{c} \end{pmatrix}</math> なお、ここから平面のベクトル方程式が一般に<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{a}+t\boldsymbol{b}+u\boldsymbol{c}</math>という「直線のベクトル方程式を拡張した形」であることがわかる。 <math>\boldsymbol{r}(t, u)\in C^1</math>且つ<math>\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}, \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}\neq\boldsymbol{0}</math>である曲面を'''滑らか'''な曲面という。 曲面<math>S:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t, u)</math>とその上の点<math>\mathrm{P}_0=(a, b)</math>に対し、曲線<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(a, u), \boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t, b)</math>をそれぞれ点<math>\mathrm{P}_0</math>に於ける'''<math>t</math>曲線'''・'''<math>u</math>曲線'''という。 <math>\boldsymbol{r}(t, u)\in C^1</math>であるとき、偏導関数の定義から :<math>\frac{\partial}{\partial{u}}\boldsymbol{r}(a, u)=\frac{d}{du}\boldsymbol{r}(a, u)</math> :<math>\frac{\partial}{\partial{t}}\boldsymbol{r}(t, b)=\frac{d}{dt}\boldsymbol{r}(t, b)</math> ここで<math>a, b</math>をそれぞれ<math>t</math>軸・<math>u</math>軸上で動かすことで<math>t</math>曲線・<math>u</math>曲線の接ベクトルがそれぞれ<math>\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}, \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}</math>であると判る。これらを曲面のパラメータ方向の'''接ベクトル'''という。 これらの接ベクトルが平行でないとき、曲面<math>S</math>上の任意の点<math>\mathrm{P}</math>に対して<math>\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}, \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}</math>の張る平面が定まる。これを曲面<math>S</math>の点<math>\mathrm{P}</math>に於ける'''接平面'''という。曲線の接線は一次元ベクトル空間<math>\left\{ \xi\frac{d\boldsymbol{r}}{dt} \bigg| t \in\mathbb{R} \right\}</math>で表されたが、接平面は二次元ベクトル空間<math>\left\{ \xi\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}+\eta\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}} \bigg| \xi, \eta \in \mathbb{R} \right\}</math>で表される。このような接ベクトル全体が張るベクトル空間を一般に'''接空間'''と呼ぶ。 接ベクトルの組が一次独立である曲面を'''正則'''な曲面という。滑らかな曲面は正則曲面である。 曲面<math>S</math>の接平面に垂直なベクトルを<math>S</math>の'''法線ベクトル'''という。 三次元空間ならば接平面を張る2ベクトルの外積<math>\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}} \times \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}</math>で求められる。 モンジュ表示された曲面<math>S:z=f(x, y)</math>に対して接平面の存在性(つまり曲面の正則性)は「二変数関数<math>f</math>の全微分可能」に対応した。ベクトル表示された曲面<math>S:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t, u)</math>に対しては「ベクトル関数<math>\boldsymbol{r}</math>の全微分可能性」だけでは足りず、「ヤコビ行列<math>\frac{\partial{(\boldsymbol{r})}}{\partial{(t, u)}}</math>の階数が2」も要求される。 以下、正則曲面のみ扱う。 <math>\boldsymbol{r}(t, u)</math>の微小変化は全微分で与えられる。 :<math>d\boldsymbol{r}=\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}dt+ \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}du</math> 則ち、各パラメータを同時に<math>\begin{pmatrix} t \\ u \end{pmatrix}\to\begin{pmatrix} t+dt \\ u+du \end{pmatrix}</math>と単調に動かしたとき、対応する曲面上の点が描く領域は2ベクトル<math>\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}dt, \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}du</math>の張る微小平行四辺形として近似できる。その微小面積は線型代数の内容から :<math>\sqrt{ \left\| \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}dt \right\|^2 \left\| \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}du \right\|^2 - \left\{ \left(\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}dt\right)\cdot\left(\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}du\right) \right\}^2 }=\sqrt{\left\| \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}} \right\|^2\left\|\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}\right\|^2 - \left( \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}\cdot\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}} \right)^2 } dtdu</math> である。 これを領域<math>D=\mathrm{dom}\,S</math>で重積分してやれば曲面の表面積('''曲面積''')が求まると考えられる。 {{定理|(曲面積)}} <math>E := \left\| \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}} \right\|^2,\quad F := \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}\cdot\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}},\quad G := \left\|\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}\right\|^2</math>とすると、<br> 曲面<math>S:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t, u)</math>の領域<math>D</math>に於ける曲面積は :<math>S=\iint_D \sqrt{EG-F^2}dtdu</math> {{定理終わり}} この<math>E, F, G</math>を<math>S</math>の'''第一基本量'''と呼ぶ。また、<math>dS:=\sqrt{EG-F^2}dtdu</math>を'''面素'''(面積素・面積要素)と呼ぶ。 <math>t, u</math>が共通のパラメータ<math>\theta</math>で媒介変数表示されるとき、曲面は曲線に退化するので線素を考えられる。 具体的には、 :<math>dl=\left\|\frac{d\boldsymbol{r}}{d\theta}\right\|d\theta</math> より :<math>\left\|\frac{d\boldsymbol{r}}{d\theta}\right\|^2=\frac{d\boldsymbol{r}}{d\theta}\cdot\frac{d\boldsymbol{r}}{d\theta}</math> ここで合成関数の常微分公式より :<math>\frac{d\boldsymbol{r}}{d\theta}=\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}\frac{dt}{d\theta}+ \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}\frac{du}{d\theta}</math> なので :<math>\frac{d\boldsymbol{r}}{d\theta}\cdot\frac{d\boldsymbol{r}}{d\theta}=\left\|\frac{d\boldsymbol{r}}{dt}\right\|^2\left(\frac{dt}{d\theta}\right)^2+2\left(\frac{d\boldsymbol{r}}{dt}\cdot\frac{d\boldsymbol{r}}{du}\right)\frac{dt}{d\theta}\frac{du}{d\theta}+\left\|\frac{d\boldsymbol{r}}{du}\right\|^2\left(\frac{du}{d\theta}\right)^2</math> :<math>=E\left(\frac{dt}{d\theta}\right)^2+2F\frac{dt}{d\theta}\frac{du}{d\theta}+G\left(\frac{du}{d\theta}\right)^2</math> よって :<math>dl=\sqrt{E\left(\frac{dt}{d\theta}\right)^2+2F\frac{dt}{d\theta}\frac{du}{d\theta}+G\left(\frac{du}{d\theta}\right)^2}d\theta=\sqrt{E(dt)^2+2Fdtdu+G(du)^2}</math> このように、線素は<math>\theta</math>のとり方に依存しない。 そこで、最後の式で右辺を二乗した :<math>I:=E(dt)^2+2Fdtdu+G(du)^2</math> を<math>S</math>の'''第一基本形式'''と定める。 第一基本形式は二次形式になっていることが見て取れるので、<math>\boldsymbol{v}:=\begin{pmatrix} dt \\ du \end{pmatrix}, \mathbf{K}:=\begin{pmatrix} E & F \\ F & G \end{pmatrix}</math>とおくと :<math>I={}^t\!\boldsymbol{v} \mathbf{K} \boldsymbol{v}</math> と行列表示できる。 ここで<math>I=dl^2>0</math>なので<math>\mathbf{K}</math>は正定値行列である。 また、<math>\boldsymbol{x}_i=\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}, \boldsymbol{x}_j=\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}</math>と置いて第一基本量の定義を思い返してみると<math>\mathbf{K}_{ij}=\boldsymbol{x}_i \cdot \boldsymbol{x}_j</math>なのでこの行列は接ベクトルに関するグラム行列である。この意味でも、<math>\mathbf{K}</math>は正定値行列である。 また、面素の式で根号の中身が<math>\det\mathbf{K}</math>に等しいことも判る。 則ち、第一基本量が曲面の本質であると予想される。 <math>F=0 \land E=G=\lambda</math>であるとき、<math>\mathbf{K}=\lambda\mathbf{E}_2</math>である。このときのパラメータの組<math>(u, v)</math>を曲面の'''等温座標系'''という。 等温座標系で表示された曲面<math>S</math>に対し、第一基本形式は<math>I=\lambda(dt^2+du^2)</math>と二次形式の標準形となっている。則ち、等温座標系へのパラメータ変換は主軸変換である。 面素を考えると<math>dS=\lambda^2dtdu</math>と非常に単純な形となるほか、曲面上の角度計算が平面の場合と全く同じ式で与えられることも等温座標系の利点である。 曲面<math>S</math>上の各点<math>\mathrm{P}</math>に対して単位法線ベクトル<math>\boldsymbol{n}(\mathrm{P})</math>を考える。ベクトル表示の定義域<math>D</math>でベクトル場<math>\boldsymbol{n}(\mathrm{P})</math>が連続であるとき、<math>S</math>は'''向き付け可能'''であるという。 向き付け不能な曲面の例として<math>\boldsymbol{r}(t, u)=\begin{pmatrix} (u\cos t+2)\sin 2t \\ (u\cos t+2)\cos 2t \\ u\sin t \end{pmatrix} \quad(D=\left\{ \begin{pmatrix} t \\ u \end{pmatrix} \bigg| \begin{array}{c} 0 \leq t \leq \pi \\ -1 \leq u \leq 1 \end{array} \right\})</math>と表される'''メビウスの帯'''が挙げられる。 メビウスの帯が向き付け不能である証明を概説する。 :接ベクトルをそれぞれ求める。簡単のため<math>u=0</math>として考える。単位法線ベクトルは外積を正規化して得るが、向きの取り方で正負の符号が付く。どちらの符号を採用するにしろ<math>\boldsymbol{n}(\boldsymbol{r}(0, 0))\neq\boldsymbol{n}(\boldsymbol{r}(\pi, 0))</math>を得、<math>\boldsymbol{r}(0, 0)=\boldsymbol{r}(\pi, 0)</math>より同じ点に対して異なる法線ベクトルを出力するので<math>\boldsymbol{n}(\mathrm{P})</math>はwell-definedではなく、向き付け可能性の定義を満たさない。// 四次元以上の空間では法線ベクトルの方向を複数とれるため法線ベクトル場は扱いにくい。そこで、法線ベクトルに依らない定義を考えたい。 2つの滑らかな曲面<math>S_1, S_2</math>が以下を満たすとき、 #パラメータ<math>(t_1, u_1), (t_2, u_2)</math>の間に滑らかな全単射<math>\begin{cases}t_2 =\phi(t_1, u_1) \\ u_2=\psi(t_1, u_1) \end{cases}</math>が存在する。 #この変数変換のヤコビ行列<math>\frac{\partial{(\phi, \psi)}}{\partial{(t_1, u_1)}}</math>が正則。 #<math>\boldsymbol{r}_1(t_1, u_1)=\boldsymbol{r}_2(t_2, u_2)</math> この2つは'''パラメータ変換で同値'''という。 このとき、ヤコビアンが正であるパラメータの組は'''同じ向き'''、負であるパラメータの組は'''逆向き'''であるという。 任意の<math>(t_1, u_1)</math>に対して開近傍<math>U \subset \mathrm{dom}\,S_1</math>をとったとき、どの<math>U</math>上でも<math>\det\frac{\partial{(\phi, \psi)}}{\partial{(t_1, u_1)}}>0</math>を満足するならば<math>S_1</math>は'''向き付け可能'''という。 向き付け可能な曲面の接空間に対して右手系を成すような向きの法線ベクトルを'''外向き法線ベクトル'''と呼ぶ。 外向き法線の向く側を曲面の'''表'''、その反対側を曲面の'''裏'''と定義する。 <math>\partial{S}=\varnothing</math>を満たす正則曲面<math>S</math>を'''閉曲面'''という。ジョルダンの曲線定理を拡張した定理('''ジョルダン・ブラウワーの分離定理''')によって閉曲面が空間を内部・外部に分割することが保証される。内部に面する向きを閉曲面の裏、外部に面する向きを閉曲面の表と定義する。 パラメータ空間の座標軸の向きの組み合わせが<math>xy</math>平面と同じとき、外向き法線で定義される閉曲面の表裏は内部・外部から定義される表裏に一致する。 ===回転面=== ここでは三次元空間内の曲面について考える。 高校数学で回転体を扱ったが、領域の回転体の表面である曲面は元の領域の疆界である単純閉曲線を軸に関して回転したものである。そこで、平面上の任意の曲線を回転すると曲面('''回転面''')を得ると考えられる。 簡単な場合として、<math>x\geq0</math>で定義された<math>zx</math>平面上の曲線<math>z=f(x)</math>を<math>y</math>軸に関して回転させた回転面を考える。 :任意の<math>k\in[0,\infty)</math>に関して曲線上の点は<math>\begin{pmatrix} x \\ z \end{pmatrix}=\begin{pmatrix} k \\ f(k)\end{pmatrix}</math>と与えられる。 :領域<math>\left\{ {\scriptstyle\left(\begin{array}{c} x \\[-6pt] z \end{array}\right)} \big| x \leq k \right\}</math>を<math>y</math>軸に関して回転した回転体を平面<math>z=f(k)</math>で切った断面は半径<math>k</math>の閉円盤であり、疆界円周上の点を<math>\begin{pmatrix} x \\ y \\ f(k) \end{pmatrix}</math>とすると<math>k=\sqrt{x^2+y^2}</math>である。 :則ち回転体の疆界である回転面上の点<math>\begin{pmatrix} x \\ y \\ z \end{pmatrix}</math>は方程式<math>z=f(\sqrt{x^2+y^2})</math>を満たし、逆にこの方程式を満たす<math>\begin{pmatrix} x \\ y \\ z \end{pmatrix}</math>は回転面上にある。 纏めると以下のようになる。 {{定理|(回転面の方程式)}} <math>zx</math>平面上の曲線<math>z=f(x)\quad(x\geq0)</math>を<math>y</math>軸に関して回転させた回転面の方程式は :<math>z=f(\sqrt{x^2+y^2})</math> {{定理終わり}} <math>z</math>軸・<math>x</math>軸に関する回転面の方程式は変数を輪環の順に入れ替えることで得られる。 回転面に対し、元の曲線を'''母線'''という。 母線が直線である回転面は'''円錐'''である。 :<math>z=mx+n\quad(m\neq0,x\geq0)</math>とすれば<math>y</math>軸に関して回転した曲面の方程式は :<math>z=m\sqrt{x^2+y^2}+n</math> :<math>z-n = m\sqrt{x^2+y^2}</math> これを両辺二乗すると :<math>(z-n)^2=m^2x^2+m^2y^2</math> であり、錐面の方程式<math>\frac{z^2}{c^2}=\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}</math>を満たしていることがわかる。 回転軸が傾いている場合、<math>xyz</math>空間の回転行列<math>\mathbf{R}</math>を利用することで各軸に関する回転に帰着することもできるが、ここでは曲面のベクトル表示を扱ったのでベクトル方程式で回転を記述することを考えたい。 点<math>\mathrm{O}</math>から<math>\boldsymbol{r}</math>とそれに平行でない単位ベクトル<math>\boldsymbol{e}</math>が伸びており、そのなす角が<math>\theta</math>であるとする。<math>\boldsymbol{r}</math>の終点<math>\mathrm{P}</math>を含み<math>\boldsymbol{e}</math>を法線とする平面を<math>\Pi</math>、<math>\Pi</math>と直線<math>\{k\boldsymbol{e} \mid k>0\}</math>の交点を<math>\mathrm{N}</math>、<math>\mathrm{P}</math>を<math>\Pi</math>内で<math>\mathrm{N}</math>を中心として<math>\phi</math>回転した点を<math>\mathrm{Q}</math>、<math>\mathrm{NQ}</math>から<math>\mathrm{NP}</math>へ降ろした垂足を<math>\mathrm{R}</math>と置く。但し、回転角<math>\phi</math>の正の向きは<math>\boldsymbol{e}</math>を右螺子の進む向きとする方向に定める。 このとき、<math>\boldsymbol{r}</math>を<math>\boldsymbol{e}</math>に関して<math>\phi</math>だけ回転させたベクトル<math>\boldsymbol{r}'</math>は以下のように表される。 {{定理|(ロドリゲスの公式)}} :<math>\boldsymbol{r}'=\boldsymbol{r}\cos\phi+(\boldsymbol{r}\cdot\boldsymbol{e})\,\mathrm{versin}\,\phi\,\boldsymbol{e}-(\boldsymbol{r}\times\boldsymbol{e})\sin\phi</math> {{定理終わり}} *証明 :<math>\boldsymbol{r}'=\overrightarrow{\mathrm{OQ}}=\overrightarrow{\mathrm{ON}}+\overrightarrow{\mathrm{NR}}+\overrightarrow{\mathrm{RQ}}</math> :<math>\overrightarrow{\mathrm{ON}}</math>は<math>\boldsymbol{r}</math>の<math>\boldsymbol{e}</math>への正射影ベクトルなので ::<math>\overrightarrow{\mathrm{ON}}=\frac{\boldsymbol{r}\cdot\boldsymbol{e}}{\boldsymbol{e}\cdot\boldsymbol{e}}\boldsymbol{e}=(\boldsymbol{r}\cdot\boldsymbol{e})\boldsymbol{e}</math> :<math>\triangle\mathrm{NQR}</math>を考えると<math>\|\overrightarrow{\mathrm{NQ}}\|=\|\overrightarrow{\mathrm{NP}}\|</math>と<math>\|\overrightarrow{\mathrm{NR}}\|=\|\overrightarrow{\mathrm{NQ}}\|\cos\phi</math>及び<math>\overrightarrow{\mathrm{NR}}/\!\!/\overrightarrow{\mathrm{NP}}</math>より ::<math>\overrightarrow{\mathrm{NR}}=\overrightarrow{\mathrm{NP}}\cos\phi=(\overrightarrow{\mathrm{OP}}-\overrightarrow{\mathrm{ON}})\cos\phi=\{\boldsymbol{r}-(\boldsymbol{r}\cdot\boldsymbol{e})\boldsymbol{e}\}\cos\phi</math> :<math>\boldsymbol{r}\times\boldsymbol{e}</math>は外積の定義から<math>\overrightarrow{\mathrm{NP}}</math>を<math>\Pi</math>上で<math>-\phi</math>方向に<math>\frac{\pi}{2}</math>だけ回転させたベクトルになるので、 :<math>\boldsymbol{r}\times\boldsymbol{e}/\!\!/\overrightarrow{\mathrm{RQ}}</math>と<math>\|\overrightarrow{\mathrm{RQ}}\|=\|\overrightarrow{\mathrm{NQ}}\|\sin\phi</math>及び<math>\|\overrightarrow{\mathrm{NQ}}\|=\|\overrightarrow{\mathrm{NP}}\|</math>から ::<math>\overrightarrow{\mathrm{RQ}}=-(\boldsymbol{r}\times\boldsymbol{e})\sin\phi</math> :これらを足して ::<math>\boldsymbol{r}'=(\boldsymbol{r}\cdot\boldsymbol{e})\boldsymbol{e}+\{\boldsymbol{r}-(\boldsymbol{r}\cdot\boldsymbol{e})\boldsymbol{e}\}\cos\phi-(\boldsymbol{r}\times\boldsymbol{e})\sin\phi</math> ::<math>=\boldsymbol{r}\cos\phi+(\boldsymbol{r}\cdot\boldsymbol{e})(1-\cos\phi)\boldsymbol{e}-(\boldsymbol{r}\times\boldsymbol{e})\sin\phi</math> ::<math>=\boldsymbol{r}\cos\phi+(\boldsymbol{r}\cdot\boldsymbol{e})\,\mathrm{versin}\,\phi\,\boldsymbol{e}-(\boldsymbol{r}\times\boldsymbol{e})\sin\phi</math>// この証明ではベクトルの平行移動を用いているのでアフィン空間を前提とするが、この式そのものはアフィン構造に依存してないので一般のベクトル空間で成り立つ。 また、回転後のベクトルは母線のパラメータ<math>t</math>に加えて回転角<math>\phi</math>もパラメータとして有するので、<math>\boldsymbol{r}'(t, \phi)</math>という二変数ベクトル関数となって曲面を表すことになる。則ち、「曲線を回転すれば曲面を得る」という直感は正しい。 ロドリゲスの公式の応用として、例えば円錐のベクトル方程式が<math>\frac{(\boldsymbol{r}-\boldsymbol{p})\cdot\boldsymbol{a}}{\|\boldsymbol{r}-\boldsymbol{p}\|}=\mathrm{const}.</math>であることが導ける。 :円錐頂点の位置ベクトルを<math>\boldsymbol{p}</math>、軸ベクトルを<math>\boldsymbol{a}</math>、<math>\boldsymbol{a}</math>と角度<math>\alpha</math>をなす単位ベクトルを<math>\boldsymbol{v}</math>とする。このとき直線<math>\{k\boldsymbol{v}\mid k>0\}</math>が円錐の母線であり、母線と交わる向きである軸の法線ベクトルを<math>\boldsymbol{b}</math>とおく。 :ロドリゲスの公式より<math>\boldsymbol{v}</math>を<math>\boldsymbol{a}</math>の周りに<math>\theta</math>だけ回転させたベクトル<math>\boldsymbol{v}'</math>は ::<math>\boldsymbol{v}'=\boldsymbol{v}\cos\theta+(\boldsymbol{v}\cdot\boldsymbol{e}_a)\,\mathrm{versin}\,\theta\,\boldsymbol{e}_a-(\boldsymbol{v}\times\boldsymbol{e}_a)\sin\theta</math> :ここで<math>\boldsymbol{v}</math>を<math>\boldsymbol{a}, \boldsymbol{b}</math>方向に基底分解すると ::<math>\boldsymbol{v}=\cos\alpha\,\boldsymbol{e}_a+\sin\alpha\,\boldsymbol{e}_b</math> :なので、 ::<math>\boldsymbol{v}'=\cos\alpha\boldsymbol{e}_a+\sin\alpha\{\boldsymbol{e}_b\cos\theta+(\boldsymbol{e}_a\times\boldsymbol{e}_b)\sin\theta\}</math> :円錐上の点<math>\boldsymbol{r}</math>の位置ベクトルは頂点から母線方向に<math>\rho</math>だけ進むので ::<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{p}+\rho\boldsymbol{v}'</math> :であり、 ::<math>\boldsymbol{r}-\boldsymbol{p}=\rho\boldsymbol{v}'</math> :ここで<math>\|\boldsymbol{v}'\|=\|\boldsymbol{v}\|=1</math>より ::<math>\rho=\|\boldsymbol{r}-\boldsymbol{p}\|</math> :このベクトルと軸ベクトルの内積をとると ::<math>(\boldsymbol{r}-\boldsymbol{p})\cdot\boldsymbol{a}=\rho\boldsymbol{v}'\cdot\boldsymbol{a}</math> ::<math>=\rho\{\cos\alpha(\boldsymbol{e}_a\cdot\boldsymbol{a})+\sin\alpha\cos\theta(\boldsymbol{e}_b\cdot\boldsymbol{a})+\sin\alpha\sin\theta(\boldsymbol{e}_a\times\boldsymbol{e}_b)\cdot\boldsymbol{a}\}</math> :<math>\boldsymbol{e}_b, \boldsymbol{e}_a\times\boldsymbol{e}_b</math>とも<math>\boldsymbol{a}</math>に直交するので後ろの二項は消えて ::<math>(\boldsymbol{r}-\boldsymbol{p})\cdot\boldsymbol{a}=\rho\cos\alpha(\boldsymbol{e}_a\cdot\boldsymbol{a})=\|\boldsymbol{r}-\boldsymbol{p}\|\|\boldsymbol{a}\|\cos\alpha</math> :則ち ::<math>\frac{(\boldsymbol{r}-\boldsymbol{p})\cdot\boldsymbol{a}}{\|\boldsymbol{r}-\boldsymbol{p}\|}=\|\boldsymbol{a}\|\cos\alpha=\mathrm{const}.</math>// 円錐が先に与えられている場合は「<math>\boldsymbol{r}-\boldsymbol{p}</math>が母線の方向ベクトルなのは図より自明」とできるが、ここでは「母線が先に与えられて回転によって円錐が構成される」という立場を採ったのでロドリゲスの公式が効くのである。 ロドリゲスの公式で微小回転<math>d\phi</math>の場合を考える。 正弦関数・余弦関数の部分を1項目までテイラー展開して<math>\cos(d\phi)=1+O(d\phi^2), \sin(d\phi)= d\phi+O(d\phi^3)</math>なので<math>\mathrm{versin}(d\phi)=O(d\phi^2)</math>であり、 :<math>\boldsymbol{r}' = \boldsymbol{r}-(\boldsymbol{r}\times\boldsymbol{e})d\phi+O(d\phi^2)</math> ここで<math>d\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}'-\boldsymbol{r}</math>なので :<math>d\boldsymbol{r}=-(\boldsymbol{r}\times\boldsymbol{e})d\phi+O(d\phi^2)</math> 則ち、ベクトル関数の全微分は微小回転で近似される。 オーダー記法の項を無視して<math>\boldsymbol{\omega}=\frac{d\phi}{dt}\boldsymbol{e}</math>と置くと :<math>d\boldsymbol{r}=(d\phi\boldsymbol{e})\times\boldsymbol{r}</math> これの両辺を<math>dt</math>で割って :<math>\frac{d\boldsymbol{r}}{dt}=\boldsymbol{\omega}\times\boldsymbol{r}</math> これは剛体の速度公式である。 ロドリゲスの公式の一次変換表記を考える。 <math>\boldsymbol{r}=\begin{pmatrix} r_1 \\ r_2 \\ r_3 \end{pmatrix}, \boldsymbol{r}'=\begin{pmatrix} r'_1 \\ r'_2 \\ r'_3 \end{pmatrix}, \boldsymbol{e}=\begin{pmatrix} a \\ b \\ c \end{pmatrix}</math>とすると、 :<math>\begin{pmatrix} r'_1 \\ r'_2 \\ r'_3 \end{pmatrix}=\cos\phi\begin{pmatrix} r_1 \\ r_2 \\ r_3 \end{pmatrix}+(ar_1+br_2+cr_3)\mathrm{versin}\,\phi\begin{pmatrix} a \\ b \\ c \end{pmatrix} - \sin\phi \begin{pmatrix} cr_2-br_3 \\ ar_3-cr_1 \\ br_1-ar_2 \end{pmatrix}</math> :<math>=\begin{pmatrix} (\cos\phi + a^2\,\mathrm{versin}\,\phi) r_1 + (ab\,\mathrm{versin}\,\phi -c\sin\phi) r_2 + (ca\,\mathrm{versin}\,\phi + b\sin\phi) r_3 \\ (ab\,\mathrm{versin}\,\phi + c\sin\phi) r_1 + (\cos\phi + b^2\,\mathrm{versin}\,\phi) r_2 + (bc\,\mathrm{versin}\,\phi -a\sin\phi) r_3 \\ (ca\,\mathrm{versin}\,\phi - b\sin\phi) r_1 + (bc\,\mathrm{versin}\,\phi+ a\sin\phi) r_2 + (\cos\phi + c^2\,\mathrm{versin}\,\phi) r_3 \end{pmatrix}</math> :<math>=\begin{pmatrix} \cos\phi + a^2\,\mathrm{versin}\,\phi & ab\,\mathrm{versin}\,\phi -c\sin\phi & ca\,\mathrm{versin}\,\phi + b\sin\phi \\ ab\,\mathrm{versin}\,\phi + c\sin\phi & \cos\phi + b^2\,\mathrm{versin}\,\phi & bc\,\mathrm{versin}\,\phi -a\sin\phi \\ ca\,\mathrm{versin}\,\phi - b\sin\phi & bc\,\mathrm{versin}\,\phi+ a\sin\phi & \cos\phi + c^2\,\mathrm{versin}\,\phi \end{pmatrix} \begin{pmatrix} r_1 \\ r_2 \\ r_3 \end{pmatrix}</math> ここで<math>\mathrm{versin}\,\phi</math>を<math>1-\cos\phi</math>に戻して係数行列を<math>1, \cos\phi, \sin\phi</math>の項に分解してみると :<math>=\begin{pmatrix} a^2+(1-a^2)\cos\phi & ab-ab\cos\phi -c\sin\phi & ca-ca\cos\phi + b\sin\phi \\ ab-ab\cos\phi + c\sin\phi & b^2+(1-b^2)\cos\phi & bc-bc\cos\phi -a\sin\phi \\ ca-ca\cos\phi - b\sin\phi & bc-bc\cos\phi+ a\sin\phi & c^2+(1-c^2)\cos\phi \end{pmatrix} \begin{pmatrix} r_1 \\ r_2 \\ r_3 \end{pmatrix}</math> :<math>=\left\{ \begin{pmatrix} a^2 & ab & ca \\ ab & b^2 & bc \\ ca & bc & c^2 \end{pmatrix} + \cos\phi\begin{pmatrix} 1-a^2 & -ab & -ca \\ -ab & 1-b^2 & -bc \\ -ca & -bc & 1-c^2 \end{pmatrix} +\sin\phi\begin{pmatrix} 0 & -c & b \\ c & 0 & -a \\ -b & a & 0 \end{pmatrix} \right\} \begin{pmatrix} r_1 \\ r_2 \\ r_3 \end{pmatrix}</math> :<math>=\left[ \begin{pmatrix} a^2 & ab & ca \\ ab & b^2 & bc \\ ca & bc & c^2 \end{pmatrix} + \cos\phi \left\{ \begin{pmatrix} 1 & 0 & 0 \\ 0 & 1 & 0 \\ 0 & 0 & 1 \end{pmatrix}-\begin{pmatrix} a^2 & ab & ca \\ ab & b^2 & bc \\ ca & bc & c^2 \end{pmatrix} \right\} +\sin\phi\begin{pmatrix} 0 & -c & b \\ c & 0 & -a \\ -b & a & 0 \end{pmatrix} \right] \begin{pmatrix} r_1 \\ r_2 \\ r_3 \end{pmatrix}</math> ここで<math>\begin{pmatrix} a^2 & ab & ca \\ ab & b^2 & bc \\ ca & bc & c^2 \end{pmatrix}</math>は<math>\boldsymbol{e}</math>の<math>(i, j)</math>成分と<math>(j, i)</math>成分を掛けて並べた行列になっていることがわかる。これを<math>\boldsymbol{e}\otimes\boldsymbol{e}</math>と書くことにする。<math>\sin\phi</math>に係る行列を<math>\mathbf{N}</math>と置くと、 :<math>\boldsymbol{r}'=\{\boldsymbol{e}\otimes\boldsymbol{e}+\cos\phi(\mathbf{E}_3-\boldsymbol{e}\otimes\boldsymbol{e})+\sin\phi\mathbf{N}\}\boldsymbol{r}</math> という表示を得る。 更に、<math>\mathbf{N}^2=\begin{pmatrix} -b^2-c^2 & ab & ca \\ ab & -c^2-a^2 & bc \\ ca & bc & -a^2-b^2 \end{pmatrix}</math>と<math>\|\boldsymbol{e}\|=\sqrt{a^2+b^2+c^2}=1</math>より :<math>\boldsymbol{e}\otimes\boldsymbol{e}=\mathbf{N}^2+(a^2+b^2+c^2)\mathbf{E}_3=\mathbf{N}^2+\mathbf{E}_3</math> が成り立つので、最終的に :<math>\boldsymbol{r}'=(\mathbf{E}_3+\sin\phi\mathbf{N}+\mathrm{versin}\,\phi\mathbf{N}^2)\boldsymbol{r}</math> と二次の行列多項式で表示される。 なお、<math>\otimes</math>は発展節で紹介する'''テンソル積'''を表している。 ここで、行列<math>\mathbf{N}</math>についてより具体的に考えてみる。 先ず、<math>{}^t\!\mathbf{N}=-\mathbf{N}</math>が成り立つので<math>\mathbf{N}</math>は反対称行列(歪対称行列・交代行列)である。 <math>\mathbf{N}\boldsymbol{r}</math>を計算すると :<math>\mathbf{N}\boldsymbol{r}=\begin{pmatrix} 0 & -c & b \\ c & 0 & -a \\ -b & a & 0 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} r_1 \\ r_2 \\ r_3 \end{pmatrix}=\begin{pmatrix} br_3-cr_2 \\ cr_1-ar_3 \\ ar_2-br_1 \end{pmatrix}=\boldsymbol{e}\times\boldsymbol{r}</math> 則ち、<math>\mathbf{N}</math>は<math>\boldsymbol{e}</math>に関する外積(形式的には<math>\boldsymbol{e}\times</math>という左演算)を一次変換とみて表現行列に直したものである。 更に、成分計算により<math>\mathbf{N}^3=-\mathbf{N}</math>という性質が成り立つことも判る。外積を「ベクトルを90°回転させる演算」とみると、二回の演算によって180°回転するということなのでこの結果は妥当である。 ここで行列自然指数関数<math>\exp(\phi\mathbf{N})=\sum_{i=0}^\infty \frac{(\phi\mathbf{N})^i}{i!}</math>を考えてみると上の性質より三次以上の項は<math>\mathbf{N}^4=-\mathbf{N}^2, \mathbf{N}^5=\mathbf{N},\cdots</math>のように全て二次以下に帰着できる。<br> また、自然指数関数のテイラー展開は絶対収束級数なので各項は可換であり、<math>\mathbf{N}</math>の二次式として纏め直すと :<math>\exp(\phi\mathbf{N})=\mathbf{E}_3 + (\phi-\frac{\phi^3}{3!}+\frac{\phi^5}{5!}-\frac{\phi^7}{7!}+\cdots) \mathbf{N}+(\frac{\phi^2}{2!}-\frac{\phi^4}{4!}+\frac{\phi^6}{6!}-\frac{\phi^8}{8!}+\cdots)\mathbf{N}^2</math> ここで一次・二次の係数はそれぞれ正弦関数・正矢関数のテイラー展開になっているので結局は :<math>\exp(\phi\mathbf{N})=\mathbf{E}_3+\sin\phi\mathbf{N}+\mathrm{versin}\,\phi\mathbf{N}^2</math> ここから、<math>\exp(\phi\mathbf{N})</math>は角度<math>\phi</math>に関する有限回転に対応することが判った。 このことは以下の考え方でも求まる。<br> <math>\mathbf{N}</math>の最小方程式は<math>\mathbf{N}^3+\mathbf{N}=\mathbf{O}_3</math>より<math>x(x^2+1)=0</math>であり固有値は<math>0, \pm{i}</math>と求まるので、<math>\exp(\phi\mathbf{N})</math>の対角化行列は :<math>\begin{pmatrix} e^{0\phi} & 0 & 0 \\ 0 & e^{i\phi} & 0 \\ 0 & 0 & e^{-i\phi} \end{pmatrix}</math> ここで任意の解析関数<math>f</math>について<math>f(\mathbf{N})</math>のテイラー展開は二次以下の多項式になるので :<math>\exp(\phi\mathbf{N})=\alpha\mathbf{E}_3+\beta\mathbf{N}+\gamma\mathbf{N}^2</math> これを実多項式に戻した<math>\alpha+\beta{x}+\gamma{x^2}</math>が<math>e^{\phi{x}}</math>と任意の固有値で一致すればよい(二次補間)ので、 :<math>\begin{cases} e^0 = \alpha \\ e^{i\phi} = i\beta -\gamma \\ e^{-i\phi} = -i\beta-\gamma \end{cases}</math> :<math>\iff \begin{cases} 1 = \alpha \\ \cos\phi+i\sin\phi = (\alpha -\gamma) + i\beta \end{cases}</math> :<math>\therefore \begin{cases} \alpha=1 \\ \beta=\sin\phi \\ \gamma=1-\cos\phi=\mathrm{versin}\,\phi \end{cases}</math> 則ち、<math>\mathbf{N}^3=-\mathbf{N}</math>という構造は<math>\Psi_\mathbf{N}(x)=x(x^2+1)</math>という最小多項式に起因するということである。 更に[[表現論]]の観点から見ると、三次直交行列全体である回転群<math>SO(3)</math>に対し、<math>\mathbf{N}</math>は<math>SO(3)</math>の単位元に於ける接空間(三次反対称行列全体・則ちリー代数<math>\mathfrak{so}(3)</math>)の元であり、<math>\exp(\phi\mathbf{N})</math>はリー群<math>SO(3)</math>の元である。ここで行列自然指数関数は「リー代数からリー群へ引き戻す写像」なので'''指数写像'''と呼ばれる。 これが[[#フレネ標搆]]で述べた「直交変換の一次近似が反対称変換」という事実のより正確な表現である。 補足だが、力学で扱う[[w:オイラー角]]というものを導入するとロドリゲスの公式を各座標軸に関する回転の合成で表すこともできる。 ===種々の曲率=== 法曲率・主曲率・平均曲率・全曲率 ==直交曲線座標系== {{節stub}} ===円筒座標系=== 平面の座標系として直交座標の他に斜交座標、極座標(円座標)、重心座標などがあったように、空間の座標系も複数通り考えられる。 空間座標を3つの実数の組<math>(r, \theta, z)</math>で表した座標系を'''円筒座標系'''('''円柱座標系'''、cylindrical coordinate system)という。ただし、<math>r</math>は原点からの(符号付き)距離、<math>\theta</math>は基準面に於ける始線からの正の回転角、<math>z</math>は基準面からの高さである。 円筒座標系は、円座標系のrθ平面にz軸方向の次元を加えた3次元空間の座標と考えられる。 そのため、円筒座標系と直交座標系の対応は以下のようになる。 :<math>\begin{cases} x=r\cos\theta \\ y=r\sin\theta \\ z=z \end{cases} \iff \begin{cases} r=\sqrt{x^2+y^2} \\ \theta = \arctan\frac{y}{x} \\ z=z \end{cases}</math> 但し、<math>r</math>は基準面の裏側では負とする。 直交座標のz軸を基に円筒座標系の座標軸を決定する。一般に座標軸は直線とは限らないので、「軸」ではなく「曲線」と呼ぶことにする('''座標線''')。なお、「曲線」という語は一般に「直線」を包含する。 :r曲線:z軸上の点を通りz軸に垂直な半直線。 :θ曲線:z軸を法線とする平面内にあり、中心がz軸上にある円周。 :z曲線:z軸に平行な直線。 ここで、各曲線に沿った微小変化がどのように表されるか見ていく。 <math>\boldsymbol{f}: (r,\theta,z)\to(x,y,z)</math>とする。 <math>\boldsymbol{f}</math>全体の微小変化は全微分<math>d\boldsymbol{f}=\frac{\partial{(x,y,z)}}{\partial{(r,\theta,z)}} \begin{pmatrix} dr \\ d\theta \\ dz \end{pmatrix}</math>で表される。 上で求めた関係式より :<math>\boldsymbol{f}\begin{pmatrix} r \\ \theta \\ z\end{pmatrix}=\begin{pmatrix} x \\ y \\ z \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} r\cos\theta \\ r\sin\theta \\ z \end{pmatrix}</math> なので、 :<math>\frac{\partial{(x,y,z)}}{\partial{(r,\theta,z)}} = \begin{pmatrix} \frac{\partial}{\partial{r}}r\cos\theta & \frac{\partial}{\partial{\theta}}r\cos\theta & \frac{\partial}{\partial{z}}r\cos\theta \\ \frac{\partial}{\partial{r}}r\sin\theta & \frac{\partial}{\partial{\theta}}r\sin\theta & \frac{\partial}{\partial{z}}r\sin\theta \\ \frac{\partial}{\partial{r}}z & \frac{\partial}{\partial{\theta}}z & \frac{\partial}{\partial{z}}z \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} \cos\theta & -r\sin\theta & 0 \\ \sin\theta & r\cos\theta & 0 \\ 0 & 0 & 1 \end{pmatrix}</math> よって :<math>d\boldsymbol{f}=\begin{pmatrix} \cos\theta & -r\sin\theta & 0 \\ \sin\theta & r\cos\theta & 0 \\ 0 & 0 & 1 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} dr \\ d\theta \\ dz \end{pmatrix}=\begin{pmatrix} \cos\theta \\ \sin \theta \\ 0 \end{pmatrix}dr + \begin{pmatrix} -\sin\theta \\ \cos\theta \\ 0 \end{pmatrix}rd\theta + \begin{pmatrix} 0 \\ 0 \\ 1 \end{pmatrix}dz </math> 再右辺の各項を<math>d\vec{r}, d\vec{\theta}, d\vec{z}</math>と書くことにすると、<math>|d\vec{r}|, |d\vec{\theta}|, |d\vec{z}|</math>はそれぞれ<math>dr, rd\theta, dz</math>とわかる。<math>r, \theta, z</math>を物理量として捉えたとき<math>d\theta</math>の単位はラジアン(無次元量)であり、<math>rd\theta</math>の単位はメートル(長さの次元1)なので、次元の整合性が取れる。 纏めると以下のようになる。 {| class="wikitable" | ||style="text-align:center;"| <math>\boldsymbol{e}_x</math>成分 ||style="text-align:center;"| <math>\boldsymbol{e}_y</math>成分 ||style="text-align:center;"| <math>\boldsymbol{e}_z</math>成分 ||style="text-align:center;"| ノルム |- |style="text-align:center;"| <math>d\vec{r}</math> ||style="text-align:center;"| <math>\cos\theta dr</math> ||style="text-align:center;"| <math>\sin\theta dr</math> ||style="text-align:center;"| <math>0</math> ||style="text-align:center;"| <math>dr</math> |- |style="text-align:center;"| <math>d\vec{\theta}</math> ||style="text-align:center;"| <math>-r\sin\theta d\theta</math> ||style="text-align:center;"| <math>r\cos\theta d\theta</math> ||style="text-align:center;"| <math>0</math> ||style="text-align:center;"| <math>rd\theta</math> |- |style="text-align:center;"| <math>d\vec{z}</math> ||style="text-align:center;"| <math>0</math> ||style="text-align:center;"| <math>0</math> ||style="text-align:center;"| <math>1</math> ||style="text-align:center;"| <math>dz</math> |} ここで<math>d\vec{r}, d\vec{\theta}, d\vec{z}</math>は内積を取ればどの組も互いに直交することが容易にわかるので、この3つのベクトルは3次元ユークリッド空間の直交基底である。 そこで、それぞれのベクトルを正規化することで各軸曲線方向の基本ベクトルを得る。 :<math>\boldsymbol{e}_r = \frac{d\vec{r}}{dr} = \cos\theta \boldsymbol{e}_x + \sin\theta \boldsymbol{e}_y</math> :<math>\boldsymbol{e}_\theta = \frac{d\vec{\theta}}{rd\theta} = -\sin\theta\boldsymbol{e}_x+\cos\theta\boldsymbol{e}_y</math> :<math>\boldsymbol{e}_z=\frac{d\vec{z}}{dz}=\boldsymbol{e}_z</math> これを一次変換の形式で表すと :<math>\begin{pmatrix} \boldsymbol{e}_r \\ \boldsymbol{e}_\theta \\ \boldsymbol{e}_z \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} \cos\theta & \sin\theta & 0 \\ -\sin\theta & \cos\theta & 0 \\ 0 & 0 & 1 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} \boldsymbol{e}_x \\ \boldsymbol{e}_y \\ \boldsymbol{e}_z \end{pmatrix}</math> となる。 このときの変換行列を、座標系または基底ベクトルを変換することから'''座標変換行列'''又は'''基底変換行列'''という。場合によっては'''変換テンソル'''とも呼ぶ。 なお、この直交座標⇒円筒座標の座標変換行列は、xyz空間に於けるz軸まわりの回転行列に等しい。 逆基底変換はこの座標変換行列の逆行列を求めれば定式化できる。 回転行列は直交行列なので :<math>\begin{pmatrix} \cos\theta & \sin\theta & 0 \\ -\sin\theta & \cos\theta & 0 \\ 0 & 0 & 1 \end{pmatrix} ^{-1}= {}^t \! \begin{pmatrix} \cos\theta & \sin\theta & 0 \\ -\sin\theta & \cos\theta & 0 \\ 0 & 0 & 1 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} \cos\theta & -\sin\theta & 0 \\ \sin\theta & \cos\theta & 0 \\ 0 & 0 & 1 \end{pmatrix} </math> であり、 :<math>\begin{pmatrix} \boldsymbol{e}_x \\ \boldsymbol{e}_y \\ \boldsymbol{e}_z \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} \cos\theta & -\sin\theta & 0 \\ \sin\theta & \cos\theta & 0 \\ 0 & 0 & 1 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} \boldsymbol{e}_r \\ \boldsymbol{e}_\theta \\ \boldsymbol{e}_z \end{pmatrix}</math> 円筒座標系は、[[電磁気学]]の解析でよく使用される。 例えば、高校物理の公式<math>B(r)=\frac{\mu_0I}{\tau r}</math>は、円筒座標系を知っていれば「電流がz軸に平行であることから磁場はz方向に一葉且つθ方向に回転対称なので、r方向の項のみが寄与する」と理解される。 ===極座標系=== 高等学校までの地理で習ったように、球面上の位置は緯度<math>\theta</math>と経度<math>\phi</math>で定めることができる。 一般に三次元空間で球面上のある点の座標を定めるには、更に球の中心からの距離<math>r</math>が必要である。 このようにして定められる座標系を'''三次元極座標系'''(polar coordinate system in 3D)または'''球(面)座標系'''(spherical coordinate system)という。 xyz座標空間の点<math>P(x, y, z)</math>の極座標表示を考える。 <math>r=|\vec{OP}|=\sqrt{x^2+y^2+z^2}</math>は容易にわかる。 <math>\theta</math>はz軸からの'''天頂角'''(zenith angle)であり、<math>\vec{OP}</math>のz軸への正射影ベクトルを<math>\vec{OH}=\vec{h}</math>とすると<math>\tan\theta = \frac{|\vec{h}|}{z}</math>が成り立つ。<math>|\vec{h}|=\sqrt{x^2+y^2}</math>より、<math>\theta=\arctan \frac{\sqrt{x^2+y^2}}{z}</math>である。 <math>\phi</math>はx軸からの'''方位角'''(azimuth angle)であり、<math>P</math>からxy平面に下した垂線の足<math>Q</math>を考えると<math>\tan\phi=\frac{y}{x}</math>とわかる。よって、<math>\phi=\arctan\frac{y}{x}</math>である。 逆に、これを<math>P(x, y, z)</math>に復元することを考える。 <math>\triangle OHP</math>について<math>\angle HOP=\theta</math>なので、<math>z=\overline{OH}=r\cos\theta</math>。 また、<math>\triangle OPQ</math>について<math>\angle OPQ=\theta</math>なので、<math>\overline{OQ}=r\sin\theta</math>。 よって<math>x=\overline{OQ}\cos\phi=r\sin\theta\cos\phi, y=\overline{OQ}\sin\phi=r\sin\theta\sin\phi</math>。 以上を纏めると、直交座標と球面座標の対応関係は :<math>\begin{cases} x=r\sin\theta\cos\phi \\ y=r\sin\theta\sin\phi \\ z=r\cos\theta \end{cases} \iff \begin{cases} r=\sqrt{x^2+y^2+z^2} \\ \theta=\arctan\frac{\sqrt{x^2+y^2}}{z} \\ \phi=\arctan\frac{y}{x} \end{cases}</math> 一般に緯度は<math>-90^\circ \leqq \theta \leqq 90^\circ</math>、経度は<math>-180^\circ \leqq \phi \leqq 180^\circ</math>の範囲で表される(但し、符号の違いは東⇔西、南⇔北の違いである)。同様に、球面座標の天頂角<math>\theta</math>、方位角<math>\phi</math>は<math>\theta \in [-\frac{\pi}{4}, \frac{\tau}{4}], \phi \in [-\frac{\tau}{2}, \frac{\tau}{2}]</math>で考える。赤道面より下側(すなわち南半球)では<math>\theta<0</math>とする。 直交座標のz軸を基に極座標系の座標線を決定する。 :r曲線:原点を通る半直線。 :θ曲線:原点中心でz軸上の一点から出る半円弧。 :φ曲線:z軸を法線とする平面内でz軸上に中心を持つ円周。 各曲線に沿った微小変化は円柱座標系の場合と同様、ベクトル場の全微分を用いて :<math>\begin{cases} d\vec{r}= \begin{pmatrix} \sin\theta\cos\phi \\ \sin\theta\sin\phi \\ \cos\theta \end{pmatrix} dr \\ d\vec{\theta}= \begin{pmatrix} \cos\theta\cos\phi \\ \cos\theta\sin\phi \\ -\sin\theta \end{pmatrix}rd\theta \\ d\vec{\phi} = \begin{pmatrix} -\sin\phi \\ \cos\phi \\ 0 \end{pmatrix} r\sin\theta d\phi \end{cases}</math> と求まる。 これらは(内積の結果から)互いに直交するので、円柱座標の場合と同様の議論により :<math>\begin{pmatrix} \sin\theta\cos\phi & \sin\theta\sin\phi & \cos\theta \\ \cos\theta\cos\phi & \cos\theta\sin\phi & -\sin\theta \\ -\sin\phi & \cos\phi & 0 \end{pmatrix}</math> と変換テンソルが求まる。 これも直交行列であるので、逆変換テンソルは :<math>\begin{pmatrix} \sin\theta\cos\phi & \cos\theta\cos\phi & \cos\phi \\ \sin\theta\sin\phi & \cos\theta\sin\phi & -\sin\phi \\ -\sin\theta & \cos\theta & 0 \end{pmatrix}</math> と求まる。 球面座標系は、[[力学]]の解析でよく使用される。 例えば、赤道平面における角運動量保存則は<math>mr^2\frac{d\phi}{dt}=\mathrm{const}.</math>と表示されるが、これはz軸方向の角運動量を球面座標系の演算により取り出したものである。 球面座標系は特に機械制御に応用されている。 円柱座標系・球面座標系ともに各基底ベクトルが互いに直交しているので、そのことを明示して(且つ通常の直交座標系と区別して)'''直交曲線座標系'''(orthogonal curvilinear coordinate system)と呼ぶ場合がある。直交曲線座標系には、他にも放物柱座標系や楕円座標系などがある。 ===円環座標系=== ===双極座標系=== ===回転放物面座標=== ===放物柱座標=== ===回転楕円面座標=== ===楕円柱座標=== ===楕円体座標=== ==空間微分== ===勾配=== ===発散=== ===回転=== ===ラプラシアン=== ==空間積分== ===線積分=== ===面積分=== ===体積分=== ===ガウスの発散定理=== ===ストークスの定理=== ===グリーンの定理=== ==発展事項== {{節stub}} {{Advanced|多様体論}} {{Advanced|微分幾何学}} {{Advanced|積分幾何学}} ===体積分再考=== 体積分は先程「<math>\mathbb{R}^3</math>上の閉立体<math>V</math>」上で考えたが、実はここには線積分・面積分との大きな非対称性がある。 線積分は「曲線」、面積分は「曲面」を積分領域としたが、先程定義した体積分の積分領域は「平坦な立体」なのである(二次元で例えば楕円領域<math>\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}\leq1</math>は境界こそ"曲線"だが空間そのものは<math>\mathbb{R}^2</math>という"平面"であることと同じ)。 1次元の曲がった空間である曲線<math>M^1:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(s)</math>が<math>\mathbb{R}^2</math>内、2次元の曲がった空間である曲面<math>M^2:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(s, t)</math>が<math>\mathbb{R}^3</math>内に存在するように、3次元の曲がった空間である曲立体<math>M^3:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(s, t, u)</math>は<math>\mathbb{R}^4</math>内に存在すると考えるのが自然である。ここで一般に<math>M^n\subset\mathbb{R}^{n+1}</math>が成り立つと予想され、この関係を「<math>M^n</math>の<math>\mathbb{R}^{n+1}</math>への'''埋め込み'''」と呼ぶことにする。 線積分を<math>M^1</math>、面積分を<math>M^2</math>で定義したように、体積分を<math>M^3</math>で定義することを考える。 媒介変数空間<math>\begin{pmatrix} s \\ t \\ u \end{pmatrix} \in V \subset\mathbb{R^3}</math>上の微小変化を考えると全微分を用いて :<math>d\boldsymbol{r}=\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{s}}ds+\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}dt+\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}du</math> よって<math>V</math>上の微小立方体<math>dsdtdu</math>は3ベクトル<math>\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{s}}ds,\quad\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}dt,\quad\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}du</math>の張る微小平行六面体へ移される。 体素はこの微小平行六面体の体積と考えられるが、<math>\boldsymbol{r}\in\mathbb{R}^4</math>より当然この3ベクトルは4項ベクトルなので、'''外積を含んでいるスカラー三重積は使えない'''。 全微分を一次変換表記すると :<math>d\boldsymbol{r}=\begin{pmatrix} \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{s}} & \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}} & \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}} \end{pmatrix} \begin{pmatrix} ds \\ dt \\ du \end{pmatrix}</math> :<math>=\begin{pmatrix} \frac{\partial{x}}{\partial{s}} & \frac{\partial{x}}{\partial{t}} & \frac{\partial{x}}{\partial{u}} \\ \frac{\partial{y}}{\partial{s}} & \frac{\partial{y}}{\partial{t}} & \frac{\partial{y}}{\partial{u}} \\ \frac{\partial{z}}{\partial{s}} & \frac{\partial{z}}{\partial{t}} & \frac{\partial{z}}{\partial{u}} \\ \frac{\partial{w}}{\partial{s}} & \frac{\partial{w}}{\partial{t}} & \frac{\partial{w}}{\partial{u}} \end{pmatrix} \begin{pmatrix} ds \\ dt \\ du \end{pmatrix}</math> :<math>=\frac{\partial{(x, y, z, w)}}{\partial{(s, t, u)}}\begin{pmatrix} ds \\ dt \\ du \end{pmatrix}</math> ここでヤコビ行列は<math>\frac{\partial{(x, y, z, w)}}{\partial{(s, t, u)}}\in\mathbb{R}^{4\times3}</math>であって'''正方行列でないので行列式も求まらない'''。 そこで、[[線型代数学続論/種々の行列#随伴行列|グラム行列]]を利用することを考える。 '''グラム行列は必ず半正定値行列'''なので行列式は非負であり、平方根をとれる。 そのため、<math>\mathbf{G}:=\left(\frac{\partial{(x, y, z, w)}}{\partial{(s, t, u)}}\right)^*\frac{\partial{(x, y, z, w)}}{\partial{(s, t, u)}}</math>として<math>\sqrt{\det\mathbf{G}}</math>を体積拡大率とする。 これは正方行列ならヤコビアンの絶対値に一致する。 {{NavTop|title=補足:体積拡大率に一致する証明}} :<math>\frac{\partial{(x, y, z, w)}}{\partial{(s, t, u)}}</math>の列ベクトルにグラム=シュミットの直交化法を適用すると[[線型代数学続論/行列分解|QR分解]]によって :<math>\frac{\partial{(x, y, z, w)}}{\partial{(s, t, u)}}=\mathbf{QR}\quad (\mathbf{Q}\in\mathbb{R}^{4\times3}, \mathbf{R}\in\mathbb{R}^{3\times3})</math> よって :<math>\mathbf{G}=(\mathbf{QR})^*\mathbf{QR}</math> :<math>=\mathbf{R}^*\mathbf{Q}^*\mathbf{Q}\mathbf{R}</math> :<math>=\mathbf{R}^*\mathbf{E}_3\mathbf{R}</math>(<math>\because\mathbf{Q}</math>は列ユニタリ行列) :<math>=\mathbf{R}^*\mathbf{R}</math> :<math>\therefore \sqrt{\det\mathbf{G}}=\sqrt{\det\left( \mathbf{R}^*\mathbf{R} \right)}=\sqrt{\left(\det\mathbf{R}\right)^2}=|\det\mathbf{R}|</math> <math>\mathbf{Q}</math>は列ユニタリ行列なのでその一次変換は等長変換であり、全微分による拡大率は<math>\mathbf{R}</math>による拡大率と一致する。<br/> 則ち、<math>\sqrt{\det\mathbf{G}}</math>を拡大率としてとれる。// {{NavBottom}} よって体積分は :<math>\iiint_{M^3} f(\boldsymbol{r})dM^3 = \iiint_{V} f(\boldsymbol{r}(s, t, u))\sqrt{\det\mathbf{G}}\,dsdtdu</math> ここから、適切な媒介変数表示が存在するならば<math>M^n</math>上での体積分の計算に<math>\mathbb{R}^{n+1}\setminus M^n</math>の情報は入ってこず、<math>M^n</math>の情報のみで計算されると予想される。 実際、<math>M^n</math>に適切な媒介変数表示<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(\boldsymbol{p})\quad(\boldsymbol{p}\in\mathbb{R}^n)</math>が存在するとき、全微分による一次変換の拡大率は同様にグラム行列式の平方根で与えられるので体積素は<math>dM^n = \sqrt{\det\mathbf{G}} \prod_{k=1}^{n}d\boldsymbol{p}_k</math>と書け、これは正しい。 実は、体素だけでなく一般に角度や長さといった幾何学的な量は埋め込み先である<math>\mathbb{R}^{n+1}</math>の情報を全く必要とせず、<math>M^n</math>の情報だけで構成できることが知られている。このことは微分幾何学のうち[[w:リーマン幾何学|リーマン幾何学]]と呼ばれる分野で詳しく扱われる。 ここまで<math>M^n</math>を適切な媒介変数<math>\boldsymbol{p}\in\mathbb{R}^n</math>で表すことを強調してきたが、媒介変数表示を考えるということは<math>M^n</math>から媒介変数空間<math>U\subset\mathbb{R}^n</math>への射影<math>\pi:M^n\to U</math>を考えるということである。 ここで、この<math>\pi</math>が全単射ならば逆向きの射影<math>\pi^{-1}:U\to M^n</math>が存在してそれが媒介変数表示<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(\boldsymbol{p})</math>となるわけであるが、これは以下のようにも捉えられる。 :<math>\pi</math>によって射影した平坦な空間で座標を設定すると、'''適切な逆変換<sup>※</sup>によって曲がった空間<math>M^n</math>上に(局所)座標系を与えることができる'''。 つまり、体積分を媒介変数空間に置換積分するということは、逆に体積分の元の表示が「<math>M^n</math>上の局所座標系に於ける積分」であることを示している。 ※この適切な逆変換が存在する条件は'''陰関数定理そのもの'''である。 ここで、適切な媒介変数表示が存在するよう<math>M^n</math>に制限を課したものが、以下で扱う'''多様体'''である。 ===多様体=== ===微分形式=== [[線型代数学続論/外積代数]]も参照。 ===リーマン計量=== ===テンソル解析=== [[線型代数学続論/テンソル代数]]も参照。 ===複素ベクトル解析=== [[複素解析学]]も参照。 {{DEFAULTSORT:へくとるかいせき}} [[Category:解析学]] [[Category:微分積分学]] [[Category:ベクトル解析|かいせきかくきそ]] 9crcc2rttxf1s1n4c2d2cvd0ckvmlwo 304226 304225 2026-10-02T01:09:17Z ~2026-51282-49 92621 /* 曲面 */ 304226 wikitext text/x-wiki {{Pathnav|数学|解析学|解析学基礎|frame=1}} {{wikipedia|ベクトル解析}} ここでは、ベクトル解析について解説する。[[物理数学I ベクトル解析]]も参照。 ==前提知識== ここでは、実数のみで考える。 ===ベクトル=== [[高等学校数学C/ベクトル]]、[[線型代数学/ベクトル]]、[[解析学基礎/ベクトル]]などを参照。本項では、矢印を付した表記(<math>\vec{a}</math>など)と太字斜体による表記(<math>\boldsymbol{x}</math>など)を混用する。 ===行列=== [[高等学校数学C/数学的な表現の工夫]]及び[[線形代数学]]・[[線型代数学続論]]の各ページを参照。本項では大文字の太字立体(<math>\mathbf{A}</math>など)で表記する。 ===多変数解析=== [[解析学基礎/多変数関数の微積分]]を参照。 ===領域=== <math>D\subset\mathbb{R}^n</math>と点<math>\boldsymbol{a}\in D</math>(位置ベクトル表記なので太文字斜体)に対し、集合<math>B_\varepsilon(\boldsymbol{a}) := \{ \boldsymbol{x} \in D \mid \| \boldsymbol{x} - \boldsymbol{a} \|<\varepsilon \}</math>を点<math>\boldsymbol{a}</math>の'''<math>\varepsilon</math>-開球'''という。不等号を<math>\leqq</math>に変えたときは開区間↔閉区間と同様に'''閉球'''と呼ぶ。このとき、<math>D</math>のように<math>\mathbb{R}^n</math>の部分集合であって<math>\varepsilon</math>-開球を含むものを点<math>\boldsymbol{a}</math>の'''<math>\varepsilon</math>-開近傍'''と呼ぶ。閉球を含むときは同様に'''閉近傍'''と呼ぶ。 <math>\forall \boldsymbol{a} \in U, \exist \varepsilon>0, B_\varepsilon(\boldsymbol{a})\subset U</math>を満たす<math>U\subset\mathbb{R}^n</math>を'''開集合'''と呼び、<math>V=\mathbb{R}^n\setminus U</math>を'''閉集合'''と呼ぶ。 