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松尾芭蕉
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[[ファイル:Basho by Morikawa Kyoriku (1656-1715).jpg|代替文=森川許六『奥の細道行脚之図』に描かれた松尾芭蕉(左)と曽良(右)。|サムネイル|松尾芭蕉(左)と曽良(右)。森川許六『奥の細道行脚之図』による。]]
[[w:松尾芭蕉|'''松尾芭蕉''']](まつお ばしょう、寛永21年(1644年) - 元禄7年(1694年))は、江戸時代の俳人。自筆署名では「はせを」と表記する。別号に'''桃青'''、'''風羅坊'''。俳聖と称される。
==引用==
=== [[w:奥の細道|おくのほそ道]] ===
{{Wikisource|おくのほそ道}}
<!-- {{Mapframe|35.356222|136.611833|zoom=12}} -->
*月日は百代の過客にして行きかふひともまた旅人也。舟の上に生涯をうかべ、馬の口とらえて老をむかふる物は、日々旅にして旅を栖とす。古人も多く旅に死せるあり。予もいづれの年よりか、片雲の風にさそはれて、漂泊の思ひやまず、海浜にさすらへ、去年の秋江上の破屋に蜘の古巣をはらひて、やゝ年も暮、春立る霞の空に白川の関こえんと、そゞろ神の物につきて心をくるはせ、道祖神のまねきにあひて、取もの手につかず。もゝ引の破をつゞり、笠の緒付かえて、三里に灸すゆるより、松島の月先心にかゝりて、住る方は人に譲り、杉風が別墅に移るに、
*::草の戸も住み替はる代(よ)ぞひなの家
*:面八句を庵の柱に懸置。
**冒頭の辞。
*[[松島]]は笑ふが如く、[[w:象潟|象潟]]はうらむがごとし。寂しさに悲しみをくはえて、地勢魂をなやますに似たり。
::象潟や雨に[[w:西施|西施]]がねぶの花
*曾良は腹を病て、[[伊勢]]の國長嶋と云所にゆかりあれば、先立て行に、
*::行き行きてたふれ伏とも[[萩]]の原 [[曾良]]
*:と書置たり。行ものゝ悲しみ、残るものゝうらみ、隻鳧のわかれて[[雲]]にまよふがごとし。予も又、
*::今日よりや書付消さん笠の[[露]]
*長月六日になれば、[[伊勢]]の遷宮おがまんと、又舟にのりて、
*::[[蛤]]のふたみにわかれ行秋ぞ
====発句====
*あかあかと日はつれなくも秋の風
*荒海や[[佐渡]]によこたふ[[天の川|天河]]
*あらたふと[[青葉]]若葉の[[日光|日の光]]
*石山の石より白し秋の風
*一家に遊女も寢たり萩と[[月]]
*[[雲]]の峰幾つ崩て[[月]]の山
*[[五月雨]]をあつめて早し[[最上川]](もがみがは)
*象潟や雨に西施がねぶの花
*草の戸も住み替わる代ぞ雛の家
*五月雨の降り残してや光堂
*山中や[[菊]]はたおらぬ湯の匂
*閑さや[[岩]]にしみ入[[蝉]]の聲
*[[啄木]]も庵はやぶらず夏木立
*[[田]]一枚植て立去る[[柳]]かな
*塚も動け我泣声は秋の風
*夏草や兵(つはもの)どもが[[夢]]のあと
*蚤しらみ馬の尿する枕元
*むざんやな甲の下の[[きりぎりす]]
*行く春や鳥啼き(なき)魚の目は泪
*わせの香や分入右は有磯海
=== 『笈日記』 ===
*秋深き隣は何をする人ぞ
*[[菊]]の香や[[奈良]]には古き[[仏]]たち
*[[旅]]に病んで[[夢]]は枯野をかけ廻る
::[[辞世の句]]。
=== 『野ざらし紀行』 ===
{{Wikisource|野ざらし紀行|野ざらし紀行}}
*草の枕に寝あきて、まだほの暗きうちに浜のかたに出て、
:[[曙|明ぼの]]や[[白魚]]白きこと一寸
*海暮れて[[鴨]]の声ほのかに白し
*狂句木枯の身は竹斎に似たる哉
*野ざらしを心に風のしむ身かな
*道のべの[[木槿]]は[[馬]]に食はれけり
*奈良に出(いづ)る道のほど
:春なれや名もなき山の薄霞
*水取りや氷の僧の沓の音
*大津に至る道、山路を越えて
:山路来て何やらゆかし[[すみれ]]草
:*初案は「何とはなしに何やら床し菫草」。三月二十七日、熱田白鳥山法持寺参詣の折、芭蕉、叩端、桐葉を連衆とする三吟歌仙の発句。これを改案して、逢坂山超えの句とした。
*辛崎の松は花より朧にて
*手に取らば消えん涙ぞ熱き秋の霜
*山路来て何やらゆかしすみれ草
=== 『笈の小文』 ===
*百骸九竅の中に物有。かりに名付て風羅坊といふ。誠にうすもののかぜに破れやすからん事をいふにやあらむ。かれ狂句を好むこと久し。終に生涯のはかりごととなす。
*[[西行]]の和歌における、宗祇の連歌における、雪舟の絵における、[[千利休|利休]]が[[茶]]における、其貫道する物は一なり。