注意点として、開集合と閉集合は排反ではない。則ち「開集合且つ閉集合」である集合が存在し(例えば<math>\mathbb{R}, \varnothing</math>)、「開集合でも閉集合でもない」集合も存在する(例えば<math>[0, 1)</math>)。 <math>M\subset\mathbb{R}^n</math>を含む最小の閉集合を<math>M</math>の'''閉包'''と呼び、<math>M^-, \bar{M}, \mathrm{Cl}(M)</math>などと表す。例えば有理数の稠密性より<math>\mathbb{Q}^-=\mathbb{R}</math>である。 閉包の性質として「閉包=集合の内部と境界の和集合(<math>M^- = \mathrm{Int}(M) \cup \partial{M}</math>)」がある。 集合<math>S\subset\mathbb{R}^n</math>に対して以下を満たす<math>\mathbb{R}^n</math>上開集合の組<math>(G_1, G_2)</math>が'''とれない'''とき、 #<math>G_1 \cap S = \varnothing \land G_2 \cap S = \varnothing</math> #<math>S = (G_1 \cap S) \sqcup (G_2 \cap S)</math> 「<math>S</math>は'''連結'''である」または「<math>S</math>は'''連結集合'''」という(但し、<math>\sqcup</math>は[[w:非交和|非交和]])。 空でない開連結集合を'''領域'''という。 実は、高校数学や1年次の解析学で扱ってきた「領域」はこの定義を満たしていないことが多かった。これは、「領域」の歴史的な用法では「条件の解集合」という意味であって開性や連結性を要求しなかったためである。しかし、本項を含めた以降に登場する数学ではこの定義を満たしていることが前提条件となる。なお、ややこしいことに「積分領域」は従来通り「その上で積分を行う集合」という緩い意味で使われることが多いので、区別が必要である。 ===右手系=== 三次元空間の正規直交基底を<math>(\boldsymbol{e}_1, \boldsymbol{e}_2, \boldsymbol{e}_3)</math>と置く。螺子を<math>\boldsymbol{e}_1\to\boldsymbol{e}_2</math>の向きに回すと<math>\boldsymbol{e}_3</math>の正方向に進むように3つの軸をとった系を'''右手系'''という。負方向に進むようにとったものを'''左手系'''という。数学・物理に限らず理数系の約束事として、'''三次元空間は必ず右手系で考える'''という暗黙の了解が存在するので覚えておこう。 右手系・左手系は基底の一部または全ての符号を反転することで変換することができる。一つだけを反転する場合は'''鏡像変換'''、二つだけを反転する場合は'''半回転'''、全てを反転する場合は'''空間反転'''と呼ぶ。 外積の結果として得るベクトルは右手系・左手系のどちらを考えるかで向きが変わる。このように、右手系↔左手系の変換で向きが変わるベクトルを'''軸性ベクトル'''という。 系の取り方で向きが変わるということは基底の係数である'''成分は不変量'''である。つまり、観測者の動きにベクトルが追従し、このベクトルは「物理的な実体を有しているのではなく計算の都合上向きが定められた便宜的な(=観測者が勝手に決めた)ベクトル」ということである。そのため、軸性ベクトルは'''擬ベクトル'''(シュードベクトル)とも呼ばれる。 位置や速度、加速度のような右手系・左手系のどちらを考えても同じ向きを向くベクトルを'''極性ベクトル'''という。座標系を取り換えても向きが維持されるため'''成分は座標変換に応じて変化する'''。これは、「観測の仕方によって起こる現象は変わらない」ということである。つまり擬ベクトルに対し、極性ベクトルは'''物理的実体を有するベクトル'''である。 偶奇と同じように軸性・極性にも外積を通じた相互関係が存在する。 :(軸性)×(軸性)=(軸性) :(軸性)×(極性)=(極性) :(極性)×(極性)=(軸性) ==基礎事項== ===ベクトル関数=== 関数<math>\boldsymbol{f} (x) = \sum_{i} f_i(x) \boldsymbol{e}_i</math>を'''ベクトル(値)関数'''(vector-valued function, vector function)という。 ただし、各<math>\boldsymbol{e}_i</math>は各座標軸方向の単位ベクトルであり、<math>\boldsymbol{f}(x)</math>の定義域は各<math>f_i(x)</math>の定義域の積集合である。 ベクトルの演算が成分ごとの演算結果を並べたベクトルで定義されたように、ベクトル関数の演算は(結果となる値が存在するならば)各成分の演算結果を並べたベクトルに等しい。これはベクトルの線型性による。 例えば、<math>\boldsymbol{f}(x) = \begin{pmatrix} \cos x \\ \sin x \end{pmatrix}</math>の<math>x\to0</math>の極限は、 :<math>\lim_{x\to0} \boldsymbol{f}(x) = \begin{pmatrix} \lim_{x\to0} \cos x \\ \lim_{x\to0} \sin x \end{pmatrix}</math> (<math>\because</math>線型性) :<math>=\begin{pmatrix} 1 \\ 0 \end{pmatrix}</math> :<math>=\boldsymbol{e}_x</math> と求まる。 このとき、<math>\boldsymbol{e}_x</math>を<math>\begin{pmatrix} \cos x \\ \sin x \end{pmatrix}</math>の<math>x\to0</math>に於ける'''極限ベクトル'''という。 <math>\boldsymbol{f}(x)</math>が<math>x=\alpha</math>で連続であるとは<math>\lim_{x\to\alpha}\boldsymbol{f}(x)=\boldsymbol{f}(\alpha)</math>が成立することであり、区間<math>I</math>で連続であるとは<math>\forall \alpha \in I</math>で連続であることである。 また、ベクトル関数の導関数<math>\boldsymbol{f}'(x)</math>は :<math>\frac{d}{dx} \boldsymbol{f} (x) = \frac{d}{dx} \left( \sum_i f_i(x) \boldsymbol{e}_i \right)</math> :<math>= \sum_i \left( \frac{d}{dx} f_i (x) \boldsymbol{e}_i \right)</math>(<math>\because</math>線型性) :<math>= \begin{pmatrix} f'_1(x) \\ f'_2(x) \\ \vdots \\ f'_i(x) \\ \vdots \end{pmatrix}</math> である。 この結果は、ベクトル関数に於ける導関数の正式な定義 <math>\lim_{h\to0} \frac{\boldsymbol{f}(x+h) - \boldsymbol{f}(x)}{h}</math>からも導かれる。 <math>\boldsymbol{f}(x)</math>が<math>x=\alpha</math>で微分可能であるとは極限値<math>\boldsymbol{f}'(\alpha)=\lim_{x\to\alpha}\frac{\boldsymbol{f}(x)-\boldsymbol{f}(\alpha)}{x-\alpha}</math>が存在することであり、区間<math>I</math>で微分可能であるとは<math>\forall \alpha \in I</math>で微分可能であることである。 高階導関数・高階微分可能も同様にして定義される。 <math>\boldsymbol{f}(x)</math>が区間<math>I</math>で連続ならば<math>\boldsymbol{f}(x)</math>は<math>I</math>上で<math>C^0</math>級であるといい、<math>\boldsymbol{f}\in C^0(I)</math>と書く。<math>\boldsymbol{f}(x)</math>が<math>I</math>で微分可能で<math>\boldsymbol{f}'(x)\in C^0(I)</math>ならば<math>\boldsymbol{f}(x)</math>は<math>I</math>上で<math>C^1</math>級である(一階連続微分可能)といい、<math>\boldsymbol{f}\in C^1(I)</math>と書く。<math>\boldsymbol{f}(x)</math>が<math>I</math>で二階微分可能で<math>\boldsymbol{f}'\in C^1(I)</math>ならば<math>\boldsymbol{f}(x)</math>は<math>I</math>上で<math>C^2</math>級である(二階連続微分可能)といい、<math>\boldsymbol{f}\in C^2(I)</math>と書く。同様にして順々に<math>C^k</math>級が定義され、<math>\forall k \in \mathbb{N}, \boldsymbol{f}\in C^k(I)</math>ならば<math>\boldsymbol{f}(x)</math>は<math>I</math>で<math>C^\infty</math>級(無限階連続微分可能)であるといい、<math>\boldsymbol{f}\in C^\infty(I)</math>と書く。<math>C^\infty</math>級である関数を'''滑らかな'''関数ともいう。 高校数学や高校物理で扱った平面(<math>\mathbb{R}^2</math>)上の運動は、実は2項ベクトル関数の理論に他ならない。 例えば、平面上の運動に於ける加速度・速度・変位の関係は<math>\boldsymbol{x}(t)= \begin{pmatrix} f(t) \\ g(t) \end{pmatrix}</math>として<math>\boldsymbol{a}(t) = \frac{d}{dt}\boldsymbol{v}(t) = \frac{d^2}{dt^2} \boldsymbol{x}(t)</math>と表すことができる。 曲線の媒介変数表示は、パラメータを変数とするベクトル関数とみることができる。 例えば、円の媒介変数表示<math>\begin{cases} x=r\cos\theta \\ y=r\sin\theta \end{cases}</math>は、<math>\boldsymbol{r}(\theta) = r\begin{pmatrix} \cos\theta \\ \sin\theta \end{pmatrix}</math>という2次元ベクトル関数とみることができる。更に<math>\theta=\omega t</math>とすると、これは等速円運動の式である。 1変数ベクトル関数の微分に関して、以下の公式が成り立つ。 #定数倍の導関数:<math>\{k\boldsymbol{a}(x)\}'=k\boldsymbol{a}'(x)</math> #和・差の導関数:<math>\{ \boldsymbol{a}(x)\pm\boldsymbol{b}(x) \}' = \boldsymbol{a}'(x)\pm\boldsymbol{b}'(x)</math> #積の導関数:<math>\{ f(x)\boldsymbol{a}(x) \}' = f'(x)\boldsymbol{a}(x)+f(x)\boldsymbol{a}'(x)</math> #商の導関数:<math>\left\{ \frac{\boldsymbol{a}(x)}{f(x)} \right\}' = \frac{f(x)\boldsymbol{a}'(x)-f'(x)\boldsymbol{a}(x)}{\{f(x)\}^2} \quad (f(x)\neq0)</math> #内積の導関数:<math>\{\boldsymbol{a}(x)\cdot\boldsymbol{b}(x)\}' = \boldsymbol{a}'(x)\cdot\boldsymbol{b}(x)+\boldsymbol{a}(x)\cdot\boldsymbol{b}'(x)</math> #外積の導関数:<math>\{\boldsymbol{a}(x)\times\boldsymbol{b}(x)\}' = \boldsymbol{a}'(x)\times\boldsymbol{b}(x)+\boldsymbol{a}(x)\times\boldsymbol{b}'(x)</math> #スカラー三重積の導関数:<math>[\boldsymbol{a}(x)\cdot\{\boldsymbol{b}(x)\times\boldsymbol{c}(x)\}]' = \boldsymbol{a}'(x)\cdot\{\boldsymbol{b}(x)\times\boldsymbol{c}(x)\}+\boldsymbol{a}(x)\cdot\{\boldsymbol{b}'(x)\times\boldsymbol{c}(x)\}+\boldsymbol{a}(x)\cdot\{\boldsymbol{b}(x)\times\boldsymbol{c}'(x)\}</math> #ベクトル三重積の導関数:<math>[\boldsymbol{a}(x)\times\{\boldsymbol{b}(x)\times\boldsymbol{c}(x)\}]' = \boldsymbol{a}'(x)\times\{\boldsymbol{b}(x)\times\boldsymbol{c}(x)\}+\boldsymbol{a}(x)\times\{\boldsymbol{b}'(x)\times\boldsymbol{c}(x)\}+\boldsymbol{a}(x)\times\{\boldsymbol{b}(x)\times\boldsymbol{c}'(x)\}</math> #連鎖律(チェイン・ルール):<math>[\boldsymbol{a}\{f(x)\}]'=\boldsymbol{a}'\{f(x)\}f'(x)</math> ベクトル関数の'''ノルム'''(大きさ、長さ)は、通常のベクトルと同様に :<math>\| \boldsymbol{f}(x) \| = \sqrt{\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}(x)} = \sqrt{\sum_{i} \{f_i (x)\}^2}</math> で与えられる。 つまり、ノルムは元のベクトル関数と同一変数のスカラー関数である。 ここで、このスカラー関数が定数関数である条件に就て見てみよう。 :<math>\| \boldsymbol{f}(x) \|= c \quad (c\in\mathbb{R}_{>0})</math>の両辺を2乗して :<math>\| \boldsymbol{f}(x) \|^2 = \boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}(x) = c^2</math> :両辺微分すると内積の微分より :<math>\{\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}(x)\}'=\boldsymbol{f}'(x)\cdot\boldsymbol{f}(x)+\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}'(x)=2\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}'(x)=0</math> :<math>\therefore \boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}'(x)=0</math> :逆に、 :<math>\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}'(x)=0 \iff 2\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}'(x)=\boldsymbol{f}'(x)\cdot\boldsymbol{f}(x)+\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}'(x)=\{\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}(x)\}'=0</math> :<math>\int \{\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}(x)\}'dx= \int 0 dx</math> :<math>\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}(x)=C_1</math>(<math>C_1\geq0</math>は積分定数) :<math>\| \boldsymbol{f}(x) \|^2=C_1</math>より :<math>\| \boldsymbol{f}(x) \| = \sqrt{C_1} = \mathrm{const}.</math> よって、以下が成り立つ。 {{定理|(直交条件の定理)}} :<math>\| \boldsymbol{f}(x) \|= \mathrm{const}. \iff \boldsymbol{f}(x) \cdot \boldsymbol{f}'(x) = 0</math> {{定理終わり}} これは、物理的には「位置ベクトルと速度ベクトルが直交する」ことを表す。則ち、<math>\boldsymbol{f}(x)</math>の終点が始点を中心とする円運動(球面運動)をするということである。 また、ベクトル関数が変数に依らず常に同一方向を向く条件も見てみよう(但し<math>\boldsymbol{f}(x)\neq\boldsymbol{0}</math>)。 :所与の条件は零ベクトルでない定ベクトル<math>\boldsymbol{c}</math>を用いて<math>\boldsymbol{f}(x) = f(x)\boldsymbol{c}</math>と表される。 :両辺微分して<math>\boldsymbol{f}'(x)=\{f(x)\boldsymbol{c}\}=f'(x)\boldsymbol{c}</math> :ここで元のベクトル関数との外積をとると :<math>\boldsymbol{f}(x)\times\boldsymbol{f}'(x)=\{f(x)\boldsymbol{c}\}\times\{f'(x)\boldsymbol{c}\}=f(x)f'(x) (\boldsymbol{c}\times\boldsymbol{c})=f(x)f'(x)\boldsymbol{0}=\boldsymbol{0}</math> :逆に、 :<math>\boldsymbol{f}(x)\times\boldsymbol{f}'(x)=\boldsymbol{0}</math>とすると一次従属なので :<math>\boldsymbol{f}'(x)=g(x)\boldsymbol{f}(x)</math>という微分方程式が成り立つ。 :各成分ごとに微分方程式を解くと、 ::これは変数分離型微分方程式なので第i成分は ::<math>\frac{df_i}{dx}=g(x)f_i(x)</math> ::<math>\int \frac{df_i}{f_i(x)}=\int g(x)dx</math> ::<math>G'(x)=g(x), C_i</math>を積分定数として<math>\log|f_i(x)|=G(x)+C_i</math> ::<math>C_i=\pm e^{C_i}</math>と改めておくと<math>f_i(x)=C_i e^{G(x)}</math> :よって :<math>\boldsymbol{f}(x)=\sum_i f_i(x) \boldsymbol{e}_i = \sum_i C_i e^{G(x)} \boldsymbol{e}_i = e^{G(x)} \sum_i C_i \boldsymbol{e}_i</math> :ここで<math>f(x)=e^{G(x)}, \boldsymbol{c}=\sum_i C_i \boldsymbol{e}_i</math>と置くと :<math>\boldsymbol{f}(x) = f(x) \boldsymbol{c}</math>となり、方向は変数に依らず一定であることが判る// よって、以下が成り立つ。 {{定理|(平行条件の定理)}} <math>\boldsymbol{c},\boldsymbol{f}(x)\neq\boldsymbol{0}</math>として :<math>\boldsymbol{f}(x)=f(x)\boldsymbol{c} \iff \boldsymbol{f}(x) \times \boldsymbol{f}'(x) = \boldsymbol{0}</math> {{定理終わり}} ベクトル解析では三次元空間の場合を考えることが多いため上では外積を用いて証明したが、外積は3項ベクトル(または7項ベクトル)にしか定義されないのであった。 一般次元では外積に代わって次の関係式を用いる。 :<math>|\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}'(x)|=\|\boldsymbol{f}(x)\|\|\boldsymbol{f}'(x)\|</math> これはCS不等式の等号成立の場合である。 実際、<math>\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}'(x)=\|\boldsymbol{f}(x)\|\|\boldsymbol{f}'(x)\|\cos\{\theta(x)\}</math>より等号成立の必要十分条件は :<math>\cos\{\theta(x)\}=\pm1\iff\theta(x) \equiv 0 \,(\mathrm{mod}\pi)</math> であり、2ベクトル<math>\boldsymbol{f}(x), \boldsymbol{f}'(x)</math>は平行とわかる。<br/> 平行ということは一次従属ということなので先程のように変数分離形微分方程式を解くことで3次元と同じ結果を得る。// 補足として、力学への応用を考える。 :速さの二乗<math>\|\boldsymbol{v}(t)\|^2</math>を時間微分すると :<math>\frac{d}{dt}\|\boldsymbol{v}(t)\|^2=\frac{d}{dt}(\boldsymbol{v}(t)\cdot\boldsymbol{v}(t))=\frac{d\boldsymbol{v}(t)}{dt}\cdot\boldsymbol{v}(t)+\boldsymbol{v}(t)\cdot\frac{d\boldsymbol{v}(t)}{dt}=2(\boldsymbol{v}(t)\cdot\boldsymbol{a}(t))</math> :よって等速運動の条件<math>\|\boldsymbol{v}(t)\|=\mathrm{const}.</math>は直交条件の定理から<math>\boldsymbol{v}(t)\perp\boldsymbol{a}(t)</math>に同値である。 :これを力学的に解釈すると、「加速度ベクトルは速度ベクトル方向に仕事をしないから速度ベクトルの大きさを変えずに向きだけを変える」となる。 :平面上で等速円運動を考えると円運動条件から<math>\boldsymbol{r}(t)\perp\boldsymbol{v}(t)</math>、等速条件から<math>\boldsymbol{v}(t)\perp\boldsymbol{a}(t)</math>なので<math>\boldsymbol{r}(t) /\!/ \boldsymbol{a}(t)</math>が出てくる。 :円運動条件<math>\|\boldsymbol{r}(t)\|^2=r^2</math>を一階微分すると ::<math>2\boldsymbol{r}(t)\cdot\boldsymbol{r}'(t)=0</math> :もう一度微分して ::<math>2(\boldsymbol{r}(t)\cdot\boldsymbol{r}''(t)+\boldsymbol{r}'(t)\cdot\boldsymbol{r}'(t))=0</math> :則ち ::<math>\boldsymbol{r}(t)\cdot\boldsymbol{a}(t)+\boldsymbol{v}(t)\cdot\boldsymbol{v}(t)=0</math> :位置ベクトルと加速度ベクトルが一次従属なので<math>\boldsymbol{a}(t)=\lambda\boldsymbol{r}(t)</math>であり、等速条件より<math>\|\boldsymbol{v}(t)\|=v</math>なので ::<math>\lambda r^2 + v^2 = 0</math> ::<math>\therefore \lambda = -\frac{v^2}{r^2}<0</math> :則ち<math>\boldsymbol{r}(t)</math>と<math>\boldsymbol{a}(t)</math>は逆向きであり、円運動の中心は<math>\boldsymbol{r}(t)</math>の始点なので<math>\boldsymbol{a}(t)</math>は常に円運動の中心を向く'''向心加速度'''であることが証明された。// なお、3次元以上では「<math>\boldsymbol{a}\perp\boldsymbol{b}\land\boldsymbol{b}\perp\boldsymbol{c}\implies\boldsymbol{a}/\!/\boldsymbol{c}</math>」が一般には成り立たないのでこの議論を成立させるには追加の条件が必要である。 <math>\boldsymbol{f}(x)</math>の不定積分は、各<math>f_i(x)</math>の原始関数を並べたベクトルを<math>\boldsymbol{F}(x)</math>として :<math>\int \boldsymbol{f}(x) dx = \boldsymbol{F}(x)+\boldsymbol{C}</math>(<math>\boldsymbol{C}</math>は各積分定数を並べたベクトル) と表される。 また、定積分は :<math>\int^b_a \boldsymbol{f}(x) dx=\boldsymbol{F}(b)-\boldsymbol{F}(a)</math> と表される。 1変数ベクトル関数の積分について、以下が成り立つ(不定積分表記だが定積分に就ても同様)。 #定数倍の原始関数:<math>\int \{k\boldsymbol{a}(x)\} dx = k\int\boldsymbol{a}(x)dx</math> #和・差の原始関数:<math>\int \{\boldsymbol{a}(x)\pm\boldsymbol{b}(x)\}dx=\int\boldsymbol{a}(x)dx\pm\int\boldsymbol{b}(x)dx</math> #内積の原始関数<math>\int \{\boldsymbol{k}\cdot\boldsymbol{a}(x)\}dx=\boldsymbol{k} \cdot \left( \int \boldsymbol{a}(x) dx \right)</math> #外積の原始関数<math>\int \{\boldsymbol{k}\times\boldsymbol{a}(x)\}dx=\boldsymbol{k} \times \left( \int \boldsymbol{a}(x) dx \right)</math> #スカラー倍の部分積分:<math>\int f(x)\boldsymbol{a}'(x)dx= f(x)\boldsymbol{a}(x)-\int f'(x)\boldsymbol{a}(x) dx \iff \int f'(x)\boldsymbol{a}(x)dx= f(x)\boldsymbol{a}(x)-\int f(x)\boldsymbol{a}'(x) dx</math> #内積の部分積分:<math>\int \{ \boldsymbol{a}(x)\cdot\boldsymbol{b}'(x) \}dx = \boldsymbol{a}(x)\cdot\boldsymbol{b}(x) - \int \{\boldsymbol{a}'(x)\cdot\boldsymbol{b}(x)\}dx</math> #外積の部分積分:<math>\int \{ \boldsymbol{a}(x)\times\boldsymbol{b}'(x) \}dx = \boldsymbol{a}(x)\times\boldsymbol{b}(x) - \int \{\boldsymbol{a}'(x)\times\boldsymbol{b}(x)\}dx</math> #置換積分:<math>u=f(x)</math>として<math>\int \boldsymbol{a}'\{f(x)\}f'(x) dx = \int \boldsymbol{a}(u)du</math> 平行条件の定理の証明でベクトル関数の微分方程式を解いたように、成分毎に考えることで解空間ベクトルを求められる。 :1階線型常微分方程式<math>\boldsymbol{f}'(x)+a(x)\boldsymbol{f}(x)=\boldsymbol{b}(x)</math>の解に就て考える。 :第<math>i</math>成分を考えると<math>f'_i(x)+a(x)f_i(x)=b_i(x)</math>という1階線型常微分方程式を得るので、 :両辺に積分因子<math>\mu(x)=\exp\left(\int a(x) dx\right)</math>を掛けることで :<math>f_i(x)=\frac{1}{\mu(x)} \left\{ \int \mu(x) b_i(x) dx + C_i \right\}</math>を得る。 :よって一般解は :<math>\boldsymbol{f}(x) = \sum_i \frac{1}{\mu(x)} \left\{ \int \mu(x) b_i(x) dx + C_i \right\} \boldsymbol{e}_i=\frac{1}{\mu(x)}\left\{ \int \mu(x) \boldsymbol{b}(x) dx + \boldsymbol{C} \right\}</math> ベクトル関数は必ずしもここで扱った<math>\boldsymbol{f}: \mathbb{R}\to\mathbb{R}^n</math>のみを指さない。 例えば、ベクトル変数 <math>\boldsymbol{x}= \sum_i g_i (x) \boldsymbol{e}_i</math>に対して :<math>\boldsymbol{h}(\boldsymbol{x})=\sum_i (h_i \circ g_i) (x) \boldsymbol{e}_i</math> と定義されるような関数<math>\boldsymbol{h}:\mathbb{R}^m \to \mathbb{R}^m</math>もベクトル関数である。 また、始域と終域の次元が異なる<math>\boldsymbol{i}: \mathbb{R}^m \to \mathbb{R}^n \, (m, n\neq1)</math>のようなベクトル関数も考えられる。 一般に、始域が<math>\mathbb{R}^n (n\neq1)</math>であっても終域が<math>\mathbb{R}</math>である関数はベクトル関数に対して'''スカラー関数'''(scalar function)と呼ばれる。スカラー関数は入力ベクトルを「変数の組」と見れば通常の多変数関数に一致する。 この節で述べた理論は、多くは一般のベクトル関数に対しても成り立つ。但し、後述のヤコビ行列のような拡張を必要とするものもある。 また、多変数ベクトル関数<math>\boldsymbol{f}(x_1, x_2,\cdots,x_n)</math>を考えたとき、多変数微積分の理論は一変数微積分と同様にしてベクトル関数にもそのまま拡張される。 ===ベクトル場・スカラー場=== 写像<math>\boldsymbol{a}: \mathbb{R}^m \to \mathbb{R}^n</math>を'''ベクトル場'''(vector field)という。 実際には<math>m=n</math>の場合を考えることが多い。 写像<math>\varphi: \mathbb{R}^n \to \mathbb{R}</math>を'''スカラー場'''(scalar field)という。 それぞれ上で述べたベクトル関数・スカラー関数に対応する。 もう少し具体的に述べると、空間の領域<math>V</math>が与えられたときその各点にスカラーまたはベクトルを割り当てたものが場である。要するに、<math>p\in V</math>とすると :スカラー場:<math>\varphi=\varphi(p)</math> :ベクトル場:<math>\boldsymbol{a}=\boldsymbol{a}(p)</math> のように場は「点を入力とする<sup>※</sup>関数」である。 <small>※なお、ベクトル場を図示するときは「出力されたベクトルの'''始点は原点でなく入力された点'''」であることに注意が必要である。出力ベクトルの成分表示は「入力点を基準に据えたときの位置ベクトル」なので原点から目盛を数えることに意味はない。</small> ここで<math>V</math>に何かしらの座標が設定されていれば、その座標系の変数の組をベクトルと見做すことで場を「通常のスカラー関数・ベクトル関数」として扱えるのである。 則ち、「滑らかな場」という概念は「滑らかな関数」として定義することができる。より具体的に言うと、スカラー場・ベクトル場が'''滑らか'''であるとは対応するスカラー関数・ベクトル関数が<math>C^\infty</math>級であることである。但し、滑らかさは任意の座標変換で保たれるわけではないことに注意が必要である(後述の座標変換テンソル及びその逆行列の全ての成分関数が滑らかである必要がある)。 ここで、二変数関数の極値を思い返してみる。 <math>z=f(x, y)</math>が<math>(a, b)</math>で極大であるとは<math>\begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix}\neq\begin{pmatrix} a \\ b \end{pmatrix}</math>として :<math>\exist \delta>0, \forall {\scriptstyle\left(\begin{array}{c} x \\[-6pt] y \end{array}\right)} \in \mathbb{R}^2, {\scriptstyle\left\| \left(\begin{array}{c} x \\[-6pt] y \end{array}\right) - \left(\begin{array}{c} a \\[-6pt] b \end{array}\right) \right\|} < \delta \implies f(x, y) \leq f(a, b)</math> という定義だった。 <math>z=f(x, y)</math>は曲面を表すが、これを<math>z</math>軸正方向から<math>xy</math>平面に射影するとその陰が<math>(x, y)</math>の動く範囲となるのであった。 ここで<math>\boldsymbol{x}:=\begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix}, \boldsymbol{\alpha}:=\begin{pmatrix} a \\ b \end{pmatrix}</math>とすると<math>z=f(x, y)</math>はスカラー場<math>z=\phi(\boldsymbol{x})</math>と解釈することができ、更に条件法の前件は<math>\boldsymbol{\alpha}</math>の<math>\delta</math>-開球(二次元なので開円板)である。 なので、極大値の定義式をベクトル解析的に解釈すると「<math>xy</math>平面の各点に<math>z</math>の値を割り当てた数分布に於いて、開円板<math>B_\delta(\boldsymbol{\alpha})</math>内部に於ける<math>z</math>の最大値が<math>\phi(\boldsymbol{\alpha})</math>となるような正数<math>\delta</math>が存在する」ということである。 ベクトル場の例としては、電場・磁場・重力場などが挙げられる。 スカラー場の例としては、電位分布・温度分布・圧力分布などが挙げられる。 例えば、ベクトル場<math>\boldsymbol{f}=(x, 0, 0)</math>は、<math>\mathbb{R}^3</math>内の平面<math>x=k</math>上の任意点に、その点を始点とするベクトル<math>\begin{pmatrix} k \\ 0 \\ 0 \end{pmatrix}</math>が存在する状態を表す。 ベクトル場の和は、出力ベクトルの型が同じならばベクトル場の成分の和をとったものに等しい。 例えば、<math>\boldsymbol{f}(x, y, z)=(y, z, x), \boldsymbol{g}(x, y, z)=(z, x, y)</math>について :<math>(\boldsymbol{f}+\boldsymbol{g})(x, y, z)=(y, z, x)+(z, x, y)=(y+z, z+x, x+y)</math>である。 これは、ベクトル場の加法の定義が :<math>\forall p \in V, (\boldsymbol{f}+\boldsymbol{g})(p):=\boldsymbol{f}(p)+\boldsymbol{g}(p)</math> となっていて且つ<math>V</math>に座標を入れればベクトル関数の加法則をそのまま適用できるためである(入力点が異なるとき、場同士は足すことができない)。 曲線<math>\{\boldsymbol{x}\in\mathbb{R}^2 \mid \varphi(\boldsymbol{x})=\mathrm{const}.\}</math>を'''等高線'''(等高曲線)、曲面<math>\{\boldsymbol{x}\in\mathbb{R}^3 \mid \varphi(\boldsymbol{x})=\mathrm{const}.\}</math>を'''等位面'''(等位曲面)という。これらの詳細は後述する。 ==曲線論・曲面論== ===曲線=== <math>xy</math>平面上の曲線は<math>y=f(x) (x\in[a, b])</math>という陽関数表示で扱うことが多かった。しかし、これだと自分自身と交わる('''自己交叉'''する)曲線や<math>x=x_0</math>に対して<math>f(x_0)</math>の値が複数存在する(<math>f</math>が'''多価関数''')場合に不都合が生じる。 例えば円を陽関数表示しようとすると :<math>x^2+y^2=r^2</math>を<math>y</math>に就いて解いて :<math>y=\pm\sqrt{r^2-x^2}</math> 則ち :<math>y=\begin{cases} \sqrt{r^2-x^2} & (y\geq0) \\ -\sqrt{r^2-x^2} & (y<0) \end{cases}</math> という多価関数が必要になる。 これだと端点の振舞を一々調べる必要があって曲線の連続性や接線の議論が煩雑になってしまう。 しかし、先程も述べたように曲線の媒介変数表示はベクトル関数として見れるのであった。 :<math>\boldsymbol{r}(\theta) = r\begin{pmatrix} \cos\theta \\ \sin\theta \end{pmatrix}</math>(再掲) こうすると一変数連続ベクトル関数によって曲線を表すことが可能である。物理的に捉えると「質点の運動の軌跡を原点からの位置ベクトルの時間変化で表す」ということである。 一般に、<math>\boldsymbol{r}\in\mathbb{R}^n, t \in I</math>としてベクトル方程式<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t)</math>の解集合<math>\{\boldsymbol{r}(t) \mid t \in I \}</math>は<math>n</math>次元空間内の曲線<math>C</math>を表す。これを<math>C</math>の'''ベクトル表示'''という。 ベクトル表示は成分表示に直せば<math>\boldsymbol{r}(t)=\sum_i r_i(t)\boldsymbol{e}_i</math>となる。これは媒介変数表示<math>\begin{cases} x_1&=&r_1(t) \\ x_2&=&r_2(t) \\ &\,\,\vdots& \\ x_n&=&r_n(t) \end{cases}</math>をベクトル表記したものに一致する。 例えば、<math>\boldsymbol{r}(t)=\begin{pmatrix} a\cos t \\ a\sin t \\ bt \end{pmatrix}</math>は'''常螺旋'''(弦巻線)のベクトル表示である。 パラメータが増加するときの点の移動方向を曲線の'''正の向き'''と定める。曲線の'''負の向き'''はパラメータが減少するときの点の移動方向である。このとき、パラメータで'''向き付け'''された曲線という表現もなされる。曲線<math>C</math>に対し、同じパラメータを用いた逆向きの曲線を<math>-C</math>と表す。ベクトル表示では<math>C:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t)</math>に対して<math>-C:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(-t)</math>ということである。 パラメータに関する変数変換<math>u=\phi(t)</math>を考える。但し、<math>\phi</math>は広義単調関数とする<sup>※</sup>。このとき、<math>\frac{du}{dt}</math>が非負ならば曲線の向き付けが保たれ、非正ならば向き付けが反転する。<math>\frac{du}{dt}=0</math>となる領域では点の運動が停止する。 <small>※<math>\phi</math>が非単調関数のときは曲線上の点が行ったり来たりすることになるため曲線のパラメータ表示としては扱いづらい。</small> <math>\boldsymbol{r}(t) \in C^1</math>且つ<math>\boldsymbol{r}'(t)\neq\boldsymbol{0}</math>であるとき、曲線<math>C</math>は'''滑らか'''であるという。 滑らかな曲線<math>C:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t)</math>に対して<math>\boldsymbol{r}'(t)</math>を<math>C</math>の'''速度ベクトル'''という。 <math>\overrightarrow{\mathrm{OP}}=\boldsymbol{r}</math>として点<math>\mathrm{P}(t)</math>に於ける速度ベクトルは<math>\lim_{\Delta t\to0}\frac{\boldsymbol{r}(t+\Delta t)-\boldsymbol{r}(t)}{\Delta t}</math>の極限ベクトルであるが、<math>\boldsymbol{r}(t+\Delta t)-\boldsymbol{r}(t)</math>を図示することで速度ベクトルが曲線<math>C</math>の点<math>\mathrm{P}(t)</math>に於ける接線の方向ベクトルになっていることがわかる。よって、速度ベクトルを'''接線ベクトル'''(接ベクトル)ともいう。 速度ベクトルが非零である曲線を'''正則'''な曲線と呼ぶ。滑らかな曲線は正則曲線である。 なお、一般には陽関数表示が区分的であることとベクトル表示の成分関数が区分的であることに対応はないほか、パラメータの取り方で速度ベクトルが変わるので「曲線の幾何学的滑らかさ」と「ベクトル表示した関数の解析学的滑らかさ」は一致するとは限らない。 正則な曲線に対して曲線長('''弧長''')を考える。 二次元曲線の場合は数学Ⅲで既に扱った。 :<math>L=\int_a^b \sqrt{\left(\frac{dx}{dt}\right)^2+\left(\frac{dy}{dt}\right)^2}dt</math> 実は、これを一般の<math>n</math>次元にそのまま拡張することができる。 {{定理|(弧長公式)}} 曲線<math>C:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t)</math>の点<math>\mathrm{P}(a)</math>から点<math>\mathrm{P}(b)</math>までの長さ(<math>a<b</math>)は :<math>L=\int_a^b \left\| \frac{d\boldsymbol{r}}{dt} \right\|dt</math> で与えられる。 {{定理終わり}} *証明 :<math>a=t_0, b=t_m</math>として閉区間<math>[a, b]</math>を各<math>t_i</math>で等分割する。このとき小区間<math>[t_{k-1}, t_k]</math>の長さは<math>\Delta t=\frac{b-a}{m}</math>。 :<math>C</math>の点<math>\mathrm{P}(a)</math>から点<math>\mathrm{P}(b)</math>までの長さ<math>L</math>は折れ線の長さ<math>\overline{\mathrm{P}(t_{k-1})\mathrm{P}(t_k)}</math>の総和で近似される。 :ここで<math>\overrightarrow{\mathrm{OP}}=\boldsymbol{r}(t)</math>より ::<math>L_m=\sum_{k=1}^m \| \boldsymbol{r}(t_k)-\boldsymbol{r}(t_{k-1}) \| = \sum_{k=1}^m \left\| \frac{\boldsymbol{r}(t_{k-1}+\Delta t)-\boldsymbol{r}(t_{k-1})}{\Delta t-0} \right\|(\Delta t-0)</math> :分割を限りなく細かくする極限をとると<math>m\to\infty</math>より<math>\Delta t\to0</math>なので ::<math>\lim_{m\to\infty} L_m = \sum_{k=1}^\infty \left\| \frac{d\boldsymbol{r}}{dt}(t_{k-1}) \right\|dt</math> :区分求積法より最後の無限級数は収束して :<math>L=\int_a^b \left\| \frac{d\boldsymbol{r}}{dt} \right\|dt</math>// ここで、<math>dl:=\left\| \frac{d\boldsymbol{r}}{dt} \right\|dt</math>という微小量を'''線素'''と呼ぶ。 1を線素に関して積分したパラメータ<math>s:=\int_0^t dl</math>を'''弧長パラメータ'''(標準パラメータ)という。弧長パラメータは曲線上で「基準点からの符号付き距離」を表す。 曲線の弧長パラメータによるベクトル表示('''弧長パラメータ表示''')を考える。<math>s=\int_0^t \left\| \frac{d\boldsymbol{r}}{dt} \right\|dt</math>で正則よりノルムは正。則ち<math>\frac{ds}{dt}>0</math>より<math>s=\phi(t)</math>は狭義単調増加なので、逆関数<math>t=\phi^{-1}(s)</math>を考えることができる。よって、<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t)</math>に<math>t=\phi^{-1}(s)</math>を代入した<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(\phi^{-1}(s))</math>が弧長パラメータ表示である。これを<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(s)</math>と略記してしまうことも多いが、'''一般には元の<math>\boldsymbol{r}(t)</math>と成分関数が異なる'''ことに注意。 通常の媒介変数によるベクトル表示は「座標系が予め与えられた状況」での表示であるが、弧長パラメータは座標系を取り替えたとしても表す曲線そのものが変わらなければ不変である。よって、「座標系に依存しない表記」として弧長パラメータ表示は多く利用されている。 また、弧長パラメータ表示で連鎖律を適用すると :<math>\frac{d\boldsymbol{r}(s)}{ds}=\frac{d\boldsymbol{r}(t)}{dt}\cdot\frac{dt}{ds}=\frac{d\boldsymbol{r}(t)}{dt}\cdot\frac{1}{\frac{ds}{dt}}</math> ここで微分積分学の基本定理より :<math>\frac{ds}{dt}=\frac{d}{dt} \int_0^t \left\| \frac{d\boldsymbol{r}}{dt} \right\|dt = \left\| \frac{d\boldsymbol{r}}{dt} \right\|</math> なので :<math>\frac{d\boldsymbol{r}(s)}{ds}=\frac{\frac{d\boldsymbol{r}(t)}{dt}}{\left\| \frac{d\boldsymbol{r}}{dt} \right\|}</math> であり、自身のノルムで割ってるので恒等的に<math>\left\| \frac{d\boldsymbol{r}}{ds} \right\|=1</math>である。 よって、弧長パラメータ表示された曲線の接ベクトルは常に単位ベクトルである。 弧長パラメータ表示された曲線で線素を考えると<math>s=\int_0^s \left\| \frac{d\boldsymbol{r}(s)}{ds} \right\| ds = \int_0^s dl</math>だが、常に<math>\left\| \frac{d\boldsymbol{r}}{ds} \right\|=1</math>なので<math>ds=dl</math>であり、弧長パラメータの微小量は線素に等しい(弧長パラメータそのものが1の線素に関する積分なので当たり前ではある)。 <math>\boldsymbol{e}_\dagger(s)=\frac{d\boldsymbol{r}}{ds}</math>と置くと、点<math>\mathrm{P}(s_0)</math>に於ける接線の方程式は :<math>\boldsymbol{p}-\boldsymbol{r}(s_0)=\boldsymbol{e}_\dagger(s_0) (s-s_0)</math> と表される。 ここで<math>\boldsymbol{r}(s)</math>の中心<math>s_0</math>に於けるテイラー展開は :<math>\boldsymbol{r}(s)=\sum_{i=0}^\infty \frac{(s-s_0)^i}{i!} \frac{d^i}{ds^i}\boldsymbol{r}(s_0) </math> であり、「接線が一次近似に対応する」という構造はベクトル関数でも維持されることが判った。 領域<math>\boldsymbol{D}</math>上の滑らかなベクトル場<math>\boldsymbol{a}</math>について、微分方程式<math>\frac{d\boldsymbol{r}}{dt}=\boldsymbol{a}(\boldsymbol{r}(t)) (\boldsymbol{r} \in \boldsymbol{D})</math>で与えられる曲線<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t)</math>を<math>\boldsymbol{a}</math>の'''流線'''(streamline)という(入力点を位置ベクトルと同一視していることに注意)。流線の接線ベクトルは元のベクトル場そのものになるので、ベクトルの相等から得る方程式<math>\frac{dx_1}{a_1}=\frac{dx_2}{a_2}=\cdots=\frac{dx_n}{a_n}</math>を'''流線方程式'''という。 例えば、<math>\boldsymbol{f}(x, y)=(y, x)</math>の流線は、 :定義から<math>\frac{dx}{dt}=y, \frac{dy}{dt}=x</math> :合成関数の微分公式から<math>\frac{dy}{dx}=\frac{\frac{dy}{dt}}{\frac{dx}{dt}}=\frac{x}{y}</math> :<math>\int y dy=\int xdx</math> :<math>\frac{1}{2}y^2=\frac{1}{2}x^2+C</math> :よって双曲線<math>y^2-x^2=2C</math>// この場合、<math>t</math>に関する2つの微分方程式を組み合わせることで :<math>\frac{d^2x}{dt^2}=x, \frac{d^2y}{dt^2}=y</math>という二階線型常微分方程式となり、一般解が双曲線関数を用いて<math>\begin{cases} x=C_1\cosh t+C_2\sinh t \\ y=C_1\sinh t+C_2\cosh t \end{cases}</math>であることが容易に判る。<br>なお、流線方程式を用いても<math>\frac{dx}{y}=\frac{dy}{x}</math>から<math>\frac{dy}{dx}=\frac{x}{y}</math>が出てくる。 「流線の接線ベクトルが元のベクトル場になる」とはつまり、「接線が常にベクトル場と平行になるような曲線」を考えているということである。滑らかなベクトル場を考えているためそのような曲線は常に存在する。流線は「ベクトル場の流れを繋げていった曲線」と考えることができるので、「流れを簡潔に図示」するのにちょうどよい。 有名な例として、電気力線・磁力線はそれぞれ電場<math>\boldsymbol{E}</math>・磁束密度<math>\boldsymbol{B}</math>の流線である。 流線の微分方程式を弧長パラメータ表示を用いて変形する。 :<math>\frac{d\boldsymbol{r}}{dt}=\boldsymbol{a}(\boldsymbol{r}(t))</math>の左辺に就いて :<math>\frac{d\boldsymbol{r}}{ds}\cdot\frac{ds}{dt}=\frac{d\boldsymbol{r}}{ds}\cdot \|\boldsymbol{r}'(\phi^{-1}(s))\|</math> 元の方程式の両辺でノルムをとると :<math>\left\|\frac{d\boldsymbol{r}}{dt}\right\|=\|\boldsymbol{a}(\boldsymbol{r}(t))\|</math> 代入して :<math>\frac{d\boldsymbol{r}}{ds}\cdot\|\boldsymbol{r}'(\phi^{-1}(s))\|=\frac{d\boldsymbol{r}}{ds}\cdot\|\boldsymbol{a}(\boldsymbol{r}(t))\|</math> :<math>\therefore \frac{d\boldsymbol{r}}{ds} = \boldsymbol{e}_{\boldsymbol{a}(\boldsymbol{r}(\phi^{-1}(s)))}</math> ここから、流線の形状はノルムには関係なく方向場のみで決まることがわかる。 ===フレネ標搆=== ここでは、三次元空間に於ける正則曲線について考える。 <math>C:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(s)</math>上の点<math>\mathrm{P}(s)</math>に於ける単位接線ベクトルを<math>\boldsymbol{t}</math>とおく。 先程の議論より<math>\boldsymbol{t}(s)=\frac{d\boldsymbol{r}(s)}{ds}</math>であり、<math>\left\| \frac{d\boldsymbol{r}(s)}{ds} \right\|=1 (=\mathrm{const}.)</math>なので直交条件の定理から<math>\boldsymbol{t}\cdot\frac{d\boldsymbol{t}}{ds}=0</math>、則ち<math>\boldsymbol{t} \perp \frac{d\boldsymbol{t}(s)}{ds}</math>である。この<math>\frac{d\boldsymbol{t}(s)}{ds}</math>を'''主法線ベクトル'''という。 主法線ベクトルを<math>\boldsymbol{n}</math>とおくとき、<math>\boldsymbol{b}=\boldsymbol{t}\times\boldsymbol{n}</math>を'''従法線ベクトル'''(陪法線ベクトル)という。ここで先程の結果より<math>\boldsymbol{t}\perp\boldsymbol{n}</math>であって<math>\boldsymbol{b}</math>の定義より<math>\boldsymbol{t}\perp\boldsymbol{b}, \boldsymbol{n}\perp\boldsymbol{b}</math>なので、この3ベクトルの組を正規化した<math>\{\boldsymbol{e}_t, \boldsymbol{e}_n, \boldsymbol{e}_b \}</math>は<math>\mathbb{R}^3</math>の正規直交基底である。これを<math>\mathbb{R}^3</math>の'''フレネ標搆'''という。外積の結果よりフレネ標搆は<math>\boldsymbol{e}_t, \boldsymbol{e}_n, \boldsymbol{e}_b</math>の順に右手系をなす。なお、接線ベクトル・主法線ベクトル・従法線ベクトルは全て曲線の位置ベクトル<math>\boldsymbol{r}(s)</math>を入力したベクトル場として捉えることができる。 <math>\{\boldsymbol{e}_n, \boldsymbol{e}_b \}</math>の張る平面を'''法平面'''、<math>\{\boldsymbol{e}_t, \boldsymbol{e}_b \}</math>の張る平面を'''展直平面'''、<math>\{\boldsymbol{e}_t, \boldsymbol{e}_n \}</math>の張る平面を'''接触平面'''という。 即ち、法平面・展直平面・接触平面は<math>tnb</math>空間の点<math>\mathrm{P}(s)</math>を原点とした基準面である。 平面の方程式の法線ベクトルに接ベクトル・主法線ベクトル・従法線ベクトルをそれぞれ代入することで :法平面の方程式:<math>(\boldsymbol{p}-\boldsymbol{r}(s))\cdot\boldsymbol{t}(s)=0</math> :展直平面の方程式:<math>(\boldsymbol{p}-\boldsymbol{r}(s))\cdot\boldsymbol{n}(s)=0</math> :接触平面の方程式:<math>(\boldsymbol{p}-\boldsymbol{r}(s))\cdot\boldsymbol{b}(s)=0</math> とわかる。 <math>\|\boldsymbol{t}\|=1</math>は常に成り立つが<math>\|\boldsymbol{n}\|, \|\boldsymbol{b}\|</math>は<math>1</math>とは限らない。そこで、主法線ベクトルの大きさ<math>\kappa(s)=\|\boldsymbol{n}(s)\|</math>を曲線<math>C</math>の'''曲率'''と呼ぶことにする。なお、<math>\|\boldsymbol{b}\|=\| \boldsymbol{t} \| \|\boldsymbol{n}\|\sin\frac{\pi}{2}</math>より<math>\|\boldsymbol{b}\|=\|\boldsymbol{n}\|=\kappa</math>が成り立つ。 主法線ベクトルの定義に立ち戻ると<math>\boldsymbol{n}(s)=\frac{d\boldsymbol{t}(s)}{ds}</math>であった。つまり、主法線ベクトルは接ベクトルの速度ベクトルなので「弧長パラメータを変化させたときに接ベクトルがどのくらい変化するか」という指標である。接ベクトルの変化の大小と<math>\kappa</math>の大小は対応し、接ベクトルの大小はカーブの緩急に対応することから<math>\kappa</math>の大小とカーブの緩急も対応する。これが「曲率」という名前の由来である。 なお、<math>\kappa(s)=0</math>の場合は<math>\boldsymbol{n}(s)=\boldsymbol{0}</math>なので<math>\boldsymbol{t}(s)=\boldsymbol{k}</math>(定ベクトル)であり、<math>\boldsymbol{r}(s)=s\boldsymbol{k}</math>という直線の場合に対応することがわかる。 単位接ベクトルの<math>s</math>を微分変数とする導関数(<math>s</math>-導関数)は主法線ベクトルだったが、単位主法線ベクトル・単位従法線ベクトルの<math>s</math>-導関数がどのように表されるか見ていく。 ここで、フレネ標搆が<math>\mathbb{R}^3</math>の正規直交基底であることから、<math>\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}, \frac{d\boldsymbol{e}_b}{ds}</math>ともにフレネ標搆の一次結合で表現できると予想される。 単位従法線ベクトルに就いて :<math>\frac{d\boldsymbol{e}_b}{ds}=\frac{d}{ds}(\boldsymbol{e}_t\times\boldsymbol{e}_n)=\frac{d\boldsymbol{e}_t}{ds}\times\boldsymbol{e}_n+\boldsymbol{e}_t\times\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}</math> <math>\boldsymbol{t}=\boldsymbol{e}_t</math>より<math>\frac{d\boldsymbol{e}_t}{ds}=\boldsymbol{n}=\kappa\boldsymbol{e}_n</math>則ち<math>\frac{d\boldsymbol{e}_t}{ds}\times\boldsymbol{e}_n=\kappa\boldsymbol{e}_n\times\boldsymbol{e}_n=\boldsymbol{0}</math>なので :<math>\frac{d\boldsymbol{e}_b}{ds}=\boldsymbol{e}_t\times\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}</math> <math>\|\boldsymbol{e}_n\|=1</math>から直交条件の定理より<math>\boldsymbol{e}_n\perp\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}</math>なので :<math>\boldsymbol{e}_n\times\frac{d\boldsymbol{e}_b}{ds}=\boldsymbol{e}_n\times(\boldsymbol{e}_t\times\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds})=\left(\boldsymbol{e}_n\cdot\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}\right)-(\boldsymbol{e}_n\cdot\boldsymbol{e}_t)\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}=\boldsymbol{0}</math> 外積が零ベクトルなので<math>\frac{d\boldsymbol{e}_b}{ds} /\!\!/ \boldsymbol{e}_n</math>であり、一次従属より :<math>\frac{d\boldsymbol{e}_b}{ds}=-\tau\boldsymbol{e}_n</math> となるスカラー関数<math>\tau(s)</math>が存在する。 この<math>\tau(s)</math>を曲線<math>C</math>の'''捩率'''と呼ぶ。捩率は接触平面の回転(捩れ)の率を表す。 <math>\tau=0</math>ならば<math>\frac{d\boldsymbol{e}_b}{ds}=0</math>より<math>\boldsymbol{e}_b</math>方向は変化しないので曲線は接触平面と平行な平面上に拘束される。即ち、<math>C</math>は平面曲線である。 単位主法線ベクトルに就いて :<math>\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}=\frac{d}{ds}(\boldsymbol{e}_b\times\boldsymbol{e}_t)=\frac{d\boldsymbol{e}_b}{ds}\times\boldsymbol{e}_t+\boldsymbol{e}_b\times\frac{d\boldsymbol{e}_t}{ds}</math> ここで<math>\frac{d\boldsymbol{e}_t}{ds}=\kappa\boldsymbol{e}_n, \frac{d\boldsymbol{e}_b}{ds}=-\tau\boldsymbol{e}_n</math>を代入して :<math>\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}=-\tau\boldsymbol{e}_n\times\boldsymbol{e}_t+\boldsymbol{e}_b\times\kappa\boldsymbol{e}_n=\tau\boldsymbol{e}_b-\kappa\boldsymbol{e}_t</math> よって、フレネ標搆の弧長パラメータを微分変数とする導関数を以下のようにフレネ標搆の一次結合で表すことができた。 :<math>\begin{cases} \frac{d\boldsymbol{e}_t}{ds}=\kappa\boldsymbol{e}_n \\ \frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds} = \tau\boldsymbol{e}_b-\kappa\boldsymbol{e}_t \\ \frac{d\boldsymbol{e}_b}{ds}=-\tau\boldsymbol{e}_n \end{cases}</math> これを一次変換で表記すると以下のようになる。但し、厳密にはベクトルを成分としている部分は列ではなく行に配置するのが正しいことに注意。 {{定理|(フレネ=セレーの公式)}} :<math>\frac{d}{ds}\begin{pmatrix} \boldsymbol{e}_t \\ \boldsymbol{e}_n \\ \boldsymbol{e}_b \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 0 & \kappa & 0 \\ -\kappa & 0 & \tau \\ 0 & -\tau & 0 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} \boldsymbol{e}_t \\ \boldsymbol{e}_n \\ \boldsymbol{e}_b \end{pmatrix}</math> {{定理終わり}} 表現行列が反対称行列(歪対称行列)になっているが、これは「直交変換を一次近似すると反対称変換になる」という無限小回転の理論に対応する。 捩率を求めるときは「基底分解の係数は対応する基底ベクトルとの内積に等しい」という性質を利用すれば<math>\boldsymbol{e}_b\cdot\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}=\tau</math>となるので左辺を計算すればよい。 例えば、円<math>\begin{cases} x^2+y^2=a^2 \\ z=b \end{cases}</math>の曲率と捩率は以下のように求まる。 :媒介変数表示して<math>\boldsymbol{r}(t)=\begin{pmatrix} a\cos t \\ a\sin t \\ b \end{pmatrix}</math> :接線ベクトルは<math>\frac{d\boldsymbol{r}(t)}{dt}=\begin{pmatrix} -a\sin t \\ a\cos t \\ 0 \end{pmatrix}</math> :弧長パラメータ<math>s</math>は<math>s=\int^t_0 \left\|\frac{d\boldsymbol{r}(t)}{dt}\right\|dt = \int_0^t a dt = at</math> :<math>\therefore t=\frac{s}{a}</math> :<math>\boldsymbol{r}(s)=\begin{pmatrix} a\cos\frac{s}{a} \\ a\sin\frac{s}{a} \\ b \end{pmatrix}</math> :<math>\boldsymbol{t}=\frac{d\boldsymbol{r}(s)}{ds}=\begin{pmatrix} -\sin\frac{s}{a} \\ \cos\frac{s}{a} \\ 0 \end{pmatrix}</math> :<math>\boldsymbol{n}=\frac{d\boldsymbol{t}(s)}{ds}=\frac{1}{a}\begin{pmatrix} -\cos\frac{s}{a} \\ -\sin\frac{s}{a} \\ 0 \end{pmatrix}</math> :<math>\kappa=\|\boldsymbol{n}\|=\frac{1}{a}</math> :<math>\boldsymbol{b}=\boldsymbol{t}\times\boldsymbol{n} = \begin{pmatrix} 0 \\ 0 \\ \frac{1}{a} \end{pmatrix}</math> :<math>\boldsymbol{e}_n=\begin{pmatrix} -\cos\frac{s}{a} \\ -\sin\frac{s}{a} \\ 0 \end{pmatrix}</math> :<math>\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}=\frac{1}{a}\begin{pmatrix} \sin\frac{s}{a} \\ -\cos\frac{s}{a} \\ 0 \end{pmatrix}</math> :<math>\boldsymbol{e}_b = \begin{pmatrix} 0 \\ 0 \\ 1 \end{pmatrix}</math> :<math>\tau = \begin{pmatrix} 0 \\ 0 \\ 1 \end{pmatrix}\cdot\frac{1}{a}\begin{pmatrix} \sin\frac{s}{a} \\ -\cos\frac{s}{a} \\ 0 \end{pmatrix}=0</math>// フレネ・セレーの公式は[[線型代数学続論/行列値関数|行列関数]]に関する一階常微分方程式である。そのため、微分方程式の基本定理(ピカール=リンデレーエフの定理)により初期条件(<math>s=0</math>に於けるフレネ標搆)を与えれば、滑らかな曲率関数・捩率関数の組<math>(\kappa, \tau)</math>を定めることで微分方程式の解として一般の<math>s</math>に対するフレネ標搆を一意に得る。このとき、曲線<math>C:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(s)</math>は接ベクトルを出発点を選んで積分することで決定される。 従って、次の定理が成り立つ<!-- 厳密証明はhttps://sshmathgeom.private.coocan.jp/diffgeom/curvetheorem.htmlを参照 -->。 {{定理|(曲線の基本定理)}} 開区間<math>(a,b)</math>上の実数<math>s</math>を変数とする2つの滑らかな関数<math>\kappa(s),\tau(s)</math>を与える。但し、<math>\kappa(s)</math>は正とする。<br/> このとき、<math>\kappa(s)</math>を曲率、<math>\tau(s)</math>を捩率、<math>s</math>を弧長パラメータとする三次元空間上の曲線<math>C</math>が剛体運動を除いて一意に定まる。 {{定理終わり}} 剛体運動とは「曲線の形を変えない」運動のことである(平行移動・回転など)。 <math>\kappa(s), \tau(s)</math>の定める曲線族を一般に<math>\mathcal{C}[\kappa, \tau]</math>と書く。 例えば、円を含む螺旋は<math>c_1, c_2=\mathrm{const}.</math>として<math>\mathcal{C}[c_1, c_2]</math>と書ける。 <math>R=\frac{1}{\kappa}</math>を'''曲率半径'''という。曲率半径は曲線の特定のカーブにおける曲がり具合の急さを表す指標であり、カーブを近似する真円('''密着円''')の半径でもある。高速道路の標識で<math>R=\circ\circ \mathrm{m}</math>は、そのカーブの曲率半径を示している。道路設計では、快適なドライブの為曲率半径がなるべく大きくなるように工夫を凝らしている。 ここで<math>\boldsymbol{r}(s)</math>の中心<math>s_0</math>に於けるテイラー展開は :<math>\boldsymbol{r}(s)=\sum_{i=0}^\infty \frac{(s-s_0)^i}{i!} \frac{d^i}{ds^i}\boldsymbol{r}(s_0) </math>(再掲) だったが、二次近似式(三次以降を切り捨てた式)を考えると :<math>\boldsymbol{r}(s) \fallingdotseq \boldsymbol{r}(s_0)+\frac{d\boldsymbol{r}(s_0)}{ds}(s-s_0) + \frac{1}{2}\frac{d^2\boldsymbol{r}(s_0)}{ds^2}(s-s_0)^2 </math> フレネ標搆を用いて書き直すと :<math>\boldsymbol{r}(s) \fallingdotseq \boldsymbol{r}(s_0)+\boldsymbol{e}_t(s-s_0) + \frac{1}{2}\kappa(s_0)\boldsymbol{e}_n(s-s_0)^2 </math> 二次近似とは「曲線を円弧で近似する」ことだったので曲率<math>\kappa(s_0)</math>が近似に用いる円弧と関係ある量であることが予想される。<br/> 接触平面で密着円<math> \| \boldsymbol{r} - (\boldsymbol{r}(s_0)+R\boldsymbol{e}_n) \| = R </math>を考える。接触平面を<math>xy</math>平面と考えると円の方程式は :<math>x^2+(y-R)^2=R^2</math> :<math>y=R-\sqrt{R^2-x^2}</math> テイラー展開して :<math>y=\frac{x^2}{2R}+O(x^4)</math> 二次の項を比較すると :<math>\frac{x^2}{2R}=\frac{(s-s_0)^2}{2}\kappa</math> よって :<math>R=\frac{1}{\kappa}</math> と定義するのは妥当である。 なお、先ほど求めた円の曲率から、真円に関して「曲率半径=半径」であることが判る。 フレネ・セレーの公式で最初の二行二列のみを考えると<math>\mathbb{R}^2</math>内の曲線に対するフレネ・セレーの公式を得る。一般に<math>\mathbb{R}^n</math>上の曲線に対し、今回の議論と同様にして接ベクトル・主法線ベクトル・曲率を定義することができる。但し、三次元空間と異なって同じ曲率に対して異なる曲線を与えることができる(主法線ベクトルが接触平面内で接ベクトルに対して左右どちらを向くかがそのままでは定まらないため)。なお、4次元以上であっても平面拘束曲線ならば捩率は0であって従法線ベクトルは零ベクトルに定まる。 ===単純閉曲線=== パラメータ区間を<math>I=[a, b]</math>とする。 このとき、曲線の端点はそれぞれ<math>\mathrm{P}(a), \mathrm{P}(b)</math>である。 端点が一致する、つまり<math>\mathrm{P}(a)=\mathrm{P}(b)</math>である連続曲線を'''閉曲線'''という。 自己交叉しない、つまり<math>\forall t_1, t_2 \in (a, b), t_1 \neq t_2 \iff \mathrm{P}(t_1)\neq\mathrm{P}(t_2)</math>となる閉曲線を'''単純閉曲線'''(ジョルダン曲線)という。閉曲線でない曲線に就いて「自己交叉しない」という条件は「曲線を表すベクトル関数が単射」と同値であるので、端点のみ単射性を外してやれば単純閉曲線の定義を得る。 幾何学的直観から、平面に拘束された単純閉曲線はその平面を単純閉曲線で囲まれた'''内部'''とそうでない'''外部'''の二つの領域に分割することが予想できる。 このことは以下の定理によって保証される。 {{定理|(ジョルダンの曲線定理)}} 平面<math>\Pi\subset\mathbb{R}^n</math>内の任意の単純閉曲線<math>\gamma</math>に対し、有界領域<math>I</math>・非有界領域<math>O</math>の組であって<math>\Pi\setminus\gamma=I \sqcup O</math>且つ<math>\partial{I}=\partial{O}=\gamma</math>であるものが唯一つに定まる。 {{定理終わり}} この<math>I, O</math>をそれぞれ内部・外部と定義する。証明は[[位相幾何学]]で行う。なお、「<math>\partial{I}=\partial{O}=\gamma</math>」を態々明示しているのは、滑らかでない単純閉曲線に対しては「<math>\Pi\setminus\gamma=I \sqcup O \implies \partial{I}=\partial{O}=\gamma</math>」が自明でないためである。 正則単純閉曲線に対して「曲線の向き」の幾何学的意味を考える。 ジョルダンの曲線定理より単純閉曲線<math>\gamma:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(s) \quad(\boldsymbol{r}\in \Pi)</math>は平面<math>\Pi</math>を内部<math>I</math>と外部<math>O</math>に分割する。平面拘束曲線なので<math>\forall{s}, \tau(s)=0</math>であり、従法線ベクトルは零ベクトル且つ接触平面が常に<math>\Pi</math>に一致する。 主法線ベクトル<math>\boldsymbol{n}(s)</math>が接ベクトル<math>\boldsymbol{t}(s)</math>に対して左側を向いているとすると、<math>\boldsymbol{r}(s_0)+\varepsilon\boldsymbol{n}(s_0) \quad(\varepsilon>0)</math>が点<math>\mathrm{P}(s_0)</math>に於ける<math>\gamma</math>の進行方向左側にある点である。 ここで、<math>\mathrm{P}(s_0)</math>に於ける<math>\varepsilon</math>-開球<math>B_\varepsilon(s_0)</math>を考えると、平面<math>\Pi</math>上では<math>\boldsymbol{r}(s_0)+\varepsilon\boldsymbol{n}(s_0)</math>が左側の領域、<math>\boldsymbol{r}(s_0)+\varepsilon\boldsymbol{n}(s_0)</math>が右側の領域に入る。 <math>s=s_0</math>を動かすと各点で進行方向左は<math>I, O</math>のいずれかであり、<math>\gamma</math>の正則性と<math>I, O</math>の連結性から「<math>I, O</math>のどちらが左側であるかは曲線全体で変わらない」ことが言える。 ここで円の場合を考える。<math>\Pi</math>に直交座標<math>u, v</math>を入れると向心加速度の議論から「加速度ベクトル=主法線ベクトルは円の中心を向く」ので、「円の正の向きは円の内部を左手に見る進行方向」である。 任意の正則単純閉曲線<math>\gamma</math>に対して自己交叉を起こさないまま円へ連続変形する可逆写像が存在し、その変形に於いて「左側」と「<math>I, O</math>」の対応は変化しない。則ち、円で確認された「正の向きは囲まれた内部を左手に見る向き」は任意の正則単純閉曲線で成り立つ。 つまり、単純閉曲線の正の向きは点を動かしたときに'''自身の囲む領域の内部を左手に見る向き'''である。負の向きは左手に外部を見る向きである。 集合<math>A</math>に含まれる任意の2点に対してそれらを端点とする滑らかな曲線<math>C</math>をとれるとき、<math>A</math>は'''弧状連結'''であるという。 