*風雅におけるもの、造化にしたがひて四時を友とす。見る処花にあらずといふ事なし。おもふ処月にあらずといふ事なし。像花にあらざる時は夷狄にひとし。心花にあらざる時は鳥獣に類す。夷狄を出、鳥獣を離れて、造化にしたがひ、造化にかへれとなり。
*そもそも道の日記といふものは、[[紀貫之|紀氏]]、[[鴨長明|長明]]、[[阿仏尼|阿仏の尼]]の、文をふるひ情を尽してより、余は皆俤似かよひて、其糟粕を改る事あたはず。まして浅智短才の筆に及べくもあらず。其日は雨降昼より晴て、そこに松あり、かしこに何と云川流れたりなどいふ事、たれたれもいふべく覚侍れども、黄奇蘇新のたぐひにあらずば云事なかれ。
**長明への言及は当時鴨長明作と信じられた『[[w:海道記|海道記]]』を念頭におく。黄奇蘇新は、[[黄山谷]]の詩の奇抜さ、[[蘇東坡]]の詩の斬新さの意。
*かかるところの秋なりけりとかや、此浦の実は秋を宗とするなるべし。悲しさ淋しさいはんかたなく、秋なりせばいささか心のはしをも、云出べきものをとおもふぞ、我心匠の拙きをしらぬに似たり。淡路島手にとるやうに見えて、須磨明石の海右左にわかる。呉楚東南のながめも斯る処にや。物しれる人の見侍らば、さまざまのさかひにも思ひなぞらふるべし。又うしろの方に山を隔てて、田井の畑と云処、松風村雨のふるさとといへり。尾上つづき丹波路へかよふ道あり。鉢伏のぞき、逆落など、おそろしき名のみ残て、鐘掛松より見下に、一の谷内裏やしき目の下に見ゆ。其代のみだれ、其時のさわぎ、さながら心にうかび、俤につどひて、二位の尼君皇子をいだきたてまつり、女院の御裳に御足もたれ、船屋形にまろび入らせ給ふみありさま、内侍局女嬬曹子のたぐひ、さまざまの御調度もてあつかひ、琵琶琴なんどしとね蒲団にくるみて、船中になげ入、供御はこぼれてうろくづの餌となり、櫛笥はみだれて、海士の捨草となりつつ、千歳のかなしび、此浦にとどまり、素波の音にさへ愁おほく侍るぞや。
*:結語。須磨浦での記。「かかるところの秋」は[[源氏物語]]「須磨」巻よりの引用。松風村雨は中世伝承、能曲『[[w:松風 (能)|松風]]』の元となった。後半は『平家物語』を念頭におくか。
====発句・連句====
*旅人と我名よばれん初しぐれ
*:また山茶花を宿やどにして
*鷹一つ見付てうれしいらこ崎とり
*若葉して御めの雫ぬぐはゞや
*蛸壺やはかなき夢を夏の月
===『猿蓑』 ===
*憂き我をさびしがらせよ[[カッコウ|閑古鳥]]
*梅[[若菜]]丸子の宿のとろろ汁
*蛸壺やはかなき夢を夏の月
*初しぐれ猿も小蓑を欲しげなり
*行く春を[[近江]]の人と惜しみける
*病雁の夜寒に落ちて旅寝かな
=== 『続虚栗』 ===
*花の雲鐘は[[上野]]か[[浅草]]か
*旅人と我が名呼ばれん初時雨
*よく見れば薺花咲く垣根かな
=== 『曠野』 ===
*[[父]][[母]]のしきりに恋し[[雉子]]の声
*おもしろうてやがて悲しき[[鵜]]舟かな
==== その他 ====
*[[梅]]が香にのつと[[日]]の出る山路かな
*:『炭俵』より
*古人の跡を求めず、古人の求めたるところを求めよ。
*:『許六離別詞』より
*塩[[鯛]]の歯ぐきも寒し魚の店
*:『薦獅子』より
*静にみれば物皆自得す
*:『蓑蟲説跋』より
*::中国の言葉「萬物靜觀皆自得」からの引用
*鷹一つ見付けてうれし伊良湖崎。
*奈良七重七道伽藍八重桜
*:『泊船集』より
*[[芭蕉]][[野分]]して盥に[[雨]]を聞く[[夜]]かな
*:『武蔵曲』より
*古池や[[蛙]]飛込む水の[[音]]
*:『春の日』より
*名月や池をめぐりて夜もすがら
*:『孤松』より
*物いへば唇さむし秋の風
*:『芭蕉庵小文庫』より
*數ならぬ身となおもひそ玉祭り
*:『有磯海』より
*予が風雅は夏炉冬扇のごとし。
*:『柴門辞』より
*[[みのむし]]の音をききにこよ草の庵
==帰せられるもの==
*いらご崎似るものもなし[[鷹]]の声
*ほろほろと[[山吹]]散るか[[滝]]の音
=== 芭蕉に過って帰せられるもの===
*松島や ああ松島や 松島や
*:しばしば芭蕉のものとされるが、芭蕉は「いづれの人か筆をふるひ詞(ことば)を尽くさむ」と松島では句を残さず、これは江戸時代後期の狂歌師、田原坊の作とされる。
==外部サイト==
*[http://www.ese.yamanashi.ac.jp/~itoyo/basho/haikusyu/Default.htm 芭蕉俳句全集]
[[Category:俳人|ま 松尾芭蕉]]
[[Category:日本人|ま 松尾芭蕉]]
[[Category:1640年代生|ま 松尾芭蕉]]
[[Category:1690年代没|ま 松尾芭蕉]]
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