弧状連結集合<math>S</math>内の任意の閉曲線<math>\gamma</math>に対して1点に退化するような連続変形が可能なとき、<math>S</math>は'''単連結'''であるという。単連結でない集合は'''多重連結'''であるという。 平面<math>\Pi\subset\mathbb{R}^n</math>に含まれる単連結集合<math>S</math>に対し、<math>\hat{\Pi}:=\Pi\cup\{\infty\}</math>とすると集合<math>\hat{\Pi}\setminus{S}</math>は連結である。逆も成り立つ。 なお、「<math>A</math>が連結集合である」ことは「補集合<math>\overline{A}</math>が非連結集合である」ことを意味しない。そのため「単連結な連結集合」も考えられ、特に「単連結な領域」はこの先頻繁に登場する。 集合<math>A</math>に含まれる任意の2点を結んだ線分が<math>A</math>に包含されるとき、<math>A</math>は'''凸型'''であるという。凸型集合でない集合は'''凹型'''であるという。 集合<math>A</math>内の1点を固定してそこから<math>A</math>内任意点へ引いた線分が<math>A</math>に包含されるとき、<math>A</math>は'''星状'''(星型)であるという。このとき固定した点を'''星の中心'''という。凸型集合は全て星状集合である。 単純閉曲線<math>\gamma</math>を境界とする内部<math>I</math>に関して<math>I\cup\gamma</math>が凸型集合であるとき、<math>\gamma</math>を'''卵形線'''(凸単純閉曲線・オーヴァル)という。 曲線<math>C</math>の曲率関数<math>\kappa(s)</math>が<math>C^3</math>級であるとき、<math>\kappa'(s_0)=0</math>を満たす点<math>\mathrm{P}(s_0)</math>を<math>C</math>の'''頂点'''という。 例えば、標準楕円<math>\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}=1</math>の頂点は4点<math>(\pm{a},0),(0,\pm{b})</math>である。このことは、<math>\mathbb{R}^2</math>上曲線<math>C:\boldsymbol{r}=x(t)\boldsymbol{e}_x(t)+y(t)\boldsymbol{e}_y(t)</math>に対する曲率の公式<math>\kappa(t)=\frac{\left|\frac{dx}{dt}\frac{d^2y}{dt^2}-\frac{dy}{dt}\frac{d^2x}{dt^2}\right|}{\left\{\left(\frac{dx}{dt}\right)^2+\left(\frac{dy}{dt}\right)^2\right\}^\frac{3}{2}}</math>と<math>\frac{ds}{dt}>0</math>を用いて確かめられる。 実は、この事実は楕円に限らないことが以下の定理で示される。 {{定理|(ムコパディヤーヤの定理・四頂点定理)}} <math>\mathbb{R}^2</math>上の滑らかな卵形線は少なくとも4つの頂点を持つ。 {{定理終わり}} *証明 :滑らかな卵形線<math>C:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(s)\quad(s\in[a, b])</math>に対して曲率関数<math>\kappa(s)</math>は滑らかであり、<math>\kappa\in C^3</math>を満たす。 :卵形線は単純閉曲線なので<math>\mathrm{P}(a)=\mathrm{P(b)}</math>であり、<math>\kappa(a)=\kappa(b)</math>。 :曲率関数が定数関数のときは<math>\kappa\in C^\infty</math>且つ常に<math>\kappa'(s)=0</math>なので曲線を構成するすべての点が頂点であり、明らかに定理を満たす。 :曲率関数が定数関数でないとする。 :ワイエルシュトラスの極値定理より<math>\kappa(s)</math>は<math>s\in[a, b]</math>のどこかで最大値・最小値をとり、その点で<math>\kappa'(s)=0</math>を満たす。 :従って少なくとも2つの頂点を持つ。 :ここで、頂点がこの2つのみと仮定する。 :曲率が最大値・最小値をとる点をそれぞれ<math>\mathrm{M, N}</math>と置く。 :線分<math>\mathrm{MN}</math>を含む直線を<math>x</math>軸とし、その垂直方向に<math>y</math>軸をとる。 :<math>s</math>が増加すると曲線上の点が<math>\mathrm{N}\to\mathrm{M}</math>のように動くとき、 :<math>\kappa(s)</math>は最小値から最大値に向かって増大し、他に頂点がないので狭義単調増加である。 :同様に、<math>\mathrm{M}\to\mathrm{N}</math>の向きでは<math>\kappa(s)</math>は狭義単調減少である。 :従って、<math>\kappa'(s)y(s)\neq0</math>の正の側だけ考えれば良い。 :<math>y(a)=y(b)=0</math>に注意すると部分積分して :<math>0<\int_a^b \kappa'(s)y(s)ds=-\int_a^b \kappa(s)y'(s)ds</math> :主法線ベクトル<math>\boldsymbol{n}(s)= \begin{pmatrix} \xi_1(s) \\ \xi_2(s) \end{pmatrix}</math>を考えると二次元版フレネ=セレーの公式から<math>\frac{d\boldsymbol{n}}{ds}=-\kappa\frac{d\boldsymbol{r}}{ds}</math>なので :<math>\xi'_2(s)=-\kappa(s)y'(s)</math> :よって :<math>-\int_a^b \kappa(s)y'(s)ds=\int_a^b \xi_2(s)ds = \left[\xi_2(s)\right]_a^b=0</math> :なので矛盾した不等式<math>0<0</math>を得る。 :則ち、<math>\mathrm{M, N}</math>と異なる点で<math>\kappa'(s)=0</math>を満たす点が少なくとも一つ存在する。 :そのような点を<math>\mathrm{L}</math>と置く。 :<math>\mathrm{L}</math>が<math>\mathrm{N}\to\mathrm{M}</math>という経路の途中にあるとする。 :このとき、<math>\mathrm{L}</math>以外に<math>\kappa'(s)=0</math>を満たす点が存在すると「<math>\mathrm{M}\to\mathrm{N}</math>という経路の途中にそのような点が無い」という最初の仮定に反するので :<math>\mathrm{M, N, L}</math>以外では<math>\kappa'(s)y(s)>0</math>である。 :同様に部分積分を行うことで矛盾した不等式を得、<math>\mathrm{M, N, L}</math>と異なる点で<math>\kappa'(s)=0</math>を満たす点が少なくとも一つ存在することが判る。 :この時点で「<math>\mathrm{M, N}</math>間の二つの経路のいずれにも<math>\kappa'(s)=0</math>を満たす点が存在しない」という仮定が否定されたのでこれ以上背理法を適用することはできない。 :よって、頂点個数の最小値は<math>4</math>である。// 最小値4をとる卵形線が実際に存在することは楕円の例で確かめた。 この定理は「卵形線」を「(正則)単純閉曲線」に取り換えてもそのまま成り立つことが知られている。一般の閉曲線でこの定理を成り立たせるには追加の条件が必要となる。 先程も述べたように、接ベクトルと単位主法線ベクトルは2次元以上の空間内部にある曲線ならば定義することができる。そして、<math>\boldsymbol{t}\cdot\boldsymbol{n}=0</math>も必ず成り立つ。よって、<math>\boldsymbol{e}_t\cdot\boldsymbol{e}_n=0</math>の両辺を<math>s</math>で微分して :<math>\frac{d\boldsymbol{e}_t}{ds}\cdot\boldsymbol{e}_n+\boldsymbol{e}_t\cdot\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}=0</math> :<math>\therefore \boldsymbol{e}_t\cdot\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}=-\boldsymbol{n}\cdot\boldsymbol{e}_n=-\kappa</math> ここで「基底分解に於ける成分はその基底との内積に等しい」という性質から、<br/> 一般次元に於いても「<math>\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}</math>の接線方向成分は<math>-\kappa(s)</math>」であることが判る。 ここで<math>C^2</math>級曲線の位置ベクトル<math>\boldsymbol{r}(s)</math>に対して単位主法線<math>\boldsymbol{e}_n(s)</math>を対応させることを考える。この対応を'''ガウス表示'''という。 <math>\boldsymbol{e}_n(s)</math>を二次までテイラー展開すると<math>\Delta s>0</math>を微小量として :<math>\boldsymbol{e}_n(s+\Delta s)=\boldsymbol{e}_n(s)+\frac{d\boldsymbol{e}_n(s)}{ds}\Delta s + O(\Delta s^2)</math> ここで<math>\boldsymbol{e}_t\cdot\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}=-\kappa</math>より、<math>s</math>を<math>\Delta s</math>だけ動かしたときの接線方向の速さは<math>|\kappa(s)|\Delta s</math>である(<math>\kappa(s)</math>が正で正の向き、負で負の向きに動くとする)。 閉曲線に対してはガウス表示によって法線方向の変化を完全に捉えられるので、<math>\kappa(s)</math>を微小量<math>\Delta s</math>に関して積分した<math>\int_a^b \kappa(s)ds</math>を考えてみる。 ガウス表示では曲線を単位主法線ベクトルの描く単位円として考えることができる。閉曲線では<math>\mathrm{P}(a)=\mathrm{P}(b)</math>より明らかに<math>\boldsymbol{e}_n(a)=\boldsymbol{e}_n(b)</math>であり、閉曲線が一周する間にベクトル<math>\boldsymbol{e}_n(s)</math>はこの単位円を<math>m(\in\mathbb{Z})</math>周する<sup>※</sup>。 <small>※物理的には「円そのものが動いても円周上の質点は『この円をどっちの方向に何周したか』という情報しか持たない」ので、単位円が動くことは議論にあまり関係ない</small> 弧度法より単位円を<math>m</math>周する符号付き道のりは<math>2\pi{m}</math>であり、ガウス表示より<math>\int_a^b \kappa(s)ds=2\pi{m}</math>。 従って、<math>m=\frac{1}{2\pi}\int_a^b \kappa(s)ds</math> この<math>m</math>を閉曲線の'''回転数'''と呼ぶことにする。 曲率が負の場合には積分値が途中で相殺されてしまうので、絶対値を付けて積分した :<math>\mu:=\int_a^b |\kappa(s)|ds</math> という量を考えることにする。 これを閉曲線の'''全曲率'''と呼ぶ。 全曲率に対して以下の定理が成り立つ。 {{定理|(フェンヒェルの定理)}} 滑らかな閉曲線の全曲率は<math>\mu\geq2\pi</math>を満たす。等号成立の場合は卵形線である。 {{定理終わり}} 証明は省略する。 ===曲面=== 多変数解析で既に扱った、三次元空間に於ける曲面の陽関数表示<math>z=f(x, y)</math>を'''モンジュ表示'''という。<math>f(x, y, z)=\mathrm{const}.</math>と陰関数表示された曲面は陰関数定理が成り立つ範囲でモンジュ表示に直すことができる。 一次式で陰関数表示される曲面を'''一次曲面'''という。平面の方程式より、一次曲面は全て平面である。 二次式で陰関数表示される曲面を'''二次曲面'''という。 以下、三次元空間に於ける二次曲面の例を挙げる。各係数は非退化条件を満たすとする。なお、「直線に平行な平面」は「直線を法線とする平面に垂直な平面」を意味することに注意。 *'''球面'''(sphere) :高校数学で扱ったように、点<math>(a, b, c)</math>を中心とする半径<math>r</math>の球面の方程式は<math>(x-a)^2+(y-b)^2+(z-c)^2=r^2</math>である。この球面上の点の位置ベクトルは<math>\boldsymbol{r}=\begin{pmatrix} x \\ y \\ z \end{pmatrix}</math>なので、球面が満たすベクトル方程式は一般に<math>\|\boldsymbol{r}-\boldsymbol{a}\|=\mathrm{const}.</math>である。これは円のベクトル方程式の次元を上げたものである。 *'''楕円面'''(ellipsoid) :楕円の方程式を拡張した方程式<math>\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}+\frac{z^2}{c^2}=1</math>が表す曲面である。<math>xyz</math>空間の基本面で切った断面は全て楕円となる。 *'''楕円拋物面'''(elliptic paraboloid) :楕円の平面拘束条件を外した方程式<math>z=\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}</math>が表す曲面である。<math>z</math>軸に垂直な平面で切った断面は楕円、平行な平面で切った断面は拋物線となる。 *'''双曲拋物面'''(hyperbolic paraboloid) :双曲線の平面拘束条件を外した方程式<math>z=\frac{x^2}{a^2}-\frac{y^2}{b^2}</math>が表す曲面である。<math>z</math>軸に垂直な平面で切った断面は双曲線、平行な平面で切った断面は拋物線となる。また、原点は鞍点である。 *'''一葉双曲面'''(hyperboloid of one sheet) :楕円面の方程式の一つの項の符号を変えた<math>\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}-\frac{z^2}{c^2}=1</math>の表す曲面。<math>z</math>軸に垂直な平面で切った断面は楕円、平行な平面で切った断面は双曲線となる。 *'''二葉双曲面'''(hyperboloid of two sheet) :楕円面の方程式の二つの項の符号を変えた<math>\frac{x^2}{a^2}-\frac{y^2}{b^2}-\frac{z^2}{c^2}=1</math>の表す曲面。断面の分類は一葉双曲面と同じだが、<math>m^2<c^2</math>のときは平面<math>z=m</math>と交わらないため「二葉」と名付けられている。 *'''錐面'''(conical surface) :方程式<math>\frac{z^2}{c^2}=\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}</math>の表す曲面。<math>xy</math>平面との交点は原点のみであり、<math>yz</math>平面・<math>zx</math>平面で切った断面は直線である。 閉区間<math>I\subset\mathbb{R}</math>上の一変数ベクトル関数<math>\boldsymbol{r}(t)</math>を用いたベクトル方程式<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t) \quad(t\in I)</math>の解集合は次元に依らず曲線を表した。 同様に、領域<sup>※</sup><math>D\subset\mathbb{R}^2</math>上の二変数ベクトル関数<math>\boldsymbol{r}(t, u)</math>を用いたベクトル方程式<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t, u) \quad({\scriptstyle\left(\begin{array}{c} t \\[-6pt] u \end{array}\right)}\in D)</math>の解集合は次元に依らず曲面を表すと考えられる。 厳密には[[線型代数学/基底と次元|階数・退化次数の定理]]<!-- 次元定理・線型写像の基本定理 -->などを用いてこのことを確かめられる。 <small>※ここでいう「領域」は冒頭で厳密に定義した「領域」であることに注意。</small> 曲線と同様に、曲面の'''パラメータ表示'''と'''ベクトル表示'''は次のように定義される。 :パラメータ表示:<math>\begin{cases} x_1&=&r_1(t, u) \\ x_2&=&r_2(t, u) \\ &\,\,\vdots& \\ x_n&=&r_n(t, u) \end{cases}</math> :ベクトル表示:<math>\left\{\boldsymbol{r}(t, u) \,\bigg|\, {\scriptstyle\left(\begin{array}{c} t \\[-6pt] u \end{array}\right)} \in D \right\}</math> また、<math>S:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t, u)</math>のようにも表す。 例えば、<math>k>l>0</math>として<math>\boldsymbol{r}(t, u)=\begin{pmatrix} (k+l\cos u)\cos t \\ (k+l\cos u)\sin t \\ l\sin u \end{pmatrix} \quad(D=\left\{ \begin{pmatrix} t \\ u \end{pmatrix} \bigg| \begin{array}{c} 0 \leq t \leq 2\pi \\ 0 \leq u \leq 2\pi \end{array} \right\})</math>は'''トーラス'''のベクトル表示である。 <math>\mathbb{R}^3</math>上の平面の方程式は高校数学に於いて<math>\begin{pmatrix} a \\ b \\ c \end{pmatrix}\neq\boldsymbol{0}</math>として一次式<math>ax+by+cz+d=0</math>と表せることを学んだ。 これのベクトル方程式を求めてみよう。 :①<math>c=0</math>のとき ::平面の方程式は<math>\begin{cases} ax+by+d=0 \\ z=\mathrm{const}. \end{cases}</math> ::[1]<math>b=0</math>のとき :::平面の方程式は<math>\begin{cases} ax+d=0 \\ y=\mathrm{const}. \\ z=\mathrm{const}. \end{cases}</math> :::<math>\begin{pmatrix} a \\ b \\ c \end{pmatrix}\neq\boldsymbol{0}</math>より<math>a\neq0</math> :::<math>y=t, z=u</math>と置換すると :::<math>\begin{pmatrix} x \\ y \\ z \end{pmatrix}=\begin{pmatrix} -\frac{d}{a} \\ t \\ u \end{pmatrix}</math> :::<math>\boldsymbol{r} = t\begin{pmatrix} 0 \\ 1 \\ 0 \end{pmatrix}+u\begin{pmatrix} 0 \\ 0 \\ 1 \end{pmatrix}+\begin{pmatrix} -\frac{d}{a} \\ 0 \\ 0 \end{pmatrix}</math> ::[2]<math>b\neq0</math>のとき :::<math>x=t, z=u</math>と置換すると :::<math>\begin{pmatrix} x \\ y \\ z \end{pmatrix}=\begin{pmatrix} t \\ -\frac{a}{b}t-\frac{d}{b} \\ u \end{pmatrix}</math> :::<math>\boldsymbol{r} = t\begin{pmatrix} 1 \\ -\frac{a}{b} \\ 0 \end{pmatrix}+u\begin{pmatrix} 0 \\ 0 \\ 1 \end{pmatrix}+\begin{pmatrix} 0 \\ -\frac{d}{b} \\ 0 \end{pmatrix}</math> :②<math>c\neq0</math>のとき ::<math>x=t, y=u</math>と置換すると ::<math>\begin{pmatrix} x \\ y \\ z \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} t \\ u \\ -\frac{a}{c}t-\frac{b}{c}u-\frac{d}{c} \end{pmatrix}</math> ::<math>\boldsymbol{r}=t\begin{pmatrix} 1 \\ 0 \\ -\frac{a}{c} \end{pmatrix}+u\begin{pmatrix} 0 \\ 1 \\ -\frac{b}{c} \end{pmatrix} + \begin{pmatrix} 0 \\ 0 \\ -\frac{d}{c} \end{pmatrix}</math> なお、ここから平面のベクトル方程式が一般に<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{a}+t\boldsymbol{b}+u\boldsymbol{c}</math>という「直線のベクトル方程式を拡張した形」であることがわかる。 <math>\boldsymbol{r}(t, u)\in C^1</math>且つ<math>\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}, \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}\neq\boldsymbol{0}</math>である曲面を'''滑らか'''な曲面という。 曲面<math>S:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t, u)</math>とその上の点<math>\mathrm{P}_0=(a, b)</math>に対し、曲線<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(a, u), \boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t, b)</math>をそれぞれ点<math>\mathrm{P}_0</math>に於ける'''<math>t</math>曲線'''・'''<math>u</math>曲線'''という。 <math>\boldsymbol{r}(t, u)\in C^1</math>であるとき、偏導関数の定義から :<math>\frac{\partial}{\partial{u}}\boldsymbol{r}(a, u)=\frac{d}{du}\boldsymbol{r}(a, u)</math> :<math>\frac{\partial}{\partial{t}}\boldsymbol{r}(t, b)=\frac{d}{dt}\boldsymbol{r}(t, b)</math> ここで<math>a, b</math>をそれぞれ<math>t</math>軸・<math>u</math>軸上で動かすことで<math>t</math>曲線・<math>u</math>曲線の接ベクトルがそれぞれ<math>\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}, \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}</math>であると判る。これらを曲面のパラメータ方向の'''接ベクトル'''という。 これらの接ベクトルが平行でないとき、曲面<math>S</math>上の任意の点<math>\mathrm{P}</math>に対して<math>\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}, \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}</math>の張る平面が定まる。これを曲面<math>S</math>の点<math>\mathrm{P}</math>に於ける'''接平面'''という。曲線の接線は一次元ベクトル空間<math>\left\{ \xi\frac{d\boldsymbol{r}}{dt} \bigg| \xi \in\mathbb{R} \right\}</math>で表されたが、曲面の接平面は二次元ベクトル空間<math>\left\{ \xi\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}+\eta\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}} \bigg| \xi, \eta \in \mathbb{R} \right\}</math>で表される。このような接ベクトル全体が張るベクトル空間を一般に'''接空間'''と呼ぶ。 接ベクトルの組が一次独立である曲面を'''正則'''な曲面という。滑らかな曲面は正則曲面である。 曲面<math>S</math>の接平面に垂直なベクトルを<math>S</math>の'''法線ベクトル'''という。 三次元空間ならば接平面を張る2ベクトルの外積<math>\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}} \times \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}</math>で求められる。 モンジュ表示された曲面<math>S:z=f(x, y)</math>に対して接平面の存在性(つまり曲面の正則性)は「二変数関数<math>f</math>の全微分可能」に対応した。ベクトル表示された曲面<math>S:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t, u)</math>に対しては「ベクトル関数<math>\boldsymbol{r}</math>の全微分可能性」だけでは足りず、「ヤコビ行列<math>\frac{\partial{(\boldsymbol{r})}}{\partial{(t, u)}}</math>の階数が2」も要求される。 以下、正則曲面のみ扱う。 <math>\boldsymbol{r}(t, u)</math>の微小変化は全微分で与えられる。 :<math>d\boldsymbol{r}=\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}dt+ \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}du</math> 則ち、各パラメータを同時に<math>\begin{pmatrix} t \\ u \end{pmatrix}\to\begin{pmatrix} t+dt \\ u+du \end{pmatrix}</math>と単調に動かしたとき、対応する曲面上の点が描く領域は2ベクトル<math>\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}dt, \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}du</math>の張る微小平行四辺形として近似できる。その微小面積は線型代数の内容から :<math>\sqrt{ \left\| \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}dt \right\|^2 \left\| \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}du \right\|^2 - \left\{ \left(\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}dt\right)\cdot\left(\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}du\right) \right\}^2 }=\sqrt{\left\| \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}} \right\|^2\left\|\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}\right\|^2 - \left( \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}\cdot\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}} \right)^2 } dtdu</math> である。 これを領域<math>D=\mathrm{dom}\,S</math>で重積分してやれば曲面の表面積('''曲面積''')が求まると考えられる。 {{定理|(曲面積)}} <math>E := \left\| \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}} \right\|^2,\quad F := \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}\cdot\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}},\quad G := \left\|\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}\right\|^2</math>とすると、<br> 曲面<math>S:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t, u)</math>の領域<math>D</math>に於ける曲面積は :<math>S=\iint_D \sqrt{EG-F^2}dtdu</math> {{定理終わり}} この<math>E, F, G</math>を<math>S</math>の'''第一基本量'''と呼ぶ。また、<math>dS:=\sqrt{EG-F^2}dtdu</math>を'''面素'''(面積素・面積要素)と呼ぶ。 <math>t, u</math>が共通のパラメータ<math>\theta</math>で媒介変数表示されるとき、曲面は曲線に退化するので線素を考えられる。 具体的には、 :<math>dl=\left\|\frac{d\boldsymbol{r}}{d\theta}\right\|d\theta</math> より :<math>\left\|\frac{d\boldsymbol{r}}{d\theta}\right\|^2=\frac{d\boldsymbol{r}}{d\theta}\cdot\frac{d\boldsymbol{r}}{d\theta}</math> ここで合成関数の常微分公式より :<math>\frac{d\boldsymbol{r}}{d\theta}=\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}\frac{dt}{d\theta}+ \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}\frac{du}{d\theta}</math> なので :<math>\frac{d\boldsymbol{r}}{d\theta}\cdot\frac{d\boldsymbol{r}}{d\theta}=\left\|\frac{d\boldsymbol{r}}{dt}\right\|^2\left(\frac{dt}{d\theta}\right)^2+2\left(\frac{d\boldsymbol{r}}{dt}\cdot\frac{d\boldsymbol{r}}{du}\right)\frac{dt}{d\theta}\frac{du}{d\theta}+\left\|\frac{d\boldsymbol{r}}{du}\right\|^2\left(\frac{du}{d\theta}\right)^2</math> :<math>=E\left(\frac{dt}{d\theta}\right)^2+2F\frac{dt}{d\theta}\frac{du}{d\theta}+G\left(\frac{du}{d\theta}\right)^2</math> よって :<math>dl=\sqrt{E\left(\frac{dt}{d\theta}\right)^2+2F\frac{dt}{d\theta}\frac{du}{d\theta}+G\left(\frac{du}{d\theta}\right)^2}d\theta=\sqrt{E(dt)^2+2Fdtdu+G(du)^2}</math> このように、線素は<math>\theta</math>のとり方に依存しない。 そこで、最後の式で右辺を二乗した :<math>I:=E(dt)^2+2Fdtdu+G(du)^2</math> を<math>S</math>の'''第一基本形式'''と定める。 第一基本形式は二次形式になっていることが見て取れるので、<math>\boldsymbol{v}:=\begin{pmatrix} dt \\ du \end{pmatrix}, \mathbf{K}:=\begin{pmatrix} E & F \\ F & G \end{pmatrix}</math>とおくと :<math>I={}^t\!\boldsymbol{v} \mathbf{K} \boldsymbol{v}</math> と行列表示できる。 ここで<math>I=dl^2>0</math>なので<math>\mathbf{K}</math>は正定値行列である。 また、<math>\boldsymbol{x}_i=\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}, \boldsymbol{x}_j=\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}</math>と置いて第一基本量の定義を思い返してみると<math>\mathbf{K}_{ij}=\boldsymbol{x}_i \cdot \boldsymbol{x}_j</math>なのでこの行列は接ベクトルに関するグラム行列である。この意味でも、<math>\mathbf{K}</math>は正定値行列である。 また、面素の式で根号の中身が<math>\det\mathbf{K}</math>に等しいことも判る。 則ち、第一基本量が曲面の本質であると予想される。 <math>F=0 \land E=G=\lambda</math>であるとき、<math>\mathbf{K}=\lambda\mathbf{E}_2</math>である。このときのパラメータの組<math>(u, v)</math>を曲面の'''等温座標系'''という。 等温座標系で表示された曲面<math>S</math>に対し、第一基本形式は<math>I=\lambda(dt^2+du^2)</math>と二次形式の標準形となっている。則ち、等温座標系へのパラメータ変換は主軸変換である。 面素を考えると<math>dS=\lambda^2dtdu</math>と非常に単純な形となるほか、曲面上の角度計算が平面の場合と全く同じ式で与えられることも等温座標系の利点である。 曲面<math>S</math>上の各点<math>\mathrm{P}</math>に対して単位法線ベクトル<math>\boldsymbol{n}(\mathrm{P})</math>を考える。ベクトル表示の定義域<math>D</math>でベクトル場<math>\boldsymbol{n}(\mathrm{P})</math>が連続であるとき、<math>S</math>は'''向き付け可能'''であるという。 向き付け不能な曲面の例として<math>\boldsymbol{r}(t, u)=\begin{pmatrix} (u\cos t+2)\sin 2t \\ (u\cos t+2)\cos 2t \\ u\sin t \end{pmatrix} \quad(D=\left\{ \begin{pmatrix} t \\ u \end{pmatrix} \bigg| \begin{array}{c} 0 \leq t \leq \pi \\ -1 \leq u \leq 1 \end{array} \right\})</math>と表される'''メビウスの帯'''が挙げられる。 メビウスの帯が向き付け不能である証明を概説する。 :接ベクトルをそれぞれ求める。簡単のため<math>u=0</math>として考える。単位法線ベクトルは外積を正規化して得るが、向きの取り方で正負の符号が付く。どちらの符号を採用するにしろ<math>\boldsymbol{n}(\boldsymbol{r}(0, 0))\neq\boldsymbol{n}(\boldsymbol{r}(\pi, 0))</math>を得、<math>\boldsymbol{r}(0, 0)=\boldsymbol{r}(\pi, 0)</math>より同じ点に対して異なる法線ベクトルを出力するので<math>\boldsymbol{n}(\mathrm{P})</math>はwell-definedではなく、向き付け可能性の定義を満たさない。// 四次元以上の空間では法線ベクトルの方向を複数とれるため法線ベクトル場は扱いにくい。そこで、法線ベクトルに依らない定義を考えたい。 2つの滑らかな曲面<math>S_1, S_2</math>が以下を満たすとき、 #パラメータ<math>(t_1, u_1), (t_2, u_2)</math>の間に滑らかな全単射<math>\begin{cases}t_2 =\phi(t_1, u_1) \\ u_2=\psi(t_1, u_1) \end{cases}</math>が存在する。 #この変数変換のヤコビ行列<math>\frac{\partial{(\phi, \psi)}}{\partial{(t_1, u_1)}}</math>が正則。 #<math>\boldsymbol{r}_1(t_1, u_1)=\boldsymbol{r}_2(t_2, u_2)</math> この2つは'''パラメータ変換で同値'''という。 このとき、ヤコビアンが正であるパラメータの組は'''同じ向き'''、負であるパラメータの組は'''逆向き'''であるという。 任意の<math>(t_1, u_1)</math>に対して開近傍<math>U \subset \mathrm{dom}\,S_1</math>をとったとき、どの<math>U</math>上でも<math>\det\frac{\partial{(\phi, \psi)}}{\partial{(t_1, u_1)}}>0</math>を満足するならば<math>S_1</math>は'''向き付け可能'''という。 向き付け可能な曲面の接空間に対して右手系を成すような向きの法線ベクトルを'''外向き法線ベクトル'''と呼ぶ。 外向き法線の向く側を曲面の'''表'''、その反対側を曲面の'''裏'''と定義する。 <math>\partial{S}=\varnothing</math>を満たす正則曲面<math>S</math>を'''閉曲面'''という。ジョルダンの曲線定理を拡張した定理('''ジョルダン・ブラウワーの分離定理''')によって閉曲面が空間を内部・外部に分割することが保証される。内部に面する向きを閉曲面の裏、外部に面する向きを閉曲面の表と定義する。 パラメータ空間の座標軸の向きの組み合わせが<math>xy</math>平面と同じとき、外向き法線で定義される閉曲面の表裏は内部・外部から定義される表裏に一致する。 ===回転面=== ここでは三次元空間内の曲面について考える。 高校数学で回転体を扱ったが、領域の回転体の表面である曲面は元の領域の疆界である単純閉曲線を軸に関して回転したものである。そこで、平面上の任意の曲線を回転すると曲面('''回転面''')を得ると考えられる。 簡単な場合として、<math>x\geq0</math>で定義された<math>zx</math>平面上の曲線<math>z=f(x)</math>を<math>y</math>軸に関して回転させた回転面を考える。 :任意の<math>k\in[0,\infty)</math>に関して曲線上の点は<math>\begin{pmatrix} x \\ z \end{pmatrix}=\begin{pmatrix} k \\ f(k)\end{pmatrix}</math>と与えられる。 :領域<math>\left\{ {\scriptstyle\left(\begin{array}{c} x \\[-6pt] z \end{array}\right)} \big| x \leq k \right\}</math>を<math>y</math>軸に関して回転した回転体を平面<math>z=f(k)</math>で切った断面は半径<math>k</math>の閉円盤であり、疆界円周上の点を<math>\begin{pmatrix} x \\ y \\ f(k) \end{pmatrix}</math>とすると<math>k=\sqrt{x^2+y^2}</math>である。 :則ち回転体の疆界である回転面上の点<math>\begin{pmatrix} x \\ y \\ z \end{pmatrix}</math>は方程式<math>z=f(\sqrt{x^2+y^2})</math>を満たし、逆にこの方程式を満たす<math>\begin{pmatrix} x \\ y \\ z \end{pmatrix}</math>は回転面上にある。 纏めると以下のようになる。 {{定理|(回転面の方程式)}} <math>zx</math>平面上の曲線<math>z=f(x)\quad(x\geq0)</math>を<math>y</math>軸に関して回転させた回転面の方程式は :<math>z=f(\sqrt{x^2+y^2})</math> {{定理終わり}} <math>z</math>軸・<math>x</math>軸に関する回転面の方程式は変数を輪環の順に入れ替えることで得られる。 回転面に対し、元の曲線を'''母線'''という。 母線が直線である回転面は'''円錐'''である。 :<math>z=mx+n\quad(m\neq0,x\geq0)</math>とすれば<math>y</math>軸に関して回転した曲面の方程式は :<math>z=m\sqrt{x^2+y^2}+n</math> :<math>z-n = m\sqrt{x^2+y^2}</math> これを両辺二乗すると :<math>(z-n)^2=m^2x^2+m^2y^2</math> であり、錐面の方程式<math>\frac{z^2}{c^2}=\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}</math>を満たしていることがわかる。 回転軸が傾いている場合、<math>xyz</math>空間の回転行列<math>\mathbf{R}</math>を利用することで各軸に関する回転に帰着することもできるが、ここでは曲面のベクトル表示を扱ったのでベクトル方程式で回転を記述することを考えたい。 点<math>\mathrm{O}</math>から<math>\boldsymbol{r}</math>とそれに平行でない単位ベクトル<math>\boldsymbol{e}</math>が伸びており、そのなす角が<math>\theta</math>であるとする。<math>\boldsymbol{r}</math>の終点<math>\mathrm{P}</math>を含み<math>\boldsymbol{e}</math>を法線とする平面を<math>\Pi</math>、<math>\Pi</math>と直線<math>\{k\boldsymbol{e} \mid k>0\}</math>の交点を<math>\mathrm{N}</math>、<math>\mathrm{P}</math>を<math>\Pi</math>内で<math>\mathrm{N}</math>を中心として<math>\phi</math>回転した点を<math>\mathrm{Q}</math>、<math>\mathrm{NQ}</math>から<math>\mathrm{NP}</math>へ降ろした垂足を<math>\mathrm{R}</math>と置く。但し、回転角<math>\phi</math>の正の向きは<math>\boldsymbol{e}</math>を右螺子の進む向きとする方向に定める。 このとき、<math>\boldsymbol{r}</math>を<math>\boldsymbol{e}</math>に関して<math>\phi</math>だけ回転させたベクトル<math>\boldsymbol{r}'</math>は以下のように表される。 {{定理|(ロドリゲスの公式)}} :<math>\boldsymbol{r}'=\boldsymbol{r}\cos\phi+(\boldsymbol{r}\cdot\boldsymbol{e})\,\mathrm{versin}\,\phi\,\boldsymbol{e}-(\boldsymbol{r}\times\boldsymbol{e})\sin\phi</math> {{定理終わり}} *証明 :<math>\boldsymbol{r}'=\overrightarrow{\mathrm{OQ}}=\overrightarrow{\mathrm{ON}}+\overrightarrow{\mathrm{NR}}+\overrightarrow{\mathrm{RQ}}</math> :<math>\overrightarrow{\mathrm{ON}}</math>は<math>\boldsymbol{r}</math>の<math>\boldsymbol{e}</math>への正射影ベクトルなので ::<math>\overrightarrow{\mathrm{ON}}=\frac{\boldsymbol{r}\cdot\boldsymbol{e}}{\boldsymbol{e}\cdot\boldsymbol{e}}\boldsymbol{e}=(\boldsymbol{r}\cdot\boldsymbol{e})\boldsymbol{e}</math> :<math>\triangle\mathrm{NQR}</math>を考えると<math>\|\overrightarrow{\mathrm{NQ}}\|=\|\overrightarrow{\mathrm{NP}}\|</math>と<math>\|\overrightarrow{\mathrm{NR}}\|=\|\overrightarrow{\mathrm{NQ}}\|\cos\phi</math>及び<math>\overrightarrow{\mathrm{NR}}/\!\!/\overrightarrow{\mathrm{NP}}</math>より ::<math>\overrightarrow{\mathrm{NR}}=\overrightarrow{\mathrm{NP}}\cos\phi=(\overrightarrow{\mathrm{OP}}-\overrightarrow{\mathrm{ON}})\cos\phi=\{\boldsymbol{r}-(\boldsymbol{r}\cdot\boldsymbol{e})\boldsymbol{e}\}\cos\phi</math> :<math>\boldsymbol{r}\times\boldsymbol{e}</math>は外積の定義から<math>\overrightarrow{\mathrm{NP}}</math>を<math>\Pi</math>上で<math>-\phi</math>方向に<math>\frac{\pi}{2}</math>だけ回転させたベクトルになるので、 :<math>\boldsymbol{r}\times\boldsymbol{e}/\!\!/\overrightarrow{\mathrm{RQ}}</math>と<math>\|\overrightarrow{\mathrm{RQ}}\|=\|\overrightarrow{\mathrm{NQ}}\|\sin\phi</math>及び<math>\|\overrightarrow{\mathrm{NQ}}\|=\|\overrightarrow{\mathrm{NP}}\|</math>から ::<math>\overrightarrow{\mathrm{RQ}}=-(\boldsymbol{r}\times\boldsymbol{e})\sin\phi</math> :これらを足して ::<math>\boldsymbol{r}'=(\boldsymbol{r}\cdot\boldsymbol{e})\boldsymbol{e}+\{\boldsymbol{r}-(\boldsymbol{r}\cdot\boldsymbol{e})\boldsymbol{e}\}\cos\phi-(\boldsymbol{r}\times\boldsymbol{e})\sin\phi</math> ::<math>=\boldsymbol{r}\cos\phi+(\boldsymbol{r}\cdot\boldsymbol{e})(1-\cos\phi)\boldsymbol{e}-(\boldsymbol{r}\times\boldsymbol{e})\sin\phi</math> ::<math>=\boldsymbol{r}\cos\phi+(\boldsymbol{r}\cdot\boldsymbol{e})\,\mathrm{versin}\,\phi\,\boldsymbol{e}-(\boldsymbol{r}\times\boldsymbol{e})\sin\phi</math>// この証明ではベクトルの平行移動を用いているのでアフィン空間を前提とするが、この式そのものはアフィン構造に依存してないので一般のベクトル空間で成り立つ。 また、回転後のベクトルは母線のパラメータ<math>t</math>に加えて回転角<math>\phi</math>もパラメータとして有するので、<math>\boldsymbol{r}'(t, \phi)</math>という二変数ベクトル関数となって曲面を表すことになる。則ち、「曲線を回転すれば曲面を得る」という直感は正しい。 ロドリゲスの公式の応用として、例えば円錐のベクトル方程式が<math>\frac{(\boldsymbol{r}-\boldsymbol{p})\cdot\boldsymbol{a}}{\|\boldsymbol{r}-\boldsymbol{p}\|}=\mathrm{const}.</math>であることが導ける。 :円錐頂点の位置ベクトルを<math>\boldsymbol{p}</math>、軸ベクトルを<math>\boldsymbol{a}</math>、<math>\boldsymbol{a}</math>と角度<math>\alpha</math>をなす単位ベクトルを<math>\boldsymbol{v}</math>とする。このとき直線<math>\{k\boldsymbol{v}\mid k>0\}</math>が円錐の母線であり、母線と交わる向きである軸の法線ベクトルを<math>\boldsymbol{b}</math>とおく。 :ロドリゲスの公式より<math>\boldsymbol{v}</math>を<math>\boldsymbol{a}</math>の周りに<math>\theta</math>だけ回転させたベクトル<math>\boldsymbol{v}'</math>は ::<math>\boldsymbol{v}'=\boldsymbol{v}\cos\theta+(\boldsymbol{v}\cdot\boldsymbol{e}_a)\,\mathrm{versin}\,\theta\,\boldsymbol{e}_a-(\boldsymbol{v}\times\boldsymbol{e}_a)\sin\theta</math> :ここで<math>\boldsymbol{v}</math>を<math>\boldsymbol{a}, \boldsymbol{b}</math>方向に基底分解すると ::<math>\boldsymbol{v}=\cos\alpha\,\boldsymbol{e}_a+\sin\alpha\,\boldsymbol{e}_b</math> :なので、 ::<math>\boldsymbol{v}'=\cos\alpha\boldsymbol{e}_a+\sin\alpha\{\boldsymbol{e}_b\cos\theta+(\boldsymbol{e}_a\times\boldsymbol{e}_b)\sin\theta\}</math> :円錐上の点<math>\boldsymbol{r}</math>の位置ベクトルは頂点から母線方向に<math>\rho</math>だけ進むので ::<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{p}+\rho\boldsymbol{v}'</math> :であり、 ::<math>\boldsymbol{r}-\boldsymbol{p}=\rho\boldsymbol{v}'</math> :ここで<math>\|\boldsymbol{v}'\|=\|\boldsymbol{v}\|=1</math>より ::<math>\rho=\|\boldsymbol{r}-\boldsymbol{p}\|</math> :このベクトルと軸ベクトルの内積をとると ::<math>(\boldsymbol{r}-\boldsymbol{p})\cdot\boldsymbol{a}=\rho\boldsymbol{v}'\cdot\boldsymbol{a}</math> ::<math>=\rho\{\cos\alpha(\boldsymbol{e}_a\cdot\boldsymbol{a})+\sin\alpha\cos\theta(\boldsymbol{e}_b\cdot\boldsymbol{a})+\sin\alpha\sin\theta(\boldsymbol{e}_a\times\boldsymbol{e}_b)\cdot\boldsymbol{a}\}</math> :<math>\boldsymbol{e}_b, \boldsymbol{e}_a\times\boldsymbol{e}_b</math>とも<math>\boldsymbol{a}</math>に直交するので後ろの二項は消えて ::<math>(\boldsymbol{r}-\boldsymbol{p})\cdot\boldsymbol{a}=\rho\cos\alpha(\boldsymbol{e}_a\cdot\boldsymbol{a})=\|\boldsymbol{r}-\boldsymbol{p}\|\|\boldsymbol{a}\|\cos\alpha</math> :則ち ::<math>\frac{(\boldsymbol{r}-\boldsymbol{p})\cdot\boldsymbol{a}}{\|\boldsymbol{r}-\boldsymbol{p}\|}=\|\boldsymbol{a}\|\cos\alpha=\mathrm{const}.</math>// 円錐が先に与えられている場合は「<math>\boldsymbol{r}-\boldsymbol{p}</math>が母線の方向ベクトルなのは図より自明」とできるが、ここでは「母線が先に与えられて回転によって円錐が構成される」という立場を採ったのでロドリゲスの公式が効くのである。 ロドリゲスの公式で微小回転<math>d\phi</math>の場合を考える。 正弦関数・余弦関数の部分を1項目までテイラー展開して<math>\cos(d\phi)=1+O(d\phi^2), \sin(d\phi)= d\phi+O(d\phi^3)</math>なので<math>\mathrm{versin}(d\phi)=O(d\phi^2)</math>であり、 :<math>\boldsymbol{r}' = \boldsymbol{r}-(\boldsymbol{r}\times\boldsymbol{e})d\phi+O(d\phi^2)</math> ここで<math>d\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}'-\boldsymbol{r}</math>なので :<math>d\boldsymbol{r}=-(\boldsymbol{r}\times\boldsymbol{e})d\phi+O(d\phi^2)</math> 則ち、ベクトル関数の全微分は微小回転で近似される。 オーダー記法の項を無視して<math>\boldsymbol{\omega}=\frac{d\phi}{dt}\boldsymbol{e}</math>と置くと :<math>d\boldsymbol{r}=(d\phi\boldsymbol{e})\times\boldsymbol{r}</math> これの両辺を<math>dt</math>で割って :<math>\frac{d\boldsymbol{r}}{dt}=\boldsymbol{\omega}\times\boldsymbol{r}</math> これは剛体の速度公式である。 ロドリゲスの公式の一次変換表記を考える。 <math>\boldsymbol{r}=\begin{pmatrix} r_1 \\ r_2 \\ r_3 \end{pmatrix}, \boldsymbol{r}'=\begin{pmatrix} r'_1 \\ r'_2 \\ r'_3 \end{pmatrix}, \boldsymbol{e}=\begin{pmatrix} a \\ b \\ c \end{pmatrix}</math>とすると、 :<math>\begin{pmatrix} r'_1 \\ r'_2 \\ r'_3 \end{pmatrix}=\cos\phi\begin{pmatrix} r_1 \\ r_2 \\ r_3 \end{pmatrix}+(ar_1+br_2+cr_3)\mathrm{versin}\,\phi\begin{pmatrix} a \\ b \\ c \end{pmatrix} - \sin\phi \begin{pmatrix} cr_2-br_3 \\ ar_3-cr_1 \\ br_1-ar_2 \end{pmatrix}</math> :<math>=\begin{pmatrix} (\cos\phi + a^2\,\mathrm{versin}\,\phi) r_1 + (ab\,\mathrm{versin}\,\phi -c\sin\phi) r_2 + (ca\,\mathrm{versin}\,\phi + b\sin\phi) r_3 \\ (ab\,\mathrm{versin}\,\phi + c\sin\phi) r_1 + (\cos\phi + b^2\,\mathrm{versin}\,\phi) r_2 + (bc\,\mathrm{versin}\,\phi -a\sin\phi) r_3 \\ (ca\,\mathrm{versin}\,\phi - b\sin\phi) r_1 + (bc\,\mathrm{versin}\,\phi+ a\sin\phi) r_2 + (\cos\phi + c^2\,\mathrm{versin}\,\phi) r_3 \end{pmatrix}</math> :<math>=\begin{pmatrix} \cos\phi + a^2\,\mathrm{versin}\,\phi & ab\,\mathrm{versin}\,\phi -c\sin\phi & ca\,\mathrm{versin}\,\phi + b\sin\phi \\ ab\,\mathrm{versin}\,\phi + c\sin\phi & \cos\phi + b^2\,\mathrm{versin}\,\phi & bc\,\mathrm{versin}\,\phi -a\sin\phi \\ ca\,\mathrm{versin}\,\phi - b\sin\phi & bc\,\mathrm{versin}\,\phi+ a\sin\phi & \cos\phi + c^2\,\mathrm{versin}\,\phi \end{pmatrix} \begin{pmatrix} r_1 \\ r_2 \\ r_3 \end{pmatrix}</math> ここで<math>\mathrm{versin}\,\phi</math>を<math>1-\cos\phi</math>に戻して係数行列を<math>1, \cos\phi, \sin\phi</math>の項に分解してみると :<math>=\begin{pmatrix} a^2+(1-a^2)\cos\phi & ab-ab\cos\phi -c\sin\phi & ca-ca\cos\phi + b\sin\phi \\ ab-ab\cos\phi + c\sin\phi & b^2+(1-b^2)\cos\phi & bc-bc\cos\phi -a\sin\phi \\ ca-ca\cos\phi - b\sin\phi & bc-bc\cos\phi+ a\sin\phi & c^2+(1-c^2)\cos\phi \end{pmatrix} \begin{pmatrix} r_1 \\ r_2 \\ r_3 \end{pmatrix}</math> :<math>=\left\{ \begin{pmatrix} a^2 & ab & ca \\ ab & b^2 & bc \\ ca & bc & c^2 \end{pmatrix} + \cos\phi\begin{pmatrix} 1-a^2 & -ab & -ca \\ -ab & 1-b^2 & -bc \\ -ca & -bc & 1-c^2 \end{pmatrix} +\sin\phi\begin{pmatrix} 0 & -c & b \\ c & 0 & -a \\ -b & a & 0 \end{pmatrix} \right\} \begin{pmatrix} r_1 \\ r_2 \\ r_3 \end{pmatrix}</math> :<math>=\left[ \begin{pmatrix} a^2 & ab & ca \\ ab & b^2 & bc \\ ca & bc & c^2 \end{pmatrix} + \cos\phi \left\{ \begin{pmatrix} 1 & 0 & 0 \\ 0 & 1 & 0 \\ 0 & 0 & 1 \end{pmatrix}-\begin{pmatrix} a^2 & ab & ca \\ ab & b^2 & bc \\ ca & bc & c^2 \end{pmatrix} \right\} +\sin\phi\begin{pmatrix} 0 & -c & b \\ c & 0 & -a \\ -b & a & 0 \end{pmatrix} \right] \begin{pmatrix} r_1 \\ r_2 \\ r_3 \end{pmatrix}</math> ここで<math>\begin{pmatrix} a^2 & ab & ca \\ ab & b^2 & bc \\ ca & bc & c^2 \end{pmatrix}</math>は<math>\boldsymbol{e}</math>の<math>(i, j)</math>成分と<math>(j, i)</math>成分を掛けて並べた行列になっていることがわかる。これを<math>\boldsymbol{e}\otimes\boldsymbol{e}</math>と書くことにする。<math>\sin\phi</math>に係る行列を<math>\mathbf{N}</math>と置くと、 :<math>\boldsymbol{r}'=\{\boldsymbol{e}\otimes\boldsymbol{e}+\cos\phi(\mathbf{E}_3-\boldsymbol{e}\otimes\boldsymbol{e})+\sin\phi\mathbf{N}\}\boldsymbol{r}</math> という表示を得る。 更に、<math>\mathbf{N}^2=\begin{pmatrix} -b^2-c^2 & ab & ca \\ ab & -c^2-a^2 & bc \\ ca & bc & -a^2-b^2 \end{pmatrix}</math>と<math>\|\boldsymbol{e}\|=\sqrt{a^2+b^2+c^2}=1</math>より :<math>\boldsymbol{e}\otimes\boldsymbol{e}=\mathbf{N}^2+(a^2+b^2+c^2)\mathbf{E}_3=\mathbf{N}^2+\mathbf{E}_3</math> が成り立つので、最終的に :<math>\boldsymbol{r}'=(\mathbf{E}_3+\sin\phi\mathbf{N}+\mathrm{versin}\,\phi\mathbf{N}^2)\boldsymbol{r}</math> と二次の行列多項式で表示される。 なお、<math>\otimes</math>は発展節で紹介する'''テンソル積'''を表している。 ここで、行列<math>\mathbf{N}</math>についてより具体的に考えてみる。 先ず、<math>{}^t\!\mathbf{N}=-\mathbf{N}</math>が成り立つので<math>\mathbf{N}</math>は反対称行列(歪対称行列・交代行列)である。 <math>\mathbf{N}\boldsymbol{r}</math>を計算すると :<math>\mathbf{N}\boldsymbol{r}=\begin{pmatrix} 0 & -c & b \\ c & 0 & -a \\ -b & a & 0 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} r_1 \\ r_2 \\ r_3 \end{pmatrix}=\begin{pmatrix} br_3-cr_2 \\ cr_1-ar_3 \\ ar_2-br_1 \end{pmatrix}=\boldsymbol{e}\times\boldsymbol{r}</math> 則ち、<math>\mathbf{N}</math>は<math>\boldsymbol{e}</math>に関する外積(形式的には<math>\boldsymbol{e}\times</math>という左演算)を一次変換とみて表現行列に直したものである。 更に、成分計算により<math>\mathbf{N}^3=-\mathbf{N}</math>という性質が成り立つことも判る。外積を「ベクトルを90°回転させる演算」とみると、二回の演算によって180°回転するということなのでこの結果は妥当である。 ここで行列自然指数関数<math>\exp(\phi\mathbf{N})=\sum_{i=0}^\infty \frac{(\phi\mathbf{N})^i}{i!}</math>を考えてみると上の性質より三次以上の項は<math>\mathbf{N}^4=-\mathbf{N}^2, \mathbf{N}^5=\mathbf{N},\cdots</math>のように全て二次以下に帰着できる。<br> また、自然指数関数のテイラー展開は絶対収束級数なので各項は可換であり、<math>\mathbf{N}</math>の二次式として纏め直すと :<math>\exp(\phi\mathbf{N})=\mathbf{E}_3 + (\phi-\frac{\phi^3}{3!}+\frac{\phi^5}{5!}-\frac{\phi^7}{7!}+\cdots) \mathbf{N}+(\frac{\phi^2}{2!}-\frac{\phi^4}{4!}+\frac{\phi^6}{6!}-\frac{\phi^8}{8!}+\cdots)\mathbf{N}^2</math> ここで一次・二次の係数はそれぞれ正弦関数・正矢関数のテイラー展開になっているので結局は :<math>\exp(\phi\mathbf{N})=\mathbf{E}_3+\sin\phi\mathbf{N}+\mathrm{versin}\,\phi\mathbf{N}^2</math> ここから、<math>\exp(\phi\mathbf{N})</math>は角度<math>\phi</math>に関する有限回転に対応することが判った。 このことは以下の考え方でも求まる。<br> <math>\mathbf{N}</math>の最小方程式は<math>\mathbf{N}^3+\mathbf{N}=\mathbf{O}_3</math>より<math>x(x^2+1)=0</math>であり固有値は<math>0, \pm{i}</math>と求まるので、<math>\exp(\phi\mathbf{N})</math>の対角化行列は :<math>\begin{pmatrix} e^{0\phi} & 0 & 0 \\ 0 & e^{i\phi} & 0 \\ 0 & 0 & e^{-i\phi} \end{pmatrix}</math> ここで任意の解析関数<math>f</math>について<math>f(\mathbf{N})</math>のテイラー展開は二次以下の多項式になるので :<math>\exp(\phi\mathbf{N})=\alpha\mathbf{E}_3+\beta\mathbf{N}+\gamma\mathbf{N}^2</math> これを実多項式に戻した<math>\alpha+\beta{x}+\gamma{x^2}</math>が<math>e^{\phi{x}}</math>と任意の固有値で一致すればよい(二次補間)ので、 :<math>\begin{cases} e^0 = \alpha \\ e^{i\phi} = i\beta -\gamma \\ e^{-i\phi} = -i\beta-\gamma \end{cases}</math> :<math>\iff \begin{cases} 1 = \alpha \\ \cos\phi+i\sin\phi = (\alpha -\gamma) + i\beta \end{cases}</math> :<math>\therefore \begin{cases} \alpha=1 \\ \beta=\sin\phi \\ \gamma=1-\cos\phi=\mathrm{versin}\,\phi \end{cases}</math> 則ち、<math>\mathbf{N}^3=-\mathbf{N}</math>という構造は<math>\Psi_\mathbf{N}(x)=x(x^2+1)</math>という最小多項式に起因するということである。 更に[[表現論]]の観点から見ると、三次直交行列全体である回転群<math>SO(3)</math>に対し、<math>\mathbf{N}</math>は<math>SO(3)</math>の単位元に於ける接空間(三次反対称行列全体・則ちリー代数<math>\mathfrak{so}(3)</math>)の元であり、<math>\exp(\phi\mathbf{N})</math>はリー群<math>SO(3)</math>の元である。ここで行列自然指数関数は「リー代数からリー群へ引き戻す写像」なので'''指数写像'''と呼ばれる。 これが[[#フレネ標搆]]で述べた「直交変換の一次近似が反対称変換」という事実のより正確な表現である。 補足だが、力学で扱う[[w:オイラー角]]というものを導入するとロドリゲスの公式を各座標軸に関する回転の合成で表すこともできる。 ===種々の曲率=== 法曲率・主曲率・平均曲率・全曲率 ==直交曲線座標系== {{節stub}} ===円筒座標系=== 平面の座標系として直交座標の他に斜交座標、極座標(円座標)、重心座標などがあったように、空間の座標系も複数通り考えられる。 空間座標を3つの実数の組<math>(r, \theta, z)</math>で表した座標系を'''円筒座標系'''('''円柱座標系'''、cylindrical coordinate system)という。ただし、<math>r</math>は原点からの(符号付き)距離、<math>\theta</math>は基準面に於ける始線からの正の回転角、<math>z</math>は基準面からの高さである。 円筒座標系は、円座標系のrθ平面にz軸方向の次元を加えた3次元空間の座標と考えられる。 そのため、円筒座標系と直交座標系の対応は以下のようになる。 :<math>\begin{cases} x=r\cos\theta \\ y=r\sin\theta \\ z=z \end{cases} \iff \begin{cases} r=\sqrt{x^2+y^2} \\ \theta = \arctan\frac{y}{x} \\ z=z \end{cases}</math> 但し、<math>r</math>は基準面の裏側では負とする。 直交座標のz軸を基に円筒座標系の座標軸を決定する。一般に座標軸は直線とは限らないので、「軸」ではなく「曲線」と呼ぶことにする('''座標線''')。なお、「曲線」という語は一般に「直線」を包含する。 :r曲線:z軸上の点を通りz軸に垂直な半直線。 :θ曲線:z軸を法線とする平面内にあり、中心がz軸上にある円周。 :z曲線:z軸に平行な直線。 ここで、各曲線に沿った微小変化がどのように表されるか見ていく。 <math>\boldsymbol{f}: (r,\theta,z)\to(x,y,z)</math>とする。 <math>\boldsymbol{f}</math>全体の微小変化は全微分<math>d\boldsymbol{f}=\frac{\partial{(x,y,z)}}{\partial{(r,\theta,z)}} \begin{pmatrix} dr \\ d\theta \\ dz \end{pmatrix}</math>で表される。 上で求めた関係式より :<math>\boldsymbol{f}\begin{pmatrix} r \\ \theta \\ z\end{pmatrix}=\begin{pmatrix} x \\ y \\ z \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} r\cos\theta \\ r\sin\theta \\ z \end{pmatrix}</math> なので、 :<math>\frac{\partial{(x,y,z)}}{\partial{(r,\theta,z)}} = \begin{pmatrix} \frac{\partial}{\partial{r}}r\cos\theta & \frac{\partial}{\partial{\theta}}r\cos\theta & \frac{\partial}{\partial{z}}r\cos\theta \\ \frac{\partial}{\partial{r}}r\sin\theta & \frac{\partial}{\partial{\theta}}r\sin\theta & \frac{\partial}{\partial{z}}r\sin\theta \\ \frac{\partial}{\partial{r}}z & \frac{\partial}{\partial{\theta}}z & \frac{\partial}{\partial{z}}z \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} \cos\theta & -r\sin\theta & 0 \\ \sin\theta & r\cos\theta & 0 \\ 0 & 0 & 1 \end{pmatrix}</math> よって :<math>d\boldsymbol{f}=\begin{pmatrix} \cos\theta & -r\sin\theta & 0 \\ \sin\theta & r\cos\theta & 0 \\ 0 & 0 & 1 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} dr \\ d\theta \\ dz \end{pmatrix}=\begin{pmatrix} \cos\theta \\ \sin \theta \\ 0 \end{pmatrix}dr + \begin{pmatrix} -\sin\theta \\ \cos\theta \\ 0 \end{pmatrix}rd\theta + \begin{pmatrix} 0 \\ 0 \\ 1 \end{pmatrix}dz </math> 再右辺の各項を<math>d\vec{r}, d\vec{\theta}, d\vec{z}</math>と書くことにすると、<math>|d\vec{r}|, |d\vec{\theta}|, |d\vec{z}|</math>はそれぞれ<math>dr, rd\theta, dz</math>とわかる。<math>r, \theta, z</math>を物理量として捉えたとき<math>d\theta</math>の単位はラジアン(無次元量)であり、<math>rd\theta</math>の単位はメートル(長さの次元1)なので、次元の整合性が取れる。 纏めると以下のようになる。 {| class="wikitable" | ||style="text-align:center;"| <math>\boldsymbol{e}_x</math>成分 ||style="text-align:center;"| <math>\boldsymbol{e}_y</math>成分 ||style="text-align:center;"| <math>\boldsymbol{e}_z</math>成分 ||style="text-align:center;"| ノルム |- |style="text-align:center;"| <math>d\vec{r}</math> ||style="text-align:center;"| <math>\cos\theta dr</math> ||style="text-align:center;"| <math>\sin\theta dr</math> ||style="text-align:center;"| <math>0</math> ||style="text-align:center;"| <math>dr</math> |- |style="text-align:center;"| <math>d\vec{\theta}</math> ||style="text-align:center;"| <math>-r\sin\theta d\theta</math> ||style="text-align:center;"| <math>r\cos\theta d\theta</math> ||style="text-align:center;"| <math>0</math> ||style="text-align:center;"| <math>rd\theta</math> |- |style="text-align:center;"| <math>d\vec{z}</math> ||style="text-align:center;"| <math>0</math> ||style="text-align:center;"| <math>0</math> ||style="text-align:center;"| <math>1</math> ||style="text-align:center;"| <math>dz</math> |} ここで<math>d\vec{r}, d\vec{\theta}, d\vec{z}</math>は内積を取ればどの組も互いに直交することが容易にわかるので、この3つのベクトルは3次元ユークリッド空間の直交基底である。 そこで、それぞれのベクトルを正規化することで各軸曲線方向の基本ベクトルを得る。 :<math>\boldsymbol{e}_r = \frac{d\vec{r}}{dr} = \cos\theta \boldsymbol{e}_x + \sin\theta \boldsymbol{e}_y</math> :<math>\boldsymbol{e}_\theta = \frac{d\vec{\theta}}{rd\theta} = -\sin\theta\boldsymbol{e}_x+\cos\theta\boldsymbol{e}_y</math> :<math>\boldsymbol{e}_z=\frac{d\vec{z}}{dz}=\boldsymbol{e}_z</math> これを一次変換の形式で表すと :<math>\begin{pmatrix} \boldsymbol{e}_r \\ \boldsymbol{e}_\theta \\ \boldsymbol{e}_z \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} \cos\theta & \sin\theta & 0 \\ -\sin\theta & \cos\theta & 0 \\ 0 & 0 & 1 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} \boldsymbol{e}_x \\ \boldsymbol{e}_y \\ \boldsymbol{e}_z \end{pmatrix}</math> となる。 このときの変換行列を、座標系または基底ベクトルを変換することから'''座標変換行列'''又は'''基底変換行列'''という。場合によっては'''変換テンソル'''とも呼ぶ。 なお、この直交座標⇒円筒座標の座標変換行列は、xyz空間に於けるz軸まわりの回転行列に等しい。 逆基底変換はこの座標変換行列の逆行列を求めれば定式化できる。 回転行列は直交行列なので :<math>\begin{pmatrix} \cos\theta & \sin\theta & 0 \\ -\sin\theta & \cos\theta & 0 \\ 0 & 0 & 1 \end{pmatrix} ^{-1}= {}^t \! \begin{pmatrix} \cos\theta & \sin\theta & 0 \\ -\sin\theta & \cos\theta & 0 \\ 0 & 0 & 1 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} \cos\theta & -\sin\theta & 0 \\ \sin\theta & \cos\theta & 0 \\ 0 & 0 & 1 \end{pmatrix} </math> であり、 :<math>\begin{pmatrix} \boldsymbol{e}_x \\ \boldsymbol{e}_y \\ \boldsymbol{e}_z \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} \cos\theta & -\sin\theta & 0 \\ \sin\theta & \cos\theta & 0 \\ 0 & 0 & 1 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} \boldsymbol{e}_r \\ \boldsymbol{e}_\theta \\ \boldsymbol{e}_z \end{pmatrix}</math> 円筒座標系は、[[電磁気学]]の解析でよく使用される。 例えば、高校物理の公式<math>B(r)=\frac{\mu_0I}{\tau r}</math>は、円筒座標系を知っていれば「電流がz軸に平行であることから磁場はz方向に一葉且つθ方向に回転対称なので、r方向の項のみが寄与する」と理解される。 ===極座標系=== 高等学校までの地理で習ったように、球面上の位置は緯度<math>\theta</math>と経度<math>\phi</math>で定めることができる。 一般に三次元空間で球面上のある点の座標を定めるには、更に球の中心からの距離<math>r</math>が必要である。 このようにして定められる座標系を'''三次元極座標系'''(polar coordinate system in 3D)または'''球(面)座標系'''(spherical coordinate system)という。 xyz座標空間の点<math>P(x, y, z)</math>の極座標表示を考える。 <math>r=|\vec{OP}|=\sqrt{x^2+y^2+z^2}</math>は容易にわかる。 <math>\theta</math>はz軸からの'''天頂角'''(zenith angle)であり、<math>\vec{OP}</math>のz軸への正射影ベクトルを<math>\vec{OH}=\vec{h}</math>とすると<math>\tan\theta = \frac{|\vec{h}|}{z}</math>が成り立つ。<math>|\vec{h}|=\sqrt{x^2+y^2}</math>より、<math>\theta=\arctan \frac{\sqrt{x^2+y^2}}{z}</math>である。 <math>\phi</math>はx軸からの'''方位角'''(azimuth angle)であり、<math>P</math>からxy平面に下した垂線の足<math>Q</math>を考えると<math>\tan\phi=\frac{y}{x}</math>とわかる。よって、<math>\phi=\arctan\frac{y}{x}</math>である。 逆に、これを<math>P(x, y, z)</math>に復元することを考える。 <math>\triangle OHP</math>について<math>\angle HOP=\theta</math>なので、<math>z=\overline{OH}=r\cos\theta</math>。 また、<math>\triangle OPQ</math>について<math>\angle OPQ=\theta</math>なので、<math>\overline{OQ}=r\sin\theta</math>。 よって<math>x=\overline{OQ}\cos\phi=r\sin\theta\cos\phi, y=\overline{OQ}\sin\phi=r\sin\theta\sin\phi</math>。 以上を纏めると、直交座標と球面座標の対応関係は :<math>\begin{cases} x=r\sin\theta\cos\phi \\ y=r\sin\theta\sin\phi \\ z=r\cos\theta \end{cases} \iff \begin{cases} r=\sqrt{x^2+y^2+z^2} \\ \theta=\arctan\frac{\sqrt{x^2+y^2}}{z} \\ \phi=\arctan\frac{y}{x} \end{cases}</math> 一般に緯度は<math>-90^\circ \leqq \theta \leqq 90^\circ</math>、経度は<math>-180^\circ \leqq \phi \leqq 180^\circ</math>の範囲で表される(但し、符号の違いは東⇔西、南⇔北の違いである)。同様に、球面座標の天頂角<math>\theta</math>、方位角<math>\phi</math>は<math>\theta \in [-\frac{\pi}{4}, \frac{\tau}{4}], \phi \in [-\frac{\tau}{2}, \frac{\tau}{2}]</math>で考える。赤道面より下側(すなわち南半球)では<math>\theta<0</math>とする。 直交座標のz軸を基に極座標系の座標線を決定する。 :r曲線:原点を通る半直線。 :θ曲線:原点中心でz軸上の一点から出る半円弧。 :φ曲線:z軸を法線とする平面内でz軸上に中心を持つ円周。 各曲線に沿った微小変化は円柱座標系の場合と同様、ベクトル場の全微分を用いて :<math>\begin{cases} d\vec{r}= \begin{pmatrix} \sin\theta\cos\phi \\ \sin\theta\sin\phi \\ \cos\theta \end{pmatrix} dr \\ d\vec{\theta}= \begin{pmatrix} \cos\theta\cos\phi \\ \cos\theta\sin\phi \\ -\sin\theta \end{pmatrix}rd\theta \\ d\vec{\phi} = \begin{pmatrix} -\sin\phi \\ \cos\phi \\ 0 \end{pmatrix} r\sin\theta d\phi \end{cases}</math> と求まる。 これらは(内積の結果から)互いに直交するので、円柱座標の場合と同様の議論により :<math>\begin{pmatrix} \sin\theta\cos\phi & \sin\theta\sin\phi & \cos\theta \\ \cos\theta\cos\phi & \cos\theta\sin\phi & -\sin\theta \\ -\sin\phi & \cos\phi & 0 \end{pmatrix}</math> と変換テンソルが求まる。 これも直交行列であるので、逆変換テンソルは :<math>\begin{pmatrix} \sin\theta\cos\phi & \cos\theta\cos\phi & \cos\phi \\ \sin\theta\sin\phi & \cos\theta\sin\phi & -\sin\phi \\ -\sin\theta & \cos\theta & 0 \end{pmatrix}</math> と求まる。 球面座標系は、[[力学]]の解析でよく使用される。 例えば、赤道平面における角運動量保存則は<math>mr^2\frac{d\phi}{dt}=\mathrm{const}.</math>と表示されるが、これはz軸方向の角運動量を球面座標系の演算により取り出したものである。 球面座標系は特に機械制御に応用されている。 円柱座標系・球面座標系ともに各基底ベクトルが互いに直交しているので、そのことを明示して(且つ通常の直交座標系と区別して)'''直交曲線座標系'''(orthogonal curvilinear coordinate system)と呼ぶ場合がある。直交曲線座標系には、他にも放物柱座標系や楕円座標系などがある。 ===円環座標系=== ===双極座標系=== ===回転放物面座標=== ===放物柱座標=== ===回転楕円面座標=== ===楕円柱座標=== ===楕円体座標=== ==空間微分== ===勾配=== ===発散=== ===回転=== ===ラプラシアン=== ==空間積分== ===線積分=== ===面積分=== ===体積分=== ===ガウスの発散定理=== ===ストークスの定理=== ===グリーンの定理=== ==発展事項== {{節stub}} {{Advanced|多様体論}} {{Advanced|微分幾何学}} {{Advanced|積分幾何学}} ===体積分再考=== 体積分は先程「<math>\mathbb{R}^3</math>上の閉立体<math>V</math>」上で考えたが、実はここには線積分・面積分との大きな非対称性がある。 線積分は「曲線」、面積分は「曲面」を積分領域としたが、先程定義した体積分の積分領域は「平坦な立体」なのである(二次元で例えば楕円領域<math>\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}\leq1</math>は境界こそ"曲線"だが空間そのものは<math>\mathbb{R}^2</math>という"平面"であることと同じ)。 1次元の曲がった空間である曲線<math>M^1:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(s)</math>が<math>\mathbb{R}^2</math>内、2次元の曲がった空間である曲面<math>M^2:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(s, t)</math>が<math>\mathbb{R}^3</math>内に存在するように、3次元の曲がった空間である曲立体<math>M^3:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(s, t, u)</math>は<math>\mathbb{R}^4</math>内に存在すると考えるのが自然である。ここで一般に<math>M^n\subset\mathbb{R}^{n+1}</math>が成り立つと予想され、この関係を「<math>M^n</math>の<math>\mathbb{R}^{n+1}</math>への'''埋め込み'''」と呼ぶことにする。 線積分を<math>M^1</math>、面積分を<math>M^2</math>で定義したように、体積分を<math>M^3</math>で定義することを考える。 媒介変数空間<math>\begin{pmatrix} s \\ t \\ u \end{pmatrix} \in V \subset\mathbb{R^3}</math>上の微小変化を考えると全微分を用いて :<math>d\boldsymbol{r}=\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{s}}ds+\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}dt+\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}du</math> よって<math>V</math>上の微小立方体<math>dsdtdu</math>は3ベクトル<math>\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{s}}ds,\quad\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}dt,\quad\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}du</math>の張る微小平行六面体へ移される。 体素はこの微小平行六面体の体積と考えられるが、<math>\boldsymbol{r}\in\mathbb{R}^4</math>より当然この3ベクトルは4項ベクトルなので、'''外積を含んでいるスカラー三重積は使えない'''。 全微分を一次変換表記すると :<math>d\boldsymbol{r}=\begin{pmatrix} \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{s}} & \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}} & \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}} \end{pmatrix} \begin{pmatrix} ds \\ dt \\ du \end{pmatrix}</math> :<math>=\begin{pmatrix} \frac{\partial{x}}{\partial{s}} & \frac{\partial{x}}{\partial{t}} & \frac{\partial{x}}{\partial{u}} \\ \frac{\partial{y}}{\partial{s}} & \frac{\partial{y}}{\partial{t}} & \frac{\partial{y}}{\partial{u}} \\ \frac{\partial{z}}{\partial{s}} & \frac{\partial{z}}{\partial{t}} & \frac{\partial{z}}{\partial{u}} \\ \frac{\partial{w}}{\partial{s}} & \frac{\partial{w}}{\partial{t}} & \frac{\partial{w}}{\partial{u}} \end{pmatrix} \begin{pmatrix} ds \\ dt \\ du \end{pmatrix}</math> :<math>=\frac{\partial{(x, y, z, w)}}{\partial{(s, t, u)}}\begin{pmatrix} ds \\ dt \\ du \end{pmatrix}</math> ここでヤコビ行列は<math>\frac{\partial{(x, y, z, w)}}{\partial{(s, t, u)}}\in\mathbb{R}^{4\times3}</math>であって'''正方行列でないので行列式も求まらない'''。 そこで、[[線型代数学続論/種々の行列#随伴行列|グラム行列]]を利用することを考える。 '''グラム行列は必ず半正定値行列'''なので行列式は非負であり、平方根をとれる。 そのため、<math>\mathbf{G}:=\left(\frac{\partial{(x, y, z, w)}}{\partial{(s, t, u)}}\right)^*\frac{\partial{(x, y, z, w)}}{\partial{(s, t, u)}}</math>として<math>\sqrt{\det\mathbf{G}}</math>を体積拡大率とする。 これは正方行列ならヤコビアンの絶対値に一致する。 {{NavTop|title=補足:体積拡大率に一致する証明}} :<math>\frac{\partial{(x, y, z, w)}}{\partial{(s, t, u)}}</math>の列ベクトルにグラム=シュミットの直交化法を適用すると[[線型代数学続論/行列分解|QR分解]]によって :<math>\frac{\partial{(x, y, z, w)}}{\partial{(s, t, u)}}=\mathbf{QR}\quad (\mathbf{Q}\in\mathbb{R}^{4\times3}, \mathbf{R}\in\mathbb{R}^{3\times3})</math> よって :<math>\mathbf{G}=(\mathbf{QR})^*\mathbf{QR}</math> :<math>=\mathbf{R}^*\mathbf{Q}^*\mathbf{Q}\mathbf{R}</math> :<math>=\mathbf{R}^*\mathbf{E}_3\mathbf{R}</math>(<math>\because\mathbf{Q}</math>は列ユニタリ行列) :<math>=\mathbf{R}^*\mathbf{R}</math> :<math>\therefore \sqrt{\det\mathbf{G}}=\sqrt{\det\left( \mathbf{R}^*\mathbf{R} \right)}=\sqrt{\left(\det\mathbf{R}\right)^2}=|\det\mathbf{R}|</math> <math>\mathbf{Q}</math>は列ユニタリ行列なのでその一次変換は等長変換であり、全微分による拡大率は<math>\mathbf{R}</math>による拡大率と一致する。<br/> 則ち、<math>\sqrt{\det\mathbf{G}}</math>を拡大率としてとれる。// {{NavBottom}} よって体積分は :<math>\iiint_{M^3} f(\boldsymbol{r})dM^3 = \iiint_{V} f(\boldsymbol{r}(s, t, u))\sqrt{\det\mathbf{G}}\,dsdtdu</math> ここから、適切な媒介変数表示が存在するならば<math>M^n</math>上での体積分の計算に<math>\mathbb{R}^{n+1}\setminus M^n</math>の情報は入ってこず、<math>M^n</math>の情報のみで計算されると予想される。 実際、<math>M^n</math>に適切な媒介変数表示<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(\boldsymbol{p})\quad(\boldsymbol{p}\in\mathbb{R}^n)</math>が存在するとき、全微分による一次変換の拡大率は同様にグラム行列式の平方根で与えられるので体積素は<math>dM^n = \sqrt{\det\mathbf{G}} \prod_{k=1}^{n}d\boldsymbol{p}_k</math>と書け、これは正しい。 実は、体素だけでなく一般に角度や長さといった幾何学的な量は埋め込み先である<math>\mathbb{R}^{n+1}</math>の情報を全く必要とせず、<math>M^n</math>の情報だけで構成できることが知られている。このことは微分幾何学のうち[[w:リーマン幾何学|リーマン幾何学]]と呼ばれる分野で詳しく扱われる。 ここまで<math>M^n</math>を適切な媒介変数<math>\boldsymbol{p}\in\mathbb{R}^n</math>で表すことを強調してきたが、媒介変数表示を考えるということは<math>M^n</math>から媒介変数空間<math>U\subset\mathbb{R}^n</math>への射影<math>\pi:M^n\to U</math>を考えるということである。 ここで、この<math>\pi</math>が全単射ならば逆向きの射影<math>\pi^{-1}:U\to M^n</math>が存在してそれが媒介変数表示<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(\boldsymbol{p})</math>となるわけであるが、これは以下のようにも捉えられる。 :<math>\pi</math>によって射影した平坦な空間で座標を設定すると、'''適切な逆変換<sup>※</sup>によって曲がった空間<math>M^n</math>上に(局所)座標系を与えることができる'''。 つまり、体積分を媒介変数空間に置換積分するということは、逆に体積分の元の表示が「<math>M^n</math>上の局所座標系に於ける積分」であることを示している。 ※この適切な逆変換が存在する条件は'''陰関数定理そのもの'''である。 ここで、適切な媒介変数表示が存在するよう<math>M^n</math>に制限を課したものが、以下で扱う'''多様体'''である。 ===多様体=== ===微分形式=== [[線型代数学続論/外積代数]]も参照。 ===リーマン計量=== ===テンソル解析=== [[線型代数学続論/テンソル代数]]も参照。 ===複素ベクトル解析=== [[複素解析学]]も参照。 {{DEFAULTSORT:へくとるかいせき}} [[Category:解析学]] [[Category:微分積分学]] [[Category:ベクトル解析|かいせきかくきそ]] 4iq6mymcy4196i1c8zgm8rk54e4qffz 304231 304226 2026-10-02T04:49:10Z ~2026-51282-49 92621 /* 直交曲線座標系 */ 304231 wikitext text/x-wiki {{Pathnav|数学|解析学|解析学基礎|frame=1}} {{wikipedia|ベクトル解析}} ここでは、ベクトル解析について解説する。[[物理数学I ベクトル解析]]も参照。 ==前提知識== ここでは、実数のみで考える。 ===ベクトル=== [[高等学校数学C/ベクトル]]、[[線型代数学/ベクトル]]、[[解析学基礎/ベクトル]]などを参照。本項では、矢印を付した表記(<math>\vec{a}</math>など)と太字斜体による表記(<math>\boldsymbol{x}</math>など)を混用する。 ===行列=== [[高等学校数学C/数学的な表現の工夫]]及び[[線形代数学]]・[[線型代数学続論]]の各ページを参照。本項では大文字の太字立体(<math>\mathbf{A}</math>など)で表記する。 ===多変数解析=== [[解析学基礎/多変数関数の微積分]]を参照。 ===領域=== <math>D\subset\mathbb{R}^n</math>と点<math>\boldsymbol{a}\in D</math>(位置ベクトル表記なので太文字斜体)に対し、集合<math>B_\varepsilon(\boldsymbol{a}) := \{ \boldsymbol{x} \in D \mid \| \boldsymbol{x} - \boldsymbol{a} \|<\varepsilon \}</math>を点<math>\boldsymbol{a}</math>の'''<math>\varepsilon</math>-開球'''という。不等号を<math>\leqq</math>に変えたときは開区間↔閉区間と同様に'''閉球'''と呼ぶ。このとき、<math>D</math>のように<math>\mathbb{R}^n</math>の部分集合であって<math>\varepsilon</math>-開球を含むものを点<math>\boldsymbol{a}</math>の'''<math>\varepsilon</math>-開近傍'''と呼ぶ。閉球を含むときは同様に'''閉近傍'''と呼ぶ。 <math>\forall \boldsymbol{a} \in U, \exist \varepsilon>0, B_\varepsilon(\boldsymbol{a})\subset U</math>を満たす<math>U\subset\mathbb{R}^n</math>を'''開集合'''と呼び、<math>V=\mathbb{R}^n\setminus U</math>を'''閉集合'''と呼ぶ。 注意点として、開集合と閉集合は排反ではない。則ち「開集合且つ閉集合」である集合が存在し(例えば<math>\mathbb{R}, \varnothing</math>)、「開集合でも閉集合でもない」集合も存在する(例えば<math>[0, 1)</math>)。 <math>M\subset\mathbb{R}^n</math>を含む最小の閉集合を<math>M</math>の'''閉包'''と呼び、<math>M^-, \bar{M}, \mathrm{Cl}(M)</math>などと表す。例えば有理数の稠密性より<math>\mathbb{Q}^-=\mathbb{R}</math>である。 閉包の性質として「閉包=集合の内部と境界の和集合(<math>M^- = \mathrm{Int}(M) \cup \partial{M}</math>)」がある。 集合<math>S\subset\mathbb{R}^n</math>に対して以下を満たす<math>\mathbb{R}^n</math>上開集合の組<math>(G_1, G_2)</math>が'''とれない'''とき、 #<math>G_1 \cap S = \varnothing \land G_2 \cap S = \varnothing</math> #<math>S = (G_1 \cap S) \sqcup (G_2 \cap S)</math> 「<math>S</math>は'''連結'''である」または「<math>S</math>は'''連結集合'''」という(但し、<math>\sqcup</math>は[[w:非交和|非交和]])。 空でない開連結集合を'''領域'''という。 実は、高校数学や1年次の解析学で扱ってきた「領域」はこの定義を満たしていないことが多かった。これは、「領域」の歴史的な用法では「条件の解集合」という意味であって開性や連結性を要求しなかったためである。しかし、本項を含めた以降に登場する数学ではこの定義を満たしていることが前提条件となる。なお、ややこしいことに「積分領域」は従来通り「その上で積分を行う集合」という緩い意味で使われることが多いので、区別が必要である。 ===右手系=== 三次元空間の正規直交基底を<math>(\boldsymbol{e}_1, \boldsymbol{e}_2, \boldsymbol{e}_3)</math>と置く。螺子を<math>\boldsymbol{e}_1\to\boldsymbol{e}_2</math>の向きに回すと<math>\boldsymbol{e}_3</math>の正方向に進むように3つの軸をとった系を'''右手系'''という。負方向に進むようにとったものを'''左手系'''という。数学・物理に限らず理数系の約束事として、'''三次元空間は必ず右手系で考える'''という暗黙の了解が存在するので覚えておこう。 右手系・左手系は基底の一部または全ての符号を反転することで変換することができる。一つだけを反転する場合は'''鏡像変換'''、二つだけを反転する場合は'''半回転'''、全てを反転する場合は'''空間反転'''と呼ぶ。 外積の結果として得るベクトルは右手系・左手系のどちらを考えるかで向きが変わる。このように、右手系↔左手系の変換で向きが変わるベクトルを'''軸性ベクトル'''という。 系の取り方で向きが変わるということは基底の係数である'''成分は不変量'''である。つまり、観測者の動きにベクトルが追従し、このベクトルは「物理的な実体を有しているのではなく計算の都合上向きが定められた便宜的な(=観測者が勝手に決めた)ベクトル」ということである。そのため、軸性ベクトルは'''擬ベクトル'''(シュードベクトル)とも呼ばれる。 位置や速度、加速度のような右手系・左手系のどちらを考えても同じ向きを向くベクトルを'''極性ベクトル'''という。座標系を取り換えても向きが維持されるため'''成分は座標変換に応じて変化する'''。これは、「観測の仕方によって起こる現象は変わらない」ということである。つまり擬ベクトルに対し、極性ベクトルは'''物理的実体を有するベクトル'''である。 偶奇と同じように軸性・極性にも外積を通じた相互関係が存在する。 :(軸性)×(軸性)=(軸性) :(軸性)×(極性)=(極性) :(極性)×(極性)=(軸性) ==基礎事項== ===ベクトル関数=== 関数<math>\boldsymbol{f} (x) = \sum_{i} f_i(x) \boldsymbol{e}_i</math>を'''ベクトル(値)関数'''(vector-valued function, vector function)という。 ただし、各<math>\boldsymbol{e}_i</math>は各座標軸方向の単位ベクトルであり、<math>\boldsymbol{f}(x)</math>の定義域は各<math>f_i(x)</math>の定義域の積集合である。 ベクトルの演算が成分ごとの演算結果を並べたベクトルで定義されたように、ベクトル関数の演算は(結果となる値が存在するならば)各成分の演算結果を並べたベクトルに等しい。これはベクトルの線型性による。 例えば、<math>\boldsymbol{f}(x) = \begin{pmatrix} \cos x \\ \sin x \end{pmatrix}</math>の<math>x\to0</math>の極限は、 :<math>\lim_{x\to0} \boldsymbol{f}(x) = \begin{pmatrix} \lim_{x\to0} \cos x \\ \lim_{x\to0} \sin x \end{pmatrix}</math> (<math>\because</math>線型性) :<math>=\begin{pmatrix} 1 \\ 0 \end{pmatrix}</math> :<math>=\boldsymbol{e}_x</math> と求まる。 このとき、<math>\boldsymbol{e}_x</math>を<math>\begin{pmatrix} \cos x \\ \sin x \end{pmatrix}</math>の<math>x\to0</math>に於ける'''極限ベクトル'''という。 <math>\boldsymbol{f}(x)</math>が<math>x=\alpha</math>で連続であるとは<math>\lim_{x\to\alpha}\boldsymbol{f}(x)=\boldsymbol{f}(\alpha)</math>が成立することであり、区間<math>I</math>で連続であるとは<math>\forall \alpha \in I</math>で連続であることである。 また、ベクトル関数の導関数<math>\boldsymbol{f}'(x)</math>は :<math>\frac{d}{dx} \boldsymbol{f} (x) = \frac{d}{dx} \left( \sum_i f_i(x) \boldsymbol{e}_i \right)</math> :<math>= \sum_i \left( \frac{d}{dx} f_i (x) \boldsymbol{e}_i \right)</math>(<math>\because</math>線型性) :<math>= \begin{pmatrix} f'_1(x) \\ f'_2(x) \\ \vdots \\ f'_i(x) \\ \vdots \end{pmatrix}</math> である。 この結果は、ベクトル関数に於ける導関数の正式な定義 <math>\lim_{h\to0} \frac{\boldsymbol{f}(x+h) - \boldsymbol{f}(x)}{h}</math>からも導かれる。 <math>\boldsymbol{f}(x)</math>が<math>x=\alpha</math>で微分可能であるとは極限値<math>\boldsymbol{f}'(\alpha)=\lim_{x\to\alpha}\frac{\boldsymbol{f}(x)-\boldsymbol{f}(\alpha)}{x-\alpha}</math>が存在することであり、区間<math>I</math>で微分可能であるとは<math>\forall \alpha \in I</math>で微分可能であることである。 高階導関数・高階微分可能も同様にして定義される。 <math>\boldsymbol{f}(x)</math>が区間<math>I</math>で連続ならば<math>\boldsymbol{f}(x)</math>は<math>I</math>上で<math>C^0</math>級であるといい、<math>\boldsymbol{f}\in C^0(I)</math>と書く。<math>\boldsymbol{f}(x)</math>が<math>I</math>で微分可能で<math>\boldsymbol{f}'(x)\in C^0(I)</math>ならば<math>\boldsymbol{f}(x)</math>は<math>I</math>上で<math>C^1</math>級である(一階連続微分可能)といい、<math>\boldsymbol{f}\in C^1(I)</math>と書く。<math>\boldsymbol{f}(x)</math>が<math>I</math>で二階微分可能で<math>\boldsymbol{f}'\in C^1(I)</math>ならば<math>\boldsymbol{f}(x)</math>は<math>I</math>上で<math>C^2</math>級である(二階連続微分可能)といい、<math>\boldsymbol{f}\in C^2(I)</math>と書く。同様にして順々に<math>C^k</math>級が定義され、<math>\forall k \in \mathbb{N}, \boldsymbol{f}\in C^k(I)</math>ならば<math>\boldsymbol{f}(x)</math>は<math>I</math>で<math>C^\infty</math>級(無限階連続微分可能)であるといい、<math>\boldsymbol{f}\in C^\infty(I)</math>と書く。<math>C^\infty</math>級である関数を'''滑らかな'''関数ともいう。 高校数学や高校物理で扱った平面(<math>\mathbb{R}^2</math>)上の運動は、実は2項ベクトル関数の理論に他ならない。 例えば、平面上の運動に於ける加速度・速度・変位の関係は<math>\boldsymbol{x}(t)= \begin{pmatrix} f(t) \\ g(t) \end{pmatrix}</math>として<math>\boldsymbol{a}(t) = \frac{d}{dt}\boldsymbol{v}(t) = \frac{d^2}{dt^2} \boldsymbol{x}(t)</math>と表すことができる。 曲線の媒介変数表示は、パラメータを変数とするベクトル関数とみることができる。 例えば、円の媒介変数表示<math>\begin{cases} x=r\cos\theta \\ y=r\sin\theta \end{cases}</math>は、<math>\boldsymbol{r}(\theta) = r\begin{pmatrix} \cos\theta \\ \sin\theta \end{pmatrix}</math>という2次元ベクトル関数とみることができる。更に<math>\theta=\omega t</math>とすると、これは等速円運動の式である。 1変数ベクトル関数の微分に関して、以下の公式が成り立つ。 #定数倍の導関数:<math>\{k\boldsymbol{a}(x)\}'=k\boldsymbol{a}'(x)</math> #和・差の導関数:<math>\{ \boldsymbol{a}(x)\pm\boldsymbol{b}(x) \}' = \boldsymbol{a}'(x)\pm\boldsymbol{b}'(x)</math> #積の導関数:<math>\{ f(x)\boldsymbol{a}(x) \}' = f'(x)\boldsymbol{a}(x)+f(x)\boldsymbol{a}'(x)</math> #商の導関数:<math>\left\{ \frac{\boldsymbol{a}(x)}{f(x)} \right\}' = \frac{f(x)\boldsymbol{a}'(x)-f'(x)\boldsymbol{a}(x)}{\{f(x)\}^2} \quad (f(x)\neq0)</math> #内積の導関数:<math>\{\boldsymbol{a}(x)\cdot\boldsymbol{b}(x)\}' = \boldsymbol{a}'(x)\cdot\boldsymbol{b}(x)+\boldsymbol{a}(x)\cdot\boldsymbol{b}'(x)</math> #外積の導関数:<math>\{\boldsymbol{a}(x)\times\boldsymbol{b}(x)\}' = \boldsymbol{a}'(x)\times\boldsymbol{b}(x)+\boldsymbol{a}(x)\times\boldsymbol{b}'(x)</math> #スカラー三重積の導関数:<math>[\boldsymbol{a}(x)\cdot\{\boldsymbol{b}(x)\times\boldsymbol{c}(x)\}]' = \boldsymbol{a}'(x)\cdot\{\boldsymbol{b}(x)\times\boldsymbol{c}(x)\}+\boldsymbol{a}(x)\cdot\{\boldsymbol{b}'(x)\times\boldsymbol{c}(x)\}+\boldsymbol{a}(x)\cdot\{\boldsymbol{b}(x)\times\boldsymbol{c}'(x)\}</math> #ベクトル三重積の導関数:<math>[\boldsymbol{a}(x)\times\{\boldsymbol{b}(x)\times\boldsymbol{c}(x)\}]' = \boldsymbol{a}'(x)\times\{\boldsymbol{b}(x)\times\boldsymbol{c}(x)\}+\boldsymbol{a}(x)\times\{\boldsymbol{b}'(x)\times\boldsymbol{c}(x)\}+\boldsymbol{a}(x)\times\{\boldsymbol{b}(x)\times\boldsymbol{c}'(x)\}</math> #連鎖律(チェイン・ルール):<math>[\boldsymbol{a}\{f(x)\}]'=\boldsymbol{a}'\{f(x)\}f'(x)</math> ベクトル関数の'''ノルム'''(大きさ、長さ)は、通常のベクトルと同様に :<math>\| \boldsymbol{f}(x) \| = \sqrt{\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}(x)} = \sqrt{\sum_{i} \{f_i (x)\}^2}</math> で与えられる。 つまり、ノルムは元のベクトル関数と同一変数のスカラー関数である。 ここで、このスカラー関数が定数関数である条件に就て見てみよう。 :<math>\| \boldsymbol{f}(x) \|= c \quad (c\in\mathbb{R}_{>0})</math>の両辺を2乗して :<math>\| \boldsymbol{f}(x) \|^2 = \boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}(x) = c^2</math> :両辺微分すると内積の微分より :<math>\{\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}(x)\}'=\boldsymbol{f}'(x)\cdot\boldsymbol{f}(x)+\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}'(x)=2\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}'(x)=0</math> :<math>\therefore \boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}'(x)=0</math> :逆に、 :<math>\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}'(x)=0 \iff 2\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}'(x)=\boldsymbol{f}'(x)\cdot\boldsymbol{f}(x)+\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}'(x)=\{\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}(x)\}'=0</math> :<math>\int \{\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}(x)\}'dx= \int 0 dx</math> :<math>\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}(x)=C_1</math>(<math>C_1\geq0</math>は積分定数) :<math>\| \boldsymbol{f}(x) \|^2=C_1</math>より :<math>\| \boldsymbol{f}(x) \| = \sqrt{C_1} = \mathrm{const}.</math> よって、以下が成り立つ。 {{定理|(直交条件の定理)}} :<math>\| \boldsymbol{f}(x) \|= \mathrm{const}. \iff \boldsymbol{f}(x) \cdot \boldsymbol{f}'(x) = 0</math> {{定理終わり}} これは、物理的には「位置ベクトルと速度ベクトルが直交する」ことを表す。則ち、<math>\boldsymbol{f}(x)</math>の終点が始点を中心とする円運動(球面運動)をするということである。 また、ベクトル関数が変数に依らず常に同一方向を向く条件も見てみよう(但し<math>\boldsymbol{f}(x)\neq\boldsymbol{0}</math>)。 :所与の条件は零ベクトルでない定ベクトル<math>\boldsymbol{c}</math>を用いて<math>\boldsymbol{f}(x) = f(x)\boldsymbol{c}</math>と表される。 :両辺微分して<math>\boldsymbol{f}'(x)=\{f(x)\boldsymbol{c}\}=f'(x)\boldsymbol{c}</math> :ここで元のベクトル関数との外積をとると :<math>\boldsymbol{f}(x)\times\boldsymbol{f}'(x)=\{f(x)\boldsymbol{c}\}\times\{f'(x)\boldsymbol{c}\}=f(x)f'(x) (\boldsymbol{c}\times\boldsymbol{c})=f(x)f'(x)\boldsymbol{0}=\boldsymbol{0}</math> :逆に、 :<math>\boldsymbol{f}(x)\times\boldsymbol{f}'(x)=\boldsymbol{0}</math>とすると一次従属なので :<math>\boldsymbol{f}'(x)=g(x)\boldsymbol{f}(x)</math>という微分方程式が成り立つ。 :各成分ごとに微分方程式を解くと、 ::これは変数分離型微分方程式なので第i成分は ::<math>\frac{df_i}{dx}=g(x)f_i(x)</math> ::<math>\int \frac{df_i}{f_i(x)}=\int g(x)dx</math> ::<math>G'(x)=g(x), C_i</math>を積分定数として<math>\log|f_i(x)|=G(x)+C_i</math> ::<math>C_i=\pm e^{C_i}</math>と改めておくと<math>f_i(x)=C_i e^{G(x)}</math> :よって :<math>\boldsymbol{f}(x)=\sum_i f_i(x) \boldsymbol{e}_i = \sum_i C_i e^{G(x)} \boldsymbol{e}_i = e^{G(x)} \sum_i C_i \boldsymbol{e}_i</math> :ここで<math>f(x)=e^{G(x)}, \boldsymbol{c}=\sum_i C_i \boldsymbol{e}_i</math>と置くと :<math>\boldsymbol{f}(x) = f(x) \boldsymbol{c}</math>となり、方向は変数に依らず一定であることが判る// よって、以下が成り立つ。 {{定理|(平行条件の定理)}} <math>\boldsymbol{c},\boldsymbol{f}(x)\neq\boldsymbol{0}</math>として :<math>\boldsymbol{f}(x)=f(x)\boldsymbol{c} \iff \boldsymbol{f}(x) \times \boldsymbol{f}'(x) = \boldsymbol{0}</math> {{定理終わり}} ベクトル解析では三次元空間の場合を考えることが多いため上では外積を用いて証明したが、外積は3項ベクトル(または7項ベクトル)にしか定義されないのであった。 一般次元では外積に代わって次の関係式を用いる。 :<math>|\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}'(x)|=\|\boldsymbol{f}(x)\|\|\boldsymbol{f}'(x)\|</math> これはCS不等式の等号成立の場合である。 実際、<math>\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}'(x)=\|\boldsymbol{f}(x)\|\|\boldsymbol{f}'(x)\|\cos\{\theta(x)\}</math>より等号成立の必要十分条件は :<math>\cos\{\theta(x)\}=\pm1\iff\theta(x) \equiv 0 \,(\mathrm{mod}\pi)</math> であり、2ベクトル<math>\boldsymbol{f}(x), \boldsymbol{f}'(x)</math>は平行とわかる。<br/> 平行ということは一次従属ということなので先程のように変数分離形微分方程式を解くことで3次元と同じ結果を得る。// 補足として、力学への応用を考える。 :速さの二乗<math>\|\boldsymbol{v}(t)\|^2</math>を時間微分すると :<math>\frac{d}{dt}\|\boldsymbol{v}(t)\|^2=\frac{d}{dt}(\boldsymbol{v}(t)\cdot\boldsymbol{v}(t))=\frac{d\boldsymbol{v}(t)}{dt}\cdot\boldsymbol{v}(t)+\boldsymbol{v}(t)\cdot\frac{d\boldsymbol{v}(t)}{dt}=2(\boldsymbol{v}(t)\cdot\boldsymbol{a}(t))</math> :よって等速運動の条件<math>\|\boldsymbol{v}(t)\|=\mathrm{const}.</math>は直交条件の定理から<math>\boldsymbol{v}(t)\perp\boldsymbol{a}(t)</math>に同値である。 :これを力学的に解釈すると、「加速度ベクトルは速度ベクトル方向に仕事をしないから速度ベクトルの大きさを変えずに向きだけを変える」となる。 :平面上で等速円運動を考えると円運動条件から<math>\boldsymbol{r}(t)\perp\boldsymbol{v}(t)</math>、等速条件から<math>\boldsymbol{v}(t)\perp\boldsymbol{a}(t)</math>なので<math>\boldsymbol{r}(t) /\!/ \boldsymbol{a}(t)</math>が出てくる。 :円運動条件<math>\|\boldsymbol{r}(t)\|^2=r^2</math>を一階微分すると ::<math>2\boldsymbol{r}(t)\cdot\boldsymbol{r}'(t)=0</math> :もう一度微分して ::<math>2(\boldsymbol{r}(t)\cdot\boldsymbol{r}''(t)+\boldsymbol{r}'(t)\cdot\boldsymbol{r}'(t))=0</math> :則ち ::<math>\boldsymbol{r}(t)\cdot\boldsymbol{a}(t)+\boldsymbol{v}(t)\cdot\boldsymbol{v}(t)=0</math> :位置ベクトルと加速度ベクトルが一次従属なので<math>\boldsymbol{a}(t)=\lambda\boldsymbol{r}(t)</math>であり、等速条件より<math>\|\boldsymbol{v}(t)\|=v</math>なので ::<math>\lambda r^2 + v^2 = 0</math> ::<math>\therefore \lambda = -\frac{v^2}{r^2}<0</math> :則ち<math>\boldsymbol{r}(t)</math>と<math>\boldsymbol{a}(t)</math>は逆向きであり、円運動の中心は<math>\boldsymbol{r}(t)</math>の始点なので<math>\boldsymbol{a}(t)</math>は常に円運動の中心を向く'''向心加速度'''であることが証明された。// なお、3次元以上では「<math>\boldsymbol{a}\perp\boldsymbol{b}\land\boldsymbol{b}\perp\boldsymbol{c}\implies\boldsymbol{a}/\!/\boldsymbol{c}</math>」が一般には成り立たないのでこの議論を成立させるには追加の条件が必要である。 <math>\boldsymbol{f}(x)</math>の不定積分は、各<math>f_i(x)</math>の原始関数を並べたベクトルを<math>\boldsymbol{F}(x)</math>として :<math>\int \boldsymbol{f}(x) dx = \boldsymbol{F}(x)+\boldsymbol{C}</math>(<math>\boldsymbol{C}</math>は各積分定数を並べたベクトル) と表される。 また、定積分は :<math>\int^b_a \boldsymbol{f}(x) dx=\boldsymbol{F}(b)-\boldsymbol{F}(a)</math> と表される。 1変数ベクトル関数の積分について、以下が成り立つ(不定積分表記だが定積分に就ても同様)。 #定数倍の原始関数:<math>\int \{k\boldsymbol{a}(x)\} dx = k\int\boldsymbol{a}(x)dx</math> #和・差の原始関数:<math>\int \{\boldsymbol{a}(x)\pm\boldsymbol{b}(x)\}dx=\int\boldsymbol{a}(x)dx\pm\int\boldsymbol{b}(x)dx</math> #内積の原始関数<math>\int \{\boldsymbol{k}\cdot\boldsymbol{a}(x)\}dx=\boldsymbol{k} \cdot \left( \int \boldsymbol{a}(x) dx \right)</math> #外積の原始関数<math>\int \{\boldsymbol{k}\times\boldsymbol{a}(x)\}dx=\boldsymbol{k} \times \left( \int \boldsymbol{a}(x) dx \right)</math> #スカラー倍の部分積分:<math>\int f(x)\boldsymbol{a}'(x)dx= f(x)\boldsymbol{a}(x)-\int f'(x)\boldsymbol{a}(x) dx \iff \int f'(x)\boldsymbol{a}(x)dx= f(x)\boldsymbol{a}(x)-\int f(x)\boldsymbol{a}'(x) dx</math> #内積の部分積分:<math>\int \{ \boldsymbol{a}(x)\cdot\boldsymbol{b}'(x) \}dx = \boldsymbol{a}(x)\cdot\boldsymbol{b}(x) - \int \{\boldsymbol{a}'(x)\cdot\boldsymbol{b}(x)\}dx</math> #外積の部分積分:<math>\int \{ \boldsymbol{a}(x)\times\boldsymbol{b}'(x) \}dx = \boldsymbol{a}(x)\times\boldsymbol{b}(x) - \int \{\boldsymbol{a}'(x)\times\boldsymbol{b}(x)\}dx</math> #置換積分:<math>u=f(x)</math>として<math>\int \boldsymbol{a}'\{f(x)\}f'(x) dx = \int \boldsymbol{a}(u)du</math> 平行条件の定理の証明でベクトル関数の微分方程式を解いたように、成分毎に考えることで解空間ベクトルを求められる。 :1階線型常微分方程式<math>\boldsymbol{f}'(x)+a(x)\boldsymbol{f}(x)=\boldsymbol{b}(x)</math>の解に就て考える。 :第<math>i</math>成分を考えると<math>f'_i(x)+a(x)f_i(x)=b_i(x)</math>という1階線型常微分方程式を得るので、 :両辺に積分因子<math>\mu(x)=\exp\left(\int a(x) dx\right)</math>を掛けることで :<math>f_i(x)=\frac{1}{\mu(x)} \left\{ \int \mu(x) b_i(x) dx + C_i \right\}</math>を得る。 :よって一般解は :<math>\boldsymbol{f}(x) = \sum_i \frac{1}{\mu(x)} \left\{ \int \mu(x) b_i(x) dx + C_i \right\} \boldsymbol{e}_i=\frac{1}{\mu(x)}\left\{ \int \mu(x) \boldsymbol{b}(x) dx + \boldsymbol{C} \right\}</math> ベクトル関数は必ずしもここで扱った<math>\boldsymbol{f}: \mathbb{R}\to\mathbb{R}^n</math>のみを指さない。 例えば、ベクトル変数 <math>\boldsymbol{x}= \sum_i g_i (x) \boldsymbol{e}_i</math>に対して :<math>\boldsymbol{h}(\boldsymbol{x})=\sum_i (h_i \circ g_i) (x) \boldsymbol{e}_i</math> と定義されるような関数<math>\boldsymbol{h}:\mathbb{R}^m \to \mathbb{R}^m</math>もベクトル関数である。 また、始域と終域の次元が異なる<math>\boldsymbol{i}: \mathbb{R}^m \to \mathbb{R}^n \, (m, n\neq1)</math>のようなベクトル関数も考えられる。 一般に、始域が<math>\mathbb{R}^n (n\neq1)</math>であっても終域が<math>\mathbb{R}</math>である関数はベクトル関数に対して'''スカラー関数'''(scalar function)と呼ばれる。スカラー関数は入力ベクトルを「変数の組」と見れば通常の多変数関数に一致する。 この節で述べた理論は、多くは一般のベクトル関数に対しても成り立つ。但し、後述のヤコビ行列のような拡張を必要とするものもある。 また、多変数ベクトル関数<math>\boldsymbol{f}(x_1, x_2,\cdots,x_n)</math>を考えたとき、多変数微積分の理論は一変数微積分と同様にしてベクトル関数にもそのまま拡張される。 ===ベクトル場・スカラー場=== 写像<math>\boldsymbol{a}: \mathbb{R}^m \to \mathbb{R}^n</math>を'''ベクトル場'''(vector field)という。 実際には<math>m=n</math>の場合を考えることが多い。 写像<math>\varphi: \mathbb{R}^n \to \mathbb{R}</math>を'''スカラー場'''(scalar field)という。 それぞれ上で述べたベクトル関数・スカラー関数に対応する。 もう少し具体的に述べると、空間の領域<math>V</math>が与えられたときその各点にスカラーまたはベクトルを割り当てたものが場である。要するに、<math>p\in V</math>とすると :スカラー場:<math>\varphi=\varphi(p)</math> :ベクトル場:<math>\boldsymbol{a}=\boldsymbol{a}(p)</math> のように場は「点を入力とする<sup>※</sup>関数」である。 <small>※なお、ベクトル場を図示するときは「出力されたベクトルの'''始点は原点でなく入力された点'''」であることに注意が必要である。出力ベクトルの成分表示は「入力点を基準に据えたときの位置ベクトル」なので原点から目盛を数えることに意味はない。</small> ここで<math>V</math>に何かしらの座標が設定されていれば、その座標系の変数の組をベクトルと見做すことで場を「通常のスカラー関数・ベクトル関数」として扱えるのである。 則ち、「滑らかな場」という概念は「滑らかな関数」として定義することができる。より具体的に言うと、スカラー場・ベクトル場が'''滑らか'''であるとは対応するスカラー関数・ベクトル関数が<math>C^\infty</math>級であることである。但し、滑らかさは任意の座標変換で保たれるわけではないことに注意が必要である(後述の座標変換テンソル及びその逆行列の全ての成分関数が滑らかである必要がある)。 ここで、二変数関数の極値を思い返してみる。 <math>z=f(x, y)</math>が<math>(a, b)</math>で極大であるとは<math>\begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix}\neq\begin{pmatrix} a \\ b \end{pmatrix}</math>として :<math>\exist \delta>0, \forall {\scriptstyle\left(\begin{array}{c} x \\[-6pt] y \end{array}\right)} \in \mathbb{R}^2, {\scriptstyle\left\| \left(\begin{array}{c} x \\[-6pt] y \end{array}\right) - \left(\begin{array}{c} a \\[-6pt] b \end{array}\right) \right\|} < \delta \implies f(x, y) \leq f(a, b)</math> という定義だった。 <math>z=f(x, y)</math>は曲面を表すが、これを<math>z</math>軸正方向から<math>xy</math>平面に射影するとその陰が<math>(x, y)</math>の動く範囲となるのであった。 ここで<math>\boldsymbol{x}:=\begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix}, \boldsymbol{\alpha}:=\begin{pmatrix} a \\ b \end{pmatrix}</math>とすると<math>z=f(x, y)</math>はスカラー場<math>z=\phi(\boldsymbol{x})</math>と解釈することができ、更に条件法の前件は<math>\boldsymbol{\alpha}</math>の<math>\delta</math>-開球(二次元なので開円板)である。 なので、極大値の定義式をベクトル解析的に解釈すると「<math>xy</math>平面の各点に<math>z</math>の値を割り当てた数分布に於いて、開円板<math>B_\delta(\boldsymbol{\alpha})</math>内部に於ける<math>z</math>の最大値が<math>\phi(\boldsymbol{\alpha})</math>となるような正数<math>\delta</math>が存在する」ということである。 ベクトル場の例としては、電場・磁場・重力場などが挙げられる。 スカラー場の例としては、電位分布・温度分布・圧力分布などが挙げられる。 例えば、ベクトル場<math>\boldsymbol{f}=(x, 0, 0)</math>は、<math>\mathbb{R}^3</math>内の平面<math>x=k</math>上の任意点に、その点を始点とするベクトル<math>\begin{pmatrix} k \\ 0 \\ 0 \end{pmatrix}</math>が存在する状態を表す。 ベクトル場の和は、出力ベクトルの型が同じならばベクトル場の成分の和をとったものに等しい。 例えば、<math>\boldsymbol{f}(x, y, z)=(y, z, x), \boldsymbol{g}(x, y, z)=(z, x, y)</math>について :<math>(\boldsymbol{f}+\boldsymbol{g})(x, y, z)=(y, z, x)+(z, x, y)=(y+z, z+x, x+y)</math>である。 これは、ベクトル場の加法の定義が :<math>\forall p \in V, (\boldsymbol{f}+\boldsymbol{g})(p):=\boldsymbol{f}(p)+\boldsymbol{g}(p)</math> となっていて且つ<math>V</math>に座標を入れればベクトル関数の加法則をそのまま適用できるためである(入力点が異なるとき、場同士は足すことができない)。 曲線<math>\{\boldsymbol{x}\in\mathbb{R}^2 \mid \varphi(\boldsymbol{x})=\mathrm{const}.\}</math>を'''等高線'''(等高曲線)、曲面<math>\{\boldsymbol{x}\in\mathbb{R}^3 \mid \varphi(\boldsymbol{x})=\mathrm{const}.\}</math>を'''等位面'''(等位曲面)という。これらの詳細は後述する。 ==曲線論・曲面論== ===曲線=== <math>xy</math>平面上の曲線は<math>y=f(x) (x\in[a, b])</math>という陽関数表示で扱うことが多かった。しかし、これだと自分自身と交わる('''自己交叉'''する)曲線や<math>x=x_0</math>に対して<math>f(x_0)</math>の値が複数存在する(<math>f</math>が'''多価関数''')場合に不都合が生じる。 例えば円を陽関数表示しようとすると :<math>x^2+y^2=r^2</math>を<math>y</math>に就いて解いて :<math>y=\pm\sqrt{r^2-x^2}</math> 則ち :<math>y=\begin{cases} \sqrt{r^2-x^2} & (y\geq0) \\ -\sqrt{r^2-x^2} & (y<0) \end{cases}</math> という多価関数が必要になる。 これだと端点の振舞を一々調べる必要があって曲線の連続性や接線の議論が煩雑になってしまう。 しかし、先程も述べたように曲線の媒介変数表示はベクトル関数として見れるのであった。 :<math>\boldsymbol{r}(\theta) = r\begin{pmatrix} \cos\theta \\ \sin\theta \end{pmatrix}</math>(再掲) こうすると一変数連続ベクトル関数によって曲線を表すことが可能である。物理的に捉えると「質点の運動の軌跡を原点からの位置ベクトルの時間変化で表す」ということである。 一般に、<math>\boldsymbol{r}\in\mathbb{R}^n, t \in I</math>としてベクトル方程式<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t)</math>の解集合<math>\{\boldsymbol{r}(t) \mid t \in I \}</math>は<math>n</math>次元空間内の曲線<math>C</math>を表す。これを<math>C</math>の'''ベクトル表示'''という。 ベクトル表示は成分表示に直せば<math>\boldsymbol{r}(t)=\sum_i r_i(t)\boldsymbol{e}_i</math>となる。これは媒介変数表示<math>\begin{cases} x_1&=&r_1(t) \\ x_2&=&r_2(t) \\ &\,\,\vdots& \\ x_n&=&r_n(t) \end{cases}</math>をベクトル表記したものに一致する。 例えば、<math>\boldsymbol{r}(t)=\begin{pmatrix} a\cos t \\ a\sin t \\ bt \end{pmatrix}</math>は'''常螺旋'''(弦巻線)のベクトル表示である。 パラメータが増加するときの点の移動方向を曲線の'''正の向き'''と定める。曲線の'''負の向き'''はパラメータが減少するときの点の移動方向である。このとき、パラメータで'''向き付け'''された曲線という表現もなされる。曲線<math>C</math>に対し、同じパラメータを用いた逆向きの曲線を<math>-C</math>と表す。ベクトル表示では<math>C:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t)</math>に対して<math>-C:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(-t)</math>ということである。 パラメータに関する変数変換<math>u=\phi(t)</math>を考える。但し、<math>\phi</math>は広義単調関数とする<sup>※</sup>。このとき、<math>\frac{du}{dt}</math>が非負ならば曲線の向き付けが保たれ、非正ならば向き付けが反転する。<math>\frac{du}{dt}=0</math>となる領域では点の運動が停止する。 <small>※<math>\phi</math>が非単調関数のときは曲線上の点が行ったり来たりすることになるため曲線のパラメータ表示としては扱いづらい。</small> <math>\boldsymbol{r}(t) \in C^1</math>且つ<math>\boldsymbol{r}'(t)\neq\boldsymbol{0}</math>であるとき、曲線<math>C</math>は'''滑らか'''であるという。 滑らかな曲線<math>C:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t)</math>に対して<math>\boldsymbol{r}'(t)</math>を<math>C</math>の'''速度ベクトル'''という。 <math>\overrightarrow{\mathrm{OP}}=\boldsymbol{r}</math>として点<math>\mathrm{P}(t)</math>に於ける速度ベクトルは<math>\lim_{\Delta t\to0}\frac{\boldsymbol{r}(t+\Delta t)-\boldsymbol{r}(t)}{\Delta t}</math>の極限ベクトルであるが、<math>\boldsymbol{r}(t+\Delta t)-\boldsymbol{r}(t)</math>を図示することで速度ベクトルが曲線<math>C</math>の点<math>\mathrm{P}(t)</math>に於ける接線の方向ベクトルになっていることがわかる。よって、速度ベクトルを'''接線ベクトル'''(接ベクトル)ともいう。 速度ベクトルが非零である曲線を'''正則'''な曲線と呼ぶ。滑らかな曲線は正則曲線である。 なお、一般には陽関数表示が区分的であることとベクトル表示の成分関数が区分的であることに対応はないほか、パラメータの取り方で速度ベクトルが変わるので「曲線の幾何学的滑らかさ」と「ベクトル表示した関数の解析学的滑らかさ」は一致するとは限らない。 正則な曲線に対して曲線長('''弧長''')を考える。 二次元曲線の場合は数学Ⅲで既に扱った。 :<math>L=\int_a^b \sqrt{\left(\frac{dx}{dt}\right)^2+\left(\frac{dy}{dt}\right)^2}dt</math> 実は、これを一般の<math>n</math>次元にそのまま拡張することができる。 {{定理|(弧長公式)}} 曲線<math>C:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t)</math>の点<math>\mathrm{P}(a)</math>から点<math>\mathrm{P}(b)</math>までの長さ(<math>a<b</math>)は :<math>L=\int_a^b \left\| \frac{d\boldsymbol{r}}{dt} \right\|dt</math> で与えられる。 {{定理終わり}} *証明 :<math>a=t_0, b=t_m</math>として閉区間<math>[a, b]</math>を各<math>t_i</math>で等分割する。このとき小区間<math>[t_{k-1}, t_k]</math>の長さは<math>\Delta t=\frac{b-a}{m}</math>。 :<math>C</math>の点<math>\mathrm{P}(a)</math>から点<math>\mathrm{P}(b)</math>までの長さ<math>L</math>は折れ線の長さ<math>\overline{\mathrm{P}(t_{k-1})\mathrm{P}(t_k)}</math>の総和で近似される。 :ここで<math>\overrightarrow{\mathrm{OP}}=\boldsymbol{r}(t)</math>より ::<math>L_m=\sum_{k=1}^m \| \boldsymbol{r}(t_k)-\boldsymbol{r}(t_{k-1}) \| = \sum_{k=1}^m \left\| \frac{\boldsymbol{r}(t_{k-1}+\Delta t)-\boldsymbol{r}(t_{k-1})}{\Delta t-0} \right\|(\Delta t-0)</math> :分割を限りなく細かくする極限をとると<math>m\to\infty</math>より<math>\Delta t\to0</math>なので ::<math>\lim_{m\to\infty} L_m = \sum_{k=1}^\infty \left\| \frac{d\boldsymbol{r}}{dt}(t_{k-1}) \right\|dt</math> :区分求積法より最後の無限級数は収束して :<math>L=\int_a^b \left\| \frac{d\boldsymbol{r}}{dt} \right\|dt</math>// ここで、<math>dl:=\left\| \frac{d\boldsymbol{r}}{dt} \right\|dt</math>という微小量を'''線素'''と呼ぶ。 1を線素に関して積分したパラメータ<math>s:=\int_0^t dl</math>を'''弧長パラメータ'''(標準パラメータ)という。弧長パラメータは曲線上で「基準点からの符号付き距離」を表す。 曲線の弧長パラメータによるベクトル表示('''弧長パラメータ表示''')を考える。<math>s=\int_0^t \left\| \frac{d\boldsymbol{r}}{dt} \right\|dt</math>で正則よりノルムは正。則ち<math>\frac{ds}{dt}>0</math>より<math>s=\phi(t)</math>は狭義単調増加なので、逆関数<math>t=\phi^{-1}(s)</math>を考えることができる。よって、<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t)</math>に<math>t=\phi^{-1}(s)</math>を代入した<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(\phi^{-1}(s))</math>が弧長パラメータ表示である。これを<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(s)</math>と略記してしまうことも多いが、'''一般には元の<math>\boldsymbol{r}(t)</math>と成分関数が異なる'''ことに注意。 通常の媒介変数によるベクトル表示は「座標系が予め与えられた状況」での表示であるが、弧長パラメータは座標系を取り替えたとしても表す曲線そのものが変わらなければ不変である。よって、「座標系に依存しない表記」として弧長パラメータ表示は多く利用されている。 また、弧長パラメータ表示で連鎖律を適用すると :<math>\frac{d\boldsymbol{r}(s)}{ds}=\frac{d\boldsymbol{r}(t)}{dt}\cdot\frac{dt}{ds}=\frac{d\boldsymbol{r}(t)}{dt}\cdot\frac{1}{\frac{ds}{dt}}</math> ここで微分積分学の基本定理より :<math>\frac{ds}{dt}=\frac{d}{dt} \int_0^t \left\| \frac{d\boldsymbol{r}}{dt} \right\|dt = \left\| \frac{d\boldsymbol{r}}{dt} \right\|</math> なので :<math>\frac{d\boldsymbol{r}(s)}{ds}=\frac{\frac{d\boldsymbol{r}(t)}{dt}}{\left\| \frac{d\boldsymbol{r}}{dt} \right\|}</math> であり、自身のノルムで割ってるので恒等的に<math>\left\| \frac{d\boldsymbol{r}}{ds} \right\|=1</math>である。 よって、弧長パラメータ表示された曲線の接ベクトルは常に単位ベクトルである。 弧長パラメータ表示された曲線で線素を考えると<math>s=\int_0^s \left\| \frac{d\boldsymbol{r}(s)}{ds} \right\| ds = \int_0^s dl</math>だが、常に<math>\left\| \frac{d\boldsymbol{r}}{ds} \right\|=1</math>なので<math>ds=dl</math>であり、弧長パラメータの微小量は線素に等しい(弧長パラメータそのものが1の線素に関する積分なので当たり前ではある)。 <math>\boldsymbol{e}_\dagger(s)=\frac{d\boldsymbol{r}}{ds}</math>と置くと、点<math>\mathrm{P}(s_0)</math>に於ける接線の方程式は :<math>\boldsymbol{p}-\boldsymbol{r}(s_0)=\boldsymbol{e}_\dagger(s_0) (s-s_0)</math> と表される。 ここで<math>\boldsymbol{r}(s)</math>の中心<math>s_0</math>に於けるテイラー展開は :<math>\boldsymbol{r}(s)=\sum_{i=0}^\infty \frac{(s-s_0)^i}{i!} \frac{d^i}{ds^i}\boldsymbol{r}(s_0) </math> であり、「接線が一次近似に対応する」という構造はベクトル関数でも維持されることが判った。 領域<math>\boldsymbol{D}</math>上の滑らかなベクトル場<math>\boldsymbol{a}</math>について、微分方程式<math>\frac{d\boldsymbol{r}}{dt}=\boldsymbol{a}(\boldsymbol{r}(t)) (\boldsymbol{r} \in \boldsymbol{D})</math>で与えられる曲線<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t)</math>を<math>\boldsymbol{a}</math>の'''流線'''(streamline)という(入力点を位置ベクトルと同一視していることに注意)。流線の接線ベクトルは元のベクトル場そのものになるので、ベクトルの相等から得る方程式<math>\frac{dx_1}{a_1}=\frac{dx_2}{a_2}=\cdots=\frac{dx_n}{a_n}</math>を'''流線方程式'''という。 例えば、<math>\boldsymbol{f}(x, y)=(y, x)</math>の流線は、 :定義から<math>\frac{dx}{dt}=y, \frac{dy}{dt}=x</math> :合成関数の微分公式から<math>\frac{dy}{dx}=\frac{\frac{dy}{dt}}{\frac{dx}{dt}}=\frac{x}{y}</math> :<math>\int y dy=\int xdx</math> :<math>\frac{1}{2}y^2=\frac{1}{2}x^2+C</math> :よって双曲線<math>y^2-x^2=2C</math>// この場合、<math>t</math>に関する2つの微分方程式を組み合わせることで :<math>\frac{d^2x}{dt^2}=x, \frac{d^2y}{dt^2}=y</math>という二階線型常微分方程式となり、一般解が双曲線関数を用いて<math>\begin{cases} x=C_1\cosh t+C_2\sinh t \\ y=C_1\sinh t+C_2\cosh t \end{cases}</math>であることが容易に判る。<br>なお、流線方程式を用いても<math>\frac{dx}{y}=\frac{dy}{x}</math>から<math>\frac{dy}{dx}=\frac{x}{y}</math>が出てくる。 「流線の接線ベクトルが元のベクトル場になる」とはつまり、「接線が常にベクトル場と平行になるような曲線」を考えているということである。滑らかなベクトル場を考えているためそのような曲線は常に存在する。流線は「ベクトル場の流れを繋げていった曲線」と考えることができるので、「流れを簡潔に図示」するのにちょうどよい。 有名な例として、電気力線・磁力線はそれぞれ電場<math>\boldsymbol{E}</math>・磁束密度<math>\boldsymbol{B}</math>の流線である。 流線の微分方程式を弧長パラメータ表示を用いて変形する。 :<math>\frac{d\boldsymbol{r}}{dt}=\boldsymbol{a}(\boldsymbol{r}(t))</math>の左辺に就いて :<math>\frac{d\boldsymbol{r}}{ds}\cdot\frac{ds}{dt}=\frac{d\boldsymbol{r}}{ds}\cdot \|\boldsymbol{r}'(\phi^{-1}(s))\|</math> 元の方程式の両辺でノルムをとると :<math>\left\|\frac{d\boldsymbol{r}}{dt}\right\|=\|\boldsymbol{a}(\boldsymbol{r}(t))\|</math> 代入して :<math>\frac{d\boldsymbol{r}}{ds}\cdot\|\boldsymbol{r}'(\phi^{-1}(s))\|=\frac{d\boldsymbol{r}}{ds}\cdot\|\boldsymbol{a}(\boldsymbol{r}(t))\|</math> :<math>\therefore \frac{d\boldsymbol{r}}{ds} = \boldsymbol{e}_{\boldsymbol{a}(\boldsymbol{r}(\phi^{-1}(s)))}</math> ここから、流線の形状はノルムには関係なく方向場のみで決まることがわかる。 ===フレネ標搆=== ここでは、三次元空間に於ける正則曲線について考える。 <math>C:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(s)</math>上の点<math>\mathrm{P}(s)</math>に於ける単位接線ベクトルを<math>\boldsymbol{t}</math>とおく。 先程の議論より<math>\boldsymbol{t}(s)=\frac{d\boldsymbol{r}(s)}{ds}</math>であり、<math>\left\| \frac{d\boldsymbol{r}(s)}{ds} \right\|=1 (=\mathrm{const}.)</math>なので直交条件の定理から<math>\boldsymbol{t}\cdot\frac{d\boldsymbol{t}}{ds}=0</math>、則ち<math>\boldsymbol{t} \perp \frac{d\boldsymbol{t}(s)}{ds}</math>である。この<math>\frac{d\boldsymbol{t}(s)}{ds}</math>を'''主法線ベクトル'''という。 主法線ベクトルを<math>\boldsymbol{n}</math>とおくとき、<math>\boldsymbol{b}=\boldsymbol{t}\times\boldsymbol{n}</math>を'''従法線ベクトル'''(陪法線ベクトル)という。ここで先程の結果より<math>\boldsymbol{t}\perp\boldsymbol{n}</math>であって<math>\boldsymbol{b}</math>の定義より<math>\boldsymbol{t}\perp\boldsymbol{b}, \boldsymbol{n}\perp\boldsymbol{b}</math>なので、この3ベクトルの組を正規化した<math>\{\boldsymbol{e}_t, \boldsymbol{e}_n, \boldsymbol{e}_b \}</math>は<math>\mathbb{R}^3</math>の正規直交基底である。これを<math>\mathbb{R}^3</math>の'''フレネ標搆'''という。外積の結果よりフレネ標搆は<math>\boldsymbol{e}_t, \boldsymbol{e}_n, \boldsymbol{e}_b</math>の順に右手系をなす。なお、接線ベクトル・主法線ベクトル・従法線ベクトルは全て曲線の位置ベクトル<math>\boldsymbol{r}(s)</math>を入力したベクトル場として捉えることができる。 <math>\{\boldsymbol{e}_n, \boldsymbol{e}_b \}</math>の張る平面を'''法平面'''、<math>\{\boldsymbol{e}_t, \boldsymbol{e}_b \}</math>の張る平面を'''展直平面'''、<math>\{\boldsymbol{e}_t, \boldsymbol{e}_n \}</math>の張る平面を'''接触平面'''という。 即ち、法平面・展直平面・接触平面は<math>tnb</math>空間の点<math>\mathrm{P}(s)</math>を原点とした基準面である。 平面の方程式の法線ベクトルに接ベクトル・主法線ベクトル・従法線ベクトルをそれぞれ代入することで :法平面の方程式:<math>(\boldsymbol{p}-\boldsymbol{r}(s))\cdot\boldsymbol{t}(s)=0</math> :展直平面の方程式:<math>(\boldsymbol{p}-\boldsymbol{r}(s))\cdot\boldsymbol{n}(s)=0</math> :接触平面の方程式:<math>(\boldsymbol{p}-\boldsymbol{r}(s))\cdot\boldsymbol{b}(s)=0</math> とわかる。 <math>\|\boldsymbol{t}\|=1</math>は常に成り立つが<math>\|\boldsymbol{n}\|, \|\boldsymbol{b}\|</math>は<math>1</math>とは限らない。そこで、主法線ベクトルの大きさ<math>\kappa(s)=\|\boldsymbol{n}(s)\|</math>を曲線<math>C</math>の'''曲率'''と呼ぶことにする。なお、<math>\|\boldsymbol{b}\|=\| \boldsymbol{t} \| \|\boldsymbol{n}\|\sin\frac{\pi}{2}</math>より<math>\|\boldsymbol{b}\|=\|\boldsymbol{n}\|=\kappa</math>が成り立つ。 主法線ベクトルの定義に立ち戻ると<math>\boldsymbol{n}(s)=\frac{d\boldsymbol{t}(s)}{ds}</math>であった。つまり、主法線ベクトルは接ベクトルの速度ベクトルなので「弧長パラメータを変化させたときに接ベクトルがどのくらい変化するか」という指標である。接ベクトルの変化の大小と<math>\kappa</math>の大小は対応し、接ベクトルの大小はカーブの緩急に対応することから<math>\kappa</math>の大小とカーブの緩急も対応する。これが「曲率」という名前の由来である。 なお、<math>\kappa(s)=0</math>の場合は<math>\boldsymbol{n}(s)=\boldsymbol{0}</math>なので<math>\boldsymbol{t}(s)=\boldsymbol{k}</math>(定ベクトル)であり、<math>\boldsymbol{r}(s)=s\boldsymbol{k}</math>という直線の場合に対応することがわかる。 単位接ベクトルの<math>s</math>を微分変数とする導関数(<math>s</math>-導関数)は主法線ベクトルだったが、単位主法線ベクトル・単位従法線ベクトルの<math>s</math>-導関数がどのように表されるか見ていく。 ここで、フレネ標搆が<math>\mathbb{R}^3</math>の正規直交基底であることから、<math>\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}, \frac{d\boldsymbol{e}_b}{ds}</math>ともにフレネ標搆の一次結合で表現できると予想される。 単位従法線ベクトルに就いて :<math>\frac{d\boldsymbol{e}_b}{ds}=\frac{d}{ds}(\boldsymbol{e}_t\times\boldsymbol{e}_n)=\frac{d\boldsymbol{e}_t}{ds}\times\boldsymbol{e}_n+\boldsymbol{e}_t\times\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}</math> <math>\boldsymbol{t}=\boldsymbol{e}_t</math>より<math>\frac{d\boldsymbol{e}_t}{ds}=\boldsymbol{n}=\kappa\boldsymbol{e}_n</math>則ち<math>\frac{d\boldsymbol{e}_t}{ds}\times\boldsymbol{e}_n=\kappa\boldsymbol{e}_n\times\boldsymbol{e}_n=\boldsymbol{0}</math>なので :<math>\frac{d\boldsymbol{e}_b}{ds}=\boldsymbol{e}_t\times\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}</math> <math>\|\boldsymbol{e}_n\|=1</math>から直交条件の定理より<math>\boldsymbol{e}_n\perp\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}</math>なので :<math>\boldsymbol{e}_n\times\frac{d\boldsymbol{e}_b}{ds}=\boldsymbol{e}_n\times(\boldsymbol{e}_t\times\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds})=\left(\boldsymbol{e}_n\cdot\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}\right)-(\boldsymbol{e}_n\cdot\boldsymbol{e}_t)\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}=\boldsymbol{0}</math> 外積が零ベクトルなので<math>\frac{d\boldsymbol{e}_b}{ds} /\!\!/ \boldsymbol{e}_n</math>であり、一次従属より :<math>\frac{d\boldsymbol{e}_b}{ds}=-\tau\boldsymbol{e}_n</math> となるスカラー関数<math>\tau(s)</math>が存在する。 この<math>\tau(s)</math>を曲線<math>C</math>の'''捩率'''と呼ぶ。捩率は接触平面の回転(捩れ)の率を表す。 <math>\tau=0</math>ならば<math>\frac{d\boldsymbol{e}_b}{ds}=0</math>より<math>\boldsymbol{e}_b</math>方向は変化しないので曲線は接触平面と平行な平面上に拘束される。即ち、<math>C</math>は平面曲線である。 単位主法線ベクトルに就いて :<math>\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}=\frac{d}{ds}(\boldsymbol{e}_b\times\boldsymbol{e}_t)=\frac{d\boldsymbol{e}_b}{ds}\times\boldsymbol{e}_t+\boldsymbol{e}_b\times\frac{d\boldsymbol{e}_t}{ds}</math> ここで<math>\frac{d\boldsymbol{e}_t}{ds}=\kappa\boldsymbol{e}_n, \frac{d\boldsymbol{e}_b}{ds}=-\tau\boldsymbol{e}_n</math>を代入して :<math>\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}=-\tau\boldsymbol{e}_n\times\boldsymbol{e}_t+\boldsymbol{e}_b\times\kappa\boldsymbol{e}_n=\tau\boldsymbol{e}_b-\kappa\boldsymbol{e}_t</math> よって、フレネ標搆の弧長パラメータを微分変数とする導関数を以下のようにフレネ標搆の一次結合で表すことができた。 :<math>\begin{cases} \frac{d\boldsymbol{e}_t}{ds}=\kappa\boldsymbol{e}_n \\ \frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds} = \tau\boldsymbol{e}_b-\kappa\boldsymbol{e}_t \\ \frac{d\boldsymbol{e}_b}{ds}=-\tau\boldsymbol{e}_n \end{cases}</math> これを一次変換で表記すると以下のようになる。但し、厳密にはベクトルを成分としている部分は列ではなく行に配置するのが正しいことに注意。 {{定理|(フレネ=セレーの公式)}} :<math>\frac{d}{ds}\begin{pmatrix} \boldsymbol{e}_t \\ \boldsymbol{e}_n \\ \boldsymbol{e}_b \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 0 & \kappa & 0 \\ -\kappa & 0 & \tau \\ 0 & -\tau & 0 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} \boldsymbol{e}_t \\ \boldsymbol{e}_n \\ \boldsymbol{e}_b \end{pmatrix}</math> {{定理終わり}} 表現行列が反対称行列(歪対称行列)になっているが、これは「直交変換を一次近似すると反対称変換になる」という無限小回転の理論に対応する。 捩率を求めるときは「基底分解の係数は対応する基底ベクトルとの内積に等しい」という性質を利用すれば<math>\boldsymbol{e}_b\cdot\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}=\tau</math>となるので左辺を計算すればよい。 例えば、円<math>\begin{cases} x^2+y^2=a^2 \\ z=b \end{cases}</math>の曲率と捩率は以下のように求まる。 :媒介変数表示して<math>\boldsymbol{r}(t)=\begin{pmatrix} a\cos t \\ a\sin t \\ b \end{pmatrix}</math> :接線ベクトルは<math>\frac{d\boldsymbol{r}(t)}{dt}=\begin{pmatrix} -a\sin t \\ a\cos t \\ 0 \end{pmatrix}</math> :弧長パラメータ<math>s</math>は<math>s=\int^t_0 \left\|\frac{d\boldsymbol{r}(t)}{dt}\right\|dt = \int_0^t a dt = at</math> :<math>\therefore t=\frac{s}{a}</math> :<math>\boldsymbol{r}(s)=\begin{pmatrix} a\cos\frac{s}{a} \\ a\sin\frac{s}{a} \\ b \end{pmatrix}</math> :<math>\boldsymbol{t}=\frac{d\boldsymbol{r}(s)}{ds}=\begin{pmatrix} -\sin\frac{s}{a} \\ \cos\frac{s}{a} \\ 0 \end{pmatrix}</math> :<math>\boldsymbol{n}=\frac{d\boldsymbol{t}(s)}{ds}=\frac{1}{a}\begin{pmatrix} -\cos\frac{s}{a} \\ -\sin\frac{s}{a} \\ 0 \end{pmatrix}</math> :<math>\kappa=\|\boldsymbol{n}\|=\frac{1}{a}</math> :<math>\boldsymbol{b}=\boldsymbol{t}\times\boldsymbol{n} = \begin{pmatrix} 0 \\ 0 \\ \frac{1}{a} \end{pmatrix}</math> :<math>\boldsymbol{e}_n=\begin{pmatrix} -\cos\frac{s}{a} \\ -\sin\frac{s}{a} \\ 0 \end{pmatrix}</math> :<math>\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}=\frac{1}{a}\begin{pmatrix} \sin\frac{s}{a} \\ -\cos\frac{s}{a} \\ 0 \end{pmatrix}</math> :<math>\boldsymbol{e}_b = \begin{pmatrix} 0 \\ 0 \\ 1 \end{pmatrix}</math> :<math>\tau = \begin{pmatrix} 0 \\ 0 \\ 1 \end{pmatrix}\cdot\frac{1}{a}\begin{pmatrix} \sin\frac{s}{a} \\ -\cos\frac{s}{a} \\ 0 \end{pmatrix}=0</math>// フレネ・セレーの公式は[[線型代数学続論/行列値関数|行列関数]]に関する一階常微分方程式である。そのため、微分方程式の基本定理(ピカール=リンデレーエフの定理)により初期条件(<math>s=0</math>に於けるフレネ標搆)を与えれば、滑らかな曲率関数・捩率関数の組<math>(\kappa, \tau)</math>を定めることで微分方程式の解として一般の<math>s</math>に対するフレネ標搆を一意に得る。このとき、曲線<math>C:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(s)</math>は接ベクトルを出発点を選んで積分することで決定される。 従って、次の定理が成り立つ<!-- 厳密証明はhttps://sshmathgeom.private.coocan.jp/diffgeom/curvetheorem.htmlを参照 -->。 {{定理|(曲線の基本定理)}} 開区間<math>(a,b)</math>上の実数<math>s</math>を変数とする2つの滑らかな関数<math>\kappa(s),\tau(s)</math>を与える。但し、<math>\kappa(s)</math>は正とする。<br/> このとき、<math>\kappa(s)</math>を曲率、<math>\tau(s)</math>を捩率、<math>s</math>を弧長パラメータとする三次元空間上の曲線<math>C</math>が剛体運動を除いて一意に定まる。 {{定理終わり}} 剛体運動とは「曲線の形を変えない」運動のことである(平行移動・回転など)。 <math>\kappa(s), \tau(s)</math>の定める曲線族を一般に<math>\mathcal{C}[\kappa, \tau]</math>と書く。 例えば、円を含む螺旋は<math>c_1, c_2=\mathrm{const}.</math>として<math>\mathcal{C}[c_1, c_2]</math>と書ける。 <math>R=\frac{1}{\kappa}</math>を'''曲率半径'''という。曲率半径は曲線の特定のカーブにおける曲がり具合の急さを表す指標であり、カーブを近似する真円('''密着円''')の半径でもある。高速道路の標識で<math>R=\circ\circ \mathrm{m}</math>は、そのカーブの曲率半径を示している。道路設計では、快適なドライブの為曲率半径がなるべく大きくなるように工夫を凝らしている。 ここで<math>\boldsymbol{r}(s)</math>の中心<math>s_0</math>に於けるテイラー展開は :<math>\boldsymbol{r}(s)=\sum_{i=0}^\infty \frac{(s-s_0)^i}{i!} \frac{d^i}{ds^i}\boldsymbol{r}(s_0) </math>(再掲) だったが、二次近似式(三次以降を切り捨てた式)を考えると :<math>\boldsymbol{r}(s) \fallingdotseq \boldsymbol{r}(s_0)+\frac{d\boldsymbol{r}(s_0)}{ds}(s-s_0) + \frac{1}{2}\frac{d^2\boldsymbol{r}(s_0)}{ds^2}(s-s_0)^2 </math> フレネ標搆を用いて書き直すと :<math>\boldsymbol{r}(s) \fallingdotseq \boldsymbol{r}(s_0)+\boldsymbol{e}_t(s-s_0) + \frac{1}{2}\kappa(s_0)\boldsymbol{e}_n(s-s_0)^2 </math> 二次近似とは「曲線を円弧で近似する」ことだったので曲率<math>\kappa(s_0)</math>が近似に用いる円弧と関係ある量であることが予想される。<br/> 接触平面で密着円<math> \| \boldsymbol{r} - (\boldsymbol{r}(s_0)+R\boldsymbol{e}_n) \| = R </math>を考える。接触平面を<math>xy</math>平面と考えると円の方程式は :<math>x^2+(y-R)^2=R^2</math> :<math>y=R-\sqrt{R^2-x^2}</math> テイラー展開して :<math>y=\frac{x^2}{2R}+O(x^4)</math> 二次の項を比較すると :<math>\frac{x^2}{2R}=\frac{(s-s_0)^2}{2}\kappa</math> よって :<math>R=\frac{1}{\kappa}</math> と定義するのは妥当である。 なお、先ほど求めた円の曲率から、真円に関して「曲率半径=半径」であることが判る。 フレネ・セレーの公式で最初の二行二列のみを考えると<math>\mathbb{R}^2</math>内の曲線に対するフレネ・セレーの公式を得る。一般に<math>\mathbb{R}^n</math>上の曲線に対し、今回の議論と同様にして接ベクトル・主法線ベクトル・曲率を定義することができる。但し、三次元空間と異なって同じ曲率に対して異なる曲線を与えることができる(主法線ベクトルが接触平面内で接ベクトルに対して左右どちらを向くかがそのままでは定まらないため)。なお、4次元以上であっても平面拘束曲線ならば捩率は0であって従法線ベクトルは零ベクトルに定まる。 ===単純閉曲線=== パラメータ区間を<math>I=[a, b]</math>とする。 このとき、曲線の端点はそれぞれ<math>\mathrm{P}(a), \mathrm{P}(b)</math>である。 端点が一致する、つまり<math>\mathrm{P}(a)=\mathrm{P}(b)</math>である連続曲線を'''閉曲線'''という。 自己交叉しない、つまり<math>\forall t_1, t_2 \in (a, b), t_1 \neq t_2 \iff \mathrm{P}(t_1)\neq\mathrm{P}(t_2)</math>となる閉曲線を'''単純閉曲線'''(ジョルダン曲線)という。閉曲線でない曲線に就いて「自己交叉しない」という条件は「曲線を表すベクトル関数が単射」と同値であるので、端点のみ単射性を外してやれば単純閉曲線の定義を得る。 幾何学的直観から、平面に拘束された単純閉曲線はその平面を単純閉曲線で囲まれた'''内部'''とそうでない'''外部'''の二つの領域に分割することが予想できる。 このことは以下の定理によって保証される。 {{定理|(ジョルダンの曲線定理)}} 平面<math>\Pi\subset\mathbb{R}^n</math>内の任意の単純閉曲線<math>\gamma</math>に対し、有界領域<math>I</math>・非有界領域<math>O</math>の組であって<math>\Pi\setminus\gamma=I \sqcup O</math>且つ<math>\partial{I}=\partial{O}=\gamma</math>であるものが唯一つに定まる。 {{定理終わり}} この<math>I, O</math>をそれぞれ内部・外部と定義する。証明は[[位相幾何学]]で行う。なお、「<math>\partial{I}=\partial{O}=\gamma</math>」を態々明示しているのは、滑らかでない単純閉曲線に対しては「<math>\Pi\setminus\gamma=I \sqcup O \implies \partial{I}=\partial{O}=\gamma</math>」が自明でないためである。 正則単純閉曲線に対して「曲線の向き」の幾何学的意味を考える。 ジョルダンの曲線定理より単純閉曲線<math>\gamma:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(s) \quad(\boldsymbol{r}\in \Pi)</math>は平面<math>\Pi</math>を内部<math>I</math>と外部<math>O</math>に分割する。平面拘束曲線なので<math>\forall{s}, \tau(s)=0</math>であり、従法線ベクトルは零ベクトル且つ接触平面が常に<math>\Pi</math>に一致する。 主法線ベクトル<math>\boldsymbol{n}(s)</math>が接ベクトル<math>\boldsymbol{t}(s)</math>に対して左側を向いているとすると、<math>\boldsymbol{r}(s_0)+\varepsilon\boldsymbol{n}(s_0) \quad(\varepsilon>0)</math>が点<math>\mathrm{P}(s_0)</math>に於ける<math>\gamma</math>の進行方向左側にある点である。 ここで、<math>\mathrm{P}(s_0)</math>に於ける<math>\varepsilon</math>-開球<math>B_\varepsilon(s_0)</math>を考えると、平面<math>\Pi</math>上では<math>\boldsymbol{r}(s_0)+\varepsilon\boldsymbol{n}(s_0)</math>が左側の領域、<math>\boldsymbol{r}(s_0)+\varepsilon\boldsymbol{n}(s_0)</math>が右側の領域に入る。 <math>s=s_0</math>を動かすと各点で進行方向左は<math>I, O</math>のいずれかであり、<math>\gamma</math>の正則性と<math>I, O</math>の連結性から「<math>I, O</math>のどちらが左側であるかは曲線全体で変わらない」ことが言える。 ここで円の場合を考える。<math>\Pi</math>に直交座標<math>u, v</math>を入れると向心加速度の議論から「加速度ベクトル=主法線ベクトルは円の中心を向く」ので、「円の正の向きは円の内部を左手に見る進行方向」である。 任意の正則単純閉曲線<math>\gamma</math>に対して自己交叉を起こさないまま円へ連続変形する可逆写像が存在し、その変形に於いて「左側」と「<math>I, O</math>」の対応は変化しない。則ち、円で確認された「正の向きは囲まれた内部を左手に見る向き」は任意の正則単純閉曲線で成り立つ。 つまり、単純閉曲線の正の向きは点を動かしたときに'''自身の囲む領域の内部を左手に見る向き'''である。負の向きは左手に外部を見る向きである。 集合<math>A</math>に含まれる任意の2点に対してそれらを端点とする滑らかな曲線<math>C</math>をとれるとき、<math>A</math>は'''弧状連結'''であるという。 弧状連結集合<math>S</math>内の任意の閉曲線<math>\gamma</math>に対して1点に退化するような連続変形が可能なとき、<math>S</math>は'''単連結'''であるという。単連結でない集合は'''多重連結'''であるという。 平面<math>\Pi\subset\mathbb{R}^n</math>に含まれる単連結集合<math>S</math>に対し、<math>\hat{\Pi}:=\Pi\cup\{\infty\}</math>とすると集合<math>\hat{\Pi}\setminus{S}</math>は連結である。逆も成り立つ。 なお、「<math>A</math>が連結集合である」ことは「補集合<math>\overline{A}</math>が非連結集合である」ことを意味しない。そのため「単連結な連結集合」も考えられ、特に「単連結な領域」はこの先頻繁に登場する。 集合<math>A</math>に含まれる任意の2点を結んだ線分が<math>A</math>に包含されるとき、<math>A</math>は'''凸型'''であるという。凸型集合でない集合は'''凹型'''であるという。 集合<math>A</math>内の1点を固定してそこから<math>A</math>内任意点へ引いた線分が<math>A</math>に包含されるとき、<math>A</math>は'''星状'''(星型)であるという。このとき固定した点を'''星の中心'''という。凸型集合は全て星状集合である。 単純閉曲線<math>\gamma</math>を境界とする内部<math>I</math>に関して<math>I\cup\gamma</math>が凸型集合であるとき、<math>\gamma</math>を'''卵形線'''(凸単純閉曲線・オーヴァル)という。 曲線<math>C</math>の曲率関数<math>\kappa(s)</math>が<math>C^3</math>級であるとき、<math>\kappa'(s_0)=0</math>を満たす点<math>\mathrm{P}(s_0)</math>を<math>C</math>の'''頂点'''という。 例えば、標準楕円<math>\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}=1</math>の頂点は4点<math>(\pm{a},0),(0,\pm{b})</math>である。このことは、<math>\mathbb{R}^2</math>上曲線<math>C:\boldsymbol{r}=x(t)\boldsymbol{e}_x(t)+y(t)\boldsymbol{e}_y(t)</math>に対する曲率の公式<math>\kappa(t)=\frac{\left|\frac{dx}{dt}\frac{d^2y}{dt^2}-\frac{dy}{dt}\frac{d^2x}{dt^2}\right|}{\left\{\left(\frac{dx}{dt}\right)^2+\left(\frac{dy}{dt}\right)^2\right\}^\frac{3}{2}}</math>と<math>\frac{ds}{dt}>0</math>を用いて確かめられる。 実は、この事実は楕円に限らないことが以下の定理で示される。 {{定理|(ムコパディヤーヤの定理・四頂点定理)}} <math>\mathbb{R}^2</math>上の滑らかな卵形線は少なくとも4つの頂点を持つ。 {{定理終わり}} *証明 :滑らかな卵形線<math>C:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(s)\quad(s\in[a, b])</math>に対して曲率関数<math>\kappa(s)</math>は滑らかであり、<math>\kappa\in C^3</math>を満たす。 :卵形線は単純閉曲線なので<math>\mathrm{P}(a)=\mathrm{P(b)}</math>であり、<math>\kappa(a)=\kappa(b)</math>。 :曲率関数が定数関数のときは<math>\kappa\in C^\infty</math>且つ常に<math>\kappa'(s)=0</math>なので曲線を構成するすべての点が頂点であり、明らかに定理を満たす。 :曲率関数が定数関数でないとする。 :ワイエルシュトラスの極値定理より<math>\kappa(s)</math>は<math>s\in[a, b]</math>のどこかで最大値・最小値をとり、その点で<math>\kappa'(s)=0</math>を満たす。 :従って少なくとも2つの頂点を持つ。 :ここで、頂点がこの2つのみと仮定する。 :曲率が最大値・最小値をとる点をそれぞれ<math>\mathrm{M, N}</math>と置く。 :線分<math>\mathrm{MN}</math>を含む直線を<math>x</math>軸とし、その垂直方向に<math>y</math>軸をとる。 :<math>s</math>が増加すると曲線上の点が<math>\mathrm{N}\to\mathrm{M}</math>のように動くとき、 :<math>\kappa(s)</math>は最小値から最大値に向かって増大し、他に頂点がないので狭義単調増加である。 :同様に、<math>\mathrm{M}\to\mathrm{N}</math>の向きでは<math>\kappa(s)</math>は狭義単調減少である。 :従って、<math>\kappa'(s)y(s)\neq0</math>の正の側だけ考えれば良い。 :<math>y(a)=y(b)=0</math>に注意すると部分積分して :<math>0<\int_a^b \kappa'(s)y(s)ds=-\int_a^b \kappa(s)y'(s)ds</math> :主法線ベクトル<math>\boldsymbol{n}(s)= \begin{pmatrix} \xi_1(s) \\ \xi_2(s) \end{pmatrix}</math>を考えると二次元版フレネ=セレーの公式から<math>\frac{d\boldsymbol{n}}{ds}=-\kappa\frac{d\boldsymbol{r}}{ds}</math>なので :<math>\xi'_2(s)=-\kappa(s)y'(s)</math> :よって :<math>-\int_a^b \kappa(s)y'(s)ds=\int_a^b \xi_2(s)ds = \left[\xi_2(s)\right]_a^b=0</math> :なので矛盾した不等式<math>0<0</math>を得る。 :則ち、<math>\mathrm{M, N}</math>と異なる点で<math>\kappa'(s)=0</math>を満たす点が少なくとも一つ存在する。 :そのような点を<math>\mathrm{L}</math>と置く。 :<math>\mathrm{L}</math>が<math>\mathrm{N}\to\mathrm{M}</math>という経路の途中にあるとする。 :このとき、<math>\mathrm{L}</math>以外に<math>\kappa'(s)=0</math>を満たす点が存在すると「<math>\mathrm{M}\to\mathrm{N}</math>という経路の途中にそのような点が無い」という最初の仮定に反するので :<math>\mathrm{M, N, L}</math>以外では<math>\kappa'(s)y(s)>0</math>である。 :同様に部分積分を行うことで矛盾した不等式を得、<math>\mathrm{M, N, L}</math>と異なる点で<math>\kappa'(s)=0</math>を満たす点が少なくとも一つ存在することが判る。 :この時点で「<math>\mathrm{M, N}</math>間の二つの経路のいずれにも<math>\kappa'(s)=0</math>を満たす点が存在しない」という仮定が否定されたのでこれ以上背理法を適用することはできない。 :よって、頂点個数の最小値は<math>4</math>である。// 最小値4をとる卵形線が実際に存在することは楕円の例で確かめた。 この定理は「卵形線」を「(正則)単純閉曲線」に取り換えてもそのまま成り立つことが知られている。一般の閉曲線でこの定理を成り立たせるには追加の条件が必要となる。 先程も述べたように、接ベクトルと単位主法線ベクトルは2次元以上の空間内部にある曲線ならば定義することができる。そして、<math>\boldsymbol{t}\cdot\boldsymbol{n}=0</math>も必ず成り立つ。よって、<math>\boldsymbol{e}_t\cdot\boldsymbol{e}_n=0</math>の両辺を<math>s</math>で微分して :<math>\frac{d\boldsymbol{e}_t}{ds}\cdot\boldsymbol{e}_n+\boldsymbol{e}_t\cdot\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}=0</math> :<math>\therefore \boldsymbol{e}_t\cdot\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}=-\boldsymbol{n}\cdot\boldsymbol{e}_n=-\kappa</math> ここで「基底分解に於ける成分はその基底との内積に等しい」という性質から、<br/> 一般次元に於いても「<math>\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}</math>の接線方向成分は<math>-\kappa(s)</math>」であることが判る。 ここで<math>C^2</math>級曲線の位置ベクトル<math>\boldsymbol{r}(s)</math>に対して単位主法線<math>\boldsymbol{e}_n(s)</math>を対応させることを考える。この対応を'''ガウス表示'''という。 <math>\boldsymbol{e}_n(s)</math>を二次までテイラー展開すると<math>\Delta s>0</math>を微小量として :<math>\boldsymbol{e}_n(s+\Delta s)=\boldsymbol{e}_n(s)+\frac{d\boldsymbol{e}_n(s)}{ds}\Delta s + O(\Delta s^2)</math> ここで<math>\boldsymbol{e}_t\cdot\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}=-\kappa</math>より、<math>s</math>を<math>\Delta s</math>だけ動かしたときの接線方向の速さは<math>|\kappa(s)|\Delta s</math>である(<math>\kappa(s)</math>が正で正の向き、負で負の向きに動くとする)。 閉曲線に対してはガウス表示によって法線方向の変化を完全に捉えられるので、<math>\kappa(s)</math>を微小量<math>\Delta s</math>に関して積分した<math>\int_a^b \kappa(s)ds</math>を考えてみる。 ガウス表示では曲線を単位主法線ベクトルの描く単位円として考えることができる。閉曲線では<math>\mathrm{P}(a)=\mathrm{P}(b)</math>より明らかに<math>\boldsymbol{e}_n(a)=\boldsymbol{e}_n(b)</math>であり、閉曲線が一周する間にベクトル<math>\boldsymbol{e}_n(s)</math>はこの単位円を<math>m(\in\mathbb{Z})</math>周する<sup>※</sup>。 <small>※物理的には「円そのものが動いても円周上の質点は『この円をどっちの方向に何周したか』という情報しか持たない」ので、単位円が動くことは議論にあまり関係ない</small> 弧度法より単位円を<math>m</math>周する符号付き道のりは<math>2\pi{m}</math>であり、ガウス表示より<math>\int_a^b \kappa(s)ds=2\pi{m}</math>。 従って、<math>m=\frac{1}{2\pi}\int_a^b \kappa(s)ds</math> この<math>m</math>を閉曲線の'''回転数'''と呼ぶことにする。 曲率が負の場合には積分値が途中で相殺されてしまうので、絶対値を付けて積分した :<math>\mu:=\int_a^b |\kappa(s)|ds</math> という量を考えることにする。 これを閉曲線の'''全曲率'''と呼ぶ。 全曲率に対して以下の定理が成り立つ。 {{定理|(フェンヒェルの定理)}} 滑らかな閉曲線の全曲率は<math>\mu\geq2\pi</math>を満たす。等号成立の場合は卵形線である。 {{定理終わり}} 証明は省略する。 ===曲面=== 多変数解析で既に扱った、三次元空間に於ける曲面の陽関数表示<math>z=f(x, y)</math>を'''モンジュ表示'''という。<math>f(x, y, z)=\mathrm{const}.</math>と陰関数表示された曲面は陰関数定理が成り立つ範囲でモンジュ表示に直すことができる。 一次式で陰関数表示される曲面を'''一次曲面'''という。平面の方程式より、一次曲面は全て平面である。 二次式で陰関数表示される曲面を'''二次曲面'''という。 以下、三次元空間に於ける二次曲面の例を挙げる。各係数は非退化条件を満たすとする。なお、「直線に平行な平面」は「直線を法線とする平面に垂直な平面」を意味することに注意。 *'''球面'''(sphere) :高校数学で扱ったように、点<math>(a, b, c)</math>を中心とする半径<math>r</math>の球面の方程式は<math>(x-a)^2+(y-b)^2+(z-c)^2=r^2</math>である。この球面上の点の位置ベクトルは<math>\boldsymbol{r}=\begin{pmatrix} x \\ y \\ z \end{pmatrix}</math>なので、球面が満たすベクトル方程式は一般に<math>\|\boldsymbol{r}-\boldsymbol{a}\|=\mathrm{const}.</math>である。これは円のベクトル方程式の次元を上げたものである。 *'''楕円面'''(ellipsoid) :楕円の方程式を拡張した方程式<math>\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}+\frac{z^2}{c^2}=1</math>が表す曲面である。<math>xyz</math>空間の基本面で切った断面は全て楕円となる。 *'''楕円拋物面'''(elliptic paraboloid) :楕円の平面拘束条件を外した方程式<math>z=\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}</math>が表す曲面である。<math>z</math>軸に垂直な平面で切った断面は楕円、平行な平面で切った断面は拋物線となる。 *'''双曲拋物面'''(hyperbolic paraboloid) :双曲線の平面拘束条件を外した方程式<math>z=\frac{x^2}{a^2}-\frac{y^2}{b^2}</math>が表す曲面である。<math>z</math>軸に垂直な平面で切った断面は双曲線、平行な平面で切った断面は拋物線となる。また、原点は鞍点である。 *'''一葉双曲面'''(hyperboloid of one sheet) :楕円面の方程式の一つの項の符号を変えた<math>\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}-\frac{z^2}{c^2}=1</math>の表す曲面。<math>z</math>軸に垂直な平面で切った断面は楕円、平行な平面で切った断面は双曲線となる。 *'''二葉双曲面'''(hyperboloid of two sheet) :楕円面の方程式の二つの項の符号を変えた<math>\frac{x^2}{a^2}-\frac{y^2}{b^2}-\frac{z^2}{c^2}=1</math>の表す曲面。断面の分類は一葉双曲面と同じだが、<math>m^2<c^2</math>のときは平面<math>z=m</math>と交わらないため「二葉」と名付けられている。 *'''錐面'''(conical surface) :方程式<math>\frac{z^2}{c^2}=\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}</math>の表す曲面。<math>xy</math>平面との交点は原点のみであり、<math>yz</math>平面・<math>zx</math>平面で切った断面は直線である。 閉区間<math>I\subset\mathbb{R}</math>上の一変数ベクトル関数<math>\boldsymbol{r}(t)</math>を用いたベクトル方程式<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t) \quad(t\in I)</math>の解集合は次元に依らず曲線を表した。 同様に、領域<sup>※</sup><math>D\subset\mathbb{R}^2</math>上の二変数ベクトル関数<math>\boldsymbol{r}(t, u)</math>を用いたベクトル方程式<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t, u) \quad({\scriptstyle\left(\begin{array}{c} t \\[-6pt] u \end{array}\right)}\in D)</math>の解集合は次元に依らず曲面を表すと考えられる。 厳密には[[線型代数学/基底と次元|階数・退化次数の定理]]<!-- 次元定理・線型写像の基本定理 -->などを用いてこのことを確かめられる。 <small>※ここでいう「領域」は冒頭で厳密に定義した「領域」であることに注意。</small> 曲線と同様に、曲面の'''パラメータ表示'''と'''ベクトル表示'''は次のように定義される。 :パラメータ表示:<math>\begin{cases} x_1&=&r_1(t, u) \\ x_2&=&r_2(t, u) \\ &\,\,\vdots& \\ x_n&=&r_n(t, u) \end{cases}</math> :ベクトル表示:<math>\left\{\boldsymbol{r}(t, u) \,\bigg|\, {\scriptstyle\left(\begin{array}{c} t \\[-6pt] u \end{array}\right)} \in D \right\}</math> また、<math>S:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t, u)</math>のようにも表す。 例えば、<math>k>l>0</math>として<math>\boldsymbol{r}(t, u)=\begin{pmatrix} (k+l\cos u)\cos t \\ (k+l\cos u)\sin t \\ l\sin u \end{pmatrix} \quad(D=\left\{ \begin{pmatrix} t \\ u \end{pmatrix} \bigg| \begin{array}{c} 0 \leq t \leq 2\pi \\ 0 \leq u \leq 2\pi \end{array} \right\})</math>は'''トーラス'''のベクトル表示である。 <math>\mathbb{R}^3</math>上の平面の方程式は高校数学に於いて<math>\begin{pmatrix} a \\ b \\ c \end{pmatrix}\neq\boldsymbol{0}</math>として一次式<math>ax+by+cz+d=0</math>と表せることを学んだ。 これのベクトル方程式を求めてみよう。 :①<math>c=0</math>のとき ::平面の方程式は<math>\begin{cases} ax+by+d=0 \\ z=\mathrm{const}. \end{cases}</math> ::[1]<math>b=0</math>のとき :::平面の方程式は<math>\begin{cases} ax+d=0 \\ y=\mathrm{const}. \\ z=\mathrm{const}. \end{cases}</math> :::<math>\begin{pmatrix} a \\ b \\ c \end{pmatrix}\neq\boldsymbol{0}</math>より<math>a\neq0</math> :::<math>y=t, z=u</math>と置換すると :::<math>\begin{pmatrix} x \\ y \\ z \end{pmatrix}=\begin{pmatrix} -\frac{d}{a} \\ t \\ u \end{pmatrix}</math> :::<math>\boldsymbol{r} = t\begin{pmatrix} 0 \\ 1 \\ 0 \end{pmatrix}+u\begin{pmatrix} 0 \\ 0 \\ 1 \end{pmatrix}+\begin{pmatrix} -\frac{d}{a} \\ 0 \\ 0 \end{pmatrix}</math> ::[2]<math>b\neq0</math>のとき :::<math>x=t, z=u</math>と置換すると :::<math>\begin{pmatrix} x \\ y \\ z \end{pmatrix}=\begin{pmatrix} t \\ -\frac{a}{b}t-\frac{d}{b} \\ u \end{pmatrix}</math> :::<math>\boldsymbol{r} = t\begin{pmatrix} 1 \\ -\frac{a}{b} \\ 0 \end{pmatrix}+u\begin{pmatrix} 0 \\ 0 \\ 1 \end{pmatrix}+\begin{pmatrix} 0 \\ -\frac{d}{b} \\ 0 \end{pmatrix}</math> :②<math>c\neq0</math>のとき ::<math>x=t, y=u</math>と置換すると ::<math>\begin{pmatrix} x \\ y \\ z \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} t \\ u \\ -\frac{a}{c}t-\frac{b}{c}u-\frac{d}{c} \end{pmatrix}</math> ::<math>\boldsymbol{r}=t\begin{pmatrix} 1 \\ 0 \\ -\frac{a}{c} \end{pmatrix}+u\begin{pmatrix} 0 \\ 1 \\ -\frac{b}{c} \end{pmatrix} + \begin{pmatrix} 0 \\ 0 \\ -\frac{d}{c} \end{pmatrix}</math> なお、ここから平面のベクトル方程式が一般に<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{a}+t\boldsymbol{b}+u\boldsymbol{c}</math>という「直線のベクトル方程式を拡張した形」であることがわかる。 <math>\boldsymbol{r}(t, u)\in C^1</math>且つ<math>\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}, \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}\neq\boldsymbol{0}</math>である曲面を'''滑らか'''な曲面という。 曲面<math>S:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t, u)</math>とその上の点<math>\mathrm{P}_0=(a, b)</math>に対し、曲線<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(a, u), \boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t, b)</math>をそれぞれ点<math>\mathrm{P}_0</math>に於ける'''<math>t</math>曲線'''・'''<math>u</math>曲線'''という。 <math>\boldsymbol{r}(t, u)\in C^1</math>であるとき、偏導関数の定義から :<math>\frac{\partial}{\partial{u}}\boldsymbol{r}(a, u)=\frac{d}{du}\boldsymbol{r}(a, u)</math> :<math>\frac{\partial}{\partial{t}}\boldsymbol{r}(t, b)=\frac{d}{dt}\boldsymbol{r}(t, b)</math> ここで<math>a, b</math>をそれぞれ<math>t</math>軸・<math>u</math>軸上で動かすことで<math>t</math>曲線・<math>u</math>曲線の接ベクトルがそれぞれ<math>\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}, \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}</math>であると判る。これらを曲面のパラメータ方向の'''接ベクトル'''という。 これらの接ベクトルが平行でないとき、曲面<math>S</math>上の任意の点<math>\mathrm{P}</math>に対して<math>\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}, \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}</math>の張る平面が定まる。これを曲面<math>S</math>の点<math>\mathrm{P}</math>に於ける'''接平面'''という。曲線の接線は一次元ベクトル空間<math>\left\{ \xi\frac{d\boldsymbol{r}}{dt} \bigg| \xi \in\mathbb{R} \right\}</math>で表されたが、曲面の接平面は二次元ベクトル空間<math>\left\{ \xi\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}+\eta\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}} \bigg| \xi, \eta \in \mathbb{R} \right\}</math>で表される。このような接ベクトル全体が張るベクトル空間を一般に'''接空間'''と呼ぶ。 接ベクトルの組が一次独立である曲面を'''正則'''な曲面という。滑らかな曲面は正則曲面である。 曲面<math>S</math>の接平面に垂直なベクトルを<math>S</math>の'''法線ベクトル'''という。 三次元空間ならば接平面を張る2ベクトルの外積<math>\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}} \times \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}</math>で求められる。 モンジュ表示された曲面<math>S:z=f(x, y)</math>に対して接平面の存在性(つまり曲面の正則性)は「二変数関数<math>f</math>の全微分可能」に対応した。ベクトル表示された曲面<math>S:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t, u)</math>に対しては「ベクトル関数<math>\boldsymbol{r}</math>の全微分可能性」だけでは足りず、「ヤコビ行列<math>\frac{\partial{(\boldsymbol{r})}}{\partial{(t, u)}}</math>の階数が2」も要求される。 以下、正則曲面のみ扱う。 <math>\boldsymbol{r}(t, u)</math>の微小変化は全微分で与えられる。 :<math>d\boldsymbol{r}=\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}dt+ \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}du</math> 則ち、各パラメータを同時に<math>\begin{pmatrix} t \\ u \end{pmatrix}\to\begin{pmatrix} t+dt \\ u+du \end{pmatrix}</math>と単調に動かしたとき、対応する曲面上の点が描く領域は2ベクトル<math>\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}dt, \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}du</math>の張る微小平行四辺形として近似できる。その微小面積は線型代数の内容から :<math>\sqrt{ \left\| \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}dt \right\|^2 \left\| \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}du \right\|^2 - \left\{ \left(\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}dt\right)\cdot\left(\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}du\right) \right\}^2 }=\sqrt{\left\| \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}} \right\|^2\left\|\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}\right\|^2 - \left( \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}\cdot\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}} \right)^2 } dtdu</math> である。 これを領域<math>D=\mathrm{dom}\,S</math>で重積分してやれば曲面の表面積('''曲面積''')が求まると考えられる。 {{定理|(曲面積)}} <math>E := \left\| \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}} \right\|^2,\quad F := \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}\cdot\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}},\quad G := \left\|\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}\right\|^2</math>とすると、<br> 曲面<math>S:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t, u)</math>の領域<math>D</math>に於ける曲面積は :<math>S=\iint_D \sqrt{EG-F^2}dtdu</math> {{定理終わり}} この<math>E, F, G</math>を<math>S</math>の'''第一基本量'''と呼ぶ。また、<math>dS:=\sqrt{EG-F^2}dtdu</math>を'''面素'''(面積素・面積要素)と呼ぶ。 <math>t, u</math>が共通のパラメータ<math>\theta</math>で媒介変数表示されるとき、曲面は曲線に退化するので線素を考えられる。 具体的には、 :<math>dl=\left\|\frac{d\boldsymbol{r}}{d\theta}\right\|d\theta</math> より :<math>\left\|\frac{d\boldsymbol{r}}{d\theta}\right\|^2=\frac{d\boldsymbol{r}}{d\theta}\cdot\frac{d\boldsymbol{r}}{d\theta}</math> ここで合成関数の常微分公式より :<math>\frac{d\boldsymbol{r}}{d\theta}=\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}\frac{dt}{d\theta}+ \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}\frac{du}{d\theta}</math> なので :<math>\frac{d\boldsymbol{r}}{d\theta}\cdot\frac{d\boldsymbol{r}}{d\theta}=\left\|\frac{d\boldsymbol{r}}{dt}\right\|^2\left(\frac{dt}{d\theta}\right)^2+2\left(\frac{d\boldsymbol{r}}{dt}\cdot\frac{d\boldsymbol{r}}{du}\right)\frac{dt}{d\theta}\frac{du}{d\theta}+\left\|\frac{d\boldsymbol{r}}{du}\right\|^2\left(\frac{du}{d\theta}\right)^2</math> :<math>=E\left(\frac{dt}{d\theta}\right)^2+2F\frac{dt}{d\theta}\frac{du}{d\theta}+G\left(\frac{du}{d\theta}\right)^2</math> よって :<math>dl=\sqrt{E\left(\frac{dt}{d\theta}\right)^2+2F\frac{dt}{d\theta}\frac{du}{d\theta}+G\left(\frac{du}{d\theta}\right)^2}d\theta=\sqrt{E(dt)^2+2Fdtdu+G(du)^2}</math> このように、線素は<math>\theta</math>のとり方に依存しない。 そこで、最後の式で右辺を二乗した :<math>I:=E(dt)^2+2Fdtdu+G(du)^2</math> を<math>S</math>の'''第一基本形式'''と定める。 第一基本形式は二次形式になっていることが見て取れるので、<math>\boldsymbol{v}:=\begin{pmatrix} dt \\ du \end{pmatrix}, \mathbf{K}:=\begin{pmatrix} E & F \\ F & G \end{pmatrix}</math>とおくと :<math>I={}^t\!\boldsymbol{v} \mathbf{K} \boldsymbol{v}</math> と行列表示できる。 ここで<math>I=dl^2>0</math>なので<math>\mathbf{K}</math>は正定値行列である。 また、<math>\boldsymbol{x}_i=\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}, \boldsymbol{x}_j=\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}</math>と置いて第一基本量の定義を思い返してみると<math>\mathbf{K}_{ij}=\boldsymbol{x}_i \cdot \boldsymbol{x}_j</math>なのでこの行列は接ベクトルに関するグラム行列である。この意味でも、<math>\mathbf{K}</math>は正定値行列である。 また、面素の式で根号の中身が<math>\det\mathbf{K}</math>に等しいことも判る。 則ち、第一基本量が曲面の本質であると予想される。 <math>F=0 \land E=G=\lambda</math>であるとき、<math>\mathbf{K}=\lambda\mathbf{E}_2</math>である。このときのパラメータの組<math>(u, v)</math>を曲面の'''等温座標系'''という。 等温座標系で表示された曲面<math>S</math>に対し、第一基本形式は<math>I=\lambda(dt^2+du^2)</math>と二次形式の標準形となっている。則ち、等温座標系へのパラメータ変換は主軸変換である。 面素を考えると<math>dS=\lambda^2dtdu</math>と非常に単純な形となるほか、曲面上の角度計算が平面の場合と全く同じ式で与えられることも等温座標系の利点である。 曲面<math>S</math>上の各点<math>\mathrm{P}</math>に対して単位法線ベクトル<math>\boldsymbol{n}(\mathrm{P})</math>を考える。ベクトル表示の定義域<math>D</math>でベクトル場<math>\boldsymbol{n}(\mathrm{P})</math>が連続であるとき、<math>S</math>は'''向き付け可能'''であるという。 向き付け不能な曲面の例として<math>\boldsymbol{r}(t, u)=\begin{pmatrix} (u\cos t+2)\sin 2t \\ (u\cos t+2)\cos 2t \\ u\sin t \end{pmatrix} \quad(D=\left\{ \begin{pmatrix} t \\ u \end{pmatrix} \bigg| \begin{array}{c} 0 \leq t \leq \pi \\ -1 \leq u \leq 1 \end{array} \right\})</math>と表される'''メビウスの帯'''が挙げられる。 メビウスの帯が向き付け不能である証明を概説する。 :接ベクトルをそれぞれ求める。簡単のため<math>u=0</math>として考える。単位法線ベクトルは外積を正規化して得るが、向きの取り方で正負の符号が付く。どちらの符号を採用するにしろ<math>\boldsymbol{n}(\boldsymbol{r}(0, 0))\neq\boldsymbol{n}(\boldsymbol{r}(\pi, 0))</math>を得、<math>\boldsymbol{r}(0, 0)=\boldsymbol{r}(\pi, 0)</math>より同じ点に対して異なる法線ベクトルを出力するので<math>\boldsymbol{n}(\mathrm{P})</math>はwell-definedではなく、向き付け可能性の定義を満たさない。// 四次元以上の空間では法線ベクトルの方向を複数とれるため法線ベクトル場は扱いにくい。そこで、法線ベクトルに依らない定義を考えたい。 2つの滑らかな曲面<math>S_1, S_2</math>が以下を満たすとき、 #パラメータ<math>(t_1, u_1), (t_2, u_2)</math>の間に滑らかな全単射<math>\begin{cases}t_2 =\phi(t_1, u_1) \\ u_2=\psi(t_1, u_1) \end{cases}</math>が存在する。 #この変数変換のヤコビ行列<math>\frac{\partial{(\phi, \psi)}}{\partial{(t_1, u_1)}}</math>が正則。 #<math>\boldsymbol{r}_1(t_1, u_1)=\boldsymbol{r}_2(t_2, u_2)</math> この2つは'''パラメータ変換で同値'''という。 このとき、ヤコビアンが正であるパラメータの組は'''同じ向き'''、負であるパラメータの組は'''逆向き'''であるという。 任意の<math>(t_1, u_1)</math>に対して開近傍<math>U \subset \mathrm{dom}\,S_1</math>をとったとき、どの<math>U</math>上でも<math>\det\frac{\partial{(\phi, \psi)}}{\partial{(t_1, u_1)}}>0</math>を満足するならば<math>S_1</math>は'''向き付け可能'''という。 向き付け可能な曲面の接空間に対して右手系を成すような向きの法線ベクトルを'''外向き法線ベクトル'''と呼ぶ。 外向き法線の向く側を曲面の'''表'''、その反対側を曲面の'''裏'''と定義する。 <math>\partial{S}=\varnothing</math>を満たす正則曲面<math>S</math>を'''閉曲面'''という。ジョルダンの曲線定理を拡張した定理('''ジョルダン・ブラウワーの分離定理''')によって閉曲面が空間を内部・外部に分割することが保証される。内部に面する向きを閉曲面の裏、外部に面する向きを閉曲面の表と定義する。 パラメータ空間の座標軸の向きの組み合わせが<math>xy</math>平面と同じとき、外向き法線で定義される閉曲面の表裏は内部・外部から定義される表裏に一致する。 ===回転面=== ここでは三次元空間内の曲面について考える。 高校数学で回転体を扱ったが、領域の回転体の表面である曲面は元の領域の疆界である単純閉曲線を軸に関して回転したものである。そこで、平面上の任意の曲線を回転すると曲面('''回転面''')を得ると考えられる。 簡単な場合として、<math>x\geq0</math>で定義された<math>zx</math>平面上の曲線<math>z=f(x)</math>を<math>y</math>軸に関して回転させた回転面を考える。 :任意の<math>k\in[0,\infty)</math>に関して曲線上の点は<math>\begin{pmatrix} x \\ z \end{pmatrix}=\begin{pmatrix} k \\ f(k)\end{pmatrix}</math>と与えられる。 :領域<math>\left\{ {\scriptstyle\left(\begin{array}{c} x \\[-6pt] z \end{array}\right)} \big| x \leq k \right\}</math>を<math>y</math>軸に関して回転した回転体を平面<math>z=f(k)</math>で切った断面は半径<math>k</math>の閉円盤であり、疆界円周上の点を<math>\begin{pmatrix} x \\ y \\ f(k) \end{pmatrix}</math>とすると<math>k=\sqrt{x^2+y^2}</math>である。 :則ち回転体の疆界である回転面上の点<math>\begin{pmatrix} x \\ y \\ z \end{pmatrix}</math>は方程式<math>z=f(\sqrt{x^2+y^2})</math>を満たし、逆にこの方程式を満たす<math>\begin{pmatrix} x \\ y \\ z \end{pmatrix}</math>は回転面上にある。 纏めると以下のようになる。 {{定理|(回転面の方程式)}} <math>zx</math>平面上の曲線<math>z=f(x)\quad(x\geq0)</math>を<math>y</math>軸に関して回転させた回転面の方程式は :<math>z=f(\sqrt{x^2+y^2})</math> {{定理終わり}} <math>z</math>軸・<math>x</math>軸に関する回転面の方程式は変数を輪環の順に入れ替えることで得られる。 回転面に対し、元の曲線を'''母線'''という。 母線が直線である回転面は'''円錐'''である。 :<math>z=mx+n\quad(m\neq0,x\geq0)</math>とすれば<math>y</math>軸に関して回転した曲面の方程式は :<math>z=m\sqrt{x^2+y^2}+n</math> :<math>z-n = m\sqrt{x^2+y^2}</math> これを両辺二乗すると :<math>(z-n)^2=m^2x^2+m^2y^2</math> であり、錐面の方程式<math>\frac{z^2}{c^2}=\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}</math>を満たしていることがわかる。 回転軸が傾いている場合、<math>xyz</math>空間の回転行列<math>\mathbf{R}</math>を利用することで各軸に関する回転に帰着することもできるが、ここでは曲面のベクトル表示を扱ったのでベクトル方程式で回転を記述することを考えたい。 点<math>\mathrm{O}</math>から<math>\boldsymbol{r}</math>とそれに平行でない単位ベクトル<math>\boldsymbol{e}</math>が伸びており、そのなす角が<math>\theta</math>であるとする。<math>\boldsymbol{r}</math>の終点<math>\mathrm{P}</math>を含み<math>\boldsymbol{e}</math>を法線とする平面を<math>\Pi</math>、<math>\Pi</math>と直線<math>\{k\boldsymbol{e} \mid k>0\}</math>の交点を<math>\mathrm{N}</math>、<math>\mathrm{P}</math>を<math>\Pi</math>内で<math>\mathrm{N}</math>を中心として<math>\phi</math>回転した点を<math>\mathrm{Q}</math>、<math>\mathrm{NQ}</math>から<math>\mathrm{NP}</math>へ降ろした垂足を<math>\mathrm{R}</math>と置く。但し、回転角<math>\phi</math>の正の向きは<math>\boldsymbol{e}</math>を右螺子の進む向きとする方向に定める。 このとき、<math>\boldsymbol{r}</math>を<math>\boldsymbol{e}</math>に関して<math>\phi</math>だけ回転させたベクトル<math>\boldsymbol{r}'</math>は以下のように表される。 {{定理|(ロドリゲスの公式)}} :<math>\boldsymbol{r}'=\boldsymbol{r}\cos\phi+(\boldsymbol{r}\cdot\boldsymbol{e})\,\mathrm{versin}\,\phi\,\boldsymbol{e}-(\boldsymbol{r}\times\boldsymbol{e})\sin\phi</math> {{定理終わり}} *証明 :<math>\boldsymbol{r}'=\overrightarrow{\mathrm{OQ}}=\overrightarrow{\mathrm{ON}}+\overrightarrow{\mathrm{NR}}+\overrightarrow{\mathrm{RQ}}</math> :<math>\overrightarrow{\mathrm{ON}}</math>は<math>\boldsymbol{r}</math>の<math>\boldsymbol{e}</math>への正射影ベクトルなので ::<math>\overrightarrow{\mathrm{ON}}=\frac{\boldsymbol{r}\cdot\boldsymbol{e}}{\boldsymbol{e}\cdot\boldsymbol{e}}\boldsymbol{e}=(\boldsymbol{r}\cdot\boldsymbol{e})\boldsymbol{e}</math> :<math>\triangle\mathrm{NQR}</math>を考えると<math>\|\overrightarrow{\mathrm{NQ}}\|=\|\overrightarrow{\mathrm{NP}}\|</math>と<math>\|\overrightarrow{\mathrm{NR}}\|=\|\overrightarrow{\mathrm{NQ}}\|\cos\phi</math>及び<math>\overrightarrow{\mathrm{NR}}/\!\!/\overrightarrow{\mathrm{NP}}</math>より ::<math>\overrightarrow{\mathrm{NR}}=\overrightarrow{\mathrm{NP}}\cos\phi=(\overrightarrow{\mathrm{OP}}-\overrightarrow{\mathrm{ON}})\cos\phi=\{\boldsymbol{r}-(\boldsymbol{r}\cdot\boldsymbol{e})\boldsymbol{e}\}\cos\phi</math> :<math>\boldsymbol{r}\times\boldsymbol{e}</math>は外積の定義から<math>\overrightarrow{\mathrm{NP}}</math>を<math>\Pi</math>上で<math>-\phi</math>方向に<math>\frac{\pi}{2}</math>だけ回転させたベクトルになるので、 :<math>\boldsymbol{r}\times\boldsymbol{e}/\!\!/\overrightarrow{\mathrm{RQ}}</math>と<math>\|\overrightarrow{\mathrm{RQ}}\|=\|\overrightarrow{\mathrm{NQ}}\|\sin\phi</math>及び<math>\|\overrightarrow{\mathrm{NQ}}\|=\|\overrightarrow{\mathrm{NP}}\|</math>から ::<math>\overrightarrow{\mathrm{RQ}}=-(\boldsymbol{r}\times\boldsymbol{e})\sin\phi</math> :これらを足して ::<math>\boldsymbol{r}'=(\boldsymbol{r}\cdot\boldsymbol{e})\boldsymbol{e}+\{\boldsymbol{r}-(\boldsymbol{r}\cdot\boldsymbol{e})\boldsymbol{e}\}\cos\phi-(\boldsymbol{r}\times\boldsymbol{e})\sin\phi</math> ::<math>=\boldsymbol{r}\cos\phi+(\boldsymbol{r}\cdot\boldsymbol{e})(1-\cos\phi)\boldsymbol{e}-(\boldsymbol{r}\times\boldsymbol{e})\sin\phi</math> ::<math>=\boldsymbol{r}\cos\phi+(\boldsymbol{r}\cdot\boldsymbol{e})\,\mathrm{versin}\,\phi\,\boldsymbol{e}-(\boldsymbol{r}\times\boldsymbol{e})\sin\phi</math>// この証明ではベクトルの平行移動を用いているのでアフィン空間を前提とするが、この式そのものはアフィン構造に依存してないので一般のベクトル空間で成り立つ。 また、回転後のベクトルは母線のパラメータ<math>t</math>に加えて回転角<math>\phi</math>もパラメータとして有するので、<math>\boldsymbol{r}'(t, \phi)</math>という二変数ベクトル関数となって曲面を表すことになる。則ち、「曲線を回転すれば曲面を得る」という直感は正しい。 ロドリゲスの公式の応用として、例えば円錐のベクトル方程式が<math>\frac{(\boldsymbol{r}-\boldsymbol{p})\cdot\boldsymbol{a}}{\|\boldsymbol{r}-\boldsymbol{p}\|}=\mathrm{const}.</math>であることが導ける。 :円錐頂点の位置ベクトルを<math>\boldsymbol{p}</math>、軸ベクトルを<math>\boldsymbol{a}</math>、<math>\boldsymbol{a}</math>と角度<math>\alpha</math>をなす単位ベクトルを<math>\boldsymbol{v}</math>とする。このとき直線<math>\{k\boldsymbol{v}\mid k>0\}</math>が円錐の母線であり、母線と交わる向きである軸の法線ベクトルを<math>\boldsymbol{b}</math>とおく。 :ロドリゲスの公式より<math>\boldsymbol{v}</math>を<math>\boldsymbol{a}</math>の周りに<math>\theta</math>だけ回転させたベクトル<math>\boldsymbol{v}'</math>は ::<math>\boldsymbol{v}'=\boldsymbol{v}\cos\theta+(\boldsymbol{v}\cdot\boldsymbol{e}_a)\,\mathrm{versin}\,\theta\,\boldsymbol{e}_a-(\boldsymbol{v}\times\boldsymbol{e}_a)\sin\theta</math> :ここで<math>\boldsymbol{v}</math>を<math>\boldsymbol{a}, \boldsymbol{b}</math>方向に基底分解すると ::<math>\boldsymbol{v}=\cos\alpha\,\boldsymbol{e}_a+\sin\alpha\,\boldsymbol{e}_b</math> :なので、 ::<math>\boldsymbol{v}'=\cos\alpha\boldsymbol{e}_a+\sin\alpha\{\boldsymbol{e}_b\cos\theta+(\boldsymbol{e}_a\times\boldsymbol{e}_b)\sin\theta\}</math> :円錐上の点<math>\boldsymbol{r}</math>の位置ベクトルは頂点から母線方向に<math>\rho</math>だけ進むので ::<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{p}+\rho\boldsymbol{v}'</math> :であり、 ::<math>\boldsymbol{r}-\boldsymbol{p}=\rho\boldsymbol{v}'</math> :ここで<math>\|\boldsymbol{v}'\|=\|\boldsymbol{v}\|=1</math>より ::<math>\rho=\|\boldsymbol{r}-\boldsymbol{p}\|</math> :このベクトルと軸ベクトルの内積をとると ::<math>(\boldsymbol{r}-\boldsymbol{p})\cdot\boldsymbol{a}=\rho\boldsymbol{v}'\cdot\boldsymbol{a}</math> ::<math>=\rho\{\cos\alpha(\boldsymbol{e}_a\cdot\boldsymbol{a})+\sin\alpha\cos\theta(\boldsymbol{e}_b\cdot\boldsymbol{a})+\sin\alpha\sin\theta(\boldsymbol{e}_a\times\boldsymbol{e}_b)\cdot\boldsymbol{a}\}</math> :<math>\boldsymbol{e}_b, \boldsymbol{e}_a\times\boldsymbol{e}_b</math>とも<math>\boldsymbol{a}</math>に直交するので後ろの二項は消えて ::<math>(\boldsymbol{r}-\boldsymbol{p})\cdot\boldsymbol{a}=\rho\cos\alpha(\boldsymbol{e}_a\cdot\boldsymbol{a})=\|\boldsymbol{r}-\boldsymbol{p}\|\|\boldsymbol{a}\|\cos\alpha</math> :則ち ::<math>\frac{(\boldsymbol{r}-\boldsymbol{p})\cdot\boldsymbol{a}}{\|\boldsymbol{r}-\boldsymbol{p}\|}=\|\boldsymbol{a}\|\cos\alpha=\mathrm{const}.</math>// 円錐が先に与えられている場合は「<math>\boldsymbol{r}-\boldsymbol{p}</math>が母線の方向ベクトルなのは図より自明」とできるが、ここでは「母線が先に与えられて回転によって円錐が構成される」という立場を採ったのでロドリゲスの公式が効くのである。 ロドリゲスの公式で微小回転<math>d\phi</math>の場合を考える。 正弦関数・余弦関数の部分を1項目までテイラー展開して<math>\cos(d\phi)=1+O(d\phi^2), \sin(d\phi)= d\phi+O(d\phi^3)</math>なので<math>\mathrm{versin}(d\phi)=O(d\phi^2)</math>であり、 :<math>\boldsymbol{r}' = \boldsymbol{r}-(\boldsymbol{r}\times\boldsymbol{e})d\phi+O(d\phi^2)</math> ここで<math>d\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}'-\boldsymbol{r}</math>なので :<math>d\boldsymbol{r}=-(\boldsymbol{r}\times\boldsymbol{e})d\phi+O(d\phi^2)</math> 則ち、ベクトル関数の全微分は微小回転で近似される。 オーダー記法の項を無視して<math>\boldsymbol{\omega}=\frac{d\phi}{dt}\boldsymbol{e}</math>と置くと :<math>d\boldsymbol{r}=(d\phi\boldsymbol{e})\times\boldsymbol{r}</math> これの両辺を<math>dt</math>で割って :<math>\frac{d\boldsymbol{r}}{dt}=\boldsymbol{\omega}\times\boldsymbol{r}</math> これは剛体の速度公式である。 ロドリゲスの公式の一次変換表記を考える。 <math>\boldsymbol{r}=\begin{pmatrix} r_1 \\ r_2 \\ r_3 \end{pmatrix}, \boldsymbol{r}'=\begin{pmatrix} r'_1 \\ r'_2 \\ r'_3 \end{pmatrix}, \boldsymbol{e}=\begin{pmatrix} a \\ b \\ c \end{pmatrix}</math>とすると、 :<math>\begin{pmatrix} r'_1 \\ r'_2 \\ r'_3 \end{pmatrix}=\cos\phi\begin{pmatrix} r_1 \\ r_2 \\ r_3 \end{pmatrix}+(ar_1+br_2+cr_3)\mathrm{versin}\,\phi\begin{pmatrix} a \\ b \\ c \end{pmatrix} - \sin\phi \begin{pmatrix} cr_2-br_3 \\ ar_3-cr_1 \\ br_1-ar_2 \end{pmatrix}</math> :<math>=\begin{pmatrix} (\cos\phi + a^2\,\mathrm{versin}\,\phi) r_1 + (ab\,\mathrm{versin}\,\phi -c\sin\phi) r_2 + (ca\,\mathrm{versin}\,\phi + b\sin\phi) r_3 \\ (ab\,\mathrm{versin}\,\phi + c\sin\phi) r_1 + (\cos\phi + b^2\,\mathrm{versin}\,\phi) r_2 + (bc\,\mathrm{versin}\,\phi -a\sin\phi) r_3 \\ (ca\,\mathrm{versin}\,\phi - b\sin\phi) r_1 + (bc\,\mathrm{versin}\,\phi+ a\sin\phi) r_2 + (\cos\phi + c^2\,\mathrm{versin}\,\phi) r_3 \end{pmatrix}</math> :<math>=\begin{pmatrix} \cos\phi + a^2\,\mathrm{versin}\,\phi & ab\,\mathrm{versin}\,\phi -c\sin\phi & ca\,\mathrm{versin}\,\phi + b\sin\phi \\ ab\,\mathrm{versin}\,\phi + c\sin\phi & \cos\phi + b^2\,\mathrm{versin}\,\phi & bc\,\mathrm{versin}\,\phi -a\sin\phi \\ ca\,\mathrm{versin}\,\phi - b\sin\phi & bc\,\mathrm{versin}\,\phi+ a\sin\phi & \cos\phi + c^2\,\mathrm{versin}\,\phi \end{pmatrix} \begin{pmatrix} r_1 \\ r_2 \\ r_3 \end{pmatrix}</math> ここで<math>\mathrm{versin}\,\phi</math>を<math>1-\cos\phi</math>に戻して係数行列を<math>1, \cos\phi, \sin\phi</math>の項に分解してみると :<math>=\begin{pmatrix} a^2+(1-a^2)\cos\phi & ab-ab\cos\phi -c\sin\phi & ca-ca\cos\phi + b\sin\phi \\ ab-ab\cos\phi + c\sin\phi & b^2+(1-b^2)\cos\phi & bc-bc\cos\phi -a\sin\phi \\ ca-ca\cos\phi - b\sin\phi & bc-bc\cos\phi+ a\sin\phi & c^2+(1-c^2)\cos\phi \end{pmatrix} \begin{pmatrix} r_1 \\ r_2 \\ r_3 \end{pmatrix}</math> :<math>=\left\{ \begin{pmatrix} a^2 & ab & ca \\ ab & b^2 & bc \\ ca & bc & c^2 \end{pmatrix} + \cos\phi\begin{pmatrix} 1-a^2 & -ab & -ca \\ -ab & 1-b^2 & -bc \\ -ca & -bc & 1-c^2 \end{pmatrix} +\sin\phi\begin{pmatrix} 0 & -c & b \\ c & 0 & -a \\ -b & a & 0 \end{pmatrix} \right\} \begin{pmatrix} r_1 \\ r_2 \\ r_3 \end{pmatrix}</math> :<math>=\left[ \begin{pmatrix} a^2 & ab & ca \\ ab & b^2 & bc \\ ca & bc & c^2 \end{pmatrix} + \cos\phi \left\{ \begin{pmatrix} 1 & 0 & 0 \\ 0 & 1 & 0 \\ 0 & 0 & 1 \end{pmatrix}-\begin{pmatrix} a^2 & ab & ca \\ ab & b^2 & bc \\ ca & bc & c^2 \end{pmatrix} \right\} +\sin\phi\begin{pmatrix} 0 & -c & b \\ c & 0 & -a \\ -b & a & 0 \end{pmatrix} \right] \begin{pmatrix} r_1 \\ r_2 \\ r_3 \end{pmatrix}</math> ここで<math>\begin{pmatrix} a^2 & ab & ca \\ ab & b^2 & bc \\ ca & bc & c^2 \end{pmatrix}</math>は<math>\boldsymbol{e}</math>の<math>(i, j)</math>成分と<math>(j, i)</math>成分を掛けて並べた行列になっていることがわかる。これを<math>\boldsymbol{e}\otimes\boldsymbol{e}</math>と書くことにする。<math>\sin\phi</math>に係る行列を<math>\mathbf{N}</math>と置くと、 :<math>\boldsymbol{r}'=\{\boldsymbol{e}\otimes\boldsymbol{e}+\cos\phi(\mathbf{E}_3-\boldsymbol{e}\otimes\boldsymbol{e})+\sin\phi\mathbf{N}\}\boldsymbol{r}</math> という表示を得る。 更に、<math>\mathbf{N}^2=\begin{pmatrix} -b^2-c^2 & ab & ca \\ ab & -c^2-a^2 & bc \\ ca & bc & -a^2-b^2 \end{pmatrix}</math>と<math>\|\boldsymbol{e}\|=\sqrt{a^2+b^2+c^2}=1</math>より :<math>\boldsymbol{e}\otimes\boldsymbol{e}=\mathbf{N}^2+(a^2+b^2+c^2)\mathbf{E}_3=\mathbf{N}^2+\mathbf{E}_3</math> が成り立つので、最終的に :<math>\boldsymbol{r}'=(\mathbf{E}_3+\sin\phi\mathbf{N}+\mathrm{versin}\,\phi\mathbf{N}^2)\boldsymbol{r}</math> と二次の行列多項式で表示される。 なお、<math>\otimes</math>は発展節で紹介する'''テンソル積'''を表している。 ここで、行列<math>\mathbf{N}</math>についてより具体的に考えてみる。 先ず、<math>{}^t\!\mathbf{N}=-\mathbf{N}</math>が成り立つので<math>\mathbf{N}</math>は反対称行列(歪対称行列・交代行列)である。 <math>\mathbf{N}\boldsymbol{r}</math>を計算すると :<math>\mathbf{N}\boldsymbol{r}=\begin{pmatrix} 0 & -c & b \\ c & 0 & -a \\ -b & a & 0 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} r_1 \\ r_2 \\ r_3 \end{pmatrix}=\begin{pmatrix} br_3-cr_2 \\ cr_1-ar_3 \\ ar_2-br_1 \end{pmatrix}=\boldsymbol{e}\times\boldsymbol{r}</math> 則ち、<math>\mathbf{N}</math>は<math>\boldsymbol{e}</math>に関する外積(形式的には<math>\boldsymbol{e}\times</math>という左演算)を一次変換とみて表現行列に直したものである。 更に、成分計算により<math>\mathbf{N}^3=-\mathbf{N}</math>という性質が成り立つことも判る。外積を「ベクトルを90°回転させる演算」とみると、二回の演算によって180°回転するということなのでこの結果は妥当である。 ここで行列自然指数関数<math>\exp(\phi\mathbf{N})=\sum_{i=0}^\infty \frac{(\phi\mathbf{N})^i}{i!}</math>を考えてみると上の性質より三次以上の項は<math>\mathbf{N}^4=-\mathbf{N}^2, \mathbf{N}^5=\mathbf{N},\cdots</math>のように全て二次以下に帰着できる。<br> また、自然指数関数のテイラー展開は絶対収束級数なので各項は可換であり、<math>\mathbf{N}</math>の二次式として纏め直すと :<math>\exp(\phi\mathbf{N})=\mathbf{E}_3 + (\phi-\frac{\phi^3}{3!}+\frac{\phi^5}{5!}-\frac{\phi^7}{7!}+\cdots) \mathbf{N}+(\frac{\phi^2}{2!}-\frac{\phi^4}{4!}+\frac{\phi^6}{6!}-\frac{\phi^8}{8!}+\cdots)\mathbf{N}^2</math> ここで一次・二次の係数はそれぞれ正弦関数・正矢関数のテイラー展開になっているので結局は :<math>\exp(\phi\mathbf{N})=\mathbf{E}_3+\sin\phi\mathbf{N}+\mathrm{versin}\,\phi\mathbf{N}^2</math> ここから、<math>\exp(\phi\mathbf{N})</math>は角度<math>\phi</math>に関する有限回転に対応することが判った。 このことは以下の考え方でも求まる。<br> <math>\mathbf{N}</math>の最小方程式は<math>\mathbf{N}^3+\mathbf{N}=\mathbf{O}_3</math>より<math>x(x^2+1)=0</math>であり固有値は<math>0, \pm{i}</math>と求まるので、<math>\exp(\phi\mathbf{N})</math>の対角化行列は :<math>\begin{pmatrix} e^{0\phi} & 0 & 0 \\ 0 & e^{i\phi} & 0 \\ 0 & 0 & e^{-i\phi} \end{pmatrix}</math> ここで任意の解析関数<math>f</math>について<math>f(\mathbf{N})</math>のテイラー展開は二次以下の多項式になるので :<math>\exp(\phi\mathbf{N})=\alpha\mathbf{E}_3+\beta\mathbf{N}+\gamma\mathbf{N}^2</math> これを実多項式に戻した<math>\alpha+\beta{x}+\gamma{x^2}</math>が<math>e^{\phi{x}}</math>と任意の固有値で一致すればよい(二次補間)ので、 :<math>\begin{cases} e^0 = \alpha \\ e^{i\phi} = i\beta -\gamma \\ e^{-i\phi} = -i\beta-\gamma \end{cases}</math> :<math>\iff \begin{cases} 1 = \alpha \\ \cos\phi+i\sin\phi = (\alpha -\gamma) + i\beta \end{cases}</math> :<math>\therefore \begin{cases} \alpha=1 \\ \beta=\sin\phi \\ \gamma=1-\cos\phi=\mathrm{versin}\,\phi \end{cases}</math> 則ち、<math>\mathbf{N}^3=-\mathbf{N}</math>という構造は<math>\Psi_\mathbf{N}(x)=x(x^2+1)</math>という最小多項式に起因するということである。 更に[[表現論]]の観点から見ると、三次直交行列全体である回転群<math>SO(3)</math>に対し、<math>\mathbf{N}</math>は<math>SO(3)</math>の単位元に於ける接空間(三次反対称行列全体・則ちリー代数<math>\mathfrak{so}(3)</math>)の元であり、<math>\exp(\phi\mathbf{N})</math>はリー群<math>SO(3)</math>の元である。ここで行列自然指数関数は「リー代数からリー群へ引き戻す写像」なので'''指数写像'''と呼ばれる。 これが[[#フレネ標搆]]で述べた「直交変換の一次近似が反対称変換」という事実のより正確な表現である。 補足だが、力学で扱う[[w:オイラー角]]というものを導入するとロドリゲスの公式を各座標軸に関する回転の合成で表すこともできる。 ===種々の曲率=== 法曲率・主曲率・平均曲率・全曲率 ==直交曲線座標系== {{節stub}} ===円筒座標系=== 平面の座標系として直交座標の他に斜交座標、極座標(円座標)、重心座標などがあったように、空間の座標系も複数通り考えられる。 空間座標を3つの実数の組<math>(r, \theta, z)</math>で表した座標系を'''円筒座標系'''('''円柱座標系'''、cylindrical coordinate system)という。ただし、<math>r</math>は原点からの(符号付き)距離、<math>\theta</math>は基準面に於ける始線からの正の回転角、<math>z</math>は基準面からの高さである。 円筒座標系は、円座標系の<math>r\theta</math>平面に<math>z</math>軸方向の次元を加えた3次元空間の座標と考えられる。 そのため、円筒座標系と直交座標系の対応は以下のようになる。 :<math>\begin{cases} x=r\cos\theta \\ y=r\sin\theta \\ z=z \end{cases} \iff \begin{cases} r=\sqrt{x^2+y^2} \\ \theta = \arctan\frac{y}{x} \\ z=z \end{cases}</math> 但し、<math>r</math>は基準面の裏側では負とする。 直交座標の<math>z</math>軸を基に円筒座標系の座標軸を決定する。一般に座標軸は直線とは限らないので、「軸」ではなく「曲線」と呼ぶことにする('''座標線''')。なお、「曲線」という語は一般に「直線」を包含する。 :<math>r</math>曲線:<math>z</math>軸上の点を通り<math>z</math>軸に垂直な半直線。 :<math>\theta</math>曲線:<math>z</math>軸を法線とする平面内にあり、中心が<math>z</math>軸上にある円周。 :<math>z</math>曲線:<math>z</math>軸に平行な直線。 ここで、各曲線に沿った微小変化がどのように表されるか見ていく。 <math>\boldsymbol{f}: (r,\theta,z)\to(x,y,z)</math>とする。 <math>\boldsymbol{f}</math>全体の微小変化は全微分<math>d\boldsymbol{f}=\frac{\partial{(x,y,z)}}{\partial{(r,\theta,z)}} \begin{pmatrix} dr \\ d\theta \\ dz \end{pmatrix}</math>で表される。 上で求めた関係式より :<math>\boldsymbol{f}\begin{pmatrix} r \\ \theta \\ z\end{pmatrix}=\begin{pmatrix} x \\ y \\ z \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} r\cos\theta \\ r\sin\theta \\ z \end{pmatrix}</math> なので、 :<math>\frac{\partial{(x,y,z)}}{\partial{(r,\theta,z)}} = \begin{pmatrix} \frac{\partial}{\partial{r}}r\cos\theta & \frac{\partial}{\partial{\theta}}r\cos\theta & \frac{\partial}{\partial{z}}r\cos\theta \\ \frac{\partial}{\partial{r}}r\sin\theta & \frac{\partial}{\partial{\theta}}r\sin\theta & \frac{\partial}{\partial{z}}r\sin\theta \\ \frac{\partial}{\partial{r}}z & \frac{\partial}{\partial{\theta}}z & \frac{\partial}{\partial{z}}z \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} \cos\theta & -r\sin\theta & 0 \\ \sin\theta & r\cos\theta & 0 \\ 0 & 0 & 1 \end{pmatrix}</math> よって :<math>d\boldsymbol{f}=\begin{pmatrix} \cos\theta & -r\sin\theta & 0 \\ \sin\theta & r\cos\theta & 0 \\ 0 & 0 & 1 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} dr \\ d\theta \\ dz \end{pmatrix}=\begin{pmatrix} \cos\theta \\ \sin \theta \\ 0 \end{pmatrix}dr + \begin{pmatrix} -\sin\theta \\ \cos\theta \\ 0 \end{pmatrix}rd\theta + \begin{pmatrix} 0 \\ 0 \\ 1 \end{pmatrix}dz </math> 再右辺の各項を<math>d\vec{r}, d\vec{\theta}, d\vec{z}</math>と書くことにすると、<math>|d\vec{r}|, |d\vec{\theta}|, |d\vec{z}|</math>はそれぞれ<math>dr, rd\theta, dz</math>とわかる。<math>r, \theta, z</math>を物理量として捉えたとき<math>d\theta</math>の単位はラジアン(無次元量)であり、<math>rd\theta</math>の単位はメートル(長さの次元1)なので、次元の整合性が取れる。 纏めると以下のようになる。 {| class="wikitable" | ||style="text-align:center;"| <math>\boldsymbol{e}_x</math>成分 ||style="text-align:center;"| <math>\boldsymbol{e}_y</math>成分 ||style="text-align:center;"| <math>\boldsymbol{e}_z</math>成分 ||style="text-align:center;"| ノルム |- |style="text-align:center;"| <math>d\vec{r}</math> ||style="text-align:center;"| <math>\cos\theta dr</math> ||style="text-align:center;"| <math>\sin\theta dr</math> ||style="text-align:center;"| <math>0</math> ||style="text-align:center;"| <math>dr</math> |- |style="text-align:center;"| <math>d\vec{\theta}</math> ||style="text-align:center;"| <math>-r\sin\theta d\theta</math> ||style="text-align:center;"| <math>r\cos\theta d\theta</math> ||style="text-align:center;"| <math>0</math> ||style="text-align:center;"| <math>rd\theta</math> |- |style="text-align:center;"| <math>d\vec{z}</math> ||style="text-align:center;"| <math>0</math> ||style="text-align:center;"| <math>0</math> ||style="text-align:center;"| <math>1</math> ||style="text-align:center;"| <math>dz</math> |} ここで<math>d\vec{r}, d\vec{\theta}, d\vec{z}</math>は内積を取ればどの組も互いに直交することが容易にわかるので、この3つのベクトルは3次元ユークリッド空間の直交基底である。 そこで、それぞれのベクトルを正規化することで各軸曲線方向の基本ベクトルを得る。 :<math>\boldsymbol{e}_r = \frac{d\vec{r}}{dr} = \cos\theta \boldsymbol{e}_x + \sin\theta \boldsymbol{e}_y</math> :<math>\boldsymbol{e}_\theta = \frac{d\vec{\theta}}{rd\theta} = -\sin\theta\boldsymbol{e}_x+\cos\theta\boldsymbol{e}_y</math> :<math>\boldsymbol{e}_z=\frac{d\vec{z}}{dz}=\boldsymbol{e}_z</math> これを一次変換の形式で表すと :<math>\begin{pmatrix} \boldsymbol{e}_r \\ \boldsymbol{e}_\theta \\ \boldsymbol{e}_z \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} \cos\theta & \sin\theta & 0 \\ -\sin\theta & \cos\theta & 0 \\ 0 & 0 & 1 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} \boldsymbol{e}_x \\ \boldsymbol{e}_y \\ \boldsymbol{e}_z \end{pmatrix}</math> となる。 このときの表現行列を、座標系または基底ベクトルを変換することから'''座標変換行列'''又は'''基底変換行列'''という。場合によっては'''変換テンソル'''とも呼ぶ。 なお、この直交座標⇒円筒座標の座標変換行列は、<math>xyz</math>空間に於ける<math>z</math>軸まわりの回転行列に等しい。 逆基底変換はこの座標変換行列の逆行列を求めれば定式化できる。 回転行列は直交行列なので :<math>\begin{pmatrix} \cos\theta & \sin\theta & 0 \\ -\sin\theta & \cos\theta & 0 \\ 0 & 0 & 1 \end{pmatrix} ^{-1}= {}^t \! \begin{pmatrix} \cos\theta & \sin\theta & 0 \\ -\sin\theta & \cos\theta & 0 \\ 0 & 0 & 1 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} \cos\theta & -\sin\theta & 0 \\ \sin\theta & \cos\theta & 0 \\ 0 & 0 & 1 \end{pmatrix} </math> であり、 :<math>\begin{pmatrix} \boldsymbol{e}_x \\ \boldsymbol{e}_y \\ \boldsymbol{e}_z \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} \cos\theta & -\sin\theta & 0 \\ \sin\theta & \cos\theta & 0 \\ 0 & 0 & 1 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} \boldsymbol{e}_r \\ \boldsymbol{e}_\theta \\ \boldsymbol{e}_z \end{pmatrix}</math> 円筒座標系は、[[電磁気学]]の解析でよく使用される。 例えば、高校物理の公式<math>B(r)=\frac{\mu_0I}{\tau r}</math>は、円筒座標系を知っていれば「電流がz軸に平行であることから磁場はz方向に一葉且つθ方向に回転対称なので、r方向の項のみが寄与する」と理解される。 ===極座標系=== 高等学校までの地理で習ったように、球面上の位置は緯度<math>\theta</math>と経度<math>\phi</math>で定めることができる。 一般に三次元空間で球面上のある点の座標を定めるには、更に球の中心からの距離<math>r</math>が必要である。 このようにして定められる座標系を'''三次元極座標系'''(polar coordinate system in 3D)または'''球(面)座標系'''(spherical coordinate system)という。 xyz座標空間の点<math>\mathrm{P}(x, y, z)</math>の極座標表示を考える。 <math>r=|\overrightarrow{\mathrm{OP}}|=\sqrt{x^2+y^2+z^2}</math>は容易にわかる。 <math>\theta</math>は<math>z</math>軸からの'''天頂角'''(zenith angle)であり、<math>\overrightarrow{\mathrm{OP}}</math>の<math>z</math>軸への正射影ベクトルを<math>\overrightarrow{\mathrm{OH}}=\vec{h}</math>とすると<math>\tan\theta = \frac{|\vec{h}|}{z}</math>が成り立つ。<math>|\vec{h}|=\sqrt{x^2+y^2}</math>より、<math>\theta=\arctan \frac{\sqrt{x^2+y^2}}{z}</math>である。 <math>\phi</math>は<math>x</math>軸からの'''方位角'''(azimuth angle)であり、<math>\mathrm{P}</math>から<math>xy</math>平面に降ろした垂足<math>\mathrm{Q}</math>を考えると<math>\tan\phi=\frac{y}{x}</math>とわかる。よって、<math>\phi=\arctan\frac{y}{x}</math>である。 逆に、これを<math>\mathrm{P}(x, y, z)</math>に復元することを考える。 <math>\triangle\mathrm{OHP}</math>について<math>\angle\mathrm{HOP}=\theta</math>なので、<math>z=\overline{\mathrm{OH}}=r\cos\theta</math>。 また、<math>\triangle\mathrm{OPQ}</math>について<math>\angle\mathrm{OPQ}=\theta</math>なので、<math>\overline{\mathrm{OQ}}=r\sin\theta</math>。 よって<math>x=\overline{\mathrm{OQ}}\cos\phi=r\sin\theta\cos\phi, y=\overline{\mathrm{OQ}}\sin\phi=r\sin\theta\sin\phi</math>。 以上を纏めると、直交座標と球面座標の対応関係は :<math>\begin{cases} x=r\sin\theta\cos\phi \\ y=r\sin\theta\sin\phi \\ z=r\cos\theta \end{cases} \iff \begin{cases} r=\sqrt{x^2+y^2+z^2} \\ \theta=\arctan\frac{\sqrt{x^2+y^2}}{z} \\ \phi=\arctan\frac{y}{x} \end{cases}</math> 一般に緯度は<math>-90^\circ \leqq \theta \leqq 90^\circ</math>、経度は<math>-180^\circ \leqq \phi \leqq 180^\circ</math>の範囲で表される(但し、符号の違いは東⇔西、南⇔北の違いである)。同様に、球面座標の天頂角<math>\theta</math>、方位角<math>\phi</math>は<math>\theta \in [-\frac{\pi}{4}, \frac{\tau}{4}], \phi \in [-\frac{\tau}{2}, \frac{\tau}{2}]</math>で考える。赤道面より下側(すなわち南半球)では<math>\theta<0</math>とする。 直交座標の<math>z</math>軸を基に極座標系の座標線を決定する。 :<math>r</math>曲線:原点を通る半直線。 :<math>\theta</math>曲線:原点中心で<math>z</math>軸上の一点から出る半円弧。 :<math>\phi</math>曲線:<math>z</math>軸を法線とする平面内で<math>z</math>軸上に中心を持つ円周。 各曲線に沿った微小変化は円柱座標系の場合と同様、ベクトル場の全微分を用いて :<math>\begin{cases} d\vec{r}= \begin{pmatrix} \sin\theta\cos\phi \\ \sin\theta\sin\phi \\ \cos\theta \end{pmatrix} dr \\ d\vec{\theta}= \begin{pmatrix} \cos\theta\cos\phi \\ \cos\theta\sin\phi \\ -\sin\theta \end{pmatrix}rd\theta \\ d\vec{\phi} = \begin{pmatrix} -\sin\phi \\ \cos\phi \\ 0 \end{pmatrix} r\sin\theta d\phi \end{cases}</math> と求まる。 これらは(内積の結果から)互いに直交するので、円柱座標の場合と同様の議論により :<math>\begin{pmatrix} \sin\theta\cos\phi & \sin\theta\sin\phi & \cos\theta \\ \cos\theta\cos\phi & \cos\theta\sin\phi & -\sin\theta \\ -\sin\phi & \cos\phi & 0 \end{pmatrix}</math> と変換テンソルが求まる。 これも直交行列であるので、逆変換テンソルは :<math>\begin{pmatrix} \sin\theta\cos\phi & \cos\theta\cos\phi & \cos\phi \\ \sin\theta\sin\phi & \cos\theta\sin\phi & -\sin\phi \\ -\sin\theta & \cos\theta & 0 \end{pmatrix}</math> と求まる。 球面座標系は、[[古典力学]]の解析でよく使用される。 例えば、赤道平面における角運動量保存則は<math>mr^2\frac{d\phi}{dt}=\mathrm{const}.</math>と表示されるが、これは<math>z</math>軸方向の角運動量を球面座標系の演算により取り出したものである。 球面座標系は特に機械制御に応用されている。 円柱座標系・球面座標系ともに各基底ベクトルが互いに直交しているので、そのことを明示して(且つ通常の直交座標系と区別して)'''直交曲線座標系'''(orthogonal curvilinear coordinate system)と呼ぶ場合がある。以下で扱う座標系たちも直交曲線座標系である。 ===円環座標系=== ===双極座標系=== ===回転放物面座標系=== ===放物柱座標系=== ===回転楕円面座標系=== ===楕円柱座標系=== ===楕円体座標系=== ==空間微分== ===勾配=== ===発散=== ===回転=== ===ラプラシアン=== ==空間積分== ===線積分=== ===面積分=== ===体積分=== ===ガウスの発散定理=== ===ストークスの定理=== ===グリーンの定理=== ==発展事項== {{節stub}} {{Advanced|多様体論}} {{Advanced|微分幾何学}} {{Advanced|積分幾何学}} ===体積分再考=== 体積分は先程「<math>\mathbb{R}^3</math>上の閉立体<math>V</math>」上で考えたが、実はここには線積分・面積分との大きな非対称性がある。 線積分は「曲線」、面積分は「曲面」を積分領域としたが、先程定義した体積分の積分領域は「平坦な立体」なのである(二次元で例えば楕円領域<math>\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}\leq1</math>は境界こそ"曲線"だが空間そのものは<math>\mathbb{R}^2</math>という"平面"であることと同じ)。 1次元の曲がった空間である曲線<math>M^1:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(s)</math>が<math>\mathbb{R}^2</math>内、2次元の曲がった空間である曲面<math>M^2:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(s, t)</math>が<math>\mathbb{R}^3</math>内に存在するように、3次元の曲がった空間である曲立体<math>M^3:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(s, t, u)</math>は<math>\mathbb{R}^4</math>内に存在すると考えるのが自然である。ここで一般に<math>M^n\subset\mathbb{R}^{n+1}</math>が成り立つと予想され、この関係を「<math>M^n</math>の<math>\mathbb{R}^{n+1}</math>への'''埋め込み'''」と呼ぶことにする。 線積分を<math>M^1</math>、面積分を<math>M^2</math>で定義したように、体積分を<math>M^3</math>で定義することを考える。 媒介変数空間<math>\begin{pmatrix} s \\ t \\ u \end{pmatrix} \in V \subset\mathbb{R^3}</math>上の微小変化を考えると全微分を用いて :<math>d\boldsymbol{r}=\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{s}}ds+\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}dt+\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}du</math> よって<math>V</math>上の微小立方体<math>dsdtdu</math>は3ベクトル<math>\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{s}}ds,\quad\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}dt,\quad\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}du</math>の張る微小平行六面体へ移される。 体素はこの微小平行六面体の体積と考えられるが、<math>\boldsymbol{r}\in\mathbb{R}^4</math>より当然この3ベクトルは4項ベクトルなので、'''外積を含んでいるスカラー三重積は使えない'''。 全微分を一次変換表記すると :<math>d\boldsymbol{r}=\begin{pmatrix} \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{s}} & \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}} & \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}} \end{pmatrix} \begin{pmatrix} ds \\ dt \\ du \end{pmatrix}</math> :<math>=\begin{pmatrix} \frac{\partial{x}}{\partial{s}} & \frac{\partial{x}}{\partial{t}} & \frac{\partial{x}}{\partial{u}} \\ \frac{\partial{y}}{\partial{s}} & \frac{\partial{y}}{\partial{t}} & \frac{\partial{y}}{\partial{u}} \\ \frac{\partial{z}}{\partial{s}} & \frac{\partial{z}}{\partial{t}} & \frac{\partial{z}}{\partial{u}} \\ \frac{\partial{w}}{\partial{s}} & \frac{\partial{w}}{\partial{t}} & \frac{\partial{w}}{\partial{u}} \end{pmatrix} \begin{pmatrix} ds \\ dt \\ du \end{pmatrix}</math> :<math>=\frac{\partial{(x, y, z, w)}}{\partial{(s, t, u)}}\begin{pmatrix} ds \\ dt \\ du \end{pmatrix}</math> ここでヤコビ行列は<math>\frac{\partial{(x, y, z, w)}}{\partial{(s, t, u)}}\in\mathbb{R}^{4\times3}</math>であって'''正方行列でないので行列式も求まらない'''。 そこで、[[線型代数学続論/種々の行列#随伴行列|グラム行列]]を利用することを考える。 '''グラム行列は必ず半正定値行列'''なので行列式は非負であり、平方根をとれる。 そのため、<math>\mathbf{G}:=\left(\frac{\partial{(x, y, z, w)}}{\partial{(s, t, u)}}\right)^*\frac{\partial{(x, y, z, w)}}{\partial{(s, t, u)}}</math>として<math>\sqrt{\det\mathbf{G}}</math>を体積拡大率とする。 これは正方行列ならヤコビアンの絶対値に一致する。 {{NavTop|title=補足:体積拡大率に一致する証明}} :<math>\frac{\partial{(x, y, z, w)}}{\partial{(s, t, u)}}</math>の列ベクトルにグラム=シュミットの直交化法を適用すると[[線型代数学続論/行列分解|QR分解]]によって :<math>\frac{\partial{(x, y, z, w)}}{\partial{(s, t, u)}}=\mathbf{QR}\quad (\mathbf{Q}\in\mathbb{R}^{4\times3}, \mathbf{R}\in\mathbb{R}^{3\times3})</math> よって :<math>\mathbf{G}=(\mathbf{QR})^*\mathbf{QR}</math> :<math>=\mathbf{R}^*\mathbf{Q}^*\mathbf{Q}\mathbf{R}</math> :<math>=\mathbf{R}^*\mathbf{E}_3\mathbf{R}</math>(<math>\because\mathbf{Q}</math>は列ユニタリ行列) :<math>=\mathbf{R}^*\mathbf{R}</math> :<math>\therefore \sqrt{\det\mathbf{G}}=\sqrt{\det\left( \mathbf{R}^*\mathbf{R} \right)}=\sqrt{\left(\det\mathbf{R}\right)^2}=|\det\mathbf{R}|</math> <math>\mathbf{Q}</math>は列ユニタリ行列なのでその一次変換は等長変換であり、全微分による拡大率は<math>\mathbf{R}</math>による拡大率と一致する。<br/> 則ち、<math>\sqrt{\det\mathbf{G}}</math>を拡大率としてとれる。// {{NavBottom}} よって体積分は :<math>\iiint_{M^3} f(\boldsymbol{r})dM^3 = \iiint_{V} f(\boldsymbol{r}(s, t, u))\sqrt{\det\mathbf{G}}\,dsdtdu</math> ここから、適切な媒介変数表示が存在するならば<math>M^n</math>上での体積分の計算に<math>\mathbb{R}^{n+1}\setminus M^n</math>の情報は入ってこず、<math>M^n</math>の情報のみで計算されると予想される。 実際、<math>M^n</math>に適切な媒介変数表示<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(\boldsymbol{p})\quad(\boldsymbol{p}\in\mathbb{R}^n)</math>が存在するとき、全微分による一次変換の拡大率は同様にグラム行列式の平方根で与えられるので体積素は<math>dM^n = \sqrt{\det\mathbf{G}} \prod_{k=1}^{n}d\boldsymbol{p}_k</math>と書け、これは正しい。 実は、体素だけでなく一般に角度や長さといった幾何学的な量は埋め込み先である<math>\mathbb{R}^{n+1}</math>の情報を全く必要とせず、<math>M^n</math>の情報だけで構成できることが知られている。このことは微分幾何学のうち[[w:リーマン幾何学|リーマン幾何学]]と呼ばれる分野で詳しく扱われる。 ここまで<math>M^n</math>を適切な媒介変数<math>\boldsymbol{p}\in\mathbb{R}^n</math>で表すことを強調してきたが、媒介変数表示を考えるということは<math>M^n</math>から媒介変数空間<math>U\subset\mathbb{R}^n</math>への射影<math>\pi:M^n\to U</math>を考えるということである。 ここで、この<math>\pi</math>が全単射ならば逆向きの射影<math>\pi^{-1}:U\to M^n</math>が存在してそれが媒介変数表示<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(\boldsymbol{p})</math>となるわけであるが、これは以下のようにも捉えられる。 :<math>\pi</math>によって射影した平坦な空間で座標を設定すると、'''適切な逆変換<sup>※</sup>によって曲がった空間<math>M^n</math>上に(局所)座標系を与えることができる'''。 つまり、体積分を媒介変数空間に置換積分するということは、逆に体積分の元の表示が「<math>M^n</math>上の局所座標系に於ける積分」であることを示している。 ※この適切な逆変換が存在する条件は'''陰関数定理そのもの'''である。 ここで、適切な媒介変数表示が存在するよう<math>M^n</math>に制限を課したものが、以下で扱う'''多様体'''である。 ===多様体=== ===微分形式=== [[線型代数学続論/外積代数]]も参照。 ===リーマン計量=== ===テンソル解析=== [[線型代数学続論/テンソル代数]]も参照。 ===複素ベクトル解析=== [[複素解析学]]も参照。 {{DEFAULTSORT:へくとるかいせき}} [[Category:解析学]] [[Category:微分積分学]] [[Category:ベクトル解析|かいせきかくきそ]] itpedmuapfrj302x7mb6ls5jb2k5uur 304232 304231 2026-10-02T05:56:52Z ~2026-51282-49 92621 /* 円筒座標系 */ 304232 wikitext text/x-wiki {{Pathnav|数学|解析学|解析学基礎|frame=1}} {{wikipedia|ベクトル解析}} ここでは、ベクトル解析について解説する。[[物理数学I ベクトル解析]]も参照。 ==前提知識== ここでは、実数のみで考える。 ===ベクトル=== [[高等学校数学C/ベクトル]]、[[線型代数学/ベクトル]]、[[解析学基礎/ベクトル]]などを参照。本項では、矢印を付した表記(<math>\vec{a}</math>など)と太字斜体による表記(<math>\boldsymbol{x}</math>など)を混用する。 ===行列=== [[高等学校数学C/数学的な表現の工夫]]及び[[線形代数学]]・[[線型代数学続論]]の各ページを参照。本項では大文字の太字立体(<math>\mathbf{A}</math>など)で表記する。 ===多変数解析=== [[解析学基礎/多変数関数の微積分]]を参照。 ===領域=== <math>D\subset\mathbb{R}^n</math>と点<math>\boldsymbol{a}\in D</math>(位置ベクトル表記なので太文字斜体)に対し、集合<math>B_\varepsilon(\boldsymbol{a}) := \{ \boldsymbol{x} \in D \mid \| \boldsymbol{x} - \boldsymbol{a} \|<\varepsilon \}</math>を点<math>\boldsymbol{a}</math>の'''<math>\varepsilon</math>-開球'''という。不等号を<math>\leqq</math>に変えたときは開区間↔閉区間と同様に'''閉球'''と呼ぶ。このとき、<math>D</math>のように<math>\mathbb{R}^n</math>の部分集合であって<math>\varepsilon</math>-開球を含むものを点<math>\boldsymbol{a}</math>の'''<math>\varepsilon</math>-開近傍'''と呼ぶ。閉球を含むときは同様に'''閉近傍'''と呼ぶ。 <math>\forall \boldsymbol{a} \in U, \exist \varepsilon>0, B_\varepsilon(\boldsymbol{a})\subset U</math>を満たす<math>U\subset\mathbb{R}^n</math>を'''開集合'''と呼び、<math>V=\mathbb{R}^n\setminus U</math>を'''閉集合'''と呼ぶ。 注意点として、開集合と閉集合は排反ではない。則ち「開集合且つ閉集合」である集合が存在し(例えば<math>\mathbb{R}, \varnothing</math>)、「開集合でも閉集合でもない」集合も存在する(例えば<math>[0, 1)</math>)。 <math>M\subset\mathbb{R}^n</math>を含む最小の閉集合を<math>M</math>の'''閉包'''と呼び、<math>M^-, \bar{M}, \mathrm{Cl}(M)</math>などと表す。例えば有理数の稠密性より<math>\mathbb{Q}^-=\mathbb{R}</math>である。 閉包の性質として「閉包=集合の内部と境界の和集合(<math>M^- = \mathrm{Int}(M) \cup \partial{M}</math>)」がある。 集合<math>S\subset\mathbb{R}^n</math>に対して以下を満たす<math>\mathbb{R}^n</math>上開集合の組<math>(G_1, G_2)</math>が'''とれない'''とき、 #<math>G_1 \cap S = \varnothing \land G_2 \cap S = \varnothing</math> #<math>S = (G_1 \cap S) \sqcup (G_2 \cap S)</math> 「<math>S</math>は'''連結'''である」または「<math>S</math>は'''連結集合'''」という(但し、<math>\sqcup</math>は[[w:非交和|非交和]])。 空でない開連結集合を'''領域'''という。 実は、高校数学や1年次の解析学で扱ってきた「領域」はこの定義を満たしていないことが多かった。これは、「領域」の歴史的な用法では「条件の解集合」という意味であって開性や連結性を要求しなかったためである。しかし、本項を含めた以降に登場する数学ではこの定義を満たしていることが前提条件となる。なお、ややこしいことに「積分領域」は従来通り「その上で積分を行う集合」という緩い意味で使われることが多いので、区別が必要である。 ===右手系=== 三次元空間の正規直交基底を<math>(\boldsymbol{e}_1, \boldsymbol{e}_2, \boldsymbol{e}_3)</math>と置く。螺子を<math>\boldsymbol{e}_1\to\boldsymbol{e}_2</math>の向きに回すと<math>\boldsymbol{e}_3</math>の正方向に進むように3つの軸をとった系を'''右手系'''という。負方向に進むようにとったものを'''左手系'''という。数学・物理に限らず理数系の約束事として、'''三次元空間は必ず右手系で考える'''という暗黙の了解が存在するので覚えておこう。 右手系・左手系は基底の一部または全ての符号を反転することで変換することができる。一つだけを反転する場合は'''鏡像変換'''、二つだけを反転する場合は'''半回転'''、全てを反転する場合は'''空間反転'''と呼ぶ。 外積の結果として得るベクトルは右手系・左手系のどちらを考えるかで向きが変わる。このように、右手系↔左手系の変換で向きが変わるベクトルを'''軸性ベクトル'''という。 系の取り方で向きが変わるということは基底の係数である'''成分は不変量'''である。つまり、観測者の動きにベクトルが追従し、このベクトルは「物理的な実体を有しているのではなく計算の都合上向きが定められた便宜的な(=観測者が勝手に決めた)ベクトル」ということである。そのため、軸性ベクトルは'''擬ベクトル'''(シュードベクトル)とも呼ばれる。 位置や速度、加速度のような右手系・左手系のどちらを考えても同じ向きを向くベクトルを'''極性ベクトル'''という。座標系を取り換えても向きが維持されるため'''成分は座標変換に応じて変化する'''。これは、「観測の仕方によって起こる現象は変わらない」ということである。つまり擬ベクトルに対し、極性ベクトルは'''物理的実体を有するベクトル'''である。 偶奇と同じように軸性・極性にも外積を通じた相互関係が存在する。 :(軸性)×(軸性)=(軸性) :(軸性)×(極性)=(極性) :(極性)×(極性)=(軸性) ==基礎事項== ===ベクトル関数=== 関数<math>\boldsymbol{f} (x) = \sum_{i} f_i(x) \boldsymbol{e}_i</math>を'''ベクトル(値)関数'''(vector-valued function, vector function)という。 ただし、各<math>\boldsymbol{e}_i</math>は各座標軸方向の単位ベクトルであり、<math>\boldsymbol{f}(x)</math>の定義域は各<math>f_i(x)</math>の定義域の積集合である。 ベクトルの演算が成分ごとの演算結果を並べたベクトルで定義されたように、ベクトル関数の演算は(結果となる値が存在するならば)各成分の演算結果を並べたベクトルに等しい。これはベクトルの線型性による。 例えば、<math>\boldsymbol{f}(x) = \begin{pmatrix} \cos x \\ \sin x \end{pmatrix}</math>の<math>x\to0</math>の極限は、 :<math>\lim_{x\to0} \boldsymbol{f}(x) = \begin{pmatrix} \lim_{x\to0} \cos x \\ \lim_{x\to0} \sin x \end{pmatrix}</math> (<math>\because</math>線型性) :<math>=\begin{pmatrix} 1 \\ 0 \end{pmatrix}</math> :<math>=\boldsymbol{e}_x</math> と求まる。 このとき、<math>\boldsymbol{e}_x</math>を<math>\begin{pmatrix} \cos x \\ \sin x \end{pmatrix}</math>の<math>x\to0</math>に於ける'''極限ベクトル'''という。 <math>\boldsymbol{f}(x)</math>が<math>x=\alpha</math>で連続であるとは<math>\lim_{x\to\alpha}\boldsymbol{f}(x)=\boldsymbol{f}(\alpha)</math>が成立することであり、区間<math>I</math>で連続であるとは<math>\forall \alpha \in I</math>で連続であることである。 また、ベクトル関数の導関数<math>\boldsymbol{f}'(x)</math>は :<math>\frac{d}{dx} \boldsymbol{f} (x) = \frac{d}{dx} \left( \sum_i f_i(x) \boldsymbol{e}_i \right)</math> :<math>= \sum_i \left( \frac{d}{dx} f_i (x) \boldsymbol{e}_i \right)</math>(<math>\because</math>線型性) :<math>= \begin{pmatrix} f'_1(x) \\ f'_2(x) \\ \vdots \\ f'_i(x) \\ \vdots \end{pmatrix}</math> である。 この結果は、ベクトル関数に於ける導関数の正式な定義 <math>\lim_{h\to0} \frac{\boldsymbol{f}(x+h) - \boldsymbol{f}(x)}{h}</math>からも導かれる。 <math>\boldsymbol{f}(x)</math>が<math>x=\alpha</math>で微分可能であるとは極限値<math>\boldsymbol{f}'(\alpha)=\lim_{x\to\alpha}\frac{\boldsymbol{f}(x)-\boldsymbol{f}(\alpha)}{x-\alpha}</math>が存在することであり、区間<math>I</math>で微分可能であるとは<math>\forall \alpha \in I</math>で微分可能であることである。 高階導関数・高階微分可能も同様にして定義される。 <math>\boldsymbol{f}(x)</math>が区間<math>I</math>で連続ならば<math>\boldsymbol{f}(x)</math>は<math>I</math>上で<math>C^0</math>級であるといい、<math>\boldsymbol{f}\in C^0(I)</math>と書く。<math>\boldsymbol{f}(x)</math>が<math>I</math>で微分可能で<math>\boldsymbol{f}'(x)\in C^0(I)</math>ならば<math>\boldsymbol{f}(x)</math>は<math>I</math>上で<math>C^1</math>級である(一階連続微分可能)といい、<math>\boldsymbol{f}\in C^1(I)</math>と書く。<math>\boldsymbol{f}(x)</math>が<math>I</math>で二階微分可能で<math>\boldsymbol{f}'\in C^1(I)</math>ならば<math>\boldsymbol{f}(x)</math>は<math>I</math>上で<math>C^2</math>級である(二階連続微分可能)といい、<math>\boldsymbol{f}\in C^2(I)</math>と書く。同様にして順々に<math>C^k</math>級が定義され、<math>\forall k \in \mathbb{N}, \boldsymbol{f}\in C^k(I)</math>ならば<math>\boldsymbol{f}(x)</math>は<math>I</math>で<math>C^\infty</math>級(無限階連続微分可能)であるといい、<math>\boldsymbol{f}\in C^\infty(I)</math>と書く。<math>C^\infty</math>級である関数を'''滑らかな'''関数ともいう。 高校数学や高校物理で扱った平面(<math>\mathbb{R}^2</math>)上の運動は、実は2項ベクトル関数の理論に他ならない。 例えば、平面上の運動に於ける加速度・速度・変位の関係は<math>\boldsymbol{x}(t)= \begin{pmatrix} f(t) \\ g(t) \end{pmatrix}</math>として<math>\boldsymbol{a}(t) = \frac{d}{dt}\boldsymbol{v}(t) = \frac{d^2}{dt^2} \boldsymbol{x}(t)</math>と表すことができる。 曲線の媒介変数表示は、パラメータを変数とするベクトル関数とみることができる。 例えば、円の媒介変数表示<math>\begin{cases} x=r\cos\theta \\ y=r\sin\theta \end{cases}</math>は、<math>\boldsymbol{r}(\theta) = r\begin{pmatrix} \cos\theta \\ \sin\theta \end{pmatrix}</math>という2次元ベクトル関数とみることができる。更に<math>\theta=\omega t</math>とすると、これは等速円運動の式である。 1変数ベクトル関数の微分に関して、以下の公式が成り立つ。 #定数倍の導関数:<math>\{k\boldsymbol{a}(x)\}'=k\boldsymbol{a}'(x)</math> #和・差の導関数:<math>\{ \boldsymbol{a}(x)\pm\boldsymbol{b}(x) \}' = \boldsymbol{a}'(x)\pm\boldsymbol{b}'(x)</math> #積の導関数:<math>\{ f(x)\boldsymbol{a}(x) \}' = f'(x)\boldsymbol{a}(x)+f(x)\boldsymbol{a}'(x)</math> #商の導関数:<math>\left\{ \frac{\boldsymbol{a}(x)}{f(x)} \right\}' = \frac{f(x)\boldsymbol{a}'(x)-f'(x)\boldsymbol{a}(x)}{\{f(x)\}^2} \quad (f(x)\neq0)</math> #内積の導関数:<math>\{\boldsymbol{a}(x)\cdot\boldsymbol{b}(x)\}' = \boldsymbol{a}'(x)\cdot\boldsymbol{b}(x)+\boldsymbol{a}(x)\cdot\boldsymbol{b}'(x)</math> #外積の導関数:<math>\{\boldsymbol{a}(x)\times\boldsymbol{b}(x)\}' = \boldsymbol{a}'(x)\times\boldsymbol{b}(x)+\boldsymbol{a}(x)\times\boldsymbol{b}'(x)</math> #スカラー三重積の導関数:<math>[\boldsymbol{a}(x)\cdot\{\boldsymbol{b}(x)\times\boldsymbol{c}(x)\}]' = \boldsymbol{a}'(x)\cdot\{\boldsymbol{b}(x)\times\boldsymbol{c}(x)\}+\boldsymbol{a}(x)\cdot\{\boldsymbol{b}'(x)\times\boldsymbol{c}(x)\}+\boldsymbol{a}(x)\cdot\{\boldsymbol{b}(x)\times\boldsymbol{c}'(x)\}</math> #ベクトル三重積の導関数:<math>[\boldsymbol{a}(x)\times\{\boldsymbol{b}(x)\times\boldsymbol{c}(x)\}]' = \boldsymbol{a}'(x)\times\{\boldsymbol{b}(x)\times\boldsymbol{c}(x)\}+\boldsymbol{a}(x)\times\{\boldsymbol{b}'(x)\times\boldsymbol{c}(x)\}+\boldsymbol{a}(x)\times\{\boldsymbol{b}(x)\times\boldsymbol{c}'(x)\}</math> #連鎖律(チェイン・ルール):<math>[\boldsymbol{a}\{f(x)\}]'=\boldsymbol{a}'\{f(x)\}f'(x)</math> ベクトル関数の'''ノルム'''(大きさ、長さ)は、通常のベクトルと同様に :<math>\| \boldsymbol{f}(x) \| = \sqrt{\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}(x)} = \sqrt{\sum_{i} \{f_i (x)\}^2}</math> で与えられる。 つまり、ノルムは元のベクトル関数と同一変数のスカラー関数である。 ここで、このスカラー関数が定数関数である条件に就て見てみよう。 :<math>\| \boldsymbol{f}(x) \|= c \quad (c\in\mathbb{R}_{>0})</math>の両辺を2乗して :<math>\| \boldsymbol{f}(x) \|^2 = \boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}(x) = c^2</math> :両辺微分すると内積の微分より :<math>\{\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}(x)\}'=\boldsymbol{f}'(x)\cdot\boldsymbol{f}(x)+\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}'(x)=2\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}'(x)=0</math> :<math>\therefore \boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}'(x)=0</math> :逆に、 :<math>\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}'(x)=0 \iff 2\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}'(x)=\boldsymbol{f}'(x)\cdot\boldsymbol{f}(x)+\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}'(x)=\{\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}(x)\}'=0</math> :<math>\int \{\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}(x)\}'dx= \int 0 dx</math> :<math>\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}(x)=C_1</math>(<math>C_1\geq0</math>は積分定数) :<math>\| \boldsymbol{f}(x) \|^2=C_1</math>より :<math>\| \boldsymbol{f}(x) \| = \sqrt{C_1} = \mathrm{const}.</math> よって、以下が成り立つ。 {{定理|(直交条件の定理)}} :<math>\| \boldsymbol{f}(x) \|= \mathrm{const}. \iff \boldsymbol{f}(x) \cdot \boldsymbol{f}'(x) = 0</math> {{定理終わり}} これは、物理的には「位置ベクトルと速度ベクトルが直交する」ことを表す。則ち、<math>\boldsymbol{f}(x)</math>の終点が始点を中心とする円運動(球面運動)をするということである。 また、ベクトル関数が変数に依らず常に同一方向を向く条件も見てみよう(但し<math>\boldsymbol{f}(x)\neq\boldsymbol{0}</math>)。 :所与の条件は零ベクトルでない定ベクトル<math>\boldsymbol{c}</math>を用いて<math>\boldsymbol{f}(x) = f(x)\boldsymbol{c}</math>と表される。 :両辺微分して<math>\boldsymbol{f}'(x)=\{f(x)\boldsymbol{c}\}=f'(x)\boldsymbol{c}</math> :ここで元のベクトル関数との外積をとると :<math>\boldsymbol{f}(x)\times\boldsymbol{f}'(x)=\{f(x)\boldsymbol{c}\}\times\{f'(x)\boldsymbol{c}\}=f(x)f'(x) (\boldsymbol{c}\times\boldsymbol{c})=f(x)f'(x)\boldsymbol{0}=\boldsymbol{0}</math> :逆に、 :<math>\boldsymbol{f}(x)\times\boldsymbol{f}'(x)=\boldsymbol{0}</math>とすると一次従属なので :<math>\boldsymbol{f}'(x)=g(x)\boldsymbol{f}(x)</math>という微分方程式が成り立つ。 :各成分ごとに微分方程式を解くと、 ::これは変数分離型微分方程式なので第i成分は ::<math>\frac{df_i}{dx}=g(x)f_i(x)</math> ::<math>\int \frac{df_i}{f_i(x)}=\int g(x)dx</math> ::<math>G'(x)=g(x), C_i</math>を積分定数として<math>\log|f_i(x)|=G(x)+C_i</math> ::<math>C_i=\pm e^{C_i}</math>と改めておくと<math>f_i(x)=C_i e^{G(x)}</math> :よって :<math>\boldsymbol{f}(x)=\sum_i f_i(x) \boldsymbol{e}_i = \sum_i C_i e^{G(x)} \boldsymbol{e}_i = e^{G(x)} \sum_i C_i \boldsymbol{e}_i</math> :ここで<math>f(x)=e^{G(x)}, \boldsymbol{c}=\sum_i C_i \boldsymbol{e}_i</math>と置くと :<math>\boldsymbol{f}(x) = f(x) \boldsymbol{c}</math>となり、方向は変数に依らず一定であることが判る// よって、以下が成り立つ。 {{定理|(平行条件の定理)}} <math>\boldsymbol{c},\boldsymbol{f}(x)\neq\boldsymbol{0}</math>として :<math>\boldsymbol{f}(x)=f(x)\boldsymbol{c} \iff \boldsymbol{f}(x) \times \boldsymbol{f}'(x) = \boldsymbol{0}</math> {{定理終わり}} ベクトル解析では三次元空間の場合を考えることが多いため上では外積を用いて証明したが、外積は3項ベクトル(または7項ベクトル)にしか定義されないのであった。 一般次元では外積に代わって次の関係式を用いる。 :<math>|\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}'(x)|=\|\boldsymbol{f}(x)\|\|\boldsymbol{f}'(x)\|</math> これはCS不等式の等号成立の場合である。 実際、<math>\boldsymbol{f}(x)\cdot\boldsymbol{f}'(x)=\|\boldsymbol{f}(x)\|\|\boldsymbol{f}'(x)\|\cos\{\theta(x)\}</math>より等号成立の必要十分条件は :<math>\cos\{\theta(x)\}=\pm1\iff\theta(x) \equiv 0 \,(\mathrm{mod}\pi)</math> であり、2ベクトル<math>\boldsymbol{f}(x), \boldsymbol{f}'(x)</math>は平行とわかる。<br/> 平行ということは一次従属ということなので先程のように変数分離形微分方程式を解くことで3次元と同じ結果を得る。// 補足として、力学への応用を考える。 :速さの二乗<math>\|\boldsymbol{v}(t)\|^2</math>を時間微分すると :<math>\frac{d}{dt}\|\boldsymbol{v}(t)\|^2=\frac{d}{dt}(\boldsymbol{v}(t)\cdot\boldsymbol{v}(t))=\frac{d\boldsymbol{v}(t)}{dt}\cdot\boldsymbol{v}(t)+\boldsymbol{v}(t)\cdot\frac{d\boldsymbol{v}(t)}{dt}=2(\boldsymbol{v}(t)\cdot\boldsymbol{a}(t))</math> :よって等速運動の条件<math>\|\boldsymbol{v}(t)\|=\mathrm{const}.</math>は直交条件の定理から<math>\boldsymbol{v}(t)\perp\boldsymbol{a}(t)</math>に同値である。 :これを力学的に解釈すると、「加速度ベクトルは速度ベクトル方向に仕事をしないから速度ベクトルの大きさを変えずに向きだけを変える」となる。 :平面上で等速円運動を考えると円運動条件から<math>\boldsymbol{r}(t)\perp\boldsymbol{v}(t)</math>、等速条件から<math>\boldsymbol{v}(t)\perp\boldsymbol{a}(t)</math>なので<math>\boldsymbol{r}(t) /\!/ \boldsymbol{a}(t)</math>が出てくる。 :円運動条件<math>\|\boldsymbol{r}(t)\|^2=r^2</math>を一階微分すると ::<math>2\boldsymbol{r}(t)\cdot\boldsymbol{r}'(t)=0</math> :もう一度微分して ::<math>2(\boldsymbol{r}(t)\cdot\boldsymbol{r}''(t)+\boldsymbol{r}'(t)\cdot\boldsymbol{r}'(t))=0</math> :則ち ::<math>\boldsymbol{r}(t)\cdot\boldsymbol{a}(t)+\boldsymbol{v}(t)\cdot\boldsymbol{v}(t)=0</math> :位置ベクトルと加速度ベクトルが一次従属なので<math>\boldsymbol{a}(t)=\lambda\boldsymbol{r}(t)</math>であり、等速条件より<math>\|\boldsymbol{v}(t)\|=v</math>なので ::<math>\lambda r^2 + v^2 = 0</math> ::<math>\therefore \lambda = -\frac{v^2}{r^2}<0</math> :則ち<math>\boldsymbol{r}(t)</math>と<math>\boldsymbol{a}(t)</math>は逆向きであり、円運動の中心は<math>\boldsymbol{r}(t)</math>の始点なので<math>\boldsymbol{a}(t)</math>は常に円運動の中心を向く'''向心加速度'''であることが証明された。// なお、3次元以上では「<math>\boldsymbol{a}\perp\boldsymbol{b}\land\boldsymbol{b}\perp\boldsymbol{c}\implies\boldsymbol{a}/\!/\boldsymbol{c}</math>」が一般には成り立たないのでこの議論を成立させるには追加の条件が必要である。 <math>\boldsymbol{f}(x)</math>の不定積分は、各<math>f_i(x)</math>の原始関数を並べたベクトルを<math>\boldsymbol{F}(x)</math>として :<math>\int \boldsymbol{f}(x) dx = \boldsymbol{F}(x)+\boldsymbol{C}</math>(<math>\boldsymbol{C}</math>は各積分定数を並べたベクトル) と表される。 また、定積分は :<math>\int^b_a \boldsymbol{f}(x) dx=\boldsymbol{F}(b)-\boldsymbol{F}(a)</math> と表される。 1変数ベクトル関数の積分について、以下が成り立つ(不定積分表記だが定積分に就ても同様)。 #定数倍の原始関数:<math>\int \{k\boldsymbol{a}(x)\} dx = k\int\boldsymbol{a}(x)dx</math> #和・差の原始関数:<math>\int \{\boldsymbol{a}(x)\pm\boldsymbol{b}(x)\}dx=\int\boldsymbol{a}(x)dx\pm\int\boldsymbol{b}(x)dx</math> #内積の原始関数<math>\int \{\boldsymbol{k}\cdot\boldsymbol{a}(x)\}dx=\boldsymbol{k} \cdot \left( \int \boldsymbol{a}(x) dx \right)</math> #外積の原始関数<math>\int \{\boldsymbol{k}\times\boldsymbol{a}(x)\}dx=\boldsymbol{k} \times \left( \int \boldsymbol{a}(x) dx \right)</math> #スカラー倍の部分積分:<math>\int f(x)\boldsymbol{a}'(x)dx= f(x)\boldsymbol{a}(x)-\int f'(x)\boldsymbol{a}(x) dx \iff \int f'(x)\boldsymbol{a}(x)dx= f(x)\boldsymbol{a}(x)-\int f(x)\boldsymbol{a}'(x) dx</math> #内積の部分積分:<math>\int \{ \boldsymbol{a}(x)\cdot\boldsymbol{b}'(x) \}dx = \boldsymbol{a}(x)\cdot\boldsymbol{b}(x) - \int \{\boldsymbol{a}'(x)\cdot\boldsymbol{b}(x)\}dx</math> #外積の部分積分:<math>\int \{ \boldsymbol{a}(x)\times\boldsymbol{b}'(x) \}dx = \boldsymbol{a}(x)\times\boldsymbol{b}(x) - \int \{\boldsymbol{a}'(x)\times\boldsymbol{b}(x)\}dx</math> #置換積分:<math>u=f(x)</math>として<math>\int \boldsymbol{a}'\{f(x)\}f'(x) dx = \int \boldsymbol{a}(u)du</math> 平行条件の定理の証明でベクトル関数の微分方程式を解いたように、成分毎に考えることで解空間ベクトルを求められる。 :1階線型常微分方程式<math>\boldsymbol{f}'(x)+a(x)\boldsymbol{f}(x)=\boldsymbol{b}(x)</math>の解に就て考える。 :第<math>i</math>成分を考えると<math>f'_i(x)+a(x)f_i(x)=b_i(x)</math>という1階線型常微分方程式を得るので、 :両辺に積分因子<math>\mu(x)=\exp\left(\int a(x) dx\right)</math>を掛けることで :<math>f_i(x)=\frac{1}{\mu(x)} \left\{ \int \mu(x) b_i(x) dx + C_i \right\}</math>を得る。 :よって一般解は :<math>\boldsymbol{f}(x) = \sum_i \frac{1}{\mu(x)} \left\{ \int \mu(x) b_i(x) dx + C_i \right\} \boldsymbol{e}_i=\frac{1}{\mu(x)}\left\{ \int \mu(x) \boldsymbol{b}(x) dx + \boldsymbol{C} \right\}</math> ベクトル関数は必ずしもここで扱った<math>\boldsymbol{f}: \mathbb{R}\to\mathbb{R}^n</math>のみを指さない。 例えば、ベクトル変数 <math>\boldsymbol{x}= \sum_i g_i (x) \boldsymbol{e}_i</math>に対して :<math>\boldsymbol{h}(\boldsymbol{x})=\sum_i (h_i \circ g_i) (x) \boldsymbol{e}_i</math> と定義されるような関数<math>\boldsymbol{h}:\mathbb{R}^m \to \mathbb{R}^m</math>もベクトル関数である。 また、始域と終域の次元が異なる<math>\boldsymbol{i}: \mathbb{R}^m \to \mathbb{R}^n \, (m, n\neq1)</math>のようなベクトル関数も考えられる。 一般に、始域が<math>\mathbb{R}^n (n\neq1)</math>であっても終域が<math>\mathbb{R}</math>である関数はベクトル関数に対して'''スカラー関数'''(scalar function)と呼ばれる。スカラー関数は入力ベクトルを「変数の組」と見れば通常の多変数関数に一致する。 この節で述べた理論は、多くは一般のベクトル関数に対しても成り立つ。但し、後述のヤコビ行列のような拡張を必要とするものもある。 また、多変数ベクトル関数<math>\boldsymbol{f}(x_1, x_2,\cdots,x_n)</math>を考えたとき、多変数微積分の理論は一変数微積分と同様にしてベクトル関数にもそのまま拡張される。 ===ベクトル場・スカラー場=== 写像<math>\boldsymbol{a}: \mathbb{R}^m \to \mathbb{R}^n</math>を'''ベクトル場'''(vector field)という。 実際には<math>m=n</math>の場合を考えることが多い。 写像<math>\varphi: \mathbb{R}^n \to \mathbb{R}</math>を'''スカラー場'''(scalar field)という。 それぞれ上で述べたベクトル関数・スカラー関数に対応する。 もう少し具体的に述べると、空間の領域<math>V</math>が与えられたときその各点にスカラーまたはベクトルを割り当てたものが場である。要するに、<math>p\in V</math>とすると :スカラー場:<math>\varphi=\varphi(p)</math> :ベクトル場:<math>\boldsymbol{a}=\boldsymbol{a}(p)</math> のように場は「点を入力とする<sup>※</sup>関数」である。 <small>※なお、ベクトル場を図示するときは「出力されたベクトルの'''始点は原点でなく入力された点'''」であることに注意が必要である。出力ベクトルの成分表示は「入力点を基準に据えたときの位置ベクトル」なので原点から目盛を数えることに意味はない。</small> ここで<math>V</math>に何かしらの座標が設定されていれば、その座標系の変数の組をベクトルと見做すことで場を「通常のスカラー関数・ベクトル関数」として扱えるのである。 則ち、「滑らかな場」という概念は「滑らかな関数」として定義することができる。より具体的に言うと、スカラー場・ベクトル場が'''滑らか'''であるとは対応するスカラー関数・ベクトル関数が<math>C^\infty</math>級であることである。但し、滑らかさは任意の座標変換で保たれるわけではないことに注意が必要である(後述の座標変換テンソル及びその逆行列の全ての成分関数が滑らかである必要がある)。 ここで、二変数関数の極値を思い返してみる。 <math>z=f(x, y)</math>が<math>(a, b)</math>で極大であるとは<math>\begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix}\neq\begin{pmatrix} a \\ b \end{pmatrix}</math>として :<math>\exist \delta>0, \forall {\scriptstyle\left(\begin{array}{c} x \\[-6pt] y \end{array}\right)} \in \mathbb{R}^2, {\scriptstyle\left\| \left(\begin{array}{c} x \\[-6pt] y \end{array}\right) - \left(\begin{array}{c} a \\[-6pt] b \end{array}\right) \right\|} < \delta \implies f(x, y) \leq f(a, b)</math> という定義だった。 <math>z=f(x, y)</math>は曲面を表すが、これを<math>z</math>軸正方向から<math>xy</math>平面に射影するとその陰が<math>(x, y)</math>の動く範囲となるのであった。 ここで<math>\boldsymbol{x}:=\begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix}, \boldsymbol{\alpha}:=\begin{pmatrix} a \\ b \end{pmatrix}</math>とすると<math>z=f(x, y)</math>はスカラー場<math>z=\phi(\boldsymbol{x})</math>と解釈することができ、更に条件法の前件は<math>\boldsymbol{\alpha}</math>の<math>\delta</math>-開球(二次元なので開円板)である。 なので、極大値の定義式をベクトル解析的に解釈すると「<math>xy</math>平面の各点に<math>z</math>の値を割り当てた数分布に於いて、開円板<math>B_\delta(\boldsymbol{\alpha})</math>内部に於ける<math>z</math>の最大値が<math>\phi(\boldsymbol{\alpha})</math>となるような正数<math>\delta</math>が存在する」ということである。 ベクトル場の例としては、電場・磁場・重力場などが挙げられる。 スカラー場の例としては、電位分布・温度分布・圧力分布などが挙げられる。 例えば、ベクトル場<math>\boldsymbol{f}=(x, 0, 0)</math>は、<math>\mathbb{R}^3</math>内の平面<math>x=k</math>上の任意点に、その点を始点とするベクトル<math>\begin{pmatrix} k \\ 0 \\ 0 \end{pmatrix}</math>が存在する状態を表す。 ベクトル場の和は、出力ベクトルの型が同じならばベクトル場の成分の和をとったものに等しい。 例えば、<math>\boldsymbol{f}(x, y, z)=(y, z, x), \boldsymbol{g}(x, y, z)=(z, x, y)</math>について :<math>(\boldsymbol{f}+\boldsymbol{g})(x, y, z)=(y, z, x)+(z, x, y)=(y+z, z+x, x+y)</math>である。 これは、ベクトル場の加法の定義が :<math>\forall p \in V, (\boldsymbol{f}+\boldsymbol{g})(p):=\boldsymbol{f}(p)+\boldsymbol{g}(p)</math> となっていて且つ<math>V</math>に座標を入れればベクトル関数の加法則をそのまま適用できるためである(入力点が異なるとき、場同士は足すことができない)。 曲線<math>\{\boldsymbol{x}\in\mathbb{R}^2 \mid \varphi(\boldsymbol{x})=\mathrm{const}.\}</math>を'''等高線'''(等高曲線)、曲面<math>\{\boldsymbol{x}\in\mathbb{R}^3 \mid \varphi(\boldsymbol{x})=\mathrm{const}.\}</math>を'''等位面'''(等位曲面)という。これらの詳細は後述する。 ==曲線論・曲面論== ===曲線=== <math>xy</math>平面上の曲線は<math>y=f(x) (x\in[a, b])</math>という陽関数表示で扱うことが多かった。しかし、これだと自分自身と交わる('''自己交叉'''する)曲線や<math>x=x_0</math>に対して<math>f(x_0)</math>の値が複数存在する(<math>f</math>が'''多価関数''')場合に不都合が生じる。 例えば円を陽関数表示しようとすると :<math>x^2+y^2=r^2</math>を<math>y</math>に就いて解いて :<math>y=\pm\sqrt{r^2-x^2}</math> 則ち :<math>y=\begin{cases} \sqrt{r^2-x^2} & (y\geq0) \\ -\sqrt{r^2-x^2} & (y<0) \end{cases}</math> という多価関数が必要になる。 これだと端点の振舞を一々調べる必要があって曲線の連続性や接線の議論が煩雑になってしまう。 しかし、先程も述べたように曲線の媒介変数表示はベクトル関数として見れるのであった。 :<math>\boldsymbol{r}(\theta) = r\begin{pmatrix} \cos\theta \\ \sin\theta \end{pmatrix}</math>(再掲) こうすると一変数連続ベクトル関数によって曲線を表すことが可能である。物理的に捉えると「質点の運動の軌跡を原点からの位置ベクトルの時間変化で表す」ということである。 一般に、<math>\boldsymbol{r}\in\mathbb{R}^n, t \in I</math>としてベクトル方程式<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t)</math>の解集合<math>\{\boldsymbol{r}(t) \mid t \in I \}</math>は<math>n</math>次元空間内の曲線<math>C</math>を表す。これを<math>C</math>の'''ベクトル表示'''という。 ベクトル表示は成分表示に直せば<math>\boldsymbol{r}(t)=\sum_i r_i(t)\boldsymbol{e}_i</math>となる。これは媒介変数表示<math>\begin{cases} x_1&=&r_1(t) \\ x_2&=&r_2(t) \\ &\,\,\vdots& \\ x_n&=&r_n(t) \end{cases}</math>をベクトル表記したものに一致する。 例えば、<math>\boldsymbol{r}(t)=\begin{pmatrix} a\cos t \\ a\sin t \\ bt \end{pmatrix}</math>は'''常螺旋'''(弦巻線)のベクトル表示である。 パラメータが増加するときの点の移動方向を曲線の'''正の向き'''と定める。曲線の'''負の向き'''はパラメータが減少するときの点の移動方向である。このとき、パラメータで'''向き付け'''された曲線という表現もなされる。曲線<math>C</math>に対し、同じパラメータを用いた逆向きの曲線を<math>-C</math>と表す。ベクトル表示では<math>C:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t)</math>に対して<math>-C:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(-t)</math>ということである。 パラメータに関する変数変換<math>u=\phi(t)</math>を考える。但し、<math>\phi</math>は広義単調関数とする<sup>※</sup>。このとき、<math>\frac{du}{dt}</math>が非負ならば曲線の向き付けが保たれ、非正ならば向き付けが反転する。<math>\frac{du}{dt}=0</math>となる領域では点の運動が停止する。 <small>※<math>\phi</math>が非単調関数のときは曲線上の点が行ったり来たりすることになるため曲線のパラメータ表示としては扱いづらい。</small> <math>\boldsymbol{r}(t) \in C^1</math>且つ<math>\boldsymbol{r}'(t)\neq\boldsymbol{0}</math>であるとき、曲線<math>C</math>は'''滑らか'''であるという。 滑らかな曲線<math>C:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t)</math>に対して<math>\boldsymbol{r}'(t)</math>を<math>C</math>の'''速度ベクトル'''という。 <math>\overrightarrow{\mathrm{OP}}=\boldsymbol{r}</math>として点<math>\mathrm{P}(t)</math>に於ける速度ベクトルは<math>\lim_{\Delta t\to0}\frac{\boldsymbol{r}(t+\Delta t)-\boldsymbol{r}(t)}{\Delta t}</math>の極限ベクトルであるが、<math>\boldsymbol{r}(t+\Delta t)-\boldsymbol{r}(t)</math>を図示することで速度ベクトルが曲線<math>C</math>の点<math>\mathrm{P}(t)</math>に於ける接線の方向ベクトルになっていることがわかる。よって、速度ベクトルを'''接線ベクトル'''(接ベクトル)ともいう。 速度ベクトルが非零である曲線を'''正則'''な曲線と呼ぶ。滑らかな曲線は正則曲線である。 なお、一般には陽関数表示が区分的であることとベクトル表示の成分関数が区分的であることに対応はないほか、パラメータの取り方で速度ベクトルが変わるので「曲線の幾何学的滑らかさ」と「ベクトル表示した関数の解析学的滑らかさ」は一致するとは限らない。 正則な曲線に対して曲線長('''弧長''')を考える。 二次元曲線の場合は数学Ⅲで既に扱った。 :<math>L=\int_a^b \sqrt{\left(\frac{dx}{dt}\right)^2+\left(\frac{dy}{dt}\right)^2}dt</math> 実は、これを一般の<math>n</math>次元にそのまま拡張することができる。 {{定理|(弧長公式)}} 曲線<math>C:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t)</math>の点<math>\mathrm{P}(a)</math>から点<math>\mathrm{P}(b)</math>までの長さ(<math>a<b</math>)は :<math>L=\int_a^b \left\| \frac{d\boldsymbol{r}}{dt} \right\|dt</math> で与えられる。 {{定理終わり}} *証明 :<math>a=t_0, b=t_m</math>として閉区間<math>[a, b]</math>を各<math>t_i</math>で等分割する。このとき小区間<math>[t_{k-1}, t_k]</math>の長さは<math>\Delta t=\frac{b-a}{m}</math>。 :<math>C</math>の点<math>\mathrm{P}(a)</math>から点<math>\mathrm{P}(b)</math>までの長さ<math>L</math>は折れ線の長さ<math>\overline{\mathrm{P}(t_{k-1})\mathrm{P}(t_k)}</math>の総和で近似される。 :ここで<math>\overrightarrow{\mathrm{OP}}=\boldsymbol{r}(t)</math>より ::<math>L_m=\sum_{k=1}^m \| \boldsymbol{r}(t_k)-\boldsymbol{r}(t_{k-1}) \| = \sum_{k=1}^m \left\| \frac{\boldsymbol{r}(t_{k-1}+\Delta t)-\boldsymbol{r}(t_{k-1})}{\Delta t-0} \right\|(\Delta t-0)</math> :分割を限りなく細かくする極限をとると<math>m\to\infty</math>より<math>\Delta t\to0</math>なので ::<math>\lim_{m\to\infty} L_m = \sum_{k=1}^\infty \left\| \frac{d\boldsymbol{r}}{dt}(t_{k-1}) \right\|dt</math> :区分求積法より最後の無限級数は収束して :<math>L=\int_a^b \left\| \frac{d\boldsymbol{r}}{dt} \right\|dt</math>// ここで、<math>dl:=\left\| \frac{d\boldsymbol{r}}{dt} \right\|dt</math>という微小量を'''線素'''と呼ぶ。 1を線素に関して積分したパラメータ<math>s:=\int_0^t dl</math>を'''弧長パラメータ'''(標準パラメータ)という。弧長パラメータは曲線上で「基準点からの符号付き距離」を表す。 曲線の弧長パラメータによるベクトル表示('''弧長パラメータ表示''')を考える。<math>s=\int_0^t \left\| \frac{d\boldsymbol{r}}{dt} \right\|dt</math>で正則よりノルムは正。則ち<math>\frac{ds}{dt}>0</math>より<math>s=\phi(t)</math>は狭義単調増加なので、逆関数<math>t=\phi^{-1}(s)</math>を考えることができる。よって、<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t)</math>に<math>t=\phi^{-1}(s)</math>を代入した<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(\phi^{-1}(s))</math>が弧長パラメータ表示である。これを<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(s)</math>と略記してしまうことも多いが、'''一般には元の<math>\boldsymbol{r}(t)</math>と成分関数が異なる'''ことに注意。 通常の媒介変数によるベクトル表示は「座標系が予め与えられた状況」での表示であるが、弧長パラメータは座標系を取り替えたとしても表す曲線そのものが変わらなければ不変である。よって、「座標系に依存しない表記」として弧長パラメータ表示は多く利用されている。 また、弧長パラメータ表示で連鎖律を適用すると :<math>\frac{d\boldsymbol{r}(s)}{ds}=\frac{d\boldsymbol{r}(t)}{dt}\cdot\frac{dt}{ds}=\frac{d\boldsymbol{r}(t)}{dt}\cdot\frac{1}{\frac{ds}{dt}}</math> ここで微分積分学の基本定理より :<math>\frac{ds}{dt}=\frac{d}{dt} \int_0^t \left\| \frac{d\boldsymbol{r}}{dt} \right\|dt = \left\| \frac{d\boldsymbol{r}}{dt} \right\|</math> なので :<math>\frac{d\boldsymbol{r}(s)}{ds}=\frac{\frac{d\boldsymbol{r}(t)}{dt}}{\left\| \frac{d\boldsymbol{r}}{dt} \right\|}</math> であり、自身のノルムで割ってるので恒等的に<math>\left\| \frac{d\boldsymbol{r}}{ds} \right\|=1</math>である。 よって、弧長パラメータ表示された曲線の接ベクトルは常に単位ベクトルである。 弧長パラメータ表示された曲線で線素を考えると<math>s=\int_0^s \left\| \frac{d\boldsymbol{r}(s)}{ds} \right\| ds = \int_0^s dl</math>だが、常に<math>\left\| \frac{d\boldsymbol{r}}{ds} \right\|=1</math>なので<math>ds=dl</math>であり、弧長パラメータの微小量は線素に等しい(弧長パラメータそのものが1の線素に関する積分なので当たり前ではある)。 <math>\boldsymbol{e}_\dagger(s)=\frac{d\boldsymbol{r}}{ds}</math>と置くと、点<math>\mathrm{P}(s_0)</math>に於ける接線の方程式は :<math>\boldsymbol{p}-\boldsymbol{r}(s_0)=\boldsymbol{e}_\dagger(s_0) (s-s_0)</math> と表される。 ここで<math>\boldsymbol{r}(s)</math>の中心<math>s_0</math>に於けるテイラー展開は :<math>\boldsymbol{r}(s)=\sum_{i=0}^\infty \frac{(s-s_0)^i}{i!} \frac{d^i}{ds^i}\boldsymbol{r}(s_0) </math> であり、「接線が一次近似に対応する」という構造はベクトル関数でも維持されることが判った。 領域<math>\boldsymbol{D}</math>上の滑らかなベクトル場<math>\boldsymbol{a}</math>について、微分方程式<math>\frac{d\boldsymbol{r}}{dt}=\boldsymbol{a}(\boldsymbol{r}(t)) (\boldsymbol{r} \in \boldsymbol{D})</math>で与えられる曲線<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t)</math>を<math>\boldsymbol{a}</math>の'''流線'''(streamline)という(入力点を位置ベクトルと同一視していることに注意)。流線の接線ベクトルは元のベクトル場そのものになるので、ベクトルの相等から得る方程式<math>\frac{dx_1}{a_1}=\frac{dx_2}{a_2}=\cdots=\frac{dx_n}{a_n}</math>を'''流線方程式'''という。 例えば、<math>\boldsymbol{f}(x, y)=(y, x)</math>の流線は、 :定義から<math>\frac{dx}{dt}=y, \frac{dy}{dt}=x</math> :合成関数の微分公式から<math>\frac{dy}{dx}=\frac{\frac{dy}{dt}}{\frac{dx}{dt}}=\frac{x}{y}</math> :<math>\int y dy=\int xdx</math> :<math>\frac{1}{2}y^2=\frac{1}{2}x^2+C</math> :よって双曲線<math>y^2-x^2=2C</math>// この場合、<math>t</math>に関する2つの微分方程式を組み合わせることで :<math>\frac{d^2x}{dt^2}=x, \frac{d^2y}{dt^2}=y</math>という二階線型常微分方程式となり、一般解が双曲線関数を用いて<math>\begin{cases} x=C_1\cosh t+C_2\sinh t \\ y=C_1\sinh t+C_2\cosh t \end{cases}</math>であることが容易に判る。<br>なお、流線方程式を用いても<math>\frac{dx}{y}=\frac{dy}{x}</math>から<math>\frac{dy}{dx}=\frac{x}{y}</math>が出てくる。 「流線の接線ベクトルが元のベクトル場になる」とはつまり、「接線が常にベクトル場と平行になるような曲線」を考えているということである。滑らかなベクトル場を考えているためそのような曲線は常に存在する。流線は「ベクトル場の流れを繋げていった曲線」と考えることができるので、「流れを簡潔に図示」するのにちょうどよい。 有名な例として、電気力線・磁力線はそれぞれ電場<math>\boldsymbol{E}</math>・磁束密度<math>\boldsymbol{B}</math>の流線である。 流線の微分方程式を弧長パラメータ表示を用いて変形する。 :<math>\frac{d\boldsymbol{r}}{dt}=\boldsymbol{a}(\boldsymbol{r}(t))</math>の左辺に就いて :<math>\frac{d\boldsymbol{r}}{ds}\cdot\frac{ds}{dt}=\frac{d\boldsymbol{r}}{ds}\cdot \|\boldsymbol{r}'(\phi^{-1}(s))\|</math> 元の方程式の両辺でノルムをとると :<math>\left\|\frac{d\boldsymbol{r}}{dt}\right\|=\|\boldsymbol{a}(\boldsymbol{r}(t))\|</math> 代入して :<math>\frac{d\boldsymbol{r}}{ds}\cdot\|\boldsymbol{r}'(\phi^{-1}(s))\|=\frac{d\boldsymbol{r}}{ds}\cdot\|\boldsymbol{a}(\boldsymbol{r}(t))\|</math> :<math>\therefore \frac{d\boldsymbol{r}}{ds} = \boldsymbol{e}_{\boldsymbol{a}(\boldsymbol{r}(\phi^{-1}(s)))}</math> ここから、流線の形状はノルムには関係なく方向場のみで決まることがわかる。 ===フレネ標搆=== ここでは、三次元空間に於ける正則曲線について考える。 <math>C:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(s)</math>上の点<math>\mathrm{P}(s)</math>に於ける単位接線ベクトルを<math>\boldsymbol{t}</math>とおく。 先程の議論より<math>\boldsymbol{t}(s)=\frac{d\boldsymbol{r}(s)}{ds}</math>であり、<math>\left\| \frac{d\boldsymbol{r}(s)}{ds} \right\|=1 (=\mathrm{const}.)</math>なので直交条件の定理から<math>\boldsymbol{t}\cdot\frac{d\boldsymbol{t}}{ds}=0</math>、則ち<math>\boldsymbol{t} \perp \frac{d\boldsymbol{t}(s)}{ds}</math>である。この<math>\frac{d\boldsymbol{t}(s)}{ds}</math>を'''主法線ベクトル'''という。 主法線ベクトルを<math>\boldsymbol{n}</math>とおくとき、<math>\boldsymbol{b}=\boldsymbol{t}\times\boldsymbol{n}</math>を'''従法線ベクトル'''(陪法線ベクトル)という。ここで先程の結果より<math>\boldsymbol{t}\perp\boldsymbol{n}</math>であって<math>\boldsymbol{b}</math>の定義より<math>\boldsymbol{t}\perp\boldsymbol{b}, \boldsymbol{n}\perp\boldsymbol{b}</math>なので、この3ベクトルの組を正規化した<math>\{\boldsymbol{e}_t, \boldsymbol{e}_n, \boldsymbol{e}_b \}</math>は<math>\mathbb{R}^3</math>の正規直交基底である。これを<math>\mathbb{R}^3</math>の'''フレネ標搆'''という。外積の結果よりフレネ標搆は<math>\boldsymbol{e}_t, \boldsymbol{e}_n, \boldsymbol{e}_b</math>の順に右手系をなす。なお、接線ベクトル・主法線ベクトル・従法線ベクトルは全て曲線の位置ベクトル<math>\boldsymbol{r}(s)</math>を入力したベクトル場として捉えることができる。 <math>\{\boldsymbol{e}_n, \boldsymbol{e}_b \}</math>の張る平面を'''法平面'''、<math>\{\boldsymbol{e}_t, \boldsymbol{e}_b \}</math>の張る平面を'''展直平面'''、<math>\{\boldsymbol{e}_t, \boldsymbol{e}_n \}</math>の張る平面を'''接触平面'''という。 即ち、法平面・展直平面・接触平面は<math>tnb</math>空間の点<math>\mathrm{P}(s)</math>を原点とした基準面である。 平面の方程式の法線ベクトルに接ベクトル・主法線ベクトル・従法線ベクトルをそれぞれ代入することで :法平面の方程式:<math>(\boldsymbol{p}-\boldsymbol{r}(s))\cdot\boldsymbol{t}(s)=0</math> :展直平面の方程式:<math>(\boldsymbol{p}-\boldsymbol{r}(s))\cdot\boldsymbol{n}(s)=0</math> :接触平面の方程式:<math>(\boldsymbol{p}-\boldsymbol{r}(s))\cdot\boldsymbol{b}(s)=0</math> とわかる。 <math>\|\boldsymbol{t}\|=1</math>は常に成り立つが<math>\|\boldsymbol{n}\|, \|\boldsymbol{b}\|</math>は<math>1</math>とは限らない。そこで、主法線ベクトルの大きさ<math>\kappa(s)=\|\boldsymbol{n}(s)\|</math>を曲線<math>C</math>の'''曲率'''と呼ぶことにする。なお、<math>\|\boldsymbol{b}\|=\| \boldsymbol{t} \| \|\boldsymbol{n}\|\sin\frac{\pi}{2}</math>より<math>\|\boldsymbol{b}\|=\|\boldsymbol{n}\|=\kappa</math>が成り立つ。 主法線ベクトルの定義に立ち戻ると<math>\boldsymbol{n}(s)=\frac{d\boldsymbol{t}(s)}{ds}</math>であった。つまり、主法線ベクトルは接ベクトルの速度ベクトルなので「弧長パラメータを変化させたときに接ベクトルがどのくらい変化するか」という指標である。接ベクトルの変化の大小と<math>\kappa</math>の大小は対応し、接ベクトルの大小はカーブの緩急に対応することから<math>\kappa</math>の大小とカーブの緩急も対応する。これが「曲率」という名前の由来である。 なお、<math>\kappa(s)=0</math>の場合は<math>\boldsymbol{n}(s)=\boldsymbol{0}</math>なので<math>\boldsymbol{t}(s)=\boldsymbol{k}</math>(定ベクトル)であり、<math>\boldsymbol{r}(s)=s\boldsymbol{k}</math>という直線の場合に対応することがわかる。 単位接ベクトルの<math>s</math>を微分変数とする導関数(<math>s</math>-導関数)は主法線ベクトルだったが、単位主法線ベクトル・単位従法線ベクトルの<math>s</math>-導関数がどのように表されるか見ていく。 ここで、フレネ標搆が<math>\mathbb{R}^3</math>の正規直交基底であることから、<math>\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}, \frac{d\boldsymbol{e}_b}{ds}</math>ともにフレネ標搆の一次結合で表現できると予想される。 単位従法線ベクトルに就いて :<math>\frac{d\boldsymbol{e}_b}{ds}=\frac{d}{ds}(\boldsymbol{e}_t\times\boldsymbol{e}_n)=\frac{d\boldsymbol{e}_t}{ds}\times\boldsymbol{e}_n+\boldsymbol{e}_t\times\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}</math> <math>\boldsymbol{t}=\boldsymbol{e}_t</math>より<math>\frac{d\boldsymbol{e}_t}{ds}=\boldsymbol{n}=\kappa\boldsymbol{e}_n</math>則ち<math>\frac{d\boldsymbol{e}_t}{ds}\times\boldsymbol{e}_n=\kappa\boldsymbol{e}_n\times\boldsymbol{e}_n=\boldsymbol{0}</math>なので :<math>\frac{d\boldsymbol{e}_b}{ds}=\boldsymbol{e}_t\times\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}</math> <math>\|\boldsymbol{e}_n\|=1</math>から直交条件の定理より<math>\boldsymbol{e}_n\perp\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}</math>なので :<math>\boldsymbol{e}_n\times\frac{d\boldsymbol{e}_b}{ds}=\boldsymbol{e}_n\times(\boldsymbol{e}_t\times\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds})=\left(\boldsymbol{e}_n\cdot\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}\right)-(\boldsymbol{e}_n\cdot\boldsymbol{e}_t)\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}=\boldsymbol{0}</math> 外積が零ベクトルなので<math>\frac{d\boldsymbol{e}_b}{ds} /\!\!/ \boldsymbol{e}_n</math>であり、一次従属より :<math>\frac{d\boldsymbol{e}_b}{ds}=-\tau\boldsymbol{e}_n</math> となるスカラー関数<math>\tau(s)</math>が存在する。 この<math>\tau(s)</math>を曲線<math>C</math>の'''捩率'''と呼ぶ。捩率は接触平面の回転(捩れ)の率を表す。 <math>\tau=0</math>ならば<math>\frac{d\boldsymbol{e}_b}{ds}=0</math>より<math>\boldsymbol{e}_b</math>方向は変化しないので曲線は接触平面と平行な平面上に拘束される。即ち、<math>C</math>は平面曲線である。 単位主法線ベクトルに就いて :<math>\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}=\frac{d}{ds}(\boldsymbol{e}_b\times\boldsymbol{e}_t)=\frac{d\boldsymbol{e}_b}{ds}\times\boldsymbol{e}_t+\boldsymbol{e}_b\times\frac{d\boldsymbol{e}_t}{ds}</math> ここで<math>\frac{d\boldsymbol{e}_t}{ds}=\kappa\boldsymbol{e}_n, \frac{d\boldsymbol{e}_b}{ds}=-\tau\boldsymbol{e}_n</math>を代入して :<math>\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}=-\tau\boldsymbol{e}_n\times\boldsymbol{e}_t+\boldsymbol{e}_b\times\kappa\boldsymbol{e}_n=\tau\boldsymbol{e}_b-\kappa\boldsymbol{e}_t</math> よって、フレネ標搆の弧長パラメータを微分変数とする導関数を以下のようにフレネ標搆の一次結合で表すことができた。 :<math>\begin{cases} \frac{d\boldsymbol{e}_t}{ds}=\kappa\boldsymbol{e}_n \\ \frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds} = \tau\boldsymbol{e}_b-\kappa\boldsymbol{e}_t \\ \frac{d\boldsymbol{e}_b}{ds}=-\tau\boldsymbol{e}_n \end{cases}</math> これを一次変換で表記すると以下のようになる。但し、厳密にはベクトルを成分としている部分は列ではなく行に配置するのが正しいことに注意。 {{定理|(フレネ=セレーの公式)}} :<math>\frac{d}{ds}\begin{pmatrix} \boldsymbol{e}_t \\ \boldsymbol{e}_n \\ \boldsymbol{e}_b \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 0 & \kappa & 0 \\ -\kappa & 0 & \tau \\ 0 & -\tau & 0 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} \boldsymbol{e}_t \\ \boldsymbol{e}_n \\ \boldsymbol{e}_b \end{pmatrix}</math> {{定理終わり}} 表現行列が反対称行列(歪対称行列)になっているが、これは「直交変換を一次近似すると反対称変換になる」という無限小回転の理論に対応する。 捩率を求めるときは「基底分解の係数は対応する基底ベクトルとの内積に等しい」という性質を利用すれば<math>\boldsymbol{e}_b\cdot\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}=\tau</math>となるので左辺を計算すればよい。 例えば、円<math>\begin{cases} x^2+y^2=a^2 \\ z=b \end{cases}</math>の曲率と捩率は以下のように求まる。 :媒介変数表示して<math>\boldsymbol{r}(t)=\begin{pmatrix} a\cos t \\ a\sin t \\ b \end{pmatrix}</math> :接線ベクトルは<math>\frac{d\boldsymbol{r}(t)}{dt}=\begin{pmatrix} -a\sin t \\ a\cos t \\ 0 \end{pmatrix}</math> :弧長パラメータ<math>s</math>は<math>s=\int^t_0 \left\|\frac{d\boldsymbol{r}(t)}{dt}\right\|dt = \int_0^t a dt = at</math> :<math>\therefore t=\frac{s}{a}</math> :<math>\boldsymbol{r}(s)=\begin{pmatrix} a\cos\frac{s}{a} \\ a\sin\frac{s}{a} \\ b \end{pmatrix}</math> :<math>\boldsymbol{t}=\frac{d\boldsymbol{r}(s)}{ds}=\begin{pmatrix} -\sin\frac{s}{a} \\ \cos\frac{s}{a} \\ 0 \end{pmatrix}</math> :<math>\boldsymbol{n}=\frac{d\boldsymbol{t}(s)}{ds}=\frac{1}{a}\begin{pmatrix} -\cos\frac{s}{a} \\ -\sin\frac{s}{a} \\ 0 \end{pmatrix}</math> :<math>\kappa=\|\boldsymbol{n}\|=\frac{1}{a}</math> :<math>\boldsymbol{b}=\boldsymbol{t}\times\boldsymbol{n} = \begin{pmatrix} 0 \\ 0 \\ \frac{1}{a} \end{pmatrix}</math> :<math>\boldsymbol{e}_n=\begin{pmatrix} -\cos\frac{s}{a} \\ -\sin\frac{s}{a} \\ 0 \end{pmatrix}</math> :<math>\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}=\frac{1}{a}\begin{pmatrix} \sin\frac{s}{a} \\ -\cos\frac{s}{a} \\ 0 \end{pmatrix}</math> :<math>\boldsymbol{e}_b = \begin{pmatrix} 0 \\ 0 \\ 1 \end{pmatrix}</math> :<math>\tau = \begin{pmatrix} 0 \\ 0 \\ 1 \end{pmatrix}\cdot\frac{1}{a}\begin{pmatrix} \sin\frac{s}{a} \\ -\cos\frac{s}{a} \\ 0 \end{pmatrix}=0</math>// フレネ・セレーの公式は[[線型代数学続論/行列値関数|行列関数]]に関する一階常微分方程式である。そのため、微分方程式の基本定理(ピカール=リンデレーエフの定理)により初期条件(<math>s=0</math>に於けるフレネ標搆)を与えれば、滑らかな曲率関数・捩率関数の組<math>(\kappa, \tau)</math>を定めることで微分方程式の解として一般の<math>s</math>に対するフレネ標搆を一意に得る。このとき、曲線<math>C:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(s)</math>は接ベクトルを出発点を選んで積分することで決定される。 従って、次の定理が成り立つ<!-- 厳密証明はhttps://sshmathgeom.private.coocan.jp/diffgeom/curvetheorem.htmlを参照 -->。 {{定理|(曲線の基本定理)}} 開区間<math>(a,b)</math>上の実数<math>s</math>を変数とする2つの滑らかな関数<math>\kappa(s),\tau(s)</math>を与える。但し、<math>\kappa(s)</math>は正とする。<br/> このとき、<math>\kappa(s)</math>を曲率、<math>\tau(s)</math>を捩率、<math>s</math>を弧長パラメータとする三次元空間上の曲線<math>C</math>が剛体運動を除いて一意に定まる。 {{定理終わり}} 剛体運動とは「曲線の形を変えない」運動のことである(平行移動・回転など)。 <math>\kappa(s), \tau(s)</math>の定める曲線族を一般に<math>\mathcal{C}[\kappa, \tau]</math>と書く。 例えば、円を含む螺旋は<math>c_1, c_2=\mathrm{const}.</math>として<math>\mathcal{C}[c_1, c_2]</math>と書ける。 <math>R=\frac{1}{\kappa}</math>を'''曲率半径'''という。曲率半径は曲線の特定のカーブにおける曲がり具合の急さを表す指標であり、カーブを近似する真円('''密着円''')の半径でもある。高速道路の標識で<math>R=\circ\circ \mathrm{m}</math>は、そのカーブの曲率半径を示している。道路設計では、快適なドライブの為曲率半径がなるべく大きくなるように工夫を凝らしている。 ここで<math>\boldsymbol{r}(s)</math>の中心<math>s_0</math>に於けるテイラー展開は :<math>\boldsymbol{r}(s)=\sum_{i=0}^\infty \frac{(s-s_0)^i}{i!} \frac{d^i}{ds^i}\boldsymbol{r}(s_0) </math>(再掲) だったが、二次近似式(三次以降を切り捨てた式)を考えると :<math>\boldsymbol{r}(s) \fallingdotseq \boldsymbol{r}(s_0)+\frac{d\boldsymbol{r}(s_0)}{ds}(s-s_0) + \frac{1}{2}\frac{d^2\boldsymbol{r}(s_0)}{ds^2}(s-s_0)^2 </math> フレネ標搆を用いて書き直すと :<math>\boldsymbol{r}(s) \fallingdotseq \boldsymbol{r}(s_0)+\boldsymbol{e}_t(s-s_0) + \frac{1}{2}\kappa(s_0)\boldsymbol{e}_n(s-s_0)^2 </math> 二次近似とは「曲線を円弧で近似する」ことだったので曲率<math>\kappa(s_0)</math>が近似に用いる円弧と関係ある量であることが予想される。<br/> 接触平面で密着円<math> \| \boldsymbol{r} - (\boldsymbol{r}(s_0)+R\boldsymbol{e}_n) \| = R </math>を考える。接触平面を<math>xy</math>平面と考えると円の方程式は :<math>x^2+(y-R)^2=R^2</math> :<math>y=R-\sqrt{R^2-x^2}</math> テイラー展開して :<math>y=\frac{x^2}{2R}+O(x^4)</math> 二次の項を比較すると :<math>\frac{x^2}{2R}=\frac{(s-s_0)^2}{2}\kappa</math> よって :<math>R=\frac{1}{\kappa}</math> と定義するのは妥当である。 なお、先ほど求めた円の曲率から、真円に関して「曲率半径=半径」であることが判る。 フレネ・セレーの公式で最初の二行二列のみを考えると<math>\mathbb{R}^2</math>内の曲線に対するフレネ・セレーの公式を得る。一般に<math>\mathbb{R}^n</math>上の曲線に対し、今回の議論と同様にして接ベクトル・主法線ベクトル・曲率を定義することができる。但し、三次元空間と異なって同じ曲率に対して異なる曲線を与えることができる(主法線ベクトルが接触平面内で接ベクトルに対して左右どちらを向くかがそのままでは定まらないため)。なお、4次元以上であっても平面拘束曲線ならば捩率は0であって従法線ベクトルは零ベクトルに定まる。 ===単純閉曲線=== パラメータ区間を<math>I=[a, b]</math>とする。 このとき、曲線の端点はそれぞれ<math>\mathrm{P}(a), \mathrm{P}(b)</math>である。 端点が一致する、つまり<math>\mathrm{P}(a)=\mathrm{P}(b)</math>である連続曲線を'''閉曲線'''という。 自己交叉しない、つまり<math>\forall t_1, t_2 \in (a, b), t_1 \neq t_2 \iff \mathrm{P}(t_1)\neq\mathrm{P}(t_2)</math>となる閉曲線を'''単純閉曲線'''(ジョルダン曲線)という。閉曲線でない曲線に就いて「自己交叉しない」という条件は「曲線を表すベクトル関数が単射」と同値であるので、端点のみ単射性を外してやれば単純閉曲線の定義を得る。 幾何学的直観から、平面に拘束された単純閉曲線はその平面を単純閉曲線で囲まれた'''内部'''とそうでない'''外部'''の二つの領域に分割することが予想できる。 このことは以下の定理によって保証される。 {{定理|(ジョルダンの曲線定理)}} 平面<math>\Pi\subset\mathbb{R}^n</math>内の任意の単純閉曲線<math>\gamma</math>に対し、有界領域<math>I</math>・非有界領域<math>O</math>の組であって<math>\Pi\setminus\gamma=I \sqcup O</math>且つ<math>\partial{I}=\partial{O}=\gamma</math>であるものが唯一つに定まる。 {{定理終わり}} この<math>I, O</math>をそれぞれ内部・外部と定義する。証明は[[位相幾何学]]で行う。なお、「<math>\partial{I}=\partial{O}=\gamma</math>」を態々明示しているのは、滑らかでない単純閉曲線に対しては「<math>\Pi\setminus\gamma=I \sqcup O \implies \partial{I}=\partial{O}=\gamma</math>」が自明でないためである。 正則単純閉曲線に対して「曲線の向き」の幾何学的意味を考える。 ジョルダンの曲線定理より単純閉曲線<math>\gamma:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(s) \quad(\boldsymbol{r}\in \Pi)</math>は平面<math>\Pi</math>を内部<math>I</math>と外部<math>O</math>に分割する。平面拘束曲線なので<math>\forall{s}, \tau(s)=0</math>であり、従法線ベクトルは零ベクトル且つ接触平面が常に<math>\Pi</math>に一致する。 主法線ベクトル<math>\boldsymbol{n}(s)</math>が接ベクトル<math>\boldsymbol{t}(s)</math>に対して左側を向いているとすると、<math>\boldsymbol{r}(s_0)+\varepsilon\boldsymbol{n}(s_0) \quad(\varepsilon>0)</math>が点<math>\mathrm{P}(s_0)</math>に於ける<math>\gamma</math>の進行方向左側にある点である。 ここで、<math>\mathrm{P}(s_0)</math>に於ける<math>\varepsilon</math>-開球<math>B_\varepsilon(s_0)</math>を考えると、平面<math>\Pi</math>上では<math>\boldsymbol{r}(s_0)+\varepsilon\boldsymbol{n}(s_0)</math>が左側の領域、<math>\boldsymbol{r}(s_0)+\varepsilon\boldsymbol{n}(s_0)</math>が右側の領域に入る。 <math>s=s_0</math>を動かすと各点で進行方向左は<math>I, O</math>のいずれかであり、<math>\gamma</math>の正則性と<math>I, O</math>の連結性から「<math>I, O</math>のどちらが左側であるかは曲線全体で変わらない」ことが言える。 ここで円の場合を考える。<math>\Pi</math>に直交座標<math>u, v</math>を入れると向心加速度の議論から「加速度ベクトル=主法線ベクトルは円の中心を向く」ので、「円の正の向きは円の内部を左手に見る進行方向」である。 任意の正則単純閉曲線<math>\gamma</math>に対して自己交叉を起こさないまま円へ連続変形する可逆写像が存在し、その変形に於いて「左側」と「<math>I, O</math>」の対応は変化しない。則ち、円で確認された「正の向きは囲まれた内部を左手に見る向き」は任意の正則単純閉曲線で成り立つ。 つまり、単純閉曲線の正の向きは点を動かしたときに'''自身の囲む領域の内部を左手に見る向き'''である。負の向きは左手に外部を見る向きである。 集合<math>A</math>に含まれる任意の2点に対してそれらを端点とする滑らかな曲線<math>C</math>をとれるとき、<math>A</math>は'''弧状連結'''であるという。 弧状連結集合<math>S</math>内の任意の閉曲線<math>\gamma</math>に対して1点に退化するような連続変形が可能なとき、<math>S</math>は'''単連結'''であるという。単連結でない集合は'''多重連結'''であるという。 平面<math>\Pi\subset\mathbb{R}^n</math>に含まれる単連結集合<math>S</math>に対し、<math>\hat{\Pi}:=\Pi\cup\{\infty\}</math>とすると集合<math>\hat{\Pi}\setminus{S}</math>は連結である。逆も成り立つ。 なお、「<math>A</math>が連結集合である」ことは「補集合<math>\overline{A}</math>が非連結集合である」ことを意味しない。そのため「単連結な連結集合」も考えられ、特に「単連結な領域」はこの先頻繁に登場する。 集合<math>A</math>に含まれる任意の2点を結んだ線分が<math>A</math>に包含されるとき、<math>A</math>は'''凸型'''であるという。凸型集合でない集合は'''凹型'''であるという。 集合<math>A</math>内の1点を固定してそこから<math>A</math>内任意点へ引いた線分が<math>A</math>に包含されるとき、<math>A</math>は'''星状'''(星型)であるという。このとき固定した点を'''星の中心'''という。凸型集合は全て星状集合である。 単純閉曲線<math>\gamma</math>を境界とする内部<math>I</math>に関して<math>I\cup\gamma</math>が凸型集合であるとき、<math>\gamma</math>を'''卵形線'''(凸単純閉曲線・オーヴァル)という。 曲線<math>C</math>の曲率関数<math>\kappa(s)</math>が<math>C^3</math>級であるとき、<math>\kappa'(s_0)=0</math>を満たす点<math>\mathrm{P}(s_0)</math>を<math>C</math>の'''頂点'''という。 例えば、標準楕円<math>\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}=1</math>の頂点は4点<math>(\pm{a},0),(0,\pm{b})</math>である。このことは、<math>\mathbb{R}^2</math>上曲線<math>C:\boldsymbol{r}=x(t)\boldsymbol{e}_x(t)+y(t)\boldsymbol{e}_y(t)</math>に対する曲率の公式<math>\kappa(t)=\frac{\left|\frac{dx}{dt}\frac{d^2y}{dt^2}-\frac{dy}{dt}\frac{d^2x}{dt^2}\right|}{\left\{\left(\frac{dx}{dt}\right)^2+\left(\frac{dy}{dt}\right)^2\right\}^\frac{3}{2}}</math>と<math>\frac{ds}{dt}>0</math>を用いて確かめられる。 実は、この事実は楕円に限らないことが以下の定理で示される。 {{定理|(ムコパディヤーヤの定理・四頂点定理)}} <math>\mathbb{R}^2</math>上の滑らかな卵形線は少なくとも4つの頂点を持つ。 {{定理終わり}} *証明 :滑らかな卵形線<math>C:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(s)\quad(s\in[a, b])</math>に対して曲率関数<math>\kappa(s)</math>は滑らかであり、<math>\kappa\in C^3</math>を満たす。 :卵形線は単純閉曲線なので<math>\mathrm{P}(a)=\mathrm{P(b)}</math>であり、<math>\kappa(a)=\kappa(b)</math>。 :曲率関数が定数関数のときは<math>\kappa\in C^\infty</math>且つ常に<math>\kappa'(s)=0</math>なので曲線を構成するすべての点が頂点であり、明らかに定理を満たす。 :曲率関数が定数関数でないとする。 :ワイエルシュトラスの極値定理より<math>\kappa(s)</math>は<math>s\in[a, b]</math>のどこかで最大値・最小値をとり、その点で<math>\kappa'(s)=0</math>を満たす。 :従って少なくとも2つの頂点を持つ。 :ここで、頂点がこの2つのみと仮定する。 :曲率が最大値・最小値をとる点をそれぞれ<math>\mathrm{M, N}</math>と置く。 :線分<math>\mathrm{MN}</math>を含む直線を<math>x</math>軸とし、その垂直方向に<math>y</math>軸をとる。 :<math>s</math>が増加すると曲線上の点が<math>\mathrm{N}\to\mathrm{M}</math>のように動くとき、 :<math>\kappa(s)</math>は最小値から最大値に向かって増大し、他に頂点がないので狭義単調増加である。 :同様に、<math>\mathrm{M}\to\mathrm{N}</math>の向きでは<math>\kappa(s)</math>は狭義単調減少である。 :従って、<math>\kappa'(s)y(s)\neq0</math>の正の側だけ考えれば良い。 :<math>y(a)=y(b)=0</math>に注意すると部分積分して :<math>0<\int_a^b \kappa'(s)y(s)ds=-\int_a^b \kappa(s)y'(s)ds</math> :主法線ベクトル<math>\boldsymbol{n}(s)= \begin{pmatrix} \xi_1(s) \\ \xi_2(s) \end{pmatrix}</math>を考えると二次元版フレネ=セレーの公式から<math>\frac{d\boldsymbol{n}}{ds}=-\kappa\frac{d\boldsymbol{r}}{ds}</math>なので :<math>\xi'_2(s)=-\kappa(s)y'(s)</math> :よって :<math>-\int_a^b \kappa(s)y'(s)ds=\int_a^b \xi_2(s)ds = \left[\xi_2(s)\right]_a^b=0</math> :なので矛盾した不等式<math>0<0</math>を得る。 :則ち、<math>\mathrm{M, N}</math>と異なる点で<math>\kappa'(s)=0</math>を満たす点が少なくとも一つ存在する。 :そのような点を<math>\mathrm{L}</math>と置く。 :<math>\mathrm{L}</math>が<math>\mathrm{N}\to\mathrm{M}</math>という経路の途中にあるとする。 :このとき、<math>\mathrm{L}</math>以外に<math>\kappa'(s)=0</math>を満たす点が存在すると「<math>\mathrm{M}\to\mathrm{N}</math>という経路の途中にそのような点が無い」という最初の仮定に反するので :<math>\mathrm{M, N, L}</math>以外では<math>\kappa'(s)y(s)>0</math>である。 :同様に部分積分を行うことで矛盾した不等式を得、<math>\mathrm{M, N, L}</math>と異なる点で<math>\kappa'(s)=0</math>を満たす点が少なくとも一つ存在することが判る。 :この時点で「<math>\mathrm{M, N}</math>間の二つの経路のいずれにも<math>\kappa'(s)=0</math>を満たす点が存在しない」という仮定が否定されたのでこれ以上背理法を適用することはできない。 :よって、頂点個数の最小値は<math>4</math>である。// 最小値4をとる卵形線が実際に存在することは楕円の例で確かめた。 この定理は「卵形線」を「(正則)単純閉曲線」に取り換えてもそのまま成り立つことが知られている。一般の閉曲線でこの定理を成り立たせるには追加の条件が必要となる。 先程も述べたように、接ベクトルと単位主法線ベクトルは2次元以上の空間内部にある曲線ならば定義することができる。そして、<math>\boldsymbol{t}\cdot\boldsymbol{n}=0</math>も必ず成り立つ。よって、<math>\boldsymbol{e}_t\cdot\boldsymbol{e}_n=0</math>の両辺を<math>s</math>で微分して :<math>\frac{d\boldsymbol{e}_t}{ds}\cdot\boldsymbol{e}_n+\boldsymbol{e}_t\cdot\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}=0</math> :<math>\therefore \boldsymbol{e}_t\cdot\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}=-\boldsymbol{n}\cdot\boldsymbol{e}_n=-\kappa</math> ここで「基底分解に於ける成分はその基底との内積に等しい」という性質から、<br/> 一般次元に於いても「<math>\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}</math>の接線方向成分は<math>-\kappa(s)</math>」であることが判る。 ここで<math>C^2</math>級曲線の位置ベクトル<math>\boldsymbol{r}(s)</math>に対して単位主法線<math>\boldsymbol{e}_n(s)</math>を対応させることを考える。この対応を'''ガウス表示'''という。 <math>\boldsymbol{e}_n(s)</math>を二次までテイラー展開すると<math>\Delta s>0</math>を微小量として :<math>\boldsymbol{e}_n(s+\Delta s)=\boldsymbol{e}_n(s)+\frac{d\boldsymbol{e}_n(s)}{ds}\Delta s + O(\Delta s^2)</math> ここで<math>\boldsymbol{e}_t\cdot\frac{d\boldsymbol{e}_n}{ds}=-\kappa</math>より、<math>s</math>を<math>\Delta s</math>だけ動かしたときの接線方向の速さは<math>|\kappa(s)|\Delta s</math>である(<math>\kappa(s)</math>が正で正の向き、負で負の向きに動くとする)。 閉曲線に対してはガウス表示によって法線方向の変化を完全に捉えられるので、<math>\kappa(s)</math>を微小量<math>\Delta s</math>に関して積分した<math>\int_a^b \kappa(s)ds</math>を考えてみる。 ガウス表示では曲線を単位主法線ベクトルの描く単位円として考えることができる。閉曲線では<math>\mathrm{P}(a)=\mathrm{P}(b)</math>より明らかに<math>\boldsymbol{e}_n(a)=\boldsymbol{e}_n(b)</math>であり、閉曲線が一周する間にベクトル<math>\boldsymbol{e}_n(s)</math>はこの単位円を<math>m(\in\mathbb{Z})</math>周する<sup>※</sup>。 <small>※物理的には「円そのものが動いても円周上の質点は『この円をどっちの方向に何周したか』という情報しか持たない」ので、単位円が動くことは議論にあまり関係ない</small> 弧度法より単位円を<math>m</math>周する符号付き道のりは<math>2\pi{m}</math>であり、ガウス表示より<math>\int_a^b \kappa(s)ds=2\pi{m}</math>。 従って、<math>m=\frac{1}{2\pi}\int_a^b \kappa(s)ds</math> この<math>m</math>を閉曲線の'''回転数'''と呼ぶことにする。 曲率が負の場合には積分値が途中で相殺されてしまうので、絶対値を付けて積分した :<math>\mu:=\int_a^b |\kappa(s)|ds</math> という量を考えることにする。 これを閉曲線の'''全曲率'''と呼ぶ。 全曲率に対して以下の定理が成り立つ。 {{定理|(フェンヒェルの定理)}} 滑らかな閉曲線の全曲率は<math>\mu\geq2\pi</math>を満たす。等号成立の場合は卵形線である。 {{定理終わり}} 証明は省略する。 ===曲面=== 多変数解析で既に扱った、三次元空間に於ける曲面の陽関数表示<math>z=f(x, y)</math>を'''モンジュ表示'''という。<math>f(x, y, z)=\mathrm{const}.</math>と陰関数表示された曲面は陰関数定理が成り立つ範囲でモンジュ表示に直すことができる。 一次式で陰関数表示される曲面を'''一次曲面'''という。平面の方程式より、一次曲面は全て平面である。 二次式で陰関数表示される曲面を'''二次曲面'''という。 以下、三次元空間に於ける二次曲面の例を挙げる。各係数は非退化条件を満たすとする。なお、「直線に平行な平面」は「直線を法線とする平面に垂直な平面」を意味することに注意。 *'''球面'''(sphere) :高校数学で扱ったように、点<math>(a, b, c)</math>を中心とする半径<math>r</math>の球面の方程式は<math>(x-a)^2+(y-b)^2+(z-c)^2=r^2</math>である。この球面上の点の位置ベクトルは<math>\boldsymbol{r}=\begin{pmatrix} x \\ y \\ z \end{pmatrix}</math>なので、球面が満たすベクトル方程式は一般に<math>\|\boldsymbol{r}-\boldsymbol{a}\|=\mathrm{const}.</math>である。これは円のベクトル方程式の次元を上げたものである。 *'''楕円面'''(ellipsoid) :楕円の方程式を拡張した方程式<math>\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}+\frac{z^2}{c^2}=1</math>が表す曲面である。<math>xyz</math>空間の基本面で切った断面は全て楕円となる。 *'''楕円拋物面'''(elliptic paraboloid) :楕円の平面拘束条件を外した方程式<math>z=\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}</math>が表す曲面である。<math>z</math>軸に垂直な平面で切った断面は楕円、平行な平面で切った断面は拋物線となる。 *'''双曲拋物面'''(hyperbolic paraboloid) :双曲線の平面拘束条件を外した方程式<math>z=\frac{x^2}{a^2}-\frac{y^2}{b^2}</math>が表す曲面である。<math>z</math>軸に垂直な平面で切った断面は双曲線、平行な平面で切った断面は拋物線となる。また、原点は鞍点である。 *'''一葉双曲面'''(hyperboloid of one sheet) :楕円面の方程式の一つの項の符号を変えた<math>\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}-\frac{z^2}{c^2}=1</math>の表す曲面。<math>z</math>軸に垂直な平面で切った断面は楕円、平行な平面で切った断面は双曲線となる。 *'''二葉双曲面'''(hyperboloid of two sheet) :楕円面の方程式の二つの項の符号を変えた<math>\frac{x^2}{a^2}-\frac{y^2}{b^2}-\frac{z^2}{c^2}=1</math>の表す曲面。断面の分類は一葉双曲面と同じだが、<math>m^2<c^2</math>のときは平面<math>z=m</math>と交わらないため「二葉」と名付けられている。 *'''錐面'''(conical surface) :方程式<math>\frac{z^2}{c^2}=\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}</math>の表す曲面。<math>xy</math>平面との交点は原点のみであり、<math>yz</math>平面・<math>zx</math>平面で切った断面は直線である。 閉区間<math>I\subset\mathbb{R}</math>上の一変数ベクトル関数<math>\boldsymbol{r}(t)</math>を用いたベクトル方程式<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t) \quad(t\in I)</math>の解集合は次元に依らず曲線を表した。 同様に、領域<sup>※</sup><math>D\subset\mathbb{R}^2</math>上の二変数ベクトル関数<math>\boldsymbol{r}(t, u)</math>を用いたベクトル方程式<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t, u) \quad({\scriptstyle\left(\begin{array}{c} t \\[-6pt] u \end{array}\right)}\in D)</math>の解集合は次元に依らず曲面を表すと考えられる。 厳密には[[線型代数学/基底と次元|階数・退化次数の定理]]<!-- 次元定理・線型写像の基本定理 -->などを用いてこのことを確かめられる。 <small>※ここでいう「領域」は冒頭で厳密に定義した「領域」であることに注意。</small> 曲線と同様に、曲面の'''パラメータ表示'''と'''ベクトル表示'''は次のように定義される。 :パラメータ表示:<math>\begin{cases} x_1&=&r_1(t, u) \\ x_2&=&r_2(t, u) \\ &\,\,\vdots& \\ x_n&=&r_n(t, u) \end{cases}</math> :ベクトル表示:<math>\left\{\boldsymbol{r}(t, u) \,\bigg|\, {\scriptstyle\left(\begin{array}{c} t \\[-6pt] u \end{array}\right)} \in D \right\}</math> また、<math>S:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t, u)</math>のようにも表す。 例えば、<math>k>l>0</math>として<math>\boldsymbol{r}(t, u)=\begin{pmatrix} (k+l\cos u)\cos t \\ (k+l\cos u)\sin t \\ l\sin u \end{pmatrix} \quad(D=\left\{ \begin{pmatrix} t \\ u \end{pmatrix} \bigg| \begin{array}{c} 0 \leq t \leq 2\pi \\ 0 \leq u \leq 2\pi \end{array} \right\})</math>は'''トーラス'''のベクトル表示である。 <math>\mathbb{R}^3</math>上の平面の方程式は高校数学に於いて<math>\begin{pmatrix} a \\ b \\ c \end{pmatrix}\neq\boldsymbol{0}</math>として一次式<math>ax+by+cz+d=0</math>と表せることを学んだ。 これのベクトル方程式を求めてみよう。 :①<math>c=0</math>のとき ::平面の方程式は<math>\begin{cases} ax+by+d=0 \\ z=\mathrm{const}. \end{cases}</math> ::[1]<math>b=0</math>のとき :::平面の方程式は<math>\begin{cases} ax+d=0 \\ y=\mathrm{const}. \\ z=\mathrm{const}. \end{cases}</math> :::<math>\begin{pmatrix} a \\ b \\ c \end{pmatrix}\neq\boldsymbol{0}</math>より<math>a\neq0</math> :::<math>y=t, z=u</math>と置換すると :::<math>\begin{pmatrix} x \\ y \\ z \end{pmatrix}=\begin{pmatrix} -\frac{d}{a} \\ t \\ u \end{pmatrix}</math> :::<math>\boldsymbol{r} = t\begin{pmatrix} 0 \\ 1 \\ 0 \end{pmatrix}+u\begin{pmatrix} 0 \\ 0 \\ 1 \end{pmatrix}+\begin{pmatrix} -\frac{d}{a} \\ 0 \\ 0 \end{pmatrix}</math> ::[2]<math>b\neq0</math>のとき :::<math>x=t, z=u</math>と置換すると :::<math>\begin{pmatrix} x \\ y \\ z \end{pmatrix}=\begin{pmatrix} t \\ -\frac{a}{b}t-\frac{d}{b} \\ u \end{pmatrix}</math> :::<math>\boldsymbol{r} = t\begin{pmatrix} 1 \\ -\frac{a}{b} \\ 0 \end{pmatrix}+u\begin{pmatrix} 0 \\ 0 \\ 1 \end{pmatrix}+\begin{pmatrix} 0 \\ -\frac{d}{b} \\ 0 \end{pmatrix}</math> :②<math>c\neq0</math>のとき ::<math>x=t, y=u</math>と置換すると ::<math>\begin{pmatrix} x \\ y \\ z \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} t \\ u \\ -\frac{a}{c}t-\frac{b}{c}u-\frac{d}{c} \end{pmatrix}</math> ::<math>\boldsymbol{r}=t\begin{pmatrix} 1 \\ 0 \\ -\frac{a}{c} \end{pmatrix}+u\begin{pmatrix} 0 \\ 1 \\ -\frac{b}{c} \end{pmatrix} + \begin{pmatrix} 0 \\ 0 \\ -\frac{d}{c} \end{pmatrix}</math> なお、ここから平面のベクトル方程式が一般に<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{a}+t\boldsymbol{b}+u\boldsymbol{c}</math>という「直線のベクトル方程式を拡張した形」であることがわかる。 <math>\boldsymbol{r}(t, u)\in C^1</math>且つ<math>\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}, \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}\neq\boldsymbol{0}</math>である曲面を'''滑らか'''な曲面という。 曲面<math>S:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t, u)</math>とその上の点<math>\mathrm{P}_0=(a, b)</math>に対し、曲線<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(a, u), \boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t, b)</math>をそれぞれ点<math>\mathrm{P}_0</math>に於ける'''<math>t</math>曲線'''・'''<math>u</math>曲線'''という。 <math>\boldsymbol{r}(t, u)\in C^1</math>であるとき、偏導関数の定義から :<math>\frac{\partial}{\partial{u}}\boldsymbol{r}(a, u)=\frac{d}{du}\boldsymbol{r}(a, u)</math> :<math>\frac{\partial}{\partial{t}}\boldsymbol{r}(t, b)=\frac{d}{dt}\boldsymbol{r}(t, b)</math> ここで<math>a, b</math>をそれぞれ<math>t</math>軸・<math>u</math>軸上で動かすことで<math>t</math>曲線・<math>u</math>曲線の接ベクトルがそれぞれ<math>\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}, \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}</math>であると判る。これらを曲面のパラメータ方向の'''接ベクトル'''という。 これらの接ベクトルが平行でないとき、曲面<math>S</math>上の任意の点<math>\mathrm{P}</math>に対して<math>\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}, \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}</math>の張る平面が定まる。これを曲面<math>S</math>の点<math>\mathrm{P}</math>に於ける'''接平面'''という。曲線の接線は一次元ベクトル空間<math>\left\{ \xi\frac{d\boldsymbol{r}}{dt} \bigg| \xi \in\mathbb{R} \right\}</math>で表されたが、曲面の接平面は二次元ベクトル空間<math>\left\{ \xi\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}+\eta\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}} \bigg| \xi, \eta \in \mathbb{R} \right\}</math>で表される。このような接ベクトル全体が張るベクトル空間を一般に'''接空間'''と呼ぶ。 接ベクトルの組が一次独立である曲面を'''正則'''な曲面という。滑らかな曲面は正則曲面である。 曲面<math>S</math>の接平面に垂直なベクトルを<math>S</math>の'''法線ベクトル'''という。 三次元空間ならば接平面を張る2ベクトルの外積<math>\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}} \times \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}</math>で求められる。 モンジュ表示された曲面<math>S:z=f(x, y)</math>に対して接平面の存在性(つまり曲面の正則性)は「二変数関数<math>f</math>の全微分可能」に対応した。ベクトル表示された曲面<math>S:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t, u)</math>に対しては「ベクトル関数<math>\boldsymbol{r}</math>の全微分可能性」だけでは足りず、「ヤコビ行列<math>\frac{\partial{(\boldsymbol{r})}}{\partial{(t, u)}}</math>の階数が2」も要求される。 以下、正則曲面のみ扱う。 <math>\boldsymbol{r}(t, u)</math>の微小変化は全微分で与えられる。 :<math>d\boldsymbol{r}=\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}dt+ \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}du</math> 則ち、各パラメータを同時に<math>\begin{pmatrix} t \\ u \end{pmatrix}\to\begin{pmatrix} t+dt \\ u+du \end{pmatrix}</math>と単調に動かしたとき、対応する曲面上の点が描く領域は2ベクトル<math>\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}dt, \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}du</math>の張る微小平行四辺形として近似できる。その微小面積は線型代数の内容から :<math>\sqrt{ \left\| \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}dt \right\|^2 \left\| \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}du \right\|^2 - \left\{ \left(\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}dt\right)\cdot\left(\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}du\right) \right\}^2 }=\sqrt{\left\| \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}} \right\|^2\left\|\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}\right\|^2 - \left( \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}\cdot\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}} \right)^2 } dtdu</math> である。 これを領域<math>D=\mathrm{dom}\,S</math>で重積分してやれば曲面の表面積('''曲面積''')が求まると考えられる。 {{定理|(曲面積)}} <math>E := \left\| \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}} \right\|^2,\quad F := \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}\cdot\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}},\quad G := \left\|\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}\right\|^2</math>とすると、<br> 曲面<math>S:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(t, u)</math>の領域<math>D</math>に於ける曲面積は :<math>S=\iint_D \sqrt{EG-F^2}dtdu</math> {{定理終わり}} この<math>E, F, G</math>を<math>S</math>の'''第一基本量'''と呼ぶ。また、<math>dS:=\sqrt{EG-F^2}dtdu</math>を'''面素'''(面積素・面積要素)と呼ぶ。 <math>t, u</math>が共通のパラメータ<math>\theta</math>で媒介変数表示されるとき、曲面は曲線に退化するので線素を考えられる。 具体的には、 :<math>dl=\left\|\frac{d\boldsymbol{r}}{d\theta}\right\|d\theta</math> より :<math>\left\|\frac{d\boldsymbol{r}}{d\theta}\right\|^2=\frac{d\boldsymbol{r}}{d\theta}\cdot\frac{d\boldsymbol{r}}{d\theta}</math> ここで合成関数の常微分公式より :<math>\frac{d\boldsymbol{r}}{d\theta}=\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}\frac{dt}{d\theta}+ \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}\frac{du}{d\theta}</math> なので :<math>\frac{d\boldsymbol{r}}{d\theta}\cdot\frac{d\boldsymbol{r}}{d\theta}=\left\|\frac{d\boldsymbol{r}}{dt}\right\|^2\left(\frac{dt}{d\theta}\right)^2+2\left(\frac{d\boldsymbol{r}}{dt}\cdot\frac{d\boldsymbol{r}}{du}\right)\frac{dt}{d\theta}\frac{du}{d\theta}+\left\|\frac{d\boldsymbol{r}}{du}\right\|^2\left(\frac{du}{d\theta}\right)^2</math> :<math>=E\left(\frac{dt}{d\theta}\right)^2+2F\frac{dt}{d\theta}\frac{du}{d\theta}+G\left(\frac{du}{d\theta}\right)^2</math> よって :<math>dl=\sqrt{E\left(\frac{dt}{d\theta}\right)^2+2F\frac{dt}{d\theta}\frac{du}{d\theta}+G\left(\frac{du}{d\theta}\right)^2}d\theta=\sqrt{E(dt)^2+2Fdtdu+G(du)^2}</math> このように、線素は<math>\theta</math>のとり方に依存しない。 そこで、最後の式で右辺を二乗した :<math>I:=E(dt)^2+2Fdtdu+G(du)^2</math> を<math>S</math>の'''第一基本形式'''と定める。 第一基本形式は二次形式になっていることが見て取れるので、<math>\boldsymbol{v}:=\begin{pmatrix} dt \\ du \end{pmatrix}, \mathbf{K}:=\begin{pmatrix} E & F \\ F & G \end{pmatrix}</math>とおくと :<math>I={}^t\!\boldsymbol{v} \mathbf{K} \boldsymbol{v}</math> と行列表示できる。 ここで<math>I=dl^2>0</math>なので<math>\mathbf{K}</math>は正定値行列である。 また、<math>\boldsymbol{x}_i=\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}, \boldsymbol{x}_j=\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}</math>と置いて第一基本量の定義を思い返してみると<math>\mathbf{K}_{ij}=\boldsymbol{x}_i \cdot \boldsymbol{x}_j</math>なのでこの行列は接ベクトルに関するグラム行列である。この意味でも、<math>\mathbf{K}</math>は正定値行列である。 また、面素の式で根号の中身が<math>\det\mathbf{K}</math>に等しいことも判る。 則ち、第一基本量が曲面の本質であると予想される。 <math>F=0 \land E=G=\lambda</math>であるとき、<math>\mathbf{K}=\lambda\mathbf{E}_2</math>である。このときのパラメータの組<math>(u, v)</math>を曲面の'''等温座標系'''という。 等温座標系で表示された曲面<math>S</math>に対し、第一基本形式は<math>I=\lambda(dt^2+du^2)</math>と二次形式の標準形となっている。則ち、等温座標系へのパラメータ変換は主軸変換である。 面素を考えると<math>dS=\lambda^2dtdu</math>と非常に単純な形となるほか、曲面上の角度計算が平面の場合と全く同じ式で与えられることも等温座標系の利点である。 曲面<math>S</math>上の各点<math>\mathrm{P}</math>に対して単位法線ベクトル<math>\boldsymbol{n}(\mathrm{P})</math>を考える。ベクトル表示の定義域<math>D</math>でベクトル場<math>\boldsymbol{n}(\mathrm{P})</math>が連続であるとき、<math>S</math>は'''向き付け可能'''であるという。 向き付け不能な曲面の例として<math>\boldsymbol{r}(t, u)=\begin{pmatrix} (u\cos t+2)\sin 2t \\ (u\cos t+2)\cos 2t \\ u\sin t \end{pmatrix} \quad(D=\left\{ \begin{pmatrix} t \\ u \end{pmatrix} \bigg| \begin{array}{c} 0 \leq t \leq \pi \\ -1 \leq u \leq 1 \end{array} \right\})</math>と表される'''メビウスの帯'''が挙げられる。 メビウスの帯が向き付け不能である証明を概説する。 :接ベクトルをそれぞれ求める。簡単のため<math>u=0</math>として考える。単位法線ベクトルは外積を正規化して得るが、向きの取り方で正負の符号が付く。どちらの符号を採用するにしろ<math>\boldsymbol{n}(\boldsymbol{r}(0, 0))\neq\boldsymbol{n}(\boldsymbol{r}(\pi, 0))</math>を得、<math>\boldsymbol{r}(0, 0)=\boldsymbol{r}(\pi, 0)</math>より同じ点に対して異なる法線ベクトルを出力するので<math>\boldsymbol{n}(\mathrm{P})</math>はwell-definedではなく、向き付け可能性の定義を満たさない。// 四次元以上の空間では法線ベクトルの方向を複数とれるため法線ベクトル場は扱いにくい。そこで、法線ベクトルに依らない定義を考えたい。 2つの滑らかな曲面<math>S_1, S_2</math>が以下を満たすとき、 #パラメータ<math>(t_1, u_1), (t_2, u_2)</math>の間に滑らかな全単射<math>\begin{cases}t_2 =\phi(t_1, u_1) \\ u_2=\psi(t_1, u_1) \end{cases}</math>が存在する。 #この変数変換のヤコビ行列<math>\frac{\partial{(\phi, \psi)}}{\partial{(t_1, u_1)}}</math>が正則。 #<math>\boldsymbol{r}_1(t_1, u_1)=\boldsymbol{r}_2(t_2, u_2)</math> この2つは'''パラメータ変換で同値'''という。 このとき、ヤコビアンが正であるパラメータの組は'''同じ向き'''、負であるパラメータの組は'''逆向き'''であるという。 任意の<math>(t_1, u_1)</math>に対して開近傍<math>U \subset \mathrm{dom}\,S_1</math>をとったとき、どの<math>U</math>上でも<math>\det\frac{\partial{(\phi, \psi)}}{\partial{(t_1, u_1)}}>0</math>を満足するならば<math>S_1</math>は'''向き付け可能'''という。 向き付け可能な曲面の接空間に対して右手系を成すような向きの法線ベクトルを'''外向き法線ベクトル'''と呼ぶ。 外向き法線の向く側を曲面の'''表'''、その反対側を曲面の'''裏'''と定義する。 <math>\partial{S}=\varnothing</math>を満たす正則曲面<math>S</math>を'''閉曲面'''という。ジョルダンの曲線定理を拡張した定理('''ジョルダン・ブラウワーの分離定理''')によって閉曲面が空間を内部・外部に分割することが保証される。内部に面する向きを閉曲面の裏、外部に面する向きを閉曲面の表と定義する。 パラメータ空間の座標軸の向きの組み合わせが<math>xy</math>平面と同じとき、外向き法線で定義される閉曲面の表裏は内部・外部から定義される表裏に一致する。 ===回転面=== ここでは三次元空間内の曲面について考える。 高校数学で回転体を扱ったが、領域の回転体の表面である曲面は元の領域の疆界である単純閉曲線を軸に関して回転したものである。そこで、平面上の任意の曲線を回転すると曲面('''回転面''')を得ると考えられる。 簡単な場合として、<math>x\geq0</math>で定義された<math>zx</math>平面上の曲線<math>z=f(x)</math>を<math>y</math>軸に関して回転させた回転面を考える。 :任意の<math>k\in[0,\infty)</math>に関して曲線上の点は<math>\begin{pmatrix} x \\ z \end{pmatrix}=\begin{pmatrix} k \\ f(k)\end{pmatrix}</math>と与えられる。 :領域<math>\left\{ {\scriptstyle\left(\begin{array}{c} x \\[-6pt] z \end{array}\right)} \big| x \leq k \right\}</math>を<math>y</math>軸に関して回転した回転体を平面<math>z=f(k)</math>で切った断面は半径<math>k</math>の閉円盤であり、疆界円周上の点を<math>\begin{pmatrix} x \\ y \\ f(k) \end{pmatrix}</math>とすると<math>k=\sqrt{x^2+y^2}</math>である。 :則ち回転体の疆界である回転面上の点<math>\begin{pmatrix} x \\ y \\ z \end{pmatrix}</math>は方程式<math>z=f(\sqrt{x^2+y^2})</math>を満たし、逆にこの方程式を満たす<math>\begin{pmatrix} x \\ y \\ z \end{pmatrix}</math>は回転面上にある。 纏めると以下のようになる。 {{定理|(回転面の方程式)}} <math>zx</math>平面上の曲線<math>z=f(x)\quad(x\geq0)</math>を<math>y</math>軸に関して回転させた回転面の方程式は :<math>z=f(\sqrt{x^2+y^2})</math> {{定理終わり}} <math>z</math>軸・<math>x</math>軸に関する回転面の方程式は変数を輪環の順に入れ替えることで得られる。 回転面に対し、元の曲線を'''母線'''という。 母線が直線である回転面は'''円錐'''である。 :<math>z=mx+n\quad(m\neq0,x\geq0)</math>とすれば<math>y</math>軸に関して回転した曲面の方程式は :<math>z=m\sqrt{x^2+y^2}+n</math> :<math>z-n = m\sqrt{x^2+y^2}</math> これを両辺二乗すると :<math>(z-n)^2=m^2x^2+m^2y^2</math> であり、錐面の方程式<math>\frac{z^2}{c^2}=\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}</math>を満たしていることがわかる。 回転軸が傾いている場合、<math>xyz</math>空間の回転行列<math>\mathbf{R}</math>を利用することで各軸に関する回転に帰着することもできるが、ここでは曲面のベクトル表示を扱ったのでベクトル方程式で回転を記述することを考えたい。 点<math>\mathrm{O}</math>から<math>\boldsymbol{r}</math>とそれに平行でない単位ベクトル<math>\boldsymbol{e}</math>が伸びており、そのなす角が<math>\theta</math>であるとする。<math>\boldsymbol{r}</math>の終点<math>\mathrm{P}</math>を含み<math>\boldsymbol{e}</math>を法線とする平面を<math>\Pi</math>、<math>\Pi</math>と直線<math>\{k\boldsymbol{e} \mid k>0\}</math>の交点を<math>\mathrm{N}</math>、<math>\mathrm{P}</math>を<math>\Pi</math>内で<math>\mathrm{N}</math>を中心として<math>\phi</math>回転した点を<math>\mathrm{Q}</math>、<math>\mathrm{NQ}</math>から<math>\mathrm{NP}</math>へ降ろした垂足を<math>\mathrm{R}</math>と置く。但し、回転角<math>\phi</math>の正の向きは<math>\boldsymbol{e}</math>を右螺子の進む向きとする方向に定める。 このとき、<math>\boldsymbol{r}</math>を<math>\boldsymbol{e}</math>に関して<math>\phi</math>だけ回転させたベクトル<math>\boldsymbol{r}'</math>は以下のように表される。 {{定理|(ロドリゲスの公式)}} :<math>\boldsymbol{r}'=\boldsymbol{r}\cos\phi+(\boldsymbol{r}\cdot\boldsymbol{e})\,\mathrm{versin}\,\phi\,\boldsymbol{e}-(\boldsymbol{r}\times\boldsymbol{e})\sin\phi</math> {{定理終わり}} *証明 :<math>\boldsymbol{r}'=\overrightarrow{\mathrm{OQ}}=\overrightarrow{\mathrm{ON}}+\overrightarrow{\mathrm{NR}}+\overrightarrow{\mathrm{RQ}}</math> :<math>\overrightarrow{\mathrm{ON}}</math>は<math>\boldsymbol{r}</math>の<math>\boldsymbol{e}</math>への正射影ベクトルなので ::<math>\overrightarrow{\mathrm{ON}}=\frac{\boldsymbol{r}\cdot\boldsymbol{e}}{\boldsymbol{e}\cdot\boldsymbol{e}}\boldsymbol{e}=(\boldsymbol{r}\cdot\boldsymbol{e})\boldsymbol{e}</math> :<math>\triangle\mathrm{NQR}</math>を考えると<math>\|\overrightarrow{\mathrm{NQ}}\|=\|\overrightarrow{\mathrm{NP}}\|</math>と<math>\|\overrightarrow{\mathrm{NR}}\|=\|\overrightarrow{\mathrm{NQ}}\|\cos\phi</math>及び<math>\overrightarrow{\mathrm{NR}}/\!\!/\overrightarrow{\mathrm{NP}}</math>より ::<math>\overrightarrow{\mathrm{NR}}=\overrightarrow{\mathrm{NP}}\cos\phi=(\overrightarrow{\mathrm{OP}}-\overrightarrow{\mathrm{ON}})\cos\phi=\{\boldsymbol{r}-(\boldsymbol{r}\cdot\boldsymbol{e})\boldsymbol{e}\}\cos\phi</math> :<math>\boldsymbol{r}\times\boldsymbol{e}</math>は外積の定義から<math>\overrightarrow{\mathrm{NP}}</math>を<math>\Pi</math>上で<math>-\phi</math>方向に<math>\frac{\pi}{2}</math>だけ回転させたベクトルになるので、 :<math>\boldsymbol{r}\times\boldsymbol{e}/\!\!/\overrightarrow{\mathrm{RQ}}</math>と<math>\|\overrightarrow{\mathrm{RQ}}\|=\|\overrightarrow{\mathrm{NQ}}\|\sin\phi</math>及び<math>\|\overrightarrow{\mathrm{NQ}}\|=\|\overrightarrow{\mathrm{NP}}\|</math>から ::<math>\overrightarrow{\mathrm{RQ}}=-(\boldsymbol{r}\times\boldsymbol{e})\sin\phi</math> :これらを足して ::<math>\boldsymbol{r}'=(\boldsymbol{r}\cdot\boldsymbol{e})\boldsymbol{e}+\{\boldsymbol{r}-(\boldsymbol{r}\cdot\boldsymbol{e})\boldsymbol{e}\}\cos\phi-(\boldsymbol{r}\times\boldsymbol{e})\sin\phi</math> ::<math>=\boldsymbol{r}\cos\phi+(\boldsymbol{r}\cdot\boldsymbol{e})(1-\cos\phi)\boldsymbol{e}-(\boldsymbol{r}\times\boldsymbol{e})\sin\phi</math> ::<math>=\boldsymbol{r}\cos\phi+(\boldsymbol{r}\cdot\boldsymbol{e})\,\mathrm{versin}\,\phi\,\boldsymbol{e}-(\boldsymbol{r}\times\boldsymbol{e})\sin\phi</math>// この証明ではベクトルの平行移動を用いているのでアフィン空間を前提とするが、この式そのものはアフィン構造に依存してないので一般のベクトル空間で成り立つ。 また、回転後のベクトルは母線のパラメータ<math>t</math>に加えて回転角<math>\phi</math>もパラメータとして有するので、<math>\boldsymbol{r}'(t, \phi)</math>という二変数ベクトル関数となって曲面を表すことになる。則ち、「曲線を回転すれば曲面を得る」という直感は正しい。 ロドリゲスの公式の応用として、例えば円錐のベクトル方程式が<math>\frac{(\boldsymbol{r}-\boldsymbol{p})\cdot\boldsymbol{a}}{\|\boldsymbol{r}-\boldsymbol{p}\|}=\mathrm{const}.</math>であることが導ける。 :円錐頂点の位置ベクトルを<math>\boldsymbol{p}</math>、軸ベクトルを<math>\boldsymbol{a}</math>、<math>\boldsymbol{a}</math>と角度<math>\alpha</math>をなす単位ベクトルを<math>\boldsymbol{v}</math>とする。このとき直線<math>\{k\boldsymbol{v}\mid k>0\}</math>が円錐の母線であり、母線と交わる向きである軸の法線ベクトルを<math>\boldsymbol{b}</math>とおく。 :ロドリゲスの公式より<math>\boldsymbol{v}</math>を<math>\boldsymbol{a}</math>の周りに<math>\theta</math>だけ回転させたベクトル<math>\boldsymbol{v}'</math>は ::<math>\boldsymbol{v}'=\boldsymbol{v}\cos\theta+(\boldsymbol{v}\cdot\boldsymbol{e}_a)\,\mathrm{versin}\,\theta\,\boldsymbol{e}_a-(\boldsymbol{v}\times\boldsymbol{e}_a)\sin\theta</math> :ここで<math>\boldsymbol{v}</math>を<math>\boldsymbol{a}, \boldsymbol{b}</math>方向に基底分解すると ::<math>\boldsymbol{v}=\cos\alpha\,\boldsymbol{e}_a+\sin\alpha\,\boldsymbol{e}_b</math> :なので、 ::<math>\boldsymbol{v}'=\cos\alpha\boldsymbol{e}_a+\sin\alpha\{\boldsymbol{e}_b\cos\theta+(\boldsymbol{e}_a\times\boldsymbol{e}_b)\sin\theta\}</math> :円錐上の点<math>\boldsymbol{r}</math>の位置ベクトルは頂点から母線方向に<math>\rho</math>だけ進むので ::<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{p}+\rho\boldsymbol{v}'</math> :であり、 ::<math>\boldsymbol{r}-\boldsymbol{p}=\rho\boldsymbol{v}'</math> :ここで<math>\|\boldsymbol{v}'\|=\|\boldsymbol{v}\|=1</math>より ::<math>\rho=\|\boldsymbol{r}-\boldsymbol{p}\|</math> :このベクトルと軸ベクトルの内積をとると ::<math>(\boldsymbol{r}-\boldsymbol{p})\cdot\boldsymbol{a}=\rho\boldsymbol{v}'\cdot\boldsymbol{a}</math> ::<math>=\rho\{\cos\alpha(\boldsymbol{e}_a\cdot\boldsymbol{a})+\sin\alpha\cos\theta(\boldsymbol{e}_b\cdot\boldsymbol{a})+\sin\alpha\sin\theta(\boldsymbol{e}_a\times\boldsymbol{e}_b)\cdot\boldsymbol{a}\}</math> :<math>\boldsymbol{e}_b, \boldsymbol{e}_a\times\boldsymbol{e}_b</math>とも<math>\boldsymbol{a}</math>に直交するので後ろの二項は消えて ::<math>(\boldsymbol{r}-\boldsymbol{p})\cdot\boldsymbol{a}=\rho\cos\alpha(\boldsymbol{e}_a\cdot\boldsymbol{a})=\|\boldsymbol{r}-\boldsymbol{p}\|\|\boldsymbol{a}\|\cos\alpha</math> :則ち ::<math>\frac{(\boldsymbol{r}-\boldsymbol{p})\cdot\boldsymbol{a}}{\|\boldsymbol{r}-\boldsymbol{p}\|}=\|\boldsymbol{a}\|\cos\alpha=\mathrm{const}.</math>// 円錐が先に与えられている場合は「<math>\boldsymbol{r}-\boldsymbol{p}</math>が母線の方向ベクトルなのは図より自明」とできるが、ここでは「母線が先に与えられて回転によって円錐が構成される」という立場を採ったのでロドリゲスの公式が効くのである。 ロドリゲスの公式で微小回転<math>d\phi</math>の場合を考える。 正弦関数・余弦関数の部分を1項目までテイラー展開して<math>\cos(d\phi)=1+O(d\phi^2), \sin(d\phi)= d\phi+O(d\phi^3)</math>なので<math>\mathrm{versin}(d\phi)=O(d\phi^2)</math>であり、 :<math>\boldsymbol{r}' = \boldsymbol{r}-(\boldsymbol{r}\times\boldsymbol{e})d\phi+O(d\phi^2)</math> ここで<math>d\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}'-\boldsymbol{r}</math>なので :<math>d\boldsymbol{r}=-(\boldsymbol{r}\times\boldsymbol{e})d\phi+O(d\phi^2)</math> 則ち、ベクトル関数の全微分は微小回転で近似される。 オーダー記法の項を無視して<math>\boldsymbol{\omega}=\frac{d\phi}{dt}\boldsymbol{e}</math>と置くと :<math>d\boldsymbol{r}=(d\phi\boldsymbol{e})\times\boldsymbol{r}</math> これの両辺を<math>dt</math>で割って :<math>\frac{d\boldsymbol{r}}{dt}=\boldsymbol{\omega}\times\boldsymbol{r}</math> これは剛体の速度公式である。 ロドリゲスの公式の一次変換表記を考える。 <math>\boldsymbol{r}=\begin{pmatrix} r_1 \\ r_2 \\ r_3 \end{pmatrix}, \boldsymbol{r}'=\begin{pmatrix} r'_1 \\ r'_2 \\ r'_3 \end{pmatrix}, \boldsymbol{e}=\begin{pmatrix} a \\ b \\ c \end{pmatrix}</math>とすると、 :<math>\begin{pmatrix} r'_1 \\ r'_2 \\ r'_3 \end{pmatrix}=\cos\phi\begin{pmatrix} r_1 \\ r_2 \\ r_3 \end{pmatrix}+(ar_1+br_2+cr_3)\mathrm{versin}\,\phi\begin{pmatrix} a \\ b \\ c \end{pmatrix} - \sin\phi \begin{pmatrix} cr_2-br_3 \\ ar_3-cr_1 \\ br_1-ar_2 \end{pmatrix}</math> :<math>=\begin{pmatrix} (\cos\phi + a^2\,\mathrm{versin}\,\phi) r_1 + (ab\,\mathrm{versin}\,\phi -c\sin\phi) r_2 + (ca\,\mathrm{versin}\,\phi + b\sin\phi) r_3 \\ (ab\,\mathrm{versin}\,\phi + c\sin\phi) r_1 + (\cos\phi + b^2\,\mathrm{versin}\,\phi) r_2 + (bc\,\mathrm{versin}\,\phi -a\sin\phi) r_3 \\ (ca\,\mathrm{versin}\,\phi - b\sin\phi) r_1 + (bc\,\mathrm{versin}\,\phi+ a\sin\phi) r_2 + (\cos\phi + c^2\,\mathrm{versin}\,\phi) r_3 \end{pmatrix}</math> :<math>=\begin{pmatrix} \cos\phi + a^2\,\mathrm{versin}\,\phi & ab\,\mathrm{versin}\,\phi -c\sin\phi & ca\,\mathrm{versin}\,\phi + b\sin\phi \\ ab\,\mathrm{versin}\,\phi + c\sin\phi & \cos\phi + b^2\,\mathrm{versin}\,\phi & bc\,\mathrm{versin}\,\phi -a\sin\phi \\ ca\,\mathrm{versin}\,\phi - b\sin\phi & bc\,\mathrm{versin}\,\phi+ a\sin\phi & \cos\phi + c^2\,\mathrm{versin}\,\phi \end{pmatrix} \begin{pmatrix} r_1 \\ r_2 \\ r_3 \end{pmatrix}</math> ここで<math>\mathrm{versin}\,\phi</math>を<math>1-\cos\phi</math>に戻して係数行列を<math>1, \cos\phi, \sin\phi</math>の項に分解してみると :<math>=\begin{pmatrix} a^2+(1-a^2)\cos\phi & ab-ab\cos\phi -c\sin\phi & ca-ca\cos\phi + b\sin\phi \\ ab-ab\cos\phi + c\sin\phi & b^2+(1-b^2)\cos\phi & bc-bc\cos\phi -a\sin\phi \\ ca-ca\cos\phi - b\sin\phi & bc-bc\cos\phi+ a\sin\phi & c^2+(1-c^2)\cos\phi \end{pmatrix} \begin{pmatrix} r_1 \\ r_2 \\ r_3 \end{pmatrix}</math> :<math>=\left\{ \begin{pmatrix} a^2 & ab & ca \\ ab & b^2 & bc \\ ca & bc & c^2 \end{pmatrix} + \cos\phi\begin{pmatrix} 1-a^2 & -ab & -ca \\ -ab & 1-b^2 & -bc \\ -ca & -bc & 1-c^2 \end{pmatrix} +\sin\phi\begin{pmatrix} 0 & -c & b \\ c & 0 & -a \\ -b & a & 0 \end{pmatrix} \right\} \begin{pmatrix} r_1 \\ r_2 \\ r_3 \end{pmatrix}</math> :<math>=\left[ \begin{pmatrix} a^2 & ab & ca \\ ab & b^2 & bc \\ ca & bc & c^2 \end{pmatrix} + \cos\phi \left\{ \begin{pmatrix} 1 & 0 & 0 \\ 0 & 1 & 0 \\ 0 & 0 & 1 \end{pmatrix}-\begin{pmatrix} a^2 & ab & ca \\ ab & b^2 & bc \\ ca & bc & c^2 \end{pmatrix} \right\} +\sin\phi\begin{pmatrix} 0 & -c & b \\ c & 0 & -a \\ -b & a & 0 \end{pmatrix} \right] \begin{pmatrix} r_1 \\ r_2 \\ r_3 \end{pmatrix}</math> ここで<math>\begin{pmatrix} a^2 & ab & ca \\ ab & b^2 & bc \\ ca & bc & c^2 \end{pmatrix}</math>は<math>\boldsymbol{e}</math>の<math>(i, j)</math>成分と<math>(j, i)</math>成分を掛けて並べた行列になっていることがわかる。これを<math>\boldsymbol{e}\otimes\boldsymbol{e}</math>と書くことにする。<math>\sin\phi</math>に係る行列を<math>\mathbf{N}</math>と置くと、 :<math>\boldsymbol{r}'=\{\boldsymbol{e}\otimes\boldsymbol{e}+\cos\phi(\mathbf{E}_3-\boldsymbol{e}\otimes\boldsymbol{e})+\sin\phi\mathbf{N}\}\boldsymbol{r}</math> という表示を得る。 更に、<math>\mathbf{N}^2=\begin{pmatrix} -b^2-c^2 & ab & ca \\ ab & -c^2-a^2 & bc \\ ca & bc & -a^2-b^2 \end{pmatrix}</math>と<math>\|\boldsymbol{e}\|=\sqrt{a^2+b^2+c^2}=1</math>より :<math>\boldsymbol{e}\otimes\boldsymbol{e}=\mathbf{N}^2+(a^2+b^2+c^2)\mathbf{E}_3=\mathbf{N}^2+\mathbf{E}_3</math> が成り立つので、最終的に :<math>\boldsymbol{r}'=(\mathbf{E}_3+\sin\phi\mathbf{N}+\mathrm{versin}\,\phi\mathbf{N}^2)\boldsymbol{r}</math> と二次の行列多項式で表示される。 なお、<math>\otimes</math>は発展節で紹介する'''テンソル積'''を表している。 ここで、行列<math>\mathbf{N}</math>についてより具体的に考えてみる。 先ず、<math>{}^t\!\mathbf{N}=-\mathbf{N}</math>が成り立つので<math>\mathbf{N}</math>は反対称行列(歪対称行列・交代行列)である。 <math>\mathbf{N}\boldsymbol{r}</math>を計算すると :<math>\mathbf{N}\boldsymbol{r}=\begin{pmatrix} 0 & -c & b \\ c & 0 & -a \\ -b & a & 0 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} r_1 \\ r_2 \\ r_3 \end{pmatrix}=\begin{pmatrix} br_3-cr_2 \\ cr_1-ar_3 \\ ar_2-br_1 \end{pmatrix}=\boldsymbol{e}\times\boldsymbol{r}</math> 則ち、<math>\mathbf{N}</math>は<math>\boldsymbol{e}</math>に関する外積(形式的には<math>\boldsymbol{e}\times</math>という左演算)を一次変換とみて表現行列に直したものである。 更に、成分計算により<math>\mathbf{N}^3=-\mathbf{N}</math>という性質が成り立つことも判る。外積を「ベクトルを90°回転させる演算」とみると、二回の演算によって180°回転するということなのでこの結果は妥当である。 ここで行列自然指数関数<math>\exp(\phi\mathbf{N})=\sum_{i=0}^\infty \frac{(\phi\mathbf{N})^i}{i!}</math>を考えてみると上の性質より三次以上の項は<math>\mathbf{N}^4=-\mathbf{N}^2, \mathbf{N}^5=\mathbf{N},\cdots</math>のように全て二次以下に帰着できる。<br> また、自然指数関数のテイラー展開は絶対収束級数なので各項は可換であり、<math>\mathbf{N}</math>の二次式として纏め直すと :<math>\exp(\phi\mathbf{N})=\mathbf{E}_3 + (\phi-\frac{\phi^3}{3!}+\frac{\phi^5}{5!}-\frac{\phi^7}{7!}+\cdots) \mathbf{N}+(\frac{\phi^2}{2!}-\frac{\phi^4}{4!}+\frac{\phi^6}{6!}-\frac{\phi^8}{8!}+\cdots)\mathbf{N}^2</math> ここで一次・二次の係数はそれぞれ正弦関数・正矢関数のテイラー展開になっているので結局は :<math>\exp(\phi\mathbf{N})=\mathbf{E}_3+\sin\phi\mathbf{N}+\mathrm{versin}\,\phi\mathbf{N}^2</math> ここから、<math>\exp(\phi\mathbf{N})</math>は角度<math>\phi</math>に関する有限回転に対応することが判った。 このことは以下の考え方でも求まる。<br> <math>\mathbf{N}</math>の最小方程式は<math>\mathbf{N}^3+\mathbf{N}=\mathbf{O}_3</math>より<math>x(x^2+1)=0</math>であり固有値は<math>0, \pm{i}</math>と求まるので、<math>\exp(\phi\mathbf{N})</math>の対角化行列は :<math>\begin{pmatrix} e^{0\phi} & 0 & 0 \\ 0 & e^{i\phi} & 0 \\ 0 & 0 & e^{-i\phi} \end{pmatrix}</math> ここで任意の解析関数<math>f</math>について<math>f(\mathbf{N})</math>のテイラー展開は二次以下の多項式になるので :<math>\exp(\phi\mathbf{N})=\alpha\mathbf{E}_3+\beta\mathbf{N}+\gamma\mathbf{N}^2</math> これを実多項式に戻した<math>\alpha+\beta{x}+\gamma{x^2}</math>が<math>e^{\phi{x}}</math>と任意の固有値で一致すればよい(二次補間)ので、 :<math>\begin{cases} e^0 = \alpha \\ e^{i\phi} = i\beta -\gamma \\ e^{-i\phi} = -i\beta-\gamma \end{cases}</math> :<math>\iff \begin{cases} 1 = \alpha \\ \cos\phi+i\sin\phi = (\alpha -\gamma) + i\beta \end{cases}</math> :<math>\therefore \begin{cases} \alpha=1 \\ \beta=\sin\phi \\ \gamma=1-\cos\phi=\mathrm{versin}\,\phi \end{cases}</math> 則ち、<math>\mathbf{N}^3=-\mathbf{N}</math>という構造は<math>\Psi_\mathbf{N}(x)=x(x^2+1)</math>という最小多項式に起因するということである。 更に[[表現論]]の観点から見ると、三次直交行列全体である回転群<math>SO(3)</math>に対し、<math>\mathbf{N}</math>は<math>SO(3)</math>の単位元に於ける接空間(三次反対称行列全体・則ちリー代数<math>\mathfrak{so}(3)</math>)の元であり、<math>\exp(\phi\mathbf{N})</math>はリー群<math>SO(3)</math>の元である。ここで行列自然指数関数は「リー代数からリー群へ引き戻す写像」なので'''指数写像'''と呼ばれる。 これが[[#フレネ標搆]]で述べた「直交変換の一次近似が反対称変換」という事実のより正確な表現である。 補足だが、力学で扱う[[w:オイラー角]]というものを導入するとロドリゲスの公式を各座標軸に関する回転の合成で表すこともできる。 ===種々の曲率=== 法曲率・主曲率・平均曲率・全曲率 ==直交曲線座標系== {{節stub}} ===円筒座標系=== 平面の座標系として直交座標の他に斜交座標、極座標(円座標)、重心座標などがあったように、空間の座標系も複数通り考えられる。 空間座標を3つの実数の組<math>(r, \theta, z)</math>で表した座標系を'''円筒座標系'''('''円柱座標系'''、cylindrical coordinate system)という。ただし、<math>r</math>は原点からの(符号付き)距離、<math>\theta</math>は基準面に於ける始線からの正の回転角、<math>z</math>は基準面からの高さである。 円筒座標系は、円座標系の<math>r\theta</math>平面に<math>z</math>軸方向の次元を加えた3次元空間の座標と考えられる。 そのため、円筒座標系と直交座標系の対応は以下のようになる。 :<math>\begin{cases} x=r\cos\theta \\ y=r\sin\theta \\ z=z \end{cases} \iff \begin{cases} r=\sqrt{x^2+y^2} \\ \theta = \arctan\frac{y}{x} \\ z=z \end{cases}</math> 但し、<math>r</math>は基準面の裏側では負とする。 直交座標の<math>z</math>軸を基に円筒座標系の座標軸を決定する。一般に座標軸は直線とは限らないので、「軸」ではなく「曲線」と呼ぶことにする('''座標線''')。なお、「曲線」という語は一般に「直線」を包含する。 :<math>r</math>曲線:<math>z</math>軸上の点を通り<math>z</math>軸に垂直な半直線。 :<math>\theta</math>曲線:<math>z</math>軸を法線とする平面内にあり、中心が<math>z</math>軸上にある円周。 :<math>z</math>曲線:<math>z</math>軸に平行な直線。 ここで、各曲線に沿った微小変化がどのように表されるか見ていく。 <math>\boldsymbol{f}: (r,\theta,z)\to(x,y,z)</math>とする。 <math>\boldsymbol{f}</math>全体の微小変化は全微分<math>d\boldsymbol{f}=\frac{\partial{(x,y,z)}}{\partial{(r,\theta,z)}} \begin{pmatrix} dr \\ d\theta \\ dz \end{pmatrix}</math>で表される。 上で求めた関係式より :<math>\boldsymbol{f}\begin{pmatrix} r \\ \theta \\ z\end{pmatrix}=\begin{pmatrix} x \\ y \\ z \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} r\cos\theta \\ r\sin\theta \\ z \end{pmatrix}</math> なので、 :<math>\frac{\partial{(x,y,z)}}{\partial{(r,\theta,z)}} = \begin{pmatrix} \frac{\partial}{\partial{r}}r\cos\theta & \frac{\partial}{\partial{\theta}}r\cos\theta & \frac{\partial}{\partial{z}}r\cos\theta \\ \frac{\partial}{\partial{r}}r\sin\theta & \frac{\partial}{\partial{\theta}}r\sin\theta & \frac{\partial}{\partial{z}}r\sin\theta \\ \frac{\partial}{\partial{r}}z & \frac{\partial}{\partial{\theta}}z & \frac{\partial}{\partial{z}}z \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} \cos\theta & -r\sin\theta & 0 \\ \sin\theta & r\cos\theta & 0 \\ 0 & 0 & 1 \end{pmatrix}</math> よって :<math>d\boldsymbol{f}=\begin{pmatrix} \cos\theta & -r\sin\theta & 0 \\ \sin\theta & r\cos\theta & 0 \\ 0 & 0 & 1 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} dr \\ d\theta \\ dz \end{pmatrix}=\begin{pmatrix} \cos\theta \\ \sin \theta \\ 0 \end{pmatrix}dr + \begin{pmatrix} -\sin\theta \\ \cos\theta \\ 0 \end{pmatrix}rd\theta + \begin{pmatrix} 0 \\ 0 \\ 1 \end{pmatrix}dz </math> 再右辺の各項を<math>d\vec{r}, d\vec{\theta}, d\vec{z}</math>と書くことにすると、<math>|d\vec{r}|, |d\vec{\theta}|, |d\vec{z}|</math>はそれぞれ<math>dr, rd\theta, dz</math>とわかる。<math>r, \theta, z</math>を物理量として捉えたとき<math>d\theta</math>の単位はラジアン(無次元量)であり、<math>rd\theta</math>の単位はメートル(長さの次元1)なので、次元の整合性が取れる。 纏めると以下のようになる。 {| class="wikitable" | ||style="text-align:center;"| <math>\boldsymbol{e}_x</math>成分 ||style="text-align:center;"| <math>\boldsymbol{e}_y</math>成分 ||style="text-align:center;"| <math>\boldsymbol{e}_z</math>成分 ||style="text-align:center;"| ノルム |- |style="text-align:center;"| <math>d\vec{r}</math> ||style="text-align:center;"| <math>\cos\theta dr</math> ||style="text-align:center;"| <math>\sin\theta dr</math> ||style="text-align:center;"| <math>0</math> ||style="text-align:center;"| <math>dr</math> |- |style="text-align:center;"| <math>d\vec{\theta}</math> ||style="text-align:center;"| <math>-r\sin\theta d\theta</math> ||style="text-align:center;"| <math>r\cos\theta d\theta</math> ||style="text-align:center;"| <math>0</math> ||style="text-align:center;"| <math>rd\theta</math> |- |style="text-align:center;"| <math>d\vec{z}</math> ||style="text-align:center;"| <math>0</math> ||style="text-align:center;"| <math>0</math> ||style="text-align:center;"| <math>1</math> ||style="text-align:center;"| <math>dz</math> |} ここで<math>d\vec{r}, d\vec{\theta}, d\vec{z}</math>は内積を取ればどの組も互いに直交することが容易にわかるので、この3つのベクトルは3次元ユークリッド空間の直交基底である。 そこで、それぞれのベクトルを正規化することで各軸曲線方向の基本ベクトルを得る。 :<math>\boldsymbol{e}_r = \frac{d\vec{r}}{dr} = \cos\theta \boldsymbol{e}_x + \sin\theta \boldsymbol{e}_y</math> :<math>\boldsymbol{e}_\theta = \frac{d\vec{\theta}}{rd\theta} = -\sin\theta\boldsymbol{e}_x+\cos\theta\boldsymbol{e}_y</math> :<math>\boldsymbol{e}_z=\frac{d\vec{z}}{dz}=\boldsymbol{e}_z</math> これを一次変換の形式で表すと :<math>\begin{pmatrix} \boldsymbol{e}_r \\ \boldsymbol{e}_\theta \\ \boldsymbol{e}_z \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} \cos\theta & \sin\theta & 0 \\ -\sin\theta & \cos\theta & 0 \\ 0 & 0 & 1 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} \boldsymbol{e}_x \\ \boldsymbol{e}_y \\ \boldsymbol{e}_z \end{pmatrix}</math> となる。 このときの表現行列を、座標系または基底ベクトルを変換することから'''座標変換行列'''又は'''基底変換行列'''という。場合によっては'''変換テンソル'''とも呼ぶ。 なお、この直交座標⇒円筒座標の座標変換行列は、<math>xyz</math>空間に於ける<math>z</math>軸まわりの回転行列に等しい。 逆基底変換はこの座標変換行列の逆行列を求めれば定式化できる。 回転行列は直交行列なので :<math>\begin{pmatrix} \cos\theta & \sin\theta & 0 \\ -\sin\theta & \cos\theta & 0 \\ 0 & 0 & 1 \end{pmatrix} ^{-1}= {}^t \! \begin{pmatrix} \cos\theta & \sin\theta & 0 \\ -\sin\theta & \cos\theta & 0 \\ 0 & 0 & 1 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} \cos\theta & -\sin\theta & 0 \\ \sin\theta & \cos\theta & 0 \\ 0 & 0 & 1 \end{pmatrix} </math> であり、 :<math>\begin{pmatrix} \boldsymbol{e}_x \\ \boldsymbol{e}_y \\ \boldsymbol{e}_z \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} \cos\theta & -\sin\theta & 0 \\ \sin\theta & \cos\theta & 0 \\ 0 & 0 & 1 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} \boldsymbol{e}_r \\ \boldsymbol{e}_\theta \\ \boldsymbol{e}_z \end{pmatrix}</math> 円筒座標系は、[[電磁気学]]の解析でよく使用される。 例えば、高校物理の公式<math>B(r)=\frac{\mu_0I}{\tau r}</math>は、円筒座標系を知っていれば「電流が<math>z</math>軸に平行であることから磁場は<math>z</math>方向に一葉且つ<math>\theta</math>方向に回転対称なので、<math>r</math>方向の項のみが寄与する」と理解される。 ===極座標系=== 高等学校までの地理で習ったように、球面上の位置は緯度<math>\theta</math>と経度<math>\phi</math>で定めることができる。 一般に三次元空間で球面上のある点の座標を定めるには、更に球の中心からの距離<math>r</math>が必要である。 このようにして定められる座標系を'''三次元極座標系'''(polar coordinate system in 3D)または'''球(面)座標系'''(spherical coordinate system)という。 xyz座標空間の点<math>\mathrm{P}(x, y, z)</math>の極座標表示を考える。 <math>r=|\overrightarrow{\mathrm{OP}}|=\sqrt{x^2+y^2+z^2}</math>は容易にわかる。 <math>\theta</math>は<math>z</math>軸からの'''天頂角'''(zenith angle)であり、<math>\overrightarrow{\mathrm{OP}}</math>の<math>z</math>軸への正射影ベクトルを<math>\overrightarrow{\mathrm{OH}}=\vec{h}</math>とすると<math>\tan\theta = \frac{|\vec{h}|}{z}</math>が成り立つ。<math>|\vec{h}|=\sqrt{x^2+y^2}</math>より、<math>\theta=\arctan \frac{\sqrt{x^2+y^2}}{z}</math>である。 <math>\phi</math>は<math>x</math>軸からの'''方位角'''(azimuth angle)であり、<math>\mathrm{P}</math>から<math>xy</math>平面に降ろした垂足<math>\mathrm{Q}</math>を考えると<math>\tan\phi=\frac{y}{x}</math>とわかる。よって、<math>\phi=\arctan\frac{y}{x}</math>である。 逆に、これを<math>\mathrm{P}(x, y, z)</math>に復元することを考える。 <math>\triangle\mathrm{OHP}</math>について<math>\angle\mathrm{HOP}=\theta</math>なので、<math>z=\overline{\mathrm{OH}}=r\cos\theta</math>。 また、<math>\triangle\mathrm{OPQ}</math>について<math>\angle\mathrm{OPQ}=\theta</math>なので、<math>\overline{\mathrm{OQ}}=r\sin\theta</math>。 よって<math>x=\overline{\mathrm{OQ}}\cos\phi=r\sin\theta\cos\phi, y=\overline{\mathrm{OQ}}\sin\phi=r\sin\theta\sin\phi</math>。 以上を纏めると、直交座標と球面座標の対応関係は :<math>\begin{cases} x=r\sin\theta\cos\phi \\ y=r\sin\theta\sin\phi \\ z=r\cos\theta \end{cases} \iff \begin{cases} r=\sqrt{x^2+y^2+z^2} \\ \theta=\arctan\frac{\sqrt{x^2+y^2}}{z} \\ \phi=\arctan\frac{y}{x} \end{cases}</math> 一般に緯度は<math>-90^\circ \leqq \theta \leqq 90^\circ</math>、経度は<math>-180^\circ \leqq \phi \leqq 180^\circ</math>の範囲で表される(但し、符号の違いは東⇔西、南⇔北の違いである)。同様に、球面座標の天頂角<math>\theta</math>、方位角<math>\phi</math>は<math>\theta \in [-\frac{\pi}{4}, \frac{\tau}{4}], \phi \in [-\frac{\tau}{2}, \frac{\tau}{2}]</math>で考える。赤道面より下側(すなわち南半球)では<math>\theta<0</math>とする。 直交座標の<math>z</math>軸を基に極座標系の座標線を決定する。 :<math>r</math>曲線:原点を通る半直線。 :<math>\theta</math>曲線:原点中心で<math>z</math>軸上の一点から出る半円弧。 :<math>\phi</math>曲線:<math>z</math>軸を法線とする平面内で<math>z</math>軸上に中心を持つ円周。 各曲線に沿った微小変化は円柱座標系の場合と同様、ベクトル場の全微分を用いて :<math>\begin{cases} d\vec{r}= \begin{pmatrix} \sin\theta\cos\phi \\ \sin\theta\sin\phi \\ \cos\theta \end{pmatrix} dr \\ d\vec{\theta}= \begin{pmatrix} \cos\theta\cos\phi \\ \cos\theta\sin\phi \\ -\sin\theta \end{pmatrix}rd\theta \\ d\vec{\phi} = \begin{pmatrix} -\sin\phi \\ \cos\phi \\ 0 \end{pmatrix} r\sin\theta d\phi \end{cases}</math> と求まる。 これらは(内積の結果から)互いに直交するので、円柱座標の場合と同様の議論により :<math>\begin{pmatrix} \sin\theta\cos\phi & \sin\theta\sin\phi & \cos\theta \\ \cos\theta\cos\phi & \cos\theta\sin\phi & -\sin\theta \\ -\sin\phi & \cos\phi & 0 \end{pmatrix}</math> と変換テンソルが求まる。 これも直交行列であるので、逆変換テンソルは :<math>\begin{pmatrix} \sin\theta\cos\phi & \cos\theta\cos\phi & \cos\phi \\ \sin\theta\sin\phi & \cos\theta\sin\phi & -\sin\phi \\ -\sin\theta & \cos\theta & 0 \end{pmatrix}</math> と求まる。 球面座標系は、[[古典力学]]の解析でよく使用される。 例えば、赤道平面における角運動量保存則は<math>mr^2\frac{d\phi}{dt}=\mathrm{const}.</math>と表示されるが、これは<math>z</math>軸方向の角運動量を球面座標系の演算により取り出したものである。 球面座標系は特に機械制御に応用されている。 円柱座標系・球面座標系ともに各基底ベクトルが互いに直交しているので、そのことを明示して(且つ通常の直交座標系と区別して)'''直交曲線座標系'''(orthogonal curvilinear coordinate system)と呼ぶ場合がある。以下で扱う座標系たちも直交曲線座標系である。 ===円環座標系=== ===双極座標系=== ===回転放物面座標系=== ===放物柱座標系=== ===回転楕円面座標系=== ===楕円柱座標系=== ===楕円体座標系=== ==空間微分== ===勾配=== ===発散=== ===回転=== ===ラプラシアン=== ==空間積分== ===線積分=== ===面積分=== ===体積分=== ===ガウスの発散定理=== ===ストークスの定理=== ===グリーンの定理=== ==発展事項== {{節stub}} {{Advanced|多様体論}} {{Advanced|微分幾何学}} {{Advanced|積分幾何学}} ===体積分再考=== 体積分は先程「<math>\mathbb{R}^3</math>上の閉立体<math>V</math>」上で考えたが、実はここには線積分・面積分との大きな非対称性がある。 線積分は「曲線」、面積分は「曲面」を積分領域としたが、先程定義した体積分の積分領域は「平坦な立体」なのである(二次元で例えば楕円領域<math>\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}\leq1</math>は境界こそ"曲線"だが空間そのものは<math>\mathbb{R}^2</math>という"平面"であることと同じ)。 1次元の曲がった空間である曲線<math>M^1:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(s)</math>が<math>\mathbb{R}^2</math>内、2次元の曲がった空間である曲面<math>M^2:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(s, t)</math>が<math>\mathbb{R}^3</math>内に存在するように、3次元の曲がった空間である曲立体<math>M^3:\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(s, t, u)</math>は<math>\mathbb{R}^4</math>内に存在すると考えるのが自然である。ここで一般に<math>M^n\subset\mathbb{R}^{n+1}</math>が成り立つと予想され、この関係を「<math>M^n</math>の<math>\mathbb{R}^{n+1}</math>への'''埋め込み'''」と呼ぶことにする。 線積分を<math>M^1</math>、面積分を<math>M^2</math>で定義したように、体積分を<math>M^3</math>で定義することを考える。 媒介変数空間<math>\begin{pmatrix} s \\ t \\ u \end{pmatrix} \in V \subset\mathbb{R^3}</math>上の微小変化を考えると全微分を用いて :<math>d\boldsymbol{r}=\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{s}}ds+\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}dt+\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}du</math> よって<math>V</math>上の微小立方体<math>dsdtdu</math>は3ベクトル<math>\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{s}}ds,\quad\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}}dt,\quad\frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}}du</math>の張る微小平行六面体へ移される。 体素はこの微小平行六面体の体積と考えられるが、<math>\boldsymbol{r}\in\mathbb{R}^4</math>より当然この3ベクトルは4項ベクトルなので、'''外積を含んでいるスカラー三重積は使えない'''。 全微分を一次変換表記すると :<math>d\boldsymbol{r}=\begin{pmatrix} \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{s}} & \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{t}} & \frac{\partial{\boldsymbol{r}}}{\partial{u}} \end{pmatrix} \begin{pmatrix} ds \\ dt \\ du \end{pmatrix}</math> :<math>=\begin{pmatrix} \frac{\partial{x}}{\partial{s}} & \frac{\partial{x}}{\partial{t}} & \frac{\partial{x}}{\partial{u}} \\ \frac{\partial{y}}{\partial{s}} & \frac{\partial{y}}{\partial{t}} & \frac{\partial{y}}{\partial{u}} \\ \frac{\partial{z}}{\partial{s}} & \frac{\partial{z}}{\partial{t}} & \frac{\partial{z}}{\partial{u}} \\ \frac{\partial{w}}{\partial{s}} & \frac{\partial{w}}{\partial{t}} & \frac{\partial{w}}{\partial{u}} \end{pmatrix} \begin{pmatrix} ds \\ dt \\ du \end{pmatrix}</math> :<math>=\frac{\partial{(x, y, z, w)}}{\partial{(s, t, u)}}\begin{pmatrix} ds \\ dt \\ du \end{pmatrix}</math> ここでヤコビ行列は<math>\frac{\partial{(x, y, z, w)}}{\partial{(s, t, u)}}\in\mathbb{R}^{4\times3}</math>であって'''正方行列でないので行列式も求まらない'''。 そこで、[[線型代数学続論/種々の行列#随伴行列|グラム行列]]を利用することを考える。 '''グラム行列は必ず半正定値行列'''なので行列式は非負であり、平方根をとれる。 そのため、<math>\mathbf{G}:=\left(\frac{\partial{(x, y, z, w)}}{\partial{(s, t, u)}}\right)^*\frac{\partial{(x, y, z, w)}}{\partial{(s, t, u)}}</math>として<math>\sqrt{\det\mathbf{G}}</math>を体積拡大率とする。 これは正方行列ならヤコビアンの絶対値に一致する。 {{NavTop|title=補足:体積拡大率に一致する証明}} :<math>\frac{\partial{(x, y, z, w)}}{\partial{(s, t, u)}}</math>の列ベクトルにグラム=シュミットの直交化法を適用すると[[線型代数学続論/行列分解|QR分解]]によって :<math>\frac{\partial{(x, y, z, w)}}{\partial{(s, t, u)}}=\mathbf{QR}\quad (\mathbf{Q}\in\mathbb{R}^{4\times3}, \mathbf{R}\in\mathbb{R}^{3\times3})</math> よって :<math>\mathbf{G}=(\mathbf{QR})^*\mathbf{QR}</math> :<math>=\mathbf{R}^*\mathbf{Q}^*\mathbf{Q}\mathbf{R}</math> :<math>=\mathbf{R}^*\mathbf{E}_3\mathbf{R}</math>(<math>\because\mathbf{Q}</math>は列ユニタリ行列) :<math>=\mathbf{R}^*\mathbf{R}</math> :<math>\therefore \sqrt{\det\mathbf{G}}=\sqrt{\det\left( \mathbf{R}^*\mathbf{R} \right)}=\sqrt{\left(\det\mathbf{R}\right)^2}=|\det\mathbf{R}|</math> <math>\mathbf{Q}</math>は列ユニタリ行列なのでその一次変換は等長変換であり、全微分による拡大率は<math>\mathbf{R}</math>による拡大率と一致する。<br/> 則ち、<math>\sqrt{\det\mathbf{G}}</math>を拡大率としてとれる。// {{NavBottom}} よって体積分は :<math>\iiint_{M^3} f(\boldsymbol{r})dM^3 = \iiint_{V} f(\boldsymbol{r}(s, t, u))\sqrt{\det\mathbf{G}}\,dsdtdu</math> ここから、適切な媒介変数表示が存在するならば<math>M^n</math>上での体積分の計算に<math>\mathbb{R}^{n+1}\setminus M^n</math>の情報は入ってこず、<math>M^n</math>の情報のみで計算されると予想される。 実際、<math>M^n</math>に適切な媒介変数表示<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(\boldsymbol{p})\quad(\boldsymbol{p}\in\mathbb{R}^n)</math>が存在するとき、全微分による一次変換の拡大率は同様にグラム行列式の平方根で与えられるので体積素は<math>dM^n = \sqrt{\det\mathbf{G}} \prod_{k=1}^{n}d\boldsymbol{p}_k</math>と書け、これは正しい。 実は、体素だけでなく一般に角度や長さといった幾何学的な量は埋め込み先である<math>\mathbb{R}^{n+1}</math>の情報を全く必要とせず、<math>M^n</math>の情報だけで構成できることが知られている。このことは微分幾何学のうち[[w:リーマン幾何学|リーマン幾何学]]と呼ばれる分野で詳しく扱われる。 ここまで<math>M^n</math>を適切な媒介変数<math>\boldsymbol{p}\in\mathbb{R}^n</math>で表すことを強調してきたが、媒介変数表示を考えるということは<math>M^n</math>から媒介変数空間<math>U\subset\mathbb{R}^n</math>への射影<math>\pi:M^n\to U</math>を考えるということである。 ここで、この<math>\pi</math>が全単射ならば逆向きの射影<math>\pi^{-1}:U\to M^n</math>が存在してそれが媒介変数表示<math>\boldsymbol{r}=\boldsymbol{r}(\boldsymbol{p})</math>となるわけであるが、これは以下のようにも捉えられる。 :<math>\pi</math>によって射影した平坦な空間で座標を設定すると、'''適切な逆変換<sup>※</sup>によって曲がった空間<math>M^n</math>上に(局所)座標系を与えることができる'''。 つまり、体積分を媒介変数空間に置換積分するということは、逆に体積分の元の表示が「<math>M^n</math>上の局所座標系に於ける積分」であることを示している。 ※この適切な逆変換が存在する条件は'''陰関数定理そのもの'''である。 ここで、適切な媒介変数表示が存在するよう<math>M^n</math>に制限を課したものが、以下で扱う'''多様体'''である。 ===多様体=== ===微分形式=== [[線型代数学続論/外積代数]]も参照。 ===リーマン計量=== ===テンソル解析=== [[線型代数学続論/テンソル代数]]も参照。 ===複素ベクトル解析=== [[複素解析学]]も参照。 {{DEFAULTSORT:へくとるかいせき}} [[Category:解析学]] [[Category:微分積分学]] [[Category:ベクトル解析|かいせきかくきそ]] cbk4hdb0iivmcgotczr6jla3jrxdk8y 高等学校日本史探究/新たな世紀の日本へⅣ 0 48934 304229 304139 2026-10-02T04:19:34Z Kwawe 68789 /* 新しい世界を目指して */ 2023年、新型コロナウイルス感染症は5類へ変更された。 304229 wikitext text/x-wiki [[小学校・中学校・高等学校の学習]]>[[高等学校の学習]]>[[高等学校地理歴史]]>[[高等学校日本史探究]]>新たな世紀の日本へⅣ 本節は国民生活文化史などについて詳しく記します。 == 新しい世界を目指して == ※当項目は時事的な要素が強いため毎年見直し更新があります。 20世紀後期から21世紀初期にかけて、日本社会は大きく変わりました。NPO(民間非営利組織)法人が増え、会社・役所だけでなく、市民も社会活動へ参加出来るようになりました。一方、少子高齢化と人口減少・家族の変化・働き方の変化・外国人の増加・情報通信技術の拡大・環境問題・エネルギー問題・自然災害・収入の差・生活の差・差別・海外の戦争・近隣諸国の対立などが日本の暮らしにかかわるようになりました。 冷戦終結後、軍隊用のインターネットが一般用に代わって、企業・家庭で一気に広がりました。また、半導体技術向上と通信機器の高性能化から情報通信環境を大きく変えました。1990年代、パーソナルコンピュータが一般家庭へ広がりました。パーソナルコンピュータ世帯普及率は1996年に20%、2006年に80%を超えました。インターネットの世帯利用率も2002年に80%を超えました。このように一般家庭へパーソナルコンピュータとインターネットが入ると、わざわざ図書館に行かなくても家庭内で必要な情報を探したり、遠くの相手とすぐに情報をやり取りしたり出来るようになりました。 大半の国民が携帯電話も同時期に持つようになりました。1987年、一般向け携帯電話が店に並び始めました。1990年代末以降、インターネットを携帯電話でも使えるようになり、若者を中心にインターネット利用者が増えました。2000年、携帯電話契約数が固定電話契約数を上回りました。高速・大容量通信の整備が2000年代に整えられ、文字・音楽・映像をインターネットで楽しめるようになりました。テレビでもデジタル化が進み、地上デジタルテレビ放送が始まりました。2011年、東日本大震災の一部被災地域を除いて、地上テレビ放送がアナログ放送からデジタル放送へ切り替わりました。 2000年代後半以降、スマートフォンは若者を中心に急速に広まり、2010年代から日常生活に欠かせない道具の1つになりました。スマートフォン1台で通話・通信・音楽・写真・動画・ゲームなどを出来るようになり、国民の日常生活が大きく変わりました。一方、新聞購読者を減らしました。情報発信の仕組みも新聞社・出版社・放送局などから国民のスマートフォンに変わり、文章・写真・映像をインターネット上に出して同じように届けられるようになりました。 コンピュータが1999年から2000年へ正しく切り替わらないまま、人間の暮らしを止めてしまうかもしれないと心配されました。そのため、世界各地でコンピュータのプログラムを点検して、必要な修正を進めました。その結果、2000年を迎えても、大規模な障害は発生しないまま終わりました。 SNS(ソーシャルネットワークサービス)は対人関係と会話の仕方を大きく変えました。ブログ・ツイッター・フェイスブック・ラインの拡大から新聞社・テレビ局などを通さなくても政治問題と社会問題について自分の意見を書いたり、類似思想者・類似共感者と繋がったり、社会活動の参加を呼びかけたり出来るようになりました。2023年、ツイッターは名前をXへ変えました。2017年以降、性暴力被害者・セクシャルハラスメント被害者の「#MeToo」運動が各地へ広がりました。類似被害者がお互いの投稿を知って性暴力被害・セクシャルハラスメント被害を同じように訴えました。しかし、誹謗中傷・偽情報・誤情報・個人情報流出・著作権・情報利用の格差なども問題になりました。2022年、侮辱罪の法定刑が重くなり、発信者情報の開示制度も整いました。2025年、情報流通プラットフォーム対処法が始まり、権利侵害情報への対応と運用の透明化も求められました。 人間が細かく文章・画像を最初から作らなくても、コンピュータへ指示をしたら文章・画像・映像などを勝手に作ってくれます(生成AI)。この生成AIは2020年代から瞬く間に広がり、各分野[労働・教育・行政など]で使われるようになりました。しかし、生成文章と生成画像の著作権・情報の信頼性・人間の創作活動との関係が新たな問題になりました。そのため、AI生成情報をそのまま鵜吞みにしないで他の一次資料と比べて本当に正しいのかを判断出来るかもこれまで以上に大切になりました。2025年、人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律(AI法)が成立しました。政府はAIの研究や利用を進めつつ偽情報の拡大問題・著作権問題にも対応しました。また、生成AIを取り入れて行政の仕事を進めやすくしようとしました。 2020年の新型コロナウイルス感染症拡大から人間は新型コロナウイルスに感染しないように、人間同士の距離を約2m開けました(ソーシャルディスタンス)。学校側は分散登校を進め、教室でも席を離しました。また、緊急事態宣言で生徒が学校へ行けなくても、オンライン形式で先生の授業を行いました。会社でもテレワーク・オンライン会議が広がりました。文化・芸術分野でも映像配信が使われるようになりました。2023年、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の扱いが5類感染症へ下げられ、人間生活も少しずつ以前のように戻りました。なお、現在もオンライン授業・オンライン会議の一部は使われ続けています。グローバル化は新しい感染症をどうしても短期間で海外に広げてしまいます。 [[ファイル:Sustainable_Development_Goals.png|サムネイル|306x306ピクセル|17の持続可能な開発目標の一覧]] == 平成時代・令和時代の文化史・科学史 == ※当項目は時事的な要素が強いため毎年見直し更新があります。 == 資料出所 == * 平雅行、横田冬彦ほか編著『日本史探究』実教出版株式会社 2023年 * 佐藤信、五味文彦ほか編著『詳説日本史探究』株式会社山川出版社 2023年 * 高埜利彦、高村直助ほか編著『日本史A 改訂版』株式会社山川出版社 2016年 * 渡邊晃宏ほか編著『日本史探究』東京書籍株式会社 2023年 * 伊藤純郎ほか編著『高等学校日本史探究』株式会社清水書院 2023年 * 大橋幸泰ほか編著『高等学校日本史探究』株式会社第一学習社 2023年 * 山中裕典著'''『'''改訂版 大学入学共通テスト 歴史総合、日本史探究の点数が面白いほどとれる本'''』'''株式会社KADOKAWA 2024年 * 佐藤信、五味文彦ほか編著『詳説日本史研究』株式会社山川出版社 2017年 * 河合敦著『世界一わかりやすい河合敦の日本史B[近・現代]の特別講座』株式会社KADOKAWA 2014年(絶版本) * 全国歴史教育研究協議会編『[新課程版]日本史用語集』株式会社山川出版社 2023年 * 外園豊基編集代表『最新日本史図表』株式会社第一学習社 2026年 * 東京法令出版編著『歴史資料館 日本史のライブラリー』東京法令出版株式会社 2026年 * 各種新聞等資料・各種政府公式白書 babsoembstlwk138efekcmpmdwnalof 304230 304229 2026-10-02T04:20:41Z Kwawe 68789 /* 新しい世界を目指して */ 1998年以降、韓国は日本文化制限を解放した。 304230 wikitext text/x-wiki [[小学校・中学校・高等学校の学習]]>[[高等学校の学習]]>[[高等学校地理歴史]]>[[高等学校日本史探究]]>新たな世紀の日本へⅣ 本節は国民生活文化史などについて詳しく記します。 == 新しい世界を目指して == ※当項目は時事的な要素が強いため毎年見直し更新があります。 20世紀後期から21世紀初期にかけて、日本社会は大きく変わりました。NPO(民間非営利組織)法人が増え、会社・役所だけでなく、市民も社会活動へ参加出来るようになりました。一方、少子高齢化と人口減少・家族の変化・働き方の変化・外国人の増加・情報通信技術の拡大・環境問題・エネルギー問題・自然災害・収入の差・生活の差・差別・海外の戦争・近隣諸国の対立などが日本の暮らしにかかわるようになりました。 冷戦終結後、軍隊用のインターネットが一般用に代わって、企業・家庭で一気に広がりました。また、半導体技術向上と通信機器の高性能化から情報通信環境を大きく変えました。1990年代、パーソナルコンピュータが一般家庭へ広がりました。パーソナルコンピュータ世帯普及率は1996年に20%、2006年に80%を超えました。インターネットの世帯利用率も2002年に80%を超えました。このように一般家庭へパーソナルコンピュータとインターネットが入ると、わざわざ図書館に行かなくても家庭内で必要な情報を探したり、遠くの相手とすぐに情報をやり取りしたり出来るようになりました。 大半の国民が携帯電話も同時期に持つようになりました。1987年、一般向け携帯電話が店に並び始めました。1990年代末以降、インターネットを携帯電話でも使えるようになり、若者を中心にインターネット利用者が増えました。2000年、携帯電話契約数が固定電話契約数を上回りました。高速・大容量通信の整備が2000年代に整えられ、文字・音楽・映像をインターネットで楽しめるようになりました。テレビでもデジタル化が進み、地上デジタルテレビ放送が始まりました。2011年、東日本大震災の一部被災地域を除いて、地上テレビ放送がアナログ放送からデジタル放送へ切り替わりました。 2000年代後半以降、スマートフォンは若者を中心に急速に広まり、2010年代から日常生活に欠かせない道具の1つになりました。スマートフォン1台で通話・通信・音楽・写真・動画・ゲームなどを出来るようになり、国民の日常生活が大きく変わりました。一方、新聞購読者を減らしました。情報発信の仕組みも新聞社・出版社・放送局などから国民のスマートフォンに変わり、文章・写真・映像をインターネット上に出して同じように届けられるようになりました。 コンピュータが1999年から2000年へ正しく切り替わらないまま、人間の暮らしを止めてしまうかもしれないと心配されました。そのため、世界各地でコンピュータのプログラムを点検して、必要な修正を進めました。その結果、2000年を迎えても、大規模な障害は発生しないまま終わりました。 SNS(ソーシャルネットワークサービス)は対人関係と会話の仕方を大きく変えました。ブログ・ツイッター・フェイスブック・ラインの拡大から新聞社・テレビ局などを通さなくても政治問題と社会問題について自分の意見を書いたり、類似思想者・類似共感者と繋がったり、社会活動の参加を呼びかけたり出来るようになりました。2023年、ツイッターは名前をXへ変えました。2017年以降、性暴力被害者・セクシャルハラスメント被害者の「#MeToo」運動が各地へ広がりました。類似被害者がお互いの投稿を知って性暴力被害・セクシャルハラスメント被害を同じように訴えました。しかし、誹謗中傷・偽情報・誤情報・個人情報流出・著作権・情報利用の格差なども問題になりました。2022年、侮辱罪の法定刑が重くなり、発信者情報の開示制度も整いました。2025年、情報流通プラットフォーム対処法が始まり、権利侵害情報への対応と運用の透明化も求められました。 人間が細かく文章・画像を最初から作らなくても、コンピュータへ指示をしたら文章・画像・映像などを勝手に作ってくれます(生成AI)。この生成AIは2020年代から瞬く間に広がり、各分野[労働・教育・行政など]で使われるようになりました。しかし、生成文章と生成画像の著作権・情報の信頼性・人間の創作活動との関係が新たな問題になりました。そのため、AI生成情報をそのまま鵜吞みにしないで他の一次資料と比べて本当に正しいのかを判断出来るかもこれまで以上に大切になりました。2025年、人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律(AI法)が成立しました。政府はAIの研究や利用を進めつつ偽情報の拡大問題・著作権問題にも対応しました。また、生成AIを取り入れて行政の仕事を進めやすくしようとしました。 2020年の新型コロナウイルス感染症拡大から人間は新型コロナウイルスに感染しないように、人間同士の距離を約2m開けました(ソーシャルディスタンス)。学校側は分散登校を進め、教室でも席を離しました。また、緊急事態宣言で生徒が学校へ行けなくても、オンライン形式で先生の授業を行いました。会社でもテレワーク・オンライン会議が広がりました。文化・芸術分野でも映像配信が使われるようになりました。2023年、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の扱いが5類感染症へ下げられ、人間生活も少しずつ以前のように戻りました。なお、現在もオンライン授業・オンライン会議の一部は使われ続けています。グローバル化は新しい感染症をどうしても短期間で海外に広げてしまいます。 情報通信環境と国際関係の変化から海外文化[テレビ番組・ファッション・食文化など]を日本で楽しめたり、国内文化[テレビ番組・ゲーム・アニメ・漫画・ファッション・食文化など]を海外でも楽しめたり出来るようになりました。国内文化は海外で広く受け入れられるようになりました。日本政府と韓国政府が1998年に日韓共同宣言を結ぶと、日本文化の韓国国内公開制限を少しずつ解除しました。一方、日本でも東アジア地域の音楽・ドラマ・ファッションが流行しました。歴史問題と外交問題を背景に両国間対立していても、一般国民は他国の音楽・映像作品・食文化などに親しみました。さらに日本の漫画・アニメーション・ゲームなどはインターネットの普及と動画配信サービスの拡大とも深く結びついており、作品の販売・配信などを通じて日本産業とも深く結びつくようになりました。 [[ファイル:Sustainable_Development_Goals.png|サムネイル|306x306ピクセル|17の持続可能な開発目標の一覧]] == 平成時代・令和時代の文化史・科学史 == ※当項目は時事的な要素が強いため毎年見直し更新があります。 == 資料出所 == * 平雅行、横田冬彦ほか編著『日本史探究』実教出版株式会社 2023年 * 佐藤信、五味文彦ほか編著『詳説日本史探究』株式会社山川出版社 2023年 * 高埜利彦、高村直助ほか編著『日本史A 改訂版』株式会社山川出版社 2016年 * 渡邊晃宏ほか編著『日本史探究』東京書籍株式会社 2023年 * 伊藤純郎ほか編著『高等学校日本史探究』株式会社清水書院 2023年 * 大橋幸泰ほか編著『高等学校日本史探究』株式会社第一学習社 2023年 * 山中裕典著'''『'''改訂版 大学入学共通テスト 歴史総合、日本史探究の点数が面白いほどとれる本'''』'''株式会社KADOKAWA 2024年 * 佐藤信、五味文彦ほか編著『詳説日本史研究』株式会社山川出版社 2017年 * 河合敦著『世界一わかりやすい河合敦の日本史B[近・現代]の特別講座』株式会社KADOKAWA 2014年(絶版本) * 全国歴史教育研究協議会編『[新課程版]日本史用語集』株式会社山川出版社 2023年 * 外園豊基編集代表『最新日本史図表』株式会社第一学習社 2026年 * 東京法令出版編著『歴史資料館 日本史のライブラリー』東京法令出版株式会社 2026年 * 各種新聞等資料・各種政府公式白書 h4bnegkpylrjpae9h0tpu2weby0m8zd